経済・港湾委員会速記録第十六号

令和三年十二月十日(金曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長細田いさむ君
副委員長後藤 なみ君
副委員長松田 康将君
理事中田たかし君
理事山崎 一輝君
理事あぜ上三和子君
清水とし子君
玉川ひでとし君
磯山  亮君
本橋たくみ君
田の上いくこ君
阿部祐美子君
入江のぶこ君
高倉 良生君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長坂本 雅彦君
次長根本 浩志君
総務部長松本 明子君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務米澤 鉄平君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
勝見 恭子君
商工部長緑川 武博君
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務荒井 芳則君
金融部長篠原 敏幸君
金融支援担当部長高野  豪君
観光部長築田真由美君
観光振興担当部長小林あかね君
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務山田 則人君
安全安心・地産地消推進担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務龍野  功君
雇用就業部長村西 紀章君
事業推進担当部長鈴木のり子君
港湾局局長古谷ひろみ君
技監山岡 達也君
総務部長相田 佳子君
企画担当部長オリンピック・ パラリンピック調整担当部長兼務石井  均君
調整担当部長若林  憲君
港湾経営部長戸井崎正巳君
臨海開発部長松本 達也君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務佐藤 賢治君
臨海副都心まちづくり推進担当部長赤木 宏行君
臨海副都心開発調整担当部長小原  昌君
港湾整備部長片寄 光彦君
計画調整担当部長薮中 克一君
担当部長港湾計画担当部長兼務水飼 和典君
離島港湾部長村田 拓也君
島しょ・小笠原空港整備担当部長川崎  卓君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
付託議案の審査
・第二百二十二号議案 品川ふ頭外貿岸壁外四施設の指定管理者の指定について(質疑)
・第二百二十三号議案 有明客船ターミナル外一施設の指定管理者の指定について(質疑)
・第二百二十四号議案 竹芝ふ頭船舶給水施設外七施設の指定管理者の指定について(質疑)
・第二百二十六号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出 港湾局所管分(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・臨海副都心有明北地区の土地利用等の一部見直しについて(案)
産業労働局関係
契約議案の調査
・第二百十五号議案 東京都しごとセンター(三)改修給水衛生設備工事その二請負契約
付託議案の審査(説明・質疑)
・第二百二十六号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出 産業労働局所管分

○細田委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
     
令和三年十二月八日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
経済・港湾委員長 細田いさむ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百十五号議案 東京都しごとセンター(三)改修給水衛生設備工事その二請負契約
2 提出期限 令和三年十二月十日(金)

○細田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の契約議案の調査、港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査並びに港湾局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百二十二号議案から第二百二十四号議案まで及び第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、港湾局所管分を一括して議題といたします。
 本案のうち、追加提出されました第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、港湾局所管分について理事者の説明を求めます。

○古谷港湾局長 令和三年第四回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、港湾局関係の令和三年度一般会計補正予算案の一件につきましてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症に対する経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実といたしまして、伊豆諸島貨物運賃補助の取組に一千三百万余円を計上してございます。
 以上で令和三年第四回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○相田総務部長 ただいまの局長の概要説明に続きまして、提出案件の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和三年度一般会計補正予算説明書をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
 今回の補正予算案に計上しておりますのは、2、島しょ等港湾整備事業でございまして、補正予算額の合計は、最下段に記載のとおり、一千三百万余円でございます。
 なお、その財源につきましては、一般財源でございます。
 五ページをお開き願います。歳出の内訳でございます。
 1、島しょ等港湾整備事業のうち、1、離島航路・航空路補助事業の補正予算額は一千三百万余円でございます。
 なお、財源につきましては、その下に記載してございます。
 内容につきましては、右端の説明欄に記載のとおり、伊豆諸島貨物運賃補助でございまして、具体的には、内地への農漁業生産物及び関連物資の移出等に係る運賃補助の引上げを引き続き行うものでございます。
 なお、六ページには、一般会計の歳出合計及びその財源内訳を記載してございます。
 以上で、簡単ではございますが、令和三年第四回都議会定例会に提出をいたしました当局所管の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○細田委員長 説明は終わりました。
 その他の議案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○磯山委員 それでは、補正予算案に計上されている、海上貨物運賃の補助について確認いたします。
 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、島しょの地域経済は厳しい状況に置かれています。
 私も先日、海底火山の噴火による軽石の状況を確認するため、三宅島を訪れました。幸い軽石については、これまでのところ少量が漂着しているのみで大きな影響は出ていないとのことでありました。
 しかし、地元の漁協の組合長さんをはじめ漁業関係者の皆さんとの意見交換を行った際には、これまでのコロナ禍により、苦境が続いているとの声や、今後の軽石の状況によっては漁への影響が出るのではないか、また、先の見通せない状況が長期化するのではないかといった懸念がある中で、大きな不安を抱えているとの声がありました。
 島の基幹産業の一つである漁業は、観光客の大幅な減少や、本土における飲食店の営業自粛等の影響を受けて、キンメダイなどの価格の低迷が続いており、大変厳しいとのことであります。
 こうした状況を受け、我が党はコロナ発生以降、重ねて、島しょ地域への支援を行うよう要望してまいりました。
 海上貨物運賃補助もその一つであり、都はこれまでも、補正予算を計上してより手厚く補助を行うなどの対応を取ってきたところでありますが、新型コロナの終息がいまだ見通せない状況にある中、引き続きしっかりと支援を行っていくべきとの観点から、質問いたします。
 海上貨物運賃補助は、都が以前より実施している施策でありますが、まず、この制度の概要と、コロナ禍を受けて行ってきた特例措置の内容について確認いたします。

○村田離島港湾部長 海上貨物運賃補助は、島民の生活安定及び島内産業の振興を図ることを目的として、島民生活に必要な貨物と農漁業生産物の運搬に要する海上運送費について運賃補助を行うものでございます。
 都は従来、島民の生活必需品であるプロパンガスなど四品目については一〇〇%、魚介類や生花、野菜などの十五品目については五〇%の運賃補助を実施してまいりました。
 しかし、コロナ禍の中、本土向けに出荷している魚介類などの価格が低迷していることから、島内生産者の負担軽減を図るため、昨年度及び今年度の第二回定例会において補正予算を計上し、島しょ地域から本土に移出される魚介類や野菜などについて、昨年四月から今年の十二月末までの間、補助率を五〇%から一〇〇%に引き上げているところでございます。
 今回の補正予算におきましては、同様の引上げ措置を令和四年三月まで継続するため、必要な額を計上いたしました。

○磯山委員 島しょ地域と本土の間で物を行き来させるためには、海上輸送が必須となるため、その運賃分が販売価格にも反映されます。都は、以前から補助を行っており、今では、この制度は島民生活に欠かせないものとして定着しています。
 もとより、島の生産者を後押しする上で極めて重要な補助でありますが、コロナ禍においては、出荷する際の輸送費は変わらない一方で、外食需要の減少により市場価格が低迷し、生産者は苦しい状況に置かれています。
 都が昨年度から実施している補助率引上げにより、輸送費を低減することができれば、価格の低迷による減収を補うものとして、島しょ地域の産業を支える上で有効ではないかと思います。
 そこで、この引上げ措置により実際にどのような効果があったのか伺います。

○村田離島港湾部長 魚介類などの市場価格の低迷により、出荷いたしましても以前のような収益を確保できず、漁業関係者などは厳しい状況にございました。
 こうした中、都が補助率の引上げを行ったことで、令和二年の補助金は、輸送量が前年より減ったにもかかわらず、交付実績は約二千万円上回る約三億三千万円となりました。
 海上輸送に係るコストの実質的な削減により、各生産者にとって、一定の収益の確保につながり、島しょ地域の生活や経済を守る上で、大きな効果があったと考えております。

○磯山委員 島の基幹産業の一つである漁業を守ることは、ポストコロナにおいて地域経済を再生していく上でも極めて重要であると考えます。
 魚介類などの価格が十分に戻るまでは、着実に支援していくことが必要ではないかと思いますが、今回、都が再度補正予算を計上し、補助率の引上げを延長することとした背景について、どのように認識しているのか改めて確認いたします。

○村田離島港湾部長 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、島しょ部から本土へ出荷している主力商品である高級魚などの価格につきましては、緊急事態宣言が解除された十月においてもコロナ以前の水準に戻っていないなど、厳しい状況が継続しております。
 また、先行きにつきましても、一部の外食需要が戻るなど明るい兆しはあるものの、引き続き徹底した感染対策が必要とされていることなどから、いまだ本格的な回復は見通せない状況にあります。
 こうしたことから、十二月末までとしていた期間をさらに三か月延長し、今年度末まで支援を継続することといたしました。
 都は引き続き、海上輸送費への補助を着実に実施することにより、島民生活の安定と産業の振興に努めてまいります。

○磯山委員 現在の市場価格の状況などを踏まえ、そして何より地元漁協からの切実な要望を実現し、当面三か月間の延長を決めたことは、適切な対応であると思います。
 一旦は感染状況が落ち着き、社会経済活動の活発化への期待も出てきたところではありますが、新たな変異株の出現により、再び不安が広がっていることから、外食などの需要が回復し、コロナ前の水準に戻るには、さらに時間がかかることも十分考えられます。
 都は、今後も、感染状況や価格の動向などを注視しながらしっかりと対応していくよう要望し、私の質問を終わります。

○玉川委員 海上貨物運賃の補助について伺います。
 今回の補正予算案は、島民の生活の安定と産業の振興を図ることを目的として実施している海上貨物運賃への補助に関して、コロナ禍で苦しむ島しょの方々の不安を軽減するために、今月までの措置として実施している補助率の引上げを、今年度末まで延長しようとするものであります。
 昨年の新型コロナの感染拡大以降、島から本土への主力の出荷品である魚は、出荷しても十分な値がつかず、漁業者は苦しい状況にあると伺っておりますが、これについて、より詳細に確認したいと思います。
 まず、新型コロナの感染拡大以降、島からの魚の出荷量がどうなっているのか伺います。

○村田離島港湾部長 伊豆諸島から出荷される魚介類に関して、漁業生産額の約六割を占め、主力となっているものがキンメダイでございます。
 東京都漁業協同組合連合会の資料によりますと、その出荷量は、コロナ前の令和元年と比較して、令和二年は年間平均でおおむね六%の増加、令和三年は十月までの実績で約一%の減少となっております。

○玉川委員 島の漁業で主力となっているキンメダイの出荷量は、コロナ禍においてもおおむね横ばいであるとのことですが、本土へ出荷される魚の値段が低迷しているため、島の漁業者は苦しい状況にあるとのことです。
 そこで伺いますが、新型コロナの影響により、キンメダイの市場価格は具体的にどの程度落ち込んでいるものなのか、お聞かせください。

○村田離島港湾部長 東京都漁業協同組合連合会の資料によりますと、レストランやホテルなどの外食産業での需要が大きいキンメダイは、初の緊急事態宣言が出された昨年四月から六月にかけて、平均価格はその前年と比較いたしまして約二五%の減と大きく落ち込んでおります。
 その後、やや立て直した時期もございましたが、令和二年全体の平均価格は、令和元年と比較して約一四%低く、令和三年に関しましても、十月までの平均価格は同じく令和元年と比較して約一六%低い状態となっており、厳しい状況が続いております。
 こうしたことから、出荷に係る費用を少しでも抑制し、漁業関係者等の負担を軽減するため、今回、海上貨物運賃補助の補助率上乗せを延長することといたしました。
 都は、島しょ地域の基幹産業の一つである漁業などを守るため、引き続き補助を実施してまいります。

○玉川委員 キンメダイはレストランやかっぽうなど高級料亭で食される高級魚でありますが、外出の自粛の影響で会食なども軒並みなくなったために、キンメダイは値崩れを起こしている状況にあるということが分かりました。
 「金目鯛の煮つけ」といえば桑田佳祐さんのCMソングでもありましたが、その歌のサビの部分、悲しみを迎えに行くのはやめたよ、明日は笑顔でいるためにと、この歌詞のように明日への希望を持って笑顔になれるように、しっかりと支援が届けられることを願います。
 都が実施している海上貨物運賃補助は、もともと島の人々の生活の安定と産業の振興を図るための重要な支援策でありますが、このような非常時にはさらにその重要性が高まります。島しょ地域の生活と経済を守るために不可欠な取組であり、今回の補正予算案も踏まえ、都は引き続き、関係者に支援の手が届くようしっかり取り組んでもらいたいと思います。
 また、島しょ地域の漁業に関しては、コロナ禍による価格の低迷に加えて、海底火山の噴火に伴う軽石の漂着も大きな懸念となっています。
 この問題に関して、先月、私は大島に足を運び現地を視察しましたが、砂浜などに微量の漂着があったのみで、具体的な影響は出ておらず、漁船の航行にはまだ支障はないとのことでしたが、漁船がやられてしまったらたまったものではないといった声も聞きました。
 定期船などの大型船については、水を取り入れる取水口が船の底にあることから、海水面を浮遊する軽石を吸い込むことは少ないため、影響を受けにくいとのことでした。
 四方を海に囲まれた島しょ部では船舶が命綱ともいえますが、人や物の移動にはさほど大きな影響はなさそうであり、その点では安心しました。
 港への流入も心配されましたが、都は、軽石の漂着に備え、事前のオイルフェンスの設置をはじめ、漁船エンジンへの海水フィルター設置への支援など、必要な対策を先手で講じてきております。
 現時点では、幸い大量の軽石の漂着はなく、大きな影響は出ていませんが、今後、大量の軽石が漂着する可能性もないとはいえず、依然として警戒が必要ですので、都は引き続き、状況を冷静に見極めながら、対策が必要な場合には、地元などとも連携して迅速に対応していくようお願いをいたしまして、質問を終了いたします。

