経済・港湾委員会速記録第七号

令和三年六月三日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長菅原 直志君
副委員長けいの信一君
副委員長菅野 弘一君
理事奥澤 高広君
理事滝田やすひこ君
理事尾崎あや子君
平慶翔君
後藤 なみ君
長橋 桂一君
あぜ上三和子君
高倉 良生君
山崎 一輝君
三宅しげき君

欠席委員 一名

出席説明員
産業労働局局長村松 明典君
次長総務部長事務取扱坂本 雅彦君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務米澤 鉄平君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務勝見 恭子君
商工部長緑川 武博君
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務荒井 芳則君
金融部長篠原 敏幸君
金融支援担当部長高野  豪君
観光部長築田真由美君
観光振興担当部長小林あかね君
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務山田 則人君
安全安心・地産地消推進担当部長龍野  功君
雇用就業部長村西 紀章君
事業推進担当部長鈴木のり子君
中央卸売市場市場長河内  豊君
管理部長松田 健次君
港湾局局長古谷ひろみ君
技監山岡 達也君
総務部長相田 佳子君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務石井  均君
調整担当部長若林  憲君
港湾経営部長戸井崎正巳君
港湾振興担当部長猪倉 雅生君
臨海開発部長松本 達也君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務佐藤 賢治君
臨海副都心開発調整担当部長小原  昌君
港湾整備部長片寄 光彦君
計画調整担当部長薮中 克一君
担当部長港湾計画担当部長兼務水飼 和典君
離島港湾部長村田 拓也君
島しょ・小笠原空港整備担当部長川崎  卓君
労働委員会事務局局長鈴木  勝君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 港湾局所管分
報告事項(質疑)
・南海橋(二)上部建設工事その二
産業労働局関係
付託議案の審査
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 産業労働局所管分(質疑)
・第百五十五号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出 産業労働局所管分(説明・質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について中、産業労働局所管分(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について中、産業労働局所管分(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認について中、産業労働局所管分(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第六号)の報告及び承認について中、産業労働局所管分(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・森づくり推進プランについて
・水産業振興プランについて
付託議案の審査(決定)
・第百七号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 経済・港湾委員会所管分
・第百五十五号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出 経済・港湾委員会所管分
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第六号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分
陳情の審査
1 三第三四号 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定からの離脱を求める意見書の提出に関する陳情
2 三第三五号 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定からの撤退を求める意見書の提出に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○菅原委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑、陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、港湾局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○平委員 本日は、今回の補正予算案に計上されている航路、航空路の貨物運賃への補助について確認を行います。
 新型コロナウイルス感染症の国内における感染拡大が始まってから既に一年以上が経過をいたしました。この間、島しょ地域と本土を行き来する人は減少し、航路や航空路の運航事業者は、引き続き厳しい経営を強いられております。
 また、島しょの地域経済を支える農業、漁業についても、都内飲食店における需要の減少などにより市場価格が低迷し、依然として厳しい状況に置かれています。
 私たち都民ファーストの会は、昨年の新型コロナウイルス感染症の発生直後から、島しょ地域の重要な交通手段である航路、航空路を維持するための支援や、農業や漁業の従事者への支援を要望してまいりました。コロナ禍が長引く中、島の人々の生活と産業を守るため、都は必要な支援をしっかり行っていくべきであります。
 現在、三回目の緊急事態宣言が出され、既に一年以上にわたって人の往来の自粛が続いています。特に観光関連事業者への影響は大きく、観光客が大きな割合を占める離島の航路、航空路においては、その影響が顕著であると思います。
 そこでまず、島しょ地域への航路、航空路の旅客数は、どの程度減少しているのか確認をさせてください。

○村田離島港湾部長 島しょ地域への船舶と航空機の利用客につきましては、その八割程度が島民以外のビジネス客や観光客でございます。
 新型コロナウイルス感染症の発生後、特に昨年の四月、五月の利用客数は、船舶、航空機ともに一昨年と比べ九割程度減少いたしました。その後、徐々に利用客が戻り、秋ごろには前年比八割から九割程度まで回復した月もあったものの、昨年一年間の実績は、例年と比較して約五割の利用客数となってございます。
 再び緊急事態宣言が出されたことなどから、現在も利用客数は、例年と比較して四割から五割程度と低い水準で推移しております。

○平委員 年間平均で四割から五割減、大幅な減少であります。足元でも低い水準のままであるとのことで、一年以上続くこの状況に運航事業者も疲弊していると思います。
 島しょ地域と本土を結ぶ航路、航空路は、島の生活と産業にとって、なくてはならないものであり、運航事業者への手厚い支援がぜひとも必要であります。
 そこで、今年度予定している航路、航空路補助の具体策について伺います。

○村田離島港湾部長 島しょ地域と本土を結ぶ定期航路、航空路は、島民や観光客などの移動手段として、また、生活に必要な物資の輸送手段として、島しょ地域の生活と産業にとって必要不可欠なものであり、都はこれまでも、定期航路や航空路を維持するため、運航事業者の欠損額に対する補助を国とともに行ってまいりました。
 昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う利用客数の減少によって、欠損額の急激な増加が見込まれたことから、都は、補正予算において必要な額を確保いたしました。加えて、それまで補助の対象外であった竹芝−神津島間の航路につきましても、欠損額の二分の一を補助する取り組みを都独自に実施したところでございます。
 しかし、新型コロナウイルスの変異株が新たに確認されるとともに、ことしに入り再び感染が拡大するなど、新型コロナウイルス感染症の今後の見通しは依然として不透明なままであり、船舶と航空機の利用客数も引き続き厳しい状況にあります。
 このため今年度も、昨年度と同様の支援を行うこととし、今回の補正予算案において必要な経費を計上したものでございます。

○平委員 先日、我が会派は、島しょ地域への定期航路及び航空路が維持されるよう、運航事業者に対して必要な財政支援を講じることを要望しました。
 今回、都が、我が会派の要望に応え、速やかに補助の実施を決めたことは評価いたします。昨年に引き続き支援を決めたことは、島民の生活基盤を支える航路、航空路の存続にとって大きな意義を持つものであり、着実に実施していただきたいと思います。
 次に、貨物運賃補助について伺います。
 これについても、先日、我が会派は、昨年に引き続き、貨物運賃補助の補助率を引き上げるよう要望を行ったところであります。
 先ほども述べたとおり、外食の減少等により、島の農産物や水産物の販売価格が低迷しており、農漁業の従事者からは、都の支援を求める切実な訴えが上がっています。
 島しょ地域の産業を支えるため、貨物の輸送運賃に対する補助を着実に実施すべきであります。見解を伺います。

○村田離島港湾部長 これまでも都は、島民生活の安定を図るため、生活必需品や本土で販売する島しょ地域の生産品を対象として、海上輸送に係る運賃への補助を実施してまいりました。
 しかし、コロナ禍において、主に外食産業を出荷先とする主力の高級魚の価格が低迷するなど厳しい状況にあることから、昨年、都は、島しょ地域から本土に移出される魚介類や野菜などについて、海上貨物運賃の補助率を通常の五〇%から一〇〇%に引き上げたところでございます。
 現在も依然として価格の低迷が続いており、いまだ需要回復のめどは立っていないことから、本年も昨年同様、補助率を引き上げることといたしました。
 都は引き続き、貨物運賃への補助を着実に実施することにより、島民生活の安定と産業の振興に努めてまいります。

○平委員 ありがとうございます。
 飲食店の営業時間短縮の影響は、関係する多くの産業に波及しており、中でも、レストランやホテルを主な顧客とする島しょ地域の生産者は、今まさに直撃を受けています。販売価格が低迷するという苦境にあり、都はしっかりと対応を行っていただきたいと思います。
 東京の離島は、豊かな自然を残しながらも、都心部からダイレクトに訪れることができる非常に貴重な観光資源であります。また、その自然や文化は、島に暮らす人々にとって大切に守られ、育まれてきました。近い将来、再びにぎわいあふれる島としていくためにも、コロナ禍における島しょ地域の生活と産業をしっかりと守れる取り組みは極めて重要であります。
 移動の足となる航路、航空路を維持し、基幹産業の一つである農漁業を支えていくことは、都の重要な役割であり、今後も住民や事業者の声にしっかりと耳を傾けながら、着実に支援を行っていただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○菅原委員長 次に、報告事項、南海橋(二)上部建設工事その二に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○菅原委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、産業労働局所管分、第百五十五号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出、産業労働局所管分並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について中、産業労働局所管分外専決三件を一括して議題といたします。
 それでは、追加提出されました第百五十五号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出、産業労働局所管分及び専決一件について、理事者の説明を求めます。

○村松産業労働局長 令和三年第二回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、産業労働局関係の東京都一般会計補正予算(第六号)に係る専決処分一件、令和三年度補正予算案、追加分一件につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、東京都一般会計補正予算(第六号)に係る専決処分につきましてご説明を申し上げます。
 都内の事業者に対して、緊急事態措置期間中の六月一日から六月二十日まで、休業や営業時間短縮を要請することに伴い、協力金を支給するため、五月二十八日に専決処分を行いました。
 また、この専決処分に伴いまして、現在ご審議をいただいております令和三年度の一般会計の補正予算案の既定予算額等に一部変更が生じております。
 続きまして、令和三年度補正予算案、追加分につきましてご説明を申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、飲食店への時短要請等により、中小企業を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しております。
 今般の緊急事態宣言の延長により、さらなる打撃を受ける中小企業が事業を継続できますよう、支援を強化し、経営を着実に下支えしていくことが重要でございます。
 こうした観点から、緊急事態宣言等の影響により売り上げが減少し、深刻な状況に直面する中小企業に対するサポートを充実するため、本定例会に補正予算案を追加提案いたしました。
 今後とも、東京の経済の着実な回復に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。
 以上で第二回定例会提出案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、各案件の詳細につきましては、次長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○坂本次長 今般、令和三年第二回定例会に追加で提出いたしました案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、当局所管の東京都一般会計補正予算(第六号)に係る専決処分につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、令和三年度一般会計補正予算説明書(令和三年五月二十八日専決 一般会計補正予算(第六号))をごらんください。
 本補正予算は、緊急の予算措置を講ずる必要が生じたため、去る五月二十八日に、地方自治法第百七十九条第一項の規定により、知事による専決処分を行ったもので、専決処分の後の都議会にご報告申し上げ、ご承認をお願いするものでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。総括表でございます。
 専決処分いたしました補正予算額は、合計欄にございますとおり二千六百七十一億九千百二十六万五千円でございます。
 次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。三ページをお開きください。
 中段の3、国庫支出金の補正予算額は二千五百四十九億五千四百四十九万一千円でございます。これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
 六ページをお開きください。歳出の説明でございます。
 1、産業政策の立案において二千六百七十一億九千百二十六万五千円を計上しております。
 ページ右側説明欄の1、飲食店等に対する営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金(新型コロナウイルス感染症緊急対策)は、緊急事態措置期間中の六月一日から六月二十日まで、都からの休業や営業時間の短縮の要請にご協力いただいた飲食店などを対象に、店舗ごとに事業規模に応じて協力金を支給するものでございまして、二千二百九十四億四千万円を計上してございます。
 2、休業要請等を行う大規模施設に対する協力金(新型コロナウイルス感染症緊急対策)は、緊急事態措置期間中の六月一日から六月二十日まで、飲食店以外の大規模施設に対する都からの休業や営業時間の短縮の要請にご協力いただいた事業者の施設やテナントなどに、事業所ごとの協力金を支給するものでございまして、三百七十七億五千百二十六万五千円を計上してございます。
 また、この専決処分に伴いまして、去る五月二十七日に本委員会でご説明いたしました令和三年度一般会計の補正予算案の既定予算額等に一部変更が生じましたことから、その際にお配りした資料に変更を加えて提出させていただきます。
 その詳細につきましては、お手元の資料2、令和三年度一般会計補正予算説明書を後ほどごらんいただければと思います。
 続きまして、当局所管の令和三年度一般会計の補正予算案の追加分についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料3、令和三年度一般会計補正予算説明書(追加分)をごらんください。
 本補正予算案は、先日の本委員会でご説明いたしました令和三年度一般会計の補正予算案の内容に追加して計上するものでございます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。総括表でございます。
 今回の補正予算額は、左下の合計欄にございますとおり百億九千万円でございます。
 次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。三ページをお開きください。
 中段の3、国庫支出金の補正予算額は三億八千四百万円でございます。これは新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
 六ページをお開きください。歳出の説明でございます。
 1、中小企業対策の補正予算額は百億九千万円でございます。
 ページ右側説明欄の1、新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る東京都中小企業者等月次支援給付金は、緊急事態措置の延長に伴う影響により、令和三年六月の売上高が減少した都内中小企業者などに対し、国の月次支援金に都独自の支援金額の加算や支給対象の拡大を行い、給付金を支給するものでございます。
 以上で令和三年第二回定例会に提出しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○菅原委員長 説明は終わりました。
 そのほかの議案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○後藤委員 私からは、付託議案分のうち、感染拡大防止協力金、東京都中小企業者等月次支援給付金、テレワーク、そして中小企業融資制度、この四点について本日は質疑を行ってまいりたいと思います。
 まずは、感染拡大防止協力金について質問をいたします。
 東京都が国に先駆けて感染拡大防止協力金を創出してから、この五月で約一年が経過をしております。
 我が会派はこれまでも、店舗ごとの協力金の支給など、事業者の皆様からいただいた声をその都度東京都に届け、そして皆様に制度の改善に取り組んできていただいたものというふうに理解をしておりますけれども、今回、我々都民ファーストの会東京都議団としても要望を上げてきた事業規模に応じた協力金の支給についてでございますけれども、これも我々、たび重なる要望に応じて、東京都の方から国へ要望などを行っていただきました結果、今回、国の制度が変更されてきたものというふうに認識をしております。
 まずは、これまでの協力金制度からの変更点と、制度変更後の各回の協力金の実施スケジュールについて伺っていきたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和三年四月に国から示されました事業規模に応じた協力金制度では、これまでの一律の金額による支給から、飲食店の売上高などを基準とした支給額に見直すこととされてございます。
 都におきましては、四月十二日から五月十一日までの要請に係る協力金から本制度が適用されることとなりまして、申請受け付けは六月三十日から開始をいたします。
 また、五月十二日以降の要請に係る協力金の受け付け時期につきましては、決定次第、速やかにお知らせをする予定でございます。

○後藤委員 ありがとうございました。申請の受け付けが六月三十日から開始をされるというようなお話等がありました。非常に喜ばれる事業者の皆様が多いと思うんですけれども、今後、事務処理などをしていただくに当たって非常に重要だと思っているのが、今回、事業規模別の協力金の支給にまた制度が変わるということで、飲食店の売り上げを確認するという手続がまた一つふえるというのが、非常にちょっと心配をしております。
 申請者から新たに提出していただく書類がふえるということで、また支給がおくれるであったりとか、あるいは、非常にフローが煩雑になるということなども考えられると思いますので、ぜひこの申請に関する事業者さん側の負担が重くならないように、なるべく簡便に手続ができるように配慮をしていただきたいというふうに思っています。
 そこで、提出書類の簡素化を図るなど、事業者の皆様にとってわかりやすい申請方法にすべきだと考えますが、見解を伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国から示されました実施要領では、支給額の算定基準となる店舗の一日当たりの売上高等を把握するため、事業者から売上金額を証する帳簿の写しなどの提出を求めることとされてございます。
 一方で、事業者によりましては、日次単位の売り上げに係る詳細な資料の提出は対応が困難であるとの声もございます。
 このため、都におきましては、独自に定める簡素な様式により、月単位の売上高の申告をお願いすることといたしました。
 こうした取り組みによりまして、申請者の負担軽減を図り、協力金の迅速な支給につなげてまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。今の答弁では、独自に定める簡素な様式によってお願いをしますということで、こうした皆様からの声にもお応えいただけるというご答弁でありました。大変ありがたいというふうに思っております。
 協力金に関しては、本当にこの一年、皆様から多くのご意見を頂戴しておりまして、私自身も、やはりいただいた声の中で大きかったのは、もう支給がとにかく遅い、見えない、早くしてほしい、この部分が一番大きいかなというふうに思っています。
 この支給のおくれというのは、我々も他の会派の皆様も多く議会で取り上げていることでありまして、ここの部分について伺っていきたいと思いますが、四月以降のまずは協力金の支給状況について伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和三年一月八日から二月七日までの要請に係る協力金につきましては、約七万五千事業者の方から約十万六千店舗の申請をいただいており、既に約九割となる約九万九千店舗の支給を完了してございます。
 二月八日から三月七日までの要請に係る協力金につきましては、約七万五千事業者の方から約十万五千店舗の申請をいただいており、こちらも既に約九割となる約九万四千店舗の支給を完了してございます。
 また、三月八日から三月三十一日までの要請に係る協力金につきましては、五月三十一日に申請を締め切り、六月三日、本日時点で、約七万三千の事業者の方から約十万二千店舗の申請をいただき、約六割となる約五万九千店舗の支給を完了してございます。
 これに、現在入金手続中のものも含めますと、既に約八割の審査が終了しているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございました。徐々にスピードアップをしていただいているというふうなことだと思いますけれども、やはり前回の委員会でも申し上げましたが、事業者の皆様からすると、本当にこの一年間苦しい経営状態の中で、協力金の支給というのは経営の生命線なわけであります。一日でも早く支給をしてほしいというのは本当に切なる願いであるというふうに思いまして、早急かつ円滑な協力金の支給に向けて、都はこれまでどのような取り組みを行ってきたのかについても伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業者の皆様に対しまして迅速に協力金を支給するためには、申請手続の円滑化と審査の効率化を図ることが重要でございます。
 都では、ポータルサイト上で申請手順を動画でわかりやすく解説するとともに、申請時に間違いやすい事例の紹介を行ってございます。また、利用者の意見を取り入れることができるご意見フォームを設け、いただいた意見を参考に、随時サイトの改善を行ってございます。
 さらに、三月八日から三月三十一日までの要請に係る協力金からは、過去に支給済みの店舗に係る提出書類を大幅に省略することに加え、書類の不備があった場合も、ホームページや電話等で事実確認ができる場合には再提出を求めないこととするなど、審査の迅速化を図ってございます。

○後藤委員 ありがとうございました。さまざまな対策をされているということでありますけれども、私自身も、地元でいろいろな方のお話を聞いていて思うのは、ポータルサイトを見て手順がわかる方は、やはり申請はそんなに問題がないんですね。やっぱり皆さんつまずいて何度も電話をかけてしまうのは、インターネットが使えなくて、なかなかそのデジタルデバイドといわれるような、書類を細かく見ることができないご高齢の店舗の皆様がつまずいているというような実感を持っています。
 いろいろな改善は加えていただいていると思うんですけれども、最後におっしゃっていただいたような、やっぱり手続を簡略化するとか、そういう抜本的な対策が必要になるのかなというふうに思いますし、不備に関しては、書類の不備率が非常に高いということが支給のおくれにつながっているというような認識ですけれども、事業者の皆様からすると、申請書類の不備があって電話がかかってきたものの、折り返そうとすると相談ダイヤルに全くつながらないので、一週間ずっとかけ続けているとか、やっぱり待っているしかないっていう状態がつらいんですね。そこに対して、何かこう、フォローができる体制というのがもう少しできたらなというふうに思いますので、ぜひご検討いただければと思います。
 また、事業者さんからは、審査のステータスであったり、特に入金予定日、これはすごく大事で、飲食店の皆様からすると、結局はいつお金が入金されるんだって、ここが一番大事なわけなんです。これがやはりわからないので事業計画が立てづらい、そういう声が多いわけであります。
 こういう協力金の支給に関する審査の状況に関しては、かねてから我が会派でも、もっと見える化すべきだという提案をしておりまして、ぜひこういった見える化を進めていただきたいと思いますが、都のご所見を伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 申請受け付けから支給までの期間は、オンライン申請の場合、最短で二週間程度で処理できる仕組みを整えておりますが、申請者と提出書類の確認などを行う必要が生じることにより、さらに時間を要しているといった実情がございます。
 このように、申請者により支給までに要する時間が異なることを踏まえ、都は、ポータルサイトのマイページ機能を活用し、申請者に対して、審査の進捗状況をお知らせしてございます。
 これに加えまして、新たに協力金の申請件数や支給件数、支給額につきまして、ポータルサイト等を通じ、毎週公開することといたします。
 これによりまして、協力金の支給状況の一層の見える化を図り、事業者の方々に、都の要請に安心してご協力いただけるよう取り組んでまいります。

