委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | かまた悦子君 |
副委員長 | 内山 真吾君 |
理事 | 青木 英太君 |
理事 | 宮瀬 英治君 |
理事 | 白石たみお君 |
遠藤ちひろ君 | |
上田 令子君 | |
細田いさむ君 | |
藤田りょうこ君 | |
福島りえこ君 | |
菅野 弘一君 | |
三宅 正彦君 | |
西崎つばさ君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 田中 慎一君 |
次長理事兼務 | 安部 典子君 | |
総務部長 | 阿部 泰之君 | |
産業企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 池野 大介君 | |
企画調整担当部長 | 齋藤 順君 | |
企画調整担当部長 | 前田 泰伯君 | |
企画調整担当部長 | 下羅 智宏君 | |
働く女性応援担当部長 | 吉浦 宏美君 | |
商工部長 | 福田 哲平君 | |
商工施策担当部長 | 松田 義史君 | |
金融部長金融支援担当部長兼務 | 原 郁君 | |
産業・エネルギー政策部長 | 米澤 鉄平君 | |
産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 | 山本麻里雄君 | |
新エネルギー推進担当部長 | 服部 勇樹君 | |
観光部長 | 江村 信彦君 | |
観光振興担当部長 | 前田 千歳君 | |
農林水産部長 | 榎園 弘君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長 | 田代 純子君 | |
雇用就業部長 | 内田 知子君 | |
事業推進担当部長 | 新田 智哉君 | |
労働委員会事務局 | 局長 | 堀越弥栄子君 |
本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
産業労働局関係
事務事業について(質疑)
○小林委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより労働委員会事務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○堀越労働委員会事務局長 去る十月二十二日の当委員会におきまして要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の経済・港湾委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は三点ございます。
一ページをお開きください。プラットフォームを利用した就業に関する不当労働行為救済申立件数について、令和元年度から五年度までの状況を記載しております。
二ページをご覧ください。労働者委員、使用者委員の所属組織等について、平成十七年度から令和六年度までの状況を二一ページまで記載しております。
二二ページをご覧ください。全委員の女性比率の推移について、平成十七年度から令和六年度までの状況を記載しております。
要求資料の説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○遠藤委員 それでは、労働委員会事務事業質疑を始めてまいります。
労働委員会は、労使紛争を適切に解決し、良好な労使関係を構築していくために、労働委員会が果たす役割は非常に大きいと思っております。使用者から不当労働行為と思われる行為があった場合、労働委員会に救済の申立てをする労働組合や労働者の立場からすれば、紛争の適切かつ迅速な解決を望むものと思われます。
しかし、実際には審査期間が非常に長期化をしておりまして、さらには、不服の申立て、これが多いといった課題もあるように聞き及んでおります。
そこで、まず、この不当労働行為の救済申立てにつきまして、事件の処理にどれぐらい時間がかかっているのか伺います。
○堀越労働委員会事務局長 事件を迅速に処理するため、労働組合法では、不当労働行為事件の審査期間の目標を定めるよう規定されています。
東京都労働委員会におきましては、平成二十年一月一日から、労働組合法第二十七条の十八の規定に基づく不当労働行為事件の審査期間の目標を原則として一年六か月としております。
この目標を設定いたしました平成二十年以降に終結した事件全体の平均処理日数は四百七十四・一日で、一年四か月程度となっており、平均すると目標の期間内に処理できております。
○遠藤委員 不当労働行為、会社側が組合等との話合いを拒む、こういったことだと思いますけれども、不当労働行為の事件の平均処理日数が審査期間の目標を達成しているということは評価できます。
しかし、個別に見ていきますと、解決までに長期化する事件もあると思いますが、そのような事件では、労働者の方が長い間不安定な立場に置かれることになるために、なるべく避けた方がよいと思います。
しかし、事件の長期化、最近著しいわけですけれども、この事件の処理が長期化する理由、この辺を伺ってまいります。
○堀越労働委員会事務局長 当委員会では、事件の解決に当たりまして、和解による終結を重視していますが、和解が成立しない場合は、命令を発することとなります。
命令となった場合は、調査、審問等の審査手続を経るため、和解により終結する場合に比べ、終結するまで長期間を要することが多くなります。また、当事者が多数であったり、複雑な背景事情があるため、争点や証人が多い事件につきましては、それを丁寧に検証するのに長い時間がかかります。
○遠藤委員 労働委員会としましては、和解を重視して、なるべく命令まで行かないようにということを意識して臨んでいらっしゃるということですね。
ただ、命令となった場合、お互いが着地できずに命令となった場合ですが、その後、様々な手続を経ていくことで事件の解決に時間がかかっていくと。これはやむを得ない場合もあると思うんですが、なるべく早く命令が出せるように努力をしてほしいと思います。
次に、東京都の労働委員会の命令に対して、再審査の申立て、また、行政訴訟、こういったものが提起される、さらには多くの不服申立て、労働委員会の命令に対して不服申立てがなされるとも聞いております。
そこで、不服申立てがどの程度なされているのか、近年の状況を伺います。
○堀越労働委員会事務局長 当委員会が令和三年度から五年度までに発出した命令は六十一本ございます。このうち、主張が認められなかった当事者が、これを不服として再審査申立てまたは行政訴訟の提起、もしくはこの両方を行ったのは、約八割に当たる四十九本となっています。
再審査申立てや行政訴訟の提起がされた場合も、当委員会が発したほとんどの命令は、再審査や行政訴訟においても同様な判断がされております。
○遠藤委員 再審査や行政訴訟におきましても、ほとんどが東京都の労働委員会の命令と同じ結論になっているということは、東京都が事件を適切に処理していることのあらわれではないかと思います。
しかし、結果的に再審査、一審というか、労働委員会で片がつかずに再審査や行政訴訟に至った場合は、結果的に紛争が長引くことになり、働く皆さん、労働者にとって大きな負担となるのではないでしょうか。
そうした事態を避けるために、都の労働委員会ではどのような取組を行っているのか、具体的な事例を含めて伺います。
○堀越労働委員会事務局長 当委員会では、労使紛争を早期に解決するため、和解による解決を目指しています。和解の場合は、命令に至る事件より短期間で終結する場合が多く、労使双方にとって迅速性と経済性の面からメリットがございます。また、労使双方が十分に協議し、納得した上で協定を締結するため、労使関係の安定化にもよい影響を及ぼします。
令和三年度から五年度までに終結した事件のうち、和解の占める割合は約六割強で、例年、全国的な平均より高い状況でございます。
具体的には、従業員の解雇の期限が迫る中、使用者側に対し、解雇を保留して労使交渉を行うよう説得した上で委員会が調整し、合意退職との条件で和解した結果、労働者側が解決金を受け取るとともに、不安定な状況を早期に解消することができたといった事例がございます。
○遠藤委員 東京都の労働委員会は、和解による解決に積極的に取り組むことによりまして、全国と比較しても高い和解率を達成するなど、労使紛争の適切な解決のみならず、迅速な解決、これにも力を尽くしているようであります。
働き方の多様化が進むなど、今後も労使紛争はますます複雑化していくと思われます。解決困難な事例もどんどん増えると思うんです。
しかし、この労働委員会制度、まだまだ確かに知名度的には知らない方も多いと思うんですが、私は大変すばらしい制度だと思います。裁判までしなくても、そして、そのうちの六割が和解で決着するわけですので、こういった状況におきまして、今後とも労使紛争の適切かつ迅速な解決の実現に向けて取り組んでいただくよう求めまして、私からの質疑を終わります。
○藤田委員 日本共産党、藤田りょうこです。
今回、私は、どのような契約や形態で働いていたとしても、人間らしく働ける社会をつくるという立場から質問します。
日本の非正規雇用者は、この二十年間で約一・五倍、六百五十万人も増加し、二千百一万人に達しています。賃金は正規雇用者の六七%にとどまる上に、ボーナスや各種手当の不支給などの格差もあり、年収二百万円以下のワーキングプアを形成しています。
中でも、雇用契約ではなく、請負や委託といった契約で働く雇用されない労働者が増大しています。とりわけ、経済のデジタル化やAI化に伴って、デジタル労働プラットフォームが今や日常生活の一部となって、ギグ労働者やプラットフォーム労働者、クラウド労働者と呼ばれる人たち並びにフリーランスで働く人たちが増えています。
ILOが二〇一八年に行った調査では、プラットフォーム労働者の相当数の収入が最低賃金を下回る低報酬だということ、また、社会保護の適切な取扱いを受けていないなど、無権利に置かれていることが分かりました。加えて、労働者の主な不満となっているのは、行った仕事が不当に拒否され、賃金が支払われないという点でした。こうしたプラットフォーム労働者が増加すれば、不当労働行為も見えないところで増えていると考えられます。
しかし、資料にもあるように、プラットフォームを利用した就業に関する不当労働行為救済申立件数の推移では、申立て自体が極めて少なく、労働者の権利救済は非常に難しいということがうかがえます。
そうした中、東京都労働委員会は、二〇二二年十一月にウーバー・ジャパンに対して、ウーバーイーツユニオンが求める団体交渉に応じるよう命令書を交付いたしました。この事件の命令書の交付は、プラットフォームを利用して業務を行う配達員の権利救済につながる非常に重要なものです。
労働委員会として、この不当労働行為救済申立て事件に対して命令書を交付した意義をどう考えていますか。
○堀越労働委員会事務局長 アプリなどのプラットフォームを利用して業務を遂行する配達員を対象とした命令は、我が国でこの事件が初めてであり、全国の労働委員会に先駆けた新たな事例を示したものと認識しています。
今後、就労形態が多様化する中で、ギグワーカーなど雇用の形を取らない方々を救済する道を開いたものと考えております。
○藤田委員 雇用の形態を取らない方々を救済する道を開いたものという答弁でした。
一方で、ウーバー事件の命令書交付以降に出された申立ては一件にとどまっており、今後、雇用の形態を取らない方々の人権救済にどうつなげていくのかが課題だと思います。
幾つか課題について確認していきたいと思います。
一つは、企業側は自分が労働組合法上の使用者ではないと主張するのに対し、どのように労働者性を判断するのかということです。ウーバーイーツ事件では、労働組合法上の労働者に当たる判断をどのように行ったのですか。
○堀越労働委員会事務局長 一般的に、労働組合法上の労働者に当たるかどうかを判断する際、平成二十三年に出された国の研究会報告書による枠組みを用いることが多くあります。この枠組みでは、会社に不可欠の労働者として会社の組織の一部として取り扱われているかどうかといった六つの要素に基づき、総合的に判断いたします。
本事件の命令では、飲食店の料理等の配送サービスにおいて、事業者が配達員と注文者をアプリ上で結びつけるものであり、その就労実態を見ると、配達員は事業全体の中で事業者に労務を供給していると評価できることなどを踏まえ、労働組合法上の労働者に当たると結論づけたものでございます。
○藤田委員 六つの要素に基づいて総合的に判断ということです。
どのような契約や形態で働いていようと、その労働者に人間らしい労働条件を保障するというのが国際社会の共通認識となっていまして、ILOとEUは、労働者保護の法的規制の取組を前進させています。
二〇〇六年のILO、雇用関係に関する勧告百九十八号は、偽装雇用を根絶するための政策を各国に強く求めました。さらに、雇用関係の存在を決定するために、十四の指標を示し、一つないしそれ以上の指標が存在する場合は、雇用関係が存在すると法的に推定すると定めています。
しかし、日本では、労働組合法では、今ご答弁あったように六つの要素に基づいて総合的に判断と、そして労働基準法では、三つの要素を勘案して、これまた総合的に判断となっておりまして、こうしたILOの条約のように、一つないしそれ以上とする国際基準との違いは歴然としています。つまり、日本は非常に対応が遅れているといえると思います。
できるだけ労働者性を広く認めて働く者を保護しようとするILO勧告に対して、少なくとも日本政府は賛成をしているわけですから、この勧告に従って国の判断基準を改正するべきだと思います。
もう一つの課題だと思うのは、かかる時間の問題です。ウーバーイーツ事件の代理人の一人となっている弁護士の方も、今回はとてもいい命令書だけど、時間がかかり過ぎる、労働者性の認定が早くできないかと話していました。
今回のウーバーイーツ事件では、申立人から申立てされたときから命令書の交付までにどのくらいの時間を要しましたか。
○堀越労働委員会事務局長 組合からの申立ては令和二年三月十六日で、命令交付は令和四年十一月二十五日に行っています。事件の処理に要した期間は約二年八か月でございます。
○藤田委員 申立てから事件の処理に要した時間は二年八か月ということです。
事業概要の一一ページには、審査の期間の目標を原則一年六か月として迅速化に取り組んでいるというふうに書かれています。これに対して、事業概要の一二ページには、平成二十年、二〇〇八年一月一日以降の申立事件に係る目標達成状況というところがありまして、終結したうちの三分の一は一年六か月超えとなっています。
申立て自体、そもそも大変なわけですが、二年とかかかるとなると、争うのを諦めてしまうという要因にもなると思います。迅速な判断によって事件が終結せず、長期化することになった場合、労働者の権利救済につながらないのではないかと思うのですが、都の認識を伺います。
○堀越労働委員会事務局長 事件を迅速に処理することは、労使双方の負担を軽減するためにも重要なことと認識しています。
そのため、当委員会におきましては、審査期間の目標を原則として一年六か月として審査の迅速化に努めるとともに、命令に至る事件より短期間で終結する場合が多い和解による解決を目指しております。
○藤田委員 和解による解決を目指すということで迅速化に努めているということでした。和解の件数も多い状況は確かにあるなと。
一方で、こうしたプラットフォームを利用した労働の在り方について、どうやって高めていくかという点では、やっぱり労働者性を認めたりとか、手続に時間がかかるということを一つ一つ短くしていくような迅速化も必要ではないかなというふうに思われます。
フリーランスや今回のようなネット経由での単発の仕事を請け負うギグワーカーなど、雇用関係によらない働き方の多くは、雇用契約でないことを理由に労働法制の保護の対象外にされ、低賃金、無権利の名ばかり個人事業主の状態に置かれてしまっています。
私たちは日本共産党は、昨年十月に非正規ワーカー待遇改善法を提案しまして、その中でも権利救済のための具体的な提案を行っています。先ほどの労働者性の判断の基準に関する見直しもその一つなんですが、団結権や団体交渉権、ストライキ権の保障も必要だと考えています。
今回の事件は、ギグワーカーを労働組合法上の労働者と認めたのは当然の判断だと思いますが、この後、残念ながら会社側は中央労働委員会に再審査の申立てをしております。会社が争いさえすれば団体交渉を拒否できて、そして最高裁まで争わなければ決着しないという事態は本当に深刻だと思います。そして、ますますこういった争議が長引くという要因にもなってしまっています。
日本では、財界や富裕層の利潤第一主義の経済政策のために、労働者の権利が後回しにされてきました。フリーランスやギグワーカーなど雇用されない労働者の増加もその影響です。
ILOの基本条約である八十七号、結社の自由と、九十八号、団結権に基づいて、雇用上の地位を口実に団体交渉の拒否を続ける悪質使用人に対して、制裁や罰則を含む有効な措置を導入するなど、フリーランスやギグワーカーが労働組合を結成して、団体交渉権、ストライキ権を行う権利を実質的にも保障していくべきです。
東京都労働委員会及び事務局としてできることには限りがあるとは思いますが、労働行政をつかさどる産業労働局とも連携して、多くの労働者の権利救済が可能となるように努めていただきたいと思います。
加えて、労働委員会事務局の体制の強化と増員も行うよう求めて、質問を終わります。
○上田委員 私、組織体制からでございます。
労働委員会はいうまでもなく、公労使の三者構成で、学識経験者から選ばれた公益委員、労働組合から推薦された労働者委員、使用者団体から推薦された使用者委員の三者から構成されます公正、中立な第三者機関であります。
こうした制度の立てつけを前提として、従前確認しましたところ、二十五名中、五年未満の職員が三二%、十年以上の職員が十二名の四八%をちょっと超えていて、随分長いこと同じ職員がいるなという印象でございました。
そこで、今現在の職員の在籍年数、十年以上勤務する職員比率、最長上位三位までの在職年数、局間流動性についてご説明ください。
○堀越労働委員会事務局長 労働委員会事務局における一般職員の平均在職年数は、令和五年度末で十・四年でございます。また、一般職員三十二名中、十年以上在職の職員が十五名で四七%となっており、在職年数の上位三名は、それぞれ三十年、二十五年、二十四年でございます。
局間交流については、庁内で行われている公募制の人事交流も活用し、毎年度、複数の交流を実施しております。
○上田委員 もう三十年というのがいると。三十年、二十五年、二十四年と、すごい長いなとやっぱり思います。
建設局とかデジタルサービス局の技術職でもない限り、知事部局でこれほど長期間の固定化した在職状況は珍しいように感じます。また、十年以上の職員は十五名、四七%の比率は、これも知事部局平均比率より高いように思われるのですが、その理由と所見を伺いたいと思います。
○堀越労働委員会事務局長 委員を補佐する事務局職員は、事件の調査や命令素案の準備といった高度な法的知識が求められる業務を行っています。そのため、経験豊富なベテラン職員を一定数確保し、事務局職員全体の専門性の維持向上を図っております。
○上田委員 集団的労使紛争の解決を求めるための公正、中立な第三者機関という使命があることから、専門的な能力と豊富な経験が求められ、事務局職員の専門性の維持向上や、経験豊富なベテラン職員の存在は必要不可欠な状況ということはかねがね理解しておるんですけれども、逆に人材の安定化が硬直化、なれ合い等を生まないか懸念をするところであります。この点についての所見を伺います。
○堀越労働委員会事務局長 人材の固定化などを避け、組織の活性化を図るため、局間交流により、毎年度、他局から新たな人材を複数名受け入れるとともに、弁護士資格を持った任期付の管理職を外部から採用することにより、年齢や職務経験など、バランスの取れた職員構成の確保に努めております。
○上田委員 民間労組なんかはずっと同じ方が、専従なんていって労働組合にいたりして、すごい、私、ずっと違和感を持っているんですよね。本当にそれで公正、公明にできるのかなというふうに思っておりますので、一応ここは民間労組でもないですし、労働委員会でございます。そうした紛争をチェックする機関でございますので、やっぱり局間、ずっと労働委員会にいるのではなく、他局との交流がやっぱり必要だなというふうに思っております。
労働委員会職員には豊富な経験が求められ、庁内公募制人事も活用されるとか、毎年度複数名の異動を実施して、年齢や職務経験、バランスの取れた職員構成の担保に努めていることは了解しているんですけど、実現できているのでしょうか。現状と課題につき、説明をいただければと思います。
○堀越労働委員会事務局長 今年の四月には、庁内公募の二名を含め四名の職員を局間交流で受け入れており、強い意欲や労働委員会で必要な基礎的な能力、素養のある職員の確保に努めています。
転入した職員が早期に法律的な知識や紛争解決のためのノウハウを身につけ、的確に委員をサポートできるよう育成することが重要であり、OJTはもとより、ベテラン職員や弁護士資格を持った管理職が講師を務める若手職員に対する基礎研修をはじめ、職員の経験に応じたきめ細かい研修を実施しております。
○上田委員 一応、東京都職員は全都民への奉仕者というふうにも思っておりますので、もう本当五千近い、多分、事業が東京都はあるんで、多面的な局間異動をしていろいろな経験値を持つからこそ、こうした労使紛争への解決の能力も蓄積して、また、ほかの場面でも生かされると思いますので、前調べたときと同じぐらい固定したまま、多分そのとき確認した人がまだいるという感じだと思うので、引き続き、私、こちらの委員になりましたので、定点観測させていただきます。
労働委員ですけれども、会長が五十二万四千円、会長代理、四十六万八千円、公益委員は四十六万八千円、その他の委員は四十三万円という実額報酬となっています。これ結構大きな金額だと思われます。今、本当若者たちが貧しくて大変です。
最新の労働情勢の情報収集や事務局との打合せ、証人喚問への出席、担当する事件の的確な対応に万全を期すための準備など、様々な活動をされているのは承知していますけれども、この少なからぬ報酬が血税から出ていることから、名誉職みたいになっていたら困りますから、委員一人当たりの月間平均出勤日数と具体的な活動状況についてご報告ください。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度の委員一人当たりの月間平均出勤日数は六・〇六日となっています。当事者の都合などにより、調査等の開始時間が夕方以降となった結果、勤務が夜間に及ぶ場合もございます。
また、出勤日以外にも、公労使それぞれの委員が日々事件の解決に向けて進行方針の検討を行ったり、組合や会社の所在地の近くまで赴いて、個別に当事者に面会して和解調整を行ったりするなどしており、出勤日数には表れない活動が多岐にわたって行われております。
○上田委員 平均が六・〇六日、月六日間で五十二万円ですか、四十六万ですか、四十三万ということで、ちょっと今ね、どこからともなく楽な仕事だなという声が聞こえてきたところでございます。
年々、結構件数って減ってきている中もあるし、これが局間でいろんな職員がいると、おかしくないかとかと思ったりするけど、何十年も同じだと、なあなあでいっていないのかなというふうに疑念も持ちましたので、引き続き確認を続けさせてもらいます。
私が、これ決算のときだったと思うんですけれども、全委員の女性委員が当時、平成二十九年は一割でした。労働委員会ですよ。労働委員ですよ。女性労働の不利益が長らく続いていたわけですから、構成委員というのは真っ先に男女比率を公平にすべきだということをびっくりして指摘させていただきまして、現在、私の資料にもございますけれども、労働委員、使用者の所属等の一覧を見ていくと、飛躍的に女性の名前が挙がってきて、現在、三一%に増加してきました。
私に指摘されるまでもなく、本来は比率を上げるべきだったとは思うんですが、これまで女性委員がかくも少なかった歴史的経緯、遅まきながらも令和に入り上昇してきた傾向についてご説明の上、今後は比率を何割、いつまで達成するのか、目標についても伺います。
○堀越労働委員会事務局長 委員の選任につきましては、労働組合法の規定により、使用者委員及び労働者委員は各団体の推薦に基づき、公益委員は専門分野等を考慮の上で中立的な人物を労使委員の同意を得て、いずれも都知事が任命することとなっています。
このため、女性委員の比率につきましては、各団体等における女性の割合に影響を受けることとなり、女性の活躍が進んできたことを反映して上昇傾向にあるものと認識しております。
今後とも、委員の改選に当たっては、各団体等へ女性の推薦を働きかけることにより、一層の女性委員の登用を図ってまいります。
○上田委員 やっぱりちゃんと増やしてほしいというふうに思っております。
私もマタハラで組合に相談したのに、うちの部長と組合の仲間が会社の同期ということで、押し潰されて首にされてございまして、労働組合って女性の雇用とか障害者雇用に何か役立ったのかなって、いまだに思っています。
労働委員、使用者委員の所属組織です。
これも本当に大変だったと思うんですけれども、分かる限り過去まで遡っていただきまして、平成十七年から令和六年までの労働者委員と使用者委員の肩書とか所属とかも出していただきました。
どちらもほとんどが大規模労組と大企業で占められております。ほかの委員もやっぱり非正規労働のことを指摘していました。不当な処遇に苦しむ労働者の視点、公平性、公明性、公正性はこのメンツで担保できているのか、懸念するところです。こちらの方のメンバー、女性じゃなくても、メンバーの刷新も求めた所見を伺います。
○堀越労働委員会事務局長 委員の選任に当たりましては、産業や出身団体に偏りが生じないよう配慮しております。現在の委員も、中小企業の組合及び使用者団体も含めた幅広い層から選ばれており、中立な立場で公正に事件の処理を行える構成となっております。
○上田委員 JAM、連合東京、UAゼンセン、自治労、これ、何かどこかの国政政党を応援している労働組合じゃないですか。私、そういうところって本当に公正にやれるのかなと、議会からもしっかりとチェックできるのかなってすごく思っています。
私、マタハラで首になったときは女性ユニオンに助けていただきましたので、こうした政治色のない、本物の労働者を助ける労働者委員をぜひ増やしていただきたいと思っております。
令和に入りまして人権意識も高まり、コロナ禍も経て、リモートが結果的に、加速度的に推進、ベンチャー企業など新たな業種も次々と生まれ、今、多様な働き方と多様な業種、企業体が出てきております。
東京都も、スタートアップ支援などベンチャー支援に余念がありません。こうしたベンチャー企業の多くは、労働組合自体がない、社外労組にも近年の若年労働者は加入しないだろうと思料するところです。外国人労働者も急増しております。
東京都の職員団体の登録は人事委員会が所管しており、決算において加入率を資料要求したところ、何と直近は二〇%になっておりました。事業概要を見る限りでは、取扱件数が減少傾向にあるのはなぜでしょうか。職員団体同様、加入率が下がっているのではないでしょうか。労働組合は労働者の自由な意思だけで結成することができ、届出が一切必要がないとはいえ、労働委員会は全体は把握されていると思料しております。
労働組合におけます加入率の平成から令和にかけての推移と現状と所見について伺います。労働組合自体も、新スタートアップに象徴される新たな企業において設置をしているのか、取扱件数、減少も含めての所見を伺います。
○堀越労働委員会事務局長 東京都における労働組合の推定組織率は、産業労働局が取りまとめている都内の労働組合基礎調査によれば、近年横ばいで推移しています。
当委員会の取扱件数の推移につきましては、令和二年以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて新規申立て件数が増加しましたが、コロナの終息以降、事件処理が進む一方、新規の申立てが落ち着いているため、取扱件数が減少しております。
○上田委員 このように時代が変わっている中、非正規雇用労働者、派遣労働者及び外国人労働者の不当労働行為が気になっております。労働委員会に持ち込まれる近年の集団的労使紛争の内容につきまして、傾向、件数や申立ての内容、内訳を具体的にご説明ください。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度に申し立てられた不当労働行為審査事件七十二件を申立て事由別で見ると、近年の傾向どおり団体交渉拒否が最も多く、次いで、支配介入、不利益取扱いの順となっています。
また、非正規雇用労働者に関するものは二〇%前後、派遣労働者に関するものは五%前後、外国人労働者に関するものは一〇%前後で推移しており、令和五年度においても傾向に変化はございません。
○上田委員 また、ハラスメントを契機とした不当労働行為も、今日的に様相も変わっているのではないかと気になっております。件数や内容をご報告の上、労働委員会として行うことのできる職場ハラスメントの取組状況につきまして、他機関との連携も含めてご説明をください。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度に申し立てられた不当労働行為審査事件のうち、ハラスメントを契機とするものは九件でした。
具体的には、職場でハラスメント行為を受けたと主張する労働者が労働組合に加入し、労働組合が会社に対してハラスメント行為を議題とする団体交渉を申し入れたところ、会社がこれを拒否したなどとして申し立てられた事案などがございます。
また、他機関との連携につきましては、産業労働局や東京労働局、裁判所、弁護士会などで構成する連絡協議会に参加し、様々な情報交換等を行っております。
○上田委員 そうですよね。ハラスメント行為が、もう会社がこれを拒否したということで申し立てられて、労働委員会が機能したということは評価したいとは思います。
こうした産労や東京労働局、裁判所、弁護士などで構成する連絡協議会で多機関連携を図ることによって、労働委員会の事例を逆にほかの機関に役立てていただけると思料いたしますが、どのようになっているのか伺います。
○堀越労働委員会事務局長 先ほどご答弁しました連絡協議会におきましては、ハラスメントを含めた支援制度の情報などを交換し、利用者に適切な窓口を案内するなど、相互に連携し、様々な労働問題に対応しております。
○上田委員 いろいろなパターンがあるかと思いますので、また、他機関の事例なんかも吸収をして、今日的な知見を深めていっていただきたいと思います。
労働組合というのは、さっきもいいましたけど、労働者あっての組合であり、組織のための組織ではありません。労働委員会として行うことができる職場ハラスメントの被害者支援と予防啓発の取組状況と成果について、ご説明ください。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度に申し立てられたハラスメントを契機とする九件の事件のうち、終結した三件については、当事者双方が解決金の支払いなどを含む和解協定の締結に至ったことにより、紛争の解決に貢献したところでございます。
集団的労使紛争の予防啓発の取組として、当委員会では、労働委員会の役割をPRするための四か国語版のリーフレットや手引を関係各所に配布しているほか、ホームページによる情報発信にも取り組んでおります。
○上田委員 私もちょっと今回、産労の事務事業で資料を取り寄せて驚いたのが、やっぱり今、そういった相談の一位が嫌がらせなんですね、退職とかではなくて。やっぱりこうしたハラスメントの取組、恐らく嫌がらせってハラスメントでしょうから、こういったことは各企業とかにも生かされていっていただきたいなというふうに思っております。労働委員会はやっているということでした。
労使紛争といっても、不当労働行為とされるもの以外のものが見られます。働き方も、先ほど来申し上げているように多様化しておりますことからも、このような質や対象の変化にいかに対応し、労働者の権利を保護していくのか、課題認識と所見をお示しください。
○堀越労働委員会事務局長 当委員会においては、不当労働行為の審査に加え、あっせんなど労働争議の調整等を行っております。働き方の多様化が進むなど、今後も労使関係がますます複雑化していき、解決が困難な事件が増えていくことが予想されます。
こうした状況の中、これまで蓄積したノウハウを生かし、労使紛争解決のための公正、中立な立場の第三者機関として紛争の解決を図ってまいります。
○上田委員 蓄積ノウハウを生かして、第三者機関としての紛争の解決を図っていくということを確認させていただきました。
最後の質問です。
不当な扱いを受けた労働者を救済するための相談、解決機関としては、東京都は労働委員会、さっきいった産業労働局の東京都労働相談情報センター、厚労省の労働相談センター、労働基準監督署、裁判所における労働審判があります。
昭和、平成初期の時代は、労働組合が労働者の権利や人権を守るために、一定存在意義があったのかとは思われますが、さっきいったように、私自身は会社労組が全く役に立ってくれず、本当にマタハラで首になった生涯忘れられない経験があるので、その存在意義に懐疑的な部分があります。
今どきはインターネットで情報収集もできますし、弁護士や社労士に相談しながら個別解決できる時代になったと思います。労使紛争解決のための公正、中立な立場の第三者機関として、労使紛争の解決を図る労働委員会と労働組合の今日及び将来的な役割、使命、存在意義について伺いたいと思います。
○堀越労働委員会事務局長 労働組合の九割以上が企業別組合ですが、企業別組合を組織しにくい中小企業や零細企業における労働者や非正規労働者は、個人でも加盟できる合同労組と呼ばれる労働組合に駆け込んで解決しようとする動きがございます。
昨年度、当委員会に申し立てられた不当労働行為救済申立ての約八割は合同労組からの申立てです。
引き続き、複雑困難化する集団的労使紛争を扱う労働委員会の役割は重要であり、労使紛争の解決を通じ、東京の労使関係の安定や経済の発展に資するよう努めてまいります。
○上田委員 やっぱり人々の動きというのは、制度よりも速いなというふうに思いました。合同労組からの申立てがもう八割になっているということで、大きい労組が動いてくれない、そういったことから、こうしたニーズで出てきたというふうに思っております。
産業労働局ではセンターがあって個別に寄り添っていくと。大きい会社のところは主に労働委員会がやるのかもしれませんけれども、私はまた、次の時代は、組合費なんて払わないで、貯金して、個別の弁護士費用とか社労士先生に払うというようなもので個別に闘えるような、私は都民を支えていきたいというふうに思っておりますし、そのためのメニューは、会社で労組があるところは労働委員会、個別は相談センター、また、相互に恐らくやり取りをしていて、こうしたことができますよと。
例えば労働審判ってそんなに難しくなくできるんですよね。これについてもセンターや、恐らく労働委員会でも相談があれば対応していると思いますので、労組に寄り添うのではなくて、一人一人の労働者に寄り添った、そうしたあるべき組織でいていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で労働委員会事務局関係を終わります。
○小林委員長 これより産業労働局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○阿部総務部長 去る十月二十二日の当委員会で要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
目次でございます。資料は全部で四十項目ございます。
一ページをご覧ください。政策課題対応型商店街事業につきまして、令和六年度の申請状況を内容別にお示ししてございます。
二ページをご覧ください。二ページから三ページにかけまして、中小企業制度融資の過去十年間の目標と実績の推移をお示ししてございます。
四ページをご覧ください。都内製造業の事業所数、従業者数、売上(収入)金額及び付加価値額につきまして、直近の調査結果として公表されている令和三年までの推移をお示ししてございます。
五ページをご覧ください。働くパパママ育業応援事業につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
六ページをご覧ください。介護休業取得応援事業につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
七ページをご覧ください。女性・若者・シニア創業サポート事業につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
八ページをご覧ください。賃上げ支援事業の実績及び予算額、決算額につきまして、事業ごとの実績をお示ししてございます。
九ページをご覧ください。都立職業能力開発センターにつきまして、過去五年間のデータをお示ししてございます。
九ページが応募状況、一〇ページが職業紹介の実績及び就職率でございます。
一一ページをご覧ください。委託訓練につきまして、過去三年間の科目、委託先の定員、応募状況及び就職率をお示ししてございます。
一二ページをご覧ください。雇用形態別、男女別、年齢別の都内就業者数につきまして、直近の調査結果として公表されている令和四年までの推移をお示ししてございます。
一三ページをご覧ください。内水面漁業の従業者数、主な魚種別漁獲量及び養殖量の推移をお示ししてございます。
一四ページをご覧ください。林業の就業者数の推移をお示ししてございます。
一五ページをご覧ください。ツバキ油の生産量と生産額及び生産量の全国に占める割合につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
一六ページをご覧ください。東京都への国外からの旅行者数につきまして、過去十年間の推移をお示ししてございます。
一七ページをご覧ください。水素ステーションの実績、供給台数、供給量につきまして、平成二十六年度以降の実績をお示ししてございます。
一八ページをご覧ください。躍進的な事業推進のための設備投資支援事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
一九ページをご覧ください。東京都ベンチャー技術大賞につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二〇ページをご覧ください。DX推進支援事業につきまして、実績及び執行状況をお示ししてございます。
二一ページをご覧ください。TOKYO戦略的イノベーション促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二二ページをご覧ください。ゼロエミッション東京の実現に向けた技術開発支援事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二三ページをご覧ください。ゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二四ページをご覧ください。女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二五ページをご覧ください。インキュベーション施設、青山創業促進センター、NEXs Tokyoにつきまして、過去十年間の利用状況をお示ししてございます。
二六ページをご覧ください。女性ベンチャー成長促進事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
二七ページをご覧ください。東京都と地域の金融機関とが連携して実施する融資制度につきまして、過去十年間の損失補助の推移をお示ししてございます。
二八ページをご覧ください。外国人起業家の資金調達支援事業につきまして、開始以来の融資実績と金額をお示ししてございます。
二九ページをご覧ください。GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業につきまして、実績及び執行状況をお示ししてございます。
三〇ページをご覧ください。再エネ電源都外調達事業(都外PPA)につきまして、実績及び執行状況をお示ししてございます。
三一ページをご覧ください。GO TOKYOへのアクセス数につきまして、過去十年間の推移をお示ししてございます。
三二ページをご覧ください。東京プロジェクションマッピング促進支援事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
三三ページをご覧ください。都庁舎におけるプロジェクションマッピング運営事業につきまして、三三ページで実施した事項を、三四ページで支出の内訳、月別観覧者数及び曜日別平均観覧者数をお示ししてございます。
三五ページをご覧ください。TOKYO LIGHTSにつきまして、三五ページで実施した事項を、三六ページで支出の内訳をお示ししてございます。
三七ページをご覧ください。宿泊施設のバリアフリー化支援事業につきまして、事業開始以来の実績及び執行状況をお示ししてございます。
三八ページをご覧ください。区市町村別の農家数の推移をお示ししてございます。
三九ページをご覧ください。生産緑地買取・活用支援事業につきまして、事業開始以来の実績をお示ししてございます。
四〇ページをご覧ください。都内農業体験農園数の過去十年間の推移をお示ししてございます。
四一ページをご覧ください。漁業協同組合と加入人数、登録漁船の隻数及び漁業就業者数の推移をお示ししてございます。
四二ページをご覧ください。東京都労働相談情報センターにおける労働相談件数及び内訳につきまして、過去十年間の実績をお示ししてございます。
四三ページをご覧ください。女性しごと応援テラスの利用者数及び相談件数につきまして、事業開始以来の実績をお示ししてございます。
四四ページをご覧ください。当局所管の政策連携団体及び事業協力団体の職員構成をお示ししてございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅野委員 私から、今日はまず、中小企業支援についてお伺いしたいと思います。
東京の経済が成長を続けていくためには、優れた技術や独創的なアイデアを生かして、新しいビジネスに果敢に挑戦する、そうした起業家を次々と生み出して育てていくことが重要だと考えます。
しかしながら、事業化を目指したり、起業後に広くビジネスを展開していくに当たって、販路開拓のノウハウや資金繰りなどが十分ではないために、ビジネスを軌道に乗せることに苦しむケースも多分あると思います。たくさんあると聞いています。
我が会派では、昨年の第三回定例会の代表質問、これ、私がしたんですが、において、こうした起業家への支援の充実を求めたところでありますが、都における、まず、取組状況について伺いたいと思います。
○福田商工部長 都は、起業を目指す方に対して、イベントなどを通じた交流やビジネスプランの作成、融資相談、事業化に向けた支援をワンストップで行う拠点としてTOKYO創業ステーションを運営しております。
これらの支援に加え、本年八月からは、起業後の経営の安定化や事業の拡大を後押しする新たな取組を開始いたしました。
具体的には、経営や税務などの専門家による起業後の事業展開に関する相談に応じており、九月末現在で延べ二百六件に対応しております。また、販路開拓に向けたハンズオン支援や、経費の一部について一千五百万円を上限に助成することで事業の拡大を後押ししており、これまでで八十七社を支援しております。
○菅野委員 起業までのサポートに加えて、会社を立ち上げた後の起業家が困り事、困っているようなことについてもきちっと支援する、それを拡充しているということが今、答弁の中にありました。
新たな取組というのは八月に開始したばかりでありますので、今後もしっかりと、ぜひその充実を進めていただきたく要望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、新たに生まれた起業家を成長させるためには、今ご答弁のあったTOKYO創業ステーションのような都が設けた拠点における支援に加えて、民間企業などの力を活用することも有効であると考えます。
特に、東京は起業家を支援する多くのプレーヤーが存在することが特徴であります。民間などによるインキュベーション施設の提供も進んでいます。こうした東京ならではの強みを生かして、起業家の成長につなげることが重要だと思います。