○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
     
○細田委員長 次に、報告事項、臨海副都心有明北地区の土地利用等の一部見直しについて(案)に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○山崎委員 臨海副都心の有明北地区のまちの将来像及び、有明親水海浜公園について伺っていきたいと思います。
 東京二〇二〇大会において多くの競技が実施された臨海副都心地域については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、無観客開催となったものの、選手たちの活躍による熱気や感動が全世界に向けて発信され、注目を集めたところであります。
 中でも、この有明北地区は、有明アーバンスポーツパーク、この場所において地元の江東区出身の堀米雄斗選手が、スケートボードのストリート初代の金メダルを獲得するなど、日本人選手の活躍も相まって、ひときわ注目のエリアとなったわけであります。
 この有明北地区でありますが、数十年以上前から埋立ての計画がスタートし、かつては倉庫など物流関連施設が集積する地域でありましたが、海辺、また水辺の景観を生かした住宅を中心としたまちを目指して、埋立ての造成や区画整理事業の実施、幹線道路の整備、「ゆりかもめ」の延伸などの都市基盤整備が長年進められてまいりました。
 これらの取組の結果、近年は民間の住宅開発に伴い居住人口が大幅に増加するとともに、大型商業施設が開業するなど、急速に発展を遂げつつある、大変に勢いのあるまちであります。
 このような開発が進む中、江東区からは、自然環境を生かした公園の整備や、東京二〇二〇大会の競技施設を生かしたスポーツのまちづくりなど、新たな取組を期待する声も高まっており、今回の土地利用の見直しは、地元の要望にも応えるものであると考えます。
 都としても、東京二〇二〇大会の開催前から、このエリアを有明レガシーエリアとして位置づけ、エリア内における大会競技施設の積極的な後利用を検討してきたと認識をしております。
 そこでまず、有明北地区における大会競技施設の今後の活用について、改めて確認をさせていただきます。

○松本臨海開発部長 東京二〇二〇大会におきまして有明北地区では、既存施設である有明テニスの森公園をはじめ、新たに整備された有明アリーナや有明体操競技場、有明アーバンスポーツパークといった多くの施設が大会競技会場として使用されたところでございます。
 このうち、恒久施設である有明アリーナにつきましては、今後、様々なスポーツイベント等で利用される予定でございます。
 また、仮設施設として整備されました有明体操競技場につきましても、当面、展示場として活用する予定でございます。
 スケートボードや自転車競技のBMXが行われました有明アーバンスポーツパークにつきましては、大会時の競技施設を活用した都市型スポーツ施設として整備する方向で検討が進められております。

○山崎委員 今確認をしたとおり、多くの競技施設が大会後も活用されることから、今後は、こうした大会レガシーのポテンシャルをまちづくりに最大限生かしていくことが必要であると考えます。
 有明北地区の今後のまちづくりの考え方について、見解を伺います。

○松本臨海開発部長 有明北地区を、このエリアならではの強みを生かし、にぎわいあふれるまちとして開発していくためには、大会のレガシーを最大限に活用しながら、まちの魅力を高めていくことが重要でございます。
 具体的には、東京二〇二〇大会のレガシーを生かしたスポーツ施設やイベントが開催できる広場を整備し、にぎわいを創出するとともに、緑あふれる豊かな水辺空間や、デジタル、環境技術などの最先端テクノロジーが集積した施設など、多様な機能が調和し、魅力的なライフスタイルを楽しめるまちづくりを進めてまいります。
 今後は、こうした新たなまちづくりの考え方に基づきまして、従来の住宅中心の土地利用からの転換を図り、新たな価値や魅力が絶えず生み出される持続可能な複合市街地の実現を目指してまいります。

○山崎委員 今改めてまちづくりの考え方について確認をいたしましたが、今回の土地利用等の見直しにおける一番のポイントは、「ゆりかもめ」の有明テニスの森駅北側の約六ヘクタールの土地について、住宅系用地から公園緑地用地へと変更が行われ、有明親水海浜公園が拡張されるということだと思います。
 私は、この有明親水海浜公園について、一九六四年の東京オリンピック、一回目のオリンピックレガシーである駒沢オリンピック公園のように、また、世界のオリンピック、いろいろと開催都市でオリンピックパークというものが大体ございました。それもオリンピックパークはレガシーとして残しているということは皆様もよくお分かりだと思います。ですので、有明北地区を訪れる多くの人々が大会のレガシーを肌で感じることのできる、シンボリックな公園としてしっかりと整備を進めていくべきと考えます。
 そのためには、有明親水海浜公園については、隣接する大会施設との連続性を考慮し、周辺と一体となって多くの人々がスポーツを楽しめる施設としていくべきであると考えますが、認識を伺います。

○松本臨海開発部長 有明北地区に新たに整備する予定の有明親水海浜公園につきましては、東京二〇二〇大会の会場として大きく注目されました有明アリーナや有明アーバンスポーツパークに隣接していることから、訪れる人が大会の記憶に触れながら、スポーツを満喫できる公園としても整備していくことが重要でございます。
 そこで、従来、主に住宅系用地としておりました有明北一−二地区につきましても新たに公園の計画区域として、大規模なスポーツイベントも開催できる広場の設置を検討してまいります。
 この公園内に整備する広場を自由に往来が可能な空間にすることによりまして、複数の大会施設間の回遊性の向上が期待されるとともに、周辺の大会施設とも連携したスポーツイベント等を開催することによりましてにぎわいの創出にもつながるものと考えております。

○山崎委員 この公園のもう一つの魅力として、大会のレガシーだけではなく、公園の北側に広がる豊かな水辺環境も挙げることができます。
 従来から、水辺の散策路の整備が計画されるなど、水辺に親しむ公園造りが進められてきていると認識をしておりますが、水辺に立地しているという特性をにぎわい創出にも生かしていくべきであると考えますが、見解を伺います。

○松本臨海開発部長 有明親水海浜公園は、東雲運河や旧防波堤などに面する豊かな水辺環境を有していることから、にぎわいの創出に向け、これらの水辺の魅力を活用していくことは重要でございます。
 このため、公園の東西両側に位置しております入り江に桟橋を設置するとともに、砂浜を整備してまいります。
 これによりまして、カヌーやシーカヤックなどのマリンスポーツやビーチバレーなど、水辺に親しむレクリエーションの利用を可能としてまいります。

○山崎委員 海におけるレクリエーションの実施など、誰もが楽しめる公園の実現に向け、ぜひ前向きに検討を進めていただきたいと思います。
 この有明親水海浜公園、その有明側と、その反対側には豊洲がございます。この豊洲の市場も含めて、豊洲公園も含めて、そして東電堀などを含めた、江東区が、今行われておりますぐるり公園というものもございます。このぐるり公園とのまさに連続性だとか、この有明の東雲運河を挟んだ両サイドの、まさに水辺に親しめる、そういった公園造りというものは積極的にこれからも進めていかなくてはならないと思いますので、この有明側、また豊洲側との連携というものも、ぜひ検討の一つに入れていただきたいと思います。
 また、防災力の視点を欠かすことのできない−−ここ最近、全国的に地震が多発をしております。近隣の住民の安全・安心につながるよう、この公園を地域の防災力の向上にも生かすべきと考えますが、見解を伺います。

○松本臨海開発部長 海上公園につきましては、災害時における避難、救援のための拠点等としての役割を担うことも重要でございます。
 このため、地域防災計画における位置づけを踏まえながら、災害時にも使えるトイレや、大型車両も通行が可能な園路等の整備を行っております。
 有明親水海浜公園につきましても、今後、地元区と連携しつつ、災害時対応トイレの整備を進めるなど、防災機能の充実を図ってまいります。
 また、開園後につきましては、例えば、通常時はベンチとして利用し、発災時には座面を外してかまどとしても利用できる、いわゆるかまどベンチ等を活用した防災イベントを実施するなど、地域の防災力向上に向けたソフト面の取組も進めてまいります。

○山崎委員 有明親水海浜公園では、先ほどの答弁にもございましたが、大規模なイベントを開催できる広場などが整備をされる予定である。また、この特徴を生かし、災害時において多くの住民や来訪者等の安全を守る公園になるよう、地元の江東区ともしっかりと連携をしながら、防災機能の強化に向けた取組を進めてもらいたいことを強く求めておきたいと思います。
 ここまで有明親水海浜公園について何点か確認をしてきましたが、大会レガシーを肌で感じつつ、豊かな水辺に親しむことのできるこの公園の開園を、多くの方が心待ちにしていると思います。
 有明親水海浜公園の整備には時間がかかると思いますが、都民が早期に利用できるよう、要するに、全てが整ってから開園をさせるのではなくて、段階的に開園をさせていくべきと考えますが、見解を伺います。

○松本臨海開発部長 有明親水海浜公園でございますが、今後、拡張する公園区域につきまして、海上公園計画の決定手続等を進めていくとともに、早期開園に向けた整備を進め、段階的に開園していく予定でございます。
 まずは、有明アリーナの運用開始に合わせまして、その周辺部分につきまして令和四年夏の開園を目指しまして、訪れた方々が東雲運河を間近に眺めながら散策を楽しむことができるよう整備を進めてまいります。
 また、その他の開園予定地につきましても、スケートボード競技などで注目を集めました有明アーバンスポーツパークの活用方針と整合を図りつつ、オリンピックレガシーを伝える空間として順次整備を進め、全面開園に向けた取組を加速させてまいります。

○山崎委員 この地域のにぎわい創出の中心として、着実に整備を進めてもらいたい。できるだけ早期の開園することを期待しておきたいと思います。
 また、その際には、地区内の回遊性向上や、安全で快適な歩行者空間の創出も当然のことと考えます。今回の土地利用計画の変更を契機として大会レガシーを活用したまちづくりが進むことにより、この地域に大きな人の流れが生み出され、にぎわいが創出されることを期待して、私の質問を終わります。

○入江委員 私は、引き続き、有明北地区の歩行者ネットワークについて伺います。
 有明北地区は、東京二〇二〇大会において多くの競技が実施されました。今後、都は、大会のレガシーを生かしながら、スポーツを核とした新たな価値や魅力を創造する、持続可能なまちづくりを推進していくとのことです。
 先ほどご答弁にもありました有明アーバンスポーツパークは、若者に人気があるスケボーやクライミングなど都市型スポーツの場を整備するということで、大変期待も持たれております。また、私は、建設中から求めておりましたけれども、有明アリーナは、スポーツのみならず、エンターテインメントの拠点として多くのアーティストが活躍できる場となることを期待しております。
 そして、この有明北地区を訪れてみると分かりますが、この地区は有明テニスの森駅を挟んで東西に広がる広大なエリアです。この広いエリアに、有明アリーナや有明テニスの森などの施設が点在しているため、私はここを訪れる人が快適に行き来できる歩行者空間を創出することが、大変重要であると考えます。
 土地利用計画の見直しを含めた、歩行者ネットワーク形成の考え方について伺います。

○佐藤開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 有明北地区におきまして、大会のレガシーを継承したサステーナブルなまちづくりを実現するためには、大会競技施設などを訪れる全ての人々が安全で快適に移動できる歩行者ネットワークを形成していくことが重要でございます。
 このため、広い施設の敷地を回り込まずに移動できるよう、敷地内を通過できる歩行者通路を整備するほか、歩道に隣接する敷地の一部を歩道と一体として活用することで歩行者空間を広げるなど、多様な歩行者動線の整備を誘導してまいります。
 また、「ゆりかもめ」やバス等の公共交通機関を利用する来訪者が、有明北地区内に立地している大会競技施設などへ快適に移動できるようにするため、駅のコンコースから大会競技施設へつながる通路なども整備いたします。
 これにより、誰もが歩きやすい空間を創出し、にぎわいのあふれるウオーカブルなまちづくりを進めてまいります。

○入江委員 ウオーカブルなまちづくりを進め、来訪者の増加を着実に進めていってもらいたいと思います。
 そして、障害のありなしや年齢に関係なく、全ての人が歩きやすい歩行者空間の整備を進めていくという、アクセシビリティーの観点が重要であると考えます。
 そこで、こうした歩行者ネットワークを形成するためには、バリアフリーに対応した歩行者空間の整備を進める必要があると考えますが、見解を伺います。

○佐藤開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 大会レガシーを生かし、来訪者の増加につなげていくためには、障害者や高齢者を含めた誰もが円滑に移動できる、安全・安心な歩行者空間を整備していくことが重要でございます。
 そこで、有明テニスの森駅とその隣接する施設を結ぶ歩行者デッキにスロープを整備するとともに、敷地内の歩行者通路については歩道と段差が生じないように整備を進めるなど、バリアフリーに対応した、ゆとりある歩行者空間の形成を誘導してまいります。
 これにより、誰もがストレスなく快適に移動できる歩行者ネットワークを形成し、大会レガシーが根づいた、にぎわいあるまちづくりを進めてまいります。

○入江委員 大会レガシーを生かしたウオーカブルでにぎわいのあるまちを実現させるためには、こうしたバリアフリーに対応した通路の整備を進めることに加え、にぎわいを創出する集客イベントなどにおいて、民間事業者としっかり連携し、その活力を生かした取組を進める必要があると考えます。
 集客イベントとしては、例えば、パラスポーツを含む様々なスポーツに親しむきっかけとなる体験型のイベントなどが挙げられますが、その開催に関しては、民間事業者の集客力などを生かしながら、幅広い層に、継続的に参加してもらうための取組が求められます。
 そのため、有明北地区においても、民間事業者などとしっかり連携して、まちづくりを進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○佐藤開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 誰もがスポーツに親しみ、にぎわいの絶えないまちづくりを進めるためには、イベント開催などのにぎわい創出の機会におきまして、民間事業者のノウハウを生かす仕組みを取り入れることが重要でございます。
 このため、都は、現在有明アリーナの運営事業者を中心とした多様な関係者と連携してまちづくりに取り組む、いわゆるエリアマネジメントの実施に向けた検討を進めております。
 具体的には、複数の事業者が共通のテーマに即したイベントやプロモーション活動を共同して実施するとともに、大規模イベントと連動させた参加型のイベントを有明親水海浜公園にて実施することで、多くの都民の方々の参加を促してまいります。
 都といたしましても、民間事業者間の連携をサポートすることなどにより、スポーツを核とした新たな価値や魅力の創出に向けた取組を支援してまいります。

○入江委員 有明アリーナなどを中心とした民間事業者と、エリアマネジメントを、今後形成していくというご答弁をいただきました。
 この有明北地区が、歩行者ネットワークの整備やエリアマネジメントの活動の推進によって、にぎわいと交流が持続する、サステーナブルなまちとして発展していくよう要望いたします。
 さて、先日、発表されました東京ベイeSGまちづくり戦略のドラフトでは、二〇四〇年代の有明を以下のように想定しています。
 東京二〇二〇大会の感動、記憶を形に残し、広くスポーツに親しむ記念公園が整備され、レガシーエリア周辺では、散策ルートや水辺の親水空間が整備された都市環境が形成される。そして、有明アリーナや有明テニスの森周辺では、民間開発による商業施設、ホテル、ホールなどの豊富な機能集積の相乗効果により、東京二〇二〇大会の競技施設を生かしたスポーツ・ウエルネス・シティが形成される。
 このように、今回の土地利用などの一部見直しもこの目標に沿うものだと考えますが、港湾局は、ぜひ都市整備局と政策企画局などとしっかり連携していただいて、有明北地区が多くの都民、国民に愛されるように今後の開発に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
 質問を終わります。

