経済・港湾委員会速記録第十六号

令和五年十二月十五日(金曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長古城まさお君
副委員長大松あきら君
理事中田たかし君
理事ほっち易隆君
理事白石たみお君
竹平ちはる君
星  大輔君
白戸 太朗君
入江のぶこ君
藤田りょうこ君
三宅 正彦君
宮瀬 英治君

欠席委員 一名

出席説明員
産業労働局局長坂本 雅彦君
次長理事兼務松本 明子君
総務部長早川 八十君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長
DX推進担当部長兼務
池野 大介君
企画調整担当部長山本麻里雄君
企画調整担当部長飯野 雄資君
働く女性応援担当部長田代 純子君
商工部長山崎 太朗君
商工施策担当部長小西  拓君
金融部長福田 哲平君
金融支援担当部長原   郁君
産業・エネルギー政策部長阿部 泰之君
産業政策連携促進担当部長米澤 鉄平君
新エネルギー推進担当部長榎園  弘君
観光部長江村 信彦君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長築田真由美君
安全安心・地産地消推進担当部長鈴木のり子君
雇用就業部長内田 知子君
事業推進担当部長新田 智哉君
港湾局局長松川 桂子君
技監片寄 光彦君
総務部長上林山 隆君
企画担当部長DX推進担当部長兼務石井  均君
調整担当部長千田  敏君
港湾経営部長野平雄一郎君
港湾振興担当部長三浦  知君
臨海開発部長松本 達也君
開発調整担当部長島しょ空港技術担当部長兼務福永 太平君
臨海副都心まちづくり推進担当部長大野 克明君
港湾整備部長村田 拓也君
計画調整担当部長山本 康太君
港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務水飼 和典君
離島港湾部長佐藤 賢治君
島しょ・小笠原空港整備担当部長渡邊 正也君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
契約議案の調査
・第二百十号議案 晴海ふ頭客船受入施設(仮称)(五)改築工事請負契約
産業労働局関係
契約議案の調査
・第二百六号議案 都立城南職業能力開発センター大田校(五)改築工事請負契約
付託議案の審査(説明・質疑)
・第二百二十二号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 産業労働局所管分

○古城委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和五年十二月十三日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
経済・港湾委員長 古城まさお殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百六号議案 都立城南職業能力開発センター大田校(五)改築工事請負契約
 第二百十号議案 晴海ふ頭客船受入施設(仮称)(五)改築工事請負契約
2 提出期限 令和五年十二月十五日(金)

○古城委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の契約議案の調査並びに産業労働局関係の付託議案の審査を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第二百十号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 よろしくお願いします。
 それでは、晴海ふ頭に新たに整備される客船受入れ施設についてお伺いをさせていただきます。
 我が会派は、かねてより、世界最大級のクルーズ客船が受入れ可能な客船ターミナルの必要性を主張してまいりました。これを受け、令和二年九月に東京国際クルーズターミナルが開業したところであります。
 しかし、現在の東京国際クルーズターミナルは一バースしかなく、東京港へのクルーズ客船の寄港ニーズに的確に対応していくためには、大型客船が二隻同時に入港できる第二バースが必要であるというふうに思います。
 今回整備される客船受入れ施設は、東京国際クルーズターミナルの第二バースが整備されるまでの間、レインボーブリッジを通過可能なクルーズ客船を受け入れるための暫定的な施設と認識をしております。
 そこで、まずは確認のために質問いたしますけれども、晴海ふ頭において新たな客船受入れ施設を整備する意義について、都の見解をお伺いいたします。

○三浦港湾振興担当部長 高い経済効果が期待できるクルーズ客船をより多く東京港へ誘致することは、東京の観光振興を図る上で対応すべき重要な取組であると認識しております。
 このため、東京国際クルーズターミナルの第二バースを整備するまでの当面の対応といたしまして、晴海客船ターミナルの跡地に客船受入れ施設を整備し、東京港において早期に二バース体制を確保することとしたものでございます。
 晴海ふ頭の新たな客船受入れ施設の完成により、東京国際クルーズターミナルに大型船が寄港しているときにおいてもレインボーブリッジを通過可能な中小型船が安定して寄港できる環境が整備されまして、東京港への寄港ニーズに確実に対応していくことが可能となります。

○ほっち委員 より多くのクルーズ客船を誘致していくため、晴海に新たな客船受入れ施設を整備することにしたとのことであります。これは、現在、再び活況を呈してきているクルーズ市場の需要に少しでも早く対応することにもつながることだというふうに理解ができるものであります。
 さきの事務事業質疑において、東京国際クルーズターミナルが一バースしかないことによるキャンセル待ちも発生しているという答弁もいただきましたが、晴海の新たな客船受入れ施設の整備により、こうしたニーズにも的確に対応していくことが可能となります。
 しかし、晴海ではレインボーブリッジの橋桁の下を通過できるクルーズ船に限られてしまうので、その点についても確認をしたいというふうに思っています。
 直近の実績となる本年と予約状況が見えつつある来年について、入港予約が重なったことにより入港できない事例は、まず何件あり、また、そのうちレインボーブリッジを通過することができるものは何件あるのかお伺いをいたします。

○三浦港湾振興担当部長 初めに、本年一月から本日時点までで、希望する日程が重複したことにより東京国際クルーズターミナルに入港できなかったケースは五十一件でございます。このうち、レインボーブリッジを通過することが可能と考えられるケースは四十三件ございました。
 また、来年の入港予約におきまして、希望日が重複し、キャンセル待ちをしている件数は現時点で五十三件でございまして、このうちレインボーブリッジを通過することが可能と考えられるケースは二十三件でございます。

○ほっち委員 今いただいた答弁からすると、ほかのクルーズ客船との重複により希望する日程に入港できないケースが本年は五十一件、そして、来年は五十三件ということで、約二年間で百件を超えます。また、そのうち六十件以上について−−四十三件と二十三件ですね、六十件以上についてはレインボーブリッジを通過することが可能と考えられるということであります。
 東京港への全ての寄港ニーズに応えられるものではないものの、晴海ふ頭に新たな客船受入れ施設を整備することで、入港できないケースの約六割については対応が可能ということであり、これは重要な取組であるというふうに考えます。
 とはいえ、晴海に新たな客船受入れ施設が整備されたとしても、依然として東京港の方に入港できない残りの四割の客船はレインボーブリッジを通過できない大型客船ということになります。希望日に入港できない大型客船の入港ニーズに対応するためには、我が会派がかねてから主張をしてまいりました東京国際クルーズターミナルの二バース化というのが必要であるというふうに思います。
 東京国際クルーズターミナルの第二バースについては、船舶の大型化、クルーズの大衆化という世界的なクルーズ市場の需要動向に対応していくため、平成二十九年の港湾審議会の審議を経て、東京港第八次改訂港湾計画に位置づけられたものであります。
 その後、コロナ等々で一時的にクルーズ市場の需要は落ち込んだものの、本年三月の国際クルーズの受入れ再開以降、日本にも再び多くの大型クルーズ客船が訪れ始めており、東京港にも大型クルーズ客船の予約が多く入り始めていると聞いています。こうした大型クルーズ客船の入港ニーズに対応していくためには、東京国際クルーズターミナルに第二バースを整備することが不可欠であります。
 最後になりますけれども、都においては、東京国際クルーズターミナルの第二バースの整備を着実に進めていくことを強く皆様にお願いをして、要望をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○白戸委員 今定例会では、晴海ふ頭における新たな客船受入れ施設の建築工事の議案が提出されておりますが、この施設が完成すると、東京クルーズターミナルと合わせて二バースでクルーズ客船を受け入れることが可能となります。その結果、東京港で入港できるクルーズ船が増加し、ひいては乗船客の消費活動による経済効果も期待できると考えます。
 現在、クルーズ市場というのはコロナ禍の前の活況を取り戻しつつありまして、中国における国際クルーズの再開等により、今後、さらなる市場の拡大が見込まれています。
 このような動向に早期に対応していくために晴海ふ頭を活用することは適当であると考えますが、先ほどもありましたけれども、晴海での客船受入れが東京国際クルーズターミナルの整備状況に伴う暫定的な対応であるならば、この東京港のシンボルであり、長年にわたって都民に親しまれてきた旧晴海客船ターミナルをわざわざ解体せず、引き続き活用するという手段もあったのではないかと考えます。
 旧晴海客船ターミナルは独特の建築物で、約三十年間、地域のランドマーク的な存在でした。近隣の方は必ず訪れていましたし、私も近いので、子供が小さかった頃はよく連れて遊びに行っておりました。また、雰囲気や立地も非常に特徴的で、東京中から名所として多くの方が訪れ、昔のカラオケのビデオなんかにもよく登場しているというのが記憶に残るところです。
 そんな愛されてきた旧晴海客船ターミナルを使用するのではなく、新たに客船受入れ施設を整備することにしたのか、都の見解を伺います。

○三浦港湾振興担当部長 旧晴海客船ターミナルにつきましては、先ほど、委員からもお話がありましたとおり、客船施設に加え、レストランや多目的ホールを擁する大規模複合施設でございまして、平成三年五月の開業以降、長きにわたり東京港のランドマークとして親しまれてまいりました。
 しかし、建設から三十年が経過し、施設の老朽化や設備の故障などにより修繕費がかさむとともに、円滑な客船受入れに支障を来すおそれがあったことから、大規模改修の必要があったというところでございます。
 そこで、旧ターミナルを使用し続けた場合と客船受入れ機能に絞った施設を新たに整備した場合につきまして整備費や維持管理費などの比較を行ったところ、新たに客船受入れ施設を整備した方が十年間で約二億八千万円のコスト減となり、トータルコストを抑制できることなどから、新たな客船受入れ施設を整備することとしたものでございます。

○白戸委員 さきにお話ししたとおり、東京港のシンボルで地元に愛されてきた旧客船ターミナルがなくなってしまうのは本当に残念で、私も日々解体されていくのを見ながら複雑な気持ちでもありましたが、トータルコストも適切に比較した上で新たな客船受入れ施設の整備を決めたということですから、この判断は妥当であると評価せざるを得ないと考えます。
 今の答弁を聞く限り、新たな客船ターミナルは旧晴海客船ターミナルとは施設の内容が大きく異なるように思われますけれども、新たな客船受入れ施設は旧晴海客船ターミナルと比べてどのような特徴があるのか具体的に伺います。

○三浦港湾振興担当部長 晴海ふ頭に整備する新たな客船受入れ施設は、中小型のクルーズ客船の受入れを想定したコンパクトな施設とする予定でございます。
 具体的には、検査所や待合場所など、クルーズ客船の乗客が乗下船する際に必要となる機能に絞った、延べ床面積三千二百五十七平方メートルの簡易な平屋建ての施設でございまして、最大一千名の乗船客の利用が可能でございます。
 延べ床面積一万七千三百一平方メートルの旧晴海客船ターミナルと比較いたしますと、約五分の一の規模となっておりまして、清掃費などが抑制されるとともに、太陽光発電設備の設置等により、環境負荷の軽減を図ってまいります。

○白戸委員 旧晴海客船ターミナルと比較してランニングコストがかなり抑えられて環境にも配慮された施設ということが分かりました。また、規模の違い、かなりこれは明確です、五分の一ということでした。
 新しい客船ターミナルは、中小型のクルーズ客船を受け入れる施設として適切なものであると考えますが、今後、晴海ふ頭に多くの中小型のクルーズ客船に入港してもらうためには、現時点から国内外のクルーズ船の運航事業者に、晴海に新たなこういった形の客船受入れ施設が整備されるということを知っていただく、こういうことが非常に大切かと思います。
 そこで、国内外のクルーズ客船運航事業者に対して晴海客船受入れ施設の完成を積極的にアピールし、客船誘致につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。

