経済・港湾委員会速記録第三号

令和六年三月十八日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長古城まさお君
副委員長平けいしょう君
副委員長大松あきら君
理事中田たかし君
理事ほっち易隆君
理事白石たみお君
竹平ちはる君
星  大輔君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
藤田りょうこ君
三宅 正彦君
宮瀬 英治君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長坂本 雅彦君
次長理事兼務松本 明子君
総務部長早川 八十君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長
DX推進担当部長兼務
池野 大介君
企画調整担当部長山本麻里雄君
企画調整担当部長飯野 雄資君
働く女性応援担当部長田代 純子君
商工部長山崎 太朗君
商工施策担当部長小西  拓君
金融部長福田 哲平君
金融支援担当部長原   郁君
産業・エネルギー政策部長阿部 泰之君
産業政策連携促進担当部長米澤 鉄平君
新エネルギー推進担当部長榎園  弘君
観光部長江村 信彦君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長築田真由美君
安全安心・地産地消推進担当部長鈴木のり子君
雇用就業部長内田 知子君
事業推進担当部長新田 智哉君
労働委員会事務局局長根本 浩志君

本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百五号議案 東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
産業労働局所管分
・第九号議案 令和六年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第十号議案 令和六年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十一号議案 令和六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
・第百号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百一号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・PRIME観光都市・東京 東京都観光産業振興実行プラン 二〇二四−二〇二六について

○古城委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和六年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和六年三月十四日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
経済・港湾委員長 古城まさお殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十一日(木)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
 第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
 第九号議案 令和六年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
 第十号議案 令和六年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
 第十一号議案 令和六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
 第十二号議案 令和六年度東京都と場会計予算
 第二十号議案 令和六年度東京都中央卸売市場会計予算
 第二十二号議案 令和六年度東京都臨海地域開発事業会計予算
 第二十三号議案 令和六年度東京都港湾事業会計予算

(別紙2省略)

○古城委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の予算の調査及び付託議案の審査並びに産業労働局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分及び第百五号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○古城委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第九号議案から第十一号議案まで、第九十九号議案から第百一号議案まで及び報告事項、PRIME観光都市・東京、東京都観光産業振興実行プラン二〇二四−二〇二六についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○早川総務部長 去る二月十四日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で十八項目ございます。
 次のページをおめくりください。過去十年間の予算額、決算額の推移につきまして、一ページに中小企業対策、また、次のページをお開きいただきまして、二ページに農林水産対策、三ページに雇用就業対策をそれぞれお示ししてございます。
 なお、雇用就業対策につきましては、内訳として国基金事業関係費を記載してございます。
 四ページをお開きください。平成二十四年以降、従業者規模別都内製造業の推移をお示ししてございます。
 五ページをお開きください。過去二十年間の都内商店街数の推移をお示ししてございます。
 六ページをお開きください。過去二十年間の都内小売店数の推移をお示ししてございます。
 七ページをご覧ください。過去十年間の東京都登録旅行業者の数の推移をお示ししてございます。
 八ページをお開きください。過去十年間の都内の旅館、ホテル営業の施設数の推移をお示ししてございます。
 九ページをお開きください。過去二十年間の都内労働者の賃金の推移をお示ししてございます。
 一〇ページをお開きください。過去五年間の派遣元事業所数、派遣労働者数、派遣労働者の賃金の推移につきまして、全国と東京都内それぞれについてお示ししてございます。
 一一ページをご覧ください。過去三年間の都立職業能力開発センターにおける能力開発訓練普通課程の授業料収入の推移をお示ししてございます。
 一二ページをお開きください。過去五年間の都立職業能力開発センター校別の就職支援推進員の配置状況の推移をお示ししてございます。
 一三ページをご覧ください。過去十年間の東京の農地面積の推移をお示ししてございます。
 一四ページをお開きください。平成二十六年以降、区市町村別農地面積、市街化区域内農地、生産緑地面積の推移をお示ししてございます。
 一四ページが区市町村別農地面積の推移、一五ページが市街化区域内農地の推移、また、次のページにおきまして、生産緑地面積の推移をお示ししてございます。
 一七ページをご覧ください。過去五年間の島しょ地域の旅行者数の推移をお示ししてございます。
 一八ページをお開きください。過去五年分の再生可能エネルギーに関わる各種設置補助制度と実績額の推移をお示ししてございます。
 二〇ページをお開きください。過去五年分のEV、PHEV、FCV別のZEV導入に関わる補助制度と実績額の推移をお示ししてございます。
 最後に、令和六年度当初予算案に係る事業の予算現額、決算額、執行率については、令和四年度の執行率が六〇%未満の事業を、二一ページと二二ページにおいてお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○古城委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○星委員 よろしくお願いします。
 私から、制度融資についてから伺ってまいります。
 原材料価格の高騰など、中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しく、日々の資金繰りを改善し、事業の継続を図るための支援は欠かせません。
 また、こうした状況を乗り越えるために、脱炭素などにより事業を変革することや女性活躍の推進など社会の働き方を見直し、経営の力を高めることが求められています。
 そこでまず、来年度の制度融資予算の概要について伺います。

○福田金融部長 来年度の制度融資は、原材料価格の高騰などの影響を受ける中小企業の経営の安定化を図る緊急融資を引き続き実施するとともに、成長に向けた事業展開を後押しするため、融資目標額を二兆円とし、金融機関の積極的な融資を促すために、預託金約二千三百七十九億円などを計上しております。

○星委員 来年度は、物価高に対する緊急融資の継続、また、中小企業の意欲的な事業展開を支援するということでありますが、その特徴として、どのような融資メニューの充実を図るのか伺います。

○福田金融部長 緊急融資におきましては、売上げが減少する中小企業に加え、利益率が減少する中小企業にも対象を広げ、信用保証料の五分の四に補助を行うほか、経営の抜本的な改善を支援する融資メニューにおいて、事業再生が必要な中小企業は、信用保証料の負担がなく制度を利用できるように対象を拡大いたします。
 また、成長への支援では、脱炭素化の取組を後押しするため、地域の金融機関からサポートを受けた場合の融資利率を〇・二%優遇するとともに、女性活躍に向けた環境整備に取り組む中小企業を支援する融資メニューを創設するなど、強化を図ってまいります。

○星委員 中小企業の資金繰りは、依然として厳しい状況であると思います。継続した支援をお願いいたします。
 次に、商店街振興について伺います。
 昨年五月、新型コロナウイルスが五類に移行して以来、我が国を訪れる外国人旅行客数は急速な回復を遂げています。また、来年には東京で、世界陸上やデフリンピックといった国際的なイベントが予定されており、インバウンドの需要のより一層の増加が期待できます。
 商店街は、外国人旅行客から見れば、我が国の歴史や文化などが感じられる魅力的な観光資源であり、こうした商店街の特性を生かした取組を進めることが重要であると考えます。
 インバウンド需要が回復し、国際イベントの開催が予定されている中、地域の観光需要を獲得して、来街者を増やしていく商店街の取組を後押しすべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 商店街の活性化に向け、インバウンドなどの観光需要を取り込み、集客力を高める取組を支援することは効果的でございます。
 都はこれまで、多言語対応のホームページの作成やWi-Fi機器の設置など、商店街の外国人受入れのための環境整備に対して支援をしてまいりました。
 来年度からは、商店街を魅力的な観光資源としてさらに磨き上げ、にぎわいの創出に結びつけていくため、二年間にわたる集中的な支援を開始いたします。
 具体的には、区市町村と連携し、インバウンド対応として、イベントの開催とそれに合わせて案内サインの設置などを行う場合の経費に関し、都が三分の二を、地元自治体が六分の一を助成いたします。
 これらにより、商店街の意欲的な取組を後押しし、活性化につなげてまいります。

○星委員 商店街に来街者を呼び込むため、様々な取組を支援する事業であること、確認をさせていただきました。
 一方、こうした事業を実施していくためには、商店街活動の担い手となる方々が活動しやすい環境づくりが欠かせないと思います。
 そこで、次に、商店街での女性の活躍について伺います。
 改めてお話をするまでもありませんが、全ての女性が活躍できる東京の実現は、活力ある地域社会をつくり上げていく上で待ったなしの課題であります。
 都の調査によれば、商店街では男性の役員が約九割を占めるなど、どちらかといえば、男性がリーダーシップを取り、活性化を図ってきたといえると思います。
 一方、商店街関係者からは、活性化には女性のアイデアやパワーを生かすことが有効との声が寄せられるなど、女性の活躍は商店街を元気にする上で重要な課題であります。
 商店街のさらなる活性化に向け、女性の力をより一層効果的に取り入れていくことができるよう取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 商店街の将来にわたる発展に向け、新たな発想を持つ女性の活躍を後押しすることは重要でございます。
 これまで都は、女性が商店街で商売の経験を積む場を提供するほか、出店する際の開業経費を助成するなど、女性の力を生かした活性化を支援してまいりました。
 来年度からは、商店街の女性グループが行う取組に対し、手厚い支援を開始いたします。
 具体的には、商店街ににぎわいを生み出すイベントのほか、まちの情報誌やマップの作成などに取り組む場合の経費に関し、都が十二分の七を、地元自治体が三分の一を助成することで、商店街の負担を十二分の一まで引き下げます。
 こうした取組により、商店街のさらなる活性化を図ってまいります。

○星委員 商店街の負担を十二分の一と大変低くしており、商店街の活性化に意欲を持つ女性の活動を強力に後押しができる取組と考えます。
 この事業を多くの商店街で実施し成果を上げていくために、区市町村としっかり連携をして取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、中小企業の事業承継について伺います。
 都内産業の持続的な成長を実現していくためには、中小企業が培ってきた技術、ノウハウを次世代につなぎ、地域の経済や雇用を維持発展させていくことが重要であり、そのためには、中小企業の事業承継をしっかりと後押ししていく必要があります。
 本年二月に東京商工会議所が公表した報告書によれば、既に後継者を決めている、後継候補者はいると回答した中小企業が約五割となっています。一方で、後継者は決めていないが事業は継続したいと回答している事業者が約三割となっており、こうした中小企業にとっては、近年、その活用が進むM&Aによる第三者承継は有効な選択肢の一つとなります。
 都では、我が党の要望を受け、M&Aによる第三者承継を後押しする取組を行ってきていますが、さらなる支援の強化を図ることで、都内産業活力の維持向上に結びつけていくべきと考えますが、来年度の取組について伺います。

○山崎商工部長 都では、M&Aによる第三者承継を検討している中小企業に対し、企業価値の分析や譲渡可能な事業の切り出しなどについて、専任のアドバイザーによる助言を行っております。
 また、事業譲渡を希望する中小企業に対しては、広いネットワークを持つ専門の仲介会社のノウハウを活用し、企業の評価から、最適な譲受け企業とのマッチング、譲渡契約の締結までをトータルでサポートしております。
 こうした中、譲渡契約成立に伴う費用が負担となり、第三者承継をためらう事例も見られることから、来年度からは、新たに都が二百万円を上限として、その費用を負担する取組を開始するなど、M&Aによる第三者承継のさらなる活用を促してまいります。

○星委員 後継者はいないが事業を継続したいと望む中小企業は大変に多いと思います。新たな支援内容を含め、しっかりと事業のPRを行っていただき、一社でも多くの中小企業が事業承継を行えるよう着実に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、中小企業の人材確保について伺います。
 最近では、人手不足により事業継続を断念するケースが本格的に増加しており、この深刻な事態を解決するには、人材を確保し、長く働き続けてもらうことが重要であります。
 私は、その問題意識から、三月一日の本委員会の補正予算の審議、また、先般の予算特別委員会で、中小企業の人材確保と定着に向けた支援について質問をさせていただきました。
 企業の採用活動では、自社の魅力の効果的な発信が大切であります。都内には、すばらしい中小企業がたくさんあるにもかかわらず、広く知られていないため、採用に苦戦しているのが現状です。
 人材確保に向けて、都の中小企業の魅力を伝えるための取組について伺います。

○新田事業推進担当部長 都は、若者や女性向けに、中小企業の魅力について取材記事や動画を作成し、冊子やウェブサイトを通じて広く発信しております。
 また、多くの中小企業が参加する産業交流展において出展している企業ブースに学生等を案内し、経営者等との対話の機会を提供するツアーや、再就職を希望する女性と企業との交流会を実施しております。
 来年度、都は、学生等が中小企業を訪問し理解を深めるワークショップを新たに二十回開催いたします。
 具体的には、仕事の体験の機会の提供や若手従業員と交流する場を設けるなど、会社の現場でこそ知ることができる魅力を伝える取組を行ってまいります。

○星委員 中小企業の魅力を知ってもらうために様々な取組をしているということでありました。中小企業のことをより詳しく知ってもらうことは、人材の確保だけでなく、採用におけるミスマッチを減らして早期の離職を防ぐためにも有効だと思います。多くの方に中小企業の魅力が届くよう、しっかり今後も取り組んでいっていただきたいと思います。
 中小企業のデジタル人材の育成について伺います。
 人材が不足する中小企業では、規模が小さくなるほど、デジタル化の取組が進んでおりません。一方で、従業員が数名程度の製造業の企業において、部品の在庫管理や製品の受発注システムなどをデジタル化したことで業務の効率化につなげた例もあります。
 企業がDXに取り組むためには、同業他社の取組を参考にしながら、業務フローや商慣習など、業界ごとに異なる状況を踏まえた上でDXを進めることができる人材を育成することが効果的であります。
 そこで、都は、業界と連携して、中小企業のDXに取り組む人材の育成を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○内田雇用就業部長 中小企業のデジタル化の推進に向け、業界の実情や課題に精通した団体を通じて、人材の育成を図っていくことは効果的でございます。
 このため、都は来年度、業界団体がそれぞれの実情を踏まえて、会員企業等のデジタル人材を育成できるよう、新たな助成制度により、団体の取組を促してまいります。
 具体的には、DXの事例などを紹介するセミナーを開催するに当たりまして、必要な講師や会場などに係る経費の三分の二を一件当たり最大二十五万円助成いたします。
 これにより、中小企業のDX人材の育成を図ってまいります。

○星委員 業界団体の多くは六月に総会などが開催されますが、各団体がこうした機会を捉えてセミナー等を開催できるよう速やかに支援を開始していただくことを要望させていただきたいと思います。
 次に、省エネ対策の推進について伺います。
 昨今の電気料金をはじめとするエネルギー価格の上昇により、多くの中小企業の経営が悪化しており、エネルギーコストの削減にもつながる省エネ対策の重要性が高まっています。
 都は、大企業に比べ、資金やノウハウなどの面で課題を抱えている中小企業に対し、省エネ診断や省エネ性能の高い設備への更新を支援する取組などを行っていますが、今年度は、これらの利用が大きく伸びたと聞いています。
 厳しい経済状況にある都内中小企業のニーズに応え、省エネ対策をしっかりと後押しすることが必要であると考えますが、都はどのように取組を進めていくのか見解を伺います。

○阿部産業・エネルギー政策部長 中小企業がエネルギーを効率的に使い、そのコストを削減できるよう、事業者の省エネルギー対策を後押しすることは重要でございます。
 これまで都は、中小企業に対する省エネルギー診断を実施するほか、省エネ設備の導入や運用改善の実践を図る場合に支援を行ってまいりました。
 来年度は、省エネ診断の実施件数を四百件から六百件に拡充するとともに、事業者が電気の使用量等を入力して、それに基づき、その事業者に有効な省エネ対策をウェブ上で確認できる仕組みを新たに構築いたします。
 さらに、省エネ設備等の導入助成につきましても、予算規模を今年度約三十四億円から約五十四億円へと拡充いたします。

○星委員 省エネ診断や設備導入に関わる支援を充実させるとのことでした。中小企業の省エネ対策が進むよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 一方、東京にはオフィスビルなど多くの建物が集積し、都内全体の七割のCO2を排出していることから、建物への対策が重要であります。
 我が会派はこれまで、住宅の省エネ性能を高める取組について働きかけを行ってまいりましたが、今後、より一層の中小企業の省エネ対策の推進を図るためには、事業所の建物についても省エネ性能を高めることが重要であると考えます。
 都は、来年度予算案でゼロエミッションビル化を図る取組への支援策を新たに予算計上をしておりますが、具体的にはどのような支援を行っていくのか、その内容を伺います。

○阿部産業・エネルギー政策部長 中小企業の省エネを進める上で、工場やビルなどの室温の変化を抑え、空調に係るエネルギーの消費を減らすことは効果的でございます。
 このため、都は来年度、中小企業等が空調などの省エネ設備と併せて、建物に断熱材や断熱窓などを導入し、建物で消費するエネルギー量の削減を図る取組に対し、新たな支援を開始いたします。
 具体的には、建物のエネルギー消費量を国の基準よりも一定割合削減する取組に対しまして、補助率三分の二、上限額一億五千万円の支援を行います。
 また、建物の改修を行うための調査設計等に必要な経費につきましても、補助率三分の二、上限額一千万円の支援を行います。
 これにより、事業所の建物におけるエネルギーの削減を進めてまいります。

○星委員 事業所の建物における対策の支援について理解をさせていただきました。
 個々の中小企業の状況に応じた取組が進むよう、しっかりと対応をしていただくことを要望いたしまして、次の質問に入ります。
 次に、水素エネルギーの普及拡大について伺います。
 先月、水素の供給と利用を促進する新たな法律である水素社会推進法案が閣議決定され、現在、国会で審議をされています。
 水素は、様々な資源からつくることができるため、国内での製造のほか、海外の調達先の多様化にも資すると考えます。エネルギーの大部分を海外からの輸入に頼る我が国にとって、エネルギーの安全保障にも寄与するものであります。
 国内では、燃料電池のバスや小型トラックなどの商用車両の実装化が進んでいますが、こうした車両は水素の優位性を生かせる分野であり、一層進めていくべきと考えます。
 そこで、現在の都内の燃料電池のバス及び小型トラックの普及状況と今後の取組を伺います。

○榎園新エネルギー推進担当部長 都は、車両数が多く、多くの燃料を必要とするバスや小型トラックなどの商用車両での水素活用を進めるため、車両の導入等に係る費用を支援してまいりました。
 現在、都内では、燃料電池バスが百十八台導入されております。また、燃料電池小型トラックは今年度から導入が開始されたところでございまして、物流事業者やコンビニエンスストアの配送などに既に七十台以上が導入されてございます。
 来年度は、燃料電池小型トラックのさらなる普及を促すため、新たに水素と軽油の燃料費差に対する助成を、一台当たり年間二百万円を上限として実施いたします。

○星委員 都が商用車両での水素活用に向けて支援を行い、その導入が拡大しているということでありました。
 さらに、最近では、総重量二十五トンの大型トラックについても、自動車メーカーによる開発が進められており、今後、都としても導入を後押しすべきと考えますが、見解を伺います。

