委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | かまた悦子君 |
副委員長 | 内山 真吾君 |
理事 | 青木 英太君 |
理事 | 白石たみお君 |
遠藤ちひろ君 | |
上田 令子君 | |
細田いさむ君 | |
藤田りょうこ君 | |
福島りえこ君 | |
菅野 弘一君 | |
三宅 正彦君 | |
西崎つばさ君 |
欠席委員 一名
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 早川 剛生君 |
次長 | 松田 健次君 | |
管理部長 | 住野 英進君 | |
事業部長 | 大谷 俊也君 | |
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 東山 正行君 | |
市場政策担当部長 | 石井 浩二君 | |
財政調整担当部長 | 高橋 葉夏君 | |
環境改善担当部長 | 中井 宏君 | |
港湾局 | 局長 | 松川 桂子君 |
技監 | 村田 拓也君 | |
総務部長 | 戸谷 泰之君 | |
企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 石井 均君 | |
調整担当部長 | 千田 敏君 | |
港湾経営部長 | 野平雄一郎君 | |
港湾振興担当部長 | 三浦 知君 | |
臨海開発部長 | 若林 憲君 | |
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 | 水飼 和典君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 大野 克明君 | |
港湾整備部長 | 佐藤 賢治君 | |
計画調整担当部長 | 山本 康太君 | |
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 | 儀間 潔君 | |
離島港湾部長 | 福永 太平君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 渡邊 正也君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)
港湾局関係
事務事業について(質疑)
○小林委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び港湾局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○住野管理部長 去る十月二十二日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
資料は全部で九項目ございます。
恐れ入りますが、一ページをご覧ください。1、中央卸売市場における市場別業者数の推移(十年間)についてでございます。
過去十年間の水産物、青果物、食肉及び花きの市場別の業者数の推移をお示ししております。一ページに卸売業者、二ページに仲卸業者、三ページに売買参加者について、それぞれ記載してございます。
四ページをご覧ください。2、中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移についてでございます。
四ページに取引方法別割合の推移、五ページに取扱金額の推移を記載してございます。
六ページをご覧ください。3、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況についてでございます。
卸売業者及び仲卸業者につきまして、取扱品目ごとに業者数とそのうちの赤字業者数を区分して記載してございます。
七ページをご覧ください。4、豊洲市場における地下水管理システムの送水管等に付着した物質の主成分についてでございます。
令和元年度に実施した調査の結果、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが主成分となってございます。
八ページをご覧ください。5、仲卸業者の数及び経営状況(二十年間)についてでございます。
仲卸業者につきまして、取扱品目ごとに業者数、調査業者数、売上高平均、赤字業者数を区分して記載してございます。
一〇ページをご覧ください。6、各市場における仲卸店舗の使用許可状況(二十年間)についてでございます。
こちらのページから一三ページにかけまして、過去二十年間の各市場における仲卸店舗の使用許可状況の推移をお示ししております。
一四ページをご覧ください。7、生鮮食料品等の全国総流通量に占める全国市場(中央卸売市場・地方卸売市場)、全国中央卸売市場、東京都中央卸売市場の経由量及び割合(十年間)についてでございます。
水産物、青果物、食肉及び花きについて、全国総流通量に占める全国市場、全国中央卸売市場、東京都中央卸売市場の過去十年間の経由量と割合の推移をお示ししております。一四ページに水産物と青果物、一五ページに食肉と花きについて、それぞれ記載してございます。
一六ページをご覧ください。8、と畜頭数の推移(二十年間)についてでございます。
過去二十年間の大動物及び小動物のと畜頭数の推移をお示ししてございます。
一七ページをご覧ください。9、東京食肉市場株式会社の役員・職員構成(都派遣・固有・都退職者別)についてでございます。
本年八月一日時点における東京食肉市場株式会社の役員と職員の構成をそれぞれお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○青木委員 中央卸売市場は、毎日の生活に欠かせない水産物や野菜、果物、食肉といった食材と、生活を彩る花きなど、生鮮品等の円滑な流通を確保する重要な役割を担っています。
豊洲市場などはニュースなどでマスコミに取り上げられることも多いですが、都内には豊洲以外にも中央卸売市場があり、その数は全部で十一か所であります。
今年、私、東京都議会議員になり、早速、九月にその一つである新宿の都心にある淀橋市場を会派で視察させていただきました。卸売市場の取引現場を実際に自分の目で確かめたのは初めてでありましたが、市場内に大量の荷物が積み上げられ、その合間を縫って多くの人や車両が行き交う活気あふれる現場を視察し、卸売市場が生鮮品等流通で果たしている役割の重要性を改めて実感した次第です。
都民の生活の消費生活、ひいては日本の食文化を支える中央卸売市場の事務事業について、現場視察や事業概要に記載された内容を踏まえて、私が特に重要と感じた点を確認させていただきます。
まず、都の事務事業の全体像をつかむため、市場経営の羅針盤である東京都中央卸売市場経営計画の進捗について伺います。
都は、生鮮品等流通を支える卸売市場の中核機能の強靱化など、二〇四〇年代の中央卸売市場の姿を実現するため、また、持続可能な市場経営を実現するため、令和四年三月に、令和四年度から令和八年度までを計画期間とする経営計画を策定し、市場の活性化に向けて取り組んでいます。
令和六年度は計画期間の折り返しとなりますが、改めて、経営計画の目的、施策内容について伺います。
○石井市場政策担当部長 中央卸売市場経営計画では、中央卸売市場が生鮮品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的インフラとしての役割を将来にわたり果たすことができるよう、都を開設者、施設管理者、市場会計の管理者の三つの立場に分けて設定した課題への対応や、市場業者と連携した市場活性化に向けた取組を掲げ、推進しております。
具体的には、開設者の立場から市場全体の機能の最適化や各市場の機能強化に取り組み、また、施設管理者の立場から老朽施設の計画的な維持更新を進めますとともに、会計の管理者の立場から強固で弾力的な財務基盤の確保を図っております。
さらには、市場の活性化に向けた取組として、DXの推進等による市場業務の効率化や市場業者の経営基盤の強化、物流の高度化、効率化などに取り組んでおります。
○青木委員 都は経営計画に基づき取組を確実に進めているとのことです。今後も実効性を高めつつ取組を進めていただきたいです。
そのためには、PDCAサイクルを回すことが重要であり、外部有識者など卸売市場審議会において経営計画の取組を定期的に報告し、各委員から意見聴取し、意見を施策に反映させ、効果的に取組を実行していくべきだと、かねてから我が会派は要望してきました。
そこで、経営計画の取組について、これまで卸売市場審議会において、どのような意見を行い、施策に反映してきたのかを伺います。
○石井市場政策担当部長 令和四年三月に経営計画を策定してからは、学識経験者や業界団体の代表者等で構成する卸売市場審議会を年二回開催して、同計画の進捗を管理しております。
審議会では、生鮮品流通や財務会計など、それぞれの分野に精通する委員から幅広い提言をいただいております。
具体的には、施設整備、市場業者への経営支援、財務基盤の強化などに加えまして、コロナ禍における厳しい経営環境に直面する業界の実態を、二〇二四年の物流問題に当たって、国の法改正等に関する最新動向や、生鮮品等流通や市場業者に及ぼす影響など、重点施策について意見を頂戴しております。
今後も、日々の業務に際し、業界と継続的に意見交換することに加えまして、こうした審議会を通じて学識経験者等の意見を取り入れながら、経営計画に掲げた取組を一層推進してまいります。
○青木委員 審議会の機会も活用し、PDCAサイクルを回し、実効性ある施策を展開していくということであります。今後も各委員からの意見をしっかりと受け止め、都の事務事業に生かしていっていただきたいです。
まず、市場経営の全体像である経営計画について質問をさせていただきました。これからは、市場経営を支える両輪といえる、取引を支える市場施設の整備と、取引の担い手である市場業者に対する経営支援について、都の取組を具体的に確認をさせていただきます。
まず、施設整備について伺います。
都内には、豊洲市場や大田市場などの全国各地から荷物が集まり関東一円の食を支える大きな市場だけではなく、淀橋市場や足立市場のように、市街地に立地し地域に密着した市場を含め、全部で十一の市場があり、それぞれ生鮮品等流通を支えていることから、我が会派は、全ての市場の運営に十分目配りをして、必要な施設整備に取り組むことを求めてきました。
そこでまず、将来にわたって卸売市場が都民生活を支える役割を果たしていけるよう、老朽化した施設の維持更新などの施設整備を進めていく必要があると思いますが、都の見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 現在、都では、淀橋市場や板橋市場において市場機能の強化を推進しており、また、足立市場や食肉市場においては、より一層の衛生管理の徹底など、これまでの課題に対応する施設対策を進めております。
さらに、老朽施設の今後の更新需要に対し、計画的に維持更新を進めるため、建物や設備の劣化状況を、利用状況等を踏まえ、更新時期や財政負担の平準化なども考慮した維持更新計画の策定に取り組んでおります。
中央卸売市場が生鮮品等安定供給の基幹的なインフラとしての機能を発揮していくため、今後とも各市場の特性等を踏まえた機能強化などを図るとともに、市場取引の基盤である施設の維持更新を鋭意行ってまいります。
○青木委員 卸売市場は、二十四時間三百六十五日、休むことなく生鮮品等流通を支えています。その役割を将来にわたって果たしていくためには、時代や消費者のニーズに対応できるよう、各市場が持つ強みを強化し、それぞれが抱える課題を解決していくこととともに、施設の維持更新を計画的に進めていくことが大変重要であります。
そこで、今、答弁のあった各市場における施設整備について、取組状況等を確認していきます。
まず、淀橋市場の施設整備について伺います。
淀橋市場は、新宿区の中心部に立地しており、その商圏には多くの飲食店や青果の専門小売店があり、地域の青果物の流通拠点として重要な役割を果たしています。
しかし、取扱量に比べて敷地が狭いため、老朽化した施設の建て替えに合わせて、狭隘な敷地の有効活用を図る拡張整備事業を推進していると伺っております。
そこで、淀橋市場拡張整備事業について、現在の取組状況を伺います。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場では、昭和三十八年に竣工し、老朽化が進む総合事務所棟の建て替えに伴い、市場の狭隘化による場内物流混雑に対応するための拡張整備事業に取り組んでおります。
具体的には、市場業者のニーズも取り入れて、五階建ての新総合事務所棟を建設し、その一階及び二階部分を卸売場や加工パッケージエリアとして使用するなど、複合的な利用ができる建物として整備することとしております。
また、場内の効率的な物流を実現していくため、市場物流イノベーション推進事業により市場業者が自動立体冷蔵倉庫を整備いたしますとともに、荷の自動搬送につながる先端技術の導入を進める予定であり、都は、その整備等に要する費用の一部を補助することで、市場業者の取組を後押ししてまいります。
拡張整備事業については、実施設計を完了し、準備工事に着手しており、本格施工に向けた住民説明会を本年七月に開催いたしました。
また、自動立体冷蔵倉庫は、来年一月から十一月を工事期間として予定してございまして、工事説明会を本年十一月に実施することとしております。
○青木委員 淀橋市場は、都心部に立地するとともに、近隣が住宅地で囲まれている市場でもあります。拡張整備事業等に当たっては、市場業者との連携を強化するだけでなく、周辺地域への影響にも十分に配慮した上で整備を進めていただきたいと考えます。
次に、板橋市場の施設整備について伺います。
板橋市場では、主に青果物部において、道路交通の利便性が高い立地を生かして広域的な物流拠点としての機能強化を図る取組が進められており、昨年度に策定した基本構想に基づき、今年度は基本計画を策定する予定と聞いております。
先ほどの質疑で取り上げた淀橋市場に対し、板橋市場は比較的敷地に余裕があるため、そうした特性を生かして機能強化を図り、取扱いを拡大していくことも検討すべきであると考えます。
卸売市場における取扱数量は長期的に減少傾向でありますが、また、市場で老朽化等が進んでいる状況を踏まえると、板橋市場が区部北西部における中核的な物流拠点として役割を果たすことができれば、取扱いの拡大など、さらなる活性化が図られる余地はあると考えます。
そこで、板橋市場で機能強化を通じて取扱いの拡大など取引の活性化を目指していくことについて、都の見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 板橋市場におきましては、老朽化した施設の維持更新を行うだけでなく、広域的な物流拠点としての機能強化を図ることにより、集荷力や販売力を強化することで、市場取引をさらに活性化させていくことも重要であります。
このため、都と業界におきまして、機能強化を通じた取引の活性化について意見交換を行い、コールドチェーン対応や加工、荷さばき機能の拡充等により量販店等の実需者ニーズに対応することで、新規顧客開拓にも取り組みながら、取扱い拡大等により、さらなる活性化を図っていくことを関係者間で認識を共有いたしました。
これを踏まえまして、今年度に策定予定の基本計画におきましては、多様なニーズに対応する新たな取組を推進していくことも想定した上で、施設整備案等を検討し、具体化してまいります。
○青木委員 施設整備に当たっては、後になって役に立たない等といった事態が生じないよう、目指すべき将来像を具体的にしていくことが重要であり、板橋市場のポテンシャルを最大限に引き出して、市場業者が目指す経営目標を実現できるように、引き続き業界の意見をよく聞きながら検討を進めていただきたいと考えます。
板橋市場の機能強化は、豊洲市場のように新たに整備した市場に移転するのではなく、現地で営業しながらの再整備になるため、市場業務に支障が生じないように配慮することが必要であると考えます。
そこで、現地での再整備を円滑に進めるためにどのように対応を検討しているか伺います。
○石井市場政策担当部長 昨年度に策定いたしました板橋市場の機能強化に向けた基本構想では、板橋市場の敷地内において施設を新設、改修、解体する工事を行うこととしておりますが、市場業者が業務を継続しながら工事を行うためには、工事期間中を通して業務エリアを確保し、段階的に工事を進める必要があります。
その間、工事の段階ごとに市場業者が業務に利用できる場所に移動しなければならないことから、安全面や衛生面に配慮することはもとより、業務への影響も十分に考慮して工事計画を立案していく予定でございます。
○青木委員 現地での再整備となるため、部分的に工事をして、工事が完了したら、そこに市場業者に移動してもらい、今度は移動して市場業者がいなくなった場所を工事するという、いわゆるローリングをしながらの工事となるということであります。できるだけ移動の回数を少なくするなど、市場業者への影響や負担の軽減を図るとともに、整備効果が高いところから工事に着手するなど、効果的、効率的に工事を進める工夫も検討してもらいたいと考えるところです。
ローリングしながら段階的に工事を進めるとなると、施設整備に要する期間も相当長くなるのではないかと思われます。
そこで、現在、想定している施設整備のスケジュールについて伺います。
○石井市場政策担当部長 板橋市場の施設整備につきましては、今年度に基本計画を策定した後、令和七年度に基本設計、令和八年度に実施設計を行い、設計の完了後、工事に着工する予定でございます。
工事の工程につきましては、建物の新設や既存施設の改修、解体など、期間を分けて段階的に工事するため、現在の見込みでは、全てが完了するのは令和十五年度となる想定であります。
長期にわたる工事となりますことから、工事箇所のうち早期に調整が整う部分につきましては、設計段階から発注を分けることで先行整備を進め、供用開始を前倒すことを検討しております。
○青木委員 令和十五年度ということで、今から十年近く先の話であり、相当長丁場の計画であります。営業しながらの工事であり、市場業者の商売にできるだけ支障がないようにすることや、安全に工事を進めることなどを考慮すれば、工事が長期間に及ぶことは避けられないと考えます。整備効果が早期に発揮される工夫も検討しているとのことでありましたが、再整備を待ち望んできた市場業者の期待に応えられるよう、スケジュールを遅らせることなく、計画的に着実に事業を進めていくことを要望いたします。
次に、足立市場の衛生対策について伺います。
足立市場は、近隣の飲食店が気軽に買い出しをできる市場であり、足立区をはじめとした近隣地域における水産物流通の供給拠点として、衛生管理をしっかり行った上でその役割を果たしていくことが重要であります。
我が会派では、そうした役割を果たしている足立市場の衛生対策を円滑に推進していくためには市場業者の理解と協力が必要であり、そのためには関係者としっかりとした連携を取り組む必要があると求めてきました。
令和五年第三回定例会の経済・港湾委員会においては、卸売場については鮮魚卸売場の一部閉鎖化改修を行い、仲卸売場については場内の空きスペースに新しい売場を整備して移動する対応案を検討し、昨年度中に基本計画を策定するとの答弁がありました。
そこでまず、衛生対策のこれまでの取組について伺います。
○石井市場政策担当部長 足立市場では、都と市場関係者とで構成する施設対策推進委員会におきまして、定期的に意見交換を行いながら、施設面における衛生対策の取組等を進めております。
昨年度は、まず卸売場につきまして、都と卸売業者が協議を行い、一部開放型となっている鮮魚卸売場を閉鎖型にすることを決定し、実施設計に着手しました。
また、仲卸売場につきましては、足立市場仲卸売場衛生対策方針、基本計画を策定し、売場を場内の空きスペースに移動することで、より一層、品質衛生管理を向上させることを決定するとともに、三つの売場レイアウト案をまとめました。
○青木委員 卸売場では実施計画に着手し、仲卸売場については基本計画を策定するなど、着実に取組が進んでいることを確認いたしましたが、まだ計画段階であるため、早期の衛生対策の実現に向けて、しっかりと取組を前に進めていく必要があります。
そこで、今年度の取組状況について改めて伺います。
○石井市場政策担当部長 現在、卸売場につきましては、鮮魚卸売場を閉鎖型にする改修工事の実施設計を進めており、年度内の工事着手に向けて、定期的に卸売業者と協議を重ねております。
また、仲卸売場につきましては、足立市場仲卸売場衛生対策方針、基本計画に基づき、場内移動先の仲卸売場について基本設計を進めるとともに、施設規模等を具体化するため、仲卸業者全者に対してアンケート調査やヒアリングを実施しております。
今後は、アンケート調査の結果を踏まえて、関係者と協議しながら、移動先の仲卸売場における各仲卸業者の店舗の区画数や配置などを調整していきます。
○青木委員 これまで、市場業者との意見交換をしながら衛生対策の取組を進めてきていることを確認できました。
仲卸売場の移動先として場内の空きスペースを活用するとのことですが、場内移動により影響を受ける市場関係者もいると思われるため、そうした人たちの声もしっかり受け止め、丁寧な調整を進めていただきたいです。
そこで、仲卸売場の移動に伴い影響が生じる市場関係者との調整状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 仲卸売場の移動先につきましては、既存施設を極力撤去しないことを前提に検討しており、市場関係者の業務への影響が少なくなるよう配慮しております。
一部、影響が生じる関係者につきましては、個別に施設の使用状況等のヒアリングを行い、業務継続のためには代替となる場所が必要になるなど、それぞれの実情等を把握するよう努めております。
引き続き関係者の意見等を聞きながら、業務継続ができるよう、実情等に応じた対応策を検討し、丁寧に調整をしていくことで、衛生対策の取組を円滑に進めてまいります。
○青木委員 今後、市場業者とのやり取りが本格化してくると思いますので、都は市場関係者に対して引き続き丁寧に説明を行い、意見等を十分に聞きながら、衛生対策の取組を着実に進めていただきたいです。
次に、食肉市場の施設整備について伺います。
食肉市場で取り扱う高品質、安全、新鮮な食肉は、芝浦ブランドとして多くの関係者から認知されており、その信頼に基づいて、食肉市場は全国の産地から牛や豚が出荷される国内最大級の中央卸売市場として、都民への食肉の安定供給に重要な役割を果たすとともに、市場取引を通じて全国の取引価格の基準となる価格を形成する機能も担っています。
しかし、食肉市場を取り巻く環境を見ると、輸入飼料価格の上昇による物価の高騰、急速な円安、消費減退など厳しい状況が続く一方、インバウンドや輸出への需要が高まっており、こうした中、食肉市場の業界団体で構成される一般社団法人東京食肉市場協会からの要望でも、輸出基準への適合を含む施設整備など、輸出力強化への取組が求められています。
昨年の質疑では、牛をと畜解体する三つのラインのうち一つのラインにおいて、台湾やシンガポールへの輸出に向け、品質衛生管理の高度化を図るため、工事着工に向けた準備を進めていると伺いました。
そこでまず、都としての輸出への取組状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 現在、大動物Cラインにおいて、作業環境改善のための空調の改修工事に合わせて、市場業者からの要望も踏まえ、輸出に対応できるよう、設備の改修を行っております。
具体的には、空調ダクトや給排水、照明など、天井付近の設備を清掃しやすい場所に再配置することで、これらの設備から落下するほこりなどが枝肉に付着しないようにするとともに、昇降台を前後に可動できるように改修し、設備と、と体の接触を防止する措置を講じています。
また、輸出要件に適合した枝肉洗浄機を新たに設置するなど、輸出に向けた衛生管理の高度化への対応を行っております。
さらに、来月からは、と畜解体作業を試験的に開始することとなっており、一頭処理するごとに作業時に着用しているかっぱに付着した血液を洗い流すなど、段階的に輸出基準に適合した作業を行っていく予定であります。
こうした取組を進めるとともに、令和七年度中に、市場業者と連携をして、輸出に向けた施設の認定申請を厚生労働省に対して行っていくこととしております。
○青木委員 都として、輸出に向けて衛生管理の高度化への対応を進めていることが分かりました。輸出については、市場業者からの強い要望があり、販路拡大の観点でも非常に重要な取組であることから、今後ともしっかりとした対応をしていただきたいと考えます。
一方で、食肉市場では、築五十年以上経過する建物が存在するなど、多くの施設で老朽化が進んでいますが、施設の更新には、現行の建築基準法等にのっとり、建物の是正が必要であるとも聞いています。
都は、このような施設等の状況や課題を踏まえ、食肉市場の将来を見据えた施設整備について、どのような取組を行っているのか伺います。
○石井市場政策担当部長 食肉市場は、東京都中央卸売市場経営計画において食肉流通の中核的拠点としての機能を発揮することが求められておりますが、施設設備の老朽化が進んでおり、その対策が急務となっております。
老朽化した施設の改修に当たりましては、建物調査の内容を踏まえ、現行の建築関係の法令への適合を図るとともに、将来を見据えた食肉市場の在り方について検討を進める必要があります。
現在、食肉市場を取り巻く環境の分析を踏まえ、施設のコンセプト案を検討するとともに、必要な機能などについて、市場業者と意見交換を進めております。
○青木委員 食肉市場の将来を見据え、集荷からと畜解体、競り、保管、加工販売まで、食肉市場が有するサプライチェーンに必要な機能について、市場業者と共に検討を進めていくことが極めて重要であると考えます。食肉市場が今後とも基幹市場としてさらなる進化を遂げるような将来像を描いていただきたいです。
ここまでは、市場取引の基盤となる市場施設の整備について質問しました。市場業者が日々の取引を安心して行えるよう、都にはしっかりとした取組をお願いいたします。
次に、市場業者の経営支援について伺います。
中央卸売市場が将来にわたって都民に生鮮食品等を安定的に供給する役割を果たすためには、取引の担い手である市場業者が、昨今の目まぐるしい環境変化に柔軟に対応し、事業の継続を図っていくことが重要であると考えます。
原材料価格等の上昇による物価高騰に加え、生産年齢人口の減少等を背景に、市場取引を支える人材の確保も困難となるなど、市場業者を取り巻く環境は依然として厳しい状況です。
とりわけ人材不足は喫緊の課題であり、我が会派はこれまでも、安定した市場運営には、市場取引のコアとなる人材の確保が必要であると訴えてきており、さきの第一回定例会において、市場業者の人材不足に対し、都は積極的に支援すべきと求めたのに対し、都から、令和六年度に支援制度を拡充するとの答弁がありました。
都はこれまで、厳しい状況にある市場業者が経営安定化に取り組めるよう、中央卸売市場経営強靱化推進事業や経営相談等の経営支援策を通じて後押しをしてきたと聞いております。
そこでまず、都は、長引くこの物価高騰や人材不足など、今もなお厳しい経営環境にある市場業者に対して、どのような支援を行っているのか伺います。
○大谷事業部長 これまで都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場業者の自律的な取組に対し、必要な経費の一部を補助しております。
令和六年度には、喫緊の課題である人材不足に対応するため、市場業者の人材確保に向けた取組を支援対象とする補助区分を新設し、複数年にわたる支援も可能とするなど、支援制度の拡充を図りました。
また、市場業者からの意見を踏まえ、令和五年度中に、個々の市場業者が抱える経営課題に応じて柔軟に補助区分の選択ができるよう、各補助区分における申請の上限回数を撤廃するとともに、令和六年度からは申請手続を簡素化して申請できる補助区分を拡充いたしました。
さらに、中小企業経営や人材の専門家等と連携した経営セミナーや経営相談などの経営支援策を通じて、市場業者の行動変革に向けた機運醸成を図っております。
○青木委員 都は、市場業者を対象に専門家を活用した経営セミナーや経営相談などを実施しているとのことでありますが、市場業者が環境変化に即した事業を実施する上で、専門家のサポートは大変重要だと考えます。
そこで、専門家を活用した市場業者に対する都の支援の取組状況について伺います。
○大谷事業部長 都は、本年六月、昨今の市場業者の人材不足を踏まえ、人材の確保をテーマとした社会保険労務士による市場業者向けのオンラインセミナーを開催いたしました。
セミナーでは、人材不足の社会的背景や、離職や雇用のミスマッチ等を防ぐために事業者側が意識すべきポイント、採用実施について知っておくべき制度などについて情報を提供するとともに、今年度新設した人材確保に向けた取組を支援対象とする補助区分についての紹介を行いました。
また、中小企業経営の専門家と連携した訪問相談を定期的に実施し、市場業者の個々の経営課題に対し、専門的知見から助言するとともに、補助事業の申請や手続面でのサポートの充実に努めております。
○青木委員 都においては、厳しい経営環境にある市場業者にとって経営支援策が有用なものになるよう、引き続き専門家と緊密に連携し、経営支援策の実効性をさらに高めていただきたいです。
また、市場業者にとって人材不足への対応はまさに喫緊の課題であり、我が会派の提案で今年度新設された市場業者の人材確保に向けた取組に対する補助事業は、大変待ち望んでいた市場業者も多いのではないかと思います。
そこで、今年度から新設された市場業者の人材確保に向けた支援の利用状況について伺います。
○大谷事業部長 都は今年度、経営強靱化推進事業を拡充し、新たに人材確保を支援する補助区分を設け、採用活動や労働環境整備など、市場業者の人材確保に向けた取組を支援対象としております。
支援の一例としては、人材マッチングの専門業者が運営する求人情報サイトへの人材募集の広告掲載や、転職者向けの合同採用説明会への出展に向けた取組等に対して支援を行っております。
人材確保支援を利用した市場業者からは、求人情報サイトへの広告掲載が補助対象となり利用しやすくなった、人材確保に対して幅広く補助対象としており使いやすい、人材募集に当たって何度も申請できるので助かっているとの声をいただいております。
今後とも、都は、市場業者と意見交換を重ねながら、市場業者の経営安定化に資する喫緊の経営課題の解決に向けた取組を後押ししてまいります。
○青木委員 市場業者の人材確保が困難となっている中、今年度新設した人材確保支援は、市場業者に好評をいただいていることが分かりました。都は、今後も利用者の声をしっかりと聞いて市場業者の取組を補助事業により後押しすることを要望し、次の質問に移ります。
次に、仲卸業者の円滑な事業継承について伺います。
量販店や小売店、飲食店などに商品を販売する仲卸業者は、中小零細企業が多く、その経営を安定化させ、取引を活発にしていくためには、都のサポートが不可欠です。
そこで、都は、仲卸業者の経営を安定化させるため、どのようにサポートしているかを伺います。
○大谷事業部長 市場業者は市場取引の根幹を担っており、活力ある市場をつくるために欠かせない存在でございます。
先生お話しのとおり、仲卸業者は経営規模が零細であり、市場を活性化していくためには、取引の担い手である仲卸業者が経営規模の拡大や財務体質の強化を図ることが必要でございます。
加えて、市場取引は産地や顧客との信頼関係の上に成り立つものであることから、仲卸業者が長年培ってきた商品を評価するノウハウや顧客関係を維持することにより、取引先のニーズに的確に応えていくことも重要でございます。
このため、都は、市場の活性化に向けた取組の一例として、仲卸業者の廃業に伴い事業の承継を希望する仲卸業者がいる場合には、経営規模の拡大等の観点から事業承継を円滑に進められるようにするなど、経営基盤の強化に向けたサポートを行っております。
都は、今後とも、仲卸業者をはじめとした市場業者の活発な取引により、市場の活性化がより一層図られるよう後押ししてまいります。
○青木委員 仲卸業者の経営が安定し、活発な取引を行うことにより、市場がにぎわい、活力に満ちたものとなるよう、都は引き続き仲卸業者をサポートするよう要望し、次の質問に移ります。
次に、公平、公正な取引環境の確保に向けた取組について伺います。
卸売市場が生鮮食品等を都民に安定的に供給するという重要な役割を着実に果たしていくためには、公平、公正な取引環境を確保し、市場へ商品を出荷する産地や実需者、消費者から信頼を得る必要があります。
近年、消費者が商品を購入する際に、法令遵守はもとより、SDGsに貢献する取引やCSRなどについても重視する傾向があると聞きます。都民生活に不可欠な生鮮食品等を取引する市場においては、これらの側面にも配慮し、より一層の信頼を得ていくことが重要であると考えます。
昨年三月の本委員会において、我が会派から、中央卸売市場の事業運営に当たり、市場業者が社会的な責任を果たすことにより取引等の信頼性を高めていくことも必要ではないかと都に質問したところ、市場業者が法令遵守に加え、SDGsの達成などにつながる企業行動を自ら点検し、自律的な改善を図ることができる方策を検討するとの答弁がありました。
そこで、都はその後、どのような取組を行っているのかについて伺います。
○大谷事業部長 都は、令和五年度に、市場業者が業務を行う上で、法令遵守はもとより、環境負荷の軽減やSDGsの達成などにつながる企業行動を市場業者自らが点検し、自律的な改善に資するチェックリストを作成しました。
作成に当たっては、各部類の卸売業者との意見交換、食品卸売事業者の先進事例の調査、有識者へのヒアリングを行い、市場業者特有の業務内容など、実情を踏まえたチェックリストになるよう、望ましい行動例を整理いたしました。
現在、このチェックリストを用いて、市場業者と順次点検や自律的な改善等について意見交換を進めており、今後も市場業者が社会的な責任をより一層果たすことができるよう取り組んでまいります。
○青木委員 都の取組状況について確認いたしました。都は引き続き市場業者と意見交換を行い、卸売市場の信頼性向上につながる取組を推進していくことを要望し、次の質問に移ります。
最後に、我が会派からかねてから問題提起をしています卸売市場における物流対策について、取組を確認いたします。
改正労働基準法により、今年四月にトラックドライバーの時間外労働に対する規制が強化されました。いわゆる二〇二四年問題により、輸送量が低下することで、市場物流への影響が懸念されています。
現時点では、市場関係者の事前対策の尽力により、日常生活において魚や野菜、肉や生花が手元に届かないといった直接的な影響は生じていないと認識しておりますが、卸売市場は生鮮品等の流通において重要な役割を担っており、今後も引き続き物流対策に積極的に取り組む必要があります。
そこでまず、我が会派はこれまで、卸売市場における積極的な物流対策を求めてきましたが、それに対する都の基本的な考え方及び取組状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 卸売市場は、生鮮品等流通のサプライチェーンの中間結節点に位置していることから、青果物を取り扱う九市場を中心に、都と市場業者でパレット標準化を主なテーマとした場内物流の改善に向け、具体的に検討するとともに、施設整備の機会を通じて、自動搬送などの先端技術を活用した場内物流改革に向けて取り組んでおります。
また、市場業者が行う物流効率化の取組に対しまして、中央卸売市場経営強靱化推進事業において経費の一部を高補助率で支援しますとともに、物流対策コンサルティング事業により、物流の専門家を派遣し、技術的な助言などを行っております。
今後とも、ドライバーの負担軽減に向け、場内物流の改善に積極的に取り組んでまいります。
○青木委員 都は、現場における解決策の検討や、物流効率化を推進するための施策の実施などにより、市場内の物流改善に取り組んでいることを確認いたしました。
特に物流対策コンサルティング事業は、昨年度最終補正の予算審議において、その実効性を高めるため、都と質疑を重ねてきたところであり、会派としてもその進捗に関心を持っております。
そこで、物流対策コンサルティング事業について、これまでの取組状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 物流対策コンサルティング事業では、専門家による個別相談及び意識啓発セミナーを実施しております。
個別相談は、十月時点で二十二件を受け付け、荷の積替え等におけるドライバーの負担軽減、時間短縮に向けた相談、携帯端末上で荷の置き場所を案内するシステム開発の相談、産地等との間で共通仕様のかご台車を導入し物流標準化を図るための相談などに対し、専門的知見から助言を行いました。
また、物流問題に対する意識啓発を図るため、市場業者向けのオンラインセミナーを九月に実施し、三十二者が参加しました。
セミナーでは、生鮮品等流通における物流問題の影響や法改正の趣旨、動向、物流効率化に向けた先行事例や都の支援策などを紹介いたしました。
参加できなかった市場業者への周知を図っていくため、今後はセミナーの内容をアーカイブ配信してまいります。
○青木委員 物流対策コンサルティング事業を通じて、物流効率化に取り組む市場業者の支援につながることはもとより、一層多くの市場業者が物流問題を喫緊に対応すべき課題と捉えて取組を進めていくことが大変重要であります。
そのためには、実際に本事業を活用した市場業者のその後の状況についてヒアリングを行い、その声を施策に反映していき、本事業の実効性を高めていく必要があると考えます。
そこで、物流対策コンサルティング事業で支援した市場業者から、どのような意見や評価の声があるのかを伺います。
○石井市場政策担当部長 物流対策コンサルティング事業を活用し、専門家による個別相談を受けた市場業者からは、産地からの荷受け作業の省力化に対し、専門的視点から提案を受けることができた、他市場の事例等の知見から、現場ニーズに合わせた物流効率化に資する機器の提案があり、自社の取組に生かしたいといった声や、セミナーの受講者からは、卸売市場の特性に合わせた内容で、今後も定期的に情報提供の場を設けてほしいといった趣旨の意見がございました。
○青木委員 現時点では、かねがね高い評価が得られているとのことです。今後、より一層多くの市場業者が物流対策に取り組むことが重要と考えるため、都においては、環境変化等も踏まえながら、より効果的な事業となるよう取り組んでいただきたいです。
国の動向として、物流の持続的成長を図るための流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律、いわゆる改正物流効率化法が来年の春に施行されるということで想定がされており、現在、関係省庁の間で荷主、物流事業者に対する規制強化の内容が検討されております。
そこで、改正物流効率化法が施行されることによる卸売市場への影響について、都の認識を伺います。
○石井市場政策担当部長 改正物流効率化法の施行により、全ての荷主や物流事業者に対し、荷待ち時間の短縮等、物流効率化のために取り組むべき措置の努力義務が課されることとなり、中でも、一定規模以上の事業者につきましては、特定事業者として中長期計画の作成等が義務づけられ、取組が不十分な場合は国による勧告や命令が行われる予定であります。
これにより、特に特定事業者となる卸売業者等の荷主においては新たな負担が生じることなどが懸念されるため、都は、開設者として、市場流通の特性等も踏まえながら、卸売業者等の取組をサポートしていく必要がございます。
また、改正物流効率化法では、卸売市場の施設管理者である都に対しましても、トラック運送サービスの持続可能な提供の確保に資する措置を講じることが努力義務として課されることとなっており、都といたしましても、より一層、場内物流の改善に取り組む必要があると考えてございます。
○青木委員 物流の二〇二四年問題は、ドライバーの長時間労働規制に伴う輸送力低下という側面だけで捉えてはいけなく、ドライバー業界における人材不足の深刻化という問題もあることを忘れてはいけません。
そのために、国は、我が国の物流を将来にわたり持続可能にする観点で施策を進めており、物流対策は一過性のものとはせず、今後も継続して取り組んでいくべきものであります。物流対策コンサルティング事業を拡充するなどして、引き続き卸売市場における対策を進めていただきたいです。
物流対策に関しては、最後に、青果物と花きで日本最大の取引量を誇る大田市場における取組を確認します。
大田市場では、連日、多くの荷が集まり、活気がある取引がされている反面、トラックがふくそうする状況も生じているため、場内動線や物流の改善が喫緊の課題となっており、以前から都と市場業者が連携し取組を進めてまいりました。
そこで、大田市場における物流対策について、現在の取組状況と今後の取組の方向性について伺います。
○石井市場政策担当部長 大田市場は、特に青果物において、全国の産地から多くの荷が集まることにより、取扱数量が開場時の計画数量を大幅に上回ることから、場内での荷の集積や搬出入トラックの集中などによる場内混雑が深刻化しております。
そのため、市場業界と連携し、混雑緩和に向けた場内交通ルールの見直しやパトロール体制の強化、青果物流通におけるパレット循環体制構築による効率的な物流を実現するための実証などに取り組んでおります。
これらの取組を着実に実施することに加え、今後も大田市場が全国拠点型市場としての役割を果たしていけるよう、産地トラックの出入りや荷の流れなどを可能な限り把握して物流改善策を講じていきますとともに、実証中のパレット循環体制構築の取組を加速させ、荷の積替え作業等のさらなる負担軽減や時間短縮を図ってまいります。
○青木委員 物流改善策として、大田市場における産地トラックの出入りの状況などを把握するとのことですが、現状を把握することで、課題がより具体化され、解決の糸口が見えてきます。
課題解決へ向けた第一歩として、現状把握は非常に重要でありますが、大田市場は夜中も休まず二十四時間開場していること、不特定多数の車両が出入りし、ふくそうしていることなどから、目視での確認など、人手によるアナログな手法では効率的かつ的確に現在の状況を調査することは難しいため、デジタル技術を活用することが有効であると考えます。
そこで、大田市場におけるデジタル技術を活用した物流効率化の取組状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 国による荷主等に対する規制的措置として、荷待ちや荷役作業等にかかる時間を二時間以内に短縮することが求められており、場内混雑が深刻化する大田市場において、物流効率化は喫緊の課題でございます。
そこで都は、車両の場内滞留時間を把握するため、大田市場の出入口に入退場する車両を撮影するカメラを設置し、デジタル技術を活用して撮影画像を解析することで実態を把握する取組の試行に向け、準備を進めております。
また、市場業者による荷待ち時間等の短縮に向けた、荷物の引取り場所をオンラインで把握可能にするシステム開発など、物流効率化の取組を推進するため、都は、ドライバーを含む幅広い市場関係者が利用できる通信基盤として、場内のWi-Fi整備に取り組んでおります。
○青木委員 既に実施中の取組もあるということですが、デジタル技術を有効活用して、より効果的に物流効率を図っていただきたいです。
生鮮品等の流通には多岐にわたるステークホルダーが関わっており、卸売市場で物流対策を進めていくのは非常に調整が大変であると考えます。とりわけ、日々、多くの車両が入退場するマンモス市場である大田市場であれば、取組を推進することは容易ではございません。
しかし、都内だけではなく我が国の生鮮品等流通の拠点である大田市場の物流を停滞させることはあってはならないことであり、都は、市場業者と意見交換を重ね、現場が抱える課題やニーズを把握した上で、様々な角度からリーダーシップを発揮して物流対策に取り組んでいただきたいです。
本日は、都民の消費生活を支える基盤としての役割を担っている卸売市場について、施設整備をはじめとした経営計画の着実な推進と市場業者の経営に着目して、都の取組を確認いたしました。
卸売市場での取引量は、人口減少や流通チャンネルの多様化などにより、長期的に減少傾向にあると聞いております。そうした厳しい環境の中であっても、中央卸売市場は、消費者に食材や生花を安定的に届ける生鮮品等流通の中核として、重要な役割を果たしていかなければなりません。都は知恵を出し、市場業者と共に市場活性化に取り組んでいただきたいです。
また、近年、地球温暖化に伴う気候変動、また、激甚化する風水害が連日、ニュースに取り上げられております。卸売市場はその事業活動や物流に大量のエネルギーを必要としており、市場の社会的責任として、環境負荷軽減に取り組むとともに、風水害や大規模震災など災害時における公的役割としての取組も一層進めていただきたいです。
質疑の冒頭でも示したとおり、学識経験者など第三者の知見を取り入れながら施策をレベルアップする視点を持って、業界と緊密に連携して、現計画の残り三年間を着実に取り組む必要があります。
最後に、経営計画の折り返しに当たり、今後の事務事業に対する市場長の決意を伺って、私からの質問を終えます。
○早川中央卸売市場長 卸売市場を取り巻く環境は、令和三年度に東京都中央卸売市場経営計画を策定して以降、コロナ禍を経た消費行動の変容、国際情勢等を背景としたエネルギー等の物価高騰、ドライバー不足に伴う物流二〇二四年問題など、急速に変化してきております。
中央卸売市場が将来にわたり生鮮品等流通の基幹的なインフラとしての役割を果たし、都民の豊かな消費生活を支えていくためには、こうした社会経済情勢など外部環境の変化を的確に捉え、経営計画に掲げた取組につきまして、実効性を高めた上で着実かつ迅速に実施することに加えまして、必要に応じて柔軟に再構築することが不可欠でございます。
加えて、強固で弾力的な財政基盤の確保に向けた取組もしっかりと進めていかなければなりません。
具体的には、日々の取引を担う市場業者の声、外部有識者の意見などもよく聞き、各市場の機能強化や事業者の経営支援、デジタル技術を活用した市場業務の効率化等に精力的に取り組みますとともに、ゼロエミッション化の推進や財政の収支構造の改善など、中長期的な課題にも積極果敢に取り組んでまいります。