○三浦港湾振興担当部長 東京港へのさらなるクルーズ客船の誘致に向けまして、晴海の新たな客船受入れ施設の整備とともに、当該施設を国内外のクルーズ客船運航事業者などへ積極的にアピールしていくことが重要と認識しております。
 晴海に新たな客船受入れ施設を整備する予定であることにつきましては、国内外の事業者などへ既に情報提供を行っておりますが、今後は、まず、来年一月に都が主催し、国内外の事業者が多く集う東京クルーズセミナーにおきまして、施設の内容や受入れ対象となる客船の規模など、具体的な説明を行ってまいります。
 その後も海外の展示会への出展や日々の情報交換など、様々な機会を通じまして、開業や客船の予約受付開始時期など、事業者が求める情報につきまして早期に周知を図り、東京港へのクルーズ客船誘致を推進してまいります。

○白戸委員 東京港におけるクルーズ客船受入れ機会の増加に向けて、国内外のクルーズ関係事業者に対して様々な機会を利用して積極的なアピールをぜひ行っていただきたいと思います。
 施設というのは造ることがゴールではなくて、あくまでも皆さんに活用していただいて、社会で役に立ってもらうということがやっぱりゴールだと考えます。いわゆる営業活動といわれることもしっかり取り組んでいくことが大切かと思います。
 また、晴海の客船受入れ施設の整備をきっかけとしてクルーズ客船のさらなる誘致を実現させることで東京の観光振興、そして、ひいては経済成長に貢献できるように取組を進めていただきたいと思います。
 さらに、ターミナルとしての活用ももちろんなんですが、隣接する晴海ふ頭公園と併せまして、臨海部の新しいスポットとして、近隣住民はもちろん、都民から親しまれる施設になるように取り組んでいただくよう要望しまして、私の質問を終わります。

○大松委員 私からも、晴海ふ頭に新たに整備される客船受入れ施設の利用者の利便性について質問いたします。
 さきの事務事業質疑におきまして、我が会派の竹平委員が質問をいたしましたけれども、近年、クルーズ旅行はファミリー層やシニア層の利用が増えるなど、その裾野が広がっております。こうした幅広い世代の方々にクルーズ客船旅行を楽しんでいただく機会をより多く提供できるようにしていくことは、観光振興にも経済活性化にも大きく寄与するものであります。
 今回、晴海ふ頭に新たな客船受入れ施設を整備することで東京港に入港するクルーズ客船が増え、そして、より多くの方々がクルーズ客船を利用していただけるようになることにつながりまして、非常に重要な事業でございます。
 しかしながら、客船受入れ施設が利用者にとって使い勝手の悪いものであれば、利用者の皆様方をがっかりさせてしまいますし、クルーズ客船寄港地としての東京港の評価を下げてしまうことになってしまいますので、使いやすさを実感していただけるようにしていくことが極めて重要であることはいうまでもありません。
 そこで、新たな客船受入れ施設は、利用者の使いやすさという観点でどのような設計がなされているのか伺います。

○三浦港湾振興担当部長 客船受入れ施設を整備するに当たりましては、乗船客が入国審査や税関、検疫など、一連の手続をスムーズに行える施設としていくことが重要でございます。このため、クルーズ客船運航事業者や税関、検疫所など関係者にヒアリングを行いまして、その内容を踏まえ、円滑かつ効率的な乗下船が可能となるよう設計を行います。
 具体的には、施設内は壁などで細かく区分けすることなく大きな空間を設けることで、入港する客船の規模や、乗船時、下船時など、様々な状況に応じて、パーティションなどにより柔軟にレイアウト変更を行い、最適な動線が確保できるようにしております。

○大松委員 利用者目線で施設の整備が行われるということでありますので、よろしくお願いをいたします。その上で、利用者の皆様方がターミナルから観光などの目的地に円滑に移動できるようにすることが寄港地を評価する上で非常に重要な要素になってまいります。
 さきの事務事業質疑で、我が会派の竹平委員が乗船客の目的地への円滑な移動について質問をいたしましたところ、それに対し都は、晴海に整備する客船受入れ施設については、近隣駅へのシャトルバスの運行など、東京国際クルーズターミナルにおける事例を参考に検討を進めると答弁をしております。
 そこで、改めて質問をいたします。新たに整備する晴海の客船受入れ施設においてもシャトルバスの運行を行うべきであると考えますが、都の見解を求めます。

○三浦港湾振興担当部長 クルーズ客船の乗船客の満足度を高めるため、円滑に目的地へ移動できる手段としてシャトルバスを運行していくことは重要であると認識しており、晴海ふ頭における新たな客船受入れ施設についてもシャトルバスの運行を予定しております。
 今後、クルーズ客船運航事業者へのヒアリングなども行い、乗船客の移動ニーズを把握した上でシャトルバスの具体的な運行ルートについて検討を進めてまいります。

○大松委員 晴海の客船受入れ施設を利用する乗船客の皆様方が円滑に目的地に移動できるようにして、クルーズ客船寄港地としての東京港の評価の向上につながるように、シャトルバスの運行などにつきまして積極的な検討を進めていただきたいと思います。
 そして、クルーズ客船で旅行する、より多くの皆様方に東京港を訪れていただけるよう、晴海の客船受入れ施設の整備を着実に進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○白石委員 日本共産党の白石たみおです。
 新晴海ふ頭客船ターミナルの整備に関わって、私も幾つか質問したいというふうに思います。
 今回の契約は、晴海ふ頭に新たに客船ターミナルを約十億円で整備する契約議案です。晴海ふ頭は約七十年前に開業し、その後、東京港の開港五十周年となる一九九一年に晴海客船ターミナルが開設されました。開業当初は国内外の客船が年間百隻を超え寄港するなど、東京の海の玄関口として約三十年間にわたり運用されてきましたが、晴海客船ターミナルは昨年二月に老朽化などを理由として廃止され、解体されるということになりました。
 今、質疑を聞いていましても、皆さんから質問がありました。白戸委員から、残すべきではなかったのかというところがありましたけど、私も同感です。冷静に振り返ってみたいというふうに思うんですね。
 旧晴海ふ頭客船ターミナルの廃止の妥当性について、どういう根拠で廃止されたのか、まず、ここは幾つか確認したいというふうに思います。
 まず基本的なことを伺いたいと思います。旧晴海客船ターミナル施設を解体し、新施設を再整備するとした理由を、まず初めに説明してください。

○三浦港湾振興担当部長 先ほどもちょっとご答弁させていただきましたが、旧晴海客船ターミナルは客船施設に加え、レストランや多目的ホールを擁する大規模施設でございました。建設から三十年が経過いたしまして、施設の老朽化や設備の故障などにより修繕費がかさむとともに円滑な客船受入れに支障を来すおそれがあったことから、大規模改修の必要がございました。
 そこで、旧ターミナルを使用し続けた場合と客船受入れ機能に絞った施設を新たに整備した場合について比較を行いました結果、トータルコストを抑制できることなどから、新たな客船受入れ施設を整備することとしたものでございます。

○白石委員 今ご答弁があったとおり、建設から三十年が経過いたしまして大規模改修が必要なので、旧ターミナルを廃止して新たに客船ターミナルを再整備した方がトータルコストは低く抑えることができるということを確認したんだというご答弁ですね。
 ちょっと答弁の確認をしたいんですけれども、大規模改修に幾らかかると港湾局は見込まれていましたか。

○三浦港湾振興担当部長 大規模改修の修繕費が幾らかかるかということにつきましては精緻な算定はしておりませんけれども、それなりの数十億単位の金額がかかるであろうということは想定していたところでございます。

○白石委員 算定していないということですね。それなりにかかるだろうというのは大体分かりますね、大規模改修ですから。それなりにかかりますよね。ただ、港湾局としては、大規模改修費は算定していないというふうなことですね。確認しました。
 では、旧晴海客船ターミナル施設を解体し、新たな施設にすることを決めたのはいつなのか、また、都民に知らせたのはいつか、それぞれ伺います。

○三浦港湾振興担当部長 旧晴海客船ターミナルを解体し、新たな受入れ施設を整備することを決定したのは令和二年六月でございます。
 その後、令和二年十一月の経済・港湾委員会事務事業質疑など、議会での質疑などを行った上で、令和三年十二月にプレス発表を行っております。

○白石委員 二〇二〇年六月に旧施設の廃止と新施設を再整備することを決定したということです。つまり、廃止と再整備は同時に方針決定したということですね。
 一方、都民などに、公に知らせたのは僅か二か月後に旧ターミナルが閉鎖されるというふうな期間で、二か月前に知らせたということを今確認いたしました。そして、旧ターミナルは閉鎖されて解体されたということですね、時系列から追うと。
 閉鎖することが妥当なのか、再整備するよりも旧ターミナルで運用する道は本当にないのかということなど、やっぱり都民の意見や議論などもせずに旧ターミナルを廃止したということなんですね。だって、二か月前に、閉鎖しますと、そこでプレス発表したわけですから。
 そこで伺いたいと思いますが、既存施設を利用した場合の維持費というのは年間幾らと試算されていますか。

○三浦港湾振興担当部長 試算したところ、年間約三億五千万円と見積もっております。

○白石委員 答弁の確認をしたいと思いますが、三・五億円かかるとした維持費の試算はいつされたものですか。

○三浦港湾振興担当部長 ただいまの数字につきましては、本年十一月に試算したところの数字でございます。

○白石委員 先月行ったということですね。つまり、既存施設の維持費が三・五億円かかるという試算は先月計算した数字であって、廃止の方針決定時に試算されたものじゃないんですね。
 二〇二〇年六月の方針決定当時は、既存施設の維持費というのは二・一億円とされておりました。旧晴海ふ頭客船ターミナルは三十年を経過していましたから、大規模改修工事なども必要となります。その費用についても、先ほどの答弁があったとおり、港湾局は試算しておりません。
 さらに続いて伺いたいと思いますが、晴海新客船ターミナルの暫定利用はいつまでの予定とされていますか。

○三浦港湾振興担当部長 東京国際クルーズターミナルの第二バースが整備されるまでの間、新たな客船受入れ施設を利用するものでございます。

○白石委員 つまり、新ターミナルは、第二バースが整備されるまでの一時的な使用であって、使用する期間について定めはないという答弁となります。
 さらに聞きたいと思います。新客船ターミナルの整備後に客船はどのぐらい寄港すると想定されていますか。シミュレーションなどを行ったのかお答えいただきたいと思います。

○三浦港湾振興担当部長 晴海ふ頭に限定した精緻なシミュレーションは行っておりませんけれども、船会社のニーズやキャンセル待ちが発生している状況を踏まえて整備をすることを判断したものでございます。

○白石委員 新ターミナルの利用は一時的としながら、期間は定めていないと。新ターミナル整備後のクルーズ客船の需要予測、それからシミュレーション、これも全くされていないと。それで判断したということですね。
 次に、再整備費用はどのぐらいかかるのかを明らかにすることが必要だと思うんですね。伺いたいと思います。新施設を整備するに当たり、解体工事費用、施設整備費用、外構費用はそれぞれ幾らと見積もられていますか。

○村田港湾整備部長 解体工事費用は、約六億八千九百万円でございます。
 施設整備費用の建築費につきましては、今回の議案のとおり、約九億九千九百万円でございます。その他、関連設備工事といたしまして、電気設備や空調設備工事などを予定しておりまして、合わせて七億円程度となると見込んでおります。
 このほかに外構整備、太陽光発電設備工事を予定しており、今後行う詳細設計の結果などを踏まえて算出してまいります。

