経済・港湾委員会速記録第四号

平成三十一年三月四日(月曜日)
第十五委員会室
午前八時三十分開議
出席委員 十四名
委員長中山ひろゆき君
副委員長小林 健二君
副委員長山崎 一輝君
理事奥澤 高広君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
うすい浩一君
あかねがくぼかよ子君
柴崎 幹男君
斉藤やすひろ君
白戸 太朗君
ひぐちたかあき君
三宅 茂樹君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
知事小池百合子君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長古谷ひろみ君
管理部長岡安 雅人君
事業部長長嶺 浩子君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務石井 浩二君
豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務福崎 宏志君
豊洲市場事業連携担当部長影山 忠男君
豊洲市場事業推進担当部長堀   真君
豊洲市場事業調整担当部長前田  豊君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長猪口 太一君
築地調整担当部長西坂 啓之君
移転支援担当部長赤木 宏行君
環境改善担当部長佐々木宏章君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設担当部長渡辺 正信君
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
主計部長山田 忠輝君
財産運用部長山根 恭子君
都市整備局局長技監兼務佐藤 伸朗君
技監上野 雄一君
総務部長桜井 政人君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務朝山  勉君
まちづくり調整担当部長木村 宣代君

本日の会議に付した事件
議席について
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十七号議案 平成三十年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)

○中山委員長 ただいまより経済・港湾委員会を開会いたします。
 この際、申し上げます。
 今回の知事及び所管外理事者出席による質疑は、知事の公務のため、朝八時三十分開会となる、都議会の委員会運営上、通常と異なる運営を行います。ご了承願います。
 議席について申し上げます。
 議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○中山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 本案の質疑につきましては、小池知事にご出席をいただいております。
 次に、所管外理事者の出席について申し上げます。
 本日の委員会には、付託議案の審査に関する所管外の理事者として、財務局の武市局長、初宿経理部長、山田主計部長、山根財産運用部長、都市整備局の佐藤局長、上野技監、桜井総務部長、朝山企画担当部長、木村まちづくり調整担当部長にご出席をいただいております。ご了承願います。
 委員の皆様方に申し上げます。
 総質疑時間は二百四十五分となっておりますが、議事進行のため、各会派の持ち時間を超えないようご協力をお願い申し上げます。
 また、知事にも、答弁は簡潔にお願い申し上げます。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、挙手し、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第九十七号議案、平成三十年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡安管理部長 去る二月二十五日の当委員会におきまして要求のございました三点の資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、中央卸売市場会計の持続可能性の調査成果報告書についてでございます。
 旧築地市場の有償所管がえに係る価格調査の報告書でございます。
 担当不動産鑑定士のサインや印影、公になっていない私人の財産の情報など、一部の記載を黒塗りとさせていただいております。
 続きまして、九七ページをお開き願います。2、築地市場の土地鑑定評価において最有効使用の手法にした理由を示す文書についてでございます。
 東京都中央卸売市場会計の持続可能性に関する調査委託の仕様書及び国が定める不動産鑑定評価基準の規定を記載してございます。
 続きまして、最終ページの九九ページをお開き願います。3、有償所管換と補正予算案提出までの経緯についてでございます。
 こちらは有償所管がえと補正予算案提出までの経緯につきまして、時系列で内容をお示ししたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 小山委員の発言を許します。

○小山委員 小池知事は、知事就任以来、情報公開を徹底し、受動喫煙防止条例の制定、工業用水道の廃止など、これまでの都政ではなし得なかったさまざまな改革を断行されてきました。
 既得権益への配慮などから滞ってきた課題に対し、時代の先を見据えて、東京全体のために、いかにすべきかを考え決断をされてきたと認識しております。
 市場移転問題についても、その最たるものであるといえます。
 知事は、安全性への懸念、巨額かつ不透明な費用の増大、情報公開の不足という三点を掲げて、築地市場の豊洲への移転を延期する決断をされました。
 その直後、あるはずの盛り土がなかったという課題が明らかとなり、土壌汚染対策の有効性について改めて検証が進められました。そのまま豊洲に移転していた場合、食の安全と安心に対する懸念から、大きな混乱が生じていたことは想像にかたくありません。
 土壌汚染対策の検証については、公開のもと進められ、安全性をさらに高める追加対策につなげました。
 無害化の議論についても、現実を見据えて、都民に対して陳謝し、都知事としてけじめを示されました。このことは、まさに石原都政以来の歴代の知事が先送りしてきた問題の清算にほかなりません。
 負の遺産ともいうべき課題に真正面から取り組み、課題を明らかにし、解決の道筋をつけ、必要な対策を講じて前に進めることが、今、都政に求められております。
 豊洲市場については、その後、追加の安全対策が講じられ、専門家の確認を経て、知事が安全宣言を表明されました。そして市場業者の皆さんも大きな決断のもと、大規模な引っ越しを経て、昨年十月に豊洲市場は開場を迎えられたのであります。
 そこでまず、知事が二〇一七年六月二十日に、築地は守ると発言をされましたが、知事が築地は守ると表明された意図についてお伺いをいたします。

○小池知事 小山くにひこ理事にお答えをいたします。
 今のご質問、二〇一七年の六月二十日に築地は守ると発言をした、その意図についてでございました。
 築地は守るべきであります。私はこの基本方針で、築地が培ってきた大切なものを守って、そしてさらに発展させていくという思いで築地を守る、このように申し上げました。その思いは今も変わっておりません。
 二年半前に、約二年半前ですが、移転延期を決断して以降、一連の検証も行ってきたわけでありますけれども、それ以前の都庁内の議論といいますと、築地市場は、跡地はもう売却をするんだと。それから、豊洲市場の整備費の償還に充てるんだという話のみで、その後の築地をどうしていくのかというような具体的なビジョンであったり、方針は当時、十分示されていなかったように思いました。それは大きな課題だというふうに感じたわけであります。
 守るべき築地ブランドでございますが、市場業者を初め、東京の食文化を担う多くの方々の努力によって、長い歴史の中で育まれてきたものであります。つまり、都民の貴重な財産ともいうべきものであります。それを売却するということでは、築地の魅力であるとかブランドを失ってしまう、そのことを懸念したわけであります。
 熟慮を重ねまして、豊洲と、そして築地の両方を生かすということを趣旨とする基本方針を示させていただきまして、日本の新たな中核市場としての可能性を持つ豊洲と、都心に近くてさまざまなポテンシャルを有している築地、この両方を生かすということで、東京全体の価値を高めていくということにいたしたわけでございます。

○小山委員 知事の、築地は守ると表明された内容についてよくわかりました。築地が培ってきた大切なものを守り、さらに発展させていくという思いのことであり、そうであれば、それは築地を生かすという言葉につながるものと考えます。
 次に、知事の発言にあります食のテーマパークや市場関係者の目ききを生かした市場と知事が発言をされておりますが、どのようなことを想定されていたのか、お伺いをいたします。

○小池知事 今のお尋ねの、知事の築地は守るという言葉、そしてもう一つ、食のテーマパーク、市場関係者の目ききを生かした市場、これについての追加のご質問でございます。
 申すまでもなく、これまでの歴史、そして伝統、さらには、今もあります場外市場、こちらの存在も踏まえますれば、築地にとっては、食というのはまさしくキーワードでございます。それは誰に聞いてもそういうふうにお答えになるかと思います。
 そこで、築地が培ってきた大切な食文化を再開発の中でも生かしていきたいということでございまして、一昨年六月の基本方針の中には、食のテーマパークという表現を用いたわけであります。
 築地ブランドを支えてきた食の文化ということを生かす意味で、豊洲市場への移転とともに、基本方針におきまして、築地について何らかの市場機能も含めて申し上げてきたところでございます。
 その後、さまざまな問題が整理をされて、さらには豊洲市場の追加対策工事が行われました。そして、昨年の十月十一日には移転も完了したところでございます。
 現在、豊洲市場ですが、中核の卸売市場として、事業者の皆様が日々運営に努めておられ、おおむね円滑にこれが進んでいるというふうに考えております。
 また、築地でございますが、有識者の方々にも幅広く検討いただきまして、築地の付加価値をさらに高めるということができるさまざまなアイデアも頂戴しているわけでございます。
 基本方針を発表してから、その後さまざまな状況の変化、さまざまな検討を重ね、そして、より幅の広い観点から築地を発展させていくことが大切であるということを考えまして、築地への卸売市場ということについては、ないということを申し上げたものでございます。
 一年八カ月の経過の中で、何が一番都民のためになるか、このことについてずっと考えてまいりました。基本方針でお示しした方向性に沿いまして、東京のさらなる成長に向けてしっかりと進めていく、そのためにも、これからも築地という最高のロケーション、ここを活用して、都民の皆様方へのプラスの宝をさらに高めていきたいと、このように考えております。

○小山委員 基本方針発表の後に、事業者及び都民や有識者とのさまざまな検討を経て、案が具体化されてきたことを確認させていただきました。
 ご答弁にもありましたとおり、築地にとって食や食文化は、やはり重要な要素だと考えます。中央区が場外市場との連携の必要性や市場のバックアップ機能の導入を求める要望を提出されるという予定とも聞いております。
 そこで、築地を守るという観点から、食にまつわるもの、あるいは市場に関連するものについて、知事はどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○小池知事 中央区で場外市場との連携の必要性などを求めておられるご要望を提出する、そのような予定があると伺っております。
 基本方針でお示しをいたしました食のテーマパークという、その言葉、文言でありますが、今も申し上げましたように、築地の歴史、ポテンシャルを生かした一つの考え方としてお示しをいたしました。そして、築地にとりまして、じゃあ食文化は何かというと、まさしく重要な要素の一つでございます。
 まちづくりの方針の素案におきましても、こうした歴史的、文化的なストックも十分に生かすということを示しているところでございます。
 場外市場でございますが、今も大変なにぎわいを生み出しているわけでございまして、外国からのインバウンドのお客様も築地の場外市場も楽しんでおられる、また、長い歴史の中でもすっかり定着しているわけであります。
 そしてまた、プロ向けに食材を扱う築地魚河岸という施設もございます。築地の食文化を受け継いでいくという観点からは、例えばこの場外市場等の連携や、豊洲市場からの新鮮な食材を提供する、それから鮮魚を小売するなど、民間ベースで食にまつわるさまざまなビジネスが生まれる可能性はあるかと存じます。
 要は、民間の知恵を活用した再開発の中で、区のご要望を踏まえながら、食文化を生かしていけるように検討していきたいという考えでございます。

○小山委員 ご答弁のとおり、民間の知恵を生かした再開発の中で、築地ブランドの大事な要素であります食、食文化を生かしていくことは、築地を守ることにつながるものと考えます。
 そして、築地は守るの大事な視点の一つが、やはりその築地の食文化を担ってきた市場業者、特に水産仲卸業者への対応であります。
 これまで築地再開発に関し、水産仲卸業者にどのように対応してきたのか、また、今回のまちづくり方針の素案について、どういった意向を示しているのか、市場長にお伺いをいたします。

○村松中央卸売市場長 築地再開発の検討状況等につきましては、都市整備局とも調整の上、水産仲卸の業界団体に対しまして、適宜、情報提供の機会を設け、適切に対応してきたところでございます。
 今回のまちづくり方針の素案につきましても、水産仲卸の業界団体に対して説明を行いました。
 業界団体からは、中央卸売市場が豊洲市場である以上、仲卸として営業を営むのは豊洲であり、築地に戻ることについて、組織立って関与することは考えていない旨のお話がございました。

○小山委員 ただいまご答弁にありましたとおり、業界団体は、組織立って関与するとは考えていないとのことでございました。
 しかしながら、築地の食のブランドを培ってきた中心は市場業者でありますし、とりわけ仲卸業者でございます。築地に何らかの形でかかわりたい方もいらっしゃると聞いております。
 そうした市場業者に対して、どういった考え方で対応していくのか、知事にお伺いをしたいと思います。

○小池知事 築地の食文化、そして築地ブランドでございますが、先ほども申し上げましたように、仲卸業者や築地で働く方々の長年の努力によって培われてきたものでございます。
 築地に思いを寄せる方々にも寄り添っていく必要がある、このことはずっと私、申し上げてきております。
 豊洲市場への移転が既に実現をいたしております。そして、仲卸業者の皆様方初め、事業者の皆様は、今、日々の業務に邁進しておられるという状況でございます。そして、現在は、事業者の皆様方が豊洲における事業をいかに軌道に乗せていくかということにご尽力をされ、また、そのことは極めて重要でございます。
 築地の食文化を生かしていくという検討の中で、築地での事業を希望する方がおられる場合には、どのような支援ができるのかについて、引き続き考えてまいります。

○小山委員 ぜひ、引き続き市場業者に寄り添った対応をいただくとともに、地元区の要望も踏まえて、どのような形になるのかしっかり検討し、示していただくことを求めておきます。
 築地再開発の推進に向け、築地市場跡地は、一般会計へと有償所管がえする方向性が示されております。一般会計から市場会計への一方的な税金投入との指摘もありますが、それぞれが保有する資産、すなわち、土地と現金とを等価交換することであると説明がございました。
 そこで、有償所管がえの趣旨とそれを実施することのメリットについて財務局長にお伺いをいたします。

○武市財務局長 築地市場跡地につきましては、公共的、公益的なまちづくりに留意するとともに、経済合理性を考慮しながら、東京全体の価値の最大化を目指すまちづくりを見据えまして、一般会計のもとで再開発を進めることといたしました。
 そのため、今回、有償所管がえを行うことを考えておりますが、これはどちらかの会計が得をするとかというものではなく、土地とキャッシュを現時点の適正な価格で交換をするものでございます。
 有償所管がえを行い、いち早く一般会計への移しかえに着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにし、そのことにより、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができ、都としても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能となってまいります。
 こうした点が大きなメリットであると考えております。

○小山委員 独立会計の原則を有します市場会計から築地市場跡地を取得するに当たり、いわば対価として五千四百億円を市場会計に繰り入れる、つまり、同じ価値のものを交換するものとして説明をいただきました。
 ただし、豊洲市場や市場会計の穴埋めに巨額の税金が投入されるのではないかという印象を都民は持っております。
 私たちはそのような観点からも、代表質問におきまして、市場会計の抜本的な経営改革を求めました。
 知事からは、民間企業の経営の目線から、外部有識者による検証を進め、実効性ある経営計画の策定を進めていくということが答弁をされました。ぜひ抜本的な経営改革にスピード感を持って進めていただくよう重ねて強く求めておきます。
 最後に、築地まちづくりにおける収支についてお伺いをいたします。
 築地は高いポテンシャルと東京の経済を牽引していくエリアであることは明らかであります。一方で、売却することなく都が土地を所有し、開発することに対し、採算性を疑問視する声もあります。
 今回、東京全体の価値の最大化を図るために、築地市場跡地を売却せずに都が保有し続け、民間の力を活用して開発する方針を示されたものと理解しております。そうであれば、収益性に加えて、公益性や集客性といった波及効果が極めて重要でありますが、公益性を理由にした採算度外視の計画になることは厳に避けなければなりません。そのような計画にならないようにするためには、民間視点での採算性の確保が必須であります。
 公益性と収益性をあわせ持った計画となるよう、都は万全の策を講じていくべきと考えます。その点を踏まえ、築地が目指す将来の姿と知事の決意についてお伺いをいたします。

○小池知事 お答えいたします。
 築地の再開発におきましては、もういうまでもございませんが、都心にまたとない広大な土地、二十三ヘクタールにも上ります。そして、お隣には浜離宮、そして隅田川、食文化などのポテンシャル、これがそもそもある。これらを生かして、経済合理性を考慮しながら、民間の力を最大限に活用して、国際的な交流拠点を形成して、それが東京の持続的な成長につながる、その方向性でやっていきたいと考えております。
 長期的な観点で見ますと、インフラの整備も勘案しなければなりませんし、また、段階的な整備をすることによって、周辺への波及効果ももたらすことになるでありましょう。それはすなわち、東京全体としての価値の最大化を目指すということとなります。
 短期的な利益の追求だけではなく--だけではなくて、短期的な利益の追求ではなく、都が所有し続けることによって有効活用をする。そして、公共性、公益性にも留意しながら、都としての収益性を勘案しつつ、中長期的に東京、そして都民にとっての価値を向上してまいります。
 まちづくりが適切に進められますように、外部の有識者を交えながら、まちづくり方針に基づいて、中長期的にわたりまして一貫してコントロールする、その仕組みを構築いたし、適宜、この議会にもご報告をしてまいります。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめます。その後、民間事業者からの提案も受けながら、まちづくりを具体化していくという流れであります。
 その中で、食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがございますが、方針に沿いまして具体的な機能が実現されると考えております。
 以上です。

○小山委員 ただいま知事からご答弁いただきましたように、決意を伺ったわけであります。
 答弁の中に、これからのまちづくり方針の中で民間事業者からの提案を受けると。そしてその中で、この食あるいは食文化というものについて、形態はさまざまなものがあるけれども、これをしっかり実現、そして具体化されるよう取り組まれるということのお考えが示されました。
 私たち都民ファーストの会は、都議選の公約でも築地ブランドを守ると表明をしてまいりました。本日の質疑においても、知事の一連の発言が、築地ブランドを育み、守ってこられた市場関係者の皆さんに寄り添う知事の思いのあらわれであることがわかりました。
 この食や食文化に根差した築地ブランドをさらに発展させ、広く都民の利益にかなう、東京全体の価値の最大化に向けて、引き続き全力で取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○中山委員長 小山理事の発言は終わりました。
 斉藤委員の発言を許します。

○斉藤委員 皆様、おはようございます。本日は、知事出席のもと、質疑の機会をいただきました。都民の皆様に、今、何が最も重要なポイントなのかをわかりやすい言葉でご答弁をいただきたいと思います。
 豊洲市場は、昨年十月十一日に開場をいたしました。市場関係者の皆様のこれまでのご努力に改めて敬意を表するものでございます。今定例会に築地市場跡地の再開発をめぐりまして、独立採算の特別会計である、この市場会計から一般会計に有償所管がえする補正予算案が提出されているところでございます。
 都議会公明党は、今回の有償所管がえについては、市場会計の持続可能性の検証などを踏まえまして、小池知事のリーダーシップで決定されたことを評価いたします。
 質問に先立ち、少々時間はさかのぼるんですが、小池知事は、平成二十八年十一月に、豊洲への移転、新市場開場に向けてのロードマップを発表されました。
 我が党はこれを受けまして、市場会計の持続可能性も視野に入れて、スピード感を持って、しかし、安心・安全を着実に確保しながら、前に進めるよう訴えてまいりました。
 例えば、平成二十九年三月の予算特別委員会で東村幹事長からは、この豊洲市場への移転に関するロードマップを着実に、工程どおり前にしっかり進めていただきたいと知事に訴えてまいりました。
 その後、昨年の七月には、知事によります豊洲市場への安全宣言が出されまして、そして昨年十月に無事に開場の運びとなったわけでございます。
 また、昨年十二月の第四回定例会においては、きょう提出の資料にもございますが、我が党の代表質問で、橘政務調査会長より、築地市場の跡地を一般会計に有償所管がえし、中央卸売市場会計を持続可能なものとしていくべきであり、また、築地市場の跡地を一般会計で保有することにより、民間開発による短期的な利益の追求ではなく、公共、公益的な観点も踏まえながらまちづくりが可能となると訴えまして、質疑を通じて、築地市場跡地の再開発の観点からも有償所管がえをすべきとの考えを、どの党よりもいち早く提案してまいりました。
 こうした豊洲移転へのロードマップの達成のその先に、その先にですね、今回のタイミングで、築地再開発を前に進めるため、知事の決断によって有償所管がえの補正予算案が提案されたものと理解をしているところでございます。
 まさに我が党が描いてきた流れの中にございます。決して、きのうきょう唐突に出てきた議論ではございません。
 それではまず、市場会計について質問させていただきたいと思います。
 さきの本会議の質問では、市場会計の持続可能性に関しまして、五十年で破綻するのはいかがかというような主張を耳にいたしました。
 市場当局は、当然、今回の有償所管がえによる収入に安住することなく、さまざまな経営改善に取り組むこととともに、中長期的な視点から経営合理化にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。その際には、まず冷静に市場会計全体の経営状況を分析する必要があると考えます。
 そこで、これまでの市場会計の状況とそれに対する認識を伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 平成十二年度から平成二十七年度までの決算は、当時の制度を活用いたしました企業債の繰り上げ償還に伴う支払い利息の縮減などによりまして、黒字で推移してきたところでございます。
 一方、平成二十八年度及び二十九年度の決算は、豊洲市場への移転関連経費などの支出がふえたことなどから赤字となっております。
 今後は、豊洲市場の施設整備に伴います減価償却費や企業債の償還等により、厳しい財政運営となるものと認識しております。

○斉藤委員 今のご答弁ですと、平成二十七年度までの市場会計は経常収支が黒字ということでありましたが、この期間はある意味で安定的に推移していたと思います。
 しかし、その要因を伺いますと、過去にあった制度を活用した経費の縮減、それによるところが大きかったという答弁であったと思います。
 今ではその手法がとれないことなどを踏まえますと、この先、財政運営はますます厳しくなるわけであります。
 加えまして、去る一月二十三日の関係局長会議において示された市場会計の収支試算、これを拝見いたしましたが、今後、この経常収支が年間百二十億円から百四十億円の赤字で推移する見通しとなっているという資料でございました。
 この主要因は一体何なのか伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場会計の平成三十一年度当初予算では、経常収支は約百四十六億円の赤字を見込んでおります。
 この主要因は減価償却費でございまして、十一市場全体で約百三十億円を計上しております。
 このうち、豊洲市場分が約八十四億円となっております。

○斉藤委員 経常収支の百四十六億円の赤字額に対しまして、減価償却費が百三十六億円ということは、約九割、これが減価償却費ということになります。
 加えまして、この減価償却費の内訳を見ますと、豊洲市場分が八十四億円、これは、豊洲市場一市場だけで、他の十市場の合計分を上回る六割を占めているということになります。たとえ、通常の維持管理経費などを削減しましても、これだけ多額の減価償却費がありますと、黒字への転換は現実的にはなかなか難しく、仮に減価償却費を全て収入で賄うとすれば、それは市場関係者の方に不安も広がります。事業者に過度な負担を強いるという課題が懸念されるわけでありました。
 こうした点を踏まえまして、市場経営の原点に立ち返って考えてみますと、当然、市場全体の経営改善に取り組まなければならないわけですけれども、そもそも、この卸売市場の役割というのは一体何なのか、これを都民にぜひご理解をいただくようにご説明いただきたい。
 なぜ多額の費用を要してもなお、この卸売市場の運営をしていく必要があるのかという問題に行き当たる、突き当たるわけでございまして、そこで、そもそもこの卸売市場の役割についてお伺いしておきたいと思います。

○村松中央卸売市場長 都内の卸売市場は、必ずしも供給が安定しない生鮮食料品等を全国各地から集荷するとともに、実需者のニーズに応じた品目や量に仕分けをいたしまして、消費者である都民に円滑かつ安定的に供給していく流通拠点としての役割を担っております。
 また、取引における差別的な取り扱いの禁止や、出荷された生鮮食料品等の受託拒否の禁止などの取引ルールを通じまして、生産者、実需者がいつでも利用できる開かれた取引の場としての役割も担っているところでございます。
 こうした基本的な役割に加えまして、加工パッケージ等、多様化するニーズへの対応や、災害時における生鮮食料品等の流通確保、地域への貢献など多面的な役割が求められておりまして、引き続きその役割を果たしていくべく取り組んでまいります。