○後藤委員 いろいろ対策を講じていただけるとのことで、ありがとうございます。新たに協力金の申請件数や支給額などについて、毎週公開していただけるというようなご答弁がありましたけれども、もう一歩頑張っていただきたいとすると、やっぱりその入金日がいつになるのか、ここがすごく、再三申し上げていますけれども、大事なわけでございまして、審査のステータスは見えているけれども、じゃ最後、いつなのか、いつお金が振り込まれるのか、ちょっとここに対しては、例えば書類の審査の不備がなければ、このぐらいで入金をされますというようなことを、もう少しわかりやすく明示するなどの対応を、ぜひいただきたいなというふうに思います。
 また、先ほど少し電話の話もしましたけれども、つながらないという声を本当に多く聞いています。私の地元の飲食店さんでも、一週間以上電話かけ続けているけれども、全く電話がつながらないとか、やはりそれだけをメーンに仕事をしているわけではないので、どうにかならないかという声が寄せられているわけでありますけれども、このような状況を踏まえ、もう少し回線をふやすであったり、対応を強化すべきだというふうに考えますが、どのように対応するのか伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 コールセンターにつきましては、新たな要請が出された際などに一時的に問い合わせが集中し、電話がつながりにくいという声があることから、事業者からの問い合わせに対応できるよう、人員の拡充を図ってまいりました。
 現在、コールセンターでは、協力金制度や個々の審査状況の確認など、さまざまな問い合わせに対応してございますが、今後、事業者からの申請に関する問い合わせに、より一層きめ細かく対応するため、申請手続専用の電話相談窓口を新たに設けることによりまして、円滑な申請をサポートしてまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。新たに申請手続専用の電話相談窓口を設けていただけるとのご答弁がありましたので、ぜひしっかり、よろしくお願いいたします。
 コールセンターの皆様の対応についても非常に声が寄せられておりまして、相談ダイヤルでは、個別の相談、個別の進捗の状況には基本的に応じて、情報の開示をいただけないということで、審査の状況などを知りたいのに、電話をしても、一般的な話しかお答えいただけないっていうところに対して非常に不満の声が上がっています。
 今回、いろいろとご対応いただけるというご答弁がありましたので期待をしているところでありますが、一つ一つ事業者の皆様の声に応えて、不断の改善をいただくことを求めます。
 また、飲食店の協力金に関しては、一月の八日から二月の七日実施分、それと、二月の八日から三月の七日実施分においては、添付書類の省略に必要な支給決定通知を待っていたことを理由に、期日中に申請ができなかった中小企業者、飲食店の皆様がいらっしゃるということで大変問題になりました。
 この申請に関しては、現在は申請を受け付けているということですが、どのような方法で事業者へ周知を行っているのか伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、令和三年一月八日から二月七日まで及び二月八日から三月七日までの要請に係る協力金につきまして、提出書類の省略に必要な支給決定通知を待っていたことを理由に、期限内に申請を行えなかった事業者の声を受け、改めてこれらの申請を受け付けることといたしました。
 事業者への周知につきましては、ポータルサイトのトップページの重要なお知らせへの掲載に加え、コールセンターにおきましても、対象者や申請方法等の詳細をご案内しているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございます。そうですね、ポータルサイトに入れていただいたり、お電話でもご案内いただいているということで、一定の対応をしていただいていることは理解ができました。しっかりきめ細かいサポートのほど、お願いします。
 また、協力金関連の支給対象については、一点、追加で要望をさせていただきたいというふうに思います。
 ことし四月から始まった緊急事態宣言下においては、私の地元である足立区の市場内の飲食店の皆様から、こんな声をいただいています。今回、市場は生活に必要な施設ということで休業要請の対象外になっている、そして、それによって、市場内にある飲食店も協力金のもちろん対象外であると。しかし、足立市場場長からは、アルコールの提供自粛の協力を依頼されて困惑をしていますという声です。これはおかしいんじゃないかというような声が上がっています。
 今回のように、営業時間内のアルコールの提供自粛を求めるのであれば、協力金をお支払い、民間店舗の皆さんと同様に協力金というのは支払われるのが筋であるというふうに私自身は思いますし、都立施設が生活に必要な施設だということはわかるんですけれども、民間施設との均衡を考えれば、やはりこれは市場の飲食店の皆様からすると納得ができるものではないというふうに思っています。
 これは足立市場だけではなく、豊洲等でも同じような問題が起きているというふうに認識をしていますけれども、こういった状況が起きているということによって、都立施設の中でアルコールを提供している飲食店も発生しているというような状況が起きていまして、ぜひ対応をいただきたいというふうに思っています。
 昨日の我が会派の代表質問において、東京都は、都立施設などの休業している飲食店などへの協力金の支給に関しては、現行制度の活用なども含めて、必要な支援に向けた具体的な検討を進めていくというような前向きな答弁をいただきましたけれども、今回の市場内の飲食店のように、緊急事態宣言の中でも営業している都立施設内における飲食店への協力金の支給についてもしっかりと、制度のはざまで落ちてしまう飲食店がないように、今回、政策企画局さんが取りまとめをして検討チームをつくっていただくというようなお話は聞いていますけれども、事務執行の担当は産業労働局さんだというふうに認識をしていますので、ぜひ連携をしていただきながら、対応を行っていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)そうですね、総務局も。
 次に、東京都中小企業者等月次支援給付金について伺います。
 今回、三度目の緊急事態宣言が発令をされているわけでありますけれども、この一年間、感染拡大防止協力金を初め、東京都はさまざまな経済対策を講じていただいていますが、経営に苦しいのは飲食店だけではありません。飲食店にお酒を卸す酒類の販売事業者さんなどはもちろんのこと、外出自粛の影響で経営が悪化している多くの事業者さんに対して、やはり包括的に経済的な支援を行っていかなければいけないと考えます。
 こうした状況の中、東京都は、私たちの緊急要望を受けて、国の月次支援金に対して、酒類販売事業者への支援の上乗せと対象要件の緩和によって、対象を拡大するというような都独自の制度を打ち出したことに関しては非常に高く評価をするものであります。
 そこでまず、改めて、東京都中小企業者等月次支援給付金は、どのような制度になっているのか伺いたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金は、本年四月以降に発出された緊急事態措置等に伴う飲食店の時短要請や外出自粛等の影響によりまして、売り上げが減少した都内中小事業者等を対象に、国の月次支援金に対して支給額を加算いたしますとともに、国制度の対象外となる事業者の一部まで対象を拡大して支給するものでございます。
 その支給額は、昨年または一昨年の同月と比べて売り上げが五〇%以上減少している酒類販売事業者が三カ月で最大六十万円、その他の事業者が三カ月で最大十五万円、売り上げが三〇%以上減少している場合は、ともに最大三十万円を上限としております。

○後藤委員 ありがとうございました。いわゆる上乗せ、横出しというところでの支援を拡大していただけるというようなご答弁でありました。
 この制度で、私が一つ、すごく心配というか質問をしたいのが、給付の対象でございまして、今回、酒類の販売事業者とその他の業種という、この二種類が支給対象となっているわけでありますが、酒類の販売事業者の皆様はわかりやすいと思うんですけれども、その他の業種っていうのが、皆さんからすると、あれ、自分は対象になるのかなと、わかりにくいなというような感じがしておりまして、伺っておきたいんですが、給付対象となっているその他の事業者とはどのような業種を想定しているのか、具体的な事例も含めて答弁を求めたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 給付対象におけるその他の事業者につきましては、国の月次支援金の制度に準拠し、業種を問わず幅広く支援対象となるよう検討を進めております。
 具体的には、飲食店の時短営業等によって売り上げに影響を受けた総菜製造などの食品加工製造事業者や、食器、調理器具等を販売する事業者、清掃事業などのサービス事業者等を想定しております。
 また、外出自粛等によって売り上げに影響を受けた雑貨などの小売事業者や、クリーニングなどの対人サービス事業者なども対象と考えております。

○後藤委員 ありがとうございました。今、具体的な事例を挙げていただきまして、クリーニング屋さんとか、小売、雑貨屋さんなどを挙げていただきましたけれども、かなり今回、対象の範囲が広いということで、外出の自粛に影響を受けていれば支給の対象というような意味で、幅広いというような理解をいたしました。
 これから詳細については発表になるという認識でおりますけれども、ぜひ皆様にお願いをしたいのが、これが不平等感とか分断につながることがないような支給対象の設定にしていただきたいというふうに思っています。
 重ねて申し上げますけれども、苦しいのは飲食店の皆様だけじゃないということで、ぜひ幅広い事業者の皆さんが使っていただけるような制度にしていただきたいなというふうに思います。
 また、本事業では、金額について伺いたいんですけれども、酒類の販売事業者と、その他の事業者で支給金額を区分しているわけでありますが、この根拠というか、どのような考え方で整理をしたのかというところについても伺いたいというふうに思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 酒類販売事業者は、コロナ禍にあって、長らく厳しい経営環境に置かれております。
 国からは、地方創生臨時交付金を積極的に活用し、緊急事態措置等に伴う飲食店の休業や時短要請の影響を直接受ける酒類販売事業者につきまして、月次支援金の上乗せや売り上げ要件の緩和に関する要請がございました。
 一方、酒類販売事業者以外の事業者につきましても、飲食店への時短要請や外出自粛等の影響により、厳しい経営環境に置かれております。
 こうした状況に鑑み、酒類販売事業者への支援に加え、酒類販売事業者以外の事業者に対しましても、都独自の国の月次支援金に対する加算や要件緩和により支給することといたしました。

○後藤委員 ありがとうございました。根拠として、国から酒類の販売事業者の皆さんへの支援金の上乗せの要請があったなどが挙げられるというふうにお話をいただきました。
 先ほども、再三申し上げていますけど、お酒も含めて、苦しいのは飲食店だけじゃないと、幅広く皆さん苦しいということでありますし、事業者さんの、中小企業の皆さん含めてですけれども、この金額じゃ、やっぱり全然足りないよねと、桁が一つ違うよという声を、さんざん我々も話を聞いているわけでありまして、今回、東京都が上乗せ、横出しといった形で対応していただいたことに関しては、非常にすばらしい決断であったというふうに感謝をしつつ、引き続き国に対しても、こうした飲食店以外の事業者の皆様への支援、そして経営実態などをしっかりと国に伝えていただいて、断続的な支給など、そういった要請をぜひ行っていただきたいなというふうに思います。
 また、最後に伺っておきたいんですけれども、この本制度における今後のスケジュールについても伺っておきたいというふうに思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 今後のスケジュールにつきましては、本定例会で議決をいただいた後、速やかに手続に着手し、早期に受け付けが開始できるよう準備を進めてまいります。

○後藤委員 ぜひ早期に支給の手続を進めていただくように準備をいただきたいんですけれども、くれぐれも、今回のこの支援金についても、支援金が一向に入金されないとか、恐らく相談ダイヤルみたいなものを設けていただくと思うんですけれども、その電話窓口が全然つながらないとか、そういうことがないようにお願いをしたいというふうに思います。
 先ほどちょっと、るる協力金に関する質疑を行いましたけれども、やはり協力金に関しては支給がおくれている理由として、書類の不備が八割というところが挙げられております。こういう同じような事例を、ぜひ同じ局ですので参考にしていただきながら、手続の簡便化であったりとか、あと、先ほど電話の回線をふやすみたいな話もありましたけれども、コールセンターを、私も立ち上げの業務やったことがあるんですけれど、制度が始まったときにコール数がふえるって当たり前なんですよ。なので、ぜひそういう回線をふやすとか、そういう対応を含めて、ぜひぜひお願いをしたいなというふうに思います。
 あと、先ほども幅広い事業者さんが対象になるというようなご答弁もありましたので、対象の業種をきめ細かく整理をして、インターネットであったりパンフレットに例示するなどして、ぜひ事業者さんにとって優しくてわかりやすい制度設計をお願いしたいというふうに思います。
 次に、テレワークの推進について伺いたいと思います。
 我が会派はこれまでも、新型コロナ対策における人流の抑制という意味でも、また、生産性向上の意味でも、テレワークはもう外せないということで、事あるごとに提言を行ってきたわけでありますが、まずちょっと伺っていきたいのが、企業におけるテレワーク推進のための、これまでの都の取り組みについて、テレワーク東京ルール実践企業宣言の内容も含めて伺っていきたいというふうに思います。

○村西雇用就業部長 これまで都は、テレワークの導入を促進するため、テレワーク推進センターでのセミナーによる情報提供や、テレワークを実施するための機器の整備経費に対する助成のほか、ITや社会保険労務士等の専門家の派遣による導入時のコンサルティングなど、ソフト、ハード両面から幅広く企業を支援しております。
 また、民間事業者が通信環境などの整ったサテライトオフィスを設置、運営する際の経費を補助するなど、自宅でテレワークが難しい従業員の方の実施環境を整備しております。
 さらに、テレワークの定着に向けましては、各企業がテレワークを経営戦略に位置づけ、創意工夫による我が社の取り組みルールを設定する東京ルール宣言制度を昨年十二月から開始しておりまして、これまでに約千九百社が宣言を行っております。

○後藤委員 いろいろな制度のご説明をいただきまして、ありがとうございます。
 本当に東京都は、テレワークの制度支援というか、かなり充実をしているなというふうに思っております。
 そういった東京都の政策の効果もあって、現在、約千九百社が宣言を行っているというふうに伺っているんですけれども、当初の目標は一万社ということで、目標から逆算をすると、まだまだ伸び代があるなというふうに思っておりまして、さらに一層テレワークの推進に向けて施策を進めていただきたいなと思うんですけれども、テレワーク推進の肝は、やはり私は中小企業にいかにテレワークを推進していただくかということだと思っておりまして、もう既に都の調査では、大企業は約八割がテレワークを推進しているということで、新型コロナの影響も後押しとなって、非常に今、大手の企業の皆さんは、テレワークでの仕事の進め方が当たり前になりつつあるなというのは、我々も実感値としてあるんですけれども、やはりまだ中小企業の皆さんがてこずっているというか、まだまだ課題があるなというふうに感じています。
 今、中小企業は、約六割というようなテレワークの実施率にとどまっておりまして、やはりこの底上げというのが大事であるというふうに思っております。
 そこで、テレワークの推進に向けては、中小企業に向けた推進の施策が重要であるというふうに思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
 また、あわせて、コロナが終わった後も、しっかりレガシーとして、テレワークの推進が企業の生産性向上のために必要なんだということで、しっかり残っていくことが重要だと考えておりまして、ぜひその点もしっかり都として後押しをしていくべきだというふうに考えますが、見解を伺います。

○村西雇用就業部長 都は、コロナ禍における中小企業でのテレワークの取り組みを促進するため、一万社を目標に、東京ルール宣言に登録し、週三日、社員の七割以上、三カ月間テレワークを継続した企業をテレワークマスター企業として認定します。
 そのマスター企業に対し、負担した通信費やソフト利用料、在宅勤務手当等の経費に対し、最高八十万円の奨励金を支給してまいります。
 また、テレワークのワンストップ相談窓口におきましては、多様な勤務形態の導入やコミュニケーションの確保、書類の電子化など、運用時のさまざまな課題に対して専門家がオンラインで相談に応じ、業務改善など生産性の向上につながる助言を行ってまいります。
 さらに、働き方改革に関する法令、ノウハウ等の集中講座を受講した企業に対して専門家を派遣するなど、生産性の向上への取り組みを後押ししてまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 今回の一万社を目標に、週三日、社員の七割以上が三カ月間テレワークが継続されれば、マスター企業として認定をして、八十万円の奨励金ということで、これはすごく大きい制度なので、これを活用して、ぜひ都内の中小企業の皆さんにテレワークの推進、いろいろ進めていただくきっかけになるんじゃないかなと思うんです。
 私自身も、中小企業の皆さんに何社かお話を伺ったんですけれども、この制度も見ていただいて、すごくいい制度で申し込みたいんだけれども、結構やっぱり手続が、いろいろ事前審査があったりとか大変で、以前も何かテレワークの申請をしようと思ったんだけど、途中で大変で諦めちゃったみたいな声が、ちょっと二、三社続けてありまして、もちろん厳正な、やっぱり税金が原資になっている制度なので、余り簡略化するべきではないという前提には立っているんですけれども、今回、協力金の支給などで、皆さんが本当に不断の見直しをさまざま進めていただいたように、うまくもう少し申請のしやすい仕組みが検討できるのであれば、ぜひそのあたりもお願いをしたいなというふうに思っております。
 また、テレワークの拡大という意味においては、テレワークをする場所の問題というのも非常に大きな部分がありまして、ここ一年、新型コロナでよく聞くのが、夫婦共働きの世帯で、二人ともテレワークになったけれども、二人ともテレワークをする部屋がないみたいな話をよく聞くわけでありまして、そういった意味では、この都の調査でも、テレワークが拡大、定着するために必要なことという質問項目に対して、サテライトオフィスなど自宅以外の場所でテレワークができる環境というのが上位に入っているという調査結果もありました。
 ただ、先ほど申し上げたように、在宅のテレワークの同じような調査で、デメリットとしては、仕事に専念できる部屋やスペースがないというような、そういったようなやはり調査の結果もありまして、場所を整備していく。特に、もう既に大きなターミナル駅、ここのように新宿とか渋谷、こういったところにはワーキングシェアオフィスみたいなものが数多く設置をされておりまして、十分な数が確保されておりますけれども、小さな駅になってくると、なかなかないというような状況でありますので、自宅に近い身近な場所でテレワークができる環境というのは非常に重要だなというふうに思っております。
 そうした意味で、感染拡大防止の意味からも、地域の身近な場所で、こうした施設の設置、サテライトオフィスの設置というのをぜひ進めていただきたいなと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 都は今年度、地域の身近な場所でテレワークが実施できる環境を整備するため、経済団体が空き店舗や空き事務所を活用し、小規模なサテライトオフィスを設置するモデル事業を実施することとしております。
 これに加えまして、今回の補正予算におきましては、感染の拡大防止に向けて、テレワークのさらなる促進を図るため、地域の身近な飲食店や商業施設の店舗内にテレワークスペースを整備する際、Wi-Fiの設置費や什器の購入費など、二分の一を補助する新たな支援を実施してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。制度のご説明などをいただきまして、小規模サテライトオフィスのモデル事業が始まるということで、これにも期待をしたいなというふうに思っております。
 この案内なども見ていたんですけれども、すごくいいなと思ったのが、この制度自体が、今回答弁にもありましたけれども、空き店舗だったりとか空き事務所を活用できるということで、事前にお話ししていましたら、喫茶店の少し余っているスペースを二席、テレワークのサテライトオフィスのスペースにするとか、日中はちょっと休業をしているような飲食店さんが、少し改修をしてサテライトオフィスにするときにも、こういった設置助成が出るということで、簡単にできるという意味で、非常に今、経営が苦しいといわれている事業者の皆さんにも、業態転換の一つの後押しにもなりそうだなというふうに期待をしております。ぜひこういう押しのポイントなども、ぜひ一社でも多く皆様に周知をいただいて、活用していただくことを求めて、最後の質問に参ります。
 最後に、東京都中小企業融資制度について伺いたいというふうに思います。
 もう先ほどから中小企業の苦しさというのは、何度もちょっと折に触れて申し上げておりますけれども、やはりこうした環境の中で利益の確保が難しい、あるいはこれまでどおりのビジネスでは事業の継続がもう見込めないんだという声は多く寄せられているところであります。
 私たち会派、都民ファーストの会では、感染症の影響に伴う情勢の変化や、多くの事業者の皆様からのこうした切実な声を踏まえまして、お金の部分、セーフティーネット融資における借入コストの低減や事業転換等を計画的に進める中小企業を後押しする、この融資のメニューの創設などを要望してきたところであります。
 これに応えて、東京都は今回の補正予算において、金融支援の拡充を図ることとしておりますけれども、この狙いとスケジュール、いつぐらいから取り扱いを開始する予定なのかを伺いたいと思います。

○篠原金融部長 今回の補正予算案には、感染症対応融資における信用保証料の補助を拡充すること及び新たな融資メニューを創設することの二点を盛り込んでおります。
 まず、信用保証料の補助の拡充は、感染症の影響が長期化する中、厳しい状況にある中小企業の事業継続を支えるため、借り入れに係る事業者負担をさらに軽減することを狙いに実施するものでございます。
 次に、新たな融資メニューの創設は、例えば、飲食店がテークアウト販売を始める、あるいは生活用品の販売を新たに始めるというような、業態や事業の転換などによりましてコロナ禍を乗り越えようとする中小企業の積極的な取り組みを資金面から支援することを狙いとしております。
 この二つの支援につきましては、六月下旬からの取り扱いを開始する予定でございます。

○後藤委員 ありがとうございました。
 やはりお金は、中小企業における、もう本当に血液の一つでありますので、こうした拡充は非常に大きな話だというふうに思います。ぜひ遅滞なく進めていただくとともに、金融の制度支援に関しても、よくお話をいただくのが、やはり制度があり過ぎて、自分たちがどれを使えるのかがわからないとか、国でもあって、都でもあって、自治体でもあってという、ここのメニューの多さに、皆さん、わけがわからなくなっているということが散見されていますので、先ほど具体的な事例などを教えていただきましたけれども、わかりやすい周知の方法などを、ぜひお願いをしたいなというふうに思います。
 これらの支援策が本当に一日でも早く中小企業の皆様に利用していただけるように、ぜひ早急に準備を進めていただくことを要望し、質問を終わります。

○菅野委員 私からも何点かお聞きしたいと思います。
 四月に発令された緊急事態宣言も六月二十日まで延長になりました。一年以上にわたり、この間、断続的に続く営業時間の短縮や休業要請などで、都内の中小零細企業、とりわけ飲食店や飲食店と取引のある関連事業者、観光関連事業者などは極めて大きな打撃を受けています。
 きのうの我が会派の代表質問では、こうした中小零細企業に対して、速やかに手厚い支援を行うべきとの質疑を行ったところです。
 本日の質疑でも、このような観点から、この補正予算に計上されている事業の内容について、具体的にちょっと掘り下げて確認したいと思います。
 まず、感染拡大防止協力金について伺います。
 都は先日、五月三十一日までとしていた緊急事態措置について、今月二十日まで再度延長することといたしました。要請の内容は一部緩和しているものの、百貨店などの集客施設では、土日は引き続き休業を要請し、また、飲食店へも変わらず休業要請と営業時間の短縮を要請するなど、事業者から見れば厳しい内容となっています。
 このことは現在の感染状況を考えれば、やむを得ないものと考えますが、私たちのもとには、要請の影響を受ける事業者から悲痛な声が届いています。長引くコロナの影響により、事業者の資金繰りは大変厳しくなっていることを踏まえれば、協力金などを一日も早くお届けすることが重要です。
 しかし、飲食店の方からは、回を追うごとに支給までに要する時間がかかっている、一月分もまだ入金されていない、書類不備との連絡が来たものの、問い合わせをしても電話がつながらないよといった声も少なくありません。
 こうした事業者の切実な声に応えていくためには、申請の受け付けから審査、支給に至るまでを円滑に実施していくことが欠かせないと思います。
 そこでまず、都の協力金の申請受け付けから支給までの流れを確認したいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金の申請には、オンラインと郵送による方法がございます。オンライン申請では、申請と同時に審査が可能となる一方、郵送の場合は、申請書類をデータ化し、システムに取り込んだ後に審査が可能となります。
 審査では、営業実態や要請への協力状況を営業許可証等により確認してございますが、過去に支給済みの店舗につきましては、書類の一部を省略可能としてございます。
 また、同一店舗からの重複申請や口座情報の誤りがないかなどを確認した上で支出の決定を行ってございます。
 それらの後、金融機関での処理を経まして、申請者の口座に入金される流れとなってございます。

○菅野委員 今の話では、例えば提出書類に不備が全くないと、きちっとした形で出ていますよという場合は、一番多分短いんだと思います。その場合は、申請から審査を経て支給まで、一連の手続にどれぐらい期間を要するのかお聞きしたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 申請受け付けから支給までの期間は、オンライン申請の場合、最短で二週間程度で処理できる仕組みを整えてございます。
 一方、郵送申請では、申請書類のデータ化や追加書類の提出のため、オンライン申請と比較して時間を要してございます。
 また、いずれの申請方法におきましても、申請者と提出書類の確認などを行う必要が生じた際には、電話連絡の上、必要書類の再提出を求めることとなり、審査完了まで時間を要することがございます。
 なお、直近の五月三十一日に受け付けを開始いたしました四月一日から四月十一日までの要請に係る協力金につきましては、これまでに約二万九千店舗の申請があり、そのうち、昨日までの二日間で約一万六千店舗の審査を行い、そのうち不備のない約一万店舗につきましては、重複申請や口座の確認を経た上で、六月十一日までには入金予定となってございます。

○菅野委員 最近の五月三十一日の、今のお話を聞きますともう、十一日ということは二週間かからないような予定であるということで、かなりスピーディーには感じますが、一方で、支給の迅速化に向けて、やはり問題、課題なのは、事業者からの問い合わせにきちっと対応し切れていないんじゃないかと。例えば電話はやっぱり不備があったりして、問い合わせ、それを聞こうと思ってもなかなかつながらないとか、そういったことで、スピーディーな審査がなかなかできない。
 これをやっぱり行える体制を確保するには、相談窓口であるコールセンター、こういったものが重要かなと思いますが、そこで、この協力金の相談窓口、コールセンターや審査事務局の体制について、どんなものか伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金の相談窓口であるコールセンターは、運営を民間事業者に委託しており、事業者からの問い合わせに対応できるよう、この間、体制の拡充を図ってまいりました。
 本年三月には五十名体制でございましたが、四月以降、順次人員を増強し、現在は百二十名となってございます。
 また、審査の迅速化を図るため、各局と連携して担当職員を確保するとともに、業務の一部を民間に委託することで体制の拡充を図ってまいりました。これにより、審査に係る人員は、本年三月の四百名体制から、現在、約六百名となってございます。
 今後、民間の力を一層活用することで、コールセンターや審査体制のさらなる拡充を図ってまいります。