○白石委員 今ご答弁を詳細にいただきました。
 私、調べましたけれども、二〇二〇年度当時の港湾局の試算というのは、延べ床面積約三千八百平米の施設の建設費が−−今回の建設費ですね、七・七億円、外構整備費に約四・三億円かかると試算がされております。
 今の答弁は、解体工事に約七億円、施設整備費は試算した当時より一・三倍高い約十億円となっております。これは近年の資材やエネルギーなどの高騰によるものだというふうに思います。そして、関連工事で七億円という答弁でした。
 外構工事というのは、駐車場とか大型バスの停留所など、施設周りの整備となりますと。その費用は今これからだということで、未算定としております。当時の港湾局の試算では、外構整備費は約四億円というふうに書かれておりましたが、当時はということですね。
 単純に合計をいたしますと、およそ二十八億円の再整備費用となります。ここに毎年かかる維持管理費用が発生しますので、十年間で少なくとも三十億円以上はかかるであろうというふうに思います。
 伺いたいと思うんですけれども、旧客船ターミナルを修繕して継続して使うのと、新たに再整備した場合のトータルコストというのは比較されたのか伺います。

○三浦港湾振興担当部長 旧ターミナルを使用し続けた場合と客船受入れ機能に絞った施設を新たに整備した場合につきまして、整備費や維持管理費など、総コストの比較を行ったところ、新たに客船受入れ施設を整備した方が十年間で約二億八千万円のコスト減となっているということでございます。

○白石委員 答弁の確認なんですが、比較されたのはいつでしょうか。それは、先月に試算した結果に基づいて比較したという理解でよろしいですか。

○三浦港湾振興担当部長 試算を行いましたのは、本年十一月でございます。

○白石委員 試算をして比較したのは先月だったということですね。確認いたしました。あくまで先月に試算した結果であるということなんですね。
 旧ターミナルの廃止と再整備方針を決定時に試算したと、方針決定時にしたわけじゃないんですね。先ほどもいいましたが、方針決定前の既存ターミナルの維持費の試算は二・一億円とされておりました。
 方針の意思決定をする際に具体的な比較検証がされていないことについて令和四年度の包括外部監査で厳しく指摘されているんです、これは。港湾局はね。何といわれているか。
 監査結果を見ると、既存の晴海客船ターミナルを廃止して暫定施設を再整備するに当たり、費用対効果を見極めて再整備の優位性を港湾局は説明しなければならないと外部監査は指摘しています。その上で、港湾局が旧ターミナルと比較した形跡はあるが、それは検討途上で行ったことであり、方針決定である起案文書の根拠としての位置づけではないとはっきりと断定しています。新ターミナルの再整備の優位性を示す根拠は認められなかったと、外部監査の結果では厳しく指摘がされております。
 先ほど、比較した比較したといわれておりましたが、実際、外部監査の結果では方針決定時には具体的な新ターミナル再整備の優位を示す根拠というのは認められないと、なかったんだというふうに指摘がされております。
 監査結果をもう少し読みますと、少なくとも晴海ふ頭のクルーズ船の需要予測、先ほどやっていないと答弁がありました。これや、暫定施設は何年使用するのか、これも期間の定めはないという答弁がありました。こういうシミュレーションが必要だったんだと外部監査では指摘がされております。
 お聞きしたいと思います。外部監査のこの指摘は承知をしていますか。

○三浦港湾振興担当部長 包括外部監査の報告書の指摘内容については認識をしております。今後、適切に対応してまいるようにしたいと思います。

○白石委員 承知しているということですね。
 私は三・五億が怪しい数字だなんていうのは、いっていないんですよ。多分皆さん、その都度、比較計算をしたのであろうと思います。三・五億円の維持費の計算も、現在の物価高騰を加味した、多分数字だなというふうに思います。だから、誤解しないで聞いてほしいんですけど、別に三・五億が怪しいとかいっているわけじゃないです。だけれどもですよ、だからといって、いいものじゃないんです。
 港湾局が議会や都民から問われたときに説明責任を果たすためには、少なくとも方針決定をする際に判断した過程や根拠をしっかり残すということは極めて重要なんです。今、私もこうやって質問しましたけれども、しっかり根拠を持って説明できなければ、説明責任を果たせなくなるんです、後に検証する際にも。それを今回やっていなかったということで、外部監査は厳しく指摘をしているというふうに思います。
 今、受け止めでも、指摘については承知をしているし、今後適切に対応していきたいというご答弁がありました。
 もう一度、ちょっと聞いておきたいんですけど、外部監査が最後に何といっているかということなんですが、港湾局は、今後、このような施設の整備の是非、判断を行う際には必ずトータルコストの比較を行い、その費用対効果を分析した上で意思決定の根拠を明らかにして説明責任を果たすことを検討されたいとしています。
 今後、この指摘を踏まえて適切に対応していくということが答弁されましたけれども、港湾局全体の姿勢は問題であると思うので、重要なことだと思うので、局長にもちょっとお聞きしたいと思うんですが、この外部監査は局長も承知だと思います。しっかりと、この指摘を踏まえて今後対応していくということでよろしいでしょうか。

○三浦港湾振興担当部長 包括外部監査の報告書の指摘内容につきましては、今後、適切に対応してまいりたいと存じます。

○白石委員 私は局長に聞いたので。まあ、うなずいてもらえるということで、いいと思いますけれども、やるということですね。局長は答弁しちゃいけないルールはありませんので、ぜひ答弁を今度してもらいたいと思いますが、局としては外部監査のこの報告についてしっかり受け止めて、今後、そういうふうな対応をちゃんと適切にやっていくんだという答弁でした。それは大事な対応であるし、今後、こういうことが二度とないようにしていただきたいというふうに思います。
 それにしても、三十億円以上もの費用をかける新ターミナル施設が廃止前提というのは非常に疑問なんですね。そもそも新ターミナルの耐用年数というのはどの程度を見込んでいますか。

○村田港湾整備部長 鉄骨造の事務所用建築物における減価償却資産の法定耐用年数は三十八年とされております。

○白石委員 三十八年耐え得る構造で新ターミナルは整備されるということですね。これはあくまでも法定耐用年数となりますから、きちんと維持管理すれば、通常、もっと長く使えるはずなんですね。
 そもそも港湾局は、こういう計画を持っているんです。東京港港湾施設等予防保全基本計画。皆さん、ご存じだと思います。これはどういう計画かと。定期点検を行って、損傷や劣化が進行する前に計画的に補修や補強を行い、既存施設の長寿命化を掲げております。そして、私も見ましたけれども、できるだけ長期間、既存施設を利用して、トータルコストを削減するんだと、こういうふうな計画をお持ちだと思います。
 できるだけ既存施設を使い続けるとしているのに、旧ターミナルは二バース化を前提に廃止され、解体されました。さらに、今回の契約で造ろうとしている新ターミナルは廃止が前提なんですね、使い捨てのように扱うと。港湾局が掲げている計画と、私は矛盾すると思うんですね。十年どころか、耐用年数的には三十八年、きちんと点検を事前に行って修繕もやっていけば、さらに長寿命化できますよという計画だって持っていると。それなのに、二バース化ありきで進めることによって廃止が前提の新施設を造ろうとしていると。自らが掲げた方針、計画と真っ向から矛盾するといいたいと思います。
 今年一年間の大型クルーズ客船の寄港は五回にすぎません。先ほど、どなたかご質問がありましたけれども、来年は年間三十六回に増えるとしています。これまでの実績からしても、多くのクルーズ客船が、停泊時間というのは数時間というのが実態なんですね。晴海ふ頭新客船ターミナルが整備されれば、レインボーブリッジを通れる中小クルーズ客船を新ターミナルで受け入れることができるので、やっぱり二バース目の整備の必要性がますますなくなってきていると思うんですね。
 そこで伺いたいと思います。東京国際クルーズターミナルにおける二バース目の整備費用というのは幾らと試算されていますか。

○村田港湾整備部長 第二バースの事業費につきましては、調査設計などに着手しておらず、算出しておりません。

○白石委員 東京国際クルーズターミナルは、青海に三百億円を費やして整備されました。これが今、一バース目ですね。これをさらに二バースに延長するとしたら、素人目から見たって百億円単位の整備費がかかるであろうと想定されます。
 そもそも、今ご答弁があったように、その費用すら分からないのに二バース化ありきで進めることは、私は許されないと思うんですね。これだけの巨額の税金を使うんですから。
 また、先ほど、外部監査、しっかりと指摘を踏まえて対応していくとあったように、やっぱり根拠もなく、まともな検証もされず、さらに都民の意見も聞かずに二バース化ありきで進めるということは、私は断じて許されないと厳しく指摘しておきたいと思います。
 さらに質問を進めたいと思います。
 東京港港湾計画で晴海ふ頭は既に廃止されていると。計画上はですよ、晴海ふ頭は既に廃止されているとしています。今回の暫定利用は整合性が計画上取れるのかというところを説明願いたいと思います。

○水飼港湾計画担当部長港湾DX推進担当部長兼務 港湾計画は今後の施設整備などを長期的な視点で定めるものであり、晴海の客船ふ頭は、平成二十九年五月の港湾審議会の審議を経まして、第八次改訂港湾計画の軽易な変更において、計画上廃止いたしました。
 これは、晴海ふ頭の客船受入れ機能を将来廃止するというものであり、東京国際クルーズターミナルの第二バースが整備されるまでの間、当面の対応として利用することについて制限するものではございません。

○白石委員 今の答弁はちょっとまどろっこしいので、少し説明しますが、要するに、計画上は廃止すると定めているんだと。しかし、暫定施設ですから、廃止が前提の施設だから、計画上、整合性は取れていますよというふうな、多分ご答弁だったと思います。
 将来廃止するから、港湾計画上、さっさと廃止してしまうというのは、ちょっとやっぱりあまりにも乱暴だというふうに思うんです。
 平成二十九年、二〇一七年五月の第九十二回港湾審議会では、港湾整備部長が東京港港湾計画の軽易な変更について説明をされています。そこでは、晴海ふ頭の変更について次のように説明がされております。
 青海に造られた東京国際クルーズターミナルにクルーズ客船を集約する。晴海ふ頭の旅客船埠頭計画は廃止だと。これに伴い、旅客船ふ頭を物資補給等のための施設として利用転換することにより、既存岸壁の有効活用を図るとご説明をしております。
 この港湾計画というのは局が勝手につくり変えられるわけじゃないんですね。先ほどもいいましたが、港湾審議会の議論を経て、さらに国の認可も受けて改定がされますと。現在の晴海ふ頭新客船ターミナルは、計画上、位置づけられておりませんので、確認もしましたが、この審議会でも議題にもされていない、議論もされていないというのが現状です。
 やっぱり港湾計画というのは、本来、港湾審議会で議論を経て、そこには専門の委員もいますし、議員も、議会側の委員もいます。そういうので議論が積み重なって、どうあれ計画というのはつくられていく、改定されていくと。非常に重いものでもありますし、やっぱり、いろんな意見を踏まえて反映されていくというのが手続上、重要なものだと思います。
 ところが、計画上、既に廃止を晴海ふ頭はされています。ただ、ご答弁のとおり、要するに、暫定施設で廃止を前提にしているから、これまでの利用が違くても、廃止をいずれするんだから整合性は取れているよと。やっぱり、あまりにも乱暴だというふうに思いますし、港湾局自ら、説明と違う利用を審議会も通さずに、将来的には廃止するからいいんだという姿勢は、やっぱり港湾計画自体を、私は形骸化させるやり方であると厳しく指摘したいと思います。
 旧晴海客船ターミナルを解体して、新客船ターミナルの再整備についてちょっと伺いたいんですけれども、晴海フラッグの事業者と協議などしたことがあるのか、また、要望を受けたことがあるのかお聞きしたいと思います。

