委員長 | 伊藤 ゆう君 |
副委員長 | 上野 和彦君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
理事 | 栗下 善行君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
鈴木 邦和君 | |
細田いさむ君 | |
柴崎 幹男君 | |
森村 隆行君 | |
舟坂ちかお君 | |
ひぐちたかあき君 | |
のがみ純子君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 古谷ひろみ君 | |
理事 | 福田 至君 | |
管理部長 | 岡安 雅人君 | |
事業部長 | 長嶺 浩子君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 | 石井 浩二君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
財政調整担当部長 | 猪口 太一君 | |
移転支援担当部長 | 赤木 宏行君 | |
新市場整備部長 | 福崎 宏志君 | |
新市場整備調整担当部長 | 影山 忠男君 | |
新市場事業推進担当部長 | 堀 真君 | |
移転調整担当部長 | 前田 豊君 | |
事業支援担当部長 | 西坂 啓之君 | |
環境改善担当部長 | 佐々木宏章君 | |
技術調整担当部長 | 鈴木 理君 | |
施設整備担当部長 | 渡辺 正信君 | |
建設技術担当部長 | 吉野 敏郎君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲市場の開場について
・千客万来施設事業等について
○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
この際、中央卸売市場長より発言の申し出がありますので、これを許します。
○村松中央卸売市場長 本日午後一時から、国におきまして食料・農業・農村政策審議会食料産業部会が開催されております。第十次中央卸売市場整備計画の変更について審議されております。
本件の審議は築地市場から豊洲市場への移転に関連するものでございまして、国から、両市場の状況等について確認などのための呼び出しがある可能性もございますので、その際にはご配慮いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 発言は終わりました。
この際、私からも一言申し上げます。
ただいま市場長からの発言のとおり、本日十三時より、農林水産省において審議会が行われることに伴い、市場長が農林水産省に出向く必要が十分にあり得る旨、発言がありました。
本委員会開催中ではありますが、対象が豊洲市場でありますため、必要があれば、市場長の農林水産省への外出を認め、その間、委員会を暫時休憩いたしたいと思います。市場長が外出した場合には、戻り次第、その内容についても報告を受けた後、質疑を再開させていただきたく存じます。
委員の皆様には、かかる事情をご理解いただきますようお願いをいたします。休憩を挟むため、質疑終了時間がおくれますことをお許し願いたいと思います。
以上です。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
報告事項、豊洲市場の開場について及び千客万来施設事業等についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡安管理部長 去る八月三十一日の当委員会で要求のございました三点の資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただき、一ページをお開き願います。1、専門家会議による追加対策工事の有効性確認に係る打合せ会開催等の主な経緯についてでございます。
打合会開催日等と主な確認事項につきまして表に記載してございます。
三ページから二一ページにかけまして専門家会議から報告されました豊洲市場における追加対策工事に関する確認調査等の結果についてを記載してございます。
続きまして、二三ページをお開き願います。2、農林水産大臣への認可申請書類(一覧及び東京都中央卸売市場豊洲市場事業計画書)でございます。
農林水産省への認可申請提出書類一覧を記載してございます。
次に、書類一覧のうち、(3)、東京都中央卸売市場豊洲市場事業計画書につきまして、二五ページから六六ページに記載してございます。
続きまして、六七ページをお開き願います。3、千客万来施設事業用地におけるにぎわい創出に係る企画内容等の検討支援業務委託入札経過調書、仕様書(抜粋)でございます。
六七ページに入札経過調書、六九ページから七二ページにかけまして仕様書(抜粋)を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
初めに、報告事項、千客万来施設事業等についてに対する質疑を行います。
発言を願います。
○栗下委員 それではまず、報告事項のうちの千客万来施設事業等についてお伺いしたいと思います。
このたびの報告の中で、千客万来施設について、新たに合意書が結ばれたその内容と、万葉倶楽部が運営を始める日程、都がにぎわい事業を行うタイムスケジュールと、その概要が都議会に示されました。
合意に至るまでの経緯については、今あえて繰り返し述べるまでもありませんけれども、今後に向けて、大切にしなくてはいけないのは、今回改めて合意がなされた内容について、確実に履行されて、豊洲新市場に切れ目のないにぎわいをつくり出していけるように、都としても万全の対応を行っていくという点であると思います。
そこで、合意書に関して幾つかお伺いをしたいと思います。
このたびの合意書には、日程のほか、新たに加わった二つの事項があります。
具体的にいうと、当初予定した地下二階を設置しないことに伴う貸付料の見直し、そして、ぐるり公園から本施設へのアクセス向上策などの事業環境の整備という項目が加わっているんですが、これらの内容についてお伺いをしたいと思います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設の事業者と今般取り交わしました合意書におきまして、都が具体化を図るものとして新たに加わった二つの事項のうち、貸付料の見直しにつきましては、千客万来施設で整備予定でありました地下二階部分が、地下水管理システムとの整合を図るため整備できなくなったため、延べ床面積の減少に応じて貸付料を見直すものでございます。
また、ぐるり公園からのアクセス向上策などの事業環境の整備は、千客万来施設とぐるり公園とが一体となったにぎわいを創出するとともに、地域と一体となったまちづくりにも貢献するよう連絡橋の設置などを検討するものでございます。
これらにつきましては、本年一月以降、法的側面からの確認を行いまして、行政として、適正な範囲内で事業者と協議を進めてきたところでございまして、今後、具体化に向けて取り組んでまいります。
○栗下委員 貸付料の見直しについては、地下水管理システムの影響によるもの、そして、ぐるり公園の方については、市場間とのアクセスに寄与するもので、公益性に鑑みて、もともと行政として検討されてきたものであるということでありました。
そして、この新しくできた合意書、これに基づいて、今度は従前から結んでおりました契約条件の根拠となります、大もとであります基本協定書に、今度は変更を加えていかないといけないということでありましたが、その後、この基本協定書への変更についてはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 事業者であります万葉倶楽部との間で締結しております基本協定書につきましては、合意書の内容を反映させ、九月七日付で変更を行ったところでございます。
主な変更内容といたしましては、貸し付ける敷地に五街区の一部を追加したこと、六街区の賃料を、提案貸付料から、提案時の事業計画変更による延べ床面積減少分を控除するものとしたこと、施設完成期限等を合意書に基づく具体的な日付を明記したことでございます。
○栗下委員 九月七日というと先週の金曜日だと思いますが、万葉倶楽部との合意を経て、正式にこの協定書の変更も済んだということでありました。
先ほど確認をいたしました合意書の二つの点に加えて、あと日程と、そして新たに五街区の一部の敷地を貸し付けるということが含まれることとなったという変更についても加えられたということでありますが、この変更については、なぜ新たな土地の貸し付け--五街区の土地の貸し付けはなぜ必要だったのか、お伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設、六街区につきまして、事業者の提案段階では、地下二階に駐車場を整備する計画でございましたけれども、地下水管理システムに干渉するということが判明いたしました。
事業者は、審査時に評価された江戸のまち並みによる施設や、多種多様な飲食、物販店舗の集積などの施設コンセプトを遵守する必要がございますけれども、地下二階相当分の駐車場を六街区の中で確保しつつコンセプトを遵守することは、物理的に困難な状況となったものでございます。
このような状況に鑑みまして、五街区の一部を専ら駐車場の用に供するものとして貸し付けることとしたものでございます。
○栗下委員 ありがとうございます。六街区の地下について、地下水管理システムの影響で、駐車場として使うことができなくなった。ですので、かわりに五街区の一部を貸し付けて、駐車場として使ってもらうということでありました。これから、その貸し付けの賃料等の条件も整理をされていくと思いますが、もともと貸し付ける予定でありました、こちらの六街区の地下の条件と整合性をぜひ図っていただけるようお願いしたいと思います。
また、万葉倶楽部が運営をスタートする二〇二三年度まで都が行っていくにぎわい事業については、(資料を示す)今回こういった形で大まかなタイムスケジュールが示されました。この中で決まっている部分について幾つか伺いたいと思います。
まず、豊洲新市場が来月に開場いたします。そして、二〇一八年度末までの五カ月間の間、六街区の一万平米の土地は、開場直後の円滑な市場運営を図るための対応のために活用していくというふうに書いてありますが、具体的にはどのように使うことを検討しているのでしょうか。我が会派も、かねてから必要であると主張してきた市場業者の駐車場としても活用できるのかについてもお伺いをいたします。
○前田移転調整担当部長 豊洲市場は、築地市場と施設の配置や車両の動線、使い勝手などが大きく異なりますことから、開場後の場内物流の一時的混乱や、市場外での車両の滞留等を防ぐため、開場から年度末までの間、暫定的に市場業者の駐車スペース等として利用する予定でございます。
○栗下委員 我が会派が市場関係者とも話し合いを続け、繰り返し要望してきた市場関係者のための駐車場がこのたび確保されたことは高く評価をしたいと思います。
まだ具体的な駐車スペースの割り振りについては決まっていないようでありますが、市場業者のニーズを丁寧に酌み取って割り振っていただけるよう、加えて要望をいたします。
また、にぎわいイベントについては、五街区で、二〇一九年、来年の一月にスタートをいたしまして、こちらは三カ月行った上で、四月からは、今度は六街区の方でイベントが始まる。五街区においては、今度は仮設施設の工事がかわりに始まって、再来年、つまり二〇二〇年の一月以降に、五街区の場外マルシェの仮設施設ができ上がって、それから、いよいよ東京二〇二〇大会を迎えるということであります。
それが終わるまで、五街区、六街区の全てのエリアを使って稼働していくという予定が立てられていますけれども、こちらの方に、仮設施設の整備は後ろ倒しになる可能性もあるということで注意書きで書いてあるんですけれども、やはりオリンピック・パラリンピックが行われる二〇二〇年大会の年、本当に最初からフル稼働で、こちらでもそのPRをしっかりと行えるように、ぜひ、これについては迅速に計画を進めていただきたいと思います。
二〇二〇年大会と連動してイベントを行っていくことで、より多くの住民や観光客を集めて認知される、また顧客が定着をする大きなチャンスであると思います。
そこで、これも答弁として求めておきたいと思いますが、二〇二〇年一月には、必ずこの五街区、六街区の両方が稼働し、東京二〇二〇大会と連動したイベントを精力的にスタートできるようにしていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 平成三十一年度以降の千客万来施設事業用地におけるにぎわいの創出では、平成三十一年四月から平成三十二年九月までは六街区でにぎわいの創出を、また、平成三十二年一月以降は五街区で場外マルシェやイベントなど、仮設施設によるにぎわいの創出を行う予定でございます。
これらの期間では、東京二〇二〇大会の開催期間を含むこととなり、大会期間中は五街区及び六街区におきまして、にぎわい創出事業を重層的に展開していくこととしてございます。
東京二〇二〇大会は世界の一大スポーツの祭典でございまして、豊洲市場周辺には大会関連施設も多いことから、国内外の観光客が多数訪れることが見込まれ、にぎわいを拡大する大きな契機であると考えてございます。
こうしたことから、東京二〇二〇大会とも積極的に連携を図るなど、事業を着実に進めていくことにより、にぎわいの創出に取り組んでまいります。
○栗下委員 ありがとうございます。ぜひ間に合わせていただきたいと思います。
また、二〇二三年度以降、この六街区に万葉倶楽部による千客万来施設が完成して稼働した後に、先ほどお話に上った五街区の仮設施設を使った場外マルシェがどうなっていくのかということについても確認をしなくてはなりません。
二〇二三年度以降、五街区部分の活用についてはどのように検討しているのか、お伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 五街区の千客万来施設用地におけるにぎわい創出事業の取り扱いにつきましては、千客万来施設の稼働にあわせて終了することとなっているということでございます。
千客万来施設は、平成三十四年十二月に完成後、準備期間を経て、平成三十五年春に開業予定と想定されることから、平成三十五年度以降につきましては、にぎわい創出事業の状況を見ながら検討していくという状況でございます。
○栗下委員 都によるにぎわい創出事業は、二〇二三年度の時点で一旦終了するということでありました。つまり、約三年間の事業、この場外マルシェを使ったのは、そういうことが既に決まっているわけでありますが、この仮設施設についても、減価償却が終わらないうちに取り壊すということにならないように、ぜひ計画性を持って、仮設施設についても整備をいただきたいというふうに思います。
例えば、設備を、にぎわい事業終了後のリユースについても念頭に入れながら設計を行っていくなど、工夫をいただきたいと思います。
千客万来施設では、年間百三十八万人の来場者数を見込んでおりますが、都が行うにぎわい創出事業もこれに負けないにぎわいを生み出せるよう、もう既にアドバイザリーと契約は結んでいるということでありますが、ぜひ民間の知恵もかりながら進めていただきたいというふうに思います。
既に、さまざまな地域にあるショッピングモールの出店やアンテナショップということではなくて、この市場で働く市場業者の方々と積極的にコラボレートして、豊洲に来なければ食べることができない食や、見ることができないもの、そういったものを新たにつくり出していく、そういった工夫が多くの方々を呼び寄せる鍵になるのではないか。ぜひとも、それらを踏まえ、今後の事業展開についても検討してもらえるよう要望をいたします。
また、これらの事業を行っていくための予算についても確認をしなくてはなりません。にぎわい創出事業に関する費用については、市場会計、一般会計、どちらで捻出するのか、お伺いをいたします。
