経済・港湾委員会速記録第二号

令和四年二月二十八日(月曜日)
第八委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長細田いさむ君
副委員長後藤 なみ君
副委員長松田 康将君
理事中田たかし君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
清水とし子君
玉川ひでとし君
磯山  亮君
本橋たくみ君
田の上いくこ君
阿部祐美子君
入江のぶこ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長坂本 雅彦君
次長根本 浩志君
総務部長松本 明子君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務米澤 鉄平君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
勝見 恭子君
商工部長緑川 武博君
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務荒井 芳則君
金融部長篠原 敏幸君
金融支援担当部長高野  豪君
観光部長築田真由美君
観光振興担当部長小林あかね君
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務山田 則人君
安全安心・地産地消推進担当部長
新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務
龍野  功君
雇用就業部長村西 紀章君
事業推進担当部長鈴木のり子君
中央卸売市場市場長河内  豊君
管理部長松田 健次君
港湾局局長古谷ひろみ君
技監山岡 達也君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務石井  均君
調整担当部長若林  憲君
港湾経営部長戸井崎正巳君
臨海開発部長松本 達也君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務佐藤 賢治君
港湾整備部長片寄 光彦君
計画調整担当部長薮中 克一君
担当部長港湾計画担当部長兼務水飼 和典君
離島港湾部長村田 拓也君
島しょ・小笠原空港整備担当部長川崎  卓君
労働委員会事務局局長鈴木  勝君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出 港湾局所管分
産業労働局関係
付託議案の審査
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費 産業労働局所管分(質疑)
・第百十二号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費 産業労働局所管分(説明・質疑)
報告事項(説明)
・中小企業の知的財産活用のための東京戦略(案)について
付託議案の審査(決定)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
・第百十二号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費 経済・港湾委員会所管分

○細田委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の中途議決に係る付託議案の審査並びに産業労働局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 港湾局の相田総務部長は、所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承を願います。
 付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、港湾局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○細田委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分及び第百十二号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分を一括して議題といたします。
 本案のうち、追加提出をされました第百十二号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費、産業労働局所管分について理事者の説明を求めます。

○坂本産業労働局長 令和四年第一回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の令和三年度補正予算案一件につきまして、概要をご説明申し上げます。
 本補正予算案は、国の地域観光事業支援に係る国庫補助金を活用した地域の観光需要の喚起に向けた取組に必要な予算及びその繰越明許費を計上するほか、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金について、年度内に事業が完了しないことが予想されることから、年度をまたいだ事業執行が可能となるよう繰越明許費を追加で計上するものでございます。
 以上で第一回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、案件の詳細につきましては、総務部長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松本総務部長 令和三年度一般会計の補正予算案の追加分についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和三年度一般会計補正予算説明書(追加分)をご覧ください。
 本補正予算案は、去る二月十五日に本委員会でご説明いたしました令和三年度一般会計の補正予算案の内容に追加して計上するものでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
 今回の歳出の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり三百七十三億一千二百二十五万一千円でございます。
 次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。
 三ページをお開きください。中段の3、国庫支出金の補正予算額は、三百七十三億一千二百二十五万一千円でございます。これは、地域の観光需要の喚起に向けた取組に要する財源として受け入れるものでございます。
 六ページをお開きください。歳出のご説明でございます。
 1、観光産業の振興の補正予算額は、三百七十三億一千二百二十五万一千円でございます。これは、ページ右側、説明欄にございます、1、地域観光支援事業について、国の地域観光事業支援に係る国庫補助金について、交付限度額が決定したことに伴い、当該事業に係る所要の経費を計上するものです。
 次に、繰越明許費でございます。八ページをお開きください。
 年度内に事業が完了しないことが予想されるものについて、1、飲食店等に対する営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(新型コロナウイルス感染症緊急対策)で二千七百三十六億六百五十万円、2、地域観光支援事業で三百七十三億一千二百二十五万一千円、合わせて三千百九億一千八百七十五万一千円を計上しております。
 以上で令和三年度一般会計の補正予算案の追加分に関する説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○細田委員長 説明は終わりました。
 その他の議案については、既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○本橋委員 令和三年度の最終補正予算案として提案された地域観光支援事業について伺います。
 観光需要喚起策であるGO TOトラベル事業は、ゴールデンウイーク後から事業の主体が国から都道府県に変わるということであり、都としても、今回、三百七十三億円の予算を計上しているところです。
 二年余りとなるコロナ禍で、インバウンド需要がなくなっただけでなく、国内の旅行需要も低迷しており、宿泊業者や旅行業者をはじめ、都内観光産業にとって厳しい状況が続いております。
 観光は、関連する産業の裾野が広いことから、まずは国内からの旅行者誘致に向け、こうした誘客促進策を効果的に活用し、観光産業の復活と地域の活性化に向けた着実な支援につなげていくことが必要であります。
 そこでまず、本事業の事業内容について伺います。

○築田観光部長 昨年十一月に新たな経済対策が閣議決定されたこと等を踏まえまして、観光庁は新たなGO TOトラベル事業の概要を発表いたしました。
 このうち、都道府県が実施いたします新たなGO TOトラベル事業につきましては、旅行代金からの割引率は二〇%を上限に、割引上限額は一泊八千円、交通付商品以外は一泊五千円を上限に、日帰り旅行については一回二千円を上限にすることなどとしております。