○玉川委員 私からも、有明北地区のまちづくり、特にこのエリアのにぎわい創出や回遊性の向上といった観点から質問を行います。
 有明北地区では、東京二〇二〇大会の開催に伴い多くの競技会場が整備されました。
 今後は、大会レガシーを効果的に活用し、まちに多くの来訪者を呼び込む魅力的なまちづくりを進めていくことが重要であります。
 今後、大会レガシーを活用した有明北地区のまちづくりを加速させていくためには、民間等の開発に合わせて、来訪者の回遊性を考慮した施設整備等を行っていく必要があります。
 そこで伺いますが、有明北地区全体の回遊性を高めていくために、まちのインフラ整備をどのように行っていきますでしょうか、お聞かせください。

○松本臨海開発部長 東京二〇二〇大会のレガシーを生かしつつ有明北地区のまちづくりを進めていくためには、大会競技施設の後利用開始に合わせまして、エリア全体の回遊性向上を図るためのインフラ整備を実施していくことが重要でございます。
 このため、都は、有明アリーナや有明体操競技場の後利用となる展示場の運用開始の時期までに、展示場に面する道路の歩道や、東雲運河沿いの遊歩道などを着実に整備してまいります。
 また、有明親水海浜公園内に設置する予定の広場を人々が自由に往来できる空間とすることによりまして、隣接するスポーツ施設間を快適に行き来できるようにしてまいります。
 加えまして、さらなる回遊性向上のため、民間事業者の開発等に合わせまして、駐輪場やシェアサイクルポートの整備を図り、自転車利用についても促進してまいります。

○玉川委員 大会競技施設をはじめ、エリア内のにぎわい創出の核となる施設の運用開始の時期に合わせ、着実にインフラ整備を進め、回遊性の向上に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、ただいま答弁のありました有明親水海浜公園についても確認いたします。
 さきの決算特別委員会において、我が会派の細田委員が海上公園の整備についての質疑を行い、都からは、晴海ふ頭公園において海上公園で初となる官民連携事業を導入したカフェ等を整備すること、また、有明親水海浜公園の整備を順次進めていく旨の答弁がありました。
 晴海と同じく有明北地区も新たなまちづくりが急速に進展しているエリアでありますが、このエリアのにぎわいや魅力を創出するため、有明親水海浜公園においても、官民連携事業に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○松本臨海開発部長 都では、海上公園のさらなる魅力向上を図るため、民間事業者との連携によりまして新たなサービスを導入することで、にぎわいの創出に取り組んでおります。
 有明親水海浜公園につきましても、豊かな水辺環境を最大限に生かした魅力ある公園としていくためには、民間事業者のノウハウを活用する視点が重要でございます。
 このため、公園の整備計画の策定に当たりましては、民間事業者の事業ノウハウを活用する仕組みを導入いたしまして、レストハウスなどの施設を整備することやマリンスポーツ等を行うための拠点づくりなど、様々な事業を行うことを検討してまいります。

○玉川委員 積極的に民間事業者と連携を図り、そのノウハウを公園の管理に生かしていただきたいと思います。
 このエリアは、都心の近くに立地することや、海辺の景観や夜景など、多くの強みを有しています。このような特色を生かし、さらに多くの人を引きつけていくためには、施設等のライトアップに取り組んでいくことも重要と考えます。
 そこで、このエリアにおいて夜間の魅力を高めるためのライトアップの可能性について伺います。

○松本臨海開発部長 有明北地区を多くの人にとってさらに魅力あるエリアとしていくためには、水辺の景観を生かしつつ夜景等を楽しめるようにしていくことも重要でございます。
 そこで、有明親水海浜公園の整備に当たりましては、ライトアップを行うことにより夜間でも安心して散策できる環境を確保してまいります。これに加えまして、昼間とは異なる水辺の魅力を楽しめるような取組を進めてまいります。
 例えば、運河沿いの園路におきましては、足元や手すりを照らすためにライン照明やスポット照明を配置することで、落ち着きのある洗練された空間を演出してまいります。
 また、今後は、この地区におけるイベント開催等に合わせまして、季節を感じられるイルミネーションの活用を検討していくなど、公園をはじめとしたエリア全体の夜間の魅力創出にも取り組んでまいります。

○玉川委員 有明北地区は、東京二〇二〇大会のレガシーや水辺環境など、人々を引きつける様々な資源を有する極めて魅力的なエリアであります。このような資源をにぎわいの創出に有効に活用し、他に例のない魅力あふれるまちとしていくことを願います。
 なお、この整備に当たりましては、大型の工事車両などの往来もあることと思いますが、交通安全の管理、事故防止対策に十分力を入れていただくことも要望させていただきまして、質問を終了いたします。

○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○細田委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百十五号議案を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
     
○細田委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百二十六号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、産業労働局所管分を議題といたします。
 本案について理事者の説明を求めます。

○坂本産業労働局長 令和三年第四回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の令和三年度補正予算案一件につきましてご説明申し上げます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の都内における感染状況は低い水準にとどまっており、経済の回復に向けた期待は高まりつつあります。
 一方で、長引くコロナ禍に加え、昨今の原油価格の高騰により、依然として事業者の経営環境には深刻な影響が及んでおり、また、雇用情勢につきましても、予断を許さない状況が続いております。さらには、今後懸念される第六波に備え、引き続き感染防止対策を徹底することも必要となっております。
 こうした状況を踏まえ、東京の経済を再生し回復の軌道に乗せるため、感染拡大のより一層の防止と社会経済活動との両立に向けた取組を加速していくとともに、厳しい経営環境に直面する中小企業や、そこで働く方々への支援に万全を期すことが重要でございます。
 このため、産業労働局では、第一に、本格的な経済活動の再開に向け、飲食事業者の経営基盤の強化や人材確保の取組などを後押しするとともに、観光産業を回復に導く取組を進め、産業の活性化につなげること、第二に、事業者による感染拡大防止対策の取組を引き続き後押しするとともに、人流の抑制に効果的なテレワークの一層の推進に向けて取り組むこと、第三に、厳しい状況に直面する事業者に対して経営、金融の両面から事業継続を着実にサポートするとともに、働く方々の再就職を後押しするなど、セーフティーネットを強化すること、この三点を柱といたしまして、令和三年度補正予算案に歳出総額で九十四億四千万余円を計上しております。
 局の総力を挙げてこうした取組を総合的に展開し、都内経済の着実な回復につなげてまいります。
 以上で第四回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、案件の詳細につきましては、総務部長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松本総務部長 令和三年第四回定例会に提出いたしました案件につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和三年度一般会計補正予算説明書をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
 今回の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり、九十四億四千四十八万六千円でございます。
 三ページをお開きください。歳出の説明でございます。
 1、中小企業対策の補正予算額は五十九億一千七百四十二万円でございます。
 上段にございます、1、経営革新支援は、原油価格の高騰により事業活動の継続に苦しむ業界の団体等に対して、専属のコーディネーターを配置するとともに、団体等が原油価格高騰対策に取り組む際の経費の一部に助成を行うもので、四千百五万二千円を計上しております。
 次に、中段にございます、2、経営安定支援は、コロナ対策リーダーを配置する飲食店や中小企業等が、それぞれの業界団体の感染症防止ガイドライン等に沿った対応を行う際の経費の一部に助成を行うもので、三十七億七千二百万円を計上しております。
 次に、下段にございます、3、総合的支援は、二十億九千二十六万四千円を計上しております。
 ページ右側説明欄の1、業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)は、飲食事業者が、新たにデリバリーやテークアウトのサービスを始めるなど業態転換に取り組む際の費用などに助成を行うもので、二億九千六百万円を計上しております。
 2、原油価格高騰等課題解決に向けた専門家派遣事業は、原油価格の高騰等により影響を受けている中小企業者等に対して、経営上の課題を解決するため、特別相談窓口を設置するとともに、専門家を派遣して支援するもので、九百六十一万四千円を計上しております。
 3、ECサイトの活用による東京の特産品販売支援事業は、東京の特産品の販路拡大を後押しするため、Eコマースのサイトに特設ページを設け、販売促進に向けたプロモーションを実施するもので、九百二十八万四千円を計上しております。
 4、飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は、本格的な営業再開を検討する飲食事業者に対して、専門家を派遣するとともに、その助言等を受けて設備の充実などに取り組む際の経費に助成を行うもので、六億五百九十万円を計上しております。
 5、一時支援金等受給者向け緊急支援事業(新型コロナウイルス感染症緊急対策)は、国の支援金等を受給した中小企業等に対し、経営課題を解決するため、専門家の派遣や販路拡大に向けたサポートを行うもので、十一億六千九百四十六万六千円を計上しております。
 次に、四ページをお開きください。上段にございます、4、金融支援は、原油価格の高騰により事業活動に影響を受けている中小企業者等を支援するため、制度融資における経営安定化を図るための融資メニュー、経営一般に係る信用保証料補助を拡充するもので、一千四百十万四千円を計上しております。
 次に、2、観光産業の振興の補正予算額は三十三億六千四百四十万円でございます。
 1、魅力を高める観光資源の開発は、国のGO TOトラベル事業とも連携し、感染防止対策を徹底した都民向けの都内観光の旅行商品に対して定額の助成を行うもので、三十二億八千四百四十万円を計上しております。
 次に、下段にございます、2、受入環境の充実でございます。説明欄の1、多摩地域の宿泊施設を活用したサテライトオフィスの提供事業及び2、区部の宿泊施設を活用したサテライトオフィスの提供事業ですが、これらは、テレワークを一層推進し、都心への人流を抑制するため、多摩地域及び区部の宿泊施設をサテライトオフィスとして活用する取組を後押しするもので、それぞれ二千万円ずつ、合わせて四千万円を計上しております。
 五ページをお開きください。上段にございます、3、推進体制の構築は、国内旅行者の東京への誘客を推進するため、安全・安心に楽しめる東京観光の魅力などを効果的に発信するもので、四千万円を計上しております。
 次に、3、農林水産対策の補正予算額は、二千百三十万円でございます。
 1、農業経営の安定は、都内の生産者を支援するため、東京産食材を新たに利用する都内飲食店の新メニュー開発をサポートするとともに、ウェブサイトにおいて誘客のためのPRを行うもので、二千万円を計上しております。
 次に、下段にございます、2、水産業経営の安定は、燃油価格の高騰に備え国と漁業者が資金を積み立てる漁業経営セーフティーネット構築事業におきまして、燃油価格の高騰により積立金が取り崩された際に、漁業者が新たに支払う積立金に対する補助を拡充するもので、百三十万円を計上しております。
 六ページをお開きください。上段にございます、4、雇用就業対策の補正予算額は、一億三千七百三十六万六千円でございます。
 説明欄の1、デジタル人材確保・就職促進事業は、デジタル分野への人材シフトを強力に推進するため、デジタル業界の関連企業を集めたイベントを開催し、コロナ禍における離職者などを対象として、合同就職面接会や個別相談会などを実施するもので、六千八百六十八万三千円を計上しております。
 2、飲食業・観光業向け人材確保支援事業は、飲食業や観光業の人材確保を支援し、本格的な事業の再開を後押しするため、これらの業種を対象とした緊急のマッチングイベントを開催するもので、六千八百六十八万三千円を計上しております。
 以上で令和三年第四回定例会に提出いたしました案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○細田委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○磯山委員 それでは、まず雇用対策について伺います。
 昨年の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、都内における雇用状況も大きな影響を受けており、いまだ回復に至っていないのはいうまでもありません。
 都はこれまでも、コロナ対策として、数多くの施策を盛り込んだ補正予算において雇用対策に取り組んできたと認識しています。第六波を想定して、万全の備えを持って感染拡大防止対策を行うことはもちろん重要なことですが、経済対策として、都民の生活の根底をなす雇用状況の改善に向けた施策も、同様に必要不可欠であります。
 コロナ禍における都のこれまでの雇用対策の中では、年齢層等に応じた就職面接会を実施しています。
 今回の雇用対策は、デジタルと、飲食、観光業界と分野を絞ったものになっていますが、どのような位置づけと捉えていますでしょうか。なぜ、この分野なのか、事業構築に至った背景や目的について伺います。

○村西雇用就業部長 都は今年度、コロナ禍の雇用対策におきまして、若者、女性、中高年など、求職者の年齢層などに応じた就職面接会を年間二十四回、千二百人の規模で実施することとしておりまして、マッチングの機会を数多く提供することで、早期の再就職を支援しております。
 今回提案しておりますデジタル人材確保・就職促進事業は、今後、都内の中小企業において、DXの推進が不可欠であり、デジタル関連企業の採用意欲も高いことを踏まえまして、求職者の早期の再就職に加え、中小企業でDXを担う人材確保にも資するよう、就職面接会によるマッチング支援の強化を図ることとしたものでございます。
 また、飲食業・観光業向け人材確保支援事業は、コロナ禍の急激な市場の縮小によりまして事業活動への影響を強く受けた飲食業、観光業の本格的な事業の再開に向けて、業態の転換や経営の多角化などを担う即戦力の人材に加え、現場での接客を担う人材など、中小企業における多様な人材の確保を支援するため、緊急のマッチングイベントとして開催することとしたものでございます。

○磯山委員 デジタル分野に関しては、知事の所信表明でも触れられていたとおり、都はもちろん、国全体で、人材育成の観点からも力を入れて取り組んでいかなければならない分野であり、期待をしております。
 また、コロナの影響を大きく受けた業界としての飲食業、観光業に対して、今後のGO TOトラベルなどの振興策の効果を見据え、雇用の面においても今の段階で支援をしていくということは評価をするものであります。
 そこで、コロナ禍で離職を余儀なくされた方の早期の再就職と、デジタル人材や飲食業、観光業に携わる人材の確保を支援するという二つの目的を持つ、今回のマッチングイベントの具体的な内容について伺います。

○村西雇用就業部長 今回、実施いたしますデジタル分野、飲食、観光業分野のマッチングイベントにおきましては、それぞれ二日間で延べ五百人の求職者と六十社の求人企業が参加する大規模な就職面接会として開催いたします。
 また、就職面接会の実施に合わせまして、当日の会場では、求職者の方向けに就職活動のノウハウや業界研究に関するセミナーを実施するほか、中小企業向けの人材確保に関する専門の相談窓口を設けるなど、求職者と人材確保に課題を抱える企業の双方にとって有効なサービスコンテンツを提供してまいります。

