経済・港湾委員会速記録第十三号

令和五年十一月九日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長古城まさお君
副委員長平けいしょう君
副委員長大松あきら君
理事中田たかし君
理事ほっち易隆君
理事白石たみお君
竹平ちはる君
星  大輔君
入江のぶこ君
藤田りょうこ君
白戸 太朗君
三宅 正彦君
宮瀬 英治君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長坂本 雅彦君
次長理事兼務松本 明子君
総務部長早川 八十君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長
DX推進担当部長兼務
池野 大介君
企画調整担当部長山本麻里雄君
企画調整担当部長飯野 雄資君
働く女性応援担当部長田代 純子君
商工部長山崎 太朗君
商工施策担当部長江村 信彦君
金融部長福田 哲平君
金融支援担当部長原   郁君
産業・エネルギー政策部長阿部 泰之君
産業政策連携促進担当部長米澤 鉄平君
新エネルギー推進担当部長榎園  弘君
観光振興担当部長前田 千歳君
農林水産部長築田真由美君
安全安心・地産地消推進担当部長鈴木のり子君
雇用就業部長内田 知子君
事業推進担当部長新田 智哉君
中央卸売市場市場長早川 剛生君
次長松田 健次君
管理部長前田  豊君
事業部長大谷 俊也君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務若井 太郎君
市場政策担当部長石井 浩二君
環境改善担当部長萩原 清志君

本日の会議に付した事件
産業労働局関係
事務事業について(説明)
中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)

○古城委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の事務事業の説明聴取及び中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑を行います。
 なお、産業労働局関係の事務事業については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、産業労働局長より挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○坂本産業労働局長 産業労働局長の坂本雅彦でございます。
 古城委員長をはじめ各委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、微力ではございますが、産業労働行政の一層の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の松本明子でございます。総務部長の早川八十でございます。産業企画担当部長の池野大介でございます。企画調整担当部長の山本麻里雄でございます。企画調整担当部長の飯野雄資でございます。働く女性応援担当部長の田代純子でございます。商工部長の山崎太朗でございます。商工施策担当部長の江村信彦でございます。金融部長の福田哲平でございます。金融支援担当部長の原郁でございます。産業・エネルギー政策部長の阿部泰之でございます。産業政策連携促進担当部長の米澤鉄平でございます。新エネルギー推進担当部長の榎園弘でございます。観光振興担当部長の前田千歳でございます。農林水産部長の築田真由美でございます。安全安心・地産地消推進担当部長の鈴木のり子でございます。雇用就業部長の内田知子でございます。事業推進担当部長の新田智哉でございます。最後に、本委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の清水良誠でございます。
 なお、観光部長の向井一弘は、病気療養のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○古城委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○古城委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○坂本産業労働局長 産業労働局が所管をしております事務事業の概要についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、事業概要要旨の表紙をお開きください。
 我が国の経済は、景気が緩やかに回復している一方で、エネルギーや原材料価格の上昇に伴う物価高騰の影響の長期化、厳しい電力需給の状況などの様々な課題や、海外景気の下振れに伴う景気の下押しリスクなどに直面をしております。
 こうした中、これまで産業労働局では、中小企業の経営の下支えや経済活動の活性化の後押し、旅行者の誘致や観光資源の開発など観光産業の振興、農林水産業の生産基盤の整備、従業員が働きやすい職場環境の整備や女性、高齢者等の活躍に向けた就業促進などの取組を進めてまいりました。
 また、ゼロエミッション東京の実現に向けて、省エネルギーやZEVの普及促進、水素の利活用などの取組も展開をしております。
 今後は、デジタル化の急速な進展、GXの広がりに伴う産業構造の転換などの潮流を的確に捉えた産業の活性化や東京のさらなる成長につなげる政策を展開するとともに、社会経済を取り巻く環境やコロナ禍を経た人々の暮らし方の変化を踏まえ、気候変動やエネルギー施策、スタートアップの成長への支援、女性の活躍の後押しをはじめとした人への投資の強化など、幅広い観点から取組を推進してまいります。
 それでは、令和五年度における局の主要な取組につきましてご説明を申し上げます。
 二ページをお開きください。第一に、産業政策及び雇用就業施策の企画立案でございます。
 企業における女性の活躍等を推進するため、有識者会議、東京くらし方会議を設置するほか、機運醸成イベントなどを実施しております。
 第二に、中小企業対策でございます。デジタル化やGXなど経営環境の転換に直面する中小企業に対して、環境変化への対応や経営力強化のため支援を充実していくことは重要でございます。
 そこで、中小企業の経営基盤強化に向けて、DX戦略策定から実行までをきめ細やかに支援するとともに、デジタル技術の活用や省エネ実現による発展を目指す中小企業の設備投資を後押ししてまいります。
 三ページをご覧ください。東京の産業の持続的な成長に向けて、都内中小企業などの挑戦を応援し、イノベーションの創出を促すことは重要でございます。
 そこで、ゼロエミッション東京の実現に資する製品等の事業化を促進するため、中小企業が大企業などと連携して行うオープンイノベーションによるプロジェクトを後押しするとともに、多摩地域において、イノベーションを起こし続ける好循環の形成に向けた取組を推進してまいります。
 あわせて、スタートアップの起業、創業について、さらなる促進を図っていくことも重要でございます。
 そのため、国内外の民間企業などの多様な主体と連携し、スタートアップに対する多彩な支援を展開してまいります。
 四ページをお開きください。地域経済を支えるとともに、コミュニティの核としても重要な役割を果たしている商店街に対する支援などを通じ、地域商業の活性化を図ってまいります。
 また、受注機会の拡大や販路開拓の支援を通じて、中小企業の持続的な成長を後押しすることは重要でございます。
 そこで、デジタル空間の利用拡大を契機に、XR、メタバース関連やコンテンツ企業等が一堂に会する展示会を新たに開催し、業務提携などによるビジネスの創出や販路開拓等を後押しすることで、コンテンツ産業などのさらなる振興を図ってまいります。
 五ページをご覧ください。中小企業などの資金調達の円滑化を図り、経営の安定化や積極的な事業展開を資金面から支援していくことは重要でございます。
 そのため、HTTや育業など政策課題に対応した融資や、創業融資、抜本的な経営改善を支援するための融資など、中小企業の資金繰りを幅広く支援してまいります。
 また、私募債を活用した資金調達を支援し、中小企業の事業承継の取組を後押ししてまいります。
 六ページをお開きください。第三に、産業・エネルギー対策でございます。
 直近のエネルギー危機に対応するとともに、脱炭素とエネルギーの安定確保を目指し、多様な主体と連携しながら産業政策と環境政策の視点を併せ持った施策を展開することが重要でございます。
 また、新たな事業分野を創出することにより、社会課題の解決につなげていくことも必要でございます。
 そこで、GXの普及啓発や排出量取引事例の創出に向けた取組を支援することにより、中小企業等における脱炭素化の取組を加速してまいります。
 また、中小規模事業所の省エネルギー化の推進も重要でございます。
 そのため、中小企業等による省エネ設備の導入や運用改善の実践を後押しすることで、さらなる省エネルギー化を推進してまいります。
 七ページをご覧ください。事業者による再生可能エネルギーの導入拡大を図ることが重要でございます。
 そのため、自家消費型の再エネ設備等の導入を後押ししてまいります。
 また、エネルギー需給バランスの最適化を目指すエネルギーマネジメントの取組を推進していくことは重要でございます。
 そのため、東京電力管内の電力系統に直接接続し、需給最適化に役立つ大規模蓄電池の導入を支援してまいります。
 八ページをお開きください。脱炭素社会実現の柱として期待されるグリーン水素の活用など、水素エネルギー技術の社会実装の推進とさらなる需要拡大を図ることは重要でございます。
 そこで、都がモデルを示し、グリーン水素の普及拡大を推進するため、都有地におけるグリーン水素製造設備の設置に向けた設計等を進めてまいります。
 さらに、走行時にCO2を排出しないゼロエミッションビークルの普及を図っていくことも重要でございます。
 そのため、ZEV乗用車やバイクに加え、バスやトラック等の商用車両への購入補助を行うとともに、燃料電池フォークリフトの実装を後押ししてまいります。
 また、大規模イベントを活用した普及啓発により、ZEVに対する都民の関心を高めてまいります。
 九ページをご覧ください。第四に、観光産業対策でございます。
 外国人旅行者を誘致するため、効果的なプロモーション活動を実施し、東京の魅力をアピールしていくことが重要でございます。
 そのため、インバウンド需要の回復に向けたPRに取り組んでいくほか、国内外からの評価が高いコンテンツを活用したアニメ等拠点の整備、運営によりまして、インバウンドの誘客を促進してまいります。
 一〇ページをお開きください。東京の多様な観光資源を複合的に組み合わせ、旅行者を引きつける取組を展開していくことは重要でございます。
 そこで、民間事業者等と連携し、プロジェクションマッピングを都内に継続的に展開することで、夜間観光の盛り上げにつなげ、東京の魅力向上を図ってまいります。
 また、旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるよう、滞在環境の整備などを推進するとともに、観光関連事業者の収益力向上を支援し、経営基盤の強化を図ることは重要でございます。
 そこで、宿泊事業者が行うデジタル技術を活用した取組を支援することで、業務効率化などの課題解決を後押ししてまいります。
 一一ページをご覧ください。第五に、農林水産対策でございます。
 新鮮で安全・安心な農林水産物の提供をはじめ、東京の農林水産業の振興に取り組むことが重要でございます。
 そこで、区市町村が行う農地の創出や再生、施設の整備などの取組を後押しすることにより、農地の保全を積極的に推進するほか、東京農業の新たな人材育成に向けて、法人の新規参入による雇用就農を促進するなど、農業の振興を図ってまいります。
 また、林業の生産性向上に向け、先進技術による林業機械等の導入などを支援するほか、都心部に新たな情報発信拠点を開設することにより、多摩産材の利用を促進するとともに、多摩地域の林業、木材産業を活性化してまいります。
 一二ページをお開きください。第六に、雇用就業対策でございます。
 誰もが活躍できる社会の実現に向け、女性や高齢者、障害者などへの支援や、企業による職場環境の整備等の取組の後押しも重要でございます。
 そこで、豊富な経験や知見を有するシニアがセカンドキャリアにおいても活躍するための後押しや、障害者雇用の新たな可能性の開拓に向けた取組、ソーシャルファームの普及や定着に向けた支援などに取り組んでまいります。
 一三ページをご覧ください。幅広い人材の労働参加の促進や労働生産性の向上に向け、従業員の働きがいなどを高める企業の取組への後押しが重要でございます。
 そのため、職場環境の改善や賃金の引上げなど、従業員のエンゲージメントを高める取組を行う企業をサポートしてまいります。
 また、産業構造の転換などを踏まえて、成長分野の産業を担う人材の確保、育成を着実に進めていくことが重要でございます。
 そこで、従業員のリスキリング計画の策定からDX講座までを一体的に実施し、中小企業における社内のDX人材の育成を支援してまいります。
 令和五年度における局の主要な取組は、ただいまご説明をしたとおりでございます。
 今後も、産業構造の転換などの潮流を的確に捉え、事業者の持続的な成長を後押しすることで、産業の活性化や東京のさらなる発展につなげていくとともに、社会経済環境やコロナ禍を経た変化を踏まえた幅広い観点からの取組を、スピード感を持って推進してまいります。
 委員の皆様におかれましては、よろしくご指導賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、事業の詳細につきましては、総務部長からご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