経営計画の計画期間が折り返しを迎えた今、引き続き市場関係者と緊密に手を携えながら、局一丸となりまして、経営計画に掲げた取組の具体化に向けて全力で邁進してまいります。
○福島委員 まず、本年二月に開業した豊洲千客万来について伺います。
平日の利用や持続可能性を考えると、観光客だけではなくて地元の住民や近隣のオフィスに勤める会社員の皆様にも愛される場所にしていく必要があると考えますが、地域住民やオフィス利用者が増える取組が必要と考えますが、見解を伺います。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来の運営事業者は、地元で活動している団体、例えば和太鼓やブラスバンド、ダンスチーム等が出演するイベントを開催いたしますほか、周辺企業への営業活動などに積極的に取り組んでおります。
また、各店舗におきましても、地域住民や周辺オフィスの会社員等の満足度向上のため、例えばランチメニューの提供などを実施しているところでございます。
これらの取組を後押しするため、東京都は、運営事業者と地元の団体や周辺企業等との連携促進を図るとともに、運営事業者の取組に対する助言などを行っているところでございます。
今後とも、豊洲千客万来が豊洲市場と一体となって食の魅力を国内外に発信するとともに、地域のまちづくりや活性化に貢献することで地元からも愛される施設となるよう、積極的に支援してまいります。
○福島委員 一方で、観光客向けには、築地の場外市場とバス一本、十五分で行き来できることなどが伝わっていないなど、観光地、観光施設同士の連携が不足しているように思います。
そこで、アクセス面も含め、周辺施設と連携することでより大きなにぎわいにつながると考えますが、見解を伺います。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 運営事業者は、豊洲千客万来へのアクセスとしまして、「ゆりかもめ」や東京BRTなどの公共交通機関を主に想定しておりますが、施設の集客力をさらに高め、一層のにぎわいを創出するため、施設と新橋との間で往復する無料シャトルバスを現在運行しているところでございます。
さらに、近隣の商業施設をつなぐシャトルバスを試行的に運行するなど、周辺施設との連携に取り組んでいるところでございます。
こうした連携が今後相乗効果によりさらなるにぎわいを生み出していけるよう、運営事業者の取組を都として支援してまいります。
○福島委員 ありがとうございます。引き続きの取組を求めます。
次に、東京都中央卸売市場経営計画で掲げている強固で弾力的な財務基盤の確保に向けた取組について伺います。
私たちはかねてより、市場会計の見直しの厳しさなどを踏まえ、十一ある市場別の財務状況の把握や、市場経営の抜本的な改革の必要性を訴えてまいりました。
中央卸売市場経営計画策定から三年目となりますが、経営計画に示している財政収支計画とこれまでの実績との比較について伺います。
○高橋財政調整担当部長 経常収支については、植栽管理委託の運用方法の見直し等、施設管理の委託経費等に係る削減により、市場維持管理費の縮減などにより、令和四年度が約十七億円、令和五年度が約三十一億円、決算の実績額が財政収支計画を上回る状況となっております。
また、令和五年度末時点における累積資金残については、先ほどの経常収支の結果に加えて、前年度末までの累積資金残の増加等により、決算の実績額が財政収支計画を約百二十三億円上回っている状況となっております。
本年度予算の執行に当たりましては、場内警備委託において業務内容の見直しを図り、設備保守委託において執行状況に応じた予算額の精査をすることなどにより、市場運営費の縮減を進めてまいります。
○福島委員 令和五年度決算は、市場維持管理費の縮減などで営業費用が縮減された結果、経常収支と資金残の両方で財政収支計画を上回ったとのことであり、市場会計の収支改善に向けて着実に進んでいることを確認させていただきました。
とはいえ、市場会計の経常収支としては、依然として百億円の赤字が続いております。
今年三月の予算特別委員会では、我が会派の白戸委員からの質問に対し、包括外部監査人の指摘、意見に対して、業界との意見交換を継続的に実施することで課題認識を共有し、理解と協力を得ながら、積極果敢に取り組んでいくとの答弁をいただいております。
そこで、包括外部監査への対応の進捗、特に黒字化に向けた計画策定のための市場業者との合意形成に向けた話合いの進捗について伺います。
○高橋財政調整担当部長 経営計画に掲げる施策の実施や、強固で弾力的な財務基盤を確保するため、業界と課題を共有し、連携して取り組んでおります。
具体的には、市場会計の現状と抱える短期的、長期的課題や、執行状況に応じた予算額の精査を行うことによる設備保守などの市場運営費の縮減、令和五年度に約四百平米の実績があった未利用資産の有効活用といった、これまで実施してきた都の経営改善の取組をテーマとし、全十一市場を回り、業界関係者とじかに意見交換を行いました。
意見交換の場におきましては、市場会計の収入、支出の把握、分析に関することや、市場の公共的役割を踏まえた市場運営に関することなどの具体的な意見があり、これらを今後、市場会計の課題として共有しました。
この間、本年五月には、これまで都が分析し、今後のさらなる経営改善に向けた検討素材となるべき項目等を内容とする東京都中央卸売市場会計経営レポートを作成し、公表しました。
今後は、市場業者の稼ぐ力の強化につながる市場の活性化などもテーマに、市場業界との意見交換を着実に重ねてまいります。
これらの取組を端緒とし、包括外部監査で出された意見への対応を含めまして、市場会計の収支改善に向けた取組を精力的に進めてまいります。
○福島委員 今後の業界との意見交換では、市場会計に加え、市場の活性化といった様々なテーマで意見交換を開催していくということでした。
市場会計や経営の改善に関しましては、市場関係者と都の職員だけで答えを出せる段階には既にないと私は考えております。意見交換においては、専門家も参加する東京都卸売市場審議会でも取り上げるなど、外部有識者の知見も導入しながら、ぜひ議論を重ねていただき、市場会計の収支改善に向けたアクション、これにつなげていくことを期待いたします。
一方で、中央卸売市場は、生鮮食品を国内外から集荷し、適正な価格をつけた上で速やかに分荷し、都民の台所に送る役割を担っています。
このため、産直の取引やネット販売など、卸売市場を経由しない商流が増えたとしても、規模が小さくて生産量が変動しやすい都内の小規模な農業従事者や、漁獲量が変動する漁業従事者、安定かつ定時に決められた品目の食材を必要とするが量は少ない学校給食など、市場に依存する生産者や消費者がいるのも事実です。
都立病院の使命に行政的医療を担うことがあるように、中央卸売市場にも行政的機能があるが、その分のコストは一般会計で対応すべきと考えます。
既に、現場取引業務の指導監督などの公正取引の実現を目的とした業務などについては、行政的経費とみなし、一般会計からの繰入れが行われているとは聞いておりますけれども、重要な役割を担っているので、中央卸売市場は赤字であってもなくせない、こういった理解から一歩踏み出して、現実的な、すなわち都民が理解、納得できる経営計画にしていくためには、今後は、卸売市場の行政的機能を説明するだけではなくて、それに該当する部分を明確にする、加えて、そこにしっかりと行政的経費の対象に充てていくということで、どれを対象にするか、しっかりと明確にし、都民の皆様に理解をしていただくと、そういった取組にも着手をしていただきたいと思います。
次に、市場業者の新たな販路開拓について伺います。
私たちは令和五年都議会第四回定例会の代表質問において、市場の新たな魅力創出に向けて、例えば、市場に近接するバーベキュー施設との連携などによる市場業者の新たな販路開拓について提案をいたしました。
こうした市場業者の新たな販路開拓の取組への支援について、その後の進捗について伺います。
○大谷事業部長 都は昨年度、市場業者向けの広報誌において、消費者ニーズの変化を捉えて新たなビジネスにつなげた事例や、市場に近接する施設やイベント等、立地の優位性を生かした新たな販路開拓に関する専門家の助言などについて紹介しました。
また、今年三月には、コロナ禍後の経営環境の変化を踏まえた市場業者の経営戦略をテーマとした、中小企業経営の専門家による市場業者向けの経営セミナーを開催しました。
これらの取組などを通じて、都は今後とも、お話のあったような市場業者の新たな販路開拓などの取組が市場の活性化や市場の魅力向上に資するよう、経営支援策等を通じて後押ししてまいります。
○福島委員 新たなビジネスチャンスにつながる市場業者の取組が市場の魅力向上につながるよう、都は引き続き、経営支援策等について後押ししていただくことを要望いたします。
次に移ります。次に、市場業者のデジタル化について伺います。
都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場業者の経営基盤の強化に向けたデジタル技術を活用した取組に対して支援を行っておりますけれども、市場業者を取り巻く環境は刻々と変化をしており、その必要性はより一層重要になっているというふうに感じております。
私たちはこれまで、市場業者の方々がデジタル技術を積極的に活用することにより経営力を高めることや、限られた経営資源で効率的に業務を行うことの重要性について訴えてまいりました。
そこで、中央卸売市場経営強靱化推進事業における市場業者のデジタル技術の活用に向けた支援について、これまでの取組状況について伺います。
○大谷事業部長 都は、令和五年度から、中央卸売市場経営強靱化推進事業において、日々変化する商取引などのデジタル環境の変化に迅速に対応できるよう、市場業者のデジタル化の取組を対象とする補助区分を新たに設け、経費の一部について補助を実施しております。
令和五年度は、電子帳簿保存法へのシステム導入の対応や、販路拡大につながるホームページの作成など、四十二件の取組に対して支援を行いました。
都は今後も、市場業者による業務のデジタル化に向けた行動革新につながる取組を後押ししてまいります。
○福島委員 市場業者がデジタル技術を活用し、行動革新につながる取組を、都は経営強靱化推進事業により支援していることを確認させていただきました。
市場流通のデジタル化は、従来手で行ってきた作業の労力や時間を削減するだけではなくて、サプライチェーン全体が見渡せるようになれば、データを基に事前に需給を調整するなど、これまで競り任せだった価格も安定する効果も期待できるというふうに聞いております。引き続き、都は生産性の向上につながる市場業者の取組が一層加速されるように下支えしていくことを要望し、次の質問に移ります。
市場のDX推進に関しましては、市場業者が支払う使用料のキャッシュレス化に向けた取組も大事です。
先日、私の地元で開催されました世田谷市場まつりにおいて、市場業者より、金融機関窓口で現金納付に限られることが不便であるという声をいただきました。
現在、都では、都民及び事業者が利便性を実感できる行政手続のデジタル化を進めておりまして、こうした市場業者の日々の事務手続についても利便性の改善に取り組むことは大事だと思います。
そこで、市場使用料などの納入について、キャッシュレス化を進めるべきと考えますが、都の取組状況について伺います。
○高橋財政調整担当部長 市場使用料等の納入については、現在、市場業者が、都が発行する納入通知書を金融機関の窓口に持参して納入する方法となっております。
一方、近年は、一部の市場において、取扱金融機関が近くに存在しないなどの理由から、納入手続の利便性向上を求める声も伺っております。
そのため、都は、キャッシュレス化を導入するに当たってのシステム改修に向けた課題等を整理しながら、市場使用料のキャッシュレスでの納付等に向けた検討を鋭意進めております。
○福島委員 キャッシュレス化を導入するに当たってのシステム改修に向けた課題、これの整理や、関係者が多くてなかなか時間がかかるというふうには伺っているんですけれども、本件については、シン・トセイのプロジェクトにもなっていることから、確実に進むものと理解はしております。引き続き、市場業者から寄せられる声を踏まえ、デジタルサービス局とも連携をしながら、納入手続のキャッシュレス化に向けた取組を確実に進めていただきたいと思います。
本日は、豊洲市場のにぎわいの創出やブランド力の向上、そして経営計画の進捗状況、市場会計の収支改善、市場でのデジタル活用など、幅広い分野について質問させていただきました。
特に、今後、中央卸売市場やそこで働く市場業者が厳しい国際競争を勝ち抜くためのDX、デジタルトランスフォーメーションといった観点から、市場業者への支援策や市場へのデジタル化、デジタル活用など、答弁をいただいたところでございます。
日本全国の研究熱心で丁寧な仕事をされる生産者による多種多様な食材が集まり、大消費地であるだけでなく、世界的に魅力を認められた食文化も持っている、そして港も空港もある、このような東京に立地する中央卸売市場の特性を生かし、競争力の向上に向けた改革に期待をしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○細田委員 私からは、豊洲市場について伺います。
まずは、にぎわいの創出についてです。
まず、私の地元の江東区豊洲地域におけますにぎわいの創出について質問します。
豊洲地域には、開場から六年が経過した豊洲市場をはじめ、商業施設、また、住宅など多様な機能が集積しておりまして、また、魅力あふれる地域に発展してきています。そこに本年二月、やっと開業できました豊洲千客万来は、江東区豊洲地域の新たな魅力となりまして、活気やにぎわい、これをさらに生み出していると感じています。
また、都議会公明党はこれまで、臨海部は水辺の活用が可能な大きなポテンシャルを有する地域でありまして、新たなにぎわいを創出するためにも、魅力ある水辺空間の形成に取り組んでいくべきだということを重ねて訴えてまいりました。
こうした観点からも、今後さらににぎわいを創出していくために、豊洲地域が持つ魅力的な水辺空間を生かす取組をさらに進めていく必要があると考えております。
そこで、豊洲地域におきまして、水辺のアクセスの多様性確保、また、地域の回遊性向上のために、都はいかなる施策を実施しているのか、説明を願います。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲地域におけます水辺アクセスの多様性確保や地域の回遊性向上を目的としまして、都は、豊洲千客万来と区立豊洲ぐるり公園との間を安全に行き来できるよう、連絡橋の整備に取り組んでおります。
○細田委員 今、ご答弁の連絡橋の整備工事、この現在の進捗状況はいかがでしょうか。質問します。
○中井環境改善担当部長 連絡橋の工事でございますけれども、現在、鉄骨の建て方、橋桁の架設、ウッドデッキや手すり、エレベーターの工事を完了しておりまして、一部竣工の検査を行った後、年内、十一月から十二月初旬が目途でございますが、供用を開始いたします。
その後は、植栽などの外構工事を経まして、来年一月に竣工予定でございます。
○細田委員 これまで何度も工期の延長がありました。都民が待ち望んでいたこの連絡橋が間近に控えているということを聞いて安心しました。私も今月だけでも二度は確認に行っておりますので、引き続いて安全面に配慮しながら、しっかりと実現できるよう、工事を進めていっていただきたいと思います。
続いて、豊洲千客万来におけます地元と連携した取組について質問します。
豊洲地域は豊洲市場や豊洲千客万来施設といった新たな魅力が集うエリアになりましたけれども、江東区全体には、まさに下町の文化が漂う亀戸や大島、そして砂町、また、深川地域の深川、門前仲町など、江戸時代から続く伝統文化が息づいている、多彩な魅力を持っている地域であります。今後もさらににぎわいを生み出していくために、地元の地域資源を効果的に活用して江東区の多彩な魅力をより発信していくことが、東京にとっても大変に重要なことであると、私はこのように確信しています。
そこで、豊洲千客万来において、運営事業者は地元の魅力をいかに活用して発信をしているのか、都の答弁を求めます。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 運営事業者は、江東区内の事業者をテナントとして誘致いたしましたほか、江東区と連携いたしまして、区内の比較的小規模な商店や伝統工芸品を取り扱う事業者等が出品できる逸品屋えどこを設置してございます。
ここでは、江戸切子など江東ブランド認定企業の商品の販売及び区の観光情報の発信などを行っておりまして、開業以来、多くの方にご来場いただいておりまして、江東区の魅力発信や区の産業の活性化に寄与しているものと考えているところでございます。
○細田委員 逸品屋えどこには、私も、開業当時から何度も足を運ばさせていただいておりますが、区の観光案内所として、うまく活用されていると感じました。また、区内の様々な商品が陳列、販売されていまして、多くの来場者が商品を手に取っているところも見ました。
区内の小規模な事業者にとっては、自身の商品を知ってもらって、また、手に取ってもらう、このような機会は大変貴重であります。また今後とも、この区内産業の活性化に寄与する取組をぜひ応援していっていただきたいと思っています。
豊洲千客万来では、ご答弁にありました店舗や逸品屋えどこ以外にも、運営事業者や都が定期的にイベントを開催して、にぎわいの創出を行ってきています。
長きにわたり地元から親しまれる施設になるためには、こうした取組にも地元の資源を効果的に活用することは重要でありまして、地域の方々が気軽に足を運びたくなるのは、地元の団体が参画したイベントであると考えています。ぜひ強く進めていっていただきたい。このように要望いたします。
そこで、豊洲千客万来のイベントにおいて、地元の団体などとはいかに連携をしているのか、質問します。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 運営事業者は、東京青年会議所江東区委員会や施設内の店舗等と連携いたしまして、区内の小学生を対象といたしました食育イベントの実施など、取り組んでおります。
また、東京都は、施設内に設置いたしましたPRコーナー、いちばの広場におきまして、市場関係者や区内事業者等と連携し、例えば、かつおぶし削り体験といった地元に根差した取組等を通じまして、卸売市場の意義や役割などにつきまして、国内外の多くの方々に理解促進を図っているところでございます。
今後とも、豊洲千客万来が豊洲市場と一体となって食の魅力を国内外に発信するとともに、地域のまちづくりや活性化に貢献することで地元からも愛される施設となるよう、東京都は、運営事業者や区内事業者、市場関係者などと連携してまいります。
○細田委員 地元からは豊洲千客万来の開業を歓迎する声が届いており、答弁に今あったような様々な取組、一定の成果を上げていると思います。かつおぶしの削り体験、このような例、まさに市場の流通から、また、仕上げて小売の商品にするまで全部、江東区の中で一貫して進んでいる、このような有名なものを喜んで都民の方が体験できるというのは大変によかったと思っています。また様々に取組を考えていただいて、しっかり進めていっていただきたいと、このように思います。
開業がゴールではなくて、にぎわいの創出の取組、これからまだまだ続いていくために、引き続きまして様々な団体と連携しながら、地域に根差した取組を進めていっていただくことを要望させていただきます。
豊洲市場のにぎわいの創出について、最後に、豊洲千客万来の開業に合わせまして本年の一月末に運営を終了しました五街区の江戸前場下町の跡地の将来的な活用について質問をいたします。
この五街区の用地については、昨年の第三回定例会におきます本委員会において都議会公明党から質疑をさせていただきましたが、その後の状況についてであります。
五街区の用地における現在の取組状況、それから今後の活用の方向性について、都はいかに考えているのか。見解を求めます。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 江戸前場下町は、本年四月から施設の解体工事に着手し、七月に工事が終了いたしました。
五街区用地の将来活用につきましては、豊洲千客万来の開業による人流の変化など、様々な状況を考慮しつつ、段階的に検討を進めていく必要がございます。
活用の方向性を見極めるまでの間におきましては、にぎわいを継続することを目的に、ベンチの設置などにより、来場者が気軽に立ち寄れるスペースとして暫定的に活用していくことを検討しておりまして、そのために必要な環境整備として、照明設備等の整備を今年度末までに行ってまいります。
○細田委員 次の準備に備えておくこと、これは大変に重要なことであります。
また、一人当たりの公園の面積など、公共のスペースが、実はこの地域は本当に狭いという、こういう地域であります。弾力的に様々な用途に活用できるスペースや、そして、これから後に生かせる、このようなスペース、これも、そういうエリアも重要です。
豊洲千客万来の開業によって新たなにぎわいのスポットが生まれ、豊洲エリアの人流などの状況、これも大きく変化しています。もう平日でも二万人訪れているとか、いろんな様々な方々が観光にも訪れてくれておりまして、今後の検討に当たっては、このエリアにとって必要で、そして価値的な形に活用できるように、私の方からは求めておきます。
周辺環境の変化を捉えたり、地元の江東区民の声なども聞けるように、しっかりと丁寧に進めていただきたい。また、都民の皆様の声を広く受け止められるような、そういう土地の活用をお願いしておきます。
続きまして、豊洲市場の地下水の管理について質問をいたします。
市場当局では、豊洲市場におきまして、定期的に地下水の水質や空気に関する調査を実施しております。
これまで、調査によって地下水質の状況を継続的に確認するとともに、空気については、開場以来一度も環境基準値等を超えたことはなく、科学的な安全が確保された状態が完全に維持をされていると思います。
そして、地下水位については、地下水管理システムがその機能を発揮することにより、着実に管理されている、このことが確認されております。
ただし、地球温暖化によります気候変動により、昨今のゲリラ豪雨などの雨の降り方の変化、こういうことも考慮しますと、地下水管理システムを運用するに当たって、様々な工夫がまた必要になってくるのではないかと思います。
そこで、改めて調査結果に対する専門家の見解、そして地下水の管理の状況について、東京都の答弁を求めます。
○中井環境改善担当部長 豊洲市場におきましては、地下水質の状況を把握するために、三か月ごとに、ベンゼン、シアン、ヒ素の濃度を測定し公表しております。
専門家の方々からは、濃度が上昇傾向を示した地点や低下傾向を示した地点も存在しているが、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないとの評価をいただいております。
また、地上部の安全を確認するため、建物一階や屋外などで毎月、空気中のベンゼン、シアン、水銀の濃度を測定し公表しております。
その結果、調査開始以来、全ての箇所でベンゼン、シアン、水銀の濃度は大気環境基準等に適合しており、専門家の方々からは、科学的な視点から安全は確保された状態にあると評価をいただいております。
さらに、地下水管理システムにおきましては、揚水した地下水を安定的に送水するため、随時、送水管等の清掃や、地下水管理の処理能力低下の要因となり得る析出物の付着を抑制する装置を排水処理施設棟内に設置してまいりました。
加えて、先生お話しの近年のゲリラ豪雨などの影響で局所的に地下水位が高くなりやすい傾向にあるエリアの対策といたしまして、集水能力の高い有孔管を順次設置しております。
都は、今後とも豊洲市場の安全・安心を確保するため、地下水管理システムの適切な運用に努めてまいります。
○細田委員 現時点におきまして、科学的な視点から安全が確保された状態にあると、このように専門家の方々が評価している。豊洲市場の地下水管理について、専門家の方々から、科学的な視点から安全が確保された状態にあるというご評価をいただいているということで、安心をいたしました。今後とも地下水管理システムの適切な運用をお願いしまして、豊洲市場の安全・安心、これを支えていっていただきたい、このように求めておきます。
続きまして、仲卸業者の経営状況についてお尋ねいたします。
豊洲市場における市場業者の経営状況と都の支援についてです。
築地市場からの移転に当たっては、市場業者の皆様は、営業を続けながら豊洲市場での開店準備を行うなど、開業までには大変なご苦労があったと伺っています。
また、令和二年からは、コロナ禍の中で行動制限が課せられて、それに伴う業務需要の低迷や消費行動の変化など、未曽有の事態が発生いたしました。そうした状況下にあっても、市場業者の皆様は、感染拡大防止に努めながら、市場流通を止めることなく、都民に生鮮食料品を安定供給する使命をしっかりと果たされてきたことに改めて感謝を申し上げます。
一方、近年の流通環境に目を向けますと、漁獲量の減少や猛暑による青果物の生育不良など産地側の要因に加えて、物価高や円安、さらには中国による水産物の禁輸措置があったことなどの影響で、厳しい経営環境が続いております。
とりわけ、中小零細な企業が多い仲卸業者にあっては、限られた経営資源を最大限活用して、日々、頑張っておられることと思います。
そこでまず、豊洲市場におけます仲卸業者の経営状況について、都の見解を求めます。
○大谷事業部長 仲卸業者から提出された事業報告書の集計によると、豊洲市場における水産仲卸業者の経常赤字会社の割合は、令和三年が六三%であったのに対し、令和四年は五六%となっております。
また、青果仲卸業者の経常赤字会社の割合は、令和三年が六八%であったのに対し、令和四年は五〇%となっております。
いずれも、令和四年は前年に比べ改善傾向は見られるものの、依然厳しい状況が続いているものと認識しております。
○細田委員 ただいまのご答弁で、仲卸業者の方々は、豊洲市場に移転後も依然として厳しい経営状況である、このことが分かりました。
都はこれまで、築地市場から豊洲市場への移転に際しても、様々な支援策を講じてまいりました。そして、円滑な移転を後押しするとともに、移転後も市場業者の方々への支援を行ってきました。市場流通の担い手は市場業者の皆様であり、都は、引き続いてしっかりと下支えをしていく必要があります。
そこで、都は、豊洲市場の市場業者に対して、これまでいかに支援を行ってきたのか、現在の取組を含めて答弁を求めます。
○大谷事業部長 都は、豊洲市場への移転に際し、市場業者が円滑に移転できるよう、各種の利子補給や仲卸関連事業者向けの融資事業等に加え、移転に伴う冷蔵設備の新規購入などのニーズに対応した補助事業など、様々な支援策を講じてきました。
また、移転後の令和元年度からは、豊洲市場を含む全市場を対象に、市場の活性化に向けた市場業者の意欲的な取組を支援するための補助事業を創設し、現在の経営強靱化推進事業に至っております。
具体的には、販路拡大に向けたECサイトの構築や海外展示会への出展、デジタル技術を活用した販売管理システムの導入など、市場業者の経営基盤の強化に資する取組等に対し、費用の一部を補助しております。
さらに、中小企業の専門家等と連携した経営相談や各場への訪問相談等を実施し、市場業者が抱える経営上の課題などについて、専門的な知見による助言等を提供しております。
都は、今後とも、市場業者による経営環境の変化に柔軟に対応した経営の安定化につながる自律的な取組を下支えしてまいります。
○細田委員 今後も、豊洲市場が、都内のみならず首都圏に生鮮食料品を供給する基幹の市場として、役割を着実に果たしていくとともに、我が国の多様で多彩な和食文化を支えていくためには、市場取引を担う市場業者の方々が活発に取引をして、安定した経営を行っていくことが重要である、このように考えています。
都には、依然として厳しい経営環境にある市場業者に寄り添い、様々な経営支援策を通じて、経営の安定化に向けた取組を後押ししていただくことを要望しておきます。
次に、被災地支援の取組についてです。
豊洲市場の水産仲卸団体であります東京魚市場卸協同組合が主体となって取り組んでおります夢市楽座の取組について質問します。
私ども都議会公明党は、中央卸売市場において、市場業者による適正な評価を通じて、被災地産品の消費普及拡大に取り組み、被災地を支援していただきたいと要望してまいりました。
さきの第一回定例会の本委員会の中で、都からは、東日本大震災の被災地や能登半島地震などの被災地産品の魅力を広く発信することなどを通じて、引き続いて被災地支援に取り組んでいく旨の答弁がありました。
そして、本年七月から、岩手県、宮城県、福島県の被災三県に石川県を加えた三陸常磐・能登夢市楽座の取組が開始をされています。
そこで、本年度の夢市楽座の取組について、具体的に答弁を求めます。
○大谷事業部長 豊洲市場の水産仲卸業者で構成する東京魚市場卸協同組合と都が連携して、本年七月十三日に、豊洲市場の魚がし横丁に三陸常磐・能登夢市楽座をオープンしました。
昨年度に引き続き、東日本大震災復興支援の一環として、岩手県、宮城県及び福島県の協力を得て、三陸常磐物や三県の特産品等を取り扱うとともに、新たに、本年一月一日に発生した能登半島地震の復興支援の一環として、石川県の協力を得て、能登地方をはじめとする石川県の魚介類や特産品等を取り扱っております。
夢市楽座のある豊洲市場の魚がし横丁には、オープン以降、今月十九日までの間に営業した延べ十日間で、累計で約一万四千百人の方が訪れております。
夢市は、主に各月第一・第三土曜日に営業しており、これまで三陸常磐物や能登地方の良質な魚介類及び各県の特産品等を多くの方々にご購入いただき、約百九十万円の売上げがありました。夢市は来年二月十五日、楽座は来年二月末まで開催することとしております。
○細田委員 夢市楽座には、今年も多くの方々に足を運んでいただいていることが分かりました。
豊洲市場で被災地を応援する取組が継続されていることに、改めて東京魚市場卸協同組合をはじめ、全ての関係者の方々に対して心からの感謝を申し上げたい、このように思っております。被災地産品の普及拡大につなげていくためにも、市場業者ならではの力を生かしていただいて、来年の二月までぜひ頑張ってくださるよう願っています。
コロナ禍では、各市場が実施していた市場まつりは中止や縮小を余儀なくされてきましたけれども、昨年度から、多くの市場で市場まつりが開催されることになりました。そして今年度は、昨年度以上ににぎわいを見せていると聞いています。
そして豊洲市場でも、三日後の十一月三日に、築地市場から移転後の初めての市場まつり、これが開催されます。感慨深いものがあります。
各市場いずれも、市場まつりには多くの地域の住民の方々が足を運んでくださっており、この機会を捉えて、被災地の復興支援に向けたPRを進めていくことは大変に重要なことであります。
そこで、市場まつりなどのイベントにおける被災地支援の取組についてはいかがでしょうか。都の答弁を求めます。
○住野管理部長 今年度は、豊洲市場をはじめ八市場で市場まつりを開催することを決定しており、各会場において、福島県、宮城県、岩手県の東北の被災三県に加えまして、石川県を特集したPRコーナーを設置し、食や観光のご紹介などを実施することといたしました。
また、今月既に開催いたしました豊島市場には宮城県、板橋市場には岩手県、来月開催予定の葛西市場には福島県に、それぞれアンテナショップを出店していただくほか、初開催となります豊洲市場では、四県の食材を使ったメニューを提供する復興支援コーナーを設置するなど、被災地産品の消費拡大に向けた取組を行ってまいります。
このほか、豊洲千客万来内に設置いたしました東京都PRコーナーでございますいちばの広場では、本年七月から八月まで石川県・能登展を開催し、石川県の水産業の復興状況の紹介や輪島塗などの展示を実施したところでございます。
引き続きまして、多くの方が来場いただくことになります市場まつりなどの機会を通しまして、東日本大震災のみならず能登半島地震など被災地の復興を支援していくため、都民の方々に被災地産品に対する理解を深めていただけるよう、着実に取り組んでまいります。
○細田委員 様々に取り組んでくださっていることが今のご答弁で分かりました。
また、この夏には石川県・能登展、これを開催していただいて、石川県の水産業の復興の状況の紹介や輪島塗などの展示も実施していただいたと。大変にうれしく思っております。
もう間もなく、能登半島地震からは一年を迎えようとしております。このような中、卸売市場を通じた被災地支援の取組は大変に重要であります。
被災地産品のさらなる普及拡大につなげていくためにも、あらゆる機会を通じて、引き続いて積極的な普及啓蒙に取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
漁獲量の減少、物価やエネルギー価格の高騰、それに対する価格転嫁が進まない状況、そして気候危機の影響は、生鮮食料品を扱う市場業者にとって死活問題となっています。
そうした中でも、新鮮で安全な食料を適正な価格で安定的に供給することは、公設市場の重要な役割です。
私からは、中央卸売市場の目的を果たすために東京都が担うべき役割について質問をしていきたいと思います。
初めに、中央卸売市場の目的と、開設者である東京都の役割について伺います。
○石井市場政策担当部長 都は、都内十一の中央卸売市場の開設者として、卸売市場に求められる集荷や分荷、価格形成、代金決済などの機能をはじめ、生鮮品等流通の基幹的インフラとしての役割を着実に果たすべく、中央卸売市場経営計画に基づき、衛生的かつ効率的な施設の建設や一定の経費負担を行うなど、市場の管理運営を行っております。
これにより、都民に生鮮品等を安定的に供給する目的を遂行しております。
○藤田委員 東京都は、衛生的かつ効率的な施設の建設や一定の経費負担を行うなど、市場の管理運営に当たっているということでした。こうした都の役割に照らして、市場の現場の実態にどう対応していくのかについて確認していきたいと思います。
まず、豊洲市場内の関連事業者の経営について聞いていきたいと思います。
先月、私は、豊洲市場六街区にある飲食エリアでお昼ご飯を食べてきました。昼食なので千円くらいの手頃な食事を取りましたが、観光客向けのお店では、例えば海鮮丼が三千円から五千円という値段で販売されていました。
このように飲食エリアでは、日々利用できるような値段のお店と、観光目的で来店する方が特別な感覚で利用するお店というのが混在をしています。仕事の後など日常的に利用することの多い市場業者にとっては、手頃な値段で食事ができる飲食店がないと困るだろうなというふうにも感じました。
しかし、今年二月に豊洲千客万来が開場してから、お客さんが減ったというお話も伺いました。
千客万来施設のオープンに伴い、水産仲卸売場棟の中にある三階の飲食店はどのような影響を受けているのか把握していますか。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来は、豊洲市場本体と連携することにより、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで地域のまちづくりや活性化に貢献するとともに、相互に魅力を高めていくことを目的として整備したものでございます。
このため、開業後も、豊洲市場の業界団体とは様々な事項につきまして適宜意見交換を行っております。
○藤田委員 相互に魅力を高めていくことを目的ということなんですが、もともとこの千客万来施設をつくった目的について、以前、東京都はこのようにいっています。築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるとともに、市場本体の施設と連携して、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すというふうに、築地から引き継いで、その財産をね、にぎわいをつくっていくよという感じなんですが、築地の場内から豊洲に一緒に移転してきた業者も少なくないと思います。
築地市場の豊洲移転を決めたのは東京都ですから、千客万来施設のオープンに伴う影響などは、相互に魅力を高めていくことを目的とするのであれば、市場関連業者の困難についても東京都は受け止めてほしいと思っています。
なので、答弁では、豊洲市場の業界団体とは様々な事項について適宜意見交換をしているということでしたので、そういった話も聞いているのかなと思うんですが、豊洲市場の業界団体との意見交換というのは、どのように行っているのでしょうか。具体的に説明してください。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 業界団体との意見交換でございますけれども、現場における対面での打合せや定期的な会議などによりまして、意見交換を行っております。
○藤田委員 現場における対面ということですから、日常的なやり取りもありながら、定期的な会議でも意見交換をしているということですので、いろんなチャンネルで話を聞いているということなのかなと思います。
ぜひ、日常的な会話でも、そしてまたオフィシャルな会議の場でも、飲食店の皆さんの困り事とか悩み事とか、来客状況などについても把握していただいて、一緒に対策などについて考えていただきたいと思います。
この飲食店の上、水産仲卸売場棟の四階には、物販を中心とした魚がし横丁があります。ここのお店についても、この間、空き店舗が目立つようになっていて、これもまた心配するところです。
六街区にある水産仲卸の物販エリアには、現在、幾つの空き店舗がありますか。そのうち、テナント募集を公募しているのは何店舗ですか。
○高橋財政調整担当部長 豊洲市場水産仲卸売場棟四階の物販エリアには六店舗の空きがあり、その全ての店舗についてテナントを公募しております。
○藤田委員 六店舗全てでテナントを公募しているということです。
水産仲卸物販エリアで複数の空き店舗が出た要因について、東京都はどう分析していますか。
○高橋財政調整担当部長 平成三十年十月の豊洲市場開場当時には六十二事業者で営業を開始しましたが、これまで七事業者が撤退しております。
撤退の要因としましては、後継者不足や売上げの減少など様々な要因により、経営の維持が困難になったことがあると聞いております。
○藤田委員 撤退の要因はお店によって様々だけれども、その結果、経営維持が困難になったという答弁です。
パネルをご覧ください。これは東京都がテナントを公募した際の要項にある四階エリアの配置図です。
このうち二か所、実は去年の六月まで営業していたところがあるのですが、それは船用品のお店とかノリ屋さんというものでした。どちらも市場業者や買い出し人にとっては欠かせないお店ですが、この一年の間に二つも閉店したということです。
そのほかのお店についても、つくだ煮屋さんとか加工肉とか生麩、コンニャクといった食料品販売店が撤退していたり、あと、料理道具専門店というのがそれ以前に撤退をしています。
さらに、私が先月、豊洲に行ったときには、促成野菜とつま物を販売していた大手のお店も閉まっておりまして、シャッターには営業終了のお知らせという貼り紙がされていました。
もともと二区画のテナントを借りて営業していたので、かなり大きなお店だったと思いますが、そうしたお店でも閉じざるを得なくなっているというふうに思うと、営業維持というのは本当に厳しい状況なんだなというふうに感じました。まだここはテナント募集とかはしていなくて、公募にはかかっていないんですけれども、この間、どんどん撤退している店が増えているんじゃないかなという感じがしています。
今回、東京都が出した公募というのは、この物販エリアにはコンビニエンスストアも入ることができるというふうに伺いました。その資格要件について、ちょっと教えてください。また、既存の店舗への影響については、どのように配慮しているのかも教えてください。
○高橋財政調整担当部長 募集要項におきまして、条例に定める欠格条項や、事業者の資力、業務経験等の要件を定めております。
今回の公募については、事前に市場業界団体の意見をよく聞いて行っているものでございまして、買い出し人等の利便性向上や市場の活気につながる業種の事業者を募集したものでございます。
○藤田委員 業界団体の意見を聞いた上でということですので、既に配慮しているということなのかなというふうに思いました。
お店の要件について詳しくご説明がなかったのですけれども、ホームページにある要項を見る限りでは、普通のコンビニならほとんど入ることができるというのが分かります。
魚がし横丁について、ホームページには記載がされているんですけれども、魚商や、すし商、かっぽうなどの腕利きの料理人をはじめ、様々なお客様の多種多様な要望に応え、安全・安心はもとより、プロの目にかなう本物志向の道具や技術、食材の数々を取りそろえ、高いお客様の満足を目標に努力していると書かれていまして、日本橋魚河岸から六十年以上続いてきたというお店も、この中にはあるようです。
場内プロショップというのがこの魚がし横丁のコンセプトになっているようで、例えばコンビニとかが複数入ったりとかになってくると、このフロアの考え方そのものが変わっていってしまうんじゃないかという懸念も抱くわけです。
物販エリアのお店についても、新たな店舗の参入がどのように、ほかの今まであった店舗に影響していくのかなど、公募を行う東京都としても把握していただきたいと思っております。
コンビニエンスストアは、比較的簡単に応募がありそうだと思うんですが、一方で、売上げが伸びないとすぐに撤退してしまうという可能性もあると思います。長期間店舗が空いてしまったり、しょっちゅう公募を行ったりするなど不安定な状況というのは、周りのお店に対しても、影響としてはあまりプラスにならないんじゃないかなと思いますし、市場の財政面にとっても適切とは思えません。
今回、この公募の要項に載っていた施設使用料を、利益の部分は除いて、単純に六店舗が一年間空いていたら幾らになるか計算したら、四百四十三万円、収入が東京都にはなかったということになるわけで、安定して継続して入居してもらえるように、東京都としても、今ちょうど審査をしている時期だと思いますので、慎重に審査していただくよう要望いたします。
次は、豊洲市場の施設の機能について質問していきます。
初めに、豊洲市場における業務の効率性について伺います。
築地市場のときには、建物はほぼ平屋で、平行移動が中心だったという、そういう施設でした。また、市場の構造から、卸、仲卸、買い出し人へと、生鮮品が大変効率的に運べるという、そういう特徴もありました。
しかし、豊洲市場に移ってからは、上下や、あと建物の間の移動も必要となりまして、その分、安全面や効率面で課題が増えていると思います。そのような建物でも、いかに効率的に運営ができるようにするのかというのは東京都の責任だと思います。
一つは、エレベーターです。六街区にある水産仲卸売場棟の四階駐車場に上がるエレベーターですが、現在、何基ありますか。そのうち、現在使えなくなっているエレベーターは何基ですか。あわせて、加工棟のエレベーターについても伺います。
○中井環境改善担当部長 六街区水産仲卸売場棟には、四階の駐車場に上がる荷物用エレベーターが七台ございまして、うち三台が故障により停止中でございます。また、乗用エレベーターが十台ありまして、これは全て運転中でございます。
同街区にある加工パッケージ棟には、荷物用エレベーターが二台ございまして、うち一台が故障により停止中でございます。また、乗用エレベーターは一台ございまして、これは運転中でございます。
○藤田委員 運転している乗用エレベーターというのは人が乗るだけですので、ターレで品物を運んだりはできないわけですね。故障しているのは、全部で九台中四台が壊れているということで、半分壊れたままというふうに今の答弁では分かります。
鮮度が命の水産仲卸売場棟では、買った魚を急いで車に運んでいったり、加工しに行ったりしたいのに、そのエレベーターが九台中四台、故障で使えなくなっているということは、ちょっとやっぱり、大変驚くべき事態だと思います。早急に復旧すべきだと思います。
現在故障しているエレベーターは、誰がいつ修理することになっているのですか。業務への支障について、東京都はどう対応するのですか。
○住野管理部長 現在停止中の水産仲卸売場棟の三台及び加工パッケージ棟の一台のエレベーターにつきましては、市場業者が損壊したものでございます。
そのため、エレベーターを損壊した市場業者に対しまして、速やかに原状回復するよう指導しているところでございます。
○藤田委員 損壊したのは業者だということは分かりました。そういっていても、すぐに原状回復しなければ、少ないエレベーターでは当然非効率ですし、納品の時間との闘いになっている業者にとっては慌てることにもなりますので、安全面でも問題となります。
水産仲卸売場棟のエレベーターが故障した場合、市場業務に影響が出ないように、東京都が責任を持つべきではありませんか。
○住野管理部長 都は、エレベーターの損壊を発見した場合には、速やかに原因者を特定するため、監視カメラの映像確認や現場調査等を行うこととしてございます。
原因者が判明した場合につきましては、当該原因者に原状回復することを文書にて誓約させるとともに、処理経過を記録し、原状回復が速やかに行われるよう努めております。
○藤田委員 速やかに原因者を特定し、速やかに原状回復が行われるように努めるということなんですが、実際、現場では使えなくて困っているという状況を聞きました。
原状回復が速やかに行われるよう努めているということなんですけれども、それぞれいつから故障しているんですか。
○中井環境改善担当部長 六街区水産仲卸売場棟の三台の故障の発生日でございますけれども、まず、エレベーター三号機が令和六年六月二十日、エレベーター二号機が令和六年十月七日、エレベーター一号機が令和六年九月十日でございます。
それから、加工パッケージ棟の一台の故障の発生日でございますけれども、これは令和六年八月十日ということになっております。
○藤田委員 今の答弁では、六月、九月、八月、十月と、何か毎月壊れているような感じなんですが、長いもので四か月以上使えていないということで、速やかに原状回復がされていないわけです。
