経済・港湾委員会速記録第三号

令和二年三月十六日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長両角みのる君
副委員長栗林のり子君
副委員長山崎 一輝君
理事森澤 恭子君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
白戸 太朗君
栗下 善行君
高橋 信博君
まつば多美子君
藤井  一君
おじま紘平君
三宅しげき君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長黒沼  靖君
管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務福崎 宏志君
事業部長長嶺 浩子君
企画担当部長猪倉 雅生君
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務石井 浩二君
豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務西坂 啓之君
豊洲市場連絡調整担当部長堀   真君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長猪口 太一君
移転支援担当部長赤木 宏行君
施設担当部長渡辺 正信君
環境改善担当部長佐々木宏章君
労働委員会事務局局長松山 英幸君

本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 労働委員会事務局所管分
中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十一号議案 令和二年度東京都と場会計予算
・第十九号議案 令和二年度東京都中央卸売市場会計予算

○両角委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和二年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和二年三月十三日
東京都議会議長 石川 良一
経済・港湾委員長 両角みのる殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
経済・港湾委員会
 第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為
 経済・港湾委員会所管分
 第八号議案 令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
 第九号議案 令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
 第十号議案 令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
 第十一号議案 令和二年度東京都と場会計予算
 第十九号議案 令和二年度東京都中央卸売市場会計予算
 第二十一号議案 令和二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
 第二十二号議案 令和二年度東京都港湾事業会計予算
 第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中
歳出 経済・港湾委員会所管分

(別紙2省略)

○両角委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び中央卸売市場関係の予算の調査を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○両角委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第十一号議案及び第十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○福崎管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 去る二月十七日の当委員会で要求のございました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。1、市場別・月別取扱数量及び取扱金額の推移(平成三十一年・令和元年・水産物部・青果部)でございます。
 一年間の取扱数量及び金額につきまして、市場別、月別に、一ページから三ページにかけてそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○両角委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○白戸委員 初めに、新型コロナウイルスへの対応について伺います。
 新型コロナウイルス感染症については、WHOがパンデミックを宣言するなど、世界的にも感染が拡大傾向を見せており、依然予断を許さない状況が続いております。
 私も先日、市場に伺い関係者とお話をしてきましたが、市場状況の厳しさ、そして関係業者の経営状態などをお聞きしてきました。当然のことながら、外食産業の厳しい状況がそのまま市場売り上げにも反映され、さらに社会不安から購買意欲の低下なども重なり、状況は非常に深刻でございました。
 そんな中で、都においても、感染症対策本部でさまざまな対策が打ち出されておりますが、まさに今が正念場、非常に重要な局面を迎えております。
 中央卸売市場は生鮮食品等を都民に安全、安定的に供給するための中核的な拠点であり、こうした危機時においても、その機能をとめるわけにはいきません。開場者である東京都と市場業者がしっかりと連携協力をして、この危機に立ち向かっていかなければなりません。
 こうした観点から、中央卸売市場における取り組みについて幾つかお伺いします。
 まず初めに、新型コロナウイルスが食品流通に与える影響について伺います。新型コロナウイルスは目に見えない敵であり、こうした特性から都民に大きな不安を与え、時に過剰な反応を生じさせております。ウイルスの脅威に備えることは、これは重要ですが、その備えは正しい理解に基づいて行われることが重要と考えます。
 そこで、まず初めに、新型コロナウイルスの特性について確認させていただきますが、このウイルスは、そもそも食品を介して感染が拡大するものなのか、お答えください。

○長嶺事業部長 厚生労働省のQアンドAによりますと、食品そのものにより新型コロナウイルス感染症に感染したとされる報告はなく、製造、流通、調理、販売などの各段階で、食品取扱者の体調管理や小まめな手洗い、アルコールなどによる手指の消毒、せきエチケットなど、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば、心配する必要はないとしてございます。

○白戸委員 ただいまの答弁にあったとおり、ウイルスの特性について正しく理解した上で、適切な対策を講じていくことが必要となります。
 そこで、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、市場としてどんな取り組みを進めているのか、都の取り組みについて伺います。

○長嶺事業部長 中央卸売市場では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、都と市場関係者が緊密に連携して取り組んでおります。
 具体的には、施設入り口や主要なエレベーターホールなど、人の動線となる場所にアルコール消毒液を設置するとともに、手洗いや、せきエチケットの徹底について、ポスターなどで周知しております。
 また、接触感染のおそれのある箇所の重点清掃など、市場施設の清掃業務の強化を行っております。
 さらに、市場関係者に対しては、手洗いや手指消毒といった一般的な衛生管理の徹底はもとより、従業員の健康管理などを要請するほか、正確な情報に基づく適切な感染防止対策が行われるよう、感染拡大防止に関する厚生労働省などの情報を提供しております。

○白戸委員 アルコール消毒液の設置や手洗いの奨励など、基本的な取り組みに加えまして、市場の特性を踏まえて、感染拡大に向けた取り組みが行われているということを確認させていただきました。感染症対策の基本は、予防段階で感染しないように取り組んでいくことにあると思います。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、中央卸売市場は食品流通の中核拠点であり、その機能を停止することはできないわけで、最悪の事態を想定した上で、それに対してあらかじめの備えを講じていくことは、このリスク管理上、大変重要なことと考えます。
 そこで、いざというときのバックアップ体制を整えるために、都としてどのような備えをしているのか伺います。

○長嶺事業部長 中央卸売市場では、職員数の少ない出先事業所が多いという局の特性を踏まえて、本庁が現場を支援する体制を整えております。具体的には、消毒作業の実施に必要な資器材を本庁において確保するほか、作業手順をまとめたマニュアルを取りまとめた上で各市場に提供しております。
 また、各市場への応援体制として、消毒などの作業に当たる要員や市場業務を交代する要員、本庁からのリエゾン要員をあらかじめ指定し、迅速に現場を支援できる体制を整えております。

○白戸委員 市場機能の確保に向けて、都がさまざまな取り組みをしていることが確認できました。
 もちろん、こうした備えが必要となる事態は生じないにこしたことはありませんが、いざというときには迅速に対応できるように万全を期していただきたいと思います。
 さて、現在、市場業者は大変厳しい状況に置かれております。感染拡大を防ぐためにさまざまなイベントが中止となり、また、学校も休校となっています。
 やむを得ない措置ではありますが、こうした影響を受けて、都内のある高級ホテルでは稼働率が三〇%を切るというようなことにもなっているようで、当然のことながら、ホテルなどに納められていた高級な食材の供給が停滞しています。新聞報道などによりますと、マグロなどの高級魚は五割程度まで値崩れを起こしているということです。
 また、学校給食用の食材供給がとまる、宴席や行事などに使われていた花の需要が激変するといった状況も起きております。このため、売上額が前年と比べて大幅に減少するなど、市場業者の経営は非常に大きな影響を受けています。
 もちろん、こうした状況は市場業者に限った話ではなく、産業全体に及ぶものであり、都もさまざまな支援策を打ち出しているところです。こうした対策がスピーディーに支援を必要とする方に届くようにすることが大切だと考えております。
 そこで、中央卸売市場には、業界に寄り添って丁寧なサポートをしていただきたいと考えますが、どのように取り組むのか、見解を伺います。

○赤木移転支援担当部長 都では、市場業者に対しまして、新型コロナウイルス感染症の市場業者の経営への影響を把握するため緊急のヒアリング調査を行いました。その結果、約八割の市場業者が既に影響が発生していると回答しておりまして、仲卸業者だけではなく、卸売業者や関連事業者にも影響が発生している状況を確認してございます。
 このため、国や都の緊急対応策に関します情報を、関係局等の協力を得ながら収集し、これらをわかりやすくまとめた上で、迅速な周知を図っております。
 また、仲卸業者のみが対象となっております経営相談の対象を、卸売業者や関連事業者にも拡大をいたしまして、今般の新型コロナウイルス感染症による売り上げの減収や資金繰りの悪化などの相談に応えられる体制を整えたところでございまして、こうした取り組みを通じて、市場業者を丁寧にサポートしてまいります。

○白戸委員 影響が出てくるのは間違いなくこれからのことになるというふうに思います。ぜひ、困っている市場業者の立場に立って、迅速かつ丁寧なサポートをよろしくお願いします。
 新型コロナウイルスの対応に関しましては、市場業者の方々は日々、経営の影響に加えて、風評被害の発生についても非常に懸念されておりました。冒頭の答弁にあったとおり、食品がウイルスを媒介するものではなく、衛生管理を適切に行うことで感染拡大にはつながらないということなど、正しい情報を都民に広く発信し、理解していただくことは重要です。
 しかし、風評被害は、たとえ事実と異なっていても、一旦広まってしまうと取り返しのつかない被害を及ぼしてしまうことがあります。ぜひ、新型コロナウイルスに関する情報発信について、関係局と緊密に連携を深めながら、しっかりと取り組み、風評被害が絶対に発生することのないように努めていただきたい、強く求めておきます。
 次に、市場の経営計画について伺います。
 中央卸売市場が都民生活を支えるという役割を今後もしっかりと果たしていくために、卸売市場をさらに活性化させていくことが求められています。これからの市場の活性化を図る上で、その前提となるのが持続可能な市場経営であると私たちは考えております。
 安定した経営基盤が確立されてこそ、生鮮食品などを安定的に供給する使命が全うでき、都民の期待に応える市場が実現するのです。こうした視点に立った我が党の要望に応えて、都は来年度末までに経営計画を策定することとしています。
 来年度の経営計画の策定まで、ちょうど折り返し地点を迎えるわけですが、改めてここまでの議論の状況について確認させてください。

○猪口財政調整担当部長 昨年七月に立ち上げました食品流通や企業経営、財務会計の専門家の方々により構成される市場の活性化を考える会では、市場のさらなる活性化と持続可能な市場運営を実現するための強固な財務基盤の確保に向けまして、活発な議論を行っております。
 その中では、市場会計の仕組みや財政収支などの現状を説明するとともに、委員からは、市場の公共性を踏まえながら収益確保や費用削減を実現していく必要といった市場運営についてのご意見や、作業を標準化し市場が持つ物流機能をより効率的にする取り組みが必要といった物流についてのご意見などを伺っております。
 引き続き、委員の方々から専門的な知見をいただきながら、長期的な視点に立って実効性のある経営計画を策定してまいります。

○白戸委員 市場の活性化を考える会においては、活発な議論を進めていただいているとのことです。
 この活性化を考える会では、専門家としての議論だけではなく、他県の市場や都内の市場も視察され、現場の事情も確認されていると聞いております。現場視察の際には、業界の方々と意見交換を行うなどを精力的に取り組んでいただいているとのことでした。
 そこで、これまでの視察の成果や業界から寄せられた声について、都としてどのように捉えているのか、見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場の活性化を考える会では、議論の参考とするため、豊洲市場や淀橋市場といった都内の中央卸売市場に加えまして、山形県の地方卸売市場である丸勘青果市場を視察してまいりました。
 視察におきましては、産地との連携強化や実需者ニーズへの徹底した訴求など、それぞれの市場の特色ある取り組みを実際に見聞するとともに、市場のブランド力向上による集荷力強化の必要性や、ドライバー不足による物流への影響などにつきまして、市場関係者と意見交換を行ってまいりました。
 今後、視察の成果や市場関係者から寄せられた声を踏まえ、市場の活性化を考える会での議論を進め、来年度策定する経営計画に反映してまいります。

○白戸委員 市場という施設は、開設者と市場業者の双方の取り組みがあって初めてその機能を発揮するという特性があって、そうした状況は、現場ならではの空気感を感じないとなかなか理解できないものだと思います。
 活性化を考える会の委員の皆様には、引き続き、それぞれ専門的な知見と、さらにこの現場の事情などのさまざまな要素を勘案いただきまして、実効性のある経営計画策定ができるようにご尽力いただきたいと思います。
 さて、さきの第四定例会において、中央卸売市場条例が改正され、国の法改正を踏まえた新たな制度が整えられました。大幅な規制緩和を行う新しい制度へ移行されると、これまで以上に市場間の競争が激しいものになると見込んでいます。
 そうした中にあっても、出荷者の方々、あるいは買い出し人の方々など、生産地側、消費者側の双方から選ばれる市場をつくっていかなければなりません。
 そのためには、都内の各市場がそれぞれの特色を生かしていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 取引環境の変化に柔軟に対応し、生鮮食料品等の流通における基幹的なインフラとしての役割を着実に果たしていくためには、各市場の特色を生かした戦略的取り組みが重要でございます。
 これまで、第十次東京都卸売市場整備計画に基づき、各市場の立地や規模などの特性に応じた機能強化を進めていくため、大田市場や淀橋市場におきまして、市場業者と都が一体となって経営戦略を策定し、取り組みを進めてまいりました。
 来年度は、将来を見据えた経営計画の策定を通じて、各市場の特色を生かした市場のさらなる活性化を推し進めていくとともに、淀橋市場や豊島市場等において機能強化や市場間の連携強化に向けた検討を進めていくこととしてございます。
 こうした取り組みを通じまして、産地や実需者に支持され選ばれる中央卸売市場を実現してまいります。

