委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 青木 英太君 |
副委員長 | 内山 真吾君 |
理事 | 上田 令子君 |
理事 | 菅野 弘一君 |
遠藤ちひろ君 | |
細田いさむ君 | |
藤田りょうこ君 | |
福島りえこ君 | |
三宅 正彦君 | |
谷村 孝彦君 | |
西崎つばさ君 |
欠席委員 二名
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 早川 剛生君 |
次長 | 松田 健次君 | |
管理部長 | 住野 英進君 | |
事業部長 | 大谷 俊也君 | |
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 東山 正行君 | |
市場政策担当部長 | 石井 浩二君 | |
財政調整担当部長 | 高橋 葉夏君 | |
環境改善担当部長 | 中井 宏君 | |
港湾局 | 局長 | 松川 桂子君 |
技監 | 村田 拓也君 | |
総務部長 | 戸谷 泰之君 | |
企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 石井 均君 | |
調整担当部長 | 千田 敏君 | |
港湾経営部長 | 野平雄一郎君 | |
港湾振興担当部長 | 三浦 知君 | |
臨海開発部長 | 若林 憲君 | |
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 | 水飼 和典君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 大野 克明君 | |
港湾整備部長 | 佐藤 賢治君 | |
計画調整担当部長 | 山本 康太君 | |
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 | 儀間 潔君 | |
離島港湾部長 | 福永 太平君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 渡邊 正也君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十二号議案 令和七年度東京都と場会計予算
・第二十号議案 令和七年度東京都中央卸売市場会計予算
報告事項(説明・質疑)
・旧築地市場(六)仮設搬出入路及び荷揚桟橋上部工撤去工事
港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十二号議案 令和七年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 令和七年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第百四号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第百五号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・「Tokyo Container Vision 二〇五〇」の策定について
・伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画の改定について
○小林委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び港湾局関係の予算の調査、港湾局関係の付託議案の審査並びに中央卸売市場及び港湾局関係の報告事項の聴取を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○住野管理部長 工事請負契約についてご報告申し上げます。
本日ご報告いたします契約は一件で、旧築地市場について、仮設搬出入路及び荷揚桟橋の上部工撤去工事を行うための契約でございます。
恐れ入りますが、お手元の資料の一ページをご覧ください。
旧築地市場(六)仮設搬出入路及び荷揚桟橋上部工撤去工事でございます。
契約の相手方はあおみ・海洋建設共同企業体、契約金額は十三億二千百八十八万一千円、契約確定日は令和七年三月十一日、工期は契約確定の日の翌日から令和九年二月二十六日まででございます。
その他、契約の方法、入札者数等については記載のとおりでございます。
次の二ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
以上、簡単ではございますが、工事請負契約についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。
○小林委員長 報告は終わりました。
本件に関する質疑は、次に行います予算の調査と併せて行いますので、ご了承願います。
○小林委員長 これより予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第十二号議案、第二十号議案及び報告事項、旧築地市場(六)仮設搬出入路及び荷揚桟橋上部工撤去工事を一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○住野管理部長 去る二月十四日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元の経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
資料は全部で七項目ございます。
恐れ入りますが、一ページをご覧ください。1、市場別・月別取扱数量及び取扱金額の推移(令和六年水産物・青果物)についてでございます。
一年間の取扱数量及び取扱金額につきまして、市場別、月別に、一ページから三ページにかけまして、それぞれ記載してございます。
四ページをご覧ください。2、豊洲市場開場後の地下水管理システム維持管理経費の推移についてでございます。
地下水管理システム維持管理経費につきましては、豊洲市場開場後から令和七年度までの推移をお示ししてございます。
五ページをご覧ください。3、中央卸売市場の主な工事一覧(令和六年度完了案件及び令和六年度契約済令和七年度完了予定案件)についてでございます。
中央卸売市場の主な工事のうち、令和六年度に完了または完了を予定している工事及び令和六年度に契約し、令和七年度に完了を予定している工事につきまして、工事件名と概要を市場別に記載してございます。
八ページをご覧ください。4、と場会計の一般会計繰入金の推移(過去十年間)についてでございます。
過去十年間のと場会計の一般会計繰入金の推移をお示ししてございます。
九ページをご覧ください。5、市場事業収益の推移(過去十年間)についてでございます。
過去十年間の市場事業収益の推移をお示ししてございます。
一〇ページをご覧ください。6、損益勘定留保資金等による補填額推移(過去十年間)についてでございます。
過去十年間の損益勘定留保資金等による補填額の推移をお示ししてございます。
一一ページをご覧ください。7、旧築地市場跡地に係る埋蔵文化財本掘調査のこれまでの取組・状況、支出内訳についてでございます。
旧築地市場跡地に係る埋蔵文化財本掘調査のこれまでの取組、状況及び支出内訳といたしまして、出土遺物等及び支出額を年度別に記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○青木委員 初めに、令和七年度予算案の全体像について確認させていただきます。
卸売市場を取り巻く環境は、インバウンドの需要等をはじめ、社会経済活動に回復の兆しが見える一方で、人口減少や流通チャネルの多元化等による生鮮品等流通環境の変化、足元では物価高騰や物流問題の対応が求められるなど、厳しい状況が続いております。
こうした中、生鮮品等流通の基幹インフラとしての機能を果たしていくためには、中央卸売市場経営計画に掲げる内容を着実に実施することが重要であり、来年度の予算執行においてスピード感を持って取組を推進することが求められております。
そこで、令和七年度中央卸売市場会計及びと場会計の予算編成の考え方について伺います。
○住野管理部長 令和七年度中央卸売市場会計につきましては、経営計画に掲げる取組を着実かつ確実に進めることはもとより、流通における輸送力不足や人材確保の困難など、市場を取り巻く環境が変化する中にあっても、生鮮品等流通の基幹的なインフラとしての役割を果たしていくための取組を推進する考え方に基づき、予算編成を行ったものでございます。
具体的には、現下の環境変化に対しまして、市場業者の意欲ある取組を後押しするため、一層の実行力向上を図りながら、経営強靱化推進事業を実施するとともに、市場の物流効率化に向けて、専門家による市場業者への情報発信や個別相談を行う市場物流効率化推進事業を実施するなど、市場取引の活性化に向けた取組を強化してまいります。
また、老朽化が進む市場施設につきましては、計画的な維持更新を適切に実施するとともに、個々の市場の特徴などを生かしました機能強化を図ってまいります。
令和七年度と場会計につきましては、芝浦と場を適切かつ安定的に運営し、必要な施設整備等を着実に進めていく考え方に基づきまして予算編成を行ったものでございます。
具体的には、と場施設の衛生対策や作業環境改善に必要な施設改修工事等を推進してまいります。
○青木委員 令和七年度予算を、市場を取り巻く環境変化に対応しながら、経営計画の取組を着実かつ確実に進めていくための予算として位置づけ、市場業者の支援や、市場施設の改修や機能強化により一層取り組んでいくとの基本的な考え方を確認いたしました。
次に、市場取引の基盤となる市場施設の整備と施設の安定的な運営に向けた取組について確認させていただきます。
豊洲市場以外の市場では、開設から相当の年数が経過しておりまして、施設の老朽化が進んでおります。
都は、令和四年度から令和五年度の二か年にかけて劣化度調査を実施しており、調査結果等を活用した施設の維持更新計画の策定に向け、検討しているとのことであります。
そこで、市場施設の維持更新計画の策定に向け、劣化度調査の結果を受けた令和六年度の取組について伺います。
○中井環境改善担当部長 都は今年度、全市場において、既存の主要建物の機能回復などを目的とし、維持更新計画策定に向けた検討作業を実施しております。
具体的には、建物躯体のコンクリート強度等が確認された建物は、長寿命化を基本とし、建物の外壁や屋上防水、受変電設備、給排水衛生など、おのおのの重要な部位ごとに改修履歴やライフサイクル、劣化状況を考慮いたしまして、必要となる更新時期や更新手法を取りまとめました。
また、機能強化や衛生対策、是正等の整備計画が既に進められている市場の建物につきましては、改築や改修等の維持更新手法を取りまとめました。
○青木委員 市場業者の方々が安心して取引できるような環境を着実に進めていただければと思います。
次に、各市場で進められている施設整備の取組について伺います。
最初に、食肉市場について伺います。
食肉市場は、全国最大規模の市場としての食肉の安定供給や、全国の取引価格の基準となる建値を形成するなど、食肉流通の中核的拠点としての役割を果たしている認識です。
一方で、老朽化対策が急務であるほか、建築時からの法令改正等により、現行法の基準を満たしていない施設の法適合や品質管理の一層の高度化が求められるなど、外部環境、そして内部環境の変化に伴う課題への対応が現在求められています。
そこで、食肉市場の計画的な維持更新についての取組状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 食肉市場は、築五十年が経過する建物が存在するなど老朽化対策が急務であり、また、改修に当たり、現行の建築関係の法令への適合を図る必要がありますことから、現在、都は、市場業者と共に計画的な維持更新について検討を進めております。
検討に当たりましては、輸出拡大などに向けた品質衛生管理の一層の高度化が求められるなど、食肉市場を取り巻く環境を踏まえ、施設整備に向けた各課題について業界と意見交換を行い、コンセプトや必要な機能、ゾーニングなどを整理した上で、今年度中に基本構想として取りまとめる予定でございます。
○青木委員 老朽化が進んでいる食肉市場における計画的な維持更新については、市場業者の方々にとっては長年待ち望んだものであります。
ぜひスピード感を持って、今後の食肉市場の方向性を示していくことが大変重要だと思っております。
次に、基本構想を踏まえ、来年度はどのような検討を行っていくのか、その予定について伺います。
○石井市場政策担当部長 都は来年度、今年度に策定予定の基本構想に基づき、引き続き市場業者と意見交換を行い、ソフト、ハード両面にわたり、その具体化を図る基本計画を策定する予定でございます。
そのため、輸出に当たってのマーケットやリスク等についての整理や、参考となる他施設等へのヒアリングや視察を通じた事例研究などを行いまして、今年度、基本構想で取りまとめる予定の食肉市場が目指すべきコンセプト等の具体化に向けた検討を行ってまいります。
具体的には、場内物流や車両交通などのオペレーションプラン、各業務の継続を前提とした施設配置案、工事に当たって必要となる場内仮移転を含めたローリング計画などについての検討を予定してございます。
○青木委員 食肉市場の将来を見据えた検討が着実に進められているということで、市場関係者の方々も心強く思っていると思います。
今後は、より一層、市場業者との具体的な調整が必要になってくると思われますので、これまで以上に丁寧に調整を進めていただき、迅速かつ円滑に食肉市場の機能強化に向けた検討を推し進めていただくことを要望いたします。
次に、板橋市場の機能強化について伺います。
昨年の事務事業質疑におきまして、板橋市場では青果物部において、道路交通の利便性が高い立地を生かして、広域的な物流拠点としての機能強化を図る取組が進められております。
今年度は、今後の施設整備に向けて基本計画を策定するとの予定でした。
基本計画では、昨年度に策定した基本構想における機能強化の方向性に基づき、施設整備案等のさらなる具体化を図ると聞いております。
そこでまず、この基本計画案では、機能強化の方向性の具体化に向けてどのような内容を検討しているのか伺います。
○石井市場政策担当部長 都は、基本計画の策定に向け、基本構想で取りまとめた品質衛生管理の向上、DX等による物流効率化などの六つの機能強化の方向性に基づき、取組の具体化に向けた検討を進めてきました。
具体的には、広域的な物流拠点化に向けては、市場業者による板橋市場を有機農産物の流通拠点として活用する実証事業を推し進め、DX等による物流効率化に向けては、専門事業者による講習を通じて、業界と共に自動搬送技術の導入調査等を行いました。
また、防災機能の強化としまして、非常時の利用も想定した太陽光発電設備の導入や水害を予防するための電気設備の上層階への設置を、地域との共生推進としては、交流スペースとなる屋上緑化や場内マルシェの来年度の試行開催などを検討いたしました。
○青木委員 基本構想に基づく機能強化の方向性について、ハード、ソフトの両面で具体的な検討をしていることを確認いたしました。
基本計画案には、施設整備のスケジュールや概算事業費なども盛り込まれる予定と聞いております。
そこで、基本計画案におけるこの整備スケジュールと概算事業費について改めて伺います。
○石井市場政策担当部長 基本計画案では、今後の整備スケジュールについては、来年度に基本設計、令和八年度に実施設計を行い、その後、市場業務を継続しながら、エリアごとに段階的に工事を進め、全ての工事の完了を令和十五年度の予定としてございます。
なお、整備効果が早期に発揮されるよう、一部の工事につきましては、速やかに基本設計を完成させ、来年度中に実施設計にも着手し、令和八年度からの先行着工をする予定でございます。
また、基本計画案では、概算事業費として、約百六十六億円を見込んでございます。
○青木委員 現地で取引を続けながら工事をしなければならないために、工事完了は令和十五年度と、大変長丁場な工事になると思われます。
また、整備した施設を何十年も使用していくことを考えれば、環境の変化に柔軟に対応できる施設とするなど、施設整備案は中長期的な視点をもって検討することが非常に大事です。
青果物の販売形態は、八百屋等の専門小売店から量販店に主体が変化しておりまして、量販店対応に必要とされる店舗別の荷さばきスペース等を十分に確保すれば、取引活性化はもとより、事業拡大を目指す新規事業者の誘致にも期待ができると思っております。
そこで、基本計画の施設整備案において、取引環境への柔軟な対応や市場活性化を見据え、中長期的な視点に立った工夫を、どのような工夫を検討しているのか伺います。
○石井市場政策担当部長 まず、施設整備に当たりましては、市場業者が取り巻く環境変化に柔軟に対応できますよう、建物の構造体は都が整備し、内部の設備等は市場業者が使い勝手や必要とする機能等に合わせて整備するスケルトンインフィルの考えに基づき進める予定でございます。
また、施設配置などを示した施設整備案におきましては、用途を特定せず、ニーズに応じて荷さばき場や積込み場、加工パッケージエリアなどとしてフレキシブルに利用できるよう、施設区画を自由に見直すことができるエリアを十分に確保しております。
さらに、板橋市場の活性化に向けて、多様なニーズに対応する新たな取組を推進できるよう、他市場等からの新規参入の可能性も想定した拡張性のある施設整備案としてございます。
○青木委員 板橋市場の機能強化につきましては、順調に計画が進んでおり、場外の関係者からも関心が徐々に高まってきているところであります。
場内の市場関係者だけでなく、こうした場外の関係者の期待にも応えられるよう、スピードを緩めることなく着実に事業を前に進めていくことを要望いたします。
次に、足立市場について伺います。
足立市場は水産物のみを取り扱う市場として、足立区をはじめとした近隣地域に密着した水産物流通の供給拠点の役割を果たしております。
一方で、施設の老朽化がここも進んでおりまして、衛生対策などが喫緊の課題であります。
そこでまず、この卸売場の衛生対策について、改修の実施計画や工事の進捗と、市場業界との調整状況について伺います。
○中井環境改善担当部長 足立市場の卸売場の衛生対策は、既存の開放型の鮮魚卸売場の一部を閉鎖型に改修し、低温設備により卸売場内の商品に係る温度管理を実現するものでございます。
都は、実施設計に当たり、昨年五月から七月に市場業者との打合せを重ね、寄せられた意見を可能な限り反映してまいりました。
まず、閉鎖型に改修する卸売場には、市場業者の活魚水槽や小型特殊車両の充電場所などがございましたが、丁寧な調整により、理解と協力を得て移設を行っております。
また、設計では、場内移動する仲卸売場と接続が円滑に行えるよう、扉の位置を決め、低温設備の空調機の設置、衛生管理をするための手洗いの設置など、細部にわたって市場業者と調整し、決めております。
実施設計を完了後、工事発注を行い、本年二月に施工業者と工事契約を締結いたしまして、市場業者等への工事説明会を実施いたしました。
今後、工事を着実に進めてまいります。
○青木委員 設計から工事に向けて、市場業者と協力しながら進めており、足立市場の衛生対策が、今本格的に動き出していることが分かりました。
工事期間は、市場業者が使用できる範囲に制限が生じることや工事車両の出入りがあるなど、日々の営業にも影響が生じるおそれがあるため、都には引き続き、市場業者と連携しながら工事を進めていただくことを要望いたします。
次に、仲卸売場についてですが、こちらはまだ移動先の仲卸売場の設計段階にあると聞いております。営業しながら場内移動をする必要があるため、仲卸業者から様々な意見、要望があるのではないかと思っております。
そこで、場内移動先の仲卸売場の設計に当たり、各事業者との調整状況など、その進捗について伺います。
○石井市場政策担当部長 都は仲卸売場の場内移動については、都と市場業者の代表者で構成する施設対策委員会におきまして、丁寧な意見交換を重ね、合意形成を図っております。
具体的には、仲卸売場の施設仕様について、より一層の品質衛生管理を実現するため、店舗に加えて、荷さばき場や車両通路も屋内に配置するレイアウト案を採用するとともに、移動を希望する事業者へのヒアリングを踏まえ、店舗区画を八十六区画といたしました。
また、仲卸売場の移動先にある既存施設の利用者につきましては、市場業界の協力を得ながら、場内の空きスペースなどに代替地を確保いたしました。
来年度は、引き続き仲卸売場の設計に取り組みますとともに、各事業者の店舗配置についての調整など、市場業者と連携して行ってまいります。
○青木委員 引き続き、各事業者の声をよく聞きながら、速やかな衛生対策の実現を目指していただきたいと思います。
仲卸業者は、高齢化や後継者不足など厳しい経営状況に置かれていまして、業者数は年々減少していると聞いており、場内での移動とはいえ、市場業者の経済的負担は大きいと思いますので、今後、都においては、市場業者の負担軽減につながる支援策も含めて検討を進めていただくことを要望いたします。
ここまで、今後の市場施設の整備について取組を確認いたしました。
本日の質疑では触れませんが、淀橋市場では老朽化対策に合わせた拡張整備事業を推進しておりまして、今年度は市場業者と連携し、自動立体冷蔵倉庫の整備に着手したと聞いております。
各市場の施設整備に当たっては、引き続き、現場の声に耳を傾け、ニーズを取り入れながら円滑に進めていただきたいと思います。
次に、市場施設の管理運営について伺います。
日々様々な取引関係者が出入りする卸売市場では、場内の安定的な管理運営のため、警備が担う役割は特に重要であります。
しかしながら、現状は人による常駐警備が中心でありまして、人件費の上昇による予算規模の拡大や、一部の市場では契約の入札不調が生じる等の課題があると聞いております。
このため、我が会派は、第四回定例会の代表質問におきまして、市場局に対し、将来を見据えて市場施設の管理運営の在り方をしっかりと検討すべきであると求めてきたところであります。
これを受け市場局からは、新たな場内警備の在り方を検討するため、来年度予算案に市場施設の運営に関わる強化推進事業を計上したと聞いております。
そこで、来年度の警備業務全体に関わる予算額を確認するとともに、来年度実施する市場施設の運営に関わる強化推進事業の具体的な取組内容について伺います。
○住野管理部長 来年度における全十一市場の警備業務の予算額は約二十八億円でございまして、警備員の人件費の高騰などによりまして、今年度と比較して約二割増加してございます。
こうした人件費の高騰や、大田市場での入札不調などを踏まえまして、来年度は、市場施設の運営に係る強化推進事業として、場内警備を中心とした市場施設の管理運営体制の効率化を図るため、車両による場内混雑が顕著な大田市場と、取扱い品目や施設規模などの点から、他市場への展開に有益と思われる北足立市場をモデルケースといたしまして、調査検討を新たに実施いたします。
具体的には、市場関係者から場内警備の課題や改善点等について意見を聴取するとともに、先端技術の活用も視野に、警備業務の効率化に向けた方策を立案いたします。
加えまして、中長期的な視点で場内警備に有効な施設や設備の整備の方向性の検討を行うということとしてございます。
これらの取組に必要な経費といたしまして、約二千万円を予算案に計上してございまして、新たな場内警備の在り方について考え方を具体化してまいります。
○青木委員 警備員の人件費の高騰などにより、警備業務の予算規模の拡大が実際に数字として現れているということを確認いたしました。
来年度、場内の警備の在り方につきましては、調査検討を行うに当たりまして、答弁にあったように、市場関係者の声にしっかりと耳を傾け、緊密に連携しながら、中長期の視点を持って着実に取り組んでいただければと思います。
市場の安定的な運営のためには、これまで申し上げた場内の警備も重要でありますが、そもそも市場施設を適切に維持管理し、各市場施設の機能を十分に発揮することで、日々の活発な取引を支えていく必要があります。
市場施設には、エレベーター等の様々な重要設備があります。
市場内はターレが日々頻繁に走行しており、昨年豊洲市場では、市場業者のターレが荷物用エレベーターにぶつかるなどにより、複数のエレベーターが損壊される事案があったと伺っております。
そこでまず、エレベーター等の設備が損壊された場合の復旧に向けた基本的な考え方を伺います。
○高橋財政調整担当部長 都は、エレベーターなど設備等の損壊を発見した場合は、速やかに原因者を特定するため、監視カメラの映像確認や現場調査等を実施することとしております。
原因者が判明した場合は、当該原因者に対し、速やかに原状回復をすることについて指導するとともに、誓約書を徴しております。
また、原因者が判明しない場合には、都が施設管理者として市場業務に支障が生じることがないよう、復旧措置を講じることなどの対応を行っております。
○青木委員 原因者が判明している場合は原因者に働きかけ、速やかに復旧することが原則であることはいうまでもありません。
しかしながら、この原因者も設備等の復旧に当たっては、どういった業者に頼んだらよいか、どういった段取りで手続を進めればよいか分からないことも多いと聞いております。
そこで、市場全体への影響や安全性に問題がある場合には、施設管理者である都が速やかに対処する工夫が必要だと思いますが、都の見解を伺います。
○高橋財政調整担当部長 都は施設管理者として、施設損壊に伴い、業務上の支障や安全性に問題があると認められる場合には、速やかに施設を修復する責務を負っております。
このため、施設の損壊が発生した際には、原因者による原状回復が速やかに行われるよう指導等を実施するとともに、市場業務に支障が生じることがないよう、必要に応じて仮復旧措置を講じるなど、可能な限り稼働が継続できるよう対応してきました。
今後、業務上の支障や安全性に問題があり、原因者による復旧に時間を要する場合等には、都が緊急的に原状回復を行うほか、業界団体と連携して、施設の適正利用について、業界関係者に周知徹底することなどに取り組むことで、施設の損壊が新たに発生しないよう努めてまいります。
こうした取組を通じて、施設が損壊した場合に復旧を着実に図るとともに、市場業者が安心して取引を行うことができるよう、市場の安全かつ確実な施設運営に万全を期していきます。
○青木委員 市場が常に基幹的インフラとして最適な機能を発揮できるように、施設の損壊時においても、都には施設管理者としての責任をしっかり果たしていただきたいと思っております。
今後も現場の事情を踏まえながら対応を迅速に行い、市場の安定的な運営に取り組むよう都には改めて求めておきます。
次に、市場業者の経営支援について伺います。
物価高騰の継続や、我が国の生産年齢人口の減少を背景とした市場で働く人材の不足等、市場業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況であります。
とりわけ人材については、人々の働き方に対する意識も変化する中、市場業者からは、人材不足が解消できず苦慮しているということも聞いております。
都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業におきまして、今年度から市場業者の人材確保の取組を支援対象とする補助区分を新設したと聞いておりますが、こうした状況を踏まえ、市場業者の人材確保に対し、これまで以上に支援を講じていく必要があると考えています。
そこで、いまだ人材不足の解消に向けて道半ばにある市場業者に対し、都はどのような支援を行っていくのか、今年度の中央卸売市場経営強靱化推進事業の執行状況も踏まえて伺います。
○大谷事業部長 都は、市場業者からの意見を踏まえ、中央卸売市場経営強靱化推進事業において、各補助区分における申請の上限回数の撤廃や申請手続を簡素化した補助区分を拡充し、使い勝手の向上を図ったことなどにより、今年度は令和七年二月時点で、昨年度同月期の約一・八倍となる計百九十七件の取組に対し支援を行っております。
また、今年度新設した人材確保の支援は、多くの市場業者にご利用いただいている一方、経営環境がより一層厳しさを増す中において、市場業者からは人材の採用や定着に向けてさらなる支援を期待する声もいただいております。
そのため都は、来年度に制度を拡充し、補助率を二分の一から三分の二に引き上げ、人材確保に向けた市場業者の取組をこれまで以上に後押ししてまいります。
これにより、市場業者が直面する経営課題の解決に資する行動革新につながる取組を下支えしてまいります。
○青木委員 市場取引を担う人材を確保していくことは、卸売市場の持続的な運営に不可欠であります。
この見直しにより、市場業者の人材確保に向けた取組がより活発になることを期待しております。
都には、いまだなお厳しい状況にある市場業者にしっかり寄り添っていただき、補助事業を通じて引き続き必要な支援を行っていくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
生鮮品等の安定流通を確保するための卸売市場における物流対策について伺います。
来月には、物資の流通の効率化に関する法律が施行され、全ての荷主、物流事業者に対して、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務などが課される予定となっております。
また、特に青果物物流の効率化に向けては、国はレンタルパレットを活用した標準パレット循環体制の構築を推進しておりますが、出荷した荷を分荷する市場機能の特性上、場内にパレットが滞留することなどが卸売市場における負担となっていると聞いております。
こうした視点から、昨年の事務事業質疑では、物流対策の事業を拡充していくなど、引き続き対策を進めてもらいたいと要望したところであります。
そこで、国の動きなどを踏まえ、卸売市場における物流対策にどのように取り組んでいくか伺います。
○石井市場政策担当部長 都は来年度、新たに市場物流効率化推進事業を立ち上げ、物流の専門家や国と連携した法施行に係る内容を解説する講習会の開催や、市場業者が抱える課題等のヒアリングを実施するプッシュ型の支援などを行い、物流面における市場業者の負担や不安の軽減に努めてまいります。
また、標準パレットによる物流効率化として、卸売市場でのパレット管理に係る負担軽減に向け、場内に滞留するパレットの一時保管場所の確保や、産地から実需者まで一貫してパレットで輸送し、循環させる実証実験などを、引き続き市場業者と連携して進めてまいります。
○青木委員 ドライバー不足に伴う輸送力低下の問題は一過性のものではなく、これからも中長期的な視点に立って対策に取り組んでいただくことが求められます。
都は、中央卸売市場の開設者として、各市場における市場業者の声に耳を傾け、その実情をよく理解しながら市場業界と連携して取り組んでいただきたいと思います。
次に、大田市場における物流対策の取組について伺います。
青果物と花きで日本最大の取扱量を誇る大田市場では、多くの荷が集まり活気がある反面、狭隘化や場内混雑により物流効率化が課題となっています。
都内だけではなく、国内の中核市場としても大きな役割を果たしている大田市場において、物流対策を一層進めることが非常に重要であり、スピード感を持って取り組むことが求められています。
昨年の事務事業質疑におきましては、大田市場におけるデジタル技術を活用した物流効率化の取組として、場内のWi-Fi整備やカメラで撮影した画像の解析による車両の場内滞留時間の把握などに取り組んでいくと答弁がありました。
そこで、これからの取組状況と今後の取組予定について確認いたします。
まずWi-Fi整備について、今年度の取組内容と今後の取組予定について伺います。
○石井市場政策担当部長 大田市場では、物流効率化に向けて、市場関係者が荷物の引取り場所をオンラインで確認できる共同荷置場案内サービスを青果卸売業者三社が合同で開発し、今月から運用を開始しており、都はその利便性を高めるため、通信基盤として場内へのWi-Fi整備を進めております。
今年度は、周回道路等を中心に先行整備に着手し、昨年の十月以降、段階的にサービスの提供を開始するとともに、先行整備エリア以外の工事に向けての整備箇所や整備方法の調査も実施いたしました。
この調査結果に基づき、来年度以降も業界の意見を踏まえた上で、電源や通信回線の工事、通信機器の設置等を進め、順次、場内のWi-Fi環境を拡張整備していく予定であり、整備に必要な経費を来年度予算案にも計上してございます。
○青木委員 この荷物の引取場所については、運転手の方がこれまでは一旦車を降りて、各社の指定場所にまで行って、帳票を印刷して確認しなければならなかったものが、システムの開発後は、自分のスマートフォンでどこに荷物があるか把握できるようになり、最短の時間で引き取れるようになったと伺っております。利便性がさらに高まるよう、この整備エリアの拡大を進めていただきたいと思います。
次に、画像解析技術を活用した車内の場内滞留時間の把握に向けた取組について伺います。
大田市場は敷地が広大で、荷だけではなく人や車両も多いことなどから、ほかの市場以上に物流の実態把握やセキュリティ管理が難しいです。
今年度は、画像解析技術を活用して、物流効率化とセキュリティの強化の二つの側面から実証を行ったと伺っております。
そこで、画像解析技術を活用した物流強化とセキュリティ強化のそれぞれについて、今年度の取組状況及び来年度の取組予定を具体的に伺います。
○石井市場政策担当部長 都は今年度、大田市場におきまして、ドライバーの荷待ち時間の削減等に向けた取組を一層推進するため、入退場車両のナンバープレートを出入口で撮影し、画像解析技術で分析するシステムを仮構築して、車両の場内滞留時間等の調査を行いました。来年度は、本格導入に向けて、詳細な調査、実証を行う予定でございます。
また、場内混雑の緩和やセキュリティ対策として、警備員が駐車車両をタブレット端末で撮影し、入退場登録の有無を識別した上で、不適正駐車の指導を行う警備業務のDXを図るシステムの実証にも、今年度取り組みました。
実証結果を踏まえまして、来年度はタブレット端末とシステムを本格導入し、警備委託業者と連携しながら、実際の現場にて画像解析技術を警備業務に活用する予定でございます。
○青木委員 今後、人口減少等により人材確保がより一層困難になることが予想される中、こうしたデジタル技術を活用した取組を強化していくことは重要だと考えております。
既に大田市場では、物流効率化に向けて様々な取組が進められておりますが、ちょうど先月、これまで閉鎖状態だった大田市場会館の解体工事が完了したと聞いておりまして、これを契機に、限られた施設を有効活用するため、さらなる方策を練ることが必要だと思っております。
そこで、施設の有効活用やさらなる物流効率化に向けた取組について、来年度の実施予定を伺います。
○石井市場政策担当部長 都は、大田市場が生鮮品等流通の基幹市場としてその役割を十分に発揮していくため、来年度、今年二月に解体工事が完了した大田市場会館の跡地活用を含め、場内の利用状況調査を実施し、その結果を業界とも共有し分析した上で、場内の最適利用を図る方策や課題を検討し、具体的な取組につなげていく予定でありまして、必要な経費を予算案に計上してございます。
○青木委員 この貴重な市場会館跡地の有効活用も含めまして、業界の意見を聞きながら大田市場の場内施設全体を計画的かつ効率的に活用することが必要であります。
これまでの取組を着実に進めるとともに、さらなる方策の検討、実行にも速やかに取り組むことを要望いたします。
次に、施設の有効活用と財務基盤の確保について伺います。
まず、施設の有効活用策を通じた市場取引の活性化についてです。
卸売市場が都民に生鮮品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとしての機能を十分に発揮していくためには、市場内の施設を有効活用し、取引の活性化を図ることが大変重要であり、市場内の空き施設をできるだけ少なくし、効果的に利用していかなければなりません。
そこで、市場内に空き施設が発生した場合、都として市場の活性化に向けてどのような対応を行っていくのか、その考え方も含めて伺います。
○高橋財政調整担当部長 都は、市場業者の廃業等に伴い空き店舗が生じた際には、市場業者の市場取引を活性化するという考え方に基づき対応しております。
まず、当該空き店舗を使用したい場内業者がいるかを確認し、使用したい場内業者がいる場合には、その業者が空き店舗を使用して業務を行うことにより、経営規模の拡大や財務体質の強化が図られ、かつ、市場全体の取引の活性化に資するなどの要件を確認した上で、その者に施設の使用許可を行っております。
空き施設を使用したい場内業者がいない場合や場内業者では要件を満たさない場合については、市場外の事業者を含めて広く公募を行っております。
今後も空き施設が生じた場合には、こうした運用を適切に行うことで、市場施設の利用促進を図り、市場取引の活性化と使用料収入の確保を進めてまいります。
○青木委員 今年度都は、豊洲市場の空き店舗となっていた関連事業者の公募を行ったと伺っております。
都には、先ほどの運用をしっかりと行うことで、空き店舗をそのままにすることなく、早急に施設使用者を確保し、市場の活性化や収入の確保につなげていくことを求めておきます。
次に、市場会計の財務基盤の確保について伺います。
これまで質疑してきました市場の機能強化や市場業者の経営支援などの取組を行うには、もちろん財源が不可欠でありまして、先ほど確認しました空き施設の有効活用など、市場局内における一つ一つの取組が重要であるという認識です。
こうした個々の取組を積み重ねることで、健全な財務基盤の確保にしっかりとつなげていかなければなりません。
都は、健全な財務基盤の確保に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○高橋財政調整担当部長 都は現在、中央卸売市場経営計画に基づき、強固で弾力的な財政基盤の確保に向けて取り組んでおり、未利用資産の利活用による収入確保や業務見直しによる費用縮減などの経営改善を推進するとともに、厳しい状況にある市場会計の実情等を経営レポートにまとめ、業界との意見交換を行っております。
引き続き、こうした取組を鋭意進めることはもとより、新たな収入確保策や市場経営の効率化に向けた一層の検討などを着実に行ってまいります。
○青木委員 市場経営における様々な取組を支えるのは健全な財務基盤でありまして、都の中央卸売市場が今後も基幹インフラとしての役割を着実に果たせるよう、様々な観点から取組を進めていただければと思います。
次に、市場の事業継続体制の確保に向けた取組について伺います。
近年、災害等のリスクが高まる中、豊洲市場の業界団体からも東京都に対して、災害などの危機への万全の備えが要望されるなど、不測の事態において、いかに食の安定供給を継続していくのか、都の中央卸売市場の果たす役割が重要であります。
そこで、都は災害時における卸売市場の事業継続体制の確保に向けて、今年度の取組を踏まえ、来年度どのように取り組むのかを伺います。
○住野管理部長 都は、今年一月に中央卸売市場BCPを改定いたしました。