○早川総務部長 引き続きまして、お手元資料2の事業概要の冊子によりまして、産業労働局の組織や事業などについてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、一五ページをお開きください。当局の組織でございます。
 当局は、総務、商工、金融、産業・エネルギー政策、観光、農林水産、雇用就業の七部二十五課から成っております。
 さらに、労働相談情報センター、職業能力開発センターなど、三十四の事業所がございます。
 二三ページをお開きください。職員定数でございます。
 上段の総計にありますとおり、事務系、技術系、技能労務系、合わせて千三百九十名となってございます。
 二四ページをお開きください。当局の令和五年度当初予算でございます。
 一般会計と三つの特別会計から成り、全会計を合わせた歳出予算額は、1の(1)、局予算総括表の合計欄にございますとおり、約六千七百三十三億円でございます。
 二五ページをご覧ください。(3)、対策別予算でございます。
 こちらにございますⅠ、中小企業対策、Ⅱ、産業・エネルギー対策、Ⅲ、観光産業対策、Ⅳ、農林水産対策、Ⅴ、雇用就業対策の五つの分野を柱として事業を推進しているところでございます。
 二六ページをお開きください。当局の令和五年度予算現額でございます。
 当局では、国の臨時交付金を活用し、物価高騰の影響の下で、都民生活、東京の経済を下支えするための取組を強化するため、補正予算において必要な経費を計上してまいりました。
 現状予算現額は、表の右下にありますとおり、約六千八百十二億円となってございます。
 恐れ入りますが、三三ページをお開きください。産業政策及び雇用就業施策の企画立案でございます。
 局内で重点的に取り組むべき政策の企画立案を行うとともに、局内、他局との調整を行ってございます。
 7、企業における女性管理職等の活躍促進事業では、企業における女性の活躍等を推進するため、人々の働き方や生き方をテーマに幅広く議論する有識者会議、東京くらし方会議を設置するとともに、機運醸成を図るイベントや普及啓発等を実施してございます。
 続きまして、中小企業対策でございます。恐れ入りますが、三七ページをお開きください。
 三七ページから四一ページにかけまして、中小企業対策の体系をお示ししてございます。経営支援から金融支援までの八つの体系で事業を展開してございます。
 四二ページをお開きください。経営支援では、中小企業の経営革新や事業承継、販路拡大やネットワークづくりなど、経営の改善や強化に係る支援を展開してございます。
 四五ページをお開きください。2の(2)、中小企業活力向上プロジェクトアドバンスでは、中小企業が抱える経営課題の解決に向け、各支援機関と連携し、専門家による経営分析の実施から、中長期的な課題の解決に向けた支援まで、一気通貫したサポートを実施しております。
 (3)、下請企業対策では、下請中小企業の取引機会の拡大と新規取引先の開拓の推進のため、大規模展示会への出展支援や商談会を実施してございます。
 また、下請取引に係る紛争解決のために、下請センター東京を設置するとともに、取引の適正化に向けて、専門相談員の企業巡回による相談対応やセミナー等による普及啓発等を行い、下請中小企業の経営と発展を図ってございます。
 四八ページをお開きください。(9)、事業承継・再生支援事業では、中小企業の円滑な事業承継のために、相談体制を整備し、普及啓発や後継者の育成支援、承継に向けた取組に必要な経費の一部助成等を行ってございます。
 また、後継者不在の中小企業に対し、会社や事業を第三者へ譲渡するためのマッチング支援のほか、譲受企業へのM&A後の経営統合支援などを実施しております。
 五五ページをお開きください。4の(6)、多摩イノベーションエコシステム促進事業では、ものづくり企業や大学等が集まる多摩地域において、イノベーションを起こし続ける好循環の形成に向け、多摩地域の社会問題解決に向けて取組を行う中小企業への支援や、多様な主体の連携を促す交流イベントなどを実施してございます。
 五六ページをお開きください。技術支援では、中小企業における新製品、新技術の開発や、生産性向上のための設備導入などに対する支援を展開してございます。
 五九ページをお開きください。6、企業変革に向けたDX推進支援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 デジタル技術を用いて企業変革を目指す中小企業に対して、DX戦略の策定などをアドバイザーが支援するほか、DX推進に必要な経費の一部を助成し、継続的な成長、発展を後押ししてまいります。
 7、生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業では、中小企業におけるデジタル技術の導入、活用に向けて、普及啓発セミナーや人材育成の講座等に加え、専任のアドバイザーによる伴走型支援と設備導入の経費の助成を行い、中小企業の生産性向上の取組を後押ししてまいります。
 六〇ページをお開きください。9、都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 中小企業に対し、デジタル化の必要性を周知するほか、デジタル化診断により、業務フローの見直しを提案するとともに、適切な支援メニューにつなげることで、事業活動のデジタル化を促進してまいります。
 六二ページをお開きください。16、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、IoT、AI、ロボット等のデジタル技術活用や事業の省エネなどに取り組む中小企業に対し、最新の機械設備等の導入に必要な経費の一部を助成し、東京の産業力強化につなげてまいります。
 六三ページをご覧ください。21、ゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 スタートアップや中小企業と大企業等とのオープンイノベーションによる大規模なプロジェクトに対し、事業化等に必要な経費を助成することで、ゼロエミッション東京の実現に資する新たな製品やサービス等を創出してまいります。
 22、女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 女性の健康課題を解決するためのフェムテック開発に取り組む中小企業に対して、新製品の開発や改良、普及促進に必要な経費の一部を助成し、女性活躍社会の実現を加速してまいります。
 六五ページをお開きください。創業支援では、創業に意欲的に取り組む方々に対する起業とその後の経営発展に向けた支援を展開しております。
 六八ページをお開きください。8、多様な主体によるスタートアップ支援展開事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 国内外のアクセラレーターやベンチャーキャピタルなど、スタートアップ支援に取り組む事業者と連携して、それぞれのアイデア、ネットワーク等の強みを生かし、スタートアップのニーズに応じた多彩な支援を展開してまいります。
 七二ページをお開きください。地域工業の活性化は、地域のものづくり産業が形成してきた集積の維持と発展を図るとともに、競争力のある企業の操業場所の確保の後押しなどを行うことにより、地域産業の活性化を目指してまいります。
 2、地域産業活力創出支援事業では、区市町村が策定する地域産業活性化計画に基づく取組や、複数の区市町村が連携して地域産業の振興に資する事業を実施する取組などを支援することにより、都内産業の継続的、安定的な発展を後押ししております。
 七七ページをお開きください。地域商業の活性化では、地域コミュニティの核として重要な役割を果たしている商店街に対し、多様な支援を展開してございます。
 2の(1)、商店街チャレンジ戦略支援事業では、魅力ある商店街づくりに向け、組織力の強化など、区市町村等を通じた支援を行うとともに、都の政策課題への取組の後押しや開業、事業承継への支援、さらには、若手や女性を対象に商品販売の機会を提供するチャレンジショップを設置するなど、商店街の活性化を推進しております。
 八一ページをお開きください。総合的支援では、東京都中小企業振興公社を中心として、各支援機関が相互に連携することにより、総合的な支援を展開するものでございます。
 八七ページをお開きください。18、XR、メタバース等を活用した産業の振興は、令和五年度の新規事業でございます。
 仮想空間のメタバースとXR等を展開する事業者や、アニメ等のコンテンツ企業、クリエーター等の多様な事業者が一堂に会する新たな展示会を開催し、ビジネスの拡大や販路開拓等を後押しすることで、コンテンツ産業の裾野拡大や新たなクリエーターの育成などにつなげてまいります。
 八九ページをお開きください。28、ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業では、都内中小企業の成長を促すとともに、ゼロエミッション東京の実現に向けて、脱炭素化に取り組む都内中小企業を対象に、新製品開発や改良の取組に加え、販路開拓等も含めた総合的な支援を行ってございます。
 九六ページをお開きください。金融支援では、中小企業の資金調達の円滑化を図るため、中小企業制度融資やファンドを活用した支援などを推進しております。
 1、中小企業制度融資では、東京都、東京信用保証協会及び金融機関の三者が連携し、中小企業に様々な融資を行っております。
 今年度は、HTTやSDGs、DX、育業などの政策課題に対応した融資に加え、様々な要因の影響により抜本的な経営改善が必要な中小企業支援するため、フェニックス金融支援パッケージを創設するなど、中小企業の経営安定や新たな事業展開を後押ししております。
 九九ページをお開きください。11、ファンドによる脱炭素化に向けたスコープ3対応に取り組む中小企業支援は、令和五年度の新規事業でございます。
 カーボンニュートラルの取組を後押しするため、ファンドへの出資を行い、脱炭素化に向けたスコープ3への対応に取り組む中小企業を支援する環境を整備してまいります。
 16、私募債を活用した事業承継の取組支援は、令和五年度の新規事業でございます。
 中小企業の事業承継の取組を推進するため、金融機関と連携して私募債を活用した資金調達と事業承継を支援してまいります。
 一〇一ページをお開きください。24、貸金業の指導監督では、貸金業者の登録を行うとともに、立入検査等による指導監督や苦情相談への適切な対応を進めてございます。
 続きまして、産業・エネルギー対策でございます。一〇五ページをお開きください。
 一〇五ページから一〇六ページにかけまして、産業・エネルギー対策の体系をお示ししてございます。産業・エネルギー政策の企画・調整等からZEVの普及促進までの六つの体系で事業を展開してございます。
 一〇七ページをご覧ください。産業・エネルギー政策の企画・調整等では、直近のエネルギー危機に対応するとともに、脱炭素とエネルギーの安定確保を目指し、多様な主体と連携しながら産業政策と環境政策の視点を併せ持った施策を展開してございます。
 2、金融機関等と連携した海外企業誘致促進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 都内企業との取引拡大など都内産業の振興につなげるため、金融機関等と協定を締結し、海外企業の誘致を促進するとともに、海外企業の都への進出費用等の補助を行っております。
 一〇八ページをお開きください。3、都内事業者向けHTT実践推進ナビゲーター事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 脱炭素化や省エネルギー等の取組に興味のある潜在的関心層を掘り起こし、個々の事業者に適した取組を促すため、ナビゲーターによる都の支援対策の周知やセミナーを実施してまいります。
 6、中小企業等における排出量取引創出に向けた社会実装事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 中小企業等における脱炭素化の取組を加速させるため、GXの普及啓発や排出量取引事例の創出に向けた取組への支援を実施してまいります。
 一一〇ページをお開きください。省エネルギーの推進では、都内中小規模事業所の省エネルギー化に向けた支援策を展開しております。
 一一一ページをご覧ください。(5)、ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 中小企業等が行う省エネ設備の導入及び運用改善の実践に要する経費の一部を助成することにより、さらなる省エネルギー化を推進してまいります。
 一一三ページをお開きください。再生可能エネルギーの推進では、事業者による再生可能エネルギーの導入拡大を図る取組を展開しております。
 一一四ページをお開きください。4、地産地消型再エネ増強プロジェクトでは、地産地消の再生可能エネルギーの設備を導入する事業者に経費を助成することで、再生可能エネルギーの普及拡大を進めてございます。
 一一七ページをお開きください。エネルギーマネジメントの推進では、エネルギー需給バランスの最適化を目指すエネルギーマネジメントの取組を推進しております。
 一一八ページをお開きください。3、系統用大規模蓄電池導入促進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 東京電力管内の電力系統に直接接続する大規模蓄電池の導入に助成を行うことで、需給最適化の取組を後押しし、電力の需給安定化に貢献してまいります。
 一二〇ページをお開きください。水素・新エネルギーの推進では、脱炭素社会の実現の柱として期待されるグリーン水素の活用等、水素エネルギー技術の社会実装の推進と需要拡大を図るとともに、新エネルギーの開発、普及を促進しております。
 一二四ページをお開きください。9、グリーン水素の製造・利活用事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 グリーン水素の普及拡大に向けて都がモデルを示すため、都有地におけるグリーン水素製造設備の設置に向けた設計等を実施してまいります。
 一二五ページをご覧ください。ZEVの普及促進では、走行時にCO2を排出しないゼロエミッションビークル、いわゆるZEVの普及を図る取組を展開してございます。
 1、ZEV等普及促進事業では、ZEV乗用車やバイク、バスやトラック等への購入補助に加え、カーシェア等における導入促進、燃料電池フォークリフトやZEVごみ収集車の実装支援等を通じて、ZEVの普及を後押ししております。
 一二九ページをお開きください。2、充電設備普及促進事業では、電気自動車等の普及に必要なインフラ整備を促進するため、充電設備の所有者に対して、設備の設置及び運営に係る経費の補助を行っております。
 一三〇ページをお開きください。4、水素ステーション設備等導入促進事業では、燃料電池自動車等のエネルギー供給拠点となる水素ステーションの整備が進むよう、施設の整備や改修等に加え、運営に要する経費を補助してございます。
 一三二ページをお開きください。7、ZEV普及に向けたキャンペーンの展開では、ZEVに対する都民の関心を高めるため、イベントを活用した普及啓発を実施してまいります。
 一三五ページをお開きください。続きまして、観光産業対策でございます。
 一三五ページから一三八ページにかけまして、観光産業対策の体系をお示ししてございます。外国人旅行者誘致の新たな展開から推進体制の構築までの六つの体系で事業を展開してございます。
 一三九ページをご覧ください。外国人旅行者誘致の新たな展開では、東京に旅行者を誘致するために、効果的なプロモーション活動を実施し、東京の魅力を国内外にアピールしております。
 一四〇ページをお開きください。1の(6)、インバウンド需要回復に向けた観光PRでは、インバウンド需要の早期回復を図るため、事業者のプロモーション等と連動して、訪都促進に向けた広告キャンペーン等を展開しております。
 一四一ページをご覧ください。2の(11)、近隣県と連携した海外向けレガシーPR事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 都と近隣県が連携した海外向けのプロモーションを実施し、東京を拠点に近隣県への旅行の促進を図ってまいります。
 一四三ページをご覧ください。4、アニメ等拠点の整備・運営は、令和五年度の新規事業でございます。
 アニメ、漫画等、国内外から評価が高いコンテンツを活用した集客拠点を整備し、展示やイベント、ワークショップ等を行うことで、インバウンドの誘客促進を図ってまいります。
 一四四ページをお開きください。MICE誘致の推進では、高い経済波及効果などをもたらすMICEを東京へ誘致するため、プロモーション活動や主催者への支援等を展開しております。
 3の(1)、国際会議誘致・開催支援事業では、国際会議の誘致を促進するため、会議主催者に対し、誘致、開催に係る経費を支援するとともに、観光ボランティアを対象とした国際会議向け研修を実施し、主催者の要望に応じて派遣をしております。
 一四九ページをお開きください。9、環境配慮型MICEの推進は、令和五年度の新規事業でございます。
 都内MICE開催を予定している主催者等に対し、環境に配慮した取組を推進するためのノウハウの提供や経費助成の支援を実施してまいります。
 一五〇ページをお開きください。魅力を高める観光資源の開発では、東京が持つ様々な観光資源を複合的に組み合わせることにより、旅行者を引きつけ、回遊性を高める取組を展開しております。
 一五一ページをご覧ください。1の(10)、多摩・島しょアドベンチャーツーリズム推進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 多摩・島しょ地域におけるアドベンチャーツーリズムに係る新たな取組に必要な経費を助成するとともに、アドバイザー支援及び広報支援を実施してまいります。
 一五五ページをお開きください。9、民間との協力によるプロジェクションマッピング展開事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 新たな夜間観光の盛り上げにつなげるため、日本の誇るデジタル技術を最大限に活用し、民間事業者等との連携を強化、支援することで、プロジェクションマッピングを都内に面的、継続的に展開してまいります。
 一五七ページをお開きください。21、サステナブル・ツーリズム推進事業では、観光協会や観光関連事業者等が行うコンテンツの開発等、環境配慮型旅行に係る新たな取組を支援するとともに、地域における持続可能な観光まちづくりに係る取組を後押しすることで、都内のサステーナブルツーリズムの推進を図っております。
 一五九ページをお開きください。受入環境の充実では、東京を訪れる旅行者が安心して快適に観光を楽しめるよう、旅行者の移動や滞在を支える基盤の整備などを進めるとともに、観光関連事業者のDX導入促進や収益力向上に向けた支援などにより、経営基盤の強化を図ってまいります。
 一六七ページをお開きください。20、観光事業者の経営力強化支援事業では、観光事業者が事業継続や収益確保を図るために行う生産性の向上や新サービスの開発等に係る経費の一部を補助するとともに、都内の宿泊施設、飲食店等における海外旅行者対応に係る取組を支援しております。
 一六九ページをお開きください。31、宿泊施設デジタルシフト応援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 人手不足の解消や業務の効率化などの課題解決のため、中小の宿泊事業者が実施する比較的短期間で導入可能なデジタル技術を活用した取組を支援してまいります。
 一八一ページをお開きください。続きまして、農林水産対策でございます。
 一八一ページから一八四ページにかけまして、農林水産対策の体系をお示ししてございます。農業の振興、林業の振興、水産業の振興の三つの体系で事業を展開しております。
 一八五ページをご覧ください。農業の振興では、農地の保全や農業基盤の整備、農業経営の安定及び食の安全・安心の確保に向けた施策などを展開しております。
 一八七ページをお開きください。1の(9)、未来に残す東京の農地プロジェクトは、令和五年度の新規事業でございます。
 農地保全を積極的に推進するため、農地の創出や再生、農業、農地の持つ多面的機能の強化に向けた施設整備や農地保全の理解促進に向けた取組など、区市町村が行う農地保全対策に対して、ハード、ソフト両面から支援してまいります。
 一八八ページをお開きください。1の(12)のア、都市農地貸借円滑化促進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 都市農地を保全し、担い手等への生産緑地の貸借を促進するため、貸借に関する意向調査を実施するとともに、生産緑地バンク制度の創設支援や貸借促進のための制度啓発等を実施してまいります。
 一九四ページをお開きください。3の(15)のク、国産粗飼料流通円滑化支援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 牧草やわら草等の外国産粗飼料の価格高騰による畜産農家の経営負担の緩和を図るため、国産粗飼料を購入する際に必要となる経費の一部を支援してまいります。
 一九九ページをお開きください。4の(15)のア、農業改良普及指導では、農業技術の向上や農家経営等の改善を図るために普及指導を強化するとともに、デジタル技術の活用により、普及指導の高度化を図っております。
 二〇一ページをお開きください。(19)、雇用就農推進支援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 東京農業の担い手が減少する中、新たな人材育成として、法人の新規参入による雇用就農を促進するため、相談、人材育成、施設整備など、総合的な支援を実施してまいります。
 (20)、農業者出産・育児期支援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 農業者が出産、育児等により就業困難な場合に、代替人材の確保に必要な経費の一部を助成することにより、農業経営体の安定的な農業生産の維持を図ってまいります。
 二〇七ページをお開きください。林業の振興では、森林循環の促進や森づくりの推進のほか、森林産業の育成に向けた施策などを展開しております。
 二一〇ページをお開きください。3の(4)、多摩産材の利用拡大では、多摩の林業、木材産業の活性化を図るとともに、木のよさや木を使う意義を普及PRしてございます。
 二一一ページをご覧ください。(7)、林業先進技術導入事業では、林業の生産性を向上するとともに、施業の効率化を進めるため、先進技術による林業機械等の導入や開発に向けた支援を実施しております。
 二一三ページをお開きください。(15)のキ、多摩産材の情報発信力強化事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 都心部に新たな情報発信拠点を開設し、多摩産材の利用促進及び多摩地域の林業、木材産業を活性化してまいります。
 二一五ページをお開きください。水産業の振興では、漁業資源の管理や漁業関連の生産流通基盤の整備、漁業経営の安定に向けた施策などを実施しております。
 二一八ページから二二一ページにかけまして、3、漁業経営の安定では、新規就業者の確保、育成を行う専門窓口を設置し、将来の東京の漁業を支える担い手の育成を支援しております。
 また、インターネット販売による販路拡大などを通じた水産関係団体の経営力強化に加え、海外市場の開拓支援による販売価格の底上げなどにより、漁業者の経営安定に向けた支援にも取り組んでおります。
 さらに、DXによる荷さばき作業の効率化のためのシステムの構築を通じて、漁業協同組合の事務の効率化及び適切な資源管理を推進してまいります。
 加えて、漁業者の燃油調達に係る負担の軽減を図るとともに、漁業共済の掛金の一部を支援してございます。
 続きまして、雇用就業対策でございます。恐れ入りますが、二二五ページをお開きください。
 二二五ページから二二九ページにかけまして、雇用就業対策の体系をお示ししてございます。地域における雇用・就業の促進、適正な労働環境の確保、多様なニーズに対応した職業能力の開発・向上の三つの体系で事業を展開してございます。
 二三二ページをお開きください。地域における雇用・就業の促進では、若年者、中高年者、女性、障害者など、都民の雇用、就業の促進や、中小企業の人材確保等の施策を展開してございます。
 二三二ページから二四六ページにかけまして、1、しごとセンター事業の推進でございますが、これは東京しごとセンターにおいて、若年者、中高年者、高齢者及び女性を対象としてカウンセリングやセミナー、能力開発などの就職支援をワンストップで提供しているものでございます。
 二四九ページをお開きください。4の(3)、新たな時代のニーズに対応するためのシニアの再活躍応援講座は、令和五年度の新規事業でございます。
 豊富な経験や専門的知見を有するシニアが、セカンドキャリアにおいて円滑に職場に適応し即戦力となれるよう、マインドチェンジを促進する短期間のプログラムを実施し、中小企業での活躍を後押ししてまいります。
 二五四ページをお開きください。6の(10)、持続可能な障害者雇用における業務開拓・実践事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 デジタル化の進展やニューロダイバーシティの観点から、企業における障害者雇用の新たな可能性を開拓するとともに、好事例を発信してまいります。
 二五五ページをご覧ください。8の(1)、人材確保支援事業では、人材確保に課題を抱える中小企業に対し、採用に関する相談や専門家によるコンサルティング等を通じて支援をしております。
 二六四ページをお開きください。16、ソーシャルファーム支援事業では、ソーシャルファームを普及するとともに、根づかせていくため、認証したソーシャルファームの運営を支援するとともに、都が設置する支援センターで、その創設や経営の相談等を実施してございます。
 二六六ページをお開きください。適正な労働環境の確保では、生産年齢人口の減少などを見据え、幅広い人材の労働参加を促進するとともに、労働生産性の向上につなげるため、働き方改革やライフ・ワーク・バランスの推進など、従業員の労働環境整備を進めております。
 二七五ページをお開きください。10、エンゲージメント向上に向けた職場環境づくり推進事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 都内中小企業等の労働生産性を高めるため、職場環境の改善や人材育成、賃金の引上げなど、従業員のエンゲージメント向上に取り組む企業に対し、専門家派遣や奨励金により支援をしてまいります。
 二七七ページをお開きください。13、テレワーク等普及推進事業では、普及啓発のほか、導入や運用に詳しい専門家によるサポートを行うとともに、導入が難しい業種への伴走型のハンズオン支援や、運用に課題を抱える企業へのフォローアップ支援などを実施しております。
 二八一ページをお開きください。16、ライフイベントと仕事の両立へのスキルアップ等応援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 従業員のスキルアップ等の制度整備に取り組む中小企業を奨励金や専門家派遣により支援し、ライフイベントと仕事の両立を後押ししております。
 二八四ページをお開きください。26、男性育業もっと応援事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 複数の男性従業員に育業をさせ、継続的に育業しやすい職場環境整備を行った企業に、育業する人数に応じた奨励金を支給することにより男性の育業を促進してまいります。
 二八七ページをお開きください。31、働く女性のウェルネス向上事業は、令和五年度の新規事業でございます。
 女性特有の健康課題と仕事の両立をテーマに、アンケートによる情報収集を行うとともに、企業における取組の好事例を特設サイト等で発信してまいります。
 二九二ページをお開きください。多様なニーズに対応した職業能力の開発・向上では、時代や環境の変化に機敏に対応し、公共職業訓練等を通じて、東京の産業の振興を担う人材の育成と職業能力開発の支援に取り組んでおります。
 二九二ページから二九三ページにかけまして、1の(1)、求職者向け訓練では、求職中の方々に対して、新たな職業に必要な技能や知識を習得する訓練機会を提供してございます。
 二九三ページ、(2)、在職者向け訓練では、在職中の方々に対して、技能や知識のさらなる習得に向けた訓練などを実施しております。
 三〇二ページをお開きください。8、DX人材リスキリング支援事業では、都内中小企業のDXを推進するため、企業の課題把握を踏まえた従業員のリスキリング計画の策定から講座の実施までを一体的に行い、社内DX人材の育成を支援してございます。
 事業概要につきましては、以上でございます。
 引き続きまして、お手元の資料3、東京都政策連携団体等運営状況をご覧ください。この資料は、東京都が二五%以上の出資を行っている団体のうち、当局所管の政策連携団体等につきまして、各団体の概要、令和五年度事業計画及び予算、並びに令和四年度事業実績等について記載をしているものでございます。
 表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。対象となっておりますのは、1、株式会社東京国際フォーラム、2、公益財団法人東京しごと財団の政策連携団体二団体を含む、合計六団体でございます。これらの団体は、都と政策の実現に向け連携するなど、都民サービスの向上に寄与することを目的として事業展開を行ってございます。
 内容につきましては、後ほどご覧いただければと存じます。
 以上で産業労働局の事業に関する説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○古城委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 資料要求させていただきます。
 政策課題対応型商店街事業の申請状況。
 中小企業制度融資の目標と実績の推移。
 都内製造業の事業所数、従業者数、製造品出荷額及び付加価値額の推移。
 働くパパママ育休取得応援事業の実績。
 介護休業取得応援事業の実績。
 女性・若者・シニア創業サポート事業の実績。
 都立職業能力開発センターの応募状況と職業紹介実績、就職率。
 委託訓練の科目、定員、応募状況、就職率。
 雇用形態別、男女別、年齢別都内就業者数の推移。
 内水面漁業の従業者数、主な魚種別漁獲量、養殖量の推移。
 林業の就業者数。
 国外から東京都への旅行者数の推移。
 水素ステーションの実績、供給台数、供給量、各ステーションごと、二〇一四年から。
 以上です。

○古城委員長 ただいま白石理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○古城委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○前田管理部長 去る十月二十四日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は全部で四項目ございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、中央卸売市場における市場別業者数の推移(十年間)についてでございます。
 過去十年間の水産物、青果物、食肉及び花きの市場別の業者数の推移をお示ししております。一ページに卸売業者、一枚おめくりいただきまして、二ページに仲卸業者、三ページに売買参加者について、それぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。2、中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移についてでございます。
 四ページに取引方法別割合の推移、五ページに取扱金額の推移を記載してございます。
 六ページをお開き願います。3、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況についてでございます。
 卸売業者及び仲卸業者につきまして、取扱品目ごとに業者数とそのうちの赤字業者数を区分して記載してございます。
 七ページをご覧ください。4、コロナ禍と物価高騰における市場業者への支援の実績についてでございます。
 市場業者への支援の実績につきまして、市場使用料及び光熱水費の支払い猶予、業界と一体となった感染症対策などを記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古城委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○白戸委員 よろしくお願いします。
 今年も食肉市場では市場まつりが開催されまして、多くの来場者が買物を楽しみ、にぎわっていたと聞いております。
 現代人の多くが肉が好きで、令和二年一月に厚生労働省が公表した国民健康・栄養調査によりますと、平成三十年の肉類摂取量は、十年前と比べまして、何と三四・五%増えているということでした。もちろん私個人も肉好きで、牛、豚、鳥、羊、かなり幅広く食べさせていただいております。
 そうした中、食肉市場では日々多くの食肉を取り扱っているほか、安全・安心、高品質な食肉の生産を目指して、高度な技術、芝浦ブランドという付加価値をつけ、と畜解体から加工までの品質管理を厳格に行っているとも伺っております。
 一方、施設の老朽化も進んでおり、対応を進めていくことが市場業者からも求められております。
 牛や豚の枝肉は、水分を抜くために数日から十日程度保管しなければならずに、その冷蔵設備においては品質に与える影響も非常に大きいということで、要望も強く、計画的にきちんと更新の工事を行う必要があると考えております。
 そこで、令和五年度の食肉市場の冷蔵設備の更新についての進捗を伺います。

○萩原環境改善担当部長 現在、食肉市場の冷蔵庫は、急速冷蔵庫を含めて、市場棟で十一室、センタービルでは九室供用しておりますが、その多くは老朽化による更新時期を迎えております。
 令和五年度は、市場棟の南側にある急速冷蔵庫五室のうち二室と、北側にある冷蔵庫五室のうち二室で冷蔵設備の更新工事を実施してございます。
 また、センタービル内にある冷蔵庫につきましては、更新計画作成の検討を実施しており、現在、仲卸業者の意見を聞きながら更新計画を作成しているところでございます。

○白戸委員 老朽化が進んでいる中で、計画的に冷蔵設備の更新が行われているということが分かりました。これ、ある意味、大切に育ててきた家畜の価値を決める重要な工程ということだけに、これからもぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 一方、こうした更新工事は、都民への安定供給の観点というのも忘れてはなりません。日々の市場業務への影響をどれだけ最小限にとどめられるか、工事の際の工夫が求められるのではないかと思います。
 そこで、この冷蔵設備などの更新に当たり、どういった工夫をされているのか伺います。

○萩原環境改善担当部長 冷蔵設備の更新工事に当たりましては、市場機能を担っております市場業者の日々の業務に与える影響をできるだけ小さくすることが重要でございます。
 このため、枝肉搬送通路の一部を仮設冷蔵庫として利用できるよう改修し、更新工事で一時的に使用できなくなる冷蔵庫の代替といたしまして、約七十頭分の枝肉の保管を可能といたしました。
 また、比較的食肉流通が少ない閑散期に工事が集中するよう、発注時期や工期についても調整をしております。
 さらに、工事時間につきましても、市場業者の業務時間との調整を図るとともに、資材置場や工事車両動線なども専用に設けることで、円滑な工事が行えるよう努めてございます。
 こうした取組によりまして、市場業者の業務に与える影響を最小限とし、都民への食肉供給に大きな影響を与えないよう工夫をしてございます。

○白戸委員 更新工事におきまして、様々な工夫をされているということが分かりました。これ、都民に対して市場を止めてはなりませんので、安定した食肉供給ができるようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 一方、この芝浦ブランドを維持するには、品質向上に関する取組、こちらも非常に重要でございます。
 近年、従来の抜取検査ではなくて、その過程からしっかりと管理をする国際的な基準であるHACCPが導入されるなど、国内においても品質管理が厳格になっているという状況です。
 そこで、老朽化対策にとどまらず、品質衛生管理の向上に関する工事もしていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○萩原環境改善担当部長 近年、牛や豚の生体が大型化しておりまして、市場業者から、枝肉同士の接触を防止するなどの施設改修を求められております。
 このため、仲卸業者が使用しております市場棟の冷蔵庫室の冷蔵設備を更新する際に、レール間の幅を広くするなどの改良工事を実施してございます。
 これらによりまして、一層の品質衛生管理の向上を図ることが可能となります。