○榎園新エネルギー推進担当部長 積載量が多く、走行距離が長い大型トラックは、水素の強みを特に生かせることから、燃料電池大型トラックを普及させることは重要でございます。
 このため、来年度は、燃料電池大型トラックを導入する事業者への支援を新たに開始いたします。
 具体的には、ディーゼル車と同程度の負担で導入できることを目指し、一台当たり最大五千六百万円を支援するほか、燃料費差に対しても、年間九百万円を上限に助成いたします。
 これらにより、商用車両での水素活用を推進してまいります。

○星委員 燃料電池トラックは日本の先端技術の集約であり、これを後押しすることは、国際競争力の向上にも資するものと考えます。ぜひ取組を加速するよう要望をいたします。
 次に、観光事業者のDX推進について伺います。
 都内の観光需要の回復に伴い、観光業界では人手不足が続いており、十分に受入れ体制を整えられず、収益拡大のチャンスを生かせないとの声が事業者から上がっています。
 こうした人手不足の解決に有効な手段の一つが、DX推進による業務の効率化であります。しかし、多くの中小観光事業者は、DXを推進していくためのノウハウや資金が十分でなく、サポートが必要であります。
 また、今後の観光業界に人材を呼び込むためには、DXに加え、従業員の待遇改善も併せて行い、人材確保につなげていく視点も重要であります。
 都は、こうした状況を踏まえ、人手不足に悩む中小観光事業者のDX推進に向けて一層の支援に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○江村観光部長 都はこれまで、中小の宿泊事業者が行う施錠管理システムの導入など、比較的短期間で可能なデジタル化の取組に対し、必要な経費の三分の二を百五十万円を上限に助成してまいりました。
 来年度は、中小の観光関連事業者がITの専門家の助言を受け、顧客対応業務の効率化に資するチャットボットの導入や、施設内の混雑情報をリアルタイムで提供するシステムの構築など、より高度な業務効率化やサービス向上を図る取組に対し、必要な経費の三分の二を一千万円を上限に助成を開始いたします。
 また、取組に合わせて従業員への賃上げを計画的に進める場合には、助成率を四分の三に引き上げます。
 これにより、観光関連事業者によるDXの取組を後押ししてまいります。

○星委員 人材不足の中にあっても、DXを推進することにより、事業者が増加する観光需要を確実に捉えてビジネスを円滑に進められるよう一層の支援をお願いして、次の質問に移ります。
 次に、MICEの誘致に向けたPRについて伺います。
 水際対策の緩和以降、訪日外国人旅行者は順調に回復しており、これに呼応するように、国際的なビジネス交流も活発になってきております。都庁周辺のホテルの近くを通ると、海外から国際会議に参加していると思われる人々を見かけることが多くなり、都内でのMICE開催が再び増えていると実感をしております。
 東京でのMICE開催に向けては、欧米等の競合都市との熾烈な誘致競争を勝ち抜く必要があります。
 そのためには、開催都市として、魅力の発信に加えて、近年、MICEの分野でもトレンドになっているサステーナビリティーに関する取組についても、今後は、主催者側にアピールしていくべきと考えます。見解を伺います。

○江村観光部長 都はこれまで、海外のMICE専門サイトへの広告掲載や、海外の見本市への出展などにより、MICE開催都市としての東京の魅力をPRしてまいりました。
 来年度は、さらなる誘致に向け、ドイツの見本市に出展する企業等の規模を増やし、旅行事業者やエリアマネジメント団体など約十者と連携してプロモーションを行います。
 また、主催者や宿泊施設等に向け、サステーナビリティーに配慮した取組を提案するイベントも新たに実施いたします。
 イベントでは、MICE開催時のCO2を抑制する先進事例や、廃材を加工してつくった記念品のエコバッグなどの持続可能性に配慮した製品等を紹介いたします。
 これらの取組により、MICE誘致の推進を図ってまいります。

○星委員 MICEの主催者や参加者の方々が東京を訪れることにより、経済の活性化につながります。一つでも多くのMICEを東京に誘致できるよう積極的なPR活動を行うことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 多摩・島しょ地域には農業振興地域が広がっておりますが、中には、老朽化した農道等の修繕が進まず、畑へのアクセスに支障を来している農地もあります。
 農業振興地域の維持発展に向けては、農道などの農業インフラを整備し、適切に管理することが必要であります。しかし、年々農地が減少し細分化が進んでいるため、都の支援基準となる面積を満たさずに改修が進まないところもあると聞きます。
 また、効率的な農業生産に向けて、大型の鉄骨ハウスなど施設整備にも力を入れる必要があると考えます。
 都は、農業振興地域の実情を踏まえ、農業インフラの修繕や農業施設の整備が着実に進むよう支援を強化すべきであると考えますが、来年度の取組について伺います。

○築田農林水産部長 これまで都は、農業振興地域におきまして、市町村等が農業インフラの整備や改修を行う場合、対象となる農地面積が二ヘクタール以上であることを要件に助成を行ってまいりました。
 同地域では農地の面積が減少し、小規模な農地が増えていることから、都は来年度、補助の条件としております面積要件を撤廃するとともに、助成率を二分の一から四分の三に引き上げ、農道の整備や老朽化が進む農業用水路の改修等を加速化いたします。
 また、収益力の強化につながる大型パイプハウスなどの整備を促進するため、施設整備に係る助成率も同様に引き上げます。
 こうした取組によりまして、農業振興地域の活性化を図ってまいります。

○星委員 東京の農業を守っていくためにも、ぜひしっかりとした支援をお願いいたしまして、最後の質問に移らせていただきます。
 最後、伺います。多摩産材のブランド化について伺います。
 都内の森林所有者や原木市場、製材事業者などは、多摩産材の事業拡大に向けて認証制度を運営しており、この制度の登録事業者は、多摩産材を使って製造、製作した材木や木材製品に、「とうきょうの木」というロゴマークをつけてPR、販売をしております。
 現在、約三十の事業者がこのロゴマークを使用した製品を取り扱っておりますが、今のところ、消費者に十分に浸透しているとはいい難いと思います。「とうきょうの木」の知名度が上がり、ブランドとしての付加価値がつけば、多摩産材の需要も増えます。
 都も、この取組をサポートしていますが、さらに多摩産材の活用が進むよう支援を強化すべきと考えます。来年度どのように取り組むのか、具体的に伺います。

○築田農林水産部長 これまで都は、森林所有者等による多摩産材の認証制度を支援しておりまして、木材の展示商談会や多摩産材を紹介する拠点におきまして、「とうきょうの木」をPRしてまいりました。
 来年度は、森林所有者や流通事業者等による「とうきょうの木」のブランド化の推進に向けた取組への後押しを強化いたします。
 具体的には、「とうきょうの木」製品ができるまでの動画を制作し、デジタルサイネージ等を通じて発信するとともに、専用のホームページを立ち上げ、認証を受けた木材を使った家具等の製品やつくり手の情報を一元的に紹介いたします。
 また、新たに生活雑貨を扱う専門展示会等に出展し、宣伝を行います。
 こうした取組によりまして、多摩産材のブランド化を進めてまいります。

○星委員 多摩産材の消費拡大に向けて積極的な取組をお願いいたします。
 ここまで、令和六年度の予算における主な事業について質疑をさせていただきました。
 産業労働局は、都内の中小企業や働く方々に密接な事業を非常に多く所管しているため、一つ一つの事業に着実に取り組んでいただくことを最後に要望いたしまして、質問を終わります。

○入江委員 よろしくお願いいたします。
 まず、女性活躍について伺います。
 都は昨年、東京くらし方会議を立ち上げ、生き方、暮らし方、働き方などに関する幅広い視点から議論を重ね、女性の活躍を阻む社会の制度や意識、働き方などの課題を明らかにしてまいりました。
 そのうち、いわゆる年収の壁には、壁とはいえないものもあり、制度の正確な理解の下、長期的な視点でキャリアを考えることが重要です。
 都は来年度、自らの生涯収入を確認できるシミュレーションツールを構築し、都のホームページ上に掲載するとのことです。生涯収入や社会保障制度などにあまり関心を持たない方々も含め、多くの働く女性の気づきのきっかけをつくることが大切だと思います。
 どのように広く周知していくのか、具体的な取組を伺います。

○田代働く女性応援担当部長 都は来年度、社会保障制度に係る正確な理解を広げ、自分の将来や今後の働き方を考えるきっかけとしていただけるよう、動画コンテンツを制作いたします。
 具体的には、社会保障制度になじみの薄い若い世代、パートで働く女性が多い世代、リタイアを控えた世代を対象に、制度に関心を持ち、理解を深めていただく内容のものを三種類作成いたします。
 また、視聴した方がご自身のキャリア形成を検討できるよう、動画の中では、生涯収入のシミュレーションツールの紹介も行います。
 動画は、年収を意識し始める年末に向けた九月から十一月を重点広報期間といたしまして、交通広告やウェブ広告、SNS等を用いて広く発信してまいります。

○入江委員 多くの働く女性が割合ご自身の年収などについて正しい知識を持っていないケースもあるということが分かっておりますので、大切な取組だと思います。しっかり進めていただくようお願いいたします。
 さて、今月八日、国際女性デーに際し、イギリスの経済誌エコノミストが発表した二〇二四年の女性の働きやすさランキングでは、日本は主要二十九か国中二十七位という残念な数字でございました。こうした状況から、企業などで働く女性の活躍をさらに進めることが大きな課題です。
 一月に、初めて開催された東京女性未来フォーラム、私も参加いたしました。大企業や中小企業三十社が知事と共に、会社として女性活躍を進めていくという宣言が行われ、ここからの取組の機運が一層高まっていくことを期待しているところです。
 一方で、日本商工会議所の調査によりますと、二〇二二年の結果なんですけれども、全国の中小企業における女性活躍推進の取組状況では、推進しているが課題がある、必要性は感じているが推進していないという企業が過半数を占めております。
 今後、こうした女性活躍の取組が途上である企業に対しても、女性登用のメリットや重要性を伝え、行動変容を後押ししていくことが必要と考えます。見解を伺います。

○田代働く女性応援担当部長 都は来年度、企業が自社の女性活躍の状況や課題を客観的に把握できる診断ツールをウェブ上に構築いたします。
 具体的には、男女別の管理職数や賃金の差異等から女性活躍の状況を診断し、結果を同規模や同業種の企業との比較などにより、分かりやすく表示いたします。企業診断ツールにつきましては、SNSによる発信や、都が実施するセミナーやイベント等での案内、経済団体等と連携した働きかけを行い、一千社程度の利用を目指します。
 診断結果を踏まえ、具体的に対策を進めようとする企業には、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定の支援等のサポートにつなげてまいります。

○入江委員 企業における女性活躍を進めるには、経営者側の意識改革と制度設計が非常に重要でございます。今回の取組の成果を期待しております。
 続いて、本定例会の都民ファーストの会の代表質問で取り上げましたが、国際的に見ても、日本の男女間の賃金格差は大きい状況にあり、その是正に向けた取組は喫緊の課題です。
 働く女性は、出産や育児、介護などによって、一時的に非正規雇用や短時間の勤務を余儀なくされる場合があります。ところが、働く女性が男性と同等の時間を仕事に費やせない場合、責任あるポストに配置しないという経営者も多く、そうした経営者側の意識を変革していく必要があると強く考えます。
 女性のキャリアは、それぞれのライフステージに応じて、十年や二十年という長期のスパンでキャリア形成につなげていくことが重要です。特に都内企業の多くを占める中小企業において、女性のスキルや能力を適切に評価するとともに、短時間の勤務であっても、決定権を持つ管理職や役職に積極的に登用していくことが、社会全体の男女間賃金格差の解消や女性従業員の働きがいの向上につながっていきます。
 働く女性たちが長期的に自分自身のキャリアプランを描くことができ、キャリアアップが実現できる職場づくりを進めていくためには、都が女性活躍推進の取組を一層充実していくことが重要だと考えます。見解を伺います。

○内田雇用就業部長 都は来年度、働く女性が能力や意欲に応じ活躍できるよう、その処遇の改善につながるルールづくりに取り組む中小企業に新たな支援を開始いたします。
 具体的には、経営者等に対し、女性の活躍が事業の運営や展開に優れた影響のあることを伝えるセミナーを行います。また、これに参加した会社に専門家を派遣し、女性社員の処遇の向上を進める計画づくりのサポートを実施いたします。
 さらに、そうした計画に基づき、女性を幹部社員など責任のある役職に就けるほか、短時間勤務の女性を管理職に登用した企業に三十万円の奨励金を支給いたします。
 この支援に当たりまして、社内の男女間の賃金の差を公表することを義務づけて、その解消に向けた取組を後押しいたします。

○入江委員 短時間勤務であっても昇進の機会をというのは、私たちの強い願いでございます。お子様など、介護など、いろんなことで、一旦はお仕事を短時間でしなければならなくても、それが一生続くわけではないので、そのときの経験がまた新たな能力となって、女性活躍が進むと信じております。
 中小企業の女性活躍を力強く後押ししていただくことが分かりました。働く女性が自分の将来のキャリアに対して明確なビジョンや目的を持つことができ、より多くの働く女性の長期的な活躍につながることを期待しております。
 続いて、ZEVの普及促進について伺います。
 世界的に自動車の脱炭素化の動きが進んでおります。ゼロエミッション東京の実現に向け、走行時にCO2を排出しないZEV、ゼロエミッションビークルの普及を進めていくことは重要です。
 私はかねてより、都民にZEVを広く知ってもらうためにも、電気自動車のF1といわれるフォーミュラEを東京で開催することが大変効果的ではないかと主張してまいりました。このフォーミュラEが、いよいよ三月三十日に開催されるということは大変感慨深い思いでございます。
 モータースポーツと環境の両立を目指すこの大会の開催に当たっては、国内外からのさらなる注目を浴びる取組としなくてはなりません。また、これを一過性にはせず、ZEVの普及拡大に向けた都民の広いムーブメントにつながるよう、今後も取り組んでいくべきと考えます。見解を伺います。

○米澤産業政策連携促進担当部長 フォーミュラE東京大会は、今月三十日に東京ビッグサイトのエリアの約二・六キロのコースで、二十二台のEVが参加し、国内初の公道レースとして開催されます。
 これに合わせ、都は、脱炭素化に役立つEVの走行を多くの方に身近に感じていただけるよう、ビッグサイトにパブリックビューイングを設けます。また、子供たちがZEVの普及した将来の東京の姿を体感できる企画展示なども行ってまいります。さらに、大会翌日には、EVでコースを走行する機会も提供し、ZEVの魅力を伝える工夫も行ってまいります。
 来年度は、第二回目の東京大会を令和七年五月に開催する準備を進めるほか、ZEVに使うGX関連の最新技術等について紹介するための取組を展開してまいります。

○入江委員 このフォーミュラEの実際のレースのチケットは、もうすごく早く完売しまして、また、お値段もなかなか高いんですけれども、このように都が無料のパブリックビューイングをする、そして、お子様たちがこうしたZEVなどを体験できるイベントをするということは大変意義が高いと思っております。
 大会開催まで間もなくですけれども、多くの方々に、このビッグサイトでの無料イベントなどにご来場いただけるように、さらなる周知を図っていただきたくお願い申し上げます。
 続いて、観光振興について伺います。
 先月から都庁舎で開始したプロジェクションマッピング事業について伺います。
 ギネス世界記録に認定されたこのプロジェクションマッピングは大変美しく、夜の東京を楽しめる新たな観光スポットとして、今後、多くの旅行者が訪れることが期待されております。東京は世界の大都市と比較しても、ナイトタイムのコンテンツに乏しいといわれる中、その課題に対応した取組です。
 私もオープニングイベントに伺いましたが、雨の中でも大変多くの人たちが観覧し喜んでいただき、新たな人の流れを生み出していくきっかけになると思いました。
 そこでまず、都庁舎で実施されているプロジェクションマッピングについて、その狙いや特徴、経済面の効果とともに、観覧した方のこれまでの評価について伺います。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングは、高い芸術性と世界をリードする技術によって都市の価値を高める日本のキラーコンテンツでございます。東京の夜間の観光振興に向け、これを活用することは極めて重要であります。
 特に、海外から数多くの観光客を誘致する上で、東京の代表的なランドマークである都庁舎を投影場所として活用することは効果的でございます。
 建築物に投影する常設のプロジェクションマッピングとしては面積が世界最大となる約一万四千平方メートルであり、世界のトップレベルの明るさで投影可能な機器を四十台設置し、スケールが大きく色鮮やかな映像を年間を通じ、優れた運営体制で提供いたします。
 この取組について、都は、公益社団法人日本観光振興協会により試算したところ、令和五年度の予算額七億円に対し、その経済波及効果は十八億円との結果が出ております。
 投影を開始した先月のイベントには約八千人の方から参加の申込みがあり、アンケートでは、約九割の方が内容に満足との回答をしてございます。
 その後の三週間で約四万人の方が鑑賞に訪れ、映像の美しさに感動した、演出がすばらしいなどの評価をいただいております。

○入江委員 大変迫力のあるクオリティーの高い映像で、ギネス世界記録に認定されたというのもうなずけます。
 また、特に週末など、都民広場に行ってみますと、外国人観光客や日本人、もちろん都民の方が多く訪れていまして、世界中の方々に訴求できる観光コンテンツになっているということを実感いたします。
 次に、プロジェクションマッピングで投影する映像の制作について伺います。
 スケールが大きく非日常を体験できるプロジェクションマッピングですが、投影する映像が魅力的なものでなければ、多くの観光客を呼び込むことはできません。国籍や年齢に関わらず誰もが楽しめるよう、メッセージ性のある伝わりやすいコンテンツを作る視点が重要です。
 そこで、観覧者にとって魅力的なコンテンツを提供するため、どのように取り組んでいるのか伺います。

○江村観光部長 都庁舎におけるプロジェクションマッピングで投影する映像は、プロジェクションマッピングの国際大会で高い評価を受けた国内外のクリエーターが制作しております。
 平日には、庁舎内が点灯して明るい投影環境を考慮し、都庁舎の格子状の壁面を光の波が伝わっていく幻想的な作品や、迫力のあるデザインにより表現する作品を投影しております。
 休日には、庁舎内が消灯された暗い投影環境を生かし、鮮やかな色彩と細やかな演出により、東京の豊かな自然や多様な文化の魅力等を表現した作品を投影しております。
 今後、国内外で人気の高い映画やアニメに登場するコンテンツを活用したものなど、新たな作品を増やし、繰り返し訪れる観光客や新規の来訪者の確保に結びつけてまいります。