具体的には、リスクアセスメント調査や浸水シミュレーションを踏まえ、風水害に対する事業継続計画を新たに追加するとともに、首都直下地震等による都の被害想定等の最新の情報を基に、地震に対する事業継続計画の見直しを図ったところでございます。
改定したBCPの市場業者に対する説明会におきましては、簡易版の災害時行動計画のひな形を提供するとともに、併せて個別相談会も実施いたしまして、自社のBCPをまだ策定していない市場業者やBCPの見直しを希望する市場業者へアドバイスや支援を行いました。
来年度は、改定したBCPの実効性を高めるため、発災時における市場業務の早期回復、継続確保に必要な対応や行動を確認する、有事に備えた実践的な訓練を市場業者と連携して新たに実施する予定でございます。このため、必要な経費を来年度予算案に計上してございます。
さらには、訓練の結果をBCPの見直しに反映させていくなど、市場業者と連携した取組を進めることで、現場の実情に応じたBCPの実効性を確保し、有事の際にも止まらない中央卸売市場を実現してまいります。
○青木委員 都が災害に強い中央卸売市場を構築するためには、市場業者と連携した実践的な訓練を実施するなど、新規の取組を進めていくことが確認できました。
自然災害は、地震や風水害のほかにも、甚大な被害が想定される島しょ火山や富士山の噴火もあります。災害時における卸売市場の事業継続体制の確保に向けて、あらゆる危機を想定していただき、引き続き市場の防災対策を進めていただければと思います。
次に、卸売市場の機能、役割に関する情報発信の強化について伺います。
卸売市場は、日々の市場取引を通じて我々の消費生活を支えておりますが、我々消費者とあまり直接接点のない中間流通業であるため、その役割や重要性が十分に認知されていないように感じております。
今後の市場経営におきましては、卸売市場の役割や重要性を広く知ってもらうことが重要だと思います。
都ではこれまでも、市場まつりや食育、花育のイベントなどを通じまして、市場の役割について情報発信を取り組んでいるところです。
卸売市場が今後も都民生活にとって欠かせないインフラとして選ばれるためには、市場が果たす役割について都民に理解を深めていただけるよう取り組むとともに、環境への配慮など、社会的役割への積極的な取組を推進していくことが重要だと考えますが、都の認識を伺います。
○石井市場政策担当部長 卸売市場が生鮮品等流通の基幹的な役割を果たすためには、その役割について、都民の理解、促進を図ることが重要であります。
そのため、今年度最新の水産物流通をPRする東京の魚市場の動画配信などに取り組んでおり、今後も様々な機会や媒体を活用して情報発信を一層進める必要がございます。
また、市場本来の役割に加えまして、公共インフラとして社会的な課題解決に向けて取り組むことが重要でございます。
そのため、ゼロエミッション化の推進などに取り組んでおり、今後も気候変動などの環境問題や激甚化、頻発化する自然災害への対応などを積極的に進めていく必要がございます。
○青木委員 卸売市場のことを幅広く知ってもらうことは重要なことというのはいうまでもありませんが、消費者が商品を選ぶ際の価値判断や行動が多様化、高度化している中で、社会的な貢献により卸売市場が公共インフラとしてのプレゼンスを高めていくことも今後の市場経営を考える上で大切な視点だと考えております。
引き続き都には、卸売市場が果たすべき役割や機能についてしっかりと考えていただき、都民に発信をしていただければと思います。
これまでの質疑を通じまして、市場施設の整備や市場業者の経営基盤強化に向けた取組が、経営計画に基づき着実に進められていることを確認いたしました。
経営計画は策定後三年が経過しましたが、この間、コロナ禍等による消費活動の変容や物流二〇二四年問題が象徴する労働力不足の問題など、市場を取り巻く環境は変化しております。
経営計画は策定後、五年をめどに内容を見直すこととしておりますが、見直しに当たっては、これまでの取組を振り返り、総括するとともに、環境変化に目を向け、中長期の視点を持つことが大変重要です。
そこで、経営計画の見直しを見据え、市場取引を支える両輪ともいえる市場施設の整備と市場業者の経営基盤強化に向けた取組について、都の課題認識を伺います。
○石井市場政策担当部長 都は来年度、中央卸売市場経営計画の計画期間が四年目を迎えることから、計画の取組をさらに加速して実施することはもとより、市場業界との意見交換等を通じて、これまでの取組成果についての検証等を進めてまいります。
計画の見直しに向けた今後の市場経営における主な課題として、老朽化が進む市場施設につきましては、流通チャネルが多元化する中、市場流通全体の付加価値を高めていけるよう、各市場の相互連携強化など、最適化に向けた検討を行った上で施設整備を進める必要がございます。
また、市場業者の経営基盤強化につきましては、人材確保が困難となる中、働き方改革やDXによる効率化など、従来の商慣習にとらわれない革新的な取組など、自律的かつ意欲的な取組を支援していくことが必要でございます。
○青木委員 生産者から消費者まで、生鮮品等が安定的に供給されるためには、卸売市場における公正、公平な取引が不可欠であり、それを支えるのは市場施設であり、そこで働く市場業者の皆様であります。
現在の経営計画をしっかり総括、検証するとともに、都の課題認識を市場業界と共有して対応することで、これからも活力ある市場取引を続けてほしいと思っております。
本日は、市場の七年度予算として、重要となる各市場の機能強化や市場業者の経営支援、大田市場の物流対策、財務基盤や事業継続体制の確保に加え、折り返しを過ぎた経営計画について質疑をさせていただきました。
卸売市場を取り巻く環境は現在も厳しく、各取組の着実な実行は予断を待たないと思いますが、市場業界の危機感を共有しながら現在の経営計画をしっかりと総括し、次の見直しにつなげていただきたいと思っております。
最後に、経営計画四年目を迎えようとしている今、十一市場全体を預かる早川市場長の今後の事業執行への思いを伺い、私からの質疑を終わらせていただきます。
○早川中央卸売市場長 卸売市場は、令和三年度に東京都中央卸売市場経営計画を策定した後も、コロナ禍を経ての消費行動の変容、エネルギー等の価格高騰、ドライバー不足に伴う物流二〇二四年問題など、様々な環境の変化に直面しております。
このように変化が激しい中にありましても、中央卸売市場が将来にわたって生鮮品等流通の基幹的インフラとしての役割を果たしていけるよう、都は市場業者の方々と常に向き合い、現下の課題に対し、誠心誠意取り組むことはもちろん、外部の有識者の意見などをいただきながら、市場が目指すべき将来の姿も模索していかなければいけません。
令和七年度の具体的な取組といたしましては、各市場の機能強化、市場業者の経営支援、物流問題への対応はもとより、市場業務継続のための体制確保、財務の健全性の確保などにしっかりと取り組んでまいります。
また、市場全体での機能最適化の観点から、市場間における物流実態の調査等を行いまして、市場の相互連携の在り方などを検討してまいります。
加えまして、各市場の役割や特色などに応じた施設整備の方向性に向けた議論を重ねまして、市場流通全体の付加価値のより一層の向上に取り組んでまいります。
来年度は、経営計画の改定を見据えまして、市場機能や規模など、次期経営計画で描くべき市場の将来像を具体化する議論を、さらに深めていかなければならない重要な時期であるというふうに認識をしております。
引き続き、市場関係者と緊密に手を携えまして、局事業の実施にスピード感を持ち、職員一丸となって全力で邁進してまいります。
○福島委員 よろしくお願いします。
市場会計の健全性の確保について伺います。
事務事業質疑、そして委員会質疑を通じて、改修工事と並行して、昨年の二月の監査で指摘された点についても、この取組を進めることを要望してきました。
具体的には、現在の中央卸売市場経営計画、これが令和四年から八年までの五年間であることから、令和九年以降の次期経営計画の策定に向けて、令和八年度までには個別の建物における維持更新の計画と、そして市場単位のマスタープランを作成するとともに、そこに向けての毎年の詳細なスケジュールを策定していくべきというものと、もう一つは、中央卸売市場全体の機能を最適化するための市場全体の施設整備に係る長期的かつ具体的なロードマップ、これを作成していくべきという二点です。
各市場の状況に応じた改修工事がボトムアップであるとすると、この指摘された二点というのは、地方卸売市場も含めた市場ネットワークから各市場の役割や機能を精査し、そして各市場の設備の計画に落とし込むという、いわばトップダウンでありまして、これらを並行して行う、そういった内容になっています。求めるものになっています。
そこで、令和七年度の取組について伺います。
○石井市場政策担当部長 都は、これまで実施した劣化度調査の結果などを踏まえて、各市場の主要な建物について、改修、建て替え等の方針を定め、維持更新計画の策定に取り組んでおります。
来年度は、建物の利用状況等も踏まえて、維持更新計画を取りまとめますとともに、この維持更新計画を踏まえ、市場会計の財政状況や各市場の取引実態や活性化に向けた取組状況などについて、業界と継続的に意見交換すること等を通じて検証し、市場全体の最適化に向けた長期的な施設整備の方向性を検討してまいります。
○福島委員 業界の皆様と市場会計の財政状況の実態や、また各市場の取引の実態、こういったものを共有して長期的な計画というものを共につくり上げていくという、取組を重ねていただいているものだと理解しておりますが、継続的な意見交換をするといっても、やっぱり市場業者の皆様は大変忙しくて、関係者が集まる日程の確保などがそう容易ではないこともあって、実際のところ一年に一回程度の開催になっているというふうに聞いております。
このままであると、令和八年度までに、先ほど申し上げたような個別の計画における維持更新の計画をつくったり、市場単位のマスタープランを策定する、こういったものに対しては、ちょっとスピード感として課題があると思いますので、加速していただきたいと思います。
次に、市場業者に対する経営支援について伺います。
中央卸売市場を持続的に運営していくためには、私たちは一貫して市場業者の皆様がデジタル技術を活用して、販路開拓や業務の効率化、さらには経営力を高めるよう支援をするべきと訴えてまいりました。そして、支援、これを継続することも本当に大事だと思っています。
そこでまず、都はこれまで、市場業者のデジタル技術の活用に向けた取組に対して、どのような支援を行ってきたのか、今年度の実績と効果も含めて具体的に伺います。
○大谷事業部長 都は、市場業者がデジタル技術の活用により、生産性や収益性の向上が図られるよう、中央卸売市場経営強靱化推進事業において、販路開拓や業務効率化に資するデジタル化の取組に要する経費の一部について補助しています。
令和六年度は、SNSと連携した販売管理システムの導入や、スマートフォン表示に対応したホームページの構築など、令和七年二月時点で五十件の取組に対して支援を行いました。
この補助区分を利用した市場業者からは、販売管理システムの導入により適切な価格設定が可能となり、取引先との信頼性の向上につながった、入金データの自動入力化により業務の効率化や正確性が著しく向上した、売上げデータの入力の自動化により作業時間が削減され、営業など他の業務に充てられるようになったとの効果があったと報告をいただいております。
また、市場業者の経営上の課題に関する相談対応等を行う経営相談員として、令和六年度は、DXの専門的な資格を有する中小企業診断士を新たに加えるとともに、昨年十一月には、この専門家と連携し、デジタル化の進め方をテーマとした市場業者向けの経営セミナーを開催しております。
○福島委員 ただいまのご答弁からは、市場業者のデジタル技術を活用した取組を都が継続して後押しするとともに、これが業務改善につながっていることが分かりました。
一方で、市場業者の中には、資金的余裕がない方も多く、物価高騰の影響の長期化や労働力不足など厳しい経営状態も続いています。
よって、より多くの市場業者の皆様が業務のデジタル化に向けて取り組むようにするためには、この経営強靱化推進事業における支援をさらに強化するなど、強力なインセンティブが必要であるというふうに思います。
そこで、市場業者のデジタル化をより一層促進していくため、経営強靱化推進事業において、都は今後どのような支援を行っていくのかを伺います。
○大谷事業部長 中央卸売市場経営強靱化推進事業において、市場業者のデジタル技術の活用の取組を推進する補助区分は、多くの市場業者にご活用いただいている一方、都に対し、日々変化するデジタル環境に迅速に対応するため、さらなる支援を求める声も寄せられています。
そのため都は、令和七年度に制度を拡充し、DX推進枠の補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとともに、補助上限額を三百万円から六百万円に倍増させることで、市場業者のデジタル技術のさらなる活用を後押ししてまいります。
都は、今後も市場業者の稼ぐ力の向上に資するデジタル化の取組がより速やかに経営力の強化につながるよう、引き続き支援に取り組んでまいります。
○福島委員 市場業者の経営力を高めて、そして、持続性を高めるための本当に大事な施策だと思いますので、一層の加速に向けて引き続き強力なサポートをお願いいたします。
市場業者への経営支援について伺います。
三月に大田市場、そして豊洲市場で行われました意見交換用の資料を拝見させていただきました。
資料には、東京都は他都市平均と比べて委託料、減価償却費などの割合が大きいことがいえますと書いてありましたが、私が見たところ、大阪市も都と同様に委託料、そして減価償却費等の割合が高くなっていますが、収益に占める他会計負担の割合は低くなっています。どうしてかを教えてください。
○高橋財政調整担当部長 大阪市においては、市が公表している令和五年度中央卸売市場事業会計事業レポートによると、市場機能の維持管理の効率化を進めるため、必要な業務の委託化や大規模整備に係る減価償却が順次終了してはいるものの、耐用年数が経過した施設整備の更新などに係る減価償却の開始等により、費用に占める委託料及び減価償却費の割合が大きいと考えられます。
また、他会計負担の割合について、総務省が毎年度定めている通知では、一般会計の繰入れの基準について、市場業者の指導監督等に要する経費として、当該年度の営業費用の三〇%とされておりますが、同事業レポートによると、一般会計からの繰入額は総務省通知の基準どおりの繰入れとなっていないことなどから、収益に占める一般会計の繰入額の割合が小さいと考えられます。
都は、大阪市と同様に、物価や労務単価の高騰による警備や設備保守等の業務委託費用の増加や、豊洲市場をはじめとした市場施設の減価償却費等により、費用に占める委託料及び減価償却費の割合が大きくなっており、一般会計からの繰入額については、総務省通知の基準のとおりの繰入れとなっていないことから、収益に占める他会計負担の割合は低くなっております。
○福島委員 自治体によって事情は異なっているとは思いますけれども、ほかの自治体との比較は、豊洲市場をはじめ中央卸売市場の会計を健全化していくためには大変重要な観点だと思いますので、都の課題が見えてくることもあると思うので、引き続きの分析を求めます。
また、さきの事務事業質疑で、中央卸売市場に行政的機能があれば、その部分のコストは一般会計で対応してもよいのではないかということを提案させていただきました。
都民に対する説明責任を果たすことを前提として、一般会計で負担すべき行政的経費と市場使用料で負担すべき営業的経費の対象の見直しに向けた検証を行っていくというふうに答弁いただいていますが、その取組状況について伺います。
○高橋財政調整担当部長 一般会計からの繰入れについては、これまで現場取引業務の指導監督等、公正取引の実現を目的とした業務などを対象としてきました。
加えて、繰入れの対象となる経費の在り方について、災害対応やデジタル化対応、環境問題への取組など、市場を取り巻く環境の変化に応じて、中央卸売市場が果たすべき社会的な機能や役割の発揮に向けて見直しを図る必要があるものと認識しております。
今後、業界との意見交換においても、市場が社会的インフラであることから、市場の公共的役割に配慮した財政運営が必要であるという視点から、地域社会との共生など、卸売市場の社会的課題への取組や行政的経費の対象及び一般会計の負担状況などについて業界と議論を深めていくことで、行政的経費の対象となる事業の検証をさらに進めてまいります。
○福島委員 繰入れの対象となる経費として、例えば災害対策とかデジタル化対応、環境問題への取組、そしてまた、地域社会との共生、こういった項目を挙げていただきましたが、実は私が説明を伺ったときには、項目ごとの積み上げだと、やっぱり全体感が捉えにくいのではないかなと思いました。
卸売業、市場の役割が縮小傾向にあるその背景には、大手スーパーの台頭やインターネットの普及により直接取引が拡大していることがあると考えられますけれども、例えばこれらの事業者の流通のための経費というものと、中央卸売市場の流通機能を維持するための経費、こういったものを比較することができれば、中央卸売市場はその機能を維持するために必要な費用、行政的費用というものが検証できるのではないでしょうか。私たちにも分かりやすい形で示していただきたいと思います。
最後に、持続可能な市場経営の実現に向け、令和七年度はどのように取り組んでいくのか、市場長の見解を求めて、私からの質問を終わらせていただきます。
○早川中央卸売市場長 中央卸売市場が将来にわたって生鮮品等流通の基幹的インフラとしての役割を果たしていくためには、今後の人口減少や市場会計の厳しい現状などに向き合いまして、持続可能な市場経営の実現に向けた取組を鋭意進めていくことが重要でございます。
そのためには、市場取引の活性化に向けた取引を強化しながら、市場全体の機能の最適化に向けまして、市場施設の計画的な維持更新、また、市場のネットワーク形成などに取り組むとともに、強固で弾力的な財政基盤の確保等を図らなければなりません。
令和七年度は、DXの推進等によりまして、市場業者の稼ぐ力の強化を図りますとともに、施設の利用実態と財政計画との整合性を図りながら、建物ごとの維持更新計画を策定いたします。
また、市場運営費の縮減や未利用施設の活用など、収入確保の取組を強化してまいります。
さらには、市場の公的な役割を踏まえて、一般会計で負担すべき経費の対象につきましても検証をさらに深化をさせてまいります。
引き続き、市場関係者と緊密に手を携え、局事業の実施にスピード感を持ちまして、職員一丸となって全力で邁進してまいります。
○細田委員 私からは、まず、私の地元江東区豊洲地域におけますにぎわいの創出について質問をいたします。
豊洲地域の新たなランドマーク豊洲千客万来は、先月で開業一周年になりました。
開業から現在に至るまで、コンスタントに各種メディアに取り上げられ、毎日バスツアーで多くの観光客が訪れるなど、国内外からの来場者で施設は活況を呈しております。
開業前には不安を抱く方もいらっしゃいましたが、地元からは、豊洲千客万来は、テナントの充実に加えて、様々なイベントの開催やシャトルバスによる交通利便性の向上など、にぎわいの創出に様々取り組んでおりまして、豊洲地域の活性化に大きく貢献をしてくれているという声も聞かれるようになりました。
今後も長きにわたりにぎわいを継続してさらに発展させていくためには、こうした施設を実際に訪れて応援をしてくれる地元の方々を増やしていく、このことが重要であります。
そこで、豊洲千客万来が地元から親しまれる施設となるように、いかなる取組を行っているのか質問をいたします。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 運営事業者は、土曜朝市の定期開催や、地元の団体等と連携しましたステージイベントの実施など、地元の方が足を運びたくなるようなイベントなどを積極的に取り組んでおります。
また、都は、新鮮な青果などを販売いたします産地PRイベントを定期的に開催するほか、市場業者への協力要請や地元自治会等への情報提供など、積極的にイベントの充実に向けまして、様々な支援を行っているところでございます。
今後は豊洲千客万来が長きにわたりまして、地元の方々からより親しまれる施設となりますよう、地域のイベントなどへの出店調整を後押しするなど、運営事業者による地元自治会をはじめといたします関係者との交流や関係構築を促進してまいります。
○細田委員 一年たちまして、なかなか開場まで長かったものなので心配をしておりましたが、テナントもしっかり埋まって、そして地元からは、例えば江東区の観光協会の会合では、こんなにテナントのことを考えてくれるオーナーには初めて会いましたと、すばらしい対応をしてくれている大家さんですという、このようなお褒めの声がありまして、東京湾岸で行われていく、豊洲市場というのは一つの市場でもありますけれども、一つの大きなにぎわいの施設でありますから、そのような取組に関しては、みんな、区民を挙げて応援していきましょうと、こういうようなものが江東区の観光協会で、つい本年、交わされた言葉というか意見でありました。非常によかったなと思っています。
このように、今後はさらに地元と関係構築に努めていかれるということであって、千客万来が一体となって、市場関係者や区内の様々な団体などと連携して、地域に根差した取組を引き続いて努めていただいて、豊洲地域の活性化を推し進めていただくことを期待いたします。
次に、豊洲市場の五街区の活用について質問いたします。
昨年の十月の事務事業質疑におきまして、五街区の用地活用につきましては、将来の活用について様々な状況を考慮しながら、段階的に検討を進めつつ、暫定的な活用も検討していく、このようなご答弁でございました。
そこで、五街区の用地、この暫定的な活用について、来年度の具体的な取組について答弁を求めます。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 五街区用地につきましては、将来活用の方向性を見極めるまでの間におきましてもにぎわいを継続していけますよう、地元住民をはじめ、来場者が利用できますように、広場としての開放に向けまして、照明設備の必要な環境整備を進めているところでございます。
来年度はベンチの設置等に取り組みまして、ランチタイムなどに気軽に立ち寄り憩うことができる、そういった環境の充実を図る予定でございます。そういった必要な経費を予算案に計上しているところでございます。
さらに、視認性が高いデザインを敷地に塗装いたしまして、臨海部を訪れる観光客等に対しまして、豊洲市場の認知度のさらなる向上、来場者の一層の誘致を図るといったようなことを取り組んでまいります。
こうした取組によりまして、にぎわいを創出しつつ、地元住民をはじめとする来場者の様々なニーズや課題を把握いたしまして、将来的な活用方法の検討につなげてまいります。
○細田委員 五街区の用地は、来年度、区民や一般来場者に開放しつつ、ニーズや課題等の把握を行っていくということでございました。
地元の住民をはじめとする利用者の意見には、真に必要な形の活用方法を見定める上で、参考となる情報が豊富に含まれていると思います。将来の活用の検討にとって大変重要なものであると思います。
広場としての開放を始める際には、どうぞより多くの方に利用してもらえるよう、地元区ともしっかりと連携していただいて、しっかりと周知をしていっていただきたいと思います。
なかなか公開空地で残すというのは勇気が要ることだとは思うんですけれども、この地域は、以前も申し上げたと思うんですが、江東区におきまして最も公園面積が一人当たり狭い地域になっていまして、広い場所に見えますけど狭い地域で、まさにそういうような空間が公開空地として、都が整備している公開空地があるということが非常に重要であると私はそのように思っております。
次の時代に、次の計画に託すということ。何か物が建ったら壊さなくちゃいけないので、そういうこともせずに、じゃあどうしたらいいのかなということを見極めていくということも極めて価値的な取組だと思いますので、どうぞしっかりと地域のニーズも把握しながら、前に進んでいっていただきたいなと思っております。
続きまして、地域との共生について質問いたします。
豊洲市場では今年度、開場後初めてとなります豊洲市場まつりが開催されました。
豊洲市場まつりでは、洲崎東陽太鼓など、地元の団体がステージイベントを大いに盛り上げて参加者を楽しませてくれました。
市場を開放して実施する市場まつりは、多くの地域の方が訪れる特別なイベントでございまして、まさに卸売市場が地域と交流して、市場が地域と共生していく上でも大変に重要でございます。
そこで、今年度開催された各市場の市場まつりにおきましては、地域との交流としていかなる取組が実施されたのか質問をいたします。
○住野管理部長 都は今年度、豊洲市場をはじめ、八市場において市場まつりを開催いたしました。
多くの都民の方が訪れる市場まつりは、地域交流及び卸売市場に対する理解を深めていただく絶好の機会であることから、各市場まつりでは地域と連携しながら地域にゆかりのある団体の方々にもご参加をいただいております。
例えば、豊洲市場まつりにおきましては、先ほど議員からお話のございました洲崎東陽太鼓のほか、豊洲のまちを元気にするために、地元の子供たちを中心に構成されました豊洲アイドルスター学園の華麗なパフォーマンスが披露される、あるいは淀橋市場まつりでは、地元小学校の生徒が和太鼓や金管バンドの演奏を行い、地元中学校の生徒がソーラン節の披露や野菜の販売体験を行いました。
また、世田谷市場におきましては、地元にある都立園芸高等学校の生徒が花き販売や被災地支援募金を行いまして、生徒からは多くの人と触れ合うとてもよい体験になったとの感想が寄せられております。
引き続き、市場まつりをはじめとするあらゆる機会を通じまして、様々な取組を進めていくことで地域とのつながりを深め、地域と共生する開かれた市場を目指してまいります。
○細田委員 今のご答弁で、市場まつりを通じて、各市場で地域との交流が図られているということが分かりました。
この豊洲の、今おっしゃっていただいたアイドルスター学園、このパフォーマンスも、豊洲市場が開場する前からずっと応援し続けてくれた子供たちが、もうまさに青年になって、それでもやってくれている、このような会であります。そういうところとずっと連携しながら、また各地で様々な取組をしてくださっているということが分かりました。
どうぞ、来年度、さらに多くの団体の皆様に市場まつりにご参加いただけるようになっていくことをまた期待をするものであります。
次に、現代社会では食を取り巻く環境が大きく変化をしています。
このような中で、次世代を担う子供たちの心身の健やかな成長や都民の健康の増進には、食に関する知識と選択力を養う食育が果たす役割は大変に重要でございます。
そのため、都議会公明党では、食について幼い頃から家庭や学校、地域など様々な場所で学んで身につけていけるよう、継続的な取組を求めてまいりました。
卸売市場では、生鮮食料品などの流通の基幹的インフラとして、これまでに蓄積をされた豊富な食材に関する情報やノウハウを生かして、様々な食育活動に取り組んできていると思います。
そこで、今年度の食育活動の状況と今後の取組について、都の見解を求めます。
○住野管理部長 都は、都民の方が食に関する正しい知識を身につけ、健全な食生活を実践いただけるよう、卸売市場が持つ食に関するノウハウを生かしまして、市場関係者と連携して食育の推進に取り組んでおります。
今年度は、旬の食材の見極め方や料理方法などの知識を伝える料理講習会や市場見学会等を五市場で実施するとともに、新たな取組といたしまして、著名なシェフから市場の食材を使って家庭でも手軽につくれるメニューを直接学べる、有名シェフと楽しく学ぶ料理教室を豊洲市場におきまして、二回にわたり開催いたしました。
この料理教室では、参加者アンケートにご回答いただいた方のうち、九割を超える方から今後の家庭での食育について、ぜひ実施したい、または実施したいと回答いただきました。また、子供と共に楽しく、おいしくつくることができた、家でもまた挑戦してみたいとの意見も寄せられまして、食育に継続的に取り組みたいと考えておられる家庭が多いことが分かりましたということでございます。
こうした取組をより多くの方に発信していくため、今年度末までに料理教室の様子を撮影いたしました動画を配信するとともに、来年度につきましても、オンラインを活用した情報発信を積極的に行うことで、引き続き幅広い世代への食育を推進してまいります。
○細田委員 都が料理講習会などを開催して、地域の方と市場関係者の交流を目指しながら食育活動に取り組んでいらっしゃることが分かりました。
食べる力は生きる力であり、食育は生涯にわたって実践していくものであります。
どうぞ来年度も引き続いて、市場発の食育の輪を広げていっていただきたいと要望いたします。
次に、市場業者の経営支援について質問します。
持続可能な市場運営のためには、社会経済情勢が変化する中にあっても、取引の担い手であります市場業者の経営の安定化を図っていく必要があります。
一方、電気料金や資材費の高騰などにより、市場業者の取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続く中、市場業者の多くの皆さんは日々の仕事に追われて、経営資源も乏しい状況にあります。
こうした中、市場業者が昨今の環境変化に対応できるよう、個々の経営課題に向き合って、その解決に向けて道筋をつけていくためには、都が令和四年度から取り組んでいる、専門家が寄り添いながら課題を解決していく、サポートをしていく伴走型の支援は有効であります。
都議会公明党はこれまでも、この伴走型支援の重要性を訴えて、折に触れてその進捗を確認するとともに、積極的に周知に取り組むことを求めてまいりました。
昨年の三月の本委員会では、市場業者向けのパンフレットを作成したとの都の答弁がございました。
そこで、伴走型支援における都のこれまでの取組状況について、具体的に答弁を求めます。
○大谷事業部長 都は、取引を担う市場業者が昨今の経営環境の変化に柔軟に対応し、経営安定化につながる自律的な取組を推進できるよう、令和四年度から中小企業経営に精通する専門家が、現状分析から課題解決に至るまで一貫して経営者をサポートする伴走型支援を実施しています。
令和五年度には、市場業者が中長期的な視点で改善に取り組めるよう、複数年度にまたがる補助金の活用を可能とする債務負担行為を設定し、制度の見直しを行いました。
また、この伴走型支援をより多くの市場業者にご活用いただくため、令和六年三月に、制度概要や活用事例に加えて、利用者の声などを分かりやすくまとめた市場業者向けのパンフレットを初めて作成し、四月には各市場を通じて全事業者に配布し、周知を図りました。
○細田委員 ただいまのご答弁で、複数年度にまたがって支援できるよう、伴走型支援の見直しを図ったとの答弁でありました。
市場業者が抱えている経営課題を分析して、実効性ある解決策を考えていくことは難しいものの、専門家が市場業者に寄り添って中長期的な視点に立ってアドバイスを受けられるように制度を見直したことを評価いたします。
私の知り合いの業者の方も複数、こういう形の中で寄り添って支援をしていただいている、このようなことでの喜びの声を聞いております。
より多くの市場業者が伴走型支援を活用していくためには、実際に利用した方々の声を知ることで本制度を身近に感じていただくことも効果があると思います。
そこで、都議会公明党の求めに応じ作成した伴走型支援のパンフレットには、利用者の声も掲載したとのことですが、このパンフレットを活用した周知の効果と、今年度の伴走型支援などの利用状況について具体的に伺うとともに、来年度の取組について答弁を求めます。
○大谷事業部長 都は今年度、伴走型支援のパンフレットを全事業者に配布し、業界団体等に対し説明会を実施するなど、本制度の積極的な周知に努めた結果、伴走型支援を活用した市場業者は令和五年度は六事業者でしたが、今年度は令和七年二月時点で十三事業者となっております。
具体的には、業務を効率化して、従業員の作業負担を軽減させるため、販売先との受注システムの開発や、従業員の労働環境整備に向け、労務管理システムの開発を行っている事業者などがあります。
制度を利用した市場業者からは、家業を継いだばかりで分からないことが多く、専門家にアドバイスをいただき、最適な取組にたどり着けてよかった。経営課題を相談できる相手がいないため、専門家に相談できる貴重な機会であったとの声をいただいております。
また、経営相談については、令和五年度は六件でしたが、今年度は財務状況の相談など十件に増加いたしました。
来年度も都は、経営相談事業とともにこの伴走型支援の周知に努め、より多くの市場業者にご活用いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。
○細田委員 今年度は、利用者が昨年度の倍以上に増えて、実際に制度を利用した市場業者からは好評をいただいているということが分かりました。
依然として経営環境、厳しい中にいる市場業者ですから、伴走型支援をより活用していただけますように、今後も現場の声に寄り添って取り組んでいただくことを求めておきます。
次に、先端技術の活用による業務の効率化についてです。
都におけるデジタルを活用した業務の効率化について質問します。
先ほども申し上げましたが、市場業者を取り巻く経営環境は厳しく、市場業者の多くの皆様は日々の仕事に追われる状況にあります。
こうした中、DXなどにより、都が提供する行政サービスを見直すことで市場業者が都に対して行う手続などの手間が軽減されるのであれば、市場業者の円滑な事業活動に寄与するのではないかと考えています。
そこで、来年度予算案には、BPR、先端技術の活用などによる業務効率化事業が計上されておりますが、都が提供する行政サービスを見直して質の向上を図ることについて、都はどのように思っているのか、都の見解を求めます。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 都はこれまでも、東京共同電子申請・届出サービスを活用いたしました行政手続のデジタル化などに取り組みまして、市場業者の利便性を高めてまいりましたが、手続等の負担をさらに軽減し、円滑な事業活動にも寄与していくため、一層の業務効率化と行政サービスの質の向上を図ることは重要であると認識するところでございます。
そのため、今後、AIなどの先端技術を活用しながら業務プロセスを最適化するBPRを進めまして、業務効率化や生産性の向上に取り組むことといたしたところでございます。
○細田委員 市場業者の負担を減らすためにも、行政サービスの質を向上させることが重要であり、先端技術を活用しながらBPRを進めていくとのことであります。
ぜひ積極的に取り組むべきでございますが、BPRの実施に関する来年度の具体的な取組内容はどうなのか、答弁を求めます。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 都は来年度、民間事業者のノウハウや知見を活用いたしまして、局内業務の棚卸しと業務フローの分析などを行うとともに、業務効率化の方策や実施時期等を整理してまいります。
また、市場業者の申請等の負担軽減が早期に見込めるものにつきましては、来年度、先行して業務改善に着手してまいります。
これらによりまして、局内業務のBPRを推進いたしまして、市場業者がより一層便利になったと実感できるよう、行政サービスの質の向上に取り組んでまいります。
○細田委員 来年度の民間事業者の知見やノウハウを活用しながらBPRを進めて、行政サービスの質を、クオリティーを上げていくことは大変に重要な取組であると思います。市場業者の円滑な事業を後押ししてまいります。
私の下にも様々に、今いわれたことをやっていただきたいという、こういう声が届いております。
事業の重要性をしっかりと受け止めていただき、着実に取組を進めていただきたいと求めておきます。
次に、淀橋市場の拡張整備事業について質問します。
淀橋市場は、施設の老朽化が進んでいるとともに、都心部に立地する市場の特徴として、市場の狭隘化が進み、場内の物流が混雑しているという課題が生じています。
これまでも都議会公明党は、都心部に立地している特性を踏まえて、場内を有効活用することで都市型の市場モデルとなるように、事業の推進を求めてきたところであります。
さきに公明党の斉藤鉄夫代表も視察をして、新宿選出の古城都議と共に淀橋市場をしっかりと見てまいりました。
昨年の事務事業質疑では、DXなどの視点も踏まえた拡張整備事業の取組状況について確認して、限られた場内での物流効率化を図るため、自動立体冷蔵倉庫の整備や荷の自動搬送につながる無人搬送機の導入を進めていく予定とのことでありました。
そこで、自動立体冷蔵倉庫の整備などの進捗状況について、質問をいたします。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場拡張整備事業では、都が後押しをしながら、市場業者が自動立体冷蔵倉庫の整備に取り組んでおり、昨年十一月に、地域住民の皆様に対して工事説明会を開催し、本年一月に整備工事に着手いたしました。
また、営業しながらの工事であるため、場内動線に混乱が生じないよう、整備工事着手前に工事期間中の車両動線を業界全体に周知徹底することなどで、円滑な工事の実施に努めてございます。
荷の自動搬送につながる無人搬送機につきましては、市場業者において、屋外、悪路の走行が可能な全天候型に対応できる機器を選定し、今年度内の導入を予定してございます。
○細田委員 自動立体冷蔵倉庫の工事が始まり、淀橋市場の拡張整備事業も本格化してくると思います。
工事期間は、場内の動線や作業スペースなど制限もあると思いますので、市場業者の方と連携しながら、安全かつ着実に進めていただきたいと願います。
また、無人搬送機につきましては、今後の市場における物流効率化や労働力不足の解消に向けた新しい取組として期待をしているため、その稼働に向けてしっかりと準備をしていくことが必要であります。
今後、老朽化が進んでいる総合事務所棟の建て替えなども控えており、淀橋市場では大規模な工事が続いていくため、都と市場業界が一丸となって着実に事業を前進させるよう要望しておきます。
来年度の拡張整備事業の取組内容と期待される効果について、都の見解を求めます。
○石井市場政策担当部長 都は来年度、老朽化した現在の総合事務所棟を建て替えるための準備工事に着手いたしますとともに、本年十一月に竣工予定の自動立体冷蔵倉庫の運用については、市場全体にとって効率的かつ効果的に活用されるよう、業界調整等をサポートしてまいります。
また、自動立体冷蔵倉庫の稼働に合わせ本格運用を予定している無人搬送機につきましては、今後、運用エリアや具体的なルールについて市場業者と協議を進めていきます。
これらの取組により、卸売場などの物流動線の改善が図られ、場内の混雑解消の効果が見込まれますとともに、荷役作業の効率化の効果が期待されております。
○細田委員 引き続き市場業者の方々とよく連携しながら、淀橋市場の機能強化を図っていっていただきたいと思います。
次に、被災地支援について質問いたします。三陸常磐・能登夢市楽座の取組について質問します。