○白戸委員 東京は、人口が多いのはもちろんです。人種も多い。そして、その市場は、国内のあらゆる生鮮食品が集まってくる日本の台所といって過言ではないと思います。引き続き、計画どおりに更新工事、そして、世界基準で芝浦ブランドを適切に維持していけるようお願いしておきます。
 次に、東京の食肉に関しての普及活動について伺います。
 東京には、食肉市場から広く発信されているこの芝浦ブランド、先ほどから何度も出てきていますが、これのほかに、東京産の畜産物の代表として、八王子などでも飼養されているトウキョウXという東京で開発されたブランド豚もありまして、食肉に関する魅力も高いところだと思います。
 私は、この二つのブランドを活用して、もっと東京の食肉の魅力を普及させるべきと考えており、これにより、これまで以上に生産者が出荷者として芝浦と場を選ぶ理由につながると考えています。
 そこで、代表的な東京産畜産物であるトウキョウXの食肉市場における取扱量を伺うとともに、こうした東京産畜産物と芝浦ブランドの双方を活用した東京の食肉の高い付加価値について理解していただくことが必要だと考えますけれども、この辺りの都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 食肉市場では、令和三年度からトウキョウXを取り扱っております。
 取扱数量につきましては、卸売業者から、令和三年度は約四百四十頭、令和四年度は約千三百五十頭、今年度の上半期まででは約七百八十頭と聞いてございます。
 食肉市場では、芝浦ブランドの価値を多くの方々に理解していただけるよう、食肉市場で業務に携わる者が守るべき基本的事項を定めた行動憲章を業界団体が定め、パンフレットなどで、芝浦ブランドを維持するための具体的取組を紹介しております。
 これらに加えまして、今後は食肉市場で開催する都民向け肉料理講習会や市場見学会の機会も活用することで、トウキョウXをはじめとした東京産畜産物を芝浦ブランドの下で取り扱っていることをPRし、双方のブランド力を活用した情報発信を行ってまいります。

○白戸委員 現状の食肉市場におけますトウキョウXの取扱量が顕著に、堅調にといった方がいいですね、堅調に伸びていることがよく分かりました。
 そしてまた、東京の食肉の普及を図る取組について広報活動もされているということも分かりましたが、問題は、やはり大事なのは、量も当然大事なんですけれども、実はやっぱり量よりもむしろこうした質ですよね。付加価値が重要なものにこれからなってくるというふうに思いますし、市場の価値も左右するようなことになってくるのかなというふうに考えております。
 今後も積極的に多様なツールを活用して東京の食肉の魅力向上を図っていくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次は、私の地元であります江東区豊洲に二月開業予定の豊洲の千客万来についてお伺いします。
 千客万来は、九月末に無事竣工し、江戸情緒あふれる建物が姿を現したということで、地元の区民の皆様などには開業に向けた実感を強く感じていただいているようで、様々な反響をいただいているところでございます。
 そんな中で、一部報道では、入居予定のテナントが想定の半数以下であるというようなことも報じられ、開業時に空き店舗が生じるようで本当に大丈夫なのかという声もいただいているところであります。
 そこで、現状のテナントリーシングの状況を伺います。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 令和六年二月に開業を迎える豊洲千客万来において、豊洲ならではの活気やにぎわいを創出していくためには、一部の報道で取り上げられた入居テナント数の問題だけではなく、豊洲市場に近接した立地などの特色や魅力をどう発揮していくかが重要でございます。
 事業者である万葉倶楽部からは、テナントとの交渉に当たりまして、各店舗の魅力を最大限生かすため、複数区画を使って一定規模以上で営業したいというニーズに応えた結果、当初の想定より店舗数は減少したものの、開業時に全ての区画は埋まる見込みとの報告を受けております。
 引き続き、開業に向けて、万葉倶楽部をはじめとした関係者と共に、市場ならではのにぎわいが創出できるよう準備を着実に進めてまいります。

○白戸委員 これ、今のお話だと、店舗の使用面積が広がったということで、広がったからこそ、店舗数は減ったけれども、空き店舗はないという考え方でよろしいですね。——はい。魅力的な店舗がしっかりと軒を並べまして、やはり開業を心待ちにしている皆さんに喜んでいただけるような施設になることを期待しております。
 さて、この豊洲の千客万来がにぎわいを創出するためには、その名のとおり、より多くの方に足を運んでもらうこと、まずこれが重要であります。これを実現するためには、開業に向けて機運を高めていくこと、こちらが重要です。
 都はこれまで、運営事業者と共に、開業に向けて、毎月のようにイベントを開催するなど、機運醸成に取り組んでこられましたけれども、開業に向けた機運醸成の取組に関する現時点の状況、成果について伺います。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 開業に向けた機運醸成や豊洲地域の継続的なにぎわい創出を目的に、本年五月から、江戸前場下町及びミチノテラス豊洲において毎月イベントを開催しており、十二月まで実施予定でございます。
 江戸前場下町においては、市場関係者と連携しながら、豊洲市場の鮮魚、青果、関連用品等の物販や、旬の食材を生かした飲食等の販売、ステージイベント、縁日やターレの展示等を実施しております。また、地域団体等によるパフォーマンスや物販等を実施しております。
 ミチノテラス豊洲では、万葉倶楽部によるPRブースや各地の祭りを体感できるパフォーマンス、縁日等を実施しております。
 十月までに延べ約四万七千名の方々が来場するなど、毎回多くの観光客や周辺住民の方に足を運んでいただいておりまして、豊洲千客万来開業を期待する声が多数聞こえるなど、機運醸成に大きな効果を発するとともに、市場関係者による模擬競りやクイズ大会は、豊洲市場や魚、青果の知識を来場者に披露するよい機会となり、市場の魅力向上や食育にも寄与しております。

○白戸委員 私もそういったイベントを現地で見せていただきましたけれども、ご来場の皆さんが楽しそうに、家族連れなんかも飲食されている姿、非常に印象的でございました。
 あと、個人的には、やっぱりターレのところは非常に人気、お子さんに人気があるなというのも印象でしたけどね。
 ともあれ、ここまで来るまでにいろいろと努力と苦労をされてきたと思います。開業まであと三か月を切りまして、運営事業者である万葉倶楽部からは、足湯などの施設や出店テナントの情報がちょっとずつ出てきたということで、地元を中心にわくわく感とか期待感が高まっているというのも、これ、私は感じております。
 都も運営事業者と共に、開業に向けて、さらなる認知度の向上にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、今年開催しているこうしたイベントを通じて、どのように開業後、その後のにぎわい創出につなげていくのか、見解を伺います。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来は、食の魅力発信や、国内外から多くの観光客を誘致する拠点として、豊洲市場と一体となって地域のまちづくりや活性化に貢献していくことが重要でございます。
 そのため、これまでのPR活動に加え、庁内関係部署等とも連携したプロモーションを実施することにより、開業に向けて、施設の認知度、期待感を高めてまいります。
 また、開業後も将来にわたりにぎわいが創出されるよう、新鮮な魚介類、青果等を気軽に楽しみたいという声も踏まえ、市場関係者等と連携した販売フェア、物産展などのイベントに、事業者と共に取り組んでまいります。
 こうした取組により、豊洲千客万来が末永く親しまれる施設であり続けられるよう、事業者や市場関係者、地元とも連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいの創出につなげてまいります。

○白戸委員 あと三か月でございます。開業時には、この千客万来の名のとおり、地元である江東区民をはじめ、国内外の方に多く来場をいただきまして楽しんでいただけるよう、大いに期待しております。
 そのためにも、やはり市場らしい新鮮な魚介類、それから青果ですよね、こういったものを楽しめる仕掛けが必要なのではないかなと感じておりますので、引き続き取組の方、よろしくお願いします。
 次に、この豊洲市場の見学施設について伺います。
 先ほどの質疑にもありましたが、千客万来施設は来年の二月に開業予定であり、これから豊洲市場を核とした活気とにぎわいをより一層創出していくことに大きな期待が寄せられております。
 また、今年の五月に新型コロナウイルス感染症が五類に移行したことに伴い、訪日外国人が増加するなど、社会経済情勢も回復の兆しが見えております。これらを機に、豊洲市場の見学通路なども広く発信すべきだと思っております。
 そこで、まず初めに、見学一般来場者の状況について、その実績をコロナ前後で伺います。

○前田管理部長 豊洲市場では、コロナ禍により、令和二年三月より見学の受入れを中止しておりましたが、令和四年四月以降に見学の受入れを再開いたしました。
 見学者数の目安となる豊洲市場PRコーナーの来場者数の実績につきましては、コロナ禍前の令和元年は、年間約四十四万人、月平均約三万七千人でございました。令和五年は、一月から九月までの累計で約十万人、月平均約一万二千人となっており、令和元年と比べて約三割でございます。
 このうち、外国人は、コロナ禍前の令和元年は、年間約十一万人、月平均約九千四百人でございました。
 令和五年は、一月から九月までの累計で約三万二千人、月平均約三千五百人となっており、令和元年と比べて約四割でございます。

○白戸委員 今の答弁では令和五年の実績を示していただきましたけれども、これ、単純には比較できませんけれども、令和五年は、回復途上とはいえ、数字ではコロナ禍前に戻りつつあります。
 私の現場での個人的な肌感としては、もう夏頃から急激に回復しているのかなというふうに感じ、恐らく秋だけ見ると、もう例年並みに来たのかなとも思います。
 そうした中だからこそ、国内外からの多くの見学者に対して豊洲市場の魅力や情報をしっかりと発信し、それらをきちんと理解して受け止めていただくには、見学通路のコンテンツ充実は非常に重要な取組でないかと考えます。
 そこで、これまでの見学通路のコンテンツに関する取組について伺います。

○前田管理部長 豊洲市場では、これまで築地市場にはなかった見学者通路を開場当初から整備し、来場者が市場取引の現場を間近に体験できるとともに、市場の歴史や仕組みに関する展示を行っております。
 令和三年度には、見学者が自身と等身大のマグロを比較できるパネルや、新年の取引初日に上場される青果の宝船のレプリカを設置いたしました。
 さらに、取引時間以外においても、マグロや活魚等の競りの様子を日本語と英語で表示した動画や、展示パネルの解説を十五言語で行うことのできるQRコード等を設置するなど、展示物の充実を図ってまいりました。

○白戸委員 見学施設において、英語を中心に多言語での対応をなされているとのことでした。
 しかし、私が見たところ、特に七街区の見学コーナー、設置されておりますが、見学コーナーなどでは、外国人の方が目にしてすぐ分かる英語表記はかなり、多くはないというよりも少ないといった方がいいのかなというふうには感じました。
 そこで、やはり特に見学コーナーの展示物の英語表記をより一層充実させるべきと考えますけれども、見解を求めます。

○前田管理部長 外国人の方にとって分かりやすい多言語表記を増やすことは、豊洲市場に見学に訪れた訪日外国人に豊洲市場の魅力を広く伝え、ブランド力の向上に資することに加え、さらには豊洲市場から海外に輸出される水産物に対する適正な評価にもつながることが期待されます。
 そのため、展示内容が伝わりにくいものについて、デジタル技術なども活用し、英語をはじめとした多言語による表記を追加するなど、あらゆる来場者の方々にとって理解しやすく楽しむことのできる展示内容となるよう、幅広く意見を聞きながら、その充実強化に努めてまいります。

○白戸委員 先ほど来場者の内訳の数字を教えていただきましたけれども、私が先月、ちょっと伺ったときの感覚では、これはあくまでも感覚でございますが、感覚では、お客様の中で日本人の割合ってもう三割、二割というぐらい、ほとんど外国の方だったというふうに記憶しております。どう少なく見積もっても、少なくとも半分以上はもう日本人ではないと。むしろ日本人以外の方が多いといった方が正しいと思います。そういう方たちに分かるようにしていかなければ、やはりこの見学コーナーというのは機能しないというか、本来の意味をなさないというふうに思います。
 今も都が豊洲市場の見学施設の展示内容の充実強化に努めるという答弁をいただきましたけれども、こうした取組の一つ一つが、訪日外国人にとって、日本の卸売市場の理解を深めていくことにつながり、訪日のすばらしい思い出になっていくものだと思います。
 かなり大きなことをいいますと、世界にこの豊洲市場のファンを少しでも、一人でも多く生み出していくことが大事だと思いますので、引き続きしっかりとこの見学コーナー、取組を進めていただきたいと思います。
 また、先ほどのにぎわい施設のところでも出てきましたけれども、豊洲市場に訪れるお客様の多くの方から、せっかく豊洲に来たんだから、魚を買いたいという声も多くあるようです。
 そこで、この魚を買い求めたいといった見学者の対応について、都の見解を求めます。

○大谷事業部長 中央卸売市場は、市場関係者等が販売、仕入れを行う業務施設である一方で、卸売市場の役割や機能について、広く都民の皆様に理解を深めていただくことも重要でございます。
 そこで、豊洲市場においては、水産仲卸業者の団体である東京魚市場卸協同組合が、年に数回、地元江東区民向けに、仲卸売場を見学し、一部の店舗で水産物の購入ができる豊洲市場水産仲卸売場体験会を実施するなど、多くの方々に市場を身近に感じていただく機会を設けております。
 また、二月に開業を迎える豊洲千客万来において、豊洲市場で取り扱う新鮮な魚介類をご購入いただけるよう、運営事業者である万葉倶楽部は、市場業者等の出店に向けて準備を進めております。
 今後も、豊洲市場や豊洲千客万来がそれぞれの魅力を創出し、水産物の消費、普及拡大にもつながるよう、都として取り組んでまいります。

○白戸委員 仲卸売場を見ていただいて、市場の役割、機能を理解するためのものだというのは、これは理解しております。
 ただ、やはり皆様お分かりだと思うんですけど、普通に観光客があの市場に行って魚を流通しているところを見たら、それは魚を買いたいとか魚を食べたいと思うのは、これ、人間の心理として普通だと思います。当然だと思うんですよね。それを恐らく築地の時代に吸収していたのが場外市場じゃなかったかなというふうに思います。
 豊洲には場外市場はありませんので、千客万来はそれに近い機能を果たしていくべきなのではないかというふうに個人的にも考えておりますし、また、そうしていくべきではないかと思います。
 見学者の満足度を考えますと、さらに千客万来以外でも、そんな魚に触れ合えるような機会、スペースがあってもいいのかと思います。
 ぜひ引き続き、この課題については取り組んでいただけるよう要望しておきます。
 次に、市場業者の経営支援について伺います。
 我が国の社会経済活動に大きな影響を与えてきたコロナ禍から緩やかな持ち直しが続く一方、国際情勢の不安定化によるエネルギーコストの増加や物価の高騰など、市場業者の経営を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。
 都は、こうした環境の変化を踏まえ、適宜施策の見直しを図りながら市場業者の経営支援に取り組んできていると聞いておりますが、そこで、経営支援策の実施状況と今後の取組の方向について確認をさせていただきたいと思います。
 まず、市場業者への支援について、令和四年度の取組状況を伺います。

○大谷事業部長 都は、社会情勢が目まぐるしく変化する中において、取引を担う市場業者の経営基盤の強化を図るため、中央卸売市場経営強靱化推進事業により、事業者の行動変革に向けた取組などに要する経費の一部を補助しています。
 令和四年度は、複数事業者による新規性の高い事業を推進する枠組みを新設し、青果と水産の事業者が連携して、海外販路の構築に向けて現地商談会を開催する取組等について支援するなど、状況の変化に応じた見直しを実施しました。
 また、本事業を活用した取組を促進するため、事業者向けセミナーや年二回の情報誌の発行の機会に、制度内容や補助金を活用した好事例などの周知を図りました。
 こうした取組により、令和四年度は、全十一市場において計百三十三件の取組に対して支援を行い、交付額については約二億二千二百万円となりました。

○白戸委員 こうした実績は、市場業者や業界団体などが、販路拡大など現状に問題意識を持って、変革したいという意識を持っていることの表れであるというふうに考えます。コロナ禍で非常に厳しい状況にある市場業者が、昨今の環境変化に応じた自律的な取組を進めることができるよう、これからも補助事業などを通じて、都はしっかりと後押しをしていただきたいと思います。
 そして、何よりこの変化の時代に合わせた、ニーズに沿ったものになるよう、必要に応じて事業の拡充等を図っていくべきだと考えます。
 また、都は、令和五年度に、デジタル技術をビジネスに積極的に活用したいという市場業者の声を踏まえまして、経営強靱化推進事業の見直しを行ったと聞いております。
 我が会派は、これまで、市場業者のデジタル技術を積極的に活用し、企業として競争力を高めていくことの重要性について、繰り返し触れてまいりました。
 そこで、令和五年度の中央卸売市場経営強靱化推進事業において新設されたデジタル技術の活用に向けた支援と、その活用状況について伺います。

○大谷事業部長 市場業者が昨今の取引環境の変化に対応するため、デジタル技術を活用した販路開拓や業務効率化等に自律的に取り組み、稼ぐ力を向上させていくことは有効でございます。
 そのため、令和五年度に、市場業者がより迅速に業務のデジタル化を実現できるよう、パソコンや通信機器の導入経費を対象とした補助区分を新たに設け、同時に、申請に必要な手続を簡素化するなど、制度の見直しを図りました。
 また、専門家と連携したセミナーを開催し、令和六年一月に施行される電子帳簿保存法への対応に向けたシステムの紹介や、導入に当たっての留意点などを周知しました。

○白戸委員 今年度は、DX推進枠を新設するなど、制度を見直されたということです。市場業者の多くは、書類を作成する暇もなく、日々の仕事に追われているという状況だそうです。そうした状況を踏まえまして、市場業者の方々が利用しやすいように、都が申請手続を簡素化するなど、環境を整えているということは評価できます。
 どんなにいい事業であっても、使いにくいもの、ニーズとずれてしまっていては意味がありません。あくまでも市場業者を支えるための経営強靱化推進事業でございます。より多くの市場業者にご利用いただけますよう、事業の課題分析と、個々のニーズに応じた、より使い勝手のよい制度にしていくことが大切だと考えます。
 そこで、こうした事業執行上の課題を踏まえました今後の支援の方向性について、都の見解を伺います。

○大谷事業部長 都はこれまで、公認会計士を含む専門家と連携して、各場への訪問相談を定期的に実施し、個々の市場業者が抱える課題等を聞き取り、専門的な知見による助言等を提供するとともに、個別の経営課題等についても、企業経営や財務の専門家等による経営相談を実施してまいりました。
 これらを通じ、支援策の利用に当たって、市場業者から、申請書類の作成方法が分かりづらく、手続も煩雑で利用しづらいとの意見があったため、申請書類や手続の簡素化などに取り組み、その結果、申請しやすくなったとの声をいただいております。
 今後も都は、こうした機会を捉えて市場業者と意見交換を積み重ねることにより、現場の声やニーズを的確に把握し、制度に反映させていくことで、補助事業等が利用者にとって使い勝手のよいものとなるよう、引き続き努めてまいります。

○白戸委員 ありがとうございます。事業執行上の課題をしっかりと分析し、必要に応じて、事業の拡充、時には縮小ということもあるかもしれませんが、適宜行っていただきたいと思います。
 今後とも、より多くの市場業者がデジタル化をはじめとする経営の変革に向けた取組を進めるために、利用者である市場業者の声によく耳を傾けていただきまして、ニーズに合った使いやすい制度となるように要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○ほっち委員 よろしくお願いします。
 初めに、私の地元足立区にある二つの市場の一つ、足立市場について質問をいたします。
 水産物のみを取り扱う足立市場は、最寄りの駅からも近く、国道四号線にも面しており、交通アクセスのよい、とても便利な場所にあります。
 地域における水産物の重要な拠点の一つでありますが、その取引状況を見てみると、令和四年度は、取扱数量が一万三百十一トンで、前年度に比べ三%減少しているものの、外食等の業務需要が回復傾向であることなどを受けて、取引金額が前年度に比べ一三%増加し、百二十九億五千九百二十六万円となっております。
 一方で、施設の老朽化が顕著となっており、衛生対策の推進についても待ったなしの状況であるというふうに聞いております。
 そこでまず、令和三年度に策定した東京都中央卸売市場経営計画における足立市場の位置づけについてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 東京都中央卸売市場の水産物市場は、品ぞろえや鮮度保持等の集荷上の観点や、冷蔵庫設備等に巨額の投資を必要とすることなどを背景として、豊洲をはじめとする区部の三か所に集中的に整備され、立地しております。
 その中で、足立市場は、東京都中央卸売市場経営計画におきまして、足立区をはじめとする近隣地域における水産物流通の供給拠点としての役割を果たすとともに、地元の小売店や量販店などの実需者ニーズに応じた販売機能や加工機能等を発揮することが期待される市場としてございます。

○ほっち委員 経営計画の位置づけでは、足立市場が近隣地域において重要な役割を果たしているということの説明がありました。
 しかしながら、私もよく行く足立市場でありますけれども、施設が老朽化しており、市場業者からは、老朽化はもとより衛生面にも課題があるというふうによくお聞きをしております。地域の拠点であり続けるためには、しっかりと対策を講じなければならないというふうに思っております。
 そこで、足立市場の施設において、どのような衛生面の課題があるのかお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 足立市場は、築五十年以上が経過し、老朽化が進んでいる施設があるなど、水産物市場に求められる高度な品質衛生管理の実現に向けた課題がございます。
 そのため、卸売場や仲卸売場について、衛生対策の推進に向けた取組の検討が急務でございます。

○ほっち委員 それでは、今後、衛生対策に取り組むとして、卸売場、仲卸売場を市場施設ごとにどのように対策をしていくのか、確認をしていきたいというふうに思っています。
 まず、卸売場の現状と具体的な対応方針についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 足立市場の水産卸売場は、閉鎖され低温化されている大物卸売場や鮮魚及び塩干物などを扱う第二低温卸売場が整備されております。
 しかし、鮮魚卸売場の一部につきましては、開放型となっているため、商品の鮮度保持等に課題を抱えていると業界からの声が上がっております。
 そのため、鮮魚卸売場を閉鎖型に改修することで、これまで以上に品質の向上を図っていく必要があると考えております。

