委員長 | 古城まさお君 |
副委員長 | 平けいしょう君 |
副委員長 | 大松あきら君 |
理事 | 中田たかし君 |
理事 | ほっち易隆君 |
理事 | 白石たみお君 |
竹平ちはる君 | |
星 大輔君 | |
白戸 太朗君 | |
入江のぶこ君 | |
藤田りょうこ君 | |
三宅 正彦君 | |
宮瀬 英治君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 早川 剛生君 |
次長 | 松田 健次君 | |
管理部長 | 前田 豊君 | |
事業部長 | 大谷 俊也君 | |
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 若井 太郎君 | |
市場政策担当部長 | 石井 浩二君 | |
財政調整担当部長 | 萩原 功夫君 | |
環境改善担当部長 | 萩原 清志君 | |
港湾局 | 局長 | 松川 桂子君 |
技監 | 片寄 光彦君 | |
総務部長 | 上林山 隆君 | |
企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 石井 均君 | |
調整担当部長 | 千田 敏君 | |
港湾経営部長 | 野平雄一郎君 | |
港湾振興担当部長 | 三浦 知君 | |
臨海開発部長 | 松本 達也君 | |
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 | 福永 太平君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 大野 克明君 | |
港湾整備部長 | 村田 拓也君 | |
計画調整担当部長 | 山本 康太君 | |
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 | 水飼 和典君 | |
離島港湾部長 | 佐藤 賢治君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 渡邊 正也君 |
本日の会議に付した事件
港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十二号議案 令和六年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 令和六年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第百二号議案 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 東京都漁港管理条例の一部を改正する条例
・第百四号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十二号議案 令和六年度東京都と場会計予算
・第二十号議案 令和六年度東京都中央卸売市場会計予算
報告事項(質疑)
・淀橋市場拡張整備事業について
○古城委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び中央卸売市場関係の予算の調査、港湾局関係の付託議案の審査並びに中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより港湾局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十二号議案、第二十三号議案及び第百二号議案から第百四号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○上林山総務部長 去る二月十四日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただきますと、目次に八件の資料の件名を記載してございます。
それでは、一ページをご覧ください。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
平成三十年度から令和四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
次に、二ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
平成三十年度から令和四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
次に、三ページをご覧ください。臨海副都心における公共用途での土地処分実績でございます。
平成三十年度から令和四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載しております。
単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
次に、四ページをご覧ください。臨海副都心地域を除く埋立地における公共用途での土地処分実績でございます。
平成三十年度から令和四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載しております。
単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
次に、五ページをご覧ください。臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費の推移と内訳でございます。
平成三十年度から令和四年度までの五年間における臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した各年度の事業費と、その財源を一般会計、臨海地域開発事業会計、国費等の三つに区分して記載しております。
単位は、億円でございます。
六ページをご覧ください。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
令和二年度から令和六年度までの五年間の港湾整備費につきまして、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他の三つに区分して記載しております。
単位は、百万円でございます。
次に、七ページをご覧ください。輸出・輸入別のコンテナ個数の推移でございます。
平成三十年から令和四年までの五年間のコンテナ個数につきまして、全国、京浜港、東京港、それぞれの輸出、輸入、合計を記載しております。
単位は、千TEUでございます。
次に、八ページをご覧ください。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
令和元年から令和五年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで、各島の貨客船と高速ジェット船、それぞれの就航率を記載しております。
単位は、パーセントでございます。
以上をもちまして、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○古城委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○平委員 東京港におけるDXの取組についてお伺いをいたします。
東京港には、物流機能を支える岸壁、道路、橋梁や、高潮、津波から都市を守る水門や防潮堤など、重要なインフラ施設が数多くあります。
このため、これらの施設に関しては、大規模な地震や津波にも耐えられる耐震性能を確保するとともに、災害発生後、速やかに点検を行い、必要な場合には応急復旧工事を行うなど、その機能を常に維持できるようにする体制を構築する必要があります。
しかし、災害の発生直後は多くの混乱も生じるため、限られた職員で応急復旧などの対応を行わざるを得ないことも想定されます。
そこで、DXを進め、新たな技術を積極的に取り入れることで効率化を図り、災害対応力を強化していくべきと考えます。
局へ確認を行ったところ、港湾施設や海岸保全施設に関するDXの取組として、来年度は約四億円の予算を計上しているということでございました。この中から、新たな取組を中心に何点か確認をいたします。
まず、東京みなとDXシステムについてです。
都政の構造改革を掲げるシン・トセイによると、都は今年度から、東京みなとDXシステムの開発に着手しているということであります。
これは、現在は様々なシステムで管理されている港湾施設等の情報を一つのプラットフォーム上に集約するものであり、これにより必要な情報が瞬時に取得可能となり、業務の生産性向上が図られるとされています。
災害時は、ふだん以上にスピード感を持って対応に当たる必要があることから、この東京みなとDXは防災力強化にも大いに資するのではないかと思います。
そこで、東京みなとDXシステムを導入することによって、災害時に具体的にどのような効果が見込まれるのか確認をするとともに、今後の開発スケジュールについてお伺いをいたします。
○水飼港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 東京港は、災害時において、緊急支援物資の受入れや経済活動を支える重要な役割を担っていることから、災害が発生した際には、各施設の被災状況の確認と復旧作業を迅速に行う必要がございます。
このため都は、新たに東京みなとDXシステムを構築し、災害対応等を迅速化していくことといたしました。
このシステムでは、現在別々のシステムで管理している各施設の竣工図や維持管理の記録、地質データ等の情報を一つのプラットフォームに一元化することで、復旧作業に必要な情報に素早くアクセスできるようにしてまいります。
また、発災後の現場において職員などがスマートフォンやドローンで撮影した写真を直ちにシステムにアップロードできる機能を搭載する予定としており、これにより、関係者が同時に閲覧しながら、施設の使用可否の判断や対応策の検討などを速やかに行えるようにしてまいります。
現在、デジタルサービス局とも連携しながらシステムの設計を進めているところであり、来年度よりシステムの構築に着手し、令和七年度中に運用を開始する予定でございます。
○平委員 ありがとうございます。来年度よりシステムの構築に着手、令和七年度に運用を開始というご答弁、ぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
技術が目覚ましく進歩する時代において、より質の高いものをつくるためには、行政内部だけでなく、民間の柔軟な発想を取り入れていく視点も大事だと思います。
特にスタートアップの中には、デジタル技術を活用しながら社会課題の解決を図ろうとする企業が数多く存在しています。こうした企業の特徴は、得意とする技術を用いて短期間で事業を実施できるところにあり、行政のニーズとマッチさせることで、スピーディーに効果の高い機能を実装していくことができるのではないかと考えます。
都は、スタートアップとの協働によって、東京みなとDXの機能をさらに向上させていくべきと考えます。見解を伺います。
○水飼港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 東京みなとDXシステムの開発に当たりましては、革新的な技術や優れたアイデアを有するスタートアップと連携することは、システムの機能を充実させていく上で効果的であると認識しております。
このため港湾局では、インフラ施設のデジタル化に強みを持つスタートアップ二社との協働事業を昨年十二月より開始したところであり、港湾施設等の写真をAIにより自動整理する機能や、ドローンなどで撮影した映像から港湾施設などの三次元モデルを自動生成する機能をシステムに導入していく予定でございます。
これにより、職員誰もが、どこからでも施設の状況を確認することができ、災害時において、被災状況の確認や復旧工事に向けた設計図面の作成を迅速に行うことが可能となります。
こうしたスタートアップの高い技術力を取り入れながら、より効果的で質の高いシステムを構築してまいります。
○平委員 最新技術に強みを持つスタートアップと、既に協働によって東京みなとDXの質を高めていくということであり、災害対応力の向上にも資する妥当な取組であると評価いたします。
一方で、デジタル技術の進化はまさに日進月歩であることから、常に新たな技術に広く目を配りながら、システムの開発を進めていただくことを要望しておきます。
続いて、インフラの点検に関するデジタル技術の活用についてお伺いいたします。
冒頭述べたように、東京港には様々なインフラ施設があり、災害時にはできる限り速やかに点検し、被災状況を把握することが求められます。
一方、港湾局が所管する施設に関しては、海中部分に点検を要するものも多いと推測いたします。海中部分は、目視による点検が簡単にはできないという課題がありますが、災害発生後に施設の損傷を確認する際には、この点検作業が必要不可欠と考えます。
都は、デジタル技術を積極的に導入して、海中部分の点検作業を効率化、迅速化させるべきと考えます。見解を伺います。
○村田港湾整備部長 海中部分の点検を行うに当たりましては、陸上や船舶上から目視で状況を確認することが難しいことから、デジタル技術を活用して可視化することが有効と考えております。
このため都は、来年度、海底の状況を立体的に捉えることができるマルチビームソナーを船舶に搭載して点検を実施していくことといたしました。
具体的には、構造物の破損状況や海底の支障物を特定することができるかなどについて確認するとともに、導入した場合の効果や運用するに当たっての課題などについて検証を行ってまいります。
こうした取組を進めることで、海中部分の点検作業につきましても効率化と迅速化を図ってまいります。
○平委員 デジタル技術の導入を進めることで、災害発生時に迅速に施設の点検を行い、被災状況を把握できるよう取り組むことを要望いたします。
続いて、ドローンの活用についてお伺いいたします。
ドローンの最大の特徴は広い範囲を俯瞰できることであり、今回の能登半島地震でも、上空から撮影された映像によって被害をより把握しやすくなったことが改めて強く実感されたところです。
東京港は、防潮堤と内部護岸の全延長が約百キロメートルにも及ぶと聞いており、これらの施設を短時間で点検するためには、ドローンの活用が極めて効果的であると考えます。
局へ確認を行ったところ、人がドローンを操作して海岸保全施設の点検を行う取組を既に進めており、短時間で施設の詳細な状況を把握できることが確認されたとお伺いいたしました。
一方で、災害の際は道路が閉塞するなどにより、人が容易に現場に近づけないといった事態も想定されます。こうした場合に備えるため、一歩進んだドローン活用として、ドローンが自動で飛行する、いわゆる自律飛行による点検作業の実施も選択肢の一つになると思います。
都は、将来を見据え、自律飛行によるドローンについても積極的に活用すべきと考えます。見解を伺います。
○村田港湾整備部長 施設点検においてドローンを活用していくに当たりましては、人が被災箇所に近づけないことも想定し、あらかじめ設定したルートを自動で飛行させる自律飛行についても検討していく必要があると考えております。
このため都は、これまで江東区の新砂や夢の島周辺の運河部におきまして、自律飛行の試験を実施し、検証を行ってまいりました。
自律飛行では、ドローンの飛行高度において制御等に必要な電波を受信できることが条件となりますが、試験場所においては問題なく受信できることを確認いたしました。
一方、人の通行がない海域を飛行する場合におきましても、船舶の航行が想定される場所では監視用の船を手配する必要があるなど、柔軟な運用に向けては課題があることも把握することができました。
ドローンの自律飛行につきましては、国においてもさらなる活用に向けた環境整備が進められているところであり、都は、今後の技術開発の動向や、民間、他自治体による取組事例等も注視しながら、来年度は他の地域において飛行試験を行うなど、引き続き取組を進めてまいります。
○平委員 自律飛行については、全国的にも模索されている段階であり、様々な課題があると思いますが、都が先駆的に取り組んでいることを高く評価いたします。
社会実装を後押しするためにも、まずは着実に実績を重ねていくことが重要であり、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
東京港におけるDXの取組として、あらゆる情報を一元化できる新たなシステムやドローンの活用などについて確認を行いました。
多くのインフラを抱える東京港において、こうした新しい技術を活用できる場面はほかにもあるのではないかと思います。アンテナを高く張って、ほかに応用できるという視点も持ちながら取組を進めていくことを求め、次の質問に移ります。
港湾や空港における無電柱化の取組についてです。
大規模地震や大型台風などの災害発生時においては、電柱の倒壊による道路の通行止めに伴って避難や救急活動への支障が生じる恐れがあるとともに、停電や通信障害発生の懸念もあることから、災害に強いまちづくりを実現させるに当たっては、無電柱化の推進は喫緊の課題の一つとなっております。
今回の能登半島地震でも、約三千本もの電柱が傾く、または折れてしまうなどの大きな被害を受け、地震直後には最大約四万戸が停電し、発生から一か月が経過した時点でも二千戸以上の停電が続いていたと聞いています。
また、倒壊した家屋とともに折れた電柱が道路を塞いだことによって緊急車両の通行が妨げられ、救助活動に支障が生じたとの報道もありました。無電柱化の取組をしっかりと進めていくことの重要性を改めて強く認識したところであります。
特に港湾や空港は、大規模地震等の災害発生時には緊急物資の輸送などの重要な役割を担うことから、我が会派としてもこれまで繰り返し、東京港や島しょ地域の港湾、空港における無電柱化の推進を強く求めてきたところであります。
来年度予算では、無電柱化の取組として東京港で約二十億円、島しょ地域で約八億円が計上されており、具体的な取組について確認をさせていただきます。
初めに、東京港における無電柱化の取組についてです。
東京港は、災害発生時に緊急物資を受け入れる拠点であるとともに、我が国の経済活動を常に支えることを求められている重要インフラであることから、電柱の倒壊によって、ふ頭及びその背後の道路が機能不全を起こすことは避けなければなりません。
また、幸いにして災害が生じていないときでも、都市景観の美化という観点で無電柱化は重要であります。
そこで、東京港の無電柱化をどのように進めて行うのか、全体像を改めて確認するとともに、これまでの具体的な取組についてお伺いをいたします。
○村田港湾整備部長 首都圏の生活と経済活動を支える東京港の防災力を高めるとともに、良好な都市景観の創出や安全で快適な歩行者空間を確保するため、無電柱化を推進することは重要でございます。
このため都は、令和三年六月に改定した東京港無電柱化整備計画に基づき、東京港内の全ての臨港道路やふ頭敷地などにおける無電柱化を進めることとしております。
具体的には、防災上重要な緊急輸送道路の整備対象約四十四キロメートルにつきましては二〇三五年度まで、それ以外につきましては二〇四〇年度までに無電柱化を完了させることといたしました。
令和五年度では、大井コンテナふ頭背後の大井一号線や、中央防波堤地区の中防外一号線など、緊急輸送道路に指定されている臨港道路におきまして、新たに一・九キロメートルの電線共同溝の整備を完了させております。
これにより、緊急輸送道路に関しましては、これまでに約二十七キロメートルの電線共同溝等の整備が完了しております。
○平委員 東京港における無電柱化整備事業は順調に進んでいるということでした。
引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、整備対象が広範囲であることから、水道管やガス管などの既存埋設物の管理者との調整が必要なことから、無電柱化工事には時間と費用がかかると聞いております。このため、できる限り効率的に、かつ経費を抑えることにも配慮しながら、適切に進捗を管理し、着実に進めて行うことが重要であります。
東京港における無電柱化の達成に向け、効率化やコスト面に配慮しながら計画的に進めるべきと考えます。取組について確認するとともに、来年度の工事予定についてお伺いいたします。
○村田港湾整備部長 無電柱化を計画的に進めていくためには、地下空間に新たに電線共同溝を設置するに当たり、水道やガスの管理者などとの調整を円滑に進めることが重要でございます。このため、支障物の位置を事前に確認する試掘を行うことで設計の手戻りを防ぐなどの工夫を行い、工程管理に努めております。
また、求められる基準を踏まえた上で、よりコスト面で優れた管路材料を採用するとともに、管路を浅く埋設することで掘削土砂の量を減らすなどにより、コスト縮減を図っております。
来年度につきましては、今年度着手した青海地区の青海縦貫線等の三・二キロメートルの工事を完了させるとともに、設計が完了した城南島や辰巳地区の路線など約三キロメートルにおきまして、新たに電線共同溝の本体工事に着手してまいります。
今後とも、円滑な関係者調整などを実施することで、東京港の無電柱化を着実に進めてまいります。
○平委員 複数の地区において、順次、新たな区間に着手するとのことであり、計画的に進めていくことが確認できました。
引き続き、多くの関係者との調整を円滑に実施し、コスト縮減という視点も持ちながら、東京港の防災力向上のため、着実な整備の推進を図っていただくことを要望いたします。
次に、島しょ地域の港湾、漁港、空港における無電柱化についてもお伺いをいたします。
本土に比べ、多くの台風が襲来する島しょ地域では、これまでも電柱倒壊や断線による停電などが度々発生し、日常生活に大きな影響を与えてきました。
都は、島しょ地域においても無電柱化に取り組んでいるところでありますが、その中でも特に、港や空港は島の玄関口としての重要な役割を果たしており、災害時においても、その機能を停止させるわけにはいかないという視点から、これまでも我が会派は、無電柱化を推進することで災害に強い施設としていく必要があると繰り返し指摘してまいりました。
台風による電柱倒壊等の被害が度々発生をしている島しょ地域においては、生活を支える重要インフラである港湾、漁港、空港の無電柱化を迅速に進めていくべきと考えます。取組についてお伺いをいたします。
○佐藤離島港湾部長 都は、激甚化する台風等の自然災害に対しても、停電や通信障害が発生しない島しょ地域の実現を図るため、令和四年一月に、東京都島しょ地域無電柱化整備計画を策定いたしました。
この計画では、定期貨客船が発着する十八の港と五つの空港の無電柱化を二〇三〇年代までに完了させることを目指しており、このうち、令和元年の台風十五号で大きな被害が発生した大島や新島、母島の三つの島にある四つの港と二つの空港につきましては、二〇二五年度までに優先的に工事を終わらせることとしてございます。
優先的に工事を終わらせる三つの島につきましては、今年度までに大島元町港の無電柱化工事を完了させ、大島空港及び新島港での工事に着手するとともに、新島若郷漁港と母島沖港の無電柱化工事に向けた設計を実施してきたところでございます。
来年度は、新島港の工事を完了させ、引き続き大島空港の工事を進めるとともに、新たに新島空港の設計に着手いたします。
二〇二五年度までの完了に向け、地元自治体や関係機関等とも連携し、引き続き取組を進めるとともに、ほかの島につきましても、着実に無電柱化を推進してまいります。
○平委員 東京都島しょ地域無電柱化整備計画において優先的に無電柱化を進めるとされている大島、新島、母島の港湾等に関して、二〇二五年度の完了に向け、着実に整備が進められているというご答弁でありました。
しっかりと取組を進めるとともに、ほかの島の港や空港に関しても、今後、激甚化すると予想されている台風等の自然災害から島の生活と産業を守っていくために、無電柱化を積極的に進めていくことを改めて強く要望いたします。
都市部と島しょでは地域の特性は異なりますが、いずれも都民の生活や産業を支える上で不可欠なものであります。無電柱化を着実に推進し、災害に強い東京を実現していただきたいと思います。
次です。東京グリーンビズに関する港湾局の取組について伺います。
世界的に自然環境と都市機能の調和が重要視されておりますが、東京のベイエリアは、まさに都市と海、そして豊かな緑が共存しており、大きな魅力となっております。
特に、海上公園が緑豊かな自然環境を形成しているのが特徴であり、これまでも都民の憩いの場として、また、レクリエーションの場として親しまれてきました。
本年一月に公表された東京都の緑の取組Ver.2においても、緑を守る、育てる、生かす取組として、海の森公園や葛西海浜公園など、海上公園における様々な取組が紹介されております。
東京の緑を守り、育て、生かすという点で海上公園が果たす役割は非常に大きいと感じていますが、この東京都の緑の取組Ver.2では、来年度から、トウキョウ・フローラル・パサージュという−−キラキラネームですよね、トウキョウ・フローラル・パサージュ、ザ・キラキラみたいな新たな事業を展開していくということであります。約二億円が計上されていることから、この新たな取組に関して、まず初めに、トウキョウ・フローラル・パサージュの事業目的についてお伺いをいたします。
○松本臨海開発部長 都はこれまでも、海上公園の整備を積極的に進め、ベイエリアにおける豊かな緑の創出に取り組んでまいりました。
来年度は、この取組をさらに強化するため、国内外から多くの観光客等が訪れる臨海副都心におきまして、大規模かつ一体的な緑の空間を整備することといたしました。
具体的には、臨海副都心のまちの骨格を形成しているシンボルプロムナード公園内に花の名所を整備することで、人々が憩い、楽しく歩くことができる空間をつくり出してまいります。
あわせて、シンボルプロムナード公園に隣接する民間事業者と連携いたしまして、新たな緑と既存の緑とが連なる立体性、連続性のある緑の空間を創出してまいります。
こうした取組によりまして、ベイエリアにおいて、新たに花と緑の潤いを感じられる空間を生み出し、にぎわいの創出につなげてまいります。
○平委員 シンボルプロムナード公園は、スケールが大きく、ランニングを楽しんだり、イベントなどで活用するには最適であると思います。徒歩で回遊するには、若干物足りない面も感じたところです。実際、私も見てきて、周りにいろいろオフィスだとか、お店は少ないにしても、駅も近かったりして、結構、休日は人がにぎわうんじゃないかなというような状況でありました。しかし、今申し上げましたように、若干物足りない面も感じたと。この点において、民間事業者とも連携をしながら、花と緑のまとまりを創出し、ウオーカブルな空間にするという今回の新たな取組を評価いたしたいと思います。
先ほどの答弁で、トウキョウ・フローラル・パサージュは、花の名所の整備と立体性、連続性のある緑の空間の創出という二つの柱から成り立っているということであります。
