委員長 | 中山ひろゆき君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
理事 | 奥澤 高広君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
うすい浩一君 | |
あかねがくぼかよ子君 | |
柴崎 幹男君 | |
斉藤やすひろ君 | |
白戸 太朗君 | |
ひぐちたかあき君 | |
三宅 茂樹君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 古谷ひろみ君 | |
管理部長 | 岡安 雅人君 | |
事業部長 | 長嶺 浩子君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 | 石井 浩二君 | |
豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 | 福崎 宏志君 | |
豊洲市場事業連携担当部長 | 影山 忠男君 | |
豊洲市場事業推進担当部長 | 堀 真君 | |
豊洲市場事業調整担当部長 | 前田 豊君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
財政調整担当部長 | 猪口 太一君 | |
築地調整担当部長 | 西坂 啓之君 | |
移転支援担当部長 | 赤木 宏行君 | |
環境改善担当部長 | 佐々木宏章君 | |
技術調整担当部長 | 鈴木 理君 | |
施設担当部長 | 渡辺 正信君 | |
港湾局 | 局長 | 斎藤 真人君 |
技監 | 小野 恭一君 | |
総務部長 | 梅村 拓洋君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 相田 佳子君 | |
調整担当部長 | 米今 俊信君 | |
港湾経営部長 | 藏居 淳君 | |
港湾振興担当部長 | 戸谷 泰之君 | |
臨海開発部長 | 中村 昌明君 | |
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 | 山岡 達也君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 矢部 信栄君 | |
港湾整備部長 | 原 浩君 | |
計画調整担当部長 | 和田 匡央君 | |
離島港湾部長 | 小林 英樹君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 松本 達也君 |
本日の会議に付した事件
港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十一号議案 平成三十一年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十二号議案 平成三十一年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第六十三号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
中央卸売市場関係
予算の調査(質疑)
・第十一号議案 平成三十一年度東京都と場会計予算
・第十九号議案 平成三十一年度東京都中央卸売市場会計予算
○中山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び中央卸売市場関係の予算の調査並びに港湾局関係の付託議案の審査を行います。
これより港湾局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十一号議案、第二十二号議案及び第六十三号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○梅村総務部長 二月十八日開催の当委員会で要求のございました資料をご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。
要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり九項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を掲載しております。
なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
二ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
こちらも前のページと同様に、平成二十五年度から二十九年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を掲載しております。
なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
三ページをお開き願います。臨海副都心における公共用途での土地処分実績でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を掲載しております。
なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
四ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地における公共用途での土地処分実績でございます。
こちらも前のページと同様に、平成二十五年度から二十九年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を掲載しております。
なお、単位につきましては、面積は平方メートルで、金額は百万円で掲載してございます。
五ページをお開き願います。臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費の推移と内訳でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの五年間における臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した各年度の事業費と、その財源を一般会計、臨海地域開発事業会計、国費等の三つに区分して掲載しております。
なお、単位につきましては、億円で掲載してございます。
六ページをお開き願います。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
平成二十七年度から三十一年度までの五年間の港湾整備費について、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他に区分し、百万円単位でお示ししてございます。
七ページをお開き願います。輸出、輸入別のコンテナ個数の推移でございます。
平成二十年から二十九年までの十年間のコンテナ個数につきまして、全国、京浜港、東京港、それぞれの輸出、輸入、合計を掲載しております。
なお、単位は、千TEUで掲載してございます。
八ページをお開き願います。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
平成二十六年から平成三十年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで各島の貨客船と高速ジェット船、それぞれの就航率を掲載しております。
なお、単位はパーセントで掲載してございます。
九ページをお開き願います。晴海ふ頭を除くクルーズ客船寄港回数の推移でございます。
平成二十五年から三十年までの六年間のクルーズ客船の大井水産物ふ頭への寄港回数につきまして、実績を掲載しております。
以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○白戸委員 東京二〇二〇大会の開催まで、いよいよ五百日を切りました。先日は新しいピクトグラムも発表されまして、都民のイメージもますます具体化してきたのではないでしょうか。
この東京二〇二〇大会では、多くの大会関係車両が臨海部を走行する予定ではありますが、臨海部には国内最大のコンテナ貨物取扱港である東京港があります。そして、この港湾関係車両が多数走行していることから、深刻な交通混雑の発生が懸念されています。
大会の円滑な運営を実現させることはもちろん重要なのですが、大会期間中においても東京物流のかなめといえる港湾物流はしっかりと維持されなければいけません。
このために我が党は、さきの代表質問において、交通混雑の発生を防ぐためには、荷主やトラック事業者の協力を得て、港湾関係車両の交通量を時間的に平準化させることが重要な鍵であり、そのためには荷主等が必要とする情報を積極的に提供していくべきと主張してきたところであります。
本日は、本会議での質疑をもう少し具体的に掘り下げまして、何点か質問させていただきます。
港湾関係車両の交通量を時間的に平準化させるためには、配送時間の変更等が必要となりますが、それらの実施に向けて荷主やトラック事業者がまず必要とする情報は道路の混雑予想であります。
先日の代表質問では、臨海部における混雑予想を新たに公表する旨の答弁がありましたが、混雑予想があって初めて荷主やトラック事業者は具体的な対策の検討に入れることから、この取り組みは重要です。
混雑予想に関しては、昨年、オリンピック・パラリンピック準備局が既に大会輸送影響度マップを公表しているところではありますが、今後、港湾局が公表するというこの混雑予想にはどのような特徴があるのか伺います。
○藏居港湾経営部長 昨年十月にオリンピック・パラリンピック準備局が公表した大会輸送影響度マップは、大会関係車両が走行することで、他の車両の移動時間がどの程度影響を受けるかについて、二百五十メートル四方のエリアごとの状況等を時間帯別に示したものであります。
一方、港湾局が公表する混雑予測では、大会輸送影響度マップのデータを踏まえ、臨海部の主要道路における車の混みぐあいについて、路線別、時間帯別に示すことを予定しております。
この臨海部の混雑予測については、来年度早期に公表するとともに、今後、大会輸送に関する情報の追加等を踏まえて更新する予定であります。
○白戸委員 大会輸送影響度マップに加えて、臨海部の道路別、時間帯別の具体的な混雑予想が出されることで、東京港を利用する荷主やトラック事業者は、配送の日時や配送ルートの変更について検討しやすくなると思いますので、ぜひ早期の公表を望みたいと思います。
さて、さきの代表質問では、荷主やトラック事業者への情報提供を充実させるための取り組みとして、臨海部の交通状況をリアルタイムで配信しているウエブカメラを増設するとともに、モバイルサイトのこうしん刷新を行うという答弁もございました。
そこで、ウエブカメラをどの程度増設するのか、また、モバイルサイトをどのように改善するのか伺います。
○藏居港湾経営部長 現在、ウエブカメラはコンテナふ頭周辺に二十五カ所設置しておりますが、臨海部の交通状況に関する情報発信を強化するため、さらに混雑が予想される交差点等を中心に増設し、ウエブカメラ全体の台数を約一・五倍とする予定です。
また、ウエブカメラの映像等を配信しているモバイルサイトについては、見づらくて、また、スマートフォン等で操作をしづらいといった課題があるため、ウエブカメラの映像を大きくわかりやすく表示するとともに、操作性についても改善し、特にトラック事業者にとって使いやすいものとなるようにしてまいります。
○白戸委員 このモバイルサイトが改善され、より使いやすくなることで、増設されたウエブカメラの情報を活用する事業者がさらにふえる。そうした豊富なリアルタイムの情報こそが、臨海部における交通混雑の緩和につながることが期待されます。ぜひスピード感を持って、早期の改善を実現していただきたいと思います。
さて、都は大会に向けてこれらの取り組みをしっかり進めてほしいと思いますが、これらの取り組みの効果を促進し、交通混雑の緩和を着実に図っていくためには、荷主やトラック事業者に広く知ってもらうことが必要不可欠です。一部の事業者だけしか知らない、一部の事業者だけが取り組んでいても効果の乏しいものに終わってしまいます。
都は、大会運営と円滑な港湾物流の両立に向けて、どのようにして多くの荷主やトラック事業者に都の取り組みを理解してもらい、協力を得ていくのか所見を伺います。
○藏居港湾経営部長 大会運営と円滑な港湾物流の両立に向けて、多くの荷主やトラック事業者のご理解とご協力を得るためには、都の取り組みの内容とその必要性について、わかりやすく丁寧に発信することが極めて重要であります。
このため、都は、来年度、臨海部における混雑予測や都の物流対策、事業者の方にご協力いただきたい事項をわかりやすくまとめた特設ホームページを開設し、情報を一元的に広く発信してまいります。
また、経済団体や業界団体、東京港における貨物取扱量の多い荷主企業等に対して、港湾物流対策に特化した説明会や個別企業訪問を積極的に実施し、丁寧な説明に努めるとともに、配送時間や配送ルートの変更等に向けた荷主等の取り組みを積極的に後押ししてまいります。
都は、国や組織委員会とも連携しながら、多くの荷主やトラック事業者のご理解とご協力をいただけるよう、全力を挙げて取り組みを進めてまいります。
○白戸委員 東京港は、この首都圏にとどまらず、広く東日本の荷主に利用されていると聞いています。これらの荷主やトラック事業者に都の取り組みをしっかりと理解してもらうことは大変な、重要なことだと思いますので、引き続きこの件は努力をしていただきたいと思います。
また、情報をわかりやすく一元的に発信することは、とても重要な取り組みであると考えます。都は、さらに一歩取り組みを進め、港湾物流関係の情報だけではなく、その上位の情報となる大会全体の情報や輸送全体に係る情報に関しても、わかりやすく発信するように取り組んでいただきたいと思います。
ぜひ、大会の成功はもちろんですが、都民生活へのインパクトも最小限にとどめることができるよう、さまざまな施策を進めていただくよう要望しておきます。
続きまして、新客船ターミナルについて質問させていただきます。
私は、先日の本会議、一般質問で舟運に関しての質疑をさせていただきました。その際には、生活路線としての舟運の活用について伺ったところではありますが、本日は、観光やレジャーの側面からの舟運について何点かお聞きします。
都では、二〇二〇大会を間近に控え、二〇二〇年のインバウンド目標を二千五百万人と掲げていますが、東京の水辺の魅力をダイレクトに体感してもらうことができるこの舟運には、観光の目玉となる大きな可能性があると考えております。
都はこれまで、舟運の活性化のため、社会実験を進める中で、屋形船や水上バスの事業者が夏の季節や花火などのイベントと連携して、にぎわいのあるお台場海浜公園を発着する周遊便の運航を実現するなどの成果を出しています。私は、このにぎわいやイベントとの連携ということに、舟運活性化の可能性を感じているところではあります。
ところで、現在、来年の夏の開業に向けて東京国際クルーズターミナルの工事が進んでおります。私もその完成予想図を拝見させていただきましたけれども、東京港の海の玄関口にふさわしい臨海副都心の新しいランドマークとなるということを大いに期待しております。
この新客船ターミナルの魅力を高め、多くの人に利用してもらうためには、周辺の舟運を活用することも有力な方策の一つであると私は考えております。
都では、平成三十一年度予算に、東京国際クルーズターミナル周辺エリアとの連携強化に向けた調査というのを計上しております。予算案の概要では、ターミナルの魅力向上を図るため舟運による日の出、浅草などの周辺エリアとの連携強化というものがありますが、どのように周辺エリアとの連携を進めるのか伺います。
○藏居港湾経営部長 新たに建設中の新客船ターミナルには、一度に数千人が乗った大型客船が寄港します。着岸後、乗客は都内各地に観光やショッピングに向かうことになりますけれども、船をおりた後、小型船に乗りかえて目的地に向かうことができれば、新客船ターミナルの大きな魅力となります。
現状、新客船ターミナルには近接して船着き場があることから、舟運を活用して水上から東京の水辺の景色を体感してもらいながら、日の出、竹芝や浅草への移動をすることが可能です。
一方で、舟運を活用するには、事業の採算性や船着き場を利用できる船の大きさ等、実施に当たっての課題も存在します。
来年度は、こうした課題やニーズを整理するとともに、その対応策を検討するための調査を行ってまいります。
○白戸委員 観光地であります浅草や日の出などの都心部とを舟運で結ぶことは、ダイレクトで観光地や山手線の駅の近くまで移動できるという、客船の乗客の利便性の向上が図られるとともに、東京の魅力を体感してもらう機会の創出になると思われます。
ところで、新客船ターミナルのある臨海副都心では数多くのイベントが開催され、大きなにぎわいを創出し、地域の魅力を向上させています。客船ターミナルやその周辺のにぎわいを創出する上では、イベントというのが重要な要素ではないかというふうに考えます。
今回、このイベントの実施に関する調査も行うようですが、どのような観点から進めていくのか伺います。
○藏居港湾経営部長 新客船ターミナルは、国内外からの多くの観光客が訪れる臨海副都心に立地し、国内外からのクルーズ客船が寄港する海の玄関口になります。
一方で、客船の寄港時とそれ以外の期間では、来訪者に大幅な変動があるという特性を有しております。
今後、新たなランドマークとしてのターミナルの魅力を高め、多くの人々に利用してもらうためには、立地を生かしたイベントを活用するなど、にぎわいを創出するための取り組みが重要であります。
そのため、来年度は、臨海副都心で開催されるさまざまなイベントとの連携や舟運の活用によるにぎわい創出の可能性について調査を行っていきます。
調査に当たっては、臨海副都心の事業者や舟運関係事業者から幅広くヒアリングを実施し、具体的な課題やニーズの把握を行ってまいります。
○白戸委員 こういったターミナルや空港などの施設は、それぞれの本来の役割だけではなく、施設自体が来る目的になるような活用が現在求められていると思います。
例えば、中部セントレア空港は、飛行機に乗らない方にも来てもらえる空港をというのを設立当初から目標に運営されておりますし、伊丹空港や羽田空港なども、そして成田空港もそうですよね、そのような方向性で今現在改築されて、にぎわいを吹き返しているところであります。
新客船ターミナルも、船に乗る人だけが集まる場所でなく、船に乗らなくてもターミナルに来ることだけが目的の場所になるような工夫、発想が必要かと思います。それだけの場所とそれだけの施設であると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
そして、東京二〇二〇大会の直前にオープンするこの新客船ターミナルは、東京の海の玄関口であり、海外からのお客様の観光に舟運を活用できれば、新たな観光の起爆剤ともなり得ます。
これらの視点も踏まえまして、新客船ターミナルと周辺エリアを連携させるために、舟運を活用する仕組み、ターミナルの活性化を図り、東京の新たな魅力を創出していただくことを要望しておきます。
次に、大会会場が集中する臨海副都心の暑さ対策について、選手の視点、そして応援やボランティアなどで訪れる方々の視点に絞ってお伺いします。
臨海副都心のお台場海浜公園やその周辺道路は、トライアスロン競技のコースとなっています。私自身もトライアスリートとして世界を転戦していた経験があるからこそ、この暑い中、酷暑の中、道路を走る選手への暑さ対策は大変重要かと考えております。
特にバイク終了後のラン、バイクのときは大体時速四十キロから五十キロぐらい出ているわけです。そのときは風を受けているんですが、ランニングに入りますと時速十五キロから二十キロということになります。全く体感の暑さが変わるわけですね。つまり、そのランのときに急激に体感温度が上がりまして発汗量が増します。時に選手生命さえ脅かすほどの熱中症が起きます。
また、日本の暑さは、このところ湿度もあることから、欧米の選手から非常に恐れられており、特にここ数年の酷暑は、日本選手を初め、アジアの選手さえ苦しんでいるのが実情でございます。
もちろん、選手やチームとしてこの暑さに対する対策は講じてもらうのは当然でありますが、ホストとしてこの場所を提供する東京都としても対策は必要です。
その一つとして、道路に遮熱性の舗装を導入すると聞いていますが、その遮熱性舗装の効果と進捗状況について伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 遮熱性舗装は、太陽光の一部である赤外線を反射する遮熱材を道路表面に塗布することで、塗装への蓄熱を防ぎ、路面温度の上昇を抑制する効果がございます。
臨海副都心の道路につきましては、トライアスロンの競技会場となるランコースを中心に、遮熱性舗装への改良を鋭意進めており、昨年八月には効果検証も行っております。
その一例を申し上げますと、最高気温三十二度の日の路面温度につきまして比較したところ、十四時時点で、通常舗装は五十一度に対し、遮熱性舗装では四十三度となり、八度程度の温度抑制効果を確認しております。
今年度は、台場地区二・五キロメートルの整備を行い、来年度中に有明北地区〇・三キロメートルを整備して完了させる予定でおります。
○白戸委員 八度ということなんですが、その八度というのは体感でもはっきりわかる温度差であると思います。舗装でもこれだけの効果があるということは、選手にとってはもちろんですが、路上で立ち続けることになります競技のスタッフ、そしてボランティアにとっても大変ありがたいことだと考えます。効果が期待できるこの暑さ対策が進められているということがわかりました。
実は、先ほども申したように、選手においては、勝つためにコースの環境を丁寧に調査して対策を練ってくる、これはもう当然のことであります。なので、暑さに最も懸念しなければいけないのは、私は観客ではないかというふうに考えます。
観客は、もちろん日本人の方もいらっしゃいますが、日本の気候になじんでいらっしゃらない方もたくさんいます。そして、今回、トライアスロンとかマラソンの場合は観戦無料ということですから、沿道に多くの方が詰めかけ、当然無料ですから場所取り合戦、これはマラソンなんかでも多いですが、加熱することは間違いないと思います。
そのような条件では、何分ごとに休憩してください、日陰に行ってくださいということが不可能なんですね、場所取りをしていますから。そういった意味で最も熱中症を危惧するべきは、こういった路上競技においては、選手よりも観客であるというふうに思います。
一方、多くの方々が応援やボランティアなどで東京二〇二〇年大会に参加していただくこと、これは非常に大切であるということは以前から我々も訴えさせていただいております。対象が不特定多数で大変難しい対応ではありますが、観戦者やボランティアに対する暑さ対策こそ、今回は非常に重要ではないかと考えております。
そこで、こうした多くの方々に対してどのような暑さ対策を講じていくのか伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 競技会場へのアクセスルートや、トライアスロンのバイクコースとなるシンボルプロムナード公園におきましては、今年度、日よけや微細ミストなどを試験的に設置し、効果を検証いたしました。
この結果、熱中症の指標として使われている暑さ指数の低減が確認できました。また、利用者アンケートにおいても、多くの方から、ひなたと比較して涼しい、快適などの回答が得られております。
来年度は、これらを組み合わせたクールスポットの整備に着手してまいります。また、道路の沿道につきましても、日差しを和らげられるよう街路樹を計画的に剪定するなど、緑陰の確保に取り組んでまいります。
○白戸委員 さまざまな対策を講じていただいていることはよくわかりました。ただ、こういったものは完璧というのがなかなか見えないものですから、こうした工夫を幾つも幾つもやはり重ねていくことが大切ではないかなというふうに考えます。
例えば、コースの沿道で水を販売する。先ほどいったようにお客さんが動けないものですから、そこに水を持っていかないと多分お客さんは水をとれないですね。そういった意味で、例えばコースの沿道に水を販売しに行くとか、暑さへの備えをしっかり呼びかけるとかいうような、ソフトもハードも合わせたような施策が必要になってくるというふうに思います。
ぜひ、さらなる検討を加えていただきまして、選手はもちろんですが、東京二〇二〇大会に参加する多くの都民、国民の皆様、そして世界から集まる観客の皆様の暑さ対策にも取り組んでいただきたいと考えます。
続きまして、調布の飛行場についてお伺いします。
私は、昨年十一月の当委員会における事務事業質疑で、調布飛行場の管理運営等について質問させていただきました。
具体的には、都は昨年九月に、自家用機の運航自粛要請を継続しないこととしたことから、その判断に至った経緯や強化した安全管理対策、そして地域住民への対応についてしっかりと質疑を行い、都に対して、地域住民の安全と安心に向けてしっかり取り組むように求めたところです。
そこで、地元市や地域住民の関心の高い安全対策や万が一の墜落事故に備えた支援策、自家用機の分散移転などについて着実に実施すべきですが、これまでの都の取り組みについて改めて伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におけます安全対策強化の取り組みといたしましては、自家用機の機長が離陸前にチェックシートを作成し提出することを義務づけ、あわせて都の航空機専門員による確認を行っております。
さらに、昨年七月に実施いたしました調布飛行場の管理運営に関する外部監査を毎年実施し、安全対策等の検証を継続的に進めることとしております。
万が一の航空機墜落事故が起きた際の備えにつきましては、再調達価額までをカバーする被害者支援制度を昨年八月から施行しております。
自家用機の分散移転につきましては、調布飛行場の地元三市を初め、移転先となります大島空港の地元大島町の住民への説明を行っております。
引き続き、地元市や地域住民の理解促進に向けまして、これらの取り組みを着実に進めてまいります。
○白戸委員 昨年の十一月に都が答弁しましたこの安全対策を初め、調布飛行場に関するさまざまな取り組みが現実的に進められていることを確認できました。ただ、こうした取り組みが形骸化しないように、お話のあった外部監査を有効利用するとともに、都みずからも調布飛行場の厳正な管理運営について一層の努力をしてもらいたいと思います。
一方、今の答弁の中でもありましたが、自家用機の分散移転については、地元住民への説明を行ったということですが、来年度の分散移転に向けた取り組みについて伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場に登録しております自家用機の分散移転を推進するためには、移転先の一つである都営大島空港におきまして、自家用機が常駐するために必要な格納庫や周辺エプロン、給油施設といった施設整備を行っていく必要がございます。
そのため、来年度から格納庫や周辺エプロン等の整備、改修に着手する予定でございます。
引き続き、自家用機の分散移転の推進に向けまして尽力してまいります。
○白戸委員 自家用機分散移転の推進に向けた一歩となる取り組みだというふうに思います。