○本橋委員 分かりました。観光業界の中で新型コロナウイルス感染症の影響を特に大きく受けているのは中小の旅行業者です。
 先日も都議会自民党には、中小の事業者の方々から、感染対策として密を避ける必要から地域の町会などの団体での旅行が激減しており、経営は非常に厳しい状況にあるとのお訴えがありました。
 都は、今回の新たなGO TOトラベル事業を活用し、多くの中小の事業者が取り扱う団体旅行への支援について、どのように取り組むのか見解を伺います。

○築田観光部長 国が発表しております新たなGO TOトラベル事業の概要によりますと、中小事業者への配慮として、団体旅行について、都道府県の実施におきまして一定の専用給付枠を割り当てることとされております。
 今後、国が示す具体的な内容を踏まえまして、都としての制度をつくり上げてまいります。

○本橋委員 団体旅行については、中小事業者への配慮として一定の専用給付枠の割当てが予定されているとのことでありましたが、こうした配慮は町会などの団体が積極的に旅行を予約するようになってこそ生きてくるものであります。
 しかし、今回の新たなGO TOトラベル事業が、感染の再拡大により中止や一時停止になった場合に、キャンセル料の負担が生じるようでは、予約に二の足を踏んでしまうことになります。
 一方、感染拡大により旅行を取り消したとしても、都民にキャンセル料の負担がないと分かれば、安心して団体旅行を予約することができるため、このキャンセル料の取扱いは中小の旅行事業者にとって重要な問題となっています。
 また、昨年度の国のGO TOトラベル事業では、中小の旅行代理店が企画するツアーや中小のホテル、旅館には思ったほどの予約は入らず、十分なメリットを受けられなかったという声も聞かれます。
 こうしたことから、今回の都道府県事業においては、キャンセル料の取扱いには十分配慮するとともに、中小の事業者にも事業の効果が行き渡るよう施策を展開するべきであると考えますが、都の見解を伺います。

○築田観光部長 都内への誘客を促進し、観光産業の着実な回復につなげるためには、利用者が安心して旅行を予約できるとともに、中小の事業者に効果が行き渡る仕組みとすることが重要でございます。
 今後、キャンセル料の取扱いも含めまして、国が示す具体的な内容を踏まえて、都としての制度をつくり上げてまいります。

○本橋委員 都道府県が実施する新たなGO TOトラベル事業では、旅行代金の割引率は二〇%を上限ということなので、これまでのGO TOトラベルと比べると、割引率が下がることになります。
 誘客促進策ということでは、オミクロン株の感染拡大により、現在は再開できない状況となっておりますが、都はもっとTokyoや、しまぽ通貨など、独自の事業の予算も確保しているところです。
 長引く新型コロナ感染症の影響で多くの事業者が苦しい経営状況にあり、感染が落ち着いた際には、都内の観光産業を一刻も早い回復へと導くために、都として強力な誘客策に取り組まなければなりません。
 そのため、もっとTokyoや、しまぽ通貨など、都の独自の事業と、国から財源が措置される新たなGO TOトラベル事業を併せて利用できるようにすべきであります。
 もっとTokyoや、しまぽ通貨事業は、今後の新たなGO TOトラベル事業と併用できるのか伺います。

○築田観光部長 観光産業の回復に弾みをつけるためには、様々な施策を組み合わせることによりまして、旅行者の自己負担を抑え、都内への誘客の促進につなげることが効果的でございます。
 都が実施いたします新たなGO TOトラベル事業の制度をつくるに当たりましては、国が示す具体的な内容を踏まえる必要があるため、その内容を速やかに示すよう国に働きかけてまいります。

○本橋委員 新型コロナの感染も二年を超え、いまだ終息が見えない中で、観光に関連する事業者の方々は極めて深刻な経営状況が続いております。
 都も、これまでの発想を変えて、コロナ禍を前提とした上で事業者の方々を後押しする取組を迅速に進めていく必要があります。キャンセル料や当事業との併用の取扱いも含め、真に都内の中小零細の旅行業者や宿泊業者の立場に立った事業となるよう、制度設計に当たり、国に対して都の実情や考えを確実に伝え、しっかりと調整するよう強く求めさせていただき、質問を終わります。

○後藤委員 私からも、地域観光支援事業について質疑を行います。
 今回、令和三年度最終補正予算案において、国の地域観光事業支援に関わる国庫補助金において、交付限度額が決定したということに伴いまして、所要の経費の計上とともに、繰越明許費が計上をされています。
 まず、本事業について、これまでの経緯について伺いたいと思います。

○築田観光部長 昨年十一月に新たな経済対策が閣議決定されたこと等を踏まえまして、観光庁は今後の観光需要の喚起策の考え方を発表いたしました。
 それによりますと、地域観光事業支援として、国庫補助金の対象となっていた県内旅行割引、いわゆる県民割の対象に隣県を追加いたしまして、その後、全国規模での新たなGO TOトラベル事業を実施するとされております。
 新たなGO TOトラベル事業につきましては、ゴールデンウイーク後から夏の繁忙期前までを念頭に、都道府県による事業とし、割引率の上限を二〇%とした上で、地域の実情に応じて都道府県が柔軟に設定することとしております。
 このうち、都道府県が実施いたします新たなGO TOトラベル事業に必要な額を含めて、国が国庫補助金の交付限度額を示したため、これに基づき、所要の経費を計上いたしました。