○ほっち委員 卸売場での現状の課題を踏まえ、時代の要請に応じた閉鎖型とするとのことでありますけれども、また一方で、仲卸売場にも私も伺ったことがありますが、大変老朽化が進んでいるイメージがあります。
 そこで、仲卸売場の現状についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 足立市場の仲卸売場は、特に施設の老朽化が進んでおり、水産物市場に求められる商品の鮮度保持などといった高度な品質衛生管理の確立に向けた課題がございます。
 このため、都は、昨年度、仲卸売場の劣化度調査を行い、施設の老朽化等の状況を確認した結果、現在の施設を継続的に使用していくためには、大規模な改修工事の必要性が明らかになったと同時に、既存施設を使用しながらの改修工事は、工事期間の長期化やコストが増大するなどの課題があり、困難であることが判明いたしました。

○ほっち委員 それでは、今、答弁にあった現状と課題を解決していくための仲卸売場の具体的な対応方針について、次に伺います。

○石井市場政策担当部長 劣化度調査を踏まえまして、今年度は、施設を改善するための対応策の検討に着手し、仲卸売場等を対象とする衛生対策方針、基本計画を策定するため、市場業界との意見交換を行う検討会を立ち上げました。
 具体的には、事業を継続しながら早期に施設の改善を図るため、場内の空きスペースに仲卸売場を移動する対応策を検討していくこととしてございます。

○ほっち委員 仲卸売場の移動に当たっては、仲卸業者によっては、今後、事業継続等に当たり、不安を抱えている事業者もいるというふうに伺っております。
 そこで、仲卸売場を場内移動するに当たり、仲卸業者の意見を聞くなどして、現状いるのかどうかお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長 検討会の立ち上げに先立ち、今年の三月から五月にかけまして、仲卸売場の場内移動に関する意向確認及び施設規模を検討するため、仲卸業者の全員に対して、衛生対策に係るアンケート及び個別ヒアリングを実施いたしました。
 主な意見として、加工場を設置するなど取扱量の増加を目指したい、移動費用やランニングコストの増加が心配といった将来の事業展開に向けた声が多くございました。

○ほっち委員 今の答弁を伺いますと、不安な声だけではなく、取扱量の増加に向けた事業拡大など、前向きな意見もあるということが分かりました。移動に伴う費用負担の心配なども抱えていることから、十分に皆さんの意見を聞いていただきたいというふうに思っています。
 さて、今後の整備では、売場が移動する仲卸業者だけが影響を被るだけではないということは忘れてはなりません。
 卸売市場は、関連事業者や運送事業者など、様々な関係者に利用されており、そうした方々の声もしっかりと受け止めた上で、市場運営に支障が生じないような円滑な整備を行っていくことが最も重要な課題だというふうに考えております。
 そこで、今後の足立市場における衛生対策を円滑に進めていくために、都と、場内の事業者が綿密な協議を行い、いわばウイン・ウインの成果を上げることができるよう対応していくべきと考えますが、市場長の決意をお伺いしたいと思います。

○早川中央卸売市場長 中央卸売市場における施設整備は、市場運営を継続しながら実施する必要があるため、業務を行う場所の変更や場内動線の大きな見直しを伴う場合にはもちろん、常に市場業者の方々の十分な理解を得ながら進めていかなければならない、こういう特性がございます。
 今般の足立市場における衛生対策の推進に当たりましても、場内移動を伴うなど、市場業務への大きな影響が予想されることから、都と市場業者の代表者を構成員とする検討会において、合意形成を十分に図った上で、配置等の諸条件を整理してまいります。
 合意形成に際しましては、仲卸業者やその影響を受ける既存施設の使用者の方などから、個別に施設の使用状況など、それぞれの事業者の実情等を十分に確認いたしまして、丁寧な調整を行ってまいります。
 今後も都は、市場関係者と緊密に連携協力し合う関係の構築に尽力いたしまして、安定した市場業務と、円滑で計画的な市場整備の双方が実現できるよう、全力で取り組んでまいります。

○ほっち委員 ただいま市場長から、場内事業者との十分な協議を行った上で、安定した市場業務と、円滑で計画的な施設整備の双方を実現していくという力強い答弁をいただきました。
 足立市場の衛生対策の取組は、市場業者の皆さんが長年要望されてきた念願であり、その実現に向けて、都がしっかりと尽力をしていただきたいというふうに思っています。
 さて、足立市場では、こちら、あだち市場の日の宣伝の紙なんですけれども(資料を示す)あだち市場の日として、市場業者が主導となって、平成二十六年七月から、コロナ禍で実施できない時期を除いて、隔月に一回、第二土曜日に、一般の方々が場内で鮮度抜群の魚介類などが購入できる、私も足を運んでおりますけれども、区民の皆様にとって大変魅力的なイベントであるあだち市場の日を行っております。
 地域住民をはじめ、多くの来場者が訪れるあだち市場の日の取組は、一般消費者の方々が卸売市場に関心を持っていただく機会であるとともに、地元のPRやにぎわいにもつながるものであるというふうに思っております。
 そこで、あだち市場の日を通して、地域住民の方へ地元足立区の情報や都の施策及び取組内容を広く知ってもらうための工夫が必要だというふうに考えますが、どのような取組を行っているのかお伺いをいたします。

○前田管理部長 会場では、足立区と連携し、足立区ブースを設置して、あだち市場の日に訪れた区民の方々への情報発信の場として活用していただいております。
 東京都ブースでは、場で作成しました場内案内パンフレットを配布するとともに、子供用の魚の塗り絵などを配布し、誰もがあだち市場の日を楽しく過ごすことができるようにしております。
 また、被災地支援として、仲卸業者が被災地産品の販売PRを実施するとともに、都は被災地支援ブースを設置し、のぼりやパネルを掲示するとともに、パンフレットやチラシを配布いたしました。

○ほっち委員 こうした地域に根差した取組によって、地域の方々に市場への理解を深めていただいているというふうに思いますし、地域に密着した水産市場である足立市場にとって非常に意味のあるものであり、ぜひとも途絶えることなく、長く続けていただきたいというふうに思っています。
 これまで足立市場に関して伺ってまいりましたけれども、私が冒頭申し上げたとおり足立区内には、青果と花を取り扱う北足立市場もあります。
 北足立市場の業界関係者の方々からは、施設の老朽化への迅速な対応といったハード面への取組だけでなく、利用しやすい駐車場の確保、また、禁煙ルールの徹底に向けたきめ細かな取組を推進することなど、多くの要望が寄せられております。
 どうか、足立市場と併せて、こうした要望に対しても都としてしっかりと向き合っていただくことを強く要望して、次の質問に移らせていただきます。
 続いて、市場全体の物流対策についてお伺いいたします。
 足立市場だけではなく、都の中央卸売市場は日々産地から多くの荷物が集まり、消費者に新鮮な生鮮品等を届ける流通拠点としての役割を果たしています。
 こうした生鮮品等の物流にとって、トラックドライバーの存在は欠かせないといえます。
 時間外労働の上限規制がトラックドライバーにも適用される、いわゆる物流二〇二四年問題の影響は、中央卸売市場にも及ぶこととなります。
 そこでまず、卸売市場における二〇二四年問題の影響についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 トラック輸送が主流である現在の生鮮品等の物流は、産地での出荷量が直前まで決まらずに荷待ち時間が長い、長距離輸送により運転時間が長い、一部の卸売市場におけるトラックの混雑により待機時間が長い、ドライバーの手荷役作業が多く、長時間の作業時間や作業の負荷が生じているなどの課題がございます。
 このため、他業種と比較してもトラックドライバーへの負担が大きいとの声が寄せられており、物流全体が逼迫する中で、生鮮品等の物流の担い手が今後より一層不足をしかねないといったことが懸念されます。

○ほっち委員 現状でも生鮮品等の物流においては、物流上の特徴から、他業種と比べてもドライバーに負荷が生じているとの声があります。担い手不足が懸念されるとのことであります。
 こうした状況の中で、しっかりと対策を打たないと、卸売市場に物が運べないという事態が生じ、生鮮品等の安定供給に支障が出ることにもなりかねません。こうしたことも見据え、令和四年三月に策定した東京都中央卸売市場経営計画では、物流の効率化に着実に取り組むこととしております。
 そこで、経営計画に掲げた物流の効率化に向けたこれまでの取組についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 二〇二四年問題に伴い、トラックドライバーの人材不足等が深刻化することは、生鮮品等流通に直接的な影響を及ぼす重要な課題であると捉えており、都としても、経営計画における重点的取組として、卸売市場における物流の高度化、効率化に取り組んでいく必要がございます。
 そこで、国の流通標準化に向けた取組と連携し、パレット標準化や管理ルールの策定などの物流の効率化に取り組みますとともに、各市場に改善体制を構築するなどの取組に着手しました。
 また、淀橋市場において、自動搬送などの先端技術を活用した場内物流の改善に向けた実証実験に業界と取り組みますとともに、板橋市場において、産地からの集荷や他市場との連携など、広域的な物流拠点としての機能強化を図るなど、各市場の整備の機会を捉え、物流の効率化に取り組んでいくこととしております。

○ほっち委員 二〇二四年問題を背景に、生鮮品等の流通の担い手それぞれが物流改善への取組を求められています。
 市場業者においても、各市場の課題に率先して取り組んでいくことが必要であり、そのためには、開設者である都のサポートが重要であります。
 そこで、事業者による着実な取組を進めるため、都が支援すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長 都の中央卸売市場は、産地と実需者との流通の中間に位置しておりまして、生鮮品等のサプライチェーン全体の効率的な物流を実現するためにも、各市場の市場関係者が一体となって取組を進めていくことが重要でございます。
 そのため、国や産地、実需者の動向を捉え、都と市場業者による場内物流の改善に向けた検討を引き続き進め、これに基づき、市場業者の物流効率化に向けた自律的な取組を後押しするための具体的な方策について検討してまいります。

○ほっち委員 各市場の実態に応じた市場業者の自律的な取組が重要であり、都においては、それをサポートする的確な方策を講じることを要望しておきます。
 物流二〇二四年問題に向き合うためには、取引を担う市場業者による取組が重要であります。加えて、開設者としても施設面において物流の効率化を図ることが重要です。
 先ほど淀橋市場、板橋市場において、物流の効率化にもつながる整備に向けて検討を進めているとの答弁がありましたが、それぞれ何点か確認をさせていただきたいと思います。
 先日の事務説明において、淀橋市場の拡張整備事業の実施設計に着手しているとの説明がありました。都心部である新宿に位置する淀橋市場は、卸売市場においても二〇二四年問題の解決が求められる中、特に場内が手狭で場内混雑が激しいという事情があります。
 そのため、整備に当たっては、特に場内における物流効率化という視点に考慮しながら、設計などの準備を進めていく必要があります。
 そこでまず、現在進められていると聞いている淀橋市場の実施設計のポイントについてお伺いをいたします。

○萩原環境改善担当部長 淀橋市場拡張整備事業に当たりましては、市場関係者との協議を踏まえ、老朽化した事務所棟を新総合事務所棟に建て替え、併せて取引先のニーズに対応した加工パッケージエリアを施設内に整備するため実施設計を行っております。
 主な特徴として、新総合事務所棟の一、二階は既存卸売場棟と接続し、卸売場などの業務用スペースとして活用することで場内物流の円滑化が図れる構造とするとともに、整備に当たりましては、市場業者が主体となって、物流効率化など生鮮品等の流通環境の変化に柔軟に対応できるよう、スケルトンインフィルの考え方を導入し設計を行っております。
 加えまして、狭隘な場内混雑緩和に向け市場業者と連携し、自動立体冷蔵倉庫や自動搬送などの先端技術を用いた場内物流効率化に取り組むこととしてございます。

○ほっち委員 今、答弁にもありましたスケルトンインフィルは、市場業者が主体になって取組を進めていくための仕組みということでありましたが、都と市場業者の役割分担について確認をしたいと思います。
 淀橋市場において、スケルトンインフィルに基づく整備をどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○萩原環境改善担当部長 新総合事務所棟の整備に当たりましては、スケルトンと呼ばれる建物の構造体は都による整備とし、インフィルと呼ばれる内部の仕上げや設備は、施設の使用者である市場業者が目的や用途に沿った造作などにより柔軟に整備を行うこととしております。
 具体的には、都は建物の構造体や標準的な建築工事、法令設備である消防設備、公衆トイレ、通路照明などを施工いたします。一方、市場業者は専用的に使用する施設の空調設備、保冷庫、室内の間仕切りなどを施工いたします。
 実施設計はこうした考えの下、市場業界と意見交換を行いながら具体的な整備内容を整理することとしてございます。

○ほっち委員 スケルトンインフィルは、市場業者の柔軟、迅速な設備投資を促す仕組みであり、物流をはじめ、社会の環境変化のスピードが増している昨今の情勢に合致した考え方であると考えますが、一方で市場業者に負担を強いるだけの仕組みであっては市場業者の事業活動もままならなくなってしまいます。
 都と市場業者との適切な役割分担の下、市場業者の方々と丁寧な調整を行うとともに、市場業者が負担する整備費用についても適切な支援を行っていただくことを要望しておきます。
 次に、板橋市場について何点か確認をいたします。
 板橋市場については、広域的な物流拠点としての機能強化を進めているとのことでありますが、二〇二四年問題の解決など、喫緊の課題となっている物流効率化等の機能強化に向けて具体的にどのような整備を進めていくのか、検討を深めていくことが必要なのではないかというふうに思っています。
 そこでまず、板橋市場の将来を見据え、どのような機能強化を進めようとしているのか、今年度の取組予定とともにお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 板橋市場では首都高や外環道など交通アクセスに恵まれた立地を生かし、広域的な物流拠点としての機能強化に向けて、昨年度、業界と共に取りまとめたビジネスモデルに基づき、今年度は基本構想の策定に取り組んでおります。
 基本構想におきましては、今後の整備に向けた機能強化の方向性等を具体化する予定であり、施設整備を通じてコールドチェーン対応や加工、荷さばき機能の拡充等による集荷力、販売力の向上、動線の整理やトラック待機スペースの確保等による物流効率化などを推進することを目標としておりまして、引き続き業界との意見交換を重ねながら機能強化に向けた検討を深めてまいります。

○ほっち委員 実際に施設を利用して市場取引を担っていくのは市場業者の皆さんであるため、業界の意見にしっかり耳を傾けて計画を立てていくことが重要であると思います。
 しかしながら、昭和四十七年に開業して以来の初めての大規模な整備となるため、業界の皆さんもこの機会に、よりよい市場にしていきたいという思いは強いと思いますけれども、整備に関する経験やノウハウがほとんどない中で検討しなければならない状況ではないのかというふうに思っています。
 物流効率化を含めた市場機能の強化に向け、施設の使用者である業界にしっかりと具体性を持った検討をしてもらうためには、開設者のサポートが欠かせないのではないかというふうに考えています。
 そこで機能強化に向け、業界と共に検討を進めるに当たって、どのような工夫を行っているのかお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 業界との意見交換を行う場として、令和四年三月に市場関係者と都で構成する在り方検討委員会を設置し、機能強化に向けた検討を進めております。
 具体的には、委員の方々が整備や運営の具体的なイメージを持って検討を進めることができるように、物流効率化に向けて自動化技術を活用している施設の見学や、物流改善に造詣の深い事業者を講師とした勉強会の開催等を、都と業界が連携して実施しております。
 こうした取り組みを通じ、機能強化の目的や趣旨を丁寧に説明しながら十分に理解を得た上で、実効性ある検討を進めてまいります。

○ほっち委員 機能強化に向けた整備を検討するこの機会に、業界が見聞を広げることは有意義だというふうに思います。引き続き業界と連携しながら具体的な検討を進めていただきたいというふうに思います。
 今年度は基本構想を策定予定とのことでありますけれども、現在の具体的な検討状況と今後の検討の具体的な進め方についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 現在は、これまでに業界と検討してきたビジネスモデル等を踏まえ、施設整備に向けた素案を策定するため、複数案の比較検討をしているところでございます。
 今後、業界との議論をさらに深め、基本構想において機能強化の方向性とともに施設整備に向けた素案を取りまとめます。
 その上で、来年度は施設整備の具体化に向けた基本計画を策定することとしております。

○ほっち委員 この板橋市場の立地ですけれども、関越や東北方面などにも多くの産地を擁する東京にとって非常に恵まれている立地だというふうに思っています。
 こうした強みを生かした物流効率化の取り組みも取り入れながら、引き続き検討を進めていっていただきたいというふうに思っています。
 これまで卸売市場における二〇二四年問題の解決に向けた物流対策について、背景を確認するとともに、都の物流対策や市場業者の取り組みを伺ってまいりました。
 また、個別の状況として、淀橋市場におけるスケルトンインフィルの考え方や、板橋市場における機能強化の方向性についても確認をさせていただきました。
 市場において、二〇二四年問題への対応は目前に迫った状況であり、スピード感を持って取り組みを進めていくためには、依然として厳しい経営状況である市場業者の負担軽減も考慮に入れることが重要であります。
 そこで、物流の効率化に向けた設備の導入等を行う事業者への支援の必要性について、都の見解をお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長 生鮮品等のサプライチェーン全体の効率的な物流を実現するためには、物流の中間に位置する市場業者が効果的な取り組みを率先して実行していくことが課題解決に有効でございます。
 一方で、厳しい社会経済情勢が続く中、経営資源が十分でない市場業者においては、資金面はもとより、マンパワーの面からも課題に速やかに対応できないことも懸念されます。
 そのため、物流効率化に向けた産地や実需者と連携した取組や、設備導入などを実施する市場業者を着実に下支えする方策を検討してまいります。

○ほっち委員 ドライバーの労働時間の上限規制適用を来年度に控えており、物流二〇二四年問題への対応は待ったなしの課題であります。
 中央卸売市場がサプライチェーンの一員として、積極的に課題解決に向けた取組を進めていくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、中央卸売市場経営強靱化推進事業についてお伺いをします。
 中央卸売市場の運営を持続可能なものとしていくためには、物流対策のように複数の事業者が共同して解決に向けて取り組んでいくべき課題への対応を進めていくことに合わせて、個々の市場業者の経営基盤の強化に取り組んでいくことが重要であります。
 都は、令和四年度から経営強靱化推進事業を創設し、市場業者への自律的な取組に要する経費を補助するとともに、中小企業経営に精通する専門家を派遣し、経営者との対話を重ねながら課題を設定し、その改善に共に取り組む伴走型の支援を実施しております。
 我が会派はこれまでも、個々の市場事業者の課題に寄り添った伴走型支援について質問をし、伴走型支援の必要性を訴えてきたところであります。
 そこで、この伴走型支援について、現在の取組状況と課題について確認をさせていただきます。まず、これまでの伴走型支援の実績とその評価についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 都は、令和四年度から中小企業経営に精通する専門家を派遣し、経営者との対話を重ねながら課題を設定し、複数年度にわたり、その改善に共に取り組むことを内容とする伴走型の支援を開始しました。
 昨年度は市場業者三社が伴走型の支援を活用し、中小企業診断士などの専門家との対話を重ね、経営の現状と課題を明確にした上で課題解決に向けた計画の策定を行いました。
 今年度、市場業者はその計画に基づき、就業規則の策定や受注システムの導入などに向けた取組に着手しており、都は意見交換を通じて対策の実行をサポートしています。
 これらにより、市場業者の労働環境の整備や業務の効率化など、経営基盤の強化につながるものと考えております。
 こうした取組を通じ、市場業者が経営の現状と課題を的確に把握し、課題解決に向けた実効性ある取組を自律的に行うことで、市場取引のさらなる活性化を図ってまいります。

○ほっち委員 ただいま、労働環境の整備に向けて、就業規則の策定などに取り組む市場業者を支援していくとの答弁がありました。
 私の地元の足立市場においても、市場業者から、世の中全体の担い手不足という状況に加えて、さらに市場における河岸での勤務、朝早く夜遅いなど若者にとっては決して楽ではない仕事であり、人材を確保することが難しくなっているとの声も聞いております。
 そこで、改めて、市場業者の人材確保に資する労働環境の整備に対し、都がしっかり支援を講じていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○大谷事業部長 市場業者の経営基盤を安定したものとするためには、働き手の確保を含めた経営課題に迅速に対応していく必要があります。
 このため、都では、市場業者へのヒアリングなどを通じて課題を明らかにした上で、経営支援策のさらなる充実に向けて検討してまいります。

○ほっち委員 都には、市場業者の方々の声に耳を傾け、経営課題を的確に把握した上で、人材確保などへの取組への支援をしっかりと行っていただきたいと思います。
 昨今のように環境変化が激しく、先を見通すことが困難な状況においても、市場業者が経営の安定化を図るためには、働き手の確保のみならず、幅広く経営上の課題を分析し、改善策を実施、結果を検証してさらに改善につなげるといった、いわゆるPDCAサイクルを着実に実行していくことが重要であります。
 一方で、市場の経営者の多くは、日々の仕事に追われ、経営上の課題を振り返って分析するような余裕もないというふうなことも聞いております。そうした市場業者の方たちに、この伴走型支援のことを知っていただき、一人でも多くご利用いただけるよう、都は取り組んでいく必要があると考えます。
 こうした取組を実効性あるものとしていくためには、都が実施する経営強靱化推進事業などの経営支援策は、単に制度をつくるだけではなく、市場業者にとって利用しやすい制度となるよう事業の実施状況をしっかりと検証して、また改善につなげていくことが重要であるというふうに考えております。
 そこで、これまでの実施状況を踏まえた伴走型支援に関する今後の取組についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 市場業者が経営安定化に向け、行動変革につながる取組を進めるためには、専門家のサポートにより、経営分析から課題解決までを中長期的な視点で支援を講じることができる伴走型支援を活用していくことが有効でございます。
 都は、こうした伴走型支援をより多くの市場業者の方に利用していただきたいと考えており、都が開催するセミナーや市場業者向けの情報誌などにより支援制度の活用を促しております。
 都は、今後とも様々な機会を通じて、伴走型支援制度をご活用いただけるよう市場業者への周知に努めてまいります。