昨年の十一月の当委員会でも申し上げましたが、都は、既に講じた安全対策に万全を期していただき、引き続き、地元の理解のもと、調布飛行場を初め、都営空港がその役割を十分に発揮されるよう取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。
○斉藤委員 六年ぶりの経済・港湾委員会で港湾局に質問させていただきます。私の方からは、東京港の無電柱化、そしてバリアフリーに関して質問させていただきたいと思います。
東京港は、いうまでもなく国内最大のコンテナ取扱量を誇る国際貿易港でありまして、東京のみならず、首都圏四千万人の方々の生活や産業活動を支える極めて重要な役割を担っております。
また、災害発災時には海上からの緊急物資等の受け入れを担うことともなっておりまして、東京港の機能が停滞すれば、日常生活物資や緊急時の緊急物資の輸送に支障を来しまして、都民生活等への影響ははかり知れないものがあると予想されます。
さらに、東京港は、東京二〇二〇大会時に競技会場が集中しておりまして、国内外から多くの方々が訪れます。このため、東京港の無電柱化は、防災機能の強化はもとより、景観等の観点からも非常に重要だと考えております。
まず初めに、東京二〇二〇年大会に向けた東京港の無電柱化の取り組み状況について改めて伺いたいと思います。
○原港湾整備部長 東京二〇二〇大会時に国内外の多くの方々が臨海部に訪れますことから、防災機能の強化、魅力ある都市景観の創出等に向け、大会開催までに競技会場周辺の無電柱化を完了することとし、最優先に取り組みを進めております。
具体的には、平成二十六年度に事業着手し、海の森水上競技場周辺の東京港臨海道路等、競技会場周辺の全七路線、約十キロメートルで無電柱化の整備を推進しているところでございます。
今後とも、厳格な工程管理や電線管理者との綿密な調整を行うことなどにより、競技会場周辺の無電柱化整備を着実に推進し、東京二〇二〇大会開催までに完成してまいります。
○斉藤委員 東京二〇二〇大会競技会場周辺の無電柱化は、大会開催までに確実に完成するよう引き続き取り組んでいただきたいと思います。
一方、物流拠点としての東京港が、電柱の倒壊等によりまして道路が閉塞して、その機能が損なわれないよう、災害に備えていくことも重要なことだと思います。
この点につきまして、私は平成二十五年三月の当委員会で、東京港の港湾BCPについて取り上げまして、首都直下地震発災時における海上輸送の重要性を訴えさせていただきました。
東日本大震災から一年後の平成二十四年でございましたけれども、都議会公明党の被災地視察メンバーの一人といたしまして私は、岩手県の沿岸部を訪問させていただきました。現場では、震災直後、国道六号線を初めとする幹線道路が寸断されまして、食料品やガソリンなどの生活物資の不足が深刻化する中で、釜石港を皮切りに次々と復旧した港に油のタンカーとか緊急物資を積んだ船の入港が始まりまして、物が不足している状況の解消につながったというお話を伺ったわけでございます。大量に物資を運べる海上輸送は、まさに住民の命をつなぐ動脈であるということを実感して帰ってきたわけでございます。
私は、昨年連続して発生いたしました台風、地震などの自然災害によりまして多くの電柱が倒壊し、道路を閉塞しているニュース映像を見、また現場に赴きましたけれども、災害発災時に東京港がその役割を果たすためには、岸壁の耐震化だけではなく、岸壁から、都民に緊急援助物資を、現場に輸送するためにも、東京港周辺の道路の無電柱化が重要であることを改めて認識しております。
特に、災害発生直後に、緊急車両の通行や緊急物資の輸送など重要な役割を担う緊急輸送道路の無電柱化は不可欠であります。東京港の無電柱化については、緊急輸送道路の全てを対象として取り組みを進めていくべきと考えますが、所見を伺います。
○原港湾整備部長 災害発生時におきまして、国際コンテナ物流や緊急物資の輸送等の停滞を回避するためには、東京港の緊急輸送道路の無電柱化を推進していくことが重要でございます。
このため、東京港無電柱化整備計画を今年度末に策定いたしまして、全ての緊急輸送道路、全二十七路線、約三十三キロメートルを無電柱化の具体的な対象路線として定め、無電柱化を推進していくことといたしました。
また、これらの対象路線のうち、災害発生時に海上からの緊急物資輸送等の拠点となる耐震強化岸壁につながる路線につきましては、優先して整備を進めていくことといたしました。
こうした取り組みによりまして、災害時におきましても東京港の物流が確保できるよう、無電柱化事業を計画的かつ迅速に推進してまいります。
○斉藤委員 全ての緊急輸送道路の具体的な路線を定めている、そして無電柱化を推進していくということでございますけれども、これらのうち、二〇二〇大会の競技会場周辺の緊急輸送道路につきましては既に無電柱化に取り組んでいることから、現時点において事業に未着手の路線の取り組みが重要であります。
そこで、現時点における未着手路線の無電柱化についても積極的に取り組みを進めていくべきと考えますが、取り組み内容について伺います。
○原港湾整備部長 現在策定中の整備計画におきましては、無電柱化事業に未着手の緊急輸送道路について、その一部を来年度から事業に着手することとしてございます。
具体的には、全二十一路線、約二十四キロメートルのうち、日常生活物資や緊急物資等を扱う大井外貿コンテナふ頭や品川内貿ふ頭の背後道路など、優先整備する十三路線、約十キロメートルを定め、来年度、再来年度の二カ年で事業に着手していくこととしてございます。
今後、計画に基づきまして、無電柱化事業をスピード感を持って着実に推進し、東京港の防災機能の強化を図ってまいります。
○斉藤委員 東京二〇二〇大会開催までに競技会場周辺道路の無電柱化を確実に完成させるとともに、都民の安全・安心の確保に向けまして、物流拠点である東京港が、災害発災時にもしっかりとその機能を発揮できるよう、緊急輸送道路の無電柱化の早期完成を目指しまして全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
また、クルーズ船のセンターもできますけれども、臨海部に多くの都民や観光客なども参ります。そうした観光客などがいらっしゃる時間に首都直下地震が発生しないとも限りません。そうした場合を想定いたしまして、これは局を越えますけれども、総務局やオリ・パラ準備局、あるいは観光を所管する産業労働局などとも連携いたしまして、帰宅困難者対策や臨海部での総合防災訓練などについても、ハード面の備えだけでなく、ソフト面での備えも、施策対応が必要だと思いますので、この点を要望して、次の質問に移りたいと思います。
次は、港湾エリアのバリアフリーについて簡単に質問させていただきたいと思いますが、東京二〇二〇大会に向けた人に優しいまちづくり、これは臨海部もまたしかりでございまして、人に着目した視点が重要だと思います。
大会では国内外から大勢のお客様、その中には高齢者や障害のある方々も大会の主要会場となる臨海副都心を訪れると思います。大会まであと一年と迫る中、こうした方々にも快適に移動できるようにまちのバリアフリーが必須となっております。
そこでまず、臨海副都心における競技会場周辺のバリアフリーの取り組みについて伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 東京二〇二〇大会の主要会場となる臨海副都心につきましては、当初より開発の基本方針として、バリアフリーのまちづくりを推進してまいりました。
まち開きから二十年が経過し、現在の基準を満たさなくなった箇所や老朽化した箇所もございまして、点字ブロックの更新や新交通「ゆりかもめ」と歩道との接続部の段差解消など、計画的な改修工事を実施しているところでございます。
また、会場付近の民間施設におけるバリアフリーの取り組みに対しましても補助金を活用して支援するなど、官民一体となってバリアフリー化を推進しております。
さらに、多くの競技会場が設置される海上公園におきましては、園路のバリアフリー化とともに、トイレの洋式化や誰でもトイレの設置などを進めており、大会までに完了させる予定でございます。
○斉藤委員 この臨海副都心には多くの競技会場や関連施設が設置、整備されていきまして、大会の顔ともなる地域でございます。また、大会と同時期に東京国際クルーズターミナルが開業いたしまして、こちらの方にも国内外から多くのお客様が訪れることになります。
この東京国際クルーズターミナルは、東京、日本の新たな国際的な玄関口となるため、お客様の動線、移動がしやすい動線、これが円滑となるよう、ターミナル周辺についてもバリアフリーを徹底すべきと考えますが、所見を伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 東京国際クルーズターミナルにつきましては、「ゆりかもめ」やりんかい線の駅と近接していることから、公共交通機関を利用する乗客も多いと想定しております。
これらの駅におきましては、エスカレーターやエレベーターの設置など、既にバリアフリー化が進められております。
また、最寄り駅とターミナルを結ぶ歩行者動線につきましては、水辺に面した東八潮緑道公園を活用することとしておりまして、ターミナルの開業に向けて、日よけ、雨よけ施設やスロープの設置など、乗客の皆様が快適に移動できる空間の整備を進めてまいります。
○斉藤委員 日よけや雨よけの施設も設置されるということでございます。
この競技会場周辺だけでなく、東京国際クルーズターミナル周辺につきましてもバリアフリーを進めていくとのご答弁を今いただきました。
人に優しいまちづくりを進めていくに当たりましては、インクルーシブデザイン、他の局にも質問させていただきましたが、こうした考え方がございます。ぜひ参考にしていただきたいと思うんですが、この考え方は従来のユニバーサルデザインの考え方をさらに一歩進めたというか、角度を違えて、目標は皆さんが利用しやすいということなんですけれども、アプローチの仕方が若干異なりまして、デザインの企画、設計の段階から、リードユーザーと呼ばれる極端にそのニーズを持っている方、例えば障害のある方や高齢者の方などの意見を、一緒に、その方の不便さをよく伺うことによって、日常の不便さを観察するという手法があるんですけれども、そういうことを行うことによって気づいた部分をデザインやさまざまなものに採用しまして、その価値を高めていくという手法であります。イギリスが発祥といわれております。
大会を間近に控えまして、既に着手している事業も多いかと思います。特にハード面は準備がもう本当に仕上がりの段階を迎えていくんだと思いますが、今後のまちづくりへのこの手法の活用の可能性について所見を伺いたいと思います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 障害者や高齢者の意見を生かしたインクルーシブデザインの考え方につきましては、ダイバーシティーのまちづくりを推進する上で有用な手法の一つと考えております。
現在、競技会場が設置される海上公園などにおきましては、既に改修工事とあわせてバリアフリーを進めているところでございますが、新たに障害者や高齢者の視点に立ってアクセスマップの作成にも取り組んでおります。
具体的に申し上げますと、競技会場の最寄り駅から会場までのアクセスルートにつきまして、実際に車椅子に乗ってルートを確認した上で、どのルートが移動しやすいかなどの留意点もつけ加えたアクセスマップを都のホームページに掲載してございます。
このように、ハード面だけでなくソフト面からも障害者や高齢者の視点に立った快適なまちづくりを進めてまいります。
○斉藤委員 港湾局の方からインクルーシブデザインの考え方を、認識を共有していただいて、大変これは大切なことだと思います。小さな商品をデザインするのと違いまして、港湾、土木も含めまして、港、あるいはまちづくりというのは非常に大きな話ですので、全てがこの手法でやらなきゃいけないというような、そういうことを申し上げているわけじゃないということ、そして、そういう考え方を理解いただいた上で、少しでも企画の段階から、そういった方々の極端なニーズ、何でそこまで聞くのというようなことになるようなお声もあるんですが、そういうことを乗り越えるところに、皆さんが本当によかったなと思うようなものができる、それが、より付加価値の高いデザインということになっていくんだと思います。それをハード面だけでなく、ソフト面とあわせて考えていくということがとても重要なことだということ、今のご答弁、大変に大事なご答弁だと思います。
車椅子の方々は、外出する際にはあらかじめ目的地を調べておかないといけないわけですね。そのように伺っております。そして、エレベーターや階段の場所はわかっていても、目的地までのルートは実際に行ってみないとわからない、そういうことが多いということです。そういう声を伺います。
また、バリアフリーの整備とあわせまして、アクセスマップがあることを周知していくことはとても重要であると思うんですね。
先日、重度の肢体不自由児の親の方とお話をした際、移動や観光で一番困っておられることは何ですかとお伺いしたときに、即座にトイレですというお話がございました。海上公園内にベビーベッドでなく大型のベッドを設置してほしいと。これはハード面の整備ですから、いろんな面で手当てが必要ですから、すぐには実現しないと思いますけれども、そういうお声がございます。誰でもトイレの中に、ベビー用の、お子様用の簡易なベッド等はあるんですが、車椅子で移動するような方々が利用できるような備えつけの大型ベッドというものがほとんど整備されていない実態がございます。これは臨海部だけじゃありません。そうしたトイレを整備してほしいという声がありました。
また、バリアフリートイレの設置場所も、アクセスマップをせっかくつくられるということであれば、ぜひそこにも記載をいただくように要望しておきたいと思います。
障害者や高齢者など広く都民の声を取り入れていただきながら、誰もが優しさが感じられるような臨海でのまちづくり、ぜひともそれを進めていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○柴崎委員 新客船ふ頭の整備について、まず伺いたいと思います。
新客船ふ頭の開業日が二〇二〇年七月十四日ということで決定をしているわけでありまして、当日には、現在アジアに配船されている客船の中でも最大級の大きさの客船、「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」、これが寄港する予定になっているわけであります。
我が党はこれまで、首都東京の海の玄関口となる新客船ふ頭の整備促進をたびたび主張してまいりました。新客船ふ頭の完成までいよいよ一年半を切ったところであります。
都は、完成に向けまして積極的に整備を進めていると思いますが、現在の新客船ふ頭の整備状況、これについて伺いたいと思います。
○原港湾整備部長 新客船ふ頭の現在の整備状況についてでございますが、岸壁につきましては、その骨格となるジャケット鋼材の据えつけが本年二月に完了し、ジャケット鋼材の上部にコンクリート製の桁の据えつけを行ってございます。
また、ターミナルビルにつきましては、ビルの鉄骨の組み立てを進めており、連絡通路につきましては、車道部の整備はほぼ完了し、現在、歩道部の基礎ぐいを打設しているところでございます。
これまで綿密な工程管理を実施してきた結果、工事は予定どおりに進捗しているところでございます。
引き続き、二〇二〇年七月の確実な開業に向けまして、整備を着実に進めてまいります。
○柴崎委員 今の答弁で、工事につきましては順調に進んでいるということがわかりました。引き続き、来年七月の開業に向けまして積極的に整備を進めていただきたいと思います。
以前の本委員会におきまして、新客船ふ頭の総事業費について、約三百八十億円と伺いました。最近の報道では、資材等が高騰している、そんなことを聞くわけでありますが、現時点での新客船ふ頭完成までの総事業費、これについて伺いたいと思います。
○原港湾整備部長 係留施設の形状を工夫し、支持ぐいの本数を減じ工事費圧縮を図るなどさまざまな工夫に努めているところでございますが、鋼材価格の高騰等の影響によりまして事業費が増加したことから、総事業費は約三百九十億円程度を見込んでございます。
○柴崎委員 新客船ふ頭につきまして、大きな経済効果が見込まれるなど、東京のさらなる成長に非常に重要な施設となるわけであります。鋼材価格の高騰などによる事業費の増加はやむを得ないものと考えております。今後は、工程管理とともに事業費の管理にもしっかりと取り組んでいただくことを要望しておきます。
次に、先ほども議論がありましたが、来年七月に開業する新しいターミナル、これは東京国際クルーズターミナルというふうに名称も決まったわけでありまして、最寄りの「ゆりかもめ」の駅名も三月十六日に改称されたところであります。
寄港する客船につきましては、開業日以降、四千人規模の第一船、「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」や二千人規模の「クイーン・エリザベス」などの新客船ターミナルへの入港が既に発表されているところであります。
先ほどの答弁の中でも、新客船ふ頭やターミナルビルの工事は順調に進んでいるということでありました。来年七月の開業に向けまして、客船の受け入れ体制の準備も、これは非常に重要になるわけであります。
大型客船に乗って東京に来訪した乗客が快適に下船をして、観光等に向けて円滑に移動できなければならないわけであります。
そこでまず、お伺いいたしたいと思いますが、大型客船を受け入れるに当たりまして、数千人の乗降客がスムーズに移動するため、この課題と現時点での検討状況について伺いたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 客船ターミナルには、大型客船から下船する大勢の観光客を、入国審査や荷物の受け取り、検査といった手続で、極力滞留させずに誘導することが求められます。
そのため、都では、昨年二月に立ち上げた税関や入国管理局などとの関係機関との調整会議におきまして、各関係機関の手続の順を踏まえまして、基本的な動線を策定したところでございます。
今後はこの会議におきまして、船会社等の意見も参考にして、実際の人と荷物の流れを想定して、各関係機関で必要な検査機器や人員配置等について決定いたしまして、大型客船から下船する観光客のスムーズな誘導体制をつくってまいります。
○柴崎委員 船会社など関係者の要望、あるいは意見を十分に聞いて客船ターミナルの受け入れ体制に反映し、東京を来訪した乗客が快適に乗下船できる、そういった環境をぜひ整えていただきたいと思います。
次に、ターミナル内の受け入れ体制だけでなくて、ターミナルから鉄道駅や観光地までの輸送体制、これについても万全な体制を整える必要があると思います。
新客船ターミナルからは、「ゆりかもめ」の駅まで歩いていく場合もありますが、多くの方はバスやタクシーを利用するものと考えられます。
数千人が乗船する大型客船が入港すると、下船客を輸送する大型バスの台数も相当数になることを考えれば、新客船ターミナルにおいてバスの効率的な運用体制を構築する、このことは大変重要なことだと思います。
そこで、新客船ターミナルにおけるバスの効率的な運用体制を構築する上での課題、そして検討の方向についてもお伺いしたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 大型客船が寄港した場合でございますが、観光客の輸送に百台以上のバスが必要となる一方、新客船ターミナルは構造上の制約から、バスの駐車スペースが約四十台程度でございまして、観光客の輸送を円滑に行うためには、駐車場の確保とともに、バスの誘導体制が重要となってまいります。
そこで、都は、周辺交通への負荷も考慮いたしまして、ターミナルの近くにバス百台が収容可能な大型の車両待機場を確保いたしました。
今後は、運用に必要な人員の数や配置、配車のルール、こういったもの策定するなど、ターミナル内及び車両待機場からターミナルまでのバスの運用体制について検討を深めてまいります。
○柴崎委員 開業までの残り一年数カ月、客船受け入れにかかわる課題をしっかりと認識して、東京に来訪した乗客が迅速に観光地などの目的地まで向かえるようなオペレーションをぜひ行っていただきたいと思います。
そして、これだけの体制を整備して新たな客船ターミナルを開業していくわけですから、実際に多くの客船が東京港に入港し、ターミナルを十分に活用していくことが必要であります。
このところクルーズに関する話題がマスコミ等に多く取り上げられております。都民の関心が高まりつつあると感じております。新客船ターミナルにつきましても、クルーズ業界から大変期待されているのではないかと考えられます。
私は、昨年十一月の当委員会の事務事業質疑におきまして、客船の誘致について質問いたしました。直近の取り組み状況について伺いたいと思います。
船会社や船舶代理店に対しまして積極的な情報収集や寄港の働きかけを行うとのことでありましたが、新客船ふ頭におけるクルーズ客船の誘致状況と今後の客船誘致の取り組みについて伺いたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 これまで、海外船社の訪問ですとかセミナー開催などの営業活動におきまして、新客船ターミナルの利便性などのPRを行い、積極的に誘致活動を行ってまいりました。
現時点におきましては、二〇二〇年七月の開業から十二月までの間で、大型客船や初入港船を含めまして、約四十回の予約を受けている状況でございます。
今後も引き続き、船社や船舶代理店対象に、新客船ターミナルの魅力を丁寧に説明するとともに、東京港の利用を予定している船社に対しては、ホームポート認定制度等を活用いたしまして、継続的な東京港への客船入港を促してまいります。
今後とも、海外船社への個別訪問や海外旅行博への出展など、積極的な営業活動に取り組みまして、東京港により多くの客船を誘致してまいります。
○柴崎委員 引き続き、積極的に客船の誘致活動に取り組んでいただき、今後の東京港のにぎわいと発展に向け尽力をしていただきたいと思います。
次に、日の出ふ頭の活性化について伺いたいと思います。
水上バスやレストラン船が発着する日の出ふ頭は、浜松町など都心の鉄道網からのアクセスも良好であるにもかかわらず、一般の来訪者は少ないというのが実情であります。
我が党は以前より、日の出ふ頭を舟運の拠点としていくために、船着き場などの整備に加えまして、人々でにぎわう環境整備が重要であると主張してまいりました。
現在、都は、芝浦地区の再開発事業者と連携をし、日の出ふ頭において新たな小型船ターミナルの整備を進めておりますが、現在の取り組み状況、これについて、まず伺いたいと思います。
○藏居港湾経営部長 舟運の活性化には、船の発着地が多くの人々で集い、にぎわう環境づくりが重要であることから、現在、水上バスやレストラン船の拠点となっている日の出ふ頭を魅力あるにぎわいエリアとして強化していくことが重要であります。
本年夏の開業に向けて整備を進めている小型船ターミナルでは、都が桟橋を整備するとともに、民間事業者が東京港の眺望を楽しめるカフェやレストランを設置する予定であります。
また、地域と連携した多彩なイベントが開催できる広場も整備するとともに、リニューアル工事を施している人道橋を夜間ライトアップすることで、昼夜ともに多くの人々がにぎわう拠点等を創出してまいります。
○柴崎委員 カフェやレストラン、広場などが整備されるということで、にぎわいの創出が期待できるわけであります。開業に向けまして、引き続き着実に取り組みを進めていただきたいと思います。
一方で、新たな小型船ターミナルの整備が進められているエリアの南側には、水上バスやレストラン船の乗客が利用している船客待合室がありますが、乗客が待つだけの施設という印象が否めず、時間帯によっては閑散としているわけであります。
日の出ふ頭を活性化させるためには、この船客待合室についても整備を行い、多くの人でにぎわう施設とすべきと思いますが、都の所見を伺いたいと思います。
○藏居港湾経営部長 日の出ふ頭は鉄道駅から近く、またレインボーブリッジやお台場といったベイエリアの観光名所を眺望できるなど、人々を引きつける可能性を有しております。
お話の船客待合所は老朽化が進むとともに、ふ頭の持つ魅力を十分に生かした施設となっておらず、乗船客の通過点としての機能にとどまっております。
そのため、現在進めている小型船ターミナルの整備をきっかけとして、日の出ふ頭のさらなる活性化に取り組むべきと認識しております。
都は、船客待合所の再整備に向けた検討を来年度より開始する予定でありますが、船客待合所が日の出ふ頭の活性化に資するものとなるよう、地元の意見やふ頭周辺地域の環境変化等を踏まえつつ検討を進めてまいります。
○柴崎委員 船客待合所の再整備につきましては、周辺地域で進む再開発事業との相乗効果を生み出し、日の出ふ頭を大きな魅力あふれるエリアに変えるものと思います。
したがいまして、ぜひ検討を進めていただいて、日の出ふ頭が国内外から多くの来訪客でにぎわう拠点としていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○尾崎委員 私の方からは、島しょについて質問をいたします。
島の玄関口である港の船客待合所が好印象になることで、島の印象も大きく変わってきます。
式根島には年間三万人近い観光客が訪れます。野伏漁港は式根島の表玄関口です。住民の方々からは、外国人のお客様や子供たちは和式トイレの使い方を知らず、障害のある方、体の不自由な高齢者の方々も和式トイレでは使えないとの声が寄せられています。また、お客さんが多いときには洋式トイレに列ができる、掃除をしていると女性の洋式トイレから男性が出てきてびっくりしたとの声もあったと報告がありました。
TOTOが二〇一六年七月に行った訪日外国人のアンケート調査、京都市で実施されたものによると、再訪のきっかけとなる条件の一位は、公衆無線LAN、Wi-Fiの整備、二位は、トイレが明るく臭くないが入っていました。トイレはとても重要であることが、このアンケートからもはっきりしています。
そこで伺います。式根島野伏漁港船客待合所のトイレについて、男性トイレは二室が全て和式です。女性トイレは洋式が一室、和式が三室です。外国からの観光客の方や子供たちは和式トイレの使い方を知らず、障害のある方、体の不自由な高齢者の方などからは、和式トイレを洋式トイレに改修してほしいとの要望があります。洋式トイレへの改修計画はありますか。
式根島野伏漁港船客待合所のトイレの床、間仕切りなどの老朽化が激しい状況です。全面的改修が必要ですが、いかがですか。
○小林離島港湾部長 野伏漁港では今後、船客待合所の建てかえを予定しておりますことから、全面改修はできませんが、来年度に洋式トイレ化などの一部改修を行う予定としております。
なお、女性用トイレの間仕切りについては、既に交換作業を終えてございます。
○尾崎委員 女性用トイレの間仕切りについては、交換作業が済んでいるというご答弁でした。また、今後、船客待合所の建てかえを予定しているので、来年度は洋式トイレ化など一部改修をするということでした。建てかえ時には全てのトイレを洋式化していただきたいと強く要望するものです。
ほかにも、島しょのトイレの問題があるので幾つか質問したいと思います。
