委員長 | 細田いさむ君 |
副委員長 | 後藤 なみ君 |
副委員長 | 松田 康将君 |
理事 | 中田たかし君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
清水とし子君 | |
玉川ひでとし君 | |
磯山 亮君 | |
本橋たくみ君 | |
田の上いくこ君 | |
阿部祐美子君 | |
入江のぶこ君 | |
高倉 良生君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 坂本 雅彦君 |
次長 | 根本 浩志君 | |
総務部長 | 松本 明子君 | |
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 米澤 鉄平君 | |
企画調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 | 勝見 恭子君 | |
企画調整担当部長 | 飯野 雄資君 | |
商工部長 | 緑川 武博君 | |
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 福田 哲平君 | |
金融部長 | 戸井崎正巳君 | |
金融支援担当部長 | 高野 豪君 | |
観光部長 | 築田真由美君 | |
観光振興担当部長 | 天津 利男君 | |
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 山田 則人君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長 新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 鈴木のり子君 | |
雇用就業部長 | 山崎 太朗君 | |
事業推進担当部長 | 内田 知子君 | |
港湾局 | 局長 | 矢岡 俊樹君 |
技監 | 山岡 達也君 | |
理事総務部長事務取扱 | 相田 佳子君 | |
企画担当部長 | 石井 均君 | |
調整担当部長 | 堀内 弘君 | |
港湾経営部長 | 野平雄一郎君 | |
港湾振興担当部長 | 猪倉 雅生君 | |
臨海開発部長 | 松本 達也君 | |
開発調整担当部長 | 佐藤 賢治君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 大野 克明君 | |
港湾整備部長 | 片寄 光彦君 | |
計画調整担当部長 | 薮中 克一君 | |
担当部長港湾計画担当部長兼務 | 水飼 和典君 | |
離島港湾部長 | 村田 拓也君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 川崎 卓君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
港湾局関係
契約議案の調査
・第百六十号議案 新砂水門(再整備)(四)建設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 港湾局所管分
産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、債務負担行為 産業労働局所管分
・第百五十号議案 東京都労政会館設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
・第百五十一号議案 東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例
○細田委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○細田委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和四年六月八日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
経済・港湾委員長 細田いさむ殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百六十号議案 新砂水門(再整備)(四)建設工事請負契約
2 提出期限 令和四年六月十日(金)
○細田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の契約議案の調査並びに港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査を行います。
これより港湾局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百六十号議案を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○高倉委員 契約議案の新砂水門再整備につきまして質問をしたいというふうに思います。
東京の区部東部には、地盤の高さが満潮時の海面よりも低い、いわゆるゼロメートル地帯が広がっておりまして、こうした地域が高潮や津波で浸水した場合、その被害は計り知れないものとなります。
このため、都では、海岸線において防潮堤の整備を進めるとともに、海と市街地を結ぶ運河の入り口に水門を設けることで、都民を高潮や津波等の被害から守ってきているわけであります。
今回提出されている工事請負契約議案の対象施設であります新砂水門も、こうした重要な役割を持った水門の一つでありまして、現在、耐震性を確保するために再整備を進めているところであると伺っておりますが、資料によりますと、ラジアルセクターゲート式水門で整備を進めるとされております。
そこで、まず、ラジアルセクターゲート式水門とはどのような水門であるのか、また、なぜその形式を採用したのか、見解をお伺いしたいと思います。
○片寄港湾整備部長 ラジアルセクターゲート式水門とは、高潮や津波の襲来が予想される際に、左右の門扉を観音開きの扉を閉じるように動かし、閉鎖する水門でございます。東京港内の運河に設置されている水門では、門扉を上から下に下ろすことで高潮や津波の侵入を防ぐローラーゲート式と呼ばれる構造の水門が一般的でございます。
一方、現在の新砂水門は、夢の島マリーナ等を利用するマスト高の高いヨットなどが航行する砂町運河に設置されているため、航行できる船舶の高さに制限があるローラーゲート式ではなく、制限のないラジアルセクターゲート式を採用しております。
新たな新砂水門は現在の水門の近くに整備を行っており、引き続き、マスト高の高い船舶が多く航行することが見込まれていることから、現在の水門と同様にラジアルセクターゲート式とする予定でございます。
○高倉委員 今、答弁をいただきましたが、この新砂水門のそばに夢の島マリーナ等を利用するマスト高の高い船舶が出入りする、こういうことで、いわゆる観音開きというんでしょうかね、分かりやすくいいますとこの方式を取っていると。
この方式を取っている水門は、こことあと東京港内にはもう二か所ぐらいでしょうかね。ほかの水門は、いわゆる上下に閉める、こういうものがほとんどなわけでありますけれども、そういうようなことになっているわけであります。
新たな水門も同じ砂町運河内に整備する予定であることから、船舶の円滑な航行を実現させるため、同様の構造を採用する必要があることを確認させていただきましたが、施設の整備に当たっては、今後も利用状況をしっかりと把握した上で、構造や規模の検討を進めていただきたいというふうに思います。
次いで、具体的な工事の内容についてお伺いしておきたいと思います。
新砂水門については、既存の水門の近くに新たに水門を整備することから、完成までには年月を要するとされておりまして、今回の工事請負契約議案も長期間にわたる工事工程の一部であるとの説明をお聞きしております。
そこで、今回の契約議案の工事の具体的な内容について改めて確認をさせていただくとともに、今後、完成に向けてどういう工程が予定をされているのか、答弁をいただきたいと思います。
○片寄港湾整備部長 都では、東日本大震災の教訓を踏まえ、想定し得る最大級の地震にも対応できるよう、海岸保全施設の耐震化を進めているところであり、新砂水門の再整備も十分な耐震性を確保することを目的として実施するものでございます。
新たな新砂水門は既存の水門の近くに整備してまいりますが、その工事を行うに当たっては、整備予定地の周囲に仮締切りと呼ばれる囲いを設置し、その内部の海水を抜く必要がございます。
今回の工事請負契約議案の内容は、この仮締切りが周囲の水圧に耐えられるよう、内部に切りばりと呼ばれる支えを設置し、安全性を確保した上で排水を行うというものであり、工期は令和五年十一月までを予定しております。この工程が完了した後に本体工事に着手する予定であり、新たな水門の完成後、既存の水門を撤去する計画でございます。
都は、都民の生命、財産を高潮や津波から確実に守るため、新砂水門の整備を着実に進めてまいります。
○高倉委員 今、答弁で、工期は令和五年の十一月までを予定しているというお話がありました。
運河部での工事ということで、陸上での工事とは異なる工法となりまして、時間もかかる大変難しい工事であるというふうに思いますけれども、ぜひ万全の体制で臨んでいただきたいというふうに思います。
そこで、現在、非常に気になっておりますのが、特に二月に発生をしたロシアによるウクライナ侵略と呼ばれる状況でございまして、今後もこれが長期化をしますと、様々な形で影響が及んでくるものというふうに思っております。
今回の契約議案は、工期が令和五年十一月までと長期にわたるということで、その間に工事に要する資材価格が高騰するといったことも想定をしておかなければならないと思います。
今後、建設資材等の価格が高騰した場合に、受注者の負担とならないように適切に対応していくべきというふうに考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○片寄港湾整備部長 これまでも都は、発注した工事に必要な建設資材等の価格高騰に対して、契約約款の規定に基づき適切に対応を図ってきたところでございます。
具体的には、契約約款において、賃金または物価の変動に基づく契約金額の変更について定めており、主要な建設資材等の価格に著しい変動が生じた場合などにおいては、受注者からの契約金額変更の請求に基づき、工事金額の変更を行うことができるとしております。
今回の工事請負契約に関しましても、工期中において工事材料の価格が著しく高騰した場合には、受注者と十分に協議し、必要に応じて工事金額の変更を行ってまいります。
○高倉委員 今、具体的な対応についてのお話がありました。長期間にわたる工事でありますので、今後、さらに不測の事態も生じてくるといったことも想定はしておかなければならないと思います。
新砂水門は、高潮等の水害から都民を守る大変重要な施設でありまして、都は全力を挙げて、着実に整備を進めていただくよう要望して、質問を終わりたいと思います。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○細田委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百十四号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、港湾局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○高倉委員 それでは、付託議案となっております離島航路、航空路補助に係る補正予算案について質問をしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の国内における感染拡大が始まってから既に三年目に入っているわけであります。
この間、全国で、観光産業をはじめとして、多くの産業が厳しい状況に置かれてきました。島しょ地域もこれは例外ではありませんで、観光客が大きく減少するとともに、島民やビジネス目的の方々も内地と島との行き来を控えたといったようなこともありまして、離島の航路や航空路の利用者数は大幅に落ち込み、運航事業者は厳しい経営をずっと強いられてきたわけであります。
いうまでもなく、離島にとって航路、航空路は、生活に不可欠な交通手段としてまさに生命線でありまして、困難な中にあっても確実に維持をしていかなければならないものであります。
このため、都は、運航事業者に対する追加の支援を、コロナの感染拡大が始まった令和二年以降、継続して実施してきたというふうに承知をしております。
そこで、まず、航路、航空路補助制度の概要を確認させていただくとともに、利用者数の減少に伴う欠損額の増加に対してどう対応してきたのか、見解をお伺いしたいと思います。
○村田離島港湾部長 島しょ地域と本土を結ぶ定期航路、航空路は、島民や観光客などの移動手段として、また、日用品や生産物の輸送手段として、島しょ地域の生活と産業にとって必要不可欠なものでございます。都はこれまでも、定期航路や航空路を維持するため、国と連携して、運航事業者の欠損額に対し補助を行ってまいりました。
新型コロナウイルス感染症の発生後は、利用客数の減少によって欠損額が大幅に増加することが予想されたことから、都は令和二年度より、補正予算において必要な額を確保し、支援を実施してまいりました。
加えて、従来は補助の対象外であった竹芝−神津島間の航路につきましても、欠損額の二分の一を補助する取組を都独自に実施してきたところでございます。
今年度につきましても、引き続き欠損額の増加が見込まれることから、今回の補正予算案において必要な経費を計上いたしました。
○高倉委員 今、答弁をいただきましたけれども、これまで都が積極的に事業者を支援し、航路、航空路の維持に努めてきたということについては評価を申し上げたいというふうに思います。
実際に、コロナ発生直後には、島の住民の方々から、運航事業者の経営悪化による路線の休止や撤退を強く懸念する、こういった声も聞かれたわけであります。都の支援が大変大きな安心にもつながったというふうに思っております。
そこで、コロナ禍の前と後で、航路、航空路補助に関する予算額、そして実績額がどういうふうに推移をしてきているのか、このことについて明らかにしていただきたいと思います。
○村田離島港湾部長 新型コロナウイルス感染症が発生する以前の令和元年度において、航路、航空路補助の予算額は約八億円であり、実績額は約八億円でございます。
コロナ感染拡大が始まった令和二年度では、当初予算九億円、補正予算約十六億円の計二十五億円を確保し、実績額は約二十四億円でございます。
令和三年度は、当初予算十二億円、補正予算十四億円の計約二十六億円を確保し、支援を行っております。
実績額は現在調整中でございますが、約二十四億円となる見込みでございます。
○高倉委員 今、答弁をいただきまして、しっかりと予算を確保して事業者の支援を行ってきたということが確認ができたわけであります。
各年度の予算額に対する実績額の割合、いわゆる執行率でありますけれども、これが相当高いということも今の答弁で確認をさせていただきましたけれども、運航事業者の苦しい実情に即した適切な措置であったというふうに申し上げたいと思います。
今回の補正予算でありますけれども、これも、こうした支援を今年度も継続をしていくという趣旨であると思うんですけれども、昨年度と一昨年度は、まさにコロナ禍という状況の中でも、いわゆる利用客の減少といったようなことを踏まえて予算を組み、そして補正予算を組み、高い執行率で支援をしてきたということであります。
ところで、令和四年度を見てみますと、今まだ新規感染者数は高い数字で推移はしておりますけれども、今年のゴールデンウイーク等を見ても、かなりの人がまちに、あるいは旅行に出ておりまして、それが感染の状況に大きく影響しているということがあまりないような状況があるんだと思います。
今後、恐らく観光に対する支援も強化をして、観光需要に応えるような、そうした取組がなされていく可能性もあるんですね。もちろん感染には十分注意しなければなりませんけれども。したがって、こういう航路、航空路につきましては、お客さんが戻ってくる、こういうことも想定をされるわけであります。
一方で、まさにこの令和四年度に新しい事態として加わったのがロシアのウクライナ侵略ということでありまして、当然、これによる燃料高といったことが、直接こうした航路の運航にも大きく影響してきているわけであります。
したがって、昨年度、それから一昨年度の状況とはちょっと違った要素を踏まえて、今回の補正予算といったものを検討し、そして、予算を計上し、これから執行していくと。もちろんこの補正予算が可決されればですけど、こういう状況になっていると思います。
そこで、最後に、今回の補正予算は、今、私が申し上げた令和四年度は、前の二年間と違った状況にもあるわけですけれども、どういう考え方で補正予算を計上してきたのか、答弁をいただきたいと思います。
○村田離島港湾部長 伊豆諸島と東京を結ぶ航路における本年一月から五月までの利用客数の実績は、令和三年の同時期と比較しますと、約七割増となっているものの、コロナ禍前の令和元年と比較いたしますと、約六割の水準となっております。
また、航空路における本年一月から四月までの利用客数の実績は、令和三年の同時期と比較しますと、約四割増となっておりますが、令和元年と比較いたしますと、約七割にとどまっております。
このように、利用者数は回復傾向にあるものの、コロナ禍前と比較すると、依然として低い状況にあることに加え、今後の感染状況がどのようになるか現時点では判断が難しいことから、今回の航路、航空路補助の補正予算案では、昨年度並みに利用客数が減少する場合を想定し、必要額を見込むこととしました。
また、昨今の原油価格の高騰を踏まえ、東京−八丈島航路及び航空路に関しましては、既に本年第一回定例会において補正予算案を提出し、予算措置を行ったところでございますが、今回の竹芝−神津島航路につきましても、原油高騰の影響分を補正予算案に計上することとしました。
今後とも、都は、離島の定期航路、航空路への支援を積極的に行い、路線を維持することにより、島しょ地域の住民の生活と産業を守ってまいります。
○高倉委員 危機への対応といったことについては、大きく構えて小さく収めよといったことが鉄則であります。こうした点で、島しょにとりまして生命線ともいえる航路、航空路の維持に万全を期した今回の補正予算は、私は妥当であるというふうに思っております。
都は今後、航路、航空路が確実に維持をされるように、しっかりと取組を進めていただくようにお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○細田委員長 これより産業労働局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百十四号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、債務負担行為、産業労働局所管分、第百五十号議案及び第百五十一号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
○本橋委員 まず、農林水産業への支援についてお伺いいたします。
ウクライナ情勢や原油価格の高騰などにより、都内の農業者や漁業者は非常に厳しい経営環境にさらされております。農業では、化学肥料や農業資材などの急激な値上げが続き、また、漁業では、燃油価格の高騰が漁業者への経営に大きな影響を及ぼしております。
こうした中、都は、農業者、漁業者の実情に応じた支援をしっかりと行っていくべきと考えます。
そこで、まず、農業者への支援について伺います。
私の地元である国分寺市でも、農作物を栽培するための肥料や種、土にかぶせるビニールマルチ、出荷用の袋や箱など、全ての資材が軒並み値上がりをしており、このままでは農業経営を続けられないという声も聞こえております。
都は、こうした状況において、農業者が収益をしっかりと確保できるよう新たな支援を始めるとのことでありますが、具体的な内容についてお伺いいたします。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、農業者の収益向上に向けまして、農産物の加工、販売のために機器等を導入する場合の支援を新たに開始いたします。
具体的には、認定農業者や農業者が組織する団体を対象に、農産物を乾燥させる機器や庭先直売用の機械などの導入費用に対して、七百五十万円を上限に四分の三を助成し、多くの農業者の取組を支援いたします。
また、農業経営の専門家を各農家に派遣して、経営計画の作成や必要な整備の種類と機能、新たな販売先の開拓などについてきめ細かな助言を行います。
本事業につきましては、七月から募集を開始する予定であり、ホームページの掲載や農業団体を通じて幅広く周知することにより、利用の促進につなげてまいります。
こうした取組によりまして、農家の経営力の向上を後押ししてまいります。
○本橋委員 ウクライナ情勢の長期化により、今後、肥料や飼料の価格高騰が一層進むことも懸念されることから、引き続き、農業者への着実な支援を行っていただきたいと思います。
次に、漁業者への支援について伺います。
一昨日の代表質問で、我が会派は、燃油価格高騰の影響を受ける漁業者へのさらなる対策の強化を図るべきとの質疑を行い、都からは、漁業者の燃料費負担の軽減に向けて、国の積立金制度における助成率の引上げや、漁業者が燃油を購入する際の経費助成などを行うとの答弁があったところです。