○ほっち委員 支援を必要とする市場業者が経営改善に向けた取組が進められるよう、PDCAサイクルの着実な実施について、引き続き専門家と連携をし、しっかりサポートをしていただきたいというふうに思います。
 また、市場業者に寄り添うこの伴走型支援をより多くの経営者に活用していただけるよう、今後も制度の周知や働きかけを継続することを要望していきたいというふうに思っています。
 次に、豊洲市場についてお伺いをいたします。
 豊洲市場へ買い出しに出向く方々の交通手段は様々でありますが、当然のことながら、多くの商品を運搬するために自動車を利用する方が多くいらっしゃいます。
 水産卸売場棟を利用する一部の業界団体からは、取引が集中する時間帯をはじめとして、駐車をする台数が少ないといったような要望も伺っております。
 そこで、豊洲市場の駐車場を多くの方にとって使いやすくしていくために、都としてどのように対応していくのか見解を伺います。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 都は、豊洲市場において、築地市場より多い約五千百台分の駐車場を整備した上で、業界からの要望も踏まえまして約二百四十台分を時間貸し駐車場としたほか、場外の民間駐車場の確保などに取り組んできております。
 また、都の使用許可を受けた各業界団体は、六街区において空き情報の周知を図るなど効率的な活用に取り組んでおります。
 今後も業界団体と調整しながら、利用者の利便性向上に向けまして、鋭意駐車場の有効活用を図ってまいります。

○ほっち委員 豊洲市場が多くの方にご利用いただけるよう、引き続き業界団体としっかりと調整を図っていただきたいというふうに思っています。
 また、国際情勢の不安定化などを背景に、エネルギーや価格の上昇等による物価高騰は依然として継続しており、市場業者の方からは、光熱水費の負担も増して経営にも影響が生じているというふうに聞いています。
 そこで、都は、物価高騰の影響を受けている市場業者に対して、どのような支援を行っているのかお伺いをいたします。

○大谷事業部長 エネルギーや原材料等の価格高騰の影響などにより、市場業者を取り巻く環境が厳しくなる中、電気料金など固定費の節減につながる取組は市場業者の経営安定化のために重要でございます。
 そのため、都は、令和五年八月から開始された中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業による支援金について、対象となる市場業者に分かりやすい周知をきめ細かく行っております。
 また、経営強靱化推進事業において、エネルギー効率の高い空調設備やLED照明器具の導入など、市場業者によるコスト削減につながる取組等に対して支援を行っております。
 今後とも、市場業者の経営の安定化に資する取組を講じてまいります。

○ほっち委員 東京都は、こうした厳しい状況に置かれている市場業者の方々の状況をしっかりと受け止め、引き続き支援を行っていくことを要望しておきます。
 そして、最後に、豊洲市場に隣接する新たなにぎわいの拠点である豊洲千客万来について質問をいたします。
 この件については、先日の第三回定例会の当委員会において、都の進捗状況報告に対し、我が会派から質疑を行っていますが、本日は改めて都の姿勢について確認をしていきたいというふうに思います。
 この施設は、事業者である万葉倶楽部が整備、運営をしていくものである一方、豊洲市場の整備開業に合わせたにぎわいの拠点として、都の事業として位置づけられているものであります。
 このため、都として責任を持って開業を迎えられるよう着実に準備を進めることに加えて、開業後においても、にぎわいを創出し続けていく必要があります。
 地元には新しい施設の誕生に期待する声がある一方で、開業に向けた準備の進捗や、開業後における豊洲地域の環境の変化に不安を抱いている方もいるというふうに聞いております。
 そこで、令和六年二月の開業が間近に迫る中、開業に向けた地元の期待や不安にしっかり向き合い、対応していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 豊洲千客万来は、豊洲市場と一体となり、地元区や地域住民の理解と共感を得て、市場周辺地域におけるさらなるにぎわい創出や、まちづくりに貢献していくことが重要でございます。
 これまで都は、事業者である万葉倶楽部に対して、テナントリーシングや交通対策をはじめ、定期的に事業の進捗確認を行うとともに、助言等の支援を行ってきております。また、こうした状況につきましては地元区に対して丁寧に説明をするとともに、地元区からの意見や要望を真摯に受け止め、対応をしてまいりました。
 今後、豊洲千客万来がにぎわいの拠点として末永く、地元区民をはじめ、国内外の多くの方々の期待に応えることができるよう、地元の声に耳を傾けながら事業者と連携をし、開業に向けた準備を着実に進めてまいります。

○ほっち委員 豊洲市場の移転から五年が経過をいたしましたけれども、地元は開業を長い間心待ちにしており、その分期待も大きくなっているというふうに聞いています。
 このため、地元区と丁寧な対話を重ねるとともに、様々な意見を取り入れながら、開業に向けた準備を進めていっていただきたいと思います。
 本日の事務事業質疑では、私の地元足立市場で進められている衛生対策の推進や、市場開放の取り組みをはじめ、卸売市場が将来にわたり生鮮品等の安定供給を果たしていくために必要な物流の効率化と高度化、取引の担い手である市場業者の経営基盤強化、さらには地域との共生、にぎわいの創出について、都の取組を確認させていただきました。
 これらの取組は、都が策定した東京都中央卸売市場経営計画に基づき進められているものであります。
 計画期間の二年目である令和五年度も既に折り返しを過ぎましたが、卸売市場を取り巻く環境が変化する中、計画を漫然と実行するのではなくて、今回の質疑を通して明らかになった課題等も踏まえ、取組の見直しを図るなど、今後の運営に生かしていただくよう要望をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○竹平委員 よろしくお願いいたします。
 初めに、夢市楽座事業についてお伺いをいたします。
 私ども都議会公明党は、東日本大震災の発災以来、幾度となく被災地に足を運び、被災地の方々に寄り添うことを大事にしてまいりました。
 第一回定例会の経済・港湾委員会において我が党は、中央卸売市場において、市場業者による適正な評価を通じて、いまだ需要回復に至っていない被災地産品の消費普及拡大に取り組むべきと主張してまいりました。
 本年七月、豊洲市場の水産仲卸団体の尽力により、岩手、宮城、福島県産の水産物、三陸常磐物を販売、PRする三陸常磐夢市楽座が、豊洲市場六街区の物産店舗でスタートいたしました。
 この夢市楽座には、我が党の竹谷とし子参議院議員をはじめとする国会議員や都議会議員が幾度となく足を運んでおります。また、山口那津男党代表も先月二十一日に夢市楽座を訪問し、市場関係者の方々や当日PRに訪れていた被災地自治体との意見交換を行ったと聞いております。
 被災地の特産品が購入でき、大変好評を得ていると伺っておりますが、この三陸常磐夢市楽座事業について何点か確認をさせていただきます。
 まず、豊洲市場の夢市楽座の事業実績についてお伺いいたします。

○大谷事業部長 豊洲市場の水産仲卸業者で構成する東京魚市場卸協同組合と都が連携して、東日本大震災復興支援の一環として実施している三陸常磐夢市楽座のある豊洲市場の物販店舗エリア内にある、いわゆる魚がし横丁ですが、こちらには七月十五日のオープン以降、十月二十一日までの間、累計で約二万八千六百人の方が訪れており、三陸常磐夢市楽座にも多くの方に立ち寄っていただいております。
 被災地三県の良質な魚介類や特産品が購入できる夢市では、これまで約二百八十万円の売上げがございました。

○竹平委員 夢市楽座には多くの方が訪れ、大いににぎわっているということが分かりました。大変多くの来場者が訪れたことにより、運営面での課題も見つかったのではないかと思います。
 そこで、夢市楽座の来場者から寄せられた声と、また、得られた課題についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 夢市楽座を訪れた方々からは、豊洲市場で三陸常磐物の新鮮な魚介類を購入できてよかったとの声や、岩手、宮城、福島県の特産物を購入することで被災地を応援できるとの声、また、楽座に展示されている観光パネルや映像を見て、旅行に行ってみたくなった等の声が多く寄せられていると、事業主体である東京魚市場卸協同組合から聞いております。
 一方で、この事業をもっと多くの方にご利用いただけるようPRした方がよいといった意見や、「ゆりかもめ」の市場前駅を降りてから夢市楽座までの道のりが長いため、会場までの道順が分かりづらい等のご意見を都にいただきました。
 東京魚市場卸協同組合と都は、これらの声を共有して、市場前駅から夢市楽座までの通路にポスターの掲示を行うとともに、SNSを活用して開催日を事前周知するなど情報発信に努めることといたしました。

○竹平委員 来場者などから得られた、寄せられた声を真摯に受け止め、課題に迅速に対応していることが分かりました。ぜひ夢市楽座の運営に、訪れた方々の声も生かしていただき、多くの人々に夢市楽座に足を運んでいただくよう工夫し、さらなる取組を要望いたします。
 さて、産地と消費者を結ぶ中央卸売市場が被災地産品の流通促進を図る取組を行っていることは大変意義深いことであると思います。三陸常磐物の新鮮な魚を例えば西日本などの方々にも味わっていただくなど、被災地の鮮魚や特産品を日本全国に広めることで、被災地産品の流通を促進していくことも必要であると考えます。
 そこで、夢市楽座事業を豊洲から全国に展開していくため、都が支援していくべきと考えますが、所見を伺います。

○大谷事業部長 事業主体の東京魚市場卸協同組合からは、他都市の市場において、三陸常磐夢市楽座と同様の事業を実施したいとの声が寄せられており、事業スキームなどの相談に応じていると聞いております。
 今後、他都市において本事業を実施する際には、都が他都市の市場開設者と連携を図り、事業構築に向けた支援を講じることで、被災地産品の消費、普及拡大に向けて取組を推進してまいります。

○竹平委員 これまでの質疑を通じて、中央卸売市場が豊洲市場の水産仲卸団体である東京魚市場卸協同組合と都が連携して、夢市では被災地産品の流通促進を図り、楽座においては被災地の情報発信を行っていることを理解いたしました。
 東日本大震災から十二年が経過しましたが、記憶は決して風化させてはなりません。都においては、豊洲市場の市場業者の方々と連携を図りながら、一層被災地産品の流通促進に取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、葛西市場についてお伺いをいたします。
 都内に十一ある中央卸売市場のうち、私の地元江戸川区にある葛西市場は、大田市場、豊洲市場に次いで三番目の敷地の広さがあり、青果、花きを取り扱う総合市場であります。
 食は、私たちの健康維持のためにとても重要であり、食育の大切さを感じております。
 また、お花には、ストレスを緩和してリラックスできる癒やしの効果もあるといわれており、日々の生活になくてはならないものだと思います。
 日々当たり前のように食べている、安全で安心な野菜や果物などの生鮮食料品や、生活に潤いを与えてくれる花を絶え間なく都民に供給するために、葛西市場では、都と市場関係者が連携しながら市場運営に取り組んでいることと思います。
 こうした役割を果たしている葛西市場について、何点か伺わせていただきます。
 初めに、葛西市場の市場業者数と令和四年度の青果、花きの取扱数量及び取扱金額の実績についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 葛西市場で取引に参加する事業者は、令和五年四月一日現在で、卸売業者が青果で一業者、花きで一業者、仲卸業者が青果で九業者、花きで五業者、青果や花きの小売店などの売買参加者が、青果で二百七業者、花きで五百八十一業者となっております。このうち、売買参加者については、特に江戸川区の方が多く、青果で二六%、花きで一六%を占めています。
 また、葛西市場の令和四年度の取扱実績でございますが、取扱数量は、青果物で約九万九千トン、花きは、切り花換算で約一億二千万本となっております。
 取扱金額は、青果物で約二百六十三億五千万円、花きで約六十億八千万円となっております。

○竹平委員 葛西市場が引き続き、青果、花きを安定的に供給していくためには、葛西市場が持つ特色を生かしていくことが重要であるというふうに思います。
 そこで、葛西市場ならではの特徴についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 葛西市場は、青果物においては日々地元で生産されたコマツナの競りを行っているほか、花きにおいても、地元で栽培されたポインセチア等を取り扱うなど、地産地消にも貢献しております。
 また、東部流通業務団地に立地しており、主要道路へのアクセスなど交通ネットワークが充実していることなどから、青果物、花きともに、江戸川区など都内のみならず、都外の顧客など広域的に生鮮食料品等を供給しており、首都圏東部の流通拠点として機能しております。

○竹平委員 日々コマツナの競りを行っているとの答弁もございましたが、江戸川区は、徳川吉宗が命名したコマツナの発祥の地ともいわれており、全国でも有数の産地となっております。
 また、東京の花どころ江戸川ともいわれるほど花きの栽培も有名で、今、答弁がございましたポインセチアのほかにも、アサガオや各種の花、苗など様々な品種が生産されております。このような特徴を踏まえながら、葛西市場の活性化を図っていくことが重要であります。
 都では、令和二年三月に青果と花きで経営戦略を策定しておりまして、葛西市場の目指すべき将来像である首都圏東部の流通拠点として、地域のお客様と共に持続的に発展する葛西市場に向けて、集荷力の向上や販売力の強化を進めるとともに、地域との連携強化による魅力づくりなどに取り組むとしております。
 そこでまず、経営戦略における将来像の実現に向けた取組方針についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 経営戦略では、葛西市場の目指すべき将来像を実現するために、広域性、地域性、持続性の三つの観点から取組の方向性を示しております。
 具体的には、広域的な拠点として、集荷力向上や販売力の強化を図る広域性を生かした取組、地産地消や地域貢献により地域住民との交流の強化を図る地域性を生かした取組、施設整備や人材育成を通じて市場運営の持続性を確保する取組を進めていくこととしてございます。

○竹平委員 ただいまは、取組方針について確認をさせていただきました。
 次に、この取組方針に基づいた主な取組について具体的にお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 経営戦略で示した方向性に基づく主な取組といたしましては、集荷力向上や販売力の強化に向け、市場業者が無線機を活用した入荷情報等の共有による物流効率化や、モバイル端末等で取引を可能とする販売管理システムの導入による販売チャネルの多角化などに取り組んでございます。
 また、地域住民との交流の強化に向け、コロナ禍で中止していた小学生の社会科見学を再開し、令和四年は十六校、七百六十名、令和五年は十月までに十九校、千二百二十九名の受入れを行っております。

○竹平委員 子供は、次世代を担い、将来を支えていく存在であるため、小学生の社会科見学で食や花に触れ合う機会を提供することは、卸売市場にとっても非常に有意義であります。
 先ほどの答弁によりますと、地域性を生かした取組として地産地消にも取り組んでいく方針とのことでありました。
 私の地元江戸川区にある鹿骨地域では、様々な花きを生産し、ビニールハウスを中心とした田園風景が広がっており、鹿骨特有の景観をつくり出しております。本年四月には、農の風景育成地区に指定されたところであります。
 こういったところとも連携をし、地産地消の市場として継続していくためには、地元の園芸家の皆様とも協力が必要になってくると思います。
 そこで、地元園芸家からの集荷の状況についてお伺いをいたします。

○大谷事業部長 葛西市場では、花き卸売業者が地元で栽培されたポインセチアや花苗等を積極的に集荷、販売し、当該商品の流通の維持拡大に努めております。
 こうした地元で生産されたポインセチア等の花きは、産地から市場までの距離が近く、鮮度が保たれるといった点で市場業者から高い評価を得ております。

○竹平委員 地域とともに発展するという将来像の実現に向けて、こうした地域と連携した地産地消などへの取組をぜひ強化していただきたいというふうに思います。
 中央卸売市場は、休むことなく都民に生鮮品などを供給しているため、場内における修繕や、また、更新などの工事を行う際にも、市場全体を止めることなく、営業を続けながら工事を行わなければならないとの制約があります。
 昭和五十九年に開場した葛西市場は、四十年を経過した建物も見受けられるため、東京都中央卸売市場経営計画にのっとり、計画的に老朽化対策の工事を進めることが求められております。
 今後、老朽化がさらに進行し、電気設備やエレベーターなどの基盤となる施設や設備に支障が生じた場合には、市場業務に大きな影響を与えかねません。
 そこで、葛西市場における施設の老朽化対策の取組状況についてお伺いをいたします。

○萩原環境改善担当部長 葛西市場におきましては、日々の使用に伴う小規模な修繕工事に加え、老朽化対策工事といたしまして、直近では、令和四年度から令和五年度にかけまして、花き棟の金属屋根改修工事やエレベーター改修工事、第二定温倉庫改修冷凍設備工事、給水配管改修工事などを実施してございます。
 今後も、昨年度に実施した劣化度調査の結果なども踏まえながら、計画的に維持補修工事などにより老朽化対策を進めてまいります。

○竹平委員 卸売市場が都民に生鮮品等を安定的にお届けする使命を果たしていくためには、着実に老朽化対策を進めていくことが欠かせません。引き続き計画的に、施設や設備の更新や修理を進めていただくよう要望いたします。
 さて、コロナ禍では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、これまで各市場で実施していた市場まつりなどの多くのイベントの中止や縮小が余儀なくされたと聞いております。
 昨年度、コロナ禍の影響で、多くの市場が市場まつりを開催できない中、私の地元区の葛西市場では、他の市場に先駆けて、三年ぶりに青果と花のプチフェスタを実施し、私も行かせていただきました。例年より大分縮小はしておりましたけれども、多くの方が来られておりました。
 そこで、まずは昨年度開催した青果と花のプチフェスタの取組内容についてお伺いをいたします。

○前田管理部長 葛西市場では、市場業界の提案に基づき、コロナ禍でも開催できるよう、これまでの市場まつりから規模を縮小した形で、青果と花のプチフェスタを本年一月に実施しました。
 当日は、都民の方に青果や花きを販売したほか、花きの買参人がフラワーアレンジメントを制作し、来場者に投票してもらうコンテストや、多肉植物の寄せ植え体験などを実施いたしました。
 さらに、福島県復興支援ブースを設け、来場者に対し福島県産品のPRを行い、消費拡大につなげる取組を行うとともに、福島産品の物販を行いました。

○竹平委員 コロナ禍の影響で市場まつりが開催できない状況が続いたことは、やむを得ないことであったと思いますが、開催できないことを残念に思う地元の方も多かったと聞いております。事実、都民の方からは、三年ぶりの開催を喜ぶ声も聞こえております。
 コロナ禍を経て、コンパクトな形で、他の市場に先駆けて青果と花のプチフェスタを開催し、都民の市場への理解の醸成や地域社会への貢献につながったこと、さらには被災地に寄り添った取組をされたことについては大変意義があったと思います。
 今年五月から新型コロナウイルス感染症も五類移行となり、多くの都民が今年度も市場まつりなどのイベントの開催を期待しております。市場当局はこうした声に応え、葛西市場をはじめ、計五市場で市場まつりを開催することとしたと聞いております。
 こちらの葛西市場のご案内も見させていただきまして(資料を示す)今年も私も楽しみにしているところでございます。
 既に開催された食肉市場など、各市場では多くの来場者が久々に買物を楽しみ、盛況であったとのことでございます。地元の花き生産にも貢献している葛西市場で、野菜と花をテーマにコンパクトなイベントを行っているように、市場それぞれの特色を生かして取り組む一方で、生鮮品などを取引する市場という場を生かして被災地を応援することは、どの市場においても共通の取組として大変効果的ではないかと思っております。
 今年度、葛西市場ではどのような形で市場まつりが行われるのか、他の市場も含めた市場まつりにおける被災地支援の取組について、それぞれお伺いをいたします。

○前田管理部長 昨年度に引き続き、今年度は十一月に葛西市場まつり青果と花きフェスタ二〇二三を開催いたします。その内容としては、昨年度実施した青果や花きの販売に加え、今回新たに、プロのフラワーアレンジメント作品を来場者の方々に投票していただく、フラワーコンテストの葛西カップを開催するほか、都立農産高等学校と連携し、園芸デザイン科の生徒が制作したフラワーアレンジメント作品を展示するなど、地域交流につながる取組を行います。
 また、市場まつりにおける被災地支援の取組として、五つの市場全てにおきまして、福島県、宮城県、岩手県の被災三県を特集したPRコーナーを設置し、のぼりやポスターなどを掲示するとともに、被災三県の食や観光を紹介するパンフレットやリーフレットなどを配布して、被災三県の魅力を周知することとしております。
 さらに、都が被災三県と調整を図り、豊島市場には宮城県、板橋市場には岩手県、葛西市場には福島県のアンテナショップを出店していただくことで、各地の食や地域の様々な魅力を来場者に伝え、被災地産品の消費拡大に向けたPRを行うこととしております。

○竹平委員 市場まつりという機会を捉えて、都が積極的に被災地支援に取り組んでいることが分かりました。
 都議会公明党は、東日本大震災の発災以来、被災地産品の風評被害の払拭をはじめとした様々な被災地支援に自ら取り組み、かつ市場当局をはじめ、東京都にも要請をしてまいりました。
 これまで中央卸売市場が被災地支援に力を合わせて取り組んできたことは十分に承知しております。引き続き、さらにより一層、被災地支援に力を入れて入れていただくことを要望して質問を終わります。ありがとうございました。