○菅野委員 これまで体制の拡充を図られたということはわかりました。
 それでは、これまでのコールセンターや審査体制の強化の成果として、実際にどの程度、支給の迅速化が図られたかは、わかっていれば伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 申請受け付け開始から申請のあった全ての審査に着手し、おおむねの支給を完了するまでの期間は、十二月十八日から一月七日の要請に係る協力金においては、約二カ月半を要しておりましたが、審査の効率化や体制の拡充等によりまして、二月八日から三月七日の要請に係る協力金では、二十日程度短縮されているところでございます。
 今後につきましても、さらなる支給の迅速化に努めてまいります。

○菅野委員 これまで委託先業者の体制も含めて増員を図ってきて、審査や支給の迅速化に取り組んでいるというふうにお聞きしましたが、四月十二日以降の営業時間短縮要請に係る飲食店向け協力金では、今後、売上高により支給額が決定される仕組みが導入されると聞いています。このことによって、事業者の事業実態を踏まえた支給となるものの、その反面、提出書類が煩雑になることで支給のおくれにつながることが懸念されます。
 とりわけ小規模零細事業者の場合は、売り上げの記録を必ずしもとっていないというケースも多いと聞いています。
 こうした事業者の実情を十分に踏まえて、審査をできる限り簡素なものとして、協力金をいち早く支給できるよう対応すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 規模別協力金制度に関する国の実施要領では、店舗の売上高等を把握するため、事業者から、売り上げに係る帳簿の写しなどの提出を求めることとされてございます。
 一方で、都内の飲食店は小規模事業者も多く、事業者の実情を踏まえた申請方法とする必要がございます。このため、飲食関係の業界団体との意見交換を実施いたしまして、その中で、できるだけ簡略な申請方法としてほしい、一日ごとの売上帳簿の提出は困難であるなどの声をいただいたところでございます。
 こうした声を踏まえ、都では独自に定める簡素な様式により、月単位の売上高の申告をお願いすることといたしました。
 また、一日当たり売上高十万円以下の店舗におきましては、売上関係書類の提出を省略できることとしておりまして、これまでの協力金と同様に、最短で申請受け付けから二週間程度での支給ができる仕組みを整える予定でございます。
 これらによりまして、申請者の負担軽減や審査の簡素化を図り、早期の支給につなげてまいります。

○菅野委員 実際に、飲食関係の団体の方からのご意見もちゃんと確認した上で、申請者の事業実態に合わせた、提出書類についてもできるだけ負担が少ない形で準備ができるようにされたということ、そして、さらには、そういったことで審査体制も工夫することで、スピーディーに支給を進めてもらえることになるんじゃないかなと理解しています。
 ただ、そうはいっても、実際にはそのほかの、大半はここに該当する方かもしれませんが、それでも実際に売り上げで、審査しなきゃならない部分もたくさんあるわけですから、その辺も踏まえて、今のうちからそういった体制の調整というか、準備をしていっていただくことを要望しておきます。
 次に、大規模施設を対象とした協力金について取り上げたいと思います。
 デパートや集客施設などの大規模施設を対象とした協力金について、国の制度が示されていますが、映画館などの業界団体からは、支給対象者や支給額の計算方法などが複雑でよくわからず困っているという声が上がっています。
 このため、対象事業者に対して協力金制度をわかりやすく伝える工夫を行う必要があると思いますが、見解を伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 大規模施設を対象としました協力金につきましては、休業面積に応じて支給額がふえることに加えまして、大規模施設や百貨店、映画館には特別な加算があるなど、複雑な仕組みとなっております。
 都は、先月三十一日、協力金の実施概要を公表いたしましたが、概要では、支給の対象者、支給額、ご準備いただく書類、申請方法など、事業者が円滑に手続に入れるよう、協力金の制度についてわかりやすく整理をいたしました。
 また、今月七日には、今後、事業者が協力金の申請手続を円滑に進められるよう、申請手続に関する情報提供を行う専用のポータルサイトを立ち上げ、手続面でもわかりやすい工夫を行ってまいります。

○菅野委員 また、この協力金は、大規模施設向けの支給と大規模施設内のテナント向けの支給に分かれています。施設のオーナーとテナントがそれぞれ申請手続を行う必要があり、大変な手間がかかると心配する声があります。
 テナント事業者からは、そういった意味でも、小零細なところも多いわけで、そうした事業者に迅速に協力金を届けることが重要だと考えます。
 そのため、申請手続を簡素化する仕組みが必要と考えますが、見解を伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におきましては、大規模施設を運営する事業者が、テナント事業者の申請を取りまとめて手続できるようにすることで、事業者間の調整や提出書類の重複等を省略するなど、手続の簡素化を検討いたします。
 今後、申請の受け付け開始までの間、申請方法について丁寧に説明していくとともに、申請対象となる事業者団体などの声も聞きながら、簡素でわかりやすい申請方法などの検討を進めてまいります。

○菅野委員 オーナー側で一括してというのは、大変いい考えだと思います。
 今回の緊急事態措置に伴う協力金は、事業規模に応じて支給額が決定されるなど、事業者の実態に即した内容に改善された一方で、制度が複雑になって非常にわかりにくい、支給がさらにおくれるのではないかといった声も耳にしています。
 こうした中、ただいまの質疑で、一日も早く事業者の皆様に協力金が届けられるように、現場の声に丁寧に耳を傾けて、申請手続面、制度の周知面などについてさまざまな工夫を講じている点は確認できました。
 事業者の中には、手持ちの資金がもう底をつきつつあり、協力金、支援金がいつ入金されるかで事業が継続できるか否かが決まります。まさに死活問題といっても過言ではないところも少なくありません。
 今後とも、協力金などの迅速な支給に向けて必要な改善を重ねていくことを改めて要望して、次の質問に移りたいと思います。
 それでは、新たに開始する都の月次支援給付金について伺います。
 飲食店の休業や外出自粛等の要請により、人流の抑制が図られる一方、さまざまな業種の事業者に売り上げ減少などの影響が出ていることは事実です。
 都は今回、独自の支援給付金の制度を立ち上げることとしましたが、経営の下支えという観点からすると、より多くの事業者に支給できるような制度設計が望ましいと考えます。
 そこで都が、国の月次支援金に対して、上乗せと横出しを行うこととしましたが、支給対象となる事業者について、改めて伺いたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の月次支援金では、飲食店の休業や外出自粛等の影響により、昨年または一昨年の同月比で売り上げが五〇%以上減少しているなどの要件を満たせば、業種を問わず、さまざまな事業者が支給対象になり得るとされております。
 都といたしましても、国の規定を準拠し、幅広く売り上げが減少した事業者が対象となるよう検討を進めております。
 具体的には、飲食店の時短営業等の影響を受けて売り上げが減少した卸売市場内も含めた卸、仲卸などの流通関係事業者や、農業、漁業などの生産者、飲食店の廃棄物処理業者等を想定しております。
 また、外出自粛等の影響を受けているタクシーやバスなどの旅客運送事業者や、ホテル、旅館等の宿泊事業者などの旅行関連事業者なども支援対象と考えております。

○菅野委員 さまざまな業種の事業者が苦しい状況にあるわけですから、ぜひ広く支援が行き渡るように制度を構築いただくようお願いしたいと思います。
 それでは次に、申請手続について伺います。
 国の月次支援金では、オンラインでの申請を前提としていますが、小規模零細事業者にとって、オンラインでの申請はまだまだハードルが高く、申請を諦めてしまう場合もあるのではないかと考えます。
 こうした事業者も確実に申請ができるよう対策を講じるべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金の申請方法につきましては、オンライン申請を基本としつつも、パソコン等の操作が苦手な事業者に配慮いたしまして取り組むこととしております。
 具体的には、申請方法などに関する相談や、問い合わせに対応できる専用のコールセンターを設置いたしまして、個々の事業者の状況に応じたサポートを行いますとともに、郵送での申請も受け付けることとしております。
 こうした取り組みを通じまして、申請する事業者が円滑に手続できるよう、きめ細かく対応してまいります。

○菅野委員 小規模零細企業では、デジタル化への対応が困難な事業者も多く、オンラインのみの受け付けにすると、本当に支援が必要な方に届けることができなくなる可能性があります。
 事業者の実情に寄り添ったきめ細かなサポートをしていただくことを要望しておきます。
 また、七月以降、国が緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の対象から、この東京を外しても、感染防止の徹底の観点から、都は独自に、飲食店に対して引き続き営業時間の短縮を要請し、協力金も支払う場合も想定されるわけです。飲食店と取引のある関連事業者なども、当然経営は疲弊しており、多くの事業者の事業継続が困難になることも予想されます。
 しかしながら、現在の国の制度上では、月次支援金の対象地域からそれが外れてしまうことになります。そうした場合でも、中小事業者を支える観点から、都は独自に、売り上げが三〇%以上減った事業者に対して、月次の給付金を継続することを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、中小企業の感染症対策に対する支援について伺います。
 新型コロナ感染症との闘いが長期化する中、感染防止と経済活動を両立させるには、飲食事業者を初め、多くの事業者が感染防止対策をしっかりと行った上で営業を続けることが求められています。このため都は、都民が飲食店を初めとする店舗を安心して利用できるように、事業者の感染症対策を切れ目なく支援すべきと考えます。
 都は、中小企業などの感染症対策を助成する事業を実施していますが、これまでの実績と今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○緑川商工部長 東京都は、昨年六月から、業界団体が作成した感染拡大予防ガイドラインに沿って、中小企業が感染防止対策に取り組む際に、備品購入費や換気設備工事等に要する経費の助成を行っておりまして、昨年十二月までの受け付けに対しまして、五千百二十四件の交付決定を行いました。
 また、本年一月より、CO2の濃度測定器などの消耗品を助成対象に加えたほか、四月より、コロナ対策リーダーを配置する飲食事業者等の消耗品の購入に対する助成も開始いたしまして、五月末現在で一千八百六十一件に対して交付決定を行っております。
 このように、飲食事業者等を取り巻く厳しい経営環境の中でも、事業継続に向けて感染症対策に取り組む事業者が依然として多いことから、当該事業の申請期間を十月末まで延長をいたします。
 こうした取り組みによりまして、飲食事業者等の感染症対策をしっかりとサポートしてまいります。

○菅野委員 中小企業の感染症対策の支援が多くの事業者に既に利用されており、今後もさらに延長されるということを確認しました。今後とも、事業者の実情をよく理解し、寄り添った支援を実施していただくことを期待して、次の質問に移ります。
 コロナ禍で厳しい経営環境ではありますが、未来を見据えて、新たな事業展開に取り組もうとする中小企業もあります。
 例えば、新しい設備や機器を導入して、これまでとは異なる取引先を開拓することや、これまでの技術やノウハウを転用して、コロナ禍で生まれたニーズに対応した新製品の開発などに取り組むことが考えられます。
 都は、こうした中小企業の意欲的な取り組みに対して、寄り添った支援を行うべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○緑川商工部長 厳しい経営環境の中でも、コロナ後を見据え、新規事業に取り組む中小企業を支援することは重要でございます。
 このため都は、ヘルスケアや環境といった成長産業分野などへの新しい事業展開に向けまして必要となります最新設備などの導入に係る経費につきまして、三千万円を上限に助成をいたします。また、助成率を五分の四まで引き上げることで、売り上げが減少した中でも新たな設備を導入しやすい仕組みといたします。
 今後とも、コロナ禍における制約の中でも意欲的に取り組む中小企業を後押ししてまいります。

○菅野委員 助成率も新たに引き上がるということでございます。
 緊急事態宣言の延長で、都内中小零細企業の経営は一層厳しい状況となりますが、新たな収益の確保を目指し、コロナ後を見据えた前向きな事業展開に取り組む事業者も、着実にこうした制度でサポートするよう要望しておきます。
 次に、都内中小零細企業への資金繰り支援について伺いたいと思います。
 感染症の影響の長期化に伴って、営業時間短縮や休業の要請などが続いていて、中小企業はこれまで以上に厳しい経営環境に置かれています。
 さらには、昨年度、都が実施した実質無利子融資の利用企業では返済が始まっていて、先行きを見通せない中、事業者からは今後の資金繰りに不安を抱えているとの声が数多く寄せられています。
 都は、こうした苦しい状況にある中小零細企業に寄り添い、金融支援のさらなる充実を図るとともに、そうした支援策が必要としている事業者にしっかり届くように取り組んでいく必要があると考えますが、見解を伺いたいと思います。

○篠原金融部長 コロナ禍が長引く中にありまして、中小企業の事業継続を支えていくためには、きめ細かな金融支援が重要でございます。
 このため、今回の補正予算案では、現下の厳しい経営環境を踏まえ、今年度、感染症対応融資として開始した伴走全国と伴走対応の融資メニューにおきまして、信用保証料補助を拡充することといたしました。
 具体的には、この二つの融資メニューにおきまして、融資金額四千万円までの信用保証料の事業者負担をゼロにするとともに、伴走対応のメニューでは、融資金額四千万円を超える部分の補助率を、従来の二分の一から四分の三に拡大することとしております。
 また、こうした制度の利用促進に向けまして、金融機関や中小企業団体と連携しながら周知を図りますとともに、SNSによる発信なども通じてPRを強化してまいります。

○菅野委員 今後とも、こうした都内中小零細企業を金融面からしっかりと支えていただくよう要望しておきます。
 そして、この制度融資を取り扱う金融機関などに対して、ぜひ事業者の実情に応じたきめ細やかな対応、簡単にいえば、なるべく、積極的にというとあれですが、コンサルというわけじゃないんですが、一番身近なところにいる金融機関さんが、やっぱりこうした実情をよく知っているわけですから、逆にこういった制度があるよということも前向きに勧めていただけるような、そうした対応もお願いしていただくよう、ぜひ徹底していただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が二年続けてゴールデンウイークを直撃しました。観光事業者にとっては、大型連休の旅行需要の蒸発によって非常に厳しい経営状況が続いています。
 そして今回、緊急事態宣言の再延長もあって、国内旅行の需要回復も見通せない状況になっていて、事業者からは、今は耐えるしかないといった悲痛な声が上がっています。
 一方で、ようやくワクチンの接種が始まり、もう少しの辛抱だから頑張ろうという将来の旅行需要回復に期待をする声もあって、感染拡大防止と経済活動の両立に向けた取り組みを今進めていくことが重要だと思います。
 こうした中、国は、今般の緊急事態宣言の発令、それに伴う外出、移動の抑制などにより、宿泊事業者が大変厳しい経営状況に置かれていることから、宿泊事業者による感染防止対策などへの支援に取り組む都道府県に対して、財政支援を行うことを発表しています。
 都では昨年度より、宿泊施設の非接触サービスなどの導入などを支援する事業を実施していますが、今回の国の支援措置を踏まえ、宿泊事業者の感染防止対策の強化などに向けてはどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○築田観光部長 都ではこれまで、宿泊事業者が行う自動チェックイン機やサーモグラフィー、アルコール噴霧器など、感染防止対策に資する機器類の購入を支援してまいりました。
 宿泊施設では、多くの客室や浴室、レストラン、ロビーといった附帯施設を有し、感染防止対策に多額の費用を要するため、国による財政支援措置を活用し、助成事業の拡充を図ることといたしました。
 具体的には、これまで助成の対象外であったマスクや消毒用アルコール、使い捨て食器類といった経常的に使用する消耗品の購入とともに、自動ドアや換気設備の設置等、施設の改修などについても対象といたします。
 あわせて、助成限度額も二百万円から四百万円に引き上げるとともに、申請受け付け期間を十月三十一日まで延長いたします。
 こうした支援により、宿泊事業者の感染防止対策を一層促進し、旅行者等の安全・安心な滞在環境を確保してまいります。

○菅野委員 今回の都の取り組みは、宿泊事業者の感染防止対策を後押しすることにより、感染防止対策と経済活動を両立させていくために効果的であると考えます。また、宿泊事業者だけではなく、飲食店や土産物店などの観光事業者も大変苦しい状況です。
 都はこれまでも、感染防止などの先進的な取り組みへの支援や、オンラインセミナーの実施など、観光事業者の経営力を高めるための支援を実施してきています。
 一方で、事業者がこの長引くコロナ禍を乗り越えるためには、コストの削減など経営改善に向けた取り組みを速やかに実行に移していくことが重要です。
 とはいえ、これまでも繰り返し述べられているように、観光事業者の多くは中小零細であることから事業者に寄り添った支援が求められます。
 こうした状況を踏まえて、都は、観光事業者の経営改善などに向けた取り組みに対して、どのように支援していくのか伺いたいと思います。

○築田観光部長 中小零細の観光事業者が、コロナ禍の厳しい経営環境の中、業績を回復させていくためには、感染防止対策の徹底とともに、効果的な経営改善策を着実に実行していく必要がございます。
 そのため都は、観光事業に精通する専門家のノウハウを活用し、売り上げのアップやコスト削減による効率化等に取り組む事業者を支援いたします。
 具体的には、専門家による個々の実情に応じたアドバイスに基づきまして、旅行業者等が行うプロモーション手法の見直しや予約サイトの構築、飲食店や観光施設等が実施する混雑状況の表示システムの導入など、旅行者の利便性を高める取り組み等に対し、百万円を上限に経費の三分の二を助成いたします。
 観光事業者が抱える課題に的確に対応していくことで、経営改善を実現し、事業継続につなげてまいります。

○菅野委員 感染症の影響が長引いていて、観光関連の事業者の経営状況は極めて深刻になっています。そのような中でも、事業継続に向けた前向きな取り組みをしっかり支援していただくことを要望します。
 これまで今回の補正予算について、厳しい状況にある都内中小零細企業の実情に即した支援であるか確認をさせていただきました。
 中小零細事業者の声も聞き、事業者の実情も踏まえて、申請手続の簡素化などを図ることは評価できるところでありますが、それも協力金などの支給が速やかに行われてこそ意義のあることだと思います。協力金の支給に当たっては、委託事業者を含めた事務体制を早急に強化するなど、迅速な支給に向けてさらなる改善を図ることを改めて強く要望しておきます。
 また、今回の補正予算で新たに実施することとした国の月次支援金への上乗せや横出しによる給付は、コロナ禍で経済活動に制約が加えられる中でもなかなか支援が届かなかった多くの業界にとって待望の支援となるものです。
 しかし、国の一時支援金の申請では、制度が複雑で申請手続も難しいとの声も聞かれます。
 今後、都の給付金制度をわかりやすく説明するとともに、申請のサポートも丁寧に行うことで、申請書類の不備が頻発し、支給のおくれが生じることなどがないように工夫を図ることも強く求めておきます。
 加えて、今回実施する協力金や月次支援金の上乗せ、横出し給付は、その財源の多くを国の臨時交付金に頼ったものであることを指摘しておきます。
 さまざまなコロナ対策を進めたことで都の財政調整基金は底をつき、国と連携した対応がこれまで以上に求められます。
 こうした中、我々都議会自民党は、必死な思いで事業の継続に奮闘する経営者の皆様一人一人にじっくりと向き合い、現場の声にしっかりと耳を傾けた上で、知事に対してだけではなく、国政に対しても必要な施策を提言してまいりました。極めて厳しい経済情勢の中で、東京の産業を支える中小企業を維持発展させるのに、単なる思いつきやパフォーマンスともいえる提案、理想や理念だけの政策は必要ありません。
 都議会自民党は、今後とも現場の実情に即した実効性の高い施策を展開し、都内中小企業とそこで働く方々に効果的な支援を届けることをお誓いして、私の質問を終わらせていただきます。

○けいの委員 よろしくお願いします。
 重複しているところは次々と飛ばさせていただきますけれども、初めに、月次支援金の件でございます。
 これまでの質疑において、国の行う月次支援金、これは五〇%減の、それこそ幅広い企業が対象になるわけですが、私たちのもとには、五〇%減に至らなくても本当に苦境に立たされている企業がたくさんあるという声が届いておりました。
 小池知事にも緊急要望をたびたび繰り返しまして、今回都が行うようになった都の独自の上乗せ、横出し、これまで質疑にあったとおりであります。
 本年の四月、五月、六月分を、昨年また一昨年の同月と比べて、東京都は三〇%減から対象にするということでございます。三〇%減に基準を定めたこの件につきまして、昨日の本会議において、我が党の高倉議員が代表質問でも明らかにしていただきました。
 国の制度では対象とならない中小企業について幅広く支援するという、こういう答弁でありました。
 東京都が売り上げ減少の基準を三〇%減から対象にした、設定した理由をお尋ねいたします。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の月次支援金の対象となっております売り上げの減少が五〇%以上の事業者は、都が毎月行う景況調査によりますと、約二割となってございます。
 一方で、国の制度の対象となっていない売り上げの減少が三〇%以上五〇%未満の事業者も、同様に約二割となってございます。
 国の制度が対象とする事業規模と同程度まで対象範囲を広げることで、売り上げが減少した事業者の約四割まで支援することが可能になります。
 厳しい状況下にある事業者を幅広くサポートするために、都独自の制度といたしまして、売り上げの減少が三〇%以上の事業者まで対象範囲を拡大したところでございます。

○けいの委員 ありがとうございます。今ご答弁いただいたように、国の制度で五〇%以上の減少を対象にすると事業者の約二割、そして景況調査によって東京都が掌握している範囲内で三〇%減、ここを対象にすることで東京都が対象にできるのが約二割と、合計で全事業者の四割が対象になるという答弁でありました。
 逆にいうと、六割の事業者は三割減まで至っていないという、こうしたコロナ禍でも本当に一生懸命踏ん張ってこられた中小企業の事業者の皆さんに本当に敬意を表したいところですが、東京都が二割、国が二割、事業者を対象にできたことになるということで、三〇%減から五〇%減未満、ここを対象にしたことは的確であるというふうに思います。
 月ごとの売り上げ減少に応じて支給されるという給付金ですが、支給上限額、それから金額の設定について改めて確認させてください。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金は、月ごとに売上高の減少額に応じて支給額を決定することとしております。
 支給上限額は、国の月次支援金に加算する上乗せ支給では、酒類販売事業者の中小企業が二十万円、その他の事業者の中小企業が五万円でございます。
 また、国制度の要件緩和により支給する横出し支給では、酒類販売事業者とその他の事業者の中小企業はいずれも十万円としております。
 個人事業者に対します支給額につきましては、いずれの場合でも、中小企業の二分の一としております。
 なお、支給額につきましては、事業者が得る売上額や国の月次支援金を考慮した上で、都独自の支給額を総合的に勘案して設定しております。