○磯山委員 いずれの事業も、就職面接会によるマッチングに加えて、求職者と人材確保を図る中小企業が求める多様なサービスが併せて提供される内容となっており、効果的なイベントになるものと考えます。事前の情報提供や広報にもしっかりと取り組んでいただくよう要望しておきます。
 とりわけコロナ禍で雇用に大きく影響を受けた求職者は、非正規雇用の女性の方であります。だからこそ、女性の方の雇用促進に関して、今後も力を入れ続けることが必要であるとともに、事業の構築に当たっては常に意識しなければなりません。
 そこで確認ですが、今回のマッチングイベントにおける、非正規雇用の女性に対する支援について伺います。

○村西雇用就業部長 コロナ禍では、非正規雇用で働く女性が大きな影響を受け、大変厳しい雇用環境に置かれておりまして、今回、実施する二つの分野のマッチングイベントにおきましては、就職面接会の会場に女性の求職者に対する専門のキャリアカウンセリングコーナーを設置し、きめ細かな就業相談を実施いたします。
 また、女性求職者は、雇用形態や勤務時間、勤務地など、多様な就労ニーズを抱えているケースが多いことを踏まえ、六十社の参加企業の求人を開拓するに当たりましては、中核的な人材に加え、業界での就労経験のない方や、育児等で時間的な制約がある方でも応募可能な求人を幅広く開拓し、提供してまいります。

○磯山委員 育児等の時間的な制約など、多様な女性の就労ニーズに対応するための支援も念頭に事業構築されていることが確認できました。
 雇用の現場に目を向けると、デジタル分野の雇用施策に関して、昨今では、発達障害のある方々の中には、その才能を生かし、すばらしい功績を上げている人たちがいらっしゃいます。
 デジタル社会における発達障害者人材のさらなる活躍の機会を拡充することによって経済的な効果が得られるといった考え方も、これからは重要になります。脳の多様性、いわゆるニューロダイバーシティの考え方があり、国内企業においても、既に取り入れ、成果を上げている実例もあります。
 今後、都の雇用施策にも、ぜひこうしたニューロダイバーシティの考え方を取り入れ、多様な人材が活躍できるような取組を進めることを要望して、次の質問に移ります。
 次に、観光産業の回復に向けた、もっとTokyoの取組について伺います。
 観光産業は、二年間にわたるコロナ禍で、非常に苦しい経営状況が続いています。
 我が党には、事業者や観光関連団体から、GO TOトラベル事業や都内観光促進事業などの観光需要喚起策の一日も早い実施に対する支援へのご要望を多数いただいております。このため、今定例会の我が党の代表質問においても、都が昨年実施した都内観光促進事業の速やかな再開について、都の見解をただしたところであります。
 都内観光促進事業は、昨年十月に開始し、昨年末から停止されましたが、予算は複数年で活用できる仕組みとなっていると聞いております。
 そこで、昨年度の実績と昨年度分の規模と合わせた今回の事業規模について伺います。

○築田観光部長 都内観光促進事業は、宿泊旅行につきましては旅行者一人一泊当たり五千円、日帰り旅行は一人一回当たり二千五百円の助成とし、助成実績は、宿泊旅行の約五万三千泊、日帰り旅行の約六千三百回に対し、合わせて約二億八千万円となっております。
 このため、昨年度の予算規模の泊数ベースで四十万泊のうち残りの約三十四万泊に、今回、六十万泊を拡充して、約九十四万泊の事業規模で支援を再開する予定でございます。

○磯山委員 都内の宿泊施設は、ほかの自治体に比べインバウンドやビジネス需要が多いため、観光を目的とした旅行を支援するGO TOトラベル事業の恩恵を受けることが少なかったとの声がございます。
 都は今回、約百万泊程度で、都内観光促進事業をGO TOトラベル事業と合わせて再開するということでありますが、改めてその考え方を伺うとともに、現場の事業者に混乱が生じないように、販売開始までの準備期間を十分に配慮すべきと考えますが、見解を伺います。

○築田観光部長 これからの時期は、感染拡大のリスクが高くなる冬場であり、第六波への備えを固めることが必要でございます。
 特に年末年始は、帰省等で多くの人流が生じ、会食の機会も増えるなど、感染拡大の防止に向け、十分な注意を払わなければなりません。このため、再開の時期につきましては、こうした状況が落ち着いた時期に、感染状況の推移を見極めながら、国のGO TOトラベル事業の開始に合わせることとしております。
 国の事業は、事業者が旅行商品を造成する準備期間を確保した上で開始することが見込まれておりまして、国の事業に合わせることで、都としても適切に対応してまいります。

○磯山委員 再開時期について、感染再拡大のリスクも踏まえて慎重な判断をされたのだと思いますが、先ほども申し上げましたが、長引くコロナ禍の影響で大きな打撃を受けている宿泊施設をはじめ多くの観光関連の事業者の実情を踏まえると、早期の再開がなされないのは残念であります。
 今後、GO TOトラベルに合わせてもっとTokyoを再開するとのことですが、中小の事業者が事前に準備に時間を要し、大手の事業者に比べて出遅れ、十分なメリットが得られないということにならないように、早期に情報提供を行うことを要望しておきます。
 次に、都には、厳しい経営状況に直面する宿泊事業者や旅行業者等の観光関連事業者の経済支援を着実に進めていただきたいのですが、都内観光促進事業を継続して実施するためには、感染拡大を引き起こさないよう、感染防止対策を徹底した旅行を実現することが大変重要であります。
 そこで、都内観光促進事業を実施するに当たり、利用者が安全で安心な旅行環境を確保するためにどのように取り組んでいくのか伺います。

○築田観光部長 国のGO TOトラベル事業は、安全・安心な旅行環境を確保するために、ワクチン・検査パッケージなどを活用することとしております。
 昨年度、都内観光促進事業の実施に当たりましては、感染防止対策を徹底し、安全・安心な都内旅行を提供するため、業種別のガイドラインの遵守や、宿泊施設等における感染防止対策に係るステッカーの掲出などを助成の条件とするとともに、都民の皆様に対しましても、感染防止に向け、旅のマナーを啓発するチラシを配布いたしました。
 これらを踏まえながら、今後、制度の詳細をつくり上げてまいります。

○磯山委員 今後、詳細を決めていくとのことですが、国のGO TOトラベルと都のもっとTokyoの両事業がどのように連携していくのか、中小の事業者にも分かりやすい仕組みとするとともに、丁寧な説明を行うことを改めて求めて、次の質問に移ります。
 次に、世界的な原油価格の高騰が都内中小企業の事業活動に深刻な影響を与えている問題について伺います。
 最近の事態を踏まえ、先日の代表質問でも、経営体力の弱い中小企業が事業を継続していけるよう、しっかりとした支援を行うべきとの質問を行いました。
 原油価格高騰の影響は、トラックにより配送を行う運送業者をはじめ、重油などを用いて工場を稼働させる製造業などその影響は、東京の経済基盤を支える中小企業の多岐にわたっております。
 各企業が直面する経営実態を踏まえて、きめ細かい支援を行っていくべきでありますが、個々の企業に対してどのような支援を行っていくのか伺います。

○緑川商工部長 都は、原油価格の高騰により経営への影響を受けております中小企業に対しまして、専門家による適切なアドバイスを行うことで経営改善につなげてもらうため、特別相談窓口を設置するとともに、中小企業の現場に出向いて助言を行うこととしております。
 例えば、工場を持つ中小の製造事業者などは、重油などの燃料を使用し生産ラインを稼働させており、燃料費が経営コストの大部分を占めていることが想定されております。そうした中小企業に対しまして、相談内容に適した中小企業診断士など専門家を、最大四回、無料で派遣し、経営の効率化やコスト高に対応するための資金調達などについてアドバイスを行うこととしております。
 こうした取組によりまして、中小企業が直面する課題を踏まえたきめ細かい支援を行ってまいります。

○磯山委員 個々の企業の現地に赴き、専門家が実態を踏まえたアドバイスを行っていくことが分かりました。
 一方で、個々の企業では対応が難しい問題も多く存在します。取引先との交渉やコスト高に対応する価格転嫁など、業界を挙げた取組も必要となります。
 都においては、原油価格高騰に対応するため、業界団体向けの支援も行っていくとしていますが、どのように支援を行っていくのか伺います。

○緑川商工部長 都は、原油価格の高騰により事業活動の影響を受ける中小企業の組合などの業界団体に対しまして、専門家によるアドバイスを行うとともに、業界全体として実施する原油価格高騰対策に対する支援を一体的に行うこととしております。
 具体的には、業界ごとの特性に応じた相談に対応できるよう、業界の実情に精通した専属のアドバイザーを派遣し、燃料価格の上昇を価格取引に反映する場合の円滑かつ適正な方法や取引先との交渉方法など、業界全体における課題解決に向けた助言を行ってまいります。
 あわせて、団体等が実施いたします原油価格対策に対する業界内での周知や、消費者に向けた情報発信などの実施に必要な経費につきまして、助成率五分の四、三百万円を上限に支援をいたします。
 こうした取組によりまして、事業活動の影響を受ける団体等に対しまして、集中的な課題解決に向けた支援を行ってまいります。

○磯山委員 こうした支援については、事業者が苦しむ現状を踏まえ、時期を逸することなく迅速に実施していくことが重要です。このため、早期に事業を立ち上げるとともに、業界団体や事業者に支援策をしっかりと周知することを要望しておきます。
 また、原油高以外にも、半導体や尿素といった原材料の入手が困難になり、経営への影響が心配だとの声も聞かれます。都には、こうした状況も注視し、影響が大きくなるようであれば支援が必要か検討することを求めて、次の質問に移ります。
 一時支援金等受給者向け緊急支援事業について伺います。
 都は、本年七月より、一時支援金や月次支援金等を受給した中小企業に対して、販路開拓や設備投資の支援を行っており、売上げ減少に苦しむ中小企業の事業継続を後押ししています。
 厳しい状況にある中小企業にとって、とても有効な支援であったと考えますが、多くの事業者に活用いただくためには、しっかりと周知を図る必要がございます。
 そこで、これまでどのようにPRを行い、どれだけの中小企業に活用されているのか伺います。

○緑川商工部長 一時支援金等受給者向け緊急支援事業では、東京都中小企業振興公社のホームページにおきまして制度を広く周知するとともに、地域の自治体や商工団体等とも連携したリーフレットの配布などによりまして、普及促進に取り組んでおります。
 こうしたPRなどによりまして、制度開始から十一月末までに、八十八件の中小事業者に専門家を派遣しております。
 また、デジタル技術を活用した生産性向上への支援につきましては、二百二十件の申請を受け付けまして、百六十三件の交付決定を行っており、地域資源を活用した新製品等の開発支援につきましては、二十五件の申請を受け付け、五件の交付決定を行っております。
 加えまして、販路開拓支援と設備投資支援につきましては、これまで二回募集を行っておりまして、十一月末までの合計申請件数は、販路開拓支援では千五百三十六件、設備投資支援では百三十三件となっております。
 なお、一回目の募集で申請を受けた案件のうち、厳しい状況に置かれる卸売業などを中心に、販路開拓支援では千六十九件、設備投資支援では十七件に対しまして交付決定を行っております。

○磯山委員 地域の自治体や団体とも連携した周知により、多くの事業者に活用いただいている実態が分かりました。
 最近の足元の状況を見ると、感染症は一旦落ち着きを見せているものの、依然、中小企業を取り巻く経営環境は非常に厳しい状況であり、引き続き現場からの声にしっかりと耳を傾け、寄り添った支援を実施していくことが重要です。
 都は、今回の補正予算には、一時支援金等を受給した中小企業の新たな事業展開のサポートに向けて、十一億七千万円の支援策を盛り込んでいますが、中小企業からどのような声を聞き、今回の拡充を行ったのか、その考え方と取組内容について伺います。

○緑川商工部長 これまで一時支援金等受給者向け緊急支援事業をご利用いただきました中小企業の皆様からは、専門家から経営の見直しにつながる効果的な助言をもらえたや、売上げが減少する中、展示会の出展により新たな商談の機会を得ることができたなど、数多くの声をいただいております。
 こうした声を踏まえまして、今定例会に提案した補正予算においては、中小企業が直面する課題を早期に解決し、経営の改善を図るために必要な専門家の派遣による支援とともに、特にニーズが高い販路開拓支援を拡充して実施することとしております。

○磯山委員 先日の我が党の代表質問で、本補助金について、国が今後実施する事業復活支援金を受ける事業者も対象とする方向で検討しているとのことでした。
 厳しい状況の中でも自社の事業継続に前向きに取り組む中小企業を一社でも多く都は支援していくべきであり、新たに対象となる企業に本支援策に関する情報が届くよう、商工団体などの関係機関ともしっかりと連携して周知を行うことを改めて要望し、私の質問を終わります。

○入江委員 私からは、飲食事業者向けの補正予算について伺います。
 緊急事態宣言、リバウンド防止期間の解除で、感染防止対策認証済みの飲食店ではようやく通常営業に近づきましたが、テレワークや生活スタイルの変化で、客足はなかなか戻りません。会社で行う忘年会、また、新年会などの予定もほとんどないということです。
 例えば、私の地元港区のレストランでは、通常営業に戻れた十一月でも、売上げはコロナ前に比べ約二五%から三五%減少だということです。感染防止対策のために座席数をコロナ前の二〇%から三〇%程度に減らしていますし、食材も大変高騰しているので、今後、爆発的に売上げが向上するとは考えられません。
 もちろん、皆さんテークアウトやデリバリーも実施していますが、そもそも単価の安いものが中心で、宅配プラットフォームへの手数料が大きいため、利益は少ないです。
 そして、これまで頼りにしてきた感染拡大防止協力金の支給が終わることは、大きな痛手となっております。多額に借入れすることができたコロナ禍でのゼロゼロ融資が一年を経過し、返済が始まります。国や都は借換えや返済引き延ばしを勧めますが、取引先の金融機関の対応は非常に冷たいということです。次回の融資や今後の設備投資など、信用枠が増えていないと説明されるということです。このように、飲食店の構造的な資金繰りの悪化と厳しい経営状況がさらに続きます。また、大幅な人材不足も懸念されています。
 今回の産業労働局の補正予算では、こうした状況の飲食事業者への支援策を拡充しておりまして、大変評価しております。
 さて、飲食事業者の業態転換支援について、これまでの採択状況をお教えください。既に、多くの飲食店が宅配やテークアウトサービスや移動販売に取り組んでおりますが、今回の拡充について伺います。

