委員長 | 細田いさむ君 |
副委員長 | 後藤 なみ君 |
副委員長 | 松田 康将君 |
理事 | 中田たかし君 |
理事 | 山崎 一輝君 |
理事 | あぜ上三和子君 |
清水とし子君 | |
玉川ひでとし君 | |
磯山 亮君 | |
本橋たくみ君 | |
田の上いくこ君 | |
阿部祐美子君 | |
入江のぶこ君 | |
高倉 良生君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 村松 明典君 |
次長総務部長事務取扱 | 坂本 雅彦君 | |
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 米澤 鉄平君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 | 勝見 恭子君 | |
商工部長 | 緑川 武博君 | |
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 荒井 芳則君 | |
金融部長 | 篠原 敏幸君 | |
金融支援担当部長 | 高野 豪君 | |
観光部長 | 築田真由美君 | |
観光振興担当部長 | 小林あかね君 | |
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 山田 則人君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 龍野 功君 | |
雇用就業部長 | 村西 紀章君 | |
事業推進担当部長 | 鈴木のり子君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 河内 豊君 |
管理部長 | 松田 健次君 | |
事業部長 | 西坂 啓之君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木 珠君 | |
渉外調整担当部長 | 村上 章君 | |
財政調整担当部長 | 渡邉 貴史君 | |
環境改善担当部長 | 萩原 清志君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・旧築地市場(三)勝どき門駐車場ほか解体工事
産業労働局関係
契約議案の調査
・第百七十八号議案 東京都しごとセンター(三)改修工事請負契約
・第百八十七号議案 東京都しごとセンター(三)改修電気設備工事請負契約
・第百八十八号議案 東京都しごとセンター(三)改修空調設備工事請負契約
付託議案の審査
・第百五十八号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出 産業労働局所管分(質疑)
・第百六十九号議案 東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第十三号)の報告及び承認について(質疑)
・第百九十四号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十六号)中、歳出 産業労働局所管分(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・令和二年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
・第三期中期目標期間地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
・私債権の放棄について
○細田委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○細田委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和三年十月六日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
経済・港湾委員長 細田いさむ殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百七十八号議案 東京都しごとセンター(三)改修工事請負契約
第百八十七号議案 東京都しごとセンター(三)改修電気設備工事請負契約
第百八十八号議案 東京都しごとセンター(三)改修空調設備工事請負契約
2 提出期限 令和三年十月八日(金)
○細田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の契約議案の調査、付託議案の審査並びに中央卸売市場及び産業労働局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
報告事項、旧築地市場(三)勝どき門駐車場ほか解体工事に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○あぜ上委員 旧築地市場の勝どき門駐車場ほかの解体工事について一言申し上げます。
日本共産党は、二〇一七年度の築地市場の解体工事については、当時、築地まちづくり方針も決まっていない中で解体を先行して行うべきではないと反対してまいりました。
その後、築地まちづくり方針が策定されました。現在は、地元中央区からまちづくりに関する要望書が改めて提出されると伺っており、貴重な大規模な都有地をどう活用するのか、議論が進められている状況でございます。
この解体工事に当たって、二点要望させていただきたいと思います。
一つは、この解体工事についての近隣説明会は行われたと聞いておりますが、築地場外とも隣接しており、交通問題、騒音、振動問題などを、近隣地域には丁寧な説明と、三年以上にわたる長期間の解体工事であり、近隣の求めに応じて、その都度状況説明などが丁寧にされることを求めるところであります。
二点目は、現在、暫定的に荷さばき場として使用している用地などにつきましては、解体工事の支障にならない場で継続的に使用できるよう、関係局とも調整し、確保していただきたいということです。
現在、中央区が借りておりますスペースは、仲卸業者等の荷さばき場に、また、駐車場などとなっておりまして、場外には欠かせない場となっております。解体工事の期間におきましても、中央区、また関係者とも十分協議を行い、継続的な場の確保が行われるように求めておきたいと思います。
以上です。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りしたいと思います。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○細田委員長 これより産業労働局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百七十八号議案、第百八十七号議案及び第百八十八号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○細田委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、産業労働局所管分、第百六十九号議案、第百九十四号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十六号)中、歳出、産業労働局所管分及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第十三号)の報告及び承認について並びに報告事項、令和二年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について外二件を一括して議題といたします。
本案及び本件のうち、追加提出をされました第百九十四号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十六号)中、歳出、産業労働局所管分について、理事者の説明を求めます。
○村松産業労働局長 令和三年第三回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の令和三年度補正予算案、追加分一件につきましてご説明を申し上げます。
緊急事態宣言の解除後、都は、再度の感染拡大を防止するため、リバウンド防止措置期間において、飲食店への営業時間の短縮等を要請しております。事業活動に関する一定の制約が続く中、経営に影響を受ける中小企業に対して事業継続を着実に下支えしていくことが重要でございます。
こうした観点から、時短要請等の影響により売上げが減少し、厳しい経営状況にある中小企業をサポートするため、本定例会に補正予算案を追加提案いたしました。
今後とも、都内経済の早期回復に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。
以上で第三回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
なお、各案件の詳細につきましては、次長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○坂本次長 今般、令和三年第三回定例会に追加で提出いたしました案件につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の資料1、令和三年度一般会計補正予算説明書(追加分)をご覧ください。
本補正予算案は、去る九月二十二日に本委員会でご説明いたしました令和三年度一般会計の補正予算案の内容に追加して計上するものでございます。
表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。総括表でございます。
今回の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり百三億五百九十万円でございます。
次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。三ページをお開きください。
中段の3、国庫支出金の補正予算額は八億八千六百四十万円でございます。
これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
六ページをお開きください。歳出の説明でございます。
1、中小企業対策の補正予算額は百三億五百九十万円でございます。
ページ右側説明欄の1、新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る東京都中小企業者等月次支援給付金は、飲食店の営業時間短縮等の影響により、令和三年十月の売上高が減少した都内中小企業者などに対し、国の月次支援金に都独自の支援金額の加算や支援対象の拡大を行い、給付金を支給するものでございます。
以上で令和三年第三回定例会に追加で提出した案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○細田委員長 説明は終わりました。
その他の議案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○坂本次長 去る九月二十二日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
目次でございます。資料は全部で四項目ございます。
一ページをご覧ください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの収入及び支出の推移につきまして、それぞれの区分ごとに、上段に平成二十九年度から令和三年度までの年度計画における予算額、下段に平成二十九年度から令和二年度までの決算額をお示ししてございます。
二ページをお開きください。同センターの役職員数の推移につきまして、平成二十九年度から令和二年度までの各年度末現在の人数と、令和三年八月一日現在の人数をお示ししてございます。
三ページをご覧ください。同センターにおける研究員の採用、応募状況の推移につきまして、平成二十九年度から令和三年度までの一般型研究員及び任期付研究員の応募者数を上段に、採用数を下段に、それぞれお示ししてございます。
四ページをお開きください。同センターの依頼試験、機器利用の区市町村別利用状況につきまして、令和二年度の利用企業に関して、所在地別に集計した件数をお示ししてございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○細田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○磯山委員 新型コロナウイルス感染症の新規陽性者や重症者の減少が続き、先月末をもって国は緊急事態宣言を解除し、社会経済活動の回復に向けた道筋を示すなど、ようやく明るい兆しが見えてきました。
一方で、感染が再度拡大し、いわゆる第六波がやってくるとの懸念もあります。
感染対策と経済活動の両立が求められる現下の情勢において、都内中小企業の事業継続や経済活動の再開に向けた様々な取組を都がどのようにサポートしていくのか、今回の補正予算案に関する質疑を通じて確認していきたい、そう思っております。
まず、月次支援給付金について伺います。
今月から緊急事態宣言が解除されましたが、都は、感染症の再拡大防止のため、飲食店の時短要請などを盛り込んだリバウンド防止措置期間を今月二十四日まで設けました。経済活動はこれから再開に向けて本格的に動き出すこととなりますが、この措置により、営業時間が短縮になる飲食事業者はもとより、関係する卸、仲卸などの流通関係事業者や、おしぼり、クリーニングといったサービス事業者など、多くの事業者の経営に今後も少なからず影響が残ることとなります。また、いずれ感染の第六波が来るのではとの先行きへの不安も払拭できません。
こうした中、先日、国は、月次支援金を十月も継続することを発表しました。都も、これまで都議会自民党が要望し、実現を図ってきた月次支援給付金を十月分まで延長するために、補正予算の追加提案を提出しました。
コロナ禍で傷み、先行きにも不安を抱える事業者の経営をしっかりと支えていくべきと考えますが、月次支援給付金を延長することとした都の考え方についてお伺いをいたします。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 緊急事態措置は解除されましたが、引き続き飲食店へ営業時間の短縮の要請が行われることに鑑みまして、国は、十月分の月次支援金を継続することといたしました。
これに伴いまして、都独自に国の支援金への加算や支給要件の緩和を行ってまいりました月次支援給付金につきましても、対象期間を十月まで延長することとしたものでございます。
引き続き、中小企業等の経営を着実に下支えしてまいります。
○磯山委員 月次支援給付金により、事業者にしっかりと支援が行き渡るよう、迅速な支給に努めていただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、月次支援給付金等を受給した事業者に対する支援について伺います。
一時支援金や月次支援給付金等を受給している中小企業は、大幅な売上げ減少に直面しているものの、こうした状況においても自社の事業を継続するために、展示会に出展して新たな販路を開拓する中小企業や、懸命に自社のPRに取り組み、新しい市場への参入を目指す事業者は数多くいると伺っております。
都は、今回の補正予算で拡充を行うなど、給付金等を受給した中小企業に対して積極的に支援を行っていますが、現在の取組状況と今後の展開についてお伺いいたします。
○緑川商工部長 都は、本年七月より、国の一時支援金等を受給する中小企業を後押しするために、新たに販路開拓に向けた支援を開始いたしました。
具体的には、展示会の参加やECサイトの出店に要する経費のほか、ウェブサイトの構築など自社のPRに要する経費等につきまして、助成率五分の四、百五十万円を上限に支援を行っております。
これまで、例えば、飲食製造事業者が新たな顧客を獲得するために、他府県の展示会に出展するための取組や、化粧品の卸売業者が消費者向け販売を行うためのECサイト出店に係る取組など、約一千二百件を超える事業者からの申請を受けております。
都は、こうした中小企業のニーズの高さを踏まえまして、最終的には約一千八百件程度までを対応できるようにいたしまして、引き続き、一時支援金等を受給した事業者に向けた販路開拓の支援を実施してまいります。
こうした取組によりまして、事業継続に向けて意欲的に取り組む中小企業をサポートしてまいります。
○磯山委員 引き続き、厳しい状況の中でも自社の販路開拓に大変前向きに取り組んでいる中小企業に寄り添った支援を実施していただくことを期待し、次の質問に移ります。
企業にとって、販路拡大とともに収益力の向上に欠かせない取組である設備投資に対する支援についても伺います。
長引くコロナ禍により、先行きが見通せず、設備投資を踏みとどまった企業が多い状況でしたが、最近の都の調査によりますと、設備投資のマインドが上がってきております。
中小企業において、厳しい状況の中で収益を上げていくためには、省力化や効率化、新事業への展開などといった課題へしっかりと取り組んでいけるよう支援を行う必要があります。
とりわけ、緊急事態宣言が解除され、経済活動が段階的に再開するこのタイミングで、新たな事業展開をしようとする企業も多いと思いますが、今回、設備投資の充実に向けた補正予算を計上した狙いについて伺います。
○緑川商工部長 中小企業の設備投資は、各社の生産性や競争力を高め、企業に成長をもたらすとともに、新たな需要を創出し、景気の活性化や経済成長に貢献いたします。
このため、都は、中小企業の設備投資の経費の一部を助成いたします躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を実施しております。
とりわけ、昨今は、大企業と比較して導入が伸び悩む中小企業のDXを推進する必要があることから、今年度は、DX推進、イノベーションに力点を置いて事業展開をいたしまして、多くの申請を受け付けております。
具体的には、測量会社におけるICTを活用することで、一人で測量が可能となる高精度測量システムを導入する事例や、文具メーカーでは、作業工程の省力化を図るために、製品の着色を自動で行うロボットを導入する事例など、コロナ禍にあってもDX化を推進することで、新たな事業展開につなげようとする中小企業は多く存在してございます。
こうした設備投資に積極的に取り組む、より多くの中小企業を支援することを目的に、今回、補正予算案として提案をさせていただきました。
○磯山委員 コロナ禍の中にあっても、業種を問わず、デジタル化などの設備投資が活発とのことでありました。できる限り多くの企業のニーズにしっかりと対応することで、積極的な事業展開を後押しするよう要望して、次の質問に移ります。