○斉藤委員 都民の皆様の食卓に毎日上る野菜などの青果の約五割、国産野菜に限っていえば約八割がこの卸売市場を経由していると伺っているところであります。こうした事実を踏まえますと、卸売市場が都民生活に欠かせない社会的なインフラであることは明白であると思います。こうした視点から、中央卸売市場としての役割を今後もしっかりと果たしていけるような経営改善に取り組んでいくことが必要であります。
 ここで大事なのは、先ほど申し上げましたこの減価償却費を含んだ経常収支が赤字か否かということよりも、むしろ、最近の経営の見方ですが、キャッシュ・フローの視点がより重要であるわけであります。
 この点、二年前の平成二十九年の予算特別委員会で、公認会計士でもあります我が党の東村幹事長からは、企業の経営判断をするときには、以前は損益で見ていたけれども、現在はこのキャッシュ・フローを重視して、つまり、資金繰りがきちんとできているかが重要であると指摘をさせていただいたところでございます。
 今回、有償所管がえを判断するに当たりまして、東京都が行った市場会計の収支試算においては、市場当局では、年間二十四億円の経営改善を行うとしています。
 二十四億円とは、市場会計の運営費の年間二百億円の約一〇%以上に当たる経費を削減するということでありますから、これは相当な企業努力、経営努力をしなくては達成できない数字だと思います。この取り組みによって、償却前収支を黒字に転換させる計画となっていると伺っております。こうした取り組みによりまして、公営企業として経営を安定的に維持をしていくことが重要です。
 そこで、知事には、開設者といたしまして、今後も卸売市場の公共的役割をきちんと踏まえながら、こうした取り組みを確実に進めていく上で、中央卸売市場全体の経営計画を策定すべきと考えますが、小池知事の決意を伺います。

○小池知事 中央卸売市場というのは、今もお話がございましたように、都民に生鮮食料品などを円滑かつ安定的に供給するための基幹的インフラという、まさしく公共的な役割を担っております。
 将来にわたってこの重要な役割を果たして、そして産地、それから実需者から支持される市場であり続けられるように、市場会計の持続可能性を確保してまいる必要がございます。
 このため、今後策定する経営計画でありますが、当面の経営改善、それに加えながら外部有識者の知見も最大限活用いたしまして、お話のような財務であるとか会計、これらの視点からの分析をしっかり行って、実効性ある計画としていきたいと考えております。

○斉藤委員 ただいまの小池知事の決意をぜひとも実行に移していただきまして、市場会計の将来を見据えた市場経営の改善が図れるよう、計画策定に全力で取り組んでいただきたいと思います。
 そして、今、最も大事なこと、これは何でしょうか。東京の新しい顔として、築地市場跡地という、都心の広大な超一等地であります。これをどう有効利用していくのか。そして、東京二〇二〇大会、来年でございます。その後、この築地のまちづくりを起爆剤といたしまして、東京の持続可能な発展をどう実現していくのか、このことこそ都民の最大の関心であると思うわけであります。
 こうした議論が都民のためになるか否かという視点を忘れて、政争の具になどしてならないと考えるものであります。
 そこで、築地再開発を前に進めるため、平成三十年度最終補正予算案に有償所管がえに係る経費を計上したことの意義について、改めて財務局長にお伺いをしたいと思います。

○武市財務局長 築地市場跡地につきましては、豊洲への移転が完了し、築地まちづくり方針の素案が取りまとまった今、いち早く一般会計への移しかえに着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにし、そのことにより民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すことができ、都といたしましても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能になります。
 また、今般の税制度の見直しによりまして、再来年度以降、税収減が見込まれておりますが、増大する社会保障関係経費や大規模災害への備えなどの財政需要も踏まえますと、将来の財政支出を可能な限り軽減する必要もございます。
 こうした中、平成二十九年度決算剰余金でございますとか予算執行状況の精査によりまして、都民サービスに影響を及ぼすことなく財源のめどを立てることができたことなどから、最終補正予算において速やかに対応することと考えているものでございます。

○斉藤委員 速やかに対応する、そのとおりであると思います。このオリ・パラ後に有償所管がえを議論したり、築地のまちづくりを議論するような場合ではない、これでは遅い、このように考えます。世界の政治経済は日々刻々と激しく変化をしておりますし、また、首都東京をいつ大災害が襲うかわかりません。今できることを未来に向かって最大に加速して、前に進んでいかなきゃならないときだと考えるわけでございます。
 豊洲新市場の開場の直後に、市場会計から有償所管がえの財源が確保できて、そして、平成三十年度最終補正予算案が編成できたことは、築地再開発を東京の持続可能な発展の起爆剤とできる千載一遇のチャンスだと考えるわけでございまして、このことを都民の皆様にぜひともご理解をいただきたいわけであります。
 一部では、今回の有償所管がえについて、五千億円にも上る多額の税金が投入されるといった誤解が広がっております。このことについて財務局長の明確な答弁を求めます。

○武市財務局長 今般の有償所管がえは、土地と現金を等価で交換するものでございます。すなわち、市場では、保有する土地が現金にかわりまして、一般会計では、現金が土地に振りかわるものでございます。
 一般会計で見た場合、支出する五千六百二十三億円と等価の土地が入ってまいりますので、貸借対照表、バランスシートにおきましては、そこの資産の部において、その合計額において、今回の措置によりましても増減が生じるものではございません。あくまでも資産の合計額は変わらないという状況でございます。
 今回の措置は、市場会計の赤字を補填するために一方的に税金を投入するという性格のものではなく、税金による市場会計の救済であるとの指摘は当たらないと考えております。

○斉藤委員 今の財務局長の答弁によりまして、市場会計の赤字補填のために都民の大切な税金が投入されるものではないということが明確になりました。つまり、都民サービスに影響を及ぼすことなく、有償所管がえの財源のめどを立てることができたといえるわけであります。
 平成の御代が、今、終わろうとしております。昭和の終わりに、築地市場の現在地再整備がスタートして以来、再整備計画工事の中断、そして計画の見直しを経まして、この平成の三十年間をかけまして、本当に多くの関係者の方のご努力によりまして、豊洲に新たな中央卸売市場を開場させることができたわけでございます。市場関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 市場の持続可能な発展のためにも、築地市場跡地の有償所管がえを平成のうちに決着させるべきであります。この築地の土地を都が一般会計に移しかえ、結果として二十三ヘクタール、こうした広大な土地を都民が更地で保有することができることになるわけでございます。更地で土地を取得することができるということは、フリーハンドで、都民の皆様とともに、持続可能な発展をし続ける東京を描くことができるということであります。
 そこで、最高にして宝の地、この築地を、豊洲とともに生かしていくということにかける小池知事の決意を伺いたいと思います。

○小池知事 築地の再開発、東京の食文化を担う多くの方々のご努力によって脈々と築かれてきた築地ブランド、そして、東京の宝物であります浜離宮であるとか隅田川、築地エリアが有しますポテンシャルというと、本当に大きなものがございます。いってみれば、都心にまたとない広大な都有地があるわけで、それを生かして東京の魅力をさらに高めていきたいと考えております。
 それから、長期的な観点から見ましても、民間の力を最大限に活用する、そして先進性と国際性を兼ね備えました東京の新しい顔をつくる、それによって新たな東京ブランドを創造、発信していくということで、東京全体の価値の最大化を目指してまいります。
 一方、豊洲でありますが、今もご指摘がありましたように、豊洲市場は、地元の皆様や市場関係者の皆様方に支えられまして、昨年十月十一日、移転を果たし、新たな歴史の歩みを一歩一歩着実に進めているところでございます。
 築地から続く伝統を検証しながらも、新たな築地のブランドを確立し、そして地元に愛される日本の中核市場、さらに世界を見据えた食文化の新たな発信拠点へと育ててまいりたいと考えております。
 豊洲はもとよりでありますが、周りの地域とも連携をしまして相乗効果を生み出していく、東京、そして日本の確かな成長につながる、そのような築地再開発に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

○斉藤委員 質問は以上でございますが、築地の再開発、まちづくりの方針も拝見いたしましたが、都民のお声をどんどん聞いて、SDGs、今、世界の各都市が、全ての政府、全ての都市、全ての企業、全ての市民、こうした方々と十七の目標、百六十九のターゲットに向けて、持続可能な都市、地球というものがどういうものかということを皆さんで目指している真っただ中でございますが、東京こそが世界の模範として、そして東京を愛する方々とともに、このSDGsの一つの象徴的な地域としての築地、そして豊洲ということも考えていただきたい。
 そして、そこには、ソサエティー五・〇の一つの地域として、非常にイノベーションが今大きく変化しているところでございますけど、イノベーションが問われているところでございますが、そうした地域としても、世界が注目する日本の顔として、ぜひ、この東京における築地再開発、まちづくりを成功させなければいけない、このように思いますし、知事にぜひともそれを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○中山委員長 斉藤委員の発言は終わりました。
 山崎副委員長の発言を許します。

○山崎委員 都議会自民党を代表して、私の方から、待ちに待った知事の一問一答の質疑を始めさせていただきたいと思います。
 まず、知事、きのうの東京マラソン、お疲れさまでございました。寒い中、本当にこの東京が一体感をつくったという大きなマラソンになったと私は思いますが、昨日もいろいろなところで、ネットでも、またテレビでも、知事の行動というものが騒がれておられました。
 きのうの表彰式、やはり知事、ああいう、全国で知事のことを見られているわけですから、まあ世界ともいえますね、ですから、あのような行動はぜひ慎んでいただきたい。東京のトップリーダーですから、ぜひ、まずそのことを一つ忠告させていただきたいと思います。
 それでは、質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず、きょう、委員長の方から冒頭、知事の公務のため午前八時半からのスタートになったという説明がございました。私は感じるところなんですけれど、この八時半になったというのは異例中の異例であると私も思っております。
 知事は、三月一日の金曜日の記者会見で、以前から組まれていた予定が幾つか入っている、そういうことであります。これは、この本日の委員会は極めて異例であるということでありますが、午前八時半から始まっておられるわけでございます。
 知事が記者会見で以前から組まれた予定が入っているとおっしゃったこのご予定は一体何か、そして公務なのか、公務ならどのような公務なのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

○小池知事 まず、本日の私の予定がどうであったかというご質問でございました。きょうこの後、消防葬がございます。そしてまた幾つかのアポイントがございまして、また、その点については、もう議員の皆様、議会の方にはお知らせをしたとおりでございます。
 お決めになるのは議会ということでございまして、それに従いまして、私、本日八時半からのこの会議に臨ませていただいているということでございます。相手方もあるということから、取り扱い注意の上でその内容をお示しさせていただいたというところでございます。
 以上です。

○山崎委員 冒頭、委員長から、知事の公務のため八時半からのスタートになったと、はっきりとおっしゃっておられます。そして、公務というならば、消防葬がございます。これは、八王子の火災によって殉職をされた方の消防葬でございます。もちろん私たちも、そのご通知はいただいております。その後の公務というものがあるんであれば、しっかりと知事の中でご発言されるべきではないんですか。
 我々議会の中、もうペーパーをいただいております。ペーパーをいただいているわけですから、知事の口からどうぞお話ししてください。どうぞ。

○小池知事 今のご質問でございますが、まず改めて公務であるということをお伝えいたします。その上で、今お話がございましたように、先日、わずか二十二歳で殉職をされました消防の方々の……(山崎委員「それは要らない」と呼び、その他発言する者あり)いや、最初からお答えして、誠実にお答えしているところでございます。消防葬に参加をするということでございます。
 そして、その後でございますが、御党の幹事長からお呼びがかかってございまして、それにお応えしていくということで、もし整理をなさるのならば、それは御党の中でいただければということでございます。
 それからもう一つ、さらには午後、オリンピック・パラリンピックの組織委員会の森会長がお越しになるということでございます。これも大変大事な話として以前から組まれていたことでございます。
 これらを議会の方に提供させていただいた上で、議会でこの日程をお決めいただいたと、このように承知をいたしております。あくまで議会でお決めになることだと、このように認識をいたしております。

○山崎委員 自民党の二階幹事長、そして森会長のお名前が知事からはっきりとお話をされました。
 公務というのであれば、我々議会、しかもこの第一回定例会が開催をされている中、一番の公務はこの都議会、開会中の都議会に知事が今呼ばれていることが最優先である。二階幹事長や森会長、もちろん国会で、議員として、そして内閣総理大臣もお務めになった方々、幹事長をお務めになった方々です。知事が、衆議院議員、国会にいらしたそのときにも、内閣総理大臣の立ち位置、そういうのはよくおわかりだったと思います。
 国会の中でのルール、都議会の中でのルール、まさに我々は、この会期中の中で、知事、お越しくださいといえば、二階さんも、森さんだって、もちろんそれは、それは議会優先だよねと。それは当然の話だと思いますよ。
 委員長が初めに、知事の公務の予定によって八時半からスタートをするという、異例というお話がございました。知事は議会が決めることですからというお話をされておりますけれど、委員長ははっきりと、知事の公務、そのためによって八時半からの異例のスタートである、そのような発言をされておりますから、ぜひ、こういう話を聞いて都民の皆さんはどう思うのか、また、このインターネット中継を聞いている人たちも見ている人たちもどのように感じるのか、ぜひ知事自身もしっかりとご認識をまずいただきたいと思います。
 八時半に始まるということは、いろいろな方々も傍聴に来られるという中で、大変ご苦労されたと思いますよ。そういう意味も含めて、ただいまからしっかりと質問に入らせていただきたいと思います。
 知事は、市場責任者であり、東京都の財政運営のもちろん最高責任者であります。今回の都政の混乱は、小池知事がそれぞれの立場で、知事として職責を果たしていないことによるものであると、こう考えております。
 まず一つ目は、豊洲移転をめぐる市場のあり方についてです。
 市場関係者、都民、地元区、そして都議会に説明した基本方針を次々と塗りかえ、当初案とは全くさま変わりをさせました。そして、その間、何の説明もなく、今になっても基本方針は変わっていないと強弁をしている。こうした自身の発言に責任を負わない姿勢は、知事のいう、知事がいつもいっている開かれた都政とは全く正反対のもので、無責任きわまりない行動だと思います。
 そして二つ目は、都財政全体を考えたとき、一般会計で五千億円以上をかけて築地跡地を都が取得し、都有地として保有したまま開発するという重大な判断を下した根拠が実に曖昧なことであります。
 今あるのは、築地まちづくり方針素案という約四十ページ程度の冊子だけです。五千億円といえば一県の予算総額に匹敵する額であります。それを補正予算として予算特別委員会で審議することもなく、この予算特別委員会は、もちろん次に予定をしている特別委員会でございます。その審議することもなく決定するというのは、富裕論を刺激する以上に、都の財政運営の健全性そのものが疑われる異常事態であります。
 市場問題という点では、何の説明もなく、都合のいいように方針を変えてきた知事の対応は、市場関係者、都民、そして都議会の信頼を裏切るものであること、財政問題という点では、五千億円を投じるという決断をするには根拠が薄弱であり、その手続は財政規律を無視した極端なものであること、こうした観点から知事に質問させていただきます。
 まず最初に、築地市場の基本方針の変節に関する都民の反応についてであります。
 昨年八月三十一日、関係局長会議の決定に基づき、豊洲市場では現在、毎週土曜日に集客のイベント、土曜マルシェについて伺ってまいります。
 知事、これ、知事も出かけられたと思います。私も土曜マルシェ、たびたび足を運んでおりますけれど、まず、土曜マルシェをごらんになって率直な感想、端的でいいです、短くお聞かせください。

○小池知事 ことしの一月から三月まで、毎週土曜日に、豊洲、今、五街区と呼ばれるところでございますが、土曜マルシェを開催いたしております。先日も大変なにぎわいの中、私も行ってまいりました。お父様も、区長も来られておりました。
 この豊洲市場おいしい土曜マルシェでありますけれども、今、豊洲鍋というのがとても人気なんですね。豊洲市場の食材を活用したお鍋、ちょうど冬場でお寒うございますから大変人気ということで、市場ならではの限定メニューということから、豊洲でのマルシェは今人気ということだと、このように認識をいたしております。
 また、豊洲市場だからこそ集まる鮮魚であるとか新鮮なお野菜、果物の販売も行っておりまして、来場者に豊洲市場の食の楽しさを毎週体感していただけているものかなと、このように考えるところでございます。
 それから、毎月一回と毎週土曜日の飲食、物販に加えて、地域の住民の皆さんに参加型のステージイベントなども行っているところでございます。そこで体験型のイベントも……(山崎委員「知事、短くていいですよ」と呼ぶ)いえ、ご質問に真摯にお答えさせていただいております。
 豊洲市場のおいしい土曜マルシェでございますが、これまでお越しになった方、数字を申し上げなくてよろしいですか。(「いいよ」と呼ぶ者あり)要らない。(「要らない」と呼び、その他発言する者あり)要らない。既に、五万八千人の方々にお越しいただいているということをお伝えさせていただきます。

○山崎委員 知事、端的でいいんですよ。豊洲鍋だとかそういうことでなくて、イベントの云々とかでなくて、知事の感想だけでいいので端的にお答えをいただければよかったなと思います。
 実は私たちは、きょうは三月四日月曜日ですから、二日前の土曜日、三月二日、この土曜マルシェに来られた方々にアンケートをお願いいたしました。たしか八時四十五分ぐらいから二時間ぐらいだったと思います。約百五十名ほどの方が参加をしていただきました。協力をいただいた方に改めて感謝を申し上げたいと思います。その結果、大変すごい興味深いというか、至極当然の結果が出てまいりました。
 それではパネルをご紹介いたします。築地の再開発方針は変わったか変わっていないか、そして、まず平成二十九年の六月二十日、基本方針、築地市場は食のテーマパーク機能を有する新たな市場にする、そして現在、平成三十一年の一月二十三日の築地まちづくり方針素案、これを簡略してみますと、国際会議場等の機能を中核とする交流拠点とする、こういう形で明記をさせていただきました。
 そして、知事は、先日の本会議の中でも、基本方針の方向性については何ら変わっていない、この緑の部分で書かせていただいております。
 そして、皆様には、基本方針は変わりましたか、そして基本方針は変わっていませんか、変わったか変わっていないか、こういうことで皆さんにお聞きをして、そして、皆さんからシールを張っていただいて、このような結果が出ました。
 簡単にいいますと、基本方針が変わったという方が百四十三名、そして、基本方針は変わっていないとお答えになった方が八名という結果になりました。まず、この結果を見て、財務局長、どう感じられますか。お答えください。

○武市財務局長 基本方針でお示しをしましたのは、豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性でございますので、今回示しておりますのは、東京全体の価値の最大化を目指し、基本方針をさらに発展させていくということでやっておりますので、なかなかその変わった変わっていないというところだけで議論するのはいかがなものかなというふうに考えているところでございます。

○山崎委員 都民の、土曜マルシェに来たいろんな方々、県外の方も恐らくいたと思うんですけれど、これを見て、この結果を見て、財務局長、そういう答弁をするのは、このアンケートに参加された方をどうお思いですかね。そんなこといっちゃっていいんですかね。
 それでは、知事、この結果を見てどう思われているか、率直にいってください。お願いします。

○小池知事 アンケートというのは設問次第でございます。私は自民党の広報本部長も務めておりました際に、さまざまなアンケートで、そういったところについては設問の仕方、大変注意も払ってやってきたことを覚えております。
 また、築地再開発方針、このように設問がもう明確ですよね、意図が。こういう中で出てきているということ、私は、このことはきちんとこれからも説明をいたしますし、またわかりやすくしてまいりますけれども、しかしながら、このような形はそちらの意図だということを理解いたしました。

○山崎委員 知事は今、そちらの意図だとおっしゃいましたけれど、これ、事実だけ書いているんですよ。だって、六月二十日、食のテーマパーク機能を有する新たな場にする、そして現在、築地のまちづくり方針素案、この中から抜粋をちゃんとしていますから、国際会議場等の機能を中核とする交流拠点とすると、こういうふうにちゃんと明記していることを使って、これを見ていただいて、知事もこの発言をしていますから、知事の発言も踏まえて、こういった形で皆さんにお聞きをしたわけでございます。なぜこのような結果になったのか、これから質疑で明らかにしていきたいと思いますので、一度このパネルは下げさせていただきたいと思います。
 今定例会では補正予算が提出され、三月一日の財政委員会、また同じく三月一日の都市整備委員会で質疑が行われました。これらの委員会審議で、私たちはなぜ今回の補正予算が来年度の本予算として提出されず、わざわざ本年度の補正予算として提出されたのか、その必要性や緊急性が一向にはっきりしておりません。
 知事は、ご自身が決めた基本方針を大きく変える、有償所管がえ、それを補正予算に計上することをいつ決めたのか、知事がいつ決めたのか、なぜ補正予算としたのか、知事お答えください。--そういうプリントは要らないですよ、知事のお言葉でお答えくださいよ。

○小池知事 今、いつという具体的なご質問でございましたので、お答えさせていただきます。
 まず、築地市場の跡地については、ことしの一月二十三日に、再開発の将来像を示す築地まちづくり方針の素案を取りまとめて、都としての再開発を進める方針を固めたわけでございます。
 これから民間事業者の提案も受けながら中長期的に都民にとっての価値の向上を目指すまちづくりを行ってまいると、こういう流れになっておりますが、いち早く、一般会計への移しかえに着手することで、まちづくりに対する都の意思をより明らかにする。そしてまた、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限引き出すことができると考えております。そして、都といたしましても、まちづくりの具体案を円滑に検討することが可能になると考えたわけでございます。
 それから、もう一つ加えますと、地方法人課税について、ご承知のように、偏在是正措置ということが今後、再来年度以降ですね、行われるということによる税収減が見込まれる点、さらに将来の財政支出を可能な限り軽減するという必要もございます。
 こうした中で、平成二十九年度の決算剰余金や予算執行の状況を精査いたしまして、他の都民サービスに影響を及ぼすことがない、その財源のめどが立ったということから、最終補正予算で有償所管がえの予算措置を速やかに行うということといたした次第でございます。

○山崎委員 先日の財政委員会の中でも、今年度は財政的に余裕があって、来年度予算を送ると都予算が八兆円を超えて、まさに東京の富裕論をまた刺激してしまう、そのような財政委員会でのお話もございました。
 知事、そのように感じておられるか、イエスかノーで結構ですからお答えください。

○小池知事 委員会における局長答弁については承知をいたしております。

○山崎委員 知事、今、局長答弁、確認をしておられるとお話をされましたので、それはつまり、私が思うところ、粉飾決算と同じなわけであります。通常は大きく見せるように粉飾しますが、予算規模を小さく見せるための粉飾であるわけです。そのようなことで都民をごまかし、また、他県の人の目を欺く、そんな予算編成を知事は容認したのですか。
 三月一日の財政委員会でも、一月十一日の知事査定で決定しておりますが、一月二十三日の関係局長会議を待って予算案として確定するとの条件がついたとの、そのような答弁もありました。事実はこのとおりということですか。知事、教えてください。

○小池知事 改めて精査しておきましょう。
 まず、ことし一月十一日、知事査定を行いました。この際は、財務局から有償所管がえの経費を最終補正予算案に計上するということの提案がございました。その際に、検討段階にございました築地まちづくり方針の方向性や考え方に今後変更ないということを条件といたしまして、有償所管がえの経費を最終補正予算案に計上するという仮決定をしたところでございます。
 そして、築地まちづくり方針が確定をいたしましたので、方向性、そして考え方に変更がないことを確認した段階で、最終補正予算案への計上を確定させ、最終補正予算案への計上を条件つきで決定した、それが一月十一日でございます。
 そして、一月二十三日でございますが、関係局長会議が開かれまして、築地まちづくり方針を決定いたし、そして、その方向性、考え方に変更がないということを確認し、有償所管がえを行うことと、そのための経費を最終補正予算案に計上するということを正式に決定したところでございます。
 先ほど、粉飾決算というような表現がございましたが、それについては、これまでも最終補正予算にさまざまな計上がされているということでございまして、その指摘には当たらないということを明確にお答えいたしておきます。
 また、仮に有償所管がえに関する経費を最終補正予算案に計上しないこととした場合には、有償所管がえに充てるべき財源は、一旦財政調整基金などに積み立てることとなっております。議員ご存じのとおりかと存じます。その場合は、後年度にその基金を取り崩して支出することとなりますけれども、三十年度末の基金残高が一時的に大きく積み上がることとなる見通しでございました。
 本来、有償所管がえに充てるべき財源をもって、都財政が裕福であるかのような誤解を招く可能性があるといったような意味で申し上げたかと存じます。

○山崎委員 今、随分長く、知事、ご答弁いただきましたけれど、次にちょっと入りたいと思います。
 じゃあ、この知事が発表した基本方針の大転換を、みずから決めてご自身で発表しなかったのはなぜですか。
 もう一回いいますか。知事が発表した基本方針の大転換を、みずから決めてご自身で発表しなかったのはなぜですか。端的に教えてください。

