経済・港湾委員会速記録第十六号

平成三十年十一月十五日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長中山ひろゆき君
副委員長小林 健二君
副委員長山崎 一輝君
理事ひぐちたかあき君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
うすい浩一君
柴崎 幹男君
あかねがくぼかよ子君
白戸 太朗君
高倉 良生君
森澤 恭子君
三宅 茂樹君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長古谷ひろみ君
管理部長岡安 雅人君
事業部長長嶺 浩子君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務石井 浩二君
豊洲市場総合調整担当部長福崎 宏志君
豊洲市場事業連携担当部長影山 忠男君
豊洲市場事業推進担当部長堀   真君
豊洲市場事業調整担当部長前田  豊君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長猪口 太一君
築地調整担当部長豊洲市場特命担当部長兼務西坂 啓之君
移転支援担当部長赤木 宏行君
環境改善担当部長佐々木宏章君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設担当部長渡辺 正信君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
労働委員会事務局局長池田 俊明君

本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)

○中山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言願います。

○高倉委員 それでは、労働委員会事務局関係の事務事業につきまして質疑をさせていただきます。
 先日、私は、東京都労働委員会と国の中央労働委員会とで開催をしました労使関係セミナーに同僚の小林健二副委員長と、それから、うすい浩一委員とともに参加をさせていただきました。会場は三百人以上が収容可能な新宿区立のホールでありましたけれども、ほぼ満席に近い盛況であったわけであります。
 この会合は二部構成になっておりましたけれども、第一部では、東京都労働委員会で会長代理を務められている水町勇一郎教授から働き方改革関連法に関する基調講演が行われました。働き方改革関連法案の施行を間近に控えた現在、大変時宜にかなう内容であったと感じました。
 また、第二部では、水町教授と関東地区三県の労働委員会の委員による各県における紛争解決事例に基づいたパネルディスカッションが行われたわけでありますが、各県の労働委員会において、その委員が労使紛争の解決に向け、日々尽力をされているというところを実感した次第でございます。
 このように健全な労使関係の形成において、労働委員会が大きな役割を果たしているということを改めて私も認識させていただいたところでありますけれども、そもそも労働委員会がどういった仕事をしているのか、こういった点から質問をしていきたいと思います。
 まず、労働委員会制度の概要についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 労働委員会は、労働組合と使用者との間に発生した紛争、いわゆる集団的労使紛争を公正、中立な立場の第三者として解決することで、労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図ることを主たる目的とした合議制の行政委員会でございます。
 集団的労使紛争の解決に向けて、労働争議の調整や不当労働行為の審査などを行っております。
 労働組合法及び地方自治法に基づき、都道府県に一つずつ設置されておりまして、国には厚生労働省の外局として中央労働委員会が設置をされております。

○高倉委員 今、概要について説明をいただきましたけれども、次に、労働委員会制度の特徴といったものはどういうところにあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 労働委員会の最大の特徴は、公労使の三者構成というところにございます。
 学識経験者から選ばれた公益委員、労働組合から推薦された労働者委員、使用者団体から推薦された使用者委員の三者で構成をされております。異なる立場から任命されたそれぞれの委員が協力しながら、労使の立場に十分配慮し、お互いの利害を適切に調整し、労使トラブルの解決に力を尽くすことで、労使紛争当事者に対して納得感の高い解決が図りやすいというメリットがございます。
 また、あっせんの申請や不当労働行為事件の申し立てなど、労働委員会の利用は無料となっております。

○高倉委員 ただいまご答弁をいただきまして、労働委員会は労使関係の安定や正常化を図ることを主たる目的として設置された三者で構成をする合議制の行政委員会であって、労働争議の調整や不当労働行為の審査を行っているという説明でございました。
 昨今の労働争議は、合併や営業譲渡などを契機に起こるものや、請負や業務委託など、従来の雇用の枠におさまらないものなど、勤務している会社と労働者との間で労働条件を争うという従来型の紛争にとどまらない、現在の社会経済情勢を反映しているものも少なくないものというふうに思います。
 そこで、平成二十九年度、東京都労働委員会では、労働争議の調整と不当労働行為の審査、それぞれについてどの程度の件数を取り扱っているのか、また、どういったタイプの紛争が数多く発生しているのかについてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 労働争議の調整事件の平成二十九年度取扱件数は八十九件、また、新規に申請があった事件は七十一件、終結事件も七十一件でございます。
 内容といたしましては、団体交渉の促進を調整事項とするものが比較的多数を占めております。
 一方で、不当労働行為事件の平成二十九年度取扱件数は三百九十六件でありまして、全国の約五割の事件を取り扱っております。
 新規申し立ては百六件でございまして、新規申し立て件数で見ると、東京はおおむね全国の三分の一、東京と大阪の合計で全国の約半数を占めております。
 新規申し立てにつきましては、不利益取り扱い、団体交渉拒否、支配介入の区分がございますけれども、団体交渉拒否が多い状況にございます。
 具体的には、解雇、賃金一時金の減額、雇いどめ、配置転換、懲戒処分などを端緒に労働者が個人加盟の合同労組に加入し、合同労組を通じて企業側に交渉を求める紛争が多く発生しております。そのため、団体交渉応諾あるいは誠実な団体交渉を求める事件が多数を占めております。

○高倉委員 先ほど冒頭申し上げました私が参加をした労使関係セミナーで取り上げられていた事例も団体交渉に関するものでありました。
 セミナーで紹介をされましたのは、他県の労働委員会における事例でありましたけれども、三者の委員会が労使間の団体交渉の基本的なルールの確立に向けて、大変精力的に調整を行い、解決に結びつけたというものでございました。
 こうした事例の紹介を聞きながら、私としましても、公労使の三者委員が集団的労使紛争の解決に向けて一体となって取り組んでいるということを十分に理解ができたわけでございます。
 不当労働行為の審査では、当事者の都合で取り下げられるものを除きまして、調査、審問等の審査手続を経て、不当労働行為の該当性を判断し、命令を発する場合と審査の途中で命令に至ることなく和解する場合とがあるということでございます。
 そこで、まず、労使紛争を和解で解決することにつきまして、東京都労働委員会の考え方についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 和解はおおむね命令に至る事件の半分程度の期間で終結し、再審査や行政訴訟により長期化することもなく、終局的な解決につながり、紛争解決の迅速性と経済性の面からすぐれていることから、東京都労働委員会では積極的に和解による解決を図るよう努めております。
 また、和解は労使双方が紛争の全面解決に向けて内容を十分に協議し、納得した上で協定を締結するため、労使間の信頼構築につながり、労使関係の安定化にもよい影響を及ぼすものと考えております。
 平成二十九年度、不当労働行為事件は八十八件が終結しておりまして、そのうち六十八件が和解で終結をしております。
 終結した事件に占める和解の割合、和解率は七七・三%でございます。
 なお、全国平均は五五・六%でございます。

○高倉委員 ただいま平成二十九年度の東京都労働委員会の不当労働行為事件について説明がありましたけれども、七七・三%、これは四分の三ということだと思いますけれども、それが和解で終わっているというご説明でありました。
 どの労働委員会でも同じような和解率であるのかということを見てみますと、必ずしもそうではなくて、先ほど答弁にありましたように、全国平均、これは五割を超える程度であるわけであります。つまり、東京都労働委員会の和解率の高さといったことが際立っているということが、ここから見てとれるわけであります。
 なぜ東京都労働委員会はこのように和解率が高いのか、その理由についてご説明をいただきたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 東京都労働委員会における平成二十九年度の不当労働行為事件の和解率は、過去十年で最高でございます。
 和解を進めるに当たりましては、公労使三者委員が共通の理解を持って事件処理に当たることが重要でございます。
 具体的には、労使間の話し合いの機会を捉え、三者委員が積極的に和解の方向性を検討し、労使委員が粘り強く調整をしております。
 また、労使委員は労働組合や会社に直接出向き、合意形成に取り組むこともございます。こうした結果が高い和解率としてあらわれているものと認識をしております。
 委員を補佐する事務局職員も常日ごろから和解技法の習得や事例研究に努めているところでございます。

○高倉委員 私が参加をしたセミナーでも、実際の事例に基づいてさまざまなお話があったわけでありますけれども、例えば労使双方の委員の方が、もう本当にしっかり汗をかいて調整を図っているという姿が浮き彫りになった、そういうセミナーであったわけでありますけれども、和解は労使関係の安定化に寄与するものでありまして、これからも和解による解決を目指してほしいというふうに私は考えるわけであります。
 しかし、その一方で、和解できなかった事件も四分の一あるわけでありまして、和解できなかった事件は、当事者の都合で取り下げになるものを除いて、命令になるということでございます。
 そこで、労働委員会が発出する命令について説明をいただきたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 救済命令は、行政事件訴訟法に規定する処分に当たり、当事者に公法上の義務を課しているものでございます。
 救済命令は使用者の行為が不当労働行為に当たると判断したときに、使用者に対して団体交渉に応じるように命じたり、あるいは解雇された組合員を元の職場に復帰させるように命じるなど、不当労働行為がなかった状態に原状回復させ、将来の適正な労使関係の構築に向けて必要な措置を講じるものでございます。
 なお、救済命令は、労働組合の申し立て事実についての全部を認容する全部救済命令と一部を認容する一部救済命令とに分けられます。また、使用者の行為が不当労働行為でないと判断したときには、棄却命令を発出しております。
 東京都労働委員会では、平成二十九年度に二十一件の命令を発出しております。内訳は、全部救済十四件、一部救済六件、棄却一件でございます。
 労使関係が鋭く対立するものは命令で終結する傾向にございまして、毎年度二十件前後の命令を発出しております。

○高倉委員 ただいまの説明で、二十九年度は二十一件の命令を発出したと、毎年度二十件前後の命令の発出があるということでありました。
 それでは、東京都労働委員会が発出をした命令につきまして、具体的な例を挙げながら、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 東京都労働委員会には、社会経済状況を反映した事件が多数持ち込まれております。
 命令になる事件も同様でございまして、最近では、高齢者の継続雇用などに係る事件やパワハラに係る事件、外国人労働者に係る事件などで命令を発出しております。
 事例を申し上げますと、高齢者の継続雇用などに係る事件では、組合員を再雇用しなかったのは組合活動を理由としたものであり、原職に復帰させること、あるいは賃金相当額を支払うことなどを命じたものがございます。
 次に、パワハラに係る事件では、パワハラの是正やパワハラの有無の調査などに係る団体交渉に誠実に応じることを命じたものがございます。
 外国人労働者に係る事件では、組合員である外国人労働者の未払い賃金等に関する団体交渉に誠実に応じること、あるいは外国人労働者に仕事を割り当てなかったのは不利益取り扱いに当たり、仕事を依頼したものとして賃金相当額を支払うことを命じたものがございます。

○高倉委員 今、具体的な事例を挙げながら答弁をいただいたわけでありますけれども、命令になった事件でも社会経済情勢を反映したものが多いというふうに感じました。
 都民の皆さんがどういう問題に直面しているのかといったことを具体的に知るためにも、私どもは東京都労働委員会の命令に注目もしていかなければならないというふうに考えます。
 一方で、この命令は和解とは異なりまして、不当労働行為の有無を判定するというものでありますから、当事者が簡単に納得をするとは思えないというような状況もあるわけであります。
 裁判であれば、控訴、上告といったような制度があるわけであります。命令に不服がある場合に、当事者がとることができる対応と、その際に東京都労働委員会の命令がどのように判断されているのかについて説明をいただきたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 命令に不服がある場合でございますけれども、中央労働委員会への再審査の申し立て、または裁判所への取り消し訴訟提起が可能でございます。
 平成二十九年度に中央労働委員会で終結いたしました東京都労働委員会が発出した命令に係る再審査事件は二十七件でございまして、内訳は和解認定が十一件、棄却が七件、取り下げが七件、命令の一部変更が二件となってございます。
 結果として、再審査で都労委命令が変更されたものは二十七件中二件のみでございまして、九〇%以上は都労委命令が変更されずに終結をしております。

○高倉委員 東京都労働委員会の命令が再審査、今、説明をいただいた再審査でも維持をされているというのが今わかったわけでありますけれども、これは東京都労働委員会の命令の、いわゆる質の高さ、こういったことをあらわしているというふうにも見てとれるのではないかというふうに思います。
 今後も、こうした状況を維持していくためにも、事務局職員の資質や能力の向上を目的とする人材育成、これは非常に重要であるというふうに思います。それは弁護士や大学教授で構成され、広く国民全体の利益を一般的に代表する公益委員、労働者側または使用者側の事情に精通し、かつ、それぞれの感覚を持って事件の解決に寄与する労働者委員または使用者委員という三者委員を適切に補佐するとともに、労働委員会の運営一般に大きな役割を果たすべき存在が事務局の職員であるからだというふうに思います。
 したがって、労働委員会が果たすべき機能を十分に発揮するためには、事務局職員のレベルアップこそが必須の要件であるというふうに思います。
 そこで、事務局職員の人材育成につきまして、その具体策についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 職員の専門性向上には、実務経験に加え、研修や上司、先輩職員からの日常的な助言や指導を通じて学ぶOJTなど、組織的な取り組みが不可欠でございます。
 このため、東京都労働委員会では、事務局職員が職級、局、年齢、経験年数、適性や能力に応じて、段階的に効率よく専門性を身につけることができるよう局独自の研修を充実させてきております。
 また、審査事件を処理するチームは、一班につき職員五名から六名の三班体制としまして、それぞれの班を弁護士資格を持つ特定任期付職員の課長や行政専門職の課長が受け持つことで、きめ細かく職員指導に当たることとしております。
 この班を単位とした組織的な業務処理を行うことで、東京都労働委員会として統一的な業務処理と人材育成とを両立させてきているところでございます。

○高倉委員 ただいま答弁をいただきましたけれども、事務局職員の専門性の向上に向けて、組織的な取り組みといったものが継続的に実施をされているというふうに受けとめさせていただきました。大変重要なことでありますので、今後ともさらに取り組みを強めていっていただきたいというふうに思います。
 その一方で、職員については、一定数異動といったこともあるわけであります。これからも職員の資質向上にはぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 さらに、労働委員会制度の認知度向上といったことも極めて重要な取り組みであると思います。
 そこで、労働委員会の責務でもあります集団的労使関係の健全化に向けて、労働委員会制度の利用を呼びかけるべく、現在行っている主なPR活動についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 東京都労働委員会が現在行っている主なPR活動といたしましては、具体的には四カ国語版のリーフレットや労働委員会の手引きを関係各所に配布しているほか、当委員会のホームページにおいて、最近の新規受け付け事件や終結した事件の概要を掲載し、ツイッターにおいても発出した命令の概要を紹介しております。
 また、東京都労働相談情報センターが国の東京労働局などと連携して、年二回、新宿駅西口イベントコーナーで開催をしております街頭労働相談において、労働委員会制度に関するパネル展示やリーフレットの配布を実施しまして、地下街を行き来する一般都民へPRを行ったところでございます。

○高倉委員 労働委員会の制度や運用の実態について、広報、リーフレットやホームページを活用して紹介するという現在のPR活動、これは今まで労働委員会の存在を十分に理解していないというか、わからなくて、また、興味を持っていなかったというような人々にとっては大変有効であるというふうに思います。
 また、街頭労働相談の機会を通じたPRにつきましても、街頭を行き来する人々のうち、興味を持ってブースを訪れた人へのPRには、なるというふうに思います。
 ただ、こうしたPRにとどまっていたのでは、労働委員会の機能を必要としつつも、その存在を知らないために利用するに至らない人々に対して、利用を促す契機にはなり得ないのではないかというふうにも思います。
 そこで、労働委員会によるサポートを真に必要としている人々に対し、よりターゲットを絞って積極的なPR活動を実施していくべきというふうに考えますけれども、今後の進め方についてお伺いしたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 より積極的なPR活動を実施するターゲットとしましては、労働委員会の利用が想定される労働組合、または労働者でございまして、調整事件は使用者からも持ち込むことができることから、このような労使双方の当事者がターゲットにふさわしいと考えております。
 そして、今後は、労使双方の当事者の参加が見込まれる関係各機関主催のセミナーや講習会の機会を利用しまして、労働争議の調整や不当労働行為の審査に関する説明を実施するなど、より積極的なPR活動に取り組むこととし、産業労働局や国の東京労働局等の関係機関に働きかけをしているところでございます。

○高倉委員 ターゲットを絞った積極的なPR活動にも既に着手をされているということであります。引き続き、こうした取り組みを継続していっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 本日の事務事業質疑を通じまして、東京都労働委員会が紛争解決の迅速性と経済性とにすぐれた和解による解決を図るよう努めていること、そして、社会経済状況を反映した事件が多数持ち込まれる中で質の高い命令を発出していること、事務局職員の研修を体系的、計画的に実施をしていること、そして、よりターゲットを絞ったPR活動を開始したことと、そういったことなど、労働委員会のより一層の機能発揮に向けまして、さまざまな取り組みを実施しているということがよくわかりました。
 こうした成果に立脚しながらも、現状に甘んずることなく、全国の労働委員会の中で東京都労働委員会の存在意義をこれまで以上に高めていくためのさらなる取り組みが必要であるというふうに思います。
 最後に、東京都労働委員会に寄せられた期待に応えていく局長の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○池田労働委員会事務局長 東京都労働委員会には、全国に支店を有する大規模な企業に関する事件や、雇用形態の多様化や社会経済の動向を反映して、事業譲渡、非正規労働者、外国人労働者、請負契約など、多様な雇用就労形態に係る事案など、幅広い事件が持ち込まれております。
 また、全国の約半数の不当労働行為事件を扱うとともに、近年ではフランチャイズ店の店長を労働組合法上の労働者と認めたファミリーマート事件のように、全国のリーディングケースとなる命令を発するなど、質、量ともに労働委員会制度を牽引してまいりました。
 今後とも、委員を適切に補佐できる事務局職員の育成に計画的に取り組むことで、事務局の組織力の強化に努めながら、複雑困難化している労使紛争の迅速かつ的確な解決に取り組み、東京の労使関係の安定や東京の経済の発展に貢献をしてまいります。
 また、東京都労働委員会がこれまで蓄積してきました経験やノウハウを、会議の場などを通じて、他道府県労働委員会に提供することで、全国の労働委員会の牽引役として労働委員会制度の発展に貢献をしてまいります。

○尾崎委員 私の方からも、労働委員会事務局の事務事業質疑をさせていただきたいと思います。
 労働委員会は、中立公平な立場で労働組合、使用間の問題の解決を援助し、労使関係の安定を図るためのもので、大変重要な役割を担っています。
 東京都の労働相談情報センターが行っている労働相談でも、この間、連続して年間五万件を超える相談に答えています。話し合いで解決できない場合や不当労働行為などの疑いがある場合など、東京都労働委員会に相談することになるのだと思います。それだけに、解決には専門的な知識や経験が求められます。
 同時に、職員の役割も大きく、職員の育成が重要になると考えます。研修にも力を入れているということですが、そこで伺います。
 管理職を除く職員の平均局在職年数は、この五年間どうなっていますか。

○池田労働委員会事務局長 管理職を除く職員の平均局在職年数でございますが、平成二十五年度末現在で七・四年、二十六年度末現在で八・〇年、二十七年度末現在で八・二年、二十八年度末現在で八・八年、二十九年度末現在で九・五年となっております。

○尾崎委員 職員の平均局在職年数は年々ふえており、平成二十九年度末、二〇一七年度末では九・五年ということです。職員の経験が蓄積されているということがわかりました。
 次に、二〇一五年度、二〇一六年度、二〇一七年度の予算額と決算額について伺います。

○池田労働委員会事務局長 平成二十七年度の予算額は六億八千万円、決算額は六億九百万余円でございます。
 平成二十八年度の予算額は六億七千万円、決算額は六億百万余円でございます。
 平成二十九年度の予算額は六億六千百万円、決算額は六億余円でございます。