花の名所の創出に向けた具体的な取組についてもお伺いをいたします。
○松本臨海開発部長 シンボルプロムナード公園は、現在でも一部のエリアにおきまして、チューリップやアジサイの名所として親しまれております。
今後は、公園を訪れる方々が四季を通じて様々な花を楽しめるよう、公園全域において花の種類を充実させるとともに、花壇を大幅に拡張し、花の回廊としてまいります。
具体的には、東京テレポート駅から夢の大橋、国際展示場駅までのエリアを中心に四季折々の花々を植栽し、併せて園路沿いに新たな花壇を整備してまいります。
植栽につきましては、初夏を彩るアジサイエリアの拡張をはじめ、夏のヒマワリや秋のコスモス、そして冬から春にかけて花を咲かせるビオラなど、各季節を代表する花々を年間を通じて植え付けていく予定でございます。
新たな花の名所の創出に向けまして、着実に整備を進めてまいります。
○平委員 シンボルプロムナード公園が季節を問わず、常に花であふれる回廊となることを期待いたします。
次に、民間との連携による緑空間の創出について伺います。
シンボルプロムナード公園は、臨海副都心を代表する施設として、沿道の建築物と一体的に調和した都市空間を形成しておられますが、先ほどのご答弁では、民間事業者との連携によって、新たな緑と既存の緑が連なった立体性、連続性のある緑の空間の形成を図るということでありました。
現在、有明南地区や青海地区では、シンボルプロムナード公園の隣接地において、進出事業者による新たな施設の建築工事が複数進んでおります。
そこで、都は、シンボルプロムナード公園沿いの土地で進められております開発の機会を捉えて、緑化の取組を誘導し、一層魅力的な都市空間の形成につなげるべきと考えます。見解を伺います。
○福永開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務 臨海副都心では、臨海副都心まちづくりガイドラインに基づき、シンボルプロムナードをはじめとする公園の整備により緑化空間を創出するとともに、進出する事業者に対しても、新築時において敷地面積の四〇%以上の緑化面積を確保するよう誘導しております。
現在、有明南地区で工事が進められておりますテレビ朝日の複合型エンターテインメント施設、東京ドリームパークや、コナミグループの次世代研究開発拠点、コナミクリエイティブフロント東京ベイでは、まちづくりガイドライン等に基づき、屋上や中間階などの緑化を行うとともに、シンボルプロムナード公園の緑と連続する緑化もつくり出すこととしておりまして、魅力的な緑空間の創出に向け、都と民間事業者が連携して取組を進めているところでございます。
今後とも、開発の機会を捉えて、民間との連携による緑の創出を促進し、立体性、連続性のある魅力的な緑の空間の形成を進めてまいります。
○平委員 臨海副都心では、報道でもありました、この先、トヨタアリーナ東京も建設が進められており、続々とシンボルプロムナード公園に隣接した新規施設がオープンしてまいります。
今後も民間事業者と緊密に連携をして、立体性、連続性のある緑の創出に努めることで、トウキョウ・フローラル・パサージュの取組をより魅力的なものにしていただきたいと思います。
民間の植物園では、花々を眺めながらくつろげる施設が多く存在いたします。フローラル・パサージュを整備するに当たっては、例えば、紅茶やコーヒーなどとともに楽しめるような工夫があると、訪れる方々にとってはよりいい空間になるのではないかなというふうに思います。
そこで、より多くの方に楽しんでいただくため、フローラル・パサージュの整備に合わせ、カフェなど設置することも検討すべきと考えます。見解を伺います。
○松本臨海開発部長 シンボルプロムナード公園の魅力を高め、臨海副都心のさらなるにぎわいづくりにつなげていくためには、花と緑から成る自然豊かな景観をゆっくりと眺められるカフェ等を公園内に設置していくことが効果的でございます。
このため、フローラル・パサージュの取組に合わせ、カフェや移動式のフラワーショップなど、来園者が憩い、楽しめる施設の導入に向けた検討を行ってまいります。
これらの施設は、民間事業者のノウハウやアイデアを生かして整備、運営することを想定しておりまして、臨海副都心のさらなるにぎわい創出に向け、引き続き取り組んでまいります。
○平委員 シンボルプロムナード公園において、カフェなど設置できるよう検討をお願いするとともに、フローラル・パサージュの取組によって、臨海副都心が花と緑、そして人々であふれることを期待いたします。
ここまで、東京港の重要インフラ施設におけるDXを活用した災害対応力の強化、災害に強い東京の実現に向けた無電柱化、ベイエリアにおいて花と緑であふれる空間を新たに設けるトウキョウ・フローラル・パサージュについてお伺いをしてきました。
一方で、港湾局は、東京港、臨海部、島しょ地域と、それぞれ特色あるエリアをステージとして幅広く事業展開を進めており、東京の成長に重要な役割を担っていると考えます。
本定例会では、予算案の審議を行っている最中でありますが、最後に、港湾局の令和六年度予算案に込めた局長の思いと決意をお伺いいたします。
○松川港湾局長 世界から選ばれる東京港の実現と、臨海地域及び島しょ地域のにぎわいの創出、防災対策の着実な実行こそが港湾局に課された使命であると認識しております。
このため、今定例会に提出させていただきました令和六年度予算案は、デジタルの力も活用して事業運営の効率化を進めつつ、将来を見据えた新たな取組を積極的に開始するとともに、既存施設につきましても内容の充実を図るものといたしました。
首都圏を支える物流を維持する、臨海副都心のさらなるにぎわいを創出する、島しょ地域の一層の振興を図る、そして高潮、津波から都民を守る、こうした施策をこれまで以上に関係事業者をはじめ関係する皆様と緊密に連携しながら、局を挙げて積極的に推進してまいります。
○平委員 ただいま局長の力強い決意を伺いました。ありがとうございます。
変化する社会情勢の中、東京の、そして日本の輝かしい未来を切り開く意気込みで、ぜひとも局長の強いリーダーシップによって、これまで以上に大胆な施策を積極的に展開し、港湾局事業のアップグレードを進めていただくことを期待して、私の質問を終えます。ありがとうございました。
○三宅委員 まず、東京港の脱炭素化に向けた取組について伺いたいと思います。
東京港は、国際的な海上コンテナ輸送の重要な拠点ですが、港湾においても世界的に脱炭素化の流れが進む中、東京港が引き続きグローバルサプライチェーンの一角としての地位を維持していくためには、脱炭素化に向けた動きを加速していく必要があると思います。
このため都は、昨年、東京港カーボンニュートラルポート形成計画を策定し、二〇三〇年のカーボンハーフ、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向け、現在、様々な取組を進めていると承知しています。
中でも、コンテナふ頭で使用されている荷役機械については、軽油を動力源とするものが多くあることから、我が会派は先日の代表質問において、コンテナふ頭における脱炭素化の取組を加速させるべきことを指摘し、都からは、荷役機械での水素活用に向けた取組を一層強化していくとの答弁がありました。
そこで本日は、荷役機械の脱炭素化に関する都の取組を中心に何点か確認していきたいと思います。
まず初めに、荷役機械の水素エネルギーの活用に向けた現在の取組状況について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都は、軽油を燃料とする荷役機械の脱炭素化を促進するため、コンテナふ頭内で使用されているタイヤ式門型クレーンと呼ばれる荷役機械につきまして、事業者が水素燃料電池への取替えが可能なクレーンを導入する場合、費用の二分の一、最大一億円を補助する制度を今年度から新たに開始いたしました。
今年度は、二十一件のクレーンに対して補助金の交付決定を行っており、来年度も補助制度を継続して、水素燃料電池への取替えが可能なクレーンへの転換を促進していく予定でございます。
加えて、大井コンテナふ頭におきましては、既に使用されているタイヤ式門型クレーンを活用し、実際に水素エネルギーで稼働させる実証事業を予定しておりまして、現在、水素供給設備の製作などを関係者と協力して進めているところでございます。
都は、これらの取組を通じて、荷役機械の脱炭素化に向けた動きを加速させてまいります。
○三宅委員 荷役機械の脱炭素化に向け、軽油などの化石燃料から脱却し、水素エネルギーの活用を推進するためには、多くの設備投資が必要となりますが、こうした費用負担は事業者にとって重荷となっています。
今後も、事業者に対して積極的に都の補助制度に関する周知を図り、その活用を促すことで事業者を強力に後押ししながら、タイヤ式門型クレーンの脱炭素化を進めていただきたいと思います。
一方で、コンテナふ頭では、タイヤ式門型クレーン以外にも軽油を動力源とする荷役機械が使用されています。カーボンハーフ、カーボンニュートラルの達成に向けては、これらについても脱炭素化の取組を進めていく必要があります。
この点に関し、先日、我が会派の代表質問において、都から、来年度よりふ頭内で作業するトレーラーの脱炭素化に取り組むとの答弁がありました。
この取組については、東京港における脱炭素化の動きを前進させるものと認識していますが、今回、タイヤ式門型クレーンに続いて、ふ頭内作業用トレーラーの脱炭素化の取組に着手することとした理由について、改めて伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港の外貿コンテナふ頭における荷役機械からのCO2排出量に関して、最も大きな排出源はタイヤ式門型クレーンでございますが、これに次ぐものが、ふ頭内で約二百台が稼働している作業用トレーラーでございます。
欧米などの海外主要港では、電気により稼働する電動型トレーラーが既に実用化されており、また、水素を燃料とする燃料電池型トレーラーも実用化に向けた実証事業が進行中であるなど、トレーラーの脱炭素化に向けた取組が進展しつつあります。
こうした状況を踏まえまして、作業用トレーラーの脱炭素化を推進するため、都は、電動型トレーラー、または、水素燃料電池型トレーラーを調達し、東京港での荷役作業で実際に活用する、国内初の現地実証プロジェクトを来年度から実施することとしたものでございます。
○三宅委員 今回のプロジェクトは、電動型トレーラーや水素燃料電池型トレーラーを港の現場で実際に使用する国内初の取組だということであります。
海外主要港の事例を参考としつつ、この取組をぜひ着実に進め、東京港の脱炭素化に大きく貢献するものにしていただきたいんですが、都は、このプロジェクトをどのように進めていくのか、具体的な実施内容について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 都は来年度、プロジェクトを実施する事業者を公募し、事業計画の書類審査などを行った上で、最大二件のプロジェクトを選定いたします。
選定された事業者は、令和六年度から八年度までのプロジェクト期間中に、電動型トレーラーや水素燃料電池型トレーラーなどを調達するとともに、グリーン電力または水素の供給に必要な設備をコンテナターミナルに整備いたします。
その後、事業者は令和八年度中に、調達したトレーラーを使用して、コンテナターミナル内で荷役作業を一定期間実施し、荷役作業で使用する場合の運用上の課題や対応策などについて検証を行ってまいります。
都は、事業者の検証結果を踏まえ、安全かつ円滑に電動型トレーラーなどを導入するための運用方法などを取りまとめるとともに、港湾事業者などに丁寧に説明を行うことで、これらのトレーラーの導入拡大を図ってまいります。
○三宅委員 プロジェクトを実施する事業者を公募により選定し、三か年にわたって実用化に向けた検証を行うということですが、今回のプロジェクトは国内初の取組であり、使用するトレーラーなども我が国では本格的な実用化には至っていないことから、応募する事業者にとっては、車両調達や燃料代など、費用面での見込みが立てづらいのではないかと懸念されています。
また、特に水素を活用する場合には、法規制に関わる様々な協議を行う必要があり、多くの関係者との調整を円滑に進めていかなければならないなど、民間事業者だけの力でプロジェクトを進めることには大きな困難が伴うことが予想されますから、都の手厚い支援が必要であると思います。
都は、今回のプロジェクトを進めるに当たり、事業者に対して積極的な支援を行うべきと考えますが、具体的な取組について伺います。
○三浦港湾振興担当部長 国内初となるふ頭内作業用トレーラーの脱炭素化プロジェクトを円滑に進めるため、都は、事業者に対し積極的に支援を行ってまいります。
具体的には、事業者によるトレーラーの調達費用に加え、電気や水素の供給設備の整備費用やトレーラーの燃料費などを対象として、三年間で最大九億円を支援いたします。
また、プロジェクトの実施に当たりましては、トレーラーの走行や供給インフラなどの整備について様々な保安規制が想定されることから、こうした規制に関する関係者との協議が円滑に進むよう、都が関係行政機関とのネットワークを活用することなどにより、事業者の取組をサポートしてまいります。
こうした取組を通じ、事業者への支援を積極的に実施することで、プロジェクトを円滑に進めてまいります。
○三宅委員 今回のプロジェクトを円滑に進めるためにも、都には丁寧なサポートをお願いしたいと思います。
また、このプロジェクトはコンテナターミナルで実施されるものであることから、本プロジェクトの成功には、ターミナルで荷役を行っている港運事業者など様々な関係者の理解と協力を得ることが不可欠だと思います。こうした方々ともしっかりと連携を図りながら、着実に取り組んでいただきたいと思います。
さて、先ほどの答弁で触れられていたとおり、海外の主要港では、脱炭素化に向け、水素などを活用した様々なプロジェクトが進められていると聞いています。
トレーラーの事例のみならず、海外港における脱炭素化の取組から得られる知見を積極的に取り入れることは、東京港のカーボンニュートラルポートの実現、ひいては東京港の国際競争力を強化していくために必要なことだと考えます。
また、海運や港湾の脱炭素化を目的とした国際的な連携が進む中、東京港の脱炭素化の取組を海外の港湾関係者に知ってもらうことも、世界から選ばれる港であり続けるためには重要だと考えます。
そこで都は、東京港の脱炭素化に向け、海外の先進的な港との国際的な協力関係を積極的に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
○三浦港湾振興担当部長 東京港が海外の港と脱炭素化に関する知見やノウハウなどについて情報共有を図るとともに、海外に向けて東京港の取組を積極的にPRしていくことは、東京港の脱炭素化を推進し、国際競争力を維持強化していく上で重要でございます。
現在、船舶と港湾の脱炭素化を進める国際的な協力が進みつつあり、都も、国や国内の他の主要港とともに、海外主要港との情報交換や連携強化に取り組んでおります。
具体的には、昨年十月に、ロサンゼルスで開催された脱炭素化をテーマとした国際会議に参加し、東京港の脱炭素化に向けた取組をPRするとともに、北米地域の港湾関係者と意見交換などを行いました。
また、昨年十二月には、シンガポール港との間で船舶と港湾の脱炭素化に関する覚書に、横浜港など国内主要港とともにパートナー港として署名したところでございます。
今後も都は、国と連携しつつ、脱炭素化に関する海外の港とのネットワークの強化に努め、東京港における取組のさらなる推進につなげてまいります。
○三宅委員 近年、世界的に地球温暖化が原因とされる異常気象が頻発しており、様々な分野で脱炭素化に向けた動きが加速している中、港湾の分野においても、脱炭素化の取組が進んでいない港は世界のサプライチェーンから取り残される可能性があります。
東京港の国際競争力を維持強化していくためにも、国や海外の港との連携を強化し、脱炭素化に役立つ知見を積極的に取り入れることで、東京港の脱炭素化を前進させ、世界に選ばれ続ける持続可能な港湾を目指してもらいたいと思います。このことを強く要望しておきます。
次に、漁港施設等の有効活用によるにぎわい創出について伺います。
今定例会に提出されている漁港管理条例の一部改正案は、漁港漁場整備法の改正により、新たに漁港施設等活用事業制度が創設されたことに伴い、占用料を徴収する対象を追加するものであると聞いています。
そこでまず、今回、国が漁港漁場整備法を改正し、漁港施設等活用事業制度を創設した目的について改めて伺います。
○佐藤離島港湾部長 国は、漁港及びその周辺地域の活性化を図るため、豊かな自然や漁港ならではの魅力を生かしたにぎわいを創出し、雇用機会の確保と所得向上を図る取組を進めております。
今回の法改正は、にぎわいの創出に向けて漁港施設などの有効活用を図れるようにしたものであり、そのための具体的な仕組みとして漁港施設等活用事業制度を創設したものと認識してございます。
○三宅委員 全国の多くの漁港では、周辺の集落の人口減少や高齢化の進行により地域の活力が低下している状況にあります。このため、漁港等の施設を活用してにぎわいを創出し、地域振興につなげていこうとする今回の法改正は、時宜にかなったものであると考えます。
この点、伊豆・小笠原諸島の漁港に関しても、漁業就労者の減少などに伴って漁港施設の集約化が進んでおり、その結果として、荷さばき用地や船を停泊させる水域などの一部には、にぎわい創出のために有効活用できると思われるスペースが生み出されているのではないかと考えます。
そこで、東京の島しょ地域においても、漁港等の空きスペースを積極的に活用することで地域の活性化を図るべきと考えますが、都の取組を伺います。
○佐藤離島港湾部長 漁港などの遊休化したエリアを最大限に生かし、地域の活性化につなげることは、重要であると認識してございます。
このため、来年度より、島の漁港などのスペースを有効活用することで、食や海遊びなど、島しょならではの魅力を楽しめる空間を創出し、島のにぎわいづくりにつなげていくことを目的とする島の港Re活用事業を開始いたします。
具体的には、漁港などの遊休化したエリアにおきまして、水産物の販売や魚介料理の提供、地元食材を使ったバーベキュー施設の運営、釣りやダイビングなどのアクティビティー、漁業体験活動などを行う場合で、地域の活性化につながるものと認められる事業に関しましては、占用期間を最大三十年認めるとともに、占用手続を免除いたします。
これにより、島しょ地域のにぎわい創出に関心を持つ民間事業者の取組を積極的に後押しすることで、観光客などの誘致を図ってまいります。
○三宅委員 東京の島しょ地域が誇る豊かな水産資源や、美しい海の魅力を十分に楽しむことができる空間を漁港などにつくり出していくことは、島の観光振興と経済の活性化に大いに貢献するものと期待したいと思います。
ぜひ都は、島の港Re活用事業の取組を積極的に進めてもらいたいですが、本事業の実施に当たりましては、港の利用者など地元関係者の十分な理解を得ることが大変重要です。
島の港Re活用事業は、地元の意見に丁寧に耳を傾けながら進めていくべきと考えますが、今後の取組について伺います。
○佐藤離島港湾部長 島の港Re活用事業は、漁港などの陸域や水域内において行うものであることから、取組を円滑に進めるためには、漁業関係者や地元自治体など関係者との調整を丁寧に行い、十分なご理解をいただくことが重要でございます。
このため都は、来年度から、各漁港の利用状況や港周辺の水辺環境に係る基礎調査を踏まえ、地元町村や漁業者などの関係者に対して島の港Re活用事業の実施に関するヒアリングを行ってまいります。
その上で、事業実施に関して合意が得られた港をモデル地区に選定し、具体的な事業の内容やエリアなどを定める活用推進計画を策定するとともに、この計画に基づき、公募により、事業を実施する民間事業者等を選定していきます。
こうした取組により、漁業利用との調和を図りつつ、港の利活用を迅速に進め、にぎわいの創出を目指してまいります。
○三宅委員 地元町村や漁業者などのニーズを踏まえた上で、その地域に合った計画を策定するということであり、この点については確実に進めていってほしいと思います。
本事業は、漁港を最大限に利活用し、地域の活性化を図っていくという意義のある取組です。
繰り返しになりますが、地元関係者の理解や協力を得ながら着実に進め、伊豆・小笠原諸島全体に展開させていくことを要望いたしておきます。
次に、島しょ地域へのスーパーヨットの誘致について伺います。
近年、外国人の富裕層などが所有しているスーパーヨットが、世界的に増加しつつあります。
伊豆諸島においても大島などで寄港の実績がありますが、スーパーヨットが寄港した際には乗客らによる土産物や飲食などの購入額が大きく、高い経済効果が期待されることから、さらなる受入れに向けて誘致に力を入れていくべきと考えます。
このため我が会派は、本定例会の代表質問において、島しょ地域の経済活性化の観点からスーパーヨットの受入れを積極的に進める必要があることを指摘し、都からは、大島、八丈島の四港について先行的に受入れを進めていくとの答弁がありました。
本日は、このスーパーヨットの誘致に関して、より具体的に確認していきたいと思います。
まず、スーパーヨットの受入れを先行的に進める港として大島及び八丈島の四港を選定した具体的な理由を伺います。
○佐藤離島港湾部長 スーパーヨットの寄港に関しましては、オーナー自身は寄港地近くの空港へプライベートジェットで移動し、既に寄港している自らのスーパーヨットを宿泊場所として滞在を楽しむ傾向が多く見られます。
このため都は、プライベートジェットが離発着できる空港を有する大島及び八丈島において、地元自治体及び漁業関係者との調整を踏まえ、空港や観光スポットへのアクセスのよい港を受入先として選定いたしました。
具体的には、大島では、空港から近く、周辺に食堂や売店などが多い岡田漁港と、情緒あるまち並みや史跡が残り観光地でも人気が高い波浮港をスーパーヨットの受入れ港としました。
また、八丈島では、空港やまちの中心部に近く大型の船舶も着岸可能な神湊漁港と、閑静な自然に囲まれ、近隣で温泉やサーフィンなどを楽しめる洞輪沢漁港を受入れ港として選定しております。
○三宅委員 スーパーヨットのオーナーがプライベートジェット機を移動手段として利用していることを踏まえ、ジェット機が離発着できる空港からアクセスできる港をスーパーヨットの受入れ港として選定したことは、この時点では妥当であると評価したいと思います。
一方で、島しょの港は漁業関係者の利用が最優先となることから、スーパーヨットの寄港に関しては、引き続き地元関係者と丁寧な調整を重ねていただくことを強く要望しておきます。
さて、スーパーヨットの受入れをこれら四つの港で先行的に進めていくとのことでありますが、寄港先として選ばれるためには、スーパーヨットが利用しやすい環境の整備を行うことが重要と考えます。
そこで、スーパーヨットの受入れ港においては、快適に停泊できる施設の整備を行うべきと考えますが、今後の取組について伺います。
○佐藤離島港湾部長 スーパーヨットが円滑かつ快適に停泊できる環境を整備することは、スーパーヨットの寄港を促進する上で重要でございます。
このため都は、スーパーヨットが多く寄港する海外の港の調査などを通じて利用者のニーズの把握に努めてきたところであり、これを踏まえて、来年度より、停泊中に水を供給する給水施設や電気を供給する陸電施設などの整備を行うとともに、案内板の多言語化などの取組を進めてまいります。
スーパーヨットのニーズに応える受入れ環境の整備を積極的に推進し、寄港先として選ばれる港としてまいります。
○三宅委員 スーパーヨットのニーズを踏まえた施設整備をしっかりと進めてもらいたいと思いますが、先ほども申しましたとおり、同時に地元の意見にも十分に耳を傾け、港を利用する全ての人にとってメリットがある施設となるよう整備を進めてもらいたいと思います。
一方で、世界中の数多くの港の中から、東京の島を寄港先として選んでもらうためには、積極的なPRも不可欠であります。
東京の島しょ地域の魅力をスーパーヨットのオーナーにしっかり届け、興味や関心を喚起することが寄港につながっていくと考えますが、スーパーヨットの寄港を促進するため、都は誘致活動を積極的に行うべきと思います。今後の具体的な取組について伺います。
○佐藤離島港湾部長 スーパーヨットの寄港に関しましては、代理店であるエージェントが仲介することが一般的であり、税関、検疫、入国管理といういわゆるCIQや港湾施設の利用申請手続、寄港先における観光ガイドやレストランの手配など、あらゆるサポートを実施しております。
このため、東京の島しょ地域がスーパーヨットのオーナーから寄港先として選ばれるためには、エージェントを通じて効果的に情報発信することが重要でございます。
具体的には、来年度より、スーパーヨットの寄港先としての東京の島の魅力をオーナー等に十分にPRできるよう、多言語での紹介動画やパンフレットを作成し、エージェントに提供してまいります。
また、寄港に当たりましては都が地元町村や漁業者などの関係者との調整を積極的に行うことをエージェントに説明することにより、寄港先としての利便性のよさをPRしていきます。
加えて、インフルエンサーや富裕層向けの海外メディアを活用した情報発信も行うこととしており、こうした誘致活動を積極的に進めることで、スーパーヨットの寄港促進を図ってまいります。
○三宅委員 スーパーヨットの寄港に際して重要な役割を果たすエージェントをターゲットとして誘致活動を行っていくとの答弁がありました。効果的な方法であり評価したいと思います。
さて、本年一月には、小笠原の父島と母島に、世界的にも大規模な部類に入る九十メートル級のスーパーヨットが海外から寄港しました。
島しょ地域におけるスーパーヨットの受入れに関しては、プライベートジェットを利用することが多いオーナーのアクセスを考慮して、ジェット機が離発着できる大島と八丈島で先行的に進めていくということでありますが、小笠原の実績からも分かるように、プライベートジェットを利用しないで寄港する事例もあることから、他の島への寄港ニーズもあると思います。
そこで、大島及び八丈島以外の島においても、スーパーヨットの受入れに関する意向がある場合は、地元の理解を得ながら、スーパーヨットの寄港を促進すべきと考えますが、見解を伺います。
○佐藤離島港湾部長 伊豆・小笠原諸島の各島は、それぞれ豊かな自然や独自の文化を持ち、観光地としての大きな魅力があることから、寄港先として高いポテンシャルを有していると認識しており、特に大島及び八丈島を拠点としながらほかの島も巡るいわゆるアイランドホッピングのようなニーズがあると考えております。
このため、スーパーヨットの受入れに関する意向がある島につきましては、地元町村及び関係者と協議を進め、寄港する港を選定した上で、先行する四港と同様に受入れ環境の整備や海外へのPRなどを進めてまいります。
