経済・港湾委員会速記録第二号

令和七年三月三日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長小林 健二君
副委員長青木 英太君
理事上田 令子君
理事菅野 弘一君
理事白石たみお君
遠藤ちひろ君
細田いさむ君
藤田りょうこ君
福島りえこ君
宮瀬 英治君
三宅 正彦君
谷村 孝彦君
西崎つばさ君

欠席委員 一名

出席説明員
産業労働局局長田中 慎一君
次長理事兼務安部 典子君
総務部長阿部 泰之君
産業企画担当部長DX推進担当部長兼務池野 大介君
企画調整担当部長齋藤  順君
企画調整担当部長前田 泰伯君
企画調整担当部長下羅 智宏君
働く女性応援担当部長吉浦 宏美君
商工部長福田 哲平君
商工施策担当部長松田 義史君
金融部長金融支援担当部長兼務原   郁君
産業・エネルギー政策部長米澤 鉄平君
産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務山本麻里雄君
新エネルギー推進担当部長服部 勇樹君
観光部長江村 信彦君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長榎園  弘君
安全安心・地産地消推進担当部長田代 純子君
雇用就業部長内田 知子君
中央卸売市場市場長早川 剛生君
次長松田 健次君
管理部長住野 英進君
事業部長大谷 俊也君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務東山 正行君
市場政策担当部長石井 浩二君
財政調整担当部長高橋 葉夏君
環境改善担当部長中井  宏君
港湾局局長松川 桂子君
技監村田 拓也君
総務部長戸谷 泰之君
港湾経営部長野平雄一郎君
港湾振興担当部長三浦  知君
臨海開発部長若林  憲君
港湾整備部長佐藤 賢治君
計画調整担当部長山本 康太君
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務儀間  潔君
離島港湾部長福永 太平君
労働委員会事務局局長堀越弥栄子君

本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十五号議案 令和六年度東京都と場会計補正予算(第一号)
・第百五十七号議案 令和六年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
港湾局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 港湾局所管分
産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 産業労働局所管分
付託議案の審査(決定)
・第百五十一号議案 令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
・第百五十五号議案 令和六年度東京都と場会計補正予算(第一号)
・第百五十七号議案 令和六年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)

○小林委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場、港湾局及び産業労働局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十五号議案及び第百五十七号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○小林委員長 これより港湾局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、港湾局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○青木委員 私からは、補正予算案に計上されている中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備について伺います。
 東京港は、日本の経済成長と国民生活を支える上で、大変重要な役割を担う社会的インフラでございます。我が国全体のコンテナ取扱量の約四分の一、そして、東日本において消費、生産される貨物の約六割の貨物を取り扱う、まさに国際物流の大動脈ともいえる物流拠点でございます。
 一方、東京港のコンテナ貨物量は増加傾向であり、コンテナふ頭の処理能力を大幅に上回る貨物を取り扱う状況が続くなど、新たなコンテナふ頭の整備が喫緊の課題となっております。
 こうした状況も踏まえ、我が会派は、処理能力を超える貨物量への対応に加え、大型船にも対応可能な施設として、中央防波堤外側地区における新たなコンテナふ頭Y3の早期整備を強く訴えてきました。
 今回の補正予算において、Y3の整備に関する予算として百七十四億円が計上されているということで、東京港の課題解決に向けた大きな前進になるものと期待しております。
 そこで、まず、確認のために、今回のY3整備に関する補正予算案の内容について伺います。

○佐藤港湾整備部長 今回の補正予算案につきましては、昨年十二月に国の補正予算が措置されたことを受けまして、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備に関する費用として約百七十四億円を計上したものでございます。
 内訳でございますが、国が直轄事業として施工する岸壁の整備費用のうち、今年度発注するジャケット製作の負担金等として約二十四億円を計上してございます。
 また、DX、脱炭素化を推進するため、コンテナヤードや荷役機械等の整備を担う東京港埠頭株式会社に対する出資金といたしまして、約百五十億円を計上してございます。

○青木委員 ありがとうございます。
 我が会派もこれまで、東京港の抜本的な機能強化を図るべきとの観点から、Y3の早期完成を都に繰り返し求めてまいりました。今回の補正予算を確実に執行していくことで、今後、Y3の整備が加速していくことを期待したいと思います。
 そこで、改めて、このY3の整備の意義について確認をいたします。

○佐藤港湾整備部長 東京港が今後も重要な国際物流拠点としての役割を果たし続けるためには、貨物量の増加やコンテナ船の大型化に的確に対応していく必要がございます。
 Y3は、東京港で最大の水深十六メートルの岸壁と奥行き五百メートルのコンテナヤードを備えた高規格ターミナルでございます。東京港の年間コンテナ取扱量の約一割に相当する貨物を取り扱うことができますとともに、東京港におきましても、今後、寄港が見込まれます一万四千TEU級の大型コンテナ船の受入れが可能でございまして、東京港の機能強化を図る上で極めて重要なふ頭でございます。

○青木委員 今の答弁にもありましたように、Y3は、東京港の抜本的な機能強化に必要不可欠なふ頭でありまして、都は、国をはじめとする関係機関と緊密に連携をし、Y3整備を一刻も早く完成させる必要があると考えます。
 そこで、現在のY3整備に関する進捗状況を伺います。

○佐藤港湾整備部長 Y3の整備状況でございますが、まず、岸壁の整備につきましては、都において地盤改良、しゅんせつともに約七割まで着手しており、地盤改良は令和七年度、しゅんせつは令和八年度に、それぞれ完了する予定でございます。
 また、国におきまして、昨年度、岸壁本体となるジャケット鋼材二十五基のうち四基分の工場製作に着手してございまして、今回の補正予算を受け、残り二十一基の約半数となる十基分の発注手続が進められております。
 加えて、コンテナヤード等の整備を担う東京港埠頭株式会社におきましては、昨年九月に、荷役機械であるガントリークレーンを既に発注してございまして、今後、ヤードの舗装や管理棟の建築などを順次進めていく予定でございます。
 引き続き、国や関係事業者等と連携して、早期の事業完了を目指してまいります。