都は、起業家の成長を後押しするため、こうした民間などのインキュベーション施設の機能向上に向けた支援を開始していると思いますが、具体的な取組内容について、ここで教えていただきたいと思います。
○福田商工部長 都は、インキュベーション施設に入居する起業家への支援の質の向上を通じ、起業家の成長を後押しするため、民間等のインキュベーション施設を対象とした支援機能の強化の取組を今年度から開始いたしました。
具体的には、運営事業者同士のネットワークの構築や知見の共有などを図るコミュニティを六月に立ち上げ、九月末現在で九十二の施設が参加しております。また、先月からは、これらの事業者が起業家に提供する新たなサービスに対し、経営や資金調達等の専門家によるアドバイスを行うとともに、専門家のサポートを受け策定した計画に基づく支援事業に必要な経費の三分の二を、一千万円を上限に助成しております。
○菅野委員 都の直接的な支援に加えて、民間企業などが運営する施設への手厚い支援なども行っていることが確認できました。こうした重層的な支援によって、起業家の成長をより一層促進していただきたいと思います。
そこで、起業家の支援に当たっては、これまでの質疑にあった支援手法の多様化という観点に加えて、どのような領域の起業家を支援するかという視点も重要であると考えます。
近年、日本全国では社会課題が複雑化して多様化する中で、社会的なインパクトと経済的なリターンの両立を目指す、いわゆる社会的起業家と呼ばれる創業が注目されています。こうした起業家は社会の課題解決の新たな担い手や成長のエンジンとして期待される一方、その事業モデルの特性から収益化に時間を要したり、行政との連携や様々な関係者からの理解や協力を要することが多いわけであります。そこで、事業化の難易度が非常に高いといわれています。
都は、自治体等と連携して、ビジネスとして社会課題の解決を目指す起業家を支援する取組を充実すべきと考えますが、取組の状況を伺いたいと思います。
○福田商工部長 都は、全国の自治体との連携を進める取組の一つとして、起業家と自治体を結びつけるプラットフォームを運営しております。今年度からは、社会課題の解決や起業家の成長を図るため、社会性と経済性の両立を志向する起業家や、こうした起業家との連携を希望する自治体等への支援を開始しております。
具体的には、社会的起業家や全国の自治体等に向け、協働を進める際に必要なノウハウなどを提供する講座を二十八回開催し、延べ一千四百名の参加がありました。
加えて、優れたビジネスモデルを持つ起業希望者二十者を選定し、行政との協働等に精通した専門家による事業計画の磨き上げや、事業化の支援にたけた専門家チームが伴走支援するプログラムを先月から開始しております。
これらにより、社会課題の解決に取り組む起業家等を支援してまいります。
○菅野委員 ただいまの都の取組には、全国の自治体が参加できるということであります。全国各地との共存共栄という観点からも、これは有意義であると考えます。全国の自治体等との連携をしながら、社会的な課題に挑戦する起業家を増やしていって、育てる取組を進めていただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
次は、観光振興について伺います。
東京、特に観光産業の人材確保、これが今、課題といわれています。東京を訪れる外国人は過去最高を記録し、都内の至るところで観光を楽しんでいる姿を見かけるなど、インバウンドの回復を実感できるようになりました。
しかしながら、地元の飲食店や宿泊施設などの経営者からは、やはり人材、スタッフが不足していて、募集をしても応募が少なくて採用につながらないという切実な声を聞きます。コロナの時期に一度離れてしまった人材が、ほかの仕事に就いてしまって戻ってこないということがやはり大きな要因であるようです。
都は、こうした現状を踏まえ、観光業界の魅力を発信して人材確保につなげるために、どのような取組を進めているか伺いたいと思います。
○江村観光部長 都は、今年度から、観光産業の魅力を広く発信して就業意欲を喚起する取組を実施しており、九月に行われた国内最大規模の旅行博におきまして、観光関連事業者や発信力のあるタレントによるトークショーやミニセミナー、個別相談などを実施して、二千名以上が参加いたしました。
また、観光産業に従事する人が仕事のやりがいを紹介する動画をウェブサイトで配信するほか、求職者が観光施設等で働く方々と直接交流できる職場見学会を三回開催いたしました。
今月末には六か所の宿泊施設で職場体験を実施することとしておりまして、今後もこれらの取組により観光産業の人材確保につなげてまいります。
○菅野委員 そこで、次に、観光業界における外国人材の活用促進ということについても伺いたいと思います。
観光業界において外国人材を活用することは、人手不足解消の観点ばかりではなくて、外国人観光客との円滑なコミュニケーションが期待できるなどのメリットもあります。
一方で、外国人材の活用を希望する観光事業者からは、在留資格制度が複雑で分かりにくい、受入れ体制をどうすればいいかが分からないなどの声を聞きます。また、外国人材を雇用できた場合でも、職場になじめずに離職してしまうケースもあるようです。
外国人材の活用を希望する観光事業者に対し、人手の確保や定着への手厚いサポートを提供すべきと考えますが、都の取組を伺いたいと思います。
○江村観光部長 都では、外国人材の活用に必要となる知識を学ぶセミナーを実施しております。今年度からは、入門編と実践編に分けて、より詳細に学べる内容に充実を図っており、六十七名の参加がございました。また、外国人社員を雇用する観光関連事業者に対し、労務管理や指導方法の注意点など、人材の定着に役立つノウハウを学ぶセミナーを開催しており、昨年度は二十七名の参加がございました。
さらに、今年度から新たに、現場で働く外国人社員向けのビジネス日本語研修を十社を対象に実施しておりまして、これらの取組により、観光関連事業者の外国人材の確保や定着を支援してまいります。
○菅野委員 インバウンドが過去最高を記録する中で、この機を逃さず観光事業者が旅行者を獲得するために、人手不足を解消することは喫緊の課題であります。今後も観光業界に寄り添った人材確保の取組をしっかり進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
次に、観光事業者への収益力向上支援について伺いたいと思います。
外国人旅行者が増加の一途をたどる一方で、人手不足は深刻さを増しており、こうした状況下で観光事業者に求められるのは業務の効率化を図る取組であります。
しかし、中小の観光事業者にとって生産性の高い設備の導入やDXなど、これはハードルが高くて十分な資金がなく、設備導入を行う余裕がない、また、DXに関する知識がなくて何から手をつけたらよいか分からないといった声も聞きます。
こうした観光事業者を取り巻く実情を踏まえて、DXなどを活用し生産性をより高め、収益を向上させるための支援が必要と考えますが、都の取組を伺いたいと思います。
○江村観光部長 都は、デジタル技術の活用による生産性向上や新サービスの導入などに取り組む観光関連事業者に対して、専門家派遣による助言を行うとともに、その取組に必要となる経費について、最大二百万円を上限に三分の二を助成しております。
今年度は、観光客に人気の和菓子屋が新たな製造機器の導入により省力化を図る取組や、バス事業者がツアーの予約サイトと観光音声ガイドの多言語化を図る取組など、十月末までに二十二件、約三千百万円の交付決定を行っており、今後も観光関連事業者の生産性向上などの取組を支援してまいります。
○菅野委員 観光産業では、DXなどの活用による生産性を高める取組はほかの産業に比べてもまだまだ進んでいないともいわれています。特には中小の場合ですね。
都は、観光事業者の収益強化に向けた取組を支え、観光産業のさらなる成長を促して、業界全体の発展につなげていくことを強く要望して、私の質問を終わります。
○福島委員 私からはまず、女性活躍について伺います。
二〇二三年のジェンダーギャップ指数は世界百二十五位と、日本は過去最低をまたもや更新をしました。中でも、政治、そして経済分野の指数が改善していないとされておりまして、民間企業における女性の地位の低さや賃金格差が引き続き課題となっております。
小池都政以降、私たちの求めもあり、都は、女性のキャリアアップに向けた支援や、妊娠、出産、子育てと仕事を両立するための環境、職場づくりに関するサポートなど、女性活躍を後押しするための事業を継続的に拡充をしてきました。
そこで、まず、男女間の賃金格差の解消について取り上げたいと思います。
女性活躍は、ジェンダー平等の観点だけでなく、近年、労働力人口減少への対応や経済成長の切り札としても認識されつつあります。各企業でも、労働力の増加や多様な視点によりイノベーションを創出するメリットも広がりつつあり、女性活躍推進法に基づく取組も進んではきています。
一方、処遇面に目を向けると、国の調査では、女性の平均賃金は男性の約七割であり、国際的に見ても依然として大きな差があります。
この状況を受け、都は、私たちが提案した短時間労働者などの非正規従業員でも登用が可能な役職の新設などを支給要件とする女性活躍の推進に向けた雇用環境整備促進事業を今年度創設し、男女間の賃金格差解消を後押ししています。
こうした女性活躍の支援は、男女間賃金格差の解消や人手不足に悩む企業にとって大きな後押しとなりますが、現在の取組状況について伺います。
○内田雇用就業部長 都は今年度、働く女性の賃金引上げや処遇向上など、女性が活躍する職場づくりを目指す中小企業に対し、奨励金の支給取組を新たに開始いたしました。
具体的には、中小企業が女性活躍を推進するノウハウを学ぶセミナーを受講し、専門家の派遣を受け、女性管理職の増加や短時間勤務等の非正規従業員が登用可能な役職の新設などに取り組む企業に対し、三十万円の奨励金を支給しております。九月末までに百二十八社がセミナーに参加し、そのうち二十六社から奨励金の申請を受け、三件の交付決定を行ってございます。
また、奨励金の支給の際に、女性活躍推進法に基づく行動計画や男女の賃金の差の公表も求めるなど、課題の解消に向けた取組を一層促す仕組みとしてございます。
○福島委員 女性活躍推進に向けたセミナーへの参加者は、九月末現在で百二十八社、専門家の派遣が二十八社、そして奨励金の申込みが二十六社、支援決定三社であることを確認させていただきました。
男女間の賃金格差の解消や、働く女性の処遇改善に向けた対策は始まったばかりであり、こうした支援を加速していく必要があります。今後も引き続き、企業への後押しをお願いしたいと思います。
賃金格差の解消には女性管理職の育成も重要です。また、私たちは、子供を持ちたいと思う夫婦が子供を持つための取組として、不妊治療や卵子凍結に対する行政支援を求め、実現するとともに、企業においてもこれらを受けるために必要な休暇制度の整備などに対する取組を求めてきました。
そこで、令和五年度の都の調査において、管理職に占める女性の割合はどの程度であったのか、また、企業における女性活躍に向けた支援の取組状況について伺います。
○新田事業推進担当部長 都は、職場における男女平等の推進の実態と課題を把握するため、毎年調査を実施しており、令和五年度の管理職に占める女性の割合について、課長以上の場合は一〇・六%、係長相当職も含めた場合は一五・八%であり、ともに上昇傾向にございます。
女性の活躍推進に向けては、企業における不妊治療、不育症治療に必要な休暇制度の整備等に対して奨励金を支給しており、今年度は百九十四社に対し交付決定をしております。
また、卵子凍結のための通院に利用できる休暇の導入や、凍結や保管の費用への補助を行う福利厚生制度の整備等に取り組む企業を助成しており、今年度は二十三社に対し交付決定をしております。
このほか、男性育業を促進するため、その休業中に代わりとなる社員を確保するなどの企業の取組に対し、今年度は九月末現在で百六十一件の奨励金を支給し、支援をしております。
○福島委員 ありがとうございます。
これらの取組は、性別や年代によらず、仕事への前向きな取組が適正に評価される環境整備につながると考えます。引き続きの取組を求めます。
女性管理職や女性リーダーの育成について、私は、日経ウーマンが主催するウーマン・オブ・ザ・イヤー二〇一一の大賞を受賞した際に、女性活躍について講演したり、国内外のリーダーとパネルディスカッションするなどの機会に恵まれました。その際に気づいたのは、女性管理職や女性リーダーが生まれる背景には、性別によらず登用してくれた上長がいたこと、その結果、責任ある立場で経験を積むことができたので、その経験を持ってさらに上の役職を目指すことができたということです。
この経験を踏まえ、令和二年の事務事業質疑では、女性役職者の育成を目的としたイベントの対象を、女性だけではなくて、男性役職者をも対象にする必要性について述べさせていただきました。これを受け、男性役職者を対象とする事業が拡充されたことを評価するものです。
しかしながら、さきに述べたジェンダーギャップ指数が示すように、いまだ取組は途上にあり、企業の現場でも女性管理職を増やすために必要だと思う施策として、経営層が女性活躍推進のリーダーシップを取ることや、性別に関係なく配属を行うことなどがいまだ重要とされています。
女性管理職を増やすためには、経営者の理解やマネジメント、女性が多くの経験を積み重ねることができる環境づくりを加速する必要があります。経営者にはまだまだ男性が多い現状を捉えて、どのように働きかけを行っているのか伺います。
○吉浦働く女性応援担当部長 都はこれまで、女性経営者や女性首長が参加するNEW CONFERENCEや、びじょんネットワークなどにおいて、その活躍などを応援してまいりました。
女性管理職の育成には、男性も含めた経営者の意識改革や職場の文化の改革も必要とすることから、昨年度から新たに東京女性未来フォーラムを開催いたしました。その中で、男性経営者からも女性の登用を進め、誰もが能力を発揮しやすい職場づくりに向けた取組を紹介するとともに、参加企業と共に意思決定層への女性の登用を進めていくことなどを宣言いたしました。
また、男性管理職向けに、女性のリーダーを育成するノウハウなどを習得できる研修を年八回実施しております。今年度は十月末までに四回開催いたしまして、七十九名が参加いたしました。
こうした取組を通じまして男性の意識改革を促し、行動変容につなげてまいります。
○福島委員 ありがとうございます。
私は、米国で開催された女性と経済の活躍をテーマにしたAPECに参加したときに、ヒラリー・クリントンさんがゲストとして呼ばれていて、やっぱりこの女性活躍をしっかりと進めるためには、ソーシャルウイル、つまり社会の認識、ここを変えていく必要があるといったことを非常に覚えています。
こういったNEW CONFERENCEやびじょんネットワークなどの取組を通じて社会機運の醸成にぜひ取り組んでいただきたいですし、私も実際、びじょんネットワークでできたネットワークで、すごくいい仲間に恵まれて仕事ができているという、女性経営者の人にも最近ちらほら会うようになってまいりました。継続した取組を期待したいと思います。
女性の登用を進める上での課題は多岐にわたりまして、男性の意識改革のほか、年収の壁もその一つに挙げられてきました。私たちの百三万円、百三十万円の壁対策の要望を受け、都は昨年度、年収の壁を含む働き方や生き方を議論する東京くらし方会議を設置したところです。この会議において議論された内容と議論を踏まえた取組について伺います。
○吉浦働く女性応援担当部長 昨年度、東京くらし方会議では、委員の意見をまとめた意見集を公表し、正社員で働き続けた場合と専業主婦の場合では生涯収入に約二億円の差が生じることを明らかにしてまいりました。また、会議の中では、社会保障制度に関する正確な理解を促していくことが重要との意見がございました。
都は今年度、会議での議論を踏まえまして、年収の壁などについての正確な理解の促進と、キャリア、ライフを考えるきっかけを付与する動画を配信いたしました。
また、誰もが自分事として働き方の見直しを検討できるよう、世代ごとに働き方を変更した場合の生涯収支を試算できるツールを公開しております。
これらについて、SNSや交通広告などを通じて広く周知し、女性活躍を促進してまいります。
○福島委員 先月の衆議院選挙の結果を受けて、国では、百三万円の壁について具体的な議論も始まっていると思いますけれども、この待遇面、まず、これに左右されてしまうというのは、やりがいの面がやっぱり不足しているというところもあります。
つまり、さきに述べた性別や年代によらず、仕事への前向きな取組が適正に評価される、こういった環境整備も切に大事だと思いますので、両面からの取組を改めて要望したいと思います。
これらの女性活躍関係の事業の対象になる企業数は、合わせても数百社程度にとどまります。一方で、制度融資を利用する中小企業は全体の五二%、約二十二万社を数えます。
これを女性活躍推進事業の拡大に生かせるのではないかとの私からの提案に応えまして都が設けたのが、女性活躍の推進を後押しする制度融資のメニュー、TOKYOウィメン・ビズ・サポートです。
まず、このTOKYOウィメン・ビズ・サポートのこれまでの利用実績について伺います。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 都の制度融資では、女性活躍の推進に取り組む中小企業を支援しており、令和二年度の制度開始から令和六年九月末までの融資実績は七十二件、約二十五億八千万円となっております。
このうち令和五年度は二十四件、約七億四千万円、今年度は九月末時点で既に三十一件、約十二億二千万円と昨年度の実績を上回っており、利用は増加しております。
○福島委員 この期間の間にはコロナ禍もあって、ゼロゼロ融資などもあったので、TOKYOウィメン・ビズ・サポートの条件がなかなか総体的によく見えなかったというところもあると思うんですけれども、徐々には伸びていることを確認させていただきました。
現状は、この女性活躍関係の事業に手を挙げた事業者がTOKYOウィメン・ビズ・サポートを利用できるという形になっていますけれども、先ほど述べたように、東京都内の企業の約五割が制度融資を使っているということから、この制度融資の中でも条件が優遇されていることをアピールすれば、女性活躍に興味がない事業者に対して訴求することも期待できるのではないでしょうか。
そこで、女性活躍に取り組む中小企業の裾野を一層広げるために、女性活躍の推進を後押しする制度融資のメニュー、このTOKYOウィメン・ビズ・サポートを拡充するとともに、制度融資を利用する事業者に女性活躍の推進につながる各種事業を効果的に周知していくべきと考えますが、今年度の取組について伺います。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 都は、働き方改革に自発的に取り組む中小企業が女性活躍の状況を国のデータベースで公開した場合に負担軽減を図る特例制度により、資金繰りを支援してまいりました。
今年度は、より多くの事業者による女性活躍に向けた取組を促すため、融資利率を優遇する新たなメニューとして設けるほか、利用の要件となる対象事業を拡充しております。
また、多くの中小企業とのネットワークを有する金融機関を通じて、この融資メニューの紹介に加え、女性活躍を後押しする都の支援策を周知するほか、働く女性を応援する企業向けのセミナー等でも広くPRしております。
これらの取組により、女性の活躍推進に取り組む中小企業を後押ししてまいります。
○福島委員 例えば、経営者や役職者が女性活躍に関するシンポジウムを定数の制限がないオンラインで視聴して、それを踏まえた取組を宣言するなどの要件にすれば、対象となる企業数の制限をなくすことができます。より多くの事業者が参加できる要件の検討を求めます。
次に、シングルマザーなどの女性への就労支援について伺います。
私たちはこれまで、女性が抱える様々な実情に寄り添い、就業相談等を身近な地域で受けられるよう都に求め、都は令和四年度、女性しごと応援キャラバンを開始しました。
また、今年度からは、これも私たちからの求めに応じて、都営住宅に入居するひとり親に対し、住居や児童手当といったセーフティーネット系のサービスの提供だけでなく、自らが持つ能力と可能性に気づくことを目的とした出張型の支援も開始したことを評価するものです。
こうしたきめ細かなサポートを通じて、東京しごとセンターの様々な支援メニューにつなぎ、女性の就労を後押ししていくことが重要と考えますが、都の取組状況を伺います。
○新田事業推進担当部長 都は、育児中の女性等を対象としたアウトリーチ型の就労支援として、セミナーと就業相談会をセットにした女性しごと応援キャラバンを都内各地で実施しております。
実施に当たりましては、SNSや求人情報誌など様々な媒体を活用するほか、区市町村とも連携して周知を行い、十月末時点で五十三回開催し、三千三百三十二人が参加しております。
また、今年度、新たに関係局と連携し、都営住宅に入居するひとり親などの女性を対象としたセミナーや、生活相談等を組み合わせた就労支援を都内各地で実施し、十月末までに六回開催、四十三名が参加しました。
いずれの参加者も、しごとセンターに登録するなど継続的な支援につなげております。
○福島委員 東京しごとセンターでは、毎年三万人強が新規利用して、約四割が就職に結びつくことができているというふうに伺っております。
大変寄り添った支援ができているわけで、こういったしごとキャラバンとか、こういったアウトリーチ型の就労支援で出会った人たちをしっかりとしごとセンターにつなげていくことは重要だと思います。
そして私は、これまで三回ほど都営住宅入居者向けの取組を視察させていただきましたが、自身の能力の過小の評価に加えまして、就労に求められる能力の過大評価、これが重なって就労に向けて踏み出せない様子も、改めて認識することができました。
また、セミナーでは、現時点では子育てなどで就労時間が制限されていても、長期的に社員を育てる意欲がある企業の存在を知ったり、また、就労に生かせる能力に気づかせる、そういった工夫が盛り込まれておりまして、終了時には、参加者が就労に前向きになっている様子、これがとても印象的でした。
引き続き、この事業を通じて一人でも多くの方をしごとセンターにつなぎ、希望する就職を実現するよう取り組んでいただきたいと思います。
次に、困窮者への就労支援について伺います。
所得の格差が拡大し、これまで中間層だった方々も炊き出しに並ぶといった報道もありました。また、労働人口の大きなボリュームゾーンである就職氷河期世代が中高年となる中、このまま状況が改善されなければ多くの方が貧困に至る可能性も指摘をされています。
こうした方々の就労の後押しは急務でありますが、無職や非正規の方が転職するにしても、失業給付が少なくて、仕事を辞めてからの就職活動は死活問題ともいえます。
都は、私たちの要望を受け、令和二年度から、トライアル就労を通じて収入を得ながら正規雇用に結びつける事業を開始しており、困窮している方にこそこうした支援が届かなければなりません。
そこで、こうした支援策について、どのような成果があったのか、また、現在の取組状況について伺います。
○内田雇用就業部長 これまで都は、就職氷河期世代や正規雇用を目指す方に対しトライアル就労による支援を実施し、昨年度は千九百八十九名の求職者を企業に派遣し、六百十八名の再就職を実現いたしました。
今年度は、建設や運輸等の人手不足業界の仕事を理解するセミナーや、業務に必要なスキルをeラーニングにより習得する講座を組み合わせ、採用意欲の高い企業への就職を後押しできるよう充実を図っております。
また、リスキリングのノウハウを専門家が伴走型で助言しながら、企業の現場で二か月間派遣により働き、正社員として就職する、きめの細かい支援を行ってございます。
○福島委員 知事選の前には、都庁舎の下でNPOによる食料支援と福祉事業の充実を訴える報道が繰り返されました。
既に福祉局には、福祉事業を紹介するなどしてきたことを確認しているものですが、特にコロナ禍以降は、若い人や職を失った人も見かけるとの報道がありました。
さきに述べた都営住宅にお住まいのシングルマザーへの就労支援と同じように、産業労働局には、自身の相談先を福祉だと思っている方に、収入を得ながら就労にチャレンジができるような支援や職業訓練など、都の充実した就労支援を伝える取組が必要だと思います。支援機関と連携するなど、困窮している方に必要な情報が届くようしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、中小企業の振興について伺います。
都は、平成三十一年一月に策定した東京都中小企業振興ビジョンにおいて、目標値を設定することで民間企業も頑張れるという中小企業の経営者等の意見も踏まえて、十年後の目標値を設定しております。
令和二年の事務事業質疑において、私は、都内中小企業の競争力と持続性を高めるに当たっては生産性の改善が大切であると述べまして、製造業のデジタル化により生産性を上げるドイツの国策、インダストリー四・〇についても紹介をいたしました。
昨年、日本の名目GDPがドイツに抜かれ、四位に後退したことは大変衝撃的でしたが、報道などでも、このドイツ経済の強さの理由の一つとして、国策としてインダストリー四・〇を掲げ、官民を挙げて製造現場のDXを取り組んだことなどが紹介をされています。
このように、都内の中小企業の競争力を高めるには生産性の改善が大切だと考えますけれども、さきに述べた中小企業振興ビジョンでは数値目標を提示していますので、このビジョンの目標に照らして、どの程度進んでいるか、これをまず確認したいと思います。
ビジョンの計画期間の半分が経過する中、数値目標のうち、企業経営の状況に関する指標の達成状況について伺います。
○福田商工部長 東京都中小企業振興ビジョンでは、中小企業の目指すべき姿を実現するための施策全体の評価や検証を行うため、平成三十一年からおおむね十年程度の期間に達成すべき数値目標を掲げております。
企業経営の状況については、都内の黒字企業の割合の目標を五〇%超としており、策定時の三二・〇%から、直近の令和四年度の実績は三五・七%でございます。
また、業績が成長している都内の中小企業の割合は、目標を五五%以上としており、策定時の四五・五%から、直近の令和五年度の実績は五〇・八%でございます。
○福島委員 都内の黒字企業の割合も、業績が成長している都内中小企業の割合も、ビジョン策定時に比べると上昇しているものの、コロナ禍などもあり、現時点では、目標に対して、なかなか伸び率としてはちょっと課題があるということが確認されました。ビジョンで掲げる目標の達成に向けて、中小企業振興策の精度、これを高めていく必要があると考えます。
国では、中小企業庁において、事業分野別、事業規模別に生産性の状況を調査した上で事業を設計しています。
今後の中小企業支援について、生産性の観点から、その精度を高めるために、例えばさきに述べた調査を参考に、企業規模別、業種別に、労働生産性に望ましい生産性、これを定めた上で、現状未達成や、または今後改善が見込めない、そういった事業者に対して、デジタル化等による生産性向上やM&Aのいずれか、これを促すなど、課題のある事業者を中心に生産性を確実に底上げし、さらには従業員の待遇改善、さらには賃上げにつなげる取組が必要ではないでしょうか、見解を伺います。
○福田商工部長 都は、中小企業が生産性を高め、市場における競争力を強化するため、デジタルの活用やM&Aによる企業の成長を支援しております。
具体的には、DXの実務に詳しい専門家が中小企業を巡回し、生産性を含めた事業活動における課題を洗い出し、その課題解決に資するDXの提案から実行後のフォローアップまでを一貫してサポートしております。加えて、提案の実現に必要な機器等を導入する際の助成をしております。
また、ポータルサイトやセミナーなどでM&Aの活用に向けた周知を図るとともに、企業価値の分析や売買契約の締結に向けた助言など、専任のアドバイザーによる支援を行っております。
これらにより、中小企業のさらなる成長や発展を後押ししてまいります。
○福島委員 国内の中小企業とお付き合いのあるベンチャー企業からは、中国をはじめ他国に比べて、現状の国内中小企業の状況として、新規製品の生産の立ち上げの速さや生産力に限界があって、類似の事業内容の零細事業者が多数ある中、M&Aなどをもっと進めてほしいとの声も届いております。事業規模と生産性については相関があることは明らかです。
事業承継については、知事は、三期目の公約において、中小企業における事業承継をより一層進めるためTOKYO白馬の騎士ファンドを創設するとし、第三回定例会の私たちの代表質問に対して、企業の思いをつなぐ候補者を養成し、中小企業と結びつけて、経営者や従業員と信頼を築いた後継者に資金を提供するとともに経営もサポートするとの答弁を得ています。
事務事業概要にあるように、産業労働局が様々な角度から中小企業を支援する事業を行っていることは承知をするものです。
いずれの事業も、都民の税金を使って行っております。本日は、その精度を高める必要性と、その方法の一つとして、改めて生産性の観点から議論させていただきました。
今後、中小企業振興策を検討するに当たっては、都内事業者の競争力の向上、さらには都市の競争力向上、そして都民に還元される、こういったことを念頭に制度設計を工夫することを望むものです。
都の中小企業振興策を確実に都の競争力向上につなげる方策の一つとして、私は、令和二年の事務事業質疑以降、都の事業を使って生産性向上のための設備投資を行った場合に、それを従業員の待遇改善につなげる重要性を訴えてまいりました。
これを受け都は、令和四年度より、デジタル技術を活用した支援事業において、賃金引上げ計画を策定した事業者の補助率を高める枠組みを創設し、昨年度は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に取組を拡大したものです。これを評価します。
昨年度、これに手を挙げた事業者の割合は、それぞれ四割と一割程度と聞いていますが、今年度の申請状況について伺います。
○福田商工部長 都は、中小企業が生産性向上に役立つデジタル機器や競争力を強化する最新の設備等を導入する際の支援について、その成果を賃上げにつなげる計画を策定した場合に助成率を引き上げる支援の充実を図っております。
今年度は、DX推進支援事業について、九月末現在で五割を超える事業者が賃上げ計画を策定しております。また、設備投資支援事業では、約四割の事業者が同様に計画を策定しております。
○福島委員 いずれも、割合としては伸びてきていることを確認させていただきました。
生産性の向上に取り組むとともに、さらにそれを従業員の待遇改善につなげようとする事業者は、事業継続性、すなわち雇用の面で責任感を持って取り組まれていること、さらには成長性や競争力の面でも期待が持てると考えます。
デジタルツール導入促進支援事業や地域産業デジタル化推進事業など、生産性向上関係のほかの事業にも同枠を設定することを提案します。
そして、この枠に手を挙げる事業者が大半になった折には要件化も検討するなど、都の中小企業振興策について、その成果が確実に都民に還元されることを念頭に制度設計を工夫することを改めて要望いたします。
中小企業からは、IT人材を育てたいものの、業務から離れて教育を受ける時間の確保が難しいとの声をいただいてまいりました。その点で、スタートアップを活用したリスキリングによる中小企業デジタル化支援、これについては大変期待をしております。
この事業の実績について伺います。
○福田商工部長 都は、先進的なアイデアや技術を強みとするスタートアップのノウハウを活用し、中小企業のDXを後押しするため、デジタル人材の育成をサポートしております。
具体的には、リスキリングに知見のあるスタートアップが人材育成に関する講座を中小企業に提供し、一社当たり百万円を上限に従業員が受講できる仕組みとしております。
今年度は、九社のスタートアップが、業務プロセスの自動化に役立つAIの知識や企業のマーケティングに活用できるデータ分析の手法など二十六の講座を提供し、百五十社、延べ五百七十七名が、自社の課題に応じた講座を受講しております。
○福島委員 オンラインで学習できることもあって、この百五十社という枠が早々に埋まるなど、多くの事業者に手を挙げていただいていることが分かりました。
現場の声を踏まえた取組であることを評価するとともに、引き続きの取組を求めます。
ここまで、生産性向上とデジタル化について議論をしてまいりました。一方で、労働生産性の算出においては、その分母を労働投入量、具体的には、従業員の数掛ける労働時間であったり、簡便には従業員数を用いることもありますけれども、そういう状況を踏まえると、設備投資では生産性が上がりにくい労働集約型の業種や、また、家族経営の零細企業などに関する支援については、別に議論する必要があることを申し添えておきます。
次に、出展支援について伺います。
小池都政も三期目を迎え、産業交流展、全国連携を踏まえた展示・商談会開催事業、地域連携型商談機会創出事業など、地方との共存共栄はますます重要になってまいりました。
それぞれの事業の取組状況について伺います。
○福田商工部長 今月開催の産業交流展における全国からの出展ゾーンでは、日本各地の中小企業等の優れた製品やサービスを展示する予定であり、九十二者の出展が計画されております。
また、十二月に開催する、全国の中小企業を対象に都内での販路開拓等を目的に実施する展示、商談会では、三百六者の出展が予定されております。
さらに、他県で開催される商談会等の場を活用し、大手バイヤーや都内の中小企業等を他県の企業とマッチングする事業では、九月末現在、全国三か所で合計七百四十四件の商談がございました。
これらの取組が契機となり、都内の食品製造事業者が他県の食品メーカーと連携し、新たな商品を開発した事例などがございます。
○福島委員 他道府県の事業者にしてみると、東京都という大消費地にアクセスできる貴重な機会にも思います。
今年度は全国四か所で商談を実施するという予定と伺っておりますが、拡大を求めます。
次に、創業支援について伺います。
私は、都民ファーストの政治の実現に向けて、半年に一度のペースで、都政課題をテーマに専門家を招いて参加者と意見交換するスタイルの都政報告会を重ねてまいりました。
今年四月に開催した十三回目の都政報告会のテーマはスタートアップであり、その後、継続して関係者の皆様よりご意見をいただく関係を続けております。
議論の中でも大きなお声としてあったのが、学生に向けたアントレプレナーシップ教育の拡充と、創業して間もない企業に創業経験がある人が参画し、経営のサポートに入ってほしいという声でした。
実際、起業経験のある人が、後輩が立ち上げたベンチャー企業に数年間就職をして、創業を支援するなどしてきているそうなんですけれども、これはあくまでも人間関係の中で行っており、もっと広い組合せの機会があれば、もっと可能性が広がるのではないかということ、さらには、創業間もない事業者の場合には、経験者を雇用する人件費が負担になるというケースが多いそうです。
一方で、同様の機能としてIPOコンサルやベンチャーキャピタルによる支援も考えられますけれども、日本においては、上場が目的化し、創業者の思いと合致しない場合も少なくないというふうに伺っております。
創業間もない起業家に対して、起業経験者によるフォローが必要だと考えますが、取組を伺います。
○福田商工部長 事業を立ち上げた直後のスタートアップにとって、新たな事業の展開に当たり起業経験者の助言は有効であり、都のスタートアップ支援においても、こうした経験者を活用しております。
具体的には、優れたアイデアを有する創業間もない起業家の事業化をサポートする育成プログラムにおいて、起業経験者十八名を含む各分野の専門家、百名を超える支援者がメンターとして登録されており、事業計画の磨き上げなどを継続的にサポートしております。
今年度は、九月末現在で十二社からの資金調達やビジネスモデルなどに関する相談に応じております。
○福島委員 起業経験者などをはじめとした支援者が、起業家に直接実践的な助言を行うことにより起業家の成長を促すとともに、その内容を把握することでベンチャーの実態が分かり、現状を踏まえた支援策のアップデートも可能になります。
こうしたフォローを行いながら、得られたフィードバックを都の施策に生かしていくことを要望します。
また、学生スタートアップとの意見交換では、泊まり込みの開発を希望する声が多く、近畿大学では二十四時間利用可能な施設を整備しています。事務事業質疑に先立つ意見交換の中で、青山スタートアップアクセラレーションセンターの相談を知りまして、これを紹介したところです。産業労働局が取り組んできたスタートアップ振興策が、必要とする人にきちんと届くように、TIBとも連携した広報を求めます。
一方で、都のスタートアップ関連施策を利用した方からは、創業者や投資家に比べて、都が派遣した専門家の熱意が低いとの声も残念ながら届いています。
実は、このような意見は創業支援に限りません。都の事業自体について、アンケートで満足度を聞くといった取組がなされていると聞いていますけれども、税金が投入されることで、利用者にとっては提供されるサービスに比べてコストが低くなることから、どうしても不満の声が出にくいように思います。
受託した事業者が事業の意図を理解して、スタートアップ振興策であればスタートアップのために働いてくれたかなど、今後は受託事業者そのものの評価を行うような枠組みも必要ではないでしょうか、検討を求めます。
次に、一次産業振興について伺います。
都は、適切な工程で農産物を生産する新東京都GAP認証制度を推進しています。東京農業の持続的な発展に向けては、食品安全や環境保全など高い意識を持った認証取得者を増やしていくことは重要です。
一方で、農業者からは、やっと取得しても販売上のメリットが少ないという声もいただいております。
認証取得者を増やすために、農業者がGAP認証を取得するメリットを実感できる取組が必要だと考えますが、都の取組状況について伺います。
○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、食の安全や生産性の向上に取り組む新東京都GAPの認証取得者の収益向上につながるよう、認証農産物の流通拡大に取り組んでおります。
具体的には、駅直結の百貨店や大手スーパーなど都内八店舗で、GAPの意義を消費者にPRするGAP認証農産物の販売イベントを行う取組を開始いたしました。
また、バイヤーを認証取得者の畑に案内し、生産管理を紹介するとともに、直接商談を行うツアーを九月と十月に開催いたしました。
さらに来年二月には、大規模な食品展示会において、認証農産物の展示や生産者を紹介するPR集の配布を行うなど、販路拡大につなげてまいります。
○福島委員 販路拡大を中心に支援をしていることが分かりました。
しかしながら、実際どういったインセンティブがあるかということを伺うと、例えば、後継者が新しい品目を生産し、新規の販路を開拓するときには、GAP認証があると信頼性が担保できるというふうに伺っているんですけれども、それだけでは現状十分ではないということですので、今後は、農業者がGAPを取得してよかったと思えるように、新東京都GAPを取得した事業者が都の農業振興関連の助成を受けやすくするなど、認証を取得したくなる制度設計を要望します。
次に、トウキョウXについて伺います。
トウキョウXは、都が開発したブランド豚で、柔らかい肉質や甘くさっぱりとした油が特徴であり、根強いファンもいます。私もその一人です。
しかしスーパー等で見かける機会は少なくて、その要因としては、生産農家が少ないことが挙げられています。畜産経営を新たに始めることは、餌代や防疫対策など農家にとっては負担が大きい上、東京では周辺の住宅への影響もあって難しくなっています。
都は、他県を訪問し、生産農家の開拓に取り組んでおり、現在は東京以外に四県で生産されているというふうに伺っております。
そこで、トウキョウXの生産拡大に向けた都の取組状況について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、最新の防疫体制を備えた青梅畜産センターにおいて繁殖用の豚の生産を行うとともに、生産農家を増やす取組や飼育等のサポートを実施しております。
今年度は、都外の畜産団体を訪問して、品質の高さや都の支援策をPRしたほか、現在生産する十件の農家に対して、飼育方法に関する相談等にきめ細やかに対応しております。
また、畜産農家が講読する新聞等にトウキョウXを生産するメリットなどの広告を掲載するとともに、生産者の声や販売の様子を紹介する動画を配信するなど、生産意欲を高める取組を行いました。
○福島委員 トウキョウXを生産することで高い収益性が確保できれば、生産農家は増加します。
トウキョウXの魅力をより多くの方に知っていただくことはもちろんのこと、トウキョウXが平成九年七月に合成系統豚として認定されてから二十七年が経過する中、生産者が増えにくい理由である、出産頭数が少なく育ちにくいという課題を克服した種の開発にも改めて取り組むべき時期になっているのではないでしょうか。生産拡大に向けた取組を進めるようお願いをいたします。
一方、農業経営については、資材価格の高騰など厳しい環境にある中、その中にあっても経営の多角化などへ意欲的に取り組む農業者が増えています。
私はこれまでも、多摩エリアでのグリーンツーリズムの可能性を検討する必要性を述べてまいりました。
農林水産省の平成四年の資料によれば、グリーンツーリズムとは、農村と都市が相互に補完し合い、共生していくため、緑豊かな農村地域において、その文化、自然、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動とのことでありまして、栃木県のNPO法人が二〇一二年から取り組むグリーンツーリズム事業は、事業開始以来、昨年は最多の宿泊数を数えるなど、息の長い取組が実を結びつつあるとのことです。
東京の農地には、都心から近いという強みがあります。このような取組を広げることで、都民の方々にとっても、東京の農業のみならず、一次産業への理解促進や、さらには多摩エリアの活性化にもつながると考えます。
そこで、意欲ある農業者による収益力の向上につながる取組に対し、都はどのような支援を行っているのか伺います。
○榎園農林水産部長 都は、農園のブランド化や六次産業化など、経営改善にチャレンジする農業者に対する支援を行っております。
具体的には、専門家を派遣し、農業者のニーズに応じた助言を行うほか、助言等に基づく新たな取組に対し経費を助成してございます。十月末時点で、デザインやマーケティング等の専門家を三百十三回派遣するとともに、農園のロゴマークやホームページの作成などへの助成について、三十五件の採択を行いました。
この中で、旬の野菜の収穫体験ができる農家カフェの集客力向上に向けた経営分析や、自らが生産した野菜を使ったソースなど加工品の開発に対し、支援を行いました。
○福島委員 生産以外に事業を広げようとする、チャレンジする農業者を後押しすることは、東京の農業振興、ひいては、貴重な緑である東京の農地の保全にもつながります。
加えて、一都三県に住む人口が日本の総人口の三割を占める中、帰省先も都会という子供も増えてきており、一次産業に触れる機会も、その結果、なくなってきています。
六次産業の中の対象にグリーンツーリズムも含め、これを広げることは、東京の子供たちに田舎を持たせたり、さらには一次産業に対する理解を深め、持続的な消費につながる賢い消費者に育つ、さらには就労の選択肢に入る、こういったことにもつながると考えます。
このように、東京の農業が果たせる役目は少なくありません。引き続き農業者に寄り添った支援を行うこと、その中にはグリーンツーリズムの拡大も視野に入れることを求めて、次の質問に移ります。
都は、にぎわい施設などに多摩産材を活用する取組を後押ししており、駅舎や商業ビルなど、多摩産材を使った施設が着実に増えています。
こうした需要が高まる中、ニーズに応えるためには、山林で伐採、搬出された丸太を円滑に製材所等に流通させることが重要です。
しかし、多摩産材の丸太を取引する唯一の市場である多摩木材センターの現状の規模では、搬出量の増加に対応できず、施設の老朽化も進んでいることから、都は機能強化を検討していると伺っております。
そこで、多摩木材センターの機能強化について、都の検討状況を伺います。
