委員長 | 菅原 直志君 |
副委員長 | けいの信一君 |
副委員長 | 菅野 弘一君 |
理事 | 奥澤 高広君 |
理事 | 滝田やすひこ君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
福島りえこ君 | |
栗下 善行君 | |
後藤 なみ君 | |
長橋 桂一君 | |
あぜ上三和子君 | |
高倉 良生君 | |
山崎 一輝君 | |
三宅しげき君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 村松 明典君 |
次長総務部長事務取扱 | 坂本 雅彦君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 勝見 恭子君 | |
商工部長 | 土村 武史君 | |
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 荒井 芳則君 | |
金融部長 | 篠原 敏幸君 | |
金融支援担当部長 | 井上 卓君 | |
観光部長 | 松本 明子君 | |
観光振興担当部長 | 小林あかね君 | |
農林水産部長 | 上林山 隆君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長 | 龍野 功君 | |
雇用就業部長 | 村西 紀章君 | |
事業推進担当部長 | 鈴木のり子君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 黒沼 靖君 |
管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
事業部長 | 西坂 啓之君 | |
企画担当部長 | 猪倉 雅生君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木 珠君 | |
財政調整担当部長渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 | 村上 章君 | |
移転支援担当部長 | 石井 浩二君 | |
施設担当部長 | 渡辺 正信君 | |
環境改善担当部長 | 佐々木宏章君 | |
港湾局 | 局長 | 古谷ひろみ君 |
技監 | 原 浩君 | |
総務部長 | 相田 佳子君 | |
企画担当部長オリンピック・ パラリンピック調整担当部長兼務 | 深井 稔君 | |
調整担当部長 | 若林 憲君 | |
港湾経営部長 | 戸井崎正巳君 | |
臨海開発部長 | 中村 昌明君 | |
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 | 佐藤 賢治君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 赤木 宏行君 | |
臨海副都心開発調整担当部長 | 松本 達也君 | |
港湾整備部長 | 山岡 達也君 | |
計画調整担当部長 | 薮中 克一君 | |
離島港湾部長 | 片寄 光彦君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 高野 豪君 |
本日の会議に付した事件
理事の互選
意見書について
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百十二号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その六)について
報告事項(質疑)
・東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立てについて(中央卸売市場会計分)
港湾局関係
契約議案の調査
・第二百二号議案 神津島港津波避難施設(二)新築工事その三請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百十三号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その七)について
・第二百三十一号議案 晴海客船ターミナル外四施設の指定管理者の指定について
・第二百三十二号議案 竹芝客船ターミナル外一施設の指定管理者の指定について
・第二百三十三号議案 竹芝ふ頭船舶給水施設外七施設の指定管理者の指定について
・第二百三十四号議案 東京都立葛西海浜公園の指定管理者の指定について
・第二百三十五号議案 二見漁港桟橋(1)外八施設の指定管理者の指定について
・第二百三十六号議案 東京都八丈島空港の指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立てについて(臨海地域開発事業会計分)
産業労働局関係
付託議案の審査
・第百八十七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出、債務負担行為 産業労働局所管分(質疑)
・第二百十一号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その五)について(質疑)
・第二百二十九号議案 東京都立産業貿易センター台東館の指定管理者の指定について(質疑)
・第二百三十号議案 東京都立多摩産業交流センターの指定管理者の指定について(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十二号)の報告及び承認について(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・回収納付金を受け取る権利の放棄について
○菅原委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る十一月二十七日付をもって、伊藤ゆう議員が本委員会から厚生委員会に所属変更になり、新たに後藤なみ議員が厚生委員会から本委員会に所属変更になった旨の通知がございましたので、報告をいたします。
この際、新任の後藤なみ委員をご紹介いたします。
○後藤委員 よろしくお願いいたします。
○菅原委員長 紹介は終わりました。
○菅原委員長 次に、伊藤ゆう議員の所属変更に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○後藤委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。
○菅原委員長 ただいまの動議にご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認めます。よって、理事には滝田やすひこ委員をご指名申し上げます。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認めます。よって、理事には滝田やすひこ委員が当選されました。
なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承をお願いいたします。
○菅原委員長 次に、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りをいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○菅原委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布をしてあります。
朗読は省略いたします。
令和二年十二月九日
東京都議会議長 石川 良一
経済・港湾委員長 菅原 直志殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百二号議案 神津島港津波避難施設(二)新築工事その三請負契約
2 提出期限 令和二年十二月十一日(金)
○菅原委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場、港湾局、産業労働局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに港湾局関係の契約議案の調査を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第二百十二号議案及び報告事項、東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立てについて(中央卸売市場会計分)を一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了をいたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○菅原委員長 これより港湾局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百二号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了をいたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○菅原委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第二百十三号議案、第二百三十一号議案から第二百三十六号議案まで及び報告事項、東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立てについて(臨海地域開発事業会計分)を一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○福島委員 私からはまず、葛西海浜公園の指定管理者についてお伺いをいたします。
平成十五年九月の地方自治法改正により、住民サービスの向上と経費削減を目的に、民間の団体も公の施設の管理ができるよう、指定管理者制度が導入されました。
今回、東京都立葛西海浜公園について指定管理者が決定したことを受けて、幾つか質問をさせていただきます。
まず、これまでの葛西海浜公園の指定管理の経緯についてお伺いをいたします。
○中村臨海開発部長 都においては、平成十八年度から、民間のノウハウを活用できる指定管理者制度が導入されたことに伴い、葛西海浜公園においても、これまで東京都公園協会が葛西臨海公園とともに一体的な管理を行ってまいりました。
平成三十年に葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録されたことにより、新たに同条約の理念にのっとった良好な自然環境の保全や利活用が必要となったことから、このたび葛西臨海公園とは切り離し、葛西海浜公園単独での指定管理者の公募をすることといたしました。
○福島委員 ラムサール条約を契機に指定管理者制度を活用して、より適切な運営を目指すことを理解いたしました。
募集要項を拝見させていただきました。団体等の能力の検証、海上公園の効用の発揮、適正な維持管理、そして管理運営の効率化ということを求めています。
今回、ホテルや造園で実績のある西武造園株式会社と、公園緑地の管理をなりわいとし創立二十周年を迎えるNPO法人エヌピーオーバースから構成される葛西海浜公園パートナーズが選定されましたが、その選定理由について既に説明を受けております。
そこで、公募において先方からどのような提案があったのか、特に東京都が高く評価した点を中心にお伺いいたします。
○中村臨海開発部長 今回の公募において、指定管理者候補者からは、ラムサール条約の理念を踏まえた自然環境の保護等に関するさまざまな提案がございました。
具体的には、ラムサール条約登録湿地の普及啓発を推進するため、専門知識を持ったパークレンジャーを配置し、干潟のモニタリング調査などの保全活動を初め、干潟の生き物の展示や環境教育プログラムの運営などを実施すると。また、公園の魅力向上に向けて、学校の総合学習や企業からのボランティアを受け入れるなど、多様な主体とのパートナーシップにより公園づくりを進めるなどの提案があり、この点について評価をしております。
○福島委員 ありがとうございます。
環境省のサイトによれば、ラムサール条約の目的は、湿地の保全と再生、そしてワイズユース、賢明な利用、そして三つ目としてこれらを促進する学習、交流というふうに載せられています。
NPO法人エヌピーオーバースで実績のあるパークレンジャーによるモニタリングにより湿地を保全するとともに、学校の総合学習や企業ボランティアの受け入れなど、多様な主体との交流や学習機会が設けられることがわかりました。
葛西海浜公園では、ごみ拾いを初め、既に多くのNPOが活動している模様です。連携は大切だと考えます。
このラムサール条約湿地への登録については、次の三つがこの登録基準に合致したためといわれておりまして、これらを測定することは大切だと考えます。
一つ目は、動植物のライフサイクルの重要な段階を支えている湿地であり、また、悪条件の期間中に動植物の避難場所となる湿地、二つ目には、定期的に二万羽以上の水鳥を支えている湿地、そして三つ目は、水鳥の一種類または一亜種の個体群の個体数の一%以上を定期的に支えている湿地ということです。
これらを踏まえまして、この指定管理開始後に指定管理者の評価、これをどのようにするかをお伺いいたします。