○青木委員 Y3の完成に向け、各種工事が順調に進捗していることが確認できました。
 来年度以降は、いよいよ工事が本格化する段階を迎えると聞いておりますが、都には引き続き国や関係事業者と連携し、事業を確実に推進していただきたいと考えます。
 さて、今回の補正予算案では、東京港埠頭株式会社に対する出資金が計上されております。東京港埠頭株式会社に対し、都が出資する目的について改めて伺います。

○野平港湾経営部長 東京港が将来にわたり日本経済や国民生活を支える役割を果たしていくためには、社会状況の変化に中長期的な視点から戦略的に対応することが重要でございます。
 例えば、物流の現場におきまして、危惧されている将来の担い手不足に対応するため、DXによりターミナルのオペレーションを効率化するとともに、世界的なゼロエミッション化への要請に応えるため、脱炭素化の取組を進めることなどが不可欠であると認識しております。
 このため、都が主導して、東京港を質的にも量的にも機能強化するため、コンテナターミナルの整備運営主体である東京港埠頭株式会社に出資を行うものでございます。

○青木委員 この東京港埠頭株式会社は、前身の京浜外貿埠頭公団時代から数えて約六十年にわたり、コンテナふ頭の管理運営を担ってきたと聞いております。長年の経験で培った知見やノウハウを生かし、東京港の発展に大きく貢献してきており、今後も東京港の物流を支える中核的な存在であることが期待されております。
 都が、今回、東京港を質的にも量的にも機能強化するため、同社に出資し、経営基盤を強化するという決断をしたことは、時宜にかなったものであると評価しております。
 都においては、国や東京港埠頭株式会社と緊密に連携し、このY3の整備を着実に推進することで、東京港の抜本的な機能強化を速やかに実現していただきたいことを強く要望し、質問を終えます。

○福島委員 補正予算案における中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備について伺います。
 欧米やアジアの主要港が大規模なコンテナターミナルの開発に合わせ、港湾関連業務におけるDXや脱炭素化を加速させています。
 例えば、コンテナターミナルの完全自動化や、再生可能エネルギーを活用したゼロエミッション化を実現したターミナル、こういったものも稼働し始めています。
 都は、現在、中央防波堤外側地区においてY3ターミナルの整備を進めていますが、このターミナルは、既存ふ頭とは異なり、更地の状態から自由にターミナルの設計や整備を進めることができるため、大胆にDX、そして脱炭素化を推進できる絶好の機会であると考えています。
 本日の質疑では、このY3ターミナルの整備において、DXと脱炭素が重要であるという立場で質問をさせていただきます。
 まず、確認のため、なぜ今回の補正予算でY3ターミナル整備に係る経費として百七十四億円を計上したのかについて伺います。

○野平港湾経営部長 東京港におきましては、コンテナの取扱量に対して施設能力が不足している状況が続いておりまして、その結果、ターミナル周辺における交通混雑などの外部不経済が発生していることなどから、早急に施設能力を強化することが必要であると認識しております。
 昨年十二月に国の補正予算が成立し、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3につきまして、国が直轄事業として実施する岸壁の整備に関する予算が措置されました。
 この状況を踏まえ、都は、Y3ターミナルを一刻も早く完成させるため、直轄事業負担金及びコンテナヤード等の整備を行う東京港埠頭株式会社に対する出資金などを補正予算案として計上いたしました。

○福島委員 国でY3ターミナルの岸壁の整備に関する補正予算が成立し、都としてもこのY3ターミナルを早期に完成するために、都負担分などの二十四億円に加え、コンテナヤードなどの整備を担う東京港埠頭株式会社への出資金百五十億円を予算計上したことを確認させていただきました。
 このY3ターミナルを持続可能かつ国際競争力のあるターミナルにしていくことは重要であり、東京港埠頭株式会社への出資金百五十億円は、岸壁と同時に整備するコンテナヤード等のDXと、そして脱炭素化、これを加速するための予算であるというふうに聞いております。
 そこで、東京港埠頭株式会社は、都の出資金を使ってY3ターミナルをどのように整備していくのか伺います。

○野平港湾経営部長 都といたしましては、今後、東京港埠頭株式会社が出資金を有効に活用し、遠隔操作可能な荷役機械の導入に加えまして、太陽光発電設備やEV用充電器の整備などを進めていくことを想定しておりますが、具体的な整備内容につきましては、関係者との協議を経て決定してまいります。
 こうした取組によりまして、Y3ターミナルを効率的で持続可能なターミナルとして整備してまいります。

○福島委員 東京港も、欧米やアジアなど世界の主要国で先行するDXや脱炭素に追随することは不可欠です。東京港埠頭株式会社への出資は、これを加速するものというご答弁でした。
 このDXについて、今すぐのコンテナターミナルの完全自動化は難しいとしても、作業者の移動時間削減や作業空間の確保の点から有効な遠隔操作可能な荷役機械の導入は重要ですが、都は、令和五年度から東京港における港湾DX加速化補助金で助成するなど、取組を進めているところです。
 そこで、国内における遠隔操作可能な荷役機械の導入状況について伺います。