このような取組を通じて、スーパーヨットのさらなる寄港を促進し、島しょ地域全体の観光振興につなげてまいります。
○三宅委員 プライベートジェット機以外にも、ヘリコプターで移動してくる富裕層もいると聞いておりますので、ぜひ他の島でも積極的に誘致を進めていただきたいと思います。
海外の富裕層が利用するスーパーヨットの誘致は、島しょ地域の観光振興に資するとともに、豊かな自然や文化など島の魅力を世界へ広く発信することにもつながるため、大変意義のある取組です。
引き続き、島しょの町村と連携し、地元の理解を得ながら進めることを要望しておきます。
続きまして、大島空港、東京大島かめりあ空港のターミナルビルの改修について伺います。
大島空港は、供用開始から二十年以上経過し、老朽化が進んでいるため、来年度よりターミナルビルの改修が予定されていると聞いています。
老朽化した建物をリニューアルし、大島の空の玄関口にふさわしいターミナルビルにしていただきたいと思いますが、改修工事を行うに当たっては、ただ単に老朽化対策を行うだけでなく、空港を利用する乗客がより便利に利用できるようにするとともに、地元の方々にも親しまれるターミナルビルにしていくことが重要です。
特に、現在のターミナルビルでは、航空機に搭乗する乗客は、一階で搭乗手続をした後一旦二階に上がって保安検査を行い、待合所で待機した後再び一階に降りて航空機に搭乗するという不便な動線となっており、見直しが必要であると考えます。
今回の改修工事では、施設全体の老朽化対策を実施するとともに、ターミナル全体のレイアウトを見直すことで、乗客の利便性の向上とターミナルビルの機能の充実を図っていくべきだと考えますが、具体的な整備内容について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 来年度から実施する大島かめりあ空港ターミナルビルの改修工事に関しましては、老朽化対策とともに、レイアウトの大幅な見直しを実施いたします。
現在、航空機に搭乗する乗客は、ご指摘のとおり、ターミナルビルの一階と二階でそれぞれ手続を行う必要がございますが、これらを全て一階で行えるようにすることで、乗客の利便性を大きく向上させてまいります。
このレイアウトの見直しに伴って空きスペースが生じる二階に関しては、滑走路や海が見られる展望スペースを新たに設け、飲食も可能とすることで、乗客だけでなく地元の島民の方々も憩える場所としてまいります。
また、展望スペースに可動式の間仕切りを設けることで、チャーター機で来訪する団体客用の臨時待合室としても柔軟に利用できるようにするとともに、トイレについては個室の面積を広くすることで、スーツケースなどの大きな荷物を持った乗客でも快適に利用できるようにいたします。
こうした取組により、乗客の利便性を高めるとともに、地元の方々にとっても魅力的な施設としてまいります。
○三宅委員 今回の改修工事によって、乗客の動線が大きく改善され、使い勝手が大変よくなると思います。また、トイレに関しても、スーツケースを持ったまま利用できるよう個室を広くしてほしいとの要望がこれまでも多く寄せられていましたが、これにしっかりと対応した改修であり、この点は評価したいと思います。
また、海に面した大島空港は、富士山も見え、眺望が大変すばらしいところですが、これを十分に楽しめる展望スペースも設けられるとのことであり、大島の新たな観光スポットとなることを期待したいと思います。
一方で、大島空港には、主に富裕層が利用するビジネスジェットも飛来していますが、島の経済と観光の振興を図るためには、今後さらに多くのビジネスジェットに利用してもらえるような取組を進める必要があります。
その一つとして、大島空港のターミナルビルをビジネスジェットの利用客向けにリニューアルすべきと考えますが、具体的な改修内容について伺います。
○渡邊島しょ・小笠原空港整備担当部長 大島空港をより多くのビジネスジェットに利用していただけるようにすることは、大島の経済の活性化に寄与する点で重要であると認識しております。
このため都は、来年度から行うターミナルビルの改修工事において、ビジネスジェットの乗客等が利用するラウンジの内装や椅子等をリニューアルするとともに、間接照明を設置することにより部屋全体を落ち着いた空間としてまいります。
また、到着後、ラウンジに移動するための専用通路に関しましても、壁や天井を改修いたします。
これらの改修工事によって、ビジネスジェットの乗客が快適に過ごせるターミナルビルとしていくことで、大島空港へのさらなるビジネスジェットの誘致に結びつけてまいります。
○三宅委員 先ほどスーパーヨットに関する質疑も行いましたが、スーパーヨットのオーナーはビジネスジェットで移動することが多いことから、大島へのスーパーヨットの寄港を促進するためにも、大島空港をビジネスジェットにとって魅力的な空港とすることは大変重要であると思います。ぜひ都は着実に整備を進めていただきたい、そのように思います。
これまで東京港の質問、また、島しょの空港、港湾の質問をさせていただきました。
先ほども他の会派の質問で港湾局長、決意を述べられておりましたが、港湾局の理事者の皆様方、また、職員の皆様方の仕事は、未来へ残る仕事だと思っています。地元住民のみならず、外国人も含めた多くの方々に喜んでもらえるような仕事を情熱、誇りを持って行っていただくようお願い申し上げまして、質問を終わります。
○大松委員 私からは、東京港における防災対策及び長寿命化対策について質問します。
まず、能登半島地震で被災された全ての皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
能登半島地震では、多くの港湾関係施設も被害を受け、損壊いたしました。その惨状から、主要な都市インフラであります港湾施設を災害から守っていくことの重要性を改めて感じたところでございます。
そこで、本日は、東京港の重要なインフラであります防潮堤など海岸保全施設の災害対策について質問をしたいと思います。
防潮堤などの海岸保全施設は、高潮や津波などから都民の生命や財産を守る非常に重要な役割を担っておりますが、今後、気候変動の影響によりまして海面水位が上昇していけば、一部地域で、現在の防潮堤の高さでは高潮や津波を食い止めることができなくなるおそれがあるとされております。
我が党ではこれまでも、気候変動に伴う海岸保全施設の機能強化の必要性を指摘してまいりました。それを受けまして都も、昨年度、東京港海岸保全施設整備計画を策定し、防潮堤のかさ上げに取り組むことになっています。
まず初めに、改めての確認でありますが、気候変動による海面上昇をどのように想定しているのか、都の見解を求めます。また、その計画によりますとかさ上げの高さが地区により異なる設定になっていますが、その理由について答弁を求めます。
○村田港湾整備部長 国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告によりますと、将来気温が二度上昇した場合、二一〇〇年に平均海面水位が最大約〇・六メートル上昇すると予測されております。このため都は、将来想定される高潮に対しても十分に対応できるよう防潮堤のかさ上げを進めていくことといたしました。
防潮堤の高さを設定するに当たりましては、気候変動による海面水位の上昇に加え、台風による気圧低下に伴う水位上昇や波の高さも十分に考慮する必要がございます。
これらは、地形や防波堤などの構造物などにより地区によって差が生じることから、有識者などによる検討を経て、地区ごとに必要となるかさ上げ高さを算出いたしました。
○大松委員 次に、かさ上げを実施していく時期について確認したいと思います。
都が策定した整備計画によりますと、防潮堤のかさ上げの時期は地区によって異なっていますが、その理由について伺います。
○村田港湾整備部長 海面水位は、主に南極の氷が解けることで経年的に少しずつ上昇するものでございますので、これに伴い防潮堤の高さも徐々に不足すると見込まれております。
このため、かさ上げにつきましては、今後予測される海面水位の上昇と現在の防潮堤の高さを地区ごとに比較し、高さが不足する地区から順次実施することといたしました。
具体的には、かさ上げが必要な区間約三十三キロメートルのうち、二〇二〇年代に、港区、品川区、大田区の京浜運河沿いなどの約十七キロメートル、二〇三〇年代に、江東区の東雲、大田区の平和島運河沿いなどの約七キロメートル、合計約二十四キロメートルの防潮堤のかさ上げを実施してまいります。
残り九キロメートルにつきましては、二一〇〇年までにかさ上げを行う予定でございます。
○大松委員 防潮堤の高さに不足が生じる時期が地区によって異なるため、優先順位をつけているとのことであります。その上で、答弁によりますと、二〇二〇年代にかさ上げを進めなければならない防潮堤が約十七キロメートルあります。
気候変動に伴う海面上昇といわれても、まだ先の話ではないかと感じられる方も少なくないのではないかと思われますが、地球温暖化は考えられている以上に進行しておりまして、この六年間の間に十七キロメートルの防潮堤をかさ上げしていかなければならないということであります。
東京を高潮、津波から引き続き確実に守っていくためには、海面上昇を踏まえた防潮堤のかさ上げを着実に進めていく必要があります。現在の取組状況と来年度の具体的な事業内容について伺います。
○村田港湾整備部長 都は、昨年度策定した東京港海岸保全施設整備計画に基づき、今年度より防潮堤のかさ上げの取組を開始しております。
既に、京浜運河沿いの港区港南三丁目及び四丁目や、品川区八潮五丁目などにある約六キロメートルの防潮堤につきましては測量や設計を進めているところでございまして、来年度は、これらの一部区間において工事に着手いたします。
また、大田区平和島一丁目及び三丁目などにございます約三キロメートルの防潮堤につきましても新たに取組を開始することとしており、設計に向けた測量などを進めてまいります。
○大松委員 既に防潮堤のかさ上げの測量等に着手しているとのことでありますが、場所によっては相当な高さのかさ上げが必要になると伺っております。そうした場所で、背後にマンションが建っている場合などは、住民の皆様方から景観に対する意見などが出て、調整に時間がかかるケースもあるのではないかと思います。
地元区などとよく連携をいたしまして、地域住民の皆様方へ丁寧に説明を行いながら、着実に進めていっていただきたいと思います。
続きまして、水門について質問いたします。
東京港には水門が十五か所ありますが、耐震対策は、現在までに十四か所で完了しています。
耐震対策を着実に進めてきたことは評価いたしますが、水門については、水門本体の耐震対策に加えまして、高潮や津波が発生したときに確実に閉鎖できる体制を整備していくことが重要です。
現在、東京港の全ての水門は、高潮対策センターからケーブルを利用した通信ネットワークを介して遠隔で開閉操作が行われています。同センターで集中的に操作することで、夜間や休日でも迅速に対応できるようになっています。
しかし、水門の開閉操作が確実に行われるようにするためには、地震等が発生した場合にも高潮対策センターと各水門を結ぶ通信が途絶えないよう、盤石な体制を構築しておく必要があります。
そこで、災害等によりケーブルが損傷した場合でも、水門の開閉操作を確実に行えるようにするため、通信ネットワークの強化を進めるべきと考えますが、都の取組について見解を求めます。
○村田港湾整備部長 災害時においても確実に水門の開閉操作を行うためには、高潮対策センターと全十五か所の水門を結ぶ光ケーブルの多重化を図ることが重要でございます。これまでに都は、日の出水門や汐留川水門など六水門でケーブルの多重化を完了させております。
加えて、現在、目黒川水門などの六水門を多重化するための新たなケーブルの設置工事を行っているところでございまして、令和八年度の完成を目指し引き続き着実に取組を進めるとともに、残る三水門につきましても、ネットワークの多重化の方法について検討を行っているところでございます。
都は、水門の遠隔操作に利用する通信ネットワークのバックアップ機能を強化することで災害対応力をさらに高め、水害から都市機能を確実に守ってまいります。
○大松委員 いざというときには、操作する職員が現場に駆けつける体制も確保されているとのことでありますが、通信ネットワークのバックアップを二重三重に築いておくことが重要であります。取組を進めておいていただきたいと思います。
続きまして、東京港における橋梁とトンネルの長寿命化対策について質問します。
東京港の各ふ頭と背後地は、臨港道路と呼ばれる道路で結ばれていますが、臨港道路は港湾物流を支える必要不可欠な施設であるとともに、災害時には港で陸揚げされた緊急物資を輸送するための極めて重要なインフラであります。
とりわけ臨港道路の一部である橋梁とトンネルは、埋立地と埋立地をつなぐ重要な施設でありますが、高度成長期までに整備された施設も多く、老朽化への対応が課題になっています。
このため都は、令和三年に東京港橋梁・トンネル長寿命化計画を策定し、さらなる延命化を目指しているとのことでありますが、まず、長寿命化対策の考え方と効果について、改めて確認したいと思います。答弁を求めます。
○山本計画調整担当部長 東京港における橋梁やトンネルにつきましては、従来、定期的な健全度調査等の結果を踏まえ、計画的に維持補修を行ってきましたが、金属疲労などによる性能低下は避けられないため、いずれは施設を新たに全てつくり替える工事が必要となります。
この場合、長期間の通行止めや交通渋滞による経済的損失に加え、膨大な事業費が発生することから、こうした影響をいかにして抑制するかが課題となっておりました。
このため都は、緊急輸送道路上の橋梁及び延長百メートル以上の橋梁、さらに全てのトンネルを対象として、大規模改修による長寿命化を図ることとしております。
具体的には、橋梁の道路部分を支えるコンクリート床版の取替えや、鋼板による橋脚の補強などを行うとともに、トンネルに関しては、耐久性に優れた材料による再舗装や内装板の全面的な取替えなどを実施してまいります。
これらの取組を行うことで、長期間にわたる通行止めの発生等を回避し、事業費を抑制しつつ、施設の性能を回復、向上させ、耐用年数をさらに百年程度延ばすことが可能となります。
○大松委員 長寿命化対策は、これまでの計画的な維持補修に加え大規模な改修を行うことで、さらなる延命化を図るものであり、東京港の道路ネットワークを長期にわたって安定的に機能させていくための、極めて重要な取組であります。東京港が首都圏を支える重要な物流拠点であることから、東京港の強靱化を図るこの取組を、都は全力を挙げて推進していかなければなりません。
都は、東京港の橋梁、トンネルの長寿命化対策を、より一層積極的に進めるべきでありますが、今後の取組について都の見解を求めます。
○山本計画調整担当部長 東京港の機能を今後も安定的に維持し続けていくためには、物流の動脈ともいえる橋梁やトンネルの長寿命化を迅速かつ確実に進めていくことが重要です。
このため都は、対象となる十四か所の橋梁のうち、優先的に対策を行うべきと判断した四か所につきまして、令和三年度より順次、調査及び設計を進めているところであり、このうち、城南大橋については来年度、工事に着手いたします。
また、トンネルに関しましては、最も古い第二航路海底トンネルの設計等を行っており、こちらも来年度から工事を実施していきます。
引き続き、長寿命化の取組を全力を挙げて推進し、東京港の長期的かつ安定的な機能の確保を図ってまいります。
○大松委員 来年度から、橋梁とトンネルの長寿命化に向けた工事が始まります。着実に進めていっていただきたいと思います。
あわせて、これから大規模な工事を行っていくに当たりましては、物流関係者等へ丁寧に説明をして、ご協力をいただきながら、工事と物流の両立を適切に図っていただくよう要望しておきます。
インフラ整備は、短日月のうちにできるものではなく、整備には一定の時間を要します。特に、防潮堤のかさ上げや橋梁、トンネルの長寿命化は、完成までに一定の時間がかかります。都民の生命や財産、そして首都東京の機能を守るために、着実に進めていっていただくよう強く要望しておきたいと思います。
次に、東京港における物流効率化に向けた予約制の取組について質問します。
東京港では処理能力を超える大量のコンテナ貨物を取り扱っています。こうした状態が続いていることから、コンテナターミナル周辺では、時期や時間帯によって、コンテナの搬出入待ちのトラックによる交通混雑が発生しています。
また、長年の商慣行から、朝一番で納品してほしいとの荷主の要請があるため、前日夕方の時間帯にトラックが港に集中することも交通混雑の原因になっています。
こうした中、トラックドライバーの不足により物流の停滞が懸念される、いわゆる物流の二〇二四年問題が目前に差し迫っています。ターミナル周辺の交通混雑はドライバーの待機時間の増加につながることからも、ターミナル周辺の交通渋滞は早急に解消しなければなりません。
昨年十一月の事務事業質疑で私は、待機時間の削減などの効果が期待できるコンテナ貨物の搬出入予約制事業について質問しました。
予約制は、国のCONPASというシステムを活用し、トラック事業者がターミナルへ来場する日時をあらかじめ選択できるようにするもので、これを東京港で積極的に普及させていくべきであると申し上げました。
本日は、こうした観点から、都の取組について質問したいと思います。
まず、今年度、都は、コンテナ搬出入予約制事業にどのように取り組んできたのか、具体的な答弁を求めます。
○野平港湾経営部長 東京港のターミナル周辺の交通混雑を解消するためには、ドライバーの待機時間の削減に効果のあるコンテナ搬出入予約制の利用拡大を図っていくことが重要な取組の一つであると認識しております。
都は、昨年度から予約制の取組を開始し、これまで現場での混乱を避ける観点から、実施規模を徐々に拡大しながら取組を進めております。
具体的には、今年度は予約制を実施するターミナルを一つ増やし、大井ふ頭の三つのターミナルにするとともに、昨年度は平日十日間を一つの事業期間としていたものを、今年度は一部のターミナルでは平日三十日間に拡大いたしました。
また、予約制の利用対象者につきましては、都内のトラック事業者に限定していたものを、今年度から利用を希望する全ての事業者といたしました。
○大松委員 都は順次規模の拡大に取り組んでいるとのことでありますが、重要なことは、予約制の利用実績が着実に増加しているのかどうかであります。
そこで、今年度の予約制事業の成果と課題について答弁を求めます。
○野平港湾経営部長 今年度は、予約制事業に参加できる対象を拡大したことで、参加したトラック事業者は、昨年度の五十六社から二百七十三社へと大きく増加いたしまして、都内のみならず、茨城県や群馬県など関東近県の事業者の利用も見られました。
予約制を利用したトラックの台数は、延べ二万十九台となり、昨年度の五千四百九十台から三・六倍に増加するなど、予約制の普及がさらに進んだものと認識しております。
一方で、予約したトラックが時間どおりにターミナルに来場しないといった、いわゆる無断キャンセルなどの課題も生じたため、無断キャンセルの件数が多い事業者には、予約制の利用を一定期間制限するといったペナルティーを導入するなどし、制度の適正運用にも取り組んでおります。
今後の課題といたしましては、ターミナルが混雑している午後の時間帯の予約が多く、午前中の予約が少ないことから、こうした時間帯の予約を促すことが必要と認識しております。
○大松委員 利用実績の増加は歓迎すべきですが、利用者が増えれば中にはマナーやルールを守らないトラックドライバーも出てくると思います。既にそうしたドライバーには利用制限をかけるなどの対応を行っているとのことでありますが、そうしたペナルティーもやむを得ないものと思います。ぜひ利用者が使いやすい予約制の構築に向けて改善を重ねていっていただきたいと思います。
利用実績が昨年度から三・六倍の約二万台になったことについては評価したいと思います。しかし、東京港全体では年間約二百万台のトラックが来場しています。
それに対しての約二万台ではまだ全体の一%程度でありますから、さらに踏み込んだ取組が必要であると考えます。
そこで、東京港での予約制の取組を、さらに拡大していくべきと考えますが、来年度の取組について、都の答弁を求めます。
○野平港湾経営部長 東京港において予約制を一層普及させるためには、実施ターミナル数や実施期間のさらなる拡大などの取組が必要であると認識しております。
このため、現在は、大井ふ頭の三つのターミナルで予約制を実施しておりますが、今後は、その他のふ頭のターミナルにおいても新たに導入を目指してまいります。
また、実施期間につきましては、現在は期間を区切って実施しておりますが、トラック事業者が必要に応じていつでも利用できるよう、通年での実施を目指し、関係者と調整を行ってまいります。
さらに、より多くのトラック事業者に予約制を利用していただくよう、予約制の仕組みやメリットに関する広報活動の強化やトラック事業者からの問合せ窓口の拡充等にも取り組んでまいります。
こうした取組により、予約制の利用を拡大し、東京港の混雑緩和に向けた対応を一層加速させてまいります。
○大松委員 予約制が大井ふ頭以外のふ頭にも広がり、さらに通年で利用できるようになれば、東京港での普及が大きく進んでいくものと期待いたします。取組を進めていっていただきたいと思います。
先ほどの答弁では、トラック事業者の予約は、混雑している午後の時間帯に多く、午前中は少ないということでありました。
予約制は、トラックドライバーの待機時間の短縮にも効果を発揮しますが、そもそも事業の目的は、夕方に集中してターミナルへ来場するトラックを時間的に分散させることであります。
時間的な分散化を図るためには、前日夕方に貨物を引取りに行くという配送サイクルを変えていただくことが必要です。この点について、都は、今年度、補正予算を組み、ターミナル周辺の混雑解消を目的としたオフピーク搬出入のモデル事業を実施していくとのことでありました。
本件については、さきの経済・港湾委員会で質疑が行われましたので、本日は取り上げませんが、荷主に配送サイクルの見直しを検討してもらうに当たっては、このモデル事業に加えて、都が現在リアルタイムで提供しているターミナル周辺の交通混雑情報をさらに充実させ、荷主も含めたコンテナ輸送の関係者全員に混雑状況について共通認識を持っていただくことが必要であると考えます。
交通混雑の緩和に向けて、ターミナルが比較的すいている時間帯にトラックの来場を促すように、東京港の混雑状況に関する情報発信を充実させるべきでありますが、都の見解を求めます。
○野平港湾経営部長 都はこれまで、港へ来場するトラックが混雑を避けた配送をできるよう、東京港の交通混雑状況の見える化に取り組んでまいりました。
具体的には、トラック事業者のご協力を得てトラックにGPS端末を設置し、そのトラックがコンテナターミナルに入場するまでの待機時間などを、東京港ポータルサイト等を通じリアルタイムで公表しているところでございます。
今後は、これまでのリアルタイムでの情報発信に加えまして、ターミナルごとに時間帯別や曜日別などの混雑傾向を分かりやすく発信することで、荷主等による配送サイクルの見直しを促し、さらなる交通混雑の緩和につなげてまいります。
○大松委員 コンテナターミナルへの入場までに要する時間などの情報が、ターミナルごとに分かりやすく提供されれば、荷主やトラック事業者も配送サイクルの見直しを検討しやすくなると思います。
その上で、先ほどの答弁のとおり、予約制を利用できるターミナルや期間が増えることで、トラック事業者も混雑を避けた時間帯に予約制を利用していただけるようになるのではないかと思います。
物流の二〇二四年問題への対応は、待ったなしであります。港湾局には、引き続き、関係者とこれまで以上に緊密に連携しながら、港湾物流の効率化に取り組んでいただくことを要望しておきます。
次に、モーダルシフトの推進について質問します。
貨物を運ぶ輸送手段をトラックから鉄道や船舶に切り替えるモーダルシフトは、物流の二〇二四年問題によるトラックドライバー不足に加え、輸送に係るCO2排出量を削減する対策としても期待されています。国も今後十年程度で鉄道と船舶による輸送量をそれぞれ倍増させる目標を掲げています。
先日の補正予算案の質疑におきまして、我が党の竹平委員が、モーダルシフトをより一層推進するべきであることを指摘し、都からは、コンテナ輸送のモーダルシフトを促進するため、今後、輸送実態に応じた様々な支援策を実施していくとの答弁がありました。
そこで本日は、トラックから鉄道及び船舶による輸送へのシフトを促進するため、具体的にどのような支援策を講じていくのか確認したいと思います。
初めに、鉄道輸送の促進に向けた取組について質問します。
大井コンテナふ頭の背後には、JRの東京貨物ターミナル駅が立地しており、東京港は鉄道輸送の活用を進めていく上で絶好の環境にあります。
しかし、船で輸送されるコンテナ、いわゆる海上コンテナのままではその高さのためにトンネルを通過できない多くの区間があり、海上コンテナを鉄道で輸送できる地域は限定されると伺っています。そして、この課題を解決するためには、海上コンテナの中身を、全てのトンネルを通過できる鉄道用のコンテナに詰め替える必要があるとのことであります。
このため都は、鉄道輸送の活用を促すため、海上コンテナで輸送された貨物を鉄道輸送用コンテナに積み替える際の費用を補助する支援を行っていますが、鉄道による国内輸送を一層推進するためには、荷主等からの要望等にこれまで以上に丁寧に耳を傾けるべきと考えます。今後の取組について答弁を求めます。
○三浦港湾振興担当部長 東京港と国内各地を結ぶ鉄道による貨物の輸送を推進するため、現在、都は、海上コンテナの貨物を鉄道用コンテナへ積み替える場合に要する経費につきまして、海上コンテナ一本当たり二万円の補助を実施しております。
補助の対象となる海上コンテナは、一社の荷主の貨物のみで使用されているものとしておりますが、海上コンテナには、コンテナ一本に複数の荷主の小口貨物を詰め合わせた混載貨物というものもございます。
混載貨物は、東京港周辺の倉庫等で荷主別に仕分けされ、トラックで輸送されておりますけれども、荷主等からは、こうした小口貨物は鉄道コンテナを活用しやすいとの意見が多く出されております。
このため都は、来年度から、海上コンテナに混載された小口貨物を鉄道用コンテナへ積み替える場合の経費につきましても補助対象とすることといたします。
今後とも、荷主等のニーズの把握に努め、適切な支援を行っていくことで、鉄道によるコンテナ輸送の推進を図ってまいります。
○大松委員 鉄道によるコンテナ輸送を推進するためには、トンネルの高さの問題というハードルがあります。一朝一夕には実現できないことは理解をしております。その上で、都には今後とも事業者の声に耳を傾けながら、着実に取組を前に進めて、鉄道へのモーダルシフトの拡大に努めていっていただきたいと思います。
続きまして、船舶による貨物輸送の促進について質問したいと思います。