新島空港待合所のトイレについても洋式トイレへの改修、全面的な改修が求められていますが、いかがですか。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 新島空港ターミナルビルのトイレについてでございますが、現在、男性用、女性用ともに三室のうち一室が、加えまして、誰でもトイレの計三室が洋式化されております。
また、来年度からターミナルビルの改修工事に着手する予定でございまして、その中で全てのトイレを洋式化してまいります。
○尾崎委員 来年度からターミナルビルの改修工事に着工し、その中で全てのトイレを洋式化するとの大変うれしいご答弁でした。トイレの洋式化は使う人にとって、とても大事なものです。観光客の方、特に子供や高齢者の方、地元の要望も強いものですので、よろしくお願いします。
改修工事の着工もできるだけ早くお願いしたいと思います。住民の皆さんたちからは、島へ訪れる観光客が年間で一番多い五月のゴールデンウイークまでに改修を終了してほしい、遅くても夏までに改修してほしいという要望がありますが、いかがですか。
○小林離島港湾部長 来年度改修を予定しております施設については、できるだけ早期の対応を図ってまいります。
○尾崎委員 できるだけ早期の対応を図るとのご答弁でした。島の方たちにとっては最大の要望ですので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、港や空港などのトイレの改修工事に当たっては、仮設のトイレが必要になると思いますが、どのように考えていますか。
○小林離島港湾部長 改修に当たり、施設ごとの設計検討の中で一時的に必要となった場合には、仮設トイレでの対応も行っております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁では、一時的に必要となった場合には仮設トイレで対応とのことですが、トイレの改修工事なので仕方がない事態ですけれども、仮設トイレは、いわゆる一般の工事現場のような簡易なものではなく、しっかりしたものをお願いしたいと思います。
二〇二〇年の東京五輪を控え、島しょへの外国人のお客様もふえています。おもてなし、インバウンド効果、東京の宝島などとうたわれる中、観光が島の産業の大きな比重を占めています。島の表玄関口となる船客待合所や空港のトイレの洋式化は地元住民が要望する課題なので、早急な対応を要望するものです。
次に、地元住民の方たちからは、野伏漁港の突堤はいつ完成するのか、どうなっているのかという声も寄せられています。
そこで、来年度の式根島野伏漁港の突堤の工事費用は幾らですか。
○小林離島港湾部長 野伏漁港の突堤の工事費につきましては、約二億円を計上しております。
○尾崎委員 次に、島しょの工事は不調になることが多いといわれますが、不調になる原因と不調にならないための対策をどのように考えているのか伺います。
○小林離島港湾部長 不調につきましては、一概に要因を特定できるものではございませんが、工事予定価格や人員の確保、施工時期などさまざまな要因があるものと考えております。
工事の不調対策といたしましては、早期発注を図るとともに、十分な工期の確保や一定の時期に工事が偏らないよう、工事の平準化を図っております。
○尾崎委員 工事が偏らないように平準化するとのご答弁でした。
離島工事は、資材の運搬や技術者、専門性のある職人の方たちを島に連れていくなど、さまざまな経費がかさむことも考えられますので、島しょでの工事に見合った公示価格の適切な算定も求められるのではないかと考えます。
次に、調布飛行場について幾つか伺います。
調布飛行場の自家用機の自粛解除についてですけれども、昨年九月十三日以降、自家用機の自粛解除が行われました。地元住民や調布市、府中市、三鷹市などの市議会からも安全に対する強い要望、自粛解除への反対の意見がある中で行われました。
私は昨年の十一月八日の港湾局事務事業質疑でこの問題を詳しく取り上げました。住民の皆さんの声や地元自治体、議会の意見は大変重要であり、東京都はこれらの意見を真摯に受けとめて、今後の対応が必要だと思いますので、改めて紹介しておきたいと思います。
住民説明会では、自家用機の運航自粛の解除日については一方的に知らされるだけだというやり方だったとの声もありました。
調布市議会では、昨年九月十日に特別委員会が開催され、全ての委員が認められないという意見でした。翌日の九月十一日には、調布飛行場自家用機運航再開に伴う議長声明を出しています。この議長声明の中身は、調布市議会は東京都に対し、このたびの運航再開について遺憾の意を表明しています。そして、改めて自家用機の撤廃に向けた移転、新たに約束した安全対策、再発防止の強化策の誠実かつ厳格な履行と被害者及び周辺住民に寄り添った誠意ある対応を求めるという内容でした。
三鷹市議会では、九月議会の最終日である九月二十七日に全会一致で安全対策を求める決議を出しました。自家用機の運航自粛解除は到底許されるものではないという内容でしたが、都は自家用機運航自粛を解除しました。
私は、事務事業質疑の中で、新しい安全対策についても、とりわけパイロットの健康チェックが適切に行われないなどの不十分な点があることも明らかにしました。
そこで、幾つか質問します。
調布飛行場における自家用機の登録数や飛行実績について伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 現在、調布飛行場に登録しております自家用機は十七機でございます。
運航自粛要請解除後の自家用機の運航状況についてでございますが、最初に飛行がありました十月から二月までの五カ月間で、離陸及び着陸の実績は合計で七十四回でございます。
○尾崎委員 自家用機は、事故が起きた二〇一五年当時は二十二機が常駐しており、昨年の自粛解除後は十七機でしたから、自家用機は自粛解除後から変わっていないということです。
私が昨年十一月八日の事務事業質疑で自家用機の移転問題をただすと、関東圏におけます自家用機の整備に向け、必要な調査検討を進めるよう国に働きかけていくこととしておりますとのご答弁がありました。
昨年十一月八日以降、国への働きかけはどのように行われているのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は昨年十一月に、国に対し、関東圏における自家用小型機専用の飛行場の整備が進展しない状況に鑑み、既存の飛行場の活用等も含め、自家用小型機が離着陸や駐機できる飛行場整備に係る調査検討を進めるよう要望を行ったところでございます。
今後も状況を踏まえまして検討してまいります。
○尾崎委員 国への要望を引き続き積極的に行っていただくことを強く要望するものです。
私は昨年の事務事業質疑でも紹介しましたが、国土交通省が調布飛行場の代替飛行場を探すという一九八一年の国会での大臣発言、この約束は、そして立場は、今も生きているということですから、国に対して正面から相談を繰り返すことを強く求めておきます。
都と自家用機を持っている団体の方々との率直な話し合いができるように、昨年七月に、東京都調布飛行場自家用機分散移転推進会議が設置され、第一回目が七月に開催されています。
そこで伺いますが、東京都調布飛行場自家用機分散移転推進会議のその後の開催状況はどうなっていますか。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におけます自家用機の分散移転に向けた取り組みをより一層推進するため、都と調布飛行場の自家用機団体とで、東京都調布飛行場の自家用機分散移転推進検討会を設置いたしまして、昨年七月に一回目、十二月に二回目の検討会を開催いたしました。
○尾崎委員 調布飛行場は住宅街の中にあります。そして、あってはならない墜落事故が二〇一五年七月二十六日に起きてしまいました。地元住民や地元自治体は、安全性の問題から自家用機の運航には厳しい声があります。
我が党も、自家用機はほかの飛行場に移転することを強く要望するものです。調布飛行場自家用機分散移転推進会議での議論を重ねていただきたいと強く要望するものです。
次に、来年度予算案に、調布飛行場自家用機の分散移転を図るため、どのようなことを行うのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都はこれまでも、調布飛行場の自家用機の分散移転に取り組んでまいりましたが、さらなる分散移転を推進するため、来年度予算案には都営大島空港におきまして、自家用機の常駐等に必要な格納庫等の施設整備をするための費用を計上しております。
○尾崎委員 来年度予算の中に、都営大島空港における自家用機の格納庫等の施設整備を行う費用を計上したことは大きな一歩だと思います。
それでは、この大島空港格納庫等整備工事のスケジュールについて伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都営大島空港におけます格納庫等の整備につきまして、来年度設計を行い工事に着手する予定でございます。
○尾崎委員 来年度設計を行い工事にも着工する予定とのことです。
今後、設計の段階で何台分の格納庫を整備するのか、完成はいつになるかなど、具体的なことが決まると思いますが、ぜひ、一台でも多く大島空港に移転できるよう要望します。
また、国の協力も得ながら、十七機全ての自家用機を調布飛行場から移転できるよう強く要望しまして、質問を終わります。
○うすい委員 初めに、東京港の海岸保全施設の整備について質問をさせていただきます。
昨年は、非常に強い台風が相次いで日本に上陸をし、各地で大きな被害が発生しました。特に、昨年九月に襲来した台風第二十一号により、近畿地方などの沿岸部で高潮被害が発生したことは記憶に新しいところであります。
東京においては、高潮被害はありませんでしたが、東京には多くの人々が生活をするとともに、首都としての中枢機能が集積をしております。最近は雨の降り方もそうですし、自然災害については想定外のことが現実に起こり得るわけでございます。
このため、高潮対策に万全を期すために十分な対応が行われてきていると思っております。
そこでまず、これまで都が行ってきた高潮対策について取り組み状況を伺います。
○原港湾整備部長 都は、東京市時代の昭和九年に高潮対策事業を開始して以降、昭和二十四年のキティ台風や、昭和三十四年に東海地方を襲った伊勢湾台風などを教訓に、襲来する台風に確実に対応するため、水門や防潮堤等の海岸保全施設の整備を進めてきてございます。
都は現在、台風による海水面の上昇、いわゆる潮位偏差が観測史上最大を記録した伊勢湾台風級の台風による高潮を想定いたしまして、東京の沿岸を第一線で守る水門や防潮堤の整備を進め、現在までにその整備はおおむね完了しているところでございます。
○うすい委員 今の答弁で、水門や防潮堤の整備によりまして、東京の沿岸を第一線で防護しているとのことであります。
高潮を防ぐ防潮堤の高さが重要になってくると思うわけなんですが、そこで、防潮堤の高さはどのような考え方で想定しているのか、見解を伺います。
○原港湾整備部長 伊勢湾台風級の台風が東京に襲来した場合に想定される高潮の高さは、地区によって異なってございますが、干潮時の潮位をゼロメートルとする基準であるAP、荒川ペールといいますが、この基準面からプラス四・一メートルから五・一メートルとなってございます。
これに対しまして、防潮堤の高さは、台風による波の影響も考慮いたしまして、APプラス四・六メートルから八メートルとしてございまして、高潮に対して十分安全な高さを確保しているところでございます。
○うすい委員 今の答弁で、防潮堤の高さは高潮に対して十分安全な高さを確保しているということを確認させていただきました。
一方、平成二十三年に発生した東日本大震災では、襲来した津波によって東北地方を中心に甚大な被害が発生したわけであります。
そこで今度は、防潮堤の高さは津波に対して安全なのかどうか、見解を伺います。
○原港湾整備部長 東京港沿岸における津波の高さは、東京都防災会議による被害想定におきまして、最大でAP換算でプラス三・七四メートルとされてございまして、高潮の高さよりは低いものとなってございます。
これに対しまして、防潮堤の高さは、先ほどお答えいたしましたとおり、想定される津波より高いAPプラス四・六メートルから八・〇メートルとしており、津波に対しても安全な高さを確保してございます。
○うすい委員 防潮堤の高さが、想定される津波の高さに対しても安全な高さを確保しているということを確認させていただきました。
また、首都直下地震の発生する確率は、今後三十年以内に七〇%と予想をされておりまして、地震対策についても万全を期していくことが必要であると考えております。
そこで、防潮堤等の海岸保全施設の地震対策の取り組みについてお伺いいたします。
○原港湾整備部長 都は、東日本大震災を踏まえまして、平成二十四年十二月に東京港海岸保全施設整備計画を策定いたしました。
本整備計画におきましては、東京都防災会議が示したマグニチュード八・二の海溝型地震等の発生を想定し、防潮堤等の耐震対策を実施するとともに、万が一、地震により防潮堤等が損傷し、その機能が復旧する前に高潮が発生する場合も想定いたしまして、水門や排水機場の電気、機械設備が浸水しないよう耐水対策を実施することとしてございます。
○うすい委員 さまざまな工夫をしながら、東京港海岸保全施設整備計画を策定して地震対策を進めているとのことでございました。
そこで、整備計画のこれまでの進捗状況についてご説明をいただきたいと思います。
○原港湾整備部長 平成三十年度末までの進捗状況についてでございますが、まず防潮堤の耐震対策につきましては、計画延長約十七キロメートルのうち約十一キロメートルが完成し、残り約六キロメートルで事業中であり、内部護岸につきましては、計画延長約二十六キロメートルのうち約六キロメートルが完成し、約十キロメートルで事業中でございます。
水門及び排水機場の耐震、耐水対策につきましては、整備対象十六施設のうち七施設が完成し、残り九施設で事業を推進しているところでございます。
○うすい委員 ただいまの答弁から、防潮堤については全区間、水門及び排水機場については全十六施設で事業に着手をし、その一部が完成するなど整備が進捗してきていることを確認させていただきました。
一方、内部護岸については、まだ未着手の区間があるようであります。整備計画の推進に向けては、防潮堤等に比べおくれている内部護岸の整備を、ぜひ推進していく必要があると考えます。
そこで、内部護岸の整備をこれまで以上に積極的に推進していくべきであると考えますが、今後の都の取り組みについて見解を伺います。
○原港湾整備部長 内部護岸の整備につきましては、護岸の前面水域を活用し、船舶事業等を営んでいる水域利用者や、事業箇所に隣接して生活している住民に影響を及ぼしますことなどから、事業に対する理解や協力を得るまでに時間を要してございます。
このため、事業の実施に当たりましては、早い段階から十分な説明を行うとともに、水域利用者等への影響が最小限となる施工手順の選定を行うなど、きめ細かく丁寧な対応に努めてきているところでございます。
さらに今後は、東京の沿岸を第一線で守る重要な施設であり、優先して整備を進めております水門や防潮堤の事業進捗を踏まえながら、内部護岸の事業に対する執行体制を強化し、平成三十一年度は、延長約六キロメートルで新たに事業着手するなど、内部護岸のより一層の事業推進に努めてまいります。
○うすい委員 今の答弁で、平成三十一年度は、延長約六キロメートルで新たに事業を着手するということでございます。
引き続き、整備計画に基づいて海岸保全施設を整備することにより、東京の防災力をより一層強化し、都民のための安全で安心な都市を実現していただくことを強く要望して、次の質問に移らせていただきます。
次は、島しょ地域における津波避難施設についてお伺いをしたいと思います。
私は、昨年の事務事業質疑で島しょ地域の津波対策について質問をし、津波避難施設の早期整備を求めるとともに、高齢者等の災害弱者の方々にもしっかりと対応をしていただくよう要望させていただきました。
昨年、私が視察した伊豆大島の岡田港船客待合所及び津波避難施設が先月完成をし、供用を開始されたということであります。
この施設は、流線形をした外観のデザインが斬新な上、強度を保つために鉄筋コンクリートの巨大な柱を整備する一方で、内装には木材をふんだんに使うなど、大変特徴のある施設であるとのことであります。
港のランドマークとして観光面でも期待ができるわけでありますけれども、それよりも強調したいのは、この施設が津波の襲来時に港を利用する人々や港で働く人々の命を守る重要な機能を持っているということだと思います。
伊豆諸島の港において最初に整備されたこの大島の津波避難施設は、船客待合所の上部の避難スペースと岸壁背後に設置された避難通路の二つの施設で構成をされております。
そこでまず、岡田港の津波避難施設における避難スペースと、避難通路の二つのそれぞれの役割について見解をお伺いいたします。
○小林離島港湾部長 岡田港への津波が想定されております地震は、元禄型関東地震と南海トラフ巨大地震の二種類がございまして、発生する津波高や到達時間に違いがあります。
津波避難施設につきましては、そのいずれの津波が襲来した場合でも対応ができるよう、それぞれの役割を持った二つの施設を整備いたしました。
元禄型関東地震で発生する津波は、四分弱で六十センチ程度浸水する第一波が到達し、八分程度で二メーター程度浸水する最大波が予測されており、避難通路はこれらの津波に対応するものでございます。
南海トラフ巨大地震で発生する津波は、到達時間が三十分程度と比較的時間に余裕はあるものの、浸水が五メーターを超える高い津波が想定されており、避難スペースは、この津波に対応するためのものでございます。
地震発生直後には、いずれの津波が襲来するのかわからないことから、まずは避難通路に上り、それから、船客待合所の上部の避難スペースへ退避することにより、両方の地震に対応することが可能となっております。
○うすい委員 岡田港の津波避難施設の各施設の役割は理解をさせていただきました。
南海トラフ大地震は、今後三十年以内に発生する確率が、先ほど申し上げたとおり七〇%から八〇%と予測をされており、いつ発生をしてもおかしくない状況の中で、この地震の発生後に、津波で一人の犠牲者も出さないよう、よりスムーズに避難者を誘導しなければならないと考えております。当然、防災対策も大事ですけれども、ハード整備に加えてソフト対策を充実させて、初めてその効果が図られると思うわけでございます。
そのために、避難訓練等のソフト対策を充実させることが重要であると考えますが、その対策について都の見解を伺います。
○小林離島港湾部長 ご指摘のとおり、岡田港の津波避難施設が防災上の効果を十分に発揮するためには、ソフト面での対策を充実させていくことも必要でございます。
そのため、観光客など初めて来島する方々にも避難経路がわかりやすいよう誘導看板を設置しますとともに、避難通路上に避難スペースまでの誘導矢印を表示いたします。
また、スムーズな退避ができるよう、平成三十一年度に船客待合所にまちの防災行政無線を受信する装置を導入する予定としてございます。
さらに、高齢者、障害者、乳幼児などの要配慮者に対する支援について、事業者等の関係機関と役割分担を整理した上で、大島町と津波避難施設を活用した合同訓練を実施し習熟度を高めていくことにより、高齢者等の災害弱者にもきめ細かく対応してまいります。
○うすい委員 今のご答弁で、新年度は、かなりこの安心・安全のための施策をしていただけるということで、大変、心強いことだと思います。
岡田港の津波対策については、避難通路と避難スペースの機能が最大限に発揮されるよう、今後の取り組みを着実に実施していただくように要望させていただきたいと思います。
さて、岡田港の津波避難施設について質問をしてまいりましたけれども、伊豆諸島では四島九港において津波避難施設の整備を進めていると聞いております。
そこで、岡田港以外の津波施設の整備の考え方と、今後の整備予定についてお伺いをいたします。
○小林離島港湾部長 いつ襲来するかわからない津波に対して、効果的に津波避難施設を整備していくには、港や、その背後地の地形等に応じまして、施設の形状を工夫する必要がございます。
背後が高台になっている港は高台へとつながる斜面に避難階段を設置することといたしまして、現在、新島の若郷漁港及び神津島の三浦漁港で整備を進めております。
高台まで距離がある港につきましては、港内に避難タワーを整備することといたしまして、新島港では、本年度既に契約を締結しております本体工事を来年度に実施する予定です。また、神津島港についても、来年度から工事に着手する予定としてございます。他の四港につきましては、補助階段などを設置することといたしまして、平成三十二年度末の完成を目指しております。
○うすい委員 今ご答弁いただいたとおり、スムーズに整備していただくことを要望させていただきます。
伊豆諸島の港は、いうまでもなく島の玄関口でもありますし、多くの観光客や島の人々が利用する極めて重要な施設であります。島の安全があってこそ、東京全体の安全にもつながるものと思います。
港の利用者や働く人々が安心して港に滞在したり、また、楽しんだり、また、仕事ができるよう、ほかの島においても施設整備を着実かつ迅速に行っていただきたいことを強く要望いたします。
また、岡田港と同時に、ほかの港でもソフト対策を着実に推進していただくことを重ねて要望しまして、津波避難施設関連の質問を終わります。
○山崎委員 私の方からは、オリ・パラ開催時における円滑な港湾物流の確保に向けた取り組みについて、何点か伺っていきたいと思います。
大会まで、もう五百日をいよいよ切りました。その中で、大会の成功の鍵は輸送にありともいわれるほど、期間中における輸送は重要な課題であるが、一方で、東京港は首都圏の経済活動の根幹を支えており、いうまでもなく大会期間中においても、円滑な港湾物流を確保していくことが求められているわけであります。
我が党は代表質問においても、交通混雑対策は大会後にもレガシーとして引き継がれるべきとの観点から質問を行いましたが、これに関連して、何点かまた質問をさせていただきたいと思います。
大会時の対策の一つとして、都が示す二十四時間利用可能な貨物の一時保管場所、いわゆるこれはストックヤードですね、ストックヤードはコンテナターミナルが比較的すいている時間帯における貨物の引き出しを促すことで、ふ頭周辺道路の混雑緩和を図ることを目的とした取り組みであります。
開始してからおよそ二年が経過しておりますが、現在はほぼ一〇〇%の利用率とのことであり、有効に活用されているという話も聞いております。
都は、現在一カ所で運営しているストックヤードを、大会までに三カ所増設する予定でありますが、まず、それぞれの具体的な設置場所についてお伺いをいたします。
○戸谷港湾振興担当部長 ストックヤードを増設する場所につきましては、トラック事業者の利便性を向上させる観点から、大井、青海、中央防波堤外側の各ふ頭周辺とすることといたしまして、都有地を臨時的に活用して設置いたします。
具体的には、大井ふ頭につきましては、城南島のコンテナ車両用の駐車場跡地、青海ふ頭につきましては、取扱貨物の一部をほかのふ頭へ移転させることで、空き地となる予定のふ頭施設用地、また、中央防波堤外側ふ頭につきましては、今後整備を予定しているY3ターミナルの土地の一部を整備することでストックヤードを設置してまいります。
○山崎委員 限られた土地を創意工夫して活用し、三カ所増設することはまさに評価ができると思います。また、トラック事業者の利用方法を考慮し、それぞれのターミナルに近接した場所に配置をすることは適切であると考えます。
しかし、ストックヤードを増設すれば、すなわち、直ちに交通混雑が解消するわけではなく、実際に多くのトラック事業者に利用してもらうことが、何よりももちろん重要であります。増設したストックヤード全てを確実に利用してもらうためには、現在の利用状況を踏まえ、運用方法に関する意見や要望を聞く必要があると考えます。
都は、トラック事業者の意見を踏まえ運用のあり方を検討していくべきであるが、見解を伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 現在のストックヤードはニーズが高く、ほぼ一〇〇%の利用率となってございます。しかし、トラック事業者からは、申し込みが一日単位であることですとか、申込数が多く必要な区画数を確保できない場合があるために、配車計画を立てづらいという意見もいただいております。
また、現在は対象貨物を東京港での取り扱いが多い輸入貨物としておりますけれども、輸出貨物でも利用したいといった意見も寄せられております。こうした意見を踏まえつつ、今後、トラック事業者の利用を促進する新たな運用方法を検討してまいります。
一方で、その有効性を確認するためには、実際の運用の中で検証をする必要がございます。
このため、大会一年前となる本年夏に城南島の予定地でトライアルを実施いたしまして、利用状況を踏まえて、大会に向けて必要な見直しをするなど、大会時にストックヤードを十分に機能させられるように着実に取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 今、答弁の中でトラック事業者からのご意見が何点かあったと思います。例えば、申し込みが一日単位であること、また、申し込みが多いため、必要な区画数が確保できない場合がある、そうすると配車計画が立てづらいと、そういう意見もありました。また、先ほどもあったように、輸入貨物としておりますけれど、輸出貨物でも利用したいという、そういうトラック事業者からの生の意見があったと思います。しっかりとその点は計画に反映して実効性あるものにしていただければと思います。
また、このトライアルを通じて効果検証をしっかりと行っていただいて、大会に向け一つ一つステップを進めていただきたいことも要望しておきたいと思います。
ところで、ストックヤードは、効果的な交通混雑対策の一つであるため、大会期間中だけの一過性のものに終わらせてはいけないと考えております。
都は、大会に向けて増設したストックヤードを積極的に活用し、大会後の港湾物流のさらなる効率化につなげていくべきであるが、見解を伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 ストックヤードは交通混雑緩和に有効な対策でございまして、大会後にも継続して実施していくことが重要だと考えております。
現在、既に設置しております大井の一カ所につきましては、引き続き運営を行っていくとともに、大会に向け増設する三カ所のうち、中央防波堤外側地区につきましては、将来の貨物量増加を見据えて、大会後も当面の間、継続してまいります。
また、本年のトライアルや大会時の利用状況を分析いたしまして、効果的な活用事例を広く紹介することなどにより、荷主や物流事業者のストックヤードを活用した新たな取り組みを促してまいります。
東京都は、大会後も見据えて、港湾物流のさらなる効率化が図られるよう、関係者とも連携しながら積極的に取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 トライアルをしっかりやっていただきたいんですけれど、これもう、トライアルを一回やると大会まで一発勝負ですよね。そうですよね、部長。
