経済・港湾委員会速記録第十一号

平成三十年九月十八日(火曜日)
第八委員会室
午後一時十分開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長上野 和彦君
副委員長山崎 一輝君
理事尾崎あや子君
理事栗下 善行君
理事小山くにひこ君
鈴木 邦和君
細田いさむ君
柴崎 幹男君
森村 隆行君
舟坂ちかお君
ひぐちたかあき君
のがみ純子君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武田 康弘君
商工部長坂本 雅彦君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長川崎  卓君
観光部長小沼 博靖君
観光振興担当部長鈴木 誠司君
農林水産部長上林山 隆君
安全安心・地産地消推進担当部長龍野  功君
全国育樹祭担当部長村西 紀章君
雇用就業部長篠原 敏幸君
事業推進担当部長蓮沼 正史君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長古谷ひろみ君
理事福田  至君
管理部長岡安 雅人君
事業部長長嶺 浩子君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務石井 浩二君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長猪口 太一君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長福崎 宏志君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長堀   真君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
環境改善担当部長佐々木宏章君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長渡辺 正信君
建設技術担当部長吉野 敏郎君

本日の会議に付した事件
産業労働局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築工事請負契約
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
・平成二十九年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
請願陳情の審査
(1)三〇第五号  主要農作物種子法の廃止に関する請願
(2)三〇第三一号 宿泊施設におけるたばこルールの情報提供に関する陳情
中央卸売市場関係
報告事項(説明)
・水産仲卸売場棟西側バースの舗装のひび割れについて
請願の審査
(1)三〇第四号 食の安全・安心を守り、築地市場の豊洲移転中止など抜本的検討を行うことに関する請願

○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、このたびの平成三十年七月豪雨及び平成三十年北海道胆振東部地震により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
 ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆様、ご起立願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○伊藤委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○伊藤委員長 本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、産業労働局及び中央卸売市場関係の報告事項の聴取並びに産業労働局及び中央卸売市場関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより、産業労働局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○藤田産業労働局長 平成三十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件の概要につきましてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、平成三十年度工事請負契約議案一件でございます。
 提出を予定しておりますのは、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)における新築工事でございます。
 本件は、産業交流の中核機能を担う拠点を整備し、隣接する東京都八王子合同庁舎及び八王子市保健所を一体的に建設して、拠点との複合施設とするために、新築工事を行うものでございます。
 なお、これらの詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○寺崎総務部長 本定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の詳細についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料1、工事請負契約議案の概要をごらんください。表紙をおめくりいただき、件名表をごらんください。
 今回提出を予定しておりますのは、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築工事の一件でございます。
 このたび、多摩地域における産業集積、産業交流の促進をするため、広域的な産業交流の中核機能を担う拠点として、産業交流拠点仮称を整備いたします。
 さらに、隣接する東京都八王子合同庁舎及び八王子市保健所を一体的に建設し、拠点との複合施設といたします。そのため、今年度から平成三十四年二月にかけて新築工事を行うものでございます。
 一ページをごらんください。契約の相手方は関東・辻・神稲建設共同企業体、契約金額は百十一億一千百四万円、工期は平成三十四年二月二十八日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数、工事概要はごらんのとおりでございます。
 以上の工事につきまして、二ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成三十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○伊藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 私債権の放棄について外一件に関する報告を聴取いたします。