ここからは、このコロナ禍でとりわけ大きな打撃を受けた飲食事業者や宿泊事業者に対する支援について伺います。
緊急事態宣言の解除により、長らく休業要請に応じてきた飲食店からは、ようやく本格的な営業再開に向けた準備が進められるという安堵の声も聞かれております。
一方で、時短要請が長期にわたる中、協力金による支援は行われていますが、多くの飲食事業者の経営状況は悪化しており、店舗自体を閉めていた事業者は、厳しい経営状況の中、厨房設備の再整備など、営業再開に向けた準備に取り組まなければならず、多くの課題が残っています。
このままでは、緊急事態宣言の厳しい間を何とか耐えしのいできたにもかかわらず、再開のための体力や方策がなく、即座の営業開始ができないことも懸念されます。
また、感染の第六波の不安から、思い切った取組に踏み出しづらいという声も聞かれております。飲食事業者が直面する個別の課題に丁寧に寄り添い、再開に向けて着実に後押しできる実行力を持った支援が必要です。
こうした状況を踏まえ、都は、補正予算により、飲食事業者向け経営基盤強化支援事業を行うとしていますが、具体的にどのような支援を行っていくのか伺います。
○緑川商工部長 都は、これまで休業要請に応じていただいていた飲食事業者に向けまして、本格的な事業再開への取組を経営面からサポートする新たな取組を開始いたします。
具体的には、まず、中小企業診断士などの専門家を各店舗に派遣いたしまして、現場の実態を踏まえ、売上げの確保やコストの削減など、経営面からのアドバイスを行うとともに、再開に向けた具体的な方策を事業者とともに検討いたします。
加えまして、専門家の助言を踏まえ、営業再開に当たって必要な店舗改修や、作業効率を高める食洗機などの厨房設備の導入に取り組む場合などには、必要となる経費の三分の二を、二百万円を上限として助成をいたします。
こうした取組によりまして、長らく厳しい状況に置かれました飲食事業者に対して、収益の増加や経営基盤の強化につながる支援を着実に行ってまいります。
○磯山委員 飲食店の個々の実態を踏まえ、きめ細かい支援を行うことが分かりました。様々な飲食事業者から多くの申請が見込まれることから、支援の手がいち早く行き届くよう、早期の事業開始をお願いするとともに、個々の事業者の実情に応じた寄り添った支援となることを期待して、次の質問に移ります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、観光需要も激減しており、長期にわたってホテルや旅館などの宿泊施設の稼働率も低迷しています。
観光需要がコロナ禍前の状況に戻るには、まだ時間を要するものと想定される中、少しでも稼働率を上昇させ、収益を確保する取組として、テレワークプランなどを企画し、新たな需要の掘り起こしに取り組む宿泊事業者もいらっしゃいます。旅行者だけでなく、多様な顧客の受入れを目指す宿泊事業者への支援は重要と考えます。
そこで、まず宿泊事業者の収益確保に向けて、これまで都はどのような支援に取り組んできたのかを伺います。
○築田観光部長 都はこれまで、厳しい経営状況にある宿泊事業者の収益確保を図るために、事業者による感染防止の取組と新たなビジネス展開を後押ししてまいりました。
具体的には、宿泊施設を平日昼間、テレワークに活用するため、通信環境や執務用のデスクなどの整備に要する経費の五分の四を、五十万円を上限に助成しているところでございます。
今年度は既に百を超える施設にご利用いただいておりまして、より多くの宿泊事業者の方に活用していただけるよう、十二月末まで事業期間を延長いたします。
こうした取組によりまして、宿泊事業者の新たな顧客の獲得を支援いたしまして、収益の確保につなげてまいります。
○磯山委員 宿泊施設のテレワーク利用は、宿泊事業者にとっても収益確保の一つの方策になると考えます。
そこで、次に、都が宿泊施設をサテライトオフィスとして提供する取組について伺います。
本年一月の緊急事態宣言発令後、都は、多摩地域において、宿泊施設を活用し、希望者にサテライトオフィスとして安価に提供する事業を開始いたしました。今月からは緊急事態宣言は解除となりましたが、リバウンド防止措置期間を設定しています。
引き続き、感染拡大を防止しながら経済活動との両立を図っていく上で、テレワークは不可欠です。そのため、本事業を継続して実施すべきと考えますが、これまでの実績と今後の展開について伺います。
○築田観光部長 多摩地域におけます宿泊施設をサテライトオフィスとして提供する取組につきまして、本年度は、多くのエリアで利用が可能となるよう施設数を拡充し、現在、二十一施設で二百室を提供しております。
直近の九月の平日の稼働率は約七五%となっておりまして、引き続き、多くの方にご利用いただいております。
緊急事態宣言解除後も、感染防止対策としてテレワークを推進するため、利用期間を十二月末まで延長いたします。
あわせて、人流を一層抑制するため、都心部への通勤者の流入やサテライトオフィスの整備状況等を考慮いたしまして、区部の十四区でサテライトオフィスの提供を開始いたします。
今後、宿泊施設の公募を行いまして、約一か月後を目途に、都内全体では四百室を確保いたします。
○磯山委員 昨年の事業開始時は報道でも大きく取り上げられ、話題になりましたが、現在も多く利用されているということであります。多摩地域での継続とともに、新たに区部での提供が開始されるということであり、宿泊施設の一層の利用につながることを期待して、次の質問に移ります。
ワクチン接種が進むにつれて、新規の感染者数も大幅に減ってきており、観光業を取り巻く状況も改善に向かいつつあります。緊急事態宣言解除後、最初の週末には、にぎわいが戻る観光地もあり、宿泊事業者からは需要回復に期待する声も上がっております。
今後の観光需要の回復に備え、宿泊事業者には、旅行者が安心して宿泊できる環境を整備するとともに、新規の顧客やリピーターを増やしていくなど、先を見据えた取組が重要になると考えますが、都はどのような支援を行っていくのか伺います。
○築田観光部長 観光需要の回復に向けましては、旅行者の滞在の拠点となる宿泊施設におきまして、感染防止対策を徹底するとともに、特色あるサービスの提供など、新たな魅力づくりに取り組むことが重要でございます。
このため、都は現在、宿泊施設が行う非接触型サービスの導入を支援しており、機器や消耗品の購入等にご利用いただいております。
七月一日の募集開始以降、三か月間で二百六十件の申請があり、より多くの宿泊事業者に本事業を活用していただくため、申請期限を十二月末まで延長いたします。
また、宿泊施設の魅力向上に取り組む中小の事業者に対する新たな支援といたしまして、専門家を無料で派遣するとともに、経営戦略を実行するための宿泊プランづくりや、施設改修等に要する経費の五分の四を、二百万円を上限に助成いたします。
こうした支援を通じまして、意欲的な宿泊事業者の将来を見据えた事業展開を後押ししてまいります。
○磯山委員 コロナ禍で疲弊している宿泊事業者に対し、様々な支援がなされていることが分かりました。宿泊事業者をはじめとする観光関連事業者は、コロナ禍で大きな打撃を受けた業種であり、これまでの様々な支援策に加え、今回の補正予算で新たに開始する事業も組み合わせ、回復軌道に乗せられるような効果的な支援とするよう要望しておきたいと思います。
次に、成長産業分野キャリア形成支援事業について伺います。
感染症の影響が長期にわたり、雇用情勢にも大きな影響を及ぼしております。とりわけ、飲食、宿泊などのサービス業に従事する非正規雇用の女性は、雇い止めによって働く場を失ったり、シフトが減らされて収入が激減したり、非常に厳しい状況に陥っております。
こうした女性が再就職をしようと思っても、これまでと同じ業種では求人も見つからず、なかなか就職は難しい状況になっております。かといって、新たな業種に挑戦しても、知識も経験もないため、簡単には雇ってもらえません。
こうした女性をはじめ、非正規で働く方々の早期の再就職に向けては、新たなスキルの取得に向けた支援を行うとともに、それを生かした再就職へ結びつけるための支援が必要であると考えます。
そこで、本事業では、具体的にどのような分野でスキル取得支援を行うのか、そして、その後はどのように再就職までつなげていくのかお伺いをいたします。
○村西雇用就業部長 コロナ禍におきましては、解雇や雇い止めで職を失い、不安を抱える多くの非正規雇用の方々がいる一方で、成長産業であるIT分野などでは、人手不足が継続している状況もございます。
このため、都は今回、非正規で働く方々に対しまして、民間事業者のノウハウを活用し、コロナ禍でも採用意欲の高い業界の資格取得に資する訓練や、デジタル分野のプログラミング等のスキルを習得する訓練を二か月から三か月程度で実施する新たな事業を、三百人規模で開始することといたしました。
また、本事業では、こうしたキャリア形成のための訓練に加えまして、習得したスキルを生かせる求人開拓など、再就職支援をセットで実施することによりまして、非正規雇用の方などの安定した雇用の確保につなげてまいります。
○磯山委員 デジタルスキルなどを習得していただき、成長分野への再就職へとつなげる支援は、コロナ禍では特に有効であると思いますので、非正規雇用の女性などに支援が活用されるように、事業の周知、そして広報にも努めていただくよう要望しておきます。
ここまで今回の補正予算案について伺いました。月次支援金については、国と連携する形で中小零細事業者の事業継続を支えるとともに、新たな事業展開を促し、収益の向上をサポートする様々な支援策が盛り込まれていることが確認できました。
ただ、これらの施策も、多くの企業が速やかに活用することができなければ、せっかく補正予算を措置した意味が薄れてしまいます。
産業労働局には、市区町村や地域の金融機関といった関係機関と連携するなどして広く周知を図るとともに、早期に利用企業の募集を開始するなど、十分な効果が発揮されるような事業執行に努めるよう求めておきます。
また、経済活動の再開の動きに伴い、今後も支援ニーズが当初の想定を上回ることもあり得ます。事業を進める中で、できる限り多くの事業者をサポートできるよう、様々に工夫を図るとともに、状況に応じてさらなる予算の確保に迅速に対応することを求めておき、報告事項の質疑に移ります。
次に、東京都立産業技術研究センターの業務実績報告に関して、平成二十八年度から令和二年度までの五か年、第三期中期目標期間を総括するという観点から何点か伺います。
コロナ禍で厳しい経営状況にあるものづくり中小企業が今後の経済回復基調に乗って成長を遂げ、東京の経済を下支えし続けるには、情報通信分野など加速化する先端技術の動向や、新しい日常の中で大きく変化した消費者ニーズなどに的確に対応するための技術の獲得が必要不可欠であります。
一方、先端技術を自社の製品開発や経営改革に活用することは、企業の成長、経営の継続の源泉ですが、中小企業にとって、これを担う開発のプロセスに必要な機器や専門人材などの確保は困難であります。
このため、産技研が常に先端技術の情報を収集し、研究を積み重ね、その成果を中小企業の製品化、事業化に結びつけていく取組が非常に重要となります。
そこで、初めに、第三期中期目標期間業務実績評価の全体評価では、中期計画の達成に向け、優れた業務の達成状況にあるとしていますが、その理由についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都立産業技術研究センターは、研究開発と技術支援の両面で様々な事業を展開いたしまして、各目標値を達成するとともに、東京都の施策と連携し、多くの分野でプロジェクト事業を展開することで、中小企業への支援を充実させ、製品化等に貢献しております。
具体的には、基盤研究の成果を基にいたしまして、中小企業等との共同研究に発展させた件数が七十三件で過去最高となっております。また、技術相談件数も約六十七万件で過去最高となるなど、研究開発と技術支援の両面で高い実績に達しており、中小企業の新たなニーズに即したきめ細かな支援を展開しております。
また、東京都の施策と連携し、中小企業と共同開発したロボットを羽田イノベーションシティで展示実演するなど、先端技術における技術支援で実績を上げてございます。
さらに、今後の成長が期待される環境エネルギー分野など、四つの重点技術分野におきまして研究開発を進め、事業化、製品化等へと発展させたことや、依頼試験、機器利用などにつきましても、いずれも高水準の実績を達成しております。
こうした様々な観点から、優れた業績の達成状況にあると評価をいたしました。
○磯山委員 第三期中期目標期間業務実績評価の全体評価が優れた業務の達成状況にあるとしている理由は理解をいたしました。
この評価においては、各項目についてSからDまでの五段階で評価しており、評価の内訳として、最上位のSが二つ、Aが十四、Bが八つで、C及びDはないとされています。
しかし、厳しい業況にあるものづくり中小企業に対し、技術支援を通じて業績回復を力強く後押ししていくことが求められることから、支援に一層の創意工夫を図るなどして、S及びA評価の割合をさらに増やしていくことが望まれております。
そのためには、高い評価を得た業務について、その要因を把握し、その他の業務に応用していくべきであります。
そこで、基盤研究と3Dものづくりセクターに対して最高位のS評価をつけていますが、これらにどのような成果があったのか、また、成果を上げた要因についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 基盤研究では、環境やヘルスケアなど、今後の成長が期待される中小企業のニーズも多い四つの重点技術分野を定めまして、都産技研の技術レベルの向上に加え、対応技術分野の充実、新たな依頼試験項目の追加など、中小企業への技術支援につなげてまいりました。
この結果、研究成果の製品化、事業化や、中小企業等との共同研究へ展開した件数は、第三期中期目標期間累計で百五十九件となるなど、目標の百件を大きく上回りました。
また、3Dものづくりセクターでは、中小企業のニーズが急速に高まっていることを的確に捉え、三次元CADや3Dプリンターによる試作品の製作などの支援を行いました。
これらによりまして、第三期中期目標期間の最終年度である令和二年度には、支援実績が二万四千百八十四件となるなど、目標の二万一千百件を大きく上回りました。
これらの実績を踏まえ、基盤研究と3DものづくりセクターがS評価となったものでございます。
○磯山委員 ここまでの質疑で、産技研が中小企業ニーズを捉えて、3Dプリンターなど新たな技術分野の支援を展開していることが分かりました。中小企業のデジタル化など、新たな技術分野へのニーズは今後一層増加していくことが予想されます。
一方で、従来のものづくり技術もしっかりと継承していくことが重要であります。温故知新といわれるとおり、これまで蓄積してきた金属加工や電気制御などの技術とデジタル技術を融合することが、これからの時代、中小企業が経営を継続していくのに重要なことと感じております。
産技研は、こうした考えの下、必要な機器を整備するとともに、従来の技術を担う職員に加え、新しい技術を担う職員の確保にも努め、双方の職員が有機的に連携していくことが重要であります。
こうした中で、産技研の機器整備、職員の確保にどのように取り組んでいるのか伺います。
○緑川商工部長 都立産業技術研究センターは、地方独立行政法人として柔軟な経営を行うことが可能であることから、これまでも産業技術の進展に伴い、独自の判断で適宜適切に必要な機器を整備するとともに、知識や経験を有する研究員の確保に努めており、都は、都産技研の取組に対しまして必要な予算を措置してきております。
近年も、都産技研は、情報通信技術などの進展を踏まえまして、3Dプリンターの設置や、ローカル5G基地局の整備など、先進技術の動向に沿って積極的な機器整備を進めるとともに、第三期中期目標期間累計で四十四名の研究員を新たに確保しております。
都は引き続き、都産技研の機器整備、職員確保等、法人運営に必要な予算の確保に努めてまいります。
○磯山委員 第三期の業務実績評価に関する質疑を通じて、産技研が研究開発と技術支援の両面で事業を展開しており、都の施策と連携した事業や今後の成長が期待される分野での事業化、製品化などに取り組んでいること、また、都は、こうした産技研の取組が柔軟に行われるよう、必要な予算を措置していることが分かりました。
今後も、地方独立行政法人制度のメリットである柔軟な運営の仕組みを生かし、中小企業支援にしっかりと取り組んでいただくことを期待して、質問を終わります。
○後藤委員 私からは、補正予算、第百五十八号議案につきまして、重複を避けて質疑を行いたいというふうに思います。
新型コロナウイルスのワクチンが接種推進をされておりまして、経済活動の正常化というものに非常に大きな期待が市場からは寄せられております。
先日の第三定例議会における知事の所信表明におきましても、今後は、経済の再生、回復に向けて、飲食業や観光業に対する支援を重点的に行うという発言がありました。
今回、令和三年度第三定例議会に産業労働局に上程された、この百五十八号議案につきましても、約五十億円の補正予算のうち、多くが感染症対策を行いながらも経済活動を再開するための施策が多く盛り込まれていると理解をしております。
私からは、新規事業を中心に、主要な施策について伺いたいと思います。
まず、観光産業について伺いたいと思います。
新型コロナウイルスの感染症流行から一年半余りが過ぎる中で、本当に都内の観光産業というのは大変苦しい状況が続いているわけであります。
今回、繁忙期であるはずの夏の需要も、緊急事態宣言下ということで、集客がほとんどままならず、延べ宿泊数に関しても首都圏で非常に落ち込んでおり、有名ホテルの閉館というのも立て続けに起きているというのが現状であります。
こうした状況におきまして、都としても、観光産業の再生に向けた実効性のある施策というのが求められているところであります。
そこで、まず伺います。新型コロナウイルス感染症の影響を受ける都の観光産業について、都の課題認識について伺っておきたいと思います。
○築田観光部長 感染症拡大の影響により、インバウンド需要が大きく減少するとともに、国内におきましても、様々な制約の中で旅行需要が減少しておりまして、都内の観光産業は大きな打撃を受けております。
都はこれまで、厳しい経営状況が続く観光関連事業者の皆様に対し、非接触型サービスの導入など、徹底した感染防止対策の取組とともに、テレワークの利用促進やオンラインツアーの造成などの新たなビジネス展開を支援してまいりました。
今後、観光産業が活力を取り戻すためには、事業活動と感染拡大防止との両立を図っていく必要がございます。このため、観光需要の回復を見据えた事業者の準備を後押しする施策の推進が急務であると考えております。