いずれも漁業者から期待されている対策でありますが、このうち、まず初めに、国の積立金制度における今回の支援について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の積立金制度である漁業経営セーフティーネット構築事業は、燃油価格高騰時における漁業者の負担軽減を図るため、燃油価格が一定の基準を超えた場合に、国と漁業者が積み立てた基金から補填金が支払われる制度でございまして、都は現在、漁業者が負担する積立金の三分の二を助成しております。
今後は、この助成割合を五分の四へと引き上げ、漁業者の負担のさらなる軽減を図ってまいります。
○本橋委員 国の積立金制度は、燃油価格が上昇した場合の備えとして大変重要であり、今回の制度の拡充は漁業者の負担軽減につながるほか、今後の加入へのインセンティブにもなると考えます。
一方で、漁業者を取り巻く環境が厳しさを増す中、都は今回、新たに燃油を購入する際の経費助成も実施するとのことでありますが、その具体的な内容について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、島しょ地域の業者の多くは、東京都漁業協同組合連合会が一括して仕入れた燃油を、各島の漁業協同組合を通じて購入しております。
都は、漁業者の負担を軽減するため、新たに連合会が各漁協に燃油を販売する際の手数料に相当します燃油一リットル当たり七・五円を、連合会を通じて漁業者へ助成をいたします。
こうした取組によりまして、燃油の調達コストを引き下げ、漁業者の事業経営の安定化につなげてまいります。
○本橋委員 厳しい経営状況にある漁業者の皆さんに対し、こうした迅速な支援策を講じたことについては評価いたします。
しかし、燃油価格の高騰に加え、漁獲の減少や魚価の低迷など、漁業を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。今後、漁業者の経営安定に向けたさらなる支援の充実を要望し、次の質問に移ります。
次に、国産木材の利用拡大について伺います。
昨年来のウッドショックにより木材価格の高騰が続いており、柱や板など、外国産の木材製品の入手が困難となっております。木材問屋をはじめ、木材の売買を行う事業者の中からは、こうした状況が継続すると、経営が成り立たなくなると心配する声も聞こえています。
都は、国産木材の普及、販路拡大に向けた新たなイベントを開催するとのことでありますが、流通事業者にも配慮した企画とし、多くの事業者に参加していただけるよう、周知を工夫すべきと考えますが、見解を伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、今年八月に、浜松町の産業貿易センターにおきまして、国産木材製品を集めたイベントを新たに開催いたします。
このイベントは、国内各地の製材業者等がブースを設け、柱や板などの建築材料やフローリングなどの住宅の内装材等を展示するとともに、建築士や工務店に加え、木材問屋など流通関係者を招いて、新たな取引につながる商談の機会を提供いたします。多くの方に来場いただけるよう、木材関連の業界紙や関連団体の広報誌に広告を掲載するとともに、全国の自治体窓口を通じて広くイベントの周知を図ります。
また、ウッドショックによる木材市場への影響など、流通事業者の今後の事業に役立つ情報を提供するセミナーを開催いたします。
さらに、出展者による木材製品の説明などをアーカイブ化してホームページで継続的に発信し、来場できなかった方も視聴可能とすることで、商談機会の充実を図ってまいります。
こうした取組によりまして、流通事業者をはじめとする木材関連業者の取引の活性化につなげてまいります。
○本橋委員 木材の流通を促進するためには、このような流通事業者の取引の活性化につながる商談の機会の提供も重要ですが、それに加えて、消費者の木材利用を促す取組も必要であります。
このイベントを進めるに当たっては、現在、都が行っている木材の消費拡大に向けた様々な事業と連携し、エンドユーザーである都民にその効果が届くよう、工夫して実施すべきと考えますが、見解を伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今回のイベントには、消費者に木材利用を直接アドバイスできる建築士や工務店関係者などが多数参加いたします。そのため、こうした方々を通じまして、一定量以上の多摩産材を使用した木造の省エネ住宅を新築した場合にポイントを提供し、農産物等と交換できる木材利用ポイント事業などの周知を行い、木材の利用を促してまいります。
また、全国の木材事業者が製作した扉や床材などの国産木材製品を掲載した都のガイドブックを来場者に紹介、配布することにより、住宅建築での活用につなげてまいります。
こうした取組によりまして、木材需要の一層の拡大を図ってまいります。
○本橋委員 こうしたイベントは、木材取引の活性化とともに、その需要の拡大を図る絶好の機会であります。全国や都内産の木材の消費の一層の拡大につながるよう工夫して取り組んでいただきたいと思います。
次に、中小企業への支援について伺います。
ロシアによるウクライナへの侵攻から三か月以上が経過をいたしましたが、いまだ事態収束の兆しは見えず、世界的な原油、原料等の価格高騰も長期化が懸念をされております。
都内中小企業においては、こうした状況を乗り切るため、事業運営に係る様々なコストの削減などに取り組んでおりますが、急速な円安の進行により調達経費の増加なども加わり、経営環境は一層厳しさを増しております。私からは、今回の補正予算で提案されているこうした様々な課題に対応するために、中小企業が行う省エネや節電などの支援について伺います。
まず、省エネを推進するための設備投資について伺います。
都は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業において、中小企業が行う新たな設備投資を支援しています。令和四年度は予算を増額し、さらに今回、支援内容を強化したところであります。
改めて、本事業の昨年度の実績と今年度の計画及び今回補正予算を計上し、競争力・ゼロエミッション強化区分を新設した狙いについて伺います。
○緑川商工部長 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、生産性の向上などにつながる設備投資につきまして、助成率最大三分の二、一億円を上限に助成を行っており、令和三年度の申請件数は五百六十四件、交付決定件数は百六件、交付決定額は予算額と同額の約五十九億円となる見込みでございます。
令和四年度当初予算では、コロナ禍を契機としてDX化が進む中、中小企業においてもデジタル技術を活用した設備投資を導入する動きが活発になっていることから、こうした設備投資を後押しするため、予算額を大幅に増額し、約百億円といたしました。
さらに、今回、エネルギーコストの削減対策といたしまして、競争力を強化しながら、CO2排出量の削減や省エネを図る設備投資を行う中小企業を支援する競争力・ゼロエミッション強化区分を新設いたしました。この区分では、助成率を最大四分の三に、支援規模を約二十億円拡充してございます。
こうした取組によりまして、中小企業の脱炭素化や省エネに向けた取組を支援してまいります。
○本橋委員 昨年度の実績と、競争力・ゼロエミッション強化区分を新設した狙いは分かりました。これまでも予算の制約がある中、可能な限り多くの事業者に支援を行ってきたと思いますが、今年度の増額により、より多くの事業者を支援できると評価いたします。
その中で、今回の競争力・ゼロエミッション強化区分の新設により、新たに興味を持った多くの事業者から申請が予想され、競争力を強化しながら省エネを目指す事業者に対して、具体的な制度内容を周知するなど、より多く本事業を活用していただくための工夫も大切だと考えます。
そこで、新設した区分の具体的な内容と、より多くの事業者に本事業を活用してもらうための取組内容を伺います。
○緑川商工部長 今回新設いたしました競争力・ゼロエミッション強化区分では、中小企業が競争力を高めながら、CO2排出量の削減や省エネを実現する設備投資を対象としてございます。
具体的には、高速で印刷することで処理性能を高め、CO2排出量の削減と省エネが同時に図られる印刷機の導入等に関わる経費につきまして、助成率最大四分の三、一億円を上限に助成をいたします。
また、事業を周知するため、中小企業振興公社のホームページやメールマガジンの活用に加えまして、SNS等による発信や、商工団体や金融機関と連携した広報活動を行っております。
さらに、公社に設置しております総合相談窓口におきまして、豊富な実績を持つ専門家が様々な相談に対応しております。
これらによりまして、多くの中小企業に活用していただけるよう取り組んでおります。
○本橋委員 今回の支援は、中小企業の生産活動を向上させながら、あわせて、事業者の脱炭素化や省エネを図る大変意義のある取組であると思います。ぜひ多くの事業者に届くよう工夫を行いながら、しっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、中小企業の省エネ対策への支援策について伺います。
都は、今年の三月に、中小企業の省エネ対策を通じた経営改善を後押しする取組を開始し、専門家を派遣するとともに、省エネ機器などの導入を支援しているところでありますが、これまでの申請状況や支援事例について伺います。
○緑川商工部長 原油価格高騰等対策支援事業は、第一回目を三月中旬に、第二回目を四月下旬に募集を開始しております。
この間、中小企業振興公社のホームページへの掲載や、SNSを活用した周知に加えまして、商工団体と連携したメールマガジンによる事業紹介を行い、一回目、二回目の募集で、それぞれ約三十件の申請がございました。
申請の中には、飲食事業者が高効率な冷凍冷蔵庫と給湯器を同時に導入することで、より省エネの効果を高めるとともに、小まめな節電を店内でルール化し、従業員に徹底するなどして、これまで以上に光熱水費を抑えられる事例などが出てきております。
○本橋委員 この事業によりまして、省エネ対策を行うとともに、自ら進んで省エネ意識を高め、光熱水費の削減につながっていくことが確認できました。こうした取組をより一層進めていく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
都は今回、先ほど実績を伺った原油価格高騰等対策支援事業の拡充をしておりますが、その目的と内容について伺います。
○緑川商工部長 原油価格の高騰が続く中、中小企業がエネルギーコストを抑えていくためには、省エネの取組をこれまで以上に支援していく必要がございます。このため、新たに事務所や工場などの断熱性を高める取組への後押しを開始いたします。
具体的には、工場等の室温を抑えて省エネに結びつけるために、建物の表面に断熱性のシートを貼る工夫や、断熱塗料をコーティングする取組などに必要な経費につきまして、助成率二分の一、百万円を上限に助成をすることとしております。
こうした取組によりまして、中小企業のエネルギーコストを減らす取組を着実にサポートしてまいります。
○本橋委員 原油価格の高騰で本当に困っている事業者も増えてきているところです。引き続き、自社の省エネ対策に前向きに取り組んでいる中小企業を都が積極的に支援していくことを期待し、次の質問に移ります。
次に、中小企業における電力確保に向けた取組への支援について伺います。
あらゆる経済活動、社会活動において、電力は全てのエネルギー源であり、事業継続に向けては安定的に確保していくことが重要であります。
安定的な電力供給が見込めない状況に直面した場合でも、事業活動を継続していくためには、そのための備えをしっかりと行い、自ら電力をつくり、蓄えておく必要があります。
本定例会で、我が党の代表質問において、電力の需給状況を踏まえ、安定して事業を行う計画をつくり、蓄電池等を導入する場合の助成を行うとの答弁がありましたが、これまでの実績と具体的な取組について伺います。
○緑川商工部長 都はこれまで、中小企業が策定したBCPの実効性を高めることができるよう、実行に必要な経費につきまして、助成率二分の一、小規模事業者の場合は三分の二、一千五百万円を上限に助成を行っております。
令和三年度は八十七件の申請を受け付け、本年五月末までに七十三件の交付決定を行ってまいりました。今回新たに、中小企業が現場において電力を確保する取組などに対しまして支援を充実いたします。
具体的には、中小企業が都の支援などを受けて、電力需給の状況を踏まえて、継続して事業を行うために必要なBCPを作成した場合、その実行に必要となる太陽光発電システムや自家発電設備に加え、蓄電池などの導入経費につきまして、助成率を五分の四に引き上げ、支援を行ってまいります。
こうした取組によりまして、中小企業が事業を継続できるよう、適切に支援をしてまいります。
○本橋委員 中小企業の事業継続を後押しするため、電力確保の取組への支援が充実されることが理解できました。多くの事業者に支援を届けるためにも、しっかりと周知を行っていただくようお願いして、次の質問に移ります。
次に、厳しい経営環境の中でも、日々奮闘している中小企業の経営の下支えとなる支援について伺います。
新型コロナウイルス感染症の社会経済活動への影響が続く中、ウクライナ情勢の深刻化や急速な円安の進行など、経済の見通しは極めて不透明な情勢となっており、事業者からは、今後の資金繰りに不安を抱えているとの声が私のところにも数多く寄せられているところであります。
都議会自民党もかねてから、要望してきたところでありますが、こうした状況を受け、都は、今回の補正予算において、制度融資を見直し、中小企業の資金繰りを支える新しいメニューを創設するとともに、利子補給を実施するなど、手厚い支援を行うこととしております。
今回の新たな融資メニューが中小企業の資金繰りの改善に着実につながるためには、事業者に対して本制度の利用を促すとともに、金融機関が、融資を希望する事業者からの申込みや相談に対してきちんと耳を傾け、その要望に応えていくことが重要であります。
そこで、新しい融資メニューの利用促進に向けて、都はどのような取組を行うつもりなのか、見解を伺います。
○戸井崎金融部長 新たな融資メニューの利用促進を図るため、都は、金融機関に対して、厳しい経営環境にある中小企業に向けて、今回のメニューが借入れや借換えなど幅広い資金需要に対応できる旨を丁寧に案内するよう依頼するとともに、事業者から相談があった際、個々の実情を踏まえたきめ細かな対応を行うよう、改めて要請をいたします。
また、金融機関や中小企業団体等と連携しながら本メニューの周知を図るとともに、都のホームページやSNS等により積極的に発信してまいります。
こうした取組により、中小企業の資金繰りに対する支援を着実に行えるよう、新たな融資メニューの利用促進を図ってまいります。
○本橋委員 新たな融資メニューの利用促進に向け、様々な周知が図られるとともに、金融機関等にも要請を行っていることが理解できました。今後とも、中小企業の資金繰りをしっかりと支えていくことを要望しておきます。
円安の進行は、ここ数日、一段と進んでおり、経済への影響が懸念をされます。円安においては、輸出が促進されるという反面、海外から仕入れる原材料などが値上がりし、中小企業の経営に深刻な影響が生じるという課題もあります。こうした課題については、各業界全体での問題であり、取り巻く経営環境などの実情に精通した組合などと連携して支援を行っていくことが有効であると考えます。
こうした観点を踏まえ、都においては、円安の影響を受ける中小企業に対して、どのように支援を行っていくのか、具体的な取組を伺います。
○緑川商工部長 円安の急速な進展は、輸出を促進するという側面がある一方で、原材料などを海外から輸入している中小企業にとっては、仕入価格の高騰につながり、経営を圧迫することにつながります。
このため、都は、業界団体と連携して、円安の影響を受ける中小企業に対しまして、経営課題の解決に向けた緊急的な支援を行います。
具体的には、業界団体などを通じ、中小企業が直面する経営課題や支援ニーズを聞き取り、中小企業診断士などの経営の専門家を現場に派遣いたします。
なお、派遣回数につきましては、事業者のニーズを踏まえまして、緊急的な対応として、三十社程度、一社当たり四回までを無料とする合計百二十回の派遣が行えるよう措置しております。
こうした取組によりまして、円安の影響を受ける中小企業の課題を適切に捉え、経営を下支えしてまいります。
○本橋委員 深刻な影響を受ける中小企業に対して、きめ細かいサポートが行われることが確認できました。経営環境が厳しい企業にいち早く支援が届けられるよう、早期に実施をお願いするところであります。
中小企業、そして農林水産の事業者を取り巻く環境は、日々激しく変化をしております。こうした状況の変化に対して、支援策を速やかに実施するだけでなく、機動的で柔軟に展開をしていくよう求め、質問を終わります。
○後藤委員 私からは、観光資源の保全等のための支援事業、もっとTokyoにおけるというところですね、そういうところと、育休取得によるパワーアップ応援事業、そして、多摩地域雇用就業支援拠点の開設というか統廃合の部分、この三点について質疑をしてまいりたいというふうに思います。
まず、観光資源保全等のための支援事業についてでございますが、都は先日、都内観光促進事業、いわゆるもっとTokyoをいよいよ明日からトライアル的に実施をするということになっております。外国人観光客の入国も再開をされるということでありまして、これから本当にどんどんと都内観光の需要が回復していくということで、事業者等からも大きな期待を寄せられているところであります。
都内には、昔ながらの旅館や料亭など、外国人の旅行者にとってとても魅力的な観光資源というものが多くありまして、今、本当に観光需要が停滞する中で、なかなか旅館やこうした料亭などが、経営が苦しくて、こうした有限な資源がなくなってしまうことがないように、しっかりと今後、外国人観光客等にも受入れをしてもらうために、貴重なこうした観光資源を守っていくということは非常に重要なことであると考えています。
こうした観点から、我が会派は、今年の五月二十日に、都内の貴重な観光資源を保全する取組を支援してほしいということで、知事に要望もさせていただいております。こうした取組も踏まえまして、都が新たに都内の観光資源として活用をされている建物の維持等の支援を開始するということで、大変に期待をしているところであります。
そこで、観光資源である建物の維持などに関しまして、どのような支援を行うのか伺いたいと思います。
○築田観光部長 今後のインバウンド回復に向けましては、外国人旅行者を引きつける東京の文化的、歴史的な観光資源の維持保全の取組に対するサポートを行うことが重要でございます。
このため、都は、観光関連事業者が保有する長い年月が経過した老舗料理店の建物の維持等の取組に対する支援を新たに行います。
具体的には、老朽化した施設の外壁補修や屋根の取替え、塗装のための工事等を行う場合に必要となる経費の三分の二を、一千万円を上限に助成いたします。
また、事業者がクラウドファンディングを活用し、建物の維持等に必要な資金を調達した際に、その手数料に対して三分の二を、百万円を上限に助成いたします。
○後藤委員 今のご答弁では、補修などの経費の三分の二を、一千万円を上限に助成をするということとクラウドファンディング、こうしたご答弁をいただきました。
次に、この支援の対象になる建物について伺いたいと思うんですけれども、こうした助成は魅力的なものだと思っていまして、ぜひ使いたいというところ、事業者も多いのかなと思うんですけれども、どこが対象になるのかというところでございまして、都内の各地には文化財や東京都選定歴史的建造物など存在をしておりまして、こうしたものに選ばれていない建物の中にも、老舗の飲食店であったりとか地域の魅力的な観光資源になっているところはたくさんあるのかなというふうに思っていまして、今回の本事業では長い年月が経過した建物が支援の対象になると伺っているんですけれども、こうした文化財などに選ばれていない建物は対象になるのかどうかお聞きしたいと思います。
○築田観光部長 文化財や東京都選定歴史的建造物につきましては、修繕等を実施する際に様々なサポートの仕組みがあり、本事業はこうした仕組みを活用できない建物の維持保全について支援を行うものでございます。
これによりまして、観光振興の観点から、魅力的な建物の保全を進めてまいります。
○後藤委員 文化財などに含まれていなくても対象になるということで、幅広い業者が、事業者の皆さんが期待をされるわけですけれども、これは一方で、どこからどこまでが修繕とか助成の対象になるのかというところが、やっぱりお示しをするのが、理解をするのが難しいなというふうに思っていまして、ぜひ、都内にある多くの魅力的な観光資源が、この事業をぜひ活用していただいて、潰れることなく保全されていくことを期待するわけですけれども、一つ伺いたいんですが、このうち、修繕費用等が支援される対象というのがどのように選ばれるのか、この算定基準などについて伺いたいと思います。
○築田観光部長 対象となる建物の選定に当たりましては、地域のランドマークであるか、観光資源として集客を見込める建物かなどの観点に基づきまして、有識者を含む審査会や区市町村の意見を踏まえながら決定する予定でございます。
○後藤委員 地域のランドマークであるか、観光資源としての集客が見込めるかというところで、やはりこれは誤解を招かないように、なかなか主観的になりがちなので、ぜひ、この募集等をする際には丁寧な事業者への説明等もお願いをしたいなというふうに思っています。