○入江委員 国内外のトップクリエーターが手がけている映像作品が毎日、自由に無料で見ることができるというのは大変大きなセールスポイントです。今後も、見る人の心を引きつけるコンテンツを継続的に提供する工夫を行ってください。
 次に、都庁舎に投影するプロジェクションマッピングに関する情報の公開について伺います。
 プロジェクションマッピングは、東京のナイトタイムの価値を向上し、観光振興につながる意義のある取組ですが、作品の高い芸術性や最先端の技術を活用するため、どうしても多くのコストがかかります。そのため、都民の皆さんが納得できる説明をするために、情報を適切に提供することも重要です。
 この事業は、実行委員会をつくって取り組んでいるということです。都とは異なる実行委員会という主体が、様々な情報を持っているということになります。そうした情報について、実行委員会からは公開などができるのかどうか伺います。

○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングに係る実行委員会の情報公開については、実行委員会の判断と責任において行うことが基本となります。
 こうした中、実行委員会に情報の公開を求めた場合、東京都のルールに準じ、委員会に参加する団体との間で合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。これにより、都庁舎のプロジェクションマッピングに係る適切な情報提供が図られると考えております。

○入江委員 実行委員会では、都の制度に準じるなど、適切に事務処理を行っていると思っております。
 それをしっかり確認できる状況をつくることも大切です。関係者との調整を進め、必要な情報を提供する環境を整えることを求めます。
 次に、プロジェクションマッピング事業の実施体制について伺います。
 巨大で凹凸のある都庁舎に光を当て、鮮明に映像を浮かび上がらせることは、相当高度な技術が求められております。また、ギネス世界記録に認定される大変大きな投影面積ということで、これまでにはない高いハードルを乗り越える必要があったのではないかと思います。
 そこで、この一大ショーイベントともいえるプロジェクションマッピングを効果的に進める上で、卓越したアイデアやノウハウが必要だと思いますが、映像制作やPRなどを担う事業者の選定をどのように進めたのか伺います。

○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングで投影する映像は、国際大会で高い評価を受けた国内外の多くのクリエーターが制作しております。また、建築物に年間を通じ投影する面積としては世界最大で、その明るさも世界のトップレベルにあります。
 さらに、インバウンドを含めた観光客に効果の高いPR戦略を的確に行うことも必要になります。
 このため、実行委員会では、こうしたプロジェクションマッピングを確実に実行できる事業者を選定することが不可欠との観点から、厳正で公正な手続により、公募による企画提案方式を用いて、最も優れた事業者を選定いたしました。

○入江委員 プロジェクションマッピングは、東京のナイトタイムを活性化させ、経済を浮揚させる鍵となるコンテンツです。重要な取組であるからこそ、都民の理解を得ながら進めることも重要です。引き続き、情報発信など、丁寧に行っていただくことをお願いいたします。
 続いて、ユニークベニューの活用について伺います。
 MICEは、会議開催、宿泊、飲食、観光などの関連する産業分野の裾野が広く、また、参加者の滞在期間も比較的長いといわれております。高い経済波及効果が期待されます。
 MICEの開催都市の決定に当たっては、開催時のサポート体制や交通インフラなどなどの要素が総合的に評価されますが、その都市ならではの体験ができるかどうかという点も重要なポイントです。
 私の地元の港区にある東京都庭園美術館をはじめ、都内には庭園、歴史的な建造物など、東京の多様な魅力をアピールできる施設が数多くあります。これらの施設をMICEのレセプションやアフターパーティーなどで活用し、特別な時間と場所を提供することは、参加者の大きな満足感につながると考えております。
 MICEの誘致競争を優位に進めるために、ユニークベニューの活用を進めていくことが重要だと考えます。今後の取組について伺います。

○江村観光部長 これまで都は、ユニークベニューの活用促進に向け、ウェブサイトでの情報発信や水族館でのショーケースイベント等の実施に加え、主催者や施設に対し、必要な経費の助成やワンストップ総合支援窓口による施設の紹介などを行ってまいりました。
 来年度は、主催者向けの機材や装飾など設営経費に対する助成について、会場の借り上げ費を新たに支援対象とするとともに、補助率を二分の一から三分の二に、上限額を一千万円から一千五百万円にそれぞれ引き上げます。
 加えまして、支援窓口において、主催者からの相談に迅速な対応ができるよう、イベント開催の実務に精通する専門の相談員を増員し、体制を強化いたします。

○入江委員 ユニークベニューの活用促進に向けた支援策が充実されるということが確認できました。東京でのMICE開催を増やす取組を着実に進めていただきたいと思います。
 MICEは、特に海外から参加された方が、会議後のレストランでの食事や芸術鑑賞などを楽しまれます。消費額も大きいといわれております。
 都民ファーストの会が提案するナイトタイムエコノミーの推進にもつながります。
 ナイトタイムを楽しめるスポットの情報発信や、都の観光公式サイトを通じたエンターテインメントなどのチケット購入の円滑化など、旅行者へのサポートも充実していただくことを要望いたします。
 続いて、東京の歴史や文化を生かした観光振興について伺います。
 昨年一年間に日本を訪れた外国人旅行者数は、四月の水際対策撤廃以降、急回復を遂げまして、二千五百万人を突破しました。外国人旅行者が東京の各地で観光を楽しむ様子が、日常的な光景として戻ってきています。
 旅行の醍醐味の一つは、旅を通じて、その都市ならではの歴史や文化を感じることです。東京を訪れる旅行者の多くが食やショッピングのほか、例えば着つけや茶道など、東京の伝統文化体験などを楽しんでおります。
 江戸から東京に続く歴史は重要な観光資源ですが、とりわけ江戸は、独特の文化や魅力にあふれています。旅行者が訪問先で、その一端に触れることができれば、旅は、より有意義なものとなり、地域へのさらなる誘客も期待できると考えます。
 旅行者が地域において江戸の風情を感じることができる取組を進めていくべきと考えますが、今後の取組について伺います。

○江村観光部長 国内外の旅行者の誘致に向け、江戸の文化や伝統を活用することは効果的でございます。
 都は来年度、江戸文化の魅力を生かし、その風情を感じられるまち並みを創出する取組への支援を新たに実施いたします。
 具体的には、老舗の店舗やまちづくり団体等と連携し、のれんやちょうちんなどを制作して店頭などを装飾することで、地域が一体となった江戸情緒を楽しめるまち並みづくりにつなげてまいります。
 また、こうした取組をウェブサイトやSNSを活用して発信するほか、地域の食などの魅力を体験できるイベントを開催し、地域への誘客とにぎわいの創出につなげてまいります。

○入江委員 東京ならではの観光体験に、江戸文化は欠かせないものと思います。
 一方で、海外からの旅行者には、必ずしも知名度が高いわけではございません。江戸の風情を感じられるまち並みづくりなどを進め、その魅力を積極的に発信して、さらなる誘客につなげることをお願いいたします。
 続いて、中小企業、スタートアップ、起業家支援などについて伺います。
 中小企業の先進的サービス創出支援について伺います。
 コロナ禍も終わりまして、社会のデジタル化が急速に進展し、テレワークやリモートワークが日常的になりました。日々進化していますAI、特にチャットGPTの活用も進んでおります。
 都内の中小企業がこうした社会の変化に乗り遅れることなく、新しいサービスを開発し、社会のニーズに迅速に対応していくことが都内産業の発展に極めて重要です。
 都は、社会のデジタル化の潮流を好機と捉え、中小企業に対して、デジタル技術を活用した新しいサービスの事業化を支援していくことが必要です。来年度の取組について伺います。

○山崎商工部長 都はこれまで、非接触、非対面等の社会ニーズに対応したサービスの事業化に向けた取組について、助成金等により支援を行ってまいりました。
 来年度は、発展が著しいデジタル技術を取り込んだ先進的なサービスの事業化に向けた取組をサポートしてまいります。
 具体的には、5G通信やAIを活用したサービスなど、デジタル技術を使った新たな取組に対し、二千万円を上限に三分の二の補助率で助成をいたします。また、助成事業の実施に当たっては、経営の専門家が伴走型で支援を行い、事業化に向けた課題の解決をサポートいたします。
 こうした取組により、中小企業のサービス創出を後押ししてまいります。

○入江委員 支援策に加えて、経営の専門家が伴走型で支援を行っていただくということなので、しっかりと中小企業を応援していただいて、都内産業が活性化していくことを期待いたします。
 続いて、コーポレートベンチャーキャピタル、略してCVCと連携したスタートアップなどの成長促進について伺います。
 スタートアップが成長していく上で最大の障壁が事業資金の確保ですが、近年、大企業などによる資金供給の仕組みの一つであるCVCの存在感が高まっています。
 都の産業政策として、こうしたCVCの活動を産業労働局が支援し、都内産業の活性化を図ることは大変意義があるものだと考えます。
 しかし、一方で、スタートアップにとって、CVCは通常のベンチャーキャピタルなどに比べてなじみがないなどの理由により、連携が思うように進まないといった課題もあると聞いております。
 そこで、都は、今後、スタートアップなどの成長に向け、CVCの活用にどのように取り組んでいくのか伺います。

○米澤産業政策連携促進担当部長 都は来年度、CVCを活用し、中小企業、スタートアップへの投資の活性化を図る新たな事業を開始いたします。
 具体的には、投資先を検討しているCVCのニーズに応じ、候補となるスタートアップ等の掘り起こしやマッチングを支援いたします。
 その上で、投資の判断に必要となるスタートアップ等の製品やサービスに係る市場性調査などに要する経費の二分の一を最大二千万円まで助成いたします。
 こうした取組によりまして、中小企業、スタートアップの成長につなげてまいります。

○入江委員 東京に集積しております大企業の経営資源をスタートアップなどの成長につなげるためにも、CVCの活性化にしっかりと取り組んでいただくことをお願いいたします。
 続いて、女性の起業支援について伺います。
 私はこれまで、女性が自ら稼ぐ力をつけ、人生の決定権を持つことが重要だと申し上げてまいりました。起業は、そのための有力な選択肢の一つであると思います。
 都では、こうした女性起業家に対して、海外派遣などのプログラムを通じ、その成長をサポートする事業を実施しており、支援を受けた方の中には、時価総額を百億円に伸ばした起業家もいらっしゃいます。
 このような女性起業家を増やしていくには、スケールアップした起業家などを数多く支援するベンチャーキャピタルや個人投資家、また、先ほどの質疑させていただいたCVCなどに、早い段階から資金調達や事業計画を相談し、その意見を生かしていくことが有効です。
 しかし、女性起業家の皆さんからは、そのような相談ができる相手になかなか出会えないとの声も耳にいたします。
 こうした女性起業家が事業を成長させていくために資金の調達機会を得られるよう、新たな支援を行うべきと考えます。来年度の都の取組について伺います。

○山崎商工部長 都は来年度、創業間もない女性起業家の資金調達やビジネスモデルの磨き上げを支援するため、女性起業家への資金・事業計画等サポート事業を新たに開始いたします。
 具体的には、女性起業家が事業拡大に必要な資金調達の足がかりとするため、資金調達に関する基礎的なセミナーを年二回開催いたします。また、資金調達の状況に応じた助言を行う相談会を年四回開催し、延べ百名程度の女性起業家に、ベンチャーキャピタル等との個別の面談機会を設けるほか、相談会後も引き続きアドバイスを実施するなど、きめ細かいフォローアップを行います。
 このほか、資金調達や事業拡大に向けた事業計画のブラッシュアップに関する助言や相談についても併せて行います。
 こうした取組により、女性起業家のさらなる成長を後押ししてまいります。

○入江委員 都の支援もありまして、女性起業家の割合は年々上昇傾向にあるということですが、ベンチャーキャピタルなどのコミュニティとの接点が少ないといった指摘もされます。私も幾つかの会合に行くんですけれども、あまり女性は見かけないということなんですね。
 本事業を通じ、女性起業家が投資家のネットワークにアクセスしやすくなることで、さらなる飛躍につながると思っておりますので、しっかり応援をお願い申し上げます。
 若者の起業支援について伺います。
 都が策定したスタートアップ戦略では、目標の一つとして、東京での起業数を五年で十倍に拡大するということを掲げております。こうした高い目標の実現には、起業家の裾野をこれまで以上に広げていくことが重要です。
 特に熱量が高い一方で、ノウハウがまだ分からない若者への起業支援が求められています。
 都はこれまで、学生起業家の成功モデルを生み出していくことを目指し、高校生などを対象とした起業家養成プログラムを実施しております。
 私も本事業のイベントに何度か伺っておりますけれども、毎回、高校生の前向きなパワーや柔軟で自由な発想に、これからの社会は自分たちがつくるという気概を感じております。
 実際、本事業のサポートを受けた高校生の中からは、途上国の貧困層の女性などを支援するビジネスを立ち上げ、海外での事業を展開する方もいらっしゃいます。
 こうしたグローバルな意識や高い意欲を持つ学生起業家がより多く生まれるよう取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 都は、高校生等が起業を選択肢の一つとできるよう、必要な知識の提供やビジネスモデルの作成を支援し、その事業化を後押ししておりまして、来年度は取組を拡充いたします。
 具体的には、事業計画の策定等を支援する養成プログラムについて、起業時から海外市場を見据えたプラン策定を促すため、海外展開しているスタートアップを訪問し、意見交換する機会等を新たに設けます。
 また、プログラム支援後も、起業に向けた活動をスムーズに継続できるよう、受講生のコミュニティを新たに設置し、起業に関する課題への助言等の支援を行います。
 こうした支援内容の充実に合わせ、養成プログラムにおいてサポートする採択件数の規模を十件から十五件へと拡充いたします。
 こうした取組によりまして、高校生への起業支援の充実を図ります。

○入江委員 高校生を対象とした起業家養成プログラムについて、質や量の両面から拡充を図っていただくということが分かりました。
 ぜひ、本年五月に有楽町で本格稼働するTokyo Innovation Baseとも連携していただいて、本事業から、グローバルに活躍する多くの若き挑戦者が輩出されることを期待しております。
 最後の質問です。総括として、事業者への支援について伺います。
 これまで私は、予算特別委員会での質疑も含めて様々な切り口から、中小企業やスタートアップなどに対する支援について確認してまいりました。
 企業の投資意欲の高まりや株価が高水準で推移するなど、日本経済は回復へと確かな歩みを進めているように感じております。都心部では外国人ビジネスマンや旅行者も多く見かけるようになりました。日本が世界に誇る食文化、それを提供する飲食店も、コロナでは大変だったんですが、にぎわいが戻り、都民や旅行者を楽しませていただいております。
 企業活動に目を向けると、フェムテックやGXなど、社会課題を解決するビジネスのほか、DXをてことして、eスポーツやXR、メタバース、Web3といったコンテンツ産業の中で活躍する企業も増えてきております。
 しかし、このような新産業におけるビジネス展開には、まだ様々なリスクもあり、市場への参入に二の足を踏む企業も少なくないことから、東京都が率先して新産業の成長、発展に向けた旗振り役となり、多様なプレーヤーが安心して事業活動が行えるような道筋をつけていくことが求められます。
 その上で、中小企業は、長引く物価高や深刻な人手不足、融資の返済など、課題に直面しており、経営安定に向けた支援を求める声も多いことから、中小企業の経営の下支えには支援が必要です。
 さらに、東京の強みである産業の多様性を生かし、中小企業が磨き上げた技術をしっかりと次世代に引き継ぐとともに、スタートアップなどのイノベーティブなアイデアやテクノロジーを社会の中で実装していくことが、東京のさらなる飛躍へつながるものと考えております。
 そこで、東京の経済が今後もより一層成長できるよう、中小企業やスタートアップが将来の明るい展望が描けるように後押しするとともに、企業の実情に応じてきめ細やかな支援を幅広く展開すべきと考えます。来年度の取組について伺います。

○山崎商工部長 東京の経済の発展に向け、イノベーションの創出や中小企業の経営基盤の強化を図るなど、施策を幅広く展開していくことが重要でございます。
 このため都は、XR、メタバースなど、今後成長が見込まれるデジタル分野への参入を促すほか、新製品等の開発におけるDXの活用促進や、スタートアップへの多様な支援による裾野の拡大などを通じ、社会課題の解決にも結びつくイノベーションの創出を後押ししてまいります。
 また、中小企業の経営を下支えするため、資金繰りの支援のほか、事業環境の変化に応じて実施する設備導入等への支援や事業承継の促進など、経営力の向上を適切にサポートしてまいります。
 こうした取組によりまして、都内の事業者の継続とその発展を実現することで、東京の経済を力強く成長軌道に乗せてまいります。

○入江委員 ありがとうございます。中小企業やスタートアップが抱える個々の課題解決を図るためのサポートとともに、デジタル領域をはじめとして新たな分野へ企業が踏み出せるよう、都として取り組んでいただくことを要望いたします。
 産業労働局におきましては、産業振興、経済浮揚、東京の魅力創出、大変領域が多岐にわたっていらっしゃいます。ぜひ皆様、大変ご多忙だと思いますけれども、引き続き、この東京を未来に向けて明るく成長させるように頑張っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

○大松委員 私からは、中小企業の外国人材の受入れについて質問いたします。
 東京商工会議所が二〇二三年九月に実施したアンケート調査によれば、中小企業の七割近くが人手不足と回答し、そのうちの六割以上が事業運営に支障を来すほど深刻な人手不足に直面しているとのことでございます。
 そこで、各企業が取り組んでいる対策の一つが、外国人材の採用です。既に国内の外国人労働者は増え続けており、昨年は、雇用状況の届出を義務化した二〇〇七年以降、初めて二百万人を突破し、過去最高を更新いたしました。
 一方、日本の総人口、生産年齢人口は、将来的に減少していく見通しになっております。こうした変化を見据えれば、今後の日本の経済の活力を維持していくためには、それを支える働き手として、外国人材を着実に受け入れていくことが重要な課題になります。
 そして、受け入れた優秀な外国人材を東京の中小企業がしっかりと確保できるように、都が支援をしていくことが重要です。
 海外から優秀な人材を東京の中小企業に招くためには、中小企業の経営者が直接、外国人材と触れ合い、東京で働くことの魅力を伝えていく取組が必要です。
 こうした観点から、都は現在、中小企業の経営者と外国人材をつなぐTokyo Job Fairなど、様々な取組を行っていますが、その取組の現状や成果などについて答弁を求めます。

○新田事業推進担当部長 都は、優秀な人材獲得を目指す中小企業に対し、海外在住の外国人材と出会う機会として、合同企業説明会を開催しております。
 今年度は、これまでのオンラインに加え、現地でも実施できることとなり、合計四か国で開催し、企業は延べ六十一社、外国人材は三千人を超える参加がありました。
 また、外国人材の採用に意欲のある中小企業と、日本で働きたい海外在住の外国人材を対象に、インターンシップの場を提供しております。
 今年度は、二十社の中小企業において、二十人を対象にインターンシップを行い、仕事におけるコミュニケーションの取り方などの相互理解促進につなげました。