○後藤委員 ありがとうございました。今、観光部長の方からも、事業活動と感染拡大防止の両立というお話、そして、今回の補正予算を見ると、多くがそうかなと思うんですけれども、需要回復を見据えた事業者の準備を後押しするということで、そうした施策の推進が急務であるというような課題認識を伺ったところであります。
新型コロナウイルスの感染症拡大防止という観点においては、都外からの観光客が非常に激減をしているという中で、注目を集めているのがマイクロツーリズムであります。安心して過ごせる地域内観光というのは、ウイルスの拡散のリスクを減らしながらも、観光需要にもつながると。そしてさらに、地域経済にも貢献するという利点もありまして、昨今では非常に注目が集まっているところであります。
今回、補正予算に計上されている宿泊施設魅力向上緊急支援事業においては、専門家を派遣して、経営戦略の実行やマイクロツーリズムなどのプランづくりなど、地域の魅力向上に向けた取組を支援するとしておりますが、本事業の支援内容と狙いについて伺いたいと思います。
○築田観光部長 身近な旅行の需要回復に向けましては、宿泊施設そのものの魅力を高めるとともに、宿泊施設が周辺の飲食店やお土産物店、観光施設等との連携によるマイクロツーリズムによって、地域全体の活性化を図ることが重要でございます。
このため、都は、中小企業が営むホテルや旅館が周辺の複数事業者とともに地域の魅力を高める取組などを新たに支援いたします。
具体的には、中小の宿泊事業者に対しまして、専門家派遣により経営戦略の策定を支援するほか、地域の観光資源を取り込んだプランづくりや、そのPRなどの経費につきまして、二百万円を上限に五分の四を助成いたします。
○後藤委員 今のご答弁では、宿泊事業者の皆さんが、周囲の飲食店であったりとか、あるいはお土産屋さんなど、複数の事業者が一緒になって地域を盛り上げていくためのプランづくりの必要経費などを助成する、そんなような話がありました。
マイクロツーリズムという意味においては、その地域の魅力を高めていくということで、個々の事業者の取組ということではなく、やっぱり面でその地域の価値を高めていくというのは非常に大事な観点であるというふうに考えております。
今回の事業では、地域の飲食店や体験施設という話もありました。こうした複数の事業者が一緒になってマイクロツーリズムのプランづくりを支援するというような想定であると認識をしておりますけれども、都としては、具体的にそれはどのようなものをイメージをしているのか、伺いたいというふうに思います。
○築田観光部長 マイクロツーリズムにおきましては、宿泊施設を核として周辺の施設がそれぞれの特色を生かし、宿泊客にその土地ならではの魅力を感じていただくことが重要でございます。
具体的には、地元食材を使ったメニューを提供する複数の飲食店と連携することにより、宿泊客が好みに合った夕食を選ぶことができるプランが想定されます。
そのほか、地域の工房と連携し、工芸品の制作を体験できるプランや、周辺施設を周遊するまち歩きマップの作成など、観光客が地域の魅力を満喫できるような取組を支援してまいります。
○後藤委員 ありがとうございました。具体的に事例を挙げていただきましたので、非常にイメージがついたところであります。
ぜひ局を挙げて好事例をつくっていただくように支援をしていただきたいというふうに思っておりまして、こういう事業を立ち上げると、結構心配をしているのが、皆さん十把一からげに、地域の割引クーポンを発行するとか、まち歩きもそうかもしれないですけれど、マイクロツーリズムって、その地域のそれぞれが持っている個々の魅力をやっぱり引き出していくということがすごく重要で、皆さんが同じように平均的な取組になってしまうと、結局その地域の魅力が引き出されるのかという意味においては疑問が残ってしまう、残念なものになってしまうなというふうに思っておりまして、ぜひ、都内には観光資源、本当にたくさんあります。
個々の魅力をぜひ引き出す、今回、専門家が入るというような話がありますので、そこもキーになるかというふうに思っています。
第三者が入らないと、自分たちの地域の魅力、なかなかふだん生活する中で引き出せない、気づいていない点もあるかと思いますので、そうしたものも積極的に活用していただいて、その地域の魅力を言語化すると同時に、もうその地域でしかできない取組というものを後押しするような施策実行をぜひお願いしたいというふうに思います。
また、新型コロナウイルス感染症によって、人々の観光に対する意識も大きく変化をしています。先ほどのマイクロツーリズムで挙げましたように、少人数で出かけたい、そして近場で楽しみたいという傾向から、マイカーで行ける範囲や宿泊地の地域に観光客が集まると、たまるというようなスタイルが、ここ近年、一般化をしているわけでございまして、こうした観光客の意識の変化というのは、パッケージツアーを主とするような観光事業者であったり、観光バス産業というところは本当に大変な打撃を受けているというようなところであります。
今回、こうした事業者を支援する旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業というものが創設され、そこに対しての支援というものを強化しているということに関しては、高く評価をするものであります。
そこで、補助対象となる経費ということに対して伺いたいと思います。具体的にどのようなものを想定をしているのかお伺いをしたいと思います。
○築田観光部長 都は、厳しい経営状況にある旅行業者や観光バス事業者による経営改善などの取組を後押しするため、業務の効率化やサービス向上に資する経費の五分の四を、百万円を上限に助成いたします。
具体的には、中小の旅行業者等が取り組む顧客管理のデジタル化による業務効率の向上や、ウェブサイトの構築、改善による販売力の強化、安全・安心な観光バスのPRなどを想定してございます。
○後藤委員 ありがとうございました。今のご答弁では、効率化や販促、広報、PRなど、かなり幅広く使っていただける分野の助成があるということで、事業者の皆様にとっては使い勝手のいい制度になっているのかなというふうに思います。
観光ツアーなどの事業者の方々からお話を聞くと、ここ一年半の間、本当に、適度な距離や定期的な換気や手指の消毒など、個人旅行よりもさらにかなりきめ細かに、もちろん感染症対策をしっかりと講じて、安全に観光を行えるための企画を行っている事業者がほとんど、多いということでございますけれども、なかなかそうした対策を講じているにもかかわらず、ツアーは密になりそうだからやめておこうとか、何となく危なそうだから個人旅行にしておこう、そういったイメージを持たれているということで、そこに対して大変苦労されているというようなお話もありました。
今回の助成の中には、そうした安全・安心な観光バスのPRなどについても、PR経費の助成というものが含まれているというお話もありました。こうしたものをぜひ活用していただいて、イメージの払拭に取り組んでいただくとともに、都としてもそうしたイメージアップの施策、ぜひ後押しをしていただくことを要望したいというふうに思います。
また、観光業界の皆様からは、今、都に求める施策として、感染者が落ち着いているこの今だからこそ、これから経済活動を再開するための準備のための施策だというお話が冒頭にあったんですけれども、やっぱり求めるのは誘客というところ、お客様を呼ぶための施策をどんどんこれからは積極的に推進してほしいという声があるのも事実であります。
例えば以前、東京都が都民の都内旅行を推進するための、もっと楽しもう!Tokyo Tokyoという事業、非常に反響が大きな事業であったと思います。一泊五千円の宿泊旅行助成ということで、都内の観光事業者の多くが非常に助かったという話もある一方で、高級旅館などに人が殺到するなど、一部の課題も残しているということでありまして、こうした以前行っていただいた事業の課題整理も行っていただきながら、誘客のための施策、ぜひ併せてご検討をいただきたいというふうに思います。
また、国の方では、十一月からGO TOトラベルの再開という話も昨日ニュースでは大きく報じられているところであります。感染状況や国の動向など、なかなか不確定な中で、感染対策と観光振興というこの難しい両輪を回していくというのは本当に大変なことだということは重々承知をしておりますけれども、やはり事業者の皆様からは、借入れの融資の話、まだ返さないといけない期間がある中で、今後どうなっていくのかというところが皆さん非常に不安ということもあります。
都としても、今後、感染状況を踏まえながら、どのように都として観光振興していくのかというロードマップなどを道筋として示していただけると、業界の皆様も安心されるのかなというふうに思います。
ぜひこうしたこともご検討いただきながら、各種施策の検討をいただくことを要望いたしまして、次の質問に参ります。
次に、宿泊施設を活用したサテライトオフィスの提供事業について伺いたいというふうに思います。
先ほどもご質疑でございましたけれども、秋以降の新型コロナウイルス感染症の第六波に向けまして、テレワークを加速させていくというのは、もういうまでもなくということでありますし、都としても、もう既にここ一年半近くでテレワーク率というのはもうかなり伸びていて、都としても様々な施策実行をしていただいているという認識であります。
そして、今回、多摩地域で実施をされていた宿泊施設を活用したサテライトオフィスの提供事業が二十三区でも実施をされるということになりました。先ほど事業概要などにつきましては質疑がありましたので、質疑は割愛をさせていただきますけれども、稼働率も平均で七五%程度ということで、非常にテレワーク推進の意味からも意義深いものがあったと、非常に好評であったという理解でありました。
そこで伺いたいと思いますが、今回、二十三区でも実施をすることとなった狙いと、二十三区の中でも十四区が限定の対象となっているということでございますが、この根拠について伺いたいと思います。
○築田観光部長 テレワークを一層推進し、人流を抑制するためには、引き続き本事業の取組が重要と考えております。
多摩地域でのサテライトオフィスの提供におきましては、利用者から、個室を使うので安心して作業することができる、テレビ会議がしやすいなどの声も頂戴いたしました。そこで、本事業は、テレワーク実施環境の確保とテレワークの定着に寄与したものと考えました。
今回、区部におきましてもサテライトオフィスの提供を行うに当たりましては、本事業の、今申し上げました人流を抑制し、テレワークを一層促進するという取組においては、やはり引き続きの取組が必要でございます。
区部の十四区の選定につきましては、区部において、都心部への通勤者の流入が多くなっているところでございます。また、サテライトオフィスの整備状況は、山手線の外側エリアに位置する区におきましては、都心部に比べて少ない傾向にございます。
こうしたことを総合的に考慮いたしまして、区部における宿泊施設を活用したサテライトオフィスの提供につきましては、おおむね山手線の外側に位置するエリアの十四区を対象といたしました。
○後藤委員 ありがとうございました。十四区を限定して対象となった理由に関しては、人流抑制という意味で、都心部への流入を抑えるというような話がありました。
私の地元の足立区もこの十四区の中に含まれているんですけれども、観光振興の意味からは非常に手を挙げたいという事業者も多いのではないかなというふうに思います。丁寧な事業の広報など、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
そして、次に、成長産業分野キャリア形成支援事業について伺いたいと思います。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、日本の雇用環境は非常に、東京の雇用環境ですね、厳しい状況が続いているということで、コロナに起因する解雇者も日本で十万人を超え、そして、コロナ関連の倒産というのも、二〇二〇年二月からの累計で千七百社以上に上るということで、非常にこうした状況の中で苦しいといわれている非正規雇用の方々というのは、先ほどの委員の方も課題認識をおっしゃられていたところであると思います。
今回、昨年度は、上場企業がアルバイトや契約社員など、非正規雇用の方々を合計で年間で二十一万人減らしたというような報道がありまして、一方で、正社員の方で、雇い止めに遭った方が一万人強というようなことを比べると、やはり新型コロナの影響で働く場がなくなったときに真っ先にダメージを受けるのは非正規雇用の方々ということでありまして、やはりこうした方々のキャリア支援を今後どのように行っていくかというのは、都としても非常に重要な施策であるというふうに思っております。
東京都では、我が会派でも前期から非常にこの雇用政策、提案をしておりまして、東京版ニューディールというものを我々会派の提案により実現をいたしました。こうしたものを展開して、職業訓練やマッチング支援など行いまして、二万人を超える雇用創出支援に、現在、都では取り組んでいるというふうに認識をしています。
今回、こうした背景から、成長分野のキャリア支援事業におきまして、様々な取組をするということで、事業の内容に関しては先ほどのご質疑の中で、三百人規模で成長分野への人材シフトと雇用の安定性のための職業訓練を行っていくというような旨のご答弁があったというふうに理解をしております。
そして、いわずもがな、非正規雇用の比率で見ていくと、女性が圧倒的に多いということで、男女比で見ると、男性が約二〇%、女性が六割近くを占めるということで、こうした観点から、非正規雇用の多くを女性が占めるという観点からは、こうした事業、非正規の方々を正規の新しい職種にデジタルシフト、スキルチェンジを促していくという意味では、女性の皆さんがやっぱり参加しやすい事業にしていくということが重要な観点であるというふうに思っておりまして、特に女性は、私もそうですけれども、子育てしながら、そして介護をしながら、そうした、ダブルでのケア労働との両立というものが非常に重要な観点でありまして、こうした子育てや介護をしながらも、職業訓練に参加をできるための職業訓練のスキームということが重要だというふうに思います。
既に東京都でも職業訓練、様々行われておりますけれども、やはり通いの訓練が多いということで、働きながら子育てや介護と両立していくには−−まあ両立をして、そして学ぶも加えるということであると、なかなか大変であって使いにくいという声があったのも事実だと認識をしております。
そこで、事業の執行に当たっては、非正規労働者の多くを占める女性が参加をしやすいように、子育てや介護と就労支援が両立できるような制度に、運用にすべきだと考えますが、見解を伺います。
○村西雇用就業部長 コロナ禍では、非正規雇用で働く女性の休業や解雇、雇い止めが数多く発生しておりまして、本事業では、育児や介護など家庭と両立できるよう、空き時間等で受講可能なeラーニングによる訓練のほか、オンラインによるカウンセリングを行うなど、ライフスタイルに合わせて支援を利用できるようにしております。
また、就職支援におきましては、訓練で習得したスキルや資格を生かせることに加えまして、本人の希望や実情に合わせた求人を紹介するなど、再就職後も育児や介護等と仕事を両立できるよう支援してまいります。
○後藤委員 ありがとうございます。eラーニングの訓練や、オンラインによるカウンセリングということで、育児や介護、そして仕事と職業訓練が両立しやすい環境整備に向けて工夫が図られているということが理解をできました。
今回の事業では、先ほど三百人規模で就労支援を行うということで、その中でも成長産業であるデジタルコースというものと、事務職などの資格取得を目指す、そういうコースが二つあるというお話がありました。
私も過去、求職者の皆さんの転職支援などを前職の仕事でやってきて、中途の女性の方々、たくさん支援をしてきたんですけれども、未経験からデジタル分野、特にITなどの分野にスキルチェンジしていただくってなかなか大変だということがありまして、何もしないと、事務職、医療事務とか一般事務などの求人にやはり取っつきやすいというのもあって、応募が殺到する。逆に、ITとかプログラミングというと、ちょっと自分にはできないかもしれないと思って敬遠する女性が非常に多かったという自分の経験がございます。
なかなかハードルが高いのではないかという女性も非常に多いのではないかなというふうに思いまして、デジタル分野での、非常に求人意欲も高いですし、こうした分野にどんどん女性が入っていただいて、女性を中心とした非正規雇用の方々、入っていただいて、安定した雇用環境実現をしていただきたいなというふうに思うんです。
そういった意味からは、事業の実効性を高めるという観点で、こうした心理的なハードルを取り除くための情報提供であり、個別のキャリア支援というものが重要なのかなというふうに思っております。
そこで伺いたいんですけれども、求人意欲の高いデジタル分野へのスキルチェンジに対する不安に対して、個々のキャリア相談と併せて、ぜひきめ細かに情報提供を行うべきだというふうに考えますが、見解を伺います。
○村西雇用就業部長 本事業では、eラーニングでの訓練を実施するため、通信端末等を貸与するとともに、受講生からの様々な質問に対応できるよう、デジタル分野等の各訓練コースにメンターを配置し、訓練の進捗状況や習熟度の確認を行いながら、伴走型の支援を実施していくこととしております。
都は、訓練の開始に当たって行う事前のカウンセリング機会を活用しまして、こうしたメンターによるサポートを実施することや、IT業務の未経験者でも、訓練を受講し、デジタル関連の業界で再就職している事例を紹介するなど、デジタル分野の訓練への参加意欲を喚起してまいります。
○後藤委員 今のご答弁では、メンターによるサポートを実施して、未経験でもデジタル関連の業界で再就職をしている事例の紹介など、意欲喚起をしていただくということで、ありがとうございます。
ぜひ行っていただきたいというふうに思いますし、ぜひ今後、こうした事業の広報やPRと連動して、未経験からデジタル分野に行っている事例がたくさんあるんだとか、こういうことに対して不安があるんだというものに対しての一つ一つカウンターを発信していただいて、参加をぜひ促していただきたいなというふうに要望をして、次の質問に参ります。
次に、テークアウト専門店出店支援に関して伺いたいというふうに思います。
これまで都は、休業要請などで経営に苦しむ飲食店に向けまして、感染拡大防止協力金の支給を全国に先駆けて創設をしたことに加えまして、テークアウトやデリバリーなど、業態転換の支援など、本当にこの一年半、私もこの経済・港湾委員会で産業労働局の皆様と様々質疑をさせていただいておりましたけれども、時流に合わせてかなり多くの対策を講じていただいているというふうに認識をしております。
そして今回、都内の飲食店に対して、ATM等の跡地を活用してテークアウト専門店を新たに出店する際の経費の一部について助成を行うという事業が行われることとなりました。
まずは、本制度の概要について伺いたいと思います。