東日本大震災復興支援及び能登半島地震の復興支援の一環として、昨年の七月から豊洲市場において実施されていた三陸常磐・能登夢市楽座は、本年の二月末で無事に運営を終了されております。
約八か月にわたって被災地産品の消費者普及拡大や風評被害払拭に取り組んでいただいた豊洲市場の水産仲卸団体、また豊洲市場の市場関係者をはじめ、全ての関係者の方々に心からの敬意を表したいと思います。
開催期間中は、多くの人が夢市楽座に訪れ、夢市では、用意された新鮮な魚介類などが大変に好評であったと聞いております。
そこで、二年目となる夢市楽座の取組、成果について答弁を求めます。
○大谷事業部長 三陸常磐・能登夢市楽座がオープンした七月中旬以降、豊洲市場の魚河岸横丁には夢市を開催した十六日間だけでも約二万三千人以上の方が訪れており、多くの来場者の方々に新鮮な水産物や特産品の購入、被災地の食や水産業に関する展示の見学、能登半島への応援メッセージ企画への参加などをいただきました。
事業主体である東京魚市場卸協同組合からは、豊洲市場の発信力と仲卸の目利き力を生かして、被災地産品の魅力を直接消費者に伝えられるとともに、被災地の出荷者から取組への感謝をいただくなど、復旧復興の後押しとなり、大きな手応えを感じたという声を聞いております。
○細田委員 大きな手応えを感じたと、夢市楽座にもたくさんの方々に足を運んでいただき、被災した四県の持つ食や文化の魅力を改めて知っていただけたのではないかと思います。
また、東京魚市場卸協同組合も、被災地産品や食文化などの魅力の訴求だけではなく、能登半島をはじめとする産地復興を後押しすることもできた昨年度と同様に、大きな手応えを得て、大変有意義な取組になったのではと思います。
能登半島では、昨年発生した地震水害から、今まさに復興へ向かって着実に歩みを進めています。また、来年三月には、東日本大震災から十五年の節目を迎えることになります。
こうした中で、大消費地である東京の市場がその発信力を生かして、被災地の復興へ動きを支援していくことは非常に重要であります。
そこで、中央卸売市場が被災地支援に今後いかに取り組んでいくのか、都の見解を求めます。
○大谷事業部長 都民への生鮮食料品等の供給を担う中央卸売市場において、被災地産品の品質や価値を実需者や消費者にPRし、普及拡大していく取組は効果的でございます。
今後も都は、産地と消費者をつなぐ卸売市場の機能や発信力を生かし、市場業界が被災地と連携して被災地支援の取組を行う際には、しっかりと支援してまいります。
また、市場まつりや食育教室、花育教室など、様々な機会を捉え、被災地産品の消費拡大に向けたPRや被災地の食、地域、文化など、多様な魅力の発信などを通じて、東日本大震災や能登半島地震などの被災地の支援に積極的に取り組んでまいります。
○細田委員 卸売市場を通じた被災地支援の取組は重要です。
卸売市場の機能と市場業者ならではの力が相乗効果を生み出す夢市楽座のような取組は、被災地産品の普及拡大につなげていくためにも効果的で貴重なものであります。
このような取組の継続には、市場関係者の主体的な取組が必要になると思いますが、取組の継続に当たっては、都としても今後もしっかりとしたサポート体制を構築していただくように求めておきます。
次に、環境問題への取組について質問します。
近年、気候変動が一層深刻化しており、都においては、世界の大都市責務として、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を目指した取組を推進しているところであります。
中央卸売市場においても、中央卸売市場経営計画において、環境問題への取組として、市場のゼロエミッション化を掲げています。
環境負荷が少ないことは、消費者行動においても重視されており、都民の食生活に直結する生鮮食料品などを取り扱う卸売市場が積極的に環境負荷低減に向けて取り組み、社会的責任を果たしていくことは、都民の理解や信頼を得るためにも重要なことであります。
そこで、市場における環境負荷低減の取組について、今後いかに進めていくのか、都の見解を求めます。
○石井市場政策担当部長 中央卸売市場では、生鮮食料品等流通において、品質衛生管理の観点などから、低温卸売場や冷蔵、冷凍設備など、電力消費の大きい施設や設備が多いため、都はこれまでも環境負荷の低減に向けた取組を進めてきました。
特に再生可能エネルギーの導入につきましては、現在、豊洲市場外二市場に太陽光発電設備を設置しており、引き続き、淀橋市場などの施設整備の機会に合わせて設置していく予定でございます。
また、来年度予算案には、再生可能エネルギーマネジメント事業を立ち上げるための予算を計上してございます。
具体的には、各市場における太陽光発電設備の導入可能性や最新の技術動向の調査等を実施し、その結果を踏まえ、電力の需給バランスやエネルギーの最適化等の観点から、今後の再生可能エネルギーの導入拡大に向けた計画を検討し、市場のゼロエミッション化を推進してまいります。
○細田委員 最後に、東京都中央卸売市場経営計画に掲げる強固で弾力的な財政基盤の確保について質問します。
経営計画では、市場会計が二〇六四年度に資金ショートになる見込みの試算が示されています。
また、同経営計画にある長期収支計画と令和四年度から五年度の実績を比較すると、長期収支計画を上回る実績となっていますが、依然として市場会計の経常収支は百億円規模での赤字が続いている状況です。
中央卸売市場は、都民の安定的な生鮮品等の流通を担っており、引き続いてその重要な役割を維持していく必要があることから、市場会計の状況や課題について、業界とも共有していく必要があります。
こうした中、都は昨年度から業界との意見交換を重ねていると聞いています。
まず、業界との意見交換の目的と成果について都の見解を求めます。
○高橋財政調整担当部長 令和六年二月から七月にかけて実施した業界との意見交換は、市場会計の財政状況と都の経営改善の取組などをテーマに開催しました。
業界からは、市場会計の収入支出の把握、分析に関することや、市場の公共的役割を踏まえた市場運営に関することなど、具体的な意見をいただきました。
全十一市場を回り、業界と直に意見交換を行ったことで、市場会計の厳しい現状や都の経営改善の取組について、業界に課題を提示したところでございます。
○細田委員 全十一市場を回り、業界と意見交換を行い、市場会計の状況や都の経営改善の取組について業界に課題を提示したことは、一定の成果があったといえると思います。
この成果を踏まえて、さらに効果的なものとするために、業界との意見交換を重ねているものと思います。
そこで、現在行っています業界との意見交換のテーマ、それと目的について質問をします。
○高橋財政調整担当部長 現在、市場会計の財政状況と都の経営改善の取組等をテーマとした業界との意見交換に続きまして、市場施設の施設整備等の市場活性化の取組などもテーマに、業界との意見交換を実施しております。
こうした市場運営の継続性や活性化の取組を進めていくためには、強固で弾力的な財政基盤の確保が必要であることを業界に提起しているところでございます。
引き続き、持続可能な市場経営に向けた課題として、適正な受益と負担の観点から意見交換を行い、議論を重ねていくことで、市場使用料の在り方や市場の公共的役割について業界とより具体的な議論につなげてまいります。
○細田委員 市場の活性化の取組と、それを進めていくために必要な財政基盤をテーマに議論をしていくとのことでありました。
このような取組は非常に大切であり、継続的に実施していくことが必要であります。
意見交換などを通じて、業界と課題を共有して連携を進めていくことは、強固で弾力的な財政基盤の確保につながっていくものと考えます。
そこで最後に、業界と意見交換を踏まえた強固で弾力的な財政基盤の確保に向けた決意について、市場長にお伺いいたします。
○早川中央卸売市場長 将来にわたり中央卸売市場を安定的に運営していくためには、強固で弾力的な財務基盤の確保が不可欠でございます。
そのため、都はこれまで、経費削減や未利用施設の有効活用といった収入確保の取組を進めてまいりました。
また、全十一市場との業界の意見交換を昨年度から開始いたしまして、市場会計の厳しい状況などについて、業界と危機意識を共有いたしますとともに、経営改善の取組などについて都民に理解していただけるよう、東京都中央卸売市場会計経営レポートを今年度初めて作成、公表いたしました。
今後も、中央卸売市場が都民に対し、生鮮食料品等の供給を確保する基幹的なインフラとしての役割をしっかりと果たしていけるよう、徹底した内部努力など、さらに経営改善を進めることはもとより、使用料の検討など、業界と連携した取組を一層進めることで、強固で弾力的な財務基盤の確保、こちらに尽力をしてまいります。
○細田委員 都民の安定的な生鮮品等の流通を担う中央卸売市場の重要な役割を維持していくために、市場会計の厳しい状況や課題について、目を背けることなく、業界ときちんと向き合って、共に進めていこうとしている都の姿勢を確認いたしました。
引き続いて、業界と連携して取組を進めていくことで、持続可能な市場運営に向けて、強固で弾力的な財務基盤の確保を不断に進めていかれることを要望して、私の質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。お願いします。
初めに、市場内の安全対策について伺います。
昨年十月三十一日の本委員会質疑で豊洲市場の業務用エレベーターの事故について指摘し、速やかな復旧を求めました。
その後、エレベーターは、それぞれいつから使えるようになりましたか。修理は終わったのですか。利用できなかった期間は、それぞれ何か月でしたか。
○高橋財政調整担当部長 昨年十月末時点で、豊洲市場水産仲卸売場棟において故障により停止していた荷物用エレベーター三台については、十一月十八日、十二月五日、本年二月二日から、それぞれ使用可能となっております。
加工パッケージ棟において故障により停止していた荷物用エレベーター一台については、十二月二十二日から使用可能となっております。
使用再開までの期間は、約二か月から五か月となっております。
○藤田委員 二か月から五か月も使えなくなっていたということですが、前回の委員会質疑の直後に、順次、使用ができるようになったということです。年末年始の書き入れどきに間に合ってよかったという声も寄せられております。
ただ、やはり五か月間も使用できなかったというのは、業務にも、業務の効率化の上でも安全面の上でも好ましくありませんので、東京都が仮復旧するなど速やかな手だてをするよう求めておきます。
また、こうした今回の事故自体は、全てターレなどに乗った人の運転が原因だったということで、ターレがぶつかってエレベーターが故障するほどの事故だったということでは、けがや重大事故につながるおそれもあると思います。
豊洲市場では、こうした大きな事故につながる事故をはじめ、ほかの市場と比べても、死亡事故も多くなっています。
豊洲市場の開場以降、場内における事故と重大事故について、年度ごとに直近までの件数を伺います。
○住野管理部長 事故件数、それから重大事故件数の順にご報告をいたしますと、平成三十年度は事故件数百八十件、重大事故件数一件、令和元年度は事故件数二百二十一件、重大事故件数一件、令和二年度は事故件数百七十五件、重大事故件数ゼロ件、令和三年度は事故件数二百二十三件、重大事故件数ゼロ件、令和四年度は事故件数二百三十件、重大事故件数一件、令和五年度は事故件数百九十八件、重大事故件数一件、そして直近の数字ということでございます、まだ令和六年度は終わっておりませんけれども、この二月末時点では事故件数二百十七件、重大事故件数はゼロ件でございます。
○藤田委員 豊洲市場が開場して七年たつわけですが、その間に四名の方が亡くなられたということです。築地市場ではこういった死亡事故はありませんでしたので、こういった事故が起きているのは、豊洲市場の機能的な問題、物理、構造上の問題もあるのではないかなと思います。
このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、市場業者と専門家などと安全の検証や再発防止策が必要です。
そこで、中央卸売市場内での死亡事故や、死亡事故となった事例と同様の事故について、検証や分析は行っているのでしょうか。再発防止のために、警察署とはどのような連携を行っているのですか。
○住野管理部長 場内で事故、交通事故が発生した場合、原則といたしまして、事故の当事者または目撃者から報告を受けた職員等が、事故の状況について調書を作成いたします。
事故原因を確認するとともに、その報告に基づいて、事故の状況を警察に報告するということになってございます。
死亡事故等の重大事故につきましては、業界や警察署で構成される市場内の交通委員会等におきまして、事故原因等を共有するとともに、場内における走行ルール遵守の周知徹底を図っております。
○藤田委員 ルールを守るように周知徹底するというのは当然のことですが、ほかの市場よりも死亡事故が多い実態を見れば、豊洲市場の構造自体にも原因があります。築地市場には、こういった事故はなかったわけですから。
東京都として、専門家を現地に派遣し、ぜひとも現場検証などを行っていただきたいと思います。
そして、市場関係者と一緒に安全対策を再構築していただくよう、また、具体的な取組を行うよう求めておきます。
次に、仲卸業者の経営支援についてお聞きします。
都は、厳しい経営状況に置かれている市場業者に対して、二〇二二年から経営強靱化推進事業補助金で経営支援を実施しております。
昨年二月に公表された市場の包括外部監査報告によりますと、仲卸業者の経営状況について触れられておりまして、仲卸業者は、二〇一二年から二〇二一年の九年間で二百九十社、全体の二三%も減少しているということに着目しています。
加えて、監査報告では、経営支援の補助金である経営強靱化推進事業について、二〇二二年度の執行率が四四・四%となっていることに対して、執行残が相当程度発生している状況にあるということも指摘しています。
経営強靱化推進事業補助金の二〇二三年度の執行率はどうなっていますか。
○大谷事業部長 中央卸売市場経営強靱化推進事業において、令和五年度は計百十八件の取組に対して支援を行い、執行率は約四五・八%でございました。
○藤田委員 二〇二三年度も同程度の執行状況となっているということです。
加えまして、二〇二三年度の経営強靱化推進事業の執行率が四五・八%と引き続き低いのはなぜですか。
○大谷事業部長 都は、市場業者と意見交換を積み重ね、中央卸売市場経営強靱化推進事業が利用者にとって使い勝手のよい制度となるよう、制度内容を適宜見直ししてまいりました。
引き続き、この制度を多くの市場業者に利用していただけるよう周知に努めており、今年度は、令和七年二月時点で、昨年度同月期の約一・八倍となる計百九十七件の取組に対して支援を行っております。
○藤田委員 二〇二三年度は何で低かったんですかとお聞きしたんですが、今年度は改善をしているということでした。
経営計画を見ますと、二〇二二年と二三年については実施をしていくということで、中身が恐らく変わっていなかったというのもあるのかなと思いました。
そして今年度からは、見直し、再構築ということで、この間の質疑にもあったように見直しをしたことや、また、三月にパンフレットをつくったということで、そうした中で、初めて多く周知されたというのも大きくあったんじゃないかなというふうに思っております。使いやすくなり、利用ができるようになることは大変いいことかなと思います。
毎年、市場業者の方の意見を聞いてメニューや補助額などを決めているということでしたので、さらに使いやすく使われるようにするために、率直に業者の皆さんなどと現場の声を聞いて、改善することが必要だと思いました。
物価高騰の影響を受け、経営状況は一層厳しさを増しています。経営強靱化推進事業の予算額は現在五億円ですので、これは、今は一・八倍ということですから、約八割ぐらいが使われているんじゃないかなと思いますので、多く利用されるようになったのであれば、さらに増額することも踏まえて、さらなる改善に努めていただきたいと思います。
あとは、人手不足ということも深刻だということが、現場の方からお話を伺いました。とりわけ物価上昇を上回る賃上げが今急務だなと思っております。
しかし、仲卸業者の組合の方のお話では、卸売業者、卸の方では組合要求に対して満額回答だったけれども、仲卸では賃上げがされたという話は聞かないというお話がありました。
昨年春闘の結果を見ても、大企業では賃上げが進みましたが、事業規模が小さいほど賃上げ率が低くなっています。それでも人手の確保が必要だということで、必死に防衛的な賃上げをしているというのが、世の中の現状になっているなと思っています。
仲卸業者の賃上げ支援を実施するように求めますが、いかがですか。
○大谷事業部長 都は、市場業者が生産性の向上などを通じて経営基盤の強化が図られるよう、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場取引の活性化に向けた販路開拓や業務効率化に資する自律的な取組への支援を実施しております。
○藤田委員 多くの業者で、今、賃上げが進んでいるところです。市場の小規模事業者においても賃上げができるようにすべきだと思います。
業者の中でも、減少が最も激しいのは水産です。仲卸などの卓越した目利きの力、つまり、市場業者の豊富な経験と知識に基づき評価することにより、全国から集まった鮮魚などを正当に評価しています。その信頼が、漁業者とお店、料理人、消費者をつないで、日本の食文化を支えています。
一方で、市場業者の人手不足が続けば、そうした豊富な経験や知識というのは引き継がれなくなってしまいます。そうなれば、豊洲の建値市場としての役割を果たせなくなるという危機的な状況に陥ります。今こそ、市場業者でも物価上昇を上回る賃上げを東京都が後押しすることが必要です。
そこで伺いますが、仲卸業者の賃上げが実施されているかどうかについて把握されていますか。
○大谷事業部長 都においては、中央卸売市場条例に基づき、仲卸業者に対して事業報告書の提出を求めており、仲卸業者個々の経営状況や財務状況などを把握しております。また、仲卸業者の従事員一人当たりの人件費についても把握しております。
令和四年と令和三年を比較した従事員一人当たりの人件費については、全取扱品目合計では前年に比べ減少傾向にありましたが、取扱品目別に見ると、青果物では減少し、花き及び食肉では増加し、水産ではほぼ同額でございました。
○藤田委員 賃上げが実施されているかどうかについては、明確なお答えはありませんでしたけれども、全体では、二〇二二年は前年よりも減少傾向にあったということでした。
先ほど組合の方のお話もありましたが、賃金を上げたというお話は仲卸では聞かないということなんです。ほぼ同額ということですから、賃金は上がっていないという状況なんだと思います。
知事は、物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものにしていく必要があると述べられています。それは仲卸業者の賃上げも同様だと思います。
経営強靱化推進事業において、市場業者、とりわけ小規模事業者での賃上げが進むような支援を東京都として取り組むことを強く要望いたします。
また、市場使用料についても、こうした経営状況から見ても、値上げというのは決して行うべきではありません。不足する資金は、豊洲市場の運営費が増加していることが一番の理由ですので、それは東京都の政策の判断によるものですから、一般財源から繰り入れるべきです。
市場の使用料の値上げは行わないように強く求めまして、私からの質問を終わります。
○西崎委員 よろしくお願いいたします。
まず大きなところから伺いますが、二〇五〇東京戦略を読みますと、観光に関する項目で世界一の美食都市東京と掲げているわけであります。日本、特にその中でも東京のグルメなどが、世界から高い評価を受けていると。今ここでいうまでもなく、そうした評価を世界からいただいているということかと思います。
そういう意味では、世界中から人を引きつけるその要素の一つとしては、プロジェクションマッピングだとか噴水よりも、よっぽどキラーコンテンツだと私自身は思っています。
そう考えると、この東京、日本といってもいいかもしれませんが、この食文化を維持発展をさせていくこと、そのこと自体、こうした二〇五〇戦略に掲げられているような観光戦略、非常に重要な位置づけになると思いますし、そのためには、やはり東京都の中央卸売市場の果たす役割、これも非常に重要であると思うんですけれども、どうでしょう。見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 大消費地である東京の中央卸売市場は、各地から集積する多種多様な生鮮品等に対する公正、公平な市場取引を通じて、都民の豊かな消費生活を支えますとともに、国内外に日本の食の魅力や食文化を伝える役割も果たしております。
○西崎委員 もちろんいうまでもなく、やはり重要な役割を果たしているということかと思いますし、今お答えもいただきましたけれども、いわゆる築地ブランドから豊洲ブランドというんでしょうか、本当に世界的に有名でありますし、また、もちろんほかの市場も含めて、東京の食文化を日頃支えていると。
さらに、その魅力を知らしめていくということにおいて、市場の役割は非常に重要でありますし、また、繰り返しになりますが、極めて健全かつ威力のある観光のコンテンツになるかと思っております。
一つ具体的な話で、これまでも何度か聞いておりますけれども、いわゆる、そうした市場によるブランディングであったり、また、そうした質の高い生鮮品を、市場取引を通じて都内ないしは日本各地に行き届けているということ、そのものの役割ということと併せて、やはり特に観光という観点からいうと、日本の市場をぜひ見たいということで、市場見学に訪れる訪日客というのも非常に増えているというふうにお聞きをしております。
そこで、市場見学におけるインバウンド対応について、見解を伺います。
○住野管理部長 各市場におきまして、市場を訪問される外国人の方にも分かりやすく市場の仕組み等を紹介し、市場への理解を深めていただけるように、日本語だけではなく、英語、韓国語、中国語の多言語のパンフレットを用意いたしまして、市場見学の対応を行っているところでございます。
○西崎委員 多言語対応ということであります。やっぱり今本当に増えているという話も、昨年、一昨年ですかね、豊洲の方に伺ったときにもお聞きをしたんですけれども、先ほども、市場に関して、料理教室なんていう話も、さきの委員のやり取りでありましたけれども、海外の方がいらっしゃった、そうしたところをターゲットに様々なコンテンツを用意していく。
例えば各国の比較であったり海外との違いであったり、昨今は、アプリ等を通じた、そうした案内を見ながら、具体的な話も聞きながら見学ができるというような、そういったものも様々ありますので、ぜひ、そうしたコンテンツの進化というものも、ぜひ引き続きご検討いただいて、そうした東京の市場、そして食文化の魅力、これをもう世界に発信していくという取組を引き続き強化をしていただきたいということを、ここでは求めておきます。
本当でしたら、この後、市場の警備業務であったり、ないしは物流効率化、BCPの話も伺おうと思ったんですけれども、同郷の、さきの委員にほぼ、重複がありましたので、ここではもうお聞きしませんので、その代わりに一言二言だけちょっと申し上げておきますけれども、まず物流効率化、先ほど来、議論がありまして、様々、予算案においても課題感があり、また、取組をさらに新しく進めていくということはお聞きをさせていただきました。
二〇二四年問題ということも、これはもう去年でありますけれども、当初は、昨年、一四%の輸送力の不足に対してどう対応していくかということでありましたけれども、もう昨年時点で、これはもう二〇三〇年問題なんだと。
すなわち、二〇二四年は約一四%、一四・四%でしたかね。だけれども、二〇三〇年には三四%輸送力が不足をしていくという、もうこれは二〇三〇年問題と置き換えて、さらに取組強化をしていかなければならないという、そうした業界の方からのご指摘もこの間いただいてまいりました。
市場に当たっては、やはりトラックの物流が非常に大多数を占めるということもありますし、様々取組が進められるということも、今日はさきの委員の質疑において確認をいたしましたけれども、これは本当に深刻な状況をこれからますます迎えていくということであります。
二〇二四年問題は、昨年起こる、昨年で終わる問題ではなくて、そこから始まる問題だということでありますので、ぜひ、これはさらなる強化をお願いしたいと、改めて私からもお願いをしておきたいと思います。
そしてもう一つ、先ほど来、経営計画、長期的な財政見通しというお話もありました。
冒頭申し上げましたように、東京は、一方では世界一の美食都市東京を目指していくんだといっている一方で、それを支えていく役割を非常に強く持った中央卸売市場が、足元がぐらついているとはいいませんが、長期的な展望を見たときに、必ずしも、これはもう大丈夫なんだという状況には正直ないというのが実際のところだと思います。
別に皆さんを責めるわけではなく、本当に日々努力をされて、コストの縮減であったり、本当に努力をされていることは承知をしておりますけれども、じゃあ使用料収入が五・五%、どうやって増えていくんだとか、様々な課題があろうかと思います。
いわゆる営業的経費、行政的経費の話も、先ほどもありましたけれども、本当に長期的な収支、そしてまた市場の在り方、役割、こうした議論をさらに、我々も含めて深めていかなければならないと思いますので、こうした委員会でも都度都度、皆さんと議論をしていきたいと思っておりますので、そのことを申し上げまして、すみません、ちょっと予定より短くなりましたが、これで質疑を終わります。ありがとうございました。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十五分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○上田委員 旧築地市場仮設搬出入路及び荷揚桟橋上部工撤去工事についてです。
契約締結に係る入札参加条件と入札参加可能事業者数及び辞退理由、低入札者への聴取の日時等をご説明の上、決定した事業者のこれまでの実績と評価を伺います。
○高橋財政調整担当部長 入札参加条件として、法令に定める入札参加禁止事由に該当しないこと、指名停止を受けていないこと、都の入札参加資格のうち特定の業種の資格を有すること等の一般的な規定に加え、地方自治法施行令百六十七条の五に基づき、工事等の実績や経営の規模等を定めることとされております。
このため、旧築地市場(六)仮設搬出入路及び荷揚桟橋上部工撤去工事については、単体企業による申込みの場合は、一般土木工事の格付がA等級で一定規模以上の一般土木工事実績を満たす者であることなどを入札参加条件としております。
また、建設共同企業体が入札に参加する場合は、二者構成による建設共同企業体で、共同企業体の構成員が、それぞれ一定規模以上の一般土木工事実績があることなどを条件としております。
入札参加可能事業者数は、電子調達システム上で入札参加条件を持つことが把握できる事業者のうち、単体または建設共同企業体の第一順位として参加できる者は、入札公告を行った令和七年一月時点で二百十四者となっております。
辞退理由は、本件は入札辞退した者がいないため、対象者はおりません。
低入札者への聴取の日時等は、本件は低入札価格調査制度を適用していないため、対象者はおりません。
契約の相手方である建設共同企業体は、構成する各社ともに東京都建設工事等競争入札参加有資格者であり、事業者の実績や経営規模及び状況に基づく資格審査において、一般土木工事の業種でA等級に格付されていることを確認しております。
○上田委員 辞退者もいなく、適正入札、適正事業者が選ばれたことを確認できました。
次に、予算調査に入っていきます。
仲卸の経営状況です。
事務事業質疑では、人件費が減少した業者が、増加した業者よりも大きく上回っていることを確認しました。経常損益の状況も、赤字業者が四七・七%、二年連続赤字計上の業者は三六・六%となっておりますことからも、仲卸業者の取り巻く経営環境はかなり厳しいと判断せざるを得ないと指摘をしておりました。
都としても、消費者ニーズの多様化や流通チャンネルの多元化などにより、卸売市場を取り巻く流通環境が変化する中、市場業者は、エネルギー価格の上昇、円安の影響を受けるなど厳しい経営環境にあると認識、中央卸売市場経営強靱化推進事業を通じて支援し、令和六年度は、物流問題に対応するための取組、人材確保に向けた取組を後押しするための補助区分を新設したほか、債務負担行為の対象枠を拡充するなど事業の見直しを行っているということで、その成果、課題を報告の上、新年度へ向けての支援の取組を伺います。
○大谷事業部長 都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業について、市場業者からの意見を踏まえ、令和五年度中に各補助区分における申請の上限回数を撤廃するとともに、今年度からは、申請手続を簡素化した補助区分を拡充いたしました。
また、今年度新設した人材確保の支援は、多くの市場業者にご利用いただく一方、経営環境がより一層厳しさを増す中において、市場業者からは、人材の採用や定着に向けてさらなる支援を期待する声も寄せられており、都は、来年度に制度を拡充し、人材確保に向けた市場業者の取組をこれまで以上に後押ししてまいります。
○上田委員 中小企業経営の専門家等と連携した経営相談などの経営支援策を通じて、市場業者の行動変革に向けた機運醸成をしていますが、経営相談の実績、ノウハウを蓄積されていると思います。随分長いことやっていらっしゃいますからね。
どのような経営支援にどれぐらいの数の仲卸がつながったのか、事例を挙げてご説明ください。
○大谷事業部長 都は、仲卸業者などの市場業者に対して、中小企業経営の専門家等と連携した経営相談等の経営支援策を実施しており、今年度は、財務状況などの経営相談を十件実施しております。
○上田委員 一応、後の質問でもありますが、九百ぐらい事業者がいるので、この数はどうかと思っているので、働きかけをよろしくお願いします。
今いったように、令和四年度の十二月現在は九百三十三業者、前年より十事業者減少し、平成元年から見ると八百六十一業者、四八%も減少。市場別前年比では、水産物部では豊洲が六件、足立が二件、青果部では多摩ニュータウンが一件、花き部では葛西が一件となっており、改善を図るのがかなり困難である仲卸が少なからず存在していることを指摘しております。
市場業者は市場取引を担う重要な存在であり、活力ある市場づくりのためには、その経営の安定化を図っていく必要があるのは承知しておりますが、公営市場事業は慈善団体の公共事業ではないんですね。
販路の拡大、目利きのノウハウや顧客関係等、仲卸業者の経営基盤の強化を図るも、かなり従前から取り組んでいて、いつまで続けるのか、それで立ち直れるのか、心もとない部分も数字は語っております。
仲卸事業者の廃業に伴い、事業の継承を希望する仲卸業者がいる場合には円滑な事業継承をサポートするとのことですが、販路拡大能力のある新規事業者の積極的な参入にシフトすべきと考えますが、所見を伺います。
○高橋財政調整担当部長 都は、仲卸業者の廃業に伴い空き店舗が生じた場合で、その店舗を使用したい場内業者がいる場合には、市場業者の経営規模の拡大や財務体質の強化が図られ、かつ、市場全体の取引の活性化にも資するなどの要件を確認した上で使用許可を行っております。
空き店舗を使用したい場内業者がいない場合や、場内業者では要件を満たさない場合は、市場外の事業者を含めて、広く公募を行っております。
○上田委員 また、従前指摘したんですけど、多摩ニュータウンは少子高齢化の課題を抱えている側面もあるのか、面積がかなり空いています。
過去二十年における取引や売上げの推移をご説明の上、多摩市場を維持する費用対効果、空き面積部分の今後の解消策について確認します。
○高橋財政調整担当部長 多摩ニュータウン市場の令和六年の取扱実績は、数量が一万八千八百トン、金額が五十七億九千万円となっており、二十年前と比べ、数量で七五%、金額で一二四%となっております。
空き施設の解消については、市場業者による施設の利用を推進するとともに、市場業者の利用希望がない場合などは公募の検討を行うこととしています。
都の中央卸売市場は、都内十一の中央卸売市場全体に係る経費を全市場の収入で賄うという考え方で経営を行っております。
○上田委員 いずれにしろ、空き面積は公募をしていく方向性だし、公募が可能だということは確認できましたので、積極的にお願いいたします。
各市場についてです。
令和三年度に策定した中央卸売市場経営計画において、老朽化への対応及び事業者のニーズへの対応を見据え、拡張整備事業を着実に実施していくとしており、令和四年度には基本設計、令和五年度には実施設計を行い、拡張整備事業に取り組んでおります。
まず、本年度までの成果と新年度に向けての取組を伺います。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場では、老朽化が進む総合事務所棟の建て替えに伴い、狭隘化による場内物流の改善に向けた拡張整備事業を推進しており、これまで市場業者による自動立体冷蔵倉庫の整備などに取り組んでおります。
来年度は、総合事務所棟の建て替えに向けた準備工事に着手するとともに、自動立体冷蔵倉庫の竣工や無人搬送機の本格稼働を予定しております。
○上田委員 劣化が大きな課題ということで、着々とやっていらっしゃるということです。
一応、劣化度調査もしているということですが、同僚委員から質問がありましたので、これは飛ばさせていただきます。
今後、中央卸売市場の中長期的存続、地域流通の担い手として集約するなど、新たな展開をすべきなのか、びほう策を積み重ねてコストを支出し続けるよりも、いつか英断を下す転機を見据えた見解があるのかどうか伺います。
○石井市場政策担当部長 都の十一の中央卸売市場は、各市場がそれぞれの市場機能を発揮して、都民に生鮮品等を供給する基幹的なインフラとしての役割を果たしております。
現在策定中の維持更新計画を基に、各市場の業界とも意見交換などを重ねながら、長期的な視点での施設整備の方向性を検討することとしております。
○上田委員 現状は十一、長期的には検討をするということでありましたので、いつか決心をするときが来る場合に備えて、慎重な検討をお願いしたいと思います。
とはいえ、現状稼働している市場のメンテナンスは大切です。
工事を要求資料にまとめていただきました。二〇一八年開業の豊洲市場が、まだ七年ぐらいしかたっていないのに、ちょっとなぜ工事が多いのかなということで、ちょっと確認させてください。
○中井環境改善担当部長 豊洲市場を含めまして、各市場におきましては、日々の市場業務を円滑に進めるため、老朽化対策はもとより、市場の運営や維持管理に必要な工事を適宜実施しておりまして、豊洲市場では、六街区の連絡橋整備や照明設備のLED化のための改修、監視カメラの増設及び改修、植栽改修などの工事を行っております。
○上田委員 事故も多い、事故の件もほかの委員からも指摘があったようなので、カメラとか、そういった新たな課題解決のための工事ということを確認しました。
食肉においては、細かな機器工事が散見されます。
一回調べたことがあるんですけれども、これは少額随意契約などもあるように思われますが、これ、少額随意契約を全部まとめると結局大きな金額になって、全部同じ事業者が受託するなんて、ちょっと今、うちの江戸川区でも問題になっているんですけど、入札状況は健全でしょうか。
○高橋財政調整担当部長 入札契約手続については、地方自治法や地方自治法施行令などの関係規定に基づきまして、適切に行っております。
○上田委員 よろしくお願いします。
大田市場は、全国の産地から多くの荷が集まることにより、場内での荷物の集積や出搬入のトラックの集中などによる場内混雑が深刻化していますが、それに係る整備など、検討、実施はどうされているのでしょうか。
○石井市場政策担当部長 大田市場では、物流効率化に向けて、青果卸売業者三社が合同で開発した共同荷置場案内サービスの運用を開始しており、都は、その利便性を高めるため、場内へのWi-Fi整備などを進めております。
○上田委員 Wi-Fi整備ということで、いいことだと思います。
キャッシュレス決済の需要もあることから、市場のDX推進には不可欠ということですが、ほかの市場でも整備はされているのでしょうか伺います。
○石井市場政策担当部長 大田市場の周回道路等において、青果物の卸売業者三社が共同で、業界全体に寄与する物流改善に向けたDXを後押しするため、Wi-Fiを整備しております。
加えて、他の市場におきましても、市場業者がDXを進め、業務効率化に取り組む場合などには、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、通信機器の導入経費等の一部を補助しております。
○上田委員 大田市場会館の件も確認させていただきたかったところですが、これもほかの委員がしっかり確認をしたので、飛ばさせていただきます。
淀橋市場は、昭和三十八年に竣工、老朽化が進む総合事務所棟の建て替えに伴い、市場の狭隘化による場内物流混雑に対応するため、拡張整備事業に取り組み、自動立体冷蔵倉庫など、整備工事のための準備工事に着手しているとのことです。
場内が狭く、混雑するため、いろいろと見学の時間等は配慮をしているということでありますけれども、狭隘であったり住宅街の中にあるという課題もあるんですけれども、日本一の歓楽街、歌舞伎町も隣接する中心地にある利便性というメリットも、とても高いと思います。
付加価値もあると思うんですけれども、淀橋の特徴についてご説明ください。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場は、野菜や果物を取り扱う青果物市場であり、繁華街を有する新宿区に立地し、地域の供給拠点として、大田市場、豊洲市場に次ぐ三番目の取扱数量の市場となっております。
○上田委員 そして毎月第三金曜日には、地域に市場の日として開放されていますが、どのぐらい活性化しているか、利用があるか、どう貢献しているのか伺いたいと思います。
○石井市場政策担当部長 地域の専門小売店に淀橋市場直送ののぼりを掲げて、新鮮で特色ある野菜や果物を提供する市場の日は、多くの住民の方々に親しまれております。
毎回、約四十店舗が参加しており、地域に密着する卸売市場として、淀橋市場の認知度向上につながってございます。
○上田委員 地域的に外国人の方も来て、いずれ、今SNSの時代なんで、外国人の方にもインバウンドで来ていただけるといいなと思います。四十店舗参加いただけているということで、評価したいと思います。
一方、狭いがゆえに、卸売市場でおなじみのターレはほとんどなく、電動アシスト、いわゆる、通称マイティーカーが活躍していますが、豊洲では死亡事故が発生してしまいましたが、事故など頻発していないか懸念することから、状況を伺います。
○住野管理部長 淀橋市場では、過去十年、死亡事故は発生してございません。
○上田委員 それはよかったです。
次は、今日、「じゅん散歩」に出ていた足立市場です。