○けいの委員 対象企業の割合、それから企業の対象業種の拡大、ここについては評価をしたいんですが、やはり今、答弁いただいたように、お酒を販売している酒類販売事業者は中小企業二十万、その他では中小企業で五万、個人事業ではその半分ということで、金額としたら、事業を経営されている方が月額五万円とか二万五千円とかという金額では事業経営の支えに、ないよりはいいという程度で、これまで質疑にあったように、煩雑な申請をしながら数カ月後にやっと入ってくるのが三万円とか五万円とかでは、事業経営者には、子供のお小遣いじゃありませんから、これはどれだけ足しになるかという意味では、事業規模そのもの、今回のこの規模は、少し事業主さんにとっては不満が残る金額になってしまうというふうに思います。
 続いてですが、これも重複しているので簡単に進めさせていただきますけれども、給付対象について、緊急事態措置に伴う飲食店の休業要請、外出自粛によって五割以上減少していれば、業種や地域は問わずに対象としておりますけれども、都の月次支援給付金について、給付対象者、これはどこまでを対象にするのか、見解を求めます。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 給付対象者につきましては、国の制度に準拠して設定する予定でございます。
 具体的には、都内に本社、本店のある中小企業者及び都内に住所を有する個人事業主を想定しております。対象事業者が、例えば時短営業等により、飲食店に対して商品やサービスが継続的に提供できなくなった場合や、外出自粛等により都内の観光地等で商品やサービスを提供できなくなった場合などにより売り上げが減少することが考えられます。
 このため、売り上げ減少に着目し、要件を満たせば業種は問わない方向で支給するよう検討を進めております。
 なお、国の月次支援金と同様、店舗単位ではなく事業者単位で支給することとしております。

○けいの委員 要件を満たせば業種は問わない方向であるということがポイントであります。
 ただし、国の月次支援金と同様に準拠するということで、店舗単位ではなくて事業者単位になってしまうと。これが飲食店に時間短縮協力を求めて、飲食店には店舗ごと、それから金額の差も大きくあります。
 それ以外の方、飲食店じゃないけど経営厳しいよという方を広く対象にしたはいいんですが、事業者単位であったり金額が少なかったりと、こういう課題はいまだ残ると思います。
 国の考えに準拠して対象を決めていってその上で、都の月次支援金の対象となる事業者数は、上乗せ、横出し、それぞれどの程度になるんでしょうか。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 経済センサスや都の景況調査等をもとに、国の月次支援金に加算する上乗せ支給につきましては、中小企業で四・二万者、個人事業者で一・四万者の合計五・六万者を想定しております。
 また、国制度の要件緩和により支給する横出し支給につきましても、同様に中小企業で四・二万者、個人事業者で一・四万者の合計五・六万者を想定しております。

○けいの委員 上乗せ五・六万、横出し五・六万という答弁でありました。
 この五万六千者、それぞれが上乗せも横出しも五万六千者ずつという想定でありますけれども、これも先ほど来、質疑されておりますので省略させていただきますけれども、国の支援に上乗せする場合は国の申請のその後に簡略できる、ただし、横出しは東京都独自の制度でありますから、東京都に対しての申請手続が必要になってまいります。
 そこで、東京都の申請簡略化をということで先ほど来ありましたけれども、簡略化といつから始めるかということと、まずはこの受け付け、いつごろを目安にどういう準備を進めているのか、答弁いただきたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業者の方々の多くは、早期の支給や申請の負担軽減を望んでおります。また、小規模事業者の中には、パソコン等の操作にふなれな経営者も多い状況がございます。このため、申請が円滑に進みますよう、コールセンターの設置や郵送による申請などの取り組みを行う予定でございます。
 また、申請書類の簡素化による手続の軽減や迅速な支給に向けた体制の構築など、先行する国や他自治体の事例等も参考にいたしまして、制度設計を進めてまいります。
 今後のスケジュールにつきましては、本定例会で議決をいただいた後、速やかに手続に着手し、早期に受け付けが開始できるよう準備を進めてまいります。

○けいの委員 まずは始まるのが、四月、五月、六月の売り上げを、昨年、一昨年の同月と比べてという支援ですから、早くても七月以降と。六月と比べなければいけませんから、七月に入ってから、その書類を集めて申請をする、それを受け付ける準備ということになります。四、五、六のものが七月から受け付けが五万六千者、五万六千者と入ってきて、八月、九月、十月と。四月ごろの給付金が夏を終わってから届くようなことがないようにしたいと思います。
 それから、これは所管が違うので本来ここで問うことではないんですが、もしご存じでしたら教えてもらいたいと思います。
 国の五〇%減が対象になる月次支援金、これは課税対象になるのか。それから、東京都が上乗せした分、横から出した分、これは東京都が行うものが課税対象になるのか、もしお答えできれば可能な範囲内でお願いします。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の支援金制度といたしましては、例えば、国の持続化給付金や家賃支援金などは課税の対象となっております。
 今回の月次支援金につきましては、国の方と調整いたしまして、都の課税対象も含めてこれから調査し、またご報告させていただければと思います。

○けいの委員 これから調整ということですけれども、昨年来、持続化給付金が対象か対象外かとか、東京都が独自に当時行っていた協力金が課税対象なのか外れるのか、これ本当に、国民、都民にとってはわかりにくくて、国と東京都、出どころが違うだけで縦割りの局地といえるような、そういう混乱があったと思いますので、今回も国のものに上乗せした部分が課税になるとか、三〇%減から対象にしたのに、こっちは東京都がやった分は課税対象になってしまうとか、立て分けをしっかり調整した上で、わかりやすい発表にしてもらいたいと思います。
 協力金について質問させていただきます。
 我が党は、第一回定例会の質疑、私も討論に立たせていただきました。再三にわたって、飲食店向けの協力金は事業規模に応じて支給額を決定するべきだというふうに訴えてまいりました。
 しかし都は、その実現に向けてさまざまな課題があるといった理由で導入を見送ってまいりました。新たな差別を、不公平感を生むおそれがあるということでした。
 営業に対する補償金ではなくて、時間短縮に対する協力金という位置づけであるということだったと思います。これは、テレビ、マスコミを初め、本当にたくさん報道されて、特定の地域では、当然、当初の協力金では足りず、足りない足りない、こういう報道がされる中で、地域はどうということではないんですが、私の地元なんかでは、一人で営業されている飲食店が割合多いと感じます。
 そういう方々にとっては、一日六万円、百八十六万円毎月もらっている人たち、これに対する飲食店内で足りるか足りないかという不公平感だけじゃなくて、それ以外の区民、都民の方から、飲食店だけあんなにもらって、それこそご苦労は強いているわけですけれども、もらい過ぎだという声が、地域によっては偏りがあったのではないかと思います。
 私の地元では、大多数がそんなに稼げていないでしょうというようなお店が百八十万を何カ月ももらっていたような、当然手続も大変だし、事業も苦境に立たされていることと思いますけれども、こうしたいろんな声がある中で、なぜ今回、事業別の協力金が導入できることになったのか、都の見解を求めます。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業規模に応じた協力金の導入に当たりましては、規模をあらわす指標として、売上高のほか、店舗面積や従業員数などが考えられました。
 そうした指標が自治体ごとに異なると新たな不公平感を生むおそれがあったことなどから、事業規模に応じた協力金の仕組みは、国が統一的な基準に基づいて制度構築すべきとの考えのもと、一都三県で連携して国に要望を行ってまいりました。
 こうしたことを受け、本年四月に国から売上高に応じた協力金制度の方針が示されたため、都としても実施することとしたところでございます。

○けいの委員 その理屈はわかるんですけど、一都三県と足並みそろえたといって、こんなときだけ足並みそろえるんじゃなくて、店舗面積だとか従業員の人数だとか、事業の規模だというのはこっちがずっといってきたことで、そもそも東京都内で飲食店を経営するということ自体が、他県で商売をするのとハードルの高さが全然違うわけです。
 もともとそういう状況で頑張っているのに金額は他県とそろえますという、国が変えるまで変えませんという、これが不公平感を既に生んでいたわけで、自治体ごとに指標が変わると新たな不公平感を生むというのは、もともとそのほかの不公平感があることは認識していながら東京都は放置していて、国に要望していましたという、こういうことがこれまで繰り返されてきました。
 それは、特定の地域、繁華街、地価の高いところ、賃料の高いところでの商売と、割と郊外の地域では全く状況が違うわけですから、本当にこれを今になってやったのがよかったのか悪かったのかといえば、私は東京都の手が遅かったというふうに思います。
 これまでさんざんできない事情だけを、できない理由だけを議会で答弁されてきましたけれども、どうすればできるかということを本当に検討していたのか。
 この場所だけで、協力金の件だけは他県と歩調を合わせます、これはどうも私は、いまだに納得がいかないわけですけれども、今回のこのスケジュール感も、四月十二日から五月十一日の分、これを六月三十日から受け付け開始して、先ほどの委員からのやりとりでは、この制度で喜ぶ人が出てくるという、そういうスピーチがありましたけれども、私は六月三十日から受け付け始まって、七月、八月ごろ入ってくる新たなこの事業規模の協力金、本当にそれで喜ぶ人が出るのかどうか、それまで商売がもつのかどうか、もらい過ぎている人が喜ぶ一方で困ってる人を救い切れなかった、そういう状況で、オリンピック、テレビ観戦、本当に心から楽しめる夏が来るのかどうか、本当に疑念が残ります。
 今回導入される飲食店規模別協力金、店舗単位での売上高を用いていくということですけれども、支給金額、提出書類、制度の基本的な仕組みを改めてお伺いします。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国は、事業者の経営への影響度合いに応じた支援となるよう、本年四月一日以降、緊急事態措置区域または蔓延防止等重点措置区域において、事業規模に応じた協力金制度を開始いたしました。
 支給額につきましては、店舗ごとの飲食事業の売上高または売上高減少額に基づきまして、一日当たり一店舗二十万円を上限に要請日数分を支給することとされてございます。
 これに基づき、都におきましては、四月十二日から五月十一日の要請に係る協力金につきましては、一店舗当たり最大六百万円、五月十二日から五月三十一日及び六月一日から六月二十日の要請に係る協力金につきましては、一店舗当たり最大四百万円をそれぞれ支給することといたしました。
 申請に当たりましては、事業者から売上金額を証する帳簿の写しなどの提出を求めることによりまして売上高を把握し、それに応じて協力金を支給してまいります。

○けいの委員 ありがとうございます。
 大多数の小規模の店舗に関しては、一日十万円以下の売り上げの場合は、支給額は、給付額は四万円ですので、この売り上げ一日十万円以下は提出書類は必要ないと、売り上げを示す書類は必要ないという先ほど答弁ありましたので質問を省略しますけれども、今、答弁していただいたように、一店舗当たり最大六百万円、それから、最大四百万円、六月からの二十日間で四百万円ということになります。
 これもお答えできる範囲で結構ですけれども、今回のこの事業規模別の協力金、それからこれまで給付されてきた協力金、これは課税対象になるんでしょうか。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、事業の実施に向け準備を進めておるところでございまして、日々、国に事業の詳細等について確認をしているところでございます。
 その中で改めて、その点につきましても確認してまいりたいと思います。

○けいの委員 済みませんでした。
 去年の十一月、十二月から協力金を受け取っている事業主さん、いろんな方いらっしゃると思いますけれども、適当な数字ですけれども、例えば月百万とか百五十万というのを、これまで半年にわたって、合計にすると五百万、六百万を超えてきて、それこそいろんな支援金も合わせて一千万、給付金だけで一千万を超える、個人事業主だったら所得税率が三三%まで上がってしまって、住民税も上がる、健康保険も上がる、物すごい金額が翌年以降課税されてくるということを、恐らく、特に年配の方は何もそういう懸念を考えずに、もらえるものはもらっておくということで、持っている分いろんなものに使っているというのも、具体的なお話はあれですけれども、入ったお金でいろんなことに投資して、これまでできなかったことに支出しているお店があります。
 これ来年になって、来年度というんですかね、新たな住民税、健康保険、どかっと上がって、こんなに税金、支払うお金持っていないということにならないように、これは協力金と別次元の話ですけれども、こうした事業者さん、月次支援金も対象は五万六千、五万六千で十二万件ぐらいになるわけですから、東京都としてはこういう事業主さんに、来年度以降の、当然売り上げがなくての協力金なので、大きく例年と変わることはないのかもしれませんけれども、生活が激変してくる可能性があるということまで視野に入れておくべきだと思います。
 今回の規模別協力金では、売上高に応じて支給金額が変わっていく、四万円から月額にすると最大六百万円までふえていくと。このような制度内容で、我が党が繰り返し主張してきたように、国の方針決定を待たずに、さほど難しいシステムじゃないと思いますので、都独自に事業構築を行って、早期に実施することができたのではないか。結果的に規模別の協力金の支給を行うのであれば、もっと以前から前向きに検討して取り組むべきであり、対応が遅かったといわざるを得ない。
 こうした点について、都はどういうふうに考えているのか、改めて見解を求めます。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業規模に応じた協力金制度につきましては、昨年度、一都三県で複数回にわたり意見交換を重ねてまいりました。
 この中で、自治体間で協力金制度が異なれば、事業者の混乱を招き、新たな不公平感が生じかねないため、国から事業規模をあらわす指標など明確な基準が示されない中では、実施は困難である点などを共通認識として確認していたところでございます。
 こうしたことから、統一的な基準に基づく制度構築について、一都三県で連携し、本年一月二十九日以降、四回にわたり国に対して要望を行ってまいりました。
 今回、国から新たに事業規模に応じた協力金制度が示されましたのは、こうした働きかけの結果であると考えてございます。

○けいの委員 自治体間で制度が異なると混乱を招く、不公平感が生じる、東京都が独自にやらないから都内の事業者がずっと不公平感を感じて混乱をしてきたという事実を、ぜひ産労局の皆さんに知っていただきたい。
 その上で、再三にわたって一都三県、一都三県というのであれば、ぜひ小池知事にも、その他のことについてもしっかり一都三県、国ともしっかり連携をして、今後の事業、国難を乗り越えるために国政との連携こそ一番大事なんだということを、ぜひ皆さんの方からもいっていただきたい。
 きのうの代表質問で、ある会派は、国の出先機関じゃないんだと、我々、各会派のことを、どの会を指したかわかりませんが、やゆしておりました。
 小池知事も一時期は、その出先機関の本社なんでしょうか、国政進出を狙いながら、あわや都議会の最大会派も出先機関に甘んじていた時期もいっときあったかのように私は記憶しております。
 一都三県のみならず、国との連携、これをしっかり政府と連携しながら、国難を乗り越える、その先頭に東京都が立つという、こういう決意で私たちも働いてまいりたいと決意しております。
 長くなりましたが、以上で質問を終わらせていただきます。

○菅原委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十五分開議
○菅原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 東京都は、第一回定例会終了後、三回にわたる補正予算を専決処分し、今回、第二回定例会にも、コロナ対策の補正予算案、それに加え、専決処分と追加の補正案を提案しています。蔓延防止等特別措置の期間が終了する前に三回目の緊急事態宣言を行い、さらに延長し、また再延長するということです。
 私の地域で行った都政、コロナ、暮らしアンケートには、これまでのアンケート以上に市民の方から回答が寄せられました。
 今回のアンケートで一番大きな特徴だったのは、この一年間で暮らし向きがどうなったかという質問に対して、悪くなったと答えた方たちが過半数を超えて五二%になっていたことだと私は感じています。都民の暮らしが本当に大変になっているなということが、アンケートの中にもあらわれました。
 商店街での聞き取り調査でも、全ての業種にコロナの影響が大きくなっており、協力金の出ない業種であっても、ブティックや化粧品店、寝具店などでも、商店街からお客さんが激減し売り上げが減っている、今後の展望が見えないと悲鳴が上がっています。
 中小業者の団体では、都や国、区市町村の支援は全て活用して商売を守ろうという合い言葉で、コロナ対策の融資なども積極的に活用してきたといいます。
 最初に、中小企業の制度融資について伺いたいと思います。
 これまでの新型コロナ対応融資は三月末で終了しましたが、これまでの利用実績はどうなっているのか伺います。

○篠原金融部長 令和二年三月に開始いたしました新型コロナ対応融資の令和三年三月末までの実績は、都独自の三メニューの合計で約十一万一千件、融資金額は約三兆六千億円となっております。
 また、国が費用を負担いたします感染症全国のメニューでは、約十一万四千件に対して、融資金額は約二兆二千億円となっております。

○尾崎委員 都独自の三つのメニューの利用実績が、金額で約三兆六千億円ということです。
 二〇一九年度の全ての制度融資の実績が九万二千九百三十件、金額は一兆三千四百九億円ですから、コロナ禍での新型コロナ対応融資が多くの中小企業にとって重要な役割を発揮したものであり、中小企業からしてみれば必要なものであったということがわかります。
 新型コロナ感染対策融資について、これまでの新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は、据置期間は最長で五年でしたが、今回の融資メニューの据置期間はどうなるのか伺います。

○篠原金融部長 今年度実施しております感染症対応融資の据置期間につきましては、国の全国統一保証制度を活用する融資メニューである伴走全国については五年以内となっております。
 また、都がこの伴走全国に独自に上乗せして実施いたしますメニュー、伴走対応では、セーフティーネット保証四号、五号を利用する場合には五年以内、危機関連保証を利用する場合には二年以内となっております。

○尾崎委員 私は、第一回定例会の予算特別委員会で、コロナ対応緊急融資の据置期間について質問しました。
 据置期間は五年以内となっているんですけれども、五年にしてほしいと要望しても据え置きは一年とされたなどの実態を示して、どうなっているのかただすと、産業労働局長は、新型コロナ対応融資の昨年十二月までの利用状況は、据置期間は一年以内に設定されたものが六割、一年から三年以内が三割、三年から五年以内は一割程度との答弁がありました。
 据置期間が一年以内に設定されたものが六割という状況では、コロナの感染状況がおさまらず、経営の状況は深刻さを増している中で返済が始まってしまいます。コロナの影響で経営状況が厳しくても、それは経営者の責任ではありません。
 今回のコロナ対策融資でも、これまでの実績や本人の希望を優先して据置期間を決めるよう、都としても金融機関に指導することを強く求めるものです。
 今年度の、今回の新型コロナ感染症対策融資では、信用保証料補助や利子補給について都の支援が見直されていますが、その背景を伺います。

○篠原金融部長 昨年三月から本年三月まで実施いたしました新型コロナ対応融資につきましては、感染症による影響の顕在化に伴って発生した中小企業の緊急的な資金不足に対応することを主眼としてまいりました。
 今年度から実施しております感染症対応融資につきましては、コロナ禍の影響の長期化等も踏まえながら、中小企業の経営や事業継続をよりきめ細かく支える観点から、金融機関の継続的なサポートにより、経営の安定や生産性の向上等を図っていく融資メニューにしております。

○尾崎委員 三月末で終了したコロナ対応融資は、最初の三年間は無利子であったことが、融資を借りてみようという決断を後押ししたと思います。コロナの影響は、ことしになってからがより深刻になっているので、国の支援がなくても、都としての支援を行うことを強く要望するものです。無利子が無理なら、せめて三分の二を都が利子補給するなど、検討を要望するものです。
 金融機関は、事業者、中小企業のことをよく知っています。金融機関の伴走支援で後押しをするのは重要ですが、具体的にどのような支援を考えているのか伺います。

○篠原金融部長 今年度の感染症対応融資の利用に当たりましては、中小企業が金融機関との対話などを通じまして経営行動計画を作成することとしております。
 この計画は、作成した事業年度から起算して三年から五年にわたる内容でございまして、金融機関は、この計画に基づき、原則として五事業年度にわたり、四半期ごとに各企業のフォローアップを行うこととなっております。
 具体的には、事業者から経営状況の確認と計画の実行状況の報告を受けて、必要に応じて指導助言等の追加的な経営支援が行われることになります。

○尾崎委員 コロナの影響は深刻で、今後の見通しが見えないことが、より経営改善の手だてを見えにくい状況にしていると思います。
 経営者や企業の努力で改善できることは容易でない中で、伴走型支援であっても、改善につなげていくことはそう簡単ではないと思います。長期的な視野や専門的な知識がこれまで以上に求められるので、金融機関任せではなく、都として金融機関の職員への支援が求められると思います。専門家による研修や取り組みの交流など、工夫した支援を求めておきます。
 次に、事業転換支援融資について伺っていきたいと思います。
 この間の自粛要請や営業時間短縮要請などに伴い、都の支援も受けて、飲食店などはテークアウトや宅配に業態変更したり、ホテル、宿泊業の方たちはテレワークのサテライトオフィスに変更した事業者の方もいますが、多くの事業者は、今のままでいいのかと考えながらも、先が見えないために決断できずにいらっしゃる方が多いというのが実態だと思います。
 そもそも中小業者の皆さんは、自分の商売、自分の技術に誇りを持っています。だからこそ、コロナの感染拡大の中で思うように商売ができないことを悩んでいるのです。
 中小企業が事業転換を検討するには、一定のコロナ後の経済状況や消費者のニーズについての認識がなければ決断できないのではないかと考えますが、事業転換について、都として市場調査などを行う必要があると思いますが、いかがですか。

○篠原金融部長 コロナ禍の影響に伴います経済の動向や、事業者、消費者等のニーズの変化につきましては、国のほか、東京商工会議所などの支援機関や民間の調査機関などがさまざまな調査を実施し、その結果を公表しております。
 都におきましても、毎月実施しております中小企業の景況調査のほか、相談や各種事業に対する事業者の声などを通じ、経済動向や事業者ニーズ等を把握しているところでございます。

○尾崎委員 都においても経済動向や事業者のニーズなどを把握しているということでしたけれども、事業転換支援融資を申し込む前の相談窓口の拡充が必要だと思いますが、この点についてはどのように考えていますか。

○篠原金融部長 東京都では、都庁内に融資に関する相談窓口を置きますほか、中小企業振興公社などにおきまして経営支援を行うワンストップ相談窓口や経営改善に特化した相談窓口などを設置しておりまして、事業転換を含めまして、中小企業の抱えるさまざまな経営課題を解決するために必要な相談体制を提供しているところでございます。