○白戸委員 都内の中央卸売市場は、地域性やお客さんのニーズもさまざまで、それぞれの強みを持っているはずです。そうした特性を生かせるような市場経営をぜひ進めていただきたいと思います。
 さて、特色あるこの市場経営を行う上で、その基盤となるのが、それぞれの市場の施設や設備です。都には大小さまざまな規模の市場がありますが、それぞれの市場の特性や強みなどを踏まえた施設整備が行われることが、市場間の競争を生き抜いていくために必要になります。
 都は、今後の施設整備を計画的に進めていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都はこれまで、第十次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、老朽化した受変電設備やエレベーターの更新を初め、衛生管理に配慮したトイレの改修など、市場機能の確保に必要な施設整備を行うとともに、環境負荷の低減に資する照明器具のLED化などに取り組んでまいりました。
 また、都と業界が一体となって策定した経営戦略等に基づき、実需者のニーズに対応するための加工パッケージ施設等を整備してまいりました。来年度は、品質、衛生管理の向上を図るため、食肉市場において卸売り場を含む市場棟の改修を着実に進めるとともに、豊島市場や足立市場等におきまして、低温設備を更新することとしてございます。
 今後とも、計画的に施設整備を進めることにより、市場業者の活発な取引につながる環境の創出を通じ、市場の活性化を推進してまいります。

○白戸委員 市場の施設整備は、各市場の特色を踏まえて行うことも大切ですが、もう一つ考慮するべき点があると思います。それは、ユーザーである市場業者や、その取引先となる買い出し人の方々の目線に立って行うということです。やはり使う人あっての施設ですから、こうした点を考慮することは重要です。
 我が党はこれまでに何度も豊洲市場に足を運び、関係者の方々の声を聞いて、都に利便性の向上を求めてきたところです。こうした要望の一つとして、バス停に屋根をかけてほしいという声もありました。
 都は、我が党の要望に応えて取り組みを進めていると聞いておりますが、改めて現在の都の取り組み状況について伺います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場の六街区水産仲卸売り場棟横に設置されております都バスの停留所につきましては、業界からの要望も踏まえまして屋根の整備工事を進めております。
 バス停付近に地下埋設物があるという制約を踏まえまして、背面のランプへの壁を活用し、ひさしの形状をした屋根を設置することとしております。本年二月から工事に着手しておりまして、今月中に完成する見込みでございます。
 来年度は、七街区のバス停につきましても、屋根を増築する工事を進める予定であり、今後とも業界の意見に耳を傾けながら、市場業者の利便性向上に努めていきます。

○白戸委員 この屋根というのは、雨、そして日差し、こういったものを防ぐためにも非常に必要だという声をいただいておりました。間もなく運用が開始されるということですから、今後もぜひ、使う側の立場に立って、よりよい施設としていただきたいというふうに思います。
 また、豊洲市場の利便性を向上させるための取り組みは、この施設の整備だけにとどまるものではありません。ハード的なアプローチだけではなく、ソフト面での取り組みも非常に有効です。
 我が党は、より多くの買い出し人を呼び込むことができるよう、豊洲市場へのアクセス性を向上するための取り組みを求めてまいりました。これを受けて、都は現在、築地地区と豊洲市場を結ぶシャトルバスを運行しています。
 豊洲市場の取扱量を拡大していくためには、引き続き多くのお客様に来ていただくことが重要であり、このシャトルバスについても要望は多いと聞いております。
 ぜひ、今後も継続的に運用していくことが必要だと考えますが、都の見解を伺います。

○堀豊洲市場連絡調整担当部長 築地地区には、旧築地市場に買い出しにいらっしゃっておられました取引関係者が多くおりまして、こうした買い出し人を呼び込むことは、豊洲市場の活性化に資するものと認識しております。
 豊洲市場開場時から、試行として場内を循環しておりました買い回りバスにつきましては、昨年四月から、築地地区と豊洲市場間のシャトルバスとして運行するよう経路を拡大するとともに、さらに十月からは利用状況に即してダイヤなどの変更を行いまして、築地-豊洲間のシャトル便を一日十便から十四便へと四便増便したところでございます。
 このシャトルバスにつきましては、利用者は増加傾向でございまして、業界からも運行継続の要望があることから、来年度におきましても、シャトルバスの試行運行を継続いたしまして、引き続き、買い出し人の利便性向上を図ることとしております。

○白戸委員 ぜひとも、ことしも運行を継続していただきたいと思います。
 さて、冒頭に質問したとおり、現在、新型コロナウイルスの影響により、市場業者の経営は非常に厳しいものがあります。
 市場業者の中には、海外への輸出について積極的に取り組んでいた方々もおられましたが、新型コロナウイルスの影響を受けて、現在は輸出できない状況になっているとも聞いております。
 ただ、その後の未来を考えますと、国内の人口減少が進展し、将来の消費動向はやはり不透明となっており、海外へ目を向けて輸出を促進していくことは、東京の稼ぐ力を高めるためにも必要であると考えます。
 そこで、市場業者による海外輸出の取り組みを都としても支援していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場が生鮮食料品等を安定的に供給していくためには、海外を含めた幅広い販路を開拓することにより、産地からの集荷力を高めていくことが必要でございます。
 都の卸売市場におきましてはこれまでも、仲卸業者などを中心に、個々の事業者が輸出に取り組む例もございますが、輸出に必要な手続が煩雑であるほか、輸出相手国におけるニーズを的確に捉えた魅力ある商品づくりが課題となっているところでございます。
 このため都では、輸出に意欲のある市場業者同士の連携を促した上で、商社等とのマッチングや、現地でのプロモーション活動を支援する事業を来年度新たに立ち上げ、販路拡大の機会を創出してまいります。
 こうした取り組みにより、海外からも支持される市場の実現を通じて、市場のさらなる活性化を図ってまいります。

○白戸委員 こうした取り組みは、もちろん現在の新型コロナウイルスの影響がおさまらないと、なかなか進められるものではないということは理解しておりますが、影響がおさまった際には積極的に進めていただきたいと思います。
 さて、海外に目を向けるという点で、もう一つ考慮すべきなのは、東京二〇二〇大会であります。ことしは、東京二〇二〇大会の開催年であり、多くの方が東京を訪れます。こうした機会を生かして、東京の卸売市場をPRしていくことは、卸売市場の認知性を高めるとともに、市場業者の商機の拡大にもつながると考えます。
 そこで、東京二〇二〇大会を見据えた取り組みを、都としてどのように展開していくのか、所見を伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 中央卸売市場では、東京二〇二〇大会開催の機会を捉えて、広く海外に向け、豊富で新鮮な食材や、その品質を見きわめる担い手が集まる卸売市場の魅力を発信できるよう、さまざまな取り組みを展開することとしております。
 具体的には、選手村や競技会場に近接し、多くの訪日外国人などの来場が想定されます豊洲市場におきまして、各国のVIPや選手団を対象とした見学会を開催するほか、都内の交通拠点である主要な駅のイベントスペースなどを会場といたしまして、全市場のPRイベントなどを実施してまいります。
 イベント等の実施に当たりましては、東京の卸売市場に対する関心を高め、その役割に対する理解の促進を図るため、来場者が興味を持って楽しめるような展示等を行う予定でございまして、こうした取り組みを通じて、中央卸売市場の魅力を世界に広く発信してまいります。

○白戸委員 本当に選手村と豊洲市場の距離というのはもう目の前でありますので、ぜひこうした取り組みをしっかり進めていただきたいと思います。
 今回のこの東京二〇二〇大会の開催が東京のプレゼンスを高めるとともに、市場業者の後押しにもなるように、しっかりと取り組みを進めていただくことを求めまして、質問を終わります。

○藤井委員 私からも、中央卸売市場関係について何点かお伺いをしたいと思います。
 なお、時間三十分ということで申告しておりますが、一問追加をする予定なので、ぎりぎりになることをお許しいただきたいと思います。
 まず、日本の台所と呼ばれました築地市場が豊洲に移転して一年五カ月が過ぎました。この豊洲市場は、温度管理を徹底して、水産物などの鮮度を保つ最新の設備を備えています。一方、市場離れというのが進んでいるといわれております。
 そこで、豊洲市場が開場した後の水産物取扱量及び取扱金額はどのように推移しているのか伺います。

○長嶺事業部長 豊洲市場開場後の水産物の取扱数量は、豊洲市場が開場した平成三十年十月から翌年九月までの一年間で約三十五万トンとなっており、前年同時期の築地市場の取扱数量と比べ六%減少しております。
 取扱金額は、同じく平成三十年十月から翌年九月までの一年間で約四千十二億円となっており、前年に比べ四%減少しております。

○藤井委員 取扱数量が六%、前年対比で減少、金額も四%減少ということでございました。これは豊洲市場だけの問題ではなくて、川上、川下も含めました水産物全体の問題もあるかと思います。
 一方、取扱数量の減少は紛れもない事実であり、今後、市場を活性化し取扱数量をふやしていくには、利用者が使いやすい市場にするとともに、市場業者の取り組みをバックアップしていくことが必要ではないかと考えます。
 豊洲市場では、開場後間もないころ、売り場などでターレの粉じんが話題になりました。ちょうど去年の初めごろだったと思います。さまざまな取り組みにより、最近では落ちついているというふうに聞いておりますが、そこで、確認の意味で、この豊洲市場のターレの粉じんの問題については現在どうなっているんでしょうか。

○堀豊洲市場連絡調整担当部長 豊洲市場では、業界とも連携いたしまして、清掃範囲の拡大、清掃頻度の向上、高圧洗浄機の活用など、清掃の作業を充実するとともに、散水栓の設備工事など、清掃効率を高めるための設備工事なども行っておりまして、現在、場内では粉じんが飛散する状況にはございません。
 また、建築物衛生法に基づく空気環境測定を定期的に実施しておりまして、開場以来、一貫して浮遊粉じんの測定値は法令の基準値を大きく下回っていることを確認しております。

○藤井委員 現在は粉じんが飛散する状況にはないと。測定値も法令の基準値を大きく下回っているとのことでございます。引き続き、適切な清掃の実施について、都と業界と連携して取り組んでいただきたいと思います。
 良好な衛生環境の保持はもちろん大事でありますが、市場の活性化に当たっては、市場業者の取り組みをバックアップするための支援が重要であります。事業者の中には、移転を機に新たな事業展開など、前向きな取り組みを行う方もいると聞いております。こうした市場の発展には、事業者の取り組みも非常に重要であります。
 都は今年度から、中央卸売市場活性化支援事業を開始し、こうした事業者を後押ししていくと聞いております。
 そこで、この豊洲市場においては、どのような工夫が、業者の取り組みのどういう事例があるのか、この点をお伺いいたします。

○赤木移転支援担当部長 今年度、豊洲市場では、合計で十四の創意工夫ある取り組みが行われておりまして、国内外の販路拡大に向けた展示会への出展、ICTを活用した顧客対応力や販売力の強化等に加えまして、豊洲市場の特徴を生かした取り組みも行われております。
 具体的には、集荷力の向上と販売力強化のため、閉鎖型施設であることなどの豊洲市場の機能や各社の取り組み等を紹介する冊子を卸売業者が共同で作成し、産地や取引先にPRをいたしました。
 また、低温施設を活用した商品展示会では、これまで実現困難でありました生鮮品の展示や試食を初めて行い、多くの出荷者や買い受け人等の好評をいただきました。
 さらに、卸売業者が商品陳列用のパレットを共同購入して利用促進を図りまして、品質、衛生管理の一層の高度化を推進する取り組みも行われております。

○藤井委員 ただいまありましたように、販路拡大に向けた展示会への出展、あるいは低温施設を活用した試食など、豊洲市場ならではの取り組みが始められたということであります。
 これらの活性化の補助については、来年度、さらに補助率を上げるなどの改善がなされるというふうに聞いておりますが、今後とも、事業者の前向きな取り組みをしっかりと支援していただきたいと思います。
 さて、冒頭の答弁にもありましたように、取扱数量や、あるいは取扱金額の減少という現状は、市場業者の経営にも大きな影響を及ぼしております。仲卸業者の中には、築地市場の時代から売り上げが伸び悩んで、移転後も経営が厳しいという事業者もあると聞いております。
 都は、これまでもさまざまなメニューの支援をしてきたと思いますが、これらの経営が厳しい事業者に対して相談事業を行っております。
 そこで、この仲卸業者の経営相談については、現在どのような体制となっているんでしょうか、お伺いします。

