経済・港湾委員会速記録第二十一号

令和元年十二月十三日(金曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長両角みのる君
副委員長山崎 一輝君
副委員長中山 信行君
理事森澤 恭子君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
白戸 太朗君
栗下 善行君
高橋 信博君
まつば多美子君
藤井  一君
おじま紘平君
三宅 茂樹君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長村松 明典君
次長十河 慎一君
総務部長坂本 雅彦君
中央卸売市場市場長黒沼  靖君
管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務福崎 宏志君
港湾局局長古谷ひろみ君
技監原   浩君
総務部長梅村 拓洋君
労働委員会事務局局長松山 英幸君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百八十四号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第二百十五号議案 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例
・第二百十六号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・第二百十七号議案 東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
・第二百三十号議案 東京都立若洲海浜公園の指定管理者の指定について
・第二百十五号議案に対する修正案
陳情の審査(決定)
1 一第四七号 東京都中央卸売市場条例の改正に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○両角委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○両角委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査及び陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第二百十五号議案から第二百十七号議案まで及び第二百三十号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 ただいま議題となっております議案中、第二百十五号議案に対し、尾崎あや子理事外一名から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○両角委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○あぜ上委員 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例案の修正案について提案理由と改正内容についてご説明いたします。
 日本共産党都議団は、知事提案の条例案の前文で、ソーシャルインクルージョンの考え方に立って、希望する全ての都民の就労を支援するとし、就労を希望しながらもさまざまな理由から就労に困難を抱え、職につけていない方や就労の困難な方を支援していくとしていること、第三条で、就労の支援は、都民一人一人がひとしく尊重され、その個性と能力に応じた就労を実現し、社会を構成する一員として誇りと自信を持って活躍することを旨として、推進されなければならないとしていることは重要であると考えます。
 一方、条例案の主要な柱とされているソーシャルファームについては、日本国内において明確な定義はありません。質疑を通じても、明確な定義がないことがわかりました。就労支援のあり方を考える有識者会議の報告書でも、日本で取り組みがまだ進んでいない、現在の日本ではソーシャルファームの認知度が極めて低いとしています。法令の一部をなす条例においては、明確な定義が必要です。
 また、財政支援のもととなるソーシャルファームの認証基準についても、今後設置する企業経営等の専門家などによる会議で検討するとされ、具体的には明らかにされませんでした。ソーシャルファームについては、都民的理解が得られていないことも指摘しておきます。
 しかし、条例案は、第三章でソーシャルファームを特出しするなど、ソーシャルファームが突出する条文となっており、その他の就労の支援に関しては具体的なものはありません。
 以上のことから、現段階では定義もないソーシャルファームについては、時期尚早であるため、原案第十条及び十一条を削除し、新たに十条として、社会的企業の理解促進といたしました。原案第一条、目的の基本的部分、第三条、基本理念を残したことで、条例案の大きな方向性は変えずに、都民の就労を応援する内容となっています。
 また、原案第四章、計画の策定、検証、財政的措置も基本的にはそのまま残しました。こうしたことで、ソーシャルファームについても議論や検証、分析がなされ、将来的にソーシャルファームの定義が明確化されたときにも、原案で示されたような支援を妨げるものとはならないようにいたしました。
 こうした修正を加えたことで、タイトルについても、有識者会議や都民からもおおむね好評だった仮称の都民の就労を応援する条例を採用いたしました。
 ご審議の上、ご賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
 以上です。