○尾崎委員 予算額も決算額も年々減少している状況がわかりました。労働委員会の役割や取扱件数から見ても、人をふやすことが必要なのではないでしょうか。
 二〇〇五年に労働組合法が改正され、それぞれの労働委員会ごとに審査の目標期間を定めることになりました。東京都労働委員会は、二〇〇八年一月一日から、審査期間については原則一年六カ月と迅速化に取り組んでいます。事案によっては時間のかかるものもあると思いますが、申し立てから終結までの平均処理日数について、五年間の推移はどうなっているのか伺います。

○池田労働委員会事務局長 不当労働行為事件の申し立てから終結までの平均処理日数の過去五年間の推移でございますが、平成二十五年度が四百二十・八日、平成二十六年度が四百十八・一日、平成二十七年度が四百二十四・三日、平成二十八年度が四百二十三・九日、平成二十九年度が四百二十六・九日でございます。
 いずれの年度も審査の期間の目標として、都労委が定めております一年六カ月を下回っている状況にございます。

○尾崎委員 終結していない事案で長期にわたるものもあると思います。目標の一年六カ月を最優先することなく、労働者の救済を最優先していただきたいと要望するものです。
 二〇一七年度の東京都の取扱件数は三百九十六件です。事業概要の中でも全国対比表が出ていますが、全国の約半数を占めています。この数字は何を示していると考えているのか伺います。

○池田労働委員会事務局長 審査事件取扱件数は、毎年度四百件前後でございまして、全国の五割弱を占めております。
 厚生労働省の平成二十九年労働組合基礎調査によれば、労働組合員数の全国比で見ますと、東京は約二三%でございまして、これを大きく上回っている状況にございます。
 新たに東京都労働委員会に申し立てられる事件のうち、約二割は他の道府県で不当労働行為がなされたものでございます。ただ、不当労働行為事件の申し立ては、会社所在地、組合所在地あるいは不当労働行為が行われた行為地いずれでもできるとされておりまして、解雇、賃金、一時金の減額、雇いどめなどを端緒とした団体交渉拒否などの事案が東京のような大都市には多く持ち込まれているものと認識しております。

○尾崎委員 全国の取扱件数は八百十九件です。そのうち東京都が三百九十六件ということです。東京都の労働委員会の役割が非常に大きいということがわかります。企業が東京都に集中していること、就労人口が全国の中でも東京都内の比重が大きいことなども影響していると思います。
 はっきりしていることは、今後も東京都の労働委員会の果たす役割、扱う件数が増大すると考えられます。今後のことも考えれば、やはり予算もふやして、人の確保も必要なのではないでしょうか。検討を求めるものです。
 事業概要の一一ページに、取扱件数の事業所規模別、産業別内訳のグラフがあります。大変興味深い資料です。この二〇一七年度の取扱件数の事業規模別を見ると、やはり従業員が千人以上と、従業員が多いところが二百三十一件、五八・三%になります。過半数を超えています。次に多いのが、従業員の数が百人未満の企業です。規模が大きいところの案件がどんな内容が多いのか、規模が小さいところの案件はどんな内容なのか分析ができれば、現在の雇用の問題、現状、どんな働かせ方が問題になっているのかなど、深めることができるのではないかと思います。
 私は、産業別取扱件数を見て、この間、ブラックバイトと社会的に問題になってきた学習塾やファミレス、そして人材確保が難しいといわれている製造業や介護職などが入っている業種も件数として多いということが、このグラフから見えてきました。
 取扱件数のうち、非申し立て使用者の産業別取扱件数を見ると、公務が百十五件、二九・〇%と最も多くなっていますが、五年間の推移はどうなっているのか伺います。

○池田労働委員会事務局長 産業別内訳の公務の過去五年間の推移でございますけれども、平成二十五年度が百十七件、平成二十六年度百二十二件、平成二十七年度百二十三件、平成二十八年度百十六件、平成二十九年度が百十五件でございます。

○尾崎委員 五年間の推移について伺いましたが、ほぼ同じような比率で推移しているということがわかりました。
 業種別では、公務が百十五件と多くなっているのは、非正規の職員がふえている分野だからなのではないかと思っています。私の地元の市の職員も、職員の半数が非正規職員になっています。異常な事態だといわなければなりません。
 そこで、公務に係る事件の内容としてはどのようなものがあるのか伺います。

○池田労働委員会事務局長 労働委員会には、地方公務員のうち、単純労務職員や臨時、非常勤等の特別職の職員などが申し立てをすることが可能でございます。
 具体的な内容といたしましては、組合掲示板設置などの便宜供与拒否が支配介入であるかが争われたもの、あるいは非常勤講師の勤務条件についての団体交渉が不誠実であるかが争われたもの、あるいは組合員を配置転換したことが組合員への不利益取り扱いであるかが争われたものなどがございます。

○尾崎委員 非正規や現業等の職員の方々が労働委員会に申し立てが可能ということですから、正規職員でない人たちが労働組合に入っていることによって受けた不利益扱いが多いということになると思います。これは、非常に深刻な事態だといわなければなりません。
 不当労働行為の審査事件について、詳しく分類している不当労働行為の審査事件の類型別取扱件数と構成比について伺います。

○池田労働委員会事務局長 平成二十九年度不当労働行為事件取扱件数三百九十六件の申し立て事由を類型別に見ますと、不利益取り扱いが二百七十五件、六九・四%、団体交渉拒否が百七十件、四二・九%、支配介入が二百二十六件、五七・一%、労働委員会に申し立てをしたことによる不利益取り扱いが七件、一・八%でございます。
 複数の事由により申し立てられるものが約六割ございまして、単一の事由で申し立てられるものが四割という状況にございます。

○尾崎委員 過去の分を調べると、やはり一番多いのは不利益扱いです。二〇一六年度、平成二十八年度は二百五十八件で六七・八%、二〇一五年度、平成二十七年度は二百八十四件、六四・五%でした。しかも、労働委員会に申し立てをしたことによる不利益取り扱いが、毎年七件から八件あるということに驚きました。
 企業に対して、労働組合法の内容についてきちんと周知させること、守らせることが求められているのではないでしょうか。東京都労働委員会の仕事ではないかもしれませんが、労働委員会を通じて明らかになったことは、関係する部署や機関に意見を上げるべきだと強く要望するものです。
 労働委員会は、中立公平な立場が大前提です。
 労働委員会作成のパンフレット、(資料を示す)先日いただきましたが、この中にも、憲法は労働者が労働条件などについて使用者と対等な立場で交渉し、決定できるよう労働者が団結する権利、団体交渉をする権利、団体行動をする権利、ストライキ権などの争議権を保障している、このことも明記されています。そして、パンフレットの見出しにもなっていますが、使用者の不当労働行為をやめさせ、正常な労使関係を築きたいと記載されています。これは、労働委員会の目指すべき方向だと思います。
 労働組合法では、禁止されているのが不当労働行為です。本来であれば、あってはならないことなのに、不当労働行為と思われる事案が後を絶ちません。労働委員会で出された命令については、企業名も含めて、ホームページに掲載されています。憲法や労働組合法を守るためにも、労働委員会の役割は大きく、労働者の救済を主眼にした体制強化を求めるものです。
 私は、労働委員会で取り扱った事案について、分析や検証を行い、労働者の権利と使用者の責任などについて、産業労働局や教育庁など含め、都庁全局で安心して働ける環境をつくるため、取り組んでいくことが必要だと要望しまして、質問を終わります。

○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○中山委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、村松市場長から紹介があります。

○村松中央卸売市場長 去る十月二十三日の当委員会を欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 企画担当部長の吉村恵一でございます。豊洲市場事業連携担当部長の影山忠男でございます。豊洲市場事業調整担当部長の前田豊でございます。財政調整担当部長の猪口太一でございます。築地調整担当部長の西坂啓之でございます。技術調整担当部長の鈴木理でございます。施設担当部長の渡辺正信でございます。建設技術担当部長の吉野敏郎でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○中山委員長 紹介は終わりました。

○中山委員長 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡安管理部長 十月二十三日の当委員会で要求のございました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は全部で三項目ございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、中央卸売市場における市場別業者数の推移についてでございます。
 過去十年間の水産物部、青果部、食肉部及び花き部の市場別の業者数の推移をお示ししてございます。一ページに卸売業者、二ページに仲卸業者、三ページに売買参加者について記載してございます。
 四ページをお開き願います。2、中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移についてでございます。
 四ページに取引方法別割合の推移、五ページに取扱金額の推移を記載してございます。
 六ページをお開き願います。3、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況についてでございます。
 卸売業者及び仲卸業者につきまして、部類ごとに業者数と、そのうちの赤字業者数を区分して記載してございます。
 以上、簡単でございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ひぐち委員 豊洲市場が開場しておよそ一カ月がたちました。歴史をひもとけば、一九二三年の関東大震災後、日本橋の魚河岸、京橋の大根河岸が築地へと移転した当時のことが記録に残されています。
 当時の東京市により移転が命じられたのが一八八九年でありましたが、伝統と利害関係から強硬な反対があり、紆余曲折を経て築地への市場移転が実現したのは、何と三十四年後の一九二三年であります。
 事ほどさように流通の中心であり、庶民の生活、暮らしに密着する、東京の食を支える市場の移転は大変困難な大事業でありました。
 豊洲への移転は、同じく三十年にわたる、まさに世紀の移転事業であったわけでありますが、築地で働く皆様、市場関係を初め、各方面、各事業の多くの皆様方の大変なご尽力、ご労苦のおかげで、巨大な新市場がその活動を開始したわけであります。
 その重みを受けとめ、私自身も市場の様子を先日、この目で見てまいりました。改めて、当局を含め関係する全ての皆様方に心から敬意を表させていただきます。
 さて、本年六月二十二日の質疑でも申し上げましたが、豊洲市場に対する都民の大きな負託に応えるためには、開場後もよりよい市場運営を目指す不断の努力が必要であります。一カ月がたち、既にいろいろな問題点や課題、将来への展望が見えています。
 そこで、本日は、豊洲市場の円滑化、市場の活性化、市場法改正への対応について伺ってまいります。
 まず、本題に入る前に伺いたいのが、移転前に懸念されていた事項についてであります。
 築地市場の閉場を契機に、ネズミが周辺に分散しないのかという懸念につきましても、私も質疑し、ご答弁いただきましたが、中央区と連携した徹底したネズミ駆除により、ここまでは順調と伺っています。実際に閉場した今は餌がないわけでありますから、解体が進む中で、これ以上の拡散はないと、そのような見通しも伺っています。
 同じように、当初懸念されていたのは、豊洲市場の周辺道路の渋滞、混雑です。この点についても限定的であると聞いています。
 また、豊洲への風評被害も大変懸念されておりましたが、今現在、観光客が訪れるなど、大いににぎわっています。
 まずは、これらの取り組みについて伺います。

○岡安管理部長 買い出し人など、市場関係者がスムーズに豊洲市場にアクセスできるよう、周辺道路の推奨ルートをリーフレットにより周知するほか、未供用でありました環状二号線につきまして、市場関係車両の先行利用を可能とするなど、市場業界や関係各局の協力を得まして、円滑な交通の実現に努めてきたところでございます。
 こうした取り組みの結果、周辺道路では、初日を除き、大きな渋滞や混雑は見受けられてございません。
 また、十月十三日以降、受け入れを開始いたしました一般の来場者につきましては、見学者通路やPRコーナーの設置、実物のターレの展示など、市場の機能や魅力を理解し楽しんでいただける環境を整備し、多くの方に来場をいただいてございます。
 さらに、来年一月からは、競り取引をマグロの卸売り場と同じ空間に設置されましたデッキで見学できるようにするなど、市場を体感していただけるよう取り組んでまいります。
 引き続き、市場関係者や多くの都民の方々に親しまれ、魅力ある市場として豊洲市場を運営してまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。
 実際に、十月十一日の開場まで、当局の皆さんが本当に入念に準備をされ、ぎりぎりまで粘り強く調整されてきた、力を尽くしてこられたことに、そのことで何とか進んできたように思います。この間、現場で真摯に取り組まれ、昼夜問わず奮闘された皆様には、率直に評価させていただきたいと思います。
 では、本題の豊洲市場の市場機能の円滑化について伺ってまいります。
 交通アクセスについては、既に課題が見えています。例えば、日中十一時以降、お昼の時間帯は、豊洲市場発の都バスが三十分に一本で混み合ってしまい、買い出し人だけでなく一般の都民も乗れないことも多くあると聞いています。
 今後は、豊洲発の都バスの増便、豊洲から築地へ行く環状二号線の活用など、都民目線からもぜひ検討すべきであり、要望いたします。
 また、そのバスを待っている際、特に六街区のバス停には屋根が全くなく、雨が降ると困っていると伺っています。六街区において、バス停の屋根を設置すべきではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○鈴木技術調整担当部長 お話の六街区のバス停の屋根かけについてでございますが、都にも同様の意見をいただいているところでございます。
 このバス停は、歩行者通路に設置されているため、屋根を設置する際には歩行者空間を確保する必要がございます。また、背面にランプウエーがございまして、こうした構造物や地下埋設物への影響などについても確認する必要がございます。
 こうした課題のほか、関係法令との適合なども求められることから、今後、これらについて詳細に調査した上で、設置の可否も含めまして検討してまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。ぜひ今のご答弁にあったとおり、もう既にその技術面や法令上の課題は見えているわけですから、クリアにしていただいて、設置について早急に検討いただきたいと思います。
 また、市場を使う事業者の皆さんが安心して活動できることが大切であります。長年、築地になれ親しんできた皆さんからは、多階層型の構造である豊洲市場の建物内の揺れ、振動について、大変大きな不安の声を伺っています。
 こうした不安をしっかり解消すべきと考えますが、その原因を、まず、どう分析しているか、また、解決に向けた取り組みについて伺います。

○渡辺施設担当部長 水産仲卸売り場棟などにおける振動は、エキスパンションジョイントという建物と建物のつなぎ目の部材など段差のある部分をターレやトラックが通過することにより生じているものと認識しております。
 豊洲市場は立体構造の物流施設であるため、上層階の車両通行に伴い、一定程度の振動は発生いたしますが、こうした振動を抑制できるよう、エキスパンションジョイント部の段差を解消するゴム板の設置など、まずは早期に実施できる対策を講じたところでございます。
 引き続き、当該箇所を通行する際に制限速度遵守の徹底を求めるサインの充実等についても検討してまいります。
 なお、建物は大地震に耐えられる構造となっておりまして、豊洲市場の安全性については問題はございません。

○ひぐち委員 六街区四階の積み込み場直下の三階は事務所が並んでいるわけですし、荷受けの七街区においても、同じく上層階の車両通行があります。特にターレはサスペンションがないなどの話も聞いていますし、段差の解消など具体的な改修、改善を継続していただくとともに、今、答弁にもあったとおり、場所場所でしっかりとポイントを押さえて、振動を抑えるためにも制限速度の徹底を、ぜひ各業界の皆さんとの協力、取り組みをお願いするところであります。
 また、市場で働く皆さん方の昼食、まさに場におられる当局の方々もよく体感しておられると思いますが、食料調達が困難になっていると、こういった課題も伺っております。
 一方で、空きスペースが現状、見当たらない、こういったことも実態でございます。場内の飲食店が実質、観光客向けになっている中、キッチンカーの誘致など、検討をしっかり進めていただくよう申し上げておきます。
 さて、以前の答弁でもありましたとおり、豊洲市場では、築地市場における老朽化や狭隘化、品質、衛生管理の問題性を踏まえて、高度な品質、衛生管理や効率的な物流の実現を目指して施設整備が行われたわけでありますが、高度な品質、衛生管理を目指す豊洲で、においがある、掃除がしづらいという問題が指摘されています。
 例えば、六街区では、毎日清掃する店舗前の集水ますのふたが重いわけであります。排水溝や集水ますが掃除しやすいように軽量化を図るなど、清掃しやすい環境を整えるべきと考えますが、都の取り組みを伺います。

○渡辺施設担当部長 豊洲市場は閉鎖型の施設であることから、良好な室内環境の保持には日々の清掃や適切な換気が重要でございます。
 お話の排水設備の清掃に関しては、業界からの要望を踏まえて、水産卸売り場の大物解体所において、排水ますのふたを分割し軽量化を図るほか、水産仲卸売り場の排水溝のふたを固定するボルトを外すなど、清掃効率を向上させるための設備改善を行ったところでございます。
 こうした市場業者が清掃しやすい環境を整える取り組みに加えて、適切な空調運転を実施することにより、衛生環境の確保に努めてまいります。

○ひぐち委員 確かに、大物の解体所のふたが大変重いなどの具体的な話も伺っています。また、靴底も含めて、本当に残滓をきれいに取り除くような、そうした清掃ルール、空調、換気も含めて、引き続き対応をお願いいたします。
 また、清掃でいえば、七街区の特に塩干の三階では、ターレなどのタイヤがコンクリートの床とすれて多くの粉じんが発生しています。排気管を伝い、売り場や荷さばき場に戻ることになってはいけません。粉じんが生じないような仕組みの検討、また、床、排気管、空調、清掃ルールなどの検討をすべきと考えますが、都の見解を伺います。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 閉鎖型の豊洲市場は、基本的に密閉構造でございますので、良好な衛生環境を保持するためには、施設内の清掃を適切に行う必要がございます。
 このため、ほこりや粉じんが舞いにくいスイーパーやスクラバーといった電動の床洗浄機を効果的に使用しながら清掃を行うとともに、適切な空調管理を実施しているところでございます。
 引き続き、業界団体や清掃事業者などと協力いたしながら、適切に対応いたしまして、施設内の衛生環境の保持を図ってまいります。