○緑川商工部長 コロナ禍によります外出自粛要請などの影響によりまして、テークアウトが一般的に普及し、飲食店の新たな収益確保につながっております。
こうした状況を踏まえまして、このたび、都では、飲食事業者の積極的な事業展開を後押しするため、空きスペースを活用した新たなテークアウト専門店の出店支援を開始いたします。
具体的には、店舗の開設に係る改修や店内厨房機器の購入、販売促進などに係る経費の三分の二を、三百万円を上限として助成を行うこととしております。
こうした取組を通じまして、コロナ禍にあっても、新たな事業展開により収益確保に取り組む飲食事業者を積極的に支援してまいります。
○後藤委員 先ほどのご答弁では、テークアウト専門店など新たな業態が非常に普及をしているということと、販売促進などに関わる経費の三分の二、三百万円を上限として助成をすると、そういったご答弁がございました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、外食控えが非常にこの一年半続いているということで、テークアウトサービスが非常に好調ということで、その時流を読んでいただいての事業創設だというふうに理解をしております。
昨今では、こうした中で、店内の飲食機能、座席であったり、そうしたものを持たずに、テークアウトに特化をした飲食業態であるゴーストキッチンというような形態も非常に都内では増えているところでございまして、質問なんですけれども、本事業では、こうしたゴーストキッチンについても対象になるのか、聞いておきたいと思います。
○緑川商工部長 テイクアウト専門店出店支援事業は、飲食事業者などがテークアウトに特化して商品を提供する店舗を新たに出店する際の経費を支援するものでございます。
このため、店内飲食を行うための客席は設けず、店舗内の厨房においてテークアウト商品を作り提供する店舗も対象となると考えております。
○後藤委員 ありがとうございました。こうしたテークアウト、店内飲食を行うための客席は設けず、厨房においてテークアウト商品を作り提供する店舗も対象となるというご答弁がありました。
ゴーストキッチンなどに関しては、様々、昨今、こうした店舗の増加によっていい影響も、なかなか難しい影響もあるというふうに聞いておりまして、一つの店舗の中に複数の事業者が入って営業をしている、近隣住民にとっても、マンションの一室を借りて営業をしていて、近隣住民からのトラブルがあるなど、新しい業態であるからこそ、様々な苦情も含めてそうした実態があるということで、新しい業態が増えるということで、ぜひこうした部分の正しい取締りなど、そうしたものに対してもぜひ目配せをいただきたいというところと、今後、もう本当にこの一年半、様々、そのときの感染状況や、その飲食店等の時流に合わせて事業を構築していただいたというふうに認識をしております。
今後も、そういった時流に合わせて、幅広い業態への支援の拡充ということを求めまして、私の質疑を終わります。
○玉川委員 今月から緊急事態宣言が解除されましたが、飲食店に対する営業時間の短縮等の要請は継続されております。この要請の影響を受ける事業者に対して、国は月次支援金を十月分まで延長することとし、都も月次支援給付金の延長を決めました。私の地元である大田区におきましても、本給付金によって経営が助かったという声を多く聞きます。
今回、緊急事態宣言は解除されたものの、都は、十月分についてもこれまでと制度スキームを変更せず、幅広く事業者に支給することとした点について高く評価いたします。
そこで、近隣県でも独自に国の月次支援金に対して加算等を行っているのかと思いますが、他県と比較した都の制度について伺います。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金は、国の月次支援金に加算いたしますとともに、支給要件の緩和により、国支援金の対象とならない事業者につきましても支給対象としております。
酒類販売事業者に対する支援は、埼玉県、千葉県、神奈川県ともに、支給額の違いはありますが、都と同様に行っております。
一方で、酒類販売以外の事業者に対します支援は、埼玉県と神奈川県は国の支援金への加算を行っておりますが、国支援金の対象とならない売上げの減少が三〇%以上五〇%未満の事業者に対する支援、いわゆる横出し支援を行っているのは東京都のみでございます。
また、都が七月分から開始いたしました二か月連続で三〇%以上売上げが減少した事業者に対し支給を増額する仕組みにつきましても、都独自の制度となっております。
○玉川委員 この月次支援給付金は、前年もしくは前々年対象月日の事業収入が五〇%以上の減少が条件となっていて、減少額が五〇%未満でも、苦境に立たされている事業者は多く、救済を求める声が多数ある中、本年五月六日に我が党が小池知事へ緊急要望させていただき実現した三〇%以上売上げが減少した事業者への支援、いわゆる横出し部分についても、幅広く事業者に支給できるような制度となっていることを理解いたしました。
続いて、申請の手続について伺います。
事業者の中には、月次支援給付金を申し込みたいが、申請に手間取る方もいると聞きます。先ほどの答弁にもあったとおり、都の月次支援給付金は売上げが減少した事業者にとって経営の下支えになる制度であるため、一者でも多くの事業者に活用いただくことが望まれます。
そこで、事業者が月次支援給付金を円滑に申請できるように、現在どのような工夫を講じているのか伺います。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業者の申請の負担軽減を図るため、月ごとの申請ではなく、四月から六月の三か月分、七月、八月の二か月分を一括で申請できるようにしております。
また、一度申請を行いますと、二回目からは提出書類が減らせるなど、事業者が簡易的に申請できる仕組みとしております。
さらに、本制度を分かりやすく解説した簡易版パンフレットを用いて周知を行いますとともに、ウェブサイト上で円滑に申請できる手順を動画で案内しているところでございます。
○玉川委員 簡易版のパンフレットによる周知や動画による案内など、事業者目線に立った工夫がされていることが分かりました。引き続き、申請を受け付ける中で、改善点があれば見直しを重ね、事業者が申請しやすい制度となることを期待いたします。
続いて、申請の実績について伺います。
月次支援給付金は申請受付開始から三か月が経過したところでありますが、どれだけの事業者から申請が来ており、審査をどの程度終了しているのか、併せて上乗せと横出しの内訳についてもお聞かせください。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、四月から八月の五か月分の申請を受け付けておりまして、この間、約六万の事業者からお申込みをいただいております。
審査は月ごとに一者ずつ行うため、審査の対象となります件数は延べ十三万三千件となっておりまして、そのうち約十万八千件の審査を終了しているところでございます。
審査を終了した件数のうち、国の支援金に加算する、いわゆる上乗せ支給は約八万六千件、国の要件を緩和して支給する、いわゆる横出しの支給は約二万二千件でございます。
○玉川委員 ありがとうございます。申請の実績について分かりました。
次に、月次支援給付金は、業種を問わず幅広く支援対象としていますが、実際にどのような業種から申請が来ているのでしょうか。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 月次支援給付金は、飲食店の時短営業や外出自粛等の影響によりまして、売上げが減少した事業者に対しまして支給する制度でございます。
これまで申請のあった業種といたしましては、酒類販売事業者に加えまして、例えば、タクシーや旅館などの観光関連事業者や、衣料品や食料品などの小売、卸売業のほか、印刷業やリフォーム業など、外出自粛の影響を受ける様々な業種の方から申請をいただいているところでございます。
○玉川委員 飲食店の休業や時短要請により、飲食関連の事業者が注目されがちですが、そのような事業者だけではなく、タクシーや旅館事業者から小売業、卸売業などに至るまで、幅広く様々な業種から申請がされていることが分かりました。このような申請実績からも、月次支援給付金は、厳しい経営環境を乗り越え、事業を継続しようとする事業者にとって、本当に必要な大切な施策であるといえます。
引き続き、事業周知をしっかりと行っていただき、多くの事業者に活用いただくことを期待しまして、次の質問に移ります。
中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業について質問いたします。
人材確保に悩んでいる中小企業は多く、私自身、地元大田区のものづくり企業などから、技術者などの採用や人材確保に苦労しているという話を聞いています。
先日の代表質問において、都は、我が党の質疑に答える形で、人手不足の中小企業が奨学金を受給している学生等を技術者として採用する際の奨学金返還負担を軽減する支援を実施する旨を明らかにしました。
中小企業の来年度の採用活動に間に合うよう、今年度中に対応を開始するとのことですが、実際の奨学金返還支援が始まるのはいつからなのかという点を含め、具体的な事業内容について伺います。
○鈴木事業推進担当部長 都は、奨学金を利用している大学生等が建設、IT、ものづくり分野の中小企業に技術者として就職した場合、就職先の企業と連携して、その奨学金返還を支援する事業を新たに実施いたします。
今年度は、事業のウェブサイトを構築した上で、参加する中小企業の募集を行い、サイト上で対象企業の特徴や魅力を紹介いたします。
令和四年度から、本事業の利用を希望する学生と卒業後三年以内の若者を募集し、応募してきた学生等の中から、各企業が個別に選考を行って採用者を決定いたします。
このように採用された方が一年間勤務したことを見極めた上で、令和五年度以降、都と中小企業は、奨学金返還に必要な経費の一部につきまして、それぞれ同額を負担し、東京しごと財団に設置する基金を通じて、奨学金貸与団体に三年間にわたり支出いたします。
○玉川委員 奨学金の返還負担軽減の助成が始まるのは令和五年度以降であり、今年度は、ウェブサイトの構築や参加する中小企業の募集を行うとのことです。今回の補正予算では、広報経費として五千万円が計上されていますが、この具体的な内訳について伺います。
○鈴木事業推進担当部長 今回の補正予算では、中小企業の紹介等を行うホームページを作成する経費に加えまして、事業案内用のチラシ等の製作経費、参加企業を募集するための広報経費などを計上しております。
○玉川委員 この事業を通じて、多くの中小企業が優秀な若手技術者を採用できるようになると期待していますが、そのためには、まず、中小企業の皆さんにこの事業を知っていただき、参加していただくことが不可欠です。
サイト上に働きやすい環境が整った魅力的な企業が数多く掲載されれば、この事業や中小企業に関心を抱き、制度を利用しようとする若者も増えるはずです。
今回計上した予算を有効に活用して、人手不足に悩んでいる中小企業の目に留まるよう、積極的な周知を行うべきと考えますが、見解を伺います。
○鈴木事業推進担当部長 都は、本事業に対する中小企業の認知度を高めて、参加企業を増やすため、関係機関等とも連携し、多様な媒体を活用して幅広い広報を展開してまいります。
具体的には、経済団体や業界団体等を通じて、事業の内容を分かりやすく説明するチラシを傘下の企業に配布いたしますとともに、新聞やSNS等を活用して、企業経営者等に情報発信を行います。
また、中小企業の就職支援を行っている東京しごと財団などのネットワークを活用いたしまして、登録企業に周知を図るほか、人材確保に課題を抱える中小企業に対し、相談の機会等を通じて個別に事業の案内を実施してまいります。
○玉川委員 この奨学金返還の負担軽減を通じた中小企業の人材確保の事業について、しっかりとPRを行ってください。
なお、今後具体的な制度設計がなされると思いますので、何点か要望させていただきます。
まず、支援の対象者数や助成開始後の予算額等については、中小企業の厳しい雇用環境を踏まえて、適切な規模の確保をお願いいたします。また、当然のことではありますが、参加する中小企業の労働環境等については適切に確認していただくとともに、採用された方が本事業の支援期間内にやむを得ず離職される場合などには、その方が不利益を被ることのないよう配慮をお願いいたします。
次の質問に移ります。
観光需要の回復を見据えた準備の後押しについて、まずは宿泊施設魅力向上緊急支援事業について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、宿泊事業者にとって厳しい状況が続いてきましたが、最近では新規の感染者の増加が落ち着きを見せるなど、僅かな希望が見えてきたと思います。
都は、宿泊施設魅力向上緊急支援事業により、中小のホテルや旅館の取組を支援することとしていますが、今後の旅行需要の回復に備えるためには、施設自体の魅力向上に向けた戦略的な取組が不可欠です。
そこでお伺いしますが、都は、本事業においてどのような支援を行うのか、お聞かせください。
○築田観光部長 旅行需要の回復に向けましては、宿泊事業者が施設そのものの魅力を磨き上げ、旅行者を引きつけることが重要でございます。
このため、都は、宿泊施設の魅力向上に取り組む中小の事業者に対する新たな支援といたしまして、専門家を無料で派遣するとともに、特色ある宿泊プランづくりや、宿泊客の利便性を高める施設改修、広報、PRなどに要する経費につきまして、二百万円を上限に、五分の四を助成いたします。
○玉川委員 続いて、旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業について伺います。
中小の旅行業者は、従業員が数名程度という小規模な事業者が多く、旅行需要の回復を見据えた経営改善の取組を独自に行うには限界があります。
そこで、今回の補正予算に計上された旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業では、どのような支援を行うのかお伺いいたします。
○築田観光部長 都は、旅行業者の経営改善などの取組を後押しするため、専門家を無料で派遣するとともに、顧客管理のデジタル化やウェブサイトの構築、改善などに要する経費の五分の四を、百万円を上限に助成いたします。
厳しい経営状況にある旅行業者を課題抽出から解決まで一気通貫でサポートすることによりまして、旅行需要の回復に備えた準備を後押ししてまいります。
○玉川委員 最後に、ホストシティTokyoの海外への魅力発信について伺います。
東京二〇二〇大会は過去にない困難な状況での開催となりました。海外からの観客をお迎えすることができず、選手をはじめとする大会関係者も厳格な行動制限により、東京の魅力に直接触れる機会も少なかったと思います。
こうした中においても、選手村スタッフやボランティアの皆さんを通じて、東京の魅力を感じていただいたというお話も耳にしました。
そこでお伺いしますが、都は、大会関係者等に対しどのように東京の魅力を伝えたのか、また、訪れることのできなかった海外の方々に対しては、どのようなプロモーションを行ったのかお聞かせください。
○築田観光部長 東京二〇二〇大会は、世界の注目が東京に集まる絶好の機会であることから、大会期間中は、選手村やメインプレスセンターなどに情報発信拠点を設けまして、東京の魅力を効果的に発信いたしました。
具体的には、大会で訪れたアスリートやメディアなど外国の方々約一万人に対しまして、東京や日本各地の魅力を紹介し、次回の来訪時には観光したいという声もいただいたところでございます。
また、東京ビッグサイトの壁面に、都内の観光地や多摩・島しょの自然などをプロジェクションマッピングで投影いたしまして、東京の多様な魅力をメディア向けにPRいたしました。
観戦で東京を訪れる予定であった海外の方々に対しては、より身近に東京の魅力を感じていただけますよう、大会の盛り上がりの様子や被災地を含む競技会場周辺の観光スポットの紹介記事を作成し、海外のスポーツ媒体等を活用して世界に発信いたしました。
○玉川委員 コロナ禍での大会の成功を通じて、東京の安全・安心が世界から高く評価されたことと思います。この機を捉えて、東京の魅力を海外に向けて積極的に発信していくことが重要となります。
そこで、大会での成果や東京の観光地としての魅力をより効果的に発信していくために、今後、具体的にどのような取組を行っていくのかお伺いいたします。
○築田観光部長 都では、大会の開催を契機に高まった世界から東京への関心をつなぎ止めるため、大会のレガシーなどを活用した魅力の発信を強化いたします。
具体的には、訴求力の高い海外のオリンピアンやパラリンピアンが東京を訪れて感じた食やおもてなしなどの魅力を語るインタビュー映像を制作いたします。また、都市のバリアフリーやボランティアのおもてなしなど、大会に向けたハード、ソフト両面にわたる取組のほか、アニメなど東京の優れた観光資源を紹介する記事を作成いたします。
これらのコンテンツを海外の有力なメディアやSNSなどを通じまして、全世界に発信し、将来のインバウンドの回復につなげてまいります。
○玉川委員 国においては、斉藤鉄夫国交大臣が大変重要で必要不可欠な事業として発言されたGO TOトラベル事業も新たな制度として再開する動きがありますが、東京の新たなまちの魅力や施設の魅力を多くの人たちに伝え、多くの旅行者、観光者を東京に迎え入れ、さらに東京の魅力が広がっていくよう、力強い後押しをお願いしまして、私の質問を終了いたします。
○あぜ上委員 それでは、私の方からも質疑させていただきます。
まず、飲食店等を対象にした協力金についてです。
協力金の支給につきましては、これまでも支給の遅れについてや対応について質疑をさせていただいてきましたけれども、先日の委員会におきまして、審査体制強化で申請から審査終了まで十日間となっているというご答弁をされていました。局としてのご努力は評価しております。
しかしながら、今もなお、まだ支給されていないけれども、理由を聞いても不明瞭である、不備の対応をしようと電話で確認したけれども、担当から連絡させていただきますといわれたまま連絡が来ないなど、まだそういった意見、声も寄せられているところでございます。
協力金給付が迅速に行われ、事業者の皆さんが事業を継続できるようにする、その立場から何点か伺いたいと思います。
まず、五月の十二日から五月三十一日、この実施分の飲食店等を対象とした協力金の申請数及び支給実績について伺います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和三年五月十二日から五月三十一日までの要請に係る協力金につきましては、七月二十六日から受付を開始し、申請のありました約七万五千事業者のうち、九割を超える約六万九千事業者の処理を完了してございます。