東京港は、北は北海道から南は九州、沖縄まで、国内の様々な地域との間で、ローロー船と呼ばれる貨物船やフェリーの航路が結ばれています。
これらの船舶は貨物の大量輸送が可能であり、トラックによる輸送と比較して貨物当たりのCO2排出量が少ないという点でも優位性がありますことから、二〇二四年問題によるトラックドライバー不足への対応や、脱炭素という面において大きく注目を集めているところであります。
国内各地の港との航路が結ばれているという東京港のメリットを生かして、トラックから船舶による輸送への転換をより一層推進していくべきと考えますが、都の取組について答弁を求めます。
○三浦港湾振興担当部長 モーダルシフトを推進するためには、東京港と国内の多くの港を結ぶ船舶による貨物輸送の一層の拡大を図ることが重要でございます。
都はこれまで、東京港を経由して輸出入する貨物に関しまして、国内各地との船舶による輸送を促進するため、地方港と東京港の外貿コンテナふ頭の間で直接輸送する場合に、その費用の一部に対して補助を行ってきております。
一方で、地方港から船舶で一旦東京港の国内貨物用のふ頭に輸送され、同じ東京港内の外貿コンテナふ頭に運ばれた後、海外航路のコンテナ船に船積みされて輸出されるケースや、その逆のルートで貨物が輸入されるケースも多くございます。
このため都は、来年度より、国内貨物用のふ頭を経由して外貿コンテナふ頭と地方港との間で貨物を輸送する場合につきましても、輸送費用の一部を補助することといたします。
多くの国内港湾と結ばれている東京港の強みを生かし、船舶による輸送の拡大を目指してまいります。
○大松委員 来年度から拡充する補助制度は、国内航路が充実している東京港の特徴を生かした取組でありまして、モーダルシフトを推進する上で大変有効であると評価したいと思います。今後、荷主に対し積極的に周知することで、国内航路船の活用をしっかりと促していただきたいと思います。
一方で、モーダルシフトの促進を図るに当たっては、輸送費用等を支援するだけではなく、鉄道輸送や船舶輸送に切り替える必要性やメリット等を荷主に理解していただくことが最も重要であります。
そのためには、実際に個々の地域から東京港への鉄道や船舶を活用した具体的な輸送方法を提示し、荷主にとってどのような利点があるのかを示していくことが必要であると考えます。
都は、輸送事業者等と協力し、荷主等に対し輸送手段の切替えに係るモデルケースを提示することで、モーダルシフトへの取組を後押しすべきでありますが、都の見解を求めます。
○三浦港湾振興担当部長 モーダルシフトをさらに推進するためには、荷主等に対し、具体的な輸送手段を効果やメリットとともに分かりやすく提示していくことが必要でございます。
このため都は、来年度、東京港との間で多くの海上コンテナがトラックにより長距離輸送されている東北地方などを対象といたしまして、輸送事業者等と協力しながら、輸送手段をトラックから鉄道や船舶に切り替える複数のモデルケースを設定いたします。
その上で、輸送時間や輸送コスト、CO2排出量などの観点からそれぞれのモデルケースにおける効果を明らかにし、荷主等と意見交換を行うことで、トラックから鉄道や船舶への切替えを積極的に促してまいります。
今後も都は、荷主や輸送事業者等と緊密に連携し、モーダルシフトのさらなる推進を図ってまいります。
○大松委員 物流は、様々な事業者が関係することから、一度構築された輸送のシステムを変更することは、なかなか容易ではありません。
この点、都が様々なモデルケースを提示し、メリットを示すことは、荷主に対しモーダルシフトに向けた具体的な取組を促す効果があります。しっかり取組を進めていただきたいと思います。
物流の二〇二四年問題や脱炭素社会の到来など、社会が激変する今だからこそ、都には物流の効率化と環境負荷の低減を両立するモーダルシフトを積極的に促進し、持続可能な物流の形をつくり出していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○中田委員 それでは、お願いいたします。
私からは、IR、カジノについて質問をさせていただきます。
まず、確認なんですけれども、来年度の予算案の中で、カジノの検討に係る予算は幾ら要求しているのか伺います。
○千田調整担当部長 来年度予算案では、IRの検討調査の費用として、約一千万円を計上しております。
○中田委員 カジノについてはここまでも事務事業などでも何度も質問させていただいておりますけれども、本年度も一千万円、調査費を計上していたと思いますが、本年度、まず調査の予算は執行したのか伺います。
○千田調整担当部長 調査に関する予算につきましては、現時点では執行しておりません。
○中田委員 現時点で執行していないということで、本日が三月十九日、今年度も残すところあと十日近くとなってきておりますけれども、この予算をあと十日間で執行する予定はありますか。お伺いをいたします。
○千田調整担当部長 適正な工期を確保するという観点から考えますと、今年度の執行は難しいと考えております。
○中田委員 ありがとうございます。今年はもう執行しないというところの答弁だと思います。
ちなみに、このカジノに関する調査の予算、何年続けて予算執行をしていないか伺います。
○千田調整担当部長 令和二年度から委託調査の実施を見送っているところでございます。
○中田委員 令和二年度から委託調査の実施を見送っているということで、令和二年度なので、二年、三年、四年、五年と四年間、この予算、全く執行がされない中で毎年毎年、予算計上がされているというところで、前もいったかもしれませんけれども、財務局がいっているマイナスシーリングであったり、終期を設けるだったりというところから全く外れてしまっている予算計上の仕方をしていて、明らかにおかしいのではないかなと。
これの予算に関しては、二年、三年とかはコロナ禍で予算執行できなかったというようなことをいっていましたけれども、もうコロナが五類に移行して、今年度も執行しなかったということで、来年度もこの一千万円計上しているというところで、まず、来年度、この調査費用、何をいつどのように行うのか、予定をお伺いいたします。
○千田調整担当部長 来年度の調査につきましては、今後検討を行ってまいります。
○中田委員 常々思うところがあるんですけれども、予算を要求するに当たって何をするかも特に決まっていない中で、今後検討していくということで、ざっくりと予算要求するというのは、東京都は本当に多いなということをすごい感じます。
私も区議会議員をやっていたので、結構綿密に予算の積み上げをして予算計上しているというところが区議会は結構多かったなと感じる中で、東京都は本当に、今後何するか考えながら今やっているというところなんですけれども、そもそも、この何年も執行していない予算を来年度も予算計上する中で、何をするためにこの要求を続けるのか、理由をお伺いいたします。
○千田調整担当部長 IRにつきまして、都はメリット、デメリットの両面から総合的に検討しているところでございまして、そのために必要な予算を要求したものでございます。
○中田委員 ずっと、何のために要求するのかと聞いても、メリット、デメリット両面から総合的に検討するというところがずっといってこられている中で、この予算、先ほどいったように四年間は全く使っていないというところですけど、それ以前には執行している中で、様々検討を行ってきたとこれまでの答弁でも述べられていて、その中でさらに、国のIRの申請期限が過ぎている中で、メリット、デメリットをさらに検討していく、これが何の必要があるのかなというところを疑問を持たざるを得ません。
この予算を今まで執行してきた中で、これまで何を検討してきたのかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 海外のIR施設の状況や国内外におけるギャンブル等依存症対策などについて調査を行うとともに、各種媒体の報道等による情報収集も行っております。
○中田委員 海外のIR施設の状況など、視察とか様々調査を行ったというところですが、これまで職員がカジノの海外視察に行った場所と回数について、具体的にお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 平成二十六年度以降、シンガポールに二回、イギリスとアメリカにそれぞれ一回、計四回、視察に行っております。
○中田委員 これまで四回海外視察に行ったというところで、これまでいろいろと、先ほども述べられたように、ギャンブル依存症の対策など調査を行うとともに、情報収集などを行ってきたというところで、今まで行ってきたこの調査費用、調査した港湾局が、成果というのは検討されて何に生かされているのか、見解を伺います。
○千田調整担当部長 これまでの調査結果や情報収集等を参考にしながら、メリット、デメリットの両面から総合的に検討をしております。
○中田委員 今ご答弁の中で、メリット、デメリット両面から総合的に検討していると。まだ検討しているのかというようなところなんですけれども、これまで調査費を使って、さらにこれからも調査費を積み上げて執行していないものを−−じゃ、ちなみにお伺いしますけれども、これまで調査検討してきた中で、IRのメリットは何だと港湾局は感じているのかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 一般的には、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待されておりますが、東京都といたしましては、引き続き、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってまいります。
○中田委員 私、ちょっと一般論を聞いたのではなくて、今まで港湾局として予算計上してきた中で使ってきた予算、先ほどの海外視察に行ったり情報収集したりというところで、港湾局、東京都としてIRのメリットを何と考えているか、一般的な経済成長がとかというよりは、東京都がこのカジノを検討するに当たっての、一般的ではなくて東京都としてのメリットは何と考えているのか、改めてお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 都といたしましても、日本の経済成長や競争力を高める観光拠点として期待されていると考えております。
また引き続き、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってまいります。
○中田委員 今、経済成長、都として引っ張っていくんだみたいな答弁がありましたけれども、それでは、デメリットは、東京都としては何を考えているのかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 IRのデメリットといたしましては、ギャンブル等依存症や青少年への影響、マネーロンダリングなどの懸念の声があると認識しておりますけれども、都といたしましては、引き続き、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってまいります。
○中田委員 今、デメリットのところをお伺いしましたけれども、ギャンブル依存症や青少年への影響、マネーロンダリングなどの懸念、もうこれ聞いただけでも、カジノをやるメリットなんかより全然デメリットの方が多いんじゃないかって感じる方も多いと思いますし、私自身もそう感じています。
その中でやっぱり、いろんな国の話とかも出てきますけれども、やはり韓国のカジノの話が多分一番皆さんも耳にしたことがあると思いますけれども、江原ランドに関しては、まち中にホームレスの方が一千人、二千人と増えてしまって治安がどんどん悪くなって、小学校も隣のまちに移転せざるを得なくなったとか、そういうようなやはりデメリットという方が大きく私の耳にも聞こえてきますし、そういう不安が払拭できない限り、このIR、カジノというのは進められないと思っています。
東京都として、まず、ギャンブル依存症についてはどのように考えているのか、見解を伺います。
○千田調整担当部長 IR整備法におきましては、ギャンブル等依存症防止のため、入場回数の制限、広告、勧誘規制などの取組が規定されております。
また、令和元年度の都の委託調査におきましては、さらなる普及啓発の展開、プレーヤーの自己抑制の促進や依存症の早期発見などが課題とされております。
○中田委員 今、ギャンブル依存症についてお伺いをしましたけれども、先ほど最後のところで述べられた令和元年度の委託調査では、プレーヤーの自己抑制の促進や依存症の早期発見などが課題とされていると。東京都としても、カジノをやることの課題というのが出てきているというところだと、私は今、確認をさせていただきましたけれども、もちろん、この課題が出てきた以上は、東京都はこれ以上カジノをもし進めるのであれば、この課題の解決策というのはもちろん考えてきていて、ここまで予算を積み上げてきているというところだと思うので、この解決策というのは現状、東京都として何か見つけているのかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 IRにつきましては、メリット、デメリットの両面から総合的に検討してきたところでございまして、今後も引き続き検討を行ってまいります。
○中田委員 メリット、デメリット両面からまた検討していくというところに立ち戻ってしまったんですけれども、やはりこうやって課題が出てきている中で、その課題の解決策を見つけられない以上はもちろん進められないと皆さんも思っているだろうと思いますし、都民の皆さんもそう思うはずなので、ぜひ、その辺の課題がまず明確に−−ギャンブル依存症は絶対に起きないんです、そういうような対策が取れるのであれば私たちもこれ以上はいいませんけれども、やはり今出てきているデメリットの方が大きく感じるので、このIRについては、引き続き今質問をさせていただいておりますけれども、今年、今、予算をまた来年度予算を積み上げているというところで、この予算、先ほどもいいましたけど、今、国は募集の締切りをしている中で、いつまでこのIRの予算というのを計上し続けるのかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 IRにつきましては、都は、メリット、デメリットの両面から総合的に検討しているところでございまして、そのために必要な予算を要求したものでございます。
○中田委員 メリット、デメリットを検討するために計上しているというところですけれども、先ほど来、話が最初に戻りますけれども、もうこれずっと予算執行してきていない予算を計上し続けるということが不可解でしかないと。やはり今、東京都、小池知事になってからのマイナスシーリングであったり、様々な−−財政委員会の話になってしまいますけれども、予算計上の方法から完全にずれた予算の計上をされている。
これというのは、やっぱりうがった見方をすると、もうカジノをつくりたい、いつかつくるために予算を計上し続けているんだというふうに感じざるを得ないというところが現状でありまして、東京都に、もうIR、カジノを設置する予定があるからこの予算をつけているんですかお伺いをいたします。
○千田調整担当部長 繰り返しの答弁、恐縮でございますが、IRにつきましては、メリット、デメリットの両面から総合的に検討してきたところでございまして、今後も引き続き検討を行ってまいります。
○中田委員 何を聞いても、やっぱりメリット、デメリット両面から総合的に検討してきているというところで、常々、この話も前回の事務事業でもさせていただきましたけれども、そもそものIRの所管が港湾局であること自体、私たちも疑念を持っていて、本来であれば、知事が政治家として判断をして、やる、やらないというところで、やっぱり政策企画とかが対応するところなのかなと。何で港湾局なんだというところは前に聞きましたけれども、そこも明確な、正直答えがない中で、このカジノの予算が港湾局に来年度も計上されると。
これはしっかりと、今後も、私たちはもうカジノ、先ほどいったようにデメリットの方が明らかに多い。これを東京都としてつくっていくわけにはいかないと改めて申し上げさせていただきまして、この予算、しっかりとこれからもチェックさせていただきます。それを申し上げまして、質問を終わります。
○宮瀬委員 それでは、よろしくお願い申し上げます。
突然、いきなりで恐縮なんですけれども、私の息子が三歳になりまして、大分活発になって、子育てとか遊びの質も変わって、外に出かけたがると。そのときに、休日に、都内二十三区内において、子供をどこに連れていったらいいのかといったことは、多分私だけではなくて、親御さんにとっては大きな課題ではないかなと思っています。
近隣の公園はもちろん行き倒しているんですけれども、少し気合を入れて、一日遊びに行かせようと思いますと、都立公園とかではなく、私、板橋区が選出の地元なんですけれども、子供向けの大型遊具が充実している川口市立グリーンセンターですとか、区立あらかわ遊園みたいなところに連れていくと、子供は本当、大喜びで遊んでいるわけであります。
そういった中で、子供に貴重な自然体験をさせたいなと、やっぱり二十三区はあまり自然がありませんので、そうするとやっぱりなかなかないと。奥多摩ですとか、あと河口湖周辺のキャンプ場も検討したことがあるんですけれども、なかなか遠方であったり、板橋区から見ればですよ、ハードルが高いなというのが実感でありました。
そのような問題意識から、このたび港湾局が新たにつくる海の森公園について伺いたいと思います。
まず、海の森公園の整備状況について伺います。
○松本臨海開発部長 海の森は、ごみの島を美しい森によみがえらせるプロジェクトといたしまして、資源循環型の森づくり、市民参加による協働の森づくりの二つのコンセプトに基づきまして、平成十九年度より整備を進めてまいりました。
現在は、令和六年度末のグランドオープンに向けまして、緑のオープンスペースとなる広場やトイレなどの整備を進めているところでございます。
○宮瀬委員 来年三月までにはオープンするということで、私も視察に行ったことがありますが、大変楽しみにしております。
都会で生まれ育つ子供たちに自然を体験してほしいなと心から思うわけでありますが、海の森公園も、最寄り駅がテレコムセンターですが、徒歩では到底行けない距離でありますし、バスを乗り継いで、本当に気合を入れていかなきゃいけない場所かなと。せっかく行くのでしたら、埼玉県の話をして恐縮ですが、川口のグリーンセンターは本当にすごいいい公園でして、私も地元の人から教えてもらって、板橋区から行くには本当に、こういった公園があればいいなと、大型遊具があったりとか、自然も恵まれて、ちょっと有料、二、三百円するんですけれども、たくさんの子供も遊んでいると。
あらかわ遊園はいうまでもありません。子供専用のといったら語弊がありますが、ちっちゃい子供がメインで遊べるような遊園です。そういった両園のいいとこ取りをぜひしてほしいなと。むしろ、その両園ではできないことができる魅力ある公園に、ぜひ海の森公園をしていただきたいなと思います。
森や草原も大切なんですけれども、子供連れでも一日中、または一泊二日などで楽しめるような自然体験、私は有料でもいいと思いますが、バーベキューができたり大型遊具などがあればとてもいいなと思うんですけれども、必要だと思うんですが、見解を伺います。
○松本臨海開発部長 海の森は、よみがえらせた豊かな自然環境を保全していくことを目的といたしまして、十ヘクタール以上の広大な草原や豊かな森、眺望のよい丘などを主体とした整備計画としてございます。
また、訪れた方々が海の森の自然環境と触れ合いながら様々な過ごし方ができるよう、公園東側のサブエントランスには、海や森を眺めながらバーベキューを楽しめる施設や大型遊具を設置し、多くの方が憩い、楽しんでいただける公園を目指してまいります。
○宮瀬委員 ありがとうございます。大型遊具やバーベキュー施設を設置していただけるような公園を目指していただけるといったご答弁を新たにいただきました。
繰り返しになりますが、この海の森公園には、近隣に、地図を見ても住宅があるわけではなく、電車と電車で乗り継いでいっても最寄り駅がテレコムセンター駅ということで、とてもではないですけど子連れでは歩いて行けるような場所でもなく、そこからバスに乗るみたいなんですけど、なかなかベビーカーを持ってバスって結構、荷物もあって大変だったりするんですけれども、そうなると、多分課題は、平日、海の森公園というのはがらがらになっちゃうんじゃないのかなと懸念をしております。せっかく都民の税金、予算をつけてやっていく公園なのに、土日は人がにぎわっていても、平日いないと、無駄、もったいないのではないかなと思っています。
そこで、土日だけではなく平日も含めて、ふらっと子連れで行っても十分に楽しめるプログラムを常時用意した運営を行うべきではないかなと。土日にちゃんと予約をして、そこに行くというご家庭もあると思うんですけれども、うちとかは、もうあしたどっか、急遽休みだから連れていってほしいとか、そういうご家庭もあると思うんです。
また、土日はもう予約でいっぱいになっちゃっているとか、そういうご家庭で残念な思いをする方もいらっしゃると思うので、平日含めてふらっと行けるような、それでも楽しいプログラムがあればいいと思いますが、見解を伺います。
○松本臨海開発部長 海の森の公園の管理運営につきましては、他の海上公園と同様に、今後選定する指定管理者が十分な創意工夫を行い、多種多様なニーズに対応していくこととしております。
都心に近く、広大で豊かな自然を有する海の森におきまして、訪れた方々がいつでも自然環境を存分に楽しめる環境を整えることは重要でございます。このため、平日を含めまして、海の森の特性を生かした様々なプログラムを展開できるよう考慮してまいります。
○宮瀬委員 考慮していただけるということで、重ね重ねありがとうございます。
私の横に座っていらっしゃる江東区選出の白戸委員が、昨年、キャンプの体験の機会を増やす取組を本会議で提言されまして、実際、局からは、スポットでキャンプイベントなどのプログラムを企画するといったことを聞いております。
私としては、さらに、単発のイベントではなくて、例えば、五、六、七−−八月はちょっと暑過ぎるかもしれないですけど、キャンプ月間みたいな形で、この土日だけですよとか、何月何日のこの日だけですよというのは、行ける人も限られてしまうので、そういった単発のイベントではなく、キャンプ月間などの企画も行ってほしいと思いますが、見解を伺います。
○松本臨海開発部長 ご提案のキャンプにつきましては、昨今の人気の高まりを受け、これまで実施してまいりましたキャンプイベントの際にも好評でございました。
このため、今後、指定管理者の公募を行う中でも様々な提案があると考えております。
都といたしましても、海の森の魅力向上に資するよう、指定管理者の選定に努めてまいります。
○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。本当にいろいろ要求ばかりで恐縮ですが、いつでも都民が二十三区内で子供が広大な自然を体験する、そして大型遊具で遊びながらもバーベキューをして夜はキャンプで泊まると。一日中どころか一泊二日で楽しめる、こんな公園は、多分二十三区、いろいろ調べたんですけれども、二十三区内には私はないと思っております。これは子供を持つ親としては、きっとこの中にもお父さんはたくさんいると思うんですけれども、本当に助かるといいますか、たまらない公園になるんではないのかなと。
来年は、私ごとで恐縮ですが、実際、ちょっと息子を連れて行ってみたいと思いますので、いただいた答弁、本当に大切にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
このテーマから、キャンプファイヤーの話はしましたが、一気に台湾有事の話をさせていただければと思います。
本来でしたら、こういった戦争の話は本当にしたくないのでありますが、一見、予算審議とかけ離れると思われますが、次年度の予算に向けてぜひ提言をさせていただきたいと思います。
まず最初ですね、東京港という重要インフラ施設がありますが、外貿コンテナ貨物で日本一の取扱量と聞いております。その東京港が、日本全体の取扱量に占める割合はどの程度で、どういった品目を取り扱っているのか、改めて基本的なことですが確認させてください。
○野平港湾経営部長 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支える物流拠点として重要な役割を果たしておりまして、衣類、食品、家具、電化製品などの生活必需品や、産業機械、自動車部品などの機械製品類等、様々な貨物を取り扱っております。
令和四年の外貿コンテナ取扱個数は約四百四十三万個でございまして、日本全体の四分の一を占めております。
○宮瀬委員 東京どころか日本全体の四分の一の生活必需品、こういった工業用品も含めて、産業機械も含めて、まさに日本、東京のみならず日本の本当に生命線となる港だなと思っています。
こういったことの中で、昨今、台湾有事の質疑というのは都議会で行われたことがないので、初めてになるんですけれども、単独でのですね、二〇二二年の中国共産党党大会で習近平総書記は、中国はこれまでに台湾に対し度々軍事的な圧力をかけている中で、武力行使を放棄しないと明言をしております。
一方、アメリカ政府も二〇二三年三月、国家情報長官室が世界の脅威を分析した年次報告書を公表し、二〇二七年という具体的な数字に触れて、台湾へのアメリカの影響力を弱らせようとすると。台湾有事の際にアメリカの介入を阻止できるだけの軍事体制を二〇二七年までに整えるという指摘をしています。
また、昨年一月、アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所が、台湾防衛の机上演習報告書を公開しています。
一方、日本政府におきましても、台湾有事を念頭に沖縄の先島諸島などの住民を安全に避難させる具体的な計画を策定するため、新年度、新たな検討チームを設置する方向で調整を進めているといった状況です。
こういった中で台湾有事が起きた際に、東京港は日本全体の四分の一の取扱量を占める港であります。そういった中で、東京港と台湾を結ぶルートの確認をしたいんですが、東京港に寄港するコンテナ船への影響が、やはりそこで戦争が起きれば船は通れませんので、影響があると思います。
そこでまず、事実を確認したいのですが、東京港に寄港するコンテナ船にはどのような航路があって、また、そのうち台湾に寄港する定期船の航路はどの程度あるのか確認させてください。
○野平港湾経営部長 東京港は、北米や欧州、アジアなどの世界の主要港と外貿コンテナ定期航路ネットワークで結ばれております。
令和六年三月一日現在で、東京港に寄港する外貿コンテナ船の定期航路数は八十七航路でございまして、そのうち、高雄港など台湾の港に寄港する航路数は二十四航路でございます。
○宮瀬委員 台湾で有事が起きた際には、東京港には世界中から船が航路を使って来ているんですが、そのうちの二八%が台湾のルートですので、かなり影響を受けると思っています。