○野平港湾経営部長 遠隔操作可能な荷役機械は、ターミナル内の管理棟から操作を行うことができる機械でございまして、日本国内では、トラックへのコンテナの受渡しに使用するタイヤ式門型クレーンの遠隔化が進められております。
 国内で外貿コンテナ貨物を取り扱っている港湾は六十二港ございますが、本年二月末時点で遠隔操作可能な荷役機械が稼働している港湾は、名古屋港、清水港、横浜港の三港でございます。
 東京港におきましては、青海公共コンテナふ頭に二十六基導入する準備を進めておりまして、令和七年度から順次稼働していく予定でございます。

○福島委員 国内でも、遠隔操作可能な荷役機械の導入が徐々に進んできてはいるが、世界の主要港に比べると導入スピードは著しく遅れているといわざるを得ません。
 そこで、遠隔操作可能な荷役機械の導入を進めていく上で、何が課題になっているのか伺います。

○野平港湾経営部長 遠隔操作可能な荷役機械は、ターミナルの管理棟内の快適な環境下で操作できるため、荷役機械の狭小な運転席で操作を行っている現状と比べまして、労働環境が大きく改善されることが期待されております。
 一方で、その導入には、現在の荷役機械と比べて約二倍から三倍のコストがかかることや、導入しようとする民間企業におきまして労使の合意形成を図る必要があるなど、様々な課題があると認識しております。

○福島委員 遠隔操作可能な荷役機械の導入の課題として、コストや労使合意があることが分かりました。導入に当たっては、現場で働く労働者の皆様の声にも丁寧に耳を傾けていただくよう要望いたします。
 一方、コストに関しては、DXや脱炭素化には多額な投資が必要ということで、利用料だけでは実施が難しいというふうに聞いています。
 世界の主要港でも政府が率先して推進しているとのことで、これ以上、世界の主要港と競争力の面で引き離されないためにも、今回の補正予算で、都が東京港埠頭株式会社に出資し、Y3ターミナルのDXと脱炭素化を進めることを評価します。
 企業が増資で資金調達を行う場合、その個別具体的な使途については、調達目的の範囲内で当該企業の経営判断に委ねられるべき事項ではありますが、DXや脱炭素化といった特定の目的を持って補正予算を組んで出資する以上は、その使われ方についても、都としてチェックできることが望ましいと考えます。
 そこで、都は出資金が目的に沿って使われているか確認すべきと考えますが、見解を伺います。

○野平港湾経営部長 Y3のDXや脱炭素化を推進するためには、今般の出資金が出資目的に沿って適切に活用されているかどうかを確認することは重要であると認識しております。
 このため、都は、東京港埠頭株式会社からY3ターミナルの整備計画を提出させまして、DXや脱炭素化に関する具体的な整備内容を確認し、必要に応じて修正を求めてまいります。
 加えまして、定期的に事業の進捗状況について報告を受け、整備計画に沿って着実に事業が進められているかどうかを把握することなどによりまして、出資金が効果的に活用されていることを確認してまいります。

○福島委員 計画と、そして実施状況の報告を受けることで、都として出資金額の目的達成に向けて有効に活用されているかをチェックするという体制について確認をしました。
 Y3ターミナル、そして東京港が世界から選ばれる港湾であり続けるよう、不断の取組を進めていただきたい、これを要望しまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○細田委員 補正予算案におけます中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備について、質問いたします。
 東京港におきましては、まさに、災害時や大規模災害時には、救援物資を輸送する災害時の輸送拠点としての機能を有する、このような役割も担っておりますし、また、外貨のコンテナ貨物量が二十六年連続で国内首位、これなど、国内トップのコンテナポートとして極めて重要な東京港であります。
 この東京港においては、このコンテナ取扱量の増加に伴って、一部のコンテナターミナルの周辺でトラックの交通混雑が発生しており、東京港の長年の課題になっています。ターミナル周辺で荷待ちをするトラックによる交通混雑は、経済的な損失が発生することのみならず、今般の港湾物流の現場で担い手不足が深刻化している中では、物流の停滞を招くおそれがありまして、早急な対応が必要であります。
 私は、さきの第四回定例会の一般質問で、東京港の交通混雑について、物流の担い手不足が懸念される中で、コンテナ物流の円滑化をいかに実現していくのか、その道筋について具体的に示していくべきと求めました。
 知事よりは、コンテナふ頭の運営を一層効率化してターミナル周辺の交通混雑を解消することが従前に増して重要であり、東京港の経営戦略の中で、交通混雑の解消を最重要課題のうちの一つとして位置づけて、港湾物流の現場で働く方々が快適に働けるよう、コンテナ物流の円滑化に全力で取り組んでいくとの決意を伴う答弁があったわけでございます。
 さて、この東京港の経営戦略、一月末に発表がありましたTokyo Container Vision 二〇五〇の素案でございますが、この素案には、まさにコンテナターミナルの機能の強化、DXの推進、サプライチェーンの効率化、脱炭素化の推進、SDGs、サステーナビリティーの推進、推進体制の強化、このような項目が載っておりますので、しっかりと検証しながら、着実に先手を取って前に進めていただきたい、このことを改めて求めておきますけれども、私の方からは、まさに二〇三五年の中間目標の実現により、効果の事例として、コンテナターミナル周辺の交通混雑の解消によって、約八十七億円の外部不経済を解消する、これを掲げていることを伺いたいんですが、今回は、この補正予算案に計上されているY3の整備が、東京港の交通混雑の解消にいかにつながっていくのか、確認をいたします。
 まず、改めて、東京港において交通混雑が発生する要因について、都の見解を求めます。

○野平港湾経営部長 東京港のコンテナターミナル周辺では、時期や時間帯などにより状況は異なりますが、貨物の受渡しのために来場したトラックによる混雑が発生しております。
 その主な原因といたしましては、東京港では、施設能力を大幅に超えるコンテナを取り扱う状態が続いておりまして、その結果、ターミナルでの貨物の受渡しに時間がかかっていることが挙げられます。
 また、東京港を利用する荷主の多くが、ターミナルから引き取った貨物を朝一番に納品するようトラック事業者に要請するため、トラックが納品前日の午後、特に夕方にターミナルへ集中することも混雑の大きな要因となっております。