冷凍設備改修工事が実施されますが、どのような需要があり、工事によって、課題がきっとあったと思うんですけど、それをどう解消できるのか伺います。
○石井市場政策担当部長 足立市場の冷蔵庫棟につきましては、冷媒に特定フロンが使用されているため、特定フロンに代わる冷媒を使用した設備となるよう、計画的に改修工事を行っております。
○上田委員 環境を考慮した工事であることも確認しました。
一方、空き店舗面積が年々増加しておりますが、傾向を説明の上、足立市場の日が活性化に、これも貢献できているのか、状況について伺います。
○住野管理部長 足立市場の仲卸の空き店舗は、一部、倉庫等による利活用をしておりまして、直近の五年間で見ますと、空き店舗面積は横ばい傾向にございます。
足立市場の日は、平成二十六年七月から開催しておりまして、今年度は、各回約一万人の多くの地域住民の方々が訪れておられます。
来場する方々に市場への理解を深めていただくとともに、対面販売を通じた対話などによりまして、魚食や食育への関心を高めていただいております。
○上田委員 一万人といったら結構な数で、これはかなり活性化に貢献していると思いました。
世田谷市場は、LED取替え工事のみとなっていますが、既に、これまでの整備が完了しているのか、今後予定しているのか伺います。
○石井市場政策担当部長 世田谷市場では、昨年度、南棟や中央棟の乗用エレベーター改修工事や、中央棟三階女性トイレ補修工事などを実施しております。
今年度は、南棟ほか照明設備改修工事を実施するとともに、監視カメラ改修工事実施設計などを行っております。
来年度は、中央棟のトイレ改修工事実施設計などを予定してございます。
○上田委員 また、世田谷産農産物のせたがやそだちなど地場産野菜も取り扱っていることですが、本当にこれはいい取組だと思いまして、取扱量などはどの程度か、地産地消の観点から伺います。
○大谷事業部長 世田谷市場における令和六年の青果物の取扱いは、数量が約三万三千トン、金額は約九十七億円でございます。
このうち、せたがやそだちのキュウリやコマツナなどの地場野菜の令和六年の取扱いは、卸売業者によりますと、数量が約五トン、金額が約百三十五万円となっていると聞いております。
○上田委員 五トンで百三十五万円なんですね。ちょっと勉強になりました。
私の地元、葛西市場ですが、老朽化対策が目立つのは、ちょくちょくお邪魔しているので十分に理解するところです。
過去二十年ほど、ほぼ満床ということで、市場需要があることは評価したいと思っております。
場内では毎日、低温卸売場内にて移動競りを行っていますが、世田谷市場は七割を低温化整備していますが、葛西市場の低温化率はどのぐらいか、葛西の事業者の需要はありませんか。需要がなければそれでよいと思いますので、あくまでの確認でございます。
○石井市場政策担当部長 葛西市場における青果卸売場の低温化率は約四〇%であります。
また、都はこれまでも、市場業者との役割分担の下、産地や実需者等のニーズに応じて卸売場の低温化を進めております。
○上田委員 話を聞いて、適正な低温化を進めていただければと思います。
また、地元の花き園芸農家からは、シクラメンやポインセチアなどの鉢植えも入荷し、文字どおり地産地消の市場として、都民はじめ区民の皆様に新鮮で安全な生鮮食料品や花きをお届けしておりますが、こちらも取扱量を確認させてください。
○大谷事業部長 理事、花きにつきまして取扱量というお話でしたが、ちょっと量で表現しにくいものですから、金額を述べさせていただきます。
葛西市場における令和六年の花きの取扱金額は、約五十四億七千万円でございます。
このうち、地元江戸川区で生産されたポインセチア等の花きの令和六年の取扱金額は、卸売業者によりますと約一千六百万円となっていると聞いております。
○上田委員 地域の皆さんも、ちゃんと納めてくださっていることをありがたく思っております。
葛西市場は、また一方、地理的に市場の東側一・五キロに都県境があるため、花き部の売買参加者の約半分は千葉県などからの都外から来場してくださっているということで、例えば、どんどん参入してほしいとか、それもあって空き店舗がないのかなと思っているんですが、そうした連携状況、共有状況につきまして、確認させてください。
○大谷事業部長 葛西市場花き部における、都外の売買参加者の承認についてお答えさせていただきます。
葛西市場花き部における令和七年二月末時点の売買参加者数は五百三十九業者であり、このうち、千葉県など都外の売買参加者は二百九十三業者でございます。
葛西市場花き部における売買参加者については、当該市場の流通を阻害するおそれがなく、市場の活性化に資すると認められるなどの場合は、主たる事業所の所在地が都外であっても、原則、審査の上、承認しております。
○上田委員 本当に、この関東近県で活性化していくということは、もう東京都独り勝ちではなくて、すごくいいことだと思っておりますので、引き続き、評価をしますので、ウエルカムでお願いをしたいと思います。
広報事業です。
都は、中央卸売市場の持つ機能、役割に対する理解と信用向上に努めるために、広報広聴、PR活動に取り組んでいます。
新年度予算は一千三百万円となります。多岐にわたる企画、事業のメニューをこれまで実施してきましたが、取組と成果、それを踏まえての、新年度の新規、継続の取組と期待する効果について、所見を伺います。
○住野管理部長 これまで都は、市場まつりの開催のほか、各市場におけるPRコーナーの設置や、食育、花育教室の開催、社会科見学の実施などを通じまして、中央卸売市場の歴史やPR、旬の食材や全国の産地の紹介等を行ってまいりました。
今後も、こうした様々な機会を通じまして、都民に卸売市場の意義や役割を広く周知するとともに、健全な食生活を実践するための、食に関する正しい知識を身につけていただくことにより、中央卸売市場が、都民に生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を、将来に向かって果たすことにつながると考えております。
来年度につきましても、オンラインを活用した積極的な情報発信を行うことで、引き続き、中央卸売市場の持つ機能や役割に対する理解促進につながる取組を実践していくこととしております。
○上田委員 本当に、こういってはあれで、大した予算でもありませんけれども、こういうことは大事だと思いますので、これは費用対効果の効果がいいのではないかと思います。
築地跡地の埋蔵文化財本掘調査についてです。
都指定の旧跡、浴恩園は、大正十五年に標識され、都条例改正によりまして、昭和二十七年に史跡、三十年に旧跡指定され、大正十三年に東京市議会の議決を経て、昭和になってからようやく移転先が海軍省、元松平定信下屋敷に中央卸売市場築地本場の建設が、市場の建設が決定され、昭和十年からは築地本場として業務を開始し、当該エリアは、主に正門につながる通路や買い荷保管場所となっておりました。
現在は中央卸売市場所管ではなくなった築地市場跡地でありますが、大河ドラマ「べらぼう」にも登場する松平定信ゆかりの浴恩園への、天下の名園の再評価が今こそ問われているところです。
小池知事も、三期目公約に江戸東京文化世界遺産を掲げており、まさに、この政策にぴたりとなじむものであり、あの貴重な水辺を、得体の知れないレジャーランドにする理由は一つも見当たらないものです。三井や読売グループへ令和の払下げをする蛮行は看過できませんことから、ただしてきたところでございます。
去る三月十五日は、築地浴恩園再生学会設立記念講演会が、協力、中央政策研究所によりまして、東洋大学白山キャンパスで開催され、藤掛正史中央区ユネスコ協会会長、大学院大学の至善館教授、エバレット・ケネディ・ブラウン氏が基調講演されるなど、再生の動きが急速に広がっております。
旧築地市場跡地に係る埋蔵文化財本掘調査には、四億五千万円が計上されております。
まず、本掘調査に当たっての委託業者について、具体的な社名、文化財評価の技術力の有無、これまでの文化財本掘実績等についても伺います。
○高橋財政調整担当部長 埋蔵文化財調査は、旧築地市場跡地における事業の実施に伴い、関係機関と調整しながら、関係法令に基づき実施されるものでございまして、中央卸売市場は、契約の発注を行っておりません。
埋蔵文化財調査は、協定書に基づき、所管局が責任を持って対応しているため、社名等についても、中央卸売市場がお答えできる立場にはございません。
○上田委員 都市整備局マターということになっているということでありますね。
卸売市場と都市整備局、中央区における、それぞれの所管すべき事項と責任分界点について確認いたします。
殊に私が注目しているのは、文化財としての検証と、文化財として評価する本掘調査を誰が責任を持って行うかということです。よろしくお願いします。
○高橋財政調整担当部長 埋蔵文化財調査は、繰り返しになりますが、旧築地市場跡地における事業の実施に伴い、関係機関と調整しながら、関係法令に基づき実施されるものでございます。
なお、関係機関は、文化財を所管する都の教育庁や中央区教育委員会であると聞いております。
○上田委員 責任分界点、確認しました。
市場経営についてです。
キャベツはじめ野菜の値段が爆上がりし、高騰を続ける中、適正品質、適正価格で食卓へ届け、都民の食の安全を守る中央卸売市場の役割は大きいと考えます。
高止まりが止まらない野菜の価格について、市場の果たす役割、使命、でき得ることについて、所見を伺います。
○大谷事業部長 中央卸売市場が果たしている役割には、全国から大量多品種の品物を集める集荷や、公正な価格形成などがあります。
生鮮食料品等は、天候その他の自然条件によって供給量が極めて大きく左右されるという商品特性を持っており、近年、夏場の酷暑などの天候要因等によって野菜の成育が不良となるなど、需要と供給のバランスなどから高値傾向にあると承知しておりますが、中央卸売市場は、全国から生鮮食料品等を集荷し、公正かつ迅速な取引を確保することで、都民への生鮮食料品等の円滑な供給に努めております。
○上田委員 公正、迅速な取引、そして全国的に取り寄せていただいているということで、供給に努めていただきたいと思います。
と場会計の一般会計繰入金推移の資料を提出いただきました。微増減はありますが、平均三十五億円を繰り入れております。
繰入れの根拠となる地方公営企業法十七条は、あくまでもできる規定であり、同法三条の基本原則に立ち返れば、健全経営は当然のことで、実際、一般会計からの繰入れをしていない局もあると、公営企業や都立病院経営も含め、指摘をし続けております。
この繰入金の金額の根拠と、繰り入れることの妥当性、必要についての説明を求めます。
○高橋財政調整担当部長 と場会計は、昭和五十五年の公営企業等財政再建委員会の答申に基づき、地方公営企業法の適用を廃止し、特別会計として経理することとなりました。
使用料や手数料などを歳入予算とすると場会計の財政運営においては、と場事業の管理運営に要した職員費や、と場施設の維持更新及びと畜解体作業に要した運営費等の収支不足額に対し、一般会計から繰入金を充当することにより、芝浦と場を適切かつ安定的に運営することができております。
○上田委員 繰入れせざるを得ないということなんですが、食肉部は一六・七%が経常赤字業者、経常利益率が下降した業者は四一・七%に達しております。
と畜数は、大動物は年により変動が大きいのですが、今後、極端な上昇傾向に転ずるとは考え難く、小動物は減少傾向にあります。
政府による地産地消の進展や流通の合理化など、食肉市場を取り巻く環境が変化していく中、今後、と畜事業としての役割を指摘しました。
都がいうように、確かに食肉市場、芝浦と場では、大消費地である東京における食肉需要を背景に、全国の産地から牛や豚が出荷されており、都民に対する食肉の供給を支える都内で唯一の市場であるとともに、市場取引を通じて全国の取引価格の基準となる建値を形成するなど、重要な役割を果たしていることは評価するものです。むしろ、先細りする地方の生産者を、東京の消費者需要が支えるということもできるのかもしれません。
政府の進める地産地消、都が重要視する全国の食肉市場の都への集約、どちらもウイン・ウインとなるような新たな取組、お考えなどあれば伺います。
○石井市場政策担当部長 都の食肉市場は、大消費地である東京における食肉需要を背景に、全国の産地から牛や豚などが出荷され、日本最大級の市場となってございます。
また、市場業者におきましては、産地と連携して、産地の銘柄牛、銘柄豚の知名度を高める取組を進めておりまして、東京で評価された牛や豚はブランドとして国内外に認知されていると聞いており、公正な市場取引により、高値で取引されてございます。
○上田委員 インバウンドは、とにかく日本のすき焼き、牛肉を皆さんは食べに来るので、役割は大きいと理解いたしました。
市場事業収益は、築地売却、コロナといったイレギュラーなことがありましたが、二百億円を推移しております。
令和六年度見込みはどの程度で、新年度に当たっては、当然、増収を目指すものと考えておりますことから、所見を伺います。
○高橋財政調整担当部長 市場事業収益は、令和六年度予算において約二百三十五億円、令和七年度予算においては、会計処理の見直しに伴う約十三億円のマイナスの影響などにより、約二百二十七億円を見込んでおります。
令和七年度は、引き続き、未利用資産について、市場業者による利用促進を図るなど収入確保に取り組み、市場会計における強固で弾力的な財政基盤を確保していきます。
○上田委員 未利用資産、これはよいことだと思うので、利用促進を図っていただきたいと思います。
一方で、令和五年度決算は、営業損失が約百二十七億円、損失の一因として管理費の占める割合の高さもあるようで、一般会計補助金を営業外収益として調達しても、経常収支としては、決算上、赤字になっていることは理解しております。
より一層の健全経営に向けて、前述の経営計画に基づき、経営改善の取組など、今後の取組の方向性を示しており、昨年五月に、計画に基づきまして、中央卸売市場会計経営レポートを作成、公表し、同レポートも活用しながら十一市場を回り、業界関係者とじかに意見交換を行っていったようですが、成果はどうでしたでしょうか。それを受けた、新年度に向けての健全経営を深化すべく、意気込みを伺います。
○高橋財政調整担当部長 全十一市場を回り、業界と意見交換を行ったことで、市場会計の厳しい現状や都の経営改善の取組について、業界に課題を提示しました。
引き続き、持続可能な市場経営に向けた課題として、適正な受益と負担の観点から意見交換を行い、議論を重ねていくことで、市場使用料の在り方や市場の公共的役割について、業界とより具体的な議論につなげてまいります。
○上田委員 私は長年、市場の、中央卸売市場、東京の十一の市場も市場原理にさらしていかねばならない、集約も考えるべきだというふうには考えてきたものでございますけれども、実際に中央卸売市場の事業も非常に大変ですし、そこで商いをしている仲卸さんもなかなか苦しいとは思っているんですが、ここへ持ってきての野菜の高騰化、また、令和の米騒動、改めまして、そして職住近接、地産地消じゃないんですけど、地域の近いところに市場のある意義というものを再評価というか、今さらながら重要視しているところでございます。
繰入れもむべなるかなという中で、努力は惜しまないという姿勢をこのまま堅持していただきまして、令和七年度、取り組んでいただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○遠藤委員 これまでの委員の方と重複しない範囲で行ってまいります。
くしくも、今、上田委員からお話があった多摩ニュータウン市場について伺ってまいります。
私の地元にございます、野菜や果物を取り扱う多摩ニュータウン市場でありますけれども、昭和五十八年に開場した多摩地区唯一の中央卸売市場であります。
多摩市のみならず、稲城市、八王子市、町田市など四市にまたがる多摩ニュータウンの一角に位置しておりまして、近隣の小学校給食や専門小売店だけでなく、今も残ります引き売りによる移動販売の供給拠点にもなっているという特徴を持った市場であります。
さらには、多摩地域の基幹道路であります鎌倉街道と南多摩尾根幹線道路、この交差点に位置しておりまして、中央自動車道へも近い交通利便性を生かしまして、中央道、圏央道を介して神奈川県や静岡県への供給も担っていると聞いております。
こうした役割を今後も担っていくためには、市場業者が日々の業務を安心して営めるように、老朽化が進む施設の対策が必要ではないでしょうか。
そこでまず、開場から四十年以上が経過します多摩ニュータウン市場における、施設の老朽化対策の取組状況について伺います。
○中井環境改善担当部長 多摩ニュータウン市場は、多摩地域における青果物流通の供給拠点でございまして、日々の市場業務が円滑に行われるよう、老朽化した施設や設備を着実に更新することが必要でございます。
令和五年度は、受変電設備改修工事、管理棟一階のシャッター修繕工事などを行いました。
令和六年度は、場内道路の舗装補修工事や、管理棟の天井改修工事、管理棟一階部分のLED化工事を順次実施いたしました。
今後も、多摩ニュータウン市場の機能を着実に維持していくため、市場施設の計画的な維持更新に取り組んでまいります。
○遠藤委員 市場業者にとって、施設は日々の市場業務を円滑に行うための基盤でありまして、老朽化対策は着実に進めていってもらいたいと思います。
また、当たり前のことでありますけれども、この工事は、市場の業務に支障を与えないように行わなければなりません。
そこで、工事を進めるに当たりまして、どのような工夫を行っているのか伺います。
○中井環境改善担当部長 市場業務に影響を与えることなく工事を行うに当たりましては、施工の効率化や工期の短縮を図る必要がございます。
多摩ニュータウン市場の舗装補修工事におきましては、ICT技術を活用いたしまして、地形の三次元データを作成できる地上型レーザースキャナーなどを用いたことにより、工期短縮や作業員の削減につながりました。
今後も、場内の工事を円滑に進めるために、市場業界の理解と協力を得ながら、効率的な工事を進めてまいります。
○遠藤委員 多摩ニュータウン市場の舗装補修工事では、ICT技術を活用して、市場業務への影響を軽減しているということが理解できました。
引き続き、市場業務に支障が出ないよう、工夫をしながら工事を行い、老朽化対策を進めていっていただきたいと思います。
一方で、多摩ニュータウン市場は、周辺地域の開発が当初の見込みどおりに進まなかったことなどもありまして、正直いって、取扱数量として規模はあまり大きくない市場であり、近年では、高齢化等による市場業者の減少などに伴い生じた空き施設の利活用、これが課題の一つになっております。
そこで、多摩ニュータウン市場におきます市場施設の利活用について、取組状況を伺います。
○高橋財政調整担当部長 多摩ニュータウン市場では、これまでも市場の活性化を図る観点から、卸売場を倉庫や荷さばき場として利活用するとともに、仲卸業者の空き店舗については倉庫として利用するなど柔軟な運用を図ることにより、空き施設の解消や収入確保に努めてまいりました。
施設の利活用については、引き続き、市場関係者による市場業務での施設の利活用に努めるとともに、空き施設については、業界関係者との調整により、公募を通じて、市場を支える多様な関係者に市場施設を活用していただけるよう検討していきます。
○遠藤委員 市場の施設は、まずは市場業務に供されるものでありまして、利活用を進める場合も検討すべき課題が多くあることは理解しておりますが、今後さらに食料消費の縮小が見込まれる中で、多摩ニュータウン市場に限らず、市場施設については過剰も生まれてくる、余剰も生まれてくると。
多摩ニュータウン市場が面している尾根幹線道路は、実は、さきの東京二〇二〇大会におきまして、自転車競技のロードレース、このルートとして採用されるなど、自転車愛好家に親しまれている場所でありまして、聖地なんていって、自転車の、サイクリストが週末にたくさん走っています。
今後、地域住民の悲願でもありました拡幅工事が進められております。計画によりますと、この拡幅工事によりまして、卸売市場前の一日当たり交通量も、現状の二倍弱であります約三万六千台まで増えていくと。この交通利便性の向上によって、周辺地域の活性化が期待されております。
こうした周辺環境における動きなどを踏まえまして、地域社会との関わりを深めることを考慮しながら、市場施設の利活用を進めることも大変重要であり、既存の発想の枠にはまらない利活用策の検討を進めてもらいたいと思います。
最後に、卸売市場のことを知ってもらう取組であります。
私は都議になる前、多摩市議会議員でありましたので、また、周辺住民としましても地域に住んでいますので、地元にある多摩ニュータウン市場のことをもっと知ってもらうべきだと考えておりました。
豊洲市場などの大きな市場は、報道でも取り上げられることが多いため、有名であります。それが、その市場の魅力を理解してもらうことにつながっていくと思うんですが、多摩ニュータウン市場のように地域の供給拠点となっているような小規模な市場のことは、正直、あまり知られていない。
卸売市場は、規模や役割などによって違いがありますが、生鮮品の流通で生産者と消費者をつなぐ、我々の生活にとっては基礎となる重要な役割を担っているという点では同じわけであります。こうした役割を、より多くの都民や次世代の消費者にも伝えていかなければいけません。
そこで、多摩ニュータウン市場における市場広報の取組状況について伺います。
○住野管理部長 多摩ニュータウン市場は、多摩地区にある唯一の中央卸売市場として、地元の多摩市はもとより、近隣の稲城市、町田市などの小学校の社会科見学を受け入れるなど、年間一千人を超す小学生の見学を通じまして、市場の仕組みや役割等の理解促進に努めているところでございます。
参加した教員や生徒からは、市場の仕組みや競りの仕方等を学ぶことができ、とても勉強になった等といった感想をいただいているところでございます。
また、令和三年度から、都と市場業者とが連携いたしまして、地元の農協からの協力を得て、毎週土曜日と日曜日には、農協直売所において、多摩ニュータウン市場が提供した新鮮な野菜や果物の現地販売会を実施しているところでございます。
その際には、のぼり等を掲示いたしまして、地域に密着した市場をPRしており、訪れた方々からは、地場産の野菜と一緒に全国の野菜や果実を一緒に購入できると好評を得ているところでございます。
○遠藤委員 この質問に先立ちまして、先日、この多摩ニュータウン市場、視察、見学に行ってまいりましたけれども、市場ですから、六時とか五時とか早い時間に、早朝に活発な時間があって、私が伺ったのは九時頃だったかな、静かなものでありましたけれども、これはしようがない、BツーBというか、なかなか住民には見えないマーケットの特性があると思うんですが、それにしても、やっぱり寂しいねというのがありました。
実は、ずっと地元に住んでいながら、消防団の出初めとか、そういったことでは足を運びますが、我々が買物に行く場所じゃありませんので、どうしても、その存在が知られにくいという性格があります。
しかし、地域密着の市場だからこそ顔の見える関係性を築けるという魅力もあるわけですので、今後も引き続き取り組んでいただきたいと思います。
多摩ニュータウンではやっていないんですが、各市場では毎年秋に実施している市場まつり、こういったものがあります。多摩ニュータウン市場では行っておりませんけれども、このお祭りの開催を担う人材が不足しているわけです。
卸会社の親会社が運営します国立の地方卸売市場、ここでは、このお祭りを開催していたんですけれども、やっぱり高齢化等によりまして、国立の市場でも今後の開催の見込みが立たないということになっています。
市場業者の高齢化や人材不足は、多摩ニュータウン市場だけではなくて、今後、どの市場でも進むことが懸念されております。
今後の市場の経営には、積極的な広報展開も必要と考えます。市場まつりはその一例ですけれども、デジタルを使った広報ですとか、民間ノウハウの活用などの視点で、全部市場でやろうとせずに、民間活力を使って、どんどんこういったPR、広報を進めていただきたいということを要望しまして、質疑を終わります。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○小林委員長 これより港湾局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十二号議案、第二十三号議案、第百四号議案、第百五号議案及び報告事項、Tokyo Container Vision 二〇五〇の策定について外一件を一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○戸谷総務部長 去る二月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧願います。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十七件の資料の件名を記載してございます。
それでは、一ページをご覧ください。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載してございます。
単位については、面積は平方メートル、金額百万円でございます。
二ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載してございます。
単位については、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
三ページをご覧ください。臨海副都心における公共用途での土地処分実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載してございます。
単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
四ページをご覧いただきたいと思います。臨海副都心地域を除く埋立地における公共用途での土地処分実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載してございます。
単位については、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
五ページをご覧ください。臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費の推移と内訳でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した各年度の事業費と、その財源を一般会計、臨海地域開発事業会計、国費等の三つに区分して記載してございます。
単位は、億円でございます。
六ページをご覧ください。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
令和三年度から令和七年度までの五年間の港湾整備費につきまして、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、そしてその他の三つに区分して記載してございます。
単位は、百万円でございます。
七ページをご覧ください。輸出・輸入別のコンテナ個数の推移でございます。
令和元年から令和五年までの五年間のコンテナ個数につきまして、全国、京浜港、東京港、それぞれの輸出、輸入、合計を記載してございます。
単位は、千TEUでございます。
八ページをご覧いただきたいと思います。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
令和二年から令和六年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで、各島の貨客船と高速ジェット船、それぞれの就航率を記載してございます。
単位は、パーセントでございます。
九ページをご覧ください。一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会からの要望書(令和三年度~令和六年度)でございます。
令和三年度から六年度に一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会から提出された、各翌年度の東京都予算に係る要望書でございまして、次の一〇ページから一三ページにつきましてが令和四年度の東京都予算に係るもの、一四ページから一七ページが令和五年度の東京都予算に係るもの、一八ページから二一ページ、これが令和六年度の東京都予算に係るもの、二二ページから二六ページは令和七年度東京都予算に係るものでございます。
二七ページをお開きください。お台場海浜公園での噴水整備事業について決定した経緯でございます。
お台場海浜公園に噴水を整備することにつきまして、その整備目的と、設置方針から整備方針公表までの決定経緯をそれぞれ記載してございます。
二八ページをご覧ください。お台場海浜公園噴水(ODAIBAファウンテン(仮称))の経済波及効果の積算根拠でございます。
噴水を整備することによる年間の経済波及効果推計額と、その算出に至った積算根拠につきまして、それぞれ記載をしております。
二九ページをご覧ください。「ODAIBAファウンテン(仮称)に税金を使わない」としている根拠と特別会計から支出している詳細金額と内訳でございます。
噴水に税金を使わないとしている根拠と、噴水整備に関して臨海地域開発事業会計から支出している金額と内訳を記載してございます。
三〇ページをご覧ください。建設予定地における水質調査、海水風水害の把握状況(令和五年度)でございます。
噴水の建設予定地における令和五年度の水質調査の結果と、海水風水被害の把握状況を記載してございます。
三一ページをご覧ください。港湾局所管会計別の職員費・事務費等の金額でございます。
港湾局所管の一般会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計、それぞれの職員費、事務費等、庁舎管理費等につきまして、令和七年度予算案の金額を記載してございます。
単位は、百万円でございます。
三二ページをお開きください。臨海地域開発事業会計の直近の収支の見込み及び企業債残高の推移でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における臨海地域開発事業会計の収支及び企業債残高の推移を記載してございます。
単位は、億円でございます。
続きまして、三三ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計土地処分実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における臨海地域開発事業会計の土地処分実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載してございます。
単位については、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
三四ページをご覧ください。貯木場の使用許可に伴う収入の推移でございます。
平成十六年度から令和五年度までの二十年間の貯木場の使用許可に伴う収入を記載してございます。
単位は、円でございます。
以上で、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅野委員 それでは私の方からは、まず、東京港におけるコンテナターミナルの機能強化について伺いたいと思います。
世界の主要港においては、熾烈な国際競争を勝ち抜くために、国家の産業活動や生活を支えるコンテナターミナルに対して思い切った投資を行っています。
東京港のコンテナふ頭が将来にわたり、国際物流の重要な拠点としてその一翼を担い続けるためには、こうした世界の潮流に後れを取らないように、コンテナターミナルの機能強化を抜本的に図ることが喫緊の課題であります。
こうした中、先日、本委員会に報告のあったTokyo Container Vision 二〇五〇の素案においては、コンテナターミナルの機能強化を重要な戦略の一つと位置づけており、具体策として、東京港の主力ふ頭である大井コンテナふ頭の再編整備が掲げられています。
そこでまず、確認のため、大井コンテナふ頭の現状や課題について伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 大井コンテナふ頭は、北米や欧州など多様な航路が就航しておりまして、東京港のコンテナ貨物の約半数を取り扱う主力ふ頭でございます。
一方、国内外の主要港と比較して、取扱貨物量に対するターミナルの面積が狭隘であることなどが原因となりまして、ゲート前で交通混雑が発生しており、ターミナルの拡張やオペレーションの効率化などにより、施設能力の向上を図ることが求められております。
また、現在、グリーン電力の活用などにより、CO2の排出削減に取り組んでおりますが、ゼロエミッションの実現に向けては、さらなる取組が必要であると認識しております。
○菅野委員 我が会派は、さきの代表質問において、こうした現状を抱える大井コンテナふ頭について、大胆に機能強化を進めていくべきと指摘をさせていただいて、都からは、再編整備を戦略的に進め、ふ頭を大規模にリニューアルしていくんだという答弁がありました。
ここからは、大井コンテナふ頭の再編整備に向けた取組について、具体的にお聞きしたいと思います。
そこで、大井コンテナふ頭の再編整備の方向性について、まず伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 都は昨年三月、東京港埠頭株式会社及びターミナル借受け者との間で、大井コンテナふ頭を再編整備により最先端のふ頭へリニューアルしていく方向で、具体的な検討を進めていくことについて合意いたしました。
また、本年一月に公表いたしましたTokyo Container Vision 二〇五〇の素案におきましては、コンテナターミナルの拡張、最先端荷役機械の導入等によるDXの推進、水素やグリーン電力を活用した脱炭素化の推進の三点を基本方針といたしまして、既存ふ頭の再編整備を行うこととしております。
今後、関係者との協議を経て、具体的な整備内容を決定してまいります。
○菅野委員 今の答弁で、DX化や脱炭素化を進めて、最先端のコンテナターミナルにリニューアルをしていくんだという方針は確認いたしました。
こうした取組を実現していく上では、海外の主要港で導入されている最新鋭の荷役機械や設備、また、システムなどを積極的に取り入れていく必要があると思います。
そのためには、港湾運送事業者や船会社などの意見を丁寧に聞き取ることに加えて、世界の主要港におけるDXの取組なども参考にしながら、再編整備の検討を進めていく必要があると考えます。
大井コンテナふ頭の再編整備の実施に向けた現在の取組状況について、教えていただきたいと思います。
○野平港湾経営部長 都は現在、大井コンテナふ頭の再編整備に向け、ふ頭を利用している船会社や港湾運送事業者、東京港埠頭株式会社との間で、整備内容などについて検討を進めております。
具体的には、ふ頭の拡張を視野に入れながら、管理棟やゲート、コンテナ蔵置スペースにつきまして、最適な位置や規模に関する検討を行うとともに、今後導入する荷役機械などにつきまして意見交換を行っております。
また、欧米やアジアなどの主要港における最先端の荷役機械を活用したオペレーションの状況や脱炭素化に関する先進的な取組などにつきまして、現地調査を行っております。
○菅野委員 一刻も早い再編整備の着手に向け、しっかりと検討を前に進めていただきたいと思います。
さて、今の答弁の中で、ふ頭の拡張という言及がありました。都は、大井コンテナふ頭は奥行きが狭くて、背後地への拡張が必要との我が会派の主張を踏まえ、来年度の予算案において、大井コンテナふ頭の再編整備を推進するため、ターミナルに隣接する用地の取得費など六百九十八億円を計上しています。
ふ頭背後地については、今後、関係者との協議により、その用途を決定していくということになると思いますが、積年の課題となっているふ頭周辺の交通混雑は、物流効率の低下やコスト増を招き、ひいては国内企業の競争力を損なう要因にもなりかねず、早急に解消すべきであると思います。
そこで、取得したふ頭背後の民間所有地について、どのように活用していくのか、都の見解を伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 大井コンテナふ頭の再編整備に当たりましては、ターミナルのオペレーションの効率化を図ることなどにより、ふ頭周辺の交通混雑を解消していくことが重要であると認識しております。
このため、新たに取得する土地などを活用することでターミナルを拡張し、コンテナの蔵置スペースを増加させるとともに、最先端の荷役機械を導入することなどによりまして、オペレーションの効率化を図ってまいります。
また、現在ターミナルから離れた場所にある車両待機場をターミナルに隣接する場所に再配置することで、円滑な車両動線を確保してまいります。
こうした取組により、大井コンテナふ頭を、世界トップクラスの効率性を備えたターミナルへリニューアルすることを目指してまいります。
○菅野委員 ぜひ、今回の再編整備の中で、今お話がありましたように、ふ頭背後地を有効に活用していただいて、混雑解消を図ってもらいたいと思います。
本日取り上げた大井コンテナふ頭の再編整備は、東京港の将来を左右する重要な課題であります。その成否は、東京港の国際競争力に大きく影響するものと考えています。
大井コンテナふ頭を、最先端技術を駆使したターミナルにリニューアルするためには、DXや脱炭素化の推進が不可欠であることはいうまでもありませんが、これらの取組には多額の投資が必要であります。
大井コンテナふ頭の将来を見据え、都が主導して、世界トップクラスの港湾を実現してもらいたいと思います。このことは強く要望させていただいて、次の質問に移ります。
次に、クルーズ客船のターミナルについてのことを伺いたいと思います。
まず、クルーズ客船の寄港ニーズへの対応についてお伺いします。
日本政府観光局によると、令和六年の年間訪日者数は三千六百万人を超えて、過去最高を更新しています。クルーズ業界でも、令和六年の訪日クルーズ旅客数は前年比約四倍の百四十四万人と大きく伸びて、東京港における客船寄港数も順調に増加をしています。
東京の観光振興を図る上で、多くの国内外の人々が乗船するクルーズ客船の誘致は重要であり、我が党はこれまでも、東京港におけるクルーズ客船の受入れを積極的に進めるべきであると主張させていただきました。
都は、昨年の事務事業質疑で、東京港へ寄港したいというクルーズ客船のニーズに応えるため、予約制度の見直しを行う旨の答弁をされ、昨年末には、予約制度の見直し内容をクルーズ関係者に向け周知したと聞いています。
そこで本日は、東京港においてより多くのクルーズ客船を受け入れるためのポイントとなる、その予約制度について確認をしておきたいと思います。
まず、今回見直しを行った予約制度の概要を教えてください。
○三浦港湾振興担当部長 都は、施設を効率的かつ効果的に活用し、より多くのクルーズ客船の東京港への寄港ニーズに応えていくため、予約制度の見直しを行いました。