○三浦港湾振興担当部長 旧晴海客船ターミナルの解体や新たな客船受入れ施設の整備の決定に当たりましては、晴海フラッグの開発事業者との間で協議等を行ったことはなく、同事業者からの要望も受けておりません。

○白石委員 今、最後の質問だったんですけれども、やはり、この新ターミナルは、周辺住民にも少なからず影響があると思うんです。
 晴海ふ頭の廃止や再整備などについて、事業者から問合せがあって、局として情報提供しているということは、事前に私も説明を受けています。協議とかはしたことはないけれども、事業者側から、どうなるんですかと、今後どうするんですかというふうな問合せが東京都の港湾局にあり、それに対して局は情報提供しているということです。
 また、晴海フラッグの住戸の販売では、重要事項に、新ターミナルの整備に関わって騒音発生などが記載をされているということも伺っております。
 私、ここで、ちょっと改めて要望しておきたいと思うんですけれども、工事期間は、大型トラックが多く行き来すると思うんです。
 隣接する晴海ふ頭公園は、私もこの前、晴海ふ頭公園については質疑もいたしましたし、私も実際行きました。親子に本当に人気なんだというふうなことも、私も知っていますし、局の側も説明をしています。親子に人気で小さい子供たちが多く遊んでいる公園が隣接をしているということなんです。
 大型トラックが行き来をすれば交通事故の心配など、当然出てくると思うんです。きちんとした安全対策を取る必要があると改めて伝えておきたいと、要望しておきたいと思います。
 また、では、工事が終わりましたと。そして、新ターミナルが開港すれば、今度は、大型観光バスの往来など、周辺住民への影響も考えられます。
 それだけに、周辺住民への丁寧な説明や不安などの声には寄り添って対応するということが求められるというふうに思うんです。改めて、ちょっと部長にもお聞きしたいと思いますが、やっぱりそういうふうな声についてはきちんと対応されるというふうなことでよろしいでしょうか。

○三浦港湾振興担当部長 新しい客船受入れ施設の整備の工事に当たりましては、安全等に配慮して進めていくということは当然かと思います。

○白石委員 当然だと思いますし、ほかにもいろんな声が出てくると思うので、寄り添った対応をされていくと思うので、ぜひともそこはお願いしたいというふうに思います。改めて、港湾局として丁寧な説明と、出された声にきちんと対応することを求めておきたいと思います。
 そして、新晴海ふ頭客船ターミナルは、暫定施設ではなく恒久施設として使うことを、私は改めて求めたいと思います。そして、東京国際クルーズターミナルの二バース化、この計画は、やはり見直すということを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。

○古城委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百六号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○藤田委員 城南職業能力開発センター大田校について意見を述べたいと思います。
 この大田校は、私の地元大田区にあるセンターで、六十年以上の時がたっていますので改築ということになっています。
 現在、校舎を仮移転して、現在地での建て替え工事となっています。カリキュラムについては、新校舎が完成し、新しく生徒を募集する際に、地元大田区の町工場などから声を聞いて検討するということでした。
 大田区の多くの町工場は、試作品や物を大量生産するための機械の部品などをつくっています。時代とともに消費者が求める製品は小型化や複雑化しており、企業はそれに合った新しい製品をつくろうとしています。そのような状況では、技術的に非常に難しい問題が出てくることも少なくありません。
 大田区の町工場は、そうした要求にも応えられるように努力をして、日本工業の根幹として重要な役割を果たしてきました。その成果が、世界的に見ても高い技術力を育み、中にはオンリーワンと呼ばれる、そこでしかない技術や製品を持った工場も出てきています。
 さらに、ものづくりの現場では、仕事をもらうとき、一社ではできないこともあります。大田区では、仲間回しという他業種の連携で製品をつくってきました。他業種が有機的につながることが重要ですが、鋳物屋やねじ屋などが減ってきたということで、仲間回しがうまく機能できないというお話も伺いました。こうした鋳物などの技術や事業の継承ができるようにするためにも、センターの役割は重要です。
 カリキュラムを検討する際には、ものづくりの技術を継承できることは当然ですが、現在、自社工場を持たないファブレス企業が増えていることも鑑み、現在使用されている新しい技術が身につけられることも重要となってきます。ファブレス企業が求める水準の製品を作製できるようにすること、新しい機械や技術についても学べるようにすることを求めていきたいと思います。
 また、ものづくりの未来のために、工科高校との連携を強め、工科高校の卒業生が入学してくるような啓発や環境整備も重要だと思います。
 ものづくりの技術継承や雇用の安定、地域経済への寄与など、職業能力開発センターの持つ役割は極めて重要です。ぜひ、地元や学生さんなどの声をしっかりと聞いて、よりよい環境で職業訓練ができるよう求めて、意見といたします。

○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○古城委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百二十二号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分を議題といたします。
 本案について理事者の説明を求めます。

○坂本産業労働局長 令和五年第四回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の令和五年度補正予算案一件につきましてご説明申し上げます。
 都はこれまでも、原材料価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けている事業者などに対し、機動的に対策を講じてまいりました。
 厳しい社会経済状況が続く中、これまで講じてきた対策に加えて、都民、事業者へのさらなる支援を速やかに進めることが必要でございます。
 このため、今回の補正予算案では、国の臨時交付金を活用して、都民生活を下支えし消費を喚起するための新たな取組やエネルギー価格高騰等への対策に必要な予算及びその繰越明許費を計上しております。
 以上で第四回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、案件の詳細につきましては、総務部長からご説明をさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早川総務部長 令和五年度一般会計の補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和五年度一般会計補正予算説明書をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
 今回、歳出の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり、四十六億七千五百六万四千円でございます。
 次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。
 三ページをお開きください。中段の3、国庫支出金の補正予算額は四十六億七千五百六万四千円でございます。これは、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
 六ページをお開きください。歳出の説明でございます。
 1、産業・エネルギー対策の補正予算額はマイナス五十三億五千六百七十二万六千円でございます。
 これは、ページ右側説明欄にございます1、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業について、中小企業者の負担軽減に向けた緊急対策といたしまして、国の臨時交付金を活用し、支援金を支給するものでございます。
 なお、本事業は支援期間を延長するとともに、これまでの実績を踏まえて、予算に不用額が生じることから、減額の補正を行うものでございます。
 次に、2、産業政策の立案の補正予算額は百億三千百七十九万円でございます。
 ページ右側説明欄の1、暮らし向き向上緊急サポート事業(経済活性化支援)は、都民生活を下支えするとともに、消費を喚起し経済を活性化するための緊急対策として、国の臨時交付金を活用し、都内店舗において、商品購入やサービス利用等の支払いをQRコード決済で行った利用者に対し、ポイントを還元するキャンペーンを実施するものでございます。
 次に、繰越明許費でございます。
 九ページをお開きください。年内に事業が完了しないことが予想されるものについて、1、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業で十五億三千三百八万六千円、2、暮らし向き向上緊急サポート事業(経済活性化支援)で百億三千百七十九万円、合わせて百十五億六千四百八十七万六千円を計上してございます。
 以上で令和五年度一般会計補正予算案に関する説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○古城委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 よろしくお願いします。
 それでは、まず初めに、暮らし向き向上緊急サポート事業の取組内容等々についてお伺いをいたします。
 物価高騰の影響は長期化をしており、都民や事業者を取り巻く環境というのは厳しい状況が続いていることから、我が会派では、国の重点支援地方交付金を活用し、都民や事業者の実情を踏まえた支援を行うよう、都に求めてまいりました。
 こうした中、国の交付金を活用した、QRコード決済によるポイント還元を行う事業が補正予算に計上されることとなったことは評価をしたいというふうに思っております。こうした取組は、物価高騰に苦しむ都民への支援だけではなく、事業者の経営の活性化にもつながることが期待をされます。
 そこで、まず、今回のこの事業の狙いと取組の内容、規模についてお伺いをいたします。

○山本企画調整担当部長 原材料価格の高騰などにより、日用品の価格の上昇が続いていること等を踏まえ、国の交付金を活用して、都民生活を下支えするとともに、消費を喚起し経済を活性化する支援を行うことといたしました。
 具体的には、民間のQRコード決済の仕組みを活用し、都内の店舗で商品購入などを行った利用者に対しまして、支払い額の一〇%、一人当たり三千円相当までポイントを還元いたします。
 ポイント還元に要する経費は九十一億円といたしまして、物価高騰に伴う家計への負担を軽減するとともに、消費の喚起による事業者の収益の向上にも結びつけてまいります。
 速やかに支援を行うため、QRコード決済の仕組みを活用することといたしまして、来年三月に実施をいたします。

○ほっち委員 経済を回すという部分では、いい取組だというふうに私自身は思っております。
 また、この事業の対象店舗についてお伺いをいたしますけれども、QRコード決済によるポイント還元により、都民生活を支援するとともに、事業者の収益向上にも結びつけていくと、今、答弁いただきましたけれども、今回の取組は、その趣旨からすると、都が先日まで実施をしていた食べて応援!海の幸キャンペーンと比べて、幅広い店舗が対象となるというふうに想定されます。
 事業者が今回の取組を認知し、自分のお店が対象となり得るということを知っていただくことが、まず重要だというふうに考えます。
 そこで、今回の取組に参加する店舗についてどのように選定するのか、また、店舗への周知方法と併せてお伺いをいたします。

○山本企画調整担当部長 食べて応援!海の幸キャンペーンにつきましては、水産物の消費喚起に向け、事業の対象とした都内のすし店や鮮魚店からの申請を受け、参加店を決定いたしました。
 今回の取組は、地域で暮らしを支える様々な店舗で利用できるよう、都内の小売店や飲食店、サービス事業者などでQRコード決済を導入している場合、事業者からの申請を受けることなく、参加店舗といたします。
 参加となる店舗に対しましては、QRコード決済事業者と連携をして、この支援の趣旨や内容、実施時期等を丁寧に周知いたします。

○ほっち委員 周知徹底をよろしくお願いをいたします。
 また、今の答弁で、どのような店舗が参加するということは分かりましたけれども、この取組は、消費の喚起とお店の売上げの増加にもつながることから、まだQRコードなどのキャッシュレス決済を活用していない事業者でも、これを契機に導入をしてみようと思う方も出てくるというふうに想定をされています。
 私の地元とか歩いていると、おじいさん、おばあさんで営んでいる商店とかというのもありまして、なかなか、こういうの難しいよと、やっぱり声があります。しっかりとそういう声に応えていただきたいなということもありまして、そこで、地域の店舗など、どこに相談していいのというのが多分あると思います。
 ですので、そういうのが多い実情なので、そこでお伺いいたしますけれども、QRコードなどキャッシュレス決済の導入を検討する事業者のサポートをどのように行うのか、取組をお伺いいたします。

○山本企画調整担当部長 今回の支援へ参加することは、QRコードによるキャッシュレス決済を広げることにつながり、また、事業者の生産性の向上にも結びつく取組でございます。
 このため、都は、事業者の身近な相談先である商工会議所や商工会のほか、中小企業振興公社と連携いたしまして、キャッシュレス決済の導入が経営面でもたらす効果や課題など、事業者からの様々な相談に適切に対応できるよう取り組んでまいります。
 また、この支援に合わせて導入を目指す店舗に対しましては、今後設置をいたします専用のコールセンターにおきまして、決済事業者と連携しながら丁寧な案内を行ってまいります。