○細田委員 今のご答弁で、東京港の交通混雑の主な要因は二点とのことでありました。その一つとして、コンテナの取扱量に対して、ターミナルの施設能力が不足しているということであります。
 この素案では、東京港においては、施設能力は約百万TEU不足していると、このような話でございまして、施設の能力の向上には、早期に、現在整備中の中央防波堤外側のコンテナふ頭Y3を完成していく、このことが重要であります。
 そこで、Y3の整備は、東京港の施設能力の向上にいかに寄与するのか、この点について都の見解を求めます。

○野平港湾経営部長 東京港の施設能力は、現在、年間約四百万TEUでございますが、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備により、施設能力の約一割に相当する約四十五万TEU向上いたします。
 また、Y3の整備完了後、大井コンテナふ頭の一部の貨物をY3へ移転させることで、大井ふ頭に工事用の種地を確保いたしまして、再編整備に着手する予定でございます。
 このことから、Y3は、東京港の約半数の貨物を取り扱う大井コンテナふ頭の施設能力の向上にも寄与すると認識しております。

○細田委員 Y3の整備は、今、ご答弁にありましたように、東京港の施設能力の向上に大きく寄与して、東京港の交通混雑対策にとって欠かせないものでございます。早急に、かつ安全にY3の整備を進めてもらいたいと要望いたします。
 そして、現在、Y3をどのようなターミナルにしていくのか、関係者の間で検討を進めていると聞いておりますが、新規のターミナルをつくるのであれば、これまでの知見を大いに生かすべきであり、交通混雑を発生させないターミナルにしていかなければなりません。
 そこで、交通混雑を発生させないために、Y3ターミナルをいかに整備していくのか、都の答弁を求めます。

○野平港湾経営部長 東京港のコンテナターミナルの多くは、コンテナヤードの面積が狭隘であるため、多いときには、コンテナを四段から五段積みで保管しております。
 このため、コンテナをトラックへ引き渡すまでに時間がかかり、ターミナル周辺の交通混雑の要因の一つとなっていることを踏まえまして、Y3ターミナルにつきましては、十分な広さが確保されたターミナルを整備してまいります。
 具体的には、大井コンテナふ頭の一バース当たりの面積の平均は約十三・五ヘクタールでございますが、これに対し、Y3ターミナルは二十三ヘクタールと倍近い面積を確保する予定でございます。
 あわせて、ターミナル内に二百台を超える車両待機場を整備いたしまして、ターミナルへ入場するトラックが公道上で待機せず、円滑に移動できる効率的な動線を確保してまいります。
 Y3ターミナルの整備に当たりましては、これまで培ったノウハウを有効に活用し、交通混雑が発生しないように、様々な対策を講じてまいります。

○細田委員 コンテナの段積みが少しでも解消されれば、荷役作業の効率性が上がりまして、ひいては交通混雑の緩和にもつながるということであります。
 トラックの動線につきましても、大井コンテナふ頭の車両待機場がふ頭から離れており、動線が非効率になっている現状を考えますと、これまでの知見を生かして工夫をしようとしていることが分かりました。
 また、昨年の本委員会で、私は、予約システムで効果を発揮しているCONPASの通年使用を提案いたしましたが、混雑を防ぐためには、これまでの知見を生かした取組に加えて、海外の主要港の最新の動向なども踏まえて、デジタル技術を活用した新たな取組を展開していくことも重要であります。
 そこで、Y3ターミナルにおきまして、いかにDXを推進し、結果を出していくのか、都の答弁を求めます。

○野平港湾経営部長 ターミナル周辺の交通混雑を解消するためには、AIやIoTなど最先端技術を活用し、ターミナルオペレーションの効率化などを図っていくことが必要と認識しております。
 このため、Y3ターミナルにおきましては、混雑を避けた時間帯でのトラックのターミナルへの来場を促進するため、コンテナ搬出入予約制を導入してまいります。
 また、遠隔操作可能な荷役機械を導入するとともに、予約情報を活用し、事前にコンテナを取り出しやすい位置に移動させておくことで、トラックへのコンテナの引渡し時間を短縮するなど、関係者と協議の上、Y3ターミナルのDXを推進してまいります。

○細田委員 Y3におきましても、どうぞしっかりとDXを進めてもらうことを要望いたします。
 東京港の交通混雑の解消は待ったなしの課題であります。効率的なターミナルの実現に向けて、これまでの知見やノウハウを生かすとともに、現場を担う事業者の意見もしっかりと聞きながら、Y3ターミナルの整備を早急に進めていただきたいと思います。
 東京港の交通混雑の解消は一足飛びには実現できない大きな課題でありますが、引き続きまして、Y3の早期整備をはじめ、ハード、ソフト、様々な取組を取り入れて、着実に進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○上田委員 先ほど四十分といったんですが、ちょっと計算間違いで、ちょっと短いと思います。
 中央防波堤Y3整備です。
 まず、港湾局と東京港埠頭株式会社におけます今般整備事業における、政府と東京都、東京港埠頭株式会社、それぞれ、三者の具体的に担う責務、責任分界点、それに伴うそれぞれの支出負担につきましてご説明ください。