○小池知事 大方針、方向性については変更していないからです。

○山崎委員 多分、誰もそう思っていないと思いますよ。知事、ご自身だけですよ、そう思われているのは。
 財務局は、東京都富裕論を刺激しないようにするため、三十年度の最終補正予算にしたと答弁をしております。
 五千四百億円といえば、平成二十九年度の決算数値でいえば、福井県などの決算額を上回る額であります。それを、補正予算として予算の特別委員会にもかけようとしないことの方が、ある意味、東京都の富裕論を刺激するはず。
 知事はこのような財務局の判断をどう思っているのか改めて伺います。

○小池知事 補正予算案への計上については、先ほど申し上げましたように、一月十一日に知事査定を行っております。その際の議論を踏まえたものでございます。
 何度も申し上げますけれども、有償所管がえに関する補正予算案の計上というのは、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出すという観点が一つ。そして、将来の財政支出を抑えるという観点からも、さらには都民サービスに影響を与えることなく財源を確保できたというタイミングでございましたので、これについては正しいというふうに考えております。よって補正予算案でしっかりと計上していただきたく考えております。

○山崎委員 次の方にちょっと移りますが、予算特別委員会、一問一答の場があって、まさにこの三十年度の補正でなく、三十一年度の同時補正という、そのようなやり方も私はあったと思います。
 続いて移らせていただきたいと思います。
 ちなみに、平成二十年、石原知事の時代、新銀行東京、これ、経営の危機に陥って、追加費用を最小限に抑えるために追加出資を決断したわけであります。このときは今回の十分の一以下の四百億円でありましたが、当初予算の同時補正とすることで、予算特別委員会で徹底的な審議が進められました。このような逃げない姿勢、真摯に議会や都民に説明責任を果たそうとする姿勢は、都知事の姿勢として真っ当なものだったと私は思います。小池知事とは対照的です。このような潔い姿勢は小池知事にはやっぱり無理ですかね。どうですかね。
 平成三十一年度予算の同時補正案とすべきと私は考えますが、石原知事の時代にもそのようなことがありました。それによって議会、都民に見える形で予算の議論が深まっていく、そういう形だと思います。
 改めて知事の見解を伺います。

○小池知事 先ほどからご答弁させていただいておりますように、この三十年度の最終補正予算案に計上したのはなぜかということ、これについては、理由は三つございます。
 一つが、築地まちづくりに対する都の意思を明らかにする、二つ目が、将来の財政支出を可能な限り軽減する、三つ目に、今年度財源のめどを立てることができたということでございまして、最終補正予算での速やかな予算を措置したところでございます。
 予算の議論をまさしく今やっているわけでございまして、どうぞ今後とも、この時間を有効にご活用いただきましてご審議いただければと、このように考えております。

○山崎委員 三十一年度の当初予算の同時補正にすると、三十一年度予算とは切り離して議論がもちろんできます。場合によっては継続審議とすることも可能であります。
 今回は三十年度の補正予算とすることで、まさに有償所管がえ以外の予算案件と合体をさせて、そこだけ抜き出すことができにくい形にしております。いわば補正予算案全体を人質にしてこの案件を通そうとしているようにも見えるわけであります。
 なぜこの案件を集中審議できるように同時補正をしなかったのか、今の知事の答弁では私は全く理解ができません。
 もう一回、知事、先ほどの答弁とは違う、知事のお言葉で私を説得してください。お願いします。

○小池知事 先ほど申し上げたとおりでございます。なぜ補正予算であるかという三点については先ほど申し述べました。これについてはご理解いただけるものと考えております。
 なお、なぜ同時補正予算ではないのかということにつきましては、財務局長の方からお答えいただいた方がよろしいんじゃないでしょうか。

○山崎委員 知事、ちゃんと答えてもらいたいですよ、そういったところは。答えてもらいたいところを答えずに、そして、全く答えなくていいところというか、延ばしていただいているのか何かわかりませんけれど、そういうことはぜひ慎んでいただきたいと思います。
 一般会計に所管がえするのは築地の再開発が目的であります。築地再開発をめぐっては、小島敏郎氏率いた市場問題プロジェクトチーム、こういったものがありましたね。また、市場のあり方戦略本部、こういうところもありました。
 そして今現在、関係局長会議、そして築地の再開発検討会議、また築地のまちづくり庁内検討会、そして築地まちづくり検討委員会。何個ありますか、こういうの。多くの会議が設置をされてきました。
 今いった会議体、もうなくなっているものももちろんあります。しかし、今回公表された素案には、具体性もなく、むしろゼロからの検討を始める内容となっております。
 つまり、具体性がどんどんなくなっていると同時に、最後は何でもありみたいな印象を持つのは私だけでしょうか。
 このような状態でありながら、知事は一般会計への所管がえ、つまり市場の土地を再開発のために都民の税金で購入することを決断したのですか。このような判断が都財政に与えるリスクをどう認識されているか、知事お答えください。

○小池知事 お尋ねの市場会計から一般会計への移しかえはどうか、税金を使っているのではないかということでございますが、これは、一言で申し上げれば、適正な対価による移しかえというものでございます。

○山崎委員 一方、築地市場のあり方に関する基本方針の変節についても、その経緯や知事の考え方が全く不明なままであります。
 まず、築地跡地について、当初の知事の方針に基づいて、食のテーマパークを五年以内、つまり二〇二二年の夏ごろには着工するとして始まった議論が、いつの間にか食のテーマパークは一つの考え方、次には、食のテーマパークを超えて、そして、とうとう食文化にさま変わりしたわけであります。
 このように、当初は市場機能を持つ食のテーマパークという具体的な方針であったが、どんどん意味不明な曖昧なものに変節したのは明白であります。
 都民ファーストの会の代表だった小池知事は、平成二十九年の六月二十日、都議選の直前、築地は守る、豊洲を生かすとの基本方針を公表いたしました。そして、築地に食のテーマパークや市場機能を残すと都民の皆様に約束をいたしました。まさにこれは公約であります。都民ファーストの会の公認の候補者の皆様も、このようなことを街頭でもいわれておられました。
 しかし、今回の築地まちづくり方針素案には、そのようなことはどこにも見当たりません。公約という都民との約束はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 知事は、我が党の代表質問に対して、基本方針の方向性は何ら変わっていないと答弁をいたしました。しかし、そもそも知事が築地に残すと約束した市場機能、そして具体的な施設を想定した食のテーマパーク、これは影も形もありませんでした。
 また、我が党が主張した有償所管がえを率直に受けとめ、受け入れることなく、あくまで市場会計として解決するから、税金をどおんと投入しないとの発言をしておられましたが、結局、一般会計に所管がえをし、しかも都有地にするとしました。まさに市場用地を都がみずから買い取るために税金をどおんと投入したのであります。
 このようにかつての知事の公約はその中身が完全に変わっているのに、方向性は変わっていないといい張ることは詭弁以外の何物でもありません。それでは、この点を具体的に確認してまいりたいと思います。
 基本方針を公表し、都民ファーストの会を率いて、都議選で都民の期待を背負った後、万葉倶楽部が、築地を食のテーマパークとするならば、千客万来事業から撤退する可能性があると報道がされました。
 また、秋になって、衆議院の総選挙で知事は希望の党を率いて大敗をいたしました。すると、食のテーマパークは考えの一つとトーンダウンいたします。
 このとき知事はなぜ基本方針をトーンダウンさせたのでしょうか。教えてください。

○小池知事 今、幾つかのご質問をされたので一つにお絞りくださるか、もしくは全部答えるかお選びください。

○山崎委員 知事、よく聞いてください。基本方針、食のテーマパークから考え方の一つ、トーンダウンしたんですよ。衆議院の選挙の後。それで、なぜトーンダウンしたのか教えてください。それだけです。

○小池知事 食のテーマパークという言葉に大変こだわっておられますが、その中身については何ら変わっていないということでございます。
 これまでの歴史、伝統、そして場外市場などの存在を踏まえると、築地にとりまして食というのはキーワードの一つであることは、もうこれは誰も否定しないと思います。
 築地が培ってきた大切な食文化を再開発の中でも生かしていきたいと、そういう思いでこの基本方針、食のテーマパークという表現を使ったわけでございます。
 有識者による議論の中でも食の伝統文化という点が取り上げられておりましたし、また、素案の中でも食文化と歴史的、文化的なストックも十分に生かすというふうに盛り込まれております。
 食のテーマパークという言葉を使うか使わないかは別にしましても、その趣旨は変わっていないわけでございまして、だからこそ一貫してそのことを私は申し上げているということでございます。よって方針を変えたわけではないということでございます。
 そしてまた、これまでの食のテーマパークという表現を用いたというのは先ほどから申し上げている点でございまして、この点については、基本方針としてそのまま一貫して持ち続け、築地を先進性と国際性を兼ね備えた東京の新たな顔として育てていくために発展的に検討を行っているというのが現時点でございます。何も変わっておりません。

○山崎委員 知事が、六月二十日のその基本方針、都議選の三日前ですよ、都民ファーストの会の皆さんも知事と一緒に、そのような発言もいろんなところでされておりました。まさにその六月二十日、知事がいわれたことは公約なんですよ。都民の皆さんや市場の関係者の皆さんは、知事の言葉を信じて、それで今までやってきているわけですよ。
 市場機能のことももちろんそうですよ。市場機能を残すと、知事、いわれたんですよね。傍聴席の人も随分うなずいていますよ。(発言する者あり)都民ファーストの会の人が何をいっているんだといっておられますけれど、傍聴席の皆さん、そうだったですよね。
 それでは、改めてもう一枚のパネルを出していきたいと思います。ちょっと小さくて申しわけございません。でも見えると思いますけれど。
 簡単にいいますと、六月二十日、築地は守る、豊洲は生かす。それが、この一月、二月、築地も豊洲も両方生かすになっているんですね。守るは一体どこに行っちゃったんでしょうか。そして、この築地市場、市場機能を確保していく。さっき傍聴席の人もうなずいておられました。
 それが今は、知事は記者会見の中のぶら下がりだったか記者会見で、最後は何ていいましたか。今まで食のテーマパークだとか、いろんな食文化とかいっておられましたけど、最後、京都の錦市場、これは商店街ですよ。そういう発言を知事はされましたよね。築地の市場に復帰される際にお手伝いをしていきますよと知事はいいました。だがしかし、結果、市場整備することはない、まさにこれは裏切り行為ですよ。
 そして、先ほどもいいました税金。この税金をどおんと投入しない、どおんと投入することはあってはならない、こう知事はいいました。そしたら、一般会計へ所管がえして売却をしない、都民の新たな借金にもなりかねない、そのような状態になってしまっているわけです。
 そして、築地の再開発の方。食のテーマパークから、フィッシャーマンズワーフという言葉もありましたね。食のテーマパークは一つの考え方、食のテーマパークを超えて、最後、食文化は大切に、そして、京都の錦市場までいわれているわけであります。食のテーマパークから創発MICE、国際会議場など文化や芸術やウエルネス、こういう言葉も使って、私たちはこれを見る限り、明らかに変節している。
 まさに私たちが豊洲の土曜マルシェに行って、アンケートを聞いて、皆さん変わったと思われている。しかし、知事は変わっていない。市場機能を残すといったにもかかわらず市場機能は残らない。こういったことも変わっているんですよ。変わっていませんか。
 じゃあ、そのことだけ教えてください。市場機能を残すといわれた知事、市場機能は残らない、これは変わっていますよね。イエスかノーで教えてください。

○小池知事 長々とご指摘ありがとうございます。築地ブランドを支えてきた食文化など生かすという意味で、基本方針では、豊洲市場への移転とともに築地について何らかの市場機能も含めて申し上げたわけでございます。当時、豊洲市場というのは安全対策を講じる前の段階でもございましたが、その後、豊洲市場の追加対策工事が行われまして、そして昨年の十月、移転が完了したということでございます。
 なお、豊洲市場につきましては、現在、中核の卸売市場として、事業者の皆様と日々の運営をおおむね円滑に行っているところでございます。
 築地につきましては、有識者の方々に幅広くご検討いただきました。そして、どうやって築地の付加価値をさらに高めることができるのかということで、さまざまなアイデアを頂戴したところでございます。
 そして、基本方針を発表いたしました後のさまざまな検討を重ね、それによって、築地を発展させていくことが大切との考え方に立ち、築地に卸売市場を--卸売市場ですよ、フルスペックで整備するということはないという旨を申し上げたわけでございます。また、民間市場としてもフルスペックの卸売市場の可能性というのは、それは民間企業がご判断されることだと思います。
 いずれにしましても、この一年八カ月の間に何が一番都民のためになるのかということを考えてまいりました。そして基本方針で示しました豊洲を生かす、築地を守ると。すなわち、豊洲と築地、両方をうまく生かしていく、シナジー効果ということも含めて、方向性に沿って東京のさらなる成長に向けてしっかりと進めていくということを申し上げたところでございます。ということから、今のご質問については、方向性は何ら変えていないということでございます。
 そしてまた、今お示しになっているのも、一つ一つ抜粋をされておられて、まだまだ、この全体像を捉えての表現にはなっていないと、このように感じるところでございます。

○山崎委員 市場機能を残すのか残さないのかどうなのかと、イエスかノーで答えてくださいというのに、まあ長々と、つらつらとお話をしていただいて(「誠実に答えているんだよ」と呼ぶ者あり)私には、それが誠実にお答えをしているとは全く理解ができないと思います。
 じゃあ、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 その年の十二月には、豊洲の開場日がようやく決定をいたしました。しかし、万葉倶楽部の問題は江東区へも影響をしてまいりました。三十年の五月一日には、知事が小田原の本社に行って高橋会長と面談されましたけれど、ご理解をいただけなかった、だめ。
 とうとう都は、万葉倶楽部との交渉を断念して、再公募を前提に関係者に説明をしました。要するに、再公募に移りますよ、もうなかなか万葉倶楽部とは難しいですから再公募に入りますよということを、江東区の関係者とも事務方はしっかりとその協議をしておられました。
 ところが、知事が秘密交渉を行い、ここで江東区の要望とは全く異なる新たな提案をされると、あっさりその案に乗って、しかも都が豊洲のイベントを行うことも、また、お金を出すことまで約束をしてしまったのであります。
 この万葉倶楽部の新たな提案というのは、オリンピックの後に千客万来施設の着工を進めることをお許しください、こういうことであったわけであります。こうしたことももちろん、数人で、ブラックボックスの中での出来事でありました。
 基本方針では、もともと千客万来施設のことは考慮されておられませんでした。そんな基本方針の場当たり性がこの間の混乱を招く一つの原因にもなっております。つまり、千客万来施設のありようは、豊洲に市場が移転することが大前提でありました。
 ところが、豊洲移転を否定し、市場ではなく総合物流拠点だといい始めたのは、知事、あなたです。
 その後の混乱は多くの方がご存じであります。結果的に千客万来施設は先送りとなって、経費と時間を浪費し、地元区との信頼関係にも大きく傷がつきました。
 知事は、六月二十日の基本方針を公表する際に、千客万来施設についてどのような認識を持っていたのかお聞かせください。基本方針を公表されるとき。今じゃないですよ。

○小池知事 基本方針を発表させていただきました際には、当然、千客万来施設がその後、建築をするということは念頭にございました。それを踏まえましても、大きな方針として方向性を出させていただいたということでございます。

○山崎委員 基本方針の中のどこに入っているか教えてください。

○小池知事 文言としては入れ込んでおりません。

○山崎委員 文言として入っていないというのに、入っているというのはおかしいんじゃないんですか。そういうことですよね。--じゃあ、そのまま行きます。基本方針には、文言としては入っていないということでありました。
 それでは話を戻します。昨年の十月、豊洲市場が開場し、築地は閉場いたしました。基本方針では総合物流センターの位置づけがありましたが、市場と物流センターは全く違います。全く違います。知事が事の本質を理解していないことこそが、方針変換でないと知事がいい張り、混乱が続いている原因の一つであります。
 基本方針で総合物流拠点として方向を示された豊洲が、今、市場として都民に親しまれ、栄えつつあるのをごらんになって、知事はどのような感想をお持ちですか、教えてください。

○小池知事 先ほど、さら問いでいただけなかったものについて、一つだけ加えさせていただきます。
 千客万来施設の事業でございますが、基本方針には文言として出ておりませんが、その後の関係局長会議におきまして、開発コンセプト等を具体化していく方針ということで、都として決定をいたしております。日付とすれば七月二十一日でございます。
 それから、豊洲におきましては、豊洲市場が地元の皆様や市場関係者の皆様に支えられて、おかげさまで、新たな歴史の歩みを一歩一歩、毎日、着実に進めているところでございます。そしてまた、築地から続く伝統を継承しながら、新たな豊洲のブランドを確立しつつあり、地元に愛される日本の中核市場、そして世界を見据えた食文化の新たな発信拠点へと育ててまいるように、豊洲をしっかりと生かしてまいりたいと考えております。

○山崎委員 今、知事、いろいろとお答えをいただいたんですけれど、まさにこの総合物流拠点といったこともそうですし、もちろん食のテーマパークだとか、市場機能を残すだとか残さないとか、こういった、今までの間、少しずつ消しゴムで消していくように、そして基本方針を何か修正をし、最終的に否定することが目的のように、少しずつ少しずつ書きかえていっているように、私は思います。それなのに、変わっていないとか思われるのは、全く私には理解ができないと思います。
 それでは、知事、これは、知事の意図的な行為なのですか、こういったことは。知事の発言がどんどん変わっていくのが意図的な行為なのか、それとも行き当たりばったりの思いつきなのか、はっきりと教えてください。

○小池知事 先ほど来、基本方針、こちらは、築地は守る、そして豊洲は生かすということ、何ら変わっていないということを申し上げたところでございます。
 そして、一方で、今、物流はどのように変化をしているでしょうか。卸売市場法そのものは来年六月には大きく変わります。これらの事象の変化ということも実際にしっかりと受けとめていかなければ、真の意味での市場のこれからの発展ということを計画ができかねるわけでございます。
 よって、世の中、その六月二十日の基本方針を述べたところでフリーズしていては、しっかりと市場を、また豊洲を生かすということにはつながらない。よって、必要な対策を講じているところでございます。

○山崎委員 要するに、フリーズしていないということは変わったということなんですよ。そういうことを知事自身がおっしゃっていると私は認識をしております。いずれにしても、説明責任を果たさなければ、それは変節です。都民との約束を破ったということであります。
 基本方針で、環状二号線を開通させると知事はおっしゃっておられましたが、今の暫定道路のことだったのですか。環状二号線、今どういう形になっているか、知事もよくおわかりだと思います。基本方針を当時聞いた人たちは、トンネルが開通することだと、当然のように思っていたはずであると思います。
 それでは、今の暫定道路は本線開通ではありません。知事、またここでも考えが変わったということでよろしいですか。どうですか、教えてください。

○小池知事 先ほど来の基本方針を受けまして、行政としての取り組みを検討いたしました平成二十九年七月二十一日、先ほど申し上げた日付と同じでございますが、関係局長会議が開かれました。そして、平成三十一年度末、オリンピックの前を目途に、環状二号線の地上部道路の整備を完了させる方針をお示ししたところでございます。
 そして、この環状第二号線でございますが、築地市場が移転完了した後、三段階で整備することといたしておりまして、まず、豊洲市場への移転完了後の十一月四日、暫定開通したのはご存じのところでございます。
 そして、旧築地市場のうち、環状第二号線の整備範囲を先行いたしまして解体、その後、第二段階として地上部道路の整備を行いまして、東京二〇二〇大会に向けましては、二〇一九年度末に開通、そして第三段階の本線トンネルについては二〇二二年度に開通させることといたしております。

○山崎委員 知事、そうじゃなくて、じゃ、ちょっと観点を変えます。
 基本方針を六月二十日に出されたとき、そのときに、環状二号線が開通します、こう知事はおっしゃっておられました。しかし、それを聞いた人たちは、もちろんトンネルも開通だと思いますよね、当然のように。
 あのときに暫定道路というものが入っていたのか、入っていなかったのか、じゃ、それを教えてください。自分で答えてください。

○小池知事 オリンピックのとき、開催をされる際には、地上部道路というふうに申し上げておりました。

○山崎委員 地上部道路でちょっと逃げないでください。今の形の暫定迂回道路。知事もわかりますよね。通られましたか、あそこの暫定迂回道路。通ってない。通っている。通っているよね。あの今の形の暫定迂回道路を--その二〇二〇年のときにそうなるわけではなかったはずです、もちろんのこと。それを、基本方針の中で、開通させるといったあの発言、誰もがトンネルだと思っておられますよ。
 それが何で、そのときに暫定迂回道路、そういったものが計画として入っていなかったのか。どうなんですか。認めなきゃいけないんですよ。

○小池知事 築地に関しまして、三つの基本方針で、築地市場を五年後を目途に再開発する、環状二号線は五輪前に開通させ、当面五輪用のデポ、輸送拠点として活用すると、この旨を述べております。
 この基本方針をベースに行政としての取り組みを検討いたしまして、先ほど来申し上げております七月二十一日の関係局長会議で、平成三十一年度末を目途に環状二号線の地上部道路の整備を完了させる方針をお示ししたところでございます。

○山崎委員 ですから、今の話、知事、変わったということなんですよ。そういったところはやっぱり認めなきゃいけないですよ。別に、それを認めることがマイナスになるんですか。認めることは認めなきゃいけないと思いますよ。それは、知事が出してきた基本方針とここまで変わっていることもあるわけですから、やっぱり認めなきゃいけないことは認めるべきだと思いますけれど、そういわれてもまだ認めませんか。どうぞ。

○小池知事 先ほど来申し上げておりますように、行政として対応すべきところは対応しているということでございます。

○山崎委員 行政でなくて、行政のトップ、知事なんですから、知事はどうなのかということを聞きたいんですよ、知事は。行政ではない、理事者ではない、知事はどうなのか、教えてください。

○小池知事 ですから、行政のトップとして対応しているところでございます。

○山崎委員 今の答弁も聞くと、やはり知事は変わられているということを、ある意味、認識せざるを得ない、そのように思っております。
 インターネットで中継を見ている方や庁内テレビもあると思いますけれど、こういったところで、変わったか変わっていないかという議論。でも、認めるべきところはやっぱり認めていかなくては、話が前に進まないと私は思いますよ。ぜひそういった点は、改めて知事にお願いをさせていただきたいと思います。
 それでは、次に移りたいと思います。
 平成二十九年六月二十日、またまたいわせていただきますけれど、築地は守る、豊洲を生かす、この基本方針の中から築地まちづくり方針の素案まで、この考えは首尾一貫しており、何ら変節をしていないと知事は断言をしております。これまでの説明で都民は十分理解をしてくれていると思っているのでしょうか。
 きょうも、さまざまな関係者の皆様が傍聴に来ていただいております。雨の中、また、朝早くから、この傍聴席はたしか六十九、七十席ぐらいだったと思います。ですから、八時半といえば、もちろん知事が一問一答でお答えになる、知事に説明責任を果たしてもらえるんじゃないかということで、恐らく皆さんもっともっと朝早くから、この都庁の都議会議事堂の方にお越しをいただいていたと思います。その中には、はっきりとだまされたといっている方たちもいます。
 知事は、ご自身の発言が都民の皆様に理解されていると思っているのですか。明確にお答えください。自分の言葉で教えてください。

○小池知事 先ほど来からの同趣旨のご質問かと存じます。
 基本方針からの方針を転換したのかどうかということでございますけれども、しっかりと、この基本方針の中で述べたように、築地の歴史、ポテンシャルなどを踏まえて、そして、貴重な都民の財産である築地市場の跡地をしっかりと生かしていくということ、そしてまた、市場関係者の方々の声には寄り添っていくということについても引き続きお伝えをしているところでございます。

○山崎委員 今、市場関係者の皆様にも寄り添っているといわれておりますけれど、傍聴席の中には市場関係者の皆様もいらっしゃいます。
 皆さん、どうですか。全然、首を横に振っておられますね。そういう方たちを見ても、まさに、知事の発言が本当にどうなってしまっているのかというのが全く見えない。全く見えない。
 もう一回見ますか。じゃ、再度、パネル、ちょっとお願いいたします。
 先ほども出させていただきましたけれど、このアンケート、もう一度よく見てください。このパネルの結果がまさに都民の民意である、そのような形をとられてもいいと思います。
 今までの知事の言葉を誰も理解されないと私は思います。そして、今までの私の質疑を通して、何かいいわけありますか。どうぞお答えください。