○緑川商工部長 都は、中小飲食事業者がテークアウトや宅配など新たなサービスを開始する場合、必要となる経費の五分の四、百万円を上限に支援をしております。
 令和二年四月の制度開始から今年十一月末までに、一万五百十四件の申請を受け付け、九千七百三十五件、約五十五億円の交付決定を行いました。
 数多くの事業者にご利用いただいておりまして、売上げが厳しい中、新たなサービスを行う上での負担軽減につながり助かったなどの声をいただいていることから、このたび、新たに約三億円の予算措置を行い、規模を拡充し、十二月末まででありました申請期間を来年三月末まで延長することといたしました。
 こうした取組によりまして、売上げが落ち込んでおります中小飲食事業者が行います売上げ確保に向けた取組を適切に後押ししてまいります。

○入江委員 業態転換支援について、大変多くの事業者が助けられているということが改めて分かりました。
 そして、これまで採択を受けた方からは、採択の決定と支給日をなるべく早くお知らせしてほしかったというお声も届いておりますので、ご配慮をお願いいたします。
 続いて、飲食事業者向け経営基盤強化支援事業について、これまでの申請の状況と今回の拡充について伺います。
 派遣される専門家となる中小企業診断士の中には、飲食店ならではの状況を理解してもらえない方もいるのではと懸念するお声も届いていますが、どのように対応していくのかを伺います。

○緑川商工部長 飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は、専門家が店舗に出向いてアドバイスを行うとともに、そのアドバイスを受けて収益確保に取り組む際に必要となる経費の三分の二、二百万円を上限に支援をしております。
 十一月一日からの制度開始以来、当初想定していた件数を超える多くの事業者から申請があったことから、このたび、規模を拡充し、実施することとしております。
 また、派遣する専門家は、飲食事業者への支援に強みを持っていることが必要であることから、飲食店への支援で成果を上げている中小企業診断士などを各店舗に派遣することとしております。
 このため、飲食事業者の意向をしっかりと踏まえつつ、新たな事業展開などに向けて、実効性や実現性を高める観点からアドバイスを行うとともに、今後の取組につきまして、事業者と一体となって検討を行ってまいります。
 こうした取組によりまして、事業の本格的な稼働再開に向け、適切に支援を行ってまいります。

○入江委員 ありがとうございました。ご答弁にありました、事業者の意向をしっかり踏まえるという点が大変重要ですので、ご相談を受ける専門家の方々にも改めて確認をお願いいたします。
 さて、都心部の飲食店では、家賃の高い店舗は手放し、手放しというか手放さざるを得なく、幾つもの独立した厨房が集まる建物、いわゆるゴーストキッチンやクラウドキッチンに出店し、テークアウトやデリバリーを専門とする業態に変更する場合が増えています。
 こうしたケースはどのように支援していくのかを伺います。

○緑川商工部長 飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は、専門家の意見を踏まえ実施をする新たな事業展開などを後押しするものでございます。
 お話の複数の事業者が施設を共有しながら、主にデリバリー用の料理を作るために設計されたクラウドキッチンなどを活用し、新たにテークアウトや宅配などを中心とした事業展開を図る場合、ウェブサイトを通じた事業のPR経費や、オンラインによる注文システムの導入経費など、必要となる経費も助成の対象としております。

○入江委員 ゴーストキッチンやクラウドキッチンに出店する場合も助成の対象となると伺いました。
 このように飲食業界では、生き残りをかけて様々な取組に挑戦されています。まさに今こそが正念場だというお声も聞きます。ぜひ、伴走型で柔軟性がある経営基盤強化事業になることを強く要望いたします。
 続いて、先ほども大幅な人材不足を懸念しているというお声をお話ししましたが、また、就職人材を探そうとすると仲介事業者への手数料が大変高いとのお声をいただいております。
 今回、都が、コロナ禍でとりわけ大きな影響を受けた飲食業や観光業の事業再開に向けて、無料となるだろう就職面接会のマッチングイベントによる人材確保支援策を打ち出したことは、大変評価いたします。
 しかし、一口に飲食業、観光業といっても、都内には多種多様な飲食店やホテルなどがあり、求める人材も様々です。
 そこで、本事業で実施するマッチングイベントでは、求人企業が求職者に対し自社をPRする機会を設けるなど、求める人材を確保できるように工夫すべきと考えますが、見解を伺います。

○村西雇用就業部長 就職面接会におきまして、求職者と求人企業とのミスマッチを防ぐためには、様々な採用条件や職場環境などが求職者の希望や適性に沿った求人であるかを事前に確認することが効果的であるとともに、求人企業にとっても、自社で求める人材を的確に確保することにつながるものでございます。
 このため、本事業で実施するマッチングイベントの開催に先立ち、イベント専用のウェブサイトを開設し、企業が求人条件等に加えて、自社で働く魅力などを発信していけるようにしてまいります。
 また、マッチングイベントの会場では、求人企業が自社の業務内容や求める人材に関する情報を説明し、求職者からの質問にも応じる企業説明会のプログラムを設けるなど、企業が必要とする人材を確保できるよう後押ししてまいります。

○入江委員 ありがとうございます。中小企業が求める人材の確保を支援するために、事前の情報提供などにより、求職者が企業に対する理解を深め、マッチングを支援することは、大変重要な取組だと思います。
 また、何かのきっかけで新しいお店やホテルを知るということは、東京の魅力発信にもつながりますので、ぜひ、そのような機会を充実させていただければと思います。
 港区のハイクラスのレストランでは、実はアルバイト人材の確保が難しく、時給は千五百円までアップしたと聞きました。本事業では、正社員のみならず、テンポラリーな働き方をするアルバイト人材確保にも尽力していただけるということを先ほど伺いましたので、よろしくお願いいたします。
 続いて、これまでのコロナ禍において、飲食店にはコロナ対策リーダーを選定していただきました。そして、感染拡大防止協力金をお支払いしてまいりました。この方法でこれまで都が取得した膨大な数の飲食店の実態データは、大変貴重なものです。今後も、飲食店にとって有益となるように活用すべきと考えます。
 先日の本会議における我が会派の代表質問において、十二万件を超える飲食店のコロナ対策リーダーに対して、感染予防情報をはじめとした各種情報を直接提供しているとの答弁がありました。
 飲食事業者からは、協力金の申請期限をメールでリマインドしてくれたおかげで、忘れずに申請できたというお声もいただいております。こうした支援ニーズを捉えた情報発信の取組は、大変喜ばれるものと思います。
 今後は、このコロナ対策リーダーを通じて、プッシュ型でお知らせする仕組みを一層活用し、新たな支援策など、飲食店側に役立つ情報を積極的に発信すべきと考えますが、見解を伺います。

○緑川商工部長 都は、飲食事業者等が適切な支援を受けられるよう、十二万件を超える飲食店のコロナ対策リーダーに対しまして、支援情報を直接メールでお知らせをしてまいりました。
 具体的には、感染拡大防止協力金につきまして、期限内に確実に手続ができるよう、申請期限が近づいた際にお知らせをするほか、感染症防止ガイドラインに基づく取組への助成の利用促進に向けまして、事業に関する情報提供を行っております。
 今後、これらに加えまして、感染拡大防止と経済活動の両立を一層促していく必要があることから、経営基盤の強化や業態転換、中核人材の確保に向けた支援など、様々な飲食事業者向けの支援情報につきまして、コロナ対策リーダーを通じてプッシュ型で情報提供を行うことで、必要な支援が確実に事業者に届くよう、きめ細かな情報発信に努めてまいります。

○入江委員 ありがとうございます。きちんとした施策を立てつけていただいても、それが事業者に届かなければ意味がないと思いますので、引き続きこの情報ネットワークは活用していただくことをお願い申し上げます。
 ご存じのとおり、東京には最も多くの飲食店がございます。シェフや大将や料理人の下には、日本中から多くの食材や日本酒などが届きます。東京で扱われてこそプレゼンスが上がるということです。東京の飲食店が斜陽となると、生産者や小売業者や流通業者など多くの方々も苦しむことになります。
 第三回の定例会の私の一般質問に対し、小池都知事は、食に関わる方々の声にしっかりと耳を傾けながら、東京の食をさらに磨き上げる施策の戦略的な展開により、世界を引きつける美食都市を目指してまいりますとご答弁くださいました。
 未来の東京戦略ビジョンの中でも、食文化というのが大きなキーワードとなっております。
 引き続き産業労働局には、厳しい状況にある飲食業界にしっかりと寄り添い、有効な支援策を続け、東京の都市の魅力である食を守り、進化させていただくことを強く要望いたします。
 質問を終わります。ありがとうございます。

○高倉委員 まず、都内の観光促進の事業についてお伺いしたいと思います。
 コロナ禍が長引いておりまして、様々なところに影響、打撃が及んでいるわけですけれども、大変大きな打撃を受けている業界といいますか、こういう事業者が、観光関連の事業者であると思います。
 かねてから感染の波を繰り返してきたわけですけれども、感染防止対策をしっかりやる一方で、これだけコロナ禍が長引いている中で、事業者のことも考えて、どうやって経済の再生、回復と両立させていくか、これは常にしっかりと考えていかなきゃならない大変重要な課題ではなかったかなというふうに思うんですね。
 現在は、新規の感染者数はずっと落ち着いている状況が続いているわけです。こうした状況の中で、当然ながら、やはり観光事業者をはじめとして、影響を受けている事業者の方々は、何とか一刻も早く事業の状況を元に戻していきたいと、こういうふうに考え、また、様々なことを期待するというのは、これはもう当然なんですね。それにやっぱりしっかり応えていかなきゃならないということが、大きな課題ではないかなというふうに思います。
 都は昨年、都内観光促進事業、もっとTokyoを実施したわけです。この事業については、四十万泊分の支援の規模、そして宿泊旅行については、一人当たり、一泊当たり五千円の補助、それから日帰り旅行は、一人当たり二千五百円の割引を行うということで、そういうことを行う旅行事業者に対して助成を行ってきたわけであります。
 先ほどの質疑で、昨年度の実施状況とか助成実績については、既に答弁がありました。
 そこで、今回都として、昨年の残りの分と合わせて九十四万泊分の、そうした規模で事業を再開するということでありますが、これはいつまでこの事業の活用を考えていらっしゃるのかということをまずお聞きしたいと思うんですね。
 これは、なぜそんなことを聞くかといいますと、昨年は途中でストップしてしまったわけであります。今回、昨年の分も合わせて、百万泊近い状況で事業をやるということになるんですけれども、当然ながら、また途中で感染の波があったりするかもしれませんし、あるいは、そういう状況じゃなくて、感染が落ち着いている状況の中では、やはり事業者の方々は、これを積極的に活用しようというようなことを考えて、どんどんどんどんこの事業を活用するということも考えられるんですね。
 そうしたときに、そう簡単には事業が元に戻るということは考えづらいということがあって、引き続きの支援といったことも、当然、さらに考えていかなきゃならない、この先のことをですね。
 そういったことも、ちょっと私としては課題意識があるということでこの質問をするわけですけれども、今回、百万泊近い規模で事業を再開するということですけれども、いつまで活用できるというふうに考えていらっしゃるのか、このことについてご答弁をいただきたいと思います。

○築田観光部長 もっとTokyoは、国のGO TOトラベル事業と併用し、旅行者の負担を抑えることによりまして、事業効果を高めることができるものでございます。
 このため、百万泊の支援規模で、国の事業と連携してこの事業を実施してまいります。

○高倉委員 今、簡単にお答えをいただいたわけですけれども、次の質問ということになりますけれども、実は、私たち都議会公明党は、こうした観光関連の事業者の方々から常に要望を聞いているわけです。
 最近も、強い要望をいただいたんですけれども、それは、全国の各県では、国のGO TOができていない状況の中で、県民割といったようなことをやっていらっしゃると。ぜひ東京もやっていただきたいと。
 国は、GO TOトラベルを、GO TO事業を、もうやるという方針は示しているんですけれども、いつやるかというのはまだはっきりしていないという状況でご要望を受けたわけですけれども、できれば、都としてつなぎの事業をぜひ行っていただけないものなんだろうかと。こういう強い要望をいただきまして、それを受けて私たちは、都議会公明党は、知事宛てに、国のGO TOトラベル事業が開始されるまでの間、都として独自のつなぎの支援の事業を行っていくべきではないかということを要望させていただいたわけであります。
 これは先ほど、一問目でもお話をしたとおり、できれば、やはり早めにやっていただきたいということと同時に、今回、百万泊規模の支援をするわけですけれども、これをどんどんどんどん活用していったときに、これは来年度ということになるかもしれませんけれども、それを切れ目なく、引き続きやっていくというようなことも、当然考えておかなきゃならないということであるというふうに思うんですね。
 私たちは、今回、国のGO TOトラベル事業が開始されるまでの間、都としてつなぎの事業をぜひしてほしいと、こういうことを要請したわけです。
 これは当然ながら、先ほど申し上げたように、今ずっと新規感染の状況が落ち着いているわけです。ただ、心配なんですね。新たな変異株の心配はもちろんあるんですけれども、ただし、ここのところずっと、本当に感染が落ち着いている。
 もちろん、年末年始も心配をされるということは、これから、この先あるんですけれども、年末年始に人出がたくさん出るというお話は当然あるかもしれませんが、もう既に、皆さんも感じていらっしゃると思いますけれども、まちの中での飲食店等はかなりの人が入っている。まちの中ではかなり人の流れが出てきている状況の中でなお、こういう、今は新規の感染者が落ち着いている状況があるんですね。
 したがって、私たちとしては、やはり迅速に手を打っていくという点において、国の事業は、当然、事業者も期待をしていますけれども、この前に、都としても、都内の観光事業者は非常に大きな影響を受けているわけですから、これに対して適切な手を迅速に打っていくべきであると。
 こういうことを、この間、緊急要望をさせていただいたんですけれども、そこで、ちょっとここで、もっとTokyoのような事業を早期に実施しないということの理由についてお伺いしたいと思います。

○築田観光部長 これからの時期は、感染拡大のリスクが高くなる冬場でありまして、第六波への備えを固めることが必要でございます。
 特に年末年始は、帰省等で多くの人流が生じ、会食の機会も増えるなど、感染拡大の防止に向け、十分な注意を払わなければなりません。
 このため、こうした状況が落ち着いた時期に、感染状況を見極めながら、GO TOトラベルの開始に合わせて事業を再開することで、観光の促進に結びつけてまいります。