ですから、このトライアルが終わった後にどう検証して把握をしていくか、ここが重要だと思います。この検証した結果をどのようにトラック事業者、また、荷主さんもそうですけれど、港湾物流に関して関連の皆様にお知らせをするか、ここが非常に大きなポイントだと思いますので、ぜひ、この一発勝負のトライアル、その後、しっかりと取り組んでいただかなくてはならないと思います。
これは港湾物流だけではもちろんないと思います。今、オリ・パラの方と皆さんも協力をして、TDMの促進も含めてやられておりますけれど、やはり、オリ・パラ局はオリ・パラ局の考え方があるかもしれない。しかし、皆さん方港湾局は、今まで培ってきた港湾物流の皆さんとの信頼関係があるわけです。ですから、そういう港湾事業者、そしてまた荷主、こういう方々に直接皆さん方が訴えられるのは、まさに港湾局の皆さんだと思いますよ。ぜひ、そういった点はしっかりと頑張っていただきたいことを、重ねてまた強く要望させていただきたいと思います。
また、現在、整備が進んでおります臨港道路南北線の大会期間中の活用という課題もあると思います。私は以前からこの件に関しては指摘をさせていただいておりますけれど、まさにこの南北臨港道路、今の計画の中では、大会期間中は一切一般開放はしないという、そういう形になっております。
しかし、あれだけの南北臨港道路が完成をして、まさにオリンピック・パラリンピックのときに利用しないということは、私はおかしな話だと思います。まさに海の森のボート、カヌー場に隣接する、そこに行くための南北臨港道路であり、また、中央防波堤の外側まで続く道路であります。
この道路をしっかりと大会のときに利用する、これ、例えばそのボート、カヌー場の施設の一環として、道路のところにカメラだとか、いろんな機材が置かれるから、その道路を潰してしまうから、南北臨港道路が使えないというお話も聞いておりますけれど、しかし、朝から夜中までずっと競技をやっているわけじゃないと思います。夜中だって競技をやるはずはありません。
ですから、そういうところも踏まえて、必ず港湾局の立場とすれば、この南北臨港道路が使えることは、非常に皆さんにとっても大変私は望ましいことだと思いますよ。こういったことをオリ・パラ局と、また、組織委員会としっかりと調整をする、そのことが私は、今、求められていると思いますけれど、局長、今の意見を聞いてどうですか。
○斎藤港湾局長 大会期間中の物流と輸送の両立というのは、私ども港湾局に課せられました来年に向けての大変大きな課題でございます。
現在、いろんな策を講じて、その対策を実施中でございまして、その中の幾つか、ストックヤード等については、ただいま部長から申し上げたとおりでございますけれども、この動きを見据えて、今、山崎副委員長がお話ししたような、現在ではいろいろな制約がございますけれども、その先を踏まえて、いろんな検討課題というのはあるかと思いますので、ただいまのお話なども一つの方策、これはセキュリティー等がありますので、いろいろと課題がないわけではございませんけれども、そういったことも含めて、港湾機能と大会の両立という大きな目標に向けまして、局一丸となって、また関係機関と相談をしながら真剣に取り組んでいきたいと思います。
○山崎委員 ぜひ、早く検討をしっかりと前に進めていただいて、まさに中央防波堤に向けても、そして、海の森の競技会場に向けても私は大きな活用ができる道路だと思いますので、しっかりと捉えていただきながらお願いをしたいと思います。
さて、大会後の港湾物流の効率化に関する、今まで質問をさせていただきましたが、これに関しては、これまで我が党が繰り返し主張してきたとおり、東京港の機能強化が必要不可欠であります。
東京港が持つ物流のかなめとしての機能を今後もしっかりと発揮させるためには、新たなふ頭の整備とともに、既存のふ頭についても、貨物取扱能力の改善を図らなくてはならないと思います。
東京港が、今後も東日本メーンポートとしての役割を適切に果たしていくためには、大型船にも対応できる中央防波堤外側ふ頭Y2及びY3の整備を積極的に進め、東京港全体の機能強化につなげていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○藏居港湾経営部長 東京港が東日本を支える物流拠点としての役割を今後も適切に果たしていくためには、限られた港湾エリアを最大限に活用して、その機能を強化することにより、荷主や船会社等のニーズに的確に対応できる港としていくことが重要であります。
来年度の供用開始に向け整備を進めている中央防波堤外側ふ頭Y2は、青海ふ頭の取扱貨物の一部を受け入れる計画であることから、これを契機に老朽化が進む青海ふ頭の大規模改良工事を実施し、貨物取扱能力の改善を図ってまいります。
さらに、Y3ターミナルの早期整備に着手するとともに、東京港全体の機能を強化する観点から、関係事業者と連携して施設配置の見直しに向けた検討を進め、荷主等が利用しやすい港を実現してまいります。
○山崎委員 我が党は、ずっと昔から、この中央防波堤の外側のふ頭のY2、Y3、こういった機能強化のことを従来から、早期整備の必要性などを強く主張してきたわけでございます。
大会までにはY2が確実に供用開始ができるよう、引き続き着実に取り組みを進めるとともに、Y3についても早期の工事着手を実現できるよう、しっかりと国と連携して全力を挙げて取り組み、港湾物流のさらなる効率化を早期に実現してもらいたいことをお願いして、私の質問を終わります。
○あぜ上委員 まず、新客船ふ頭についてです。
我が党はこれまでも、クルーズ船は人気があり需要がふえていることを否定はしていませんが、晴海客船ふ頭を廃止して、また、巨額を投じて青海に新たなふ頭をつくることは問題であると申し上げてまいりました。来年度の予算案でも、新客船ふ頭関連経費は八十六億九千六百万組まれております。
この八十六億九千六百万円の内容、内訳をお示しください。
○原港湾整備部長 八十六億九千六百万円の内訳につきましてでございますが、新客船ふ頭の整備費として約八十三億八千万円、客船誘致の取り組みとして、約三億一千六百万円でございます。
○あぜ上委員 客船誘致の取り組みの三億一千六百万円の内訳というのはどういうものでしょうか。
○戸谷港湾振興担当部長 客船誘致の取り組みにつきましては、大井水産ふ頭での大型客船受け入れのための経費、あるいは船会社に対し、東京港への寄港を促進するための広報、PRの経費、そして、客船の寄港に係る経費に対する補助金などでございます。
○あぜ上委員 先ほどほかの委員の方のご答弁でも、東京港への寄港を促進するための広報、PRを進めているというお話があって、今もその内訳が、お話があったんですけれども、この広報、PRの経費を幾ら見込んでいるのかというのは、今、お示しいただけますでしょうか、どうでしょうか。
○戸谷港湾振興担当部長 広報、PRの関係経費でございますけれども、海外広報、PR活動経費等を含めまして、約五千九百万円程度でございます。
○あぜ上委員 済みません、急に聞いて。以前の委員会では、二〇二〇年には百十三回の寄港、うち大型客船を含む外国籍船の寄港数は七十五回の目標だとご答弁をいただきましたが、その見通しについては、なかなか語られませんでした。
そこで伺いますが、大型客船を含む外国籍船の寄港、これは二〇一七年、また二〇一八年、どのような実績だったか伺いたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 平成二十九年に東京港に寄港した外国船籍の寄港数は十四回、また、平成三十年の東京港に寄港した外国船籍の寄港数は二十九回となってございます。
○あぜ上委員 先ほど来、広報などご努力はあるけれども、目標から見て半分以下だということであります。
その中で、大井水産ふ頭への寄港、これは資料でお示しいただきましたように、二〇一七年はゼロ回、二〇一八年は一回という実績なわけです。
今、晴海ふ頭があるのに、橋桁から海面までの高さ五十二メートルのレインボーブリッジをくぐれない、そういう大型客船を誘致するために、青海に新しい客船ふ頭をつくるんだということで、ずっと議会にもご説明があったわけですけれども、そのために、先ほど三百九十億というお話がありました。多額の税金を使うことになったにもかかわらず、結局そういった、大井に寄港したのは一年間に、二〇一八年でいえば一回のみということであります。
東京都は、イタリアの「コスタネオロマンチカ」という客船のホームポート認定をしたということで、この客船の寄港のとき、私も現場に見に行かせていただきました。大変大きな船ではありましたが、レインボーブリッジをくぐれないことはなく、晴海ふ頭に寄港しておりました。
国際的には、確かに客船の大型化、これは本当に事実ではありますけれども、誘致対策を行っても、京浜三港でいえば、結局、横浜に寄港しているのが実情だということです。
寄港実績を調べてみますと、横浜港の昨年の実績は百七十三回で、東京港の約六倍になっています。東京港が、この間、船舶のホームポート認定など取り組みはしていらっしゃる、努力をされている、そうしたからといって、本当に大型クルーズ客船が青海の新客船ふ頭に着実にふえていくのかという見通しは、厳しいと指摘せざるを得ないわけです。
先ほどご答弁で、総工費の見込みが三百九十億とありましたけれども、それはワンバースの計画の総経費という理解でよろしいんでしょうか。確認だけさせてください。
○原港湾整備部長 先ほどご答弁申し上げた三百九十億円につきましては、第一バースの整備に要する経費でございます。
○あぜ上委員 第八次の港湾計画では、この客船ふ頭は二バースにするという計画になっています。私は見直しすべきだと思いますが、都の見解を伺います。
○原港湾整備部長 世界のクルーズ需要が高まる中、東京港への寄港ニーズを確実に取り込んでいくためには、繁忙期に二隻の大型客船が同時に寄港できるよう二バース体制の確保が重要でございます。
このため、平成二十九年五月に開催いたしました東京都港湾審議会の議を経まして、一バース目に連続した二バース目を港湾計画に位置づけたところでございます。
今後、二バース体制につきまして必要な調査を行うなど、計画の具体化に向けまして検討を進めていく予定としてございます。
○あぜ上委員 私は晴海でも十分生かせた客船ふ頭であったのにもかかわらず、新たに巨費を投じて青海に客船ふ頭をつくる、しかも青海というのは、隣に外貿ふ頭もありまして、外貿ふ頭やコンテナトラックターミナルなどは足りない状況だとして、新海面処分場の方に、先ほどもY3のお話もありましたけれども、拡大していっているという状況があります。
コンテナトラックも大変多くて、大型客船が寄港すると、オプションツアーに出かける観光バス、先ほどのご答弁ではバス百台というお話でしたけれども、そういったバスが大量に必要になってくるとまた渋滞を招きかねないという事態も、問題も、あるかと思います。
こうした青海の客船ふ頭の整備というのは、やはり、私は都民の理解が得られないということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
コンテナふ頭を初め周辺道路の渋滞対策についてです。
港湾関係のトラックの運転手の皆さんからは、港湾の渋滞がひどく、大井などではトラックが長蛇の列となって身動きができない事態も生まれているというふうに聞きました。何度も聞いてきたので、私自身、平日の三時半ぐらいに現場に行ってまいりました。大井では、本当に道路で大きなトラックがとぐろを巻いているように長い列ができておりました。一番後ろに並んだ方は、ふ頭に入れるのはどのぐらいかというふうに聞いたら、大体五時間ぐらいかかりそうだということでした。
そこで伺いますが、都として、コンテナふ頭周辺の道路渋滞の実態調査は行っているんでしょうか。
○藏居港湾経営部長 東京港のコンテナふ頭周辺の道路で発生している交通混雑は、季節や時間帯によって、その状況が異なっております。
都は、一年のうちでコンテナ貨物取扱量が最も多い傾向が見られます毎年十二月に、コンテナふ頭周辺道路における渋滞の長さ、いわゆる渋滞長の調査を実施しております。
なお、東京港総合渋滞対策に基づき、さまざまなハード、ソフトの面の対策を講じたことから、渋滞長の平均距離は東京港の外貿コンテナ貨物取扱量が初めて四百万TEUを突破した平成二十三年と、直近の調査結果が出ている平成二十九年とを比較すると、約半分に改善されております。
○あぜ上委員 渋滞の平均距離が半分になっても、なお数時間待ちということは本当に深刻だと思いました。曜日や時間によって違うというふうに現場の方々からも聞いておりますけれども、やはり、きめ細かく実態を把握していただきたいと思います。
そもそも東京港でなぜこのような渋滞が起こっているのか、もちろん、先ほど来お話があるように、東京港は我が国の経済を支える大動脈であり、物流拠点となっているわけなんですが、取扱コンテナ量が、狭隘な東京港の許容量を超えていることはないのでしょうか。
国土交通省の関東地方整備局の資料を見ますと、外貿コンテナの取扱量は東京が断トツ一位で、全国の港湾取引貨物量の約四分の一に当たるそうですが、一日の航行、これは約五百隻、世界有数の過密海上となっています。その上、船舶の大型化ということもあることから、東京港に行きますと、いつも見上げてしまうんですけれども、コンテナが三個、四個と、たくさんのコンテナが積み上がっているわけですが、そうした中で積み上げ、荷おろしも大変時間がかかっている事態を生んでいるわけです。
利用しやすい港をつくることは大切ですけれども、やはり、国を挙げて過大な一極集中の見直し、これも私は求められていると思います。
こうした中、都としても専用道路規制や待機場の整備など、さまざまな対策を講じて努力されていることは存じています。
その対策の中で、まず、大井ふ頭の周辺道路の専用道路規制の評価と今後の課題について伺います。
○藏居港湾経営部長 都は、大井ふ頭の交通の円滑化を図るため、警視庁や利用者の意見を踏まえまして、平成十七年に、大井ふ頭背後の都道にコンテナ車両専用レーンを設置いたしました。
これによりまして、コンテナターミナルに向かいますコンテナ車両と、その他の一般車両の通行が分離され、安全性の向上や道路交通の円滑化に効果があったと認識しております。
今後も関係者と連携しつつ、コンテナ車両専用レーンの適切な運用を図ってまいります。
○あぜ上委員 東京港では、昼過ぎから夕方にかけて、コンテナターミナルを目指す車が集中すると伺っています。専用道路についても、間違って専用道路に入ってしまって身動きできなくなった乗用車もあるようです。
ぜひ、時間帯ごとの実態調査をするとともに、日常的に専用道路を利用していらっしゃる方、また、トラックの運転手の皆さんなどに意見をぜひ聞いていただきたいと思います。
都は、埠頭公社と連携してトラックの待機場もつくりました。先ほどのご答弁でもふやすということがわかりましたが、私はこの待機場にも行ってまいりましたが、トラックの運転手の皆さん、本当に並々ならないご苦労をされているんだということを現場へ行ってみて痛感してきました。
待機場の使い勝手について、今どのような声を聞いていらっしゃるでしょうか。聞いているとしたらどのような声があるのか伺います。
○藏居港湾経営部長 都は、トラック事業者からのご意見やご要望を踏まえつつ、車両待機場の運営を行っております。
例えば、トイレや自販機の設置に関する強い要望を受けまして、全ての車両待機場に男女別のトイレと自販機を設置するなど利便性の向上に取り組んでまいりました。
また、一部の車両待機場につきましては、前日の夜から開場し、トラック運転手が駐車して休憩できるようにもしております。
今後もトラック事業者のご意見に耳を傾けつつ適切な運営に努めてまいります。
○あぜ上委員 トラックの設置のご努力はわかりましたが、数が少ないんです。
待機場というのは、私は全て車をとめて待機しているものだとずっと思っていたんですが、先ほどのご答弁で駐車して休憩できるようなスペースもあるようなんですが、私が見ていたら、少しずつ、少しずつ、本当に少しずつ動きながら待機されているんです。だから、トイレに行くには、その間を縫って行くわけです。大変危険ですし、また、広い待機場に一カ所しかありません。
車両待機場では、ことしどのような環境改善対策を行うつもりなのか伺いたいと思います。
○藏居港湾経営部長 車両待機場では、投棄されたごみの回収など、清掃活動を定期的に行っており、本年も引き続き適切に実施してまいります。
また、東京港ポータルサイト等を通じて、車両待機場におけるごみの投棄の禁止等を周知するなど、車両待機場の環境美化に向けた取り組みを引き続き行ってまいります。
○あぜ上委員 清掃活動を定期的に行うということは重要だと思いますが、トイレの増設やごみ箱の設置など、環境改善に努めることを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○藏居港湾経営部長 全ての車両待機場には、男女別のトイレを既に整備しております。
ごみ箱につきましては、以前は設置していたものですけれども、防火や粗大ごみの不法投棄防止等の観点から、現在は設置を見合わせております。
今後とも、清掃活動を定期的に実施するなど、車両待機場の適切な運営に努めてまいります。
○あぜ上委員 整備されているのは知っているんですが、たった一カ所なんですね。待機場ってすごい広いわけですよ。女性のドライバーもふえております。ぜひ、トイレの増設の方は早急にお願いしたいというふうに要望したいと思います。
先ほど来、東京二〇二〇大会との関連で交通問題、渋滞問題のお話がありました。今、不安の声が挙がっているのは、特に二〇二〇大会の車両基地が、新砂にはフリート約六百台、若洲にはバス約七百台分設置されるということです。
もちろん、先ほどの局長のご答弁を聞いていても、当然、港湾関連企業や海コントラックの仕事をされている皆さんとは相談されている、話し合いが進められているというふうに理解をしたんですけれども、やはり、港湾機能の維持強化という形で、海上トラック輸送を仕事としている方々からは、もちろん大会には協力したいけれども、夜間移送に転換してくれというふうにいわれたら、労働環境が一変してしまうと。これを機会に二十四時間対応の物流への転換になってしまったら、本当に労働者としての環境は一変してしまうんだと、こういった大変不安の声を多く伺いました。
直接影響を受ける企業、それから労働者の合意と納得の上で、こうした対策については努めていただくように、港湾局としても状況をしっかり把握して、関連局とも連携して丁寧にそうした対策を講じていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後三時十分休憩
午後三時四十分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより中央卸売市場関係に入ります。
予算の調査を行います。
第十一号議案及び第十九号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡安管理部長 去る二月二十五日の当委員会におきまして要求のございました三点の資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。1、豊洲市場の主な市場施設の使用指定(許可)面積等でございます。
主な市場施設といたしまして、卸売場・仲卸売場、店舗・事務室、荷さばき場・作業所、駐車場・積込場・バースにおける、各街区ごとの使用指定(許可)面積及び月額使用料をお示ししてございます。
続きまして、二ページをお開き願います。2、豊洲市場の維持管理費(平成三十一年度当初予算案)についてでございます。
委託料といたしまして、警備、設備保守、清掃等に要する経費を約三十四億四千万円計上してございます。
光熱水費といたしまして、電気、水道、ガス等に要する経費を約三十七億七千万円計上してございます。
続きまして、三ページをお開き願います。3、市場別・月別取扱数量及び取扱金額の推移(平成三十年水産物部・青果部)につきまして、三ページから五ページにかけて記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○白戸委員 豊洲市場が開場して五カ月。当初の期待、戸惑い、混乱の時期を経て、ようやく一定の落ちつきを見せてきました。
もちろん、使う人も買い物に来る人も、豊洲市場は初めてのことなので、開場当初から全てうまくいくはずはありません。だからこそ、今まず行うべきは、豊洲市場の円滑な運営、使い勝手の向上、その支援をしっかり行っていくこと。
私たちも、これまで市場関係者の皆様とさまざまな意見交換を行ってきましたが、それらの意見を踏まえまして、市場の改善を地道に積み上げていくことが重要と考えます。
さらに、社会的背景、情勢が変わり、来年の六月には卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の改正法が全面施行される中で、中央卸売市場、そしてその事業者の皆様の活性化を支援することは大切です。
我が会派、都民ファーストの会は、これまでと変わらず、日々の業務に真剣に取り組んでおられる皆様に寄り添い、課題解決に向けて、地道に着実にしっかりと応援していきます。
それではまずは、豊洲市場をしっかりと運営していくことに関する質疑に入ります。
豊洲市場の取引を活性化するためには、何といっても買い出し人を呼び込むことが大切です。築地に比べて、豊洲へのアクセスが悪いという指摘が現場では多くあるようです。
では、豊洲市場に移転することによって、当初懸念されていた混雑など、環状二号線、晴海通りなど、周辺交通状況を伺います。
○鈴木技術調整担当部長 昨年十月の豊洲市場の開場初日には、通常より荷の取扱量が多かったことに加えまして、産地から来たトラックが新しい市場施設にふなれであったことなど、さまざまな要因によって場内の車両が滞留し、その影響が周辺道路に及んで交通渋滞が発生いたしましたが、市場業者の取り組みにより、荷おろしが適切に行われたことなどにより、二日目以降は、場内においても周辺道路におきましても、目立った交通渋滞は発生しておりません。
また、先行利用を可能といたしました環状第二号線が十分に活用されるよう、環状第二号線の利用誘導を行うなどの取り組みを実施いたしました。
加えまして、市場開場後、約三週間後の十一月四日には、新たに築地と豊洲を結ぶ環状第二号線暫定迂回道路が開通したことで、豊洲市場と汐留、銀座方面を直接結ぶ道路ルートが確保されたところでございます。
市場事業者の努力による新しい市場への習熟が図られたことや、関係各機関と連携した取り組みが進められたことにより、現在、晴海通りや市場周辺道路におきまして、円滑な交通は確保された状態でございます。
○白戸委員 環状二号線による円滑な交通は確保されているということでした。
そうであるならば、このように考えます。これまで積み重ねてきた歴史から、築地地区には多くの取引関係者が今もおられます。こうした方々が豊洲市場に来やすいように、環状二号線を利用したシャトルバスなど、交通アクセスを向上させる方策について、ぜひ検討すべきではないか。都の見解を伺います。
○影山豊洲市場事業連携担当部長 市場を取り巻く環境が大きく変化している中で、豊洲市場の活性化を図るためには、多くの取引関係者に来場していただくことが重要であり、都はこれまで、豊洲市場への交通アクセスの向上に努めてまいりました。
築地地区には、旧築地市場に買い出しに来ていた取引関係者が多く存在しておりまして、こうした買い出し人の方々を呼び込むことは、豊洲市場の活性化に資するものと認識しております。
このため、現在試行的に豊洲市場内を循環している買い回りバスについて、来年度は、築地地区と豊洲市場間のシャトルバスとしても運行するなど経路を拡大する方向であり、今後、ご指摘の環状第二号線の利用を含めまして、ルートの設定や運行方法などについて、業界団体等との調整を行いながら詳細な検討を進めてまいります。
こうした取り組みによりまして、取引関係者の利便性のさらなる向上を図り、豊洲市場の活性化を目指してまいります。
○白戸委員 ありがとうございます。ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
続いては、駐車場対策です。
場所柄、豊洲で働く方、また、買い出しの方々からは、そもそも駐車場が足りていないという声は当初から上がっておりました。
我が会派も、通勤の方、そして買い出しの方々など、駐車場不足に対して真摯に取り組んでいくことを考えてきましたが、都の取り組みについて伺います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 豊洲市場では、築地市場の駐車場台数よりも多い約五千百台の駐車場を整備しております。
一方で、業界団体からの要望を踏まえまして、築地市場周辺や豊洲市場周辺エリアで駐車場候補地の選定を行うなど、さまざまな方策を検討した上で、駐車場の確保に努めてまいりました。
その結果、開場時には、市場周辺の用地を確保し、約二百二十台分の駐車場を用意するとともに、開場後の混乱を避けるための暫定的な措置として、関係者が一時的に利用可能な駐車場を年度末まで約二百五十台程度確保しております。
このほか、既存の駐車場約五千百台のうち、約二百四十台分を時間貸し駐車場とし、より多くの車両の駐車を可能としております。
○白戸委員 都が、駐車場について取り組んできていただいていることはよくわかりました。
そして、今、答弁にもあったとおり、懸念されているのは、六街区の千客万来施設用地の二百五十台、この年度末、三月末で終了してしまい、駐車場不足がまた進んでしまうということでもあります。
この六街区の千客万来施設用地の駐車場が使えなくなるに当たり、必要に応じて外周道路の路側帯を活用するなど、さまざまな方法を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 千客万来施設用地は、開場後の混乱を避けるための暫定的な措置として、年度末までの間、一時的に利用可能な駐車場を確保したものであり、都はこれまで、利用期間経過後の対応につきまして、業界団体との調整を進めてまいりました。
この駐車場を利用している車両の四月以降の駐車場所につきましては、業界団体とも調整の上、豊洲市場において使用している駐車場や場内のスペースを有効に活用することで確保できる見込みでございます。
具体的には、現在の駐車場の利用状況等を踏まえた上で、時間帯などによって比較的余裕のある駐車スペースを有効に活用するほか、街区間での融通を図ることとしております。
お話の外周道路の路側帯につきましては、外周道路の交通や市場業務への影響などを十分に考慮した上で、業界との調整も行い、部分的に活用することとしております。
○白戸委員 ぜひ、この駐車場問題に関しましては、非常にたくさんの要望が出ております。街区間の調整も含めまして、しっかりと汗をかいていただきたいと思います。
また、今後は、五街区の千客万来施設用地に立体駐車場も予定されております。
そこで、その使用開始時期と想定台数を伺うとともに、ぜひとも事業者の万葉倶楽部とともに協議しまして、施設のオフピーク時の時間帯には、市場関係者などが柔軟に利用できるようにすべきであると思いますが、見解を伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設用地、五街区の立体駐車場でございますけれども、本年十二月に完成し、来年一月から使用が開始されることとしてございまして、その駐車台数は約四百六十台の規模を予定しているところでございます。
