委員長 | 中山ひろゆき君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
理事 | ひぐちたかあき君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
うすい浩一君 | |
柴崎 幹男君 | |
あかねがくぼかよ子君 | |
白戸 太朗君 | |
高倉 良生君 | |
森澤 恭子君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 一名
出席説明員港湾局 | 局長 | 斎藤 真人君 |
技監 | 小野 恭一君 | |
総務部長 | 梅村 拓洋君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 相田 佳子君 | |
調整担当部長 | 米今 俊信君 | |
港湾経営部長 | 蔵居 淳君 | |
港湾振興担当部長 | 戸谷 泰之君 | |
臨海開発部長 | 中村 昌明君 | |
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 | 山岡 達也君 | |
臨海副都心まちづくり推進担当部長 | 矢部 信栄君 | |
港湾整備部長 | 原 浩君 | |
計画調整担当部長 | 竹村 淳一君 | |
離島港湾部長 | 小林 英樹君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 松本 達也君 |
本日の会議に付した事件
港湾局関係
事務事業について(質疑)
○中山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議の日程のとおり、港湾局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより港湾局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○梅村総務部長 十月二十三日開催の当委員会で要求のございました資料をご説明申し上げます。
要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして目次に記載のとおり、四項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。臨海副都心関連予算・決算の推移でございます。
臨海副都心関連の整備費等に係る費用につきまして、臨海副都心整備に係るものをAの欄に、関連事業に係るものをBの欄に区分して記載し、昭和六十三年度から平成二十八年度までは決算額を、二十九年度、三十年度の二カ年は予算額をそれぞれ億円単位で記載しております。
二ページをお開き願います。臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
臨海副都心開発の基盤整備にかかわる企業債を、転貸債、建設元利金債の二つに区分し、平成元年度から三十六年度までの発行額及び償還額等を百万円単位で記載してございます。なお、平成二十八年度までは決算額、二十九年度は決算見込み額、三十年度は予算額、三十一年度以降は計画額を記載してございます。
三ページをお開き願います。臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
有償処分予定地を開発確定面積と今後開発予定面積の二つに分けてございます。そのうち、開発確定面積を処分済み及び処分手続中に区分し、また、今後開発予定面積を公募中及び今後処分予定に区分しております。そのそれぞれの項目について、昨年度末時点の面積をヘクタール単位で記載してございます。
四ページをお開き願います。建設発生土・しゅんせつ土の埋立処分計画と実績でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの五年間における計画土量及び実績土量を万立方メートル単位で記載しております。
以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○森澤委員 東京ベイエリアビジョンを中心に、臨海副都心の今後についてお伺いをいたします。
東京二〇二〇大会後を見据え、東京、ひいては日本の今後の成長を牽引するベイエリアの将来像を描くため、七月に東京ベイエリアビジョン(仮称)を策定するということが発表されました。
基本コンセプトには、ライフ、ビジネス、エンターテインメントが融合した世界でも最先端のまちづくり、東京二〇二〇大会を起点とした成長戦略を策定し新たな産業や投資を呼び込む、人々が集い交流し人生が豊かになる場所として発展させると挙げられていて、既に一回目の庁内検討会や民間の若手を中心とした官民連携ワーキンググループなどがスタートしています。
二〇一二年のロンドン大会でのレガシーの好事例として挙げられるイーストロンドンの都市再生。ロンドンの東部地区は、移民が多く、所得層が低い貧しい地域だったということですが、オリンピック・パラリンピックを機にソーシャルインクルージョンを実践すると掲げ、開発。オリンピックやパラリンピックのメーン会場の地域の再生を初め、テクノロジーやデジタル、クリエーティブな人たちが集うテックシティーや、ウオーターフロントであるカナリーワーフではフィンテック企業も盛り上がっているということです。
翻って、東京二〇二〇大会における東京においては、レガシーとして、臨海副都心、ベイエリアがそのような発展を遂げる大きなポテンシャルを持っているといえます。激化する都市間競争の中で、東京の都市としての競争力を向上させ、東京、ひいては日本を牽引する稼ぐ東京としての可能性も大いに秘めていて、今後の東京の成長戦略を考える上で大事なエリアです。
十月に森記念財団が発表した世界の都市総合力ランキングでは、ロンドン、ニューヨークに次ぎ、東京は三位で、二〇二〇年に向け、文化、交流分野でのスコア上昇が東京のランクアップの鍵と指摘され、文化、スポーツ、エンターテインメントの強化が欠かせません。
臨海副都心はそういった場を整備できるポテンシャルの高い土地でもあります。現在、東京都が推進しているナイトライフ観光強化のポテンシャルもあると考えます。
国内外から多くの人、物、お金、情報を引きつけ成長していくという意味では、文化性とともに集客性も期待されるところです。また、研究施設が集まっており、広い土地や道があることで、先進技術のショーケース、実証実験都市の側面も持ちます。行政と民間が連携して、日本の新しいモデルをつくっていく上での拠点ともなるわけです。
最終的には、策定された東京ベイエリアビジョンに魅力を感じ、外資を初め多くの民間企業が投資してくれるという流れになると思うので、どのようなビジョンが策定されるかというのは非常に重要です。
以上のような観点から質問をいたします。
環境先進都市のモデルケース晴海、スポーツとイベントでにぎわうまち有明、アーバン・ウオーターフロント台場、リゾート・アンド・イノベーション青海など、東京ベイエリアビジョン策定においては、それぞれの特徴あるエリアの相乗効果を狙うべきと考えますが、どのように捉えているのか、見解を伺います。
○中村臨海開発部長 これまで都は、臨海副都心や晴海、豊洲地区など、都主導で開発を進め、これらの地区は東京の中でも存在感を発揮しているものと考えております。
今回策定する東京ベイエリアビジョンにおいては、ベイエリア全体を俯瞰し、これまでの個別計画の枠を超えた総合的なビジョンを策定し、二〇二〇年以降の成長モデルを国内外に示すものです。
ビジョン策定に当たっては、これまでの各地区の強み、特徴をさらに伸長させることや、各地区の連携、機能補完による相乗効果についても検討していくこととしております。
○森澤委員 二〇二〇年以降の成長モデルを国内外に示すべく、それぞれのエリアの強みや特徴を伸ばしていただき、回遊性も含め、最大限の相乗効果が発揮されるよう策定いただきたいと思います。
有明エリアでは、サウンディング調査が行われました。これまで港湾局において海上公園についてのサウンディング調査は行われていましたが、これだけの規模のまちづくりにおいては都としても初めての試みで、評価されるべき取り組みです。
そこで、有明レガシーエリアのまちづくりにおけるサウンディング調査の目的は何か、この調査によりどのような効果を期待しているのか伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 有明レガシーエリアにつきましては、二〇二〇大会の競技会場となる有明アリーナの整備を契機に、点ではなく面でのまちづくりを進め、まちの付加価値を高めていくという発想が根底にございます。
スポーツという新たなコンセプトを本エリアのまちづくりに最大限生かすためには、その過程の中で民間事業者の発想や知見を取り入れ、活用することが不可欠と考えております。
土地処分に係る事業者公募を行う前に、サウンディング調査、つまり、民間事業者のヒアリングを幅広く実施することにより、公共だけでは考えつかないようなさまざまなアイデア、意見を得ることができるほか、事業者の進出しやすい開発手法や誘導すべき機能について、効果的に検討を進めることができると考えております。
○森澤委員 事前に行政だけでは考えつかないようなアイデア、意見を得て、事業者がよりよいまちづくりを行えるような素地をつくるという意味では、とても有効な取り組みだと考えます。サウンディング調査をしたからこそ、これまでとは違うまちづくり、よい先進事例となることを期待いたします。
そのサウンディング調査が行われた有明北地区では、レガシーを生かしたスポーツとイベントでにぎわうまちとして開発を進めています。有明アリーナでは、パラリンピックの車椅子バスケットボールが実施されます。サウンディング調査での事業提案にも、パラスポーツ体験施設や、住宅では有料老人ホーム、サ高住などの提案もありました。
現時点でも車椅子で利用できるホテルの不足などの指摘もある中、例えば、将来的には、このエリアが障害者スポーツの世界大会が頻繁に開催されるような聖地ともなり得るよう、バリアフリーの宿泊施設などを含め、徹底したバリアフリー環境の整備を行うなど、エッジをきかせていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 臨海副都心は、開発当初からバリアフリーのまちづくりを進めてきており、有明レガシーエリアにつきましても、今後、事業者公募をしていく際には、障害者や高齢者だけでなく、誰もが快適に利用できるユニバーサルデザインに配慮した施設計画とするよう、事業者を誘導してまいります。
また、現在、エリア全体の回遊性を高めるための歩行者ネットワークについて検討しているところであり、バリアフリーに対応した歩行者空間を目指してまいります。
○森澤委員 今後、事業者公募の際には、ユニバーサルデザインに配慮した施設計画とするよう事業者を誘導するということ、回遊性を高めるために歩行者ネットワークについて検討されていて、バリアフリーに対応した歩行者空間を目指していくというご答弁をいただきました。
ただ、スポーツとイベントでにぎわうということだけではなく、バリアフリー、ユニバーサルデザインという特徴を掛け合わせるということで、さらにこのエリアにさらなる強みを与え、二〇二〇年大会後のレガシーとしていただきたいと考えます。
さて、東京ベイエリアビジョンは個別計画の枠を超えた総合的なビジョンということですが、この有明レガシーエリアのまちづくりに向けたサウンディング調査等などを含め、既に進んでいる個別計画とはどのように連動していくのかを伺います。
○中村臨海開発部長 有明北地区については、スポーツやイベントでにぎわうまちを基本コンセプトとして、開発に向けた準備を進めており、その一つとして、サウンディング調査を実施いたしました。
有明レガシーエリアなどビジョン策定より先行して動き出している個別の計画についても、ベイエリア全体を俯瞰し、機能補完や相乗効果を念頭に置きながら検討を進めていくことにより、ビジョンに収れんしてまいります。
○森澤委員 個別の計画とビジョンの関係性がわかりました。ありがとうございます。
先ほど言及しました世界の都市総合力ランキングでも、毎年、ハイクラスホテルの客室数の不足が、東京都と他都市との競争力の差が開く要因の一つとして指摘されていますが、臨海副都心でも圧倒的にホテル等が不足していると認識しています。
先日、テレコムセンターエリアに東京都が開設したTGG、TOKYO GLOBAL GATEWAY、いわゆる英語村を視察した際も、宿泊を伴う研修プログラムがあるとお聞きしましたが、周辺に宿泊施設がなく、少し離れた宿泊施設を案内されているということでした。
また、東京ビッグサイトでの大規模展示会の際も、このエリアで予約がとれずに、新橋の方で宿泊をされている方もいると伺いました。
今後のニーズの増大も捉え、臨海副都心にホテル等をしっかり整備していくべきと考えますが、見解を伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 近年、国内外の宿泊需要の拡大を背景に、都内のホテルの建設計画が増加している状況にございます。臨海副都心におきましても、東京ビッグサイトでのビジネス客や台場地区などを訪れる観光客等の利用客が多いため、ホテルの客室稼働率は非常に高い状況です。
こうした需要に応え、先月初めには、有明地区に新たに観光やMICEに対応できるホテルが開業いたしました。
青海地区におきましては、テレコムセンター駅前の未処分地において、現在、宿泊施設などを想定した公募を実施しているところでございます。
○森澤委員 先月初めにホテルがオープンし、また、テレコムセンター駅前の未処分地が宿泊施設などを想定した公募を実施しているということでした。ぜひ、ニーズを踏まえて、さらに整備を進めていただきたいと思います。
九月に行われた大手町-六本木を結んでの自動運転タクシーによる公道での営業の実証実験がありました。私も試乗させていただきました。海外の通信社でも報じられると、海外からも乗りたいという問い合わせが多かったというふうに聞いています。これは最先端技術が世界を引きつける好事例だと考えます。そして、こちらの会社は、今回の実証実験に至るまで、青海地区で実験を重ねてきたと聞いております。
さきの定例会の我が会派の代表質問において、先進的な開発を行う研究機関や先進技術を展示するショールームと東京二〇二〇大会のスポンサーパビリオンとを連動して、一体感のある展示を行うミニ万博とすべきとも質問していますが、臨海副都心は実証実験を行うフィールドとしてさらに整備を推進していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心は、国においても、自動運転の実証実験のエリアとして重視されており、これまで幾度となくテスト走行が行われてきました。
先月には、都においても、臨海副都心の夢の大橋において、一般の方を対象とした自動運転の試乗会も開催されたところでございます。
このエリアには、国や都の産業技術に関連する研究開発機関などが集積しており、先端技術を開発する場としても発展してきましたが、今後はこの強みをさらに伸長させ、先端技術の開発においても海外から注目され、先進的な実証モデルとしてのエリアとなるよう検討してまいりたいと思います。
○森澤委員 ありがとうございます。ぜひ、先進的な実証モデルの地域として、海外から注目が集まるよう進めていただきたいと思います。
臨海副都心は、都心部に比べると居住エリアが少ない、区画が分かれているということで、新たな観光消費スポットの形成やナイトタイムエコノミーの創出、最新技術掛けるエンターテインメントなどの可能性を大いに秘めており、そういった観点からも整備を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 これまで都は、臨海副都心において、職、住、学、遊のバランスのとれたまちづくりを進め、計画的に居住ゾーンを配置してきただけでなく、観光、交流のまちづくりも推進し、今では日本有数の観光地にまで成長させてきました。
今後のまちづくりを検討するための民間事業者との意見交換におきましても、このエリアの強みはエンターテインメントという意見が多くございます。また、この夏にはチームラボによるデジタルアートミュージアムが開業し、最先端の技術を駆使した体験型のアートを国内外から多くのお客様が楽しんでおります。
最新技術の活用やエンターテインメントによるナイトタイムエコノミーの創出は、臨海副都心の魅力の核とするには十分な可能性を持っていることから、今後、検討を深めてまいります。
○森澤委員 最新技術の活用やエンターテインメントによるナイトタイムエコノミーの創出が臨海副都心の魅力の核とするに十分な可能性を持っていると認識され、今後、検討を深めていくとのご答弁をいただきました。
デジタルアートミュージアムの来館者も、聞くところによりますと、海外の方が三割を超えているというふうに聞いています。世界から人を引きつける魅力の核を期待いたします。
さて、臨海副都心は、一つの街区が多いように感じます。隣の建物に移るのにも一苦労で、かなり歩くように認識をしています。今後、計画をヒューマンスケールに見直していくべきだと考えておりますが、現在の整備段階や時代のニーズの変化に合わせ、土地利用や街区分けについても柔軟に見直すことも視野にすべきと考えますが、見解を伺います。
○中村臨海開発部長 臨海副都心は、未来型都市を目指し、高規格なシンボルプロムナード公園をまちの骨格に据えながら、土地利用に応じた街区を配置してまいりました。
これまでも区画の分割や統合を柔軟に行ってきましたが、近年は、開発を進める中で街区が大き過ぎるとの民間事業者の声をいただくこともございます。
そのため、今後、幅広く検討をしてまいります。
○森澤委員 街区のあり方については、今後、幅広く検討していくとのご答弁をいただきました。よろしくお願いいたします。
最後の質問です。都心や羽田空港との交通アクセス、臨海副都心の強化も必要であると考えますが、エリア内の交通アクセスをどうするかというのも整備が急務であると考えます。タクシーもつかまえるのが難しければ、無料巡回バスの乗降場などもどこにあるのかわかりにくいというような現状もあります。
エリア内の交通アクセスの改善についてどう考えているのか、見解を伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 臨海副都心は、高規格なまちづくりを進めてきた一方で、広大で域内の移動が不便という声も聞いております。
現在、このエリアの事業者で構成するまちづくり協議会において、エリア内の商業施設をめぐる無料巡回バスを運行しておりますが、この無料巡回バスにつきまして、都は、運行情報の多言語化の導入を支援し、外国人旅行者も含めた多くの来訪者に利用していただけるよう改善を図ったところでございます。
また、大会後に臨海副都心と都心との間で運行が計画されているBRTにつきましても、エリア内の移動に活用できるよう、関係機関との調整を進めてまいります。
これらを踏まえ、快適なまちづくりを進めていく上で必要となる域内交通のあり方についても検討してまいります。
○森澤委員 すぐにできることとして、巡回バスの本数や時間帯を含めた利便性の向上や乗り場をわかりやすくすること、BRTによるエリア内移動の調整も進めていただき、より回遊性を高めるような域内交通の検討をよろしくお願いいたします。
今後、みんながわくわくするような東京ベイエリアビジョンが策定され、実行され、臨海副都心が多くの人や企業を引きつける磁力のあるエリアとなり、交流が生まれ、活気ある東京の中心の一つとなること、将来的には、ロンドン大会のイーストロンドンのように、東京二〇二〇大会のレガシーとして臨海副都心が語られ、世界中の人たちが参考に視察に訪れるようなまちづくりがなされることを大いに期待しております。
さらには、東京ベイエリアビジョンの策定と実行に当たっては、都市整備局や政策企画局など関係する局との連携を強固にして、東京、ひいては日本をリードするまちづくりに邁進されていくことを期待し、私も引き続き進捗を注視させていただくことを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございます。
○うすい委員 よろしくお願いします。
東京二〇二〇大会の主要な会場ともなります臨海地域のまちづくりについて伺いたいと思います。
大会開催まで二年を切りました。競技会場の整備が進んできておりますが、大変重要なこととして、当然、大会を成功させていくことが大前提でありますけれども、その上で、大会を成功させた後の東京二〇二〇大会のレガシーを生かしていくまちづくりを、今から考えていくことも大変に重要と思うわけでございます。
大会ビジョンの基本コンセプトの一つに多様性と調和が掲げられておりますが、この精神を大会後も引き続き多様性を認め合う、人に優しいまちとしていくこともレガシーになると考えております。
きょうは、こうした観点から、港湾局の取り組みを確認させていただき、質問を何点かさせていただきたいと思います。
臨海副都心は多くの競技会場が立地をし、大会時には、このまちの主要アクセスであるりんかい線を利用して、多くの観光客が来訪しているところであります。
その入り口である駅前広場については、こうしたお客様を快適に受け入れるための環境整備が必要と考えるわけでございますが、まず、その取り組み状況について答弁を求めます。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 りんかい線の東京テレポート駅と国際展示場駅につきましては、大会時に競技会場へのアクセスの拠点として多数の観客が来訪することはもとより、大会後の快適なまちづくりも見据えまして、駅前広場の再整備に着手をいたしました。
具体的には、利用者の利便性と安全性を考慮し、バスの動線とタクシーや一般車との動線を分離した配置にするとともに、バスやタクシーの待機エリアを確保し、将来需要も見据えて、バス乗り場の増設が可能な構造等に再整備するものでございます。
また、近年の夏の酷暑を考慮した暑さ対策にも取り組んでおり、大会までに日よけ、雨よけ施設を設置するとともに、歩道部には、水分の蒸発により路面温度を低下させる保水性ブロックを使用するなど、利用者にとって快適な空間を整備してまいります。
○うすい委員 快適な環境整備は急務であることから、特に多数の来訪者が利用する駅前広場については、着実に取り組みが進められていることを理解させていただきました。
ただいまの答弁で、駅前広場の歩道部における保水性舗装の取り組みについて話があったわけでございますが、暑さ対策に関連してもう一つ伺いたいと思います。
マラソンコースの暑さ対策として、遮熱性舗装が導入されたという報道がありました。臨海副都心には、台場地区などトライアスロンのコースとして選手が走る道路があると思いますが、どのような暑さ対策を講じているのか、答弁を求めます。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 台場地区周辺の道路につきましては、トライアスロンの競技会場となるランコースを中心に遮熱性舗装への改良を進めております。
また、観戦者が集まる沿道につきましても、街路樹を計画的に剪定するなど、緑陰確保に取り組んでまいります。