○大松委員 海外で現地の外国人材向けの合同企業説明会というのは大変意欲的な取組でありますし、三千人を超える外国人材が参加したとのことでありまして、それはすばらしい実績だと思います。
 合同説明会に先立って、事前に企業側と応募者が交流をして、お互いの不安や疑問を解消する機会をつくるなど、きめ細かい配慮もあり、大変好評を博していると伺っております。
 また、インターンシップの受入れでは、渡航費を都が負担するなど、これから来日しようとする外国人材にとっては支援内容が大変充実をしておりまして、東京都で働くことへのイメージアップに大きく寄与しております。
 深刻な人手不足の中、優秀な人材を海外に求める企業のニーズは高まっています。都は、こうした支援の拡充を図るべきと考えます。都の見解を求めます。

○新田事業推進担当部長 中小企業が高度外国人材を効果的に採用できるよう、都は来年度、サポートの充実を図ります。
 具体的には、合同企業説明会について、参加企業を二十社拡充し、八十社の規模で開催するとともに、インターンシップの受入れ企業を十社拡充し、三十社といたします。
 これにより、中小企業が高度外国人材と出会う機会を増やし、人材確保に結びつけてまいります。

○大松委員 人材不足を解消するために、国が二〇一九年に導入した在留資格、特定技能による外国人労働者も増えています。一定の専門性や技能を持ち即戦力となる外国人の方で、現在、都内で一万人以上の外国人材が働いています。
 その一方で、中小企業側は、特定技能の外国人材の受入れを望む一方で、受入れ方法が分からない、制度が難しいなど、受入れを敬遠してしまうケースも少なくないとの話も伺っております。
 都として、中小企業が特定技能の外国人材を採用するに当たっての支援を行っていますが、その取組の現状と成果について答弁を求めます。

○新田事業推進担当部長 都は、特定技能外国人の受入れを希望する企業と、こうした企業への就労を希望する外国人に対し、制度を円滑に利用するための支援を行っております。
 具体的には、企業に対し、外国人材とのマッチングの機会を提供し、受入れ準備に関するコンサルティングを実施するとともに、外国人材に対しては、特定技能の在留資格を得るための試験受験に向けたアドバイスや就職活動に有効な指導を行っております。
 中小企業、外国人材の双方を支援することで、特定技能の外国人材の確保につなげております。

○大松委員 特定技能には、一定程度の知識または経験を必要とする特定技能一号と、熟練した技能であります特定技能二号がありまして、在留期間については、一号が最大で五年であるのに対しまして、二号は在留期間の更新に制限がなく、家族の帯同も可能になります。
 国は昨年、この特定技能二号の対象分野を、これまでの二分野から十一分野に拡大しました。これにより、外国人材が期間に制限なく働くことができる道が大きく広がったことになります。
 この機会を人材獲得の絶好のチャンスとして、中小企業が確実に生かしていけるよう、都は支援を充実させるべきと考えますが、見解を求めます。

○新田事業推進担当部長 国において特定技能の制度の見直しが行われ、全ての分野で無期限の在留が可能となる中、企業の受入れニーズは高まっており、都として適切に対応する必要があります。
 このため、都はこれまで、介護や外食業等の分野を対象にして実施してきましたコンサルティングやマッチング支援を全十二分野に広げるとともに、特定技能制度のさらなる分野の拡大等の動向にも適切に対応いたします。
 また、技能実習制度や特定技能制度に関する制度改正の動向や内容について、中小企業と外国人材がそれぞれ理解を深められるような啓発セミナーを百人規模で新たに実施いたします。

○大松委員 これまで、中小企業の外国人材の確保に向けた支援について質問をしてまいりました。
 外国人材と共に働いていく機会が増えることは、今後の企業経営にとって大変大きな好影響をもたらしていくものと考えます。海外との取引やインバウンドへの対応という即効的な影響だけではなく、日本人にはない新たな知見や発想を企業内に取り入れることになり、さらなる業績アップにつながっていくことが期待できます。
 都は今後も、外国人材の受入れに積極的に取り組んでいただけるようお願いいたします。
 また、貴重な外国人材が東京で継続して力を発揮していただけるように支援していくことが大切です。特に採用後、まだまだ外国人が少ない日本の企業社会の中で、同僚や上司と円滑にコミュニケーションが取れるようにして、孤立することのないようにしていくことが重要です。
 特に外国人にとりましては、日本語が大きな壁になります。日本語教育支援など、外国人社員に対する研修等に対する支援も拡充していくことを要望しておきたいと思います。
 続きまして、中小企業支援策全般について質問をいたします。
 中小企業は、人手不足だけではなく、仕入価格の高騰など、多種多様な経営上の課題に直面しております。都では、中小企業がそうした複合的な経営課題を解決していくためには、様々な支援策を的確に効果的に活用していくことが求められます。
 しかしながら、中小企業の経営者が都のホームページを見ても、それだけでは自分の会社にはどの支援策が必要なのか、効果があるのかを判断するのは難しい場合があります。
 そこで、都は、中小企業の課題解決に向けて、丁寧で分かりやすく利用しやすいサポートを行っていくべきと考えますが、どのような取組を行っているのか伺います。

○山崎商工部長 都では、中小企業の経営課題の解決に向け、中小企業振興公社に窓口を設け、様々な相談対応を行っております。
 公社では、中小企業の経営や資金繰りなどに関して、窓口で昨年度は約二万四千件の総合相談を行い、課題を明確にした上で、その解決に向けた専門的な相談に結びつけております。課題に応じた相談では、弁護士や税理士などの専門家がオンラインなども活用した対応を実施し、都や国の支援施策の案内なども行っております。
 また、公社が実施する全ての助成事業について、デジタルで申請手続のできるJグランツのシステムを今年度中に導入し、利便性の向上を図ってまいります。

○大松委員 次に、中小企業振興公社の業務を効率化することで、スムーズな支援の実施につなげていく取組も重要です。
 例えば、助成金の申請から支給まで数多くの確認事項があるなど、手続が非常に煩雑と伺っております。こうした作業のデジタル化を進めることで、少しでも早く企業側に支援を届け、製品開発や設備投資に速やかに着手できるようにすることが重要と考えます。
 そこで、デジタル技術を積極的に活用し、中小企業が必要な支援をより受けやすくなるような取組を推進するべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 中小企業の支援を効率的に進めるため、中小企業振興公社では、事業者からの相談や問合せ対応などでDXの取組を進めております。
 来年度は、助成金の審査の作業をデジタル技術の活用により早めるほか、その進み具合をITのシステムでチェックし、早期の支給に結びつけてまいります。
 また、職員のデジタル対応の力を高めるため、研修体制の充実を図るとともに、職場のDXを加速する新たな組織も整備をいたします。
 こうしたデジタルを活用した取組によりまして、中小企業への支援をより効果的に実施してまいります。

○大松委員 次に、中小企業の取引適正化について質問します。
 エネルギーや原材料の価格高騰が続く中、中小企業の事業活動におけるコストが上昇し、経営に大きな影響を与えています。しかしながら、こうしたコストの上昇をそれに見合った価格に転嫁していくことについては、中小企業だけで対応することは困難です。
 そのため国は、下請事業者を巡回して、親事業者との取引上の問題点などの聞き取り調査を行う、いわゆる下請Gメンを設置し、取引適正化に向けた取組を強化しています。
 都は、こうした取組を進める国と連携して、中小企業の取引適正化をさらに進めていくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○山崎商工部長 都では、中小企業が適切な価格で取引ができるよう、専門家が現場を巡回し、下請法等の普及啓発に取り組んでおります。
 また、下請企業との間で適正な取引を行うことを宣言した会社に対し、国の優遇の仕組みに関し情報提供を行ってまいりました。
 さらに、こうした企業に対して、発注者側の会社と受注企業が適正な取引を行う商談会への参加を呼びかけ、今年度計四回開催し、約百五十社が出展をいたしました。
 国は昨年十一月、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を公表しておりまして、今後、企業を巡回する都の相談員が、その内容を重点的に紹介をいたします。
 また、下請法違反が疑われる事例に関し相談する国の窓口の紹介も新たに行い、オンラインでの申出のサポートも実施をいたします。

○大松委員 次に、中小企業の革新的な製品開発への支援について質問します。
 高い技術力を持つ東京の中小企業の製品が世界的なプロジェクトで活用されるなど、東京の中小企業は、すばらしい成果を生み出しています。
 この流れをさらに加速させるために、より多くの中小企業が自社の技術を生かして成長分野へ参入できるよう、各分野における技術ニーズに関する情報の提供や、開発をサポートする大企業などとの連携の促進など、それぞれの企業の状況に合わせた支援が重要です。
 そこで、都は、成長産業分野への参入を目指す中小企業が、高い技術力を効果的に活用して革新的な製品等の開発に取り組めるよう支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 都は、中小企業の優れた技術力と様々な主体の力を組み合わせ、新たな製品の開発や販路開拓のサポート等を行っております。
 具体的には、都政の重要課題かつ今後の成長産業分野に該当する開発支援テーマを示し、これを踏まえて中小企業が大企業や大学等と連携して新製品をつくり、販路の開拓を図る場合、必要となる経費の三分の二を最大八千万円まで助成をしております。
 来年度は、この支援の規模を拡充し、より多くの中小企業による優れた製品等の開発を後押ししてまいります。

○大松委員 中小企業の革新的な製品開発に対して、都がテーマを示して、重点的に支援しているとのことであります。
 この事業を通して、都内の中小企業がすばらしい成果を継続的に生み出していけるようにするためには、成長産業分野への参入を目指す中小企業や、中小企業と連携して開発に取り組む大企業など、多くの事業者に都の示したテーマをしっかりと周知していくことが重要です。
 そこで、都は、中小企業の開発への意欲を高めていくために、開発支援テーマの周知を強化していくべきと考えますが、都の取組について答弁を求めます。

○山崎商工部長 都が示した開発支援テーマにつきましては、各分野で必要となる技術開発等の方向性を取りまとめ、区市町村や業界団体のほか金融機関などに情報提供を行っております。
 また、中小企業や大学等への周知のため、ウェブサイトによる幅広い発信も実施をしております。
 来年度は、中小企業や大企業の開発者だけではなく、事業者を支援する経営や技術の専門家等を集め、各テーマの技術ニーズ等について解説するセミナーを新たに開催いたします。
 具体的には、テーマ別に、市場動向や技術的な課題、最新の製品開発の事例等について説明を行いまして、中小企業が新たな開発の着想を得るきっかけを提供してまいります。

○大松委員 次に、観光振興のための地域のイベントへの支援について質問します。
 コロナ禍が明け、観光需要も回復するに伴い、都内では、祭りやイベントが復活しています。その中で、昨年夏には各地で多くの花火大会も開催され、地域に活気とにぎわいをもたらしています。
 花火のイベントは世界各地にありますが、日本の花火は繊細で芸術性も高く、海外からの旅行者にも大変好評です。その上で、海外からの旅行者には、英語による花火の解説などがあれば、もっと楽しんでいただけるのではないかと考えます。
 都は、地域の観光協会などが行うイベントへの支援は行っていますが、地域の花火大会での支援は事例が少ないと聞いております。
 こうした人気のある地域のイベントを外国人旅行者が快適に楽しめるよう、サポートを進めていくべきと考えます。都の見解を求めます。

○江村観光部長 これまで都は、都内の観光協会等が外国人旅行者の誘致に向けて、地元の様々なイベントやスポットの魅力などの解説を、デジタル媒体により多言語で行う取組についてサポートしてまいりました。
 具体的には、多言語対応のホームページの開設や、スマートフォン、タブレット端末向けのアプリケーション制作を新たに行う場合に必要となる経費の三分の二を最大六百万円まで支援しております。
 来年度は、こうした取組に加え、観光協会等の職員がインバウンドの誘致に当たり、外国人のニーズを踏まえ、多言語による効果の高い情報提供の方法を学ぶ研修の充実を図ります。
 これにより、観光協会等による多言語対応の取組を後押ししてまいります。

○大松委員 外国人旅行者が東京観光を存分に楽しめるよう、引き続き、観光協会等が行うサービス向上の取組をしっかりと支援をしていくように要望しておきます。
 次に、グリーン水素について質問をいたします。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて期待されているエネルギーの一つに、水素があります。水素は、その活用に当たり、応用の幅が広く、多くの可能性を秘めています。
 都は来年度、都有地を活用した水素の製造や民間の取組を支援し、水素の供給体制の整備を進めています。また、オーストラリアのニューサウスウェールズ州との協定を結ぶなど、世界的な水素サプライチェーンの構築にも取り組んでいます。
 こうしたグリーン水素の調達に向けた取組を一層進めるとともに、都内での水素の供給体制についても検討を進めるべきと考えます。都の見解を求めます。

○榎園新エネルギー推進担当部長 東京の脱炭素化に向け、グリーン水素について、海外からの供給を確保し、都内に確実に提供する仕組みをつくり上げることは重要でございます。
 このため都は、国際会議を開き、海外からの水素の確保に向けたきっかけづくりを実施いたしました。これにより、都と同様にグリーン水素の普及を目指すオーストラリア・NSW州と供給の仕組みをつくることで合意いたしました。今後、こうした取組を増やすため、海外への働きかけを進めてまいります。
 また、都内への供給体制に関し、パイプラインを含めた仕組みをつくるため、民間や空港臨海エリアの自治体等と協議する場を立ち上げます。
 これらにより、グリーン水素の確保と供給の基盤づくりを推進してまいります。

○大松委員 ぜひ、都内への供給体制の基盤の整備を着実に進めていただきたいと思います。
 水素の活用に向けては、製造、調達のほか、貯蔵や運搬などでも様々な課題をクリアしなければなりません。国内での貯蔵や各需要地への運搬については、液体水素や圧縮した気体の状態で運搬する方法、トルエンや金属に吸着させて運搬や貯蔵をする方法などがありますが、どれも一長一短があり、供給の基盤を早期につくり上げるのは容易ではありません。
 各需要地までの効率的な運搬と貯蔵についても、都として支援をしていくべきと考えます。見解を伺います。

○榎園新エネルギー推進担当部長 水素エネルギーの活用を進める上で、その貯蔵や運搬に係る基盤の整備と技術の開発を後押しすることは重要でございます。
 このため、都は来年度、水素を蓄えて運ぶためのボンベを入れるカードルやトレーラー等の設備導入に必要な経費の三分の二に助成を開始いたします。
 また、水素を効率的に吸収し蓄えることのできる金属のほか、圧力を高め、より多くの分量を運ぶことのできる装置などについて、三年間で一億円の資金を活用し、都と中小企業等が協力し開発する取組を推進いたします。
 これらにより、水素エネルギーの普及を図ってまいります。

○大松委員 今後、水素の活用が本格的に進めば、貯蔵や需要地までの運搬も課題になってまいります。こうした取組も着実に進めていただきますようお願いいたします。
 グリーン水素の活用に当たりましては、まだ解決しなければならない課題も多いですが、脱炭素社会の実現に向けて、必要不可欠なエネルギーであることは間違いありません。東京都が世界の先頭に立って、その価値を普及し、取組を推進していただくことを期待いたしまして、質問を終わります。

○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
 職業能力開発センターについて、まず初めに質問したいと思います。
 今回、東京都は、職業能力開発センターを一校増やし、十四校にするという条例改正案を提案されております。一方、過去には、十七校あった職能センターの廃止を進め、十三校まで減らした経緯もあります。
 我が党は、これに反対をしてきました。今回の増設には歓迎をしたいというふうに思います。
 まず初めに、職業能力開発センターの役割と重要性について伺います。

○内田雇用就業部長 職業能力開発センターでは、求職中の方や新たに職業に就こうとしている方などに、就職に向けて必要な知識、技能を学んでいただくための職業訓練を実施しております。

○白石委員 ちょっと重要性について、今、述べられなかったんですけれども、求職中の方などが就職に必要な技能を身につけるようにすることは大切なことだと思います。
 一方で、コロナ禍以降の経営悪化や物価高騰などによる倒産が相次ぐ中、求職中の方の中には、失業者も多く含まれると思います。そうした方々も経済的な心配なく学べる環境をつくることが重要だと改めて訴えておきたいと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、二〇二四年度、職業能力開発センターの授業料及び受験料の予算は幾らとしておりますか。

○内田雇用就業部長 令和六年度の歳入予算額は、授業料は一億一千九百五十一万二千円、入校選考料は百六十二万三千円を計上してございます。

○白石委員 つまり、一億二千万円で無償化できるということですね。
 職業能力開発センターの授業料を無償化するためにはどういう課題があるか伺いたいと思います。

○内田雇用就業部長 一年以上の長期間にわたります普通課程の職業訓練につきましては、受益者負担の観点に立ちまして、授業料を有料としております。
 これは、多くの都民の方がこのような訓練、学習の内容について、通常、自己負担により民間教育機関を利用して能力開発に努めている実態があり、また、関東の近県では全て有料となってございます。

○白石委員 今、課題をいってもらいましたけれども、さほどの課題ではないかなと思います。
 受益者負担といいますけれども、職業能力開発促進法の第一条には何と書いてあるか。職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とすると書かれております。
 経済や社会の発展に寄与するわけですから、求職者などが知識や技能を身につけることで、経済や社会にとってもプラスの効果を見込んでいるということですね。だからこそ、開設当初は授業料を取らずに運営をしてきたということです。
 伺いたいんですけれども、職業能力開発センターを有料化したのはいつでしょうか。

○内田雇用就業部長 授業料につきましては、受益者負担の観点から、一年以上の職業訓練につきまして、平成十九年度から有料化をしてございます。

○白石委員 今、ご答弁あったとおり、平成十九年、二〇〇七年ということですね。つまり、単純ですけれども、それまでは無料だったと。職業能力開発センターの授業料は、石原都政時代に有料化をされたということになりますね。
 我が党は代表質問で、石原都政以来の経済政策によって、東京の地域経済は大きく後退をしたということを指摘いたしましたが、職能センターの授業料有料化も、その一つだと思います。
 もう一点伺いたいと思います。
 職業能力開発センターの授業料を有料化した際に、授業料は何を基準に定めたのでしょうか。

○内田雇用就業部長 受益者負担の適正の観点から、関東近県との均衡なども参考に定めてございます。
 なお、地方交付税算定基準におきます公立高校授業料額の見直しに伴いまして、関東近県が授業料を改定したこと等を総合的に勘案をいたしまして、平成二十七年に授業料の改定を行ったところでございます。