この立体駐車場につきましては、東京二〇二〇大会後に整備される千客万来施設用の駐車場でございますけれども、にぎわいイベントや市場関係者の用にも供するなど、地域貢献の観点も含めて整備されるものでございます。
事業者である万葉倶楽部におきましては、市場関係者などの利用についても協力する意向を示しているところでございまして、都といたしましても、市場関係者などが必要な時間帯に利用できるよう、万葉倶楽部と具体的な調整を行ってまいります。
○白戸委員 四百六十台ということで、非常に心強いんですが、これがうまく活用されるように調整をお願いしたいと思います。
なお、このほか交通関連におきましては、市場関係者の要望を受けまして、タクシーの乗降場の設置、さらには、駐車場については高架下の空きスペースの活用、さらに七街区における立体駐車場新設などについても、ぜひ今後検討を進めていただくよう要望しておきます。
続いては、場内の課題です。
場内において、二人乗り、速度超過、違法駐車、駐輪、そして通路への積み荷など、ルール違反といわれるものがあるようですが、どの程度ルールが徹底されているのか。最近起きているトラブルを検証するとともに、安全性の観点から、このルールをやはり徹底すべきだと考えますが、その取り組みを伺います。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 豊洲市場を安全かつ適正に運営するためには、業界と調整して策定した駐車や、場内交通などに関するさまざまなルールを守っていただくことが重要でございます。
このため、都は、開場後の状況を踏まえまして、市場業者に対して各種ルールの遵守を求めてまいりました。
具体的には、都と市場業界等で構成される委員会におきましてルールの遵守を周知するほか、駐車禁止、制限速度などの表示を充実させております。
また、場内の重点パトロールや、業界と連携した合同巡回指導を実施いたしまして、交通ルールの遵守や施設の適正利用の徹底を図っておりまして、こうした取り組みにより、着実に改善されてきております。
都としては、業界と連携した取り組みを今後も継続的に実施いたしまして、ルールに則した適正な施設利用を促してまいります。
○白戸委員 長年なれ親しんだ習慣を変えるということは、人間なかなか大変ではございますが、ルールは守ってもらうためにつくっておりますので、ぜひ徹底していただきたいと思います。
さて、以前から問題になっていました働く方々の食事の問題でございます。
食に関する市場で働く方々も、もちろん、日々食事をしなければ活動はできません。しかし、現在はまだまだ、仕事の合間に食事をとる施設が足りていないというのが現状でございます。
コンビニエンスストアの設置、キッチンカーの呼び込みなど柔軟に対応すべきと考えますが、見解を伺います。
○影山豊洲市場事業連携担当部長 豊洲市場には、築地市場から移転してきた三十七の事業者による飲食店舗がありますが、見学者など一般の来場者の人気が高いために非常に混雑している店も多く、市場で働く方々の食事の確保についての意見があることは、都としても把握しております。
本件につきましては、市場内における店舗区画の確保といった物理的な課題のほか、業界内における調整、周辺交通への影響や地元との調整など、さまざまな課題がある状況でございます。
現在、関連事業者の方におきましては、弁当やパンなどの販売、また、軽食の購入が可能な自動販売機の設置といった工夫ある取り組みも行われているところでございます。
都といたしましては、こうしたさまざまな課題や関連事業者の取り組み状況も踏まえつつ、現実的に対応可能な方策につきまして、業界とも意見交換を行いながら知恵を絞ってまいります。
○白戸委員 どんなにおいしいものを取り扱っていても、それも人間は食べていかなければ生きていけないということです。食に対する課題は本当に切実だと思っていますので、空間などの物理的な課題、こういうものもあるとは思いますが、ぜひとも知恵を絞っていただけるよう要望しておきます。
そして、多くの仲卸事務所が入っています六街区棟の振動について、我々、我が会派は、かねがね改善は求めてきました。
その後の対策、そして今後の取り組みを伺います。
○渡辺施設担当部長 豊洲市場の主要な施設は、耐震性を合理的に確保するなどの観点から、一般の大規模建築物と同様に、幾つかの構造体をエキスパンションジョイントでつなぐ方式を用いております。
お話の振動は、この継ぎ目にある段差の部分をターレが速い速度で通過する際に生じるものと考えており、職員が現場を確認した上で必要な対策を講じております。
具体的には、当該箇所を通行する際に、制限速度の遵守が徹底されるよう、制限速度の掲示や路面の着色などサインの充実を行ったところでございます。
また、通行量の多い時間帯には、当該箇所におきまして、警備員による徐行の誘導も実施しており、今後とも、業界の意見を聞きながら丁寧な対応に努めてまいります。
○白戸委員 この振動の問題に関しては、我々も現場を見させていただきましたが、ある程度の振動がやっぱりあるんだということを理解するとともに、この中でずっと生活をする、ずっと仕事をしている方は、やはりかなり精神的な苦痛を感じているとおっしゃるような事業者の方もいらっしゃるのが現状でございます。
通行量の多い時間帯に、六時から八時ぐらいというのは、今、警備員がいらっしゃるということなんですが、やはり九時、十時、逆にいうと、通行量が減ってくると速度超過のターレやトラックが出てきているようです。
ぜひ、一時停止をさせるとか、カメラをつけて違反車を掲示するとかいうような、恒常的なさらなる施策を検討していただくよう要望しておきます。
そして、円滑な物流の阻害要因として指摘してきましたのが、荷さばき、荷置きのスペース不足でございます。
卸から仲卸に荷が引き渡され、それが仲卸売り場に置かれてさばかれていく。こうした荷の流れを円滑にするためには、一時的に荷を置いたり、さばいたりのスペースが必要であり、その確保のためにさまざまな工夫が求められます。
都の取り組みを伺います。
○影山豊洲市場事業連携担当部長 これまで都は、六街区の水産仲卸売り場棟では、荷さばき場など、荷を円滑に流すために必要なスペースの使用指定等を行ってきたところでございます。
一方で、業界団体さんからは、さらなるスペースの確保を求める要望が寄せられており、都は、ターレや歩行者の動線に支障がないことなど物流動線や安全確保への影響を踏まえながら、荷置き場としての活用が見込めるスペースの検討を進めてきております。
現在、業界団体と新たな荷置き場の候補となるエリアにつきまして具体的な協議を行っているところであり、引き続き、円滑な業務運営ができるよう調整を進めてまいります。
○白戸委員 まさに、この物流動線と安全確保の両立のもと、違法に荷置きをするのではなく、きちんと使用指定を行い、それを厳守することで円滑な物流が実現できるように、仲卸側のスペース、そして卸側のスペースとともに、調整、取り組みを進めていただきたいと思います。
事業者から、以前より、市場の一般消費者への開放について求められていますが、地域に愛される豊洲市場としては、非常に大切な取り組みになると考えております。実際に、ほかの中央卸売市場では取り組まれてもおります。
豊洲市場において、事業者から求められています市場の開放について、取り組みを伺います。
○影山豊洲市場事業連携担当部長 豊洲市場では、地域におけるにぎわいの創出をその基本理念の一つとして掲げており、都では、地域の皆様に親しまれる市場の実現を目指しております。
市場まつりや市場開放デーといった形で広く一般の方々を市場内に受け入れることは、豊洲市場を体感することのできる貴重な機会となり、また、卸売市場と生鮮食料品に対する理解を深めていただくとともに、食生活の向上や食育の普及などに資するという観点からも、有意義な取り組みであると認識しているところでございます。
市場を広く開放する取り組みを実施する際には、市場内における品質、衛生管理の確保や、入場する一般のお客様の安全確保、地元関係者との調整など、さまざまな観点から課題を整理する必要があります。
現在、こうした課題に関する内部検討を進めている状況でありまして、今後の対応の方向性を整理した上で、業界団体や地元関係者等との調整を進めてまいります。
地元住民を初め、多くの方々に豊洲市場のよさを感じていただき、地域の誇りとなる市場として育ててまいります。
○白戸委員 本来の業務に支障が出ては意味がありませんけれども、せっかくあれだけの市場、やはり子供から大人まで、初めて見ると必ず、あの市場の規模、迫力に引かれるところがあると思いますので、進めていただきたいというふうに考えます。
続きまして、六街区にあります加工パッケージ棟は、加工、小分け需要に対応した施設であり、今後非常に期待される分野でもあります。
その加工パッケージ棟の出入り口において、警備員が不在で、フードディフェンスの観点からも対応すべきだという声も上がっています。
品質、衛生管理を向上させる観点からも、真摯な対応が必要だと考えますが、都の見解を伺います。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 加工パッケージ棟は、卸売市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、加工パッケージ、商品の仕分け、一時保管など、消費者ニーズの変化に伴う多様な顧客ニーズに的確に対応するために整備されたものでございます。
その機能を十分に発揮する上では、品質、衛生管理をしっかりと確保することが重要でございまして、このため、都は、加工室の衛生エリアと通路との間に、じんあい等による食品への影響を防ぐためのシートシャッターを整備するといった取り組みを行ってまいりました。
また、加工業者におきましても、みずからの加工施設内にカメラを設置するといった取り組みも行われておりまして、都と業界が連携して、品質、衛生管理の確保に努めているところでございます。
出入り口付近におけるセキュリティーの確保を図るためには、ランニングコストや既存のシステムとの整合などについて検討する必要がございまして、こうした課題の検討を進めつつ、業界団体とも丁寧な意見交換を行いながら、今後の対応に関する調整をしっかりと進めてまいります。
○白戸委員 行き交う車両に対しての安全確保、そして事故防止の観点からも、棟内の共用部分、個別部分は皆さんそれぞれで努力されていますが、共用部分においての防犯カメラの設置などを求められています。
加工業者の皆様との、ぜひとも丁寧な意見交換を進めていただきまして、円滑な運営に向けて取り組んでいただきたいと思います。
続いて、六街区における桟橋について伺います。
築地市場時代から、東京内湾の漁業者が、まさに江戸前の魚の荷揚げを行ってきました。豊洲市場においても、同じく桟橋は、内湾の漁業者が荷揚げをする、築地と変わらず重要な意味、意義を持った場所であり、その整備や使用の手続においては丁寧に事業者の声を聞くべきと考えますが、取り組みを伺います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 東京内湾の漁業者からは、豊洲市場の設計段階からさまざまな要望が寄せられており、適宜意見交換をしながら桟橋の整備を行ってまいりました。
整備後も、現場確認をしながら追加の整備についてのご要望をいただくとともに、出入り口の管理、運用や売り場への搬入、運搬方法などについて意見交換をしてきており、都としても、事業者の意見を踏まえ、必要な解決策を提示するなど丁寧に対応してまいりました。
お話の手続に関する点も含めて、今後も引き続き、事業者が円滑に業務運営できるよう丁寧に声を聞いてまいります。
○白戸委員 続きまして、中央卸売市場の活性化について伺います。
流通業の変化が進み、中央卸売市場を経由する生鮮食品の比率は年々低下しております。輸入品や直接取引が増加したためではありますが、こうした時代背景を反映する形で、今般、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の改正法の全面施行を迎えます。
改正法で期待されているビジネスモデルとして、輸出促進、産地直送、市場間ネットワークがあります。
都は現在、十一の中央卸売市場があり、今後は、健全な市場会計を確保しつつ各市場が競争力の強化に向けた取り組みをするよう、スピード感を持って推進していく必要があります。
こうした状況を前に、今、市場業者の中にも、競争力の強化に向けて、さまざまな形で経営革新や新たな取り組みを行う機運が生じています。
そうした現状を踏まえまして、豊洲以外の市場においても、幅広く、先駆的な事業者の取り組みに対して支援する新たな取り組みを行っていくべきだということを、都民ファーストの会としても、再三求めてまいりました。
その結果、平成三十一年度予算案の中には、新たに中央卸売市場活性化支援事業が盛り込まれました。
十三日に開かれました予算特別委員会においても、我が会派の質問において、やる気のある事業者への積極的支援、事業者のニーズをできる限り丁寧に酌み取っていく運用について提言し、それらを徹底していく旨の答弁がありました。
つけ加えるならば、これまで市場に対する支援は、豊洲もしくは築地市場に集中していましたが、それ以外にも、眠っている潜在力を呼び起こすことも大切です。無論、豊洲における活用を排除するわけではありませんが、ことしの二月一日に小池知事が三十年ぶりに知事として視察されました日本一の青果、花き市場である大田市場など、これまでスポットライトが余り当たってこなかった市場においても活用されてこそ、初めての成功と考えます。
豊洲からだけではなく、大田など他の市場からも要望が上がっており、しっかりと力を入れていくべきと考えますが、取り組みを伺います。
○赤木移転支援担当部長 中央卸売市場活性化支援事業は、市場を取り巻く環境の変化や、大幅な規制緩和を盛り込んだ卸売市場法の改正を控えまして、卸売市場の活性化が重要となっている中、豊洲市場や大田市場を初めとした全ての中央卸売市場におきまして、市場事業者が行う意欲的な取り組みなどに対し、来年度から新たに支援を行うものでございます。
事業の開始に当たりましては、市場業者のニーズを的確に制度に反映させ、本補助事業を有効に活用いただくことが重要でございますため、全十一市場の業界団体と事前に意見交換を行っているところでございます。
業界団体からは、個別事業者のニーズとしまして、海外輸出や国内での販路拡大、ICTを活用した業務の改革などが挙げられており、活性化に向けたさまざまな取り組みへの支援に期待が寄せられております。
また、本補助事業を有効に活用するため、事業の内容や趣旨について具体的に情報提供してほしいとの要望もございますため、わかりやすいリーフレットの作成や、制度に関する相談に丁寧に対応するなど、制度の利用促進に向けた対応を行ってまいります。
○白戸委員 補助事業に関しましては、かねがね我々の提言が踏まえられているとは思いますが、もし対象事業一覧に載っている範疇で終わってしまうのであれば、なかなか先駆的な取り組みは生まれにくいと思います。当事業の趣旨を踏まえ、事業者のニーズをできる限り丁寧に酌み取っていくべきということは、予算特別委員会でも述べられたとおりです。
ぜひ、補助対象事業では、補助の対象、範囲など柔軟に対応すべきかと。そして、具体的にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○赤木移転支援担当部長 中央卸売市場活性化支援事業では、市場業者の幅広い取り組みを後押しし、活性化の機運を高めるため、可能な限り、取り組みへのニーズを加味した制度設計を進めております。
具体的には、補助対象者につきまして、業界団体に加えて個々の卸売業者や仲卸業者、事業者間のグループも対象にするなど、卸売市場の活性化を担うさまざまな主体による取り組みについて支援を行うこととしております。
また、補助対象経費につきましては、ソフト面だけでなく、市場業者から要望の強い設備や機器の購入につきましても、事業目的の達成に必要なものは対象に加えるなど、市場業者の意欲的な取り組みを幅広く後押しすることとしております。
補助対象事業の認定の際には、市場業者から事業計画の提出を受けまして、事業の新規性、将来性や波及効果、事業者の意欲など、さまざまな観点からの審査を行うことで、適格性を確保しながらバランスのとれた制度運用に努めまして、市場の活性化につなげてまいります。
○白戸委員 事業者や組合ごとに加えまして、各中央卸売市場ごとに、市場全体に向けての施設、そして制度の整備などの支援も極めて重要だと考えます。
例えば、海外輸出に向けては、輸出環境の整備、販路の開拓、商流構築、そして共同輸出など、さまざまな課題があり、輸出手続のワンストップ化、水産物のトレーサビリティーなど、今後取り組みたい方向性は、業界内でも現在検討されています。
この加工、小分け需要などのニーズに加えまして、海外輸出のような新たな取り組みに対してもしっかりと支援すべきだと考えますが、見解を伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場は、集荷、分荷、価格形成などの基本的な機能に加えまして、産地や量販店、小売店など、さまざまなニーズに対応していくことが求められるところでございます。
これらに対応していくためには、各市場ごとの立地特性、それぞれの特性を生かした機能を強化し、活性化に取り組んでいく必要がございます。
各市場ごとの特性の一例といたしまして、大田市場は、羽田空港や東京港に近接しているという立地環境を生かしまして、特に青果部におきましては取扱数量を伸ばしているという状況がございます。
これまで、活性化への取り組みといたしまして、品質管理の高度化や加工パッケージ施設の整備のほか、ビジネスマッチングの商談会などに取り組む市場業者に対し、支援を行ってまいりました。
これらに加えまして、新たに取り組むべき輸出による販路拡大という課題につきましては、輸出に際し必要な証明書の発行など、さまざまな手続の煩雑さを解消するための取り組みや、市場内における品質、衛生対策の徹底などの課題があるところでございます。
今後、輸出などによる販路拡大に関する勉強会の開催などにより、事業者と連携して、活性化に向け取り組んでまいります。
○白戸委員 IoTやAIの導入、そして流通の変革などで、市場だけでなく全ての事業において大きな変化の波が現在訪れています。
都民の食を守るために、現状と未来を分析し、変更ではなく進化していく市場にしていくべく、これからも事業者の皆様と取り組んでいくことをお誓いし、質問を終わります。
○うすい委員 旧築地市場の解体工事におけるアスベスト処理に関して質問をさせていただきたいと思います。
先日、旧築地市場の解体工事におけるアスベスト処理についてプレス発表があり、また、ホームページ上においても進捗状況が報告されたわけでありますが、昨年十二月からアスベスト処理に取りかかり始め、施工対象の四十カ所のうち二十カ所で処理が完了したとのことであります。
旧築地市場においては、アスベストを含んだ建材を使った建物が数多くあるようですが、随分と工事が進捗しているようにも感じます。
アスベストについては、何といっても近隣の住民の方々にとってはとても関心が高い内容でありますから、工事の説明会でも多くの質問が寄せられたと聞いております。アスベストの特色として、飛散しやすく、また、目に見えないため、アスベストに不安をお持ちになるのはもっともだと思うわけであります。
今回の質疑をかりまして、旧築地市場におけるアスベスト処理の取り組みの状況について確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、アスベストは、鉄骨の柱やはりに直接吹きつけられているものや、成形された板に含まれているものなど、さまざまであります。
そこで、初めに、旧築地市場には、どのような状態のアスベストがどこにあるのかをお伺いいたします。
○渡辺施設担当部長 旧築地市場の解体対象の百五十五棟のうち七十二棟にアスベスト含有建材が使用されております。
アスベストは、飛散性の高いものから順に、レベル一、二、三に分類されており、例えば、レベル一は水産物立体駐車場のはりなどの吹きつけ材で使用されており、レベル二は水産物部第三卸売り場のはりの張りつけ材や低温卸売り場の冷温水管の保温材などで使用されて、レベル三は水産仲卸売り場の屋根スレートなどに使用されております。
○うすい委員 アスベストは、飛散性に応じてそれぞれレベルが分けられていて、旧築地市場のさまざまな建物に使用されていたということを確認させていただきました。
続いてですが、アスベストのレベル一から三を処理する際には、どのように飛散防止対策をとられているのかをご説明いただきたいと思います。
○渡辺施設担当部長 除去に当たりましては、各建材の特性に応じ、アスベストを飛散させないよう、それぞれ適切な方法で除去を行っております。
飛散性の高いレベル一の除去作業では、作業場ごとにプラスチックシートによる隔離養生を行い、外部と遮断しております。
レベル二のうち、張りつけ材は剝がすときにアスベストが飛散しやすいため、レベル一と同じように隔離養生を設置し、除去作業を行っております。
一方、配管の保温材に用いられているアスベストは安定しているため、アスベストが含まれている部分を破損しないように取り除いております。
飛散性が低いレベル三の成形板は、薬剤等の塗布により湿潤化した上で割れないよう重機による作業ではなく、手作業で慎重に丁寧に除去しているところでございます。
○うすい委員 アスベストのそれぞれの、飛散しやすいという、そのレベルに応じた処理対策を講じているということを、今、ご説明をいただいたわけでございます。
そこで次にですが、作業の際にアスベストが外部に漏れていないかを測定しているのは、どのレベルのアスベストなのか、また、測定はどこで行っているのか、説明をいただきます。
○渡辺施設担当部長 アスベスト濃度の測定につきまして、飛散性が高いレベル一とレベル二の一部、具体的には、隔離養生を設置する作業において実施しております。
測定地点につきましては、環境確保条例に基づき、敷地境界で--当現場では建物周囲となります、処理作業前、作業中、作業後に実施しており、作業期間が六日を超える場合には、六日ごとに一回測定を行っております。
また、条例に基づく測定以外に、飛散防止対策に万全を期すため、作業場のすぐそばの作業員の出入り口であるセキュリティーゾーン、集じん排気装置の排出口付近などでも測定を実施してございます。
さらに、作業場内部におきましても、除去作業終了後の隔離養生を撤去する前に測定を行い、浮遊するアスベストがないことを確認しております。
○うすい委員 飛散性が高いアスベストを除去する際に、隔離養生内部からのアスベストの漏えいがないことを確認するために測定を実施しているとのことでありました。
さらに、旧築地市場の現場においては、監視体制を強化するため、条例で義務づけられている建物周囲の測定に加えて、作業場のより近い場所でも測定を行っているということを理解したところでございます。
そこで、作業場近傍の測定において、一カ所アスベストが検出されたとの報告がありますけれども、測定結果を確認して、その後、都はどのような対応をしたのか、また、検出された原因の説明をいただきたいと思います。
○渡辺施設担当部長 隔離養生が必要な施工エリア二十カ所の敷地境界での測定につきましては、全て評価目安内であり、周囲に飛散していないことを確認しております。
評価目安を超えたのは、任意で実施している作業場近くで測定した一カ所でございます。
評価目安を超えた速報結果を確認した後、すぐに隔離養生の状況などを再点検いたしました。その上で、再度測定を行い、評価目安内であることを確認いたしました。
評価目安を超えるアスベストが検出された原因といたしましては、隔離養生の範囲が不十分であったため、作業に伴い検出されたものであると考えております。
全工区の受注者に対しては、作業前点検の徹底や慎重な施工について、改めて注意喚起を行うとともに、アスベストの問題に取り組む専門家による特別講習を実施したところでございます。
○うすい委員 アスベストの漏えい監視強化のために実施した地点においてアスベストが検出され、都は、その後の対応を適切に行うとともに、原因を解明したとのことであります。
今回の事象、また、こうした経験を、ぜひ今後のアスベストの処理に生かしていただくよう強く要望させていただきます。
これまでの質疑で、レベル一やレベル二の一部の飛散しやすいアスベスト含有建材を処理する際に重要な点は、的確な隔離養生の設置と、漏えいを監視するアスベスト濃度測定であると理解をしました。
そこで、アスベスト濃度測定方法について、詳しい説明をお願いいたします。
○渡辺施設担当部長 アスベスト濃度測定につきましては、敷地境界においては、処理作業前、作業中、作業後の最低三回実施しております。
作業期間が六日を超える場合には、作業中の測定を六日ごとに一回行っております。
測定に当たりましては、フィルターを通じて空気を原則四時間吸引し、試料を採取いたします。その後、専門の技術者が、フィルターに付着した微細な繊維のうち、アスベスト繊維数だけを顕微鏡を用いてカウントいたします。
こうした方法については法令等に定められておりまして、適切に対応しております。
○うすい委員 今の答弁で、法令に基づいて、空気を四時間採取するとの説明でありますけれども、近隣の住民の方から、工事は朝八時ごろから八時間程度行われており、数日間続く場合もあるわけで、そのうちのわずか四時間だけ空気を採取するのではとても不安であるとの声も聞かれるわけであります。
都は、飛散防止に万全を期すために、旧築地市場の現場では法令に規定されている以上の工夫を行っていると聞いていますが、具体的にどのような取り組みを行っているのか、説明をいただきたいと思います。
○渡辺施設担当部長 先ほどご答弁いたしました濃度測定のほか、当現場では、石綿作業主任者に加え、工事監理者、都職員が巡回する際にデジタル粉じん計を携帯し、適宜、現場の粉じん状況を確認することにより、飛散防止の強化を行っております。
また、地元区などと連携し、養生設置後の密閉状態の検査や、除去作業後にアスベストの取り残しがないかを確認する検査を実施し、アスベストの飛散防止を徹底して行っているところでございます。
○うすい委員 法令に定められたアスベストの測定に加えて、都の監督員みずから、デジタル粉じん計による監視や完了検査を実施しているということでありました。
都は、こうした取り組みをぜひとも積極的にPRしていくことが、近隣の方々の安心にもつながると考えるわけであります。
最後に、今後、近隣の方にはどのように情報提供を行っていくのか、説明を求めます。
○渡辺施設担当部長 都は、月ごとの工程表を現場の仮囲いやホームページに掲載してまいりました。この中で、これまでもアスベストの除去について、その建物や作業予定期間などをお知らせしております。
また、先週末には、アスベスト処理の方法や工事状況について、イラストや写真を用いてわかりやすく取りまとめた資料をホームページに掲載したところでございます。
今後も、丁寧かつきめ細かい情報発信を行うとともに、地元区と連携して、近隣の方々の不安解消に努めてまいります。
○うすい委員 旧築地市場のアスベスト処理について、いろいろと質疑をさせていただきました。