○うすい委員 報道によれば、遮熱性舗装の道路を走ったランナーの感想として、通常の道路と比べると体感温度が低かったということでありますが、実際の路面温度の抑制効果は、現実にはどの程度あるのか、また、大会後の取り組みとしてはどうしていくのか、答弁をいただきたいと思います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 遮熱性舗装を施工した道路におきまして、本年八月、路面温度の計測を実施いたしました。
その一例を申し上げますと、最高気温が三十二度に達した日の路面温度について比較したところ、十四時時点で、通常舗装では五十一度となったのに対し、遮熱性舗装では四十三度となり、八度程度の温度抑制効果を確認しております。
遮熱性舗装につきましては、ヒートアイランド対策や快適なまちづくりに向けて、今後とも他の路線への導入を検討してまいります。
○うすい委員 大会に向けての対応が、その後の快適なまちづくりにつながることを期待したいと思います。
次に、バリアフリー化の取り組みについて伺います。
私は、以前から、ユニバーサルデザインのまちづくりを進める大切さを主張させていただいておりますけれども、東京大会は、まさにそのまちづくりを大きく促進させる絶好の機会と考えております。
そこで、臨海副都心におけるバリアフリーの取り組みについて答弁を求めます。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 東京大会の主要会場となる臨海副都心は、当初より開発の基本方針として、バリアフリーのまちづくりを推進してまいりました。
一方で、まち開きから二十年が経過し、現在の基準を満たさなくなった箇所や老朽化した箇所もあり、改修工事に着手をしております。
例えば、点字ブロックの更新を初め、新交通「ゆりかもめ」と歩道との接続部の段差解消など、これらを実施しているところでございます。
また、競技会場となる海上公園におきましては、園路のバリアフリー化とともに、トイレの洋式化や誰でもトイレの設置などを大会までに完了いたします。
さらに、先ほどのりんかい線の駅前広場につきましても、バリアフリーに配慮し、福祉車両スペースの設置や段差の解消を行ってまいります。
○うすい委員 今、答弁いただきまして、大会だけではなく、大会後も見据えて幅広い取り組みを行っていることを確認させていただきました。
次に、大会後の臨海地域の発展につながる取り組みについて伺いたいと思います。
平成二十三年に発生した東日本大震災におきまして、公共交通機関が麻痺をし、運休や減便が発生したことにより、通勤の足としての自転車が再評価されるとともに、災害発生時の帰宅困難者のセーフティーネットになり得るものとして、改めてシェアサイクルが注目をされたところであります。
本年六月、大阪北部地震が発生した際も、シェアサイクルは帰宅困難者の足として非常に役立ったと聞いているところであります。
一方、近年では、インバウンドの増加に伴って、シェアサイクルは観光の面でも活用の広がりを見せており、手軽に観光スポットを周遊できるツールとして利用する旅行者がふえてきていると聞いております。
そこで、外国人旅行者に人気の臨海地域において、さらなるインバウンド促進の観点から、シェアサイクルの利便性を向上させるべきと考えますが、見解を伺います。
○中村臨海開発部長 近年は、外国人旅行者の増加に伴い自転車利用がふえてきており、広大な臨海地域においても、自転車は観光のための有効なツールであると考えております。
都はこれまで、自転車シェアリングの利便性向上を図るため、事業主体である地元区と連携して、区境を越えた相互利用の広域実験に取り組んでまいりました。
また、臨海副都心を初めとする臨海地域においては、都が管理する道路や公園の一部をサイクルポート用地として提供するなど、地元区に対して支援を行ってきております。
自転車シェアリングのさらなる利便性の向上のためには、サイクルポートを拡大していくことが重要であり、引き続き、用地の提供などを通じて積極的に支援をしてまいります。
○うすい委員 今、答弁いただきました。積極的に支援をよろしくお願いしたいと思います。
最近は、シェアサイクルの利用者がふえたため、使おうと思ったら、シェアサイクルが全て出払って、なかった、あるいは、逆にシェアサイクルをとめようとしたら、サイクルポートが満杯だったという話もお聞きをするわけでございます。ポートの拡大はシェアサイクルの利用拡大に欠かせないため、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
ただいまの答弁にあったように、臨海地域は非常に広大である一方、必ずしも交通利便性が十分とはいえないと思うわけでございます。そのような立地環境において、自転車は利便性の高い交通手段となり得るものであり、この広大な臨海地域を活性化する上でも、自転車を活用しない手はないと考えるわけでございます。
例えば、臨海地域の水辺景観を楽しんだり、水辺と親しむなどの水際の魅力を感じることのできる海上公園をより多くの方々に知っていただくためにも、自転車の活用は有効であると思います。
そこで、海上公園においても快適に自転車が利用できる取り組みを進めるべきと考えますが、答弁を求めます。
○中村臨海開発部長 都はこれまで、若洲海浜公園や新木場緑道公園など、必ずしも交通利便性が高くないエリアにある海上公園において、サイクリングルートの整備を進めてまいりました。
今後は、複数の海上公園や臨港道路が一体となってエリア内を自転車で円滑に利用できるようにするため、近接する夢の島緑道公園や辰巳の森緑道公園でサイクリングルートを整備してまいります。
これらの公園では、自転車を利用する方々が快適に移動できるよう、園路に舗装を施すほか、自転車利用者のための駐輪スペースや休憩スポットなどを整備し、公園内を自転車で楽しむことのできる空間づくりに取り組んでまいります。
○うすい委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
ヨーロッパの自転車先進国では、まちとして自転車が利用しやすい構造になっていると聞きます。臨海地域は物流拠点でありまして、トラックなどの重交通も多いことから、状況が必ずしも同じではないかもしれませんが、大会後の快適なまちづくりを見据えて、交通利便性の向上にぜひとも努めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
東京港の交通混雑対策について伺います。
東京港の外貿コンテナ取扱個数を調べてみますと、二十年連続で国内最多となっておりまして、昨年は四百五十万TEU、二十フィート、約六メートルコンテナに換算して四百五十万個を記録しました。二位の横浜港が二百六十二万TEUであることから、東京港のコンテナ取扱量がいかに多いかがわかるわけでございます。
また、輸出入額でも、財務省の発表によれば、東京港における昨年一年間の外国貿易額は約十七兆五千六百億円となっておりまして、国内の港湾では四年連続で一位とのことでありました。
東京港が、首都圏、ひいては東日本の産業と生活を支える重要な港であるということを、これらの数字から見ても改めて認識をするところでございます。
一方で、東京港では、ふ頭周辺でコンテナ車両による交通混雑が発生しておりまして、長年の課題となっています。
東京港が持つ物流のかなめとしての機能を今後もしっかりと発揮させ、それを続けていくためには、この交通混雑の解決が不可欠でございます。
そこで、まず、東京港における交通混雑の現状とその要因について答弁を求めます。
○蔵居港湾経営部長 東京港では、コンテナ車両による交通混雑が慢性的に発生しておりますが、季節や時間帯によって状況は異なっております。
昨年十二月に実施した調査では、東京港のコンテナふ頭全体で平均しますと、約六百メートルの渋滞が発生していることが確認されました。
交通混雑が発生する主な要因でありますけれども、東京港におけるコンテナ貨物取扱量がほぼ一貫して増加してきており、その結果、コンテナターミナルの施設能力を大きく上回る量のコンテナ貨物を取り扱う状態が続いていることにあります。
また、東京港では、夕方の時間帯において特に混雑する傾向にあります。輸入貨物の多い東京港では、荷主が貨物の配送時間を午前中の時間帯に指定するといった慣習化された物流サイクルがあるため、遠方の荷主へ配送するトラック事業者が前日の夕方にコンテナターミナルへ集中しやすいことが、その主な要因になっていると認識しております。
○うすい委員 東京港で発生している交通混雑には二つの主な要因があるとのことでありますが、初めに、一点目の要因への対応について確認をさせていただきます。
交通混雑が発生している要因は、現状のコンテナ貨物取扱量に対して、コンテナターミナルの施設能力が大きく不足していることにあるとのことでありますが、この問題を解決するには、コンテナふ頭の抜本的な機能強化が必要不可欠であると考えています。
このため、都は、現在中央防波堤外側において新たなコンテナふ頭の整備を進めていると聞いているところであります。
そこで、中央防波堤外側コンテナふ頭の現在の整備状況について伺います。
○蔵居港湾経営部長 都は、東京港の抜本的な機能強化を図るため、中央防波堤外側地区に百二十万TEU分のコンテナ貨物処理能力を有する新たなコンテナふ頭の整備を進めております。
中央防波堤外側コンテナふ頭は、Y1、Y2、Y3の三バースから構成されており、このうちY1バースにつきましては、昨年十一月に供用を開始しました。
Y2バースにつきましては、岸壁等の整備は既に完了し、現在、コンテナヤードの整備を進めております。また、本年八月には借り受け者を公募により決定したところであり、平成三十一年度中の供用開始を予定しております。
Y3バースにつきましては、平成三十六年度中の完成を目指して取り組みを進めており、現在は環境影響評価を終え、岸壁の工事着手に向け、国と調整を図っているところでございます。
○うすい委員 今、答弁いただいたとおり、Y1バースは既に供用を開始し、Y2バースについても来年度中の供用開始を予定しているとのことでありました。
東京港の抜本的な機能強化に向けたハード整備は着実に進んでいると評価したいと思います。引き続き、しっかりと取り組みを進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、夕方の時間帯に最も交通混雑が激しくなるという課題への対応について伺います。
先ほどの答弁によれば、その主な要因として、荷主へ午前中に貨物を届けるよう指示されるトラック事業者が多く、そのため、前日の夕方にコンテナターミナルに集中することが挙げられるということでありました。
東京港では、日用品など生活関連物資の輸入が多いと伺っており、それらの輸入した商品を店頭に並べるまでの一連の流れを考えると、荷主が配送時間を午前中に指定するという物流の流れを変えることはなかなか困難であると思うわけでございます。
しかし、夕方におけるコンテナ車両の集中を緩和させることは交通混雑の解消に向けて必要不可欠であり、港湾関係事業者やトラック事業者等の協力も得ながら、ぜひともこれは取り組むべき課題であると考えますが、都の見解を伺います。
○蔵居港湾経営部長 都では、平成二十三年十二月から、全国の港湾で初の取り組みとなる早朝ゲートオープンを実施しています。
これは、港湾関係事業者の協力のもと、コンテナターミナルの開場時間を一時間早めることにより、トラック事業者が午前中に貨物を引き出し、そのまま荷主に届けることを可能にするというものであります。
平成二十三年から継続して早朝ゲートオープンを実施しているコンテナターミナルの実績を見ますと、夕方五時以降にコンテナターミナルに来場したトラックの数は、この間、約四〇%減少しており、夕方の交通混雑の緩和に大きく貢献しているものと認識しております。
また、昨年からは、ストックヤードと呼ばれる二十四時間利用可能な輸入貨物の一時保管場所をふ頭近くに設置する実証実験も開始しました。
これは、コンテナターミナルが比較的すいている時間帯に貨物を引き出し、一旦、ストックヤードに仮置きした後、ふ頭周辺の道路がすいている早朝等に貨物を引き出し、荷主のもとへ配送するというものでございます。
トラック事業者の意見を踏まえながら、運用ルールの見直し等も行った結果、ことし二月以降は九割を超える利用率が続いており、コンテナ車両の時間的な分散化に資する有効な取り組みであると認識しております。
今後とも、事業者と連携しつつ、こうした取り組みを積極的に推進し、交通混雑の緩和を図ってまいります。
○うすい委員 ありがとうございました。早朝ゲートオープンやストックヤードなど、夕方の混雑解消に向けて取り組んでいるその成果について確認をすることができました。
東京港の交通混雑の要因は、先ほどの質疑で確認をしたとおり、増加し続けているコンテナ貨物取扱量に対して、施設能力が決定的に不足していることにあるため、新たなコンテナふ頭の整備を行うことがまずは重要であります。
そういう中で、東京港の交通混雑は今まさに直面している課題であり、時間を要する施設整備の完了をただ待つだけではなく、道路上で待機しているコンテナ車両を減らすための今できる取り組みを進めることも重要であると考えます。
交通混雑は容易に解決できるものではないことは理解していますが、ぜひ引き続き努力を重ねてもらいたいことを要望させていただきます。
次の質問に移ります。
交通混雑解消のため、車両が集中する時間を分散化する取り組みとして、早朝ゲートオープンやストックヤードが成果を上げているということでございました。
視点を変えて考えてみますと、時間の分散化だけではなく、輸送手段を分散化、多様化していく、つまり、トラックのかわりに船や鉄道を使うモーダルシフトも、トラックを使用しないという点で交通混雑解消に資するものではないかと思うわけでございます。
貨物量の増加等によりドライバー不足が叫ばれる昨今、船や鉄道による輸送は、物流事業者からも非常に注目しているという声を聞いております。
また、モーダルシフトは環境に優しい取り組みであるといわれておりますので、環境対策としても意味があると考えられると思います。
東京港においても、国内の港をつなぐ船舶が出入りするとともに、大井コンテナターミナルの背後にはJRの貨物駅が所在をしていると聞いており、船や鉄道によるモーダルシフトになじむのではないかと考えられるわけでございます。
そこで、東京港においてはモーダルシフトをどのように捉えて取り組んでいるのか、答弁を求めます。
○戸谷港湾振興担当部長 船舶輸送につきましては、トラックが集中することによるゲート前混雑を緩和する効果があるとともに、船舶、鉄道、いずれもトラック数十台、数百台に相当する大量のコンテナを一度に輸送するということができるために、国内のコンテナ輸送において、近年深刻化するドライバー不足への対応としても有効でございます。
また、CO2の排出量につきましては、国の調査によると、同じ距離を輸送する場合に、船舶は営業用トラックの約六分の一、鉄道につきましては約十一分の一となっておりまして、環境面でも効果があると認識しております。
東京都は、モーダルシフト対策として、平成二十八年度より補助制度を拡充して対応しているところでございますが、船舶輸送につきましては、コンテナの輸送において、東京港と仙台港などの地方港との間ですとか、東京湾内の横浜港や千葉港などとの間において、船を利用した輸送を促しているところでございます。
また、鉄道輸送につきましては、東京港と近接するJRの東京貨物ターミナル駅を使用した地方への輸送を促しているところでございます。
○うすい委員 東京都が、混雑緩和や環境対策など、しっかりとした目的意識を持って、モーダルシフトの推進に取り組んでいるということを確認させていただきました。
トラックのみに依存することではなく、船舶や鉄道などへと輸送手段を多様化することは大きな意義を持つことでありますが、やはりこれは企業にとってコストは大きな課題でありまして、輸送の仕組みを変えるには決断が必要なことから、都の支援は重要であります。
そこで、これまでのモーダルシフトの取り組みでどのような効果があったのか、見解を伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 船舶により東京港と国内の他港との間で輸送されたコンテナ数につきましては、平成二十八年度が三十四万TEU、二十九年度は四十一万TEUとなっておりまして、おおむね二〇%増加しているところでございます。
これは、平成二十九年度の東京港のコンテナ取扱個数が前年度比六%増であるのに対しまして、今申し上げたように二〇%の増となっておりますことから、東京都の補助を活用して、トラックから船舶のシフトがより進んでいるということを示していると考えております。
また、鉄道輸送につきましては、直近の平成二十九年度の補助実績で八千五百個という実績がございまして、実入りのコンテナで比較しますと、前年度比三〇%増というふうになってございます。
数としては少ないですけれども、取扱量は増加傾向でありますことから、モーダルシフトとして一定の効果があったものというふうに考えてございます。
○うすい委員 東京港全体の取扱量からすれば限られた量ではありますが、四十一万TEU分のトラックを抑制できているということは効果があります。モーダルシフトが進んでいることは、東京港における混雑対策や環境の面から大変望ましいことであると思います。
一方で、モーダルシフトを進めるためには、貨物を取り扱う船会社はもちろん、実際の貨物の出し手、受け手である荷主や、現場で貨物を動かしている物流事業者の理解がなくては成り立ちません。
これまでの質疑で、モーダルシフトが混雑対策として有効なだけではなく、ドライバー不足への対応、環境対策など、さまざまな面で効果があるということが現実に理解できますし、裾野の広い重要な取り組みであることも確認されたところであります。
しかし、これをさらに推進していくためにも、関係者との意見交換を積極的に行い、モーダルシフトの意義の周知を図り、制度をよりよいものとしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 モーダルシフトを進めていくためには、物流にかかわる民間事業者みずからの検討や努力が不可欠でございます。そのため、東京都では、補助対象事業者であります船会社や鉄道事業者にヒアリングを実施いたしまして、制度の有効性や課題の把握に努めているところでございます。
加えて、荷主意見交換会の開催ですとか、荷主や物流関係事業者を訪問して意見交換を行うなど、広く関係者から意見を聞いているところでございます。
その中では、継続的に取り組める仕組みであるとの意見ですとか、補助によって船舶や鉄道での取り扱いがふえたとの意見がある一方で、トラックに比べて貨物が到着するまでに時間がかかるといった課題もあるために、容易にふやすことはできないとの意見もいただいているところでございます。
今後も関係者との意見交換を通じて、制度の周知や利用拡大を図るとともに、いただいた意見を施策に反映していくことによりまして、引き続き、モーダルシフトを推進してまいります。
○うすい委員 都がさまざまな観点から関係者と緊密に意見交換をし、有効な施策を実施しようとしていることがわかったところであります。
先に述べたように、モーダルシフトは幅広い効果がある意義ある取り組みでありますし、引き続き積極的に取り組んでいただき、新たな物流の形をつくり出すことをぜひお願いしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
ここまで交通混雑対策、また、モーダルシフトについて確認をさせていただきました。
東京港は、首都圏、ひいては東日本の産業と生活を支える重要な港であります。東京港が抱える課題は一つの施策で簡単に解決できるものでありませんが、それでも一つ一つの施策を着実に積み重ねていくことが、都が目指す使いやすい港につながっていくものと確信をいたします。
今後も関係者と一体となって、東京港の発展のために、しっかりと取り組みを進めていかれることを要望して、次の質問に移ります。
先日、防災対策の視点で視察のために大島を訪れた際に、岡田港の津波避難施設の整備状況を見てきました。かなり完成に近いようにも見えました。
この施設は、港の利用者や就業者の生命を津波から守る重要な施設であるということでありました。ほかの港も津波対策を図り、安全性を高めることが必要不可欠であります。
島しょ地域の港に襲来する津波は、各港で津波高や到達時間に大きな差があるわけであります。
そこで、島しょ地域の港湾や漁港へ襲来が想定されている津波について、都の見解を伺います。
○小林離島港湾部長 東日本大震災後、東京都防災会議は、南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定を平成二十五年五月に公表いたしました。
この被害想定を受けまして、全ての港湾、漁港、海岸において、元禄型関東地震と南海トラフ巨大地震により発生する二つのケースの津波を想定いたしまして、到達時間及び津波高についての検討を実施いたしました。
その結果、津波到達時間が早い岡田港では三分程度、最大浸水深は新島の若郷漁港で約十九メートルとの結果となり、現状のままでは人的被害をゼロとすることは難しいことが判明いたしました。
○うすい委員 そうですね。どのような津波においても、港で犠牲者を一人も出してはならないと強く思うわけでございます。このため、都には、津波避難施設の整備が求められているところであります。
二〇二〇年に向けた実行プランには、平成三十二年度までに四島九港の完成を目指すと記載があります。
そこで伺いますが、津波避難施設の整備を行う四島九港を選定した、その考え方について答弁を求めます。
○小林離島港湾部長 東京都防災会議の被害想定を受けて作成いたしました伊豆・小笠原諸島における港湾等防災対策基本方針におきまして、地震発生後、揺れがおさまる三分ないし五分後に避難を開始した場合、津波到達時間までに浸水域外に避難できない四島九港を選定し、津波避難施設を整備することとしたものです。
○うすい委員 以前、検討が進んでいる施設のパースを見させていただきましたが、建物タイプ、それからタワータイプ、それから階段形式等、さまざまな構造のものがありました。港が違うと、大きく構造に違いがあるんだなということを感じた次第でございます。
そこで、港ごとの特徴に対応した津波避難施設の整備の考え方について見解を伺います。
○小林離島港湾部長 施設整備の考え方でございますが、背後が高台になっている港につきましては、高台へとつながる斜面に避難階段を設置することとしており、新島の若郷漁港及び神津島の三浦漁港で整備を行っております。
また、高台まで距離がある港については、港内に避難タワーを整備することとし、新島港と神津島港において整備を行う予定でございます。
大島の岡田港は、船客待合所の建てかえに伴いまして、新たな船客待合所の上部を津波避難施設として整備しております。
その他の港については、大規模な施設整備の必要がないことから、背後地への簡易的な連絡階段等を整備することで対応してまいります。
○うすい委員 私は、港を利用する方が、そしてまた働く方が安心して施設を利用して日々暮らせるように、そしてまた人々の命を守る津波避難施設の早期整備を、心から早期に完成することを求めるものでございます。
そして、ハード面の津波避難施設を整備すること、それも大事なんですけれども、それに加えて、施設があっても、高齢者等、また災害弱者の方々が、せっかくつくった階段を上れないとかそういうことがあり得ますから、避難方法など、ソフト面などにもきちんと対策を図っていただくよう強く求めまして、次の質問に移ります。
最後になりますが、新客船ふ頭のPRについて伺います。