○高倉委員 今、感染状況を見極めながらというお話があって、これはもう本当にそのとおりだと思います。
 ただ、先ほど、何度もいうように、感染状況がどうなっているのかということなんですよ。増えたり減ったり、増えたり減ったりしていて、まだ先が分からないというような状況ではないんですね、今ね。減ってきている、非常に落ち着いてきている、こういった状況があるわけであります。
 もちろん、新しい変異株も含めて、この先、第六波といったことが当然想定もしていかなきゃならないということがありますので、軽々に物を申すわけにはいかないと、また、皆さんもそういうふうに軽々しく考えていくことはできないということであるというふうに思います。
 したがって、今日、質問の冒頭で申し上げたように、やはり感染拡大に十分注意し、防止対策を取った上で、どうやって経済の再生、回復を図っていくか、両立をさせていくか。これは実に大事な取組なんですね。ここを過たないように、しかも迅速に手を打っていくということが、やはり都民あるいは事業者の方々から皆さんが求められていることではないかなと思います。
 そこで、今回、昨年の分と合わせて百万泊近い、そうした事業を国のGO TO事業に合わせてされていくということであります。
 先ほど、本当に感染状況を見極めながらというお話がありました。したがって、今、私はどんどんやってほしいという、もちろんそういう思いもあって質問しているわけですけども、一方で、やはり感染の拡大がまた起こってきたときには、これはもう、すぐに判断をしていかなきゃならないと思うんですね。
 やはり事業者の方は、こういった事業を始める場合に、いつ始めるか分からない、例えば準備をどうするんですかとかということ。反対に、何かもう感染が拡大してきて、どこかでこれは多分終わるんじゃないか、でも、いつ終わるか分からないみたいな、そういうのが一番困るわけですよね。したがって、やはり適切に判断をしていただくということが大変重要になってくると思うんですね。
 したがって、この事業を再開した後、もし感染が拡大をした場合に、事業の停止といった判断もしていかなきゃならないと思いますけれども、これについて、国の事業と合わせて判断をしていくのか、あるいは、都独自の判断をしていくのか。このことについて、見解をお伺いしておきたいと思います。

○築田観光部長 都は、国のコロナ分科会で示されました五つのレベル分類に、都独自でレベル二・五を設定しておりまして、そうしたレベルの範囲内で、観光産業の回復への支援として、感染防止対策を徹底した上で観光を後押しすることとしております。
 レベル二・五になった場合は、事業の進め方について適切に判断してまいります。

○高倉委員 次に、雇用対策についてお伺いしたいと思います。
 都は今回、デジタル産業と飲食・観光業という二つの業種でマッチングイベントを開催し、失業された方の早期の再就職とともに、中小企業における人材確保を支援する取組を行うというふうにしております。
 このマッチングイベントは、それぞれ、二日間で延べ六十社が参加をするというふうにお聞きをしております。これまでの就職面接会と比べまして、かなり規模の大きな面接会となっているために、より多くの求職者や求人企業の参加に向けて、きちんと情報を届けていくということが必要になってくると思います。
 そこで、こうした大規模なマッチングイベントを開催するに当たりまして、求人企業や求職者の方に対して、十分な広報等を行っていくべきと考えますけれども、具体的にお伺いいたします。

○村西雇用就業部長 今回実施いたしますマッチングイベントは、人材確保に課題を抱える多くの中小企業の求人を開拓し、コロナ禍で離職を余儀なくされた多数の求職者に提供していくこととしているため、事前の広報等の取組がこれまで以上に重要となっており、一層強化していく必要がございます。
 このため、都は、求人企業の開拓に当たりまして、経済団体等と連携した取組を進めるとともに、求職者に対しては、ハローワーク等の就職支援機関における周知をはじめ、SNSによる情報発信や、区市町村等の広報等の活用も図るなど、PRを強化して実施してまいります。

○高倉委員 今、SNSによる情報発信というようなお話もありましたけれども、これもぜひいろいろ工夫していただいて、発信すればいいというふうにだけ思っていらっしゃるわけではないと思いますけれども、やっぱりきちっと注目されるような工夫をしないと、SNSで発信していますというだけでは厳しいと思いますので、これはぜひ工夫をお願いしたいというふうに思います。
 そこで、この就職面接会というイベントですけれども、参加をした経験がある方はよく分かると思うんですけれども、経験があまりないとか、あるいは、もう全く初めてであるというような方々もやはりいらっしゃるのではないかなと思います。
 今回の事業では、非常に多くの企業が参加をすると。そうした中で、当日、参加をしてみたものの、求人の企業を前にして、どの企業の面接を受けたらいいのか判断に迷われるというような方も当然いらっしゃると思います。
 そこで、本事業の就職面接会の会場において、こうした求職者の方に対し、再就職に関する希望や条件に合致した企業との就職面接が円滑に進むよう支援する取組が必要と思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○村西雇用就業部長 今回実施いたします大規模な就職面接会では、参加する求職者の方に対して、求人企業との就職面接までの手順などを分かりやすく記載したガイドブックを当日会場で配布し、数多くの企業との就職面接が行えるよう支援を行ってまいります。
 また、これに加えまして、マッチングイベントを側面からサポートする就職支援アドバイザーを会場に多数配置し、求職者から再就職に関する希望や条件をヒアリングし、就労ニーズに合致した求人企業との就職面接を案内するなど、きめ細かな対応を図ってまいります。

○高倉委員 今、分かりやすく記載をしたガイドブックのお話もありました。当日、会場で配布をするということで、これは当然必要なことだと思います。
 そうした中で、事前にこういったガイドブックなんかも紹介しておくという、こういったことがあってもいいんじゃないかと思うんですね。最近は便利なネット環境もありますので、載せることはすぐにできますし、見ることもすぐ、いつでもどこでも見られるわけですね。
 当日、会場で見るということ、これは当然必要だと思いますが、できれば事前にそういったものも、ガイドブックでしょうから、別に当日じゃないと渡せませんというものでもないでしょうから、その辺の工夫もぜひお願いをしたいと思いますし、それから、就職支援アドバイザーを会場に多数配置をしているということで、ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、分かりやすく、あの人がそうだという感じで、しかも話しやすいような雰囲気で、ぜひこれはお願いしたいというふうに思うんですね。
 今回、非常に大事な取組だと思いますし、先ほど申し上げたように、初めて行かれるような方もいらっしゃいますので、そういった方が来てよかったというようなことになるように、これまでも就職面接会はやってこられて、そのノウハウはあるんだと思いますけれども、もう一度そういった観点から、利用してここにいらっしゃる、まさに職を求めていらっしゃる方の立場に立って、やっていただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、原油価格の高騰に対する金融支援について、お伺いをしたいと思います。
 先月の当委員会において、私は、この原油価格の高騰に対する制度融資の備えについて、質疑を行わせていただきました。
 その際は、活用可能な融資メニューがしっかり準備されていると、こういう答弁だったんですよ。その答弁を聞いて、ちょっと、それでいいのかなと私は思いませんでしたけれども、そういうものなのかと思ったんですよね。
 ところがというと、別に皆さんのご努力を別にどうこういうつもりはないんですけれども、今回、補正予算で新たな対応が出されてきているわけです。
 先月質問したときにご検討されていたのかどうか分かりませんけれども、もし検討されていたのであれば、やはりそういったことも示していただくということも、あってもよかったのかなと思ってはいます。
 ただ、そのときは、まだそういうことは検討されていませんでしたということかもしれませんので、それについては多くを申し上げませんけれども、ついこの間質問させていただいた、そのときには、もうメニューはありますというようなお話だった一方で、今回、補正予算にこうして新たな取組が盛り込まれてきているということであります。
 ぜひとも、私たちも、その時々を捉えて議会でこうして質問をしているわけですから、ぜひとも、今後は適切に答弁をしていただくように、またお願いをしておきたいなというふうに思っております。
 そこで、過去にも、今回の原油高のような状況というのがあったと思います。原油高に限らず、社会経済状況の大きな変化によって、事業の経営が大変難しい状況になるというようなことが、これまでも度々あったのではないかというふうに思っております。そのときに、適切な対応を行ってこられたというふうに思っております。
 そこで、これまで原油価格が高騰した過去のケース、その際に都が行った対応についてお伺いしておきたいと思います。

○篠原金融部長 過去には、平成十七年から二十年頃にかけて、原油価格高騰に対応して制度融資を拡充した事例がございます。
 具体的には、まず平成十七年十一月に、国が業種を指定し、売上原価などへの原油価格上昇の影響に関する条件を定めまして、区市町村から該当の認定を受けた事業者が利用できる融資を、経営セーフと呼んでいる融資メニューで開始いたしました。
 その後、平成二十年四月からは、都独自の対応といたしまして、国の定めた制度の対象とならない事業者への融資を、経営一般と呼んでいる融資メニューで開始いたしました。
 なお、この経営一般メニューを利用する小規模事業者に対しましては、借入れの際に必要となる信用保証料につきまして、平成二十年四月からは〇・一%の補助、同年十月からは二分の一補助を行っております。

○高倉委員 今、これまでの過去の原油高に対する取組といったことが明らかにされました。
 そこで、過去においてこうした対応を図ってきたということを確認させていただきましたけれども、こうした経験が今回の原油価格高騰への対応においてどのように生かされているのか、また、今回の支援内容は、これまでの取組と比べてどういう違いがあるのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。

○篠原金融部長 先ほど述べました前回の経験や実績を踏まえまして、平成二十三年度以降は、原油価格高騰の影響を受ける事業者を経営一般融資メニューの対象としておりまして、今回においても、そうした中小企業は速やかに融資を利用できる仕組みとなっております。
 都内の中小企業は、コロナ禍で経営が苦しい上に、原油価格の今回の急激な高騰の影響を受けておりますことから、今回の補正予算では、信用保証料につきまして、小規模事業者に対し二分の一を補助していたものを三分の二補助に引き上げますとともに、小規模事業者以外の中小企業者にも支援対象を拡大いたしまして、新たに信用保証料の二分の一を補助するものでございます。

○高倉委員 過去の支援と比べても、その補助の拡大が図られ、また、支援対象も大きく広げているということで、こうしたことは、原油高の影響を受けている中小企業にとっても大変心強いものであるというふうに思いますし、私も評価を申し上げたいというふうに思います。
 これから年末、またさらには年度末を迎えていく中で、事業者の資金需要というのが高まる、こういった時期を迎えるわけでありまして、今回の補正予算の成立後、ぜひ速やかにこの制度の運用を開始するとともに、しっかりと制度の周知も図っていただきまして、よろしくお願いをしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○細田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十五分開議
○細田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○清水委員 新型コロナの影響は二年近くに及んでいます。新規感染は抑えられ、ようやく緊急事態宣言などの自粛要請が解除されましたけれども、これまでの質疑にあったように、忘年会の予約が入らないなど、コロナ前のようには客足が戻らない状況が報道されています。
 経済の回復がなかなか進まず、また、むしろ原油高や物価高などによる原材料の高騰、こうした負担は重くなる中で、様々な支援策が終了し、緊急融資の返済も始まるなど、事業者は新たな厳しさに直面しています。そのような事業者が、年末年始を乗り切り、事業が継続できるような都の支援が求められています。
 最初に、一時支援金等受給者向け緊急支援事業についてお伺いします。
 この事業は、今年七月から始まって、専門家の派遣、販路開拓サポート事業、設備投資支援が行われています。
 専門家を通じて、都内業者が抱える課題、これが浮かび上がっていることと思いますが、どのような課題に都内業者が直面しているのか、把握されていることをお伺いしたいと思います。

○緑川商工部長 これまでの専門家派遣では、新たな売上げ確保や経営改善に係る相談などを受け付けております。

○清水委員 ありがとうございます。
 次に、事前の通告では、この一時支援金事業を受けた事業者への周知、つまり国制度を受けた事業者に対して都制度をお知らせするということになるわけですから、周知をどのようにするのか通告をしておりましたけれども、先ほどの質疑の中で、東京都中小企業振興公社のホームページで制度を広く周知するとともに、地域の自治体などとも連携して、リーフレットなどの普及促進にも努めているというふうなご答弁がありました。
 また、専門家の派遣、販路拡大、設備投資、三つの支援について、それぞれの応募状況、また、給付の実績についても事前に通告をさせていただきましたけれども、これも先ほどの質疑の中で、制度開始から十一月末までに八十八件の専門家の派遣を実施し、販路開拓支援と設備投資支援については、これまで二回募集を行って、十一月末までの合計の申請件数は、販路開拓支援で約一千五百三十六件、設備投資支援では百三十三件、また、一回目の募集で申請を受けた案件のうち、販路開拓支援では千六十九件、設備投資支援では十七件に対して交付を決定されたというふうな答弁がありました。
 また、利用されている方々からは、中小業者の皆さんからは、効果的助言がもらえた、コストの削減や新たな商談機会の確保につながった、こうした声が寄せられている、こういう答弁がございました。
 専門家の派遣と販路開拓支援の事業については、申請要件を満たしていればほぼ受けられる、こういう状況がうかがえます。
 ところが、設備投資支援、こちらは百三十件の申請に対して交付は十七件ということでした。まだ審査が済んでいないものもありますから、この数はもう少し増えていくというふうに思いますけれども、審査結果が若干増えたとしても、圧倒的多数の申請者は交付を受けることができない、この状況は明らかではないでしょうか。
 しかも、今回の補正予算には、設備投資支援の予算は計上されていないんです。圧倒的多数の申請者が交付を受けられない、こういう状況を踏まえると、今回の補正予算でも設備投資支援を計上して、要望に応えていくべきではないかと考えますが、いかがですか。

○緑川商工部長 今定例会で提案しております補正予算では、直面する課題を解決し、経営改善を図るため、専門家派遣を実施するとともに、特にニーズが高い販路開拓支援を拡充して実施することとしております。