○後藤委員 今のご答弁では、新たなGO TOトラベル事業においては時期で分けると。ゴールデンウイークより前に関しては国事業で、そして、ゴールデンウイークより後に関しては都道府県事業にするということで、非常に煩雑だなという印象を持っております。
 そして、事業の概要については先ほど本橋委員からの質疑にございましたとおり、都に関しては、夏の繁忙期前まで、ゴールデンウイーク明けから夏の繁忙期前までを念頭に都道府県事業ということで、旅行代金からの割引率を二〇%上限、そして、割引上限額は一泊八千円、交通つき商品以外は一泊五千円などなどの制度をつくるというような話となっております。
 今回、繰越明許費の対象になっている本事業におきましては、先ほど申し上げましたとおり、国の新たなGO TOトラベル事業が前段にあって、その後に割引率を段階的に引下げをしていくというような、いわゆるソフトランディングの考え方の下、進められている事業であるというふうに認識をしています。
 一般的に、率直な都民の感情からすると、そもそも新型コロナの感染拡大が広がる中で、この前段の国のGO TOトラベルもまだ実施されていない状況の中で、本当にこのゴールデンウイーク後からこの都道府県事業を始めることができるのか、国の事業もいつから始まるのか、今の状態ではなかなか先行きが見通せない状況になっていると思います。
 そうなってくると、夏の繁忙期までの支援で本当にいいのかであったり、先ほどもご質疑ありましたキャンセルの規定をどうするのかなどなど、様々な課題が山積をしているというふうに認識をしております。
 また、東京都では、昨年度、都民割のもっと楽しもう!Tokyo Tokyoについても再開の方向性で調整に入っているという認識かと思いますが、都民や都内の観光事業者からは、では、この本事業と新たな事業の整合性はどうなっていくのか、なかなか分かりにくい状況になっているのかなというふうに思います。
 そこで、旅行補助を伴う都の観光支援施策について、今後の取組予定や具体的なスケジュールについて伺いたいと思います。

○築田観光部長 もっとTokyoにつきましては、感染状況を見極めつつ、国が今後実施いたします新たなGO TOトラベル事業の開始に合わせて事業を再開することを検討しております。
 また、国から示されております新たなGO TOトラベル事業の概要によりますと、実施の前提として、開始の在り方につきましては、専門家の意見を踏まえて詳細を決定するとされております。
 都が実施いたします新たなGO TOトラベル事業の制度をつくるに当たりましては、国が示す具体的な内容を踏まえる必要があるため、その内容を速やかに示すよう国に働きかけてまいります。

○後藤委員 今のご答弁では、国の新たなGO TOトラベルの実施に合わせて、もっとTokyoも実施しますというような流れ、そして、その後に都道府県事業の旅行補助施策がスタートをするということで整理をさせていただきました。
 先ほどもありましたとおり、この事業の割引上限額というのは、当初のGO TOトラベルと比べると、やはりかなり下がっているというふうにいわざるを得ない状況でございまして、本当は国のGO TOトラベル事業があって、段階的に下げていくというものが、万が一それだけが先に進んでしまうとなると、やはり都内含めての観光誘致施策としては、少しインセンティブが足りないのかなというふうに思っております。
 傷んだ観光産業を支援するという意味では、やはりこの上限割引率では、都民にとって、なかなか積極的に、では観光をどんどん進めていこうという大きなインセンティブにはならないのかなというふうに思っております。
 ぜひ、国のGO TOトラベル事業の進捗次第であることは承知をしているんですけれども、例えば都として補助に上乗せの支援を行うなどして、本当に真の観光産業の起爆剤になるような事業となるように検討することをお願いいたしまして、質疑を終わります。

○玉川委員 今年度の飲食店向けの協力金の既定予算額は、資料によれば約二兆二千億円に上っていますが、今回の最終補正予算案では、今後の執行見込みを踏まえて減額補正を行うとのことであります。
 今回、この質疑を通じて減額補正を行うことに至った背景を確認するとともに、今後に向けて、事業の改善を求めていきたいと思います。
 初めに、今年度の支給実績について伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今年度の営業時間の短縮要請等に係る協力金につきましては、これまで九回にわたって支給してございまして、令和四年二月二十五日時点の支給実績につきましては、事業者から全体で約六十一万四千件の申請を受け付け、延べ約五十八万一千件の支給決定を行い、支給額の合計は約一兆円となってございます。

○玉川委員 今年度だけでも非常に多くの事業者から申請を受け付け、約一兆円の協力金が事業者に着実に支給されたということが確認できました。
 次に、今年度の協力金予算の積算の考え方と、今回、減額補正を行う理由について伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今年度から導入いたしました規模別協力金制度では、事業者の売上高に応じて支給額が変わることから、要請に協力いただいた店舗に対して確実に協力金を支給できるよう、対象となる想定店舗数十二万店舗と、申請金額の見込みなどによりまして所要額を見積り、予算を計上してございます。
 今回の減額補正につきましては、予算の執行状況を精査し、執行しないことが明らかとなった不用額につきまして、減額することとしたものでございます。
 この不用額は、予算上の規模の九割程度の店舗から申請を受け付けた一方、店舗の売上高に応じて支給する規模別協力金の申請金額が予算見積時の想定より下回ったことなどにより生じたものでございます。