今回、コロナ禍によって、これまで観光資源となっていた由緒ある建物というのがなくなってしまうというのは、本格的なインバウンドの回復に向けて、この大事なキラーコンテンツを失ってしまうということにつながるわけでございますので、ぜひ、この事業によって、一つでも多くの観光資源を守っていただくための施策になることを期待しております。
いよいよあしたから、もっとTokyoも再開をするということでありまして、一昨日の我が会派の代表質問の中でも、子供に対して千円の支援を追加するということであったり、様々な追加施策が検討されているわけで、ぜひともこれから、本当に長きにわたって観光事業者の皆さんが待っていたわけでございまして、様々な工夫をぜひ凝らしていただいて、今こそ、この都内の観光支援、観光振興に向けて、東京都としても全力で取り組んでいただくことを期待いたしまして、次のテーマに移ります。
次に、育休取得によるパワーアップ応援事業について伺いたいと思います。
この事業は、国の育児・介護休業法の改定に伴う男性の育休を推進するということで今回新設をされた施策であるというふうに認識をしておりますけれども、まず、そういったこともありますので、本事業の根拠となる、この国の育児・介護休業法の法改正のポイントについて押さえたいと思います。見解を求めます。
○内田事業推進担当部長 今回の育児・介護休業法の改正は、出産、育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女共に仕事と育児等を両立できるようにする目的で行われたものでございます。
改正のポイントは、まず、企業に対しまして、育児休業しやすい雇用環境の整備と従業員への制度の周知及び育休取得意向の確認を義務づけるものでございまして、これにつきましては本年四月一日から施行されてございます。
また、本年十月一日から、子の出生直後の時期に男性が柔軟に育児休業を取得できるようにする、いわゆる産後パパ育休が創設をされまして、育児休業を二回に分割して取得することも可能となります。
なお、来年四月一日からは、従業員数千人以上の企業に、男性の育児休業取得率などを年一回公表することが義務づけられることになってございます。
○後藤委員 産後パパ育休の創設というところと育休を二回に分けて取得ができる、そして加えて、千人以上の企業には育休の取得率を公表するということで、大きく制度が変わっていくということであります。
そこで、この国の法改正を踏まえて、本事業の狙いについて伺いたいと思います。
○内田事業推進担当部長 本事業は、十月一日から施行される産後パパ育休及び育児休業の分割取得が企業と従業員双方に効果的に活用されますように後押しをすることを目的としてございます。
具体的には、母親に引き続き父親が育休を取得する場合や、母親と父親が時期を重ねて取得することなどを盛り込みました夫婦双方の育休取得計画書を作成し、母親である女性従業員に育児休業を取得させた企業に対しまして、百万円の定額助成を行うものでございます。
計画書の策定に当たりましては、専門家が企業に対して効果的な育休の活用についてのアドバイスを行います。
○後藤委員 今のご答弁では、育休の取得計画書を、取得に向けて企業の伴走をするということで、今回、法改正に割と丁寧に企業側に寄り添った対応をしていただいているということで、とてもいいかなというふうに思っています。
そして、この背景には、男女というところで比べると、女性に比べて男性の育休の取得率が著しく低い、世界に比べてもかなり日本は低いという状況ですので、やっぱりこの制度の法改正が大きな転換点となって、この都の事業もそうしたものを踏まえてできているわけですけれども、うまくぜひ活用して、男性の育休取得のさらなる促進を進めてほしいなというふうに思っています。
一方で、この育休の取得推進に関しては、もう既に随分前から既存事業があって、男女を問わず子育て世代の皆さんが、企業において働きながら、仕事と子育ての両立に向けて育休が取得しやすいように事業者側の支援というものが制度としてあると思うんですけれども、この違いがよく分からないということで、既存事業との違いについて伺いたいと思います。実績と事業規模の考え方も含めて見解を求めます。
○内田事業推進担当部長 既存の事業は、育休の取得自体を促進するものでございまして、働くママコースは、女性従業員に一年以上の育児休業を取得させた企業に対して百二十五万円の定額を助成し、働くパパコースは、男性従業員に十五日以上の育児休業を取得させた企業に対しまして、取得日数に応じて二十五万円以上、最大三百万円の助成を行うものでございまして、令和二年度の実績は、ママコース四百八十三件、パパコース五百四十四件でございます。
一方、新しい、パパと協力!ママコースは、専門家が会社に出向きアドバイスを行うほか、母親に引き続き父親が育休を取得する場合には、新たに助成金を提供するなどしまして男性の育休を後押しするものでございます。
新しい事業の実施規模は、既存の働くママコースの実施規模を基に、女性の育児休業の取得期間の状況を踏まえて百五十件としたものでございます。
○後藤委員 ありがとうございます。これまでも、今、パパコースが五百四十四件というご答弁があって、ママコースよりも多い状況なんですけれども、この制度は私もずっと見てきているんですけれど、当初はパパコースがすごく利用実績が少なくて、これを増やすために都の方でも様々な対策を講じてきていただいていての今があるということで、やはりその施策効果はあるのかなと思っておりますし、今回、百五十件という新しい事業の事業規模もご答弁をいただきましたけれども、既存事業のようにどんどん伸びていって、百五十件では足りないというふうになるぐらい、ぜひとも周知を進めていただきたいなというふうに思います。
そして一方で、今ご答弁があったように、本事業では、ママの育休期間が六か月以上一年未満というふうになっているということで、既存事業のママコースよりも育休期間が短くなっているということで、働く側からすると、これが、期間が短くなることで、育休期間が延長しにくくなると思われてしまうと困るなと思っています。
また、制度が利用されるためには、育休を取得する男性の側の企業にもメリットを感じる制度にすべきだというふうに考えますけれども、見解について伺いたいと思います。
○内田事業推進担当部長 本事業は、夫婦が協力してお互いに育児休業を利用し、育児と仕事の両立を促していくことを目的とするものでございます。
これまでの事業に本事業が加わることで、女性が育児休業を取得する期間を柔軟に選択できるようにするとともに、男性にもまとまった期間の育児休業取得を促し、夫婦による様々な取得のパターンを広げていくものでございます。
なお、女性が一年以上の育児休業を取得する場合には、既存事業のママコースをご案内いたします。
男性が勤務する企業に対しましても、本事業による専門家の助言を利用できるようにすることや、既存事業のパパコースの活用も促すことで男性育休を後押ししてまいります。
こうした取組を進めることで、パパやママの意向に応じた育児休業の取得がしやすい環境を整備してまいります。
○後藤委員 今のご答弁では、既存のママコースをその場合は使ってくださいねというご答弁で、制度の枠組みが多様になったという理解をしています。こうしたこともぜひ企業側に周知徹底をしていただきまして、多くの皆様に制度が利用いただけるようにしていただきたいと思います。
また、今回の法律の改正では、男性の育休取得の促進だけではなくて、有期雇用で働く方々の育休取得の要件緩和なども含まれておりまして、本当に私たちの働き方に関わる大きな変化だというふうに感じております。
そうしたことも踏まえて、本事業に加えて、法改正の内容なども、ぜひともきめ細かに事業者に周知をしていただきたいと考えますけれども、見解を伺います。
○内田事業推進担当部長 今回の育児・介護休業法の改正は、男性の育休を含む柔軟な育休取得の促進や企業への義務づけが含まれますことから、その内容を丁寧に周知する必要がございます。
このため、都は、働き方改革などに関する人事担当者向けの講座やセミナーにおきまして、有期雇用労働者の育休取得要件が四月に緩和されたことなどについて解説し、啓発を図ってございます。
今後さらに、経営者や管理職等のリーダー層に向けて、男性の育児休業の意義等を伝えるセミナーを開催するとともに、育休を啓発する総合ポータルサイトでモデルとなる育休活用事例を発信してまいります。
また、新しいコースを周知する際には、既存のコースや法改正の趣旨も含めて伝えることで、事業者の育休への理解を促し、育休を取得しやすい職場環境づくりを後押ししてまいります。
○後藤委員 ありがとうございます。様々な周知の部分についてご答弁をいただきました。
今回、法改正に伴う事業の創設ですけれども、男性の育休の取得、こうしたテーマにおいて、制度をつくるだけでは駄目で、やっぱり社会全体の機運を醸成していかなければ、なかなか大きく数値を伸ばしていくということは難しいのかなというふうに思っています。
今回、東京都でも子供政策連携室で、こうした形で(資料を示す)皆さんご存じですよね、今、この育休の愛称というものを募集しておりますし、あるいは生活文化局の方でも、育児は女性が行うものという、いわゆるアンコンシャスバイアスの部分を教育の現場でも変えていくということで様々な取組がされていて、ぜひとも、こういう各局と連携をしていただいて、ムーブメントをやっぱり起こしていく、男性の皆さんも別に育休を取得したくないわけではなくて、取りづらいというところがやっぱりあるというふうに、よくいろいろな皆さんから聞くわけで、そういった社会機運の醸成、各局横串を刺して、ぜひお願いをしたいと思います。
今、待機児童もほぼ解消をされて、残るは、やはり男性の家庭進出というものが女性活躍の両輪であるというふうに思っています。
私も、子供が今四歳で、都議になってずっと、赤ちゃんが産まれて育てていますけれども、やはり夫に家事を、本当に多大なる協力をいただいているからこそ仕事が成り立つわけで、なかなかそこが、家事負担が女性に偏っているんです。
お母さんたちに話を聞くと、もうこれ以上女性活躍といわないでくれと、いろいろな待機児童も減って、そして女性の管理職の比率も増えて、どんどん活躍できるようになってきているけれども、女性側の負担が減っていかなければ、やはりそれは活躍ができないということでありますので、ぜひそういった意味では、男性の育休取得ってすごく大きな意味を持つものだと思います。
いろいろ東京都は、各局応じて、こうした取組が進んでいますので、ぜひ産労局としても前向きに、様々施策連携を行っていただくことを期待して、次のテーマに参ります。
多摩地域雇用就業支援拠点の開設について伺いたいと思います。
十月に多摩地域雇用就業支援拠点というものが開設をいたしますけれども、この支援拠点の開設に合わせて、労働相談情報センター国分寺事務所と八王子事務所が立川に移転、統合をされるということであります。
労働相談は、東京で働く方や働く方を雇用する事業者の皆様から、雇い止めやハラスメントなど労働問題全体について相談を受けたり、問題解決を手助けするということで、労使双方にとって、なくてはならない存在であることはいうまでもありません。
国分寺と八王子の相談機能が立川に移転をするということで、重要なのは、移転、統合して不便になるということではなくて、統廃合したことによって、さらに機能強化されて利便性が高まるとか、多摩全体にその相乗効果が行き渡るということが統廃合する意味であって、非常に重要なことであるというふうに考えています。
そこで、今回の移転、統合後、多摩地域の労働相談機能の充実にどのように生かしていくのか、現在の状況を含めて見解を伺います。
○山崎雇用就業部長 労働相談情報センターにおきます令和二年度の都内の労働相談件数は五万二千三百十八件ございまして、このうち、多摩地域の相談件数は九千五百八件でございます。過去五年間の相談件数は、国分寺事務所、八王子事務所とも、おおむね四千件台で推移しておりまして、それぞれ、労働相談部門を含め、常勤十二名の体制で対応しております。
職員体制につきましては、労働相談部門の充実強化に向けて現在も検討を続けておりまして、移転、統合することにより、労働相談情報センターとしての機能を高め、新たな取組を開始いたします。
これに伴いまして、土曜相談を実施するほか、市役所等にスペースを確保し、テレビ会議システムによりリモートで相談できる仕組みとするとともに、自宅からのオンライン相談も可能とするなど、労働相談の充実を図ってまいります。
○後藤委員 ありがとうございます。土曜相談であったり、市役所等のスペースの確保、リモートの相談の仕組みということで、相談しにくいとか、機能縮小じゃないかというところに対しては、一定の措置が取られているのかなというふうに思いました。
さらには、市役所等にスペースを確保するということで、やっぱり労働センターというのが、労働相談情報センターというものよりも、一般的には市役所の方が住民からの認知度は高いわけで、そういった意味においては、認知度の高い公共的な施設の中に間借りして入っていくというのは、利用者の利便性からするとすごくいいのかなというふうに思っていまして、ぜひとも国分寺、八王子だけではなくて多摩地域の各拠点に増やしていただけると、さらに利便性も上がっていくのかなというふうに思いました。
そして、次に、労政会館に関する条例改正について伺います。
国分寺、八王子の労政会館は、労働組合や企業の方などの活動の場として長きにわたり利用されてきましたが、労働相談情報センターの移転、統合に伴い、廃止をされるということで、そこで、まず、労政会館の廃止に関して、今回、条例改正の提案に至った経緯について改めて伺いたいと思います。
○山崎雇用就業部長 国分寺及び八王子の労政会館につきましては、労働組合による利用が少なくなるとともに、市や民間の貸出施設等の整備も進んでいることから、今回、労働相談情報センターの移転、統合を機として、施設を廃止するものでございます。
多摩地域の雇用就業支援拠点は本年十月に開設をすることとしておりまして、それに向けた準備を進めていることから、これに合わせて、労働相談情報センターと一体として運営をしてまいりました労政会館につきましては十月一日に廃止することといたしました。
○後藤委員 都のご答弁では、労働組合による利用が少なくなってきているという答弁がありましたけれども、利用者が減っているということですけれども、国分寺と八王子の労政会館のこれまでの利用状況と、利用者への周知というのをどのように行っていくのか伺いたいと思います。
○山崎雇用就業部長 多摩地域の労政会館の利用件数は、コロナ禍前との比較では、平成三十年度、八千八百五十八件に対し、令和二年度は四千六百六十七件、利用人数につきましては、平成三十年度、三十六万八千五百三十八人に対し、令和二年度は十一万一千四百十二人となっております。
利用者に対しましては、提案している条例案の議決後、速やかに丁寧な周知を行ってまいります。その際には、新たな多摩地域の雇用就業支援拠点の中の会議室やホールなども紹介してまいります。
なお、先行予約できる方々に対しましては、廃止予定であることを既に案内をしております。
○後藤委員 コロナ禍前との利用件数の比較でいうと、そこまで、コロナ禍で離職とか雇い止めに伴って増えているじゃないかとか、何で今なんだみたいなところに対しては、その数自体はすごく増えているというわけではないことが分かりました。
引き続き、これから重要なのは、ご答弁いただいたんですけれども、利用者の皆さんに対してやっぱり丁寧に周知をしていただくことだというふうに思います。
やっぱり物理的に距離が遠くなるので行くのが大変だということで、なかなかそこで相談が途絶えてしまわないように、例えばオンラインもやっていただくということですよね。なので、オンラインもやっていますということだけじゃなくて、こういうふうにやりますとかと、結構高齢の方とかだとズームが初めての方とかもいらっしゃるので、ぜひ人肌のある、ただ、いっていますということだけではなくて、丁寧にというのは、そういった相手の状況も踏まえた案内ということも含めて、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
今申し上げたように、これまで労政会館を利用してきた方に対して、混乱がないように対応をしていただくことが重要であって、しっかりとした周知、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
そして、いろいろ心配に対してのご質問をしましたけれども、新たな拠点が開設することのメリットというのもたくさんあるわけで、オンラインを活用するのもそうですけれども、統廃合して、よりよくなったよねと、使いやすくなったよねということで、機能もさらに強化されていくということも確認ができました。
さらに、先ほど、育休の話も質疑をしましたけれども、ぜひ労働相談情報センターというところでも、情報発信ということをやっていただきまして、セミナーの開催とか奨励金の支給というのもやっていただいているということですので、多摩地域で働く方や事業者の皆さんが、これまで以上に身近で使いやすい施設になることをぜひとも期待を申し上げまして、私の質疑を終わります。
○玉川委員 まず初めに、中小企業の資金繰り支援について伺います。
都議会公明党はこれまで、中小企業の経営の命綱ともいえる資金繰りを支えるため、一貫して都の制度融資の充実を提案してきました。
新型コロナ感染症の発生当初においては、無利子、無保証料の緊急融資の創設を求め、実現につなげてきました。また、コロナ禍が当初の想定よりも長引き、緊急融資の返済に苦しむ事業者の声を受け、返済の猶予につながる借換え制度の創設も実現してきました。
さらに、今般のウクライナ情勢を受けて、三月には予算特別委員会での質疑を通じて、利子補給も含めた資金繰り支援の強化を求め、低利で信用保証料の負担も抑えたウクライナ情勢対応緊急融資が開始されました。
現在、ウクライナ情勢の長期化に加え、円安の進行等により原材料価格の高騰が続くなど、事業者への影響はますます深刻化しております。このため、中小企業の事業継続に向け、都議会公明党として再三、利子補給を含めた支援のさらなる強化を求めてまいりました。
これに応えて、六月七日の我が党の代表質問において、知事から、今回の補正予算で新たな融資メニューを創設するとの答弁をいただいたところであります。
そこで、新たな融資メニューはどのような考え方の下で、どのような事業者を対象として創設したのか、都の見解を伺います。
○戸井崎金融部長 中小企業の経営環境は、長期化する感染症の影響に加え、ウクライナ情勢や円安等の状況を受けて一層悪化しております。
こうした中、様々な状況に応じて生じる資金需要に、より柔軟に対応するよう、今回の補正予算で融資メニューを見直しいたしました。
具体的には、事業者の幅広い資金需要に対応するため、融資対象を拡大し、感染症、ウクライナ情勢、円安等とするとともに、感染症対応緊急融資等の借換えメニューにも対応した新たな融資メニューを創設することといたしました。
また、借入金返済の据置期間は最長五年間とするほか、借入れに係る企業の負担を抑えるため、借入額八千万円までは信用保証料の全額を補助するとともに、借入れ後一年間に生ずる利子の二分の一につきましては助成を行うことといたしました。
なお、このメニューでは、感染症、ウクライナ情勢、円安等による影響を受け、売上実績または売上見込みが一〇%以上減少している事業者を対象にしております。
○玉川委員 ただいま答弁にありましたとおり、新たな融資メニューは、幅広い資金需要に応えるとともに利子補給を実施するなど、事業者の負担を軽減する措置を取っており、手厚い支援を行うこととしております。
このような制度をいち早く実施することが必要と考えますが、いつからこの取扱いを開始するのか伺います。
○戸井崎金融部長 新たな融資メニューは、現在の中小企業を取り巻く厳しい経営環境をできるだけ早期に金融面から支援できるよう、七月上旬からの取扱開始を予定しております。
こうした取組により、中小企業の資金繰りを着実に支援してまいります。
○玉川委員 都議会公明党の要望に沿った新たな金融支援策が講じられることは高く評価いたします。これらの支援策が一日でも早く中小企業の皆様方にご利用していただけるよう、早急に準備を進めることを要望しまして、次の質問に移ります。
原油価格高騰の長期化対策について伺います。
ウクライナ情勢等の影響により、原油価格の高騰が続いております。様々な事業活動で使用される原油の価格高騰は、都内中小企業の経営に大きな影響を及ぼしており、とりわけ事業活動において燃料を多く使用する運輸業界などにとっては死活問題となっております。
都は、今回の補正予算において、原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業を開始するとのことですが、具体的な支援の内容や対象となる業種について伺います。
○緑川商工部長 原油価格高騰等の影響が続く状況を踏まえまして、厳しい経営状況にあります中小企業への緊急的なサポートを新たに開始いたします。
具体的には、経営の専門家を企業の現場に派遣いたしまして、エネルギーコストの削減に向けたアドバイスを行い、その助言に基づき、省エネ効率の高い機器や設備などを導入する際に必要となる経費の五分の四、一千万円を上限に助成いたします。
業種を問わず支援を行うこととしておりますが、例えば、燃料を多く使用する運輸業における燃費を向上させるシステムや工夫、町工場などの製造業における生産ラインのエネルギーを効率的に使用する設備など、これまで支援してきた取組よりもさらに省エネを図る対策を想定しております。