○佐藤港湾整備部長 中央防波堤外側コンテナふ頭Y3整備事業につきましては、国の直轄事業として採択され、国及び東京都、東京港埠頭株式会社が協力して整備を進めてございます。
 国は、ジャケット製作など岸壁本体を整備してございまして、都は、岸壁本体背後の地盤改良などを実施しております。また、東京港埠頭株式会社は、ガントリークレーンやコンテナヤードなどの施設を整備してございます。
 直轄事業に関わる港湾管理者の支出負担につきましては、港湾法第五十二条第二項に定められておりまして、Y3の岸壁整備に関する都の支出負担は十分の三となってございます。

○上田委員 十分の三、こういった支出負担と役割分担の方の確認をさせていただきました。
 中央防波堤外側地区に新たなコンテナターミナルを整備するとともに、東西方向及び南北方向の新たな道路ネットワークを整備し、東京港の機能強化を図る一環として、今般の補正予算に整備費が計上されているものと思料します。
 コンテナ貨物取扱量の増加に対応するため、外側地区に新たなコンテナターミナルの整備を進めているということですが、平成二十九年に供用したY1バースに続き、一万四千TEUの大型船に対応した東京港で初めての岸壁水深十六メートル、延長四百メートルを有するY2バースが令和二年三月に供用開始してきたとのことです。
 整備前の状況と、Y1、Y2整備や国道三五七号の東京港トンネル開通、臨海道路南北線及び接続道路の整備が完了してからの貨物取扱量の交通やコンテナの混雑解消ができてきたのか、時系列でご説明ください。

○佐藤港湾整備部長 中央防波堤外側コンテナふ頭Y1は平成二十九年、Y2と臨港道路南北線及び接続道路は令和二年にそれぞれ供用を開始いたしました。
 Y1及びY2の整備完了によりまして、東京港の施設能力は現行の四百万TEUとなりますとともに、南北線の開通により、コンテナ車両等の交通の分散が図られ、並行する青海縦貫線の交通量は約二割減少してございます。
 一方、コンテナの取扱量に対しまして、施設能力は依然として不足している状態にあるため、コンテナターミナルのゲート前等におきましては、時期や時間帯によって交通混雑が発生しております。

○上田委員 交通量が二割減った部分もあるとしても、時期や時間帯によって交通混雑が発生するということでございます。コンテナ取扱量に対し、施設能力が依然として不足している状態であるということと考えられます。
 今般のY3整備を踏まえた取扱量の増加、交通混雑等ボトルネック課題の解消など、今後、整備に期待する具体的な成果、目標について、ご説明ください。

○佐藤港湾整備部長 現在整備中のY3は、岸壁延長四百メートル、水深十六メートルを有するふ頭でございます。
 Y3の整備完了によりまして、東京港の施設能力は四十五万TEU向上し、交通混雑の緩和に一定の効果が期待できますとともに、今後、寄港が見込まれます一万四千TEU級の大型コンテナ船への対応も可能となります。
 なお、Y3整備完了後におきましても、東京港全体の施設能力が不足することになるため、ゲート前等におきましては、時期や時間帯によって交通混雑が発生する状況は続くことになりますので、引き続き、交通混雑解消に向け、施設能力の向上に取り組んでまいります。

○上田委員 課題認識と解決に向けて動くということは確認できましたが、Y3のターミナル整備費及びヤード内荷役機械の整備費のうち、DX、脱炭素化を推進するために必要な整備費を計上とのことですが、脱炭素は何らかの義務なのでしょうか。
 また、具体的にどのような達成目標を持って、どのような取組をなさり、そのコスト及び費用対効果をどう積算しているのかも伺います。

○野平港湾経営部長 都は、二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現を目指し、二〇三〇年までに都内の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で五〇%削減するカーボンハーフを表明しております。
 この方針を踏まえ、東京港におきましては、令和五年三月に東京港カーボンニュートラルポート形成計画を策定いたしまして、全コンテナターミナルへのグリーン電力の導入や、荷役機械における水素エネルギーの活用、太陽光発電設備の設置などの様々な取組を進めております。
 今回の補正予算では、Y3ターミナルのDX、脱炭素化の推進に向け、東京港埠頭株式会社への出資金として百五十億円計上しております。
 都といたしましては、今後、東京港埠頭株式会社が遠隔操作可能な荷役機械の導入に加え、EV用充電器の整備などを進めていることを想定しておりますが、具体的な整備内容等につきましては、関係者との協議を経て決定してまいります。
 今後とも、東京港埠頭株式会社や関係事業者と連携を図りながら、効果的に施策を実施してまいります。