○岡安管理部長 にぎわい創出事業は、豊洲市場開場後、千客万来施設の開業までの間、豊洲市場及び周辺エリアのにぎわいづくりと豊洲ブランドを確立するとともに、多くの来訪者があることに着目し、観光事業など、都の事業を効果的に展開していくことを目的としております。
こうした事業目的や事業の性質を勘案し、支出する会計につきましては、今後、財務局と調整してまいります。
○栗下委員 今後、財務局と相談して検討していくということでありますが、最終的に一般会計からの繰り入れを行うということであれば、都民益にかなうことは当然のこととして、この事業としての採算性についてもシビアに計画を立てていかなくてはならないと思います。
にぎわい創出事業を実施するに当たって継続的なにぎわいを創出していくことは、これは当然重要なことでありますけれども、一方で、採算性やコストといった視点についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 都として取り組むにぎわい創出事業におきまして、例えば民間経営の視点を踏まえるなど、効率的、効果的に行っていくことは必要と考えてございます。
そのため、事業実施に当たりましては、民間の知識やノウハウを活用していくなど、民間のアドバイスを受けながら進めていくこととしてございます。
こうしたコスト意識や採算性の視点を持ち、にぎわい創出事業の検討を進めてまいります。
○栗下委員 今お答えをいただいた部分というのは、これに限らず、都のあらゆる事業にいえる、そういう常識の範囲内のことであるかと思うんですけれども、今後、本体事業の方でリーシング契約を結んでいく際にも、やはりしっかりと収支のバランスが説明のつくように契約価格の設定などを行っていく、そういった努力についてもぜひしていただきたい、このように思っております。
この豊洲の土地、どれぐらいの方々が集まっていただけるのかという、そのポテンシャルについては、まだまだ未知数な部分も大きいということで、ここで決め打ちで、早い段階で価格を決めるというのではなくて、事業の売り上げが伸びれば、それに応じて対価を支払っていく、出来高払い形式などの工夫も検討の余地があるのではないかというふうに思っております。
にぎわいを生み出したはいいけれども、それがいっときの打ち上げ花火で終わってしまう、そういったことにならないように、ぜひ、都に収益を上げる、還元をする、そういった視点については大切にしていただきたいと、このように思っております。
スタートは来年の一月でありますが、新たに行われる都のにぎわい創出事業が大いに都民の支持を、本当に皆さんに支持していただけるように期待するものであります。
千客万来施設事業への合意が万葉倶楽部さんとなされて、これがスタートされる二〇二三年度までの間についても、今質問してきたような内容で切れ目のないにぎわいをつくっていくという計画が出されたことで、地元江東区さんの方も、豊洲市場開場に向けて力を合わせていただけることとなりました。
そして、あしたでいよいよ豊洲新市場開場のちょうど一カ月前になります。引っ越し作業は既に一カ月を切っていますけれども、今まさに農水省の申請が行われて、最後のプロセスである認可を待っている状態であります。認可後は、移転について、ぜひ滞りなく実行されて、市場が今以上の活力を持って稼働できるよう、万全の体制で臨んでいけるようにしていただきたい。
千客万来施設やにぎわい創出事業は、豊洲市場の魅力を高める上でも大切な事業でありますが、ぜひとも着実に進めていくべきためにも、最後に、市場長の決意について、質問を終わらせていただきます。
○村松中央卸売市場長 千客万来施設は、豊洲市場と連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいを創出する上で大変重要な事業でございまして、その目的を果たすため、都と事業者の合意書や基本協定に基づきまして着実に整備してまいります。
また、豊洲市場開場以降、千客万来施設が稼働するまでの間、豊洲市場に継続的ににぎわいをもたらすことも重要と考えております。
民間の知恵も活用しながら、イベントや仮設施設を活用するにぎわい事業を段階的、重層的に展開し、千客万来施設につなげてまいります。
こうした取り組みを、地元でございます江東区とも協議しながら推進していきまして、活気とにぎわいにあふれ、地域にも親しまれる豊洲市場を目指してまいります。
○細田委員 豊洲市場開場まであと約一カ月、先ほどもありましたけど、あしたでもう一カ月になりますが、この状況でありまして、これまで三十年以上にわたって移転問題を取り上げてきましたけれども、進んできましたが、いよいよ本当に大詰めを迎えている、こういうような状況であると思います。
この間、中央卸売市場は、市場関係者や受け入れ区である江東区、そして地元の地域の住民など、多くの方々、市場関係者はもちろんのこと、それの中心のセンターとして、ステークホルダーとして調整に奔走してきた、このように理解しております。
残された期間は少ないですけれども、引き続いて、丁寧な、そして慎重な調整を心がけて、必ず円滑な開場につなげるよう、万全の取り組みをしていただきたい。まず、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
とはいえ、開場はゴールではありません。ここがまさにスタートにすぎない。大切なのは、開場後の豊洲市場が地域に愛されて、そして江東区の発展にも資する存在として、その立ち位置を確立させていく、このことにあります。
きょうは、江東区との関係も、この開場を機に、さらに一層強固なものに深化させていく、こういう必要があると私はかたく思っておりますので、この点も含めまして質疑をさせていただきます。
千客万来事業について伺います。
千客万来施設、これは豊洲市場と連携して、活気やにぎわいを生み出す重要な事業であります。都民の方々、特に地元の地域の方々も、早期の開業を望まれていました。しかし、前回公募の事業予定者が辞退、撤退したことで、豊洲市場との同時開業ができなくなる、こういう事態に陥って、そして、さらに現在の事業者である万葉倶楽部においては、豊洲市場の移転の延期により、平成二十九年の一月に予定していた着工が、皆様もよくよくご承知のとおり延期となりました。
そして、それ以降、具体的なスケジュールが見えないままの状況となっておりました。先日の委員会で報告を受けたとおり、都と事業者の調整がやっと整って、東京二〇二〇大会後の着工、二〇二二年の十二月に施設が完成するとのことでございますけれども、これは結果としては、開場後、五年程度先の話になってまいります。これ以上おくれるべきでは断じてありません。
着実に整備してもらうようにするのと同時に、開業するまでの間には、千客万来施設のかわりとなるにぎわいを、ぜひ市場が中心となって積極的に創出していっていただきたい。築地市場がそのまま、その周りのところが来るような、こんな形をつくり上げるように尽力していただきたい。
そのような取り組みによって、都が江東区との約束を果たすことになる。豊洲市場が多くの人々に、豊洲市場が開場して本当によかったねと、先ほどステークホルダーといいましたが、いろんな方々にこのようにいってもらえる、親しまれ、発展することにつながるものと考えております。
そこで、最初に、万葉倶楽部による事業実施を確実に担保する必要があるので、この点について伺います。
都は、合意書に引き続いて、基本協定書においても、このスケジュールを明記するんでしょうか。この点について伺いたいと思います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先般、先月の八月三十一日でございますけれども、締結をいたしました合意書におきまして、具体的なスケジュール、一例を申し上げますと、六街区の本施設につきましては、平成三十四年十二月までに施設を完成させる、こういった具体的なスケジュールを盛り込んでございまして、九月の七日付で変更いたしました基本協定書におきましても、同様の内容を反映させたところでございます。
これらに基づきまして、事業者であります万葉倶楽部には、事業スケジュール等を遵守していただきまして、施設の整備、運営を着実に行っていただくというようなスケジュールになっているところでございます。
○細田委員 今、部長がおっしゃいましたスケジュール、これは既に報道はされていますが、先ほども申し上げたとおり、開業までは約四年も要することになります。それまでの間、豊洲市場を訪れる人々に対しても継続的にPRを行っていく、周知をしていく、このことが必要であります。
ぜひ、この千客万来施設が開業するまでの間、将来的に千客万来施設を開業することのPRを重ねていく、開業までの機運を醸成していく、それが必要なんですよと私は思うんですけれども、それに対しての具体策、どのように方策を、手を次から次へときっちり打っていくのか、この点について伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設は、平成三十四年十二月に完成の後、準備期間を経まして、平成三十五年春に開業予定であると想定されるため、開業後に多くの方々が訪れるようにするため、継続的なプロモーションを行うことが重要であるというふうに認識してございます。
今後、開業時期や施設のイメージ等、こういった具体的なものを周知できるよう、そして多くの方々に認識をしていただけるよう、そういった方策について検討してまいります。
○細田委員 具体的なもの、今までおくれてきている歴史があるから、ここは確実に、ここがにぎわいの施設になるんですよ、千客万来施設になるんですよということが、都民に、また皆さんに明確にわかりやすくしていく、こういうことがとても大事だというふうに思います。わかりやすい明確な表示をしていく、工夫していただく。例えば看板設置だとか、それがわかりやすいように取り組んでいっていただきたいと思います。
また、開業まで相当な期間がありますから、さまざまなトラブル、これも起こるかもしれない、こういうようなことが考えられるんじゃないでしょうか。
例えば事業者は、東京二〇二〇大会後に着手をする理由の一つとして、建設ラッシュをかわす。二〇二〇大会が終わったら、そうしたら少し落ちつくから、より建設がしっかりできる。こんなふうなことを理由に挙げているけれども、建設費の高騰がおさまるという想定においては、その後どうなるのか、確実にそうなるという状況になるというのは、今の時点で、当たり前のことですが、いい切れるわけではありません。
仮に、このときに事業者が、いや、もう着工できない、こういうふうに主張するとする。これも仮定の想定ですけれども、その場合でも都は毅然として、過去の歴史を振り返って、さっきいったようにスケジュールも契約に明記しているわけだから、約束どおり、これは必ず実現を図らなくてはいけない、こういう状況に今置かれているわけであるけれども、そのように取り組んでいく、臨んでいく決意が市場にあるのか、ちゃんと実現させるのか、この点について伺いたいと思います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 事業者の責めに帰すべき事由により着工ができない場合、都から事業者に対しまして、基本協定の解除や違約金の請求ができることとなっている、これは基本協定に書いていることでございます。
仮にというお話がございましたけれども、万が一そういった状況がある場合には、こういった基本協定に応じまして適切に対応するということになってございます。
今後、万葉倶楽部は、既にご説明いたしましたけれども、既に締結をしました合意書、そして、改めて締結した基本協定書に従いまして、これを遵守して、スケジュールどおりに事業者として責任を持って施設の整備運営に着実に取り組んでいただく。私どももそのようなお話をして、これは約束、契約ですけれども、そういった形でやらせていただいておりますので、万葉倶楽部に対しまして、都としても事業推進のために協力をしまして、一緒になって千客万来施設、にぎわいというものをつくり上げていきたいと、このように考えているところでございます。
○細田委員 今、部長がご答弁されたように、一緒になって、この決意を持って、そして、しっかりとそれが進んでいるかということを検証、見ながら、着実に進めていただきたい、予定どおり開業を進めてほしい、このように新たに要望しておきます。
にぎわいづくりについて、一方で、千客万来施設が開業するまでの間、この大いなるにぎわい、これをつくっていくということは大変重要でありまして、この千客万来施設が稼働するまでの間、豊洲市場とその周辺の地域に、市場と一体となったにぎわいを創出していく、これが大変重要であることは、皆様もよく認知されていると思います。
それでは、都は、どのようににぎわいを創出していくのでしょうか。この方針について、そして考え方についてお尋ねします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 都といたしましては、豊洲市場開場後、千客万来施設が開業するまでの間、建設工事期間中も含めまして、継続的ににぎわいを創出していく必要があると考えてございます。
こうしたことから、五街区、六街区を効果的に活用し、イベントや仮設施設を活用する通年型にぎわい事業を段階的、重層的に展開して、にぎわいを創出してまいります。
今後、地元江東区の意見も踏まえるとともに、民間の知恵も活用し、豊洲市場及び周辺エリアのにぎわいの創出の取り組みを進めてまいります。
○細田委員 今ご答弁で、地元の江東区の意見、これを踏まえてという、そういう話がございました。にぎわいの創出事業を円滑に進めていくためには、地元江東区の理解をしっかりと得る、そして、その意見を積極的に取り入れていく、これはもう絶対に必要なことであります。
このにぎわいの創出事業を実施するに当たって、それでは都は、今いわれた、江東区や江東区議会の意見、また要望、住民の声、これらをどのように受けとめて、いかに反映させるのか、そのために何をやっていくのか、さらに力強く進めていくということは具体的に何をするのか、その考えをお尋ねします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 今般、都と江東区は、豊洲市場と一体となったにぎわいの場の整備など、豊洲市場の開場に係る課題を協議するため、副区長や中央卸売市場次長を初め関係部長で構成する豊洲市場開場に係る都区連絡協議会を新たに設置し、開催することとしてございます。
今後、この協議会の場などにより、江東区の意見などを伺うほか、江東区議会にも適切な時期に報告を行うなど、地元の理解を得ながら円滑に事業を進め、豊洲市場のにぎわい創出につなげてまいります。
○細田委員 都区連絡協議会、新たな組織で、しっかりとさらに綿密に意思疎通を図って、意見を酌み取って二人三脚でやっていく、こういうような表明だというふうに理解いたしました。
にぎわいを創出して、にぎわいを継続させていくためには、市場ならではの食材を活用した料理を提供するなど、工夫を凝らす集客、これをしっかりと向上させていく、このことが必要であります。
こうしたことを実現していくためには、例えば、場外市場のようなにぎわいをイメージして市場関係者と積極的に連携をしていく、このような手法も効果的であります。
都は、市場の関係者の皆様とどのように連携をされていくのか、この点についてお伺いします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 来年一月以降に予定してございますさまざまなイベントや場外マルシェには、飲食店や物販店など、多彩な店舗を配置する予定でございます。
その中には、市場の食材を活用した国内外の料理を提供したり、鮮魚や青果などといった豊洲市場ならではの季節の食材を販売する店舗の配置も検討してございます。
こうしたことから、出店者の調整に当たりましては、生鮮食料品を取り扱う市場関係者との積極的な連携を検討してまいります。