アスベストについては、余りなじみがなく、詳しい知識がないだけに、ただ心配になり、怖いものであると感じてしまう方もいるかと思います。ですから、今後できるだけわかりやすく情報を伝えていただく、そうした工夫が大切だと考えます。
今回の質疑を通して、旧築地市場のアスベストの処理の状況について、理解が深まったところでありますけれども、しかし、今申し上げたとおり、都は、正確な情報を積極的に幅広く提供していくことが重要であり、それが近隣の方々の安心につながっていくものと考えます。
都には、今後も適時適切にわかりやすい情報の提供を行っていただくことを求めまして、質問を終わります。
○山崎委員 私からも、質問を始めさせていただきたいと思います。多岐にわたって質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
まず初めに、市場長にちょっとお聞きをいたしたいと思います。
先日の質疑の中でも、有償所管がえのことに触れさせていただいております。市場会計から五千四百二十三億円で築地跡地を買い取った後、入った後ですね、今度は逆に。これは財務局が跡地を所管することとなるという答弁が、たしか財務局長からありました。
今後、この築地の跡地はいつから財務局の所管になるのか、市場長、教えてください。
○村松中央卸売市場長 現在、財産の引き継ぎにつきましては財務局の方とも調整中でございますので、確定していつということは現時点で決まっておりません。
○山崎委員 私の認識では、先日の中途議決の中でもう変わったわけですよね。ですから、もうすぐじゃないんですか、それは。調整中なんですか。
○村松中央卸売市場長 今年度の最終補正での--お金の流れは今年度の最終補正です。お金自体は、この三月いっぱいまでに、市場会計に一般会計から入ります。
ただ、土地の引き渡しについては、これも議会でご答弁させていただいているんですけれども、オリンピック・パラリンピック開催後の二〇二〇年以降、建物とか工作物の撤去が終わった後、土地の引き継ぎをする予定でございまして、その時期については、まだ確定してございません。
○山崎委員 今の答弁を聞くと、オリ・パラ後だと。お金はもう移っているのに、その土地の所管はオリ・パラ後で、この間、オリ・パラまでの、あと五百日切っていますけれども、じゃあどこになるんですか、土地の所管は。
○村松中央卸売市場長 財務局への土地の引き継ぎまでは市場当局の方で、解体工事等もやっておりますので、市場当局の方で所管しております。
○山崎委員 今、市場当局で所管するといいながらも、その前にはオリ・パラ後という話もあったんですけど、ちょっと整合性が前後でとれないんですけれど、余りこの話をしていてもかみ合わないんだったらやめますけれど、市場長、どうですか。
○猪口財政調整担当部長 今年度中に、財務局及び都市整備局、三局で、有償所管がえに関する覚書を締結する予定でございます。それを受けまして、先ほどご答弁したように、一般会計から市場会計に有償所管がえのお金が入ってくる形になります。
ただ、土地の引き継ぎ、引き渡しにつきましては、建物、上物の解体工事等々が終わった後という形になっておりますので、それが終わるのがオリンピック後という形でございますので、そのときに改めて土地の引き渡しをする予定でございます。
○山崎委員 そうなると、いろいろと素案の中に、ゼロ、一、二、三とゾーンがありますよね。これからその埋文の調査だとか土対の調査だとかが始まっていきますけれど、じゃ、それはどこがやるんですか。改めて、ちょっと教えてください。
要するに、土地の所管が決まっていないのに、引き継ぎも何も終わっていないのに、どこがやるのか教えてください。
○猪口財政調整担当部長 土地の管理については、引き渡しまでは市場当局が行います。
土壌汚染調査、それから埋蔵文化財調査につきましては、費用につきましては市場会計のお金で行いますが、それの主体、どこがやるかについては、土地の引き渡し後、その土地の利用だとか、そういうことを加味して、主体をどこにやるかについては今後検討してまいります。
○山崎委員 今の答弁を聞いて、ちょっとおかしいなと思うんですけれど、要は、土地は市場当局が持っていないわけですよね。ある意味、財務局ですよね。
それにもかかわらず、埋文と土対の工事、調査、これは市場当局でやるって、この間答弁していませんか。おかしいだろうよ。
○猪口財政調整担当部長 土地の引き継ぎ、いわゆる引き渡しにつきましては、市場当局が、土地の引き渡し条件の中に上物の整理という--解体ですね、条項がございます。
ですから、上物を解体した後に、土地の引き渡しを一般会計にするという形でございます。
○山崎委員 だから、答えていないんですけれど、埋文と土対はどこがやるかを教えてくださいよ。
○猪口財政調整担当部長 埋蔵文化財調査だとか土壌汚染調査につきましては、土地の引き渡しをした段階で、その後にどのような、例えば開発状況になるのかということがございます。
原則としては、費用の負担は市場会計が行いますけれども、例えば、その後すぐ開発に入る場合に、費用負担及び主体として市場当局が行うのが効率的なのか、それとも開発主体が行うのが効率的なのかということは、そのときの状況によってまた変わってきますので、主体につきましては、そのときの開発状況だとか、その後の利用状況を考慮して決めていくという形でございます。
○山崎委員 じゃ、費用負担は市場ということは決まっている。だけれど、埋文と土対の調査、これ、市場がやるというのは決まっていないということでいいですか、今は。
○猪口財政調整担当部長 今の段階では市場当局が行うとは決まっておりませんで、今後、関係当局と検討、調整してまいります。
○山崎委員 じゃ、それはいつわかるんですか。
○猪口財政調整担当部長 まず、土地の引き渡しを行うために、先ほど申し上げましたとおり上物の解体をしなければなりませんので、それについて今、鋭意やっているところでございます。
それと並行して、築地の再開発の状況だとかの検討が進んできた段階で、その主体が、どこが効率的なのかというのは調整してまいります。
○山崎委員 じゃ、オリ・パラが終わるまでは、埋文の調査も、もちろん土対の調査も行わないということで、そういう認識でよろしいですか。
○猪口財政調整担当部長 オリ・パラで使わない部分、あるいはオリ・パラまでに建物を壊さない、解体工事に入らない部分等がございます。そういうところにつきましての埋文調査等については、来年度の予算が市場当局の方に予算化されております。
○山崎委員 済みません、それはどこですか、場所。具体的にいってください。
○猪口財政調整担当部長 今のところの予定でございますけれども、厚生会館はオリンピックで使いますので、解体工事にまだ入らないということがございます。厚生会館は壊せませんので、そこのところは調査できませんけれども、その周りを想定しているというふうに聞いております。
○山崎委員 今の答弁、やりとりを聞いても、正直、計画性が全くないんですね。
オリ・パラで使った後で、使わないところは今から周辺はやる。そういうお話をされておりますけれど、こんなような計画でよろしいんですかね。私にはちょっと理解できないですね、その辺は。
今後、また聞いていきたいと思いますので、次の質問に移りたいと思います。
さて、築地の跡地のまちづくりの財源のスキーム、東京都にとっても非常に重い意味を持つと思っておりますが、三月十三日の予算特別委員会で、我が党の川松議員の質問に対して、今回、築地の跡地を一般会計に所管した、いわば売り主である市場会計のあり方について、中央卸売市場、都市整備局と財務局と三局で、三回にわたって、ある党の勉強会を開催したという答弁がありました。
その前には、もちろん、一定の代表質問の前には、朝日新聞の、都の十一の中央卸売市場、赤字改善へ経営計画と民営化、統合も含め検討という、こういう記事も出ましたよね。
それと、先日、産経新聞が、市場民営化、都が言及、こういった見出しがあって、こういうものがございました。
市場長、まずお聞きをしたいんですけれど、まず、この朝日新聞の記事、これを見て、誤報ですか、どうですか。お答えください。
○村松中央卸売市場長 まず、二月二十六日の代表質問の際にご答弁させていただきましたけれども、その答弁が全てというか、事実関係としてはそうなんですけれども、そのときの答弁で、現時点で十一市場の民営化や経営統合の具体的な検討を進めている事実はない旨、答弁をさせていただいていますので、それが私どもの基本的な、何というんですか、現在の立場でございます。
○山崎委員 それ、うちの代表質問だったですよね。最後の質問で入って、市場長は確かに、現時点で十一市場の民営化、経営統合については、具体的な検討を進めている事実はございませんと、こう答えておりました。
しかし、都民ファーストとの勉強会の中で、これは産経新聞になりますよね、この間の、先日の。この記事、市場長は読みましたよね。読みましたよね、そうですよね。
じゃ、その前に、まず都民ファーストの会と皆さん、この間、財務局長が答弁していました。財務局、市場、そして都市整備局、この三局が入って勉強会をやられたことは、市場長はご存じでしたか。教えてください。
○村松中央卸売市場長 承知しております。
○山崎委員 じゃ、その承知をしたのはいつですか。前もって知っていたんですか。それとも、いつこのことは知ったんですか。
○村松中央卸売市場長 それぞれ、打ち合わせの概略については、担当から報告を受けておりました。
○山崎委員 報告を受けたというお話ですけれど、まず、勉強会をやる前にもう知っていたというご理解でよろしいですか。勉強会をやる前に、もう市場長は知っていたというご理解でよろしいですか。
○村松中央卸売市場長 それは、私はその勉強会の、三回あったということですが、それぞれ終わった段階で、こういうことがありましたという報告は受けております。
○山崎委員 終わった後に、そういう報告があったと。一回ずつ、三回やられた中で、終わった後に報告があったということですね。
じゃ、お聞きしますけれど、そこの勉強会の中で、市場民営化という、こういう議論は行われていたのか。その経緯、どのようなことが議論されたのか。その内容を、市場長、教えてください。報告があったわけですから。
○村松中央卸売市場長 意見交換会では、特定の会派との意見交換会ですので、その内容をつまびらかにするといったことについて、それについては答弁を差し控えさせていただきますけれども、私が聞いているのは、当局として、いろいろ、これから市場法も変わるし、いろんな環境変化の中で、市場の活性化に取り組むために、さまざまな民間の経営手法も含めて、経営改善に取り組む必要があるというようなお話をさせていただいたと。
また、使った材料については、これは予算特別委員会のときに、私、答弁しておりますけれども、市場のあり方戦略本部の中で、いろいろ、もうオープンになっている資料も含めて、意見交換の材料としてお示ししているというような報告は受けております。
○山崎委員 今、市場のあり方戦略本部というお話がありましたけれど、もう市場のあり方戦略本部なんていう会議体は、今ないわけですよね。あるんですか。どうぞ。
○村松中央卸売市場長 正式な手続で廃止したわけではありませんで、会議体としてはあることはありますけれども、二十九年の四月から四回、あり方戦略本部がありまして、それ以降については、今、開催されておりません。そういった状況でございます。
○山崎委員 じゃ、その勉強会という名のもとのお話でございますけれど、三局で出ましたよね。
その勉強会に臨むに当たって、この市場と都市整備と財務、三局でいろいろと打ち合わせされたんですか、臨む前に。当然されていますよね。
○吉村企画担当部長 三回の勉強会ですけれども、一月二十三日にやりました市場移転に関します関係局長会議におきまして、築地のまちづくり方針の素案であるとか、それから築地市場跡地の有償所管がえ、それとあわせまして経営計画策定について議論をまとめたところでございまして、その内容につきまして説明をさせていただきまして、意見交換をさせていただいたものでございます。
それぞれ、関係局長会議の資料であるとか必要な資料をそろえて、三局で説明をさせていただいたところでございます。
○山崎委員 ちょっと今のはわからないんですけれど、三局でどういうふうにその勉強会に臨むとか、どういう対応をしていったらいいとか、そういう話は三局でされていませんか、吉村部長。
○吉村企画担当部長 今申し上げましたとおり、築地のまちづくり方針の素案、それから築地市場跡地の有償所管がえの方針であるとか、それから経営計画の策定に向けてのご説明でございますので、それぞれの所管に基づきまして資料を用意いたしましたし、じゃ、こういう資料で説明しようという打ち合わせは、させていただいております。
○山崎委員 じゃ、吉村部長にお聞きします。民営化の話、これはどういう形でお話が出ているのか。今の市場当局の、皆さんが認識をしている民営化というもの、どう捉えているのか教えてください。
○吉村企画担当部長 意見交換会では、先日、二月二十六日の本会議代表質問で都民ファーストの会さんとやりとりがあったとおり、都民ファーストの会さんからは、抜本的な経営の見直しに向けた検討を求めるということで、将来的には民営化も視野に入れた検討がということのご指摘がございました。
当方からは、外部有識者の知見を最大限に活用し、経営の合理化、民間経営手法の導入など、さまざまな観点から検討を進める旨、発言してございます。
市場当局における見解でございますけれども、これは代表質問であるとか予算特別委員会等でもご答弁がございますけれども、卸売市場が今後とも基幹的インフラとしての役割を果たしていくために、戦略的な経営と強固な財務体質の確保に向けた長期的な視点に立って経営計画を策定していくと。
策定に向けた検討に当たっては、民営化自体を目的とするものではなく、卸売市場法改正などの環境変化を踏まえた上で、いかにして市場の活性化を図るかという観点から考えていくことが重要であると。
その上で、市場の現状を真摯に検証し、経営の合理化や民間経営手法など、幅広い視点からの検討を進めていくこととしてございます。
○山崎委員 ほかの会派の質問でありますから、私も触れるのはどうするかなと思っていたんですけれど、ただ、将来的に民営化という、そういう質問をされていたわけですよね。
本当に将来的に民営化ということを、こういう質問をするに当たっての市場当局の捉え方は、どうお思いですか。将来的に民営化ということも視野に入れながら、これから市場当局は検討していくんですか。どうぞ。
○村松中央卸売市場長 卸売市場が、今、担当部長の方からも答弁がありましたけれども、社会的なインフラ、基幹的なインフラ、こうした役割をこれからも果たしていく、そういった中で、さまざまな活性化に向けた取り組みをしていかなきゃいけないと考えております。
まずは、市場の活性化にどう取り組んでいくか。これから卸売市場法も変わります。かなり、場合によっては、その後、条例改正がありますけれども、そのたてつけによっては大きく、新しい取引も始まる可能性も出てきます。
そうした中で、これから活性化に向けて、具体的にどういうことを業界と連携しながらやっていくのか。まず、その活性化に向けた取り組みがあって、その後、活性化に向けた取り組みを効果的に進めるためには、どういう運営のあり方がいいのか、そういうステップの話になっていくのではなかろうかと今のところは考えております。
したがいまして、私どもは、まず市場の活性化をどうしていくのか、その話をまず議論するのが先決ではなかろうかと考えているところでございます。
○山崎委員 朝日新聞、また、産経の記事、都民ファーストさんの代表質問、先日の討論とか、いろんなさまざまな機会があったと思いますよ。
そういうことがあった後に、市場の関係団体、代表者の人だとか、要は業界の皆さんから、どういう意見が当局に届けられたか細かく教えてください。
○猪口財政調整担当部長 やはり民営化ということに関しては、かなり不安に思うというか、危惧するというか、そういう意見が非常に多く寄せられているところでございます。
○山崎委員 具体的にもっと教えてもらいたいんですけれど、猪口さんだけが聞いていたわけじゃないと思いますよ。ここにいらっしゃる各部長、多分聞いている人はほかにもいますよね。どういう意見があったか、ちゃんと教えてくださいよ。
○福崎豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲におきましては、業界団体の一部の長ですけれども、新聞報道だけでは何ともいえないなということで、具体的な中身を知りたいというような状況の声が、幾つかございました。これを見る段階では何ともいえないねという声が、私のところには届いております。
○山崎委員 それに向けて、どういうふうにお返しをしたんですか。何ともいえないねというふうに、いわれたかもしれないけど。
○福崎豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 私からのお答えとしましては、現在、議会で議論しているところでもあり、あと、答弁にもございましたが、今後、民営化といいますか、今後の経営についての検討体になるものが立ち上がるだろうということで、その推移を見守っていって、必要に応じて情報提供しますというお話をしたところでございます。
○山崎委員 私のところに届いている業界の意見は、もっと厳しい意見でしたよ。これから市場はどうなるんですか。民営化ですか、統合ですか。
これ、豊洲の人たちだけじゃないんですよ。ほかの十の市場だって、みんな反応していますよ。やっと豊洲の市場が落ちついてきて、スタートをして--まだいろんな問題がありますよ、その問題は後から質問しますけれど、やっとほかに目が行く、そういうチャンス、それにもかかわらず、なぜこのタイミングで民営化の話だとか、そういったものが出てきてしまうのか。皆さん方のその捉え方、このタイミングが、そういう話をする本当にベストなタイミングだったんですか。
ほかの市場の関係の皆さん、十の市場の皆さん、この報道だとか、皆さん方の、議会での答弁を聞いてどう思われますか。これが寄り添うということなんですか、市場関係者に寄り添うということですか。
このタイミングがベストだったかどうか教えてください。
○村松中央卸売市場長 このタイミングとおっしゃられても、こちらとして何か発表しているわけではございません。まず、そういった事実はないです。
御党の代表質問に対する答弁でも、これが事実ですので、現時点で民営化、十一市場の民営化や経営統合の具体的な検討を進めているといった事実はないという旨もご答弁させていただいております。これも事実でございます。
また、今後、そうはいっても、一方でいろいろな環境変化もあります。また、市場会計の持続可能性の論点もあります。そうした中で、やはり民間の経営手法の導入だとか、こういったことをしながら、その検討をしながら、市場会計の持続可能性を確保していかなきゃいけない。そういったことは、我々、考えているところでございます。
ですので、何ていうんですかね、このタイミングというか、今現在、私どもで考えている立場の事実をきちんと議会でご答弁させていただいたと、そういったことでございます。
○山崎委員 議会での答弁ということはありましたけれど、じゃ、市場長はどう思われているんですか。
民営化のいろんな話だとか、答弁されていますけれど、この時期にこういう話をする。やっと築地から豊洲に移った、こういった流れの段階の中で、市場長はどのように、改めて聞きますけれど、教えてください。
○村松中央卸売市場長 今回は、有償所管がえが一つの大きな議会でのテーマにもなっておりました。その中で、市場会計、本当に持続可能性があるのかと、それが大きなテーマでございました。
そうした中において、これから経営計画というのもつくっていきますけれども、それをつくるに当たりまして、いろいろな民間の有識者の知見をいただきながら、民間経営手法も導入しながら、いろいろ経営改善を工夫して、会計の持続可能性を確保していかなきゃいけない。そういったことは、当然ながら私どもも考えておりますし、思っております。
また、民営化、経営統合の件については、それ自体を目的にしているものではないんだということを、これは知事からも、たしか予算特別委員会で答弁があったと思いますけれども、それ自体が目標ではなくて、市場の活性化を図るために何をすべきかと。
市場法も変わるので、いろいろな新しい取引も始まるかもしれないし、そういう中で、どうやったら市場を活性化できるか。それをまず考え、その後、そういった運営方法については、検討すべき課題だと今でも考えております。
○山崎委員 私は、このタイミングでこういった話が出てきてしまう。例えば、なぜ朝日だとか産経とか、こういった記事が出たのか。私には理解できないですよ。
なぜこういう記事が出たのか。いっているからでしょうよ。誤報なの、これ。そうじゃないでしょう。それなりに確信があるから、こういう記事が出ているわけじゃないですか。じゃ、なぜそういう話に--だから、こういうことが混乱になるわけですよ。市場長もわかりますよね。こういったことが混乱を招くわけですよね。ですから、私は今、質問しているんですよ。
この朝日だとか産経の記事を見て、市場長はどう思われましたか。これ、誤報ですか。さっきも聞いたけど、はっきり答えてください。そうしたら訴えてください。
○村松中央卸売市場長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、現時点で十一市場の民営化や経営統合の具体的な検討を進めているという事実は、私どもございませんので、そういったことは議会でもご答弁させていただきました。
それで、朝日新聞の記事はちょっと今手元にありませんので、何ともあれですけれども、私どもの立場としては、今申し上げたことでございます。
○山崎委員 市場長は、現段階で、現時点で十一の市場の民営化、統合、経営統合については、検討を進めている事実はないという、はっきりとお話をしている、そういう答弁ですよね。
じゃ、なぜ都民ファーストの会で、勉強会でそういう話が出てきているのか。だって、第一党、与党ですよ。知事が顧問もなさっていますよ。何でこういう意見が出てくるんですか。
市場長の考え方、市場長がいっていること、それと第一党である都民ファーストがいっていること、全く違うじゃないですか。そこが理解できないんですけれど、教えてください。
○村松中央卸売市場長 私ども、再三ご答弁させていただいていますけれども、現時点で十一市場の民営化、あるいは経営統合について、具体的にこうする、ああするというような議論をしているわけではございません。それは、具体的に都民ファーストの意見交換会でも、そのような話をしたわけではないです。
それですので、何というんでしょう、別にそのことについてそごがあるという話ではないと思っております。
○山崎委員 産経新聞の記事でこう書いてありますよ。民営化など、腹づもりとしてそのあたりまで考える、あと、抜本的な改革を進めなければならない、民営化など、腹づもりとしてそのあたりまで考えると。
こういう話も出ているのに、市場長は、事実はないっていわれるんですか。(村松中央卸売市場長発言を求む)いいですか。
○村松中央卸売市場長 今の産経新聞の記事は、その意見交換会で、これは予算特別委員会で武市財務局長から答弁ございましたけれども、財務局の職員の発言を引用しているところだと思います。
財務局の発言は、市場の将来について、その役割を果たしていくため、さまざまな観点からあらゆる可能性を探っていく、そういった思いも持っているという趣旨であると私どもは考えておりまして、私どもが先ほど、私ずっと具体的な検討は進めていないと申し上げているのは、あくまで何らかの具体的な検討を、何々市場、何々市場を民営化するとか、何々市場と何々市場を統合するとか、そういった具体的な検討を進めているわけではございませんので、私が先ほど来お話ししていることと、今産経新聞に出ている財務局の発言というのは、何ら矛盾するものじゃないと考えております。
○山崎委員 今、市場長は財務局の関係者のお話だというふうにいいましたけれど、この勉強会、市場当局の誰か出ていたわけですよね。誰が出ていたんですか。
○吉村企画担当部長 私と財政調整担当部長が出ております。
○山崎委員 じゃ、吉村部長にお聞きしますけれど、民営化など、腹づもりとしてそのあたりまで考えているってこういう話って出ましたか。吉村部長、教えてください。
○吉村企画担当部長 財務局の出席者から、意見交換会での発言はありましたけれども、市場の将来につきましてその役割を果たしていくために、さまざまな観点からあらゆる可能性を探っていくため覚悟を持っているんだと、そういう趣旨からの発言だというふうに認識しております。
正確な記録があるわけではございませんので、一言一句を申し上げることはなかなか難しいんですけれども、我々が確認しているところでは、今後、抜本的改革を進めていかなければならないということの中で、外部の知見を入れながら、将来の検討に当たっての腹づもりとして幅広く考えていく必要があるんだというような、そういう趣旨だったというふうに認識しております。
○山崎委員 じゃ、幅広くというのは、民営化などのそういったことではないということですか。吉村部長、そういう話ではなかったということですか。
○吉村企画担当部長 意見交換会の場ですので、先方とのやりとりになりますので、何といいますか、具体的にいろいろとご意見をいただく中で、幅広くしっかり検討していくんだと、そういう旨を申し上げたものだと思いますので、幅広い、あらゆる可能性を排除せずに検討していくんだと、そういう趣旨だというふうに考えています。
○山崎委員 じゃ、あらゆる可能性の中には、民営化という、そういったことも考えられるということの吉村部長の捉え方でよろしいですか。
○吉村企画担当部長 将来的な経営の持続可能性を確保していくために、さまざまな可能性を検討していくという趣旨でございます。
現在検討しているしていないということではなく、将来的にどういうことをやっていけば持続可能性が確保できるのか。抜本的な見直しを進めるために、あらゆる可能性を探っていく覚悟を持っているという思い、覚悟を発言した趣旨だと考えております。
○山崎委員 ちょっと答えていないんですよね。
これ、産経の記事をもう一回いいますよ。民営化など、腹づもりとしてそのあたりまで考えると。これは大きなことなんですよ、この発言というのは。
その場にいた吉村部長は、この発言を聞いていたら必ず覚えていると思いますよ。この発言、こういった発言があったのかないのか、それだけでいいですよ。答えてくださいよ。
○吉村企画担当部長 今後、抜本的改革を進めていかなければならないということを前提にしまして、外部の知見を入れながら、民営化といったものも軽々にいえるものではないという前提のもとで、将来の検討に当たっての腹づもりとしては幅広く考えていく必要があると、こういう趣旨だと認識しております。
○山崎委員 いろいろなやりとりがあったみたいですけれど、とりあえずきょうはこの辺にしておきますけれど、とにかく私としては、このタイミングでこういったことが出てきたことの市場当局、また財務局、都市整備局、こういったガバナンスの問題、本当にいかがなものかなと思いますよ。
本当にほかの十の市場の皆さんはどう思っているか。使用料値上げになっちゃうのかもしれないだとか、民営化になるかもしれない、統合になるかもしれない、廃止になるかもしれないって。そうなっていっちゃうんです、皆さん、思いは。やっと自分たちの番だって、待ちに待っていたにもかかわらず、これが本当の、知事がいってますよね、市場の皆さんに対して寄り添っていく、こういったことなんでしょうか。全く私には理解できません。