○中村臨海開発部長 指定管理開始後は、毎年度、学識経験者などから構成される指定管理者評価委員会において管理運営状況を評価し、指定管理者に対して適切な管理運営を監督する仕組みとなっております。
具体的な評価手法の例としては、野鳥や水生生物等の貴重な生息地である干潟が適切に管理されているかという点について、都や指定管理者が実施する干潟に生息する生物のモニタリング調査などを参考に評価を行うこと、また、指定管理候補者から提案のあった利用者ニーズのアンケート調査の実施により、利用者の満足度についての評価を行うこと等でございます。
○福島委員 干潟に生息する生物のモニタリング調査や利用者のニーズアンケートなど、定量的な評価が行われることを確認いたしました。
海浜公園は、東京湾に残された貴重な湿地です。三点の質疑を通じて、民間の力を生かし、より多様な主体がかかわることで利用者の満足度を上げるとともに、維持管理が適切になされるためにさまざまな取り組みが行われることを確認いたしました。
ラムサール条約湿地登録後における制度導入初回ということで、都も今後、この指定管理者と密に情報交換を行い、必要に応じて次回以降の募集要項に反映するなど継続した改善を求めて、質疑を終わります。
○あぜ上委員 それでは、私から、第二百三十四号議案、葛西海浜公園の指定管理について伺いたいと思います。
葛西海浜公園の指定管理についてですが、管理者は公募で選定し、西武造園株式会社と特定非営利活動法人エヌピーオーバースで構成する葛西海浜公園パートナーズに五年間指定する案件でございます。
葛西海浜公園というのは、西なぎさは水遊びやいそ遊び、そして潮干狩りや釣りなど、自然と触れ合える、そういうこともできるなぎさです。また、東なぎさは、野鳥の生息湿地として大変貴重な公園であります。
そこで、まず伺いたいんですが、葛西海浜公園の指定管理先が、隣地の葛西臨海公園と同じ公園協会でありましたけれども、今回は別の選定となったわけです。臨海公園と別になった理由をお示しいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 葛西海浜公園については、平成三十年十月にラムサール条約湿地に登録されたことから、新たなワイズユースなどの同条約の理念にのっとった管理運営が必要となっております。
具体的には、干潟の保全や良好な環境の維持管理運営、登録湿地としての普及啓発、地域との連携による持続的な利活用などを図っていくことが求められているため、葛西海浜公園単独での公募により、指定管理候補者を選定いたしました。
○あぜ上委員 以前私も現地に行きまして、公園協会も大変努力されて、日本野鳥の会の皆さんや生態教育センターの方々など、専門性を持った方々と連携され、一定の力をつけてきたということもわかったわけですが、しかし、その継続性をどう担保するのかという不安があったわけです。
二〇一八年にラムサール条約湿地に登録されたということから、海浜公園を単独で管理するというふうに決めたということについては、よかったなというふうに思っております。
ラムサール湿地登録されたことで、これまでの選定基準と変わる基準があったのかどうか、その点お示しください。
○中村臨海開発部長 今回の選定に当たりましては、ラムサール条約の理念に基づき、適切な干潟の保全や利活用が求められること、また、これまで干潟の保全活動を行ってきた地元NPO団体との十分な連携が必要となります。
このため、選定基準にラムサール条約湿地に関する保全活用等の取り組みに積極的であるかという項目を新たに追加し、提案の具体的内容を審査することといたしました。
○あぜ上委員 項目が追加されたということであります。
指定管理者の候補の葛西海浜公園パートナーズの事業計画書も読ませていただきました。確かに、生物多様性保全の拠点となる干潟や砂浜の保全に取り組むというふうに書かれておりました。
そもそも、この公園の歴史、これを振り返ってみますと、もともと七百年ぐらい前からだったでしょうか、漁場として栄えておりました。それが七十年ぐらい前から高度成長期に入る中で、東京へと人と産業が集中したと。そういう中で、多くの工場もこの地域にできたわけです。その工場で排水なども多く東京湾に流されて、東京湾の汚染が進んで、建設残土とか、それから産業廃棄物、こういったものも捨てられるようになる。
こういう中で、地元の方を中心に、やっぱりこのままではだめなんじゃないかと、自然を回復させないといけないんじゃないかと、こういう声が非常に高まったと。そういう中で、都の港湾局が、当時の港湾局の皆さんが、三枚州の自然回復のために人工なぎさをつくられたわけです。それで海浜公園として整備をされてきた。本当に大変な整備だったというふうに伺っていますが、まさに港湾局の皆さんを初め、多くの方々のご努力の結果生まれたかけがえのない公園だというふうに認識しております。
だから、二〇一八年のラムサール条約の湿地に登録された、このときには地元の方々を初め、日本野鳥の会の皆さん、私もお話を聞きましたが、こもごも感無量だ、本当にここは東京の誇りだよというふうにお話を伺ったところであります。
今では百四十種類の底生生物、そして二百六十種類の野鳥が生息しているわけです。
今回の指定管理における提案額、これは幾らになったのでしょうか。また、そのうち、水域管理、どのように反映しているのか伺います。
○中村臨海開発部長 今回の指定管理候補者の提案額は、初年度である令和三年度が一億二千四百万円、令和四年度から令和七年度が年間約一億二千百万円です。
葛西海浜公園の管理業務には、陸上からの水域管理や海浜への漂着物の回収のほか、今般のラムサール条約湿地に登録されたことを踏まえて、適切な干潟の維持管理などが含まれており、これらに係る経費も都への提案額に反映されているところでございます。
○あぜ上委員 今年度の協定額は一億六百二十五万ということですよね。二千万ふえたということであります。
事業計画において、職員の体制はどのようになっていらっしゃるんでしょうか。
○中村臨海開発部長 指定管理候補者の事業計画における職員体制は、常勤職員が四名、非常勤のサポートスタッフが三名、そのほかに、閉園後の巡回警備と、夏季のライフセーバーの配置について提案がなされております。
○あぜ上委員 現在の職員は、常勤二人、あと非常勤の方々ということですから、約二千万円の増ということは、人件費もふえた、それから、さまざまな単価がふえたということだと思います。
ふやしたこと自身は、よかったというふうに思っているんですが、隣地の葛西臨海公園、ここは、水族館と観覧車を除いた、いわゆる公園の管理、この職員は、ちょっと前なんですけれども聞いたところ、十七人ということで、常勤が十人と伺っています。
管理面積も、葛西海浜公園の方が非常に広いと。五倍近くもあるという中で、常勤四人というので本当に大丈夫なのかなと心配しているところです。
葛西海浜公園の昨年度一年間の利用者数は何人だったんでしょうか。
○中村臨海開発部長 令和元年度における葛西海浜公園の利用者数は、指定管理者からの報告によると、約四十八万人でございます。
○あぜ上委員 四十八万人とたくさんの方が海浜公園を利用されているということであります。
もちろん夏場は、先ほどご答弁がありましたけれども、ライフセーバーの方も配置されているということであります。日常的には、干潟を歩く人、それから、潮干狩り、バーベキューなどもできる、こういう海浜公園として利用も多いことから、職員の配置は大変重要だというふうに思っております。
ことしの四月には港湾局として、高潮氾濫危険水位、これを設定されて、七月には浸水が想定される区域を設定されました。葛西海浜公園の場合は、なぎさですから真っ先に避難しなければならないということだと思うんです。公園に行くとわかりますけれども、入り口には門があって、暴風や高潮、それから、波浪警報が発せられた場合には入り口は閉鎖ということになっております。
地震等、災害発生時における対応というのはどうなっていらっしゃるんでしょうか。
○中村臨海開発部長 地震等の災害発生時は、来園者は、防災公園に指定されている隣接する葛西臨海公園に避難することとなっております。
葛西海浜公園の指定管理者としては、災害発生時には現地対策本部を立ち上げ、周辺施設と連携することとしているほか、地元区や近隣の施設管理者から構成される葛西臨海エリア連絡協議会の一員として防災訓練に参加するなど、来園者の安全・安心の確保に努めていくこととしております。
○あぜ上委員 海浜公園という特別な場所であります。隣地の葛西臨海公園に避難誘導するということでありますよね。高潮、また、津波などに特化した限られた時間の中での避難という、この避難訓練は、職員の方々にとっても、それから利用者にとっても非常に重要で、繰り返し行う、そういう必要があるんじゃないかというふうに思います。その点は強く求めておきたいと思います。
また、最初のご答弁の中で、ワイズユース、賢明な利用などラムサール条約の理念に沿った管理運営が必要だというお話もありましたが、湿地の生態系を損なわず、持続的に維持、利用していくことにより、人間生活をより豊かにするとともに、次世代へ継承していく、こういう特別な海浜公園であることから、管理において非常に専門性の求められる公園であるということがいえるんじゃないかと思っております。
改めて調べてみたんですけれども、関東最大の汽水湖、涸沼は、同じやはりラムサール条約の湿地登録地でありますが、ここは茨城町が公園を直接管理をされています。
また、ラムサール条約の、同じように湿地登録の渡良瀬遊水地、ここは三つの遊水池から成り立っておりますけれども、湿地の保全、再生を行っている第二遊水池というところは、国土交通省の利根川上流河川事務所が管理をされています。
葛西海浜公園は、海に向かって弓型に広がるなぎさになっておりまして、全体の面積も三百六十七ヘクタールと大変広い。潮が引くと二キロメートル先まで干潟があらわれるというところでございます。その干潟の中にいる底生生物を食べに野鳥が来て、野鳥たちがここで産卵もすると。私も産卵したところを見ましたけれども、赤いポールを置いて、人が踏みつけないように保護をしている、そんな公園でもあるわけです。
そういう意味では、東京で唯一のラムサールの条約湿地登録地でもあるということ、それから、災害発生時等には、さらに的確な避難誘導、指示が必要な公園であるということ、こういった点を踏まえた管理が必要であるというふうに思います。
そういった点を考えますと、港湾局が長期的に責任を持って、職員の方が維持管理されるべきではないかと思うわけです。
私はそのことを求めまして、質疑を終わりたいと思います。
○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了をいたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○菅原委員長 これより産業労働局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
築田産業企画担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承をお願いいたします。
次に、付託議案の審査を行います。
第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出、債務負担行為、産業労働局所管分、第二百十一号議案、第二百二十九号議案及び第二百三十号議案並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十二号)の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
それでは、専決について理事者の説明を求めます。
○村松産業労働局長 令和二年第四回東京都議会定例会に提出いたしました案件のうち、東京都一般会計補正予算(第十二号)に係る専決処分一件につきましてご説明を申し上げます。
本補正予算は、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金の支給に伴い、緊急の予算措置を講ずる必要が生じたため、去る十一月二十六日に、地方自治法第百七十九条第一項の規定により、知事による専決処分を行ったものでございます。
また、この専決処分に伴いまして、現在ご審議いただいております令和二年度一般会計の補正予算案の既定予算額等に一部変更が生じております。
なお、補正予算の規模や事項等に変更はございません。
以上で、東京都一般会計補正予算(第十二号)に係る専決処分の概要説明を終わらせていただきます。
なお、案件の詳細につきましては、次長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○坂本次長 東京都一般会計補正予算(第十二号)に係る専決処分につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の資料1、令和二年度一般会計補正予算説明書(令和二年十一月二十六日専決 一般会計補正予算(第十二号))をごらんください。
本補正予算は、緊急の予算措置を講ずる必要が生じたため、去る十一月二十六日に、地方自治法第百七十九条第一項の規定により、知事による専決処分を行ったものでございまして、専決処分の後の都議会にご報告申し上げ、ご承認をお願いするものでございます。