○赤木移転支援担当部長 都では、資金繰りや販路開拓など、仲卸業者の経営全般に関する経営相談を無料で実施しております。経営相談では、仲卸業者からの相談内容を踏まえまして、公認会計士、弁護士、中小企業診断士といった専門家が直接仲卸業者に助言指導を行っております。
 現在、合計八名の相談員で対応しておりますが、来年度からは、公認会計士や中小企業診断士を増員いたしますほか、食品衛生コンサルタントや社会保険労務士といった衛生管理や労務管理に関する専門家を新たに加えまして、十二名体制に拡充をいたします。
 また、相談後の状況把握や複数回の相談実施など、相談者に対するフォローをこれまで以上に行いまして、一層丁寧に対応してまいります。
 加えまして、新型コロナウイルス感染症により経営に影響が生じておりますことから、相談対象を拡大するなどの取り組みを進めているところでございまして、今後とも市場業者の不安や悩みに寄り添って、しっかりとサポートしてまいります。

○藤井委員 来年度、さらに拡充をして、さまざまな悩みを抱える市場業者に積極的に活用していただくよう、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 次に、条例改正についてお伺いいたします。
 本年六月に改正卸売市場法と改正中央卸売市場条例が施行されます。条例改正については、昨年十二月のこの委員会でもさまざまな質疑のやりとりがなされました。
 そこで改めて、この条例改正の基本的な考え方について、まずお伺いをいたします。

○長嶺事業部長 卸売市場法改正では、卸売市場を取り巻く環境の変化を踏まえ、生鮮食料品等流通の合理化と公正な取引環境の確保を促進することにより、消費者ニーズ等への的確な対応を図ることとしております。
 条例改正は、こうした法改正の趣旨を踏まえるとともに、卸売市場を取り巻く環境が変化する中、東京の卸売市場がこれまで果たしてきた大消費地における豊かな消費生活を支える役割を今後とも着実に果たしていく観点から行うものでございます。
 このため、多くの市場業者、産地や実需者がより活発に取引を行えるよう、これまでの規制は緩和することにより、集荷、分荷、価格形成、代金決済などの機能を確保しつつ、時代の変化に伴う新たなニーズに的確に対応していくことといたしました。
 また、卸売市場の公共的役割を引き続き果たしていくため、公正な取引環境や食の安全・安心を確保するための規定を設けております。
 これらにより、産地や実需者の多様なニーズに的確に対応できる環境を整え、市場の活性化を図ってまいります。

○藤井委員 どうもありがとうございました。ただいまありましたように、規制緩和と公共性のバランスをとるということとともに、この時代の変化に伴う新たなニーズに的確に対応していくための条例改正であるということでございましたが、市場業者から見れば、規制緩和による不安もあるかもしれません。一方、新たなビジネスの展開のチャンスになるのではないかというふうに考えます。
 そこで、この規制緩和により、どのようなビジネス展開が可能になるのか、その点をお伺いいたします。

○長嶺事業部長 現行制度におきましては、取引に関するさまざまな規制があり、機動的な対応が難しい場合がございますが、規制緩和により、新たなニーズに柔軟かつ迅速に対応することが可能となり、取引の活性化に資すると認識しております。
 具体的には、第三者販売の自由化により、例えば加工業者や輸出向けのニーズに柔軟に対応できるようになり、また、商物分離取引により市場の集荷力や決済機能は活用しつつ、物流コストの低減やリードタイムの短縮を図ることが可能となります。
 さらに、仲卸業者の直荷引きにつきましては、例えば場内の卸売業者では手に入らない地場商材を調達するなど、品ぞろえの充実による販売力強化につながると考えられます。

○藤井委員 想定されますビジネス展開の例示がありました。
 事業者がこの条例改正をチャンスと捉えて、さらなる取り組みを進めていくためには、その趣旨などについてしっかりと理解していただく必要があると思います。
 そこで、市場業者に制度の理解をどのように進めていこうとしているのか、お伺いをいたします。

○長嶺事業部長 制度改正に当たりまして、引き続き公正な取引環境を確保し、取引の活性化につなげていくためには、市場関係者に改正の趣旨や内容を正確に理解していただき、新たな制度へ円滑に移行することが不可欠でございます。
 現在、各市場において、市場別運営協議会などでの説明のほか、卸売業者、仲卸業者などの業態ごとに説明会を設定し、それぞれの業務内容に応じた説明を行っているところでございます。
 また、各市場の窓口で改正内容についてわかりやすく説明した資料を配布し、個別の質問などにも対応しております。
 さらに、制度改正後の取引委員会の運用について業界と協議を開始しており、各市場の実情に応じて協議事項を整理するとともに、取引に関する情報共有が図られるよう、引き続き市場関係者と連携しながら丁寧に準備を進めてまいります。

○藤井委員 卸や仲卸など業態ごとに説明会を行ったり、あるいは取引委員会の運用についての協議を開始しているという答弁でございましたが、市場業者にきちんと制度を理解していただけるよう、今後とも準備を進めていただくよう要望したいと思います。
 次に、市場の情報化について何点か伺います。
 取引環境が目まぐるしく変わる今の時代に、ICTなどをしっかりと活用していくことが重要と考えます。
 私の地元であります大田市場の花き部、花ですね、花き部では、このICTに対して、一九九〇年代に入札販売における情報化を進めたというふうに聞いておりますが、この大田市場の花き部では、こういったICT、IT化をどのように進めたのか、お伺いをしたいと思います。

○長嶺事業部長 大田市場花き部は、平成二年九月に業務を開始しており、開始当時から国内初となる競り下げ方式による機械競りを導入しております。また、平成十二年にはインターネットによる受発注システムの運用を開始し、平成十九年には、大田市場のオークションルームに足を運ぶことなく競りに参加できるシステムを導入いたしました。
 一方、平成十一年に完成した物流棟により、場内物流が一部自動化され、平成二十八年に完成した低温荷さばき場と物流棟とを接続することにより、鮮度保持に配慮した物流が実現しております。

○藤井委員 世界の先進市場、先進的に取り組んでいる市場の例として、商品の情報化、IT化というのが進められているそうでございます。聞いたところによりますと、オランダのアムステルダムにありますアールスメール花き市場というのがあるそうですけれども、このアールスメール花き市場は世界最大の花き卸売市場でありまして、世界各地から花が集まってくるそうです。
 このアールスメール市場は、花の入札方式にIT化が早くから導入されておりまして、具体的には、入札参加者のテーブルにデスクトップのモニターがありまして、入札価格が表示されます。また、電子掲示板に価格が表示されて、落札が行われているそうです。さらに、入札前、落札後の花の移動、たくさんの花を移動させなくちゃいけないんですけれども、あらゆる場面でIT化が進んでおりまして、落札された花を輸送する小型車両というのがあるんですが、これが全部ITで提供された情報を機器で読み取って、プログラミングされました動線に沿って荷物を所定の場所に運んでいくという、まさにオートメーション化が進んで、人手はほとんど必要ないというふうに運営されているそうでございます。
 そういったことを踏まえますと、今後、市場の活性化にこうした情報技術の活用が重要だと考えます。将来的には、どこでも誰でも、こうした技術の活用によって取引に参加できることが理想ではないかと思います。
 今、都では、宮坂副知事就任後、5Gなど情報技術に力を入れておりますが、こうした5Gなど最先端の技術を活用する事業者を支援していくことが大事だと考えます。こういった活性化の支援の対象となるのかどうか、お伺いをいたします。

○赤木移転支援担当部長 卸売市場を取り巻く環境の変化に対応し、中央卸売市場が生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとしての役割を引き続き果たしていくためには、最新の情報技術を活用して、市場の活性化と社会的課題の解決を両立する取り組みも有効でございます。
 今年度におきましては、市場の活性化に資するICTを活用した業務改革を支援対象にしておりまして、市場業者の取り組みを支援してまいりました。
 来年度におきましては、5G関連事業やデータ活用による需要予測など、最先端技術を活用した取り組みにつきましては、ソサエティー五・〇実現に向けた先進的事業として支援対象とし、市場業者による取り組みを積極的に支援し、中央卸売市場の活性化につなげてまいります。

○藤井委員 最先端技術を活用した取り組みについても支援の対象となるということでございます。市場の未来に向けて、こうした取り組みを積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、市場の未来に向けた取り組みのもう一つの課題といたしまして、市場の施設整備に関して伺います。
 市場の活性化を進めていくためには、ただいま質問させていただきました市場業者による自立的な取り組みはもとより、こうした取り組みを支える市場施設の維持更新も重要な課題であります。
 私の地元大田市場は、開場から三十年以上経過をいたしまして、施設の老朽化も進んできております。市場業界からも改修を望む多くの声が寄せられておりまして、こうした対応が必要であると考えます。
 さらには、大田市場や豊洲市場といった大規模な市場だけではなくて、将来を見据えまして、淀橋市場など、地域に密着した市場における施設整備にもきめ細かく対応していくべきであると考えます。
 そこで、令和二年度におけます大田市場やその他の市場における施設整備の取り組みをどのように進めていくのか、お伺いいたします。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都はこれまで、第十次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、老朽化施設の更新に取り組むとともに、産地や実需者の多様なニーズに対応していくため、各市場の特色に応じた機能強化に向けた施設整備を計画的に実施していくこととしてございます。
 令和二年度におきましては、品質、衛生管理の向上を図るため、大田市場において水産冷蔵庫棟の改修工事に着手することとしてございます。
 また、その他の市場における取り組みといたしましては、淀橋市場において、実需者のニーズに的確に対応し、品質、衛生管理の向上を図るため、低温設備の更新工事を進めるとともに、老朽化した施設や狭隘な敷地を有効活用していくための施設整備のあり方について検討を進めていくこととしてございます。
 今後とも、各市場の現状や課題を的確に捉えた上で、計画的な施設整備を進めてまいります。

○藤井委員 市場をめぐる環境は大変大きく変化しておりますので、その変化のスピードにしっかりと対応していっていただきたい。また、今後とも引き続き、活気のある市場を実現するために、ぜひ皆様のご努力をされますようお祈り申し上げたいと思います。
 最後に一つ、局長にお伺いをしたいと思います。その前に、管理部長、澤章さんという方は市場の幹部職員だったと思いますが、役職は何だったんでしょう。

○福崎管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 中央卸売市場の次長でございます。

○藤井委員 澤章さんは東京都の中央卸売市場の次長だった方でございますが、つい最近、この方は本を書かれました。タイトルは、行って帰ってくる、ちょっと待てという本でございまして、私、先週、買いに行ったら、まだ売っていませんでした。そろそろ販売されると思うんですが、その内容をこれから、かいつまんでお話しさせていただきたいと思います。
 これは、ちょうど小池知事が知事になって--知事選を迎え、当選して、次の都議選を迎えるまでに当たって、いわゆる知事をめぐる豊洲市場移転までの内部の情報が書かれております。読んだ方もいるかと思いますが、こういった中で、どういう内容かさらっといいますが、こういうふうに書いてあります。
 さらに聞き捨てならないことを知事は副知事に漏らした。豊洲に仮移転して、また築地に戻れないのか。一瞬耳を疑った。副知事から知事の言葉を聞かされた市場長はテーブルに突っ伏し、私は天を仰ぎ--私というのは澤さんです--企画担当部長は私の横で目を丸くした。それをいっちゃおしまいなのだ。副知事はその場で、仮移転には十五年から二十年はかかると知事を諭したというが、効き目があったとは思えない。知事の真意は結局そこだったのだ。築地か豊洲か、プランAかBかではなく、もう一つの道、豊洲仮移転、築地再整備こそが知事の落としどころということかとか、このようにあります。
 最後に知事は副知事にこうつけ加えた。早山理事長に配慮したい。ここから妄想するしかないが、知事の発言を素直に受けとめれば、落としどころにしようとしている仮移転策は、中長期のビジョンに基づいた戦略などではなく、反対派の増強によって窮地に立たされた早山理事長以下、東卸組合執行部に救いの手を差し伸べるための窮余の策ということになってしまう、あるいは、こういうのもあります。
 知事の狙いはあくまでも都議会議員選挙だ。選挙にとって何が有利か、知事の価値基準はそこにしかない。選挙に勝つには仲卸業者に騒がれては困る。彼らに媚薬を嗅がせておとなしくしてもらわなければならない。実現不可能な豊洲仮移転、築地再整備案を持ち出して時間を稼ぎ、選挙戦を戦い抜かねばならないのだ。こうあるんですね。
 さらにはこうあります。知事が築地市場関係者を前に頭を下げる直前の某日--ある日ですね、知事はある人物らにひそかに会っていたとの未確認情報がある。その人物とは、東卸組合の早山理事長と山崎副理事長である。その場で知事は、五年で築地に戻ってくると彼らに伝えたという。こういうところまで書いています。
 さらには、ちょうど都議選の前の日に正午のNHKニュースが始まる。トップニュースだった。築地に市場機能確保、方針固める。全身から力が抜けた。知事は築地を選んだ。だがしかしである。都庁の事務方トップの面々ががん首そろえたあげく、都政の最重要課題の最重大決定をテレビのニュースで初めて知ったのである。これほど滑稽な光景はない。これほど屈辱的なことはない。我々は完全に蚊帳の外に置かれたのだと。
 このように、もっといっぱいあるんですけど、こういったことを都の当事者であった築地市場の次長が、退職後、こういったことを綿々とばらして、そして本にする、こういったことはまさに公務員が知った秘密をばらすのと--私は違反だと思いますけれども、局長、このことについてどのように考え、今後どうこれについて対応するのか、お伺いをいたします。