○ほっち委員 さらに、今回の取組は、多くの都民の皆さんに円滑に利用していただくことで、より効果が高まるというふうに考えます。
 また、一方で、お年寄りなど、今までキャッシュレス決済に不慣れな方ですとか、また、使っていなかった、利用していなかったという方もいらっしゃいます。
 今回の支援をきっかけにQRコード決済の利用を始めたいと考える方に対し、丁寧に案内を行う必要があると考えますが、取組をお伺いいたします。

○山本企画調整担当部長 多くの方々がこの支援を活用できるよう、QRコード決済を使い慣れていない方に対しましてもきめ細かくサポートしていくことが重要でございます。
 実施に当たりましては、今回立ち上げますコールセンターが利用者からの様々な問合せにも対応する予定であり、決済事業者とも連携しながら、QRコード決済の加入や利用の方法など、丁寧に案内を行ってまいります。

○ほっち委員 都民全員がしっかりと恩恵を受けられるように、そしてまた経済が回るように、これからも頑張って取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 次に、こちらの特別高圧電力、また工業用LPガスを使用する中小企業への支援についてお伺いをさせていただきます。(資料を示す)先日、都議会自民党では、小池都知事に対して緊急要望を行いました。その中で、特別高圧電力を受電する中小事業者や工業用LPガスの利用者に対する負担軽減策の実施を求めてまいりました。
 こうした中、国による重点支援地方交付金の補正予算成立を受け、これを財源として、都が迅速に、これらの事業者に対する支援を継続することとした点を評価したいというふうに思っております。
 また、第二回定例会の本委員会で、我が会派は、東京の特性を踏まえて、特別高圧電力を利用する施設に入居する数多くのテナントへの支援が重要であるというふうに述べさせていただきました。
 テナントも含めた、現在までの支援金の利用状況と、それを今回の補正予算にどのように反映させているのかお伺いをいたします。

○米澤産業政策連携促進担当部長 都は、エネルギー価格高騰等への対策といたしまして、特別高圧電力や工業用LPガスを使用する中小企業のコスト負担を軽減するため、国の臨時交付金を活用し、事業者からの申請に基づき、支援金の給付を行ってございます。
 八月の申請受付開始以降、十二月十一日時点現在で、特別高圧電力は、直接受電施設百五十五事業所、テナント五千三百六十七事業所から申請があり、そのうち交付決定は合計で三千二百三十一事業所となっております。また、工業用LPガスは、百四事業所の申請があり、そのうち交付決定は四十九事業所となっております。申請期間は十二月二十五日までとなっており、現在も受付を継続しているところでございます。
 こうした利用の実績を含めまして、これからの支援における対象規模を適切に見込み、補正予算に反映してございます。

○ほっち委員 これまでの実績を踏まえて規模を精査しているということは分かりました。
 また、一方で、今回提案している取組では、十月以降の年度後半を支援期間としていますけれども、限られた期間の中で、中小企業からの申請を受けて、そして審査をし給付をするまで、給付を完了するためには一定の期間が必要であるというふうに思います。
 こうした状況を踏まえて、中小企業からの申請をできるだけ受け止められるよう、柔軟な対応をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○米澤産業政策連携促進担当部長 今回追加して行う取組につきまして、対象となる中小企業が必要な支援を確実に受けられるようにすることが重要でございます。
 このため、これからの取組につきましては、受付期間やそれに関わる審査の時間を十分に確保した上で、支援金を支給することができるよう、計上する予算につきましては明許繰越を行いまして、事業者の支援を適切に行うこととしております。
 これによりまして、中小企業への支援を確実に進めてまいります。

○ほっち委員 最後になりますけれども、今、お答えをいただいたとおり、事業の周知を丁寧に行うとともに、中小企業が申請の機会を失うことのないよう取り組んでいただくことを強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○白戸委員 よろしくお願いします。
 昨今のこの物価の高騰が都民の暮らしに大きな影響を及ぼしていることは、私自身、実感するのはもちろんですが、地元においても住民の方々から、日々の節約に努めているだとか、買物でもできる限りお手頃なものを選んでいるなど、切実な声を聞くことで実感を強めているところでございます。この状況を踏まえまして、都民ファーストの会が提案した、都民の暮らしの下支えと消費喚起による事業者への支援のための新たな取組が、今回の補正予算に計上されたことを高く評価したいと思います。
 こうした施策は、多くの都民が速やかに、かつ手軽に活用できてこそ、生きた支援となります。いわゆるスピード感というのが大切で、手続や交付が迅速に行われなければなりません。
 今回は、このQRコード決済の仕組みを活用し、ポイントを還元するということであります。既存のシステムを利用することによって速やかな対応が可能になるのではないかと期待するところでございます。QRコード決済は、財布を出さずとも、手元のスマートフォンで簡単に速やかに支払いができるサービスとして、既に一般的な支払い手段として多くの方に普及しているなと私自身は感じておりますが、そもそもこれが低ければ、なかなかこれは現実的ともいえません。
 そこで、まず全国レベルで、このQRコードの手前、まずスマートフォンがどのぐらい普及しているのか、そして、このQRコード決済はどのぐらいの方が利用されているのか、状況について伺います。

○山本企画調整担当部長 本年七月の民間の調査機関の調べによりますと、全国では、十八歳から六十九歳までの方のうち、約九二%がスマートフォンを所有しております。
 そのうちの約七〇%がQRコード決済を利用しているとの状況でございまして、既に多くの方の間に普及をしていると考えております。
 また、今回の支援をきっかけといたしまして、現在は利用していらっしゃらない方にも、QRコードによるキャッシュレス決済を活用いただくことで、デジタル化の後押しをしてまいります。

○白戸委員 結構、数字を聞くと、思ったより高いなという感じもします。既に広くQRコード決済が普及しており、今回の支援を多くの都民が利用できる状況にあるということ、よく分かりました。
 一方で、まだQRコードを使ったことがないという方にも、都がこうした事業を展開することで利用を始めるきっかけにしていただくなど、デジタル化を進める上でも大変有意義な取組であると思います。
 次に、この対象となる店舗について伺います。
 ふだんの生活で手に取る生活必需品などの値段が上がっている中で、日常の買物の際に安心して商品を購入でき、今回の支援の効果を実感できるようにしていく必要があると考えます。
 そのためには、都民の利便性なども考慮し、スーパーやコンビニなども含めまして多くの店舗で利用できるようにすべきと考えますが、対象店舗の設定の考え方についてお伺いします。

○山本企画調整担当部長 今回の支援は、物価高騰の影響を受ける都民の暮らし向きの向上のため、日々の買物の実情やニーズに応じて、日用品の購入や生活関連サービスの利用などの際、幅広い店舗で活用でき、ポイントの還元を受けられるようにいたします。
 そのため、都民の身近にある店舗について、スーパーマーケットやコンビニエンスストアも含め、様々な業種や規模の企業を対象とすることといたします。

○白戸委員 ありがとうございます。対象店舗について、かなり都民の身近な様々なところで便利に利用できるように考慮されていることが分かりました。これは非常に大切だと考えます。
 多くの店が対象となり、ちょっとした買物で訪れるコンビニや、品ぞろえが豊富な総合スーパーなどで広く利用できることは、まさに日々の暮らしへの現実的な支援策といえますし、デジタルの普及の意味でも、デジタルの意味が生活の中で実感できる施策にもなるのではないかなというふうに考えます。
 次に、今回の取組を進めていく上で大切なことは、多くの方に利用していただいて、効果が行き渡るようにするということもあります。この施策を活用する際に、対象となるQRコード決済の事業者をどのように設定していくのかということも非常に重要だと思います。
 そこで、今回の取組について、多くの都民が幅広い店舗で利用できるよう、QR決済サービスの選択肢を増やすなど、工夫を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○山本企画調整担当部長 今回の支援で活用いたしますQRコード決済サービスにより、多くの都民が活用できる店舗の数を十分に確保するということが必要でございます。
 このため、複数の決済事業者を活用することを通じ、参加の店舗を増やし、利用者の利便性の向上につなげてまいります。

○白戸委員 広く普及している複数のQR決済サービスを活用するということが分かりました。利用者の中には、家計を管理しやすいように、一つのQR決済アプリに支払いを集約しているというような方もいらっしゃると思います。利用できる決済サービスの選択肢が増えるということは、多くの方にこの支援をご活用いただき、広く効果が行き届くことになると思います。
 この物価高騰が続く中で、支援をいち早く届けるというのが、大変、今回は重要であると思います。今回は既に普及している民間のQRコード決済の仕組みを活用することでスピーディーにスタートできて、そして、さらに手続に関するコストも軽減できるのは大きなメリットであると考えます。
 また、こうしたきっかけがあることで、やっぱり私も使ってみよう、自分も利用してみようというような方が増えて、東京のデジタル化が一層推進されるものと考えます。ぜひ、しっかりと取組を進め、大きな効果につなげていただきたいと思います。
 続きまして、特別高圧電力、工業用LPガスを使用する中小企業への支援について伺います。
 先月、都民ファーストの会では、物価高騰に対応するために、特別高圧電力や工業用LPガスを利用する中小企業への支援策を講じることを求めました。
 今回の補正予算で都が、現在の九月分までの対象を実施している支援の期間を年度末まで六か月延長することにしたことを評価したいと思います。
 そこで、まず、今回の予算案について、この支援金額の考え方はどのようになっているのか伺います。

○米澤産業政策連携促進担当部長 特別高圧電力や工業用LPガスを使用する中小企業への支援につきましては、電力会社やガス販売事業者、施設オーナーやテナント等へのヒアリングなどを踏まえまして、中小企業のコスト面の負担感を和らげるため、適正な水準で一定の金額を定めて速やかな給付を進めているところでございまして、今回も同様の支援といたします。
 具体的には、特別高圧電力を直接受電している中小企業に対しましては、一施設当たり五百万円、また、特別高圧電力を充電する大規模施設にテナントとして入居する中小企業に対しましては、一事業所当たり十万円を給付するとともに、工業用LPガスを使用する中小企業に対しましては、一事業所当たり十万円の給付を行います。
 これにより、中小企業のエネルギーコストの抑制を図り、その経営を後押ししてまいります。

○白戸委員 十月以降についても同水準の定額による支援を行うということで、速やかに中小企業の負担軽減を図る考え方については理解しました。
 一方、こうした支援については、申請手続に負担感を感じる企業も少なくないことから、中小企業がスムーズに申込みができるように申請手続を簡素化することも大切だと考えます。
 六月の第二定例会の本委員会で、我が会派の本橋都議から、支援を必要としている中小企業に確実かつ速やかに支援を行うために、申請手続をできる限り簡素化し、中小企業の負担を軽減することを求めてきました。
 申請の手続における負担を最小限にするためにどのような取組を行っていくのか、また、対象期間の延長に当たり、さらなる工夫ができるのではないかと考えますが、いかがですか。

○米澤産業政策連携促進担当部長 支援金の申請手続におきましては、適正な審査を行うとともに、申請者に過度な負担をかけることのないよう簡便な仕組みを構築することが重要でございます。
 本事業におきましては、定額での給付とすることで、電気やガスの使用量についての実績報告を不要としてございます。また、特別高圧電力の受電施設に入居していることを証明する書類につきまして、施設オーナーが所定の様式にチェックする簡易な方法を採用するとともに、工業用LPガスを使用している証明につきましても、販売事業者のチェックで済む方法としてございます。
 また、申請受付要項で、必要書類や記入例を分かりやすく記載するとともに、ホームページにおきまして、申請方法を動画で説明しております。さらに、コールセンターを設置して、様々な問合せやご意見を受け付けるなど、中小企業の申請手続に係る負担を軽減し、円滑な申請につなげてございます。
 支給の対象期間を延長する次回の支援金につきましては、これまでの申請情報で確認できる事項につきまして提出書類の省略を可能とするなど、さらなる工夫により申請の効率化を図ってまいります。