○あぜ上委員 あと約七千事業者が残っているということですね。
未支給の事業者の中には、七月以降はもう既に協力金が支給されている、こういう事業者もおられて、そうした事業者の方からは、事業者側の変更は何もしていないのに、期間によって支給されない事態が起こっているんだという声も伺っています。
未支給によって、本当に資金繰りに、大変な状況に追い込まれている事業者もいるわけですから、期間によって支給されていない、こういうケースについては、都として積極的に調査を行って、申請者と状況を確認し合うなどして、一日も早く支給されるよう求めておきたいと思います。
これまで、それぞれの協力金支給の申込期間のスタートが遅いということを指摘して、改善を求めてまいりましたが、七月からは早期支給がスタートしたということは大変重要であると思っています。ご努力されたというふうに思いますが、九月分の飲食店等を対象とした協力金の早期支給の申請数及び支給実績について伺いたいと思います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和三年九月一日から九月三十日までの要請に係る協力金の早期支給につきましては、九月十三日から受付を開始し、申請のございました約一万九千事業者全ての処理を完了してございます。
なお、十月一日から十月二十四日までのリバウンド防止措置期間に係る協力金につきましては、要請期間終了後、直ちに申請受付を開始することで、より早く事業者に協力金をお届けすることとしておりまして、早期支給は行わないこととしてございます。
○あぜ上委員 リバウンドの早期支給についてまでお答えいただいたわけですけれども、毎回の申請は、先ほどのお答えでもあったように約七万五千件くらいということで、早期支給が実績としては二五%ぐらいということであります。
業者の方に伺ってみると、やはり早い支給をしていただいたというのは大変よかったと。しかしながら、早期支給額、これが六十万円ということで、七月に比べて少なかったわけですね。やっぱりそういうことが原因になったのではないかというふうに、私はお話を伺って、印象を受けました。
やはり、長引くこの緊急事態宣言措置、リバウンド措置期間に、今、ようやくなったわけですけれども、そうした中で、本当に資金繰りが大変な事業者の立場に立って、早期支給額についてもどうだったのかという点、きちんと東京都としても、局としても総括していただきたいなということを改めて申し上げておきたいと思います。
局としては、迅速な支給のために審査体制を充実したなどのご努力もされていること、これは評価をしているところですが、同時に、事業者の方々からは、この間、何回も協力金の申請を繰り返したけれども、申請番号がその都度変わるのは非常にややこしいと、合理的ではないのではないかと、こういう声も寄せられているところです。
協力金の期間ごとに申請番号が変わるというのはなぜなのか伺います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金につきましては、要請の都度、措置内容に応じて、申請や審査に係る制度設計を行う必要がございます。
このため、都は、要請期間ごとに申請のあった事業者の情報を登録するシステムを構築してございまして、それぞれの申請に対して申請番号を付番してございます。
○あぜ上委員 部長、確認なんですけれども、新たな申請期間のシステムと連携しているというふうに、以前伺っていたんですが、これは連携しているという、そういう理解でよろしいでしょうか。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におきましては、要請期間ごとに申請のあった事業者の情報を登録するシステムを構築してございますが、過去にシステム上で登録された情報については、新たな要請期間のシステムと連携することで添付書類の提出を省略可能とするなど、申請者の負担軽減、審査の効率化につなげているところでございます。
○あぜ上委員 過去にシステム上登録された情報を新たな要請期間のシステムと連携するというのであれば、私はなおのこと、申請番号を統一した方が、申請者である事業者の方々にとっても、添付書類の提出も省略可能と分かりやすくなるのではないかと思うわけです。最も迅速かつ申請者の利便性を確保する、そのためにも、申請番号をそろえる、統一するということは非常に重要だったんじゃないかというふうに思うわけです。
もう既に来週からは九月の再延長の申請が行われるわけですけれども、このリバウンド防止期間の協力金の申請は、その後に、十一月に入るか入らないかぐらいになると思うんですけれども、そのときには、やはり申請番号については同一のものができるように、ぜひ改善をしていただきたい、これを要望しておきたいと思います。
コールセンターと審査の連携も、疑問の声が上がっております。
事業者からコールセンターに問合せをしても、どこが問題なのか、不備があるのかなどはっきりしない、問合せをしても返事がなかなか来ない、こういった声が寄せられているわけですけれども、コールセンターと審査とでどのように連携しているのか伺います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、協力金に対する相談に円滑に応えられるよう、コールセンターに寄せられた問合せ内容を審査部門と情報共有するシステムを構築し、事業者からの様々な相談に連携して対応してございます。
○あぜ上委員 コールセンターのそれぞれの担当者の方が一生懸命努力されていることは承知しているんですが、コールセンターの−−事業者の皆さんに伺いますと、本当に要請に応えるために休業したり時間短縮することを協力しておられるわけですけれども、まさにこの協力金が命綱となっているんだと、だから、問合せをしてもどこが問題なのか分からないとなると非常に精神的にも落ち込むし、大変不安になる、電話一本で、何が問題なのか、どうしたら解決できるのか分かるようにしてほしい、こういう声がずっと続いていたわけですね。何とか改善にならないかなというふうに私たちも思っていたわけですけれども、なかなか今も改善されていない事態もあるということであります。
ある事業者の方は、何度も電話をしたけれども、混み合っているので少々お待ちくださいというふうになって、つながるまでにも時間がかかったんですが、ようやくつながったら、今度は調べてみますとおっしゃって、ずっと受話器を置いて待っていたけれども、結局、その事情が分かるまでに一時間四十八分かかってしまったと。
別の事業者の方は、審査の担当者から電話が来て、出ようと思ったらちょうど切れてしまったので、こちらからもかけたかったんだけれども、なかなかかからないで、向こうからかかるのを待ったら、三日間かかってこなかったと。
本当にそういう意味では、なぜこうした事態がいまだにあるのか、その実態を都として把握していただきたいし、改善していただきたいということを求めたいと思います。
また、この相談申請業務委託契約、これはこの間、ずっと博報堂が随意契約で行っているわけです。
この随意契約としたのは、地方自治法の施行令第百六十七条の二第一項第五号、この規定が根拠になっているわけですが、これはあくまでも緊急の場合の必要性で随契になっているわけですね。だけど、ずっとこの間の協力金というのは同じ委託先が続いていると。これも本当にどうなんだろうかということも、多くの事業者の方からも声が上がっています。こうした検証も必要なんではないかということも、改めて申し上げておきたいと思います。
また、有料電話、これについては無料にしてほしいと要望が寄せられているところでありますが、私は、昨年の三月の委員会でもコロナ対策の相談窓口をフリーダイヤルに改善することを求めてまいりましたが、協力金の場合、お待ちくださいといわれてから、待てど暮らせど電話を待たされることが度々、ある月の電話代は五万八千円だったと、今まで請求されたことのない金額にまでなってしまった、こういうケースも生まれております。
こうした桁違いの負担に、事業者の方々からは、要請に応えているのに、なぜ我々事業者側に負担を求めるのかという声も寄せられているところでございます。
コールセンターの電話をナビダイヤルにした、その理由を伺いたいと思います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 フリーダイヤルは、申請者にとっては、無料で通話できるメリットがある反面、特定の方からの電話が長くなることで回線が占用され、電話がつながりにくくなるといったデメリットもございます。
一方、全国に点在するコールセンターの番号を一本化できるナビダイヤルは、他自治体や国の補助金申請等の問合せ対応においても広く活用されておりまして、これらを総合的に勘案し、採用したものでございます。
なお、コールセンターにおいては、できるだけ多くの問合せに対応することが重要でございまして、都では、コールセンターの人員を本年三月の約五十名から百五十名体制に増強し、応答率の向上を図っているところでございます。
○あぜ上委員 先ほども申し上げましたように、長電話になるのは、申請者からの電話が長くなるんじゃなくて、受け手側の都合によって長くなっているケースもたくさんあるわけです。
では、伺いますけれども、ナビダイヤルは委託事業者の判断でそうなったのか、都の判断で決めたのか、それはどういうことでしょうか。伺います。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 ナビダイヤルの採用につきましては、都の判断によるものでございます。
○あぜ上委員 徳島県、福岡県、それから沖縄県、ここでは、こうした問合せについてはフリーダイヤルにしているわけですね。私は、自治体の考え方の問題ではないかというふうに思うわけです。そもそも協力金というのは、都が自粛要請を行ったものに対するものであって、問合せなどは申請者、事業者の負担にすべきではないというふうに思うわけです。
先ほども事例を申し上げましたけれども、事業者の都合というよりはむしろ受け手の都合で長引いているということも多くあるわけです。中小業者の立場を優先して、やはりフリーダイヤルに改善することを求めたいと思います。
事業者の皆さんは、休業によって、売上げゼロという、こういった下でも、家賃やリース代、人件費などの固定費の支払いは待ってはくれず、協力金が支給されるかどうかは、まさに死活問題です。申請者の立場に立って、様々改善することを求めておきたいと思います。
次に移りますが、緊急事態宣言期間が解除され、一週間が過ぎました。
商売を再開できるのは大変うれしいけれども、また休業してくださいなどとなったらどうなるだろうかと不安でならない、消費税増税で大きな打撃を受け、コロナでさらに追い打ちをかけられ、事業の継続自体が厳しい、こういった声が寄せられています。
今、大事なことは、感染拡大の第六波を起こさないための対策に全力を挙げるとともに、やはりコロナで追い詰められた商売、事業と暮らしを立て直す、こういう支援を実施することだと思うわけです。
このたびの補正予算では、一時支援金等受給者向け緊急支援事業など、これまでの支援の拡充や延長などもありますけれども、さらなる支援を求める立場から、何点か伺いたいと思います。
まず、テークアウト専門店出店支援についてなんですが、先ほども質疑がございましたが、テークアウト専門店の出店の支援というのは、ATM跡地以外の、例えば商店街の空き店舗、この出店も対象になるということでよろしいんでしょうか。確認の意味で伺いたいと思います。
○緑川商工部長 テイクアウト専門店出店支援事業は、都内の飲食事業者等が空きスペースなどを活用して新たにテークアウト専門店を出店する際の経費の一部を助成するものでございまして、ATM跡地以外での出店も対象と考えてございます。
○あぜ上委員 私がお話を伺った商店街では、このコロナ禍で本当にさま変わりしています。空き店舗も増えてしまった商店街もあります。同時に、以前から営んできたお総菜屋さんなどは、新しいテークアウト店が増えて一層厳しくなっている、こんな声も寄せられまして、消費者に魅力ある商店街づくりの難しさ、これを私自身、実感しているところです。
さらに、食料品や靴の売上げが落ちた、お茶は、テレワークで企業が買わなくなった分、売上げががた落ちしたなど、飲食店以外でもコロナの影響を大きく受けています。
局としては商店街に聞き取り調査などもされていますけれども、やはり私は、区市町村とも連携して悉皆調査などを行って、持続できる商店街づくり、その支援の拡充にぜひつなげていただきたいなということを求めておきたいと思います。
また、本会議におきまして、商店街のPCR検査を支援するという、局長がご答弁されておりましたけれども、いつからのスタートなのかというのは明らかではありませんでした。
歌舞伎町や新宿二丁目などで飲食店を経営している方々、飲食店の灯を消してはならないと、安心してお店が開けられるようにしたいということで、自主的に飲食店の従業員やお客様たちに検査を行うことを今検討を進めています。
職場や事業者団体が行うこういった検査に対する支援についても、早急に補正予算を組んでいただきたい。これも要望として申し上げておきたいと思います。
そして、月次支援金につきましても、先ほどご答弁がございましたので、重複しますので意見だけ述べさせていただきます。
月次支援金が延長された、十月支給ということにつきましては、大変重要だと思っております。同時に、貯金も底をつき、事業再開の資金が欲しい、こういった声が上がっています。ぜひ事業者が事業を継続できる、さらなる支援策を講じていただきたいと求めたいと思います。
今定例会に提出されました補正予算、専決処分された補正も含めますと、事業者支援の補正予算の財源は、九六%、国庫支出となっております。
私たち日本共産党は、本予算の際に、都独自の家賃補助、また、雇用調整助成金などを活用を進めて雇用を守るための補助など、予算修正案を提案させていただきましたけれども、これは都全体での見直しですが、都全体で見直すべきは見直して、やはり今、経済的な困窮に陥っている方々や、資金繰りに窮している、こういった中小業者を支える支援を強化していただくことを強く求めたいと思います。
さて、労働者に対する支援も大変重要だと思います。
とりわけ非正規労働者の置かれている状況が深刻であるということは、これまでも繰り返し申し上げてまいりました。今日も、ほかの委員の方からもお話がありました。
そこで伺いますが、非正規労働者等への新たな資格取得や就職支援の事業、これは、先ほど内容についてはご説明があったんですけれども、対象者が三百人ということでありましたが、なぜ三百人としたのか、その理由を伺います。
○村西雇用就業部長 都は、コロナ禍で解雇や雇い止めで職を失った非正規雇用の方々などを対象としまして、トライアル就労とのマッチングや職業訓練などにより、二万人を超える雇用創出支援を行う東京版ニューディールを、現在実施しております。
今回の事業は、こうした支援に加えまして、非正規雇用の方々などが働きながら再就職に資する新たなスキルを習得できるよう雇用対策の充実を図ったものでありまして、事業規模については、国のキャリア形成支援制度の実績や、年度途中からの事業実施期間等を考慮し設定しております。
○あぜ上委員 今、実施しております雇用創出・安定化支援事業を軸に拡充したものということでございます。
非正規労働者の置かれた状況、大変深刻になっていますけれども、私は、さらなる充実が求められていると思います。
厚生労働省が昨年の五月から、新型コロナ感染症に起因する雇用への影響に関する情報収集というのを行っておりますけれども、この十月一日時点で、東京において雇用調整の可能性のある事業所数、これは四万九千三百四事業所となっています。厚労省の調べだけでこれだけになっています。
私のところにも、やはりパートで長年働いていたホテルを解雇されたといった女性や、様々な仕事と暮らしの相談が相次いでいるところです。
私の地元では青年たちが定期的に行っているフードバンクがあるんですが、このフードバンクには、失業や雇い止めとなったという女性が、先ほども女性の非正規労働者のお話がありましたが、本当に女性がたくさん集まってきます。
局として雇用対策に頑張っていらっしゃるのは理解していますけれども、現時点で、雇用安定化事業の実績、これがどうなのか、具体的施策の検証もしっかりと行っていただいて、より実態に合った支援に拡充することが、私は、今必要だと思っております。
また、突然雇い止めされた方などは、精神的にも打撃が大きく、寄り添い型の暮らしも含めた丁寧な相談活動、就職活動の支援が求められていると思います。福祉保健局などとも連携して、就職支援を拡充していただくことを求めておきます。
最後に、コロナ感染が現局面では落ち着いてきていますけれども、真冬の第六波、これも心配されているところであります。
産労局としても感染拡大を防止するための施策、進められておりますけれども、さらに進めるとともに、労働者が濃厚接触者となった場合に有給の特別休暇が取れるように国に求めるとともに、中小、小規模事業者に対して、都として特別休暇が取れるように補助を実施するなど、対策も行っていただきたいということを求めまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○細田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時九分休憩
午後三時二十六分開議
○細田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○阿部委員 コロナによる感染者は減少傾向が続いておりますが、コロナ禍で傷ついた経済は、すぐには回復しません。働く人たちや事業者を支えていくために、現場の声に耳を傾け、丁寧な補正予算を組み立てていくことが重要だと考えております。
まず、月次支援給付金ですが、既に多くの質疑がありましたので、ここでは繰り返しませんが、引き続き、よりスムーズな給付に努めること、そしてフリーダイヤルを活用することを改めて要望いたします。
特に、ごく一部のいわゆるクレーマーの存在を理由に大多数の善意の申請者が負担を強いられるという制度設計には違和感があり、クレーマー対策は別の手段を検討するのが本来の姿ではないかと思います。
それでは、質問に移ります。
まず、中小企業等感染症対策助成事業についてお伺いします。
過去の議事録を見ると、この事業は、昨年六月から十二月までの受付に対し、既に五千百二十四件の交付決定をしたとあります。
この後も対象を拡大しながら継続をされておりますが、事業開始からこれまでの申請数、交付決定数、実績報告数、そして助成金額の確定数はそれぞれ何件となっているでしょうか。
○緑川商工部長 中小企業等が感染症対策として行います備品購入や換気設備工事等の取組に対する支援につきましては、昨年六月の制度開始からこれまで、約一万七千件の申請を受け付け、提出された見積書や工事図面等の審査を実施いたしまして、十月四日時点で約一万四百件に対して交付決定を行いました。