○小池知事 いいわけはございません。

○山崎委員 じゃあ、もう一度このパネルをよく見ていただいて、百四十三。二時間ちょっとですよ。変わっていないが八。百四十三と八、こういう結果が本当に出ている。別に我々は、誘導してこのようなことをやっていません。知事の発言、そういったものを全てここに入れさせていただいて、お聞きをしたわけでございます。(「これが都民の思いだよ」と呼ぶ者あり)こういったことが、今、都民の思いだという発言も聞こえてきました。
 これを見て、先ほどの答弁もありましたけれど、もう一度、知事、この結果を見て、知事のお答えをください。

○小池知事 貴重なアンケートをありがとうございます。また、先ほど来申し上げておりますように、アンケートというのは設問次第で大きく変わってくるものでございます。
 ただ、ここで申し上げたいのは、築地まちづくり方針が全てを国際会議場にするかのような、そのような印象を持たれているというのは、これは違うということでございます。
 公共性のある建物といいましょうか、公共性のある部分と、それから、国際的な拠点づくりということがこれから民間のプロジェクトとしていろいろと上がってくる。その前に、パブリックコメントで皆様方からのご意見を伺ったという、そういう流れの中に来ているものでございまして、この設問はその意味で正しくないということをいわざるを得ないかと思いますが、参考にさせていただきます。

○山崎委員 今、知事が築地のまちづくり方針の素案の方の話をされましたので、じゃ、この何とかゾーン、交流促進ゾーン、ゲートゾーン、おもてなしゾーン、水辺のゾーン、こういったくくりになっているんですよ。楕円形だとか、こういう円で。じゃ、これはどういうことですか。別に、このゾーンにして、こういう形をするんであれば、文書だけでいいんじゃないですか。それをこういうふうに何でくくっているのか、全く私は理解できません。
 知事、教えてください。知事に聞いているからね。
   〔佐藤都市整備局長発言を求む〕
   〔山崎委員「知事に聞いています」と呼ぶ〕

○小池知事 このご質問につきましては、担当局長の方からお答えさせていただきます。

○山崎委員 私は局長に聞いているんじゃないんです。知事に聞いているので、知事にお答えをいただきたいと思います。委員長、お願いします。
   〔佐藤都市整備局長発言を求む〕
   〔発言する者多し〕

○中山委員長 続けてください。
   〔山崎委員「私は知事にいったんです」と呼ぶ〕
   〔発言する者多し〕

○中山委員長 局長が手を挙げているので。。

○佐藤都市整備局長 築地まちづくり方針の素案につきましては、大きな視点を踏まえまして、庁内及び専門家の方々の検討委員会を経て、この二十三ヘクタールという広大な土地を段階的に整備すると、そういう考え方のもとで幾つかのゾーンを定めて、そのゾーンをどういうコンセプトで開発していくか、そういうことを検討したものでございまして、その中で、今回は、おもてなしゾーン、水辺の顔づくりゾーン、交流促進ゾーン、ゲートゾーン、こうしたゾーンに分けてやるということを提言したものでございます。

○山崎委員 委員長、ちゃんと私は知事に質問しているんですよ。知事に聞いているのに、何で局長が答えているんですか。こんな委員会の運営はないと思いますよ。(「あり得るよ」と呼び、その他発言する者あり)あり得ないですよ。都民ファーストの人、ちょっと静かにしてください。とにかく、ちゃんと仕切ってもらわなきゃ困るんですよ。
 委員長、どうですか。

○中山委員長 知事、いかがでしょうか。

○小池知事 ただいま局長からお答えをしたとおりでございますが、あえて私の方からお伝えをするならば、地域の特性を生かして、周辺のエリアとも連携して、公共性の高い施設としての国際会議場があり、そしてまた、民間からの提案による大規模な交流施設を中核にしながら、文化や芸術、そしてウエルネスなどの機能を相互に連携させる、融合させる、相乗効果を発揮させると。このようにして、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくということでございます。
 また、二十三ヘクタールというのは、極めて大きな面積がございます。そこで、ゾーンごとの導入機能イメージとしてお伝えをしたものであって、ホテルであるとかレストラン、それから場外市場などとのつながりの配慮などもいたしまして、その旨を絵図としてあらわしたものでございます。
 これからのスケジュール感でございますけれども、年度末、もうすぐでございますが、まちづくり方針を取りまとめいたしまして、その後、民間事業者から具体的な提案も伺いながら、まちづくりを具体化していくということでございます。
 まさしく今、これから大きく民間活用、民間のアイデア、知恵を生かしていくということでございまして、それから、先ほどからご議論いただいております食でごさいますけれども、そこに、食に関する機能についても、形態はさまざまでありますけれど、その中で、方針に沿って具体的な機能が実現されるということでご理解いただきたいと存じます。

○山崎委員 まず、市場機能は残っていないんですね。そして、もう本当に後から後からこう変わっていく。その都度その都度、本当は説明しなきゃいけないんですよ、知事。
 知事がいろんなことをいうから--大丈夫ですか。(小池知事「いや、よく聞いています」と呼ぶ)知事がいろんなことをいうから、その都度ちゃんと説明責任を果たしていないんですよ。
 本来は、いろんなことをいっていることが悪いことではないと思いますよ。考え方だとか、そういうのもあるから。
 じゃあ、なぜちゃんと説明しないんですか。議会に対しても、都民の皆さんに対しても、市場業者の皆様にも、何でそういった節々でちゃんと説明をされないんですか、教えてください。

○小池知事 議員におかれましては、よくご理解いただいてまことにありがとうございます。
 また、私が一昨年の六月の基本方針で示しましたのは、築地、豊洲、生かしていこうという、都の宝物を生かそうという考え方、これでございます。そう思いませんか。そこを共有できないですか。
 築地を生かしていくのも、豊洲を生かしていくのも守っていくのも、都民のため。都民にとって、また、東京という国際的な都市、都市間競争を行っているこの東京にとりまして、この二つを生かすことがどんなに東京にプラスになるでしょうか。そのことを申し上げているわけであります。
 言葉が使われているかどうかということなどについては、それは誤解を生んだところもあるかもしれませんが、しかしながら、食を大切にすると(「誤解を生んだ」と呼ぶ者あり)済みません、今、答えているので、どうしましょうか。(山崎委員「どうぞ」と呼ぶ)
 食ということについては、長年培ってきた文化であると、ブランドであるということは何度も申し上げているじゃないですか。そして(「いっていないよ」と呼ぶ者あり)いったじゃないですか。(「いっていないよ」と呼び、その他発言する者あり)いっています。確認してください。食についての文化を培ってきたというのは何度も申し上げてきているところでございます。
 これについてはよくお調べいただければわかるとおりでございまして、テーマパーク云々ということでございますけれども、しかしながら、その基本は食の文化があるからこそ、その言葉が出るのであって、これについては、しっかりこれからも、この築地を再開発するに当たりましても、形がどうかというのはこれからのさまざまな民間のアイデアにもよるところがございますけれども、それを生かさない手はないと、私はこのように考えているところでございます。
 よって、築地の再開発につきましては、基本方針を踏まえながら、さらに発展をさせていく、そして都民に対して、この大切な土地をさらに有効に使って活用していくということを改めて申し上げたいと思います。

○山崎委員 いわゆるすりかえなんですよ、すりかえ。そういうやり方なんです、小池知事は。
 そうですよね。傍聴席の方、随分うなずいていますよ。
 そういうことも含めて、この築地再開発に限らず、都政の方針が変更されることはいろいろとあるかもしれません。
 問題は、先ほどもいいました。その都度その都度、きちんとその理由を都民や都議会に説明をし、説明責任を果たし、それぞれの段階で理解を得ながら、知事と都議会が共通認識を持って都政を運営していくことが、本来の姿なんです。本当のやり方なんです。それをなぜ知事はやられないのか。教えてください。

○小池知事 今ご指摘のとおり、私はしっかりと議会の皆様にも、職員も通じてということもございますが、私自身からもご説明を申し上げているとおりであり、そのために定例議会が各時期に行われているということでございます。
 引き続き、都民の皆様方にはわかりやすく、丁寧にご説明、当然議会にもしてまいりたい、そのような姿勢は変わっておりません。

○山崎委員 まず、都議会の方、少なくともこの間、知事と一問一答をしたいといった六会派、今の答弁を聞いて、納得できている人はいないと思いますよ。
 与党の皆さんはどうでしょうか。与党の皆さんの中にもいろんなご意見があるそうで、そして、今回のこの質疑、私がなぜ九十五分をいただいたかというのは、都民ファーストの皆さんから自民党に三十分いただいたから、私は九十五分のこの質問ができる形になったんです。改めて、都民ファーストの皆さんにお礼をいいたいと思います。ありがとうございます。それだけに、この一問一答は大切な一問一答であるということ。
 私がもう一ついいたいのは、六会派が求めてきた一問一答。求めていない与党、都民ファースト。質問しなきゃいいんですよ、求めていないんだから。
 なぜ初め、質問をしたのか。私にはその点も全く理解ができません。(「質問しろ、大事な時間なら」と呼ぶ者あり)それでは、今、怖くにらまれていますから、質問をしたいと思いますけれど。
 この基本中の基本を、小池知事は踏みにじっています。先ほどいった私の、その都度その都度、ちゃんと都民に説明をすること、そしてそれぞれの段階で理解を得ること、こういったことの基本中の基本を、小池知事は踏みにじっております。
 この間の都政の混乱と迷走の責任を、私はとるべきだと思いますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 それは見解の相違かと存じます。
 そしてまた、私は、都民を代表する皆様を前に、定例議会で代表質問、一般質問、そしてさまざまな質問にはお答えをし、また、都職員につきましても、それぞれの常任委員会等で、皆様方のご質問にお答えをしているということでございます。そういうやりとりを通じまして、さらに都政を深めていくということは正しい方向ではないかと、このように思います。
 また、議会での答弁時間のやりとりにつきましては、それは議会でお決めになることであることを改めて申し上げておきたいと思います。

○山崎委員 知事、今おっしゃっておりますけれど、私たちはその点、全く理解できません。
 多くの方が、今の知事の発言によって、都議会があるから、都議会の定例会、また、常任委員会、そういった場があるから--そういった場はもちろんありますよ。しかし、都民の皆さんはどのように考えているのか。
 知事の今の発言、じゃあ、我々にちゃんと説明しに来てくださいよ、私たちの意見を聞いてくださいよという業界の皆さんもいっぱいいると思いますよ。そういう都議会以外の業界の皆さんに対して、知事はこれからどのようにやっていくのか。
 具体的にいってください。具体的にお願いします。

○小池知事 ご質問がまた多岐にわたっていたので、どこをお答えすればよろしいかわかりませんが、業界の皆様方とは、それぞれの業界との連携というのは非常によく行われて、また、皆様方のご意見をよくお聞かせいただいているところでございます。
 さまざまなご要望がございます。しかし、それを一つ一つ、都の市場局、市場の市場担当と、そしてまた、私自身が直接お会いすることもございます。そのようにして連携を深めているということは事実でございます。
 これからもご要望についてはしっかりと耳を傾けさせていただき、今後の市場のあり方についてこそ皆様方と連携をしながら進めてまいりたい、このように考えるところでございます。
 また、業界の皆様方も、今、大きく世の中、社会が変わっているということについても、よくご存じでございます。だからこそ、しっかりと連携をとりながら、この市場を、これからも持続可能であるための方策というのを見出していきたい、このように考えております。

○山崎委員 知事はそうおっしゃっておられますけれど、全く業界はそのようには思っていないと思いますよ。
 知事が膝詰めでいろんなことをちゃんと真摯に向き合ってやってくれれば、そういう意見はどうなっていくのか。どんどんどんどん小さくなっていくかもしれませんし、もしかしたら大きくなっていく可能性もある。でも、やはり膝詰めで知事がちゃんとやらなきゃいけないことなんですよ、こういうことは。ぜひそのことは認識をしっかりといただきたいと思います。
 知事は、都知事である以上、都民の皆様の声に耳をしっかりと傾け、難しい問題であっても、都民と真摯に向き合うべきであります。都政の透明化、こういったものを公約に挙げて都知事に就任された小池知事が、みずからの意思決定のプロセスを明らかにしておりません。みずからの意思決定のプロセスを明らかにしておりません。
 小池知事は約束が守れない人、そして独断で物事を進める人、独断で物事を進める人、こういったことを思うと、これ以上知事の立場にいてはならない人ということにつながってしまうわけであります。そんな思いが、都民の心の内に芽生え、日に日に大きくなっているはずであります。
 昨日の東京マラソン、あの最後の知事の表彰式の姿を見て、全国の皆様から多くの批判の声が寄せられておりました。
 ポケット。ポケットにもいろんな意味があるんですよ。知事はご存じですか。このポケットもそうです。こういうポケットも、こういうポケットも。それ以外にもどういう意味があるか、知事、もしわかれば教えてください。

○小池知事 ご質問の趣旨がよくわかりません。
 そして、私は、今、ポケットと伺いまして、あるはずのない地下空間が出てきた、あそこがポケットではなかったかなというふうに思います。
 わからないことがわかるようになった、そして、大きな問題になってきたということがこの間の出来事であり、それらのことを一つ一つ皆さんで分析もし、そして、ここまで進めてきたというのが、きょうの段階でございます。
 これからは、豊洲市場を中核的な卸売市場として、しっかりと業界の皆様と連携しながら育ててまいります。
 また、築地再開発につきましては、基本方針をベースにしながら、また、先ほど発表させていただきました素案、パブリックコメント、そしてまた、皆様方からのさまざまなご意見をいただきながら、ご提案をいただきながら、都民の宝として、東京の宝として大きく成長させていきたい、このように考えております。
 以上でございます。

○山崎委員 知事、今いわれておりました豊洲市場と築地市場のこと。変わっていないという基本方針から、このまちづくりの素案、これをどのようにやっていくのか、私も見ものです。
 五年以内に着工する。知事はいわれましたよね、五年以内に着工する。それでは、五年以内に着工するといったスタートはいつですか、教えてください。

○小池知事 先ほどからお答えいたしておりますように、まず素案をまとめ、そしてパブリックコメントを頂戴し、そして民間からの提案を頂戴するということになっております。その上で基本方針を固めてまいりますので、そこをベースにするものと考えております。

○山崎委員 いつからの五年以内に着工すると聞いているんです。そんな話は聞いておりません。明確にお答えください。
 委員長、早く促してください。五年以内と自分でいっているのに何でわからないんですか。五年以内といっているのに。

○中山委員長 いかがですか。

○小池知事 失礼をいたしました。先日の常任委員会での答弁がございまして、それをそのまま引用させていただきますと、昨年の十月より検討開始をいたしておりまして、五年以内の着工を目指すということでございます。

○山崎委員 この五年以内のスタートって、いろんな角度があると思うんですよ。恐らく、都議選の前の、三日前の六月二十日、これを出してからの五年といわれる、思っている人たちもいますよ。(「それより前だよ」と発言する者あり)その前という人もいますよ。(「そうだよ」と呼ぶ者あり)ねえ。その辺をちゃんと明確に、知事、最後に教えてください。何、都市整備の皆さんやっているんですか。

○小池知事 先ほどお答えしたとおりです。

○山崎委員 答えていないんです。いつからの五年なんですか。いつからの五年なんですかと聞いているだけなんですよ。何でそれでそんなに戸惑うんですか。

○小池知事 済みません。戸惑っておりません。平成二十九年十月から五年以内の着工を目指すことと、せんだっての常任委員会でご答弁したとおりでございます。

○山崎委員 常任委員会でって、逃げているんですよ、それも知事ね、はっきりというけれど。知事は五年以内に着工するといった。自分で初めの中でいったにもかかわらず、その五年のスタートがわからないなんて、おかしな話ですよ。まあ、これから予算特別委員会もあります。
 そして、ただ、我々は、きょうの質疑で最後にいわせていただきますけれど、まず、知事は選挙の公約を、これを守られていない。公約を撤回したことは明らかです。
 そして、開き直り、変節。情報公開の一丁目一番地はどこへ行ったのか。思いつきや場当たり的、失敗、ごまかし、不誠実な政治姿勢、また対応。こういったことをいわれてもいたし方ないと我々は思っております。この中継を聞いて、いろいろと、テレビを見ている方、ネットを見ている方、どう思われるでしょうか。
 ぜひ今後も、我々はしかるべき対応をとっていく。真摯に取り組む、また、しかるべき対応をとっていくことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○中山委員長 山崎副委員長の発言は終わりました。
 議事の都合により、おおむね十分間の休憩をいたします。
   午前十時五十九分休憩

   午前十一時十分開議

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 あぜ上委員の発言を許します。

○あぜ上委員 初めに、一昨年六月二十日、この基本方針について伺います。
 一昨年六月二十日の記者会見で、知事は、市場移転問題に関する基本方針を発表したとされました。
 知事に伺います。東京都の文書として、市場移転問題に関する基本方針という二〇一七年六月二十日付の文書、これは存在しているのでしょうか。まず伺います。

○小池知事 存在いたしております。

○あぜ上委員 それは何のことを示されているんでしょうか。

○小池知事 記者会見で発表した資料でございまして、タイトル、小池知事記者会見、平成二十九年六月二十日となっております。それぞれパワーポイントになっております。

○あぜ上委員 六月二十日の記者会見で知事は、市場移転問題については、本日、ご報告がございますので、私の方から冒頭発言をさせていただきますと、こう述べて、冒頭発言をされています。
 そして、知事会見の公式ウエブには、冒頭発言の記録と、会見で使用したスライド資料は、こちらをごらんくださいとなっております。それをクリックして出てくるのが、先ほど知事がお示しされました、この青いものであります。基本方針といわれるものは、知事の冒頭発言とスライド資料しかございません。
 どれが基本方針なのか、ちょっと確認します。冒頭発言が基本方針なのか、スライド資料が基本方針なのか、その両方が基本方針なのか。知事、簡潔にお答えください。

○小池知事 お尋ねの件でございますけれども、ホームページ上に上がってもおります記者会見の資料及びその説明でございます。

○あぜ上委員 両方ということですね。
 二〇一七年八月十日の定例会見で、基本方針について検討した記録が都に残っていないことを指摘され、知事は文書が不存在であることを認めておられます。
 なぜ文書が不存在なんでしょうか。

○小池知事 お答えいたします。私は、市場移転問題への取り組みに際しまして、専門家会議や市場問題プロジェクトチームといった外部の有識者による検討を進め、そして市場のあり方戦略本部において行政としての総点検を行い、事業者の方々からの意見も重ねてお聞きしたところでございます。これらの幅広い議論を踏まえまして、さまざまなご意見を参考として、熟慮を重ねて、政策判断として基本方針をお示ししたところでございます。
 よって、さまざまな方々のご意見を参考に、最終的に私が政策判断として取りまとめたものでございますので、よって、先ほどのお答えについては不存在という形をとったわけでございます。

○あぜ上委員 知事が決断をされるということは当然あることです。しかし、その場合も、知事の決断を東京都の行政方針として決定する手続が当然、必要なわけです。
 基本方針の知事の決断を東京都の行政方針として決定する手続をしなかったんでしょうか。確認します。

○小池知事 この基本方針の内容でございますが、当日、六月二十日ですね、午後の記者会見に合わせまして発表をしたものでございます。その前に、副知事及び市場当局に内容についてお伝えをいたしました。と同時に、基本方針を踏まえ、行政として具体化に向け検討を進めるように指示をしたところでございます。

○あぜ上委員 口頭で伝えたと、だから、基本方針を都として検討した文書は不存在だということがわかりました。
 それでは、六月二十日の会見で知事が使ったスライドの資料は、誰がつくったんでしょうか。

○小池知事 さまざま検討する中でまとめてつくられたものでございます。

○あぜ上委員 誰がつくったのかと伺っているわけです。もう一度ご答弁ください。

○小池知事 さまざまな方々のご意見を取り入れながらまとめたものでございます。私自身もその文言等にかかわって議論をして、それをまとめたものでございます。

○あぜ上委員 東京都の組織としてつくったものではなく、知事の周りのブレーンの方がつくったということですか。

○小池知事 ブレーンと呼ぶかどうかは別にいたしましても、さまざまな方々からご意見を賜ったものを集大成し、私自身が政策判断としてまとめたものでございます。

○あぜ上委員 それでは、知事は、なぜ六月二十日にこの記者会見を行う必要があったのでしょうか。この日は火曜日でした。金曜日の定例会見ではない日になぜ会見を入れたのか伺います。

○小池知事 記者会見を行ったのは、ご指摘のように二十日でございます。一方で、戦略会議が終わったのは十六日の時点でございましたので、その機を活用しまして二十日に行ったということでございます。

○あぜ上委員 十六日に戦略会議があったということ、これはそのとおり、私も確認しております。都として、基本方針を二十日に、わざわざ、定例の記者会見である金曜日ではなく、前倒しで火曜日に示したと。
 基本方針を示す必要性などありませんでした。三日後には都議選の告示というタイミングでありました。
 当時、知事が代表を務めておられました都民ファーストの会の市場移転問題の公約を明確にするために、知事の基本方針を示す必要があったのではありませんか。

○小池知事 それは見解の相違かと存じます。

○あぜ上委員 事実をお答えいただきたいと思います。
 私がそう思っただけではございません。東京新聞の二月四日付社説にも、都議選三日前だったから実質的に選挙公約だということも記載されております。
 基本方針は、先ほども知事のご答弁がありましたように、知事がつくったものであります。東京都という組織としてつくったものではありません。
 知事が、基本方針を明らかにする必要があった。三日後の都議選告示日に発表する都民ファーストの会の公約、基本政策集に間に合わなくなるからです。そして、都民ファーストの会の基本方針に、知事の立場を尊重します、こう公約には書き込まれました。
 さらに伺います。知事はこの方針を、なぜ基本方針とされたんでしょうか。
 つまり、市場移転問題に関する、先ほど来お話があった大枠の方針とか、最近よくいわれる大きな方向性とか、そういうことでなく、基本方針というふうにした意図は何なのか、その点、伺います。

○小池知事 ご質問にお答えいたしますと、基本の方針だからであります。

○あぜ上委員 広辞苑によりますと、基本とは、物事がそれに基づいて成り立つような根本と、こうなっています。基本とは、ぶれてはならないものなんです。
 大きな方向性は変わっていないなどといういいわけは通用しません。それは、基本方針というに値しないものだったと、みずから認めるものと同じです。
 ここまでの質疑で、基本方針は、東京都の行政方針として決定された、そういうものではなく、ひとえに知事の責任において発表されたものであること、そして、知事と都民ファーストの会の選挙公約にほかならないことが、私は明らかになったと思います。
 本日の知事との一問一答、この時間をいただきましたが、時間は極めて限られております。
 私は、この事の本質をわかりやすくするために、まず二〇一七年六月二十日の基本方針が、現在出されています築地まちづくり方針素案でどうなったのか、この点に絞って伺いますから、正直にお答えいただきたいと、事実に基づいてお答えいただきたいと思います。
 これは、二〇一七年六月二十日に、知事の記者会見で、知事、あなたが発表したものの方針一ですね。(パネルを示す)築地は守る、豊洲を生かす。その中で、方針一、築地市場の進化というのが一六ページに書かれております。
 新たな築地の姿、仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引を確保、発展と書いていますが、仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引を確保、発展についての方針は、変わったことは明らかではありませんか。先ほども意味とか方向性とか考え方というふうにおっしゃっていましたが、私は、事実として伺いたいと思います。
 仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引の確保については、築地まちづくり方針素案で、どこに書かれているのか、お答えください。

○小池知事 私が基本方針でお示しをさせていただきましたのは、今ご指摘が、図で、パワーポイントをお示しいただいたような、豊洲、築地、その両方を生かす、守るということでございます。大きな方向性を示させていただきました。
 そして、目きき、競りなどの内容でございますが、これまで歩んできた築地の歴史やポテンシャルを踏まえて、その再開発の一つの考えとして示したものでございます。
 この基本方針をベースとして、都として検討を行いました。そして、一昨年七月の市場移転での関係局長会議で、築地については民間主導で開発を進めていくということといたしております。そして、その後、有識者のご意見もいただきながら検討を重ねてきたわけでございます。
 今回のまちづくり方針でございますが、再開発の考え方といたしまして、地域のポテンシャルを生かしながら、新たな東京ブランドを創造、発信する国際的な交流拠点を形成することといたしておりまして、食文化など歴史的、文化的なストックも十分に生かすということを示しております。これは先ほど来、ご答弁させていただいているところでございます。長年培った築地のブランドを生かしていくということでございます。