これまでは、予約については対象期間や回数に制限を設けず、先着順で受付を行っておりましたが、見直し後は、受付を三年先までとするとともに、三年先の予約を対象に審査制度を導入することといたしました。
例えば、本年四月に受け付けられるものは令和十年十二月三十一日までの予約とし、さらに、令和十年一月一日から十二月三十一日までの予約につきましては、複数の船社で予約日が重複した場合には、にぎわい創出効果や都の施策への貢献、寄港の確実性などを総合的に審査し、評価の高い船社の予約から優先的に受け付ける仕組みを構築いたしました。
また、予約可能回数に上限を設けるとともに、予約のキャンセルに関して制限がないことにつきましても、見直しを行うことといたしました。
○菅野委員 クルーズ需要が高まる中で、今お話があったように、三年先の予約については、東京港への貢献や、寄港の実現性が高いクルーズ客船を優先的に受け付ける制度へ転換していくということは、合理的な見直しであると思います。
また、以前の質疑において、都が予約制度の見直しを行うきっかけの一つとして、特定の船会社、船社が、数多くの日程の予約をした後に多数キャンセルするという実例があったと聞いています。
このようなケースを防ぐ対策も講じたと聞いていますが、新たな予約制度における具体的なキャンセル対策の内容について伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 クルーズ客船については、これまで入港予定日の一年半から二年前に予約を受け付けることが多いという実態を踏まえまして、新たな予約制度におきましては、入港予定日から二年を切った段階でのキャンセルにペナルティーを付すことといたしました。
これにより、入港の予定がなくなった場合の早期キャンセルを促し、当該キャンセル日程において、他のクルーズ船社から予約を受け付けられるようにいたしました。
また、船舶法に基づくカボタージュ規制により、一航海の中で最低一回、海外の港へ入港する必要がある外国籍のクルーズ客船を対象に、現実的に寄港可能な日数を基にした、年間寄港上限数を三十回と設定したところでございます。
○菅野委員 施設の有効活用を妨げる、まさに仮押さえ行為の濫用や、いわゆるドタキャンに対して対策が取られたということが分かりました。
新たな予約制度の導入で、クルーズ船の会社などの利用者が東京港への入港をためらうような事態が発生しては本末転倒でありますので、制度の構築に当たっては、利用者にとって使いやすいものとする必要もあると思いますが、都の対応について伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、予約制度の見直しに当たりまして、クルーズ船社などの利用者に対し、東京港の利用状況や、現在の予約制度に対する課題などについてヒアリングを実施いたしました。
具体的には、クルーズ商品の開発に向けた手順や、利用するふ頭を予約するタイミングなどについてヒアリングを行い、現状や要望などを把握した上で制度設計を行ったところでございます。
今後とも、利用者ニーズの把握に努め、さらに使いやすい制度となるよう不断に見直しを図ることで、増加する寄港ニーズに着実に対応してまいります。
○菅野委員 その新しい予約制度は、本年四月から運用開始するとのことであります。この制度を適切に運用して、一つでも多くの寄港ニーズに応えていただきたいなと思います。
一方で、近年のクルーズ客船大型化の進展により、レインボーブリッジを通過できず、東京国際クルーズふ頭にしか寄港できない船舶の寄港ニーズが、年々増加していると思います。
コロナ禍で中断していた国際クルーズの受入れが再開した令和五年については、三回であった大型船の寄港が、令和六年には、予約の重複により寄港ニーズに応えられなかったケースも含めて約六十回、令和八年は、予約の重複によりキャンセル待ちをしているケースも含め約九十回となる見込みと聞きました。
さらに、令和十年度には、オリエンタルランドによるディズニークルーズも就航するなど、今後ますます増えていくことが見込まれています。国際クルーズふ頭の処理能力が足りなくなるのは明白であると思います。
これまでも繰り返し繰り返し我々は主張してきましたが、都においては、大型クルーズ客船の東京港への寄港ニーズの増加に確実に対応するためにも、東京国際クルーズふ頭の早期の二バース化を進めるように改めて強く要望して、次の質問に移ります。
最後に、お台場海浜公園についてお伺いしたいと思います。
臨海副都心は、開発から三十年が経過していて、有明地区、青海地区での開発が進んだ今、臨海副都心は、職、住、学、遊のバランスの取れた、東京を代表するまちへと成長してまいりました。
私の地元である港区台場地区というのは、臨海副都心のまさに開発当初、初期から、商業施設、ホテルなどが住宅のほかに開業されて、にぎわいの中心として臨海副都心全体に活気をもたらしてまいりました。いろんなドラマやロケや、また、観光名所としても成長してきたわけであります。
とりわけ、その中のお台場海浜公園というのは、地元にも愛されて、また、そのロケーションから、来園者の評価が高い公園であります。多くの方が一度は訪れたことのある、臨海副都心を象徴する施設の一つと思います。
しかしながら、お台場海浜公園は近年、経年による劣化というか、傷みが生じております。
都は、その都度、修繕をしていただいておりますけれども、周辺住民の方からは、ぜひ、そろそろリニューアル、いろんな形で、機能強化も含めてリニューアルをしてほしいという声を聞いております。
お台場海浜公園は、東京全体を見渡しても、レインボーブリッジ越しに都心を見渡す景観や、都内では貴重な砂浜を有する水辺の環境など、観光資源としてのポテンシャルは非常に高いものがあります。お台場海浜公園をリニューアルすれば、台場地区はもちろん、臨海副都心全体がさらに活気づくものと私は考えています。
そこで都は、お台場海浜公園のリニューアルに取り組むべきと考えますが、まず、その見解を伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 都はこれまで、にぎわいと自然あふれる海辺を目指して海上公園の整備を進めてきておりまして、お台場海浜公園は、その最初に整備された海上公園の一つでございます。
同公園は、地域住民の憩いの場として、また、臨海副都心を代表する観光スポットとして多くの方々に親しまれております。
令和七年は、海上公園の誕生から五十周年を迎える節目の年でございます。これを契機といたしまして、お台場海浜公園の再整備や管理の在り方について、地域の住民の方々や進出事業者、地元の港区、指定管理者等の幅広い関係者の皆様と意見交換を行う場として、今年度内、来週にはお台場海浜公園をよくする会を設置いたします。
今後、このよくする会の場を活用しながら、幅広くご意見を伺い、住民の方々をはじめ、公園を訪れる多くの皆様に親しまれる公園となるよう、引き続き、リニューアルに向けた調整を進めてまいります。
○菅野委員 今ご答弁いただきました、そのよくする会、これには、私も非常に地元に住んでいる人たちからもいわれていますし、大変期待を持っているところであります。ぜひよくする会によって、都は地域の方の声をしっかりと受け止めて、お台場海浜公園、すばらしい公園にリニューアルしていただくよう、着実に取り組んでほしいと思います。
このことを強く要望して、私の質問を終わります。
○福島委員 私からは、東京港における客船誘致の事業評価について、まず二問伺います。
令和七年度予算と同時に発表された都の政策評価においては、客船誘致の推進が評価対象になっていて、主な成果指標として客船入港回数の増加を掲げています。ここでは、客船誘致の進捗を端的に理解する指標として設定されているということは理解するものですけれども、ワイズスペンディングという観点からすると、費用対効果の視点も大変重要です。
本日は、都のクルーズ客船受入れに係る施策について、経済効果などの要素も考慮して取り組んでいくべきという立場から質問を行わせていただきます。
東京港の場合、コロナ禍後のクルーズ客船寄港回数が順調に伸びている一方、クルーズ客船が寄港可能なバースが一つしかないことから、先ほどからの議論に出ているように、予約の重複などにより、寄港を希望しながらもかなわないケースが多数発生しているということがこれまでの議論でも明らかになっています。東京港に寄港するクルーズ船舶は乗客定数が千人を超えるケースも多くて、東京に大きな経済効果をもたらしています。東京港への寄港ニーズに応えられないケースが多くなれば、逸失利益も大きくなってきます。
そこで、令和五年及び令和六年のクルーズ客船の寄港回数と、予約の重複により寄港ニーズに対応できないケースが何件あったか、それぞれ確認をさせていただきます。
○三浦港湾振興担当部長 東京港におけるクルーズ客船の寄港実績でございますけれども、令和五年は四十九回、令和六年は七十二回でございます。
また、予約の重複により寄港ニーズに対応できなかった事例につきましては、令和五年は五十件、令和六年は五十三件となっております。
○福島委員 クルーズ客船の直近の寄港実績が着実に伸びている一方で、その実績に匹敵するぐらい寄港ニーズに対応できていない事例数があるということが分かりました。
過去の経済・港湾委員会での質疑を確認したところ、都は、約三千人が乗船するクルーズの一回の寄港で約二億円の経済効果があるとしています。つまり、令和五年、六年において寄港ニーズに対応できなかった客船が、同規模の船ではないことは承知するものですけれども、単純計算をすると、年間約百億円の経済損失につながっているおそれがあります。
都は、本年六月から晴海ふ頭においてクルーズ客船の受入れを再開すること、これも既にこの委員会でも取り上げられて公表されておりますけれども、これにより、一定程度逸失利益を軽減することが期待されます。
そこで、晴海ふ頭におけるクルーズ客船の寄港見込みについて伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港は、都心に近く、観光地へのアクセスに優れ、国際空港にも近いことから、クルーズ客船の寄港ニーズは近年極めて高い状況にあると認識しております。
晴海ふ頭につきましては、銀座などの都心に至近の距離に立地していることから、富裕層が多く乗船する中小型のラグジュアリー船を運航するクルーズ船社を中心に利用したいとの声が多く寄せられております。
ご質問の晴海ふ頭の寄港見込みでございますけれども、令和七年は受入れ再開時期が六月ということもあり、現時点では十件程度でございますけれども、令和八年につきましては五十件程度となっているところでございます。
日本のクルーズ船社による積極的なラクジュアリー船事業への投資の拡大などによりクルーズ市場が活性化する中、今後、晴海ふ頭への寄港数もさらに拡大することを見込んでおりまして、これに伴い、経済効果についても増加していくものと認識しております。
○福島委員 ご答弁からは、晴海ふ頭を開港することで、ラグジュアリー船等の寄港が見込めるということから、現在発生している逸失利益、これの軽減につながるものと期待します。
一方で、やはりこの晴海ふ頭を利用できない大型クルーズ船の東京港への寄港ニーズも増加しております。都はこれまで、二〇一四年に策定した東京クルーズビジョンに基づいてクルーズ客船の誘致に取り組んできましたが、このビジョン策定から十年が経過し、この間、コロナ禍を経て東京港に寄港するクルーズ客船の大型化、そして先ほどもありましたけれども、オリエンタルランドによる東京港を主要拠点としたクルーズ事業への進出、様々、環境の変化に加えて、世界的なクルーズ市場のさらなる拡大、国内の船会社が運航するクルーズ客船の倍増など、東京港へのニーズは一層高まる可能性が浮上しています。
先ほどおっしゃっていたような二バースを増設する必要性や、さらには大井ふ頭の再整備における臨時受入れ機能の確保の必要性など、今後のハード整備の必要性について議論するためにも、客船誘致に関する事業評価において、客船が停泊できないことによる機会損失と、これに伴う経済損失の評価に取り組むよう要望をいたします。
次に、東京港における脱炭素化の取組について、三問伺います。
世界の百二十か国以上の国が二〇五〇年のカーボンニュートラルを国家レベルの目標として設定をしています。国民生活や産業活動を支えるサプライチェーンの脱炭素化は、日本を含む世界各国にとって共通の重要課題です。
東京港においては、令和五年三月に東京港カーボンニュートラルポート形成計画を策定し、東京港の脱炭素化を進めており、その中で使用エネルギーのグリーン化や水素エネルギー等への転換を目指すとしています。
まず、東京港の脱炭素化に向けたこれまでの取組状況について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、東京港カーボンニュートラルポート形成計画、いわゆるCNP形成計画に基づきまして、脱炭素化に向け様々な取組を展開しております。
具体的には、東京港内の全てのコンテナターミナルにおいて、再生可能エネルギー由来の電力を導入し、年間およそ三万トンのCO2削減効果を見込んでおります。
また、大井コンテナふ頭におきまして、ヤード内のコンテナの荷役に使用するタイヤ式門型クレーン、いわゆるRTGの燃料に水素を使用して稼働する日本初の実証実験を開始しております。
さらに、将来の水素エネルギーの本格供給を見据えまして、RTGを、将来水素燃料電池に換装可能なタイプに切り替えた場合、導入経費の二分の一を補助する取組を令和五年度から継続しているところでございます。
○福島委員 グリーン電力の導入や水素エネルギーの活用など、脱炭素化に多角的に取り組んでいることが分かりました。
また、外航船など多数の大型船舶が入港して活発な荷役活動が行われる東京港において、これらの船舶が停泊中に荷役時の電源を確保するためのディーゼル発電機を稼働させることにより大気汚染を引き起こす、こういった問題も指摘をされています。
東京港カーボンニュートラルポート形成計画では、さきに述べたふ頭などの脱炭素化に加え、停泊中の船舶の脱炭素化にも言及しています。世界では、ヨーロッパを中心に多くの港で停泊中に発電機を停止し、排ガスを出さないための陸上電力供給設備、いわゆる陸電設備が整備されていますが、東京港における陸電設備の導入について、都の見解を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 陸上電力供給設備は、停泊中の船舶が、空調や照明などで消費する電力を供給する設備でございます。この設備の活用により、停泊中は発電のためにエンジンを稼働させることが不要となり、CO2の排出削減につながることから、陸電設備の導入は船舶の脱炭素化に向けた有効な方策の一つだと認識しております。
一方、陸電設備の導入には多額の費用が見込まれるため、その費用対効果を高める観点から、当面は東京港を利用する船舶の中で、一隻当たりの停泊時間が長く、陸電対応の船舶の割合が高いクルーズ客船向けの陸電設備の整備を進めてまいります。
具体的には、大型のクルーズ客船が着岸している東京国際クルーズふ頭での整備を念頭に、令和七年度につきましては、将来整備する施設の条件などを整理する基本設計に着手し、施設の配置や仕様について調査を開始いたします。
○福島委員 停泊中の船舶への脱炭素化への取組として、陸電設備の東京港への導入について、具体的に検討を始めていることを確認させていただきました。
次に、東京港カーボンニュートラルポート形成計画の取組の中心は水素やグリーン電力の活用によるものとなっていますが、どちらのエネルギーも本格的に導入するには、供給能力やコストなど、検討すべき課題があります。
そこで、東京港の脱炭素化に向けた今後の使用エネルギーに関する考え方について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港の脱炭素化を進めるには、供給体制や製造コストなど、エネルギーごとに課題があることを踏まえた上で取組を進めることが重要でございます。
都ではこれまで、東京港CNP形成計画に基づきまして、水素やグリーン電力を活用した港湾の脱炭素化を進めてまいりました。
今後につきましては、設備に関する技術開発の動向や、導入、運用する場合のコスト、港湾を利用している事業者の意向などを総合的に勘案しながら、様々なエネルギーを組み合わせまして、二〇三〇年のカーボンハーフ、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進してまいります。
○福島委員 水素や電力などの各種エネルギーは、製造、貯蔵、輸送、利用技術とそれに伴う出力の特徴など、おのおの特徴があって、適材適所の利用を検討していくべきです。都は、各事業者が脱炭素化に円滑に取り組めるよう、東京都の脱炭素化を多角的に進めていただきたいと思います。
直近では、一部の国や、またこの議会の中でも脱炭素化を軽視する動きが見られます。経済性を優先し、環境への配慮をおざなりにしてきたからこそ、気候変動、そして地球規模の温暖化が起きています。持続可能な社会の実現に向けては、脱炭素化の推進は不可欠です。
サプライチェーン全体で脱炭素化が進む中で、東京港が利用者から選ばれる港となっていくためにも、引き続きしっかりと取組を進めていただくよう要望いたします。
次に、臨海副都心のにぎわい創出に向けた二点の取組について伺います。
まずは、トウキョウ・フローラル・パサージュについて伺います。
都は、東京グリーンビズの下、百年先を見据えた緑と生きるまちづくりを進めています。私たちの提案でこの中に盛り込まれたグリーンインフラは、その導入を推進することで、百年先の東京の災害耐性を高め、かつ、美しいまちづくりにつながるものです。
本年一月に公表された東京都の緑の取組Ver.3の緑を生かす取組の水辺に親しむ空間づくりの一環として、このトウキョウ・フローラル・パサージュも挙げられています。
水辺に親しむ空間づくりの概略説明のところには、気候変動の影響抑制や、ゆとりと潤いのある生活を実現するために、都市における水と緑の重要性はますます高まっていると書かれておりまして、環境に配慮した持続可能な取組であるべきと考えます。
都は、シンボルプロムナード公園の延長、連続性を生かし、花の名所としての魅力とにぎわいを創出していくとともに、民間開発の機会に合わせて、隣接する公園の緑と連続する緑化の創出を誘導し、立体的で連続性のあるウオーカブルな空間を形成していくとしています。
そこで、初めに、トウキョウ・フローラル・パサージュ事業について、これまでの取組と今後の予定を伺います。
○若林臨海開発部長 トウキョウ・フローラル・パサージュは、臨海副都心のまちの骨格を形成するシンボルプロムナード公園の特徴を生かし、周辺街区や多様な主体とも連携して、四季折々の花が楽しめる花の回廊を実現する事業でございます。
具体的には、季節を代表する花をこの回廊のメインコンテンツとして、春のチューリップや夏のヒマワリなど、まとまったボリュームで植栽することにより、花の名所として育ててまいります。
また、地域特性に応じてゾーニングを行い、各ゾーンに設けたコアエリアに草花によるまちの特別な装飾を行うことにより、人々が訪れたくなる魅力的な空間を創出いたします。
これまで、ウエストプロムナードを中心にチューリップ五十万球を植えたほか、初夏のアジサイ、夏のヒマワリ、秋のコスモスの植栽範囲を拡大し、さらに、シンボルゾーンやアクティブゾーンなど、具体的なゾーニングを行いました。
今後は、このゾーニングに基づき、訪れる人の印象に残るような立体的な花の植栽やフォトスポットとなる植栽を設置するとともに、花壇を活用したインフィオラータなどのイベントを実施することにより、にぎわいを創出してまいります。
また、花をテーマとした、それ自体、人々が訪れる目的地となるような魅力的なカフェを官民連携施設として整備することとし、今後、事業者公募に向けて準備を進めてまいります。
○福島委員 質疑に先立って図面でも確認させていただきましたが、今後は、この花を植栽する範囲を数倍に広げたり、四季に応じて花を植え替えたり、また、立体的な植栽や花ビラを敷き詰めて絵柄を描くインフィオラータを行うなどの取組を行うことを確認しました。
繰り返しになりますけれども、グリーンビズの一環として取り組むのであれば、環境に配慮した持続的な取組であってほしいと思います。
臨海副都心は開発から三十年が経過していますが、例えば全国的に有名な山形県鶴岡市の藤棚や、シバザクラで有名な埼玉県秩父市の羊山公園というのは、同程度の年月の間、人が手を入れ、反響に応えて拡張するなどにより、全国的に有名な観光資源に育ってきています。
人というのは、短時間ではなし得ない、関わる人の丁寧かつ持続的な取組の結果としての、こういった庭や植栽に心を動かされるのではないでしょうか。開発から三十年が経過した臨海副都心の現状を踏まえ、今後の四半世紀については、時間を価値にする取組にシフトしていく必要があると考えます。
トウキョウ・フローラル・パサージュを行うに当たっては、長い年月をかけて東京を代表する名所に育てていくなど、長期的な視点も重要だと考えますが、見解を伺います。
○若林臨海開発部長 トウキョウ・フローラル・パサージュの取組を長年にわたって継続し、より多くの方々に季節ごとに美しく移ろう花々を楽しんでいただくことは、臨海副都心のまちのにぎわいにとって重要でございます。
そのため、メインコンテンツとなる花の植栽を適切に維持するとともに、ゾーニングに基づくコアエリアの花の装飾の充実を図り、官民連携施設のカフェ等におきましては、ガーデニングなど、この場所ならではの体験を提供していくことにより、花の回廊としての魅力を一層高めてまいります。
また、シンボルプロムナード公園に隣接する街区の進出事業者やボランティア等と継続して連携することにより、一過性ではない、地域に根差したにぎわいの拠点になることを目指してまいります。
今後とも、委員ご指摘のような長期的な視点も踏まえて事業を進めることにより、多くの人々が集い、季節ごとの花やイベントを楽しみ、憩うことのできる東京を代表する花の回廊を創出してまいります。
○福島委員 このシンボルプロムナード公園に隣接する街区の進出事業者やボランティアなど、地域に住まい、事業を展開する皆様が主体的に参加をすることは、関係性が醸成され、文化として育てていくための一歩であると評価をしたいと思います。改めて、このフローラル・パサージュ事業について、長期的につくり上げていく視点を大切に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、令和七年度予算案に計上されている臨海副都心における回遊性向上・魅力発信プロジェクトに関しても伺います。
都は、臨海副都心における各施設の集客力をエリア全体に波及させるため、エリアをつなぐ回遊策としてイルミネーションイベントを実施するとしています。このような地域全体の回遊性を向上させる取組についても、一過性のものではなく、例えば伝統的で特徴あるお祭りが日本各地で住民が担い手となって続けられているように、地域に根差したものとしていく必要があると感じています。また、臨海副都心の住民や事業者に加え、観光客をも呼び込む、そして回遊していただくためには、このエリアならではの取組に仕立て上げることも大事です。
そこで、回遊性向上・魅力発信プロジェクトについて、今後どのように取り組んでいくのか、都の考えを伺います。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心において、さらなるにぎわいを創出するためには、個々の施設や取組による集客力をまち全体へと波及させることが重要でございます。そのため、来訪者の回遊性を高めるとともに、臨海副都心の魅力を国内外に効果的に発信することが必要でございます。
令和七年度以降、青海地区と有明南地区とを結ぶ夢の大橋周辺において、民間施設の新規開業が複数予定されておりまして、来訪者の増加が見込まれます。この機を捉えまして、令和七年十二月を目途に、エリア内の各施設を結ぶシンボルプロムナード公園内で、このまちならではのイルミネーションイベントを実施いたします。
具体的には、全体の核となるコンテンツを都が実施し、民間事業者によるイベントも誘致してコラボレーションしてまいります。また、まちの事業者によるイルミネーション等とも連携することで、まちに連続性と回遊性を生み出してまいります。
さらに、こうした個々のイベントを一体的なパッケージとして発信するなど、広報も強化し、冬の臨海副都心の恒例イベントとして定着させ、にぎわいを創出してまいります。
○福島委員 ちょっと個人的なあれですけど、私、二〇〇一年から二〇〇四年まで東京国際交流館というところに住んでおりまして、当時のお台場をよく知っています。あれぐらい住民が少なくて、事業者も入れ替わりが激しい状態だと、長期的な取組というのは難しかったと思うんですけれども、今は大分、事業者も安定してきて、そして住民も増えてきている中、フローラル・パサージュ同様、こういった臨海副都心における今後四半世紀の取組については、その地域ならではの文化、そして歴史、こういったものをつくり上げていくという思想を持って、長期的視点を持って事業に取り組んでいただくよう要望させていただきます。
最後に、お台場海浜公園に整備を予定しているODAIBAファウンテンについて、二問伺います。
臨海副都心の新たなランドマークとして、都民や観光客に愛されるものにしていくためには、優れた演出と魅力的なコンテンツを継続的に展開していく必要があります。
都は、様々な音楽や光を組み合わせて演出を行うとのことですけれども、噴水設備というハードを手段として臨海副都心の魅力を引き出すためには、観光資源を望む民間事業者や地域の魅力を高めたい地域住民に加え、演出を担うクリエーターなどとも共につくり上げていく必要があると考えます。
昨年十月の経済・港湾委員会の事務事業質疑では、演出内容は幅広い年齢層の、また、国内外の多くの方々を引きつけられるよう検討を行っていくとの答弁がありましたが、噴水の演出内容について、現在までの検討状況を伺います。
○若林臨海開発部長 このたび整備する噴水は、光と音楽に加え、次々に変化する水の動きも組み合わせた様々な演出が可能であり、今後、その特徴を生かした魅力的な演出をつくり出していくこととしております。
このため、都は、本年一月に進出事業者のほか地元区や地域の小中学校など、地元の皆様とのワークショップを開催し、当日は二十五団体、約四十名の方に参加をしていただきました。ワークショップにおきましては、例えば、周辺施設と連携した演出などの様々なアイデアが出され、活発な意見交換が行われました。
また、こうした取組をさらに充実させるため、今後、進出事業者や水域利用者、地元区等の関係者が参加する連携組織を設置し、検討を進めていく予定でございます。さらに、民間企業や人気アニメなどとのコラボレーションによる演出の企画にも取り組んでまいります。
こうした取組により、国内外の多くの人々を引きつける魅力ある演出を継続して実施してまいります。
○福島委員 地域資源というものにしていくためには、誰かがつくったものを渡されるんじゃなくて、自らも関わりつくり上げることが大切だと思います。今後、立ち上げる連携組織で噴水の魅力を高めるための議論を尽くしていただくよう要望いたします。
そして、ODAIBAファウンテンは現在、非常に注目度の高い事業となっています。
そこで、このODAIBAファウンテンの整備や検討状況について、地域住民の皆様をはじめ、より多くの方々に伝わるよう取り組むべきと考えますが、都の取組状況を伺います。
○若林臨海開発部長 都は、令和六年九月の整備方針発表以降、地域の住民をはじめ、屋形船等の水域利用者、進出事業者などに対して、直接丁寧な説明を行っております。
また、都として正確な情報を発信するとともに、都民の疑問点を解消するため、昨年の十一月、港湾局のホームページ内にODAIBAファウンテンプロジェクトポータルサイトを開設いたしました。このポータルサイトでは、噴水の整備に至った背景や意義、整備概要等を詳しく掲載するとともに、Q&Aのコーナーを設け、これまで住民説明会でいただいたご質問等を基に、順次内容を充実させております。
さらに今後は、国内外から注目を集める観光スポットとして広くアピールするため、観光情報誌や旅行サイト等のメディアのほか、SNSも活用しながら積極的に広報活動を展開してまいります。
○福島委員 正しい情報を東京都が積極的に発信したりとか、連携組織において丁寧に説明すること、関係者に理解者を増やすことは大変重要です。私も、このODAIBAファウンテンプロジェクトポータルサイトとかも見させていただきました。
でも、私はやっぱり改めて大事だと思うのは、こういったものを一緒につくり上げた人たちというのが大事だと思っていて、我が事とする、我がものとする、そして、自分がつくり上げたという人たちを育てるということは、もちろん理解者を増やすだけじゃなくて、正しい情報を自分の口で話せる人がちゃんと育っていくということにもなります。共につくり上げること、そして当事者を増やして、正しい理解者、発信者を増やすことにつながりますので、改めて、住民の皆様、関係者の皆様と、東京のまちの魅力の一つにODAIBAファウンテンが育っていくように議論を尽くしていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○細田委員 私からは、まず、東京港における防災対策の取組について質問します。
東京の区部の東部にはゼロメートル地帯が広がっています。万が一、大地震により防潮堤が損壊して、そこに大型台風の襲来が重なるようなことがありましたら、浸水被害は極めて甚大なものになると予想がされます。
これに加えまして、気候変動に伴う海面上昇により、高潮や大雨による風水害のリスクの高まりが懸念されており、将来に向けて、ハード、ソフトの両面からさらなる安全・安心を着実に進めていくことが極めて重要であります。
都議会公明党では、防潮堤などの海岸保全施設に関して、最大級の地震や津波にも耐えられる耐震性能を確保するとともに、将来的な海面上昇を想定した防潮堤のかさ上げを整備して進めていくよう、繰り返し要望してまいりました。
そこで、東京の沿岸部を第一線で守る、とりわけ重要な海岸保全施設である防潮堤の耐震対策及びかさ上げについて、これまでの実施状況と来年度の取組について答弁を求めます。
○佐藤港湾整備部長 防潮堤の耐震対策につきましては、今年度末で全延長約六十キロメートルのうち約五十八キロが完了する見込みでございまして、来年度は、江東区東雲や中央区勝どきなどにおいて工事を進めてまいります。
気候変動に対応したかさ上げにつきましては、整備対象の約二十四キロのうち、これまでに約九キロの測量、設計に着手しております。今年度には、設計が完了した箇所のうち、大田区平和島のガスミオ運河の一部におきまして、最初のかさ上げ工事に着手したところでございます。
来年度は、新たに約三キロの測量等を進めるとともに、工事につきましては、設計や地元調整が完了した箇所から順次着手してまいります。
○細田委員 かさ上げについては、都が全国に先駆けて整備計画を策定して取り組んできています。今年度は工事も始まったとのことで、耐震対策も含め着実に進めていることを確認させていただきました。東京港の強靱化を進める上で大変に重要な取組であり、引き続いてしっかりと進められるよう求めておきます。
また、ハード整備に加えて、大地震などで防潮堤などが損傷することも想定し、発災後の点検や補修を迅速に進められるよう備えておくことも重要であります。
近年、災害発生時に活用されている技術としてドローンがあります。広い範囲を俯瞰できることや、人が立ち入るのが難しい場所での点検が可能になるという特性も生かして、被災状況の確認などに用いられています。都においてもドローンを使って海岸保全施設の点検を行うことが可能かどうか、検証を進めていると聞いています。
そこで、災害時の点検にドローンを活用するために、これまでいかなる取組を実施してきたのか、質問をいたします。
○佐藤港湾整備部長 都は、災害時における海岸保全施設の点検へのドローンの活用に向けまして、東京港内の複数の運河において、実際にドローンが撮影する映像を職員が遠隔地でリアルタイムに確認するなどの実証を行い、施設の損傷状況の把握に要する時間や必要な機体の性能等につきまして検証を進めてまいりました。
これにより、目視に比べて短時間で広域の状況を把握できることや、一般に流通しているドローンで施設の詳細な状況を点検できることが確認できました。
さらに今年度は、道路閉塞等により人が現場に近づけない事態を想定し、港湾局が所有する船舶からドローンを発進させる実証を行いまして、船上からでも安全にドローンを離発着できることを確認いたしました。
○細田委員 広域を効率的に見ることができる一方、詳細な状況も把握できたとのことでした。災害時の防潮堤などの点検に、ドローンが有効に活用できると都が既に検証をしたことを確認いたしました。
足場もなく、マンパワーでは調査しにくいところや道路陥没など、陸上の場所、水上、船上からも調査できること、普及しているドローンが使えて、目視に加えて短時間ということも価値的な検証であったと思います。
さて、東京港の海岸保全施設は約百キロメートルと延長も長く、災害がどこで発生するか予測できません。ゆえに、確実な点検を行うためには運用体制を整えておくことが必要であります。
そこで、災害時にはいかなる体制で都はドローンを運用していくつもりなのか、見解を求めます。
○佐藤港湾整備部長 都では、測量事業者等で構成される団体と災害時の協定を締結しておりまして、海岸保全施設に損傷の可能性があると判断した場合には、都が団体に要請を行い、現地調査が可能な事業者が自ら所有するドローン等によりまして、速やかに点検を行うこととなってございます。
一方、大規模災害時には、事業者が損傷の可能性がある箇所全てにつきまして確実に点検するのは難しいことも考えられますことから、来年度から、職員自らがドローンを操縦し、点検を行う体制を構築してまいります。
具体的には、ドローンの機体を調達いたしまして、高潮対策センター等に配備するとともに、職員がドローン操縦の講習を受講し、操縦技術や知識の取得を図ってまいります。あわせまして、現地対策本部マニュアルを改定し、ドローンによる調査を位置づけます。
こうした取組によりまして速やかに被災状況を把握し、復旧につなげてまいります。
○細田委員 災害は、あらかじめ予測することが不可能なために、様々なケースを想定して備えを講じておくことはとても重要でございます。
職員の方々が直接にドローンを操作できれば、災害時の初動対応で大いに力を発揮できるでしょう。そして、都が自ら新たなツールを駆使して、積極的に安全を構築していく行動に都民の安心は広がって、職員のモチベーションも上がっていくのではないかと、このように私は思います。ドローンを使った災害対応訓練なども行いながら、災害時にしっかりと機能するように、確実に進めていっていただきたい、このことを要望しておきます。
続きまして、防災船着場について質問します。
都では、大規模地震などの災害発生時に、万が一、陸路が機能を果たせない場合にも、必要な物資などを滞りなく輸送できるようにするため、水上輸送を確保して、緊急時の輸送ネットワークを強化することとしています。
都議会公明党はこれまでも、東京港の防災船着場について整備推進を要望してきましたが、整備計画に位置づけられている全三十八か所のうち三十六か所は既に完成をしており、現在工事が進められている羽田空港一丁目の船着場についても、来年度には完成予定であると聞いております。
一方、これらの防災船着場は、整備するだけではなく、地元区などともしっかりと連携して、非常時に適切に運用できるようにしておくことが重要でございます。
そこで、東京港の防災船着場はいかに運用されるのか、具体的な答弁を求めます。
○佐藤港湾整備部長 都では、防災船着場の運用につきまして、東京港防災船着場発災時運用マニュアル等に基づき、災害対策本部の指揮の下、都、区及び協定を締結している舟運事業者が連携し、避難者や物資の輸送を行うこととしてございます。
具体的には、まず、地元区等が使用を希望する船着場や、輸送する避難者等の人数、輸送物資の品目、数量等を示した上で、都の災害対策本部に防災船着場の使用要請をいたします。
港湾局は、輸送拠点や輸送手段の確保の役割を担っておりまして、都災害対策本部からの要請に基づき、航路、運河の航行可否の確認や、防災船着場が使用できるかの確認を行いますとともに、舟運事業者に船舶の調達を依頼いたします。
その後、要請者である地元区等は、防災船着場に到着した船舶に避難者を誘導するとともに、物資を積み込むなど、水上輸送拠点としての運用を開始いたします。
○細田委員 災害時に防災船着場を使用する際の手順や役割分担について、改めて確認をいたしました。
重要なのは、これらの手順が円滑に実施されて、防災船着場が水上輸送拠点として確実に機能していくことであります。そのために、都は関係者と連携して水上輸送訓練を実施しておりますが、訓練は毎年同じ内容を繰り返すのではなくて、しっかりと問題意識を持って実施して、運用の改善につなげていくことが重要であります。
これについて、都議会公明党は先日の委員会質疑で、車椅子を利用する方などを想定した訓練の必要性を指摘したところであり、先日、私も実際に車椅子の訓練をしているところの現場を視察してまいりました。
そこで、今年度、都が水上輸送訓練を実施した目的と、実施した訓練の結果から判明した課題や改善策について見解を求めます。
○佐藤港湾整備部長 都は、災害時に確実な水上輸送を実施するため、毎年、関係行政機関や舟運事業者と連携し、実際に屋形船等の船舶を航行させ、防災船着場におきまして、人の乗降や物資の積卸しを行う訓練を実施しております。
今年度は、災害時要配慮者の避難を想定し、車椅子利用者を介助者が背負って屋形船等に乗下船する訓練を実施いたしました。
訓練の結果、屋形船によっては、乗降口が船着場より高く、乗り降りに支障が生じることが分かりました。
今後、訓練の成果を取りまとめ、区などと情報共有を図りますとともに、マニュアルを改定し、船舶を調達する際に必要に応じてタラップ等を手配するよう改善してまいります。
引き続き、様々な場面や利用者を想定した訓練を重ねてオペレーションの改善を図り、災害時の円滑な水上輸送につなげてまいります。
○細田委員 訓練の成果、また、課題を見つけていただけたということで、私もまさに高さが違っているという今のご答弁の中で、船によってはスロープを用意している船もあるし、また、そうじゃなくて、今ご答弁いただいたようなタラップなどを持っている、ただ、船の大きさもあるので、様々そこに問題点が出てくるので、どうぞまた地元の、地元というか使える船着場の方で調達ができるということを含めて、最も事業者等と連携が取りやすくて、実際問題、バリアフリーの用意ができるように、計画等を打合せしていって準備していっていただきたいなと思いました。要望しておきます。
災害はいつどのような形で起こるか分かりません。特別区などでは、浸水により陸路で物資輸送ができなくなることも想定して、ゴムボートを用意するなどの備えの強化を進めているところも幾つもあります。訓練の知見も共有しながら、今後もしっかりと自治体と連携して、継続的に輸送訓練を実施してもらいたいと求めておきます。
続きまして、埋立護岸の改修、グリーン化について質問します。