都が速やかに原因者を判明させたとしても、当該の方は、ターレをぶつけたのは自分だけではないよと、もっとほかにも、みんなぶつかっていたというふうにいったりとか、もともと壊れやすいエレベーターだったんだというふうにいったりとか、やっぱりお金がかかることですから、すぐに原状回復に、分かりましたとなかなかならないわけです。大きなエレベーターですから、やっぱり修理となれば、それはどれだけお金がかかるかということもありますので、現状、修理に至っていないというのが実態なんですね。
これから、現場ではクリスマスや忘年会などで繁忙期を迎えるということです。市場も忙しくなります。エレベーターを早く直してほしいというご意見を伺いました。
そこで、ちょっと要望というか、聞きたいのですが、市場は、鮮度を落とさないために、迅速に生鮮食料品などを消費者のもとに届ける使命があります。衛生的かつ効率的な施設の管理運営に当たるのが開設者である東京都の役割なのですから、一旦、東京都が修理をして、後から原因者に請求するという、そういう仕組みにできないものかなと思うんですね。
修理までの流れについても、今の、原因者を特定して原因者の責任で、文書とかを出して早く早くというだけではなくて、東京都が先に修理をして、後から代金なり補償について相談するという、その仕組みの検討が必要なんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○住野管理部長 繰り返しの答弁になってしまって恐縮でございますが、この場合、原因者が判明してございますので、当該原因者に原状回復することを文書にて誓約させるとともに、処理の経過を記録、原状回復が速やかに行われるよう私どもも努めているところでございます。
○藤田委員 効率的な運営をするという管理者としての姿勢が問われると思います。経営などが厳しい業者の実態もあるわけですから、市場の効率化という観点からも、まずは東京都がすぐに使えるようにすべきだと思います。
今のやり方よりも踏み込んで、東京都がその役割を果たすよう、速やかに使うことができるように役割を発揮していただくよう求めておきます。
あわせて、安全対策についても伺います。
水産仲卸売場棟の中では、事故を防ぐために減速帯が敷設されているところがあります。この減速帯はターレに対応したものですか。
○中井環境改善担当部長 豊洲市場におきましては、開場後、六街区水産仲卸売場棟エレベーターでターレによる死亡事故が発生したことから、エレベーター前での一時停止が実行されるように、サインの充実やエレベーター前の減速帯の設置など、ターレやフォークリフトによる事故の再発防止を図るとともに、さらなる安全性向上に努めております。
○藤田委員 業界の方の意見を踏まえているかどうかについて、ちょっとご答弁をお願いしてよろしいでしょうか。
これは、減速帯はターレに対応したものかどうかというところに対して、どうやってこの減速帯を選んだのかということについて、ご答弁が、多分、今なかったんじゃないかと思うので、お願いできますか。
○中井環境改善担当部長 このエレベーター前の減速帯でございますけれども、事故の再発を防ぎ、安全性向上に努めるため、業界の意見を踏まえた上で設置したものでございます。
○藤田委員 エレベーターでの重大事故を受けての、業界の意見も踏まえての設置だということです。
どのような減速帯が設置されているのかということで、昨日、ちょっと写真を見せていただきましたが、公道にあるようなアスファルトがちょっと盛り上がったものではなくて、後から設置するタイプの、ゴム製の山型の減速帯でした。
業者の方のお話では、現在設置されている減速帯を乗り越えるためには、減速してから当然近づきますので、乗り越えるためにターレのアクセルを一回吹かさなければちょっと乗り越えづらいんだということで、その勢いでぶつかりやすくなったり、タイヤが滑るというふうにもご意見がありました。
業界の方と一緒に設置したとは思うんですけれども、設置した後の状況についても、新たな問題が起きていないか、運転される皆さん、いろいろ技術が様々なようなんですが、事故の発生防止策によってさらに新たな問題が生じていないか、いま一度確認をしていただくことを要望いたします。
次に、淀橋市場拡張整備事業の関連について伺います。
淀橋市場は現在、拡張整備事業に向けて、まずは市場業者による自動立体冷蔵庫棟の整備、その後、駐車場の移転先の確保、建物の取壊しとか建設など、段階的に事業を行っていく予定になっています。淀橋市場は、住宅街の中にあるとても狭隘な市場なので、近隣住民の理解と協力が欠かせない立地ともなっています。
市場は、住民が寝静まっているときにトラックが出入りしたり買い出し人の車などが激しく往来するため、都民の食生活を支える基幹的インフラであるにもかかわらず、迷惑な施設となりやすい傾向にあります。そのため、開設者である東京都が、近隣の方たちに気を配って対応していくことが求められています。
先日、課長からも、本当に毎日多くのご意見が寄せられているんですというお話も伺いました。
淀橋市場では、来年には自動立体冷蔵庫棟の工事が始まるようですが、この工事に関する住民説明会が行われたと伺いました。いつ行いましたか。どのような意見が寄せられましたか。意見に対する東京都の受け止めと対応を伺います。
○石井市場政策担当部長 本年七月に淀橋市場拡張整備事業の住民説明会を開催し、その中において、自動立体冷蔵倉庫の整備について説明を行いました。
説明会では、出席者から、騒音、交通渋滞など工事期間中の対策について住民に配慮してもらいたいなど生活環境への影響に関する意見があり、法令等を遵守し、生活に配慮した設計であることを説明するなど、丁寧な対応に努めました。
○藤田委員 丁寧な対応に努めたということです。
本当にあらゆるご意見が絶えないと思いますので、今回は住民説明会という形で、東京都が直接、意見を聞いたり説明することがされているんですが、日々現場では、一番お話ししやすい方が交通整理を行っている方で、二十四時間そこにいらっしゃるということでは、住民の方がたまたま通りかかったときに意見をいいやすいという状況もありますので、ぜひ直接、東京都が発注して働いていらっしゃる警備員なので、その方たちのご意見も、これから工事が始まると、より一層ご意見が増えると思いますので、聞いていっていただきたいと思います。
同時に、そうした意見を受け止める、部署の職員体制を十分に確保することがすごく大事だと思います。
あわせて、メンタルケアや相談ができる機関と連携するなど、現場で働く皆さんを守るということも大事だと思いますので、ぜひ、幹部の皆さんには努めていただきたいと思います。
次に、暑さ対策についてです。
淀橋市場は、果物や野菜などの青果物を扱う市場です。今年も猛暑日となった日数が過去最多となるなど、青果物の管理が非常に厳しい状況になっています。
市場業者の方のお話では、ホウレンソウや白菜といった葉物の返品量がとても多かったということでした。定量的に比較したわけではありませんが、感覚的に全体の五%ぐらいは返品になって、返ってきたということでした。
そのために、市場業者が整備する自動立体冷蔵倉庫は、仲卸業者から本当に待ち望まれています。冷蔵倉庫の工事のスケジュールはどのようになっていますか。
○石井市場政策担当部長 市場業者が整備いたします自動立体冷蔵倉庫につきましては、令和七年一月に着工し、十一月に竣工予定と聞いております。
○藤田委員 来年十一月竣工ということで、来年の夏も、もう一回猛暑との闘いがあるということです。
今年三月の委員会でもお話ししましたが、淀橋市場の南西側は、道路と鉄道のために非常に日当たりがよいところです。葉物の返品が多くなると、それだけ業者の営業にも影響します。日陰をつくるにはちょっと広いですが、業者の苦悩を理解し、何か対策が取れないかということで、一緒に考えていただければと思います。
次に、トラックドライバーの二〇二四年問題に関する市場への影響について質問いたします。
日本政府は現在、物流産業の働き方改革のために、物流の効率化やトラック運転手の労働負担軽減のために、荷主への監視体制を強化するという方針となっています。
現在の政府の進捗状況について伺います。
○石井市場政策担当部長 国では、全ての荷主や物流事業者に対し、荷待ち時間の短縮等、物流効率化のために取り組むべき措置の努力義務を課すことなどを定める、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律を施行予定と聞いております。
○藤田委員 国のことなので、ちょっとあまり詳しい答弁ではなかったのですが、市場審議会で、東京中央市場青果卸売会社協会の川田会長がとても懸念を示していらっしゃいました。
国の方針によると、市場業者は着荷主という位置づけになり、違反行為である長時間の荷待ちなどに対してトラックGメンという方たちがやってきて、市場業者に対して勧告や是正指導を受ける対象になるということで、本当に懸念されていると。しかし、時期についてはまだ明確ではないので、どうなるのかという不安を表明されていました。
豊洲市場に限らず、中央卸売市場でのトラックの荷待ちや荷役--荷役というのは荷物の上げ下ろしの時間だそうですが、それをどうやって減らすか、東京都はどう対応するのですか。
○石井市場政策担当部長 青果物を取り扱う九市場を中心に、都と市場業者でパレット標準化を主なテーマとした場内物流の改善に向け、具体的に検討するとともに、施設整備の機会を通じて、自動搬送などの先端技術を活用した場内物流改革に向けて取り組んでおります。
また、都では、市場業者が行う物流効率化の取組に対して、中央卸売市場経営強靱化推進事業において、経費の一部を高補助率で支援するとともに、物流対策コンサルティング事業により、物流の専門家を派遣し、技術的な助言などを行っております。
○藤田委員 効率化ができるように経営支援しているということですが、DX推進とか物流対策ということで、そもそも設備投資が厳しい実態もありますので、なかなか、使えるところと、お金がないと使えないというところもあります。
なので、ぜひ東京都としても、市場業者に大きなしわ寄せがないように、一緒に、事業の在り方も含めて、どうあれば支援につながるかということで、現場の実態についても国に要望していくなどして、負担が少なくなるようにしてほしいと思います。
あと、ある仲卸業者からは、運送費がばかにならず、この一年で運送費が利益を逼迫させているというお話を伺いました。直近で、そこの業者ですけれども、運送費だけで一か月四千万円から五千万円かかったということで、一年前に比べて一・五倍になったというお話でした。
都は、こうした市場業者の経営の実態を把握していますか。
○大谷事業部長 市場業者は、エネルギー価格の上昇や円安等の影響を受けるなど、依然として厳しい経営環境にあると認識しております。
そのため、都は、経営強靱化推進事業や経営相談事業などを通じて、経営基盤の強化などに向けた市場業者の自律的な取組への支援を実施するとともに、市場業者の個々の経営課題を丁寧に聞き取っております。
○藤田委員 経営課題を丁寧に聞き取っているということで、今ちょっとお話しした事例、市場業者が支払う運送費が高騰しているということそのものを把握しているかどうかは、答弁からは明確ではありませんでしたが、トラックドライバーの人手不足がある中で、納品を遅れるわけにはいかないので、どんなに値段が高くてもトラックを手配して、野菜を運んでもらうということをしなければ仕事になりません。
また、薄利多売で利益を上げようとしているので、なかなか輸送代の高騰分を商品には転嫁できないというお話でした。
こうした費用の高騰に対して、事業者の皆さんはどのようにしているのかということで、費用の捻出についてお伺いしますと、サービス残業をしているというふうにお話ししていました。
収益が増えないので、正社員の賃上げができない。しかし、仕事は多くなっていくばかりなので、せめてパートやアルバイトの社員の一時金を上げて、パートやアルバイトの方が辞めないで働いてもらうような環境をつくっているということでした。
パートの方の一か月の労働時間は正社員の方よりも短いんですけれども、給料では少なくなっていても、時給に直すと正社員の方の方が少ない、時給が少ないということで、運送費の高騰によって市場業者の処遇が悪くなっているというお話でした。
そういう中でも、正社員も少しでも働きやすくできるように、男性の育児休暇を二週間は取るように支え合おうとか、有休は確実に消化しようとか、努力しているというお話も伺いました。
これだけ大変でも頑張れるのは、スーパーのバイヤーさんから、こんな生鮮食料品が欲しいなということに対して、仲卸業者は、その要望に合った生産者を探して提供するという強みもあって、バイヤーさんに喜んでもらえることがやりがいにつながるということもお話をされていました。
市場業者の皆さんは、これまでの誇りややりがいで何とか踏ん張っているという状況だと思います。近年の仲卸の減少や市場関連業者の閉店などを見ていますと、そうした市場業者の頑張りに頼っているのは、なかなか限界じゃないかというふうにも思います。抜本的な改善について、業者と一緒に考える必要があると思います。
二月の市場審議会で、東京都水産物卸売業者協会の伊藤会長が、東京都の卸売市場をどのようにしていくのか、我々市場業界はもちろん考えますと。同時に、東京都も考え、悩み、膝詰めで議論し、共に汗を流してもらいたいと述べられています。この声を真摯に受け止めるよう要望したいと思います。
最後に、豊洲市場の土壌汚染対策について伺います。
深刻な土壌汚染がある豊洲市場用地は、四十ヘクタールという広い面積で、土壌汚染対策も日本では初めてというほどの規模であり、しかも、これだけ広い場所での地下水管理システムも初めてのものでした。
私たち日本共産党都議団は、地下水管理システムは、当初から既に破綻していると、繰り返し厳しく追及してきました。
本日の要求資料の4にもあるように、この資料は、二〇一八年九月二十三日、水産仲卸売場棟の北側にあるマンホールから水が噴出したことを受け、東京都が原因を調査し、地下水管理システムの空気弁に挟まった物質を分析し、検出された主な成分です。
それから六年たっても、地下水管理システムの管を点検した後に目詰まりを防止するための清掃が必要と判断されて、毎年、清掃費用も含めて、システムの維持管理費がかかっています。
今年三月の経済・港湾委員会の要求資料によると、地下水管理システムの維持管理経費は年々増加をしていて、二〇一八年に年間二億円だったものが、今年度の予算額は六億円と約三倍になっています。
二〇二二年十月の公営企業会計決算特別委員会で、我が党のあぜ上三和子都議が決算額が増えた理由について質問したところ、主に揚水井戸でくみ上げた地下水を排水処理施設に送る管の清掃範囲を拡大したことによるものというふうに説明をしています。つまり、管が詰まりやすくなっていることを--詰まる場所が増えているというふうに示唆する答弁だと思います。
初めて地下水管理システムの管の目詰まりが発生してから既に八年が経過をしています。これだけ長い期間、目詰まりが起き続けているんですが、なぜいまだに目詰まりが起きる、清掃しているので目詰まりは実際起きていませんけれども、起きないように予防するために掃除をし続けなければいけないのか、何で目詰まりが起きる可能性があるのかと、その原因について東京都は調べているのでしょうか伺います。
○中井環境改善担当部長 今のお話の地下水管理システムの送水管等に付着した物質の主成分でございますけれども、要求資料のとおり、再生砕石に由来する炭酸カルシウム及び海水に由来する水酸化マグネシウムでございます。
これは、主成分がこの二つの物質になるのでございますが、これが送水管や施設に付着して詰まりを起こすということが分かってございます。
○藤田委員 海の水の由来ということは、遮水壁とかがあるわけで、本来ならば、当初の東京都の説明では、遮水壁で周りとは区切られていると。中の水をどんどんくみ上げて浄化していくことで、そのうちきれいになるだろうというお話なんですが、いまだにマグネシウム、海に由来する水酸化マグネシウムが出続けているとすれば、それは海の水がずっと入ってきているんではないかと。いつまでたっても水酸化マグネシウムは減らないんじゃないかというふうにも思うわけです。
なので、今後分析をする必要があるんじゃないかなと思うんですが、今どんな物質がその主成分になっているのか、調べないんですか。今度はいつ行うんですか。
○中井環境改善担当部長 この地下水管理システムの分析の件でございますけれども、地下水管理システムの清掃作業が必要になるわけでございますが、これに必要な情報を既に得ているということでございまして、今後、実施の予定はございません。
○藤田委員 この清掃の場所が増えたりとかして、あぜ上都議が質問したときは、年間三千万円費用が増えたわけです。
私たちは、この間、地下水管理システムの維持費について、市場が赤字であるにもかかわらず、さらに増えていくものをずっと市場会計で出し続けるのかということについて、問題を指摘してきました。なので、分析を実施する予定はないというふうにお答えになりましたけれども、本当にこの費用を抑えて赤字を何とかしなきゃと思うんであれば、なぜ詰まるのか、どうしてこの付着があるのかと、分析をして、しかるべき対処をすべきだと思います。
豊洲市場の開場当初は、まだ埋立地内の海水を多く含む土壌だったと思いますので、資料のようなカルシウムやマグネシウムが多く含まれていることもあると思いますが、システムの運転からは既に八年がたっております。清掃にも多額の費用を要しております。やっぱり、これはきちんと調べるべきですし、調べることを求めておきます。
市場会計の赤字幅が当初の予定よりも多くなり、資金計画の大幅修正が必要になることは必至です。これまで述べてきた千客万来施設の影響やエレベーターの故障、地下水管理システムのランニングコストなどは、豊洲市場へと移転したことによって発生している問題です。
しかも、これらを賄う市場会計は、豊洲市場の事業者だけではなく、ほかの十の市場の事業者が払う使用料が原資になっています。知事や東京都が政策判断として豊洲市場移転を決定したものであり、市場業者には、これらの問題の責任はありません。
これらの問題の費用負担は一般会計から繰り入れることが適切であり、市場として、財務局に強く、一般会計からの負担を求めよと強く要求すべきだということを述べて、質問を終わります。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時二十一分休憩
午後三時四十分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西崎委員 よろしくお願いいたします。
今年の五月に公表された経営レポートから伺ってまいります。
このレポートは経営計画の中で示されていたものでありますが、今回が初めての発行となったということでございます。
このレポートを見ていきますと、令和四年度は、市場運営費削減の取組として、委託料の分析に基づく施設管理経費の見直しを行ったと、こういった記載がございます。
もちろん、こうした分析による見直しというものは継続的に実施をしていかなければならないものと思いますけれども、そこでまず、令和五年度決算における施設管理経費の見直しについて内容を伺います。
○高橋財政調整担当部長 令和四年三月に策定した東京都中央卸売市場経営計画では、市場運営費の縮減等、当面の経営改善の取組を着実に実施することとしております。
令和五年度においては、植栽管理委託の運用方法の見直しといった施設管理の委託経費等を削減することによる市場維持管理費の縮減に取り組みました。
○西崎委員 ありがとうございます。これは植栽というのは植えてある木とかですよね。先ほどの委員のご答弁にもありまして、今、さらっと入っていましたけど、そんなところまで見直しているんだというふうに思った次第でございます。
それで、このレポートでは、二〇二四年度、すなわち今年度の取組として、設備保守や場内警備などの施設管理に係る委託の見直しということを示しております。
そこで、今後の取組について見解を伺います。
○高橋財政調整担当部長 本年度予算の執行に当たっては、場内警備委託において、業務内容の見直しを図り、設備保守委託において、執行状況に応じた予算額の精査をするなど等により、市場運営費の縮減に努めてまいります。
○西崎委員 そもそも、警備の業務内容の見直しであったり、設備保守においても、さらに精査をして運営費を削っていこうというお話かと思います。
特に警備につきましては、一年半前に新型コロナが五類移行いたしまして、何らか状況変化があったものと推察をいたしますけれども、市場内における新型コロナウイルス感染症に対応した警備員の配置や業務内容の見直しについて見解を伺います。
○高橋財政調整担当部長 市場内の警備に当たり、令和五年度までは、新型コロナウイルス感染症対策として、来場者の検温の実施等に必要な人員を配置しておりましたが、令和六年度は、新型コロナウイルス感染症の五類移行に伴い、それらの警備員の配置や業務内容を見直すなどにより、市場運営費の縮減を進めております。
○西崎委員 検温とか懐かしいなと思いますけれども、検温等の対応に変更があったなど、そうしたことに伴って警備員の配置等を改めて、運営費の縮減を進めているということでありまして、もちろん、こういった状況変化における見直しというものは、やはり機動的に行っていくべきものであるなと感じるところでございます。
一方で、これはあくまでも特別なニーズに対応していたものを、その時期が過ぎたことから通常に戻したというような性格もあるんじゃあないかと思います。もちろん、コロナ前と全く同じに戻したということではないとは思いますけれども、そうした性格があるんじゃあないかなと思っております。
これまでいろいろお聞きをしてきて、また、そして経営レポートに示されているような運営費の削減とか縮減ということについて、もちろん皆さん精力的に進められているということかと思いますけれども、懸念をいたしますのは、皆様がそういった植栽であるとか様々な部分を見直して運営費のカットに努めているということも理解をいたしますけれども、本来業務に支障を来すような縮減というものは、やっぱりあってはならないと思っています。
市場経営が安定をし、持続可能なものになるということは非常に重要でありますけれども、現場が疲弊するような水準で運営を続けていくというような状況になってしまったとしたら、これはやっぱり都民生活にもプラスにはならないものであると考えます。
その上で、もう一つお聞きをいたしますけれども、この経営レポートでは、今年度の取組といたしまして、事務用消耗品費や衛生用消耗品費の精査が挙げられております。これについての見解を伺います。
○高橋財政調整担当部長 令和六年度は、事務用消耗品において、引き続きペーパーレス化に伴う用紙代等の削減を実施することや、新型コロナウイルス感染症の五類移行に伴う消毒液などの購入数量の見直しを契機として、衛生用消耗品の精査を行うことなどにより、市場運営費の縮減に努めております。
○西崎委員 ペーパーレス化に伴う紙の削減であったり、もしくは、また、ここでもコロナの五類移行を契機とした消毒液などの数量の精査を行ったということでございます。
一方では、消毒液をはじめとした衛生用の消耗品については、そもそも市場ですので大幅に削ったからよいという話でもないのかなというふうには思いますけれども、この中で、こうした様々なものの精査であったり見直しの努力というものは多といたしますけれども、やはり、これは消耗品ということで、全体のパイからしたら決して大きい割合ではないのかなということも併せて感じるところでございます。
ここまで、運営費、すなわち出ていく方の見直しについて何点かお聞きをしていきましたけれども、ここで一問、入りの方についてお伺いをしたいと思います。
そもそも、この経営計画の方で、未利用資産を活用していこうということがうたわれておりまして、今回の経営レポートには、足立市場の事例が掲載をされているところでございます。
そこで、これは令和四年度の例として載っていたものかと思いますけれども、じゃあ今年度、令和五年度につきまして、未利用施設の利用促進による財源確保、この規模について伺います。
○高橋財政調整担当部長 令和四年三月に策定した東京都中央卸売市場経営計画では、未利用資産について、市場業者による利用促進を図るとともに、市場業者以外の利用など、さらなる活用方法を検討することとしております。
令和五年度においては、未利用であった市場施設を仲卸業者等が事務所や荷さばき場として活用するとともに、さらなる有効活用を図るため、一時的な使用許可を条件として店舗の倉庫利用を図るなど、約四百平米の新たな使用許可を行いました。
○西崎委員 金額で分かると一番いいんですけど、面積で四百平米の規模ということで、今お答えをいただきました。
四百平米とはどのぐらいなのかなと想像いたしますけれども、頂戴しております事業概要、お示しをいただいたものから、市場の使用料が後ろの方に載っておりますので、そちらをちょっと拝見をいたしました。当然、施設の種別等によって異なりますけれども、大体、一平米につき一月で数百円から二千円ぐらいで設定をされているものなのかなと思っております。
未利用施設の活用というのは、幾つか、多分複数事例があるのかなとも推察をいたしますし、どの場所をどういう体系で使用許可をしているのかというものはちょっと分かりませんけれども、ちょっと仮定で、売上げの上がらないものであり、かつ、一月二千円と仮定をすると、四百平米だと月八十万、年間で九百六十万というような、これは極めて粗い試算でありますけれども、一応、そういうような数字を、仮に私の方で算出いたしました。
もちろん、放っておいたら何もないところを多く活用して、それで使用料を得るという努力は非常に重要であると思います。一方で、今日も様々議論ある中で、年間百億円を超える赤字があるという中で、一千万円の財源確保、重要なんですけれども、やっぱり、ちょっと規模感の違いというものも感じるところでございます。
質疑はこれで終わりにいたしますけれども、経営計画で示されているような長期的な収支を考えていくと、やっぱりこのままで本当に立ち行くのだろうかという疑問を常々感じております。現在は、いわゆるキャッシュの部分がありますので、直ちにどうこうという心配はないのかもしれませんけれども、今日、何点かお伺いをした費用の縮減であったり、収入の確保の取組、これはもう皆様、本当に努力をされているということは理解をいたしますけれども、これで本当にこの問題の根本的解決に至るのかというと、なかなか難しさがあるのかなと思っています。
これは民間であれば、事業を畳んで終わりというふうになってもいいのかもしれませんけれども、いうまでもなく、市場というのは公的な役割が極めて重いものであると思っております。なくなったら困るというのはもちろんでありますけれども、将来的に安定的な経営がなされるのか分からないという状況でも、これもやはり都民や事業者の皆様の不安を招きかねないものであると、私は考えます。
二年前の事務事業でも同じようなことを申し上げているんですけれども、こうした中で、一般会計からの繰入れの在り方というのは、やはり議論が避けられないと思っています。
現在は、営業的経費を使用料で賄い、行政的経費を一般会計で負担するという、こういう整理をされているものかと思いますけれども、そうはいっても、やっぱり市場の維持管理というものについても、私は公的な役割が非常に大きいというふうに考えています。
こうした一般会計の繰入れの在り方については、我々ももちろん議論を重ねなければならないと思っておりますけれども、今後も、また皆様の方でも、この市場の安定的な運営について、ぜひ検討を重ねていっていただきたいということを要望いたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○上田委員 私は、長年、仲卸の経営状況について大丈夫かなということをたださせていただいてきました。
市場とは、いうまでもなく、卸、仲卸、小売業者があって成立します。殊に水産物、青果物、花き、食肉などの多種多様な生鮮食料品を買手のニーズを捉え、適材適所に販売をする仲卸の存在は、中央卸売市場にとって市場機構の中心としても、消費者にとっても殊に重要な存在といって過言ではありません。仲卸なくしては市場は成立しませんことからも、取り巻く環境、経済状況には非常に高い関心を持っておりました。
卸売業界は、もともと人件費率の高い業界でしたが、各部類別に見ても、全てにおいて、最新の仲卸業者の経営状況を見ると、これはネットで検索すると出てくるんですけれども、こちらも全部、個別で見ると状況が経年で分からないということで、今回、大変渾身の資料を理事者の皆様につくっていただきまして、ぜひ皆様も見ていただきたいんですけれども、この資料の八ページ、仲卸業者の数及び経営状況というものをちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、これは二十年間ですから、食肉は大体よいという感じですが、どうも水産物なんかに至っては、例えば平成二十三年は六一%が赤字業者ということで、コロナがあって、令和二年、三年は、やはり水産物は六割ぐらいが、六〇%、六四%と、赤字事業者ということになっております。
青果物も四〇%、四四%とありましたが、直近の令和四年度は、水産物は五六%が赤字、青果物が三七%、食肉が一六%、花きは三六%ということで、平均が大体四割から五割ぐらいの間を推移しながら、赤字事業者が多いということになっております。
人件費が減少した業者が増加した業界よりも、この経営状況、やはり大きく上回っているわけでございます。
経常損益の状況も、赤字業者が四七・七%となっておりまして、二期連続赤字計上の業者は三六・八%となっておりますことからも、仲卸業者を取り巻く経営環境はかなり厳しいと判断せざるを得ないところでございます。
リーマンショック以降の景気の低迷、産地や小売の大型化など流通環境の変化を受け、大変厳しい状況が続いてきた上に、コロナ禍、ウクライナ侵攻など、次々と経済情勢も厳しくなってきました。
都として現状をどう捉え、それに対してどのような分析をされ、対策を講じているのか伺います。
○大谷事業部長 消費者ニーズの多様化や流通チャネルの多元化などにより、卸売市場を取り巻く環境が変化する中で、市場業者はエネルギー価格の上昇や円安等の影響を受けるなど、厳しい経営環境にあるものと認識しております。
そのため、都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、取引を支える市場業者に、経営環境の変化に対応するための経営基盤の強化につながる自律的な取組や、市場業者によるコスト削減につながる取組に対して支援を行っております。
また、中小企業経営の専門家等と連携した経営相談などの経営支援策を通じて、市場業者の行動変革に向けた機運醸成を図っております。
○上田委員 仲卸業者への経営指導は、事業者にとっては大変ありがたいことだとは思いますが、数字に表れているより、改善を図るのがかなり困難そうに見えることからも、M&A、集約していくための一歩踏み込んだ経営指導や、専門的ノウハウの提供も必要と思われます。
令和四年度十二月現在、九百三十三業者となり、前年より十業者減少し、平成元年から見ると六百八十一業者、四八%も減少、市場別前年比では、水産物部では豊洲が六件、足立が二件、青果部では多摩ニュータウンが一件、花き部では葛西が一件となっております。
つきましては、資料も取り寄せたとおり、平成から令和となった近年の新規参入や募集状況、空き状況、実績と、それに対する考え方、なかなか入ってこないということは、需要がないというよりも、もしかしたら入りづらいなどの参入障壁などないのか、確認をさせてください。
○大谷事業部長 市場業者は市場取引を担う重要な存在であり、活力ある市場づくりのためには、その経営の安定化を図っていく必要があります。
お尋ねの仲卸業者については、販路の拡大に加え、商品の品質を見極める目利き等のノウハウや、顧客関係等を維持することで仲卸業者の経営基盤の強化を図るため、都は、仲卸業者の廃業に伴い事業の承継を希望する仲卸業者がいる場合には、円滑な事業承継をサポートするなどの支援を行っております。
○上田委員 一応、豊洲なんかもそうなんですけど、業界関係者間でよく調整をしていただくんですけれども、それよりも、資料では多摩の面積はかなり空いているんですけれども、新規参入者の方が実力も体力もあるんじゃないのかなと思うんですが、その辺の検討はされないのでしょうか。
○大谷事業部長 都は、市場内の施設については、市場の活性化を図る観点から、有効に活用できるよう取り組んでおります。
○上田委員 今の空き状況の方は、資料の一〇ページの6で見ていただきますと、例えば多摩ニュータウンなどは、全体面積が八百一のところ、使っているのが二百二十二というようなところなので、ちょっとほかの事業体といいますか、ほかの仲卸というか、新しい、今日的な事業者さんに入っていただけないかなということを申し添えておきます。
築地から豊洲に移転の仲卸業者は、また別の特徴があるかと思います、ほかの委員さんもるる指摘していましたけれども。
移転前後の状況、新規参入ではなく、空き店舗部分は、体力がある既存仲卸が入っていると。二つ店舗を借りるとかということを仄聞しているんですが、新規事業者の参入障壁の観点からもご報告をお願いいたします。
○大谷事業部長 築地市場から豊洲市場への移転に際しては、後継者問題などから廃業した仲卸業者の状況も踏まえ、経営の安定化を図るため、事業承継を希望する仲卸業者に対して店舗の使用指定を行いました。
なお、現時点においては、空き店舗は生じておりません。
○上田委員 豊洲は新しいですし、でも、さっき藤田委員のでも、エレベーターが壊れまくっているというので本当にたまげちゃったんですけれども、それでも場所もいいし、あそこら辺の土地からすると、晴海フラッグは六百何十倍なんていうぐらいのところですから、そこは人気があるかと思います。
これもちょっと仲間うちでシェアしているのではないかと思いながらも、この仲卸の方の店舗はいっぱいでも、販売するような店舗の方は空いているということを、やっぱりほかの委員の指摘もごもっともだなというふうに見ております。
やっぱり老朽化の方も、豊洲は豊洲で新しくなりましたけれども、老朽化が進む市場の在り方、令和六年度予算も建設改良費には約五十三億円が投入されています。十一市場になって三十年以上が経過して、令和に入り、さらに物流ロジスティクス環境が大きく変わっています。
仲卸業者の経営状況では、自力でコールドチェーンインフラを整える経済的余裕がない、本当に日が当たって大変だという声も聞いていますけど、自分で、やっぱり仲卸さんができないというような状況があります。
仮に東京都が用意してくれても、電気料金も払えないというのはうちの葛西市場なんかもありまして、仲卸事業者もあると仄聞してきました中で、老朽化が進む中の現状把握と対応についてご説明ください。
○石井市場政策担当部長 都は、令和四年度から、令和五年度にかけて、豊洲市場を除く十市場の卸売場などの主要な建物について劣化度調査を実施いたしました。
今後、調査結果などを踏まえ、維持更新計画を策定するとともに、市場業者と協議して施設整備を進めていくこととしております。
○上田委員 維持更新計画をするということですが、どうでしょうね、その速度よりも、世界最速で進む少子高齢化によるマーケットの縮小が予想される一方、インターネットの普及等により中間コストも抑えられますことから、生産者と小売店が直接取引をしたり、何より電話一本、メール一本で発注が済む利便性もあり、増加し続けている市場外流通にどう対応していくかが問われている時期になってきたのではないでしょうか。
四十年以上たった施設も多くなっている中、利用できて、あとどのくらい活用できるのか、考えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
○中井環境改善担当部長 先ほどお話の出ました劣化度調査の結果等を踏まえまして、必要性や優先度等を検証した上で、建物ごとに改修や建て替え等の方針を決定いたしまして維持更新計画を策定することとしておりまして、適切に対応していくこととしております。
○上田委員 適切。--豊洲は別として、新規に建て替えることが現実ではない残る十市場においての統廃合を視野に入れるのか、それとも十市場は残すと決めて、地域流通の担い手として新たな展開をすべきなのかの見解を、一歩踏み込んで伺いたいと思います。
○石井市場政策担当部長 都の十一の中央卸売市場は、各市場がそれぞれ市場機能を発揮して、都民に生鮮品等を供給する基幹的なインフラとしての役割を果たしております。
各市場の施設につきましては、建物の劣化状況などに応じて、必要性や優先度等を検証した上で改修や建て替え等の方針を決定し、維持更新計画を策定することとしております。
○上田委員 やはり市場は歴史的な経緯が長くて、私なんかは上野の生まれですから、秋葉原に青果市場があったことも覚えていますし、みんなリアカーを引いて、上野の辺りの八百屋さんはあそこに買いに行きまして、自分も実は実家が魚すき屋さんだった歴史的--江戸時代から続く、日本橋に市場があって、築地に移ったときに大騒ぎをして、移転騒動をひいじいさんがやったなんていうような記憶もありますので、歴史的背景と、スクラップ・アンド・ビルドにはしていかないと。
ほかの部分、東京都はいろいろスクラップ・アンド・ビルドをしていますけれども、おとといも、私、神宮外苑に行ってきましたけれども、残すなら残すとして、やっぱりがらがらにならないような、多摩ニュータウンの問題もあるかと思いますので、計画的かつ活用されるように、また何度もいいますけれども、新規参入者にご利用いただけるような、市場原理にさらされた、市場が今、市場原理にさらされていないんじゃないのかというふうに思っておりますので、こちらは一般会計も投入されておりますので、ぜひ、そこら辺を今日的な観点で進めていっていただきたいというふうに思います。
広報事業でございます。
中央卸売市場の持つ機能や役割に対する理解と信用向上に努めるために、広報広聴活動に取り組んでいます。
従来も「Tokyo Ichiba Walker」を発行したり、TOKYO ICHIBA PROJECTの実施をして、費用対効果についてもたださせていただきました。
市場まつりなど、私も楽しみに参加させていただいております、葛西ですね。みんな長芋が人気で行列するんですよね、あそこね。食育にも力を入れたり、地域貢献もされているとのことです。
各市場の講習会、いちば食育応援隊派遣事業、みんなのICHIBAづくり応援事業、市場見学の活用事業、効果対実績について包括的に伺います。
○住野管理部長 都は、卸売市場が持つ食に関するノウハウを生かした食育を進めているところでございます。
例えば講習会につきましては、昨年度は全十七回開催いたしまして、参加者数は三百七十八名でありまして、今年度も同程度の開催規模を想定してございます。
また、市場見学は、令和五年には合計十六万一千四百五十二名の方が参加されました。今年も同程度の見学数を想定してございます。
○上田委員 十六万人の見学者ということでありまして、かなり活用されているのかなというふうに考えます。
豊洲千客万来を活用したPR事業について、いちばの広場では被災地支援や産地プロモーション活動やイベントを実施していますが、どうですか、たくさんご来場いただけましたでしょうか。実施して得た知見や経験値などの所見を伺います。
○東山渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 本年二月に開業いたしました豊洲千客万来内にいちばの広場を設置いたしまして、東京都中央卸売市場の歴史やPR、全国の産地の紹介などを行ってきております。
いちばの広場は、国内外問わず多くの方にご来場いただいておりまして、卸売市場の意義や役割等について理解を深める機会となっているものと理解しております。
○上田委員 国内外問わず多くの方にご来場いただいているということで、ぜひ多くの方に訪ねてほしい場所が豊洲市場の中にあるんです。それは、もう築地市場時代からの、私がちょこちょこ顔を出していたのが銀鱗文庫なんです。ここは築地時代からの大ファンでございます。
江戸時代から続く市場と、そこで生きた人たちの生き生きとした人生や、また、魚の食文化の情報の宝庫なんですが、なかなか知られていないことが非常にもったいないと思っております。
昭和三十六年に遡り、もうちょっと遡ると昭和六年から、こうした取組といいますか、続いていたということで、もともとみんな漁業関係者で、当時は学校になかなか行けないということで、本に接する機会がないということで誕生していった。みんな手弁当で、少しでも知的なエッセンスに触れたいということで脈々と続いてきて、昭和三十六年に銀鱗文庫という形になりました。
その成り立ちから、今日に至るまで市場に非常に貢献した実績、そして豊洲に移転してからも、今日的な目を引く、外国人が本当に楽しめそうな、さかなへんの文字で日本手拭いをつくってみたりとか、そんな目を引く展開をされております。
改めて、市場とは切っても切れない銀鱗文庫のご説明と、今後の広報広聴活動にぜひ生かすべきと考えます。所見を伺います。
○住野管理部長 銀鱗文庫は、築地市場時代の昭和三十六年に開設されまして、市場、水産、魚食を中心とした書籍や雑誌、さらには日本橋や築地市場時代の文献や写真等、歴史的な資料を多数所蔵するほか、市場にゆかりのある展示を行っておりまして、同文庫は豊洲市場移転後も一般公開されてございます。
引き続き、都は、広報事業を進めていくに当たりまして、必要に応じて銀鱗文庫の所蔵資料を参考としてまいります。
○上田委員 さっきいったように魅力的な物販もして、もう本当に外国人観光客が喜びそうなものがあるんですよね。
この文庫に立ち寄ることで、内外の顧客が、日本の食文化や、都の市場文化と機能を再評価いただけると思いますので、何かね、集約統合しろなんていうね、議員にいわれても、この文化の再評価で、皆さんになくてはならないと思ってもらえる一つの広告塔に、いい意味でなってもらえると思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
旧築地市場の解体工事です。
小池知事は、築地は守る、豊洲は生かすといいながら、結局、築地は残念ながら更地になってしまいました。しかし、更地になったからこそ、これまでできなかったことが可能となっています。それは、埋蔵文化財である浴恩園の本掘が可能になったということです。高層ビルだらけの再開発ではない、次の大河ドラマになります松平定信ゆかりの天下の名園を生かした築地再開発をしてほしいとの声を、このところ受けているところでございます。
小池知事も、三期目公約に江戸東京文化、世界遺産を掲げており、まさにこの政策にぴたりとなじむものであり、あの貴重な水場を得体の知れないレジャーランドにする理由は、私としては、江戸っ子としては一つも見当たらないものです。
三井や読売グループへの令和の払下げをする蛮行を看過できないことから、財務局決算でも、公有財産である都有地の有効活用については、事業者にくれてやるのではなく、まず真っ先に都民に還元、寄与できる活用であるべきとただしたところです。
現在は中央卸売市場所管ではなくなった築地市場跡地ではありますが、当然、これまでの経緯の歴史の中で浴恩園については把握されていると思います。
大正十五年に史跡指定して、関東大震災後のまちづくりとして生かそうとしたこの天下の名園を正当に評価してきたのか、浴恩園に係る当初の認識や対応、埋蔵文化財指定に至る経緯とその後について伺います。
○高橋財政調整担当部長 東京都指定の旧跡浴恩園跡は、大正十五年に標識され、都条例改正により昭和二十七年に史跡、昭和三十年に旧跡指定されております。
この間、大正十三年に東京市議会の議決を得て中央卸売市場築地本場の建設が決定され、昭和十年から築地本場として業務を開始し、当該エリアは、主に正門につながる通路と買い荷保管所となりました。
その後、平成三十年に豊洲市場への移転に伴い、築地市場は閉場しております。
○上田委員 史跡であったことはしっかり、同じ東京都の事業ということで、卸売市場としては把握をしているということで、本掘に向けまして、局のこの答弁を活用しながら、あるべき築地の地域の再開発に向けて、私も取り組んでまいりたいと思います。
令和六年度、築地川においては、仮設搬出入路及び荷揚げ桟橋、全長六百五十メートル、幅が四・二メートルを撤去することになっております。
隅田川においては、施行費用負担協定により建設局施行で桟橋を撤去することですが、撤去した後、SDGsに基づき、池への生態系の、潮入りの出入口の確保を視野に入れて環境保全をすべきと考えますが、実は、あそこの浴恩園というのはお隣の浜離宮と一緒で、潮入り、池にちゃんと海水と川の水、潮の水が入ってくるというような、本当にSDGsの、自然にそれができるつくりとなっておりまして、復元すれば今すぐにでもできると専門家がおっしゃっておりますので、その環境保全をすべきと考えますが、撤去後どうなるかも含め所見を伺います。
○中井環境改善担当部長 築地川における仮設搬出入路及び荷揚げ桟橋、並びに隅田川における桟橋は、当局が河川法に基づく占用許可を受けている構造物でございまして、築地市場閉場に伴い占用目的が終了しましたので、撤去を行うものでございます。
これらの撤去後、築地地区のまちづくり事業と併せまして、河川管理者である建設局において、築地川では耐震対策事業、隅田川ではスーパー堤防整備事業が行われると聞いております。
○上田委員 それでは、まだ本掘の方も本格に始まっておりませんので、この河川事業についても、環境・建設委員会になるとは思いますが、地域住民の皆様と一緒に、引き続き監視をしてまいりたいというふうに思っております。
中央卸売市場の経営についてです。
長年、営業欠損が続いておりまして、令和五年度欠損は営業損益が約百二十七億、損失の一因として管理費の占める割合の高さもあるようで、一般会計補助金を営業外収益として調達しても、経常収支としては、決算上、赤字になっていることは理解しておりますが、この繰入れの根拠となる地方公営企業法十七条はあくまでもできる規定であり、同法三条の基本原則に立ち返れば、健全経営は当然のことで、実際、一般会計からの繰入れをしていない局もあります。
より一層の健全経営に向けて、経常収支の赤字の解消に向けどう取り組むのかお伺いいたします。