○黒沼中央卸売市場長 豊洲への移転に関しましてはさまざまな経緯があり、これにかかわった数多くの当事者にはそれぞれの思い、所感があるのかもしれませんが、都としては、この間、その事実、経緯等については、この都議会の場や報道発表等で明らかにしてきたものと私は認識しております。
 今ご指摘がございましたとおり、我々都の職員は、公務員として守秘義務が課されるなど、在職中はもとより、退職後においても知り得た情報に関する取り扱いについては厳に公正かつ慎重であるべきでございます。
 ご指摘の出版物の記述内容の詳細につきましては、申しわけございませんが承知はしておりませんが、我々市場事業の新たに歩みを始めた今後の円滑な運営に支障を来す内容があるのであれば、現市場長としては極めて遺憾でございます。

○藤井委員 ただいまありましたように、この本の中には公明党の考えなども推測で書き込んでおりますし、政治を推測でいってしまってはならぬ。物によっては守秘義務違反であり、こういったことが許されるのであれば、次々と同じことが起きたら、これは皆さん方の立場上、どんな会議も漏れるということになりますし、こういった都政が絶対あってはならない、そうならないためにも、ぜひ市場長を中心に、今後こういったことが二度とないような対策を練っていただくよう要望して、私の質問を終わります。

○山崎委員 私の方からも、何点か質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、豊洲市場についてでございますが、開場してからもうすぐ、もう一年半になろうとしております。この豊洲市場は、やはり最新鋭の設備をしっかりと備えて、そして高度な品質管理と効率的な物流の実現をするといった高い理念を掲げて整備された市場であります。世界に誇る、また世界一の市場を目指す、そういう思いで、築地から豊洲に移られた、そういったさまざまな経緯、計画があったわけであります。
 こういった中で、改めて、こういう目指す姿、目指すべき姿を照らして何ができていて、今、何ができていないのか、こういった点をしっかりと確認させていただきたいと思います。
 このような今後のことを語るに当たって、やはり、今、どういう状態なのかということを明確にしていくことが私は大切だと思っておりますので、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、使い勝手、これは全般にかかわるお話でありますけれど、豊洲市場を活気にあふれる市場とするためには、買い出し人の皆さんを初めとして、まず多くのお客さんに集まってもらうことが大切だと思います。
 そのためにも、お客さんにとって使い勝手のよい市場とするべきだと考えますが、この点について都の基本的な認識をまずお伺いいたしたいと思います。

○福崎管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場におきましては、買い出し人初め、多くの取引関係者にとって使い勝手のよい市場となるよう、開場以来、これまで利便性向上に向けてさまざまな方策を実施してきたところでございます。
 具体的には、開場時から試行としまして場内を循環してございました買い回りバスを、昨年四月から築地地区と豊洲市場間のシャトルバスとして運行するよう経路を拡大するとともに、昨年十月からは増便を図ってございます。そのことにより、利用者も増加してございます。
 また、駐車場、一般買い出し人用でございますが、昨年十二月から、六街区にございます千客万来施設用地の一部につきまして、買い出し人の待機のための車両スペースとして運用を開始したところでございます。事前に登録をした買い出し人車両が午前六時から午前九時まで利用することを可能としてございます。
 まだまだ課題もたくさんございますが、今後も引き続き、業界の意見を聞きながら、買い出し人の利便性向上を果たし、豊洲市場がさらに使い勝手のよい市場となるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

○山崎委員 今、やってこられたことを管理部長、お話をされておりました。
 さまざまな課題があるという答弁もありましたけれど、さまざまな課題というものは、今、どのように考えているのか教えていただきたいと思います。

○福崎管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 具体に申し上げますと、使い勝手の問題、荷置きの問題ですとか、まだまだ業界と連携をして、いろいろ片づけ等を行っておりますが、そういった課題もあります。
 また、駐車場につきましても、現在、六街区の千客万来用地のところ、先ほどご答弁申し上げましたが、買い出し人待機車両スペースにつきましては、五月を暫定的にその終期としてございますので、その先の話、また、既に場内にある駐車場の運用につきましても、開場時とは様相が異なりまして、あいたスペースが若干出てきているものもございます。
 そうした諸般の状況を踏まえまして、今後、総合的に駐車場につきましては、業界とも連携をしまして、買い出し人のための使い勝手のよい市場としていきたいと考えてございます。

○山崎委員 今、駐車場のこともこれからの課題の一つであると。やはり駐車場問題というものは、市場関係者の皆様方、これは卸も仲卸も、青果ももちろんそうなんですけれど、当時移転をするときに、我々はこれだけの数が欲しいんです、そういうお話の中で、皆さん方といろいろな形で台数を決められてきた中での駐車場の割り振りだったと思います。
 しかし、開場してみると、私たちにももう一台欲しい、我々にも車がもっと必要なんだと、そして、買い出し人の皆さんも、やはり豊洲の場所のことで、なかなか公共交通を使って来れない状況である。やはり築地から移ってしまった一・九キロのその距離というものが非常に大きい距離になってしまった関係で、各業界から、まだまだ車が必要なんだ、駐車場が必要なんだという、そういうことが発生をしたわけであります。
 ですから、今になって、当時、移転をした際のときの駐車場の数と、今現在の駐車場、必要な数というのが大きな開きが出てきてしまっている、そのようなことを私もいろいろな方からお話を聞いているわけでございます。
 ですので、やはり今に即したそういう対応をしっかり中央卸売市場当局としてもしていただかなくてはならないと思います。
 昔こうだったから、移転されるときはこうだったという、その論理ももちろんあるんですけれど、やはり、今の現実をしっかりと捉えていただきながら、この駐車場問題というものも前に進めていただけたらありがたいのかなと思いますので、その点をまずよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、確認をしますが、そもそも、この駐車場、これから市場内にふやすこと、足りない、足りないと、いろんな話が出ています。そういった中で市場内にふやすことは、合理的に可能なのかどうなのか教えていただきたいと思います。

○福崎管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場におきましては、開場以降、臨時、暫定も含めまして、業界からの要請を受けまして、それぞれ漸次対応してきたところでございます。
 今後でございますが、市場用地内で、新たに大幅な駐車場スペースを割くということは一定の限界があろうかと思われております。
 一方、五街区の千客万来施設用地につきましては、現在、万葉倶楽部株式会社が立体駐車場を建設しており、来月中に完成予定となってございます。
 こういった点も勘案しながら、全体の駐車場の運用については業界と調整をしていきたいというふうに考えてございます。

○山崎委員 今、来月、五街区の方に万葉倶楽部の方が駐車場、立駐をつくって、これから運用するというお話もございました。
 当時、この万葉倶楽部がなぜ五街区に立駐を設けることになったかというのは、やはり六街区の千客用地のB2、このB2の駐車場が使えなくなった形の中で、やはり東京都として、また万葉倶楽部といろいろな交渉をしていきながら、この五街区に駐車場を設ける、約三千平米ぐらいだったと思うんですけれど、要は、五街区のにぎわい用地の約半分ぐらいの用地を使って駐車場、立駐をつくるという、そういう形の変更があったわけです。これは私、非常にタイムリーな話だと思います。
 そのときに、私も以前からお話をしてきたように、この立駐、万葉倶楽部が、民間ですけれど、使う立駐をいかに市場業界、また買い出し人やいろんな方たちに、また買い物に、観光に来る人たちだとか、そういう一般の人たちにも使い勝手がいいように、やはり、その駐車場を開放する、そういったことが非常に大切であるということは、いろいろな場面で私もお話をさせていただいたわけであります。
 そういう中で、今現在、駐車場問題をクリアしていく上では、この立駐が唯一可能性のある場所だという話だと思います。
 そこで、万葉さんのこの駐車場の調整、私が今いったように、例えば業界に使わせろとか、観光にも使わせろ、一般の買い出しにも使ってもらいたい、そういった調整について、やはり業界だけに任せていくわけには私はいかないと思います。
 都もこのことは一緒になって、しっかり汗をかいて調整を、今現在していると思いますけれど、その調整の現在の進捗、教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 五街区に万葉倶楽部株式会社が整備しております立体駐車場につきまして、その運営は万葉倶楽部株式会社という民間事業者によるものでございまして、原則としては、例えば市場業者の意向がありましても、当事者同士で調整を行うことが基本だと考えています。
 しかしながら、もちろん市場業者が駐車場を確保する、あるいは一般の方に使っていただくのに当たりまして、都が調整することで円滑に進む面もあることでございますので、民間事業者同士の交渉だけに任せず、都も可能な限りのサポートをしていきたいと考えております。実際に万葉倶楽部の担当者とも調整を進めております。

○山崎委員 進捗の状況の具体的な内容も、あわせて教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 五街区の立体駐車場につきまして、基本的に一般の方が使うということで万葉倶楽部株式会社が整備を進めておりますけれども、そこに市場業者さんが駐車場を確保するということが可能に当たり、いろんな条件がそれぞれあろうかと思います。
 まだ具体的にその条件をそれぞれ調整する前の段階でございますけれども、東京都としては、その話が円滑に進むように、それぞれにお声かけをしたり、面会を実現したところでございます。

○山崎委員 来月から、この立駐を運用開始ですよね、万葉倶楽部は。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 立体駐車場の運用開始は来月四月を予定してございます。

○山崎委員 今、調整いろいろとされているというお話ですけれど、来月運用開始をされるこの五街区の立駐に対して、まだ、結論が出ていないというか、恐らく前向きな、いろいろな交渉をしていただきながら、万葉倶楽部さんにもご理解をいただいていることと思いますけれど、やはり、もう少し、その危機感というか、来月やることがまだいまだに決まっていないというのは、私としてはちょっと不安になってしまいますよ。
 もう逆にいえば、この段階でいろいろと決め事を決めた上で、業界の皆さんやいろんな人たちに、これ、周知をする期間も必要ですよね。五街区のこの立駐を使えるようなシステムがこうありますよと、使ってくださいという、そういったおふれもしっかりしていかなくてはならないと思いますので、一日も早く、これは業界の皆様も非常に希望しております。
 万葉倶楽部、もちろん、六街区がオリンピックの後に着工して、そして完成するまでの、まず期間かもしれませんけれど、まずは、こういう万葉倶楽部さんの立駐をしっかりと使って、この市場全体の駐車場問題をクリアにしていくためにも、一日も早い交渉で結果をしっかり出していただきながらお願いをしたいと思いますので、その点はよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 駐車場問題、まだこれも、ほかにも問題が実はございます。
 先日の我が党の代表質問で、さまざまなこの車両管理の誘導システム、また、その点の本格運用、車両入退場管理システム、そして車両誘導システムの本格運用について、我が党から代表質問をさせていただきました。
 その際に、黒沼市場長は、車両管理に必要な情報を収集して、今、活用しているところであるという答弁もありましたし、また、車両の登録手続を進めてまいりましたという答弁もありました。
 それでは、この車両管理に必要な情報を収集、活用してきたという答弁がありましたけれど、具体的にはどのように今現在、活用しているのか教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場の入退場管理システムについてでございますけれども、各街区の入場口において、ナンバープレートの自動認証による車両特定や通行台数の把握等を行ってございます。
 それによりまして、それぞれの街区でどの程度の車両が入ってきているかというのを管理しているところでございます。