○細田委員 よろしくお願いします。相手の立場に立った積極的な連携、どうぞよろしくお願いいたします。
これまでも指摘してまいりましたが、都と市場業者の連携なくして、円滑な市場運営、これは見込めません。
先日、豊洲市場の視察を委員会でさせていただきました。この際に、ターレスロープのカーブミラー、これがちゃんと大型化されていたり、六街区のランプウエー付近の車両の動線、これが混乱しないで、いわゆる事故が起こりにくい形に変更、見直された。また、使い勝手の向上を図る取り組みがされていたり、市場業者と調整を進めている状況を確認させていただきました。
これら安全性の向上と市場業者の使い勝手の改善のみならず、補助三一五号線につながる渋滞を緩和していくための一つの要因にもなっている、このように理解しているところであります。
こうした調整項目の一つに駐車場確保の取り組みがあり、委員会の資料には、六街区の千客万来施設事業用地の一部を駐車スペースとして活用していくとの説明がありました。
六街区に設置される予定の駐車スペース、これはどのような用途で使用されるのでしょうか、伺います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 六街区の千客万来施設事業用地につきまして、十月の豊洲市場の開場から今年度末までは、開場直後の混乱を最小限に抑え、円滑な市場運営を図るための対応といたしまして、市場業者の駐車スペースなどとして活用していく予定でございます。
また、来年度からは、六街区で、にぎわい創出事業としてイベントを行うこととしているため、用地の一部をその来場者用の駐車スペースとして充てる予定でございます。
○細田委員 円滑なテークオフをするために、年度末まで使っていくと。そしてまた、たくさんの方がにぎわいの施設に、また市場に集まってくれる方々やイベントのために、そういうお迎えのためのスペースとしてもちゃんと充当していく、そういうふうなご答弁と理解いたします。
今後、にぎわいの創出に向けて実施されるイベントについて、現在、民間の知恵も活用しながら検討が進められると聞いております。
この中で、例えば、多様で大量の食材が集積する市場ですから、この特性を活用して、食品ロスの問題、これについても発信していく取り組み、こんなことも非常に有用である、このように私は認識しております。
にぎわいの創出事業の中で実施されるイベントに、食品ロスの問題、世界的な問題でありますから、これを取り上げるなど、行政の取り組みについてPRをする場として活用することはいかがなものか、この考えについて伺います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 にぎわい創出事業を進めるに当たりまして、千客万来施設事業用地を行政の取り組みのアピール、発信の場としても活用することは有用でございまして、豊洲市場及び周辺エリアのにぎわい創出にも資するものと考えてございます。
各局と連携を図りまして、さまざまなイベントの開催を通じてにぎわいを創出してまいります。
○細田委員 豊洲市場は将来の日本の中核市場になることを目指しておりまして、まさにそうなっていただかなくてはいけない、そういう拠点であると確信しております。ぜひ都民の皆様が、また江東区民の皆様が愛してやまない、世界に誇れる市場になっていただきたいと思います。
そのためにも、今質疑させていただいたように、江東区との約束事項、これは着実に実現していく、履行していく必要があります。
また、地域、地元住民との信頼のきずなを結んで、それを発展させていく、そのことが市場がテークオフでスタートしていく、世界に誇れる市場へとスタートしていく最初の第一歩である、このように申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後二時十七分休憩
午後六時十五分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
この際、中央卸売市場長より発言の申し出がありますので、これを許します。
○村松中央卸売市場長 このたびは、特段のご配慮をいただきまして、まことにありがとうございました。
先ほど、午後四時三十分、農林水産省に出向きまして、豊洲市場の開場に係る認可書の交付を受けてまいりましたので、ご報告をいたします。
認可書の交付につきまして、知事に報告し、これを受けた知事コメントを発表する運びとなりましたので、あわせてご報告を申し上げます。
認可書及び知事のコメントにつきましては、お手元に配布させていただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 発言は終わりました。
休憩前に引き続き、報告事項、千客万来施設事業等についてに対する質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山崎委員 このような時間から、また委員会が、質疑が再開されていることを、ぜひ局の皆さん、また、この場にいらっしゃるそれぞれの委員会のメンバーの皆様にも、しっかりご理解をいただきたいと思います。
やはり我々議会として、しっかりとした二元代表制の中での我々の質疑のこういった時間、これは非常に大きなことだと思っております。それはぜひ、皆様もちろんご理解をしていただいていることと思いますけれど、きょうの日程等、そういった部分も含めて、このような都議会での常任委員会でのやりとりというものは、なかなかあり得ない話です。
しかし、国の認可も重要なことだと思っております。また、我々議会として、この十日の日に設定した、質疑の日を設定した、このことも議会として、常任委員会として非常に大事なことだと思っております。ですから、両方が大事なことであって、そして、ここに至るまでのいろいろな協議の結果、今日の委員会の質疑にあると思っておりますので、ぜひ、まずその点は、それぞれの皆様にもしっかりと認識していただきたいことをお願いさせていただきたいと思います。
また、先ほど市場長から認可が出たという報告がございました。この後のきょうの仕切りの中での質疑、安全、また、その部分に関しては、この後の一周してからの質疑になると思いますが、今、市場長が認可いただいたということを報告したわけでございますので、一言、私の方からちょっと触れさせていただきたいと思いますが、やはり、この認可を受けたから大丈夫だということではないと私は思います。
国の方の認可、これはあくまでも、まず、築地の市場をどうするか、その審議会での中での話だったと思います。その審議会を経て、豊洲の新しい市場が必要であるという認可が出てきているわけであって、まさに、この認可が終わったからもういいんだということではなくて、これをまた契機に、しっかりと豊洲の新しい市場を、どう十月十一日を迎えるのか、また、それ以降、十月十一日以降、どのように市場を、要するに、東京都、開設者として責任を持ってどういう市場にしていくのか、このことが今問われていると思いますので、ぜひその点も含めて、きょうの質疑でまた明らかにしていきたいと思いますので、理事者の皆様にもよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
それでは、千客万来施設の問題についてお伺いをしていきたいと思います。
豊洲市場は、ことしの十月十一日の開場を待つばかりとなっております。一方で、千客万来施設は、オリンピック後の二〇二〇年に延期をされるという、まさに中途半端な状況に置かれているといっても過言ではないと思います。
江東区民、また地元の豊洲の皆さん、豊洲市場と一体となった千客万来施設に大きな期待を寄せておりましたが、今の状態で本当に大丈夫なのか、まだ先がはっきりと見えない、また見えにくい状況である、そういうことが区民の皆さんや豊洲の地域の皆様から私のところにも寄せられている一つの事例でございます。
そこで、豊洲市場が地元と一緒になって発展をする、新しい市場になるため、これから都が行おうとしている取り組み内容について確認をしていきたいと思います。
千客万来施設は、商業棟と温泉、ホテル棟から成っており、東京大会終了後の二〇二〇年の十月に着工し、二〇二二年十二月に完成、速やかに開業、二〇二三年の春の開業が想定をされております。
来年一月から開業までは、都や民間事業者が建設予定地とその周辺を活用した市場の食材を使った食の関連のイベントや、また東京大会を見据えたスポーツや地域交流に関するイベントも実施する、イベント時には、豊洲市場を一般開放することも検討していると、これは報告でもございました。
建設予定地、隣接した区域、五街区のことでございますけれど、この場所も活用して、にぎわいを定着させ、この区域には、二〇二〇年の一月以降、仮設施設を設け、豊洲市場を訪れる国内外からの観光客の皆さんが市場の食材を購入したり、味わったりできる場外マルシェを開設するとも報告がございました。
来年の三月まで、建設予定地の一部、これはいわゆる六街区のことであります。市場の業界団体が要望する業者向けの駐車スペースにする、これらは五月三十日、また三十一日に、知事が万葉倶楽部とのトップの会談で合意したことの具体化の一つの例だと思っております。
そのことが果たして、豊洲市場にとって、地元江東区にとって納得できるものなのかどうか、しっかりと検討をしていかなくてはならないと思っております。
もともと万葉倶楽部さんは、二〇一七年一月に、工事に着手をする。二〇一八年八月、ことしの八月だったと思います。飲食、物販店が集まる商業ゾーンを先行に開設をして、そして二〇一九年八月、来年の八月に、温泉、ホテルゾーンを開業する計画だったと思います。つまり、着工後一年七カ月で商業ゾーンを開業できるはずだったということであります。
そこで、当初案、初めの案では、着工後一年七カ月で商業ゾーンを開業する予定だったといわれておりますが、これを踏まえれば、この後の計画の中で、いろいろと皆様方から報告がございましたが、二〇二〇年中には開業できるはずだったと思いますが、なぜ二〇二三年の春の開業とされているのか、まずお伺いをいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設は、本来、豊洲市場の開場と同時に開業すべきというものがございまして、できるだけ速やかに開業すべきものであると、このように認識しているところでございます。
今回、万葉倶楽部さんとの協議を改めてさせていただき、その中で、スケジュール等についてもお話をさせていただき調整を図ってまいったところでございますが、開業した後の車両の出入り口、あるいは、これは工事の施工中のものも含みますけれども、これが変更になったということがございまして、こうした技術的といいますか、工事の施工上の問題がございまして、施設を整備するに当たりましては、整備を一体で行う必要が生じたといった事情がございました。
私どもといたしましては、万葉倶楽部としても、これはやむを得ない事情であるというふうに考えているところでございまして、ただし、私どもといたしましては、都議会あるいは区議会からのさまざまな質疑の中で、できるだけ早く開業してほしいというところを万葉倶楽部にもお伝えしまして、全体の完成予定を提案時よりも前倒しするような努力もお話した結果、ご報告を差し上げたようなスケジュールとして認めてきたということでございまして、その上での同時開業を認めてきたというような経緯があったところでございます。
○山崎委員 今、松田部長から答弁のあった中で、少し前倒しをさせていただいたという話がありましたが、例えば隣の、万葉さんがやる六街区の隣、環状二号線を挟んで隣の四街区、ここでどういうものがつくられるか、部長もおわかりですよね。そのスケジュール感もおわかりですよね。
もちろん、今の六街区の土地より広い四街区の土地で、とある建設会社の方が六街区より広い土地を活用して、二年間で万葉さんとは違う建物、しかも、それより大きい敷地の中で大きい建物を二つ建てて、二年間で完成させる、二年間で開業させる、そのような話も聞いております。
ですから、私は思うんですけれど、まず前回のスケジュール感、それをなぜ東京都は、そのまま横滑りじゃないけれど、なぜもっと早く、多分早いにこしたことがないと思いますよ。それは万葉さんも、早く始めて早く終わらせる、その方が絶対万葉さんもいいはずです。なぜ隣の四街区と比べて、狭い敷地の中にもかかわらず、これだけの時間がかかってしまうのか、もう一度お答えください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、副委員長ご指摘の件でございますけれども、私どもは、合意をした後に、実務的な視点で協議をさせていただきまして、その中で、今、副委員長ご指摘がありましたけれども、その隣の四街区の開発の状況、こういったものも万葉倶楽部さんは存じておられると。その上で、できるだけ早く工事をしたいというようなこともございまして協議をしてきたところでございます。
その際に、これは実務的なお話になりますけれども、六街区の千客万来施設の用地というのは市場に隣接をしていること、限られた敷地の中で、できるだけ多くの大きな施設をつくって開業するということに当たっての実務的なスケジュール、これは技術的な問題を含みますけれども、そういったこともございまして、なかなかスケジュールを大幅に短くするのは難しいというようなお話もありました。
そこは繰り返しになりますが、やはり都議会の先生方、あるいは区議会の先生方からの、万葉倶楽部が本当にやる気も含めて、しっかりとした施設をつくる気があるのかといったことも含めて、私どもお話をさせていただいたところ、できる限りのことをやりたいというお話がありまして、当初の目標といいますか、当初のスケジュールからしますと、一体整備ということで、どうしてもトータルで見ますと時間がかかってしまうところがございますが、少しでも短くしたいということを酌んで、私どもといたしましても工期を認めて、とにかく早く限られた条件ですけれども、早くつくりたいということを私どもとして了としたという経緯がございます。
○山崎委員 それでは、今東京都から報告を受けている、二〇二〇年中に完成だと、二〇二二年に、その十二月ですか、完成となっております。なぜ、それであれば開業、いつから開業しますよということをしっかりと報告できないんですか。教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、副委員長から、完成と開業とのことで質問いただきましたけれども、完成ということで申し上げますと、平成三十四年の十二月ですか、に完成をするといったところまで、しっかりと合意書、基本協定含めて締結しているところでございます。
その後、これは商業施設ということで、さまざまなオープンに向けての準備とか、そういったことがかかるというふうな話を聞いてございます。これは一般的なところでございますけれども、おおむね二カ月とか三カ月とか、そのようなところを聞いてございまして、このところも、やはり努力して縮める余地も含めて、しっかりと取り組んでもらいたいということも含めまして、まずはハード面でしっかりとした施設を完成するということに着目いたしまして、完成時期をしっかりと約束させていただいたというところでございます。
○山崎委員 そういったところだと思うんですよ。地元の皆さん、江東区の皆さん、市場関係者や我々もそうです。完成はちゃんと明記している、ハード面だと。
しかし、通常の、今答弁で、二カ月、三カ月かかるかもしれない、開業まで。そういったところ、そこの最後のところまで、なぜ--合意書なり基本協定の中でしっかりと本来は結ぶべきだと私は思いますよ。そういうことをするから、万葉さん大丈夫なの、オリンピックの後にスタートして。いろんなそういう臆測が、ついつい皆さん生まれてきちゃうと思います。
そういったところまで、しっかりと当局が最後の詰め--じゃあ、逆に開業の時期、いつになったらはっきりするか教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 私どもが万葉倶楽部さんと締結をいたしました合意書並びに基本協定書に明記してございますけれども、施設の完成の時期を明記したと。三十四年十二月ということで明記をいたしまして、その後速やかに開業するということまで定めてございます。