○高橋財政調整担当部長 都は、令和三年度に東京都中央卸売市場経営計画を策定し、経営改善の取組など今後の取組の方向性を示しており、本年五月に、経営計画に基づき、東京都中央卸売市場会計経営レポートを作成、公表し、同レポートを活用しながら全十一市場を回り、業界関係者とじかに意見交換を行っております。
○上田委員 また、管理費百五十六億円に対し水道光熱費は五十八億円、三七・三%と占める割合が高い問題についての所見と、具体的な解決策、解決までの期限を双方お示しください。
○高橋財政調整担当部長 令和五年度決算における管理費の光熱水費は約五十八億二千九百万円ですが、これは都の使用分だけではなく市場業者の使用分を含んでおります。
市場業者が使用した光熱水費は、条例の規定に基づき、その使用量に応じて各市場業者から徴収しており、それらは営業収益として計上しております。
このことから、都が実際に負担する光熱水費の管理費に占める割合は約一六%となっております。
○上田委員 実際は、都は一六%ということで、やっぱり光熱費が大変だというのは、少し前に聞いてそうなので、今のところ光熱費がすごく上がっているので、それはやっぱり事業者の負担が増えているのだなということも確認させていただきました。
会計制度の見直しに伴う退職金引当金の計上をされた年がありました。人口減社会において、大量退職という形でのしかかってきます。
今後の退職金の引当てについては、どのような方針、手順を確保し、積み上げていくのか、財政上においてどれほどの影響があるのか、ご所見をお伺いします。
○高橋財政調整担当部長 退職給付引当金につきましては、地方公営企業会計制度の見直しにより、平成二十六年度決算からその計上が義務化されております。
計上初年度である平成二十六年度決算においては、引当金として必要な総額約二十八億二千万円を一括して計上しており、その後の各年度の決算においては、引当金残高と当該年度末に算定した引当金総額との差額を新たに計上しております。
令和五年度決算における退職給付引当金の残高は約二十八億六千万円であり、今後とも、地方公営企業法の会計基準に基づく適正な退職給付引当金の計上を行ってまいります。
○上田委員 なかなかこれは、絶対にこれはもう触れないところでございますので、退職金の引当金というところで。こちらについても、委員として、また予算もありますので、確認させていただきます。
食肉です。
仲卸の経営状況ですが、経常赤字会社の割合は、売上げ三億円未満の小規模な事業者におきまして、例えば豊洲市場の水産部では五割とその割合が高くなっていて、経営改善を図る観点から、経営の統合、合併による販路拡大や経営基盤の強化が必要と考えております。
食肉部は一六・七%が経常赤字業者、経常利益率が下降した業者は四一・七%に達しております。
と畜数は、大動物は年により変動が大きいものですが、今後、極端な上昇傾向に転ずるとは考え難く、小動物は減少傾向にあります。資料の方にも取り寄せさせていただいております。
地産地消の進展や流通の合理化など、食肉市場を取り巻く環境が変化していく中、今後のと畜事業としての役割について考えるものです。
都は、芝浦と場は、昭和十一年の開設以来、高度成長期以降の食肉需要の増加に呼応し、首都圏の食肉供給基地としての機能を果たしてきました。国内最大の取引規模を持ち、価格形成機能において全国的に指導的役割を果たす食肉市場と相まって、芝浦と場は、都民に対する食肉供給の安定に貢献するなど、極めて公共性の高い役割を持つ一面があります。
政府は地産地消としていますが、今なお芝浦に集約されているのはなぜかということについてはどのような認識に立っていらっしゃるのか、芝浦の存在意義についてと、市場老朽化同様、コスト管理をどうしていくのか、ご所見を伺います。
○石井市場政策担当部長 食肉市場芝浦と場では、大消費地である東京における食肉需要を背景に、全国の産地から牛や豚が集荷されており、都民に対する食肉の供給を支える都内で唯一の市場であるとともに、市場取引を通じて全国の取引価格の基準となる建値を形成するなど重要な役割を果たしております。
老朽化した施設、設備の改修に当たりましては、省エネ効果が高い設備機器を導入するなどコストの圧縮に努めております。
○上田委員 東京に集約することで、地方のブランド豚の付加価値なんかも、多くの方に楽しまれるという側面があることも理解をするものでございます。
政府とはいろいろと、消費税のことでもいろいろと押したり引いたりしていると思いますけれども、この辺につきましても、いい議論を政府と重ねていってもらいたいと思います。
最後に、と場会計令和五年度決算によりますと、都債の決算額は九億九千六百万円でした。都債の適正利用となっているのか、何を財源としなければならないか、何に充当しているのか確認させてください。
○住野管理部長 都債は、年度間の財源調整と後年度負担のバランスを図るという二つの機能を併せ持つ、投資的経費の重要な財源でございます。
使用料や手数料などを歳入予算とすると場会計の財政運営におきましては、と畜解体施設など長期にわたり事業効果が継続する施設の整備事業費に対しまして、都債を適切に充当することで計画的な施設の維持更新などを進めてございます。
○上田委員 投資的経費等に充てられているということでございます。
あとは、資料最後の方で、この市場の株式会社の役員と職員構成なんですが、結構ほかの都の外郭団体は都の出向者が多いんですけれども、食肉はほとんどプロパーで占められているという文化については、しっかりと一丸となって管理をしていただけているのだろうというふうな評価もさせていただきたいと思います。
都債は将来の都民の負担となっていきますので、これからシュリンクを、いいかどうかは別として市場はシュリンクしていってしまうので、改善に向けて不断の努力を要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○かまた委員 それでは、初めに、板橋市場についてお伺いをいたします。
板橋市場は、広域的な物流拠点としての機能強化を進めていくため、業界と都で設置した検討委員会の議論を踏まえて、昨年度、基本構想を策定いたしました。そして今年度は、基本構想を踏まえて基本計画を策定する予定と伺っております。
そこで、基本計画の策定に向けて、広域的な物流拠点としてどのような機能強化を図っていくのか、その具体的な方向性について都の見解をお伺いいたします。
○石井市場政策担当部長 板橋市場の機能強化につきましては、昨年度に策定した基本構想において、品質衛生管理の向上、DX等による物流効率化など六つの機能強化の方向性を整理するとともに、それを実現するための大まかな施設整備案を取りまとめました。
今年度は、基本構想に基づき、施設整備案のさらなる具体化を図ることを内容とする基本計画を策定する予定であり、現在は、施設の詳しい配置や面積、定温化や閉鎖化の必要範囲、整備スケジュール、都と市場業者の役割分担などを検討しております。
検討に当たりましては、市場関係者と都で設置した検討委員会を定期的に開催して意見交換を行うとともに、他都市における先行事例を業界と共に視察するなど、幅広い知見を得るように努めました。
○かまた委員 先ほどの質疑でも、整備スケジュールについて、現在の見込みでは全ての工事が完了するのは令和十五年度となるとの想定であるとのことですので、先を見通した知見を有するため、他都市の先行事例も参考にできるよう視察を行ったとのことです。
特に青果部は、昭和四十七年の開場から五十年以上が経過をしているため、今回のような大規模な施設整備は市場業者にとっても初めての経験でありますので、この視察は有意義であったと思います。
そこで、視察の目的や成果についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 施設整備案の具体化に向けましては、業界におけるニーズや営業戦略等に基づき、売場面積、定温化や閉鎖化の範囲、必要とする設備等を検討していく必要があります。そのため、目指すべき将来像を市場関係者が具体的にイメージできるよう、他都市での市場再整備の先行事例を視察いたしました。
視察先は、業界の要望を踏まえて、施設整備を契機にコールドチェーン対応の強化や動線整理など、板橋市場の機能強化の方向性に合致する取組を実施している福岡県内の三市場を視察いたしました。
視察時に、卸売業者同士、仲卸業者同士など、各業態別で意見交換する機会を設けました。意見交換では、冷蔵設備等の効率的な整備手法や効果的な運用方法及び整備主体、運用主体など、今後の整備に当たって検討が不可欠な点につきまして、具体的な取組例を聴取して、非常に有益な知見を得ることができました。
○かまた委員 各業態別で意見交換を行ったとのことで、今後検討が不可欠な点について直接同業者の方々からお話を伺えたことは、市場業者の方々にとって、主体的に整備するメリットも学べ、視察はとても有意義であったと思います。
また、さらに、市場関係者の中には様々な知見を有している方もいらっしゃいますので、ぜひ、この視察の成果とともに、市場業者の方々との意見交換につきましても、より一層大切に進めていただきたいと思います。
また、今回の再整備に当たっては、地域住民の皆様からさらに支持される市場となりますよう、地域との連携を強化することも必要不可欠であります。
そこで、地域との連携について、検討状況と連携内容についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 板橋市場では、これまでも市場まつりの開催や小学生等の社会科見学の受入れなどにより、地域の皆様と交流を深める取組を行っておりますが、昨年度末に策定した基本構想におきましては、機能強化の方向性の一つとしても、周辺地域とのさらなる共生推進を掲げております。
具体的には、地元区や地域住民等の意見を踏まえながら、災害対策として防災機能の強化や非常時の利用も想定した太陽光発電設備の設置検討などに取り組みますほか、食育や花育の活動スペースの設置などにより、地域との交流、連携をさらに深めることとしております。
今後とも、中央卸売市場が生鮮品等を安定供給する役割に加えまして、卸売市場に対する理解の促進や豊かな食文化の発信などを通じ、地域社会と共生する役割を果たせるよう取り組んでまいります。
○かまた委員 再整備に向けまして、業界との検討委員会が設置をされてから今年度で三年目であり、徐々に計画が具体化していることを感じております。
せっかく多くの時間と予算を費やす事業でありますので、より多くの方々にとってプラスとなる計画となりますよう、今後も業界の皆様や地域の方々の意見をよく聞きながら、しっかりと取組を前進させていってください。
続きまして、淀橋市場拡張整備事業についてお伺いをいたします。
我が党は、かねてより淀橋市場が都心に立地している特性を生かして、新たな都市型市場のモデルとなるよう整備を進めていくことを求めてまいりました。
その淀橋市場は、市場施設の老朽化や場内の狭隘化の課題を抱えているため、現在、DXも活用し、狭隘な敷地を活用することで多様なニーズに対応できるよう拡張整備に取り組んでおり、令和四年度には基本計画と基本設計、令和五年度には実施設計を行ってきたと聞いております。
そこでまず、拡張整備事業について、DXなどの視点も踏まえた今年度の取組についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場拡張整備事業では、昨年度、市場業者との協議を踏まえ、老朽化が進んでいる総合事務所棟の建て替えに向けた実施設計を行いました。
今年度は、実施設計を踏まえて準備工事に着手するとともに、都と市場関係者で構成される会議体におきまして、拡張整備後の施設の運用方法等について協議を進めております。
また、場内物流の効率化を図るため、市場物流イノベーション推進事業により、市場業者が自動立体冷蔵倉庫の整備と荷の自動搬送につながる無人搬送機の導入を進める予定でございまして、都は、その整備等に要する費用の一部を補助することで市場業者の取組を後押ししてまいります。
○かまた委員 業界全体が一丸となって淀橋市場の機能強化に取り組むとともに、都は、補助事業を通じて、市場業者による物流効率化の取組等を後押ししていることが確認できました。
物流効率化やDXは板橋市場の機能強化にも参考になる取組と考えており、将来的に他の市場でも採用できる好事例となりますよう進めていっていただきたいと思います。
続きまして、地域住民との関係という観点から取組を確認させていただきます。
淀橋市場は交通量の多い小滝橋通りに面しており、周辺には住宅が立ち並んでいることから、近隣住民の方が夜間の騒音や渋滞に悩まされているとの声がふだんからあると伺っております。
こうした立地上の特性等を踏まえると、今回のような大規模な施設整備は、周辺地域の日常生活などへの大きな影響が懸念され、特に今年度からは実際に工事が始まることから、地域住民に不安を与えないよう丁寧な説明や配慮が欠かせません。
また、これまで我が党は、施設整備を機に地域との共生に向けての整備を行うよう求めてきており、工事に当たってきめ細かな対応を図るだけでなく、地域住民から淀橋市場がより身近な存在として親しんでもらえるような取組をしっかりと検討していくことが重要であると考えます。
そこで、拡張整備事業に当たっての地域住民への対応と、騒音や工事時間帯など周辺住民から不安に思われかねない課題について、都に寄せられている具体的な声をできるだけ詳細にお答えください。また、地域共生に向けた取組の検討についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 拡張整備事業の実施に当たり、地域住民に本事業を理解いただき、円滑に推進するため、整備概要等について新宿区や地元自治会の代表者等に説明を行うとともに、整備事業に係る資料を近隣住民約千五百世帯に配布し、情報提供に努めました。
また、本年七月には、市場業者と連携し住民説明会を実施いたしました。
出席者からは、騒音、交通渋滞など工事期間中の対策について住民に配慮してもらいたい、夜間には工事をしないでもらいたい、近隣に住んでいるため、まち並みの景観が損なわれないようにしてもらいたいなど生活環境への影響に関する意見等があり、法令等を遵守し、生活に配慮した設計であることを説明するなど丁寧な対応に努めました。
さらに、地域共生に向けた取組といたしまして、地域社会の一員として一層身近な市場となるよう、食育をはじめとした様々な活動を通じて地域住民と交流ができるキッチン設備を備えたエリアを整備することとしており、今後、その活用につきまして市場業者等と検討してまいります。
○かまた委員 地域住民にとって、近隣での大規模工事は安全・安心の面で不安を感じると思いますので、引き続き丁寧な対応に努めていただきたいと思います。
また、淀橋市場は、これまでも市場まつりや場外にある八百屋などの専門小売店と連携した淀橋市場の日などのイベントを通じて、地域に開かれた市場と聞いていますが、今回の整備を契機として、さらに地域との交流も深めていくことを期待しております。
次に、働く環境の改善という観点から取組を確認いたします。
卸売市場は、生鮮品等流通の中間に位置しており、産地、実需者、消費者のニーズに合わせるため、深夜から早朝にかけての業務であるなど、一般的に労働環境が厳しいイメージがあります。
人手不足の問題や働き方改革が叫ばれる近年の情勢において、市場業者が働きやすい環境を整えていくことは開設者としても重要なことであります。
そこで、拡張整備事業において市場業者の労働環境改善も重要と考えますが、都の取組についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 拡張整備事業では、総合事務所棟の建て替えに当たって、今回新たにエレベーターを複数機設置するとともに、市場業者の福利厚生面でも活用できるエリアの確保など、労働環境改善の観点から、現在の総合事務所棟にはなかった設備、機能を強化する検討を行ってきました。
さらには、今後、他市場等で取り組んでいる働き方改革や福利厚生向上に資する先進事例を調査した上で市場業者と共有し、淀橋市場関係者の労働環境改善につながるよう、業界の意見やニーズを踏まえ、施設の活用を検討していきます。
今後とも、生鮮品等流通の持続性確保や取引の活性化を進めていくため、卸売市場で働く方の労働環境を改善し、人材確保や定着につながるよう、施設整備面においても取組を進めてまいります。
○かまた委員 市場業界における働き方改革、人材確保の課題は、直接的には市場業者の経営上の問題ではありますが、食の安定供給を守るという視点で、開設者である都においても、施設整備の機会等を契機に、これまで以上に業界と共に考えていってもらいたいと思います。
都におきましては、引き続き市場業界のニーズを聞きながら、卸売市場全体がさらにその役割を果たしていくようにすることを求めまして、質問を終わります。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○小林委員長 これより港湾局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○戸谷総務部長 去る十月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧ください。表紙をおめくりいただきますと、目次に十五件の資料の件名が記載してございます。
それでは、一ページをご覧ください。臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
臨海副都心開発の基盤整備に係る企業債を転貸債及び建設元利金債の二つに区分いたしまして、平成元年度から令和六年度までの発行額及び償還等の額を百万円単位で記載してございます。
なお、令和四年度までは決算額、令和五年度は決算見込額、令和六年度は予算額でございます。
二ページをご覧ください。臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
有償処分予定地を開発確定面積と今後開発予定面積の二つに分けまして、さらに開発確定面積については処分済み及び処分手続中に区分し、また、今後開発予定面積につきましては公募中及び今後処分予定に区分いたしまして、それぞれの項目について、面積をヘクタール単位で記載してございます。
三ページをご覧ください。建設発生土・しゅんせつ土の埋立処分計画と実績でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年間における計画土量及び実績土量を万立方メートル単位で記載してございます。
四ページをご覧ください。IRに係る委託調査一覧でございます。
平成二十六年度からのIRに係る委託調査につきまして、それぞれ件名、委託金額及び調査項目を記載してございます。
五ページをご覧ください。お台場海浜公園での噴水整備についての検討経過でございます。
令和四年度から令和六年九月までの検討経過につきまして記載してございます。
六ページをご覧ください。葛西海浜公園におけるラムサール条約湿地登録後の保全及び利活用推進等の状況でございます。
葛西海浜公園のラムサール条約湿地登録後の干潟などの保全及び利活用の推進状況、また、関係者との連携状況について記載をしてございます。
七ページをご覧ください。海上公園ビジョンに基づく生物多様性の主な取組でございます。
海上公園ビジョンに基づき実施をしております生物多様性の取組につきまして、主な取組と公園名を記載してございます。
続いて、八ページをご覧ください。東京港におけるクルーズ客船の寄港実績と入出港に係る関係機関の業務でございます。
令和元年から令和五年までの五年間のクルーズ客船の寄港実績及び入出港に係る関係機関の業務につきまして記載してございます。
九ページをご覧ください。過去十年の放置船舶の状況(港湾区域)でございます。
平成二十六年から令和五年までの十年間の港湾区域における放置船舶数を記載してございます。
続いて、一〇ページをご覧ください。臨海副都心における用地の処分等の状況でございます。
臨海副都心の用地について、売却等、長期貸付等、事業用定期借地及びその他未処分地に区分いたしまして、それぞれの面積を記載してございます。
一一ページをご覧ください。東京港における原木の取扱量推移、過去二十年でございます。
平成十六年から令和五年までの二十年間の東京港における原木の取扱量をトン単位で記載してございます。
続いて、一二ページ及び一三ページをご覧ください。調布飛行場周辺における航空機墜落事故に関する都の対応(令和五年度末まで)でございます。
事故が発生した平成二十七年七月から令和五年度末までの都の主な対応経緯につきまして記載をしてございます。
続いて、一四ページをご覧ください。港湾局所管の附属機関の委員報酬額及び開催状況(令和三年度から令和五年度)でございます。
当局所管の附属機関である東京都港湾審議会の令和三年度から令和五年度までの三年間の委員報酬額及び開催状況につきまして記載をしてございます。
一五ページをご覧ください。若洲ゴルフリンクスの利用状況(過去三年分)でございます。
令和三年度から令和五年度までの三年間の若洲ゴルフリンクスの利用人数につきまして、平日と土日祝日別、月別、利用種別にそれぞれ記載をしてございます。
一六ページをご覧ください。政策連携団体・事業協力団体の職員構成(都派遣職員・固有職員・都退職者別)でございます。
令和六年度の当局所管の政策連携団体及び事業協力団体の職員構成につきまして記載をしてございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○小林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅野委員 私の方から、まず、コンテナふ頭について伺いたいと思います。
東京港は、日本全体の約四分の一、東日本の約六割のコンテナ貨物を取り扱う国内最大のコンテナ港であります。首都圏のみならず、日本経済を牽引する重要な国際物流拠点であるといわれています。
一方、世界に目を向けると、欧米やアジアなど海外の主要港は、熾烈な国際競争に打ち勝つため、国民の生活や産業活動を支える重要な社会インフラであるコンテナターミナルに対し、大胆な投資を行っています。
東京港が将来にわたってグローバルサプライチェーンの一角を担い続けるためには、こうした世界の動向に後れを取らないように、コンテナふ頭を抜本的に機能強化していくことが不可欠だと私は思っています。
これまでも我が会派は、コンテナふ頭の新規ふ頭の整備や再編整備などの重要性を指摘し、都に対し、整備を着実に進めていくことを強く要望してきています。
本日は、既存ふ頭の再編整備の直近の取組状況を確認していくとともに、今後の展開について具体的に質問していきたいと思います。
そこで、まず初めに、東京港における直近の外貿コンテナ貨物の取扱状況について伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 東京港における令和五年の外貿コンテナの取扱個数は四百八万TEUでございまして、前年比で七・九%減少しております。
この要因といたしましては、欧米など世界経済の景気悪化や国内消費の減退などが影響しているものと分析しております。
一方、直近の令和六年上半期の外貿コンテナの取扱個数は、速報値ではございますが、二百二万TEUで、対前年比で〇・二%増とほぼ横ばいとなっております。
なお、本年四月以降、各月の外貿コンテナの取扱個数につきましては、前年比で五か月連続増加しているところでございます。
○菅野委員 外貿コンテナ貨物の取扱量が、足元では回復基調であるという答弁でありましたけれども、現場では、貨物量の回復に伴って、東京港の、これまでもありました、長年の課題でもありますターミナル周辺の混雑、これが再び悪化しつつあるとも聞いています。
これまでの経済・港湾委員会において何度も議論になっていますが、そもそも東京港の施設能力は、実際の取扱貨物量と比較しても不足している、そして今後も貨物量の増加が見込まれる中では、東京港の施設能力を高めることで抜本的な機能強化を図っていくことが必要不可欠であります。
都は現在、中央防波堤外側地区において新たなコンテナふ頭Y3の整備を進めていますが、改めてY3の整備効果について伺います。
○佐藤港湾整備部長 中央防波堤外側コンテナふ頭Y3は、大型コンテナ船にも対応できる水深十六メートル、延長四百メートルの岸壁と、奥行き五百メートルのコンテナヤードを備えた高規格ターミナルでございます。
東京港における現在のコンテナ取扱貨物量の約一割に相当する年間約四十五万TEUの施設能力を有しており、Y3の完成により、東京港の施設能力を大幅に底上げすることができることになります。
都は、令和九年度の事業完了を目指し、国と連携して着実に整備を進めてまいります。
○菅野委員 東京港取扱全体の一割ということで、Y3の整備は、施設能力を向上させる上で大きな効果があることが確認できます。
都においては、引き続き国と連携して、令和九年度の完成に向けて全力を挙げて取り組んでもらいたいと思います。
さて、海外の主要港とは異なって、都心に近く狭隘な東京港においては、新規ふ頭の整備だけでは能力の向上に限界があります。
既存ふ頭の再編整備を着実に進めていかなければならないわけでありますが、既存ふ頭の再編整備を進める上でどのような課題があるか、改めて伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 東京港のコンテナターミナルにおきましては、施設能力を超える貨物が取り扱われており、慢性的にスペースが不足していることから、大規模な工事を実施するための種地を確保することが困難な状況でございます。
また、国際サプライチェーンの中で重要な役割を果たしているターミナルは、原則として二十四時間三百六十五日稼働しておりまして、工事の実施に当たりましては、その営業を止めずに進めていく必要がございます。
こうした課題に対応するため、再編整備に当たりましては、新規に整備したふ頭に一部の貨物を移転させることで工事用の種地を確保いたしまして、物流に影響を及ぼさないよう段階的にリニューアル工事等を進めてまいります。
具体的には、青海ふ頭につきましては、中央防波堤外側コンテナふ頭Y2を工事用の種地として整備を進めており、また、大井ふ頭につきましては、Y3を種地として活用する方向で関係者と検討を進めております。
○菅野委員 常に稼働している既存のコンテナターミナルの再編整備に当たっては、物流に影響を与えないように施工手順を工夫しながら整備を進めるということは、まあ確認できます。
次に、各ふ頭における再編整備の直近の取組状況について、さらに掘り下げてお聞きしたいと思います。
まずは、現在着手している青海公共コンテナふ頭における再編整備の概要について伺います。
○野平港湾経営部長 都は、青海ふ頭の貨物取扱機能の強化などを図るため、昨年度から青海公共コンテナふ頭の再編整備を進めております。
具体的には、一部借受者の移転により確保した跡地を活用することで、コンテナヤードを約四割拡張し、三十四・二ヘクタールにするとともに、岸壁を三百メートル延伸し、増加するアジア航路のコンテナ船に対応可能な総延長千百七十メートルの岸壁を確保いたします。
また、荷役機械につきましては、現在十九基ございます旧型の機械を更新し、遠隔操作が可能な最先端の機械を二十六基導入いたします。
こうした取組により、増加する貨物量に対応し、効率的なターミナル運営を実現してまいります。
○菅野委員 ヤードの大幅な拡張や最先端の荷役機械の導入など、ターミナルを大規模にリニューアルすることによって機能強化を図っていくという整備概要は確認できました。
それでは、次に、青海公共コンテナふ頭の再編整備の取組状況について伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 青海公共コンテナふ頭の再編整備に当たりましては、ターミナル関係事業者と調整した結果、工事エリアを分割した上で、四期に分けて段階的に工事を進めていくことといたしました。
現在、第一期工事として、一部借受け者の移転により確保した旧青海三号ターミナル跡地におきまして、コンテナヤードのリニューアル工事を進めているところでございます。
令和七年度には第一期工事が完了いたしまして、当該エリアにおきまして、遠隔操作荷役機械の運用を開始する予定でございます。その後、第二期から第四期まで順次工事を進め、令和十一年度を目途に青海公共コンテナふ頭全体の再編整備を完了させる予定でございます。
○菅野委員 青海についても、ターミナル関係事業者とも調整をしながら、着実に進めているということが確認できました。
青海公共コンテナふ頭は、東南アジアや中国などのアジア貨物を多く取り扱っていて、東京港の主力ターミナルの一つであります。引き続き、工事を予定どおり進めていただいて、しっかりと機能強化を図っていただきたいと思います。お願いいたします。
一方、東京港の主力ふ頭である大井コンテナふ頭の再編整備については、東京港の命運を左右する最重要課題であるといっても過言じゃないと思います。
先般、都は、大井ふ頭の借受け者との間で再編整備について合意を行っていると思いますが、大井コンテナふ頭の再編整備に向けた現在の取組状況をお伺いしたいと思います。
○野平港湾経営部長 東京港の国際競争力を一層強化していくためには、欧州、北米向けなどの基幹航路が就航し、東京港のコンテナふ頭の約半数を取り扱う大井コンテナふ頭の再編整備を進めていくことが重要でございます。
このため、都は、本年三月東京港埠頭株式会社及びターミナル借受け者との間で、大井コンテナふ頭の再編整備の必要について認識を共有し、その実施に向け、具体的な検討を進めていくことについて合意いたしました。
現在は、DX、GXを推進し最先端のふ頭へとリニューアルする方向で、関係者との間で再編整備の内容等について検討を進めているところでございます。
なお、スケジュールにつきましては、今後、借受け者との協議等により決定いたしますが、現時点におきましては、令和九年度末の中央防波堤外側コンテナふ頭Y3の整備完了後、大井ふ頭の一部貨物を移転させた上で、令和十年度中に再編整備を着手することを見込んでおります。
○菅野委員 それでは、都には引き続き、そうした借受け者との協議や調整に精力的に取り組んでいただいて、一刻も早く大井ふ頭のリニューアルに着手していただきたいと思います。
一方で、将来にわたり増加する貨物量に対応し、効率的な運営を確保していくためには、コンテナ貨物を蔵置する、置いておくスペースの拡充が不可欠になると考えます。また、既存ふ頭において、DX、GXを推進していく上では、デジタル化や脱炭素化に関連する設備等の導入もするための十分なスペースを確保していくことも必要となります。
先日、都から、大井コンテナふ頭に隣接する大井水産ふ頭にある冷蔵倉庫群の移転について発表がありました。大井水産ふ頭は約九ヘクタールの広大な面積を有しており、移転後の跡地については、コンテナターミナルの拡張も視野に検討を進めることが必要じゃないかと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 都は、本年八月、大井コンテナふ頭の南側に位置する大井水産ふ頭の冷蔵倉庫群の移転に向けまして、運営事業者である東京水産ターミナル株式会社との間で、移転先となる都有地の貸付契約を締結いたしました。
今後、移転先の都有地におきまして、東京水産ターミナルが令和九年中を目途に新たな倉庫を建設し、現在の倉庫群を移転させる予定でございます。移転跡地の約九ヘクタールの用地につきましては、大井ふ頭の再編整備の具体化を図る中で、コンテナふ頭の機能強化に資する用途で活用する方向で関係者と検討を進めてまいります。
○菅野委員 水産ふ頭の移転跡地をコンテナふ頭の機能強化に活用するというような重要なご答弁をいただきました。今後、しっかりと関係者と検討を進めてほしいと思います。
大井ふ頭のターミナルは、国内外の最新のコンテナターミナルと比較すると、奥行きが狭くて、効率化を阻害する要因となっていると聞いています。都には、大井コンテナターミナルの背後地への拡張についても視野に入れて検討を進めていただきたいと思います。
大井ふ頭の再編整備は、東京港の将来を左右する重要な課題であります。欧米やアジアなど海外の主要港に匹敵するような、最新鋭のコンテナターミナルを構築していく上では、様々な関係者との複雑な調整が必要となることが予想されます。
多くの関係者が一丸となって取組を進めることができるよう、都が東京港のコンテナふ頭の将来像を明確に示していきながら、先頭に立って再編整備をしっかりと進めていただきたい、このことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、クルーズ客船に関して伺いたいと思います。
クルーズ客船事業でございますが、コロナ禍で停止した日本における国際クルーズ客船の受入れが令和五年三月に再開されてから、東京国際クルーズふ頭では、早速、日本に発着する中で最大級となる全長約三百十五メートルのクルーズ客船や、日本人になじみの深い「クイーン・エリザベス号」の寄港の様子が報道されるなど、クルーズ客船の東京港への寄港が盛り上がりを見せていると思います。
また、日本政府観光局によれば、令和六年八月の訪日者数は二百九十万人を超えて、七か月連続で各月の最高が更新されるなど、日本への関心は高まっている環境にあり、こうした流れから、外国人観光客を乗せた大型クルーズ客船の東京港への寄港ニーズも一層大きくなっていくものと思われます。
こうした状況を踏まえて、今日は、東京港におけるクルーズ客船事業について、改めて確認したいと思います。
まず、東京国際クルーズふ頭におけるクルーズ客船の直近の寄港実績と来年の予約状況を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 令和五年三月に日本における国際クルーズが再開されましてから、令和五年十二月までの十か月間におけるクルーズ客船の寄港実績は、コロナ禍前を上回る四十九回となりました。
また、令和六年の寄港実績につきましては、九月末時点で既に令和五年を上回る五十回となっており、今後の寄港予約の状況を踏まえますと、年間で七十回程度となる見込みでございます。
なお、九月末時点における令和七年の予約数でございますが、百回を超えており、さらに増加する見込みとなっております。
○菅野委員 令和五年三月の国際クルーズの再開以降、東京国際クルーズふ頭への寄港実績や予約数というのは年々伸びている、そして、東京港へのクルーズ客船寄港ニーズが高まっているという状況がよく分かりました。
寄港ニーズの高まりは歓迎すべきものでありますが、一方、海外のクルーズ船社を中心に、寄港ニーズは春と秋に集中する傾向があると聞いています。
現在、東京国際クルーズふ頭の一バースしかない東京港においては、年々高まっている寄港ニーズに十分に対応できるのかという心配もあります。
そこで伺いたいと思います。東京港への寄港を希望しながら受け入れることができなかったケースがあるでしょうか、あるとすればどのくらいあるのか、昨年の実績を伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港は、様々な観光地や国際空港へのアクセスのよさなどから、クルーズ客船の寄港地としての魅力は高く、今後も寄港ニーズは増加傾向が続くものと認識しております。
現在、東京港は、東京国際クルーズふ頭の一バースのみで対応しているため、特に人気の高い春と秋には寄港希望日が重複し、受け入れられないケースも増えてきております。
令和五年につきましては、四十九回の寄港実績がございましたが、一方で、寄港を受け入れられなかった事例も五十件生じているところでございます。
○菅野委員 今の答弁によれば、令和五年には、寄港実績とほぼ同数の寄港ニーズに対応できなかったということであります。結果としては、寄港ニーズの半分しか酌み取れなかったなということになります。
今後も東京港へのクルーズ客船の寄港ニーズが増えていくことを考えると、受け入れられないケースも比例して増加することになります。このことは、すなわち東京を訪れたいと考えるクルーズ利用客が、東京のよさを知ってもらう機会を何度も何度も失っていることになります。
現在、都では、もともとクルーズ客船を受け入れていた晴海ふ頭での客船受入れ再開に向けて準備していると聞いていますが、東京港への寄港ニーズの増加に応えていくためにも、晴海ふ頭での受入れを一日も早く開始すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、現在、クルーズ客船の寄港ニーズの増加に応えていくため、晴海ふ頭での客船受入れ再開に向けた施設整備を進めております。
可能な限り早期に開業するため、客船の受入れに必要な部分を先行して整備するなどの工夫を行った結果、来年六月から客船の受入れが可能となりました。
これにより、東京港では、東京国際クルーズふ頭と晴海ふ頭の二バースでクルーズ客船の受入れが可能となることから、両ふ頭を活用し、東京港への寄港ニーズの増加に適切に対応してまいります。
○菅野委員 東京港への寄港ニーズの急増に対応するために、晴海ふ頭における施設の整備工程を工夫して、早期に客船の受入れを再開するということは大いに評価したいと思います。
また、都では、より多くのクルーズ客船を受け入れていくための方策として、客船の予約制度の見直しにも着手していると聞いています。そこで、今回、都が予約制度の見直しを行う狙いは何か伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港で、より多くのクルーズ客船を受け入れるためには、東京国際クルーズふ頭と晴海ふ頭の二バースを効率的に運用していくことが重要でございます。
現行の予約制度は、他の主要港と同様、受付を先着順としており、船会社は予約日数の制限などを受けることなく申込みを行うことが可能でありまして、また、予約のキャンセルにつきましても、いつでも可能な仕組みとなっております。
この仕組みは、船会社にとっては、クルーズ商品の企画段階であっても予約できるメリットがある一方で、予約がキャンセルとなるケースが散見され、当該日の寄港を希望していた他のクルーズ客船が、結果的に寄港できないという弊害も生じております。
このため、東京港におきましては、クルーズ客船の寄港ニーズが高まる中、晴海ふ頭における客船受入れ再開を契機といたしまして、寄港ニーズを最大限取り込み、より効率的に運用できるよう、予約制度の見直しを進めているところでございます。
予約制度の詳細につきましては、今後、内容が固まり次第公表させていただきます。
○菅野委員 ぜひ、東京港への寄港を希望しているクルーズ客船を一隻でも多く受け入れられるように、ぜひ予約制度の再構築、本当にうまく効果が出るような方法を考えていただきたいなと思います。
ただ一点、そこで指摘したいのは、晴海ふ頭においてクルーズ客船の受入れを再開したとしても、もともといわれているレインボーブリッジを通過することができない大型客船の受入れと、これは、最近は大きな船が増えていますので、依然として、東京国際クルーズふ頭の一バースのみで対応するという状況は変わっていません。大型客船の寄港ニーズが重複した場合、どちらか一方の要望を断らざるを得ないという状況は続くことになります。
このため、今後、首都東京の玄関口である東京港へ、より多くのクルーズ客船を誘致し、東京の経済や観光を活性化していくためにも、複数の大型クルーズ客船を同時に受け入れることが可能となるよう、東京国際クルーズふ頭を二バース化することが必要不可欠であると考えます。早期に整備を進めていくことが重要であると思いますので、このことを強く要望し、質問を終わります。
○内山委員 本日も長丁場の質疑が予定されておりますので、私からはできるだけ端的に、大きく二点、質問をさせていただければというように思っています。
まず一点目が、先日、都が公表しましたODAIBAファウンテンについてお伺いをしたいと思います。
お台場海浜公園は、都心にありながら、海辺での散策や美しい景観が楽しめる非常に人気の高い公園であります。そのお台場海浜公園内において、都は、世界最大級の噴水、ODAIBAファウンテンを整備する方針を公表いたしました。各メディアやSNSでも大変話題となっておりまして、大変注目されているプロジェクトでございます。
そこで、なぜお台場海浜公園なのか、また、なぜ噴水を整備するのか、今後の見通しなどと併せて細かく確認をしていきたいというように思います。
先日の本会議では、お台場海浜公園の噴水について、多くの事業者や団体等からの要望を踏まえて都が整備を行うとの説明がありました。都は、具体的にどのような要望を受け噴水を整備することとしたのか、都が受けた具体的な要望内容と、お台場海浜公園に噴水を整備するに至った経緯や、また、その意義について伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 臨海副都心におきましては、新型コロナウイルス感染症が流行して以降、来訪者数の減少やテレワークの普及によるオフィス需要の変動など社会経済活動の変化により、地域の活力が低下しておりました。東京二〇二〇大会の終了や商業施設の閉館、営業終了による影響もにぎわいの低迷に拍車をかけておりました。
一方、臨海副都心の事業者や団体等で構成される東京臨海副都心まちづくり協議会からは、にぎわいのあるまちづくりの推進につきまして、様々な地域資源を生かしたまちの活性化をより一層推進し、さらなる発展につなげていくための取組を進めることなどにつきまして、重ねて要望を受けてまいりました。
また、臨海副都心へ来訪される方々からも、楽しめる施設を増やしてほしい、音楽やライトアップを活用したイベントを実施してほしいなどの意見をいただいております。
こうした状況を受けまして、港湾局では、にぎわい創出につながる起爆剤となる事業として、海上公園に噴水を設置するという案の検討を進めてまいりました。
○内山委員 ありがとうございます。コロナウイルスが流行して以降、こういった臨海副都心を取り巻く状況は非常に厳しいというのは聞いておりまして、特に、商業施設をはじめエンターテインメント施設が立ち並ぶ台場地区においては、その影響というのは計り知れないものであったんじゃないかなというふうに思います。
そのような社会経済状況を踏まえた上で、地域にとって起爆剤となり得る新たな事業の検討を進めてきたという答弁、ご説明をお伺いしました。
一方、にぎわい創出につながる起爆剤がなぜ噴水なのかという、こういった疑問の声も一方であるのも事実であります。にぎわい創出の起爆剤としてなぜ噴水を選択したのか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 インバウンドなど新たな来訪者を呼び込むためには、水辺などの自然環境と都会的な景観とが調和した臨海副都心の魅力にさらに磨きをかけることが重要でございます。
噴水は、水辺との親和性が高く、景観の魅力をさらに高めるものであることに加え、音楽とライトアップにより様々な演出が可能であるなど、エンターテインメント性にも優れております。このため、新たなランドマークとして噴水を整備することについて検討を進めてまいりました。
検討の結果、世界最大級というインパクトと東京ならではのデザインという観点から、高さ百五十メーターの噴水と東京都の花であるソメイヨシノをモチーフとした横幅二百五十メーターの噴水とを組み合わせて整備することといたしました。
○内山委員 ありがとうございます。高さ百五十メートルというと、海面からレインボーブリッジの上までというふうに本当に大きな噴水ということで、ランドマークとしてなり得るポテンシャルはあるんではないかなというふうに思います。
一方で、この噴水を整備する場所として、なぜお台場海浜公園を選んだのかも併せて伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 お台場海浜公園は、臨海副都心の中でも多くの人々が訪れる人気のある場所であり、砂浜を含む魅力的な水辺と東京タワーやレインボーブリッジなどの都心部を対岸に臨む景観とが調和し、昼も夜も楽しめる東京を代表する観光資源の一つとなっております。
都はこれまでも、この公園の魅力を生かした様々なイベントを実施しており、特に令和四年度には、仮設の噴水を設置してウオータースクリーンに映像を投影するイベント、TOKYO SPARKLE PAGEANTを開催し、期間中に三万四千人の参加を得て成功を収めたことは、この公園の集客力を改めて確認する機会となりました。
こうしたことから、お台場海浜公園の水辺や景観を最大限に活用し、魅力をさらに高めていくことが、臨海副都心を国内外にアピールするために最適であると判断いたしました。
○内山委員 ありがとうございます。バックにレインボーブリッジがあり、東京タワーがありということで、まさにロケーションとしてはかなりいいんではないかなというふうにも確かに思います。
お台場海浜公園では、今、答弁もあったように、様々なこれまでイベントも実施されており、メディアでの取上げも多くて、エンターテインメントの場として活用できるポテンシャルが高いというのは納得できるところかなと思います。
一方で、この噴水を整備することが公表された際は、お台場海浜公園の水域に世界最大級の噴水を整備するとしてイメージ動画も公開されましたが、噴水そのものの具体的な整備内容については示されていませんでした。
そこで、今回整備することとした噴水の概要について、現時点での検討状況についてお伺いをしたいと思います。
○若林臨海開発部長 お台場海浜公園内に整備する噴水は、高さ百五十メーターの噴水と東京都の花であるソメイヨシノをモチーフとした横幅二百五十メーターの噴水とを組み合わせた世界最大級のものでございます。
噴水の設置場所につきましては、令和四年度に実施した噴水イベントを参考に、集客動線や視認性、周囲への影響等を考慮し、公園内の西側とすることを予定しております。
噴水の仕組みにつきましては、水面に設置する浮き桟橋の上にノズルを設置し、ポンプで海水をくみ上げて噴射することを予定しております。
運用につきましては、一日のうちに複数回、時間を区切って噴水ショーを行い、LEDの光と音楽に加え、可動式ノズルによる水の動きも組み合わせた効果的な演出を行うことを想定しております。
現在は、全体的な機器類の整備等につきまして、実施設計において検討を進めているところでございます。
○内山委員 ありがとうございます。噴水の整備、全体のイメージについては理解ができました。