これらによりまして、中小企業の省エネに向けた取組を一層後押ししてまいります。
○玉川委員 この事業は、原油高などに苦しむ都内中小企業をサポートする大変重要な取組であることがよく分かりました。
価格高騰が今も中小企業の経営を直撃している中で、スピード感を持って支援を開始するとともに、より多くの事業者から申請を受け付けるためには、事例を示すなど、事業を分かりやすく周知することも重要であると考えます。
先ほど、燃費を向上させるシステムや工夫、また、生産ラインのエネルギーを効率的に使用する設備との答弁がありましたが、例えば、どのような機器等が考えられるのか、また、募集開始に当たっての事業のPRについてはどのように考えているのか伺います。
○緑川商工部長 燃費を向上させるシステムや工夫でございますけれども、例えば、車両の急発進を抑制するシステムや、路面との摩擦が少なく燃費の改善が図れるタイヤの導入などを想定しております。
また、生産ラインのエネルギーを効率的に使用する設備は、燃焼効率が高い省エネを実現できるボイラーなどが考えられます。
こうした具体的な事例や支援内容を中小企業振興公社のホームページやSNS、商工団体と連携したメールマガジンなどを活用いたしまして分かりやすく周知することで、事業者の申請を促してまいります。
また、厳しい経営環境に置かれております中小企業を迅速にサポートする必要があることから、速やかに本事業の募集を開始してまいります。
○玉川委員 原油高の影響は、既に都内の多くの中小企業に及んでおり、スピード感を持って支援することが大変重要であると考えます。
分かりやすく事業周知を行いながら、多くの企業をしっかりと支援していただきたいと願うところであります。
続いて、円安の影響を受ける中小企業への支援について伺います。
円安においては、海外から仕入れる原材料価格の高騰などにより、中小企業のコスト負担を増加させるという深刻な経営課題が生じます。
とりわけ、主に大企業からの発注を受ける小規模事業者などでは、原材料価格が上がってもなかなか取引価格に転嫁できず、一層経営が厳しくなっているとの声も聞かれます。
都は、我が党の代表質問において、下請取引において適切な価格転嫁ができるよう支援を充実するとの答弁がありましたが、どのように中小企業の経営をサポートしていくのか、具体的な取組を伺います。
○緑川商工部長 都は、円安の急速な進展等によりまして、厳しい経営状況となっております中小企業に対しまして緊急的な支援を行います。
具体的には、中小企業振興公社に特別相談窓口を設けまして、経営に深刻な影響を与えております事業者に対しまして課題を丁寧に聞き取り、きめ細かく対応してまいります。
また、取引に精通した相談員が中小企業の現場を集中的に巡回し、大企業等と適正な価格で契約が行われるよう、アドバイスを行ってまいります。
こうした取組によりまして中小企業の経営を下支えしてまいります。
○玉川委員 円安による影響を受ける企業は広範囲にわたることが予想され、迅速な支援が必要であることから、丁寧に企業の悩みを聞き取り、適切な支援をしていただくようお願いしまして、次の質問に移ります。
輸出支援について伺います。
円安は、製品等の価格競争力の向上や為替差益の拡大などをもたらすことから、輸出を行う企業にとっては大きなメリットとなります。
このようなことから、都議会公明党としても、円安をメリットとして生かせるように、中小企業の輸出促進の後押しについて、知事に要望を行ってまいりました。
今回、輸出促進に向けた取組を支援するための経費が補正予算案に盛り込まれていますが、支援の内容について伺います。
○緑川商工部長 円安で製品の価格面の競争力が高まっていることから、中小企業が輸出を効果的に進めることができるよう、新たな取組を開始いたします。
具体的には、海外取引などに精通いたします専門家が特別相談に応じるとともに、地域の金融機関と協力いたしまして、海外市場の動向や輸出の際の留意点、都の支援策などにつきまして情報の提供を行います。
また、商社OBなどの民間人材が海外の販売ルートの開拓を支援することや、輸出手続に必要な実務のサポートなどを行ってまいります。
さらに、輸出品の代金回収に役立つ貿易保険につきまして、事業者の経費負担を軽減するため、二十五万円を上限に、保険料の三分の二を助成する取組も開始いたします。
これらに加えまして、会社や商品の情報を英語で宣伝できるよう、専門家がサポートするとともに、越境ECへの出店なども支援してまいります。
こうした取組によりまして、円安を契機とした中小企業の輸出を促進してまいります。
○玉川委員 海外取引には、コンサルタントの活用や事務経費などの様々なコストがかかることから、中小企業にとっては大きな負担となります。
感染症の影響などにより厳しい経営を続けている企業にとって、このような支援は大変心強い内容となっております。
補正予算の成立後は一日でも早く支援が開始できるよう、早急な準備を進めていただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
ウクライナ避難民等に対する就労支援事業について伺います。
ロシアのウクライナ侵攻から百日以上が経過する中、日本に避難されてきた方々の避難生活の長期化が予想され、就労を含めた息の長い支援が求められております。避難民の方々の悩みは、就労にとどまらず、住まいや医療などの不安を抱えているケースもあり、行政が縦割りになることなく、一人一人に寄り添っていくことが必要であります。
また、避難民の受入れに関心のある企業もあると聞きます。避難民を採用するには知識やノウハウが必要であり、避難民が安心して働けるよう、受け入れる側の企業をサポートしていくことも必要であります。
そこで、ウクライナ避難民の就労への支援について具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
○内田事業推進担当部長 ウクライナからの避難生活が長期化する中、都は先月、避難民の方々が東京で就労し、安心して暮らしていただけるよう支援するため、就労に関する専用相談窓口を開設いたしました。
この窓口では、就労への希望や必要なスキル習得に関する相談にウクライナ語などで対応しますとともに、生活面などの悩みについて関係機関に適切につないでいくこととしてございます。
避難民の受入れを検討されている企業に対しましても、セミナーの開催を通じてノウハウを提供するとともに、ハローワークと連携をしまして、避難民と企業とのマッチングをサポートしてまいります。
さらに、採用活動や採用後の定着など、企業が抱える課題に応じてコンサルタントを派遣することにより、企業における避難民の円滑な受入れにつながるよう取り組んでまいります。
○玉川委員 雇用就業対策について、まずは、短期集中型資格取得支援訓練について質問いたします。
都は今年度、年間一万人のデジタル人材の確保、育成を図るデジタル人材プロジェクトをはじめ、コロナ禍で厳しい状況に置かれている都民の雇用を守るための施策を数多く実施しているところであります。
しかし、今年度に入り、植物原料や資材、輸送コストの高騰による相次ぐ物価上昇と円安の進行により、都民の暮らしはますます厳しい状況に置かれております。
こうした中、都議会公明党は知事に対して、地方創生臨時交付金も活用しながら、就業に結びつく資格取得への負担を軽減するなど、新たな就業支援に取り組むことを要望いたしました。
都は、これを受け、今回の補正予算にて、求職者等の資格取得を支援する新たな事業を開始するとのことであります。
そこで、本事業の狙いと具体的な事業スキームについて伺います。
○山崎雇用就業部長 本事業は、コロナの影響等により離職を余儀なくされた方々が、短期間で集中的に成長産業分野等に関連する資格を取得し、早期に再就職できるよう支援することを目的としてございます。
具体的には、就職に有効なウェブデザインやファイナンシャルプランナー、簿記、医療事務等の資格取得を目指して、民間教育訓練機関のノウハウを活用しながら、最短で約一か月のeラーニングと、五泊六日の試験直前対策合宿を組み合わせた訓練を百名の規模で新たに実施してまいります。
試験受験後は、東京しごとセンターにおきまして就職支援を実施し、資格を生かせる企業等とのマッチングを図り、早期の再就職につなげてまいります。
○玉川委員 再就職に向けて、スピード感を持って支援することは評価いたします。離職者の生活面での不安を一日でも早く解消できるようお願いいたします。
先日の都議会公明党の代表質問でのデジタル人材の育成、資格取得を目指す訓練に対し、局長からは、確実に成果が上がる仕組みとすると答弁がありました。
しかし、資格試験の合格は決して容易ではなく、例えば、先ほど挙げられた日商簿記三級の平均合格率は約五割となっております。
本事業は、約一億円の予算をかけて百名の求職者を支援し、資格取得につなげていく事業でありますが、具体的な取組について伺います。
○山崎雇用就業部長 本事業では、まず、短期間で効率的に学習するための質の高いeラーニング講座のコンテンツを作成いたします。
eラーニングによる学習では、パソコンや通信機器を貸与した上で、習得の度合いに応じまして、各科目専属の講師がリモートで個別のサポートを行います。
また、試験直前対策合宿では、講師を確保した上で、少人数のクラスで実技試験の問題演習等を行いまして丁寧な指導を行ってまいります。
初めての方でも最後まで訓練を受講できるよう、きめ細かいサポートを行い、確実に成果が上がる仕組みとしてまいります。
○玉川委員 次に、離職者の人材マッチング支援について伺います。
コロナ禍やウクライナ情勢の影響を受け、雇用環境の悪化も懸念される中、離職者等への就業支援をさらに強化することも重要であります。
そこで、今回、補正予算として提案されている人材マッチング支援を実施する目的について伺います。
○山崎雇用就業部長 都は、派遣就労を通じた正規雇用化支援や、求職者の年齢層等に応じた就職面接会など、様々な方式で人材マッチングの機会を数多く提供し、早期の再就職を支援してございます。
今回、コロナ禍の長期化やウクライナ情勢の影響を踏まえ、こうした取組に加えて、成長産業分野のほか、業態の転換や事業拡大を目指す幅広い業種の企業と離職者等とのマッチングを促進するため、二日間で延べ五百人の求職者が参加する大規模な合同就職面接会を開催いたします。
○玉川委員 厳しい雇用環境が続く中で、採用意欲の高い企業を集め、人材マッチングを促進する機会を提供することはとても重要な取組だと思います。
次に、このマッチングイベントを効果的に実施するためにどのような工夫をしていくのか、具体的な取組について伺います。
○山崎雇用就業部長 この就職面接会では、キャリアカウンセリングや就職活動に役立つセミナーを併せて実施するとともに、企業からの人材確保に関する相談にも応じることで、より多くのマッチングにつなげてまいります。
○玉川委員 この事業は、就職面接会の運営だけではなく、参加する企業の求人の開拓や、当日会場で実施するセミナー等の経費から予算が構成されていることは理解しました。
参加された方の全てが、この就職面接会で再就職が決まるわけではないと思いますが、残念ながら不採用となってしまった方も、その後の就職活動で役に立つよう、当日会場で実施するキャリアカウンセリングやセミナーについて充実した内容で実施していただきたいと思います。
次に、十月一日に国分寺市から立川市に移転、開設する予定のしごとセンター多摩について伺います。
先日の代表質問において、都は我が会派に対し、新たな拠点では、同じ建物に入るハローワークと協力し、女性や非正規雇用の方など様々な求職者への支援をワンストップで行うと答弁しました。
そこで、しごとセンター多摩での具体的な支援内容について伺います。
○山崎雇用就業部長 立川駅南口に移転、開設するしごとセンター多摩には、ハローワークに加え、現在、立川駅北口にあります女性しごと応援テラス多摩ブランチも移転をいたしまして、女性への支援を充実するとともに、様々な方に対し、就職への準備段階から企業とのマッチング、さらに職場定着支援までをワンストップで提供できる体制といたします。
また、開設に合わせて、若者や中高年の方を対象にグループワークや企業内実習などを通じまして、正社員での就職を支援する新たなプログラムを開始いたします。
障害者についても、雇用や就業をサポートする窓口を新設いたしまして、精神保健福祉士などの専門家が企業や障害者からの相談にきめ細かく対応してまいります。
○玉川委員 しごとセンター多摩は、拠点の移動にとどまらず、支援体制や支援メニューの充実を図っていくことが確認できました。障害者の方の中には移動に制約のある方もいらっしゃることから、お住まいの身近な地域で雇用に関する相談ができるということは重要な取組だと思います。
また、中小企業での障害者雇用はまだまだ進んでいるとはいえず、多摩地域の中小企業での障害者雇用を促進する上でも重要な役割を果たす拠点となるよう、しっかりと支援を進めていただくことを要望いたします。
続いて、観光振興について質問いたします。
六月一日から、一日当たりの入国者数の上限が二万人に緩和され、明日十日からは、いよいよ観光目的の外国人の入国が再開されます。また、都内観光促進事業、もっとTokyoも、明日からトライアルで開始が予定されています。
観光産業が今後見込まれる観光需要を確実に捉え、活性化につなげていくことが重要であります。そのためにも、新型コロナウイルスの感染拡大の長期化によって疲弊した観光関連事業者の収益力が向上するよう支援を強化していくことが必要であります。
そこで、まず、今回、補正予算に計上されているアドバイザーを活用した観光事業者支援事業と宿泊施設活用促進事業の現在の支援内容について伺います。
○築田観光部長 都では本年四月より、アドバイザーを活用した観光事業者支援事業と宿泊施設活用促進事業を開始し、観光関連事業者が経営改善や新たな需要創出に向けて取り組めるよう支援しております。
具体的には、アドバイザーを活用した観光事業者支援事業では、専門家の助言によりまして、都内観光事業者が行うマーケティング戦略の見直しや新たな旅行商品の企画販売などの取組に要する経費の三分の二を二百万円を上限に助成しております。
また、宿泊施設活用促進事業では、都内中小宿泊事業者がワーケーションや体験型長期滞在プランなど、多様な旅行ニーズに対応するために行う施設整備等に要する経費の三分の二を五百万円を上限に助成しております。
○玉川委員 経営の見直しや新たな事業展開に挑戦する観光事業者を、都が積極的に支援しようとしていることについてよく分かりました。
しかし、コロナ禍以降、旅行者数や旅行消費額の落ち込みは二年以上続いており、観光業界は長期にわたって苦境に立たされています。
そのため、意欲はあっても経営環境の厳しさから、事業展開に必要な設備投資や経営改善に向けた取組をちゅうちょしている観光事業者も数多く存在すると考えられます。
こうした事業者の心理的ハードルを下げ、収益力アップに向けた取組を円滑に実施できるようサポートすることが必要であると考えますが、今回の補正の拡充の狙いと内容について伺います。
○築田観光部長 新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして厳しい経営状況にある観光事業者の費用負担を軽減し、業績回復に向けた取組が着実に実施できるよう支援することが重要でございます。
そのため、アドバイザーを活用した観光事業者支援事業と宿泊施設活用促進事業につきまして、年末までの間、補助率を最大三分の二から四分の三に引き上げて助成いたします。
また、多くの事業者に活用していただけるよう、事業規模を拡大して実施いたします。
これらにより、観光事業者の前向きな取組をサポートし、経営改善を後押ししてまいります。
○玉川委員 次に、観光事業者向け安全・安心確保事業について伺います。
先日の代表質問でも、我が会派は、団体旅行の重要性について触れ、安全・安心に留意しながら積極的に後押しすべきと質問をし、団体旅行への支援を新たに開始するとの答弁がありました。
そこで、本事業を実施することによってどのような事業者に支援の効果が及ぶのか伺います。
○築田観光部長 本事業は、団体による旅行を企画する事業者が行う感染防止対策に対し支援するものでございます。
具体的には、観光客同士が密になることのないよう、観光バスの台数を増やす場合や、旅行業者が宿泊施設に持ち込む非接触型の体温計や消毒液の噴霧器等を購入する場合に必要な経費を助成いたします。
こうした取組によりまして、交通事業者や宿泊施設、飲食店など幅広くその効果が及ぶこととなります。団体旅行に関わる多くの事業者を支援し、観光産業の活性化につなげてまいります。
○玉川委員 コロナ禍の影響は、飲食業や団体旅行を扱う事業者に大きな影響を及ぼし、その両面を有する屋形船を運営する事業者は大きな打撃を受けました。一方で、団体旅行では、このような屋形船や水上バスなどの利用も人気があり、厳しい経営状況にある事業者の収益回復を図っていくことが重要であります。
そこで、本事業では、屋形船なども補助対象として支援するべきと考えますが、見解を伺います。
○築田観光部長 本事業は、団体旅行における三密を避けるため、移動手段として使用するバス等の台数を増やす場合に必要な経費を助成するものでございます。
屋形船などの船舶につきましても、感染防止対策として台数を増やすことが見込まれることから、その運航経費が支援対象となります。
○玉川委員 ありがとうございます。
都議会公明党は、代表質問でも、打撃を受けている観光業界への支援を訴え、もっとTokyoの本格実施を強く求めました。
さらに、国のGO TOトラベルや地方版GO TOトラベルに対する事業者の期待も大きく、実施に向けて、国とも十分連携すべきと考えます。
この先も、GO TO Eatの再開や、屋形船を積極的に支援するGO TOシップのような取組も含め事業を展開していくよう要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○細田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十三分休憩
午後三時十五分開議
○細田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○あぜ上委員 この間、様々な業種の方々からご意見やご要望をいただいて、私たち日本共産党都議団としても、知事に対して、事業復活支援金の改善や、また、中小企業で働く人たちの住まいや暮らし、この支援などの申入れや予算の組替え、また、施策の具体化などを提案してまいりました。このたびの旅行事業者に対する支援も要望してきたところでありますけれども、支援策が講じられたこと、重要だと思っております。
そこで、まず第一に、観光事業者への支援について伺います。
需要の減少が著しい団体旅行を主な事業としている二種、三種の旅行関連事業者に改めてお話を伺いました。大変厳しい状況が続いているということが分かりました。
そこで、まず伺いたいのですが、団体旅行を主な事業としている旅行関連事業者の状況についての認識を伺います。
○築田観光部長 長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、都内の観光関連事業者を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いているものと認識しております。
○あぜ上委員 ある第三種の旅行代理店の経営者の方がこうおっしゃっていました。うちのような小さな旅行代理店は、個人旅行より町会や老人会、子供会などの地域や各種団体の団体旅行で成り立っています、その団体旅行は、この二年以上コロナで全くできておらず、今年の連休あたりから旅行客が出てきているといわれても、ほとんど個人旅行で、我が社のように団体旅行中心の事業者は、現時点での申込みはほとんどありません、それでも、団体旅行に補助がついたことは大変うれしく思っています、同時に、団体旅行が申し込まれる状況にいつになるのか、その保証がない中で大変不安も大きいのですと語っておられました。本当に深刻な事態が続いているわけです。
コロナ感染が長引き、団体旅行を主とした旅行業者には、やはり私は直接支援が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○築田観光部長 都はこれまでも、事業者の業務改善や新たな事業展開などの取組を支援してまいりました。
○あぜ上委員 確かに、都として専門家派遣をし、収益確保に向けた経営力向上支援などがあったわけですけれども、事業そのものができない中で、家賃、それから人件費などの固定費は確実に出ていっているということであります。
この二年以上、旅行業者の人たちは、県をまたがないでください、なるべく外出は避けてくださいなどの要請を受けて、全面的に協力してきた方々です。
今、飲食店もお客さんが思うように戻っていないなどの死活問題が起こっていますけれども、旅行業者にとっても、旅行ができるようになりつつあるものの、ワクチン接種証明や陰性証明などの要請ももちろんある、このことや、旅行を企画しようか様子見の団体ももちろん大変多いということ、そして、昨日の時点でも、減少傾向にあるとはいえ、コロナの感染者は東京で千九百三十五人とまだ多いわけで、団体旅行には非常にハードルが高い。これが現実だと私は思います。