○古城委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時三十四分休憩

   午後三時五十五分開議

○古城委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 日本共産党の藤田りょうこです。私からは、日本の食文化を守って発展させていくという立場から、水産仲卸業者の経営をどう守っていくのかということについて質問をいたします。
 今年九月一日に行われた第八十二回東京都卸売市場審議会では、水産の卸をされている委員の方から、非常に厳しい状況について語られています。
 コロナ五類移行後の生鮮食料品の需要の回復は業種などにより大きな差がございます。例えば、飲食店などの需要は、まだなかなか厳しいものがあります。また、その影響に関連した倒産もにわかに増えてございますという、そういった内容でして、加えて、電気料金や資材価格等の高騰が続いていることや、運送費コストの増加、昨今の海洋環境の変化による漁獲量の減少が顕著なために魚の値も高騰していること、消費者の魚離れを引き起こすなど、水産物消費の負のスパイラルを生んでおりますということ、さらに加えまして、ALPS処理水海洋放出によって、中国の日本産水産物の輸入全面禁止による国内水産業界に与える影響が大きく、市場としても、これをどう吸収していくかが大きな課題だという、本当に厳しい状況が述べられていました。
 これは本当に、中央卸売市場の開設者である東京都として、どうやって業者を守っていくのかが非常に問われているものだと思っています。
 まず初めに、基本的なことを伺いたいと思いますが、中央卸売市場の果たす役割と、その重要性について伺います。

○石井市場政策担当部長 中央卸売市場は、日常生活に欠かすことのできない生鮮品等を毎日絶やすことなく産地から集荷し、実需者ニーズに応じて迅速かつ効率的に分荷を行った上で都民に供給しております。こうした役割を通じ、都民の消費生活を支える基幹的インフラとしての重要な使命を果たしております。

○藤田委員 都民の消費生活を支える基幹的インフラとしての重要な使命を果たしているということでした。そうであるなら、なおさら、市場の管理運営に当たっている東京都に市場で働く業者の経営を守る責任があります。
 今年十月二十五日の公営企業決算特別委員会第一分科会の質疑では、水産を扱っている三つの市場のうち、昨年、赤字業者となった水産卸業者について答弁されていますが、三百二十八業者と、今回の要求資料にもありますが、昨年度と全く同じ状況で、全体では六四・六%の仲卸業者が赤字業者となったということが示されました。五年前に比べて二四%も増加しておりますし、また、ほかの青果や食肉などと比べましても、その割合は大幅に高いという状況になっております。
 都内の水産物三市場の中では、豊洲市場が取扱い数量も、取扱金額も全体の約九割以上を占めているという状況です。そういった中で、豊洲市場の状況というのは本当に、今、物価高騰などの影響も受けて、近年そういったことの影響がすごく経営にも響いているんじゃないかなと思います。
 豊洲市場の水光熱費は、二〇二〇年比でどのくらい上がっているか伺います。また、物価高騰分は業者の負担にならないように配慮すべきと考えますが、いかがですか。

○大谷事業部長 令和四年度に豊洲市場の市場業者が都に対して支払っている光熱水費は、令和二年度と比較して約七千万円増加しております。市場業者の負担を軽減する取組として、都は、令和五年八月から開始された中小企業特別高圧電力・工業用LPガス価格高騰緊急対策事業による支援金について、対象となる市場業者に分かりやすい周知をきめ細かく行っています。
 また、中央卸売市場経営強靱化推進事業において、エネルギー効率の高い空調設備やLED照明器具の導入など、市場業者によるコスト削減につながる取組等に対して支援を行っております。

○藤田委員 昨年度は二年前と比較して約七千万円も光熱費が増加したということです。そして、今、様々取組をいわれましたけれども、物価高騰は日々深刻さを増しています。審議会の卸の委員の方も、物流二〇二四年問題による運送コストも避けられない状況で、経営規模が小さい市場業者にとっては、このようなコストの増加は死活問題でありますという、本当に厳しい状況が述べられました。
 市場の光熱費は一旦都に支払うということですので、都が肩代わりして支払うなど、業者の負担軽減の追加支援策を行うべきです。
 加えて、このような厳しい経営状況のときに市場の使用料の値上げを検討するということも、今、在り方検討をすることが必要だというふうにも、この前の審議会の資料で書かれておりまして、業者の実態から見ても、こういった検討は許されないことだと思うんです。
 都も、市場業者の負担を軽減する取組をきめ細かく行っているというのであれば、使用料の値上げなどはすべきではありません。そして、検討そのものをやめるべきだと思います。求めておきます。
 都の事業概要には、豊洲市場について、水産物については我が国最大の取扱量を誇っていると記載されています。もっといえば、日本の魚市場という独特の仕組みによって、豊洲市場の水産物取扱量は世界最大級となっていて、世界に誇る市場だという状況になっています。
 さらに、事業概要には仲卸業者について、生産や消費の動向を的確に把握し、品質や鮮度を正確に判断し、それらを統合した適切な価格を見定める能力が要求されるということで、本当に高い技術が求められているということが記載されています。
 生産者にとっては、こうした高い技術によって、自分たちが取ってきた魚を優れた目利きの技によって正当に評価してくれるということが信頼につながるわけです。こうした信頼があるからこそ、全国各地から鮮魚が豊富に集まってくるんです。こうした信頼が漁業者とお店、料理人、消費者をつないで、日本の食文化を下支えしているんです。
 そこで伺いますが、建値市場である豊洲市場では、特に目利きの力、技が重要であると思いますが、都の認識を伺います。

○大谷事業部長 豊洲市場は、我が国の水産物卸売市場の中で取扱数量が最も多く、日々産地から多くの商品を集荷し、市場業者の豊富な経験と知識に基づく評価を通じて様々な顧客のニーズに応じた商品を分荷し供給しております。
 こうした取引実態により、全国における取引の指標となる価格等を提供する役割を担っているものと認識しております。

○藤田委員 今、答弁であったように、豊洲市場の仲卸業者の目利きの技が全国の値段の基準を決めているということです。いい魚は豊洲市場に持っていけば豊富な経験と知識に基づいて正しく評価してもらえる、そういう信頼があるんです。
 一方で、豊洲に移転する前の築地市場では五百を超える仲卸業者が働いていましたが、豊洲に移転して五年が経過して、現在は四百六十三軒まで減少しています。先ほどの答弁にもあったように、豊洲市場は全国の取引の指標を提供する役割を担っているというわけですから、その目利きの力を持っている仲卸の減少というのは、商品を正当に評価する力そのものの後退に直結する大問題だということなんです。都が責任を持って仲卸業者を守ることが今こそ必要です。
 そこで、今、業者の間でどのような問題が起きているのかを、私、直接聞いてきました。仲卸業者では、今、最も深刻となっているのが、人が足りないという問題だとお話しされていました。先ほどの答弁でいわれていましたように、全国の取引の指標となる価格などを提供する役割を担っているのが豊洲市場です。そして、この役割の中に、市場業者の豊富な経験と知識に基づいて評価というものも含まれていると答弁でもおっしゃっております。
 市場業者の人手不足が続けば、そうした豊富な経験や知識というのは引き継がれなくなってしまいますし、そうなれば、豊洲の建値市場としての役割を果たせなくなるという危機的な局面を迎えているんです。都として実態把握と対策が急がれます。
 そこで伺いますが、水産仲卸業者の目利きの育成や技を維持、継承するということは、業者だけの責任ではないと思うんですね。なので、水産仲卸業者の目利きの育成や技を維持、継承していくことに対して、都は、どのような役割を担っているのか伺います。

○大谷事業部長 豊洲市場における取引を担う水産などの仲卸業者は、市場に集荷された商品を様々な顧客のニーズに応じて分荷し供給する役割を担っております。
 水産仲卸業者からは、その事業の継続に当たっては、これまで取引を通じて培ってきた知識、経験や、顧客との信頼関係を次代に承継していくことが重要であると聞いており、都においては、仲卸業者の経営基盤の安定化を図るため、経営支援を行っております。

○藤田委員 知識や経験、顧客との信頼関係を次世代に継承していくことが重要ということでした。では、その継承をどうしていくのかということが問われております。継承したくても、人手不足で引き継ぐ相手がいなければ、これまで培ってきた知識や経験、顧客との信頼関係は引き継ぐことができません。人手不足というのは、豊洲市場の建値市場の機能そのものが後退するという危機的な状況につながる大問題なのですから、なぜ人手が足りなくなっているのかということを明らかにする必要があります。
 仲卸業者では、従業員の募集を行っても応募が少ないという声を聞いています。都もそういう実態を把握していますか。なぜ応募が少ないのか、都の見解を伺います。

○大谷事業部長 仲卸業者の従業員の応募が少ない理由は様々であり、個々の事業者により異なるものと考えておりますが、市場業者からは、専門家による経営相談の場などを通じたヒアリングにおいて、社会全体における労働力需要の状況を反映して人材が集まりにくいといった声を聞いております。

○藤田委員 一般論で、今の話というのは豊洲だけに限ったことじゃないような、そういった答弁だったのですが、これはやっぱり放置することはできないと思うんですね。業者任せではなく、市場の未来がかかった問題として実態把握と対策を行うことが求められると思います。
 都は、今、市場業者から専門家による経営相談の場などを通じたというふうにおっしゃっておりますので、つまり、直接人手が足りないことについて調べたわけではないと思うんですけれども、こういった声があって、しかも継承が厳しい状況だということが把握されているわけですから、都として実態把握を行うべきだと思うのですが、いかがですか。

○大谷事業部長 都はこれまでも、市場業者から、専門家による経営相談の場などを通じたヒアリングにおいて人材が集まりにくいといった声を聞いております。

○藤田委員 実態把握を求めたわけですが、把握するとはおっしゃらないということなんですけれども、やっぱりここは明確にしなければ対策は取りようがありません。
 例えば、これも業者からよく伺う話なんですけれども、築地から豊洲に移転したことによって市場へのアクセスが悪いということもかなり声が聞かれているわけです。築地市場では、地下鉄の駅やバス停から近くて、自転車でも通いやすいと、そういう立地でした。しかし、豊洲市場では、バス停からも遠く、鉄道では、特に「ゆりかもめ」しかないということで、「ゆりかもめ」は運賃も高いし、本当に毎日使えないなと、そういった状況もあります。
 卸売業者の通勤時の交通手段はどのように対応していますか、その点を伺います。

○大谷事業部長 通勤手段につきましては、公共交通機関や自家用車など、様々でございます。

○藤田委員 仲卸業者の仕事が始まる時間は大抵が深夜です。零時から相対が始まるとか、朝四時半から競りが行われるとか、そういった状況ですので、そうなると、市場に行くためには、交通手段としては、公共交通機関というのは基本的には夜中は走っておりませんので、答弁にあったように自家用車などによるということだと思うんですね。
 業界団体からお話を伺ったところ、深夜に通勤シャトルバスというものが運行しているんだということを聞きました。通勤シャトルバスの運行経路と時間について伺います。また、なぜその経路になったのか、経緯についてもお答えください。

○大谷事業部長 シャトルバスは、豊洲市場への移転の際に業界から寄せられた要望や豊洲市場で働く人たちのニーズを踏まえ、開場時から、業界団体が深夜から早朝にかけて、新橋から築地、勝どきを経由して豊洲市場まで運行しております。

○藤田委員 今おっしゃったシャトルバスですが、業界団体というのは、具体的には東京都環境整備協会というところだと思うんですけれども、ここに私、おととい、話を聞いてみました。
 夜中の運行というのは、一時間に一、二本、四十分に一本ぐらいだというふうに話していました。豊洲市場で働いている方のお話では、これではとても使いづらいと、もっと増やしてほしいという声を伺いました。今働いている方でもそういった不便を感じているということですから、直接聞けば、そういった声が聞かれますし、これから働こうと考えている方にとっては通勤手段が課題となって応募すらしてこないということもあると思うんです。なので、こういった声を聞いて改善していただきたいと。
 シャトルバスも、新橋駅から利用する以外は築地、勝どきの近くに住んでいる方しか使えないというものになっています。経由地を増やしたり、増便したり、路線そのものを増やすなど、深夜勤務の利便性向上を図ることを求めておきます。
 あと、通勤の手段として自家用車というのも答弁されました。しかし、豊洲市場には仲卸業者が利用できるだけの駐車場が足りていないという話も聞いております。都はこれをどう認識していますか。また、どう対応するのですか。

○若井渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務 都は、豊洲市場において、築地市場より多い約五千百台分の駐車場を整備した上で、業界からの要望も踏まえまして、約二百四十台分を時間貸し駐車場としたほか、場外の民間駐車場の確保などに取り組んできております。また、都の使用許可を受けた各業界団体は六街区において空き情報の周知を図るなど、効率的な活用に取り組んでおります。
 今後も業界団体と調整しながら駐車場の有効活用を図ってまいります。

○藤田委員 今後とも有効活用ということですが、実際、最近教えられた場所に空き情報があるということで行ってみますと、川の向こうだったり、水産仲卸棟は六街区なんですが、それより五百メートル隣にある五街区の駐車場だったりしたということで、結局車を降りてから二十分ぐらい歩くということもあったと聞いております。
 さらに、環境整備協会のおとといのお話では、仲卸場の駐車場について不足していませんかと聞いたところ、造ればすぐに埋まるというお話を伺ったんです。造ればすぐに埋まるということは待ち望んでいたということで、つまり、足りないということなんです。駐車場やバスの整備についても市場業者と業界団体に任せているんだと思うんですね。なので、市場業者の人手不足の解消のためにも東京都自らが実態を調査して、実効性ある対策を取られていくように求めておきます。
 働きやすい環境づくりというのも大事だと思います。とりわけ、深夜に重労働を行うというのが仲卸、また、卸の業者の皆さんのお仕事だと思います。また、水産物ということで、生ものを扱うということで、やっぱり臭いなどを気にして、バスや公共交通機関に乗って帰るというのもすごく気になるということで、そういった福利厚生が必要なんじゃないかなと思っております。
 豊洲市場周辺には観光客向けの値段の高い店が増えているということで、従業員が手軽に入れる食堂が欲しいということも伺いました。また、先ほど話したように、深夜労働のために、シャワーだけではなく、入浴ができる設備も、また、休憩室の整備なども必要なんじゃないかなと思います。福利厚生の充実を図ることも豊洲市場で働こうと、仲卸で働こうという、そういった就職を考えるポイントにもなると思います。
 また、市場の役割についても正しく評価したり、都民に仲卸の役割について伝えていくということも大切だと思います。コロナによって大幅に減ったこどもいちば教室なども、先ほどの皆さんの答弁を聞いていますと増えてきたということですから、ぜひこういった講習会、市場まつり、市場見学などをより多く開催し、こういった機会を活用して、今回の答弁にもありましたが、市場が果たしている重要な役割について周知していく、伝えていくということが都としてもできることだと思いますので、ぜひ積極的に行っていただきたいと思っています。
 先ほどお話しした九月に行われた卸売市場審議会では、水産の卸の委員の方は、次のようにも述べていました。
 我々、市場業者は、これまでの卸売市場の長い歴史の中で困難に直面しても、各業者の努力と工夫で乗り越えてきた、これからも創意工夫を凝らし、我が国が誇る多様で豊かな食生活や食文化を支える役割を担っていきたい、そのようにおっしゃられています。
 卸や仲卸をされている方たちは、本当に誇りを持って働いていらっしゃると思います。こうした誇りもちゃんと次世代に引き継いでいけることが大切であり、ぜひそのために東京都も積極的に支援していくことを求めておきます。業者の努力も大切ですが、業者が望まずして交通の不便な豊洲市場への移転を強行したのは紛れもなく東京都ですから、都の責任で業者を守る取組に努めていただくことを重ねて申し上げ、私からの質問を終わります。

○中田委員 私からは、都民の食肉供給の要である食肉市場、芝浦と場について質問をさせていただきます。
 芝浦と場は、日々衛生面に配慮しながら多くの牛や豚を安全かつ高品質に、と畜解体しています。このため、ほかのと畜場と比べ、と畜解体に関わる職員の数や使用する機械設備などについても規模が大きいことから、それゆえ、機械の不具合や、と畜解体時における事故なども起こっています。現に、令和三年六月にはレールリフトを支えるチェーンとストッパーが破損し、約百キロあるレールリフトが落下をしました。
 そこで、まず、芝浦と場における施設の不具合及びと畜解体作業に伴う事故について、それぞれ令和四年度の件数について伺います。

○石井市場政策担当部長 芝浦と場では、牛のと畜解体ラインが三ライン、豚のと畜解体ラインが二ライン、合計五つのラインを使用し、と畜解体を実施しております。
 令和四年度における施設の不具合の件数といたしましては、老朽化に伴う搬送設備の停止や洗浄機の故障など、十八件発生いたしました。また、と畜解体作業に伴う事故は、と畜解体で使用するナイフ等による切り傷や機械等への接触による打撲など、六十二件発生いたしました。

○中田委員 令和四年度においても、と畜解体において機器の不具合や解体作業で使用する機器等によるけががかなり多いことが分かりました。特に機械の故障など、十八件発生しているということで、早急な改善なども必要なのではないかと思います。
 私ども会派も、このと畜場を視察させていただきましたが、なかなか苛酷な現場であると思いましたし、事故、けがが多い職場であるということは感じました。
 その中で、都は、職員の安全管理はもちろん、安定した食肉供給を行うため、こうしたトラブルが発生しないよう使用器具の点検や維持管理の面において様々な取組を実施していると聞いていますが、そこで、機械などの不具合を未然に防ぐため、今年度、どのような取組を進めてきたのか伺います。

○萩原環境改善担当部長 芝浦と場では、設備機器の始業前点検などに加え、と室を巡回して機器の不具合などがないかを点検してございます。
 令和五年度は、と畜解体作業に使用する設備機器を作業工程への影響度などに応じて点検頻度を増やしたほか、機器の摩耗度を測定するなど、きめ細かな点検を実施してございます。

○中田委員 と畜解体に使用する機器等の維持管理について重点的に実施されたということが分かりましたが、やはり老朽化が激しいというところもありますので、設備更新もしっかりと行っていただきたいと思います。引き続き適切な維持管理、更新の実施をお願いいたします。
 次に、と畜作業に伴う事故を防ぐため、労働安全衛生上、どのような取組を行っているのか伺います。

○石井市場政策担当部長 都は、定期的に開催する安全衛生委員会におきまして、過去の事例から事故が起こりやすい環境や作業方法等を確認し、職場への注意喚起を行いますとともに、事故の発生状況について産業医へ報告し、助言をいただいております。
 夏場は、と室内の室温が高くなり、作業に従事する職員の注意力に影響が生じていることから、と室内の環境改善を図るため、令和五年度に大動物及び小動物の各一ラインで空調機を追加整備いたしました。

○中田委員 都がと畜解体に従事する職員の事故防止のために実施している取組について確認をさせていただきました。
 安定した食肉供給には快適な作業環境が必要であり、と畜作業の職員に対する継続した労働安全に関する意識啓発は大変重要だと考えています。働く現場の職員の皆さんの声をしっかりと聞いていただき、さらなる設備の更新とともに、事故、けがのない職場づくりをさらに行っていただくことを要望させていただきます。
 次に、食肉市場における普及啓発活動について質問をさせていただきます。
 食肉市場には、都民を含めた一般来場者向けにお肉の情報館が開放されており、会派で視察させていただいたときも、と畜場の歴史や模型等を見て学ぶことができる場所として、食肉の広報活動にとても必要な場所であると感じました。
 そこで、まず、お肉の情報館を設置した趣旨及び展示内容についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 お肉の情報館は、食肉市場のことを知っていただき、開かれた市場づくりと市場の活性化を図ることや、食肉市場、と場に対する偏見や差別の解消を目的として、平成十四年度に食肉市場内に開館した施設でございます。
 館内では、芝浦と場でのと畜解体作業から、市場内で取引、加工を経て食肉になるまでの流れを動画で紹介するとともに、枝肉の模型や作業に使用する器具を展示するなどによりまして、食肉市場の役割を分かりやすく説明するよう努めております。

○中田委員 今、いろいろとお話をいただきましたが、このお肉の情報館は年間一万人を超える来場者があったと聞いておりまして、その役割は大変大きいのではないかと思います。
 しかしながら、コロナウイルス感染症の拡大時期には一時的な休館を余儀なくされたと聞きました。令和二年度に関しても、令和三年度に関しても来場者が格段に減ってしまっているというところもあります。
 そこで、令和四年度を含めたお肉の情報館の来場者数の状況についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 お肉の情報館は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時休館しておりましたが、感染防止対策を図った上で令和四年四月に個人での見学受付を再開いたしました。令和五年五月からは、新型コロナウイルス感染症の五類移行を踏まえ、小中学校の社会科見学など、団体での見学の受付を再開しております。
 来場者数の実績は、令和四年度が約三千二百人であり、令和五年度上半期は約二千人にご来館いただいております。

○中田委員 五月から小中学校の社会科見学の受付も再開したとのことでした。学校の行事を組む予定上、今年に、なかなかその場で来るというところは難しいかもしれませんが、来年度、多くの小中学生が来館することを期待します。
 こうした食肉に関する普及啓発は、食肉市場の役割をこれまで以上、広く都民の皆さんに知っていただく上で大変重要だと考えています。
 そこで、都民の皆さんに対して広く食肉市場について理解を深めていただくため、お肉の情報館への来館者数を増やすように努めるべきと考えますが、都の取組についてお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長 都はこれまでも、お肉の情報館の来館者を増やすため、子供の夏休み期間中や市場まつりに合わせて臨時に開館するとともに、ホームページなどによる周知を行うほか、と畜解体作業に従事する職員の意見などを参考にして展示物の一部を更新するなど、多くの方々が来館できるよう努めております。