○榎園農林水産部長 都は、多摩産材の流通量の増加を図るため、日の出町にある多摩木材センターの機能の強化に向け、検討してございます。
現在、市場を管理運営する多摩木材センター協同組合と、必要な規模や効率化につながる設備等について検討を進めております。
また、これと並行して、野生動物等への影響など周辺環境の調査を実施してございます。
○福島委員 センターからは、供給量拡大に向けて、選木機の導入や敷地面積の最大限の拡張の要望が届いております。
こうした市場機能の拡張は、森林循環を促進していく上で重要であり、着実に進めていただきたいと思います。
また、都は現在、伐採した場所に花粉の少ない杉やヒノキを植林しておりますが、林業の担い手不足が進む中、広葉樹の植林についても検討するべきではないでしょうか。
広葉樹には、育成の速度が遅いため伐採の頻度が少ない、家具やフローリングに用いられる広葉樹種の輸入が減少し、国産広葉樹の需要が高まる中、針葉樹よりも取引額が高いといった特徴があります。
また、針葉樹だけでなく広葉樹を植えることを混植といいますけれども、混植には、病気の感染拡大や害虫の大発生を抑えたり、水の浸透機能も増して洪水や渇水を防いだり、様々な根が張ることで土砂崩れを防止する、さらには、広葉樹は秋に色づいたり枝ぶりが多様になり景観が美しくなる、そして生物多様性の担保といった効果があるとされています。
以上の理由から、広葉樹への植え替えも事業設計において考慮すべきと申し上げて、最後の質問に移ります。
スポットワークについて質問いたします。
近年、面接や履歴書が不要で空き時間に単発で働く、いわゆるスポットワークや隙間バイトが急速に拡大しております。
こうした働き方は、必要な働き手をタイムリーに確保したい企業と、好きな時間に自由に働きたい、こういった求人側の双方のニーズに合致し、人材不足の解消に一役買っていますが、こうした働き方は社会保険に加入できず、また、実際の現場では、労働条件が事前の内容と違った、報酬が適切に支払われなかったなどの問題も生じており、極めて深刻なケースでは、ヤミバイトと呼ばれる犯罪に巻き込まれることも危惧をされます。
都は、スポットワークの求人企業や働き手に対し適切な啓発を行うべきと考えますが、その取組について伺います。
○内田雇用就業部長 都はこれまで、非正規労働者の方にとって働きやすい職場環境を実現するため、毎年十一月を非正規労働月間と定め、労働相談情報センターにおいて労働セミナーや相談会の開催、電話等での相談を行っております。
今年度は、使用者、労働者の双方を対象に、副業、兼業をめぐる動向等に関するセミナーを開催し、いわゆるスポットワークの注意点や、そうした働き方を紹介するプラットフォームを利用する際のリスク等についても周知を図ってまいります。
こうした取組を通じまして、時間を効率よく活用する新しい働き方が適切に行われるよう啓発してまいります。
○福島委員 今月はフリーランス新法が施行され、ようやくそうした働き方をする方への取組が進み始めたように、新しい事業形態が制度化されるにはどうしても時間がかかります。
既に報道でも問題が指摘されている中、スポットワークについて、都ができることに着手することを評価いたします。
事業者にも参加を呼びかけることを要望しまして、私からの質疑を終わります。
○かまた委員 それでは、初めに中小企業のDXに向けた支援についてお伺いをいたします。
都内中小企業では人手不足も深刻な課題でありまして、新規の仕事の依頼があっても対応できる人材がおらず断らざるを得ないケースや、店舗における接客等のサービスの低下を招いているケースもあると伺っております。
中小企業が人手不足問題を解消し、持続的な成長を遂げていくためには、DXの活用により効率化をアップさせ、生産性を高めることが不可欠であります。
都では、中小企業のDXを進める取組に対する支援を行っておりますが、その取組状況や具体的な支援事例についてお伺いをします。
○福田商工部長 都は、中小企業のDXによる業務の効率化や生産性の向上などを後押しするため、デジタル技術の導入から活用まで一貫した支援を行っております。
具体的には、デジタル技術に詳しい専門家を現場に派遣し、DX戦略の策定のサポートや導入機器等の提案を行うとともに、提案に基づき機器等を導入する際の経費について、助成率最大三分の二、三千万円を上限に助成しております。
九月末現在で、百九十八社から申請があり、専門家を延べ二百八十五回派遣いたしました。事例としては、金属加工の工場においてIoTシステムを導入し、作業工程の自動化により省力化を目指す取組や、建設工事の計画立案から施工までをトータルで管理できるアプリケーションを開発し、作業の効率化を図る取組がございます。
○かまた委員 DXは人手不足などの課題解決に大いに役立ちますので、引き続き都がしっかりとサポートすることを期待しております。
続きまして、中小企業の事業承継に向けた支援についてお伺いをします。
中小企業の事業承継の取組は進みつつあるものの、依然として都内企業の半数以上は後継者が不在など、深刻な課題となっております。
実際、私も後継者がいないというお悩みをお聞きすることが多くなっていることを感じておりまして、例えば、経営者の方々から、どこに相談すればよいのか分からない、事業承継を進めたいが、どこから手をつけてよいのか分からないといった声を伺っております。
また、事業承継は、様々な業種の中小企業がその支援を必要としていることから、単に相談窓口で待つだけではなく、企業に出向いて、希望に応じた支援を行うことも重要であります。
そこで、都では、中小企業の事業承継を後押ししておりますが、その取組状況についてお伺いをします。
○福田商工部長 都は、中小企業の事業承継を後押しするため、企業への支援の働きかけや計画策定のサポートなど、様々な取組を行っております。
具体的には、事業承継の実務に精通する相談員が幅広い業種の中小企業を巡回し、その必要性を説明するとともに、計画の進捗に応じた助言を行っており、九月末現在で七百四十一社に訪問いたしました。
また、後継者が決まっている企業に対しては、経営や税務の専門家が承継前に必要な経営改善の支援を行うほか、後継者が不在の企業に対しては、会社の財務状況や事業の将来性等の評価から譲受け企業とのマッチング、契約の締結までをトータルでサポートしております。
○かまた委員 事業承継は、都内の中小企業にとりまして喫緊の課題であります。多くの企業が事業承継に取り組めるよう、各企業の状況に応じて、寄り添ったサポートを進めていただきますようお願いいたします。
続きまして、就労支援について何点かお伺いをします。
初めに、五十代以降のミドルシニア世代の女性の支援についてお伺いします。
今後の人生を見据え、さらにキャリアアップしたい、本当にやりたいことにチャレンジしたいと思いつつ、長いブランクや、周囲にセカンドキャリアのロールモデルがない等など、踏み出すことにちゅうちょするミドルシニア世代の女性の声を多く伺ってまいりました。
こうした女性が社会で力を発揮できる環境をつくることは、人材確保が課題となっております現代社会に大きな価値を生むだけではなく、誰もが輝く社会につながる重要な取組であると考えます。
都は、六月にミドルシニア世代をターゲットにプラチナ・キャリアセンターを開設し、副業を通じたキャリアアップや新たなチャレンジを支援しておりますが、その取組状況について、女性の利用者の状況も含めましてお伺いをします。
○内田雇用就業部長 プラチナ・キャリアセンターでは、五十歳以上のミドルシニアの方が副業などを通じて新しいキャリアを築けるよう、利用者と企業とのマッチングなど、きめ細かな支援を実施しております。
六月の開設以来、資格や専門性を生かしキャリアアップしたい、収入を増やしたい、介護と両立できる短時間の仕事を見つけたいなどの希望がある女性が利用されており、十月末現在で、男女合わせて二百六十八名が会員として登録をしております。
こうした方々と人材を求める中小企業とのマッチングを促す交流会を十月末までに三回実施をいたしまして、延べ百三十八名のミドルシニアの人材と五十九社の中小企業が参加してございます。
これにより、ミドルシニア世代の女性の就業の幅広いモデルを発信してまいります。
○かまた委員 一言にミドルシニア世代の女性といいましても、置かれている状況は様々でありますので、マッチングの好事例をロールモデルとして発信することはもちろん、短い時間で効率的に仕事をしたいなど、シニア固有のライフスタイルにも配慮した取組が必要となります。
雇用によらないスポットワークなど、多様な就労機会を提供するプラチナ・キャリアセンターが創設されたことで、自分たちにスポットを当ててくれたと喜びの声も多く伺っておりますので、働きたい女性のニーズにしっかり対応する取組を期待しております。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
続きまして、はたらく女性スクエアについて質問をいたします。
都議会公明党は、今年の予算特別委員会一般質問において働く女性への支援について質問をし、はたらく女性スクエアで事業を実施する際は、働く女性が抱える様々な事情にしっかりと寄り添い、きめ細かい対応を行う必要性があることを訴え、都からは、状況によっては福祉とも連携するとの答弁がありました。
はたらく女性スクエアは九月十一日に無事オープンし、幅広い女性へのサポートを開始しましたが、この施設が有効に機能していくためには、必要に応じた福祉との連携を含め、様々なニーズに対応することが必要であるとともに、多くの方々に本施設を知ってもらえるよう適切に広報を行っていくことが求められます。
そこで、九月の開設以降、各種の支援がどのような実績を上げ、また、広報をどのように実施しているのかについてお伺いをします。
○内田雇用就業部長 都は、働く女性が職場で抱える様々な課題に対応する拠点として、はたらく女性スクエアを新たに開設し、労働相談や専門家による窓口相談を開始いたしました。
九月末時点で、病気等による休職や職場の嫌がらせなど六十四件の労働相談を受け付けており、うち、ひとり親を含む非正規の女性からの相談は十九件ございました。このほか、心の健康相談に移行する案件も二件ございました。
また、専門家によるキャリア相談からしごとセンターの就労支援を紹介した例は十一件ございまして、労働相談でも、退職後の就職活動の一つとして職業訓練を紹介した例がございました。
広報につきましては、都営地下鉄の車内動画やインスタグラムの開設、表参道駅への広告掲示のほか、新聞広告やインターネット広告、関係機関へのチラシ、ポスターの送付などを通じまして、幅広く周知を図っております。
○かまた委員 私も先日、視察をさせていただきまして、本当に細かい部分にまで配慮が施されたすばらしい環境でありました。このすばらしい施設を最大限に生かしまして、キャリアアップしたい女性から困難を抱える女性まで、幅広い支援をお願いしたいと思います。
例えば、状況によっては東京しごとセンターの専門サポートコーナーとの連携も解決策になる場合があると思いますし、また、東京ウィメンズプラザや福祉施策とも連携する必要が出てくる場合もあると思いますので、困難を抱える女性への手厚いサポートの充実も求めさせていただきます。
続きまして、就労困難者特別支援についてお伺いをいたします。
売手市場といわれる中でも、障害のある方やひきこもりを経験された方など、働く意欲がありながらも就労に困難を抱える方が希望の仕事を得ることは簡単ではありません。
都は、このように困難を抱えている方を集中して支援する専門サポートコーナーを令和二年に東京しごとセンターに開設をしまして、私も大いに期待をしているところであります。実際、何度かサポートが必要な方と訪れまして、専門家チームによる手厚い支援に私もとても感銘を受けました。
一方、この支援の新規利用者は、令和三年度は百三十七名にとどまっており、令和四年第二回定例会で、私は、都にさらなる周知と支援体制の強化を求めました。
そこで、就労困難者の就労の促進に向け、専門サポートコーナーをより身近な場として活用していただくため、多くの人に伝えるとともに、丁寧に支援を進めていくべきと考えますが、現在の取組状況についてお伺いをします。
○内田雇用就業部長 都は、専門サポートコーナーにおいて、障害者やひとり親、生活困窮など、様々な事情により就労に困難を抱える方々に対しまして、その実情に即した支援を提供しております。
具体的には、キャリアカウンセラーや臨床心理士などがチームを組み、一人一人に寄り添い、就職活動から職場定着まで一貫したサポートを行っております。
これらの取組について、ウェブ広告や福祉施設等でのPRなどによる周知の強化を図ってきておりまして、昨年度は百九十名の方の新規利用がございました。
また、今年度は、利用者の増加に対応して体制を強化するとともに、はたらく女性スクエアの開設を機に、困難を抱える女性へのアウトリーチ支援も始めるなど充実を図っております。
○かまた委員 引き続き周知を強化するとともに、様々な潜在ニーズへの支援を進めていただきたいと思います。
先ほども要望させていただきましたけれども、はたらく女性スクエアと福祉施設の連携、また、この専門サポートコーナーのノウハウを生かしたアウトリーチ型支援も進めるなど、より幅広い方に積極的にアプローチしていく工夫をお願いいたします。
続きまして、年収の壁について、私からも具体的にお伺いをします。
都は、はたらく女性スクエアを開設し、女性活躍の取組を前進させておりますが、女性活躍を阻む課題の一つに、いわゆる年収の壁があります。
私のところにも、社会保険に加入すると手取りが減るとか、賃金が上がった場合にさらに就業時間の調整をしなければならなくなるので、人手不足の状況がさらに悪化する、何とかしてほしいなどの声が寄せられております。
年収の壁の原因となっている社会保険や所得税等は国が所管する制度ではありますが、困っている方への声に応えるという、女性の活躍を一層促進するためにも、都としても年収の壁への対策の積極的な取組をお願いしたいと考えております。
そこでまず、都は、年収の壁により人手不足に苦慮している企業や当事者の女性に関して、どのような支援を行っているのかについてお伺いをいたします。
○内田雇用就業部長 都は、年収の壁に関して、企業や働く方が理解を深めていただく取組とともに、年収の壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを進めております。
具体的には、電話やメール等による個別相談、企業の様々な課題に対応する専門家の派遣、社会保険制度の見直しに関する国の動向や加入のメリットなどを解説するセミナーや、出張相談会を実施しております。世代ごとに働き方を変更した場合の生涯収支を試算できるツールも紹介し、これらにより、正確な理解を促しております。
また、収入要件を設けている配偶者手当について、廃止や収入要件を撤廃するなどの見直しを行った企業に対しまして奨励金を支給しております。
これにより、年収の壁による働き控えを解消し、働く意欲がある女性が十分に能力を発揮できるよう後押ししてまいります。
○かまた委員 正しい知識の普及啓発や、企業の取組を後押ししていることが確認できました。
年収の壁は、本人の思い込みや企業がつくっている場合もありますので、正確な知識を付与することのすばらしい取組を幅広く周知していただきたいと思いますし、また、女性と企業双方の課題解決につなげることが重要であります。
そこで、都が実施する年収の壁対策を幅広く周知するための取組状況についてお伺いをします。
○内田雇用就業部長 都は、年収の壁に関する取組について、新聞やトレインチャンネルへの広告の掲出や専用ホームページの開設のほか、SNSやウェブ広告も活用して広く情報発信を行っております。
また、人事担当者の多くが閲覧するポータルサイトの会員企業へのメールの送付や、経済団体と連携したリーフレットの配布など、企業向けのPRも積極的に行っております。
今後も、こうした様々な媒体を通じて周知の拡大を図り、事業の一層の活用を進めてまいります。
○かまた委員 都が、年収の壁により女性の活躍が阻まれているという状況を改善するための取組を進めていることを高く評価いたします。ぜひ、今後も積極的に課題解決に資する取組を行っていただき、働く女性の一層の支援をお願いいたします。
続きまして、職業能力開発センターの取組についてお伺いをします。
都は、都議会公明党の提案を受けまして、東京しごとセンターの利用者をはじめとしたあらゆる年齢層の方が希望に応じて職業訓練を受けて就職することができるよう、三十年ぶりに新たな職業訓練校を開設し、しごとセンター校として事業を開始しました。
介護や育児等でやむを得ず離職をされている方や、正社員での就職を目指す非正規で働く方が、職業訓練を通じて必要な技術やスキルを身につけることは、仕事の選択の幅が広がるとともに、よりよい条件で就職できる可能性も高まり、大変重要であります。
そこでまず、しごとセンター校で実施している職業訓練の具体的な内容や、定員、利用実績についてお伺いをします。
○内田雇用就業部長 都は、本年七月に、東京しごとセンターと同じ建物内にしごとセンター校を開設し、四科目の職業訓練を実施しております。
具体的には、新築家屋の内装仕上げ工事などに関する技能を習得する内装施工科、建物の維持管理の専門人材を目指すビルメンテナンス技術科、ホテルのフロントサービスやレストランのホールスタッフとして働く人を養成するホテル・レストランサービス科、介護サービスや家事代行に必要な知識を学ぶ生活サポート科を設置しております。
今年度七月及び十月入校の訓練では、合計百三十五名の定員に対して、十代から六十代までの幅広い年齢層の訓練生八十七名を受け入れております。
○かまた委員 私たちも、しごとセンター校を視察させていただきまして、訓練生が生き生きと学ぶ様子を拝見しました。職業訓練が、新たな仕事に就くためには大変有効であることを実感いたしました。
今後も、希望する就業先に就職することができる、職業訓練と就労支援が一体となった行政サービスの存在を多くの方に知っていただきたいと考えますので、例えば学生なども含めて幅広い求職者に積極的に職業訓練の利用を促していく必要があると考えます。
そこで都は、しごとセンター校や都内のほかの職業能力開発センターの利用者の確保に向けまして、どのようなPRを行っているのかについてお伺いをいたします。
○内田雇用就業部長 都は、しごとセンター校に職業能力開発センターの新たな情報発信拠点を設け、東京しごとセンターの利用者等が気軽に訓練を体験できる取組を開始しております。
具体的には、実際の木造家屋を再現し、フローリングを貼る体験などができる設備を整備するほか、VRを用いたバーチャルによる溶接や、ロボットのプログラミングを体験できる機会を設けるなど、職業訓練の魅力を伝える取組を実施し、十月末までに約五百名の方に利用いただいております。
また、都内及び近隣県のハローワークの職員向けの施設見学や説明会を開催するほか、東京しごとセンターと連携し、工業高校の生徒の見学会を実施するなど、利用者の増加に向けた広報に取り組んでおります。
○かまた委員 都が積極的にPRをしてくださっていることが分かりました。
引き続き、この施設を多くの方々が利用しまして、自身のキャリアアップや新たな就業にチャレンジしていただくことを期待しまして、私の質問を終わります。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十五分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。事務事業質疑を行います。
まず初めに、賃上げについて質問したいと思います。
物価高騰が長期化する下で、例えば学生からは、毎日、夜ご飯は食べていないという声であったり、シングルマザーの子供は、三人に一人が二食以下となっております。高齢者の方は、薬を一回分を二回に分けて飲んでいるとか病院に行くのを控えるなど、今、都民の生活はさらに逼迫をしていると思います。
過去最高の都税収入を更新し続けている都の巨大な財政力を使って、物価高騰を上回る賃上げや暮らしの支援に全力を入れるべきであると冒頭申し述べておきたいと思います。
QRコード決済によるポイント還元キャンペーンが十二月十一日から十二月二十七日の十七日間で取り組まれることが、先日、発表されました。
そこで伺いますが、QR決済を活用したポイント還元のキャンペーンについて、改めてどういう目的で実施されるのか伺います。
○池野産業企画担当部長DX推進担当部長兼務 本キャンペーンは、経済に好転の兆しも表れている一方で物価高騰による都民生活への影響が長期化する中、賃上げと個人消費の拡大による経済の好循環に向け、都民の生活を支援するとともに、消費を下支えし経済を活性化するため、緊急的な取組として実施するものでございます。
○白石委員 経済の好循環をつくる上で必要なのは、賃上げと個人消費の拡大が要なんだと、こういう認識が示されました。その認識は非常に大事だと思います。
ポイント還元について、一言述べておきたいと思います。
ポイント還元は、キャンペーン期間内に最大で三万円使えば、三千円の、一〇%の還元を受けられる仕組みです。多く消費する人ほど大きな恩恵を受けるのが、この事業の最大の特徴であると思います。
逆にいえば、QRコード決済を利用できない、あるいは元手がなくてお金を使えない、こういう人は何の恩恵も受けられないということです。先ほどもいいましたが、最も支援しなければならない低所得者や生活が苦しい人などを取り残してしまいます。
物価高騰は、全ての都民に襲いかかっています。とりわけ、あしたの暮らしも逼迫しているような低所得者、貧困世帯の苦しみは一層深刻なものとなっており、都の支援を抜本的に手厚くするための予算を、来年度計上するよう強く求めておきたいと思います。
先ほどの答弁で、賃上げと個人消費の拡大が経済の好循環の要だと答弁されました。賃上げというのは一般論ではなくて、物価上昇を上回る賃上げこそが今求められております。
そこで伺いたいと思います。物価上昇を上回る賃上げの必要性と重要性について、都の認識を伺います。
○齋藤企画調整担当部長 都内経済の活性化を図り、職場で働く方が安心して生活できる環境を整えるため、物価上昇を上回る賃上げなどを後押しすることは必要でございます。
○白石委員 物価上昇を上回る賃上げが必要と基本認識が示されました。やっぱり認識がなければ、有効な対策を講じることはできません。物価上昇を上回る賃上げが必要との認識がなければ、経済を立て直す入口にすら立っていないということになりますので、今のご答弁は非常に大事な認識であると思います。
それから、物価上昇を上回る賃上げは、答弁の中で、職場で働く方が安心して生活できる環境を整える、だから必要なんだというふうなことも述べられました。
これ、もう少し踏み込んでいうと、安心して生活できる賃金とはどのくらい必要かと、これを明確にしなければならないと思います。そのためには、東京で生活するのにどのくらいの費用がかかるのかをやっぱり知る必要があると思います。
伺いたい。東京で生活するのに必要な費用はどのぐらいかかると考えているでしょうか。
○内田雇用就業部長 最低賃金の審議に当たり活用されている東京都における標準生計費は、令和六年四月においては、世帯人員が一人の場合、十四万三千二百四十円となっております。
○白石委員 今ご答弁されたように、東京都の一人世帯の標準的な生活に係る費用というのが、答弁あったとおり、十四万三千二百四十円であると。こういう答弁でした。
これ、内訳を見ると驚くんですね、居住関係費、この十四万三千二百四十円のうちの内訳で、居住関係費が何かというと五万四千百五十円なんです。これは家賃だけじゃないんです。光熱水道費、家具、家事用品も含まれた額、それで月五万四千百五十円。到底無理でしょうと私は思います。
東京の一人暮らしの平均家賃、エリアによっても違いはありますが、賃貸業者の情報を見ると、大体、都内平均というのは七万、八万となっております。それなのにですよ、居住関係費が五万四千円を標準としている。光熱費なども含めれば、もっと必要となることは誰だって分かると思います。要するに、実態と乖離しているというふうにいわざるを得ないと思います。
昨年の東京の一人世帯の標準生計費十四万三千七百八十円、先ほどの答弁、今年十四万三千二百四十円、マイナス五百四十円なんですね。下がっているんですね。これだけ物価高騰が続いているのに生計費が下がると。どう考えてもおかしいと思うんですね。
標準生計費が実態に即していないことが分かるのは、これだけじゃないんです。同じく昨年の三重県、標準生計費十七万百円。東京より三重県の方が生活に係る費用が高いと。ちょっと理解できない。
さらに付け加えれば、昨年の三重県は今いったように十七万円だったのが、今年どうか。何と九万一千五百七十円、半分ぐらいになっちゃうんですね。物価高騰でこれだけ苦しいといっているのに、一年間で生活にかかる費用が半分に減るなんて、そんなわけはない。
最低賃金法には何と書かれているか。最賃は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならないとしています。
労働者の生計費の資料として、各都道府県人事委員会が作成した、先ほどから答弁ありましたね、実態に全くそぐわない標準生計費が用いられて最賃が決められている。
何でこんなことが起きるのかと。やっぱりここの原因をちゃんと明らかにしなければならないと思います。それは何でか。簡単ですね、実態調査をやっていないからです。
お隣の埼玉県の労働組合連合会が調査した、二〇二四年埼玉県最低生計費試算調査というのがあります。
さいたま市に暮らす二十五歳の単身世帯の場合で、どういう結果か。二十七万円が必要と結果が出ています。東京はさらに生活にかかる費用が上がるということは、いうまでもありません。なので、標準生計費が実態に即していないというのは、やっぱり明白だと思うんですね。
これらの調査や実態を踏まえれば、私は、少なくとも最低賃金は時給で千五百円、すぐにでも引き上げなければならない課題であると強調しておきたいと思います。そのためにも、標準生計費でごまかすんじゃなくて、やっぱりここは都が独自で実態調査を行って、最低生計費を調べると。これ、必要最低限だと思うんですね。
先ほど埼玉の事例をいいましたけれども、ちょっと東京ではどうなんだろうといったときに、やっぱり東京都の力をもってしてしっかり実態調査をやって、東京で住むに当たっては、例えば一人世帯、二人世帯、三人世帯、四人世帯、それぞれのところで実態調査をちゃんとやって、どのぐらいかかるのかと。
これがなければ、先ほど答弁で、安心して暮らしていける、そういう労働者の環境をつくらなきゃいけないんだと、このように答弁されていましたけれども、その基準が分からないわけですから、やっぱりこの最低生計費、しっかりと都として行うと。独自でちゃんと調査を行うと。これを強く求めたい。
こういう調査をしっかりやって、結果が出て、それをやっぱり国などにいえば、それはやっぱり国だって、最低賃金の問題、今までの標準生計費では乖離しているというふうなことも明らかになりますし、最賃法との関係だって、やはり重要な調査であると。その力を東京都は持っているのですから、やるべきだと思います。
質問を進めます。
物価上昇を上回る賃上げをやっぱり本気で行うには、抜本的な中小企業支援とセットで行わなければならないと。やっぱりここが鍵なんだというふうに思います。
そこでお聞きしたいんですが、都は、中小企業でも賃上げができるように支援事業を行っていると思いますが、その認識と取組を伺いたいと思います。
○福田商工部長 中小企業が事業を成長させ、賃金を引き上げるためには、その原資となる収益を確保できるよう生産性を高めることが重要でございます。
そのため都は、中小企業がデジタル機器や最新の設備等を導入し、業務の効率化などを図り、その成果を賃上げにつなげる計画を策定した場合に助成率を引き上げる支援を行っております。
○白石委員 設備投資に支援することは、否定することではないと思います。ですが、多くの中小企業は、コロナと物価高騰の長期化などで、やっぱり経営の体力が奪われているということは部長も分かると思います。
例えば、車で例えれば、今、燃料を使い果たす寸前の状態である。やっぱりそんなときに新しい最新のパーツを幾らつけても、課題は一向に解決しないと思うんですね。だから、国や都が中小企業を強力に支援して、燃料を投入すると。これがまず大事なんだと。
やっぱり対策を間違えれば、幾らやったって、今のこの状況、本当に真の支援にならない、効果的な有効的な支援にならないと。ここをしっかりと見なきゃいけないと。商工部として、もっと直接的な中小企業の賃上げ支援、私、踏み出していただきたいと思うんです。
先ほどもいいましたが、例えばデジタルだったりとか、それから設備投資、これをやったところにしっかり支援すると、プラス賃上げもセットでというふうなのは、それは大事だと思います。否定はしません。
ただ、今の中小企業の経営状況、置かれている実態を正面から見れば、やはりそれだけでは抜本的な支援とはいえないというふうに思うんですね。そういうふうなところ、観点からも、やっぱり直接的な賃上げという支援に踏み出していただきたいと思います。
生産性についても、一言述べておきたいと思います。
先ほどの答弁は、賃上げをするには、要するにそれぞれの中小企業が生産性を上げて、収益が上がるように確保して、そうすれば、それが原資になって賃上げをしますよと。こういうロジックです。
賃上げをまず行うことで働く人の意欲が向上して、生産性を引き上げる効果があると。要するに、生産性を上げて収益を上げてからじゃないと賃上げではなくて、まず賃上げから、これをやることによって、むしろ生産性が引き上がる効果があるんじゃないかと私は思うんですね。
例えば、厚生労働省、令和五年版労働経済の分析では、賃金の引上げは、企業の人材の確保や生産性向上の後押しをすると述べております。さらに、雇用した人材へ投資をし、能力向上を図って企業の生産性を向上させ、それをさらなる賃上げにつなげると。こうした好循環を築き上げることで、持続的な賃上げを実現していくことが重要なんだと、このように記されているんですね。
つまり簡単にいえば、賃上げが生産性の向上となると。これ、私だけがいっているわけじゃなくて、やっぱりそういうふうな知見というのは既に出ていますと。
こういうふうな観点から見ても、じゃ、賃上げをどうするんだと。中小企業の皆さん、小規模企業の皆さん、商店の皆さん、やっぱり今のこの現状で、上げたくても上げられないと。こういうふうな悲鳴が上がっております。
やっぱり、ここで東京都が出番でしょうと。しっかりと直接的な支援をしていただきたいと。しかも、中小企業・小規模企業振興条例を所管する産労局ですから、それにふさわしい中小企業への賃上げ支援を、強力にさらに行うことを求めたいと。
さらに、よく私たちはいうんですけど、雇用・就業対策審議会とかを持っているわけですから、だけど、ずっと動いていないわけですね、審議会が。やっぱりそういうところもしっかりと諮問して、例えば調査をしてもらって、今どういう支援が大事なのかとか、中小企業の審議会もあると思いますので、しっかりとそういうところをやってほしいと思います。
ただ、私がこういうと、産労局は何もやっていないんじゃないかみたいな印象を与えるかもしれませんが、そんなことはないと。ちゃんとやっていますと。
賃上げした中小企業に直接支援する制度を、大事な取組を実施しています。それが、例えばエンゲージメント向上に向けた職場環境づくりの推進事業だと思います。
初めに、この事業の内容を説明していただきたいと思います。
○内田雇用就業部長 都は、働き方のルールを改善し、勤務の仕組みなどを見直すとともに賃金の引上げを行う事業者に対し、専門家の派遣と奨励金の支給を行っております。
○白石委員 この制度は、賃上げや子育て支援勤務制度など、十五項目のメニューから二つ以上実施することが条件とされております。
賃上げメニューでは、時給三十円以上の賃上げをする中小企業に対して、労働者一人当たり六万円ですかね、最大十人分の六十万円が奨励金として受けられるとしておりますね。
続いて、伺いたいと思います。
この事業は何社を対象としているのか、積算根拠も併せて説明をしていただきたいと思います。
○内田雇用就業部長 本事業は、中小企業のニーズを踏まえて適切な規模を計上し、必要な支援を実施しているものでございます。
今年度は、各回百四十社、十回の募集を行うこととしてございまして、合計千四百社の支援を予定しております。
○白石委員 今ご答弁で、ニーズを踏まえて規模を設定していると。こういう答弁でした。
では、これまでに応募は何社あったか伺います。
○内田雇用就業部長 今年度は、九月末までに五回の募集を行いまして、予定社数七百社に対して延べ約二千三百社が事前募集に申し込んでおります。
○白石委員 百四十社の枠に、三倍を超える二千三百社が応募してきています。
事前に昨年度の実績も伺いましたけれども、昨年度の一年間、今は十回中五回しかやっていませんのでこういう数字ですけど、昨年度の一年間でいきますと、トータルで百四十の十回、じゃない、ごめんなさい、事前で伺ったときに、昨年度の枠というのは千二百社なんです。千四百社か。千二百社だね、すみません。それに対して、五倍近い五千六百九十五社の応募があったと。このようにしております。五千社を上回る中小企業が賃上げや子育て支援などをすると意欲を持って応募しているわけですから、それだけニーズがあるということだと思います。
ニーズを踏まえるのであれば、枠をもっと広げるとともに、奨励金をもっと、やっぱり額も引き上げる。手続を簡素化するなどして、制度のさらなる改善も私は図るべきだというふうに思います。
事前に聞いたときに、やっぱり数千社が集まってきますけれども、最後にたどり着くのはごく一部になってしまうと。でも、そもそもこの二つ、十五のメニューで、うちはこれをやるんだというふうにいって応募をしてきているわけですから、それだけの意欲を持っている企業たち、中小企業の人たちだと。それがごく一部しかたどり着かないというのは、やっぱりどこかに原因があるでしょうと。これはしっかりと見る必要があると。
例えば手続の煩雑さ、都庁に何回も行かなきゃいけないとか、いろんなところでやっぱりあると思うんですね。それはさらなる改善をして、手続を簡素化するとか、さらに、額についても引き上げていくとか、そういう拡充が私は必要だと思うんですね。
エンゲージメント向上に向けた職場環境づくり推進事業や正規雇用等転換安定化支援事業など、賃上げのための直接的な支援、そういう中小企業を対象とした賃上げ支援を拡充するべきだと、このように思いますがいかがでしょうか。
○内田雇用就業部長 今後も現場の声を聞くなど中小企業のニーズを踏まえて適切な規模を計上し、必要な支援を実施してまいります。
○白石委員 今ご答弁で、今後も現場の声を聞くなど中小企業のニーズを踏まえて適切な規模を計上していくんだというふうなこと、とりわけやっぱり現場の声を聞いて、制度の改善も含めて、拡充をやっぱりお願いしたいと思います。
ここで皆さんに参考にしてもらいたいのは、岩手県の取組です。
岩手県では、昨年の第四回定例会の補正予算で、中小企業への直接支援である物価高騰対策賃上げ支援金制度というのをつくりました。事業の目的は、物価高騰を上回る賃上げを行えるよう中小企業を支援するというものです。
スキームはどうかといいますと、時給五十円以上の賃上げをした中小企業に対して、従業員一人当たり、これは五万円なんですね、支給をすると。ただ、最大で二十人分、百万円補助がつきます。一人当たりの金額というのは東京より一万円低いんですけれども、最大人数や総額、これは都よりも岩手県の方が多くなっていると思います。
岩手県の方にも確認をいたしました。制度は、県内事業者に喜ばれていると。申込みも、当初、何と二千社を想定していた。ところが、申込みは二千五百社を超えているということです。その七〇%、七割以上が、従業員二十人以下の中小、小規模企業であると、このように伺いました。
私がさらに大事だなと思ったのは、賃上げを単独の事業というふうにしていると。先ほど、東京都というのは、賃上げと、さらにもう一つ以上やらなければ、抱き合わせでやらなければいけないという支援事業なんですね。そういう点で見れば、ダイレクトに賃上げの直接支援事業かというと、そうじゃない。
岩手県では、これを単独として、賃上げだけでのメニューでやっているわけですね。この岩手県の取組なんかも参考にして、岩手県にできて東京都ではできないというような、やっぱりならないと思います。
都として単独の賃上げ支援事業を行うことも要望して、このテーマでの質問を終わりたいと思います。
次に、都庁のプロジェクションマッピングについて質問をいたします。
都庁舎などに映像を映すプロジェクションマッピング事業に、二年間で四十八億円もの都民の税金を使うことに、都民から、無駄遣いであるとか、こういう声が上がるなど批判が相次ぎました。しかも、都庁のプロジェクションマッピングの実行委員会の委員は、東京都、新宿区、観光財団、三人だけですね。
事業の委託先は、都の入札制度、入札契約制度を適用することなく異例の早さで決定したということも、この間、明らかにしてきました。決定した事業者は、五輪談合で指名停止中の電通が一〇〇%出資する電通ライブ、選んだ側の東京都観光財団にも電通が入っていたと。
極めて不透明である。これを、これまでも私たち、明らかにしながら指摘をしてきました。十一月一日、都庁のプロジェクションマッピングで企業などの広告を投影することを発表いたしました。なぜ企業の広告を都庁舎で映す必要があるのか、一体何のためにやるのかなど、一つ一つ確認をしていきたいと思います。
初めに、広告を投影することは誰と誰が決めたのか、都庁のプロジェクションマッピングに企業広告を投影することは、誰かの許可または承認、了承などを受ける必要があるのか伺いたい。
あわせて、受けたのであればどこから受けたのか、具体的にご説明いただきたいと思います。
○江村観光部長 広告の投影は、都と実行委員会との協定書に基づき、これまで実施してきた都庁舎でのプロジェクションマッピング事業の一環として行うものであり、実行委員会から屋外広告物の所管行政庁である新宿区に広告の投影について申請し、その許可を受けて実施するものでございます。
○白石委員 誰と誰が決めたのかというところ、まだすっきりしないと思います。
ただ、今の答弁でいわれたのは、新宿区に広告の投影について申請をして、許可を受けたと。
改めて伺いたいんですけど、こういう許可とか、そういうものというのは、新宿区以外はないということでよろしいでしょうか。
○江村観光部長 今回の広告の投影に当たりまして手続を行ったということにつきましては、屋外広告物関係の新宿区に対する許可申請のみでございます。
○白石委員 新宿区だけであるということですね。
都庁舎を管理しているのは財務局だと思うんですね。財務局に許可や承認を得たことはあるか、どうでしょうか。
○江村観光部長 広告の投影は、これまで行ってきた都庁舎のプロジェクションマッピング事業の一環として実施するものであり、広告の投影に限った許可や承認は得ておりません。
○白石委員 庁舎管理の財務局に対して許可や承認を求めたり受けたことはないと、こういうことを確認させていただきました。
次に、都庁舎におけるプロジェクションマッピングで企業からの広告を募集すると、このようにしましたが、まず、やっぱりどういう理由で行うのか、実施する主体、これは誰なのか伺いたいと思います。
○江村観光部長 これまで約三十九万人の観覧者が訪れた高い集客力と、ギネス世界記録に認定されている世界最大の投影面を生かして、さらなる民間の経済活動の活性化につなげるため、広告の募集を開始いたしました。広告の募集は、実行委員会が行います。
○白石委員 まず、今の答弁ではっきりしたのが、実施主体、これは東京都とは別の団体、東京プロジェクションマッピング実行委員会ですね。
企業の広告を都庁舎に投影する目的というのは何かというと、今の答弁では、民間の経済活動の活性化であると。こういうことだと思いますね、答弁は。目的は必ずしも一つではない、限らないと思うんですね。目的は何個かあるか、あるとも分からないと。今、一つはいわれました。
都民から、税金の無駄遣いとか税金の使い方を間違っているなどの批判を強く受けているから、だから、この広告収入をプロジェクションマッピングの費用に充てて軽減を図ると。これも目的の一つではないのかと。いかがでしょうか。
○江村観光部長 先ほど答弁いたしましたとおり、都庁舎におけるプロジェクションマッピングで広告を投影する理由につきましては、これまでに約三十九万人の観覧者が訪れた高い集客力と、ギネス世界記録に認定されている世界最大の投影面を生かして、さらなる民間の経済活動の活性化につなげるため、広告の募集を開始したものでございます。
○白石委員 さっきの答弁を繰り返したということです。民間の経済活動の活性化につなげることが、今回の、広告を都庁舎に映す、投影する、それが目的なんだと。要するに、運営経費の軽減、これは目的ではないということだということですね、今聞きましたけれども。
それでは聞きますが、広告収入は何に使われるのか、お答えいただきたいと思います。
○江村観光部長 広告収入につきましては、プロジェクションマッピングの運営経費に充当できることとしておりまして、事業年度終了時に残余が生じた場合は、都に返還することとしております。
○白石委員 つまり広告収入の使い道というのは、プロジェクションマッピングの運営経費っていうことなんですよ、今の答弁ね。
余ったお金は都に返還するというふうな答弁もありました。これ、返還先というのは、要するに一般会計という理解でよろしいでしょうか。
○江村観光部長 そのように認識してございます。
○白石委員 都庁のプロジェクションマッピングの運営経費などは、全て一般会計から支出を、皆さんもご承知のとおりされております。余ったお金はそこに戻すということですね。
つまり広告収入の使い道というのは都庁のプロジェクションマッピング運営経費で、余ったお金は一般会計に戻しますと。誰がどう見ても、広告料金を取ることは運営費の軽減につなげるためなんだと。だから、そうなんだから、なぜそこまでひた隠しにするのかと理解に苦しむわけです。だって、広告収入を得たものは運営経費に行くわけですね。運営経費に充てて、当初予算で入ったその部分が、広告収入で運営経費が軽減されれば、その分は一般会計に戻すという話ですから。
まさに、この広告収入を得るというのは運営経費の軽減につなげると。誰がどう見たって思うわけですね。だけど、それをいわない。いえないのか、いわないのかはよく分かりませんが。税金の無駄遣いという都民の批判をかわすための対応だと認めたくないんだというふうにしか、ちょっと思えないと思います。
じゃあ聞きます。広告収入はどのぐらいを見込んでいるんでしょうか。
○江村観光部長 多くの企業等にご活用いただくことによりまして、民間の経済活動の活性化につなげていくこととしております。
○白石委員 私は広告収入の見込みを聞いたんです。ちょっと意味不明な答弁なんです。広告収入の見込みを聞いたんです。
広告収入はどう見込んでいますか。いかがでしょうか。
○江村観光部長 広告の収入につきましては、多くの企業等にご活用いただくことによりまして、民間の経済活動の活性化につなげていくこととしてございます。
○白石委員 皆さん、これ、意味不明だと思うんです。広告の収入をどのように見込んでいるんですかと聞いたけれども、答弁は、多くの企業等にご活用いただくことにより、民間の経済活動の活性化につなげていく。会話が成立していないわけですよ。
見込んでいないんだったら、見込んでおりませんといえばいいお話なんですね。会話が成り立たなきゃ、質問なんかできないわけですから。
広告収入を得る取組をしようと決めたのに、収入の見込みは考えないと。収入をどのぐらい見込んで、その収入を何にどのぐらい使うかというのは、事業を始める前に検討して、例えば事業計画を立てるなんていうのは常識じゃないですか。やることは決めます、そして、そのやる料金も決めます、だけど収入は見込みません、その収入を得て何に使うかもはっきりしません。だから、本当に極めてお粗末だといいたいと。
確認したいんですけれども、広告の募集に関して、都庁舎に広告を投影すると。この事業、新たに都庁のプロジェクションマッピング事業で、もうやろうというふうになったと。じゃあ広告の募集に関して、この実行委員会はどのぐらい開かれたのか伺います。
○江村観光部長 広告の募集の際に実行委員会は開催しておりませんが、実行委員会の委員との間では、広告の募集に関する様々な情報について、その共有や意見交換を適切に行っております。
○白石委員 びっくりでしょう。新たな事業をやるのに、実行委員会は一度も開かれていないということなんです。まさに見た目だけの実行委員会といわざるを得ないでしょう。