このうち、約七千件から実績報告の提出を受け、審査を踏まえまして、約六千三百件に対し、助成金額の確定処理を行っております。
○阿部委員 申請は計約一万七千件と相当な件数に上っており、取り扱う中小企業振興公社の事務も相当な量に上っていると思われます。
申請から交付決定までに要する期間を、おおむねで構いませんので教えてください。
○緑川商工部長 申請事業者の状況によって幅もございますが、交付申請から交付決定までの期間につきましては、早いものでおおむね一か月程度で審査を終えるものもございますが、案件によっては、数か月程度を要するものもございます。
○阿部委員 それでは、今回の補正予算による延長分で、何件程度の申込件数を見込んでいるんでしょうか。
○緑川商工部長 本定例会におきまして、約三千二百件の支援を予定しております補正予算案を計上いたしました。
○阿部委員 ありがとうございます。
この事業は多くの事業者の方々にご利用いただいておりますけれども、交付決定から、さらに工事等の実施を経て、実績報告、助成金額の決定、そして助成金の支給と、申請から着金まで、時間も手間もかかります。実際、事業開始後一年三か月たち、助成金額が決定したのは、一万七千件の申請に対して、まだ三分の一とのことです。さらに補正予算で三千二百件分の申請を見込んでおり、より簡素でスピーディーな手続を工夫していただきたいと思います。
さて、同事業は現在、AからDの四コースに分かれていますが、現在の交付決定数のコース別内訳を教えてください。
それぞれ一回ずつ助成が受けられるとのことですが、例えばBからDコースは消毒液などの消耗品が対象であり、助成対象期間が長期にわたることを考えると、複数回としてもよいのではないかと思いますが、ご見解をお伺いします。
○緑川商工部長 各コースの交付決定数につきましては、いずれも十月四日現在で、個社を支援いたしますAコースは約一万四百件、三社以上のグループを支援いたしますBコースは六百八十件、飲食店の団体を支援いたしますCコースは七団体、コロナ対策リーダーの取組を支援いたしますDコースは約二千五百件でございます。
また、本事業は、より多くの中小企業を支援していくため、既に支援を受けている事業者が同一のコースを再申請できない仕組みとなっておりますが、同一の経費でなければ、四コースそれぞれ、申請をすることは可能となっております。
○阿部委員 圧倒的にAコースの申請が多いということが分かりました。ただ、制度の創設の当初は、ここまでコロナが長引くと想定されていなかった面もあるのではないでしょうか。金額の小さいコースを中心に、今後もこの事業が続くのであれば、複数回の申請ということもご検討いただければと思います。
次に、一時支援金等の受給者向け緊急支援事業について伺います。
販路拡大の支援は七、八月の二か月で何件の申請があり、そして、現時点で何件、交付決定しているのでしょうか。助成対象はどのような分野が多く、また、何件程度を見込んで予算を立てていたのかも併せて教えてください。
○緑川商工部長 一時支援金等受給者向け緊急支援事業におけます販路開拓支援は、当初、百件の支援を見込んでおりましたが、七月から八月の二か月間で一千二百件を超える申請を受け、申請事業者とのやり取りを行いながら審査を進め、そのうち約二百件を交付決定しております。
なお、本事業の助成対象は、展示会への参加、ECサイトへの出店、ウェブサイトの構築などの自社PRに要する取組としてございますが、このうち、自社PRに取り組む事業者からの申請が多く存在してございます。
○阿部委員 ありがとうございます。百件を見込んでいたら千二百件の申請があったということで、見込みを大きく超えた申請数であるということは、ニーズをうまく捉えた助成事業であったとも評価できますし、また、百件の見込みに対して、既に二百件の交付決定をしているということも評価できる点ではあると思います。
しかしながら、一方で、これだけ想定よりも多くの数、申請があったということは、交付決定まで時間がかかってしまっているのではないか。申請から交付決定までの期間を教えてください。また、速やかな交付決定に向けて人員の増強などを行ったかについても教えてください。
○緑川商工部長 一時支援金等受給者向け緊急支援事業におけます販路開拓支援では、申請を受けた中小企業を順次審査の上、速やかに交付決定を行うよう努めております。
また、申請件数の増加に対応するため、審査に対応する職員を、事業開始当初から三倍の人数に増やしております。
○阿部委員 それでは、今回の補正予算による追加分も含め、計何件程度を見込んでいるんでしょうか。
○緑川商工部長 最終的には約一千八百件程度まで支援できるように、追加で補正予算案に計上いたしました。
○阿部委員 ありがとうございます。今後も、計千八百件まで支援できるようにということで、引き続き適切な人員体制を組んでスピーディーな処理をしていただきたいと思います。
見込みよりもはるかに多い申請であったということは、ある意味ではやっぱり見込みの甘さという点もあったのではないかと思いますので、その点もぜひ振り返っていただければと思います。
引き続き、設備投資の事業についてもお伺いしたいと思います。
設備投資については、金額が大きく、申請した企業にとっても大きな経営判断を迫られる部分だと思っております。
予算上は十件程度とのことでしたが、申請は何件あったんでしょうか。
○緑川商工部長 一時支援金等受給者向け緊急支援事業におけます設備投資支援につきましては、七月から八月末の二か月間で八十四件の申請を受けております。
○阿部委員 それでは、今回の補正により、新たに何件程度を見込んでいるのでしょうか。
また、前回の申請の交付決定は十一月末までの予定でしたけれども、ここで不採択になっても、今回の延長分、いわゆる二次募集で応募可能とすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○緑川商工部長 今後、十件程度の支援ができるよう、追加で補正予算案に計上をいたしました。
なお、今回採択されなかった事業者も、再度申込みが可能なスケジュールとする予定でございます。
○阿部委員 ありがとうございます。再度の申込みについて、柔軟にご検討いただいたことはありがたいと思います。大変タイトなスケジュールであるとは思いますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。こうした長く続いている事業は、非常に中小企業の皆様方を支える一つの軸になっていると思いますので、引き続き現場の声を聞きながら中小企業の経営を支えていただければと思います。
テークアウト専門店の出店支援に質問を移したいと思います。
事業の概要については先ほど既に質疑がありましたので、そちらは割愛して質問したいと思います。
まず、出店件数は店舗単位なのか、事業者単位なのかを確認させてください。一事業者が複数店舗を出す場合も複数店の助成は可能なんでしょうか。
○緑川商工部長 多くの事業者にご活用いただけますよう、一事業者一回の申請といたしまして、助成対象は一店舗としております。
このため、一事業者が複数店舗出店する場合でも、一店舗のみ対象になるものと考えております。
○阿部委員 それから、こちらはATM跡地という例示が出てきます。
先ほどの質疑の中で、ATM跡地に限らず、事業として利用可能というご答弁はありましたけれども、あえてこのATMという言葉が出てくる、その背景とか経緯というのは何かあったんでしょうか。
○緑川商工部長 当該事業は、都内の飲食事業者等が小規模な空きスペースを活用して新たにテークアウト専門店を出店する際の経費の一部を助成するものでございます。
ATM跡地を活用して出店する例も昨今は出てきておりますので、こういったことを事例として挙げているものでございまして、先ほどもご答弁したとおり、ATM跡地以外での出店も助成対象と考えております。
○阿部委員 ありがとうございました。実際には、まち中でもテークアウト専門店、資金力のある大手さんの出店が目立つようにも感じております。やる気のある地元飲食店への刺激となることを期待しております。
それから、飲食事業者向けの経営基盤強化支援、これも新規事業として計上をされております。
専門家派遣にはやはりマッチングが大切だと思っておりますが、具体的にどのような専門家を派遣されるのでしょうか。
また、専門家の助言と事業者への助成がセットになっていると、助成金を受け取るためには、専門家の助言にたとえ違和感があっても従ってしまうということになりかねないのではないかと思いますが、この点、どのようにお考えでしょうか。
○緑川商工部長 派遣する専門家は、飲食店への支援実績があり、飲食事業者への支援に強みを持つ中小企業診断士などを想定しております。
専門家の派遣に際しては、飲食事業者からの希望やニーズを踏まえまして、より適した専門家とのマッチングを行ってまいります。
また、専門家は、飲食事業者の意向を踏まえつつ、本格的な営業再開に向けまして、実効性や実現性を高める観点からアドバイスを行うとともに、今後の取組につきまして、共に検討を行ってまいります。
こうした取組によりまして、事業者の意向をしっかりと踏まえ、事業再開に向けた最適な支援を行ってまいります。
○阿部委員 この事業では収益の向上を目指すということなんですけれども、事業者が助言に従って設備投資を行ったものの収益に結びつかないといった可能性もやはり残ると思います。
また、そもそもの収益の確保ということのイメージなんですけれども、例えば、機械を入れました、でも、そのために人員を減らしました、それによって収益が向上しました、収益率が向上しましたということになると、結果的に雇用を減らすお手伝いをしたということになってしまわないかという心配もあるんですね。
そうした意味から、収益の確保というのをどのようにイメージされてこの事業を組んでいるのか、ご説明ください。
○緑川商工部長 飲食事業者が経営基盤を強化し、本格的な営業再開につなげていくためには、生産性の向上や売上げの改善が必要でございます。
このため、専門家は収益確保につながるようアドバイスを行いまして、その助言を踏まえて事業者が積極的に取り組む、産業効率を高める食洗機などの厨房設備の導入ですとか、店舗の回転率を高めるレイアウト変更などを支援の対象としております。
いずれにいたしましても、専門家は、経営状況を総合的に判断した上で、事業者とよく相談しながら、経営基盤の強化に資する今後の方向性を決めていくことになると思います。
○阿部委員 最終的には、やはり経営ですから、経営者自身の判断ということになるかと思います。この支援がどのような成果に結びついたのか、どこかの段階で振り返り、そしてブラッシュアップをしていく必要があるかと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、奨学金返還支援事業について伺いたいと思います。
これまでの質疑の中で、この事業は、人手不足に悩む建設、IT、ものづくり分野の中小企業と、また、奨学金返済に悩む学生の双方の課題解決を目指していて、そして、採用一年後から三年間かけて、百五十万円を上限に、採用した企業と東京都が奨学金返済を支援するという仕組みを考えていることが分かりました。うまくいけば、中小企業と学生の双方にとってメリットがあるものであると期待をしています。
事業の概要は既に質疑がありましたので、重複する部分は割愛して質問をさせていただきたいと思います。
奨学金の返還というのは、制度としては、卒業の七か月後から始まります。なぜ採用一年後からのスタートなのか、奨学金の返還とともにこの支援のスタートをした方がよりスムーズではないかと思いますが、いかがでしょうか。
また、第二新卒等と、まあ卒業後三年以内というお話もありましたが、既卒の場合には速やかに支援をスタートすべきではないかとも思います。
また、既に実績のある福祉系職場に比べまして、建設、IT、ものづくりは職種の幅が大きく、労働環境も多様で、そして、学生と職場のマッチングは格段に難しくなります。事業実施中の離職の取扱い、不適切な労働環境であってもいい出しにくいなど、学生の不利益にならないよう、フォロー体制が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木事業推進担当部長 本事業は、中小企業が将来的に企業の中核となる人材を確保することを目的としております。
このため、採用された学生等がその企業において一年間勤務したことを見極めた上で支援を開始し、その後も勤務を継続している場合、三年間支援を実施いたします。
また、対象者は、新卒の学生に加え、大学等を卒業後三年以内の既卒者も含まれております。
なお、学生等が自らの専門性を生かすことができ、働きやすい環境の整った企業に就職することができるよう、多くの中小企業に参加を呼びかけてまいります。
○阿部委員 来年度の採用活動から適用とのことですけれども、例えば、既に内定や内々定が入っている場合、インターンシップなどで既に関係がある場合でもこの事業は適用されることになるんでしょうか。
○鈴木事業推進担当部長 本事業は、中小企業が将来的に企業の中核となる人材を確保することを目的としております。
今年度から参加する中小企業の募集を、令和四年度から学生等の募集を行い、応募してきた学生等の中から、各企業が個別に選考を行い、採用者を決定いたします。
事業の詳細につきましては、今後、改めて検討を行ってまいります。
○阿部委員 今、この事業の制度設計はこれからということでお伺いをいたしました。
例えば、支援が始まってから三年間の期間中に離職をした場合、それまでの支援金を遡って返済する必要があるのかどうか、職場でハラスメントを受けるということが万一あった場合、支援金を一括返済できないために泣き寝入りをせざるを得ないということが起こってしまうのではないか。あるいは、支援金を前提とした賃金設定が組まれてしまった場合はどうかなど、いろいろと、やはり想定をしなければいけないことがあるかと思います。
せっかくの事業が万が一にも学生を追い詰めることがないように、慎重な制度設計とフォローアップを行うことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、成長産業分野キャリア形成支援事業についてお伺いいたします。
コロナ禍では、世界的に見ても、その社会の弱い立場にある人たちに、より多くのしわ寄せが寄っている。そうしたことが報告をされております。
それは、日本では非正規労働者であり、あるいは女性であるということも、内閣府のまとめの中で拝見をいたしました。そのことを前提にお伺いしたいと思います。
eラーニングであれば、非正規労働者に加え、失業者、あるいは育児や介護のために離職して一定期間たった方々にとっても受講可能性が広がります。先ほどまでも様々議論がありましたけれども、こうした方々にも、eラーニングを活用した職業訓練と就職支援は、今後、この事業に限らず、どんどん進めてほしいと思います。
その上で、今回の事業では対象者を三百人とされておりますけれども、この定員の根拠はどこにありますか、この数字ですね。そして、今回の訓練内容の主な講座内容、また、実施機関の直営、委託の内訳とその理由について教えてください。
○村西雇用就業部長 今回の事業は、都が現在行っている雇用創出支援に加えまして、非正規労働者等への対策の充実を図るために実施するものであり、その規模につきましては、国のキャリア形成支援制度の実績や、年度途中からの事業実施期間等を考慮し設定したものでございます。
また、訓練の内容につきましては、デジタル分野のプログラミング等のスキルを習得する訓練や、コロナ禍でも採用意欲の高い業界の資格取得に資する訓練を予定しておりまして、実施に当たりましては、民間事業者の訓練や就職支援のノウハウを活用できるよう、委託して実施してまいります。
○阿部委員 まずは、離職中の女性にもこうした情報が届くように、ぜひ広報など工夫していただければと思います。
また、厚労省のまとめによりますと、職業訓練において、直営校より委託校の方が、また全国平均より東京都の方が就職実績が低くなっております。今日は補正予算の審議ですのでこの点は突っ込みませんが、その背景や方策について、また改めて議論ができればと思います。
一方、eラーニングでの職業訓練には様々な課題もあります。
その最大のものは、デジタル機器や通信環境を持たない人、こうした方にこそ就労機会を積極的に増やすことが大切であり、eラーニングのための機器や通信環境の貸与、提供が必要だと考えますが、都の対応を教えてください。
○村西雇用就業部長 eラーニングでの訓練を受講するには、共通のソフトの設定等が必要でありますことから、効率的に訓練を実施するため、全ての受講生に対してパソコンを貸与することといたします。
また、通信環境につきましては、受講生によってその事情が異なることから、必要に応じて通信機器は貸与してまいります。
○阿部委員 ありがとうございます。パソコンや通信環境の貸与、大変評価ができます。大変ありがたいと思います。
eラーニングは、地理的、時間的に職業訓練に通えない人たちにも訓練の可能性が広がる一方、通信等の環境が整わなければ受講ができず、生活が厳しい方ほど受講が厳しくなってしまう一面もあります。今後、eラーニングによる職業訓練や就労支援については、ぜひこの方式を標準としていただきたいと思います。
また、今回の募集においても、ぜひこの点を強調した募集、周知を図っていただければと思います。
今回の職業訓練は、コロナの不況の脱出の要だと思っておりますし、また、コロナ不況脱出だけではなく、産業構造の変化への対応、あるいは公正な移行への要でもあります。
その意味では、今回の予算、キャリア関係、人材関係で二・四億円となっておりますけれども、補正予算全体の一・五%にすぎません。ぜひ、今後一層、働く人に焦点を当てた施策の拡充を求めて、次の質問に行きたいと思います。
宿泊施設のサテライトオフィスの提供についてお伺いします。
緊急事態宣言下では、この事業は一定の意義があったと考えますが、緊急事態宣言の解除後に対象を拡大し、リバウンド防止期間を過ぎても継続するというのは、都民から見て、少々分かりにくいのではないかと思います。
今後、再度感染拡大したときに事業をさらに拡大するのか、あるいは感染状況とは無関係に、この事業は拡大したり、逆に終了したりするのか。どのような観点で延長したのかお伺いしたいと思います。
○築田観光部長 都は、テレワークを推進し、都心への人流を抑制するため、本年一月から、多摩地域の宿泊施設をサテライトオフィスとして提供する取組を開始しておりまして、現在、二十一施設で二百室を提供しております。
緊急事態宣言解除後も、感染防止対策としてテレワークを推進するため、利用期間を十二月末まで延長いたします。
その後につきましては、感染状況等も踏まえて対応を検討いたします。