そういったことで、今後も、今回だけじゃありませんので、しっかりとまた皆さん方にお聞きをしていきたいと思います。
続いて、経営計画のことについて、ちょっと何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
先日も、私、お伺いをさせていただきましたが、経営計画、外部の有識者の皆さんのご意見を聞きながらということがありました。
卸売市場の審議会の中、それと、この新たな会議体、別々に設けてやっていくのか。卸売審議会の中でちゃんと経営計画もしっかりやっていくのか、また新たな会議体をつくるのかつくらないのか、それだけ教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場審議会でございますけれども、副委員長おっしゃるように、外部の財務、会計、経営などの専門の先生方がいらっしゃいます。
現時点で、別のものをつくるのか審議会でやるのかとかということを、つまり経営計画をどういった検討体で行うかということは現在決定しておりませんけれども、卸売市場審議会からは、私ども、ふだんからさまざまな角度で意見を頂戴しておりますので、審議会へのご報告であるとか先生方への相談とか、そういったこともしっかり行いまして、しっかり連携していきたいというところは、現在のところでも考えているところでございます。
○山崎委員 この経営計画の件については、先日も答弁があったように、三十二年度中に経営計画を策定していくというお話を聞きました。
要するに、私は、屋上屋にならない、何個も何個も新しい会議体をつくって、今までそういう手法で小池知事はやられてきましたけれど、しっかりとした第十一次の計画をつくるに当たって、審議会があるわけですから、この審議会は、知事が諮問して、皆さん、メンバーに集まっていただいてやっているわけですよね。
その中には、もちろん外部有識者の皆さんも入っていますよ、業界も入っていますよ、我々都議会議員も入っていますよ。ですから、この審議会をいかに活用していくか。この審議会でしっかりやっていけばいい話なんですよ、本来は。
ですから、そういったところはしっかりと踏まえていただいて、だったら、この審議会、関係ないものになってしまいますよ。整備計画だけでなくて、経営計画だってそこでしっかりとお話ができる、協議ができる場があるわけですから、運用していただきたいと思います。
その経営計画の方なんですけれど、改めてちょっとお聞きしますけれど、来年の六月、卸売市場法、これ、改正、ポイントだけでいいですから、ちょっと教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ポイントというお話でございますけれども、今回改正の卸売市場法におきましては、消費者のニーズにきちんと応えていくための、食品の流通構造を確立するために、生鮮食料品等の流通の合理化を促進していくことを目的とした改正というふうに聞いてございます。
具体的に申し上げますと、いわゆる第三者販売ですとか直荷といった、現在禁止されている取引のルール、あるいは商物一致させるというルール、こういったものについて、これらを緩和することができるという中身になっているところでございます。
もう一つ、今、卸業者さんですとか仲卸業者さんにつきましては、業務の許可制というものがございますけれども、これが廃止をされたり、あと、東京都を初めとした自治体が設置することとされております中央卸売市場の開設者につきましても、民間が行うことができるというような中身になっているところでございます。
○山崎委員 それでは、この卸売市場の改正法において、卸売市場の役割はどのように位置づけられるのか教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 改正後の卸売市場法におきましても、卸売市場が、食品等の流通において、生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしているというふうに法律上も位置づけられているというところでございます。
○山崎委員 改正後も、卸売市場の運営は、開設者と市場業界、これがやはり協力し意見を交わしながら行っていくものだと私は認識をしておりますけれど、その認識で間違いありませんか。どうですか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の中央卸売市場は、開設者である都と業界の皆さんの連携協力によって運営されてございまして、日々の取引業務もそうですし、市場のあり方、経営戦略の策定など、そういったものにつきましても、開設者である東京都と業界の皆さんが議論をし、合意をし、そういった意見を交わしながらやっているということでございます。
○山崎委員 先ほど来、質疑の中で、私もちょっと気になった点があるので確認をさせていただきたいと思いますけれど、豊洲の市場のことでございます。
ルールはしっかり守っていかなくてはならないという、もう大前提がある中、そういった中で、先ほどの答弁の中で、何か外周道路をこれから考慮して活用していく、そんなような答弁があったと思いますけれど、もう一度詳しく教えていただければと思います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 千客万来施設用地の車両の四月以降の駐車場所として、現在の駐車場の利用状況等を踏まえた上で、時間帯などによって比較的余裕のある駐車スペースを有効に活用するほか、街区間での融通、それから、今お話のありました外周道路の路側帯について、外周道路の交通や市場業務への影響などを十分に考慮した上で、業界との調整も行って、部分的に活用することとしております。
○山崎委員 市場当局として、外周道路を新たなものに使っていく。駐車場なのか何なのか、僕はわかりませんけれど、そういったことは可とするんですか。
業界の皆さんにいわれたからやるんですか。もともとのルールはどういったものだったんですか。
じゃ、この間の経緯は--教えてください、どういう経緯があってこういうふうになったか教えてください。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 業界団体の方からもご要望はいただいておりますが、私どもとしても、千客万来施設用地を三月末までに、こちらの方、駐車場としての使用は暫定的なものとして、そこで駐車場としては使用しなくなると。
その際の車の行き先としていろいろな場所を考えている中で、この外周道路の路側帯についても、使用許可を行った上で活用するというふうに考えております。
○山崎委員 二百二十台のプラスアルファでつくられた、URの土地だったと思います、二百二十台分。ここは今、現在どういう状況ですか。教えてください。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 通勤用車両の土地として、UR、有明の土地については活用しております。
○山崎委員 どのくらい埋まっているんですか。ちゃんと埋まっているんですか、二百二十台は。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 URの土地につきましても活用する余地があるということで、そこも含めて、ほかの、豊洲市場において使用している駐車場を活用して、千客万来施設用地の三月末までの使用、その後の四月以降の駐車場所について対応してまいります。
○山崎委員 いや、今現在、URの二百二十台はどうなっているんですかと聞いているだけなんですけれど、教えてください。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 UR、有明の土地でございますけれども、現在、実際の使用状況を見ていますと、六十台ぐらいという状況でございます。
そういった状況もありますので、まだこの土地についても使いますし、ほかの土地についても使いますので、あわせて活用していく予定でございます。
○山崎委員 そうですよね、六十台ぐらいですよね。そうですよね。それであるならば、まず、こういうURの土地を、東京都、市場としては提供したわけですから、まずはこういったところをちゃんと運用させなきゃいけないんですよ。
外周道路に駐車場をつくって、どういう形になるかわからないですけれど、それこそ安全面だとか、じゃ、外周道路に駐車場をどんどんどんどんつくっていった場合、どうなりますか、今の外周道路は。そういったところを、しっかりと安全面を確認した上で行わなきゃいけないことだと私は思いますよ。近いからいいという問題じゃないんですよ、こういったことは。
もちろんわかりますよね。部長、どうですか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 委員のおっしゃること、十分わかっておりまして、外周道路の活用に当たりましては、外周道路の交通とか市場業務への影響、これを十分に考慮した上で、台数そのものも、その範囲内で考えております。安全に活用できるような形で、現時点では考えております。
○山崎委員 ルールというものは一体何だったのかなと正直なところ思います。市場内のルールは一体どういうものがあったのか。
皆さん方、この外周道路を駐車場にするなんていうルール、初めからありましたか。どうですか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 有効に使えるところにつきましては、豊洲市場の駐車場につきましては使えるだけ使って、その上で、活用できるところを活用している。そういった形でやらせていただいております。
○山崎委員 ルールにあったかないかって聞いているんですけれど、そういう答弁が来るということで、とりあえずいいとします。
それでは、私の方からもう一点。万葉倶楽部が、五街区の立駐の件でございますけれど、まさに私も、前回、前々回の委員会だったと思います、万葉倶楽部が扱う五街区の立駐に関しては、しっかりと市場の団体だとか、それと、もちろん一般の買い出し人も含めての、さまざまな利用も含めて万葉倶楽部と折衝していただきたいということを、前から私も提案をずっとさせていただきました。
その中で、万葉倶楽部との交渉の中で、今、どういう形になっているのか教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 万葉倶楽部との交渉でございますけれども、先ほどもご答弁いたしましたけれども、本年十二月中に五街区の立体駐車場につきましては完成して、翌年の一月から供用するというスケジュールで、現在、万葉倶楽部と私どもで調整、交渉し、万葉倶楽部にあっては必要な工事等の手続に入られているという状況でございます。
利用の用途ということで、先ほど、今までもご答弁しておりますけれども、市場業界の方々にお使いいただくであるとか、地域の貢献ということで幅広くお使いいただくということ、こういったことは万葉倶楽部にも十分お話をして、その上で早期の着工をしていただいたという経緯がございます。そのことにつきましては、万葉倶楽部サイドでも十分理解していただいていると。
具体的な、市場業界の方々との接触とか、そういったことについては、私どもといたしましては、まだそういったことを行っているという報告は聞いているところではございません。
○山崎委員 万葉倶楽部と市場の業界の皆さんが直接話を多分される中に、絶対、都が入っていただいて、その仲介じゃないけれど、中にちゃんと入っていただいて話を進めていただきたいと思いますので、その点はよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
先ほど、六街区の駐車場の件を聞いておりましたけれど、この六街区の駐車場、にぎわいの施設の用地であった場所に駐車場を、三月までつくったわけですよね。何かいかにも、皆さんの話を聞いていると、このにぎわいの施設の場所も、何か市場関係者がずっと使えるような、そういう駐車場の用地であると。
そうではないんです、あくまでも。あくまでも、そうじゃないんですよ。この六街区のにぎわいの施設の土地というのは、駐車場のための土地じゃなかったんです。たまたま、今回、万葉倶楽部さんがオリンピック後にスタートする。それで、その土地がただあいていて、その土地の運用という意味で駐車場という部分が出てきたわけですよね。初めからその土地は駐車場であるなんていうことは一切ないんですよ。本来だったら、豊洲市場が開場すると同時ににぎわい施設も開場する予定だったわけですから。だから、業界の皆さんがどういわれているかわかりませんけれど、その土地はにぎわいの土地なんですよ。
ぜひ、そういったところは間違えないように、そしてURの土地を有明に用意をしている東京都の努力というのがあるわけですよ。そこをうまく活用していくということが、新たな見解だと私は思いますよ。
それと、開場してからまだ一年もたっていないです。まず、一年ぐらいのサイクルを全部見ながら、先日も、私、いいましたけれど、そして、いつの時代が、いつの時期が、駐車場が足りないだとか、この時間帯はこうだとか、やっぱり一年ぐらいサイクルを見た上で、駐車場問題というのはしっかりと前に進めていかなくてはならないと思っております。
ぜひ、その点は皆さん方もしっかりと認識をしていただいて、これから業界ともいろんな話をしていただければありがたいのかなと思っているところでございます。
最後になります。私の意見だけちょっと最後に述べさせていただきたいと思いますが、今回の第一回定例会、また、予算委員会の中で、さまざまなことが判明をされてきているわけでございます。
こういう状態になったのには、やっぱりいろんなことがあったと思います。都民ファーストの会の皆さんは拒んでおりますけれど、やはり小島敏郎氏の位置づけというものは大きなものがあったと思います。
ぜひ、やはり小島敏郎氏の意見をしっかりと聞いて、もし何もないのであれば、私たちを説得してもらうような意見をちゃんとこういう委員会の場で、参考人として出てきていただいて発言すればいいだけの話なんですよ。なぜ逃げていらっしゃるのか、全く私には理解ができません。
小島氏が今までしてきた説明、いろんなことがありました。一昨年の四月の八日、築地の再整備プランを語り、その後、あの基本方針策定後に、築地に皆さんは戻れる、そのために一旦は豊洲に行くんだと水産仲卸の方々にも話をしたそうであります。
それらは現実性を欠き、実現しなかったばかりか、多くの市場関係者を混乱させ、心を踏みにじり、何ももたらさなかったこと。そしてPTの報告書においても、分厚いPTの報告書、市場は斜陽産業である、報告書にもこういう記載をされておりました。
小島氏のこうした数々の行動や言動について、多くの方々は小池知事の考えを代弁したものと思ったはずであり、事実、そうした声を多くの方々から聞いております。つまり、開設者である東京都の見解だと思った方々が多いわけであります。
小島氏、小池知事、そして市場当局、これらの関係を整理すること。これは豊洲移転の延期を総括するためのものであるだけでなく、開設者である東京都の今後の市場運営に対する認識と姿勢を、豊洲のみならず十一市場全ての関係者に向けて示していく上でも、私は必須であると考えております。
よって、小島氏の参考人招致は、東京都の市場運営上、欠かせないものであります。委員会として適切な対応をとっていただきたい。誤解があるなら、その場で話していただければよいだけであると私は考えます。
小島氏が、市場業界、特に小島氏の考えに共鳴をし、また、期待をした方々の気持ちに寄り添う心がまだあるならば、きっと応じていただけるものであろうし、また、小島氏自身にとってみても、思いや真実を語り、ご自身の名誉を守る上でもまたとない機会であると、そのように私は思っております。
小島氏を守るのか、市場の皆さん、また、都民への説明責任を守るのか。一体どういう形になるのか、今回の参考人招致、ぜひ、この経・港委のメンバーの皆さん、いま一度よくお考えをいただいて、最後の、あした、いろいろと状況があると思いますけれど、しっかりとそういったところは認識をしていただいた上で臨んでいただきたいことをあわせて要望し、私の質問を終わります。
○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時三十四分休憩
午後五時五十五分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○尾崎委員 私の方からも、豊洲市場の駐車場について伺いたいと思います。
豊洲市場が昨年十月に開場しましたが、市場関係者からは、駐車場が足りないという声が多く寄せられています。都もこの間、駐車場をふやすなど、努力をしていますが、まだまだ不十分だということです。
そこで、事実確認のために幾つか伺います。
当初の駐車場は、街区ごとに何台でしたでしょうか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 豊洲市場では、築地市場の駐車場台数約四千六百台よりも多い、約五千百台の駐車場を整備しております。
その内訳でございますが、各街区とも約千七百台となっております。
○尾崎委員 築地市場は地下鉄などの交通が便利でした。しかも、銀座から近いために、徒歩や自転車で買い出しに来る方もたくさんいました。
しかし、豊洲市場は、公共の交通機関の本数が少ないために、やむなく車での買い出し人がふえています。買い出し人だけではなく、市場で働く人たちも車での通勤がふえるのは当然です。
そのため、市場の業界団体から駐車場が足りない、ふやしてほしいとの要望に応え、ふやした駐車場の場所と台数は幾つになるか伺います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 都では、業界団体からの要望を踏まえて、駐車場の確保に努めてきておりまして、市場周辺の用地を活用し、約二百二十台分の駐車場を用意するとともに、開場後の混乱を避けるための暫定的な措置として、関係者が一時的に利用可能な駐車場を年度末まで、約二百五十台程度確保しております。
このほか、既存の駐車場のうち、約二百四十台分を時間貸し駐車場とし、より多くの車両の駐車を可能としております。
○尾崎委員 当初の駐車場が五千百台、追加でふやしたのが四百七十台ですから、合わせると五千五百七十台ということになります。そのうち二百五十台については、一時的に利用可能な駐車場で、今年度末までに、三月までの千客万来の用地を使ったものだということです。
千客万来の用地、六街区は現在、駐車場として利用しているわけですけれども、三月中で出るようにとの通知が来たということで、市場業者からも私たちのところに声が寄せられました。
利用者には、どのような説明を行っているのですか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 千客万来施設用地につきましては、開場後の混乱を避けるための暫定的な措置として、関係者が一時的に利用可能な駐車場を、年度末までと期間を限定した上で、確保したものでございます。
当駐車場の利用期間につきましては、業界団体とも合意した上で定めたものでございまして、利用期間が年度末までであることは、当初から当駐車場に掲示して、利用者への周知も図っております。
また、今月には改めて業界団体と連名で、こうした掲示を充実させておりまして、利用期間とあわせて、四月以降に利用可能な駐車場についても周知しております。
○尾崎委員 千客万来の用地は、利用期間が年度末までということは当初から周知していたということですが、利用している人にとっては、これからどうなるのかと不安です。
しかも、千客万来の用地に駐車できれば便利なわけですから、千客万来の用地を現在利用している台数は幾つでしょうか。そのうち、買い出し人の利用は何台かわかりますか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 千客万来施設用地の駐車場につきましては、業界団体との間で利用方法や利用台数等に関する協議を行いながら、駐車区画などを整えてまいりました。
当駐車場の利用に際しては、具体的に利用者を定めておりませんが、業界団体との協議の中では、業界団体による利用が約百二十台、その他の車両の利用が約百三十台と見込んでおりました。
○尾崎委員 業界団体による利用者が約百二十台で、買い出し人の方たちやその他の車両が約百三十台と見込んでいるということでした。
市場業者の方たちからは、四月からはどうなるのか、買い出し人の人たちが不便になれば、豊洲市場には来なくなるのではないかという不安の声も寄せられています。
代替の駐車場はどこになるのか、それは何台利用できますか。また、豊洲市場から徒歩で何分くらいかかるのでしょうか。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 千客万来施設用地の駐車場を利用している車両の四月以降の駐車場所につきましては、業界団体とも調整の上、豊洲市場において使用している駐車場や、場内のスペースを有効に活用することで確保できる見込みでございます。
具体的には、現在の駐車場の利用状況等を踏まえた上で、時間帯などによって比較的余裕のある駐車スペースを有効に活用するほか、街区間での融通を図ることとしております。
なお、これらの駐車場のうち、最も離れている駐車場から豊洲市場までの間は、おおむね徒歩十分程度の距離となってございます。
○尾崎委員 時間貸しの駐車場や待機駐車場、そして、この間の追加で駐車場にふやしたURの用地だと思いますけれども、一番離れているこのURの駐車場からは、歩いて十分の距離ということです。使いにくいから現在も駐車場にあきがあるのではありませんか。買い出しを済ませて、重い荷物を持って、十分も歩くのは容易ではありません。
豊洲市場のように三つの街区に分かれ、水産から青果に移動するのは不便です。今でも、魚だけを購入し、野菜は別のところで購入するという人もいます。せめて、駐車場が近くになければ利用できません。
私以外の委員の方も、この駐車場の問題では質問をされています。
この質問に対する答弁などを伺っていますと、やはり一番疑問に残るのは、なぜこれほど深刻な駐車場不足という問題が起きているのかということです。
豊洲市場の開場前に、必要なだけの駐車場を整備しなかったのかどうか伺います。
○前田豊洲市場事業調整担当部長 豊洲市場の整備に当たりましては、業界団体とも必要な台数等についても、協議と検討を行った上で台数を決めたものでございます。
現在、千客万来施設用地の駐車場を利用している間に、ほかの豊洲市場における使用している駐車場につきましては、時間帯によりますけれども、あき状況等もございますので、そうしたところを活用しながら、今回、千客万来施設用地にとめていらっしゃる方の四月以降の駐車場所について、確保する見込みとなっております。
○尾崎委員 ただいま、業者団体との協議で台数なども決めてきたんだよというご答弁でしたけれども、でも、このように駐車場が足りないという問題が起こっていると、やはり私は、豊洲市場の設計の段階で市場業者や買い出し人の要望をもっとよく聞くべきだったんじゃないかと、公共交通機関の現状と展望を持つべきだったのではないかなと思います。
市場業者との話し合い不足が今のような事態をつくってしまったといわざるを得ません。
駐車場の問題では、引き続き市場業者や買い出し人の要望をよく聞いて、改善策を検討していただきたいと強く要望するところです。
次に、豊洲市場の清掃について伺います。
私は、昨年十一月の事務事業質疑で、水産仲卸売り場の排水溝について質問しました。このとき都は、事業者による排水溝の清掃をしやすいように配慮した、掃除をした後などに、水が流れやすくするために勾配をつけるということをご答弁されました。
しかし、それでも市場関係者の方たちからは、水はけが悪い、清掃を小まめにしているのにごみで水が詰まるという声も聞こえてきています。
今回、六街区一階の水産仲卸売り場の排水ます清掃を、三月十七日から二十一日、二十四日、二十七日、三十一日に行うようですが、どのような清掃を行うのか伺います。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 水産仲卸売り場に設置されている排水ますのうち、外周や南北通路などの排水ますについては、都が清掃を行うこととしております。
この排水ますについては、日常的に目視点検を行いつつ、ごみがたまった場合は、その都度清掃を行っております。
今、理事からお話がございました三月十七日から今月末にかけて実施いたします排水ますの清掃は、こうした日常的な清掃を行うことが困難な排水ますの壁の面、あるいは底の部分にたまった汚れを除去するために実施するものでございます。
具体的な清掃方法としては、排水ますのかごなどを取り外した上で、高圧洗浄機などによりまして、汚れを除去する作業を実施いたします。
○尾崎委員 都が排水ますの清掃をするのは、初めてのことだと思います。
十月から開場して約五カ月が経過しています。日常の清掃で困難な排水ますの壁面や底の部分などの汚れを除去できれば、においの問題も改善することを期待するものです。今後も定期的な清掃が必要だと要望しておきます。
次に、黒い粉じんについて伺います。
十月に豊洲市場が開場し、しばらくするとツイッターなどに、豊洲市場に黒い粉じんが積もっているとつぶやきがありました。
市場業者の方たちから、豊洲市場に一日いると気分が悪くなる、喉が痛い、建物が揺れるなどの声も私たちのところに寄せられました。
そこで私たちは、十二月六日に、豊洲市場の水産仲卸売り場棟の四階の物販売り場のところや駐車場などを調べました。
そのとき、物販売り場から駐車場につながっているところの通路で黒い粉じんを採取し、東京農工大の渡邉教授に重金属の調査をお願いしました。
私は、黒い粉じんが積もっている現状を見て、異常だと思いました。健康被害になるおそれはないのだろうかと心配になり、早く原因や成分調査をしなければと思いました。
昨年の第四回定例会代表質問で私は、黒い粉じんの正体はとただすと、市場長は、ターレ等のタイヤがコンクリートの床面とすれることで発生する粉じんとご答弁されました。
その根拠は、何ですか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 一般に車両が走行する場所では、タイヤと路面が摩耗することによりまして粉じんが発生するとされております。また、築地市場におきましても、ターレやフォークリフトが多く走行する充電場所などでは、今回の粉じんと同様の粉じんが確認されておりました。
こうしたことに加えまして、豊洲市場は建物の中においては、自動車の走行が禁止されていることから、今回の粉じんは、ターレなどのタイヤがコンクリートの床面とすれることで発生した旨をお答えしたものでございます。
○尾崎委員 ターレのタイヤが床面とすれることで発生したというのであれば、ターレが走っているところでは黒い粉じんが発生するということになります。
ただいまのご答弁に対する確認ですが、築地市場でも黒い粉じんはあったということですが、いかがですか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 築地市場におきましても、勝どき門の立体駐車場の地下の充電所など、ターレやフォークリフトが多く走行する場所におきましては、今回の粉じんと同様の粉じんが確認されておりました。