○尾崎委員 コロナの感染拡大が一年以上になって、駅前や商店街の中で廃業や休業が目立っています。
 私の地元東大和市内でも、地域で有名な料亭やおすし屋さんなどが、この間、廃業が相次いでいます。おそば屋さんは、営業時間短縮要請があり、お客さんたちは夜ほとんどまちを歩いていない、お昼のランチだけでは従業員の給料は払えないと悲鳴が上がっています。
 中小業者の皆さんは、自分の商売、ものづくり、技術などに誇りを持っています。もうけることが一番ではなく、その根底には、人の役に立ちたい、社会の役に立ちたいと思い、自分の得手を生かしたもので生計を立てたいという気持ちが強くあります。中小業者の思いに寄り添い、商売を継続させるための相談窓口の拡充をさらに強く求めるものです。
 次に、協力金について質問をしていきたいと思っていますけれども、重複をできるだけ避けながらと思っています。
 この間の、協力金の申請の受け付けから支給までの期間はどのくらいかかっているのかなということを思っていまして、質問する予定でしたが、何人かの委員からも質問があって、オンライン申請の場合だと最短で二週間程度ということもわかりました。処理できる仕組みを整えているんだという答弁もありました。個別に、例えば書類が不足などという点では、多少時間がかかるということもわかりました。
 最近の新聞によると、毎日新聞の報道ですと、協力金を支給する一部で大幅におくれているという報道がされています。
 三月末までの支給率を取材したところ、京都府、大阪、東京都は二割台にとどまっているということを報道されていて、東京都は、一月八日から二月七日分の協力金の申請受け付けを二月二十二日に始めたと。約十万一千件の申請に対して、三月末までに支給できたのは約三万件。担当者は、書類の不備を電話で確認したり追加書類の提出を依頼したりする作業に時間がかかっているという話をしているという報道も、この間ありました。
 給付金の実績や給付の支給率なども伺う予定でしたが、これもほかの委員の質問でお答えがありましたので省略しますけれども、この間の実績で見ると、一月八日からの協力金と二月八日からの協力金の支給は完了していると。三月八日から三十一日までの協力金も、六割が支給完了し、審査は約八割が完了しているということがわかりました。
 しかし、業者の方たちからは、なかなか自分のところには支給されずに、どうなっているのかわからなくてコールセンターに電話したと。すると、書類の不備があるといわれた。これまでコールセンター、東京都の方からは、不備の書類がありますよという連絡はなかったんだと。自分が電話して初めて、それが明らかになった。
 しかも、前の協力金の申請で同じことを記入して同じ書類をつけているのに、前は支給がスムーズに来た。しかし、今回は書類に不備があるんだといわれた。本人は納得できないという声が私のところにも届きました。
 書類を出してお金が届くまでに時間がかかり過ぎているんじゃないかと。これでは資金繰りができないんだという声も、中小企業の皆さんからかなり出ています。
 東京都が協力金の案内の冊子を出していますけれども、その中で、四月一日から四月十一日までの協力金について、申請受け付けは五月三十一日午後二時からという冊子での案内でした。
 一月八日から二月七日までの協力金の申請受け付けは、二月二十二日から開始しています。自粛要請終了日から申請受け付けまでの期間は十五日間あいていました。
 ところが、四月十一日で終了した分についての申請受け付けは、先ほどもいいましたが、冊子の中で五月三十一日となっているわけです。自粛要請が終了してから申請の開始まで五十日間あくわけです。余りにも申請開始までの日数があいているんじゃないかと思うんですね。
 なぜこんなに日数がかかるのかという点で伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 申請受け付け期間につきましては、事業者の準備期間等を考慮し一カ月程度の期間を設けておりまして、また、受け付け期間の重複により申請者が混乱しないよう、前回の受け付けを締め切ってから次の受け付けを開始してございます。
 こうした中にあっても、できるだけ早く協力金が申請者の手元に届くよう、審査の迅速化に努めてまいります。

○尾崎委員 先ほど、ほかの委員の方の質疑の中でも、この間、人員をふやしてきていることや、飲食業界の団体の皆さんとも懇談して書類も簡素化してきたというお話があって、それは大変重要なことだと思っています。
 しかし、今ご答弁があったように、四月十一日で自粛要請期間が一旦終了するわけですけれども、申請受け付けまで五十日もあくのは、やっぱり制度の仕組みとしては改善が必要なんだと思うんですね。
 前の協力金の申請期間が終わらないと混乱するという理由でしたけれども、そこは思い切った書類の簡素化や、実績のある事業者への対応を柔軟に行うことが今必要なんだと思っていますので、その点では強く要望しておきたいと思っています。
 次に、事実確認のために伺いたいんですけれども、四月九日の専決処分、四月二十三日の専決処分、五月七日の専決処分での飲食店等の営業時間短縮要請に係る協力金、また、休業要請を行う大規模施設に対する協力金、休業の協力依頼などを行う中小企業に対する支援金、それぞれの事務費はどうなっているのか、また、委託費と委託先はどうなっているのか伺います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 飲食店に対する協力金の事務費は、令和三年四月九日の専決処分では約八十億円、四月二十三日の専決処分では約二十億円、五月七日の専決処分では約六十億円となってございます。
 大規模施設に対する協力金の事務費は、四月二十三日の専決処分では約六十億円、五月七日の専決処分では約六十億円となってございます。
 中小企業等に対する支援金の事務費は、四月二十三日の専決処分では約二十億円、五月七日の専決処分では約二十億円となってございます。
 なお、契約につきましては、必要な調整を行い、速やかに手続を進めていく予定でございます。

○尾崎委員 事務費がかなり、協力金の中身によっても変わるということが、今のご答弁でわかりました。
 委託先はこれから決める、決めていくんだということですけれども、飲食店等や大規模施設、そのテナントへの協力金は、事業規模や床面積で金額が変わるような仕組みになっているので、入力作業や添付された書類の精査など、時間が必要なことは理解できます。
 先ほども、人員もふやしているということも伺っていますので、そこは、ふやす努力をして、ふえているということでは評価もいたしますし、重要な取り組みになっていますので理解をします。
 ただ、それでも、これまでの情報をもとに、支給までの時間短縮、審査も含めてですが、短縮がもっとできるんじゃないかなというふうに思っています。
 コロナの感染拡大の中で、中小企業は一年以上、思うように商売ができない状況で、不安は大きく、このままでは商売が続けられない、もう限界なんだという声も上がっているわけです。
 協力金について、一部は事業規模での支給に変更して支援するようになったことは本当に重要なことだと思っていますが、それでも、商売を継続する、雇用を守れるだけの金額にはまだなっていないわけです。
 都として、この間の営業自粛要請や協力金の支給の効果なども分析や検証して、事業者の実態や声をきちんと受けとめることを強く要望しておきたいと思います。
 今こそ東京都は、中小企業・小規模企業振興条例を東京都でつくったわけですから、これに基づいた対策を強化していただくことを強く求めて、質問を終わります。

○奥澤委員 私からは、協力金、それから雇用環境、そしてテレワーク奨励金のことについてご質問したいと思います。
 思えば、もう一年以上前ですけれども、協力金が創設された際に、小池知事が記者会見でこういった趣旨のお話をされていました。
 よくいう大義と共感のお話です。今回の大義は、感染症の拡大を防止するということ、そして大義と共感はセットだということ、共感は、コロナに対する不安、みんなで頑張らなくてはという思い、協力金なども含めて、皆様方のご協力を募って大義を果たしていくというようなことをお話しされていました。
 協力金というものが補償ではない以上、事業者の皆様、都民の皆様の共感を得られる制度であって初めて行動が変わっていく、そういった制度だと思っています。特措法が改正されたから、罰則があるからという形で、上から目線で従うように求めても、それは反発が広がるだけだというふうに私は思っています。
 その上で、協力金が事業者の協力を促すものになっていくために、どういった制度設計であればいいのかということを改めてお伺いしていきます。
 四月十二日の蔓延防止等重点措置期間が始まってからの協力金、これが、各会派から指摘も既に入っておりますけれども、事業規模別に変更になったことは、大変、私自身も賛同しているところです。
 一方で、仕組みが変わることで不利益をこうむる事業者があってはならないというふうに思います。そういったことがあると協力を得にくくなるのも事実でありますので、注意が必要です。
 そこで、まず事業規模別とした場合に、その事業規模をどのようにして確認するのか伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国は、事業者の経営への影響度合いに応じた支援となるよう、本年四月一日以降、緊急事態措置区域または蔓延防止等重点措置区域において、事業規模に応じた協力金制度を開始いたしました。
 事業規模につきましては、店舗ごとの売上高または売上高減少額に基づいて判断することとされてございます。
 都は、国の当該方針を踏まえまして、売上高等を把握するため、事業者から確定申告書の写しや売上帳などの提出を求めることとしてございます。

○奥澤委員 確定申告書の写し、あるいは売上帳などの提出を求めるということですけれども、飲食店の皆様とかからお話を伺うと、そもそも納税をしているわけだから、その納税額を見てもらう方が早いんじゃないかと。わざわざ幾つも幾つも書類を出すよりも、そういった方がいいんじゃないかというようなことも指摘もされているところです。
 なぜ、まずその質問をしたかというと、ほかの道府県の公表している資料だったと思いますけれども、二〇二〇年六月以降、つまり去年の今の売上高がない事業者に関しては、その後の六月以降の営業の状況というのを見て売上規模というのを判断するんだという話がある一方で、例えば二〇一九年の八月、九月、そういったところにオープンしたところというのは−−二〇一九年六月以降二〇二〇年五月までの間にオープンしてしまった店舗というのは、去年の緊急事態宣言が出ていた二〇二〇年の四月、五月という明らかに通常とは異なる経営状況だったときをとって基準を算定するかのような記載も見られていると。これは不合理じゃないかというような指摘も受けています。
 都としては、この算定基準、二〇一九年六月以降二〇二〇年五月、この間にオープンした店舗については、どういった対応をとっていく考えなのか伺いたいと思います。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の実施要領では、支給額は原則、前年または前々年の要請のあった月と同月の一日当たりの売上高または売上高減少額を基準に算定することとされてございます。
 しかしながら、開店一年未満の事業所等であって基準とする月の売上高が存在しない場合など、支給額の決定に当たり、しんしゃくすべき特段の事情が想定される場合については、必要に応じて特例を設けて対応することも可能とされてございます。
 都といたしましても、事業者の実情を踏まえ、適切に対応してまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。事業者の実情も踏まえた適切な対応ということですので、今私が示したような、昨年の四月、五月、緊急事態宣言中の数字をもって、これが基準だというようなことがないように、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 それから、一月の緊急事態宣言時のことに少し話を戻しますけれども、あのときは、事業者ごとから店舗ごとに対象が変わったタイミングがあったと思います。
 このときに届け出書類が幾つか変わって、例えば複数事業者が一つの施設をシェアしているような業態でやっている店舗、あるいは事業者と衛生責任者が異なっている、そういった店舗もあるやに聞いているんですけれども、こういった場合に、協力金の対象から外れてしまうような事例、外れますよと答えがあったというような事例を聞いています。
 結果的には、ほかの書類をもって、そこで、店舗で営業しているということが個別に認められれば対象になるということは決まったそうですけれども、それまでに認められていたことが急に認められなくなったりだとか、あるいは、そもそも提出書類が変わるというようなことがあると、やはり協力をする側の事業者側にとっては、不信感が高まってしまったりだとか、最初、冒頭に話した共感というものを得られない。つまり、なかなか要請に従っていただけないということにつながってくると思います。
 今回、事業規模別の支給が始まるわけですけれども、当然、提出書類なども変更されるというふうに考えています。事業者の混乱を起こさないように、まずは周知徹底すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 規模別協力金においては、事業者から、確定申告書の写しや売上帳などの提出を新たに徴取する必要がございます。
 このため、提出書類を記入する際の間違いやすい事例等を取りまとめ、ポータルサイトやリーフレットなどにより周知することで、申請者の誤記入や記載漏れを防いでまいります。

○奥澤委員 この後、協力金の支給おくれについてもお伺いするつもりだったんですけど、これはさまざま出ましたので割愛をさせていただきたいと思います。
 この事業規模別の協力金の申請は、六月三十日から受け付けが開始されるということで聞いております。もうかなりの時間がたっているわけで、事業者の方々からすると、じゃあ幾ら自分はもらえるんだというところでかなり不安が出ているということです。支給というだけじゃなくて、申請受け付けもどんどんおくれていってしまっているというのが現実なんだと思うんですね。
 これは産業労働局ではなくて財務局が示している考えですけれども、専決処分をこれまで何度も繰り返していることの一つに、予算の裏づけが必要だと。お願いをするにも予算の裏づけが必要だということで話をしていますけれども、事業者の皆さんにとって重要なのは、その予算がいつ届くんですか、幾ら届くんですか、じゃあそのために自分は何をしなきゃいけないんですかという制度設計がきちんと整っている状態を示してほしいということなんだと思います。
 もちろん、国との協議が必要なことはわかりますけれども、都民目線の都政ということを徹底する上では、今回ご協力をいただいている事業者の方々が何を求めているのか、しっかりと相手の目線に立って取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 加えて、国も都も、みずから要請や協力依頼を出している相手に対しては何らかの支援を講じていますが、社会というのはそういった仕組みにはなっていないということも改めて指摘をしておきたいと思います。
 昨日の一般質問において、無観客要請をされていることに対して、支援金というものを払うべきじゃないかというようなやりとりをいろいろさせてもらっていたんですけれども、無観客要請をしているのはあくまでも施設ですと。
 休業要請をしているのは施設ですということで、施設に対しては独自の支援金を払ったりだとかということをしているんだけれども、イベントの事業者に関しては月次支援金だとか、あるいはJ-LODliveという国のやつを使ってくださいとかという形で、投げてしまっているというか、そういうような状況に私たちは受け取れているし、事業者さんからは聞いています。
 やっぱり施設に対して要請をかけるというのは、今の基本的なスタンスだとは思うんですけれども、その先には事業者さん、イベント事業者がいて、アーティストがいて、設営をしている人たちとか警備といったことまで、幅広く影響が及んでいます。
 今回、無観客要請というのも出ていますけれども、無観客というのは、一部の大きい売れているアーティストさんとか以外はほとんど利益が出ない、むしろ赤字になるものだけれども、やっぱり活動を続けていきたいという思いで、赤字でもやっているというのが現実だというふうに聞いています。
 そういったところに対して、どういうふうに想像力を働かせていくのかというのは非常に重要なことなんだと思います。一つの対策をとったら、それがどういったところまで影響が及んでいくのか。その想像力が欠如した状態の取り組みには、共感を得られるはずはないと私は思っています。
 今回は支援金の上乗せ、横出しといったことをしていくということなので、これ自体は大変価値のある取り組みだと私は思っていますけれども、いま一度、対策の中身を問い直していただきたいというふうに思います。
 そういった意味で、ちょっと話を変えていきますと、私が最も懸念しているのは雇用環境の悪化です。
 緊急事態宣言の再延長で雇用環境はますます厳しくなっていて、四月八日、もう二カ月前の時点ですけれども、全国で解雇が十万人を超えている、東京都でも二万人を超えている状況がありました。飲食店等のサービス業においては時給で働いている非正規社員も多く、彼らの収入の大幅な減少が心配です。
 産業労働局さんが出している、東京都就労支援事業計画というものが四月に出ていると思いますけれども、これを見ると、二〇二〇年十二月時点の東京都の有効求人倍率は一・一六。コロナの前は二倍近い数字がたしかあったと思います。
 まだ一倍を超える状況を何とか保っているという状況かと思いますけれども、全国で見ると一・〇六まで下がってきていて、それが二〇二〇年の十二月時点ですから、その後の緊急事態宣言が一月に出されて、また今出されているという状況を考えると、有効求人倍率はもう一を割り込んでくるというのは当然想定して取り組まなければいけないという状況だと思います。
 今、二万人規模の雇用を生み出すということで東京版ニューディールを展開していることは承知をしておりますけれども、これは主にマッチングだったりだとか、人材を流動していくということに重きが置かれていると私は認識しています。
 つまり、有効求人倍率が一を上回っているからこそ成り立つ政策であって、それを切ってきてしまうと、別の視点での、つまり雇用を生み出していくような取り組みというのを同時にやっていかないと不足するという事態が起きてくると思います。
 雇用を継続または拡大する企業の負担軽減を行っていくことも重要だと思っています。それが結果として雇用を守っていくような取り組みになっていく、そのように考えていますけれども、さらなる雇用就業対策の必要性について、見解を伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 コロナ禍における雇用就業施策では、解雇や雇いどめにより職を失った方への再就職支援とともに、企業における従業員の雇用の維持に向けた支援、さらには休業を余儀なくされた非正規雇用の方に対する支援も必要でございます。
 このため都は、職を失った方々を対象として、トライアル就労や職業訓練など多様な雇用施策を東京版ニューディールとして実施しているところでございます。
 また、雇用の維持に向けた施策としましては、国の雇用調整助成金の活用の促進を図るため、助成金の支給決定を受けた中小企業が行う休業手当の就業規則整備などの取り組みに奨励金を支給しております。
 これに加えまして、今回の補正予算では、コロナ禍で休業を余儀なくされている方や勤務シフトが減少した非正規で働く在職者の方を主な対象としまして、仕事と訓練を両立しながらスキルアップを図れるよう、短期集中型の委託訓練を実施していくこととしたものでございます。

○奥澤委員 今回の補正予算で、非正規の在職者が、仕事をやめることなくといういい方で正しいかどうかわからないですけれども、スムーズに手に職をつけていく、また、別の仕事へ移っていくということも想定しているのかなというところで、重要な取り組みだと私は思います。
 一方で、先ほども指摘したように、雇用の総量が不足する事態になっていくと、やはり雇用創出、新しい仕事をどう生み出していくのかというのが非常に重要です。
 無所属東京みらいとしては、雇用促進減税、これは国でリーマンショックの後ぐらいにやられていた政策ですけれども、これを東京版としてやるべきじゃないかということを提案しておりますけれども、現在の取り組みに合わせて、ぜひご検討いただきたいと申し述べておきたいと思います。
 さて、感染防止対策と社会経済活動の両立を図るという意味で、テレワークの定着は非常に重要です。
 ただし、テレワークにしても生産性が低下しない、そういった働き方だったりだとか、チームビルディングの難しさをどう解消していくのかといったことが、各企業は悩みを抱えているところで、テレワークを定着させるには一定の時間を要するということは否めないと思います。
 テレワーク奨励金が、既に専決処分ですかね、計上されましたけれども、生産性の低下を懸念したりしてテレワーク定着に乗り出せない事業者の背中を押すという意味で、価値あることだというふうに捉えています。そうした意味で、幾つか質問を重ねます。
 今回のスキームでは、九月末までの期間限定の取り組みでテレワーク奨励金に踏み切った背景を考えると、コロナ対策でいち早くテレワークを導入させたい、定着させたいという意図であったかと思いますけれども、どのような工夫を講じているのかお伺いしたいと思います。

○村西雇用就業部長 今回実施します奨励金事業の構築に当たりましては、コロナ禍でテレワークを迅速に開始していただけるよう、事前にオンライン上で計画エントリーを行うことで、対象事業に即取り組めるようにしてございます。
 また、テレワークの定着を図るため、事業者に対し、社内規定等を整備した上で東京ルール宣言制度に登録することを要件としてございます。
 さらに、奨励金の支給につきましても、定型の様式による勤務実績の確認表のほか、企業が負担した経費の領収書等に基づき定額で支給を行うなど、簡素化を図っております。

○奥澤委員 事前のいわゆる審査のようなものはなく、計画エントリーということで取り組めるようにしていることだったりだとか、事前に、既にスタートしている東京ルール宣言制度、これをベースにしてやっていくんだということで、取り組みやすくなっているんだろうと思う一方で、これまでもやっていた人たちが奨励金をもらうのではやっぱり意味がないわけで、今までなかなか、例えば現場作業が多くてテレワークの実施は難しいとしてきた運輸業の方々だったりだとか、建設業、医療、福祉、こういった方々の後押しになるような、そういった事業にしないといけないと思うんですけれども、見解をお伺いします。

○村西雇用就業部長 今回のテレワーク奨励金事業では、テレワークの実施要件につきまして、現場作業等に従事する社員など除いて、テレワークが可能な社員の七割以上としております。こうすることによって、幅広い業種や業態の中小企業におきまして取り組めるようにしております。
 また、テレワークを実施した人数に応じた定額の奨励金を支給することで、より多くの社員がテレワークを実施するよう、事業者の方にインセンティブを付与しております。

○奥澤委員 工夫をされていることがわかりました。取り組める人が、また、それは何人やったかということで段階的にやることで、小さなところからスタートできるという方々もいらっしゃると思います。これは大事なことだと思います。
 少し観点を変えて質問します。テレワークの経費に関する社員の個人の負担です。
 これについては、実は既に国が、社員がリモートワークをするときに必要となった通信費、電気料金等について、企業が給与として支払いをした場合、一定条件のもとで非課税措置とする制度というのが既に設けられています。
 これは結構大変な作業になるとは聞いているんですけれども、社員の方から実際の通信料は幾らですかと領収書を出してもらって、それを企業が取りまとめて国税庁の方に提出をするというような作業が入ってきて大変だとは聞いているんですけれども、一つ制度はあるんだと。
 一方、今回都が取り組むという中では、先ほどの話などは、企業が取りまとめて企業が申請をするんだけれども、恩恵を受けるのは個人なんだという、そういうちょっと複雑な制度になっているというふうに聞いています。今回の東京都が取り組むテレワーク奨励金は、まさに企業の負担軽減になるよという、そういう取り組みなんだというふうに理解をしています。
 そうしたすみ分けをしながらやっているということではあるとは思うんですけれども、リモートワークの一層の促進に向けては、企業が負担する通信費等、かなりの経費が出るらしいんですけれども、こういったことをしっかりと支援していくことが重要だというふうに思っています。
 そこで、今回の奨励金について、企業側で必要となるテレワーク関連の経費を幅広く対象とすべきと考えますけれども、見解をお伺いします。

○村西雇用就業部長 本事業の奨励金では、中小企業におけるテレワークの導入や定着を後押しするため、三カ月間のテレワーク実施期間中に企業が負担したテレワークに関するさまざまな運用経費を対象としております。
 具体的には、通信費や機器のリース料のほか、ソフトの利用料、在宅勤務手当、サテライトオフィス利用料など、テレワーク機器等の購入経費や飲食代、工事費等を除き、幅広く対象としております。

○奥澤委員 幅広く取り入れるというお答えだったかと思います。
 最後に、質問としては最後なんですけれども、経費そのものは広く見るよと。もう一個、不安な気持ちとして聞いているのは、終日テレワークというのは難しいんですと。例えば半日だったらできますとか、そういった方々もいらっしゃるようなんですけれども、今回奨励金の要件となっているテレワークの実績確認報告については、テレワークを終日実施することを想定しているのかなと私自身は読み取ってしまったんですけれども、例えば半日ごとにテレワークする人をかえているとか、そういった工夫をした取り組みをしている場合については実績に含まれるのか含まれないのかお伺いしたいと思います。

○村西雇用就業部長 今回の奨励金事業では、終日のテレワークの実施はもとより、終日のテレワークが難しい職場において、半日、時間単位のテレワークを実施した場合でも実施日数の実測として認めるなど、企業の創意工夫による取り組みを促しております。