表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。総括表でございます。
今回、専決処分いたしました補正予算額は、合計欄にございますとおり二百億円でございます。
次に、歳入の内訳についてご説明申し上げます。三ページをお開きください。
中段の3、国庫支出金の補正予算額は百四十四億円でございます。これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を受け入れるものでございます。
六ページをお開きください。歳出の説明です。
1、産業政策の立案にて二百億円全額を計上しております。
1、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(新型コロナウイルス感染症緊急対策)は、十一月二十八日から十二月十七日までの都の営業時間短縮要請に協力いただける特別区及び多摩地域の市町村において、酒類の提供を行う飲食店やカラオケ店を運営する中小事業者等を対象に協力金を支給するもので、二百億円を計上しております。
また、この専決処分に伴いまして、先日の本委員会でご説明いたしました令和二年度一般会計の補正予算案の既定予算額等に一部変更が生じましたことから、その際にお配りした資料を再度提出させていただいております。
なお、補正予算の規模や事項等に変更はございません。
詳細につきましては、お手元の資料2、令和二年度一般会計補正予算説明書を後ほどごらんいただければと思います。
以上で、一般会計補正予算(第十二号)に係る専決処分の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○菅原委員長 説明は終わりました。
そのほかの議案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○福島委員 最初に、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金についてお伺いいたします。
コロナ禍において、我が会派は緊急要望を通じ、休業や時短等の要請と補償はセットであるという方針を一貫して主張してまいりました。
第三波と称される今回の感染拡大局面において、都は、特別区及び多摩地域の各市町村の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店の事業者等に対して、先ほどご説明にあったように、十一月二十八日から十二月十七日まで営業時間の短縮を要請するとともに、これに全面的に協力する事業者を対象に、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金として一律四十万円を支給することを決定、その予算について、十一月二十六日に地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分を行いました。
感染症対策は、まずは時期を逸さないことが重要であると考えます。
そこで、感染拡大防止協力金のこれまでの申請件数と支給件数、今回の想定事業者数及び予算額についてお伺いいたします。
○坂本次長 休業要請等に伴う協力金の十一月末時点の実績といたしましては、第一回は約十二万八千件の申請に対して約十一万九千件の支給を、第二回は約十一万四千件の申請に対して約十一万件の支給をそれぞれ行っております。
また、営業時間の短縮要請に伴う協力金の十一月末時点の実績といたしましては、八月の要請実施分では、約四万六千件の申請に対して約四万五千件の支給を、特別区を対象とした九月の要請実施分では、約三万六千件の申請に対して約三万五千件の支給をそれぞれ行っております。
今回の協力金については、四万五千件の申請を想定してございまして、予算額は事務費を含めて二百億円を計上しているところでございます。
○福島委員 これまでの給付実績を踏まえて補正予算額が計上されたことを確認いたしました。
さきのご答弁でもあったように、都は、感染拡大防止を目的に、八月には都内全域の、九月には二十三区の酒類提供を行う飲食店等に対して営業時間の短縮を要請し、協力金を支給しました。しかしながら、これらの効果についてはまだ意見が分かれています。
加えて、第二波では接待を伴う飲食店等で感染が拡大し、無症状あるいは軽症の若者の感染者の割合が高かったのに対し、今回の第三波では高齢者を含めた全世代に感染が広がり、医療施設や介護施設内でクラスター発生、これも起きております。
このため、飲食店の営業時間短縮の感染拡大防止効果はさらに限定されるのではないかという意見もあります。
今回の時短要請は、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言も踏まえての判断であり、冒頭に述べたようにタイミングを重視する事情もございますが、並行して、三度にわたって実施することになる営業時間の短縮要請が感染拡大防止に与える効果について、局をまたいだ取り組みにはなりますが、東京iCDC専門家ボードによる検証を進めるよう求めます。
次に、給付に関して都民の皆様よりいただいた声の多くは、特に事業開始当初において申請手続が煩雑で、かつ時間がかかるというものでした。
回数を重ねたことで協力金の手続についてどのような改善を行ってきたかをお伺いいたします。
○坂本次長 都は、協力金の迅速な支給に向け、申請手続の簡素化やオンライン申請サイトの改善など、必要な対応を実施してきております。
協力金の第二回以降の取り扱いにおきましては、以前に支給決定された事業者が同じ店舗等を対象として引き続き申請をされる場合には、申請書の記入や必要書類の提出を最小限とするなど、申請者の負担を軽減するための改善を図っております。
また、オンライン申請に関しては、申請サイトの改善の提案を受け付けるコーナーをサイトの中に設けて、その内容をシステムの改善につなげるなど、事業者が申請をしやすくするための工夫も行ってきております。
今後とも、申請者の方々の要望を受けながら必要な改善を重ね、利用面でのサービスの向上につなげてまいります。
○福島委員 手続の簡素化に向けて改善を重ねてきたことを確認させていただきました。
加えて都は、いただいたご意見をもとに、サイトの構築や改善に反映した事柄についてホームページで公開をしています。オンライン申請システムなどのユーザビリティー向上のためには、ユーザーの参加が不可欠であり、このようなフィードバックは大変重要です。丁寧な取り組みを評価いたします。
次に、制度融資に係る補正予算についてお伺いいたします。
感染拡大が繰り返されることにより、経済への影響が深刻化、かつ長期化することが懸念されます。我が会派としては、医療面でも経済面でも、必要な支援策はちゅうちょなく期限の延長や追加を行うべきと考えています。
その意味では、東京信用保証協会による過年度の経営状況の厳正な審査に基づく都の制度融資において、今回、年末に向けて融資目標額を引き上げたこと、そして、そのための預託金及び信用保証料補助を予算計上することは、事業継続に値する企業に対する適切かつ必要な対応であるというふうに捉えています。
そこでまず、今回の補正の対象である新型コロナ対応融資のこれまでの実績と、今回の補正予算の考え方についてお伺いいたします。
○篠原金融部長 新型コロナ対応融資のうち、預託金を投入しております都独自の三メニューのことし四月から十月末までの実績の合計は、約七万八千件で約二兆七千億円となっております。
なお、国が費用を負担するメニュー、感染症全国では、約八万二千件に対して一兆六千億円となっております。
今回の補正予算では、これまでの融資実績や最近の申し込み状況及び年末等における資金ニーズの増加などを考慮して、これまでの融資目標に二千億円を追加することとしたものでございます。
○福島委員 ありがとうございます。今後、年末年始に向けて発生するであろう資金ニーズを予測し、応えるための融資目標額の引き上げとそれに伴う予算措置であることを確認いたしました。
今週月曜日に東京商工リサーチによる調査結果として、十一月の都内企業の負債額一千万円以上の倒産件数は百九件と、前年同月から一九%減少しており、前年同月を下回るのは三カ月連続であるという報道がなされました。
その理由として、国や自治体等の緊急融資メニューを約半数の企業が利用、経営を下支えしているとのことで、これらの取り組みが機能しているものと考えます。
とはいえ、冒頭で述べたように、コロナは終息しておらず、経済への影響は予断を許しません。今回の補正予算による新型コロナ対応融資の充実は、感染症の再拡大による影響に不安を感じている事業者には心強い支援だと思います。引き続き、機を捉えた対応を求めます。
一方で、事業者からは、先ほどの協力金と同様、融資を受けるまでの時間が長いという声をいただいています。関係者のヒアリングにより、特に、初めて信用保証協会による審査を受ける企業で時間を要したことがわかっていますが、融資の可否がわかるまでに時間を費やした上に、融資が受けられないとなると事業存続にもかかわりかねません。
融資枠の拡大とあわせて迅速な対応も重要ですが、この手続に時間がかかるという問題が改善されているのかをお伺いいたします。
○篠原金融部長 都は、新型コロナ対応融資に関しまして、五月から六月にかけて相談時間の延長や休日対応を行うなど資金繰り相談を強化し、金融機関への円滑な誘導を行いました。
また、金融機関に対しては、制度の周知徹底を図り、また、混雑緩和に資する円滑な対応を要請するなど、手続面などで円滑化、迅速化を図ってまいりました。
さらに、東京信用保証協会でも、融資の申し込み増加に対応して職員の応援体制を組み、休日の対応も行うなど審査体制を強化してまいりました。
こうした対策に加えて、最近では申請件数がある程度落ちついてきたこともございまして、現在ではおおむね通常の手続期間での対応となっております。
○福島委員 対応する職員の増員と対応時間の拡大により、改善に努め、現在は通常の手続時間で処理ができる状況にあるということを伺いました。
三度の、そして最大の感染拡大という厳しい局面にありますが、感染拡大防止と同時に、東京の経済を守るための取り組みを進めることは重要です。
今後も、制度融資を含めて多様な事業者支援を継続していただくよう求めて、次の質問に移ります。
浅草にある都立産業貿易センター台東館は、展示会や見本市、イベント、セミナー、試験、会議などが行える会場であり、中小企業の事業発信や国内外販路開拓の拠点としての活用が期待をされています。
この都立産業貿易センター台東館に指定管理者制度を導入した意味についてお伺いいたします。
○土村商工部長 指定管理者制度は、公の施設の管理について民間事業者等の参入を可能とし、住民サービスの向上や経費の節減等を図ることを目的としております。
都立産業貿易センター台東館では、施設の管理に当たり、創意工夫ある企画や効率的な管理運営などにより、利用者の多様なニーズに応え、質の高いサービスの提供を図るため、平成十八年度から指定管理者制度を導入しております。
○福島委員 都民サービスの向上や経費の削減などを目的に、指定管理者制度を平成十八年度から導入したとのご答弁でした。
しかしながら、事前説明によれば、今回の公募における応募団体は、中小企業振興公社一団体のみだったということです。
そこで、今回は、この指定管理者制度が機能しているのかどうかという観点で質疑を行います。
まずは、この入札公募条件の変遷についてお伺いいたします。
○土村商工部長 指定管理者制度の導入以降、応募資格は、見本市会場またはこれに類する施設にかかわる管理運営業務の実績を有する法人や連合体としており、原則として公募により選定を行っております。
指定管理者の選定に当たっては、透明性や公平性を確保するため、外部有識者を含む選定委員会を設置しており、組織の安定性、積極性や業務執行体制、施設の効用発揮などの視点により評価を行っております。
○福島委員 外部有識者を含む選定委員会を設置していること、そして、公募要件の項目を挙げていただきましたが、その詳細を確認しました。
公の施設という記載が複数ありまして、ここには利用料の上限設定なども含まれているというふうに聞いています。民にとっては参入障壁にもなる部分ですが、民間の施設ではないので必要な条件であると考えます。
一方で、五番目の項目の適切かつ質の高いサービスの提供という項目におきましては、指定期間の切りかえ時に運営主体が変更となった際の業務引き継ぎを適切に行うことができることという記載もありまして、指定管理者制度を機能させようとする姿勢は見てとれました。
そこで、この指定管理者の変遷についてお伺いいたします。
○土村商工部長 平成十八年度に指定管理者制度を導入して以降、四回にわたり指定管理者の選定を行っておりますが、いずれも公益財団法人東京都中小企業振興公社を指定しております。
○福島委員 説明会には複数の団体が参加するものの、直近二回の公募への申し込みは中小企業振興公社のみであり、結果、連続して指定を受けているとのご説明でした。
指定管理者制度を機能させるためには、説明会に参加しながら申し込まなかった団体に、申し込みをやめた理由をヒアリングし、意図しない障壁をなくすことも必要だと考えます。検討を求めます。