○ひぐち委員 これは、水産から出ている課題なわけでありますが、五街区の青果からは余り聞かないと伺っています。同じドライフロアなわけですから、ぜひこのこともあわせて調査いただきたいと思います。
 まさに、事業者の皆さんに寄り添い、こうした点についても、小さくとも、改修や改善のサイクルを小まめに繰り返すことが大切です。
 さて、第二回定例会の我が会派の代表質問での答弁にもありましたが、豊洲市場の運用ルールについては、高度な品質、衛生管理や効率的な物流実現といった豊洲市場の基本理念を踏まえた上で、開場当初は、市場業者が新しい市場施設にふなれであることなどにも留意した運用を図るとありました。
 まさに、ふなれであることなどにも留意した運用によって、築地で発揮されてこられた市場機能を豊洲に移ったその日から生かしていただかなければならないのですが、一方で、築地での慣習がそのままの形で持ち込まれている、こうした状況も見られるところであります。これでは、豊洲で実現すべき理念、効率的な物流を阻害しかねません。
 例えば、六街区一階の壁際、歩道、通路に荷物を置いてしまっている事例が多々あります。事業者の皆さんからは、荷さばきをする場所がない、荷置きをする場所がない、置かざるを得ないと、そのような声を多く伺っています。
 他方で、六街区から七街区への連絡通路付近、また、売り場の隅には一定の空間もあります。しっかりした巡回指導に合わせて、是正策、具体的には代替地の検討をこれまで以上に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 六街区、水産仲卸売り場棟におきまして、通路や壁際等の使用指定範囲外のエリアに荷物が置かれている状況は認識しております。
 都では、業界と連携して、是正に向けた取り組みを進めております。
 具体的には、市場業界と共同でチラシ等を配布し、市場業者に対する注意喚起を行うほか、先週末からは、業界団体とともに売り場等における巡回指導を開始したところであり、引き続き、こうした取り組みを継続し、適正な使用を促してまいります。
 また、これらの場所を新たな荷の置き場として使用指定する場合には、ターレや歩行者の動線に支障がないことなど、物流動線や安全確保への影響について慎重に検討する必要がございます。こうした課題を整理した上で、必要に応じて業界団体と協議してまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。
 続いて、違法駐車についても伺います。
 外周道路での駐車も恒常化しつつあります。こちらについても同じく、むしろ外周路肩での使用指定など是正策を検討すべきであり、あわせて、巡回指導の取り組みについて見解を伺います。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 豊洲市場の六街区及び七街区では、市場関係車両が外周道路の路側帯など、指定された場所以外に駐車している状況でございまして、都では、こうした状況を改善するため、路肩等への駐車禁止の表示を掲出するといった取り組みを行っております。
 お話の外周道路の路肩等の使用指定につきましては、駐車場所からの歩行者動線の確保や外周道路の車両通行への影響など、安全確保や円滑な交通に関する課題について検討、整理する必要がございます。
 このため、まずは既存の駐車スペースを有効に活用することが重要であると認識しており、都としては、通勤駐車場や時間貸し駐車場の利用状況につきまして、その詳細を把握した上で、適切な対応策について検討してまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。
 こちらも同じですね。効率的な物流の実現と日々の業務、つまり、市場外から来た荷物をお客さんにきちんと届けることのバランス、とても難しい課題だと思います。豊洲市場の基本理念を踏まえる一方で、市場業者の活力をそいではなりません。
 今、答弁で取り上げられた課題をしっかりと整理いただきまして、適正な使用を促すとともに、今後、荷置き場、外周道路路肩の使用指定については、現実的に対応いただくよう改めて要望いたします。
 次に、豊洲市場の活性化について伺います。
 以前から申し上げていますが、加工、小分け需要、海外市場への輸出対応などの国内外の需要への対応、都の整備計画でいえば、多様なニーズへの対応、輸出促進への取り組みは、まさに活性化につながります。
 市場の活性化には事業者の経営安定が不可欠であります。期待している声も多く聞かれるのが加工パッケージ施設、こちらも整備されました。
 都としても、市場の活性化のため、鋭意支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○岡安管理部長 産地や実需者から支持される中核市場として豊洲市場を運営していくためには、物流、鮮度管理の両面で高まりました機能を十分に活用するとともに、市場業者の経営の安定化や活発な取引環境を実現する必要がございます。
 都はこれまでも、移転に伴う不安を解消し、事業者の経営の安定化を図るため、各種の融資事業や利子補給事業、環境・省エネ設備補助事業などを実施してまいりました。
 国内の生鮮食料品等の生産量や消費量の減少が見込まれる中、取引量をふやしていくためには、国内外の販路拡大や輸出事業などの取り組みが有効であることから、こうした市場業者の取り組みを後押しすることで、豊洲市場の活性化につなげてまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。
 海外輸出に向けて、輸出環境の整備、販路開拓、商流構築、共同輸出など、さまざまな課題は既に明らかであります。
 業界では、輸出手続のワンストップサービスセンターの実現、水産物のトレーサビリティーの確保など、今後取り組みたい方向性は既に検討されています。また、実際に、当時、築地市場の水産仲卸におけるベトナムでのモニタリング調査だけでなく、大田市場の青果や花きにおいても輸出拡大を狙い、そうした調査活動に取り組まれているところです。
 市場業者にとって、国内でも新たなニーズをつかむ、ビジネスチャンスにもつながるのが加工食材、小分け包装ができる加工パッケージ棟、この施設であります。
 今、後押しすると、こういった答弁がありました。しっかりとした取り組みをお願いいたします。
 最後に、市場法改正への対応です。
 本年六月二十二日、改正卸売市場法が公布されました。スケジュールとともに、取り組むべきこと、課題について、都の見解を伺います。

○長嶺事業部長 改正卸売市場法では、消費者ニーズに的確に応えていく食品流通構造を確立するため、卸売市場を含めた食品流通の合理化を促進することとしております。
 また、取引のルールについては規制が大幅に緩和され、差別的取り扱いの禁止や受託拒否の禁止などが共通ルールとして規定されました。
 一方、開設者は、取引参加者の意見を聞くなど公正な手続を踏んだ上で、共通ルール以外の取引ルールを定めるなど、市場の実態に合わせた制度設計が可能となっております。こうした取引のルール等を条例で規定する必要がございます。
 このため、条例改正に当たりましては、東京の卸売市場の現状をもとに、今後の卸売市場の活性化に向けた方向性について一定の整理を行うとともに、それらを踏まえた取引ルールのあり方について、取引参加者の意見を聴取しつつ検討を行い、改正卸売市場法が施行される平成三十二年、すなわち二〇二〇年六月二十一日に合わせて、条例改正の準備を進めてまいります。

○ひぐち委員 今後、東京都中央卸売市場条例、地方卸売市場条例の改正作業が必要となってくるわけであります。改正法の認定手続、業務規定の策定とともに、食品流通合理化事業計画の策定などを行っていかなければなりません。
 私もこうしたことを頭に入れながら、これからの時代に即した市場のあり方について、中長期的な視点でしっかりと取り組んでいきたいと思います。
 本日は、豊洲市場の円滑化、市場の活性化、市場法改正への対応について伺ってまいりました。私は、何度も申し上げますが、目指すべきは、活力みなぎる市場の実現であります。交通アクセス、品質、衛生管理、物流円滑化、海外輸出などなど、全ての施策は市場に活力をもたらすものでなければなりません。
 さて、日本人が最もすぐれているところはメンテナンスにありと、こういった分析もあるようです。最新鋭の設備をいかに導入しても、日々の改善、改良でこそなじんでくるもの。日々の手入れを怠らない、ちょっとしたことにも気づく、額に汗することをたっとしとする気風が日本であります。豊洲市場の掲げる高い理念を磨き上げ、現実のものとしていくには、たゆみないメンテナンスの取り組みいかんにかかっています。
 当局の皆さんには、ぜひ気概を持ってこうした取り組みに励んでいただくことをお願いしまして、質疑を終えさせていただきます。

○山崎委員 今、ひぐち理事からも、豊洲の開場後の現状、また、課題についての質問がありましたけれど、初めにちょっと市場長にお聞きします。
 ルール、豊洲でのルール、運用のルール、いろんなルールがあると思います。それは、ルールというものは守らなきゃいけないものですよね。どうですか。初めにお答えください。

○村松中央卸売市場長 さまざまなルールにつきましては、そもそも豊洲市場については、事業者と東京都、開設者の東京都も協力しながら、豊洲市場をよくしていこうという思いで業界と一緒になってつくったルールでございます。当然、そのルールにつきましては、事業者の方々に遵守していただく、そういったものと考えております。

○山崎委員 今、市場長いうように、業界の皆さんと東京都がいろいろな膝詰めでやってきた中での運用のルールであったり、さまざまなルールがあるんですよね。ですから、まずはしっかりルールを守ってもらわなきゃいけない、これが基本の大原則だと私は思います。
 そのルールが、開場して一カ月程度、どうなっているか、現状も含めていろいろと質問していきたいと思うんですけれど、ルールというものは、まず守ってもらう、規則というものは守ってもらわなきゃいけないものなんです。ぜひそこは市場の皆様にも、当局の皆様にもしっかりと再認識をしていただいて、要するに、ルールが守られていないから、また新たなことをルール化していこうじゃないか、そんな話じゃないんです。ルールをまず守ってもらうように、皆さん方がどう業界団体に指導していっているのか。そういったところが、まだ私は、一カ月程度ですから、わからない点もあります。きょうの質疑によっていろいろとお聞かせをいただきたいと思いますけれど、ぜひその点はよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、豊洲市場開場後、一カ月程度経過をしておりますが、この間の取扱数量、この推移について、築地市場の閉場前と比べてどうなっているのか。水産、青果ごとに、種類別に、わかる範囲でお答えをいただきたいと思います。

○長嶺事業部長 東京都は、中央卸売市場の開設者として、条例の規定に基づき、一日の取扱数量等の販売結果について、東京都中央卸売市場日報としてホームページに掲載しております。
 この日報における取扱数量は、水産物部が大物、鮮魚、活魚、冷凍、塩干加工の五分類で、青果部は野菜、果実の二分類で集計しています。
 これらの取扱数量の推移について、築地市場が閉場し、豊洲市場が開場した十月分、十一月は一日から十三日までの間を見ますと、水産物部におきましては、築地市場閉場日と豊洲市場開場日に数量が大幅に増加いたしましたが、その前後は、日々の増減はあるものの、おおむね同様の数量で推移しております。
 また、分類ごとに見ても傾向に大きな違いはなく、いずれもおおむね同様の数量で推移をしております。
 次に、青果部におきましては、豊洲市場開場日に数量が大幅に増加いたしましたが、その前後は、水産物部と同じく、おおむね同様の数量で推移しており、二分類ともに同じ傾向でございます。

○山崎委員 今、長嶺部長がお答えいただいたように、取扱量だけを見ますと、おおむねよいスタートは切れたのかなと、そのように理解をしたところでございます。
 それでは、各種の運用ルールを業界団体と調整し、合意をしたわけでありますが、いつどのような形式で合意をされたのか、お伺いいたします。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 豊洲市場の各種運用ルールにつきましては、平成三十年九月に業界団体と設置した街区別の検討会におきまして、都からルール案を提示し、合意してございます。

○山崎委員 今、平成三十年九月、都からのルール案を提示して合意しているという答弁でした。
 私は、豊洲市場に、開場前、引っ越しの最中、期間、それと開場後を含めて、数回お邪魔をさせていただいております。特に開場後は三回ぐらい、私、お伺いをいたしました。
 その中で、いろいろな場面を見てきました。時間帯によってももちろん違う。朝方の時間、十時ぐらいの時間、また、十二時ぐらいの時間。それによって、やっぱり市場の中の景色も全然違うんですね。そういったことも含めて、今、ルールの案を提示して合意しているというお話でございました。
 ただ、この合意されたことがどれだけ守っていただいているのか。私は、本当にルールが守られているとはいえないと、今、思っております。そういったことはこの後、明らかにしていきたいと思いますので、また質問を続けさせていただきたいと思いますが、もう一点、ちょっとお伺いをいたします。
 各街区ごとの検討会があります。じゃあ、五街区と六街区と七街区があるわけですけれど、街区と街区、例えば五街区と六街区の調整だとか、七街区と五街区の調整だとか、七街区と六街区の調整、こういう街区ごとの話し合い、調整、こういった部分はどこで話をされているんですか、教えてください。

○影山豊洲市場事業連携担当部長 先ほどのご質問でございますが、街区別の検討会につきましては、五街区、六街区、七街区の検討会がございます。
 五街区、六街区、七街区の街区間の検討につきましては、各街区に関係する委員の方と調整をさせていただいて、東京都が間に入って調整をしているところでございます。

○山崎委員 それでは、開場後のルール遵守に向けた業界との連携の中で、巡回指導を行ってきたという話ですけれど、具体的にどのように取り組みを行ったのか、教えてください。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 東京都は、開場後の状況を踏まえまして、業界団体と協議し、まずは売り場の荷のはみ出しなどを中心に連携した取り組みを進めてまいりました。
 具体的には、都と業界団体と連名で組合員に対する周知を行うとともに、十一月九日には、業界団体の役員などと一緒に売り場内を巡回いたしまして、指定場所以外に置いた物品等は撤去するよう指導を行ったところでございます。
 今後も、指導実施後の各店舗の対応状況を見定めた上で必要な対応をとることとしておりまして、引き続き業界と連携して、ルールに即した施設運用を促してまいります。

○山崎委員 今、十一月九日という、そういう例が挙げられましたけれど、開場して一カ月程度たっているわけですよね。この巡回の指導というか、こういったこと、業界と一緒になってやった場合が先ほどの十一月九日というお話がございましたけれど、それでは、東京都が独自で巡回していろいろと見回りをしたのは、今までどのくらい、何回やってきたのか、また、それを見て何回指導をしたのか、教えてください。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 開場から一カ月程度でございますが、そのほかの課題といたしまして、例えば場内周回道路での駐車問題で、東京都が巡回調査をしております。
 また、喫煙巡回ですが、これも日常的に巡回をしておりまして、今後は業界と連携して巡回をする予定でやっております。
 何回というお話でございますけれども、一カ月の間にかなり回数はやっておりまして、回数を何回というのは今ここで把握はしてございませんが、丁寧にやっているということでございます。

○山崎委員 巡回を丁寧にやられてきたと、今、部長はお話しされました。
 それでは、先ほどもお話をさせていただきましたけれど、私も何回か市場を見に行って、正直びっくりした、あり得ない光景をちょっと目にしたので、ご紹介させていただきます。
 六街区と七街区の連絡通路があります。私が見たのは、たしか真ん中の連絡通路だったと思います。この六街区と七街区の連絡通路で、まさにテーブルを出して、堂々と商売をされていた。そういうところを私、拝見したんですね。
 今、巡回もしていますといわれましたよね。じゃあ、初めに聞きますけれど、連絡通路とはどういうものですか、教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 六街区、七街区間の連絡通路でございますけれども、基本的には、産地から搬入され、七街区の卸売り場で取引された荷、水産物を、六街区の仲卸売り場、あるいは積み込み場、バースに輸送するため、ターレ、フォーク等が通行する通路でございます。

○山崎委員 そこで商売はできるんですか。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 商売につきましては、店舗で行うべきというふうに考えます。

○山崎委員 商売をそこでできるのか、できないのか、どうなんですか。イエス、ノーで教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 商売できません。

○山崎委員 先ほど巡回していますと--私が見たのは、たしか十一月六日の日だったと思います。その後、もう一日行ったのにちょっと日にちは覚えていないんですけど、またそこでもやられていました。
 じゃあ、今の連絡通路で商売をされていた、取引をされていたのを、東京都はいつ認識したんですか、教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 巡回につきましては、先ほど堀の方で申し上げましたが、毎日、常としてやっておるところでございますけれども、今、副委員長がおっしゃった案件について認識したのは、本日、私が現認しているのが初めてでございます。

○山崎委員 水仲の六街区の中で、外周の店舗で、例えば荷がはみ出ているとか、白いライン、別にあそこまで荷を出していい場所じゃないんですよ。そういう部分でも荷が出ている。そういうのとか、ターレ、パレットを置いていろいろと場所をとっているとか、東西、一番端ですが、外周道路はとにかくそういう状態になってしまっている現状だと思います。
 そういった中で、まさにその連絡通路に荷を置いて、携帯電話を持って取引をしているなんていう現状は、あり得ない話だと思いますよ。じゃあ、しっかりとルールを守ってやられている各水仲の店舗の人たち、それを見て、どう思いますか。何だ、俺たちもあそこで商売できるのか、どこでもいいのかと。そんなようなことで一体、豊洲に移って皆さんにルールを守ってもらいましょうという、築地とまた違うんですよ、新しい市場でこういうふうにやっていきましょうよ皆さんと。
 業界と一緒になってルールをつくった上でのその運用が、まさに連絡通路でそのような事態になっているというのは、きょう東京都がそれを認識したという。これは、お粗末ではないですかね。
 私が行ったのが、たしか十一月六日とか八日ぐらいです。その前から多分やられていますよ、確実に。じゃあ、その間、巡回していたんですか。
 常駐されている方は、連絡通路を皆さん通りますよね。七街区から六街区の連絡通路。あの大きい連絡通路の半分。あれはたしか一方通行で、こっち側が向こうからこっちに来れる、こっち側の通路は向こうからあっちに行けると、多分そうなっていると思いますよ。一方通行化されていますから。その柱の半分、要するに通路の二分の一に、道路に荷を置いて、私が見たとき、わざわざテーブルまで置いてありましたよ。そんなことを、なぜきょう認識しているのか。それで巡回をしていますといえるんですか。ルールを守ってくださいと見回りをしているといえるんですか。ちゃんとルールを守っている人たちの思い。どう思いますか、そういう人たち。
 先ほどもいいましたけれど、東京都は何であんなのを許しているんだよ。何であんなのを許しているんだ。執行部の皆さん、どうなっているんだと。
 私が現場に行ったとき、水仲の各店舗の皆さんに知り合いもいますから、聞いたら、一輝さん、あれはどうなっているのと、俺たちもあそこでやりたいよと、皆さん平気でいってきますよ。これでルールを守れと東京都がいったって、ちゃんと指導していないじゃないですかといわれますよ。
 こういう現場の現実というものをしっかりと捉えていただいて、一日も早く、連絡通路で取引なんかできるような状態をこのままにするということは絶対あり得ません話ですから、東京都だけがルールを守ってくださいという、そういう話ではなくて、ぜひ業界の皆さんと一緒に行って。いった、いわないになりますからね。
 いや、こんなルール、俺は知らないよ。この後も僕質問しますけれど、こんなルールは知らなかったよと、いろんなことが出てきていますよ。ですから、両者が一緒になって、しっかりと指導する、そういう体制をちゃんとつくってください。十一月九日にはそれをしたというお話もありましたけれど、それでも守られていないわけですから。
 何かありますか。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 本件につきまして、巡回等を行いつつ、気づくのがおくれたことにつきましては、大変申しわけなく思います。
 今回、改めて現場を確認して、テーブルを置いている事業者がいるため、直ちに注意指導を行い、撤去させたところでございます。
 あわせて、業界団体に対しても、このような行為が行われないよう申し入れをしております。
 今後とも、現場巡回等を通じて、適正な施設の使用を促してまいります。

○山崎委員 ぜひお願いします。私、また見に行きますから、お願いします。
 それでは、パレットでの場所取り、こういったルールを守らない事業者に対する指導は、具体的にどのように行われているのか、教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 場内では、パレット等については、使用許可を受けたエリアに置くこととされており、こうしたルールの違反があった場合には、使用許可を受けた場所に移動させるよう是正を指示するなど、適正な利用に向けて、事業者に対して指導を実施してまいります。

○山崎委員 これ、各店舗の従業員の皆さんも、社長さんもいて従業員の皆さんもいますから、どのように従業員の皆さんに伝わっているかと、これが大変なことだと思うんですよね。そういうきめ細かいところまで、東京都は考えてやらないといけないと思います。社長にいったから、誰か特定の人にいったからそれでおしまいじゃなくて、やっぱりそのくらいいわないと、市場の皆さんは今まで築地でなれてきてしまっていますから、ぜひその点、お願いをしたいと思います。
 続いて、水仲の売り場の各通路の件でちょっとお伺いをしたいと思います。
 各通路には排水設備が配置をされておりますが、この排水設備、どなたが清掃を行うのか。店舗に面している部分は、間違いなく店舗の皆さんだと思います。私が今聞きたいのは、南北の方向に通路があります。この南北の方向にある、多分六百角ぐらいの大きいますだと思うんですけれど、この排水溝の清掃はどなたが行うのか、教えてください。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 今、お話がございましたように水産仲卸売り場の排水設備につきましては、都と業界で役割分担をして清掃しているところでございます。
 お話がございました南北の通路、店舗に面していない南北方向の通路の排水ますについては、東京都が清掃主体となっております。

○山崎委員 この排水溝、私も行くたんび行くたんび見て、ちょっとへこんでいるんですよね。このようにへこんでいる。全部ねじでがっちりとめられていますよ。これを清掃するのは、一回一回、このねじを外して清掃されているということでよろしいんですか。それとも、まだ開場して一カ月ですから、まだ清掃はされていないということですか、教えてください。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 確かに、今、副委員長のお話がございましたようにボトルでとめています。簡単にはあけられない。でも、基本的には詰まった場合は清掃するということで今のところ対応しているところでございまして、現在のところ、まだあふれる、詰まったということはありませんので、今のところやっていない部分が多いかと思います。

○山崎委員 詰まってから掃除をするんでいいんですか。詰まる前に掃除するべきじゃないんですか。だって、詰まるということは、その排水から何かしらが出てきているから詰まっているというのがわかるんですよね。詰まる前に掃除するのが普通のことじゃないんですか。どうでしょうか。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 排水ますは確かにおっしゃるとおりでございまして、もちろん一定程度期間を置いてやるわけです。その中に、今、申し上げたような詰まりがあった場合には直ちに対応する。これをあわせて、やっているということです。