様々な情報について共有しているともおっしゃられました。実行委員会の委員に対して説明などを行った資料については、見せていただけるでしょうか。
○江村観光部長 先ほどのご質問で、広告の募集に際しては実行委員会は開催してございませんけれども、今年度の協定書及び収支予算におきまして協賛金の収入が可能となっておりまして、これらを実行委員会で議決しております。
その上で、実行委員会の委員との間では、広告の同意に関する様々な情報について、その共有や意見交換を適切に行っているところでございます。
また、ただいまのご質問でございますけれども、実行委員会の委員に対する説明の資料につきましては、実行委員会が、都のルールに準じまして情報提供等の対応を進めることとなります。
○白石委員 まずね、協定書を結ぶときに議決しているんだとかというふうにいうんですけれども、それは三月の時点の話でしょう。
そこのときに、例えば大きなガイドラインが協定書には入っていましたと多分いいたいんだと思うんです。こういうことをやることも想定の中に入っていたんですという、そういう言い訳じみた、今、答弁なんですけれども、だけれども、そのときには全く具体的でもないものを、新たに都庁舎に映す企業の広告を、これを新たに立ち上げようと、そして広告収入も得ようと、企業のPRにもしてもらおうと、こういったときに、実行委員会を一度開かないで決まっていく組織なんですかということなんです。
前に議決を、協定書のところだけを議決したから、あとはもう何でもいいんだ、フリーハンドでできちゃうんだなんていう、組織のていをなしていない。まさに見た目の実行委員会、見た目だけの実行委員会であるといいたい。
次の質問で、私、資料をしっかりと提示してほしい、見せてほしいというふうにお願いをいたしました。実行委員会が、都のルールに準じて情報提供などの対応を進めていくというふうなご答弁だったと思います。
実行委員会でのやり取りや資料などを、早急にやっぱり提示していただきたいと思います。やはり議会ですから、これがどういう過程で決定をされていったのかとか、なぜ広告をやろうと思ったのかとか、そういう検討経過も含めて知るには、まさに根拠がなければ誰もチェックできないわけですから、ある資料はしっかりと早急に提示をしていただきたいということを改めて要望しておきます。
次に、広告収入はどこに入って、誰が管理するのでしょうか。
○江村観光部長 実行委員会が広告を募集しまして、広告料を収受いたします。
○白石委員 皆さん、要するに、このプロジェクションマッピングの、都庁舎で企業の広告をやろうと。だけど、一回も開かれていない実行委員会が広告を募集すると。そして、この実行委員会が広告の収入を得て、使うのも実行委員会、管理するのも、要するに東京都ではない、別の団体である実行委員会がやるんだと。
これ、議会もそうですし、都民が聞いても不安しかないわけですよね。だって、まともに機能していないんですから、この組織。一度も開かれていないんですから。だから、これまでのを一旦まとめて、端的にいうと、要するに都民の税金を使ってプロジェクションマッピングを都庁舎で行い、それを、広告料を支払った企業の利益を増やすことを目的に、都民の共有財産である都庁舎を使用するということなんです、これ。
やっぱりこういうふうに見ても、一回も実行委員会も開かれていないわけでしょう。本当に、これ、これからやっぱり厳しくチェックしていかなければいけないと。ただ、今はほとんど情報がないというか、資料もないというふうな中なので、やっぱりしっかりと、まずは資料、情報提供を求めていきたいと。
質問を進めます。
投影する広告の内容は誰が審査をするのか、また、審査基準についても具体的に伺いたいと思います。
○江村観光部長 表示する広告の内容の審査につきましては、実行委員会の委員に加えまして、屋外広告物や景観に関する深い知見を有する専門家や、地域団体の関係者から成る審査会が行う予定としております。
広告表示に関する基本方針として、法令及び業界の自主基準等を遵守していることや、公共空間に表示する広告にふさわしい内容であることなどの事項を定めており、こうした観点から審査を行うこととしております。
○白石委員 実行委員会だけでなく、有識者なども入れて審査を行うということですね。
都庁のプロジェクションマッピングは、曲がりなりにもクリエーターが手がけた作品を国内外の人に見てもらって、私がいうのもなんですけれども、観光資源として行うと。これが皆さんの説明でしたね、これまで。
今回の広告の投影時間、作品を上映する前の五分間としております。要するに、プロジェクションマッピングの作品が始まる五分前からCMが流れて、そして本編というか、作品が流れていく。こういうことだというふうに思います。
全作品の上映時間を調べて、平均時間を出してみました。
一作品平均約四分、一つの作品ね。例えば十一月五日から始まった新しいゴジラ、これ、時間は四分二秒です。一つの作品より広告の方が長くなるんです。これは疑問を感じざるを得ないと思います。全部合わせて十五分ですよ。でも一作品の平均で行くと、私、全部調べましたけど、約四分。この五分間というのは、一企業が五分間やりたいといったらできるわけです。五分間やっちゃ駄目というルールはないですからね。
だから、本当にそういった意味では、一作品よりも長い、一つのメーカーや企業が広告を打てると。一体どっちを見に来ているんだと私なんかは思っちゃうかなと思います。
都庁のプロジェクションマッピングに、これまでに約三十九万人の観覧者が訪れた高い集客力だと誇って答弁されましたが、月別の観覧者数で、例えば九月、資料要求で入っていますが、後で見ていただければと思いますけれども、見ると、延べ三万一千九百九十人となっております。
一日当たりで単純に計算すれば、約千人、千六十六人かな。約千人だと。九月の上映回数というのは七回となっております。一回当たりでは延べ約百五十人です。毎回、人が入れ替わるわけじゃないですから延べ人数です。
何か三十九万人というと、おおっと思いますけれども、例えば九月を見て、一か月、そして一日当たりはどうなのか、一回当たりどうなのかとやっていくと、大体百五十人ぐらいだと。その程度のものです。
都庁のプロジェクションマッピングに企業の広告を投影することは、経済の活性化を目的としていると、かたくなに、先ほども何回か聞きましたけれども、説明をしております。
しかし、先ほどの賃上げの質問のときに、産労局は、経済の好循環で必要なのは賃上げと個人消費の拡大だと、物価上昇を上回る賃上げが必要と、このように答弁いたしました。
だったら、なおさら、広告収入を得てまでも続けようとするプロジェクションマッピングよりも、物価高騰で苦しむ中小企業を直接支援する事業や、最低賃金の引上げのために実態調査を都として行う費用、ここにこそ税金を使うべきだと。
やっぱり光を当てるところが違うと、このことを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○西崎委員 よろしくお願いいたします。
私からは、大きく二つのテーマについて伺ってまいります。
まず初めに、花粉症対策について伺います。私もひどい花粉症持ちでして、今、東京都でも二人に一人が花粉症といわれ、また、生産性の低下による経済損失は一日当たり二千億円を超えるという、こういう試算も出されているところでありますけれども、東京都では、二〇〇五年に花粉症対策本部を設置して議論や対策を続けてきたということで、この都議会でも、これまで様々な議論があったということも承知をしております。
そこでまず、産業労働局における花粉症対策の取組について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、花粉を多く飛散させる杉、ヒノキ林等の伐採と花粉の少ない杉等の苗木の植栽を進めております。
また、伐採した木材の利用を進めるほか、花粉の少ない杉等の育成の研究などに取り組み、森林の循環を促進してございます。
○西崎委員 様々な中で、主なところで花粉の少ない杉等への植え替えというものがこれまで行われてきたと理解しておりますけれども、近年、花粉を出さない杉の開発が進んだということも発表されているわけでありますけれども、いわゆる無花粉杉ですね。この開発に至る経緯について少しお聞かせください。
○榎園農林水産部長 都は、花粉症対策事業を開始した翌年度の平成十九年度から、多摩地域の山林の生育環境に適した優良な無花粉杉の開発に取り組んでございます。
これまで、東京産の杉と無花粉遺伝子を持った杉の交配、育成、評価のサイクルを繰り返しまして、令和二年から五年にかけて、成長や材質の優れた無花粉杉を四品種開発しました。
引き続き、森林の持続可能性を維持する遺伝的多様性を確保するため、さらなる品種の開発を進めてまいります。
○西崎委員 いわゆる品種改良というんですかね、相当長い期間苦労が必要だというふうに聞いておりますけれども、近年、ようやく四種類の無花粉杉が開発されたということでございます。これ、さらなる開発も進められているというようなご答弁だったかと思います。
もちろん、開発した無花粉杉をどうしていくのかというと、当然、これをどんどん植えていきたいというわけでありますけれども、その前段階として、今回、生産事業化に向けて住友林業株式会社と協定を結んだということでありますけれども、その協定の内容について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、開発した無花粉杉を大量に増殖するため、令和六年七月二十三日に住友林業株式会社と協定を締結しました。
具体的には、東京都は、都が有する無花粉杉の実を本事業者に提供いたします。事業者は、自社のノウハウを活用して杉の細胞を増殖し、苗木をつくり、都内生産者と協力して、育成、生産に取り組むものでございます。
これにより、令和十二年頃には、年間で十万本の苗木を生産する体制を構築することとしてございます。
○西崎委員 今年、協定が締結されたということで、今後の見込みとして、令和十二年、だから二〇三〇年頃に、年間で十万本の生産体制の構築を目指すということで、やっぱり時間がかかるんだなと思うところでありますけれども、ぜひ、これは個人的にも頑張ってほしいと思っております。
これが都内生産者に渡って、植え替えをしていくということが期待されるわけでありますけれども、これも、じゃあ簡単にいく話かというと、そうではないかと思いますが、苗木を生産する体制を構築するわけですが、その後の植え替えについて、どういう課題があるのかを伺います。
○榎園農林水産部長 植え替えに伴う課題としましては、現場が急斜面であり、危険な作業を伴うとともに、多くの労働力を必要とすることでございます。
具体的には、伐採後の急斜面の現場に残った枝の片づけや、苗木の新芽を食べる鹿の食害対策のための養生、夏場の下草刈りなどが挙げられます。
○西崎委員 様々な現場としての課題もあって、今日もいろいろなところで出ておりますけれども、今、本当にどこも人手不足という中で、担い手の課題というものもあるのかなと思っております。
今回、その協定を締結して、どんどんどんどん生産をしていって、さらに植え替えを進めていくという方向に向かっていくかと思いますけれども、こうした無花粉杉の取組も含めて、花粉症対策、ぜひ頑張っていただきたいということを申し上げておきます。
次のテーマに入ります。
ここからは、ALL JAPAN & TOKYOプロジェクトについて伺ってまいります。
これ、副題、サブタイトルが、日本各地と東京、オールジャパンで取り組む産業振興施策というものでございまして、これに位置づけられる事業というのは多岐にわたっておりまして、例えば、ちょうど来週の火曜日、十二日から始まる能登の写真展、これは松任谷由実さんらが呼びかけて、東京でやった後に金沢に会場を移すという、能登の復興と交流促進に向けた企画でありますけれども、これも本プロジェクトの施策として行われるということで、それで私もなるほどなということを思ったところでございますが、初めに、このALL JAPAN & TOKYOプロジェクトの目的と概要について伺います。
○齋藤企画調整担当部長 都は、日本各地と東京がそれぞれの魅力を高め、互いに協力し合うことで共に成長することを目指し、他自治体の意見も踏まえた、日本各地との連携による中小企業の受注拡大や農林水産物のPR、観光の振興などの産業振興施策を取りまとめ、平成二十七年度からALL JAPAN & TOKYOプロジェクトとして公表しております。
○西崎委員 これも平成二十七年度、だから二〇一五年度からプロジェクトとしてまとめられているというものでございます。
二〇一五年に公表された最初の資料を見ますと、東京都の考え方というところで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、東京のみならず日本全国の様々な魅力を世界に示す絶好の機会。日本各地で、この機会を活かし、経済活性化を実現することが、我が国の産業振興を図る上で極めて重要と、こういう記載があるところでございます。
二〇二〇大会の東京開催が決定したのは二〇一三年でありまして、これを契機にまとめられたものであると理解をするところでありますけれども、一方で、もういうまでもなく、オリンピック・パラリンピック東京二〇二〇大会が終わった今でもなお、このプロジェクトというものは取組が続けられて、公表は続けられているというものでございます。
そこで、この二〇二〇大会を経てもなお、これを継続している理由についてお聞かせください。
○齋藤企画調整担当部長 本プロジェクトは、日本各地と東京がそれぞれの魅力を高め、互いに協力し合うことで共に成長することを目指しております。
こうした考えの下、引き続きプロジェクトを実施しております。
○西崎委員 今、お答えの中にもありましたけれども、これ、毎年実績の報告がなされておりまして、七月に公表された最新のプロジェクト実績報告におきましても、日本各地と東京が共に栄え、成長することが必要と示されていて、これが今でも続いているということでございます。
これ、今後どういう形になっていくのかということは私も分かりませんけれども、そうした、今申し上げたような東京都の考え方に鑑みると、多分終わりがないぐらい相当の長期にわたって続いていくものになるのではないのかなということを推察するわけでございます。
なぜ、今回、今日この事務事業質疑で、このALL JAPAN & TOKYOプロジェクトを取り上げたかというと、やはり昨今の東京一極集中に対する批判というのが目に余ると私自身も思っています。
私もかつて区議会議員をやっておりまして、その当時から、この流れが加速度的に高まっていくということを目の当たりにしてきましたけれども、税源の偏在是正といって、特に東京都であったり都内自治体からの財源の収奪というのは、とても看過できないと思っています。
しかも、それらが事実に基づく合理的な主張であったり措置であるのかが全く疑わしい中で、はっきりいって多勢に無勢という状況でこれが続けられてきていることに、非常に強い危機感を持っています。
そこで、本来は、地方の発展、全国各地の発展というのは国が責任を持ってやるべき話だとは思いますけれども、東京都として地方との共栄を図るこのプロジェクトについて確認したいということで、今日はお伺いしたいと思います。
ここからは、プロジェクトに位置づけられた事業の中身について少し伺ってまいります。
まず、産業振興に関連してです。
都は、全国の中小企業の受発注取引を活性化するということを目指して、二〇二二年から中小企業受注拡大プロジェクトを展開しています。
これは東京都と都内の関係団体が連携をして行っているものでありますけれども、都内に限らず、全国の中小企業を対象にしているということでございます。
当然、この取組は、その対象である都だけでなく、全国の中小企業に知られなければ活用されないということでありますけれども、これをどのように周知をしているのか伺います。
○福田商工部長 都は、中小企業の受注機会の拡大や販路開拓を支援するため、受発注マッチングサイトの運営や展示会出展支援等を実施しております。
これらの活用を促すため、都内の経済団体と連携し、その会員企業に対して、広報誌やセミナー等を活用した周知を行うとともに、全国の地域ごとにコーディネーターを配置し、企業巡回を行うことなどにより利用を促しております。
○西崎委員 それぞれ各地にコーディネーターも置いて、企業巡回などもやっているということでございます。
今のお答えにもありましたように、受発注マッチングサイトの運営や展示会出展支援などが、この中小企業受注拡大プロジェクトの主な中身となっているということであります。
マッチングサイトの方は、二〇一六年に立ち上げられたビジネスチャンス・ナビであるかと思いますけれども、これは全国の中小企業も対象にして、官民の入札、調達情報を集めて提供しているというものでございます。
じゃ、これが実際に全国の中小企業の受注機会につながっているんでしょうか、見解を伺います。
○福田商工部長 ビジネスチャンス・ナビは、官民の入札や調達情報を一元的に集約した受発注取引マッチングサイトであり、平成二十八年度の開設以来、全国の企業に活用されております。
令和五年度末時点で、都外企業約九千社を含む四万七千百八十三社の企業が登録しており、これまで二万一千件を超える受注機会を創出いたしました。
○西崎委員 登録企業が四万七千社余りというところで、都外の企業が約九千社ということですので、別に基準があるわけじゃないんですけれども、結構な割合があるんだなという印象を受けました。
いわゆる受注機会の創出として、二万一千件以上という、今お答えもありましたけれども、これは都内なのか都外なのかが把握できているのか、できていないのかあれですけど、この辺りの見える化をしていくということも、一つ重要じゃないかなということは申し上げておきたいと思います。
次に、先ほどのもう一つの方、展示会出展支援、これは東京ビジネスフロンティアが相当するのではないかと思いますけれども、これは都内だけでなく、やはり全国の中小企業を対象に、共同出展を通じて販路拡大などをサポートするものだと認識をしております。
本プロジェクトの──本というのはALL JAPAN & TOKYOの方ですね、プロジェクトの報告を見ると、八十社の出展を支援したという記載がありますけれども、このうち東京以外の企業はどのぐらい含まれるのでしょうか伺います。
○福田商工部長 中小企業の製品やサービス等を共同出展形式で展示する東京ビジネスフロンティアでは、昨年度、四つの展示会に出展し、販路開拓等を支援いたしました。
出展者八十社のうち、都外企業は二十一社でございました。
○西崎委員 これも、もちろんいうまでもなく、東京都、そして都内団体が連携して実施をしているという取組でありますけれども、ここで支援をして出展をした八十社のうち、二十一社、大体四分の一ぐらいが都外の企業であるというのは、これも別に基準があるわけではありませんが、結構な割合なのかなと受け止めました。
続けて伺いますけれども、ほかにも国内最大級の中小企業の見本市である産業交流展に全国ゾーンを設けて、全国の中小企業の技術の展示であったり事例紹介を行う取組であるとか、また、逆に日本各地の商談会などで都内中小企業と全国のマッチングを図っているという取組をしているとお聞きしておりますけれども、こういった取組を通じて、実際にどのぐらい商談につなげられているのか、その成果についてお聞かせください。
○福田商工部長 都では、優れた技術や製品などを有する全国の中小企業等が新たな受注を獲得できるよう、産業交流展における全国ゾーンや、日本各地において商談会を行っております。
昨年度は、これらにより、都外企業について一千八十六件の商談がございました。
○西崎委員 ありがとうございます。
昨年度で、都外企業について千八十六件ということです。それらの商談がぜひ成立していってほしいなと思うところでありますけれども、繰り返しになりますが、東京都の取組において、全国の中小企業をつなげているということかと思います。
さらに、この分野では最後になりますが、NEXs Tokyoについて少し伺いますが、これはスタートアップ支援ということでもありますけれども、やはり全国各地での事業展開であったり、もしくは事業連携を創出することで、そうした日本各地の発展にも寄与するものであると理解しておりますけれども、このNEXs Tokyoにおいて、東京と地方の共存共栄という観点から、どのような成果が上がっているのか伺います。
○福田商工部長 都は、東京と全国各地との垣根を越えた連携により、スタートアップのさらなる成長に向けた支援を行っております。
具体的には、九月末現在で、都内外のスタートアップや連携に関心を持つ全国の自治体など合わせて一千を超える団体等が登録しており、令和二年度からこれまでに一千八百件を超えるマッチングを実施いたしました。
○西崎委員 これまで一千八百件を超えるマッチングということで、本来はその中身も様々伺いたいところでありますけれども、今日は時間の関係もありますので、そこは割愛をいたしますけれども、スタートアップに限りませんが、いわゆる地方創生の取組を様々見ていても、思いもよらない場所で、思いもよらない形で事業が成功するという事例もやはりあるように思いますので、そうした取組がここから出てくることを期待したいと思います。
次に、分野を変えて、農林水産の分野から少し伺いますけれども、日本各地の農林水産物の販路拡大や魅力の発信のために、JAアグリパークを活用した取組を行っていると報告書の中でお示しをされておりますけれども、ここでのPRイベント等の取組状況についてお聞かせください。
○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、東京をはじめ全国各地の農林水産物の認知度向上や消費拡大を図るため、新宿駅前にあるJA東京アグリパークにおけるイベントの開催などに係る費用を支援しております。
今年度は、十月末までに各地の野菜等を販売するマルシェなどのイベントが三十一回開催され、約七万人の来場者がございました。
○西崎委員 様々なマルシェ等のイベントで七万人の来場者ということでありますけれども、これ、私もちょっとホームページを見たら、本当に毎週のように、もちろん東京に関するイベントもやるんですけれども、全国に関するものもやって、そうした全国の農産物についてアピールをしている、ないしは実際に販売をしているというところかと思います。
続けて、この農林水産関係からトウキョウXについてお聞きしようと思ったんですが、さきの委員からもございましたので、ここでは割愛いたしますが、いわゆるトウキョウXは、やはり生産の課題というところがあるところで、これをいわゆる都外の畜産農家に発信をする、支援をすることで、これはウイン・ウインになるという観点でありますので、そうした取組も本プロジェクトに位置づけられて、行われているということで理解をしております。ここは、質問は割愛いたします。
次に、観光振興の観点から伺ってまいります。
ALL JAPAN & TOKYOプロジェクトでは、日本各地と連携した外国人旅行者誘致といたしまして、東京と各地の双方を訪れるよう促し、経済効果を高めるということを目指しているわけでありますけれども、この取組の内容について伺います。
○江村観光部長 都は、東京を訪れる外国人旅行者が日本各地も訪れるよう、他の自治体や交通事業者と連携し、東京と日本各地双方への旅行者誘致に取り組んでおります。
今年度は、東京と各地を結ぶ観光ルートをウェブサイトで紹介するとともに、海外の旅行会社を招いたモニターツアーや商談会を行っております。
○西崎委員 海外の旅行会社を招くなど、いろいろな取組が展開されているということでありますけれども、昨年度、共同招聘を実施して、共同ウェブサイトなどでの情報発信というものも行っているということだそうでございます。
私も、かつて観光事業審議会に参加していたこともありますけれども、やっぱり外国人旅行者、国内もそうなのかもしれないですけど、東京と地方の、全国各地の両方を訪れてもらうということは、やはり交通事業者の方からも非常に強い要請があるというふうに、様々議論を見させていただいておりまして、今の答弁でも、やはりこれを連携されているということでございました。
続けて、MICEについてお聞きいたしますけれども、経済効果が高いとされるMICEの誘致につきましては、東京都もこれまで力を入れて取り組んでいるという認識をしておりますけれども、ここでは、東京都単体でやるのではなくて、地方の魅力も加えるということで相乗効果が生まれるということも考えられるわけでありますけれども、このプロジェクトにおいては、モデルコースの提案であったり、他都市と連携したプロモーションなどを実施していると記載がされておりますけれども、国内に幾つかの連携都市というものもあるようですが、そうした連携都市をはじめ、複数都市を巡るMICE誘致の実績についてお聞かせください。
○江村観光部長 都は、東京とは異なる魅力を有する国内他都市との共同によるMICEの誘致に取り組んでおります。
昨年度は、三都市との連携によりまして、企業の報奨旅行などの企画を担うプランナーを招いたファムトリップや、海外でのプロモーションを行いました。
○西崎委員 今、取組についてお答えをいただきましたけれども、いわゆる、じゃあどのぐらいあったのかということはお答えにはなかったんですけれども、少しお聞きをしたところ、実際に複数都市を巡るMICEの事例はあるというふうにお聞きをしております。
先ほども少し申し上げたように、東京単体だけではなくて、地方の魅力が加わることで誘致ができるという、そういう観点もあり得ると思いますので、今後の取組にも注目をしてまいりたいと思っております。
最後に、これは観光ではないんですけれども、各種のイベントではというか、観光情報センターでもそうですけれども、都内で日本各地の魅力を発信する取組というものも行われているということでございます。
その中で、全国各地の自治体が都内に設けているアンテナショップ、これを巡るスタンプラリーが毎年実施されておりまして、昨年度からはオンラインでのクイズラリーも行われているということでございます。
そこで、都内アンテナショップを巡るスタンプラリーとクイズラリーは、それぞれどのぐらいの一般の参加者数があったのか、昨年度の実績を伺います。
○江村観光部長 昨年度実施した都内のアンテナショップを巡るスタンプラリーには、約六千五百人が参加いたしました。
また、オンラインで実施したクイズラリーには、約五千四百人が参加いたしました。
○西崎委員 それぞれ、六千を超える、五千を超える参加者ということで、一定の参加者がいるということですけれども、実際、私もクイズラリーの方に参加をしてみました。
これ、全問正解賞みたいなのがあって、そうすると当然、オンラインなので、正解したいのでカンニングするわけですよね。そうするとネットで調べるので、今までちょっと聞いたことがあるような特産品であるとか、全然知らなかった伝統工芸品だとか、結構いろいろな、全国各地の魅力について触れる機会がそこで出るということで、ああ、そういう効果があるんだなというふうに理解をいたしました。
しかも、これは抽せんですけれども、そこで当たったら、商品は全国の特産品ということで、ちょっと参加して面白かったという感想もお伝えさせていただきたいと思います。
ここまで、ALL JAPAN & TOKYOプロジェクトに位置づけられた事業の内容、ちょっと細かい部分も含めてお聞きをしてまいりましたけれども、本当にいろいろやっているんだなということを感じております。
しかし、じゃあそうした皆さんの取組が、全国の自治体であるとか、もっといえば全国の国民の皆さんに知られているのかというと、どうなんだろうと正直思う部分もございます。これだけ東京都が、今、針のむしろのようになっている状態で、そうした東京都の取組が理解をされているんでしょうか。
そこで伺いますけれども、このALL JAPAN & TOKYOプロジェクトが、いわゆるパッケージとして、どのように全国の自治体に周知をされているのか伺います。
○齋藤企画調整担当部長 ALL JAPAN & TOKYOプロジェクトの事業につきましては、連携する自治体と個々に意見交換をしながら取組を進めておりまして、その内容や実績につきましては、東京都のホームページにより公表しております。
○西崎委員 ホームページの公表であったり、あとは、それぞれの自治体と個々に意見交換などもしているということであって、たしか、それによって新たな事業を追加するなどの取組をしているというふうにお聞きをしておりますけれども、やっぱり、もっと周知をしてほしいという思いもございます。このプロジェクトの肝は、やはり日本各地と東京が共に栄えて成長するというところにあろうかと思います。
今日は様々な事業についてお聞きをしてきましたけれども、いうまでもなく、事業によって違うかもしれませんが、基本的には都民の税金を使ってやっているというものでありますけれども、ただ、これは別に、それを地方にばらまいているというわけではなくて、あくまで、日本各地の魅力であったり地方の力が引き出されることによって、東京の発展にも寄与するし、もちろん全国各地にもメリットがもたらされるというものだと思います。
先ほども申し上げたように、東京一極集中といわれて、これだけたたかれて、かつ財源が奪われているという状況において、先日の税制調査会では、ふるさと納税の廃止を含めた制度の見直しに言及もしたところで、本当に今、重要な局面なんだろうなというふうに思っております。
そういう意味では、本心はどうか知りませんが、もう全国が東京憎しみたいな姿勢になっている中で、本プロジェクトにおいて展開をしている産業労働局の皆さんの取組というのは、具体的に各地の産業に貢献をするものであると思っておりますし、何か反駁する一つのきっかけにならないかなと、こういう期待をしています。
今後、この話──この話というのは東京一極集中という批判の話ですけれども、当面、大きな東京の課題であると思いますけれども、今、申し上げたような、皆さんの取組が何かこうした反転攻勢まではいわないですけれども、そうしたところに反論していく、こういうきっかけにするためにも、その観点からも、こういった皆様の取組が強化をされ、そして、それが全国に知られるということを期待いたしまして、私の質疑を終わります。どうもありがとうございました。
○上田委員 産労のこの事業概要って、多分、恐らく全局の中で一番厚いと思うので、私は、総括的に質問をさせていただきたいと思います。
商店街活性化施策です。
多岐にわたる事業を展開されていますが、この取組によって商店を訪れる人口が増えたり売上げが増えたなど、効果の検証が必要とかねがね求めていますが、都は、三年ごとに実施している商店街の実態調査により、支援施策の効果について検証しているということです。
最も新しい調査結果を説明の上、講じてきた取組が売上げや人口増に至ったか、包括的に説明ください。
○福田商工部長 都では、魅力ある商店街づくりに向けた商店街の主体的な取組に要する費用を助成しております。
また、三年ごとに実施している都内商店街の実態調査により、商店街施策の効果について検証しております。
令和四年度に行った調査によりますと、都の助成事業によりイベントやハード整備を実施した商店街の九割以上から効果があったとの回答を得ております。
また、イベント事業を実施した商店街のうち半数以上が継続的な集客や売上げの向上につながったとの回答がございました。
○上田委員 それで、やっぱり商店街に一番近いのは区市町村なんですね。都も頑張っているんでしょうけれども、二重行政とならないよう、どのように役割分担をして活性化を目指してきたのか、都の支援策及びそれに係る区市町村の活用状況を含めて伺います。
○福田商工部長 都は、商店街のイベントの開催やハード整備などを支援する区市町村に対して助成を行っており、昨年度の実績は一千八百八十一件でございました。
○上田委員 都の規模からすると千八百八十一、手挙げ方式だとは思いますけれども、実績があるのかなというふうに思いました。
人口減少や再開発により——もう再開発、すごくしていますよね、東京都。でも、逆説的に商店街が次々と姿を消していくこの令和の時代、一方で、人々は地域のつながりを失い、孤独に追いやられております。殊に高齢者は遠方まで買物も行けませんし、子育て世帯や障害者にとっても、身近な商店街は必要です。
いま一度、昭和の商店街を再評価して、地域を元気にする小さく確かな起爆剤としたいところでして、若手・女性リーダー応援プログラムに注目しております。
新たな視点で商店街が活性化した事例があれば、都や区市町村はどう支援したのかも含めて、ご紹介ください。
○福田商工部長 都は、若者や女性の開業を支援するため、商店街での経験を積むためのチャレンジショップを運営するとともに、店舗の改修費などの開業経費を助成しております。
これらを活用して、天然染料を使用した服飾品などを販売する店舗を都内の商店街に開業した事例などがございます。
○上田委員 区市町村や商店街連合会と連絡を密にしまして、すぐに役立つような施策をお願いをいたします。
ここ数年、アーバンベアといわれる全国的な熊被害が毎月のように報告されております。
今日も何か、浦安の方でお猿さんが出たということで、鹿、イノシシによる、東京だとキョンですね、被害も後を絶たず、里山保全は喫緊の課題であります。
もろもろな課題を当然、都も把握していると思うんですけれども、これまでの森林整備に関する実績、主伐採事業、植栽、下草刈り、間伐、荒廃林の実績と取組について、ご説明をください。
○榎園農林水産部長 都は、杉、ヒノキを伐採し、花粉の少ない杉等への植え替えを進めることで森林循環の促進を図っており、令和五年度は約三十六ヘクタールの伐採を行いました。
また、林業経営体が行う森林整備に支援を行っており、間伐約百九十ヘクタール、下草刈り約十ヘクタールについて、経費の一部を助成しました。
このほか、ニホンジカ等による森林被害を抑制するため、保護柵の設置や市町村と連携した捕獲を進めております。
○上田委員 森って、いろいろな局もまたがると思います。
伐採については、水道局の多摩川水源森林隊等、都民のお力も借りています。建設局、環境局とも力を合わせながら、荒廃林を里山にするための局間連携について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、貴重な森林を守るため、森林の循環の促進や林業の担い手確保、木材産業の支援など、林業の振興に取り組んでございます。
こうした取組を進めるに当たっては、関係局と必要な情報を共有してございます。
○上田委員 港湾局の決算でも確認したんですが、ラムサール条約湿地登録について、登録に際し、所管する港湾局と漁業関係者の間で行われた協議において、登録後に漁業活動に支障がないよう配慮してほしいとの意見が出ていることを踏まえ、引き続き、漁業者を支援する立場から、状況に応じ、関係局と連携し適切な対応をしてきたと思料しますが、その後、いかがでしょうか。課題など出なかったか、確認いたします。
○榎園農林水産部長 都は、水面の総合的利用や漁業生産力の発展に向け、漁業者や関係者と情報共有を図りますとともに、漁業者等からの意見は海区漁業調整委員会等の場を通じて聴取しております。
○上田委員 よく漁業関係者から聴取をいたしまして、スズガモが二枚貝食べちゃう問題等、一緒に考えていっていただければと思います。
資料、34の区市町村別農家数ですが、五年間で微減をしております。
都は、東京農業振興プランに基づいた五つの視点を持って農業施策を展開しております。かねがね農業は、参入障壁が高過ぎて事業継承ができない農家が廃業して、見る見る農業従事者が減ってきた皮肉な結果となっております。政府も、ようやく重い腰を上げて、規制を緩和することで農業の活性化にかじを取り始めております。
都としても、農地の利用促進やDXによる生産の効率化、省力化、新規就農者の確保、育成を求めているところに注目をしておりますが、成果は上がっておりますでしょうか。新規就農者と新規の農家の状況、推移と課題について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、新規就農者が遊休農地を再生利用する取組やスマート農業技術を導入する場合への助成を行っているほか、就農希望者等に対し、技術研修等を実施してございます。
このような取組を通じ、令和四年度における農家の後継者や農外からの参入者などの新たに就農した方の数は七十七名で、この数字は、令和元年度以降、増加傾向にありまして、早期に安定した農業経営を営めるよう支援してございます。
○上田委員 七十七人増えたということでございます。
遊休農地の問題点の再利用はいいことなんですが、私は、江戸川区で長年、生産緑地耕作放棄問題を指摘してきましたが、指摘されていながら耕作しないということは脱法行為に近いことから、私の指摘によって、主税局によって宅地並み課税が課されるということにはなったんですけど、税法上の解決策としてはそれでいいんですけど、緑地の保全という本来の法の理念とはかけ離れてしまっており、本来、適正な活用支援をしていくことが最善策です。
主税局決算では、特別区内の生産緑地農地として課税している筆数は微減を続けていますが、資料、35ですが、コロナ後、四件ほど、この生産緑地買取・活用支援事業が利用されているようです。
また、生産緑地を活用した高齢者活躍に向けたセミナー農園整備事業、インキュベーション農園事業、体験農園等普及事業も展開をしています。
都の目指すさらなる活用推進に向け、区市による買取り活用や賃貸借、体験農園整備、運営などの支援を行い、新たな担い手の確保、育成、対策強化をすることができているのか、実績の評価、現状と今後の課題を伺います。
○榎園農林水産部長 都は、区市による生産緑地の買取りを後押ししており、これまで四件、約一ヘクタールの助成を実施しました。
また、今年度から生産緑地を借りて体験農園等の整備を検討する自治体等に対して、開設のノウハウ等を持つアドバイザーを派遣しており、九月末までに八件の支援を行いました。
加えて、就農希望者等に対して技術研修等を実施するなどにより、都市農地の保全や新規就農者の確保を図っており、引き続き事業の周知を行ってまいります。
○上田委員 生産緑地の、また、障害者の方々がそこで、例えばランをつくるとか、工賃が高いものということで福農連携なんていう案も、私も幾つか、江戸川区は結構、生産緑地がありますので提案させていただいているので、いろいろな新しい利用法もあるかと思うので、ぜひ研究を続けていっていただきたいと思います。
資料、37の、今回は漁業です。漁業協同組合加入者数、漁船数、漁業就業者数の推移ですが、微減はするものの何とかとどまっているという印象であります。
都は、水産業振興プランに基づいた四つの視点で施策を着実に実施、東京における持続可能な水産業を実現すべく展開をしてきましたけれども、漁業就業者希望者の募集から定着、中核的漁業者となるまでのトータルサポートを実施する東京漁業就業支援センターを運営、人材確保に向けていらっしゃいますが、これも今まで本当に参入障壁が高かったんですけれども、しっかりと増えているのか、実績その他、就労者の推移について、新規の推移について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、東京漁業就業支援センターにおいて、就業を考えている方々からのお問合せに対応するほか、国等が開催する就業イベントに毎年出展し、相談に応じております。
こうした取組等により、新規就業者数は、令和三年度が七名、令和四年度は九名、令和五年度は十名となってございます。
○上田委員 今、オレオレ詐欺等、若い人たちが本当にどんどん逮捕されているので、若い人たちが農業やこうした漁業に参入していただくよう支援を、各連携を図ってお願いしたいと思います。
創業支援全般についてです。
従前から委託が多過ぎる旨を指摘してきましたが、東京の産業の将来に向けた発展を図る上で、創業を活性化し、新規の開業を増やすためのサポートは重要、創業を希望する方を掘り起こし、開業とその後の事業の拡大を実現する様々なステージがあるんでしょう、政策的な後押しの必要なども踏まえたきめ細かい支援を総合的に実施しているとのことですが、コロナ禍、物価高騰を経て、創業を希望する方を掘り起こし、開業、その後の事業の拡大を実現ができているのか、課題はないのか、所見を伺います。
○福田商工部長 都は、創業を希望する方を掘り起こし、開業とその後の事業の拡大を実現する様々なステージにおいてきめ細かい支援を実施しております。
具体的には、若手起業家を発掘するビジネスプランコンテストにおいて、今年度は過去最多の三千名を超える応募があるほか、事業拡大に意欲を持つ女性起業家を支援する取組において、コロナ禍以降も大型の資金調達に成功した事例がございます。
○上田委員 三千名を超えるということで、機能しているということで評価したいと思います。
東京都ベンチャー技術大賞でございます。
中小企業が開発した改革的で将来性のある製品、技術、サービスを表彰してきました。
募集数、つまり分母はどのぐらいあったのでしょうか。受賞企業の中から、女性起業者や開発者等の活躍が認められた企業へ、賞を贈呈する場合があるとのことでしたが、実際はどうだったのでしょうか。受賞後にどのような成果が出たのかも知りたいところです。
現在も受賞者と都は何らかの関係を持って、本当にあげちゃっておしまいになって、還元がどうなのかなと気になるので、継続的な支援や知見の共有をしているのかも確認させてください。
○福田商工部長 令和五年度のベンチャー技術大賞には百二十九件の応募があり、十五件に対して賞を授与いたしました。このうち、女性が経営や開発の責任者として携わった二つの企業に対し、特別賞を授与いたしました。
受賞企業に対しては、販売促進に関する支援を行うほか、受賞者が製品等の開発までの経験などを紹介するセミナーも行っております。
これまでの受賞者の中には、時価総額一千億円を超える企業に成長した例や、大型の資金調達に成功した企業などがございます。
○上田委員 一千億円ということで、法人税も期待できるのかなというところであります。
DX推進支援事業です。
今後、人手不足が一層深刻化、将来の労働力減少が見込まれる中、デジタル、オンライン化が急速に進展するため、長期的なサポートや必要な経費の一部を助成するとのことですが、専門家派遣は延べ件数二百八十五件ということは、実際は半分程度ではないかと考えますし、助成件数はゼロということです。
様々なクラウドサービスやIoT、AI、ロボット等の先進技術の活用が大企業中心に進展していますが、中小企業は、その基盤となるデータの整備やDX、デジタル化が進んでいない場合が多いから開始した事業でありますが、何がどう進んでいないかすらも判断できない、DXとかデジタルですよね──中小企業の姿も浮かんできます。
この執行状況をどのように分析し、今後、どう効果あるDX推進を、中小企業にですよね、したらよいかを学んだと思いますので、所見を伺います。
○福田商工部長 DX推進支援事業は、専門家を現場に派遣し、デジタル技術の提案から導入まで一貫した支援を行っております。
九月末現在で、専門家について、百九十八社から申請があり、延べ二百八十五回の派遣を行っており、助成金については、今後、交付決定の手続を実施することとしております。
○上田委員 活用されているのか、またチェックさせていただきたいと思います。交付決定の手続は今後ということでありましたからね。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業です。
こちらは資料を見れば、ほぼ執行されているようですけど、どのくらい応募があって、交付決定に至ったのか。具体的な技術、製品開発の内容、その成果により、「未来の東京」戦略等で示される都市課題を解決し、都市の魅力がどう高まったのか、所見を伺います。
○福田商工部長 令和五年度のTOKYO戦略的イノベーション促進事業には百三十六件の応募があり、十六件を採択いたしました。
これまでに感染症を画像データから判定し診断を支援するAIの開発と、医療機器の改良によって医療の質を向上させる取組など、都市課題の解決につながる技術開発を支援しております。
○上田委員 資料は19の方で、皆さんも見ていただきますと、予算はほぼ執行されているところで評価もしたいと思います。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業でございます。
このところは百二十億円が決算額とのことですが、これは競争力強化区分、DX推進・イノベーション区分、後継者チャレンジ区分に分けて利用状況をご説明の上、利用した事業者や業界に与えた実績や、経験値を得ての需要の状況などをご報告ください。