○中田委員 市場まつりなどに合わせて臨時開館などを行っているということでしたので、引き続き取組を行っていただきたいとともに、先ほども話がありましたが、と場に対する偏見や差別の解消というところも大変重要なところだと思っています。そうした教育なども含めて、今後も食肉市場の理解を深めてもらうよう、積極的な普及啓発に取り組んでいただきたいことを最後に要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○星委員 私から、まず初めに、市場の施設整備について伺います。
 私の地元である多摩地域には、民間事業者が開設者となっている八つの地方卸売市場があり、そのうち青果を取り扱う市場が三つございます。それぞれの市場が多摩地域に住む約四百万人への生鮮食品等を安定的に供給するための役割を果たしています。
 都内の中央卸売市場の施設の老朽化が大きな問題となっておりますが、多摩地域の地方卸売市場においても開設から何十年も経過し、同様の問題を抱えており、地方卸売市場の施設整備に対する東京都の支援が重要になってくると思っております。
 そこで、多摩地域にある青果地方卸売市場の整備に対する支援の具体的内容をお伺いいたします。

○大谷事業部長 都は、地方卸売市場における機能の高度化、買い出し人の利便性向上等を図るため、地方卸売市場の開設者が行う施設整備に対して支援を行っております。
 令和五年度は、東京都国立地方卸売市場において老朽化した冷蔵庫の扉を改修し、適切な品質衛生管理を行うための冷蔵庫扉更新工事に要する経費の一部を補助しております。また、東京都東久留米地方卸売市場において、場内通路の適切な維持管理を行うためのグレーチング補修工事に要する費用の一部を補助しております。

○星委員 これらの地方卸売市場が多摩地域における生鮮食品等の流通において重要な役割を果たしていることを都が認識をした上で、今答弁のありました、そのような補助を行っていただいているということでありました。今後も都は、地方卸売市場の施設整備に対する支援に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、大田市場について伺ってまいります。
 取引量の増加によって狭隘化が進んでいる大田市場においては駐車場の不足が常態化しており、駐車場の拡充が必要であります。そのような中、業界と都では、交通対策を協議するために設置した会議体において協議をした結果、今年の二月に周回道路の交通ルールの見直しが行われ、これにより、場内交通に大きな改善が見られたと聞いております。
 大田市場の敷地そのものを広げるのは難しいことですが、このように限られた用地の中でも有効活用や効率的な利用を進めることで駐車場不足などの課題解決を図ることができるのではないかと思っております。
 以前はホテルやスポーツクラブなどが入り、福利施設として利用されていた大田市場会館は既に閉鎖をされており、現在、解体工事が進んでいます。解体工事が完了すれば、その跡地を有効活用することで、狭隘化する大田市場の課題解決に役立てることができるのではないかと考えます。
 そこで、大田市場会館の解体工事の状況及びその跡地の利用、活用について伺います。

○石井市場政策担当部長 大田市場会館の解体工事につきましては、令和四年度に着手し、建物の内装等の撤去が完了し、現在は低層部分から躯体を解体中でございます。今後は、屋上を含む高層部分の躯体を解体し、令和六年度までに完了する予定でございます。
 従前より、業界からは、場内混雑の深刻化や駐車場等が不足している状況を踏まえ、市場会館の用地の効果的な活用を検討すべきとの要望を受けております。また、今後、大田市場では、設備等の大規模な更新工事が相次いで控えており、市場業務への影響を最小限にしながら円滑に工事を進めていく上で、工事ヤードの確保などが喫緊の課題となってございます。
 これらに対応していくため、大田市場内の物流動向に着目して施設等の利用実態を調査した上で、市場会館の跡地活用について業界と共に検討を進めてまいります。

○星委員 大田市場会館の解体工事を着実に行うとともに、ぜひ業界の皆様とよく話し合い、効果的な活用方法などに知恵を出し合いながら跡地の有効活用を検討していっていただきたいと思います。
 次に、大田市場のWi-Fi整備について伺います。
 我々も多くの団体からご指摘をいただいている、先ほど来お話があるいわゆる物流の二〇二四年問題では、トラックドライバーの時間外労働の上限規制に伴い、物流コストが大幅に増加するとともにドライバーの確保が困難になることが危惧されています。
 卸売市場は、全国の産地から多種多様な荷物が集まっており、そのほとんどが大型トラックによって運び込まれることから、ドライバーが確保できないと荷物の運搬に支障が生じることになります。全国で最も多くの青果物や花きが入荷する大田市場では、このようなことが起きたら都民生活に大きな影響を与えることは間違いございません。
 そのため、我が会派では、大田市場の卸売会社を中心に検討を進めているデジタル技術を用いた物流効率化など、市場業者の一歩進んだ取組を都がWi-Fiなどを整備することで後押しすることの必要性を訴えてきたところであります。
 そこで、大田市場において、市場業者によるデジタル技術を用いた物流効率化の取組を進める上で欠かせないWi-Fiなどの環境整備を促進していくべきと考えますが、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 二〇二四年度、令和六年度からトラックドライバーに時間外労働の上限規制等が適用されることに伴う物流を担う人材不足や対応コストの増加等の課題など、市場流通を取り巻く環境は厳しい状況にございます。
 特に大田市場では、場内混雑によるドライバーの待機時間の長さ等が課題となっており、市場業者によるデジタル技術を用いたドライバーの労働時間の短縮等、物流効率化に向けた取組について後押しをしていくことが重要でございます。
 そのため、都では、デジタル技術を用いた場内物流の効率化を図るため、場内通信環境の改善に向けて最適な対応策を取りまとめることを目的とした協議体を設置し、Wi-Fi等の整備の方向性について検討を進めております。

○星委員 取引や荷物の運搬に直接携わる市場業者、関係業者のデジタル技術を用いた物流効率化の取組を後押ししていくということであり、これはとても重要であると思います。
 一方、大田市場では、生鮮品等を供給する一大拠点として事業者が集積する場所であり、広大な場所を多くのトラックなどが行き来をしている状況から、こうした取組はもとより、都が行う市場施設の管理運営業務においても最新のデジタル技術の活用など、一歩進んだ取組を進めていくべきではないかと考えます。
 そこで、最新のデジタル技術の活用など、都が行う業務の効率化に向けた取組について伺います。

○石井市場政策担当部長 日々の市場管理運営業務への先端技術の活用は、市場の業務を効率化、高度化していく上で重要でございます。
 このため、都は、多数の車両が出入りしていることに伴い、場内警備等における車両把握などが課題となっております大田市場におきまして、監視カメラ映像の高度な画像解析技術等を用いた場内セキュリティの強化などについて検討を進めております。
 今年度は、場内における車両を特定するため、AIによる画像認識技術の導入に向けた試行を実施するなど、効果的な技術の絞り込みを進めてまいります。

○星委員 大田市場がデジタル技術の活用などの一歩進んだ取組に向け検討を進めていることが確認をできました。将来にわたって大田市場が生鮮食品等を安定供給する役割を十分に発揮できるよう、取組を着実に推し進めていただきたいと思います。
 次に、中央卸売市場における受動喫煙防止の取組について伺います。
 中央卸売市場では多くの市場業者が事業を営んでおり、市場業者の労働環境確保の観点から、受動喫煙防止の取組は重要でございます。
 加えて、市場では、生鮮食料品等を取り扱っていることから、衛生面からも、より徹底した取組が求められています。
 現在、市場において指定喫煙場所以外での喫煙は禁止されており、施設管理者として喫煙ルールを定め、受動喫煙防止に向けた取組を行っていると聞いております。
 そこで、受動喫煙防止に向けたこれまでの取組について伺います。

○石井市場政策担当部長 これまで、中央卸売市場では、受動喫煙防止や品質衛生管理の観点から喫煙ルールを策定し、指定喫煙場所を原則屋外に設置することや指定喫煙場所以外での喫煙を新たに行政処分の対象に含めるなど、分煙強化を図ってまいりました。
 喫煙ルールの遵守に向けては、市場関係業者に十分な周知を行うとともに、警備員による巡回等の機会も活用し、違反者には口頭注意や警告文等の対応を行ってございます。

○星委員 受動喫煙防止の観点や衛生面から、喫煙に関するルール、遵守に向けた取組が確認をできました。
 一方で、トイレなど、喫煙場所以外での喫煙等、依然として喫煙ルールに基づかない事例も見受けられると伺っております。喫煙ルール徹底のためには、周知や巡回といったソフト面の対応はもちろん必要でありますが、それだけでは不十分だと考えます。
 そこで、施設の管理者として、ルール違反の喫煙の抑止効果を高めるために、例えば受動喫煙防止とともに火災防止も含めて煙探知機の設置などの検討も必要ではないかと考えております。
 そこで、喫煙ルール徹底に向けた取組の方向性について伺います。

○石井市場政策担当部長 市場業者による喫煙ルールの遵守の徹底を図るためには、ルールの周知等に加えて、ルールを遵守してもらうための環境整備も並行して行うことが重要であります。
 そのため、引き続き喫煙ルールの周知や市場業者への注意喚起、指導を行うなど、場内取締り等の対策を徹底するとともに、トイレ内での喫煙に関しては、現場の状況に応じて煙探知機の設置等、必要な対策を講じてまいります。

○星委員 市場における受動喫煙防止等の取組の実効性を高めていくためには、現場の市場業者が実際にルールを遵守するための仕組みを構築していかなければ十分な効果が得られないと思います。
 そのため、衛生面の観点からも喫煙ルールの徹底を市場業者に継続的に周知するとともに、個別の状況に応じた、ただいま答弁もございました煙探知機の設置などの取組を進めていくことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
 次に、安定した市場運営の確保について伺います。
 今年は、関東大震災から百年の節目であります。今年の夏は、都庁や都内各地で首都直下地震等をはじめとした災害への備えの大切さを考えるきっかけとなるイベントが多数開催をされておりました。
 また、全庁舎的には、この節目の年にTOKYO強靱化プロジェクトが始動し、二〇四〇年代に目指す強靱化された東京の姿の実現に向けて、地震をはじめとする危機への対策として従来の施策をレベルアップしていく取組が進められております。
 一方で、中央卸売市場に目を向けますと、経営計画において、市場流通に対する信頼性のさらなる向上のため、事業継続体制の確保、強化が打ち出されています。
 流通環境の変化等に伴い、卸売市場に求められる機能は多様化していますが、そのベースは集荷、公平な価格形成、分荷、確実な取引の決済等の基本的な機能が変わることなく生鮮食品等を円滑に都民へ届け、生活の安定を図ることが求められております。このことは災害時においても同様であり、都民の生活に直結する機能であることについて市場当局が十分な意識を持ち、万全な備えを講じていく必要があります。
 そこで、まず初めに、現在の中央卸売市場の災害発生時における事業継続体制について伺います。

○前田管理部長 都は、大規模地震が発生し、非常配備体制を構築した際に当局の職員等が速やかに初動体制を確立し、応急対策に関する初動対応を的確に行うとともに、円滑に平常業務に移行するための指針として事業継続計画を策定しております。
 また、大規模災害時における生鮮食料品の調達に関する協定を締結している卸売業者等に対して、大規模災害等の有事の際に協力を要請することで都民への生鮮食料品の供給を確保することとしております。

○星委員 事業継続計画の策定や生鮮食料品の供給ルートの確保など、最低限の備えについて確認ができました。
 しかし、今答弁をいただいた内容によりますと、事業継続計画において想定されている災害は、あくまでも大規模地震ということであります。もちろん、危機管理対応の基本姿勢は共通しているものがあるかもしれませんが、災害発生前の備えや市場機能の復旧に向けた時間軸など、災害によって異なるものもあり、事業継続計画の見直しが必要だと考えます。
 そこで、災害対策強化の観点から、事業継続計画の見直しに向けたこれまでの取組と、その課題について伺います。

○前田管理部長 都は、令和二年三月に策定しました事業継続計画の見直しに向けて、令和四年度に風水害等影響調査を実施しました。
 この調査からは、近年頻発している台風等による風水害については地震等の他の災害に比べて発生頻度が高いことから、市場施設に対する被害が生じるリスクが高いとの結果を得ました。
 一方、現行計画におきましては、大規模地震の発生時における当局職員等の初動体制等を中心に定めているため、今後は、この調査を踏まえて、様々なリスクに対応できるよう、現行計画の見直しを進めるとともに、発災時における市場業者との連携をより具体化させるなど、計画の実効性を高めていく必要がございます。

○星委員 現行の事業継続計画に対する都の課題認識をお示しいただきました。
 近年、都内に大きな被害をもたらした台風として、令和元年台風第十五号等が挙げられます。幸い門扉のゆがみやシャッターの破損といった施設の損壊が複数の市場で確認をされましたが、市場業務への支障は生じなかったと聞いております。
 しかし、風水害は日々頻発化、激甚化しております。都の課題認識は理解できましたが、一刻も早く事業継続計画の改定等を進め、備えを万全にしていく必要があります。
 そこで、最後に、そうした課題を克服して事業継続計画の改定に向けて取り組むべき対応について伺います。

○前田管理部長 風水害等影響調査を踏まえ、風水害への万全の対策を講じるために、河川が近く、ハザードマップ上、洪水が予想される市場や、全国の拠点となり、広範な機能を有する市場について、より詳細な浸水シミュレーション調査を本年度実施いたします。
 また、災害発生時における生鮮食料品の調達や生鮮食料品価格の安定など、市場流通の確保に向け、必要となる市場業者との連携について具体的に検討するとともに、調査結果を踏まえた上で事業継続計画の改定を進めてまいります。
 さらに、市場業者との連携に当たっては、市場業者自らが都の策定した計画を踏まえて自社のBCPを策定する必要があることから、改定後の都の計画を十分に周知することや、訓練等を通じて市場業者によるBCP策定に向けた機運を醸成してまいります。

○星委員 ありがとうございます。都が自らの事業継続計画の改定を進めるとともに、市場業者に対しても働きかけていくとのことでありました。
 市場運営は、開設者である都と、取引を担う市場業者が両輪となって進めるものでありますが、災害発生時に生鮮食料品を調達し、都民へ供給していく際や、市場機能を復旧させていく際も同様であり、両者の連携が不可欠であります。安定した市場運営の確保に向けて、今回ご答弁いただいた取組を着実に進めていくことを要望いたします。
 本日の質疑では、都民の消費生活を支える基幹的インフラとしての機能を維持していけるよう、市場施設の老朽化対策や狭隘化対策といったハードの取組と、労働環境等の維持改善や災害対策といったソフトの取組の両面から、その内容を確認させていただきました。いずれの取組も都の強いリーダーシップやサポートがなければ進まないものばかりでございます。
 都においては、経営計画に基づいた取組を着実に進めるだけでなく、地域の生鮮品等流通を支える地方卸売市場の老朽化対策といった課題や衛生面の観点からも重要な市場内における受動喫煙対策の取組にもしっかりと向き合うことをお願いをいたしまして、私からの質問を終わります。

○宮瀬委員 一年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私の方は、民間企業で僅か十二年ですが働いてまいりまして、その中の仕事の中で、一つ、ECサイトの立ち上げという業務をやっていまして、具体的には、ショッピングモールですとか、口コミを生かしたものの物販ですね、そこにいろんなクライアントさんの商品も集めながら、全体でどうやって売上げを伸ばしていくのかという仕事をさせていただきました。当然、経営の観点が最も求められる仕事でございましたので、今日は経営の観点、数字の観点から、ちょっと大局的な話になりますが、質疑をさせていただければと思います。
 まず、具体的な数字の確認をさせていただければと思います。中央卸売市場における取扱金額の推移について伺います。

○大谷事業部長 中央卸売市場における品目ごとの取扱金額は、水産物はピーク時である平成二年の八千四百三十七億円と比較すると減少傾向にありますが、直近三か年の推移を見ると、令和二年は三千七百五十七億円、令和三年は三千九百五十九億円、令和四年は四千四百十五億円となっています。
 青果物はピーク時である平成三年の七千七百五億円と比較すると減少傾向にありますが、直近三か年の推移を見ると、令和二年は五千六百五億円、令和三年は五千四百六十七億円、令和四年は五千六百二十億円となっています。
 食肉はピーク時である平成元年の千三百九十九億円と比較するとおおむね横ばいでありますが、直近三か年の推移を見ると、令和二年は千二百二十七億円、令和三年は千三百六十八億円、令和四年は千三百六十七億円となっています。
 花きはピーク時である平成十九年の九百九十八億円と比較するとやや減少していますが、直近三か年の推移を見ると、令和二年は七百五十六億円、令和三年は八百四十八億円、令和四年は九百八億円となっています。

○宮瀬委員 ここ三か年は、コロナという、ちょっと異常な状況が続いていますので、ピーク時と比較してみますと、簡潔にいうと水産物は四八%減、青果は二七%減、食肉は二%減、花きは九%減という認識です。これは、今後どうしていくのかというのは大きな経営課題だと思っています。
 当然、取扱金額の減少傾向について東京都の皆さんはどう思っているのかと。端的にいうと、常識的に考えれば、基本的なことで恐縮ですが、いいことなのか、よくないと思っていることなのか伺います。

○大谷事業部長 消費者ニーズの多様化や流通チャネルの多元化など、卸売市場を取り巻く流通環境の変化により、取扱数量は長期的に各品目とも減少傾向にあります。
 これに伴い、取扱金額についても減少傾向にありますが、近年、漁獲量の減少、天候不順による青果物の不作等から、価格が上昇するなどの取扱金額を増加させる要素もございます。

○宮瀬委員 減少については既に聞いていますし、その減少の捉え方を私は聞いたわけでありますが、私は減少傾向については当然好ましくないというふうに思うんですけれども、今お伺いして、そのことにしっかりと明言されないということに強い違和感を感じます。
 もし訂正があれば後ほどのご答弁でお願いをしたいんですけれども、といったところで、どうしてなのかなというのも、私も皆さんと意見交換をさせていただいて思ったのですが、そもそも取扱数量、取扱金額の目標値を都は設定しているんでしょうか。加えて、そういった指標以外の目標を管理するための指標、いわゆるKPIというのはあるんでしょうかお伺いします。

○石井市場政策担当部長 取扱数量及び取扱金額は、卸売市場における取引実態を表したものであり、目標値は設定しておりません。

○宮瀬委員 私はこのご答弁に違和感があって、もちろん民間企業と公的市場の役割は違うんですけれども、やはり知事の方からは、全ての事業に終期を設けてPDCAサイクルですとか事業評価をしっかりと行う必要があるんじゃないかと。市場ですから、当然取り扱っている量、金額というのは重要な経営指標に私はなると思っているんですけれども、現在は、その数値はあるけれども、目標数値は設定していないといったご答弁でありました。
 やっぱり、もう長くいわれていますが、PDCAサイクルというのはどの事業にも必要なことだと思っております。とりわけ、都民の税金を市場にも一部投入していますから、そのお金がどう効率よく使われたのかというのを明らかにしなければいけないと思っています。
 後ほど触れますが、私、そう思いまして、東京都中央卸売市場経営計画、百ページぐらいにわたるもので、二〇二二年三月に策定されたものでありますが、これを見ると、取扱高、量、金額の目標数値どころか現状の数値と目標数値、数字自体が書いていないと。書いてあるのは方向性だけで、経営の重要指標といろいろ書いてあるんですけれども、じゃあ施設の計画的な維持更新であれば、いつまでにどれぐらいの更新をしていくのか、また、市場のサステーナブル化と書かれています。何がどうなんだということが数値で書かれていないので、現状がどうなっているかも分からず、今後どうなっていくのかが可視化できないといったことが私は大きな課題だと思っています。
 いずれにせよ、今後市場を取り巻く環境の中で最大のリスクの一つは直販だと思っています。生鮮品等流通を取り巻く環境は、やっぱりインターネットが大分活用されて、いわゆるBツーBからBツーCの、いわゆる直販、産地直送、産地の皆さんから買うといったことができるような時代になってきたと、そういった状況の中で、どうやって中央卸売市場及び市場は生き残っていくのかと、そのことについて見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 卸売市場は、日々全国各地から集まる多種大量の商品につきまして、卸売業者や仲卸業者等の市場関係者が対面により直接品質鮮度を見極め、取引を行い、小売店等の実需者ニーズに合わせた品目、分量へ分荷するという機能を有してございます。
 取引の担い手でございます市場業者が変化する流通環境に柔軟に対応できるよう、Eコマースの活用等により、販売方法の多様化を図る取組の支援などを引き続き実施し、卸売市場の機能を今後とも発揮していくことで、引き続き都民に対する生鮮品等流通の基幹的インフラとしての役割を果たしていくものと認識してございます。

○宮瀬委員 基幹的な役割があるというのは、もちろんそうです。
 Eコマースの支援等というお話がありましたが、全体の僅か三・五%の割合にとどまっていると。電卓をはじいたら、僅か全体の三%だと。そういった中で全体の取扱量がピーク時の半分まで落ちていて、水産物ですね、青果も三割ぐらいまで減っちゃっているといった状況の中で、基幹的な市場の役割というのは、もちろん販売ルートが多様化したことで変化していくと思います。
 例えば、あまり抽象的な話をしてもしようがないので、私は、ちょうど雑誌の出版社の部門にいたときがあって、インターネットが出てきたら、もう雑誌は売れなくなるといったことが盛んにいわれて、実際に売上げもどんどん減っていくのですが、やっぱり雑誌の役割というものがあって、潰れるといったことはなく、雑誌の業界自体は適正値のところの中で生き残ってきているわけであります。テレビができたときも新聞がなくなるんじゃないかとか、いろんなことがいわれた中で、こういった中、これだけ買えるルートが増えていった中で中央卸売市場、卸市場もそういった状況の中で共存していくことが必要だと思います。だから、いいことなんですか、悪いことなんですかと、売上げの減少がね、多分お答えにならなかったのかなと思うのですが、では、適正値はどこにあるのかと。
 もう少し分かりやすくいいますと、雑誌はもう減っていくけれども、残り三割のシェアの中でしっかりとやっていけるという適正値みたいなものを私たちは設定していたのですが、そういったものはありますでしょうか。