○玉川委員 協力金を事業者に確実に届けるためには十分な予算を確保しなきゃならないことが分かりました。協力金については今後の支給も予定されているため、今後の事業改善に向けても質疑したいと思います。
 昨年九月の委員会において、我が会派は申請者にとっての簡易で利便的な申請を実現するためには、オンラインによる申請の活用が重要であると指摘しました。
 そこで、オンライン申請の活用促進に向けて、これまでどのような工夫に取り組んできたのか、オンラインによる申請の割合の推移と併せて伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 オンライン申請については、時間や場所を選ばずに申請できることに加え、申請者が申請した内容や審査状況をいつでも確認可能なほか、審査が完了次第、登録したアドレスにメールが届く仕組みも構築してございます。
 加えまして、オンライン申請では、提出書類のやり取りがウェブ上で完結するため、郵送による申請に比べて入金までの期間の短縮が可能となってございます。
 こうしたオンライン申請のメリットをリーフレット等でも周知することによりまして、オンラインによる申請の割合は、昨年度の第一回では約五割であったものが、直近で申請受付が終了している令和三年十月一日から十月二十四日までの要請に係る協力金におきましては約八割となっており、その件数は約五万二千件となってございます。
 今後とも、オンライン申請のメリットを訴えることで、一層の活用を促進してまいります。

○玉川委員 現在では、大半の事業者がオンライン申請を利用しているということですが、先日の委員会における我が会派の質問に対して、事業者が期限内に確実に申請できるよう、今後は個々の事業者の過去の申請状況を踏まえた、よりきめ細やかな周知について検討していくとの答弁がありました。
 オンライン特有の利便性をうまく活用して周知すると同時に、申請者の二割は郵送による申請を行っていることから、オンライン以外の周知方法についても充実させていくべきと考えますが、併せて見解を求めます。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、事業者が期限内に確実に申請できるよう、申請期限について、受付開始前から締切りまでの間、複数回にわたり周知をしてございます。
 今回、申請受付システムを活用し、過去にオンラインによる申請実績があり、現在受付中の協力金の申請がなされていない事業者を対象として、申請期限が近づいた際に個別にメールでお知らせする仕組みを新たに導入いたします。
 また、インターネットを使えない方に対しても、申請期限の周知を図るため、「広報東京都」を活用するとともに、区市町村に対して、広報紙への掲載やリーフレット配布時の案内への協力を働きかけてまいります。

○玉川委員 協力金に関して最後の質問ですが、事業者との直接的な接点となるコールセンターについて、これまでどのような改善に取り組んできたのか伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金の相談窓口であるコールセンターにつきましては、事業者からの問合せに対応するため、昨年度三月時点では五十名体制でございましたが、今年度は、最大約二百三十名体制に増強し、応答率の向上を図ってまいりました。
 また、受託事業者におきまして、定期的に研修を実施し、協力金の制度変更に関する知識や情報をコールセンターの各担当者に徹底して伝えるほか、担当者の間で様々な問合せや相談への対応の事例を速やかに共有する仕組みをつくり、同一の高いレベルで対応できるような取組を行ってまいりました。
 さらに、特に困難な事例等につきましては、都の担当者とコールセンターを担う受託事業者との間で定期的にミーティングを実施し、連携して対応してございます。
 今後とも、こうした取組を通じまして、事業者からの問合せに対し、きめ細かな対応を行ってまいります。

○玉川委員 ありがとうございます。
 続きまして、地域観光支援事業について質問いたします。
 都は、国庫補助金を財源にゴールデンウイーク後の旅行支援に取り組むということであります。一月以降、感染拡大が続き、現在ピークは過ぎたという声もありますが、一日の新規感染者数はいまだ一万人前後で推移しておりまして、終息が見えない状況であります。
 新年度になっても減らない、あるいはまた増えることもあり得るかもしれない、こうした状況の中で、本事業の予算を執行していくか、あるいはしないのかについてどう判断していくのか、開始の判断基準について伺います。

○築田観光部長 本事業を含めまして、観光振興に取り組むに当たりましては、感染状況を見極めつつ進めることが重要でございます。このため、事業の実施については、専門家の意見も聞きながら適切に判断してまいります。

○玉川委員 観光関連事業者は、今回の感染の第六波においても大きな打撃を受けました。特に地元の企業などから受注する団体旅行を主に取り扱っているような小規模な事業者にとっては大変厳しい状況が長期化しています。
 そのため、本事業の実施は、観光産業の回復に向けて大変に重要であります。
 したがって、事業を実施する場合には、一部の事業者にだけ、その利益が偏ることなく、特に小規模な事業者にも効果が行き渡るよう施策を展開すべきと考えますが、見解を求めます。

○築田観光部長 国が発表しております新たなGO TOトラベル事業の概要によりますと、小規模事業者を含む中小事業者への配慮といたしまして、団体旅行について、都道府県の実施におきまして、一定の専用給付枠を割り当てることとされております。
 都が実施いたします新たなGO TOトラベル事業の制度をつくるに当たりましては、国が示す具体的な内容を踏まえる必要があるため、その内容を速やかに示すよう、国に働きかけてまいります。

○玉川委員 感染拡大が続き、本事業が実施できなかった場合、都として、これに代わるような独自の支援策を工夫して実施していくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○築田観光部長 都は、宿泊施設の感染防止対策への助成や、旅行事業者の業務の効率化による経営活力の向上や販売力の強化への支援などによりまして、観光関連事業者の事業継続を支えております。
 引き続き、感染症防止と事業活動の両立に向けた取組を後押ししてまいります。

○玉川委員 感染症の防止と事業活動の両立、大変に重要であります。また、難しい判断を求められるものでありますが、都民の命と暮らしを守るために、引き続き、ぜひともよろしくお願いいたします。