そして、冒頭で指定管理者制度の目的として、都民サービスの向上や経費の削減等をご説明いただきました。
そこで最後に、この利用者の満足度やコスト削減の状況についてお伺いいたします。
○土村商工部長 本施設の指定管理者であります東京都中小企業振興公社は、これまで運営コストを抑制しつつ、稼働率の向上などに努めており、初めて指定管理者に指定された平成十八年度には約六三%であった稼働率が、平成三十年度には約八一%にまで向上しており、収支も黒字を継続しております。
また、展示室などの利用者は、平成三十年度までの四年間の平均で、全体の約六割が中小企業となってございまして、最近の利用者アンケートでも九割以上の方から施設管理について満足しているとの評価を得るなど、中小企業振興の観点から有効に活用されてございます。
加えて、自主企画事業として、中小企業の販路開拓を支援する展示会や商談会を開催するとともに、条例で定める附帯設備以外にも貸出備品等の充実を図るなど、利用者の利便性向上に取り組んでおりまして、効率的かつ効果的な事業運営に努めているところでございます。
○福島委員 この指定管理ですけれども、平成三十年の行政監査対象にもなっています。それによれば、財務に関して適切な財務運営が行われているかどうかなど、それが定性的な評価になっているとの指摘がなされています。今回のご答弁も、やや定性的なご答弁でしたが、決められた予算の中で運営しているというふうに伺っています。
一方、稼働率については八割、利用者満足度は九割と、いずれも高い値になっていることがわかりました。これらが中小企業の販路開拓のための展示会や商談会の開催、加えて利用者の利便性向上のための備品の充実など、丁寧な取り組みがなされた結果であることがわかりました。
加えて、中小企業の利用比率についても把握することにより、都内中小企業を対象に、当該建物を利用した商工業及び貿易の振興が確実に進められていることがわかりました。
公募への応募団体が一団体のみであるということに問題意識を持ち、質疑させていただきましたが、指定管理者制度が機能し、稼働率の二割向上など、評価指標に成果があらわれていることを確認することができました。
引き続き、指定管理者制度を有効に活用することを求めて、質疑を終えます。
○菅野委員 私からは、今定例会の提出案件から、制度融資と、そして感染拡大防止の協力金の二つの項目について伺っていきたいと思います。
初めに、制度融資について伺います。
再び感染が拡大するコロナ禍により、経済状況はますます厳しさを増してきています。これに伴って、中小企業の経営は大きな危機に直面をしています。
東京の経済や都民の雇用を守るためには、こうした中小企業の事業継続をより一層強力に支援することが必要です。まずは国の持続化給付金、そして家賃支援、都の協力金など、現金給付による支援が不可欠であり、また期待されていますが、金融面での支援も重要性がより高まっているといえます。
特に、年末や年度末は中小企業の資金繰りが一番厳しい時期であります。こうした中で、今回の補正予算において、新型コロナ対応融資の融資目標を拡大することは適切と考えます。
しかし、先ほど前の方の質問の中で実績の紹介がありましたが、既に多くの事業者がこの融資を利用していることが明らかになりました。こうした事業者がさらに融資を求めた場合の対応も重要と考えます。
そこで、今回の補正や既存の制度による金融支援が、そうした事業者のさらなる資金繰りに対応できるのか、都の所見を伺っておきたいと思います。
○篠原金融部長 新型コロナウイルス対応融資には四つのメニューがございますが、その融資限度額は、感染症全国のメニューで四千万円、それ以外の三メニューはそれぞれ二億八千万円となっております。また、実質無利子融資を受けられる額は、四つのメニューを合算して一億円までとなっております。
これまでの融資実績を見ますと、一企業当たりの平均融資額は四千万円を下回る状況にございます。このことから、企業の経営や他の借り入れの状況にもよりますが、多くの企業は実質無利子化が可能な範囲で追加の融資を受けられる余地を残していると考えられます。
また、仮に新型コロナ対応融資を受けられない場合でも、制度融資のほかのメニューや、都と地域の金融機関が連携した融資制度である東京プラスサポートなど、既存の融資メニューを利用できる可能性もございます。
○菅野委員 今のご答弁からも、新型コロナ対応融資は、既にこの融資を受けている事業者でも、多くが限度いっぱいに使っているわけではないようで、追加で利用できる可能性があることもわかりました。
しかしながら、答弁にもあったように、それぞれの事業者の経営や、ほかの借り入れの状況によってとり得る対応というのが異なってくると思います。今後、補正予算により融資を拡充することとあわせて、事業者に対して丁寧に相談対応を行うこと、そして、やはり地域の金融機関にしっかりときめ細やかな対応を要請すること。
最近、地元の銀行でも、しきりにいろいろ相談会を開いてくれたり、この間は、担当者がこんな、銀行独自に何か、自分の支店のエリアに合ったようなメニューみたいなものをつくって(資料を示す)こういった融資をまだまだ受けられるんじゃないかということで、結構積極的に動いている姿も見受けられますが、改めて東京都の方からそうしたことを要請を行っていただくことを求めまして、次の質問に移りたいと思います。よろしくお願いをいたします。
次に、感染拡大防止協力金について伺います。
感染が再び拡大をし、連日感染者が過去最多となるなど重大な局面にあることを受けて、都は、飲食店などに対して営業時間の短縮を要請することとしました。このことは、感染拡大防止の観点からやむを得ないものと考えますが、私たちのもとには、書き入れどきを迎える飲食店から悲痛な声が届いています。
このような状況を踏まえ、協力金を支給することとしたことは理解できるものの、資金繰りが厳しくなるこの年末ということを考えれば、協力金を一日も早く事業者の皆様にお届けすることが重要と考えます。
今回の協力金について、どのような考え方で支給事務に臨んでいくのか、見解を伺います。
○坂本次長 都は、感染拡大を防止するため、特別区と多摩地域の各市町村の飲食店等に営業時間の短縮を要請してございまして、これに全面的にご協力をいただいた事業者を対象に、今回も協力金を支給することとしております。
年末の厳しい状況の中でも、都の要請に応じていただいた事業者の方々に対しては、早期に協力金を支給していくことは重要であると、このように認識をしてございます。
○菅野委員 早期の支給が重要であるということを認識していただいていることは確認できましたが、一刻も早く、支給を待ち望んでいる中小零細事業者の目線に立ってみれば、いつから支給が始まるのかなということが曖昧なままでは、対応として不十分といわざるを得ません。
都は、事業者に安心感や希望を与えるために、まず、支給開始日を明確に示しておくべきと考えます。具体的にいつ支給を開始するのか、見解を伺います。
○坂本次長 今回の協力金につきましては、今月十八日の申請受け付けの開始後から速やかに審査を進め、年内にできる限り多くの事業者の方に協力金を支給するため、申請開始からの一週間後の二十五日には、初回の入金を行うよう取り組んでまいります。
○菅野委員 二十五日ということで、今回の協力金の最初の入金がまさにもう二十五日から始まるということが今お聞きできました。
年末で資金繰りに不安を抱える事業者にとってみれば、こういった情報は極めて重要であります。この情報は都として積極的に発信していくべきであると考えますが、見解を伺います。
○坂本次長 これまでの協力金では、申請受け付けを開始する際に、初回の入金を行うことのできるおおむねの時期をポータルサイトによりお知らせをしてまいりました。
今回の協力金におきましては、既に立ち上げているポータルサイトの中で、受け付けを始める前から具体的な日にちを掲載することによりまして、申請を予定している事業者が正確な情報に速やかに触れて安心ができるよう、取り組みを進めてまいります。
○菅野委員 今のご答弁からも、早期に支給を開始することで、年内にできる限り多くの事業者のもとに協力金を届けようとする、そうした積極的な姿勢をうかがうことができました。
年末も目いっぱい営業する事業者は少なくありません。一日も早い支給を望む中小零細事業者のためにも、こうした考え方、お考えを着実に実現していかなければなりませんが、そのためには、しっかりとした体制づくりが不可欠です。
そこで、都としてどのように取り組んでいく予定なのか伺いたいと思います。
○坂本次長 協力金の支給の進め方に関してでございますが、年内につきましては、金融機関が営業している十二月三十日までの間は支給を行う体制といたします。
また、年明け以降も、迅速に支給を行うことができるよう、年内に審査業務を可能な限り実施してまいります。
厳しい経営環境にある中小の事業者が年末年始を乗り越えられるよう、さまざまな可能となる手段を講じて対応してまいります。
○菅野委員 年内は金融機関が営業している三十日まで、目いっぱい支給を行っていただけるということで、職員の方々も、その対応には大変なご苦労だと思いますけれども、ぜひ、本当にまちの中小零細事業者は本当にもっともっと苦しい思いもしております。何とぞお力をいただくようお願いしたいと思います。
これまで四回にわたり協力金を支給してきた中で、都は、申請者からの声に丁寧に耳を傾けながら、制度の改善を繰り返してきたことは承知していますが、それでもまだ見直すべき点は多くあると考えます。
コロナ禍の厳しい経済情勢の今こそ、中小企業の経営者一人一人と向き合い、今現場で求められていることを的確に把握すること、そして、真に必要とされることを地道に一つ一つ実現していかなければなりません。
今回で協力金は五回目となるわけですが、それは、ただでさえ苦しい状況にある事業者の皆様に、その分だけ協力を強いたということでもあります。その事実を十分に認識した上で、産業労働局を挙げて、さまざまな面から中小企業の経営をしっかりと下支えをしていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○高倉委員 まず、今回の補正予算に計上されております新型コロナ対応融資についてお伺いしたいと思います。
この対応融資でありますけれども、今回の新型コロナの感染の拡大によりまして、特に中小企業あるいは小規模事業者を初めとして、事業者の方々が大変大きな影響を受けているという中にありまして、私ども都議会公明党としても、実質無利子融資といった取り組みをしっかり行っていくべきということを主張してきたものであります。既に大変多くの事業者にこの融資が利用されているということで、今回のコロナ禍の中にあって、非常に大きな支えになっているのではないかなというふうに思っております。
そうした中でも、また、第三波ともいわれるような感染の急速な拡大、そして、これはいつ終息するかもまだ見えない、こういう状況の中にあって、引き続き、事業者の方々にとっては大変厳しい状況がまだまだ続く。こういう状況にあるわけであります。特に、これから年末の、大変資金繰りが厳しいといいましょうか、こういう時期を迎えるということであって、この融資は非常に重要な意味を持ってくるというふうに思っております。
今回の補正予算は、融資の目標額を三兆八千億円から四兆円まで引き上げていくという内容であります。これまでも、この対応融資の目標額については、何段階かに分けてといいましょうか、順次拡大を行ってきたわけであります。
まず、この目標額の推移について、確認のためにお聞きをしたいと思います。
○篠原金融部長 今年度の新型コロナ対応融資につきましては、まず、同時補正予算として本年三月に都議会で議決いただき、融資目標八百三十五億円でスタートいたしました。
四月の都議会臨時会で議決いただいた補正予算では、これに五千百六十五億円を追加し、目標額が六千億円となっております。
その後も、六月の補正予算で一兆九千億円を追加し、総額二兆五千億円に、さらに九月の補正予算で一兆三千億円を追加し、これまでの融資目標額はトータルで三兆八千億円となっております。
○高倉委員 今、融資目標額の順次拡大といいますか、この推移について答弁をいただいたわけであります。
私は、この間、補正予算を組まれながら、こうした取り組みを行ってきたということであります。私たちもその都度、知事への緊急要望を初めとして、この融資制度の拡充についても要請をしてきたわけでありますけれども、これまでの取り組みについては、的確に目標額の拡大を図ってきたというふうに考えております。
この後、これまでの実績とか、今回、補正予算に盛り込んだ考え方といったものをお聞きしようかと思っておりましたけれども、これまでの質疑の中で、これは質疑が行われましたので、この質問は割愛させていただきたいというふうに思います。
いずれにしても、これから事業者の方々にとっては、大変資金繰りが厳しい、そして重要な時期である年末を迎えるということでありまして、ぜひ本当にきめ細かな相談体制、それから、この融資の実行に至るまでの時間の短縮、こうしたことに、より一層取り組んでいただきたいと思うんですね。ぜひ、これはお願いをしておきたいというふうに思います。
それから、この新型コロナの対応融資でありますけれども、私たちは、さきの決算特別委員会の各決の全局質疑におきまして、特に制度融資に当たっての預託金の意味というものを取り上げさせていただいたところであります。