○上田委員 ボトルネックの解消について、必要な整備費を使うというのは、何ら私も疑うものではないんですが、脱炭素、世界標準に合わすと、ほぼ中国が占めていますよね、今ね。コンテナの量というのは、ベストファイブぐらい、全部中国の港だと思料します。
 この点については、Container Visionの方でまた予算と同じ日に精査させていただくと思いますので、ちょっとこの百五十億円の内訳も、もう一度、振り返らせていただきながら、Container Visionの方で、さらに、おかしいなというか、問題意識の方を私はまた掘り下げさせていただきたいというふうに思っております。
 個人的には、物理的な整備の方を最優先し、カーボンハーフ、いろいろ計算しても、これやったところでいろいろと、ゼロエミッション東京をやっても、残念ながら、東京の気温は一度も下がらないということ、研究者の方々と私も確認させていただいているところでございますので、とにかく混雑解消、ハードウエアをしっかりとつくっていくということをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○小林委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 新田事業推進担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
 補正予算のPFAS調査費に関わって、何点か質問したいというふうに思います。
 有機フッ素化合物、PFASは、体内への蓄積や発がん性が指摘をされております。
 PFASは、航空燃料火災用の泡消火剤や、また、例えばフライパンの表面加工、半導体製造などに使われて、日本でも汚染が全国で明らかとなり、深刻な事態となっております。
 米軍基地が原因と指摘される問題では、沖縄県、二〇一六年、米軍普天間基地からの漏出が原因と見られるPFASが水道水から検出をされて、その後も沖縄県内の米軍施設から漏出する事件が起こっております。
 また、神奈川県では、二〇二二年、米軍横須賀基地からの排水からPFASが海に流出をして、最大で暫定目標値の二百五十八倍もの高濃度のPFASが検出をされております。
 また、米軍厚木基地でも、PFASを含む泡消火剤が河川に漏出する事件が起こっております。
 この東京では、米軍横田基地周辺の複数か所の井戸水から暫定目標値を超えるPFASが検出をされ、多摩地域での市民団体による血液検査の結果、二〇二一年の国の全国調査よりも二倍から三倍も高いPFOSなどの血中濃度が検出をされております。
 同時に、多摩地域にある東京都の飲料水用の井戸からも高濃度のPFASが検出をされ、運用を停止するという事態も起こっております。
 このPFASの一部であるPFOSやPFOAなどで発がん性などが指摘をされて、PFOSは二〇〇九年、PFOAが二〇一九年に、日本を含めた百八十六か国が締約をしているストックホルム条約、別名POPs条約ですかね、この国際条約で製造及び使用が原則禁止となりました。
 この締約国である日本においても、PFOSは二〇一〇年、PFOAは二〇二一年に原則禁止となっております。
 国際的にもPFASへの規制が強まり、また、住民や関係者からの実態把握や、PFAS対策を求める声と運動が広がりまして、国は、令和六年度補正予算で、農産物等へのPFAS調査費が新たに盛り込まれたというふうに思います。
 まず、基本的なことを伺いたいと思います。国が補正予算で盛り込んだPFAS調査とは、どのような目的で行う調査か伺います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国によりますと、地域のPFASの実態把握の取組を推進するため、自治体による調査の実施を支援することとされております。

○白石委員 ごめんなさい、もう一度聞くんですが、このPFAS調査の中身というのはどういう調査ですか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 本事業は、国の交付金を受けまして、都が、農畜産物等のPFOS等の含有実態調査を希望する区市町村に対し、調査に要する経費を助成するものでございます。
 予算額は三百六十万円で、補助率を四分の三以内としてございます。

○白石委員 この調査は、発がん性物質のPFOSやPFOAなどが、農用地の土壌や農業用水、農畜産物などにどのぐらい含まれているか、実態を把握するということを目的にした調査ですね。
 次に伺いたいんですけれども、ちょっと先ほど先走って答弁されましたが、国はどのような理由でPFAS含有実態調査費を補正予算で盛り込んだのか、改めて伺いたいと思います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国によりますと、地域のPFASの実態把握の取組を推進するため、自治体による調査の実施を支援することとされてございます。

○白石委員 今ご答弁あったとおり、今までになかったんですね、農畜産物などへのPFAS実態調査。これが補助事業を新たに盛り込んだ理由というのは、答弁ありましたように、PFOSやPFOAが農畜産物や土壌にどのぐらい含まれているか実態を把握する、この必要性を認識したから、国は今回、令和六年度の補正予算で新たにメニューに追加をしてきたということです。
 さらに踏み込んでお聞きしますが、国はなぜ実態把握が必要と認識したのか、調査の意義について国はどういうふうに説明をしているのか、伺いたいと思います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国は、この事業により、農畜水産物中のPFASに関する知見の集積及び科学的根拠に基づく対策の推進を図るとしております。

○白石委員 科学的な根拠に基づいて、実効性あるPFAS対策、汚染対策を講じるには、農畜産物中のPFASに関する知見を集積するという必要があるということだと思うんですね、今の答弁は。つまり、今回の調査というのは、都が要望する――都も要望しているんですね、農地などのPFAS基準策定の前提の調査となると思います。
 ちなみに、東京都は国に対して要望で、基準をつくってほしいとか、影響を明らかにしてほしいよという要望をされていると思います。今回の補正予算でついた国のこのPFASの調査費、これも、つまり、都が要望する農地のこのPFASの基準策定をするためには、前提となる調査であるということだと思います。
 改めてこれ伺いたいと思いますけれども、東京都は、PFAS含有実態調査の必要性、これについてどういうふうに認識をしているのでしょうか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 農地や農畜産物へのPFOS等の影響について正確な情報を提供することは、安全・安心な農産物を都民に届ける上で重要であることから、都は国に対し、農地等の安全性の基準の明確化や必要な対策等を要望してまいりました。
 今般、国の交付金を区市町村が活用できるようになったため、都として補正予算を計上しております。

○白石委員 今ご答弁ありましたとおり、東京都は要望してきたということなんですね。
 一昨年の第二回定例会で、我が党の代表質問に産労局長は、都はPFASの農畜産物等への影響を明らかにして、必要な対策を速やかに検討するよう国に求めていると、このように答弁をされております。
 当たり前ですけれども、農畜産物への影響を明らかにするには、農畜産物にはPFASがどのぐらい含まれているのか、実態把握は不可欠であると。これは誰もが分かると思います。
 農地などのPFAS環境基準策定や、それから実効性あるPFAS汚染対策を講じるには、土壌汚染状況や農畜産物にどのぐらいPFASが含まれているか、実態把握というのは欠かせないというふうに思うんですね。これはいうまでもないと思います。そういうふうに鑑みても、今回のPFASの含有実態調査、やっぱり多くの自治体にも協力をしてもらうと、そして都が先頭に立って積極的にやっていくということが非常に求められているというふうに思います。
 次に伺いたいと思いますが、PFAS含有実態調査費補助事業の予算額や補助率など、この事業のスキーム、説明をしていただければと思います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 本事業のスキームでございますが、国の交付金を受けて、都が農畜産物等のPFOS等の含有実態調査を希望する区市町村に対し、調査に要する経費を助成するものでございまして、予算額は三百六十万円、補助率を四分の三以内としてございます。