東京都は、二〇二〇年の訪都外国人二千五百万人を目指し、国際観光都市として、東京に関する理解や関心を深めて、東京のプレゼンスを向上させるためにさまざまなことに取り組んでおられることと思います。より多くの外国人観光客を受け入れ、そのインバウンド需要を取り込んでいくことは、今後の東京や日本の成長のためにも重要なことであります。
都は、世界最大級のクルーズ客船が寄港可能な新客船ふ頭を二〇二〇年七月の開業に向け整備しているとのことでありますが、ここはまさに、海外からの外国人観光客を受け入れる海の玄関口となるものであります。
また、日本からクルーズの旅立ちの起点ともなる場所であります。これまで以上に多くのクルーズ船でにぎわうことが期待されるところであります。
そこで、今後、東京港を多くのクルーズ客船でにぎわう港とするためには、国内外の関係者や人々に新客船ふ頭の魅力をしっかりと伝えていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 東京港をより多くの客船でにぎわう港としていくためには、新客船ふ頭の魅力を効果的に国内外にPRしていくことが重要だと考えております。
そのため、この夏に開設いたしました新客船ふ頭の多言語のウエブサイトを活用いたしまして、整備の状況ですとか、初入港が決定した大型客船の情報、さらには、近隣の観光地などの情報を発信していくことで、より多くの船会社等の関係者に興味を持ってもらいたいと考えております。
また、多くの人々が集まるイベントを中心に、パネルや模型の展示、グッズの配布などで、より多くの方々に新客船ふ頭やクルーズに興味を持ってもらえるような活動も行ってまいります。
このように、新客船ふ頭の国内外へのPRを継続的かつ効果的に行うことで、東京港がクルーズ客船で一層にぎわう港にしてまいります。
○うすい委員 ありがとうございました。国内外の人々に新客船ふ頭の魅力を伝えるために、さまざまなPRを考えているとのことでございました。
ぜひ、新客船ふ頭の魅力をより多くの方々に知ってもらい、さらには、使ってもらうことで、クルーズ拠点としての東京港をぜひとも盛り上げていってもらいたいということを要望させていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○柴崎委員 私からは、島しょ地域における港湾施設等の台風被害についてお伺いをしたいと思います。
ここ最近、伊豆諸島の港湾、そして漁港等施設、毎年のように台風による被害を受けているように思います。港湾、漁港施設は島と本土を結ぶ人や物の結節点であり、重要な機能を果たしているわけであります。したがって、被災すると島民生活に多大な影響を及ぼすわけであります。
特に今年度、台風二十一号と二十四号の二つの台風が非常に強い勢力を維持したまま本州に上陸をいたしました。特に、この台風二十四号による伊豆諸島の港湾施設等が甚大な被害に遭ったというふうに聞いているわけであります。
そこで、近年の台風における港湾施設等の被災状況についてお伺いしたいと思います。
○小林離島港湾部長 委員おっしゃるとおり、港湾や漁港は、島民の生活と産業を支える重要な施設であります。
近年は、設計基準を超える波浪を伴う大型台風が多く襲来しており、毎年のように港湾や漁港の照明、手すり、安全はしごなどの附属施設等が数多く被災しております。
平成二十八年度は、神津島の三浦漁港において、砂の侵入を防ぐ防砂堤が被災し、翌年度の台風でさらに被害が拡大いたしました。
平成二十九年度は、八丈島の神湊港において、護岸のケーソンが破損し、八重根漁港の防砂堤の一部が崩壊する等の大きな被害がございました。
平成三十年度は、神津島港の岸壁の基礎石材が削り取られる被害や、神津島港海岸の離岸堤が崩れる等の被害がありました。
また、御蔵島港では、岸壁や防波堤の基礎石材が削り取られ、消波ブロックが飛散する等の被害がありましたが、一番甚大な被害は、利島港の西側の岸壁でケーソンが移動するものでございました。
○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、近年は毎年のように各港で台風による被害が発生しているとのことであります。
私も台風による波浪は年々激しさを増しているように思うわけであります。
特にことしの九月末に襲来いたしました台風二十四号、この台風は、伊豆諸島の各島々の港湾や漁港に多数の被害を発生させたとのことであります。私も、利島港の被害状況を写真で見させていただきました。大変驚くべき状況にあったと思います。
そこで、平成三十年の台風二十四号における神津島、御蔵島、利島、各港の具体的な被害状況や対応についてお伺いしたいと思います。
○小林離島港湾部長 台風二十四号により被災した各港湾や漁港の照明や手すり等の附属施設については、緊急工事により着実に普及を図っているところでございます。
そのほか、各港の具体的な被害状況についてご説明いたしますと、神津島港では、岸壁の基礎石材が削り取られる被害がありましたが、都単独の緊急工事により、早急に対応してまいります。
離岸堤が崩れる被害があった神津島港海岸は、過去数回にわたり台風の被災を受けているため、原状復旧ではなく、改良事業により離岸堤のブロックを大型化する方針で国と調整をしております。
岸壁や防波堤の基礎石材が削り取られた被害があった御蔵島港は、神津島港と同様に、都単独の緊急工事により早急に対応いたします。飛散した消波ブロックは、起重機船と呼ばれますクレーンが装備された船により、もとの位置に移動させます。
そして、最も大きな被害となりました利島港の西側の岸壁については、一函当たり約三千五百から六千トンの重量があるケーソンが四函、三ないし四メートル程度移動する甚大な被害となったため、都単独の復旧事業ではなく、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づきまして、国庫負担申請を行うことといたしました。
○柴崎委員 何千トンもある大型のケーソンが数メートルも移動するほどの波浪は、想像を絶する波の力が働いたものであると思われます。
利島港以外の被災につきましては、緊急工事、これらによって対応を図っているとの今ご答弁がありました。しっかりと確実に復旧事業を進めていただきたいと思います。
そして、甚大な被害を受けた利島港、この西側の岸壁は、東側の岸壁が利用できない波向きのときに、大型貨客船や貨物船、これらが接岸する施設であるわけであります。したがって、利島村の島民の生活を支える上では極めて重要な施設なんですね。
今回、大きな被害をこうむった利島を初め、御蔵島や青ヶ島などの小離島では、一つしかない港に定期船が着かないとなると生活物資が届かない、つまりは島民の暮らしに大きな影響を与えることになってしまうわけであります。
そこでお伺いしたいんですが、小離島の各港における就航率、この現状についてお聞きしたいと思います。
○小林離島港湾部長 利島港における就航率は、大型貨客船でおおむね八割、高速ジェット船でおおむね七割となっております。
御蔵島港や青ヶ島港では、七割を下回っている状況でございます。
○柴崎委員 今ご答弁いただきました。この数字をお聞きしますと、やはり大島など大きな島の就航率に比べますと、小離島の就航率、これはまだまだ低い状況だということがわかりました。
特に海が荒れる冬場の利島港の就航率が低いわけであります。したがって、地元からは、西側岸壁が使用できないと就航率が落ち込む可能性が高いというふうにいわれているわけですね。このため、可能な限り早急に施設を復旧させていく必要があると思います。
そこで、利島港の西側岸壁の復旧に対する利島村からの要望、そして、復旧対応をこれからどのように進めていくのか、それについて伺いたいと思います。
○小林離島港湾部長 利島村からは、台風通過後すぐに、島民生活の安定のために被災した西側岸壁の早期復旧を求める要望がございました。
利島港の復旧に当たりましては、国庫負担申請後に、復旧方法や工事費を決定するための国の災害査定を受けることとなります。災害査定に先立ちまして、被害がこれ以上拡大しないように応急対応を図っております。
都としては、利島村の要望を踏まえ、大型貨客船を早期に接岸させることを最重要と位置づけ、復旧方法や工法について国と調整してまいります。
○柴崎委員 私も被災状況の写真を見ました。この状況を見て、被災箇所を完全に復旧させていくためには、相当な費用と期間がかかるのではないかと心配をしております。このままでは、島民の生活や産業活動に支障を来すため、一刻も早い復旧を目指す必要があると思います。
特に利島や御蔵島など小離島の港は、島民にとりましては生命線であります。したがいまして、早急に港の機能を復旧させていく事業にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
その他の港の被災した施設についても、早急な復旧を実現し、島民が安心して生活できるよう、着実に災害復旧事業を進めていただくことを要望いたしまして、次の質問とさせていただきます。
世界のクルーズ市場、クルーズ客船の誘致についてお伺いしたいと思いますが、世界のクルーズ市場では、クルーズ人口が急増するとともに、客船の大型化が進んでいるとのことであります。
大型クルーズ客船の寄港は、国際観光都市東京の寄港ニーズに応えるとともに、また、寄港に伴う大きな経済効果も見込めることから、東京、ひいては我が国の産業、経済のさらなる成長に大きな役割を果たすものと考えられております。
このため、まずは首都東京の海の玄関口として、東京港において大型クルーズ客船の受け入れ環境を整えることが必要だと考えております。そして、東京の充実した観光資源を十分に活用しつつ、世界のクルーズ需要を確実に取り込んでいくことが不可欠であると思います。
こうしたことから、都は、臨海副都心地域に新客船ふ頭の整備を進めているわけであります。
先日、このチラシを頂戴いたしましたが、いよいよ東京国際クルーズターミナルの開業日と第一船が決定しましたというチラシでございます。したがって、二〇二〇年の七月に開業というようなことに予定をされているわけでありますが、我が党がこれまで整備の促進を主張してまいりました新客船ふ頭の完成まで残り二年を切る中で、都は整備を積極的に進めていると思いますが、まず、新客船ふ頭の整備状況、これについてお伺いしたいと思います。
○原港湾整備部長 新客船ふ頭は、近年のクルーズ需要の増大及び客船の大型化に的確に対応するため、レインボーブリッジにより大型客船が航行の制限を受けない臨海副都心地域に新たな客船ふ頭を整備するものでございます。
具体的には、世界最大級の客船が着岸できる岸壁や乗客を迎えるターミナルビル、これらの海上の施設と陸上の都道とを結ぶ連絡通路などを整備いたします。
整備状況についてでございますが、岸壁につきましては、基礎ぐいや土台となるジャケット鋼材の工場製作を進めており、このうち基礎ぐいにつきましては、順次、現場での打設を行っているところでございます。
ターミナルビルにつきましては、土台となるジャケット鋼材の現場への据えつけを本年七月に完了させ、現在はターミナルビル本体の鉄骨や客船からターミナルビルへ乗降するボーディングブリッジの工場製作を進めてございます。
また、連絡通路につきましては、通路の基礎ぐいの打設やコンクリート製の桁の架設を完了したところでございます。
今後は、二〇二〇年七月の開業を目指し、工程管理を厳格に実施しながら、着実に整備を進めてまいります。
○柴崎委員 今、答弁にもありましたけれども、日本の首都として世界の寄港ニーズに責任を持って応えていくためにも、引き続き、二〇二〇年七月、この開業に向けまして、着実に整備を進めていただきたいと思います。
この新しくできる客船ふ頭やターミナルビル、これには多くの客船を集め、そして、東京の新たなクルーズの拠点にしていかなければならないと思います。
そのためには、東京港のすばらしさなど、アピールするポイントを明確にしていくべきであります。その上で、客船の誘致を進めるべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 より多くの客船に寄港してもらうためには、東京港のメリットを明確にして誘致活動をしていくことが重要でございます。
これまで船会社や船舶代理店といったクルーズ関係者との意見交換などを踏まえますと、次の三点がポイントになると考えております。
まず一つ目は、大型客船が寄港可能なことで、多くの乗客を集めるクルーズが実現できること。二つ目は、首都圏の二大空港が近接しているために、東京からのクルーズを目的に飛行機で訪日する欧米の旅行者を獲得しやすいこと。そして三つ目が、日本を代表する東京や首都圏の多くの魅力的な観光地を抱えておりまして、短時間での観光ツアーが設定しやすいということでございます。
これまでも、こうしたメリットは訴えてきておりましたが、今後も積極的に船会社等にアピールしていくことで、引き続き東京港への客船誘致を進めてまいります。
○柴崎委員 クルーズ客船の誘致に当たりましては、新客船ふ頭のメリットを積極的にアピールをすることによりまして具体的な誘致活動に取り組んでいる、そんな今ご答弁をいただいたわけでありますが、特に開業日の第一船となる船、これは新客船ふ頭の門出を祝うとともに、東京港の客船誘致が新たなステージに入ったことを国内外に発信する絶好の機会となるわけであります。
そこでお伺いをいたしますが、新客船ふ頭、この第一船が決定をしたわけでありますけれども、この誘致に至った考え方、これについてお伺いしたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 新客船ふ頭の開業第一船の誘致に当たりましては、世界最大級のクルーズ客船の着岸が可能になったということを踏まえまして、開業直後に始まる東京二〇二〇大会に弾みをつけ、にぎわいや話題性にもつながる効果も考えまして、候補となる船社を絞って交渉してまいりました。
中でも、クルーズ最大手の一角で、豊富なアトラクションやホスピタリティーで人気の高い大型客船を運航する船会社に対しまして、積極的に協議を行ってまいりました。
その結果、総トン数約十七万トン、乗客約四千人という、現在アジアに配船されている客船の中でも最大級の大きさを持つ「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」という船の誘致が決定したところでございます。
新客船ふ頭の開業と第一船の寄港に向け、今後、着実に準備を進めてまいります。
○柴崎委員 開業第一船が開業後に開催される東京二〇二〇大会につながるにぎわいや話題性のことを考えて、狙いを定めて誘致したということのようでございます。
第一船の誘致をきっかけにいたしまして、開業以降、そして、東京二〇二〇大会後の客船誘致につなげていくことが重要ではないかと考えております。
そこでお伺いしたいと思います。今後の東京港のクルーズ客船誘致、これをどのように行っていくのかお聞きしたいと思います。
○戸谷港湾振興担当部長 クルーズ客船の誘致に関しては、日常的に船会社や船舶代理店と情報交換を行いまして、新客船ふ頭や東京を取り巻く最新情報を提供しつつ、船会社等のニーズをきめ細かく把握していくことが重要でございます。
新客船ふ頭の予約手続きを通じまして、船会社や船舶代理店に対し、さらなる情報収集を行いまして、具体的な寄港に向けた協議を進めてまいります。
また、必要に応じて、船会社の海外拠点への個別訪問も行いまして、新客船ふ頭への寄港を働きかけてまいります。
このように、今後ともきめ細かく効果的な誘致策を実施いたしまして、東京港へのクルーズ客船誘致を行ってまいります。
○柴崎委員 今お伺いいたしました対応などによりまして、クルーズ客船の誘致に真摯に取り組んでいただいて、今後の東京港のにぎわいづくりと発展に向けて引き続き尽力をしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○あぜ上委員 それでは、私からも、まず島しょ地域の港湾施設の災害対策についてです。
先ほどのご答弁を聞いていまして、相次ぐ台風の接近に対して、港湾局が対応にご努力されているということがわかりまして、心から敬意を表したいと思います。
今回の被害の状況もご答弁がありました。利島、神津島、御蔵島については、被害が大きかったということがわかりましたが、私どものところにも、早く復旧をしてほしいという切実な声が島しょの方から寄せられました。
特に利島は、以前も大きな台風で港湾施設にダメージを受けて復旧工事が行われてきた。しかし、またケーソンが大きく移動してしまったということであります。
調べてみましたら、二〇一一年から二〇一三年までに、利島港では災害復旧工事が行われてきましたが、その対策の内容について伺いたいと思います。
○小林離島港湾部長 平成二十三年の台風十五号により移動いたしました利島港の岸壁のケーソンについては、二函を浮上させて再設置いたしまして、あわせて、防舷材の高さを調整する工事を実施いたしました。
また、ケーソンの上部やパラペットと呼ばれるコンクリートの波返しなども被災したため、これらの復旧工事も実施いたしました。
これらの復旧工事は、平成二十三年度から平成二十五年度の三カ年で完了させてございます。
○あぜ上委員 これまでも、そういう点では台風被害の復旧にご努力されてきたことはわかりましたが、繰り返し被災され、今回また台風二十四号で西側の岸壁ケーソンが大きく移動するという甚大な被害が起こってしまったわけですね。
今のご説明ですと、二〇一三年までの三年間の工事のときは、二函のケーソンを再設置したということでありますが、利島港の西側岸壁については、やはり先ほどもお話がありましたけれども、島民にとっては、港湾というのはまさに命綱になっているわけですから、早期に拡幅を実施して、災害対応力の抜本的な強化を図ることが必要だと思います。
利島の港湾施設の復旧対応についてもご答弁がございました。それで、国の災害査定を受けるということになっている見込みだというお話、また、応急対応もするということでありましたけれども、一直線にそろえる大規模な復旧工事については、かなりの時間を要するかと思うんですけれども、局としては、いつごろまでに完了したいというふうに考えていらっしゃるのか、その点だけ教えてください。
○小林離島港湾部長 利島港の復旧につきましては、船舶を早期に接岸させることを優先に、今後とも国と調整して、できるだけ早期に復旧を図ってまいります。
○あぜ上委員 できるだけ早期ということで、まだ国との調整が必要だという理解でよろしいんでしょうか。
そういう点では、利島港は本当に島民の支え、生活を支える上で欠かすことのできないライフラインでありますし、観光で訪れた方々が利島ならではの海辺の景色を楽しめる観光スポットでもございます。
定期船が着岸できるように、照明設備も含め、西側岸壁の早期復旧を目指して取り組んでいただくことを私からも要望しておきたいと思います。
御蔵島の港湾施設の今後の対応についてもご答弁がございましたが、照明柱については改善していくんでしょうか。これも私は早期に対応すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○小林離島港湾部長 御蔵島港におきましては、今回の台風で照明柱が三本破損してございます。被災後、三宅支庁を通しまして、緊急工事を既に指示しておりまして、今年度末までに復旧させる見込みでございます。
○あぜ上委員 今年度末ということなんですが、できるだけ早急にやっていただきたいと思います。
というのは、御蔵島の方から伺ったんですけれども、御蔵島港は現在、夕方からもう真っ暗だということで、朝は五時五十五分に船が着岸するんですけれども、どちら側に着けるのかという判断は、明け方の三時半から四時に岸壁に行って検討するということで、真っ暗で危険だということを伺いました。
早急な、先ほど今年度中ということでしたけれども、できるだけ早く改善していただきたいということを私からも求めておきたいと思います。
次に、ラムサール条約の登録が決定した葛西沖三枚洲干潟についてです。
葛西海浜公園は、海に向かって弓形に広がるなぎさ、そして、大きく潮が引くと二キロメートル先まで干潟があらわれてまいります。その干潟の中には底生生物が多くいて、その底生生物を食べに野鳥たちが来て、野鳥たちを支えています。
本当に生き物の豊かな公園であること、これは東京の誇りでもあると思っておりますが、このたび葛西沖三枚洲干潟が国指定の鳥獣保護区となり、国際条約、ラムサール条約登録されることが決まりました。
登録されたことで、都として新たな取り組みがあるんでしょうか伺います。
○中村臨海開発部長 取り組みといたしまして、登録を懸念する団体も含めた関係者と意見交換の場を設けております。
また、今後もラムサール条約の理念であるワイズユースに沿って、干潟の保全と利活用への理解、協力が得られるよう対応してまいります。
○あぜ上委員 大変大事な取り組みだと思います。
葛西沖の三枚洲の水域については、これまでもさまざまな行政や都民がかかわってまいりました。鳥獣保護に携わってきたのは環境局ですし、また、人工なぎさは港湾局所管の海浜公園、また指定管理者として管理しているのは公園協会、さらには、西側の人工なぎさはボランティアの方々のご協力もあって、夏の期間は海水浴場として多くの方が訪れております。そして、たくさん訪れる野鳥を観察し、発信されてきた野鳥の会を初めとしたボランティアの方々がいらっしゃるわけです。
港湾局が環境局並びに公園協会、また、国、環境省、地元区、ボランティアの方々とどのように連携をしてこの干潟を守るのか伺います。
○中村臨海開発部長 樹木の伐採など、国の鳥獣保護区としての規制にかかわる事案に関しては、国とも協議して対応していくこととなります。
また、地元区と連携したボランティアによる清掃活動により、干潟の保全と利活用を進めてまいります。
○あぜ上委員 国内には、ラムサール条約登録の湿地が現在五十カ所もあるということでありますが、千葉県の習志野市の谷津干潟もラムサール条約に登録されています。
この谷津干潟、この夏に報道されていたんですが、アオサが非常にふえちゃって、環境悪化を招いているということでありました。ラムサール条約に登録されている干潟は国有地ですが--ことしも習志野市の呼びかけで二百数十人のボランティアが参加して、アオサを取り除いて、水の浄化に取り組んだということを伺いました。
習志野市としては、国に強く水の浄化を求めたようですけれども、実際には、習志野市がほとんど責任を担ったというふうに伺っています。
葛西沖の三枚洲の海辺の環境が適切に保存されるためには、先ほどのご答弁でそれぞれの役割分担を確認されているようですけれども、港湾局が国、環境局、また公園協会や区並びに民間団体などと連携をしっかりとれるように、港湾局がやはり中心になって取り組むことが重要ではないかと考えております。ぜひ港湾局として、そのご努力、その役割を発揮されるよう要望しておきたいと思います。
関連しまして、昨年の当委員会において、葛西海浜公園のトイレの改修を求めたわけですが、葛西海浜公園のトイレの改修など、整備の進捗状況について伺います。
○中村臨海開発部長 来園者に快適に公園を利用していただくため、東京二〇二〇大会に向けまして、トイレの洋式化を進めてまいります。
○あぜ上委員 誰でもトイレの整備や洋式トイレ--今、和式しかありませんので洋式トイレの増設を含め、しっかりと取り組んでいただくよう、これも要望しておきたいと思います。
次に、東京ベイエリアビジョンについてです。
これまでの個別計画の枠を超えた総合的なビジョンである東京ベイエリアビジョンを策定し、次世代のまちづくりのモデルとなる世界を見据えた将来像を示し、東京、ひいては日本の成長戦略につなげていくというふうにいっています。