○白石委員 ちょっと分かりにくいかもしれませんが、職能センターの授業料は二〇〇七年、有料になりました。二〇一五年には、都立高校の授業料見直しに伴って改定を行ったということです。つまり、二〇一五年の改定のときには、都立高校の授業料、これが基準になったんですね。
 無償化するための課題が、関東の近県が有料だからというのは、正直いって、周回遅れの議論だといわざるを得ないと思います。全く課題ということにならないと思うんですね。それはもう皆さん、ご承知だと思います。なぜならば、都立高校は来年度からは、所得制限もなく、授業料を完全に無償化するとなっているわけですから、そして加えて、様々な資格が取れる都立大学だって無償化されます。近隣の大学だって、それは有料ですけれども、都立大は実質無償化にもなると。
 だから、先ほどの関東の近県が有料だからと、こういう議論というのは課題にすらもう既にならない、周回遅れの議論であると改めて訴えておきたいと思います。
 無償化できない、そういう理由は何一つないと。同じ都立の職能センターですから、都立高校が無償化、都立大も無償化、だったら職業能力開発センターも都立ですから無償化すると。当たり前だと思うんですね。
 授業料が無償化されることで、やっぱり応募が増えると思うんです。現在、職能センターの受講応募倍率、ほとんどが一倍未満となっております。無償化されることによって応募が増えれば、職能センターで技能を身につける方も多くなると思うんです。後継者不足で困難を抱えている中小零細企業にとっても歓迎される政策だと思います。
 次に、職業能力開発センターで教える側である講師の皆さんのことについても質問をしていきたいと思います。
 職業能力開発センターの講師の役割、また重要性、ご説明願いたいと思います。

○内田雇用就業部長 職業能力開発センターの講師は、職業訓練指導員の訓練生に対する指導等を補完し、保有している民間等の実践的技術、技能を職業訓練に反映することを主たる業務としておりまして、重要な役割を担っております。

○白石委員 今、部長からもあったとおり、重要な役割を担っているということです。大事な答弁だと思います。
 持っている実践的技術、技能を職業訓練に反映するということで重要な役割と、こういう認識でした。そうした技能を持っているというのは、長年の経験があるからこそだと思います。
 それでは、続いて、もう一問聞きたいと思います。
 非常勤講師の勤続年数、どのくらいでしょうか。

○内田雇用就業部長 会計年度任用職員について、地方公務員法では、任期を採用の日から会計年度の末日までの期間の範囲内としてございます。
 なお、講師の通算任用期間は、現在、平均約十二年でございます。

○白石委員 平均十二年というご答弁でした。
 先日お聞きした非常勤講師の方のお話では、二十年以上働いている方も多くいると伺っております。こういう経験があるからこそ、優れた技能を職業訓練に反映できるんだというふうに思います。
 ところが、非常勤講師は、二〇二〇年度に会計年度任用職員となりました。五年目ごとに更新されるという形になるんです。しかも、東京都の職能センターの非常勤講師は、二〇二〇年に特別職から会計年度になる際に、何と、一回更新をしたと。特別職から会計年度に変わった、その変わった切替えがもう、一回の更新がカウントされるという、謎の数え方だと思います。
 本来、少なくとも、会計年度任用職員になって、そこの一年から更新で一回なら分かりますよ。でも、今回のこの講師の方々、特別職から会計年度に変わったとき、もう既に一回カウントされると。謎です。もう既に四回更新されたということになっています。
 つまり、この四月、千人以上にも上る非常勤講師の雇用が継続されるかどうかの正念場となっているわけです。先ほどもお話ししたように、長い経験があるからこそ、その高い技術力をもって職業訓練に反映することができるんだと思います。一律に更新をするんじゃなくて、勤務経験を考慮した選考を行うことを強く要望したいと思います。
 あわせて、公募によらない、再度の任用の回数条件を撤廃することも求めておきたいと思います。
 非常勤講師が働き続けられるための処遇改善、これが必要だと思うんです。産労の皆さんも、賃上げは大事だという認識はあると思います。
 伺いたいと思いますが、非常勤講師の報酬額を上げたのはいつでしょうか。

○内田雇用就業部長 講師の報酬額は、平成二十二年度に引き上げてございます。

○白石委員 事前に引上げ額についてもお聞きをいたしましたが、二〇一〇年には、時給百円しか上がっておりません。頻繁に上がるならまだいいんですけれどもね。しかし、今のご答弁のとおり、要するに、二〇一〇年に一度上げたきり、十四年前に百円引き上げただけで、その後は一円も上がっていないという状況です。
 一方で、皆さんもご承知のとおり、物価、大幅に上がりました。消費税の増税も二回、この十四年間で増税があったと。
 非常勤講師も生活がかかっておりますので、人事院勧告が給料アップを勧告したら、その都度引き上げるのが、私は当然だと思うんです。報酬の抜本的改善を、私、求めたいと。さらに処遇改善も求めてまいりたいと。
 引き続き、今後、この件については、しっかりと私も見ていきたいし、この委員会でも議論もしていきたい、求めてもいきたいと思います。
 都の中小企業対策は、小池知事になってから、ますます後退していると。一方で、先ほども議論ありましたけれども、急成長する企業、スタートアップとか、この予算、何と約一・八倍になりました。職能センターの無償化は、先ほどもいいましたけど、年間で一・二億円でできます。その一方で、この後やりますけれども、プロジェクションマッピング、二年間で四十八・五億円、巨額の税金を投じる予算となっております。
 このプロジェクションマッピングの予算二年分で、職能センターの四十年間の授業料が無償化できるわけです。税金の使い方が間違っているだろうと、誰だって思うと思うんです。(「思わない」と呼ぶ者あり)いや、思わないのは、ちょっと不思議だと。都庁照らしている場合じゃないんですよ。(発言する者あり)何かいっているか分からないですけど、当たり前じゃないですか。
 求職者や失業者がこの職能センターで学んで、そして職を得る。これは社会と経済のため、よくなるじゃないですか。で、今……(「切り口が別」と呼ぶ者あり)いや、切り口がどうのじゃないですよ。
 本当にこういうところに無償化をして、しっかりと、この求職者にも失業者にもしっかりと技能を身につけて、社会や経済、そういうところの主役にもなってもらう。当たり前じゃないですか。都庁なんか照らしている場合じゃないんですよ、今。
 職業能力開発センターについては、非常勤の処遇改善に取り組むこと、授業料の無償化に踏み出すことを重ねて要望したいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 いろいろとプロジェクションマッピングについては、いろんなご意見があると。都民ファーストの皆さん、非常に大きなご声援もいただくということで、プロジェクションマッピングについて質問したいと思います。
 プロジェクションマッピングは、都庁だけでも先ほどもいいました、二年間で十六・五億円、都庁も含めたプロジェクションマッピングの予算額は、二年間で四十八億五千万円です。
 物価高騰などで都民の暮らしが切迫している下で巨額の税金を使う事業となっており、都民からも疑問の声、多く出ております。ですから、都民や議会に対し、きちんと説明責任を果たすことを改めて今日、求めてまいりたいと。(「今からすればいい」と呼ぶ者あり)今から行います。ぜひ聞いていただきたい。
 初めに、局長に伺います。予算特別委員会で、我が党のプロジェクションマッピングの質疑に対し、説明責任を果たしたと思っているのか、局長に伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○江村観光部長 ご質問に対し、ご答弁差し上げたというふうに考えてございます。

○白石委員 いや、すみません。ちょっと、もう少し大きな声でお願いいたします。
 私は局長に伺ったんです。私は、説明責任を果たしていると思っているんですかと局長に質問いたしました。局長自身自らから行った答弁や説明について質問したんです。部長が答えるべき質問ではないと。局長、しっかり答えていただきたい。
 もう一度聞きます。局長は、我が党の質問に対して説明責任を果たしたと思っているのかお答えください。

○江村観光部長 東京都として、ご質問に対して答弁したというふうに考えてございます。

○白石委員 これだけ聞いても、微動だにしないと。局長の姿勢に本当にあきれます。
 予特での局長は、都が実行委員会に関する資料は公表できないと繰り返し、都民や議会に対し説明しようという姿勢すらありませんでした。さらに、ホームページにも載っている実行委員会の場所すら答えないという、あり得ない態度を貫きました。ホームページに載っているんですからね。
 プロジェクションマッピングを所管する産労局の責任者としての資質が厳しく問われているということを申し上げておきたいと思います。
 さらに、予特で局長は、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体、別の団体だから、実行委員会の資料は公表することはできないと繰り返しご答弁されました。
 そうであるならば、実行委員会が行った入札情報はいえないはずです。ところが、予特、振り返ってみると、一度は答弁できないとした映像制作などの入札参加者について再度質問したら、電通ライブと博報堂プロダクツの二者であると、局長が答弁をされました。
 そこで、局長に伺いたいと思います。いいですか、局長。なぜ別団体が行った入札について答弁できたんですか。入札情報を公表することを実行委員会に事前に確認したから答弁ができたということですか。局長が答弁したことですので、局長、お答えください。

○江村観光部長 実行委員会の情報の開示に当たりましては、同委員会として、東京都のルールに準じて進めていくこととなりますが、応札した会社の名前などであれば、実行委員会と共に主催者として入札に係る情報を知り得る立場にある東京都の判断により、最終的にお答えしたものでございます。

○白石委員 今の答弁だと、局長、答えなかったけれども、東京都は、内容を把握していたりすれば、要するに、紙では出せないけれども、知っていることはしっかりと答弁できるんだと、そういう理解でいいですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますが、実行委員会の情報の開示に当たりましては、同委員会として、東京都のルールに準じて進めていくこととなりますが、応札した会社の名前などであれば、実行委員会と共に主催者として入札に係る情報を知り得る立場にある東京都の判断として、最終的にお答えしたものでございます。

○白石委員 要するに、都の判断として答弁はできるんだと、そういうことですね。ちょっと驚きです。
 しかもですよ、局長、答弁できないんですかと。自分でいったことぐらい、自分で説明すべきですよ。いや、これ、本当に異常ですよ。これ、委員会だと局長が答弁しちゃいけないみたいなルール、あるんですか。そんなルール、ないでしょう。自分が答えたことぐらい、この場でしっかり説明すると。当たり前じゃないですか。私は、委員長にちょっと次の理事会で協議するよう取り計らっていただきたいと思います。
 これだけ、自分の答弁をやっていたのに、なぜ委員会じゃできないのかと。次の委員会で、私も求めたいというふうに思います。(発言する者あり)部長の答弁は、つまり紙では、資料は−−ちょっと黙っていて、いいですか。紙では資料は出せないが、都が把握しているということはいえるということですね。だとしたら、これから先の質問で事実確認していきたいと思いますので、きちんと事実を答弁していただきたいというふうに思います。
 質問を進めます。
 先ほど、都民ファーストの入江委員に、答弁のときに、実行委員会に情報公開を求めた場合は、実行委員会に参加する団体と合意などを図るなどして、今のご答弁でもありました、都のルールに基づいて情報公開を進めることができると。これ、間違いありませんか。

○江村観光部長 実行委員会の情報開示につきましては、実行委員会の責任と判断で行うことが基本でございます。
 実行委員会において、東京都のルールに準じて、委員会に参加する団体の間で合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。

○白石委員 今のご答弁だと、つまり、実行委員会には情報公開規定があることを突然いい出しました。
 まず、基本的なことを伺います。
 東京プロジェクションマッピング実行委員会を立ち上げたのはいつですか。

○江村観光部長 東京プロジェクションマッピング実行委員会は、令和五年二月十四日に設立いたしました。

○白石委員 情報公開の規定は、それでは伺いますけれども、先ほどいった情報公開の規定、情報公開できるとしたのは、実行委員会を設立した二月十四日からあったということですか。

○江村観光部長 実行委員会の事務規程の中では、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとしております。

○白石委員 ちょっとすみません、よく分からないです。
 要するに、情報公開できますよと、実行委員会の、いろいろ会議資料であったりとか、それこそ入札の情報であったりとか、これは要するに、最初から実行委員会の中で情報公開をできるというふうになっていたのかということです。ちゃんとお答えください。

○江村観光部長 実行委員会の事務規程の中におきまして、この規程に定めにない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとしてございます。

○白石委員 つまり、事務規程の中には入っていなかったけれども、東京都のルールに準じてやる規定があるから、そこには情報公開という規定もあるんだと、そういう理解でよろしいですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますけれども、実行委員会の事務規程の中におきまして、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとしております。

○白石委員 要するに、情報公開の規定があったと、そういう解釈ができるんだと、そういうことになりますね。
 じゃあ情報公開規定はどこに明文化されているんですか。どこにどのように書いてあるのか、もう一回、具体的にお答えください。

○江村観光部長 先ほどご答弁しましたとおり、実行委員会の事務規程におきまして、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとしております。

○白石委員 ちゃんと答えてください。要するに、事務処理規程の中で規定をされているというふうなことでよろしいですか。

○江村観光部長 実行委員会の事務規程の中で、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとされております。

○白石委員 要するに、情報公開はできるということですね。
 じゃ、この情報公開ができるというのはどこで公表されていますか。

○江村観光部長 実行委員会において、東京都のルールに準じて、委員会に参加する団体との間で合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。

○白石委員 ちょっと、よく質問、聞いてくださいね。
 この情報公開ができるんだと、実行委員会の。情報公開ができるんだというのは、私や都民や、知るときには、どこを見れば分かるんですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますけれども、実行委員会において、東京都のルールに準じて、委員会に参加する団体との間で合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。

○白石委員 要するに、公表なんてされていないんですよ。情報公開はできるのに、誰も知ることができないわけです。そんなこと、ありますか。情報公開の規定がありますよ、情報公開できますよ。でも、誰も知ることができないと。全く意味不明です。
 これまで何度も資料を出してほしいと私たちはいってきましたが、実行委員会のものだから出せないと一点張りでした。今日の今日まで、情報公開をすれば出せるなんて、一度も説明されておりません。
 情報公開規定が最初からあったのであれば、なぜ予特で局長は、都が実行委員会に関する資料を公表することができないと繰り返したんですか。実行委員会に情報公開ができると、最初から分かっていたのであれば、情報公開を実行委員会にすれば資料は出せますよと、出せませんじゃなくて、出せますよというのが自然でしょう。全く納得できません。
 そもそも、今日の委員会の質問でも、同趣旨の質問通告を出しておりましたが、今日の今日まで一度も、情報公開規定が存在することなんて、私たち、説明されていませんよ。なぜこれまで一度も議会に説明しなかったんですか。理由を伺います。

○江村観光部長 先ほども申し上げましたとおり、実行委員会の事務規程の中で、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとしております。この規定について、都のルールに準じてということでございます。

○白石委員 私が質問したのは、要するに、実行委員会の情報公開はちゃんとできるんだと、繰り返し答弁されています。でも、私たちは一度も、そんな説明は受けておりません。今日の今日までですよ。何で、その説明をしなかったんですか。お答えください。

○江村観光部長 繰り返しになりますけれども、実行委員会の事務規程の中におきまして、この規程に定めのない委員会の事務処理は、東京都に準じて行うこととするとされておりますことが、都のルールに準じてということでございます。

○白石委員 いや、もうね、答弁できない、答弁不能なんですよ。
 だったら聞きますけど、これを説明できなかったと、しなかったと。つまり、隠蔽しようとしたということでよろしいですか。

○江村観光部長 実行委員会の情報公開につきましては、実行委員会の判断と責任において行うことが基本となります。
 こうした中、実行委員会に情報の公開を求めた場合、東京都のルールに準じ、委員会に参加する団体の間で合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。

○白石委員 いや、驚きですよ。情報公開できるんだと、今、胸張っていっていますけれども、一度もそんな説明、受けたことがありません、今日の今日まで。
 都民も都議会も、どこに書いてあるかも公表されていないわけですから、情報公開できるって、誰も分からないわけですよ。これ、隠蔽しようとしたといわれたって否定できないでしょう。
 もしくは、情報公開規定は明文化されていないけれども、議会で問われて慌てて予特後に、規定や解釈を追加したのか、これ、どちらかしかないんですよ。隠蔽しようとしたのか。それとも、追及をされて、解釈を一部追加をして、実はできるんだと、そうしちゃおうとしたのか、これ、どちらかです。どちらにしても、とんでもない事態だと。
 だって、できるというの、一度も今まで説明を受けていないわけですから、絶対許されないと思います。
 質問を進めます。
 実行委員会は、東京都、東京観光財団、新宿区の三名の委員しかいないことが答弁で明らかとなっております。実行委員会がどのようなことをしてきたのか、事実を確認してまいりたいと思います。都が知っていることだったら答弁できると、先ほどもいいました。
 初めに、東京都の実行委員はどなたでしょうか。実行委員長は誰ですか。

○江村観光部長 東京プロジェクションマッピング実行委員会、都庁舎のプロジェクションマッピングの実行委員会でございますけれども、実行委員は、東京観光財団及び新宿区及び東京都でございます。実行委員長は、観光部長でございます。

○白石委員 観光部長ということは、今、答弁されている部長ですね。

○古城委員長 白石理事、質問でよろしいですか。

○白石委員 はい、いいです。実行委員長は、部長ということでよろしいですか。

○江村観光部長 実行委員長は、観光部長でございます。

○白石委員 つまり、部長なんですよ。先ほども情報公開規定の話、いろいろいっていましたけれども、要するに、知っているわけでしょう。じゃあ何でちゃんと説明できないのかと。ちょっと私、本当にこれ、疑問です。
 情報公開ができると分かっていたんだったら、説明すればいいんです。だけれども、一度も説明をしなかったと。答弁で求めても、全くその説明をできないという状況、私、とんでもないと思います。
 さらに進めたいと思います。
 続いて、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、これまでに、どこで、いつ、誰が参加して、何回開催されたのでしょうか。

○江村観光部長 実行委員会は、令和五年二月に二回、令和五年三月、五月、六月、九月、十二月にそれぞれ一回ずつ、合計七回を書面により開催し、いずれも全ての委員が出席しております。

○白石委員 つまり、一度も集まったことがないということですか。

○江村観光部長 実行委員会は、令和五年二月に二回、令和五年三月、五月、六月、九月、十二月にそれぞれ一回ずつ、合計七回を書面により開催し、いずれも全ての委員が出席しております。

○白石委員 はっきりいわないんですけど、書面開催ですから、一度も集まっていないんですよ。実行委員会がつくられてから、一度も集まったことがないということなんですよ。
 今年に入って次々とイベントが行われておりますが、先週も渋谷でも行われましたが、今年はですよ、今の答弁でいけば、一度も実行委員会、開かれていないんですよ。つまり、有名無実化していて実態がほとんどないということですね。
 じゃ、伺います。
 七回の書面開催、今いいました。七回の書面開催のうち、都庁のプロジェクションマッピングについて、何回、書面で協議がされたのですか。