○あぜ上委員 そういう後づけのいい方はしないでいただきたいと思うんです。時系列でいうことは、結局、方針転換の後づけにほかならないと思うんです。
 もう一度伺いますけれども、新たな築地の姿、仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引の確保、発展、これは築地まちづくり方針、こちらの方の素案でどこに書かれているのか。事実だけを簡潔にお答えください。

○小池知事 先ほどもお答えをさせていただきましたが、基本方針をベースといたしまして都として検討を行ってきたものでございまして、築地については民間主導の再開発を進めていくことといたしております。
 その後も、有識者の意見をいただきながら検討を重ねてきております。中でも、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かすということでございます。
 また、築地には、場外市場を初めとする食の文化、今もございます。それらとの連携なども含めまして、これからこの築地の再開発、民間主導の中で進めていくこととなろうかと思います。

○あぜ上委員 私の質問に答えていただきたいんです。事実だけをお答えいただきたい。
 築地まちづくり方針の素案のどこに、仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引の確保、発展が書かれているのか。事実だけお答えください。

○小池知事 先ほど来お答えいたしておりますとおり、これまでの基本方針でお示ししたところに加えまして、これまで歩んできた築地の歴史、ポテンシャルを踏まえた再開発の一つの考え方として示しているものでございます。

○あぜ上委員 結局、事実を答えられない。何度聞いても、結局、新たな築地の姿、仲卸の目ききを生かした競り、市場内取引の確保、発展が、この築地まちづくり方針素案では消えてしまっている。基本方針の変更は、明白ではありませんか。
 これは、きょう持ってきたんですけれども、二〇一七年六月二十日の基本方針の記者会見の翌日の新聞記事です。各社が一斉にこの知事の方針について書いています。「市場両立」「併存に困惑」「両立できる?」と報道しています。
 これは朝日新聞の記事ですけれども、会見のときの主なやりとりが書かれていました。会見でのやりとりで、市場が二つ存在することになるのかとの問いに対して、知事は、豊洲市場は新たな中央卸売市場としての機能を優先させる、築地は市場としての機能を確保できるための方策を見出したいと、はっきりお話しされています。
 産経新聞でも、知事は、私は豊洲移転ありきではなく築地なんですよ、基本的にとまでおっしゃって、両立案によって市場機能が分割されることに業界内から批判が上がっていることに対しては、市場を取り巻く環境はこれからも激変していく、それぞれの特徴を生かして共存できると思うとまでおっしゃっています。先ほどもいいましたが、これは基本方針の記者会見の翌日の六月二十一日の新聞記事。
 当時の新聞報道でも、築地に市場としての機能を確保できるための方策を見出したいという説明は、もう疑う余地はありません。
 知事、まちづくり方針素案では、築地に市場の機能を確保という言葉はどこに書いてありますか、事実としてお答えいただきたい。書いてあるかないか、事実としてだけお答えください。

○小池知事 今ご紹介いただいた新聞記事と、その後、豊洲市場の追加安全対策工事などが講じられる前の記事であったかと認識をいたしております。
 築地ブランドを支えてきた食文化などを生かすという意味で、基本方針で豊洲市場への移転、そして築地につきましては、市場機能も含めた話をさせていただいたわけでございます。
 築地については、有識者の方々に幅広くご検討いただいて、さまざまなアイデアをいただいたものでございます。
 豊洲市場が卸売市場として移転を行った今、卸売市場を築地に新たに整備することはないということを先日の代表質問で申し上げたところでございます。
 一年八カ月、経過いたしておりますが、何が一番都民のためになるかを考えてきた結果でございまして、基本方針でお示しをいたしました豊洲と築地の両方を生かすという方向性に向かって、東京のさらなる成長に向けて、しっかりと進めていきたいと考えております。
 それから、市場機能について、先ほどからもお話もございますけれども、生鮮食料品の流通拠点として市場機能があるわけでございます。
 つまり、産地から生鮮食料品を集めて、競りなどの取引を通じて価格を形成するという点、小売業者や買い出し人の需要に応じて商品を仕分けして、それを届けるなどのさまざまな機能がございます。
 築地にとりましては、食文化が重要な要素であるということは、先ほども何度も申し上げているところでございますが、場外市場との連携を考慮した場合にも、豊洲市場から新鮮な食材を提供するための物流の機能を持たせたり、鮮魚の小売など、民間ベースで食にまつわるさまざまなビジネスが生まれる可能性がございますという答えでございます。

○あぜ上委員 知事は、今、時系列でいろいろご説明をしましたけれども、私たちは、その都度、厳しくただしてまいりました。
 きょうは時間がありませんから、この二〇一七年の知事の記者会見、六月二十日の基本方針と、それから、この築地のまちづくり方針、これに絞って聞いているわけですから、簡潔にお答えいただきたいと思うんです。
 知事、再度伺いますけれども、この築地まちづくり方針素案に市場の機能、これは出ていない、書かれていない、この事実はお認めになりますね。認めるか認めないか、知事です。

○小池知事 それにつきましては、担当局長からのご答弁とさせていただきます。
   〔発言する者あり〕

○佐藤都市整備局長 都市整備局の方から補足説明させていただきます。
 先ほど来、目きき、競りなどの表現、あるいは市場機能の記述が、まちづくり方針素案の中に記載があるかどうかというご質問でございましたが、基本方針の公表後、関係局長会議の方に、築地のロケーションを最大限に生かした再開発に向けて、夢のある姿を導き出すことという指示を受けまして、その後、私どもで、再開発検討会議の中で、専門家の方々からのさまざまな意見をいただいて、大きな視点を取りまとめていただきました。
 その大きな視点を踏まえて、さらに築地のポテンシャルを生かして、魅力と付加価値を高めて東京の持続的な成長につなげていくというために、東京の築地の将来像、それから、分野別方針、段階的整備の進め方などを示すという性格のものとして、築地まちづくり方針を取りまとめたものでございまして、そういった意味では、その基本方針にあったものが、直接そこに記載されているかどうかということにはならないということでございまして、そういう意味では記載はされてございません。

○あぜ上委員 聞いたことに答えていただきたい。書いていないということは、今のご答弁でも明らかになりました。ここでも基本方針からの方針変更は明白だと思います。
 知事、これを方針転換といわずして何というんでしょうか。
 これを世間では、方針転換、公約違反というんです。都民や市場関係者に謝罪して、築地を守るという約束を守るべきだと思います。
 知事は、二〇一七年六月の会見では、築地へまた復帰される際のお手伝いはさせていただくとも述べておられましたが、築地に復帰を希望する業者が営業を築地で再開するための具体化は素案のどこにあるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。知事、お答えください。

○村松中央卸売市場長 今、素案に仲卸業者さんが築地に戻るという記載があるやなしやというようなお話がございましたが、今、豊洲市場を開場して半年もたっていない状況でございます。ですので、多くの仲卸業者の皆様が、豊洲市場で懸命に事業を展開しているところでございます。そうした中で、まずは豊洲市場での事業継続、それを全力を挙げて事業者にも頑張っております。
 そういったこともございまして、どういう形で戻るのかとか、どういう形で戻りたいのかとか、そういうようなことを、事業者から希望を聞くような段階ではないと考えております。

○あぜ上委員 私の聞いていることに全く答えていませんよ。素案の中に書いているか、いないかと、そう確認をしているんです。
 今、市場業者のことをおっしゃいましたけれども、この築地に復帰を希望する業者が、営業を築地で再開するための具体化、これが素案に出ているかどうかということをご答弁できなかったということは、結局素案に書いていないからでしょう。
 結局ここでも具体的に示すことができなかった。先ほど来、るるご説明、ご答弁がありましたけれども、結局後づけのいいわけにすぎないわけです。
 知事は、二〇一七年六月二十日の市場移転問題の基本方針の記者会見で、長い間、築地市場の方々、東京都民ならず、日本が育て、守ってきた築地の伝統やブランド、私はこれを守っていくのだというその信念と、これから日本一の世界に誇る築地ブランドからの食に魂を込めまして、この築地を再開発するという基本方針を判断するに至ったところでございますと、そこまでおっしゃっていたわけです。それが素案ではどうなったか。
 知事は、その思いは変わっていないと、先ほど繰り返しおっしゃっていた。だったら、この築地のまちづくり方針の素案に、築地ブランドという言葉がどこに書いてあるのか、具体的に、そして簡潔にお答えいただきたい。
 どこにあるかだけお答えください。

○小池知事 私は基本方針におきまして、築地が培ってきた大切なものを守って発展させていくという思いで、先ほどもお示しになりましたパワーポイント、築地は守るということで申し上げたところでございます。
 そして、築地ブランドというのは、市場業者を初め、東京の食文化を担う多くの方々の努力と長い歴史の中で育まれてきたものである、これも先ほどから申し上げております。
 都民の貴重な財産だからこそ、今回、この築地の土地を売却というのではなく、築地が持っている魅力やブランドを大切にしていこうということを申し上げてきたところでございます。
 それから、先ほどから基本方針についての話、基本方針は、築地を守る、豊洲を生かす、この点については一切変わっておりません。
 しかしながら、中央卸売市場につきましては、既に豊洲に移っていることは事実でございまして、その後、新たに築地に戻るということはないということを代表質問のところに申し上げたところでございます。
 それは現実でございまして、今、もう一つ築地につくるということ、これについては考えがないということでございます。
 この間、さまざま時代が変わっている部分もございます。例えば、卸売市場法でございます。来年六月から施行される卸売市場法につきましても、幾つかの大きな変更点があり、これは業界との協議を経てなすべきものではございますけれども、真の意味で築地のブランドを生かしていくという意味では、これらの時代環境が大きく変わっていくことなどもあわせて考えていかなければ、リアリティーがないと、このように申し上げております。
 いずれにいたしましても、中央卸売市場は既に豊洲に移っておりまして、新たに築地に戻るということはないと明言させていただきます。

○あぜ上委員 知事、時系列のお話を何回も何回も繰り返されていますけれども、幾ら後づけのいいわけをされたとしても、方針転換という事実は変わらないんですよ。素案に書いていないということは明らかです。あれだけ築地ブランドとおっしゃっていたのに、信念も魂もなくなってしまった。
 六月二十日の基本方針からいっても、当然文化的価値もある築地市場や食に関する施設についての記述があってしかるべきです。にもかかわらず、市場機能を残すということも、戻りたい業者の皆さんが戻れるようにお手伝いするということも、築地ブランドを残すということも、方針転換はしていないといいながら、ことごとく変わっているのですから、方針転換は明々白々であります。
 明らかに方針転換であり、その事実を認め、後づけのいいわけはやめるべきだといわざるを得ません。
 しかも、その素案を策定した築地まちづくり庁内検討会は、会議は非公開です。どうしてラグジュアリーホテルや--最高級ホテルですね、アフターコンベンションなどは具体的に示されているのに、食文化の施設は書かれていないのか、どういう議論を経てそうなったのか、全くわからないわけです。
 素案を検討する大事な庁内検討会は非公開。どうして非公開なのか伺います。

○佐藤都市整備局長 庁内検討会は、まちづくり方針の策定に向けまして、庁内における必要な検討、調整を行うために設置したものでございまして、本検討会の次第及び議事概要につきまして、会議の終了後に逐次公開してございます。
 また、会議資料などは、まちづくり方針がこれから策定、公表を年度内にされますけれども、その後には公開するということで、こういうやり方は、私どもの検討の中では、通常のやり方としてやっております。

○あぜ上委員 これも二〇一七年六月二十日の基本方針の約束違反なんです。
 この方針では、広く情報公開しながら検討すると約束していました。しかし、この議事概要はホームページに載っていますが、議事はたったの三行です。
 ホームページに載っている議事概要の一番直近のものが、昨年の九月十九日のものだったんですが、検討会はたった三十五分。議事については、まちづくりの方針についてと書いてあって、事務局より、都市基盤施設の方針、土地利用の方針について説明しました、委員からは、防潮堤部分の歩行者ネットワークの確保、環境技術の活用について意見がありました、これだけなんです。これでは市場関係者の意見をどう反映させたのか、築地ブランドはどのように生かすのか、食文化をどう生かそうと考えているのか、検討した内容が全くわかりません。
 二月二十一日に終了しましたパブリックコメント。これだって、築地まちづくり庁内検討会の会議が公開されていない、そういう中でのパブコメになっておりまして、本気で都民や業者の皆さんの意見を取り入れる、そういう姿勢とは到底いえないと思います。
 築地のまちづくり方針素案がどのようにつくられたのか。これを把握するために、我が党は情報開示請求を行いました。
 ところが、築地まちづくり庁内検討会の議事録、提出文書などは、開示、非開示の判断に時間を要するという理由にもならない理由で、三月十二日、結局、予特の初日まで延長通知が小池知事の名前で届いております。
 また、築地のまちづくり検討会、これは外部有識者も入っているものです。この会議録は、まちづくり方針決定時でないと開示できないとの理由で非開示通知が、やはり同じく小池知事の名前で来ております。
 オープンな場で議論するという知事の約束と全く違うのではないですか。知事、いかがですか。

○小池知事 情報の公開については徹底して行っているものでございます。
 一方で、今オンゴーイングというか、続いていること、継続中であり、そしてまた、その公開が何らかの将来の議論の妨げになるような場合には伏せている場合もございますが、いずれにいたしましても、現在は概要ではございますけれども、後に、全文について、これを公開することとなるかと思います。

○あぜ上委員 知事、検討の過程を公開して、そして意見を聞く、これがいわゆる情報公開の一丁目一番地ではないんですか。
 庁内検討会と連携して、築地まちづくり方針の原案を検討する学識経験者を入れた築地まちづくり検討委員会も非公開。結局、都民の皆さんの見えないところで、築地まちづくり方針の素案がつくられたということであります。
 そして先ほど、他党の議員のご答弁の中で、仲卸の業者の団体としては、築地に戻る考えはないと聞いているというようなご答弁がありましたけれども、大勢の業者の方々が移転反対、そういうふうにいっている中で、豊洲市場行きを決断した役員の方だけに会って、そして築地に残って仕事を続けたいという、仲卸業者の皆さんの本当の悩みがわかるんでしょうか。そうした皆さんも、今は豊洲市場に行ったからにはそこで頑張るしかないと、本当に一生懸命頑張っている。
 豊洲市場が開場して約五カ月が過ぎました。本当に皆さん一生懸命、営業に取り組んでいらっしゃいます。中には、取引量が減ってしまった、従業員が集まらない、光熱水費など負担が重過ぎる、こういった悩みを抱えたり、本当に苦労されている実態も生まれているんです。
 昨年の六月の第二回定例議会、私の代表質問の際に知事は、築地再開発については、仲卸業者の要望等を踏まえながら検討する、こういうふうにご答弁されていました。
 築地まちづくり方針素案には、築地で仕事がしたいと、こういう仲卸業者の方々の意見は、どの部分にどのように反映されているんですか。
   〔「知事に聞いているんです」と呼び、その他発言する者あり〕

○中山委員長 小池知事、いかがですか。

○小池知事 お尋ねでございますが、個別の仲卸から話があれば対応すべきということでございます。
 これについては、これまでもさまざまな機会を設けまして、業界の方々から直接お話も伺っているところでございます。また、今ご質問の中にもございましたように、まだ半年もたっていない中で、築地から豊洲へと移転をされて、今、新しい市場にいかにしてなれていくかなどなど、大変ご苦労されているところかと思いますが、しかし、おおむね皆さんのご努力もあり、豊洲での事業は軌道に乗せつつあるということでございます。
 いずれにいたしましても、開設者でございますので、業界団体とも連携をいたしながら、円滑な市場運営にはこれからも全力を挙げてまいります。
 また、水産仲卸の団体の皆様方からは、中央卸売市場が豊洲市場である以上、仲卸として事業を営むのは豊洲であると。築地に戻ることについて、組織立って関与することは考えていない旨のお話があったと市場長からもご答弁させていただいたとおりでございます。
 こうした状況を踏まえながら、仲卸業者のご意見につきましては、豊洲市場の運営状況も見きわめながら、引き続き丁寧に対応していくということでは何ら変わっておりません。

○あぜ上委員 私の質問には全然答えていませんよ。
 この答弁では、仲卸業者の皆さん、築地に戻りたいという方々の意見が、この素案のどこに反映されているのかさっぱりわかりません。
 私たち都議団は、中央区の区議団とも連携して、築地場外の聞き取り調査も行ってきました。
 場外では、売り上げが減った、かごを持って買い出しに来る人は減ってしまって厳しい、こういったお店や、売り上げが大体七割も減ってしまったという居酒屋の声など聞いてきました。また、観光客がその場で食べる、そういう商売の内容に変えて工夫している、そういうお店の姿も目の当たりにしてまいりました。
 場外の方々からは、築地場外の意見も取り入れてまちづくり方針をつくるべきだと強く声が上がりました。仲卸業者を初め、場外の業者の皆さん、都民の意見を十分取り入れ、築地まちづくり方針を根本からつくり直すべきです。
 市場会計から一般会計に所管がえをしてしまったら、ますます市場と無関係な開発がしやすくなるのではないか、大変心配している声が上がっています。
 知事、築地ブランドの核は、仲卸を中心とした食材の目ききのわざ、築地の後は築地と胸を張って本当にいえるようなまちづくりを進めるためには、築地ブランドを育んできた仲卸業者の皆さんを初め、市場関係者、場外築地の皆さんの声、本当によく聞いて、方針をつくり直す、そうすべきなんですよ。
 そのことを私は強く求めまして、尾崎委員の関連質疑に移りたいと思います。

○中山委員長 あぜ上委員の発言は終わりました。
 ただいまのあぜ上委員の質疑につきまして、尾崎委員より関連質疑の申し出がありました。
 関連質疑を認めます。

○尾崎委員 それでは、私の方からも質問をさせていただきます。
 今年度最終補正予算案で、一般会計への有償所管がえが提案されましたが、築地まちづくり方針の素案が出ただけで、築地のまちづくり方針が決定したわけではありません。
 普通は築地のまちづくり方針が決まり、二〇二〇大会が終了してから有償所管がえの議論を行うのではありませんか。今年度最終補正予算で行うというのは、余りにも突然であり、理解できません。築地市場移転問題という知事の公約にかかわる重大な問題です。
 しかも、五千六百億円という金額を動かすのに、なぜ、今年度最終補正予算なのか。本会議の代表質問、一般質問、財政委員会の質疑を通じても、今年度最終補正予算で、有償所管がえをなぜ急ぐのか、納得のいく説明が行われていないといわざるを得ません。
 そこで伺います。知事、本来であれば、予算特別委員会で十分な議論をすべき議題ではありませんか。

○小池知事 築地市場跡地の対応でございますが、ことしの一月二十三日、再開発の将来像を示す築地まちづくり方針の素案を取りまとめて、都として再開発を進める方針を固めた、このことは今ご質問の中にもあったかと思います。
 そして、今後でありますが、民間事業者からの提案を受けながら、中長期的に都民にとっての価値の向上を目指すまちづくりを行ってまいります。
 今回、いち早く一般会計への移しかえに着手することによって、まちづくりに対する都の意思をより明らかにすること、また、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出す、都といたしましてもまちづくりの具体案を円滑に検討することが可能になる、このように考えているところでございます。
 さらに、東京都を取り巻く税の環境といたしまして、地方法人課税のいわゆる偏在是正措置ということが再来年度以降出てまいります。つまり、税収が減になるということが見込まれているわけでございまして、将来の財政支出を可能な限り軽減すると。
 それに加えまして、今年度、平成二十九年度でございますが、決算剰余金が出てまいります。
 それから、予算執行状況を精査いたしまして、これで他の都民サービスに影響を及ぼすことがないということで財源のめども立った、ということから最終補正予算で、有償所管がえの予算措置を速やかに行ったということでございます。
 改めてまとめますと、三つ理由がございまして、まず築地まちづくりに対する都の意思を明らかにすること、将来の財政支出を可能な限り軽減すること、そして今年度の財源のめどを立てることができた、以上の三つのことから、今回、最終の補正予算に計上した次第でございます。

○尾崎委員 知事は、予算特別委員会での議論を回避したかったのではありませんか。イエスかノーか、これで答えてください。

○小池知事 今申し上げましたのが理由でございますが、改めまして申し上げますと、今年度の決算剰余金、予算の執行状況を精査したということ、そして財源のめどが立ったということ、これらが最終補正予算に速やかに対応するという事情でございます。
 当初予算と同じく補正予算も議会において説明、そして議論を経て議決をいただくことでございまして、本日のこの委員会というのは、まさしくそのものかと存じます。

○尾崎委員 知事のご答弁によると、最終補正予算であっても、当初予算であっても、大した違いはないと。知事と一問一答の質疑が必要となるような案件ではないという程度の認識で最終補正予算に計上したということです。
 しかし実際は、最終補正予算に計上したことが、これだけ大問題になっているんです。
 最終補正予算に計上したことを、知事は全然反省していないのですか。伺います。

○小池知事 今回のこの補正予算でございますが、改めて申し上げます。
 再来年度から国の税制の見直しがございます。税収減となることは明らかでございます。将来の財政の支出、可能な限り軽減する必要がございます。こういった都市経営としての判断がございます。
 東京全体としての価値の最大化を目指す際、築地の跡地の再開発でございますので、しっかりと、先ほど申し上げたような三つの理由をベースにしながら、今年度の最終補正予算で対応すると、このように決めたわけでございます。
   〔尾崎委員発言を求む〕
   〔小池知事「済みません、追加でございますが……」と呼ぶ〕

○尾崎委員 追加は結構です。イエスかノーで答えていただければよかったんです。
 補正予算に計上したら、都議会で大きな問題になるのではないかと想像できなかったんですか。これもイエスかノーでお答えください。

○小池知事 必要な事業でございますので、金額が多い少ないにかかわらず、適切な時期に予算は計上すべきものでございます。計上された予算は、議会において必要な審議がされるものと認識をいたしております。まさしく本日のことかと存じます。

○尾崎委員 議会の混乱は議会の責任、知事は自分には何ら責任はない、補正予算に計上したのも何ら問題はないというようなご答弁です。
 ここまでの質疑でも、最終補正予算に計上した問題について、小池知事には全く反省がないことが明らかになりました。
 そこで知事、築地まちづくり方針は、素案の状況なのに有償所管がえを提案されるのですか。有償所管がえをするのであれば、築地まちづくり方針が決定した段階で議論すべきものですが、知事、いかがですか。知事に聞いています。
   〔発言する者多し〕

○武市財務局長 素案の段階におきましても、所管がえを決定するに必要な十分な方針は盛り込まれているという考えのもとで、有償所管がえの予算計上をしたものでございます。

○尾崎委員 それでは知事、伺いますが、土地はいつ財務局に引き渡されるのですか。知事に伺っています。
   〔武市財務局長発言を求む〕
   〔尾崎委員「知事に伺っています」と呼ぶ〕

○武市財務局長 事実関係でございますので、私の方からお答えさせていただきます。オリンピックが終了後に移管するということでございます。

○尾崎委員 知事にお聞きしているのに、残念です。
 今回の最終補正予算で有償所管がえを行って、一般会計からお金が市場会計に繰り入れされても、土地の引き渡しは、今お話があったように、二年から三年後になるわけです。土地が引き渡されたとしても、その後に埋蔵文化財の調査を行うことになります。埋蔵文化財の調査も始めてみなければ何年かかるかわからないというものです。
 有償所管がえは、埋蔵文化財の調査の後に行うべきだと思いますが、知事、いかがですか。これは知事に伺います。

○小池知事 ご承知のように、現在の築地の跡地につきましては、二〇二〇年までオリンピック・パラリンピックのデポとして活用されるわけでございます。
 そして、その後の竣工ということになりますと、それ以降ということには必然的になってくるわけでございますが、段階的なこの取り組みを進めていくという算段にいたしておりますので、このたびの有償所管がえということを進めていく、このようなスケジュールとなっております。

○尾崎委員 土地鑑定の調査報告書の中で、鑑定機関によると、今後についても上昇基調で推移すると予測されていますが、オリンピック後には土地の価格も下がると不動産の専門誌でもいわれているんです。
 先日の財政委員会の質疑でも、なぜ今、有償所管がえを今年度最終補正予算で行う必要があるのかわかりませんでした。
 我が党は代表質問で、なぜ、今年度最終補正予算案に有償所管がえを計上したのかと知事にただしました。知事は、一般会計への移しかえにいち早く着手することにより、民間事業者の参加意欲を早期かつ最大限に引き出すことが可能となると答弁しました。
 知事、本当の狙いは、市場と無関係な開発をするということではないですか、お答えください。