○白石委員 つまり、今の答弁でいきますと、四分の三が国の補助ですよと。ということは、四分の一が自治体負担になると。自治体は調査をやるには四分の一負担をしなければいけないという裏負担があるというふうに思います。
 確認なんですが、都独自の上乗せなどを行う予定はあるでしょうか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 本事業は、農地等のPFAS含有量の調査を希望する区市町村が国の交付金を活用できるよう、補正予算を計上したものでございまして、都は国に対し、農地等の安全性の基準の明確化や必要な対策等を行うよう要望しているものでございます。

○白石委員 今聞いたのは、それは分かっているんです。四分の三が国ですよ、東京都は要するに、希望した自治体、調査をやる自治体は四分の一負担をすると。
 東京都は、要するに上乗せをしたりとか、何かそういうふうな予算的な措置を、きちんと上乗せをした補助とかを行うのかどうなのかというのを確認したいというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 繰り返しで恐縮でございますが、都は、今年度、国が補正予算により実施するPFAS含有量調査を希望する区市町村がその制度を活用できるよう、補正予算を計上したものでございます。

○白石委員 なかなかはっきりおっしゃらないんですけど、東京都は一円も負担しないということなんですね。つまり、都は国が出したお金を通過させると、これだけなんですね。
 やっぱり都議会と同様に、区市町村も予算議会の真っただ中であるというふうに思います。仮に区市町村がこれから新たに調査費の予算を編成しようと思っても、やっぱり大変だと思うんですね。そういったときに自治体が負担する四分の一を東京都が負担をすれば、自治体としてはもっと取り組みやすくなると思うんですね。調査が多く行われれば、東京都が求めているように、この科学的なデータ、これをより集積することができると思うんです。
 都が求めるPFASの基準、この前提となる調査だと思いますので、なおさら都が上乗せをして進めることは、何ら否定されるものではないと思うんです。少なくとも都が上乗せをして希望する自治体が調査を取り組みやすくすれば、データがどんどんどんどん集積されれば、さらに知見というのは高まっていきますし、その下での基準の策定というのも、大きな一歩を踏み出していくというふうに思うんです。ここは私、一致していると思うんですね。
 東京都は、やはり国から補助金が通過するだけじゃなくて、そこできちんと東京都としても上乗せをして、やっぱり調査を広げられるようにしていくというふうなことをぜひとも私は検討していただきたいというふうに思います。
 質問を進めたいと思うんですが、このPFASの含有実態調査、予算の内訳と積算根拠、具体的に伺いたいというふうに思います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 積算根拠でございますが、区市町村や分析を行う民間事業者への聞き取りに基づき、六つの自治体が調査することを想定し積算をしてございます。

○白石委員 六自治体を想定したと、今おっしゃられました。それは、東京都が事前に希望する自治体を聞き取ったというふうな理解でよろしいでしょうか。ちょっと確認です。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 区市町村等への聞き取りを基に算定したものでございます。

○白石委員 今答弁あったとおり、東京都は事前に自治体にも希望を取って、六自治体が希望をしたと。それで予算をつけたというふうなことになるのかなというふうに思います。改めてPFASの含有実態調査は、一回にとどまらず、継続して調査ができるように、都としても独自の予算を組んで取り組むべきだと、これ要望しておきたいというふうに思います。
 この調査結果は、どこの機関が集約するのか、これをお聞かせいただきたいと思います。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国は、この事業により、農畜産物中のPFASに関する知見の集積を図ることとしておりまして、基本的にはデータは国により蓄積されるものと考えてございます。

○白石委員 ありがとうございます。データは国に集まっていくんだと。先ほど答弁もありましたけど、国の調査の大前提というのは、調査を各いろんな自治体でも行ってもらって、科学的な根拠に基づいた対策を行うと。その前提となる調査なんだよというふうなことが東京都も国に説明されていると。各自治体がやった実態調査も、国がしっかり集約をして蓄積をし、知見をためて、基準等の科学的な根拠に基づいた対策、これから踏み出していこうというふうな理解だというふうに思います。
 もう一つ聞きたいんですが、東京都もこの調査結果は共有されるんでしょうか。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 国は、この事業により、農畜水産物中のPFASに関する知見の集積を図ることとして計上したものでございまして、都は、区市町村が活用できるよう、今般この補正予算を計上したものでございます。

○白石委員 部長、私が今聞いたのは、国に各自治体の調査結果が集約されるよというふうなことだと思うんですけれども、東京都もこの情報、共有をするということでよろしいでしょうかということです。

○田代安全安心・地産地消推進担当部長 今般の調査につきましては、国が農畜水産物中のPFASに関する知見の集積を図ることを目的とした事業でございまして、基本的には、国におきましてデータの蓄積が図られるものと考えてございます。