この預託金は、もちろんその額が大きいわけでありますけれども、いわば確実に後で償還をされるものであるということを明らかにさせていただいたわけであります。したがって、今回もこの財源として都債といったものを計上して対応しているわけですけれども、この都債を使ってこうした制度融資の預託金に充てていくということは、私は非常に効果的な活用の仕方ではないかなというふうに思うんですね。
いずれ間違いなく確実に償還されるということを考えたときに、この都債を極めて柔軟に活用していく、そうした大きな意味と理由があるのではないかなと思っておりまして、こうした、きょうは財務局に対しての質疑ではありませんので、そのことをお聞きするわけではありませんけれども、こうした活用方法をしっかり考えていくことによって、財源がかなり厳しい状況の中にあっても、やはり事業者の十分な要請にしっかり応えていくことも可能であるというふうに思っておりまして、引き続き、柔軟な対応というのをお願いしたいというふうに思っております。
今回のこの補正で新型コロナ融資の必要経費として計上した預託金ですけれども、どのような償還期間が設定をされることになるのか、このことについて明らかにしていただきたいと思います。
○篠原金融部長 制度融資の預託金には、当年度中の償還を予定するもののほか、二年、三年、五年及び七年の償還期間を設定しております。
今回の補正予算に計上しました預託金には、七年の償還期間を設定する予定でございます。
○高倉委員 今回の新型コロナ対応の融資ですけれども、特に事業者負担の少ない、無利子、無保証料の現在の制度、これは、これからも大変重要な取り組みになってくると思います。
したがって、私どももかねてから要望してきておりますけれども、これの実施期間を少なくともやはり今年度末までしっかり継続をしながら、苦境にある中小の、そして小規模の事業者をしっかりと支えていただくように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
次いで、協力金について質問をさせていただきたいと思います。
これまで四回にわたって協力金というのを支給してきたわけでありますけれども、これまでの協力金の申請、そしてその協力金が支給される、こうした手続において、いろんな要望を、対象となる、協力していただいている事業者の方々から要請を受けてまいりました。
特に、日ごろ仕事がとても忙しいわけです、例えば店舗なんかもですね。したがって、協力金の申請期間とか、こういったことは、一旦は頭に入れているわけですけれども、日々のそういうさまざまな事業に追われて、やはり間に合わなくなるというような事態もやっぱりあるんですね。
私のところにも−−もうぎりぎり、もしくは、ちょっとだけですけれども過ぎてしまったと。せっかく、きちっとお店にも営業時間の短縮の掲示をして、ちゃんとその時間に従ってやってきた。しかしながら、はっと気がついたときに、申請の期間が過ぎてしまっていた。こういう方が実際いらっしゃるんですね。
したがって、できれば本当に柔軟な対応といいますか、こういうことも必要であるというふうには思いますけど、ただ、制度上、きちっと締め切りというのは設けなきゃいけないということであると思います。
特に今回、やはり年末年始を挟んでの申請ということになるというふうに思いますけれども、申請期間を十分に確保する取り組みということについて、ご答弁をいただきたいと思います。
○坂本次長 今回の営業時間の短縮要請に係る協力金については、十二月十八日から年明け一月二十五日を申請期間としてございます。
今申し上げました期間には年末年始が間に入ることも考慮いたしまして、八月や九月の要請実施分と比べて、申請期間を九日間長く設定をしているところでございます。
なお、オンラインや郵送による申請については、年末年始も受け付けを行ってまいります。
○高倉委員 今回の営業時間の短縮の要請、これに対する協力金の支給、五回目になるわけであります。
何度かこれまで協力をして、そして協力金も支給をされている。こうした事業者がいらっしゃる一方で、まだなれていないといいましょうか、こういう事業者の方々も当然いらっしゃると思います。
一番最初のころの時期に比べると、皆さんも申請にも、また、その書類も簡素化をしてきているということがあって、かなりなれてきている部分もあるんですけれども、やはりできるだけ丁寧に、そういった方法も含めて、きちっとした情報提供を行いながら、申請に対しても、しっかりと必要な支援をしていく必要があるというふうに思っていますけれども、この事業者の方々が円滑に申請を行えるようにするために、どういう工夫を行おうとしているのか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○坂本次長 今回の協力金では、今月十八日の申請受け付けの開始に先立ちまして、その二週間前の今月四日に専用のポータルサイトを開設して、受け付け期間、申請方法、提出書類などについて、事前に情報提供を始めているところでございます。
また、受け付けを開始した後には、速やかにポータルサイト上で、動画により申請方法を解説する工夫を行いまして、一連の手続の流れや記入上の注意点などについて、わかりやすく伝えてまいります。
こうした取り組みによりまして、事業者の円滑な申請につなげてまいります。
○高倉委員 今回、早目早目に情報提供もされている、取り組みをされているということで、ぜひとも的確にお願いをしたいというふうに思います。
それで、この申請のしやすさということは極めて重要でありますけれども、一方で、迅速に支給をしていくための審査方法といったものを適宜見直しをしていくということも重要であると思います。
今、例えば新型コロナの影響によって職を失っているような方も、実はかなりたくさんいらっしゃるんですよね。こうした協力金を支給する事務は、いってみれば、ちょっと人海戦術的なというとちょっといい過ぎかもわかりませんけれども、かなり人手を要する取り組みになっているはずなんですよね。
したがって、いろんな効果を考えれば、従来やってきたような審査、いわゆる支給までの事務的な手続の中で、本当に新たな雇用を生み出すような、そういった取り組みといったことも、やはり視点に入れてやっていく必要があるのではないかなというふうに思うんですね。
つまり、職を求めているような方が、こうした仕事にしっかり取り組んでいく、取り組めるような、そういう体制をつくっていくとか、こうしたことも私は重要なことではないのかなというふうに思ってはおります。
これまでも、審査状況に応じて体制を拡充するといったような、必要な対応を図ってきたというふうに思いますけれども、ほかにどのような工夫を図ってきているのか、このことについてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○坂本次長 これまでの四回にわたる協力金の審査におきまして、人員体制の拡充や審査方法を効率化するための見直しなどを行い、迅速な支給に努めてきたところでございます。
八月の営業時間の短縮要請に係る協力金の支給からは、郵送などで提出された書類を電子データに変換して、審査をパソコンで速やかに進めることのできる案件、こういうものをふやすほか、書類を紛失するリスクを減らして審査が行える、こうした環境を整えてきております。
また、これまでの協力金の審査の事務を担当したことのある職員をできるだけ数多く確保して、業務を進める体制をつくり上げて、迅速な支給が行われる仕組みとしているところでもございます。
今後も、このようなさまざまな工夫によりまして、早期の支給につなげてまいります。
○尾崎委員 コロナの感染拡大がふえる中、重症者が五十四人になった十一月二十五日、小池知事は、営業時間短縮要請の記者会見を行いました。そして、十一月二十八日から十二月十七日まで、営業時間の短縮要請をお願いし、協力してくれたお酒を扱う飲食店とカラオケ店に協力金を支給すると発表しました。
飲食店の経営者からは、年末年始でお客さんを呼び戻したかった、知事の記者会見のニュースを見た人から次々キャンセルの電話が入ってしまった、コロナはいつまで続くのか、商売の見通しが見えない、このままなら商売をやめるしかないなどの悲痛な声も私たちのところに届いています。
最初に、専決処分の営業時間短縮要請について質問します。
先ほども、ほかの委員からもご質問ありましたけれども、私の方からは、八月三日から三十一日までの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金と、特別区を対象にした営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金のそれぞれの実績について伺います。
○坂本次長 協力金に関します十一月末時点の実績としては、八月の営業時間の短縮要請に係る協力金は、約四万六千件の申請に対して約四万五千件を支給いたしました。
また、九月の要請実施分につきましては、約三万六千件の申請に対して約三万五千件を支給したところでございます。
○尾崎委員 九月実施分は特別区だけが対象でした。八月の営業時間短縮要請に係る協力金の実績は、申請が約四万六千件、決定を含めた支給が四万五千件だということのご答弁でした。
そうなると、八月の申請が四万六千件ですから、この実績が今回の専決処分の積算根拠になるのかなと思っていましたけれども、先ほどの、ほかの委員の方からの質問で、四万五千件の事業者に支給するということを想定しており、一事業者当たり四十万で、事務費を含めて必要経費を二百億円と積算したというご答弁がありました。
申請者数ではなく、支給された事業者数が積算の根拠になるということですけれども、今回の協力金の補正予算は二百億円で、その八割が国からの交付金と聞いています。今回、申請者数が多くなって予算の枠を超えるようなことになった場合、協力金の支給ができないというようなことのないように、ぜひお願いしたいと思います。
産労局のホームページを見ますと、これまで営業時間短縮要請などで過去に協力金の支給を受けて、実績のある事業者に対しては、書類は簡素化するということが、もう既に掲載をされていますけれども、どこまで簡素化するのか伺います。
○坂本次長 過去に支給された実績がある店舗につきましては、申請を行う場合には、申請書の記入箇所を減らすとともに、既に確認済みとなっている確定申告書や営業許可書に係る提出などを不要としてまいります。
○尾崎委員 既に確認済みである確定申告や営業許可書の書類を不要としているということですけれども、それでも五つの書類提出が求められます。
一つは申請書、二つ目が誓約書。三つ目が、酒類の提供を行っていることがわかる書類、これは飲食店のみとなっています。四つ目が、営業時間短縮の状況がわかる書類。五つ目が、ステッカーを店舗に提示している写真が求められています。
私はこの間、実績のある事業者には、申請書と営業時間短縮をお知らせする張り紙などの写真のみで書類は十分ではないかと思っています。初めて申請する事業者に対しても、書類が不備で不足していたとしても、まずは協力金を支給し、書類の追求は後で行うよう要望して、ぜひ簡素化しながら、協力していただいている業者の方には、協力金をぜひ支給するという立場で取り組んでいただきたいと思います。
次に、協力金の申請については、十八日から受け付けとなるということです。これも質問を予定していたのですが、ほかの委員からの質問もありましたので、私の方からは、先ほどの、ほかの委員へのご答弁で、年内にできる限り支給ができるようにということで、第一回の支給も二十五日から始めると。年明け以降も迅速に支給をするという姿勢ですので、ぜひ、その立場で頑張っていただきながら、年内に間に合うように求めるものです。
年末は、飲食業の皆さんにとって、一年のうちでも一番の稼ぎどきです。その年末に営業時間の自粛要請があり、どうすべきか悩みに悩んで、決断に時間がかかった場合も多いと思います。
営業時間自粛要請は、十一月二十八日から十二月十七日の二十日間です。過去の協力金の支給では、スタートが一日おくれたために協力金がもらえなかったという事業者の方もいました。
二十日間全部でなく、一部でも協力した事業者に日割りで協力金を支給すべきだとも思いますが、いかがですか。
○坂本次長 協力金は、営業時間の短縮要請の実効性を確保するために実施するものでございまして、要請に全面的にご協力いただいた事業者の方に対して支給いたします。
○尾崎委員 飲食店などはこの間、緊急自粛要請や営業時間短縮要請など、二十三区の業者は今回で五回目となります。この間、ニュースなどでは報道されたが、詳細はよくわからなかったので自粛の開始が一日おくれ、申請の対象にならなかった、二回目の協力金の申請なので、自分の申請番号が来るのを待っていたが、なかなか来ないまま申請の締め切りを迎えてしまい、一日おくれて申請したが、この間、協力金が出なかった。このような事例も、私たちのところに寄せられています。やはり都の周知が不十分だったといわざるを得ません。
都の自粛要請に応えているのに、協力金の支給に至らなかった事業者が多くいます。都は、柔軟な対応をすべきだと思いますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