○小池知事 その考えはございません。

○尾崎委員 知事は、一昨年六月の築地は守ると公約し、市場機能を残すといいながら、この公約を投げ捨て、方針転換しました。だから急いで所管がえをしようとしているのですか。都民と市場関係者からは、そう見えても仕方がない状況です。
 次に、市場会計の継続性について伺います。
 市場プロジェクトチーム第一次報告書の中で、豊洲市場は、六千億円を投じ、開業して、さらに多額の赤字を生み出すという施設である、東京都が豊洲市場の開場のために生じる赤字対策として、税金への依存を深めることは、市場のあり方として真逆であると指摘し、豊洲市場に移転するとしても、経営改善策を確立するか、卸売市場としては早期に撤退して、赤字の累積を最小限化するなどの方策が必要であるとまとめています。
 市場プロジェクトチーム第一次報告書のこの内容について、知事の認識を伺います。

○小池知事 まず、中央卸売市場会計でございますが、豊洲市場の減価償却費等の影響を勘案しなければなりません。そして、今後経常収支が大幅な赤字で推移する見通しであるということはご指摘のとおりであります。
 そこで、都といたしまして、市場当局の人件費の縮減であるとか、維持管理経費の圧縮など、経営の改善を図ることといたしておりますが、こうした取り組みに加えて、さらに長期的な視点から、市場経営のあり方について抜本的な検討は必要であるとの認識でございます。
 よって、実効ある経営改革の策定に向けまして、外部有識者の知見を最大限に活用いたしまして、コストの縮減、収益向上に向けました経営の合理化、そして民間経営手法の導入などなど、今後、さまざまな観点からの計画を進めてまいりたいと考えております。

○尾崎委員 知事、中央卸売市場会計の継続性を本当に考えるのであれば、豊洲市場の開場ではなく、撤退すべきだったのではありませんか。
 きょうの経済・港湾委員会は、知事の公務のため、午後一時までと時間制限がある中で行われたものです。これまで、知事との一問一答をやってきましたが、知事が後づけの答弁を繰り返すばかりでした。
 知事の重大な公約違反、方針転換は明らかです。しかも、今年度最終補正予算案での有償所管がえの必要性にも、到底納得できるものではありません。
 引き続き、知事への一問一答ができる質疑を強く求めるものです。
 したがって、理事会を開き、協議することを委員長に求めて、質問を終わります。

○中山委員長 尾崎理事の発言は終わりました。
 奥澤理事の発言を許します。

○奥澤委員 それでは本日、小池知事との一問一答をさせていただく最後の質問者となりました。
 まず、小池知事並びに関係各局の皆様のご出席をありがとうございます。そして、この間、各方面でご尽力いただいた職員の皆様もいらっしゃると思いますので、この場をかりて感謝を申し上げたいというふうに思います。
 さて、これまでさまざまな質疑がなされておりますけれども、最後の質問者ということで、用意していた質疑が重複してしまうというので、なかなか難しさも感じているところなんですけれども、きょうはネット中継もされているということでありますから、初めて議論を目にしている方々もいらっしゃると思います。
 また、きょうの議論も少し混乱を来しているというか、そういったふうに感じている部分もありますので、都民の皆様にとってわかりやすく、論点をひもときながら質疑を行いたいというふうに思っております。
 まず状況整理をさせていただきたいと思います。パネルを使って説明させていただきたいと思います。これは、今回有償所管がえに至るまでの議論の経過を改めて書かせていただいております。
 知事の総合的な判断の材料を整えるという目的のもとで、市場のあり方戦略本部が開かれて、そこでの議論によって市場の継続性、それから、資金繰りに関する取りまとめがなされて、その提言といいますか、話を受けて、六月二十日に築地は守る、豊洲は生かすという知事の基本方針が策定されて発表されたというふうに理解しております。
 その後、豊洲市場では追加対策工事が行われて、十月十一日、世界の中核市場を目指すということで豊洲市場は開場され、今も皆様鋭意努力をされている状況というふうに理解しております。
 一方、その間、築地市場の方はどうかといえば、築地再開発検討会議における提言、築地まちづくりの大きな視点が取りまとめられて、その後、庁内検討会や検討委員会による精査を行って、今般、築地まちづくり素案が取りまとめられようとしているというふうに捉えています。
 私としては、一番大事にしているこの素案では、食文化は重要な要素だと思いますけれども、いかにしてポテンシャルを生かすのか、そして、経済合理性を考慮とあるので、民間の力をどう引き出すのか、これは周辺のまちづくりも一体で考えています。
 そして、長期的視点で開発をコントロールするという話ですので、公共性、公益性をどのようにして確保していくのかというところをきちんと確認していかないといけないなというふうに思っています。
 そのような状況の中で、三つに論点を分けてお話をさせていただきます。
 一つ目は、今後の市場をどうしていくのかという話、二つ目は、今後の築地のまちづくりをどうしていくのかという話、そして、三つ目が、意思決定プロセスについてであります。
 この三つの論点から、今般の有償所管がえが適切なのかどうか、私たちは判断をすることになるというふうに考えています。
 まずは、市場をこれからどうしていくのかという話を伺いたいと思います。
 市場というと、我々は一つの卸売市場というものを想像するわけですけれども、このたびの議論においては、いろいろな市場、あるいは「イチバ」というものまでごちゃ混ぜになっているような、そういった議論が展開されているんじゃないかなというふうに思っています。
 卸売市場法に規定された中央卸売市場、それから、地方卸売市場、あるいは築地場外市場のこと、あれを市場だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんけれども、これは商店街であったりだとか、あるいは定期的に開催されるマルシェとかマーケット、そういったようなものもあって、それぞれイメージしているものが違ってしまっているというのが、この議論の食い違いのスタートラインにあると思っています。
 先ほど公明党さんの質問で、卸売市場の公共的な役割の確認があったんですけれども、改めて基本的なことを確認させていただきます。
 今、話をしているのは、卸売市場をどうするかという点であると思います。
 まずは、中央卸売市場と地方卸売市場、どういうものか、そして、卸売市場の公共的な役割という点も踏まえてお答えください。

○長嶺事業部長 卸売市場とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であって、卸売り場、自動車駐車場、その他の生鮮食料品等の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて、継続して開設されるものをいいます。
 そのうち、中央卸売市場は、流通の中核的拠点として、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給するための基幹的インフラという公共的役割を担っております。
 中央卸売市場の開設者は、都道府県や人口二十万人以上の市などであり、農林水産大臣の認可を受けて開設いたします。
 また、地方卸売市場は、一定規模以上の卸売り場を有する中央卸売市場以外の卸売市場で、生鮮食料品等の流通の拠点という役割は同様ですが、開設者に制限はなく、都道府県知事の許可により開設されます。

○奥澤委員 先日の代表質問における知事答弁の中で、築地に都が卸売市場を改めて整備することはないというお話があったと思いますけれども、今お話のあった、これらの公共的役割を有して、卸売市場法で規定されている卸売市場を指しているということで間違いないかと思うんですけれども、今般、築地市場跡地を市場会計から一般会計に有償所管がえをするということは、その後、築地に中央卸売市場、地方卸売市場が戻ることはないという認識で間違いないでしょうか。

○村松中央卸売市場長 市場会計で保有しております市場用地を有償所管がえするということですが、都として、卸売市場法に基づく卸売市場を設置する予定がないとの政策上の判断を踏まえて行うものでございます。
 したがいまして、当該土地を、都が卸売市場の用地として活用することは想定してございません。

○奥澤委員 今のお話を伺いますと、法的には可能かもしれないけれども、政策上の判断によって再整備はしないという答弁だったものと理解をいたしました。
 では、少し質問を変えたいと思います。
 卸売市場法に基づく卸売市場を整備しないということでありますけれども、築地場外と連動したマーケットやマルシェのような場所を、再開発の地域の中に新たに整備することはあるのでしょうか。その場合、規模や施設など必要な要件はあるのでしょうか、よろしくお願いします。

○佐藤都市整備局長 築地の再開発につきましては、経済合理性も考慮しつつ、民間の力を最大限に活用することとしております。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながら、まちづくりを具体化してまいります。
 その中で、食文化あるいは食に関する機能につきましても位置づけられておりまして、形態はさまざまなものがお話のようにあり得ると考えられますが、方針に沿って、具体的な機能が実現されると考えてございます。
 なお、必要な場合、具体的な条件などは、まちづくり方針策定後の事業者募集要項などの中で明らかにしてまいります。

○奥澤委員 現時点での都の考え方、今、三問させていただきましたけれども、まとめますと、築地に卸売市場を再整備することはないけれども、あくまで築地のポテンシャルを最大限引き出すための手段の一つとしては、場外市場と連携した、今お話の中では、食に関する機能というお話があったと思うんですけれども、マルシェのようなそういった場所の整備もあり得るということが話があったんだと思います。
 これまでの議論、あるいはご発言、さまざまな場面で、どうもこのあたりが明確になっていない中で話が進んできていることが、まず一つの、この問題を複雑にしている一つのことだと思いましたので、改めてお伺いをさせていただきました。
 卸売市場を整備しない以上、市場会計で持ち続けるよりも、一般会計に移しかえて、市場再整備以外のさまざまな可能性を広げるべく今回提案をしているということだと理解しております。
 ただ、先ほどの共産党さんへの答弁の中で、市場と無関係な再開発はしないかのような、ちょっとそういったお話があって、市場を残すかのようなまた話に私はちょっと受け取れるような場面があったんですね。そうやって右へ行ったり、左へ行ったりしてしまうと、どう判断していいのかわからなくなるところが正直感じてしまいました。
 念押しのようで恐縮なんですけれども、今般の有償所管がえによって、今後、卸売市場が築地に戻ることはないと確定するということでよろしいでしょうか。

○村松中央卸売市場長 都が中央卸売市場として運営するのは豊洲市場でございます。市場会計で保有しておりました市場用地を有償所管がえすることは、都として卸売市場法に基づく卸売市場を設置する予定がないとの政策上の判断を踏まえて行うものでございます。
 豊洲市場への移転後の築地再開発におきまして、都が改めて卸売市場を整備することは考えておりません。

○奥澤委員 都としてのお答えということで、知事からのお答えではないですけれども、これは都全体の意思だということで受け取らせていただきます。
 明後日、中途議決が行われるわけでありまして、そこでの採決というのは、今のお話で、卸売市場を築地に戻すことはないということを、それはよろしいですかということで議会に聞かれているものだというふうにも、イコールだというふうにも考えなければいけないんだろうなと思っています。
 先ほどの自民党さんのアンケートがありましたけれども、あれが確かなんだとすれば、これまで多くの誤解が出ているのも、これは確かなことでありまして、私自身も、あらゆるご意見が出てくること、それをしっかりと受けとめることも覚悟の上で採決に望まないといけないという思いを強くしているんですけれども、ここで一点確認をさせてください。
 一昨年の六月二十日の記者会見で知事より、築地への復帰はそれぞれの選択肢になるが、特に仲卸業者への経営支援について検討とありますけれども、築地へ卸売市場を整備しないとした今、どのような経営支援を考えているのか、お伺いしたいと思います。

○村松中央卸売市場長 これまで都は、豊洲市場への円滑な移転のため、各種の利子補給や融資事業など、さまざまな支援策を講じまして、仲卸業者を初めとした市場業者の移転に伴う資金需要を支え、経済的な負担の軽減や不安の解消を図ってまいりました。
 一方で、豊洲市場への移転後も、環境の変化への対応など、市場業者からは移転後の経営安定化のための支援を求める声が寄せられております。
 こうした声を踏まえまして、平成三十一年度当初予算案では、移転後支援策として、融資事業等を継続するとともに、経営上の課題に対して、公認会計士や弁護士等の専門家による経営相談を活用するなど、豊洲市場における仲卸業者の経営基盤の強化を図っていくこととしております。

○奥澤委員 私は、質問の中では誰にというのはお伝えしていないんですけれども、とにかく適切な答弁をいただける方、これが都の公式見解だということを伺える方にご答弁いただければ結構です。これまでちょっと答弁者をめぐって混乱がありましたけれども、そこはよろしくお願いいたします。
 話を本題に戻しますと、今後の経営に不安を感じている方々に対しては経営支援をなさるということは一つあると思うんですけれども、このたびの移転に関して、卸売業者というそのものを廃業せざるを得ない方々というのも今後出てくる可能性もございますし、あるいは業態を変えてやっていこうという方も考えられるのかなというふうに思います。
 市場会計だけではそういった方々、市場でこれからも卸売業者を続けていくという方以外の方というのは、支援できないということを聞いておりますので、産業労働局などとも連携して、適切な支援を行っていただきたいということを要望しておきます。
 これまでの各会派からの議論を通じて、築地が都にとっていかに重要な場所であるかというのを再認識しているところであります。
 ここから、今後の築地のまちづくりについて伺います。
 過去の議論の中で、他会派からですけれども、築地市場跡地をそのまま民間へ売却した方がいいんじゃないかという案も出されていました。今提案されているのは有償所管がえという手法であります。
 有償所管がえというのはなかなか聞きなれない言葉。特に民間というか行政に携わっていない方々にとってはよくわからない言葉になるんですけれども、独立採算制の市場会計が持つ土地を、都税が原資の一般会計で買い取る、等価交換をするという表現がありましたけれども、そういったものであります。
 市場会計にお金が入り、このお金を使って市場会計は資金繰りをしていく。一方で、一般会計には土地が残るというようなことでありまして、確かに同じ都という大きな財布の中で、お金と土地を等価交換したといえなくもないですけれども、このお金は別の用途にも使うことができたわけであります。
 この土地を使って、ただ持っているだけでは都民にとっては何の実感も得ることができないわけですから、五千四百億円以上の価値を、都民の皆様に感じてもらえるかどうかを大切な観点としなければならないというふうに思っています。
 なお、今回の補正予算の計上のタイミングについては、これまでたくさん説明もありましたので、あえて聞くことはしませんけれども、税の偏在是正措置の影響があって、基金に積み立てたりすると、国に引っ張られてしまうんであろうなという、そういったことを推察しているところでもあります。
 でも、だからといってこれだけの金額を補正予算で計上する理屈にはならないというのも私は思っておりますし、今後の財政運営において、余剰分、つまり余った予算をどのように将来への投資に回していくのか、国に引っ張られることなく、都として有効活用していく方法はないのかと改めて考え直さなきゃいけないんだということを指摘しておきます。
 そういうことをしないと、使い切ることに主眼が置かれてしまって、本当に必要なことにお金が使われない。まさにぜい肉だらけの都政に向かってしまうことを危惧しております。
 さて、市場のあり方戦略本部の第二回資料を見ますと、神田市場跡地においても有償所管がえが行われた経緯がありますけれども、合計三千七百億円で有償所管がえが行われて、その後の地域、まちへの経済波及効果は五千二百億円という試算が掲載をされています。
 一昨年の六月二十日の記者会見で知事は、箱物をつくって終わりにしないと話しておりますけれども、都が持ち続けるということは、長期にわたって責任を負い続けるということにもなります。
 直接的な都民益に加えて、周辺にどのような好影響を与えていくことができると考えているのか伺いたいと思いますが、収益性、つまりより高い値で売ることだけを考えるのであれば、直接民間へ売却するという選択肢もあったと思います。
 今般、市場跡地を一般会計に移しかえて、再開発をしていくという判断に至った経緯、そのメリットについて、改めてお伺いしたいと思います。

○佐藤都市整備局長 築地再開発では、都心に残された貴重な大規模な土地につきまして、長期的な観点から、東京の持続的な成長につなげていくということが非常に重要だと考えてございます。
 都心の大規模な土地を効果的に活用しながら、民間の力を最大限に生かして、段階的に整備を進めまして、短期的な利益の追求ではなく、東京全体としての価値の向上を図っていくということを考えてございます。
 そこで、整備を進めるに当たりましては、土地を民間に売却することではなくて、都が所有し続けて、まちづくり方針に沿って有効活用するということで、中長期的に、東京及び都民にとっての価値を向上させるということが可能になります。
 民間に土地を売却してしまった場合は、目先の収益性がどうしても優先され、オフィスや超高層住宅などが林立するというような状況にもなる可能性がございまして、公共性や公益性の視点も含めた全体的に最適な開発とはなりにくいおそれがございます。
 都が土地を持ち続けるからこそ、長期的な時間軸を意識して、地下鉄などのインフラの整備状況も勘案しつつ、段階的な整備を進めるということで、築地だけではなくて、築地の周辺地域の付加価値の向上、こういった波及効果ももたらしながら、価値の最大化を図るということが可能になると考えてございます。

○奥澤委員 収益の部分、やっぱり長期で持ち続けるということは、これは本当に責任を感じていただいて、都全体で取り組んでいただかないといけないと。実際に今の現時点で、じゃあ幾ら入ってくるんだというのは、当然これは書かれていないわけですし、現在のまちづくり素案を見ますと、公益性という部分がなかなか都民に伝わっていないんじゃないかというようなところも感じてしまうところであります。
 あくまでもあれは方針なんだということで、今後具体的な事業プランを精査していくものと思いますけれども、その方法についても改めて伺いたいと思います。

○佐藤都市整備局長 今後、まちづくりが適切に進められますよう、築地まちづくり方針を踏まえまして、各段階の開発整備を通じて、まちづくり、財政、会計など外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築してまいりたいと考えてございます。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 ちょっと一つ紹介させていただければと思います。先ほど、アンケートは設問の内容によって捉え方はまちまちだといわれた後でこのアンケートを出すのもなかなかつらいところがあるんですけれども、私どもも実は独自にインターネット世論調査会社を使って、四千九百九十四名のアンケート、世論調査をさせていただきました。
 今後、築地という場所をどのようにしていくべきだろうかという質問に対して、築地市場の歴史や食文化を感じることのできるまちというのは、これは大きな数字を占めています。四千九百九十四名中、二千二百九十六名がそういうふうに答えている。
 そしてもう一つ、水辺の潤いを感じることができるまちという答えも出ています。これは千五百七十一名。当てはまるものはないが次に来てしまうのが寂しいところだなと正直思うところなんですけれども、現時点で築地が今持っている--持っているというか、今、都民の方々が理解している、わかっている魅力というのは、この二点になってくるんだと思います。
 こういったご意見というのは適宜伺いながら、まちづくりに生かしていっていただきたいというふうに思います。
 一方で、中央部分といったらいいでしょうか、ちょうど水辺に面していないところなんですけれども、中央部分というのは、かなり自由度が高くなるエリアだというふうに思います。そちらについては、収益の最大化、これも図っていただきたいですし、どれだけのものを周囲に及ぼしていったのかということは、必ず見えるような形で都民の皆様に開示していってほしいというふうに思います。
 ここで一点、懸念しているのが、築地を含むベイエリアビジョンというのが、策定が今まさに進んでいて、官民連携でその検討が進められている中なんですけれども、この築地のまちづくりだけが先に決まってしまうということになれば、ベイエリア全体の検討の幅を狭めてしまうんじゃないかと。
 先ほどもお話あったかもしれないですけれども、ベイエリアの中の築地であり、また、東京全体の中の築地であり、世界の中の築地であります。
 そういった中で、今後の検討に当たって、民間活力を最大限引き出すようにして、まちの魅力を最大限高めるためにどういったまちづくりを行っていくのか、考え方を教えてください。

○佐藤都市整備局長 築地再開発は、長期的な観点から、東京の持続的な成長につなげていくということとしてございます。
 公共的、公益的なまちづくりにも留意するとともに、経済合理性を考慮しながら民間の力を最大限活用し、段階的に整備を進め、東京全体としての価値の最大化を図っていくということでございますが、また、周辺地域の付加価値の向上など波及効果をもたらしながら開発を進めていくということでございまして、特にベイエリアにつきましては、点の開発で捉えるのではなく、面として捉えるということを重視しておりまして、当然ながら、築地地区も含めましてのことでございます。
 築地と豊洲、台場など、各エリアとを有機的につなぎまして、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込むことが必要というふうに考えてございます。
 伝統と新しいまちとが共存するベイエリアに展開されているさまざまな機能等とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出していきたいと考えてございます。

○奥澤委員 これまで築地市場が築いてきたものは、世界に一つしかない場所だから世界から人が来ていたんだということを改めて考えて、今後のまちづくりを進めていただきたいと強く要望しておきます。
 最後に、意思決定プロセスについてのお話を伺うことにします。
 市場移転の歴史というのは、平成を股にかけるものとなっておりますけれども、築地も豊洲も次の時代へ進もうとしているんだということだと思います。
 ここで私たちがすべきことは、市場移転の歴史から学び、次の時代にその教訓を引き継がなければいけないということであります。
 そもそも論に立ち返りますと、豊洲市場への移転をとめた理由というのは三点あって、安全性への懸念、巨額かつ不透明な費用の増大、そして情報公開の不足でありました。
 今は残念ながら、意思決定プロセスが不透明であるとか、考え方が変わったのではないかという疑念があるから、きょうもすれ違いが続いてしまっている、これが現実なんだと思います。
 都議選後に大手のネットメディアが行った調査によりますと、都政に期待することの第一位は都政の透明化。これは盛り土問題に端を発した情報管理と情報公開のあり方が争点になっていたんだということを端的にあらわしている数字です。
 また、知事選の公約を見返してみても、真っ先に都政の透明化が挙げられています。
 そして、先ほど紹介した我が会派独自のネット世論調査においても、いまだに都政に期待することの第一位は都政の透明化というふうになっております。
 都政を透明化する意味というのは、チェック機能を強めることにとどまりません。その意思決定にかかわる経緯を明らかにして適切に保管しておくことで、その責任の所在を明らかにして、行政の持続性、一貫性を高めるとともに、組織間連携を強化していく、こういったさまざまな効果があります。
 一昨年六月二十日の記者会見では、築地の再開発、そして豊洲市場を活用する具体案について、事業者、そして都民の皆様とオープンな対話の場を設けて、広く情報公開しながら検討していきたいというような話がありました。
 これに関しては、先ほど共産党さんからもお話があったので、ちょっと質問は飛ばしますけれども、同じく一昨年六月二十日の記者会見、ここで、築地場外新規参入の方々も含めて工程表をつくる旨の話がありました。要は、これというのは、築地市場跡地周辺のまちづくりにかかわる方々の意見をよく聞いて、今後の開発プランに取り組んでいきたいということなのかなと意訳したんですけれども、特に地元中央区との連携なくして、築地を世界一のまちにすることなどというのはあり得ません。
 地元区や周辺地域とのコミュニケーションの状況についてお伺いしたいと思います。

○佐藤都市整備局長 築地の検討にかかわります地元区とのかかわり合いでございますけれども、築地再開発の検討会議におきましては、さまざまな各分野の方々に委員になっていただいておりましたが、そこにおいて幅広い観点からの議論をしていただきましたが、その中には、地元の地域を代表する方も入っていらっしゃいました。
 また、築地まちづくりを検討するに当たりまして、地元区との連携協力が不可欠なことはもちろんでございまして、築地まちづくり方針の素案につきましては、地元区も参画して検討を進めてきたところでございます。
 築地の再開発を進めるに当たっては、民間事業者の提案を受けるとともに、引き続き地元区と連携して、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 都としては、丁寧にこれまでも取り組んできているし、今後も取り組んでいくというお気持ちなんだと思うんですけれども、やっぱりそのとり方というのはさまざまであって、まだ足りないじゃないかと、膝を突き合わせてなんていう話もありましたけれども、そういった姿勢が改めて問われていると思いますので、ますます丁寧にというか、相手の要望をお伺いしながら進めていただきたい。そして、早急かつ適切な形で議事録の公開、資料の公開、こういったことも進めていただきたいということは強く要望します。
 最後の質問になります。これは知事にお答えいただきたいと思います。
 きょうに限らずですけれども、これまでの質疑を通じて、私自身は、有償所管がえをして築地の新しいまちづくりを始めていこうじゃないかという手法自体には、妥当ではないかというふうに思いを強めているところであります。
 一方で、知事のお考えについて、考え方が変節したのではないか、説明不足であり、意思決定が不明瞭だ、そういった厳しい意見が相次いでいるのも事実であります。
 知事のお考えは変わっていないというふうにお答えになっておりますけれども、変わったと受け取った方がたくさんいらっしゃいます。また、その受け取り方も、ばらばらであるというのが今の現状であると思います。
 行政の長たる知事から都民の代表者たる議会に対して、明後日の中途議決を前に説明をできる最後の機会というふうになります。きょうの質疑に当たっては、経済・港湾委員会に属していない会派の方からも、実は私、ご意見を伺いました。
 もともとは有償所管がえに対しては否定的ではなかったはずなのに、この混乱を受けて判断に迷っている方がいらっしゃいます。ぜひ丁寧でわかりやすい、そして知事の思いが、ここにいらっしゃる方だけじゃなく、ネットを見ている方、全ての都民の皆様に同じ思いを持っていただけるような、そういったご答弁をお願いしたいというふうに思います。
 それでは、お伺いします。今般、有償所管がえを決断するに至った経緯について、改めてご説明いただくとともに、今後の都政運営において、いかにして都政の透明化を図っていくのか、お伺いしたいと思います。