○福田商工部長 令和五年度の躍進的な事業推進のための設備投資支援事業には三百四十三件の応募があり、競争力強化区分で百七十六件、DX推進・イノベーション区分で三十八件、後継者チャレンジ区分で十二件の合計二百二十六件を採択いたしました。
具体的には、レーザー加工を得意とする事業者が高性能な装置を導入して作業時間を短縮し、生産性を向上させる取組などを採択いたしました。
○上田委員 活用されているようでございます。レーザー加工というのは結構、なかなか特殊な技術が要るところで、こういったところを活用していただいているということでございます。
ゼロエミッション東京の実現に向けた技術開発支援事業です。
資料は20となります。都には多くの中小企業やベンチャー企業が集積していることから、脱炭素社会の実現に向け、技術開発を支援していくとのことですが、新規開拓は令和四年まで、その後は採択企業の助成対象終了まで支援を実施とのことです。令和三年度は二件、四年度は三件ということです。
この支援事業がどう脱炭素社会実現へ貢献したのか。支援した大企業、中小企業の社名を挙げて、どの企業に幾ら支援して、現在、継続を続けているのはどの企業かもご報告ください。新規開拓は、ここ二年していませんが、今後も募集するのか、打ち切るのかも説明をお願いいたします。
○福田商工部長 ゼロエミッション東京の実現に向けた技術開発支援事業では、蓄電池と燃料電池を併用することで再生可能エネルギーの安定供給を実現させるためのシステムの開発など五件について、令和五年度までに約六億七千万円の助成を技術開発を行う中小企業に対して行いました。これらについては、当初の計画どおり、技術開発を継続しております。
なお、本事業は、令和四年度で新規の採択を終えております。
○上田委員 これは、企業名は挙げられないという理解でよろしいですか。企業名は挙げられないということでございますね。
イノベーション促進事業でございます。
スタートアップ、中小企業と、資金、人材、販路等を有する大企業とのオープンイノベーションによる大規模プロジェクトを支援するということでございまして、ゼロエミッション東京へ貢献する、さらに、オープンイノベーションをさらに加速させるということでございますが、令和五年度は四件、本年度はゼロ件で、執行状況は、いま一つでございます。
ゼロエミッション枠、大学発ベンチャー・一般枠と分けての成果実績と課題、申込みがないということは、需要がないと分析されていませんか。所見を伺います。
○福田商工部長 令和五年度のゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業では、ゼロエミッション枠に六件の応募があり、二件を採択、大学発ベンチャー・一般枠には十件の応募があり、二件を採択いたしました。
なお、本年度は、六月から十一月までを募集期間としております。
○上田委員 十一月、今月で募集期間が切れるというところで、またどのような状況か、確認させていただきたいです。
女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業でございます。
これは資料の22になります。フェムテック開発に取り組む都内中小企業等を支援することで、技術開発、普及促進を後押しして、女性活躍社会の実現を加速するということですが、今のところ、六件ということですが、応募はどの程度あり、どのような事業者なのか気になるところです。
特定事業者ありきで創設されているのではないか懸念する部分もありますことから、各事業者をご説明の上、どのような技術開発促進をしているのかも明示ください。
○福田商工部長 令和五年度の女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業では八十三件の応募があり、六件のテーマを採択いたしました。
具体的には、月経不順を改善するための医療機器の開発などを支援しております。
○上田委員 具体的な事例を確認させていただきました。
次は、インキュベーション施設の運営です。
これは資料、23ですが、こちら、インキュベーション施設と青山創業促進センター、NEXs Tokyoの利用状況を見ていただければと思います。
この委託事業者と事業者選定の条件、年間委託費をつまびらかにしてください。
○福田商工部長 インキュベーション施設である白鬚西R&Dセンターは、公益財団法人東京都中小企業振興公社と約六百万円で、東京コンテンツインキュベーションセンターは、株式会社ツクリエと約三千四百万円で、インキュベーションオフィス・TAMAは、東京都中小企業振興公社と約一千三百万円で、それぞれ契約しております。
青山創業促進センターは、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社と約八千九百万円で契約しております。
NEXs Tokyoは、有限責任監査法人トーマツと約三億四千百万円で契約しております。
これらにつきましては、それぞれの施設の業務内容に応じ、創業支援の経験やノウハウ、外部とのネットワークを有しているかなどの観点から、適切な手続にのっとり、選定を行っております。
○上田委員 五億を超えるということでございますが、冒頭、委託事業が多いと申し上げましたが、コストをかけて限られた事業者しか利用できない、利用していないという側面もありますことから、全ての都内ベンチャー事業者やシード、都民の利益にどう寄与するのか、説明してください。
○福田商工部長 都では、事業の発展が見込まれる創業の希望者や起業家等に対して、開業に関する知識の提供のほか、会社の拡大に結びつく助言やマッチングなどを行う施設を設けております。
こうした重点的なサポートにより、リーディングケースなどを生み出し、都内で創業して事業を拡大する会社等を増やし、今後の東京の産業の発展に結びつけることとしております。
○上田委員 いつもいつも、同じメンバーが利用しているのではないかというような観点から確認をさせていただいているんですけれども、スタ・国も——スタートアップ国際都市、ありますよね、ちょっと名前が全部覚えられないんですけど、それからTIBでスタートアップ支援、アクセラレーター支援、開業ワンストップ支援を行っております。
青山スタートアップアクセラレーションセンターやNEXs Tokyo、産労や中小企業振興公社の開業支援との二重、三重行政ではないかというふうに、TIBを見てきても思ったんですけれども、TIBとの違いは何なのでしょうか。にわかにちょっと分からなかったんですね。ばらばらやったらもったいないなというのが、ちょっとざっくりした感想でしたが、すみ分けや連携状況について伺います。
○福田商工部長 青山創業促進センターなどでは、起業家マインドの醸成や様々な成長促進プログラムのほか、海外展開のサポートなど、成長段階に応じたきめ細かい支援や、社会課題の解決を図るスタートアップに向けた分野別の支援など、ニーズに応じたサポートを行っております。
こうした施策について、有楽町に開設したスタートアップ支援拠点を通じた周知や連携したイベントなどを行っております。
○上田委員 ちょっと具体的にどういうふうな連携状況にあるかというのが、ご説明いただいても、TIBにも聞いたんですけれども、ちょっとよく分からないようなところがありますので、今度はNEXsにも行かせていただいて、ご説明などいただきたいなというふうに思っておりますが、確実に成果が出るような箱物でなくてはいけないというふうなことを指摘させていただいております。
女性ベンチャー成長促進事業です。通称APTですね。
これは、共通してベンチャー起業家女性に必要な知識を提供する。そして、育成講座をする。三か月程度のアクセラレーションプログラムを実施したり、また、現地における、海外に派遣をして、選ばれた方々を現地のメンターや起業家等へのプレゼン会などを企画するといったことをやっていらっしゃいます。
APTのホームページの参加一覧を確認しますと、創業十年以上の企業も、既に資金調達も何度も成功しているような会社が散見されます。社歴の長い会社ではなく、資金調達の面でもこれから飛躍する可能性のある、また、東京都から世界へ挑戦したいという女性起業家を応援するのが本当の支援で、あまねく挑戦者へ広く呼びかけができているのか気になっていました。
令和に入ってからは毎年四十名規模となっていますが、執行額が一億残るような状況ですが、応募が少なく定員割れしているのでしょうか。事業者やお友達ネットワークだけの声がけで終わっていないか。子育てと受講を両立しやすい仕組みを続けているのか。開始以来の実績、委託してきた事業者への評価、参加者たちがその後、無事成長を遂げ、東京都へ、例えば税収アップなど、どう貢献をしているのかについても伺います。
○福田商工部長 女性ベンチャー成長促進事業は、平成二十九年度から実施しており、今年度は四十名の定員に対し、百四十八名の応募がございました。昨年度までに総額約百九十八億円の資金調達に結びつけるなど、女性起業家の成長を着実にサポートしております。
支援に当たっては、講義をオンラインで受講する方式を取り入れるなど、子育てとプログラムを両立しやすい仕組みを設けております。
○上田委員 一応、百九十八億円の、二百億近い資金調達に結びつけるということですが、既に体力ある参加者が選ばれて、海外派遣は行く必要を感じないと、参加しなかったという話も仄聞しております。
選定した参加者のうち海外派遣に行った人数、比率、その際に同行した都側の人員は、都の職員何名で、委託先職員が何名か、それぞれ語学とビジネスに熟達している者であったのか、確認させてください。
○福田商工部長 都は、昨年度、本事業に採択された参加者四十名のうち二十名を海外に派遣し、語学に堪能で現地のビジネスに精通した専門家がサポートを行い、今後の取引を見込める企業や投資家へのマッチングの機会等を設けました。
この派遣に担当の職員も同行し、現地でのサポートを行っております。
○上田委員 担当職員というのは、都の職員ですか。
○福田商工部長 東京都の職員でございます。
○上田委員 そうなりますと、東京都の職員にも、同行することで知見が有するというようなことを期待したいと思っております。
過日、APT一期生でもある、自由を守る会、白川愛目黒区議と共にTIBを視察したところ、TIB SHOPにてAPT同期の起業家女性が出店をされており、偶然の再会の邂逅を温めていました。開始八年以来、女性起業家同士のネットワークも広がっていることを体感しました。
開始八年を経てのネットワークや交流、事業発展の状況、産労のインキュベーション施設や青山センター、さっきいったNEXs Tokyo、スタ・国のTIBなど、都も大いに活用されていると思いますので、全都事業との連携状況についても伺います。
○福田商工部長 本事業の支援を受けた参加者から、青山創業促進センターの事業化プログラムに採択される事例や、NEXs Tokyoにおける支援を活用し、事業拡大に向けたマッチングにつながるなどの事例が出ております。
○上田委員 局間連携、確認しました。
従前、都の事業なのに、本店が東京にない企業が選ばれた点を指摘しました。その後はどのような構成になっておりますか。でも、一方、エコシステムとして、地方の女性起業家とつながることは否定もできませんことから、開始以降、判断も変わっているかと思料し、現在の選定基準や事業自体の拡張性を伺います。
○福田商工部長 本事業では、東京で事業展開をしているか、その予定のある女性経営者も幅広く事業に参加できる仕組みとしております。
昨年度の参加者のうち、都外の一社は、東京に進出して拠点を設けて、身近なロールモデルとなっております。
○上田委員 このエコシステムはTIBでも目玉としてやっているところでございますので、引き続いての連携をして、日本中で羽ばたく、世界だけじゃなくて、やっぱり地方のてこ入れというのも東京都のミッションですので、こちらについては否定するものではなく、評価はしたいと思います。
女性しごと応援テラスでございます。
長期ビジョンの中間報告では、都の支援による女性の就職者として、二〇二四年までに一万五千人の数値目標を上げまして、この窓口においても、一人でも多くの方の就職に結びつけることを目指し、窓口を周知し、利用の拡大を図るため、パンフレットやホームページに加え、フェイスブックやツイッターを活用して積極的な情報発信に努めてきましたが、資料、39の数値を見る限りでは、新規利用者が毎年平均一千五百名程度に終始して、東京の人口規模を鑑みますと、利用が伸び悩んでいるように思料します。
一方、人口規模からすれば、特別区の方が多いにもかかわらず、多摩の方はコロナ後は千人以上利用されているようです。
急速にSNS社会が進み、アプリなどでも仕事を探せる時代に突入しております。国や区市町村も類似事業がありまして、二重、三重行政も指摘してまいったところでございますので、応援テラスの意義を再考する潮目と思いますが、どのような企業に就職できているのか。就労の継続については、その後把握しているかなど、これまでの取組への評価や課題について、所見を伺います。
○新田事業推進担当部長 都は、しごとセンターの女性しごと応援テラスにおいて、キャリアカウンセリングや再就職支援セミナーなど、様々な支援を実施しており、今年度は九月末時点で延べ五千三百二十件の相談がございました。
これらの支援については、育児中等の女性のニーズも踏まえ、自宅等でも受けられるよう、オンラインの支援や希望者には就職後の相談も行っております。
また、ハローワークや区市町村と連携するとともに、家庭と仕事の両立に理解のある企業の求人を開拓することにより、今年度は九月末までに五百四十九名の就職に結びつけております。
○上田委員 就労に結びつけることも大事ですよね。
その後、一応、多分、しごとセンターは、行くと保育園情報なんかもあって、たしか保育園の
——今、やっと待機児童ゼロになりましたので、私もこれで二十数年、もうやっていましたので、議員になる前から。昔ほどは厳しくはないというふうに思っておりますけれども、女性の就労者のうち、まだ、昔は六割だったんですけれども、結婚、出産で四割が離職をしております。
都は、セミナーや関連法令を解説した冊子配布を労使双方にして、必要な知識の普及啓発、労働相談情報センターにおいて、妊娠、出産に伴う退職強要や職場の嫌がらせに関する相談も対応されて、街頭でのPR活動、相談窓口を周知するとともに、夜間、土曜相談の実施、労働相談専用ダイヤルの設置などにより、利便性の高い向上を、もう日進月歩で毎年のようにいろいろ知恵を絞りながら図ってきましたが、待機児童も数字上はほぼゼロに近い自治体も増えてまいりましたし、男性の育休もだんだんと進んで環境も変わってきましたことから、今日的な取組と実績について、所見を伺います。
○内田雇用就業部長 都が毎年実施する調査では、令和五年度の管理職に占める女性の割合は約一割半ば、男性の育業等の取得率は約四割と、いずれも上昇傾向にございます。
こうした状況を踏まえて、女性活躍をさらに推進するため、今年度、働く女性が職場で抱える様々な課題に対応する拠点として、九月十一日に、はたらく女性スクエアを新たに開設し、約半月で六十四件の労働相談を受け付けております。
○上田委員 はたらく女性スクエアを開設して、半月で六十四件、多いのか少ないのか、ちょっとまだ読み取れないところでございますが、また資料要求をさせていただいて、確認をさせてください。
また、一方、高校中退者なんです。
これは、やっぱりもったいないと。若くてポテンシャルがあると私は思いまして、しごとセンターのヤングコーナーでは、若年者を対象とした事業によって受け入れて支援をし、周知に当たっては、いろいろな関係、お役所とか高校支援団体に情報提供して協力を依頼してきたようでございます。
高校中退者の支援については、学校と離れてしまった後に、支援に関する情報をどう届けたらいいのかというのは、やっぱり課題だったんですよね。学校にいてくれればまだいいんですけれども、いなくなっちゃったから把握のしようがないと。
もう現在はLINEやSNSを活用する時代になりましたので、現在、また今日的な取組が始まっていて、就労にどう結びつけているのか、実績と成果、課題なんかについても伺いたいと思います。
○内田雇用就業部長 都は、しごとセンターヤングコーナーにおいて、若年者に対してキャリアカウンセリングやセミナー等を実施するほか、就労経験が乏しい方にはグループワークやパソコン操作のトレーニングから就業体験まで、伴走型の支援を行っております。
この支援を求職者に広く周知していくため、SNSやウェブ広告等に加えて、区市町村や地域若者サポートステーション等の関係機関とも連携し、今年度は九月末時点で三千八百六十一人がヤングコーナーを新規に利用し、千六百八十五人の就職に結びつけてございます。
○上田委員 一人一人だと思います。もう本当にヤミバイトに行かせないでですね、ぜひ——大体、捕まってしまった犯人というのは高校中退であったりとか行っていないというような場合が多くて、こういった再就職に自治体でつなげていってあげたいなと思いますので、これも区市町村がサポステとかやっておりますので、情報共有して、よろしくお願いをいたします。
次は、障害者の就労支援です。
令和五年、民間企業、四十三・五人以上の企業は法定雇用率が二・三%で、雇用されている障害者の数は二十三万九千三百三十二人で、前年より一万八百五十六人増加、四・八%ですね、過去最高となりました。
雇用障害者を障害種別に見ると、身体障害者が十四万二百六人と、知的障害者は四万八千五百四十九人、これは四・四%増ですね。精神障害者は五万五百七十七人と、これは一七・五%増とのことで、産労の事業も後押しになっていると考えます。
日本は九九%が中小企業ですから、中小企業での雇用も促進されたのではないでしょうか。東京ジョブコーチ支援事業を含め、これまでの取組実績を踏まえた産業労働局における障害者雇用向上に向けた所見を伺いたいと思います。
○新田事業推進担当部長 都は、障害者が安心して働き続けられる職場環境を整備するため、障害者の働き方と職場環境づくりの両面に詳しい専門家を東京ジョブコーチとして会社に派遣しております。
中小企業等の職場の状況に応じたきめ細かなサポートに資するよう、今年度から支援予定人数を八百人から千人に拡充しており、九月末までに六百七十三件の支援を実施しております。
○上田委員 江戸川区も中小零細企業がとても多いところなので、障害者を雇用すると、健常者もすごく働きやすい環境になるということを皆さんおっしゃっておりました。
でも、それはやっぱり情報を届けてもらえたんですね、中小企業に。それをどういうふうに届けているのか確認させてください。
○新田事業推進担当部長 都は、中小企業の経営者や人事担当者等を対象に、障害者雇用に関する普及啓発イベントをオンラインで開催し、有識者による講演等を通じ、障害者雇用のノウハウや各種支援策等を紹介しております。
○上田委員 これもぜひ区市町村とか商工会議所とか、いろいろなところと連携してほしいと思います。
民間も雇用率を上げるために奮迅されている中、行政は、その上の取組が求められるわけでございます。決算では、人事委員会では障害者の採用試験受験状況、総務局では障害を持つ職員の配置について確認をしました。
産労局におけますチャレンジ雇用の成果、実績はどうでしたでしょうか伺いたいと思います。
○新田事業推進担当部長 産業労働局では、毎年、チャレンジ雇用職員として二名の採用を行っております。
印刷物の封入や発送、データの入力や集計等の業務を通じ、幅広い経験を積めるよう取り組んでおり、民間企業等での就労につなげております。
○上田委員 私の知人の障害者も受けたんだけど、ちょっと採用されなかったということで、枠を増やしてほしいということの声が届いているので、お伝えさせていただきたいと思います。
障害者枠で無事就職したものの、昇給がないという実態もあります。就労支援施設によっては通常就職を目指しているようなところもあるんですけど、多くは昇給がない。企業としては、法定雇用率の達成、クリアということでもうよしとした時代から、これからは働く質の時代に入ってきております。
これまでも安定的な雇用の実現や処遇の向上など、雇用の質を高める対策を打ち出してきたとは思うんですけれども、今後どうされていくのか、ちょっとお考えなどを聞かせていただければと思います。
○新田事業推進担当部長 都は、安定的な雇用形態や賃金など、障害者の雇用の質に着目した支援を進めるため、障害者を正規雇用等で雇い入れる企業に奨励金を支給しており、九月末までの支給実績は百二十五件となっております。
○上田委員 やはり稼げる障害者にしてあげたいですし、工賃も本当に何十年も変わっていないような状況ですので、ここは腰を据えて、昇給について産労がリーダーシップを取っていっていただきたいと思います。
労働相談情報センターでございます。
資料の38によりますと、職場の嫌がらせが、ここ数年で一番、相談件数が続いておりまして──トップがですね。で、退職、労働契約、解雇と続きます。人権意識の高まり、国を挙げてのハラスメント対策をしているにもかかわらず、ちょっと不可思議に感じました。
局は、令和四年度に開設したセンター多摩事務所の相談機能強化のため、テレビ会議システムなど、新たなツールを利用した遠隔相談やチャットボット運営、LINEによる広報を行い、また、LINE通話を利用した相談の実施、労働相談プロモーション動画を活用したPRを行うことで、若年層を中心とした利用者層を拡大して、労働問題の早期解決と労使間の関係の安定化を推進してきましたので、実態の把握もできていると思います。
このランキングとなっている背景も含めた現代の労働環境など、労基との連携、未然にマタハラ、自殺等、労働トラブルは防げたのか、今日的な課題も踏まえて状況を伺います。あわせて、労働相談オンライン事業が活用されているのか、そこで得られた実績や知見なども伺います。
○内田雇用就業部長 労働相談情報センターにおける令和六年度の労働相談の内容は、九月末現在で、職場の嫌がらせが一位となっております。
心身の不調などに関わる事案につきましては、必要に応じ、心の健康相談を実施し、法律に基づく助言指導等が必要な事案は、国の相談コーナー等につなぎ、国では、紛争調整委員会によるあっせんも実施しております。
また、令和四年度に開始した遠隔相談やオンライン相談に加え、令和五年度からLINEの通話機能を利用した相談を開始しており、これらによる今年度の相談件数は九月末現在で千九百八十八件となっております。
○上田委員 五年度始めて、今、約二千件ということで、もうちょっと周知して利用していただければというふうにございます。
あっせんも実施されているということですが、それは二百五十七件でした、令和五年度は。関係法令を踏まえた対応策の助言を行い、必要に応じ、労働基準局や関係各機関への紹介や相談者の意向によって調整を行って、あっせんも実施しているんでしょうと思いますが、解決に結びついた実績や事例など、ちょっとご紹介いただければと思います。
○内田雇用就業部長 労働相談情報センターでは、労働問題をめぐる労使間のトラブルに係る労働相談を受ける中で、労使だけでは自主的な解決が難しい問題について、中立的立場で労使間の自主的な解決に向けて手助けを行う取組をあっせんとして実施しております。
令和五年度は、賞与の査定結果に不満がある相談者に対して、会社側が査定理由を開示するようあっせんした事例や、小規模企業において病気療養を希望する相談者について、会社側に休職を認めるよう助言するなどにより、解決につなげております。
○上田委員 何か都民にとっては労働基準局に行くよりもすごい相談しやすいので、私もよく、こちらの方を紹介させていただいております。
今後も活用していただけますよう、若年就労者についての情報提供の方をお願いいたします。
融資制度です。
都と地域の金融機関が連携して実施する融資制度、東京プラスサポートは、高い技術力、ビジネスプランを有しているにもかかわらず、資金繰りが大変だというような中小企業に対して、地域の金融機関と都が連携して支援を適切、円滑に実施し、資金繰りの改善を図るということでございますが、資料、25によりますと、十年間で三十五・六億円の損失補助となっておりますが、費用対効果はいかがでしたでしょうか。
損失補助して終わりではなく、もともとの高い技術力や優れたビジネスプランを有しているにもかかわらず、資金繰りが大変だと、困窮する中小企業にどう貢献できたのか、確認させていただきます。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 東京都と地域の金融機関とが連携して実施する融資制度について、平成二十六年度から令和五年度までの十年間の保証承諾実績は約三千三百億円となっており、多くの中小企業の資金繰りを下支えしております。
制度融資による資金調達が困難な中小企業に対して、急な仕入れや売上げの拡大による運転資金の確保等の需要に応えるなど、資金調達の手段として活用されております。
○上田委員 三十五億円の損失補助ではありますが、三千三百億円ということで、何とか活用していただいているということでございますね。しっかりと、これを利用することで高い成長につなげていっていただきたいというふうに思います。
中小企業制度融資です。
本年から、HTTや女性活躍、DXとか、女性活躍推進とか、そういったことを新たに、スタートアップのことを支援するということを新設したということでございます。
過去十年の東京信用保証協会の金融機関に対する代位弁済額、都から信用保証協会に対する損失補助額の推移と状況とその所見、制度の適正な運営に向けた、外部有識者を含めた審査の取組状況、課題について伺います。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 平成二十六年度から令和五年度までの十年間の東京信用保証協会の代位弁済額は約五千五百億円、損失補助額は約五百六十億円となっております。
これらは減少傾向で推移しておりましたが、代位弁済額につきましては、令和四年度以降、原材料費、エネルギー費の上昇や人手不足等の影響により増加しております。
補助金の交付に当たっては、全案件について、都が書面調査を実施するとともに、補助金額が高額である案件などは専門家による調査を実施しております。その上で、外部有識者で構成する審査会に諮問し、補助金支出の公正性、妥当性を適切に審査いただいております。
○上田委員 可能な限り代位弁済とならないようなところを選びたいところではございますが、お困りなところだからこそ申し込んでくるというところでありますので、そこら辺は審査会の方に諮問をしまして適正判断をしているということでありますが、できれば、この金額、毎年五、六百億ということでございますので、ここだけはちょっと指摘をさせていただきたいと思います。
外国人起業家の資金調達支援であります。
これは大分、いろいろとSNS上でも、無担保無保証融資ということで、批判というか指摘をされて注目もされてきたところでございます。資料は26になります。
融資の実績は令和五年度まで、事業実施期間は、貸付期間を踏まえて令和十五年までで、予算金額を全額執行次第終了とのことです。たしか当初の予算は十八億円でしたが、途中から、多分九億とか、その半額程度になったかと記憶しています。
コロナもあったんだとは思うんですけれども、資料によれば、これまでで六千万円を執行しているということで、この三月で終了ということなんですが、当初からこれまでの予算額と執行状況、不用額など、事業開始の経緯からこれまでのこの融資事業への評価、外国人が東京で起業しやすい環境を整備することで、都の経済を支える多様な主体を創出して、東京の持続的な成長を生み出すということが目的だったので、それが達成できたのかを伺います。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 本事業では、金融機関を通じた融資と融資実行後の経営サポート等を組み合わせて、外国人起業家の資金調達を適切に支援しております。
令和二年度は当初予算額を最終補正において全額減額したため、予算現額、不用額ともにゼロとなっております。
令和三年度の予算現額は十八億七千三百八十二万四千円、不用額は七千十万円、令和四年度の予算現額は八千七百七十六万四千円、不用額は七千五百四十一万円、令和五年度の予算現額は八千七百七十六万四千円、不用額は七千二百六十四万一千円です。
○上田委員 やっぱり、あまり予算が使われなかったとか活用されなかったものというのは淘汰されていくべきだと思っておりまして、こちらもこれで終わるということで、いろいろと、無担保無保証、外国人に融資をすることにご不安を持っていた都民の皆様にはご説明ができるのかなというふうに思いますが、とはいえ、これまで出ていった経費ですよね。
統括支援機関については、公募を行って外国人起業家を支援する取組を最も効果的に実施できるということで、東京インキュベーション株式会社が選定されましたが、これはインターネットで見てもちょっとよく分からない会社だったんですが、ここに発生したこれまでの費用についてご報告ください。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 統括支援機関は取扱金融機関と連携し、外国人起業家への経営サポート等を行っており、令和三年度から五年度までに要した費用は三千六十万七千円でございます。
○上田委員 それで、それだけの経費を使って、一応、目標の予算は執行できなかったということなんですが、それでもいいんです、もうやっちゃったから。
この後、債権が回収できないような事態が生じた場合、金融機関によっては適切な債権の管理が行われると認められるときは、都に資金の一部が戻らないことがあるとのことですが、現時点は大丈夫でしょうか。確認いたします。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 融資した資金の返済については、金融機関が的確に把握し、対応を行い、それが滞る場合も金融機関が責任を持って回収に取り組む仕組みとしております。
現時点で、都に対し、資金が返還されない融資案件の報告は受けておりません。
○上田委員 返還されない融資案件の報告は受けていない、よかったです。
中小企業向けファンドです。
現在、ベンチャー企業成長支援ファンド、中小企業連携促進ファンド、ベンチャーファンド、合計九つの中小企業向けファンドがあります。それぞれの投資、リターンの状況について伺います。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 現在運用している九ファンドのうち、都が資金を回収した実績のあるものは三ファンドです。
令和五年度末時点で、ベンチャー企業成長支援ファンドは投資額二十億円、回収額約二十三億円、中小企業連携促進ファンドは投資額三十億円、回収額約十二億一千万円、事業承継支援ファンドは投資額二十五億円、回収額約三億八千万円となっております。
なお、これら三ファンドを含め、現在運用中のファンドは今後も資金の回収が見込まれており、最終的な回収額はその清算が終了するまで確定しません。
○上田委員 この三つについて現状が分かりまして、いい意味で、ああ、よかったというところも、頑張れというところも分かりますので、これは都民のお金ですからね、監視をせざるを得ないと思います。
それぞれの中小企業向けファンドの支援企業について、どのような基準で決定されているのでしょうか。出資後、ファンド手法の活用においては、政策目的に沿った支援先の中小企業をいかに成長させていくかが最重要であると思います。
出資後は専門家を活用して、定期的に支援先企業の経営状況の確認及びファンドの資産状況や出資目的にかなった運営がなされているかなどについてのモニタリング体制を整えているはずですが、いかがでしょうか。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 都はこれまで、様々な政策目的に沿ったファンドを活用して、数多くの中小企業に対し、資金と経営の両面から支援を行っております。
個別の支援先企業については、民間のファンド運営事業者がそれぞれ持つネットワークや目利き力などの独自のノウハウを使って選定されております。
都は、支援先企業を選定する投資委員会にオブザーバーとして出席し、疑問点の確認や意見表明を行うとともに、投資、会計、法律分野等の専門家を活用して、定期的に支援先企業の経営状況の確認及びファンドの資産状況や出資目的にかなった運営がなされているかなどについて、適切にモニタリングを行っております。
○上田委員 この民間ファンド事業者のそれぞれが持つネットワークについての目利き力の独自のノウハウが、本当にある、そのあげたいところに偏らないかということが気になっていて、ちょっと、東京都のおいしいぞなんていって、これ、申し込んだ方がいいぞみたいなことがないかなと思って心配をしておるんでございます。
出資金の回収が、先ほどの外国人融資もそうなんですけれども、今、本当に融資については回収、回収とうるさくてすみませんけれども、それが気になるんですね。
官民連携ファンドも、ファンド全体はプラスでも、何社かに分けると、その一社がリターンできていないのもありました。他社の、本当にそういうところで回収ができなかった場合、産労局はどのような対応をするのか、また、その責任の所在を確認します。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 ファンド手法の活用においては、政策目的に沿って支援先の中小企業をいかに成長させていくかが最重要であると考えております。
出資後は専門家を活用して、定期的に支援先企業の経営状況の確認及びファンドの資産状況や出資目的にかなった運営がなされているかなどについて、引き続き細心の注意を払ってモニタリングしております。
○上田委員 全てリターンをプラスにさせるんだということで、ぜひお願いしたいと思います。これはずっと監視をしていないと──まあいかにも、いいんですよね、中小企業を助けるぞというのはいいんですけど、その後どうなったのというのは大体みんな忘れちゃうので、その後どうなったのは、私がずっと確認させていただきたいと思います。
再エネ電源都外調達事業でございます。
九月現在、交付決定がないようなんですけれども、資料の方を取り寄せてもらったところ。どのように周知し、具体的にどのような都内需要家をイメージして、その対象にアプローチをしていくということなんですけれども、どういうふうにしているのか確認させてください。
○米澤産業・エネルギー政策部長 本事業は、主として都内での調達が難しい大量の再エネ電気等を都外から調達したい都内需要家を支援対象として想定してございます。
事業実施に当たっては、対面とオンラインを併用した説明会を開催するほか、ホームページや業界団体主催のセミナーを通じた事業周知を図っております。十月末時点で計五件、約十億八千万円の申請があり、現在審査中でございます。
○上田委員 予算のときに何となく明らかになってくるかと思いますので、そのときまた確認をさせていただきます。
観光産業です。
東京フィルムコミッション、円滑なロケ撮影をするため、東京ロケーションボックスを運営しております。
近年、ロケ撮影に適した場所などの相談件数や、ロケ撮影の円滑化を図るための撮影現場に立ち会い、季刊誌などを発行して、機運醸成、SNSの活用状況などしていらっしゃると思うので、今後の展開と実績についてご報告ください。
○江村観光部長 令和五年度における東京ロケーションボックスの相談件数は四千二百十件、支援件数は千三百六十二件となっております。
年四回発行する季刊誌やパネル展の開催、SNSによる発信などを通じて、都内で撮影された作品やロケ地の情報など、東京ロケーションボックスの活動を広く発信しており、今後も積極的に取組を進めてまいります。
○上田委員 私も、実は兄が映画監督でございまして、そして、今、ザ・トラベルナースも船堀でロケをしていて、ちょっと江戸川区民がわあわあ騒いでいるところでございまして、これは何よりも東京の一番、何ていうんですか、営業になると思いますので、活性化していただきたいと思います。また、これは地域、今、江戸川区民が沸いているという感じで、やっぱり地域が活性化することが大事だと思うんですよね。
やっぱり私、船堀映画祭って長年続けて、今、本当に区が引き取ってくれて、タワーホールのシネパルで、もういつもいつも、懐かしい映画から、ちょっと芸術作品なんかもやるようになっているんですが、これまでのフィルムコミッション設立総数と支援実績、映画の進行と観光にどう寄与したのかを伺います。
○江村観光部長 都内各地域のフィルムコミッションは現在二十四となっており、東京ロケーションボックスでは、これらに対し、講習会の開催やロケ撮影支援のノウハウ等のアドバイスを行っております。
また、東京ロケーションボックスでは、地域のフィルムコミッションとも連携を図りながら、令和元年度から令和五年度までに一万九千二百五十一件の相談対応と、五千九百七十三件の支援を行っており、ロケ撮影を円滑化し、映画作品を通して東京の観光の魅力を世界に発信しております。
○上田委員 これは本当に一石二鳥も三鳥もあって、東京の魅力のみならず、関わる人たちが若い人から高齢者まで、地域のまた掘り起こしにもなっていくので、ぜひこちらは、これまでどおり、これまで以上に推進していただきたいというふうに思っております。
GO TOKYOでございます。
東京の観光公式サイト、GO TOKYOなどを通じて、観光情報を多言語で発信しています。
開始以来のアクセス数ですが、東京に観光に来る外国人人口をお示しの上、活用が想定どおりされているのか、評価について伺います。
○江村観光部長 令和五年の訪都外国人旅行者数は、過去最多の約千九百五十四万人でございます。
令和五年度のGO TOKYOのアクセス数は約二千八百三十三万件であり、そのうち約七割が外国語ページへのアクセスとなっており、訪都外国人旅行者などの情報収集に活用されているものと考えております。
○上田委員 ちょっと資料の方にも平成二十七年度から、でも、最初の平成二十七年度が多いんですけれども、五千百三十七万五千四百四十という感じで始まって、今が千四百七十二万二千ということで、これが多いのか少ないのか、どうなのかなということでございますが、今までは二千八百三十三万件ということでございました。これが九言語で対応されているんですけれども、翻訳が当該外国人にとって違和感があったり誤った表現となってしまう場合があります。
台風十五号とかが来たときの、各自治体の当時、ツイッターの英語がちょっと変で、非常に、うちの自由を守る会は、私以外がみんな多言語をしゃべれるので訂正に追われたということがございますので、違った場所に行ってしまうとか、間違った解釈をされてしまうということも、東京に対する印象というのがあると思いますので、翻訳作業はどう行われ、ネーティブチェック等はどう講じているのか伺います。
○江村観光部長 GO TOKYOに掲載する外国語の情報については、外国人への正確な意味の伝達に加え、東京の観光の魅力が伝わる自然な表現とすることを重視し、各言語を母国語とする者が翻訳を行っております。
また、翻訳された原稿は、この翻訳者とは別の者が内容の精査を重ねて行うなど、確認の徹底を図っております。
○上田委員 GO TOKYO、ホームページを見ると、物すごいページ数もありますし、ダブルチェックをするということも結構大変だと思いますけれども、行っているということを確認できて安心させていただきました。
地味ですけど、重要な宿泊施設のバリアフリー化支援事業でございます。
これは順調に執行しているようであります。この事業の成果と、都全体の宿泊施設のバリアフリー化の進捗、それと、やっぱり設備投資が難しい場合もあると思うんです、施設によっては。越えなければならない課題など、ご説明ください。
○江村観光部長 宿泊施設のバリアフリー化支援事業について、平成二十九年度から今年九月末までの助成実績は二百十九件、約二十九億九千三百万円でございます。
この事業では、障害者や高齢者などが宿泊施設を安全で快適に利用できるよう、施設の改修や備品の購入などに必要な経費の一部を助成するほか、セミナーの開催や個別の課題解決に向けたアドバイザーの派遣などの支援を行っております。
○上田委員 工事するだけじゃなくて、ちょっとした工夫で対応ができるようなアドバイザーの派遣などをしているのかなというふうに解釈させていただきました。
最後の質問項目は、プロジェクションマッピングでございます。
民間事業者、まず、区市町村等が行うプロジェクションマッピングの取組を支援している促進支援助成は、これは彼ら、区市町村がやりたいということを支援するというのであるのかなと思っているんですけれども、主体する事業者が明確なコンセプトも期待する効果も勘案し、特化した内容になるのであろうなと考えますが、これまでの利用件数や実績など、事例を挙げてご説明ください。
○江村観光部長 都では、区市町村や観光協会、民間事業者などが、プロジェクションマッピングを利用して、東京の新たな魅力を創出し、旅行者の誘致に結びつける取組に対して、その経費の一部を助成しており、令和五年度は五件を採択しております。
支援した事例としては、中野サンプラザや築地本願寺など、地域の象徴的な建築物を投影面としたプロジェクションマッピングなどがございます。
○上田委員 中野サンプラザも今どうなっていることやらという感じですけれども、それでも、民間事業者や地元や観光協会が明確なビジョンを持ってなさっていて、それを支援するというのは、一定これは評価をする、分からないでもないと思うんですけれども、さあ、どうでしょうか。
去る十一月一日、知事記者会見の正午直前、またしてもマスメディアが先に、独自、年間九億五千万、予算が批判、都庁壁面プロジェクションマッピング、来年から広告投影へとの報道が、テレビ朝日だったと思うんですけど、あったんですね。
その後、知事が記者会見で、TOKYO Night & Lightといってタイトルを打っておりますが、これまで三十九万人が観覧に訪れまして、今や東京の新たな観光スポットとなっております、上映開始前の時間に投影する広告を今日から募集したいと思います、ぜひ企業PRなどの場としてご活用いただきたいと、会見で述べたわけでございます。
ついては、商業広告を開始するに当たった経緯、起案、稟議、合議、そして決裁、また、決裁者、責任者、時系列でご説明ください。また、想定する広告主の件数と広告収入についても伺いたいと思います。
○江村観光部長 都庁舎でのプロジェクションマッピングにおける広告については、今年八月二十三日に、実行委員会から屋外広告物の所管行政庁である新宿区に、広告の投影について許可申請を行い、十月三十日に許可を受けております。
多くの企業等にご活用いただくことにより、民間の経済活動の活性化につなげていくこととしております。
○上田委員 さらっと説明してもらったんですけれども、特に広告件数と広告収入については、まだぼんやりとしか、やりますよというところだという、今、ここという感じということは確認させてもらいました。
私が二月に独自に調べた都のプロジェクションマッピング事業の総額ですね、内訳。効果不明のプロジェクションマッピングに約五十億というのをブログで明らかにさせていただいて、メディアにも火がつき、NHKまでが総額五十億のプロジェクションマッピング事業と報道するに至り、日本中の批判に今もさらされており、苦肉の策で出てきた批判回避策と──広告を取ってちゃんと収支をつけるというふうに思ったんでしょうかね
──と痛感いたしました。
令和五年度予算、約七億円、令和六年度予算は九億五千万円、現在、八億三千万円が支出されております。知事は、今まで三十九万人来たとはしゃいでいますが、一人の観光客を獲得するのに約四千円投入しているということです。これは平均ですから、平日などはもっとコストがかかっていることになります。
四千円かけて、ただただプロジェクションマッピング、ほかに店舗もない都庁に来てもらって、一人に見てもらうのに四千円以上に見合う経済効果がどう得られているのか。広告しても、東京都、都庁のプロジェクションマッピングは高速から見られないんだよねという話も都民から伺っているんですよね。どういうふうに換算しているのか、確認させていただきます。
○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングの経済波及効果は、令和五年度の予算額七億円に対し、プロジェクションマッピングを見た旅行者の飲食等による消費効果などを含め、十八億円との試算がございます。