一方で、現在は、まだ、実施設計を行っている段階ということでありますが、噴水の整備費用については厳しく精査をしていかなくてはならないんではないかというふうに思っています。
先日の本会議におきましても、噴水の整備費は、埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用するという答弁がありまして、都民の税金は一切使いませんという、なかなかこれ、都民にとっては特別会計ってなじみもありませんし、イメージしづらい部分、どういう本当に仕組みになっているのかと理解しにくい部分はかなりあったんではないかなというふうに、私も聞いていて思いました。
一方、噴水が整備されることによって、お台場をはじめとする臨海副都心や周辺エリアに、多くの皆様を集客することができれば、整備費用を上回る大きな経済効果を見込むこともできるんではないかというふうに思っての今回の整備だと思います。
改めて、噴水の整備費を支出する臨海地域開発事業会計の仕組みを伺うとともに、あわせて、噴水整備によって見込まれる経済効果について現時点でどう考えているのか、想定があれば伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 臨海地域開発事業会計は、臨海地域における埋立地の造成、整備及び開発に係る事業を区分経理するための特別会計でありまして、独立採算を基本としております。
会計の基本的な仕組みでございますが、企業債の発行により調達した資金を原資としまして、埋立工事や都市基盤整備を進め、価値が向上した土地を民間事業者等へ売却、貸付けを行うことにより、今後の開発に必要な収入を生み出すという仕組みになってございます。
噴水の整備及び運用に伴う経済効果につきましては、現在行っている実施設計等において精査をしているところでございますが、噴水の整備費以上の経済効果を生み出せると見込んでおります。
噴水が新たなランドマークとして数多くの来訪者を迎え、より高い経済効果を生み出すことによって、臨海副都心の持続的な発展を実現してまいります。
○内山委員 ありがとうございます。一般会計がここで噴水の整備のために組み込まれるというものではなくて、臨海副都心の中での会計の中で行われるということでありました。
となると、やっぱり私は大事だなと思うのは、何か絵に描いた餅のような経済効果ではなくて、ちゃんとしっかりとした、ここで噴水ができることによってにぎわいが創出されて、かつ、何よりもこの臨海副都心、また、この周辺の皆さんが、この噴水ができたことによって、かかった費用、今後、出てくると思うんですけど、それよりも大きな経済効果が出ているんだよということを実感できるというのが、極めて私は大きなポイントだと思います。そこは、ぜひ、絵に描いた餅でこうなんです、こうなんですということではなくて、しっかりと地域の人が納得いく、実感できる、そういったものにしてもらいたいなというふうに思っています。ここはシビアに、ぜひ効果測定してもらいたいなというふうに思っています。
この整備費についても、特に関心の高い事柄であると思いますので、可能な限り早く都民の皆さんが理解しやすい形で公表してもらえればというように思います。
一方で、この噴水が地域のランドマークとして多くの方々に愛されるものになるには、運用面での様々な工夫というのも必要かなというふうに思います。そこで、噴水の運用について、現時点でどのように考えているのか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 この噴水は、より多くの方に楽しんでいただくため、一日のうち複数回のショーを実施する予定でございます。
また、光と音楽による多彩な演出が可能であり、何度でも見に訪れたくなるような工夫を行ってまいります。例えば、時間帯や季節によって異なるプログラムを実施することなども検討しております。
運用方法や演出、活用等につきましては、今後、幅広い年齢層の、また、国内外の多くの方々を引きつけられますよう、検討を行ってまいります。(発言する者あり)
○内山委員 ありがとうございます。今、やじというか、不規則発言でもあったように、例えば、ディズニーランドの多分エレクトリカルパレードとか水上ショーをイメージされているのかもしれませんけど、現段階では、これに対して、いいですねとも、けしからぬともなかなかいうことはできないのかなというふうに思っているんです。
というのは、やっぱり大事なポイントは、私、二つあると思っていて、一つは先ほど申し上げたように、経済効果が本当に上がるのか、地域のにぎわいに本当に資するものであるのか、また、地域のランドマークになっていくのかということがやっぱり大事なんだと思います。
もう一つは、そのためには、先ほど出ていたように、例えばディズニーランドには、エレクトリカルパレードとか、水上ショーだとか、ああいったものを見たくて、お金を払って皆さんが見に行って、一回見たからまあいいやじゃなくて、何度も何度も足を運ぶわけですよね。私も、娘たちが見たいって、何度あの列、場所取りしたか分からないぐらい行くわけです。
そういった中では、やっぱり費用をしっかりと厳選するということも大事ながら、一方で、それで一回見て、ああこんなもんかというものをつくるよりは、やっぱりちゃんとしたものをつくっていくということが大事なんだなと、その両にらみなんだなというふうに思っています。
今回の、本日の質疑を通じて、噴水整備に至った考え方やこれまでのプロセス、また、今後の現時点で見えている見通しというのは理解することができました。この噴水が臨海副都心の新たなランドマークになって、まちのプレゼンス向上につながっていくことを期待していきたいというように思います。
次に、臨海副都心の脱炭素化について伺いたいというように思います。
臨海副都心は、地域熱供給の導入や豊かな緑空間の創出など、開発当初から都が主体となって環境に配慮したまちづくりを進めてきたエリアであります。今後も持続可能な都市東京を先導するまちとして、二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指し、脱炭素化を力強く進めていくことが重要だと思います。
先般、都はまちの事業者と一体となって臨海副都心の脱炭素化を促進するために、エリア内の事業者で構成されている東京臨海副都心まちづくり協議会と共に、臨海副都心カーボンニュートラル戦略を策定いたしました。
そこで、まず、本戦略の策定経緯と目的、意義について伺いたいと思います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 臨海副都心においては、オフィスビルや商業施設などの業務部門がCO2排出量の約九割を占めることから、これらの施設を所有する進出事業者の取組を促進することが重要でございます。
このため、都は、令和五年九月に進出事業者で構成される臨海副都心まちづくり協議会と共に検討会を立ち上げ、計五回の検討会での議論を経て、本年九月に臨海副都心カーボンニュートラル戦略を策定いたしました。
本戦略では、脱炭素化と調和した社会経済の実現によるまちの魅力向上を理念として、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップを描いており、本戦略の取組を通じて、臨海副都心の脱炭素化を強力に推進してまいります。
○内山委員 ありがとうございます。進出事業者と都の協働により本戦略を策定したということは、脱炭素化の大きな推進力となるものであり、積極的な取組を評価したいと思います。
一方、戦略は具体的な実践を伴うことが何より重要だと思います。そこで、今後、実効性を高めていくために、どのように脱炭素化の取組を進めていくのか伺いたいと思います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 臨海副都心の脱炭素化に向けまして、本戦略では、省エネルギーの促進、再生可能エネルギーの導入、水素の利活用などを掲げており、具体的には、まちのCO2排出量の見える化や次世代型ソーラーセルの検証、地域熱供給における水素混焼ボイラーの実装などに取り組んでまいります。
こうした取組を着実に進め、実効性を高めていくには、PDCAサイクルを確立することが重要でございます。具体的には、今後、臨海副都心まちづくり協議会の中に設置している環境対策を担うプロジェクトチームなどの会議体を活用しまして、進出事業者等の先進的な取組やCO2排出削減量を定期的に把握し共有を図ることにより、有効な取組をまち全体へと波及させてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。都には、引き続き、各事業者の取組状況について確認し、効果を検証する役割を担うなど、臨海副都心の脱炭素化に向けてリーダーシップを発揮してもらいたいと思います。
次に、具体的な取組として、まず、水素の利活用について質問したいと思います。
都は、水素エネルギーの利用拡大に力を入れて取り組んでいるところでありますが、臨海副都心カーボンニュートラル戦略によれば、令和五年度より、都は、研究機関、民間事業者との共同研究を開始し、地域熱供給への水素混焼ボイラーの実装に向けた技術開発に取り組んでいるとのことであります。
そこで、地域熱供給への水素混焼ボイラーの実装について、現在の取組状況と今後の見通しを伺いたいと思います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 都は、昨年度から、青海地区の熱供給プラントにおきまして、国の研究機関や民間事業者と共に、グリーン水素を活用した全国初となる地域熱供給への水素混焼ボイラーの導入に向けた共同研究を進めております。
現在、共同研究の参画者との調整を重ねながら、水素混焼ボイラー本体の工場での製作や熱供給プラントにおける給水ポンプ及び換気ダクトなどの増強工事を進めており、今年度内に水素混焼ボイラーの設置が完了する予定でございます。
その後、ボイラーの運転を開始し、水素供給速度や供給圧力を変えるなど、様々な条件下における混焼時のデータ分析を行うことで運用改善を重ね、安全かつ安定的な運転の実現につなげてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。全国初となる地域熱供給への水素混焼ボイラーの実装が着実に進捗していることが確認をできました。引き続き、関係者と協力しながら、共同研究を進めてもらいたいと思います。
水素利活用につきましては、このほかにも、共同溝を活用した域内水素供給の技術開発が計画の中にも取り上げられております。そこで、共同溝を活用した域内水素供給の技術開発について、取組の概要を伺いたいと思います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 本事業は、臨海副都心エリア内における水素の利用拡大に向けまして、共同溝を活用した水素配管の技術開発に取り組むものでございます。
地中に埋設された一般的な配管に水素を流す場合には、水素漏えいの早期発見のため、都市ガスと同様に原則として臭いをつける必要がございます。一方、水素と酸素で発電する燃料電池を活用する際には、臭いの成分が不純物となるため、これを脱臭する必要がございます。
こうした課題に対応しまして、臭いをつけることなく安全に水素供給を行うことができるよう、都は、令和五年度から、国の研究機関及び民間事業者と共に、臨海副都心水素配管技術検討会を立ち上げ、光ファイバーによる漏えい検知システム等を備えた新たな水素配管技術の検討を進めております。
今年度は、この新技術を活用した水素配管を臨海副都心の共同溝に敷設して、安全性を検証するため、不燃性のヘリウムを用いた実証実験を行うこととしております。
○内山委員 水素の利活用について、共同溝など臨海副都心ならではの特徴を生かした先進的な取組を都が率先して展開していることが確認できました。研究機関や民間企業とも技術的課題を乗り越え、水素社会実現の先端を切り開いていただきたいと思います。
一方、カーボンハーフに向けて、目標の二〇三〇年が目前に迫る中、再生可能エネルギーの導入をこれまで以上に推進していくことも重要な課題であると思います。
都が積極的に技術開発を後押ししている次世代型ソーラーセルは、オフィスビルや商業施設が立ち並ぶ臨海副都心において活用のポテンシャルが高く、臨海副都心カーボンニュートラル戦略においても、次世代型ソーラーセルの検証を進めるとされております。
そこで、次世代型ソーラーセルの検証の概要と今後の進め方について伺いたいと思います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 都は、軽く、薄く、曲がる次世代型ソーラーセルの特徴を生かし、オフィスビル内などで活用することを見据え、民間事業者と共に、LED照明などでの発電効果を検証する事業を本年八月より開始しております。
具体的には、テレコムセンタービルに隣接する都有地の建屋内に、世界最高水準の発電効率を有する次世代型ソーラーセルを設置し、室内環境等における発電の継続性や耐久性を確認しております。
検証期間は令和八年度末までを予定しており、この間、設置場所や室内の照度など条件を変えながら有効性を検証することにより、次世代型ソーラーセルの技術開発を後押ししてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。国内企業の技術のレベルアップに寄与する取組として、臨海副都心で先駆的な脱炭素化の取組を進めている点を高く評価したいと思います。戦略の策定を一つの節目として、今後、臨海副都心の脱炭素化を大きく進展させ、まちのブランド力のさらなる向上につなげていただきたいと思います。
大きく二点、質問、確認をさせていただきました。港湾局の皆さんは、まさに、私は、未来をつくる仕事をしているんじゃないかなというふうに思っています。
応援しています。頑張ってください。
以上です。
○かまた委員 それでは、初めに、東京港における気候変動対策についてお伺いをいたします。
東京の沿岸部は、防潮堤や水門などにより守られており、水門の内側の運河部については、内部護岸と排水機場で水位の上昇を防いでおります。
しかしながら、海面水位が上昇すれば、現在の防潮堤の高さでは不足するおそれがあるとともに、降雨量が増大すると、水門閉鎖時における運河の内側の水位が現在よりも短時間で上昇することになりますので、都は、令和五年三月に海岸保全施設整備計画を策定し、防潮堤のかさ上げや排水機場の機能強化に取り組んでいくこととしております。
そこで、まず、お伺いをします。都は、東京港における気候変動による海面水位の上昇や降雨量の増大をどのように想定し、それにどう対応していくのか、改めて確認をさせてください。
○佐藤港湾整備部長 IPCCの報告によりますと、将来気温が二度上昇した場合、二一〇〇年には平均海面水位が現在より最大約〇・六メートル上昇すると予測されております。
このため、都は、今後徐々に高くなっていく海面の水位と現在の防潮堤の高さとを比較した上で、高さが不足する地区から順次かさ上げを実施することとしてございまして、十年間で江東地区や港南地区等の約二十四キロにおいて整備を進めてまいります。
また、降雨量につきましては、国の報告によりますと、同じく将来気温が二度上昇した場合、一・一倍に増大すると予測されております。この影響により、水門を閉鎖した際には、運河内の水量が現在よりも大幅に増加し、排水機場の施設能力が不足することが見込まれております。
このため、江東地区と芝浦地区に一か所ずつある排水機場を増設することといたしまして、江東地区では現在の約一・三倍、芝浦地区では約一・六倍の排水能力を確保してまいります。
○かまた委員 かさ上げにつきましては、昨年度、測量や設計に着手をしたとのことでありますので、引き続き、計画的に進めていただきたいと思います。
また、排水機場については、昨年度、芝浦排水機場の増設に向けた基本設計を実施したとのことであります。芝浦排水機場の増設後の排水能力は具体的にどうなるのか、また、現在の取組状況についてお伺いをいたします。
○佐藤港湾整備部長 芝浦排水機場につきましては、現在、一秒当たり四十四立方メートルの排水能力を有しておりますが、これを一秒当たり六十九立方メートルへと増強させてまいります。これは、学校の標準的な二十五メートルプールを約三秒で空にすることができる排水能力でございます。
排水能力を増強するためには、大型のポンプを三台増設する必要がございますが、既存、既設の芝浦排水機場には十分なスペースがないことから、隣接する用地に新たに排水機場を整備することといたしました。
施設の整備に当たりましては、まず、整備予定地の周囲に仮締切りと呼ばれる囲いを設置し、その内部の海水を抜く必要があるため、現在は、この仮締切りの設計を進めているところでございます。
○かまた委員 大変大規模な施設であり、相当な費用と時間がかかると思いますが、都民の安全・安心のため重要な事業でありますので、着実に進めていただきたいと思います。
続きまして、防災船着場についてお伺いをいたします。
地震が発生した際、東京においては、海や運河は船舶を活用した水上輸送ルートとしての機能を果たすことが期待をされています。そのため、応急対策活動の要となる防災船着場について、我が党はこれまでも、整備推進を要望してまいりました。
そこで、防災船着場の整備の考え方と現在の整備状況についてお伺いをします。
○佐藤港湾整備部長 防災船着場は、災害発生時において、船舶による疾病者の輸送や医療、緊急物資の輸送など、東京港における水上輸送の拠点となる施設でございます。
平成二十八年に策定した東京港防災船着場整備計画におきましては、内陸への連絡ルートが少ない埋立地や、災害拠点病院などの近接地等に三十八か所の防災船着場を配置することとしてございまして、このうち三十六か所が整備済みとなっております。
残る二か所のうち、大田区羽田空港一丁目の船着場につきましては、羽田旭町地区のまちづくりと併せて都が整備することとしてございまして、今年度より工事に着手いたしました。
大田区昭和島二丁目の船着場につきましては、地元の大田区におきまして検討が進められてございます。
○かまた委員 整備が着実に進んでいることが確認できましたが、これらの防災船着場を実際の災害時に機能させるためには、地元区等ともしっかりと連携をし、非常時に適切に運用できるようにしておくことが重要であります。
そのためには、実際に起こり得る災害を想定し、都や区がどのように連絡調整を行い、どのような手順で物資や帰宅困難者を輸送するのか、実践的な訓練により、あらかじめ点検、確認しておくことが必要であると考えます。
そこで、防災船着場を使用した防災訓練について、災害時を見据え、どのように取り組んでいるのかお伺いします。
○佐藤港湾整備部長 都では、災害時に防災船着場を有効に機能させるため、毎年異なる船着場を組み合わせながら、区や船舶事業者と連携した水上輸送訓練を行っております。
具体的には、発災後の連絡体制の確認を行うため、地域防災計画に定められた役割分担に基づき、区からの要請を受けた都が、船着場や船舶の確保を行う訓練を実施してございます。
また、実際に船舶事業者の船を航行させ、医療物資等の積卸しや帰宅困難者の乗降を行うことで、防災船着場の利用が円滑に行えるかについて検証してございます。
今後も訓練がより効果的なものとなりますよう、内容の見直し等を行いながら、引き続き、区や船舶事業者等と連携して実施し、災害対応力の強化を図ってまいります。
○かまた委員 実践的で有意義な訓練だと思います。
そこで、さらに災害時に防災船着場をしっかりと機能させるためには、車椅子を利用する方等、様々な利用者を想定した訓練を実施することも必要ではないかと思います。引き続き、防災船着場の整備を推進するとともに、今後も発災時を想定した防災訓練を継続的に実施していただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、東京港におけるブルーカーボンの取組についてお伺いをします。
ブルーカーボンとは、大気中のCO2が光合成により海藻に取り込まれ、CO2を有機物として隔離、貯留するものであり、大気中のCO2濃度を減少させ、気候変動を緩和する手段として期待をされております。また、アマモなどの海草が生息する藻場は海の揺り籠と呼ばれ、水生生物のすみかとして機能するなど、生物多様性にも寄与するものであります。
都議会公明党は以前から、藻場が光合成によってCO2を吸収するブルーカーボンの取組の重要性を主張してまいりました。これを受けて、都は、東京港において、アマモやワカメの移植実験に取り組んできたと認識しております。
そこで、まず、東京港における藻場創出に関するこれまでの取組についてお伺いをします。
○佐藤港湾整備部長 アマモやワカメなどの藻場を東京港につくり出していくことは、脱炭素社会の実現や豊かな海域環境の創出に向けて有効な取組の一つでございます。
東京港は、船舶の往来が多いことから、藻場の移植実験箇所として航行の妨げとならない場所を選定し、東京湾内の在来種でもあるアマモとワカメを対象として、有識者の意見もいただきながら移植を実施してまいりました。
令和四年度には、水質等の調査を行った上で、アマモにつきましては湾内に自生している株を、ワカメにつきましては採取した種を移植し、東京港における生育状況の確認を行っております。
令和五年度は、前年度の実験結果も踏まえ、移植箇所を拡大するとともに、アマモの種からの発芽可能性につきまして検証を行ったところでございます。
○かまた委員 船舶の往来が多い東京港では、藻場を創出できる場所が限られますが、ブルーカーボンの機能に着目し、二年にわたり、株や種など複数の移植方法を試したとのことで、東京港での生育状況も一定程度確認ができたのではないかと思います。
そこで、これまで、東京港に移植を進める中で明らかとなった成果と課題についてお伺いをします。
○佐藤港湾整備部長 ワカメにつきましては順調に生育し、新たなワカメが発芽する再生産のサイクルが確認できてございます。アマモにつきましては、冬の時期に順調に生育することが確認できたものの、夏の時期には、降水量によるダメージや濁りにより光合成が阻害されることで、ほとんどが枯れてしまうことが分かりました。
また、アマモは、東京港においても種から発芽することを確認できた一方、遺伝子攪乱防止の観点から、種の採取場所が湾内に限定されることや、採取元の藻場の生育状況によりましては、入手できる種の量に限界があることが明らかとなったところでございます。さらに、カモやクロダイによる食害があることや、移植面積の拡大には多くの人手が必要となることも課題であると認識してございます。
○かまた委員 ブルーカーボンに関する国の資料では、アマモのCO2吸収量はワカメの約二十倍とされており、高い注目を集めております。また、魚など生物のすみかという観点でも評価をされ、日本各地の浅場でその移植が進められております。
東京港は厳しい生育環境にあることは承知をしておりますが、できる限りアマモによる藻場の拡大に取り組んでいくことが重要と考えますが、都の対応についてお伺いをします。
○佐藤港湾整備部長 今後、アマモによる藻場を拡大するため、光合成を行いやすい可能な限り透明度が高い箇所を選定するとともに、アマモの成長に適した水深において浅場を造成し、生育場所を確保してまいります。
また、限られた種を効果的に活用するため、より確実に発芽させる方法といたしまして、シートに種を付着させた上で海底に設置する方法を採用し、広い範囲での移植を進めてまいります。
食害対策につきましては、これまでの実験により、カモやクロダイが嫌がる成分を含む忌避テープの有効性が確認できましたことから、今後の移植の際には設置してまいります。
○かまた委員 ブルーカーボンの取組を首都東京において進めていくことは大きな影響力がありますし、より多くの都民にこの取組を知ってもらうことで、環境意識の向上にもつなげていけるのではないかと考えております。
また、近年、環境活動を通じて社会貢献を行いたいと考える企業も多く、社員やその家族にも移植活動に参加してもらえれば、環境について考える場を提供することにもなります。
そこで、東京港で藻場創出活動を進めるに当たりまして、都民や民間企業等が広く参加できる方法で実施していくべきと考えますが、都の見解をお伺いします。
○佐藤港湾整備部長 都民や民間企業の参加を得ながら藻場の創出を推進し、参加者の環境意識の向上につなげていくことは重要でございます。
このため、都は、藻場創出の対象箇所として、都民にとって親しみやすく、アクセス性にも優れた海上公園等を選定するとともに、今後は、藻場創出活動をイベント形式で実施してまいります。
具体的には、シートに種を付着させる作業を行う種まきイベントや、アマモや周囲に集まる生物の観察会などを実施してまいります。
こうした都民や企業参加型の活動につきましては、今後策定いたします藻場の整備や活動方針に関する方針にも反映させ、引き続き、藻場創出に着実に取り組んでまいります。
○かまた委員 ぜひ多くの都民に参加してもらえるイベントとなりますよう工夫をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、海上公園についてお伺いをします。
海上公園は、都民が海や自然と触れ合い、スポーツやレクリエーションを気軽に楽しむことができる場であり、都民の貴重な財産であります。また、東京二〇二〇大会において、海上公園は競技会場として使用され、お台場海浜公園ではトライアスロン、大井ふ頭中央海浜公園ではホッケーなどが開催されました。
本日は、品川区と大田区にまたがる大井ふ頭中央海浜公園に焦点を当てて質問をさせていただきます。
大井ふ頭中央海浜公園は、都民の憩いの場であることはもとより、国際大会が開催可能なホッケー場をはじめ、野球場やテニスコート、陸上競技場を有する臨海部のスポーツ拠点であります。特に、陸上競技場は海上公園で唯一の施設であり、区や各陸上競技団体が主催する大会をはじめ、高校生、大学生の練習会なども盛んに行われていると伺っております。
そこで、改めて、この陸上競技場の特徴と昨年度の利用日数、利用人数の実績についてお伺いをします。
○若林臨海開発部長 大井ふ頭中央海浜公園の陸上競技場は昭和五十三年に開設いたしました。平成十一年には、日本陸上競技連盟から公認競技会が実施できる第三種公認陸上競技場として認定された施設でございます。また、学校行事や個人での利用も可能な施設として、多くの方々に親しまれております。
本競技場の令和五年度の利用実績につきましては、利用日数が百三十六日、利用人数は三万四千六百二十七人でございました。
なお、令和六年度は、これは九月までの上半期の集計でございますが、利用日数が六十二日、利用人数は一万九千四百九十八人でございます。
○かまた委員 本競技場は、公認競技会だけではなく幅広く利用されており、多くの方々に親しまれている施設であります。
一方で、開設から四十年以上が経過をしているため、様々な部分で不具合が生じているとも聞いていますが、利用ニーズの高い競技場であり、安全で快適に競技を行える環境を維持していくことが必要であります。
そこで、安全かつ快適に競技を行う環境を利用者に提供するため、適切に修繕や改修などを行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○若林臨海開発部長 本競技場は、平成十一年の第三種公認陸上競技場認定以降、その要件を満たすことができるよう指定管理者により日常的な管理と補修を適切に行い、良好な施設環境の維持に努めてまいりました。
しかし、経年劣化によりトラック部分に膨れ上がりが頻発するなど補修箇所が年々増加している状況にあることから、令和七年度から抜本的な改修に着手をいたします。
具体的には、トラック表面のウレタン舗装を張り替えるだけではなく、基礎部分に当たるアスファルト部から打ち替えを行うなどの改修工事を行い、公認陸上競技場としての機能を維持してまいります。
○かまた委員 良好な競技環境を維持するため、抜本的な改修を行うとのことであり、着実に取り組んでいただきたいと思います。
一方で、本競技場については、来年開催をされます東京二〇二五世界陸上の練習会場として位置づけられているとも伺っております。
先ほどの答弁のとおり、この陸上競技場は利用ニーズの高い施設であるため、改修工事を実施する期間と世界陸上で使用される期間は施設を休止せざるを得なくなることから、休止する際は利用者へ丁寧にお知らせする必要があります。
そこで、改修工事を実施していくに当たり、利用者への対応についてお伺いをいたします。
○若林臨海開発部長 本競技場におきましては、先ほどご答弁いたしました令和七年四月からトラックの改修工事を実施いたします。その後、九月に開催されます東京二〇二五世界陸上におきましては、練習会場として使用される予定でございます。
このため、長期にわたり一般利用を休止せざるを得ないことから、利用者の方々には、休止期間等についてあらかじめ丁寧に周知をいたします。
具体的には、指定管理者と連携し、公園内の掲示やホームページでお知らせをするほか、定期的に利用されている競技団体の皆様には個別に連絡を行うなど、適切に対応してまいります。
○かまた委員 指定管理者などとしっかり連携をして丁寧に周知を図っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、繰り返しになりますが、大井ふ頭中央海浜公園の陸上競技場は、公認競技会が開催できる貴重な施設であり、都民の利用ニーズも高い競技場です。常に良好な競技環境を整えるため、日常の適切な管理に加え、改修工事を着実に行うことを要望しまして、質問を終わります。
○白石委員 日本共産党の白石です。
事務事業質疑を行います。
まず初めに、東京港コンテナふ頭で働く--労働環境改善について質問をしたいというふうに思います。
我が党はこれまでも、港湾労働者の環境改善について、質問や提案をしてまいりました。
小池知事や都は、東京港のコンテナの取扱いを増やしていくとの発言や計画がありますが、現状の労働環境が改善しない下で、これ以上取扱いを増やすことに懸念を感じている方も大勢いると思います。この間、私も港湾労働者の方々からお話を伺ってまいりました。そこで、今日はその声を受けて質問したいというふうに思います。
トラックドライバーや港湾労働者から、コンテナふ頭の道路などに、例えば、わだちや陥没している箇所があり、早急に直してほしいとの要望が出ております。
まず初めに、都の認識と対応を伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 都は、トラックドライバーや港湾労働者の方々から道路等の補修について要望を受けております。東京港の円滑な港湾物流を確保するためには、ふ頭のみならず、周辺の道路等の維持補修を適切に行うことは必要と認識しております。
このため、当局が管理するコンテナふ頭周辺の道路等につきましては、日常の巡回や点検などを行い、発見した不具合等については適宜必要な対応を行っております。
また、こうした緊急補修を除き、今年度は既に六件の臨港道路の補修工事を実施しておりまして、今後さらに三件を実施する予定としております。
○白石委員 道路の補修や維持管理は、安全を確保する上で重要だというふうに思います。そのために、現場のドライバーや港湾労働者から要望も出されております。緊急補修以外でも今年度六件行い、さらに三件行うという答弁でした。
それでは、道路の陥没などについては、都は定期的な点検、また、日常の道路巡回を行って、緊急性の高いものはその場で安全確保して補修を実施すると、このようにしておりますが、コンテナを積んだトレーラーなどが頻繁に行き来する道路において、定期的な点検、道路巡回はどのぐらいの頻度で行われているのでしょうか。
○野平港湾経営部長 都は、東京港内における道路を一日三回巡回し、道路に損傷や劣化がないかなどにつきまして確認をしております。また、五年に一度、路面の不具合を調査する専用車等を活用し、詳細な調査を実施しております。
○白石委員 先日、十月十五日に港湾労働者でつくる労働組合、全港湾東京支部が都に対して要望をいたしました。そこでも、道路にはみ出す、例えば草木の剪定ですとか、それから、除草、道路の陥没について対策を求めております。全港湾の訴えでは、毎年こうした対策はいわないとやってくれないというふうに述べ、憤りや港湾局への不信感を抱いている方も実際いらっしゃいます。
先日の交渉の際も、定期的な点検や日常の道路巡回を行うとの答弁が、そのやり取りの中でもあったようですが、やはり交渉の後、草刈りが始まったというふうなことで、これは交渉してやってくれたということは大事だと思うんですね。また、陥没の方はまだ始まっていないというふうに、聞きましたらおっしゃっておりました。
昨年度と今年度の補修について、緊急に行ったものも含めて、実績、伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 日常の道路巡回などにより発見し、緊急補修を行った件数は、令和五年度は二百七十三件、令和六年度は、上半期の実績となりますが百八十三件でございます。
○白石委員 実際に緊急補修も日常的に行われているということですね。しかし、港湾労働者の方が、都はいわないとやってくれないとの思いがあるのも一方で事実です。
先ほど今年度の実績が答弁されましたが、まだまだ手がついていない箇所もあるというふうに思います。ドライバーにとっては命に関わる問題だからこそ、皆さんの都の対応を注視しているというのが状況だというふうに思います。
そこでお聞きしたいと思いますが、道路の陥没などがあると、軽いシャシーや軽い空バンなど、トレーラーヘッドで走ると事故の危険性が高くて死亡事故の起因となるということも結構いわれるんですが、そういう認識あるでしょうか。
○野平港湾経営部長 道路の陥没などの不具合につきましては、車両の安全かつ円滑な走行に支障が生じる場合もございます。
○白石委員 支障があると、そういう認識ですね。車両の安全かつ円滑な走行に支障があると認識、そういう答弁でした。ここはドライバーの方の認識と一致するというふうに思います。
しかし、理事者の皆さんもそうかと思いますし、私もそうですけど、大型トレーラーの運転はしたことありませんから、実際にどれぐらい危険かは、やっぱりドライバーの方がより強く実感しているというふうに思います。なので、私たちよりもさらにドライバーさんの方が、少しの陥没であったりとかそういうときの危険性というのはやっぱり実感もしているし、だからこそ東京都に対してもより強い要望になってきているというふうに思います。
やはり、都がドライバーや港湾労働者とよく話し合って、互いに認識を共有して、信頼関係を深めていくということが、前提としては一番重要だと思います。
道路の補修ですから、時間を要すると、タイムラグがあるということも分かりますし、優先度もあるということもそれは私も認識をしております。その際もいろいろ声が出た場合はしっかり受け止めて、やっぱりきちんと説明をしながら、信頼関係も深めながら、港湾労働者であったりとかトラックドライバーさんと一緒になって、道路の安全というのも守っていくというのが大事だというふうに思います。
また、こちらも十五日の交渉の際に出ていたことなんですが、港湾労働者から、品川ふ頭の道路の白線、ありますね。この白線がほとんど消えているとの訴えがありました。雨天時や夜間はほとんど見えないということです。危険性が指摘されているということで、一刻も早い修繕が必要というふうに思いますが、いかがでしょうか。
○野平港湾経営部長 当局が管理しております品川ふ頭周辺の主要道路である品川一号線につきましては、平成二十八年度及び令和二年度にそれぞれ路面舗装の補修に合わせ、白線の引き直しを行い、鮮明な状態を保っております。
一方で、主要道路に接続する品川一一号線から一六号線につきましては、一部不鮮明な場所がございまして、今年度中に必要な対応を実施することとしております。
○白石委員 認識があったように、一一号から一六号まで、鮮明、不鮮明なところがあるよというところで、今年度中に必要な対応を実施していくとということですね。今年度中に必要な対応を実施するというのは重要だと思います。実際に現場で働いている方からの訴えを今後もしっかりと受け止めて対応していただきたいというふうに思います。
また、ぜひここにいる皆さんも適宜現場に赴いて、状況の確認、労働者からの聞き取りなども行うようにお願いをしたいというふうに思います。
次に、トイレの問題です。
長時間トイレに行けない、不衛生なトイレを使用せざるを得ないなどの状況は、健康にも関わる問題であると、そういうふうに思いますけれども、都はどう認識しているか伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 トイレの設置など、東京港で働く方々が快適で働きやすい環境を提供することは重要であると認識しております。
○白石委員 これもトラックドライバーの方からお話を伺いました。都心では、トレーラーを止められるコンビニや公園、でかいですからありません。待機場にはトイレがあるけれども、それまで長時間トイレを我慢しなければならないという状況とのことです。また、待機場から荷物を受け取るゲートまでも長時間並ぶことも少なくないということですね。二、三時間、長いときは五時間も並ぶというふうな状況です。
近年、女性ドライバーも増えてきていますが、実際、おむつをはいていると、こういう方もいらっしゃいます。
先ほどの道路の危険性と問題の根っこは同じなんですけれども、やはり長時間待たなくてはいけない、渋滞を解消することがそれぞれの問題の改善にもつながりますが、トイレの問題は生理現象であり、本当に待ったなしだということだと思います。健康問題でもあり、一人一人の尊厳の問題にもなります。
そこで伺いたいと思いますが、東京港において二十四時間利用可能な男女別のトイレについて、ふ頭ごとに数を示していただきたいと思います。また、推移も伺いたい。
○野平港湾経営部長 東京港内でふ頭が運営されている時間帯に主にトラックドライバーの方が利用する都有施設等に設置されている男女別トイレは、大井ふ頭では八か所、若洲ふ頭では二か所、有明ふ頭では四か所、青海ふ頭では二か所にございます。
なお、前回調査した令和四年度と比較いたしますと、大井ふ頭におきましては二か所増加しております。
○白石委員 トイレの数が増えることは重要だと思います。
労働安全衛生規則や事務所衛生基準規則によると、職場のトイレは、男性用と女性用のトイレを設けた上で、同時に働く労働者数によって一定の個数を確保することが定められております。この規定はオフィスのものであり、トラックドライバーなどは数には入りませんが、やはり労働者の数が増えると、その分、当たり前ですけどトイレが必要になるということです。引き続き、必要な数の確保を行うことを求めておきたいと思います。
次に、仮設トイレは和式で不便との声もトラックドライバーさんからも受けております。やっぱり洋式にすべきだと思いますが、いかがかと。また、和式と洋式の数、それぞれ伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 都有施設等に設置されております十六か所のトイレには三十二基の便器がございまして、そのうち二十八基が洋式で四基が和式でございます。
トイレの形状につきましては、施設を更新する際などに利用者の意見や現場の実情等を踏まえ、検討を行うこととしております。
○白石委員 利用者の意見や現場の実情などを踏まえ検討ということでしたね。
女性トイレや衛生施設の整備計画は港湾局として策定をされているのか伺いたいと思います。
○野平港湾経営部長 都は、港湾事業に関連する業界団体と共に、港で働く人々にとって快適で働きやすい環境を確保するよう努めております。
今後とも、女性トイレを含め衛生施設の整備につきましても、港湾事業関係者やトラックドライバーの皆様方のご意見や現場の実情等を踏まえながら、適時適切に対応してまいります。
○白石委員 現場の港湾事業者やトラックドライバーの方から意見を聞きながら、実情を踏まえて適切にやっていくんだというふうな答弁、大事だと思います。しっかりと今後も対応していただきたいということを求めておきたいと思います。
これまで述べてきましたけれども、トラックドライバーなど港湾労働者の労働環境は、依然まだまだ厳しいという状況です。全日本トラック協会が発刊している「日本のトラック輸送産業現状と課題二〇二四」では、トラック輸送産業の概況として、トラック運送事業を含む自動車運送事業は、中高年層の男性労働力に強く依存していると。令和五年においては、四十歳未満の若い就業者数は全体の二四・九%であると。一方で、四十歳以上五十歳未満が二五・四%、五十歳以上が四九・七%を占めるなど、高齢化が年々やっぱり進んでおるというふうに記しております。
これも全港湾の方から聞いたんですが、コンテナのトラックドライバーは今、その労働環境から若者に選ばれない、そういう職種になっちゃっているというのもおっしゃっておりました。
二〇二四年問題もあり、労働者不足は深刻であるというのは多分共通の認識だと思います。港湾労働者は、都民の生活を支える大事なエッセンシャルワーカーでもあると。こうした皆さんのために、都がしっかりと労働環境の改善を行うことが重要であると。今後とも港湾労働者の声をしっかりと受け止めて、快適で働きやすい環境をつくっていくよう求めたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。
次に、お台場海浜公園の世界最大級の噴水について質問をいたします。
これまでも、例えば都庁などに映像を映すプロジェクションマッピング、二年間で四十八億円もの税金をつぎ込む。この問題では、多くの都民から批判が上がりました。ところが、小池知事は、反省しないばかりか、今度はお台場海浜公園に高さ百五十メーター、横幅二百五十メーター、世界最大規模の噴水、ODAIBAファウンテンを来年度末、つくることを突然発表いたしました。
しかし、整備費用は精査中、経済効果があると先ほどもいっていましたけれども、いうんだけれども、それも算出中と、明らかになっていないと、大変お粗末な説明が繰り返されていると思います。
そもそもコロナや物価高騰が都民生活を直撃していると。その下で、世界最大級の噴水をお台場海浜公園につくると決めたのは一体いつなのか、また、その必要性や有効性の根拠はどこにあるのか、これを明らかにしていかなければならないと思うんですね。これまで全然、一度も説明されたことありませんから、やっぱりこの質疑でちゃんと明らかにしていきたいと。
伺います。二〇二二年十二月にお台場海浜公園に噴水を設置するとした方針を港湾局で決定した日付はいつか、誰がどのように説明し、方針を決定したのは誰か、また、新たなランドマークとして噴水が必要だとした具体的な根拠を示していただきたいと思います。
○若林臨海開発部長 東京港の新たなランドマークとして噴水を設置する方針につきましては、令和四年十二月二十六日、臨海開発部から局長をはじめとする局幹部に対して説明を行い、了承をされました。令和四年度のTOKYO SPARKLE PAGEANTが好評であったことも受けまして、にぎわい創出につながるシンボリックな存在として噴水を設置することといたしました。
○白石委員 噴水設置の方針、今、決定したのは二〇二二年十二月の二十六日だという答弁でした。この方針を決定したタイミングというのは、どういうタイミングだったかなと。新型コロナ感染の死亡者が過去最多となった第八波の真っただ中だったんですね。感染法上はもちろん二類と位置づけられていました。東京都を見るとどうかと。二〇二二年十二月二十二日、新型コロナの感染拡大を受けて、医療提供体制の警戒レベルが最も深刻なレベルに引き上げられていた。そういう最中に方針が決定をされたということですね。客観的な事実です。
この緊急事態のときに、港湾局はいかに人を集めるかという議論を行って、お台場海浜公園に噴水を設置する方針を決定したということですね。都民の命よりもにぎわいを重視したといわれても仕方ないと思います。
先ほどの答弁で、新たなランドマークとなる(発言する者あり)何かあるんだったらはっきりいって--噴水をつくることの必要性の根拠について、東京五輪一周年記念企画として行った噴水イベント、TOKYO SPARKLE PAGEANTが好評だったと。だから、要するに常設の噴水をつくるんだと、こういう説明、答弁をされました。
そこで伺います。このイベントの噴水は、どのぐらいの高さと幅で、費用は幾らかかったのか、また、委託先はどこか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 東京二〇二〇大会の一周年記念事業として、令和四年度にお台場海浜公園において噴水イベント、TOKYO SPARKLE PAGEANTを開催いたしました。設置した噴水につきましては、最大高さ三十メートル、横幅八十メートルの規模でありまして、要した費用は約三億四千万円でございました。なお、運営の受託者は株式会社レイでございます。
○白石委員 実は、この噴水イベントは、二〇二二年十月から十二月の金、土、日、祝日に開催されました。イベントが終了したのが十二月の二十五日ですね。その翌日、十二月二十六日にお台場海浜公園に噴水を設置するとした方針を局が決定したと。非常に不可解だなと思いますね。
お台場海浜公園に常設の噴水を整備する必要性や有効性の根拠として、先ほど、TOKYO SPARKLE PAGEANTを挙げるのであれば、少なくともイベントを開催したことによりどういう効果があったのかとか、イベントを見た人たちにアンケート調査を行って声を聞くとか、多少なりともあると思うんです。でも、終わったのが二十五日、翌日に決まっちゃっているわけですね。好評だったからと。いやいやいや、ちょっと待ってくれとなると思うんですね。これ、参加者にSPARKLE PAGEANTのアンケート調査とか、そういうことはやったんでしょうか。
○若林臨海開発部長 SPARKLE PAGEANTに関しまして、期間中にアンケート等は実施しておりません。なお、期間中には、来場者、約三万四千人の多くの方々にご観覧をいただきました。
○白石委員 三万四千人という数字は出ましたけれども、そういうアンケートとか、具体的にやっていないわけですね。まともに検証したという形跡、どこにもないわけですよ。だって、二十五日に終わって、次の日に決まっているんですから。だけど、このSPARKLE PAGEANTが、一つの常設の噴水をつくるといったときには、これが根拠なんだというふうなことなんですね。全く理解できません。