○小池知事 委員におかれましては、冒頭のご質問で、「イチバ」、市場ということについての整理を行っていただきました。
 確かに、一般の皆様方には、卸売市場、地方市場、いろんな市場があって、「イチバ」なのか市場なのか、この辺のところからして、わかりにくいかと思います。その意味で、ご整理いただいたことに対しては敬意を表したく存じます。
 そして、今回の経緯でございますが、築地ブランドというのは、市場業者を初め、東京の食文化を担う多くの方々のご努力により、長い歴史の中で育まれてきた東京の宝だと何度か申し上げています。宝だからこそ、それを守っていく、そして新しい豊洲を生かしていくということで、一昨年六月に基本方針をお示しした。
 そして、築地の跡地でございますが、都心に近くて、さまざまなポテンシャルを持つ築地を生かすということで全体の価値を高めていくのが現在の方針でございます。
 今、アンケートで水辺を生かすという、これも舟運など、ちょうど浜離宮のところの水辺ですね。もともとあそこは水を活用して、築地市場というのは発展をしてきたということでございますし、そういったことも考えますと、まさしくポテンシャルを生かす要素は幾つもあるということであります。
 そして、昨年五月ですが、有識者の方々から貴重なご意見をいただきながら、将来を見据えたまちづくりの検討を進め、十一月には市場移転に関する関係局長会議で、一般会計への所管がえも視野に入れて検討を進めるという流れとなりました。その結果として、第四回の定例会で、一般会計への有償所管がえを軸にして検討を加速する旨を表明いたしたということでございます。
 その上で、ことし一月の関係局長会議で、改めて市場会計の収支の試算を踏まえた上で、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを行うためには、市場会計から有償所管がえをすべき、一般会計でより効果を出していこうという築地のまちづくりを行っていくべきだと決定をした次第でございます。
 このように一つずつのプロセスをたどって、今後の築地のまちづくりについては外部の有識者も交えながら、各段階の開発整備を進めて、そしてさらに、適宜、議会にもご報告をし、都政の要諦である見える化ということも念頭に進めてまいりたいと考えております。
 そして、築地のさらなる発展、進化を含めまして、東京、日本の確かな成長につながるまちづくり、そしてベストロケーションをいかにして都のために生かしていくか、それら今後の都政運営が都民の理解、そして共感を得るように、都民の負託に応えるべきものとし、全力を尽くしていきたいと考えております。
 時計は一刻一刻進んでいる中において、我が国の首都である東京が、これからも国際間の都市競争にも打ち勝つような、その一つのシンボルとしての築地のまちづくりに挑戦していきたいと考えております。

○中山委員長 奥澤理事の発言は終わりました。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑のうち、知事及び所管外の理事者に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑のうち、知事及び所管外の理事者に対する質疑は終了いたしました。
 知事及び所管外の理事者の皆様方、本日は大変ありがとうございました。(発言する者あり)
 先ほどの尾崎理事の発言に際し、後ほど理事会でご協議させていただきます。
 この際、議事の都合により休憩いたします。
   午後零時四十七分休憩

   午後八時五十八分開議

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 この際、申し上げます。
 本日、委員会の運営につきましては、前例とすることなく、特別な対応とすることを確認させていただきます。ご了承願います。
 それでは、先ほどに引き続き質疑を続行いたします。
 発言を許します。

○柴崎委員 それでは、私の方から、午前中の知事との質疑を踏まえまして、幾つか確認をさせていただきたいと思います。市場長からの答弁をいただきたい、そのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 今回、東京都は平成三十年度最終補正予算で築地用地を五千四百二十三億円、この金額で一般会計に所管がえをする、こういった予算案を提案しているわけであります。この所管がえは、まずお聞きしたいのは、財務局から提案されたのはいつなんでしょうか。そこをまずお聞かせいただけますか。

○村松中央卸売市場長 有償所管がえに関して、財務局との関係でございますけれども、有償所管がえにつきましては、十一月二十八日の関係局長会議において、築地再開発の段階的な整備を検討していることを踏まえまして、予算編成作業を通じて、一般会計への所管がえも視野に入れて検証を加速するということとされておりまして、第四回定例会におきましても、有償所管がえを軸に検討するという答弁もございました。
 こうしたことを踏まえまして、市場当局におきましても、市場会計の持続可能性の観点から、企業債の返済時期などを勘案した場合には、長期貸付よりも有償所管がえが望ましいと、そういった意向を、予算編成作業を通じて財務局に伝えていたところでございます。
 その上で、一月十一日の知事査定におきまして、築地まちづくり方針、まあ素案ですが、この方向性や考え方に今後変更がないことを条件に、有償所管がえ及び最終補正予算への計上を決定したことが財務局から伝えられ、一月二十三日の関係局長会議の場で、有償所管がえ及び最終補正予算への計上について財務局が報告し、了承された、そういった経緯でございます。

○柴崎委員 いや、ですから、先ほどお聞きしたように、日にちはいつですかというふうにお聞きしているんです。いつ財務局から提案があったのか、そのことをお答えいただければと思うんですが、よろしくお願いします。

○村松中央卸売市場長 昨年の十一月二十八日、市場移転に関する関係局長会議でございますが、都市整備局が再開発の検討状況の報告をした会議でございます。その会議で、財務局から有償所管がえを視野に入れて検討するという報告がございまして、市場当局、また、都市整備局とも方向性について、認識を共有化したということでございます。

○柴崎委員 これ、ちょっとしっかりお答えいただきたいんですが、正式に提案をされた時期はいつなんですか、そのことをお聞きしているんです。十一月二十三日なんですか、そのことをお答えください。

○村松中央卸売市場長 一月十一日の知事査定におきまして、築地まちづくり方針の方向性や考え方に変更がないことを条件に、有償所管がえ及び最終補正予算への計上を財務局から知事に上げて、そこで、条件つきで知事が了承ということで、正式には一月二十三日の関係局長会議の場で、有償所管がえ及び最終補正予算への計上、これについて了承されたという経緯でございます。

○柴崎委員 私が聞いているのは、いつ市場当局が財務局から提案を受けたのかということをお聞きしているんです。それに対して、当然、市場当局というのは検討するわけでしょう。どんな検討を行ったのか、その辺を、じゃあ、お聞きしたいんですけど、いつ提案が正式にあって、それに対して、市場当局としてどんな検討をされたのか、それをお答えいただけますか。

○村松中央卸売市場長 失礼いたしました。昨年の十一月二十八日、これは関係局長会議の日でございますが、その日に財務局、市場当局、方向性について認識を共有したところでございます。
 当局につきましては、十一月二十八日に財務局からの報告を受けまして、市場会計の持続可能性の観点から、企業債の返済時期なども勘案して、その後、検討しまして、長期貸付よりも有償所管がえが望ましいと、そういった意向を予算編成作業の過程で財務局には事務的に伝えております。

○柴崎委員 それでは、もう一点お伺いしたいんですが、平成三十年度の最終補正予算に計上することは財務局の提案かということなんです。市場当局といたしましては、この財務局の提案に対してどのような見解であったのか、その点について伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 先ほどもお答えいたしましたけれども、当局におきまして、市場会計の、何というんですか、その持続可能性というか、の観点から検証いたしまして、企業債の返済時期、こういったことも勘案しながら、長期貸付よりも有償所管がえの方が望ましいと、そういった見解でございます。

○柴崎委員 いや、今、お聞きしているのは、最終補正予算に計上するということは財務局の提案なのかどうかというのを、まず一つお聞きしたいのと、市場当局としては、これに対してどのような見解をお持ちなのかと聞いているんです。お答えいただきたいと思うんですが。

○村松中央卸売市場長 最終補正予算の編成ですけれども、こちらは当然財務局の所管でございますが、一月十一日の知事査定において、財務局から知事の方に有償所管がえ、そして、最終補正への計上と、この件について知事の方に上げて、知事の、何というんですかね、条件つきの了解と、条件つきというのは関係局長会議の場で正式に決定すべきということでございますが、そういった条件つきの了承と、こういった経緯を踏まえて、一月二十三日の、正式には関係局長会議の場で有償所管がえと最終補正予算への計上、それが決定をされたところでございます。

○柴崎委員 何度も同じことになっちゃうんですけど、それで、市場当局としてはどういう見解だったのかということをお聞きしているんですけど、もし答えられなければ次の質問に行きますけど、いかがですか。

○村松中央卸売市場長 この知事査定の内容につきましては、同日、財務局から伝えられまして、市場当局としても、有償所管がえ及び最終補正予算への計上ということについては、市場当局内でも異論なしということに、内部ではそういうことになっております。
 ただ、正式には一月二十三日の関係局長会議の場で、その他の関係局も集まった場で決定をされたという経緯でございます。

○柴崎委員 わかりました。市場当局としては異論のないところだということですね。そういうご見解なんですね。わかりました。
 それでは、続いて豊洲市場の整備と、その財源問題の経緯についてお伺いしたいと思います。
 豊洲市場を整備するに当たりましては、この財源、どのように手当てをする計画であったのか、その点についてお伺いしたいのですが。

○岡安管理部長 豊洲市場の整備費の財源といたしましては、国庫交付金や建設改良積立金などの市場会計が保有する資金のほか、企業債としておりました。このうち企業債の補填財源といたしまして、築地市場の処分収益を見込んでおりました。

○柴崎委員 ですよね。用地を売却して、要するに都民の税金を投入しない、こういうスキームであったわけですよね、今のご答弁で。
 旧神田市場跡地、これは民間に売却をしたんです。このときの会計処理、これはどのようなものであったのか、この点について、市場長、ご答弁をお願いします。

○岡安管理部長 神田市場跡地の有償所管がえにつきましては、昭和六十一年九月から、外部有識者を含めた市場財政運営検討委員会の中で検討しておりまして、昭和六十二年七月の答申を受けまして、翌年度予算に予算計上しております。
 支払いにつきましては、昭和六十三年度から平成四年度までの五カ年をかけて分割して受け取る一方、土地の引き渡しにつきましては、三年後の平成三年度からエリアを区分して段階的に引き渡しているところでございます。

○柴崎委員 今の質問なんですけど、これはやはり民間に売却して、今、秋葉原UDXですか、こういったすばらしい施設ができ上がっているわけですよね。その点だけ、ちょっと確認をしたくて質問させていただきました。
 それで、次行きますね。知事による市場業者の方々への取り組みに関する事実について確認をしていきたいと思います。
 まず初めにお聞きしたいのは、都知事が基本方針を発表いたしました。この際に、発表する前にですよ、発表する前に、市場当局と知事との間でどういった議論があったのか、当然議論があると思うんです。それを、市場長、お答えいただきたいんですが。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場への移転の関係につきましては、市場問題プロジェクトチームだとか、市場のあり方戦略本部とか、さまざまな観点から議論を進めてまいりました。
 その後、知事の方から総合的な判断として基本方針が発表されたわけでございますが、基本方針自体は、基本方針の内容は、平成二十九年六月二十日の午後、記者会見前に私と副知事が口頭で知事から伝えられたという経緯でございます。
 あわせて、基本方針を踏まえて、知事からは、行政として具体化していくようにと、そういう指示がありました。

○柴崎委員 わかりました。今、ご答弁いただきまして、その中身をお聞きしますと、事前の議論というのは、知事とは全くなかったということなんですね。そのことがよくわかりました。
 本来であれば、事前にそういった議論があってしかるべきだと思うんです、我々はそういうふうに思うんですけれども、そういったことがなかったということなんですね。わかりました。
 それでは、次の質問に参ります。
 その基本方針を発表した後、発表後、基本方針の具体化に向けまして、今、ちょっと答弁ありましたけれども、具体化に向けて、知事とどのような調整が行われたのかという点なんです。ですから、基本方針の実現に向けて、そして、実際にはどういった取り組みを行ったのか、この点についてもお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 先ほどの答弁の補足でございますけれども、基本方針に至るまで、いろいろ我々としても、関係局から成る市場のあり方戦略本部を開いて、さまざまな観点から検証を加えてきたところです。そのことについてはご理解をいただきたいと思っております。
 今、先生からのご質問でございますが、基本方針後の、いろいろ行政化に当たっての取り組みでございますが、例えば六月二十日に基本方針が公表された後、六月二十二日には関係局長会議を開きまして、これが初めての会でございますが、六月二十二日に基本方針の内容を共有化することと、基本方針を踏まえて推進するべき事項ということの中で、築地市場の豊洲市場への早期移転の円滑な実施、また、豊洲地区のにぎわい創出に向けた取り組み、これは千客万来施設の整備も含めてです、あるいは環状二号線の整備、あるいは築地市場跡地のオリ・パラ輸送拠点としての整備に向けた調整等、関係局で認識を共有化したところでございます。
 さらに、それを具体化すべく、二十九年七月二十一日の関係局長会議で、それぞれ今申し上げた事項等を踏まえて、さまざまな行政の取り組みを取りまとめて、関係局長会議で意思統一を図りましたが、その関係局長会議の前には、当然、知事とも議論をして、その課題についての今後の取り組みの内容を決めてきたというところでございます。

○柴崎委員 今、市場長から答弁ありましたけど、関係局長会議の中で議論が行われたということなんですが、市場当局と知事とはそういった打ち合わせというのは、まさにこの所管でしょう、そういったことはやらないんですか。あくまでも関係局長会議だということなんですか。それだけ確認させてください。

○村松中央卸売市場長 基本方針の公表の際には、知事から、この方針の行政化について検討、取り組み、そういった指示を受けましたので、それは市場移転の課題も多岐にわたっていますので、関係局が集まった関係局長会議を開いて、さまざまな課題について行政の取り組みを取りまとめていくと、そういうステップを踏んできたわけでございます。
 また、関係局長会議を開くに当たりましては、当然、その中身について事前に知事とも議論をしながら進めてきたと、そういったところでございます。

○柴崎委員 今、答弁いただきましたけど、本来であれば、市場当局ともっと具体的な打ち合わせというのをされているのかなと思って、今、聞いたわけですけどね。築地を守って豊洲を生かすんだということですから、まさに市場のことなんですよね。関係局長会議で話すことももちろんあるかもしれないけれども、まずはそこのところで一番重要な打ち合わせというのがないんだなというのが、今、よくわかりました。
 続いて、ちょっとお伺いしたいのは、食のテーマパーク、そして、市場機能、これに関しまして、知事の発言が変化をしているわけです。知事がこういった発言を行う前に、市場当局は知事と当然調整をされているんだと思うんですが、どんな調整をされていたんですか。

○村松中央卸売市場長 例えば、基本方針をめぐっては、さまざま議会でも質疑がございました。そういった場面で知事との打ち合わせを綿密にするとか、そういったことで市場当局と知事の間の意思疎通を図ってきたところでございます。

○柴崎委員 いや、私がお伺いしているのは、食のテーマパークと市場機能に関する知事の発言というのが変化してきているわけですよ。こうした知事の発言が変化しているということは、当然、市場当局とお打ち合わせなり、そういった話をされているんだと思うんです、一般的には、我々は。
 どういうようなお話し合い、どういうような調整をされたんですかということをお聞きしているんです、この変化についての。

○村松中央卸売市場長 例えば、豊洲市場への移転に当たりましては、かなり綿密に知事と打ち合わせを重ねてきておりました。当時、基本方針が出る前からそうでしたし、その後もそうだったんですけれども、そうしたいろいろな打ち合わせなりをする中で、食のテーマパークの関係についても俎上に上っている、いたことはございます。

○柴崎委員 先ほど午前中に、我が会派の山崎副委員長の方から質疑があった点を踏まえてなんですよ、今、お聞きしているのは。
 築地跡地について、当初、知事の方針には、食のテーマパークを五年以内に着工しますよというふうに始まった議論が、いつの間にか食のテーマパークは一つの考え方だと、そのうち、食のテーマパークを超えてというふうに、とうとう食文化に変わってきているわけですから、そういう変わるところというのは、当然、市場当局とお打ち合わせなり、調整なり、されたと我々は思っているんです。
 したがって、その点について教えていただきたい。どういう調整をされたのかということなんですよ、お聞きしているのは。

○村松中央卸売市場長 基本方針の中では食のテーマパークという言葉がございましたが、いろいろ基本方針を行政化するに当たりまして、関係局長会議を活用しながら、各局の意識統一を図りながら進めていくと。その中で、豊洲のにぎわいの創出だとか、さまざまな中で、いろいろな課題について知事とは議論をしながら進めてきたところでございます。
 食のテーマパークについて、一つの考え方と知事がおっしゃった、そういうことにつきましても、変わっていったというよりも、基本方針というのは、そもそも築地と豊洲、両方を生かすという趣旨、これが基本方針の大きな方向性ですので、そのもの自体は変わってはおりません。
 食のテーマパークをどうするという個別の案件については、一つの考え方ということで整理をしてきたところでございます。それについては、変わっているというか、そういう整理で進めてきたところでございます。

○柴崎委員 何度聞いても、ちょっとご答弁が、私の聞いているような形ではなかなかお答えいただけないものですから、次の質問に行きますけど。
 続きまして、やはり今の件なんです。この食のテーマパークから、食のテーマパークは一つの考え方、こういうふうに移ったんです。続いて、先ほどいったように食のテーマパークを超えて、そして、とうとう、もう何度もいいますが、食文化にさま変わりしたわけです。変わってしまったわけです。
 こうした知事の発言、この辺、知事の発言の変化について、その背景にある考え方を市場関係者、事業者の方々には、これ、説明する必要があるわけじゃないですか--と我々は思うんです、当然。
 したがって、市場関係者の方によく説明しておくようにというふうに、知事からは指示がなかったんですか、あったんですか。

○村松中央卸売市場長 市場業者の、我々がお伝えする相手は主に業界団体ですけれども、業界団体の皆様には都はきめ細かく情報提供をするようにと、これはいつも知事から指示を受けておりまして、例えば基本方針もご説明に上がったし、また、関係局長会議をするときは、その内容もご説明しておりますし、さまざま今の、例えば都市整備の案件であっても、まちづくりの素案についても業界団体に説明を、まちづくりの関係については都市整備と一緒に説明をすると、そういったことで、節目節目で業界団体の方には説明に上がっております。

○柴崎委員 要するに、市場関係者の方々に理解をしてもらったのかどうかというところなんですよ。つまり、私が何度もいうように、変わっているんですよ、いっていることが。
 市場長は変わっていないとおっしゃるけれども、食のテーマパーク、このテーマパークは考え方の一つだと、そして、今度はテーマパークを超えて食文化というふうに変わっているんですよ。これが変わっていることは、市場関係者の方々に当然説明が必要なわけですから、知事から指示があったのかというふうにお聞きしたんだけど、そういった答弁になっていないんです。
 要するに、市場関係者の方々は、そこを理解したんですか。こういうふうに変わっていった、知事のいっていることが変わっていったわけですよ。その背景にある考え方、これが大事だと思うんですけれども、この点について理解されたんでしょうか。

○村松中央卸売市場長 本日の当委員会での、知事からも答弁をしておりますけれども、築地と豊洲の両方を生かす、この趣旨が基本方針の大きな方向性でございますので、これにつきましては、現在に至るまで何ら変わっておりません。
 また、先ほど申し上げましたが、業界団体の方々につきましては、関係局長会議での議論だとか資料だとか、そういったことは必ずご説明に伺っております。

○柴崎委員 今、市場長は変わっていないというんですけど、これ、普通、誰が聞いても変わっていますよ、発言が。それが変わっていないというんだから--ちょっとここのところはわかりました。いずれにしても、違った角度から、また質問したいと思います。
 それで、知事がいっているわけですよ。築地に戻るときにはお手伝いする、この発言につきましても、やはり市場業者の方々と具体的に調整するように、いわゆる、もう築地に市場はできないわけでしょう。やらないということをいいましたよね。そうすると、お手伝いの具体策の検討を進めるよう、当然、知事からそのときは指示があったわけですよね。その点はいかがですか。

○村松中央卸売市場長 築地に戻ることを希望される事業者の方々については、その支援の方策について検討をすべきと、そういう指示は基本方針の公表時からございました。

○柴崎委員 今、市場長から支援するようにじゃなくて、戻るためのお手伝い、つまり、事業者が戻るためのお手伝いが、やっぱり必要なんじゃないですか。その点についてお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 二十九年七月の市場移転に関する関係局長会議の場におきましても、将来、築地に戻ることを希望する仲卸業者に応えるための方策に関する検討を、豊洲市場移転後の状況も踏まえながら行うということとしております。

○柴崎委員 いずれにいたしましても、ここの点については知事がはっきりいっているわけですよね、築地に戻るときにはお手伝いするよと、お手伝いすると。ですから、その点について、今、お伺いしたんですが、どうもそういうようなご答弁じゃないようなので、ちょっと次に行きます。
 そして、築地まちづくり素案、これについて発表がされたわけでありますが、その内容や趣旨につきましては、市場当局からも市場業者の方々に適宜説明するようといった指示が、知事からあったのでしょうかどうか、お伺いしたいんですが、わかりますか。

○村松中央卸売市場長 知事からは、例えば、これこれを説明しなさい、これこれを説明しなさいという指示ではなくて、さまざま、いろいろ業界に関することについてはきめ細かに業界の方に情報提供をするなど、業界に寄り添って、事業者に寄り添って丁寧に対応するようにという指示がそもそもございますので、私どもとしては、このまちづくり素案にしても、都市整備と一緒に業界団体に行って、非常に丁寧に説明していると、それはまちづくり素案に限らず、関係局長会議の資料でもそうですし、もろもろ、必要な情報については業界団体に説明に伺っているというところでございます。

○柴崎委員 今、答弁いただきましたけど、幹部職員でどなたが行かれたか、お答えいただけますか。

○吉村企画担当部長 まちづくり方針の素案につきましては、私が都市整備局の幹部職員とともに説明に上がりました。

○柴崎委員 それはどのぐらい行かれたんですか。通ったんですか。

○吉村企画担当部長 築地再開発の検討状況につきましては、築地再開発検討会議が平成二十九年十月から平成三十年五月にかけて開催されておりましたけれども、開催の都度、ほぼ開催の都度だと記憶しておりますが、都市整備局と一緒に参りまして、水産仲卸の組合の幹部の方にご説明をさせていただいております。
 また、今回出されました築地まちづくり方針の素案につきましても、本年二月八日に都から出向きまして、ご説明させていただいております。

○柴崎委員 そういったことでありますが、対象はどのぐらいの方々、つまり何人ぐらいの方々に説明したんですか。

○吉村企画担当部長 水産仲卸組合の正副理事長と、担当の役員の方々と、あと事務局の方もいらっしゃいますので、関係の役員と、あと事務局の人が二、三名入っていたかと記憶しております。

○柴崎委員 わかりました。それで、その方々がどういうふうに、当然、下の方々に浸透させなくちゃいけないわけだから、それは確認したんですか。どういうふうに確認したのか教えていただけますか。

○吉村企画担当部長 今回出されております築地まちづくり方針の素案につきましては、ご説明をさせていただいたところ、水産仲卸の組合として、この方針について意見を出すとか、組織立って関与するということは考えていない旨のお話がございましたので、仲卸組合の方から各事業者、組合員さんに周知をされるというようなことはされていないというふうに考えております。