今、副委員長のご指摘からいたしますと、明記できていないということでございますが、私どもとしては速やかに開業すると、そこのところはこれから、まず着工するまでの期間がございます。着工してからの工事の進捗状況もございます。その中で当然、時系列的に開業に向けた準備全般のお話を、私ども万葉倶楽部と継続的にしっかりとやってまいりますので、その中で速やかに開業するというのがいつになるのかということもしっかり協議をさせていただいて、区民の方々、都民の方々にできるだけ早くお知らせできる、そういったことも含めて対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 ぜひその点はよろしくお願いしたいと思います。やはり一回目、二回目の公募でこういう形が今まで来ていますから、恐らく江東区や地元の皆さん、市場の団体の皆さんもそうですよ、東京都のことを信じるしかないんですよ。ですから信じる、その結果をしっかり出していただきたいと思います。
続いて、六街区の一画は、今年度末まで市場業者が通勤の駐車場として活用した後、場外マルシェの着工から、二〇二〇年の大会後の二〇二〇年九月までイベント広場となるとのことでありました。
九月四日付の都政新報によれば、このイベントに関して、八月の庁内の部長会で市場当局は、豊洲開場以降に都内各地で予定しているイベントを、五街区、六街区で開催するよう各局に要請をしたとの、そのような記事がございました。
両街区のスペースは更地のため、電気や水道などインフラが整備されておらず、イベントを開催する際には、各局が自前で準備するよう求めたとも報じられておりました。
市場当局は、庁内の部長会で、江東区が求めるにぎわいをどのように各局に説明して、各局に協力を求めてきたのか、お伺いをいたします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 八月八日に開催されました各局政策・総務担当部長会におきまして、副委員長お話しのとおり、各局に協力を求めたところでございます。
都といたしまして、豊洲ならではの活気やにぎわいの創出に取り組むことを説明した上で、例えば食やスポーツに関連するイベント、地域の活性化に資するイベントなどで、各局の所管事業における千客万来施設用地の積極的な活用、こういったことの検討を依頼したところでございます。
○山崎委員 八月八日からというお話でしたね。例えば市場当局が千客万来施設用地で実施してきたイベント、にぎわいのいろいろとフェスタがありましたよね。風評被害の払拭を目的とするものだったとも思います。
他局が実施するイベントはどのようなものが行われると想定しているのか、また、どのような各局から提案があったのか、詳しく教えてください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 想定するイベント内容でございますけれども、食やスポーツに関連する事業、各局所管事業の啓発などでの活用といったものを想定してございます。
また、調査の状況でございますけれども、現在、各局からの回答を集約しているところでございます。
○山崎委員 ちょっと最後聞こえなかった。
○伊藤委員長 もう一度答弁をお願いします。最後聞こえなかったということで。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 失礼いたしました。各局からの回答でございますけれども、ただいま集計をしているところでございます。
○山崎委員 ただいま集計をしている最中だという答弁でございました。
江東区には、連続してイベントを実施しなければ集客は見込めないということから、平日を含めてにぎわい創出を希望する声もありますが、要するに、連続してイベントを実施していかなくてはということは、例えば五街区もそうです、六街区もそうです、また五街区もそうです、この一連性というものがやっぱり必要なんですね。単発でイベントをやっても、そこの日だけ、土日だけ、そういうことでは本来のにぎわいにはつながっていかないんじゃないか。
私が思うには、この千客万来施設のコンセプトというのは皆さん方もよくおわかりだと思います。築地の場外のような形をしっかりと、豊洲の千客万来施設でしっかりやっていくというのが、大きなコンセプトだったと私は思います。そして同時に、築地の場外の皆さんも千客万来施設に入ってもらう、そういうことが大きなコンセプトだったと思います。それも踏まえて、こうした声に市場当局はどのように応えていくのか、もう一回質問します。
江東区には、連続してイベントを実施しなければ集客が見込めないということから、平日を含めてにぎわい創出を希望する声もありますが、こうした声に市場当局はどのように応えていくのか教えてください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 暫定にぎわい事業につきまして、イベントを実施することとしてございますけれども、まず、開催の頻度でございますけれども、やはり地域の方々のにぎわいに寄与するということで対応してまいりたいと思ってございます。
まず、五街区の今年度やります事業でございます。こちらでございますけれども、基本、土曜日の開催ということを想定させていただいております。
それで、こちらで考えましたところ、市場の開場日であるということでございます。それから、集客の面を考えますと平日といったところで、まだまだこの五街区の平成三十一年一月から三月までの事業というものは第一ステップの段階でございますので、まずは土曜日におきましてイベントを開催してにぎわいを創出していきたいと思ってございます。
それからまた、四月以降の六街区でのイベントでございます。こちらはアドバイザリーの契約を締結してございますけれども、その中で今検討してございます開催の頻度につきましても、こういった民間の方々の知見も得て、この豊洲がにぎわうように検討を進めてまいりたいと思っております。
○山崎委員 じゃあ、五街区の場外マルシェの方はどうなっているか教えてください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 平成三十二年一月から予定しております場外マルシェにつきましては、こちらは仮設ではございますけれども、常時店舗を備えた施設ということで、休市日等いろいろあるかとは思いますけれども、常に店舗があるという状態で、豊洲ならではの食材を販売する店舗ですとか飲食の店舗、こういったものを設けたり、その中でイベントをやって地域のにぎわいというものに貢献していきたいと思っております。
○山崎委員 先ほどもお話をしましたが、とにかくこれは一連性というか全てがつながっていく、単発じゃだめなんですね。先ほどもいいました五街区のまず初めにスタートするにぎわいのイベント、そして六街区で始まるにぎわいのイベント、そして五街区にまた戻っての仮設施設による場外マルシェ、プラス、イベント、これが全て一連、一貫性でこうつながっていくような--単発でやるイベントもあるかもしれない。だけれど、やはりつながっていくような、それがこの大きな二年間の役割だと私は思います。
それはなぜかといえば、本来だったら、ことしの夏にはでき上がっていた施設ですよ。来年の夏にもでき上がっていた施設ですよ。これ、誰のせいでこうなったんですか。どういう理由でこういうことになったんですか。初めからこういう計画だったわけじゃないですよね、市場長、そうですよね。ですから、東京都がしっかりと責任を持って万葉倶楽部と、そして、これからアドバイザリー契約をされたところともいろんな話があると思いますよ、しっかりやっていただきたい、それが江東区に対しての配慮だと私は思います。
江東区の、豊洲の住民の人たちはどう思っているか。本来だったらもうでき上がって、自分たちのまちにこういう施設ができて、一体となってやっていきたい、地元を盛り上げていきたい、そういう思いでずっと来ていたんですよ、地元の人たちは。江東区民も恐らくそうですよ。ですから、そういうところはしっかりと踏まえて前に進めていただきたいことを強く要望させていただきたいと思います。
さて、イベントの開催などに当たり、にぎわいの創出のアドバイザリー契約を締結したと私は聞いております。報告事項にもございました。
民間の知恵を生かして契約の質を確保するため、企画内容を競う契約方式を取り入れるべきところ、安易に価格のみの競争で済む競争入札を実施したのでありますが、今回の入札に参加した企業と、それぞれが入札した金額について、改めてお聞かせください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 アドバイザリー契約の入札に参加した事業者は三者でございまして、株式会社電通、株式会社アサツーディ・ケイ、株式会社博報堂の三者でございます。
それぞれの入札金額でございますけれども、税抜きの価格で、電通が七十万円、アサツーディ・ケイが六百九十九万円、博報堂二千万円となってございます。
○山崎委員 今の答弁を聞きますと、二番の札のところはアサツーディ・ケイ、約七百万ですよね、六百九十九万、約七百万。三番札、博報堂が二千万。そして、落札された企業、お幾らっていいましたか。一番札、電通、七十万ですよ。二千万、七百万、七十万、これ一体何ですか。
私は、この価格、真っ当とは思えません。こういうことが、あれだけ豊洲の市場の建築工事の話が出ていましたよね、以前。今回、何ですか、これは。こういったところを入札制度でしっかり変えていかなくてはならないんじゃないんですか。
ワイズスペンディングでよかったという、これは大きな誤りだと思いますよ。一番重要なことは、七十万円で契約を履行し、質をしっかり確保して、江東区が望むレベル、都民の皆さんが望むレベル、こういうにぎわいを創出することが本当にこの七十万円で確保できるんですか、どうなんですか。部長、お答えください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 入札者の入札金額につきましては、各社の経営判断ということによるものと思われます。都としては、適正な競争入札の結果、事業者が決まったものと認識してございます。
落札者を決定するに際しましてヒアリングを行ってございまして、適正な履行の可否等について確認をさせていただいておりまして、その上で契約を締結してございます。契約内容の履行は可能であるというふうに考えてございます。
また、豊洲のにぎわい創出ということへ向けての検討、こういったものをしっかりやっていただけるというふうに考えてございます。
○山崎委員 もう一回いいますよ。部長、そういうふうに答弁されましたけれど、二千万、七百万、七十万ですよ。そこが、本当の意味で豊洲のにぎわい--もちろん金額だけじゃないところはありますよ。しかし、どう考えたって、七十万でどうやってやっていくんですか。
市場長、どう思いますか。
○村松中央卸売市場長 先ほど担当部長が答弁させていただきましたが、今回の契約につきましては、当方で作成した仕様書を示して、それにその業務内容を承知した上で応札をしていただいております。
また、その入札も、株式会社電通についてはヒアリング等も実施し、業務の履行性についても確認の上、契約を締結したところでございます。
○山崎委員 じゃあ、角度を変えていきます。
五街区の今度、場外マルシェの方、これはまだ決まっていませんよね。昔、よく皆さん方も記憶があると思いますけれど、一円入札とかありましたよね。それと同じようなことが今行われてしまっているんですよ。じゃあ、この五街区の場外マルシェの方、これ電通さんがやられる可能性、十二分にありますよね。(「交換条件か」と呼ぶ者あり)だから、そういうふうに思われてしまう。あれだけ建築工事のときにああいったことがあって、今回、こういったことで本当に東京都の入札制度ってよろしいんですか。
これ、当局の皆さん、今の入札制度の中でこういうふうにやられているから、そうお思いかもしれません。しかし、こういったことを本当に正していかないと私はいけないと思いますよ。当委員会だけではなくて、ほかの常任委員会や本会議、そういったところでもしっかり明らかにしていきたい、私は今そのように考えております。
そして、この契約の相手は電通さんです。まさに小池知事が万葉倶楽部とたしか五月三十日にお会いをしたときに同席していたのが電通さんですよね。そういう事実として残っていることと時系列に見ていくと、何か変なことをしているんじゃないんですか、交換条件にされたんじゃないですかっていう疑惑を持たれてしまうんですよ。
その電通と市場との間で、七十万円という桁違いの安価な契約が締結されました。本当に委託の目的が達成されるのか、質が確保されるのか、私は先ほど来お話ししていますけれど、大変心配であります。そして何より、低価格でさえあれば落札できるようなこの制度、結果、電通が落札したとなれば、まさに色眼鏡で見られることになってしまうわけです。
本来、こういう入札制度を改めていかなければならない、そのように考えておりますので、ぜひこの点は都議会自民党としても手を緩めることなく、しっかりと追及していきたい、そのように考えております。
次に、五月三十日の夜の話が出ましたから、ここで確認をさせていただきたいと思います。
あの五月三十日の夜、市場長も同席されていましたよね。十分、二十分程度の話の中で万葉倶楽部さんと信頼関係が回復したと、そういうお話がございましたよね。そして、知事も市場長もこう答弁されています。しっかりと議事録も内容も含めて、しかるべき時期に公表する、そのようにいっておられました。
五月三十日、今もう九月半ばです。一体、公表する、どのくらい我々は待てばいいんでしょうか。そして、しかるべき時期というのは一体いつですか。市場長、答弁ください。
○村松中央卸売市場長 今お話のございました五月三十日の万葉倶楽部との協議の内容でございますが、このことにつきましては、既に市場移転に関する関係局長会議で報告するなど、中身の内容につきましては明らかにしているところでございます。
また、六月二十二日の本委員会におきましても、万葉倶楽部会長と知事の会談の内容についてお答えしているところでございます。これらの協議の記録については事務的に整理をしておりまして、情報開示請求があった場合には、請求者に対して開示もしているところでございます。
○山崎委員 情報開示請求があったら出すっていう話ですか。そうじゃないですよね。だって、しかるべき時期に出しますって知事も市場長もいわれましたよね。そんな答弁おかしいですよ。(「もう一回答弁した方がいいよ」と呼ぶ者あり)
もう一回そこも含めて、市場長、答弁ください。
○村松中央卸売市場長 五月三十日の万葉倶楽部との会談の内容につきましては、既に本委員会におきましてもその内容についてお答えしておりますし、内容につきましては周知の事実となっていると考えております。
その記録につきまして事務的に整理をいたしておりまして、開示請求があった場合について既に対応をしているということでございます。
○山崎委員 知事もね、いわれたんですよ、自分の口で。しかるべき時期にお出しをします、そういうふうにいわれたんですよ。市場長だってこの委員会でいわれましたよね。それが情報開示請求が出たら公表しますっていう、それが丁寧なやり方ですかね。
私はおかしいと思いますよ。開き直っているということですか。もし何かあれば教えてください。
○村松中央卸売市場長 本委員会におきましては、私の方からしかるべきときにしっかりと説明させていただきたいというお話をさせていただきまして、その会談の内容について本委員会においても、内容につきましては、知事が陳謝をしたこととか、あるいは万葉倶楽部側からいろいろ、オリンピック後の着工の方が、むしろ事業が成功するというお話もあって、であれば、翌日、正式に提案をしてほしいという話があったと、そういう会談の内容は全てお話をしているところでございます。