○石井市場政策担当部長 中央卸売市場における公平、公正な取引を通じた価格形成機能は良質で持続可能な食料生産にも寄与しており、卸売市場は、今後も必要とされる基幹的なインフラであるとは認識してございます。
 こうした認識の下、引き続き令和三年度に策定した東京都中央卸売市場経営計画で掲げた市場全体の機能の最適化を進めてまいります。

○宮瀬委員 適正値について伺ったんですけど、今のご答弁は少し分かりません、分かりづらくございました。聞いている方にも分かりやすくいうと、市場の全体の機能の最適化を進めるという答弁から推測しますと、今やっていることを強化していくという意味だと認識しています。
 当然、今回の質疑のテーマであります目標値、現在数値がないわけですから、推定値も当然ないのかなというのは当たり前のことかもしれないんですけれども、私が今日一番お伝えしたいのは、やっぱりPDCAサイクルって回さないといけないのではないでしょうかといったことであります。
 この経営計画の中で本当に現状の数値と目標の数値がなく、数字を探してみると、セミナーを何回やりましたとか、パンフレットを刷りましたとか、本当にそういう数字しか出てこない状況です。現在の状況を正しく数字で把握して、それに対して目標を立てて、それに向かって進捗管理をしていかなきゃいけないのではないのかなと。それを証拠に、審議会の方でも中央卸売市場経営計画の進捗についてというものが公開されていますが、目標数値がないわけですから、進捗も数字で出てこない。数値がないのに進捗を図るというのはなかなか難しい話でありまして、私は本当にここを改善していかなきゃいけないと思っています。
 では、今回の件で、ただ一点だけ、この経営計画の中で大事な数字を見つけまして、それは、この中にある七七ページの中に財政収支計画といったものがあって、売上高割使用料収入を毎年五・五%ずつ増加させることを想定していますと書いています。これが、では、目標数値ですねとお伺いしたんですが、これはシミュレーションであって目標数値じゃないという話をお伺いしました。もしそれが違っていたら、ご答弁の際にご訂正していただきたいんですけれども、重要な財政収支計画の中での目標数値も出てこず、シミュレーションですといったことだとすると、これはやっぱり改めていかなきゃいけないのではないかなと思っています。
 なので、今後は、取引金額、数量、収支をはじめ、目標管理するための指標、すなわちKPIを各施策ごとに設定しまして、その指標に基づいて目標値を設けていくべきだと思いますけれども、見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 都は、中央卸売市場が今後も基幹的なインフラとしての役割を果たしていくため、経営計画を策定し、その進捗状況等につきまして、日頃から市場関係者との意見交換などを積極的に行うこと等に加え、東京都卸売市場審議会において年二回、報告、議論をしていただくことにより、計画に掲げた取組、管理を着実に進めていきます。

○宮瀬委員 最後、ご答弁いただきまして、管理を進めていくといったご答弁でございました。私もちょっと難しいことをいっているのは十分分かっているんですけれども、今後、卸売市場審議会等でもいろいろお話があると思うんですけれども、そういった意見を踏まえて、ぜひ数値を設定してほしいなと。
 とりわけ、今のご答弁の中で、経営指標であります財政収支計画は五・五%ずつの増加というのは、経営目標じゃなければそういってくださいと、これが経営目標ですということであれば、しっかりと答弁してくださいといいましたが、そのご否定もありませんでしたので、やはり都民の税金が三十一億とか、予算規模も百八十二億の事業でございますので、ぜひ、お金が何に使われて、どういう目的で、そのお金がどれぐらい効果があって、目標にどう近づいたのかを誰もが分かる数字に基づいて今後は示していただければと思います。
 時間のかかることであると思いますが、ご答弁いただいたことは残っていくと思います。特に最後の質問への答弁での取組、管理を着実に進めていくといったご答弁を、一年間、私もずっと心に留めていきたいと思います。
 以上となります。ありがとうございました。

○三宅委員 私からは、全国の建値市場としての機能を有しており、また、安全・安心でおいしい肉を提供していただいている食肉市場について幾つか質問させていただきたいと思います。
 先日、私も食肉市場まつりに行きまして、来場者の食肉に対する購買意欲の高さを直接肌で感じ、また、都民を含め、日本人の食生活で人気の高い食材であることを改めて認識しました。
 一方、政府観光局によりますと、今年九月の訪日外国人数が二百十八万人と、もうコロナ禍前の水準に迫る勢いで増えているということであり、東京にも多くの外国人が訪れています。こうした中、観光庁が実施した消費動向調査の報告では、四月から六月の訪日外国人が最も満足した飲食の回答で肉料理が第一位であったということであります。
 これらを踏まえますと、国内の人口減少が進む中においても食肉需要の高まりが期待できるのではないかなと、そのように思っております。
 食肉市場は全国各地から牛や豚が集荷されている国内最大級のと畜場を有していることから、これまで以上にその役割が重要になってくると思います。先日の事務事業説明時の資料によれば、今期の東京食肉市場株式会社の生体取扱頭数予定は牛が八万八千五十頭、豚については二十一万三千四百八十頭とされており、この数字が取扱規模の大きさを物語っているというふうにいえます。
 こうした国内最大級となる食肉の取扱量を堅持していくには、食肉市場の持つ市場機能の強みや特徴を理解した上で対策を考えていくべきであります。
 そこで、食肉市場が持つ市場機能の強み、また、特徴について都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 食肉市場が持つ市場機能の強みといたしましては、まず、全国の産地からブランドを含めた牛が集まるなど、多品種かつ大量集荷が可能な市場であることが挙げられます。また、一日に牛は最大四百三十頭、豚は最大千四百頭と、全国のと畜場でと畜解体される頭数と比べても多いことも挙げられます。
 さらには、市場が大消費地に近接し、物流拠点である羽田空港や東京港に近い立地である優位性を生かして、買受人が多く集まりやすい環境も強みの一つであると考えております。
 こうした強みや特徴を踏まえ、東京都中央卸売市場経営計画におきまして、食肉流通の中核的拠点としての機能を発揮し、基幹市場の役割を果たすこととしております。

○三宅委員 今ご答弁にありましたとおり、開設者として優位性を認識している、このことは大切なことだと思います。
 一方で、社会情勢などを踏まえ、生産者の考えや購買者のニーズなど、外部環境についても確実に捉える必要があると思います。
 そこで、近年の食肉のマーケットを取り巻く外部環境について、都はどのように把握しているのか見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 近年、コロナ禍からの回復、不安定な国際情勢などにより、今後の食肉流通の見通しが難しい状況を鑑み、令和五年度に国内外における食肉流通の環境についての調査を行っております。
 この調査によりますと、生産者は減少傾向にあるものの、一戸当たりの規模が大きくなっている傾向があるほか、産地から直接海外への輸出に取り組む事例が増加していることなどが明らかになりました。
 また、生産者が出荷先を選ぶ際には、買受人の購買力の高さや売買時における代金決済の速さ等が考慮されていることが明らかとなりました。

○三宅委員 今、東京都さんがそのような外部環境をしっかりと把握していらっしゃるということは今の答弁で分かったのですが、こうした激しい環境変化の中で卸売業者が集荷力を高められるよう、都はどのようにサポートしているのか伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長 都は、卸売業者が食肉のマーケットを取り巻く環境変化に対応して集荷力を高められるよう、出荷者の団体が中心となって開催する枝肉の共励会を後援するなどにより、食肉の魅力を高めるサポートを行ってございます。
 また、豚の集荷頭数が減少する夏季におきまして、生産者の出荷に要する費用に対して助成を行い、出荷を促進する取組も行っております。

○三宅委員 外部環境が様々変わってきて、サポートもいろいろな形態があると思いますので、引き続きしっかりと業者さんに寄り添ってサポートしていただきたいと思います。
 都として安定した食肉供給を継続するためには、取引の基盤となる施設を適切に管理していくことも重要でございます。我が会派は、特に市場内の施設の老朽化対応について、こうした質疑の場で幾度となく指摘してきました。その中で、老朽化対策は単なる補修にとどまらず、市場全体で効率的かつ効果的な施設運営につなげることや、日々の食肉供給事業を支えている市場業者の声に丁寧に応えていくことも必要です。
 先日、食肉市場を訪れた際にも、業界の方から枝肉を搬送するレールの早期改修について直接お話を伺いました。
 そこで、こうしたことを踏まえ、令和五年度に実施している施設運営の向上や市場業者の意見を踏まえた老朽化対応の取組について伺います。

○萩原環境改善担当部長 現在行っております施設の老朽化対応のうち、令和五年度は、と畜解体作業で生じる汚水を処理する水処理センターで、施設運営の効率化などに資する取組に着手いたしました。
 具体的には、現在の水処理能力を維持したまま、汚水の処理工程の一部を簡略化することにより、運転の操作性向上や使用電力の削減に加え、施設規模の縮小が図られることから、現在、準備工事に着手しており、令和六年一月から段階的に改修工事を進めていく予定でございます。
 また、市場業者の要望を踏まえた取組といたしまして、市場棟の枝肉を搬送するレールの改修を計画よりも一年前倒しして着工することといたしまして、今後も市場の運営状況に合わせて順次実施してまいります。

○三宅委員 今のご答弁で、水処理センターの運営向上や、市場業者の意見を踏まえた老朽化対応が実施されていることが確認できたと思います。
 また、食肉市場は、過去にO157やBSEの発生など、家畜の防疫や食品衛生管理に関する法令の改正にその都度対応せざるを得ず、現行の法令等に照らして対応が必要な施設が存在すると聞いています。
 このため、施設竣工時に想定されていない運用が求められ、市場の運営面や維持管理面における課題となっていると推察されます。
 そこで、これらの施設面の課題についてどのように対応していくのか、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 食肉市場では、BSEなどに対応する食品衛生法等の改正に対応していくため、市場を運営しながら施設や設備の増改築を繰り返し行ってきました。
 このため、増改築により、市場業者の動線が交錯するなどの課題が生じているほか、現行の建築基準法等に照らして既存不適格となっている建物もあり、改修に合わせて、こうした課題を解決していく必要がございます。
 今年度は、昨年度実施した建物調査を基に現行の建築関係の法令に適合できますよう、対処方法の検討を行っております。

○三宅委員 我が会派が指摘する老朽化対応や食品衛生管理に関する対応を行っていることは分かりましたが、市場業者の経営基盤強化につながるよう、食肉に関するマーケットニーズにも沿う取組を進めていくことが重要であると思います。
 特に、先ほどもご答弁にありましたが、地方産地が積極的に輸出拡大に関する取組を進める中、一般社団法人東京食肉市場協会からの要望でもある輸出を含めた販路拡大についても市場当局がしっかりサポートすべきだと思います。
 そこで、市場業者の要望や社会情勢を踏まえ、早期に食肉に関する輸出を含めた販路拡大に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○石井市場政策担当部長 都は、東京都中央卸売市場経営計画の中で、市場業者の経営基盤の強化に向け、輸出など、販路拡大の取組を支援するとしておりまして、食肉市場につきましても同様でございます。
 委員ご指摘のとおり、食肉に関するマーケットニーズ、具体的には、近年、国内に限らず、海外においても和牛ニーズが高まっていることにつきまして都も認識しておりまして、卸売業者や仲卸業者と、こうしたマーケットの状況についての情報共有を図るなど、さらなる連携強化を図っております。
 また、品質衛生管理の高度化は、さらなる高品質の食肉供給に資することから、国内向けのみにとどまらず、輸出などの販路拡大に寄与するものであり、昨年度、一般社団法人東京食肉市場協会からの要望も踏まえて、と畜解体ラインの一部におきまして、施設整備に向けた実施設計を行いました。

○三宅委員 現在、食肉市場では、都民への安定供給を重要視し、輸出の割合が少ないと聞いていますが、全国各地のブランド和牛を含め、多品種かつ大量に集荷できる強みをぜひ活用していただきたい、そのように思います。
 先ほどのご答弁もありました実施設計の後には、当然ながら、今年度は着工につながることが推測されますが、そこで、品質向上、輸出などの販路拡大に向けた令和五年度の施設整備の具体的な内容と、業界との対応状況について伺います。

○萩原環境改善担当部長 令和五年度は、牛をと畜解体する大動物棟の三つのラインのうち一つのラインにおきまして、品質衛生の向上を図るため、と室内の空調及び給排水、電気設備の改修工事を契約し、令和六年一月の着工に向け、準備を行ってございます。
 また、輸出対応といたしまして、作業機械や、と室内の壁などに枝肉が接触することによる品質低下を防止するため、令和六年一月の着工に向け、作業台や機械設備の改修工事を発注いたしました。
 これらの工事は、令和六年一月から十月までの十か月間、と畜解体ラインの稼働を停止する必要があるため、本年十月に市場関係者向けの工事説明会を開催いたしまして、業務に支障が生じないよう、対応を図ってございます。

○三宅委員 品質衛生管理の高度化、また、輸出基準への適合に向けた施設整備が進められているということが確認できたと思います。また、市場業者に対して工事内容が説明済みとのことであり、市場業者の日々の業務に影響はあるものの、工事の必要性について理解が得られたことと思われます。
 一方、今のご答弁で、一つのラインを十か月間停止するとありましたが、食肉市場は都内唯一の食肉を取り扱う市場であり、工事によるライン停止はやむを得ない反面、日々の食肉の供給量に影響が出ることが危惧されます。
 そこで、この十か月間にも及ぶ工事期間中の、と畜頭数と都民への食肉供給の影響について伺います。

○石井市場政策担当部長 現状の大動物の一日当たりの最大と畜数は三つのラインで計四百三十頭でございますが、工事期間中は一つのラインが停止することから、一日当たりのと畜頭数は最大三百五十頭に低下するため、年間を通じて食肉の供給量に影響が出かねない状況となることが明らかとなりました。
 このため、都は、関係者との協議を重ね、作業時間を延長することで残る二つのラインで解体可能な頭数を五十頭増やし、一日当たりのと畜頭数を最大四百頭まで引き上げることといたしました。また、毎月初めに出荷が集中する現状を踏まえ、卸売業者が生産者と出荷を分散する交渉等を行うなど、集荷の平準化を図る調整を行っております。
 こうした取組により、例年と同様のと畜頭数を確保し、都民に対する安定した食肉供給を継続できるよう、対応を進めてまいります。

○三宅委員 安定した食肉供給、そして、施設整備の工事を着実に進めていくことを改めて要望したいと思います。
 一方で、輸出先の視野を広げていくためには、施設整備と併せて運用面の変更など、新たな取組が必要になるのではないかなと思っております。
 そこで、輸出を拡大していくために必要な市場運営に関する具体的な取組と、それにより、新たに輸出対象に加わる地域はどこを想定しているのか伺います。

○石井市場政策担当部長 輸出を拡大していくために強化すべき施設運営として、輸出対象国の衛生管理基準に合致したHACCPに修正いたしますとともに、関係者の理解を得た上で作業手順も見直す必要がございます。
 具体的には、輸出要綱に沿った器具の使用に加え、作業動線にある排水溝から排水が飛散しない対策などを検討する必要があります。また、施設管理の面では、これまでの清掃に加え、排水溝の排水トラップの清掃や定期的な天井及び配管などの清掃が必要となります。
 これらの取組を推進することによりまして、新たに台湾及びシンガポールが輸出対象国地域として加わる見込みであります。

○三宅委員 HACCPや作業手順を見直すなどにより、新たに輸出対象として台湾とかシンガポールが加わるということです。
 今後の輸出に向けた取組を円滑に進めていくには、市場の関係者との調整のほか、関係官庁への様々な手続を遅滞なく進めていくことが必要であると思います。
 そこで、輸出に先立ち行う関係官庁への手続に関する具体的な内容と今後の輸出対応に関する取組のスケジュールについて伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長 輸出を行うに当たりましては、と畜場や加工処理施設について、所管官庁である厚生労働省の認定が必要でございます。認定を取得するためには、対象国の輸出基準を満たしたことを都の衛生部局が確認した上で、と畜作業工程の審査が実地で行われ、合格と認められる必要があります。
 今後、と畜場につきましては、施設整備完了後の令和六年十一月から試運転を開始し、都の衛生部局の確認を受けるとともに、市場業者と連携して、令和七年度中に厚生労働省に対して申請を行うこととしております。

○三宅委員 今、手続や、また、スケジュールについて確認いたしました。その中で、都から厚生労働省の認証取得についてのご答弁がありました。
 私も、国が今年の六月三十日に台湾及び香港向けに輸出する牛肉並びにシンガポール向けに輸出する食肉について、と畜場と食肉加工を行う施設が一体ではない施設でも認定が取得できるよう、手続の一部を改正したと伺っています。
 国は、食料・農業・農村基本計画において令和十二年までに農林水産物、食品の輸出額を五兆円とする目標を設定し、中間目標として、令和七年までに輸出額二兆円を目指すとしています。
 今回の改正は、こうした国の施策に合わせ、食肉市場の輸出対応にも追い風になると思います。都と市場業者が連携して、スピード感を持って取り組む必要があります。
 そこで、今回、一部改正された手続の内容と、食肉市場における市場業者を含めた輸出対応の役割について伺います。

○石井市場政策担当部長 輸出認定施設は、その機能から、と畜を行うと畜場等と、加工を行う食肉処理施設の二つに分けられます。
 今回の台湾及びシンガポール向け輸出食肉の取扱要綱の一部改正では、これまで、と畜場等と加工を行う食肉処理施設が併設している施設のみを輸出認定の対象としていましたが、一定の条件を満たせば、それぞれの施設で輸出認定を取得することが可能となりました。この改正によりまして、食肉市場では、と場施設と、市場棟などにあります市場業者の食肉処理施設のそれぞれ別個に認定を受けることが可能となります。
 今後、と場施設に関する認定は都と卸売業者が、食肉処理施設は都と仲卸業者が申請することとなり、各事業者が中心となって対応することで申請手続の迅速化を図ってまいります。

○三宅委員 今のご答弁で手続規定の改正内容、そして、都と市場業者の申請の際の役割分担について確認できたと思います。
 しかしながら、輸出認定などの申請等に関する業務は通常の市場業者の業務とかけ離れています。市場業者にとっては負担も大きく、都によるサポートなどの協力が必要と思います。
 我が党は、従来から市場業者との連携や支援の必要性について強く訴えてきましたが、そこで、都が今回の輸出対応に向けた取組に関し、市場業者に対し、どのような支援を行うのか伺いたいと思います。

○石井市場政策担当部長 今年度より、都は、輸出対応に関する施設整備後に円滑に卸売業者や仲卸業者が輸出対応できるよう、と畜や加工に必要な器具等の選定や食肉の加工方法などについて改善すべき点を事前に市場業者に対して指導しております。
 また、中央卸売市場経営強靱化推進事業を活用し、仲卸業者の販売管理システム改修の補助などを行うことにより、輸出に向けた市場業者の取組に対応できることとしております。
 輸出に関する取引面におきましては、不払い等のリスクが懸念されることから、ジェトロを通じて貿易保険などの情報を入手し、市場業者に提供しております。
 さらに、新たに輸出対象として予定している台湾につきましては、昨年度に現地で調査したマーケット動向や商社の情報について提供するとともに、今年度は、台湾で毎年六月に開催される国際的な食品見本市の主催者であります台湾貿易センターにおける現地商社等との商談に向けたコーディネートを行いました。

○三宅委員 今の部長のご答弁から、市場業者の輸出対応に関して、施設整備から商談まで丁寧な支援が行われていると分かりましたが、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 これまで質疑してきましたが、食肉市場で必要な老朽化対応に加え、新たに輸出などを含めた販路拡大に取り組むことが分かりました。こうした取組を実現していくことは一筋縄ではいかないものの、食肉の消費喚起や産地の維持を通じ、都民や市場業者のためにも役に立つことであると思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 そこで、最後に、今回の食肉市場の整備推進に当たり、市場長の決意を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○早川中央卸売市場長 食肉市場は、都民に対する食肉の供給を支える都内で唯一の市場であるとともに、市場取引を通じて全国の取引価格の基準となる建値を形成するなど、重要な役割を果たしております。今後もその役割を十二分に果たしていくためには、市場の運営を止めることがないよう、老朽化した施設の安全性をより一層高めるとともに、生産者や実需者のニーズなど、食肉市場を取り巻く環境の変化に的確に対応していくことが開設者の責務でございます。
 そのため、都は、施設の維持保全を計画的かつ的確に行うとともに、品質衛生管理の高度化を進め、より一層安全なと畜解体や、安定した市場運営に尽力してまいります。
 さらに、市場業者の方々の要望も踏まえ、その経営基盤の強化にもつながる輸出などの販路拡大に向けたソフト、ハード両面の取組を市場業者と連携して、鋭意進めてまいります。
 我が国の高品質な食肉が、都民の方々はもとより、国内外において広く深く信頼されるよう、今後とも食肉市場の整備に全力で取り組んでまいります。

○古城委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古城委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十二分散会

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