○奥澤委員 創意工夫もしっかりと後押しするということで確認ができました。
 都庁の皆さんとのやりとりも、最近、午前中はテレワークですとかいうことがふえてきて、やっぱり皆さん自身が取り組んでいることで、実際の民間の企業の方々がどういう苦労をしながらやっているかということも身をもって体験しているからこそ、こういう一つ一つ、きちんと答えを出しているというか、このいい方が正しいかどうかはわからないですけど、社会で起きている動きとずれていない。社会の皆さんが感じているものと同じ感覚で仕事をしているように、今回のこのテレワーク奨励金のやりとりをしていて感じたところです。
 ただ一方、これは中長期的な取り組みになるんだろうということを予想している部分もあるので、効果的な、効率的な、かつ公平な制度とするためにはどうしたらいいのかという、改善はこれからも重ねていただきたい、幅広い視点で検討を重ねていただきたいということを申し述べておきます。
 最後に、意見ということでお話しさせていただくと、一番最初に、冒頭に、大義と共感というお話をしました。
 共感というのは何ですかというのを辞書で調べると、相手の思いに寄り添うことなんだと。そこから始まるんだということです。こちら側から押しつけてしまうのではなくて、民間の方々に、産業労働局の皆さんの仕事というのは民間の方々と一緒にしている仕事だと思います。
 ぜひ、このコロナ禍の危機を乗り越えようとしている民間の事業者さん、それは皆さんの気持ちと一緒だと思います。どうやったら一緒に乗り越えていけるのか、民間の皆さんのことを信じていただきたいということもあります。また、どうやったらその方々の力を引き出せるんだろうかということをまだまだ考えていただきたい。そして、そのための都政の役割というものはどういうものなのかということを考えていただきたいなというふうに思います。
 官民の垣根を超えてこの難局を乗り越えていくその先には、都政の構造改革であるシン・トセイにも書かれていた、本当の意味での官民協働をする東京都の姿というのが見えてくると私は思っていますので、ぜひとも事業者の皆さん、民間の皆さんに寄り添った対応をお願いして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○あぜ上委員 それでは、私からも質問させていただきます。
 まず、月次支援金についてです。できるだけ重複を避けて伺いたいと思います。
 飲食店等に卸している酒類販売業、酒屋さんを初め多くの事業者の皆さんが、休業や時間短縮の影響を受けていて、支援金を支給すべきだということを私たちも繰り返し申し上げてまいりましたが、このたびの補正予算案において、都として、国の月次支援金の上乗せ、横出し、これを予算化したということは、一定の改善でありますし、当局のご努力は評価しているところです。
 しかし、私たち議員のところには、本当に今崖っ縁だ、先が見えない、こんな深刻な声がたくさん寄せられていまして、本当にこうした声に応えるためには、さらなる拡充が必要であること、また、申請の簡素化が必要であること、この間の取り組みを通じて実感しているところです。
 そこで、何点か伺いたいと思います。
 まず、国の月次支援金は事前確認が必要というふうになっていますが、都の月次支援金の場合は事前確認が求められるのかどうか伺います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都の月次支援給付金の審査の実施方法につきましては、事前確認を含めまして、現在、制度設計を行っているところでございます。

○あぜ上委員 国の月次支援金の場合は、もう表示されていますけれども、税理士や商工会など国が認める登録確認機関などの事前確認を必要とするというふうになっております。
 実は、国の一時支援金、これも事前確認が必要だったわけなんですけれども、国の補助を利用しない場合には、事前確認の費用というのは自由設定となっています。
 そのために、事前確認のお願いをしたら五万円だといわれた、十万円だといわれたと、こうした声が結構寄せられておりまして、そのために、この支援金をいただくためにこれだけお金を払うんだったら、もうやめた、諦めたという声が、一時支援金の場合はありました。
 また、仕事の合間に探してお願いするなどはとてもできなくて、申請をしなかったと、こういった声も伺っています。
 この事前確認については、これから今、ご答弁では制度設計ということなんですけれども、ぜひ事業者の方々が申請しやすい、そういう対応にしていただきたいと思うんです。基本的な考え方は、そういうふうな考え方でぜひ進めていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都月次支援金の制度設計でございますけれども、まだ、現在制度設計中ということでございますが、先ほども答弁しましたとおり、申請書の簡素化や迅速な支給についてを含めまして、前向きに検討をしていきたいと思っております。

○あぜ上委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思うんですね。
 必要書類、国の月次支援金の資料を見ますと、必要書類には本人の宣誓・同意書が入っていました。こういう宣誓・同意書が入っているのであれば、これでよしとするなど簡素化して、やっぱり事業者の方々が申請しやすい、そういった対応を求めたいと思います。
 それから、都の月次支援金支給額のことについてですが、先ほど対象の見込み数についてはご答弁がありましたので、支給額の金額の根拠についてだけ改めてお示しいただきたいと思います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 支給額につきましては、事業者が得る売上額や国の月次支援金を考慮した上で、都独自の支給額を総合的に勘案して設定いたしました。

○あぜ上委員 総合的に勘案してということなんですが、先ほど来、皆さんからも、こもごもお話がありましたように、やはり金額は桁が違うんじゃないかという声もあったということですが、ここは今後の課題として、ぜひ引き上げを検討していただきたいなということを要望しておきたいと思います。
 酒類販売業者、酒屋さんについては、大変な打撃を受けていること、これは私もまちを歩いていて商店街をずっと回る中でも、特に深刻だなということが印象としてあるんですけれども、都として、法人四十万、個人二十万、上乗せしたということは、私は大変大事なことだというふうに思っています。
 同時に、やはり飲食店に魚などを卸している仲卸の業者の方や、それから氷屋さん、製氷屋さんや、あとリースのおしぼり業の方等々、やはり多くの事業者の方がかなりの打撃を受けているわけです。
 それで、法人四十万、個人二十万の上乗せを酒類販売事業者のみにしたという、この理由については、お答えできるでしょうか。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 先ほどのご答弁の繰り返しになる部分もございますが、支給額につきましては、事業者が得る売上額、また、国の月次支援金を考慮した上で、都独自の支給額を総合的に勘案して設定したものでございます。

○あぜ上委員 確かに酒屋さんは、居酒屋の時短だけじゃなくて、アルコールなしの営業という点では非常に打撃が大きいというのは事実でありますし、酒屋の組合からも、議会に対してもそういった要望なども寄せられているところなんですけれども、私は、同時に影響調査などを実施していただいて、やはり上乗せ対象については、酒販業界、酒類販売事業者だけじゃなくて、やっぱり支援対象を広げていく必要もあるんじゃないかというふうに思うわけです。そのことは意見として申し上げておきたいと思います。
 都として横出しをしたということにつきましては、大変重要だというふうに思っています。売り上げ減少率が三〇%から五〇%とした、この横出しの対象者をこういうふうに決めた理由については、先ほど、質疑の中でご答弁がありました。景況調査の中で、売り上げが三〇%以上減少した事業者が約四割いるということで、厳しい状況下にある事業者を幅広く支援するためにやったんだよというお話でありました。
 これは、拡大したということについては、横出ししたということについては大変重要なんですけれども、私も、商店街、それからいろんな事業者の方にお話を伺っていますけれども、やはり事業者の方からは、二〇%減でも実は大変厳しいんだよと。業種によっても違うのかもしれませんが、そういった声も伺っています。
 やはりこうした事業者の方々の実態、そして丁寧な実態把握をしていただいて、さらに対象を拡充する。そのことも、ぜひ検討していただきたいということを求めておきたいと思います。
 そして、支援金の延長が必要となるかどうか、この判断基準というのはあるんでしょうか。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 緊急事態措置等の期間や内容等の発出は、感染状況を踏まえまして危機管理部署が検討すると思われます。
 また、国の月次支援金の実施状況等もございますので、そうした総合的な検討を踏まえる必要があると考えているところでございます。

○あぜ上委員 今回、また六月二十日まで緊急事態宣言が延長となって、六月分は新たな補正予算が組まれたわけです。
 国の月次支援金の実施状況を総合的に勘案してということなんですが、長引く人流抑制、そして繰り返す時間短縮要請、そして休業要請で、本当に、皆さんからもありましたけれども、事業者の方々は大変苦しい立場に置かれているわけです。
 稼ぎどきといわれてきた大型連休や年末年始、それから年度の変わり目、こういうときも、ずっと稼ぐことができなかったわけです。ぜひ東京都として状況を見て、早目に判断していただきたいなというふうに求めておきたいと思います。
 ある事業者の方からは、今回の緊急事態宣言の再延長、これを聞いて、心が折れそうになった、何とか踏ん張っていると。都と国が医療機関を支援しているんだったら、まだ自分としては我慢する、都と国が検査を大規模にふやしているなら、まだ理解すると。しかし、その姿勢も見えない中で、結局は自己責任じゃないかと。そういう声が寄せられました。大変切迫した声が、私たちのところにも、議員のところにはたくさん寄せられています。
 私たちは、多くの事業者の方々がこのコロナの影響を受けて厳しい状況から、中小企業応援金の支給を提案してきましたけれども、ぜひ、こうした事業者の方々の実態を丁寧に把握していただいて、業種ごとにもさまざま困難な状況も、いろいろ支援の仕方も、異なることもあると思います。
 そういう点では、やはり国に対しても、休業をお願いする以上はきちんと補償する。そのことを求めると同時に、やっぱり都としても、こうした苦しむ事業者をしっかりと支えて、励ますことのできる、そういった支援をさらに進めていただきたい。このことを強く求めたいと思います。
 次に、四月九日に専決処分されました補正予算(第三号)、ここで組まれました中小企業等による感染対策助成事業についてです。
 新型コロナウイルス感染症緊急対策事業を六月まで延長するというものでありますが、まず、この間の事業実績と事業の評価について伺います。

○緑川商工部長 中小企業等によります感染症対策助成事業でございますけれども、昨年末までに五千百二十四件に対して交付決定を行いました。
 また、本年一月より、CO2濃度測定器などの消耗品を助成対象に加えたほか、四月より、コロナ対策リーダーを配置する飲食店等の消耗品の購入に対する助成も開始し、五月末現在で一千八百六十一件に対して交付決定を行っております。
 このように、感染症対策に取り組む事業者は多く、当該事業を通じまして、より多くの中小企業の取り組みを支援することで、感染症対策の面的な広がりを促進しているものと認識しております。

○あぜ上委員 六月まで延長したことは重要だと考えます。
 ただ、この事業の場合、業界のガイドラインで示された備品や設備でないと補助対象にはなりません。業界の課題でもあるかと思うんですけれども、例えばお風呂屋さんが空気清浄機を購入して申請したら、ガイドラインに載っていないという理由で補助がおりなかったと。これは納得いかないという声が寄せられています。
 また、コロナ対策として抗菌対策のコーティングを研究開発した事業者の方は、自治体によって補助対象になったりならなかったりしていると。東京都で有効性が確認できるのだったら、都の本事業の補助対象にしてほしいと。こういった声も上がっているところです。
 助成対象の品目については柔軟な対応を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○緑川商工部長 中小企業等による感染症対策助成事業は、各業界団体の感染拡大予防ガイドラインに沿った中小企業の感染防止対策を支援するものでございまして、助成対象品目は各ガイドラインに基づくことを前提としてございます。

○あぜ上委員 それは承知の上での要望なんですけれども、事業者の皆さんは、やはり感染予防対策にかなりの神経と苦労を重ねていらっしゃるわけです。ぜひ、こうした声にも耳を傾けて、都として、国と業界がガイドラインを決めているからという対処ではなく、やはりこのガイドラインの見直し自身を、国が業界と話し合って決めているようなので、国にもしっかりとそのことを求めていただきたいと思いますし、当面は、東京都が有効性を確認できるのであれば、柔軟に対応していただくことを求めておきたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進事業についてです。
 都は、国の雇用調整助成金の活用を促進するために、新型コロナウイルス感染症緊急対策の雇用調整助成金の支給決定を受けた中小企業等が行う非常時における職場環境整備に対し、奨励金を支給する事業でありますけれども、これまでの三千件対象を六千三百件に対象拡大するという補正予算になっています。
 この事業を活用している企業の取り組み内容と実績について伺います。

○村西雇用就業部長 雇用環境整備促進事業におきまして、企業が行った主な取り組みとしましては、休業手当に関する就業規則の整備のほか、テレワークや時差勤務制度の導入、感染症の拡大時、災害時における特別休暇制度の創設など多岐にわたっております。
 約八千三百社に奨励金を交付しております。

○あぜ上委員 本事業の活用方法についてはさまざまだということですが、こうした事業を進めることで労働者に休業補償を促すこと、これは非常に大事だというふうに私は思っています。
 国の雇用調整助成金の支給実績を改めて調べてみたんですけれども、申請に対して支給実績は、この間かなり上がってきておりました。
 同時に、コロナの影響で休業要請を受けたのに、非正規労働者の方々、とりわけパートやアルバイト、こうした方々は、補償なしの休業、これが今大変問題になっている。この問題が顕在化していることも明らかになっています。
 昨日の本会議代表質問で、我が党の曽根議員がこの問題も取り上げさせていただきましたが、緊急事態宣言も再延長になって、雇用調整助成金で休業補償をすること、私はますます、大事になっている中で、企業に対して、この雇用調整助成金の活用を促すとともに、支給対象を狭めることがないように求めることは、非常に今、大事なんだというふうに思うわけです。
 きのうのご答弁では、実態を把握すべきではないかという質問に対して、国が調査しているからというご答弁だったんですが、これは厚労省の調査のことをおっしゃっているんだというふうに思いましたけれども、国の調査はかなり幅広の調査です。東京都として、とりわけコロナで大きな影響を受けている宿泊業や飲食業など事業を特定してでも、パートやアルバイトなどの非正規雇用の休業補償についての実態把握、これにぜひ努めていただきたいというふうに思います。
 首都圏青年ユニオンという労働組合では、昨年の四月から十二月までの労働相談が例年の二・五倍以上あったと。その集計事例を私も見させていただいたんですけれども、六五%が事業主都合の休業問題になっています。とりわけ補償なし休業は、パートやアルバイトでは八割に上っているということもわかりました。
 私も、アルバイトで休業の補償が出てこない、出ない、それから、長年続けてきたパートなのに休業補償がない、そればかりか最終的には雇用を打ち切られてしまった、こういった相談が寄せられているところです。
 都の労働相談でも、休業支援金の申請のお知らせなどがされているということは認識しておりますが、やはり今、実際には補償なしの休業を強いられている、そういう非正規労働者が本当に多いんだということを、ぜひ都としても認識していただきたいと思うんです。
 あるラーメンチェーン店で働くアルバイトの方、この方は、深夜営業停止で収入が十八万から五万円になってしまったんですけれども、会社側は、シフトの未確定を理由に休業補償の申請は拒否しています。また、別の会社では、学生アルバイトは雇用調整助成金の対象にしないんだと、そういって解雇してしまうと。こういう事例も生まれています。
 労働者自身が申請できる休業支援金を申請できないような事態が、実は今、生まれているんだということ、そのことを、ぜひ私は都にも認識していただきたいなと思うわけです。
 そういう点では、やはりパートやアルバイトの休業補償の実態、これを都として把握をして、休業補償がしっかり支給されるよう、また、不当な解雇などが行われないように、都として、ぜひ支援を強めていただきたい、また、啓発を強めていただきたいということを強く求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○菅原委員長 次に、報告事項、森づくり推進プランについて外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○滝田委員 それでは、私からは、森づくり推進プラン(案)について質問をいたします。
 東京都内、特に私の地元八王子市も含めまして、多摩地域には約五万三千ヘクタールもの森林地帯が広がっておりまして、東京の貴重な自然資源でありまして、かつ魅力にもつながっているものであります。
 しかしながら、林業の衰退から久しく、森林あるいは山林の荒廃ということについては、資源を有効に活用できていないだけではなくて安全面での課題もございます。東京の森林を持続可能なサイクルにのせることは非常に重要な取り組みであります。
 今回、森づくり推進プランについて、時期を早めて改定をするとしておりますが、課題と主な狙いについて伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、平成二十六年に策定いたしました森づくり推進プランに基づきまして、東京における持続的な森林整備と林業振興を図るため、さまざまな施策に取り組んできました。
 一方で、東京の森林、林業におきましては、急峻な地形や小規模分散的な所有構造等が制約となり、厳しい経営状況が継続しており、整備が行き届いていない人工林が多く存在するなど、依然として多くの課題を抱えております。
 また、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律の施行やデジタル技術の進展など、森林、林業を取り巻く環境は大きく変化しております。
 こうした社会情勢の変化に対応し、東京の森林、林業が抱える課題の解決を図るため、本プランを改定し、新たな施策を展開していくことといたしました。

○滝田委員 今ご説明もありましたけれども、東京の森林ということに関しましては、急峻な地形であったりとか小規模分散的な所有構造ということで、地形など、さまざま東京の森の独特の課題があるというふうに理解をしておりまして、ある意味、全国の中でも取り組みにくい森林、林業にあるのかなというふうに考えております。
 そうした中で、まず人材確保、育成について伺いたいと思うんですが、都内の林業従事者のうち約半数が、経験年数が十年以内という形で数字が出ているということでありますが、どのように人材確保や人材育成を図っていくのかお伺いをいたします。
 また、都外の隣接県などの林業従事者の活用や連携も担い手として有効と考えますが、見解を伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京の林業につきましては、担い手の不足とともに、離職率の高さから経験年数の浅い技術者が多くなっておりまして、熟練者の退職も懸念される中、新規就業者の確保に加え、その技術力の底上げを図っていくことが喫緊の課題となっております。
 このため都では、東京都林業労働力確保支援センターと連携しまして、就業希望者に対して、森林作業の内容や雇用条件等の情報提供を行うとともに、就労支援といたしまして、林業事業体の宿舎借り上げに対する支援を行っております。
 また、就業後の人材育成といたしまして、新規就業者から中堅技術者まで、それぞれの段階に応じた集合研修のほか、専門講師によるOJT研修を実施しております。加えまして、従業員の基本的な施業に必要な林業機械等の資格習得や、急傾斜地での木材搬出等を行う先進事業体への出向などを支援しております。
 さらに都は、近県の林業事業体に対しまして都内の森林整備に関する情報を提供しまして、都内への参入を促しているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、東京の林業を担う人材の確保や育成を図ってまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。地形がそもそも厳しいということに加えて、担い手も不足していたり、あるいは経験年数の高い熟練技術者ということが欠けてきているということで、課題がかなりあるんですけれども、先ほどご説明のあったような、新規就業者から中堅技術者まで集合研修等を行っているということであったり、あるいは宿舎借り上げに対する支援ということで、やはり就労環境を向上させていくということ、また、技術的な能力を上げていくということの両方をやっていく必要があるのかなというふうに思います。
 きょうは、質問にはしませんけれども、トレーニングフォレストの事業などを新しくスタートしているというふうに理解しておりますので、この人材育成、確保については、引き続き取り組んでいただきたいなというふうに思うんです。その一方で、これまでの取り組みだけでは限界があるのかなというふうにも思っておりまして、地形的にも厳しい、人材も、なかなかほかの産業と比べて入ってこられていないというところもありますので、今、都政の全般にわたって、デジタル技術であったり先端技術を活用した取り組みということを求めております。
 新たに設置されたデジタルサービス局とも連携をしながら、さまざま課題解決に当たっていただきたいというふうに考えるんですけれども、森づくりの分野においても、どのようにこうした新たな技術を活用していけるのか、また、今後どのようにして取り入れていくのかお伺いしたいというふうに思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京の林業におきまして、担い手不足や生産活動の縮小が進む中、先端技術を活用し、作業の効率化や省力化を図り、生産性を高めていくことが重要でございます。
 このため都は、レーザー計測によって高精度な森林情報を取得し、森林作業道の路線選定や伐採搬出のシミュレーションを行うシステムを構築するなど、デジタル技術等を森林、林業分野で活用してまいります。
 今後は、デジタルサービス局とも連携しながら、ユーザーからの要望等を踏まえて改良を検討することで、林業経営の強化につなげてまいります。

○滝田委員 デジタル技術を使って合理化あるいは効率化を行って、これまでできなかったような課題解決ということを行うこと、非常に重要だというふうに思っております。
 こういったことなくして、逆にいうと、持続的な林業経営にある意味戻していくというのか構築していくというのかわかりませんけれども、なかなか難しいのかなというふうにも思いますので、ぜひデジタルサービス局とも連携をして、新しい取り組みで何ができるのかということについては積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、今回の森づくり推進プランの一つのかなめであるというふうに考えるんですが、生産林と保全林の区分けを明確に、地理的に落とし込んだということ、これが一つのかなめであるというふうに理解をしておるんですけれども、生産林と保全林、それぞれどのように管理や運用をしていくのか、方針を伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、多摩の人工林につきまして、木材生産に適した生産林と公益的機能の増進を優先する保全林に区分し、求められる森林の機能に応じた整備を促進してまいります。
 生産林では、利用期を迎えた杉、ヒノキ林の計画的な伐採と、花粉の少ない杉等への植えかえを促進し、木材の安定的な供給を図ってまいります。
 あわせまして、路網の整備や急傾斜地に適した施業方法の普及、デジタル技術の積極的な活用等により、施業の効率化を推進し、林業の生産性を高めてまいります。
 また、保全林では、徐々に自然な状態に戻していくことが望ましいため、将来的に広葉樹林に誘導するための間伐などを行い、水源の涵養や土砂災害の防止など、森林の公益的機能を向上させてまいります。

○滝田委員 生産林と保全林、それぞれの活用というか、運営の方法ということでお伺いいたしました。
 生産林と保全林という形で区分をしていますけれども、実際にそれを実現していくという観点においては、市町村との連携であったり、あるいは環境局との取り組みの連携ということも必要なのだろうというふうに思っております。
 特に保全林については、恐らく環境局の役割ということも非常に大きいと思いますし、逆に、生産林あるいはその中間的な部分については、産業労働局がかなりリーダーシップをとらなければいけないのかなというふうに感じております。
 一方で、この森づくりということに関しては、これまで、私も都政に入ってからいろいろ見聞きしている中で、東京都の役割が実はかなりあるものの、市町村の役割ということがいまいち明確になっていないような気もしていたところであります。
 もちろん東京の森ということで、地元の自治体だけにそれを全部任せてできるのかというところも当然課題としてありますので、東京都がしっかりと支援をしていくということは重要なんですけれども、少し地元の自治体、市町村のことについて、お伺いしたいというふうに思います。
 平成三十一年の森林経営管理法の制定によって、市町村が森林所有者と意欲ある林業経営者との仲介を行うほか、林業経営に適さない森林については市町村がみずから管理することというふうにされるなど、森林整備における市町村の役割が比較的明確になってきたというふうに考えられております。
 しかし、市町村においては、森林、林業対策に関する人手であったり、あるいはノウハウといったことが不足しているというようなことも感じられます。財源についても不足しているのだろうなというふうに思うんですが、今後、森林資源を適切に管理していくためには、都が市町村をしっかりとサポートしていくことが必要となるというふうに考えますけれども、取り組みについて伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 森林を有する市町村におきましては、経営管理などのノウハウを有していないことが多く、新たな森林経営管理制度のもとでは、市町村が取り組みを円滑に進めていくためには、都としてきめ細かな支援を行うことが重要でございます。
 このため都は、森林を多く有する多摩の六市町村と連携し、円滑な森林管理制度への移行に向けて、東京都森林経営管理制度協議会を令和二年十一月に設立いたしました。
 市町村による森林経営管理に当たっては、手入れの行き届いていない人工林所有者への意向調査が必要となることから、本協議会により、モデル地区の設定や調査手法のマニュアル化を行うとともに、他の市町村にもその手法を周知することで、都内における制度の普及を後押ししてまいります。
 今後も、森林地域の市町村をサポートし、適切な森林管理を進めてまいります。