○上田委員 十八億円は、これ以上、多分お答えになれないと思うんですけど、どこで、このホテル界隈で十八億なんですかね。少なくとも、その十八億円というのは、ちょっと私、何いっているか分からないという感じなんですけど、少なくとも、もし広告を取るというのであれば、八億円以上、この支出よりも広告費、そのぐらい取ってツーペイ、ただにしてもらいたいぐらいな、これこそが私は採算が合うということだというふうに思っております。
TOKYO LIGHTSです。
今、31から32までですか、本当にありがとうございます。細かい内訳の資料を出してもらっております、プロジェクションマッピング、都庁版と、あとTOKYO LIGHTSです。エイベックス、プロジェクションマッピング協会、博報堂プロダクツへ、令和三年度から十二億六千万円支出しております。
委託しまくっていることから、その先、協会に払った先の健全性や、価格とか品質の適正性、公平性、公明な運営が担保されているのか、確認が本当難しいんですよ。逆に、その点が都民の疑義を持たれる原因と考えています。
なぜこれほど委託しまくっているのか。そもそも委託事業となったいきさつをご説明の上、そもそもやる必要があったのかというところからなんですけど、もうやっちゃっていますので確認させてください。
契約内容と費用対効果、いろいろご批判の多いプロジェクションマッピングのクオリティーと価格は適切なのか、委託した後の適正運用をどうしているのか、説明をお願いいたします。
○江村観光部長 プロジェクションマッピングの国際大会の開催に当たり、国内外のクリエーターからの作品の募集や大規模な集客イベント等に関する民間のノウハウを活用するため、委託事業者を適切に選定した上で効果的に事業を実施しております。
本事業は、地域の実情に詳しい地元自治体やプロジェクションマッピングの活用に関するノウハウを持つ団体などが参加する実行委員会が企画や運営を担っており、委託事業者の履行確認を適正に行っております。
本年九月に開催した国際大会は、参加国数や応募作品数で世界最大規模の大会となっており、東京のナイトタイムの魅力発信に大きく寄与しております。
○上田委員 だから、都がこんなに出してやることなのか、別に——世界最大級病と、今、都民から批判を受けているんですけれども、お台場、世界最大級、プロジェクションマッピング、世界最大級。これらの二つのプロジェクションマッピング事業の相場観が本当に分からないんですよ、全く。その点も調査、把握していると思料いたしますので、例示して説明していただきたいんですよね。
何が知りたいのかというか、この三十億って、今のプロジェクションマッピングとやらに、本当にコストに見合うものなのか、そのクオリティーなのか、都民に代わって知りたいということですので、よろしくお願いします。
○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングでは、これまで三十九万人を超える観覧者が訪れており、テレビや新聞など海外を含め、延べ約三千のメディアで取り上げられたほか、観光事業者がプロジェクションマッピングを鑑賞する旅行商品を販売する取組も出るなど、経済面での効果も見られております。
また、本年九月に開催した国際大会では、世界五十六の国と地域のクリエーターから二百七十八組のエントリーがあり、テレビや新聞など海外を含め、延べ約六百のメディアから取り上げられました。
○上田委員 クリエーター、世界からいろんなメディア、すごいきらきらした言葉が並ぶんですけど、我が江戸川区民は、わざわざ都庁や神宮に足を運び、プロジェクションマッピングに行く人、とにかく駅に立っていたりなんかしても、ほとんど残念ながら聞くことはありませんけれども、例えば、介護の手が足りないとか、そういった切実なご相談は、物価高騰でもう大変だ、そんな話は聞くんですけど、プロジェクションマッピングを見に行くというのはあまり聞いたことはないんですよね。
こうした見ることもないであろう──たしか私、計算したときに一人四百円ぐらいになるんですかね、いわゆるプロジェクションマッピング全体を都民で割ったりすると。そういう都民にこれだけの費用をかけて、都民に何をどう還元、寄与するのか、ご説明いただければと思います。
○江村観光部長 都庁舎などにプロジェクションマッピングを投影することにより、インバウンドに加え、国内からも来訪者を数多く誘致し、観光消費に結びつける視点は重要でございます。
プロジェクションマッピングについては、東京の観光振興に係る有識者会議の中でも、その活用について議論が行われてきており、観光事業審議会でも、東京のナイトタイムの魅力的なコンテンツになるなどの意見をいただいております。
○上田委員 近い歌舞伎町はいろいろ問題があっても本当に魅力的なコンテンツ、浅草だったら民間がやって頑張ってやっているので、わざわざ都庁を照らして魅力的なコンテンツにするよりも、そっちを応援してあげた方がいいんじゃないのと、プロジェクションマッピングじゃなくてもいいんじゃないのというふうに、私はいわせていただきたいと思います。
どこかのように、膨大な資料要求じゃないんですけど、情報開示請求をしたんですけれども、これだけの金額に妥当性を、観光部の部長が当然把握しているんだと思いますね。一部、プロジェクター等のレンタル費も毎月三千七百万円かかっているんです。これ、一年たったらどうなっちゃうのみたいな、これまでに決定された支払い額の中に、不当に割高なものはないこと、つまり、税金の無駄遣いは一切ないことを確認していると明言できるのでしょうか。
かなりの資料を私も情報開示請求したので、また、こしこし見ていきたいと思いますけれども、まず、この毎月三千七百万のプロジェクター料に、椅子から転げ落ちたんですけれども、つまり、税金の無駄遣いはないということが断言できるのか、イエスかノーかでお答えしていただきたいと思います。
○江村観光部長 事業の実施に当たりましては、予算の積算を適切に行うとともに、執行段階において適切に確認を行っております。
○上田委員 やっぱり今の説明を聞いていても、わくわくするような、本当に費用対効果があって、産業振興に関わるというふうには若干思えないと思っております。
もともと、産業労働局というのは、さっきのフィルムコミッションとか、また中小企業の支援とか、あと労働者の不当な悩みとかというのを支えてきた、地道に産業と労働を支えてきた局でございますから、奇をてらうことよりも、地に足をつけた、これまでどおりの産業労働局の事務事業をぜひ続けていただきたい。
その知見を生かして、もちろんDXだ、シードだというのもありますけれども、まずは地道な中小企業や地域の支援と、また労働者の支援、原点に返って、身の丈に合ったことをやっていただきたいと。
プロジェクションマッピングにつきましては、まだまだご批判もありますし、また、広告がついたところで、火は消えないどころか燃え上がって、また、それ、電通とかに渡しちゃうのということに、ほかの委員も指摘しておりましたけれども、なりますので、引き続き注視をさせていただきたいと。
あとは、TIBとかの二重、三重のスタートアップ、アクセラの支援とか、また、箱物が二重、三重行政にならないことを指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○青木委員 まずは、商店街の取組について伺います。
商店街は住民の買物の場のみならず、人と人との交流や地域防犯など、多様な機能を有しておりまして、都民の日常生活に欠かせない存在であります。
地域コミュニティの中心である商店街でありますが、私自身もまちを回っていまして、その活動を担う店舗の経営者は、やはり男性が多く、高齢化も進行しているというのが現状でございます。後継者不足への対応が重要な課題になっていると感じています。商店街によっては、イベントを運営する人手が足りなかったり、多くの方にイベントに来ていただくための企画も十分にできていないという声も聞いております。
こうした状況の中で、他会派からは企業における女性の活躍についてお話がありましたが、この商店街の活動に女性が参画し、女性ならではのアイデアや企画力をイベント等の実施に生かしていくというのも一つの考えだと思っております。
現状、都は、今年度から、女性グループが事業を実施する場合の支援を行っているところでございますが、この事業内容と支援の事例について、まずは伺います。
○福田商工部長 都は、商店街の新たな担い手となる女性の活躍を後押しするため、商店街等の女性グループが企画するイベントの実施等に必要な経費について、都が十二分の七を、地元自治体が三分の一を助成し、商店街の負担を十二分の一まで引き下げる支援を今年度から開始しております。
九月末現在で二十七件の交付決定を行っており、女性の発想力を生かした様々な企画の申請がございました。
具体的には、和服や着物を着用した方に、商店街の飲食店で使用できる割引チケットを販売し、周遊を促すイベントや、商店街の道路を活用したストリートヨガを開催し、健康増進を図るイベントなどの提案がございました。
○青木委員 二十七件ありまして、今、具体的な事例もお話しいただきました。
商店街における、もう一つの大きな課題があると思っていまして、デジタル化だと思います。社会全体のデジタル化が今、進む中、商店街を取り巻く環境も、買物をする方の価値観の多様化やキャッシュレスの普及など、大きく変化していると思います。また、商店街活動の担い手の不足する中、デジタルの活用による業務改善も急務でございます。
都は、商店街のデジタル化を促進する取組を行っておりまして、今年度、充実を図ったということですが、その内容と、こちらも支援事例について伺います。
○福田商工部長 都は、商店街がデジタル技術を活用し、来街者の利便性向上や新たな販売機会の創出、組織内の円滑な活動を実現する取組を支援しております。
今年度は、デジタル機器等の導入に要する経費の支援に加え、導入した機器などを効果的に活用するためのサポートを開始するとともに、キャッシュレス化の補助限度額を一千五百万円に拡充しております。
具体的には、多機能型キャッシュレス決済端末の導入やポイントカード等の機能があるアプリケーションの開発のほか、商店街活動の効率化に向けたデジタルツールの導入など、九月末現在で十六件の交付決定を行いました。
○青木委員 ありがとうございます。
私の地元の目黒区の商店街振興組合連合会でも、現在、加盟店のデータベースの作成など、デジタルを使った業務の工夫に取り組んでいるところであります。
そうした中で、商店街活動で女性が活躍するための手厚い支援や、商店街のデジタル活用の促進に都が取り組んでいるということが分かりました。
引き続き、地域の声を聞いていただき、区市町村等ともしっかりと連携しながら取組を進めることを要望しまして、次の質問に移ります。
エネルギー分野についてです。
都内では、燃料電池トラックや燃料電池バスなどの導入が全国に先駆けて進んでおりまして、先日、私自身も晴海の水素ステーションを視察した際も、燃料電池バスが走っているのを見かけました。この燃料電池バスを含む燃料電池車両は、静かでCO2を排出せず、脱炭素社会につながる身近な乗り物であると考えております。
水素の普及に向けては、このような車両に燃料を供給する水素ステーションの整備に対する、ハードや、またソフト両面からの十分な支援が必要であると考えます。
都はこれまでも様々な支援策を講じていますが、今後、さらにステーションを増やしていくためには、国と関係事業者が一体となった取組を進めていくことが不可欠だと考えます。現在の取組状況について伺います。
○服部新エネルギー推進担当部長 これまで都は、水素ステーションを開設する事業者に対し、設備の導入費や運営費への助成を行うとともに、今年二月に、国や物流事業者、車両メーカー等の関係者、約五十団体で構成される検討会を新たに立ち上げ、これまで三回開催し、効果的な水素ステーション整備について議論を深めてまいりました。
本検討会では、物流、荷主事業者からは、事業所近傍での水素ステーション設置が望ましい、車両メーカーからは、新規開発に向けた具体的な需要が見えることが必要、水素ステーション事業者からは、確度の高い水素需要がないと投資計画が難しいとの意見をいただいております。
今後、検討会メンバーをはじめとした関係者と議論を重ねながら、物流拠点や高速道路のインターチェンジ周辺等、商用車などの水素需要が見込まれるエリアを中心に、新規のステーション誘致や整備を重点的に進めてまいります。
○青木委員 現在、水素社会の実現に向けた動きが世界的に加速する中で、モビリティー分野での需要を支える水素ステーションの整備は重要であると考えます。
今後も、国や関係事業者としっかり連携しながら、都としても戦略的かつ集中的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、省エネ対策について伺います。
昨今の電気料金をはじめとするエネルギー価格の上昇により、多くの中小企業の経営が悪化しており、私のところにも中小企業の経営者から、その窮状を訴える声が届いております。こうした中において、省エネ対策はCO2の削減だけではなく、エネルギーコストの削減という面からも、その重要性がますます高くなっております。
一方で、中小企業は大企業に比べて資金やノウハウなどの面で課題を抱えており、こうした取組を自ら進めることは非常に困難であると考えます。
そこで都は、昨年度から都内の中小企業に対し、省エネ性能の高い設備への更新を支援する取組を行っておりますが、今年度の取組状況について伺います。
○米澤産業・エネルギー政策部長 都は、中小企業のエネルギー利用の効率化を図るため、専門家による省エネ診断等に基づき、省エネ設備の導入や運用改善を図る取組への支援を行っております。
十月末時点で七百二十七件、約二十九億二千万円の交付決定を行い、高効率な空調設備や冷凍冷蔵庫等への更新、照明設備のLED化、運用改善を行うためのセンサーの設置などの取組を支援してございます。
これらによる年間の電力削減量は、一般家庭の平均年間電力消費量に換算して、およそ一千九百軒分に相当する約八千八百メガワットアワーであり、電力価格約二億円、CO2排出量約四千三百トン相当の削減につなげてございます。
こうした取組によりまして、中小企業によるコスト削減と脱炭素化を後押ししてまいります。
○青木委員 厳しい経済状況にある都内中小企業のニーズに応えるとともに、より効果の高い取組が進むよう、工夫など行っていただき、事業者の取組の支援をしっかりと後押ししていただきたいと思います。
次に、脱炭素化について伺います。
最近では、企業が単独でCO2の削減に取り組むだけでなく、サプライチェーン全体で進めることも求められておりまして、中小企業が大手企業などの取引先から、CO2排出量を把握し、削減するよう要請を受ける事例も増えていると聞いております。
取引関係の維持を図る上で、サプライチェーン上の中小企業が協力して脱炭素の取組を進めることは、私自身、効果的だと考えております。
都は、今年度から、複数の中小企業が一体となって脱炭素化の取組を行う際に支援することとしておりますが、その取組状況について伺います。
○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 都は、今年度、中小企業のグループによる一体的なCO2削減の計画策定と、人材育成や省エネ設備の導入等への支援を開始してございます。
これまで金型の設計と製作に関わるサプライチェーンに加わる中小企業三社のグループなど、二グループ計七社を採択しており、専門家を派遣してCO2の削減計画の策定を支援してございます。
また、二か年にわたり、その計画の実行を推進する社内人材の育成を支援するほか、CO2の排出量を可視化するシステムやエネルギー効率の高い生産設備などの導入に必要となる経費の三分の二を、一社当たり最大三千万円まで助成いたします。
これらにより、サプライチェーンに加わる中小企業が協力して行うCO2の排出削減の取組を後押ししてまいります。
○青木委員 都がサプライチェーンを構成する企業をグループ単位で効果的に支援していることが分かりました。
今後、多くの中小企業が脱炭素化の取組を経営戦略として進めていくことが必要になると考えておりますが、ノウハウが十分でないことも多いです。
自社の排出量の算定や削減計画の策定といった取組への支援をさらに充実させるよう要望いたします。
次に、シルバー人材センターについてです。
シルバー人材センターが紹介する仕事は現在、多岐にわたっています。清掃や植木の手入れ、最近では子育て世帯や高齢者の生活のサポートはもとより、文化スポーツイベントなどの受付や案内、スーパー等での接客、さらにはパソコン教室の講師等、その専門的なスキルを生かし、それを伸ばしながら活躍する高齢者も見られるようになっております。
このような仕事を希望するセンターの会員に対し、スキルアップ支援、スキルアップや研修の機会の充実を図ることができれば、高齢者の就業意欲のさらなる向上につながり、よりよい待遇で働くチャンスが広がっていくと思います。生産年齢人口が減少する中、地域での貴重な働き手を確保する上でも重要です。
こうした観点から、現行のシルバー人材センターでは、会員のスキルアップに向けてどのような支援を行っているのか、また、今後拡充に向けた計画があるのか伺います。
○内田雇用就業部長 意欲ある高齢者の多様な就業機会を確保し、その活躍を後押しできるよう、希望に応じたスキルアップの機会の充実を図ることは重要でございます。
都は、各地のシルバー人材センターのサポートを行う東京しごと財団を通じ、家事援助のノウハウ、接客の際のマナーやクレーム対応、最新のITの知識など、必要なスキルを習得できる会員向けの講習を無料で実施しており、十月末までに十六講習を実施し、延べ三百二十人が受講しております。
一部の講習は、地域のセンターからの提案に基づき実施をしておりまして、生涯現役を目指す会員の就業ニーズも踏まえながら、高齢者の一層の活躍と地域の人材確保につなげてまいります。
○青木委員 会員の希望に応じ、スキルアップもしながら地域で新しい仕事にチャレンジできる環境が整備されることで、地域全体の活性化にもつながっていくと思っております。
都においては、各地のシルバー人材センターの声も踏まえながら、会員のスキルアップについて不断の検討をしていただければと思います。
次に、先日の都議会において、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が全会一致で成立いたしました。
我が党としましても、誰もがハラスメントの被害者にも加害者にもならないよう、都に対策の強化を求めてきたところであります。
今後、条例が現場で実際に効果を発揮するためには、顧客対応でのハラスメントを防ぐための対応マニュアルを各企業で準備できるかが非常に重要になると思います。
しかし、規模が小さい企業は、人員が限られており、従業員のノウハウも乏しく、自力で対応マニュアルを作成することは大きな負担になり得る。そういった中で、マニュアルの作成支援や従業員向けの研修プログラムの提供など、行政による支援が必要であると考えます。
そこで、特に、資源が限られている中小企業に対して、従業員が安心して業務に取り組める環境を整えることが必要であると考えますが、その見解を伺います。
○内田雇用就業部長 今般成立した条例では、都の責務として、事業者への情報提供や相談、助言などを定めるとともに、事業者の措置として防止マニュアルを作成することを求めております。
七月に立ち上げた条例の指針等の検討を進める会議では、事業者の規模に応じた対応の掲示が有効、小規模事業者には行政の施策も重要などの意見が委員から示されました。
また、先月開催した会議では、マニュアルづくりに向け、現場でカスハラ行為を明確に線引きし、厳正に対処するノウハウを示す重要性や、恣意的な運用を防ぐ啓発が必要などの意見も示されました。
今後、都は、こうした指針等において、実際の現場で役立つ対応策や事業者の規模に応じた効果的な体制整備の方法を提示するとともに、マニュアルづくりの参考となるひな形を作成するなど、事業者への支援を進めてまいります。
○青木委員 条例の制定に伴い、具体的にどのように対応していけばいいか不安を抱えている中小企業も多いと思います。
都が研修やコンサルティングを無料または低コストで提供するなど支援を検討し、規模にかかわらずあらゆる企業でこの対応マニュアルがつくられるよう、都の積極的な取組を期待しております。
次に、地域における企業と人材のネットワークについて伺います。
民間の調査では、二〇二四年度上半期の人手不足倒産の件数は、過去最多を大幅に更新した二〇二三年度をさらに上回ることが示されまして、企業の人手不足は厳しさを増しているといえます。とりわけ中小企業にとって人材不足への対応は切実な課題となっています。
地域を支える中小企業の成長は、都内経済の発展に向けた原動力であります。厳しい経営環境の中、人材の確保や育成のノウハウに乏しい中小企業の事業活動が円滑に行われるためには、職業能力開発センターなどの都の機関が公的支援の活用を先導するほか、地域内の企業や団体と連携し、就労機会や雇用の安定性を確保していくことが大変重要であります。
そこで、都が地域におけるネットワークの構築を促進し、中小企業の人材の確保や育成の取組を後押しすべきだと考えますが、伺います。
○内田雇用就業部長 中小企業の人材の確保や育成に向けて、地域における事業主や関係機関とのネットワークを構築し、情報やノウハウの共有化を図ることは重要でございます。
都では、都内四か所の職業能力開発センターに、各地域の中小企業や業界団体、ハローワーク、区市町村等で構成する協議会を設置し、定期的に意見交換を行うとともに、地域産業の状況や中小企業の人材ニーズの把握に努めてございます。
また、協議会等で得た知見を生かし、中小企業の人材確保に向けたセミナーを実施するほか、地域の中小企業と求職者とをマッチングする合同就職面接会を開催しております。
これらに加えまして、今年度から各センターに中小企業の人材の確保と育成に関する相談対応を行う人材総合サポートデスクを設置いたしました。この窓口では、専門家が地域の中小企業を訪問し、課題をヒアリングした上で解決をサポートしております。
○青木委員 ありがとうございます。
今の答弁で、都が中小企業の人材確保、また育成に向けた取組を積極的に後押ししていくことが分かりました。
こうした取組を継続していただき、中小企業と人材をつなぐネットワークづくりに寄与していただければと思います。
最後に、農業について伺います。
人口減少が進む中、狭小な農地を特徴とする東京において稼ぐ農業を実現していくためには、農業のスマート化を進めていくことが非常に重要です。
例えば、スマート農業により、通常のおよそ二倍の糖度のトマトをつくり、首都圏の百貨店などで高い評価を得ているという報道も見ました。このように、スマート農業を進めることは生産性の向上のみならず、そのブランド化や販売の販路の拡大にも資する取組であると考えております。
こうしたことから我が党は、スマート農業の推進について繰り返し主張してきました。
そこで、付加価値向上にも資するスマート農業の導入支援について、都の取組を伺います。
○榎園農林水産部長 都は、今年度から、デジタル技術を活用し、収穫量の増加や高品質化、農作業の省力化につながる取組を後押ししています。
具体的には、スマート農業技術の導入を検討している農業者に対し、専門家の派遣や機器購入の助成を行っており、十月末時点で、精密な土壌管理を自動で行うトラクターや無人で畑の雑草を刈り取るロボット草刈り機など、四十三件の申請がございました。
また、バイヤーなどの経歴がある販路開拓アドバイザーが飲食店や百貨店などに農産物等を売り込む取組を行っており、こうしたスマート農業により生産された農産物についても販路拡大等につなげてまいります。
○青木委員 東京農業の発展に向け、東京農業のスマート化を進めるとともに、ぜひブランド力の向上の支援についてもしっかりと取り組んでいただくよう要望し、私の質問を終わります。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後六時二十分休憩
午後六時四十分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○内山委員 私からはまず、雇用就業関連から介護と仕事の両立について質問したいと思います。
東京で働きながら親の介護に当たる、いわゆるビジネスケアラーの数は、二〇一二年には二十九・九万人、二〇一七年には四十二・五万人、二〇二二年には四十二・八万人と増加をしております。
国の調査では、介護によって仕事を辞めた理由の一位は、勤務先の両立支援制度の問題や介護休業等を取得しづらい雰囲気等があったとなっており、介護問題の解決には、制度整備に向けた企業への働きかけや勤務先の理解向上が必要だと考えられます。
こうした状況を踏まえ、我が会派では、昨年度、都に対して、従業員が介護休業を取得しやすい環境整備に向けた機運醸成について要望いたしましたが、ビジネスケアラーの問題について、今年度の取組状況を伺いたいと思います。
○新田事業推進担当部長 都は、ビジネスケアラーに関する企業と働く人の理解を促進するため、企業の経営者、人事労務担当者等を対象に、介護と仕事の両立に取り組む企業の事例紹介等を行うシンポジウムを開催しております。
昨年度は二百五十三名の方に参加いただき、アンケートでは多くの方から働きやすい職場づくりや介護と仕事の両立に対する理解が深まり、また、取組の必要性を感じたとの回答がございました。
今年度は、従業員向けのシンポジウムを新たに開催し、突然の介護への備え方についての基調講演や、実際にビジネスケアラーとして親の介護を経験された著名人によるトークショーを行い、介護休業が取得しやすい環境づくりを促してまいります。
○内山委員 我が会派の要望を受け、介護休業の機運醸成に取り組んだことを評価したいと思います。
一方、普及啓発に関するイベントというのは、ただシンポジウムや講演会等を行うだけでは、機運の醸成や意識の啓発がされているかどうかというのは分からないと思います。
そういった意味では、昨年度のシンポジウムではアンケートを行い、ポジティブな効果があったとのことですが、引き続きこうした効果検証を行いながら、実効性のある施策となるよう強化を図ることを求めたいと思います。
次に、障害者雇用についてお伺いをいたします。
先ほども少し質疑がありまして、重複するようでしたらカットしようと思ったんですが、微妙にかすった程度だったので進めさせていただきたいと思います。
インクルーシブ教育、インクルーシブ公園など、インクルーシブ社会、ダイバーシティの推進に向けての取組というのが注目をされてきておりますが、現実においては、学校現場でも社会においても、実態はまだまだ厳しいものがあるんではないかなというふうに思っております。
公立小学校の例えば特別支援学級の教員の話を聞くと、まだまだ通常学級の方々との壁があったりとか、逆に特別支援学級の先生方が通常学級と子供たちと一緒に活動すると、何か通常学級の子たちに迷惑かけるんじゃないかとか、教育庁にいらっしゃった新田部長もうなずいておられますけど、まさにそういった学校現場でもそうですし、社会の中でもなかなかまだまだこういったところはハードルがあるんではないかなというふうに思っています。
そういった中で、障害のある方の中でも、賃金が安くてもあくまで福祉という枠組みの中で仕事、作業していきたいという思いを持っていらっしゃる方々もいれば、障害の有無にかかわらず、できる限り自立して働いていきたいという思いを持たれている方々もいらっしゃいます。
そういった中で、いきなり障害のある方々が企業で働くことができればそれが一番なんだとは思いますが、先ほど申し上げましたとおり、まだまだインクルーシブな社会となっているとはいえない中で、まずは企業側に障害者雇用について理解を深めてもらった上で受入れを行っていただいたり、障害のある方も自信を深めた上で就業開始したりする方が、よりハードルが下がり、円滑な雇用スタートにつながるのではないかと思います。
こうした観点から都は、障害者雇用に取り組もうとする企業での職場体験実習を推進すべきと考えますが、その取組状況についてお伺いをいたします。
○新田事業推進担当部長 都は、働いた経験がないなど、企業等で働くことに不安を抱える障害のある方と障害者雇用を検討している企業を結びつけ、円滑な就労につなげるため、職場体験実習の機会を提供しております。
具体的には、障害者雇用の専門家を企業に派遣し、実習に適した業務の選定、実習生を受け入れる職場の社員の研修等を行うとともに、受入れに必要な経費を支援しております。
また、職場体験実習を希望する障害者が企業に出会い、企業内に障害者雇用のノウハウを蓄積する場として、年十二回の面談会を開催するなど、マッチングを実施しております。
こうした取組により、九月末時点で職場体験実習の登録企業は五百三十七社となっており、六百十三件のマッチングを成立させております。
○内山委員 九月末時点で登録企業は五百三十七社で六百十三件のマッチングということで、引き続き取組を進めていただきたいなと思います。
障害者法定雇用率は、今年四月に続いて、再来年にもさらなる引上げを予定されておりますが、これはむしろインクルーシブ社会、ダイバーシティの推進の絶好の機会と捉えられると思います。
都においては、引き続き障害者雇用を検討する企業の実習機会がしっかりと確保されるよう取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、観光関連です。
多摩地域には豊かな自然をはじめ、地域ならではの食や歴史、文化など、観光の魅力が数多くあります。
私の地元昭島市でも、広大な緑に囲まれた昭和記念公園、立川だと思われている方、多いと思うんですが、昭島も入っていますので、ぜひこの機会に覚えていただけるといいかなと思います。
また、郷土芸能まつりなど、多くの方々が楽しんでおりますし、東京都無形民俗文化財に指定されている昭島日吉神社の榊祭や中神の獅子舞は何百年もの間、地域の方々が紡いできた伝統文化であります。また、昭島の話ばかりで恐縮なんですが、水道水は都内で唯一深層地下水一〇〇%ということでありますので、何を食べても何を飲んでもおいしいと私は思います。味つけさえ間違いなければですね。
現在、東京にはたくさんの観光客が訪れておりますが、都心に比べると多摩地域の観光客は少ない状況にあります。多摩地域の市町村が独自に誘客の取組を進めているケースも見られますが、発信力という点においては、都が多摩地域のPRを行っていくことが効果的ではないかと考えます。
そこで都は、多摩地域への旅行者を誘致するために、どのような取組を行っているのか伺いたいと思います。
○江村観光部長 都は、今年度より、多くの訪都旅行者が見込まれる地域に出向いて、現地の観光関連事業者や住民などを対象に、多摩地域の観光の魅力を効果的に伝えるための取組を開始するとともに、都内でのPRを行いました。
具体的には、大阪と名古屋で開催された大規模な観光イベントにブースを出展して、多摩地域の地酒などの特産品を販売するほか、臨場感あふれるVR映像による多摩の観光体験などを提供いたしました。
また、都内で開催された展示イベントでも、多摩の観光スポットを紹介するほか、工芸品の制作体験などを実施しておりまして、これら三つのイベントに設けたブースには三千人以上が来場し、多摩地域の旅行地としての認知度の向上につなげております。
○内山委員 ありがとうございます。
多摩地域には魅力的な地域がたくさんありますが、まだまだ十分には知られておらず、東京観光というとどうしても都心の観光地に人が集中してしまう現状にあると思います。
多摩地域の集中的なPRは今年度から開始したとのことでありますが、こうした機会を積み重ね、区部だけではなく、多摩地域にも着実に旅行者を呼び込んでいくよう求めておきます。
続きまして、ユニークベニューの利用促進についてお伺いをいたします。
東京を訪れる外国人旅行者の数は急速に伸びておりますが、一般の観光旅行より消費額が大きく、経済効果が高いといわれている国際会議など、MICEの誘致にも積極的に取り組む必要があると思います。
MICEの開催に当たり、東京の歴史を体感できる美術館や庭園などを使うことは、参加者の満足度向上につながります。
一方で、主催者にとっては、特別な会場を借り上げてイベントを開催する際に、様々な費用負担が発生し、その実施にはハードルが高いという声も聞かれます。
こうした声を踏まえ、都は主催者の負担を軽減する観点から、ユニークベニューの利用を後押しすべきと考えますが、見解を伺います。
○江村観光部長 都では、ユニークベニューの活用を進めるため、歴史的建造物や文化施設などでレセプションやパーティー等を実施するMICE主催者に対し、機材や装飾などの設営経費に対する助成を行っております。
今年度からは、会場借り上げ費を新たに支援対象に加えるとともに、補助率を二分の一から三分の二に、上限額を一千万円から一千五百万円にそれぞれ引き上げました。今年度は、美術館でのファッションデザイナーによる新作発表会や水族館での企業による表彰セレモニーなど、九月末までに昨年度を上回る四件を採択いたしました。
今後もこうした取組により、ユニークベニューの利用促進を図ってまいります。
○内山委員 ありがとうございます。
主催者の負担軽減を図るため、上限額等を引上げたことは評価できると思います。
一方で、こうした都の支援によって、どれだけの集客があって、どのような効果があったかというのを捉えていくのも重要だと思います。主催者へのヒアリングなどにより、そうした分析をしっかりと行うよう要望し、次の質問に移りたいと思います。
続きまして、私も長年悩まされている花粉症について、ここもかする程度でしたので質問させていただきたいと思います。
花粉発生源対策について伺います。
都は、貴重な多摩地域の森林を守るため、花粉発生源対策として、戦後大量に植林された杉やヒノキを伐採し、花粉の少ない苗木への植え替えに取り組んでおります。
成長した杉等は花粉を多く飛散させるといわれ、木材として利用できる時期に達した杉等を計画的に伐採することは重要であると思います。
そこで、花粉発生源対策について、都の取組状況についてお伺いをいたします。
○榎園農林水産部長 都は、花粉が多く飛散する杉、ヒノキの伐採と花粉の少ない杉等の植栽により森林循環を促進し、花粉の削減と多摩産材の安定供給を図っております。
今年度は、約二十二ヘクタールの伐採契約を行うとともに、伐採現場に先進的な林業機械を導入するなどにより伐採搬出を進め、九月末現在で約九千二百立方メートルの木材を供給しました。
さらに十二月には、無人航空機によるレーザー測量手法の活用に着手し、樹木の価格評価の客観性の向上や迅速化を図り、早期の伐採契約につなげてまいります。
○内山委員 先ほど他の委員の答弁でもありましたが、急峻な地形だとか、なかなかハードルは高いかと思いますが、花粉症対策においては都の重要な施策であるため、さらなる伐採の促進をお願いしたいと思います。
また、森林整備を進める上で、所有者が分からなかったり、森林の境界が不明だったりすることが大きな支障の一つになっているとも伺います。森林循環を加速させるためにも、解決に向けた取組の強化も要望し、次の質問に移りたいと思います。
続いて、東京味わいフェスタについて伺いたいと思います。
東京は世界有数の大都市でありながら、多摩地域には多くの農地があります。
私の地元昭島市では、拝島ネギというのがありまして、熱を加えると甘みが増すため、これからの季節、鍋料理なんかにもよく合います。
都は毎年秋になると、東京の農林水産物を実際に味わうことができる食のイベント、東京味わいフェスタを開催しており、こうした取組を通じて東京の農林水産物の認知度を向上させ、需要拡大と地産地消を推進していくことが重要であります。
そこで、今年度の味わいフェスタの開催状況についてお伺いをいたします。
○田代安全安心・地産地消推進担当部長 都は、農林水産業の魅力を広く発信するため、先月二十五日から三日間にわたりまして、丸の内や豊洲などの四会場において、東京味わいフェスタ二〇二四を開催いたしました。
多摩地域の野菜など、東京産食材を使ったメニューを味わえる一流レストランのキッチンカーやマルシェ等、百二十を超える出店者が参加いたしました。
また、都が農林水産業の広報リーダーとして任命した若手生産者と有名シェフによるトークショーや、子供が楽しめる収穫体験などを行い、約二十五万人の来場がございました。
○内山委員 インバウンドを含めた多くの人々が実際に味わえて体験できる農と食のイベントは、東京の多彩な農林水産物を知ってもらえるいい機会だと思います。こうした集客力のあるイベントの場を活用して、今後、多摩地域の魅力発信という視点も盛り込み、多摩振興にもつなげていただきたいと思います。
次に、東京農業の振興について質問いたします。
東京の農業者は減少を続けているものの、近年は新規就農者が多くなってきております。とりわけ女性の新規就農が増加しており、農産物の販売企画等に取り組むことで収益を上げている経営者もいます。こうした女性の農業への参入を進めていくためには、ライフ・ワーク・バランスなどに配慮することも大切であると思います。
そこで、女性が職業として東京農業に魅力を感じられるよう、都としてしっかりと支援すべきと考えますが、今年度の取組について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、女性が東京の農業で一層能力を発揮できるよう様々な取組を進めており、今年度、新たに女性の経営参画を後押しするための講座を十月に開催し、約七十名が参加いたしました。
本講座では、育児をしながら多角的な経営を実践する女性農業者の取組の紹介や、男女共同参画のワークショップなどを行いました。
参加者からは、女性が働きやすい環境づくりの重要性を理解した、夫婦での協働に対する意識が高まったなどの声をいただきました。
また、子育て世代の負担の軽減を図るため、出産等で農作業に従事できない期間の代替の労働力を確保する経費を助成しており、今後も女性農業者が持続的に活躍できるよう後押ししてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。
東京農業を振興するためには、女性の活躍はもとより多様な人材を取り込んでいくことが重要であると思います。今後は、多くの方に農業に魅力を感じてもらえるよう、農業における望ましい働き方についてもしっかりと発信をしていただきたいと思います。
続いて、起業、創業関連を、若者の挑戦を支援する取組について伺っていきたいと思います。
都が策定したスタートアップ戦略では、目標の一つとして、東京の起業数を五年で十倍に拡大するということが掲げられています。
こうした高い目標の実現には、起業家の裾野をこれまで以上に広げていくことが重要であり、特に、次世代を担う若者への支援が有効だと考えます。若い学生にとっても、学校での授業にとどまらない起業に挑戦できる機会があるということは、非常に刺激的であり、有意義であると思います。
都では意欲ある若手起業家を増やす取組を行っておりますが、その内容についてお伺いをいたします。
○福田商工部長 都は、将来の東京の産業の活性化に向け、意欲的な若手起業家を発掘する国内最大級のビジネスプランコンテストを平成二十六年度から実施しております。
コンテストの募集に当たっては、高校や大学へ積極的な周知を図ることで、本年度は過去最多の三千三百十七名の応募があり、このうち六割以上が学生からの申込みでございました。
十二月のコンテスト開催に向け、選考に進んだ三十名に対し、事業計画の磨き上げや資金調達等の具体的なフォローを行い、起業に結びつけるほか、全ての応募者が参加可能なコミュニティを立ち上げ、計画の練り直しなどをサポートしてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。
参加者というか対象者が十五歳以上で四十歳未満というふうに伺っておりますが、十五歳以上といえば中学生から高校生も大学生も入ってくるという中で、なかなかやっぱり学校で勉強できること、体験できることと、こうやってリアルな社会だとか、もしくは教育庁でなく産業労働局としてアプローチできるというのは、かなり、私、リアリティーがあっていいのではないかなと思います。そういった中で、こういったコンテストやコミュニティにそういった生徒や学生が参加してくるということは、学校とは異なるメンバーと仲間となって切磋琢磨するいいきっかけになると思います。ぜひこうした取組を充実することを要望して、次の質問に移りたいと思います。
創業に対する金融面からの支援についてお伺いをいたしたいと思います。
東京の産業の活性化に向けては、起業したいとの意欲を持つ人々の事業活動を後押しすることで創業の裾野を広げること、こちら、先ほど申し上げましたが、重要だと思います。
そのため、都では、女性や若者、シニアを対象に、地域の金融機関や専門家と連携し、資金面などから創業をサポートする事業を展開しております。こうした多様な人材の知見やアイデアを生かした創業の芽をしっかりと育てていくことができるように、今年度も支援内容を充実して取り組んでいると伺っておりますが、起業に必要な資金確保にしっかりとつなげていくこと、これも重要だと思います。
そこで、本事業の特徴のほか、令和六年度の新たな取組や拡充内容、さらに実績についてお伺いをいたします。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 都では、女性や若者、シニアで創業された方や創業を目指している方を対象として、信用金庫、信用組合による低金利無担保の融資と、創業アドバイザーによるサポートを組み合わせて支援しております。
今年度からは、創業者が保証人となるリスクを減らすため、経営者の保証を不要とする仕組みを新たに導入するほか、女性に対しては、融資限度額を一千五百万円から二千万円までに引き上げるとともに、支援対象を創業後五年未満から七年未満へと拡大し、事業の持続的な成長を支援しております。
こうした新たな取組等が反映された九月の融資実績は三十七件であり、前年同月実績の二十七件と比較して増加しております。
○内山委員 ありがとうございます。
新たな取組により、着実に融資につながっていることが確認をできました。引き続き、専門家によるきめ細やかなサポートと地域に密着した金融機関と連携した支援により、起業したいと思う方々のチャレンジを後押ししていただきたいと思います。
次に、中小企業やスタートアップとコーポレートベンチャーキャピタル、いわゆるCVCとの連携について伺いたいと思います。
近年、スタートアップ等への投資において、大企業等が設立するCVCの存在感が高まっており、今年の第一回定例会、経済・港湾委員会においても、我が会派の入江委員から、スタートアップ等の成長に大企業等が運営するCVCの資金力を活用すべきとの質疑を行いました。都内産業の活性化に向けて、中小企業やスタートアップのビジネスの拡大を促す上で、意欲的なCVCと連携することは大変意義のあることだと思います。
都は、今年度から、CVCを活用して、中小企業、スタートアップの成長促進を支援する事業を開始しておりますが、本事業の取組状況について伺いたいと思います。
○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 都は、今年度から、CVCとの連携による中小企業、スタートアップの成長促進に向け、双方の協業に向けたマッチングを支援するとともに、CVCが投資判断を行うに当たり、スタートアップ等の先進的な製品やサービスの実用性を検証する、いわゆるPoCの取組へのサポートを開始してございます。
製造業や小売業の大手企業等が運営するCVC九社と、中小企業、スタートアップ約二百八十社が十月末時点で本事業に参加しており、スタートアップ等とCVC等とのマッチング面談を約六十件実施してございます。
今後は、年度末までに二百件の面談実施を目指すとともに、マッチングが成立したスタートアップ等とCVCが行うPoCに要する経費の二分の一を最大二千万円まで助成し、協業へのサポートを行ってまいります。
○内山委員 ありがとうございます。
中小企業、スタートアップとCVCとの協業が多く展開されるよう、しっかりと支援をしていっていただきたいと思います。
あわせまして、都の産業政策として、今後も、資金をはじめ人材や設備など、大企業が持つ経営資源を中小企業、スタートアップの成長に生かしていく施策の充実を要望いたします。
続きまして、GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業についてお伺いしたいと思います。