また、今の時点で相談や申込みがあったとしても、結局、その旅行というのは実際には秋、秋よりもむしろ冬ぐらい、半年ぐらい前からの企画ですから、冬にかけての旅行で、それまでの資金がもう大変なんだということであります。既に融資は受けておられて、さらなる融資、これは厳しいのが実態です。直接支援、これをやはり進める必要があるんだというふうに私は思います。このことを強く求めたいと思います。
都内の旅行代理店の登録数、第一種が三百五十七店、二種が五百四十三、三種が千四百十七、地域が二十八と、今年四月一日時点で都内には二千三百四十五店の登録があるということを伺いました。特に団体旅行で事業が成り立っている、こういう第三種などの事業者は小規模、中小のところが多いというふうに伺っています。
そうした中で、交通機関貸切り経費の補助に踏み出したこと、これは大事なことなんですが、補助は四百件、タクシーやバスの場合、二台目からということであります。感染症対策という点では分かるんですが、事業者からは、利用促進にもなり、一台目から補助をしてほしいと、こういった要望も出されているところです。
利用促進の意味合いも含めて、交通機関貸切り経費の補助、一台目から補助すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○築田観光部長 都は、コロナ禍で利用が減った団体旅行の回復に向けまして、観光客同士が密になることのないよう、観光バス等の台数を増やす場合に必要な経費の助成を行うものでございます。
○あぜ上委員 今のご答弁では、利用促進の意味というよりは感染症対策で検討されたんだということでありますけれども、ぜひ検討していただきたいと思うんです。
私も調べてみたら、ほかの自治体では一台目からの補助制度もありました。例えば兵庫県、県内の旅行業者が借り上げバスを利用するバス旅行については、日帰りで一台当たり五万円の補助を出しております。
また、これはちょっと意味合いも違うんですけれども、三浦市、それから沼田市などでは、市内観光を誘致するという目的ではあるんですけれども、一団体当たり五万円から補助、こういった補助制度も行っております。
例えば三十人の団体が、二台にはならないけれども、六十人乗りの大型バス、これ一台で旅行するなどもあると思うんです。これも、もちろん感染対策として大型バスを利用するわけです。そういうことを考えれば、感染状況をもちろん踏まえながらというふうに思うんですが、今回の補助事業の実施期間は十二月三十一日までとなっているわけで、利用、旅行の代理店の販売促進の意味合いも含めて、ぜひ補助の改善、柔軟な対応をしていただきたいと、そのことを求めたいと思います。
また、四百台分は実績見合いということだったんですが、感染が収まってくれば、旅行を希望する団体も当然増えてくると思います。また、ツアーコンダクターの経費も、旅行代理店から歓迎の声が上がっていますが、現時点では一日一人当たり三万円上限で五分の四の補助、第一種は四分の三の補助となっています。
感染状況次第だというふうに思うわけですけれども、ツアーコンダクターの経費と、それから、交通機関貸切り経費の支援、この規模を実績に応じて拡大すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○築田観光部長 都は、事業者の業務改善や新たな事業展開などの取組を支援するとともに、本事業を着実に進めてまいります。
○あぜ上委員 必要に応じて補助の追加補正を求めたいと思います。
次に、宿泊施設の需要創出等への支援とアドバイザーを活用した観光事業者支援事業です。この二つの事業は、既に四月十一日から事業をスタートしております。先ほどのご答弁で、このたびの補正で補助率を拡充するものなんだというご説明がございました。
この宿泊施設活用促進事業とアドバイザーを活用した観光事業者支援事業、六月十五日前に申請した事業者に対しても、遡って補助率を四分の三にすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○築田観光部長 今後、コロナ禍の影響により厳しい経営状況にある観光関連事業者に専門家が助言する支援などを拡充してまいります。
○あぜ上委員 つまり、私がお聞きしたいのは、後に申請し直せば、四月十一日からスタートしているので、補助率は今回の補正で拡充されたものになるということを確認したいわけですが、いかがですか。
○築田観光部長 今の繰り返しになってしまいますが、専門家が助言する支援などの拡充を、今後拡充してまいります。
○あぜ上委員 ぜひ、遡って補助率を四分の三にしていただきたいということをお願いしたいと思います。
繰り返しになるのですけれども、コロナの状況は、現時点で終息しているとはいえるものではないわけですね。コロナの終息までは、補正で組まれたこの支援と同時に、事業者が事業を継続できる、本当にコロナが終息したときに、もう事業者自身が廃業に追い込まれているというようなことがないように、やはり私は支援をきちんとしなければならないというふうに思います。ぜひ、その点は前向きにご検討いただきたいと申し上げておきたいと思います。
さて、雇用を守る取組についてです。
長引くコロナ、ウクライナ情勢などによる影響で、電気やガス、食料品など生活に関わるあらゆるものが値上がりをしているわけです。こうした物価高騰が続く一方で、この十年間で実質賃金は約二十万円も下がっているということであります。
また、都の中小企業賃金事情の調査、資料をいただきましたが、二〇二〇年の年間給与支払い額の平均、これは五百十七万八千五百六十三円と、対前年度比三十二万八千五百四十四円も減っているわけです。
しかも、最低賃金近傍というのは、最低賃金の一・一倍以下で働く人たちです。こういう人たちの割合というのを調べているんですけれども、都留文科大学の後藤道夫名誉教授が試算されているんですが、この試算によりますと、二〇二〇年には一四・二%、この十年間に二倍になっているということが分かりました。つまり、格差と貧困が本当に広がっているということです。こうした都民の生活を本気で守る取組が、今こそ求められているんだと思います。
都として、この格差と貧困が広がる中、雇用を守る取組が強く求められているというふうに私は思うんですが、都の認識を改めて伺いたいと思います。
○山崎雇用就業部長 コロナ禍などによる解雇や雇い止めが数多く発生しておりまして、働く方々の雇用の維持に向けた対策とともに、離職を余儀なくされた方への再就職支援は重要でございます。
○あぜ上委員 雇用の維持と離職者支援、本当に重要だと私も思います。その認識に立った補正予算にしているかどうかということが私は問われているんだと思います。
このたびの雇用を守る補正予算の内容を見てみますと、八億円、そのうち福祉保健局が半分、産労局分が四億円、そのうち都費での事業というのは育休取得によるパワーアップ応援事業の二億円だけです。ほかの雇用対策、先ほど来お話のあった人材マッチング支援や短期集中型資格取得支援訓練、ウクライナ避難民等への就労支援、こうしたものは全て国の臨時交付金対応というふうになっております。
この仕組み自身が、産労局で判断されたんじゃなくて、財務で判断されたのか、ちょっとその辺はよく分からないんですが、財務の判断なのかもしれませんが、やっぱり、これで本当に雇用を守る取組が本気で組まれていると胸を張っていうことができるのかと思います。国にいうべきことはしっかりいっていただくと。そして、都としても雇用対策の拡充を図る、このことが私は強く求められていると思います。
そこで、具体的な施策についてちょっと伺いたいと思うんです。まず、離職者等の人材マッチング支援事業です。
新型コロナウイルス感染症の影響による都内の離職者の推移、これはどうなっているんでしょうか。どのような業種や雇用形態での離職が多くなっているのか伺います。
○山崎雇用就業部長 厚生労働省が発表しております新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報によりますと、都内における解雇、雇い止め等の予定がある労働者数は、昨年五月二十八日現在の集計では累積で二万三千百二十六人、今年五月二十七日現在の集計では累積で二万六千三百八十八人となっております。
この情報の全国の数値では、製造業、小売業、飲食業、宿泊業などの業種で離職者が多くなっておりまして、全体では非正規雇用の労働者が多く含まれております。
○あぜ上委員 さらに増えているということが分かりました。そして、非正規労働者が多く含まれているということも分かりました。
先ほど離職者の人材マッチング支援事業のご説明をいただいたので、これは繰り返しませんが、このマッチング事業、私も大事だというふうに思っていますが、どのぐらいの参加規模を想定していらっしゃるのか、お答えいただければと思います。
○山崎雇用就業部長 今回提案している事業は、二日間で延べ五百人の求職者が参加する大規模な就職面接会として開催をいたします。
○あぜ上委員 離職者等の人材マッチングの対象は五百人ということであります。離職者、失業者の実態から見て、やはりちょっと少ないんじゃないかというふうな印象を持ちました。マッチング事業の拡充と、やはり私は、正規での再就職ができる、そういう支援策のさらなる拡充が必要だというふうに思います。
この再就職の支援、これについては今回補正には載っていませんが、本予算でコロナ対策として雇用創出・安定化支援事業という形で、この間、取組がされています。それで、実績を伺ったら、二〇二一年度の実績は五月末で千七百六十七人、そのうち就職できた方というのは五月末で七百九十四人だと。就職率は四割強ということが分かりました。
そういう点でも大事な事業だとは思いますが、今年度も、来年三月三十一日までこの事業は延長されました。そして、さらに四月の補正で、これは拡充されたこともありますが、やはり私は、そういう意味では、現時点で今回補正で組まなかったのは、それで対応できるんだという見通しの下でそうされたのかなというふうにも思ったんですけれども、就職率の四割台という問題とか、あと、この事業の進捗状況が果たして本当に再就職を求める人たちにとって本当にマッチしたものなのかという、そういう進捗状況を分析していただいて、やっぱり利用者の声も聞いていただいて、必要に応じてこの雇用創出・安定化支援事業の改善や拡充をぜひしていただきたいと、これは意見として述べておきたいと思います。
さて、育休取得の応援事業については、質疑の内容がちょうど重なっていたので、質疑はいたしません。
それで、先ほどお話がありましたように、この事業は、これまでのママパパ育休応援事業とは別に、夫婦交代でまとまった期間の育休などの、夫婦双方の育休取得計画書を作成して応援するという、育休を取得させた企業を支援するという制度なわけですけれども、夫婦同時に一年とか取ることも当然あるわけですね。先ほどのご答弁では、同時にでもよいんだというお答えがありました。そういう点では、男性にも女性にも育休取得がしやすい環境づくりの拡充になっているというふうに理解したいと思います。
そして、助成の規模は百五十社ということなんですが、その根拠もご答弁がございました。補助の中身は育休代替補助というものでありますけれども、当初予算でこの事業というのは十七億円組まれました。昨年度の三倍以上に増えたんです。そして、今回の補正でさらに二億円ということです。育休の実態、働く方々の要望も踏まえて今後も拡充していただきたいと思いますが、同時に、本事業のように、こうやって事業をしっかり位置づければ、都の単独の費用でも予算が拡充できるんだということがはっきりしたわけです。
一方、雇用継続のための施策、産労局の今回の補正には、雇用継続の施策というのがなかったわけです。この間、繰り返し雇用調整助成金の特例制度の延長、拡充を私も求めてきましたけれども、本当に雇用調整助成金の特例制度が離職者や失業者を抑える、雇用を継続する上で大事な役割を果たしています。コロナ禍、物価高騰によってますます厳しい雇用情勢の下で、今回、九月までこの制度が延長された、このことは重要なんですが、同時に、やっぱり非正規の労働者などの特例措置の対象にはしてもらえなかった、こういう方々も多くいるのが実態だと思うんですね。
東京都の労働情報センターの相談項目でも、休業についての相談が令和二年度には四番目に多くなっている。これは、やっぱり雇用調整助成金の特例制度を利用したいのに企業側が申請してくれなかったと、そういう人たちがたくさんいらっしゃるからなんじゃないかというふうに思うわけです。
今、いろんな労働組合も、この問題、非正規労働者の休業に対する調査など行われているようですが、本当に六割近くが取得できていないという状況なども情報として入ってきています。そういう点では、非正規労働者の休業に対する補助なども、私は東京都として実施していく必要があるというふうに思うわけです。
また、以前の委員会でも指摘させていただきましたけれども、昨年度より今年度は、中小企業で働く方々に対する中小企業の従業員融資、これが二億五千万円も融資目標を減らして予算を減らしているんです。融資目標を引き上げるための補正を組むなども、私はやっぱり行うべきじゃないかと。これだけ、物価高騰と長引くコロナの中で、非正規労働者の人たちが、格差と貧困が広がっている、そういう中で、本当にそういう人たちを支援していく、私は、そういう構えと対策が、やっぱり産労局に求められているんだと思います。
さらに、この物価高騰での不可欠な最賃の引上げや、中小企業に対する賃金引上げのための支援など、国の問題と、国任せにしないで、東京都として国をリードするぐらいの構えで国に対して要望していただきたいと、そのことを強く求めまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○阿部委員 初めに、第百五十号議案並びに百五十一号議案、条例関係の質問をしたいと思います。
労政会館に関してなんですけれども、まず、長引くコロナ禍やウクライナ情勢で、非正規などの被雇用者の中でも弱い立場の人たちにしわ寄せが集中する中、本定例会の代表質問でも、我が会派で求めたように、雇用就労対策の一環として労働相談体制の強化が必要であると考えております。
しかしながら、今般、東京都国分寺労政会館並びに八王子労政会館を十月一日に廃止し、東京都しごとセンター多摩を現在の国分寺市から立川市に移転する条例案が提出をされております。東京都における年間約五万件の労働相談のうち、約九千五百件を担ってきた二館が統合、移転して立川の一館に集約されることは、多摩地域の勤労者にとって実質的な相談機会の低下につながるとの懸念が地域に広がっております。
労働相談と労働情報の拠点を減らすのではなく、むしろ拡充する方向で施策を進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○山崎雇用就業部長 立川に移転、統合される労働相談情報センターでは、これまで多摩地域で実施していなかった土曜相談を実施するほか、リモートで市役所等からも同センターを利用できるようにするなど、労働相談の機能の充実を図ってまいります。
○阿部委員 土曜相談の開設ですとか、あるいはリモート、こうしたことの努力は一定評価をいたします。しかし、それをもって、トータルとして体制充実をしたといえるのでしょうか。身近でリモート環境が整わなかったり、あるいはリモートになじみがない、ハラスメントなどリモートでは相談しにくい等のケースも考えられます。市民や地元市議会では、労働相談の拠点を廃止するのではなく、公共施設など相談機能を残せるよう地元自治体と前向きに取り組むべきとの声も上がっております。
多様な相談の場と機会を充実させる必要があると考えますが、ご見解をお願いいたします。
○山崎雇用就業部長 立川に移転、統合される労働相談情報センターでは、これまでの対面による来所相談を、平日に加えて土曜日にも新たに実施するなど充実を図ってまいります。
また、市役所等に相談スペースを確保し、テレビ会議システムにより、リモートで同センターを利用できる仕組みとするとともに、相談者が自宅からオンラインで相談できるようにいたします。
○阿部委員 市役所等にスペースを設けてオンラインでというところは一定評価ができるところではあります。ただ、そうしたことの使い方のサポートをする人員というのは、やはり必要になってくるのではないでしょうか。また、対面を希望する相談者に対するアウトリーチ的な相談も取り入れるなど、また、これを機に相談方法の多様化を図っていただきたいと思います。
また、特に若くて就労に困難のある方々というのは、やはり、いろいろな弱みを持っている方々も少なくありません。寄り添い型の支援を拡充させていただきますようお願いをいたします。
また、労政会館は地域の労働者、あるいは市民の研修や集会施設としても大きな役割を担ってきた歴史があります。コロナ前の平成三十年度には、国分寺労政会館で四千二百七十五件、八王子では四千五百八十三件の利用があり、使用率はそれぞれ六一%、四九%となっておりました。一般に貸し施設で六割程度以上になると、希望する日時には予約が取りづらくなる傾向があります。これを考えると、公共施設としては活発に利用されてきたのではないかといえます。その廃止は、長年、両施設を利用してきた各種市民活動の存続にも関わります。
労働組合は六か月前から予約可能であり、そして、例年の総会、大会などに使われていたにもかかわらず、四か月前になって廃止がアナウンスされることに利用者側の戸惑いの声も聞かれました。十分な周知期間を取るべきではなかったか、見解を伺います。
また、地域での活動の継続のため、他の公共施設等を使いやすくするための移行への支援を検討すべきではないか伺います。
○山崎雇用就業部長 多摩地域の雇用就業支援拠点は、本年十月に開設することとなっておりまして、それに向けた準備を進めていることから、これに合わせて労働相談情報センターと一体として運営してきた労政会館については、十月一日に廃止することといたしました。
利用者に対しましては、提案している条例案の議決後、速やかに丁寧な周知を行ってまいります。その際には、新たな多摩地域の雇用就業支援拠点の中の会議室やホールなども紹介してまいります。
なお、先行予約ができる方々に対しましては、廃止予定であることを既に案内しております。
○阿部委員 代替施設として、例えばコスト、機能、予約のしやすさ、アクセスなどに大きな開きがあれば、これは代替の場としては、なかなか選択しづらいものではないかと思います。住民が自主的に行う活動は、都民の幸福度を上げるために重要な要素であり、その活動の場をアクセスしやすい場所に一定数配置することは、単なる行政から住民への恩恵ではなく、活力ある社会を維持、発展するための重要なインフラであるという意識で公共施設を捉えていっていただきたいと思います。
次に、補正予算についてお伺いいたします。
今回の補正予算案は、ウクライナ情勢の長期化や二十年ぶりの円安、物価上昇など、都内経済への対応として組まれたものであり、中小企業支援拡充などを行ったことは、私ども会派としても評価をしております。
とはいえ、その能書きとは裏腹に、産業労働局の予算額は百五十四億円と補正予算額全体の約三%にとどまっております。中小企業への融資メニューへの拡大等、中小企業のニーズに沿ったものと考えますが、しかしながら、他の事業も見ますと、新規事業は多いものの、全体に小粒で対象も限られているという印象が拭えません。
現在の経済状況に鑑み、今回の補正予算の中での中小企業支援に関する事業の考え方を、まず確認したいと思いますが、ご答弁をお願いいたします。
○緑川商工部長 コロナ禍にウクライナ情勢や円安などが加わりまして、中小企業の経営に大きな影響が生じております。このため、原油価格高騰の影響が長引く中、エネルギーコストを減らす工夫や、機器導入に取り組む中小企業への支援や、円安等による生産コストの上昇を踏まえ、適切な下請取引を支援するほか、輸出を効果的に進める取組への後押しを行うこととしております。
こうした中小企業の経営を迅速にサポートするために必要な取組を適切に実施してまいります。
○阿部委員 引き続き、都民生活への影響は非常に大きいものがありますので、注視をし、支援の拡大を図っていただければと思います。
今回、幾つかの新規事業がある中で、中小企業の置かれた状況に比べ、対象の規模が小さいように見える、例えば円安進行等対応緊急サポート事業は、対象規模が三十社と極めて限定的となっております。三十社としている根拠、そしてまた、今後の展開をどのように考えているかお伺いいたします。
○緑川商工部長 円安進行等対応緊急サポート事業は、中小、小規模事業者が大企業等と適正な価格で取引できるよう特別相談窓口を設置するほか、団体を通じた専門家の派遣や、相談員による集中した企業巡回を総合的に行うものでございます。
このうち、団体を通じた専門家の派遣は、事業者のニーズを踏まえ、緊急的な対応といたしまして、三十社について、一社当たり四回までを無料とする合計百二十回の派遣が行えるよう措置しております。
こうした取組によりまして、中小、小規模事業者を適切に支援してまいります。
○阿部委員 この事業は新規事業として上がっておりますけれども、内容的には従来から公社で行っている基本的な支援策の一つでもあります。
今回、団体を通してということではありますけれども、こうした支援策がそもそも十分に都内中小企業に行き渡っていない、このことの方が問題ではないでしょうか。補正で様々な新規事業として出してくるよりも、まず、様々な制度、これはメニューを増やしていくだけではなくて、個々の事業と、個々の企業とのマッチング、これが従来からきちんとできる体制というものをつくっておく必要があると思っております。