○寺崎総務部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、産業労働局が平成二十九年度に実施した私債権の放棄についてご報告させていただきます。
 お手元の資料2、私債権の放棄についてをごらんください。
 平成二十九年度に放棄した私債権は、番号1から二ページの番号15、中小企業施設改善資金貸付金十五件、番号16から四ページの番号54、中小企業設備近代化資金貸付金三十九件、合計五十四件で二億八百八十二万八千八百五十四円でございます。
 初めに、中小企業施設改善資金貸付金ですが、中小企業者が、工場や店舗、機械類等の設備改善を行うために必要な資金を都が直接貸し付けたもので、昭和三十八年度から昭和四十九年度の貸し付けで、債務の履行が滞っているものでございます。
 次に、中小企業設備近代化資金貸付金ですが、都が国から資金の半分の拠出を受け、中小企業者に対し老朽化設備の更新等に必要な資金を貸し付けたもので、昭和三十九年度から平成十一年度の貸し付けで、債務の履行が滞っているものでございます。
 これらの債権は、消滅時効に係る時効期間が経過しておりますとともに、債務者、連帯保証人及びそれぞれの相続人に対しまして、督促など回収に向けて鋭意努力を重ねてまいりましたが、実質的に回収不能となったものでございます。
 具体的には、債務者が職権解散等により営業の実体がないもので、連帯保証人がいる場合には、連帯保証人やその相続人について、消滅時効の援用の確認を得ている、破産免責となっている、相続放棄の状態にある、または行方不明により援用の確認を得ることができないもの、また、債務者からの援用の確認を得ているが、連帯保証人やその相続人が行方不明により援用の確認を得ることができない、あるいは相続放棄の状態にあるものなどでございます。
 こうしたことを踏まえまして、平成三十年三月に債権の放棄を実施したところでございます。
 以上、平成二十九年度に実施した私債権の放棄についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○坂本商工部長 平成二十九年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの業務実績評価につきまして、ご報告申し上げます。
 まず、お手元の資料3、平成二十九年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価の概要をごらんください。
 産業技術研究センターの実績評価につきましては、1、評価制度の概要、2、評価方針と手順にございますように、地方独立行政法人法及び東京都地方独立行政法人評価委員会条例に基づき、知事が法人に対するヒアリング等を実施するとともに、外部有識者で構成する評価委員会の意見を聞いた上で評価を行うこととなっております。
 評価の結果でございますが、3、評価結果の概要をごらんください。
 (1)の項目別評価では、全体で二十四の項目につきまして、事業の進捗状況や成果を五段階で評価いたしました。
 年度計画を大幅に上回って実施したとの評定Sは、3Dものづくりセクター及び実証試験セクターの二項目、年度計画を上回って実施したとの評定Aは、基盤研究やロボット産業活性化事業など十二項目、年度計画をおおむね順調に実施したとの評定Bは、共同研究や外部資金導入研究・調査など十項目となってございます。
 評定Cと評定Dはございません。
 二ページ目をお開きください。(2)、全体評価でございます。
 ア、総評でございますが、中期計画の達成に向け、業務全体がすぐれた進捗状況にあると評価いたしました。
 具体的には、四つの重点技術分野で研究開発を行い、中小企業での製品化につながる成果を生み出したことや、3Dものづくりセクターにおいて、3Dプリンターで新しくセラミックを材料とする基礎技術を確立したことなどの積極的な取り組みを高く評価いたしました。
 一方、改善や充実に関する事項として、中小企業の製品化や事業化につながる研究開発や、国内外の市場ニーズを捉えた製品開発を支える技術支援の、より一層の充実を図るよう求めております。
 また、イ、研究開発、技術支援及び法人の業務運営等についてでは、法人が行う業務と組織運営について項目ごとの評価を記載しております。
 今後は、この評価結果をもとに、その内容をより効率的で効果の高い法人運営を図るため活用してまいります。
 詳細は、お手元の資料4、平成二十九年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価書をごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、東京都立産業技術研究センターの平成二十九年度業務実績評価に関する報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○伊藤委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願三〇第五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上林山農林水産部長 お手元の資料5、請願・陳情審査説明表の一ページをお開きください。
 請願三〇第五号、主要農作物種子法の廃止に関する請願についてでございます。
 請願者は、三鷹市、甲斐正康さんでございます。
 本請願の要旨は、都において、国に対して日本の種子保全に関する積極的な施策の実施を求めるものでございます。
 現在の状況でございますが、主要農作物種子法は、戦後の食料増産に対応するため昭和二十七年に制定され、都道府県に対して、稲、麦、大豆の奨励品種の決定、原種等の生産、種子生産ほ場の指定、種子の審査などが全国一律に義務づけられたものでございます。
 本法成立後、国内の稲の生産は拡大し米の供給不足は解消いたしましたが、国民の食生活の変化に伴う消費量の減少で昭和四十年代以降は供給過剰となり、生産調整を行うなど、状況は大きく変化してまいりました。
 また、農業の戦略物資である種子につきましては、家庭用や外食、中食産業用など多様なニーズに対応するため、民間ノウハウも活用して品種開発を強力に進める必要がございますが、公的機関が開発した家庭用品種が奨励品種の大宗を占めている状況でございます。
 このため、国は、都道府県による種子開発、供給体制を生かしつつ、民間企業との連携による種子の開発、供給を促進するため、主要農作物種子法を平成三十年四月一日に廃止いたしました。
 法の廃止に際しての委員会附帯決議では、都道府県の取り組みに対して、引き続き地方交付税措置を講じること等の対応が求められていますが、国は既にその対応を行っております。
 なお、都におきましては、生産者や作付面積の減少等の理由により、農林水産省と協議の上、平成八年度から種子生産を行っておりません。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査くださいますようお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 主要農作物種子法の廃止に関する請願について、賛成の立場から幾つか質問をいたします。
 最初に、都において、生産者や作付面積の減少等の理由により、農林水産省と協議の上、平成八年、一九九六年から種子生産を行っていないということですが、都内の稲、麦、大豆の生産者数、作付面積について、平成八年と現在の状況はどうなっているのか伺います。