ただ好評だったからの一言で、常設の噴水をつくることが決められたということなんですね。初めから常設の噴水をお台場海浜公園につくることありきで進められた疑念というのは拭えないと思います。いや、はっきりというんだったら、しっかりと、少なくとも根拠を、こういうふうな資料があってとか、こういうことをやって、こういう検証があって、だからこうなんだというんだったらいいんですけれども、まだね。そういうことは全くないと。
新たなランドマーク、シンボリックな常設の噴水をつくるとなれば、知事への説明や了承を得なければならないというふうにも思うんですね。そこで伺いたいと思いますが、お台場に噴水を設置することを知事に説明したのはいつなのか、また、噴水のデザインや規模について相談したのはいつでしょうか。
○若林臨海開発部長 噴水の設置につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、令和四年十二月二十六日に港湾局として方針を決めておりまして、その後、知事に対して港湾局長から報告を行いました。
また、噴水のデザイン案、これにつきましては、令和五年の十二月に局として方針を決めておりまして、こちらについても、その後、知事に対して局長から報告を行ったものでございます。
○白石委員 私の質問は、いつしたんですかということなんですね。具体的にお答えください。
○若林臨海開発部長 噴水を設置することにつきまして、港湾局として方針を固めました。その後、港湾局長から知事に対して報告を行ったという段取りでございます。具体的な日付といたしましては、令和五年の一月四日ということで聞いております。
○白石委員 それ、デザイン案の説明をしたのが一月四日というふうなことでよろしいですか。令和五年の一月四日に--じゃあもう一回、ごめんなさい。
○若林臨海開発部長 噴水を設置すること、このことにつきまして、港湾局内で令和四年十二月二十六日に方針を決定いたしました。その後、令和五年一月四日、年が明けた一月四日に、噴水を設置することにつきまして、局長から知事へ報告を行ったと、このように聞いております。
○白石委員 デザイン案については、十二月一日に港湾局としては方針を決めたと。その後、知事に報告したと。これはいつですか。
○若林臨海開発部長 噴水のデザイン案につきましては、令和五年十二月の一日に局として方針を決めております。こちらについても、その後、知事に対して局長から報告を行いました。(白石委員「いつですか」と呼ぶ)なお、日付といたしましては、これは令和五年の十二月十五日ということで聞いております。
○白石委員 ありがとうございます。事前にも教えてほしかったなと思います。知事に対して局長から報告しているということなんですね。
局長に伺いたいと思います。知事に相談や報告をしたこのときに、知事からの意見がつけられたということはありましたか。局長が答えられるでしょう。
○若林臨海開発部長 先ほどご答弁申し上げました噴水を設置すること、噴水のデザイン案、いずれの際におきましても、知事からは報告内容については了承であるということであったと聞いております。
○白石委員 要するに、意見なく了承したということですね。
コロナ第八波の真っただ中で方針が決定されたと。知事として何の意見もいわず、都民や都議会の意見を例えば聞くべきだとか、そういうふうなことも全くなく、そのまま進めるということを知事がお墨つきを与えて計画が進んでいったと、これがいきさつだということですね。
じゃあ、次に、どのようにして世界最大級の噴水を実施することとなったのかについて伺っていきたいと思います。
方針が決定された後、どのような規模の噴水にするか、どういうデザインの噴水にするか検討するために、海上公園における水景施設の整備に係る検討委託を行っておりますね。この検討委託は二〇二三年の十一月二十二日に完了したと、このようにしております。ちなみに資料要求で出ておりますので、見ていただければと思います。
この検討委託、まず、基本的なことを伺いたいと思いますが、この委託費は、いつ、どのように、幾ら計上されたんでしょうか。
○若林臨海開発部長 先ほどご答弁しましたけれども、噴水を設置する方針、これにつきましては、令和四年の十二月二十六日に局で決定をいたしました。その後、噴水の検討委託に要する経費三千万円、これを追加で予算要求を行いました。
○白石委員 追加で三千万円予算要求をしたと。局要求の発表って、十一月の初旬ですから、そのときには入っていなかったと。方針が決定した後に追加で予算を要求したということですね。
続いて伺います。いつ、どのような事業者に委託したのか、委託内容はどのような内容だったのか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 水景施設の整備に係る検討委託につきましては、二件行っております。いずれも水景施設を専門とする企業に対して行いました。
具体的な日付を述べますと、令和五年九月二十七日から株式会社ドゥサイエンスに、また、令和五年十一月十五日から株式会社ウォーターデザインという企業に対して委託を行ったものでございます。
○白石委員 今、答弁があったように、噴水専門の企業である二社に委託したということですね。
委託内容について答弁されていないので、委託内容はどういう内容だったんですか、ご説明いただきたいと思います。
○若林臨海開発部長 失礼いたしました。
検討委託につきましては、噴水施設の配置や電気設備の規模などを検討いたしまして、噴水施設案を作成するということを内容としておりました。
○白石委員 委託は、噴水の、例えば規模や形状、それから演出とかデザインとか、そういうものを、ノウハウを持った噴水専門業者に依頼してアイデアを出してもらったと、そういうことですね。この委託調査は、噴水のデザイン案を提案してもらうために行ったものですね。噴水の規模やかかる費用についてもこのデザイン案の中には示されたのか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 二件行いました検討委託におきましては、噴水施設案、これを作成する際、概算工事費や維持管理に係る経費、これについても検討するということを求めております。
○白石委員 さらに続いて聞いちゃいます。
委託した事業者からは、幾つの提案が出されたんでしょうか。
○若林臨海開発部長 この二件の検討委託におきましては、それぞれ噴水施設案、これを三案作成することを求めておりまして、二件で合計六案が提出をされました。
○白石委員 今、答弁あったとおり、六つのデザイン案が提案をされたということですね。現在発表されている世界最大級の噴水は、この六つの案の中から選んだということでしょうか。
○若林臨海開発部長 検討委託におきまして提出された噴水施設案、これを基にしまして、局として噴水のデザインの案、これを決定したものでございます。
○白石委員 実に分かりにくい答弁だと。現在の高さ百五十メーター、幅二百五十メーターの世界最大級の噴水のデザインは、この六つの提案の中にあったということでよろしいですか。イエスかノーでいいです。どうぞ。
○若林臨海開発部長 九月に整備を発表いたしましたODAIBAファウンテン、イメージ動画も発表いたしましたけれども、あの絵そのものではなくて、噴水施設案、提案されたものの中から、それを要素といたしまして、局として噴水のデザイン案について決定したものでございます。
○白石委員 要するに、デザイン案があったんですよ。それをチョイスして今に至ったと。そこの至る経過の中では、最初のところからいろんなちょっと変更はあるけれども、そもそも基はこの六つの案から選びましたという答弁ですね。
だとするとですよ、これ、令和五年、だから二〇二三年、昨年の十一月の段階で世界最大級の噴水であること、それから、先ほども委託では入っていたと。整備費とか維持管理費もどのくらいかかるのかというのも大体つかんでいたということなんですね。
伺いたいと思います。世界最大級の噴水に係る費用は、検討委託で示されたこの費用というのは幾らでしょうか、教えていただきたいと。
○若林臨海開発部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、検討委託の中では、噴水施設案というものを提出をしていただいております。この検討する際には、整備費、維持管理費についても併せて検討することとしておりますけれども、いずれも採用された案ではないということで、これは受託者の競争上または事業運営上の地位が損なわれるおそれがありますので、お示しすることは適切ではないと認識をしております。
○白石委員 質問をよく聞いていただきたいと。六つの中で、今の原案、現行の案、現行の計画の基になっているもの、それは選んだものですから。だから、その六つの中の選んだ案ではどうなっていたんですかと。それ以外を答えてくださいなんて一言もいっておりません。選んだもの、これの整備費用とかはいえるでしょう。選んでいないものはいえないんだという答弁でしたね。選んだものはいえるということなんです。お答えください。
○若林臨海開発部長 九月に発表いたしましたODAIBAファウンテン、これの絵そのものについては、検討委託において提出された噴水施設案の中にはございません。
○白石委員 今出ている完成形は、要するに六つの案がまずベースになったんですよね。六つの案からの一つの案がベースになったというふうな理解でよろしいですか。お答えください。
○若林臨海開発部長 検討委託の中で出されました噴水施設案、これを基にいたしまして、局として噴水のデザインの案について決定し、先般、ODAIBAファウンテンとして発表したものでございます。
○白石委員 つまり、そういうことなんですよ。六案の中で、この百五十メーター、二百五十メーターの世界最大級のものがあり、これを局として、これだねって。それを基にして、だんだん、いろいろブラッシュアップをしながら今に至っていますと、そういうことだというふうなことだと思います。
だったら、その選んだものは費用とかも出ているわけですから、本来はいえるでしょうというふうに思うんですね。(発言する者あり)いや、説明したというのは--説明されたんですよ。その六案の中からの一案を選んだんだから、それはいえるでしょうということなんですね。はい、どうぞ。
○若林臨海開発部長 施設案で出された案、六つあります。例えば甲案、乙案、あるいは甲案でつくっております、乙案でつくっておりますということではなくて、六つの案、出されたものを基にアレンジをしておりますので、金額は異なる、デザインとしても完全な同一性はないということを認識しておりますので、成案になっていないものについてはお示しすることはできないということでご答弁を申し上げたものでございます。
○白石委員 そうしたらね、三千万円かけて委託をやったわけですよ。六つの中からまず基の案を一つ選んで、それをブラッシュアップする中で今のになりましたと。今とその基の案というのはちょっと違いますねと。だからいえないんですって、ただ単純にそんなことをいっているだけなんですよ。本当にとんでもないと。
そもそも三千万円の委託費をかけて六つの案をやったと。じゃあこの世界最大級の百五十メーター、二百五十メーターが何で選ばれたのかということを、私たちは検証もしなきゃいけないし、点検もしなければいけないというふうに、本来そう思うんですね。だけれども、今の話だと、六つの案は全ていえないんですと。じゃあこの六つの案で何があったのかというのを私たちは分からないと。出てきた百五十メーターと二百五十メーターの世界最大級のもの、この出てきたものでしか分かりませんと。
何で百五十メーター、二百五十メーター、世界最大級の噴水をデザイン案の中で選んだのかと。選んだ理由を教えてください。
○若林臨海開発部長 九月に公表いたしましたODAIBAファウンテンは、東京港においてシンボリックな存在となる新たなランドマークを設置することを目的としております。高さ百五十メートルの噴水と桜をモチーフとした幅二百五十メートルの噴水とを組み合わせて整備する世界最大級の規模といたしたものでございます。
なお、先ほど委託について三千万ということで理事のご指摘がありました。予算要求上は三千万円の予算要求でありました。検討委託二件、行いました実績といたしましては、約五十五万円の実績ということでございます。
○白石委員 要するに、六つの案の基のものがあったと。それは、じゃあ何で選んだんですかと。選定された、選んだ理由というのは何なんですかというふうに聞いたんです、私。でも、なかなか答え切れないと。
その六つの中で基になる一つの案が局として選ばれたというふうなのであれば、じゃあ選んだ決め手は何なんですか、教えてください。
○若林臨海開発部長 先ほど申し上げましたとおり、六つの中のある案、甲案といたしますけれども、甲案をODAIBAファウンテンとしたものではなくて、六つの案の要素から、これを基にしましてアレンジを行って、ODAIBAファウンテンというデザイン案をつくったものということでございますので、完全な同一性はないというふうに考えております。
○白石委員 だとするのであれば、私、これ説明を受けているんですよ。六つの中で一つのものを選んだんだというふうに聞いているわけですよ、これまでは。
今の答弁は違うんだというふうな話なので、これ、もしかしたら私が聞き間違ったのかもしれないというふうに思います、今の答弁だとね。
だからこそ、この六つの案、やっぱりしっかりと私たちは見ないと分からないんですよ。どういうものがデザイン案として出されて、それでいろいろな議論があったんでしょうと。それをしっかりと精査をして、百五十メーター、二百五十メーターの世界最大級の噴水になるという経過があるわけですね。
だけれども、私たちに何にも資料もない、現状でいくと。私、情報開示をやっているんですよ、これ。だけど、今のところ二か月の延長がかかっていると。何にも分からないという中で質疑をしなければいけないと。本当にこの世界最大級の噴水が妥当なのか、どうしてこれが選ばれたのか、つくられていったのかと、その検証が議会側にはできないということなんです。やっぱりこれは重大だと思うんですね。
本当にこういうところの一つ一つの事実経過を確認していかなきゃいけない。資料をちゃんと見せてもらわないと。だって、都議会というのはチェック機関ですから。何で世界最大級の、突然、噴水がばあんと発表されたのかと。でも、経過を見たら二年近くたっているわけですね。やっぱりそういうふうなところでしっかりと必要な資料をもらわないと、こういう水かけ論みたいな感じになっちゃうわけですよ。どっちが本当なのかよく分からないというふうになっちゃうわけです。だから、それを防ぐために都議会というのは必要な資料はちゃんと提示をして、そういう中でやるんだと。当たり前の話だというふうに思います。
質問を進めたいというふうに思います。
だから、選んだ理由も決め手もよく分からないわけですね。ほかの案がどういう案だったかも教えられないと。これでどうやって検証しろということなのかということだと思います。必要な資料を明らかにしなくなれば、質疑なんかはできないと思うんですね。議会のチェック機能は低下しますよというふうなことだと思います。
質問を進めたい。
次に、この世界最大級の噴水を誰が選んだのか、望んだのか、誰のために行う事業なのかというふうな点だと思います。
局長は、第三回定例会で我が党の代表質問に対して、多くの事業者や団体などからの要望も踏まえて噴水を整備すると答弁されました。具体的にどのような団体からどのような要望が出されたのか、都民からの意見を聞いたのか伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 都は、臨海副都心の事業者や団体等で構成される東京臨海副都心まちづくり協議会から、にぎわいのあるまちづくりの推進について様々な地域資源を生かしたまちの活性化をより一層推進し、さらなる発展につなげていくための取組を進めることなどについて重ねて要望を受けております。
また、都民の声といたしまして、臨海副都心への来訪者の方々からは、楽しめる施設を増やしてほしい、また、音楽やライトアップを活用したイベントを実施してほしいといった意見を頂戴しております。
なお、先ほどもご答弁いたしましたけれども、提出された噴水施設案と申し上げましたけれども、なお、付言いたしますと、採用されていない噴水施設案につきましては、受託者の競争上または事業運営上の地位が損なわれるおそれがありますので、お示しすることは適切ではないと、このように認識をしております。(白石委員「採用されていないやつはね」と呼ぶ)はい。
○白石委員 これからしっかりと質疑して、やっぱりちゃんと明らかにしていかなきゃいけないと思うんですね。
私、都民からの意見を聞いたんですかというのは、要するに、お台場海浜公園に世界最大級の噴水をつくるということについて、都民の意見を聞いたことがありますかっていうような趣旨です。いかがですか。
○若林臨海開発部長 臨海副都心の来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしい、音楽やライトアップを活用したイベントを実施してほしいといった意見をいただいております。
○白石委員 いや、一般論で聞いているんじゃないんだということなんです。世界の最大級の噴水をつくるということに対して、都民から意見を聞いたことがありますかと聞いています。いかがでしょうか。
○若林臨海開発部長 噴水の整備に限ったアンケートというのは実施はしておりません。ただ、臨海副都心の来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしい、音楽やライトアップを活用したイベントを実施してほしいといった意見を頂戴しておりまして、都としては、これらの意見についても受け止めているところでございます。
○白石委員 要するに、聞いていないんです、直接は。一般論でいうんですよ、こういうふうな形で。
臨海副都心まちづくり協議会からの要望ともいいますけど、要望書を見ましたけれども、噴水なんて文字はどこにもないわけです。にぎわい施設と、そこで多分当てこすっていっているんだと思うんですけれども、この臨海副都心のまちづくり協議会の正会員というのは、例えば臨海ホールディングス、臨海高速鉄道、住宅供給公社、政策連携団体なわけですね。多く入っています。加えて、特別会員、交通局、産労局、住宅政策本部が入っています。まさに身内です。民間ではどこか。フジテレビ、サントリー、パナソニック、三井住友、森ビルなど、ずらっと大企業が並んでいますね。まちづくり協議会は都の一部と民間企業だけであって、そこの要望や声には応えるよと。それ以外は蚊帳の外。今の質疑で明らかだというふうに思うんですね。
やっぱりこういうふうなところでしっかりと、この噴水、世界最大級がどおんと出てきたと。検討経過が全くブラックボックスになっていると。だったら、堂々としっかり資料も出して検証もさせていただきたいと、本当にそういうふうなところは思います。
今、こういうふうに世界最大級の噴水に、もう一年間で来年度末にはやっちゃおうというふうにいっていますけれども、一方で、じゃあ、にぎわいというんだったら、例えば大島はどうかと。波浮港、高潮や台風のときに民家へ海水が浸水しないためのかさ上げは進んでいないわけですよ。式根島野伏港、客船待合所建て替えも進んでいないと。(発言する者あり)やっぱりこういうふうなところで--三宅さんは一番よく分かっていると思うんだよね、やっぱりそういうところで、今のこういう現状があるときに力を集中すべきところはどこなんですかということを、しっかりと港湾局は認識すべきだというふうに思います。
一方で、一年で実現できるように力を入れて、世界最大級をやるなんて、やっぱり私は許されないというふうに思います。噴水をつくることだけを発表して、既成事実にすることなど許されないと。計画は撤回すべきだと、こう申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後六時四十二分休憩
午後七時五分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西崎委員 私からは、幾つか伺いますが、まず共同溝展示館の解体に関連して伺ってまいります。
この共同溝展示館、私も最近初めて知ったというようなところですが、シンボルプロムナード公園にある施設で、上下水道や電気、ガス等のライフラインを収容する共同溝について広報する施設ということでありますが、一九九七年に約六億をかけてつくったものの、二〇〇一年に休館となった後、二十数年そのままとなっており、このたび解体すると、これも報じられたところでございます。
先日の決算審査におきましては、我が会派の西沢議員が設置の目的について確認をさせていただきました。
そこでは、九六年に開催予定で結果的には中止となった都市博に合わせて建設したのではないかというような確認をしたんですけれども、局として、そうではないと、共同溝の役割を広く都民にPRすることを目的として設置をしたという、こういった見解が示されたところでございます。
そこで、今回はまず、この施設が休館となった経緯について伺います。
○若林臨海開発部長 臨海副都心の重要なライフラインである共同溝につきましては、セキュリティの点から一般には開放していないため、その役割を都民にPRすることを目的として、平成九年度に共同溝展示館を開館いたしました。その後、利用状況や費用対効果を考慮いたしまして、平成十三年度より休館をしております。
○西崎委員 ありがとうございます。平たくいいますと、あまり来館者数が思わしくないところを費用対効果を勘案して休館したというところかと思います。
二十七年前にオープンしたものの話でありますけれども、六億円をかけたものが費用対効果を考慮したら、オープンから四年で休館となってしまうというのは、何とも見通しが甘かったんだろうなということを推察いたします。
この共同溝展示館は建物も非常に特徴的でありまして、何か活用方法がなかったのかなと率直に思うわけでありますけれども、休館となって以降、二十三年間そのままにされてきたということでございます。
この間、いうまでもなく、建物、施設を持ち続けることのコストというものはかかってきたかと思います。
東京都臨海地域開発事業会計の支出情報、公開されているものですが、これを見ると、定期的にこの共同溝展示館の消防設備保守点検委託への支出というものが見られてきたんですけれども、二〇二三年、すなわち昨年の一月二十四日付で外壁落下防止対策工事として二十五万千四百六十円を支出しております。
この詳細について、お聞きをいたします。
○若林臨海開発部長 委員ご指摘の工事につきましては、共同溝展示館の建物外壁の一部に毀損が生じたため、事故の防止を目的として、令和四年十一月に養生ネットを張り防護措置を講じたものでございます。
○西崎委員 長らく置いてあったもの、置いてあったというかそこにあったものですけれども、外壁が破損したということで、二〇二二年の十一月に養生ネットを設置したということでございます。
支出の時期としてはほぼ同じなんですけれども、二〇二三年の一月三十日付で、アスベスト含有分析調査委託として四十七万八百円を支出しております。この詳細についてもお伺いいたします。
○若林臨海開発部長 ただいまお話のありました委託につきましては、共同溝展示館の解体に先立ちまして、主に建物内部のアスベスト含有建材の調査を目的として、令和四年十一月から十二月にかけまして調査委託を実施したものでございます。
○西崎委員 そうするとやはり、この実施時期、支出の時期は先ほど申し上げたところですが、二二年の十一月から十二月、同じ時期に解体に向けたアスベスト調査を委託されたということでございます。
そうすると、恐らくなんですけれども、遅くとも二〇二二年の秋には解体する方向性が決定をされており、そのためのアスベスト調査を実施するということで、これは推測ですが、その調査に危険が伴わないよう外壁対策工事を行ったのではないかなと推察はいたします。実際分かりませんが、そういう経過は読み取れるわけでございます。
二〇〇一年度に閉館をした施設が二十年以上そのままになっていたわけでありますけれども、今回なぜ解体する判断に至ったのか、検討の経緯と理由について伺います。
○若林臨海開発部長 共同溝展示館につきましては、開館から相当年数が経過いたしまして、外壁の毀損が生じるなど、建物の老朽化が進行していることによりまして解体を行うこととしたものでございます。
○西崎委員 開館からっていうか閉館からも相当年数が経過をしているということでありますけれども、もちろん老朽化したものについて解体するというのは分かるんですけれども、何で今になったのかなというのはちょっと釈然としない部分がございます。まして今、解体費用等も高騰しているという真っただ中でございますので、どういう判断があったのかなと疑問がございます。
ここで最後にしますけれども、解体後、今、建物のあるスペースはどうなるのか伺います。
○若林臨海開発部長 共同溝展示館につきましては、シンボルプロムナード公園内に位置しておりまして、解体後はこの敷地について、公園の一部として活用する予定でございます。
○西崎委員 もともと共同溝展示館の建物が公園の中にあって、そのスペースが空くから公園の一部として使われるということかと思います。これを活用というのはちょっと無理があるように思いますが、一応その公園の一部として使われるということかと思います。
最初の方にも少し申し上げましたが、そもそもこの共同溝展示館自体の見通しというものが、二十七年前ですが、甘かったんだろうなと思いますけれども、二十数年そのままにされてきた経緯も若干不透明な部分があるのかなと思っています。
こういう例がほかにあるのかどうかは分かりませんけれども、やはり既存のストックの活用であるとか、もしくは今回解体の判断をされたわけですけれども、こうしたものも含めて様々な状況、事情があろうかと思いますけれども、やはり機動的に対応することが大事であるということは申し上げておきたいと思います。
次に、ここからは二〇二三年度、昨年度の予算で計上されました東京港における新たなランドマークの設置、四億円が計上されていたものでありますけれども、これに関連して伺います。
まず、晴海ふ頭公園のモニュメントについてでございます。
ちょうどほぼ一年前に地域住民の方からの声等もありまして、工事が一時中断をしたという経緯がありまして、これは昨年の本委員会の事務事業質疑でも議論があったものと承知しておりますし、そもそも私自身も、昨年三月のこの委員会で行われた予算調査の際に、一定懸念をお示しさせていただいたところでございます。
結果的には、今年の三月に完成をしたということでありますけれども、じゃあその完成後どうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
このモニュメントを設置したことによる効果についてどう考えているのか、見解を伺います。
○若林臨海開発部長 晴海ふ頭公園にございますTOKYOモニュメントにつきましては、来園者がモニュメントを背景に写真撮影を楽しみ、また、海側に設置されました階段状のベンチで海を眺めながら休憩するなど、幅広く活用していただいております。
また、今年のこどもの日、あるいは夏休みの初日に開催したイベントでは、子供たちがモニュメントを装飾するプログラムを実施するとともに、モニュメントを背景にオリンピアンと触れ合い、記念撮影を行うなど、モニュメントは様々な形で活用され、公園のにぎわい創出に大きく寄与をしております。
○西崎委員 イベント等でにぎわい創出というのはあるのかもしれないんですけれども、やはり公園という性質上、より重要なのは、それ以外の日に住民の皆様が日常的に利用する場面、こちらの方がより大事なのかなと思っています。
幾つかSNS等も巡ってみたんですけれども、このモニュメントを扱った投稿はゼロではないです、散見はされますけど、ざくざく出てくるというような状況でもないと、皆さんどうか分かりませんが、少なくとも私はそう受け止めました。
当時、予算調査の際のご答弁では、東京の新たな魅力を創出することを目的として実施するという見解が示されていたわけでありますけれども、本当にこれが新たな魅力を創出できているのかというと、ちょっとどうなんだろうなと思う部分がございます。
また、SNSを巡っていると、お台場なので、お台場というか、花火大会があるのを鑑賞するのにみんなモニュメントをよけるんですね、当然ですけれども、モニュメントで見えないので。なので、いってみれば邪魔なのでみんなその横に行っているんですけれども、そういう光景も見られました。
そもそも様々な声が上がったりしたということの背景には、この公園が集客をするというためのスペースではなくて、住民の皆さんが利用する地域のためのスペースであるということ、このことを考えたときに、そうしたモニュメントが果たして適切なのかということからそうした声があったんだろうなと考えております。
そこで伺いますけれども、設置後に地域の声というものをお聞きしているのか伺います。
○若林臨海開発部長 来園された方々からは、レインボーブリッジなど、周囲の美しい風景によくなじんできたですとか、子供と一緒に写真を撮りに来たといった好意的な声をいただいております。
また、今年の夏休みの夜の演出といたしまして、子供たちに色彩豊かにデザインしてもらった絵をモニュメントに投影した取組がございました。これについても大変好評いただきまして、再度の実施を望む声も届いております。
一方で、公園内、モニュメントの周辺には日陰が少ないこともございまして、今年も大変暑い夏でありましたので、公園内のベンチにパラソルを設置するなどの対応も行っております。
○西崎委員 いろいろとお声を聞いているということで、好意的な声が届いているということだとは思いますが、私も地域の方からいまだに疑問の声というものも実際いただいている部分もございます。
その中には、何であのモニュメントは東京なんだろうというようなお話もありました。つまりそれは晴海とかそういうのじゃなくて何で東京なんだと。
これはどういうことかって、それは地域の方々が、ここは地域の公園であると地元の皆さんが考えていることなんだろうなというふうに私は受け止めました。一億六千万円かけてつくったわけでありますけれども、その税金の使い方として本当に適切だったのか、これは改めて指摘をしておきたいと思います。
もう一点、このモニュメントに関する具体的な懸念といたしまして、特に子供などがこのモニュメントに登ったりして危ないと。特にKとかYとかあの辺が危ないという話も耳にしているんですけれども、子供の安全対策について、取組を伺います。
○若林臨海開発部長 モニュメントの設置直後から、モニュメント本体及びその周囲に、文字の上に登ることですとか、その上から飛び降りないように注意するプレートを複数設置するとともに、定期的に指定管理者が巡回を行うなど、安全には配慮しております。
○西崎委員 モニュメントを設置して、子供が登ったり、安全対策って限界があるのかもしれないんですけれども、私自身も子供の傷害予防、事故予防については特に力を入れてきたつもりでありますし、むしろ東京都自身が全国見渡しても非常に先進的な取組を行っていると思いますけれども、子供に注意喚起をしても限界があるわけですよね。むしろ、子供がそういう行為をした際にも安全な環境をつくっておくことが大事だというのが、そもそもの子供の安全であったり事故予防の基本的な考え方であり、それは何よりも東京都自身がそういうふうに様々な方針の中でお示しになっているということでございます。
このモニュメントは、公園にある、別に遊具ではないということでありますので、そもそもこのモニュメントが設置をされて、子供も含めた使い方のリスクをアセスメントできない今の国交省の指針であったり、ないしはJPFAの基準そのものにも私は問題があると思っていますけれども、その中で都の対応には、先ほど申し上げたように、限界があるかと思いますけれども、引き続き安全対策は、ぜひ、極めて重く留意をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
続きまして、私からも噴水についてお伺いをしてまいります。
先ほど来お伺いをしている、二三年度の予算における東京港における新たなランドマークの設置、これは以前のご説明では、噴水の設置位置やデザインの検討に要する経費を計上しているということでありましたけれども、これがODAIBAファウンテンに関するもので間違いないのか、ちょっと確認のため伺います。
○若林臨海開発部長 令和五年度予算において実施いたしました検討委託等に基づきまして、ODAIBAファウンテンを整備することといたしました。
○西崎委員 すなわち、二三年度の予算の中で実施をしたものについてODAIBAファウンテンを整備することとしたということですから、これがODAIBAファウンテンに関するものだということで理解をいたしました。
すると、冒頭申し上げた新たなランドマークの設置、四億円計上されていて、先ほどのTOKYOモニュメントが一億六千万円。そうすると、ODAIBAファウンテンには残りの二億四千万円がかかったんですかね。二三年度の予算で幾らかかったんですか伺います。
○若林臨海開発部長 先ほどの質疑にも関わりますけれども、令和五年度の東京港における新たなランドマークの設置に関する予算のうち、お台場海浜公園の噴水につきましては、検討委託を実施いたしまして、五十五万三千三百円を支出いたしました。
○西崎委員 さきの委員の質疑にもありましたけれども、検討委託で五十五万円ということでございます。予算は二億四千万円措置されていたんですよね。
一方で、この年、二〇二三年度には五十五万円ということですが、今日の質疑でも何度も出てきておりますように、このODAIBAファウンテンの構想自体は既に公表されているということでございます。
ということは、二三年度でもともと執行する予定だったものが今年度にずれ込んだということでしょうか。先ほどもちょっと出てきましたけれども、改めて二四年度で計上している金額について伺います。
○若林臨海開発部長 令和六年度予算に関する支出ということでございます。令和六年度に行った支出といたしまして、基本設計に要した費用として九十九万七千円を支出しております。
また、実施設計につきましては、現在、契約期間中でございまして、この契約金額につきましては、約一千八百万円でございます。
○西崎委員 今年度の中でいうと、基本設計で約百万円で、実施設計が契約金額約一千八百万円ということで、さきの委員の質疑にもあった三千万円追加でというのは、多分この辺りの金額なのかなと思っておりますけれども、整備費用は当然これからということが先ほど来議論になっておりましたけれども、何か違和感があるんです。
すなわち、そもそもこの事業を、世界最大級の噴水をつくるということが行政のやるべきことなのかという疑問はあるんですけれども、それは一旦置くとして、一旦置くとしてもね、実施設計まで行って二千万円で収まっているものを、最初、二億四千万円計上しているわけですよね。これ何なんだろうと。だってそんな、実際やったら二千万円以下で収まるものを二億四千万円って、そんなどんぶり勘定で要求して財務査定まで通るということはあるんですかね。
すなわち、実施したら予算が縮減できたって、それはいいことかもしれないですけど、何かどこかで変質したんじゃないんですかね。この違和感って何か引っかかるんですよ。
こうしたプロセスについては、さきの委員から細かに質疑があったので、私からは終わりにしますけれども、やっぱり違和感を感じますし、行政の事業の在り方としてどうなのかという声は恐らく今後さらに出てくるかと思います。
今後の事業の行方については、我々も相当厳しく見ていきたいと思っておりますので、そのことを申し上げまして、今日は質疑を終わります。ありがとうございました。
○上田委員 もう悲喜こもごもの臨海副都心事業でございます。
歴史を遡ると、時の鈴木俊一都政下の第二次東京都長期計画において、だんだん都議会も若返ってきたので、鈴木都知事、誰、みたいな議員さんも出てくるんじゃないかと思っていますけど、七番目の副都心として位置づけられた事業で、鈴木知事の掲げた副都心育成の下、都心部から業務機能を分散、誘導しようという多心化政策の一環として誕生したものがこの臨海副都心開発事業なんですよね。その間もバブルもありましたからね。
平成三年には、事業会計予算が否決されるなど、紆余曲折を経て令和の時代に入りまして今日に至ります。
一方、昨今では、都市高層化論も活発になりまして、神宮のあんなところにもホテルだ何だって建てようだの、築地のところも何か建てようってやっていますけど、山手線の内側の徹底した高層化を進める大手ディベロッパーが、三井だか何だか推進する丸の内マンハッタン再開発構想、新橋-虎ノ門間をつなぐ通称マッカーサー通りが平成二十五年三月に開通し、東京シャンゼリゼプロジェクトが展開している中、四十年の歳月と多額の資金を投入した臨海副都心の開発の令和の時代の確認をさせていただきたいと思います。
臨海副都心では、土地の処分や利活用においては売却、長期貸付、暫定利用、未利用地、未開発用地とそれぞれの区画が点在しておりますが、現在のそれぞれの件数と面積、募集状況、実績と課題について確認させてください。暫定利用事業者においては、業種や公募目的も、当時のですね、ご説明ください。あわせて、今後の課題解決や展開についてご説明ください。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 令和五年度末時点で、臨海副都心において既に売却等をしましたものが七十五件、九十二ヘクタール、長期貸付等をしているものが十六件、三十八ヘクタール、事業用定期借地として暫定利用となっておりますものが二件、三ヘクタール、その他未処分地が三十一ヘクタールとなっておりまして、現在、公募をしている区画はございません。
また、有償処分予定地のうち、暫定利用中の土地は、自動車の展示施設兼販売店及び保育所でございます。展示施設兼販売店は、国際的な集客力が見込まれます体験型の展示施設の開設等を目的に公募を実施したものでございます。また、保育所は、江東区の要望に対応したものでございます。
臨海副都心におきましては、処分予定地の約八割まで処分が進んでおりまして、今後も引き続き社会経済状況等を見極めながら適切に土地の処分を進めてまいります。
○上田委員 もちろんにぎわい目的だと思うんですが、各区画ですが、開発事業者においては土地の利用期間も償還期間も目的も違う状況です。現状の建造物のクオリティーに差異が生じてしまうことの問題を今まで指摘してきました。
臨海副都心は、魅力あるまち並みとして発展することを目的としているようでございますが、統一感のないまち並みでは魅力と付加価値が失われ、民間からの投資活動に影響が出るのではないかと危惧してきました。
つきましては、臨海副都心まちづくりガイドラインにより、小規模開発を抑制するとともに、屋外空間の圧迫感軽減のために建築物の外壁面の位置を定めるなど、まち全体が一体となって調和の取れた都市空間の形成を図ってきたのは承知しておりますことから、この目的が違う売却、長期貸付、暫定利用といった区画のある副都心において、バランスをどう取りながら、まち並みのグランドデザインと統一化を担保して各区画の特性を生かして事業を進められているか、現状と実績、新たな課題について伺います。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心の土地の処分に当たりましては、事業内容が臨海副都心まちづくりガイドライン等に適合することを条件とするなど、良好な都市景観、都市環境の形成を図ってまいりました。
今後も引き続き、社会経済状況に適切に対応しながら計画的に開発を進めてまいります。
○上田委員 暫定利用事業者によっては、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化の推進に寄与する国際的な集客力が見込まれる体験型の展示施設の開設を目的にした公募もしたことがありましたが、その後の状況、詳細をご説明ください。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 平成二十六年度の公募で決定した事業者は、現在も当該区画で営業を続けてございます。
整備されました自動車の展示施設兼店舗は、事業者グループの旗艦店であるとともに、都との連携イベントも開催されるなど、にぎわいの創出にも貢献をしております。
なお、これ以降、暫定利用での公募実績はございません。
○上田委員 外車の何というんですか展示施設がにぎわいになるのかなというふうに指摘をしたところでございますが、そうなっているということでございました。
暫定利用地区の中には期間の延長をしている施設の有無など、希望など、現在ありますでしょうか。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 現在、暫定利用している区画は、いずれも当初契約の期間内でございます。
○上田委員 その暫定利用期間は返却後原状復帰返還が基本で、ヴィーナスフォートのある青海ST区画は、平成二十年に公募を実施して、売却先の事業者が決定、延長期間終了後には現在の施設は取り壊され、新たな施設が建設される予定とされていましたが、現在、既存施設を活用されております。SDGsの観点では、結果的には喜ばしいこともありますので、これらの案件についても含めてご説明ください。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 青海ST区画につきましては、平成二十年に公募を実施し、売却先の事業者が決定いたしました。
現在は、売却先の事業者が本格的な開発をするまでの間、既存建物を暫定活用しているものでございます。
○上田委員 既存建物で暫定利用でいろいろと体験型のアミューズメントということで、これはいい感じに再活用されているのではないかということになっております。
東京ベイエリアビジョンですけれども、オリ・パラ後、その後どうなったか、臨海副都心の開発に当たっては、社会経済状況に適切に対応しながら開発が進められてきたとしておりますので、東京二〇二〇大会開催時の状況と現在の開発の考え方について、コロナもありましたからね、何か変わったことはないのか伺います。
○大野臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心の開発につきましては、東京二〇二〇大会時には、大会関連用地の土地需要を優先するとともに、これに先立つ令和元年度には、大会後に利用が終了します有明南地区の二区画を対象に公募を実施するなど、社会経済状況に適切に対応しながら、計画的に開発を進めております。
○上田委員 計画が進んでいく中に、さらに東京ベイeSGプロジェクト、東京ベイeSGまちづくり戦略も東京都は打ち出してきました。これらのプロジェクト等と当然関連して開発も継続していると思うので、関係性を明示の上、これまでの取組の中で見えてきた課題と、今後の展開に向けてどのような準備をされているのか、改善策を検討されているのか、所見を伺います。
○若林臨海開発部長 臨海副都心におきましては、東京ベイeSGプロジェクト及び東京ベイeSGまちづくり戦略二〇二二において示された将来像も踏まえまして、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、職、住、学、遊のバランスの取れた複合的なまちづくりを進めるとともに、まちの脱炭素化や自動運転など、先端技術の実装等に取り組んでおります。
今後も引き続き、臨海副都心のプレゼンス向上とさらなる発展に資する取組を進めてまいります。
○上田委員 相関し合って進めているということでありました。
個別については先ほどの紛糾しているものもあります。モニュメントだの噴水だの、そちらも順次確認させていただきたいと思います。
渋滞問題です。
東京港の総合渋滞対策に基づく取組、トレーラーの渋滞問題ですが、大型客船が就航した後のピストン輸送としての大型バス輸送が非常に重要になるということで、港湾局におきましては、いろいろと駐車場の配置等の検討はしていたと思料いたしますが、取組状況を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都はクルーズ客船の円滑な受入れを行うため、東京国際クルーズターミナルの敷地内や近隣に、百台以上の大型バスが駐車できるスペースを確保しております。
○上田委員 私としては、来るまでに渋滞してしまうということで、東京港の中にバスの車両保管基地、車庫を用いてピストンすることで無駄な渋滞を防ぐのではないかといった観光客向けのバス渋滞対策について懸念をしておりましたので、この点についても伺います。
○三浦港湾振興担当部長 クルーズ客船寄港時に多くの大型バスの来場が予想される場合には、ターミナル近隣のバス駐車場にバスを一旦待機させ、ターミナルの混雑状況に応じて順次呼び込むことなどにより、ターミナル周辺で渋滞が発生しないよう対策を講じているところでございます。
○上田委員 人の方はそのような状況で、また、外貿コンテナ関連用地の開発が遅れた時期がありまして、昭和五十八年十二月二十八日付東京港港湾施設用地の長期貸付けに関する規則制定をし、公布をされました。この規則に基づき、港湾施設の拡充強化に努めてきましたが、その後の停滞解消は実現しているのか、残る課題についても確認します。
○野平港湾経営部長 都は、東京港港湾施設用地の長期貸付けに関する規則に基づきまして、港湾施設用地の長期貸付を実施し、ふ頭背後地への倉庫の立地を促進するなど、ふ頭機能の強化に取り組んでおります。
こうした取組も一因となりまして、東京港の令和五年の外貿コンテナ取扱個数は四百八万TEUを記録し、二十六年連続で国内一位となるなど、貨物量は順調に推移しております。
○上田委員 貨物量をしっかりと対応されているということでございます。
東京港の混雑については、るる指摘しておりますけれども、海と陸もそうなんですが、貯木場なんです。こちらは法律で定められている原木の一時保管を行う施設で、資料も一一ページ、提出いただいたんですけれども、年々原木取扱量が減少していることがもう手に取るように分かります。こちらですね、二十万七千トンだったのが今二千八百七十九トンということでございまして、国内における木材需要の減少の原因として、実際のところ原木が浮かぶ風景もすっかり過去のものとなっております。