○山崎委員 ちょっとよくわからないんですけれど、とにかく詰まる前にちゃんと頻度を持って清掃を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、この南北の通路の排水ますの六百角ぐらいの大きさのものですけれど、南北の通路もやっぱりターレが行き来するんですね。一台だけ、だーっと走ってくるわけじゃない。要するに、南側からも走ってくる、北側からもターレがもちろん入ってくる。それで、横の各通路に流れていくという形になっていると思います。
 私、見ていてちょっと気になったのが、もちろん道路幅はありますよ。ただ、ターレはやっぱり築地で皆さんあのように動かしていますから、ターレが行き来をするんですね。どうしても、とまっていなくて、行き来をしたい、行き来をしている状態です。その中で、その大きい排水ますがあって、ここがへこんでいる。そこに車輪がとられて、荷が落ちたりしないのかと。私はちょっとそれを、その可能性はあるんじゃないかなと、現場を見ていて思いました。
 ですから、何がいいたいかというと、その排水ます、へこんでいる部分を平らに、何か鉄板か何かを置いて、それで、掃除のときだけはそれを外して清掃をちゃんとするような、そういうターレに対しての対策、いまだ事故は起きていないと思いますけれど、南北の通路に対しても、やはりそういうきめ細かい措置が必要じゃないかと思うんですけれど、いかがでしょうか。

○渡辺施設担当部長 水産仲卸売り場棟一階の南北方向の物流通路は、排水ますで低くなっている部分を除いても約二・二メートルの有効幅員がございます。ターレは余裕を持って通行することができます。
 また、開場後一カ月経過しておりますが、現在のところ、排水ますを原因とした事故が発生したとの報告は受けてございません。
 ただ、今、副委員長ご指摘のように、相互通行となると、なかなかちょっと難しいかなというふうに考えております。
 また、排水ますの上部を塞ぐことにつきましては、先ほどお話がございましたけれども、掃除の際にちょっと掃除がしにくくなるということもありますので、その辺も考慮して、都といたしましては、今後の使用状況をしっかりと見定めた上で、対策の必要性について検討してまいります。

○山崎委員 今、部長はそういうふうにいいますけれど、私が見ている中で、南北の通路もターレは行き来していますよ。そうでしょう。一台がとまっていて、一台が通過するのを待ってなんて、皆さんやっていませんよ。下手したら、三台、行く場合もありますよ。あと、例えば小さい荷物が置いてあったりだとか、ターレがとまっていたりとかして、確実に、三台、行き来するときもありましたよ。
 ですから、有効幅員が二・二メーターある。それはわかりますよ。ただ、その排水のますだって、多分、両サイド同じ位置にあるということはないと思います。ただし、ますがずれて置いてあると思いますよ。でも、どこかしらで、そのますにぶつかるわけですよね。部長、そうですよね。--ですから、そういう部分も含めて、塞いでターレが通りやすくなるだとか、そういうこともしっかりと検討してもらうということは、私は重要だと思いますから、ぜひその点は再度検討をしていただきたいことを重ねて要望したいと思いますけれど、いかがでしょうか。お願いします。

○渡辺施設担当部長 今後の使用状況をしっかりと見定めた上で、対策の必要性について検討してまいります。

○山崎委員 続いて、七街区、六街区で、魚のにおいがすごくしている、鼻に残るような、そういうにおいが残っているという箇所が何カ所か、数カ所あるというお話を聞いております。
 私も実際行ったところ、これは六街区の話になりますけれど、たしか十時ぐらいに私が一回行ったときに、入った瞬間にすごく異様なにおいがしたときもありました。ただ、その前に朝方行ったときには、そんなにおいはしなかったときもあったんですね。
 だから、何かしら、このにおいに対して何かがあるのかなと、そのように思いますので、こういう原因をちゃんと追究されているのか、また、対策を講じているのか、お話をお伺いしたいと思います。

○渡辺施設担当部長 閉鎖型の豊洲市場において、良好な室内環境を維持するためには、日常の清掃や適切な換気が重要でございます。
 都は、換気運転の強化や市場業者による清掃を徹底する観点から、排水設備を改善し、清掃効率を向上するなど、必要な取り組みを行ったところでございます。
 今後も、空調機の運転や売り場の床、ターレ通路、排水設備などの清掃について、都と業界で協力しながら、適切に対応してまいります。

○山崎委員 ぜひ適切に対応していただきたいと思います。特に新しい開場したばかりの市場ですから、非常にいろんな意味で注目もされておりますから、その点はお願いをしたいと思います。
 もう一点、衛生面の話でお聞きをしたいことがございます。
 各店舗の清掃においての話なんですけれど、築地はもう全て、ろ過海水であったと思います。たしか月五千円だったかで、ろ過海水を使用する、使いたい放題。
 しかし、豊洲の市場では今、ろ過海水と水道水、上水との二つを併用していられると思います。
 この使用のルール、このろ過海水と水道水の使用のルールについて、事業者に対してどのように説明をしたのか、そして、遵守に向け、どのような取り組みをしているのか、教えてください。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 豊洲市場の水産物部において使用しておりますろ過海水につきまして、その用途を、活魚水槽の供給、また丸魚、活貝、エビの洗浄、冷凍マグロの解凍に限定をしておりまして、また、活魚水槽を洗浄するなど、市場業務上、ろ過水を直接、床に流した場合は必ず水道水で流すこととしております。
 こうしたルールにつきましては、都と業界団体で設置した先ほど申し上げました街区別検討会において、開場前に説明をしております。
 また、市場業界と協議の上、作成をいたしました品質・衛生管理マニュアル、これに記載をいたしまして配布するなど、周知を図るとともに、その遵守を求めているところでございます。

○山崎委員 今、堀部長、そのようにお話がありましたけれど、私が行ったら、もう、ろ過海水を最後の清掃でばんばん使っていますよ。
 私がたしか十時半ぐらいに見に行った店舗の中では、ろ過海水で掃除していましたよ、僕聞きましたよ。あれ、これは、ろ過海水じゃないんですかと。水道水で最後の掃除をやってくれという、そういうルールじゃなかったですかと聞いたら、そんなの知らないよ、そんなの業界からも聞いていないよと。そういう店舗も実はあるんです。
 ですから、いま一度、このルール。習熟でこういうことはやりませんでしたよね。本来は、習熟訓練というのはこういうことをやらなきゃいけなかった。水道水、ろ過海水はどのように使うのかということを、本当は習熟訓練、こういったときにやらなきゃいけなかったことなんですよ。だから、みんな守られていない。
 もちろん、守っているところもありましたよ。うちはちゃんとやっていますよ、そういうところもありました。しかし、守られていないところもあるわけですから、皆さんが一軒一軒回るというのも大変ですよ。しかし、これは業界に、執行部に対してしっかりと守ってもらうことの一つの重要なことですから。
 ろ過海水で、ばんばんばんばん、何でも使って掃除をしていったらどうなるでしょうか。
 早くさびちゃいますよね。そうですよね。ですから、そういう部分も、ろ過海水を使った後には必ず真水、上水でやってくださいということを、もう一度、しっかりルール化してください。これを守らないと、五十年、六十年、七十年、百年と、豊洲の市場はもたないですよ。ぜひそれは、いま一度、業界に対してもしっかり通達をしていただきたいと思います。
 次に、六街区の三階に当たる部分だと思います。事務室や関連の飲食店、このフロアがあるんですけれど、揺れる、事務室が揺れる。振動によって揺れたり騒音があったりするというお話--大物の店舗の人が、一輝さん、こうなんだ、ぜひ来てくれといって、私は行きました。事務所の中に三十分いました。確かに揺れるんですね。何が原因かわからないけど、揺れる。トラックなのか、ターレなのかわからないけど、揺れる。これは実際、私もそう感じました。
 東京都の人たちが、こういう状態だから、事務室に巡回に来てくれる、初めは三十分ぐらいいて、三十分の中でどのくらい揺れるかというのを見ていく、そういう話を聞いていたんですけれど、実際は、東京都の方が来て、五分間だけその場所にいて帰っていった、そういう事業者の話を聞きました。
 その中の女性の職員の人は、やっぱり揺れて揺れて、もう初めは何だかわからなかったんだけど、とにかく気分も悪くなって、気持ち悪くなってしまった。そういう人も中にはいる。
 ですから、このことは非常に大切なことですから、ぜひこの原因と対策をどのように講じられているのか、教えてください。

○渡辺施設担当部長 水産仲卸売り場棟の事務室などにおいて振動が発生することは、都にも寄せられております。都の方でも、副委員長お話しのように事務室にお伺いして、実際に揺れを体感しております。
 この振動は、主にエキスパンションジョイントという、建物と建物の継ぎ目の部材など、段差のある部分をターレやトラックが通過する際に生じているものと考えております。
 都では、業界からの要望を受けまして、こうした振動を抑えるため、エキスパンションジョイント部の段差を解消するゴム板の設置など、まずは早期に実施できる対策を講じたところでございます。
 引き続き、当該箇所を通行する際の制限速度の遵守を徹底させるよう、施設内のサインの充実等についても検討してまいります。

○山崎委員 施設内のサインの充実、検討するというお話でしたけれど、検討ももちろんなんですけど、こういうのはすぐやりましょうよ。そうですよね。標識を立てるだけだとか、制限速度はこうですよと。もちろん出ているところもありますけれど、そういうのは徹底させましょうよ。そういうことが、東京都が主体性を持ってやらなきゃいけないことなんです。ぜひお願いをしたいと思います。
 続いて、交通課題のことで、ちょっとお伺いをしていきたいと思います。
 渋滞や混雑防止といった交通対策を適切に実施するためには、補助三一五号線と環状二号線と有明通り、そして晴海通りの各主要の幹線について、その交通量を調査、把握した上で、警視庁と市場当局が連携をして対応する必要があると考えておりますが、警視庁とは今までどのような調整をしてきたのか、教えてください。

○鈴木技術調整担当部長 中央卸売市場におきましては、豊洲市場の開場に伴います周辺道路への影響を抑制するため、築地市場におけます交通実態調査をもとにいたしまして、豊洲地区におけます道路等の基盤整備の現状などを踏まえまして、市場開場時の交通量の予測や交差点への影響の分析を行っております。
 これを踏まえまして、交通管理者であります警視庁と、交通対策に関する協議を行ってまいりました。

○山崎委員 渋滞対策に資する交通管制などについても中央市場と警視庁が連携をして対応するべきと考えますが、市場当局としてはどのような取り組みを行ったのか、お伺いいたします。

○鈴木技術調整担当部長 市場の開場に当たりましては、市場当局と交通管理者が連携いたしまして、混雑防止に向けた取り組みを実施してきてまいりました。
 市場当局といたしましては、渋滞防止に向けまして、通行すべき推奨ルートなどをお示ししたリーフレットを作成し、市場関係者にその周知を行うことで、交通の分散化を図る取り組みを行いました。
 また、交通管理者は、晴海通りなどで交通監視、誘導を行うとともに、交通混雑状況を踏まえまして、交差点を円滑に通行するための必要な措置を講じていただきました。
 こうしたさまざまな取り組みによりまして、市場開場に伴う交通の渋滞防止が図られたものと認識しておりまして、引き続き交通管理者と連携して、豊洲市場周辺におけます円滑な交通を確保してまいります。

○山崎委員 この交通の渋滞の問題というものは、私は、現場も見て、大きく四つぐらいに分かれるのかなと思います。
 例えば、夜中、朝方、そして昼間、それと夜間と、それによって交通量が違うのは、もう皆さんもご承知だと思います。ですから、この四つの区分ごとぐらいに分けて、それと歩行者の流れ。
 また、土日祝日、あの豊洲の市場の周りというものは、手前の方には特にいろんな複合施設があって、市場の手前は人通りも結構多いんですね。ですから、有明通り、それと豊洲の駅前。環状二号線までは、市場の見学の人たち、観光客が来るということで、もちろんそこもそうなんですけれど、特に環状二号線、有明通りのここの道路、やはり三一五との交差点に関しては、例えば歩行者分離の信号にするとか、何かそういういろんな対策を、警視庁と今、協議をされているというお話ですから、しっかりとそういったところは考えていかなくてはいけないと思います。
 特に、夜間と昼間の違い。同じような信号の間隔で本当にいいのか。そういうわけではないと思いますので、ぜひそこは、交通の管制の方、規制の方の管制の方もそうですけれど、警視庁とうまく連携をとって対応していただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 続いて、豊洲市場の将来の展望について何点かお伺いをしたいと思います。
 豊洲市場の海外展開に向けた東京都の支援はどのようになっているのか、現状を教えてください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 旧築地市場におきましても、市場業者の方々が海外への輸出に取り組まれていた実績がございますけれども、旧築地市場は、ご案内のとおり、老朽化によりまして、施設設備面において、生鮮食料品の輸出に際して相手国から求められる品質保持や衛生管理などの対応に制約がございまして、輸出の実施に当たってのボトルネックとなっていたところでございます。
 これに対しまして、豊洲市場は、閉鎖型施設とすることで、高度な品質、衛生管理が可能な施設であるとともに、HACCPの考えを取り入れたマニュアル作成や第三者認証取得などの支援に取り組んでおり、ソフト、ハード両面で、より輸出に取り組みやすい市場となってございます。
 今後、輸出を希望する市場関係者の皆様にとって障害となっている輸出に際し必要な証明書の発行など、さまざまな手続の煩雑さを解消するための取り組みや、加えまして、場内における品質、衛生対策の徹底などの課題につきまして、市場関係者の皆様と協力しながら進めてまいります。

○山崎委員 それでは、生鮮食料品の取扱量が減少し、産地との直接的な取引を行う状況が大手流通を中心に拡大していってしまっている中、今後、中央卸売市場として、国内の流通量拡大にどのように取り組んでいくのか、教えてください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場におきましては、高度な品質、衛生管理を実現することができる閉鎖型施設、効率的な場内物流を可能とする施設配置、そして、量販店や外食産業など多様なニーズに対応した加工パッケージ施設の整備などの機能を強化いたしました。
 今後は、市場業者の皆様がこれらの機能を十分に活用していただくことで、全国の産地との連携の強化や実需者の新たなニーズへの対応などによりまして、取引の活性化が図られ、より多くの方々に豊洲市場を活用してもらえるものと考えているところでございます。

○山崎委員 先日、テレビをちょっと見てみたら、ガイアの夜明けというテレビ番組で、豊洲市場の新たな挑戦みたいな、そういうタイトルで放映されておりました。
 その中で、水産と青果の枠組みを超えて、ネットの通販、そういった商売にも取り組んでいる事業者、たしか倉田さんだったと思うんですけれど、テレビに出ておりました。
 今後、このようなネット通販だとか、そういうものに対しての取り組みについて、東京都はどのように支援をしていくのか、教えていただきたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 副委員長から今、お話のございました水産仲卸業者の方と青果の仲卸業者の方の共同によるインターネットを媒体とした販売、こういうものは、これまでの取引とは異なる顧客層の開拓や販路の拡大を図るための取り組みであるというように認識しているところでございます。
 都といたしましては、こうした新しい取り組みでございますけれども、時代の変化を踏まえ、多様化する顧客ニーズに応えることによりまして、豊洲市場全体の活性化につながるものであると考えているところでございます。
 経営活性化のための支援や情報発信など、さまざまな方策を通じまして、意欲のある市場関係者の皆様を後押ししてまいりたいと考えているところでございます。

○山崎委員 こういうところは、新たな取扱量をふやしていくためにも本当にいい手法だと思います。ぜひ、新しいそういう手法を、都としてもしっかり応援して、後押しをしていただきたいことを要望したいと思います。
 続いて、風評被害払拭に向けて--豊洲のいろんな風評被害があったと思います。市場内の風評被害もあると。これは、全国にいろんなことで、この豊洲という市場というものがみんなに注目をされた。そして、生産地、全国の皆さんから、また生産者の皆さんからも、荷が入ってこないとか、豊洲で本当に平気だったのか、大丈夫なのかという、そういう風評被害、そういったものもあったと思います。
 そういったものの払拭に向けて、豊洲市場の魅力やポテンシャルを生産地に対してどのようにアピールをしていくのか、教えてください。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 豊洲市場を全国各地から荷の集まる活気にあふれた市場とするためには、業界と連携いたしまして、豊洲市場の機能や魅力を発信していくことが必要と考えてございます。
 そのため、都ではこれまで、業界とともに、銚子漁港を初め全国十四地域の産地に赴きまして、生産者の方などを対象とした豊洲市場の説明会を開催し、市場の安全性や物流、魅力などを伝えてきたところでございます。
 豊洲市場が開場した現在、生産者の方などに実際の取引の様子を見ていただく機会をふやしていくとともに、食関連事業者が参加いたします展示会に出展し、パネル等で紹介するなどいたしまして、豊洲市場の機能や魅力をPRしてまいります。

○山崎委員 これまで、開場する前だったと思います。その十四地域の産地に赴きと、すばらしいことだと思います。
 私、実は知らなかったです、その話。
 沼津や銚子や長崎かな、そういったところに行って、市場当局の皆さんが足を運んで、豊洲の新しい市場はこうですよ、安全ですから、ぜひ荷を出してくださいと、いろんなところで皆さん方がご尽力をされた、そのこと、全く知らなかったんです。それを聞いて、さすが東京都だな、市場当局だな、そのとき感じました。こういった活動を、豊洲で働く、水産も青果もそうですけれど、事業者の皆さんにちゃんとお伝えしていただきたいと思います。
 東京都は、こういうこともやっていますよと。皆さんの全国の生産者から荷を入れてもらう、荷受けに入ってもらう、そういう取り組みを東京都としても、しっかりやっていますよと。ただルール守れ云々じゃないんですよね。東京都もこういう努力をしている。全国の生産者のいろんな人たちと話もしている。
 そして、取扱量をふやすために、我々も大家だけれど、我々も努力をしているんですよ。皆さんと一緒にこれから世界一の豊洲市場にしていくために、こういう取り組みもしているんですよということを、しっかり事業者の皆さんにわかってもらう、わかってもらわなきゃいけないんです。
 ただルール守れ、あれ守れ、これ守れ、それだけじゃなくて、こういう取り組みもしっかりしているんですよというところを、ぜひPRをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 もう一点、豊洲市場におけるこれからの食育、この食育への取り組みを、ぜひ私は充実をさせていくべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 生鮮食料品の集積地である卸売市場におきまして、都民を初めとした消費者に対しまして、食への関心を高めていただく食育の取り組みを進めていくことは大変重要と考えてございます。
 これまで築地市場におきましても、市場業者のノウハウを生かして、都民や小学生を対象として、市場の仕組みや機能、旬の食材の料理方法や食べ方の知識について紹介する食育の取り組みを推進してまいりました。
 豊洲市場では、管理施設棟に新たに調理室を設けまして、食育活動に利用できる環境を整備いたしましたほか、新設の見学者通路では、魚介類に適した調理方法を紹介する展示を導入したところでございます。
 また、本年度中には、豊洲市場において初めてとなります都民いちば教室を二回開催する予定としております。
 今後とも、都民に健全な食生活を実践していただくため、市場業者と連携しながら食育活動に積極的に取り組んでまいります。

○山崎委員 ぜひ、豊洲市場、ただ見学してもらうことも、もちろんいいんですけれど、こういう食育、特に私思うんですけど、子供たち、小学生や中学生、こういう子供たちに、ぜひ食育というのを感じてもらいたい、それを勉強していただきたい。
 それには、水産も、青果の皆さんにも、事業者にも協力をしてもらわなきゃもちろんいけないんですけれど、水産のある仲卸の人が、俺、こういうの得意なんだよ、今までもやってきたから、ぜひ、一輝さん、やらせてほしいんだ、そういう意気込みを持っている方もいっぱいいますから、ぜひ、この食育の新たな展開というもの、特に子供たちに対して行っていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 続きまして、築地市場の跡地の処分についてお伺いをしたいと思います。
 現在ですけれど、もちろん築地から豊洲にもう移転が終わっております、移転が終わっている。そういった中で、この処分についてどのようになっているのかというのが、なかなかよくわからない点があるんで、ちょっとお伺いをしていきたいと思います。
 まず、当初の計画では、移転が実現していれば築地の土地を売却するはずだったと、当初の計画はそうだったと思います。
 売却益を一体幾ら見込んでいたのか、見込んでいるのか、教えてください。