信金さんや自治体の商工関係部署との連携、それを担う公社の人材の拡充など、支援体制自体の足腰の強化を図っていくことが必要であると考えております。
次に、観光関係についてお伺いいたします。
コロナ禍で最も深刻な影響を受けた業界の一つが観光業であり、雇用の面からも大きな打撃を受けたことを重く受け止めております。また、観光業界はコロナ以前から、ネット予約等の拡大により、構造が大きく変化をして、現代の市場に合わせた運用が必要であると考えております。そのために、より足腰の強い業界へと展開していく後押しこそ必要があるものと感じております。
一方で、目先の問題として、観光業を支えるための予算としては、もっとTokyoで約四十九億円、国による都道府県版GO TOも三百七十三億円が予算措置をされた状態となっているのに加え、今回新たに観光関連で四・三億円の補正予算案が組まれております。
もっとTokyoは、明日からトライアルの形でスタートをするということが決まり、既に各施設への配分も決まっていると聞いております。また、もっとTokyoのスタートを待たずして、都内では、特に七月の三連休以降、夏休み期間の予約は好調で、円安を背景に海外からの訪日ツアー予約も動き始め、コロナ前より滞在期間長期化の傾向があるとも聞いております。
需要が大きく見込まれる時期に税金を投入して支援を行う必要はあるのか、その時期やボリュームを見極める必要があると考えますが、見解を伺います。
○築田観光部長 コロナ禍の影響により厳しい経営状況にある観光事業者に対し、時期を逸することなく効果的な支援を行うことが重要でございます。
このため、都は、感染防止対策等を行う際に専門家が助言する支援の拡充や、団体旅行を企画する事業者への支援などを新たに実施いたします。
○阿部委員 観光業界が厳しい状況にあり、支援が必要なことは同感です。ただ、観光需要は季節や曜日による変化も激しく、また、観光業といっても様々な業種があり、その課題は様々です。そんな中で、より効果的で現場の負担にならない税金の使い方がどうあるべきか、観光に関わる多様な業種の声に耳を傾けながら進めていただきたいと思います。
さて、補正予算案では、観光資源保全のための支援事業が組まれています。都内の歴史的な観光資源を守ることは価値があると考えますが、どのような資源を想定しているのか、また、応募が多数だった場合の選定基準を伺います。
○築田観光部長 建築後、長い年月が経過した料理店等の建物や、長きにわたり受け継がれている地域の技術や技能を想定しております。また、修繕費用等の支援対象の選定に当たりましては、地域のランドマークであるか、観光資源として集客を見込めるかなどの観点から審査を行います。
○阿部委員 どのような観点から審査を行うかは非常に重要なことだと思っております。特に、観光資源の維持保全については補助対象が十件と少なく、限度額は一千万円と高額であり、建物については、所有者にとって税金による資産形成の面を持つことから、審査基準の設定や、あるいは実際の選定には慎重さを要するものと考えます。
審査の透明性、公平性をどのように担保するのか、また、どのように事業評価を行うのでしょうか。
○築田観光部長 本事業では、有識者を含む審査会や区市町村の意見を踏まえながら、補助対象となる事業の選定を行う予定でございます。事業の実施等に当たりましては、状況を把握しながら進めてまいります。
○阿部委員 その物件が地域の観光資源として継続性を持って地域観光に波及効果を持つかどうかということも、ぜひ慎重に検討していただければと思います。助成を受けて改修しても、その後、第三者に売却されてしまったり、あるいは買収されて観光以外の用途で使われてしまったり、逆に、その旅館等は経営が持ち直しても、周辺の同業他社からお客さんが流れてしまってということでは、やはり、理解が得られないものだと思います。
むしろ、文化的側面に着目して、継続的な観光拠点としての貢献につながるような仕組みの中に、関連市区町村とも連携しながら位置づけていくことも必要ではないかと思います。
さて、次に、雇用関係についてお伺いします。
コロナ禍に続くウクライナ情勢悪化、円安進行による物価高で、経済的に弱い立場、特に仕事を失ったり、不安定な雇用に就いている人たちが苦境に立たされております。また、IT化やエネルギーシフトの進展に対応したリスキリングも含め、雇用就労支援の充実は、経済政策の大きな柱として本来位置づけられるべきものであると考えます。にもかかわらず、今回の補正予算の中でも、産業労働局の予算額の中で就労支援関係は僅か三%程度であることを残念に思っております。
事業の中で、まずは短期集中型資格取得についてお伺いします。本事業で想定している資格にはどのようなものがあるのか、また、百人を対象にした資格取得支援に一億一千万円もの予算を計上していますが、金額の内訳はどのようになっているかお伺いします。
○山崎雇用就業部長 本事業では、成長産業分野などでの就職に有効なウェブデザインや医療事務等の資格取得を想定しております。事業の実施に当たりましては、質の高いeラーニング講座のコンテンツを作成した上で、リモートで個別にサポートしながら学習を支援し、試験直前には集中的に指導を行うものといたします。
○阿部委員 一億一千万円をかけて百人、受益者の数で割れば一人百十万円にも上ります。ご答弁ではウェブデザインも挙げられておりましたけれども、簿記ですとか、あるいはファイナンシャルプランナーなど、資格取得だけではなかなか収入に結びつかないものも、結びつきにくいものも含まれます。
また、こうした分野は既に多くの教材が市販されている中で、東京都が新たにコンテンツ作成を行うということにも違和感があります。
一億一千万円の中で、広告費も相当な割合を占めていると聞いております。この数字は、都民感覚からかけ離れているのではないか、都民感覚からかけ離れた予算を組むことの理由と経緯を改めて伺います。
○山崎雇用就業部長 コロナの影響等により離職を余儀なくされた方々が求人の多い業種に早期に就職できるよう支援することは重要でございます。
このため、確実に成果が上がるよう、事業の実施に当たりましては、質の高いeラーニング講座のコンテンツを作成した上で、リモートで個別にサポートしながら学習を支援しまして、試験直前には集中的に指導を行うなど、短期間での資格取得を目指してまいります。
○阿部委員 質の高いeラーニングとおっしゃいますけど、本当にもう、この分野、様々な市販のテキストあるいはコンテンツもできております。新たに東京都がこれをつくり直すことが、一体、それらを超える中身になるのか。
そして、何で一億一千万かけて百人という人数なんでしょうか。職を、あるいは資格を必要とされている都民はたくさんいます。そんな中で、百人という人数でこれを行うということよりも、やはりより多くの方々に就労に結びつけていただく。
雇用さえつなげれば、様々な社会問題、あるいは福祉問題が改善する可能性は非常に大きい。だからこそ、就労支援というのは本当にこの社会の中で大切な分野であると思っております。ですので、より効果の高い仕組みというものをぜひ真剣に考えていただきたいと思います。
育休取得によるパワーアップ応援事業についてお伺いしたいと思います。
この事業のベースとなっている働くパパママ育休取得応援事業は、平成三十年度にスタートをし、順次、制度の拡充が図られてまいりました。
現行制度の利用企業実績をお伺いします。また、予定数を上回っても助成を行うのか、併せてお伺いいたします。
○内田事業推進担当部長 令和二年度のママコースの交付実績は四百八十三件、パパコースの交付実績は五百四十四件でございます。
支援につきましては、事業経費の中で適切に対応してまいります。
○阿部委員 四年間で、この制度もかなり利用者が増えてきたと思います。制度上の拡充もありましたけれども、やはり一つの制度が現場に理解され、定着していくには一定の期間がかかるのではないかなというふうに受け止めております。
さて、今回新たに加わったメニューは、夫婦双方の育休取得計画書を女性の所属する会社が作成をして、そして夫婦双方が育休を取得した場合に、妻が勤める企業に百万円を支給するというくくりになっております。
夫婦交代での育休を目指したいというのは、その狙いは分かりますし、ぜひそれが進んでくれればいいなと私も心から思います。ただ、実際に夫が育休取得をするかどうか、あるいはできるかどうかというのは、夫や、より現実的には夫の勤務先の判断、あるいは職場の判断というものが不可欠です。
妻の勤務先が、自分の従業員の配偶者の企業にアプローチをするというのは、現実的には考えにくいのではないか、制度設計上、無理があるのではないかと思いますが、ご見解を伺います。
○内田事業推進担当部長 本事業は、夫婦が協力してお互いに育児休業の利用を促すことを目的としてございます。
男性が勤務する企業に対しましても、本事業による専門家の助言を利用できるようにすることや、既存事業のパパコースの活用も促すことで男性育休を後押ししてまいります。
○阿部委員 夫婦が協力して育休について話し合うのは、すごくいいことだと思います。でも、この制度というのは、計画書をつくるのは妻の所属する会社であって、この制度を使うための要件としては、夫の会社が、育休を与えるというのはちょっと正しくないかもしれないけれども、現実的には、やはりそこの判断というのが不可欠なんですね。
そうすると、これは誰が夫の会社にアプローチをかけていくのか。妻が夫の会社にお願いしますというのか、あるいは夫に頼んで、そこの立てつけというのが、非常にこれは困難ではないかと思われます。
妻の会社にとっては、自社の判断の範疇外にあることを要件にされた制度だということになるんですね。いたずらに制度を複雑にするよりも、今、四年間せっかく育ててきた制度、この既存の制度の拡充、例えば男性一人目だけではなくて、一定の人数が実績として上がっているのであれば二回目の助成も可能にするですとか、そうした本体の部分の拡充を図っていった方が現場にとっても分かりやすいのではないかと思います。
なかなか、やりたいことを制度に落とし込むときに、現場に当てはまらないような、あるいは現場でなかなか動かしづらいような形にしてしまうと、逆に現場の負担にもなりますし、様々な複雑な制度になってしまっていくことが、逆に制度を使いにくくしてしまうのではないかということを心配しております。
このことをお伝えして、私の質問を終了いたします。以上です。
○磯山委員 コロナ禍によるダメージが癒えない中で、ウクライナ情勢の長期化や円安の進行により、燃料や原料の価格が上昇し、様々な業界から、このままでは事業の継続がままならないとの声が届いています。
今回の補正予算では、こうした課題への対策が盛り込まれていますが、まず、原油高騰の影響を受ける中小企業への支援策について伺います。
都は、本年三月から、専門家を事業者に派遣し、その助言に基づく機器等の導入について、百万円を上限に後押しする取組を行っています。
これまで専門家は、具体的にどのような助言を行っているのか、また、支援を受けている事業者からどのような声があるのかお伺いをいたします。
○緑川商工部長 原油価格高騰等対策支援事業では、専門家が、工場内の照明を全てLEDに交換するアドバイスを行うとともに、あわせて、設置するLEDを最適な配置とするよう提案した事例や、省エネ効果の高い空調機器を設置するに当たり、飲食店の面積によらず、客数などの営業実態に合った機器の選定をアドバイスするなど、現場の実情に合ったきめ細かい助言を行っております。
また、ご利用いただいた中小企業からは、エネルギーコスト削減につながる具体的な助言を受けることができたなどの声をいただく一方で、光熱水費などの高騰が長期化しており、こうした支援を一層充実してほしいなどの声もいただいております。
○磯山委員 三月に開始した事業について、単に効率のよい機器を導入するだけではなく、事業者の経営状況や事業運営の実態に応じた、きめ細かい支援を行っていることが確認できました。
LED照明や高効率の空調設備など、企業が比較的取り組みやすい機器等の導入への後押しは大変重要であります。
一方で、ウクライナ情勢の影響により、原油価格の高騰が続いている状況を踏まえると、先ほどの事業者からの具体的なお声にもあったように、中小企業の事業活動において、さらなる省エネに取り組めるような支援が必要だと考えます。
とりわけ、燃料を多く使用するタクシーなどの運輸業やクリーニング業等では、さらなる燃費向上に資する機器や生産性の高い設備の導入など、これまで以上の対策が求められます。
我が党は、先月、燃料等の価格高騰の影響を受ける中小零細事業者に対し、コスト削減につながる設備投資に助成を行うよう要望し、今回、原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業として実現しました。
そこで、新たに行うこの事業の内容や、想定される支援例について伺います。
○緑川商工部長 原油価格の高騰が続き、運輸業や大型の乾燥機を使うクリーニング業などでは、コスト面で大きな負担が生じており、それら事業者への一層の支援が必要でございます。
このため、新たに行う原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業では、経営の専門家を中小企業の現場に派遣いたしまして、これまでの固定費の削減に加え、エネルギーコストを減らす工夫などについてアドバイスを行うとともに、その実現に必要な経費の五分の四を、一千万円を上限に助成を行ってまいります。
具体的には、燃費を改善し、効率的な運送を促すシステムや、電気自動車などをタクシーとする際に必要となる附帯設備の導入経費のほか、省エネ効率の高い乾燥機などにつきましても支援の対象としてまいります。
これらによりまして、中小企業による経営を着実にサポートしてまいります。
○磯山委員 今回の支援は、企業の事業活動におけるエネルギー効率を高める大変意義のある取組であります。これまでの原油価格高騰対策の事業と併せて、重層的に支援を展開し、多くの企業をしっかりと下支えしてほしいと思います。
次に、事業復活支援金等受給者向け緊急支援事業について伺います。
都は昨年度より、一時支援金や月次支援金等を受給した中小企業に対して販路開拓などの支援を行ってきており、我が党からの要請を受け、国の取組と軌を一にして、事業復活支援金の受給者を対象に加え、支援を拡充するなど、売上げ減少に苦しむ中小企業の事業継続を後押ししてきています。
まずは、この事業のこれまでの実績や支援の事例について伺います。
○緑川商工部長 都はこれまで、国の一時支援金や、本年一月から開始された事業復活支援金などを受給した中小企業に対し、専門家が現地に出向いて行う経営相談に加えまして、自社の製品を宣伝する動画の作成や、展示会の出展などの販路の開拓に向けた取組などを支援してまいりました。その結果、制度開始から本年五月末までに、二百六十四件の事業者に専門家を派遣いたしました。
また、販路開拓支援では、約二千四百件に対しまして交付決定を行ったところでございます。販路開拓支援では、防災用品を製造する事業者が商品の性能を紹介するための動画を制作した事例や、ペット用医療品の卸売事業者が新たな取引先を確保するため、海外企業などが参加する見本市に出展した取組などにつきまして後押しをしております。
○磯山委員 まさにこの事業は、国や都の支援金を受けた厳しい状況にある事業者のさらなる経営改善を効果的に後押しする取組であり、継続していくべきであると考えます。
そこで、今回拡充が図られていますが、その内容について伺います。
○緑川商工部長 事業復活支援金等受給者向け緊急支援事業は、これまで数多くの中小企業にご利用いただいていることに加えまして、国の事業復活支援金の支給動向等を踏まえまして、予算を約五十億円増額し、専門家派遣の申込み期限を今年の十月末まで延長するとともに、販路開拓の支援件数を拡充してまいります。
これらによりまして、中小企業の経営改善に向けた取組を着実に支援してまいります。
○磯山委員 この事業復活支援金が始まったときには、コロナ禍に対する支援でありました。そこに、ロシアのウクライナ侵略に端を発した原油、原材料高が加わり、事業者はさらに厳しい状況に置かれています。
都は、そのことをしっかりと認識して、支援を拡充していただきたいと思います。
また、専門家派遣の申込み期限を十月末まで延長するとのことでありますが、その先はどうしていくのでしょうか。年末を迎えるに当たり、事業者を取り巻く状況は一層厳しさを増していることも考えられます。安心して年を越せるような継続的な支援を考えていただくよう強く求めておきます。
次に、観光業への支援について伺います。
コロナ禍においては三密回避が求められることから、多くの人が動くことになる団体旅行は延期や中止が相次ぎ、中小規模の事業者が多い旅行業者は苦境に立たされています。
こうした中、六月一日から入国者数の上限が引き上げられるなど、今後、観光が本格的に再開していく兆しはありますが、団体旅行に関しては、旅行者意識の変化もあり、需要がコロナ前に戻るには時間がかかるものと考えられます。
先日の代表質問でも、我が会派は、都として十分な感染防止対策を行った団体旅行を取り扱う事業者への支援を始めるべきと質問しました。都からは、事業者が団体旅行の中で行う感染防止対策への支援を新たに開始するとの答弁がありました。
そこで、今回の補正予算案で提案されている観光事業者向け安全・安心確保事業について、その狙いと具体的な取組を伺います。
○築田観光部長 都は、厳しい経営状況にある観光事業者を後押しするため、団体旅行の安全性を高めることによりまして収益確保を図る事業者を新たに支援いたします。
具体的には、観光客同士が密になることのないよう、例えば手配する観光バスの台数を増やす場合には、必要な経費の最大五分の四を、十二万円を上限に助成いたします。
また、ツアーにおけるガイドなどを増やす場合についても、必要な経費の最大五分の四を、三万円を上限に助成いたします。
さらに、事業者の企画したツアーが安全面に配慮したものであることをホームページなどにより、効果的にPRする経費につきましても、その三分の二を、二十万円を上限に助成いたします。
○磯山委員 新たに開始する事業では、団体旅行で利用するバス等を増やす経費が助成されるということであり、旅行中の感染防止はもとより、旅行者が安心して参加できることにより、需要の拡大につながるものと期待されます。
団体旅行における移動には、例示のバス以外にも様々な交通手段が考えられます。例えばタクシーについては、定員が最大九名のジャンボタクシーもあり、比較的小規模な団体旅行でも利用が見込まれます。
そこで、本事業ではタクシーについても補助対象になるのか伺います。
○築田観光部長 団体旅行における移動手段といたしまして、タクシーを利用し、感染防止対策のため台数を増やす場合においても、必要な経費の最大五分の四を、四万円を上限に助成いたします。
こうした支援によりまして、団体旅行の利用を促進し、観光事業者の業績の回復につなげてまいります。
○磯山委員 都内には、古い建物だけではなく、郷土料理や伝統工芸等、長い歴史を持つ技術、技能が無形の観光資源として豊富にあります。これらは東京が世界に誇る貴重な観光資源でありますが、新型コロナによる影響のため、廃業を危惧する事業者も多く、対策が必要と考えます。
こうした伝統的な技能等の観光資源の喪失を防ぐため、本定例会において、観光資源の保全等のための支援事業が予算計上されています。
そこで、伝統的な技術、技能等の保全のための支援内容について伺います。
○築田観光部長 コロナの影響が長期化する中、都内の魅力的な観光資源である伝統的な技術や技能を守り、今後の国内外からの誘客に結びつけ、観光産業を活性化させていくことは重要でございます。
このため、都は、長きにわたり受け継がれている地域の技術や技能の維持等の取組に対し支援を開始いたします。
具体的には、地域の伝統的な文化や技能をテーマとした体験プログラムづくり等に当たり、クラウドファンディングを利用し、目標額を達成した場合に、クラウドファンディング取扱事業者に支払う手数料の三分の二を、百万円を上限に助成いたします。
また、観光関連事業者が後継者等の人材確保や育成を行う際に必要となる経費の三分の二を、一千万円を上限に助成いたします。
○磯山委員 クラウドファンディングは、インターネットを通して事業者のサービスや商品を発信することで、アイデア等に共感し、ファンとなった方たちから資金を募る仕組みであり、資金繰りに悩む事業者の方々にとって効果的なツールであります。
しかしながら、観光関連事業者の中には、クラウドファンディングの制度や活用方法が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、本事業の周知やクラウドファンディングの活用促進について、どのように取り組むのかお伺いをいたします。
○築田観光部長 厳しい経営状況に置かれている観光関連事業者に対して、効果的な資金調達手法としてのクラウドファンディングの活用を促すためには、様々な機会を捉えた丁寧な情報発信が必要でございます。
このため、都は、新たに設置する観光事業者向けワンストップ支援センターで案内するほか、ウェブサイト等を通じまして本事業のPRを積極的に行います。
また、観光関連事業者を対象としたオンラインセミナーを開催し、クラウドファンディングによる資金調達の仕組みや成功事例等を紹介いたします。
これらによりまして、クラウドファンディングの活用を後押ししてまいります。
○磯山委員 観光資源となる郷土芸能や伝統文化には、根強いファンがついているものも少なくありません。クラウドファンディングの手法は、事業者とファンが一体となって観光資源を守っていける可能性を有しており、ぜひとも多くのプロジェクトが成功するよう、フォローアップもすることを要望しておきます。