○両角委員長 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○尾崎委員 最初に、第二百十六号及び第二百十七号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例及び東京都地方市場条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 卸売市場は、卸と仲卸の存在が公平、公正な価格を形成する機能を発揮して、なるべく高く売りたい生産者と、なるべく安く買いたい消費者の相互のバランスが品質重視で保たれてきました。
 昨日の質疑を通じて、このたびの条例改正により、第三者販売、直荷引き、商物分離などの取引ルールが規制緩和され、特別的取り扱いの禁止などの条文規定が形骸化するおそれがあることがわかりました。だからこそ、十分な議論が必要です。
 国は、農政改革の一環として市場を自由化し、物流センターにしようと規制改革推進会議、未来投資会議で、市場関係者不在のまま法改正を進めました。そして、冷凍、加工、食品などの輸出入をふやす方向です。その流れと同様に卸売市場の規制緩和を進めれば、大手の取引拡大にかじを切ることになりかねません。
 今、国連ではSDGsが掲げる持続可能な生産消費形態を呼びかけ、ことしから家族農業の十年を決め、農民と生産者を大事にし、地域経済を守り、持続可能な社会をつくっていくことに流れを切りかえていこうという動きを強めています。そうしたせめぎ合いの中で卸売市場が果たしてきた資本の大小にかかわらず、生産者と小売店、消費者を守る役割は一層重要になっていると思います。
 そうした立場から、本条例改正には反対です。
 次に、第二百十五号議案、都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例案については、修正案のときにも述べましたが、就労を希望する全ての都民、中でもさまざまな理由で困難を抱える方の就労を応援し、総合的施策を実施するという条例の理念や目的は重要であり、賛成です。
 一方、条例の最大の柱はソーシャルファームへの支援ですが、条例をつくって支援するといわれても、ソーシャルファームとはどういうものなのか、わかる都民は余りいません。条例を検討した有識者会議も、国内において、ソーシャルファームの認知度はまだまだ低いと認めています。にもかかわらず、条例案はソーシャルファームが突出しています。
 実際に、障害者の就労支援をしている団体の方からも、ソーシャルファームの具体的なイメージについての議論がされないまま、条例で規定するのは時期尚早ではないかとの意見、声が上がっています。
 第一に、条例そのもののつくりが不十分という問題があります。第三章で、ソーシャルファームの創設及び活動促進をうたいながら、条例の柱をなすソーシャルファームの定義づけができず、条例の体をなしていません。法令の一部をなす条例においては、明確な定義が必要です。また、ソーシャルファームの認証基準も条文に書き込めず、今後つくるとされる基準も極めて曖昧です。
 二つ目に、まだ条例が成立していない段階から、産業労働局の来年度予算要求にソーシャルファームの支援事業に二十二億円も要求されています。余りにもソーシャルファームに偏ったものだといわざるを得ません。一方で、就労困難者特別支援事業は四千万円にすぎません。また、現在の支援事業の拡充強化についても不十分なものです。
 第三には、日本共産党都議団はこれまでも、就労困難者について、実効力のある施策や財政支援は必要であり、一人一人に寄り添った支援の拡充強化を求めてきました。ソーシャルファームについても、今後、日本でつくられ、発展していくことも否定するものではありません。それだけに、ソーシャルファームだけに偏った条例ではなく、広く就労困難者に寄り添った条例とするべきです。
 以上のことから、原案には反対です。

○両角委員長 これより採決を行います。
 初めに、第二百十五号議案を採決いたします。
 まず、尾崎あや子理事外一名から提出されました修正案を起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○両角委員長 起立少数と認めます。よって、尾崎あや子理事外一名から提出されました修正案は否決されました。
 次に、原案についてお諮りいたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○両角委員長 起立多数と認めます。よって、第二百十五号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第二百十六号議案及び第二百十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○両角委員長 起立多数と認めます。よって、第二百十六号議案及び第二百十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分及び第二百三十号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分及び第二百三十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○両角委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情一第四七号を議題といたします。
 本件については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○両角委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一第四七号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○両角委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○両角委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、村松産業労働局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○村松産業労働局長 本委員会所管四局を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。
 両角委員長を初め委員の皆様方には、本定例会に提案いたしました議案につきまして、それぞれご審議の上、ただいまご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 また、陳情、報告事項を含め、ご審議の過程で賜りましたご意見やご指摘をしっかりと受けとめ、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

○両角委員長 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十五分散会


修正案の提出について

第二百十五号議案 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例
 右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  令和元年十二月十三日