○阿部委員 都側の視点、考え方は分かりましたが、同時に、利用者、事業者にとっても見通しの持てる施策の展開を工夫していただければと思います。
次に、この事業の平日と週末のそれぞれの平均利用率をお伺いしたいと思います。
また、最も高稼働の施設、稼働の高い施設と最も低かった施設、それぞれ何%だったかを教えてください。
○築田観光部長 直近九月の平均稼働率は、平日が約七五%、週末が約四五%となっております。
また、同時期の施設別の平日の稼働率につきましては、最も高い施設で九九%、最も低い施設では二四%となっております。
○阿部委員 それぞれ数字をありがとうございます。そもそもの提供室数が二百室ですので、人流抑制への寄与度というのは極めて限定的ではあるとは受け止めております。ただ、平日稼働の方が高いことから、一定の役割は果たしているとも受け止めました。
今回、区部に対象を拡大しておりますけれども、同じエリアで手を挙げる宿泊施設が多数あった場合、どのような視点でその施設を選定していくんでしょうか。
また、客観的な指標が必要ではないかと思っております。チェーン展開している宿泊施設から多数応募があった場合、どう取り扱うのでしょうか。一部チェーンホテルに偏らないような配慮もしているかどうかお伺いしたいと思います。
○築田観光部長 宿泊施設の選定に当たりましては、施設の立地や提供可能時間帯、テレワークに適した設備、環境などを総合的に判断させていただきます。
チェーン展開している宿泊施設の取扱いにつきましては、全体の応募状況等を勘案して判断いたします。
○阿部委員 承知しました。
今回、拡大対象は二十三区中十四区となっております。二十三区の中でも地域性も様々であり、一つの区の中でも様々な地域性があります。
山手線の外に立地する十四区という考え方も分からないでもないんですけれども、例えば私の地元の品川区、こちらは区域のほとんどが山手線の外にあるのですけれども、やはりこの十四区には入っておりません。若干の、こうした線引きに違和感があるということもお伝えをしておきます。
それから、宿泊施設魅力向上事業なんですが、このホテル、旅館には風営法に関わる施設、いわゆるラブホテルも対象に入るのか、入らないのか。入らないのであれば、その理由も教えてください。
○築田観光部長 都はこれまでも、観光関連事業者への支援におきましては、宿泊事業者のうち、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条第六項に規定する施設及びこれに類するものは対象外としておりまして、お尋ねの施設はこれに該当するものでございます。
○阿部委員 ありがとうございます。これまでも対象外としていたというのが対象外にする理由になるのかどうかというのは若干疑問の残るところですけれども、このコロナ禍で、ラブホテルは様々な補助金の対象外になってきました。風俗営業が持続化給付金の対象にならない等の判断が、過去に問題にもなりました。
しかし、風営法もまた法律です。職業差別や格差を生んではいけません。ラブホテルも法律の定めに従って営業している事業者であって、一律に排除すべきではないと考えます。
また、実態としても、コロナ以前には海外渡航客の受入れの一翼を担ったことはご存じのとおりと思います。
飲食店等が休業や時短営業し、また、海外渡航客が激減したことにより、経営者は大きなダメージを受けています。今回の支援事業を含め、実態把握とともに、支援策等も今後考えていただき、具体的な支援に結びつけていただくことを要望いたします。
最後の質問に移ります。
ホストシティTokyo、このPR費用なんですが、制作委託先はどのように選定をし、いつ頃、どのように発信予定なんでしょうか。
東京都をPRする映像は既に多数作られておりますけれども、庁内で重複はないんでしょうか。他部署と連携を取りながら有効活用する方策は探っておられるのかお伺いいたします。
○築田観光部長 東京二〇二〇大会期間中は、東京を訪れたアスリートなどから、滞在中の様々な体験につきまして、SNSを通じて発信していただきました。
こうして高まった世界から東京への関心をつなぎ止めるために、大会のレガシーなどを活用した映像を新たに制作し、時機を捉えて世界に発信いたします。
都はこれまでも、東京の魅力を訴求するため、庁内各局と連携するとともに、海外メディアも活用しながら、効果的なプロモーションを展開しているところでございます。
○阿部委員 こうした制作物、使い捨てならぬ作り捨てにならないように、ぜひ配慮していただきたいと思います。
また、オリンピック関係ですと、近く北京でも冬のオリンピックが始まるということで、こうしたものを作っていくタイミングというのも非常に重要になってくると思いますので、それについてもぜひご留意をいただければと思います。
ここで私の質問は終わりますが、今後も企業の経営の状況あるいは雇用情勢にアンテナを立てて、誰もが持てる力を最大限に生かせる東京の環境づくりにご尽力をしていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○田の上委員 補正の追加となりました月次支援給付金について伺います。
コロナ禍で売上げ減少に苦しんでいる中小企業者等にとっては一助となる制度であります。この間、東京都独自の上乗せ、そしてまた横出し、そして細分化を図ってきたことに関しましては評価をするものでございます。
このたび、国の延長に伴い、東京都の月次支援給付金も延長になります。そして、私もこの間、様々なご要望や相談をいただいているところでございます。経済産業省の一時支援金の手続が非常に遅く、四月、五月の月次支援金の申請ができなかったという方がいらっしゃいます。そのために、五〇%以上売上げ減少の方は、同時に都の月次支援給付金も申請できなかったということがあります。
一つだけ事例をお伝えいたしますと、この方の場合は、事前申請に非常に時間がかかったため、六月の頭に一月から三月分の一時支援金を申請した。そして、修正を何回も重ね、振込があったのが八月十七日、振込が完了したという通知のはがきが届いたのが八月二十七日、そして、次の四月、五月の経済産業省の方の月次支援金の締切りが八月十五日であったので、申請ができなかったと。そして、もちろんそのまま東京都の月次支援給付金も申請できなかったということでございます。
ニュース等でも話題になりましたが、無限ループという言葉が使われていましたけれども、国の方では不備になった理由を教えてくれないということで、この修正にも何度もかかったり、時間も労力も費やしたりしているようでございます。
六月分以降は手続も早くなってきまして、入金も六月以降の分は九月ぐらいにあったというような報告をたくさん受けております。しかしながら、振込完了の通知はがきが届かないという声をよく聞いております。
本来、売上げ五〇%以上減少の事業者は、一番救ってあげなくてはいけないはずでございます。そのために、東京都の上乗せ額も大きくなっています。ぜひとも国へ、迅速かつ適切な手続を要望していただきたいとお願いをいたします。
そこで、国の手続の遅れによって東京都の支援金に申請ができないなどの現状にどのように対応しているのでしょうか。今後、申請締切りも柔軟に対応するべきと考えますが、都の見解を伺います。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金は、支給上限額を限度といたしまして、国の月次支援金の給付額を月の売上減少額から差し引いた額が支給額となるため、国の給付決定のはがきの写しの提出をお願いしているところでございます。
しかし、国の支援金が入金されても、給付決定のはがきが届くまでに時間を要する場合がございますため、別の方法として、国支援金が入金された通帳の写しと、国の申請番号などが記載された電子申請で用いたマイページの写しを提出いただくことで、審査に進める仕組みとしております。
また、事業者の申請機会を十分に確保するため、国支援金の審査の状況を踏まえまして、国の申請受付終了後二か月という申請期間を設けて対応しているところでございます。
○田の上委員 様々な工夫をしてくださっているということだと思います。はがきがなかなか届かないということに関しましては、通帳等のコピーで対応してくださるということでございます。また、国の申請受付後二か月の申請期間を設定してくださっているということで、今後も、合理的な理由がある場合は柔軟に対応をしていただきたいと要望いたします。お願いいたします。
また、そういった困ったときにコールセンターに電話をするわけなんですが、つながらないという相談が多くございます。協力金の方のコールセンターの話もございましたが、今後どのように改善を図っていくのか伺います。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 月次支援給付金の申請内容に不備があった案件についてコールセンターに問合せをいただいたときには、個別丁寧に対応をしておりますことから時間がかかることもございまして、その間、電話がつながりにくい場合があると認識しております。
現在、システム上で、申請者ごとの過去の問合せや対応内容の履歴を記載、閲覧できる機能を追加いたしまして、担当者間でその情報を共有いたしますことで、対応の質の向上を図っております。
また、都の担当者と受託者との間で定期的なミーティングを行いまして、既存のマニュアル等では対応できない事例の共有や、その対応方針の検討などを行っております。
さらに、オペレーターには、こうした事例の共有や制度の変更などの研修を定期的に行うなど、知識習熟や対応力の向上の取組を進めております。
今後とも、これらの取組に加えまして、協力金で対応しているノウハウを参考といたしまして、事業者の皆様が円滑に申請できるよう、コールセンターについても改善に努めてまいります。
○田の上委員 コロナ禍で影響を受けている事業者を救うための事業でございますので、様々な事例から改善を図られますよう、お願いをいたします。
次に、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターについて伺います。
都産技研は、研究開発と技術支援の両面で様々な事業を展開し、中小企業の製品化等に貢献していると認識をしております。
そして、このたび令和二年度の業務実績評価書が報告されました。
効果別評価では、二十四項目で、Sが二項目、Aが十四項目、Bが八項目となっています。不十分であるという評価のCやDはありません。研究開発に力を入れているということは評価をいたします。その後、個々の中小企業の支援にどうつながっているかが一番重要であると考えます。
ここでBとなっている項目は八項目ございますが、このうち、中小企業支援に直結する項目の技術相談、産学公金連携による支援、産業人材の育成について、どのような内訳で、今後どのように改善されていくものなのか伺います。
○緑川商工部長 評定Bは、年度計画をおおむね順調に実施していると評価したものでございますが、技術相談につきましては、コロナ禍にあっても中期計画目標値の九七%の達成となったことを踏まえた評価になっております。
産学公金連携による支援につきましては、ビジネスマッチング交流会をオンラインで開催し、前年度よりも十社多い六十一社の出展企業を確保したことなどを踏まえた評価となってございます。
産業人材の育成につきましては、セミナーのオンライン化を進める一方で、技術セミナーや講習会について受講者から高い評価を受けていることを踏まえた評価となってございます。
いずれの項目につきましても、効果の一層の向上などを期待しての評価であることを踏まえまして、内容の充実、改善に努めていくこととしております。
○田の上委員 効果の一層の向上などを期待しての評価であるというご認識ということでございます。対外的な支援についてでございますので、今後も充実に努められますようお願いするものでございます。
中小企業といっても事業規模はまちまちであり、特別な技術でたけていても、都産技研を利用していない事業者もあるかと思います。
そこで、産技研はそのような中小企業に対して、中小企業振興公社と連携して支援をしていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○緑川商工部長 中小企業振興公社とは、都産技研が地方独立行政法人化いたしました平成十八年四月に協定を締結し、以来、互いの利用者に対しまして、双方の機関誌への掲載など、相互紹介などを行っております。
また、都産技研に対する認知度を高め、利用促進を図る観点から、ホームページやメールマガジンなど様々な広報媒体を介しまして、研究成果の普及や技術支援など、事業のPRを積極的に行い、利用拡大につなげております。
特に、第三期中期目標期間では、SNSによる広報に力を入れており、職員自らが制作した動画など魅力的なコンテンツを配信した結果、動画サイトでは、現在までに約四十九万件の視聴を得ているものもございます。
都産技研では、引き続き連携機関との相互紹介など様々な広報活動を行うとともに、情報発信の効果検証を行い、結果を踏まえまして、戦略的な広報活動を展開することとしております。
○田の上委員 中小企業振興公社とは、相互に紹介するなど協力をしているということでございます。また、これからも戦略的な広報活動を展開されるということでございますが、埋もれている将来有望な事業者に行き届くように、ぜひお願いをいたします。
中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業においては、DX推進センターを開設したということですが、法人そのもののDXに課題があるとされております。
サイバーセキュリティも意識しながらDX化に関する取組を進めることが望まれるとされており、改善を求めるとともに、都産技研として、他の見本となるようなDX促進をしてほしいと要望いたします。
我が党の鳥居前都議が数年にわたり提案をし、令和二年度から、化粧品等のヘルスケア産業への支援を予算化し、安全性の試験などに利用できる人工皮膚の開発に着手、また、同二年度、センターにヘルスケアの専門部署を設置したと聞いております。
ヘルスケアという分野は、高齢社会だからこその必要性を感じておりますが、ヘルスケア産業に関する支援の進捗状況について伺います。
○緑川商工部長 少子高齢化や健康志向の高まりの中、都民が生き生きと働き、生活する社会を実現するために、今後、健康、医療産業の発展が期待をされております。
このため、都産技研では、令和二年四月に、ヘルスケア産業支援室を開設いたしました。
ヘルスケア産業支援室では、開設以来一年間で、化粧品に含まれる粒子の観察や紫外線カットの効果など、二百二十件の依頼試験を実施しております。
また、化粧品、食品などの粒子の計測や化粧品の皮膚への浸透性の評価などで機器を利用した件数は、一千六百十三件となっております。
さらに、地場産の農産物に含まれます有機成分を利用した化粧品開発に係る専門相談や、オーダーメード開発支援にも応じるなど、ヘルスケア産業の支援を着実に進めております。
○田の上委員 サスケア開設に当たりまして、進捗状況を伺いました。
私は、外資系企業で化粧品の企業にいたことがあります。ほとんど扱っていたものは輸入でございましたが、日本独自の開発製品を扱っていたこともございます。そこで、ヘルスケア産業は開発に一番お金がかかるということが身にしみて分かっております。
開発支援は非常に有用だと考えます。予防医療や健康増進に資する技術が製品開発につながるように、ぜひ支援をお願いいたします。
そこで、ヘルスケア産業支援室は、どのようにすれば利用でき、どのようなサポートを受けることができるのか伺います。
○緑川商工部長 ヘルスケア産業支援室では、サービスの利用前に会員の登録をお願いしております。
会員になれば、化粧品を中心に、食品、医療分野の製品化、事業化を目指す中小企業が、多面的に継続した支援を受けられることができるようになっております。
具体的には、原料や製品の分析、機能性や安全性の評価に関する試験の依頼に加えまして、試験機械を会員自身が直接利用することも可能となっております。
また、専門相談員への相談や、最適な外部アドバイザーの紹介、人材を育成するセミナーなどへの参加もすることも可能となっております。
なお、令和二年度末現在におきまして、二百六十二名の会員の方にご利用をいただいております。
○田の上委員 ヘルスケア産業支援室、サスケアでは、会員の登録をすれば継続的に支援を受けられるということが分かりました。また、サポートの期限は特にないということだと思います。非常に希望の持てる仕組みであると思います。
ぜひ今後も積極的に活用されるよう、進めていただきたいとお願いいたします。
ところで、産技研は、都政の重要課題と連携したテーマを設定し、重点的に支援しているとのことですが、どのようなテーマを設定したのか、また、どのような成果が出ているのか伺います。
○緑川商工部長 都産技研は、DX化や環境問題など、都政の重要課題と連携した複数の事業に取り組み、多くの成果を上げてございます。
例えば、中小企業のデジタル化推進を目的といたしました中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業では、中小企業等との共同研究で開発しましたロボットを羽田のイノベーションシティで展示実演いたしました。
また、ローカル5G基地局を整備したDX推進センターを設置いたしまして、5G技術の普及啓発のためのセミナーや、中小企業によるIoTやロボットなど先端技術を活用したものづくりを支援しております。
また、マイクロプラスチック問題に注目が集まる中、プラスチック代替素材を活用した開発・普及プロジェクトといたしまして、合成樹脂のりなどを使用せず、食品用コンニャク粉と檜原村産の杉材を使った使い捨てストローを製品化いたしました。
さらに、バドミントン用車椅子の軽量化や陸上競技用の義足部品など、アスリート向け障害者スポーツ用具の製品化に取り組み、その技術開発ノウハウを生かし、アスリートではない障害者の方向けの用具につきまして、中小企業との共同研究開発を行っております。
このように、都産技研では、都政の重要課題解決に向け、技術面から貢献するべく積極的に取組を進めております。
○田の上委員 DXや環境問題、また、障害者スポーツなどにも資する事業に取り組んでいるということが分かりました。様々な可能性のある企業に向けて、産技研の情報発信を積極的にするとともに、今後も積極的な研究開発と技術支援を要望いたします。
次に、私債権の放棄及び改正する条例に関連して意見を申し上げます。
今回、報告されたものは、昭和三十五年から四十九年に貸し付けた債権がほとんどとのことであります。平成の債権もあるようでございます。
個々のケースにより支払い能力の評価等が異なるため、放棄決定までかかった時間が異なることと認識をしております。
私の知人のケースですが、融資を受けた社長が長く病床に伏してしまい、返済が滞り、結局、その方が亡くなった後もずっと返済しているご家族がおります。