こうした会談の内容でございますので、その公表ということがどういうやり方がいいかということでございますが、例えばホームページで公表するとか、会談の内容ということでございますので、それにはなじまないということもあり、委員会等で説明させていただいているところでございます。
○山崎委員 何ていっていいのかね、ホームページで公表することが云々とかそういうことじゃないんですよ。我々は今、委員会の正式な場で市場長に質問しているんですよ。そういういい方はないと思いますけどね。そういういい方で本当にいいんですか。これ、残りますからね、市場長。
どういうことで、しかるべき時期に公表するといわれたんですか。しっかりお答えください。お願いします。
○村松中央卸売市場長 本会議で知事の方から、しかるべきときにしっかりと説明するという答弁がありましたことは事実でございますし、私も本委員会の六月二十二日の質疑のときに、会談の内容は質問に答える形でつまびらかにしてございます。
○山崎委員 つまびらかにしているかしていないかというのは、とり手の方ですよ。市場長はそういうふうにいっているかもしれないけれど、だって知事が自分でおっしゃったんですよ、この話を。知事がいわれたわけですから。
じゃあ、市場長、逆に、知事に、しかるべき時期にちゃんと、知事お答えくださいと、そういうふうに知事にいってくださいよ、市場長。責任者としてどうですか。
○村松中央卸売市場長 しかるべきときに説明するという知事の答弁も受けまして、その後、本委員会で私の方から、会談の内容についてつまびらかにしてございます。
○山崎委員 いや、知事はしていないですから。だから、さっき、とり手の問題だといったじゃないですか。知事がいわれたんですからね。これ何回もやってもしようがありませんから、またこの後もしっかり聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
続いて、にぎわいの方で、もう一点ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
都が直接実施することになる今回のにぎわい事業について、江東区は築地場外のにぎわいを引き連れてくるくらいのものを求めていると聞いております。単発のイベントやキッチンカー数台でそれに応えることが本当にできるんでしょうか。
この江東区が求めているもう一つには、場外の事業者も連れてくる、そういう受け入れ体制をしっかりと構築してもらいたいという意味と、そして、場外のような事業者をしっかりと連れてくる、そういう二つの理由が私はあると思います。
ですから、そのことも含めて応えることができるのか、具体的な回答を示しているのか教えてください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 五街区に予定しております場外マルシェは、市場の食材を活用した国内外の料理を提供したり、鮮魚や青果物など、豊洲市場ならではの季節の食材を販売する店舗の配置といったものを検討してございます。
こうした場外マルシェの店舗の出店者についてでございますけれども、市場関係者と積極的に連携し、千客万来施設につなげていくよう、今後、調整を図ってまいります。
また、築地の場外市場の事業者につきましても、希望のある方が出店できるようご案内するなど、連携を図ってまいりたいと考えております。
○山崎委員 それともう一点、今度は場内の例えば仲卸の皆さんとか、今築地の周りでもやられていますよね。ただ、あの人たちは場内の人たちですから、自分たちの屋号とか、そういったものをそのまま使うことは場外ではできないんですね。ですから、そういう受け入れ体制、そういったものもしっかりとつくっていくべきと考えますけれど、所見を伺います。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 今、副委員長のお話にありました場外市場の関係でございますけれども、まず、場外マルシェをどういったものにしていくか、内容をどういうものにするか、どういうお店に入っていただくか、こういったものは、今後しっかりと検討をしてまいりたいと思っております。
それから、築地の場外の方、あるいは場内の事業者でありつつ場外にもという方もいらっしゃると思いますけれども、そういった方々をどういう形で、ここの連携を図っていくかというところも、今後検討してまいりたいと思ってございます。
○山崎委員 ぜひこれが、本当の意味の千客万来のオリンピック後の万葉さんがやる商業施設の方に必ずつながっていきますから。ですから、オリンピックまでのこのイベント、また場外マルシェもそうです。これを成功させるかどうするか、これが本当に重要だと思いますよ。これを成功させれば、おのずと、千客万来施設で我々事業をやっていけるな、私はあそこで仕事をやりたいな、そういうことに必ずつながっていくと思いますよ。そういう先々のこともしっかりと見据えて、この事業を成功に導いていただきたいと思いますので、我々も協力するところはしっかり協力していきますから、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
続いて、駐車場の問題についてお伺いをしていきたいと思います。
市場業者は駐車場不足を訴えております。私も、仲卸の皆さんやそれぞれの団体の皆様からお話を直接聞いております。実際、千客万来施設用地を、これはいわゆる六街区のことだと思いますけれど、市場業者や市場関係者の団体に都が貸すことについて報告がありました。
そこで、確認をしておきますが、千客万来施設用地、市場業者や市場関係者の団体に、六街区の場所でありますけれど、いつ貸し出しをして、いつ返してもらう予定なのか教えてください。
○前田移転調整担当部長 千客万来施設用地は、開場後の場内物流の一時的混乱や市場外での車両の滞留等を防ぐための暫定的な利用でありますことから、利用期間は、市場の開場時から年度末である来年三月までとしております。
○山崎委員 開場時というのは十月十一日、三月というのはいつですか。
○前田移転調整担当部長 開場時は、二〇一八年十月十一日です。それから、来年三月というのは、二〇一九年三月三十一日までを予定しております。
○山崎委員 これはしかし、駐車場の不足を訴える声に応えて一旦貸し出しを始めると、途中で返すことをやめられなくなり、区切りがつけられないまま、まさにこうずるずる行ってしまう、そんなリスクもきちんと考えておかなければいけないと思います。
より利便性の高い代替の駐車場を用意しない限り、気持ちよく返してもらえないのではないでしょうか。都は、かわりの駐車場を返還期限までに用意できる見込みがあるんでしょうか。教えてください。
○前田移転調整担当部長 千客万来施設用地は、本来、にぎわいの場を整備するための用地でございまして、来年度からにぎわいイベントとして使用する予定でございます。
暫定期間利用後、必ずにぎわいの場として整備するため、開場後の駐車場の利用状況等を踏まえまして、候補場所の選定や調整を行ってまいります。
○山崎委員 改めて聞きます。市場団体と何か交わしたものはあるんですか。
○前田移転調整担当部長 市場業界から、一部要望書という形では頂戴をしております。六街区の千客万来施設用地を、一時的に駐車場用地として借り受けたい旨の要望書は出ております。
○山崎委員 要望書はそういうことではなくて、東京都と、要するに出ていく約束、返してもらう約束、そういったものをちゃんと団体と結ばれたんですか。お願いします。
○前田移転調整担当部長 千客万来施設用地の利用に関しましては、現在調整中でございまして、業界団体とはこれから覚書等を結ぶ予定でございます。
○山崎委員 これから結ぶということですね。それでいいんですか。
○福崎新市場整備部長 副委員長からお話のありました約束ということにつきまして、業界団体の方から年度末ということで誓約書の方をいただいてございます。
以上でございます。
○山崎委員 そういう契約書、念書というか、そういったものをとられているということで、この辺はしっかり守っていただきたいと思います。
まさに、ほかの会派がいわれておりましたけれど、駐車場の不足の問題というものは、当時、もう何年も何年も、何年も前から、業界の皆さんがこれだけ駐車場として必要なんですよという台数が出てから、この豊洲の場内の計画は始まっています。
千客万来施設というものは、駐車場用地でも本来は何でもないんですよ。にぎわいを創出していく用地なんですよ。そこに、例えばまだでき上がっていないから駐車場が必要だ、そこを使わせてもらえばいい、本来はそういう問題じゃないんですよ。本来であれば、豊洲の場内の中に駐車場をもっと、用地として確保していかなくてはならないのが私は本筋だと思います。ですから、その辺は江東区の方も心配されておりますから。
私、先ほど前田部長が答弁をしていただいた中で、答弁をまだいただいていないのが一つあります。
都は、かわりの駐車場の返還期限まで用意できる見込みはあるんですか。六街区を、じゃあ、来年の三月までお貸ししますと。何台かわかりませんよ、まだ交渉中だといいますから。そこを来年の三月に返した後、何台かわからないその部分のかわりの場所、その部分を使っていた人にかわりの場所というものをしっかりと用意する、また、今用意をする見込みがあるのかないのか教えてください。
○前田移転調整担当部長 現在の千客万来施設用地、これを使用させていただくことに対して、来年度に入りましてからのかわりの駐車場ということでございますけれども、現在、開場後の状況を見きわめまして、規模等を考えていきたいというふうに考えておりますが、こちらにつきましては、都が責任を持って選定、調整を行ってまいります。
○山崎委員 まさに今、部長がおっしゃったように、これなかなか開場してみないとわからないところもあると思いますよ。隣のところがこれだけ車が必要だといわれれば、うちはどうなんだろうと心配を持って、バッファを見て、ちょっと大きく駐車場の台数を要求している可能性もある。また、開場してから、いや、やっぱり私たち足りないんだと思われるところもあるかもしれない。ですから、こういったところが開場後の対応になってくるんです。
ぜひ、千客万来施設用地のこともそうなんですけれど、豊洲の場内の駐車場不足の問題は、もう一度開場後にもしっかりと検討していただきたい。もし足りなければ、将来的には市場の中に駐車場をまたつくらなきゃいけない、そういうときが来るかもしれない、そういう先々のことまで考えることが、市場の団体の皆様に対しての丁寧な対応だと私は思います。これが本来の対応だと思います。ぜひその点はお願いをしておきたいと思います。
この豊洲の市場以外、市場当局には、十一の市場のあり方、市場法改正への対応、次の整備計画の方向性、着実に対応していかなければならない重要なテーマが山積をしております。これらが、都と市場関係者との間でしっかりと議論が深められているのかどうなのか、こういったところも本当に心配な事項だと私は思います。
とりわけ市場法改正への対応は重要でありますから、豊洲市場移転、開場の話とは別に、しっかりと対応をしていただきたいと思います。こういった点は、また違う別の機会に議論を深めていきたいと思いますので、そのときにはよろしくお願いをしたいと思います。
最後になりますが、もう時間も迫っておりますので、この辺で質疑を終了させていただきますが、先日、私は、豊洲の新しい市場の水神社、これは築地にもございました水神社様の遷座式、要するに築地から一回、神田明神の方にこの期間移させていただいて、そして神田明神から豊洲の新しい市場に移す、そういう正式な場にお招きいただいて、皆さんの行動を見ました。業界の皆さん、築地の魚河岸会の皆さんが先頭に立って、その水神社を祠守りをする、そういう形になっております。
その場でいっておられました。日本橋の歴史は三百年、築地の歴史は八十年、そしてこれから豊洲の歴史が始まる。まさに、今度の九月十三日の開場記念式典の前に、水神社をこのような正式な形で移すことができたというお披露目の場、そういったものができ上がって本当によかったと思う、そういうことを市場の関係団体の皆さんはいわれておりました。
私はその話を聞いて、まさにこれだけの年月をかけて築地から豊洲へ移るさまざまな議論があった、そして、今度の九月十三日の開場記念式典を迎える、今直前であります。ですから、開場記念式典を迎えるに当たって、また十月十一日の開場を迎えるに当たって、どれだけの人たちがかかわってきたのか、どれだけの先人の方がかかわってきたのか、どれだけの年月がかかってきたのか、もう一度我々都議会として、しっかりとそういったところは認識をしていかなくてはならないと思っております。
延期をした二年、この二年間がどうだったか、どれだけのお金をかけてしまったのか、どれだけの補償をしてしまったのか、そういったところも我々は問うていかなくてはならないと思っております。
しっかり業界の皆さんと手を携えて、これからも都議会自民党として皆様方に聞いていきたい。また、皆様方といい市場をつくるに当たって、世界で対応できる市場をつくるに当たって力をおかしいただければと思いますので、その点はよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
時間も過ぎましたので、質問を終わります。
○あぜ上委員 先ほど市場長から、認可書の交付の報告がございました。私からも一言申し上げたいと思います。
多くの皆さんの反対の声があるにもかかわらず、農水大臣が豊洲の新市場に対して認可書を交付したと、このことに対しては、満身の怒りを持って、私は断固抗議をしたいと思います。
先ほど知事は、移転に向けた準備を着実に進めるというコメントを出したと報告がありましたが、私たち日本共産党は、引き続き食の安全、これをしっかりと守り、消費者も、そして市場関係者の皆さんも安心して利用ができる中央卸売市場にするために、移転の中止、そして、築地を守る立場で議論を尽くし続けたいと思っております。
それでは、質疑に入りますが、まず、にぎわい施設、千客万来施設についてです。
前回、万葉倶楽部として協定解除も検討される、そういう中で、五月三十日に万葉倶楽部の会長と知事のトップ会談で突然の合意となったわけです。その背景に一体何があったのか、大変不透明だということを、ほかの会派の方からも、また私からも指摘をさせていただきました。しかも、そのトップ会談に電通の社員が同席していたということも明らかになったわけです。
今までの都と万葉倶楽部の話し合いには一度も同席していなかった電通がいて、どのような役割を果たしたのか、このことについても不透明だと、これは明らかにするべきであると前回の委員会でも指摘をさせていただきました。
そこで今回の合意書が出てきたわけですが、二〇二二年、四年後に商業棟と温泉、ホテルを完成させる、そして二〇一九年十二月までに駐車場を整備する、その間、にぎわいのイベント、また、場外マルシェなどで対応するというものであります。
そこで、まず伺いたいと思いますが、江東区との約束の一つであります千客万来施設は、計画当初の見込みでは、年間来場者数は五百五十万人でした。今回の提案では百三十八万人と二割強になっていますが、それはなぜなんでしょうか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘のございました千客万来施設の年間来場者数約五百五十万人というものでございますけれども、これは私どもが豊洲市場の環境影響評価書におきまして出した数字でございます。
こちらにつきましては、都が、豊洲市場の建設事業において環境に与える影響を予測、評価するために、千客万来施設、こちらは六街区に加えまして五街区も含む全体でございますけれども、そういったものの規模の要件、地域全体の開発フレーム、そういったものの交通量を最大限に考慮した上で設定したものでございます。