これから約一年間かけて、庁内の検討委員会で検討を進めるということでありますが、さきの委員とダブらないように、基本的なことをきょうは幾つか確認していきたいと思います。
まず、東京ベイエリアビジョンの検討に係る提案を行う機関として設置されました官民の連携チームについてです。
この官民の連携チームでの検討というふうになっておりますが、その役割というのはどういうものなのでしょうか伺います。
○相田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携チームは、民間の若手有識者、専門家と都庁の若手職員で構成しておりまして、行政の枠を超えた自由な発想による提案をいただきながら、ビジョンを取りまとめていく予定でございます。
○あぜ上委員 その官民連携チームのメンバーというのは、政策企画局が決めたということを伺っております。
このビジョンを練り上げる会議だと思いますけれども、官民連携チームの会議は公開しないのでしょうか。
○相田企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携チームの会議は、総括会議及びその下に三つのワーキンググループ、すなわち魅力あるまちづくりワーキンググループ、活力と躍動感のあるまちワーキンググループ、最先端技術のまちワーキンググループを設置してございます。
総括会議は、原則公開としていく予定でございます。
ワーキンググループの会合につきましては、自由かつ活発に議論していただく観点から、会議は非公開としております。
なお、官民連携チームの会議資料は、政策企画局のホームページにて公表しているところでございます。
○あぜ上委員 資料は公開するということでありますけれども、提案されてくる内容がどのような議論を経ているのかを明らかにすることが私は大事だというふうに思います。ワーキンググループも公開にすべきだということを意見として述べておきたいと思います。
それでは、官民連携チームの検討に係る経費は幾らか伺います。
○中村臨海開発部長 官民連携チームに係る経費でございますけれども、所管局によると、十月十八日の初回、全体会議に要した経費は、民間有識者等に対する都の支払い基準に基づく謝金や現場視察のバス借り上げ経費等、計約五十二万円でございます。
今後においても、都の基準に基づく謝金等を見込んでおるところでございます。
○あぜ上委員 今回、築地がベイエリアに位置づけられました。その理由をお示しいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 今回のビジョンにおいては、広く東京のベイエリア全体を俯瞰し、個別計画の枠を超えて有機的に連携できる姿を描き出すこととして、羽田や築地など幅広いエリアが対象範囲となるよう想定しております。
○あぜ上委員 ベイエリアといっても、羽田や品川、そして築地等、かなり広範囲なんだということなんですが、このエリアについては、内閣官房の都市再生戦略チームの座長を務められた伊藤滋東大教授が、たたかう東京という本を書いていらっしゃるんですが、その本の中で大規模な開発事業というのを描いていらっしゃる、そのエリアと重なるわけですね。
今回のこのエリアの設定を決めたのは政策企画局であるということでよろしいんでしょうか。そういう理解でよろしいんでしょうか。
○中村臨海開発部長 今回のエリア設定については、関係各局で協議の上、決定したものでございます。
○あぜ上委員 関係各局で協議をして決めたんだということでありました。
私は江東区に住んで実は三十七年になるんですが、臨海地域の変貌を目の当たりにしてまいりました。一九八〇年代、この後半から、臨海副都心開発が推し進められたわけですが、バブルの崩壊が本格化する中で、テレコムセンターや有明フロンティアビルなどががらあきになって、ビルの中には都の青少年センターなど入居したこともございました。
また、臨海部のビルには、もう民間が入らないということで、チェーンがされていたのも思い出します。整備された用地には進出企業がほとんどなく、地代、権利金の収入の目算が狂って、第三セクターが倒産。結局、事業費は巨額の都税をつぎ込むことで穴埋めせざるを得なくなりました。
今はテレビ局やホテル、アミューズメント、ショッピング施設などが次々に開業し、青海のコンテナふ頭の横に温泉があったり、テレコムセンターとコンテナふ頭の間に特別支援学校が開校したり、そして、そのすぐ近くに大型客船ふ頭が建設中という臨海地域がつくられているわけですが、晴海では選手村建設の名のもとに、民間大手ディベロッパーに一平米九万七千円という格安で都有地の売却が行われたわけです。
こうした破綻した臨海副都心開発や東京一極集中のまちづくりの総括もなしに、さらに大型開発を加速させるようなまちづくりを上から押しつけられるのでは、都民はたまったものではないと思います。
今回、東京ベイエリアの対象として挙げられる地域には、今も多くの方々が暮らしています。今後のまちづくりを進めていく上で大事なのは、環境と暮らしに優しい、そして格差と貧困をなくし、誰もが安心して住み続けられるまちであることや、安全なまちをつくっていくこと。そのためにも、住民、都民の意見を十分に反映させたまちづくり、都民参加のまちづくりにしていくことが重要だというふうに思います。
にもかかわらず、パブリックコメントで都民の意見聴取はあるものの、官民連携チームには、地元の自治体も住民代表も入っていません。三井不動産、三菱地所、住友不動産、森ビルと大手民間ディベロッパーがずらりとメンバーに入っている。住民の意向よりも大型開発優先になりかねないと危惧をしております。
さらに、今回、新たに築地がベイエリアに加えられましたが、銀座に隣接する都心の一等地である築地を都民不在の超高層ビルによる再開発の拠点にすることなどは許されないと思います。一言、私の意見として申し述べておきたいと思います。
次に、特定複合観光施設に関する影響調査委託についてです。
ことしの七月二十日、多くの国民の反対や不安の声が上がったにもかかわらず、特定複合観光施設区域整備法、いわゆるカジノ実施法が成立しました。
二年前の十二月にIR推進法が成立し、具体化の実施法も制定される中、カジノ施設が東京にもできるのではないかと不安の声が寄せられました。
そこで、何点か伺っておきたいと思います。港湾局として、いつからIRに関する委託調査を始めたのか。また、その経費と調査目的は何なのか伺います。
○米今調整担当部長 IRの検討に資するため、海外におけるIRの現状の調査を平成二十六年度より毎年度実施しております。
各年度の契約金額につきましては、二十六年度は百九十四万四千円、二十七年度は四百八十六万円、二十八年度は八百四十七万八千円、二十九年度は六百九十八万七千六百円でございます。
○あぜ上委員 四年前から毎年、海外のIRにおける現状の調査を実施してきたということであります。
調査分析の項目を見てみますと、カジノ関連事業に関する規制制度、ギャンブル依存症対策、青少年対策、反社会的勢力の排除等の海外での実情の調査が連続して行われているわけですが、二〇一六年度の調査は、昨年の三月に報告書が出ておりましたけれども、最新のアジアを取り巻くカジノ市場の分析、IR導入に当たっての課題なども調査されておりました。
今回の二〇一八年度の委託調査、これは例年とタイトルも異なっております。特定複合観光施設に関する影響調査委託というふうになっておりまして、影響調査というふうになりました。既に契約も終わったのですから、仕様書を早く公開するように私は求めてきましたが、なかなか公開されずに、開示請求をしてようやく仕様書が出てきたんですけれども、こうした情報は開示請求をしなくてもちゃんと公開すべきことを一言申し上げておきたいと思います。
今回の調査委託費は幾らで、どこが落札したのか伺います。
○米今調整担当部長 今年度の委託調査の契約金額は七百七十七万六千円、受託者は有限責任監査法人トーマツでございます。
○あぜ上委員 今回の調査委託の目的は何なんでしょうか。
○米今調整担当部長 今年度の委託調査は、IR整備法が成立したことなどを踏まえ、IRを都に立地した場合におけるプラス面、マイナス面の調査分析を行うものでございます。
これまでと同様、IRの検討の一環として実施いたします。
○あぜ上委員 つまり、区域整備法成立を踏まえて、IRを東京に立地した場合における経済的、社会的影響について調査分析を行うということですね。
これまでと同様だというふうに今ご答弁されたんですけれども、かなり現実的に前のめりになっていると感じたのは私だけではないというふうに思います。
現に、五日のマスコミ報道によりますと、政府が全国の自治体にカジノを含む統合型リゾートの誘致に関する調査、これを行った。その結果、東京都、横浜市、千葉市、北海道が誘致の申請を検討中だと回答したというふうに報道されておりました。
これまで白紙というふうにしていたのに、誘致の申請を検討というのは、かなり前のめりになっているんじゃないでしょうか。IR関連調査とベイエリアビジョンとの関連はあるんでしょうか伺います。
○米今調整担当部長 これまで実施してきておりますIR関連調査は、海外事例や都に立地した場合を想定した調査でございまして、ベイエリアビジョンとの直接の関連はございません。
○あぜ上委員 直接の関連はないということでありますが、以前、石原元知事は、臨海部でのカジノ構想を表明したことがございますし、先ほどもちょっとご紹介しました内閣官房都市再生戦略チームの座長を務められた伊藤滋東大教授も、たたかう東京という著書の中でも、IR推進法を活用した築地再開発プラン、これを提案されています。
ベイエリアビジョンでこうしたIR、カジノが出てくる危険性があると大変心配をしております。
ことしの七月二十日に、IR整備法、いわゆるカジノ実施法が成立したわけですが、成立後、どの世論調査を見ましても、カジノ解禁に反対する声は過半数を超えています。反対が多いということに対する東京都の認識を伺いたいと思います。
○米今調整担当部長 観光振興や経済の活性化などの期待がある一方で、ギャンブル依存症などの懸念の声もあると認識しております。
○あぜ上委員 反対が多いのは、幾らIRという言葉でごまかしても、国民の中に刑法で禁じられた犯罪である賭博解禁への不安や懸念があって、人の不幸を土台に経済成長という考え方には到底納得できないからではないでしょうか。
法が示す入場回数の制限、また、入場料を取ることと、個々の賭博行為の射幸性をコントロールすることは別です。民間賭博は射幸性を高め、ギャンブル依存症をふやすほどもうかるわけです。民営賭博の射幸性をコントロールするなど不可能です。強い違法性があるからこそ禁じられてきた民営賭博を、東京都がこうした踏み込んだ調査を行うことに大変な危惧を感じております。
また、観光振興と先ほどもご答弁されていましたけれども、カジノがなくても、既に東京への観光客は増加しております。
都の産業労働局の調査を見ましたら、その調査でも一番満足した場所は、一位が銀座、次に浅草、新宿、大久保が上位でした。一番満足した場所で行った行動ということでは、日本食を楽しむがトップで、服などのショッピングや奥多摩で自然を楽しむなどとなっておりました。
先ほども世論調査の認識を伺いましたけれども、世論は明確です。民間賭博を導入することは、やるべきではありません。
港湾局は現在、青海に大型客船ふ頭をつくっておりますけれども、すぐ近くの青海の貴重な都有地、広大な都有地がございますが、そこを使ってカジノ誘致などということを考えているとしたら大問題です。カジノ誘致の方向を推し進めるようなことは断じて許されないことを申し上げまして、質問を終わります。
○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十六分休憩
午後三時四分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言願います。
○白戸委員 私からは、調布飛行場の管理運営、そして舟運活用、そして防災、海の森公園活用に関して質問させていただきます。
まず、調布飛行場の管理運営について伺います。
調布飛行場は、東京の島々と本土を結ぶ離島航空路線の拠点として重要な役割を担っており、また、航空測量や航空写真などの事業活動や、防災や医療活動といった公共性の高い活動を支えております。
一方で、調布市、三鷹市、府中市の住宅地に隣接している飛行場であることから、航空機の運航等に当たっては、特に安全性を確保していくことが求められています。
平成二十七年の七月に調布飛行場を飛び立った小型航空機が、離陸直後に周辺の住宅に墜落する事故が発生しました。これを受けまして、都は、事故原因の究明及び再発防止の徹底が図られるまで、自家用機の離着陸を自粛することとし、三年超にわたり、自家用機の運航自粛要請を継続してきました。
こうした中で、都は、ことしの九月に自家用機の運航自粛要請を継続しないこととしましたが、その判断に至った経緯について伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場を利用しております自家用機につきましては、平成二十七年七月の墜落事故以降、事故原因が究明され、それに伴う再発防止策が図られるまでの間、運航の自粛を要請してまいりました。
事故原因につきましては、平成二十九年七月に国の運輸安全委員会の航空事故調査報告書で特定され、都は、報告書を踏まえ、事故の再発防止等に必要な体制や安全対策の強化を図ったところでございます。
また、東京都営空港条例を改正し、今後、万が一、航空機の墜落事故が発生した際に、住宅の建てかえ等に必要な資金を再調達価格まで支給する制度を本年八月に開始いたしました。
このような状況を踏まえまして、本年九月、国や地元市等とも協議の上、自家用機の運航自粛要請を継続しないことといたしました。
○白戸委員 事故防止等に必要な体制や安全対策の強化を図ったという答弁をいただきましたが、この点については、もう少し掘り下げて確認していく必要があると考えております。
そこで、都が強化した調布飛行場の安全対策に関しまして、どのような体制を整備し、取り組んでいるのか、具体的に伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都が新たに整備した調布飛行場の主な安全対策でございますが、機長等の安全意識の向上を図るため、機長や整備士等が安全啓発講習会を受講することや、講習会に参加した整備士が機体を点検、整備することを義務化いたしました。直近では、本年七月に調布飛行場におきまして、国の協力を得て、安全啓発講習会を開催しております。
また、法令上、自家用機の出発前の点検等は機長の責務とされておりますが、調布飛行場では一歩踏み込んだ安全対策を徹底するため、機体の自重や搭載燃料、重心バランス等を記載するチェックシートの提出を全国の飛行場で初めて義務づけました。
このシートは、機長が記入して確認するだけではなく、都が新たに採用いたしました航空機専門員もあわせて確認しております。
これらの安全対策等の有用性を確認するために、本年七月、航空機の運航の安全性について見識を有する外部の監査委員による監査を実施いたしまして、適正であるとの評価をいただいております。
今後も毎年実施する外部監査等も活用しながら、航空機運航の安全性や飛行場の管理運営の適正化に万全を期してまいります。
○白戸委員 安全対策の内容、そして、実施状況はわかりました。
外部監査も毎年実施されるということですから、都は、平成二十七年の墜落事故を風化させず、今後とも緊張感を持ちながら、二度と事故を起こさせないという強い決意で臨んでもらいたいと思います。
また、今回の自粛要請解除に当たりまして、地元市等は都に対して、特に地域住民に対する慎重かつ丁寧な対応を要請していたと聞いております。
平成二十七年の航空機墜落事故により被害に遭われた方への生活再建支援を強力に進めていくことはもちろんのことですが、飛行場周辺の地域住民の不安解消に向けて、真摯に取り組んでいくことが都に求められています。
そこで、本年八月の被害者支援制度の創立から、九月の自家用機の運航自粛要請の解除に至るまで、都は、地域住民に対してどのように対応してきたのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 平成二十七年の事故により被害を受けられた方に対しましては、支援制度についての事前説明会を開催するとともに、個々の状況に応じた具体的な手続等につきまして、個別に説明する機会を設けました。
また、調布市、三鷹市、府中市の住民に対しましては、八月九日から十三日にかけて、それぞれ地元市で住民説明会を開催いたしました。
説明会では、今後、万が一、墜落事故が起きた際の被害者支援制度や、事故の再発防止となる安全対策、自家用機の分散移転の推進に向けた取り組みのほか、必要な安全対策等が整備されたことから、自家用機の運航自粛要請解除の時期を都が判断することについて説明いたしました。
自家用機の運航自粛要請の解除に当たりましては、本年九月中旬にプレス発表と同時にホームページへの掲載を行ったほか、調布飛行場周辺住民に対しまして、新聞折り込みによるお知らせを三万世帯に、戸別のポストへの直接投函によるお知らせを一万八千世帯を対象に実施するなど、丁寧に周知を行ったところでございます。
○白戸委員 これまでの都の対応についてはわかりました。
しかし、これで終わりではなく、今後とも、都は、離島交通アクセスを担う調布飛行場を適切に運営していくためにも、地域住民の不安を解消するように真摯に対応していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場は、島しょと本土とを結ぶ離島航空路の重要な拠点であり、また、災害時は防災拠点としても重要な役割を担うことになります。
一方で、その立地特性から、飛行場の管理運営に当たりましては、地域住民の理解と協力が極めて重要であると認識しております。
そのため、今後とも、事故により被害を受けられた方に対し、きめ細かな対応に努めていくことはもとより、地域住民等に対し、調布飛行場の管理運営等に関する情報提供を適宜適切に行うなど、丁寧な対応を図り、地域住民の不安解消と理解促進に尽力してまいります。
○白戸委員 今、答弁をいただきましたが、本年六月の当委員会でも、我が会派で触れたとおり、地域住民の安全と安心を守っていただくために、万全の安全対策を講じていただき、引き続き、地元の理解のもと、調布飛行場を初め、都営空港がその役割を十分に発揮されるよう努力していただくことを都に要望しまして、調布飛行場関連の質問を終えます。
続きまして、舟運でございます。
東京都は東京湾を有し、さらに多くの河川、運河があることから、水辺と生活が密接にかかわっています。そうした環境は、人々の食生活を支え、精神的充足を満たすものとなってきたことはいうまでもありません。さらに、水環境は、交通アクセスという面でも重要な役割を果たしてきました。
近年、地上交通網の発達により、その役割分担にも変化が見られますが、その役割が重要であることには変わりありません。
そのような観点から、舟運活性化について伺います。
東京都では、平成二十八年度から、都市整備局、建設局、港湾局の三局と民間業者との連携をして、舟運の社会実験を実施していますが、まず、確認の意味も込めまして、この社会実験での得られた成果について伺います。
○蔵居港湾経営部長 都は、都市整備局、建設局、港湾局の三局と民間事業者とで連携して、舟運の社会実験を実施しております。平成二十八年、二十九年度の二年間は、東京港での循環航路や、お台場、日本橋などの観光地での周遊航路など、複数航路での運航やイベントと連携した企画便の運航などを実施しました。
この実験では、観光地の日本橋やお台場を周遊する航路が比較的高い乗船率であり、一定程度の観光目的の需要が確認できました。
次に、例えば、コミックマーケットと連携した有明と秋葉原を結ぶ企画便では、乗船客がほぼ満員となるなど、観光地周辺での航路や人気のあるイベントと連携した企画便においては、多くの方々が乗船することも確認できました。
また、舟運の認知度が低いこと、船着き場がわかりにくいなどの課題も明らかになりました。
○白戸委員 社会実験により、観光目的やイベントと連携した企画便には一定の乗船ニーズがあること、これは明らかになったと思います。
ただ、やはり航路が長いものが多く、時間がかかる路線が多いために、実生活というよりも、どちらかというと観光的な側面が強いようにも感じます。また、頻度も週末限定であったり、平日であっても頻度が少ないので、実生活のインフラ活用には非常に厳しく、今後の課題とも考えております。
実生活ということでは、有明北地区の住民からは、まだこのあたりは交通のインフラが、便がいいとはいえないと。その中で、このあたりは非常に水辺に面した地区なので、お台場から発着しているような水上バスがここでも利用できれば便利になるというような声も聞いております。
確かに有明は現状、陸上部分におけるインフラはまだ途上でありますが、物理的な距離は日の出桟橋を有する浜松町まで非常に近く、海でもつながっています。さらに今後、開発が進み、居住人口の増加が見込まれる有明北地区や晴海などの臨海部では、日常的な移動手段としての舟運活用の可能性が考えられます。
そこで、都は、こうした地域の日常的な移動手段としての舟運活用の可能性についても確認していくべきと考えますが、今年度どのように取り組んでいくのか伺います。
○蔵居港湾経営部長 舟運のさらなる活性化には、観光での利用に加えまして、幅広い用途での活用を検討していくことも必要であります。舟運を日常の移動手段として活用するためには、新たな船着き場の設置や舟運事業者の採算などのさまざま課題がございます。
こうしたことから、今年度は、都市整備局において、船着き場の整備状況や周辺の公共交通網を踏まえ、課題を整理し、実現可能性のある航路について調査することとしています。
港湾局としても、その調査結果や地域の開発動向などを踏まえ、課題の整理に取り組んでまいります。
○白戸委員 もちろんさまざまな課題、問題はありますけれども、臨海部のインフラ整備は東京都としても重要な課題でもありますので、ぜひ前向きに調査を進めていっていただきたいと思います。
先ほどの質疑にも出ていましたが、東京ベイエリアビジョンにおいても、舟運の活用を明記して、関係者で連携して推進していただけるように計画に位置づけることを要望しておきます。
さらに、二〇二〇大会においても、有明、青海、海の森においては、舟運活用の検討がなされていると聞いております。
二〇二〇大会での導入が生活路線として活用されていく、これも大会がもたらすレガシーの一つであると考えます。ぜひ強く要望しておきます。
ところで、社会実験のもう一つの課題として、認知度の低さというものがあったと思います。
舟運は、まだまだ多くの都民には知られていません。地元の住民に聞いたところ、舟運の社会的実験を行っていることを知らなかったといったような人もよく見られました。
観光資源としても魅力がある舟運をより一層活性化していくためには、都はもっとPRをして、この認知度を向上させていくということが必要であると考えます。
そこで、舟運の認知度向上のための取り組みについて伺います。
○蔵居港湾経営部長 委員ご指摘のとおり、舟運を活性化していくためには、舟運の周知やPRをより一層進めていくことが重要でございます。
まず、舟運の周知への取り組みとして、今年度は舟運や水辺の魅力を伝えるPR動画を作成し、インターネットやSNSで公開をするとともに、旅行雑誌とタイアップした舟運パンフレットの観光案内所等での配布やホームページへの掲載などの取り組みにより、積極的に周知やPRを行っております。