○江村観光部長 都庁舎でのプロジェクションマッピングに係る事業計画等につきましては、令和五年六月及び九月に開催された実行委員会において議案となっております。

○白石委員 つまり、都庁舎のプロジェクションマッピング、実行委員会で書面で開催したのは二回だけだということですね。確認をいたしました。
 東京プロジェクションマッピング実行委員会というのは、五事業やっているんですね。先ほど渋谷も入りましたから。で、七回の書面開催で済ませていると。具体的な協議、ほとんどされていないということが明らかとなりました。
 じゃ、伺います。来年度も現在と同様に、三人の実行委員会でやるんでしょうか。それとも、何かしらの変更をして行うのでしょうか。いかがでしょうか。

○江村観光部長 来年度も実行委員会で実施する予定でございます。
 なお、実行委員会の情報公開につきましては、実行委員会の判断と責任において行うことが基本となります。

○白石委員 実行委員会の委員も増やさないし、何も変更しないということでしょうか。いかがでしょうか。

○江村観光部長 来年度も実行委員会で実施する予定でございます。

○白石委員 いや、質問に答えてくれなかったら、ちょっと質問にならないんです。
 来年度は、委員も増やさない、今のまんまで、三人のまんまでいくと。何も変更しないという、そういう理解でよろしいですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますが、来年度も実行委員会で実施する予定でございます。

○白石委員 要するに、何も考えていないということです。これ以上、何もいえないということですからね。これまでと同様の実行委員会で行うということです。
 実態がほぼない実行委員会を通じて、巨額の税金が大企業のグループ企業に流れていくということなんです。到底、都民の理解を得られないと厳しく指摘したいと思います。
 さらに質問を進めます。
 都職員の仕事と実行委員会の仕事は、どう区分けをしていたのかについて質問を進めます。
 実行委員会の所在地は、産業労働局振興課となっております。実行委員会の事務局とか都の職員は、現在、実行委員会に何人入っているのでしょうか。

○江村観光部長 実行委員会の委員は、私になります。私一人になります。

○白石委員 ほかに都の職員は入っていないということでよろしいですか。

○江村観光部長 実行委員会の委員としては、私一人が入っております。

○白石委員 じゃあ実行委員会でない人も含めて、この東京プロジェクションマッピングに関わっている東京都の職員です。そうして−−部長しかいないということでいいですか。部長しかいないんですね。

○江村観光部長 実行委員会の事務局を担う都の職員は、兼職、職免の手続を行いまして、実行委員会の業務に従事しております。

○白石委員 質問で、それは何人ですかと何度もいっています。何人でしょうか。

○江村観光部長 実行委員会の事務局を担う都の職員は、兼職、職免の手続を行いまして、実行委員会の業務に従事いたします。

○白石委員 人数もいえないということです。何でですか。
 じゃ、もう質問を進めますね。だって答えられないんですもん。何度聞いても答えられないんですもん。これ以上やったって堂々巡りですよ。
 でも、人数すら、東京都の職員、いえないって、ちょっと本当に私はおかしいと思います。都の職員として働く時間と東京プロジェクションマッピング実行委員会で働く時間、どうやって区分しているんですかと。先ほど兼職だとおっしゃいました。
 この兼職の手続をした、だったら都の職員は何人でしょうか。申請書などの書類によって手続を行ったのでしょうか。いかがでしょうか。

○江村観光部長 原則として、勤務時間内に実行委員会の仕事をする場合は、職務専念義務の免除を受ける仕組みとしております。

○白石委員 私が聞いたのは、兼職の手続をした都の職員というのは何人いるでしょうかという質問です。いかがでしょうか。

○江村観光部長 実行委員会の事務局を担う場合に、兼職、職免の手続を行い、実行委員会の業務に従事することとしております。

○白石委員 要するに、何もいえないということですよ。実態もない。そして、この実行委員会にどれだけの人が入っているんですかという質問に対しても答えられない。ちょっと驚きです。
 実行委員会が、今、先ほどもいいましたけれども、実態がないような状況、そして東京都の職員が、この実行委員会に何人関わっているかも都議会は分からない。
 にもかかわらず、二年間で四十八億五千万をこの実行委員会に投入して、プロジェクションマッピングをやっていく。本当に、ちょっと私、驚きです。説明責任を全く果たさないと。局長の姿勢と同様だということが明らかになりました。
 質問進めます。
 実は、プロジェクションマッピングには、もう一つ実行委員会があります。それが、神宮外苑などでプロジェクションマッピングを行っているTOKYO LIGHTS実行委員会です。
 二〇二一年度から、都が予算を出し、二一年度と二二年度、それぞれ二億八千万円の税金が使われております。さらに、今年度と来年度は年二回にしたことで、それぞれ四億八千万円です。総額は十五億二千万円になります。
 そこで伺いますが、TOKYO LIGHTSの実行委員会の構成団体とメンバー、誰でしょうか。

○江村観光部長 TOKYO LIGHTS 二〇二三の実行委員会は、東京都、新宿区、公益財団法人東京観光財団、一般財団法人プロジェクションマッピング協会で構成されます。

○白石委員 都庁の実行委員会との違いというのは、プロジェクションマッピング協会が入っているということですね、TOKYO LIGHTSには。制作、運営は博報堂プロダクツだとホームページに書いてあります。
 じゃ、伺いますけれども、このTOKYO LIGHTSで、機材などの設備は誰が請け負ったのか、映像などのコンテンツ業務は誰が請け負ったのか。それぞれ、契約方式も含めて、どういうふうになっているのかお答えください。いいですよ、ゆっくりでいいですよ。

○江村観光部長 TOKYO LIGHTS 二〇二三実行委員会では、企画運営や投影、音響の機器の整備等の業務について、企画提案方式により事業者を公募し、株式会社博報堂プロダクツに委託を行ったということでございます。

○白石委員 博報堂は分かりました。
 じゃあ映像のコンテンツとか、その業務は、誰が請け負ったんですか。どういう業者が請け負ったのかお答えください。

○江村観光部長 TOKYO LIGHTSにつきましては、映像業務については事業者への委託をしておりませんで、事務局業務について、一般財団法人プロジェクションマッピング協会に委託をしております。

○白石委員 東京プロジェクションマッピング協会にどういう業務を委託したんですか。そして、その方式はなんですか。契約方式です。

○江村観光部長 一般財団法人プロジェクションマッピング協会に対しましては、TOKYO LIGHTSの事務局業務を委託しております。
 契約方法は、特命随意契約でございます。

○白石委員 事務局業務というのは、どういう業務でしょうか。そこには、映像とかコンテンツとか機材とか、そういうふうな業務も入っているんでしょうか。

○江村観光部長 先ほど申し上げましたとおり、企画運営や投影、音響の機器の整備等につきましては株式会社博報堂プロダクツでございまして、一般財団法人プロジェクションマッピング協会につきましては事務局業務の委託です。(白石委員「事務局業務というのはどういう業務ですか」と呼ぶ)事務局の運営でございます。

○白石委員 そこには、事務局業務ということは、映像とか、そういう業務は入っていないということでよろしいですか。

○江村観光部長 事務局の運営業務でございます。

○白石委員 じゃあ映像コンテンツなどは、どこが請け負ったんですか。
 さっき、機材とか、そういうものは博報堂だというふうに聞きました。映像コンテンツなどは、どこが請け負ったんですか、業者は。

○江村観光部長 TOKYO LIGHTSにつきましては、プロジェクションマッピングの国際大会でございまして、作品の募集に関する業務が事務局業務として入ってございます。
 その事務局業務を、一般財団法人プロジェクションマッピング協会が受託しております。

○白石委員 分かりました。これから、ちょっとしっかりと説明は受けていきたいというふうに思いますけれども、でも、事務局業務も含めて、実行委員会のメンバーが自分たちで仕事を受けるということなんですよ、それも特命随意契約でね。これ、明らかに利益相反になってくるんです。
 例えば、デフリンピック。これは実行委員会形式でやっているんです。利益相反に該当する可能性がある案件が生じた場合は、独立した委員会が議事録の作成なども行って、客観性、透明性を確保して審査するとしております。そして、客観的にやむを得ない場合は、許可することも含めて判断するとしております。
 つまり、プロジェクションマッピング協会しかできないとか、そういう事務局業務なんだというふうなことがあるのであれば、客観的に公平性、公正性が担保されて判断しなければならない。
 しかし今の話だと、プロジェクションマッピング協会に特随だといって、結局、こういう議事録とか、それから、独立した機関で判断をしたという形跡が全くないんです。それで特命随意契約していいということにはならないんです。不透明さがあるということを本当に指摘しておきたいというふうに思います。
 次に行きます。
 都庁のプロジェクションマッピングは、ギネスに認定されました。二年間で五十億円近くの税金を使うビッグプロジェクトだというふうに思います。
 都庁のプロジェクションマッピングの映像制作などの入札は、電通ライブと博報堂の二者が参加したと予特で答弁をされております。
 この入札はいつ行われたのか、また、予定価格、落札率を教えていただきたいと思います。

○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングに係る実行委員会の情報公開につきましては、実行委員会の判断と責任において行うことが基本でございます。
 実行委員会に情報の公開を求めた場合、東京都のルールに準じ、委員会に参加する団体と合意を図り、それに基づき情報の公開を進めることはできます。
 なお、先ほどのご質問の中で、プロジェクションマッピング実行委員会の事務局の人数について、すみません、持ち合わせの資料がなかったのでお答えできませんでしたけれども、資料がちょっと見つかりまして、事務局の担当者は五名でございました。

○白石委員 東京都の職員は五名ということですね。分かりました。
 ちょっと飛びましたけれども、要するに、入札はいつ行われたかとか、予定価格、落札率は、要するに分からない、いえないんだということですね。

○江村観光部長 事前にご通告をいただいておりませんので、ちょっと手持ちの資料がございませんので、お答えできません。

○白石委員 通告をしていなかったからいえないと。じゃあ後で教えてください。
 この入札情報というのは、都であれば公表されるものです。先ほども、都として把握していることは答弁できるといったので、きちんと後で説明していただければというふうに思います。
 もう一点伺います。都庁のプロジェクションマッピングについて、調査検討費、これは、これまでに幾ら使ったのか。調査した結果と、それに基づいて検討した会議は何回行ったのか伺いたいと思います。

○江村観光部長 観光振興の事業を実施する中で、様々な状況について把握しております。

○白石委員 調査検討費は、都庁のプロジェクションマッピングですよ、調査検討費というのは幾ら使ったんですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますが、観光振興の事業を実施する中で、様々な状況について把握しております。

○白石委員 だから、私がいったのは、これだけのビッグプロジェクトでしょう。五十億近く使う、二年間で。ギネス級の、都庁にプロジェクションマッピングを当てると。それをやるには、東京都として、産労局としてしっかりと調査検討しなきゃいけないと思うんです。
 これまでに、この都庁のプロジェクションマッピング、投影する実現までに、まず、どういう調査検討をやったのかというのが、今、私、知りたいと思っているんです。
 調査検討費というのは、これまで幾ら使ったんですか。

○江村観光部長 財務局により調査を行っておりまして、産業労働局としては、金額は把握してございません。

○白石委員 財務局が調査をしたということですね。初めて知りました。
 それをじゃあそれを調査した結果というのは、財務局が持っているということでよろしいでしょうか。

○江村観光部長 財務局によって保管されているというふうに考えてございます。

○白石委員 そうなるとですよ、不思議なことがあるんです。
 この東京プロジェクションマッピング実行委員会、東京都としては産労局しか入っておりません。これまで都庁舎のプロジェクションマッピングを調査してきたのは財務局だと。これ、何で入らなかったのかというのが不思議になってくるんです。なぜ入らなかったんですか。

○江村観光部長 産業労働局の事業として実施するものでございます。

○白石委員 本当に、聞いてもめちゃくちゃなんです。産労局の事業だけれども、財務局が調査をしてきたんだと。その財務局の資料、調査結果、それ、産労局は受け取っているんでしょうか。

○江村観光部長 大変申し訳ございません、財務局の調査というのは間違いでございました。申し訳ございません。私の勘違いでございました。
 産業労働局の方で、観光振興を踏まえて事業を実施しているものでございます。

○白石委員 いや、ちょっと、財務局−−どういうことですか。財務局ではないということですね。
 じゃ、調査検討は誰がしたのですか。

○江村観光部長 事業の実施に当たりまして、観光振興の事業を実施する中で、様々な状況について産業労働局で把握いたしました。

○白石委員 つまり、これはやっていないということです。だって、さっき財務局というふうに勘違いしちゃいましたと。要するに、つまり自分たちで持っていないということでしょう。今聞いたら、今まで考えてきたのだと。具体的な調査検討をやっていないということが明らかになりました。
 何で、このプロジェクションマッピング事業、四十台のプロジェクターを設置するわけです。三百六十五日、毎日行うと。本当にプロジェクターを設置できるのか、どのような位置で設置すればいいのか、プロジェクターの光で、例えば歩行者とか通行の妨害にならないかとか、都職員の勤務の妨げにならないかなど、思いつくだけでも課題は山ほどあると思います。
 これだけのことをやろうとするのであれば、調査検討費を予算で組み、結果に基づいて具体的な計画を策定して、議会に報告して、実行に移す。これ、当たり前だと思うんです。
 ところが、具体的な調査、今、もう曖昧だったということで、はっきりした。一切していないんです。調査に基づいた検討を実行委員会で行った形跡もないんです。
 それなのに、今年度七億円の予算が計上され、今年度中に実行するとしたんです。ここにこそ最大の疑問があると思います。
 何でそこまで急がなければならなかったのか。だって、本来であれば、調査検討して、具体的にプロジェクターの位置はここですよとか、こういう交通妨害とかにならないようにすると。これ、しっかり調べなければ、本来、駄目なわけです。しかも議会に報告するような案件ですよ。これ、一切なかったということなんです。
 これ、ずばり聞きます。何でそこまで急いだんですか。局長でもいいですよ、もう。部長がなかなか答えられないんですから、局長が一番分かっていると思うので、局長、いかがですか。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングは、高い芸術性と世界をリードする技術によって都市の価値を高める日本のキラーコンテンツでございまして、東京の夜間の観光振興に向けて、これを活用することは極めて重要でございます。
 特に、海外から数多くの観光客を誘致する上で、東京の代表的なランドマークである都庁舎を投影場所として活用することは効果的でございます。

○白石委員 なかなか質疑にならないと思います。
 調査検討も形跡がない、議会にも報告をされない。今年度七億円がついて実行する、一年間でですよ、何でそこまで急がなきゃいけなかったのかというのが、私、最大の疑問なんです。
 これ、ずばり聞きますが、都庁のプロジェクションマッピングを今年度中に実行することを知事から指示されたから、急がざるを得なかったんじゃないんですか。それとも、産労局が今年度中に実行することを知事に提案したんですか。
 これは局長で答えられると思います。どちらですか、局長。いかがですか、局長。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングの活用について、東京の観光振興に係る有識者会議の中で大変評価すべき内容であるとされ、都庁舎に投影するダイナミックな取組は、東京ならではの観光資源になるとの趣旨の意見もいただいております。
 このような取組を、世界最高水準のコンテンツとスケールを用意し、優れた運営体制で提供するために、都として必要となる予算を確保して、実施することといたしました。

○白石委員 まともに答えないんですね。だったら、それほど評価されているんだったら、具体的に調査があるべきでしょう、議会にだって報告があるべきでしょう。全く何もない。
 突然、今年度七億円がついて、プロジェクションマッピングを実現するんだと。僅か一年間でですよ。そういうふうに進めようとした。
 何かの力が働かない限り、例えば産労局が本当にやろうと思ったら、しっかり調査予算をつけると思うんです。そして、その調査に基づいて、例えば実行委員会で協議する。でも、実行委員会は七回の書面開催でしょう。実態がどこにもない。だけれども、七億円がついて、今回実行された。こういうやり方が通るのかということが、私、最大の疑問なんです。
 これをやる、やらなきゃいけないとなるんだったら、やっぱり誰かがいわなきゃやれない。それは産労局なんですかと聞いても、まともに答えられない。だったら、やっぱり知事なんじゃないんですか。
 知事が今年度中にやれと、こういうふうに指示があったから、産労局は、今まで調査もしてなかったけれども、何とかやろうと。そういうふうに考えたんじゃないんですか。局長、いかがですか。

○江村観光部長 繰り返しになりますが、プロジェクションマッピングの活用については、東京の観光振興に係る有識者会議の中で大変評価すべき内容であるとされ、都庁舎に投影するダイナミックな取組は、東京ならではの観光資源になるとの趣旨の意見もいただいております。
 このような取組を、世界で最高水準のコンテンツとスケールを用意し、優れた運営体制で提供するため、都として必要となる予算を確保して、実施することといたしました。

○白石委員 これ以上いっても、答弁の繰り返しになるということです。
 ただ、私の最大の疑問はどこにあるかといったら、先ほどもいったように、実行委員会は書面で七回しか開催をされていない、一度も集まったことがないと。そして、調査検討費だって、幾らつけたんですかといったら答えられない。曖昧です。何もやっていないということ。
 だけれども、今年七億円ついて、突然、都議会の上に四十台のプロジェクターがつき、そしてギネス級のプロジェクションマッピングが実現する。
 こういうやり方は、私、普通だったらやられないと思うんです。何でここまで一年間でやらなきゃいけなかったのかというのが、私は問われると思っています。だけれども、そこについては全く説明もできない、分からない。
 私は、疑惑、そして疑問がどんどんどんどん深まっているというふうにいわざるを得ないというふうに思います。
 今後、先ほど情報開示の規定があるんだと謎の答弁をされて、だけれども、誰も知らない、公開もされていない。そういうふうな中で、先ほど答弁があったので、知っていることは全部いうんだというふうに答弁があったので、その答弁、私も信じて、今後さらに一つ一つの事実を確認して、この東京プロジェクションマッピング実行委員会及び二年間で四十八億五千万も使うこのプロジェクションマッピングについて、実態解明をしてまいりたいと思います。
 以上で終わります。

○古城委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四十五分休憩

   午後四時四分開議

○古城委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○中田委員 よろしくお願いします。私の方からは、中小企業支援や賃上げについて質問を行っていきたいと思います。
 まず、事業承継の支援について伺います。
 来年度予算案の中に、新たにサーチファンドを活用した中小企業支援、中小企業の事業承継の支援とありますが、産業労働局として、事業承継に対する認識をまず伺いたいと思います。

○原金融支援担当部長 中小企業の維持と発展に向け、事業の円滑な承継を後押しすることは重要であると考えております。

○中田委員 今、認識的なところを伺いましたけれども、事業承継するに当たって、様々なマッチングというところが大変重要になってくるのかなと考えております。
 その中でも、やはり企業が、企業を経営したい方と企業を今経営している方、そこをつなぐことというところも、様々支援策があると考えておりますが、まず産業労働局として、事業承継に対する支援策、今行っていることについて伺います。