○清水委員 最初に、今回の協力金減額補正の理由、考え方について説明を求めます。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今回の減額補正につきましては、予算の執行状況を精査し、執行しないことが明らかになった不用額につきまして、減額することとしたものでございます。
 この不用額は、予算上の規模の九割程度の店舗から申請を受け付けた一方、店舗の売上高に応じて支給する規模別協力金の申請金額は、予算見積時の想定よりも下回ったことなどにより生じたものでございます。

○清水委員 ありがとうございました。協力金の予算は、今年度の末まで仮に時短要請がずっと延びたとしても、十分なものが確保されていて、それでもなお執行しないことが明らかになっている、こういう部分について減額補正がされているというふうに理解をいたしました。
 それでは、協力金の目的は、飲食店などに営業時間を短縮していただいて、感染の拡大を防止することにあります。できるだけ多くの飲食店などに協力をしていただけるように広く周知をすること、協力していただいた事業者には漏れなく交付をすることが求められます。
 特に、オンラインでの操作ができない情報弱者を取り残さない、そういう配慮が必要であるというふうに思います。
 これまでの協力金の申請、オンラインと紙ベース、それぞれどれぐらいあったのでしょうか。再度、数字のご説明をお願いします。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 直近で申請受付が終了しております、令和三年十月一日から十月二十四日までの要請に係る協力金におきましては、オンラインによる申請が約五万二千件、郵送による申請が約一万六千件となってございます。

○清水委員 ありがとうございました。オンラインによる申請が五万二千件、郵送による申請が一万六千件ということでした。
 申請の支援をされてきた方にお伺いしますと、相談者の中には、パソコンを持っていない、メールのアドレスすらも分からない、こういう方がおられるそうです。そうした方々にとって、ホームページで周知されただけでは情報は行き届いていません。役所で配布しているとおっしゃるんですけれども、それでも、いつ配布が始まったのか知らなければ取りに行くことができません。
 紙ベースで申請されている方が約二割いるということでしたけれども、オンラインで申請をしている方の中にも、人に手伝っていただいて、支援をしてもらってオンラインでの申請をされている方がおられますので、そうすると、自分ではオンラインでの情報を得ることができない、そういう方々がこの八割の中には含まれているというふうに考えられます。
 こうした状況を踏まえると、オンラインでの周知は十分とはいえないと思うのですが、そのような認識はありますでしょうか。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、申請期限について、ホームページでの周知だけでなく、受付開始前から締切りまでの間、複数回にわたり報道発表を行い周知してございます。
 また、受付開始時には、申請書類の作成手順や間違いやすい事例等の詳細を記した申請受付要項を区市町村や都税事務所等で配布しているほか、申請手続専用のコールセンターを設置し、提出書類の記載方法を案内するなど、インターネットを使えない方に対しましても、きめ細かな対応を行ってまいりました。
 今後、申請期限の周知をさらに図るため、「広報東京都」の活用に加え、区市町村の広報紙への掲載などにつきましても、働きかけを行ってまいります。

○清水委員 ありがとうございました。今、インターネットを使えない方にもというふうなご説明がありましたが、特に情報弱者に対して、どのような対応をされているのか、情報弱者への配慮について、再度答弁をお願いいたします。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におきましては、インターネットを使えない方に対しましても情報が伝わりますよう、ホームページでの周知だけでなく、複数回にわたり報道発表を行うこと等により周知をしているところでございます。
 また、申請書類の作成手順や間違いやすい事例等の記載を申請受付要項にも記載をして案内するほか、実際の提出書類の記載方法などにつきまして、コールセンターにおいて案内する等のきめ細かな対応を行っているところでございます。

○清水委員 これまで協力金というのは、複数回、申請受付がされています。過去の協力金では申請があったけれども、今回は来ていない、そういう方もおられると思いますが、そういう方に対しては、何か配慮があるのでしょうか。ご説明をお願いします。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都では、事業者の皆様が期限内に確実に申請できますよう、今回、申請受付システムを活用し、過去にオンラインによる申請実績があり、現在受付中の協力金の申請がなされていない事業者の方を対象といたしまして、申請期限が近づいた際に個別にメールでお知らせを行う仕組みを新たに導入いたします。
 また、「広報東京都」を活用した周知、あるいは区市町村におきます広報紙への掲載などにつきましても、働きかけを行ってまいります。

○清水委員 ありがとうございました。過去に申請実績があるのに、今回は申請が来ていない事業者には個別でお知らせのメールを出す、インターネットが使えない方については都や区市町村の広報を使って紙媒体でもお知らせをする、こうした形で事業者が確実に申請できるような改善が図られたことについては評価をいたします。
 と同時に、こうした手だてを取ることが、これまでの周知では十分ではなかったということの裏返しではないかというふうに思うんです。
 都の協力金に関する情報の周知が十分といえない中で、申請の期間を逃してしまった方が出るということは当然ではないでしょうか。協力をしていただいた事業者には漏れなく協力金を交付して、引き続き協力をしていただく、これが一番肝心なことだというふうに思います。
 期限内に申請できなかった事業者に対して、再申請を認めた神奈川県の所管課にお伺いしましたところ、神奈川県では、六回分の協力金について再申請を受け付けたところ、昨年七月二十八日から八月三十一日までの約一か月間で二千四百二十一件、約二十七億円の交付が行われたと伺いました。事務作業は県職員の受付チームが行ったために、委託費は発生していないということでした。
 東京都では、神奈川に比べれば事業規模が大きいので、都の職員でやるというのはなかなか困難があると思いますので、仮に委託をしたとしても、今回の不用額の範囲で十分に対応することは可能です。
 東京都も再申請を受け付けるべきではないでしょうか。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金につきまして、期限を過ぎた申請を認めることは、期限内に申請をいただいた方との間で不公平が生じることに加え、現在、審査を進めている協力金の迅速な支給への影響が懸念されます。
 さらに、過去の申請につきましては、事実関係の確認が困難であることに加え、再申請を受け付けるためには、支給事務の全体マネジメントを行う都の体制を確保することが必要となるなど、追加の様々な負担が生じます。
 こうしたことから、都は、一定の期限を定めた上で、事業者に対して期限内での申請をお願いしているところでございます。