○上林山農林水産部長 農林業センサス及び東京農林水産統計年報の直近の時期での統計によりますと、農産物販売金額五十万円以上の売り上げ、または経営耕地面積三十アール以上の農地を保有する、いわゆる販売農家のうち、それぞれの作物を生産している農家数及びその作付面積は、稲につきましては、平成七年、五百四十七戸、三百七十ヘクタール。平成二十七年、三百五十三戸、百五十七ヘクタール。
 麦につきましては、平成七年、百四十戸、五十五ヘクタール。平成二十七年、百二十四戸、十七ヘクタール。
 大豆につきましては、平成七年、九十四戸、八ヘクタール。平成二十七年、九十九戸、四ヘクタールとなってございます。

○尾崎委員 都内の大豆の生産者数は、今ご答弁がありましたが、平成七年と比べて現在は五戸ふえています。しかし、一方で、稲、麦の生産者数、大豆も含めた作付面積については減少しているということがわかりました。
 今回の請願は、国に対して、日本の種子保全に関する施策の実施を求めていただきたいという内容ですから、都内の状況だけでなく、日本の農業全体を考える必要があります。
 種子法は、一九五二年五月に、稲、麦、大豆など主要作物について、国が果たすべき役割を定める法律として制定されました。
 国の役割とは何か伺います。

○上林山農林水産部長 主要農作物種子法は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産について、ほ場審査、その他の措置を行うことを目的としております。
 この中で、主要農作物の種子生産ほ場の指定、審査や、主要農作物の原種、原原種の生産、優良品種の決定などを都道府県に対して義務づけております。
 なお、条文において、国の役割は明文化されてございません。

○尾崎委員 種子法があることによって、主要農作物である稲、麦、大豆の優秀な種子の安定供給が義務づけられてきました。公的資金の支えがあるからこそ、日本の豊かな自然条件に合った地域ごとのすぐれた品種が、地域の食文化を守る土台になっています。
 日本農業新聞、五月十四日付ですけれども、農林中金の田家康氏は、品種改良とは、将来の異常気象に備えるセーフティーネットであり、危機管理の視点が必要となる、これは、民間の知恵で解決できる問題ではない、種子法の廃止が品種改良への、国や各県などの関与を緩めることがないよう心から願うばかりだと、種子法廃止への懸念を表明していました。
 そこで伺います。種子法廃止の提案理由について、国はどのように説明をしていますか。

○上林山農林水産部長 国は、平成二十九年三月八日に開かれた衆議院農林水産委員会におきまして、近年、種子生産者の技術水準の向上等により、種子の品質が安定してきている状況の中で、都道府県に一律に原種、原原種の生産や品種の試験を義務づける制度の必要性が低下している状況にあるため、良質かつ低廉な農業資材の供給を進めていくとともに、民間事業者が行う種子の生産や供給を促進する観点も踏まえ、主要農作物種子法を廃止すると説明してございます。