また、体験を通じた周知の取り組みとして、多くの人々が集まる水辺のイベントと連携し、例えば羽田空港周辺の夜景を楽しむクルーズを運航するなど、さまざまな企画便を運航することで、舟運の魅力を体感してもらう機会を設けております。
さらに、ITを活用しました検索しやすさの取り組みとして、スマートフォンアプリ等を活用し、これまでの運航事業者ごとに提供されていた航路情報と、運航ダイヤ情報の一元的な発信や、船での移動を含む経路の検索を可能にすることで、より利便性を高めてまいります。
○白戸委員 どんなにすばらしい施策であっても、都民が知らなかったり、活用されなければ効果も半減してしまいます。都民向けの周知は大変重要なことだと考えますので、引き続き積極的にさらなる工夫を加えて行っていただきたいと思います。
加えまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の競技場が集まるこの臨海部には、海外から多くの観光客や観戦客が来訪することになり、注目度が一層高くなります。
東京都は、ことし二月に策定したPRIME観光都市・東京、東京都観光産業振興実行プラン二〇一八において、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数の目標を一六年の一・九倍に当たります二千五百万に定めております。二四年には三千万を目指すとなっています。
舟運の活性化を一層進めていくためには、こうした外国人旅行客を取り込むための取り組みが欠かせません。そして、逆に、この舟運を活性化することでインバウンドを活性化することにもつながると考えております。
そこで、舟運に関する外国人旅行者などに対する対応について伺います。
○蔵居港湾経営部長 外国人旅行者等に船の上から水辺を体感してもらうことは、東京の多様な魅力を楽しんでもらうためにも重要なことでございます。
先ほど答弁しましたPR動画は、映像に出てくるランドマークを英語でも表記しており、音楽と映像で舟運と水辺の魅力を外国の方にも伝えるツールとして活用しています。
また、船着き場周辺や、船着き場までの案内表示を多言語での表記に改善することで、外国の方が最寄り駅等から迷わずに船着き場までたどり着けるよう、案内表示板の改修にも取り組んでおります。
さらに、スマートフォンの検索アプリを四カ国語対応とすることで、船での移動を含む経路が簡単に検索できる仕組みを外国の方にも提供し、舟運の利便性を高めてまいります。
○白戸委員 今後、東京大会では大勢の外国人旅行者をお迎えすることになりますので、海外からの来訪者が舟運にアクセスしやすい環境づくりなど、来訪者対応に積極的に取り組むと同時に、認知拡大のためのPRにも力をいただきまして、東京の舟運をさらに発展していただきたいと思います。
そして、ここまでは舟運の活性化、そして、活用について伺ってきました。ご答弁いただいたとおり、東京では、今後、舟運の整備に力を入れていく方向、そのインフラを災害時にも生かすという観点で、次の質疑に移らせていただきます。
政府の地震調査研究推進本部が出している今後予想される地震の揺れの強さや確率をまとめた二〇一八年度版の全国地震動予測地図によりますと、今後、三十年以内に震度六弱以上の揺れが起こる首都圏の確率は、千葉で八五%、横浜で八二%、東京は若干低くなるんですが、それでも四八%。つまり、二分の一の確率で東京も被災するということになります。
ひとたび首都直下地震等の大規模災害が発生した場合、人口や都市機能が高度に集積しているがゆえに、人的被害、建物被害、そして、帰宅困難者の発生など、甚大な被害が出ることは避けられないと思います。
こうした状況におきまして、被害発生後の緊急輸送経路を確保することは大変重要であり、陸上輸送だけに頼らない、水上輸送を含めたあらゆる手段を用いることが求められます。
特に、沿岸部は周りを海や運河で囲まれた埋立地も多く、水上輸送が大きな役割を果たすと考えられます。
そんな中で、平成二十八年三月に、東京港防災船着場整備計画を策定しましたが、改めて整備計画の内容について伺います。
○原港湾整備部長 東京港防災船着場整備計画は、発災時に東京港の運河等におきまして、人や緊急物資を水上輸送できる体制の構築を目的として、平成二十八年三月に策定したものでございます。
具体的には、避難経路が限られる埋立地や、災害拠点病院、備蓄倉庫などの位置等を踏まえ、地元区とも連携し、これまで十三カ所でした防災船着き場を、既存の船着き場の改修や新規整備によりまして、三十八カ所に拡充する計画でございます。
これらの施設整備に加えまして、発災時の運用マニュアルの策定や防災訓練の実施など、ハード、ソフト両面から施策を推進することによりまして、発災時の確実な水上輸送を実現していくこととしてございます。
○白戸委員 三十八カ所ということで、非常に心強い計画だと思います。さらに、このハードの整備だけではなく、ソフトの施策を推進していることも重要で、施設だけをつくっても、それを使う人が把握できなければ移動できない、移動しないケースもあるのが事実でございます。また、計画が適切に進行されなければ、その意味は半減してしまいます。
そこで、この防災船着き場の整備に向けた現状の取り組み状況を伺います。
○原港湾整備部長 都は、防災船着き場の整備といたしまして、これまでに江東区の豊洲ぐるり公園の隣接地におきまして、新たな船着き場の整備を行いました。
また、既存船着き場につきましては、現在、日の出桟橋の改修工事中であり、港区芝浦の田町駅付近など二カ所につきましても、今年度内に工事に着手する予定でございます。
さらに、船着き場の位置等をわかりやすく示すサインや照明等の設計を行うとともに、工事着手に向けた近隣住民、水域利用者等との調整を進めてまいります。
○白戸委員 どれだけ整備が進みましても、肝心の使うべき住民がそれを認識していなければ、その有効性も高まりません。ぜひ、しっかりと告知し認識を高めていただくよう要望しておきます。
さて、発災時には、傷病者や医療従事者、帰宅困難の人員輸送や、医療、緊急物資といった物資輸送などを円滑かつ確実に行っていく必要があります。
そのために、防災船着き場の着実な整備とともに、防災船着き場が水上輸送拠点として確実に機能するように、発災時の運用に関するルールを構築することが重要です。
発災時の防災船着き場の運用に向けた取り組み状況について伺います。
○原港湾整備部長 発災時に水上輸送を担う防災船着き場が有効に機能するためには、関係行政機関や、船舶による人や物資の輸送を行う民間事業者等が連携して対応することが重要でございます。
このため、指揮命令や船舶確保などの役割分担、発災時における連絡体制などの確立を目的に、平成二十九年三月に策定いたしました東京港防災船着場、発災時の運用マニュアルに基づき、実践的な訓練を実施しております。
本年二月に実施した港湾局現地対策本部訓練では、三カ所の防災船着き場を対象にいたしまして、地震による船着き場の損傷状況や使用の可否を調査、点検し、本部へ報告する訓練を、都職員のみならず施設の指定管理者も参加して実施いたしました。
また、今年度の現地対策本部訓練におきましては、これらに加え、災害時の水上輸送に関する協定を締結しております舟運事業者等の団体や地元区と連携し、防災船着き場を使用して船舶による人や物資の輸送を実施するなど、より実践的な訓練を実施いたします。
引き続き、こうした取り組みを重ね、発災時における防災船着き場を活用した水上輸送体制の構築を図ってまいります。
○白戸委員 自然災害の発生を食いとめることはできませんけれども、備えを万全に行うことで、被害を最小限に抑えることは可能です。中でも、東京を取り囲む環境に適合した施策を進めることが有効であると考えます。
引き続き、この東京港防災船着き場の整備を着実に進めるとともに、効果的な運用により、災害時の水上輸送体制を構築し、安全・安心な都市を実現していただくことを要望しておきます。
続きまして、海の森公園の整備に関して質問させていただきます。
臨海地域には、東京二〇二〇大会の競技場が多く配置されることになっており、これから、ますます多くの注目を集めていくことになります。特に、カヌーやボート、馬術クロスカントリー競技の会場となっている海の森公園は、広い空を見渡せ、周りに海が広がり、都会の真ん中にありながら開放感あふれるすばらしい場所となっています。
私はこれまで、水上競技場の後利用については、海の森公園と連携していくことが必要であると主張してきました。こうした観点から、海の森の整備について確認させていただきます。
海の森は、都心近くにもかかわらず、自然公園にも匹敵するような緑豊かで自然あふれるような環境を整えていますが、この海の森公園の整備に至る経緯について伺います。
○中村臨海開発部長 海の森公園が計画されている埋立地は、昭和四十八年から六十二年にかけて、ごみの最終処分場として、ごみと建設発生土を交互に埋め立てるサンドイッチ工法により造成され、埋め立ての完了後は、この広大な空間を都民に還元していくため、平成十七年に海の森構想を策定いたしました。
この構想において、海の森公園は、自然環境の再生、活気ある個性的な公園、新しい事業手法の展開を基本的な考え方に据え、ごみの山から海に囲まれた緑豊かな公園への再生を目指すこととし、平成十九年に東京都海上公園計画に位置づけ、整備を進めております。
○白戸委員 海の森は、ごみの山から緑豊かな公園に再生するという理念に基づいて整備が進められたことを確認させていただいたわけですが、海の森のもう一つの大きな特徴といいますと、やはり都民とともに公園をつくってきたということだと思います。
そこで、これまでの都民協働の取り組み内容について伺います。
○中村臨海開発部長 海の森では、森づくりに必要となる苗木について、小学生やボランティアの方々にドングリから育てていただくとともに、その植樹には、約二万三千にも及ぶ都民や企業、NPO等の協力を得てきております。
さらに、海の森の魅力を広く情報発信するとともに、さまざまなイベントや樹林地の育成管理の機会を広く都民に提供する仕組みとして、平成二十五年度に東京都海の森倶楽部を創設し、企業、NPO、学校など、多くの都民参加を得ながら森づくりを進めているところでございます。
○白戸委員 一般的な公園では、開園してから公園管理にボランティアに参加いただくということはよく聞くところではありますが、海の森公園は、整備の段階である開園の前から都民とともに苗木づくりを始めるなど、本当に丁寧に都民と一緒になって進めてきた画期的な公園であると考えます。
東京二〇二〇大会の競技会場となっていることから、開園は大会後と聞いておりますが、開園後も、この海の森構想の理念に基づき、都民協働で森づくりを進めるべきと考えますが、所見を伺います。
○中村臨海開発部長 海の森の理念である都民との協働の考え方については、国際的にも高く評価されており、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ氏を初め、国際的に著名な方々も植樹に参加していただいているところでございます。
また、本年七月にシンガポールで開催された世界都市サミットにおいて、海の森を初めとする東京のまちづくりが、持続可能な都市創造に貢献した都市に贈られるシンガポールの初代首相の名を冠したリー・クアンユー・ワールド・シティー・プライズの特別賞を受賞しております。
森づくりには長い年月がかかるため、これまで評価されてきた海の森の理念を継承し、開園後も引き続き、都民を初め、企業、NPOなどとの協働による緑豊かな森づくりを進め、魅力あふれる公園としてまいります。
○白戸委員 リー・クアンユー・ワールド・シティー・プライズの特別賞受賞というのは、実は私も恥ずかしながら今回初めて知ったということになります。東京都の取り組みが評価されているということは本当にすばらしいことだと思います。
やはり、この海の森については、隣接する海の森水上競技場とともに、東京大会のレガシーとしてにぎわいを生み出して、これももちろんなのですが、それ以上に、この海の森公園の魅力とは、国内外に広く誇るべき、この森づくりの理念であると考えます。ぜひ、開園後もこの理念を尊重した公園づくりを継続いただけるよう要望して、質問を終えます。
○小林委員 私からは、海上公園のさまざまな活用の可能性や、東京二〇二〇大会の主要会場となる臨海副都心の取り組みについて何点かお伺いさせていただきたいと思います。
ことしは日本各地で災害が発生し、九月に発生した北海道胆振東部地震では、住まいや滞在先を失う住民や外国人旅行者が多数発生をいたしました。
東京においても、首都直下型地震が懸念される中、防災対策が重要課題でありますが、都内にある建設局所管の都立公園は防災公園という位置づけのもと、避難場所や防災の活動拠点の役割を果たしております。
臨海地域は人口が急増しているほか、海外からの観光客もふえているエリアでもあり、いざ災害が発生した際には、海上公園が果たす役割も重要であると考えます。
そこで、災害の発災時における海上公園の果たす役割についてお伺いいたします。
○中村臨海開発部長 これまで都は、臨海地域に三十八公園、約八百ヘクタールに及ぶ海上公園を整備してきており、このうち大地震などの発災時に避難場所や大規模救出救助活動の拠点となる海上公園において、防災対策を進めております。
辰巳の森海浜公園や大井ふ頭中央海浜公園など、大規模な海上公園においては、避難場所として活用される際に必要となる夜間時の円滑な誘導を促す照明や、断水時でも使用可能な防災トイレを整備してきております。
また、大規模救出救助活動の拠点としても活用できるよう、大型の緊急車両の進入が可能となる出入り口の拡幅や園路舗装の強化を行うとともに、物資の輸送や集積に対応する広場や照明等の整備を進めてきております。
○小林委員 防災上、公園の果たす役割が新たになったのは関東大震災であるといわれておりますが、海上公園も防災の活動拠点として、また、避難場所としての役割を担うために、防災設備の整備を初め、防災対策に取り組んでいるとのことですので、引き続き発災時に備えた万全の体制を整えていっていただきたいと思います。
次に、海上公園の観光資源としての機能についてお伺いします。
東京都では、先般、公共施設等のライトアップ基本方針を策定し、夜間景観の充実に取り組んでいくことになりました。この中では、公園についても対象施設となっておりますが、海上公園は水辺を擁していることから、ライトアップは海上公園の魅力を高める大切な要素であると思います。
そこで、臨海地域の公園や緑地を活用した夜景への取り組みについてお伺いいたします。
○中村臨海開発部長 都はこれまで、水辺の景観に配慮した海上公園の整備に取り組んできており、公共施設等のライトアップ基本方針においても、こうした取り組みが反映され、臨海部は重点エリアに指定されております。
例えば、先日開場した豊洲市場を取り囲むぐるり公園について、都は、LED照明を整備するだけではなく、フットライトをベンチに内蔵するなど、水辺に映えるライトアップにも取り組んできております。
また、ぐるり公園の開放に当たっては、その大部分を地元区に譲与することにより、地元区が隣接する公園などと一体的に管理運営できることとなり、今後、地域のにぎわい創出が期待されるところでございます。
○小林委員 今後の外国人観光客の誘致に向けて、東京の夜の観光に対する取り組みが重要になってきております。公園のライトアップは、夜間に近隣の住民が安心して歩けるだけでなく、夜間観光にも資すると思いますが、安全・安心を基本に、地元区とも連携をとりながら、海上公園を活用した取り組みを推進していただきたいと思います。
次に、私が三年前に経済・港湾委員会に所属していたとき、今後の海上公園の管理運営のあり方において、海上公園内に設置される東京二〇二〇大会の新規恒久施設の施設運営計画との関係を十分に考えていくべきではないかとの質問をさせていただきました。
その際、当時の臨海開発部長より、二〇二〇大会後の海上公園の管理のあり方については、オリンピック・パラリンピック準備局、港湾局を初めとする関係者で構成する施設運営計画策定検討会の中で策定される各施設の運営計画や、海上公園に寄せられている都民の期待なども踏まえて総合的に勘案して決めていくとの趣旨の答弁がございました。
その後、海上公園と競技施設の施設運営計画との関係について、どのように整理がされたのか、お伺いをいたします。
○中村臨海開発部長 昨年四月に策定されました新規恒久施設の施設運営計画を踏まえ、当局において、同年五月に海上公園ビジョンを策定したところでございます。
本ビジョンにおいて、東京二〇二〇大会の成功とレガシー活用を掲げ、選手村、競技会場と一体的な整備を図ることとし、海上公園内に立地する新規恒久施設については、公園施設として設置許可を行うとともに、競技会場にふさわしいバリアフリー化、サインの多言語化、トイレの洋式化などを進めてまいります。
あわせて、公園に整備した新規恒久施設がレガシーとして都民に親しまれ活用されるように、積極的なPRやイベント誘致などを進めてまいります。
○小林委員 オリンピック・パラリンピックの新規恒久施設が大会後も利活用される上で海上公園の果たす役割は非常に大きいと考えます。オリンピック・パラリンピック準備局とも連携し、レガシーの活用にぜひとも努めていただきたいと思います。
次に、海上公園のPRについてお伺いいたします。
東京二〇二〇大会の開催により、臨海地域は競技会場の整備だけでなく、民間開発も加速し、国内外からの注目が高まってきています。
臨海地域の中でも、臨海副都心は観光地として地名度が高く、さらに活性化するためには、まだ十分に生かし切れていない観光資源の活用を考えていく必要があると思います。特に水辺に立地する海上公園は観光資源としてのポテンシャルを有しており、有効に活用していくべきと考えます。
しかし、海上公園が数多くはありますが、認知度がまだ低く、多くの方に知られていない公園もあります。
現在は、最初から目的を持って公園を利用する方でないと公園に関する情報を得ようとはしないため、もっと効果的に情報発信していくべきと考えます。
私の地元練馬区には西武池袋線が運行していますが、東京メトロ有楽町線が乗り入れており、練馬区から乗りかえなしで豊洲や新木場に行くことができます。
私の最寄り駅の西武池袋線石神井公園駅から新木場行きの直通電車に乗れば、一時間弱で新木場に到着をいたします。交通上、練馬にとっても近い存在、また、利便性のある臨海地域なのですが、なかなかなじみがないという声も聞かれます。
海上公園を知らない方に来ていただくためには、もっと観光の視点を取り入れたPRを積極的に行って、行ってみたくなるような情報発信に取り組むべきと思いますが、都の見解をお伺いいたします。
○中村臨海開発部長 海上公園を広く都民に広報していくことは大変重要と考え、昨年五月に策定した海上公園ビジョンにおいて、海上公園に関する情報発信の強化を今後の取り組みの方向性として掲げたところでございます。
この方針を踏まえ、新たにエリア内の観光情報と関連させて海上公園を紹介するパークニュース、東京みなとりっぷを作成し、「ゆりかもめ」の駅などで配布することといたしました。
現在作成中の東京みなとりっぷでは、臨海副都心内に設置されるパラスポーツ関連の施設と隣接する海上公園をあわせて紹介することとし、東京二〇二〇大会に向けた機運向上とともに、このエリアのすばらしい水辺環境や眺望を楽しむことのできる海上公園について広く紹介してまいります。
○小林委員 臨海地域にはさまざまな観光、商業施設が数多くあるほか、海上公園を活用したイベントも多数開かれているため、こうした施設や機会も利用して、海上公園をもっと多くの方に知っていただく取り組みを推進していただきたいと思います。
次に、臨海副都心の魅力づくりに関する取り組みについてお伺いをいたします。
都議会公明党は、かねてより臨海副都心の魅力向上のためには、都の取り組みはもちろんのこと、地域の事業者の方々との連携が重要であると主張してまいりました。
都としても、臨海副都心のブランド力を向上させるための取り組みとして、民間事業者に対する補助事業を創設し支援を行ってきたことと思いますが、改めて、これまでの都の民間事業者を支援する取り組み状況についてお伺いいたします。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 都は、平成二十四年度に臨海副都心MICE拠点化推進事業、二十七年度からは、臨海副都心おもてなし促進事業を創設し、地域に進出した民間事業者が取り組む新たな観光資源の創出や、外国人旅行者の受け入れ環境整備のための事業を支援してまいりました。
これまでに、対面する人に反応して観光案内をするアンドロイドの設置を初め、イルミネーションの設置や商業施設の案内サインの多言語化、無料Wi-Fiサービスの拡充などを支援してまいりました。
これらの取り組みを通して、まちのにぎわいの創出、外国人旅行者の快適性、利便性の向上を図っております。
○小林委員 今ご答弁にもありましたように、民間事業者との連携した取り組みにより、新たな観光スポットの創出や外国人旅行者の利便性向上を進めてきたわけですが、今後、東京二〇二〇大会を間近に控え、臨海副都心は国内外からの来訪者がさらにふえることが予想されますので、これまで以上に来訪者に対する多様なおもてなしが必要となると思います。
都では、今年度、臨海副都心まちづくり推進事業を新たに創設しましたが、この事業の目的と概要についてお伺いをいたします。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心まちづくり推進事業は、これまでの補助事業の考え方を引き継ぐとともに、当局が実施している観光客へのアンケートや進出事業者からの声などに、より的確に応えるため、補助対象メニューを拡大し、まちのにぎわいと快適性に資する取り組みを幅広く支援するものでございます。
例えば、臨海副都心内をもっと気軽に移動したいとの声を受け、巡回バスなど地域内の回遊性向上に資する事業なども補助対象に加えております。
また、パラリンピック大会の成功を支援する取り組みとして、障害を持たれた方も含め、どなたにも快適に過ごしていただくため、各事業者の施設のバリアフリー化を一層促進するための補助を新たに行うこととしました。
○小林委員 港湾局が実施をしている観光客へのアンケートや、進出事業者からの声などに応える形で補助対象メニューを拡大したとのことですが、そうした声を形にしていくことは大事な取り組みであると思います。
今後も、利用者の声にアンテナを張りながら、使い勝手のよい補助事業の推進をお願いしたいと思いますが、その一つの要素として、臨海副都心における快適な環境づくりのための暑さ対策が挙げられるかと思います。
本年は、災害級の猛暑ともいわれましたが、暑さ対策は、今や人命を守る都政の重要課題であり、二〇二〇大会を控えた中、東京都だけでなく、民間事業者の協力による重層的な対策も必要であります。
この臨海副都心まちづくり推進事業においても、人命を守る観点、また、快適に過ごすための環境づくりのために、こうした暑さ対策への取り組みにも対応していくべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 副委員長ご指摘のとおり、大会時も含め酷暑への対策は臨海副都心の重要な課題と認識しております。臨海副都心まちづくり推進事業では、民間事業者が実施するミストシャワーや、民有地で一般の方が憩える日よけの設置など、暑さ対策に対する支援も想定してございます。
さらに、観光客を対象としたアンケートでは、休憩スペースの少なさについても課題として挙げられております。