○清水委員 東京都は、期限内に申請をいただいた方との間で不公平が生じる、繰り返しこう述べられるんですけれども、協力したにもかかわらず協力金を交付されないことが一番の不公平ではないでしょうか。
 私たちが相談に乗ってきた方々の中には、時短営業はしたけれども、手続がよく分からないので申請することすらを諦めていたという方がおられました。こうした、これまでの周知では十分に情報が行き届かなくて、時短営業をしたけれども、協力金の交付を受けることができなかった、こういう方々に漏れなく協力金を交付することが一体どうやったらできるのか、そういう視点で再申請について考えていただきたいと思います。
 現在、審査を進めている協力金の交付に影響が生じるという懸念は、別に委託をすれば解決ができる話だと思います。
 情報弱者に対する体制確保、これは都が当然取るべき対策ではないでしょうか。過去の事実は確認しがたい面がある、これは承知をしています。それでも、神奈川県では二千四百二十一件の再申請で約二十七億円の交付が行われ、多くの事業者が救われました。東京都であれば、さらに多くの事業者が救われるであろうことは間違いないと思います。
 ぜひ、再申請を受け付けることを強く求めまして、次の質問に移ります。
 次に、地域観光支援事業についてお伺いします。
 昨年、計上された都内観光促進事業、感染拡大で実施ができずに、今、置かれています。この事業と今回の観光支援事業との関係についてはどうなるのでしょうか。補助金や補助率の引上げ、対象の拡大などに活用することができるのか、それとも全く別な事業として活用することになるのか、説明を求めます。

○築田観光部長 都内観光促進事業につきましては、感染状況を見極めつつ、国が今後実施いたします新たなGO TOトラベル事業の開始に合わせて事業を再開することを検討しております。
 都が実施いたします新たなGO TOトラベル事業につきましては、今後、国が示す具体的な内容を踏まえまして、制度をつくり上げてまいります。

○清水委員 ありがとうございました。感染の第六波が始まってしまったために、国の事業も、東京都の事業も実施ができない、こういう状態が続いています。
 東京都として、旅行関連事業者の状況について、今どのような認識をお持ちでしょうか。

○築田観光部長 長引く新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、都内の観光関連事業者を取り巻く経営環境は極めて厳しい状況にあるものと認識しております。

○清水委員 大変厳しい状況に置かれているという認識をお持ちだということでした。第六波が終息して旅行ができるような状況になるためには、まだまだ一定の期間が必要になると思います。
 それまでの間、旅行関連業者にとっては、事業継続への直接的な支援、これが必要ではありませんか。

○築田観光部長 都はこれまでも、宿泊施設の感染防止対策への助成や旅行業者等の経営活力向上に向けた支援などによりまして、観光関連事業者の事業継続を支えてまいりました。

○清水委員 旅行関連業者が深刻な打撃を受けている、こういう認識は都も持たれておられます。
 今年二月に総務省の統計局が発表いたしました新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など、この調査によりますと、二〇一九年に比べて、航空運賃は七四・七%の減、パック旅行は八二・三%の減、本当に危機的な状況になっています。
 旅行業者の方にお話を伺いました。旅行には、バス会社、宿泊業者、飲食店、見学施設、お土産屋さん、たくさんの事業者、たくさんの従業員が関わっています。その影響は広範囲に及びます。大きなホテルでも潰れて、バス会社がバスや駐車場を売りに出す、こんな事態も起きています。しかし、しっかりした補償はありません。時間がたつほど厳しくなっています。この怒りをどこにぶつければいいんでしょうか。こういうふうにお話を伺いました。
 旅行関連業者が飲食業と違うのは、時間短縮、こういう一部の営業、こういうことができないところではないかというふうに思うんです。収入の道が断たれてしまう、しかも、感染の第六波では、緊急事態宣言は出ませんでした。ですから、月次支援金もありません。
 感染防止対策や経営力の向上のための支援、これも大事だというふうに思います。しかし、それは今の減収による影響を補償する、こういう機能は持っていないのではないでしょうか。第六波の終息が見通せない、そういう中で、今、直接的な支援をしなければ事業者の継続は困難になってしまいます。
 旅行関連事業者への直接的な支援を求めて、私の質問を終わります。