○尾崎委員 民間事業者が行う種子の生産や供給を促進する観点も踏まえてということが、種子法廃止の提案理由になっています。種子法廃止は一言でいうと、種子法があると民間企業が参入できないから、種子法を廃止し民間企業が参入できるようにするということだと思います。
 しかし、国会では、種子法があることで民間企業の参入の妨げになっていることを示すことができず、衆参を通じて十分かみ合った議論は行われていませんでした。種子法を廃止する理由を明確にできなかったのです。
 こうした国会の審議状況に対して、日本の種子を守る会など、運動が広がりました。
 二〇一七年四月十三日、衆議院では、種子法廃止法案に対して附帯決議がつけられました。
 一、優良な品種の種子の流通を確保。二つ目が、都道府県の取り組みが後退しないような財政措置。三つ目が、国外に流出することなく適正な価格で国内生産を。四つ目が、特定の事業者に種子の独占による弊害がないよう努める。この四項目です。四項目の附帯決議を見ると、種子法廃止は必要だったのか私は疑問に思います。
 ところが、十一月十五日に農水省は事務次官通知を出しました。一部を読み上げます。
 農業競争力強化支援法八条四項において、国の講ずべき施策として、都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間企業への提供を促進するとされており、それを民間事業者に対して提供する役割を担うという前提も踏まえつつ、必要な措置を講じていく必要があると、衆議院の附帯決議とは全く違う方向の事務次官通知です。
 農水省の事務次官通知に出てくる農業競争力強化支援法では、種子に関してどのような記載がされているか伺います。

○上林山農林水産部長 農業競争力強化支援法第八条第四項におきまして、国が講ずる措置として、種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進することと規定されております。

○尾崎委員 この農水省が出した事務次官通知から、種子法廃止法案の附帯決議があっても、地域の共有財産である種子の遺伝資源を、民間企業、多国籍アグリビジネスに渡す方向を推進していくということがわかります。
 私は、種子法廃止の大きな狙いは、多国籍アグリビジネスによって遺伝子組みかえの種と農薬をセットにして売り込むためだったのではないかと思っています。
 各地の農家や消費者の皆さんの種子法を守れの運動が広がり、種子生産に行政が責任を持つ必要があるという観点から、新潟県、兵庫県、埼玉県で主要農作物種子条例が制定しました。条例はつくらないが、要綱の改正で現状を維持するところも多いようです。また、四月末の時点で六十を超える地方議会が種子法廃止による不安の意見書が国会に出されています。
 日本和食文化の中心にある稲、麦、大豆の種子が公的に守られていたのに、種子法が廃止されることによって多国籍企業の影響力が増大したらどうなるのか、食の安全性が守られるのかという不安が、農業関係者だけでなく消費者の中にも広がっています。
 国会では、種子法が四月に廃止されたわけですが、四月十九日には、日本共産党を含む六野党が共同で主要農作物種子法復活法案を提出しました。六月六日に、この復活法案の審議が行われましたが、その後の扱いは決まっておらず採択まで至っていません。
 こういう点で、東京都が国に対し日本の種子保全に関する立場で意見を上げることは重要です。
 東京都は、農業、食料と健康を守るという本来の農業政策の実施を国に求めることを強く要望して、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第五号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、陳情三〇第三一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○鈴木観光振興担当部長 請願・陳情審査説明表、二ページをお開きください。
 整理番号2、陳情三〇第三一号、宿泊施設におけるたばこルールの情報提供に関する陳情についてでございます。
 陳情者は、愛知県名古屋市昭和区、水島早苗さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、全室禁煙宿等、都内各宿泊施設の禁煙に関するルールを観光情報として提供していただきたいというものでございます。
 続いて、本件に関する現在の状況についてご説明いたします。
 都においては、東京の観光公式サイト、GO TOKYOに掲載している宿泊施設について、利用者のニーズの高いチェックイン、アウトの時間や宿泊料金の目安のほか、禁煙客室、喫煙客室の有無についても可能な限り情報を提供しております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第三一号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○伊藤委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 水産仲卸売場棟西側バースの舗装のひび割れについてに関する報告を聴取いたします。