次に、事実確認のために伺いますが、協力金に係る業務委託は、新たに行うのですか。この間の協力金の枠の中で業務委託となるのか伺います。
○坂本次長 これまで四度にわたり支給をしてきた協力金につきましては、コールセンターの運営や、専用のポータルサイトの構築と運用のほか、申請内容の形式面での審査などについて、毎回、業務委託を行ってございまして、今回の協力金についても、同様に業務委託契約の締結を行っているところでございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、今回の協力金についても、同様の業務委託契約を結ぶということです。これまでと同様に、博報堂に業務委託するということです。
日本共産党都議団は、この間、一貫して自粛要請と補償はセットで行うべきと求めてきました。新型コロナの影響がこれほど深刻になるとは誰も想像していなかったと思います。ましてや、飲食店やカラオケ店の営業業態を変えるほどのものになるとは、業者の方たちも考えていなかったと思います。スナックやクラブは、夜十時以降に営業を開始する事業者も多くいます。営業時間の自粛の要請をするなら、経営を継続できるためにも、補償がセットでなければならないと思います。
八日の我が党の代表質問では、国の支援を求めることも提案しています。今回の専決処分では、補正予算額は二百億円、そのうち八割は国の交付金となっています。もっと国の財政支援の拡充を求めるよう、再度求めるものです。
きょうは十二月十一日です。営業時間短縮要請をしてから十四日目になります。しかし、昨日発表された都内の新規陽性者数は六百二人。新規陽性者の拡大を封じ込めることができていません。十二月十七日で営業時間短縮要請を解除できるのかどうか、大変不安です。営業時間短縮要請がどのくらい効果があるのか、きちんと検証することを強く要望するものです。
次に、コロナ対策補正予算案についてです。
年末の資金繰りに困っている中小業者にとって、コロナ対策として緊急融資の目標を引き上げたことは大変心強いことだと思います。しかし中には、コロナの終息が見えないので、借金する決断ができないとの声も寄せられています。
そこで、新型コロナウイルス感染症対応緊急融資、新型コロナウイルス感染症対応緊急借換の実績はどうなっているのか伺います。
○篠原金融部長 今年度の新型コロナウイルス感染症対応緊急融資の実績は、十月末時点で約五万七千件に対し、約一兆九千億円でございます。
また、新型コロナウイルス感染症対応緊急借換の実績は、十月末時点で約一万件に対し、約二千五百億円となっております。
○尾崎委員 先日の事務事業質疑の資料要求の中で、令和元年度の中小企業制度融資の実績を資料としてまとめて、つくっていただきました。全ての融資制度の合計で九万二千九百三十件、金額で一兆三千四百九億円となっていました。
これと比較しても、十月末までで、新型コロナウイルス感染症対応緊急融資だけで約五万七千件、そして金額は約一兆九千億円、金額は一年分の全ての制度融資の実績金額を上回っているという状況がわかりました。この数字からでも、中小業者の深刻さが出ているものだと、改めて緊急融資が中小業者の命綱になっていると実感しています。
補正予算案で中小企業制度融資の目標額を三兆八千億円から四兆円に引き上げたことは重要ですが、中小業者からは、追加融資を申し込んだが断られた、運転資金は底をつき見通しが立たないと悲鳴が上がっています。
コロナの影響は深刻で、今後の見通しがなく、返済能力の評価も低下して当然だという状況です。借金しても返済できるか心配と迷っている事業者もいます。倒産、廃業をなくすためにも、中小業者の実態に耳を傾け、丁寧で適切なアドバイスが必要だと思います。
現在の問い合わせ、相談窓口などの体制はどうなっていますか。
○篠原金融部長 資金繰り相談は、専門知識を有する職員によりまして、窓口及び電話で対応しております。
最近の相談の多くは、新型コロナウイルス対応融資に関するものでございます。
○尾崎委員 年末年始は、特に資金繰りが大きな悩みになります。これまでも年末の緊急融資に取り組んでいただいていましたが、ことしは、これまでとは比べようもない状況です。問い合わせ、相談窓口の体制強化が求められます。特に、都庁や保証協会、金融機関の年末年始の休みの日に対応できる体制が求められます。
年末年始にかけての相談体制はどうなっていますか。また、都庁が休みであっても、具体的に相談受け付け日をお知らせするなど対応が求められますが、いかがですか。
○篠原金融部長 都の資金繰り相談についてでございますが、十二月二十二日から二十五日まで及び二十八日につきましては、十九時三十分まで相談時間を延長するほか、同二十九日と三十日は休日対応を行う予定でございます。
なお、従来から、相談を行わない休日に電話があった場合には、直近の業務日を案内しております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁で、二十二日から二十五日までの相談時間の延長や、二十九日、三十日の休日対応をしていただくことは大変重要です。年末年始の相談は、生きるか死ぬかの崖っ縁にいる中小業者を救うものになると思っています。
私は、無理を承知でお願いするものですが、年末年始の倒産、廃業、そして自殺者を出さないために、相談窓口は閉じることのないように、さらなるご努力をお願いしたいと思います。都のホームページなども活用し、相談できる日程については早くお知らせすることにも力を入れていただくことを要望するものです。
最後に、東京都立多摩産業交流センターの指定管理者の指定について伺います。
東京都立多摩産業交流センターの建設については、賛成し、我が党も要望していたものであり、この間も、市民の要望などを経済・港湾委員会でも取り上げて、声を届けてきました。
そこで伺いますが、東京都立多摩産業交流センターの開業はいつになりますか。
○土村商工部長 都立多摩産業交流センターは、令和四年二月の竣工を予定しておりまして、開業につきましては同年の秋ごろを予定してございます。
○尾崎委員 開業前から指定管理者を指定することにした理由について伺います。
また、このような指定管理者の指定を行った実績はあるのかも伺いたいと思います。
○土村商工部長 施設の利用受け付けシステムの構築や、会場内への設備の設置、施設のPRなど、開業前からさまざまな準備が必要となるため、指定期間の開始を令和三年四月としております。
なお、施設周辺の再開発に伴い休館し、本年九月に再び開業いたしました都立産業貿易センター浜松町館においても、同様の理由により、指定期間の開始を開業前の平成三十年七月とした経緯がございます。
○尾崎委員 産業貿易センター浜松町館は改築であり、改築前と後の指定管理者は、同じ中小企業振興公社です。新設の多摩産業交流センターとは、私は異なるというふうに思っています。
東京都立多摩産業交流センターは、多摩地区の最大級の展示場となり、多摩地域の持つ産業集積の強みを生かし、広域的な産業交流の中核機能を担う位置づけがあります。
指定管理者候補者団体に多摩産業交流センター指定管理共同企業体とありますが、この共同企業体は、日本コンベンションサービス、京王グループ、京王設備、京王エージェンシーの民間企業で構成されています。
東京都立多摩産業交流センターは、多摩地域の産業振興に重要な役割を担う施設だと思いますので、民間企業で構成されている共同企業体ではなく、都の直営で行うべきだと意見を述べて、質問を終わります。
○奥澤委員 まず、東京都立多摩産業交流センターの指定管理者の指定について、私からも質問したいと思います。
東京都立多摩産業交流センターは、これから運営が開始されるというお話、今ありましたけれども、今後、大きな発展を遂げる可能性もある一方で、運営者としては未知数の部分も大きいものだというふうに思います。特にコロナ禍の現在、集客施設の運営は困難な一面があるというふうに思われます。
そのような観点からは、今回の公募に当たって、実務にたけた事業者が参加するなどして適切な運営体制が確保されること、これを確かめた上での協定といいますか、しっかりと契約になっていかないといけないんだろうというふうに思っておりますけれども、そのような面では、どのように評価をしていたのかお伺いしたいと思います。
○坂本次長 多摩産業交流センターの指定管理者の候補の選定に当たりましては、施設の運営を適切に行う力とそれを実施する体制やノウハウを持っているかどうかを、書類や面談を通じて審査を行ったところでございます。
こうした審査におきまして、同交流センターを運営する能力などについては、類似した展示施設などでの管理やサービス提供の実績のほか、事業計画の実現可能性などを検証するとともに、実施体制に関して、応募団体の経営状況や、専門的な知識のある人材の確保やその配置の予定などを評価いたしました。
○奥澤委員 今回の評価に当たっては、実績とあわせて実現可能性などを幅広く見たということであり、私としては納得をしたところです。
都の委託事業を見ていくと、なぜこの業種の会社がやっているのかなというふうに不思議に思うような場面にも出くわすことがあります。
先日、とある有識者とお話をした際に危惧していたのは、役所との書類のやりとりが上手なところというのと実務にたけたところとは必ずしも一致をしないという言葉でありました。確かに書類の上では、あるいは都庁とのやりとりは上手だけれども、いざ実務になった段階で下請に丸投げしてしまう、あるいは、その下請をたたいた金額での発注をしてくるケースもあるんだというようなことを、お話を聞いております。
都の施策というのは、これは当然ながら、必要とする人に届いて初めて意味があるものです。どのような委託においても、この視点を重視して取り組んでいただきたいと思います。
また、先ほども少し触れましたけれども、コロナ禍の運営の難しさに鑑みますと、当面厳しい経営環境、運営環境になることが予想される一方で、アフターコロナにおいては、モチベーションを高く取り組んでいただきたいというように思います。
今回の協定に当たっても、一定のセーフティーネットを張りつつも、その経営努力が報われていくインセンティブを兼ね備えたものとすべきと考えますが、どのような工夫を講じているのかお伺いします。
○土村商工部長 多摩産業交流センターでは、施設の利用料金を指定管理者の収入とする利用料金制を採用しており、稼働率の向上等が指定管理者の収入増加につながるため、指定管理者にインセンティブが働く仕組みとなっております。
なお、施設の開業直後など、管理運営費用に充てるための十分な利用料金収入がない場合には、例外的に都が指定管理料を支払い、その費用を賄うこととしております。
○奥澤委員 セーフティーネットとインセンティブを兼ね備えた協定としているというご答弁だったと思います。これは重要だと私は思います。
都の事業全般に、これもいえることですけれども、適切に執行することに力点が置かれる余りに、より効果を発揮させることへのモチベーションが低いというところ、あるいは、なかなか都の方も、この委託したその先にどういった執行が行われているのかというところまでウオッチができていないのではないかなと感じる場面というのは多々あります。
今回の多摩交流センターにおける協定は、少し特殊なものなのかなということは思いますけれども、この考え方は広く取り入れていただいて、より一層の賢い支出に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
続いて、補正予算及び専決処分された協力金の予算について質問をしていきたいと思います。
まず、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金についてお伺いします。
この協力金は、緊急事態宣言の発出される四月に、知事からの休業要請の実効力を高める意味で行われて、当時、人の流れをとめることでしか感染拡大をとめることができなかった、また、医療体制も今ほど整っていなかった際には、大義と共感を標榜する小池知事ならではのすばらしい取り組みだというふうに私も感じておりました。
一方で、四月の緊急事態宣言時とは今は状況が異なります。新型コロナの影響が長引く中では、もう経営が成り立たない、これ以上要請には従えないという悲鳴にも似た声が寄せられております。
報道によりますと、人の流れをデータとして捉えていった際に、原宿駅の周辺では、十一月二十九日には呼びかけ前と比べて六ポイント程度の人の流れが減ったものの、十二月六日には一〇ポイントふえてしまったということが明らかになったそうです。一方、大阪市のなんば駅では、十一月二十九日に二〇ポイント、十二月六日にさらに一〇ポイント低下しているということです。
このデータを見て、考えなければいけないことは、一つ目は、果たして夜のまちへの時短要請が感染拡大を防止する効果を発揮しているのか。つまり時短要請による感染拡大防止への効果という点ですが、これは所管が違うと思いますので、別の機会でまた問うていきたいというふうに思います。
二つ目は、時短要請の実効力を高めて、人出を減らすために、協力金がどこまで有効なのか。つまり協力金が与える時短要請あるいは人出への効果、影響という点です。
大阪市では、東京都と違い、業態や営業時間、地域による負担感の違いなども踏まえて、例えば一日当たりの協力金とするなどの、相当にきめ細やかな要請と協力金という形を、工夫を講じているようです。感染拡大という部分では、大阪市もかなり厳しい状況だというふうには聞いておりますけれども、先ほどのデータを見る限り、人出を減少させるということについては、結果的には成功しているのではないかというふうに思います。