このため、民間事業者の創意工夫を生かした居心地のよいパブリックスペースの創出などの支援を行い、訪れる誰もが暑さをしのぎながら快適に過ごせるよう取り組みを進めてまいります。
○小林委員 前向きなご答弁ありがとうございます。東京屈指の観光地でもある臨海地域ですので、ぜひとも積極的な暑さ対策の推進をお願いしたいと思います。
最後に、ムスリムへの対応についてお伺いします。
大会に向けては、多くの外国人旅行者がさまざまな地域から来訪することが予想され、その中には、異なった文化的背景や、宗教上考慮すべき事情もあります。多様性という観点から、このような外国人旅行者への対応にも配慮していかねばなりません。
近年は、ムスリムが多いマレーシアやインドネシアからの旅行者がふえていることもあり、以前、当経済・港湾委員会や公営企業会計決算特別委員会でも、ムスリムへの対応については私も何度か質問をさせていただきましたが、臨海副都心まちづくり推進事業では、ムスリムなど外国人旅行者の文化、生活習慣に配慮する取り組みについてどのように対応しているのか、お伺いをいたします。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 これまでも都は、ムスリムの方などの食習慣に配慮するため、飲食店において肉の種類をピクトグラムでメニューに表記する取り組みを支援してまいりました。
一方、地域の民間事業者も、臨海副都心まちづくり協議会が中心となり、異なる文化や習慣を持つ外国人の方への対応についてのセミナーの開催など、普及啓発に努めております。
このような異文化理解や多言語対応につきましては、民間事業者側のニーズが高いため、その研修の費用について新たに補助対象としたところでございます。
こうした取り組みを通じて、臨海副都心において、ムスリムの方を初めとする多様な文化、生活習慣を持つ外国人の方に対して、きめ細やかなおもてなしが実現するよう支援してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。臨海副都心は、二〇二〇大会に向け世界中の注目が集まります。行政と民間とでともに協力し合い、外国人旅行者や障害のある方など、さまざまな方が居心地よく過ごすことができ、また、何度でも訪れたくなるような魅力が詰まった地域へと、さらに高めていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○山崎委員 私からも、何点か質問させていただきたいと思います。
まず初めに、東京二〇二〇年大会の開催時における円滑な港湾物流の確保について、そういった視点から質問させていただきたいと思います。
二〇二〇大会開催時における円滑な港湾物流の確保に向けた取り組みについて伺います。大会では、臨海エリアに多くの競技会場や選手村、関連施設などが配置をされることから、大会期間中は相当な数の大会関係車両が東京港のふ頭周辺の道路を走行することが、もちろん予想されるわけであります。
また、東京全体の交通体系がどうなっていくのか。例えば環状二号線、これは本線のトンネルが開通をしないわけであります。この影響というものは非常に大きな影響があり、また、そのために選手村から、晴海から、選手の皆さんは、例えば新国立競技場には首都高速を使って行かなくてはならない状況下になってしまったという、ただいまの現実というものもあるわけであります。
また、ここ十年近く、現在もそうなんですけれど、東京港のふ頭周辺ではコンテナ車両による交通混雑が大きな課題となっております。
コンテナ貨物取扱量がほぼ一貫して増加傾向にある中、港湾局と港湾関係事業者の連携によるさまざまな取り組みによって一定の改善が見られているものの、依然として交通混雑が発生している状況にあり、完全に解消されているわけでは、もちろんありません。
私も地元ということで、いろんなところから、この臨海部の交通の状態というか、そういったものを見させていただいております。
例えば中防までに行くにはいろんなルートがあります。新木場を通って、若洲を通って、ゲートブリッジを通って中防に行くパターンと。そして、辰巳、東雲、有明、そこから中防に行くパターン。青海を通過しますけれど。それですとか、青海からももちろん中防に行ける、台場を通過してね。台場、青海、中防と。また、大田区の方からは城南島から中防に入るパターンと、大きくは三つのパターンがあるのかなと思います。
そういう臨海部、これは時間帯をそれぞれ変えて現場を私も見ているんですけれど、やはりコンテナの車両が、三車線あるうちのなぜか真ん中にとまってハザードでランプをつけて、そこに十台ぐらい並んでいた、そういう状況も見受けられましたし、また、外側の一車線が全く潰れてしまっている状況も見受けられましたし、それぞれ、いろんなことがあったと思います。
やはり時間帯によってこれも違うことなんですけれど、そういう現在の状況であるということは、港湾局の皆さんももちろん認識をされておりますし、地元の湾岸警察の方も、こういった事態というものはどう解消していったらいいのか、その都度その都度、対応はもちろんされておりますけれども、こういう事態であるということは、ぜひ皆様にも、まず認識をしていただければと思います。
このため、大会期間中において、大会関係車両とコンテナ車両による深刻な交通混雑が発生をし、東京港の物流機能に大きな影響を与えるのではないかという懸念がされているわけであります。
我が党は、さきの第三回定例会代表質問においてもこの問題について質問を行いましたが、本日も、これに関して何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
東京港では、日々多くの貨物が荷主から船へ、また、船から荷主へ届けられておりますが、この港湾物流は、港運事業者やトラック事業者、また、倉庫事業者などの多くの事業者が関係をしております。
このため、大会開催時における円滑な港湾物流の確保に向けた対策の検討と、その実施に当たっては、これらの事業者の協力を得ることが必要不可欠であり、港湾局のみの努力では限界があると、いうまでもないと思っております。
大会運営と円滑な港湾物流の両立を図るには、東京港、港運事業者、トラック事業者等が一丸となって課題解決に取り組むことが極めて重要であると思います。
そこで、まず、事業者との連携強化に向けた都の取り組みについて、初めに伺います。
○戸谷港湾振興担当部長 港湾物流には、さまざまな事業者が関係しておりますことから、東京二〇二〇大会を成功させるとともに、大会開催時における円滑な港湾物流を確保するためには、副委員長ご指摘のとおり、これらの事業者と連携を密にし、協力を得ることが重要であると認識しております。
このため、港湾局や港湾運送事業者、トラック事業者、倉庫事業者等で構成される協議会などを活用いたしまして、オリンピック・パラリンピック準備局とも連携しつつ、大会に関する情報の提供を適宜実施するとともに、意見交換等を通じて大会運営に関する理解の醸成に努めてきたところでございます。
また、事業者からの意見や要望等をきめ細かく把握するために、事業者団体等への個別訪問も積極的に行っておりまして、引き続き事業者との連携強化に努めてまいります。
○山崎委員 大会運営と円滑な港湾物流を両立させるためには、ただいまの答弁にもあったように、まずは事業者の方々に大会運営に関して十分理解をしてもらうことが必要であり、また、引き続きオリ・パラ準備局としっかりと連携をし、適宜適切な情報提供に努めてもらいたいと思います。
まずは、理解をしてもらうことが必要である、それは当然なんですね。この理解、また情報を提供すること、それは当たり前であって、港運事業者、いろんな方々、事業者の人たちに理解をしてもらった上で、それを実行してもらわなきゃいけない、そこが難しいところなんですね。ぜひ、そういった点はしっかりとお願いをしておきたいと思います。
また、事業者からの意見、要望に丁寧に耳を傾けていくことも大変重要であると思います。港湾物流の現場の担い手から寄せられている声をしっかりと把握し、十分に検討してもらいたいと思いますが、それでは、事業者からは具体的にどのような意見や要望が寄せられているのか、お伺いをいたします。
○戸谷港湾振興担当部長 事業者からは、大会開催時における臨海部の詳細な交通混雑予測を早期に提供してほしいという意見が多く寄せられております。
また、交通混雑を緩和させるために必要とされている貨物の配送時間の変更などについては、荷主の理解を得ることが必要であることから、都や組織委員会から荷主に対して積極的な協力要請を行ってほしいと、こういった要望も多くいただいている状況でございます。
○山崎委員 大会期間中の交通混雑に関する予測の提供、これは恐らく混雑マップ、先日公表されたと思いますけれど、このことだと思います。及び配送時間の変更等に関する都などからの荷主への協力依頼について、事業者から多くの要望が寄せられているということでありますが、それらの要望に対して、都はどのように対応していくのか、具体的に教えてください。
○戸谷港湾振興担当部長 大会期間中におけます円滑な港湾物流の確保に向けて、事業者が対策を検討するに当たって、臨海部の交通混雑予測は必要不可欠のものであると認識しております。
港湾局では、オリンピック・パラリンピック準備局と連携いたしまして、先日公表された混雑マップなどを踏まえまして、大会期間中における臨海部の交通状況について、分析作業を開始したところでございまして、事業者への早期の情報提供を目指してまいります。
また、荷主の方々に関しましては、これまでもメーカー等の物流担当者との意見交換会ですとか、東京港における取扱貨物量の多い荷主等への個別訪問などを通じまして、二〇二〇大会に係る情報の提供や大会運営への協力要請を行うとともに、大会時の円滑な港湾物流を確保するための方策について、率直な意見交換を行ってきたところでございます。
引き続き、荷主に対しては、貨物の配送時間の変更などに関する積極的な協力をお願いしていくとともに、オリンピック・パラリンピック準備局や組織委員会とも連携しながら、経済団体や業界団体等を通じた働きかけなども行ってまいりまして、多くの荷主の方々にご理解とご協力をいただけるよう取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 今、多くの皆様にご理解とご協力をいただけるように取り組みを進めていくという最後の部分がありました。私、思うんですけれど、それぞれの事業者の皆さんは、もちろん企業として成り立って、そして、お金を得るわけであって、そういった人たちに対して理解、協力を得るということは、非常に私は大変なことだと思います。
オリンピック・パラリンピックだから協力をしてください、それはもちろんのことだと思いますけれど、それに対して都がどこまで汗をかいていくのか、そういったこともしっかり検討していかなくてはならないと思いますので、その点もつけ加えさせていただきたいと思います。
ぜひ港湾局には、オリ・パラの準備局としっかりと連携をして、大会開催中における臨海部の交通状況について、よりきめ細かい情報の提供にも努めていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
また、私は、本年第一回定例会、経済・港湾委員会においても、大会運営と港湾物流を両立させるには、荷主からの協力を得ることが重要である旨の指摘をしたところでありますが、荷主が指定した納品時間に基づきトラック事業者が東京港で貨物を引き取り、荷主のもとへ配送するといった一連の流れを踏まえると、やはり荷主の協力なくしては大会開催中における円滑な港湾物流の確保は困難であると考えます。
一口に荷主といっても、メーカー等の大手企業、もちろん大きな荷主さんから貨物量の少ない荷主さんまで千差万別あることから、こうした違いにもしっかりと配慮をしながら広く協力をいただけるよう、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいことをお願いしておきたいと思います。
東京二〇二〇大会の成功と円滑な港湾物流の両立に向け、事業者や荷主には、ぜひ積極的に協力をしていただきたいわけでありますが、一方で、都がみずから、先ほどもお話をさせていただきましたが、都みずからが汗をかいて取り組まなくてはならない課題は、ふ頭周辺の道路における交通混雑のさらなる緩和だと思います、さらなる緩和。
大会開催時には多くの大会関係車両とコンテナ車両が、ふ頭周辺の道路を走行することになりますが、東京港は、首都圏ひいては東日本の生活と産業を支える重要な港であることから、都は大会期間中における港湾物流の機能をしっかり守るために、港運事業者やトラック事業者などに、港湾物流を支える事業者からの一層の協力を得た上で、交通混雑の緩和に向け、さらなる取り組みを進める必要があると考えます。
港湾物流が混乱するのではないかという懸念があります。荷主がやむを得ずほかの港、他港を選択するような事態を招いては絶対ならないと私は思います。
東京港がこのようなオリンピック・パラリンピックの状態だから、ほかの、隣の、例えば川崎、横浜、そういうところに移ってしまうおそれがある。こんなことになったら、一回行った人たちは果たして戻ってくるでしょうか。これは非常に大変な問題になると思います。
ですから、東京港を今まで使ってもらっている人たちに、どのように協力を得て、そして、都もこういうふうにみずから汗をかいているから大会期間中だけ我慢してくださいと、膝詰めで皆さん方が港運事業者の方に足を運んで、オリ・パラの皆さんとも連携をしながら、しっかりやっていかなくてはならない、私はそのように考えております。ぜひ、そういった点は、しっかりと取り組みを前に進めていただきたいと思うわけであります。
そこで、都は、事業者としっかりと連携をし、交通混雑対策をより一層積極的に推進するべきであると考えますが、見解を伺います。
○蔵居港湾経営部長 これまでも都は、交通混雑の緩和に向けた取り組みとして、いわゆる早朝ゲートオープンや、コンテナ貨物の一時保管場所を設けて、コンテナ車両の時間的な分散化に資するストックヤード実証実験などを行ってきており、一定の改善が見られておりますけれども、大会運営と円滑な港湾物流を両立させるためには、より一層の取り組みが必要であると認識しております。
このため、都は現在、港湾運送事業者やトラック事業者とともに、さらなる対策案の検討を進めているところでございます。
大会の成功と円滑な港湾物流の確保に向け、都は関係事業者と緊密に連携し、今後とも精力的に取り組みを進めてまいります。
○山崎委員 ぜひ、今、蔵居部長がいったように、その取り組みを前にしっかり進めていただきたいと思います。
繰り返しにもなりますが、国内最多のコンテナ貨物を取り扱う東京港であります。首都圏ひいては東日本の生活と産業を支える重要な役割を果たしている港でもあります。東京二〇二〇大会を成功させるために、大会期間中において、東京港の物流機能が一日たりともとまることのないようにしなければならないわけであります。
こういった点において、ちょっと具体的に、皆さんにお願いを最後にしておきたいと思います。物流の基幹道路として、現在、整備が進められております臨港道路の南北線、これが大会期間中の活用といった課題もあることをあわせて指摘しておきたいと思います。
この臨港道路の南北線、オリンピックの前までにもちろん完成をいたします。この臨港道路の南北線、これは、今の計画の中ではオリンピックの前に完成はするんですけれど、オリンピック時には一般開放はしない。要は、海の森のボート、カヌー、スプリント、この競技会場にもちろん隣接をしている、ちょうどスプリントのところの上に橋が最後かかっている、そのような状態からこの南北臨港道路を使うことができない、そのような、今、計画になっていると思います。
しかし、先ほど来、私がお話ししているように港湾物流、都心部、もちろん首都圏、東日本ともつながる臨海部でありますから、交通の渋滞の緩和をするためには、新しくできたこの南北臨港道路を私は使うべきだと思います。しかし、大会に影響を及ぼしちゃいけない、それも私は十分理解をしております。
ですから、どういうことかというと、例えば夜中だとか朝方だとか、時間帯をしっかりと明記した上で、この南北臨港道路を一般開放していく、そのことによって交通の渋滞はさらなる緩和をしていく、また、いろいろな四つ目のルートになっていく、そういったことも考えられるのではないのかなと。
これは、具体的にぜひしっかりと検討していただいて、オリ・パラと、特にまた組織委員会とも連携をしていただいて、港湾局として、やはり港運事業者やトラックの事業者の皆さんに理解を得るためには、東京都がここまでこういう努力をいたしました。このような臨港道路を使えるように、時間帯はこういうふうに限られるかもしれないけれど、このように使うことができたので、ぜひ皆さん協力してくださいという、そういう協議をしていくのが、私は東京都の役割であり役目だと思いますので、ぜひこの点は、南北臨港道路の、繰り返しになりますが活用についてはしっかりとお考えをいただいて、前に進めていただきたいことをお願いさせていただきたいと思います。
都は、東京二〇二〇大会開催時における円滑な港湾物流の確保に向け、港の現場を支えている事業者と連携をして着実に取り組みを進めるよう、最後にも要望しておきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
続いては、東京二〇二〇大会に向けた臨海副都心の取り組みについて何点かお伺いをいたします。
昨年度の事務事業でも質問させていただいておりますが、東京二〇二〇大会の主要会場が集まる臨海副都心は、大会を契機に今後一層注目が集まるもちろんエリアとなります。このエリアは、東京を世界で一番の都市へ牽引する上で重要な地域であることから、より魅力あるまちづくりをしっかりと展開していく必要があると考えます。
このため、臨海副都心にある、まだ開発されていない都有地については、大会後、効果的に活用できるよう開発を着実に進めていくことが、また重要であります。
昨年度も、事務事業質疑で、この観点から質問をさせていただきましたが、開発に向けた早期の準備の必要性を指摘させていただいたところでもありますが、その後の取り組み状況について確認をしていきたいと思います。
まず、現在の臨海副都心の土地の公募状況について、初めに伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心の土地公募状況でありますが、昨年十二月に有明南地区や青海地区南側の二区画の未処分地について公募を開始しました。
このうち、有明南地区の未処分地につきましては、本年七月に進出予定事業者として武蔵野大学が決定しております。この地区に既に集積しているコンベンション産業を支える人材育成等に資する施設として期待されております。
また、引き続き公募中の青海地区南側の未処分地につきましても、現在、事業者からの問い合わせを受けており、対応を進めているところであります。
○山崎委員 大会後のまちづくりを見据えて次の一手を打っていることは今の答弁で確認ができましたが、たしか有明の南地区、青海の南側の二区画、これはそんなに大きな土地じゃなかったと思いますよね。一ヘクタール両方ともない、〇・五とか、〇・四とか、そのくらいのたしか大きさだったと思います。
そうはいっても大会後を見据えた、そういった部分でのことでありますので、ほかの未処分地についても、臨海副都心の継続的な発展のためには、速やかに未処分地の開発を進めていく必要があると思います。
今後の未処分地の開発について所見を伺います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 現在、各エリアの開発に向けて、検討、調整を進めているところでありますけれど、未処分地が多く残る有明北地区につきましては、大会のレガシーを生かして、スポーツとイベントでにぎわうエリアとして、また、青海地区北側は、ビジネス、観光、エンターテインメントなどが活発なエリアとして開発を進めていく必要がございます。
有明北地区につきましては、今年度、まちづくりの方向性を検討するため、民間事業者に対してサウンディング調査を行い、幅広く意見をいただいたところでございます。
今後も、未処分地に配置すべき機能、開発手法などのさまざまな課題につきまして、関係局などとも連携しながら検討を進めてまいります。
○山崎委員 先ほども森澤委員、ほかの方も、このことはご質問されておりましたが、まさに有明の北地区については具体的な検討が進んでいるという、そういったことも確認ができたんですが、やはり臨海副都心全体を見渡すと、考えなければならない課題というのがまだあるわけです。
地元の近隣のマンションの人たちからもいろんな要望が出ておりますけれど、やはり有北の有効な土地というものは、しっかりと、これからの臨海副都心の最後の開発の最終段階に私はなっていくと思いますので、オリ・パラも含めた、オリ・パラで活用されている土地と連携をする、そういう部分、また、仮設で十年間使うところももちろんあるわけでありますから、そういったところとの兼ね合いだとか、しっかりと考えていきながら、この開発を前に進めていただきたいことを要望しておきたいと思います。
また、青海地区の北側について、一つお話をさせていただきたいと思います。
先ほど来、質問の中でも出ておりました、二〇二〇年七月に東京国際クルーズターミナルが開業し、新しい東京、日本の玄関口になる新客船ターミナルの話でありますけれど、先ほど来、皆さんからも質疑があったわけであります。
皆さんも現場へ行かれた方はわかると思うんですけれど、私はこの東京国際クルーズターミナル、非常に待ち遠しをして、そういう思いを持っておりますが、目の前に何があるか、船の科学館があるんですね。
この船の科学館、非常に歴史ある--私がもう小学生のころから船の科学館はあって、自転車で四十分ぐらいかけて、私、江東区の実家の方から船の科学館まで行って、プールに入って、それで帰ってくる。実は、たまに野犬に襲われたりですとか、そんなようなことも、あの土地、何もなかったですから、昔はそういったこともありました。ただ、この船の科学館が非常に老朽化をしている状態は皆さんもおわかりだと思います。
何がいいたいかというと、新客船ターミナル、すばらしい客船ターミナルで、世界中の客船が七月に来て、目の前、船の科学館、ぼろぼろといったらちょっといい過ぎかもしれないけれど、でも、船の科学館の中に今、入ってみると、雨が降っているときは傘を差して入んなきゃいけない。内側に入るのに、傘を差して入んなきゃいけない。要するに、中が雨漏りしているんです。そのように古い状態の船の科学館があって、外国の方々が東京に着いて、新客船をおりて目の前にある船の科学館、このような状態で本当にいいのかな。
私は、前の事務事業でも、予特でも、こういったお話はさせていただきました。二〇二〇年に間に合う、間に合わないは非常に難しい問題かもしれませんけれど、この点は、港湾局の皆さんだけではない、ほかの局も関連をしてくることだと思います。ぜひこの船の科学館の対応については、よろしくお願いをしておきたいと思います。
また、今度は青海地区の南側、現在、公募をしているテレコムセンターの横は、〇・五ヘクタールだったと思います。その隣には大江戸温泉物語という温泉の施設があります。これが、オリンピックが終了した後、二〇二〇年十二月までの契約なんですね。あそこは、たしか三ヘクタールぐらい。ですから、通りを挟んで、〇・五ヘクタールと三ヘクタールの土地があるんですね。確かに、未処分地が大きくて使いづらいというお話、先ほどどこかの答弁であったかもしれないけれど、三・五ヘクタールあるこの土地を有効に使う、そういったことも、東京都はしっかりと考えていかなくてはならない。