○原金融支援担当部長 中小企業の事業承継を支援するため、地域の金融機関と連携して、事業承継に向けた後押しや、それに係る融資の相談を行っているほか、都は、民間のファンド運営事業者を選定し、これまでに二つのファンドを設立しております。

○中田委員 まず相談窓口を持って、金融機関と併せて相談を行っているというところで、会社を始めるに当たって、事業承継するに当たって、やっぱり融資というのが大変重要になってくるところだろうなというところは思うところもありますけれども、今現在、二つのファンドを設立し、支援を行っているということでした。
 ファンドの設立を行政として行うことの是非というのは、様々議論はあるかと思いますけれども、取り急ぎ、この二つのファンドが行ってきた事業の成果について、東京都にお伺いをいたします。

○原金融支援担当部長 平成三十年度と令和二年度に、都は、事業承継のファンドを設立しており、二つのファンドを合わせた出資額は計八十五億円となっております。
 具体の案件としましては、複数の子育て支援施設を展開する企業におきまして、創業者から従業員への承継と併せて、運営施設数の増加に取り組んでいる事例があります。

○中田委員 二つのファンドを立ち上げて、出資額が八十五億円というところで、案件としても進んでいるものがあると今お話がありましたけれども、さらに来年度予算を、先ほど私が最初のところで述べたように、サーチファンド、新たにファンドを活用して、また事業継承を推進していくとのことでしたが、これを行う狙いについて見解を伺います。

○原金融支援担当部長 事業の承継を目指す中小企業に新たな経営者を紹介し、資金も提供するサーチファンドを活用することで、資金面からの支援に加え、その運営事業者が新たな経営者に助言を行うなど、きめ細かいサポートを行います。

○中田委員 先ほどのファンドとは違って、様々な資金提供もするけれども、支援を行っていくという話でありました。
 後継者不在の問題を抱えている中小企業の助けになることというのは、行政として様々やっていかなきゃいけないと考えておりますけれども、ファンドを立ち上げることの是非、先ほどから、繰り返していいますけれども、今現在二つのファンドを立ち上げていて、さらにサーチファンドというところで、新しい手法を取り入れていく。
 行政として、税金を投入してファンド運営をしていくというところで、やはりその成果がどれだけ出たのかという、税金を使う以上は都民に示さなければいけないと考えておりますが、ファンドによる成果を得るために、東京都としてどのような取組を行っていくのか伺います。

○原金融支援担当部長 都は、専門家を活用して、投資先企業やファンドの資産状況の把握を行うほか、ファンド運営事業者へ必要な提言を行うなど、出資目的に沿った運営がなされているかについて、適切なモニタリングを行ってまいります。

○中田委員 今ご答弁いただきましたけれども、適切な運用がなされているか、出資目的に沿った運営が行われているかというところで、モニタリングを行っていくということでした。
 しっかりとこれは行っていただいた上で、この事業がどれだけ効果が出たのか、これは議会にも報告をしっかりしていただきたいというところを要望させていただきまして、次の賃上げの質問に移っていきたいと思います。
 賃上げについては、我が会派でも、代表質問などでも度々取り上げてまいりましたけれども、そもそも賃上げを、東京都として、事業として様々行っていく狙いについて、まずお伺いをしたいと思います。

○内田雇用就業部長 都内経済の活性化を図り、職場で働く方が安心して生活できる環境を整えることは必要でございます。
 都は、賃上げなど、労働者の処遇改善に向けた中小企業による様々な取組について、経営や職場づくりの面から支援をしております。

○中田委員 都内経済の活性化を図っていくというところで、産業労働局としては、賃上げ以外にも様々な中小企業支援を行っているかと思いますが、今、賃上げに関しては報道でも様々されていまして、大企業に関しては、春闘で大幅なベアが獲得されている、実現しているという話もあります。
 しかしながら、大企業だけがもうかって、それが中小企業に波及していかなければ、やはり都内経済は活性化していかないと思いますし、底上げにつながっていかないと考えております。
 そこで、中小企業へ賃上げという流れを波及させていく産業労働局の取組についてお伺いをしたいと思います。

○内田雇用就業部長 都は、中小企業が専門家の助言により、働き方改革に合わせて賃上げを行う場合、奨励金を支給する事業を行っております。
 また、中小企業が生産性向上に役立つデジタル機器や競争力を強化する設備等を導入する際の支援について、従業員の収入増加を図る場合、手厚い助成を行っております。

○中田委員 今答弁がありました事業についてちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、専門家の助言により、働き方改革に合わせて賃上げを行う場合の奨励金についてですが、これは正規社員だけではなくて、パートやアルバイトなどの非正規の従業員も対象となっているのか、見解を伺います。

○内田雇用就業部長 本奨励金は、非正規の従業員も対象としてございます。

○中田委員 ありがとうございます。今、非正規も対象としているということで、様々働き方がある中で、パートであったりアルバイトの方という、時給がどんどん上がっていくことによって、やはり都内の経済がさらに賃上げにつながっていくのかと考えております。
 特に、魅力ある職場づくり推進奨励金については、新しく賃上げに取り組み、時給当たり三十円以上の賃上げというところが項目に入ってきているので、ぜひ、こういうのを波及させていっていただいて、時給の底上げにつなげていただければと思いますが、昨年度の賃上げ政策の取組実績についてお伺いをいたします。

○内田雇用就業部長 都は、中小企業が専門家の助言により、働き方改革に合わせて賃上げを行う場合に奨励金を支給する事業を行っておりまして、昨年度は、専門家を延べ四百二十二回派遣いたしました。
 また、デジタル技術を活用した機器等の導入支援に関し、その成果を従業員の収入増加に結びつける場合、手厚い助成を行っておりまして、昨年度は十六社を支援いたしました。

○中田委員 専門家派遣を四百二十二回派遣をしたというところで、これが実際どれだけしっかりと賃上げにつながっていったかというところも、しっかり追っかけていただきたいと。その場限りの一時的な引上げではなくて、継続的に引き上げられるような支援も、さらに考えていただければと思います。
 さらに、この事業について、新年度予算を編成するに当たっての変更点を伺います。

○内田雇用就業部長 都は、中小企業が専門家の助言により、働き方改革に合わせて賃上げを行う場合に奨励金を支給する事業を行っており、来年度、規模を拡充いたします。
 また、DXを活用した新たな事業展開や、新製品の生産に取り組むために必要な設備投資へのサポートに関しても、その成果を賃上げにつなげる場合は手厚い助成を行うなど、支援の充実を図ります。

○中田委員 規模の拡充というところで、やはり東京都としても、しっかりと賃上げの機運を醸成していくという姿が見えていることはいいことなんですけれども、なかなか、やっぱり産業労働局さんがやっている事業というのが、都民、事業者にどれだけ知れ渡っているかというところも、一つの問題点なのかと考えます。
 私も、地元の渋谷などを歩いて、中小企業の社長さんたちと話していると、知らないよっという事業がやっぱり多い。こういう事業があるんですけど、使っていますか、どうですかという話をすると、知らないという人の方が多いかなというのが、すごく実感で感じています。
 ぜひ、そういう事業、いいことをやっているし、賃上げしようと、そういう産業労働局の姿勢はすごく評価するところでありますので、それをしっかりと都民、事業者の皆さんに伝わるような広報、周知というのを、しっかりとやっていただければと思います。
 その上で、先ほど来、繰り返しになりますけれども、やっぱり税金で様々な事業を行う以上、どういう効果が出て、それがどうやって賃上げにつながっていくかという、効果検証というのが大変必要になってくると思いますが、どのように行っていくのか見解を伺います。

○内田雇用就業部長 都は、中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者から意見を聞く場などを設けまして、施策に反映をしております。

○中田委員 様々な声を聞く場を設けているということでしたが、実情に詳しい団体だけではなくて、実際に働いている現場の皆さんからもしっかり話を聞いていただくことを要望しておきます。
 それで、先ほど、知らない人が多い、使っている企業が私の周りでは少ないんじゃないかという話をしましたけれども、そもそも都内中小企業数からすると、この支援策の枠組みというのが少し小さいのかと感じるところもありますが、どのように規模を考えているのかお伺いをいたします。

○内田雇用就業部長 本事業は、中小企業のニーズを踏まえて適切な規模を計上し、必要な支援を実施しているものでございます。

○中田委員 適切な規模を計上しているというところがありました。
 中小企業のニーズというのも、その時代の流れだったり、社会状況の変化で刻々と変わってくるものだと思っています。なので、しっかりとそういう波をしっかりと把握した上で、支援の拡充であったりというのを適宜行っていただければと思います。
 先ほど話しましたけれども、大企業だけがもうかっても、この賃上げというのは話が進まないと考えております。先日報道もありましたけれども、取引価格の価格転嫁が進まない、特に製造業では、三次から二次で六割しか進んでいないということです。
 こういうところもしっかりと対策を取っていかないと、大企業だけがもうかって、中小企業がやはり疲弊していくということが繰り返されると考えておりますが、都として、価格転嫁が十分進んでいないという報道がある中で、どういう取組の支援を行っているか伺います。

○山崎商工部長 都は、民間の取引業務に詳しい専門家が価格交渉のノウハウを提供するなどの支援を行っております。
 今後、現場のコスト管理に詳しい専門家を会社に派遣することなどにより、製品ごとの原価計算等の知識を提供するサポートを行います。

○中田委員 支援を行っていくというところでしたので、しっかりと、その支援を必要としている人に届くようにしていただければと思います。
 ここまで様々、賃上げ、価格転嫁の質問をしてまいりましたけれども、賃上げに対する様々な支援策を行う中で、最終的に、東京都としての到達点というものをどういうふうに考えているのかお伺いをいたします。

○内田雇用就業部長 中小企業が、事業の発展に向け、生産性を高め、賃金の引上げを図ることは必要でございます。
 都は、労働者の処遇改善に向けた中小企業の様々な取組について、経営や職場づくりの面から支援しております。

○中田委員 中小企業の生産性を高めることによってというところはありましたけれども、やはり、もちろん中小企業の生産性を高めることというのは大変重要なことだと私も思っています。
 だけど、生産性を高めても、一朝一夕に賃金が上がるかというと、やっぱり何年かかけてしっかりと利益を生んで、それが労働者に還元されてというところで、時間が結構かかるものではないかと私も考えているんですが、そういうフェーズと、また、今賃上げの機運が盛り上がっている中で、爆発的に賃上げができるという、そういう支援策というのも東京都としてしっかりと考えていただいて、両輪でしっかりと、政策、賃金に対する政策というのを考えていただきたいと要望させていただきまして、質問を終わります。

○宮瀬委員 では、今日最後になりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私は、もともとビジネスマンでありますので、その観点から聞かせていただければと思います。
 今回、質問に先立ちまして、この要求資料の二一ページ、二二ページに予算執行表をつくっていただいております。
 私の方でこれを見て、ちょっと正直びっくりしました。予算執行が、例えば団体向け事業承継促進支援事業、執行率一・三%。いろんな理由があったりとか、その事業は予算規模がちょっと小さいので、あまり参考にならないかなと思いきや、今日の質疑にもありました、水素社会実現に向けた普及促進も、執行率が三割と。
 また、裏面、二二ページを見ていただくと、もう議会で何度も聞いてきた、デジタル人材育成支援事業、DX人材リスキリング支援事業、私もそうですが、就職氷河期世代リスタート支援事業と、本会議等の答弁でよく聞く、本当に都の肝煎りの政策がたくさんあるんですが、執行率が、今挙げたものは本当に低い。三割、二割、五割とか、要は、必要な人たちに、その分、必要な支援が届いていないという懸念がございます。
 ある意味、この表というのは通知表、学校でいう通知表に近いものなのかなと思うんですが、当然、無理な、本当に強引な予算執行は無駄遣いになりますので、あってはならないとは思いますが、しっかりと予算を立てて、適切に予算を執行する。そして、結果、事業をしっかりと都民に届けていくということが大変大事だと思っています。
 そこでまず、そもそも局では、予算を精査する際に、前年度の執行率を参考にしているのでしょうか。また、執行率が悪いと判断する基準や率はどれぐらいなんでしょうか伺います。

○早川総務部長 予算の計上においては、事業の実績や執行率に加え、社会経済の動向や現場のニーズを踏まえた事業の必要性など、個々の状況に応じて、様々な観点から検討を行っておるものでございます。

○宮瀬委員 今ご答弁で、実績ですとか執行率というものが、予算の計上において、ちゃんと見ていますと。ただ、いろんな、コロナとか現場のニーズがいろいろあるので、個別の判断も必要ですよねというご答弁でありましたが、いずれにせよ、執行率というのは大事な観点であると思っています。
 では、令和六年度の予算の事業におきまして、令和四年度に実施している事業は幾つぐらいあるんでしょうか。また、そのうち執行率の低い事業は幾つあるのか伺います。

○早川総務部長 令和六年度当初予算案の概要に予算額を計上している事業のうち、令和四年度から継続している事業は、全体で四百十三事業でございます。
 このうち、要求のあった資料、18に記載のとおり、執行率が六〇%未満の場合は七十二事業でございます。

○宮瀬委員 私、執行率という数字は私の方からはいわずに、執行率の低い事業はどれぐらいなのかといった質問をさせていただきました。
 その際に、私が資料要求したのが、全事業のうち、四年度にやっていて六年度もやる事業のうち、六割を基準に出していただきました。七割だと執行率が多いかなと思う人もいますし、五割だとやっぱり少ないんじゃないかと。なので、六割という基準を考えて出していただきましたが、いずれにせよ、全体の事業の二割が、その執行率が六割を切ってしまっている。
 この表を見れば一目でありますが、これは適切、妥当だとお考えでしょうか。

○早川総務部長 当局の予算につきましては、社会経済動向や現場のニーズを踏まえて、その適切な執行に努めてございます。

○宮瀬委員 これが妥当かどうかのご答弁で、妥当とはおっしゃらずに、執行に努めている、努力しているといった表現でありますが、やっぱり、通常、都庁の皆さんであれば、ちゃんとやっていますというところだと思いますが、執行に努力しているんですといったということは、やはり一定の改善の余地があるのではないかなと思っています。
 では、執行率が低い事業の原因について、どう都はお考えでしょうか。

○早川総務部長 令和四年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によるイベントの中止や事業の実施スケジュールの見直しなどが生じたため、当初の予定額を下回る金額で執行した事業もございます。

○宮瀬委員 理由として、新型コロナウイルス感染症の影響と挙げられているんですが、私は、本当にコロナの影響だけでしょうかと思っています。
 厳しいことをいえば、二〇二〇年一月、元号でいいますと令和二年からコロナは発生しておりまして、つまり令和四年度、二〇二二年度は、既にそれを見越して対応すべき事案だったと、ちょっと厳しいですが、思っております。
 もちろん、コロナは予測不能な部分もあるというふうに思っておりますが、やはりプロである以上、そこは、これだけ予算執行率が低い事業が全体の二割に出ている、しかも、本当にいい事業が適切に都民の方に届いていないといったことは、私は課題だと思っております。
 それで、ちょっと目ぼしい、予算規模が大きくて執行率も低いといった事業、十五ぐらいですかね、局に確認をいたしました。
 本当にコロナの影響だけだったんですかといったところでありますが、三宅委員もおりますので、島しょ地域のところもちょっと調べたときに……(発言する者あり)まあここ、執行率が大分低い。決算があって予算のところを組むと冒頭で部長からもお話がありましたので、執行率が予算計上にやっぱり影響がある。
 島しょのところのDXは、資材が確保できなかったとか、工事の取り合いになっちゃったとか、そういったことも聞いていて、やむを得ないのかなと。
 ただ、例えば就職氷河期世代リスタート支援事業、これの執行率を見ていきますと、令和二年がゼロ、令和三年七%、令和四年二七・三、令和五年が五〇%と、総じて低い。
 DX人材リスキリング支援事業も、令和四年は四七・五、令和五年に至っては、まだ厳しい数字だと聞いています。つまり事業の改善を、ちゃんと数字を捉えながらしていかなきゃいけない。
 正直いうと、ほかの事業におきましても、見込みが甘かったといっていた事業部の課長さんも正直いらっしゃいました。それが続いてしまっているということは、予算の無駄な執行は改めたいと思いますが、予算の組み方が甘かったのではないか。
 つまり令和六年度の予算も、予算の組み方が甘い。そういったことが懸念されるわけですが、見解を求めます。

○早川総務部長 令和四年度の事業においては、当初の予定額を下回る金額で執行した事業もございます。
 予算の計上に当たりましては、事業の実績、執行率をはじめ、個々の状況に応じて適切に計上することは重要であると考えております。

○宮瀬委員 甘かったといった指摘に対しまして、適切に計上することは重要ですといったご答弁でありました。直接のご答弁はなかったと思うんですが、これは逆にいえば、甘かった部分があるといった認識であるのかなと私は受け止めています。もし違うのであれば、ご答弁で修正してください。
 いずれにせよ、令和六年度の予算におきましても、今後は、過去の執行率を踏まえまして適切な予算を組むべきだと、未来の話ですね、思っておりますが、見解を伺います。

○早川総務部長 令和六年度の予算案は、東京の経済のさらなる成長に結びつける政策を展開するために必要な予算を計上してございます。
 予算につきましては、施策の目的が達成されるよう、適切な計上に一層努めてまいります。

○宮瀬委員 予算については、適切な計上に一層努めていくといったご答弁をいただきました。
 この執行率の数字は、毎年、決算の場でも、予算の場でも、それを見ながら確認をしていきたいと思いますので、ぜひ、ちょっと具体的に、数字はうそをつきませんので、執行率の低い事業におきましては、明確な理由がない限り、本当に適切な執行率に努めていただきたいと思っております。
 次に、東京都の海外展開について伺います。
 私はNGOを二十五年やっていますので、アジアの発展というのを目の当たりにしています。
 これからアジアの時代が来るといわれて久しいですが、イギリスの経済誌エコノミストの発表によりますと、世界のGDPのシェアは、二〇五〇年には日本は一・九%と、もう本当に現在の数字よりも大幅に下落しまして、逆に、アジア、発展途上国は約二倍の五割になると。世界の富の過半数を占めるわけですから、この富と東京をウイン・ウインで発展させていく取組が重要だと、私は初当選以来、訴えてまいりました。
 平成二十六年第四回定例会の一般質問におきましては、まず、東京都のブランチ、支店を増やしていった方がいいのではないかと当時の舛添知事に質問いたしまして、拠点を増やしていくといったご答弁をいただき、平成三十年第四回定例会の一般質問の際には、実は中小企業振興公社が、海外に拠点はあっても、東京の会社がアジアに行く機能はあっても、現地の企業を東京に呼び込む機能がなかったといったことを、問題点を指摘させていただきまして、年末の予算要望でも小池都知事に直接訴えて、実際に予算をつけていただいたといった経緯があります。産業労働局長からも、今後は関係機関と連携をしながら、それらの動向の把握に努めますほか、東京のPRの方法について研究し、海外の企業による都内進出の後押しにつなげてまいりますとご答弁いただいています。
 今の状況を確認させてください。
 海外企業の誘致についての取組をこのように進めていると思いますが、海外から東京への進出を目指す企業等へどのような支援を行っているのか、改めて伺います。目的とともに伺います。