その中で台湾有事が起きれば、台湾だけではなく、そこの地域を避けて、例えばマラッカ海峡が通れないといったときにはコンテナ船の航路が制限されると思います。いわゆるシーレーンが寸断されるわけでありますが、その際に、東京港に寄港するコンテナ船にはどのような影響があるのか、見解を伺います。
○野平港湾経営部長 コンテナ船については、船舶を運航する事業者が、天候などの状況に応じて、経済性や安全性等を考慮した最適なルートで運航していると聞いております。
例えば、アジアとヨーロッパを結ぶ航路では、経済性を考慮し、スエズ運河や紅海を経由するルートが一般的でございますが、最近の中東情勢を受けまして、多くの事業者は危険な紅海の運航を避け、アフリカ大陸南端の喜望峰を経由したルートに切り替えております。
このように、安全性の確保の観点から、通航を回避すべきエリアが発生した場合は、東京港を利用する船舶も当該エリアを迂回し、東京港に寄港するものと認識しております。
○宮瀬委員 台湾の地域が危ないから船が迂回していくといったことで、そうなると時間もコストも余計にかかるわけで、生活必需品を入れている東京都の船賃が上がると。そうすると価格に反映されますので、日本と東京の物価にかなり影響が出るということがあると思います。
しかし、この東京港は、どんなことがあっても、ぎりぎりまでやっぱり操業していかないと、かなり影響が大きいと。
今までは東京と台湾のルート、世界と東京のルートを確認したんですが、そういった中で、今のロシアによるウクライナ侵攻の中で、オデーサという穀物の輸出拠点であり、ウクライナ最大の物流拠点が、連日、毎日攻撃をされております。先日もミサイル攻撃を受け、九十三名が死傷したといった報道がありまして、やっぱり港湾施設というのは重要インフラ施設で、必要不可欠な設備であるがゆえに、戦争になった有事の際の攻撃対象となるリスクが、実際にリスクではなく、海外ではこのようにオデーサが狙われているといった状況です。
こういった中で台湾有事が起きたときに、日本も戦争に巻き込まれる可能性は当然あると思っています。その中で、ついに戦争になってしまい、日本も巻き込まれた場合、巻き込まれたというか、日本も国際社会の一員ですから、一緒になって関わった場合、東京港が、北朝鮮のミサイルってよく話があるんですけれども、いずれにせよ、弾道ミサイルで狙われるおそれがあると思っています。港湾の労働者の避難についての備えはできているのか伺います。
○野平港湾経営部長 都におきましては、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法の規定に基づきまして、弾道ミサイル攻撃等の武力攻撃事態等に備え、東京都国民保護計画が策定されております。
本計画では、着上陸侵攻や航空攻撃など、我が国に対する外部からの武力攻撃を想定の上、類型化し、それぞれの避難パターンが定められております。
弾道ミサイル攻撃の場合には、直ちに家の中や堅牢な建物等に避難することとなっておりまして、東京港におきましては、ふ頭内に設置されている上屋や倉庫などの近くの建物に直ちに避難していただくことを想定しております。
○宮瀬委員 知事が、Jアラートが聞こえたらといったことで、逃げる、離れる、隠れると、こういったことをいっているんですけれども、これはちょっと毛色が違っていると思っていまして、普通に生活を都民がしていたときに、ミサイルが来たときの多分対応だと思うんですけれども、東京港においては、東京港そのものを目標として狙ってくる可能性が高いと思っています。
そういった東京港の施設を、建物目がけて狙ってくる中で、今の建物の中に避難するというのは本当に正しいのかどうか、ちょっと私は心配をしております。
そういった中で、弾道ミサイルによる攻撃に備え、都は、東京港への避難所の整備等の対応をやっぱり行っていくべきだと思っておりますが、都の見解を伺います。
○野平港湾経営部長 弾道ミサイル攻撃の事態におきまして、港で働く方々の生命や身体を守るためには、堅牢な建築物等へ円滑に避難していただくことが重要でございます。
武力攻撃事態等が発生した場合には、国から警報の発令を踏まえ、都は、区市町村の防災行政無線やテレビ、ラジオ等を通じて、避難が必要な方々に速やかに警報を伝えることになっております。
東京港におきましては、警報等の緊急放送が港で働く方々に確実、迅速に伝わるよう、ふ頭内への防災行政無線設備の設置を促進するため、区に対する独自の補助制度を設け、支援を行っております。
今年度までに十六か所のふ頭などで防災行政無線の設置が完了しておりまして、来年度は、江東区海の森にある建設発生土ふ頭で設置を行う予定でございます。これにより、東京港内の全てのふ頭で防災行政無線が設置される見込みでございます。
○宮瀬委員 次年度の予算において、江東区の海の森にある建設発生土ふ頭で設置するといったご答弁でございました。
これは正直にいえば、今までの想定でミサイル攻撃というのはなかったやに聞いておりますので、恐らくといいますか、これはもう地震に伴う津波、地震情報、テレビが近くにあるわけではない港湾施設で働いている方々にとっては、地震に気がつかなかったり、津波の危険性が分からなかったりするための設備がそのまま、ミサイルの危機を知らせるものにも活用できるといったことだと思います。
ちょっと調べてもらったら、東京港で働く都の職員の皆さんは三百六十二名、東京港で働く民間の労働者の方は四千五百八十二名ということで、相当な方が毎日働かれていて、そこが攻撃対象になるリスクが本当にあると。これだけ戦争のリスクが日本に迫っている時期ということも、戦後あまりなかったと思いますが、東京港というのは、その中で重要インフラ施設であり、狙われるのではないかと。そのためにいろいろ、建物に逃げてもらったり、スピーカーを用意してアラートを鳴らしたりということは大事なんですけれども、私は、ぎりぎりまでやっぱり営業を続けてもらわないと、東京港の物流が止まって、日本の四分の一の取扱量を占める港が機能をストップすれば、都民に大きな影響が出ると思います。
ということは、やはり最近、東京都は地下鉄の駅を、麻布十番だったでしょうか、地下シェルターをという話をして、地下シェルターを整備する動きもあって、私は、麻布十番ももちろん大事なんですが、優先順位としては、まずは重要インフラ施設、都民の生活、日本国民の生活の生命線である東京港で働く人たちのためのシェルターというものが必要ではないかなと。
質問といたしましては、そういったシェルターがない、この重要港湾施設におきまして、地下シェルター等の整備を検討すべきだと考えますが、見解を伺います。
○野平港湾経営部長 都は、弾道ミサイル攻撃による爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難先といたしまして、地下施設やコンクリートづくりの堅牢な建築物を緊急一時避難施設として指定する取組を推進しております。
東京港の各ふ頭には、上屋や倉庫など鉄筋コンクリートづくりの堅牢な建築物が多くございまして、弾道ミサイル攻撃の事態に際しては、こうした建築物に避難していただくことを想定しております。
なお、お話の地下シェルターに関しましては、狭隘な東京港における適地の確保など多くの課題がございまして、今後、関係部署等の意見も踏まえながら、その必要性や実現可能性について研究してまいります。
○宮瀬委員 ありがとうございます。まず研究していただいて、もちろん埋立地ですので、掘ると水が出てきてしまう部分もあるとは分かっているんですけれども、どうしても麻布十番よりは、も大事ですけど、こちらの方ももっと大事なんじゃないのかなと思っています。
ご答弁の中で、地下シェルターに関しまして、次年度、必要性や実現性について研究していただけると、一本目のご答弁いただきましたので、ぜひ東京の、日本の生命線である東京港の機能を維持していただき、都民の生活が、もう一度いいますが、あそこが、東京港が駄目になると日本は、実際に物価高どころか、食料を含めて全て輸入に、食料含めて頼っている国でありますから、窒息してしまいますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。
○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古城委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時三十分休憩
午後三時四十九分開議
○古城委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより中央卸売市場関係に入ります。
予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第十二号議案、第二十号議案及び報告事項、淀橋市場拡張整備事業についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○前田管理部長 去る二月十四日の当委員会で要求のございました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。1、市場別・月別取扱数量及び取扱金額の推移(令和五年水産物・青果物)についてでございます。
一年間の取扱数量及び取扱金額につきまして、市場別、月別に、一ページから三ページにかけまして、それぞれ記載してございます。
恐れ入りますが、四ページをお開き願います。2、豊洲市場開場後の地下水管理システム維持管理経費の推移についてでございます。
地下水管理システム維持管理経費につきまして、豊洲市場開場後から令和六年度までの推移を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○古城委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 こんにちは、よろしくお願いします。
まず初めに、私の地元であります豊洲に二月一日に開業しました豊洲の千客万来について、ご質問させていただきたいと思います。
千客万来、皆様ご存じのように、連日、多くのメディア、そしてSNSなどでも取り上げられておりまして、多くの来場者で各店舗には今非常に長い列ができているということで大盛況でございます。うちの息子がちょうど昨日、千客万来に行ってきたということで、大変混んでいたというお話でした。
現状、報道されているようにどちらかというと国内のお客様が多いようで、まだ海外には、これからなのかなという感じがしております。
そういった意味で今後、世界的な知名度が広がってくれば、東京の新たな観光スポットとして、国内はもうもちろんなんですけれども、国外の観光客もさらに訪れまして、にぎわいを生み出してくれるのではないかというふうに思っております。
そもそもこの千客万来施設は、にぎわい創出を目的にしたものであるというのはもちろん、皆さんも我々もよく知っていることだと思います。
そこで、一番のポイントは、このにぎわい創出なんです。にぎわいとは誰のにぎわいなのかというところが大事であると考えております。
もちろん、この施設自体に人が集いにぎわっていく、これももちろんにぎわいでございます。そうした意味で、まずこの最初のにぎわいという目的は果たされているのかなというふうに考えます。
しかし、このにぎわいにはもう一つ意味があります。それは、地元のにぎわいという意味でございます。
豊洲に住む皆さんが自分たちのまちにできたこの卸売市場を、自分たちのまちの施設として親しみ、誇りに思っていただけるのか、この視点も非常に大事かなと考えております。
そうした意味では、現状の千客万来施設事業は、もっと地元の方が参加できる取組を考え、進めていく必要があるのではないかと思っているわけです。
そのために、運営事業者である万葉倶楽部だけに任せるのではなく、将来にわたって東京都と事業者が連携をして取り組んでいくことが必要と考えます。
そこで、この豊洲千客万来を今後、地元から愛される施設としていくために、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来は、豊洲市場と一体となって食の魅力を国内外に発信するとともに、地域のまちづくりや活性化に貢献することで地元からも愛される施設としていくことが重要でございます。
このため、運営事業者である万葉倶楽部株式会社は、地元で活動している和太鼓やブラスバンド等の団体が出演するイベントの開催などに取り組んでおります。
都は、イベント等を通じて周辺住民に豊洲千客万来を身近な存在として親しんでいただけるよう、地元の団体や市場関係者等と万葉倶楽部との連携促進を図るとともに、運営事業者が安定的に営業を継続できるよう、事業の適切な進捗管理や支援に努めてまいります。
○白戸委員 今後五十年、地元から愛されるにぎわいの施設としてさらに発展していくことを期待しております。
ちなみに、施設側は三月の一日から江東区民割引クーポンというのを発行しておりまして、通常三千八百五十円が三千三百五十円になるという、たしか九月までの期間限定だったと思いますが、期間限定のディスカウントということですけれども、地元では非常に話題になりました。
皆さんもお分かりのように、三千八百五十円の入浴料、決して安くはないかなというところでいきますと、ここで三千三百五十円になるということで結構インパクトがあったようです。
こうした事業者の努力に合わせまして、東京都もさらなる検討をお願いしたいと思います。
一方で、開業までの暫定施設であった五街区の江戸前場下町は、六街区の豊洲千客万来の開業に合わせて、一月の末で営業を終了しております。
今後は、この五街区の将来的な活用方法を検討しながら暫定的な活用を図る方針だというふうに聞いておりますが、今後の豊洲市場をめぐる状況変化を見据えますと、その方針には賛同するところではあります。
様々な地元イベントを今まで行ってきましたこの五街区用地こそは、暫定的に活用する中で市場のにぎわいを継続させるための利用を検討するとともに、地元のにぎわいをつくり上げていくことが非常に重要であると考えております。
そこで、来年以降の活用策の検討に当たっては、地元の声を聞きながら進めていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。
○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 江戸前場下町終了後における五街区用地の将来的な活用方法の検討については、豊洲千客万来開業後の状況を踏まえつつ、段階的に検討を進めていく必要がございます。
当面の間における活用に当たっては、今年度開催した豊洲江戸祭において模擬競りや和太鼓など、市場関係者や地元区の団体によるステージが大いに盛り上がり、周辺住民等に楽しんでいただけた実績を踏まえ、地元団体等によるイベントや活動の場として利用されることも想定しております。
こうした活用を行うとともに、引き続き、地元住民の方々のニーズや課題を把握し、将来的な活用方法の検討につなげてまいります。
○白戸委員 ご存じのように、有明、豊洲エリアは急速にまちが発展、変化をしております。
その変化を捉えることも非常に重要でありまして、こうした点からも地元の声はぜひ参考にしていただきたいなと考えます。この五年で大きく変わっております。
また、この周辺には、チームラボ、そして有明アリーナ、そして近日にはアーバンスポーツパークもオープンします。
こうした周辺の集客施設との連携を模索しながら、点ではなくて面で広げていけるようなこともご検討いただければと思います。
いずれにしても、この五街区の将来活用の検討には、地元の声を丁寧に拾い上げながら地元とつくり上げていただくことを要望し、次の質問に移ります。
中央卸売市場の運営を持続可能なものにしていくためには、市場業者の方々が昨今の取引環境の変化に対応し、稼ぐ力を向上させていくことが非常に重要と考えております。我が会派はこれまで、市場業者が企業としての競争力を高めていくためには、デジタル技術の積極的な活用が重要であると主張してきたところです。
さきの中途議決の審査においても、私は、地元江東区にある豊洲市場の水産物流における物流課題を一例として取り上げ、卸売市場の成長につなげるために、デジタル技術の活用をさらに推進していくことを要望したところでございます。
そこで、これまで都は、デジタル活用に取り組む市場業者に対して、どのような支援策を講じてきたのか伺います。
○大谷事業部長 市場業者が社会環境の変化に対応しながら事業を持続的に成長していくためには、業務効率化や販路開拓など、市場の活性化に向けた課題に対し、デジタル技術を活用することにより、生産性や収益性の向上を図っていくことが有効でございます。
そのため都は、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、市場業者が行うデジタル化の取組に要する経費の一部について補助を実施し、デジタル技術の活用の促進を図っています。
具体的には、新たな販売先を獲得するため、企業の展望や主力商品の特徴などを掲載したホームページを構築した取組や、令和五年十月から開始されたインボイス制度に的確に対応するため、販売管理システムを導入した取組などについて支援いたしました。
○白戸委員 市場業者のデジタル技術の活用に対して、補助事業によって支援してきたことは確認できました。
社会全体で、市場だけじゃないです、社会全体で人手不足が深刻化する中、市場業者も当然人材確保が困難になってきていると聞いておりますが、業務の効率化を図っていくためには、デジタル技術の活用が有効であり、市場業者の方々にも積極的に取り入れていただきたいと思います。
また、人材が限られている中で従業員の一人一人が高いパフォーマンスを発揮し、企業の生産性を高めていくことが、一般企業でもそうですし、市場業者でも求められています。
そのためには、市場業者には人に対する投資を行い、デジタル技術はもとより様々な分野の能力や知識を身につけるなど、従業員のスキルアップに向けた人材育成を図っていく必要があると考えます。
そこで、市場業者における人材育成の重要性について、都の認識を伺います。
○大谷事業部長 生産年齢人口の減少などにより、卸売市場においても新たな働き手の確保が困難になる中、市場業者が事業継続に向けて経営力を強化していくためには、企業活動の根幹をなす人材の能力を最大限に活用していくことが重要でございます。
限られた人材で最大限の効果を上げるためには、個々の市場業者が従業員の能力開発に向けて、業務に有用なデジタル技術や営業力を習得するための研修の実施や自己啓発の促進などに取り組む必要があると認識しております。
○白戸委員 東京都におかれましても、市場業者の経営力を高めるために、限られた経営資源である人材育成が必要という認識はよく分かりました。
人材育成というのは、企業の競争力、そして企業の従業員のモチベーション向上、そして組織の持続可能性の確保などにつながる取組でありまして、市場業者の方々におかれましても積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、市場業者による人材育成に向けた取組に対して都が積極的に支援をしていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○大谷事業部長 都は来年度から、市場業者の人材育成に向けた取組を一層後押しするため、中央卸売市場経営強靱化推進事業を拡充してまいります。
具体的には、人材育成や能力開発に資する取組を支援対象とする補助区分を設け、キャリアパスの整備のためのコンサルティング経費や、デジタル技術などの習得に向けたリスキリングに要する研修費用など、人材育成に資する取組に要する経費の一部を補助します。
これにより、市場業者の人材育成に向けた自律的な取組を後押しし、従業員一人一人のスキルを高め、経営力の強化を図ってまいります。
○白戸委員 この持続可能な市場運営を実現していくためには、市場業者がデジタル技術を効果的に取り入れるとともに、個々の従業員の能力開発に取り組み、稼ぐ力を高めていくことが非常に重要であります。
引き続き都は、現場の実態に即した経営支援策を速やかに実行し、市場業者の革新的な取組を積極的にサポートいただくよう要望しておきます。
次に、東京卸売市場の市場経営計画で掲げられております、強固で弾力的な財務基盤の確保に向けた取組について伺います。
我が会派はかねてより、市場会計の見直しの厳しさを踏まえ、十一ある市場別の財務状況の把握や市場経営の抜本的な改革の必要性を訴えてまいりました。
また、包括外部監査報告書においても、経営改善のための具体的な対応策を講じるには、市場会計の現状や経営上の課題を明らかにすることが重要であり、詳細な経営の現状分析及び将来の事業環境の把握を行うことが必要だとされています。
市場会計において、どのように詳細な経営分析を行い、どのように活用していくのか、具体的な内容について伺います。
○萩原財政調整担当部長 市場運営費の縮減や収入確保等の経営改善に取り組むとともに、さらなる経営改善策を検討、実施するために、業界との意見交換を重ねながら、例えば委託経費の内訳の分析や市場別の収支構造といった経営状況等をより精緻に分析してまいります。
こうした取組を継続的に重ねることで、全市場のみならず、各市場の事情や特性に対応した経営改善に取り組んでまいります。
○白戸委員 市場会計においては、お話にありましたが、様々な角度から精緻に分析を行うことで経営改善などの取組につなげていくことが重要でございます。
一方で、市場経営の抜本的な改革に向けては、市場会計の詳細な経営分析などを都民に対して分かりやすく発信していくことも必要かと考えております。
そこで、この市場会計の見える化に向けた取組状況を伺います。
○萩原財政調整担当部長 都民の理解を得る上では、市場会計について、市場運営の状況や課題及び都の具体的な取組などの情報を分かりやすく発信することが重要でございます。
そのため、業界との意見交換でいただいた意見を反映した経営に関するレポートを本年度末までに作成、公表し、市場会計の見える化を図ってまいります。
○白戸委員 この市場会計の見える化に向けて、今年度末、年度末ってもう今月末ということですけれども、大変ではございますが、ぜひ年度末までに経営に関するレポートの作成、公表をしていただけるようお願い申し上げます。
その上で、先ほど答弁のありました経営に関するレポートについて、どういった内容を記載し、どのように活用していく予定なのか伺います。
○萩原財政調整担当部長 経営に関するレポートは、市場会計の財政状況や都の経営改善の取組、東京都中央卸売市場経営計画に示している財政収支計画と実績との比較など、業界との意見交換会を踏まえた内容を掲載いたします。
また、作成に当たりましては、分かりやすい表現に加え、表やグラフを用いて可視化するなど、都民が理解しやすい内容となるよう工夫いたします。
今後は業界との意見交換会を継続的に実施し、議論を深めることで、経営状況等のより精緻な分析を行った経営に関するレポートを活用し、業界と課題を共有しながら取組を進めてまいります。
○白戸委員 経営レポートは、市場会計の財務状況を明らかにして、強固で弾力的な財政基盤の確保に向けた取組の進捗状況を都民に発信するツールとして重要であると考えます。
また、公表に当たっては、内容を分かりやすくする、これはもう当然でありますが、公表内容についても検討、整理していく必要があります。
包括外部監査での指摘にもあった具体的な対応は、市場会計の経営分析や経営レポートの作成、公表を継続的に行っていくことを通じて、さらなる経営改善を検討し、実施していけるものと考えております。
持続可能な市場に向けてしっかりと取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。
○ほっち委員 それでは、よろしくお願いいたします。
初めに、令和六年度予算案の考え方、また、全体像について確認をしていきたいというふうに思います。
卸売市場を取り巻く環境は、本年四月に迫る物流の二〇二四年問題や長期化する物価高騰の影響、また深刻化する人手不足などにより厳しさを増している現状であります。
こうした中にあっても、引き続き生鮮品など、流通の基幹的なインフラとして持続可能な市場経営を実現していくためには、都が令和三年度に策定をした東京都中央卸売市場経営計画に掲げた施策をしっかりと前に進めていけるよう、毎年度の予算編成へ適切に反映させていく必要があります。
そこで、令和六年度中央卸売市場会計及びと場会計の予算編成の考え方についてお伺いをさせていただきます。
○前田管理部長 令和六年度中央卸売市場会計につきましては、経営計画三年目として、公平かつ公正な取引環境の確保や品質衛生管理の徹底、強化など、卸売市場が担う公共的役割を着実に果たしていくとともに、物流二〇二四年問題や長期化する物価高騰などの環境変化へ的確に対応し、具体的な成果を出していけるよう、取組を加速させていくとの考え方に基づき予算編成を行いました。
具体的には、現下の社会経済情勢に対して、市場業者が的確に対応し、事業の成長や発展につなげていけるよう、経営強靱化推進事業において新たに物流対策や人材確保に関する支援枠を創設するとともに、物流の専門家が市場業者にアドバイスを行う物流対策コンサルティング事業を実施し、市場業者に対するサポート体制を強化いたします。
また、老朽化が進む市場施設の計画的な維持更新を適切に実施するとともに、各市場の特徴などを生かした市場機能の強化を着実に進めます。
令和六年度と場会計につきましては、芝浦と場を適切かつ安定的に運営するとともに、必要な施設整備などを着実に進めていくとの考え方に基づき予算編成を行い、と場施設の衛生対策や作業環境改善、輸出など販路拡大に必要な大動物Cラインの施設改修工事などを推進してまいります。
○ほっち委員 令和六年度予算で掲げている取組について、引き続き開設者である都のリーダーシップの下、市場業者にしっかりと寄り添いながら着実に推進することを要望しておきます。
次に、東京都中央卸売市場経営計画についてお伺いをいたします。
経営計画では、二〇四〇年代の中央卸売市場の姿と持続可能な市場経営の実現に向けて、令和四年度から八年度までの五か年で都が取り組む施策と財政計画を示されております。
今の答弁でもありましたが、経営計画の折り返しとなる来年度はさらなる取組の推進が必要であり、そのためにはこれまでの取組を踏まえ、現場の声を踏まえて、改善を図っていくことが重要であるというふうに考えています。
そこでお伺いしますが、経営計画に掲げる施策の取組状況と、今後の進め方についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 計画期間の前半となる昨年度と今年度は、経営計画に掲げる施策のうち、日々の円滑な市場運営の確保、環境変化に即した市場機能の強化、持続可能な市場経営の実現、この三つの視点から重点的に取り組む施策を設定し推進しました。