○山崎委員 この入退場の管理システム、今、ナンバープレートの自動認証や通行台数の把握を行っていて、そういう情報を収集して活用しているといっておられますけれど、本来の、それ以外に本来の車両入場管理システムの使い勝手、ほかにも多分あると思います。
 今現在、使われていないシステムは何か教えてください。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 現在の入退場管理システムにおいては、入退場ゲートの運用はまだ行っておりません。

○山崎委員 委員のメンバーの皆さんもおわかりのとおり、今、豊洲市場では、五街区、六街区、七街区、まず、ゲートがあります。このゲートはずっとあけっ放しなんですね。ですから、悪くいえば、どなたでも豊洲市場に入れる、そのような形になってしまっているんですね。
 ただ、ナンバープレートをそこで把握をすることは、もちろん運用はスタートをしていますけれど、ゲートがずっとあけっ放しの状態、私、何をいいたいかというと、あれだけこの車両誘導システムにお金をかけてきた、あれだけの予算を費やして、あれだけのシステムをつくって、そして、しっかりと安全・安心を保てる、また、ほかからいろんな人が入ってこられないように、そういう形でゲートをつくったはずなのにもかかわらず、いまだにこのゲートがあけっ放しで誰でも入れる。
 ただ、ナンバープレートは、東京都の皆さんに聞くと、市場当局に聞くと、ナンバープレートはしっかりと把握をしているから、違法駐車だとかそういうのは取り締まることができるんですよ、そういうお返事をいただいているんですけれど、なぜこのゲート、上げ下げをしっかり活用できていないのか。
 私はもうとにかく--あれだけの予算をつぎ込んでつくったシステムにもかかわらず、それが運用できていない。これがもう、例えば開場して半年だとか、周りの交通の渋滞の影響があるからとにかく早く中にまずは入れてもらうということで、このゲートはたしかあけっ放しだったと思います。そういう説明を受けておりますけれど、今現在、もう一年半も過ぎようとしているにもかかわらず、なぜこのゲートがまだあけっ放しなのかというのが私は到底理解できないんですね。
 このゲート、いつ運用をしっかりとするのか、もう計画、スケジュールが決まっていれば教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 入退場管理システムにおきましては、本会議の方でも市場長より答弁ございましたとおり、未登録車両等の課題がございます。それから、業界の運用の問題もございます。
 これらを一つ一つ片づけながら、今後、業界と密に連携をして、この入退場管理システムの本格稼働を、全面稼働の必要な調整を進めていきたいと考えております。

○山崎委員 今、答弁では、はっきり、いつということはお答えいただけませんでした。
 今、部長のお話、答弁の中で、車両の登録手続、これを進めているというお話もありましたけれど、現在、どういう状況なのか。登録者数、それで、登録がまだできていない数はどのくらいあるのか、なぜ登録が遅くなっているのか、この理由について教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場の車両登録につきましては、登録証、ステッカーというのがございますが、これを配布していない産地車両、約六千件を除きまして、約一万七千件の登録がございます。
 登録証未配布者に対しましては、昨年十一月から、都として体制を強化して優先的に配布をした結果、約四千件の未配布がございましたが、現時点で九割程度の処理が進み、おおむね配布を完了したところでございます。

○山崎委員 登録手続の方が進められているということでありますから、車両入場管理システムの本格運用をぜひしっかりお願いしたいと思いますので、次の質問にも移りたいと思います。
 それともう一つ、今度、車両入場管理システムと、もう一つの車両誘導システム、これ、卸からいろいろと流れていく形になると思うんですけど、この車両誘導システムの本格運用についても、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
 先日の代表質問でも市場長がお答えをいただいております。その中で、今度は五街区の方で試験を行うという、たしか答弁だったと思うんですけれど、その中で、六街区と七街区--五街区は試験運用をこれからする、誘導システムの方はするというお話でした。
 じゃあ、六街区、七街区はどのような形で、どうしていくのか教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 ただいまご質問がありました今月中に五街区で行った試験運用についてでございますが、これは入退場管理システムの方についてでございます。
 入退場管理システムの試験運用を五街区で行いましたが、今後、六街区等にも拡大していく予定でございます。

○山崎委員 済みません、じゃあ、今のは入退場管理システムという話ですね、運用をスタートするのは。六街区、七街区はこれからやっていくと。
 ただ、今お話ししたように、登録の手続が九割程度、もう終わっている。だから、これは早く続けていただきたいと思います。
 それでは、改めてお聞きをしますけれど、この車両誘導システムの本格運用、これはどのようになっているのか、改めて教えてください。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 車両誘導システム、こちらは七街区の水産卸のシステムでございますけれども、こちらも業界と調整をいたしまして、今の課題等をお互いに共有しながら、今後、運用に向けての調整を進めていきたいと考えております。

○山崎委員 この車両誘導システムの方の本格運用、これ、スケジュール決まっていますか。どういう形でこれから運用されていくのか、めども、今わかる範囲で結構ですから教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 現時点で車両誘導システムの方についての運用のめどですとかスケジュールは立ってございませんが、先ほどご答弁しましたとおり、これは水産卸業者のシステムでございますので、水産卸業者の方との調整を鋭意進めていきたいと考えてございます。

○山崎委員 ことし、皆さんももちろんしっかり把握をされております、オリンピック・パラリンピックが開催をされる中、先ほども、ほかの委員の方からオリンピック・パラリンピックに向けてというお話もございました。
 私は何がいいたいかというと、こういったシステムがまだ本格運用がされていない中で、やはり食を扱う豊洲市場、そういった場所の安全面というものが極めて今の状態は不十分なことにつながってしまうのかな。それは豊洲市場のPRでいろんなところでやるのはいいかもしれない。中央卸売市場がこういうものだ、東京の中央卸売市場はこういったもので、PRすることは大事なことですけれど、その前に、例えば、選手の方が、先ほどの質疑の中では、見学に来たりとか、そうやって受け入れる体制も、それも結構ですよ。しかし、一般の方が誰でも入れてしまうような、この状態の中、オリンピックを本当に迎えてしまうわけですよね。
 先ほど来、まだ見通しが立っていない、その二つのシステムも、しっかり本格運用に関しても、これからまた業界といろんな調整をしていかなくてはならない、そういった答弁でありました。
 オリンピック・パラリンピック開催までに、こういったことが間に合うのかどうなのか教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場は、選手村、それから競技会場に近いということもありまして、そのセキュリティー確保には、中央卸売市場といたしまして、東京都といたしまして、万全の体制で取り組む考えでございます。
 それに向かいまして、必要な業界との調整を今後鋭意進めていきたいと考えております。

○山崎委員 必要なことをやって万全な体制をというんですけれど、本当にこれで万全な体制で迎えられることができるのか、本当に私は不安でなりません。
 ですから、もちろん業界の皆さんにも、このオリンピック・パラリンピックに向けてという大きな大項目というか、そういったこともご理解をいただきながら、そして、オリンピック後にどのような形で、もちろん先ほどお話をした駐車場問題もそうです。そして、万葉倶楽部との兼ね合いもそうなんですけれど、しっかりとそういった点は汗をかいていただきたいと思います。
 市場長、まず、駐車場問題とオリンピック・パラリンピックに向けての、今の段階での何か市場長としての考えがあれば教えていただきたいと思います。

○黒沼中央卸売市場長 ただいま副委員長からるるご指摘をいただきました駐車場問題、それからシステム問題、オリンピック・パラリンピックがもう目前に迫っておりますので、まずは、セキュリティーの確保、これにつきましては、警視庁当局とも十分に連携をとりながら、業界とも連携を確保しつつ進めてまいりたいと思います。
 また、駐車場の使い勝手につきましては、こちらも万葉に立体駐車場がオープンされますので、これを有効かつ機動的に活用できるように、都も汗をかいて調整をしていきたいと考えております。

○山崎委員 市場長、ありがとうございました。
 一点、もう一つだけ、ちょっと駐車場問題で確認をしておきたいことがあります。
 六街区、七街区の駐車場を管理しているのは、街区の協議会では、駐車場不足をいいながら、一方で、一部の駐車場では空きスペースも見られているという状況があると思います。もっとこの駐車場を有効に使うべきとの意見を、私のところにもいろんな方からお聞かせをいただいております。
 何かというと、例えば、買参人の方たちが、買い出し人もそうなんですけれど、お話ししているのは、例えば、三時間、枠があると。しかし、三時間ずっとその駐車場が埋まっているわけじゃないんですね。一時間で仕事が終わっちゃうときもある。三十分で仕事、買い出しして終わって帰るときもある。見てみると、一時間半とか二時間、その場所があきっ放しになっちゃうんですね。
 ですから、本来の三時間で本当にいいのかどうなのかとか、現場に行くと、そういう課題というのがすごく見えてきますので、そういうことも含めて、ぜひ、この点、見直していくのか、これから効果的に駐車場を利用する時間帯も含めて、そういう時間制限も含めてどのようにしていくのか、もし見解があれば教えていただきたいと思います。

○西坂豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 開場から一年経過する中におきまして、六街区、七街区、それぞれの街区協議会の場におきまして、駐車場の使い方の時間、料金など、運用面の見直しにつきまして、それぞれの構成の方からいろんな意見が出ているところでございます。
 東京都といたしましては、それぞれの街区協議会にも参画してございますので、その議論も踏まえた上で、駐車場の効率的運用につながる見直しにつきましては積極的に後押しをしていきたいと考えております。

○山崎委員 業界からも、そういう意見が多分来ていると思いますので、積極的にぜひお願いをしたいと思います。
 続いて、豊洲市場のにぎわい創出の件で、ちょっと何点か確認をさせていただきたいと思います。
 先日、予算特別委員会の中で、我が党の小宮委員、そして川松委員からもご質問させていただきました。
 やはり、この五街区、今、駐車場を万葉倶楽部がやる隣で、江戸前場下町がもう、一月二十四日だったと思いますけれど、オープンをして、にぎわいを創出するために、いろいろな形で取り組んでいらっしゃると思います。
 その中で、私、どうしても気になっている点があります。先日の予算委員会の中では、市場長の方からも、液状化対策は法令的に問題ない、また、液状化対策は行われていない、そういう答弁の旨がありました。
 だがしかし、よく考えてみますと、この豊洲市場全体の敷地、三・一一のときに、確かに五街区、六街区のにぎわいの場所は噴砂、噴水はなかったと思います。その用地はなかったと思います。ほかでは約百カ所ぐらいの場所で噴砂、噴水があった、そういう現実もあるんですけれど、やはり、この豊洲市場においては、さまざまな今、議論があって現在がある。
 例えば、法的にはクリア、法的には安全としているけれど、それ以上の安心を求めて、さらなる追加対策工事等を行われてきたわけですよね。これは盛り土問題もしかり、そして土壌汚染の問題でもしかり、そういう対策を、さまざまな対策、お金もかけて時間もかけて今までやってきた、そういう場所。
 そういう場所であるにもかかわらず、なぜ三年間とはいえ、法的には問題ない、法的には、建築基準法だとか消防法で、三年間であれば別に問題ないんですよという答弁をされておりましたけれど、やはり道義的に、そういうふうに皆さんはいわれているけれど、やはり実際のところ、あの場所に向かって、これから、いざ何どき直下型地震が来るかどうかわからない中、ああいった場所で営業をしている、そのような状態で本当にいいのかどうなのか、私にはちょっと理解ができないんですね。
 それともう一点、三井不動産がたしか事業者となって三年間、行われていると思いますけれど、この三井不動産の方に東京都から補助金が出ていると思います。
 この補助金、まず幾ら出ているのか、そして補助金はどういう形で捻出をしているのか、それを教えていただきたいと思います。

○佐々木環境改善担当部長 ただいま副委員長から液状化の懸念についてのご質問がございましたので、一点目についてお答えさせていただきます。
 江戸前場下町につきましては、副委員長からもございましたけれども、施設の特性等を踏まえて、液状化対策の実施は求めておりません。
 当施設につきましては、三年間限定で開設する暫定の施設であり、限られた期間内での施設の設置、運営、取り壊しも含む事業を実施することになります。
 それから、建築基準法等の法令を満たした施設でございます。これも一要素でございます。
 さらに、先ほどございましたけれども、平成二十三年の東日本大震災時、用地全体で百八カ所ほど噴砂、噴水がございましたけれども、このときに、当該用地については噴砂、噴水が発生してございません。
 このようなことを総合的に勘案しまして、利用者の安全に懸念が生じる可能性は低いということで判断したものでございます。