かつて、輸入原木に関税をかけるために立入禁止の保税蔵置場であったようですが、現在は今の貯木場が保税地域ではないということではありますが、今なお立入禁止となっており、地域の方々から、ほとんど使っていないのに立入禁止なのは何でなんだろう、事業者や地域住民に還元し活用はできないのかという声が上がっております。
東京港は国家主導で港湾整備を進め、ハブ機能を強化し、取扱貨物量を五倍に増やしてきた釜山、シンガポール、上海といった港湾の国際化からの遅れを挽回すべく、今後ハブ港として躍進していこうとする中、港湾地域の海上も陸上も限られた面積の中、先ほどのトレーラー渋滞の原因となる外貿コンテナ貨物取扱数はいわれたように増加の一方、外資系、アジア貨物も増え、増加して国内他港と比べると圧倒的な数になっている現状の中、ますます過密化していることになろうことから、令和に入りましたし、現在の立入禁止地区の緩和を含め、在り方と有効活用策を検討してはどうかと考えます。
海は都民、国民全体のものでありますし、国際化すれば世界の東京港になることから、ぜひ有効活用の再検討をお願いしたいのです。殊に地域住民、関係事業者、江東区の意向と需要を念頭に入れていただきたいと思います。
私が指摘してから十年ほとんど変わっていないことから新たな展望、ご所見を伺います。
○野平港湾経営部長 都はこれまで、原木の取扱量の減少を踏まえ、東京港内での海上工事を行う作業船や台船の係留場所などとして貯木場の有効活用を図ってまいりました。
今後も引き続き、関係事業者の要望や地元区の意向なども踏まえ、適切に対応してまいります。
なお、立入禁止規制につきましては、安全性の確保や物流の円滑化などの観点から、港湾施設を管理する上では一般的な規制でございまして、引き続き必要であると認識しております。
○上田委員 有効活用をもうちょっと展開していっていただきたいなというふうに思います。
政策連携団体です。
臨海地域開発事業会計、先ほどからるる触れられておりますけれども、こちらと港湾事業会計の事業協力団体の委託については、令和五年度の決算額は十一億円となっております。
局全体の委託費は三十三億円ということで、約三割が事業協力団体に委託しているということになります。
また、委託先の報告団体は、東京港埠頭株式会社と東京テレポートセンターではありますが、東京港埠頭には、職員数百八十五人のところ都からの派遣社員が二十九人、都退職者が六人、東京テレポートセンターは、職員二十九人のところ都退職者が二人ということで、十年前よりは減っていることは評価をしております。
地方公営企業法第三条では、地方公営企業は経済性を発揮することが求められており、世界でも屈指の国際貿易港である東京港として、経済性のみならず、効率性、公平性が求められるところでありますが、現在の委託状況について、こうした経済性、効率性、公平性に基づいて事業執行されているのか、具体的なお答えをください。
○石井企画担当部長DX推進担当部長兼務 都から事業協力団体に委託をしております主な事業でございますが、東京港埠頭株式会社には船舶給水施設の指定管理事業を、株式会社東京テレポートセンターには共同溝管理事業の委託を行ってございます。
船舶給水施設の指定管理者につきましては、公募を行い、外部有識者を含めた選定委員会での選定及び都議会での議決を経て東京港埠頭株式会社に決定をしているところでございます。
共同溝の管理につきましては、万全なセキュリティ体制や高い守秘義務を求められ、各ライフライン事業者との密接な連携の下で管理を行う必要がございます。
そのため、共同溝を建設管理し、ノウハウを蓄積しており、最も安全かつ効率的に運営を行うことができます株式会社東京テレポートセンターに委託をしているところでございます。
その他事業につきましても、同様に、経済性、効率性、公平性の観点に加えまして、当該事業を確実かつ円滑に推進する必要があることから両団体に委託をしているところでございます。
○上田委員 ご報告をいただきました。引き続き、金額もチェックをさせていただく次第でございます。
生物多様性です。
私の地元江戸川区は、臨海部分の埋立事業に伴い激変して失われた葛西の海の大切さに目覚めた地域住民の協力により、西なぎさ、東なぎさを取り戻すことができました。もちろん、その実現においては、東京都の葛西海浜公園、葛西臨海公園の整備が大きく貢献し、不可欠であったことはいうまでもありません。
港湾局、江戸川区地域住民が力を合わせた努力の結果、葛西の海の自然が戻り、二〇一二年から海水浴が実施されることとなり、平成三十年には葛西海浜公園三枚洲が国の指定の葛西沖三枚洲鳥獣保護区、葛西沖三枚洲特別保護地区、締めて三百六十七ヘクタールが指定されました。
一方、一九九三年六月、ラムサール条約が登録された千葉の谷津干潟においては、逆に登録後に鳥類が減っちゃってアオサが異常発生、その原因となる水質汚濁が問題となりました。
制定しちゃうと、海というのはもう、そういった、人が手を入れる里海ですので、入っちゃ駄目だということで触れなくなってしまって、そういうような状況になったということを仄聞しております。
葛西海浜公園三枚洲の自然環境をこれまでどおり維持し、あるいはこれまで以上に良好、改善に整備する責務が東京都にはあると考えますが、国の保護地区に指定されることから管理者や権限が多重構造となり、鳥も海も水質も置き去りになるのではないかと危惧してたださせていただき、ラムサール条約湿地設定後も葛西海浜公園は引き続き都の所有、管理する公園であることを確認しております。
今後は、ラムサール条約登録湿地となったことを受けて、国とも連携しながら管理保全に当たり、国との役割分担は、例えば樹木の伐採など鳥獣保護区の規制に関わる事案については、国と協議しながら対応することになっているということですが、湿地登録からこれまでの取組状況を確認いたします。
○若林臨海開発部長 葛西海浜公園につきましては、平成三十年度にラムサール条約湿地として登録された後、干潟などの保全及び利活用の推進のため、自然環境調査をはじめ、葛西海浜公園海の保全活用懇談会の開催やイベントの実施等に取り組んでおります。
○上田委員 その中で、樹木の伐採については、国と協議する、対応するということであったんですが、葛西臨海水族園は残念ながら対象外という理解でよろしいでしょうか。
○若林臨海開発部長 鳥獣保護区特別保護地区に指定されておりますのは、葛西海浜公園の南側の水域部及び東なぎさでございます。
○上田委員 数百メートルも離れていないところで、鳥もまた生き物たちも全くお役所とは、何ていうんですか、関係なく飛んで来るというのに、木を切られてしまうということが非常に、もうちょっと広範囲に指定してもらえたらよかったのかなというふうに、悔しくてしようがない思いであります。
条例制定に当たり、関係各局と、私はやっぱり連携が必要だということをお願いしております。港湾局の葛西海浜公園、建設局の葛西臨海公園、水族園、これは切っても切り離せない保護や保全が、先ほどいったようにですね、建設局の水族園は、木は切っちゃう、でも、ラムサールの湿地対象外だから別というような感じがとても残念だと思うんですが、湿地設定はされたわけですから、庁内連携体制についてもいま一度伺いたいと思います。
○若林臨海開発部長 葛西臨海公園及び葛西臨海水族園の各指定管理者とは、海の保全活用懇談会の場などを通じて、干潟の保全や活用等について連携して取り組んでございます。
○上田委員 海上公園ビジョンと保全についてなんですが、湿地指定してもらってありがたかったんですけど、スズガモが二万羽ぐらい来ちゃうと、一羽で一日一キロ、そうしますと二十万トンぐらい二枚貝を食べちゃうということで、地元の漁業組合さんは痛しかゆしという話を平場で私は聞いております。
決まったときも質問もさせていただきましたし、いろいろと個別では取組の方をさせていただいておりましたけれども、引き続き、連携、整備促進に取り組んでいるという答弁はいただいていますけれども、東京港の自然環境整備を実施するため、本当にこうしたことってあると思うんです。貝を食べに鳥が来ても、それを食べられちゃって漁業が困るなんていうような象徴的な事例なんですけれども、この問題など、独自の生態系調査等を実施しているか、漁業関係者に引き続き協議を進めているのか等、促進状況を具体的に伺います。
○若林臨海開発部長 都は毎年度、自然環境調査を実施いたしまして、二枚貝の生息状況等についても確認をしてございます。
また、漁業関係者の方々とも、干潟の保全や活用等について意見交換を行いながら、連携した取組を行っております。
○上田委員 ありがたいことにしっかりと生息状況を確認していただき、漁業関係者とも、説明していただけるとのことでございます。
この西なぎさと東なぎさがあること自体がブルーカーボンにすごく貢献をしておりまして、非常に近隣自治体の、また、海で生命が発生しているということでございます。
ですので、うちのなぎさを中心としたブルーカーボンの取組については、ぜひ進めていただきたいというふうに思っております。それについては、ほかの委員さんが、かまた委員が非常に深く質問をしたので、これはまた、私は飛ばさせていただきたいと思います。
引き続きまして、うちのなぎさを中心として、里海、ブルーカーボンの取組をお願い申し上げる次第でございます。
調布飛行場です。資料でもまとめていただいた墜落事故です。
この事故を受けて、調布、府中、三鷹、小金井と協議を続け、被害者支援制度が創設されました。そこで、被害者支援制度の利用状況について伺います。また、その後の自家用民間機の利用再開に至り、各市被害者及び周辺住民からの要望もあったと思料します。その後の安全対策について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 被害者支援制度につきましては、五世帯に支援金を支給しております。
また、安全対策につきましては、自家用機の機長が離陸前に重量が許容値以下になっているか、また、機体の重心位置は適切かなどを確認するチェックシートを作成し、提出することを義務づけるとともに、都の航空機専門員により、このチェックシートを確認するなど、実効性のある対策を講じております。
○上田委員 そもそも調布飛行場は遊覧飛行は認めていませんが、当時は一部情報では遊覧飛行のように報道されていましたが、本来は慣熟飛行ということでありました。
その後、慣熟飛行については、空港使用届の様式を改正され、慣熟飛行という記載を廃止し、飛行目的をより明確とされました。
そこで、空港使用届の改正状況について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 空港使用届の使用目的の欄を自由記載形式から飛行機の移送や無償に限る搭乗者または貨物の輸送などの選択肢から選ぶ形式に変更いたしまして、自家用機の飛行目的が明確になるように改正いたしました。
○上田委員 令和三年まで地道に対応されているということで、非常にあってはならない事故でしたので、改善点が見つかり次第、また被害者の皆様にも引き続きましての対応をお願いしたいと思います。
ポートセールスです。
コロナ禍を挟んでクルーズ船の就航実績が増減していますが、資料を拝見しまして、実績として東京に多く観光客をもたらし、イメージアップ、臨海エリアにおけるMICE国際観光拠点化の推進、大きな経済効果が期待できるなど観光振興に大きく寄与できているのか、クルーズ船はもとより、ポートセールス全体、マーケットリサーチ、PR活動、船舶、また貨物誘致活動の取組と実績について、世界での貨物ランキングも含め伺います。
○野平港湾経営部長 都は、東京港の利用促進を目的といたしまして、国内外でのセミナー開催に加え、船会社や物流企業などへの直接訪問などを通じ、東京港の利用を働きかけるなど、積極的にポートセールスを実施しております。
こうした活動の成果もございまして、令和五年のクルーズ客船の寄港回数は、コロナ禍前を上回る四十九回を記録するとともに、令和五年の外貿と内貿を合わせた総コンテナ取扱個数は四百五十七万TEUで、国内一位となっております。
なお、イギリスの海運専門紙の調査によりますと、世界では四十六位でございます。
○上田委員 国内随一ということ、コンテナの方も対応しているということですが、世界では四十六位、うーんという感じでございます。
コロナも終息し、インバウンドも勢いを増し、環境も変わってきていると思われます。
大型客船の就航したときのテロ対策を含めた迅速なイミグレ、受入れ体制の万全性について確認させていただきます。
○三浦港湾振興担当部長 都は、東京港におけるクルーズ客船の入出港時に乗下船客の安全かつ円滑な受入れができるよう、密輸出入の取締りや海上での犯罪、テロ防止などの業務について、東京税関や東京海上保安部をはじめとする各機関とターミナル内及びターミナルの周辺エリアにおいて密接に連携をしております。
○上田委員 そうですね。テロも気をつけなきゃいけないんですけど、イミグレを早くして、もう一時間でも早く、新宿なり行って、要するにお金を使ってもらいたいというところでありますけれども、周辺エリアにおいて密接に連携をしているということでした。
二十四時間稼働する国際港である東京港に入港する外国船は、天候等で遅延など常時発生するものと考えられるものでありますが、タグボートの夜間、休日の割増し料金体系ですね、東京港の。釜山、上海、マニラ、ライバルです。多分、四十六位より上だと思うんですけれども、代表的な国際港のこの同項目の割増し料金、タグボートの夜間、休日の割増し料金に合わせて、二十四時間稼働の状況についてご説明ください。
あわせて、東京港と海外の料金体系と稼働状況の違いがなぜ発生するのか、原因と分析もお願いいたします。
○三浦港湾振興担当部長 東京港におきましては、タグボートの運航は民間の事業でありまして、当該民間事業者が夜間や割増しを含む料金を設定しております。
例えば、夜十時から朝の六時までの深夜割増し料金は、基本料金に加え一〇〇%の増となっております。
また、海外の主要港におきましては、二十四時間稼働しているケースが多く、夜間等の割増し料金を徴収している港もございます。
なお、料金等につきましては、港の特性や社会経済情勢などの違いもあり、一概に海外の港と比較できるものではないと考えております。
○上田委員 世界とは比較できないということですが、小池知事は、世界に冠たる国際都市にすると、非常に推進していますよね、国際金融都市と。
国際競争に対応すべく、運用時間や使用料について、海外との比較を踏まえた所見を伺いたいと思います。
○三浦港湾振興担当部長 港の運用時間や使用料等につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたとおり、港の特性や社会経済情勢などの違いもあり、一概に海外の港と比較できるものではございませんが、東京港におきましては、国際競争力の強化に向け、新規ふ頭整備などの機能強化や、入港料の減免などによる港湾コストの削減など、ハード、ソフトの両面から様々な取組を展開しております。
○上田委員 そもそも大型客船が橋の下を通れないというのが本当に残念な感じでございますが、不断の努力を続けていただきたいと思います。
引き船、いわゆるタグボートは、北海道では一般競争入札しているんですね。なぜ東京港のタグボートは一般競争入札しないのか、指摘をしておりましたが、東京港においては、タグボートや水先人の業務については民間業務だから東京都とは契約関係はないという状況だそうでございます。
ポートセールス事業も展開している東京都においては、港の使用料やサービスなど、日本中あるいは世界の港を使用している船舶事業者は当然比較すると思われます。
水先についてのご意見など、日本は高いとか、いただいたことはないのでしょうか。長年の一社独占が果たして健全なのか、民間活用と精査なき丸投げは意味が違うと考えることから伺います。
○三浦港湾振興担当部長 港湾法では、離着岸の補助などのポートサービスについて、原則として民間事業者に委ねるべきと解釈されており、東京港において民間事業者がこれらの業務を行うことは適切であると認識しております。
○上田委員 この事案は、引き続き注視させていただきたいと思います。
防災船着場を活用した社会実験を実施した水上交通ネットワークの拡充に当たりまして、これまでの取組と本格導入後の実績、所見をご報告ください。
○野平港湾経営部長 都は、旅客定員十二名以下の小型船舶の乗降場所といたしまして、比較的駅に近い田町、品川の防災船着場を開放する社会実験を行っております。
当該防災船着場の利用は一定程度あるものの減少傾向でございまして、また、船型に応じた乗降方法についても、引き続き検討が必要でございますことから、利用者ニーズの確認や小型船舶の利用に関する安全性等の検証を行っております。
○上田委員 船着場って本当に海と近いというんですか、私、江戸っ子ですけれども、昔、本当にうちの祖母は水上バスなんか乗って移動したというので、非常に付加価値があるなと思っていたんですけれども、減少傾向ということでございましたが、舟運活性化の取組は、都市整備局、建設局及び港湾局の三局で協力して進めると思います。
これまでの舟運の活性化の港湾局におけます取組状況をお示しいただければと思います。
○野平港湾経営部長 都は、平成二十八年度から、民間事業者と連携して、舟運の活性化に向けた取組を行っております。
具体的には、船着場予約管理システムの導入や案内サインの整備などによる利用者の利便性向上、企画便の運航などによる認知度向上の取組などを行っております。
○上田委員 主にハードウエアの整備をしているということでした。
運河ルネサンスです。
これは平成十七年に都が始めた東京港の規制緩和の取組なんですが、二十七年が過ぎた今、本当に地域が主体となった取組--まあ当時目指したものなんですけれども、となっているのでしょうか。地域に任せ切りではなく、公平かつオープンな協議会運営を支援できているのでしょうか。
各協議会の事務局長の改選状況も含めた人選体制について、ちょっと令和になりましたので、所見と実績をお願いいたします。
○佐藤港湾整備部長 運河ルネサンスは、運河などの水域利用とその周辺におけるまちづくりが一体となり、地域のにぎわいや魅力を創出することを目的とした地域が主体となった取組でございまして、都は、水域占用許可の規制緩和等により、この取組を支援してございます。
これまで運河ルネサンス地域協議会は、品川浦・天王洲地区など六地区で立ち上がり、各地域が主体的に作成した計画に基づきまして、水域占用許可を受けた浮き桟橋を活用し、お祭りなどのイベントが行われており、水辺空間の魅力向上やにぎわい創出に寄与しているところでございます。
なお、各協議会における役員等の人選につきましては、それぞれの規約等に基づき各協議会の責任において行われております。
○上田委員 そうなんですね。昭和三十七年に、都は臨海部の開発を行うため、三百三十億円という巨額の漁業補償を行い、都内十七の漁業協同組合では、全ての漁業権を完全かつ永久に放棄したはずなのですが、現在も漁業者に対する補償は形を変えて実施されており、行政のインフラコストを押し上げているのが実態です。
B滑走路に伴う補償については、各組合及び組合員に幾ら支払われているのか、国土交通省と港湾局に確認するも、結局、個別の数字が、私が調べたときは確認することができませんでした。地域主導という名の地域利権を、やはり生み出してはいけないと思っております。
この地区、運河ルネサンス、芝浦商店会が規制緩和で、産業労働局や港区の補助金三千二百万円でつくった桟橋は、水域占用の更新を行わず、民間事業者に桟橋を売ってしまうという話も当時仄聞しておりましたが、その後どうなったのでしょうか。具体的にご説明の上、漁業権補償に象徴される都民に疑われる海の利権についての港湾局の見解を伺います。
○佐藤港湾整備部長 運河ルネサンスは地域が主体となった取組でございまして、都は、水域占用許可の規制緩和等により、この取組を支援してございます。
芝浦地区におきましても、この規制緩和の制度を活用し、芝浦商店会が桟橋を設置、所有してございまして、水域占用につきましても、毎年、申請手続が行われ、更新されてございます。
○上田委員 桟橋は民間事業者に売られていないということ、そして、芝浦商店会が設置、所有をしていることを確認させていただきました。
若洲ゴルフ場です。
令和二年度、山崎孝明前区長十五回、山崎一輝元都議十回、また、令和三年度は区長十四回、都議十三回、令和四年度は区長はゼロ回ですけど、山崎元都議十五回というふうに、メディアで大々的に報道されました。
先着順で行われる予約受付は、十分で八十回電話してもつながらないという苦情が出るほどパンク状態が常態化してきて、愛好者でも年に一度行けるかどうかという実態があります。記事でも指摘されておりますが、私も、この若洲ゴルフ場の資料要求をさせていただいております。ゴルフリンクス、一五ページでございます。
これも地方公共団体主催のゴルフ大会団体利用が激増しているんです。本当にフェアに利用できているのか、確認します。
○若林臨海開発部長 若洲ゴルフリンクスでは、利用者サービス向上のための取組として、令和五年七月からウェブ受付及びシステムによる抽せん制を導入いたしました。
また、利用日ごとの応募件数や当せん組数等をホームページ上で公開しており、これらの取組を通じて、公平性と透明性を確保しております。
○上田委員 令和四年までは、令和二年が都合二十五回、令和三年は都合二十七回、令和四年度は都合十五回でしたが、五年度七月からシステムを変えたということでございまして、こういうことがなくなるということは確認させていただきました。
ヒアリです。
平成二十九年七月、東京港で陸揚げされたコンテナ内において、都内で初めてヒアリが確認されて以来、水際での対策を徹底するため、ヒアリ対策連絡会を設置し、関係組織の連携対策を強化、実施されております。
湾岸地域は、子供たちも遊ぶ公園などもあり、周辺自治体の住民の周知は可及的速やかに実施すべきと考えますが、現状の周知の流れについて確認いたします。
○野平港湾経営部長 都は、ヒアリ発見後、速やかに発見場所や発見日などにつきまして、環境省と報道発表を行うほか、ホームページやSNSなどにより、広く都民への周知を行っております。
また、地元区や港湾関係団体等に対して、直接情報提供を行っております。
さらに、確認地点の周辺の海上公園内におきましては、ヒアリの一般的な特徴、注意点、相談先等を記載した看板を設置するなど、住民や公園利用者に対する注意喚起を行っております。
○上田委員 特にやっぱり地元区に出していくことは大切だと思いますので、もちろんネットとかでも、私もご案内いただきますけど、それとは別途やっていただいているということで安心しました。
放置船舶です。
過去十年の放置船舶の状況ですが、数字だけ事業概要で見ますと処理が進んでいないやに見受けます。
同じ船が残留し続けているのか、いたちごっこのように撤去しても新たな放置船舶が発生するのか、傾向と対策、防止策など、所見を伺います。
港内に放置されている沈廃船についてもお願いいたします。
○野平港湾経営部長 都は、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例及び東京都船舶の係留保管適正化計画に基づき、放置船舶の所有者に対する指導、警告を実施することなどにより、沈廃船を含む放置船舶の削減に取り組んでおります。
令和五年四月末における東京港内の放置船舶は二十四隻でございまして、条例施行前の平成十四年五月時点の三百十隻と比べますと大きく減少しております。
なお、現在、東京港内に放置されている大半の船舶は、十年以上前から放置されているものでございます。
○上田委員 本当に一割にして、それがちょっと残っているという感覚で、もうあと一踏ん張りよろしくお願いいたします。
最後に、国の直轄事業なんですけれども、令和五年におきます国の直轄事業の国と東京都の負担額をお示しの上、事業選定や負担額について、都は、この金額はかなりの金額ですと思うので、どのような決定権を持っているのか伺います。
国に対しても都の意思が反映されるよう、どのような働きかけをしてきたのか、取組状況と成果もご報告ください。
○佐藤港湾整備部長 令和五年度における負担額につきましては、国直轄事業費約六十八億円に対しまして、国は約四十七億円、都は約二十一億円でございます。
国直轄事業につきましては、港湾法第五十二条第一項に基づきまして、国が港湾管理者である都の同意を得た上で事業の実施を決定しております。
都は国に対しまして、提案要求等を通じて、東京港に必要な施設の整備推進を要望しておりまして、直近では、中央防波堤外側コンテナふ頭Y3と臨港道路南北線の事業実施が決定されたところでございます。
○上田委員 これは国直轄なのに、明細書もないまま請求書だけ送られてくるなんていって、どこかの大阪府知事がその昔議論をした、これは、私はいい着眼点だったと思います。
しっかりと国に指摘をしまして、必要な整備推進をしていることを確認させていただきました。
私、今回、ちょっと経済・港湾委員に初めてなったのでばたばたしていまして、例のODAIBAファウンテンについては質問をし忘れてしまったところでございますが、白石理事と、そして西崎委員が鋭い指摘をされているところでございます。
臨海地域開発事業だから税金は使っていないというのも、それもまた違いますよね。さっき、やっぱり私、委託費が払われているということと、また、この臨海会計の収支についても委託をしているんですよね。だから、税金はやっぱりかかっているわけですよね。
そこについて、しっかりと議論をしていくべきだと思いますし、東京臨海副都心まちづくり協議会が一緒になってやっているということですが、これのトップは日枝さんですよね、フジテレビの、まさにお台場にあるテレビ局の。これは歴史財団の理事長になっているんですが、外郭団体の。何かちょっと、誰のためのにぎわいなの、CXのための、フジテレビ系列のにぎわいなんじゃないの、だったらフジテレビさんにやってもらいましょうよ、この際、予算も持ってもらってというふうに思っております。
なぜならば、この臨海地域開発事業会計って、私、ずっと気になっていたんですけど、たしか、今年度、千八百七十三億円ぐらい企業債を償還する一つの大きな節目ということを把握しているので、そっちを先にして、あんまり余計な--だって、にぎわいとかまちづくりって役所がやることではないんじゃないのかなということを、非常に残念ながら、副都心はバブルがはじけちゃって、やっぱり、どうしようか、この臨海をというようなことを改めて原点に返って、一方で、もう本当に私は反対していますけど、神宮外苑とかああいった一等地のところの開発がどんどんどんどん進んでいく中で、今日的にどうなのかということも改めて考えていかねばならないなということを皆さんにも共有課題として共有させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○青木委員 まずは、東京港における脱炭素化の取組について伺います。
東京都は、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指して、都自らが率先して脱炭素化の取組を進めていまして、日本国内の物流の要である東京港やその周辺地域においても脱炭素化を着実に進めているところです。
港湾局によりますと、東京港のCO2排出量の九割以上は民間事業者が占めているということであり、残り六年余りとなった二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、今後は、より一層、民間事業者の脱炭素化に向けた取組を加速させる必要があると考えております。
このことから、まず、民間事業者による脱炭素化の取組状況について確認していきたいと思います。
東京港の脱炭素化に向けたこれまでの取組状況について、改めて伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都はこれまで、港湾施設への太陽光発電の設置や、トラック輸送から船舶、鉄道などへ転換するモーダルシフトの推進、さらには、重油に比べCO2排出量がより少ないLNGや水素を燃料とした船舶の入港料を免除する制度を創設するなど、港湾の脱炭素化を図ってまいりました。
また、東京港における脱炭素化を戦略的に進めるため、港湾関係事業者や脱炭素化に知見を有する企業などを構成員とする検討会において意見交換を重ねまして、昨年三月には、東京港カーボンニュートラルポート形成計画を策定いたしました。
現在は、この計画に基づきまして、荷役機械における水素活用に向けたプロジェクトの推進や、全てのコンテナふ頭で使用する電力の再生可能エネルギー由来の電力への切替えなど、関係事業者と緊密に連携をしながら、脱炭素化に向けた具体的な取組を進めております。
○青木委員 東京港では、カーボンニュートラルポート形成計画に基づき、既に脱炭素に資する事業を展開していることが確認できました。
一方で、答弁によれば、これまでの取組は、港湾施設への太陽光発電の設置など、都が主体となって実施しているものが中心であり、今後、東京港における脱炭素化を加速させるためには、排出量の多くを占める民間事業者の取組を一層促すことが重要であると考えます。
そこで、都は、民間事業者の脱炭素化に関わる取組の後押しを行う必要があると考えますが、その見解を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港における脱炭素化を加速させるためには、排出量の大宗を占める民間事業者が脱炭素化に向けた取組を進めることが必要不可欠でございまして、都は、その取組をしっかり後押しする必要があると認識しております。
昨年、国は、港湾の脱炭素化を進める港湾脱炭素化推進計画の枠組みを創設しております。この枠組みの主な特徴は、港湾エリアに立地する事業者の脱炭素化を促進する仕組みが定められていることと、エリア内の臨港地区における構築物の用途に係る規制緩和の二点でございます。
今後、都は、この国の制度も活用し、現在の東京港カーボンニュートラルポート形成計画をアップデートすることで、民間事業者の脱炭素化に向けた取組を共に推進してまいります。
○青木委員 都が国の枠組みも活用して現行の計画をアップデートすることにより、事業者の取組を後押ししようとしていることが確認できました。
アップデートのポイントは、民間事業者の脱炭素化を促進する仕組みと、臨港地区における構築物の規制緩和の二点であるとのことですが、それぞれの詳細について確認いたします。
まず、民間事業者の脱炭素化を促進する仕組みについて、その概要と効果について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 国の枠組みにおいては、脱炭素化を促進するため、港湾エリア内に立地する民間事業者の取組やスケジュールを見える化する仕組みが定められております。
具体的には、民間事業者自身に脱炭素化に向けた取組内容や目標年次、CO2削減量などを計画に記載していただき、進捗状況も含めて公表することを予定しております。
こうした取組により、都としては、計画に記載された民間事業者の取組が進展することに加え、これから脱炭素化に取り組もうとしている他の事業者がこれを参考事例として活用することなどにより、東京港全体の脱炭素化の底上げにつながることを期待しているところでございます。
○青木委員 先行企業の取組を広く共有することで、ほかの多くの企業に取組が波及していけば、東京港全体の脱炭素化のレベルアップにつながると考えます。
都は、ぜひ、関係事業者などとよく議論をしていただき、まずは多くの事業者の取組がアップデートされた計画に記載されるよう、しっかりと働きかけをしていただきたいと思います。
次に、ポイントの二点目である臨港地区における構築物の規制緩和について、その概要と都の対応について、同様に伺います。
○三浦港湾振興担当部長 臨港地区は、港湾の管理運営を円滑に行うために必要な地区として、港湾法に基づき港湾管理者により指定されたエリアでございまして、設置できる構築物の用途が規制されております。
国の枠組みにおいては、臨港地区内に脱炭素化推進地区を定めるなど必要な手続を行うことで、脱炭素化に資する構築物に関して規制を緩和することが可能となります。
例えば、現行制度では、臨港地区内に水素ステーションやEVステーションなどを設置することはできませんが、この枠組みの活用により規制緩和を行うことで設置が可能となり、東京港における燃料電池自動車や電気自動車の普及に寄与することが想定されます。
今後、民間事業者の皆様などの声も聞きながら、東京港の脱炭素化に向けた取組の裾野を広げるべく、脱炭素化推進地区を活用した規制緩和に取り組んでまいります。
○青木委員 これまでの質疑で、事業者の取組の内容の見える化や脱炭素化推進地区を活用した規制緩和が、今後の東京港における民間事業者の脱炭素化の促進に向けて意味を持つことが分かりました。
次に、都は、東京港における脱炭素化を加速させるために、速やかに東京港カーボンニュートラルポート形成計画のアップデートに取り組んでいく必要があると考えますが、今後の検討の進め方やスケジュールについて、都の見解を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、学識経験者や港湾関係事業者などで構成される港湾脱炭素化推進協議会を年内に設置し、計画のアップデートに向けた議論を開始いたします。
協議会においては、脱炭素化に向けた役割分担や手法について議論を深めるとともに、並行して国や地元区など関係行政機関との協議なども進め、来年度中を目途に計画をアップデートしてまいります。
こうした取組により、都は、二〇三〇年のカーボンハーフ及び二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向け、民間事業者と共に東京港における脱炭素化を加速してまいります。
○青木委員 東京港における脱炭素化を進めるには、ふ頭の利用者、物流事業者、港湾エリア内に立地する企業など、様々な主体との連携協力が不可欠であり、今回の計画のアップデートとそれに至る議論を通じて、都と関係者との連携が進み、脱炭素化の取組が一層深まることを期待しております。
また、今回の質疑を通じて、都が港湾の脱炭素化に積極的に取り組もうとしていることは理解できましたが、港湾エリアには、脱炭素化に取り組む意欲はあるものの、資金力やノウハウが不足する中小企業も多く立地しています。
都は、計画のアップデートと並行して脱炭素化に取り組む事業者に対する支援の在り方についてもしっかり検討していただくことを要望して、次の質問に移ります。
東京港の内貿ふ頭の機能強化について伺います。
東京港は、日本を代表する国際貿易港であるとともに、国内海上輸送の一大拠点でもあり、国内貨物の長距離輸送において重要な役目を担っています。
近年、企業は、脱炭素を進めるため、また、トラックドライバーへの時間外労働規制の適用等に対応するため、国内貨物の輸送手段をトラックから船や鉄道に切り替えるモーダルシフトを進めています。
特に東京港においては、輸送を効率化するため、貨物をトレーラーの台車ごと積込みのできるローロー船という船舶で輸送する内貿ユニット貨物の取扱量が増加しております。
さらに、内貿ユニット貨物の輸送需要の増大を受け、船舶の大型化が進んでおり、荷役作業に必要なふ頭のヤード面積を十分に確保できない状況にあります。
このため、我が会派では、これまでローロー船に対応する内貿ユニットロードふ頭の機能強化の必要性について指摘したところであります。
そこでまず、東京港の内貿貨物の現状と今後の見通しについて、改めて確認いたします。
○佐藤港湾整備部長 東京港は、北海道や九州、沖縄など、全国各地と航路ネットワークで結ばれ、農水産品や乗用車などを輸送する拠点として、日本経済を支える役割を担ってございます。
特に内貿ユニットロードふ頭につきましては、効率的な輸送ができる内貿ユニット貨物の需要増加に合わせて、各船会社がローロー船の大型化を進めてきており、取扱貨物量は長期にわたり増加傾向にございます。
さらに、近年では、トラックドライバー不足への対応や環境負荷低減への動き等を背景といたしまして、陸上輸送から海上輸送へ切り替えるモーダルシフトが進んでおり、この流れが今後さらに進んでいくと見込まれております。
このため、昨年策定した第九次改訂港湾計画では、令和十年代後半における内貿ユニット貨物の取扱量を現在より約二割増しとなる千三百六十万トンと推計いたしました。
また、今後は、長さ百九十メートル級の大型ローロー船の寄港が増加していくと見込まれてございます。
○青木委員 長期的な輸送需要の増加に加え、ドライバー不足が深刻になる中、今後は、さらに貨物量が増える見込みとのことです。
内貿貨物に関しては、ローロー船による輸送が主流となり、効率的な輸送が可能となりましたが、その結果、貨物量が増加するとともに船舶の大型化が進み、ふ頭敷地では、トラックの駐車スペースが十分に確保できず、また、大型船舶に対応できる水深の岸壁が必要となるなど、課題が生じております。
こうした課題に対応するため、都においては、これまで内貿ユニットロードふ頭の整備を進めてきたと承知しておりますが、そこで、東京港において、都はこれまで、どのように内貿ユニットロードふ頭の機能強化に取り組んできたのか伺います。
○佐藤港湾整備部長 内貿ユニット貨物の輸送需要の高まりを背景に、東京港を利用する船会社は船舶の大型化を進めてきており、大型船が着岸可能な水深を有する岸壁の整備や多くの貨物を処理できるヤードの確保につきまして、利用者から強いニーズがございました。
このため、都はこれまで品川内貿ふ頭におきまして、より深い水深を有する岸壁の整備を行うとともに既存の上屋を集約し、跡地をヤードとして整備してきております。
特に品川ふ頭におきましては、供用しながら岸壁を整備する必要があったため、工事する区間を分割し、利用者に影響を及ぼさないよう工事を進めてきたところでございます。
これまでに、S1からS3と区分した三つの区間のうち、S1及びS2岸壁の整備を完了させており、現在、最後の区間となりますS3岸壁の整備を進めてございます。
令和八年度には全ての工事を終える予定でございまして、これにより、水深八・五メートル、三バース全体で延長六百九十メートルとなるふ頭が完成いたします。
○青木委員 内貿ユニット貨物の需要増加に対応するための取組が進められていることが確認できました。日々船舶が寄港している中で工事を進めるに当たっては、利用者の調整などの苦労が多かったと思いますが、令和八年度には完成するとのことで、これまでの取組は評価いたします。
しかし、先ほど答弁にあったとおり、今後は、さらなる取扱貨物量の増加や大型船の寄港ニーズの増大が見込まれています。
このため、我が会派は、これまで新規ふ頭の整備により、内貿ユニットロードふ頭の抜本的な機能強化を図るべきということを主張してきました。
都は、昨年策定した第九次改訂港湾計画において、中央防波堤内側に新たなユニットロードふ頭を整備することを打ち出しております。
都が新たに計画に位置づけた内貿ユニットロードふ頭、名称でいうとX6、X7の概要を改めて確認するとともに、今後の取組について伺います。
○佐藤港湾整備部長 国内海上輸送の一大拠点でもある東京港が今後もその役割を担っていくためには、船舶の大型化や貨物量の増加に適切に対応できるよう、港湾機能の強化を図っていく必要がございます。
このため、都は、中央防波堤内側地区におきまして、新たな内貿ユニットロードふ頭X6、X7を整備してまいります。
X6、X7は、全長五百メートルの岸壁と奥行き二百メートルのヤードを有するふ頭でございまして、長さ百九十メートル級の大型ローロー船が二隻同時に係留できますとともに、十分な作業ヤードを確保することで荷役作業が効率化し、東京港の内貿ユニット貨物の処理能力が約二割向上いたします。
都は、早期に事業化していくため、既に今年度、測量等の現地調査に着手しており、引き続き国や関係事業者等と整備に向けた調整を進め、内貿ユニットロードふ頭の機能強化に積極的に取り組んでまいります。
○青木委員 港湾計画において新たな内貿ふ頭が計画されたのは久しぶりでありますが、X6、X7の整備により貨物処理能力が二割程度向上するということで、東京湾の機能強化を進めていく上では重要なふ頭となるということが分かりました。
冒頭にも述べたとおり、東京港は国内海上輸送拠点として重要な役割を果たしており、内貿ユニットロードふ頭の機能強化を進めることは、首都圏のみならず日本経済を支える上で大変重要な取組であります。
ぜひとも早期の完成を目指し、精力的に取り組むことを強く要望して、次の質問に移ります。
東京港におけるDXの取組について伺います。
東京港は、首都圏の経済活動を支える数多くの重要なインフラを有しており、災害時には物資輸送等の拠点としての役割も担うことから、平時、非常時を問わず、その機能を維持することが求められています。
このため、東京港では、東京みなとDXの取組を進め、複数の部署に保管されている港湾施設等の情報を一元化するシステムの構築を進めていると聞いております。
平常時には、必要な情報に速やかにアクセスすることが可能となるため業務の効率化につながり、また、災害時には、防災情報の集約化等により迅速な災害対応が可能になるということです。
そこで、改めて東京みなとDXシステムの概要を確認するとともに、開発の進捗状況を伺います。
○儀間港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 東京みなとDXシステムは、現在、別々のシステムで管理している各施設の竣工図や地質データ、維持管理の記録などの情報を一つのプラットフォームに一元化することで、業務に必要な情報に素早くアクセスできるようにするものでございます。
また、災害時におきましても、被災現場で撮影した画像や動画を直ちにシステムにアップロードできる機能を搭載することで、関係者が同時に閲覧しながら、施設の使用可否の判断や対応策の検討などを速やかに行うことが可能となります。
昨年度からシステムの検討に着手したところでございまして、今後は、利用者にとって使いやすく機能的なものになるよう、ユーザーテストなども実施しながら、来年度中の運用開始を目指し、着実に開発を進めてまいります。
○青木委員 これから開発を進めていくということであり、引き続きしっかり取組をしていただきたいと思います。
続いて、東京みなとDXのもう一つの取組でありますスタートアップ企業との連携について伺います。
都では、現在、行政課題の解決につなげるため、様々な先端技術を持つスタートアップ企業との連携を進めているところです。行政側のニーズとスタートアップの技術力をマッチングさせることで、短期間で課題解決につながる効果の高い取組の展開が可能となります。
このため、スタートアップが持つ独自の技術をみなとDXに取り入れれば、より質の高いシステムをつくっていくことができると考えます。
そこで、スタートアップ企業との連携について、現在の取組状況を伺います。
○儀間港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 港湾局では、スタートアップ企業と連携し、岸壁などの港湾施設を3Dデータ化する取組を進めております。
昨年度は、試行としまして、ドローンで水門などを撮影した動画から自動で3Dデータを作成する取組を実施し、現場に行かなくても、誰もがどこからでも施設の状況を把握できることを確認しました。
今年度は、防舷材や車止めなど、岸壁の附属施設の3Dデータを作成し、これに対し、材料や整備年度、点検結果などの施設に関する情報を付与する取組を実施いたします。
3Dを使うことで、あらゆる方向から施設の形状を簡単に確認できるとともに、紙で管理していた施設情報が画面上ですぐ把握でき、膨大な数の施設の維持管理が容易になります。
○青木委員 施設の維持管理に関してもデジタル化を進め、より一層の効率化を図っていくべきだと考えておりまして、スタートアップとの連携は適切だと考えます。
引き続き、業務の進め方を変革するDXに積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
さて、東京みなとDXシステムの主な利用者は職員となりますが、行政内部で持っているデータを可能な限り都民に公開していくことも重要であります。公開された情報を都民の方々に様々な用途で活用してもらえれば、さらなる都民サービスの向上にもつながります。
そこで、都は、東京みなとDXシステムのデータを積極的に公開していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○儀間港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 東京みなとDXシステムでは、職員向けのシステムのほか、都民へ向けたインターネット上のサイトも公開していく予定でございます。
この都民向けサイトには、護岸などの基本構造を示す図面や過去の調査で実施した地質データ等を掲載していくこととしております。
これによりまして、例えば護岸に近い場所で建物の建設等を計画している場合、これまでは、開発事業者などは都の窓口で図面を確認する必要がございましたが、オンライン上で二十四時間いつでも自由に確認することが可能となります。
今後、さらなるオープンデータ化へ向けて検討を行い、都民サービスの向上につなげてまいります。
○青木委員 今、答弁から、データの公開等を検討していくということで、都は、東京みなとDXシステムが効果的なシステムとなるよう、様々な点に配慮しながら開発を進めていることが確認できました。
運用開始に向けて、これからもしっかりと取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終えます。
○遠藤委員 それでは、私を含めて、あと三人だと思いますけれども、港湾局への質疑を始めてまいります。
東京湾における物流の効率化の取組についてです。
国内最多のコンテナの取扱い、グローバルサプライチェーンの要衝となっている東京港では、コンテナターミナルの周辺におきまして、コンテナの搬出入の待ちトラックが待機する状況が見られ、長年の課題になっております。また、物流の二〇二四年問題を契機としたトラックの輸送力不足により、国内物流が停滞することが懸念されております。
東京港においても、この問題の解決に向けまして、港湾エリアでのトラック待機時間をさらに短縮していくことが重要だと考えます。
初めに、東京港のコンテナターミナル周辺で混雑が発生している原因について、改めて都の見解を伺います。