具体的には、公正、公平な取引環境確保に向けた取引参加者に対する指導監督職員への研修、物流の高度化、効率化に向けた各市場におけるパレット管理ルール等の検討、計画的な施設の維持更新に向けた豊洲市場を除く各市場における主要な建物や設備の劣化度調査などに取り組みました。
来年度は五年間の計画期間の三年目となり、物流二〇二四年問題に対応するための国や産地等の動向や長期化する物価高騰など、計画策定時からの環境変化を捉え、課題解決に向けた取組をより一層柔軟かつ迅速に進めていくことが必要でございます。
そのためには、市場の開設者である都と取引の担い手である市場業者との連携が不可欠であり、業界との意見交換の継続的な実施や卸売市場審議会の開催等を通じまして、現場の状況や課題を把握して取組を改善し、経営計画のさらなる推進を図ってまいります。
○ほっち委員 今、都はこれまでも、公正、公平な取引環境の確保など日常的に取り組んでいかなければならない課題に対処しつつ、外部環境の変化への対応、また、そして、市場施設の計画的な維持更新という中長期の課題に対しても取り組んでおります。
今後も市場業者と連携をし、経営計画の取組を推進していくということであります。
そのためには、取組を下支えするための強固で弾力的な財政基盤の確保に着実に取り組んでいくことが重要であります。
この取組を推進していくためには、経営改善の方策について検討を行った上で、その内容を毎年度の予算案へ適切に反映させていく必要があります。
そこでお伺いいたしますが、令和六年度中央卸売市場会計予算案における収支の改善の取組についてお伺いをいたします。
○萩原財政調整担当部長 収支改善の取組につきまして、支出におきましては、施設管理などの委託経費や消耗品などの事務費等を削減するとともに、新規企業債の発行抑制による支払い利息の圧縮などに取り組んでまいります。
また、収入面におきましては、未利用であった関連事業者の店舗の新たな活用を促進するとともに、中央区築地五丁目に市場会計が保有いたします土地建物の利活用案の検討等の経費を計上しており、こうした取組を通じまして、市場会計における収益の確保を図ってまいります。
引き続き、市場会計における強固で弾力的な財務基盤を確保していくため、市場運営費のさらなる縮減と収入確保の両面の方策に取り組み、経営改善に努めてまいります。
○ほっち委員 今の答弁をお聞きしておりますと、来年度も経費削減と収入確保の両面から経営改善の取組を進めていく予算案となっております。
引き続き、都による内部努力を徹底するとともに、様々な工夫を凝らしながらしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、こうした経営改善を進めていくためには、都が開設者として自ら内部努力を進めていくことが必要ですが、こうした取組をより効果的に実効性のあるものにするためには、先ほどの答弁にもありましたが、経営改善の面においても、現場で働く方々の声をしっかりと聞き、連携をして取り組んでいくことが必要だというふうに思っています。
そこで、業界との意見交換を進めていくと聞いておりますが、どのような意見が出てきたのかお伺いをいたします。
○萩原財政調整担当部長 業界との意見交換は、市場会計の財政状況と都の経営改善の取組などをテーマに開催いたしました。
業界からは、経常収支の動向は使用料収入だけでなく、それ以外の収入や管理費をはじめとした支出に起因するものであること、また、市場が社会的インフラであることから、市場の公共的役割に配慮した財政運営が必要であること、さらに、各市場の経常収支がどうなっているかなどのご意見をいただきました。
都は、いただいたこれらのご意見を受け止め、今後の意見交換におきまして、より詳細な分析を説明するなど、議論を積み重ねてまいります。
○ほっち委員 業界との意見交換については、ただ意見交換会を開催する、実績を重ねるだけではなく、テーマの選定、またどのような意見が出てきたのかが大切であるというふうに思います。業界の意見を踏まえながら進めていっていただきたいというふうに思います。
引き続き、市場会計や経営改善の取組はもとより、強固で弾力的な財務基盤の確保に向けた様々なテーマで意見交換を継続的に開催をし、一層充実をさせていくことを要望いたします。
また一方で、本定例会で包括外部監査人より、令和五年度包括外部監査結果の報告について説明がありました。
その中で、使用料体系の見直し、また使用料額の改定について、関係者との調整を十分に行い、方向性を検討されたいとの意見となっています。
そこで、包括外部監査の意見内容も踏まえ、使用料の方向性の検討をどのように進めていくのかお伺いをいたします。
○萩原財政調整担当部長 使用料につきましては、受益と負担の観点から検証を行った上で、市場会計の今後の見通しや市場を取り巻く状況とともに、市場業者の経営等への影響も十分に考慮し、業界の理解と協力を得ながら進めていくことが重要でございます。
そのため、各市場の業界との意見交換を継続的に実施し、都の経営改善の取組を行うことを前提に、使用料体系の見直しや使用料額の改定の方向性につきましても、理解、協力を求めてまいります。
○ほっち委員 使用料については、見直しの内容によって、市場業者の経営に少なからず影響を与えるものであり、包括外部監査人も関係者との調整を十分に行うよう、意見をしております。
まずは、都が経営改善に取り組むとともに、市場業者の理解と協力を得られるよう、本格的に開始した業界との意見交換の場を活用しながら経営改善に取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、令和六年度予算案に掲げている各市場の整備について、その内容を掘り下げてお伺いいたします。
卸売市場が都民に生鮮品等を安定供給する役割を果たしていくためには、市場関係者が安心して取引などの業務を行えるよう、施設面での課題の克服や機能の強化を図っていく必要があります。
そこでまず初めに、都から報告のありました淀橋市場拡張整備事業についてお伺いをしていきたいと思います。
平成三十年に開場した豊洲市場を除く都内の十市場は、建設から年数が経過をし、施設の老朽化が進んでおり、この間、卸売市場を取り巻く環境も大きく変化をしております。
各市場の市場関係者からは、豊洲の次は我々の市場の整備だという整備を心待ちにする声もよく聞こえます。
我が会派はこれまで、豊洲市場のような大規模市場だけではなく、地域の小売店や飲食店などの仕入れを支える市場など、全ての市場に目を配り、施設の計画的な維持更新や各市場の特性を踏まえた機能強化の取組を要望してまいりました。
今回報告のあった淀橋市場の整備は、豊洲市場の整備以降、初めての大規模な整備に当たり、市場関係者の方々の期待も大きいというふうに思います。
淀橋市場は人口が集まる新宿の都心部に立地をしており、地域の食生活を支える重要な役割をこれまで担ってまいりました。また、一方で施設の老朽化や市場の狭隘化が課題となっております。
そこでまず、淀橋市場の特性や課題を踏まえ、具体的にどのような整備を行っていくのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 淀橋市場は、築五十年以上経過する建物を有するなど、施設の老朽化対応が必要であるとともに、都心部に立地する市場ならではの特徴として、市場の狭隘化が進み、場内物流が混雑しているという課題が生じております。
そのため今回の拡張整備事業では、老朽化した総合事務所棟を建て替えるとともに、施設を複層化することで、狭隘な敷地を有効に活用し、小売店、量販店等のニーズへの対応強化や物流機能の強化を図ってまいります。
具体的には、現在、待機駐車場としている場所に、五階建て延べ面積約七千五百平方メートルの新総合事務所棟を新設することとし、その一階、二階には業務用スペース、三階から五階には東京都及び市場業者の事務室を整備いたします。
また、商品の効率的な搬送を実現するため、既存卸売場の北側に都がインフラ設備工事を実施し、市場業者が自動立体冷蔵倉庫の整備を行います。
○ほっち委員 ただいま、新たに五階建ての総合事務所棟を新設するとの答弁がありましたが、今回の整備のポイントは、単に老朽化した建物を建て替えるのではなく、市場業者と知恵を出し合い、狭隘な市場の敷地をいかに有効に活用し、地域の青果物の供給を支える小売店や飲食店、量販店等が求める機能を強化していくことが大切であります。
そこで、今回の拡張整備事業において、小売店や飲食店、量販店など、淀橋市場から仕入れを行う実需者の方々のニーズに対応した機能強化をどのように図っていくのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 新総合事務所棟の一階の業務用スペースには、市場業者の要望等を踏まえ卸売場を整備することとし、現在その整備予定地にある待機駐車場につきましては、場内に移転先の確保を図ります。
二階の業務用スペースには、加工、パッケージ等を行うための低温管理が可能なエリアを整備いたします。
また、施設整備に当たりましては、市場業者自らが青果物流通を取り巻く環境変化に柔軟に対応できるよう、建物の構造体は都が整備し、内部の設備等は市場業者が柔軟に整備するスケルトンインフィルの考えに基づく整備を行います。
さらに、温度管理された自動立体冷蔵倉庫を整備することで、商品の鮮度保持の強化を図るなど、実需者ニーズに対応してまいります。
○ほっち委員 今回の拡張整備事業においては、取引先のニーズに対応していくため、品質管理や加工、パッケージ機能など、市場機能の強化をしていくとのことでありますが、整備に当たっては、施設の利用者である市場業者の要望等をしっかりと聞きながら、よりよいものにしていただきたいというふうに要望しておきます。
我が会派はこれまで、卸売市場が物流の二〇二四年問題へ着実に対応していくため、都に対して市場業者への支援を求めるとともに、施設管理者として施設整備を行う際には、効率的な物流を実現していくよう要請をしてまいりました。
そこで、今回の拡張整備事業において、どのように効率的な物流を実現していくのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 施設整備に当たりましては、新設する建物と既存施設との一体性を確保することで、場内物流の円滑化を図っていきます。
具体的には、新たに整備する新総合事務所棟の一階、二階の業務用スペースと自動立体冷蔵倉庫につきまして、それぞれ既存の卸売場棟の一階、二階と段差なく接続させることを予定しております。
また、自動立体冷蔵倉庫につきましては、約三百パレットの荷物を収容できるものとして整備し、場内の物流混雑の緩和を図っていきます。
さらに、拡張整備後の円滑な場内物流動線の確保に向けて、場内ルールの構築に向けた検討を市場業者と共に進めてまいります。
○ほっち委員 場内物流の効率化に向けては、ハードの整備に合わせて、市場業者と共に場内運用ルールを策定していくなど、ソフト面の検討についてもしっかりと行っていただきたいと思います。
卸売市場を取り巻く環境が目まぐるしく変化していく中、各市場の市場業者にとって取引の土台ともなる市場施設の整備は待ち望まれていることであり、今回の淀橋市場の整備がほかの卸売市場のモデルとなり、意義のあるものとなるよう取り組んでいくことを要望しておきます。
次に、私の地元でもあります足立市場についてお伺いをさせていただきます。足立市場で進められている衛生対策についてお伺いをしたいと思います。
昨年、当委員会の事務事業質疑において、足立市場の衛生対策の取組について確認を行いました。
卸売場については、鮮魚、卸売場の一部を閉鎖型に改修することで、これまで以上に品質の向上を図っていくとのことであります。
また、仲卸売場については、事業を継続しながら早期に老朽化した施設の改善を図るため、場内の空きスペースに仲卸売場を移動する対応策を検討していくとのことであり、今年度は、都と市場業者の代表者を構成員とした検討会を設置し、仲卸売場等を対象とした衛生対策に関する基本計画を策定するとの答弁がありました。
そこで、足立市場の衛生対策に関する基本計画の策定内容についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 今年度、都は、基本計画を策定するため、仲卸売場の場内移動及び移動後の施設仕様等を検討するための業務委託を実施しております。
検討に当たりましては、現在の仲卸売場の使用面積を確保することや、施設の早期改善に向けて工期短縮が図れる建築物となる工法とすることを前提としております。
基本計画の策定内容といたしましては、仲卸売場の施設規模、機能、整備手法等を盛り込む予定でございまして、仲卸業者との意見交換を重ねるなど、現場の意見等を踏まえながら策定してまいります。
○ほっち委員 基本計画の策定に当たっては、現在の仲卸売場面積を確保していくことを前提として、現場の意見を聞いた上で、施設の仕様等の検討を進めていくとのことでありますが、仲卸業者からは、水産物を取り扱う足立市場に求められている衛生対策の取組を早く前に進めてほしいというような声も幾つも聞いております。
そこで、衛生対策の推進に向けた今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 足立市場の仲卸売場につきましては、品質衛生管理の改善に向けて仲卸売場の場内移動を着実に推進していくため、今年度、基本計画を策定するとともに、整備に必要な地盤調査や測量調査を先行して実施しております。
その上で、来年度に基本計画の内容を踏まえて、基本設計、実施設計等に着手し、令和七年度に工事に着手できるよう進めていく予定でございます。
○ほっち委員 今後のスケジュールについて、タイトではありますが、着実に進めていくことをお願いしたいというふうに思います。
また、仲卸売場の場内移動を進めるに当たり、早期に改善することも重要ではありますが、市場内には仲卸業者だけではなく、場内移動により影響を受ける他の市場業者もいることから、そうした影響を受ける方々の声もしっかりと受け止め、丁寧に整備に向けた調整を進めていただきたいと思います。
今回、卸売場の閉鎖型への改修に向けた工事は、仲卸売場に先行して実施されると聞いております。
そこで、卸売場の閉鎖型への改修に向けた工事の現在の進捗状況と今後の取組についてお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 鮮魚卸売場の一部を閉鎖型に改修する工事につきましては、卸売業者と施設の仕様等の協議を行い、今年度から来年度にかけて実施設計を行うこととしております。
具体的には、低温管理された閉鎖型施設を整備することにより、商品の品質衛生管理の向上を図ります。
来年度、改修工事に着手するに当たりましては、卸売業者をはじめ、市場業者との合意形成を図った上で進めてまいります。
○ほっち委員 足立市場の衛生対策を円滑に着実に推進していくためには、先ほどご答弁にもありましたけれども、何よりも市場業者の理解や協力を得ていくことが不可欠であります。
そこで都には、衛生対策の取組について、市場業者に丁寧に説明を行うとともに、意見等を十分に聞いた上で、必要なことは取組に反映をしていくなど、衛生対策の推進に向けてしっかりと尽力いただくことをお願いしたいと思います。
また、先日、あだち市場の日、私も行かせていただきました。
やはりあそこでお仕事をされている皆さん、本当に不安を持ちながら、期待というよりも、すみません、ちょっと不安の方が今現状、多いというのは本当のところだというふうに、多分皆さんも感じていると思いますけれども、あります。
やはり市場の皆さんの衛生対策を早くしなきゃいけないという意見は分かるけれども、何でこんなに急に早いんだという意見もあるのも多分、皆さんもご存じだというふうに思いますので、しっかりとそこら辺のケアもしていただきながら、しっかりと連携を取って取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に、板橋市場の機能強化に向けた取組についてお伺いをいたします。
板橋市場については、来年度の予算案に板橋市場の機能強化に向けた基本計画策定事業が提案をされております。
都によれば、今年度末までに策定予定の基本構想を踏まえて、来年度は基本計画を策定する予定とのことであります。検討はまだ初期段階であると思いますが、基本構想は今後の検討に当たっての基本的なビジョンとなる重要なものと考えております。
そこでまず、板橋市場の基本構想においては、どのような内容を取りまとめる予定なのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 板橋市場では、道路交通の利便性が高い立地を生かして、広域的な物流拠点として機能強化を図る取組を進めており、今年度、基本構想を策定いたします。
基本構想におきましては、まず、今後の整備方針の骨格となる品質衛生管理の向上、DX等による物流効率化などの機能強化の方向性を整理し、それを踏まえ、機能強化を実現するために必要となる施設の規模や配置、整備方法などを施設整備案として取りまとめる予定でございます。
施設整備案につきましては、全面建て替え、一部新築、既存施設の活用の三つの素案を作成して、それらのメリットとデメリットを比較検討した上で、市場業者の意見を集約して、最適な施設整備の方向性を決定する予定でございます。
○ほっち委員 老朽化が進んでいる板橋市場の再整備は、市場関係者にとっては長年待ち望んできたものであり、しっかりと整備をしてほしいという気持ちが強いと思いますが、現地での全面建て替えとなると、工期、コスト、工事期間中の業務への影響などが課題になるのではないかというふうに思います。
整備案の検討に当たっては、整備効果を最大化することも重要でありますが、整備期間や費用対効果も踏まえて、総合的に判断をして、最適な整備案を考えていただきたいと思います。
また、整備期間全体をできるだけ短縮するよう検討することも重要でありますが、一部分だけでも早くから使用を開始できるようにするなど、工事の進め方を工夫することも考えていくべきであります。
そこで、早期に整備効果が発揮されるようにする方策について、何か工夫を考えているのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 板橋市場の機能強化につきましては、今年度に策定する基本構想に基づき、来年度に検討の具体化を進め、基本計画を策定する予定でございます。
具体的なスケジュールは、基本計画の中で検討する予定でありますが、基本計画の策定後、設計に着手し、設計完了後に着工するプロセスとなるため、全ての整備が完了するまでには相応の期間を要します。
そのため、市場内の空きスペース等、工事箇所のうち調整を早く進められる部分を設計段階から分けて発注することで早期着工し、供用開始を前倒すことを検討してまいります。
○ほっち委員 少しでも早く整備効果が発揮されるように、ぜひ検討を前に進めていただきたいと思います。
施設整備に向けて具体的な検討が進められておりますが、まだ基本構想の策定段階であるため、引き続き検討の手を緩めることなく、計画のさらなる具体化に向けて迅速かつ着実に取り組んでいただきたいと思います。
そこでお伺いいたしますが、来年度に策定予定の基本計画において、具体的にどのような検討を進める予定なのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 来年度策定予定の基本計画におきましては、施設の詳しい配置や面積、整備スケジュール、概算の整備費用、工事期間中の売場等のローリング計画など、基本構想に基づいて整備案についてさらなる具体化を図ってまいります。
また、検討に当たりましては、市場関係者と都で設置した検討委員会を定期的に開催して、業界のニーズを丁寧に聞き取るとともに、専門家の知見やノウハウを活用することで整備効果の高い計画となるよう検討を深めてまいります。
○ほっち委員 来年度の基本計画では、面積、スケジュール、費用、ローリング計画などを検討する予定とのことであります。
検討内容が具体的になるほど、市場業者と一層精緻な調整が必要になってくると思われます。これまで以上に丁寧に調整を進め、迅速かつ円滑に板橋市場の機能強化に向けた検討を推し進めていくことを要望しておきます。
次に、食肉市場における施設の老朽化対応について質問をいたします。
昨年、当委員会の事務事業質疑において、我が会派の三宅委員より、食肉市場の老朽化対応などについて確認をしたところでありますが、今後の施設整備の検討に先立ち、将来の食肉の需要見込みや社会情勢などを調査すべきと考えます。
そこで、都が経営計画で示す二〇四〇年代など、将来の食肉市場を想定した施設整備の検討について、都の見解をお伺いいたします。
○石井市場政策担当部長 食肉市場は、東京都中央卸売市場経営計画の中で、基幹市場として、商流、物流、加工などの市場機能を維持強化することとしております。
老朽化対応には多くの時間を費やすことから、中長期的な市場ニーズを把握する必要がございます。そのため、来年度に調査委託を行い、将来の食肉需要を予測するとともに、施設の機能を強化することによる輸出への効果などについても検証してまいります。
あわせて、市場業者との意見交換などにより、目指すべき食肉市場の将来像を検討していくこととしております。
○ほっち委員 東京都が食肉市場の将来を見据え、市場業者と共に検討していくとのことであります。
都内唯一で国内の食肉流通における基幹市場である食肉市場が、今後も安定した市場運営を担っていくことを期待するものであります。
次に、長期的な視点に立った施設整備についてお伺いをいたします。
中央卸売市場の施設整備については、施設管理者である都が責任を持って老朽化対策とともに、各市場の環境改善や機能強化に取り組むことが必要であり、先ほど確認をしたように、都は来年度、淀橋市場や板橋市場における機能強化、足立市場における衛生対策工事、さらには、食肉市場において将来を見据えた施設整備の検討に取り組んでいくとのことでありました。
先般公表された包括外部監査報告書では、こうした各市場の整備に加えて、中央卸売市場の施設整備に関して、中央卸売市場全体の機能を最適化する観点から、投資規模や整備の優先順位等の考え方を整理した施設整備に係る長期的なロードマップを可能な限り具体的に作成するよう求められております。
今後、限られた財源で老朽化した施設の維持更新需要に応えていくためには、施設の計画的な維持更新を行うとともに、包括外部監査人の意見を踏まえ、長期的な視点に立って施設整備を行うことが重要だというふうに考えます。
どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○石井市場政策担当部長 都は、経営計画に基づき、これまでに実施した劣化度調査の結果等を踏まえ、ライフサイクルコストの低減や更新時期の平準化も考慮に入れ、必要性や優先度等を検証した上で、各市場の主要な建物ごとに改修や建て替え等の方針を決定し、維持更新計画を策定してまいります。
この維持更新計画に基づき、市場会計の財政状況や各市場における取引実態、活性化に向けた取組状況等の項目について市場業者と意見交換し、それを踏まえ、市場全体の最適化に向けた長期的な施設整備の方向性を取りまとめてまいります。
○ほっち委員 監査人の意見も踏まえ、市場全体の機能を最適化する観点からも、長期的な視点を持って計画的に施設整備に取り組んでいくよう、しっかりと検討を進めていくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、市場業者への経営支援についてお伺いをいたします。
企業にとって人材不足は喫緊の課題であり、市場業者も例外ではありません。
我が会派はこれまで、安定した市場運営には市場取引のコアとなる人材の確保が必要であると主張をしてまいりました。
市場業者は、経営資源に限りのある中小企業者も多く、人材確保に取り組むに当たり外部の人材専門事業者などを活用せざるを得ない状況にあります。また、費用面等でのハードルが高いため、都が積極的に支援していくことが重要であります。
そこで、市場業者の人材確保に向けた取組に対して、都は具体的にどのような支援を講じていくのかお伺いをいたします。
○大谷事業部長 都は来年度から、経営強靱化推進事業を拡充し、採用活動や労働環境整備など、市場業者の人材確保に向けた取組を支援対象とする補助区分を新たに設けます。
具体的には、採用活動に伴う宣伝広告費や人材マッチングの専門業者に対する成功報酬などの費用に加え、就労環境の整備に向けた就業規則の策定に係る委託経費など、市場業者による人材確保に向けた取組に要する経費の二分の一について補助を実施いたします。
○ほっち委員 都が行う人材確保に対する支援は、採用活動や労働環境の整備など、幅広い経費を補助対象とするとのことでありました。
しかし、企業にとって働き手の確保への取組は一朝一夕にできるものではなく、準備期間も含め、ある程度期間を要するのではないかと思います。
また、視野を広げてみると、人材確保に限らず市場業者が抱える様々な経営課題は、短期で対応可能なものから中長期的に取り組むものまで多種多様であり、おのおのの実情に応じて利用できるよう、より使い勝手のよい支援制度にしていくことが望まれます。
そこでお伺いいたしますが、人材確保をはじめとする市場業者が抱える中長期的な課題に対して、都は具体的にどのように支援していくのかお伺いをいたします。
○大谷事業部長 都はこれまで、市場業者が抱える中長期的な課題に対し、会計年度を超えて支援策を実行できるよう、債務負担行為を設定し、市場業者の自律的な取組を下支えしてまいりました。
具体的には、本年度は中小企業の専門家が経営者に寄り添う伴走型の支援において、二か年にわたって補助金を活用することにより、現状の分析から課題の解決に至るまで一貫したサポートができるようにいたしました。
来年度は支援の実効性を一層向上させるため、市場業者による人材確保の取組や、複数の事業者が連携した自律的な取組などについても、年度をまたいだ補助事業の活用を可能としてまいります。
これらにより、都は、市場業者が経営課題の解決に向けて実効性ある取組を着実に進めることを後押しし、経営基盤の強化を図ってまいります。
○ほっち委員 引き続き、都には市場業者のニーズを的確に捉え、時宜にかなった制度となるよう見直しをし、しっかりと支援を継続していただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、先ほどもお話が出ましたが豊洲の千客万来についてお伺いをいたしたいと思います。
本年二月一日、豊洲市場において、万葉倶楽部株式会社が整備、運営を行う豊洲千客万来が開業いたしました。豊洲千客万来の開業を契機として、市場ならではの活気やにぎわいをより一層高め、豊洲地域全体の活性化を図り、地域の魅力向上に貢献していくことが求められております。