○滝田委員 森林を多く保有する多摩の六市町村と連携をして取り組んでいるということでありますので、この取り組みをぜひ進めていっていただきたいなと思うんですが、恐らく生産林と保全林というところの関係であったりとか、あるいは所有者が細分化されてしまっているという問題であったり、あるいは場所によっては所有者が明確によくわからない、境界もよくわからないといったような課題もあるかと思うんですけれども、そうしたことを全て東京都の方でやっていくというのは難しいというふうにも感じておりまして、地元の自治体が、地元の関係する人たちとしっかり連携をとりながら、そういったところの取り組みをサポートする。都側ももちろんサポートするし、自治体側もそういった関係性のもとで取り組みを進めていくということが非常に重要だというふうに考えております。
 一方で、森林経営管理制度の導入に合わせて、平成三十一年三月に森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が成立をいたしまして、新たな財源が確保されましたけれども、東京都及び都内区市町村として、この新たな財源を東京の森林を持続可能なものとするためにどのように活用していくのかお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 森林環境譲与税は、区市町村における森林整備や人材の確保、育成、木材利用の推進等に加えまして、都道府県が行う市町村への支援のための財源として譲与されます。
 都は、譲与された財源を活用しまして、市町村の森林整備を担う林業事業体への支援を行いますほか、木材利用を推進する専門のアドバイザーを区市町村に派遣するなど、譲与税の有効活用を後押ししてございます。
 また、区市町村におきましては、公共施設への多摩産材の活用や自治体間の連携による森林整備に譲与税を活用しております。
 こうした取り組みを都と区市町村が一体となって着実に進めることで、持続可能な森林循環の確立につなげてまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。
 この制度はまだ始まったばかりということでもありますので、各自治体がどのように使っていくのかというところについては、まだ明確になり切っていないところもあるかというふうに思うんですけれども、一つ、森を持っている自治体ということに関しましては、先ほど述べましたけれども、東京都とともにさまざま取り組んでいく、持続可能な森林をつくっていくための取り組みということで関係者間を束ねていったりとか、さまざまな形で、市町村側の森づくりに対してのかかわり方の強化ということも必要だというふうに思いますので、この新たな財源も活用しつつ、一方で都の支援も入れながら、ともに進めていただきたいなというのが、まず一つあります。
 もう一つは、区部に関しては、直接森を持っているわけではありません。一方で、人口が多いので、税収そのものは大きくなるというふうに理解をしているんですけれども、区部の方にも多摩の地域の森林について理解をしていただいて、恐らくは公共施設等への多摩産材の活用であったりというような、どちらかというと使用する側の立場として区部はあると思うんですけれども、例えば水源であったりとか、水害等の防災といったような観点で、多摩の森が持っている機能、あるいは体験を都民がしに行くといったような価値を発揮するということもあると思うんですけれども、そういったことをしっかりと理解を促して、多摩産材をしっかり使っていただくというところを区部の方にも理解をしていただけるように促す必要があるのかなというふうに考えております。
 こうした両面においても、これまで以上に東京都として区市町村と連携をしていくということが必要だと思いますので、そのことを最後に要望いたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○高倉委員 それでは、最初に水産業振興プランの改定についてお伺いしたいと思います。
 東京には、多摩川や荒川、江戸川などの河川や、東京湾から伊豆諸島、小笠原諸島に至る海域がありまして、それぞれの地域で営まれている水産業は、新鮮で安全・安心な魚介類や水産加工品の提供を通じ、都民の豊かな食生活を支えてきたわけであります。
 また、水産業は、島しょ地域などでは基幹産業として地域経済を牽引するとともに、生産の場である河川や海は、都民に安らぎや潤いをもたらすなど多面的な役割を果たしております。
 こうした東京の水産業を振興するために都が策定した現在の水産業振興プランは、平成二十六年度から令和五年度までの十年間を計画期間としまして、東京における持続可能な水産業の実現に向けて、施策展開の基本的な方向と具体的な施策を示しております。
 今般、現行プランの計画期間中にプランを改定した背景と、新たなプランの基本的な考え方について、まずお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におきましては、平成二十六年に策定いたしました水産業振興プラン、現行のプランに基づきまして、水産資源の管理や漁業経営基盤の強化等に努めてまいりました。
 しかしながら、近年、東京の水産業は、漁業者の減少や高齢化、キンメダイ資源への偏重、新型コロナウイルス感染症の拡大や、漁業法の改正などの課題に直面しております。
 そこで、これらの課題に対し、新たな視点による施策を講じることが必要となったため、プランの改定を行うことといたしました。
 新たなプランでは、資源の持続性に配慮した漁業の推進や、水産業の成長産業化に向けた取り組みの推進などの視点も加えながら、今後十年間に都が重点的に取り組む施策等を明らかにしております。

○高倉委員 新たなプランには、都の海域では、気候変動による海水温上昇等によりまして、テングサなどの海藻やトコブシなど貝類の漁獲が大きく減少しているといった記載がございます。
 このような状況のもとで、都の水産業を持続的に発展させていくためには、海水温上昇など、海洋環境の変化に適応した水産業を展開していくことが重要と考えます。
 都は、今後、海洋環境の変化にどのように対応していく予定かお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、海洋環境変化への対応といたしまして、海洋環境や生物の分布状況等を長期的にモニタリングしていくとともに、高い海水温のもとでも安定的にトコブシ等の種苗生産が行えるよう、栽培漁業センターの機能強化を図るほか、アカハタなど、温暖な海洋に生息する魚種について、新たな種苗生産の可能性に向けた調査検討を進めてまいります。
 また、漁業者や専門家等と連携し、海洋環境の変化に順応した漁場造成手法等についても検討を進めてまいります。

○高倉委員 国連の持続可能な開発目標、SDGsというのがございます。この目標の十四に、海の豊かさを守ろうというのがありますけれども、ターゲットの一つに、水産資源が将来にわたり枯渇をしないように、漁獲を効果的に規制し、科学的な管理計画を実施するということが掲げられております。
 持続可能な漁業の実現に向けては、漁獲を管理し、資源を維持、回復させていくことも重要と考えますけれども、都は、今後、どのような取り組みを進めていくのか、見解をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におけます主要魚種であるキンメダイの資源管理を推進するため、都はこれまで、国や近隣県とも連携し、小型魚の保護や休漁など、漁業者の自主的な資源管理の取り組みを後押ししてまいりました。
 資源管理の強化に向けては、科学的根拠に基づき、漁業関係者の合意形成を図っていくことが必要でございます。このため今後は、島しょ農林水産総合センターの調査体制の充実等により、資源評価を行う魚種の拡大を図り、評価結果をもとにした実効性の高い資源管理措置の策定を検討いたします。
 また、アワビ等の不正流通を防止するための登録制度の導入や、航空機、船舶等による監視指導により、漁業秩序の維持を図り、資源管理の実効性を高めてまいります。

○高倉委員 次に、森づくり推進プランの改定についてお伺いしたいと思います。
 東京は、世界有数の大都市であるとともに、総面積の約四割に当たる七万八千ヘクタールもの森林が広がっておりまして、自然に恵まれた都市でもあります。これらの森林を適切に利用、保全していくことは、東京の持続可能な発展や、安全・安心で豊かな都民生活にとって非常に重要であると考えております。
 先日の当委員会におきまして、森づくり推進プランについて説明をお伺いしましたけれども、現行の森づくり推進プランは、平成二十六年度から令和五年度の計画でありまして、社会情勢の変化に対応するため、必要に応じて見直すこととしているわけであります。
 今回のプランの改定の理由についてお伺いをしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、現行のプラン策定以降、森林の循環や林業の担い手確保、木材産業の振興などに取り組んでまいりました。
 平成二十六年三月に現行のプランを策定してから七年が経過する中で、花粉の少ない杉等への植えかえや、多摩産材のブランド化、スマート林業の確立などを掲げた東京フォレストビジョンを策定するほか、森林経営管理法と森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が新たに施行されました。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化や、デジタル技術の推進、局所的な豪雨など気候変動の深刻化等、森林、林業を取り巻く情勢が大きく変化いたしました。
 このため、こうした社会情勢の変化を踏まえ、プランを改定することといたしました。

○高倉委員 多摩の人工林の現状についてお伺いしたいと思いますが、今回はフォレストビジョンの実現に向けたプランということでありますが、理想に向けて着実に進歩していくためには、現状をしっかり見詰めなければいけないと思います。
 東京の多摩地域の森林のうちの六割は、戦後の高度経済成長期に増大した木材需要に対応するため、また、緑豊かな山を取り戻すために植栽されました杉やヒノキの人工林であります。
 そうした人工林の多くは、植栽後五十年を超えまして、今まさに、刈りどきといいますか、使いどきを迎えているといわれておりますが、多摩の人工林の現状についてご説明いただきたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 多摩の人工林は約三万ヘクタールでございまして、木材として利用可能な五十年以上の森林が約八割を占めております。
 しかしながら、木材価格の長期低迷などにより、木材の販売収入だけでは、人工林の適切な手入れを施すためのコストが賄えず、多くは利用されないまま、蓄積量が増加し続けております。

○高倉委員 木材価格の低迷などによって、人工林の利用や手入れがほとんど行われなくなって、放置され、荒廃した人工林が広がってしまったということでありますけれども、そうした人工林を適切に整備し、地球温暖化防止や水源の涵養、土砂災害の防止など、都民にとって有益な機能を高めていくこと、すなわち、森林整備は、過去のプランから続く共通の課題であるというふうに考えます。
 また、その森林整備を担う林業の活性化にも、都は長年取り組んできているわけであります。
 新たなプランでは、社会情勢の変化などを踏まえまして、東京の森林整備と林業振興をどう進めていこうとされているのか、このことについて見解をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都民共有の財産であります森林を次世代に健全に引き継ぐため、東京の森林整備と林業振興に向けて、新たなプランでは、四つの基軸を掲げて施策の展開を図っていくこととしております。
 第一に、人工林の適切な整備により森林の機能増進を図るなど、森林循環の促進と公益的機能を高める森林整備を進めてまいります。
 第二に、路網整備や小規模森林の集約化、新たな技術の活用等を図り、生産性と収益性の高い林業経営を実現してまいります。
 第三に、全国との連携や、非住宅分野など新たな分野での利用拡大を通じ、多摩産材を初めとする国産木材の需要拡大を図ってまいります。
 最後に、第四の基軸として、森林と都民や企業のかかわりを一層促進し、都民や企業等による森林利用の拡大に取り組んでまいります。

○高倉委員 今、四つの基軸について説明をしていただきましたけれども、目指すべき森林の姿といったことについて、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
 小さな苗木が豊かな森林へと成長するには、数十年から、あるいは数百年という長い時間が必要であります。したがいまして、森林整備には、長期的かつ広域的な視点から、グランドデザインを描いていくことが不可欠であるわけであります。
 この新たなプランでは、森林整備において目指すべき森林の姿を示すということでありますけれども、具体的にどういった姿を目指していかれるのか、このことについて見解をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京の林業を取り巻く状況は依然として厳しいことから、今後の森林整備に当たっては、限りある労力や財源を効果的に投じていくことが重要でございます。
 このため、全ての森林で木材生産を目指すのではなく、木材生産に適した生産林と、公益的機能の増進を優先する保全林に区分し、それぞれの森林の機能に応じた整備を促進してまいります。

○高倉委員 私は登山愛好家でもありますので、時折、奥多摩の山に足を運ぶことがあるわけであります。
 多摩の森林は、杉やヒノキといった針葉樹を中心とした人工林のほかにも、コナラやブナなど、多様な樹種で構成される天然林が広がっておりまして、豊かな生態系といったものを育んでいるわけであります。大型の哺乳類や希少動植物が生息をしていくために、こうした森林というのは極めて重要であります。
 多様な生物が生息できる森づくりを行うべきというふうにも思いますけれども、これについての見解をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 多摩地域の五万三千ヘクタールに及ぶ広大な森林は、木材生産のための人工林のほか、広葉樹が広がる天然林など、多様でございます。
 こうした森林におきましては、土砂災害の防止や水源の涵養のほか、生物多様性の保全など多面的機能を有しておりまして、その機能を十分に発揮することが重要でございます。
 こうしたことから、都は、人工林における生物多様性の保全を図るために、生産林では、適切な施業により森林循環を促進するとともに、保全林では、針葉樹や広葉樹など、樹種の多様化を進めてまいります。

○高倉委員 先ほど、私、大型の哺乳類といいますか、このお話をしたわけですが、多摩の山には、首都でありますけれども、ツキノワグマが生息しているんですね。
 ごく最近、非常に人里に出てくることが目立ちまして、令和元年とか令和二年においては、いわゆる捕殺というふうに呼ばれていますけれども、捕らえられて殺処分されるという、この頭数が急増しているんですね。
 こういうことの原因がちょっといま一つわからないんですけれども、もしかしますと、山の、あるいは山林の状況、例えば、餌の状況とか、そういったことに大きなちょっと変化も生じている可能性があるんではないかなと、このように考えられないこともないと思うんですね。
 今、保全林のお話があって、広葉樹などの樹種の多様化を進めていくというお話がありましたけれども、これは大変大事なことであると思います。
 保全林のお話ではありますけど、私はさらに、自然林といいますかね、よく里山というふうにもいいますけれども、そういった、本来、動植物が豊かな環境の中で生息しているというような、そういった山林といったものも復活させていくということも極めて重要なのではないかなと、私はそういうふうに思っている一人でありますけれども、ぜひ、この保全林についても、生物多様性といったものが、また継続して、そういう環境がずっと続けられるように取り組みをしっかりお願いしたいというふうに思っています。
 最後に、先ほど、森林環境譲与税のお話もありましたけど、簡潔にちょっとお伺いしておきたいと思います。
 プラン改定の趣旨にもありましたけれども、平成三十一年三月に、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が成立をしまして、全国の自治体に森林環境譲与税が譲与されるようになったわけであります。
 そこで、各自治体に譲与される森林環境譲与税の仕組みと実績についてご説明いただきたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 森林環境譲与税につきましては、市町村が森林整備等に必要な財源を確保するために創設されておりまして、人工林の面積、林業就業者数及び人口を基準といたしまして、国が定めた割合で、都道府県と区市町村に譲与されております。
 その使途は、区市町村にあっては、林道整備や木材利用等に、都道府県にあっては、森林整備や木材利用等を実施する区市町村の支援等に充てるとされております。
 実績でございますが、令和二年度につきましては、都に約二億一千六百万円、区市町村には約十二億二千四百万円が譲与されております。

○高倉委員 最後の質問でありますけれども、この森林環境譲与税は、森林を持つ山側の市町村だけでなく、都市部の自治体にも譲与されております。
 こうした自治体は整備すべき森林というのを持っていないわけでありますけれども、都内の各自治体に譲与された税が多摩産材の利用に活用され、東京の森づくりに結びついていくということが重要であるというふうに考えますけれども、都としてどう取り組んでいくのか、見解をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 区市町村に譲与されました森林環境譲与税が、多摩産材の利用拡大や都内の森林整備に有効に活用されることは、東京の森づくりにとって重要でございます。
 このため都は、木材利用のノウハウの少ない区市町村を支援するため、都のアドバイザーが、公共施設の木材利用について助言や情報提供を実施しております。
 加えまして、都がコーディネーターの役割を担い、多摩地域と都市部の区市町村の取り組みやニーズについて情報共有を図るとともに、都内の区市町村が交流する機会を提供することで、多摩地域の森林、林業や都市部の木材利用の現状について、双方の理解促進を図ってございます。
 今後とも、こうした取り組みにより、区市町村間の連携を強化し、多摩産材の利用拡大や森林整備の促進を通じて、東京の森づくりを推進してまいります。

○尾崎委員 私の方からも、森づくり推進プランについて質問をさせていただきたいと思います。
 二〇一九年から森林経営管理法が施行されました。新しい法のもとで、何がどう変わったのか。また、森林経営管理法によって市町村が管理するようになりますけれども、現状についてどうなっているのか伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 森林経営管理法は、林業経営の効率化及び森林管理の適正化を目的としておりまして、適切な経営管理が行われていない森林について、市町村が森林所有者の意向を確認の上、その経営管理を受託できるようになりました。
 現在、市町村におきまして、森林所有者への意向調査に向けた準備を進めているところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、適切な経営管理が行われていない森林について、市町村が森林所有者の意向を確認の上、その経営管理を受託可能ということでした。
 簡単にいうと、間伐などの手入れがされていない森林は、市町村が管理することになる可能性があるということだと思います。現在、市町村が意向調査に向けて準備を進めているということですから、本格的にはこれからだということがわかりました。
 森林経営管理法が国会で質疑されたとき、日本共産党は反対しました。
 簡単にいうと、一つは、森林所有者の経営権に介入して、強権的に経営の自由を奪うスキームになっていること、二つ目が、伐採、搬出を行う素材生産者を初めて森林経営者の担い手に位置づけ、森林所有者を担い手から外すということ、三つ目が、これまでの森林政策の失敗を棚に上げ、地方公共団体に重い責任を負わせること、四つ目が、安価な木材を確保したいという大手木材メーカーの要望に応えるものだからだという四つの理由から反対しました。
 また、利益が出ない森林を市町村が管理することになれば、過大な負担になるおそれがあると指摘し、林業経営が赤字になれば、経営者が管理権を手放す可能性があること、そうなると、所有者には、固定資産税などの負担が残るんだということを厳しく指摘しました。
 国会で決まった法律であっても、運用で懸念されていることが生じないように取り組んでいくこと、支援でカバーしていくことが求められていると思います。
 私は、だからこそ、森づくり推進プランの策定では、審議会の議論だけではなく、専門家や当事者の意見、市町村の担当者の意見など重要であり、丁寧に聞き取ることを求めるものです。
 森林所有者は、森づくりの担い手であることをきちんと位置づけ、人手や費用の関係もあって、間伐や伐採などが十分にできない場合、都の支援が必要だとも思います。
 東京都は、小規模の森林所有者が多いということです。小規模の森林所有者への支援の拡充が求められると思いますけれども、都の考えについて伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、小規模な森林の所有者に対しまして、植栽などに要する経費を助成するほか、森林整備に係るコスト低減に向けて、小規模森林の面的な集約化を進めておりまして、こうした取り組みを着実に実施してまいります。

○尾崎委員 林業の専門家からは、森づくりは百年かかるといわれていると、担い手と支援の方法を決めることで成り立っていくんだということも指摘をされています。
 東京で森づくり振興を考える上で、森林所有者を担い手から外さず、森林所有者も含め、担い手の育成、市町村に林業の専門家職員の増員や育成ができるよう、東京都の支援策が決め手になると思っています。
 そこで、東京都農林・漁業振興対策審議会は、何回開催されましたか。審議会ではどのような意見が出されたのか伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京都農林・漁業振興対策審議会は、令和二年一月から令和二年十二月までの期間内において、総会を二回、林業部会を三回開催いたしました。
 主な意見として、木材搬出が困難な奥地における広葉樹林化の推進、林業従事者の確保と技術継承、多摩産材を住宅等に利用する施主や設計士に対する働きかけの強化などが出されております。

○尾崎委員 審議会でも出されていますけれども、私は、森づくり推進の柱は、人づくりへの支援だと思っています。
 我が党は、予算案の要望などでも、森林、林業を維持していく上での専門家、フォレスターなどの育成を進めるよう、この間、求めてきました。
 そこで、林業従事者確保のための研修の実績、資格、免許の取得に係る費用助成の実績について伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は昨年度、林業の新規就業者五名に対し、下刈りなどの基礎的な施業研修を実施するとともに、二つの林業事業体に対し、伐採などの実践的な技術を習得するための研修を実施いたしました。
 また、資格等の取得に係る経費の助成につきましては、チェーンソーの取り扱いや森林作業道の整備に係る資格など、計二十四名に対し支援を行ってございます。

○尾崎委員 資格等の取得に係る費用助成を受けて、ただいまご答弁あったように、二十四人が支援を受けたということは大変重要だと思います。さらなる拡充を求めていきたいと思います。
 では、東京トレーニングフォレストの実績、推移について伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、高度な林業技術者を育成するため、昨年度、日の出町に整備した東京トレーニングフォレストにおきまして、今年度から研修を開始しており、現在、五名に対して研修を実施しております。

○尾崎委員 東京トレーニングフォレストができたことは重要だと思っています。
 今年度から研修を開始したとのことですが、ぜひ宣伝にも力を入れていただいて、研修を受けたいと思う人をふやしていただきたいと要望するものです。
 二〇一四年以降の林業新規就業者数の推移はどうなっていますか。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都内の新規林業就業者数は、二〇一四年度十一人、二〇一五年度十一人、二〇一六年度十四人、二〇一七年度十七人、二〇一八年度十一人、二〇一九年度十四人となっております。

○尾崎委員 今後も、どう林業の魅力を広げていくのかが重要だと思います。
 私は、林業が産業として成り立つようにしていくことも課題だと思っています。
 森づくり推進プランの中には、この間、日本共産党都議団として、CLT工法にも以前から関心を持ってきましたけれども、森づくり推進プランでは、CLT、直交集成板というふうにもいうようですけれども、これについて、日本では、平成二十五年十二月に製造規格となるJAS、日本農林規格が制定されたと書かれ、紹介されています。
 都は、CLTを具体的にどのように進めていくのですか。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 CLTは、これまで木造建築が困難でありました中大規模な建築物などに活用できる強度の高い木質建材でございます。
 都は、こうした建材の活用も含め、中大規模の木造建築物の設計に取り組む事業者等に支援を行ってございます。

○尾崎委員 木造建築物の設計に取り組む事業者等に支援しているということですが、これも重要だと思っています。
 私は二〇一五年に高知県に視察に行き、CLT建築推進協議会を設立し、全国で初めてCLT工法による建築、高知おおとよ製材株式会社の社員寮や、共同住宅ですけれども、三階建てをつくったところを見てきました。
 翌年の二〇一六年第一回定例会の経済・港湾委員会で、木材の利用促進を図るため、多摩の林業振興、森林再生を進める上で、CLTの重要性などを訴えました。
 多摩地域の業者の方からは、CLT工法に取り組みたいが、工場をつくるには大きな土地が必要で、それにふさわしい土地がなかなか見つからないんだという相談も、この間ありました。都として、新たな挑戦をしようとしている事業者への相談窓口、支援体制の拡充が求められていると思います。
 森づくり推進プラン(案)の中に、SDGsが位置づけられたことは大変重要だと思っています。
 森づくり推進プラン(案)にも書かれていますが、森林、林業が果たす役割は、CO2削減、地球温暖化防止、木質バイオマスなどエネルギー供給、そして土砂崩れ防止などにも大きな役割を果たしており、林業は、人が生きるためには大変重要なものだと思います。
 日本の林業が衰退してしまった原因について、国や都は、なぜ衰退したのか、その原因についてもっと明確にして、何をどう取り組んでいくのかを明らかにすることが求められていると思います。
 木材についても、海外からの輸入がふえています。都内産の木材をどう守り育てていくのか。森林所有者に利益が還元できる保障をどうつくるか。地域に根を張った林業の担い手をどう育成していくのか。都民の意見募集も行うと思いますけれども、当事者である森林所有者や林業の方たちとの懇談を積極的に行っていただき意見をよく聞いていただく、市町村の意見もよく聞きながら、森づくり推進プラン(案)を策定していくことを強く求めて、質問を終わります。