○猪口財政調整担当部長 補助金についてでございますけれども、江戸前場下町の施設整備に当たりまして、建物の設置やインフラ整備、飲食、物販施設のための設備などにおきまして、事業者がリース契約するものを対象として、本事業が終了する令和五年三月までの間に、六億円を上限に、都は補助金を支出することになってございます。
 市場会計につきましては、このうち三億円を上限に負担することとしております。

○山崎委員 先ほど、液状化をされていない、いろんな可能性が低いだとかそういったお話、液状化することの可能性が低いというお話もありましたが、先ほど私がいったように、豊洲のあの市場の用地というのは、いろいろなさまざまな問題があって現在に至っているわけです。こういった液状化をしていないということを一般の都民の皆さんや近所の方たちが聞いたときに、どう思われるか。そういうことを考えますと、やはりやるべき対策というものは、三年であれ、しっかり本来はやるべきだったと私は思いますよ。
 なぜそれができなかったか。そういう指導をしっかりできなかったか。確かに、時間がない中、いろいろな形で動いてきた市場当局だと思いますけれど、やはりそこで、基準法だとか、そういった法令には関係ないところでの道義的なもので、しっかりそういう対応を私はすべきだったと思います。
 もし、じゃあ今このときに、仮に、仮の話をして申しわけないんですけれど、大きな地震があって、あそこの江戸前場下町のところが液状化になってしまったとなったら、東京都として、どう責任をとりますか。これを三井不動産の方に責任を押しつけるなんてことはできないですよね。東京都として、どういうふうに責任をとられるのかというのが問題だと思います。
 ですから、しっかりとそういう、皆さん方も、いろんな情報を開示していくということを小池知事もいわれていたにもかかわらず、こういったことをなぜ情報開示をしっかりしてこなかったのかというのも、皆さん方に対して、何か隠ぺいしているふうに見られてしまう。ですから、そういったものはちゃんと説明をして、大丈夫なんですよと力強く責任を持っていってくださいよ、そういったことは。だから、なぜそういったことをしてこなかったのか、それにも不安を生じるわけであります。
 また、今、財政調整担当部長の方から、六億円の補助金を出している。そのうちの使用料、市場会計の方から--市場会計というのは要するに使用料ですよね、使用料の方から三億円、そして、多分、一般会計の繰入金だと思いますけれど三億円で、ちょうど六億円だと思います。
 なぜこの使用料を江戸前場下町につぎ込んだのか、理由を教えてください。

○猪口財政調整担当部長 江戸前場下町は、千客万来施設が開業するまでの間、豊洲市場に継続的ににぎわいをもたらすにぎわい創出事業の一環としまして、地元であります江東区のご意見やご理解をいただきながら、本年一月に開業した施設でございます。
 にぎわい創出事業は、これまで約十六万人の方々にご来場いただいたおいしい土曜マルシェを初めまして、さまざまなイベントを実施し、地元地域のにぎわいの創出や、豊洲市場の認知度の向上などにつながったものと認識しております。
 江戸前場下町におきましても、取引拡大につながるビジネスチャンスの創出や、さまざまなにぎわいを生み出すイベントなどを行うことにより、地域におけるにぎわいの創出に加えまして、市場関係者の経営の活性化にも貢献していくことを目的としております。
 こうした事業目的や内容などを勘案いたしまして、事業費に対し、市場会計と一般会計で二分の一ずつをお互いに負担することとした次第でございます。

○山崎委員 先日の予算委員会の中で、この江戸前場下町も含めたにぎわいの用地、これは場内ですか、場外ですかという質問をさせていただきました。市場長はご答弁の中ではっきりと、場外ですという答弁をされました。
 私は、今、部長が答弁されたように、その場外の施設に、なぜ使用料、一般会計ではなく使用料を三億円つぎ込んでいるのか。これ、ちょっと理解できないんですよね。場外ですよ。
 例えば、築地市場の場合、場外がありましたよね。そういったところに使用料をつぎ込んでいるケースって今まであったんですか。お答えください。

○猪口財政調整担当部長 築地市場の場外市場につきましては、東京都の一般的な産業振興の一環のこととして、商店街振興で対応しているところでございます。

○山崎委員 使用料は入っていませんよね。産業労働局等が行う、例えば商店街振興ですとか、そういった部分で一般会計の方から予算を、また、財政部分で負担をしていたと思いますけれど。
 私がいいたいのは、先ほどからいっているのは、やはりなぜ一般会計繰入金だけで六億円を調達しなかったのか。なぜ使用料を場外のそういった場所につぎ込んだのか。補助金のリースとして使われているわけでありますけれど、その辺がどうしても理解できないんですね。
 ぜひ私を納得させてください。お願いします。

○猪口財政調整担当部長 場外と場内ということに関して、まずお答えいたしますと、ご質問の千客万来用地事業は、いずれも申請面積に含まれておりませんので、市場用地外という意味では場外となるというふうに考えております。
 それから、なぜそこに使用料を負担するのかということでございますけれども、繰り返しになって恐縮でございますけれども、千客万来用地事業につきましては、豊洲市場と一体となって地域のにぎわいを創出するという意図でつくられておりますので、市場当局としましては二分の一を負担するというふうになってございます。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、財政調整担当部長からご答弁ございましたけれども、千客万来施設事業の経緯ということで申し上げますれば、築地市場が昭和の初めにできた後に、場外市場といわれるものが後になって集積をしてきて、それが結果的に築地市場本体と一体になってにぎわいを醸し出してきたという経緯がございます。
 私どもは、都として、築地市場を豊洲に移転させるに当たりまして、そういった築地の内外が一体となって醸し出してきた、そういったにぎわいを豊洲の場においても行政としてしっかり実現していくという強い意思のもとに、こういった事業を立ち上げさせていただいたということによるものでございまして、そこが根源となりまして、財政的な出動とか、そういったものもさせていただいているというところでございます。

○山崎委員 使用料ということは、十一の各使用料を当て込んでいるわけですよね、そのうちの三億円が。
 これ、業界団体の人たちは、使用料を豊洲のにぎわい施設の江戸前場下町で補助金として出す、リースとしてのそういった補助金だと思いますが、それを使う、出していくことを、業界の皆さん、各市場の皆さんたちは理解されておるんですか。

○猪口財政調整担当部長 繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、この江戸前場下町事業につきましては、豊洲市場におきましても、取引拡大につながるビジネスチャンスの創出や、さまざまなにぎわいを生み出すイベントなどを行うことによりまして、市場関係者の経営を活性化して貢献していくことを目的としておりまして、こうした事業の性格から、市場業者の方々にもご理解をいただけるものと考えております。

○山崎委員 理解されるかどうか、ぜひ現場で聞いてみてください。仲卸の皆さんもそうですし、であるならば。理解されるというふうにおっしゃる、築地から豊洲に移って、豊洲のにぎわいを深めていくためにそういったものをやられているのはわかるんですけれど、やはり私は、一般会計の繰入金でしっかり六億円を活用してやるべきだったと思いますよ。使用料を宛てがうなんていうのは、恐らくお門違いだと思います、お門違い。
 ほかの豊洲以外の市場の皆さんは、どうこのことについて思われるか、現場でよく聞いてみてください。本来であれば、先ほど来、何回もいうように、一般会計繰入金でやるべきだった事業だと思います。そういったことも鑑みて、三年間で六億円ですから、もう契約は済んでいるわけでありますけれど、ぜひ現場の意見、そういったこともしっかりと聞いていただいて。であるならば、三井不動産がやる江戸前場下町、じゃあ、業界の皆さん、仲卸だとか卸だとか、そういう人たちはテナントとして入っていますか。入っていますか、入っていませんよね。入れないですよね、ルール的に。そうですよね。
 であるならば、何でそこに使用料を当て込んでいるのか。そういう人たちが入れるようなルールがちゃんとあって、江戸前場下町の中にも卸や仲卸の別会社か何か、そういったもので入れるような、そういう形で入っている人たちがいっぱい、二十社ぐらい、多分あそこの中に入っていると思うんですけど、そういったところを埋めて入れるんだったらまだ話はわかるんですけれど、でも、やはり使用料を使ってのそういった類いの今の運営のやり方に対しては、私には到底理解ができません。
 ぜひ、こういったところは現場の声もしっかりと聞いていただきながら、これからまたよりよいにぎわい創出のためにも、全力を尽くしてお願いさせていただきたいと思います。
 いろいろな質問をさせていただきましたが、やはり豊洲市場においては、世界に誇る、世界一を目指す市場というべき立場ということで、これからも、まずは現在のルールをちゃんと見直すこと、しっかりとこのルールを見直していくことが、私は求められていることだと思います。
 もちろん、業界の皆さんとの交渉というものは非常に大変なことだと思います。私も業界の皆さんといろんな話をさせていただいておりますが、本当に一筋縄でいかない皆さんですし、いろんな要望を出してくる、そういった方々だと思いますけれど、しかし、東京都としては、やはりルールというものをしっかりと守ってもらう、その役割を担っているのが当局だと思います。やはり、こういうルールというものを守らずして何か前に進めていく、運用していく、そういったことをしっかりと時間軸を持って、スケジュール感を持って、最後はいつまでに決めるんだ、そういうことをしっかりと明確にしていきながら、計画をこれからも遂行していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 先ほど淀橋市場や豊島市場、たしか予特の質問では何か板橋市場の話もあったと思うんですけれど、各市場が連携をしていくこと、そんなような類いの答弁があったと思います。
 連携という意味では非常に私も大切なことだと思いますし、しかし、この連携が、いきなり統合だとか合併につながらないのかどうなのか。この辺、お聞きしたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 副委員長ご指摘の連携とか統合とかというお話でございます。
 私ども、第十次整備計画に基づきまして、市場の活性化というものをやってございます。
 さらには、市場の活性化を考える会の今後の議論を踏まえて経営計画をつくると。その中で各市場の特質を生かした市場の活性化をやっていくということを、現時点で決めているといいますか、そういったものをテーマとしてやらせていただいているところでございます。
 例えば、豊島市場、板橋市場といった市場につきましては、現在の整備計画において、周辺市場との連携の強化とか機能集約とか、そういったものを視野に入れた検討を行うということを第十次整備計画に基づきまして決めておりまして、それに基づいて、業界の方々との意見交換をしているということでございます。
 私ども考えておりますのが、卸売市場全体が都民への生鮮食料品等の安定供給において欠かせない装置、基幹的なインフラであるという前提、こういったものを将来に向かってやっていくために何をすべきかということを、私どもは議論のテーマとして検討していくということでございまして、例えば廃止であるとか統合であるとか、そういったものを目標として何か検討するということではございませんで、あくまでも各市場の活性化をいかにしていくために、例えば、市場によっては、近くの市場との卸であるとか、そういった取引関係での連携を図るとか、そういったものがそれぞれの市場の活性化にとって資するものであれば、そういったものもしっかり考えていってもらいたいという視点に立ちまして、業界の方々とのお話をさせていただいているというところでございます。

○山崎委員 市場の活性化を考える会、そういったものがあって、二カ月に一回ぐらいですか、議論されている、いろんなところを見に行かれているというお話も聞いておりますが、やはりその市場の活性化を考える会の中で、東京都もその会にもちろん参加しているわけですから、市場当局も参加しているわけですから、東京都の考え方、私たちはこういうふうに考えている、しかも卸売審議会の中で第十次整備計画というのがあるわけですから、そういったものを、しっかりと東京都の考え方、こういったものを打ち出して、そして皆さんとしっかり議論をしていく、考える会でも議論をしていく、そういう場にしていただきたいと思います。
 なぜならば、二カ月に一回、市場の活性化を考える会がやられている中で、そっちの議論が表にどんどんどんどん出ていくような話になってしまうと、じゃあ、卸売審議会は何なんですか、第十次整備計画とか、そういったものはどうなんですか、そういったことになってしまうわけですよね。
 ですから、市場の活性化を考える会のいろいろな位置づけがあると思いますけれど、この会に対して、我々東京都の市場当局はこういう考え方なんですよと、しっかり明確に、その議論の中に入って、民間のいろんな人たちの意見を聞くのもいいかもしれない。しかし、東京都の考え方はこうなんですよというものも打ち出して、前向きな議論をしていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。

○尾崎委員 中央卸売市場は東京に十一カ所ありますが、多摩地域には多摩ニュータウン市場の一カ所だけです。
 多摩地域の特徴は、地方市場が元気だということだとも思います。多摩地域の八百屋さんや魚屋さん、飲食店を支える重要な役割を持っている多摩ニュータウン市場の建設は、一九八三年三月に竣工し、五月に開場しました。
 老朽化も課題になっていますが、多摩ニュータウン市場の施設改修について、二〇一九年度の計画と進捗状況について伺います。