○猪口財政調整担当部長 昨年一月の第五回市場問題プロジェクトチームにおきまして、市場会計の収支試算の前提条件として、旧築地市場跡地の処分収入額を四千三百八十六億円と試算し、報告しております。

○山崎委員 処分の収入額、四千三百八十六億円、試算し、報告をしていると。まさに売却をして、このお金を、要は豊洲の新しい市場のところに宛てがう、そういう話だったと、私も今でもそう思っています。
 じゃ、これ、今どうなっているのか。売却をするのか、しないのか。この売却をするのか、しないのか、私は明確にすべきだと考えますけれど、教えてください。

○猪口財政調整担当部長 旧築地市場跡地につきましては、市場会計の持続可能性を担保するため、経済合理性を確保しながら再開発する方向で、庁内において検討することとしております。
 旧築地市場跡地の取り扱いについては、こうした議論を踏まえながら多角的に検討してまいります。

○山崎委員 多角的にというお言葉をお使いになったと思いますけれど、多角的って、どういうことですか。さっきもいいました、築地の市場はもう閉鎖されています。そして、豊洲の新しい市場がもう開場されています。その跡地、これからどうなっていくのか。年度内なのか、年内なのか、築地のまちづくり方針というものも、都市整備局の中でつくり上げられると思います。そして先日には、ベイエリアビジョンというもの、これ、来年度ですか、このビジョンを策定していくと。そういう話も聞いておりますけれど、築地のこの跡地の処分、何もまだ決まっていない状態の中で、まちづくり方針の中にどう入れ込んでいくんですか。ベイエリアビジョンの中にどう入れていくんですか。
 私は筋論として、正論として、築地の跡地処分、処分をこのようにやっていくから、このように、まちづくり方針にこうなりますよ、ビジョンにこう反映されますよ、これが正論だと、私、思いますよ。
 市場長、この辺どう思っているか、ちょっと教えてください。

○村松中央卸売市場長 旧築地市場の跡地の扱いについてですけれども、これは、市場のあり方戦略本部だとか関係局長会議でも、いろいろ議論もなされたりしてきたところでございます。
 一つには、いろいろな試算がございまして、売却する場合、また長期貸付する場合、それぞれ、いろいろな手法もあります。また、基本的には、市場会計が豊洲市場開設後も持続的に継続すると、持続継続性を担保すると、そうした中でこの問題を考えている、この扱いを考えていくと、そういうことになっております。
 その長期貸付に当たっては、どうしても、旧築地市場の跡地の開発がどうなるかと、どういう開発になるのかということで、かなりその貸し付けの、何ていうんでしょうか、貸付料も変わってくるということもございまして、そういう意味もあって、先ほど、多角的に検討しているということを申し述べさせていただきました。

○山崎委員 どうも納得いかないところもありますね、正直なところ。多角的な検討というものは、結局、知事が築地市場の跡地をどうしていきたいのかということが明確にされていない、どう活用していくのかということが明確にされていない。ですから、全て、その処分に関しても決められないんですよ。そう思いませんか、市場長。
 市場長として、この築地の跡地を、処分をどういうふうにしていくのか。所管がえをしていくのか、有償所管がえをしていくのかどうするのかも含めて、そういう話を、知事に直接、市場長は進言したときあるんですか、教えてください。

○村松中央卸売市場長 いろいろ、先ほど来申し上げましたように、市場のあり方戦略本部だとか、そういったところで、この跡地というか、市場会計の持続可能性については議論をしております。
 そうした、どういう議論が行われているかということは知事も当然知っているわけで、また、そのあり方戦略本部での議論の内容についても知事にご説明しております。
 その中で、長期貸付の場合、売却の場合、そういった試算も示しながらお話をしてきたところでございます。

○山崎委員 では、ちょっと違う角度から聞きますけど、環状二号線、あそこ、建設局に有償所管がえしていますよね。どうですか、市場長。

○猪口財政調整担当部長 具体的な金額、やりとりにつきましては、来年度の予算要求で、建設局への有償所管がえについて、今、予算要求の手続をしているところでございますので、まだ現実的に所管がえは行われておりません。

○山崎委員 環状二号線の方はそういうふうにしているのに、これから来年度、そういうことをしていくと、はっきりいっていますよね。
 じゃ、こっちの築地の跡地の方、環状二号線とぶつからないところ、オリンピックにこれから貸し出すだとか、デポとして整備をしていくとか、組織委員会に上物はつくってもらうとか、そういうふうになっているにもかかわらず、まだ市場会計で保有するということですか、教えてください。

○猪口財政調整担当部長 繰り返しになって恐縮でございますけれども、再開発の動向だとか、その辺のまちづくりの状況だとかを、やはり踏まえまして多角的に検討しないと、なかなか我々としても検討が進まないという状況でもございますので、その辺の状況を見据えながら検討してまいりたいと思います。

○山崎委員 まちづくり方針、これ、つくって、その後、民間に公募するんですよね。そのためのまちづくり方針だと私は聞いていますよ。民間の皆さんに公募をしてもらって、いろんな事業を提案してもらうのに対して、この土地の処分をどういうふうにされているかということを明記されないでできますかね。おかしくないですか。
 やはり、処分が終わって、東京都の会計の中でどういうふうに処理がされて、一般会計になっているのかどうなのか、そういったことも含めて、全てそういったことが決まった上で、再開発、いろんな議論が進んでいくのが筋じゃないんですか。どうですか、お答えください。

○猪口財政調整担当部長 築地の再開発のまちづくりについては、今、検討が進められておりますので、何度も繰り返しになって申しわけございませんが、やはり、その辺の検討状況等を一にして、我々も多角的に検討してまいるということでございます。

○山崎委員 なかなか、ちょっと答弁かみ合っていないと思いますが、とにかく、しっかりその辺やってもらいたいんですよね。まず、売却するのか、しないのか。東京都の中で、市場会計で持ち続けるのか、有償所管がえするのか。そういったことも決められないで、再開発をどうしていくか、そっち等見ながら多角的に検討していきますなんて、おかしいと思いますけどね。絶対おかしいと思いますよ。
 これ、知事が決められるはずですよ、本来は。知事が決められないから、こういうことになっているんですよ。市場当局の皆さんもそう思っている方いらっしゃると思いますよ。これを決めなければ前に進んでいかないと私は思います。
 ぜひその点は、市場長も含めて、強く要望しておきたいと思いますけれど、最後に、市場長、何かないですか、この件について。

○村松中央卸売市場長 私ども市場当局といたしましては、旧築地市場の跡地の取り扱いについて、これはまず、その市場会計が持続可能性を持つ、そういったことを前提に、さまざま検証していくべきと考えておりますし、このことにつきましては、関係局長会議の中で、その市場会計の持続可能性を確保できるということを前提に検討するということとしております。
 いずれにしましても、再開発を所管しております都市整備局との関係もございますので、関係局長会議の中で各局で連携いたしまして、旧築地市場の跡地の扱いを検証していくこととしております。

○山崎委員 関係局長会議、いつ開かれるか知りませんけどね。関係局長会議、関係局長会議といわれて、検討していくと。もう検証してきたはずですよ、そのことは。貸し出すんだったら、年間百六十億、検証してきたわけですよ。その後、関係局長会議、全く開かれていないんですよ。このことについてどういうふうにしていくかという関係局長会議開かれていませんよね。
 ですから、関係局長会議を招集するのは誰が招集しているのかよくわからないんですけれど、ぜひ、この築地の跡地をどのような処分にしていくかというのは、早急に決めていかなくてはいけない、決めなきゃいけない。知事が決められないから、こうなっているから、ぜひこの点は強く要望しておきたいと思います。
 それでは、この築地の市場の跡地、二〇二〇年大会には車両基地として整備、活用をされるということでありますけれど、デポの整備に当たり、市場当局はどのような役割を担っていくのか。現在、建物を解体しておりますけれど、どのように役割を担っていくのか、教えてください。

○渡辺施設担当部長 旧築地市場の跡地につきましては、東京二〇二〇大会車両基地整備を行うこととしており、当局は、卸売り場や冷蔵庫棟を初めとした市場施設を解体撤去し、エリアを区切りながら、段階的にオリンピック・パラリンピック準備局に引き渡してまいります。

○山崎委員 段階的にオリ・パラに引き渡していくという話でありましたけれど、たしか、オリ・パラの方から聞いているのは、解体をして、更地にして、アスファルトにして、上物は組織委員会がやるという話になっています。
 市場当局は更地にするまでなのか、アスファルトを引くところまでなのか、教えてください。

○渡辺施設担当部長 市場当局の役割といたしましては、更地にするまでとなっております。

○山崎委員 それでは、この跡地の車両基地、デポとして組織委員会に貸し出すというところだと思いますけれど、これは有償ですか、無償ですか、教えてください。

○西坂築地調整担当部長豊洲市場特命担当部長兼務 平成二十八年三月九日付の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における都有財産の取扱いに関する方針によりまして、都有財産を大会組織委員会に対しまして、東京二〇二〇大会等で運営上必要となる施設のために貸し付ける場合等につきましては、その使用料または貸付料は無償とすることとされております。

○山崎委員 ニ、マルじゃなくて、ニ、ゼロ、ニ、ゼロ大会だからね。西坂さん、オリ・パラにいたんだから、間違えないようにお願いしたいと思います。
 確かに、平成二十八年三月九日付での方針というものはそうなっておりますけれど、築地のその跡地、有償、無償、これ、正式に決まっていますか、今。
 正式に有償なのか、無償なのか決まっているんですか。どうですか、教えてください。

○西坂築地調整担当部長豊洲市場特命担当部長兼務 先ほど申し上げました平成二十八年三月九日付の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会における都有財産の取扱いに関する方針によりまして、先ほどのような大会組織委員会が、大会で運営上必要となる施設のために貸し付ける場合等につきましては、その使用料または貸付料は無償というふうに、この方針で決定されております。この方針とされております。

○山崎委員 だから、その築地の跡地はどうなっているんですかと聞いているんだけれど、何か明確に--その方針はわかりますよ、都有地はそういうふうにしますよと。だけど、築地の跡地に関しては、まだ正式には、私、決まっていないと思いますよ、正式に。オリ・パラから、そんな説明聞いていませんし。いいですか。

○西坂築地調整担当部長豊洲市場特命担当部長兼務 ただいま申し上げた方針によって、全体方針は決まっております。
 ただ、その旧築地市場跡地そのものを無償として決定するという決定行為はまだなされてはおりません。ただ、繰り返しますが、方針としては固まっております。

○山崎委員 ですから、先ほど来いっているように、跡地の問題というのは、オリンピック・パラリンピックにもいろんな意味で影響してくると思いますから、しっかりと、この再開発、土地処分、こういったことには取り組んでいただきたいことを重ねて要望しておきたいと思います。
 最後の質問になります。
 豊洲の新しい市場での駐車場の問題、さまざまなことがあったと思います。開場前に、足りない、足りる、いろんなところを借りた方がいいんじゃないかとか、豊洲の市場以外に、しっかりと確保しておいた方がいいんじゃないかと、いろんな話があったと思います。
 そこで、お伺いをしたいと思いますけれど、たしか開場する前に、築地の市場の周辺駐車場を活用するという考えがあったと思います。たしか三カ所ぐらい挙げられていたと思います。朝日新聞の社屋の地下駐車場だとか、また東銀座の方ですとか、汐留の方とか、そういった三つの場所があったと思います。
 そこは今現在どうなっているんですか、その考え方は。教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 都では、業界団体からの要望を踏まえて、旧築地市場周辺にあります駐車場の活用について検討し、業界団体にも打診をしましたが、豊洲市場との距離が離れているなどの理由から、移転段階では活用する考えはないとのことであったため、現時点では、これらの駐車場は活用しておりません。
 これらの駐車場につきましては、豊洲市場における駐車場の利用状況や業界団体の意見などを勘案した上で、今後活用するかどうかを検討してまいります。

○山崎委員 じゃ、重ねて聞きます。三一五を真っすぐ行って、URの土地、九千平米、たしかあったと思います。ここはどのように、今活用されているか、教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 有明にありますURの土地につきましては、通勤駐車場として活用されております。

○山崎委員 豊洲の新しい市場の外周道路、先ほども、ひぐち理事から、いろんな話ありましたけれど、私も現場見て、いろいろと駐車している、路肩に駐車しているのを拝見しました。そういうところで、初め、たしか開場する前には、駐車場が足りません、足りません、足りませんということで、東京都さん、何とかしてください。いろんな話があって、例えば、六街区の千客の用地のところを三月まで借りたとか、URのところを借りたとか、そういう話になって、宛てがってきたわけですよね。
 その中の話し合いの中で、朝日新聞の社屋の地下駐車場だとか、そういったところから、皆さんとめていただいて、そこから何らかの方法で豊洲の市場まで、シャトルバスの計画まで出ていましたよね、管理部長、そうですよね。そういうことがあったにもかかわらず、それを活用していない。しかし、現場は駐車、路肩にとめている、違法駐車になっている。
 本来であれば、そういうところを東京都がしっかりと指導して、路肩に駐車する前に、ちゃんとここの駐車場使ってくださいと、そこからの輸送はこういう形でやりますよと、何でそういうふうにできなかったんですか。そういうところを使ってもらえれば、車は来なかったと思いますよ。通勤駐で使うだとか、車で来る人たちもいろんな人たちがいますから、どうなるかわからないけれど。
 じゃ、今後、朝日新聞やさまざまなその三カ所の東京都が宛てがおうとしていた駐車場、これの利用はもうしないということですか、教えてください。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 副委員長おっしゃいましたように、現在、豊洲市場の路側帯等に駐車している車両も多数ございます。
 こうした車両が買い出し人の車両なのか、それから通勤用の車両なのかといったところもございまして、そういったところの調査、それから、場内の通勤駐車場とか、先ほどご指摘ありました有明のUR用地とか時間外駐車場、こういったところが利用実態としてどうなのかと、そういったところも、現在、調査分析をしておりまして、そうしたところも踏まえて、今後の路側帯等の駐車の対策を考えていきたいというふうに考えております。
 今、ご指摘のありました旧築地市場周辺の駐車場でございますけれども、今後、千客用地の使用期限というのもございますので、そちらも見据えつつ、必要に応じて利用というのは考えていきたいというふうに考えております。

○山崎委員 ぜひ、ルールというもの、規則というものは、まずは守ってもらわなきゃいけないんです。
 それをしっかりと踏まえて、これからも前に進めていただきたいことを最後にお願いしておきたいと思いますが、あと一点、ちょっと万葉倶楽部のにぎわいのことで一点だけ、最後、ちょっと質問します。
 万葉倶楽部が五街区の千客用地のところに駐車場を、たしか重層的につくっていく。これはたしか六街区の千客用地の地下二階部分が使えなくなったため、五街区の方での駐車場施設として利用していただくという、たしか計画というか、話を聞いておりますが、なぜ、この五街区の駐車場を先行して、これからやっていくのか。
 だって、まだ二年後に万葉倶楽部は、六街区のところで千客施設、着工していくわけですね、オリンピック後に。それなのに、なぜこの来年、五街区のところに駐車場を先に建てるのか、どういう意味なのか、教えていただきたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る八月に、万葉倶楽部と東京都は合意書を締結いたしまして、オリンピックの後に本施設を着工して、その後完成させるというスケジュールを含めたものを合意させていただきまして、本委員会にもご報告させていただいたところでございます。
 それに至るまでの間、都といたしましては、万葉倶楽部からのそういった状況とか、希望とかというものをお話を聞きつつも、やはり、地元区からも、できるだけ早くにぎわいをつくるべきであると、これはもともと地元区、江東区からも強くいわれていたことでございます。そういったものを少しでも前に進めるという観点から、私どももお話をさせていただきました。
 本来の六街区におきましては、仮のにぎわい施設、五街区も用いまして、二つのエリアを使いながら、オリンピック後の開業までの間、にぎわいを展開していくということを、万葉倶楽部、都といたしましても決めてやっていく中で、万葉倶楽部に対しても、これは六街区の地下二階ができない分を五街区の南のところでつくるという事情があったこともありまして、ならば、そこの部分を少しでも早く着工して完成してもらうことによりまして、仮設のにぎわいに集う都民、区民の方々の用に供するであるとか、豊洲地区のエリアの方々の用にも供するとか、もちろん市場業界の方々のニーズにも合えば、そういったものにも使っていただけると、江東区の豊洲地区の全体への貢献ということも含めて考えてもらいたいというお話を万葉倶楽部と都としてさせていただいて、その結果、部分的ではありますけれども、千客万来施設事業の一端として着工してもらうようにお話を進めさせていただいた結果が、あのようなスケジュールになったというところでございます。

○山崎委員 最後です、済みません。
 今、松田部長がお話ししたように、先行して、とにかく千客のにぎわい、イベント型だとか、そういったものに対しても貢献をしていきたいということで、先に着工して、来年始まる、来年中には完成をする予定だと思いますので、ぜひ、その駐車場を有効に使っていただきたいと思います。
 市場業界でも駐車場問題があるかもしれない、まだ。そして、豊洲で、一般の人たちが、見学に来る人たちの駐車場としても使える可能性も出てくると思う。豊洲のまち全体としても使えるような、何かそういう有効的に使えるような駐車場として、ぜひ万葉倶楽部としっかりと、その点はもう一度詰めていただきたいことを要望して、質問を終わります。

○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十六分休憩

   午後三時五十五分開議

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小林委員 それでは、私からは、築地市場並びに豊洲市場についてお伺いをさせていただきます。
 平成二十八年八月三十一日に、小池知事が豊洲市場の開場延期を発表し、その後、九月二十七日の経済・港湾委員会において、当時の市場長より、豊洲市場用地の土壌汚染対策について、主要な建物下に盛り土がなされていなかったことについておわびがありました。
 私は当時、経済・港湾委員会に所属しておりまして、以来、豊洲市場移転問題特別委員会、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会にも身を置きまして、この問題の議論にかかわらせていただきました。
 さまざまな困難を乗り越えて、本年十月十一日、豊洲市場が開場されましたことが、この開場という新たな歴史の節目に当たって、再びこの経済・港湾委員会に所属させていただいたことに感慨深いものがございます。
 きょうは、過去の議論、都議会公明党の主張、また都民の方から寄せられた声も踏まえて、改めて確認の質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、築地市場の解体に伴う諸課題についてお伺いいたします。
 まず、工事車両についてですが、築地市場の解体に当たっては当然のことながら、大規模な工事となるため、近隣への影響を最小限にしていかねばなりません。
 晴海通り、新大橋通りだけでなく、路地などの生活道路への影響、そして一般車両が迂回するという影響もありますけれども、工事車両はどの程度発生し、どのような対応をするのか、まずお伺いをいたします。

○渡辺施設担当部長 築地の解体工事においては、工事車両の主な出入り口である新大橋通り及び晴海通りに加えて、先日開通した環状第二号線暫定迂回道路も一部活用しております。
 工事現場への入場を待つ車両が路上に待機することがないよう、工区別に出入り口を分散させるとともに、車両を速やかに現場内に誘導し、地域交通に影響がないよう配慮しております。
 また、ゲートには交通誘導員を複数配置し、近隣の方々や観光客などの歩行者などの安全性を確保しております。
 搬出車両につきましては、コンクリートがらなどの発生等により、一日当たり最大約百五十台程度と見込んでおります。
 なお、コンクリートがらを場内で再利用することに加えて、海上輸送を活用し、ピーク時の車両台数を抑制する予定でございます。

○小林委員 次に、解体工事のアスベスト対策についてですが、築地市場解体工事では、水産立体駐車場などで吹きつけられた有害物質であるアスベストの飛散の可能性も指摘されておりますが、影響がないように、どのような対応をされているのか、お伺いをいたします。