また、公募をする際に、こういったことも一緒に使えるような、何かそういうインセンティブを与える、細々したそういう一つずつを考えていくのも確かにいいことかもしれないけれど、臨海部全体を考えた上での開発というものは、いろんなところにいろんなものがあることでも、それもいいかもしれないけれど、やはりこのエリアは何が必要なんだ、こちらのエリアは何が必要なんだと、大きな視点でしっかり考えていただきたいことを要望させていただきたいと思います。
まさに臨海副都心は、東京の経済、観光を牽引する重要なエリアであるからこそ、こうしたさまざまな課題を認識した上で、戦略的にまちづくりに向けてしっかり検討をしていただくようお願いしておきたいと思います。
またそして、オリ・パラ、二〇二〇年が終わってから計画を決定するわけではなくて、今から計画を策定して、オリ・パラ前までには計画をつくり上げていく。それでないと、オリ・パラが終わった後から計画をまた進めていくとなると、どんどんどんどん遅くなってしまう。オリ・パラが終わってから東京の経済はとか臨海部はどうなっていくんだということを見据えると、やはり今から計画をしっかりと策定して、計画づくりを終了しなきゃいけない。ぜひその気概で港湾局の皆様には頑張っていただきたいことをお願いさせていただきたいと思います。
済みません。時間ももうちょっと超えておりますが、最後に、一つだけ質問をさせていただきたいと思います。暑さ対策。
先ほど小林委員からもご質問があったと思いますが、私も昨年度の事務事業で都の暑さ対策について質問いたしました。保水性の舗装や遮熱性の舗装の整備、さまざまな取り組みを行っているということが確認できました。
しかし、ことしの夏は非常に暑かった。そして、新聞報道によると、保水性の舗装と遮熱性の舗装は一定の効果があります、そういったことが出ておりますが、体感温度を下げるためには、やはり日陰も有効だということであります。しかし、臨海副都心は広大なエリアにもかかわらず日陰が少ないわけであります。
そこで、日陰の創出など、暑さ対策、どのようにしていくのか、お伺いをいたします。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 副委員長ご指摘のとおり、暑さをしのぐ対策の一つとして、日陰をつくり、来訪者に提供することは効果的と考えております。
特にシンボルプロムナード公園は、大会時の観客動線となることから、観客を初めとした来訪者が暑さをしのぐことができる日陰を創出してまいります。
具体的には、シンボルプロムナード公園内に暑さをしのげる休憩施設の設置について検討に着手したところでございます。あわせて、街路樹の剪定を工夫して緑陰を創出するなど、総合的な暑さ対策に取り組んでまいります。
なお、この休憩施設につきましては、デザイン性なども考慮し、臨海副都心の新たな魅力創出にもつなげてまいります。
○山崎委員 三十一年度の予算がどうなるかまだわからないんですが、環境局、オリ・パラ局、建設局などともしっかりと連携をして、この暑さ対策、前に進めていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
ただ、私は思うんですけれど、暑さ対策といってもいろんな観点からあると思います。しかし、お金がじゃんじゃんあるわけじゃないんですね。お金がじゃんじゃんあれば、いろんなところで暑さ対策ができるかもしれない。
しかし、やはりこの暑さ対策というものは、もちろん行政がしっかり、最低限やらなきゃいけない部分はあると思いますけれど、この暑さ対策に対してどのように周知をしていくか。自分を守るためには、こういうことを皆さんやってください、服装はこういうふうにしてくださいだとか、必ず飲み物は個々に持ってくださいとか、そういう周知というものが一番初めに絶対重要なんですね。その上で、東京都、行政、もちろん組織委員会も含めて、お金がじゃんじゃんあるわけじゃないわけでありますけれど、どこまで必要最低限でやっていくかというところがこれから問われていくと思いますので、その点はよろしくお願いを申し上げて、済みません、随分時間がオーバーしました、委員長、これで終わります。
○尾崎委員 最初に、TOKYOミナトリエについて幾つか質問したいと思います。
私は、日本共産党都議団として、ことしの夏にTOKYOミナトリエを見学しました。単なる展示だけでなく、楽しく学べる工夫があちこちにあり、多くの人に来ていただきたいと思いました。
中でも、床一面に東京港の地図が描かれており、外の景色と一体に、何がどこにあるのか理解しやすいものになっていました。タブレットを手に、臨海部のビルや施設など三百六十度映像で映し出されるみなとづくりバーチャル探検は、大人でもわくわくするものでした。
そこで、東京臨海部広報展示室TOKYOミナトリエの整備に、どのぐらいかかりましたか。事業についてはどこに委託をしているのか伺います。
○梅村総務部長 整備費につきましては約二億二千三百万円でございまして、管理運営につきましては、一般社団法人東京都港湾振興協会に委託をしております。
○尾崎委員 東京都港湾振興協会に管理運営を委託しているということですが、この間の委託費用の予算、決算、そして、今年度の予算額について伺います。
○梅村総務部長 委託費の平成二十九年度の予算額は約五千五百万円、決算額は約五千三百万円でございます。
本年度予算額につきましては約五千四百万円でございます。
○尾崎委員 私たちが見学に行ったときには、学校は夏休みだったと思いますが、来場者が少なかったような印象があって、とても残念だと思いました。
年間の来場者についてはどうなっているのか伺います。
○梅村総務部長 ミナトリエにつきましては、平成二十九年四月二十八日に開設した施設でございまして、平成二十九年度、こちらおおむね十一カ月間となりますけれども、その来場者数は約二万一千六百人でございます。
今年度四月から十月までの来場者数は約一万六千八百人でございます。
比較が可能な五月から十月までを見ますと、来場者数は、約一・四倍に増加をしております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁の中にも、来場者が約一・四倍にふえているということでした。
TOKYOミナトリエは、青海フロンティアビルの二十階にあります。私たちが見学した際、どこにあるのか、探すのが大変でした。案内の看板が探せなかったのです。見学後に、看板の配置などを担当の方に要望したところでした。
最近、十月に行きましたら、駅からおりて、青海フロンティアビルの窓に大きくTOKYOミナトリエの文字がありました。大変目立っていました。どんな展示をしているのかなどのPRをもっと工夫することも必要だと思っています。
そこで伺いますが、TOKYOミナトリエのPRはどのように行っていますか。
○梅村総務部長 ミナトリエは、日本の経済や生活を支える東京港や、国内外から多くの人々が訪れる臨海副都心につきまして、その役割などを紹介する展示室であることから、幅広い方々にご利用いただけるよう、取り組んでいるところでございます。
具体的には、都内の全小学校に対しまして、社会科見学施設としてご案内するとともに、SNSや地域情報誌を活用してPRを行っているところでございます。
また、「新東京丸」の乗船とミナトリエの訪問を組み合わせまして、家族で参加しやすい土曜日や夏休み期間の見学会ですとか、児童養護施設を対象とした見学会などを実施しております。
引き続き、多くの方にご利用いただけるよう取り組んでまいります。
○尾崎委員 都内の全小学校に対し、社会科見学施設として案内するということはとてもいいことだと思います。また、都内だけでなく、首都圏にも広げるべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、株式会社ゆりかもめについて幾つか伺いたいと思います。
日本共産党都議団は、築地市場の豊洲市場への移転は反対です。
小池知事は、食の安全・安心を守る、築地は守るの公約を投げ捨てて、十月十一日に豊洲市場を開場してしまいました。
築地市場は銀座にも近く、交通の便が大変よかったわけですが、豊洲市場は、最初から交通網への不安も出されていました。「ゆりかもめ」の豊洲発新橋行きの始発は、既に二十六分の繰り上げで、朝五時十五分発になっています。
そこで、豊洲市場の開場に伴い、どのような変更を行ったのか伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 開場前の十月一日から、市場前駅におきまして、始発から十九時までの間、駅係員を一名配置しております。
○尾崎委員 以前は駅員は配置されていなかったわけですが、ただいまのご答弁でも、一人配置したということです。市場前駅の乗降者数や市場でのイベントなどの情報をつかみながら、必要に応じて駅員の増員を行うことが必要だとも思っています。
豊洲市場が開場し、以前よりも利用者が五倍くらいになっているのではないかとも聞いています。
豊洲市場の開場に伴い、市場前駅の乗降者数をどのように試算しているのか伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 乗降者数につきましては、需要予測調査に基づき試算をしております。
今後は、実際の利用状況を踏まえ、駅係員の配置の見直しなど、柔軟に対応していく予定でございます。
○尾崎委員 「ゆりかもめ」の駅で、駅員がいないところはありますか。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 「ゆりかもめ」につきましては、開業当初は原則無人駅でございましたけれども、お客様サービス向上のため、現在では、利用状況を踏まえて各駅に係員を配置しております。
早朝や夜間など無人となる時間帯には、各駅のインターホンを通じてお客様センターの係員が対応するほか、イベント等での混雑が見込まれる場合は、駅係員を増員するなど適切に対応しております。
○尾崎委員 今年度の駅改修計画はどうなっているのか伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 駅の改修につきましては、駅舎外壁の修繕、ホームや連絡通路の照明の取りかえ、トイレや点字ブロックの改修などを計画的に実施しておりまして、今年度の主な対象につきましては、新橋駅及び豊洲駅でございます。
○尾崎委員 駅のトイレのバリアフリー化の状況について伺います。
○山岡開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 開業当初から全駅に誰でもトイレを設置し、バリアフリーに対応しております。
現在は、この誰でもトイレに大型の操作ボタンやオストメイト対応設備を設置するとともに、一般トイレの洋式化を進め、全てのトイレに温水洗浄便座を導入していくなど、さらなる利便性向上を図り、全ての方々に優しい環境づくりに取り組んでいるところでございます。
○尾崎委員 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、トイレの洋式化や、誰でもトイレにオストメイト対応設備の設置は大変重要だと思います。
十年前の数字ですが、オストメイト人口は十五万人ともいわれています。現在はもっとふえているんだろうと考えられます。
私の知り合いも、がんで人工肛門になりましたが、出かけるのは不安だといっています。何が一番不安なのかと聞くと、やっぱりトイレが不安だとのことです。
駅のトイレにオストメイト対応設備があると、安心して出かけることが可能になるのではないでしょうか。トイレの数もぜひふやしてほしいと要望するものです。
次に、調布飛行場の安全対策について伺います。
二〇一五年七月二十六日、調布飛行場を離陸直後、住宅に墜落する事故が起きました。
調布飛行場は、島しょ間との旅客、貨物の輸送が中心であり、大変重要な役割を持っています。しかし、住宅街の中にある飛行場であるため、住民を巻き込む危険性が強く、墜落事故から三年以上経過していても、住民の皆さんの不安は薄れることはありません。
東京都はこの間、今後、万が一、調布飛行場など都営空港を離着陸した航空機が都内で墜落した際、住宅に被害を受けた方に対し迅速な生活再建支援を図るため、住宅の建てかえなどに必要な資金を支援する新たな被害者支援制度をつくりました。また、安全対策を強化したということですが、どのように強化したのか質問していきたいと思います。
最初に、二〇一五年の墜落事故を踏まえ、再発防止等に必要な安全対策を整備したということですが、新しく行うようになった安全対策、追加した安全対策について具体的に教えていただきたいと思います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におきまして強化した主な安全対策でございますが、機長等の安全意識の徹底を図るため、機長等が安全啓発のための講習会を受講することや、講習会に参加した整備士が機体を点検、整備することを義務化いたしました。
また、自家用機の飛行前の点検に当たりまして、機長に出発前確認のチェックシートの提出を義務づけ、これを機長のほか、都の航空機専門員があわせて確認をしております。
○尾崎委員 日本共産党都議団は、事故の直後から、第三者による安全のチェックが必要だと要望してきました。
私は、二〇一五年の事務事業質疑でも、安全を担保するために何が必要かという観点で検証し、今後有効な対策を行うことが大事だと思いますと、人手やコストはかかっても、第三者的な専門家の確認を行うことが必要だと、そのとき要望しました。
先ほどご答弁がありましたが、今回、自家用機の出発前の点検に当たり、機長にチェックシートの提出を義務づけ、機長と都の航空機専門員がチェックシートを確認するということになったのは重要です。
そこで伺いますが、航空機専門員の配置はいつからですか。また、何人なのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 航空機専門員につきましては、本年七月から二名を配置しております。
○尾崎委員 航空機専門員は二人ということです。非常勤職員として日常的に配置しているということも伺っています。
機長がチェックシートを記入し、記入された書類を航空機専門員がチェックすることになるわけですが、書類だけのチェックで大丈夫なのかという疑問もあります。搭乗者氏名を記入する一覧表がありますけれども、搭乗する氏名を記入するのみとなっています。備考欄はありますが、体重などを記入する欄はありません。これでは不十分ではないでしょうか。
三年前の自家用機墜落事故の原因の一つが、重量オーバーだったのではないかともいわれていました。自家用機に積み込まれる貨物の重量などについても現物の確認をすること、また、搭乗者が名簿で提出した人なのか、本人であることを確認できるようにすることなども要望するものです。
次に、パイロットの体調確認は、具体的にはどのように行うのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 自家用機の操縦者に対しまして、飛行前に操縦者の出発前確認事項等の確認書及び宣誓書を提出してもらい、その中の項目として、操縦者が運航に支障のない体調であることを申告するとともに、都の航空機専門員が確認をしております。
なお、今、理事からお話がありました搭乗者の体重等につきましては、飛行前チェックシートに記入していただくとともに、本人確認も実施しているところでございます。
○尾崎委員 パイロットの体調確認は、大変重要な問題です。ただいまのご答弁ですと、飛行前に自分で自分の体調について申告するということです。
しかし、体調については、自覚症状がなくても体調に異常がある場合もあるのではないでしょうか。航空機専門員がパイロットの本人確認もするのだと思いますが、それだけでは不十分だと思います。体調については、飲酒の状況、睡眠時間なども含め、もっと詳しくチェックする仕組みが必要だと強く要望するものです。
次に、外部監査、第三者チェックを導入しましたが、外部監査は何人なのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 航空機の運航の安全性等について見識を有する監査員二名により、外部監査を実施しております。
○尾崎委員 外部監査は、いつからスタートしたのですか。また、開催状況はどうなっているのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 外部監査につきましては、本年七月に一回目を実施しておりまして、今後、年一回程度実施してまいります。
○尾崎委員 第三者チェックは、具体的にはどのように行うのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 外部監査の実施方法でございますが、飛行場の安全対策に関する業務や東京都調布飛行場運営要綱の適切な履行等につきまして、書面審査及び飛行場における実地監査を実施しております。
○尾崎委員 外部監査は年一回ということです。書面審査及び飛行場における実地監査を行うということですが、より安全にという立場で、年一回が妥当なのか、今後も引き続き検討するよう求めたいと思います。
次に、自家用機の運航自粛解除後、自家用機の運航状況について、伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におきましては、本年九月十三日以降、自家用機の運航自粛要請を継続しないことといたしましたが、九月中は自家用機の離着陸実績がなく、十月は十六回となっております。
○尾崎委員 十月に十六回あったということですけれども、この自家用機の飛行目的別回数はどうなっているのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 十月の離着陸実績十六回のうち、空輸のための飛行が二回、輸送のための飛行が八回、移動するための飛行が五回、整備のための飛行が一回となっております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、空輸のための飛行が二回、輸送のための飛行が八回、移動するための飛行が五回、整備のための飛行が一回ということですけれども、目的別として、空輸のため、輸送のため、移動するための三つに分類されていますけれども、具体的に何がどう違うのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 空輸のための飛行でございますが、航空機自体を移送することが目的の飛行でございます。
また、輸送のための飛行は、同乗している搭乗者や、貨物を無償で輸送する場合の飛行でございます。
それに、移動するための飛行でございますが、操縦者自身が移動することが目的の飛行でございます。
○尾崎委員 それでは、自家用機の運航自粛中、調布飛行場には自家用機は何台あったのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 平成二十七年七月の時点でお答えしますが、調布飛行場には二十二機の自家用機が常駐機登録されておりました。
○尾崎委員 運航自粛中は、自家用機が調布飛行場に二十二機あったということです。
それでは、自家用機の運航自粛解除後、自家用機の登録状況はどうなっているのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 現時点におけます調布飛行場の自家用機の常駐機登録数は十七機でございます。
○尾崎委員 自家用機のパイロットは現在、何人か伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におきまして常駐機の登録をしている自家用機のパイロット数は現在、百人でございます。
○尾崎委員 事故を起こしたところの自家用機は二機あったわけですから、それ以外にも、現在、登録していない自家用機は三機あるということがわかりました。
自家用機の分散移転を積極的に推進するために、東京都調布飛行場自家用機分散移転推進検討会議を設置したということですが、この間の検討会の開催状況について伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場における自家用機の分散移転に向けた取り組みをより一層推進するため、東京都と調布飛行場の自家用機団体とで東京都調布飛行場の自家用機分散移転推進検討会を設置いたしまして、本年七月に一回目の検討会を開催したところでございます。
○尾崎委員 自家用機の分散移転推進検討会が七月に設置されたことは重要だと思います。都と自家用機を持っている団体の方々との率直な話し合いができるように、引き続き、検討会の開催を重ねていっていただきたいと思います。
自家用機所有者等で組織されている調布空港安全飛行研究会は、今後、万が一、自家用機が二〇一五年、平成二十七年同様の重大事故を起こした場合、直ちに分散移転すると表明したということですが、都は、このことをどのように受けとめていますか。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場の自家用機団体が、平成二十七年に起きた墜落事故と同様の重大事故を決して起こさないという、強い決意を表明したものと受けとめております。
○尾崎委員 新たな分散移転先として関東圏における小型機専用飛行場の整備を国等に働きかけることを確認したとなっていますが、国にはいつ要望しましたか。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 関東圏におけます自家用小型機専用の飛行場の整備に向け必要な調査検討を進めるよう、国に働きかけていくこととしております。
○尾崎委員 国はどのような対応をしているのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 今後、都として、国に働きかけていく予定でございます。
○尾崎委員 今後、都として、国に働きかけていく予定だということですが、日本共産党都議団は、この間、国会議員団、地元の市議団、住民の皆さんと国土交通省にも申し入れを行ってきました。自家用機の移転については、国土交通省もあっせんしていく、他の県への移転について、東京都から要望があれば国土交通省として対応していきたいと、そのときいっていました。ぜひ国へ積極的に要望を行っていただき、東京都が本気になって自家用機の移転について取り組んでいくことを強く要望しておきます。
最後になりますが、東京都の姿勢について幾つか質問したいと思います。
大事なことなので、自家用機の運航自粛を解除した理由について伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 東京都は、平成二十七年七月の墜落事故以降、事故原因が究明され、それに伴う再発防止策が図られるまでの間、自家用機の運航自粛を要請してまいりました。
昨年七月に事故原因が特定され、これを踏まえて、事故の再発防止を含めた安全対策の強化を図りました。また、万が一の航空機の墜落事故に備え、被害者支援制度を本年八月に施行したことなどの状況によりまして、本年九月十三日以降、自家用機の運航自粛要請を継続しないことといたしました。
○尾崎委員 自家用機の運航自粛解除について、調布飛行場の地元市についてはいつ説明したのか。そして、各市議会で出された意見はどんなものだったのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 自家用機の取り扱いを含みます調布飛行場の管理運営等に係る事項につきましては、地元三市とはこれまでも継続的に協議を行ってまいりました。