○岡安管理部長 水産仲卸売り場棟西側バースの舗装のひび割れにつきましてご説明申し上げます。
 本件につきましては、安全性に問題があるものではございませんが、市場業者の方々から心配の声が寄せられ、メディアにも取り上げられましたことから、市場業者の方々の安心に資する対応を行うことといたしまして、今回、ご報告させていただくものでございます。
 まず、お手元の資料1、水産仲卸売場棟西側バースの舗装のひび割れについてをごらんください。
 一ページをお開き願います。1、現在の状況等についてでございますが、水産仲卸売り場棟の西側の建物部分と舗装部分の接点で、幅約十メートル、段差約五センチ程度のひび割れが発生しております。
 これは、当該箇所のアスファルト舗装の一部が建物に接着した状態になっていたところ、建物の周りの地盤が時間をかけて圧密され、徐々に沈下したことにより生じたものでございます。
 次に、市場業務等への影響についてご説明いたします。
 圧密沈下は、時間をかけてゆっくりと沈下するものでございますが、一定の時間が経過することで沈下は収束いたします。
 盛り土は適切に締め固めされていることから、今後、突然の陥没等が起こることはございません。
 沈下によるひび割れは、トラック等のタイヤが乗り上げる位置にはなく、業務への支障はございません。
 また、有害物質等の揮発につきましては、盛り土が有効に機能しており、地上部の安全性に問題はございません。
 次に、2、豊洲市場の建物周り等の緊急点検についてでございますが、ひび割れが生じたことを受けまして、豊洲市場の建物周り等の緊急点検を実施いたしました。
 この結果、建物外壁等と地面との境界で沈下による影響があり、補修や経過観察が必要な箇所を十一カ所確認いたしております。
 二ページをごらんください。そのうち、ひび割れが大きい箇所やターレの走行経路となる二カ所につきましては、市場関係者の安心に資する観点から、開場までに補修を完了させることとしてございます。
 そのほか、緊急性は低いものの、市場利用者の通行量等も多いことが予測される九カ所につきましては、月一回程度の点検を行い、ずれやひび割れが大きくなるようであれば補修等について検討し、適切に対応してまいります。
 都といたしましては、引き続き、豊洲市場内の施設の維持管理に万全を期すとともに、市場業者に対する情報提供を丁寧に行ってまいります。
 以上、簡単ではございますが、水産仲卸売り場棟西側バースの舗装のひび割れにつきまして説明を終わらせていただきます。

○伊藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○あぜ上委員 三点お願いいたします。
 一点目は、圧密沈下についての議論の経過。
 二点目は、沈下の観測値と沈下曲線データ。
 三点目は、液状化対策の効果検証報告書。
 以上です。