これに対しまして、現在、事業者でございますけれども、万葉倶楽部が六街区において事業を実施するという段階で年間来場者数を出しておりますけれども、商業棟で年間約百三十八万人、加えまして、温泉、ホテル棟で約五十五万人と想定しているところでございまして、こちらは同社が実際に事業を提案するに当たりまして、施設の内容や規模、類似施設の運営実績、そうしたものをもとに具体的に来場者を見込んだ数字であるというふうに認識しているところでございます。
○あぜ上委員 ということは、当初の都の想定では五百五十万、そして二〇一四年には喜代村、大和ハウスが最初、出ていたわけですけれども、そのときには四百二十万と。さらに万葉倶楽部の来場者は百九十三万になったということなんですが、今のご答弁を聞いて、それは万葉倶楽部の提案する施設内容と規模によるものだということがわかりました。
では伺いますが、にぎわいの駐車場棟は何台分となるんでしょうか。また、その駐車場の建設費用、管理運営はどのようになるのか、ご答弁ください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 千客万来施設で五街区に整備をされます駐車場棟の駐車台数につきましては、約四百六十台を予定しているところでございます。
この駐車場棟の整備運営につきましては、今後、千客万来施設の事業者であります万葉倶楽部がみずからの費用負担により行うこととなるところでございます。
○あぜ上委員 そうすると、いつから借地料が発生するんでしょうか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 万葉倶楽部と都との用地の使用賃借契約でございますけれども、実際これは建設工事に入る段階におきまして具体的な契約を締結いたしまして、そこから賃料が発生するという仕組みになっているところでございます。
○あぜ上委員 ということは、建設工事に入るのが、前いただいた資料を見ますと、来年の三月から工事に入るということになっていたわけですから、今年度の三月から借地料が発生するという理解でよろしいんでしょうかね。
じゃあ、六街区の方はどうかというと、先ほど質問がありまして、当初の予定の地下二階を設置しないことに伴う六街区の貸付料の見直し、これがあるというお話だったわけですが、当初見込み額と減額が幾らになるのかわかるでしょうか。教えてください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 貸付料につきましては、事業者が公募時に提案した金額にすることとしてございまして、月額七百二十一万円を予定していたところでございます。
その後、事業者と今回の合意書で合意をいたしましたけれども、事業者が提案していた地下二階の整備ができなくなった、このために、延べ床面積の減少に応じて貸付料を見直すこととしてございまして、今後定期借地権の設定契約、これは着工の時期を目途に契約締結いたしますけれども、それまでに最終的な施設の面積でありますとか、そういったものをその際に確定させていきたいというふうに考えているところでございます。
○あぜ上委員 今のご答弁だと、着工を目途に今後決定していくということなんですが、都政新報では、定期借地権の五十年間で、賃料は六億円減というふうに書いてありましたけれども、これはどうなんですか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今の委員のご質問でございますけれども、ただいま答弁いたしましたけれども、私どもは、着工までに最終的な施設の面積を確定させて、その際に、結果的に減額となる金額を含めまして契約金額を確定してまいります。先般、報道等で出た金額につきましては、地下の二階部分というものの金額を一つの試算として考えているところで出てきていると、そういったことを含めて、私どもは万葉倶楽部とお話をさせていただいたということは事実でございますけれども、最終的には面積を確定させた上で、契約の際に減額を含めた契約金額を確定してまいりたいというふうに考えてございます。
○あぜ上委員 ということは、そういう試算もあるということはわかったわけです。
にぎわい施設とぐるり公園の連絡橋の設置なども検討しているようですが、どのような整備をどのぐらいの経費で行うつもりなんでしょうか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ぐるり公園からのアクセス向上策などの事業環境の整備につきましては、千客万来施設とぐるり公園とが一体となったにぎわいを創出するとともに、地域と一体になったまちづくりにも貢献すると、このような趣旨に基づきまして整備するものでございます。
今後、連絡橋の設置、こういったものの具体策につきまして検討してまいるという状況でございます。
○あぜ上委員 先ほど、ほかの委員の方のご答弁で、一般会計でやるか市場会計でやるかは、今後、財務と調整していくんだというご答弁があったんですけれども、今のご答弁の中で、まちづくりに貢献するというお話があったんですが、一企業の施設につながる、そういう橋なわけですね。具体的には今後の検討だというお話なんですけれども、こうした整備をすること、これはどこで決まったんでしょうか。例のトップ会談で決まったという理解でよろしいんでしょうか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、委員からご質問ございましたけれども、ぐるり公園からのアクセス向上策と、それに伴う連絡橋の設置なども含めた、こういった施策につきましては、都と万葉倶楽部との間で、この間、事業実施に当たりまして協議をしてまいりましたけれども、そういった中で、万葉倶楽部側からアクセスを向上させることによる集客率の向上でありますとか、認知度を高めるためのそういった施策として効用性が高いというお話もありました。
私ども都といたしましても、既に答弁いたしましたけれども、千客万来施設と、これは江東区の施設でございますけれども、ぐるり公園とが一体となったにぎわいを創出する、そして、地域と一体となったまちづくりにも貢献できると、こういった広域的な、総合的な効用というものもあるだろうということでお話をさせていただいた結果、合意に至った、今回の合意書の中の一つの項目として決めさせていただいたという内容のものでございます。
○あぜ上委員 今のご答弁で、万葉からの要望でもあったということがわかりましたが、合意書には、都の責任において、貸付料の見直しと、ぐるり公園との連絡橋等の整備をするというふうになっているわけです。一企業のために貸付料を減額する、また、こうした施設整備を進めるということは、結局、都が多額の税金を使って一企業の要望に応える形になったということにほかならないと思うんです。それはやっぱり認められるものではないといわざるを得ません。
さらに、その合意に至った会議にいたのが電通だったわけですけれども、資料によりますと、その電通が、当面のにぎわい創出に係る企画内容等の検討支援業務委託を落札していると、先ほどの山崎副委員長の質疑でもわかりました。
電通の社員二人が小池知事と万葉倶楽部の会長のトップ会談に同席していたのは、豊洲のにぎわい事業について、東京都の情報をいち早く知るためだったんだ、そういうふうにいわれても仕方がないと私は思ったんですけれども、どうですか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 万葉倶楽部は、私どもと千客万来施設本体の事業を進めていただく関係において、基本協定及び合意書をもってそのような関係になっているところでございます。
万葉倶楽部がテナントリーシング、これは商業棟に多くのお店、築地のにぎわい、こういったものをしっかりと再現していくという中で、テナントリーシングを行う際にパートナーとして関係を結ばれていらっしゃるということを把握しておりますので、私どもの理解といたしましては、万葉倶楽部はそういったテナントリーシングをするパートナーとして、電通と場所を同じくして打ち合わせをされているんだというふうに認識しているところでございます。
○あぜ上委員 先ほどの山崎副委員長のお話の中でもありましたけど、落札結果、これ見ますと、三者の入札者の中で七十万の電通が落札しているわけですが、ほかの二者は二千万、それから六百九十九万です。桁が違うわけですよね。三つの業者で入札価格がなぜこんなに違うのかと、先ほどもそういった質問があったわけですけれども、それに対して部長のご答弁は、適正な競争入札だったんだというふうにおっしゃったわけです。
しかしながら、電通はほかの二者よりもはるかに低い金額で入札したわけですよ。東京都の重要な情報を、トップ会談にひそかに同席をして、そういうやり方で情報を入手した企業が、その情報に深くかかわるこういう事業に超低価格で入札したということなんじゃないでしょうか。何ら問題ないといえるんでしょうか、ちょっとご答弁ください。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 お話のアドバイザリー契約に関する入札でございますけれども、先ほどもご答弁いたしましたが、入札者の入札金額につきましては、各者の経営判断によるものと思われますが、都としては、適正な競争入札の結果、事業者が決まったものと認識しております。
契約事務規則等に基づきまして、適正な入札を行っているところでございます。
○あぜ上委員 そういうご答弁では、多くの都民の皆さんは納得できませんよ。
仕様書を見ました。資料でいただきましたけれども、契約締結後一週間以内にイベントと仮設施設の企画内容の検討、提案、そして業務実施体制図、業務実施工程表もつけて提出するということになっております。これから四年間分もやる、そういうにぎわいの仮設施設に向けた企画内容や、一年半に及ぶにぎわいのイベントの企画内容なわけですよね。
今回、超低価格で落札した電通が、客観的に見て、やっぱり来年度以降のにぎわい事業に、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、極めて有利な立場を得たことになるんじゃないでしょうか。
では、伺いたいんですが、来年度以降、電通がにぎわい事業の委託を独占的に受けるようなことはありませんと、これは断言できるんでしょうか。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 来年度の事業の中身、それから事業スキームにつきましては、現在検討しているところでございます。
○あぜ上委員 ちょっと答弁になっていないんですけど、いわゆる電通が極めて有利な立場を得たことになるんじゃないかと。そういう意味では、電通が--来年度以降のにぎわい事業の委託、これまた発生するわけですよね、先ほどのお話を聞いていると。そうすると、それを独占的に受けるようなことにはなりませんよということを、都としてきちんと断言できるんですかというふうに聞いたんです。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 来年度の事業スキームは、検討中と申し上げましたが、いずれにいたしましても、適正な、公正な形で運営をしていくということでございます。
○あぜ上委員 例えば、地下水管理システムの日水コン、これも超低価格を提示して、最初、契約を行ったわけですよ。その後の地下水管理システムにかかわる委託業務事業を数年にわたって、ほぼ全て日水コンが受注しました。そういう前例があるわけですね。しかも今回は、知事と万葉倶楽部の会長のトップ会談に電通の社員が同席したという経過が明らかになったわけですよ。そういう点では、私は、くれぐれもこのような不明瞭な形で東京都の情報を入手した企業が漁夫の利を得るようなことはあってはならないと、そのことをきちんと求めておきたいと思います。
六街区のにぎわいの創出には、市場開放の実施を検討としていますけれども、テント仕様のにぎわいでは、当然、生のお魚は扱えません。また、野菜や果物を売るというのはあり得るかと思いますけれども、一週間に一回程度のキッチンカーでは、江東区が求めていた商業施設ともほど遠いこともはっきりしているわけです。
しかも、五街区の場外マルシェも、中央区の場外にあります築地魚河岸と一体どこが違うんだろうかと、イメージが湧かないんです。築地の再開発と千客万来施設のコンセプトの両立や相乗効果を図るというふうに資料には書いてあったんですけれども、どうもイメージが湧かないんですが、具体的にどういうことを考えていらっしゃるのか伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年七月の関係局長会議で既に確認しておりますけれども、築地の再開発に当たりましては、千客万来施設事業との整合性を図りつつ、開発コンセプト等を具体化していくところでございます。
また、本年の五月でございますけれども、築地の再開発検討会議、こちらで取りまとめられました築地まちづくりの大きな視点と、こういったものを踏まえまして、行政としてのまちづくりの方針を検討していくため、庁内横断的な検討体制を整えたところでございます。
このような具体的な流れも含めまして、今後、築地再開発について民間からの提案を募集する際に、千客万来施設事業のコンセプトとの両立や相乗効果が図られるよう、十分配慮するものと聞いているところでございます。
○あぜ上委員 これからということで、具体的にはわからないですね。この点も大変不明瞭だなというふうに思います。
私は、やはり食の安全、これが大前提の市場で、専門家会議の平田座長が公然と、環境基準以下にすることは目指していないんだと、そして汚染は残るんだという中での安全宣言に、大変多くの不信の声があるのは当然のことだというふうに考えているわけです。そうした中で、とにかく何が何でも十月十一日、その移転をしなくちゃいけないんだと、移転ありきだということで、この間ずっと推し進めてきた。そのことによって、こうした千客万来施設の問題もやっぱり大きな矛盾を抱えることになってしまったんじゃないかといわざるを得ません。
私は、そういう点では、引き続きこの問題も議論していきたいと思っております。
以上です。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○伊藤委員長 次に、報告事項、豊洲市場の開場についてに対する質疑を行います。
発言を願います。
○栗下委員 先ほど、移転に向けた最終プロセス、手続であります農水省への認可申請が無事おりたということで私も安堵いたしておりますが、もう一仕事残っております。
豊洲の安心・安全を確保するための追加対策工事が完了して、七月三十日に専門家会議による確認の結果が報告事項として上げられておりますので、それらについて質疑を行っていきたいと思います。
豊洲市場への移転は、都議会においても長年議論が続けられてきた問題の一つでありますが、その中で大きな論点の一つとして、もともと東京ガスの跡地であったこの豊洲の土地を、どのように安心・安全を確保して使っていくかという点がありました。
今回の追加対策工事の完了と、そして専門家会議の確認を経て、七月三十一日に科学的に安全が確認できたということで、小池知事からも安全宣言が出されました。
これまで、市場における安心・安全をどのように捉えるのかということについては、本当にさまざまな経緯があったので、少し整理をしたいと思います。
まず、市場で安心・安全をどこまで追求していくのかという点については、石原都政下の平成二十二年度中央卸売市場会計予算に付された付帯決議、これが当初、下敷きになってきたのかと思います。
そこには、原文そのまま申し上げますが、土壌汚染対策について、効果確認実験結果を科学的に検証し有効性を確認するとともに、継続的にオープンな形で検証して、無害化された安全な状態での開場を可能とすることと。この条件に基づいて、その後、土壌汚染対策が計画をされてきたのかと思います。
この付帯決議に従って、都はどのように土壌汚染対策を検討し、実施をしたのか、説明をお願いいたします。