都は二〇三〇年のカーボンハーフ、二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現を目指しておりますが、一方で、生成AIの急速な進展によるデータセンターでの大幅な電力需要の増加が見込まれるなど、これまで以上に省エネの取組や再エネ利用を推進していくことが求められております。
これらの取組を一層加速させるためには、これまでにはない新たな技術やサービスを実装させ、社会全体のグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXを進めていくことが重要であります。
しかし、こうした新技術や新製品の普及には、基礎研究から商品化までの息の長いサポートや、事業を進める上での連携先の確保などが課題だと伺っています。
今年度から、都がこうしたGX技術の社会実装化を行う企業への支援を行うことは、大変意義深い取組であると考えますが、その取組状況についてお伺いをしたいと思います。
○山本産業政策連携促進担当部長企画調整担当部長兼務 都は、今年度、都内企業によるGX関連産業の創出を図るため、先進的な技術などの社会実装を目指す企業等に対し、実装化に向けたプロジェクトの進め方のアドバイスや連携先の開拓のサポートを行うとともに、取組に要する経費の一部を負担する支援を始めてございます。
早期の量産化や市場投入が見込める技術等を二年間支援するプロジェクトとして、建物全体の空調や熱源のエネルギー効率をAIにより最適化するシステムや、データセンターのサーバーを液体を用いて冷却する新たな技術など、五件を採択してございます。
また、革新的な技術の基礎研究から社会実装までを五年間支援するプロジェクトといたしまして、特殊な膜を用いて空気中からCO2を回収する、建物内に設置可能な小型サイズの装置を開発、実装する取組を採択してございます。
○内山委員 基礎研究から社会実装までという、こういう話を福島委員の前でするのも恥ずかしいわけでございますが、カーボンニュートラルに資する技術、サービスが、ここ東京から生まれ、日本のグリーントランスフォーメーションをリードしていけるよう、事業者の取組をしっかりと後押ししていただきたいと思います。
最後に、水素パイプラインについてお伺いしたいと思います。
都は、脱炭素化の切り札として、水素の利活用をいち早く進めてきました。再エネに限りがある我が国において、本格的に水素を活用するには、海外からのグリーン水素の確保を想定した取組も不可欠であります。
知事は、令和六年第二回都議会定例会の所信表明において、海外から受け入れるグリーン水素を活用するため、パイプラインを含む供給体制の構築に向けた協議会を新たに設置し、空港臨海エリアで実装に取り組む民間や自治体等と将来のロードマップを描くと発言をされました。
そこで、水素パイプラインを含めた水素の供給体制の構築に向けた都の取組状況についてお伺いをいたします。
○服部新エネルギー推進担当部長 都は、空港臨海エリアにおけるパイプラインを含めた水素供給体制の構築に向け、本年四月に、水素の利用や供給を行う事業者、金融、法律関係者、自治体、関係省庁、有識者などから成る官民協議会を立ち上げて検討を開始いたしました。
これまで二回、全体会合を開催し、川崎臨海部からのパイプラインによる水素供給に関する意見交換、水素を大量に運搬できる船舶の開発状況等の情報共有を実施いたしました。
本年八月には、大規模な水素の利用や供給に向けた実現可能性調査を都と共同で行う事業者を公募し、通信インフラ等を活用した水素供給や、空港内エリアにおける水素利活用の二事業を採択いたしました。
この二事業を軸に分科会を立ち上げており、本分科会を中心に、具体化に向けた検討を進めてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。
水素社会の実現に向けては、様々なプレーヤーが力を合わせて進めていくことが重要であると思います。海外からのグリーン水素を効果的に活用できる体制づくりに向け、本協議会を通じて、引き続き取組を進めていただくことを要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
○細田委員 私からは、まず、中小企業支援について伺います。
中小企業への資金繰り支援について質問します。
コロナ感染症対応融資の返済の開始や、そして、エネルギーや各種原材料の高騰などで、中小、小規模事業者は資金繰りにおいて厳しい環境下にあります。
事業者が制度融資の利用だけでは資金が足りない場合に、都が独自に実施しております原則無担保の東京プラスサポート融資制度もあります。
このため、都議会公明党は、さきの第三回定例会の代表質問におきまして、この東京プラスサポート融資制度を活用して資金繰りの負担軽減を図るべきと訴えました。
これに対して、都は、今年度中に融資期間の上限を五年から七年に延長して、事業者の月々の返済負担を軽減すると答弁をされました。
そこで、この融資期間の延長と負担軽減の具体的な効果について、都の見解を求めます。
○原金融部長金融支援担当部長兼務 感染症対応融資の返済開始や原材料価格の高騰など、厳しい経営環境が続く中、中小企業の円滑な資金繰りを支援することは重要であります。
このため、都は、事業者の月々の返済負担を軽減し、事業運営の安定化に資するよう、年度内に融資期間の上限を延長いたします。
この融資期間延長による効果の事例としまして、中小企業が七年の融資期間で限度額三千万円を借り入れる場合、五年の場合と比べて、毎月の返済負担が二五%程度軽減されます。
これらにより、中小企業の資金繰りを下支えしてまいります。
○細田委員 四分の一の負担が減るという、延びるという、非常に効果がある、中小企業の資金繰り支援に貢献できる取組だと思います。
一方で、多くの事業者が、長引く物価高騰などで日々資金繰りに苦労されています。都におきましては、金融機関などとの調整を進めていただいて、今年度内、あと四か月ほどですけれども、どうぞ可及的速やかに実施していただくことを求めておきます。
続きまして、奨学金返還支援事業、このことについてお尋ねいたします。
中小企業の人材確保のための奨学金返還支援事業についてです。
少子化、人手不足の中で、中小企業は、大学卒、特に理工系の人材確保に苦しんでおり、会社の将来を担うための中核となる技術者をなかなか確保できないという切実な状況があります。
都議会公明党は、こうした状況を踏まえて都に政策提案をして、これを受ける形で、人手不足の建設やIT、そしてものづくりの企業に就職をされた学生などに、三年間にわたって最大百五十万円の奨学金の返済を都と中小企業で支援をする事業が始まりました。
令和四年に受付を始めて以降、中小企業からは、この仕組みを活用して今後も効果的に採用を行いたいという声や、学生にとっても中小企業に就職するインセンティブになるという評価、お声も聞こえており、好評であります。
そこで、都議会公明党の要望を受けて開始した本事業のこれまでの実績について答弁を求めます。
○新田事業推進担当部長 令和四年度は、都内中小企業等は百三十社、大学生等は五十一名が参加し、三十二社で四十八名の採用につながりました。
令和五年度は、都内中小企業等は二百二社、大学生等は七十三名が参加し、三十九社で六十一名の採用につながっております。
具体的には、建築の地盤を調べる技術者やプログラマーのほか、化学製品の研究開発担当などの人材確保に結びつけております。
○細田委員 令和四年度と比べまして五年度の実績が伸びている、このことが分かりました。令和四年度が三十二社、四十八名の、約五十名の採用、そして、令和五年度は三十九社で六十一名の採用ということであります。対象年齢や職種の拡大を図られたことによる効果があった、このように考えます。
しかし、企業の人手不足は、売手市場とも相まって、極めて深刻な状況が続いております。中小企業の技術者確保につながるこの事業をより一層活用できるように、この事業をより多くの中小企業や学生に周知をしてもらい、このようなことを使っていただけるという努力を継続しなくてはいけないと思います。
そこで、これまでの広報活動と今後の新たな取組、これをいかにしていくのか、そのことについて質問をします。
○新田事業推進担当部長 企業の募集に当たりましては、都が行うサポートの内容をウェブ広告やメールマガジンなどでPRを行うとともに、業界団体等を通じ、情報提供を実施しております。
また、大学生等に向けては、参加企業の魅力をホームページで伝えるとともに、大学のキャリアセンターやハローワークと連携し、周知活動を行っております。
今年度は、新たに、奨学金の代理返還制度を利用する企業と奨学金の返済が必要な求職者を集めた面接会において相談窓口を設置し、事業を紹介して利用の促進を図りました。
○細田委員 中小企業の人手不足、これは喫緊の課題ですけれども、単に目の前の問題を解決するだけではなく、将来を見据えた人材を確保していくこの事業は大変に重要である、本当に大切である、このように思っています。
今後とも、中小企業や学生にこの事業のことをよく理解してもらって、利用の促進を図ることで、企業、人材双方の支援を行っていただきたい。このように改めて求めておきます。
続きまして、社員の満足度向上による若手人材の確保、定着について質問します。
都議会公明党の要望に応えて開始しましたES向上による若手人材確保・定着事業について、令和五年度の各会計決算特別委員会でも、我が党のかまた議員が質問しました。
昨今、社員向けに朝食の提供を行う大企業も出てくるなど、社員の満足度、いわゆるESの向上は、人材確保戦略上欠かせないものとなっています。まさに時代のニーズに合致した事業であるといえると思います。
令和五年度は二十一社が具体的な取組を開始したとのことでありましたが、この事業の成果を多くの中小企業に伝えて、人材確保策として広げていくことが急がれます。
そこで、本事業に取り組んできた事業の実績は、いつ確定するのか。住宅の借り上げや食事の提供、健康増進サービス、この三つの支援、経費を最大三年間支援していくこの事業は、いつ確定して、本事業の支援のスケジュールはどうなっていくのか。これについて答弁を求めます。
○新田事業推進担当部長 都は、若手人材の確保、定着を効果的に進める必要のある中小企業が、専門家の派遣を受け、福利厚生の充実に向けた計画の作成を行った場合、その計画に基づき会社が住宅を借り上げるなどの取組に対し、経費を助成する取組を開始しています。
助成金の支給に当たっては、支給決定から一年の間に取組を行うことを要件としており、本事業の支給決定が令和六年一月以降であったことから、支援企業に関する実績の確定は令和七年一月以降となります。
○細田委員 令和六年の一月一日以降であると。応募して、申請されて、そして、実績があって、その実績が、結果が出るのが令和六年一月以降であるという、こういうことで、これから実績がしっかりとまた出てくると、支援企業に関する実績の確定が令和七年の一月以降になるというようなご答弁であったと理解します。
中小企業は、社宅を整備するなどの取組を自らの力で行うことは本当に容易ではありません。この事業、大変にいい事業であるということで、手を挙げて早々に採用していただいた会社も、私の地域でもございました。計画づくりの段階から専門家が入って、手厚い支援をしていただいていることが分かりました。
また、特にこれだけ賃貸住宅、住宅というものが高くなっている東京におきましては、このような若手にちゃんと来てもらう、そして定着していただくこの取組というのは非常に重要であります。
都には、引き続いてこの事業を利用した企業が若手人材の確保や定着に向けて成果を上げられるように取組を進めていただいて、丁寧なご支援をお願いいたします。
そして、今後、若手人材の定着に向けては、内容の拡充や支援期間や、また、対象事業の要件の緩和、見直しとか、また、助成限度額のアップなども視野に入れて、どうしたらこの施策がより利用されていくことができるのかということの検討を重ねていっていただきたいと、このこともしっかりと強く求めておきます。
次に、社員満足度向上による若手人材確保の定着についてであります。今の延長線、次の話ですね。この事業では、住宅、食事、健康の三つのメニューから二つ以上選択して実施することが求められています。
先ほどいいましたような家賃支援、住宅の借り上げです。そのほかには、食事の提供、職場で食事等を提供するサービス、これを導入すること。もう一つは、健康増進のサービス、健康増進のための取組をすること。このうちの二つの取組を選択していただいて、もしくは二つ以上ですか、三つやってもいいわけですから、実施していることが求められています。
企業からは、具体的にどういうふうに取り組んだらいいのか、特に健康、どういうふうに取り組んだらいいんだろうか、このような話を私も伺いました。
そこで、令和五年度に取組を開始した二十一社がどのように実施をしているのか、詳細について答弁を求めます。
○新田事業推進担当部長 本事業では、会社が若手社員のために住宅を新たに借り上げる場合、従業員に弁当や菓子、飲料を提供する場合、健康をテーマとしたセミナーの実施や健康器具の設置を新たに行う場合、その経費の一部を助成することとしております。
令和五年度に支給決定を行った二十一社のうち、二社が住宅の借り上げと食事の提供、四社が住宅の借り上げと健康増進サービスの提供、五社が食事の提供と健康増進サービスの提供、十社が三つのメニュー全てを選択し、取組を開始しました。
○細田委員 それぞれ、住宅、それから健康、食事、これらが満遍なく、三つ全部やっているところもあるし、満遍なく広がっているということをご答弁いただいたというふうに、このように理解します。
ただ、伺っているところ、調べたところ、食事の提供は、例えば置いている、また、健康の増進サービスの場合は健康セミナーを開かれる、もしくは健康に関わる器具等を置いて用意する、このような形を、会社側と丁寧に、専門家の意見も聞きながらやっていると聞いております。
どうぞ、ここもですね、特に、住宅の借り上げということはすごく分かりやすいんですけれども、東京都と企業側が負担を軽減させる、もしくは全部負担をしてあげるというところでありますから。ただ、健康を増進していく、食事が提供される、このことに対しては、メニューがバラエティーであった方が、より使いやすくなった方がいいはずなので、ぜひ今の実情に合わせてまたメニューももっと考えていっていただいて。
例えば、健康なんかは今、アプリを利用するものもありますから、そうすると、すごく自分の健康度、どんな栄養成分を取っているのかということだとか、食事がどうなのか、カロリーがどうなのかだとか、そういうところが分かるような、そういうものもあったりしますし、ただ、それはアプリですから、じゃあどんな形のものを、そういうものに関しても支援していいですよというのをメニューに入れてあげたり。
例えば、スマートウオッチなんかをつけていれば、そのスマートウオッチで自分の健康も分かったりしますよね。ただし、それは本人のものだから買い与えることはできないかもしれませんけれども、それを貸与するということはできるかもしれないし、よりその方が、何度も若手を採用しようと思ったけど、結局できないできている、困っている、そういう若手を採用したい事業者の方々の話なので、こうしたらば、じゃあ、自分もやってみよう、ここで定着しようという、そういうようなことがまだ出てくるかもしれませんから、どうぞここのところの見直しを重ねていただいて、前に進めていっていただきたいということを求めておきたいと思います。
次に、多摩産材の供給等について、私も三点、利用拡大と多摩産材について質問させていただきます。話の内容はかぶらないので、これはしっかりさせていただきますね。
多摩の森林は、戦後の高度経済成長期に大量に植えられました杉やヒノキが伐採期に達したとしても、伐採されずに蓄積されているというのがあります。一方で、建築関係者からは、多摩産材を活用したくても必要な量が手に入らない、こういう声も聞こえてきます。
このため、都議会公明党は、第二回の定例会代表質問において、多摩産材の生産量の増加に向けました取組の強化を訴えました。都からは、今年度から手がつけにくい山奥での伐採を進めていくとの答弁がありました。
そこで、初めに、多摩産材の供給量の拡大に向けた現在の都の取組状況について答弁を求めます。
○榎園農林水産部長 都は、今年度から、搬出が難しい山奥での伐採、搬出に取り組みます。
具体的には、林業機械等の搬入が困難な現場から、伐採した木材をヘリコプターにつり下げて運ぶ搬送方法を一定期間実施し、経費や作業時間等を調査いたします。
現在、十二月の実施に向け、伐採から搬出までの事業者を選定するとともに、ヘリコプターから木材を下ろす場所や、安全に離発着できる給油所の確保を進めております。
搬出終了後には、収集したデータを林業経営体に提供するなどして、奥山での森林整備を促してまいります。
○細田委員 産地であります川上から最終ユーザーにつながっていく、さらに、ちゃんと届いていくための大きな一歩、改革への大きな一歩だというふうに思います。ぜひ成功を収めていただきたい、このように願っています。
私も確認に伺いましたけれども、急峻な地形を持つ多摩の森林、ここはまさに非常にここから切り出していくの大変だよねというようなことを、行けば行くほど感じるところでありました。そこで、私も、奈良県でのヘリコプターの利用の例を挙げて、これを検討すべきではないかと都に以前求めたところであります。
都は、今回しっかりと、今答弁にあったような事業を行ってくださっており、着実に進めていただいて、この効果をしっかりと検証して、民間事業者などとの取組の拡大につなげていただくよう、供給量がしっかりとあって、その情報が川下にもどうやって在庫を用意したらいいのか、不要なものじゃなくて、どうしたら多摩産材がしっかりと、自分たちが必要な多摩産材が入るのか、こういうようなことが伝わる体制を、市場にもマーケットに出していくときにもこれがあるんだよというようなことをちゃんと提供できる、そのような方向に進んでいくことを心から望んでおります。
次に、環境意識の高まりなどから、近年、建築物の木造化、木質化による木材の利用が進んでいます。特に東京は、大規模開発や中高層ビルの建築等に伴って、多くの木材需要が見込まれています。
現状では、これらのニーズに多摩産材だけで対応することは現実的ではありません。当面は、建築事業者に対して、多摩産材と他県産などで生産された木材と併せた利用を促していくことが重要であり、それを求める声も私の下には届いております。
都市部における木材の利用を進めるには、多摩産材だけではなく、他県などで生産された木材の利用についても後押しをしていく必要があると考えますが、都の見解を求めます。
○榎園農林水産部長 都は、森林循環の促進に向け、多摩産材の供給拡大を図るとともに、国産木材の消費拡大についても取り組んでございます。
具体的には、中高層建築物や多くの人が集まる施設の外構や塀などに国産木材を使う取組に対し、多摩産材を一定量使用することを条件に助成を行っており、十月末現在、大学の学生寮や総合病院など五件の取組を採択いたしました。
また、国産木材の常設展示場であるMOCTIONを運営し、製品の展示や取扱事業者の紹介を行うとともに、各地域の木材の活用に関するセミナー等を実施いたしました。
○細田委員 多摩産材に加えて、国産木材の利用拡大に対しても支援に取り組んでいらっしゃるとのことですが、都市での木材消費が進むことは日本各地の森林保全にもつながります。どうぞ引き続いて各地域とも連携をしていただいて、木材の利用促進に取り組んでいただくよう求めておきます。
民間の企業の中には、CO2削減など社会貢献に対する意識が高い企業があり、こうした企業と連携をして森林循環を進めていくことは大変に重要であります。
木材に関連する技術を持つ企業が多い私の地域、地元では、自社の技術を生かして環境負荷を低減して、CSRに取り組みたいという企業が多くあります。
そこで、こうした企業のニーズに応えるために都はいかなる取組を行っているのか、質問をします。
○榎園農林水産部長 都は、木材利用を進めるに当たり、環境対策など社会貢献に意欲的な企業等との連携や協力を行っています。
具体的には、民間建築物の木材利用の促進を図る協定を企業と締結しており、建築士の団体や不動産開発事業者など、計四者と締結してございます。
事業者とは、多摩産材の利用促進などの意見交換会や、都事業に関する情報提供などを行っております。
また、森づくり活動や多摩産材を利用する企業、団体等に対し、吸収または貯蔵される二酸化炭素量を認証するとうきょう森づくり貢献認証制度を実施しており、今年度は十月までに九団体からの申請を認定いたしました。
○細田委員 どうぞ、今後も協定締結事業者を増やすために、協定制度に関する情報発信を図っていただきますとともに、協定事業者への支援の充実を図るなど、民間の利用の促進をしっかりと進めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
産業労働局の質疑でも、立場の弱い労働者や求職者、就活中の方、障害者の権利を守る立場から質問したいと思います。
初めに、就活セクハラについてです。
就活セクハラについては、二〇一九年に我が党のあぜ上議員が相談窓口の設置を求め、その後も文教委員会や総務委員会でも、被害に遭った方が相談できる機関等または被害の内容などの周知や被害者救済に取り組むよう繰り返し求めてきました。
就職活動中やインターン中のハラスメントでは約三割が被害を受けており、その内容は一般的なセクシュアルハラスメントと比べても、食事やデートへの執拗な誘い、性的な関係の強要などが多いとなっています。
採用前の女性などに対して、その上下関係を利用して支配しようという就活ハラスメントは、無防備な被害者に付け込んで深く傷つけ、その後の人生を大きく変えてしまうということもありますので、その根絶は急務です。
都はこれまで、就活セクハラに関する相談をいつからどのように受けてきましたか、また、その実績について伺います。
○内田雇用就業部長 都は、労働相談及び東京しごとセンターの求職者に対する各種相談窓口において、就職活動に伴うハラスメントに関する相談に電話やオンライン等で対応しております。
令和二年度からは、東京しごとセンターに就職活動中の若者等向けの相談窓口を設けており、令和五年度はセクシュアルハラスメントを含め十件の相談に対応いたしました。
○藤田委員 就活中の若者向け相談窓口が二〇二〇年からできたということで、そこで特に就活セクハラとかというふうに銘打っているわけではないんですが、そこでも受けているということだと。
私、実はちょっと調べてみて、どんなふうになっているのか見たんですけれども、かなりここの相談にたどり着くのにホームページ上も距離があるなと思ったんですね。
一個確認したいのが、ホームページ上では就活中のあらゆる相談というふうになっていたので、私は就活セクハラ、ハラスメント関係の相談窓口かと思って質問していたんですが、この十件というのはセクハラ含め十件となっているんですけれども、むしろハラスメント以外も含めて十件ということでいいのか、確認をさせてください。
○内田雇用就業部長 十件の内容ですけれども、セクシュアルハラスメントを含めて、ハラスメントに関する相談について十件対応したということでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。
厚労省が今年五月に公表した二〇二三年度職場のハラスメント実態調査報告書によると、インターンシップ中にセクハラ被害に遭った学生が三〇・一%、それ以外の就活中の被害は三一・九%と、三人に一人の割合となっています。
東京都の労働相談情報センターというところで行っている労働相談のうち、ハラスメントという言葉を使ってはいないんですけれども、職場の嫌がらせという内容のものは一万二百八十項目と昨年度はなっていて、全体の相談の中で一番多くなっているという状況でした。
こうした実態から見ますと、東京しごとセンターに相談のあった十件というのは本当に氷山の一角だなと思いますし、より相談につながりやすいような仕組みが必要なんじゃないかなと思います。
あわせて、当事者は労働者ではなく学生や求職者ということですので、周知については産業労働局だけではできないと思いますので、ハローワーク、国の機関や教育機関などでの周知が必要だと思います。そういったところも併せて連携していただくように要望いたします。
これまで寄せられた相談について、事業者、被害者それぞれに対して東京都はどう対応してきたのですか。
○内田雇用就業部長 就活ハラスメントに関し、相談者に対して解決に向けたアドバイスを行うとともに、法律に基づき事業者への助言指導等が適切な事案については、国の総合労働相談コーナー等につないでございます。
○藤田委員 相談者に対しては解決に向けたアドバイスを行い、事業者については、法に基づき国の総合労働相談コーナーなどにつないでいるということでした。
こうしてせっかくつながった相談についても、実効性ある対策が行われなければ、被害者を救うことはできないと思います。
昨年、総合労働相談コーナーに寄せられたセクシュアルハラスメントの相談件数は七千四百十四件、これは国なので全国ですけれども、是正指導件数というのは二千百六十一件と三分の一以下でした。
パワーハラスメントについては、相談件数六万二千八百六十三件に対して是正指導件数は三千七百四十六件にとどまっています。是正指導に従わなかった企業名を公表する制度というのもありますが、公表された事例は一件もないという状況です。
また、厚労省の二〇二三年度調査では、相談窓口の設置と周知をしている企業は八割あるんですが、相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応、マニュアルの作成や研修などというのをしているというところは半数以下にとどまっていて、実効性は不十分だなと思います。
あわせて、東京都の相談窓口で対応してくださっている方には、何か特別な研修などは行っているんでしょうか。
○内田雇用就業部長 就活ハラスメントを含めたハラスメントの対応に担当する職員につきましては、職場内の研修におきまして、対応の方法でございますとか、最新の法律の知識等に係る情報の共有等の研修を行っているところでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。
全国的には、体制としては企業側は本当に不十分だなというところもありますので、やっぱり相談をしてきちんと救済されるという仕組みづくりも重要ですし、ハラスメントそのものをなくしていくという立場に立たないと、本当にいたちごっこだなというふうに思うんですね。
より実効性を高めるためにも、ハラスメントそのものを禁止するということが必要だと思うんですけれども、いかがですか。
○内田雇用就業部長 ハラスメントは、放置すると被害者が精神疾患などに至る危険性もございまして、全ての企業がハラスメント防止対策に取り組む必要がございます。
都は、企業におけるハラスメント防止対策への機運醸成を図るため、特設サイトの開設や動画コンテンツを公開するとともに、ハラスメント防止対策の集中取組期間を設け、その中で就活生等向けのオンラインセミナーや相談会等も実施してございます。
○藤田委員 ハラスメントそのものの禁止が必要とはお答えにならなかったんですけれども、この立場に立つことができないと被害者救済の対策にはつながらないと思います。
ハラスメントは、身体的、精神的な攻撃とともに、過大な仕事を与えるとか、過少な仕事しか与えないとか、人間関係から切り離すとか、上下関係に乗じて支配しようとする、私的なことに過度に立ち入るなど、様々な形態で人を傷つけ、痛めつけ、鬱病や退職に追い込んだり、命さえ奪ったりすることもある決して許されない行為です。加害者に謝罪させることはもちろん、適切な制裁、防止措置、被害者への救済の強化が求められています。
相談につながったものの氷山の一角だという状況もあり、就活セクハラの中には、大企業の従業員が就活生に対して強制わいせつ罪であるとか、準強制性交等罪の容疑で逮捕されるという事件も発生をしております。被害の実態は極めて深刻であり、被害者の救済が急がれると思います。
企業の防止義務規定にとどまらず、被害者救済の仕組みづくりが不可欠と考えますが、認識を伺います。
○内田雇用就業部長 セクシュアルハラスメントは、働く方個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為でございます。
都は、労働相談及び求職者に対する各種相談窓口において、引き続き就職活動に伴うセクシュアルハラスメントの被害に対応してまいります。
○藤田委員 働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為ということで認識はあるんですけれども、被害者救済の仕組みづくりという具体的なところには答えはなかったんですが、相談窓口を設けていると。どうやってやっぱりつながっていくのかというのと同時に、実効性ある取組につなげる必要があるなと思います。被害者救済の立場に立たなければ、有効な対策にはつながらないと思います。
女性労働者がひどいセクハラ被害を受けても、上司や社長からの行為だったりなど、事業所で適切な対応を取られないということも少なくありません。
しかし、それを労働局に相談して、紛争解決の援助や調停などの仕組みを利用しても、労働局には個々の事例について、それがハラスメントに該当するかを判断する権限は法律上与えられていないと。
セクシュアルハラスメントであると認定して、加害者に行為の中止や謝罪、慰謝料の支払いなどを求めることはできないという法律にもなっていて、さらに就活セクハラとなると、実効性をどう担保していくのかということが仕組み上も問われるなという状況があります。
先月行われた厚生労働省の労働政策審議会では、就活セクハラに対して企業側に対策を義務づけるという法改正に向けて大筋で合意し、これから改正が行われるという状況にはなっています。これ自体は一歩前進と思いますが、肝腎の被害者救済とハラスメントの禁止ということには程遠いなと思っています。
世界では、ハラスメントの禁止を法律に明記し、罰則などを定めている国が少なくありません。スウェーデンやフランスなどでは、ハラスメントは差別だとして罰金を科す仕組みもあります。
セクシュアルハラスメントに対する刑事罰、民事救済の規定を持つ法律がない国は、OECD加盟国の中で日本、チリの二か国だけです。
男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの法律にハラスメント行為の定義、ハラスメントを禁止する規定を明記させ、被害者への補償や救済措置を規定させる必要があります。
東京都としても、第三回定例会にカスタマー・ハラスメント防止条例ができましたし、就活セクハラについても明確じゃなくても窓口がある、相談も労働相談情報センターでも受けているということでは、実態把握に努めていただいて、国に対して実効性ある対策をされるように求めていただきたいと思います。
あわせて、都としても、国や法律よりも踏み込んだ対策を強化するように求めて、要望いたしまして、次の質問に移ります。
次は、東京障害者職業能力開発校について質問します。
これも、障害のある方にとって、働く権利をどう保障するのかという問題意識から質問したいと思います。
先月十月二十一日に、我が党のとや議員が行った質疑の確認と併せて、東京都肢体不自由特別支援学校PTA連合会の皆さんの要望について質問したいと思います。
東京障害者職業能力開発校のホームページの記載内容について、まずお聞きします。
東京障害者職業能力開発校の応募対象者について、以前は、校内生活において日常的に介護、介助や身の回りの世話を必要としていない方としていたのですが、東京障害者職業能力開発校では、日常的に介護、介助や身の回りの世話を必要とする方を以前は受けられなかったというふうに思うんですが、それは何が課題だったんですか。
○内田雇用就業部長 東京障害者職業能力開発校では、これまでも応募や校内見学の際に、訓練の受講や施設の利用等が心配な方は事前に相談していただくこととしてございまして、ホームページの表記を利用者に配慮し、より分かりやすい表現にしたものでございます。
○藤田委員 今までのホームページの書き方の方が実態と違っていたという答弁だったと思います。
それでは、新たな表記では、介護など特別な配慮が必要な方は事前にご相談くださいとなっていますが、これは相談があれば施設の改修や体制整備も含めて、対応することも検討するということなんでしょうか。
○内田雇用就業部長 身体障害者の方の職業訓練中の介助の支援については、訓練の内容や施設の状況などを考慮する必要がございます。その場合は、応募の際に事前に相談していただき、適切に対応していくこととしてございます。
なお、東京障害者職業能力開発校のほか、民間の教育訓練機関を活用した障害者委託訓練を実施してございまして、在宅で受講可能なeラーニング訓練を必要に応じてご案内しております。
○藤田委員 またちょっと微妙なニュアンスの答弁が一個目にあったんですけれども、以前のホームページでは、校内生活において日常的に介護などの身の回りの世話が必要な方と、日常的にというふうに書かれていたんですけれども、今のご答弁では、訓練中の介助ということでいわれておりまして、今まではまだ日常的に介助などがあると応募できませんよという話だったんですが、今の話では訓練中というふうに場面を限定してお答えになったなと。
訓練中ではない、例えば休憩中とか、トイレに行くときとか、昼休み中とか、昼食時などについて、介助や身の回りの世話など特別な配慮が必要な場合でも相談に応じるということでしょうか。
これまでは、こういった相談はなかったというふうに聞いているんですが、今後は相談があると思いますので、確認したいと思います。
○内田雇用就業部長 先ほど答弁申し上げました職業訓練中のという意味ですけれども、職業訓練に当たって、受講するに当たって介助が必要な方という意味で申し上げたものでございます。
○藤田委員 もしかしたら、日常的に介助が必要な場合というところが含まれていないのかなという懸念もあるので、また、皆さんから相談が行ったときに応じていただくということでお願いいたします。
明確ななかなか答弁になり切らないんですけれども、ホームページではそうした限定的な介助というような表記になっていませんので、今後そうした日常的に介助が必要な方がいらっしゃったり、特別な配慮が必要な方についても、ぜひとも相談に応じて、受講が可能となるように対応していただければと思います。
次の質問も前回の質問の確認なんですが、東京障害者職業能力開発校は、障害のある方のニーズに合ったカリキュラムについて検討し、設置する必要があると考えますが、いかがですか。
○内田雇用就業部長 都は、東京障害者職業能力開発校において、訓練受講者の様々な障害特性及び障害者の多様な訓練ニーズに加え、訓練修了後の就業の受皿となる業界等のニーズを踏まえて訓練科目の設定を行うとともに、訓練内容の充実や必要な設備機器の導入などを進めてございます。
○藤田委員 ぜひ職業訓練を望む多くの障害者が受講できるよう、障害のある方のニーズに合ったカリキュラムについて検討していただくよう要望いたします。
東京障害者職業能力開発校の寮では、寮生活のサポートを実施しているとのことです。入寮希望者から相談があれば、日常生活動作の介助についてもサポートできる体制をつくるべきではありませんか。
○内田雇用就業部長 東京障害者職業能力開発校では、精神保健福祉士などの生活指導相談員を配置し、訓練に関する様々な相談に対応するとともに、生活面における助言も併せて行うなど、きめ細かな支援を実施しております。
また、寮においては、舎監が生活指導相談員と連携し、寮生活のサポートなどを実施しており、就労後の職業の安定と自立に向けて適切に対応してございます。
○藤田委員 就労後の職業の安定と自立に向けて適切に対応というんですけれども、寮では食事の提供はありませんし、部屋には小さな共同キッチンしかなく、スーパーまでは近くないという状況で、日常生活においては完全に自立している人を想定したつくりとなっています。
あらゆる場面において、前回の十月二十一日の質疑から通してですけれども、障害のある人が利用することを想定していない障害者職業能力開発校だなというふうに感じておりまして、障害に対する合理的配慮がないというふうに感じるわけです。
何でそうなっているのかなというふうに思ったんですが、根拠となっている法律が職業能力開発促進法ということで、ちょっと中身を見てみますと、二年前の改正のところで都道府県ごとに協議会をつくることができますよと書いてあって、この中身を見ますと、地域における人材ニーズを適切に反映した訓練コースの設定の促進と訓練効果の把握、検証を通じた訓練内容の改善等の取組について協議を行うとなっていて、どういう人材が必要かという企業側のニーズから出発している学校なんだなというのが分かると。
そもそも東京障害者職業能力開発校という基となる法律自体に、障害に対する合理的配慮がないという問題があるんじゃないかなと感じました。
二〇二二年に障害者の権利に関する委員会が日本政府報告に関して行った総括所見では、障害者の労働及び雇用について、利用しにくい職場、公的及び民間の両部門における不十分な支援や個別の配慮、限定的な移動支援及び雇用者への障害者の能力に関する情報提供など、障害者が直面する雇用における障壁があるという懸念を示しています。まさに、こういう状況だなと開発校についても感じています。
今回質問を行うに当たり、ご意見を寄せてくださった東京都肢体不自由特別支援学校PTA連合会の方からも、今あるカリキュラムの中では日数や時間数が多くて、肢体不自由者の体力面を考慮していないと。肢体不自由者が訓練の種類を選ぼうとするときに、得意なことを生かせるカリキュラムが少ない、高度な技術を目指すものが多くて、まさに企業側が提供する業務に適合させるためだけの場所になっているというご意見が寄せられています。
こうした意見を真摯に受け止め、障害者権利条約の懸念に対しても改善を図っていただけるよう、東京都として努力していただくよう要望して、次の質問に移ります。
最後、利島村のツバキ油産業について質問いたします。
利島は東京から南に約百四十キロ、伊豆大島の大島と新島の間に位置する周囲約八キロの円錐状の小さな島で、人口は三百二十一人となっていました。
島の約八〇%がヤブツバキに覆われていて、日本トップレベルのツバキ油生産量を維持しています。冬になると、島中で咲き誇るツバキの花を見ることができるということで、行ってみたいなと思いました。花が散る二月下旬から三月頃にかけては、ツバキのじゅうたんと称される美しい光景が展開します。世界的にも類例のないツバキの島としてその名を知られているということで、釈迦に説法ですみません。
今年九月十九日に、私は、利島村の当時村議会議員だった笹岡さんという方と一緒に、利島の暮らし、営業、命を守る要望という要望の場に立ち会わせていただきました。
その際、全国に誇る利島村のツバキ油産業が存亡の危機に陥っているというお話を伺いました。恥ずかしながら、利島村のツバキ油が全国一の生産量であるということを、総務局の職員から聞くまで私自身知りませんでしたので、ツバキ油の維持に対して島任せにしてはいけないなと思いましたので、ぜひ質問させてください。
利島のツバキ油は、ほかのツバキ油の産地と比較してどのような特徴がありますか。
○榎園農林水産部長 地元の生産者団体によれば、利島村のツバキ油は、村内で収穫した日本の固有種であるヤブツバキの種子から採取される油のみで精製されており、オレイン酸の含有量が高く、希少な植物油だといわれています。
○藤田委員 そうなんですよ。オレイン酸の含有量が非常に高いという特徴があるということで、私も利島村の生産者の方からお話を伺ったんですけれども、なぜオレイン酸の含有量が高いのかということで、ツバキの実が完熟して、パンとはじけて、種が下に落ちてから収穫するということで、木になっているうちは取らなくて、地面に落ちてから収穫するから完熟もさらに完熟だということでした。
オレイン酸は悪玉コレステロールを下げる効果があったり、人の皮脂にとても近いため、美容にもとてもいいそうで、このオレイン酸が高ければ高いほどより品質がいいというお話も聞きました。利島村のように下に落ちてから収穫されたツバキ油は、オレイン酸が八六%から八八%も含まれていて、とても高いんだというお話も伺いました。
二〇一八年から二年間かけて東京都も加わったプロジェクト推進体制があって、利島のツバキ油の生産環境や品質の高さへの理解を広めたり、ブランド価値を高める取組が行われていました。
オーガニック栽培された利島村のツバキ油は、有機JASの認証取得をしていたりとか、二〇一九年には日本で唯一、オーガニックコスメの世界的認定機関、COSMOSに認定されたということでした。
これだけブランド力が高まった利島ツバキ油ですが、インターネットでツバキ油と検索をしますと、トップに出てくるのは長崎県五島市のツバキ油だったんですね。
東京都は、利島のツバキ油産業の課題について、何だと考えていますか。
○榎園農林水産部長 令和二年、利島村等が公表した利島村椿産業振興行動計画によれば、生産上の課題としましては、原料となるヤブツバキの実について、安定的な収量が得られにくいことがございます。
また、販売に当たっての課題としましては、利用者にとってツバキ油の使用用途が分からないことなどがございます。
○藤田委員 五島市もヤブツバキとなっていたので、ヤブツバキが原因でもない、やっぱり不安定なんですって。年によって実がついたりつかなかったり、いろいろあるそうです。利島村だけの課題ではないかなと思います。
販売に当たっては、利用者にとってツバキ油の使用用途が分からないということだったんですけれども、先ほど紹介したプロジェクトでは意識調査が行われておりまして、やっぱり利島ツバキ油のことについてよく知らない、どうやって使うのかなというところがあるようなんですが、歴史や品質の高さなどが分かると、使ってみようという意向の方が八割近くに上るという結果も示されていまして、やっぱりどういう製品なのかということがよく伝わることが大事なのかなと思います。
課題は、特に現地の方にお聞きしますと、やっぱり収穫の困難性にあるというお話でした。今日、資料を出していただいているんですけれども、令和元年、二〇一九年の台風から収穫量ががあんと減っておりまして、かなりやっぱりツバキ林が倒れたりとか、整備が大変になった状況があるようです。
ここから森林環境をよくするような島しょ観光資源・林産物生産振興事業が始まって、利島村でもそれを活用しながら、風倒木とか雑木を整理するような事業が始まっているんですけれども、十分やっぱり行き渡っていなくて、原野林が雑木化してきているというお話をしておりました。
この状態は、収穫をする上で、特に下に落ちてから収穫しようと思っているものですから、草刈りが十分できないと大変困難な思いをしているという状況でした。
利島では、夏には下草を丁寧に刈る下っ払いというのを行ってから、秋冬には熟してはじけ落ちた種子を一つ一つ手で拾うと。そうやって拾い集めることを取りっ拾いといっているんですけれども、そうやって収穫をしているということですが、やっぱり高齢化で草刈りが本当に大変になっている中で、種を拾いづらくなっているというのが一番の課題だというふうに伺いました。
都は、こうした草刈りへの補助を行っているんですけれども、昨日聞いてみたところ、木の伐採には使っていて、伐採に邪魔になる草は草刈りするけれども、草刈りだけをすることはしていないということですので、ちょっと必要なところの草刈りが十分行えるように村の方とニーズを聞いたりして、制度の活用がうまくできるといいのかなというふうに思いました。
一方、五島市はどういうふうにやっているのかというところでは、かなりツバキに関する振興計画の中で、日本一のツバキの島にするという計画ができておりまして、島を挙げてというよりは、本当に長崎県挙げて五島のツバキを育てているという状況があって、生産量を増やすために、女性でも収穫しやすいように枝の剪定技術の指導まで行って、低木に育てるということをされていました。それで、収穫量は利島に負けないぐらい頑張っているというふうに市の職員の方もおっしゃっていました。PRも物すごくやっていて、ホームページでいつもトップに出てくるのはそういう影響かなというふうに思います。
食用油が、メニューをつくれないかということで、実態調査を二年間かけてやったりとか、かなり売れて需要もつくるということを市がやられたりされていました。
ツバキに力を入れるのは、実をつくることに対して単価を上げていかないと、後継者も見つからないというお話で、日本の中で勝負をするならツバキといって、市町村の中で生産量日本一を目指していると話していました。