○柴崎委員 わかりました。ちょっと時間もないので、いずれにしても、この土地が売却をされたから、もう市場からは手が離れてしまったんだというふうなお考えはもちろんないと思うんですが、その点について、やはり、要するに食文化で築地ブランドを大切にしなくちゃいけない、そんなようなことをいわれているわけですから、やはり、市場当局としても、これ、責任があるんですよ、売却されたって。当然そういうふうに思っていると思うんですけどね、あえて申し上げますけれども。
 そういったことを含めながら、やっぱり築地まちづくりには、最後まで当然、当局の責任というのはあるんですからね。これはいわずもがなだと思うんですが、当たり前のことをいっていると思います。
 最後に、市場長のその辺についての決意をちょっとお伺いしたいと思います。

○村松中央卸売市場長 今、先生から、築地の跡地の開発の話に市場当局も責任を持つべきという話がございました。私どもといたしましても、築地の再開発については、都市整備局といろいろ連携をとりながら、また、情報交換しながら、所管が変わった後でも、それはずっとかかわって、都市整備局といろいろ連携していきたいと考えております。
 また、豊洲市場につきましても、日本の中核市場に育成するということですので、まず、豊洲市場をきちんとやっていくと。そして、築地の跡地についても、再開発が進められ、基本方針にあるように双方を生かしていくと、趣旨が実現できるように今後も取り組んでいきたいと考えております。

○柴崎委員 もう時間ですので、じゃあ、以上で私からの質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○中山委員長 柴崎委員の質疑は終了しました。
 尾崎理事の質問を許します。

○尾崎委員 小池知事への一問一答を朝八時半から午後一時まで行いましたが、なぜ、一昨年の築地は守る、豊洲を生かすの基本方針が変わったのか、なぜ、今年度補正予算で有償所管がえが必要なのか、五千六百億円を超える重要な議題なのに、十分な質疑も行われず進めようとすることに納得はできません。
 そこで、市場会計の継続性について伺います。
 豊洲市場の経常収支は、年間百二十億円から百四十億円程度の赤字で推移する見通しであることは、一月二十三日の市場移転に関する関係局長会議でも明らかになっています。年間百二十億円から、百四十億円の赤字になることについては、市場長はどのように考えているのか伺います。

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場会計は、豊洲市場の減価償却費等の影響によりまして、今後、経常収支が赤字で推移する見通しでございます。
 私どもといたしましては、さまざまな経営改善を図っていく必要があると考えておりまして、例えば市場当局の人件費の削減だとか、維持管理経費の圧縮などに取り組んでいく必要があると考えております。
 また、こうした取り組みに加えまして、長期的な視点からも、市場の経営のあり方について抜本的な検討も必要であると認識しているところでございます。
 こうしたことから、実効ある経営計画を今後策定することとしておりまして、外部有識者の知見も最大限に活用して、コストの縮減や収益向上に向けた経営の合理化、民間経営の手法の導入など、今後さまざまな観点から検討を進めていく必要があると考えております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、外部有識者の知見などを最大限活用した検討は、具体的に、いつからどのように行うのか、また、民間経営手法の導入というご答弁でしたけれども、具体的にはどのようなことなのか伺います。

○猪口財政調整担当部長 市場会計の持続可能性の問題につきましては、来年度以降、経営計画の策定に向けて、外部有識者を交えた検討を始めることにしております。スピード感を持って検討を進めて、平成三十二年度中には一定の結論を出したいというふうに考えております。
 民間経営手法の導入につきましては、市場のあり方戦略本部でも議論されておりますけれども、一般的にはPFIの導入だとか、そういったものも含めて幅広く検討を進めて、どういったものが、今、全国的に行われているのか、あるいは、それが東京都にとって対応できるのかどうか、そういったことも含めて幅広く検討する予定にしております。

○尾崎委員 それでは、今でも中央卸売市場に関係する審議会があると思いますが、経営改善など、議論できる審議会はありますか。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、先生ご指摘の東京都卸売市場審議会でございますけれども、卸売市場の施策に関すること、そういったことについて、一義的には知事からの諮問を受けて検討して答申を差し上げるというようなことをやっておりますけれども、それ以外にも、中央卸売市場行政全般につきまして、手前どもから審議会の方にご報告をするというような機会がきちんと確保されてございます。
 経営計画を策定するに当たって、今後、いろいろな形で検討していくということでございますけれども、私どもといたしましては、卸売市場審議会の委員の方々の中には、外部の方々、学識経験者の方々、経営ですとか、会計ですとか、財務ですとか、さまざまなスキルを持った先生方がいらっしゃいますので、そういった場でご報告をして、ご意見をいただくということは、これは審議会の権能、機能として、当然あり得ることだというふうに考えてございます。

○尾崎委員 そうであるならば、まずは、今ある東京都卸売市場審議会で議論すべきものだと思います。有償所管がえをするかどうかの先に行うべきだと厳しく指摘をするものです。
 小池知事は、二〇一七年六月二十日、築地は守る、豊洲は生かす、基本方針の記者会見で、移転理由について、これまで豊洲ありきで移転後の計画が不十分だった、移転後に毎年生じる年間百億円近い赤字にどう対応するのかよく吟味されていなかった、子供や孫たちへの将来の責任に真正面から応える計画がなかったと述べていました。
 代表質問で我が党は、一昨年六月の基本方針の会見で、知事は、税金を新たに投入することのないような方策を検討させたと述べていたことについて、この点でも公約違反ではないかと質問しましたが、知事は、市場会計の赤字を補填するために一方的に税金を投入することがあってはならないという趣旨で申し上げたものであり、今回の補正予算案は、これとは矛盾するものではないと答弁しました。
 しかし、市場会計の赤字を補填するものになっているのではありませんか。豊洲市場の赤字問題を解決することなく、豊洲市場への移転を強引に進めた都の責任は重大だと思います。市場長、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 今の市場会計に一方的に税金を投入するわけではないというのはそのとおりでございまして、今回の有償所管がえにつきましては、私どもの管理をしております築地市場跡地と、それと一般会計からの現金とを等価で交換するというものでございますので、それは一方的に税金が投入されているということには当たらないと考えております。

○尾崎委員 一月二十三日の市場移転に関する関係局長会議で、市場会計の継続可能性の検証、有償所管がえする場合と、長期貸付する場合の二つの検証を行いました。長期貸付する場合は、豊洲市場を整備する際に発行した企業債返済のため、借りかえ制度を活用したとしても、平成三十七年、二〇二五年には資金ショートが発生する見通しです。
 有償所管がえする場合は、企業債は借りかえをすることなく全て期限どおりに返済できる見通しとなり、累積資金は長期的に減少傾向にあるが、今後、約五十年間は事業継続が可能となる見通しですと。したがって、有償所管がえをすることを決めたということではないでしょうか。企業債返済で資金ショートを先延ばしできると判断しただけではないんでしょうか。
 市場会計は、土地を保有しているよりも、いつでも自由に使えるお金を持っていた方が市場会計を維持することができるということになります。これは、市場会計から見れば資金繰りを最優先したことであり、赤字の穴埋めではないんでしょうか伺います。

○猪口財政調整担当部長 都内十一カ所の中央卸売市場につきましては、都民に生鮮食料品を円滑かつ安定的に供給するための基幹インフラとして、非常に重要な役割を担っているというふうに考えております。
 卸売市場法の改正も控えまして、そういった市場を取り巻く環境の変化などを踏まえた上で、産地や実需者に支持される市場としていかなければならないというふうに考えております。
 そのためには、先ほど来申し上げているように、戦略的な経営と強固な財務体質の確保、とりわけ市場会計の持続可能性の確保が必要であるというふうに考えておりますが、先生ご指摘のとおり豊洲市場の減価償却費の影響によりまして、今後、経常収支が大幅な赤字で推移する見通しでございます。
 都としましては、当面の経営改善策として、市場当局の人件費の削減、あるいは維持管理経費の圧縮などに努めるとともに、先ほど申し上げました民間企業経営者の目線からのチェック機能を働かせるため、外部有識者による市場運営の検証を改めて行いまして、平成三十二年度中の経営計画の策定に向けて、抜本的な改善を図っていく所存でございます。

○尾崎委員 今、いろいろ説明ありましたけれども、私がお聞きしたことに答えていらっしゃらないんじゃないかと思いますけれども、そもそも一月二十三日の市場移転に関する関係局長会議は、市場会計の継続可能性の検証を行って、どうしたら市場会計が継続できるのかということを決めたということなんだと思います。
 今回、提案のように、有償所管がえで五千四百二十三億円が市場会計に繰り入れされても、市場会計の継続性が本当に保障されているわけではありません。
 先ほど来ご答弁あるように、経常経費や減価償却費によって、赤字が発生することは変わらないんです。幾ら経営改善を行っても、経常収支は年間百二十億円から百四十億円の赤字です。それをそう簡単に黒字にはできないんじゃないでしょうか。
 今後、約五十年間は事業継続は可能だということですけれども、豊洲市場は建物も大きいので、大改修、設備更新が必要になります。今後五十年、資金繰りが大丈夫だといえる状況にある可能性もありません。
 今回の検証で、五十年の見通しがあるから、それで大丈夫だとはならないんじゃないでしょうか。市場長の認識を伺います。

○吉村企画担当部長 関係局長会議の関係ですので、私からご答弁させていただきます。
 今、先生おっしゃられたように、一月二十三日の関係局長会議では、築地のまちづくり方針の素案の報告とともに、市場会計の持続可能性に関する試算をしております。
 その試算結果を踏まえた今後の方向性ということで、卸売市場を取り巻く環境の変化を踏まえた今回の収支試算結果とともに、将来の東京全体としての価値の最大化を目指す今後の築地まちづくりを見据えて、築地市場跡地については一般会計に有償所管がえをするということになってございます。
 また、中央卸売市場会計の事業継続性は約五十年間は確保できる--試算上ですね、見通しでございますが、同時に経常収支については、前回の試算結果と比べて改善傾向にあるものの、豊洲市場の減価償却の影響で赤字で推移する見通しということで、長期的な観点に立てば市場経営のあり方について検討が必要であって、今後、戦略的な経営と強固な財務体質確保に向けた経営計画を策定するということで、市場会計の持続可能性に向けた方向性をきちんと示しているものになってございます。

○尾崎委員 今のご答弁でもはっきりしていますけれども、やはり豊洲市場を建設する前に、そういう経営の観点、きちんと議論して進めるべきだったんじゃないんでしょうか。市場は五十年もてばいいなどというものではありません。百年、百五十年継続する展望を示さなければならないと思います。
 築地市場は八十三年の歴史を持ち、水産仲卸の目ききで世界に誇る築地ブランドをつくってきました。
 ところが、豊洲市場はどうでしょうか。問題は何も解決していません。それどころか、開場後もマンホールから水があふれ、ターレの事故は多く、あってはならない最悪の死亡事故も起きてしまいました。
 エレベーターの故障や建物の揺れ、黒い粉じん、ひび割れなど、問題は次から次と起こっており、新たな対策も求められています。そうなると、豊洲市場の管理費が当初予算よりもふえることになります。しかも、売り上げが減少し、新たに廃業を考えている人や、廃業を決めた人も出ています。
 豊洲市場の地下水調査では、引き続きベンゼンは環境基準の百三十倍が検出されています。検出された箇所もふえています。環境基準では出てはならないとなっている猛毒のシアンも検出されています。こんな状況で安心だといわれても、都民や市場関係者は納得できません。豊洲市場の問題は何一つ解決していないんです。
 市場では一番取引が多いといわれる十二月も、一月も、水産物部の取扱量は築地市場のときよりも大きく減少しています。今後、使用料などの収入減少もあり得ます。赤字がふえたことを理由に使用料の値上げや、経営改善と市場法改正を理由に市場の統廃合、民営化は許されません。
 次に、基本方針について事実確認を幾つかしたいと思います。知事が一昨年六月二十日に発表した市場移転問題に関する基本方針の策定に、市場長はどのようにかかわったのか伺います。

○村松中央卸売市場長 先ほど来ご答弁させていただいておりますが、市場移転の関係につきましては、基本方針が公表される前から、市場のあり方戦略本部においてさまざまな検証を行っておりました。それは、私どもだけではなく関係局も入っていろいろな検証を行ったところでございます。
 そうした検証も踏まえまして、知事が総合的な判断を行って、基本方針を公表したという流れですが、基本方針自体の策定については、私ども特段かかわっておりません。

○尾崎委員 策定過程にかかわっていないということですね。知事が決断したことは午前中の質疑でもはっきりしています。市場長は、市場移転問題の所管局長として、知事の基本方針をノータッチで、ノーチェックで右から左に了解したのですか。知事がこうしますといえば、はい、わかりましたということになるんでしょうか伺います。

○村松中央卸売市場長 私どもは、築地と豊洲、双方を生かしていくという基本方針に沿いまして、行政的な取り組みを関係局が連携して進めていくということでございますので、関係局長会議の場を通じて、そうした行政的なステップ、あるいは具体的な取り組み、そうしたことを議論しながら進めてきたところでございます。

○尾崎委員 小池知事の決断が、いつどのような形で東京都の基本方針になったのですか。知事が自宅とか知事室で決断したら、それがそのまま東京都の方針になるのでしょうか。

○村松中央卸売市場長 先ほど来申し上げておりますけれども、市場の移転の問題につきましては、市場のあり方戦略本部、また、専門家会議や市場問題プロジェクトチームといった外部有識者による検討など、さまざま行ってまいりました。そうした幅広い議論を積み重ね、また、いろいろ総合して、知事の基本方針という大きな方針が示されたわけでございます。
 私ども単に方針を、今、先生がおっしゃるように、そのまま無批判にというようなお話だと思いますけれども、そうではなくて、そうした積み重ねの上にある基本方針ですので、その行政的な、具体的な取り組みにつきまして、現実の取り組みを関係局と連携しながら議論し検討し、進めてきたところでございます。

○尾崎委員 市場長がそのようにご答弁されるのであれば、知事が一昨年六月二十日の基本方針の記者会見で使ったスライド資料の作成に、市場長はどのようにかかわっていたのですか。事前チェックはしたのか伺います。

○村松中央卸売市場長 お話のスライドにつきましては、私ども関与をしておりません。

○尾崎委員 それでは、市場業者への支援の問題で幾つか質問します。
 午前中の質疑で、ほかの委員の方の質問に、市場長は、市場業者への支援について、築地での営業を希望することが見られる場合は支援を検討するというような答弁があったように思いました。この答弁に変更はありませんか。

○村松中央卸売市場長 済みません、築地での事業ですか。(尾崎委員「はい」と呼ぶ)いや、私は、本日の午前中ご答弁させていただきましたのは、築地に卸売市場を都が改めてつくるということはないというお話の中で、それでは豊洲の方で頑張っている事業者に対して支援はするのかというご質問がございましたので、それに対して、例えば経営指導だとか、会計士さんとか、経営に詳しい方と、そういう専門家による相談だとか、そういったものを事業者さんに提供していくと、そういうような経営面での支援があるのではないかというようなお話はさせていただきました。

○尾崎委員 そうしますと、築地ではなく豊洲だということですね。それでは、議事録が出てから、確認させていただきながら、私の方でも見ていきたいと思います。
 次に、築地の土地ですが、有償所管がえすると財務局が所管し、都市整備局が民間事業者による再整備を進める、国際会議場などを中核とした再整備をするということです。有償所管がえをした後、市場長は、今のこのような答弁に責任を持つことができるのかどうかということを伺います。

○村松中央卸売市場長 先ほどの答弁の趣旨を繰り返して申し上げますと、豊洲市場への移転後も環境への変化への対応など、市場業者からは、移転後の経営安定化のための支援を求められていると、そういった声があるということから、こうした声を踏まえて三十一年度の当初予算案におきまして、移転後の支援策として、融資事業の継続だとか、経営上の課題に対する公認会計士や弁護士等の専門家による相談だとか、こうしたことを豊洲市場における仲卸業者の経営基盤の強化を図っていくために行っていくと、そういった答弁は午前中にさせていただきました。

○尾崎委員 わかりました。それでは、一昨年六月二十日の基本方針の記者会見で、知事は築地に市場機能を残すといいました。知事がいった市場機能とは、何のことだと思いますか。

○村松中央卸売市場長 卸売市場の役割は、全国からいろいろなものを、生鮮食料品を集めてくる、そういう集荷の部分、そして、それを実需者に仕分けして届ける分化の部分、そして、広く公平な取引が市場内で行われ、適切な価格が形成される価格形成の役割と、そういった役割を主に担っております。
 その役割を果たすのに必要な集荷の機能、分化の機能、価格形成の機能だとか、そういったことが、いわゆる市場機能といわれているものでございますので、そういったことを念頭に置いているのではなかろうかと思っております。

○尾崎委員 今の説明、ご答弁ではなかなかよくわからない。やはり、ここは知事に聞かなければわからないのかなというふうに思います。
 きょうは、朝から知事にも一問一答を続けてきたわけですけれども、一時までの質疑では、やはりなかなかわからないことが残されていると、納得できないところもあるということで、私たちとしては、知事の決断で出した基本方針について、この点については、やはり知事に聞かなければ明らかにならないということが、はっきりしたと思います。
 引き続き、徹底した審議を求めて、質問を終わります。

○中山委員長 尾崎理事の質問は終了いたしました。
 山崎副委員長の質問を許します。

○山崎委員 朝八時半からきょう一日がスタートして、本当に当局の皆様もお疲れだと思います。私もきょう質疑をさせていただいて、率直なところ知事が、やはり、しっかりとお答えになっていただいていないのかな、考え方の相違、違いというものはあるのかもしれないけれど、そういった部分で私は、率直に今そのようなことを感じているところでございます。
 そういったところで、市場長にちょっと何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 我々が土曜マルシェに行って、結果、さっきボードを見ていただいたと思います。築地の再開発方針、変わったか変わっていないか。結果、百四十三と八という、シールを皆さん二個張ってもらったんです、聞いた人たちに。
 それで、知事の方は基本方針の方向性については何ら変わってないんですよと、そんなようなお話もありながら、丁寧に私たちもアンケートをとらせていただきました。百四十三と八のこの結果を見て、市場長、率直にどう感じておられるか、率直にお答えをいただきたいと思います。

○村松中央卸売市場長 私ども、基本方針の公表以来、築地から豊洲への市場移転、こうした仕事も含めていろいろかかわってきましたけれども、その間で基本方針、そもそも、豊洲と築地、両方生かすという趣旨の基本方針、その大きな考え方はベースにありまして、それはこれまで、現在まで変わっていないものと考えております。
 先ほど、午前中にアンケートのシールを拝見させていただきましたけれども、大きな方向性は変わっていないということと、あの聞き方では、食のテーマパークと国際展示場になって、変わっていますか変わっていませんかといわれれば、それは変わっているという方が多いのではなかろうかなと思った次第でございます。(発言する者あり)

○山崎委員 今、横からそうだよといわれたんですけれど、であるならば、なぜ築地を守る、豊洲を生かす。じゃあ、初めから両方生かすっていえばよかったんじゃないんですか、初めから。
 基本方針の中、私もよく読みました。一番初めの基本方針のその一に出てくるわけですよね。で、一番最後のページですよ、両方生かすという言葉は出ているんですけれど、そこには総合物流拠点だとか何だ何だって、ITだとか、そういったものが、たしか出ていたと思いますよ。
 ですから、私がいいたいのは、そういうふうに基本方針、方向性は変わっていないというんであれば、初めからちゃんと両立していく、そういうことを入れるべきだったと私は思います。
 次に移りたいと思います。
 先ほど来、この質疑の中で、市場経営の、これからどうしていくんだ、経営をどうされていくんだ、恐らく朝日新聞の記事もいろいろな書き方があったと思います。統合だとか、民営化だとか、廃止だとか、あの記事を見ると、ちょっとどうなのかな、そのように感じております。
 今、ほかの委員が質疑をされた中で経営計画の話がございました。
 先ほど来、聞いていきますと、これから経営計画を策定していく、外部有識者、こういった皆様にも検証を改めて行ってもらうだとか、企業経営の、財務会計の専門家など、知見を最大限活用して、コスト縮減や収益向上に向けた経営の合理化、民間経営の手法などを導入し、本質的な課題に切り込んでスピード感を持ってやっていく。
 その中で、先ほど財政調整担当部長が答弁をなさいました、いつまでにという話です。来年度以降、そして、平成三十二年度中にはこういったものを出していくという答弁をされておられました。
 このことを業界の皆さんは聞いて、恐らく皆さんのところにも何かしらの連絡があったと思います。朝日新聞の記事を見たり、そのときの、その日の、たしか代表質問でしたっけ、一般質問だったかな、今、質疑もあったと思うんですけれど、そういう話を聞いて、聞いた上で、業界の皆様から何か連絡ありましたか、誰かお答えください。

○猪口財政調整担当部長 朝日新聞の記事を受けまして、当日、業界の方々、卸、仲卸の業界の方々含めて、さまざまな方から民営化ということに関しての心配の声だとか、そういった声をいただいております。
 我々としまして、改めて、我々の意図をご説明いたしまして、今、申し上げましたように、コスト縮減や収益向上に向けた経営の合理化、あるいは民間経営手法の導入、こういったものをさまざまな観点から検討を進めていくということでございますので、一足飛びに民営化だとか何とかということを今の時点で考えているということではないということをご説明して、ご了解をいただいているところでございます。

○山崎委員 業界の皆さんに、しっかりと丁寧にそういった点、ご説明をしていただきたいと思います。やはり、新聞の記事や代表質問、一般質問、そういったところの情報を業界の皆さんは見て、反応してしまう、それが現実だと思うんですよね。その前に、こういったことがありますよ、これから経営計画つくっていきますよ、なかなか業界の皆さんに、先にお示しすることができない、そういうのは私もわかります。
 しかし、皆さんは現場をお持ちですから、こういったことになりそうですよ、決まったときにはこういうふうになりますよ、こういうふうにしていきますよ、そういうきめ細かい膝詰めの、皆さんを説得する、皆さんに理解をしてもらう、こういったことが本来の皆さんの役割ではないのかな、そのように私は感じておりますので、ぜひ、その点はよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 最後に、基本方針のことでお伺いをさせていただきたいと思います。
 基本方針は二〇一七年六月ですよね、発表されたのは。そして、その前にたしか市場のあり方戦略本部だとか、市場PTとか、いろいろな会議体、もうないですけど、もちろんそういったものがあったと思います。
 その当時、振り返りますと、当時の小島特別顧問ですか、小島敏郎氏、この方が仲卸や業界の皆さんを集めて、築地の改修案というものを、勉強会、いろんなことをされておりました。これはたしか四月だったと思います。
 そして、二〇一七年の九月ぐらいかな、九月、ここでもまた、説明会をたしかやられていたと思います。この際には、二〇二二年の九月に築地を市場、要するに帰ってくる、戻ってくる、豊洲から築地に戻るんですよ、仲卸の皆さんは帰ってくるんですよ、そして、年末商戦に向けて九月のオープン、こういったことが整理も含めて必要ですよ、こんなことを小島さんがいわれていたことを、私も業界の皆様からもお聞きをいたしました。
 ですから、小島さんの立ち位置というものは、知事と両輪であるとか、私は知事のいろいろな部分を扱っている、そういう勉強会や検討会を開けば、恐らく皆さんはそれを信じてしまう。信じざるを得なかった。何がいいたいかといいますと、小池知事イコール小島敏郎氏、そういった部分も私はあったと思います。
 ですので、今回、小池知事がいろいろな基本方針を示す前に、先ほど市場長もいわれておりました、この基本方針を示される前にはわからなかった、聞いていなかった。いろいろなあり方戦略本部だとか、市場PTだとか、そういったところで戦略は立てていたかもしれないけれど、当日の記者会見の午後に直前に聞いた、先ほどそういう答弁もありました。
 ですから、小池知事と小島氏、こういった方々を中心に、この基本方針をつくり上げた、そういうわけであると思います。
 ですので、改めて委員長にお願いをさせていただきたいと思います。
 小島敏郎氏を参考人として招致をして、そして、この経済・港湾委員会の中で小島氏からしっかりとお聞きをして、事実を解明していきたい。ぜひ、今後の理事会でこの協議をしていただきたい、その旨を委員長に改めてお願いをさせていただいて、私の質問を終わります。

○中山委員長 山崎副委員長の発言は終了いたしました。
 今、山崎副委員長からのご提案については、後の理事会で協議をいたします。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたします。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時二十一分散会

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