○野平港湾経営部長 東京港のコンテナターミナル周辺では、時期や時間帯などによりまして、貨物の受渡しのために来場したトラックによる混雑が発生しております。
その主な原因といたしましては、東京港では施設能力を大幅に超えるコンテナを取り扱う状態が続いておりまして、その結果、ターミナルでの貨物の受渡しに時間がかかっていることが挙げられます。
また、東京港を利用する荷主の多くが、ターミナルから引き取った貨物を朝一番に納品するようトラック事業者に要請するため、トラックが納品前日の午後、特に夕方にターミナルへ集中することも混雑の大きな要因となっております。
○遠藤委員 ただいまの答弁によりますと、東京港のコンテナターミナル周辺における混雑の主な原因は、ターミナルの施設能力が不足していることに加えまして、ターミナルから貨物を引き取るトラックの来場が特定の時間に集中する、この二点だということであります。
いずれも簡単には解決できる問題ではありませんが、今後、引き続き東京港を利用してもらうためには、避けて通れない問題であります。
都は、このうち、ターミナルへのトラックの来場時間の集中に対しまして、今年度、コンテナターミナルの混雑緩和や物流の効率化に資するための取組としまして、東京港オフピーク搬出入モデル事業を実施していると聞いています。
そこでまず、確認のために、この事業の取組内容について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、コンテナの搬出入をターミナルが混雑する夕方から比較的すいている午前中に変更するオフピーク搬出入を推進するため、東京港オフピーク搬出入モデル事業の実施企業を公募し、九月に荷主企業と物流企業十社で構成される事業者を選定いたしました。
このモデル事業におきましては、事業者が午前中にコンテナターミナルでの搬出入作業を集中して実施し、その貨物を一旦、ふ頭近くの中継輸送拠点である仮設デポに蔵置しておき、混雑の少ない夜間に荷主が立地する関東の内陸部へ向けて輸送することによりまして、物流の効率化につなげていく予定でございます。
これにより、東京港のコンテナターミナルの混雑緩和やトラック事業者の荷待ち時間の短縮などによる輸送効率の向上、さらに、荷主企業における貨物輸送の定時性の確保が期待できるところでございます。
○遠藤委員 この十社で構成されます事業者が取り組めば、一社で同様の取組を行う場合と比べまして、会社同士が連携することで様々な輸送パターンの検証が可能になるなど、モデル事業として得られる成果も大きくなると考えられます。
都としましても、今回のモデル事業で得られた成果をほかの事業者に波及させることで、取組自体の効果を大きくすることが重要だと思います。
ターミナル周辺の混雑解消に向けまして、東京港オフピーク搬出入モデル事業、これで得た成果をどのように活用していくのか伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港オフピーク搬出入モデル事業については、十月から十二月頃にかけまして、実際に海上コンテナの搬出入を行い、効果を検証するとともに、物流効率化に向けた課題と対応の方向性などを整理いたします。
モデル事業終了後には、オフピーク搬出入の効果について、東京港を利用する荷主企業、物流企業に周知することで、配送サイクルの見直しなどの行動変容を働きかけ、今後のトラック来場時間の分散化の取組推進につなげてまいります。
○遠藤委員 ターミナルにトラックが来る来場時間の分散化を進めて、東京港の混雑解消にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今回のモデル事業は、現状でターミナルが比較的すいている午前中の時間帯にコンテナの受渡しを行う、これを前提に実施をしておりますが、実際の混雑状況はそれぞれのターミナルによって異なりまして、また、季節、時間帯などによっても違いがあると伺っております。
例えば、各ターミナルの混雑状況を細かく分析し、その情報を広く発信することで、荷主やトラック事業者によります自発的なオフピークの搬出入、こういったことを促していくことも期待できるのではないでしょうか。
そこで、東京港の混雑状況に関する情報発信、これをさらに充実すべきであると考えますが、都の見解を伺います。
○野平港湾経営部長 都はこれまで、東京港に来場するトラックが混雑を回避できるよう、コンテナターミナルにおける混雑状況の見える化に取り組んでまいりました。
具体的には、トラック事業者の協力を得て、トラックにGPS端末を搭載し、そのトラックがふ頭エリアに入ってからターミナルに入場するまでの時間や、入場してから退場するまでの時間を集計いたしまして、東京港ポータルサイト等を通じ、リアルタイムで公表しております。
今後は、リアルタイムでの情報提供に加えまして、ターミナルごとに時間帯別や曜日別などの混雑傾向を詳細に分析した分かりやすい情報発信を行うため、年内に東京港ポータルサイトをリニューアルしてまいります。
都は、こうした取組を通じ、荷主等による配送サイクルの見直しを促し、さらなるターミナル周辺の混雑緩和につなげてまいります。
○遠藤委員 期待の持てる取組であると思います。荷主さんや物流事業者の間で確立された商慣習、これに基づく配送サイクルを見直していくことは、一朝一夕では解決できない困難な課題だと思いますけれども、都には関係者とこれまで以上に緊密に連携しながら、オフピークの搬出入をはじめとした物流の効率化に積極的に取り組んでいただきたいと要望して、次に移ります。
臨海副都心における自動運転サービスの実装について。
本年四月から五月にかけまして臨海副都心エリアを中心に開催されましたSusHi Tech Tokyo 二〇二四では、世界共通の都市課題解決に向けた東京発のイノベーション、これを創出していくとともに、未来の都市モデルを発信することをコンセプトとしまして、延べ約六十一万人が参加し、アジア最大級のイベントとなりました。
この機を捉えて、港湾局ではイベントのコンセプトに合わせた様々な取組を展開したと聞いておりますが、本日は、その中の一つの自動運転について伺ってまいります。
まずは、SusHi Tech Tokyo 二〇二四、この開催期間に実施しました自動運転の取組内容について伺います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 港湾局では、SusHi Tech Tokyo 二〇二四の開催に合わせまして、自動運転技術のさらなる精度向上とともに、多くの来場者の方に自動運転車両への乗車体験を通じて新しい技術に対する理解促進を図るため、自動運転車両で走行する複数のルートを設定し、実証を行いました。
具体的には、SusHi Techの会場の一つでもあるシンボルプロムナード公園内を周回するルートに加え、公道において、国際展示場駅と海の森公園を結ぶルートや、東京テレポート駅と日本科学未来館を結ぶルート、臨海副都心内の主要な商業施設等を周回するルートの四つのルートにおいて、小型バスなど合計六車種を用いまして、自動運転サービスの実証を行いました。
今回の実証では、延べ三千名の方々に自動運転車両への乗車をいただいたことで、自動運転サービスの安全性の理解促進を図るとともに、様々な走行条件下での自動運転技術の向上を確認することができました。
また、実装に向けた解決すべき課題についても把握することができました。
○遠藤委員 この自動運転サービスの実装に向けた大きな課題の一つが、自動運転技術への理解、いわゆる社会的受容性といいますけれども、自動運転って安全なんだよということが、どれぐらい幅広く社会に伝わっていくのかということが肝要だと思います。
その意味で、今回、延べ三千人という多くの方が乗車体験をしたことは大変に評価できます。
一方で、SusHi Techに合わせて四つのルートで実証を行ったということでありますけれども、ここで新たな技術的課題も見えたのではないかと思いますが、そこで、臨海副都心エリアにおける自動運転サービス実装に向けた技術的な課題についてお答えください。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 今回の自動運転サービスの実証では、公園内における自動運転での走行率は約九四%となり、ほぼ自動運転により走行することができました。
一方で、公道においては、自動運転での走行率が約八〇%にとどまるルートもあるなど、ドライバーによる手動介入が必要な場面も一定程度見られたところでございます。
手動介入が行われた要因としましては、例えば、路肩に駐停車している車両に接近した際、その車両を信号待ちしている車両と判断してしまうケースや、車線変更時に渋滞車列への割り込みができず停止してしまうケースなどがございました。
こうした様々な走行条件下においても自動運転を継続できる技術の開発が課題であると認識しております。
○遠藤委員 今ご答弁にもありましたように、公園内では九四%だけれども、公道だと八〇%台にまで落ちてしまう、このような公道での実証では、様々な走行条件下であっても自動運転を継続できる技術の開発が課題であるということが分かったと思います。
走行条件の面においては、海の森公園ルートにおいて、海底トンネルを通行する必要があり、トンネル内では自動運転に必要となるGPS信号の受信ができないのではないかというふうに思うんですけれども、そこで、今回の実証で、海底トンネルの中の走行における技術的課題にどのように取り組まれたか伺います。
○水飼開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 海の森公園ルートにおいては、東京港海の森トンネルと第二航路海底トンネルを通行することにいたしました。
トンネル内では衛星との通信が遮断されるため、自動運転走行に必要となるGPS信号による車両の位置計測が困難になります。このため、トンネル内での車両位置が推定できるよう、高精度の三次元地図と実際の走行時における車輪の回転数とを融合させることにより、車両位置を判断する技術を用いることといたしました。
これにより、トンネル内における自動運転での走行率は約九〇%となるなど、自動運転技術の精度向上を図ることができました。
今後も、こうした取組で得られた走行データや地図情報などを十分に生かし、運行事業者と連携を図りながら技術的な課題の解決に積極的に取り組んでまいります。
○遠藤委員 自動運転サービスの実装に向けましては多くの課題があると思いますが、臨海副都心エリアにおきまして、実証を重ねていくことで技術的な課題の解決を図っていただきたいと思います。
ちょっと時間の関係で、水門の運用におけるAI活用ですが、こちらは次回以降に引き継ぎまして、ぜひこの開発も進めていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。
○細田委員 私からは、さきの委員からも多く質問がございましたけれども、お台場海浜公園の噴水整備についてお尋ねいたします。
まず、初めに、都議会本会議におきまして都議会公明党は、先般、臨海副都心に世界最大規模の噴水、ODAIBAファウンテン(仮称)を整備することが発表されて、この事業を都議会公明党は、進めていくに当たっては、地域の皆様の理解を得て、そして、都民の税金を新たに支出しない、そのスキームで取り組むべきだということを主張させていただきました。
都は、整備費等は埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用するために、都民の税金は一切使わない、今後、地域の皆様方のご意見を伺いながら整備を進めていくと答弁をいただきました。
そして、これに先立つこと昨年の二月、二〇二三年の二月ですが、知事は、都議会本会議の所信表明演説で、東京港の海上公園に幻想的な光が織りなす噴水を設置するなど、新たなランドマークを出現させると初めて表明をされました。
そして、本年の九月十三日に、臨海副都心の新たなランドマーク、お台場海浜公園に噴水、ODAIBAファウンテン(仮称)を整備する、概要は、高さ百五十メートルの噴水と、東京都の花であるソメイヨシノ、桜をモチーフとした横幅二百五十メートルの噴水を組み合わせて整備(世界最大級の規模)をするとの具体案が示されたわけであります。
まず、昨年の二月から今日までの一年七か月の間、いかなる検討がなされてきたのか、都の説明を求めます。
○若林臨海開発部長 臨海副都心をさらなる発展に導き、プレゼンスを向上させるため、都はこれまで、進出事業者による、まち全体のにぎわいを創出する事業への支援などを行うとともに、都自らもイベントの実施などに積極的に取り組んでまいりました。
令和四年度に実施したイベント、TOKYO SPARKLE PAGEANTが大きな反響を得たことや、多くの事業者等からにぎわいの創出を図る取組について要望が出されたこともあり、臨海副都心の新たなランドマークとして噴水を整備することとし、令和五年度から具体的な検討を進めてまいりました。
噴水の仕様やデザイン等の検討につきましては、外部委託を活用するとともに、お台場海浜公園の水域を現在も利用されている関係者の方々やまちの進出事業者など、様々な方々の意見をお聞きしながら検討を進めてまいりました。
○細田委員 様々な方々の意見を聞きながら検討されてきたということで、先月の都議会公明党の代表質問に対して、噴水整備は、臨海地域開発事業会計を活用して支出に充てると答弁されました。これは、都民の税金は使わないようにという都議会公明党の提案に応えるものであります。
この臨海地域開発事業会計なんですけど、令和五年度の決算を見ますと、営業収益が百十四億円。収益の中の埋立地の賃貸収益が、江東区の潮見だとか若洲などで約四十億円、また、臨海副都心用地賃貸料収益で六十九億円、これで百十億円。そして、営業損益、これが七十九億円。この七十九億円は、一般会計では払えない、公営企業会計でしか払えないという人件費、児童手当、これはここから払わなくちゃいけないということで、また、保育所等の賃料だとか、こういう形で支出されてきたというふうに理解しています。
そこで、この金額から、この会計から、前年度はもっと、三百六十億円の営業収益があって、損益百二十億円ということで、このような収益があった、この会計を使っていくということで、当然、ほかの支出とか出てくるわけだけれども、この会計で噴水を整備していく。
万が一にも一般会計から繰り出しが行われる、このようなことはないと思いますが、また、債務負担行為などを活用して複数年で費用を支払っていく、こういうつもりがあるのか。それとも、今申し上げたように単年度のこの会計の収益から支払っていくことになるのか。そして、あわせて、維持管理費についてはどのように取り扱っていくのか、東京都の見解を求めます。
○若林臨海開発部長 お台場海浜公園に整備する噴水、仮称ODAIBAファウンテンでございますけれども、これにつきましては令和七年度末の完成を予定しており、現在、七年度予算の要求に向けて、実績の中で整備費の精査を行っているところでございます。
工事のための契約につきましては、来年度の早期を見込んでおりまして、単年度の予算で全額を支出する予定でございます。
整備費用につきましては、本会議において答弁いたしましたとおり、一般会計ではなく臨海地域開発事業会計を活用いたします。
また、整備後に始まる維持管理に要する費用につきましても、臨海会計を活用してまいります。
○細田委員 分かりました。都民の税金は一切使わないこと、そして、地域の皆様の理解を得ていくこと、このことを代表質問では厳しく求めたわけであります。
さきの質疑の中で、ほかの方々とかぶらないというところで、今のところを、今また、私の方からは指摘をさせていただきました。
地域の皆様方の理解を得ていくということがすごく重要で、私は噴水と聞いたときに、例えば、自由の女神が立地されているお台場海浜公園の近くの陸地に噴水ができるのかと素朴に思いました。
しかし、お台場海浜公園内の狭い水域に大きな噴水ができて、そして高い海水を噴き上げる、こういうことになるということが明らかになったわけであります。
この公園の陸の部分、自由の女神の先の水際からレインボーブリッジが見える方向から見ますと、北西の方向にあるんですけど、この北西の方向には南側と北側に二つの小さな島があって、鳥の島といいますけど、その間までにおよそ約四百メートルぐらい、ちょっと私が目算で測っただけなので正確じゃないかもしれませんけど、そのぐらいの距離しかない、このように思うんですね。この水域に噴水が整備されると、様々なことに気をつけなくちゃいけないということになってくると思います。必要になります。
周辺の地域の方々のご意見や公園を利用される方々、関係者、そして先ほど来お話が出ている協議会などの地域団体、また水域近くの学校や、また許可を得て事業を行っております舟運事業者の方々、そして自治体、これらのご意見をしっかりと聞いて調整して、安全に、そして価値的に反映させていくことが大切になると思います。
例えば、お台場海浜公園の北東側のレクリエーション水域で活動する学校での部活動、ヨット部がありますよね。また、マリンスポーツの利用などをされている方もいる。舟運や観光事業者のお客さんの安全などはどうしたらいいのか。これらのことはクリアしていかなくちゃいけない必須条件の話だと思っています。
舟運、観光事業としては、許可された屋形船などの舟運事業者が係留できる場所がなくなっては困ってしまう。ちゃんと日中にあっても泊められることができなくちゃいけない。
また、鳥の島には、お台場海づくり協議会の方々が長い間、自分たちで全て費用の負担をして、このソメイヨシノというシンボルと同じ、それの基になります桜の木をずっと長い間育ててきているわけであって、野鳥が来ることでも知られているわけであります。
これらの観賞を妨げたり、噴水による海水で桜の木や野鳥の環境に影響が及ぶようなことはあってはなりません。このことをしっかりと都に求めた上で、質問をさせていただきます。
都は、地域の理解を得るために、これまでいかなる説明、意見交換をしてきているのか、地域の協議会や学校、公園利用者、舟運事業者などはどのように考えているのか。そして、それに対して、都はこれまで、いかに取り組んできたのか、答弁を求めます。
○若林臨海開発部長 都は、令和五年度予算におきまして、まちのランドマークとなる噴水を整備することを公表してからこれまでの間、様々な方々の意見をお聞きしながら、噴水整備の課題等につきまして検討を行ってまいりました。
具体的には、屋形船や舟運の事業者の方々など、水域を利用されている方々と噴水の設置場所やその影響範囲等について意見交換を行うとともに、水域利用者の方々の安全に万全を期す、それから、営業への配慮なども含めまして、海上保安部と調整を進めてまいりました。
周辺の環境に影響を及ぼさないよう、噴水による飛沫の範囲を想定し、関係者の方々への説明をいたしました。
さらに、噴水の運用方法ですとか演出、活用等につきましては、地域の方々をはじめとして、委員ご指摘の近隣の学校など幅広く今後ご意見を伺いまして、より一層具体的な検討を進めていく予定としてございます。
これまでに行ってきた取組によりまして、噴水の整備について、水域利用者やまちの進出事業者等の方々からは賛同のご意見が寄せられており、特に東京臨海副都心まちづくり協議会からは、噴水の着実な整備と、事業者との連携による噴水を活用したにぎわいづくりの推進につきまして、改めてご要望をいただいているところでございます。
○細田委員 今、決意もありましたし、やってきているというようなご説明もありました。
地域の皆様の理解を得るために最も重要なことは、噴水を安全に運用していく、このことだと思っています。
二百五十メートルの長さ、百五十メートルの高さの噴水について、周囲にはいかなる危険性を及ぼすのか。海上公園内の利用者や舟運事業者などの船舶は、噴水からどのような距離を取る必要があるのか。安全対策や周辺環境への影響について、都は、いかに考えているのか、見解を求めます。
○若林臨海開発部長 現在整備を予定しております噴水については、非常に大規模なものでございます。委員ご指摘のように、安全対策が非常に重要であると認識をしてございます。
噴水の運用上の安全対策につきましては、公園内に風速センサーを設置し、風速に応じて噴射高を自動的に制御するとともに、強風時には演出を中止するというような運用も考えております。
また、手動による緊急停止スイッチを設置することで、不測の事態にも監視員が対応できる体制について、現在検討を行っております。
また、水域内の安全確保策につきましても、水域利用者の方々と十分調整を図りながら、海上保安部との話合いを進めておりまして、引き続き調整を進めてまいります。
さらに、噴水による水質や生態系への影響につきましては、整備着手前から継続的な調査を行い、整備や運用によって生じる影響を確認していくことを予定しております。
公園や水域の利用者の方々、周辺居住者の皆様などの安心を確保するため、今後とも関係機関と連携しながら効果的な対策について検討してまいります。
○細田委員 どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、東京港におけますトラックドライバーの方々の労働環境の改善について質問いたします。
働き方改革の一環で、本年四月から、トラックドライバーの方々にも時間外労働の上限規制が適用されました。従前からのドライバー不足と相まって、トラックの輸送力の低下に拍車をかけており、このままではコンテナ物流が停滞する危機的な懸念がございます。
東京港においては、季節や時間帯によって状況は異なりますが、ターミナル周辺で荷待ちをするトラックの混雑が発生しており、早急に解決しなければならない喫緊な課題となっております。そのため、都議会公明党は、本年三月の本委員会で、ターミナル周辺の混雑解消に向けまして、国が開発した予約システムCONPASを活用した予約制を積極的に推進すべきであることを指摘させていただきました。
こうした観点から、まずは予約制の取組について質問をします。
都はこれまで、予約制にいかに取り組んできたのか、取組状況と効果について質問をいたします。
○野平港湾経営部長 都は、ゲート前混雑の緩和などを目的といたしまして、国やターミナル事業者等と連携し、令和四年八月から、CONPASを活用した予約制事業を進めてまいりました。
予約制の実施に当たりましては、ターミナル事業者やトラック事業者など関係者の習熟を図りつつ、円滑に導入を進めていく観点から、実施期間を区切って効果や課題を検証しながら、実施ターミナル数などの規模を段階的に拡大してまいりました。
令和五年度における予約制の利用台数は二万十九台でございまして、前年度比約三・六倍となっております。また、トラック事業者の参加登録数は最大で二百七十三社となり、前年と比べ約四・八倍となるなど、利用者数は順調に増加しております。
予約制を利用したトラックのゲート前における待機時間は、利用しなかったトラックに比べ最大で約八割短縮するなど、ゲート前混雑の緩和に資する効果を確認しております。
本年九月から第六期の取組を開始しておりまして、これまで実施してきた大井ふ頭の三ターミナルに加え、新たに青海ふ頭の一ターミナルで実施することとしております。
○細田委員 今のご答弁で、利用実績が順調に推移して、ゲート前混雑の緩和に大きな効果が出ていることも確認ができました。また、実施期間を区切って、課題などを検証しながら慎重に進めていることについても、現場に混乱を起こさないという観点で評価ができるものであります。
一方、関係者の習熟も一定程度進んでいると思われるために、利用者にとってより使いやすくなるように、期間を区切らずに実施してもよいのではないでしょうか。トラック事業者が必要に応じていつでも利用できるように、予約制を通年制で実施すべきと考えますが、都の見解を求めます。
○野平港湾経営部長 予約制におけるトラック事業者の利便性を高めていくためには、実施期間を通年とすることが重要でございます。
通年実施に伴い、新規利用者も含め、予約制を利用するトラック事業者の大幅な増加が見込まれることから、円滑に通年実施に移行するためには、新たに参加するトラック事業者向けのサポートを充実するとともに、ターミナル事業者の業務負担の軽減が必要であると認識しております。このため、都は、トラック事業者に予約制の実施内容等を十分に理解してもらえるよう、予約制の利用方法を解説した動画を拡充し、ホームページ等で配信いたします。
また、専用の問合せ窓口を設け、入場ルートや現場での手続など、利用当日の手順に関する問合せなどに丁寧に対応していくことによりまして、トラック事業者への周知不足により発生する現場でのトラブルを減少させ、ターミナル事業者の業務負担の軽減につなげてまいります。
こうした取組を通じまして、対応可能なターミナルから早期に通年実施に移行してまいります。
○細田委員 通年実施に切り替えるならば、予約制の利用者数も、これまでとは比較とならないほど増加することが予想されます。
予約制の通年実施に向けまして、現場に混乱を招かないためには、新たな利用者に対するサポートはもとより、予約制を運用するターミナルに対しても、どうぞ、十分な支援をしてもらう必要があります。支援を実施するよう、都には強く要望しておきます。
ところで、コンテナ物流を維持していくためには、担い手となるドライバーを増やしていくことが必要であります。しかしながら、そのためには、湾岸エリアにおいても、より一層、働きやすい労働環境、これを整えていくことが極めて重要になってまいりました。
近年は、港湾の現場においても、女性ドライバーの活躍が増えてきました。今後は、より一層、女性が働きやすい環境の整備という視点が大切になってまいります。
そこで、東京港を利用するトラックドライバーの方々の労働環境の改善について、都の取組状況と課題について答弁を求めます。
○野平港湾経営部長 東京港が国際物流拠点としての機能を維持していくためには、コンテナターミナルなどで働く港湾事業関係者のみならず、トラックドライバーなどの物流関係者が快適で働きやすい環境を提供することが重要でございます。
これまで都は、各ふ頭におきまして、港湾事業関係者等が利用できる休憩所等の福利厚生施設を整備するとともに、コンテナターミナル周辺のトラックの待機場に男女別トイレを設置するなど、労働環境の改善に努めてまいりました。
一方で、近年、新たにコンテナターミナルを供用開始した中央防波堤外側地区におきましては、休憩所等の福利厚生施設が未整備の状況でございまして、今後、改善が必要であると認識しております。
○細田委員 認識をしっかりとしてくださっているということで、これまでも、港湾事業関係者やトラックドライバーの方々に向けました様々な労働環境改善の取組を行ってきたことは評価をいたします。
一方で、中央防波堤地区は、先ほど来議論があるように、Y1、そしてY2コンテナターミナルが既に供用を開始しており、港湾事業関係者や来場するトラックドライバーの方々が急増していることに加えまして、令和九年度末にはY3コンテナターミナルが新たに整備されることで、このエリアで働く方々がさらに増えることから、福利厚生施設の早急な整備が求められております。可及的速やかにトイレや休憩室などの福利厚生施設を設置していくべきであります。
今後、中央防波堤外側地区において、いかに労働環境の改善に向けて取り組んでいくのか、都の答弁を求めます。
○野平港湾経営部長 都は、中央防波堤外側地区における労働環境の改善策を検討するため、今年度中に、民間事業者の知見も活用いたしまして、売店、トイレ、休憩室などに関する利用ニーズや新たな福利厚生施設の設置の可能性について調査を実施する予定でございます。
具体的には、周辺で働く港湾事業関係者に加えまして、コンテナターミナル等に来場するトラックドライバーなどの利用も想定し、多様なニーズを把握するとともに、整備や運営に係る課題の洗い出しに取り組んでまいります。
これらを踏まえ、今後、福利厚生施設の新設も含め、必要な対応について検討してまいります。
○細田委員 力強い前向きな答弁、本当にありがとうございます。よろしくお願いします。
今年度中に中央防波堤外側地区での労働環境改善に向けた検討に着手していかれるとのことでございました。東京港の利用者のニーズにしっかりと耳を傾けられて、港湾事業者、関係者はもちろん、東京港を利用するトラックドライバーの方々にも利用しやすい衛生的な福利厚生施設などを整備していってください。
都には早急な対応をお願いして、次の質問に移ります。
水素船の導入について質問をいたします。
東京港では、平成二十七年に、船舶の環境対策を評価する国際的な仕組みに日本で初めて参画し、窒素酸化物などの排出の少ない船舶の入港を促進してきました。内航海運からのCO2の排出量が日本の全体の約一%、これは二〇二二年度ですけれどもというような状況であります。また、これは、鉄道や航空よりも内航海運の方がCO2の排出量が多いという、こんな状況があります。
多くの船舶が重油や軽油を燃料としている以上、脱炭素化を進めるには、これらの燃料を水素などのクリーンエネルギーに変えていく必要があります。
現在、CO2排出量をより抑えたLNG、液化天然ガス燃料の利用に動きが見られますが、ゼロエミッション船として特に注目されているのが水素を燃料とする船舶であり、先駆けとして脱炭素化に大いに貢献するものとして期待をされています。
しかし、水素船は、ディーゼル船と比較して航続距離で劣ることや、水素の供給方法の技術面での課題があることから、広く普及している状況にはなく、いまだ開発段階にあります。
こうした中、私は、昨年の二〇二三年第一回都議会定例会におきまして、脱炭素社会の実現に向けて、軽油を燃料とする小型船を多く所有している都が環境に配慮した船舶を率先して導入していくべきと提案し、都からは、水素エネルギーなどを動力とする船舶を導入するとの答弁がございました。
そこで、都が導入する水素船について、現在の取組状況はどうなっているのか、質問いたします。
○佐藤港湾整備部長 港湾局では、東京港内で使用している小型船につきまして水素船を導入することとしており、令和五年度には、更新期を迎えた一隻につきまして、造船の設計に着手してございます。
設計に当たりましては、水素に加え、蓄電池を搭載することで航続距離を延ばす工夫をするとともに、新たに開発された持ち運びのできる水素モジュールタンクを採用することで、水素ステーションを設置することなく、船舶への水素供給を可能としております。
令和八年度の運用開始に向け、本年八月には造船契約を行ったところでございまして、引き続き着実に事業を進めてまいります。
○細田委員 順調に進捗していることを確認させていただきました。ゼロエミ東京を開いていく期待の船舶であります。二年後の運航に向けて期待をしております。
最後に、新砂貯木場北側の避難水域について質問いたします。
近年、気候変動の影響により、強い勢力を保ったまま関東地方へ来襲する台風、これが非常に多くなってきており、東京港にとっても、風水害への備えの重要度はさらに増してきています。
東京港において、私は地元なので何度も視察しておりますが、新砂貯木場の北側に、台風などの荒天時に、屋形船や釣り船など小型船舶などが避難先として利用する水域があります。
台風の襲来時などに屋形船などが避難できる水域が確保されていることは、小型船舶にとって大変に有益でありますが、一方で、屋形船などを係留するためのくいが老朽化により一部使用できないなどの状況が生じていることを、以前より私は観察して確認をしています。
現在、存在している、安全のためにある水域であります。一隻でも多くの小型船舶の避難場所が広がることは重要なことであります。
今後も新砂貯木場北側避難水域が、事業者が台風時の避難先として安全に利用できるよう、都は適切な維持管理を行うべきですが、見解を求めます。
○野平港湾経営部長 都は、新砂貯木場北側の水域におきまして、台風などの荒天時に、屋形船や釣り船などが一時的に避難できるよう、昭和五十五年に係留ぐい等の整備をいたしました。
これまで、本水域は、荒天時における屋形船などの避難先として機能しておりまして、本年八月に台風七号が非常に強い勢力で東京湾に接近した際にも、当該水域への避難を希望した全ての船舶を収容いたしました。
今後も、荒天時の屋形船などの一時的な避難先としての役割を果たすことができるよう、適切に維持管理を行ってまいります。
○細田委員 気候変動による水害のリスクは高まっており、いつ襲来するか分からない台風への常時の備えが重要であります。
老朽化も大分進んでおりますので、係留ぐいの健全度調査を実施するなど、適切に管理を行っていくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○三宅委員 島しょ地域における海岸保全施設の機能強化について伺いたいと思います。
近年、気候変動の影響により、平均気温や海水温の上昇が進んでいます。特に海水温の上昇は、平均海面水位の上昇をもたらすだけではなく、台風の強大化にもつながっていることから、沿岸地域への影響が懸念されています。
東京港においては、令和五年三月に海岸保全基本計画を改定し、気候変動による平均海面水位の上昇に対応することとしていますが、島しょ地域においても気候変動対策に取り組む必要があると考えます。
そこでまず、島しょ地域の海岸における気候変動対策の取組について、現在の状況について伺います。
○福永離島港湾部長 国連気候変動に関する政府間パネルの報告によれば、将来気温が二度上昇した場合、二一〇〇年には、世界の平均海面水位が現在より最大約〇・六メートル上昇すると予測されました。このことを踏まえまして、国は、気候変動による影響予測を海岸保全の方針や計画に反映し、整備を推進するよう、海岸保全基本方針を変更しました。
この方針変更を受けまして、都は、伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画を改定していくことといたしました。
改定に当たりましては、都は、令和四年度に有識者などによる検討委員会を設置し、専門的知見を得ながら、気候変動の影響に対応できる海岸保全施設について検討を進めており、これまで六回の検討委員会を開催してきました。
○三宅委員 有識者などによる検討委員会により議論を重ねているということでしたが、この基本計画の改定に当たっては、地元の意見なども十分に把握し、総合的に検討を進めていくことが重要であると考えますが、この検討委員会はどのような委員で構成されているのかについて伺います。
○福永離島港湾部長 検討委員会の構成でございますが、外部有識者として、海岸工学や津波、高潮など、幅広い関係分野の四名の専門家に加え、行政からは、国土交通省関東地方整備局も委員として参加しております。
また、地元の意見を把握するため、対象地域となる伊豆・小笠原諸島の町村もオブザーバーとして検討委員会に参加しております。
○三宅委員 検討会には、島しょ地域の町村もオブザーバーとして参加しているということですが、専門家以外にも幅広く意見を聞きながら検討を進めているということが確認できました。
令和四年度に検討会を立ち上げてから、これまで六回の検討委員会を開催しているとのことでありますが、この基本計画、伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画の改定に向けた具体的な検討内容と今後の進め方について伺います。
○福永離島港湾部長 将来にわたり、津波や高潮から島しょ地域の住民の生命や財産を守るためには、気候変動を見据え、海岸保全施設の強化を図ることが重要であり、様々な意見を聞きながら検討を進めてきたところでございます。
具体的には、気候変動により将来想定される高潮や津波の高さを算定し、各島の海岸の護岸高さとの比較を行うとともに、高さが不足する護岸の整備手法について検討を進めてまいりました。
あわせまして、計画に基づく整備を着実に進めていくため、今後の海岸保全施設の整備の進め方を示すロードマップの検討も行ってきました。
今後、これらの検討結果に基づきまして改定計画案を作成し、パブリックコメントを実施した後に、改定した伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画を公表してまいります。
○三宅委員 東京都は、今後想定されるいろいろな状態に対して、ぜひしっかりと取り組んでいただいて、住民の安全・安心の確保に努めていただくよう、強く要望したいと思います。
そして、次の質問に移りたいと思います。
次は、島しょ地域の港湾や空港における脱炭素化の取組について伺いたいと思います。
二〇五〇年のカーボンニュートラル、二〇三〇年のカーボンハーフを実現していくためには、島しょ地域の港湾や空港においても、都の率先した取組が不可欠であると思います。
これまでも我が党は、島しょ地域の港湾等における脱炭素化について、新技術に関する検討を進め、積極的に取組を進めていくことを要望してきました。
昨年の事務事業質疑でも、伊豆・小笠原諸島の港湾から排出されるCO2の主な要因は、大きく分けて、港湾の整備に起因するものと港湾を利用する船舶に起因するものがあると伺いました。
そこでまず、港湾の整備に起因するCO2を削減させるための取組について伺います。
○福永離島港湾部長 島しょ地域の港湾を整備するために最も多く使用する建設資材はコンクリートであり、その材料の一つであるセメントの製造過程で多くのCO2が排出されます。脱炭素化を進めるためには、CO2排出量が少ないコンクリートを導入していく必要がございます。
現在、新たな技術として、コンクリートの製造過程におきまして、大気中のCO2をコンクリート内に取り込み固定化することで、CO2の排出量を実質的に軽減する手法が開発されております。
本年十一月には、新島港での無電柱化工事におきまして、この技術を用いたコンクリート製品を試験的に使用し、製品の品質等について確認を行い、有用性について検証を行ってまいります。
このほかにも、CO2排出削減効果のある材料を用いたコンクリートの技術開発が進んでおりまして、島しょ地域での製造、使用についても検討してまいります。
○三宅委員 コンクリートの新しい技術を用いて、CO2の削減を図っていくことがよく分かりました。引き続き、その検証を進めて、様々な工事現場での活用を進めていただきたいと思います。
次に、港湾を利用する船舶から排出されるCO2の対策について確認していきたいと思います。
船舶は、ご存じの方も多いと思いますが、停泊中であってもエンジンを切らずに停泊しており、CO2削減には、このことに対して対策を講じる必要があると思います。
そこで、船舶から排出されるCO2を削減させるための取組について伺います。
○福永離島港湾部長 港湾を利用する船舶は、停泊中であっても、船内の照明や空調などに多くの電気が必要となることから、船舶のエンジンを稼働させていることがCO2排出の要因でございます。
このことから、陸上からの電源供給施設、いわゆる陸電施設を整備し、陸側から停泊中の船舶に電力を供給する取組を進めてまいります。
今年度は、島での停泊期間が長い「おがさわら丸」が停泊する父島の二見港におきまして、陸電施設の整備規模や配置場所の検討を進めますとともに、船舶側の受電設備につきまして、船会社へのヒアリングを進めております。
今後とも関係事業者と連携し、陸電施設の導入に向けた取組を積極的に進めてまいります。
○三宅委員 陸電施設の導入、これについては船の側の整備も必要だと思いますので、短期間で導入することは難しいと思いますが、引き続き、地元町村、また関係事業者とも、よく連携して取組を進めていただきたいと思います。
さて、この脱炭素化を進めるためには、太陽光などを活用した再生可能エネルギーの活用も重要です。
近年では、再生可能エネルギーをつくり出す新たな技術開発も進んでおり、島しょにおいても実装に向けて積極的に取り組むべきと考えております。
そこで、再生可能エネルギーの導入に向けた取組状況についてお伺いいたします。
○福永離島港湾部長 再生可能エネルギーにつきましては、これまで、船客待合所の屋根への太陽光発電設備の導入などの検討を進めてまいりましたが、設備の重量や設置場所の制約が課題でございました。
一方、軽量で柔軟性があり、設置場所の制約が大幅に緩和されます次世代型ソーラーセルなどの新技術の開発が進んでおります。
そこで、今年度から、次世代型ソーラーセルなどの導入に向けました実証実験を実施するため、港湾施設などへの設置場所の検討を開始いたしました。
○三宅委員 新しい技術を積極的に活用して、迅速に再生可能エネルギーの導入を進めていただきたいと思います。
次に、都営空港における脱炭素化の取組について伺います。
都は、伊豆諸島には大島、新島、神津島、三宅島、八丈島の五つの空港と、調布飛行場を設置しており、これらは本土と島しょ間の重要な交通機関として、観光、地域産業の発展に重要な役割を担っています。
空港では、安全な離発着に必要な設備として航空灯火等を設置していますが、これらの設備も当然のことながら多くの電力及び燃料を使用しています。
こうした電力や燃料由来のCO2を削減するべく、昨年の事務事業質疑において、今年度、空港脱炭素化推進計画を策定していくと聞いています。
そこで、空港の脱炭素化に向けた現在の状況について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、都営空港での二〇三〇年までのカーボンハーフの実現に向けまして、令和五年度から、航空運送事業者、給油事業者、地元自治体などの関係者で構成する空港脱炭素化推進協議会を空港ごとに設置し、開催してまいりました。
協議会では、空港施設や空港車両等の温室効果ガス排出量を算定し、脱炭素化の必要性についての認識の共有を行いました。
今後は、ターミナルビル等の電気設備の省エネ化や太陽光パネルの設置など、具体的な取組について検討を行いまして、今年度中に、都として空港脱炭素化推進計画を策定いたします。
計画策定に先立ちまして、今年度から、八丈島空港の進入路指示灯を順次LED化するなど、可能な部分から空港の脱炭素化に着手しており、こうした取組も併せて、二〇三〇年のカーボンハーフを達成してまいります。
○三宅委員 全ての空港において温室効果ガス排出量を明確化し、削減に向けた検討を進めていくとのことでありましたが、積極的なそういった取組は評価したいと思います。
脱炭素化を進める上では、空港管理者や航空会社などの関係者が一体となって進めていくことが不可欠です。
協議会での議論を丁寧に行うとともに、脱炭素化のためにできることは速やかに進めていただきたい。そして、今後も、二〇三〇年までの取組が重要との認識に立ち、カーボンハーフに向けた取組を積極的に行っていくことを強く要望したいと思います。
次に、調布飛行場について伺います。
都は、先日、調布飛行場整備検討会を立ち上げると発表しました。
調布飛行場は、本土と島しょを結ぶ離島定期航空路線の拠点であり、重要な役割を果たしています。一方、調布飛行場は市街地と近接しており、その整備や管理運営には、過去の経緯もあり、地元への十分な配慮が必要であります。
都はこれまでも、調布飛行場の整備や管理運営に当たり、地元の三鷹市、府中市、調布市の三市と緊密に連携しながら取り組んでいると聞いていますが、今回なぜ、調布飛行場整備検討会を設置するのか伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場は、平成四年に都が国から管理を引き継ぎましたが、国が管理していた時代に整備した管理事務所や管制塔は、整備後四十年が経過するなど、老朽化が進んでおります。
また、調布飛行場はこれまで、平成八年に定めた調布飛行場整備方針及び同整備基本計画に基づいて整備されてきましたが、本方針及び計画に記載のある項目のうち、多摩地域の防災拠点としての機能向上など、いまだに十分に実現されていない項目もございます。
このことから、老朽化施設を建て替える機会を捉え、整備方針及び整備基本計画に記載された項目の実現に向けた取組や、将来を見据えた整備について検討を進めるとともに、周辺地域に貢献し、親しまれる施設としていくため、今回、整備検討会を設置することといたしました。
検討会では、学識経験者の外部有識者の委員に加えて、再整備の考え方を整理してまいります。
○三宅委員 検討会を設置する理由は分かりました。
また、その検討会では、外部有識者の意見を取り入れるということでございますが、この検討委員会はどのような委員で構成されるのかについて伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 検討委員会の委員は、外部有識者として、空港計画の専門家、都市デザインの専門家、弁護士の三名の外部委員に加えまして、行政側からは、総務局、都市整備局、港湾局の部長級の三名も委員として参加いたします。
また、地元の三鷹市、府中市、調布市の三市及び都の防災担当などの部署からもオブザーバーとして参加することとなっております。
○三宅委員 今の答弁で、外部委員の専門家と庁内関係者など幅広い立場の方により検討を進めるということでございますが、都のプレス資料によると、十一月七日から検討会が始まるとのことです。
そこで、第一回目の検討会ではどのようなテーマを議題としていくのか、また、今後どのように検討を進めていくのか伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 第一回の検討会では、事務局から、調布飛行場の沿革や現在の状況、空港と立地地域の共生に関する参考事例を示すとともに、今後の議論の進め方、地元や飛行場利用者等の関係者への意向聴取の進め方などを議題といたします。
また、今後の議論の参考にするため、学識経験者の委員から、専門分野に関わるプレゼンテーションを行っていただくことを予定しております。
第一回の検討会の後、地元や調布飛行場の利用者等にインタビュー形式で意向聴取を実施しまして、その内容を反映しつつ、調布飛行場に求められる役割と必要な機能について議論を重ね、令和七年度に取りまとめを行う予定であります。
○三宅委員 調布飛行場は、離島定期航空路線の拠点、そして医療、消防などの緊急活動や航空測量などの地域拠点としての役割に加えて、周辺地域の防災拠点としての役割など、多くの役割が期待されていると思います。
今回設置された検討会において議論が活発に行われて、調布飛行場の在り方についてよい結論がまとまることを期待しまして、質問を終えます。
○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時三十五分散会
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