○白戸委員 私も、この申請受付要項ですか、確認させていただきましたが、適正な審査を行う、これも必要なんですが、できる限り簡単な仕組みにして、申請の手間を減らす努力をしているということはよく分かりました。
 引き続き、本事業が支援を必要とする事業者にしっかりと活用され、物価高に苦しむ事業者を確実にサポートできるよう要望し、私の質問を終わります。

○竹平委員 よろしくお願いいたします。
 初めに、暮らし向き向上緊急サポート事業(経済活性化支援)についてお伺いをいたします。
 エネルギー価格や物価の高騰が長引き、都民生活や都内事業者の経営への影響が続く中、今回、暮らし向き向上緊急サポート事業が補正予算として盛り込まれ、百億円が計上をされております。ぜひ、この予算を有効に活用して効果的な支援としていくべきと考えます。
 そこで、まず、今回の支援の規模や実施に要する経費の考え方についてお伺いいたします。

○山本企画調整担当部長 今回の消費の喚起等につながる支援の規模につきましては、東京で暮らす方の消費の実情に適切に対応できるよう、消費に関する季節的な要因や東京の人口の大きさなどを踏まえた水準を設定してございます。
 このため、年間当初の一月から四月までの全国のQRコードによる平均の決済額である約九千百億円について、東京の人口が全国に占める割合である約一割に相当する九百十億円を一〇%のポイントで還元する考え方としております。
 また、この事業の実施に当たりまして、利用者等に対する案内を行いますコールセンターの設置や事業の周知に必要となる経費を適切に計上し、九億円としてございます。

○竹平委員 予算の考え方についてはよく分かりました。その上で、この取組の効果を十分に発揮していくためには、都民が利用したいと思ったときにQRコード決済を使える店舗が身近にたくさんあることが重要であると考えます。
 都は、今回の取組について幅広い業種を対象にするとのことですが、そのうちの主要な業種について、QRコード決済の導入がどのくらい進んでいるのかをお伺いいたします。

○山本企画調整担当部長 今回の取組につきまして、業種などを限定せず、都内の小売店や飲食店、サービス事業者などを主な対象店舗としております。
 国の調査によりますと、中小事業者のQRコード決済の導入状況のうち、日常の買物で使う主要な業種につきまして、食品小売店では六二・五%、飲食店では六八・四%、その他サービス業では四六・〇%が導入済みとなっております。こうしたことから多くの店舗で普及が進んでいるものと考えてございます。

○竹平委員 QRコード決済の導入が進んでいる状況は分かりました。ただ、一方で、まだ導入できていない店舗があるのも事実であります。キャッシュレス決済の導入経費への不安や売上金に関する入金の時期などを理由に、二の足を踏んでいる店舗も多いというふうに思います。
 こうした店舗が今回のキャンペーンを契機にデジタル化を進めることができるよう、しっかりと後押しすることが必要だと考えます。
 これからQRコード決済を導入しようと考える際に、多くの人が持つ疑問点や不安の解消につながるような情報を提供する仕組みも必要と考えますが、見解を伺います。

○山本企画調整担当部長 今回の支援に合わせて、QRコード決済の導入を目指す店舗に対しまして、今後設置するコールセンターにおきまして、決済事業者と連携しながら丁寧な案内を行ってまいります。
 また、この事業の専用のウェブサイトを開設し、導入に当たり生じる負担の有無など、数多くの方からの問合せが想定される質問に対する分かりやすい解説や、今回の取組に関わる対象の決済事業者の仕組みに加入する際の連絡窓口を一覧形式で掲載するなど、きめ細かな情報提供を行います。
 これらの取組について、効果的に案内を行うことができますよう、コールセンターやウェブサイトに関して、SNSなどを通じて幅広く紹介してまいります。

○竹平委員 QRコード決済を導入していない事業者へのサポート体制も準備していることが分かりました。三月の事業に間に合うよう、しっかりと進めていただきたいと思います。
 さて、さきの都議会公明党の代表質問でも申し上げましたが、今回の取組は、多くの都民や店舗に情報が届き、積極的に活用いただけるようにすることで、より効果が高まると考えます。
 そこで、利用者や店舗にしっかり支援が伝わるよう、効果的な広報を展開すべきと考えますが、取組をお伺いいたします。

○山本企画調整担当部長 今回の取組を多くの都民に知っていただけるよう、専用のウェブサイトによりまして、支援の概要や対象となる店舗の情報などの周知を行います。また、ウェブサイトの認知度の向上に向け、SNS等を活用した情報発信を実施いたします。
 また、参加店舗に対しましては、QRコード決済事業者と連携をして、この支援の趣旨や内容、実施時期等を丁寧に周知をいたします。
 さらに、地域の多くの方に利用していただけるよう、ふだんから訪れる店舗などで店先でのポスターの掲示によるPRのほか、決済事業者のアプリを通じて都民にプッシュ型でお知らせをするなど、認知度を一層高め、利用を促進してまいります。

○竹平委員 今回のようなQRコード決済の仕組みを活用したポイント還元のキャンペーンは、その利便性や効果の高さから、地域の消費を喚起するなどの目的で、都内の様々な自治体などでも数多く実施をされております。こうした取組が、今回の都の支援と同時期に開催されている場合、それぞれの支援を同時に受けられることで一層大きな相乗効果が生まれることが期待をされます。
 そこで、今回の都の支援は、都内の自治体が行う同様の支援との併用を可能とすべきと考えますが、見解を伺います。

○山本企画調整担当部長 今回の取組を様々な自治体の支援策と組み合わせて、効果がより高いものとなるよう工夫を図ることは重要でございます。
 都内の自治体が同じ時期に、都と同様のQRコード決済によるポイント還元の支援を行う場合、それぞれのポイントを合算する利用も可能な仕組みといたします。
 これにより、利用者の一層の活用を促進し、都民生活の下支えと消費の喚起による経済の活性化に結びつけてまいります。

○竹平委員 今回の支援は、同時期に都内の自治体が都と同様のポイント還元の取組を行う場合、それぞれのポイントを合算する利用も可能な仕組みとするとのことですので、各自治体とも連携をして、より効果的な事業となるよう取り組んでいただきたいと思います。
 今回の事業は、スマホのアプリで利用する事業ですが、スマホを持っていても利用したことがない人や、そもそもスマホをお持ちでない方もいらっしゃいます。そういった方へのサポートも必要ではないかと思います。
 私の地元の江戸川区では、デジタルデバイス解消の目的で、スマホをお持ちでない世帯にスマホ購入費用の助成や、また、スマホ教室なども積極的に行われておりますが、同様に取り組んでいる区市町村や団体等も多くあると思います。このような自治体などとも協力し、本事業の周知に努めていただきたいと思います。
 多くの都民、事業者がこの事業を利用していただけるよう、積極的な情報発信と丁寧なサポートがなされることを要望いたします。
 次に、中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業についてお伺いいたします。
 現在、電気、ガス料金など、エネルギー価格の高騰により、中小零細企業の経営は深刻な影響を受け続けており、都議会公明党にも悲痛な声が多く届いております。
 都は、都議会公明党の要望を受け、国の支援の対象となっていなかった特別高圧電力と工業用LPガスを使用する事業者に、現在、支援金を給付していますが、先日の事務事業質疑において、私から、これまでの取組状況について質問を行うとともに、都としてもスピード感を持った切れ目ない支援の継続を要望したところであります。今回、国の総合経済対策による補正予算の成立後、都が速やかに支援を延長する補正予算案を本定例会に提出したことは評価します。
 一方で、今回の補正予算案においては、本事業の実施規模は十六億円となっており、六月の第二回定例会の補正予算で計上した必要額と比べて大きく減少をしております。
 今回の取組でも、前回同様、六か月間を対象に支援を行うとのことですが、事業に要する金額に違いが出ております。この違いの理由についてお伺いをいたします。

○米澤産業政策連携促進担当部長 都では現在、エネルギー価格高騰等への対策といたしまして、中小企業の特別高圧電力や工業用LPガスの使用コストを減らすため支援を行っております。
 この支援に当たりましては、特別高圧電力を受電する施設にテナントとして入居する中小企業や、工業用LPガスを使用する中小企業の数を把握できる資料はなく、関連する国のデータ、電力会社やガス販売事業者、施設オーナーやテナント等へのヒアリングなどを踏まえまして規模を推計するとともに、支援金額につきましては、負担感を減らすことができる一定の水準を設定いたしました。
 十月からの半年間につきましては、これまでの支援を通じて明らかとなった利用実績を踏まえて適正規模で行うこととしたため減額を行いました。
 これに関し、都内で特別高圧電力を受電している施設にテナントとして入居している中小企業の数につきまして、前回は約七万事業所が対象となると推計しており、今回は約一万事業所としております。また、工業用LPガスを使用する中小事業所の数につきましては、前回は約一千六百事業所を対象と推計しており、今回は約百五十事業所としております。
 前回推計した規模と実績の差により生ずる減額分は、地方創生臨時交付金を充当できる他の事業の財源に充てまして有効に活用することとなってございます。

○竹平委員 様々な関係先にヒアリングを重ね、当初の推計を行ったことは分かりました。
 先日、局に最新の実績を確認したところ、先ほども答弁が、他の委員からの質問でありましたけれども、十二月十一日現在で、特別高圧電力は、直接受電施設百五十五事業所、テナントは五千三百六十七事業所から申請があり、交付決定は合計で三千二百三十一事業所とのことでございました。また、工業用LPガスは、百四事業所の申請、交付決定は四十九事業所とのことでございました。
 さきの事務事業質疑で確認したときよりも着実に増えているところではありますが、今のご説明で、実態に即して今回の予算が計上されていることも分かりました。
 ただ、私が危惧するのは、全ての対象者に行き渡っているのかということであります。特に、今回の支援金の対象者であるにもかかわらず、それを知らなかったために手続ができなかったというケースがなかったかについては、しっかりと確認する必要があります。
 そこで、知らなかったために申請できない事業者が出ないようどう取り組んだのか、また、延長する支援金においてはどのように取り組むのかについてお伺いいたします。

○米澤産業政策連携促進担当部長 都では、都内で特別高圧電力を販売する全ての小売電気事業者を通じて、施設オーナーにテナントへの周知の協力を依頼するとともに、オフィスビルや商業施設などが参加する業界団体や商工会等を通じて、会員企業等への事業周知を行いました。また、区市町村を通じた事業周知、ウェブサイトやSNS、電車の車内ビジョンを活用した情報発信を実施いたしました。
 このような周知に加えまして、本事業におきましては、審査の過程で特別高圧電力を受電していることが判明した施設につきまして、申請のあったテナント以外の入居テナントに対しましても、訪問や電話を通じて事業の案内を直接行うなど、利用の働きかけを行いました。
 また、工業用LPガスについては、販売事業者に協力を依頼し、販売先の中小事業者に対する周知を行ってございます。
 今回延長する支援金におきましては、これまでの取組に加え、支援金を給付した事業者に対して再度案内することで確実な申請につなげてまいります。