○尾崎委員 築地市場の勝どき立体駐車場地下の充電所などで黒い粉じんが確認されたということでしたが、それはいつごろですか。また、都は何か対策を講じたのですか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 勝どき立体駐車場の地下の充電所につきましては、業界による清掃の範囲となっておりました。業者が清掃業者に委託をしまして、週二回、定期的に清掃を行っていたと聞いております。
○尾崎委員 我が党が三月十二日の予算特別委員会で、黒い粉じんを調査したのかとただすと、市場長は、建築物衛生法に基づく空気環境測定をしていますと。〇・一五ミリグラム・パー・立方メートル以下だとご答弁されました。
この調査は、建築物衛生法で一定以上の面積の建物に義務づけられているもので、定例の空気環境測定のことでよろしいんでしょうか、いかがですか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 建築物衛生法は、建築物における衛生的な環境の確保を図り、公衆衛生の向上及び増進に資することを目的として、多数の者が利用する建築物の維持管理に関して、環境衛生上、必要な事項などを定めております。
豊洲市場は、この法律に規定する特定建築物に該当することから、建築物環境衛生管理基準に従って、建築物の維持管理を行うために必要な空気環境測定などを実施しているところでございます。
予算特別委員会において答弁させていただきました空気環境測定は、この法律の規定に基づいて実施したものでございます。
○尾崎委員 建築物衛生法で、一定以上の面積の建物に義務づけられているのが空気環境測定だということがわかりました。
建築物衛生法に基づく空気環境測定は、豊洲市場だけ行ったのですか。豊洲市場以外の中央卸売市場でも行っているのですか。
○渡辺施設担当部長 建築物衛生法に基づく空気環境測定は、都内十一の中央卸売市場全てにおいて、法令にのっとって実施しております。
○尾崎委員 豊洲市場以外の中央卸売市場全てで、建物の中の空気環境測定は実施しているということでした。
建築物衛生法に基づく空気環境測定で、豊洲市場の黒い粉じんの成分に、どういう重金属がどれだけ含まれているのかわかるのでしょうか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 国のホームページによりますと、建築物衛生法に規定いたします建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ネズミ、昆虫等の防除、その他公衆衛生上、良好な状態を維持するのに必要な措置について定めると規定されておりまして、高い水準の快適な環境の実現を目的とした基準とされております。
この基準では、浮遊粉じんについては、一立方メートル当たり〇・一五ミリグラム以下と定められておりまして、粉じんの成分の分析までは求められておりません。
都が実施した空気環境測定の結果では、浮遊粉じんの測定値は、法令の定める基準値を大きく下回っておりまして、豊洲市場の衛生環境は良好に保たれているものと認識しております。
○尾崎委員 建築物環境衛生管理基準では、粉じんの成分の分析は定められていないから、重金属がどれだけ含まれているかは調査する必要はないということですよね。しかも、浮遊粉じんは空気中にどれだけ含まれているかという調査で、基準以下だから豊洲市場の衛生環境は良好に保たれているというご答弁でした。
しかし、空気中に含まれる浮遊粉じんの量が基準以下であっても、問題は粉じんがどのような成分なのかが重要だと思います。
大事なことなので改めて伺いたいと思いますが、東京都は粉じんに含まれている重金属の成分調査を調査すべきだと思いますが、いかがですか。
○福崎豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 豊洲市場で発生しております粉じんにつきましては、ターレ等のタイヤがコンクリートの床面とすれることで発生してございます。
こうした粉じんによる影響を防ぐことが重要でございまして、都では、粉じんの飛散を防ぐために必要な清掃作業を充実させるとともに、空気環境測定によりまして、施設内の環境を把握しているところでございます。
清掃作業につきましては、清掃範囲の拡大、清掃頻度の向上、清掃方法の改善を図るとともに、清掃効率を高めるための設備工事なども行ってございます。
また、建築衛生法に基づきました空気環境測定も適宜実施しておりまして、浮遊粉じんの測定値は法令の基準値を大きく下回ってございます。
今後も業界と連携しながら、豊洲市場の良好な衛生環境を確保してまいります。
○尾崎委員 粉じんに含まれている重金属の成分調査を行わないのであれば、発生源に対する効果的な対策がとれないのではないかと考えます。
調査をしない理由をお答えいただければと思います。
○福崎豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務 今ご質問いただきましたが、粉じんによる影響を防ぐという観点からは、一般に清掃をしっかり行うということが大変有効とされてございます。
こうしたことから、都では、粉じんの飛散を防ぐために必要な清掃作業を充実させていっております。
また、先ほども答弁申し上げましたが、空気環境測定によって施設内の環境を把握しているところでございます。
○尾崎委員 市場で働く労働者の健康と安全を守る責任は、市場の開設者である東京都、知事にあります。
粉じんの成分分析を行った東京農工大の渡邉教授は、黒い粉じんの成分が健康被害の原因になる可能性も考えられるので、成分調査を大至急調査して、全容をつかむ必要がありますと述べています。早急に空気中の重金属について調査することを求めるものです。
三月十二日の予算特別委員会の我が党の質問に市場長は、都は床やスロープの洗浄方法を改善しております、清掃回数を増加するなど、適切に対応しているとのご答弁がありました。ただいまのご答弁でも、清掃をしっかりやって改善もしているというご答弁もありました。
都は、いつから洗浄方法を改善したのですか。また、予算特別委員会の市場長の答弁の中では、天井などの日常清掃が困難な場所についても、業務や商品等への影響がないように配慮しながら、清掃に着手する予定との答弁もありましたが、いつから天井等の清掃を行うのか伺います。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 水産仲卸売り場の通路につきましては、毎日散水清掃を実施しておりまして、適切に衛生管理を行っております。
また、業界の実施する七街区三階の卸売り場の清掃につきましては、昨年十一月には、週三回の定期清掃とするよう調整を整えるとともに、ターレスロープにおきまして、週一回の高圧洗浄機による清掃を開始いたしました。
さらに今月からは、天井等の日常清掃が困難な場所についても、業務や商品等への影響がないよう配慮しながら、清掃に着手しているところでございます。
こうした取り組みに加えまして、先ほどご答弁しておりますが、清掃用の散水栓の改良工事、また、ターレスロープにおきます清掃効率を向上させるための電源を増設する工事なども順次進めておりまして、引き続き豊洲市場の良好な衛生環境の確保に努めてまいります。
○尾崎委員 ただいまのご答弁の中で、十一月からというふうにご答弁がありました。豊洲市場が開場したのは十月からです。その一カ月後、十一月から、清掃についてはさまざまな改善が行われていることがわかりました。
それでは、洗浄方法を改善しなければならなかった理由は何ですか。
○堀豊洲市場事業推進担当部長 豊洲市場における清掃は、都と業界で連携して対応して実施しておりまして、開場後の施設の利用状況に即して、必要に応じて適時清掃作業の見直しをしながら、良好な衛生環境の確保に努めているところでございます。
粉じんにつきましては、業界から七街区三階などにおいて、汚れが目立つとの声をいただいたことを踏まえて、業界とも調整した上で、清掃範囲の拡大や清掃頻度の向上、清掃方法の改善を図るとともに、丁寧な掃除を徹底するよう、受託業者に指示をしているところでございます。
○尾崎委員 先ほどもいいましたが、豊洲市場が開場して何日も立たないころから黒い粉じんのことが問題になっていたことがわかりました。
ただいまのご答弁でも、粉じんについては十一月に既に、七街区三階などに汚れが目立つとの水産の卸の業界の方々から声が出て、清掃について業界の皆さんと都が話し合ったということがわかりました。
専門家の人に聞くと、魚や野菜などに、もし粉じんが付着しても、洗えば流せるので問題はないということです。
しかし、清掃や駐車場などで粉じんが舞うようなことがあれば、働く人たちの口から体内に入る可能性があります。絶対ないとはいえないと思います。市場で働く人たちの健康への被害が心配されます。
都の皆さんも、黒い粉じんを放置できないと考えたということだと思います。だから、十一月から既に粉じんの問題でも清掃の話し合いを業界と行っていたんだと思います。
それなら、市場で働く人たちの健康被害を防ぐためにも、安全な市場にする必要があります。早急に黒い粉じんの成分を調査して、効果的な対策を行うべきです。
予算特別委員会で、粉じんの分析調査を幾つかパネルにして紹介しました。
粉じんの中に含まれている重金属、三十元素の濃度を調べました。三十元素の濃度と道路粉じんとの比較も行ってもらいました。すると、カドミウム、スズ、ビスマスが、道路粉じんと比べ、高濃度であることがわかりました。これが豊洲市場の特徴ということになります。
高濃度になっている元素を見ると、カドミウムはコンクリートが影響していること、スズとビスマスは、ターレやフォークリフトなどのタイヤの成分が影響していることを裏づけています。
我が党は、粉じんや調査について、クロスチェックも行いました。それぞれ違う分析方法です。粉じんの成分は、高濃度である元素、ほとんど同じ状況でした。
粉じんの成分が、道路の粉じんよりも高濃度であることが明らかになったわけですから、最急に、東京都として、粉じんの成分調査を行うよう強く求めて、質問を終わります。
○奥澤委員 私からは、質問自体は一点なんですけれども、簡単にいうと、経営計画をこれから策定していくんだという話の中で、どういう方向性を考えているのかで、来年度の予算はどうあるべきかということで考えて、いろいろ調査をしていたところなんですけれども、きょうの質疑の中でも、新しいものから古いものまで含めて、かなり情報がたくさん出ていまして、少し私自身も混乱しているところがあるので、整理しながら進めさせていただきたいと思います。
こちら、そごがありましたら、ぜひご答弁いただく中でご指摘いただければと思います。
では、質問に入りたいと思うんですけれども、まず、これまでの代表質問、一般質問、それから予算特別委員会、またきょうの委員会でも、各会派からそれぞれ質疑がありましたけれども、その中で、経営計画、今後の市場のあり方というところで、一つが、長期的な視点で戦略的な経営、あるいは財務体質の確保に向けた経営計画の策定に取り組むこと、これは方向性としてありますよと。
二つ目、実効力のある計画とするため、企業経営や財務、会計の専門家など、外部有識者の視点を活用する、この方向性もありますと。
コスト縮減や収益向上に向けた経営の合理化を図る、そこには民間経営手法の導入も視野に入れているというところは、方向性としてあるんだというふうに私は理解して、ここをベースにして政策の調査を、今もしていますし、今後もしていきたいというふうに考えているんですけれども、一方で、先ほど他会派の質問からもありましたけれども、大手の新聞社です。大手の新聞社が何の確証もなく報道をさっと流すということはまずないとは思っていて、どこかから、それは皆さんがという意味ではなくて、どこかから何かしらの情報があったんだろうというふうに思うんですけれども、議場でご答弁いただいている内容とちょっと違うんじゃないかというふうに率直に感じています。
先ほど、吉村部長の方からも、ある会派との意見交換会のお話がありました。
私としては、その場には三局いらっしゃったということですけれども、財務局は、将来的には長期的な流れでいえば、民営化ということまで覚悟してやらないと、市場というものをしっかりと維持できないんだ、やっていけないんだということの腹づもりは持っているよと。
一方で市場当局としては、今、目の前に現場の方々がいらっしゃいますから、その方々のことをしっかりと見た上で、現時点ではそんな具体的な検討は進めていないんですよということでお話があったのかなというふうに理解をしています。
これに関しては、局は違うとはいえ同じ庁内のことですから、きっちりと事実確認であったりだとか意識のすり合わせとか、そういったものを必ず進めていただきたい。それをまずは要望しておきますのと、その上で、またしかるべきタイミングでそのご報告もしていただきたいということは、申し述べておきます。
また、本題に戻りますと、個人的には、財務局さんがおっしゃるような、将来的には、長期的なスパンで見たときに、市場をしっかりと盛り上げていくために、民営化とか経営統合とかそういうこともオプションの一つなんだということで、検討すること自体は否定は私はしません。そういったことも検討すべきだと思っています。ただ、今話すべきことではないし、当然表に出すことではないです。何より、結論ありきの議論があってはならないというのがかなり強く思っています。
そこで伺いたいと思います。
有識者の方々を入れて検討を進めていくということですけれども、こういったときにはさまざまな手法を、いろんな経営形態だったりを比較検討してやっていくというのが通例なのかと思うんですけれども、その範囲、どのあたりまでを検討していくのか、具体的に決まっていますでしょうか。決まっているのであれば教えていただきたいと思います。決まっていないのであれば、もし想定する範囲があれば、どの程度か教えていただければと思います。
○猪口財政調整担当部長 繰り返しになって恐縮でございますが、現時点で十一市場の民営化や経営統合について具体的な検討を進めている事実はございません。
また、想定する対象範囲につきましては、今般の経営計画の策定に向けた検討は、民営化自体を目的とするものではなく、卸売市場法の改正などの環境変化を踏まえた上で、いかにして市場の活性化を図るかという観点から考えていくことが重要でございます。
その上で、市場の現状を真摯に検証いたしまして、経営の合理化や民間経営手法の導入など、今後、幅広い視点からの検討を進めてまいります。
○奥澤委員 今お話がありましたけれども、検証と検討を重ねていって経営計画を策定するという方向性は決まったけれども、その中身については、まだ今後の話であるということで、なかなかわかりやすいご答弁はいただけないのかなというふうに思います。
ただ、私としても、今のご答弁があったこと、あるいはこれまでこの議場の中であったことを前提にして、いろいろ今後の調査も進めていくわけですから、この話が覆ってしまうと、今回、先日の補正予算にも私は賛成している立場ですけれども、それ自体覆ってしまう話としてもあり得るわけですよ。
そういうことがあると本当に困りますので、異なる事実が仮に出てきたときには、それは速やかにご報告いただきたいということを要望しておきます。
ただ、きょうもさまざまお話が出ました。どんな経営形態であっても、十一の市場、今一生懸命に汗を流しておられる方がいらっしゃいますので、皆さん多面的に支えていくこと自体は全く変わらないということだと思いますので、計画の検証、検討の議論と並行して、今できることは着実に進めていただくことを私からも重ねてお願いを申し上げます。
少し意見が多くなって申しわけないんですけれども、最後に意見として要望と、苦言も入っております、申し上げておきます。
今後の議論、進んでいくと思いますけれども、きょう出ていたことが、何が正しいのかということも含めて、報道のことがどこまでが正しくて、どこが違うんですよというようなことも含めてになりますけれども、しかるべきタイミングで、折に触れて、この経済・港湾委員会でも報告の上で、公的な場所でオープンな形で議論を重ねていただきたいということを要望しておきます。
正直私、立候補して当選させていただいて、間もなく二年が見えてきたところですけれども、そもそも、これまでの都政というものに対して、水面下の議論で話を固めてしまったり、公的な場所で議論が開始されるときには、既に結論がありきではないかと。そういったものをブラックボックスではないかと指摘をして、都政がゆがむ原因じゃないかと批判をして、ここにいます。
特定の会派や議員との意見交換というのは、否定はもちろんしませんし、よりよい都政のために大いに議論をすべきだと思いますけれども、それがどのような意味合いを持ってやっているのか、これは職員の皆さん、きちんと切り分けてやっていただきたいですし、その会派の方々と話をするときにも、これはこういうものですよということを、どういった意味合いを持ってやっているんですよということはきちんとお話の上で、お互いに確認をとった上で進めていただきたいと思います。
報道では、職員のメモが出てきたということがありますけれども、犯人捜しをしても私は意味がないと思っています。情報管理の話をしているんじゃなくて、意思決定プロセスの話をしています。
今後の事実確認、あるいは実際の議論を進めていくときには、この今起きている、正直私は混乱が起きていると思っています。この混乱からしっかりと学んでいただいて、都庁と都議会の関係性、適切な関係というのはいかなるものなのかという視点を持って、今後の業務に取り組んでいただきたいということを要望して、質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員 最後でございます。お疲れさまでございます。六年ぶりに市場に対して質問させていただきます。
私からは、卸売市場の広報のPRについて、何点か質問させていただきたいと思います。
平成二十五年三月の一定、当委員会で私は、当時豊洲市場開場まで三年となる中で、一人でも多くの都民に市場の役割や機能を理解してもらうとともに、都内には築地以外にも、大田市場など十一の市場があって、さまざまな取り組みをしていることに、都民に関心を持ってもらうことで、豊洲市場への理解、これは移転前ですから、新市場に移転することに対する理解を促進することにそれがつながっていくという趣旨で、質疑をさせていただきました。
その後、豊洲市場開場の延期が決定されて以来、状況が一変いたしまして、移転、市場の引っ越しそのものに全力を傾注する必要から、しばらくの間、風評の払拭もございます、そういったことがメーンとなりまして、冷静な観点から都民に向けた市場をPRするような環境にはなかったのではないかと総括したいと思います。
昨年十月に、そういう中にあって市場関係者の皆様のご努力によりまして、移転が完了いたしました。いろいろ問題がありますけれども、移転が成りました。豊洲市場を開場したことを受けまして、改めて今、冷静に、卸売市場は、都民生活にとって欠かせない生鮮食料品やお花や水産物など、安定して供給する極めて重要な施設であることをPRすべきときではないかと考えます。
そこで、必ずしも都民からその役割や仕組みなどについて十分な理解を得られてきたとはいいがたい、縁の下の力持ちといいますか、基幹的インフラ、卸売市場のPRを積極的に行っていくべきと考えますが、都はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか伺います。
また、その意義、目的はどういうものなのかを改めて確認したいと思います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 卸売市場は、都民へ生鮮食料品等を安定的かつ、円滑に供給するための基幹的、公共的インフラとしての役割を担っており、その役割や意義につきまして、広く都民の皆様に理解を深めていただく必要があるため、さまざまなPRの取り組みを行っているところでございます。
具体的には、ホームページやパンフレット等により、市場の仕組みや役割等を紹介するとともに、食育、花育を目的とした料理教室やフラワーアレンジメント教室の開催、小学生などを対象とした団体見学などを実施しております。
また、市場業界団体等が主催いたします市場まつりの開催を都として支援しておりまして、生鮮食料品等の即売のほか、食育講習会や市場の仕組みに関するパネル展示など、さまざまなイベントが行われ、近隣住民を初め、多くの方にご来場いただいております。
あわせて、いまだ風評被害の影響を受けております福島県産の野菜や米をPRするなど、被災産地の支援にも取り組んでいるところでございます。
○斉藤委員 都議会公明党は、食の安全・安心、地元の都民への市場への理解、食育など、市場ならではの地域貢献、そして、東京都の卸売市場にとっては、産地としても大変お世話になってきた東日本大震災後の福島県など、被災地の復興支援など、この卸売市場が世の中に対して貢献できることを積極的になすべきだということを主張いたしまして、市場当局の皆様や市場関係者の方々のご努力によって、ともにそういったことに応えていただいてきた経緯がございます。
そこで、豊洲市場ですけれども、よきにつけあしきにつけというか、いい意味でも悪い意味でも、豊洲市場、大変に今、注目されております。多くの都民にその名前は知られるところになったわけですが、都民はいかなるイメージをこの豊洲市場に対して持たれているのか、これを考えてみたいと思うわけですが、築地の歴史と伝統を受け継ぐ未来志向の最新鋭の設備を備えた市場、そんなイメージであってほしいと思う反面、残念ながら豊洲市場に対しましては、土壌汚染に代表されるようなマイナスのイメージ、ためにする、そういった傷つけるような動きもございます。マイナスイメージを持つ方もいることも否定できないわけでございます。
都は、豊洲市場開場前には、都議会公明党の提案を受けまして、都民の方々に市場施設を直接見てもらう見学会を開催するなど、風評被害の払拭に取り組んでまいりました。見学した方から、大変にすばらしい市場であるというお声もたくさんいただいております。
また、地元団体や市場関係者が参加したイベントを開催するなどして、豊洲市場の魅力発信の取り組みも一生懸命進めておられるところであります。開場した現在、多くの方々が豊洲市場を訪れていると聞いております。
都民の方々の豊洲市場に対する関心は高く、前向きな対応による豊洲市場のさらなるイメージアップができるときが到来したと考えます。実際に現場に足を運んでくださった見学者にまずしっかりと、この豊洲市場の機能や魅力を発信していくことが効果的であろうと思います。
そこで、現在どれぐらいの見学者が豊洲市場を来訪されているか、また、見学者に豊洲市場の魅力や役割を知ってもらうため、どういった工夫をしているかを伺いたいと思います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 豊洲市場では、市場内を自由に見学できる見学者通路を設けておりまして、開場後五カ月を迎えた現在、平日で数千人、土曜日で約一万人の方にご来場をいただいてございます。
多くの来場者の方に、豊洲市場が持つさまざまな機能や魅力を理解していただくため、見学者通路におきましては、ハード、ソフトの両面から工夫を図っているところでございます。
ハード面におきましては、売り場と分離させて、上層階から多種多様な生鮮食料品の取引の様子を一望できる、こういった見学者専用の通路とするとともに、市場の施設や機能を紹介するためのPRコーナーやマグロの卸売り場で競り取引を見学できるデッキを設置するなど、市場を体感していただく環境を整備してございます。
またソフト面では、日本橋や京橋といった河岸の時代からの歴史や生鮮食料品流通の仕組みなどを多言語で紹介するほか、実物のターレと記念写真が撮れるフォトスポットを設けるなど、誰もが楽しみながら、市場を学べる仕掛けを設けているところでございます。
○斉藤委員 やはりこの市場の活気と近代的な設備、そして豊洲という新しい地に対する興味、こうしたことが相まって、多くの方々が訪問されているようであります。
しっかりと豊洲市場を育んで育てていく、そうやってすばらしい市場にしていくということが重要であると思います。
答弁にありましたように、豊洲市場は、市場を見学される方々のためにたくさんのコンテンツというか、新しい知恵もそこに用意されておられます。これは見学者にとっては興味深いアトラクションでありまして、こうした機会に、豊洲市場の機能や魅力をしっかりと発信していくべきだと考えます。
また、見学者通路など、売り場と分離した対応は、品質、衛生管理上も市場としては好ましいといえると思います。これだけのハード、ソフト両面の設備を持った以上、これを積極的にPRをしていただきたいと思います。
豊洲市場は、これまで風評被害の発生によるマイナスイメージなどによりまして、安全・安心という面で、都民にある面、誤解を与えてしまった経緯があると、これは事実だと思います。
追加対策工事や知事の安全宣言などにより無事に開場し、実際に多くの都民が訪れる状況になった今、より積極的に豊洲市場をPRすることが、東京の卸売市場全体のイメージアップにもつながっていく、卸売市場に対する都民の理解促進につながると思います。
そこで、豊洲市場のPRについて、都の見解と今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 高度な品質衛生管理や効率的な物流を実現しました豊洲市場が持つ機能や役割について、広く都民の方々にご理解をいただくことは重要でございまして、今後も豊洲市場の機能や魅力を発信するPRの取り組みを進めてまいります。
具体的には、豊洲市場の機能や魅力を広く発信する豊洲市場魅力発信プロジェクトを来年度も継続して実施いたします。各地で開催されるイベントに出展するブースでパネルや動画を用いてPRをしたり、ホームページに画像による見学案内を掲示するなど、さまざまな情報発信を行ってまいります。
また、本年二月から見学者通路に四カ所設置しましたタッチパネル式のサイネージについて、そのコンテンツの充実を図り、施設の案内や市場で働く方の紹介のほか、六街区で実施されるにぎわいイベントの開催情報や、全国各地の産地PR動画を拡充するなど、より多くの方に豊洲市場の理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。
○斉藤委員 質問は以上にしておきたいと思いますが、豊洲市場の魅力発信プロジェクトを開場後の二〇一九年、来年度も実施していくということであります。
また先日、十二日の予算特別委員会で、我が党の橘政調会長の質問の中で提案をいたしましたが、総務局、これは他局ですけれども、九月二十日から十一月二日まで開催されるラグビーワールドカップ二〇一九の後に、東日本大震災被災三県へ都が声をかけていただいて、にぎわいイベントを千客万来用地で開催する旨を明らかにしていただいたところでございます。豊洲市場六街区で、被災地の物産品や郷土料理の販路開拓の支援、消費拡大の効果も期待されるところでございます。
ぜひとも市場当局の皆様には、しっかりと連携協力をしていただいて、このにぎわいイベントを大成功させていただくことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時四十四分散会
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