○奥澤委員 まず、水産業振興プランから質問をさせていただきたいと思います。
 水産資源を守りながら水産業の振興を図っていくという上では、量ではなくて質へ転換していく、つまり、高付加価値化と販路開拓が非常に重要であるというふうに思います。
 日本では魚を食べる方が減っている、消費量が落ち込んでいる中で、海外への販路開拓というのも重要な視点だと思いますが、日本と海外の食文化には大きな隔たりがあるのも事実ですので、一筋縄ではいかないだろうと思います。
 そこで、海外への販路開拓に関するこれまでの取り組みと、今後の予定についてお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、東京産水産物の販路多角化の取り組みといたしまして、昨年度から、海外販路開拓に向けた基礎調査を実施しておりまして、昨年度は、アジア五カ国で、東京産水産物の評価や、他産地との競合状況等について分析を行いました。
 今年度は、調査結果をもとにいたしまして、対象国や魚種、ターゲット層等の絞り込みを行いまして、試食会の開催やプロモーション活動を展開する予定でございます。

○奥澤委員 しっかりと調査を踏まえてプロモーション等を展開していくということで、ぜひ結果にこだわって、具体的に販路開拓された事例などが今後出てくることを期待したいと思います。
 水産業は、生き物を相手にした限りある資源と共存していくという産業でもあります。
 SDGsの取り組みは重要です。サステーナブルシーフードあるいは水産エコラベルといった取り組みについて、これまで中央卸売市場に対して質問を行ってきました。また、一部、経営指針に反映していただいたことは大変喜ばしく、私自身思っています。
 しかし、そこでもお話をしたのは、その実現に向けては、幾らプランを立ててもだめで、やっぱり現場で働いている漁師さん、あるいはそういった家族の皆さんにもご理解をいただいていかないといけないんだということがあると思います。
 本プランでは、ブルーカーボンについても触れられていますけれども、SDGsの取り組みについて、そうした現場で暮らしている方々にどうやって取り組んでいただくのか、取り組みの方向性をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、SDGs達成に向けた取り組みといたしまして、資源管理や環境配慮の取り組みを証明する水産エコラベルの取得を促進するため、漁協等に対しまして、認証取得のメリットのPRや、認証取得手続に要する費用の支援等を行ってございます。

○奥澤委員 さまざま支援をしているということで、これが取り組みとして定着していくように、ぜひとも力を入れてほしいというふうに思います。
 また、SDGsというのは、今では人材を呼び込んでいくという上でも、また、特に先進国になるかと思いますけれども、取引をしていく、販路開拓をしていく、そういった意味でも、非常に欠かせない要素になってきていると思います。理念だけで終わらないように、経営に落とし込まれていく、そういった取り組みに期待しております。
 漁業人材の確保は重要ですけれども、本プランにもあるように、定着率が低いことは喫緊の課題です。その理由についてはどのように考えて改善を図っているのかお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都におきましては、新規漁業就業者の定着率が全国と比べて低い要因として、新規漁業就業者の受け入れや育成が、指導者である、いわゆる親方任せで、周囲の支援も十分でないことが挙げられております。
 このため本年度から、新規漁業就業者の定着や育成を総合的にサポートする総合窓口を整備し、研修や巡回指導等を行ってまいります。

○奥澤委員 先ほども挙げたSDGsの機運の高まりだったりだとか、あるいはコロナ禍ということもあって、自然と共生していく生き方を選んでいく、そういった方々もふえているように思います。
 そういった方々が飛び込んだはいいけれども、親方任せということで、なかなか価値観が一致しないというか、厳しい指導を受けてやめてしまうというようなことにならないように、ぜひともサポートをしていただきたいなと思います。
 日本のあらゆる場面で、特に一次産業全てにいえることかもしれません。親方任せというか、新規参入のハードルを高めてしまう一つの要因でもあると思います。
 一方で、農業などにおいては、新規参入した企業と、もともと農業を行っている方が協働して、高い付加価値のある商品を提供する、そういった取り組みもあって、安定した経営を行っているところも出てきていると思います。
 水産業においても、意欲ある方が東京で漁業に就業できるように、マッチングにも力を入れていくべきと思いますけれども、見解をお伺いします。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、都におきましては、国が主催します漁業就業支援フェア等を通じまして、意欲ある就業希望者と受け入れ先とのマッチングを行っており、今後も多くの若者に関心を持ってもらえるよう、東京の漁業の魅力を発信するとともに、効果的なマッチングに努めてまいります。

○奥澤委員 効果的なマッチングに努めていくということで期待をしたいと思います。
 関連して、このプランについて意見を述べて、水産業振興プランは終わりにしたいと思いますけれども、本プランには、コラムとして、水と福祉、水福連携について、新たな担い手の確保という文脈で関心が高まっているということが記載をされています。
 とある障害者就労施設を視察したときのお話をさせていただくと、そこは、水産業ではなくて、染物の場所なんですけれども、非常に水を大量に扱うような場所です。そこに通うある利用者さんはさまざまな仕事をお願いしても一向に長続きしないと困っていたそうですけれども、水が大好きだという特性を持っていたので、商品と直接触れる重要な役割を果たして任せていいものかと悩みながらだったけれども、水を使う作業をお願いしたところ、見る見る上達して、今では右に出る者はいないというような状況までなっているというお話を聞いています。
 障害のある方々に対して、見方をぜひ変えてほしいということで、今、お話をさせていただきました。
 何か不得意なこと、できないことがある、その人たちにどうにかして働いてもらおうという発想では、なかなか水福連携というのは進まないと思います。ただ一方で、何かが飛び抜けて得意な方なんだという見方をするだけで、その可能性は大いに広がります。事実、その特性を生かした連携で利益を上げている水産事業者も、全国を見渡すといらっしゃいます。
 これもまた、親方頼みの人材育成ということ、つまり、一子相伝というか、その関係者だけでやっているというところから脱却していかないといけないと、そういったことが今、もしかすると日本の一次産業全てに問われていることなのかななんていうことも思うところです。
 水福連携というのは、そういった意味でも、これからの水産業のあり方、あるいは福祉のあり方というものを変えていこうという取り組みだと思っておりますので、今後どのように広がっていくのか、期待を込めて見させていただきたいというふうに思っています。
 ここからは、森づくり推進プランについて質問をしていきたいと思います。
 皆さん、それぞれの選挙区で、森とのかかわり方とか、自然とのかかわり方というのはそれぞれ違うと思いますけれども、私のこの四年間の任期の中で、一応、ここが最後の質問テーマになるのかなというところで、お答えいただくのが元町田市の副市長を務められた山田部長であるということは、また感慨深いものだなと、同じ光景を想像しながら質問できるというのはうれしいことだなというふうに思っています。
 森づくり推進プランですけれども、新型コロナの影響で、経済社会活動の縮小によって住宅着工戸数が減って、林業に影響を及ぼす懸念というのが書かれているところですけれども、森づくりに関しては、今に始まった話ではなくて、日本国内の需要だけ、今までの発想だけで林業が発展するという見込みはなかなか薄いんじゃないかと、危機感は高まっています。
 林業にもさまざまありますけれども、欧州型と呼ばれる効率化や集約化、高付加価値化による外需を獲得する、そういったやり方も世界にはあるところです。一気通貫で林業をマネジメントしていく、そういった国もあるという中で、東京のように、決して大規模な場所はない、また傾斜地なんかもあってなかなか難しい土地柄がある。
 そういった中で、一方で、大消費地である東京、都心があるという立地条件の中で、林業というのはどういった方向を目指していけばいいんだろうかと。やはり、林業が自立した上で理想の森づくりを進めていく、こういったことが肝要だというふうに思っています。
 そうした観点から、森づくり推進プランというのは、重要なプランであると私は考えています。欧州に見られるように、林業が産業として自立していく先例から学んでいくことが重要だというふうに思います。
 まず初めに、今後、林業を振興するためにどのように取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京の林業が自立していくためには、林業の生産基盤を確立するとともに、稼ぐ力を高めていくことが重要でございます。
 このため都では、路網整備や、林業従事者の確保、育成を着実に進めるとともに、小規模な森林の集約化など、生産性の向上やデジタル技術の活用による収益性の向上を推進してまいります。
 さらに、多摩産材の認知度向上を通じ、需要の拡大を図ることで、東京の林業を振興してまいります。

○奥澤委員 冒頭に、稼ぐ力を高める必要性というのが述べられたというところで、まず意識のすり合わせができたのかなというふうに思っています。その具体化に期待をしたいところですけれども、とはいえ、その産業構造上、人の力に頼らざるを得ないという部分が大きいです。
 新規就業者の確保と育成について、労働環境の厳しさに理想との隔たりを感じて離職してしまう従事者も多いということが記載されていました。
 一方で、これは外国の事例ですけれども、ドイツでは、木材産業全体の雇用者数が約百三十五万人と推計されていて、自動車産業の約七十五万人よりも多いという結果もあります。
 つまり、林業が必ずしも人材が定着しない、あるいは産業として成長しない、そういったものではなくて、創意工夫の余地は残されているんだということが示唆されていると思います。
 そこで、労働環境や研修、育成環境の整備についての見解をお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 平成二十七年の国勢調査によりますと、東京の林業従事者数は三百二十四人と極めて少なく、高齢化も進んでおり、森林を将来にわたって健全に維持していくためには、新規就業者の確保と育成に向けた支援が不可欠でございます。
 このため都は、就労五年目までの従事者を対象とする技術研修や、各種資格取得に対して支援するとともに、安全装備品の購入経費の助成を実施しているところでございます。

○奥澤委員 今、林業従事者の数三百二十四人と、少ないということはあります。しかも、高齢化が進んでいるということで、これから、かなりてこ入れというか、取り組みを進めていかないといけないだろうということが考えられると思います。
 林業人材の確保については、先ほども水産業の方でも話しましたけれども、その家族とか、やってきた人にしかわからないというようなお話をよく聞きます。確かにいわれてみると、林業従事者の方々というのがどういった生活をしているんだろうかというのは、全く私も想像がつかないところです。
 そう考えていくと、もちろん目の前にある環境整備というのは重要なんですけれども、保育だとか教育だとか、そういった場面で林業と触れ合っていく、こういったことも大事だし、東京都では、とうきょう林業サポート隊、あるいは企業の森といった形で、森を開いていくといったらいいですかね、今までかかわっていなかった人たちにも接してもらう、そういったことを取り組んでいるところがあると思います。こういったことが長い目で見て価値があるんだろうというふうなことにも思います。
 冒頭述べましたけれども、コロナ禍によって自然との触れ合いを求めている方々がたくさんふえています。農業分野ではありますけれども、援農ボランティアの方々が急増しているということもあります。林業においても、積極的なPRをすべきだと考えています。
 加えて、林業の場合には、先ほど、産業としての厳しさがあって、公金を投入していかないとなかなか整備がされないんだという部分、これは一定程度仕方ないんですけれども、そこに民間の資金だとか、あるいは人材が投入されるということになることを考えると、つまり、公金を投入する部分が減っていくようなことにもなるわけですから、企業だとか人材に一定のインセンティブが付与されていく、そういった仕組みが重要なんじゃないかというふうに思います。
 企業や個人が東京の林業に興味を高めていくこと、そして森づくりへ参画を促していくためにどのように取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、企業の森におきまして、企業や団体から森林整備への資金協力をいただくとともに、社員やご家族の方の森づくり体験などに利用していただいております。
 今後は、企業等の要望に応じまして、活動内容を柔軟に見直すことなどにより、多くの企業の参画を促してまいります。
 また、都民が森林整備作業などにボランティアとして活動していただいておりますとうきょう林業サポート隊では、新規メンバーの獲得に向けまして、幅広い世代に向けたPRを実施しております。

○奥澤委員 企業等の要望に応じてということでしたけれども、より企業にとってメリットのある形というのも、ぜひ考えていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 最後の質問になりますけれども、さまざま方針が示されている本プランですけれども、一番大事なのは、それがいかにして実現をされていくのかということだと思います。
 プランの後半に、施策の一覧、それからスケジュールが記載されているんですけれども、私の目線からすると、目標だとか、これまでの経過ということが読み取りにくくて、いわゆるPDCAサイクルというのを回すのに不足するんじゃないかというふうにも感じたところです。
 そこで、お伺いしますけれども、適切なチェックと改善をしていくためにどのように取り組んでいくのかお伺いします。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 本プランでは、今後十年間に重点的に取り組む施策を明らかにするとともに、個々の施策を推進することで達成すべき主要な目標を設定してございます。
 今回のプラン改定に当たりましては、東京都農林・漁業振興対策審議会におきまして、現場を抱える業界の代表者や学識経験者などからご意見をいただき、これまでのさまざまな取り組みの成果を検証して、新たな施策に反映いたしております。
 今後も、こうしたPDCAサイクルを着実に実行してまいります。

○奥澤委員 それでは、最後に、意見を述べさせていただきたいと思います。
 四年前ですかね、私、経済・港湾委員会ではなかったですけれども、PDCAという話をしたときに、数字、特に実績値だとか、政策効果みたいなものがなかなか出てこなかったなというのを、この質問を書きながら思い出していまして、PDCAを回す前提になる目標とか実績、こういったものというのが、ここのところといったらいいですかね、やりとりをする中で、当たり前のように出てくる環境になってきたなということをすごく思っています。
 それだけではなくて、じゃあ何でこの政策をやるんだという根拠だったりだとか、それによってこういった効果を狙っているんだということを、しっかりと語ってくれるというか、そういった職員さんとのやりとりがふえてきたことは、私自身としては大変うれしく思っているところです。
 やっぱり、これだけ大きな組織でさまざま事業をやっていると、惰性に近いような、とにかくやっているというような、やることが目的化しているようなものもたくさん見受けられてしまうことがあるし、私自身も、だからこそ、このPDCAというものには大変こだわってやってきました。
 数字を求めて質問していくので、皆さんからすると、大変かなり厳しい態度で臨まれたなというふうに思ったこともあるかもしれないですけれども、今、プランを決めて、そこの数値の目標をつくって、そこをクリアしていくことが、必ず十年後、二十年後に花開いてくると思っておりますので、ぜひとも、これからもそれを頑張っていただきたいということをお贈りしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○平委員 私からは、水産業振興プランについてお伺いをいたします。
 今般改定された都の新たなプランによれば、東京の漁業就業者数は、この十年で約三割減少、六十歳以上の割合も四割以上で上昇傾向にあるなど、漁業就業者の減少と高齢化が進んでいることがわかります。
 漁業においては、漁業者の長年の経験や勘に基づく操業が行われているケースも多いと思われますが、熟練の漁業者の退職などにより、こうしたノウハウが失われることも懸念されます。
 また、漁業者等からは、気候変動の影響等により、これまでの勘や経験が通用しなくなりつつあるといった声も聞かれます。
 こうした中で、漁業を効果的に行っていくためには、近年、水産の分野でも導入が見られ始めたデジタル技術等を積極的に導入し、科学的な視点から漁業操業を支援していくことも重要と考えます。見解をお伺いいたします。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、都におきましては、漁業調査船や観測ブイなどから得られました海水温や海流の向き、速さ等のデータを公開しまして、漁業者が漁場を決める際の情報として活用しております。
 しかしながら、現在では、観測地点が限られるほか、過去の実測値であることから、漁業者等からは、広範囲のデータ提供や今後の予測値の提供が求められております。
 このため、新たなプランでは、効率的で計画的な操業の実現に向けまして、デジタル技術の活用により、漁や海の状況を数週間先まで予測する漁海況予測システムの構築を進めていくこととしております。
 具体的には、モデル地区におきまして、令和四年度中の運用開始を目指しまして、本年度から基礎システムの開発に着手いたします。

○平委員 デジタル技術の導入により、漁業の効率化も図れます。システムの開発を着実に進めていただくことを要望いたします。
 続きまして、水産業の成長産業化、ブランド化に向けての取り組みについて伺います。
 水産業の成長産業化に向けては、東京産水産物の競争力を高めるため、東京産クロマグロのブランド化の推進、認知度や品質の向上が必要です。
 水産物の国内市場が縮小傾向にあり、量から質への転換も求められる中で、高品質化等により、これまで以上に水産物の価値を高めていくべきと考えます。
 東京産水産物のブランド化に向けた取り組みをお伺いいたします。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京の水産業を稼げる産業へと成長させていくためには、東京産水産物の価値を高めていくことが重要でございます。
 都は、新たなプランの中で、クロマグロなど東京産水産物のブランド化を推進していくこととしております。
 具体的には、近年、伊豆諸島で漁獲がふえているクロマグロについて、漁業者に対し、漁獲時の血抜き技術の指導や、冷却効果の高いシャーベットアイス等の導入を支援し、鮮度保持など品質向上を図ることで、高付加価値化を進めてまいります。
 また、市場や小売店、飲食店等と連携し、流通の各段階でのPRを行いまして、東京産水産物の認知度向上につなげてまいりたいと思います。
 こうした取り組みによりまして、東京の水産業のさらなる競争力強化を図ってまいります。

○平委員 ブランド化による競争力の強化を図ることによって、漁業経営の安定化につなげていただくことを要望いたします。
 最後に、コロナ禍による水産物の市場変化への対応についてお伺いをいたします。
 コロナ禍による外出自粛等により、飲食店などは水産物需要が減少する一方、自宅での飲食機会がふえたことによって、スーパーマーケットなど小売店では水産物の販売実績が伸びています。
 こうしたニーズの変化を捉え、漁業者が事業を継続していくためには、これまでにない売り方や売り先を開拓し、新たな需要を取り込んでいくことが必要と考えます。見解をお伺いいたします。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京産水産物の多くは、これまで鮮魚として市場出荷されてきていましたが、外食需要の落ち込み等により、市場での取引が低迷してきてございます。
 このため都は、漁協等に対し、値崩れして市場に出荷できない高級魚を高品質で長期間冷凍できる設備等の導入経費や、冷凍、加工品の開発、販路拡大のためのコンサルティング経費を支援し、販売形態の多角化を後押ししております。
 加えまして、内食、中食など、家庭での水産物の需要が増加していることから、今後は、小売店等と連携したPRイベントの開催などにより、新たな需要開拓に努めてまいります。

○平委員 ありがとうございます。
 食品の流通と消費形態の変化をチャンスと捉え、ご答弁いただいた新たな需要開拓によって、水産業の振興、発展につなげていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○あぜ上委員 それでは、私の方からは、水産業振興プランについて意見を述べさせていただきます。
 漁業者の経営の安定と地域、魚種の特徴を生かした資源管理を進め、水産物の安定供給を図ることは喫緊の課題です。
 二〇一四年三月に策定しました現行のプランは、七年が経過し、このたび見直しが行われることとなりました。見直しに当たっては、さらなる漁業者の減少や、キンメダイなどを初めとした資源の減少、海洋環境の変化などの課題に対する漁業者、関係者などの意見を踏まえ、適切に取り組んでいくことが求められていると思います。十分、都内の漁業者等の意見を踏まえた見直しとなるよう求めます。
 その上で、何点か意見を述べさせていただきたいと思います。
 一つは、資源管理の問題です。
 二〇一八年十二月の漁業法改定によって、これまでの地域や魚種に応じた漁獲時期や漁獲量の規制など、漁業者主体の資源管理から、魚種ごとの総漁獲可能量を計算し、管理するTAC管理を拡大する方向となりました。
 資源管理は、何よりも、東京の漁業を守り支えてこられた漁業者のこれまでの取り組みを生かしたものにし、漁業協同組合の意見をしっかり反映させることが重要であることを指摘しておきたいと思います。
 次に、海洋環境が変化する中での栽培漁業、漁場造成などについてです。
 私も、島しょ地域の方々のご意見を伺い、漁業における温暖化の影響は深刻だと痛感いたしました。
 以前、いそ焼け問題を当委員会でも取り上げてきましたけれども、そのことで、貝類や魚類の繁殖がうまくいかなくなっているなど、深刻な状況でございます。温暖化対策を環境局など他の機関とも連携して、本格的に取り組む必要があると思います。同時に、更新時期を迎えております栽培漁業センターは、改築を進めるに当たって、海洋環境の変化や漁業者のニーズに応えた研究などが行える施設となるよう求めておきたいと思います。
 次に、漁業人材確保、育成についてです。
 東京都農林・漁業振興対策審議会の漁業部会でも指摘がありましたけれども、近年の島しょ地域での新規就業者は、年間五、六人と少ない上、定着率が全国平均と比べても低くなっています。なぜ定着率が低いのかなどの問題は、新規就業者や関係者の意見などもよく聞いて分析をし、漁業人材の確保対策に生かす必要があると思います。都立大島海洋国際高校などの教育の拡充を図るとともに、定着支援として、住まいの確保や、ソフト面での支援などの抜本的拡充を求めたいと思います。
 また、漁業者の所得補償や、加工品の販路の確保、地産地消の推進、産地における水産加工の振興などの支援強化を求めます。
 さらに、東京産水産物の魅力をより多くの都民に知っていただくための発信や、観光産業と結びつけた取り組みも推進するよう求めます。
 最後に一言申し上げます。
 水産業振興プランが都内漁業者及び都民の意見がより反映されたものにするためには、パブリックコメントは重要です。しかしながら、パブリックコメントを実施していることは、ホームページを見ても大変わかりにくいですし、都の広報、お知らせでもわかりません。パブリックコメントの周知方法や期間を改善することを要望しておきます。
 以上、水産業振興プランに対する意見といたします。
 以上です。ありがとうございました。

○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○菅原委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分、第百五十五号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第六号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分及び第百五十五号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分を一括して採決をいたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認めます。よって、第百七号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分及び第百五十五号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第八号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第四号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和三年度東京都一般会計補正予算(第六号 )の報告及び承認について中、経済・港湾委員会所管分を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○菅原委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情三第三四号及び陳情三第三五号を議題といたします。
 本件につきましては、先日の本会議において本委員会に付託されたばかりであり、十分な調査検討を行う時間がありませんので、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三第三四号及び陳情三第三五号は継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。

○菅原委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○菅原委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、河内中央卸売市場長から発言を求められておりますので、これを許します。

○河内中央卸売市場長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 菅原委員長を初め委員の皆様方には、本定例会に提案いたしました議案等につきまして、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご指導をしっかりと受けとめ、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○菅原委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 本日で委員長任期最後の委員会が閉会することになりました。これまで一年間にわたり、菅野副委員長、けいの副委員長を初めとして、理事、委員の皆様には、本委員会の運営に当たり多大なご協力をいただきましたことに心より感謝を申し上げます。
 本委員会は、中小企業振興や観光振興を担う産業労働局、都民の食を預かる中央卸売市場、東京の物流を担う港湾局、そして労働委員会事務局を所管する重要な委員会です。
 特に本年は、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、これまでに経験のない施策の審議が続きました。委員会として、真摯かつ活発なご議論をいただきました。
 今後とも、委員の皆様のさらなるご活躍をご祈念申し上げますとともに、本委員会を支えていただきました担当書記の河野さん、中野さん、渡壁さんに感謝を申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時九分散会

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