また、自家用機の運航自粛要請解除についての具体的な日程につきましては、本年八月以降、地元三市と繰り返し協議を行ってまいりました。
自粛要請の解除を受け、地元市議会からは、新たな被害者支援制度の活用による事故被害者の生活再建支援や、飛行場の安全対策の強化、管理運営の厳格化等について、改めて都に取り組むよう求める意見が出されております。
○尾崎委員 自家用機の運航自粛解除について、住民説明会は行ったのか伺います。
○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布市、三鷹市、府中市の地域住民に対しましては、八月九日から十三日にかけてそれぞれ住民説明会を開催し、自家用機の運航自粛要請に関する今後の方針として、事故の再発防止となる安全対策が整備されたことなどから、その解除の時期について都が判断することを説明いたしました。
また、自家用機の運航自粛要請の解除日につきましては、本年九月中旬に、プレス発表と同時にホームページへの掲載を行ったほか、調布飛行場周辺住民に対して、新聞折り込みによるお知らせを三万世帯に、戸別のポストへの直接投函によるお知らせを一万八千世帯を対象に実施いたしまして、丁寧に周知を行ったところでございます。
○尾崎委員 住民説明会のときには、自家用機運航自粛要請解除の時期は明確に示されていないんですよ。都が判断するということだけ説明しているんです。
私たちも直接、市議会議員や住民の皆さんから意見を聞きました。地元の調布市、三鷹市、府中市の三つの市議会では、余りにも拙速などの声が相次ぎました。
また、住民説明会の場では、市民から、飛行機の音がするだけで三年前の事故を思い出す、安心して暮らせないとの声が上がっています。
被害者の家族の方からは、住民説明会の会場で都からの謝罪がない、まだ解決していないんだという発言まであったんです。
都は、これらの意見をどのように受けとめているんでしょうか。
しかも、周辺住民の皆さんには、具体的に自家用機の運航自粛解除の日程については、直接説明したものではなく、九月中旬に、プレス発表と同時にホームページへの掲載を行い、周辺住民の皆さんには、新聞折り込みの広告を三万世帯に行い、戸別のポストへの投函は一万八千世帯に行ったというだけなんです。地元市議会での意見や、住民説明会での自家用機の運航自粛解除はまだ早いという状況の中で、しかも、解除日については一方的に知らせるだけというやり方です。
調布市議会では、九月十日に特別委員会が開催され、全ての委員が認められないという意見だったといいます。
九月十一日には、調布飛行場自家用機運航再開に伴う議長声明を出しています。
議長声明の中身は、調布市議会は、東京都に対し、このたびの運航再開について遺憾の意を表明しています。そして、改めて自家用機の撤廃に向けた移転、新たに約束した安全対策、再発防止の強化策の誠実かつ厳格な履行と被害者及び周辺住民に寄り添った誠意ある対応を求めるという内容なんです。
三鷹市議会では、九月議会の最終日である九月二十七日に、全会一致で、安全対策を求める決議を出しました。
自家用機の運航自粛解除は、到底許されるものではありません。
三十七年前、調布グラウンドに墜落する事故が起きました。このとき、一九八一年、衆議院の予算委員会分科会で、我が党の国会議員の質問に、当時の塩川正十郎運輸大臣は、必ず適地、適切な場所を探すということですから、暫定使用に耐えられるようにと答弁しています。その後、幾つか探したが見つからなかったということも聞いていますけれども、しかし、このとき、国は代替飛行場を探すと約束したんです。
その後、調布飛行場は東京都に移管されていますが、先日、私たちは、国土交通省に確認しました。当時、一九八一年の運輸大臣のこの答弁は今でも生きているのかどうか。すると、今でも生きているということでした。
そもそも調布飛行場は、住宅街の中にある大変危険なものです。一九八〇年以降、人口はふえ続けています。国土交通省が調布飛行場の代替飛行場を探すという約束、立場は今も生きているということですから、国に対して正面から相談し、力をかりるべきではないでしょうか。強く要望するものです。
私は、住宅街に飛行場はあってはならないと思います。一番の安全対策は、住宅街でない安全な場所、別のところに飛行場を移すことだと意見を述べて、質問を終わります。
○高倉委員 東京は人口が集中をしている大都市でありますけれども、そこには豊かな自然も数多く残されているわけであります。
例えば、自然公園というのは大変大きな公園ということになりますけれども、この自然公園といったものは東京の中には幾つもありまして、東京都の面積に占める自然公園の割合というものは、全国の都道府県の中でも極めて有数のものであると。二番目だったと思いますけれども、それほど豊かな自然が残っているということであります。
私は山登りを愛する一人でありまして、いろんな機会を通じて自然に親しんでいるという一人であります。そういう中で、大変豊かな自然があれば、当然ながらそこには、貴重なものも含めて、いろんな生物が生息をしているわけであります。
今後東京は、大都会ではありますけれども、そういったこともあわせて東京は持っているということを踏まえて、しっかりと自然を保全をしていく、あわせて、もちろん動物も含めた、生物も含めたものでありますけれども、自然と共生をしていくという、そういう東京の姿を今後しっかり、積極的に発信をしていく必要があるんではないかなというふうに思っております。
先月、大変喜ばしいニュースが入ってまいりました。きょうも質問で取り上げられておりますけれども、我が党においては、同僚議員の江戸川選出の上野和彦議員を初めとして、私どもがこれまで推進をしてまいりました葛西海浜公園のラムサール条約湿地への登録、これが決まったわけであります。
港湾局は、水辺の景観を生かして、海面となる水域を取り込んだ海上公園づくりを推進してきております。その中でも代表的な海上公園が、この葛西海浜公園であるわけであります。
まず、葛西海浜公園のラムサール条約湿地登録に向けたこれまでの経緯についてご説明をいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 葛西海浜公園は、東京では数少ない自然の干潟である三枚洲が広がり、スズガモなど渡り鳥を初め、カニや貝などさまざまな海辺の生物の生息空間となっております。
こうした中、近年のグリーンインフラに対する期待の高まりや地元江戸川区などの要望も踏まえて、都は、昨年五月に策定した海上公園ビジョンにおいて、多くの野鳥の飛来地となっている葛西海浜公園の干潟について、ラムサール条約に基づく湿地としての登録を目指すことといたしました。
○高倉委員 今、登録を目指してきた経緯についてご答弁をいただいたわけであります。
それでは、今回のラムサール条約湿地の登録において、手続や調整をどう行ってきたのかについてご答弁をいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 ラムサール条約湿地の登録における国内要件といたしまして、条約基準を満たすことと、国の法律により保全が図られること、都や区など地元自治体の賛意が得られていることの三つを満たす必要がございます。
そのため、都は、渡り鳥の飛来調査を実施し、条約の登録基準となる約二万羽のカモ類の飛来を確認したほか、地元との意見交換や調整を重ねながら、国とも調整を進め、本年十月に国の鳥獣保護区に指定されました。
国内の登録要件を満たしたことから、国がラムサール条約事務局に対して登録申請を行い、今般、ラムサール条約に基づく登録湿地となったものでございます。
○高倉委員 今回の葛西海浜公園のラムサール条約湿地登録は、東京都並びに地元の方々のたゆまぬ努力により結実をしたものというふうに大きく評価をいたしたいと思います。
ラムサール条約は、鳥の生息地としての湿地保全といったイメージが強いわけでありますけれども、実は、それと同様に重要であるのが、先ほど別な委員の方のご答弁にもありましたけれども、ワイズユース、湿地から得られる恵みを持続的に活用するということであります。
この公園でも、潮干狩りや海水浴など地元のみならず、多くの人々に利用されるなど、湿地が活用をされております。
今回の登録に当たって、一部の地元団体から、これまでの利用や環境への影響に対する懸念の声が上がったというふうにも聞いておりますけれども、今後どう対応をしていくのか答弁を求めたいと思います。
○中村臨海開発部長 現在、登録に懸念を示していた団体も含めた関係者と、葛西海浜公園がよりよい公園となるよう意見交換の場を設けて話し合いをしているところでございます。
ラムサール条約の理念であるワイズユースに沿って干潟の保全と持続的な利活用についてご理解をいただけるよう、引き続き丁寧に対応してまいります。
○高倉委員 私は質問の冒頭、自然の保全と、そしてまた自然との共生というお話もさせていただきました。この公園は野鳥にとっての貴重な生息空間であるとともに、地元の方々を含め、多くの観光客が気軽に海に親しめる場ということでもありまして、引き続き、バランスがとれた保全と利用を進めて、この大変すばらしい環境を守っていただきたいというふうに思います。
続いて、東京ベイエリアビジョンについてお伺いをしたいと思います。
先般、都は、東京ベイエリアビジョン、これは仮称でありますけれども、この策定について発表をいたしました。一方で、平成十三年に東京ベイエリア21、これを策定しているわけであります。それから、かなりの年月が経過をしておりまして、ベイエリアの置かれている社会経済状況といったものも大きく変貌をしてきているというふうに思います。
一番大きな変化は、東京二〇二〇大会の開催ということであります。選手村や競技会場の多くがこのエリアに整備をされ、大会の主要会場となるわけであります。大会開催を契機としましてこのエリアの注目度が高まりつつあるわけでありますが、大会後にこのエリアがどう変わっていくのか、このエリアの将来像に対する世の中の期待も大変高まっているのではないかというふうに感じております。
そこで、今回のビジョンの策定の狙いや目的についてご説明をいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 都は昨年、二〇四〇年代の目指すべき東京の都市の姿、その実現に向けた都市づくりの基本的な方針等を示したところでございます。
今回策定する東京ベイエリアビジョンでは、ベイエリア全体を俯瞰し、これまでの枠を超えた総合的なビジョンを策定し、二〇二〇年以降の成長モデルを国内外に示すものでございます。
ビジョン策定に当たっては、これまでの各地区の強み、特徴をさらに伸長させることや各地区の連携、機能補完による相乗効果についても検討してまいります。
○高倉委員 今、ビジョンの狙い等について答弁をいただきました。これまで都は、このエリアにおいては臨海副都心や豊洲・晴海地区の開発を中心に進めてきたというふうに認識しております。そして、それを進めるために、既存の計画というものがあったものというふうに思っております。
そこで、この東京ベイエリアビジョンと従来の既存の計画との整合性といったことについて答弁をいただきたいと思います。
○中村臨海開発部長 委員ご指摘のとおり、これまで都は、このエリアについて、臨海副都心まちづくり推進計画や豊洲・晴海開発整備計画などのマスタープランを策定し、開発を進めてまいりました。
東京ベイエリアビジョンにおいては、これまでの既存計画に基づくまちづくりによって生み出された強みや特徴を生かしながら、ベイエリア全体を俯瞰し、各地区を有機的に連携、機能補完することを目指しております。
○高倉委員 今回のビジョンは、既存計画の果実といったものは生かしながら、ベイエリア全体としてのまちづくりを進化させていくといった、今、そういったご答弁であったというふうに思います。
これまでの個別計画の中においても、東京における臨海副都心の果たしてきた役割は大変大きいのではないかというふうに考えております。
このベイエリアビジョンの策定に関する新聞報道といったものを見ても、ベイエリアは二〇二〇年以降のフロンティアということでありました。時計の針を巻き戻して考えると、平成に入ってからの東京フロンティアといったものがまさにこの臨海副都心であったわけであります。
臨海副都心の開発に着手してから、四半世紀余りが経過をいたしますが、バブル経済の破綻、また、リーマンショックなど、紆余曲折を経ながらも現在のこうした立派なまちまで発展を遂げてきたというふうに思います。
二〇二〇年の東京大会以降、このエリアで新たなまちづくりの胎動が始まってくるというふうに思いますけれども、今後の開発に向けた臨海副都心の課題についてお伺いしたいと思います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 臨海副都心は、これまでに処分予定面積の約七五%の土地処分が完了したところでありますが、残る未処分地についてどのように開発を進めていくかが重要な課題と認識しております。この課題につきましては、ベイエリアビジョンの策定などを通じて検討を深めてまいります。
もう一つの大きな課題として、都心部などほかのエリアの再開発などが加速する中、臨海副都心についてもその付加価値を高めていく必要がございます。
このため、都は、大会成功に向け、民間事業者とともに多言語対応や暑さ対策をほかのエリアに先行して取り入れてまいりましたが、こうした取り組みを契機に、大会後のまちのさらなる発展を目指し、AIといった先端技術などの新たな付加価値を大会後のまちづくりに取り込んでいくことを目指してまいります。
○高倉委員 二〇二〇年東京大会によって、このエリアが大きく変わっていくことが期待をされるわけであります。そのためには、しっかりとした現状分析のもとで、次のステージに向けて着実に取り組んでいただきたいというふうに要望をしておきます。
次に、臨海副都心における新たな魅力ということについてお伺いをいたしたいと思います。
本日も既に質疑が行われておりますけれども、二〇二〇年七月に臨海副都心に東京国際クルーズターミナルがオープンをいたします。羽田空港に加えまして、新しい国際的玄関口がここに整備をされるということになります。
現在、クルーズ客船の世界的な潮流を受けまして、世界最大級の客船も受け入れられるふ頭並びにターミナルの整備を着々と進めているというわけでありますけれども、このオープン後の取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。
私は以前、大型客船を受け入れている観光地のふ頭を見る機会がありました。乗客が非常にたくさん客船からおりてまいりまして、バスに次々と乗り込んでおりました。そして、まちの方に出ていくわけであります。
都の方に確認をいたしましたところ、東京国際クルーズターミナルについても、バスの準備を進めているということでありますけれども、ほかの港に比べて公共交通機関も発展をしていることから、「ゆりかもめ」やりんかい線の利用についても想定をしているというふうに伺ったところであります。
バスに乗るのは、到着した港からほかの観光地へ乗客を移動させるためというふうにも聞くわけでありますが、東京国際クルーズターミナルは、臨海副都心という国内有数の観光地にも立地をしているために、ほかのエリアへの観光、いわゆるエクスカーションに行かずにこのエリアにとどまる乗客というのも多いというふうに思います。
このエリアに乗客を誘引していくということは、臨海副都心の魅力を世界に発信する上でも、私は大変に重要であるというふうに考えますけれども、この点についてのご所見をお伺いしたいと思います。
○矢部臨海副都心まちづくり推進担当部長 東京国際クルーズターミナルの開業により、臨海副都心は新たな日本の玄関口となり、海外から日本を訪れるお客様が初めて足を踏み入れる土地となります。船で訪れた旅行者も観光振興の重要なターゲットとなることから、このエリアの魅力をクルーズ客船の乗客や船社にPRしていくことは大切と認識しております。
臨海副都心には、商業施設やエンターテインメント施設が充実しており、ターミナルの開業に当たっては、このエリアの民間事業者で構成される臨海副都心まちづくり協議会と情報や意見交換を開始したほか、クルーズ客船と臨海副都心の魅力を伝える動画を作成、配信するなど、クルーズ客船を迎え入れる準備に着手したところでございます。
今後、関係者と連携を密にして、クルーズ客船の振興とともに、このエリアの発展、魅力の発信に努めてまいります。
○高倉委員 次に、高潮対策についてお伺いをしておきたいと思います。
最近は、本当に毎年のように、各地で災害が発生をしているわけであります。ことしも、台風によって、大きな高潮によって空港が水没するというような光景を皆様も目にしたことというふうに思います。
例えばテレビでそういう画面を見て、遠い世界にあるような感じも、テレビで見るとそんな感じもしないではないわけですけれども、実はそういうことではなくて、本当にこれはもう身近なことであるというふうに私は思っているわけであります。
ことしは、非常に強い台風が相次いで日本に上陸をしまして、今申し上げたように、各地で大きな被害が発生をしております。
気象庁によりますと、非常に強い台風が一年に二回も上陸するのは、統計をとり始めてからは初めてであって、極めて異例の事態であるというふうにいっております。
とりわけ、九月二十八日から十月一日の週末から週明けにかけて襲来をしました台風二十四号においては、都内でも、台風の接近に伴いまして記録的な暴風が観測されたほか、気象庁からは高潮注意報も発表をされたわけであります。
この台風二十四号が襲来をした際に、東京港における水防活動、これはどのように行ったのかについてご答弁をいただきたいと思います。
○原港湾整備部長 都は、台風が襲来するおそれがある場合、高潮の発生に備え、東京港の防災拠点である高潮対策センターに職員をあらかじめ参集させ、潮位の上昇の監視等を行うとともに、気象情報や潮位の状況に応じて水門等の閉鎖を行うこととしてございます。
台風第二十四号に対する水防活動についてでございますが、九月三十日、気象庁から高潮注意報が発表され、夜の満潮時刻が近づくにつれて潮位が上昇してきたことから、東京港内の水門全十九カ所を閉鎖いたしました。
満潮時刻が過ぎ、潮位が低下した時点におきまして、一度全十九水門を開放いたしましたが、翌朝の満潮時刻が近づくにつれて再び潮位が上昇してきたことから、一部の水門を再度閉鎖し、その後、浸水のおそれがないことを確認して開放をいたしました。
この間、本台風の水防活動のために、最大で職員六十二名が従事したところでございます。
このような対応を図った結果、高潮からの浸水被害を未然に防止することができました。
また、水門の閉鎖の状況等につきましては、水域利用者等に発信することはもとより、広く都民に向けてSNSやメールマガジンを活用して発信するなど、当局の水防活動の状況につきましての広報活動を積極的に行ったところでございます。
○高倉委員 台風二十四号の襲来の際には、二回、水門の閉鎖を行ったと、今、答弁でありました。
休日や夜間にもかかわらず、多くの職員が参集して水防活動を行った結果、東京港では高潮被害がなかったということが今確認をさせていただきました。
一方、これまで襲来したことがないような猛烈な台風が、またいつ来るかわからない。また、本当にいつ来てもおかしくない。そうした状況にあるわけであります。最近は、いろんな災害に対して、当然ながら、台風にしても地震にしても、想定して対策をとらざるを得ないというふうなことでありますけれども、その想定を超えて、場合によってははるかに超えて、さまざまなものが私どものところを襲ってくる。こういう状況がございます。
したがって、今後、東京港においてもできるだけ想定される限りの可能性を見きわめて、高潮対策というものも進めていくべきであるというふうに思います。
そうした一環として、東京都は、高潮浸水想定区域図といったものを作成、公表をいたしたというふうに思いますけれども、改めて、その概要についてご説明をいただきたいと思います。
○原港湾整備部長 平成二十七年に改正されました水防法により、想定し得る最大規模の高潮に対する避難体制等の充実強化のため、高潮浸水想定区域を指定、公表するとともに、高潮特別警戒水位を設定、周知する制度が新たに創出されました。
都は、本年三月、同法に基づき、想定し得る最大規模の高潮による浸水の危険性について都民に周知し、関係機関が連携して対策を講じることを目的として、高潮浸水想定区域図を作成、公表したところでございます。
浸水想定区域図は、我が国に襲来した台風のうち最も中心気圧の低い室戸台風級の台風が、東京港に最大の高潮を発生させる経路で襲来するなど、最悪の事態を考慮して作成したものでございます。
浸水想定区域図では、浸水が想定される区域は十七区の約二百十二平方キロメートル、区域内の昼間人口は約三百九十五万人、最大の浸水の深さは約十メートル、浸水の継続時間は一週間以上になることなどを示してございます。
この浸水想定区域図をもとに、地元区では、ハザードマップの作成や住民の避難に関する検討に着手しており、都は、こうした取り組みに対し、技術的な支援を行っているところでございます。
○高倉委員 今、ご説明をいただいた高潮浸水想定区域図に示された浸水の状況は、大変甚大なものであるというふうに思います。
万が一、こうした浸水被害が発生をした際には、住民の迅速な避難といったことが何よりも重要ではないかと思います。
そのため、水防法では、高潮特別警戒水位を設定して、周知をするということとされていると思いますけれども、高潮特別警戒水位の設定に向けた都の取り組み状況についてご答弁をいただきたいと思います。
○原港湾整備部長 都は、高潮浸水想定区域図の作成過程で得られた地域ごとの水位の変化の想定等を踏まえ、万一の際に都民が避難を開始する契機となる高潮特別警戒水位の設定に向けた検討に着手したところでございます。
具体的には、本年九月、海岸防災等の専門家で構成する東京都における高潮特別警戒水位検討委員会の第一回委員会を開催したところでございます。
この第一回委員会では、高潮に伴う地域ごとの水位の変化や、都民への情報伝達や避難に要する時間などを踏まえ、高潮特別警戒水位の検討を進めていくことを確認いたしました。
今後は、関係局及び地域の実情を熟知し、避難計画を担う地元区とも連携しながら、この委員会におきまして、実効性のある高潮特別警戒水位の設定に向けた検討を進めてまいります。
○高倉委員 実効性のある設定に向けた検討をするという答弁をいただきました。
ぜひ、専門家の知見も取り入れつつ、地域の実情を熟知する地元区とも連携を深めて、実効性のある水位を設定していただきたいというふうに思います。
先ほど申し上げましたけれども、災害が、このところ、本当に想定を超えた形で私どもを襲ってきているわけでありまして、私は、備えについては、これで万全といったものはないものであって、継続をして取り組んでいくべきものというふうに考えております。
引き続き、都民の生命や財産、首都東京の中枢機能を守るために、ハードだけではなくて、ソフトの面からも高潮対策をしっかりと進めていただくよう要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたします。
以上で港湾局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時三十三分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.