○佐々木環境改善担当部長 豊洲市場用地の土壌汚染対策は、土壌汚染対策法に規定された最小区画である十メートルメッシュで、土壌だけでなく地下水の調査も行い、汚染状況を把握した上で、この調査結果を踏まえて、土壌汚染対策を実施しております。
具体的には、まず、豊洲新市場用地とその周辺地域との間で地下水の流出入を防ぐため、各街区周縁に遮水壁を設置しました。
そして、ガス工場操業時の地盤面A.P.プラス四メートルからA.P.プラス二メートルまでの土壌は、汚染の有無にかかわらず、全て掘削除去しております。
さらに、A.P.プラス二メーター以深につきましては、調査によって把握したガス工場操業に由来する基準を超える汚染物質について、土壌は掘削除去し、地下水は揚水、復水を繰り返し実施して浄化しております。
その上で、液状化対策を実施し、主要な建物敷地以外についてA.P.プラス六・五メートルまで盛り土を行いました。
○栗下委員 先ほどの私が読み上げたこの付帯決議に従って、汚染土壌の掘削除去、地下水対策、液状化対策、そして、あの盛り土、これを含んだ対策が講じられて、そして実際に実施をされてきたはずであったと、当初はそういう計画であったということでありました。
当初、この計画が示されて、都議会もそれを了として、その対策でいこうということで工事が進められ、施設が完成をしたわけでありますけれども、舛添都政下のもと、この新市場の施設が完成をいたしました。
しかし、小池知事が就任をした後に、いま一度、検証を行った結果、先ほど申し上げた付帯決議に従って行ったはずの盛り土がなかった問題などが発覚をいたしました。それがちょうど二年前の出来事になりますけれども、本当に当時は、連日連夜、この問題がニュースで取り上げられまして、地下ピット内に濁った水がなみなみとたまった様子を、私も当時、議会におりませんでしたので一都民として、これはよく覚えておりますが、豊洲市場を使っていく上で、本当にいい知れない不安と、そして、万全の信頼を持っていたはずの都行政に対する大きな信頼の低下が、都民の中に起こったというふうに思い出すところであります。
私たち議会に関係する者にとっても、これは本当に大変ショックな出来事でありました。人々の記憶からは、こういったことは徐々に徐々に薄らいでいくものでありますが、本当に当時はその問題が都民の都に対する信頼を大きく揺るがしたということは、職員の皆さん、そして、この委員会のメンバーの皆さん、メディアの皆さん、あらゆる方がこれはご理解をいただけることだと思います。
都としては、この損なわれた安心・安全、安心は一朝一夕には取り戻せないものであります。失墜をしたその信頼を取り戻すためにも、行うといって行われていなかったこの盛り土を補うための対策を、今度は都民にしっかりと見える形で進めていく必要があったと。これは間違いのないことだったというふうに思います。
盛り土がなかったという問題が発覚をしてから二年間の間、今日に至るまで、どのような思いでこの問題に取り組んできたのか、市場長に伺いたいと思います。
○村松中央卸売市場長 豊洲市場では、主要な建物下に盛り土がなく、地下ピットとなっている状態を受けまして、改めて設置いたしました専門家会議において、リスク管理上、必要な対応策等について検討いただいてまいりました。
検討に際しましては、専門家会議の先生方には精力的にご議論いただきまして、また、それぞれの知見に基づいて検証、検討をいただき、昨年六月に必要な追加対策についてご提言をいただいたところでございます。
その後、都では、提言に基づく追加対策を実施し、本年七月三十日には、専門家会議から、都が実施した追加対策により、将来リスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したとの評価をいただいたところでございます。
この間、専門家会議での議論を踏まえ、必要な追加対策を着実に実施することはもとより、その工事の過程や空気、地下水質の測定結果などの正確な情報発信といった具体的な取り組みを着実に積み重ねまして、都民や事業者の理解と納得につなげるように努めてきたところでございます。
引き続き、正しい情報発信を行うとともに、管理を確実に実施し、安心・安全な市場の状態を維持してまいります。
○栗下委員 ありがとうございます。本当にそういった大きなマイナスからスタートをしたという経緯がありましたので、それ以前にも増して、専門家会議の進捗を都民にオープンにする、小まめに情報発信を行っていく、そういった点にも心を砕いて、これまでさまざまに取り組まれてきたのかと思います。
市場当局の体制も刷新をされました。かつては自身の所掌ではなかったことも含めて、この二年間、市場長を先頭に、皆さんが大変な思いをしながら、都民の安心と信頼の回復に取り組まれてきたことに本当に敬意を表したいと思います。
そして、都議会としても、偽りの報告を受けていたとはいえ、そういったことをすぐに見抜くことができなかった、これを教訓として重く受けとめていかなくてはなりません。盛り土にかわる対策が施され、懸念されていた問題が従前の予定どおり払拭されたか否か、質問をしていきたいと思います。
まず、地下水管理システムについてお聞きをしたいと思います。
問題が露見をした当時、地下ピット内には濁った地下水がたまっておりました。そして、揚水するためのポンプが設置されているにもかかわらず、その揚水量は想定を大幅に下回り、水位も思ったように下がっていかないということが大きな問題の一つでありました。
今回行われた地下水管理システムの強化によって、想定どおりの揚水量で稼働できるようになっているのかどうか、お伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 専門家会議が求めていた地下水揚水量、一日当たり五百立方メートル前後に対して、地下水管理システムの機能強化後において、各街区の最大揚水量の合計値は、一日当たり四百八十三・三立方メートルでございます。この結果から、専門家会議において、一日当たり四百八十三・三立方メートル以上の揚水能力が確保されていると考えられるとの評価をいただいております。
このことから、おおむね想定どおりの揚水能力が確保されていると認識しております。
○栗下委員 報告書によれば、定期的にモニタリングを行っている地下水位は、ほとんど目標とするA.P.プラス一・八メーターから二メーターの間で落ちついてきていると。ポンプを強化後、まだそれほど稼働しているわけでありませんが、七月十九日の状況で見てみると、三十三カ所の観測井戸のあるうち二十一カ所で二メーター以下となってきていること、そして、毛管現象によって吸い上げることが起きない、つまり、地下ピットのコンクリ床面に届かないとされているのが二・四メーターでありますが、一カ所を除いてはこれにおさまっているということでございました。
この観測井戸の6-1の井戸でありますが、この水位が下がりづらく、二・六五メーターになっているわけでありますが、どういった理由によるものだと考えられますか。また、水位は今後下がっていくと考えているのかどうか、お伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 観測井戸6-1の水位が高い理由といたしましては、地下埋設物が密集して敷設されており、また、A.P.プラス二・〇メートル以深において、高密度に液状化対策が施されていることなどから、地下水の円滑な流れを阻害している可能性が考えられます。
ほかの観測井戸に比べ地下水位の低下速度は緩やかであるものの、地下水位は低下傾向にあり、引き続き揚水を継続し、地下水位の低下に努めてまいります。
○栗下委員 ありがとうございます。6-1の井戸はもともと水位が下がりづらかったわけでありますが、建物の外ではありますが、管理上、早々に二・四メーター以下、二メーターと低下をさせて、安定をさせてほしいというふうに思っております。
また、地下水に有害物質が含まれているのではないかということも懸念をされてきました。特に、第九回の地下水モニタリングでK37-4という観測井戸から、基準の約百七十倍のベンゼンが検出をされたことが一部で取り沙汰されました。これらの地点についてはどのように安全を確保できると考えているのか、お伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 豊洲市場用地では、地下水質の調査にあわせて地上部の空気調査を実施しており、環境基準の百七十倍のベンゼンが検出された箇所の地上部についても空気調査を実施しております。
この空気や地下水質の調査結果について、専門家会議では、建物一階部分の空気及び地上部の空気は科学的な安全が確保された状態で維持されているとし、地下水質については、地下水汚染状況は大きく変化していないと考えられ、さらに大きく濃度が上昇する可能性は考えにくいとしております。
また、専門家である委員それぞれの知見に基づき、データ等を確認した上で、追加対策により将来リスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したと評価していただいております。
七月三十日には、平田座長から、これら専門家会議として確認した結果を踏まえ、地上は安全であり、地下ピットについても盛り土相当の対策ができたと評価できることから、人が接する空間については安全性が確保されている状態にあり、豊洲市場を今後使っていく上で支障はないと考えているといった発言がございました。
なお、地下水管理システムにより地下に浸透した雨水を継続的に揚水していくことで、徐々に汚染地下水は解消されるものと考えており、中長期的に地下水質は改善されるものと認識しております。
豊洲市場は安全・安心な市場であり、今後は管理を確実に実施していくことで、現在の安全な状態を適切に維持してまいります。
○栗下委員 ありがとうございます。地下水については、地下ピットの中も含めて暴露をさせないこと、触れさせないこと、床面に触れないように安全性を確保していくという考え方であるかと思います。そして、地上部の空気測定の結果は科学的に安全であるというご答弁でありました。
九回目のモニタリングで数値が上昇したのは、地下水管理システムの本格稼働で地下水の流れに変化が起こったことによるもので、今後、上がる見込みは少ないと報告書の中にもありましたが、とかく、この何倍という数値は実際以上のインパクトを持って都民に伝わっていくというところがありまして、こういった濃度の上昇が今後、知らない間に起こっていることのないように、引き続き、モニタリングを行っていくということが大切であるのかと思います。
今後は、地下水位や地下水の含有物についてどのようにモニタリングを行っていくのか、また、万が一、急激にそれらの値が上昇するなどのリスクについてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 今後の管理につきましては、七月三十日の専門家会議による追加対策工事の有効性の確認結果公表の際にあわせて公表しており、市場開場後の地下水位測定及び地下水質測定についても実施内容を公表しております。
具体的には、地下水位については、市場開場後もおおむね週一回、休市日の頻度で測定し公表してまいります。
地下水質調査については、当面の間、これまでと同様に四十六カ所で実施していくこととしており、専門家会議からも、こうした管理案の内容は妥当であり、確実に実施していくことが重要であるとの評価をいただいております。
なお、地下水位については、機能強化した地下水管理システムにより、降雨により一時的に水位が上昇したとしても、着実に水位を低下させることは可能であると認識しております。
また、専門家会議では、地下水質について、地下水汚染状況は大きく変化していないと考えられ、さらに大きく濃度が上昇する可能性は考えにくいと評価しております。
○栗下委員 水位も水質もこれまでどおりということで、水位については一週間に一回、水質についてはさらに細かくいうと、月一回の二十九カ所、三カ月に一回の十七カ所を、これまでと同様にモニタリングと公表を引き続き続けていくということでありました。
やはり、このモニタリングと公表を続けていくということが、この二年間をかけて払拭してこようとした、都民の不安を払拭するということ、そして、市場の安心を確保していくということにつながっていきますので、ぜひご尽力をいただきたいと思います。
また、地下水及びそれに含まれる物質が揮発して地上に上がってくるというのを遮断するというのも、本来、行われるはずであった盛り土の大きな役割でありました。
盛り土のかわりに打設をされた厚さ二十五センチのコンクリートは、揮発性物質の地下ピット内への侵入を遮断するものでありますが、老朽化などのひび割れのリスクも指摘をされてきました。対策についてお伺いをいたします。
○吉野建設技術担当部長 コンクリートの劣化には、コンクリートの乾燥収縮や中性化、また、過度な外力がかかることによる構造的なものなど、さまざまな要因がございます。
今回の追加対策の床面コンクリートでは、床面に荷重がかかっていないことや、鉄筋のかぶり厚さを十分に確保していることなどから、構造的な要因や建物供用期間中でのコンクリートの中性化などによる劣化は想定されないと考えており、主に乾燥収縮によるひび割れについて適切に維持管理していくこととしております。
具体的には、コンクリートの乾燥収縮によるひび割れがほぼ収束する施工後約六カ月後をめどにひび割れ調査を実施し、その状況に応じて、必要があれば補修を実施いたします。
また、床面コンクリートの機能を維持するため、さらに約一年後、その後は、三年程度の間隔で調査、補修を実施してまいります。目地のシール材についてもコンクリート同様に調査を行い、必要があれば補修を実施してまいります。
こうした床面コンクリートの維持管理に関する内容につきましては、専門家会議から妥当と評価されております。
○栗下委員 ありがとうございます。本当にこのコンクリのひび割れについては、この委員会でもほとんどあらゆる会派から指摘がありましたので、長期間の利用も視野に入れて、万全の対策をとっていただいているのかと思います。
また、地下ピット内には、空気中に環境基準を超える水銀が検出をされたこともありました。その対策として、地下ピット内に空気を送り込むダクトと、そして排気をするダクトをつけ、先日の視察においても、狭い地下空間の中で、この委員会メンバーでそれを見てまいりましたが、この地下ピット内の空気については、有害物質が含まれていないか測定をしているわけでありますが、現状、その結果はどうなっているのか、お伺いをいたします。
○吉野建設技術担当部長 追加対策完了後、七月中旬に地下ピット内の空気測定を実施し、専門家会議からは、水銀等ガス濃度は問題ない状態であるということを確認いただきました。
空気測定の結果については、地下水のモニタリングや地上部の空気測定の結果とともに、次回公表の際には、専門家会議に評価をいただいた上で公表していくこととしております。
○栗下委員 今回、換気をしていくということで、濃縮が起こらないようにするという対策でありますが、空気測定を行うことによって、地下ピット内の空気の安全、ひいては、その上の地上部の安全もより確実に守られるものになるかと思います。
またもう一つ、水銀等のガス濃度上昇防止が施された補助三一五号線連絡通路下への対策でありますが、これについては、とりわけ人が通常接し得る空間ではないということで、都議会での議論も比較的少なかったわけでありますが、専門家会議の中で指摘をされたために、これについても対策を施してこられたのかと思います。補助三一五号線連絡通路下へ施した対策の結果についてお伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 補助三一五号線連絡通路下では、ベントナイト混合土層の表面に観測用人孔と一体的にベントナイトシートを敷設する工事を実施いたしました。
専門家会議からは、空気測定結果に基づいて、ベントナイトシートの敷設により、観測用人孔とベントナイト混合土層の境界部からの水銀等ガスの上部砕石層への侵入は防止されたと考えられるといった評価をいただきました。