○山崎商工部長 海外から進出した企業が、都内の中小企業とビジネスを行い、互いの事業の発展を図ることを通じて東京の経済の活性化につなげるため、東京都中小企業振興公社では、関係局と連携し、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、東京への進出を目指す事業者などに向け、東京のビジネス環境等を学ぶセミナーと相談会を開催しております。
 また、東京進出企業を対象に、専門家によるサポートを実施しており、各種支援策などの情報提供を行うとともに、必要に応じて、経営課題等へ助言などを実施しております。
 さらに、東京に進出した海外企業と都内中小企業とのビジネスマッチングも行っております。

○宮瀬委員 いろいろやっていただいていると思うんですが、ビジネスマン、元ビジネスマンですので、そういった施策において、支援の実績はどのようになっているのか伺います。

○山崎商工部長 セミナーと相談会については、昨年度三百五名がセミナーに参加し、そのうち七十三名からの個別相談に対応いたしました。
 また、東京に進出した企業のうち百七十七社に専門家が面談を行い、必要に応じて、経営課題への助言などのサポートを実施いたしました。
 さらに、ビジネスマッチングについては、海外企業十社に二十件の商談機会を提供しております。

○宮瀬委員 昨年度は三百五名がセミナーに参加し、七十三名が個別相談ということだと思うんですが、事業の目的であります、アジアにおける企業が東京に進出した数ですね、この事業を通じて。結局、何社が東京に来たのでしょうか。

○山崎商工部長 「未来の東京」戦略におきましては、令和三年度は八十六社でございます。

○宮瀬委員 私は、この事業計画に載っている、東京都全体の計画である「未来の東京」戦略の数字を聞いたわけではなく、いろんな事業をやっていますから、金融関係の事業ですとか。その中で、この事業を通じて来た数字を確認いたしました。
 正直にいうと、分からないと聞いております。八十六社といった社数は、この事業単体ではなく都の全体の社数でありまして、昨年は三百五名がセミナーに参加し、七十三名が個別に相談したわけですから、三百七十名の方に確認を取れば、三百七十社かもしれませんけれども、すぐ分かると思うんです。
 進出に、例えば、その三百七十八名の方が進出しなくても、何が課題だったのか、これが理由で進出できなかったとか、資金なのか、東京の受入れ体制の問題なのか。これは宝の山だと思っています。そういったことも把握されていないと聞いております。
 これが一万社、二万社だったらさておき、僅か四百社でありますから、しっかりと連絡をして、どうだったのか、結局、東京にいらっしゃってくれたのか。すぐ、確認すればできることであります。
 しっかりと検証を行い、また、件数も、アジアは今成長していますから、約四百名ではなくて、もっと取組を強化すべきだと考えますが、見解を伺います。

○山崎商工部長 都では、公社の海外拠点を活用し、ビジネス市場としての東京のPRや、海外企業の東京進出のサポートなどを実施しております。
 東京への進出企業と都内中小企業のビジネスのさらなる拡大に向け、セミナーへの参加者を増やす工夫に加え、参加者の声や、その後の状況などをきめ細かく把握し、適切な支援につなげてまいります。
 これらにより、東京への外国企業の誘致数の実績も踏まえながら、引き続き、関係機関とも連携して、海外企業の東京進出を一層後押ししてまいります。

○宮瀬委員 私はあんまりいい答弁をもらわないんですが、ちゃんと答弁をいただきまして、新たに、ちゃんと参加者を増やす、そして参加者の声とか状況をきめ細かく把握していただけると、今後は、という答弁でありましたので、ぜひ一層強化していただければと。
 この数字も、また確認を取りますので、ぜひアジアの富を東京に、東京に企業が来ていただければ雇用も生まれますので、ぜひ強化していただければと。もっともっと伸び代があると思いますので、お願いを申し上げます。
 次のテーマです。
 次は、実は都議会でほとんど話題になっていないテーマなんですが、太陽フレアの問題でございます。
 よくユーチューブを見ていますと、都市伝説で、太陽フレアが二〇二五年七月に来るとよく出ているんですが、これは都市伝説の類いではなくて、経産省が改めて検討会を実施している本当に大きな問題だと思っています。
 この災害は、地震や水害等、富士山の噴火と違って、科学的に太陽の活動が最大化する時期が二〇二五年七月ということで出ておりますので、あらかじめ分かる災害だと思っています。
 改めて説明いたしますと、太陽フレアは、太陽表面の異常爆発により高エネルギー粒子などを発生させ、それが地球に到達すると社会経済活動に大きな被害をもたらすといわれております。
 国は、令和四年に、この問題に関する検討会を設置していると。また、世界のリスクを担保するイギリスの保険会社、ロイズという本当に大きな保険会社があるんですけれども、全世界の被害総額約九兆円のうち、東京は最多の三千四百億円と予想されております。
 つまり、二〇二五年七月と予想されている最大級の太陽フレアは、まさに世界中の中で、外国の保険会社が、東京が一番大きな問題を抱えているでしょうといったことをいっているわけであります。
 そこで、太陽フレアが、東京の経済や、産業労働局が日々向き合っている事業対象者にどのような影響を与えると考えているのか伺います。

○山本企画調整担当部長 国の検討会の報告書によりますと、太陽フレアにより、通信機器や人工衛星を使った位置情報の利用などに、最大二週間にわたり断続的な影響が生じるケースなどがあるとされております。

○宮瀬委員 災害のことであれば、本来であれば総務局だというのは十分分かっておりますので、さきの一般質問でも総務局に対して質疑をさせていただきました。ただ、皆さんに対しましては、東京の経済活動といった観点で質問をさせていただいています。
 実際は、一一九番、一一〇番がつながらなかったり、実際に一九八九年三月のカナダのケベック州におきましては、九時間の停電、被害総額も数百億円規模といわれております深刻な被害が出たり、他国におきましても、アメリカの気象衛星の通信が止まるなど、様々な社会インフラに影響が出てきたと。
 東京で起きれば、私も本当に、いろんな未曽有の、過去よりも、これだけインターネットや電力が普及している中で、例えば携帯がつながらなかったら、今、決済、結構携帯で振込等をやっていたり、企業のデータも、フレアが来たときになくなってしまうんじゃないかと。
 都庁も個人情報をたくさん管理しておりますから、本当に何が起こるか、本当に来ないと分かりませんが、これは国が検討委員会を設置している大きな問題だと思っています。
 停電になれば、病院でしたら、人工呼吸器も非発に、非常用発電機に切り替わり、機器そのものが壊れてしまったら非常用発電機も動かないわけであります。
 こういった大きな懸念を持っている中で、では、産業労働局に対してお伺いしたいのは、太陽フレアに備えまして、産業活動への影響を最小限にとどめられるよう必要な手だてを講じるべきと考えますが、見解を伺います。

○山本企画調整担当部長 国の検討会では、効果的な対処のための企業向けのガイドラインを検討することなどを、国に対し提言をしております。
 国では、企業などが迅速な対応を取れるよう検討しておりまして、都といたしまして、その動向を注視してまいります。

○宮瀬委員 これ、ちょっと懸念しておりますのは時間軸の話で、あと一年三か月と。二〇二五年七月ですから、本当に間に合うのかどうかといった懸念があります。
 企業向けのガイドラインを検討することを検討会で国に対して提言しているといったことでありますから、では、何をどうすればいいのか。
 例えば、似たような事象として、今EMP爆弾とかという核兵器が使われたときに、電磁波でいろんな電化製品を壊す、ああいった爆弾もありますが、何か安全装置みたいなものをつけると、本体自体は壊れずに、その安全装置が壊れてくれて機器が守られる。
 日本核シェルター協会の皆さんが実際に使っているものでありましたり、特殊なコーティングをされた塗料を塗ると、その影響がないといった研究結果も出ておりますので、ぜひ、もう二〇二五年七月、直前にいわれても、企業はなかなか、どうすればいいか分からないと思いますので、一番影響を受けるのは都でありますから、ぜひ、こちらからも、国に対してどうすればいいのかというのを、ぜひご協議していただきたいと思っております。
 最後に、都庁プロジェクションマッピングについて伺います。
 私は、ちょっと今までの質疑を聞いていて、ちょっと違う観点から伺いたいと思います。
 ビジネスマンとしては、この事業に本当にお金をかけて、元が取れるのかといってはいけないですけれども、本当に効果があるものなのか、そういったことを確認したいと思います。予算には限りがありますから、優先順位と予算規模が適切なのかであります。
 小池知事は、元来、全ての事業に終期、期限を設けて、終わりの期を設けるとともに、新たな客観的指標、エビデンスベースに基づく評価手法を導入すると、知事が初当選の頃からおっしゃっていました。
 これは本当に大事なことで、何となくお金を使って終わりではなく、ちゃんと期限を設けて、いわゆるPDCAサイクル、プラン、計画、ドゥー、実行、C、チェック、Aはアクションです。これをちゃんと回していくことが大事ですよねといったことがあります。
 都庁プロジェクションマッピングにおける計画の目標数値、実行、総括、いわゆるPDCAサイクルのプランの目標数値を確認させてください。また、その際に重要指標でありますKPI、つまり指標となるのはどういう項目なのか、それも併せて教えてください。

○江村観光部長 都庁舎にプロジェクションマッピングを投影することによりまして、インバウンドに加え、国内からも来訪者を数多く誘致し、観光消費の拡大を通じた経済の活性化に結びつけてまいります。
 この取組に関わる令和五年度の予算額は七億円、令和六年度の予算額は九・五億円でございます。
 各種データを用いて算出した年間の経済波及効果は、十八億円との試算もございます。

○宮瀬委員 今のご答弁を注意深く聞いていると、予算規模のお話はあって、プラン・ドゥー・シーのドゥーしかおっしゃっておりません。
 つまり、この事業の目標、言葉はありますよ、来訪者を数多く誘致する、観光消費の拡大というのが目的だと思うんですけれども、じゃ、どれぐらい来訪者を呼ぶのか、どれぐらいの方に来ていただいて、どう消費を促していくのか。プラン・ドゥー・シーのPの、プランの数字を確認させてください。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングの実施によりまして、多くの旅行者を誘致できるよう、しっかりと取組を進めてまいります。

○宮瀬委員 誘致を進めるというのは、多分、来ていただく人の数が、多分KPI、指標ですよね。その指標、KPIの数字を基に、どれだけ呼ぶのですかと。
 つまり、予算規模は分かっていて、どれぐらい呼ぶのが目標で、経済波及効果が十八億というのはありましたけど、二個聞くんですが、私が聞きたいのは、どれぐらいの数の人に来ていただくのか、そして、経済波及効果は十八億とありますが、十八億円が目標数値なんですか、お伺いします。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングの実施によりまして、多くの旅行者を誘致できるよう、しっかりと取組を進めてまいります。それによりまして、観光消費の拡大を通じた経済の活性化に結びつけてまいります。

○宮瀬委員 多分、同じことを聞いても多分同じご答弁が続くと思うので、要は何人、国内外の方に来ていただくかの数値目標がないんです。経済波及効果が十八億円とありましたが、それが目標でもないですよね。
 そうすると、知事がおっしゃっていた、全ての事業に終期を設けて、新たに客観的な指標、エビデンスベースに基づく評価が、この事業はできないんじゃないのかなと。
 これに東京都民の血税を使って、十八億、十七億、本当に何のためにどれぐらい効果があるのかというのが分からないですし、知事のおっしゃっていたことと矛盾すると思うんですが、どうなんでしょうか。

○江村観光部長 都庁舎にプロジェクションマッピングを投影することによりまして、多くの旅行者を誘致できるよう、しっかりと取組を進めてまいります。これによりまして、観光消費の拡大を通じた経済の活性化に結びつけてまいります。
 あわせまして、この取組に係る令和五年度の予算額は七億円でございまして、年間の経済波及効果は十八億円と試算してございます。

○宮瀬委員 全く、多分会話がちょっと成り立っていなくて、なかなか今の状況でお答えになれる計画の目標数値が、多分ないんだと思うんです。
 経済波及効果も、十八億円ですかと聞いたときに、そう明言されていないと思うんですが、一応、念のため確認ですが、経済波及効果が十八億円で、それが目標数値だと思っていいんですか。

○江村観光部長 プロジェクションマッピングの実施によりまして、多くの旅行者を誘致できるよう取組を進めまして、観光消費の拡大を通じた経済の活性化に結びつけてまいります。
 その上で、指標といたしまして、年間の経済波及効果十八億円の試算を出してございます。

○宮瀬委員 私、やっぱり一方的に、わあっと責めるつもりもなく、ファクトをちゃんと確認をして、あるものはある、ないものはないと。Aですかと聞いたときに、全く関係ないBとかCとかを答えられると、やっぱり議論にならないかなと思っています。
 私も敬意を持って聞いているつもりですので、ぜひ、これはないんじゃないのかと。もし、あるのだったら、後ほどの答弁でちゃんと数字をいってください。
 私の地元でも、あれは本当にどうなんだといった、SNS上でも、いろんな声をいただいております。本当に都民の理解を今得られているとお考えなのか。
 はたまた、今、事業開始後、いろいろお電話とかメールが結構たくさん来ていると思うんですが、その内容と件数、併せて伺います。

○江村観光部長 事業の実施に当たりまして、都民の理解を得ながら進めていくことは必要でございます。
 都庁舎に投影するプロジェクションマッピングにつきましては、三月十四日現在で二百九十二件の意見などを受け付けております。
 また、その投影を開始する先月のイベントにおいて実施したアンケートでは、回答した五百六十五名のうち、約九割の方が内容に満足としております。

○宮瀬委員 来た人のアンケートは、満足度が高いですよと。
 じゃその二百九十二件のご意見は、どういった内容なのかといったところであります。
 そもそもポジティブなご意見なのか、はたまたネガティブなご意見なのか、その割合を教えてください。

○江村観光部長 都庁舎のプロジェクションマッピングに対する期待や提言などをいただいております。

○宮瀬委員 これ、ちょっと日本語を正しく使っていただきたいんですが、期待と提言という−−提言というのは、期待の、もっとこうした方がいいよねという提言もあれば、いやいやいやいや、これはちょっとやめた方がいいんじゃないのという、二つ、提言という日本語の中には含まれると思うんです。
 ポジティブなものもたくさんあるのか、それともネガティブなものの方がたくさんあるのか。提言という言葉だと両方包括してしまうので、どうなんでしょうか。

○江村観光部長 意見等の内容につきましては、プロジェクションマッピングに対する期待や提言などでございまして、賛成や反対として整理している内訳はございません。

○宮瀬委員 そうなりますと、さっき、都民の理解を得ながら進めていくことが必要なんですよといったご答弁があったと思います。
 その中で、今のようなご答弁だと、なかなか理解を得にくいのではないかなと。真摯に、どういった声が届いて、こうした方がいいよと。正直、こういったことはもうやめた方がいいよと、いろんな声をやっぱりつまびらかにしていただきたいなと思います。
 私のところに来る声は、正直にいうと、やっぱり、何だこれは、やめた方がいいんじゃないかといった声の方が圧倒的に多いのが現実です。
 もちろん、現地にまだ行ったことのない人の声だとは思いますけれども、そういった都民の声をしっかりと把握するということは、理解を得るに当たって最も重要なことだと思うんですが、ポジティブなのかネガティブなのか、もう一回教えてください。

○江村観光部長 意見等の内容につきましては、プロジェクションマッピングに対する期待や提言などでございまして、賛成や反対として整理している内訳はございません。

○宮瀬委員 やっぱり、ちょっと提言という日本語に違和感を感じてしまうんですね。
 もうこれ以上同じ質問をしても同じことだと思うんですけれども、今回の質疑で分かってきたのが、プロジェクションマッピング事業は、当然、多額の都民の税金を投入しています。
 例えば、今回、予算規模が約十七億円といったことでありますが、平成三十年の子供食堂の予算は、僅か一千二百万円です。全国の子供の貧困調査でも、七人に一人、六人に一人が、大変、相対的貧困率の中で苦しんでいたり、東京の、たしか都立大が取った調査でも、十人に一人がちゃんとご飯を食べられていないといったデータが出ています。
 もちろん皆さんにだけいうことではないと思いますけれども、じゃあ事業の計画を今のように一つ一つ、その効果はどうなんですか、何人来るんですか、どういった目標数値なんですか、どういう声が届いているんですかといったことに対して、やっぱり自信を持っていえないといったことは事実だったと思います。
 やはり、こういった状況の中で、本当にこの事業を、少なくとも、今疑問に思っている方がとても多いですし、また地方から東京富裕論が出て、再び新たに都税収入を国から簒奪される口実にされてしまったり、都民の理解も本当に得られていないんではないかという思いから、私ははっきり申し上げますが、この事業を途中で撤退することも必要だと。
 今後はやめたらいいと思いますが、都の見解を伺います。

○江村観光部長 都庁舎に投影するプロジェクションマッピングが、インバウンドや国内からの来訪者を数多く誘致できるよう、観光資源としての魅力向上を継続的に行うことは重要でございます。
 このため、都は来年度、そのコンテンツについて充実を図るとともに、新たなものも増やし、繰り返し訪れる観光客や新規の来訪者の確保に結びつけてまいります。
 また、国内外に向け、様々なメディアを効果的に使ったPRの強化を進めてまいります。
 さらに、都庁の周辺や地域の団体のほか、民間とも協力し、観光消費の拡大にも結びつけてまいります。
 これらによる成果を、都庁舎でのプロジェクションマッピングの今後の継続した展開につなげてまいります。

○宮瀬委員 おっしゃっていることは、続けていきますよということなんですけれども、ちゃんとロジカルに、数字をもって、エビデンスをちゃんと出してください。
 経済波及効果をどうやって、じゃあ十八億、もう今日は時間がないのでいいませんでしたけど、どうやって十八億円を出したのか。経済波及効果が十八億円と出るのであれば、どこかで来場者数だって分かっていたんじゃないんですか。来場者目標数がない中で経済波及効果が出るのかも分かりません。
 例えば、東京という家があって、クリスマスではないですけど、その家を外で、電飾をつけてきれいに飾っても、その家の中に住んでいる子供がご飯を食べられなかったり、住まいで困っている人がいたり、困っている人がたくさんいるわけですから、少なくとも、この事業を続けるのであれば、ちゃんと分かるように数字をもってご説明してください。
 以上で質疑を終わります。

○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時六分散会