○清水委員 この事業の対象者は、大幅な売上げの減少があって一時支援金等を受給された事業者の皆さんです。こうした事業者にとって、専門家のアドバイスや販路の開拓、設備投資の支援、本当に重要だというふうに思いますし、利用者からのそうした声も届いています。
 専門家派遣、販路拡大が申請要件を満たす方には交付できるような予算が組まれている一方で、設備投資支援は、応募者の多くが交付を受けられない、こういう状況が明らかで、設備投資支援は、新たな事業の展開に必要な最新機械設備などを購入するための経費を、上限三千万円、助成率五分の四、これで補助をしてもらえるということで、資金繰りも厳しい、そういう事業者にとっては本当に大きな支援だというふうに思いますし、ニーズも大きい。しかし、予算規模も大きくなるとこれに応えることができない。こういうことだというふうに思います。
 せっかく専門家の派遣、販路拡大、これはニーズに応じた予算規模を確保しているわけですから、設備投資、この支援についても、やはり抜本的に予算を拡充していただくように、これは求めておきたいというふうに思います。
 次に、飲食店事業者の業態転換支援についてお伺いします。
 これまでの事業実績については、先ほどの答弁で、業態転換支援事業では、制度開始から本年の十一月末までに、一万五百十四件の申請を受け付け、九千七百三十五件、約五十五億円の交付を決定したことが答弁されました。
 また、受給者などからどのような声が上がっているのか、このことについても、支援を利用された飲食業者からは、新たなサービスを行う上での負担軽減につながった、こうした声があることが答弁をされました。事前に通告しておりましたけれども、答弁がありましたので、このことを確認しておきたいと思います。
 感染拡大は抑えられたとはいえ、世界各国で新たにオミクロン株の感染者が見られるなど不安要素もあって、経済の活性化は期待どおりには進んでいません。また、生活様式の変化によって、コロナ前には単純に戻れない、こういう状況も明らかになってくる中で、業態転換への支援の希望、これは増えていくことが予想されます。
 先ほどの答弁の中でも、やっぱり想定を超えた申込みがあって、今回は規模を拡大するんだ、こういう話もありました。
 まさに今、感染が少し落ち着いて、これから経済再生へということになりますと、これまでよりもさらに希望者が増える、こういうことは当然予想されてまいります。
 引き続き、申請された事業者が支援を漏れなく受けることができるように、必要な予算の確保、これをしていただくように、また、必要に応じて補正予算で追加をしていく、こういうことも求めていきたいと思います。
 また、もう一つ、いまだに続いている売上げ減少の中で頑張っている事業者の皆さんの中には、月次支援給付金のような事業継続への支援、つまり業態転換ではなく、今の事業を続けたい、それに対する支援が欲しい、こういう声も大変多く寄せられています。
 しかし、都の制度を見ると、こうした今までの事業、その継続のための支援というのは今回見られません。政府も、事業者への支援金、持続化給付金のようなもの、家賃支援のようなものを考えていく方向を示しているわけですから、東京都としても、月次支援金に上乗せ、横出しをしているように、国制度への上乗せ、横出し、こういうものを、ぜひ強く求めて、次の質問に移ります。
 デジタル人材確保・就職促進事業と、飲食業・観光業向け人材確保支援事業についてお伺いします。
 事前に、これまでの人材確保事業と今回の事業の違いについて、また、今回の人材確保事業の中で、特に、今雇用が失われ、厳しい状況に置かれている女性の雇用、この就労支援について対応をお聞きしておりましたけれども、これまでの答弁の中で、東京都は、コロナ禍の雇用対策において、これまでは若者、女性、中高年などの求職者の年齢層に応じた就職面接会を実施したけれども、今回は、デジタル分野などにおいて、求職者の早期の再就職に加え、中小企業のDXの人材確保にも資するように、マッチング支援を強化するんだと。
 それから、このマッチングイベントの中では、就職面接会の会場に、女性求職者に対する専門のキャリアカウンセリングコーナーを設置して、就業相談も実施する、経験のない方でも就業できるような、多様な企業を集める、こうした答弁がありました。
 女性求職者に対する相談コーナーが設置され、都が行っている事業や支援につなぐことができる。これはとても大切なことだというふうに思います。
 また、コロナで職を失った多くの方に、都の制度、就業支援制度、これを広く知らせて、この年末年始、誰一人取り残さない、こういうメッセージを東京都が発していくことそのものもとても大事なことだというふうに思いますので、意見として述べさせていただいて、次の質問に移ります。
 次に、都内観光促進事業についてお伺いします。
 旅行業者の方にお話を伺いましたところ、旅行業者への支援が始まる都内観光促進事業については歓迎をするものだけれども、コロナ禍で疲弊している旅行業者、宿泊業者への直接的な支援、これも必要である、そういう声が強く出されました。
 旅行業者への直接的な支援については、どのようにお考えになっておりますでしょうか、答弁を求めます。

○築田観光部長 都では、中小企業者等月次支援給付金の支給や感染防止対策への助成などによりまして、中小の旅行業者や宿泊事業者等の経営を支えてきたところでございます。

○清水委員 月次支援給付金、また、感染防止対策への助成ということでしたけれども、やっぱり旅行業者の方々に聞きますと、そもそも旅行業者への収入というのは、ツアーを企画しても本当に少ないもので、その中で、様々な給付、まだまだ不十分だというふうなお答えがありましたので、ぜひ支援をお願いしたい。
 特に、例えばバス旅行などでは、長距離のツアーで、運転者さんが二人必要になる。また、ガソリン代が値上がりして経費が増える。こうした、コロナ前にもう既に打撃を受けていたというんですね。そういう中で旅行が減ったところにコロナの影響が来て、本当に苦しいとおっしゃっていました。
 このコロナの下で旅行ができなくなって、何とか活路を見いだそうということで、観光地の産物をこれまでの利用者の方々にお知らせをして販売する。こうした取組をやっているけれども、やっぱり支援は不十分だというふうなことでした。
 旅行業者などへの直接的な支援、改めて強く求めて、次の質問に移ります。
 安全な状況で旅行ができること、これはやっぱり観光促進には必須のことだというふうに思います。
 特に、東京都の観光の柱になる島しょの部分、島の部分は、医療の体制が大変弱くなっています。検査で感染を持ち込まない、このことをしっかりとすることが特に重要だというふうに思います。
 ところが、このPCR検査等の検査費用というのは、旅行代金に含まれるということになっています。そうなると、大手の企業ではこうしたものを負担することができるかもしれませんけれども、その負担は小規模事業者にとっては大変重くなりますし、利用料を、ツアーの料金を抑えようと思えば、自己負担もしなければならない。こんな状況も生まれています。
 検査費用の負担軽減を小規模事業者に対して行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○築田観光部長 国のGO TOトラベル事業は、安全・安心な旅行環境を確保するために、ワクチン・検査パッケージなどを活用するとしております。
 都事業は、こうしたことを踏まえながら、今後、制度の詳細をつくり上げてまいります。

○清水委員 感染が下火になったとはいえ、新たな変異株の流行が懸念されています。昨年の都内観光促進事業も、開始一か月で中止せざるを得ない状況になりました。
 今後、感染状況によっては、中止の判断が迫られることも想定しておく必要があります。どのような基準で中止をするのか、このことについては、先ほど答弁の中で、国のコロナ分科会で示された五つのレベル分類に、都独自でレベル二・五を設定して、そうしたレベルの範囲内で、観光産業の回復への支援として、感染防止対策を徹底した上で観光を後押しし、レベル二・五になった場合には、事業の進め方について適切に判断との答弁がありました。
 前回の都内観光促進事業を中止するかどうか、その判断のときに問題になったのは、誰がどういう基準で判断をするのか、そのことがはっきりしていなかったことなんです。そのために、事業者も利用者も大変混乱をしました。その判断の適正性というのを都民が判断することもなかなか難しい、こういう状況に置かれました。
 今回初めて、都独自でレベル二・五、これを設定していると。この二・五に達したときに適切に判断とはおっしゃいましたが、一体誰が判断をするのか。それから、特に専門家の意見を受けて判断するのかどうか、ここは大事なポイントだというふうに思うのですが、いかがですか。

○築田観光部長 繰り返しのご答弁となり恐縮ですが、レベル二・五になった場合は、事業の進め方について適切に判断してまいります。

○清水委員 適切にということで、誰が、専門家の意見は入るのかどうか、そのことについては明言をされませんでしたけれども、今後、詳細は考えていくということでしたけれども、ぜひ、専門家の判断を仰ぐということ、それとレベル二になった場合には事業の進め方について判断をする、このことそのものも、都民にもきちんと公表していただきたい、事業者にも通知をしていただきたい、強く要望しておきたいと思います。
 感染拡大によって旅行が中心になった場合のキャンセル料の扱いについてはどうなりますでしょうか、答弁をお願いいたします。

○築田観光部長 都内観光促進事業はGO TOトラベル事業と併用できる仕組みとしておりまして、国の事業なども踏まえながら、今後、制度の詳細をつくり上げてまいります。

○清水委員 GO TOトラベル事業と併用できる仕組み、つまり、国の方できちっと前回は補償されて、そこで足りない分は都が補助をしたということだというふうに思います。
 今回も、それをベースにしながら、制度の詳細はこれからつくり上げていくというご答弁でしたが、旅行業者の方に伺いますと、キャンセルの連絡、キャンセルがあった場合の事務手続というのは、連絡、手続、こういうものは、企画をするときよりも大変だというふうに伺っています。
 宿泊業者や納入業者、キャンセルの損害は広くに影響していきます。そうした経費に対して、前回のキャンセル料は決して十分ではなかった、こういうご意見をいただきました。
 今後、制度の詳細設計をつくるということですので、その際には、事業者の実態をよく聞いていただいて、キャンセルに見合う十分な補償が行われるように求めておきたいと思います。
 観光の促進を行う際に何よりも大事なのは、感染拡大を招かないようにすることであることは、昨年のGO TOキャンペーンの一番の教訓です。
 今回は、感染対策が取られること、レベル二・五になった段階で事業の進め方について判断するということですが、特に医療体制が弱い島しょ部への感染対策、検査体制の強化、事業の進め方についての判断を下す際には、必ず都のモニタリング会議の判断を仰ぐこと、重ねて強く求めます。
 そして、観光を支える旅行業者、宿泊業者の皆さんへの直接的な支援、キャンセルになった場合の十分な補償について求めまして、私の質問を終わります。

○阿部委員 私からは、都内観光促進事業についてお伺いをしたいと思います。
 今回の補正予算では、都民による都内観光促進事業として、国のGO TOトラベル事業と連携した都内観光への定額支援、もっとTokyoの実施に三十二億八千万円が計上されております。
 長引くコロナ禍で、都内の旅行業者は、中小のみならず大手に至るまで大変厳しい状況が続いております。
 先ほど質疑があったように、昨年度の東京都の事業では、四十万泊の予算を用意したものの、第三波の急速な拡大により、六万泊利用された段階で中止となりました。
 一定のキャンセル料は事業者に補填をされたものの、先ほどお話がありましたように、キャンセル料自体、不十分だっただけではなく、宿泊事業者等までは十分に行き渡らなかった。そのために、旅行業者支援のための施策が、結果的に事業者をさらに疲弊させてしまった面もありました。
 また、事業開始前の買い控え、あるいは期間終了後の急激な需要の冷え込みなどの副作用も指摘をされております。
 コロナ禍で業界ごとの明暗がはっきりと分かれる中、今も厳しい状況にある観光業界を支援することは歓迎いたしますが、一方で、新型コロナ感染の再拡大によって、再び急に中止をすることのないよう、いつ、どのようにスタートをし、そして継続をさせるか、判断の難しい事業であるとも考えております。
 そこで、事業の開始時期は国の判断に連動するのか、それとも、東京都独自の視点も踏まえて検討をし、判断をするのかお伺いしたいと思います。

○築田観光部長 これからの時期は、感染拡大のリスクが高くなる冬場でありまして、第六波への備えを固めることが必要でございます。
 特に年末年始は、帰省等で多くの人流が生じ、会食の機会も増えるなど、感染拡大の防止に向け、十分な注意を払わなければなりません。
 このため、こうした状況が落ち着いた時期に、感染状況を見極めながら、GO TOトラベルの開始に合わせて事業を再開することで、観光の促進に結びつけてまいります。

○阿部委員 ありがとうございます。スタートしてまたすぐに中止となるような、短期間での事業中止になった場合には、特に観光バス、あるいはホテル、旅館など、実際にサービスを提供する事業者に、より厳しく響いてしまいます。
 先ほど、レベル二・五で見直しというお話もありましたけれども、レベル二・五になったから急に止めるということではなくて、その前の段階の中で、あるいは、その新規の受付から止めていく、あるいは、予約二週間後、三週間後といった、その部分から中止をしていくなど、段階的で、より痛みの少ない方法を検討していただければと思います。
 さて、利用に当たりまして、ワクチン接種証明は求めていくのか、また、医療関係者の第三回接種が始まっておりますけれども、高齢者の第三回が始まった後は、三回目接種もこの事業に当たって求めていくのか、お考えを伺います。

○築田観光部長 国のGO TOトラベル事業は、安全・安心な旅行環境を確保するために、ワクチン・検査パッケージなどを活用することとしております。
 都事業は、こうしたことを踏まえながら、今後、制度の詳細をつくり上げてまいります。

○阿部委員 途中で切り替えるとなると、また大きな混乱も予想はされます。国がどのような判断をしても、東京都として丁寧な制度をお願いしたいと思います。
 また、先ほどの質疑の中でもございましたけれども、事業展開の期間についてお伺いしたいと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、急激な需要が生まれて短期間で終わっては、事業者にとってロスも大きいものです。急な終了でキャンセルが相次ぐと、コストがかさみ、事業者をさらに窮地に追い込むことにもなってしまいます。
 支援は長く穏やかに続くことが望ましいと考えておりますが、九十四万泊はどのような、どの程度の期間をかけて利用されることを想定しているのでしょうか。ゴールデンウイークの扱いが一つの肝であると思っておりますが、改めてお伺いをしたいと思います。

○築田観光部長 都内観光促進事業は、国のGO TOトラベル事業と併用し、旅行者の負担を抑えることによりまして、事業効果を高めることができます。
 このため、九十四万泊、予算規模百万泊の支援規模で、国の事業と連携して事業を実施してまいります。

○阿部委員 また、事業開始の決定からスタートまでの期間が短いと、制度の詳細の説明が不十分になってしまい、結果的に、事業者への問合せ等が発生したり、殺到したり、あるいは、事業者へのクレームにもつながった前回の経緯もありました。
 実施までの期間を十分に取る必要があると思いますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。

○築田観光部長 国のGO TOトラベル事業は、事業者が旅行商品を造成する準備期間を確保した上で開始することが見込まれており、国の事業に合わせることで、都としても適切に対応してまいります。

○阿部委員 ありがとうございます。詳細な設計はまだこれからという部分もあるかとは思いますけれども、前回のもっとTokyoでは、国のGO TOと同様、宿泊事業者等への入金が遅い、あるいは入金の時期の見通しが分からない、そして、その間の資金繰りが厳しくなってしまったというようなお声も聞かれました。
 今回は、このようなことがないよう、さらなる改善を求めて、私の質問を終わります。