(提出者)
 尾崎あや子  あぜ上三和子

経済・港湾委員長 殿

   第二百十五号議案 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例に対する修正案
 第二百十五号議案 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例の一部を次のように修正する。
 題名を次のように改める。
   都民の就労を応援する条例
目次中「第二章 都民及び事業者に対する支援等(第八条・第九条)
目次中 第三章 ソーシャルファームの創設及び活動の促進等(第十条・第十一条) を
     第四章 計画の策定等(第十二条―第十四条)」
「第二章 都民及び事業者に対する支援等(第八条―第十条)
 第三章 計画の策定等(第十一条―第十三条)」
 前文中「の創設を後押しする新しい視点も不可欠」を「への都民的理解の促進や、活動支援などの新しい視点も重要」に改める。
 第一条中「並びにソーシャルファームの創設及び活動の促進(以下「就労の支援に係る施策等」という。)」を「の促進」に、「施策等を」を「施策を」に改める。
 第四条、第五条第一項、第六条及び第七条中「施策等」を「施策」に改める。
 第三章を削る。
 第二章中第九条の次に次の一条を加える。
(社会的企業の理解促進)
第十条 都は、事業者による自律的な経済活動の下、様々な理由から就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働く社会的企業に対する都民的な理解の促進及び活動支援に努めるものとする。
 第十二条第一項中「施策等」を「施策」に改め、第四章中同条を第十一条とし、第十三条を第十二条とする。
 第十四条中「施策等」を「施策」に改め、同条を第十三条とする。
 第四章を第三章とする。

(提案理由)
 日本において明確な定義がないソーシャルファームについて、条例に規定を置くことは時期尚早であるため。

都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例(令和元年第二百十五号議案)新旧対照表(抄)
修正案
   都民の就労を応援する条例

目次
 前文
 第一章 総則(第一条―第七条)
 第二章 都民及び事業者に対する支援等(第八条―第十条)
 第三章 計画の策定等(第十一条―第十三条)
 附則
 東京は、日本の首都として、また世界有数の国際都市として発展を続けている。国内外から多様な人々が集い、多岐にわたる仕事を通じて社会経済活動を営んでいることが、東京の成長の原動力となっている。東京が活力ある都市として今後も持続的に発展していくためには、誰もが生き生きと働き活躍できるダイバーシティを実現し、互いの個性を尊重して認め合う共生社会を目指していく必要がある。
 そのためには、東京都と都民、事業者等が相互に理解を深め、社会の一員として共に活動しながら支え合うソーシャル・インクル―ジョンの考え方に立って、希望する全ての都民の就労を支援していかなければならない。特に、この考え方は、就労を希望しながらも様々な理由から就労に困難を抱え、職に就けていない方や就労の継続が困難な方を支援していく上で重要である。
 こうした中、東京で展開してきた様々な就労支援の取組に加え、自律的な経済活動を行いながら、様々な理由から就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働く社会的企業への都民的理解の促進や、活動支援などの新しい視点も重要である。
 ここに、就労を希望する全ての都民がその個性と能力に応じて働くことができるよう応援し、誰一人取り残されることなく誇りと自信を持って輝く社会の実現を目指し、この条例を制定する。
   第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、就労を希望する全ての都民に対する就労の支援(以下「就労の支援」という。)について、基本理念を定め、東京都(以下「都」という。)の責務並びに都民、事業者及び区市町村(特別区及び市町村をいう。以下同じ。)の役割を明らかにするとともに、就労の支援に係る施策の促進の基本となる事項を定め、就労の支援に係る施策を総合的に推進することにより、都民一人一人が個性と能力に応じて就労し誇りと自信を持って活躍する社会の実現に寄与することを目的とする。

第二条及び第三条 (原案のとおり)
(都の責務)
第四条 都は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国、区市町村、事業者その他関係機関と連携し、就労の支援に係る施策を総合的に実施するものとする。
(都民の役割)
第五条 都民は、基本理念について理解を深めるとともに、都が実施する就労の支援に係る施策に協力するよう努めるものとする。
2 (原案のとおり)
(事業者の役割)
第六条 事業者は、基本理念について理解を深め、従業員の雇用及びその継続並びに従業員が働きやすい職場環境の整備に取り組むとともに、都が実施する就労の支援に係る施策に協力するよう努めるものとする。
(区市町村の役割)
第七条 区市町村は、基本理念にのっとり、地域の特性等に応じた就労の支援に取り組むとともに、都が実施する就労の支援に係る施策に協力するよう努めるものとする。
第二章 都民及び事業者に対する支援等
第八条及び第九条 (原案のとおり)
(社会的企業の理解促進)
第十条 都は、事業者による自律的な経済活動の下、様々な理由から就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働く社会的企業に対する都民的な理解の促進及び活動支援に努めるものとする。

   第三章 計画の策定等
(計画の策定等)
第十一条 都は、就労の支援に係る施策に関する事業の計画(以下「事業計画」という。)を策定するものとする。
2 (原案のとおり)
第十二条 (原案のとおり)
(財政上の措置)
第十三条 都は、就労の支援に係る施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