本日は、ここまで本橋委員と共に、今回の補正予算の内容に関して確認を行ってまいりました。長引くコロナ禍に加え、ウクライナ情勢、そして急速な円安の進行と、中小の事業者にとって大変厳しい局面が続いています。
こうした中、様々な業界からの声を意識して、補正予算に燃料や原材料の価格高騰に対応した設備等の入替えなどへの踏み込んだ支援、観光事業者向けにも、小規模の旅行代理店やバス、タクシー事業者にメリットが及ぶ支援が盛り込まれ、もっとTokyoも、ようやく再開となったことは一歩前進と捉えております。
しかし、経済状況は刻一刻と変化しており、都内の中小企業の経営者は、そうした厳しい環境の中で日々奮闘していらっしゃいます。
都議会自民党はこれまでも、そうした経営者一人一人の声に耳を傾け、都政だけではなく国政にも寄り添った支援を行うよう求め、実現をしてまいりました。我々自民党は、これからも単なるパフォーマンスではなく、現場に根差した実効性の高い施策を提案していくことをお誓いし、質問を終わります。
○入江委員 お願いします。これまで二年以上のコロナ禍の間、産業労働局の皆様は、感染拡大防止協力金など様々な支給業務で大変お忙しかったと思います。本当にお疲れさまでした。
私のところにも、たくさんの事業者からのご相談がありました。飲食店、ライブハウス、リハーサル室、マージャン店、ミュージックバー、屋形船、ボウリング場など、様々なケースに丁寧に対応していただいて、御礼申し上げます。
さて、まず最初に、五月二十日から二十二日までの三日間、江東区有明での大規模イベント、春の食フェスティバル、Tokyo Tokyo Delicious Museumについて述べさせていただきます。
小池知事は所信表明で、東京が誇る食の技と味わいで世界を堪能させたいとおっしゃいました。コロナ禍で困窮された飲食業界からも多くのご要望をいただき、東京の多彩で魅力あふれる食文化を守り、発展させるという大きな目的の下に、初めての開催となったイベントです。実績は、三日間で約四万四千人もの多くの方が来場し、大変盛況となりました。
私も連日会場に行き、隅々まで見させていただきましたが、星つきレストランから、和食、世界各国の料理、スイーツまで、バラエティーに富んだ三十五の飲食店が一堂に会し、来場された方々は、家族や友人、同僚と一緒に、皆さん笑顔で東京の多彩な食を堪能されていました。
また、出展者の方々からは、いろいろとお聞きしたんですけれども、東京都の食の魅力を発信するというコンセプトに共感した、お店の宣伝のよい機会となった、東京都が飲食業を応援してくれていることがよく分かったといったお声を聞きました。このイベントの開催によって、コロナ禍で長い間苦しんできた飲食業界の皆様を勇気づけることができたのではないかと思います。
会場では、そのほかもいろいろと工夫が凝らされました。ステージ企画では、みんなで語るSDGsサミット、会場近くの有明西学園の小中学生と専門家とシェフが一緒に食品ロス削減や地産地消について語り、また、その様子はユーチューブでも公開されました。
また、知事も英語版のウェブサイトをつくったわよとおっしゃいましたけれども、その中でも、食のサステーナビリティーや、ビーガンなど多様な食文化といった東京の食にまつわる記事が掲載され、様々な視点から、東京の食の魅力を発信することができたと思っております。
今回のイベントについて、総括ですが、来場者からも出展者からも、皆さん声をそろえて、こうしたイベントをまたぜひ開催してほしいというご意見をいただきました。こうしたお声を踏まえ、東京の食文化をさらに発展させ、世界を引きつける美食都市を目指し、ぜひ来年度もこのイベントを実施していただきたいとお願い申し上げます。
さて、今回の補正予算では、五月六日に都民ファーストの会が小池都知事に緊急要望した内容が多く実現しております。その中で、制度融資での利子補給、感染症対策へのサポート助成の延長、テークアウト、デリバリー業態転換支援の延長、米粉の消費拡大、これらについて詳細をお伺いします。
東京都の中小企業制度融資の拡充については、これまでもご答弁がいろいろとありましたので、私からは簡単にさせていただきますけれども、この食のフェスティバルで喜んでいただいた飲食業界においても、リバウンド警戒期間の終了により様々な制限が解除され、客足が戻りつつあるものの、コロナ前の水準には届かず、さらにウクライナ危機による食材や電気代などの高騰で厳しい経営状況が続いています。特に、令和二年に運転資金のために借入れをした実質無利子融資も、現状ではとても返済できないと聞いております。
また、コロナ後を見据えて、新たに新規出店や店内改装、または新たな業態転換など、攻めの経営を取り組もうとしても、新規の融資をなかなか受けることができないのが実情です。
これまで都は、飲食業のみならず、経営が苦しい状況にある中小企業に対し、制度融資を通じて資金繰りを支えてきてくださいました。そこで、現下の状況を踏まえ、様々な要因により資金繰りのニーズを持つ中小企業に対して、制度融資による利子補給など、大変、今回は踏み込んで実施していただける、そして先ほどのご答弁では、今回の借入金は最長五年据え置くことができるし、また信用保証料は、八千万までは全額、そして、八千万を超える部分については四分の三を補助すると聞いております。さらに、借入後一年間に生じる利子については二分の一を助成するということで、大変、私どもの要望も実現していただいて、感謝申し上げます。
そして、先ほども部長からご答弁いただきましたけど、何よりも事業者の皆様が向き合うのは金融機関、銀行です。銀行の態度は、やはりなかなか厳しいものがあると。国や都が、借換えができる制度があると聞いたけれどもといっても、そもそも最初の債務があるでしょう、そして二年、三年も赤字決算なんだから、新たな融資というのは、なかなかそれはあなた方の会社の評価を落としますよというような厳しい言葉をいわれることもあると聞いております。
なので、先ほど部長がご答弁いただきましたけれども、窓口となる銀行など金融機関には、この新しい制度融資メニューを確実に伝えていただいて、各事業者に寄り添った対応をしていただくことを、改めて東京都から金融機関にお伝えいただきたいと思います。
では、中小企業の感染症対策の支援策について伺います。
五月二十二日のリバウンド警戒期間が終了して、感染防止徹底点検済証の提示をしている飲食店で人数や滞在時間の制限を解除するなど、経済活動の本格的な再開に向けて動き出しています。
一方で、現在も都内の感染者数は毎日二千人程度発生しており、感染再拡大のリスクは取り除かれたわけではありません。むしろ、様々な制約が解除された今こそ、基本的な感染防止対策を再度チェックして徹底していく必要があると考えます。
特に、飲食店やライブハウスやミュージックバーなどの事業者からは、安全に事業を継続するために引き続き感染対策が必要であり、継続して支援をいただきたいとの声が聞かれます。また、最新のCO2濃度測定機器なども対象にしてほしいとのご要望がありました。
都では、一昨年度以来、中小企業の感染防止対策を後押しする取組を続けていますが、今年の一月からは感染症対策サポート助成事業としてリニューアルを行いました。これまでの実績と今回の拡充の内容を伺います。
○緑川商工部長 都は、中小企業が感染拡大防止と社会経済活動の両立を図るため、換気設備の導入や消毒液などの消耗品を購入する場合に必要となる経費につきまして助成を行ってまいりました。
今年の一月からは、コロナ対策リーダーを配置する店舗への支援につきまして、CO2濃度測定器やアクリル板等に加えまして、サーモカメラや加湿器なども支援の対象とするなどの拡充を図っております。
また、昨年十二月末までに本事業を利用した事業者も再度の申請を可能としたことで、今年一月から五月末までに七千件を超える申請をいただいております。
こうした状況を踏まえまして、本事業の申請期間を本年六月末から十月末まで延長することといたしまして、引き続き、中小企業による感染防止対策の取組を後押ししてまいります。
○入江委員 この事業は、今年に入ってからも大変多くの申請が寄せられていることが分かりました。このまま感染拡大を食い止めながら経済活動をさらに本格化するために、アクリル板や消耗品の消毒液など、基本的な感染防止対策の徹底が大変重要になってくると考えます。今後とも事業者のニーズを捉えて、適切にサポートを続けていただくことをお願いいたします。
さて、業態転換支援について伺います。
既に多くの飲食店がテークアウトやデリバリー、宅配ですね、取り組んでおります。また、都心部の家賃が大変高いので、店舗を手放したり、店舗を構えずにクラウドキッチン、集合型キッチンでデリバリーやテークアウトを始める飲食事業者も増えております。
そして、この飲食事業者からは、宅配事業者、運んでくれる方たちの配送手数料が三割から四割と大変大きく、利益が上がりにくいとの声も聞かれております。
東京都では、飲食事業者向けに、私どもの要望も受けて、業態転換支援を継続的に行っていますが、改めて、宅配、デリバリーなどに取り組む場合の支援内容を伺うとともに、昨年度の採択状況について伺います。
○緑川商工部長 都は、中小飲食事業者がテークアウトや宅配など新たなサービスを開始する場合、必要となる経費の五分の四、百万円を上限に助成しております。
特に、飲食店などが宅配代行サービスを利用する場合には、初期登録料のほか、月額使用料や配送手数料について、最長三か月分を助成対象としております。
こうした取組によりまして、令和三年度では二千四百二十九件の申請を受け付け、本年五月末までに千九百十件の交付決定を行ったところでございます。数多くの事業者にご利用いただいていることから、このたび、規模を拡充いたしまして、本年六月末までであった申請期間を十月末まで延長することといたしました。
引き続き、中小飲食事業者が行う売上げ確保に向けた新たな取組を適切に後押しをしてまいります。
○入江委員 現状の飲食店戦略では、都心部より住宅街で新規開業も増えているということなので、支援の延長は必要だと考えております。
また、宅配代行、運んでいただくサービスを利用する場合にも、初期登録料だけではなく月額使用料、配送手数料の最長三か月分も助成対象として支援するということがあまり周知されておりませんので、改めて丁寧にお知らせいただきたいと思います。また、引き続き、クラウドキッチン、集合型キッチンでテークアウトやデリバリーを開始されるケースにもしっかりと対応していただくことを要望いたします。
そして、昨年の十一月に提案させていただいて実施していただいている、飲食店が登録しているコロナ対策リーダー約十二万人に対して、新たな支援策などをメールでお知らせいただいております。今回のこうした支援策の拡充や延長の内容もしっかりお伝えいただきたいと思います。お願いいたします。
最後に、米粉の消費拡大について伺います。
輸入小麦の価格高騰が続く中、小麦に代わり国内で調達可能な新しい食材が求められています。私どもの代表質問においても、我が会派は、大消費地である東京が率先して小麦の代わりに米からできる米粉の活用を推進すべきと提案し、知事から、販売キャンペーンの展開などによって米粉パンのよさを幅広く伝えていくとの答弁がございました。
先ほど申し上げた春の食フェスティバルでも、新潟産の米粉を使ったパンが販売されておりまして、とてもおいしくいただきましたし、すごく早く売り切れになっていました。
小麦価格の高騰が続く中、小麦に代わる新しい選択肢である米粉の消費を促すために、都の具体的な取組について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、輸入小麦の価格が高騰する中、その代わりとなる国産の米粉の活用を図るため、米粉を使ったパンの購入を促進するキャンペーンを展開いたします。
具体的には、農業者の団体であるJAと連携し、新潟の米粉を使ったパンの商品開発及び販売の支援を行います。
また、特設ウェブサイトを開設し、米粉パンを製造、販売する都内のパン屋を紹介してまいります。
さらに、PR動画を制作して、鉄道の車内のデジタルサイネージで放映するとともに、秋に開催を予定しております東京味わいフェスタにおきましても、米粉パンを紹介、販売するブースを設置し、米粉パンの魅力を発信してまいります。
こうした取組によりまして、米粉の消費拡大につなげてまいります。
○入江委員 米とその加工品である米粉は輸入に頼らない貴重な食材で、国内における米粉の地産地消を、大消費地である東京が率先して取り組んでいただきたいと思います。
また、東京では、新鮮な野菜や魚がございまして、これらの地産地消を推進することも大変重要です。私たち一人一人が地場産物を大切にし、国内で生産される食材を積極的に消費することは、安定した食生活の実現、つまり、食の安全保障につながるものであると考えております。都としても、こうした取組をどんどん後押ししていただきたいです。
こうした観点も含め、秋開催の東京味わいフェスタでは、さらに多彩な食の魅力を広くアピールしてください。お願いいたします。
最後に、いよいよポストコロナの観光も動き出しますが、東京の夜の魅力を創出し、また、インバウンド観光、そしてナイトタイムエコノミーを支える魅力ある飲食業界、また、ライブエンターテインメント業界をしっかり支えていただくことを改めてお願いしまして、質問を終わります。
○清水委員 この間、日本共産党都議団は、様々な分野、業種の方々から実態を伺ってまいりました。材料費が上がって値上げせざるを得ないんだけれども、お客が離れないか心配だという飲食店の方、また、旅行関係の会社の方、飲食店からは、新たな融資を申し込んだんだけれども、受けてもらえなかった、こういう声が複数寄せられています。
また、建築や製造業の方からは、輸出規制や原油高の影響で資材が入らなくて、注文から引渡しまで時間がかかる、その間に資材が値上がりしてしまう、これが怖くて契約が取れない、その間の資金繰りにも困る、こういった声が寄せられました。
農家の方からは、ハウスで使っている灯油や重油が値上がりしているんだけれども、それを販売価格に乗せるということができない、また、既に、化成肥料の価格、二十キロ一袋二千円だったものが二千五百円まで上がったと、でも、今売られている肥料というのは、ロシアやウクライナの材料が入ってくる前に作られたものだというんです。これからロシアやウクライナの影響が出てくるのに、もう既に二五%上がっている、これから一体どうなるのか、こういう声が寄せられました。
全国商工団体連合会が行った緊急アンケートでも、今回の物価高で赤字になる、赤字にはならないが、経営が厳しくなる、合わせると八五%に上っています。原材料の高騰で経営が苦しくなっても、それを価格に上乗せすることはできない。経営が苦しい事業者は融資も断られてしまう。本当に瀬戸際に立っている、こういう中小業者を今回の補正予算が一体どういうふうに支えるものになっているのかお伺いしていきたいと思います。
都は、現在の中小業者の状況について、どのような認識を持っておられるのか、どのような支援が必要と考えておられるのか、最初にその認識をお伺いします。
○勝見企画調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 コロナ禍にウクライナ情勢や円安などが加わり、中小の事業者の経営に大きな影響が生じています。
都は、制度融資の新たなメニューの創設や、エネルギーコストを減らす取組のサポート、適切な下請取引に係る支援などを行うこととしております。
○清水委員 次に、分野別にお伺いしていきたいと思います。
これまでの皆様の、委員の方々の質疑で、かなり基本的な質疑が行われましたので、重なる部分については省略をさせていただいて、意見として申し上げます。
農業についてですけれども、今回の収益向上緊急対策事業、十分に周知期間を取って多くの農業者の取組を支援していくという表明がありました。予算額を上回る応募が来た場合には、速やかに追加補正を計上することを求めます。
また、肥料については、JAの方からも、現在の高騰は既に来ている商品の値上がりで、ウクライナなどからの原材料が入らなくなる、その影響が本格化するのはこれからだと、何か対策を講じないといけないという事態になっているというふうに伺いました。国やJAだけでなく、都としても、肥料代への支援をぜひ検討していただきたいと思います。
また、肥料の使用量を抑える、その方策として有効なのが、これまで都が実施してきた無料の土壌診断を実施して、肥料の適切な利用を図る、この事業はとても大事になってくると思うんです。この再度の実施、さらに制度を拡充していくことを求めます。
また、種や肥料を海外に依存している今の農業の在り方も問われているのではないかというふうにJAの方からもお伺いしました。これを機会に、都内産の畜産や林業から出る材料を活用した有機肥料の生産、利用の促進、こうしたものを進めていただく。それから、種なども都内できちんと作っていく、こういう方策もぜひ取組を始めていただきたいというふうに思います。
次に、融資についてです。
融資については、コロナ禍で既に借入れをしている事業者、旅行業者や飲食業者からは、新規の融資を申し込んでも受けられなかった、こういう声が複数寄せられています。
先ほどの答弁で、都は、新たな融資メニューを周知するとともに、金融機関や信用保証協会に対して、中小企業から資金の借入れの申出があった場合には、個々の事情を踏まえたきめ細やかな対応を行うよう要請していくというふうな答弁がありました。
しっかりと実態をつかんでいただいて要請をしていただくように、また、据置きの延長についても丁寧な対応を取っていただけますように要請をしていただくよう求めておきます。
次に、原油価格経営基盤安定化対策事業ですけれども、この制度は、物価高に苦しんでいる事業にとって、省エネ化とコストの削減、両方を図ることができる制度で、今後も長期に原油高や物価高騰が続くと見込まれていることを踏まえると、とっても重要な事業だというふうに思います。周知期間を十分に確保して、十分な期間を設けるとともに、多くの事業者が原油価格の高騰に対応できるようにサポートしていくんだというふうな答弁がありました。
やっぱりこういうものに応募が多数あれば、予算を超える、こういう事態も当然予想されますので、予算を超える応募があった場合には速やかに追加補正を行うように求めます。
円安進行等対応緊急サポート事業もそうですが、今、売上げの減少と経費の増大を価格にできない。これは、あらゆる事業者が声を寄せていただいた問題でもあります。ここをどうやって解決するのかというのは、本当に東京都の果たす役割は重要だと思います。
円安進行等対応緊急サポート事業で、都は特別相談窓口を設置して、企業を巡回する、アドバイスを行う、こういうふうな答弁がありました。特別相談で行われた声が本当にそこのアドバイスに反映されていくのかどうか、ここがとても重要だと思うんです。
中小企業庁が価格転嫁の状況を調査したんですけれども、業種によって価格交渉ができるかできないか、それから価格が転嫁できたかどうかというのは、かなりばらつきがありました。印刷業や運輸の会社はほとんどできないんです。価格交渉すら、入札だからできないという声も寄せられています。
こうした実態を、せっかく特別相談窓口を設置するわけですから、そこで寄せられた声を着実に、この企業巡回の中でアドバイスをして、是正が図られるような、そういう有効なアドバイスをしていただくように求めたいと思います。
それから、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業についてです。
令和三年度の申請件数と交付件数がありました。交付決定件数は予算額と同じ交付額ですというふうなご説明がありました。つまり、五百六十四件の申込みがあったけれども、予算額は百六件にしかならなかったということだと思うんですね。だから、多くの申請は受け付けてもらうことができなかったということではないかというふうに思うんです。
この間、新型コロナ対策もそうですけれども、設備投資については、応募枠に対応できるような予算が組まれていないと思うんです。どの事業でも、設備投資に関しては、ほとんどその応募枠に応えることができない、応募した人の数割、半数以下しか交付が決定されていないと思います。
設備投資にかけるお金というのに対して、先ほどの答弁の中では、事業者のニーズを踏まえながら、支援にふさわしい取組を適切にサポートしていくとおっしゃったんですが、ニーズを踏まえるという言葉にふさわしい予算をぜひ確保していただきたいというふうに思いますし、やっぱり今回の応募件数を見て、適切に追加補正をして応えていくということを要望しておきたいというふうに思います。
今回の補正予算案、四千二百八十三億円のうち、物価高騰対策は七百二十三億円、そのうちの経済対策は二百八十四億円で、さらに、東京の経済を守る取組の予算というのは八十八億円しかないんですよね。原材料高騰に苦しむ企業を下支えして、成長の基盤をしっかりと固めなければなりませんという所信表明の知事の言葉に照らして、あまりにも予算が少ないんじゃないかといわざるを得ません。
さらに、今あらゆる事業者が苦境に立たされている根本の原因は、原材料や光熱費高騰のコスト、こういうものを価格に反映できないということなんですよね。ですから、やっぱり直接的な支援、これが求められているのではないかというふうに思います。
改めて、設備投資支援、この少なさ、これを抜本的に拡充してもらうこと、先ほど質疑があった事業復活支援金等を受給した人向けの緊急支援対策では、設備投資そのものの項目が削られてしまっているんですよね。これぜひ復活していただきたいというふうに思います。そして、直接支援を、改めて、また、融資の返済期間の延長、このことを強く求めて、次の質問に移ります。