本年一月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、人々の生活に欠かせない都市基盤を適切に維持更新することの重要性について改めて認識させられるものでありました。臨海副都心などを含む東京港の埋立地は、首都圏の生活と産業を支える物流や、人々が集うにぎわいの拠点としての重要な役割を果たしており、埋立造成に際して整備をする護岸は、その機能を維持する重要なインフラの一つであります。
私の地元の江東区内でも幾つもの護岸がありまして、新木場や辰巳、青海、また、東雲や若洲などは、一九六〇年代に埋立造成されたものでありまして、長い年月を経て他の構造物と同様に護岸も老朽化が進行しているのではないかと考えています。
こうした中で、都は、東京港埋立護岸改修・グリーン化計画(案)を先月公表し、現在、都民の意見募集をしているところであります。そこで、まず初めに、東京港埋立護岸改修・グリーン化計画の目的と概要について質問をいたします。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 都はこれまでも、東京港を支える埋立地の護岸について、定期的な点検や補修などにより適切に維持管理を行ってまいりました。
しかしながら、護岸の多くは一九六〇年代から一九七〇年代に整備され、整備後五十年以上が経過し、老朽化による劣化損傷などが進んでおります。
また、護岸については、耐震性を高める強靱化や、東京グリーンビズが目指す自然と調和した持続可能な都市の実現に向けて対応していくことも必要でございます。
このため、都は、護岸の耐用年数を超え老朽化が著しい箇所を選定し、来年度から十か年で計画的に新たな護岸へ改修するとともに、改修に合わせて、水辺空間の再生に向け、護岸周辺をグリーン化、生物共生化するグリーン護岸として整備していくことといたしました。
現在、取組の指針となる東京港埋立護岸改修・グリーン化計画(案)を公表し、意見募集を実施しており、今後、都民等から寄せられたご意見も踏まえ、本年三月末の策定を予定しております。
○細田委員 東京港には、老朽化により劣化損傷が生じている埋立護岸があり、来年度から十か年で新たな護岸へと改修を進めて、さらに、護岸周辺のグリーン化も図っていくとのことであります。護岸を強靱化し、そして同時に水辺の環境を大きく向上させる取組はこれまでにない新たなものであり、高く評価をいたします。ぜひ着実に進めていっていただきたいと思います。
この計画案ですけれども、まさに一九五六年に東京港が港湾計画を策定されて、そして、東京港の護岸が造成される際には、背後の地盤を守り、首都東京、東日本の生活と産業を支える物流の拠点であるという、この重要な役割、使命と、また、水と緑のネットワークを創出するにぎわいの拠点、まさにこれは親水性ということですから、相反しやすいようなテーマですけど、このテーマもしっかりと上げて、そしてなおかつ、二〇二二年十二月に策定されました東京強靱化プロジェクトでは、壊れないまちの形が示されていて、東京港における埋立護岸の耐震性の確保の重要性を捉えて、水辺空間のグリーン化、生物共生等を求められていることもこの中に入れて、このことを進めていくというすばらしい計画であると思っています。ぜひ着実に進めていただきたいなと思っております。
今回の計画において、埋立護岸の改修、グリーン化する箇所と、護岸のグリーン化を進める上での整備の考え方について、改めて都の見解を求めます。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 東京港の埋立護岸の延長は約三十三キロメートルあり、それらの劣化の進行状況は、整備時期や周辺環境等により異なっております。そのため、護岸の健全度評価を行い、老朽化が著しく、劣化損傷が生じている江東区有明など約四キロメートルを重点箇所とし、今後十年間で改修してまいります。
また、護岸のグリーン化については、護岸背後や水域の利用状況などを踏まえ、海上公園や干潟が立地するエリア、海域の静穏度が高いエリア、船舶の航行に影響がないエリアなどを対象に実施してまいります。その際、陸上部に緑を創出するグリーンインフラや、水域部に藻場等を造成するブルーインフラを併せて整備することで、水辺環境の向上を図ってまいります。
さらに、周辺の利用状況に応じまして、緩傾斜型の護岸構造を採用し、スロープを設置することなどによりまして、都民がより水辺に親しめる工夫も併せて実施してまいります。
○細田委員 今回の取組は、都民の安全・安心に寄与するだけでなく、地域の魅力をさらに高める非常によい取組であります。
一方で、東京港の護岸は海水の中にあるため、河川等に比べて腐食の進行も早いはずです。新たに整備する護岸では、そうした劣化を遅らせるような維持管理を実施していくべきと考えます。
そこで、新たに整備する護岸の劣化対策と維持管理の方策について、都の見解を求めます。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 一九八〇年代までに整備された東京港の埋立護岸は、鋼材が腐食することを前提とした腐食代と呼ばれる設計手法により整備したため、現在、経過年数とともに護岸の鋼材厚が減少し、劣化損傷が生じております。
今回改修する護岸におきましては、護岸の鋼材表面を樹脂などで被覆することや、鋼材の表面に直接電流を流すことなどにより、腐食そのものを防止する工法を採用いたします。
また、改修後の護岸については、劣化や損傷が進行する前に適切な補修等を計画的に講じる予防保全型の維持管理へ転換いたします。
こうした取組により、将来の維持管理、更新費用の抑制にもつなげてまいります。
○細田委員 整備の際は、施設の劣化対策を施し、整備後の維持管理についても予防保全型へ転換をされていくとのことであります。しっかりと確実に取り組んでいただきたいと思います。
ここまで計画の内容を確認してきましたけれども、今回の取組は、都民の安全・安心に寄与して地域を守ると同時に、水辺のにぎわいを創出する非常によい取組です。可能な限り早期に着手をしていくべきであります。そこで、計画初年度となる令和七年度の取組について答弁を求めます。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 埋立護岸の改修を具体化させるには、現在定められていない護岸の耐震設計の要求性能や水生生物の生息環境など、水域特性に応じた整備手法などを検討する必要がございます。
このため、令和七年度は、耐震構造や海洋環境等に知見を有する有識者を含めた検討委員会を新たに設置し、護岸改修における耐震性能や整備内容、施工方法などを検討し、今後の技術指針を取りまとめてまいります。
さらに、老朽化により損傷が進んでいる京浜島つばさ公園、東海緑道公園の二か所について、応急対策を講じた上で、地質調査と測量調査を実施し、引き続く設計や工事につなげてまいります。
○細田委員 老朽化対策に向けて着実に取り組んでいくことを確認させていただきました。
埋立護岸の改修、グリーン化への取組は、都民生活には欠かせないインフラを強靱化するとともに、ブルーインフラ等の整備により、水辺周辺の付加価値も高めて、自然と調和をした都市の実現をさせるものであります。都民の安全・安心を確保する重要な事業であり、迅速に進めていただくことを要望いたします。
また、私は、NbSという言葉、前にも委員会で、当委員会じゃなかったかもしれませんけれども、求めたことがあるんですけど、環境・建設委員会ですね。自然の力を利用して、生態系と人間いずれにも利益をもたらす方法で、社会的課題を解決すること、この取組で、ネーチャーベースドソリューションズという、NbSという取組があります。
実は、十日前にアメリカのスミソニアン環境研究所のウィグハム博士が来日されていたので、懇談してまいりました。防潮堤を植物で覆う生きた水際プロジェクトの技術者も一緒にいたりして、まさに彼らは東京湾をNbSの視点から視察した後だったので、本テーマと重なることだなというふうにちょっと思って、今、改めて紹介した話をしているんですけど、何をいいたいかといいますと、彼らは、アメリカのチェサピーク湾という首都ワシントンの東に位置をするアメリカ最大の入り江の湾、ここが一九九〇年代から富栄養化や都市化などに起因して水質が悪くなったり、また、近年の地球温暖化のために海面膨張みたいな状況が起こっているところで、海域の水質の改善に向けて、このNbSの取組で成功しつつあるという、そういう事例をつくってきている先進的なところであります。
なので、すばらしいプロジェクトを今、東京がやっている、また、そういうものもあるという情報収集もしていただいて、必要ならば意見交換等もしてもらって、今の、まさに本年二月の東京港埋立護岸改修・グリーン化計画(案)、これの目的をしっかりと完遂していただけるように進めていただくことを要望いたしまして、次の質問に移らさせていただきます。
臨港道路への太陽光発電設備の導入について質問します。
都では、エネルギーの脱炭素化の一環として、臨港道路のトンネル上部の空地を活用して太陽光発電設備を設置する取組を進めていると承知しています。
これについて、以前、都議会公明党の高倉議員が質問した際、東京港において太陽光発電の設置を積極的に進めることを要望いたしました。
都が太陽光パネルを設置するとしている場所は、私の地元でもありますが、周囲に建築物等がなく、太陽光を遮られることがない大規模な空地になっております。しかし、すぐ横はコンテナ車両が通行する道路であるため、ドライバーの安全運転に支障がないよう、まぶしさへの配慮も必要だと思います。
そこで、上部への太陽光発電設備の導入に向けて、都はいかに取り組んでいるのか、質問をいたします。
○佐藤港湾整備部長 都では、臨海トンネルの中央防波堤側並びに第二航路海底トンネルの青海側及び中央防波堤側、それぞれの出入口上部にある空地三か所に太陽光発電設備を整備することとしまして、取組を進めてございます。
設置に当たりましては、太陽光の反射によるまぶしさを軽減するため、低反射パネルを採用するとともに、パネルを設置する向きを調整することとしてございます。
現在、臨海トンネルにつきましては、実施設計を完了させ、太陽光パネル設置工事の発注手続を進めてございます。また、第二航路海底トンネルにつきましては、太陽光パネルの配置計画などの検討を行っているところでありまして、来年度、工事に着手する予定でございます。
これにより、トンネルの照明などで使用される年間電気量の約二割程度に相当する約七百キロワットの再生可能エネルギーの供給が可能となります。
令和八年度中の完了を目指し、引き続き着実に整備を進めてまいります。
○細田委員 臨海部の海底トンネル上部の空き地を利用しての再生エネルギー化の取組が着実に進んでいることを確認いたしました。トンネルの年間電気使用量の二割程度に相当する約七百キロワットの再生可能エネルギーが供給できるというのは大きな成果であると思います。この整備を着実に進めていってほしいと思います。
エネルギーの脱炭素化は重要な課題であります。港湾局は引き続いて、今後のペロブスカイト太陽電池なども大いに視野に入れて、太陽光発電設備など再生可能エネルギーへの取組を進めていっていただくよう求めておきます。
次に、東京港における働きやすい環境づくりの取組について質問いたします。
Tokyo Container Vision 二〇五〇(素案)に記載されました東京港における労働環境の改善に関する取組について質問いたします。
東京港は、国内の外貿コンテナ貨物の約四分の一を取り扱う国内トップのコンテナ港であり、首都圏約四千万人の生活と産業を支えております。コンテナ物流には、港の現場で働く方々とともに、港から貨物を運び出すトラックドライバーの方々も不可欠な存在であります。今後、担い手不足がさらに深刻化する中では、これまで以上にしっかりと対応していかなければ、物流の停滞を招くおそれがあり、早急に対応が必要であります。
東京港において、将来にわたり担い手を確保していくためには、快適な労働環境の確保が重要であり、私は十月の経済・港湾委員会において、労働環境の改善に取り組むべきとの観点から、東京港における福利厚生施設に関する質疑を行いました。
一月末に都が公表したTokyo Container Vision 二〇五〇(素案)において、都は、東京港の担い手不足への対応の一つとして福利厚生施設の充実を掲げており、今回はその取組について確認いたします。
まず、改めての確認ですが、東京港における福利厚生施設の現状と課題について、都の見解を求めます。
○野平港湾経営部長 東京港の持続可能性を確保していくためには、港湾事業関係者やトラックドライバーなどの物流関係者が快適で働きやすい環境を整備していくことは重要でございます。
このため、都はこれまでも、港湾事業関係者等が利用できる売店、休憩所等の福利厚生施設を整備するなど、関係団体等と連携を図りながら労働環境の改善を図ってまいりました。
一方、新たにY1、Y2を供用開始した中央防波堤外側地区におきましては、福利厚生施設が未整備の状況でございまして、改善が必要であると認識しております。
○細田委員 現在、中央防波堤外側地区ではY3ターミナルの整備が進められており、今後、Y3ターミナルが完成すれば、このエリアで働く方々はもちろん、コンテナの取扱貨物量の増加に伴い、来場するトラックもさらに増えることから、福利厚生施設の新規整備が求められます。
Tokyo Container Vision 二〇五〇(素案)でも、中央防波堤外側地区において、Y3の供用開始時期に合わせて新たな福利厚生施設を整備していくという方向性が示されています。
都は、昨年の本委員会での私の質問に対し、今後、福利厚生施設の新設も含め、必要な対応について検討していくと答弁され、今年度中に中央防波堤外側地区での労働環境改善に向けた検討に着手していくことを表明していますが、現在の取組状況はいかがでしょうか、質問をいたします。
○野平港湾経営部長 都は、新たな福利厚生施設の整備に向け、複数の候補地を選定し、関係機関と協議の上、具体的な整備予定地を決定いたしました。
また、新たな施設に備えるべき機能を検討するため、昨年十二月から本年一月にかけまして、港湾事業関係者やコンテナターミナルに来場するトラックドライバーなどを対象に、アンケートなどによる利用ニーズ調査を実施いたしました。
さらに、東京港内で福利厚生施設を管理運営している団体と運営上の課題について意見交換を行いました。
○細田委員 福利厚生施設の整備に向け、具体的な検討が進んでいることが確認できました。
整備予定地が決まれば、運営方法の検討や課題の洗い出しなど、検討も次の段階に進めていくことができます。答弁にもございましたが、施設の利用者のニーズをきちんと把握することは、利用者の方々が望む施設を整備するためにも不可欠な取組であります。
そこで、アンケート調査の結果について、その概要の説明を求めます。
○野平港湾経営部長 都が実施したアンケート調査に対しまして、港湾事業関係者から百三十四件、トラックドライバーから百五十九件、その他の方々から八十五件、合計で三百七十八件の回答がございました。
主な回答内容でございますが、福利厚生施設に必要な機能といたしまして、コンビニ型売店や食堂、イートインスペース、トイレを挙げる声が多くございました。
また、ドライバーの方々からは、福利厚生施設の設置に際しては、広い駐車場の確保を求める意見が寄せられました。
○細田委員 利用者の多くがコンビニ型売店や食堂、イートインスペース、そしてトイレを求めているとのことでありますけど、いずれの機能も働きやすい環境づくりには重要です。
また、東京港にはトラックが停車して立ち寄れる施設が限られるため、ドライバーの方々が広い駐車場を望まれるのは至極当然だと思います。都は、こうした声を踏まえて早急に対応していくべきであります。
そこで、中央防波堤外側地区における福利厚生施設の整備について、今後の進め方について都の見解を求めます。
○野平港湾経営部長 都は、アンケート調査の結果などを踏まえ、新たな施設に備えるべき機能や施設の規模、レイアウトなどにつきまして、来年度から検討に着手いたします。
また、施設に来場するトラックが安全かつ円滑に出入りできるよう、関係機関と連携して、周辺の交通環境を踏まえた最適な動線などについて検討を進めてまいります。
今後、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の供用開始時期に合わせ、新たな施設を供用開始できるよう、関係団体等と連携を図りながら検討を加速させてまいります。
○細田委員 Y3ターミナルの供用開始に合わせて、福利厚生施設の整備検討を進めていかれるとのことでした。都には、一刻も早い施設の完成を目指して取り組んでもらいたいと思います。
円滑なコンテナ物流を維持するためには、働きやすい環境づくりなどにより、今後も確実に物流の担い手を確保していく必要があります。都には、利用者の声を踏まえて、東京港で働く皆様が働きやすい環境の確保に取り組んでいくことを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
港湾局のカジノ調査について質問をいたします。
来年度予算案で、噴水整備を計画しているお台場エリアは、二〇一三年、複数の事業者がカジノ誘致を求めて、国に対し国家戦略特区の申請を行いました。その事業者は、フジテレビ、三井不動産、鹿島建設、日本財団であるということがさきの予算特別委員会でスタートアップ・国際金融都市戦略室長が答弁しています。
また、東京都も入った協議会に対して、フジテレビと森ビルからそれぞれ二回、IR、カジノの提案を受けていたということが質疑の中で明らかになりました。そして、この時期というのは、小池知事になってからだということも判明いたしました。
港湾局に確認いたします。スタ・国室長が答弁したアジアヘッドクオーター特区の地区協議会に出されたIR、カジノを含む民間事業者からの提案が、株式会社フジテレビジョン、森ビル株式会社からそれぞれ平成二十八年と三十年に二回ずつあったということを港湾局は把握していますか。
○千田調整担当部長 港湾局としては、その件については把握しておりません。
○藤田委員 港湾局としては把握していないということですが、これまで港湾局では、IR、カジノについて調査費をずっと計上しています。お台場の青海地区に誘致するということまで検討していました。それなのに、東京都が参加する会議で、お台場のカジノ構想の提案をフジテレビや森ビルから延べ四回も提案されているのに、何も知らないというのは非常に疑問です。
改めて基本的なことを伺っていきたいと思います。港湾局では、IR、カジノ調査費はいつから計上していますか。
○千田調整担当部長 港湾局では、平成二十七年度から予算を計上しております。
○藤田委員 この調査費は、港湾局に移される前はほかのところでやっていまして、ホームページで公表されているのを見ますと、二〇一四年からカジノの調査をやっていて、公表もされていると。つまり、十二年間連続で計上しているということです。
IR、カジノの調査費はいつから執行していないのですか。
○千田調整担当部長 令和二年度から委託調査の実施を見送っております。
○藤田委員 二〇二〇年、五年前から見送っているということです。現状では、今年度もいまだに未執行となっていて、今年も、今回も入れたら五年連続の見送りということです。
疑問なのは、使わないんだったら最終補正で減額すべきなんじゃないかなと思いますし、今月の三月六日の議決で減額したとしても、今月の末には来年度の予算が決まるわけですから、別にここで一回なくなっても問題ないんじゃないかななんて思うわけなんです。何でここで減額もしないのかということが、これもまた非常に疑問だと思うわけです。
今年度はなぜ執行しないのですか。
○千田調整担当部長 今年度につきましては、コロナ後の社会情勢等が不明確なため、調査実施を見送ったところでございます。
○藤田委員 不思議な答弁ですよね。お台場の噴水については、コロナ禍で人がたくさん集まってもいいようなことをいっている、検討していたわけなんですが、今はもう既に五類になっていて、人がたくさん集まってもいい状況をつくっておきながら、この調査についてはコロナが原因だということで見送っているということなわけですね。
これは、今日から残り十二日間しかない今年度の間で執行することがないんじゃないかなと思います。今年度、もうやらないということもいわないわけですから、東京都自身もカジノ誘致について虎視たんたんと狙っているんだなということが分かります。
これまでのIR、カジノ調査がどういうものだったのか、ちょっと聞いていきたいと思います。IR、カジノのメリットについて、どう考えていますか。
○千田調整担当部長 IRのメリットといたしましては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待されるものと認識しております。
都といたしましては、引き続き、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってまいります。
○藤田委員 知事が大好きな国際競争力を高めるとか、経済成長が期待できるということですが、そうはいっても、メリット、デメリットの両面があるから検討していくんだという答弁でした。
それでは、IR、カジノのデメリットについてどう考えていますか。
○千田調整担当部長 IRのデメリットといたしましては、ギャンブル等依存症や青少年への影響、マネーロンダリングなどの懸念の声があると認識しております。
都としては、引き続き、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってまいります。
○藤田委員 ギャンブル依存症などの懸念の声があるんだということでした。
それでも、引き続き、メリット、デメリットの両面から検討はしていくということで、同じことを繰り返されるわけです。
それでは、ギャンブル依存症を含む依存症対策というのは、港湾局が所管しているものですか。
○千田調整担当部長 ギャンブル等依存症対策につきましては、福祉局の方で所管をしてございます。
○藤田委員 当然、福祉局だということなんですが、港湾局がこのカジノの調査について、メリット、デメリット両方があるから検討を続けていくんだとおっしゃいますけれども、デメリットについては港湾局が所管することができない、つまり、対策を考えたりとか、どうやったらデメリットに対して港湾局として責任を持った対応ができるかなということを検討できないのに、ずっとメリット、デメリットの両面から検討するための調査なんだと繰り返すわけです。
やっぱりこういう状況を見ていますと、結局は、デメリットについては考えている様子はあるものの、ほぼ、そこに対しては自分たちで判断できる材料が何もないということだと思います。そうなれば、港湾局にギャンブル依存症についてのそういった知見がないわけですから、カジノの調査費というのは、IR、カジノを誘致するための費用なんだといわざるを得ません。
コロナ禍で海外に調査に行けなくなったとか、未執行が続いていても最終補正で減額することすらしませんから、なぜなら、港湾局も執念を持って、虎視たんたんとIR、カジノの誘致を狙っているからにほかならないと思います。
今、福祉局の方でギャンブル依存症について、かなり当事者の皆さんや家族会の皆さんが議論をしておりますので、紹介しておきたいと思います。
これは精神保健福祉センターの相談で来た方で、三十代男性の方、ご家族から相談をいただいたと。借金の返済の督促があって息子を問い詰めたら、闇金から借金をして返済困難になっていたと、両親が不安になって警察に相談したら、自殺をするかもしれないからということを指摘されたので、不安になってセンターに相談したということでした。
友人からオンラインで競馬ができるよと教えてもらったことをきっかけにして、競馬や競輪をするようになったと。闇金以外の借金については、自分の問題として意識してもらうために、ご本人が多重債務などに対応する民間団体に行くように促して、ご家族自身は依存症を疾患として理解するために関わっていくということで、ご家族も回復のプログラムなどに一緒に参加をすることを進めているということでした。
二例目の方は二十代男性の方で、この方はご本人から相談があった方です。経過としては、コロナ禍にスマホで動画視聴やゲームを楽しんでいるうちに、いわゆるオンラインカジノが目に止まって、最初は興味本位で始めましたけれども、のめり込んでしまって借金をするようになったと。その請求書が両親に発覚して、センターに相談するように勧められたということでした。このご本人の都合で、自助グループなどに行けるのは週末しかないということで、プログラムを受けるように提案をしているということでした。
もう一人の方は二十代男性、親御さんから相談が来た方。概要としては、やっぱり競馬、競輪をするようになって、度重なる借金で夫婦の問題に発展して、本人はメンタル不調を来すようになったと。心配した親御さんが相談してきたということでした。この方は、家族の接し方や金銭問題の対応を学ぶために、センターの家族教室の参加を提案しているということでした。
皆さん、二十代、三十代という方が多いということです。また、家族会の皆さんの中でもいろんな事例を取り上げて、本当に多重債務とか、ただ弁護士が関わるだけでは何か解決するかといったら、そういうわけでもないと。精神保健福祉センターや病院に行っても、そこだけで解決する問題ではないということが、ギャンブル等依存症対策推進委員会の中でたくさんお話がされているわけです。
複雑な事例もありますけれども、ある精神保健福祉センターの相談員の方から、ギャンブル依存症の方のかなり難しい問題について紹介されたと。一時間ほどお話をしたけれども、まだ解決策が決まっていないという方もいらっしゃいます。その方は、ギャンブル依存症から犯罪行為をするようになってしまって、職場の物品を横領してしまうということがあると。家族としても、原則的なんでお金は出さないで、とにかく刑事罰を受ければいいんだということで突き放しているという方もいらっしゃいます。
その方も何度か治療につながろうとか、いろいろやっているんだけれども、なかなかうまくいかないと。オンライン関係のギャンブルをやっていたということで、借金の問題も深刻になっていると。結構こういう相談を受ける方の中では、もう最近では一千万円以上の借金が当たり前のようになっているというお話もこの委員会の中でされています。
オンラインの関係のギャンブルやっていたということで、その方は会社員というよりは、職場が個人事業主のところなので、会社員という形でもないと。そうなると、会社に対する借金ということでもなかったり、いろいろ複雑な状況がある。単に給料をもらっている人が債務整理をすればいいという事案でもないということで、この方は弁護士ですけれども、どう対応していいかということは、まだ検討中なんだというお話をここでされていました。
ギャンブル依存症の家族の会の方々はたくさんの相談を受けていて、それに対して、現状、闇金や闇バイトがテレビで報道されますと、こういうきっかけがギャンブルだったんじゃないかというふうに深刻に捉えているということでした。彼らは社会復帰が本当に難しいと。もし社会復帰ができたとしても、犯罪という行為があったりとかしていて、犯罪行為があれば、社会復帰できても通帳がつくれなくなって、働いても振込ができない、生きていく上で大きなハードルを抱えて生きざるを得ないという状況があると話をされておりました。家族が病気の理解ができないというふうになれば、家族と一緒に相談や家族自助会みたいなところに行って話を伺うということもあります。
闇金はずっとお金を払い続けていかなければいけないし、消費者金融からも借りたりして、それを家族が払ったりして、また大きな多重債務になっていくという状況が語られています。そして家族の中でも、いろんな借金、借りているところから、闇金から電話が来たりとか、自宅に訪問が来たりとか、金融機関から手紙が来たりとか、多くの不安を抱えてその方を支えている状況があるということでした。
ギャンブル依存症は、一回始まってしまったら本当に深刻なわけです。それについて、港湾局はいつも、メリット、デメリット両方検討しているんだと。だから、まだIR、カジノの調査、手前の方でやっていることなんだというようなことを、お話をされますけれども、実際は自分たちの局としてここに対応できる力はないという状況なわけですから、やっぱりどう考えたって、カジノ誘致を狙っているといわざるを得ません。
なので、来年度のIR、カジノの調査費については全て削除をするということを強く求めまして、私からの質問を終わります。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時五十九分休憩
午後六時二十分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西崎委員 お願いいたします。
今日も、ちょっと急遽、会派の委員が欠席ということで、直前で質問の変更もいたしまして、対応いただいた局の皆様には大変感謝を申し上げます。
そしてまた、その上で重複も避けながら質疑をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず、臨海会計予算ということで、仮称ODAIBAファウンテンについて伺ってまいります。
この間、もう大分長い間、本会議であるとか、この委員会もそうですし、予算特別委員会含めて様々議論がありましたので、そうした議論を踏まえて少しだけお聞きをするということになりますけれども、今回、予算として特別会計にこの整備費用が計上されているということであります。
そこで、まず端的に伺いますけれども、今回のこの噴水の整備事業が一般会計ではなく臨海地域開発事業会計で実施をするというふうになっている、この理由について伺います。
○若林臨海開発部長 臨海副都心の新たなランドマークとして、お台場海浜公園に整備する噴水につきましては、臨海副都心の魅力に磨きをかけ、さらなるにぎわいを創出するものであるため、一般会計ではなく、臨海地域における埋立地の造成、整備及び開発を目的とする臨海地域開発事業会計を活用して整備いたします。
○西崎委員 いわゆる臨海副都心、臨海地域のものであるからというようなところもありますが、だからといって、別に一般会計だったらいいという、そういうつもりでいっているわけではありませんけれども、これは臨海会計でありますから、いわゆるこれは税金ではないということでありますけれども、一方で、これはやっぱり公金、都民の財産だというふうに思うんです。
今回、特別会計で、この事業を組み立てていくということに当たって、これは噴水も含めて、それ以外も含めてなんですけれども、この特別会計、臨海会計の長期的な展望がなかなか見えてこないということが、一つ引っかかっている部分があります。
臨海会計自体は、企業債の全額償還というものも迎えるわけでありますし、今、いろいろあったというふうには聞いておりますけれども、現在の臨海会計の財政自体は順調に推移をしているということかと思います。
一方で、今後、都市基盤の再整備であったり、また、それこそ噴水もそうなのかもしれませんが、新たなまちづくりと、そして新たなニーズというものも生まれてくるかもしれない、そういうものをどう見込んで、要は、今後、何に幾ら必要で、それに対してどこから幾ら入ってくるのか、こういうものをやっぱり長期的に示す必要が今あるんだと思います。
それは企業債の全額償還もそうですけれども、財政が、今、ある意味では一旦落ち着き、またこれから様々な課題を迎えていく、そうした中にあって、そうした見通しをやっぱり示していく必要があるというふうに思っています。
先ほどのご答弁、ないしはこれまでの議論の中でも、噴水の話に戻りますが、臨海副都心の魅力に磨きをかけるとか、にぎわいを創出すると、そういう意図は分かりましたけれども、じゃあ、この噴水の整備事業によって、特会に、臨海会計にどれほどのメリットがあるんでしょうか。
例えば、今後それをやったことによって、噴水を整備したことによって、まちづくりが、にぎわいが起こったことによって、例えば今後の埋立地の売却収益であるとか、ないしは貸付料の収入にどういう影響があるのかというところがなかなか見えてこないんです。
もういうまでもなく、整備費に約二十六億円で、維持管理費に一億五千万から二億円かかると。そしてまた、仕様の変更でまたそれが上がるかもしれませんが、それだけのお金を投じて、じゃあ、この臨海会計の収支はどうなるんですかということがやっぱり分からないんです。
これは民間の会社だったら、例えばこういう事業をやりますといわれても、やっぱりどれぐらいそれによって入ってくるか分からない。株主とかでも判断しようがないですよね。なので、都民も判断のしようがないんじゃないかというところが大きな課題の一つなんじゃないかなと思っています。
そこで、これは改めての質問になってしまい恐縮ですが、今回の整備に当たって経済波及効果をお示しいただいていますけれども、この算出根拠について、改めてお聞かせください。
○若林臨海開発部長 噴水の経済波及効果につきましては、専門的な見地から客観的に算出するため、外部委託を実施しております。
具体的には、台場地区への来訪者を対象とし、新規来訪者の増加及び既来訪者の滞在時間増加による消費を基に、年間約九十八億円と算出しております。
○西崎委員 これも何度もご説明いただいて恐縮ですけれども、来訪者が、来る人が増える、ないしは今までいた人がこのためにもう少し長くいるから、それでもっていろいろな消費が増えるとか、そういうものだということですよね。
すなわち、この経済波及効果で、今、年間九十八億円とお示しをいただいている、これは多くはこの臨海地域に当然落っこちていくというものだと思いますが、もし本当にこの数字が事実なら、もう民間に任せればいいんじゃないですかね。もちろん、いろんなこの地域の需要がありますから、まちづくり協議会なのか、それとも何か新たに実行委員会でも立ち上げるのか分かりませんけれども、本当に毎年、九十八億円の経済波及効果が、この二十六億円の投資、二億円のランニングコストで生み出されるというんだったら、もう民間にやってもらえばいい話なんじゃないですかね。
都はこれまで、この設計であるとか、もしくは今おっしゃっていただいた経済効果の算出というところに今、二千万円ぐらいですかね、かけて、これまで取り組んでこられたと。もうこれは立派な支援だと思いますよ。このまちづくりのにぎわいをつくるのに、臨海地域のにぎわいをつくるのに、これはもう立派な支援だと思いますよ。
もう一歩進むとしても、例えば、この海にやるわけですけれども、ちょっと権利関係は分かりませんが、例えば、少し割安な値段で場所を提供するとか、ないしは事業者のそうしたプラットフォームをつくるとか、まさに連携組織なんて話も先ほどありましたけれども、こういった後方支援にとどめておけば、こんなに批判は出ないと思うんですよ。
もちろん、金もうけに場所を貸すのかみたいな話はあるかもしれませんが、一方で、これもまた、皆さんに説明されているとおり、もう地域住民の皆さんであるとか、水域利用者、また進出事業者からは、これは歓迎されているという話なんですよね。であれば、もう何か、都が丸抱えでやる意味が全く分からないんです。民間に任せて、それの後援、支援、これでいいんじゃないですかね。こういうことを、この間の質疑を通して感じております。
ぜひ、この事業のスキームを根本から見直すということをここでは求めまして、次の質問に移ります。
ここからは、第百五号議案、東京都営空港条例の一部を改正する条例について伺います。
今回の改正案は、大島空港に関する規定に係るものということでありますけれども、まず、条例改正の目的と背景について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、大島空港の活性化を図るとともに、調布飛行場の自家用機分散移転を推進するため、大島空港において航空機整備事業を実施することといたしました。
事業の実施に当たり、大島空港格納庫事務室の設備使用料の区分を設定するため、条例改正を行うものであります。
○西崎委員 今お答えをいただいたように、これは調布飛行場の自家用機分散移転を進めるという、こういう事情があるということでございます。
ちょっと説明が長くなっちゃいますけれども、調布飛行場、これは古くは米軍から返還をされて、国による運営が開始をされて、その後、調布、三鷹、府中の地元の三市が、そもそもこの飛行場の廃止であるとか移転について取り組んできましたけれども、それでも、一九八〇年に中学校に小型機が墜落したという事故がありましたけれども、そうした事故を経てもなお全面移転は困難ということになりまして、一方で、東京都も、地域航空の拠点としての必要性を認めたということで、その後、三市との協議を経て、二〇〇一年から正式に供用開始となったという、こういう経緯があるわけでございます。
当時、了承された整備計画では、この調布飛行場、空港の機能について、コミューター航空、ここでは離島航空路線の拠点とされておりまして、これ以外には災害発生時の活用、また、医療、消防等の緊急時の対応というものが示されるとともに、いわゆる公共性の高い航空機使用事業、航空写真とかですかね、そういったものは存続をさせる一方で、自家用機については段階的移転分散化を図るということとされておりました。
そうした経緯があったわけですけれども、二〇一五年に、また小型機の墜落事故が発生をしたということでして、それも、この小型機自体が航空法違反に加えて、都と調布市の協定、覚書に反する飛行というものも明らかとなったということもありまして、その後、二〇一八年には、三市からの要請において、自家用機の分散移転の加速化、撤廃が都に求められているということでございます。
今回の条例改正も、こうした経緯を受けたものということでありますけれども、ここで、まず伺いますが、大島空港の格納庫や事務室が整備された時期、そして整備に要した金額について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 大島空港の格納庫及び事務室は、令和三年六月に整備が完了しております。整備費は約四・二億円でございます。
○西崎委員 令和三年、二〇二一年に整備が完了し、約四億二千万円がかかったということでございます。
これは、その三市の先ほど申し上げた要望もあって、都としても取組を進めてきたものと思いますけれども、じゃあここでお聞きをしたいんですけれども、これまでに調布飛行場から大島空港に移転した自家用機は、現時点で何機あるんでしょうか伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 現時点で、大島空港へ移転した自家用機はございません。
○西崎委員 残念ながら、一機もないということでございます。
それどころか、これは調布市議会の特別委員会の資料を拝見いたしましたけれども、一昨年、二〇二三年の時点で、調布飛行場に航空機登録をしている自家用機、十七機ありますが、このうち、移転に向けた交渉を行っているのは一機のみで、ほかの十六機はもう移転困難だというふうにされているということでございます。
先ほどもありました四億円以上かけて格納庫や事務室を整備し、今年度から給油施設も稼働したということでありますし、また、当然、所管の皆さんとしても、機体の所有者ともお話をされているということかと思いますが、残念ながら、移転はほぼ、ほぼというか、機体数だけでいうと全く進んでいないというのが現実になっています。