○渡辺施設担当部長 多摩ニュータウン市場におきましては、本年度、管理棟の便所改修や屋上防水改修、卸売り場の屋根改修など六件の工事を実施することとしており、うち二件につきましては、来年度、令和二年度に完了する計画となっております。
 工事の進捗といたしましては、本年度末までに四件完了する見込みであり、残りの二件につきましても、令和二年度の完了に向け、計画どおり進めているところでございます。

○尾崎委員 トイレの問題はどこでも深刻です。和式が多く、特に市場は、これまで男性が多い職場でしたが、今ではトラックの運転手も女性がふえています。女性が働きやすい職場にするためには、トイレの改修は待ったなしの問題です。
 多摩ニュータウン市場の女子トイレについて、現状はどうなっているのか伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩ニュータウン市場におきましては、令和二年二月末現在、女性用トイレが十二カ所、計二十九基設置されているところでございます。

○尾崎委員 洋式トイレへの改修、女子トイレの増設や誰でもトイレの設置が必要だと思いますけれども、二〇二〇年度予算案では、施設改修の計画はどうなっていますか。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩ニュータウン市場におきましては、令和元年度からトイレの更新工事に着手しておりまして、改修に当たりましては、全て洋式化するとともに、令和三年度までに女性用トイレを二十九基から三十四基に、多目的トイレを一基から四基に増設することとしてございます。

○尾崎委員 トイレの改修、増設は、今後の活性化に向けても非常に大きな力になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 事業概要を見ると、多摩ニュータウン市場では、小学校の社会科見学受け入れに力を入れていることがよくわかります。
 そこで、小学校の社会科見学の受け入れ状況について伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 多摩ニュータウン市場における小学校の社会科見学についてですが、昨年の一月から十二月までの一年間で、三十校二千五百八十八名の受け入れを行いました。

○尾崎委員 小学校の社会科見学のときに模擬競りを実施していると聞きましたが、小学生の感想などについて伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 多摩ニュータウン市場では、社会科見学の際に、小学生が体験を通じて市場の仕組みをより深く理解できるよう、市場関係者のご協力をいただきまして、実際の競りを再現した模擬競りを行ってございます。
 参加した小学生からは、競りで値段を決めることを初めて知り、特に勉強になりましたといった感想が寄せられております。

○尾崎委員 小学生が生産物の価格を決める仕組みを学ぶ、体験できることは重要だと思います。今はお金を出せば何でも買える時代ですけれども、生産者と消費者の両方の立場に立った公正な価格を決めるという市場があるということを楽しみながら学ぶということは、大事なことだと思います。
 多摩ニュータウン市場の取引状況を見ますと、二〇一二年以降に落ち込んでいた状況から取引増に転化していますが、取引増の傾向になった理由はどう分析していますか。

○長嶺事業部長 多摩ニュータウン市場の取扱高の推移は、二〇一二年以降、取扱数量が回復しておりまして、直近の二〇一九年は二万三千五百四十八トンとなっており、これは、量販店を主な取引先とする仲卸業者への卸売が増加したことの影響が大きいと考えております。

○尾崎委員 地域の特徴を生かしたものだと思います。
 多摩ニュータウン市場では、昔ながらの引き売り業者のトラックによる移動販売があると聞きました。高齢化が進む中で、買い物難民対策の重要な支援にもつながるので、今後も引き続き存続してほしいと思います。
 次に、地方市場について伺います。
 地方市場が地域の中で大きな役割を果たしています。しかし、地方市場を維持するためには、都の支援がなければ大変です。
 私の地元の八百屋さんたちは、二〇一三年、東京都東京青果昭島地方卸売市場が廃業することがわかると、存続を求める署名運動が大きく広がりました。しかし、残念ながら廃業になってしまうと、八百屋さんたちは、青梅や国立の地方市場に買い出しに行かざるを得ない状況になり、負担がふえてしまいました。
 地方市場への補助金の推移について伺いたいと思います。

○長嶺事業部長 地方卸売市場に対しては、施設整備に対する補助金のほか、事業系一般廃棄物の処理経費に対する管理衛生費補助金、食育の推進や市場見学などの経費に対する地域貢献事業補助金の三種類を交付しております。
 平成二十六年度から平成三十年度までの交付額は、施設整備事業補助金については二千四百万円から五千万円程度で推移しており、管理衛生費補助金は約七百五十万円から八百万円、地域貢献事業補助金は約二十万円から四十万円弱で推移しております。

○尾崎委員 それでは、二〇二〇年度予算案の額は幾らになりますか。また、内訳についてもお願いします。

○長嶺事業部長 令和二年度、二〇二〇年度当初予算案における地方卸売市場に対する補助金は一億二千八百万円で、内訳は、施設整備補助金が一億一千八百三十万円、管理衛生費補助金が九百十一万円、地域貢献事業補助金が五十八万九千円でございます。

○尾崎委員 地域経済を支える大事な役割を持つ中央卸売市場、そして地方市場、とりわけ多摩地域は、地方市場が各地にあることで多摩地域を支えていると思います。地方市場の維持のためにも、都の補助が重要だと痛感しています。
 次に、新型コロナウイルス感染の対策について幾つか伺っていきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、経済的影響も広がっています。特に、安倍内閣が科学的根拠を示さず、小中高、特別支援学校の一斉休校を指示したことを契機に、卒業式の縮小、イベントなどの中止が行われています。
 一年間で一番稼ぎどきでもある花屋さんは、お客さんが減り、チューリップなどが値崩れして、通常の半額になっている状況だといいます。飲食店も、宴会などがキャンセルになり、お客さんがほとんどいない状況が広がっています。鮮魚も青果も花きの市場もお客さんが大幅に減ったと悲鳴が上がっています。
 ある仲卸業者の方は、新型コロナウイルスが騒がれるようになって、売り上げは半分になったとの声も私たち日本共産党都議団に寄せています。
 そこで伺いますが、新型コロナウイルス感染症対策として、当初、二月二十九日から三月十五日まで市場見学を中止していますが、事前の見学予約はどのくらいあったのか伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 各市場において市場の見学を行っておりますが、今回の新型コロナウイルス感染対策といたしまして、市場見学を中止とした二月二十九日から三月十五日の期間で、九百十四名の予約を受け付けておりました。
 また、豊洲市場におきましては、事前の予約制で早朝のマグロの競り見学を行っており、同じ期間で四百七十一名の方から予約を受け付けておりました。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、今回の市場見学中止になった期間で予約は九百十四人、豊洲市場でのマグロの競り見学は四百七十一人の受け付けがあったことがわかりましたが、これが中止になってなくなっているということです。
 特に見学者が多い豊洲市場では、市場見学の方々が食堂での飲食や物販店での購入がなくなったということで、日々の売り上げに大きな影響があると思います。見学中止が長引けば、営業の存続をも脅かすものになるのではないかと心配しています。
 そこで伺いますが、市場見学中止に伴い、食堂や物販店なども一般客の出入りは中止になっています。食堂や物販店の営業などにどのくらい影響が出ているのか伺います。

○長嶺事業部長 新型コロナウイルス感染症による影響について、物販店や飲食店などの関連事業者からは、売上高の減少、顧客数の減少、資金繰りの悪化などが生じていると聞いております。

○尾崎委員 飲食店の皆さんでつくっている飲食業協同組合は、三月二日に東京都中央卸売市場長宛てに要望書を出しています。
 市場見学中止の都の方針によって、飲食店エリアでは、お店を休みにしている店舗が半分、休まずお店を開いていても、お店の売り上げは半減しており、経営状態が切迫していることを訴えています。
 支援策の提示もないまま廃業に追い込まれる店舗も出かねない状況であり、休業に追い込まれた民間業者、従業員への支援策、または補償の現状はどうなっているのかと説明を求めた要望書です。
 東京都はこれに対して三月五日に文書で回答していますが、市場の中にある飲食店の方々の不安は解消されていません。
 市場開設者の東京都が見学中止を決めたものです。そのことによる売り上げ減少の影響が出ているわけですから、都として営業補償を行うべきですが、いかがですか。
 また、都の判断ですぐにでもできる使用料の減免などについて検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○長嶺事業部長 市場施設の見学の中止、休止につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、非常に重要な局面を迎えているとの認識のもと、国や都における対応状況等を踏まえて行ったものでございます。
 また、そもそも市場内の物販店舗、飲食店舗は、市場関係者の業務上の必要性等を踏まえて設置されているものであり、市場が開場している以上、本来の顧客である市場業者が引き続き市場内で業務に従事している状況に変わりはございません。
 このため、市場の見学の中止に伴って、市場業者に対する営業補償や使用料の減免を行うことは考えておりません。
 なお、新型コロナウイルスによる経営への影響につきましては、国や都において講じられる支援策について速やかに情報提供するとともに、相談に対しては個別具体的に支援策を紹介することとしており、市場業者に対し丁寧に対応してまいります。

○尾崎委員 今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響が今後どのようになるのか先が全く見えません。地域経済を支えている方々は、お互いに結びついているから、地域の活性化に大きな効果が発揮できるのだと私は思います。
 逆のいい方をすれば、今回のように売り上げの減少がさまざまな業種、業者、労働者、消費者の方々に影響が出てしまうのだということです。
 都は、市場業者に対し丁寧に対応していくということですから、市場業者、関連業者の方々の相談に丁寧に対応していただき、影響の実態をよくつかみながら、今後の対策についても積極的な支援を行うよう要望するものです。
 市場業者、関連業者の営業を守る立場で、例えば使用料の支払い猶予なども含めて、今までやったことのない支援も含めて、今後検討する必要があると思いますので、重ねて要望するものです。
 日本共産党都議団にも、現状を知ってほしいと仲卸業者の方から連絡が入りました。毎日来ていた買い出し人が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で週一回から二回の買い出しになっている、一日の売り上げが大幅に減少しているとのことです。また、アルバイトをしているが、このままだと首を切られるのではないかなどの、不安の声も寄せられています。融資が借りられたとしても返済しなければならず、いつになったらもとに戻るのか、見通しが立たない中では、不安ばかり大きくなるんだという声もありました。
 市場の相談窓口の体制が強化されて、四月から、八人から十二人体制になるということですけれども、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、取引量の減少や不安などに対し、相談窓口の拡充が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○赤木移転支援担当部長 都では、新型コロナウイルス感染症による市場業者の経営への影響を踏まえまして、仲卸業者のみが対象となっております経営相談の対象を卸売業者や関連事業者にも拡大をし、売り上げの減少や資金繰りの悪化などの相談に応えられる体制を整えたところでございます。

○尾崎委員 当初は、市場見学中止は、三月十六日以降は解除となっていましたが、今後の見通しについて伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 市場におけます見学の中止につきましては、今後の国の動向や東京都新型コロナウイルス感染症対策本部で出される方針等を踏まえて、適切に対応を行ってまいります。

○尾崎委員 市場の見学中止は三月末まで延長ということも報道されていますが、そうなると影響はますます広がり、深刻な事態になることははっきりしています。
 特に、築地市場から豊洲市場に移転し、毎日必死でやっている豊洲市場の皆さん、しかし、豊洲市場では、ターレやエレベーターの事故の問題、交通の便が悪い問題、粉じんの問題、地下水位が目標に達していないこと、地下水の調査では、引き続きベンゼンなどの有害物質が検出されている問題もあります。山積している問題は何一つ解決していない状況です。その上、今回のような新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて売り上げが減っている状況なんです。
 市場業者、関連業者の方々に心を寄せた対応を重ねてお願いしまして、質問を終わります。

○森澤委員 卸売市場を取り巻く環境は、市場経由率の低下や取扱数量、取扱金額の減少傾向が続いていて、厳しい状況ということはいうまでもありません。
 一方、先ほど来ありますが、卸売市場は、野菜、果物、魚、肉など毎日の食卓に欠かすことができない生鮮食料品等を消費者に円滑かつ安定的に供給する基幹的なインフラとして大きな役割を果たしています。
 卸売市場がその役割を引き続き発揮していくためには、市場の存在意義、市場の果たしている役割というものを、消費者であるもっと多くの都民に知ってもらい、理解してもらう、より一層の努力が必要であると考えます。
 中央卸売市場では、消費者等に対する卸売市場の機能や役割などの普及啓発や食育事業の実施など、市場業界と一体となって取り組むということですが、来年度、具体的にどのような取り組みを行っていくのか伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 中央卸売市場では、食生活の安定や地域と共存する市場づくりに資することなどを目的といたしまして、卸売市場の機能や役割などに関してさまざまな広報活動に取り組んでございます。
 来年度は、市場関係者と連携しながら、毎年秋に開催している市場まつりのほか、豊洲市場などで行うイベントや、市場見学と調理実習を組み合わせた食育講習会等を通じ、市場の機能や役割について普及啓発を実施してまいります。