○竹平委員 ただいまのご説明で、電力会社や業界団体などを通じた間接的な周知にとどまらず、テナントに対する訪問や架電など、直接的アプローチも含むきめ細やかな周知も実施したことが分かりました。
 この支援金がテナントに行き渡るためには、施設オーナーの協力が欠かせません。延長する支援金についても、引き続き丁寧な周知を心がけた上で、事業者の支援に着実につなげていただくことを強く要望し、質問を終わります。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。
 補正予算について質問します。
 食料品や光熱費など、生きていくのにも必要なものが軒並み値上がりされています。年に一回の家族旅行をやめたとか、チラシを見比べて一円でも安いお店で買物をするようにしているなど、厳しい家計の中で何とか出費を切り詰めて生活しているというのが、今の都民の現状です。
 先日もご紹介しましたが、大田区の町工場では、電気代が価格転嫁できないために、部品一個で百五十円の赤字になるということで、つくればつくるほど赤字になるというお話も伺いました。多くの都民や中小業者が物価高騰などの影響で苦しんでいます。一方で、一部の大企業や富裕層は、コロナの時期や物価高騰の中でも空前の利益を上げて、格差が大きく広がっています。
 東京都も同様に、法人二税をはじめ、税収はバブル期を超えて史上最高水準が続いています。こうした都税収入を都民の暮らしや中小業者の営業支援にこそ使っていくことが求められていると思います。なので、広がった格差を是正していくということが自治体の本来の役割だと思いますので、そういう立場で質問していきたいと思います。
 初めに、今回の補正予算の考え方について伺います。

○山本企画調整担当部長 厳しい社会経済情勢が続く中、都民生活を下支えし、消費を喚起するための新たな取組やエネルギー価格高騰等への対策を行うことといたしました。

○藤田委員 都民生活の下支えと、消費の喚起と、エネルギー価格高騰等への支援と、どれも重要だと思います。厳しい社会経済情勢の中では、支援を必要とする対象も規模もかなり広範囲になると思われますが、今回の補正予算がそうした実態に見合ったものなのかどうかが問われてくると思います。
 まず、特別高圧電力や工業用LPガスを利用する中小業者の負担軽減に向けた緊急対策について伺います。
 この事業は、国が行う電気料金の値引きの対象となっていない中小企業に対する電気料金への支援ということで、二千キロワットアワー以上の特別高圧電力や工業用LPガスを利用する中小業者が対象ということになっています。この緊急対策は、六月の補正予算で初めて組んだものと同じスキームとなっていますが、しかし、六月は八十五億円であったのに対し、今回の予算案は十六億円となっています。
 なぜ減ったのですか。積算根拠と実績について伺います。

○米澤産業政策連携促進担当部長 現在実施している支援に当たりましては、国のデータに加え、電力会社やガス販売事業者、施設オーナーやテナント等へのヒアリングなどを踏まえ、規模を推計するとともに、支援金額につきましては、負担感を減らすことができる一定の水準を設定しております。
 十二月十一日現在で、特別高圧電力は、直接受電施設百五十五事業所、テナント五千三百六十七事業所から申請があり、そのうち交付決定は合計で三千二百三十一事業所となっております。また、工業用LPガスは、百四事業所の申請があり、そのうち交付決定は四十九事業所となってございます。
 十月からの半年間につきましては、これまでの支援を通じて明らかとなった利用実績を踏まえて適正規模で行うこととしたため減額を行ってございます。

○藤田委員 なぜ減ったのですかという質問で、適正規模ということで、そもそも推定した七万件が本当はないかのような、むしろ、どっちが正しいのかなというのはちょっと分からない答弁だったんですけれども、六月の委員会の議事録を見ますと、当初、テナントは七万件と推計されておりました、七万事業所ですね。それが蓋を開けてみたら一割にも満たなかったということなんですが、何をもって適正規模といえるのかが、今の答弁では分かりません。
 適正ということは、七万事業所という推計自体が間違っていたというふうにもちょっと聞こえるんですけれども、今回は実績見合いということで減額補正となってしまったわけなんですね。
 これだけの不用額が出たということについて、何が要因だったと分析していますか。

○米澤産業政策連携促進担当部長 特別高圧電力を受電する施設にテナントとして入居する中小企業や工業用LPガスを使用する中小企業の数を把握できる資料はなく、関連する国のデータ、電力会社やガス販売事業者、施設オーナーやテナント等へのヒアリングなどを踏まえて推計を行っており、この推計と実績の間に差が生じたためでございます。

○藤田委員 推計と実績の間に差が生じたためということでした。つまり、適正規模というのは、推計が間違っていたということではなくて、あくまでも申請ベースで明らかになった利用実績だということだと思います。
 今回は、その申請ベースで明らかになった実績を踏まえて補正予算を組んだということになります。
 事前にお話を伺う中でも、もともとの資料がないということで、本当にこの対象となる中小業者がどのぐらい、どこに存在するのかというのは調べるのがとても難しいというお話を伺っておりましたし、ほかの県の方にも伺った際も、やっぱり同様のご苦労をされているということで、皆さんも本当に、やっぱり実績がきちんと推計に見合うように伸びていくことのために努力されたのだということはすごくよく分かります。
 しかし、エネルギー価格の高騰というのは、多くの中小業者、企業が厳しい経営を強いられているというわけで、とりわけ、この一年間というのは、規模の小さい事業所ほど、価格転嫁ができないなどの理由で倒産が増えているというわけです。
 本来なら、最初に組んだ八十五億円も、必要となる、対象とする中小業者にきちんと行き渡ることが望ましかったなと思いますし、そうした中小業者にちゃんと届く仕組みにして、不用額など出さないようにしなければならなかったなと思います。
 今回の事業は、事業の検討段階で、中小企業の声をどれだけ聞いたのかとちょっと伺いたいと思います。あと、対象となる中小企業の声も実際聞けたのかということも聞きたいと思います。

○米澤産業政策連携促進担当部長 都が現在行っている支援に当たりましては、施設オーナーやテナント等へのヒアリングを行っております。
 現在も、テナントに対して、訪問や電話を通じて事業の案内を行うほか、コールセンターにおいて、事業者から様々な問合せやご意見を受け付けているところでございます。

○藤田委員 いろいろ、この間も意見を聞いてきたと、これからも、今聞いているというところだったということですが、結果として、申請したのは、実際に存在するであろうテナントなどの中小業者の一割に満たなかったということなんです。
 そもそも、この仕組みで支援することに限界があるんじゃないかなというふうにも思うんですが、実際は、今回は六月の補正予算の延長ということになっていますが、なぜ延長としたんですか。

○米澤産業政策連携促進担当部長 今回の補正予算につきましては、エネルギー価格高騰等への対策といたしまして、特別高圧電力や工業用LPガスを使用する中小企業のコスト負担を軽減するため、支援期間を延長することとしたものでございます。

○藤田委員 ちょっとかみ合わないんですけれども、期間を延長したということで、これまで申請していなかった事業所からの申請も増えればいいと思うんですが、実際は、これまでかなりご案内もして、施設のオーナーや電力会社、業界団体などを通じてもお知らせもして、個別でも周知を図って、さらに申請期間も延長したにもかかわらず、なかなか申請は推計ほど伸びていないというのが実態だと思います。
 それをさらに年度末まで引き延ばして、繰越明許も行ってということなんですが、これまでの延長線上で、この間、今回予算を組んだ十六億円というこの規模も、どれだけ使い切れるのかということが心配になるわけです。
 本来は、六月に組んだ八十五億円というのは、厳しい経営環境にある中小業者を支援するための予算だったわけですが、それが今回の事業、産業労働局という中小企業を応援する部署で有効活用できなかったという事態は、やっぱり重く受け止める必要があると思います。
 六月の委員会でも、我が党の清水とし子委員が求めてまいりましたが、例えば、この国の交付金は飼料の高騰などにも使えるんですけれども、飼料の高騰などの影響を受ける畜産農家への支援とか、あるいは商店街や自治会などの支援、中小企業の賃上げ環境の整備など、産業労働局として、ほかの事業に振り分けていくこととか、また新規事業の構築などで支援を拡充するべきだったんじゃないかなと思います。
 今回、減額補正という形でリベンジをするということですから、対象となる中小業者に確実に活用してもらえるように取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、暮らし向き向上緊急サポート事業について質問いたします。
 この事業に対して、私のところにも幾つか、都民の方からご意見が寄せられました。
 東京都が百億円の規模で都民の暮らし支援を打ち出しているのはすごい大切だと思います、生活の困窮が政治の課題としてしっかり意識されているということで、歓迎されている方の声もありました、ほかの方は、税金なので、全ての都民に公平に行き渡ることを考えていただきたいというご意見もありました、そういう話が直接届きましたので、今回の事業は、全ての都民に公平に行き渡るものなのかなどについて聞いていきたいと思います。
 私の質問の冒頭で、今回の補正予算の考え方についてお聞きしましたが、都民生活の下支えだと答弁されました。
 そこで伺いますが、都民生活を下支えするという、都民とは誰のことを想定したものでしょうか。

○山本企画調整担当部長 東京都の住民でございます。

○藤田委員 そのとおりですね。東京都の住民ということです。
 一応、全員対象としていますということだと思うんですけれども、それは、あくまでも制度上対象外となる都民はいないよといいたいのだと思います。しかし、実際は、仕組みの中で、対象から外れてしまう都民がいるということを認識する必要があると思います。
 QRコード決済でお買物などをした場合にポイントが還元されるという事業では、スマートフォンを持っていない人とか、デジタルに弱い人、外に出て買物をすることができない人など、利用できない人も大勢いるのではないかと思います。寄せられたご意見の中には、スマホ決済ができる人は限られている、高齢者が買物に行ってもスムーズに利用できる仕組みが必要ですというものもありました。
 私の父も、七十代後半の高齢者なんですが、実際持っているものはスマートフォンではない携帯電話を持っています。スマホへの切替えをしないという理由は、買い換えるきっかけがなかったというのもあるんですが、新しい機器の操作をやっぱり覚えるのがすごく難しいということで、特に新しいものが手元に来ても混乱してしまうということで、かえって認知症が進んだりとか、そういった年相応の理由もあるというのが実際は一番の問題なんですね。
 先ほどの答弁の中でも、十八歳から六十九歳の方は九二%、スマートフォンを持っていますということですが、十七歳未満とか七十歳以上の方はどんな状況なのかということも、やっぱり生活者として支援していく対象として見るのであれば、そこのシェアの状況も把握する必要があるんじゃないかなと思います。
 今回の事業は、ポイントを還元して暮らしの下支えをしようということになっているんですが、ポイントを還元するキャンペーンというふうに説明を受けています。
 ポイント還元にしたというのはなぜなんでしょうか、理由について伺います。

○山本企画調整担当部長 消費の喚起などを速やかに行うため、民間のQRコード決済のポイント還元の仕組みを活用いたします。

○藤田委員 消費の喚起を速やかに行うためということで、先ほどの質疑の中でも、スピード感が今回の重視しているところなんだというのはすごくよく分かったんですが、そういうことで、そもそも、全ての都民が使えるように配慮した仕組みではないということだと思います。
 私たちは代表質問で、多くの都民が望んでいるのは消費税の減税だということで、消費税減税の効果について質問しました。ほかの局ですが、答弁は、国が考えることだというものでしたが、まさに消費の喚起を速やかに行えるのは消費税の減税だし、しかも、範囲もほとんどの人に及ぶと思います。
 消費税減税は、都民だけでなく国民全体を対象にでき、毎日の買物で実感できて、低所得の方ほど恩恵が大きいと。複数税率をやめればインボイスも不要になるということで、業者も喜ばれるという政策だと思います。
 ぜひ、消費の喚起を速やかに行えるという対策として、局として消費税の減税の効果についても、ぜひ検証していただいて、国に求めていただきたいなと思います。
 これまでの答弁からは、今回のポイント還元キャンペーンというのは、そもそも、全ての都民が利用できる仕組みにしようという発想から出発したわけではないということが分かりました。なぜ全ての都民を対象にしなかったのか伺います。