○伊藤委員長 ただいま、あぜ上委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○伊藤委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願三〇第四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岡安管理部長 お手元の資料、請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 表紙をおめくりいただきまして、請願・陳情件名表をごらんください。
 請願三〇第四号、食の安全・安心を守り、築地市場の豊洲移転中止など抜本的検討を行うことに関する請願でございます。
 資料を一枚おめくりいただきまして、一ページをごらんください。
 請願者は、中央区の臨海部の環境とまちづくりを考える中央区の会会長、田辺七郎さん外一名でございます。
 請願の要旨でございますが、都において、第一に、豊洲新市場予定地の安全性の徹底した全面的な調査、検証を行い、全て公表すること。
 第二に、食の安全・安心が第一の立場から築地市場の豊洲への移転を中止すること。
 以上のことを実現していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、豊洲市場の安全性につきましては、専門家会議におきまして、大気や地下水の客観的データに基づきまして詳細に調査、検証し、法的、科学的な安全性について確認いただくとともに、将来のリスクに備えて必要な追加対策を提言いただきました。
 都では、この提言に基づく地下ピット内での対策や、地下水管理システムの機能強化といった追加対策工事を着実に実施し、本年七月に完了いたしました。
 追加対策工事につきまして、同会議は、空気測定等の確認調査を実施した上で、都が実施した追加対策により、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したと評価し、その旨を七月三十日に公表いたしました。
 こうしたことを踏まえ、七月三十一日に、市場移転に関する関係局長会議を開催し、専門家会議の評価について説明するとともに、現状の検証、必要な対策、そして確認という一連のステップを経て、安全な市場としての条件を整えることができたことを確認したところでございます。
 また、八月一日には、農林水産大臣への認可を申請し、九月十日に豊洲市場の認可が決定されております。
 本件に関する説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○あぜ上委員 食の安全・安心を守り、築地市場の豊洲移転中止など抜本的検討を行うことに関する請願についてです。
 私は、圧密沈下について質疑する予定でしたけれども、報告事項に入りまして、十月二日質疑となりましたので、本日は意見を述べさせていただきたいと思います。
 十日、農水省が豊洲市場の開場の認可を下ろしました。それを受けて、都は、来月十一日に開場するとして準備を加速しております。
 しかし、多くの問題点がいまだに解決していません。とりわけ、都が開場認可の翌日に土壌の圧密沈下を発表したことで、今、築地市場では、さらに混乱、さまざまな不安や危惧の声などが飛び交っている状況です。
 私は、改めて市場関係者の皆さんにお会いをしてお話を伺ってきましたが、中には、地盤沈下について、一年前からわかっていたのになぜ説明もなかったのか、都知事との信頼関係は失われた、新しい市場なのに入る前から問題が多過ぎると厳しい声が多く寄せられています。
 それは、知事の、食の安全を守る、築地を守るという公約が投げ捨てられたことに対する厳しい批判とともに、市場関係者の不安や疑問に応え、正確でしっかりとした説明、情報提供がされてこなかったことによるものだといわなければなりません。
 そもそも請願でも指摘しているように、豊洲市場は東京ガス工場跡地であり、深刻な土壌汚染が今もなお残っており、市場として最もふさわしくないところです。
 都は、土壌も地下水も環境基準以下にする、つまり無害化するという約束で移転を行うこととしていましたが、知事はこの約束を一方的に反故にいたしました。
 土壌汚染対策工事も、直近の地下水モニタリング調査でこれまでで一番高い環境基準の百七十倍のベンゼンが検出され、環境基準では出てはならないシアンも検出され続けています。
 土壌汚染対策の追加対策工事について、専門家会議が有効性を確認したことを知事は安全宣言の根拠にしていますけれども、しかし、尾崎理事が十日の委員会でも明らかにしたように、追加対策工事の有効性を確認する正式な専門家会議は開かれておらず、専門家会議以外の科学者、研究者によるクロスチェックも行われておりません。
 しかも、過去には、専門家会議の座長は環境基準以下にすることは目指していないとまでいっております。
 地下水位を低くして汚染が上に上がらないようにするとしてつくられた地下水管理システムも、ウエルポイントの強制排水を行っても、地下水位A.P.プラス一・八メートルをクリアできない箇所を残すなど、破綻は明白です。
 食の安全が基本の市場で、将来にわたって安全が確保できないところは市場にふさわしくありません。また、日本科学者会議や我が党が求めている地下ピットの水じみや結露といわれた水たまり、汚染が疑われる盛り土などの調査さえ実施されておりません。
 今、都がやるべきは、強引に移転を強行することをやめ、科学的検証を行い、しっかりと情報開示を行い、都民や市場関係者の不安の声に応えることではないでしょうか。
 卸売市場法は、三十六条第一項に規定する売買参加者、その他利害関係者の意見を聞かなければならないとしています。しかし、都は、卸売市場審議会や都の業界団体で構成される新市場建設協議会で意見聴取しただけです。私は、この間たくさんの声を紹介してまいりましたが、多くの消費者や市場関係者、とりわけ世界一といわれる築地ブランドを育んできたかなめの仲卸業者の中には、今も多く反対の声が続いています。
 築地女将さん会は、この一年間に四回、公開質問状と要請を知事に対し行いましたが、何一つ返答はありません。反対する方々がいらっしゃるのは知っている、寄り添って丁寧な対応に努めるとした知事自身の約束さえ守られておりません。
 駐車場不足の問題や交通渋滞、使い勝手の問題などにも、買い出し人、市場関係者から多く不安の声が寄せられており、とても合意と納得が得られているとはいいがたい状況です。
 さらに、豊洲市場の事業計画の取扱量見込みは、築地市場に比べ、五年後に一・三倍から一・五倍と過大になっていることも明らかになりました。
 しかし、十日の質疑で取扱量がふえる根拠は示せませんでした。その上、開場すれば年間百億を超える赤字になり、市場会計の継続性が危ぶまれるなど、問題は山積みです。
 よって、日本共産党は、食の安全を守り、消費者も、そして、市場関係者も安心して利用できる中央卸売市場を実現するため、請願の願意に賛成するものです。
 以上です。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第四号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十三分散会

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