利島のツバキ油の付加価値を高めるために、東京都はどう対応するのですか。
○榎園農林水産部長 都は、利島村に対し、ツバキ林の倒木の伐採や草刈り等を支援し、病害虫の発生防止に取り組むほか、製造施設等の更新への助成を行い、品質の確保を後押ししております。
また、島しょ地域の食材を使用した飲食店を紹介する冊子の中で、ツバキ油のPRに取り組んでございます。
○藤田委員 品質の確保を後押しするというのであれば、ぜひ現地に行って、生産者の声を地元の行政の職員と一緒に聞いていただければなと思います。(「現地に行ってよ、藤田さん」と呼ぶ者あり)私もぜひ行きたいと思います。
利島のツバキ油を東京産ブランド農産物に育成していくための支援を強化すべきと考えますが、いかがですか。
○榎園農林水産部長 利島村では、利島村椿産業振興行動計画を作成し、ツバキ油の付加価値向上の推進に取り組むこととしています。
都としては、ブランド化や販路開拓などに取り組む意欲ある生産者団体などに対して、専門家を派遣し、その助言に基づく取組を支援する仕組みを設けてございます。
○藤田委員 お話の生産者団体も、一番気にかけていらしたのは生産者の高齢化だということでした。
生産者は九割が個人農家となっていて、誰がどこの山というふうに、それぞれ専門農家が整備しているという状況でした。十年前より若い人は増えたということなんですが、ツバキ油の単価も以前よりは上がったりもしているんですけれども、それでもツバキ油産業だけでは生活ができないということで、若い人はみんな兼業農家だといいます。
生産者団体としては、利島村で代々受け継がれてきた伝統の収穫方法とその品質へのこだわりに対して敬意を持って関わっているという様子でしたが、一方で、生産者の高齢化で整備が難しくなっているという状況を見て、機械化とか集約化の計画も必要なのではないかと悩んでいらっしゃいました。
先ほどの答弁では、東京都が倒木の伐採や草刈りなどの支援を行っているということでしたので、ぜひ現地のニーズの状況を村の方とも一緒に聞いていただいて、草刈りが進まなければ取りっ拾いも一層難しくなりますので、それをどうしたら進めていけるかということも一緒に考えていただければなと思います。
後継者の問題もあります。生産者の方は、収穫は手作業しかないとはっきりおっしゃっていました。そのために、やっぱり地元の小中学校の職員などに収穫を呼びかけて、手伝ってもらったりもしていると話されていました。この伝統的な取りっ拾いを観光にして、多くの人に島に来てもらいたいというふうにお話もされていました。
いずれにしましても、やはりぜひ皆さん、東京都の職員も現地に行っていただいて、最高品質で希少な利島ツバキ油にどのような支援をどう進めていったらいいのかということを、島の人たちもやっぱり住み続けていていただかないと産業が続きませんので、住み続けられて伝統を受け継いでいくにはどうしたらいいかと、一緒に考えていただきたいと思います。そのためにも、皆さんの声を地元の行政職員と共に聞いていただきたいと思いまして、私の質問を終わります。
○宮瀬委員 よろしくお願いいたします。
私自身は、皆様に対しまして、初当選以来、是々非々で、なるべくいいものは提案をして、非のところはちゃんとチェックをするといった形で今期も臨みたいなと思います。
まず、是のところでありますが、都議になって十二年、一貫して、やはり衰退していく日本ですとか東京を目の当たりにして、一方でNGOもやっていますので、二十五年ぐらいになりますけれども、発展していくアジアの状況も見ていると。
今、東京と地方の争いみたいなお話も西崎委員の方からもありましたが、もうちょっと世界の富といいますか、アジアに目を向けて、そこでアジアの富を東京に持っていくような形が取れればいいなと思ってまいりました。
最新のデータですと、アジア開発銀行ですと、経済成長率もインドが七%、フィリピン、ベトナムが経済成長率六%、カンボジアは最貧国といわれた国でしたが、もう五・八%、インドネシアが五%、マレーシアが四・五%と、信じられない状況になっていまして、二〇三〇年には世界の成長の六割を占めるんじゃないかといった統計までついに見えてまいりました。
こういった中で、二〇一八年の十二月の一般質問で、実は東京の企業が現地に行く応援はよくしていたと思うんですが、現地の企業を東京に呼ぶという機能がなかったといったことで、いろいろご提案をさせていただきました。タイの方で、東京都中小企業振興公社の方で、現地の企業を東京に呼ぶということで予算をつけていただきましたと。
それで、質問の方に移りますが、さきの令和六年の第一回定例会におきまして、さらに加速していくべきだと、事業の検証と取組強化というのをまた訴えてまいりました。東京都の方からは、答弁として、東京への進出企業と都内中小企業のビジネスのさらなる拡大に向け、セミナーへの参加者を増やす工夫に加え、参加者の声やその後の状況などをきめ細かく把握し、適切な支援につなげていくという答弁があったところでございます。
改めて、アジア、海外から東京に進出する企業をどんどん増やしていくべきだと思いますけれども、現在の進捗を含めて伺います。
○福田商工部長 都では、東京への進出を目指す事業者などに向け、中小企業振興公社の現地拠点等を活用し、東京のビジネス環境などを学ぶセミナー等を行うとともに、進出企業を対象に専門家によるサポートなどを行っております。
今年度からは、セミナーと個別相談会について、タイやインドネシア、ベトナムに加え、シンガポールとマレーシアにおいて実施予定でございます。
実施に当たっては、各国の公的機関等と連携し、案内の配布や登録企業へのメールマガジンの配信などにより、集客の強化を図ってまいります。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
今年度はシンガポールとマレーシアが加わる予定といったことのご答弁でございました。冒頭申し上げたインドの経済成長率が七%といったことでありますので、ぜひインドの方でもやっていただきたいなと思っています。これはご提案、意見としてさせていただきたいと思います。
また、最近、インバウンドでいろいろ海外のお客さんが東京に来ていると思うんですけれども、多分その中には海外の経営者もいると思いますので、ぜひ、例えば成田空港の出国までの通路のところに、東京に進出して東京で稼ぎませんかみたいな広告を出しますと、必ず通る道だったりするので、そういった形でどんどんアジアの企業をぜひ東京に呼ぶ工夫をしていただきたいなと。
観光に東京に来れば、ああ、いいところだなと、住みやすいし料理もおいしいしと、進出しようかなと思う経営者もいると思うので、そういった取組もぜひ検討していただきたいと思います。
しかし、二〇二三年には三百五名の方々が都のセミナーに参加し、七十三名の方、社といいますか、七十三社の方が個別に具体的な東京都への進出の面談、相談をしたといったことでございましたが、実際にこの人たちにアンケートですとか、相談したけどどうだったとか、何で進出できたのか、進出できなかったのか、こういった宝の状況があるにもかかわらず、ちゃんと統計を取っていなかったといったところを指摘させていただきました。
そこで、当時そこはちゃんとやった方がいいですよと、参加者に対してヒアリング等を行い、状況を把握して、東京都で都の方に進出してもらうための適切な支援につなげていくことは大変重要だと思いますけれども、都の見解を伺います。
○福田商工部長 東京進出の意向や課題等を把握するため、セミナーの参加者に対するアンケートを活用するとともに、個別相談において専門家を同席させることにより、速やかに相談者に対するフィードバックをいたします。
これらによりまして、引き続き関係機関とも連携し、海外企業の東京進出を一層後押ししてまいります。
○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。
今後はちゃんと相談者に対するフィードバックですとか、個別相談において専門家を同席していただけるといったご答弁でございましたので、ぜひ三百五社といいますか、三百五名の方がセミナーに参加をして、実際にもっと関心のある人は七十三社と。欲をいえば、その後、本当に進出したかどうか、なぜ進出しなかったかどうかもまた聞きますので、ぜひ専門家の方のフィードバックも含めて、ご検討いただければと思っております。
次に、賃上げでございます。重複しているところはどんどん割愛していきますので、質問も終盤ですので、そこは注意して聞いていただければと思います。
当たり前で基本的なことで大変恐縮なんですけれども、賃上げというのは、民間同士の民民の契約の部分が多い、一般社会ではということになっておりますけれども、雇用者と従業員の関係、仕事の状況のところが賃金を決める大きなファクターだと思いますけれども、都の取組によって賃上げというのは大事であるのか、必要であると考えているのか、見解を伺います。
○内田雇用就業部長 都内経済の活性化を図り、職場で働く方が安心して生活できる環境を整えるため、賃上げを後押しすることは必要であると考えてございます。
○宮瀬委員 都が賃上げを後押しすることは必要だといったご答弁でございましたが、では、賃上げについてどのように取り組んでいるのか、雇用就業部の三つの事業についてそれぞれ教えてください。
○内田雇用就業部長 都は、中小企業の賃上げを後押しするため、働き方のルールを改善し、勤務の仕組みなどを見直すとともに、賃金の引上げを行う事業者に奨励金を支給してございます。
また、労働者の処遇改善に向け、中小企業が非正規雇用の方の正社員化に取り組み、職場環境の改善を図る場合の支援も行っております。
今年度は、賃金制度の見直しを進められるよう、セミナーや専門家派遣による支援なども開始するとともに、賃上げで社員の意欲を高め、優れた人材の確保を実現した企業の実例の紹介も行います。
○宮瀬委員 るるご説明がございました。奨励金ですとか、環境の改善を図る場合の支援ですとか、セミナーや専門家派遣等のご説明がありましたが、それぞれの東京都の施策で、それぞれ何社、何人ぐらいに賃上げの影響があったのか伺います。
○内田雇用就業部長 都が労働組合を対象に実施した二〇二四年春季の賃上げ要求、妥結状況に関する調査では、月例賃金の平均妥結額は一万五千六百七十円、賃上げ率四・七八%、対前年比四二・四四%の増となっており、都や国による様々な施策がこうした数値に結びついているものと考えております。
なお、今年度は九月末現在で、エンゲージメント向上に向けた職場環境づくり推進事業は三百四十七件、正規雇用等転換安定化支援事業はゼロ件、中小企業の従業員処遇改善応援事業は、講座受講者七十四人、専門家派遣十六回の実績となってございます。
○宮瀬委員 ちょっと今のご答弁、不誠実な部分がありまして、私は、都の賃上げに対する施策の効果を聞いたときに、冒頭、全体での労組が取った数字をおっしゃって、都の取組は三百四十七件の職場環境づくり推進事業、あと、正規雇用等転換安定化支援事業はゼロ件と。中小企業の従業員処遇改善応援事業、講座を受けた方が七十四名と、専門家派遣が十六回の実績ということなんですけれども、もう一回お伺いしますが、結局、都の施策において賃上げに対する影響は何社、何人あったのか、改めてお伺いいたします。
○内田雇用就業部長 都が労働組合を対象に実施した二〇二四年春季の賃上げ要求、妥結状況に関する調査では、月例賃金の平均妥結額は一万五千六百七十円、賃上げ率四・七八%、対前年比四二・四四%の増となっており、都や区による様々な施策がこうした数値に結びついているものと考えてございます。
○宮瀬委員 ちょっとかみ合わないんですけれども、全体の話ではなくて、都の施策に対してどれぐらいの対象者数があって、実際の従業員といいますか、人数がいて、その効果はどれぐらい実際、賃金の上昇に影響があったのかというのを聞いているんですけれども、国の出している全体の数字を今おっしゃっていて、都の施策がどうなのかというところを聞いているわけであります。
多分同じことを聞いても同じ答弁になると思うので、私の方からちょっと申し上げますと、今回、資料要求の中の八ページに、エンゲージメント向上に向けた職場環境づくり推進事業とか正規雇用等転換安定化支援事業というのがあって、実際、百五十九件、あと二百十件と出ています。
ちょっと計算しましたら、都内には中小企業が約四十一万社と、令和五年の実績ベース、会社単位になると思う、従業員じゃなくて、会社単位でいうと四十一万社、令和五年だと三百六十九社が影響を受けていると、都の事業ですよ。翌年、四十一万社を分母としていきますと、実際に今答弁があった中で十一社、ゼロ件、三百四十七社というご答弁がありました。割り算していくと、大体〇・〇九%です。
なので、東京都の賃上げは冒頭大事だとおっしゃったと思いますけれども、実際にもっと賃上げのことを検討したいといっている、考えている会社も多いと思いますけれども、都が関わるのであれば、しっかりとそのボリュームを上げていかなきゃいけないのではないのかなと。
いずれにせよ、東京都が予算を、血税を使って、かけてやっていることでありますので、都の施策に対してどうなったかをちゃんと把握するのは当たり前だと思いますが、見解を伺います。
○内田雇用就業部長 都は、労働者の処遇改善に向け、経営や職場づくりの面など、様々な観点から支援を行っております。
賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において、労使間の協議で自律的に定めることが基本でありますことから、賃上げの状況は労働組合と企業を対象とする調査を通じて把握しております。
○宮瀬委員 全体の話ではなくて、東京都の施策に対してどれぐらい、東京都が行う施策に対して、どういう効果と影響があったのかというのを何度か聞いているんですけれども、全ての事業に終期を設けてエビデンスベースで仕事すると知事もおっしゃっていたじゃないですか。PDCAサイクルってちゃんと回さなきゃいけないんじゃないでしょうか。
全体の賃上げ、冒頭、賃上げ大事だよとご答弁ありましたけれども、やはり量が少ないということと、併せてPDCAサイクルをちゃんと回さなきゃいけないと思いますけれど、都の施策においてですよ、見解を求めます。
○内田雇用就業部長 都は、都内企業の賃上げを経営や職場づくりの面から後押しするため、中小企業のニーズ等を踏まえて適切な規模を計上し、必要な支援を実施しております。
中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者から意見を聞く場などを設けまして、施策に反映をしているところでございます。
○宮瀬委員 今、適切な規模というお話がありましたけれども、先ほど白石理事の質疑のときに、応募はたくさんあって、実際に枠をもっと増やした方がいいんじゃないのかという質疑も聞いていました。やっぱり賃上げを望んでいる、何とか、いろいろ課題があるでしょう。そんな中で、全体の〇・〇九ではなくてもっとやっていった方がいいと。今の現状で適切な規模の予算ということでいいんですか。
○内田雇用就業部長 都の施策の検討に当たりましては、中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者から意見を聞く場などを設け、施策に反映しているところでございます。
賃上げにつきましては、中小企業のニーズ等を踏まえて適切な規模を計上し、必要な支援を実施しているものと考えております。
○宮瀬委員 ちょっといい回し変わったんですけれども、いろいろヒアリングを行っていただき、施策に反映しているところでありますというご答弁でありましたので、ぜひですね、ちょっと量を増やしていただき、検証可能な状態で賃上げに向けてぜひご尽力いただきたいと思っております。
次に、プロジェクションマッピングについてお伺いします。
各会派の方から質問もありましたので割愛しながらやりますけれども、さきのプロジェクションマッピングの際も、こちらの方ではどういうPDCAサイクルがあって、KPIが何で、経済波及効果は十八億という漠然とした数字だけが出てくるのはおかしいんじゃないのかと。PDCAサイクルのPを教えてくださいと何度かやり取りをして、どれぐらい来場者の方が来て、どれぐらい経済波及効果があって、どれぐらいの方がという、先ほどの賃上げと同じように、さきの委員会で確認をさせていただきました。
改めて、そのときにPDCAサイクルのP、プランの数字を確認したいんですけれども、お伺いいたします。
○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングは、参考となる類似の取組事例がなく、目標値などを設定することは困難でございます。
都庁舎にプロジェクションマッピングを投影することにより、インバウンドに加え、国内からも来訪者を数多く誘致し、観光消費の拡大を通じた経済の活性化に結びつけてまいります。
○宮瀬委員 私、ちょっと民間長かったんですけれども、プランですから、仮説を立ててその目標に向かってやっていくのがプロとしての仕事だと思っていまして、私の方では、困難だけれども民間はみんな困難な中でやっていますよ。仮説を立てて。ちょっとずれれば、仮説を、目標を修正していけばいいと思っていますけれども、はなから目標数値を設定するのは困難ですといったら、ちょっと民間出身の人間としてはあり得ないんじゃないのかなと。困難とはいえ、仮説のところからちゃんとPDCAサイクルを回していただきたいと思っています。
また、広告の売上げ目標のところはないと、想定もないといったことで聞いていました。割愛いたしますけれども、今回の媒体資料も見させていただきました。私は広告営業もやっていましたので。その中で、値づけしてあるわけですよね、プロジェクションマッピングの広告の。値づけするに当たってはそういう根拠がないと値づけできないじゃないですか。
私もメディアの新規の媒体をつくるときに、広告の値づけをするときに、これぐらいの年間予算を立てて、経費がこれぐらいだから、これぐらいの枠を大体、入稿率を掛け算して半分ぐらいかなと、いろいろシミュレーションをして、やっぱり媒体と広告ってつくっていくんですけれども、今後の目標数値も分からないという答弁を聞いていますと、じゃあ今の、聞き方を変えて、媒体資料の中で、通常の広告ですよ、最大であれば、ノーマルで、広告収入は大体最大で幾らになるんでしょう。要は広告の枠があって、それを全部、通常のパターンで入れたら幾らになるんでしょう。
○江村観光部長 広告の表示時間や期間によって広告料は異なるため、一概に申し上げることはできません。仮の試算ではございますが、五分間の広告を一か月投影した場合、年間の広告収入は概算で約一億四千万円となります。
○宮瀬委員 年間かかっている費用とマックスで広告が入ったとしても、当然トレードオフにならないといったことが分かったわけであります。
お酒とかギャンブルとかの広告が、JRAとかパチンコとか美容整形とか、いろんなクライアントさんいると思うんですけれども、そういった方々に対しては一定の制限をかけるというのは聞いていましたので、もう質問も落としますが、私はやっぱりこのプロジェクションマッピングという事業、都庁の、一個一個確認していっても計画がかなりずさんなんじゃないのかなと。数字の裏づけというのがなかなか出てこない。もちろん価値のあるものであれば、そこに予算をちゃんと投じてやればいいと思いますけれども、それを数字でやっぱり証明していただかないと、もうずさんで、この事業は私はやめた方がいいとはっきりと申し上げます。
ただ、もう始まっていますから、現実的に明日から止められるということはないと思います。
これはご提案なんですけれども、例えば広告のクライアントさんが広告をつくって入れる予定でしたと、五分間、一か月。いろいろトラブルがあったり、原稿つくるの間に合わなかったり、私は雑誌とネット媒体をやっておりましたけれども、そういう場合は広告の原稿を借りないといけない。テレビのCMとかも砂嵐出てこないと思うんですけれども、どのメディア媒体も借りていく用の臨時用の広告って持っているんです。
ですから、せっかくああいう面を使うのであれば、例えば東京都の重要政策のPRのために借りた、穴が空いちゃったときのために流すような映像とかを流すのであれば、公共性の価値も出ると思いますし、私はこの事業反対ですけれども、もう動いている以上、そういった取組もいいんじゃないのかなと。都の情報など、公共性の高いそういった都の宣伝とかPRを時には出すべきと考えますが、見解を伺います。
○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングでは、これまでその集客力を活用して、都民広場で都の様々な取組をPRしてきておりまして、今後も効果的な活用を図ってまいります。
○宮瀬委員 はっきりとはお答えできないのはもちろんだと、新宿区の確認が必要だとかあると思いますけれども、実際来ている方のお客さんの層を見ても半分ぐらいが外国人だったりすると思うんです。
だから、例えばシャープ七一一九とか、不要不急の救急車の、そこに電話すると教えてくれるよとか、そういった来日した外国人がこれは知っておいた方がいいよねみたいな情報とかの原稿を持っておいて、入れる予定だった広告が、映像がぽしゃっちゃったときに急遽そういうのを流すとか、そういうことであれば、都庁の本庁の巨大なところを使ってやる意味も出てくるのではないのかなというご提案でございます。
質問を終わります。
○三宅委員 都心の観光地が多くの旅行者でにぎわっている様子がメディアでも度々取り上げられています。
島しょ地域でも、ゴールデンウィークや夏休みの時期には多くの人が来島し、島の自然や食などを楽しんでいますが、コロナ前の状況までは回復していないのが実情です。都心部と比べると地理的に不利な条件もあり、回復のスピードに遅れが出ています。
都は現在、プレミアム付宿泊旅行商品券であるしまぽ通貨の販売により、島しょ地域へ旅行者を誘致するための取組を進めていますが、近年は完売が続くなど、旅行者に大変好評であり、今後もしっかりと活用していくべきであると思います。取組を継続していく上では、その効果の分析も重要だと思います。
そこで、しまぽ通貨が島しょの観光振興にどのように寄与しているのか、都の見解を伺います。
○江村観光部長 都は、プレミアム付宿泊旅行商品券であるしまぽ通貨を平成二十九年度から販売しており、これまで購入した人の約八割が新規の購入者でございました。
昨年度新規で購入した約一万二千人を基に島しょを訪れた人数を試算すると、家族や友人などの帯同者も含め約二万八千人であり、新たな旅行者の掘り起こしに寄与したと考えております。
また、しまぽ通貨が利用可能な宿泊施設や飲食店、土産物店などの数は、十月末時点で開始当初の三倍を超える五百二十一か所であり、旅行者の利便性も向上しております。
○三宅委員 島しょ地域の観光産業を着実に回復させる上で、来島のきっかけになるしまぽ通貨による支援の重要性はますます高まっていると思います。ただいまの答弁にあったとおり、しまぽ通貨は事業効果がとても高い取組であると思います。今後とも島しょ地域の実情を踏まえ、さらなる支援の強化を求めておきます。
島には、季節によっては味わいが異なる新鮮な海産物や一年中楽しむことができる温泉など、魅力的な観光資源が数多くあります。こうした四季折々の魅力を生かして、観光産業をより活性化していく視点が重要であると思います。
しかし、寒さが厳しくなる冬の期間は旅行者の数が落ち込むため、観光事業者の中には一時的に営業を休止するところもあります。島しょ地域で旅行者を増やしていくためには、こうした季節や天候に左右されない工夫が必要です。
そこで、都が今年度から実施している閑散期などにおける安定集客の取組について伺います。
○江村観光部長 都は、今年度より、島しょ地域などにおいて、冬場の寒い時期や悪天候時などでも旅行者の減少を抑え安定して集客ができるよう、新たな支援を開始いたしました。
この支援では、観光協会や観光関連事業者などが安定集客につながるコンテンツの開発や施設の整備を行う場合に必要となる経費について、二千万円を上限に三分の二を助成しております。
これまで、冬の時期に新たな旅行者を呼び込むイルミネーションイベントの開催や、伝統工芸品の制作工程の見学ができる屋内施設の整備など三件の事業を採択しており、今後も島しょ地域などにおける年間を通じた旅行者の誘致を進めてまいります。
○三宅委員 冬の寒い時期や悪天候の際の観光は島しょ地域共通の課題であり、都としてもしっかりとサポートしていくことが重要だと思います。都のサポートによる成功例を島の間で共有することで、島しょ地域全体の観光産業の底上げにつなげていくことを要望しておきます。
次に、世界自然遺産を活用した観光振興について伺います。
小笠原諸島が平成二十三年に世界自然遺産に登録されてから十三年が経過しました。小笠原にとって豊かな自然や固有種の生息環境を守り、住民の暮らしとも調和を図りながら持続可能な観光を進めていくことは重要であります。こうした調和の取れた観光振興を進めることは、国内の世界自然遺産の地域共通の課題であり、関係する自治体が連携し、東京の発信力を生かしながら取組を進めることには意義があると思います。
そこで都は、世界自然遺産を有する自治体と連携し、どのように観光振興に取り組んでいるのか伺います。
○江村観光部長 都は、国内の世界自然遺産地域を有する五つの自治体と連携し、その知名度やブランドイメージを生かした観光振興の取組を進めております。
具体的には、各地域の参画による旅行商品の造成に向けた商談会を開催しており、昨年度は、東京と大阪の二か所で百二件のマッチングを行いました。また、旅行会社や現地の事業者などによる交流会を持ち回りで開催しており、今年度は鹿児島県と沖縄県で実施いたします。
さらに、専用のウェブサイトや海外メディアでの記事広告を通じて、各地域の観光地としての魅力や守るべきマナーなどを広く発信しており、今後も他の自治体と連携しながら世界自然遺産地域の観光振興を進めてまいります。
○三宅委員 我が会派は、ずっと昔から東京一極集中の是非が議論になっている際、日本の将来の成長のためには、東京と日本各地が手を携えて発展していく視点が重要であると訴えてきました。こうした取組が観光立国の推進にもつながるよう、一層強化して取り組むよう求めておきます。
次に、漁業について伺います。
島しょ地域の漁業は、キンメダイなどの新鮮な水産物を都民に供給し、島の経済を支える重要な産業です。
しかし近年、伊豆諸島の海域では、海水温の上昇などから漁獲量は大きく影響を受け、テングサなどの海藻が多く見られる藻場が消失するという磯焼けが発生しています。報道では、海の砂漠化とも呼ばれており、事態は深刻です。
藻場は魚介類が育つ場として大切な役割を果たしており、藻場の再生は、漁獲量の回復につながる重要な取組ですが、今年度の取組状況について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、比較的高水温でも生育しやすい海藻であるアントクメを活用した効果的な藻場の造成技術の開発を行うとともに、島しょ地域の水産資源として重要なテングサの種苗を大量に増やす研究に取り組んでございます。
具体的には、伊豆大島及び神津島周辺海域において、人工的に育てたアントクメの種苗を広範囲に設置し、生育具合を把握する調査を来年一月から開始するため、現在、地元の漁協との調整を進めております。
また、島しょ農林水産総合センターでは、テングサの苗を人工的に育てる研究を進めており、現在、施設内の水槽を使って海水に含まれる最適な栄養分の量など、生育条件の調査を行ってございます。
○三宅委員 藻場を増やすことは水産資源の回復だけではなく、CO2を吸収するブルーカーボンとして環境対策にも貢献すると思います。都は、専門家や民間企業の持つ知恵やノウハウを活用し、従来にない発想で藻場の保全に当たってもらいたいと思います。
また、気温や水温の上昇など自然環境が変化する中にあって、安定生産が可能な水産業の新たな形態として、陸上養殖が重要になると思います。昨日の予算要求案にもありましたが、漁業者の声を聞きながら、ぜひ果敢に取組を進めていただきたいと思います。
次に、漁業人材について質問いたします。
先般公表された二〇二三漁業センサスによれば、都の漁業就業者数は、高齢化の進展などから、この十五年間で三割以上減少しており、漁業の維持に向けては、特に若い人材を地域の内外から募り、就業につなげることが重要となっています。
また、就業した方が安心して地域に定着できるよう環境を整えることも大切です。
こうした中都では、今年度、若い世代の漁業人材の就業を後押しする取組を強化したとは聞いていますが、その取組内容について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、島しょ地域の漁業の振興に向け、若い世代の方々が漁業を新たに始めるとともに、仕事が続けられるよう、今年度から支援を強化いたしました。民間事業者が七月に開催した就業イベントに初めて都のブースを設け、島の漁業の魅力や都の支援メニュー等を掲載したリーフレットを活用するなどにより、就業を考えている方の相談に応じました。
また、定着に向けましては、住居の借上げや操業に必要な資格取得などの費用への助成について、補助率を二分の一から五分の四に大幅に引き上げております。
こうした制度を活用し、十月末時点で、独立を目指す十一名がベテラン漁師の指導の下、技能の習得に取り組んでいるところでございます。
○三宅委員 若い方が漁業を始められることは、島の活性化にもつながる重要なことです。
都は拡充した支援メニューなどの周知を含め、漁業者の確保、育成をしっかりと進めてもらいたいと思います。特に一番重要なのは住宅問題だと思っておりますので、その辺をしっかりよろしくお願いします。
水産業の活性化に向けては、水産物の消費を拡大することも重要です。
近年では魚離れが一層進み、消費量は年々減少しています。骨があるからや、調理に時間を使いたくないなどの声が多く聞かれ、家庭で魚を調理する機会が減っている要因といわれています。
水産物の需要拡大に向けては、子供が魚への関心を高める取組を進めることが重要でありますが、都の取組状況について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、小中学生等が東京産の水産物についての理解を深めるとともに、魚介類を食べる機会を増やす取組を展開してございます。
都内各地の小中学生等を対象とした出前授業では、八丈町が地域の漁協女性部と連携して実施する島の漁業や魚のさばき方などの講義に対し支援しており、十月末時点で四校、二百九十五名が受講いたしました。こうした出前事業を拡充するため、講師の養成にも取り組んでございます。魚の食育等を行う民間団体と協力し、三名を東京都魚食普及員として任命いたしました。
また、東京の魚の魅力を伝えるため、親子向けにキンメダイ等を使ったプロの料理人による調理講習会を三回開催し、四十五組の募集を大幅に上回る三百八十九組の応募がございました。
○三宅委員 子供が魚を好きになるということは、家庭で魚を料理する機会の増加にもつながると考えます。
応募数の多かったイベントは、実施規模の拡大を検討するなど、引き続き水産物の消費拡大にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、クロマグロについて伺います。
クロマグロは、国際的な漁業管理機関の決定に基づき漁獲量が定められていますが、漁業者などによる資源管理の努力により資源は回復傾向にあり、来年から漁獲枠が拡大する見込みです。都の漁業者をはじめとする我が国の資源管理の努力が国際的に認められたものと高く評価したいと思います。
クロマグロは近年、伊豆諸島周辺の海域で漁場が形成され、島しょ漁業者にとってキンメダイと同様に貴重な収入源となっています。そのため、枠の拡大に対する漁業者の期待は非常に高まっています。
都は、こうした声にも耳を傾けながら、クロマグロの漁獲枠の確保に取り組むべきと考えますが、その取組状況について伺います。
○榎園農林水産部長 都は、島しょ地域の漁業者がより多くのクロマグロを漁獲できるよう、毎年国や全国の道府県と調整を行ってございます。
今年度の漁獲枠については、当初国から配分された三十二トンに加え、国の追加配分や他県が有する枠の一部を譲り受けるなど、きめ細かな対応により、新たに三十トンを確保いたしました。
今後は、国際機関の決定を受けた漁獲可能量の増加を見据えて、漁業者の声も踏まえまして、都の操業実態に即した漁獲枠の優先的配分を国に求めてまいります。
○三宅委員 都に配分されている漁獲枠は、都の漁獲が少ない時期のデータを基に算出されているため、漁業者の不満も大きいと思います。
この夏、地元の町村長と共に水産庁長官に要望してきましたが、漁業者の期待に応えられるよう、都としても国に対し、クロマグロの漁獲枠の拡大を強く求めていただきたいと思います。
また、キンメダイなどでは、漁業者の協力の下、DX機器などを活用し、漁獲状況を迅速に把握する資源管理が着実に進められています。クロマグロでも同様に対策強化に努めていただきたい、そのように思います。
最後に、島しょ農業の振興について伺います。
島しょ地域では、温暖な気候を生かして、切り葉やパッションフルーツ、アシタバなど、農産物の栽培が盛んであり、中でも切り葉の生産量は日本一となっています。こうした農産物を主要な特産品としてより発展させるには、さらなる品質の向上や生産量の増加を図るとともに、認知度を高めることが重要です。
また、台風や塩害など、島の厳しい環境を克服し、安定的な収穫量を確保することも必要であるほか、環境に配慮した農業の取組も求められています。
そこで、島しょ地域の特色ある農業の実現に向けた都の支援について、今年度の取組内容を伺います。
○榎園農林水産部長 都は、島しょ地域の農業者が特色ある農産物づくりに取り組めるよう、個々のニーズに基づいた支援をソフト、ハードの両面から行ってございます。
具体的には、八丈町が取り組む切り葉の生産振興へ後押ししており、切り葉生産日本一を掲げたポスター作成への助成について交付決定を行うとともに、普及指導員が農家を訪問し、品質向上に向けきめ細かな栽培指導を、十月末時点で四百四十四回実施いたしました。
また、台風による農作物の被害防止や内地輸送に当たっての品質保持などの課題を解決するため、町村等が行う施設整備へ助成しており、風に強い栽培施設や出荷用の冷蔵施設など、十月末時点で合計十九件の交付決定を行いました。
加えて、化学肥料等の削減に向け、農業者に有機質肥料の購入費用を助成してございます。
○三宅委員 切り葉の生産をはじめ、島しょ地域の農業者は日々頑張っています。
しかし、気象条件やインフラの整備など、島ならではの苦労も多く、行政のサポートが必要です。
島ごとのニーズに耳を傾け、しっかりと支援に取り組んでいくことを求めまして、質問を終わります。
○遠藤委員 最後の質問になります。テレワークとそしてナイトライフ、この辺の質問をしてまいりたいと思います。
国の調査によれば、コロナ禍を経て出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワーク、これが拡大傾向にございまして、特にコロナ後は、各企業、単にテレワークを続けるだけではなく、より一層、生産性やエンゲージメント、まあ、やる気ですね、この向上につなげたいという努力をしていることがうかがえます。
また、改正育児・介護休業法が成立しまして、令和七年度以降、三歳未満の子供を育てる従業員や家族を介護する社員がテレワークできるよう、環境の整備を行うことが企業の努力義務となりました。これは両立支援策としてのテレワークを法律上義務づけるものであり、都としてもこの考え方が浸透するように後押ししていくことが求められます。
テレワークと出社のバランスが取れた働き方を進めつつ、例えば介護とか育児、テレワークを使わなければならない方が必ず利用することができる、こういう新しいテレワーク社会を実現すべきだと考えますが、都の取組を伺います。
○内田雇用就業部長 都は、今年度、テレワークの効果的な活用を促すため、リモートと出社に係る新たなルールづくりを行う会社への支援を開始し、九月末現在で三十六社から申込みを受け、うち一社に奨励金の交付決定を行いました。
また、育児や介護を抱える従業員のため、テレワークに関する規定の整備や機器の導入を行う企業へのサポートも新たに始め、これまで八社に対し助成金の交付決定を行ってございます。
こうした取組を通じ、オフィス勤務とテレワークとのバランスが取れ、育児や介護などを抱えた人がちゅうちょなくテレワークを活用できる環境の実現を後押ししてまいります。
○遠藤委員 生産年齢人口の減少が見込まれていく中で、都におきましては、多様な人材が活躍できる切り札となりますテレワーク、これを通じて最適な働き方が求められるように求めてまいりたいと思います。
何が何でもテレワークじゃなくて、テレワークって恐らく情報の伝達ですとか報告なんか向いていると思うんですが、恐らく合意形成とか何かクリエーティブなものをつくっていくときは対面がいいと思うんです。こういう使い分けが重要ではないかと思います。
続きまして、行政課題解決型スタートアップ支援事業について伺います。
実は私も、もともと前職ベンチャー企業の出身でして、中野で九年ぐらいマーケティングとか人材の仕事をしていました。一応経営者だったんですが、本当に資金繰りとか人の採用とか、本当にアップダウンがあったなと。当時、行政に仕事を発注するって考えたこともなかったですね。遠い世界、都庁は近くに見えましたけど、全く別物と思っていましたけれども、スタートアップ時代のそういったスキルとか技術を行政で生かせるなら、こんなうれしいことはないと思っております。
というわけで、世界有数の大都市である東京、防災、インフラ、産業など多岐にわたる行政課題が数多く存在しております。こうした課題やニーズは年々複雑化、高度化しており、既存の行政サービスでは対応することが難しくなっています。
こうした状況の打開に当たりましては、優れた技術などでイノベーションを牽引するスタートアップの力、これを都政課題に活用することが重要ではないか。
都においては、スタートアップ戦略を策定し、協働の取組を進めているところでありますが、この事業の内容と成果について伺います。
○福田商工部長 都は、東京が抱える様々な行政課題の解決に向け、最先端の技術などを持つスタートアップの力を活用するためのピッチコンテストを実施しております。
今年度はこれまでに、防災や都市づくりなどをテーマとして四回開催し、二十社が参加しております。
具体的には、震災時の避難等に効果的な道路の無電柱化の推進に向け、関係者への説明が円滑に進むよう、簡易な操作で現場の3D画像の作成や無電柱化のシミュレーションができるサービスを提案した事業者などが優勝しており、現在、都や区市町村の連携スキームについて検討を始めております。
また、昨年度と今年度のコンテストで優勝した事業者と協働し、育児などの事情で就職活動に課題を抱える女性に対するオンラインでの再就職支援サービスなど、七件の取組を開始し、都政課題の解決につなげております。
○遠藤委員 スタートアップとの協働、ぜひこれで都政課題の解決を着実に進めていただきたいと思います。進めていることも確認できましたし、進めていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
今回たくさんの質疑があったプロジェクションマッピングでございますが、誰一人取り残さない東京を実現するためには、稼げる東京、これを実現することが不可欠ではないでしょうか。このために私たちは、雇用の創出をはじめ、大きな経済効果が期待されるナイトタイムエコノミーの推進を求めてまいりました。
これに対して都は、本年二月より、ナイトタイム観光の充実に向けまして、都庁舎をスクリーンとした世界最大のプロジェクションマッピングを開始いたしました。コロナの後、都内訪日客がコロナ前の三割増になる中で、休日や夜間に訪れる人がまばらであったこの西新宿地域、国内外から人を呼び込むための観光資源を都自らが生み出し、経済効果を創出しようという意欲的な取組を評価いたします。
私たちは、令和六年度の予算特別委員会などを通じまして、継続して誘客を図る工夫を講じるとともに、民間による利用についても検討を求めてまいりました。
私も先月の決算特別委員会の分科会におきまして、本取組が持つ高い集客力と話題性を生かして、経済的な効果を高めていくことが重要だと述べたばかりであります。
これを踏まえまして都は、さらなる経済効果の創出に向けまして、どのように取り組んでいくのか伺います。
○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングでは、国際大会で高い評価を受けた国内外のクリエーターが制作する映像を毎日投影し、これまでの観覧者数は三十九万人を超えておりまして、今後も世界的に人気の高い映画や楽曲など、集客力のあるコンテンツを作品に活用するなどにより、国内外から多くの観覧者を継続的に誘致してまいります。
また、本取組の集客力を活用し、都民広場では、島しょ地域の特産品や国産の米粉を使用したパンを販売するなど、都の様々な取組をPRしてきており、今月からは世界最大の投影面を企業等の広報にも活用していただけるよう広告の募集を開始いたしました。
今後もこうした取組により、観光資源としての魅力向上を図ってまいります。
○遠藤委員 都庁舎へのプロジェクションマッピングは、いわば表現のための環境の整備でありまして、企業等にも利用を開放することで創意工夫がなされ、魅力が増していくことが期待できます。加えて、経済波及効果の評価には、鑑賞の前後でどこに立ち寄っているのかを調べることも重要ではないでしょうか。
当会派、福島都議の提案によりまして、港湾局の運河エリアのライトアップ効果につきましては、人流データを使った定量評価を実現しています。都庁舎へのプロジェクションマッピングにつきましても、人流、人の流れ、このデータを用いた評価についても検討することを要望いたします。
また、経済波及効果を高める取組としまして、私からは台湾の夜市、これを参考にしてみてはどうかと提案したいと思います。
都庁舎へのプロジェクションマッピングから交通網が充実する新宿駅までの間を、夜市のように食べ歩きができるような場所にしていく。そうしますと、観光客が夕食を取った後、もう一回宿泊先からまちに繰り出すような場所に育てられる、西新宿がですね、こういう可能性があるんじゃないでしょうか。このように諸外国の取組も参考に、経済波及効果を高める取組を並行して検討することを要望します。
最後に、ナイトタイムにおきます観光促進事業についてです。
東京のナイトタイム等におきます観光振興を図る上で象徴的な取組として、まさに今、申し上げたこの都庁舎におけるプロジェクションマッピングが実施されておりますが、こうした夜に楽しめるイベントなどの取組を都内の各地に広げていくことが重要です。
都内全体で夜間観光を推進していくためには、各地域による主体的な取組を後押しし、取組を点ではなく面として、例えば多摩地域なんかも、先ほど内山副委員長が質問されていましたが、多摩センターもぜひお願いしたいと思いますけれども、面で展開していくべきだということを申し上げたい。
こうした観点から、都は、地域の夜間観光の活性化に向けた取組をどのように支援しているのか伺います。
○江村観光部長 都では、区市町村や観光協会、民間事業者などが、夜間や早朝の観光資源をつくり、旅行者の誘致に結びつける取組に対し、その経費について三千万円を上限に三分の二を助成しております。
今年度は、ライトアップされた水辺を遊覧船で巡るナイトクルーズやまち中で時代劇などの大衆芸能を観覧できるナイトショーイベントなど、六件を採択しております。
これらの地域の取組は、今後三年間にわたり継続して支援することとしており、これにより、都内各地におけるナイトタイム観光の推進を図ってまいります。
○遠藤委員 ナイトクルーズやまち中でのナイトショーなど、地域ならではの創意工夫を凝らしたイベントは、新たな旅行者やリピーターの確保につながることが期待できます。
また、ナイトタイム観光の活性化は重要な取組でありますが、同時に地域住民の理解など様々な問題もありますので、地域全体で方向性を協議していくようなモデルケースを目指していくことも必要ではあると思います。
今後こうした取組を検討するよう求めて、質問を終わります。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時五分散会
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