それでは、この自家用機の移転に向けてはどのような課題があると認識をしているのか伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 一概にその理由をお示しすることは難しいものではありますが、自家用機所有者からは、大島空港への移動手段の確保等の意見が出ております。
○西崎委員 いろいろあるんでしょうけれども、今おっしゃっていただいた大島空港への移動手段というのも、やはり大きな課題であろうかと思います。
調布と大島を結ぶ定期便は、一日大体二往復、三往復の日もありますけれども、やっぱり、どうしても不便であると、時間的な制約があるということは否めません。そもそも、自分たちの飛行機に乗るために別の飛行機に乗らなければならないという心理面も含めた負担も、やはり一定大きいものと思われます。
そんな中、一方で、やっぱり地元三市の要望も強いということで、早期の移転が求められているということで、都もなかなか苦しい立場に置かれているとは思いますけれども、今後のこの移転について、取組について見解を伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 これまでの取組に加えまして、今回、大島空港で航空機整備事業を実施することで分散移転の実現を目指してまいります。
○西崎委員 今回の航空機整備事業が後押しとなるということも期待をしたいところですし、これはやはり、ぜひ、さらなる取組もお願いをしたいと思っております。
最近は、この大島空港以外の移転先確保に向けた調査というものも進められているということもお聞きをしておりまして、新たな可能性も示唆をされているというところだそうでございます。
もちろん様々、先ほどご答弁をしていただいたように、なかなか移転が進まない課題、理由もいろいろあると思います。とはいえ、やはり地元の要望も強いということもありますし、今後、金銭的なメリットのものなのか、利便性の向上なのか、様々な切り口や手法があろうかと思いますけれども、ぜひ早期の移転が実現するよう努めていただくことを求めまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○上田委員 まず、Tokyo Container Vision 二〇五〇からです。
トラックの来場時間の集中を平準化するため、全国初となる早朝ゲートオープンの取組や、大井地区におけるストックヤードの設置、また車両待機場の整備を進めるとともに、港湾法に基づく違法駐車対策を実施するなど、道路交通の円滑化を推進しているとのことですが、昨年年末の一般質問にて私は、東京港湾、特に大井ふ頭、羽田空港周辺の物流従事の働き手の通勤輸送について、二十四時間、早朝、深夜を問わず輸送することが肝要だとさせていただきました。
公共機関、路線バスがなく、通勤送迎バスを事業者がチャーターして、働き手の通勤の足を確保しているんですけれども、車庫用地確保が困難で、二十四時間にわたる物流を支えられなくなることが懸念されていると指摘をしておりますが、答弁としては、事業者で解決せよという、にべもない答弁でありました。
一方で、このビジョンで示された車両待機場の整備は、どのように、どこで行い、進めたのでしょうか。コンテナに係る事業に従事する交通手段確保について、このビジョンには入っていないのか、看過しているのか、ちょっと分からないので伺います。
また、目標とする世界の港湾労働者の交通手段確保の先行事例も、当然把握していると思いますことから確認させてください。
○野平港湾経営部長 都は、トラックドライバーの快適な労働環境を確保するとともに道路交通の円滑化を図るため、東京港へコンテナの受渡しのために来場するトラックなどが待機する場所といたしまして、大井ふ頭や青海ふ頭などにおきまして車両待機場を整備しております。
なお、東京港において港湾物流を担っている事業関係者の通勤手段につきましては、公共交通機関のほか、必要に応じて各事業主体が確保することが基本であると認識しております。
○上田委員 トラックと輸送用のバスというのは、送迎バスというのはちょっと違うとは思うんですけれども、東京港全体の問題として、港湾局としては引き続き受け止めをお願いしたいと思います。
また、埋立地についてですが、長期貸付、短期一年以内は公募となっていますが、公募から実施まで期間を要するということと、都は、車庫用地にはなじまないのが見解なんですけれども、国際交流、物流を発展させる気がないようにも感じます。
事業者自身が通勤手段を準備するのに、民間の貸切チャーターバスを利用しているのに、そのバスの車庫の環境を整えることが港湾利用発展の環境整備ではないのかなというふうに考えております。
ビジョンでも、いろいろとうたっておりまして、ビジョン実現に不可欠な周辺就労者終日交通手段と車両確保をどう解決するのか、所見を伺います。
○野平港湾経営部長 繰り返しになりますが、東京港において港湾物流を担っている事業関係者の通勤手段につきましては、公共交通機関のほか、必要に応じて各事業主体が確保することが基本であると認識しております。
○上田委員 私も繰り返しになりますが、さきのような認識をお願いしたいと思います。
いろいろとご指摘のありますカーボンハーフでございます。
これまでの問題提起はとてもよく理解できるのですが、それと水素やグリーン電力などを活用することで、環境負荷の少ない持続可能なゼロエミッションターミナルへ転換することにつながることがどうか、まあ、コンテナの方の取扱量を増やしたいというんですが、それがこのカーボンハーフと一緒にやるということが唐突感があり、理解ができません。
アメリカでは、トランプ政権が脱脱炭素を掲げております。まず、素案八ページに事例が幾つか載っていますが、世界の脱炭素化が急激に加速している事例を多岐にわたり詳しくご説明ください。その取組に、グローバルサプライチェーンが推進され、経済発展を遂げた事例があるかも確認します。
○三浦港湾振興担当部長 二〇一六年に気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定でございますパリ協定が発効されたことを契機に、世界中で脱炭素化の取組が進められておりまして、二〇二一年時点では、百五十四か国と一つの地域がカーボンニュートラルの実現を表明しております。
世界の主要港においては、風力発電などのグリーン電力を活用したターミナル運営や、停泊中の船舶が排出するCO2を削減するための陸上電力供給設備の整備、水素を活用した荷役機械の脱炭素化など、様々な取組が実施されております。
また、船会社も船舶の燃料にグリーン水素やグリーンメタノールなどを取り入れるなど、航行中のCO2排出を削減する取組を実施しております。
○上田委員 コンテナ取扱い、上位十か、五、六、七位ぐらいまで占めている中国の港も様々な取組を実施しているのか研究したいと思います。
脱炭素に後れを取った場合、グローバルサプライチェーンから取り残される可能性を挙げていますが、何を根拠として、どう取り残されるのでしょうか。過去にそのような事例があったのかも含め、説明を求めます。
○三浦港湾振興担当部長 世界中で脱炭素化の取組が進められる中で、荷主や船会社が利用する港湾を選択する際、脱炭素化の取組も重要な要素の一つとなっていると認識しております。
そのため、都といたしましては、今後も東京港が世界中の荷主、船会社から選ばれ続ける港であるために、脱炭素の取組をしっかりと続けてまいります。
○上田委員 荷主や船会社が利用する港湾を選択する際、脱炭素の取組を重要な要素とした根拠をお示しください。
○三浦港湾振興担当部長 荷主や船会社はこれまで、社会的責任を果たす観点から、自らの事業活動における脱炭素化に取り組んできております。
また、近年、国際的に自らの事業活動から排出される温室効果ガスのみならず、サプライチェーン全体の排出量の削減に関し、その取組状況を開示することを義務づける動きがあり、各事業者において対応が求められております。
こうしたことから、荷主や船会社が使用する港湾を選択する際、脱炭素化の取組がこれまで以上に重要な要素の一つとなっていると認識しております。
○上田委員 この二〇三五年でCO2を七割削減ということは、環境局や産労でも、私はこの積算はかなり実現不能であるということを指摘させていただいておりますが、七割削減の積算根拠を定量的にご説明いただければと思います。
○三浦港湾振興担当部長 水素や電気の使用料金は、今後実施するターミナル整備の内容や荷役機械の動力源や台数などに応じて変動いたします。
Tokyo Container Vision 二〇五〇(素案)におきましては、水素やグリーン電力などを燃料とする荷役機械の全てをコンテナターミナルに導入することなどにより、二〇三五年においてコンテナターミナルで排出されるCO2排出量を、二〇二〇年比で七割削減することとしております。
○上田委員 その積算根拠についてはちょっとざっくりしているので、また、私の方でも研究させていただきまして、ご指摘させていただきたいと思います。
そもそも世界に取り残される大きな要因としては、このゼロエミの対策というよりも、港は大抵、世界って二十四時間稼働しているんですよね。東京港は現在どのようになっていますか。世界標準と比較した上での課題と所見を伺います。
○野平港湾経営部長 我が国の港湾における稼働時間につきましては、全国一律の産業別労使協定及び同協定に基づく労使合意により、実質的に決定されております。
具体的には、船舶等の貨物の積卸しにつきましては、原則として二十四時間実施しておりますが、貨物の受渡しのために来場するトラックの受付時間は、原則として八時三十分から十六時三十分までとなっております。
なお、トラックの受付時間につきましては、各国における労使の慣行や荷主のニーズなどの諸情勢を踏まえ決定されており、海外の港湾との比較はなじまないものと認識しております。
○上田委員 私は何がいいたいかというと、やっぱり複合的な要因であって、脱炭素をやらないからこぼれるというわけではないということをちょっと確認させていただきたかったわけでございます。
今や世界の主要コンテナは、さっきいったように中国が独占状態にありまして、神戸なんですけれども、一九八〇年では、四位が神戸でありました。横浜が十三位、東京が十八位だったんですけれども、今、ランキングの一位が上海、シンガポール、寧波と読むのかな、深セン、青島、広州、釜山、天津、香港ということで、日本は大分、下の方になりますね。こうしたような状況にあることをちょっとお伝えしておきます。
したがって、日本の港湾が目指すべきはコスト低下とシェア奪還でありまして、コストが上がる水素の活用など非現実的で、Container Visionが目指す目標を達成できるわけがないんではないかと思っております。
まして中国の港は、安い石炭火力の電力で動いておりますので、勝負になりません。二十四時間やっていますからね。この観点において、Container Visionとゼロエミ政策は二律背反する中で、どう達成し得るのか、所見を伺います。
○野平港湾経営部長 Tokyo Container Vision 二〇五〇の素案におきましては、東京港のコンテナふ頭の二〇五〇年の将来像といたしまして、東京港の機能強化を大胆に進めることで、世界トップクラスの効率性やサステーナビリティーを実現し、グローバルサプライチェーンの中核として、日本経済を牽引し、国民生活を守ることを掲げております。
また、その実現に向けて、ターミナルの機能強化やDXの推進、脱炭素化の推進など、六つの戦略を設定しておりまして、今後、具体的な取組を推進してまいります。
○上田委員 二〇二二年の東京の順位は四十二位でした。もっとこの四十一を上げていくために、ちょっと、どっちを重きを置くかというのは、この間、討論でもいわせてもらいましたけれども、まずは効率化、取扱量を増やしていく、こちらの方に注力していただきたいと申し上げます。
伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画改定です。
この計画は、国が定める海岸の保全に対する基本的な指針であります海岸保全基本方針に基づき、防護、環境、利用の観点から海岸の保全や、護岸、また離岸堤などの海岸保全施設の準備に関する事項を定めた法定計画とのことです。
まず、パブリックコメントを募集していたんですけれども、概要とかいろいろ、どんな感じなのか、説明と、受け止めを説明ください。
○福永離島港湾部長 昨年十二月二十六日から本年一月二十四日までの期間において実施いたしましたパブリックコメントの内容については、現在、取りまとめ中でございます。
取りまとめた意見を参考に計画を改定してまいります。(上田委員「いつ公開しますか」と呼ぶ)二十六日……(上田委員「はい」と呼ぶ)
○上田委員 今回の改正は、気候変動の影響による台風の強大化など、災害のさらなる激甚化を予測した背景があります。
基本的な事項として、海岸の現況及び保全の方向に関する事項、自然的特性や社会的特性を踏まえ、沿岸の長期的な在り方を定める、そして海岸環境の整備及び保全があります。
環境局事業とはなりますが、浮体式洋上風力発電導入推進事業として、島しょ部における浮体式洋上風力のギガワット級ファームの導入を目指し、鳥類等に関する基礎調査や地元住民の理解促進のための取組等を実施するため、九億円計上されております。
私は、さきの一般質問で、小池知事は、海外出張中のCOP29にて、伊豆諸島に浮体式洋上風力発電所建設を目指すと突如表明しました。景観破壊となることは疑いようもありませんし、まだ実証途上技術で台風も多く、海流も速い、かつ百万キロワットは、当然島しょでは消費し切れませんから、本土まで海底送電線を引くのかなど謎だらけと指摘しておりました。
もう船舶なんかつくると大変な金額になって、事業者は負担ができないことを、事業者にも確認しております。
本計画改正は、まさに台風被害の激甚化を想定されています。その地域に浮体式風力発電建設が浮上しておりますが、基本計画と浮体式風力発電建設事業は切っても切り離せないと思いますことから、連動しているのか、情報共有しているのか、所見を伺います。
○福永離島港湾部長 環境局とは、伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画につきまして既に情報共有を行っております。
○上田委員 引き続き、地域住民の声も、耳を傾けていただきたいと思います。
それでは、予算調査でございます。
江東区から墨田区にかけての広範囲なゼロメートル地帯を背後に、私たちのゼロメートル地帯は――ゼロメートル地帯を背後に抱えた地域でございまして、江東地区においては、水門・排水機場耐震化、内部護岸整備に三十七億円計上されております。
工業系の民間、民有ふ頭やマリーナなど運河特性を利用した土地利用が多く、船舶の運航も盛んです。辰巳、夢の島、潮見にかけては、緑が楽しめ、野鳥を見る、緑が楽しめるところで、あれはどこだったかな、建設か都市整備か分からないんですけど、水辺ラインに乗って、冬鳥の野鳥を見るという企画にも、一月に私、参加したところでございます。
一方、水際へアクセスできない場所や、橋によって遊歩道が分断されている箇所があると、課題認識を持っています。
これまでの整備状況、新年度の整備についてご説明ください。
○佐藤港湾整備部長 東京港内には十五か所の水門と二か所の排水機場がございまして、このうち、江東地区の新砂水門を除く施設の耐震対策は完了しております。
その新砂水門につきましては、現在、隣接する場所に新たな水門を整備してございまして、令和七年度は引き続き、底版と呼ばれるコンクリート構造物をつくる工事などを実施いたします。
また、内部護岸につきましては、全延長四十八キロメートルのうち、約三十六キロメートルの耐震対策が完了してございまして、令和七年度は、江東地区の平久運河などで整備を進めてまいります。
○上田委員 工事の特性から、船舶があるから、そこはどいていただいたり戻してもらったりということで、なかなか完成目途が見られないということは想定しておりますけれども、適正な整備を、何しろゼロメートル地帯でございますので、お願いするところでございます。
新年度、防災事業として海岸保全施設については、令和五年三月に策定した東京港海岸保全施設整備計画に基づいて、防潮堤、内部護岸の耐震対策、水門、排水機場の耐震、耐水対策及び既存海岸保全施設の補修を実施するということでございましたが、これは江東区においては、新年度どうなるのでしょうか。これから検討していたところで、今後どうなるのか、お示しください。
○佐藤港湾整備部長 江東地区におけます排水機場の機能強化につきましては、辰巳や新砂などを候補地として、整備内容や位置に関する検討を進めているところでございまして、令和七年度は、これらの候補地につきまして条件等の比較等を実施してまいります。
○上田委員 東部低地帯でございますので、優先順位を上げて取り組んでいただきたいと思います。
大井コンテナふ頭整備推進事業です。
新規事業といたしまして、六百九十八億円が計上されています。ふ頭の背後地約十一・六ヘクタールの取得などを実施するとのことですが、金額がにわかにイメージできないので、土地選定と所有者から売却へ至るまでの経緯と行程について説明ください。
背後の物流関連施設の稼働を止めずにどう再整備するのかも伺います。
○野平港湾経営部長 大井コンテナふ頭は、国内外の主要港と比較して取扱量に対するターミナルの面積が狭隘であり、それが一因となりまして、ゲート前における交通混雑など、外部不経済が発生しております。
こうした状況を解消するため、都は港湾計画において、ふ頭用地として位置づけられているふ頭に隣接する民有地を取得することといたしまして、来年度から、当該用地の所有者との調整を進めてまいります。
今後、再編整備に当たりましては、代替機能を確保の上、順次工事を進めるなど、物流に影響を与えないよう必要な対応を実施してまいります。
○上田委員 東京港は本当に地面が少なくてご苦労があるかと思いますけれども、ぜひ進めていきたいと思います。
内貿ユニットロードふ頭におけるDXの推進ですけれども、こちらについて、ちょっとこれもイメージが湧かないので、DX導入によりまして期待する効果と、支援対象事業者の想定と、事業の周知について伺います。
○野平港湾経営部長 都は来年度から、東京港の内貿ユニットロードふ頭やフェリーふ頭におきまして、物流の円滑化を推進するため、デジタル技術を活用し、貨物の引渡し時間の短縮など、荷役の効率化等を図る事業者に対して必要な経費の一部を補助する制度を開始いたします。
今後、本制度に係る募集要項を策定した上で、港湾関係団体などと連携し、ふ頭を利用する船会社や港湾運送事業者に対し、事業内容の周知を行ってまいります。
○上田委員 ヤード内作業の効率化をぜひ目指していただきたいというふうに思っております。
東京港オフピーク搬出入モデル事業が実施され、昨年、実施結果も出たところです。得られた知見について、概要を伺いたいです。
また、前回の値に対して四倍の予算となっておりまして、どのように東京港デポを活用し、空き時間帯に、同時集中するコンテナ搬出入を実現する仕組みを構築するかの想定をし、事業開始によって得られる待機時間削減をどうするのか、具体的に説明をしてください。
○三浦港湾振興担当部長 都は、昨年十一月の平日十日間にオフピーク搬出入モデル事業を実施いたしました。
この事業では、コンテナターミナルが比較的すいている午前中の時間帯に、ターミナルと東京港内のデポといわれるコンテナの中継輸送拠点との間を集中的に輸送を行い、コンテナ貨物をデポにストックしておき、道路がすいている夜間に、デポと荷主の拠点との間で輸送を行いました。
これにより、ドライバーの待ち時間短縮や輸送の効率化などの効果がある一方で、事業に参加する物流事業者が通常より多くのコンテナ搬送用荷台、いわゆるシャーシーを用意しなければならないなどの課題も確認できました。
来年度は実施規模を拡大するとともに、複数のトラック事業者がシャーシーを共同で利用できる仕組みを構築するなど、事業に参加しやすい環境を整えることで、オフピーク搬出入の普及を図ってまいります。
○上田委員 シャーシーの共有、非常に現実的なアイデアが出たと思います。これを聞いているのは、先ほどいったように二十四時間、東京港は使えないので、こういったことで工夫をしていただけているのかなということの確認でありました。
ベイエリアにおきます東京ベイeSGプロジェクト、自動運転の推進区域として設定、早期の社会実装を支援していくことが昨年七月に公表されました。
最新テクノロジーの実証場所として位置づけられているベイエリアを中心に、自動運転に取り組む事業者を支援するということですが、臨海副都心における自動運転の社会実装促進の意義、実績と、今後の課題について伺います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 臨海副都心において自動運転サービスの導入を図ることは、来訪者の回遊性やまちの魅力向上につながるものでございます。
港湾局では、令和三年度からこれまで、臨海副都心内の公園や公道において、自動運転車両の走行実証を行ってまいりました。
今後も、関係局や民間事業者等と連携しながら自動運転車両を活用し、エリア内の回遊性を高めてまいります。
○上田委員 一応、私の方でネット検索したら、日本工営株式会社が令和六年度の自動運転技術を活用したサービスの実証による事業化の検討及び運転技術実証促進に係る事業のプロモーターを務めることになったということで、こうした民間企業が音頭を取ってやっていくということでありますので、そちらの方のチェックもさせていただきたいと思いますし、都がやるべきことなのか、ある程度立ち上がったら民間に委ねるべきことなのかもチェックしていきたいと思います。
海の森公園整備ですが、平成十七年二月二十四日に開催された第七十四回東京都港湾審議会において答申されたこの構想は、二十年がかりで、いよいよ今月二十八日にグランドオープンいたします。
港湾局長からもお招きいただきまして、私も参加したいと思っておりますが、海の森公園について、これまでの整備費とグランドオープン後に起きる年間の維持費、管理費の見込みについて伺います。
○若林臨海開発部長 海の森公園は現在も整備中でございまして、グランドオープン後となる令和七年度の維持管理費は、指定管理料の約二・九億円を計上しております。
○上田委員 海の森が二億九千万円で、ODAIBAファウンテンが一・五億から二億と、うーんと思った次第でございます。
私は、都立公園の再整備を何もかも否定しているものではないんですよね。葛西臨海公園などは、私たち江戸川区民が一度失った干潟や自然を、当時の、もう三十年、四十年前ですかね、東京都、江戸川区、建設局、地域住民が力を合わせて葛西の里海を取り戻しました。当初の東京都は、先見の明も、情熱も、専門性も持っていたと、今さらながら高く評価するものです。
海の森構想も同じように開始されたと思います。昭和四十八年から六十二年まで、ごみの最終処分場であった埋立地を、海を生かし、森をつくり、人を育てるという理念と使命感を持って石原知事、東京都職員が取り組んだ姿がありありと目に浮かぶようです。
台地形状の単純地形であり、ごみ埋立地のため大規模な掘削が困難、強い潮風を受ける埋立地での自然環境再生、周囲の海とのつながりが希薄という課題を乗り越えた前人未踏の挑戦は、本当、「プロジェクトX」で後年取り上げられてもいいような課題が山積したのだろうと思料します。
海の森公園の整備によりまして得た高い経験値や技術をどう継承し、維持していくのか伺います。
○若林臨海開発部長 海の森公園は、東京港のごみの埋立地を美しい森によみがえらせるプロジェクトとして、資源循環と都民協働をコンセプトに整備を進めてきており、これまで約二万三千人の方が植樹活動に参加し、多くの都民や企業、NPOの皆様と共に森をつくってまいりました。
これらの活動につきましては、ビジターセンターにおける展示等により、広く都民に伝えていくとともに、ごみの埋立地に森を造成することで得た技術や経験を、今後の公園整備に生かしてまいります。
○上田委員 全国的な自治体も参考にすると思います。
葛西臨海水族園は、当初の理念も何も、小池都政によって破壊され、樹木も伐採され、レジャーランド化されようとしております。この二万三千人がドングリでしたっけ、植樹活動に参加して、神宮外苑もそうでしたよね、そうした人たちの思いを、また木を切られたりして神宮や葛西臨海水族園のような同じ轍を、海の森公園は決して踏んでいただきたくないと思っております。
指定管理者選定に当たりまして、都は、海の森構想の遵守についてどのように求めたのか、今後、海の森公園の運営にどのように取り組んでいくのか伺います。
○若林臨海開発部長 海の森公園につきましては、海の森構想や海上公園ビジョンを踏まえ、ごみの埋立地を美しい森によみがえらせるプロジェクトとして、資源循環と都民協働というコンセプトに基づき整備を推進してまいりました。
都は、海の森公園の指定管理者公募に当たり、このコンセプトを踏まえた管理運営について提案するよう求め、指定管理者を決定いたしました。
引き続き、このコンセプトを生かしつつ、指定管理者と連携しながら、公園の適切な管理運営に取り組んでまいります。
○上田委員 植樹された樹木、何とぞよろしくお願いをいたします。
環境配慮型船舶の導入ですが、新年度予算では二十倍の十億円です。
水素エネルギーを使う船舶導入とのことです。産労質疑では、水素エネルギー社会実装においてコストが合わないため、グリーン水素プロジェクトに関わる企業の事業撤退や倒産が相次ぎ、日本国内で水素を製造する場合は、さらにコストが膨らむため、とても現実的ではないということを指摘させていただきました。
都が保有する指揮艇におけます船舶の建造と燃料供給設備工事ということですが、具体的な十億円の内訳と、費用対効果、コストですね、どう見ているのか。通常の船舶の価格と新たな建造船舶のコストはどの程度違うのかも伺います。
○佐藤港湾整備部長 令和七年度予算の内訳につきましては、船舶建造費及び船舶に搭載するバッテリー用充電設備の整備費となってございます。
効果ですが、環境配慮型船舶につきましては、さらなる技術開発が必要な状況にありますことから、都は、航行時間のデータの蓄積等の技術開発に資する取組を行い、普及拡大につなげてまいります。
建造に係る費用につきましては、船舶の建造時期や大きさが異なるため、一概に比較するのは難しいところでございます。
○上田委員 船舶の大きさが確定されたらば、ちょっと比較してまいりたいと思います。
建設局の区市町村無電柱化事業は十七億円でありましたが、島しょにおいては、昨年、五十九億円、新年度は七十七億円と相当な金額となっております。
そのうち、港湾局が所管する港、空港におきます令和七年度予算の内訳と、これまでどれほどの予算を費やしてどの程度の無電柱化が進んできたのか、今後どのくらいの時間がかかるのか、確認させてください。
○福永離島港湾部長 都が令和四年一月に策定した東京都島しょ地域無電柱化整備計画では、定期貨客船が発着する十八の港と五つの空港の無電柱化を二〇三〇年代までに完了させることとしております。
これまで大島の元町港の無電柱化が完了しており、現在、新島港など九か所におきまして事業に着手しています。
令和七年度の島しょ地域の港、空港におきます無電柱化事業の取組として約十億円の予算を計上し、大島空港、新島の若郷漁港など十二か所において整備を進めてまいります。
○上田委員 進捗を確認、電柱ゼロというわけですので進捗を確認させていただきました。
令和二年九月に、世界最大の大型クルーズ客船に対応可能な東京国際クルーズターミナルを開業し、東京港における二バース体制を確保するため、旧客船ターミナル跡地に低層で簡易な晴海客船ターミナルを準備中です。
また、東京港の利用促進を図ることを目的として、国内外のセミナー開催に加え、船会社や物流企業などへの直接訪問などを通じ、東京港の利用を働きかけるなど、積極的なポートセールスを実施されています。
今般、クルーズ船「ノルウェージャン スカイ」が今月、三月三日に入港しました。昨年十一月二十九日にはディズニーリゾートと、二〇二八年に就航予定のクルーズ船事業に関し、都と連携協定を結んでおります。都が整備した東京国際クルーズターミナルが主要な発着拠点となります。開業早々の実績を、ポートセールスの呼び水とするものと評価するものです。
これまでの取組と今後の整備と展開に向けての所見を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都はこれまで、クルーズ客船の誘致を推進するため、クルーズ船社への営業活動のほか、世界のクルーズ関係者が集う展示会への出展により、東京港の魅力をアピールするなどの様々な対策を講じてまいりました。
今後も積極的なポートセールスを実施するとともに、東京国際クルーズターミナルと現在整備中の晴海客船ターミナルを効率的かつ効果的に活用することなどにより、東京港へ寄港するクルーズ客船のさらなる増加を図ってまいります。
○上田委員 コンテナもそうなんですけれども、国際競争に対応できる運用時間や使用料の改善を、私、長く求めてまいりました。
シェアは、中国に圧倒的に負けちゃっているんですよね。生き馬の目を抜く港湾競争の中で、東京港においては国際競争力の強化に向けて、新規ふ頭整備など機能強化や、入港料の減免等による港湾コストの削減など、ハード、ソフトの両面から様々な取組を展開して、いかに勝ち抜くのか、新年度に向けての意気込みを伺います。
○野平港湾経営部長 東京港を取り巻く社会経済状況が劇的に変化する中で、将来にわたり東京港が日本経済や国民生活を支える役割を果たしていくためには、中長期的視点から戦略的に施策を展開していく必要がございます。
このため、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備などにより、ふ頭の施設能力の強化を図るとともに、コンテナ搬出入予約制の普及拡大などにより、ふ頭運営の効率化を図ってまいります。
○上田委員 ゼロエミもいいんですけど、効率化ファーストでお願いをいたします。
本年一月十四日に建設局が開催する普及啓発便、さっきいっていたんですけど、第五回、水上バスから観察する東京港の冬の野鳥へ、無事、抽せんが当たりまして、視察じゃなくて、一般都民として抽せんが当たって参加してきました。
乗船した水辺ラインは、防災船としての役割も持っております。港湾局における防災船着場を活用した社会実験を実施した水上交通ネットワークの拡充に当たりまして、都は、旅客定員十二名以下の小型船舶の乗降場所として、比較的、駅に近い田町、品川の防災船着場を開放する社会実験を行っております。
一定程度はあるものの、利用は減少傾向であります。また、船型に応じた乗降方法についても引き続き検討が必要であることから、利用者ニーズの確認や小型船舶の利用に関する安全性等の検証を行っているとのことですが、新年度においては、縮小、中止などを検討されているのか、継続をするのか、確認させていただきます。
○野平港湾経営部長 都は、舟運の活性化を図るため、小型船舶の乗降場所として防災船着場を開放する社会実験を実施しております。
引き続き、利用ニーズの確認や安全性の検証等が必要であることから、来年度におきましても当該社会実験を実施してまいります。
○上田委員 年がばれますけど、私の祖母は明治生まれでしたけれども、本当に船を使っていろいろ隅田川を、まさに交通網だったことから、こちらについては、古きをたずね新しきを知るということで、引き続きの継続をお願いします。
若洲ゴルフリンクスでは、利用者サービス向上の取組として、令和五年七月からウェブ受付及びシステムによる抽せん制を導入、利用日ごとの応募件数や当せん組数等をホームページで公開し、公平性と透明性を確保していることを評価いたします。
いろいろとこの若洲ゴルフ場の予約については、物議を醸しておりましたが、個人情報の保護もあり、氏名や団体までは出せませんが、報道されているような利用の公平性をどのように確保しているのか伺います。
○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスの利用に関しましては、令和五年に電話による先着受付からウェブ抽せん予約へと移行いたしまして、利用の公平性を確保しております。
○上田委員 豪華客船のテロ対策というのはしっかりやっているというのは確認していたんですが、このところ、つい最近、自動車盗のランキングが警察庁によって明らかになっておりまして、盗難車が相次いで、これが密輸出をされている問題が明らかになっております。やっぱり上位五府県は千葉、愛知県、埼玉、茨城、神奈川ということで、東京を取り巻く関東圏に集中しているということでございます。
スカイラインのGT-Rは名車ですけれども、これが丸車のまま、何とか税関で発見されるという快挙があったことから、Tokyo Container Visionも策定されることから、コンテナによる密輸出根絶の取組も重要と考えます。
社会問題になっている違法盗難車の密輸出について東京港で行っている取組、盗難車密輸出が抱える問題について所見を伺います。
○野平港湾経営部長 盗難自動車の輸出に係る取締りにつきましては、税関及び警察等が連携し、必要な対策を講じていると認識しております。
○上田委員 連携強化をお願い申し上げます。
臨海副都心開発の基本方針は、臨海副都心は、職と住の均衡の取れた、東京の第七番目の副都心として、明日の東京の活力を担い、都民生活を支える新しいまちとして、生活都市東京の創造に積極的な役割を果たしていかなければならない。住み、働く人にとって魅力があり、二十一世紀の東京全体にとって新たな価値をもたらし、日本の将来にも貢献する副都心を創造していくことが、今、都に求められている。今後、臨海副都心が果たすべき大きな役割に応えるため、これまでの成果を生かし、時代の変化に的確に対応しながら、都民の理解と協力を得て、責任を持って着実に開発を進めていくことにするということが基本でございます。
開始から令和六年度まで、この方針が達成できているのか、少々疑問に思うこともあります。事業開始からこれまでの臨海副都心開発、良好な都市景観、都市環境の形成について、都としてどう評価しているのか伺います。
○若林臨海開発部長 都はこれまで、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、職、住、学、遊のバランスの取れた複合的なまちを目指して開発を進めてまいりました。
土地処分に当たりましては、事業内容が臨海副都心まちづくりガイドラインに適合することを条件とするなど、良好な都市景観、都市環境の形成を図っております。
こうした取組により、今日では臨海副都心は、都市基盤やまちが概成し、多くの人々が住み、働き、訪れるまちとして発展をしております。
○上田委員 その臨海副都心ですが、土地の処分や利活用については、売却、長期貸付、暫定利用、未利用地、未開発用地とそれぞれの区画が点在をしておりまして、既に売却したのが七十五件、九十二ヘクタール、長期貸付が十六件、三十八ヘクタール、事業用定期借地としては、暫定利用となっているものは二件、三ヘクタール、そのうち未処分地が三十一ヘクタールで、現在、公募はしていないということでございます。
一つは、BMWなんですけれども、そうした展示施設を兼ねた自動車、あとは江東区の保育所というところであります。
長期貸付十六件の長期的要望、暫定利用中の土地における国際的な集客力、江東区からの保育所、土地要望の担保の現状、未処分地三十ヘクタールあるも公募はしていないが、社会経済状況を見極めた適切な土地処分、青海ST区画については、平成二十年に公募を実施し、売却先の事業者が決定、現在は売却先の事業者が本格的な開発をするまでの間、既存建物を暫定活用しているということでございます。
このように港湾局では、埋立地の処分や暫定利用を進めてきたわけでございます。
そこで、臨海副都心におけます未処分地について、処分や暫定利用など、それも含めて今後の活用に向けた取組について伺います。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心開発においては、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、これまで着実に土地処分を進めてまいりました。
また、当面処分を予定していない土地については、事業用定期借地権の設定による暫定利用のほか、臨時駐車場やイベント誘致など、有効活用を図ることにより、まちににぎわいを創出しております。
今後も、社会経済状況等を見極めながら適切に土地処分を進めてまいります。
○上田委員 何でこれは聞いたかというと、中長期的な収益の見込みは立っているのかどうかということでございます。
といいますのは、これから、ODAIBAファウンテンに入っていきますけれども、ODAIBAファウンテンは、この臨海事業会計で出すということでございますので、その見込みがあるのかどうかということで確認させていただきました。
知事は、令和五年第一回定例会にて、あわせて、東京港の海上公園に幻想的な光が織りなす噴水を設置するなど、新たなランドマークを出現させてまいりますということを、その直前、四年十二月、東京港の新たなランドマークとして、噴水設置の方針を局で決定したということを事務事業質疑の資料で確認をしております。
今回は、協議会の令和四年から七年の予算要望をご提出いただいておりますが、要望が出たのは令和六年十月二十八日付で登場いたします。
基本的なことを確認いたしますが、いつ海上噴水であることが想定されたのかを伺います。
○若林臨海開発部長 令和五年十二月に局として方針を固め、知事に対して報告を行いました。
○上田委員 そうですね、海上噴水にするということなんですけれども、二〇一六年に、ちょっとほかの議員なんですけれども、第六台場とお台場海浜公園の沖合にある鳥の島は、無人島で、鳥たちも営巣し、都内では希少なダイサギやコサギもいたと。
自然環境が整っているところでございますけれども、このときに、東京港の野鳥の楽園であった鳥の島で、島の半分以上の苗木が突然伐採されて、お花見のスポットにするために伐採跡地は、屋形船事業者さんから桜の苗木などを植えるようなことになってしまっていったわけでございます。
花を活用した観光振興の観点から、都としては、当時の武市港湾局長が、民間事業者の協力を得て桜を植樹したと。その際、一部の木を伐採したんだということで、この桜の木を観光資源にしていくんだということを、議事録で残っております。
当時も生態系の影響を指摘されながらも問題ないとし、鳥の島の桜と、自由の女神像が設置された陸上公園側の桜を、さながら桜のネックレスでつなぐと。花を活用した観光振興をするんだと、自信を持って答弁されていたんですね。
自然環境の観光地を目指すために、生態系に影響する自生した樹木を伐採してまで、桜の植栽にこだわった当時の考え方を改めて確認します。
○若林臨海開発部長 鳥の島の桜につきましては、花を活用した観光振興の観点から、民間事業者の協力を得て植樹したものでございます。
○上田委員 それが大体二〇一四、五年、私が当選してしばらくたったところで、伐採しちゃうんだ、ここでも伐採しちゃうんだと思ったんですが、それでも、風や潮風に弱い桜でありますが、頑張って根づき、ようやく開花できるようになったというのに、今度は海水が噴霧される大噴水という新たなリスクにさらされて、気の毒で仕方がないですね。