そこでまず、協力金が時短要請の実効力を高める上でどれほどの効果を発揮していると考えているのか、見解をお伺いします。
○坂本次長 これまでに実施をしてきた協力金につきまして、第一回は想定規模十三万件に対しまして申請数は約十二万八千件、第二回は十三万件に対しまして約十一万四千件の申請がございました。
また、八月の営業時間の短縮要請に係る協力金につきましては、想定規模約四万件に対しまして申請数はそれを上回る約四万六千件となり、九月の要請実施分につきましては想定規模どおりの約三万六千件の申請がございました。
このように、多くの事業者の方にご協力をいただき、協力金の効果があったものと考えてございます。
○奥澤委員 一定の効果があったという答弁だったと思います。
これは肌感覚になってしまって恐縮ですけれども、四月は確かに休業している店舗も多くて、そうした店舗から協力金の申請が多く出ていたものと思います。
また、八月、九月も、実際に夜間の経済を回していらっしゃる方々と話したときに、やはりきついけれども、やっぱり今は何とか協力したいんだというお声を聞いておりました。
一方で、やっぱり今回はなかなか、そのときには何とか協力するよといっていた方々から、今回の要請にはやはり従えないというふうなお声も聞いておりますし、実際にまちを歩いていても、従っている店舗の数は少ないのかなというふうに思います。
今回どれほどの申請が上がってくるのか、また、今回支払うにしても、申請のあったところが本当に要請に従っていたのかといったことも、しっかりと見ていく必要性も出てきているというふうに思います。
さらにいうと、時短要請、これが人出に与える影響が余り大きくないのだとすれば、この時短要請という対策そのものの価値を問い直す必要もあります。つまり、今回二百億円を用意して、時短要請と協力金をセットで行っているわけですけれども、この二百億円を別のことに充てることもできるということなわけです。そこの部分というのは、しっかりと検証していかないといけないというふうに思います。
また、協力金の対象について、時短要請の出た店舗には支払われるということで、そこはありがたいという声も届いているんですけれども、一方で、その取引先、仲卸だったり、例えば夜間の経済をしているところでいうと、酒屋さんだったり、あるいは美容室だとか、あるいは花屋さんなんていうのも、実はかなり影響しているということを聞いています。
こうしたところからは、結果的に大変な影響を受けているにもかかわらず、協力金のような仕組みがないことはおかしいのではないかという指摘も出ています。確かに協力金は補償ではありませんけれども、こうした不協和音というか不公平感、こういったものを敏感に察知して、細かく目配りをしていくことが、後々に、さまざまこれからもご協力していただくことが出てくると思います。こういったことに団結して臨んでいく、そういった機運を醸成していくことになるんだろうと私は思います。
そこで、こうした声に対してはどのように対応していくのかお伺いしたいと思います。
○坂本次長 協力金は、都からの休業等の要請に応じていただいたことに対して支給をさせていただくものでございます。
感染拡大による影響を受けて、厳しい経営状況が続くさまざまな中小企業に対しましては、資金繰りを支える融資制度のほか、国の家賃支援給付金への上乗せ給付や経営相談の実施など、事業の継続を下支えするための多様な支援策を今後とも的確に行ってまいります。
○奥澤委員 さまざまな支援策を活用していくという旨の答弁がありましたので、ここで少し、話題を中小企業制度融資の方について向けたいと思います。
本定例会では、新型コロナウイルス対応融資について、融資限度額を四兆円に引き上げるという補正予算の提案が出ています。
都は、本年三月にこの融資メニューをスタートして、これまでも多くの中小企業を支援してきましたけれども、先ほども質疑がありましたので、重複しておりますので、質疑自体は割愛をしたいと思いますけれども、春先に融資を受けた事業者の中には、資金が底をつき始めて、追加融資が必要だという声も聞こえておりますので、ぜひ、ここは柔軟に、そして丁寧に相談に乗っていただきたいというふうに思います。
また、中には、追加の融資を受けられないというような状況になりますと、精神的に追い詰められてしまう経営者の方々もいらっしゃると思います。しかし、たとえ事業が立ち行かなくなったとしても、例えば事業承継をすること、自主廃業していくこと、やり直していくということも一つの道であります。
都では、事業再生特別相談窓口を設置するなどして、こうしたことに対応していると思います。融資はもちろん重要ですけれども、このように、事業の立て直しにはさまざまな方法があると思います。
そこで、まず融資を求めてこられる方がまず相談に来るであろう金融機関に対して、今回補正する新型コロナ対応融資の案内とあわせて、さまざまな都の支援事業を紹介するよう改めて働きかけてはいかがでしょうか。そうすれば、より多くの中小企業に都の事業が活用されると思いますけれども、都の見解をお伺いしたいと思います。
○篠原金融部長 都は、毎年三月に、制度融資を取り扱う全ての金融機関に対し説明会を開催しておりまして、この中では、制度融資以外の都のさまざまな事業を紹介しております。
また、都と連携協定を締結している金融機関などに対しましては、都の事業をより詳しく説明し、あわせて意見交換なども行っております。
金融機関等との連携によりまして、都の事業がさらに活用されるよう、今後も引き続き情報提供等に努めてまいります。
○奥澤委員 ありがとうございます。しっかりと情報提供を、そして連携を深めて取り組んでいただきたいというふうに思います。
東京商工リサーチの調査によりますと、十一月の都内企業の倒産件数は百九件で、前年同月からは一九%減少しているということです。これは、今もお話のあったような各種の支援策が経営を下支えしているということですけれども、やはり融資の息切れ、あるいは東京都の営業時間短縮要請による減収で、年明け以降、倒産がふえてくる可能性があるということも指摘をされています。また、コロナの影響が長引く中では、今借りたお金について、返すめどが立たないという声も、これは各所で聞こえてきています。
また、東京商工リサーチの別のリポートでは、実は昨年は企業の倒産件数が右肩上がりになってきたところであって、その背景には、リーマンショック以降とられてきた返済猶予を許容し、倒産させてはならないとしてきた金融機関のスタンスが変わり始めていたことが原因だったというふうに記載をされています。
リーマンショック以降、さまざまな支援策を講じてきたにもかかわらず、十年たってなお返済の見込みが立てられない、業績の回復が見込めないという企業が、都内にも水面下には数多く存在する可能性が指摘されているということです。
であるとすれば、今、広く倒産を防ぐために行っている融資、この反動は、数年後に必ずやってくるということも頭に入れておかなければいけないということです。倒産をさせない、これは確かに重要なんですけれども、その視点だけではなくて、企業ごとに適切な支援につなげていくこと、これを改めて要望しておきたいと思います。
さて、こうした話も含めて、やはりコロナ禍における経済対策の成否、これは未来の東京を大きく左右をします。東京にとって、経済はいわば心臓です。経済がとまれば、行政サービスも含めてとまってしまう部分が数多くあることは周知のとおりです。
そうした観点からも、東京都の新型コロナ対策において、経済の悪化や社会不安の増大といった観点が弱いのではないかという指摘も聞くところです。医療で助けられる命もあれば、経済で助けられる命もあります。
確かに意思決定を行うのは知事の責任です。しかし、その意思決定に必要な要素、現場の声を吸い上げて届けるのは各局の責務であって、特に経済環境については、産業労働局がその役目を果たさなければならないと考えています。
今回は、営業時間の短縮要請というハンマーが打たれたわけですが、記者会見では、時短要請そのものの効果よりもメッセージ性に重きを置いているような発言もあって、私は大変驚きました。全体の気を引き締めることは重要です。しかし、そのために夜間経済を犠牲にするようなことがあってはならないと思うからです。
そこで確認しますが、産業労働局としては、今回の時短要請、そして協力金の支給という意思決定において、どのようなスタンスで臨んできたのかお伺いしたいと思います。
○坂本次長 感染症対策につきましては、感染拡大防止と経済活動との両立を図る観点から進めており、今回の営業時間の短縮要請も、そうしたことを念頭に、期間等を定めているものと認識をしております。
また、今回の協力金の支給額は、事業者への影響が大きい年末の繁忙期に協力を要請することを考慮し、国の制度の活用も踏まえ、設定しているものでございます。
○奥澤委員 感染拡大防止と経済活動との両立を図る。これは都としての大方針であると思いますし、これは確かに間違いないことなんだろうと思います。
しかし、産業労働局としては、やはり今、足元で起きている経済活動の現状、これを客観的な事実や数値に基づいて正しく伝えることが、その役割だというふうに思います。
これは例えばという話ですけれども、夕方の五時ぐらいに、今だと日も暮れるのも早くなっていますので、顔を赤らめて、カラオケ、スナックのようなところに入っていく、そういった高齢者を見ると、夜間経済を中心に生活している方々の苦しみ、悩みを想像したときに、何ともいえない、悔しい、情けない、そういった感情に私は見舞われるわけです。
そこで伺いますが、今回の時短要請と協力金という対策を打つに当たって、具体的には、どのような場面でどのような情報を提供してきたのか。答えられる範囲で結構です、お答えいただけますでしょうか。
○坂本次長 今回の取り組みに関しましては、関係各局と緊密に連携を図りながら、適時適切に情報を共有し、施策の内容にかかわる意思決定に役立ててきたところでございます。
○奥澤委員 なかなか、これをつまびらかにするというのは難しいところがあるんだろうというふうには思います。
繰り返しになりますけれども、最終的な意思決定を行うのは、これは知事の責任でありまして、そこには客観的な事実や数値だけではあらわせない、いわゆる政治判断が必要になる場面もあることは理解をしています。しかし、だからこそ実務を担う各局においては、客観的な事実や数値に基づいて議論ができるよう、さまざまなデータを集め、提示をしなければならないというふうに考えます。
また、これまでも繰り返し、効果検証、これは私たちだけではなくて各会派から求められていることだと思いますけれども、効果検証というのは、実は後からできるものではないと思うんですね。事業に取り組む前の段階から、どういったことを検証するのか、どんな方法で検証するのか、そのためにどんなデータをとればいいのかということを決めた上で臨まなければ、効果検証というのは当然できないわけです。
もしかすると、東京都には、こういったデータを扱うプロのような方というのは存在しないのかなということも思うところです。ぜひとも今後の取り組みをするに当たっては、データを扱う有識者なども、意思形成をしていくその過程に、意見を伺いながら進めていただきたいというふうに思います。
最後に、私は、一つ一つの対策、あるいは予算の賛否をする場面、あるいはみずからの情報発信についても、もしかしたら人の命を救うかもしれない、逆に奪ってしまうかもしれないと考えると、毎日怖くてたまりません。皆さんも恐らく同じ思いであるというふうに思います。
大変な日々が続いているし、疲れもピークであろうとは思いますけれども、だからこそ、最善の判断を下していくために、空気ではなくて客観的な事実に基づいていただくことが重要だということを申し述べておきたいと思います。
追い込まれてしまったときに、何をよりどころにするのか。人は間違えるものです。空気は判断を鈍らせるものです。ぜひ、エビデンスに基づいた判断を重視していただきますことを心からお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○滝田委員 私からは、地元八王子に立地をいたします、先ほど令和四年秋から開業ということでありましたけれども、東京都立多摩産業交流センターの指定管理者の選定について伺っていきたいというふうに思います。
我が会派では、多摩地域を区部と両輪となる成長のエンジンとしていくべきということで、これまでも本会議や各委員会などでも、多摩地域の産業振興等の質問を重ねてまいりました。
都は、長期戦略ビジョンの中で、ユニコーン企業の創出や、創業率、開業率の倍増ということを掲げております。多摩地域においては、仮称多摩イノベーションパーク構想として、多摩地域にある大学、研究機関、専門人材、ハイテク企業や高い技術力を有する中小企業等の集積と、国内外の先端産業やスタートアップなども融合させながら、世界有数のイノベーション先進エリアとしていくというような大きな挑戦を描いているところであります。