具体的には、豊洲市場のより一層の活性化を図ることができるよう、豊洲市場周辺エリアの回遊性の向上など、運営事業者と都及び市場業者による連携をした取組が重要であり、先日、我が会派は要望書を東京都にも提出をしたところであります。
そこで、豊洲市場周辺エリアの活性化に向けた取組状況についてお伺いをいたします。
○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来は、豊洲市場と一体となって、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出し、地域のまちづくりや活性化に貢献していくことが重要でございます。このため、豊洲地域における一層の回遊性の向上を目的として、豊洲千客万来とぐるり公園をつなぐ連絡橋を現在、整備中でございます。
また、豊洲市場の歩行者デッキ上に、各施設までの距離を表示した分かりやすい案内サインを新たに設置いたしました。
さらに、市場関係者と連携し、豊洲千客万来への来場者を対象に、六街区の魚がし横丁の各店舗を巡るツアーを開始しております。
引き続き、事業者や市場関係者等と連携し、豊洲地域のさらなる活性化に貢献できるよう取り組んでまいります。
○ほっち委員 先日、我々が要望させていただきました要望書の中にもありましたけれども、デッキ上のサインを新たに設置していただいたりと、要望にお応えいただいているということで感謝をしたいなというふうに思っています。
また、様々な工夫を凝らした取組の実施により、多くの方が豊洲市場と千客万来を含む豊洲エリアを訪れ、回遊することで場内、場外とが一体となったにぎわいをさらに生み出していけるよう、市場関係者や運営事業者等と連携をし、取り組んでいっていただきたいと思います。
豊洲千客万来の開業を契機に、豊洲市場を含む豊洲エリアに多くの方が訪れ、より多くの方に楽しんでもらえる地域となっていくことを期待しております。
また一方で、多くの方が訪れることで、歩道上の混雑や交通渋滞の発生も想定されることから、交通渋滞等の回避のために必要な処置を講じることについても要望書を提出いたしました。
都は、開業に伴う市場周辺の混雑による取引への支障が生じないよう、市場の開設者として責任を持って市場運営を進めていくことも重要であります。
そこで、来場者増加による交通渋滞や歩道上の混雑対策の状況についてお伺いをいたします。
○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来の開業によって、市場関係者の業務や周辺住民の方々の生活に影響が生じないよう対策を講じることは重要でございます。
万葉倶楽部は、円滑な車両誘導により渋滞等を防止するため、誘導員の増員を図るとともに、利用者に対する公共交通機関の利用の呼びかけや、駐車場の混雑状況のSNSでの発信などを行っております。
都は、市場関係者を含む歩行者の円滑な移動を促すため、豊洲市場の歩行者デッキ上に片側通行を徹底させるサインを掲示しております。
引き続き、運営事業者と連携して適切に混雑対策に取り組んでまいります。
○ほっち委員 ありがとうございました。今後も市場関係者の業務や周辺住民の生活に影響が生じないようにすることはもちろん、国内外から訪れる多くの観光客が豊洲千客万来を訪れ楽しんでいただけるよう、運営事業者と連携をしながら、必要な対策を講じていっていただきたいというふうに思います。
また、運営事業者が、先ほどもお話ありましたけれども、三月一日から江東区民割引を開始したようでありますが、今後も地元の方々の理解と協力を得た上で、千客万来と豊洲市場が一体となったにぎわい創出に取り組んでいただくことを要望しておきます。
本日は、令和六年度予算案の審議に当たり、まずは予算編成の考え方や経営計画の取組状況など、市場経営の全体像について確認を行い、その後、市場取引の基盤である施設整備と市場業者への経営支援について、その進捗や来年度の取組を確認いたしました。
また、豊洲市場の移転から五年が経過をし、開業が待ち望まれていた豊洲千客万来について、地域のにぎわい創出の観点から効果や課題を確認するなど、多岐にわたる事項について質疑をさせていただきました。
繰り返しになりますが、来年度は経営計画の折り返しとなる重要な年であります。着実に成果を上げられるよう、取組を加速させて進めていただき、将来にわたり都民の豊かな消費生活を支える基幹的なインフラとしての役割を果たすよう要望して、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○大松委員 初めに私からも、淀橋市場の拡張整備事業について質問します。
淀橋市場は新宿区北新宿に立地し、昭和十四年の開場以来、地域の小売店やホテル、飲食店などの仕入先としての役割を担ってきており、地域の青果物流通を支えるなくてはならない存在であります。その淀橋市場では、建物の老朽化が進み、都は老朽化対策に合わせて市場の拡張整備事業を進めることになっています。
そこで、これまでも我が会派は、都心に立地する淀橋市場の特性を生かして、新たな都市型市場のモデルとなるような整備を進めるよう求めてきました。
都は、昨年の第二回定例会において、我が会派の古城委員長の質問に対し、淀橋市場の整備に際しては、取引先のニーズに応じた機能強化を図るとともに、効率的な物流と利便性の高い市場運営のモデルになるよう、先端技術の導入に向けた取組を後押ししていくと答弁しています。
そして、来年度にはいよいよ拡張整備事業の工事が始まり、令和六年度予算案には、準備工事の予算とともに、先端技術の活用による市場物流イノベーション推進事業の予算が計上されています。
そこでまず、市場物流イノベーション推進事業について具体的に伺います。
○石井市場政策担当部長 狭隘な淀橋市場における効率的な物流を実現していくため、都による総合事務所棟の建て替えに合わせ、市場業者は先端技術を活用した場内物流の効率化に取り組むこととしております。
具体的には、市場業者は自動立体冷蔵倉庫を整備するとともに、荷の自動搬送につながる先端技術の導入を図る予定でございまして、都はその整備に要する費用の一部を補助することで市場業者の取組を後押しいたします。
今年度、市場業者は、自動立体冷蔵倉庫の設計に着手するとともに、拡張整備後を見据えて荷の自動搬送技術の試験導入に向けたメーカーへのヒアリングや場内での実地テストを行うなど、都と連携しながら意欲的に検討を進めております。
○大松委員 今回の物流効率化に向けた取組は、都心部に立地し、場内が狭隘な淀橋市場特有の課題に対する対策という面がありますが、卸売市場全体が直面している物流の二〇二四年問題への対策としても効果的な取組であります。
そこで、こうした取組により、具体的にどのような効果を見込んでいるのか伺います。
○石井市場政策担当部長 今回整備を予定している自動立体冷蔵倉庫は、低温管理された倉庫内に商品を収納可能であり、取扱い規模の拡大や品質保持、向上の効果を見込んでおります。
また、自動立体冷蔵倉庫と自動搬送技術の連携を図り効果的に活用することで、場内物流の改善によるトラックドライバーの待機時間の縮減や、荷役作業の自動化、省力化による市場業者やトラックドライバーの作業時間、作業負荷の軽減等の効果を見込んでおります。
○大松委員 先端技術を活用することで、コストの削減や市場で働く人の作業負担の軽減、ドライバーの待機時間の短縮効果が期待されるとのことであります。
取組の成果については、積極的に取引先や産地に対してPRすることで、淀橋市場のさらなる発展につなげていただきたいと思います。
同様に、物流課題に直面している他の全国の卸売市場に対しても、こうした取組を市場運営の新たなモデルとして発信し、青果物流通全体の効率化に貢献していくものと期待しています。
続きまして、淀橋市場の拡張整備工事について質問します。
淀橋市場は、都心部である新宿に立地し、市場周辺はマンションなどの住宅地に囲まれており、近隣住民との距離が近く、深夜、早朝に多くの大型車両が出入りすることなどから、近隣住民への配慮が必要です。
淀橋市場は、近隣の小売店だけでなく、都内各地、そして地方の市場への生鮮品供給など、流通における大きな役割も果たしていると承知しています。
とはいえ、市場取引を円滑に行うためには、市場に近接する地域の方々のご理解とご協力を得ながら運営していくことが重要です。
淀橋市場は、都心部である新宿に立地し、市場周辺は集合住宅や戸建て住宅などの住宅地に囲まれており、近隣住民との距離が近く、深夜、早朝に多くの大型車両が出入りすることに伴う交通への影響の対応や衛生環境の確保など、様々な観点からの配慮を行っていかなければなりません。
そこで、まず淀橋市場の運営に際し、市場に近接する地域の住民の方々へどのような配慮を行ってきたのか、具体的な対応について伺います。
○石井市場政策担当部長 地域住民の方々への配慮といたしまして、交通対策につきましては、都ではこれまで過去に実施した仲卸業者売場棟のリニューアル事業において、施設の再配置や仲卸業者売場棟を解体した跡地を待機駐車場として活用することなどにより、場内物流の改善を図るとともに、警備員や交通誘導員を配置して市場周辺の交通整理等に取り組んでおります。
また、衛生環境の確保に向けましては、常日頃より地域の住民からごみの散乱やネズミ等への対策を求められております。
令和三年度に都が実施した害獣の侵入経路等の調査結果に基づき、都は業界と連携して粘着剤を使った防除策に取り組んでいるほか、衛生管理の維持向上に向けて、業界が主体となって卸売場の毎日の清掃や年末の場内一斉清掃を行うなど、都と業界とが一体となって取り組んでおります。
今後とも市場運営に当たって、地域の方々のご理解とご協力を得られるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○大松委員 こうした日々の市場運営に伴う地域への配慮は、今回の整備により、より実質的にも向上させていくべきであると考えます。
これまでも我が会派は、淀橋市場が近隣住民の理解と協力を得るため、淀橋市場の整備に当たっては、地域に根差し、地域との共生に向けて整備を行い、社会的役割を果たすべきと要望してまいりました。
そこで、整備事業の実施に当たって、地域、地元に配慮した施設整備を行うべきと考えますが、見解を求めます。
○萩原環境改善担当部長 都の中央卸売市場の中でも、とりわけ淀橋市場は人口密度の高い都心部に立地していることから、一層の地域への配慮が重要でございます。
こうした考えの下、施設整備に当たりましては、新総合事務所棟の五階に都の会議室を設置し、近隣住民をはじめとした都民との交流や食育、産地へのPRなど、地域に役立つ多目的なスペースとしての利用を検討しております。
また、建物の構造体は、大地震後でも市場機能を維持するため、建築基準法で定める構造体の強度を一・二五倍に割増し、高い耐震性能を確保しており、これらを生かし、震災時の帰宅困難者の一時滞在施設として活用できるよう配慮しております。
さらに、屋上には太陽光パネルを設置し、自然エネルギーを活用するとともに、屋上緑化を行い、照明や空調設備に省エネ型機器を採用するなど、環境負荷を低減する工夫も行って設計しております。
○大松委員 来年度は、準備工事や自動立体冷蔵倉庫の工事が予定されており、いよいよ拡張整備事業の工事に着手していくことになります。
そこで、来年度からの整備着手に向けたこれまでの具体的な進捗状況を伺います。
○萩原環境改善担当部長 淀橋市場拡張整備事業の各工事に先立ち、都は今年度、埋蔵文化財試掘調査、地盤調査及び敷地調査測量を実施し、完了いたしました。現在は総合事務所棟の実施設計を行っております。
具体的には、基本設計時点で市場業界と意見交換を行いながら整理いたしました各フロアの事務所や店舗内のレイアウトなどを基に、建物の構造や諸設備の詳細な設計を進めております。
また、市場業界が整備する自動立体冷蔵倉庫と既存卸売場棟の接続部分の設計を進めております。
あわせて、早期着工に向けた準備のため、工事着手前に必要な建築基準法や条例などに基づく各種行政手続について、所管官庁とも協議を行っております。
○大松委員 ただいま進捗状況についての答弁がありましたが、市場業者の皆様方は、古くて狭い現在の総合事務所棟が新しくなり、場内物流を刷新する今回の整備を心待ちにされていらっしゃいます。
一方で、本事業は、都が整備する工事と市場業者が整備する工事とが重複することから、工事が遅れることのないように努めていただきたいと思います。また、淀橋市場の周辺は住宅地に囲まれていますから、工事を行う際には、近隣住民の皆様方に配慮する必要があります。
そこで、工事を着実に進めていくための工夫について伺います。
○萩原環境改善担当部長 各整備工事は、市場の運営を継続しながら行うため、工事の手順を工夫することで、できるだけ運営に支障を来さないよう、着実に進めてまいります。
具体的には、まず、自動立体冷蔵倉庫を整備し運用を開始することで、場内に置かれている荷物を自動立体冷蔵倉庫内に集約し、工事ヤードを可能な限り確保した上で、新総合事務所棟工事を行うこととしております。
また、本整備事業に着手する前には、近隣住民に対して各整備工事の概要、工事スケジュールなどの工事説明会を実施する予定でございます。
○大松委員 淀橋市場は狭隘であるため、工事中の安全確保はもとより、市場取引に影響を及ぼさないよう、市場業者の皆様方と丁寧な調整を図っていただきたいと思います。
また、工事車両による周辺道路の混雑への影響を及ぼさないようにするなど、円滑に工事を進めることを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、中央卸売市場におけるゼロエミッション化に向けた取組について質問します。
昨年夏は世界各地で記録的な猛暑となるなど、地球規模の気候変動による危機が一層顕在化してきました。その中で、省エネルギー対策を進めることは、ゼロエミッションの実現に向けた重要な取組の一つであります。
特に大規模な施設等を有し、多くの電力を消費している中央卸売市場の特性を踏まえると、消費電力の少ないLED照明の設置等を進めていくことは、ゼロエミッション化につながる効果的な取組であります。
そこで、来年度の市場におけるLED化の取組について伺います。
○石井市場政策担当部長 中央卸売市場では、卸売場等の施設で照明器具が多数使用されており、エネルギー消費量の削減を図るために照明器具のLED化を進めていくことは、市場のゼロエミッション化に向けた重要な取組でございます。
そのため、都では、平成二十八年度から、卸売場など主要な市場施設におきまして、照明器具のLED化を計画的に進めており、来年度は世田谷市場等においてLED化に取り組んでいきます。
引き続き、工事に伴う市場業務への影響等に配慮しながら、照明器具のLED化を着実に推進してまいります。
○大松委員 市場では、多くの市場業者が日々事業活動を行う中で、電力など多くのエネルギーを使用しており、昨今の国際情勢の不安定化を背景としたエネルギーや原材料価格の上昇による電気料金の高騰は、その経営に大きな影響を与えています。
こうした状況において、都が市場業者の省エネ対策を支援していくことは、市場のゼロエミッション化に加えて、市場業者の経営安定化にもつながる大事な取組であります。
そこで、市場業者の省エネ推進に向けた支援について伺います。
○石井市場政策担当部長 市場のゼロエミッション化を推進するためには、電力を節減するための市場業者自身の取組に加え、都がこれらを支援することも重要でございます。
都は昨年度より、フロンに代わりグリーン冷媒を使用する省エネ型の冷蔵設備への更新を促進する補助事業を実施しており、今年度から補助率を三分の一から二分の一に引き上げ、さらなる活用を図っております。
また、今年度から、専門家による個々の店舗の省エネ診断や、市場の特徴に合わせた課題等に焦点を当てた省エネセミナー、相談会を実施しております。
来年度も引き続き、市場業者による省エネの取組を後押ししてまいります。
○大松委員 近年、ノンフロンで省エネ型の業務用冷蔵庫は、商品のラインナップが増えてきていると伺っています。この機を捉え、都には、市場業者に向けた補助事業の広報活動に積極的に取り組み、設備更新の拡大につなげていくことを要望しておきます。
ここまで、市場のゼロエミッション化に向けた省エネの取組について質問してまいりましたが、ゼロエミッションを実現していく上では、資源のリサイクルなども併せて推進していくべきであると考えます。
中央卸売市場からは、日々、各種の梱包材などをはじめとする多くの廃棄物が排出されています。特に、日本一の水産物の流通量を誇る豊洲市場においては、その流通過程で多くの発泡スチロール製の容器が産業廃棄物として発生しています。こうしたことから、市場における環境負荷の低減に向けて、発泡容器等の排出量を削減するとともに、リサイクルの推進に積極的に取り組んでいくことが重要です。
そこで、市場における発泡容器のリサイクルの状況と今後の取組について伺います。
○石井市場政策担当部長 市場では、生鮮品等を搬送する過程で発生した発泡スチロール製の容器を市場内に設置された処理施設で圧縮し、体積を減らした上で廃棄物処理業者により海外に輸出され、再生利用されております。
今後、資源リサイクルによる市場のゼロエミッション化をさらに推進するためには、国内での資源循環を進めることが重要でありますが、再生利用の拡大に向けては、汚れのついた容器等を素材とした再生品の品質向上が課題となっております。
そこで、来年度は、素材の不純物等を取り除き、品質の高い材料に戻して再生利用ができる新たなリサイクル技術を用いた再生品試作や品質の検証等に取り組みます。
こうした取組によりまして、市場における廃棄物のリサイクルを推進してまいります。
○大松委員 都は、この検証で得られる新しいリサイクルの知見を市場関係者と共有し、取組の裾野を広げていっていただきたいと思います。
市場におけるゼロエミッションを推進し、環境負荷低減に向けた取組の効果を高めるためには、都と市場業者がよく連携し、市場業者の理解と協力を得ながら進めていくことが重要であります。引き続き、市場の環境負荷低減に向けた取組を積極的に推進していただくことを要望しておきたいと思います。
次に、食育等の推進の取組について質問します。
子供たちが健やかに成長し、生涯にわたって健康に過ごせるようにするためには、幼少時から食に関する知識と食を選択する力を養う食育が重要です。また、花や緑に親しむ機会を通じて、優しさや美しさを感じる気持ちを育む花育も、子供の豊かな心を育てていく上で欠かせません。
こうした食育や花育に関するノウハウを持つ中央卸売市場が率先して、子供たちに市場の仕組みとともに食や花などの大切さを楽しみながら学べる機会を提供していくよう努めていくべきであると考えます。
そこで、子供たちが食等に関する知識などを身につけていくため、これまで都が行ってきた食育、花育等の取組の実績と今後の取組の方向性について伺います。
○前田管理部長 子供をはじめ、多くの都民に、市場見学や食育、花育等での学びを通じて、市場の果たす役割や食材などの理解を深めていただくことは重要でございます。
都ではこれまでも、季節の魚や野菜を使った料理実習や市場見学を内容とする食育教室、フラワーアレンジメント教室を開催するなど、食育等の推進に取り組んでまいりました。
食育教室等は、コロナ禍においては、新型コロナウイルス感染症の影響により開催を中止または規模を縮小してまいりましたが、今年度は新型コロナの五類移行を受け、計十七回開催いたしました。
参加者からは、市場の仕組みや食の大切さを学ぶ機会となったという声や、また参加したいといった感想が寄せられ、好評でございました。
来年度は、各市場で行われた好事例を共有するなどして、食育、花育事業がより一層充実した内容となるように取り組んでまいります。
○大松委員 今年度はコロナ禍が明け、多くの市場で食育、花育教室が開催されたとのことでありますが、産地と消費者を結ぶ流通拠点である中央卸売市場だからこそできる食育、花育の形というものがあると思います。中央卸売市場が培ってきた経験と実践から得たノウハウを基に、今後とも内容を充実発展させ、中央卸売市場ならではの形を生み出していただきたいと思います。
次に、都民や市場業者への情報発信について質問します。
中央卸売市場の取組をより広く都民や市場関係者の皆様方に知っていただくために、様々な広報媒体を活用して分かりやすい情報発信を行っていくことが重要です。
昨年三月の当委員会における我が会派の質問に対し、都は、子供の成長に合わせた食育に関する動画の配信や豊洲市場における環境対策、市場業者向けの伴走型支援のリーフレットの作成を検討すると答弁しています。
そこで、分かりやすい情報発信の取組状況について伺います。
○前田管理部長 中央卸売市場が担う生鮮品等を安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割や事業について、都民や市場業者に分かりやすく周知し、理解を深めていただくことは重要でございます。
そこで、これまで取り組んでまいりました市場の役割などを紹介する動画に加え、市場業者が取り扱う食材を用いて、プロの料理人が考案したレシピを自ら調理する子育て世代を対象とした食育動画を作成し、今後、配信してまいります。
また、豊洲市場が太陽光発電や雨水利用など環境に配慮した市場であることを、子供から大人まで分かりやすく伝えるリーフレットや、経営強靱化推進事業の伴走型支援について、制度概要や活用事例などをまとめた市場業者向けのパンフレットを作成いたしました。
○大松委員 食に関する正しい知識を子供たちに身につけてもらうための取組や、SDGsの理解促進につながる取組は大切であります。引き続き、市場に対する都民の理解が深まるよう、効果的な情報発信に取り組んでいただきたいと思います。
コロナ禍では、食育教室や花育教室だけではなく、各市場で実施していた市場まつりも中止や縮小を余儀なくされてきましたが、今年度は多くの市場で久しぶりに市場まつりが開催され、にぎわいを見せています。
我が会派の竹平議員の地元であります葛西市場では、青果と花きフェスタ二〇二三が開催され、会場は多くの来場者でにぎわったと伺っています。その中で、被災地支援を目的に設置された福島県のブースでは、福島県産のブランド米「福、笑い」の重さを量り当てるゲームが行われ、参加者が真剣に米の重さを量り、楽しまれる姿が印象的であったそうであります。
そこで、市場まつりなどのイベントにおける被災地支援の実績と今後の取組の方向性について伺います。
○前田管理部長 今年度は、五市場におきまして市場まつりを開催いたしました。
市場まつりにおける被災地支援の取組として、開催した全ての市場において、福島県、宮城県、岩手県の被災三県を特集したPRコーナーを設置し、パンフレットなどによる被災三県の食や観光の紹介を通じて、被災三県の魅力を来場者にお伝えしました。
また、豊島市場には宮城県、板橋市場には岩手県、葛西市場には福島県にそれぞれアンテナショップを出店していただき、被災地産品の消費拡大に向けた取組を行いました。
さらに、世田谷市場においては、ウインターフラワーフェスタ二〇二三を開催し、洋ラン、ポインセチアの品評会出展商品の人気投票に参加いただいた方の中から先着二百名様に福島県産の花鉢をプレゼントいたしました。
引き続き、多くの方が来場する市場まつりなどの機会を通じて、東日本大震災のみならず、能登半島地震など被災地の復興を支援していくため、都民の方々に被災地産品に対する理解を深めていただけるよう着実に取り組んでまいります。
○大松委員 次に、三陸常磐夢市楽座の取組について質問します。
さきの予算特別委員会代表質問において、我が会派のまつば理事の質問に対し、知事から、三陸常磐夢市楽座を訪問した際に卸売市場の発信力の大きさを実感したとの答弁がありました。
夢市楽座は二月末で事業が終了したと伺っていますが、七月のオープン以降、約八か月にわたって被災地産品の消費普及拡大や風評被害払拭に取り組んでいただいた豊洲市場の水産仲卸団体をはじめ、全ての関係者の方々に対して心から敬意を表したいと思います。開催期間中は多くの人が夢市楽座に訪れ、夢市では用意された新鮮な魚介類が大変好評であったとも伺っています。
そこで、三陸常磐夢市楽座の事業実績について伺います。
○大谷事業部長 三陸常磐夢市楽座のある豊洲市場の魚がし横丁には、七月十五日のオープン以降、累計で約四万七千四百人の方が訪れており、三陸常磐夢市楽座にも多くの人に立ち寄っていただきました。
被災三県の良質な魚介類や特産品が購入できる夢市では、オープンから二月十七日までの間に営業した二十四日間で累計約二千五百人の方々に被災地産品を購入していただき、売上総金額は約四百六十万円でございました。
○大松委員 夢市楽座にはたくさんの方々に足を運んでいただき、被災三県の魅力を感じていただけたのではないかと思います。この事業は、豊洲市場水産仲卸団体であります東京魚市場卸協同組合が主体となり、都が支援を行ってきたとのことであります。
そこで、今回の取組で、事業主体である東京魚市場卸協同組合から事業に取り組んだ結果としてどのような声を聞いているのか伺います。
○大谷事業部長 事業主体である東京魚市場卸協同組合からは、豊洲市場の仲卸の目利き力を生かして仕入れた新鮮な三陸常磐物の水産物を三陸常磐夢市楽座で一般消費者が直接手にすることで、品質や味のよさを広くアピールすることができたこと、また、この取組を多くのマスメディアが取り上げたことにより、豊洲市場の持っている発信力を存分に発揮でき、大きな手応えを感じたこと、さらに、この取組を通じて全国からたくさんの応援をいただき、支援の輪が広がったと被災地の出荷者から感謝されたことなどの声を聞いております。
○大松委員 東京魚市場卸協同組合は、今回の取組を通じて、三陸常磐物の魅力を直接消費者へ伝えることで、大きな手応えを得たとのことであります。
今回の夢市楽座の被災地支援の取組は、被災地からも来場者からも好評を得ており、大変よかったと思います。東日本大震災から十三年が経過した今も、被災地支援の取組は継続していく必要があります。
また、一月一日に発生した能登半島地震においても、水産業界をはじめ大きな被害が生じたと聞いており、その支援も視野に入れていく必要があると思います。
そこで、中央卸売市場が被災地支援に今後どのように取り組んでいくのかについて伺います。
○大谷事業部長 都民への生鮮食料品等の供給を担う中央卸売市場において、被災地産品の品質や価値を実需者や消費者にPRし、普及拡大していく取組は効果的でございます。
今後も都は、産地と消費者をつなぐ卸売市場の機能を生かし、市場まつりはもとより、あらゆる機会を通じて、東日本大震災の被災地や能登半島地震などの被災地産品の魅力を広く発信することなどにより、引き続き被災地支援に取り組んでまいります。
○大松委員 卸売市場を通じた被災地支援の取組は重要です。被災地産品の普及拡大につなげていくためにも、市場業者ならではの力を生かしながら、夢市楽座のような取組を継続していただきたいと要望しておきます。