○渡辺施設担当部長 築地市場におけるアスベストは、青果部屋上駐車場や水産物部立体駐車場の吹きつけ材に使用されているほか、水産物部仲卸売り場の屋根材に含まれるなど、解体する百五十五棟のうち、五十五棟の建物で使用を確認しております。
 アスベストの除去に当たっては、事前調査の内容に加え、天井裏など、隠れた箇所についても、施工の段階に応じ調査を実施し、その結果を踏まえ、関係部署等と協議しながら作業を進めてまいります。
 作業の実施に当たっては、アスベスト除去に関する技術審査証明書を取得している業者を選定するなど、施工技術レベルを確保するとともに、法令等に基づき、例えば、吹きつけアスベストについては工事区画を密閉するなど、アスベストの飛散が生じないよう厳重な対策を講じてまいります。
 また、作業エリアの適切な位置で、数日ごとに空気測定を行うなど、安全管理を行ってまいります。

○小林委員 次に、先ほども触れられておりましたが、ネズミ対策についてですが、報道等でも大きく取り上げられておりますので、築地市場解体に伴う最大の懸案の一つでもあるかと思いますが、都として、築地市場外にネズミが拡散しないよう、どのような駆除対策を講じてきたのか、また、今後、万が一、場外市場や近隣住宅にネズミが拡散したようなことがあった場合に、都として、どう対策をとっていくのか、見解をお伺いいたします。

○渡辺施設担当部長 閉場に伴うネズミ対策といたしまして、外部への流出経路を遮断するとともに、生息数を減らすために、徹底的な駆除を行いました。
 流出防止策では、市場外周部に波板、金網、金属ブラシなどを設置するとともに、外周部対策では敷地境界内側に捕獲かごを仕掛け、十月までで八十六匹を捕獲、駆除しております。
 また、生息数を減らす取り組みとして、粘着シートや殺鼠剤などによる一斉駆除を行ったところでございます。
 その結果、閉場前の五月、八月、九月の連休を利用した駆除では千七百七十三匹、閉場後の十月十一日から月末までの期間では千二百三十九匹を駆除しております。
 なお、これまで周辺住民からの特段の苦情等はいただいておりません。

○小林委員 この築地市場、八十年を超える歴史ある市場でもありますので、また、地元区の協力のもと栄えてきた市場でもあります。
 解体工事の実施に当たっては、地元の声を丁寧に聞きながら情報発信して工事を進めていくべきであると思いますが、今後の都の取り組みについてお伺いをいたします。

○渡辺施設担当部長 築地市場の解体は、都心で非常に大規模な工事であり、工事前の説明会などにおいては、できるだけわかりやすい資料を用いるなど、地元住民の理解を得られるように努めてまいりました。
 豊洲市場が開場した十月十一日から工事に着手しておりまして、法令に基づく対策に加え、工事車両の抑制など、さまざまな配慮策を講じるほか、適切な情報提供を継続することが重要と認識しております。
 周知看板やホームページを活用するなど、中央区と連携しながら、丁寧な情報発信を行うとともに、工事現場出入り口の交通安全、現場内の安全管理に万全を期し、着実に工事を進めてまいります。

○小林委員 この築地市場の課題などについては、私たちも地元の区議会議員とも連携して意見交換をしておりますが、地元の区議会議員からは、築地市場の解体における交通渋滞の問題やネズミの問題など、築地場外も含めて、地域が風評被害を受けないよう取り組んでもらうことが大切であり、引き続き対策を充実させていただくとともに、迅速的確な地元への情報発信をお願いしたいという要望もありましたので、くれぐれもよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、豊洲市場についてお伺いします。
 さきの第三回定例会の都議会公明党の代表質問でも触れましたが、今後の豊洲市場の安全・安心対策の一つとして欠かせないのが、地下水管理システムの機能を十分に発揮していくことであります。
 開場に向けて取り組まれた地下水管理システムの追加対策工事の内容と実施目的について確認をさせていただきます。

○佐々木環境改善担当部長 地下水管理システムの追加対策工事は、専門家会議の提言を踏まえ、豊洲市場用地における地下水位を早期に低下させるとともに、地下水位上昇時の揚水機能強化を図るために実施したものでございます。
 具体的には、建物下への揚水井戸の設置、旧観測井戸の揚水井戸化及び真空ポンプによる揚水などを実施し、本年七月に完成させたところでございます。

○小林委員 この追加対策工事後、地下水管理システムの機能強化、どのように図られたのか、また、現在の稼働状況についてお伺いいたします。

○佐々木環境改善担当部長 本年七月三十日の専門家会議による追加対策の有効性の確認において、地下水管理システムの機能強化については、全体として地下水位の低下が促進されている状況が認められるとともに、地下水の揚水能力が強化され、想定していた揚水能力が確保されていることを確認していただきました。
 また、今月七日に行った地下水位の測定結果によりますと、各街区とも、平均でAPプラス二メートルを下回っており、全体ではAPプラス一・八メートルを下回っております。
 さらに、九月末には、一日当たりの排水量が五百立方メートルを超えるなど、工事完了後も地下水管理システムが順調に稼働しており、追加対策工事前に比べて、確実に機能強化が図られているものと認識しております。

○小林委員 地下水管理システムについては、過去にもさまざまな議論がありましたが、今後しっかりと揚水能力を確保し、豊洲市場の安全が確保されるよう万全の管理をお願いしたいと思います。
 また、都民に豊洲市場の安全性を理解してもらい、安心につなげていくためには、都民に向けた正しい情報発信が極めて重要であります。誇大な情報、誤った情報によるあらぬ風評被害を起こすことは断じて防がなければなりません。
 そのために、都議会公明党が繰り返し繰り返し主張してきたのが、時々刻々と変化する市場の大気や地下水の状況の数値をわかりやすく見えるようにして、都民に向けて情報発信をしていく見える化の取り組みであります。
 開場後も、水質調査や空気調査の結果をわかりやすく伝える見える化の取り組みはしっかりと継続をし、都民の安心につなげていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○佐々木環境改善担当部長 七月三十日の専門家会議による追加対策工事の有効性の確認結果公表の際に、市場開場後の空気や地下水質調査の実施内容についても公表しております。
 具体的には、当面の間、これまでと同様に、空気については地上部と建物一階部分、地下ピット部を合わせて十七カ所で、また、地下水質については四十六カ所で実施していくこととし、専門家会議からも、これらの内容については妥当であり、確実に実施していくことが重要であるとの評価をいただいております。
 また、空気や地下水質の調査結果は、これまで専門家会議に評価いただいた上で公表しておりますが、同じく七月三十日に平田座長からも説明があったとおり、今後は、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会に引き継いでいくこととしております。
 都としては、追加対策により、豊洲市場のさらなる安全性の向上が図られたものと認識しており、今後は、管理を適切に実施するとともに、引き続き正しい情報発信を行っていくことで、豊洲市場を安全・安心な市場として運営してまいります。

○小林委員 次に、開場後にあらわになった課題の一つでございますけれども、開場当初は近隣道路の大変な渋滞が報道等でも指摘されておりましたが、実際の渋滞状況、どのようなものであったのか、お伺いをいたします。

○鈴木技術調整担当部長 豊洲市場の開場初日でございますが、通常より荷の取扱量が多かったことに加えまして、産地からの搬入や買い出し等に来たトラックが新しい市場施設にふなれであったため、本来行く必要のない上層階へ流入したこと、指定された荷さばき場所以外の場所におきまして荷おろし等が行われたことにより、場内の車両動線がふさがれたことなど、さまざまな要因によって場内の車両が滞留し、その影響が周辺道路にも及んで交通渋滞を発生することとなりました。
 なお、開場二日目以降でございますが、こうした要因は解消されておりまして、場内においても、周辺道路におきましても、目立った交通渋滞は発生しておりません。

○小林委員 環状二号線については、豊洲から築地までの約二・八キロメートルの区間については、本線開通に先立って、十一月四日に暫定開通されましたが、こうした暫定開通によって、周辺の道路の状況、変わってきたと思いますが、都の渋滞対策の取り組みについてお伺いをいたします。

○鈴木技術調整担当部長 都では、豊洲市場周辺におけます円滑な交通を実現するため、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 まず、開場前の取り組みといたしまして、市場周辺の交差点の通行について交通管理者と協議を行うとともに、渋滞が予測される道路で実施される路上工事の抑制をお願いいたしました。
 また、市場業者に対しましては、渋滞防止に向けて、通行すべき推奨ルートなどを示したリーフレットを作成し、その周知を図りました。
 あわせまして、少しでも車両交通を分散化させるため、関係各局の協力を得て、未供用でございました環状第二号線の豊洲から晴海までの区間を、市場開場と同時に市場関係車両が利用できることといたしました。
 次に、開場当日以降でございますが、交通管理者と連携を図り、渋滞抑制に向けて、道路上に注意喚起を図る看板の掲示や、場内放送によります市場出口の誘導を行ったほか、市場周辺道路に職員を配置いたしまして、横断歩行者の安全確保と円滑な車両の通行が行われるよう、監視、誘導を実施いたしました。
 先ほど答弁したような要因に加えまして、これらの取り組みを実施することによりまして、市場開場に伴います渋滞防止が図られたものと認識しております。

○小林委員 次に、事業者への支援についてですが、豊洲市場への移転延期後、都議会公明党が真っ先に都に求めた一つに、事業者への支援策があります。市場関係者への具体的な相談の受け付けや不安を解消する取り組みの充実を求めたのに対し、中央卸売市場と産業労働局との連携で特別相談窓口も設置されたわけですが、開場になったとはいえ、事業者の皆さんに憂いなく仕事をしていただき、軌道に乗せていく取り組みが引き続き重要であります。
 開場後も、事業者からは支援を求める声が多数寄せられておりますが、市場業者への支援について、都の見解をお伺いいたします。

○赤木移転支援担当部長 これまで都は、築地市場内にサポート相談室を設置し、移転に伴う市場業者の経営上の不安の解消を図りますとともに、各種の融資事業や利子補給事業、環境・省エネ設備補助事業などを実施しまして、市場業者の円滑な移転に向けた支援を行ってまいりました。
 市場業者からは、移転後の経営環境の変化への対応や、新たな事業展開への支援を求めるさまざまな声が寄せられております。
 こうした声を踏まえまして、現在、業界団体と意見交換を行い、市場業者の経営安定化や、豊洲市場の活性化に資する支援策の策定について検討を行っております。

○小林委員 次に、豊洲市場の使い勝手についてお伺いをいたします。
 市場の使い勝手についても、さまざま私どももご意見をいただいておりますが、先ほど山崎副委員長も触れられましたが、開場直後より、私も地元の魚屋さんより、市場に買い出しに行った際の駐車場が少なくて困っているとの声を直接いただきました。
 駐車場が少ないというこうした声に対し、都として駐車場確保に向けてどのように取り組んできたのかを改めて確認させていただきます。

○前田豊洲市場事業調整担当部長 豊洲市場では、築地市場より約五百台多い、約五千百台の駐車場を整備しております。
 一方で、業界団体から、通勤駐車場や積み込み場に関する懸念や要望等もいただいたことから、都としては、通勤駐車場不足への対応として、豊洲市場周辺に約九千平米の用地を確保し、利用いたしております。
 また、積み込み場の不足に対しては、駐車場の使用許可を受けて管理を行う街区協議会と調整し、業界要望を踏まえた時間貸し駐車場を整備いたしました。
 さらに、開場当初における場内物流の一時的混乱の抑制や、市場外での車両の滞留や渋滞を防止するため、開場から年度末までの間の暫定的措置として、六街区の千客万来施設用地を市場関係者の臨時駐車場として整備しております。
 今後も、業界団体と調整しながら、駐車場の有効活用を図ってまいります。

○小林委員 今後の利用状況をしっかりと注視しながら、ともかく業界団体の方、利用者の声をよく聞いて、実効的な取り組みがなされるようお願いをしたいと思います。
 また、先ほど、ひぐち理事の方からもお話がございましたが、バス停の屋根の問題につきましても、私もお声をいただいております。ある利用者の方からは、公共交通で買い出しに行った際、雨が降っていたが、買い出しした商品で両手がいっぱいの状態だったそうですが、市場内のバス停に屋根がないため、大変にご苦労されたというお声もありました。
 先ほど質問がなされておりますので、重複いたしますので割愛をいたしますが、先ほどのご答弁の中でも、総合的に検討していくというお話がございました。
 前向きの答弁というふうに捉えておりますので、ぜひとも、この点のご検討も引き続きお願いをしたいと思いますが、こうしたことを初め、今後も豊洲市場を軌道に乗せて、真に使い勝手を向上させるためにも、今後も必要な施設の改善はしっかりと進めていくべきでありますが、見解をお伺いいたします。

○渡辺施設担当部長 円滑な市場運営を実現するためには、豊洲市場の使い勝手を継続的に向上させていく必要がございます。
 豊洲市場の施設については、業界から幾つかの要望をいただいており、必要な改善を図ることとしております。例えば、ターレの充電施設につきましては、業界からさらなる増設の要望があることから、今後、充実させる予定としております。
 また、水産卸売り場棟の三階、四階におきましては、産地車両等の搬入のみならず、売買参加者などの搬出車両も利用することとなったことから、多様な車両の実情に即し、大型トラックを想定した大型の車どめを撤去することとしております。
 今後も、業界と意見交換しながら必要な施設の改善を図り、豊洲市場の使い勝手の向上に努めてまいります。

○小林委員 次に、見学者、来場者への対応についてお伺いします。
 これも、私の地元の居酒屋を営む方からご意見をいただいたことでありますが、開場後、仕入れに行った際に、仲卸売り場に一般の方が入ってきてしまい、買い出しに来ている業者の方の円滑な買い出しに支障があったとのお話がございました。
 こうした仲卸売り場に一般の方が入ってしまい業務への支障が生じた事態に対し、都としてどのように改善を図ってきたのか、お伺いいたします。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 今、副委員長、お話ありました一般の利用者が仲卸店舗に入ってしまうと、こうした事態でございますが、一般利用を開始いたしました初日でございます十月十三日に起きてしまいました。こうした事態が再び生じないよう、直ちに場内の案内や警備体制を強化しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、エレベーターやエスカレーターなど業務のエリアに間違って入りやすい場所、これがございます。立入禁止のサインや警備員の配置を徹底するとともに、一般の方のお問い合わせ状況もいろいろありますので、よく聞かせていただいて、それを踏まえまして、より円滑に見学いただけますよう、見学者通路の案内サイン、これをわかりやすく充実しているところでございます。

○小林委員 ありがとうございます。開場直後は、テレビでも豊洲市場のにぎわいの状況が数多く報道され、多くの方々の注目が集まっておりましたが、これまでどのくらいの人数の方が来られたのか、また、こうした一般の利用者をお迎えするために、都としてどのような取り組みを行っているのか確認をいたします。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 一般の方の来場者数でございますけれども、先ほど申し上げました利用初日である十月十三日は一万人を超える方が来場されまして、その後も多くの方にご来場いただいているところでございます。
 都は、多くの方々に豊洲市場の持つさまざまな魅力や機能を発信するため、ハード、ソフトの両面からさまざまな工夫を行っております。
 具体的に申し上げますと、取引の様子を見学できる通路やデッキを整備するほか、市場の仕組みや機能を紹介するPRコーナーを整備してございます。
 また、豊洲市場開場以前からの歴史や実物のターレの展示を行いまして、多言語による説明表示を充実させるなど、さまざまな来場者に楽しんでいただける取り組みをしているところでございます。
 今後とも、多くの方々に豊洲市場を楽しんでいただきながら、市場の施設や機能を深く理解いただけますように、しっかりと取り組んでまいります。

○小林委員 ありがとうございます。今後は、安全・安心の取り組みを着実に推進しつつ、国内外に、豊洲市場を訪れたくなるような魅力をいかに発信していくかが大切であると思います。
 先日、午後の時間帯に豊洲市場を訪れた方より、PRコーナーを見学しようと思って午後二時過ぎに行ったそうですけれども、既に終わってしまっていたと。もう少し対応する時間を検討してもらいたいとの声もありましたので、業界団体などとも協議の上、ご検討いただければというふうに思います。
 また、築地市場では毎年、築地市場まつりが開催され、大変多くの来場者が訪れておりましたが、豊洲市場においても、今後そうしたイベントも検討されていくことと思います。国内外の人が心待ちにするような取り組みをお願いしたいと思いますが、そうした中で一つ、個人的に思っているのが、夜の市場祭りというものを検討してはどうかと思っております。
 東京の観光において、今後、夜の観光をどう充実させていくかが大切な課題でありますが、豊洲を初めとする臨海地域は非常に夜景がきれいな場所でもあります。おいしい食を堪能しつつ、美しい夜景も満喫するということは、豊洲という立地の利点を最大に生かした魅力ではないかと思います。
 もちろん、さまざまな課題もあろうかと思いますし、簡単なことではないかと思いますが、ぜひとも今後、豊洲市場の魅力を発信する一つとして、夜の市場祭りというような企画も一考していただければと思いますし、また山崎副委員長にもご指導いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○尾崎委員 十月十一日に豊洲市場が開場しました。日本共産党都議団は、築地市場の豊洲市場への移転については、食の安全・安心を守るためには、土壌汚染が残っている豊洲市場は、食べ物を扱う市場にふさわしくないと反対し、築地市場での再整備を求めてきました。小池知事が公約を破り、豊洲市場への移転を強行したことに、都民や市場関係者から怒りの声が上がっています。
 市場業者の皆さんは、築地市場で商売を続けたかった、生活のため、商売のためには豊洲市場で頑張らなければという複雑な思いがあります。しかし、悩んだ末に商売をやめると決めた業者もいます。
 最初に、築地市場の水産仲卸業者数の推移ですが、各年の四月現在の状況は、二〇一四年は六百六十四者、二〇一五年は六百四十一者、二〇一六年は六百二者、二〇一七年は五百五十一者、二〇一八年は五百三十六者となっています。
 築地市場の水産仲卸業者数は毎年減少しています。十年前の二〇〇七年は七百九十六者でした。二〇一七年が五百三十六者ということですから、十年間で二百六十者も築地市場の水産仲卸業者が減っています。
 豊洲市場は十月十一日に開場したわけですが、築地市場から豊洲市場へ移転後の水産仲卸業者数についてはどうなっているのか伺います。

○長嶺事業部長 豊洲市場の水産仲卸業者数は、開場日である十月十一日時点で四百九十二者であり、十一月一日現在、業者数に増減はございません。

○尾崎委員 この一年でさらに四十四者も減ってしまいました。二〇〇七年と比べると三百四者も減ってしまったわけです。水産仲卸業者数は減っても、店舗数はほぼ変わらないということです。いい方を変えれば、水産仲卸業者が一店舗だけではなく複数店舗を持っているということになります。規模が大型化したところがあるということです。
 水産仲卸業者が大型化することによって何がどう変わるのか、都の認識を伺います。

○長嶺事業部長 豊洲市場が、生鮮食料品を円滑かつ安定的に都民に供給するという役割を果たすためには、仲卸業者が、いわゆる目ききや分荷などの仲卸機能を十分に発揮することが重要であり、そのためには、仲卸業務の適正かつ健全な運営の確保が不可欠と考えております。
 仲卸業者が大型化し、販路拡大や新たな事業展開が図られることにより、経営基盤の強化や経営体質の改善が進むと認識しております。