○白石委員 先ほど調査の意義についてご答弁ありました。国は農畜産物中のPFASに関する知見の集積及び科学的根拠に基づく対策の推進を図るとしていると、このように答弁をされました。調査を行った自治体のみが蓄積しても、それはしようがないと、やっぱり国が集積をするんだと。同時に、この調査結果を都がきちんと共有するということは、私、大事だと思うんですね。
 なぜかというと、都が国に提出した要望書、これ見ますと、何て書いてあるか。自治体に情報提供することというふうに要望しているんですね、PFASについて。科学的な知見を含めて、データも含めて情報提供をきちんとしてくださいよというふうに東京都から国に要望しているわけです。今回、PFASの実態調査が六つの自治体で希望があるということで、やっぱりこの調査結果を国が蓄積するだけではなくて、東京都としてもきちんと共有をすることが私は大事だというふうに思っております。
 今、質疑でも議論したと思うんですけれども、一致しているのは、このPFASというのをしっかりと科学的な知見に基づいて対策を打っていくべきなんだと。そのためには影響も明らかにしていかなければいけないというところで私は一致すると。だったら、やっぱりこの実態調査のデータであったりとか結果を東京都がきちんと共有をして、そして都としても専門家などにも協力を仰いで検証や分析すると。これ、ぜひともやっていただきたいというふうに思うんです。
 このPFASの問題というのは、発がん性物質がPFOS、PFOA入っていますということで、国際的にも、条約の中でも、原則駄目なんだと、製造しちゃということになっていると。本当に不安が広がっている中で、適切に怖がるというのはどうすればいいかといったら、実態をきちんと把握すること、そしてその把握した調査結果は、やっぱり共有をして、科学的に分析をする、検証をする。そうやって具体的な対策に移っていくという、ここの過程が非常に重要だと。東京都も求めているんですから、ただ単に国が集める、それでいいんだということではなくて、東京都としてもきちんとこれを共有するという立場に立っていただきたいと。
 都民の命と健康を守る立場の東京都として、PFASによる環境汚染対策を抜本的に強化するということも強く求めさせていただきまして、質問を終わりたいというふうに思います。

○上田委員 私からは、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業についてです。
 第一回の対象期間は令和五年四月から九月、第二回は令和五年十月から令和六年三月ということでありました。これら第一回、第二回におけますおのおのの予算額と最終決算金額及び執行率をお願いいたします。

○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 第一回の支援金に係る予算額は十億二千万円、決算額は八億二千九百四十万円で、その執行率は八一・三%でございます。第二回の支援金に関わる予算額は十二億六千五百万円、決算額は八億七千百三十万円で、その執行率は六八・九%でございます。

○上田委員 対象者ですが、その一、都内の施設で特別高圧電力を直接受電する中小企業者など。二、特別高圧電力を受電する都内の施設にテナントとして入居する中小企業者。三、都内で工業用LPガスを使用して事業を行う中小企業者ということでありまして、これらの該当事業者は、そもそもそれぞれ何社を想定しているのか、事業者別利用内訳の詳細、新規申請、継続申請の状況についてご報告の上、着実に中小企業支援に結びついたのか、所見を伺います。

○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 第一回の想定は、特別高圧電力の直接受電施設が四十事業所、テナントが八千七十事業所、工業用LPガスが百三十事業所でございまして、実績は特別高圧の直接受電施設が五十二事業所、テナントが五千六百二十事業所、工業用LPガスが七十四事業所でございます。
 第二回の想定は、特別高圧電力の直接受電施設が五十事業所、テナントが一万事業所、工業用LPガスが百五十事業所でございまして、実績は特別高圧電力の直接受電施設が五十五事業所で、うち継続が五十二事業所、新規が三事業所、テナントが五千八百八十八事業所で、うち継続が五千四百八十六事業所、新規が四百二事業所、工業用LPガスが七十五事業所で、うち継続が七十事業所、新規が五事業所でございます。
 第二回は第一回を上回る申請を受けており、中小企業の負担軽減に着実に結びついていると考えております。

○上田委員 第二回目は第一回を上回る申請を受けていたんですけれども、執行率は六八・九%ということでありました。継続事業となるに当たって、どのようにこの事業を余すことなく活用していただくべきか。そもそもの事業の必要性について当然議論したと思います。いかに工夫をされ、その効果が出たのか、出なかったのか、時系列での説明の結果を受けまして、三回目、四回目を実施するに当たっての改善策など、説明を求めます。

○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 第三回からは、これまでの周知に加えまして、当局が行う中小企業等に対し都の省エネ等の支援策を紹介するHTT実践推進ナビゲーターの事業におきまして、本事業も併せて周知をする取組を実施しておりまして、現在第三回の申請を受付中でございます。

○上田委員 HTT実践推進ナビゲーター。すみません、私この委員会になって初めて知るに至りまして、普及に努めたいと思いますが、既に恩恵を受けた方、こういうのを取ってくるのがうまい企業さんって結構いて、逆もまたしかりということで、恩恵を受けた方が続けてくれることは大変結構なんですけれども、本来事業を活用すべき事業者がいまだ恩恵にあずかっていない場合も想定されております。
 四回目、今度実施するに当たりまして、利用に至っていない当該事業者のアウトリーチについて、例えば商工会議所に協力してもらうなど取組をどうされるのか伺います。また、改めて、都と東京都中小企業振興公社との連携状況、役割分担についても確認させてください。

○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 本事業では、業界団体や商工会議所等を通じた周知を行うとともに、中小企業等に対し、都の省エネ等の支援策を紹介いたしますナビゲーターによる周知も実施してございます。
 都は、本事業の全般の統括や事業の周知を担っておりまして、東京都中小企業振興公社は本事業の申請受付、審査、支援金給付等の実務を担ってございます。

○上田委員 では、四回目は執行率がもうちょっと上がるようにしていただければということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○小林委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分、第百五十五号議案及び第百五十七号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○上田委員 一応、私どちらも承認という形なんですけれども、Y3整備の方に関しては、やっぱりカーボンハーフと切り分けた、まずはボトルネック解消に着目し、優先順位を上げてほしいということと、この中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業についても執行率を確認させてもらったので、こちらについてもより多くの方にご利用いただくように工夫をしていただきたいということを申し上げまして、一応、不可欠な補正予算であるというふうに認識させていただきます。
 以上です。

○小林委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分、第百五十五号議案及び第百五十七号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認めます。よって、第百五十一号議案、令和六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分、第百五十五号議案及び第百五十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時九分散会