原案
   都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例
目次
 前文
 第一章 総則(第一条―第七条)
 第二章 都民及び事業者に対する支援等(第八条・第九条)
 第三章 ソーシャルファームの創設及び活動の促進等(第十条・第十一条)
 第四章 計画の策定等(第十二条―第十四条)
 附則
 東京は、日本の首都として、また世界有数の国際都市として発展を続けている。国内外から多様な人々が集い、多岐にわたる仕事を通じて社会経済活動を営んでいることが、東京の成長の原動力となっている。東京が活力ある都市として今後も持続的に発展していくためには、誰もが生き生きと働き活躍できるダイバーシティを実現し、互いの個性を尊重して認め合う共生社会を目指していく必要がある。
 そのためには、東京都と都民、事業者等が相互に理解を深め、社会の一員として共に活動しながら支え合うソーシャル・インクル―ジョンの考え方に立って、希望する全ての都民の就労を支援していかなければならない。特に、この考え方は、就労を希望しながらも様々な理由から就労に困難を抱え、職に就けていない方や就労の継続が困難な方を支援していく上で重要である。
 こうした中、東京で展開してきた様々な就労支援の取組に加え、自律的な経済活動を行いながら、様々な理由から就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働く社会的企業の創設を後押しする新しい視点も不可欠である。
 ここに、就労を希望する全ての都民がその個性と能力に応じて働くことができるよう応援し、誰一人取り残されることなく誇りと自信を持って輝く社会の実現を目指し、この条例を制定する。
   第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、就労を希望する全ての都民に対する就労の支援(以下「就労の支援」という。)について、基本理念を定め、東京都(以下「都」という。)の責務並びに都民、事業者及び区市町村(特別区及び市町村をいう。以下同じ。)の役割を明らかにするとともに、就労の支援に係る施策並びにソーシャルファームの創設及び活動の促進(以下「就労の支援に係る施策等」という。)の基本となる事項を定め、就労の支援に係る施策等を総合的に推進することにより、都民一人一人が個性と能力に応じて就労し誇りと自信を持って活躍する社会の実現に寄与することを目的とする。
第二条及び第三条 (略)
(都の責務)
第四条 都は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国、区市町村、事業者その他関係機関と連携し、就労の支援に係る施策等を総合的に実施するものとする。
(都民の役割)
第五条 都民は、基本理念について理解を深めるとともに、都が実施する就労の支援に係る施策等に協力するよう努めるものとする。
2 (略)
(事業者の役割)
第六条 事業者は、基本理念について理解を深め、従業員の雇用及びその継続並びに従業員が働きやすい職場環境の整備に取り組むとともに、都が実施する就労の支援に係る施策等に協力するよう努めるものとする。
(区市町村の役割)
第七条 区市町村は、基本理念にのっとり、地域の特性等に応じた就労の支援に取り組むとともに、都が実施する就労の支援に係る施策等に協力するよう努めるものとする。
   第二章 都民及び事業者に対する支援等
第八条及び第九条 (略)

(新設)

   第三章 ソーシャルファームの創設及び活動の促進等
(ソーシャルファームの創設及び活動の促進)
第十条 都は、前章に定める就労の支援に係る施策のほか、事業者による自律的な経済活動の下、就労困難者と認められる者の就労と自立を進めるため、事業からの収入を主たる財源として運営しながら、就労困難者と認められる者を相当数雇用し、その職場において、就労困難者と認められる者が他の従業員と共に働いている社会的企業(以下「ソーシャルファーム」という。)の創設及び活動の促進を通じて、就労の支援を効果的に実施するものとする。
(認証等)
第十一条 都は、ソーシャルファームの創設及び活動を支援するため、支援対象となるソーシャルファームを認証するものとする。
2 都は、ソーシャルファームの創設及び活動の支援に当たり、支援策等をとりまとめた指針等を策定するものとする。
3 支援対象となるソーシャルファームを認証する基準は、前項の指針等において定めるものとする。
   第四章 計画の策定等
(計画の策定等)
第十二条 都は、就労の支援に係る施策等に関する事業の計画(以下「事業計画」という。)を策定するものとする。
2 (略)
第十三条 (略)
(財政上の措置)
第十四条 都は、就労の支援に係る施策等を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

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