この挑戦におきまして、東京都立多摩産業交流センターは中核の施設でありまして、その運営は非常に重要であるというふうに考えます。先ほど、他会派の方から、都の直営であるべきというご意見ございましたけれども、ビジネスの創出、振興でありますので、むしろ民間の力をしっかりと生かしていくということが望ましいということを私及び我が会派の意見として、最初に申し上げておきたいというふうに思います。
まず、東京都立多摩産業交流センターの設置の目的、意義について、改めて都の見解を伺いたいと思います。
○土村商工部長 本施設は、多摩地域の持つ産業集積の強みを生かし、広域的な産業交流の中核機能を担うことにより、産業の振興を図ることを目的に設置するものでございます。
見本市や展示会などによる販路開拓や、大学、研究機関と中小企業とのマッチング、他の産業支援機関との連携の場づくりのほか、都域を超えた広域的な産業交流も促進してまいります。
○滝田委員 まずは基本的な意義についてご答弁をいただきました。
産業の交流と振興を図ることを目的に設置していくということでありますけれども、今後、指定管理者が正式に決定をして、具体的な事業計画やコンセプトを詰めていくという形になるというふうに思いますが、産業の交流や振興ということが具体的に新しい製品やサービスの創出、販売の増加、創業の数の増加といった形で成果に結びついていけるよう、何を目指していくのかということを、より明確化、具体化をしていくことを求めたいというふうに思います。
次に、この多摩産業交流センターが、多摩地域、八王子に立地をするということに関して伺いたいと思います。
指定管理者の候補者選定に当たり、施設の設置意義や立地特性等を踏まえ、どのような観点を重視して選定を行ったのか伺います。
○坂本次長 多摩産業交流センターでは、多くの大学、研究機関が立地をする多摩地域の特性を踏まえ、中小企業を中心とする多様な産業交流を創出し、産業の活性化につなげていく必要がございます。
このため、同交流センターの指定管理者の候補の選定に当たりましては、多様な事業者同士や事業者と研究機関の交流を効果的に後押しして産業の活性化に結びつける能力のほか、多摩エリアを中心として、自治体の区域を超えた広域的な産業交流について、計画性を持ちサポートをする取り組み内容、展示会場の運営実績などを重視して審査を行ったところでございます。
○滝田委員 多摩地域、特に八王子の立地の特性としましては、東京都心を向くだけではなくて、山梨県や埼玉県、神奈川県とそれぞれ、鉄道や中央道、圏央道などで直接結ばれているということが、非常に重要な特性であるというふうに思います。
これまで、どうしても都心との関係性ということが重視をされてきたというふうに思いますけれども、むしろ地理的に、このエリアの強みは、他県との連携の核となり得るというところであります。
そうした観点から、答弁でも、自治体の区域を超えた広域的なサポート体制ということを重視して選定をしたということを評価するとともに、都県境を超えた取り組みを含めて、具体的な取り組みに期待をしたいというふうに思います。
さて、今回、四団体の指定管理者の応募があったというふうに聞いております。応募者ごとの評価点についても、公表されている情報を拝見させていただきました。その中で、今回の候補者が最高得点をとっているということであります。
今回、指定管理者の候補者として選定された多摩産業交流センター指定管理共同企業体について、当該候補者の事業計画の概要について、どのようなものであったのか伺いたいと思います。
○土村商工部長 多摩産業交流センター指定管理共同企業体は、日本コンベンションサービス株式会社を代表団体としており、独自のノウハウを生かした事業計画の提案を行っております。
施設の運営につきましては、MICE誘致などの経験を有する人材を配置するとともに、企業、大学、研究機関のニーズとシーズをつなぐ専門職を配置し、施設の役割を踏まえた、適切かつ効率的な業務運営が遂行される体制を構築することとしております。
こうした体制のもと、民間ならではの営業力や機動力を発揮して、中小企業のニーズなどを拾い上げるとともに、多摩地域を中心として、近隣県も含め、大学、研究機関や中小企業支援団体等との連携などの取り組みを着実に進めていくこととしてございます。
○滝田委員 私からは、前回、十一月の事務事業質疑におきましても、立川にできました創業拠点、TOKYO創業ステーションTAMA、あるいは都立大学など多数の大学が多摩地域に立地をしているということを生かして、連携をしながら新たな事業やサービスを生み出していくということが、この地域の強みになり得るということを指摘いたしました。
先ほどの答弁の中にも、企業、大学、研究機関のニーズとシーズをつなぐ専門職を配置するといった事業計画の提案があったというふうにご答弁がありました。これは、ぜひ事業者には実行していただきたいというふうに思いますし、産業労働局としましても、事業者任せということではなくて、行っている他の事業と連携をしたり、あるいは、他局の所管ではありますけれども、都立大学にも連携を促すなど行いまして、主体的な取り組みを求めます。
次に、こうした取り組みの実現性という観点から質問をいたします。
応募団体の組織の能力や信用といった資質に関連する部分で、今回、指定管理者の候補者として選定されました多摩産業交流センター指定管理共同企業体がどのように評価されているのか、特に展示場等の運用実績の部分を中心にお伺いいたします。
○土村商工部長 多摩産業交流センター指定管理共同企業体の代表団体でございます日本コンベンションサービス株式会社は、国内初となるコンベンション運営会社として、国際会議や学術集会など、企画、運営などの五十年にわたる業績を有してございます。
これまで、中小企業のマッチング展示会の運営を手がけたほか、神戸国際会議場などの管理運営において、国際会議の誘致などですぐれた実績を上げている会社であると聞いてございます。
○滝田委員 今回の指定管理者候補となっている共同企業体の中核は、日本コンベンションサービス株式会社というコンベンション国内大手ということであります。その点では期待が持てるところでありますけれども、世界と比較をしますと、日本のMICEも含めたコンベンションの経験値、ネットワークというものは、まだまだ磨いていかなければいけない分野でもあるというふうに考えます。
事業者には、国内でのこれまでの経験を生かすとともに、最新の世界の状況を注視しながら、さらなるノウハウの取得や世界的なネットワークの強化というところにも尽力をしていただけるように、都からも働きかけをするよう求めておきたいというふうに思います。
また、都としての情報収集や知見の獲得ということも、ご尽力を求めたいというふうに思います。特にMICEについては、展示場スペースだけ整えればできるというものでは到底ありません。周辺の観光資源や宿泊、ミーティングスペース、テレワークのスペースといったものも含めて、受け入れ環境をハード、ソフト両面で整える必要があります。八王子市や周辺自治体との連携をして、この観点での取り組みの強化、MICE拠点の周辺環境整備について、都としてもしっかりと支援をしていくよう求めます。
応募のありました四団体で評価点の差がついたのは、最も配点が高く、民間事業者の創意工夫等があらわれる、施設の効用発揮というところが大きな差となりました。ほかには、応募団体の組織の能力や信用といった資質に関連する経営基盤、展示場等の運用実績、施設管理、事業スキームの実現性などの項目の部分であるというふうに理解をしております。
民間事業者の創意工夫等があらわれる施設の効用発揮について、具体的にすぐれていた提案内容や実現性についてお伺いをしたいと思います。
○土村商工部長 施設の機能を最大限に発揮し、地域における産業振興へとつなげていくため、指定管理者候補者が有するノウハウを生かした、施設利用者の利便性向上を図る取り組みや、指定管理者の自主事業などの提案がなされております。
利便性を高める取り組みとしましては、利用者が必ず通るエントランスホールや敷地内の共有部分などで、地域の研究開発の展示を行い、有益な情報発信を行うことにより、商談の活性化につなげるといった提案などがなされております。
また、若い発想、アイデアによる多摩地域の産業創出を支援していくため、学生などによるビジネス提案の企画なども提案されており、いずれもこれまでの実績や独自のノウハウに基づく実現性の高い提案となってございます。
○滝田委員 施設の管理運営や展示場としての貸し出しといったところのみならず、自主企画によって、みずから施設の価値を高めたりPRにつなげたりしていくというところも重要であるということかと思います。
そうしたことの提案の一つとして、先ほどご答弁にありましたが、若い人たち向けの、若手創業希望者や学生を対象にしているのだというふうに思いますけれども、ビジネスの企画提案、コンテストのようなものを想定しているのか、ちょっとわかりませんけれども、民間の発想で、ぜひ取り組んでいただければというふうに思います。
私自身の話をしますけれども、大学生時代に学生向けのビジネスコンテストを企画、運営する学生団体で活動しておりました。その際にも、単純なアイデア募集の提案ということだけではなくて、要所でプロのコンサルタントをつけながらグループワークをして、一週間泊まり込みの缶詰でプランを練り上げるといった取り組みを行っておりました。
形はさまざまあると思いますけれども、実際のビジネスの実現につなげるために、アイデア出しにとどまらず、ノウハウの習得やネットワークにつなげたり、実際にやってみるリスクテークを促進するなどの支援につなげていくということが重要であります。
ぜひ、これから民間の事業者とともに企画を練り上げていくということになるというふうに思いますけれども、そういった観点からも支援ができるように、あるいは企画が詰めていけるようにお願いをしたいというふうに思います。
こうした取り組みについて、成果を評価していくことで、民間事業者がより工夫を進め、事業の効果を高めていくということを進めていかなければいけません。今後、事業実施段階の際に、施設の回転率、創業や大学、企業等との連携実績、MICEの誘致実績などの成果を見ていく必要がありますが、当該指定管理者の取り組みをどのように評価していくのか、方針を伺います。
○土村商工部長 指定管理者の取り組みにつきましては、毎年度評価を行いまして、その結果を管理運営業務に反映させるPDCAサイクルを構築することで、より一層のサービス向上を図ってまいります。
外部有識者で構成されます指定管理者評価委員会の設置などにより、施設の設置目的や指定管理者が果たすべき役割などを踏まえ、例えば施設の稼働状況や利用者の満足度など、管理運営状況に関する評価項目を複数設定して評価を行います。
こうした取り組みによりまして、指定管理者による管理運営のさらなる改善へとつなげていくこととしてございます。
○滝田委員 今回、質問といたしましては、成果のアウトプットの側面の方を質問いたしましたけれども、最初の質問でも申し上げましたが、具体的に新しい製品やサービスの創出、販売の増加、創業の数の増加といったことにつなげる必要がありまして、そうした政策のアウトカムの成果についても評価ができるよう、難易度は高いのですけれども、分析の仕組みをしっかりと構築することも求めておきたいというふうに思います。
次に、最後の質問をいたしますけれども、多摩産業交流センターは、JR八王子駅からも京王線京王八王子駅からも徒歩五分のところにございます。
以前、おととしの私の質問でも、この観点を取り上げましたけれども、地域とのかかわりが不可欠の場所であります。六月の当委員会においても、我が会派のおじま都議からも、改めてその点を指摘させていただきました。
八王子駅、京王八王子駅至近の中心市街地であることから、産業振興のみならず、周辺地域との連携によるにぎわい等、さまざまな観点で、まちの核として機能することが求められますが、地域での多様な取り組みとどのように連携していくのか伺います。
○土村商工部長 指定管理者候補者からは、地域の交流促進に寄与するため、地元でのイベントへの積極的な協力や、自主企画として、多摩地域の食などの魅力を発信するイベントの開催などが提案されております。
施設の運営に当たりましては、地元の方々の理解を得ながら、地域活性化に貢献するとともに、多摩地域の各自治体や近隣県とも連携を図ることが重要でございまして、こうした視点も重視しつつ、施設の開業に向けた準備を着実に進めてまいります。
○滝田委員 八王子や多摩地域には、さまざまなお祭りであったりとか、あるいは歴史、文化的な資源、イベントがございます。ぜひ活用ができるよう、協力をお願いしたいというふうに思います。
また、大田区でやっているオープンファクトリーというもののように、町工場等をまちに開いていく取り組みについても、多様な事業者の集積する多摩、八王子で目指していくべきというふうに考えております。
今回、産業交流センターを核としまして、さまざまな取り組みがさらに広がって、センター内のみならず、内外で新たな取り組みに発展していくということを促していただきたいというふうに思います。
ポストコロナの時代も見据えた、真の多摩地域の産業振興を実現していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○菅原委員長 次に、報告事項、回収納付金を受け取る権利の放棄についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.