○森澤委員 ぜひ多くの都民に市場の意義、役割を感じてもらう機会を積極的に展開していただきたいと思います。
 以前、私の息子が通う区立幼稚園でフラワーアレンジメントを楽しむという時間がありました。さまざまな種類のお花が用意され、その中から自分の好きな花を選び、好きな長さにカットし、生花用のスポンジに挿して自分なりのフラワーアレンジメントを行っていくというもので、子供たちにとっては、花の名前を覚えたり、感性を養う貴重な時間となりました。
 それを行ってくださったのは、お隣、大田区の大田市場の花き部からいらっしゃった方々で、親が参加していたということもあるんですが、市場の存在を知ってもらうとてもよい機会だと感じました。
 先ほどご答弁がありました市場でのお祭りや食育講習会を通して、市場に来てもらうということも大事だと考えます。しかし、それだけでなく、市場関係者が直接、保育園や幼稚園、小学校などに出向き、市場の役割を理解してもらうことや、例えばスーパーなどで都民の皆さんが手にとるものが、市場を経由したものであることがわかるように示すなど、市場をより身近に感じてもらう取り組みが必要だと考えますが、都の見解を伺います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 中央卸売市場では、より多くの方々に市場に関する理解を深めていただけるよう、これまでも市場外においても取り組みを進めてまいりました。
 具体的には、市場関係者が地域の小学校に出張して、野菜や果物の見分け方の授業を行うほか、保育園に出向き、フラワーアレンジメント教室を行うなどの取り組みを実施してまいりました。
 また、淀橋市場では、市場関係者が地元の青果店と連携し、青果店に市場直送というのぼり旗を掲げ、市場を経由した新鮮な野菜、果物をPRする取り組みを定期的に実施しているところでございます。
 市場をより身近なものとして感じてもらえるよう、業界の協力をいただきながら、こうした取り組みを引き続き進めてまいります。

○森澤委員 ぜひ多くの市場において、市場外でも積極的にその存在をアピールする取り組みを進め、多くの都民にその存在意義を知ってもらうよう、引き続き取り組んでいただければと思います。
 さて、市場のブランド価値を向上し、市場の活性化を図っていくためには、国内はもとより、海外に対しても市場のアピールを行っていくことも重要で、昨年の事務事業質疑でも、積極的な海外への発信の必要性についても質疑を行わせていただきました。
 そういった意味では、多くの外国人が東京に訪れる東京二〇二〇大会は市場をPRする絶好の機会となると考えますが、先ほど来年度の取り組みについてはご答弁がありましたので割愛させていただきますが、世界に豊洲を初めとした東京の市場をアピールする機会を捉えて、見学会やイベントに参加した外国人の皆様がSNSなどでも発信してくれるような工夫を期待したいと思います。
 次に、持続可能性という観点から二点お伺いいたします。
 今後の卸売市場のあり方として、持続可能な世界を実現するための目標、SDGsを踏まえた経営を行っていくことも重要であると考えます。
 その意味から、卸売市場が今後も基幹的なインフラとしての役割を果たしていくために、まずは会計の継続性の確保も必要だと考えますが、見解を伺います。

○猪口財政調整担当部長 中央卸売市場が生鮮食料品等を安定的に供給し、多様で豊かな消費生活を支える公共的な役割を今後も引き続き果たすためには、施設の有効活用や市場会計の健全性の確保など、持続可能な市場運営に向けた取り組みが必要でございます。
 このため、これらの取り組みを戦略的に進めるための経営計画を令和二年度末までに策定することとしておりまして、現在、食品流通や企業経営、財務、会計の専門家の方々からのご意見をいただきながら、長期的な視点に立って実効性のある計画の策定に取り組んでおります。

○森澤委員 持続可能な市場経営に向け、長期的な視点に立った実効性のある計画策定に向けて取り組んでいるということでした。
 そういった中で、卸売市場がSDGsの視点を踏まえた取り組みを通じて持続可能な社会に貢献していくことが、社会インフラとしての役割を果たしていくことにつながると考えます。
 今後、策定を予定している経営計画にはこうした視点を盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 中央卸売市場におきましては、第十次東京都卸売市場整備計画に基づき、環境負荷の低減につながる照明器具のLED化や発泡容器の再資源化など、持続可能な社会実現に向けてこれまで取り組んでまいりました。
 また、現在、食品流通に関する学識経験者や環境問題に精通した実務家により構成される市場の活性化を考える会におきまして、SDGsの視点も踏まえた市場活性化の方策などについて議論を進めてございます。
 こうした議論を踏まえながら、経営計画の策定に向けた検討を行ってまいります。

○森澤委員 ぜひ社会インフラとしての市場の役割として、SDGsの観点を大事にしながら、経営計画の策定に向けた検討を進めていただきたいと思います。
 そして、そういった取り組みが都民の皆様にわかりやすく伝わるよう、引き続き努力いただきたいと要望し、私の質問を終わります。

○あぜ上委員 それでは私から、淀橋市場について伺いたいと思います。
 淀橋市場は、昭和十四年に開業いたしました歴史ある青果市場でございます。敷地面積は二万三千五百八十三平米と、東京ドームの約半分ぐらいの大きさだということでございますが、一日当たりの取扱量は八百五十一トンということで、青果物を取り扱う市場としては非常に狭隘だなというふうに思うわけです。そうした中でも、現場の皆さんが創意工夫されておられて、日々市場としての重要な役割を発揮されていることを視察して実感してきました。
 建物も八年前に新仲卸売り場棟が建設されて、仲卸の売り場や事務所、それから低温荷さばき場、電動車の充電場所などが整備されたわけですが、市場全体の整備ではなかったために、使い勝手をよくするためには、やはりさらなる抜本的な整備が必要であるということを感じてまいりました。
 そこで、まず伺いたいと思いますが、淀橋市場の果たしている役割、そして課題についての認識を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 淀橋市場は、都心の新宿区に位置し、繁華街や住宅地にも近く、飲食店やホテルに加えまして、いわゆる八百屋さん等の専門小売店など、多くの方々に利用されているところでございます。
 こうした立地を反映して、平成三十年の実績では、青果物を取り扱う都の市場の中で、大田市場、豊洲市場に次いで三番目に取扱数量が多い市場となってございます。
 一方で、取扱数量に比べて市場の敷地が狭隘であることから、市場施設を有効に活用しながら、多くの商品を迅速かつ効率的に取引していくことが課題となっているところでございます。

○あぜ上委員 今ご答弁でも狭隘であるというお話がありましたが、本当にそうなんですよね。
 淀橋市場は、敷地面積一平米当たりの取扱量で見ますと、三十六・一キロということでありまして、ほかの市場と比較して断トツトップなわけです。しかも、例えば豊洲市場と比べてみますと、一平米当たりの取扱量で比べてみますと、豊洲の九倍近くにもなっています。いいかえれば、それだけ荷さばき場が狭いということであります。
 淀橋市場の関係者の方々からは、やはりこの問題を何とかしてほしいという声が私たちの都議団のところにも多く寄せられているところであります。同時に、市場関係者の方々からは、仲卸の売り場棟に面した道路で、大型トラックのほろが天井のはりにぶつかる、そういう事故が起こっているよ、何とかならないだろうかという、そういった声もいただいたところでございます。
 新仲卸売り場棟で、大型トラックのほろが通路の天井のはりにぶつかる事故、こういう事故が起こっている原因というのは、どう見ていらっしゃるのか伺いたいと思います。

○渡辺施設担当部長 大型トラックが通路の天井のはりにぶつかる事故が起こっているというお話ですが、天井のはりに大型トラックが車体をこするといったケースが年間に一件程度発生しております。
 淀橋市場新仲卸売り場棟の車両通路の天井は、道路法に定める車両制限令の規定や、車両通行時の隣接住宅地への騒音抑制の必要性などを勘案した上で、業界とも調整して整備したものでございます。
 天井のはりへの接触につきましては、車両がスピードを出して通過した際、路面の小さな段差で弾むことが原因であると考えており、車両運転者に対して注意して通行するよう求めているところでございます。

○あぜ上委員 私、現場に行ってびっくりしたんですけれども、大型トラックがちょうど入ってきたんですけれども、売り場に入りますと、すぐエアを抜いて低くして、そして新仲卸売り場の横の通路も通るんだということでありました。
 道路法の三・八メートルはあるんだということ、ご説明も伺いましたけれども、先ほど業界と話し合ってということだったんですけれども、私はもっと、新仲卸棟の売り場棟の改修の際に現場と丁寧な話し合いがされていたら、こうした問題は解決できたんじゃないかなっていうふうに率直に思ったわけです。
 天井のはりをこすった通路の地面、これは確かに難しい建設になるなと思ったわけですけれど--傾斜しているわけですからね、なかなか大変だなというふうに思ったわけですが、あと近隣にマンションもあるし、商店もあるしということで、近隣への配慮も必要になってくるし、市場関係者の利便性ということもあるし、その調和をどういうふうにうまくやるかっていう点では難しいんだなと、その難しさは理解したわけですけれども、やはりそういう感想を持ったと率直にいわせていただきます。
 今後、どのような対策を講ずる予定なのか伺います。

○渡辺施設担当部長 都はこれまでも、車両の一旦停止や制限速度、はり下の高さなどを大きく見やすく表示するとともに、通行の際に車両の高さを低くする、先ほどお話ございましたが、サスペンションのエア抜きを促すといった取り組みを行ってきたところであり、引き続き車両運転者への注意を促してまいります。

○あぜ上委員 今ご答弁ありましたように、確かに天井に、大型車は一旦停止しエアを抜けと書いてありましたし、最徐行、それから天井注意などと表示したり、また、天井のはりにはライトをつけたり、ご苦労されていることはわかりました。
 やはりそういったソフト面だけでなく、施設整備に伴う改善も含めて、淀橋市場の関係者の皆さんのご意見もよく聞いて対策を講じていただきたいなと、これは要望、意見として述べておきたいと思います。
 総合事務所棟の廊下の雨漏り、これも以前からいわれていたんですけれども、確認したところ、つい最近、窓枠は直したということでありました。
 しかし、壁を見ますと、しみだらけ、雨漏りのしみがいっぱいついていましたし、階段の壁、それから天井も塗装が剥がれかかった、そういう状態でありました。
 市場関係者の皆さんからは、どのような今、要望が出されているんでしょうか。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場業界団体からは、物流効率化への的確な対応や、老朽化した設備の更新による市場機能の維持などにつきましてご要望をいただいているところでございます。

○あぜ上委員 その老朽化設備の改善は待ったなしだと思います。
 市場関係者の方も高齢化していて、総合事務所棟にもエレベーターをつけてほしい、こういった声も寄せられております。
 また、先ほど低温設備の更新という、ほかの委員の方のご答弁でもありましたけれども、売り場を広げてほしいなど抜本的な施設整備を求める声も伺っております。
 来年度の予算案を改めて見ますと、淀橋市場については、総合事務所棟の分電盤の改修工事千三百万円となっておりました。
 狭隘な市場であることやバリアフリーが進んでいないことなどから、淀橋市場の施設整備を行うべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 淀橋市場におきましては、これまでも市場用地を有効活用し、物流の効率化を図る観点から、平成二十三年度から二十六年度にかけまして、老朽化した仲卸売り場棟を建てかえるとともに、建てかえによって生じた跡地に待機駐車場を整備してまいりました。
 平成三十年度には、市場を利用するどなたにも安心してご利用いただけるよう、バリアフリーに対応したトイレを新設したところでございます。
 来年度は、実需者のニーズに的確に対応し、品質、衛生管理の向上を図るため、低温設備を更新するとしてございまして、引き続き市場機能の維持強化に向けて、施工による市場業務の影響等を十分に踏まえながら、計画的に施設整備を行ってまいります。

○あぜ上委員 市場関係者、そして近隣の住民の、また商店の皆さんのご意見もよく聞いていただいて、私も売り場面積の拡大、これはもう、敷地いっぱいにやればできそうだというお話も伺っておりますので、こういったことやバリアフリー化の促進など抜本的な施設整備、施設改善に早急に取り組んでいただきたいということを求めまして、質問を終わります。

○両角委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十分散会

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