月々一万円と少額でもご家族が必死で返済している一方で、放棄になる事例もあるわけですが、債権者やご家族などの状況をしっかりと確認をした上で、引き続き適正に対応を行っていただきたいと要望いたします。
次に、改正する条例に関連して意見を申し上げます。
都の融資制度では、新型コロナウイルス感染症の影響で、コロナ融資など借換えも多く、返済も始まっておりますが、今後、回収できなくなるケースも多いと思われます。
日本弁護士政治連盟東京本部でも、コロナによる被災者ともいえる事業者救済のために、東京信用保証協会が柔軟に債権放棄に応じることを可能とするような制度運用を要望しておられます。
本定例会に改正案が提出されています東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例によって、中小企業者等の事業の再生を図る場合については債権の放棄が可能となる仕組みとなっていますが、万策尽きて事業者が廃業した場合などについても対象となるようにした方がよいのではないかと考えます。
今後、一定の基準を設けて放棄することも必要と考えますので、検討をしていただきたいと要望いたします。
以上で質問を終わります。
○高倉委員 それでは、報告事項の東京都立産業技術研究センターの業務実績評価について質問させていただきたいと思います。
地方独立行政法人ということであります。独立行政法人としての産技研、住民サービスの質の向上を図るために、独立行政法人は、業務の質の向上と業務運営の効率化、これの両立を図っていかなきゃならないと、そういったことであります。
様々、地方独立行政法人についての議論もあろうかというふうに思っていますが、産技研の独法化については、中期計画が三期終了したという、ちょうど、いわば節目を迎えたということでありますので、ちょっと一旦振り返ることも含めて、独法化というものがどのように機能をしっかりと果たしているのか、あるいはまた課題があるのか。本当は様々なところ、観点からお聞きをしていかなきゃならないんですけど、ちょっと絞って質問を今日はしてみたいというふうに思います。
産技研につきましては、平成十八年四月に、公設試験研究機関としては全国で初めて地方独立行政法人に移行したわけであります。以後、五か年を一つの期間とする中期目標に基づいて運営をされてまいりました。令和二年度には、先ほど申し上げたように第三期を終了いたしまして、今回、この第三期の業務実績に関する評価といったことが行われたわけであります。
今回の評価を確認してみますと、第三期中期目標期間の業務実績評価については、優れた業務の達成状況にあると、こういった高い評価を得ているわけであります。
また、令和二年度についても、これはいわゆるコロナ禍の中であったわけでありますが、それにもかかわらず、優れた業務の進捗状況にあると、このように、これも高い評価を得ているわけであります。
このような評価に至るには、産技研が地方独立行政法人としての、いわばメリットを最大限に生かしまして、柔軟で効率的な運営を図ってきたからだというふうにも思われるわけであります。
産技研は、これまで三期十五年、非常に長い期間がもう経過しているわけでありますが、この十五年の運営を通じまして、地方独立行政法人ならではの試験研究や中小企業支援に取り組んできたわけでありまして、地方独立行政法人として運営をするメリット、こうしたものを十分に生かしてきたんじゃないかなと私は思っております。
そこで、まず産技研が地方独立行政法人として運営をしていくということの目的について、局の認識をお伺いしたいと思います。
○緑川商工部長 都立産業技術研究センターは、地方独立行政法人として、都内中小企業を積極的に支援をしていくため、絶え間なく変化いたします技術動向を的確に把握し、中小企業に対して、柔軟できめ細かく対応していくことを目的に運営をしております。
具体的には、第一期中期目標期間では3Dプリンターを用いた試作品の製作、第二期ではロボット技術の活用、第三期ではIoT、5G、DXなど情報通信に関する技術開発等、先進的な技術も含めた様々な技術分野に対応しながら、多くの中小企業を支援し、中期目標を達成してまいりました。
こうした取組を自ら判断し行えるよう、都からの運営費交付金を柔軟に活用するとともに、独自の職員採用などを積極的に行っております。これらによりまして、都から独立した柔軟な法人運営が可能となっているものと認識しております。
○高倉委員 今ご答弁で、運営費交付金のお話、また独自の職員採用といった言葉が答弁の中にもございました。そこで、こうしたことについて、ちょっとお聞きをしていきたいというふうに思っております。
産技研の活動の財源であります運営費交付金、これが適切に措置をされなければ柔軟な対応というのが期待できないわけでありますけれども、標準の運営費交付金は毎年度、前年度に比べて一%の効率化を図るようにと、このようになっているわけであります。
そうはなっていますけれども、事業の目的、それからサービスの維持向上に必要な交付金は優先して措置をされていると、このようにも聞いているわけであります。
今回の業務実績評価では、全体としておおむね良好な結果になっているわけでありますが、これを支える運営費交付金について、独立行政法人に移行した当時と比較をした現在の状況、これについて明らかにしていただきたいと思います。
○緑川商工部長 都は、都立産業技術研究センターの運営上に必要な経費につきまして、標準運営費交付金と特定運営費交付金の二種類を措置しており、これによりまして、円滑な法人運営と事業水準の維持向上が可能となっております。
都産技研が地方独立行政法人に移行した平成十八年度の標準運営費交付金の当初予算額は、四十六億三千九百万円でございました。
第二期中期目標期間の初年度でございます平成二十三年度は四十八億六千三百万円、第三期の初年度でございます平成二十八年度では四十八億六千四百万円、第四期の初年度でございます令和三年度は五十億六千四百万円となっており、効率化を行いながらも、各期において十分な交付金が措置されております。
また、障害者スポーツ研究推進事業など、都の施策と連携した事業に関わる必要な経費は、別途、特定運営費交付金として措置されており、特に都の施策と連携した事業が大幅に拡大をいたしました平成二十七年度の当初予算額は十九億三千二百万円となっており、令和三年度は三十三億八千二百万円となっております。
○高倉委員 今、標準運営費交付金と、それからもう一つ、特定運営費交付金と、このお話があったわけであります。
冒頭、今日質問の最初に、業務の質の向上と業務運営の効率化の両立という、なかなか難しいですね、そういう使命を担って、この法人の運営がされているというふうに思うんですけれども、そうした中で、毎年、前年度比一%の効率化を図ると、先ほど私、申し上げました。
こういう中で、このいわゆる運営費交付金、これがどんどんどんどん減らされていっているんじゃないかというような印象を受けるかもしれませんけれども、今ご答弁をいただいたように、もちろんこれ、いわゆる中期目標の最初の年度の金額であったわけで、その後、一%の効率化がちょっと図られたりしているわけですけれども、中期目標の初年度の標準運営費交付金のお話がありましたけれども、どんどん上がっているんですね。
さらに、特定運営費交付金につきましては、これは非常に大きく増えているというお話があったわけでありまして、決して交付金を減らすような、そういうようなことを第一目標にして法人運営がされているわけではないということなんだと思うんですね。
私は、もちろん効率化ということは、これも大事なんですけれども、しかしながら、法人が果たしていく役割を考えたときには、必要な交付金というのはやはりきちっと確保されていかなきゃならないというふうに思っているんですけれども、今のご答弁で、そのことがきちっとされているということを確認させていただきました。
そこで、今後ともこれまでと同様に必要な運営費交付金等が措置をされるという認識でいいのか、この点について確認させていただきたいと思います。
○緑川商工部長 標準運営費交付金は、毎年度、前年度比一%の効率化を行っていくという仕組みは今後も維持しながらも、必要な予算の確保に努めてまいります。
また、特定運営費交付金は、都の施策と連携した事業などの規模や内容によって変動はいたしますが、当該事業の維持向上が可能となるよう措置してまいります。
○高倉委員 今、明確なご答弁をいただきましたけれども、産技研の役割をきちっと果たすために、この点はぜひまたよろしくお願いをしたいというふうに思います。
もう一点、職員のことについてお聞きをさせていただきたいと思います。
標準運営費交付金の中には人件費が含まれているわけであります。したがって、交付金がもし減らされるということであれば、職員の確保が難しいのではないかと、当然そういう懸念も生まれてくるわけでありますけれども、今答弁をいただいたように、必要な交付金というのはしっかり確保されて今日まで来ていると。もう十五年たっているわけですから、その状況を見れば、それは分かるわけです。
そうした中で、特に今、社会において、技術の加速度的な進化といったものがどんどん図られているわけですけれども、こういったことに対応していくためには、産技研の組織も柔軟な対応が当然、必要になってくるわけであります。そのためには、やはり職員体制というのもしっかりと確保されていなければならないというふうに思うんですね。
そこで、産技研の独法化移行後の職員の推移、これはどうなっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○緑川商工部長 地方独立行政法人移行後、平成十八年度末の職員数は二百七十二名でございました。
第二期中期目標期間初年度でございます平成二十三年度末の職員数は二百九十名、第三期の初年度でございます平成二十八年度末の職員数は三百三十五名、第四期の初年度でございます令和三年の八月一日時点での職員数は三百七十八名となっておりまして、各期におきまして必要な職員数は確保されております。
○高倉委員 今、はっきりと数字もご答弁をいただいて、本当に、産技研がきちっとした役割、使命を果たすために、職員体制もきちっと確立をされてきていると、人数的にも増加をしてきているということが、はっきり今の数字のご答弁で明らかになっているわけであります。
一方で、産技研は、情報通信技術など目まぐるしく変化をする技術動向に対応をし、適時適切な中小企業への技術支援を行うことを求められているわけであります。そのためには、より優秀な人材の確保ということは、実は不可欠なんですね。
先ほど、地方独立行政法人である産技研は柔軟な運営が可能であるという趣旨からのご答弁もありましたけれども、人材の確保においても、柔軟な対応によって、より優れた人材を確保していくということが、やはりこれは東京都の都内の中小企業の支援等にも直結をしてくるんですね。
そこで、産技研における人材確保の制度、この取組についてお伺いしたいと思います。
○緑川商工部長 都立産業技術研究センターにおけます職員の確保につきましては、地方独立行政法人移行前には難しかった年間採用が可能となりまして、社会経済の動向に応じ、必要な知識、技能、資格を有する職員の募集、採用を行っております。
また、研究員につきましては、当人の適性を見極めた上で採用することが可能な任期付研究員制度を設けてございます。
都産技研は、地方独立行政法人に移行したことで、人材確保の面におきましても柔軟な対応が可能になったものと認識しております。
○高倉委員 今ご答弁いただきましたけれども、独法化する前にはなかなか取り組むことが難しかったような、そういうような採用も取り組めるようになって、きちっとやっぱり優秀な人材を確保できるようになっていると、こういうようなお話であったと思います。
そこで、優秀な人材を確保するということでありますけれども、実は、職員の処遇が低下をしているような状況にありますと、これは掛け声だけ優秀な人を集めますといっても、それは当然、人が集まらないわけなんですね。
今回、業務実績評価を見ても、非常に高い実績を上げている。当然ながら、そこには優秀な職員なくしては、これは不可能であるというような状況があるというふうに思うんですけれども、そうした職員の処遇の面で、しっかりと優秀な人を確保した、この人を定着をさせていくということは大変重要であるというふうに思うんですけれども、産技研の職員の処遇についてもお伺いしたいと思います。
○緑川商工部長 都立産業技術研究センターの業務の継続性を確保し、質の高いサービスを提供し続けるためには、職員の定着を図っていくことが必要でございます。
職員の定着には人事制度の整備が重要でございまして、都産技研では、能力、職責、業績をより一層反映した給与を支給するため、昇格に際し一定額を加算することで、職員の努力や成果に的確に応える給与制度としてございます。
また、採用面では、経験豊富な人材の活用と、多様な働き方を可能とするためのワイドキャリア制度などを導入してございます。
○高倉委員 先ほど、職員の採用についても、独法化の前にはなかなか難しかったことができるようになった、そして今ご答弁いただきましたけれども、職員の処遇につきましても、やはり独法化移行の前には難しかったというようなことが可能になったというようなお話であると思います。
ここまで、産技研の独法化移行の必要性でありますとか、移行による影響といったような、当初はやはり懸念もされていたんだと思うんですけれども、そうした点について、十五年経過をして、どうであったのかということを確認させていただきました。
その結果、産技研は、地方独立行政法人への移行によって、財政、組織の柔軟な対応が可能であり、先端技術の加速度的進化にも対応が可能な人材を確保することができ、職員の定着につながる取組もしっかりと行われているというようなことが確認できたというふうに思っております。
また、財政面においては、都の施策と連携をした事業に係る経費については、特定運営費交付金が措置をされておりまして、先ほどちょっとご答弁にありましたけど、非常に増えてきているというお話がありました。財政の安定性と新たな事業等に積極的に取り組む環境がきちっと整備をされてきているということであると思います。
そこで、こうした柔軟な対応が可能な環境の中で生み出された令和二年度の成果について、最後にお伺いしておきたいと思います。
○緑川商工部長 令和二年度の全体評価は、優れた業務の進捗状況にあるとしてございます。
これは、基盤研究項目におきまして、コロナ禍により円滑に研究が行えない中にあっても、研究の量的、質的な向上に取り組み、論文発表数が過去最高の実績に達成していることなどの理由から、S評価となってございます。
また、外部資金導入研究・調査の項目におきましても、外部資金の獲得に向けて、申請数のブラッシュアップ等、取組を継続した結果、第三期中期目標期間中で最高の外部資金を獲得したことから、S評価となってございます。
このほかにも、コロナ禍においても、依頼試験や実証試験セクターの項目におきまして、中期計画目標値を超える実績を達成していること、また、ローカル5G技術に対応したDX推進センターの開設などを行っていることなどにつきまして、高い評価となってございます。
都産技研がコロナ禍の厳しい状況の中でも事業水準の維持向上を確保できているのは、地方独立行政法人制度のメリットを生かし、柔軟な運営をしてきたことも要因であると認識しております。
○高倉委員 今日、少し細かな質疑を行わせていただきましたけれども、地方独立行政法人であります産技研は、標準運営費交付金の効率化を図りつつも、都との連携事業など必要な交付金はしっかりと措置がされまして、職員の確保や処遇にも配慮をすることで、中小企業支援の質の確保、向上に加えまして、論文発表など研究員が多角的に活用できる環境をつくり出している、こういったことも、今回の評価書にはきちっと明記されているわけであります。
一方で、評価書の中では、個別の事項については、改善充実を求めるというような中身もありまして、こうしたことについてはさらに適切な取組をぜひしていっていただきたいというふうに思います。
今後とも、産技研につきましては、独法化のメリットを生かしまして都内企業の発展に寄与する、そうした産技研になりますようにお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○清水委員 東京都立産業技術研究センターについて述べます。
長引くコロナ禍による影響は、都内中小企業、小規模事業所に大きな打撃を与えています。
この間、ものづくりの生産拠点は海外に移され、世界に誇る日本のものづくりの現場を疲弊、衰退させてきました。消費税増税の影響やコロナ禍がさらに大きな打撃となり、売上げが激減し、先が見えない、日本のものづくりが揺らいでいるという声が上がっています。
こうした影響、困難を打開していく上でも、産技研が技術の面でサポートし、中小企業を応援していくことが重要です。
コロナの影響も含め、生産拠点やサプライチェーンを国内に回帰させる動きもあり、都内の中小企業に対する技術支援、新商品開発などの支援も求められています。
こうした支援を行う上で、世界的な気候変動や環境問題に対応した技術、グリーンリカバリーの観点も重要です。既に産技研では、プラスチックに関わる材料についての共同開発など、環境に優しい製品、商品作りにも大きな役割を果たしています。建物の断熱などの省エネの技術、また、再生可能エネルギーに関する技術は日進月歩で進みます。
都として、独自技術の開発や最新の技術を身につけることなど、SDGs、ゼロエミッションを進める立場で取組を求めます。
また、この間も求めてきましたが、補聴器など都民生活を支える機器を研究開発し、都内、国内で安定的に生産できるよう、中小企業と連携していくことも重ねて要望いたします。
四期計画では、新たに食品研究分野が産技研に入りました。これは、東京都立食品技術センターが産技研に統合されたことによるものです。
食品技術センターでは、年間一千件を超える技術相談や実地技術支援があり、研究者を増やしてほしいとの声が寄せられています。この分野は、都民の食の安全に関わる分野です。今後、研究員が減ったり、事業者の負担が増えることのないよう求めます。
コロナ禍の今、コロナが終息した後に中小企業を下支えする新しい技術や商品の開発に、産技研の役割は欠かせません。
都として、運営費、研究費を増額するとともに、期限のついた任期付職員ではなく、基礎的研究ができる正規職員を増やすこと、中小企業への支援体制を拡充するよう強く求めるものです。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認めまして、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十分散会
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