○尾崎委員 水産仲卸業者が統合、大型化することによって、経営基盤の強化や経営改善が進むという考えですが、私は、小規模な水産仲卸業者が淘汰されることは、仲卸業者のそれぞれの目ききの力が少なくなっていくということにつながると思います。小規模な水産仲卸業者が商売を続けられるように支援するのは東京都の仕事の一つです。
 私は先日、新宿区のおすし屋さんに話を聞きました。
 今までは築地市場に買い出しに行っていたので、魚を買って、野菜を買って、場外でも買い物を済ませて、お昼のランチの仕込みができた。しかし、豊洲市場になったら、豊洲市場に行くために、朝、今までよりも四十分も早く自宅を出なければならなくなった。最寄りの駅では朝早いために電車が走っていないので、別の駅まで歩いていかなければならず、大変不便になったということです。そして、豊洲市場で魚と野菜を買おうと思うと移動に時間がかかる、だから、野菜は淀橋市場で買うようにしたそうです。豊洲市場で購入したものを運んでもらうための料金も値上がり、料金の負担もふえてしまったといっていました。
 新宿区内の魚屋さんは、築地市場が豊洲市場に移転したことを契機に商売をやめたということでした。飲食店や練り物を扱っているお店も廃業したと聞いています。ほかにも廃業の理由はあるかもしれませんが、築地市場がなくなることで商売はやめようと決断した業者は少なくないと思います。築地市場があったことで、地域経済の活性化に与えた影響は大きいといわなければなりません。市場があることで、地域の商店や飲食店が元気に商売ができるということを強調しておきたいと思います。
 豊洲市場の土壌汚染対策、地下水管理システムなどの問題は何も解決していません。それどころか、十月十一日の開場日には、ターレから煙が出るぼや騒ぎがあり、ターレとターレに挟まれて女性がけがをする事故も発生しました。
 九月二十三日には、水産仲卸売り場棟の北側にあるマンホールから地下水があふれました。しかも、地下水の処理をする前のものでpHが高い状況のまま下水道の排水基準を超えたもの、本来であれば流してはならない地下水を排水溝に流した重大な問題が起きました。その後もトラブルが発生していると聞いています。
 そこで、事実の確認を中心に質問していきたいと思います。
 最初に、十月二十五日の朝に豊洲市場七街区でマンホールから水が噴出しましたが、原因について伺います。

○渡辺施設担当部長 午前六時ごろ、水産卸売り場棟東側の駐車場にある排水管を清掃するために設置したマンホールから排水が流出いたしました。原因は、マンホールの下流にある弁が半開状態であったため、弁の手前で詰まりが発生し、管内の圧が高まり、接着が十分ではなかったマンホールの内ぶたが外れ、水が流出したと考えております。

○尾崎委員 豊洲市場が開場し、すぐにマンホールから水があふれるようなことは普通なら考えられないことです。工事のミスだとしかいえません。同じようなことがあるのではないかと心配になります。
 全ての点検が求められますが、水が噴出した後、どのような処理を行ったのか伺います。

○渡辺施設担当部長 緊急的な措置といたしまして、外れていたマンホールの内ぶたを戻し、溢水をとめるとともに、排水が流出した箇所につきましては直ちに消毒を行いました。
 あわせて、同日中に施工業者による調査を行い、原因となっていた弁を全開にするとともに、接着が十分でなかったマンホールの内ぶたを再度接着し、復旧を完了しております。
 なお、都では、今回の事案を受けまして、全街区の同様のマンホールにつきまして施工状況の点検を行い、再発防止を図ったところでございます。

○尾崎委員 全街区の同様のマンホールについて点検したということですが、同様のマンホールは街区ごとに何カ所あるのか、そして全体で何カ所になるのか伺います。

○渡辺施設担当部長 今回のマンホールと同様のマンホールは、五街区で二十五カ所、七街区で十九カ所、合計で四十四カ所設置されており、その全てにつきまして点検を行っております。

○尾崎委員 全街区で四十四カ所ということですが、こんなトラブルが普通、発生するものなのでしょうか。信じられない状況です。しかも、あふれた水は生活排水、手洗いやトイレの排水も含まれているんです。消毒をしたからいいということにはなりません。食べ物を扱う市場で二度とこのようなことがあってはなりません。厳しく指摘をしておきます。
 次に、建物下の盛り土がないかわりの追加対策工事、地下水管理システムの強化工事が終了した際、専門家会議の平田座長が、六月の地下水モニタリングの結果について、ベンゼンは環境基準の百七十倍が検出されたと発表しました。
 平田座長は、豊洲市場では地下水は使わないから安全だといいました。しかし、都民や市場関係者、飲食店の方たちは、今後はどうなるのか、ベンゼンなどの数値は、いつになったら環境基準を下回るのか、食を扱う業者として一番関心があるのは食の安全・安心だといいます。小池知事が安全だといっても不安は払拭されず、納得もできません。
 地下水のモニタリング調査は、七月末に六月の調査結果が公表されました。これまでの約束なら、七月、八月、九月の調査は十月末ごろに公表されるのではないでしょうか。ところが、いまだに公表されていません。
 豊洲市場開場後の地下水モニタリングについて、何カ所で測定するのか、また、公表の仕方について伺います。

○佐々木環境改善担当部長 七月三十日の専門家会議による追加対策工事の有効性の確認結果公表の際に、市場開場後の空気や地下水質調査の実施内容についても公表しております。
 このうち、地下水質調査につきましては、当面の間、これまでと同様に四十六カ所で実施していくこととし、専門家会議からも、これらの内容については妥当であり、確実に実施していくことが重要であるとの評価をいただいております。
 こうした調査の結果は、これまで専門家会議に評価をいただいた上で公表しておりますが、同じく七月三十日に平田座長からも説明がありましたとおり、今後は、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会に引き継いでいくこととしております。
 今後は、公表の仕方も含め、これらの調査の取り扱いについて協議会委員と調整を図ってまいります。

○尾崎委員 当初の二年間の地下水モニタリングの最後の調査で、環境基準の七十九倍のベンゼンが検出された以降、ベンゼンは、百倍、百七十倍と環境基準を大きく上回っているのです。しかも、環境基準では検出されてはならない猛毒のシアンも各街区で検出されています。豊洲市場が開場しても、きちんと地下水モニタリングを行うのは東京都の責任です。曖昧にすることは断じて許されません。地下水調査の結果公表は、まとめて行うのではなく、毎月公表することを強く求めるものです。
 次に、豊洲市場開場に向けて、追加対策工事以外に、業界団体などの要望に沿って改修、改善を行ったと聞いていますが、どのような改善、改修を行ったのか、また、費用はどのぐらいかかっているのか伺います。

○渡辺施設担当部長 開場後の円滑な市場運営を実現するため、業界団体の声を聞きながら必要な改修工事を行い、豊洲市場の使い勝手がさらに向上するよう努めてまいりました。
 平成二十九年度は、水産仲卸売り場棟のターレスロープにおいて大型カーブミラーを設置するとともに、東側ランプウエー付近のカーブ部分において、アスファルト舗装の着色や車両動線の見直しなどを行っております。
 平成三十年度は、通勤駐車場へのトイレの整備工事を初め、一方通行の明確化や駐車場の車室案内等を充実させるサイン工事、売り場の照明の追加工事などを行っておりますが、今後も、ターレの充電施設の増設や車どめの撤去など、業界からの要望に対して、必要性を勘案しながら適切に対応してまいります。
 なお、二十九年度の改修工事の決算額は、約五千二百万円となっております。

○尾崎委員 業界からの要望もあり、さまざまなところを改修、改善しているということですが、どのくらいの経費がかかったのかについては、二〇一七年度決算額ではっきりしているだけです。今年度、二〇一八年度の改修分は明確な金額は出ないということです。新しい豊洲市場だから使い勝手がなじまないということもあるかもしれませんが、余りにもずさんな状況だといわなければなりません。
 今後も、まだまだ改修、改善が必要なものが出てくると考えられます。幾ら経費がかかるのかもわからない状況なのではありませんか。
 市場関係者からは、設計そのものに問題があるのではないかという声も上がっています。豊洲市場は密閉型ということですが、においがすごいという声が寄せられています。築地市場は魚臭さはありませんでした。豊洲市場の見学コースにも生臭さが鼻につく状態ですが、原因はどこにあるのか伺います。

○渡辺施設担当部長 豊洲市場においては、築地市場と同様に魚のにおいが感じられますが、閉鎖型の施設であることから、快適な室内環境の維持には、空調機による適切な換気と日々の清掃が重要でございます。
 開場後一カ月間の状況を踏まえて、空調機の運転や、売り場の床、排水溝、排水ます、ターレ通路などの清掃について、都と業界で連携し適切に対応してまいります。

○尾崎委員 排水溝のところにごみがたまるバスケットがすぐに詰まってしまうという声が寄せられていますが、どのような仕様になっているのか伺います。

○渡辺施設担当部長 水産卸売り場棟の卸売り場では、床に緩やかな勾配をつけ、要所に排水ますを設置し、排水を行っております。
 水産仲卸売り場棟一階の店舗周りでは、勾配のついた床とともに排水溝と排水ますを設置しております。いずれの排水ますについても、下水にごみを流さないようにするため、ごみを受ける網目の違うかごを二段に設けており、正方形のかごの一辺は約四十五センチ、深さは十センチのものと十五センチのものを重ねております。
 上段のかごには取っ手がついており、取り外して清掃しやすくなっております。

○尾崎委員 水産仲卸で働いている方は、掃除を小まめにやっているのに、すぐに詰まってしまうといっていました。掃除に問題があるとは考えられません。
 そこで、築地市場の排水溝の仕様と豊洲市場の排水溝の仕様は、どのように違うのか伺います。

○渡辺施設担当部長 築地市場では、通路の端にL型側溝が配置され、一定間隔の排水ますに接続しておりました。このますに排水管がつながり、貯留槽を経て、最後は下水道に接続しておりました。排水ますには、ごみを受けるかごが設置されておらず、ごみは排水とともに流され、排水管を通って貯留槽に集まるため、下水道に放流される前に取り除いておりました。
 豊洲市場でも、排水溝や排水ますの形状は異なりますが、基本的な排水の仕組みは変わっておりません。違いとしては、排水溝や排水ますに、ごみを受ける柵やかごが売り場の近くに設置されており、ごみは排水とともに流下しないようになっております。
 事業系の廃棄物は、そもそも排出した事業者において処理することが法令上の原則となっており、豊洲市場では、こうした原則を踏まえるとともに、害虫や害獣の侵入防止など、衛生管理の向上を図る観点も加味して、このような排水設備の構造としているところでございます。

○尾崎委員 築地市場と豊洲市場では、排水溝や排水ますの形は違っても、基本的な排水の仕組みは変わらないということでした。違いは、排水溝や排水ますにごみを受ける柵やかごが売り場の近くにあることが豊洲市場だということです。店舗の近くにごみがたまるような仕組みになっているのがよくわかりました。だから、魚のにおいが強いのではないでしょうか。
 築地市場の排水溝の深さは一メートルほどあるとも聞きましたが、豊洲市場の排水溝の深さは十五センチです。どうしてこのような設計になったのか伺います。

○渡辺施設担当部長 水産仲卸売り場棟一階の店舗周りは、深さ三センチから十五センチの勾配のついたステンレス製の平滑な排水溝を設けており、一定の間隔でごみどめ用の柵板や、ごみを受けるかごつきの排水ますを設置しております。
 こうした構造としているのは、築地市場における水道やろ過海水の使用量の実績を踏まえたことに加え、事業者による排水溝の清掃のしやすさに配慮したものでございます。
 なお、ごみどめ用の柵板などにごみがつまらないようにするには、適切な清掃が重要であることから、業界団体からの要望を受けて、排水溝のふたの固定を外し、より一層清掃しやすい状態としたところでございます。

○尾崎委員 事業者による排水溝の清掃をしやすいように配慮したといいますが、事業者の方たちからは、清掃を小まめにしているのに、ごみで水が詰まると不満が出されています。
 排水溝の深さだけではありません。掃除をした後などに水が流れやすくするために勾配をつけているということですが、それでも市場関係者の方たちからは、水はけが悪いという声も聞こえてきます。
 また、店舗の近くにごみがたまるような仕組みになっていることが、水産仲卸業者の負担になっているのではないでしょうか。やはり設計の段階で問題があったのではないかと厳しく指摘をしておきます。
 次に、豊洲市場の荷物用エレベーターについて、この間、故障が相次いでいますが、故障した場所はどこですか。また、故障の原因について伺います。

○渡辺施設担当部長 開場から十月末までの時点で、荷物用エレベーターについては、五街区青果棟で二カ所、六街区水産仲卸売り場棟で一カ所、七街区水産卸売り場棟で五カ所、故障、異常による停止や接触による破損が発生いたしました。
 主たる原因といたしましては、フォークリフトがエレベーターの扉に接触したことであり、これにより、エレベーターが異常を検知し、昇降を停止したり、扉本体や扉の接触を感知するセンサーが破損したものでございます。
 故障したエレベーターについては、エレベーターの保守委託会社と即時に連絡をとり、早期の復旧に努めております。

○尾崎委員 荷物用エレベーターは、十八台あるわけですが、たった二週間で故障したのが八カ所もあったというのは大変驚きです。
 エレベーターの積載重量は、幾つになっているのか伺います。

○渡辺施設担当部長 荷物用エレベーターは、全街区で十八台ございまして、荷物用エレベーターの積載重量は、全街区共通で六千六百キログラムとなっております。

○尾崎委員 水産仲卸売り場棟に、二・五トンフォークリフト、八百キログラムの張り紙を見ました。これはどういうことか伺います。

○渡辺施設担当部長 都では、フォークリフト等の運用につきまして、業界団体と合意をした上で、実際の荷さばきなどの作業の実情に即したルールを定めております。
 お話の張り紙につきましては、二トン以上のフォークリフトの積み荷に関する運用ルールについて掲示したものでございます。

○尾崎委員 二トン以上のフォークリフトに載せる荷物は八百キログラムまでだということです。どうしてこのような制限が必要なのかと疑問に思います。
 そこで、ターレやフォークリフトの使い方について、都はどのように指導しているのですか。

○堀豊洲市場事業推進担当部長 ターレやフォークリフトの使い方についてでございますが、開場前に業界団体と協力して、制限速度や走行範囲など、具体的な走行ルールを定めております。
 開場後は、場内放送により、走行時の安全確認などを呼びかけるとともに、都、業界団体、関係行政機関から構成される豊洲市場協会の交通委員会を通じて、ルールの内容を説明するとともに、事故の発生状況を情報共有いたしまして、走行ルールの遵守や安全運転の徹底を図っております。
 また、都職員や警備員が現場を巡回いたしまして、危険な走行などに対する指導を適時行っており、今後もこうした取り組みを行いながら、ターレやフォークリフトの適正利用を促してまいります。

○尾崎委員 私は、二〇一六年三月の経済・港湾委員会で、床の耐荷重について質問したことがあります。水産仲卸の主な売り場の耐荷重は、一階が七百キログラム・パー・平方メートル、一階から四階の積み込み場が八百キログラム、四階の買い出し人積み込み場が七百キログラムです。このとき、市場で取り扱う鮮魚の入った発泡スチロールに水や氷を含めた重さを想定して設計を発注したのかと質問しました。
 都は、ターレやフォークリフトの総重量等は想定しているが、発泡スチロール箱の標準的な大きさ、重さなどは設計時には特に想定していない、床の積載荷重は、全体で見ると、何も物を置くことのない通路部分なども存在するため、その分の平均積載荷重は少なくなっている、床の積載荷重は問題ないとの答弁でした。また、フォークリフトの積載重量について、築地市場において、一・一メートル四方のパレットを使用した荷が多い実態を踏まえ、約一トン強積載していると想定して設計を行っているとの答弁もありました。そうであるならば、先ほどのような張り紙、二・五トンフォークリフト、八百キログラムなどは必要ないのではないでしょうか。
 どうして八百キログラムの制限が必要なのか、大事な問題なので伺いますが、二・五トンフォークリフト、八百キログラムの制限をする理由は何ですか。

○渡辺施設担当部長 水産仲卸売り場棟の設計に当たりましては、築地市場において、ターレの使用が大多数--約九八%ですけれども、であった実情を踏まえ、経済的、合理的な観点から、ターレの使用を基本とした上で、一・五トンフォークの走行も勘案して設計しております。
 二トン以上のフォークリフトを使用する場合の積み荷を八百キログラムなどとする運用ルールにつきましては、水産仲卸売り場でのフォークリフトの使用は全体のごくわずか、約二%未満であったことから、実際の荷さばきの実情を踏まえ、業界団体と調整して合意を得ているところでございます。

○尾崎委員 先ほどもいいましたけれども、築地市場のフォークリフトの積載重量については、一・一メートル四方のパレットを使用した荷が多い実態を踏まえて、約一トン強積載していると想定して設計を行っていると答弁があったわけです。ターレが九八%、ほとんどがターレだということですけども、じゃあどうしてこんな張り紙が必要なんでしょうか。一トンを超えても大丈夫なのではないですか。
 二〇一六年の質疑で私は、耐荷重を超えるターレやフォークリフトが市場内を走っても、それが即、床が落ちることはないと思います、しかし、耐荷重を超える荷物が置かれ、日常的に耐荷重以上の荷物が頻繁に移動されれば、建物に影響が出ることは明らかです、建物の劣化が通常よりも早まるという建築の専門家の見解も聞いていると、そのとき厳しく指摘をしました。やはり床の耐荷重が不足するという問題があるのではないでしょうか。
 都は、建物内でフォークリフトや車両は、急激な荷重の変動をさせるような高速移動はないとも、そのときいっていました。先ほどのご答弁でも、ターレやフォークリフトの使い方に関しては、開場前に業界団体と協力して、制限速度や走行範囲など具体的な走行ルールを定めているとのことですが、一定のスピードが出るわけです。
 豊洲市場は、将来を見据えた基幹市場として設計されたはずですが、床の耐荷重の問題は、やはり軽視できないと述べて、質問を終わります。

○うすい委員 私からは、豊洲、築地以外の、特に足立市場について幾つかお伺いをしたいと思います。
 先日、十一月十日に、私の地元足立市場におきまして、あだち市場の日五周年記念イベントが開催をされました。
 私も伺わせていただきまして、市場内では、競り場の見学体験や、鮮魚、青果の販売、地元の潤徳学園高校の演奏や、マイナス三十度の冷凍室体験、市場特製ねぎま鍋の無料配布などが実施されておりまして、また周辺には、ピザやタコ焼きなどのケータリングカーなどもありまして、記念イベントは大変なにぎわいでございました。多分、来られた皆さんは楽しんで帰られたと思うわけでございます。
 このような、都と業界団体が一つになって取り組む地元密着のイベントは、とても魅力があって、地域にとって大変に貢献するものと強く感じたところでございます。
 その他の市場まつりでありますけれども、これまでも被災地支援の一環として、都は被災地を応援する取り組みやPRを行ってきていると思いますが、これもまた大変意義のあるもので、今後も継続をしていただきたいと思っているところでございます。
 そこで、被災地支援について、市場まつりを通じてどのような取り組みを行ってきたのか、また、今後の取り組みへの考え方をあわせてお伺いしたいと思います。

○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 いまだ風評被害に苦しむ福島県産品の安全性や魅力を広く紹介し、消費者の需要促進につなげていくことは、生鮮食料品を取り扱う卸売市場にとりまして重要な取り組みでございます。
 都では、平成二十四年度から各市場まつりにおきまして、福島県と連携したPRを行う業界団体の取り組みに対して、交付金を支出するなどして支援をしてまいりました。
 本年度は、豊島、大田、世田谷、板橋、葛西の合計五市場におきまして、福島県産の野菜や米のPRを行いました。
 開催を重ねる中で、PRの実施を毎年楽しみにする来場者も多く、好評なプログラムの一つとなってきてございます。
 こうした来場者の声も踏まえながら、市場まつりの主催者であります業界団体と協議をいたしまして、市場まつりにおける被災地支援の取り組みを支援してまいります。

○うすい委員 ぜひとも業界団体と連携をとっていただいて、支援を続けていただきたいと思います。
 また、豊洲市場の開場をきっかけに、全体的に市場への関心が高まってきていると思います。私も一般の都民の方々から、市場をぜひ見てみたいという声も多く聞くわけでありまして、各市場では、年に一回、市場まつりを開催していると思いますけれども、地元の足立市場では、あだち市場の日という取り組みで、年に複数回行われております。大変によいことだと思っております。
 その目的と実施状況についてお伺いいたします。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘のございましたあだち市場の日の取り組みでございますが、地域の消費者等を対象に、新鮮な水産物の取引を見ていただくことや、市場内で対面販売により水産物等を購入することで、卸売市場への理解や魚食、食育への興味を深め、それらを通じまして、地域の市場として活性化を図ることを目的として実施しているところでございます。
 あだち市場の日は、市場業界が主導となりまして、平成二十六年七月に開始いたしまして、それ以降、隔月で実施してございます。
 開始から五周年を迎えました本年十一月、先週でございますけれども、消費者への鮮魚、青果等の販売に加えまして、競りなどの市場の業務を実際に体験していただく記念イベントを実施いたしました。