労働相談情報センターについてお伺いしたいと思うんですが、これも基本的な質疑はありました。立川に移転、統合された後の相談体制の充実強化という答弁はあったんですが、労働相談情報センターというのは、労働相談以外にも、セミナーや資料の提供、非正規労働者の雇用環境の整備支援、また、仕事と家庭の両立支援、こうした取組も行っています。
こうしたところでの職員体制というのはどのようになるのでしょうか、答弁をお願いいたします。
○山崎雇用就業部長 労働相談情報センター八王子事務所と国分寺事務所の職員体制は、それぞれ常勤職員十二名でございます。
○清水委員 それぞれ十二名ということでしたけれども、立川に移転、統合された後、相談員は先ほど充実していく、そういう方向でいるんだというふうな表明はありましたけれども、それ以外の相談以外に関わる職員についてはどうなるのかという言及はございませんでした。
改めて、そこについてはどうなのかということをお伺いしたいのですが。
○山崎雇用就業部長 労働相談情報センターの職員体制については、現在も引き続き検討を続けております。
以上でございます。
○清水委員 現在検討中ということですが、労働相談部門の職員さんについては、充実強化に向けて、こういう文言がついて検討中ということで、それ以外の職員については検討中ということなんですけれども、やはりセミナーですとか資料の提供、非正規雇用者の雇用環境の整備支援、仕事と家庭の両立支援事業、どれも大事な事業です。それを多摩の分を全部一手に引き受ける。
先ほどからも質疑があったように、多摩地域、広大ですので、立川一か所で全部受けるということはできず、当然出向いていくということもやっていかなければいけない。そうだとすると、やはり今の体制でも難しいのではないかというふうに思いますので、維持することはもちろんですし、充実、こちらについても相談員と同じように拡充されていくことを求めたいと思います。
労政会館の廃止についてですけれども、先ほどの質疑で、コロナになる前は年間大体三十七万人が利用し、コロナで利用制限があった年であっても、年間十一万人の利用があったというふうな質疑がありました。それを今年の十月一日に廃止をする予定だということなんです。つまり、年度の途中で利用できなくなるという事態になるということなんですね。
このことについて、事前の予約ができる、そういう人について、つまり、十月一日以降の申込みをした人は、初めて十月一日以降使えないということを知ったんだが、それ以外の人は全く知らない状態だというふうなご答弁がありました。
まだそういう人たちには説明していないんだ、議会で議決されてから説明するんだということですが、利用者というのは大体年間計画を立て、それで活動を行っているわけです。それを年度の途中で、しかも申込みのときに初めて知る、そこから新たなところを紹介されて、果たして本当に利用料金の問題、空き状況の問題考えて確保できるのかどうか。これはやっぱり乱暴だというふうに思うんです。
さらに、この問題というのは、今日降って湧いた問題ではなくて、二〇一五年の六月には、八王子労政会館の存続を求める会が延べ七千二百十四筆の署名を添えて、当時の舛添知事に、労働情報センター八王子事務所及び八王子労政会館の存続を求める要請書を提出しています。
八王子労働相談情報センターや労政会館の存続の要望があるということそのものは東京都も把握をしていたはずです。統廃合に当たっては、やっぱり利用者との丁寧な協議と合意、これが必要だというふうに思うんです。
しごとセンター多摩の工期というのは、工事の契約案件がかかりましたよね。そこからの工期というのは三年間あったんですよ。この三年の間に、東京都の統廃合する方針は明確であったわけで、工事も始まったわけですから、当然、利用団体と話をすべきだというふうに思うんですが、協議はされてきたのでしょうか。
○山崎雇用就業部長 労政会館につきましては、これまでも先行予約できる方々に対し、廃止予定であることを既に案内しております。
また、提案している条例案の議決後、速やかに利用者に対して丁寧な周知を行ってまいります。その際には、新たな多摩地域の雇用就業支援拠点の中の会議室やホールなども紹介してまいります。
○清水委員 いつもこういうふうな事態になったときに、大体行政は、議決されていないことを理由にして、当事者抜きに話を進めていく、こういう傾向が見られますが、今はそういう時代ではないというふうに思うんです。
やっぱり計画段階から、市民、利用者、当事者を含めて話をしていく、これが、小池都政でも誰一人取り残さずというふうにおっしゃっているわけですから、そうだとしたら、やっぱり利用者、特に利用団体とか利用者、当事者をきちんと参加させた上で、この問題についてどう決着を図っていくのか、どういうことを東京都としてやっていかなければいけないのか、その話合いはすべきだというふうに思うんですよ。
たとえ結論が移転してなくなるということだったとしても、それまでの間に東京都としてできることはないのか。何一つできないということはないと思うんですよ。そういうことについて話をするという機会も持たない、話す時間も、話合いをする時間すらないわけですよね、これでいくと。
そういうやり方というのは、物事の進め方、市民との協働の在り方、合意形成の在り方としていかがかというふうに思うんですが、見解をお伺いしたい。
○山崎雇用就業部長 八王子及び国分寺の労政会館につきましては、労働相談情報センターの立川への移転、統合を機として、十月一日に廃止をいたします。
利用者に対しましては、繰り返しになりますが、提案している条例案の議決後、速やかに丁寧に周知を行ってまいります。あわせて、新たな多摩地域の雇用就業支援拠点の中の会議室やホールなども案内してまいります。
○清水委員 今、周知をしていくというふうにおっしゃいました。つまり、決まったことを知らせていくと、徹底していくと、そういう姿勢で本当によいのでしょうか。それは、東京都はお知らせするだけで、決めたこと以外は一歩も引きませんよと、何もしませんよといっているのと同じではないでしょうか。
この労政会館の利用には、きちんと連絡先も明記した上で申し込まれているわけですから、どういう方が利用しているというのは、こちらからコンタクトを取ろうと思ったらはっきりしているわけですよね。不特定多数の人が利用しているわけではないんです。相手は明確なわけですから、少なくとも、この十月一日に閉める前に、利用者の方々のお話をぜひちゃんと聞いていただきたい、このことを求めて、質問を終わります。
○田の上委員 まず、農業への支援についてお伺いいたします。
収入保険についてです。
つい先日も大粒のひょうが降り、各地で被害がありましたが、農業は自然災害による収入減や、ウクライナ危機をはじめとする世界情勢の変化による肥料や資材費の高騰など、様々なリスクにさらされています。近年では、大規模自然災害などが頻発し、収穫がほぼなくなるような事態も発生しており、とりわけ専業農家にとっては存続が危ぶまれることにもなりかねません。
こうした中、国は、農業を取り巻く様々なリスクに対応する公的保険制度として、令和元年、農業経営収入保険をスタートさせ、農業経営のセーフティーネットの充実を図っています。この保険制度は、掛け捨て部分と積立て部分から成り、掛け捨て部分についてはその五〇%を、積立て部分についてはその七五%をそれぞれ国が補助する仕組みで、農業者にとって非常に手厚い制度となっています。
そこで、まず、この制度の概要と都内農業者の加入状況について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 農業経営収入保険は、青色申告を行っている農業者を対象に、過去五年間の平均収入等を基準額としまして、その年の収入が基準額の九割を下回った場合に、減収となった金額の九割を上限に補填される仕組みでございます。
この制度は、自然災害や農産物の価格低下だけでなく、けがや病気で農作業ができない場合などにも保険金が支払われます。都内の加入件数は、令和四年一月一日現在、三百五十五件でございます。
○田の上委員 本制度では、自然災害などのほかにも、学校給食や飲食店を中心に農産物を販売していた農家などの収入が新型コロナウイルスの影響で減少した場合にも保険金が支払われたと聞いております。農業経営を営む上で非常に心強い制度だと考えます。
ご答弁によると、現在の加入件数は三百五十五件とのことです。都内の販売農家数が約五千戸であることを考慮すると、さらに加入を進めていく余地があると考えます。
この制度への加入を促進するための都の具体的な取組について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都では、都内農業者の収入保険への加入を促進するため、農業者への説明会を開催するとともに、農業関係団体と連携しまして、普及指導員の巡回の際に個別に説明を行うなど、広く制度の周知を行ってございます。
昨年度から、加入のインセンティブとしまして、新規の加入者が初年度に支払う保険料の掛け捨て部分に対しまして、その二分の一を助成し、負担の軽減を図っております。ウクライナ情勢の影響により、農業を取り巻く経営環境は厳しさを増していることから、この助成を継続して実施いたします。
こうした取組によりまして、農業経営の安定化を図ってまいります。
○田の上委員 この制度は、農業者のセーフティーネットとして非常に重要な役割を果たしていると考えます。
先ほど、収穫がほぼなくなるような事態も発生し、農家の存続も危ぶまれると申し上げましたが、概して農家は減少傾向であり、二〇二二年問題でも生産緑地指定が解除され、さらに減少するのではないかといわれています。
都は昨年度から、収入保険の加入促進のために保険料補助をしていますが、国への継続の要望も含めて、切れ目のない支援を要望いたします。また、一層の促進に向けて普及に取り組まれるようお願いをいたします。
次に、ヒートポンプ導入の支援について伺います。
先ほど来申し上げております世界情勢の変化により、燃油や資材価格の高騰が続いています。トマトやイチゴなどのハウス栽培を行う農業者は、冬場を迎えると、加温のために多くの燃油を使用することから、燃油価格の高騰がこのまま続くと経営に大きな支障が出ると予想され、中には次の作付を諦める方々も出てくるのではないかと懸念されます。
都は令和四年度から、ハウス栽培における燃油の使用量の削減につながるヒートポンプ導入の支援を開始していますが、ヒートポンプの使用はコストの削減につながるとともに、二酸化炭素の発生が抑えられることから、環境にも優しい農業の実践につながる重要な取組です。
都は、今回の補正予算において、パイプハウス等へのヒートポンプ導入への支援を拡充するとのことですが、具体的な取組内容について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、温室効果ガスの排出を抑制するため、野菜や花きなどのハウス栽培を行っている認定農業者のほか、ハウス内の温度を高めるためにヒートポンプを導入する場合、九百万円を上限に対象経費の十分の九を助成しております。
ウクライナ情勢の長期化により、燃油価格の高騰が懸念されることから、燃油の使用量を減らし農業者のコスト負担を軽減するため、助成の規模を拡大いたします。ヒートポンプの導入が速やかに進むよう、区市町村や農業団体などへの説明会等を通じまして、農業者への積極的なPRを図ってまいります。
こうした取組を進めることで、農業者の経営の安定化とともに、環境に配慮した農業の実践を図ってまいります。
○田の上委員 十分の九を助成するとのことで、ぜひこの支援事業を活用していただけるよう積極的な働きかけをお願いいたしたいと思います。
農業を取り巻く環境は厳しさを増しており、燃油や肥料が高騰する中で、それらの経費を農産物価格に転嫁しにくいのが現状です。そのため、都内の農業者の経営を支援する取組を今後も着実に行っていただきたいと要望いたします。
次に、国産木材の供給促進、販路拡大についてであります。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響などにより、世界的に木材の供給が逼迫し、木材価格が急騰しています。
日本銀行が四月に公表した企業物価指数によると、木材製品の価格は前年より六割近く上昇し、過去最高水準に達しています。今後、ロシアの輸出規制等の影響もあり、外国産木材の入手はますます困難になるのではないかという懸念も広がっています。
こうした中、都は、木材製品の商談型展示イベントの開催を行うとしていますが、この取組の狙いについて伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 ウクライナ情勢等の影響によりまして、外国産木材の供給量が減少し、木材価格の高止まりが続いていることから、外国産木材から国産木材へと切り替える動きが出てきております。
これまで、全国の国産木材製品を取り扱う事業者を集めた大規模な展示商談会、モクコレなどの開催を通じまして、国産木材の利用を図っておりますが、この機を逃すことなく、その取組を加速することが重要でございます。
このため、木材取引の活性化につながる商談の機会を拡充してまいります。
○田の上委員 ぜひピンチをチャンスに変えていただきたいと思います。
国産木材は、外国産木材と比較して安定的に入手できるという利点があります。外国産木材の価格高騰が続く状況を国産木材への転換を図る好機と捉える視点は非常に大切だと思います。同時に、東京で生産される多摩産材のよさを関連事業者の方に知っていただく契機にもしていかなければならないと考えます。
このイベントの具体的な内容について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、今年八月に、浜松町の産業貿易センターにおきまして、国産木材製品を集めたイベントを新たに開催いたします。
このイベントでは、多摩産材の取扱事業者をはじめ、木材生産が盛んな地域の製材業者などが出展し、来場する工務店等との商談の場を設けるほか、木材使用におけるウクライナ情勢の影響など、参加者の関心の高いテーマでセミナーを開催いたします。また、多摩産材の認知度を高めるため、特設コーナーを設け、製品の展示や活用事例の紹介等を行います。
さらに、出展者による木材製品の説明などをアーカイブ化してホームページで継続的に発信し、来場できなかった方も視聴を可能にすることで、商談機会の充実を図ります。
こうした取組を通じまして、多摩産材をはじめとする国産木材の利用拡大につなげてまいります。
○田の上委員 多摩産材をはじめとする木材需要の拡大についてご答弁をいただきました。しっかりとご対応、お願いしたいと思います。
また、多摩産材を安定的に供給する仕組みの構築について要望をしておきます。従来より林道整備を進めていることは認識をしておりますが、さらに高度な林業機械の導入により、作業の効率化を図るとともに、森林整備の担い手となる林業技術者の育成や林業事業者の経営基盤の強化なども欠かせないものと考えます。
また、間伐材の活用をさらに進めることを含め、多摩産材をはじめとする国産木材の利用拡大を図っていただきたいと要望いたします。こうした取組をトータルに進めることが林業の振興にとって重要であり、都に積極的な取組をお願いするものであります。
次に、中小企業における危機管理対策促進事業についてです。
電力供給の逼迫を受けて、いち早く補正予算を組んだことを評価いたします。
一問目は重複をしますので割愛をしたいと思います。
この事業でございますが、中小企業が都の支援などを受けて、電力確保の状況を踏まえ、継続して事業を行うために必要なBCPを策定した場合、その実行に必要となる太陽光発電システムや自家発電設備に加え、蓄電池などの導入経費について、助成率を五分の四に引き上げ、支援を行っていくというものであります。
これまで、電力不足のリスクは災害等による一時的なものと想定されていたのではないかと考えます。今後は、長期にわたる電力供給の逼迫も含めて、BCPを策定する必要があると考えております。
今後、電力不足に対応する危機管理の在り方の中で、節電、創電、蓄電を盛り込んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
○緑川商工部長 中小企業が継続して事業活動を行うためには、日常的に節電に努めながら、自ら電力を生み出し、蓄電するなどして効果的に利用できるよう、あらかじめ備えておくことが重要でございます。
このため、都は、中小企業のBCP策定を支援するため、計画策定のノウハウを学ぶ講座や、専門家を企業の現場に派遣し、個別にコンサルティングなどを行っており、こうした取組の中で、電力需給を見据えたBCP策定などをサポートしております。
今後は、これらに加えまして、節電のための社内ルールの有無や代替電源の確保など、中小企業自らの取組を再点検することで、適切な備えが進められるよう、チェックリストを作成し、周知を図ってまいります。
こうした取組によりまして、中小企業の事業継続に向けた取組を後押ししてまいります。
○田の上委員 危機管理の考え方に、減らす、つくる、ためるのHTTの視点も加え、長期的なリスクにも対応し、中小企業が事業継続できるよう、引き続きご尽力をお願いいたします。
原油価格高騰等対策支援事業についてであります。これも重複を避けていきたいと思います。
これまでの事業は、原油価格の高騰等により経営に影響を受けている事業者の申込みに応じて専門家が訪問し、現地調査や助言をするほか、省エネルギー機器の導入、コスト削減に資する業務改善ソフト等の導入の助成金の事業であったと認識をしております。
そして、光熱水費の使用を抑える工夫や経営改善に向けたアドバイス等を新たに行い、それらの助言に基づく省エネ機器の設置等に必要な経費の助成を行うことで、中小企業の省エネの取組を一層後押しし、経営の改善につなげていくことを目的としているというふうに認識をしているところであります。
原油価格の高騰がきっかけとなった事業ではございますが、経営を見直すきっかけとなっており、省エネにつなげていく対策であるというふうに思います。
さて、このたびの補正予算で、新たに断熱性能を高める取組を支援するとのことですが、よりエネルギーコストの削減のためには、これまでの事業の支援を受けた実績のある方も含めて、断熱性能を高める取組を利用できるようにするべきと考えますが、見解を伺います。
○緑川商工部長 今回、中小企業の省エネに向けた取組の効果をより一層高めていくため、建物の断熱性を向上させる取組を支援の対象といたしました。これは、原油価格高騰等対策支援事業における省エネ機器等の導入支援との併用を可能としておりまして、また、既に本事業の支援を受けている事業者の方も支援の対象といたします。
これによりまして、中小企業のエネルギー使用を抑える取組を適切に後押ししてまいります。
○田の上委員 既に本事業の支援を受けている事業者も申請の対象とするということでご答弁をいただきました。
具体的な原油価格高騰におけるマイナスダメージの支援を求める声がよく聞かれます。都は、専門家派遣等、その助言に基づいた機器の導入等に助成をしているという現実的なところでございますが、原油価格等の高騰により影響を受けていると価格転嫁ができない、先ほど来ご指摘もいろいろありましたが、収益がマイナスになっている事業者が多く見られ、新たな設備投資に取り組むことが難しいといった実態もございます。
また、運送関係など、直接ガソリンを使わなくてはならない業種は、設備導入では課題を解決することが難しいというふうに思います。タクシー会社の一例ではございますが、ガソリンが十円上がると、月に経費が百万円アップしてしまうというような声も聞いております。長引く原油価格高騰の中で、こういった業種でも活用しやすい支援制度を構築していただきたいと要望をさせていただきます。
次に、継続して実施される中小企業等による感染症対策事業についてであります。
関連して、グローバルダイニングの判決について、私の意見のみ申し上げさせていただきます。
東京都としては勝訴をしましたが、命令は違法であるとの報道により、大きく傷ついた印象です。イギリスでは、コロナ対策は厳しく罰せられており、総理官邸での多人数の食事会に対して罰金刑が科されるという状況で、首相が窮地に立たされていますが、これが違法だという議論はありません。
公衆衛生的介入は、個別の感染のおそれを判断することなく、どこで感染するか分からないために一律に規制し罰則をかけることが原則で、外国の法律もそのようになっています。
日本の公衆衛生的介入は、法律で徹底されていれば、知事の裁量が今回のように論点にはなりません。多くの国の感染拡大防止対策は、緊急事態に対処するため、行政が行う秩序罰ではなく、行政刑罰として構成されており、取締りは警察が行います。今回の東京地裁の判決では、裁判官はコロナ拡大防止に対しては責任を負っておらず、医師や行政はコロナ拡大防止に対して責任を負っているということを露呈したものと考えます。
産業労働局におかれましては、感染拡大防止対策に引き続き自信を持って取り組んでいただき、感染は止める、社会は止めないという命題に努めていただきたいと思います。
以上、私の意見と質問を終わります。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十六分散会
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