○田の上委員 私からは、まず人材確保と再就職の支援ということで質問をさせていただきます。
 都民ファーストの会では、これまでにも東京版ニューディール政策を提案し、目標二万人の雇用創出を掲げる中で、コロナ禍の中でも需要の高いIT業界、福祉業界における雇用政策に力を入れるように提言してまいりました。
 先日の代表質問におきましても、懸念される失業のさらなる増加に対して対策を強化すべきと訴え、知事は、デジタル人材の育成に向けて集中的な雇用対策を講じていく必要があると述べ、大規模な人材マッチングイベントを開催するほか、オンライン訓練の拡充やプログラミングの新たな方法を学ぶ訓練の実施を検討すると答弁いたしました。
 都は今年度、人材確保を求める業界団体と連携し、業界知識などの付与と業界傘下企業とのマッチングを組み合わせた業界連携再就職支援事業を実施しており、IT業界と連携したコースなどには、定員を超える多数の応募があったと聞いております。
 そこで、この業界連携による再就職支援事業と、今回提案されたデジタル人材確保・就職促進事業の対象者と事業内容について伺います。

○村西雇用就業部長 都が現在実施しております業界連携再就職支援事業のITコースでは、IT分野での就労経験がない求職者に対し、プログラミングなど業界特有の知識や技能を付与する講習と業界傘下企業との就職面接会を組み合わせた支援を実施しております。
 一方、今回提案しているデジタル人材確保・就職促進事業では、IT分野での就労経験の有無は問わず、この業界に関心を持つ幅広い求職者の方に対して、多くのデジタル関連企業との就職面接会によるマッチングを図り、再就職を後押しすることとしております。

○田の上委員 説明ありがとうございます。IT人材不足という社会のニーズと求職者を結びつけるために、マッチングイベントは非常に有益であると期待をしているものです。
 今回のイベントにより、IT分野での就労経験がない求職者がデジタル関連企業に再就職をした場合、入社後のIT技能の習得に関するサポートについて想定しているのか伺います。

○村西雇用就業部長 今回のマッチングイベントには多数の未経験者の参加を想定しておりますことから、求人を開拓する際には、企業に対して、こうしたイベントの意義等を説明する中で、入社後に社内で実施するIT技能等に関する研修制度なども確認してまいります。
 また、この会場では、IT分野での就労経験がなく、就職に不安を感じている求職者に対して、しごとセンターで実施しているIT関連の技能講習に関する支援や、職業能力開発センターで実施しておりますデジタル分野の職業訓練など、様々な再就職支援の情報も併せて提供してまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。社内で実施するIT技能に関する研修制度などを確認してくださるということでございます。コロナ禍で職を失った方は未経験の方が多いというふうに推測いたしますので、ぜひサポートをよろしくお願いいたします。
 我が会派では、都立工業高校におけるデジタル人材の育成支援について、また、都庁におけるICT人材の採用増とスキル分野の明確化などを一貫して求めてきており、デジタル人材の確保は急務と考えております。
 社会の産業構造の転換を見据え、こうしたデジタル人材の確保と育成を強化すべきであると考えておりますが、見解を改めて伺います。

○村西雇用就業部長 コロナ禍では、業種によって雇用環境が大きく異なることから、デジタルスキルを習得する職業訓練やマッチング支援等の雇用対策を通じまして、今後も成長が見込まれるデジタル分野の産業への人材シフトを促し、東京の持続的な発展につなげていく必要がございます。
 このため、都は、業界団体との連携によるIT分野の再就職支援事業や、デジタルスキルを習得する訓練と求人開拓などの再就職支援を一体的に実施する事業などを展開し、デジタル人材の育成に取り組んできております。
 今後も、今回提案している大規模なマッチングイベントの開催などの取組によりまして、デジタル人材の確保に向けた支援の充実を図ってまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、都内観光促進事業についてです。
 観光産業支援の取組として、都内観光促進事業が国のGO TOトラベル事業と連携し実施されることとなりました。
 新型コロナウイルス感染状況は、国内では一時的に収束を見せていることから、コロナの影響を受けた観光産業の支援策として、多くの都道府県でGO TOトラベルと同様の宿泊割引や旅行補助などを独自に実施しています。例えば一都三県では、千葉、神奈川県で県民限定の宿泊割引を実施しており、都においても早期の実施を求める声が上がっています。
 ここで、ちょっと開始時期を伺いたいと思っておりましたが、多数、質疑が重なっておりますので、省略をしたいというふうに思っております。
 東京都は、全国で最も新型コロナウイルスの累積感染者数が多く、人流抑制の観点から、開始時期に関しては他の道府県よりも慎重になるのは理解できます。GO TOトラベルの開始に事業を合わせて再開するということでございます。
 タイミングの見極めというのは大変難しいとは思いますが、機動的な対応ができるよう準備を求めるものであります。
 そしてまた、今、新たな変異株であるオミクロン株が世界各国で検出されるなど、感染拡大の懸念は強く、第六波への備えが求められているものであります。
 そして、観光需要の創出と感染拡大防止策の両立というところが肝要であります。TOKYOワクションなど、ワクチン・検査パッケージの活用も必要だと考えております。
 ここで感染拡大防止対策について伺いたかったのですが、またこれも質疑が重なっておりますので、省略をしたいと思っております。GO TOトラベル事業も含めまして、ワクチン・検査パッケージなどを活用することになっているということでございます。
 そしてまた、従来どおりの業種別のガイドラインの遵守であったり、それからステッカーの掲出の条件、また、都民に対しても、感染防止に向けたマナーの啓発チラシを配布するということでございます。先ほどご答弁があったと思います。
 これからまた制度の詳細をつくり上げていくということでございますが、やはり事業者のみならず、都民に対しても普及啓発というのは非常に大切だと思いますので、適宜、準備をお願いしたいと思っております。
 本施策に関しましては、昨年度も同様の事業を実施しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、途中で事業が中止になったため、昨年度実施されなかった四十万泊に今回の事業を追加し、合計で百万泊分程度の需要を見込んでおります。
 施策を円滑に進めていくためには、GO TOトラベルに隠れて都民がこの施策を知らなかったということがないように、積極的な広報が必要だと考えます。
 感染拡大防止対策を万全にしつつ、この機会を捉えて、改めて都内観光の魅力をPRし、施策の周知とともに、需要の喚起を積極的に行っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○築田観光部長 都内観光促進事業の再開に向けまして、東京への旅行機運を高めるため、ウェブや新聞、雑誌など多様なメディアを活用し、安全・安心に楽しめる東京観光の魅力などを効果的に発信いたします。
 また、特設サイトを設けまして、GO TOトラベル事業との併用も可能であることなど制度の周知のほか、観光ツアーで巡る地域の様々なスポットやイベントについて、都民向けのPRの強化を図り、旅行商品の販売の促進につなげてまいります。

○田の上委員 この委員会に所属しておりますと、産業労働局さんからたくさんのイベントのご案内をいただいておりますけれども、本当に様々な魅力があるなというふうに思っております。
 ぜひ、こういった東京の魅力をますます発信していただき、特設サイトも設けるということでございますので、ぜひ、新たな東京の魅力発見に努めていただきたいと思います。
 国のGO TOトラベル事業に関しては、助成金額の上限周辺の価格帯が多く利用されたことから、高価格帯に利用が偏ってしまうという課題がありました。
 また、旅行事業者への支援については、旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業というものが第三回定例会の補正予算で計上され、経営の改善に向けた側面支援を行っているものと認識しております。
 そこで、都内観光促進事業の効果が多くの事業者に行き渡るような対策を講じるべきだと考えますが、見解を伺うとともに、旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業の現況の支援状況を伺います。

○築田観光部長 都内観光促進事業の再開に当たりましては、支援規模を大幅に増やすとともに、引き続き定額の助成を行う仕組みとし、中小の旅行業者が取り扱う比較的低廉なツアー等の利用の増加につなげてまいります。
 また、中小の旅行業者の取扱いが多い団体旅行などを広く支援の対象とすることで、そうした事業者のニーズにも応えてまいります。
 さらに、厳しい経営状況にある旅行事業者に対しましては、専門家を派遣し、業務の効率化やサービス向上などに要する経費の助成を開始しておりまして、十一月の事業開始以来、百件の申込みをいただき、既に六十回を超える専門家の派遣を行っております。
 こうした取組によりまして、旅行事業者の経営基盤の強化を図り、都内観光促進事業の効果的な活用につなげてまいります。

○田の上委員 今まで懸念でありました中小の旅行業者向けのツアーも含め、支援規模を増やし、団体旅行なども支援対象としていくとのことで、評価をいたします。
 中小の旅行事業者からこれまでよく聞いたのは、GO TOは宿泊事業者向けであり、コロナの状況によりキャンセルが相次ぎ、メリットを感じられなかったという声がありました。これまでの様々な意見を踏まえ、都内観光の発展につなげていただきたいと思います。
 また、経営活力向上緊急支援事業においての専門家派遣は、十一月の事業開始以来、既に百件の申込みとのことでございます。引き続きの支援をお願いいたします。
 次に、原油価格高騰への対応です。
 原油価格高騰への対応として、制度融資信用保証料補助の拡充、燃油価格高騰緊急対策事業の拡充のほか、原油価格高騰等課題解決に向けた専門家派遣事業と団体向け原油価格高騰等対応支援事業が新規に計上されております。
 信用保証料補助の拡充対象となる融資メニューの要件として、売上原価の二〇%を占める原油等の仕入価格が二〇%以上上昇しているにもかかわらず価格転嫁できていないこと等とされておりますが、具体的にはどのようなケースがあるのでしょうか。
 また、保証料補助については、小規模事業者は二分の一から三分の二へ、小規模事業者以外の中小企業者は、これまでゼロであったものが、今回、二分の一へと拡充されました。この背景を伺います。

○篠原金融部長 具体的なケースとしましては、価格が公定されているため価格転嫁できない事業者のほか、取引先との年間契約などがあって価格が変更できない場合や、競合する事業者が数多く存在するなどの理由から、価格への転嫁が実質的に困難な事業者などが想定されるところでございます。
 今回の補正予算におきまして、保証料補助を拡充した理由につきましては、感染症拡大の影響で経営が厳しい中、非常に短い期間で原油価格が高騰し、事業者への影響が広がったこと等を勘案いたしまして、制度融資を利用する事業者の負担を一層軽減することとしたものでございます。

○田の上委員 価格転嫁が難しいという場合、それからまたコロナの影響と二つ挙げていただいたわけでございます。
 原油価格高騰にもかかわらず、価格転嫁できず、困惑している事業者にとっては、この時期を乗り越えるために、制度融資を活用できるものと考えます。
 コロナ融資や借換えにおいては、コロナ禍の中で、金融機関に従来と変わらぬ厳しい対応をされ、これは何のための融資なのかという不満の声もよく聞かれ、お叱りの声もいただいたところでございます。
 原油価格高騰の影響を受ける事業者の負担軽減のための保証料補助が、事業者に寄り添ったものになるよう、丁寧な対応を要望いたします。
 国土交通省では、本年十一月に、今般の燃料価格の上昇を受けて、改めて標準的な運賃の設定や燃料サーチャージの導入等により、燃料費の上昇分を反映した適正な運賃、料金への見直しが行われるように、荷主、荷主団体に対する周知活動を実施し、十一月十日に、荷主団体宛てに文書を発出しました。
 それによりますと、一、貨物自動車運送事業者と協議の上、燃料費の上昇分を反映した適正な運賃、料金への見直しを行うこと、二、貨物自動車運送事業者から燃料費の上昇分を運賃、料金に反映することを求められたにもかかわらず、運賃、料金を不当に据え置くことは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反するおそれがあるとともに、貨物自動車運送事業法附則第一条の二に基づき、荷主への働きかけ、要請、勧告、公表の対象となることでございます。
 しかしながら、現場では、小売業での販売価格は高騰しているのに、運賃、料金はそのまま据え置かれているという声が多く聞かれております。
 国交省では、平成二十年にトラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドラインを発表し、平成二十四年に改定しており、トラック運送業者は、荷主等に対し運賃交渉力が弱いため、ほとんど運賃転嫁が進まず、運送事業者自らが負担せざるを得ない状況を認めつつ、この燃料サーチャージ制導入をトラック運送業に導入すべきとしております。
 しかしながら、この燃料サーチャージ制は、個別に取引先と設定する必要があり、団体で一律に導入することは難しいと業界の方からは聞いております。
 新規事業におきましては、専門家派遣やコーディネーター配置という経営相談が主になっております。こうした現場の状況も踏まえて、この相談事業からどのように発展することを見込んでいるのか伺います。

○緑川商工部長 都は、原油価格の高騰によりコスト増加などの影響を受けている中小企業を支援するため、専門家を最大四回、無料で現場に派遣し、経営面からのサポートを行うこととしております。
 例えば運輸事業者は、トラックに用いるガソリン等の燃料費がコストの大部分を占めていることから、適切な価格転嫁の方法や、燃料効率のよい運輸車両の導入に向けた資金の調達方法など、コスト高に対応するための経営上のアドバイスを行うとともに、利用可能な助成金を紹介し、活用などにつなげてまいります。
 また、中小企業の組合などの業界団体に対しまして、専属のアドバイザーが現地に出向き、業界の実情に応じたアドバイスを行うとともに、価格の見直しなど、業界全体で行う原油価格対策を消費者や取引先に向けて情報発信する際に必要となる経費につきまして、助成率で五分の四、三百万円を上限に支援をしてまいります。
 こうしたきめ細かい対応によりまして、原油価格高騰に直面する中小企業を経営面から後押ししてまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。運送業界につきましては国土交通省の所管であり、なかなか東京都が関わるのは難しいかとは思いますが、様々な知見を生かし、助言につなげていただきたいと思っております。
 例えば、この相談事業では、利用可能な助成金の制度などを紹介していただけるということであります。
 また、現場からは、業界全体での取組の困難さをご意見としていただいておりますけれども、価格の見直しなど、業界全体での取組を消費者や取引先への情報発信を行う場合などに必要となる経費の五分の四を助成するとのことで、こうした助成などが新しい動きのきっかけになればと考えるものです。今後も、事業者の一助となるように努めていただくことを要望いたします。
 冒頭、局長の概要説明の中で、今回の補正予算は経営と金融の両側面からサポートするという旨のお言葉がありましたけれども、まだまだコロナ前と同水準には及ばない事業者が多い中で、今回の補正予算が活力となり得るものと期待をし、ますますのご尽力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○細田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了しました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十八分散会

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