○中田委員 私の方からは、百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)の方で質問をさせていただきます。
 先ほどまでも、様々な質疑の中で協力金の予算額の積算方法であったり、それの不用額の規模であったり、考え方であったりは出たので、その辺は省略をさせていただき、先ほど質問の中でもありましたが、今現在、支給決定している件数、そしてまた、申請件数から支給決定数を引いたものの数を教えていただきたいのと、それと併せて不支給になった理由の主なものを教えてください。お願いします。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今年度の営業時間の短縮要請等に係る協力金のうち、直近に受付を締め切った令和三年十月一日から十月二十四日までの要請に係る協力金の、令和四年二月二十五日時点の支給実績につきましては、事業者から全体で約五十八万五千件の申請を受け付け、延べ約五十七万七千件の支給決定を行い、支給額の合計は約一兆円となってございます。
 なお、申請件数から支給決定件数を差し引いた件数は約八千件でございますが、これらは誤申請や重複等により支給対象外となったものでございます。また、これらの代表的な事例といたしましては、要請の対象となっていない店舗からの申請、従前の営業時間が営業時間短縮要請の要件に当てはまらない店舗からの申請、同一店舗からの重複申請などがございます。

○中田委員 我が会派からも、何度もいろいろとご提案もさせていただいておりますが、新型コロナウイルス感染症の終息がまだ見込めない中、現在も蔓延防止等重点措置が発出されており、飲食店は時短営業を余儀なくされています。時短で営業できるとしても、人件費、食材費の方が一日の売上げを超えてしまって、お店を閉めざるを得ないというお店も多くあります。
 ちまたでは、飲食店ばかり協力金が出ていてという話もありますが、私の地元の渋谷では、このコロナ禍で多くのお店が閉店、廃業に追い込まれました。
 片や東京都は税収が上がり、来年度予算は大幅に増となっている現状があります。飲食業界からは多くの人材が流出してしまい、コロナが終息しても、元の活気に飲食業界が戻ることはかなり厳しい道のりであるという言葉も出ています。
 今回の協力金についても事前に確認したところ、予算の不用額が出たからといって都独自で協力金等を上乗せすることができないとのことでした。今回の協力金を給付するに当たっての要綱である国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金制度要綱を読みました。この飲食店の協力金に関する部分では、時短営業の協力期間と協力金の金額が決まっているだけで、それ以外の部分、申請時期や期間などは都道府県に裁量があることが読み取れます。
 東京都は早期支給の対応などを行いましたが、ぜひ時短、休業に協力して、何かしらの理由で申請が間に合わなかった、私のところにもありましたが、先ほどの答弁にもありました書類の不備ですが、保健所の営業許可申請を行っているちょうど更新の時期で、申請と重なってしまって不支給決定がされるなどという事例があったというところで、私にも相談がありました。
 協力していただいている店舗にしっかりと救済策を行うなど、まだコロナが終息するのが見込めない中で、今後、これ以降、柔軟な制度設計、改めて行うことを要望いたします。
 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、ご存じかと思いますが、様々なメニューがあります。ほかの道府県が行っており、東京都が行っていない事業なども多くあります。産業労働局としても、東京の経済、産業、そして、そこで働く人たちの生活を守るという観点から、多くの道府県で行っている事業等を参考にしていただき、都民の命と暮らしを守る事業構築、さらには東京都として、独自のさらなる支援策を要望して、私の質問を終わります。

○阿部委員 私からは、地域観光支援事業についてお伺いいたします。
 国は、GO TOトラベルの再開を前提に、今般、GO TOトラベル後の都道府県事業としての観光支援事業を打ち出しました。
 一方で、東京都の蔓延防止等重点措置の期間は三月二十一日をめどに延長される見通しも報道がなされております。本体である国の事業実施も不確実なままです。
 今回、予算化された事業は都道府県事業であることから、スタート時期について、これは先ほどご答弁がありましたので、この事業の利用に当たっての条件などについてお伺いしたいと思います。
 まず、ワクチン接種証明なんですけれども、今は三回目接種が始まっておりますが、接種率が伸びていない中で三回目接種を求めていくのか、東京都としてのお考えをお示しください。
 また、国はGO TOの停止要件として、以前は感染状況レベル三といったことを示しておりましたけれども、それは今とっくに振り切れているような状況の中で、しかし、一方で何らかの目安がないと、利用者や事業者の混乱を招きかねません。事業を中止する場合の条件について、東京都のお考えをお伺いいたします。

○築田観光部長 都が実施いたします新たなGO TOトラベル事業の安全・安心な旅行環境の確保につきましては、今後、国が示す具体的な内容を踏まえながら、制度をつくり上げております。

○阿部委員 国も一定の基準を示すとは思いますけれども、ぜひ東京都としての考え方というのも整理していただければというふうに思います。
 一方で、旅行商品は複数自治体をまたがることも多く、事業を開始するに当たっては近隣の自治体と条件をそろえることも重要だと思います。
 近隣自治体との調整について、東京都としてどのようにお考えなのか、お聞かせください。

○築田観光部長 事業の実施に当たりましては、近隣自治体とも情報交換をしながら適切な制度設計を図ってまいります。

○阿部委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 ところで、GO TOトラベルも、そして今回の地域観光支援事業も、予算規模は大きいものの、感染状況が一定以下にならないと実施することができず、事業者に支援が届きません。
 今、観光関係の業界は大変厳しい状況にあります。それは先ほどのご答弁の中でも認識を示されたことと思いますけれども、全国の企業倒産が半世紀ぶりの低水準になったにもかかわらず、旅行業、宿泊業の倒産は相次ぎ、雇用への影響も大変深刻です。
 コロナ感染が続く間でも支援が届く施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。また、現在の施策で十分と考えているのかもお伺いいたします。