○山本企画調整担当部長 今回の事業は、東京都の住民を対象としてございます。

○藤田委員 あくまで対象は都民だといいたいのだと思います。
 高齢者だけではないんです、使いづらいという方は。小中学生などは、スマホを持っていませんが、お小遣いでおやつとか文房具など、買いに行くこともあります。しかし、子供の場合は、ポイントの還元を受けることが、スマホを持っていない方は多いですので、受けることができません。あと、寝たきりの方とか障害のある方も、キャンペーンの参加というのはかなり困難があります。
 あと、私、先日、ちょっと電話で聞きまして、奥多摩町はどういう状況かなと思いまして聞いてみました。
 そうしたところ、町にはコンビニが二店舗ありますということで、多くの方が車で青梅の方に買物に行っているそうです。しかし、車で移動できない方も多くて、近所にお店もないという地域ですから、どうやって生鮮食料品等とか買っているのかと伺ったところ、生活協同組合を使っている方が多いですというお話でした。
 なので、私も実は、生活協同組合を二か所使っているんですけれども、問い合わせてみたところ、QR決済、使えないといわれました。なので、やっぱり外に行って、大きなお店やQRコード決済が入っているところで買物できる方はアクセスできますが、そういう購買行為をしていない方は、今回のキャンペーンには、恩恵が受けられないということだと思います。
 また、所得が低いという方ほど、生活の下支えにはならないという課題もあると思います。
 今回は、還元率は最大一〇%ということで、上限三千円となっていますが、三千円のポイントが還元されるためには、このキャンペーン期間中に三万円の買物をする必要があります。購買力の高い方なら、期間がどのぐらいかはちょっとまだ明確ではないんですが、三万円の買物というのはすぐにできるかもしれません。しかし、所得が少ないという方は、できる限り出費を抑えて生活していますので、買物などで使うお金も限られてきます。結果的にポイント還元で受けられる恩恵も小さくなるということで、消費税は、所得の低い方ほど恩恵があると。しかし、今回のポイント還元は、所得が低い方ほど、恩恵は受けにくいという、そういう仕組みだと思います。スマホが使えないなどのハード面でも、所得が低いなどのソフト面でも、都民の下支えというには極めて不十分だといわざるを得ません。
 そもそも、都民全てを対象としたものなのかどうかというのが今回の予算規模からも伺いたいと思います。
 暮らし向き向上緊急サポート事業の予算案、百億円となっていますが、この金額となった積算の根拠について伺います。

○山本企画調整担当部長 今回の支援の規模につきましては、東京で暮らす方の消費の実情に対応できるよう、消費に関する季節的な要因や東京の人口の大きさなどを踏まえた水準を設定してございます。東京都の一月のQRコードによる平均の決済額を一〇%のポイントで還元する考え方としてございます。
 また、この事業の周知などに必要となる経費を計上してございます。

○藤田委員 ちょっと私には理解できない答弁だったんですけれども、実際、先ほど、似たような、百億円の考え方について伺った方もいらっしゃって、その方の答弁も随分と簡略化されて、金額の積算根拠すら分からないような答弁だったので、若干ちょっと遺憾なんですけれども、百億円という予算は、利用する人数には想定はあるんですか。

○山本企画調整担当部長 今回の支援の規模につきましては、東京で暮らす方の消費の実情に対応できますよう、消費に関する季節的な要因や東京の人口の大きさなどを踏まえた水準を設定してございます。

○藤田委員 人数の想定はないということです。
 先ほどの答弁でも、事業の周知のための予算というのが九億円程度だというふうに伺っていますので、実際にポイント還元に使えるのは九十億円程度だということだと思います。それを上限三千円で割ると、みんなが三千円使うかは状況によりますが、単純計算で三百万件までだということで、都民は一千四百万人いるということですから、やっぱり、みんなが使えることは想定していないというのは容易に分かります。
 今回の事業は、都民生活の下支えという福祉的な要素についても、産業労働局で仕組みを考えたというわけですから、なかなか仕方ない部分もあるかもしれませんが、たとえ産労の事業だとしても、都民がどういう生活様式なのか、いろいろな地域とか年代とか、いろいろな実態を把握した上で、全ての都民が対象となってみんなが使えるという仕組みにしていくことも、今後検討する必要があるかと思いますので、要望いたします。
 最後に、もう一つ、意見を述べさせていただきたいと思います。
 私、初めに、広がった格差を是正することが自治体の役割だと述べました。
 しかし、今回のポイント還元の仕組みを見てみますと、QRコード決済という、スピード感が大事だということなので既存のシステムを使うのは必要なことかもしれませんが、実際、このQRコード決済というのは、大手の決済事業者の仕組みを活用しているということで、結果的に大企業に対して、計算しますと二億円程度の利益がいくというものになっています。それを保証するような事業だということなんです。
 当然、都民生活の下支えのための事業ではありますが、同時に、大企業の利益を伸ばすような制度設計でいいのかという疑問も残ります。
 大企業は利益を増やし、内部留保は五百二十八兆円と過去最大を更新するなど、格差は大きく広がっています。消費を喚起して経済を活性化しようとするならば、内部留保が増える可能性がある仕組みではなくて、あくまでも都民の暮らしが直接潤う仕組みを構築していただきたいと思います。
 また、国からの交付金があるから予算を組むという姿勢では、厳しい実態に見合ったスピード感や規模の予算をつけることはできません。
 今回の補正予算もそうですが、第三回定例会も、東京都は一円も物価高騰対策の予算をつけなかったということで私たちは批判しましたが、今回ついたのは、国から交付金が来たからということですので、やっぱり遅過ぎると思います。今回の補正予算は、都の財源を一円も使っていないということで、これについても、小池知事が、都民の暮らしや中小業者の営業に無関心だなということの表れだと思います。
 都民や事業者の実態にふさわしく、暮らしと営業を守り抜くことに必要な予算を組んでいただくよう重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。

○中田委員 よろしくお願いします。
 私の方からも、暮らし向き向上緊急サポート事業について質問をさせていただきますが、ここまで各会派、皆さん質問してきた中で、なるべくかぶらない部分で質問をさせていただければと思いますけれども、まず、この事業の意義、内容を改めて教えていただけますでしょうか。

○山本企画調整担当部長 物価の上昇が続いていることを踏まえまして、都民生活を下支えするとともに、消費を喚起し経済を活性化するため、QRコード決済の仕組みを活用し、買物での支払い額の一〇%、一人当たり三千円相当までポイントを還元する取組を行います。

○中田委員 ありがとうございます。ここまでずっと続いてきた答弁でしたけれども、私として、やはり引っかかるところが都民の生活を下支えするというところで、これが本当に都民、先ほどからも委員の質問でもありましたけれども、都民にどこまで行き渡るのかというところにちょっと着眼点を置きながら質問をさせていただければと思います。
 ちなみに、今、国からの交付金が来てやる、この事業ですけれども、国の推奨メニューを見ますと、QRコード決済以外にもいろんなことが書いてあるかと思います。プレミアム商品券にするなど様々ある中で、このQRコード決済を東京都として選んだ理由というところと、どういう議論があって、このQRコード決済になったのか教えていただけますでしょうか。

○山本企画調整担当部長 消費の喚起などを速やかに行うため、民間のQRコード決済のポイント還元の仕組みを活用いたします。

○中田委員 速やかに行うというところで、確かに、それは一番重要なところかと思いますけれども、それがじゃあどこまで本当に都民の皆さんに行き渡るかというところだと思います。
 この百億円という規模を単純計算、一千四百万都民で割ると、一人当たり六十円にしかならないというところで、この六十円をどれだけの人たちが取り合うのかと。一人、さっきまで、三〇〇〇ポイントまでつくというところですけれども、じゃあどういうふうに都民の皆さんに行き渡るのかなというところがあります。
 ちなみに、この事業は都民以外の人が使うことはできますでしょうか。

○山本企画調整担当部長 都内の店舗で商品購入などを行った利用者に対しましてポイントを還元いたします。

○中田委員 ということは、例えば、千葉県の人が東京に来て買物をしたらポイントがつくというふうになるんだと思いますが、正しいでしょうか。

○山本企画調整担当部長 都内の店舗で商品購入などを行った利用者に対しましてポイントの還元を行うものでございます。

○中田委員 今、繰り返しの答弁でしたけれども、そういうことだと認識をいたしました。
 ということは、先ほど、百億円の予算にした理由というところで、他の委員からも質問ありましたけれども、季節的な要因や東京の人口の大きさなどに合わせてと、百億を積んだ理由がありましたけれども、そもそも、これが破綻するんじゃないのかなと私は思うんですよね。
 例えば、今、手元にある資料で、令和二年の国勢調査なんですけど、令和二年なのでコロナ禍というところで、ちょっと数字が多分少ないかなと思うんですけれども、東京都への流入人口が大体三百三十六万人、コロナ禍なので、多分、今、コロナが回復している中で、さらに多いことが予想されます。そう考えると、やっぱり都民にどれだけこれが行き渡るのかというところは、正直、甚だ疑問なところがあります。
 だからこそ、私がすごい引っかかるといったところが、都民の生活の下支え、これにどこまでこれが寄与するのかと。経済喚起として消費喚起を行う、そこには多分、これは効果的な事業ではあると思うんですよね。やっぱり消費が上がることによって、都内経済が活性化される。それにはすごい向いている事業であるかもしれませんが、それと都民の生活を下支えするというところが、一緒のごっちゃな事業になってしまっていることがすごい違和感を覚えています。
 もちろん、使える人もいれば、使えない人もいる。先ほどもありましたけれども、都内の飲食店などでも、何%といっても、一〇〇%の企業がQRコード決済を入れているわけではないので、そこまでどうするのかとか、例えば先ほどもありましたけど、寝たきりの人だったりとか、QRコード決済がなかなか使えるような地域に住んでいない人など、そういう人たちの生活の下支え、これはやっぱり別の事業でしっかり考えていただく必要があるのかなと思っています。
 やはり産労の事業なので、それはどこまで産労が考える必要があるのかなというと、そもそもの話になってしまうんですけれども、この補正予算の考え方として、これで本当に都民の生活の下支えとなると考えているか、改めて教えていただけますでしょうか。

○山本企画調整担当部長 QRコード決済によるポイント還元を行いまして、都民生活を下支えするとともに、消費を喚起し経済を活性化してまいります。

○中田委員 あくまでも、都民生活の下支えというところでいわざるを得ないのかもしれないのかもしれないですけれども、このQRコード決済をやること自体、私も反対ではないですし、もちろんデジタル化していくことも重要ですが、やっぱりその負の側面も、いろいろ考えていただいて、事業を様々組み合わせていただきたいなというところもあります。
 例えば、QRコード決済を使われる側の店舗側としては、QRコード決済会社に手数料を、入金するのに払います。大体二%から三%の手数料が払われるので、千円買物されたとしても、その二、三%が引かれた金額しか入金をされない。町場の小さな事業者と話していると、やっぱり現金が一番いいよねと。日銭商売をしているから、現金でもらって、それで買物して、次の日の食材にしてというところが続いているようなちっちゃい会社もあることを考えると、何が何でもQRコード決済を推奨し過ぎるというところもやっぱり負の側面が出てくると思いますし、やっぱりそういうところにも目を向けて、様々な事業をこれからは組んでいただきたいなというところを要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時八分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る