陸地と鳥の島でぐるりと桜をつなげる花を活用した観光振興は諦めて、大噴水を優先した人工的な観光施策、環境政策へ、いつシフトチェンジしたのでしょうか。海上公園ビジョンの理念に反しないのか、こちらも確認します。
○若林臨海開発部長 平成二十九年五月に策定した海上公園ビジョンにおきましては、台場、青海、有明南地区の海上公園につきまして、イベントの開催、誘致を進めるほか、民間事業者等と連携を図りながら水上交通の活性化や新たな海辺のレクリエーションの場づくりに取り組み、エリアの魅力をさらに高めていきますと記載をしております。
○上田委員 それでも桜を大事にしようということでしたね。自生の木は切って、桜を大事にしようということだったことは確認しました。
私どもの、さんのへあや都議が、文書質問で昨年、東京や他県の下水道から汚濁負荷が流入している海水を噴き上げるべきではないという質問をしたところ、海水を使用することを前提に、塩害対策にして、昨年の文書質問では回答しておりました。
しかし、今般の代表質問初日答弁にて、部分的に上水を使うと、突如方向転換をされました。
いつ海水オンリーから上水を使うことにしたのか、時系列で詳細の説明をお願いいたします。
○若林臨海開発部長 噴水の基本設計及び実施設計におきましては、高射噴水は海水の利用とする一方、これと並行して、高射噴水が周辺環境にどのような影響を及ぼすかにつきまして、令和六年三月に行った基本設計の段階から継続して検討してまいりました。
それを踏まえまして、令和六年九月の整備方針発表以降、海上保安庁との協議を進め、進出事業者や屋形船などの水域利用者、地域住民に対し、噴水の整備内容などについて丁寧な説明や意見交換を行いながら、都として、高射噴水の取扱いについて検討を重ねてきております。
こうした経緯を踏まえまして、皆様に親しんでいただける周辺環境に配慮したよりよい施設としていくため、高射噴水への上水利用に必要な対応を実施することとし、今後、具体的な検討を進めることといたしております。
○上田委員 桜が枯れることを懸念した屋形船協会には、当初、海水と説明したことを確認しております。
最初の説明はいつで、その際、どのような意見がなされたのか。その後、上水利用に急変した後は説明していたのか、しないのか。したのであれば、どのような形で行われたか、参加人数、事業者数がどの程度だったか、ご説明いただければと思います。
○若林臨海開発部長 高射噴水への上水利用につきまして、本年二月上旬に必要な対応を実施していくとの方針を定め、現在、具体的な施設の仕様や配置等につきまして技術的な検討を進めております。
水域利用者の方々からは、新たな観光資源ができることを大いに歓迎する、集客増を期待するなど、大きな期待をいただいております。また、周辺環境等への影響にも配慮したよりよい施設としてほしいとのご意見もいただいております。
水域利用者への説明につきましては、屋形船の団体に加盟する事業者の皆様に対して説明を行っております。
○上田委員 昨年秋頃から個別交渉していってということは仄聞しております。恐らく上水Xデーは二月上旬だったんだろうなと推理させていただきます。
何しろ二十六億円ですので、きっちりやっていれば二十六の事業ですから、最初から上水であったし、ころころころころ変わるわけもないわけですし、その分、説明する必要もないので、ちょっとそこら辺の流れを、この委員会で共有させていただいた次第でございます。
海鳥たちのすみかだった木々を伐採してまで桜を植樹して、それでも約十年がかりで苦手な海風にけなげに耐えてきた鳥の島の桜は枯れないのか、心配でたまりません。
当初は海水利用としていましたが、その時点での桜への影響と保護についてはどのように調査して検討していたのか、ご説明ください。
○若林臨海開発部長 基本設計及び実施設計におきましては、高射噴水は海水の利用とする一方、これと並行しまして、高射噴水が周辺環境にどのような影響を及ぼすかにつきまして、令和六年三月に行った基本設計の段階から継続して検討しております。
それを踏まえ、令和六年九月の整備方針発表以降、海上保安庁との協議を進め、進出事業者や屋形船などの水域利用者、地域住民に対し、噴水の整備内容などについて丁寧な説明や意見交換を行いながら、都として、高射噴水の取扱いについて検討を重ねてきました。
こうした経緯を踏まえ、皆様に親しんでいただける周辺環境に配慮したよりよい施設としていくため、高射噴水への上水利用に必要な対応を実施していくこととし、今後、具体的な検討を進めることとしております。
○上田委員 上水に変更されても、全て上水では、さすがにないと思いますよね。夏場は節水を都知事は呼びかけているわけですから。
上水と海水、ミックスになると思うんですけど、どのように水を噴き上げるのか、詳細な説明の上、桜に影響を与えないという根拠をお示しください。桜、絶対に枯れませんよね、この点も確認します。
○若林臨海開発部長 高射噴水への上水利用につきましては、現在、具体的な施設の仕様や配置等について技術的な検討を進めております。
今後、海上保安庁等との協議も踏まえ、施設の仕様や配置など、必要な対応を実施してまいります。
○上田委員 今後、技術的な検討を実施といっても、令和四年ぐらいからもう構想が立ち上がっていて、急にやったんじゃないと、ずっと説明しているわけですよね。四年の十二月、そして五月に発表したというんで。そのときに技術的な検討をしない、上水になったり海水になったり、また、これから説明、海上保安庁との――ちょっと順番がおかしいのではないのかなということを指摘させていただきます。
また、さんのへ都議が、噴水の観覧者は年間三千万人を見込んでいるということだが、ディズニーリゾートは年間二千七百五十万人ですよね、見込みが甘過ぎると指摘して、大きくメディアでも取り上げられました。
都としては、噴水が見える対岸や汐留方面から三千万人、噴水目当ては二百五十万人と想定しているようですが、たまたま見えた、通りかかったというのも、あと何か分からないけど、道路で走っていて見えたというのも観覧者なのでしょうか。改めて観覧者の定義を教えてください。
○若林臨海開発部長 年間の観覧者数につきましては、過去にお台場海浜公園で実施した花火イベントの人流データを活用し、荒天等による休止も考慮して、台場地区のほか、水域や対岸部も含め、噴水観覧可能な人数を年間約三千万人と試算したものでございます。
○上田委員 仮に、仮にですよ、本当にみんなで、わっさかわっさか観覧者が来て、ディズニーリゾート並みに来るとして、そうなってきますと、オーバーツーリズムの対策も気になります。
「ゆりかもめ」の年間利用者数をお示しの上、ODAIBAファウンテンによってどの程度増加する想定でいるのか。京都のように地域住民交通の支障を来さないのか。ディズニーリゾートは広い駐車場があるので、そのようなことを確保できるのか、当然、調査していると思うので、ご説明ください。
○若林臨海開発部長 年間の観覧者数につきましては、過去にお台場海浜公園で実施しました花火イベントの人流データを活用し、荒天等による休止も考慮して、台場地区のほか、水域や対岸部も含め、噴水を観覧可能な人数を年間約三千万人と試算したものでございます。
なお、「ゆりかもめ」の令和五年度の年間利用者数は約四千五百七十二万人でございます。
○上田委員 恐らく電車利用をしてもらっても駐車場でも問題はないということでございました。
いろいろな海水噴霧とか、あとは大腸菌の問題とか、いいことばかりではなくて、リアルなリスクとか問題なんかについても当然説明されていたとは思うんですが、私の仄聞するところでは、二月最終週に説明会を行ったことを聞いておりますけれども、そうした細かい説明はなかったようですが、誰を相手に六回実施したのか、参加人数、説明内容について、海水噴霧、一部上水なんでしょうけれども、オーバーツーリズムなど、リスクについても説明したのかも伺います。
期待や歓迎の声は何件あり、心配や批判の声等、ほかの意見についても、ご報告ください。
○若林臨海開発部長 これまで都は、住宅の自治会や学校のPTA等が参加する地域の連絡会に出席するとともに、都の主催で住民説明会を開催し、地域の方々に、直接、丁寧な説明を行ってまいりました。
住民の方々に直接説明し、意見交換した回数は合わせて六回でございます。
地域住民の方々からは、魅力あるランドマークとなってほしい、見ている人も体験できるような取組があると面白いといったご意見をいただきました。
水域利用者の方々からは、新たな観光資源ができることは大いに歓迎、集客増を期待するなど、大きな期待をいただいております。
また、それぞれ周辺環境等への影響にも配慮したよりよい施設としてほしいとのご意見をいただいております。
進出事業者の方々からは、噴水を活用したにぎわい創出策を一緒に検討し、共にエリアを盛り上げていきたい、臨海副都心の新たなランドマークとなり、さらに多くのにぎわいを創出することを期待するなどの声をいただいております。
○上田委員 広域アンケートではなく、口頭で数字もちょっとよく分からないので、そういうことですかということで受け止めさせていただきたいと思います。
水質についても、さんのへ都議が指摘しましたが、噴水、人工池等の水景施設の水は雑用水といいまして、研究機関によれば、最近、水景施設の水質管理が強化され、定期的なレジオネラ検査を行うことも増えてきたが、管理が不十分な場合、安らぎの空間であるはずの噴水や人工池が思わぬ健康被害の場所にもなりかねない状況であるというふうに指摘をされております。
厚労省が一定の基準、建築衛生法の雑用水水質基準も設けておりますが、これらの観点から水質管理はどうするのか、確認させてください。
○若林臨海開発部長 建築物以外に設ける噴水につきましては、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の基準は適用されません。
この噴水につきましては、東京都海上公園条例等に基づき、適切に管理運営してまいります。
○上田委員 また、詳しい水質管理と上水、海水の影響については順次ご報告をいただければと思います。
ODAIBAファウンテンに税金を使わないという根拠の資料をいただきましたけれども、売却、貸付けの特別会計であるからということですが、まず、埋立地は誰のものなのでしょうか。
○若林臨海開発部長 臨海地域開発事業会計は、臨海地域における埋立地の造成、整備及び開発に係る都の特別会計でありまして、本会計が所管する土地につきましては、処分までの間、都が所有、管理いたします。
○上田委員 都の財務局かな、の説明では、特別会計とは、特定の事業や資金などについて、その収支を明確にするために一般会計と分けて経理するための会計です。
一般会計とは分けていますけど、都事業なんですよね。一般家庭に例えるならば、光熱費やローンの返済などを別の財布で管理する。でも、大きい意味では同じ財布ということですよね。一般会計と連動、一体化していると読み取れます。
この点は、都民にはとても分かりづらいんですよね。民間企業の再開発事業であれば確かに税金は使いませんが、東京都の会計なのになぜ税金を使わないというのか、特別会計の仕組みを分かりやすく説明してください。
臨海地域開発事業会計において都からの繰入金は、過去も未来永劫も皆無で、全て独立採算であるという理解でよろしいでしょうか。でも、都事業ではありますよね。職員は東京都職員ですよね。確認いたします。
○若林臨海開発部長 臨海地域開発事業会計は、臨海地域における埋立地の造成、整備及び開発に係る事業を区分経理するため、地方財政法に基づき、一般会計とは別に特別会計として設置したものであり、独立採算を基本としております。
本会計は、企業債の発行により調達した資金を原資として埋立工事や都市基盤整備を進め、価値が向上した土地を民間事業者等へ売却、貸付けを行うことにより、今後の開発に必要な収入を生み出す仕組みとなっております。
本会計の事業に税金は使用しておりません。
○上田委員 お金に色はないとよくいいますし、過去も未来も繰入金は発生していないということは、ちょっとよく分からなかったんですね。
あるとき、何か不測の事態が起こって、天変地異か首都直下型か分かりませんけれども、臨海事業の開発、メンテナンスに必要な時期が来たら絶対税金が投入されることは容易に想定できるわけでございますし、ここの二十六億円使うのであれば、これは会計、公営企業で違いますけれども、やっぱり下水の分流を進めて、東京港を浄化してほしいと。浄化したらば、もう大腸菌が何とかといわれなくなるわけなので、閉鎖水域ということの東京都の責任を、私は感じているわけでございます。
最後に一言いわせてもらいますけれども、今、結構、都の職員さんもみんな若くなってきて知らないと思いますが、都庁のOBの佐々木信夫先生とお話ししたこともありますし、「都庁 もうひとつの政府」というのもちょっと読んだことがありますけれども、私が当選してすぐに、二〇一四年に新虎間が開通したわけでございます。
東京シャンゼリゼプロジェクトは、建設局が中心に展開していると。都心部ですよね。多心化副都心政策の置き土産が、港湾局のこの副都心、最後に残ったと思うんですよね。こうしたところの局間闘争にも見えなくもないと。バブルもはじけちゃって、リーマンショックを経て、時代の流れも変わっていくことから、副都心構想と都市集約をどう、この東京都、オール東京で併存させていく議論が必要だということを、当時、二〇一五年、十年前、私は指摘をさせていただいたことでございます。
そのときに、暫定利用地については、場当たり的な判断をせず当初計画、契約どおり、全体バランスを崩さないことということを指摘させていただいているわけでございます。
三月十八日の都政新報では、やっぱり東京都のOBが臨海開発の現状を踏まえ、お台場は特に開発のきっかけがつかみ切れていない、噴水も単なるにぎやかしにすぎないかもしれないが、先行投資した民間事業者のことを考えると、開発し続けるスタンスを見せ続けないといけない、いい換えれば、壮大な暫定費用が必要になっているというような、本当にけだし名言の指摘をさせていただいております。
にぎわいは必要ですけれども、にぎわいは勝手に生まれてくるもので、無理やりにぎわうことに税金を投入していくことには、私は断じて反対をさせていただきたいと思いまして、引き続きまして、この事業は、また副都心自身の今後の展開を、カンフル剤を打ち続けることに関しては警鐘を促させていただきまして、私の質問を終わります。
○三宅委員 伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画について伺いたいと思います。
近年、気候変動の影響により、平均気温や海水温の上昇が進んでいます。また、海水温の上昇は、台風の強大化にもつながります。
こうした影響は、厳しい気象、海象条件にさらされている島しょ地域においては特に大きいものがあります。海岸背後地で生活する住民の生命と財産を守るためには、対策を早期に着実に進めていくことが重要となります。
このため、我が会派は、本定例会の代表質問において、島しょ地域における海岸保全施設の機能強化の必要性を指摘し、都からは、今年度中に海岸保全基本計画を改定するとの答弁がありました。
この海岸保全基本計画改定に基づく海岸保全施設の整備について、より具体的に確認していきたいと思います。
そこで、まず初めに、気候変動を踏まえた海岸保全の基本的な考え方を伺うとともに、改定に当たり工夫した点について伺います。
○福永離島港湾部長 気候温暖化により将来の気温が仮に二度上昇すると仮定した場合、二一〇〇年までに、伊豆・小笠原諸島の海面水位は平均三十八センチ上昇するとともに、台風が巨大化することで高潮や波浪の影響も増大いたします。
このため、都では、各海岸の代表的な地点におきまして、ビッグデータから高潮や波浪の変化量を予測し、海面水位の上昇と併せまして護岸の必要高を設定することといたしました。
護岸の必要高の設定に当たりましては、まず、大島の検討モデルを先行して構築し、検討結果の妥当性を評価した上で他島にも展開することで、手戻りすることなく早期の計画改定を進めました。
また、島しょ部では、海岸背後の利用状況はエリアによって大きく異なることから、各海岸の背後地や利用の状況に合わせました護岸のかさ上げなど、整備手法を設定いたしました。
○三宅委員 東京都は、海岸保全基本計画の改定について、かなり早い段階から検討を進めてきており、各道府県の先行モデルとなっていると、そのように聞いています。その点については高く評価したいと思います。
津波や高潮から島しょ地域の住民の生命や財産を守るためには、将来予測される海面水位の上昇や潮位、波浪の増大に対応した海岸保全施設を着実に整備していく必要がありますが、伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画の改定後の具体的な海岸保全施設整備の進め方について伺います。
○福永離島港湾部長 各海岸における施設整備は、高さが不足すると判定された護岸から優先順位を決めて実施してまいります。
具体的には、背後地が宅地となっている海岸など、島民の生命と財産に直結する場所については、優先的に整備を行ってまいります。
また、整備に当たりましては、観光などによる利用面での考慮が必要な海岸では、景観や海岸とのつながりに配慮した護岸の高さとし、それでも必要な高さを満足できない場合は、波の減衰効果のある離岸堤など、現地に応じた複数の施設を用いて整備する手法も検討いたします。
来年度は、基本計画の改定を踏まえまして、島しょ部初の施設整備計画を策定し、背後が宅地となっている神津島港海岸など、各島の海岸における整備時期と整備内容を設定してまいります。
○三宅委員 将来想定される海面上昇や高潮、波浪に対して万全を期すために、島しょ地域の海岸保全施設の機能強化を図ることは極めて重要な取組であると思います。
引き続き、離岸堤の話もありましたが、環境を配慮したような、そういったことも考えながら、地元町村と連携しながら、住民の安全・安心の確保に努めることを強く要望しまして、次の質問に移ります。
島しょ地域における港湾整備について伺います。
島しょ地域における港や空港などは、島民の生活や産業、観光などを支える重要な役割を担っています。とりわけ小離島では、空路が少人数しか乗り込めないヘリコミューターしかないため、大型船が接岸できる岸壁を有する港が生命線となります。
小離島の中でも利島港は、台風による岸壁への被害を何度も受けており、現在は復旧が完了し、定期貨客船が接岸しているものの、今後、同様な被害を繰り返さないようにしなければなりません。
これまでも我が会派は、利島港の災害に強い港づくりについて強く働きかけてきており、都は現在、西側岸壁の強靱化工事に取り組んでいるところですが、まず、この西側岸壁の早期完成に向けた現在の取組状況と今後の整備について伺います。
○福永離島港湾部長 利島港の西側岸壁は過去三回、台風による被害を受けておりまして、特に平成三十年の台風二十四号発生の際には、複数のケーソンが大きく移動し、護岸上部のコンクリートの壁等が破損するなど、甚大な被害を受けました。
このため、都は、岸壁のさらなる強靱化のため、近年の気象データを考慮いたしまして、波の大きさを見直し、過去最大級の台風が襲来しても岸壁が被害を受けない構造としていくことといたしました。
また、災害リスクを早期に低減するには、岸壁の強靱化工事を迅速に進めていくことが重要でございます。
このことから、整備に当たりましては複数の構造を取り入れ、早期完成を目指していくこととしました。
具体的には、大型船が接岸する岸壁部分はケーソン、それ以外の岸壁は消波ブロックを設置することとし、同時期に並行して整備することで工期短縮を図ってまいります。
来年度はケーソンの製作に着手しますとともに、消波ブロックを製作するために必要な工事ヤードの拡張工事を進めてまいります。
○三宅委員 今ご答弁にありましたとおり、構造を強化し、また速やかに整備をしていただく、それで災害リスクを低減することができることがよく分かりました。
災害の再発を防ぎ、早期の完成を図ることは地元の強い願いでもあるため、ぜひとも迅速に進めてもらいたいと思います。
次に、利島港の船客待合所について伺います。
利島港の船客待合所は、乗船客の待合機能だけではなく、一階部分が荷役スペースとして利用されるなど、人と物を輸送する拠点としても、島民にとってなくてはならない施設でありますが、老朽化により柱のコンクリートが剥がれるなど劣化が進んでおり、建て替えの検討が進められています。
建て替えに当たっては、地元の方々の意見を十分に聞き、理解を得た上で進めていく必要があると考えます。
そこで、この利島港船客待合所の建て替えに関する現在の取組状況について伺います。
○福永離島港湾部長 現在の船客待合所は、供用開始から約三十年が経過し、島の厳しい気象条件からも随所で劣化が進んでおりますため、令和四年度から建て替えに向けた検討を進めております。
これまで、船客待合所の利用状況や岸壁周辺の土地利用状況を調査しますとともに、地元関係者とも繰り返し意見交換を実施してきました。
今年度は、波浪による建物への影響などの調査や、荷さばき地や野積み場などを含めた港全体の施設配置の検討を行い、これまでの地元関係者の意見を踏まえつつ、既存の物揚げ場の背後に新しい船客待合所を建てる案に絞り込みました。
今後、地元の合意を得まして建て替え位置を決定し、来年度中には基本設計を行い、具体的な建物の構造検討などを実施することで、船客待合所の早期完成を図ってまいります。
○三宅委員 港を利用する人々の安全性を高め、かつ効率的に荷役作業を行っていくため、引き続き島の方々の意見を丁寧に聞き、使い勝手のよい建物にしていってほしいと思います。
次に、港湾整備に関するブルーインフラの取組について伺います。
島しょ地域においては、定期貨客船のさらなる就航率向上に向けて整備を迅速に実施していく必要がある一方で、島しょ地域は自然豊かな地域であり、多様な海洋生物の生息場であることから、港湾整備の際にも、その環境を守っていくことが重要です。
都では、こうした観点から港湾整備と併せて生物が共存する環境整備を行う、いわゆるブルーインフラの取組を進めていくとのことですが、改めて、ブルーインフラを整備していく意義とその手法について伺います。
○福永離島港湾部長 都は、島しょ地域の生活と産業を支える港湾整備と豊かな自然を守ることを両立させる観点から、港湾整備と生物の生息場としての機能を損なわずに環境を保全することが可能となるブルーインフラの整備を推進してまいります。
具体的には、島民や島への来訪者の利便性を向上させる港湾の整備を行う中で、海藻類が付着し、魚などが生息しやすい環境を創出するため、溝や柱がついたコンクリートブロックなどを整備いたします。
○三宅委員 伊豆諸島では、近年、黒潮の大蛇行などの影響から漁業生産が減少しています。
このような状況に対し、ブルーインフラの取組を通して、少しでも多様な生物が多くすめるような海にしていくことで、漁業生産の向上にもつなげていってほしいと思います。
そこで、ブルーインフラの整備に向けた今後の取組について伺います。
○福永離島港湾部長 ブルーインフラの整備を進めていくため、今年度から、学識経験者、国土交通省、漁業関係者、地元関係者などをメンバーとした検討委員会を設置し、第一回目の委員会を三月十四日に開催したところでございます。
今後、検討結果を踏まえまして、整備する場所やその環境に適した構造物など、具体的な計画を策定いたしまして、ブルーインフラの整備に着手してまいります。
○三宅委員 島しょ地域の港湾整備は厳しい気象、海象条件に左右されることから容易ではありませんが、長年にわたり努力を積み重ねてきた結果、就航率の向上などの成果は確実に上がっていると思います。
また、港湾の整備に合わせてブルーインフラの取組を進めることは、島しょ地域にとって大変意義のあることであると思うので、着実に進めていってほしいと思います。
引き続き、島しょ地域の港湾整備を迅速に進め、島民の生活をよりよいものとするために尽力していってほしいと思います。
次に、大島空港、東京大島かめりあ空港における航空機整備事業について伺います。
都はこれまで、大島空港において、調布飛行場の自家用機の移転促進及び空港のさらなる活性化を目的として、格納庫や給油施設の整備など、施設の充実を進めてきました。
今年度はこうした取組に加えて、都は、大島空港の格納庫を活用した航空機の整備事業を開始することとし、その運営事業者の公募を実施してきましたが、昨日、事業者が公表されました。
まず、どのような手続で事業者を決定したか、そのプロセスを確認したいと思います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、大島空港の活性化及び調布飛行場に駐機している自家用機の大島空港への移転を促進することを目的として、大島空港の格納庫を活用した航空機の整備事業を開始することとし、昨年十一月より事業者を公募してまいりました。
事業者の選定に当たっては、公平性、透明性を確保するため、航空機整備の専門家、公認会計士といった外部の有識者を含むメンバーで構成する選定委員会を設置いたしまして、同委員会において、審査基準を定めるとともに審査を実施してまいりました。
今回の公募では二団体から応募があり、令和七年二月に選定委員会での審査を経て、昨日、事業者を公表いたしました。
○三宅委員 外部有識者を含む選定委員会において審査が行われ、事業者が適正に選定されていることが一応確認できました。
昨日公表された選定結果には、事業者の事業計画書も掲載されていると思いますが、次に、今回選定された事業者の選定理由について確認したいと思います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 今回選定された事業者は、他空港において航空機整備事業の十分な運営実績があるとともに、財務内容が健全でありました。
また、適正な管理運営体制を確保されているとともに、利用者サービスの向上に資する具体的な提案もございました。
さらには、調布飛行場自家用機の移転促進に資する提案のほか、大島空港及び地域の活性化に向けた具体的で優れた提案があったことが主な選定理由となっております。
○三宅委員 大島町の活性化にも寄与する優れた提案があったとのことで期待したいと思いますが、提案書の中には、大島の活性化につながる提案はどのようなものがあったのか伺いたいと思います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 公募時におきましては、機体の整備を目的とした大島空港への来訪が増加することで大島町の活性化に寄与することを期待しておりましたが、今回の公募で選定された事業者が提出した事業計画書では、大島の魅力向上に資する事業が提案されております。
具体的には、季節ごとに特色ある島内ツアーの企画や、島内の空き施設等をリノベーションすることで魅力あるレジャー施設や宿泊施設を開発する事業などであります。
これらの事業は、大島において観光客の増加や雇用拡大をもたらすなど、大島町の活性化に大きな効果が期待できることから、地元の意見に耳を傾けながら、町とも連携して取り組んでまいります。
○三宅委員 提案書の内容は実現しなければ意味がないと思いますので、都は、提案された事業者の計画をしっかりとチェックしていただきたいと思います。
また、都自らも選定された事業者や大島町、関係者などとの連携のつなぎ役となって、大島町全体の活性化につながる取組の実現に貢献していただきたいと思います。
このことを要望しまして、質問を終わります。
○遠藤委員 それでは、調布飛行場の整備に関する検討について伺います。
調布飛行場は、本土と島しょを結ぶ離島定期航空路線の拠点として、また防災や医療など緊急活動の地域の拠点として重要な役割を果たしております。
都は昨年十一月、今後の調布飛行場に求められる役割を改めて把握、整理し、その実現に向けた取組などの検討を行うために調布飛行場整備検討会を設置し、先週の十三日に第三回目の検討会を開催しました。
本検討会は、公共の飛行場として強化すべき機能や、地域と共生する空間としてさらに進化するための施策など、今後の調布飛行場の在り方に大きく影響を及ぼす議論の場であることから、その進捗状況について確認をしていきたいと思います。
まず、改めて調布飛行場整備検討会の設置の意義について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場の管理事務所や管制塔は、整備後四十年が経過するなど、老朽化が進んでおります。
また、調布飛行場の正式飛行場化に向けて、平成八年に策定された調布飛行場整備方針及び同整備基本計画に記載のある項目のうち、多摩地域の防災拠点としての機能向上など、さらなる取組が期待される項目もございます。
このことから、老朽化した施設を建て替える機会を捉え、整備方針及び整備基本計画に記載された項目の実現に向けた取組を行うとともに、将来を見据えた整備について検討を進め、周辺地域に貢献し、親しまれる施設としていくため、整備検討会を設置いたしました。
○遠藤委員 今、非常に大事なことをおっしゃっておられました。周辺地域に貢献し、親しまれる施設としていく、まさにこの点が非常に重要であると思います。
今ご案内のように、約十年ぐらい前に事故がございましたので、それから、お祭りを含めて非常に難しい状況にあるとは存じております。
この点、検討会では、調布飛行場に期待する役割を検討するために、地域住民や飛行場の利用者など、飛行場関係者にインタビューをして取りまとめた結果が報告されたと聞いております。
地元の方々からどのような意見が多かったのか伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 地元の方々から意見をお伺いするため、令和六年十二月から令和七年二月にかけて、三鷹市、府中市、調布市の飛行場周辺の十四の自治会にインタビューを実施いたしました。
その結果、多くの方から、安全対策のさらなる徹底を求める意見や、防災機能を充実させてほしいという意見をいただきました。
また、地域の方々が憩うことができる施設が欲しいとの意見や、定期便が就航している伊豆諸島の人たちと交流できるとよいとの意見も多くいただきました。
○遠藤委員 地元自治会からのインタビュー結果につきましては、飛行場周辺で生活される方の多くの意見、これを直接聞くことができて、現在のお考えを把握できたことに大きな意義があったと思います。
検討会の開催案内によりますと、こうした地域住民の意見に加えて、地元の三市、空港管理者、航空会社、さらには定期便の利用者など、様々な立場の方へのインタビュー意見を基に、将来必要となる施設や機能、その配置について議論されたようであります。
そこで、具体的にどういった意見があったのか、もう少し詳しく伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 市街地の中にある飛行場として、これまで以上に安全対策を充実していくことを前提とした上で、離島定期航空路線及び防災や医療などの緊急活動の地域拠点としての機能を確保すべきであるということを確認いたしました。
また、学識経験者からは、公共空間の活用について近年の事例の紹介がありまして、ターミナル周辺に、より快適に人が集うことができる広場づくりについて議論が交わされました。
加えて、テクノロジーが進化する十年後、二十年後を見据えた施設の在り方や、周辺地域によい影響を与える飛行場の在り方など、多くの有意義な議論が交わされました。
これらの議論を踏まえまして、本年五月を目途に、安全対策を徹底することはもとより、多くの人でにぎわい、地域から必要とされる新しい市街地型飛行場の姿を取りまとめていきたいと考えております。
○遠藤委員 皆さんご存じのように、調布の飛行場というのは調布市にあるわけですけれども、私は同じ沿線に住んでおり、実は電車で多分、十分、十五分で調布の最寄りの駅まで行けると思うんですが、航路が島しょに限定されていますので、やっぱり行く人がそれほど多くない。どれぐらいの方が年間使われるか、皆さんご存じでしょうか。ちなみに羽田空港は年間五千五百万人が利用されています。
調布の飛行場は年間で十万人、月八千人、一日二、三百人とかですね。このボリュームだと、中にカフェを置いても、ちょっとペイしないでしょう。なかなか、この人を集めるというところが、利用者以外の方をどうやって呼び込むかという観点が必要になってくるのではないかと思います。
今、非常に、答弁の中で、より快適に人が集うことができる広場づくりという大変重要な答弁がございましたが、調布飛行場は離島の定期航空路線の拠点として重要な施設であることはいうまでもありませんが、安全の確保を前提に、住民の方が集うにぎわい拠点など、さらなる活用、将来を見据えた飛行場の在り方についても期待されていることが今回のインタビュー等々で分かったわけです。
次回の検討会ではいよいよ提言が取りまとめられるようでありますが、これまでの議論を踏まえて、調布飛行場の在り方についてよい結論がまとまることを期待いたしまして、質問を終わります。
○内山委員 では、トリを務めさせていただきたいと思います。質疑も長時間にわたりましたので、もう議論も出尽くしましたので、私からは一点、一問じゃないですよ、一点質問させて、終わらせていただければと思います。
私からは、ナイトタイムエコノミーの視点からの東京ヘリポートの夜間遊覧飛行の活用についてお伺いしたいと思います。
いうまでもなく、コロナの前後あたりからインバウンドの対策、そして、その辺りから、ナイトタイムエコノミーという言葉が注目されてきたんではないかなというふうに思っています。
そういった意味では、この東京ヘリポートの役割というものも、恐らくさらに変容してきていまして、さらなる観光振興を図るという中で、このナイトタイムエコノミーの視点から、夜間遊覧飛行などの観光需要を掘り起こして消費の拡大につなげていくということは極めて重要ではないかなというふうに思っております。
現在、都が管理している東京ヘリポートでは、一部の事業者が夜間遊覧飛行のサービスを提供しているんですが、運用上の制限があったり、また、十月からはほとんど運航がされていないという状況がありまして、観光客の皆さんはどうしているかというと陸路、陸路というのはですね、陸路で船橋のヘリポートまで行って、東京上空を遊覧して、また船橋に降りて、そこから、えっちらおっちら、都心に帰ってくると、こういう状況であります。ここがかなりロスが大きいという、こういう意見が寄せられています。
現在の東京ヘリポートの運航時間は、朝、午前八時三十分から午後四時三十分までということでありますけど、事前の使用許可の申請によっては、朝は日の出から、夜はこの四時三十分以降でも、日没まで使用が可能であるということでありました。
さらに特例として、東京ヘリポート内に格納庫を有する十一の事業者から構成される東京ヘリポート協議会の会員に関しては、一日十回を限度として、日没から午後八時三十分まで使用が可能であると、こういう制限というかルールであるというふうにお聞きをしました。
そこで、まずお伺いしたいのが、このような限定的な運用となった経緯、理由についてお伺いをしたいと思います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 現在の夜間運用の使用ルールにつきましては、平成十三年八月に東京ヘリポート協議会から東京都に、夜間運用に関する要望書が提出されたことにより定められたものでございます。
これを受けまして、都は、東京ヘリポートの飛行経路上影響が大きい江東区、江戸川区、中央区へ夜間運用について説明を行い、十分な安全、騒音対策を取ることを条件にして、平成十四年五月から、一日十回を上限として運用時間外の遊覧飛行を許可しているところでございます。
現状、安全対策につきましては、夜間に気象や周辺の航空機の運航状況などを提供する航空機安全運航支援センターが不在となるため、東京ヘリポート協議会で夜間使用の幹事会社を決めまして、使用者相互間の運航の情報を共有するなどの連携を図っているところでございます。
また、騒音対策としては、より騒音の影響の少ない飛行ルートを選定して運航しているところでございます。
○内山委員 私、実際に、この質疑をするに当たって、東京ヘリポートを視察させていただいて、あと、十五分間、夜間じゃないんですけど、日中の飛行をさせていただきました。
そういった中で、私、昭島ですので、横田基地があって、まさに周辺には住宅地があるという、こういう状況なんですけど、あの場所というのは、そういう意味では離着陸のときには近隣住民というのはいないと。飛び立っても、しばらくは工業地帯か、もしくは海ということで、すごく飛行場という意味においては、私の地元から見ても、かなり理想的な環境だなというふうに思いました。
一方で、今の答弁をお聞きすると、それでもやっぱり地元からすれば、もちろん飛び立って離着陸のときには民家だとか近隣住民はいないんですけど、当然飛んでいけば、それはもちろん市街地にも飛んでいくということで、その辺り、近隣地域には騒音だとか安全上の理解を得るということは重要なんだということは理解をしました。
そういった中で、先ほども少し申し上げましたけど、夜間遊覧飛行の状況を確認したところ、昨年の十月からは、一日十回の枠、ほぼ使用されていないということで、まだまだ余裕があるというように伺っています。
ナイトタイムエコノミーの推進の観点から、また、以前と比べても、この夜間遊覧飛行の需要というのはかなり高まっていると思います。私も飛んでみたときに、日中でもかなりすごいなと思いましたけど、あれが夜、夜景ということであれば、これは特にインバウンドの皆さんからすれば本当に魅力的なコンテンツなんではないかなというふうに思います。
そういった中で、時代のニーズを捉えて、そして、そういったものをさらに活性化させていくという観点から、様々な事業者の皆さんにも入ってきていただいたりとか、これまでの運用をさらに充実させていくということが必要なんではないかなというふうに思いますが、そういったことをしていくためにどのような調整が必要なのか伺いたいと思います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 東京ヘリポートに格納庫を持たない事業者による夜間遊覧飛行のニーズに応えていくためには、安全対策として、夜間の気象や周辺の航空機の運航状況などの安全運航に関する情報を事業者に提供する仕組みなどを構築していかなくてはなりません。
また、保安対策として、運航事業者による保安要員の配置や、都職員が配置されていない運用時間外における施設の警備などについて体制を確保するとともに、騒音対策として、飛行経路や運航方法の遵守が求められることになります。
こうした対応策について検討した上で、関係機関と丁寧に調整する必要がございます。
○内山委員 ありがとうございます。現状において、もちろん様々検討しなくてはならない課題というのはあるかと思いますが、今後の観光振興の観点からも、時代の変化に合わせて、東京ヘリポートの運用を工夫していくことを強く要望いたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時十三分散会
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