○築田観光部長 都はこれまでも、宿泊施設の感染防止対策への助成や旅行業者等の経営活力向上に向けた支援などによりまして、観光関連事業者の事業継続を支えてまいりました。引き続き、感染症防止と事業活動の両立に向けた取組を後押ししてまいります。

○阿部委員 ぜひ、強力に後押しをしていただきたいと思います。
 この事業は、観光需要の喚起策とされておりますけれども、観光需要自体がなくなったわけではなく、むしろ、その需要に対してストップがかけられている状態だと思います。
 コロナ感染がある程度収まれば、そこで需要が復活する人はおのずから動く、むしろ今必要なのは、その需要に応えるための、コロナ禍でも事業者が生き延びる、このことが喫緊の課題ではないでしょうか。このことを指摘して、私の質問とさせていただきます。
 以上です。

○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○細田委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○緑川商工部長 中小企業の知的財産活用のための東京戦略(案)についてご説明をさせていただきます。
 お手元に配布の資料は、資料2、中小企業の知的財産活用のための東京戦略(案)の概要、資料3、中小企業の知的財産活用のための東京戦略(案)の本文となってございます。
 それでは、資料2により概要をご説明させていただきます。
 まず、はじめにをご覧ください。都が平成十五年に策定いたしました中小企業の知的財産活用のための東京戦略は−−以下、単に東京戦略と申し上げさせていただきます、策定から十八年が経過しておりまして、この間、中小企業を取り巻く環境は大きく変化をしております。
 そのため、昨年七月、東京の中小企業振興を考える有識者会議におきまして、東京戦略改定に向けた検討が提起され、中小企業における知的財産戦略のあり方に関する検討会が設置されました。
 この検討会におきまして改定の方向性が示され、東京の中小企業振興を考える有識者会議におきまして了承されました。これを受けまして、都において東京戦略の改定案を策定したところでございます。
 次に、第1章、中小企業の知的財産戦略の重要性と課題をご覧ください。
 初めに、中小企業の知的財産戦略を巡る背景についてでございます。
 近年のスタートアップ企業の興隆、オープンイノベーションの重要性の高まりなど、社会経済環境が目まぐるしく変化している中、知的財産を活用するためには、権利化や秘匿化などへの対応が重要となっております。また、動き商標等の新しいタイプの商標が追加されるなど、制度も大きく変化をしております。
 次に、知的財産の重要性と知的財産戦略に関する課題についてでございます。
 スタートアップ企業等へのアンケート調査の結果、知的財産に関する関心や、重要性の認識はともに約五割で、一層の普及啓発が必要な状況でございます。また、課題といたしましては、知的財産の活用と経営戦略の位置づけや、権利侵害への対応等が挙げられます。
 次に、戦略改定のポイントについてでございます。
 これまでの東京戦略に基づく知的財産の保護や活用に資する施策展開が一定の成果につながった点を踏まえまして、これまでの基本的な構成等は継承しつつ、デジタルやグリーンといった領域の顕在化や、経営戦略やビジネスモデルと一体的に知的財産戦略を講じる必要性などに整理をいたしました。
 また、基本的構成についてでございますが、(1)、知的財産戦略の重要性を知ること、(2)、自社にしかない知的財産を創ること、(3)、競争優位を確立することの三項目によって構成することとしております。
 次に、第2章、施策の方針をご覧ください。
 第1章で示しました改定のポイント等を踏まえまして、基本的考え方を、経営戦略と一体的に展開する知的財産戦略の支援、中小企業、スタートアップ企業への実践的な支援等といたしました。
 また、東京都知的財産総合センターの活用につきましては、中小企業、スタートアップ企業の知的財産部として位置づけ、積極的な事業展開を図っていくこととしております。
 さらに、施策展開の留意点につきましては、専門家の知恵と経験の活用、様々な支援機関との連携、事業PRへの注力等としております。
 続きまして、裏面をご覧ください。第3章、施策の体系でございます。
 基本的構成で掲げました三つの項目の下、十五の施策を展開してまいります。
 まず初めに、1、知的財産戦略の重要性を知る(認識)でございます。施策1、普及啓発では、知的財産取得の活用や必要性に関するセミナーやシンポジウムの開催、施策2、人材育成では、スタートアップ向けの創業支援施設におけるセミナー開催等を実施してまいります。
 次に、2、自社にしかない知的財産を創る(創造、権利化)でございます。施策1、相談対応では、東京都知的財産総合センターにおける知的財産に関する様々な相談へのワンストップ対応、施策3、他社・大学等の保有する知的財産の活用支援では、企業、大学、研究機関等からの技術移転の促進のためのマッチングや事業化支援、施策7、権利取得の支援では、外国知的財産取得等の支援などを実施してまいります。
 次に、3、競争優位を確立する(事業化、権利活用)でございます。施策2、事業化・販路開拓支援では、スタートアップ企業への戦略の策定から地域財産権取得までをハンズオンで支援をしてまいります。施策4、権利侵害の対応では、侵害対策に要する経費への助成を実施してまいります。
 詳しくは、資料3の本文を後ほどご覧いただければと存じます。
 最後に、今後のスケジュールでございますが、中小企業の知的財産活用のための東京戦略は、都議会でのご審議や今後実施するパブリックコメント等を踏まえまして、令和四年三月下旬に策定する予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、中小企業の知的財産活用のための東京戦略(案)につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○細田委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上をもちまして産業労働局関係を終わります。

○細田委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分及び第百十二号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分及び第百十二号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認めます。よって、第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分及び第百十二号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十九号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十三分散会

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