本日の質疑では、淀橋市場における物流効率化に向けた取組や市場のゼロエミッション化、被災地支援などについて来年度の取組を確認しました。いずれも市場業者の理解と協力を得ることによって、効果が十分に発揮できるものばかりであります。
中央卸売市場が生鮮品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を果たせるよう、都と市場業者がよく連携し、直面する課題の解決を図っていくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
私からも、淀橋市場拡張整備事業に関連しまして、淀橋市場の内外の安全と生鮮品の品質維持の観点と併せて質問したいと思います。
私は、淀橋市場は実はどこにあるか分かっていませんで、地元の新宿区選出の大山都議に案内してもらって、この前初めて行ってきましたが、本当に住宅街の真ん中にあって、すごいところというんですかね、本当に地域の方と一緒に理解、協力しながら営業している市場なんだなということがすごくよく分かりました。
そういうところで、八十五年前から青果物を扱う市場として業務を始めています。やっぱりこういう立地条件ですから、都心に人口が集まるという中で、本当に急激に取扱量が増えてきた歴史があって、それに合わせて機能強化とか拡充整備とか、地域の方との環境配慮など、本当に繰り返し行ってきたんだなと、そういう歴史があるということが事業概要にも書かれているのでよく分かりました。
そういう中で、都民の食のニーズに確実に対応するという役割が発揮できるように、東京都も繰り返し、そういう整備を業者の方と一緒に行ってきたと。それで現在に至っているというふうに思っております。
事業概要にもあるように、淀橋市場の整備は買い出し人の車両の増加に対応するということで、四十七年前から立体化工事から始まったということです。二階部分が最初屋上だったところに駐車場になって、その後、屋上の部分にさらにもう一個建てて三階をつくって、そこに駐車場を増設、増築したということになっていました。二階には大型車両が入れるようにスロープを建設するなど整備を重ねてきたということで、どんどん上に積み上げてきたという経過がありました。
こういう内容を見てちょっと心配になったのは、今いつ起きてもおかしくない首都直下型地震発生時の耐震状況だなと思っておりまして、ちょっと一つ伺いたいのは、これだけ増築などが行われてきた淀橋市場ですが、既存の卸売場棟の耐震化はどうなっているのか伺います。
○萩原環境改善担当部長 淀橋市場の卸売場棟は鉄骨鉄筋コンクリート構造の建物と鉄骨構造の建物で構成されております。
昭和四十三年に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート構造の建物は、平成十二年に耐震補強を完了しており、昭和四十九年から六十年にかけて竣工した鉄骨構造の建物は、平成二十年に耐震診断を実施し、十分な耐震性があることを確認しております。
○藤田委員 十分な耐震性があるということを確認したということで、今確認して安心しました。
青果物の取扱量が増えるということは、それだけ市場取引も多くなって、市場の中はますます混雑すると思います。事業概要を見る限りでも、書いてある文言も、市場の狭隘度は深刻、市場取引のピーク時には、市場の内外に買い出し人車両があふれる状態などの記載がありまして、常に混雑が課題となっていることが分かります。
先日、市場で働く方にもお話を伺いました。その方も、やっぱり市場の外の道路で待機している車があったり、そこで荷物の積卸しを行っている業者も多いというお話を伺いました。場内に入れない仲卸業者の車などが、時間帯によっては一般の道路一車線を占拠する状況になっているというふうに伺いました。一車線が走行できなくなるので、片側交互通行になっているということです。
都としてどのような対応を行ってきたのか、また、拡張事業をするに当たってどのような対策を行うのか伺います。
○石井市場政策担当部長 過去に実施いたしました仲卸業者売場棟のリニューアル事業におきまして、旧仲卸業者売場棟跡地の待機駐車場としての活用などによる場内物流の改善を図りますとともに、警備員等による市場周辺の交通整理等に取り組んでおります。
また、今後実施する拡張整備事業におきましては、まず、自動立体冷蔵倉庫を整備し、場内に置かれている荷物を集約した上で、新総合事務所棟の整備予定地にある待機駐車場については、場内に移転先の確保を図ることとしております。
○藤田委員 現在、警備員などによる市場周辺の交通整理などに取り組んでいるということです。あわせて、待機駐車場がなくならないように、順番に場所を確保しながら整備しているということです。
パネルをご覧ください。皆様、委員会資料で4というのがあるんですが、同じく卸業者のベジフルというところのホームページからも同じような図面がありましたので、見ていただけると分かるんですが、淀橋市場の待機荷下ろし場所というところが、このホームページではピンクのところが待機荷下ろし場所となっています。待機荷下ろし場所で、委員会資料と比べましても、同じところに整備をする予定になっているんですね。なので、待機荷下ろし場所がなくなっちゃうんじゃないかなというふうに懸念されるわけですが、今のご答弁では、下側、こっちは南なんですが、南側の待機荷下ろし場所は冷蔵庫をつくって、そこにパレットを集約して、先ほどの答弁の中でも三百パレットぐらい入る冷蔵庫ができるということですから、その分、卸売場棟のスペースが空くと。そこに下の南側にある待機荷下ろし場所の駐車場が中に入るということで、分かりました。
一方で、北側にある待機荷下ろし場所は、先に冷蔵庫の整備が始まったときには、途端に止まれなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思われまして、そこはまた止まれなくなる車両が発生することに対する対応が必要なんじゃないかなというふうに思っておりますので、何かしら対策を取っていただきたいなというふうに思っています。
あと、交通整理の警備を行っている方にもちょっとお話を伺いました。産地などから青果を運んでくる大きなトラックが、小滝橋通り、正門がそちら側にあるんですが、そちらから市場に入っていきます。トラックだけじゃなくて、業者の車も併せてひっきりなしに出入りしておりますので、正門のところというのは、二人警備員というか交通整理の方がいらっしゃって、小滝橋通りの通行に支障がないように交通整理しながら、市場の出入りを対応しているという状況でした。午前中、ちょっと見ているだけでも一分間に二、三台の車が出入りしているという状況でした。
警備の方のお話では、これからそういった工事が始まることはご存じだったんですけれども、これに加えて、今の市場関連業者の車の出入りに加えて工事車両が出入りするとなると、大変なことになるぞというふうにも話しておりましたので、工事業者とか警備会社、そうした交通整理を行っている会社の皆さんとも連絡を密にして、絶対に事故が起こらないように対策を取っていただきたいと思いますし、また、近隣の住民からも、やっぱりいろいろご意見をいただくというふうにもおっしゃっていましたので、都としても現場の状況を把握していただいて、現場で交通整理に当たっている方や警備の方のご意見を聞いて、近隣の方にも対応していただきたいなと、配慮していただきたいなというふうに思っております。
もう一つ確認なんですが、今回の拡張整備事業では自動立体冷蔵倉庫が新設されることによって場内の荷物が集約されますということですが、その集約されるスペースというのは、南側の待機駐車場分のスペース分確保できるのか、三百パレット分というのは、このぐらいのスペースがあるのかということを教えていただきたいんですが、中に集約する分が、この分想定しているというふうに見込んでいるのか伺います。
○石井市場政策担当部長 自動立体冷蔵倉庫につきましては、約三百個分のパレットを収容できるようになります。その分、荷物は場内からそちらの方に移るという形になります。その空いた分を待機駐車場のスペースですとかに活用していくことができるということになってございます。
○藤田委員 ちょっと明確じゃないですが、活用できるということは、足りる分のスペースが空くというふうに想定しているということだというふうに納得するしかないかなと。
南側、下の方ですね。こちらの門の方にも、こちらは大きな車というよりは、主に買い出し人の車両が頻繁に出入りしている門があります。ここは自動立体冷蔵倉庫が完成した後に工事が始まる場所ということです。工事期間は二年以上かかるようなスケジュールになっています。
南門の前の道というのは、Y字路というんですか、三差路になっていまして、午前中は一人で警備をされていました。市場から出る車、入る車が三方向からやってきますので、かなり注意を払って車の対応を交通整理の方が行っていました。
ここに工事車両も加わるとなると、交通整理をする方も増やしただけで対応できるかなというふうに、人を増やすだけじゃなくて、もう少し何か物理的に対応しないと、ちょっと厳しいんじゃないかなというお話も交通整理をされている方はされていました。なので、ぜひ南側についても安全対策を万全にしていただきたいなと思います。
あわせて、東京都は、市場関係業者の方と多分定期的に、話合い、協議を行っていると思うんですが、その中に、交通整理を行う業者、警備員というんですかね、そういった業者というのは含まれているのかどうか、分かれば教えていただきたいんですけれども。
○石井市場政策担当部長 協議会の話でございますけれども、協議会につきましては、東京都と市場業者の協議会となってございます。
○藤田委員 その市場業者の中に交通整理を行う業者の方も含まれているのか教えてください。
○石井市場政策担当部長 今ご答弁申し上げましたように、都と市場業者の協議会でございますので、交通整理等の業者さんは入ってございません。
○藤田委員 入っていないということですので、もしかしたら卸の業者の方にご意見を伝えていらっしゃるのかもしれませんが、一番地域の方の声を多く聞く、受け止める可能性が高いなと思うので、特に二十四時間あそこで交通整理や警備を行っていらっしゃいますので、協議会に含めるかどうかは判断があると思いますが、ご意見を聞きながら、地域の方とも安全に話合いを進めていっていただければなと思います。
次に、食品の品質管理について伺います。
昨年の夏は、気温が三十五度以上となる猛暑日が観測史上初めて二十日を超えるという異常な暑さとなりました。淀橋市場の南西側は道路と鉄道があって、高い建物がないということで、一日中よく日が当たっているというところでした。建物の屋根の下に荷物を、野菜を置いたとしても、結構直射日光がいつも当たるというような、そういう場所でした。市場業者からは、冷蔵施設を増やしてほしいというご意見を伺いました。
淀橋市場の東京都が管理をする低温卸売場の規模は、合計三百五十七・四平米と、この事業概要で合計するとそうなっています。一日当たり七百九十七トン、年間で十九万トンの青果を扱っているのですが、どのような基準でこの冷蔵施設などの規模を決めているのか伺います。
○石井市場政策担当部長 卸売場等の運用に当たりましては、都と市場関係業者が役割、費用分担、使用方法等につきまして十分協議を行い、淀橋市場の特性を踏まえて、低温施設の規模など必要な水準を見極めた上で整備することとしてございます。
なお、先ほどの協議会の話でございます。そちらにつきましては、構成は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、警備等につきましては東京都が責任を持ってやっているものでございまして、警備は東京都が発注して行っているものであります。
また、工事に当たりましては、そういった影響等につきまして十分に配慮をして対応してまいります。
○藤田委員 ありがとうございます。都の発注ということで、都が直接ご意見を聞かないと、交通整理員の方の状況は伺えないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
冷蔵施設については必要な水準を整備しているというふうなご答弁でした。これもちょっと仲卸事業者の方からご意見として伺って、対応できるのかなと思いまして、ちょっと聞きたいのですが、新仲卸業者売場棟、先ほどの図面ではこの左側にあるんですけれども、ここに新しく仲卸業者の方たちが入る事務所と、そこに冷蔵施設もあるんですが、そこの冷蔵施設が非常に小さいので、冷蔵庫を増やしてほしいというご意見がありました。
今回、自動立体冷蔵倉庫ができるのですが、そこには仲卸業者の方は希望したら入れるのか、使えるのか伺いたいと思います。
○石井市場政策担当部長 自動立体冷蔵倉庫につきましては、卸売業者が整備することとなってございます。その運用につきましては、今後、業者間等で協議されるものと考えております。
○藤田委員 卸業者と仲卸業者で協議するということで、自動立体冷蔵倉庫が新設されることで、場内の荷物が集約される、駐車場も広がるということで、駐車場のスペースになるということで、その分、卸売場棟がスペースができるということなんですが、この間、狭隘なために、仲卸業者同士でのトラブルも結構絶えないというご意見も伺いまして、そういう冷蔵施設をめぐっても、不公平につながらないようにしていただきたいなと思いますので、そこは卸と仲卸の間で話を進めていくということですので、そういった状況もあるということを東京都も把握していただければと思います。
最後に、市場業者の経営について伺います。
市場では、この間、物価高騰に加えて、夏の暑さで青果物の品質の維持が大変難しかったりとか、さらに二〇二四年問題で運送費も値上がりしているということです。仲卸業者の方からは、薄利の中で経営がとても厳しいというご意見がありました。
この声、どう受け止めていますか。
○大谷事業部長 従前より、エネルギー価格の上昇や円安等の影響を受け、市場業者が厳しい経営環境にあることから、都は、経営強靱化推進事業や経営相談事業などを通じて、経営基盤の強化などに向けた市場業者の自律的な取組への支援を鋭意実施しております。
○藤田委員 市場でも、価格転嫁ができずに苦しんでおられる業者は少なくありません。市場の役割は、安全な食品を適正価格で安定的に消費者に届けるということが役割となっております。そうした役割が果たせるように、引き続き、市場業者の実態に見合った支援の拡充を進めていただきたいと思います。
また、あわせまして、市場の使用料につきましては、見直し等を行わず、値上げもやっぱり負担だなと思いますので、値上げはしないように要望して、質問を終わります。
○宮瀬委員 私の方で最後となりますので、よろしくお願い申し上げます。
私の地元であります板橋市場がついにリニューアルしていくといったことで、その計画に向けて、予算が今年度と来年度も予定をされております。
そういった状況の中で、板橋市場の具体的な質疑に入る前に、基本的なことをまず確認したいんですが、私は昨年の事務事業質疑におきまして、市場全体での売上げ目標数値がないことや、PDCAサイクルの取組が甘いと指摘をさせていただきました。
今年公表されました包括外部監査報告書におきましては、施設のPDCAサイクルに対して厳しい指摘があったと思います。
そこで、持続可能な市場運営のためには、施設の耐久性などを踏まえまして、施設のPDCAサイクルを回し、計画的に維持更新をしていかなければならないと思いますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 都は、市場施設を計画的に維持更新していくため、これまでに実施した劣化度調査の結果等を踏まえ、ライフサイクルコストの低減や更新時期の平準化も考慮に入れ、必要性や優先度等を検証した上で、各市場の主要な建物ごとに改修や建て替え等の方針を決定し、維持更新計画を策定していきます。
○宮瀬委員 外部の指摘も、監査の指摘もあって、しっかりと計画を策定していくといった確認をまず最初に取らせていただきました。
そういった中で、板橋市場の関係者等にいろいろヒアリングを重ねて今日の質疑に臨んでいるわけでありますが、どの市場関係者の方もおっしゃるのは、板橋市場がリニューアルした後に、私たちは引き続き商売ができる環境であるのかといったことが最大の懸念であるのではないかと思っております。
具体的には、お金の話になってくるわけでありますが、市場がリニューアルするということは、使用料、使用している面積も当然変わる可能性がありますし、ランニングコストが上がっていけば、板橋市場で商売をしていくのが難しいという関係者の方も正直いらっしゃいました。
そこで、取引を拡大しようとしている市場業者のために、使用料は、全体での料金設定のところは見直しがかかるところはまた議論がありますが、今の現行の料金ということでぜひお願いをしたいと、値上げをしないようにというご要望が多々来ておりますが、見解を伺います。
○萩原財政調整担当部長 使用料につきましては、受益と負担の観点から検証を行った上で、市場会計の今後の見通しや市場を取り巻く状況とともに、市場業者の経営等への影響も十分に考慮し、業界の理解と協力を得ながら進めていくことが重要でございます。
そのため、各市場の業界との意見交換を継続的に実施し、都の経営改善の取組を行うことを前提に、使用料体系の見直しや使用料額の改定の方向性につきましても、理解、協力を求めてまいります。
○宮瀬委員 市場会計の全体での継続性ということも大変重要ですので、全体で見直しを図るということは、正直、いろいろ関係者の人の話を聞いたり、配慮したりといったことであると思いますが、その全体の見直しの前段階の、今の現行のところで申し上げますと、先ほどいったように、リニューアルをされるということは、今、商いをしているスペースが強制的にちょっと面積が変わる可能性がありますよね。東京都は、このスペースで一店舗、このスペースで一店舗やってくださいといったことを決めますと、当然、今の状況とは市場業者の使用面積が物理的に変わる可能性があるわけであります。結果的に、使用料の体系の全体の見直し云々の議論以前に、使用料が上がる可能性があることを懸念しております。
そこで、使用料は面積に応じて改めて決定するため、板橋市場のリニューアルに当たっては、市場業者との面積調整を丁寧にすべきと考えますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 各市場業者が使用する面積の基礎となる仲卸売場等の全体面積、配置、区画などは、基本構想等で定める機能強化の方向性や整備方針等に基づいて、市場業者の意見も踏まえ、今後策定予定の基本計画において具体化を図ってまいります。
○宮瀬委員 ご答弁で、市場業者の意見も踏まえ、今後策定予定の基本計画において具体化を図っていくといったご答弁を明確にいただきましたので、ぜひ市場業者の意見も踏まえていただきたいと思っております。
いずれにせよ、市場の方からヒアリングしておりますと、都は板橋市場のさらなる成長を願っているといいますか、計画をしているわけでありますが、さらなる成長といったときに、やはり既存のプレーヤーだけでは、都が望む拡大成長はし切れないんではないかと。これは私の方が思っているわけでありますが、板橋市場のさらなる成長に向けまして、施設整備の機会に合わせて、新規の事業者を入れる計画を立てるべきではないかなと私は思いますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 板橋市場の機能強化として、コールドチェーン対応や加工、荷さばき機能の拡充等により、販売力の強化を図っていくことを検討しております。
今後とも、板橋市場の一層の取引拡大に向け、板橋市場の市場関係者と十分に意見交換していきます。
○宮瀬委員 ぜひ、ここはちょっと要望になりますが、機能集約ということは、集まってくるということでありますから、いろいろな関係者と意見交換の場をぜひ設置していただくよう要望をしておきます。
加えて、面積の話をいたしましたが、一点要望です。
都は、整備に当たりまして、スケルトンインフィルの考え方を採用する予定と聞いておりますが、自分たちで冷蔵庫設備等を整備することは経営的に厳しい事業者もいると思われることから、共通で使用する設備は都が整備して、一部貸し出すこともぜひ検討していただくよう要望をしておきます。
次に、今後のスケジュールが具体的に今後決まっていくと思いますが、市場関係者の方が懸念しているのが、行政は、いわれたとおりにいいますけれども、すぐ予定をずらしたりすると。つまり、計画を立てて、これがうまくいかなかったから、翌年度にしますと。民間でそれをやれば結構大ごとで、もちろん皆さんにとっても大ごとだとは思うんですけれども、民間事業者とすれば、それに向けて設備投資をしたり、いろいろ関係各所の調整があったり、売上げ目標を計算したり、そういったことを十分見定めて計画を組むわけでありますが、ぱっといろんな資材が集まらなかったとか、いろいろな状況で一年ずらしますとか、二年ずらしますといったことがあると、とても困るといったお話がありました。
今後、具体的な令和何年度かという数字も出てくると思いますが、ぜひ計画したスケジュールから決して遅延することのないよう、着実に整備を進めていく必要があると思いますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 整備スケジュールにつきましては、来年度に策定予定の基本計画におきまして、施設の詳しい配置や面積、整備スケジュール、概算の整備費用、工事期間中の売場等のローリング計画など、基本構想に基づきまして、整備案についてさらなる具体化を図っていく予定でございまして、市場業者と都が連携して着実に取組を進めていくこととしております。
○宮瀬委員 ぜひ、これは一応念を押すために質疑した項目でありますので、今のお言葉、進めていくこととしていますといっていますが、確実に進めていただきたいと思っております。
もう一つ、板橋市場は、首都直下地震が起きた際に、東北ですとか、日本の北側のエリアから物資がまず板橋市場に集積をされまして、そこから練馬ですとか、中野ですとか、二十三区の北側の方の物流を担うという認識で、総合防災計画にもその旨が書かれております。
その際に、その地域が、地震があればその市場自体が停電してしまうと、野菜を扱っていますので、物流拠点となるにもかかわらず、冷蔵庫が止まります。停電があれば冷蔵庫も止まりますから、野菜も腐ってしまいますと。
そこで、非常用発電機という考え方もありますけれども、やはり太陽光パネルですとか蓄電池があれば、大変有用なんじゃないのかなと。もちろん太陽光パネルのワット数に応じて、本当に冷蔵庫を動かせるのか、そういった議論もありますけれども、技術も発達してきましたし、少なくともそこのエリア、電気が消えるとあそこは真っ暗ですので、エリアを照らせる非常用発電灯ぐらいの電力は優に確保できますし、敷地も相当広いところなので、パネル等を置けるんではないのかなと。
そうしますと、蓄電池もあれば、昼間きっちりとそこで電力吸収して、それをためて、その物流拠点をちゃんと生かしていくということもできると思います。
また、避難場所にも一時期なっていたと思いますので、そこはぜひ検討していただきたいなと思います。
改めていいますと、災害対策の強化の一端といたしまして、太陽光パネルや蓄電池をしっかりと備えていくといったことが必要だと思いますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 板橋市場につきましては、東京都地域防災計画に基づき、震災時には輸送拠点や一時滞在施設として利用する予定であり、こうした役割を果たすことができるようにするために、災害対策の強化として非常用発電機を増強するとともに、非常時の利用も想定した太陽光発電設備の設置に取り組んでまいります。
○宮瀬委員 太陽光発電設備の件は触れていただきましたが、あと、非常用発電機の増強、ぜひ蓄電池の方もご検討いただきたいなと思っております。理由は先ほどいったように、昼間電気を使えても、夜使えなければ野菜が腐っちゃいますし、物流拠点としての機能をやっぱり維持していくためには、蓄電池をぜひ検討していただきたいなと。
また、こちら荒川の土手からちょっと離れたところにありまして、板橋区の防災マップでは、氾濫時に五メートルの浸水地域にこの市場があるといったことでございます。ですので、氾濫時には、もちろん常時市場に来られたら困るんですけれども、立体駐車場のところですとか、そういった緊急避難的に地元の住民等が逃げ込めるように、ぜひ検討していただきたいということも要望させていただきます。
次に、地域に開かれた市場といったことで、このことは文書質問でも住民の声をぜひ聞いてほしいといったことを要望してきましたが、新たに市場の方からもこんなのはどうかなと。いろいろ箱物ができると思うんですけれども、そこで、地域の人のために、例えば一週間のうち何日かは子供食堂としてここのスペースを使ってもらうとか、または料理教室とか、あとは社会科見学とか、小さいときから野菜とか果物をそこで触れたり食べていただくと、今後の市場の拡大にも広がっていくんだといった、単に今まで野菜を、花きを扱うだけではなくて、やっぱり裾野を広げていく取組というのは、売上げを拡大していく、市場を拡大していくためには必要ではないかといったこともお伺いしました。ですので、今までとはちょっと違う市場の機能となるとは思いますが、いずれにせよ、地元町会や板橋区の声を聞いていただきたいと思います。
近隣住民との交流を深める取組を今も一部やっておりますが、さらに推進することは、食に対する関心を高め、将来的な需要拡大にもつながってくるのではないかと考えますが、見解を伺います。
○石井市場政策担当部長 基本構想において、地域社会との共生を図るため、市場まつりの開催や社会科見学の受入れ、食育、花育の活動等により、地域住民との交流をより一層深め、卸売市場に対する理解促進や豊かな食文化の情報発信等に取り組むこととしております。
○宮瀬委員 ご答弁が、一層といった表現は一部あったんですけれども、今の市場まつりや食育、花育の活動は、今もう既にやっている部分もあると思います。ぜひ、ご答弁はいただけませんでしたが、一層ここの部分は強化していただきたいと思います。
私もこの市場のすぐそばに住んでいるんですけれども、板橋市場というと、地元の人間からすると、塀ではないですけれども、生け垣があって、中がのぞけなくて、ここで何やっているのかなと、とても敷居の高い施設です。場所があります、高島平という地域も、今後、高島平のリニューアル、地域全体でかかっていくと思いますので、そちらのリニューアルとも横目で見、時には連携をしながら、地域に開かれた板橋市場にしていただくことを最後に要望し、質問を終わります。
○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古城委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時七分散会
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