○うすい委員 多くの来場者が訪れるあだち市場の日の取り組みは、区民を初め一般消費者の方々が卸売市場に関心を持っていただくとてもよい機会であるとともに、地元のPRやにぎわいにもつながるものでありますので、ぜひとも長く続けていただきたいと思います。
 また、都民に安定的に生鮮食料品を届ける大切な役割を担っている卸売市場は、都民と接する機会は、日常的にはさほど多くはないと思いますが、あだち市場の日は、千住の魚河岸として親しまれてきた足立市場として、地域に溶け込んだすばらしい取り組みだと思っております。
 地域に根差した水産市場としては、さらなる盛り上がりを期待すると同時に、卸売市場法の改正もされたわけでございまして、その中で、今後、足立市場の活性化に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都はこれまで、足立市場の活性化に向けまして、都と市場業者の皆様で構成される検討会を開催するなど、市場業者の皆さんの主体的な取り組みを促してまいりました。このことによりまして、市場業者の皆様が中心となり、あだち市場の日を実施することとし、その取り組みを通じまして、地域の方々に市場への理解を深めていただくなど、一定の成果を得ることができたと考えてございます。
 今後につきましては、あだち市場の日を継続的に実施するとともに、地域の専門小売店や、飲食店等の顧客を多く抱える足立市場の特性を生かした地域との連携など、さらなる活性化に向けて経営戦略の策定を進め、都と市場関係者の皆様が一体となった取り組みを実施してまいります。

○うすい委員 ありがとうございました。
 ある意味では、市場のあり方というものが問われている時期でもあると思いますので、都と市場業者としっかりと連携をとっていただいて、活性化に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 また、ほかの市場まつりも、ぜひ足を運びたいと思う方も、私だけではなくて多くいらっしゃると思いますので、各市場まつりのお知らせなどもホームページで案内はしていると思いますけれども、もう少し多くの方々が見られるような媒体を活用するなどして、ぜひ、例えば若い方などは、フェイスブックやLINEなども活用されることが多いと思いますので、その点も踏まえまして、情報発信をしていただくことを要望しまして、私からの質問を終わります。

○あぜ上委員 それでは、私からは、築地市場の解体工事についてです。
 私も朝早く電車に乗って、豊洲の市場の入り口で買い出し人の方々などのお話を伺ったり、また、物販や飲食の状況を見に行きましたり、ぐるり公園から地上のバースの様子を拝見したり、市場業者の皆さんのご意見なども聞いてまいりました。
 最近は、先ほどもちょっとお話がありましたが、揺れやにおいなどで具合が悪くなった、喉が痛いなどの声も寄せられているところです。土壌汚染が残っている以上、市場業者の皆さんは、やはり大きな不安を抱えながら、日々、複雑な思いで頑張っていらっしゃるなということを、この間痛感しているところです。
 私たち日本共産党都議団は、この市場移転の強行は、知事の、築地を守る、食の安全を守るといった約束違反であって許されないということで、十月二十四日には、改めて、築地市場の解体工事の中止を求め、申し入れも行ってきたところであります。
 しかしながら、現在、既に解体工事はスタートしておりまして、十一月四日には、環状二号線の暫定道路も開通したというところであります。
 そこで、まず伺いたいんですが、この解体工事について、東京二〇二〇大会の組織委員会とどのような覚書になっているのか、まず伺います。

○渡辺施設担当部長 旧築地市場の跡地につきましては、東京二〇二〇大会車両基地として活用することとしております。基盤整備につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局が実施することとなっているため、詳細な工程調整について、同局と進めているところでございます。

○あぜ上委員 覚書は交わしていないけれども、オリ・パラ準備局との工程の調整はされているということですね。
 もう既に解体も始まってしまったわけですけれども、先ほども築地市場の用地の取り扱いについての質疑もございましたが、売却するかしないかという市場会計の継続性というお話もあったわけですけれども、知事はことしの六月、第二回定例議会、このとき私、代表質問やらせていただいたんですが、そのときに、築地再開発については、仲卸業者の要望等を踏まえながら検討するというふうに答弁をされているんですね。
 しかしながら、仲卸業者の要望を一体どこで聞くのか、どう聞くつもりなのかということについては明らかにされていません。全て更地にしてしまうのではなく、やはり仲卸業者の要望を聞き取って、要望に応えるべきなのではないでしょうか。ご答弁ください。

○渡辺施設担当部長 旧築地市場の跡地につきましては、環状第二号線及び東京二〇二〇大会の車両基地整備が行われることとなっておりまして、車両基地で活用する勝どき門駐車場や厚生会館等を除き、速やかに解体してまいります。

○あぜ上委員 全てを解体する前に、やはり仲卸業者を初め、市場関係者の声も聞いて、知事の都民と、そして業者への約束を最後まで守るように、私はすべきだというふうに思います。
 また、国際記念物遺跡会議、ICOMOSの日本国内委員会は、世界遺産候補として、日本の二十世紀遺産を選びましたが、その一つに築地市場を選定しました。
 築地市場は、二十世紀に起きた、世界史上で被害が非常に大きかった関東大震災からの復興を象徴する建物ということで、日本と世界にとって、都市計画上非常に重要な構造物であるとして選定されたわけですが、選定された近代建築物の多くは、将来に向けて保存が約束されているところであります。
 だから日本ICOMOSの国内委員会の後藤治ワーキンググループ長、工学院大学の理事長さんは、建物を解体して更地にして再開発をすることは、歴史的な価値は消え、リスクのある選択肢になるんだとおっしゃっていました。さらに、築地再開発検討会議、この中でも築地市場のアーチの建物について、歴史的価値のある建物であって残すべきだと、こういった意見も出されておりました。
 築地市場のアーチの建物の歴史的な価値、そしてそれを壊さずに大事にしながら後世に引き継ぐと。この重要性を市場当局はどう認識されているんでしょうか。

○渡辺施設担当部長 建物を歴史的、文化的な観点から捉えるということは一つの見解でございます。市場当局においても、当時の竣工図書などが現存しておりまして、今後も引き続き貴重な資料として保存していくこととしております。
 繰り返しになりますが、旧築地市場の跡地は、環状第二号線及び東京二〇二〇大会の車両基地整備が行われることとなっており、建物は速やかに解体してまいります。

○あぜ上委員 資料として竣工図書を保存するというご答弁なんですけれども、先ほどご紹介しました後藤治、工学院大学の理事長さんは、跡地を更地にして、歴史的な価値を消して、全く違う施設をつくれば、まさに世の中の笑い物になってしまうと。築地市場の骨格の構造を残せば、世界遺産に登録される可能性は十分あると思うとおっしゃっていました。
 また、私たち都議団は、東京電機大学の今川憲英名誉教授にもお話を伺ってきたんですが、貴重な建築技術と文化の歴史ある築地市場の解体工事はすぐにやめるべきであると。築地市場の基本構造を残してリニューアルすれば、築地の歴史と文化を再生することができると、できますとおっしゃっていました。本当にそのとおりだというふうに私思います。
 私たちは解体工事に反対してきましたけれども、解体は既に着工されていると。しかし、このアーチの骨格構造を残すことはまだ間に合うわけです。ましてやオリンピック・パラリンピックで歴史的な建造物を壊して更地にしてしまうなどというやり方は、レガシーを重んじるとしています東京二〇二〇大会に私は相反する行為だと思います。
 オリ・パラ局とも、工程について詳細な調整をされているんですから、こうした意見が出ていることも、ぜひ、知らせて話し合うべきじゃないんでしょうか。そう思いますけれども、その点、どうですか。

○渡辺施設担当部長 旧築地市場の跡地は、環状第二号線及び東京二〇二〇大会の車両基地整備が行われることとなっており、建物については速やかに解体してまいります。

○あぜ上委員 専門家からも、そして築地再開発検討会議の中でもそういう意見が出ているのに、非常にかたくなな姿勢だなといわざるを得ないと思います。
 工場とか市場などの古い建物を壊さずに、古い構造物の骨格だけを生かして、新しい技術で魅力ある施設に再生していくことが世界的な、国際的な潮流だといわれています。歴史的建造物を壊してしまうのではなく、文化的な価値に配慮して残すことを強く求めるものであります。
 さて、築地市場の正面入り口に原爆マグロプレートがございます。これは、一九五四年のアメリカが南太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で、近くの海域でマグロ漁をしていた「第五福竜丸」が爆発で噴き上げられた死の灰を大量にかぶって、被爆して、マグロも大量に放射能汚染されたことを受けて、マグロの供養をということで十円募金が行われまして、全国の賛同者、とりわけ小学生、中学生からも多く支援がございまして、マグロ塚がつくられました。
 その塚を築地市場にという要望だったんですけれども、市場の移転や改修があるということで、都はプレート設置のみの許可をされて、二〇〇〇年の一月八日にプレートが正面に設置されました。マグロ塚の方は、今は「第五福竜丸」の展示前に設置されているということでありますが、今回解体工事に当たって、プレートは保存してほしいという要望が私どものところにも、この募金を集めた皆さんから声が寄せられました。
 子供たちの十円募金を初め、たくさんの方々の募金でつくられたこの原爆マグロプレート、この取り扱いについて、市場としてどうするのか伺います。

○猪口財政調整担当部長 旧築地市場正門詰所付近の塀に設置されておりましたマグロ塚をつくる会のプレートにつきましては、建物等の解体工事のための工事用仮囲いを設置することに伴いまして、通行人等からプレートが見えなくなってしまうため、以前と同じような場所の仮囲いの上に移設したところでございます。

○あぜ上委員 今は解体工事の仮囲いの上にプレートは設置されているということです。
 私も現場に行ってきまして、写真も撮ってきました。(パネルを示す)こういうプレートが市場の正面の入り口の仮囲いのところにあるんですけれども、私は今後が、これからが非常に心配です。やはり長期的な取り扱いについては、まだ決まっていないというふうに伺っているんですけれども、このプレートというのは、ここにも書いてあるんですけれども、平和を願い、ビキニ事件の実相を広めるための大切なものなんですね。
 やはり市場当局として、責任を持ってこのプレートは築地に保存して設置するように強く求めまして、私の質問を終わります。

○高倉委員 卸売市場法の改正についてお伺いをしたいと思います。
 市場を取り巻くさまざまな状況というのが大きく変貌を遂げてきているんだと思います。生産するサイドでも、また消費するサイドでも、本当に激しい環境の変化というものがあるんだというふうに思います。
 それを踏まえて、これまでも卸売市場法の改正が行われてきたということであると思います。
 そこで、まず、今の卸売市場法、昭和四十六年に施行されたということになっていると思いますが、今日まで何回ぐらい改正をされてきているのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○長嶺事業部長 卸売市場法は、今、ご指摘ありましたように、昭和四十六年に制定されて以来、最近の大きな改正としては、平成十一年及び十六年、それぞれ施行は翌年になりますけど、この二回、取引規制の緩和等が行われているところでございます。
 今回の改正はそれ以来、十四年ぶりとなりますけれども、過去に例のない大幅な改正となっております。

○高倉委員 ことしの法改正というのが、今、答弁ありましたように、十四年ぶりの大幅な改正ということで、極めて市場の今後にとっても重要な改正に当たるというふうに思います。
 過去の改正の際にも、それを踏まえて、都の条例改正といったものが行われてきているわけでありまして、これも大変重要な改正を行ってきているということであると思います。
 先ほど、ひぐち理事のご質問の中でもご答弁がありました。今後、法改正を踏まえて条例の改正を行っていくといったご答弁があったというふうに思っております。
 その答弁の中で、今後、取引のルールの検討、あるいはこれからどうやって活性化を図っていくのかという、そういう方向性の整理といったようなこともお話があったんじゃないかなというふうに思います。
 これから、もちろんの市場の当事者としての皆さんなりのお考え方、それから、当然ながら関係者のさまざまなご意見、ご要望といったことを踏まえながら、法改正を踏まえての条例の改正といったことを進めていくんだというふうに思いますけれども、今、私もいって、先ほども答弁があったと思いますけれども、取引ルールの検討、あるいは今後の活性化の方向性の整理といったことについて、現時点で、東京都の中央卸売市場としてはどういった課題が今あるというふうにご認識をされているのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。

○長嶺事業部長 条例改正に当たりましては、東京の卸売市場の現状、それから、市場を取り巻く流通環境の変化、さまざまなもの、また多様なものがございますけれども、これらを的確に把握をしていくことがまずは重要だというふうに考えてございます。実需者、消費者の多様化するニーズに応え、都民に生鮮食料品等を安定的に供給するという卸売市場の役割、これを今後ともしっかり果たしていけるように検討を進める必要がございます。
 取引の実態や卸、仲卸を初めとする取引参加者の意見を幅広く、また丁寧に聴取し、制度設計に向けて取り組んでまいります。

○高倉委員 この改正法につきましては、公布の日から二年を超えない範囲で施行していくというふうになっていたと思います。条例改正も、そういった意味では、それほど長い検討期間があるわけではないというふうに思っております。これからぜひ、精力的にその作業を進めていただくと同時に、当然ながら、私どもいろんな状況をお聞きしながら、私どもなりの審議もしていかなければならないと思っておりますので、適宜、途中経過についてもご報告をいただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、東日本大震災の被災地の支援のことについてお伺いをしておきたいと思います。
 私ども都議会公明党は、この東日本大震災の発災以来、福島、宮城、岩手、それぞれの支援チームをつくりまして、繰り返し繰り返し現地を訪れて、生の声をお聞きしてきたわけであります。
 私は、ずっと福島のチームということで、もう何度も福島を訪れて、特に福島というところは、水産業でありますとか、あるいは農業、もちろん観光などもそうなんですけれども、そういったものが基幹的な産業でありまして、福島だけは、ほかの二県とまた違って、原発事故、原子力災害が起こったということがあって、特にそういう水産業でありますとか、あるいは農業に甚大な被害があったわけであります。
 私どもが現地を訪れて、繰り返しいろんなお話を聞いたり、あるいは農地の除染作業の現場等も、この目で見させていただいたりしたわけでありますけれども、やはり生産地として、大消費地を抱える東京、首都圏というんでしょうか、東京。その東京の卸売市場に対する期待というのはとても大きかったんですね。大きかったというか、大きいものがずっとあったわけであります。
 そこで、市場当局としても、今日までさまざまな形で日常の業務とともに、被災地の支援につながるようなことを頑張ってこられたということは、ここで改めて感謝を申し上げたいというふうに思っておりますけれども、その中で例えば、青果物について、特にこの震災の発生以来、取扱量の推移といったものがどうなっているのか、このことについてご説明をいただきたいと思います。

○長嶺事業部長 福島、宮城、岩手の三県を産地とする青果物の中央卸売市場における取扱数量でございますが、東日本大震災の発生以降、緩やかな減少傾向でございます。青果物の取扱数量全体に占める割合で見ると、平成二十三年度に減少した後は、ほぼ同じ比率で推移してございます。

○高倉委員 今、ご答弁にもありましたけれども、三県のお話だったというふうに思いますが、緩やかな減少というお話もありました。また、そして、震災の翌年が大きく減少してはいるものの、その後はずっと大きな変動なく推移してきているというようなご説明でありました。
 したがって、直接的あるいは間接的を問わず、市場当局が今日まで被災地の支援を一生懸命行ってきたといったことも、それなりにそこに対して大きく寄与するところもあったんではないかというふうに思っております。
 私どもも現地でいろんな声をお聞きしながら、その都度さまざまなご提案を申し上げてきたわけでありますけれども、今日まで市場当局として行ってきた被災地支援の取り組みについて、その主なものをご紹介いただければと思います。

○長嶺事業部長 都は震災直後、被災した出荷者に対しまして、流通支援金を交付するなどの出荷支援を実施いたしました。平成二十四年度からは、青果、水産の市場業者や都内の消費者団体等を対象といたしました被災産地支援研修会を福島県で開催するとともに、都内各市場の市場まつりに福島県産品のPRを行うブースを設置し、風評被害の払拭や消費の拡大に努めてまいりました。
 研修会につきましては、被災産地における取り組みを現地で実際に見聞きすることにより、参加した方々から産地の安全・安心の確保に向けた取り組みを評価する声をいただきました。
 またPRブースでは、福島県産品を紹介するパネルを展示し、ゲームコーナーでふくしま米をお土産にお持ち帰りいただくなど、毎年、大変好評いただいておりまして、県産品に対する理解の促進や不安の解消に一定の貢献ができたとものと考えております。

○高倉委員 いろんな形でしっかりと取り組みを進めてこられたということについては、改めて深く感謝を申し上げたいというふうに思います。
 きょうも、大半の質疑が市場移転のお話であったと思います。ここ最近は、本当に市場の移転のことが大きな課題であって、そこに皆さんが全力を傾注されてこられたということ、これはもう当然のことであると思いますけれども、いま一度、改めて、やはりあの東日本大震災の発生から八年がたとうとしている中で、ずっといわれてきていますけれども、震災の記憶が薄れてきているとか、あるいは被災地では、依然として風評被害といったものが存在しているわけであります。東京に出荷されてくるさまざまな生産物についても、やはりそういった心配が依然として残っているんではないかなというふうに思います。
 したがって、これまでの取り組みも踏まえながら、ぜひ、被災地の現実の要望を改めてお聞きになりながら必要な対応というのをとっていただきたいと思いますけれども、この点についてのご見解をお伺いしたいと思います。

○長嶺事業部長 都は東日本大震災の発生以降、風評被害を解消し、被災産地から市場への安定的な出荷の回復を目的として、市場業者と連携しながら、研修会やイベントなどを通じて被災産地を支援してまいりました。
 一方、震災から八年近くが経過し、被災産地の復興も進んできた中で、今後はこれまでと同様の支援を継続するというだけでなく、産地の状況の変化や出荷者の要望に沿った支援とは、どういうものかといった視点で検討を行うことが必要であると考えております。
 市場まつりなどを通じた産品のPRについては継続するとともに、まずは被災産地の出荷者と意見交換を行うなど、要望の把握に努めてまいります。

○高倉委員 最後に、これに関連しますけれども、と場における牛の放射性物質対策についてお伺いしておきたいと思います。
 東日本大震災の後、芝浦のと場において、放射性セシウムが検出されたということがあって、その後、具体的な対応がとられてきているというふうに思っております。
 そうした経過について、どうであったのかについて、ご答弁をいただきたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十三年七月に芝浦と場でと畜した牛から、当時の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されました。これを受けまして、同年九月には、食肉市場の卸売会社が、出荷者の皆様の負担で、全頭検査を開始したところでございます。
 東京都といたしましては、都民の食の安全・安心の確保、被災地を含む産地の出荷支援等を目的といたしまして、中央卸売市場、福祉保健局、そして卸売会社の三者による検査体制を整えまして、平成二十三年十二月から全頭検査を開始し、現在も継続して実施しているところでございます。
 なお、法に基づく放射性物質の基準値を超える値が検出された事例は、平成二十四年十月に一件あったのみでございます。

○高倉委員 現在も検査が継続をしていると。そういう中で、平成二十四年に一件あったのみ、今日までずっとないという状況が来ていると思います。
 そうした中で、この全頭検査について、今後の見通し等について、どういう見解を市場当局としてお持ちになっているか、このことについてお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘のございました検査の必要性の判断でございますけれども、判断に当たりましては、まず、原子力災害対策本部によります岩手県、宮城県、福島県及び栃木県の四県に対する出荷制限の今後の動向を見きわめることが必要であると考えてございます。
 東京都といたしましては、これに加えまして、消費者である都民の皆様の声や市場関係業界からの要望等を考慮の上、対応したいと考えているところでございます。

○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十三分散会

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