○栗下委員 ありがとうございます。これについても、空気測定の結果は、問題のある数値は検出をされなかったということでありました。
本当に網羅する形で、報告書をもとにさまざまな観点から確認をしてきましたが、本来、利用者に触れないという地下水や地下空間の空気にも万全の対策を施してきたことがわかりました。本当にこの長い間、この都議会においても議論をされ続けてきた豊洲の安心・安全の問題について、今回、一つの答えを出すこととなりました。
来月、開場を控える豊洲新市場が都民の信頼を得ていくために焦点となるのは、最初からお話をしてきましたけれども、都が開場に当たって行うといって行うことができなかった、この盛り土と同等の役割をこの追加対策工事が果たせるのかどうかという点でありますが、今回、施された対策工事は、盛り土を施した場合と比較してどのように評価をしているのか。これについては至るところで出てはおりますけれども、あえて答弁としてお聞きをしたいと思います。
○吉野建設技術担当部長 専門家会議からは、地下ピットがある現状の豊洲市場において、地下ピット床面へのコンクリート打設によるピット内への水銀等ガスの侵入の抑制及び換気設備の設置によるピット内での水銀等ガスが侵入した場合のガス濃度の上昇防止が図られたことを確認いただきました。また、今後、コンクリート等の維持管理を適切に行い、空気測定を当面の間、定期的に実施し、管理していくことについても確認いただきました。
こうしたことを踏まえ、将来にわたって盛り土と同等の機能を果たすことができるとの評価をいただいております。
○栗下委員 今回の追加対策工事で、将来にわたってということで、盛り土と同等の効果、機能を果たすことができるという評価をいただきました。ここに至るまで、局の皆さんには本当に大変なご苦労があったと思いますが、盛り土と同等の効果を果たせるということが、安全はもとより、特に、盛り土がなかったことで損なわれてきた安心の部分を取り戻すために必要であったのかといえると思います。
万が一、豊洲市場が開場されたその後に盛り土がなかったことが発覚したならば、風評被害も市場関係者の方々直撃ですよ、直撃。その前にこの追加対策工事をしっかりと行って、そして本当に安全宣言も出して、安心して都民の方々に市場に来ていただけるということで、本当にこれはスタートが切れるのだと、私はそのように思っております。
きょう、追加対策工事、本当に人に触れないところの部分のチェックもして、安心・安全を確保いただいた、お答えいただいたことをもって、我々としても、この追加対策工事をもって、安心・安全への道筋が示されたと。
しかし、こういった状態をしっかりと保っていくということが大変大切であります。今後も提言どおり、モニタリングを引き続き行っていかなくてはなりません。そして何よりも、開場に向けて、せっかくこの間、さまざまに対策を施して得た安心・安全を、都民の方々に、そして市場関係者の方々に正しく理解していただくことが次のステップになっていくわけであります。
この追加対策工事の結果、確保された安心・安全をどのように都民や市場関係者の方々に理解してもらえるようにするのか、お伺いをいたします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 専門家会議の提言を踏まえた追加対策工事を本年七月に完了させ、同会議からは、都が実施した追加対策により、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したという旨の評価をいただきました。
こうしたことを踏まえまして、本年七月三十一日の市場移転に関する関係局長会議におきまして、知事から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨の発言があったところでございます。
現状の検証、必要な対策、そして確認という一連のステップを経ることによりまして、豊洲市場のさらなる安全性の向上が図られたところでございまして、このことを広く発信するなど、都民や市場関係者の方々の理解を得るための取り組みを進めてまいります。
具体的には、豊洲市場のみならず、豊洲地区全体の風評被害を払拭するため、都民見学会の実施や都内各地でのイベントへの出展、産地等に出向いてのPRなどを行うこととしております。また、マスメディアや各種広報媒体、SNSなどを活用した広報についても積極的に実施しているところでございます。
こうした機会を通じまして、また、都庁の関係各局とも連携しながら、豊洲市場が安全・安心な市場であることについて発信してまいります。
○栗下委員 ありがとうございます。ぜひ積極的に豊洲の安心・安全について発信をいただきたいと思います。
本日で、これまで長きに、本当に長きにわたって行われてきた委員会での質疑も、移転の議論も最後ということでありますが、再整備が議論を始められたことから考えると、もう三十年来の計画が、きょうまさに、この委員会の最中に農水大臣から認可がおりて、そして移転に向かおうとしております。
ぜひ市場長の思いと、それにかける決意を最後にお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○村松中央卸売市場長 豊洲市場の移転、開場は、老朽化、狭隘化、衛生面など、築地市場の抱えるさまざまな課題を解決するため、長年にわたる議論や多くの関係者との調整を行いながら進めてきたものでございます。都議会におきましても、多岐にわたるご審議を賜りました。
今回、専門家会議の検証を経て追加対策工事を実施し、安全・安心な市場として開場する条件を整えた上で、農林水産大臣へ認可を申請し、本日、認可をいただくこともできました。
開場まで約一カ月と迫っております。引き続き、市場関係者や地元の方々とも調整を図りながら、円滑な移転、開場に向けた準備を精力的に進めまして、都民や市場関係者の期待に応えられるよう全力を尽くしてまいります。
○細田委員 ただいま、市場長の、認可をいただいたこと、そして、ここまで、これからの十月十一日開場に向けての決意を述べられておりましたけれども、まさにこの認可を得ることができた、このことは、追加対策工事、これが七月に完了している、そこに始まっているわけでございます。
豊洲市場用地の法的な安全性、これはもとより確保されていたわけですけれども、今回の追加対策工事、これによりまして、専門家会議が、将来のリスク、これを踏まえた安全性の確保を確認した、このように評価をしております。
しかし、この追加対策工事については、一部では、危険なので工事をしても対策にならない、こんな声や、あるいは、もともと安全なのだから、工事自体が無駄である。こういった誤解もあるように思います。
そこで、改めてこの追加対策工事を実施した趣旨、そして、この工事完了後の安全性についての東京都の見解、これを伺います。
○佐々木環境改善担当部長 豊洲市場用地の法的、科学的な安全性が確保されていることは、専門家会議でも確認されております。その上で、専門家会議からは、将来のリスクを見据えた対策を提言いただいており、都は、この提言に基づいて追加対策工事を本年七月に完了させました。
追加対策工事の有効性につきましては、専門家会議において、都が実施した追加対策により、将来リスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したとの評価を取りまとめていただいたところであり、この間の取り組みにより、豊洲市場の安全性はさらに向上したものと認識しております。
○細田委員 まさに、豊洲市場の安全性がさらに確保された。追加対策工事、これはこのために実施されたのであって、また、地域、地元の江東区の立場からいうならば、まさに約束の一つであり、その土壌汚染対策に万全を期すための対応であった、このようにいえます。
私も現場を視察してまいりましたけれども、コンクリートの打設や、また、揚水井戸の新設など、しっかりとした工事が丁寧になされていた、このことの実感はできました。
今後は、専門家会議の評価も、この中で触れられていたとおり、都がコンクリートや地下水管理システムの設備、これをしっかりと確実に管理していくこと、これが極めて重要になってまいります。
そこで、今後、都による確実な管理実施、これを強く求めますが、都の取り組みはどのようにしていくのか、この点について、再度、伺わせていただきます。
○吉野建設技術担当部長 専門家会議からは、今後は、都による今後の管理案の内容を確実に実施していくことが重要であるとの評価をいただいており、都としては、こうした評価を踏まえて、今後の管理を着実に実施してまいります。
具体的には、コンクリートのひび割れ調査や補修を定期的に実施するとともに、地下水管理システムの揚水能力を確保するための井戸やポンプのメンテナンス等を行ってまいります。
このほか、空気測定等を継続的に実施し、その結果を公表するといった取り組みも進めることにより、豊洲市場を安全・安心な市場として運営してまいります。
○細田委員 管理、しっかりしていただくようによろしくお願いいたします。
さて、専門家会議によるこの評価を受けて、七月三十一日に関係局長会議が開催されました。この中で、小池知事からは、都民や市場関係者の皆様に対して、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただけるとお伝えしたいとの発言があったことは、もう皆様ご案内のとおりでありまして、そして、本日の認可を受けて、私から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただけることを申し上げましたが、国の認可も得て、十月十一日には安全な市場として開場いたしますと、このような安全・安心の発信がありました。
これを、いわゆる安全宣言だと私は理解しているのですが、改めてここでお聞きしますが、知事のこの発言はどういった考え方で行ったのでしょうか。この点について伺います。
○吉村企画担当部長 豊洲市場につきましては、改めて設置した専門家会議におきまして、地下ピットや地下水の状況などについて、客観的なデータなどを踏まえまして詳細に調査検証をしていただき、法的、科学的な安全性を確認するとともに、追加対策について提言をいただきました。
その追加対策工事を本年七月までに完了させ、七月三十日には、専門家会議から、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認いただいたところでございます。
こうした安全・安心に関する検証、対策、確認という一連のステップを経たことで、安全・安心な市場として開場する条件が整ったことを踏まえまして、翌七月三十一日には知事から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨の発言があったものでありまして、翌八月一日に農林水産大臣への認可申請書を提出し、本日、認可を得まして、今、委員ご指摘のありました知事からの改めてのコメントがあったとおりでございます。
○細田委員 追加対策工事がしっかりと万全にできて、そして、今、知事の安全宣言、これができたんだと、このようにおっしゃいました。この知事による安全宣言は、江東区議会も、また江東区民も、そして都民も、多くの方々が強く求めてきたものであり、関係局長会議で、また、知事が発言されたように、引き続いて、豊洲市場の安全・安心についてはしっかりと発信して、そして都民に広く浸透させていってもらいたい、このように思います。
都民の理解を深める上でポイントになってくるのは、わかりやすさです。都議会公明党は、都民目線に立った安全・安心の情報発信、言葉でわかりやすくいうと見える化、これを当初より一貫して求めてまいりました。客観的なデータを単に発表するんじゃなくて、都民が理解しやすいように発信していくことが、豊洲市場の安全・安心に関する認知の拡大につながってまいります。ぜひ、これを続けていただきたい。
そこで、安全・安心のさらなる浸透に向けて、今後の見える化を、市場は、東京都はどのように進めていかれるのか、この点について見解をお尋ねします。
○石井渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務 豊洲市場を将来の日本の中核市場として育てていくためには、安全で安心な市場であることにつきまして、都民に理解していただくことが重要でございます。
このため、都では、空気調査結果といった科学的なデータを、数値だけではなくグラフ化して示すなど、都民が理解しやすいよう工夫しながら情報を発信しているところでございます。
また、今後は、専門家会議による追加対策工事の評価内容などについて豊洲市場のパンフレットに記載いたしまして、これを広く配布することで、より多くの都民や市場関係者に対しまして、豊洲市場の安全性を伝えてまいります。
このほか、各地でのイベントへの出展や産地におけるPRの際に、これらの情報をパネルなどによりわかりやすく提供するなど、さまざまな取り組みを多面的に展開いたしまして、豊洲市場の安全性について広く波及させてまいります。
○細田委員 見える化は大変に意義のある取り組みでありまして、引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今ご説明もいただきましたけれども、わかりやすく、そして今後とも知恵を絞って、視覚により、また、具体的にわかりやすい発信により、さまざまなことを含めて本当に安全・安心な市場なんだ、そういうことをPR、周知していっていただきたいことをこれからも強く求めてまいります。
さて、最後にお聞きします。江東区との三つの約束、これを実現しながら、江東区や地元の地域、豊洲地域、また、臨海部地域の住民の皆様と二人三脚で豊洲市場の発展を図るべき、このように考え、それを強く求めますけれども、市場長の決意、市場長の覚悟、どのようにやっていくのか、どういうつもりでやっていくのか、この点についてお伺いいたします。
○村松中央卸売市場長 開場後の市場運営を円滑に行うためには、江東区や地元住民の方々の理解と協力を得ることが不可欠でありまして、区が求めております土壌汚染対策、交通対策、にぎわいづくりといった取り組みにつきまして、都として着実に前に進めてまいります。
土壌汚染対策については、追加対策工事の実施により、豊洲市場の安全性はさらに向上したものと認識しておりまして、安全で安心な市場であることを多くの都民の皆さんや関係者に広く発信することで、豊洲市場の安全性に対する理解を深めてまいります。
また、交通対策につきまして、地下鉄八号線の延伸に向けた取り組みはもとより、市場関係車両の生活道路への進入防止を図る取り組みなど、区や地元住民の思いを受けとめて、必要な取り組みを着実に進めてまいります。
さらに、にぎわいづくりにつきましては、千客万来施設事業の確実な実施に向けて、合意書の締結や基本協定書の変更などを行ったところでございまして、今後とも、事業者としっかり連携して対応してまいります。
また、千客万来施設が開場するまでの間におけるにぎわいづくりにつきましても、江東区の意見をいただきながら、さまざまなイベント等を開催いたしまして、地域の活性化を図ってまいります。
区や地元住民の皆様方としっかりと連携して、地域が誇れる市場を実現できるよう全力で取り組んでまいります。
○細田委員 今の覚悟、決意表明をいただきました。ぜひそれを胸に刻んで、すばらしい市場、本当に市場が開場してよかったねと都民の皆様にいっていただける市場をつくり上げていっていただきたい。
このことを申し上げまして、質問を終わります。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後八時三十三分休憩
午後八時五十五分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山崎委員 それでは、私からも、安全・安心の取り組みについて、何点かお伺いをしていきたいと思います。
追加対策工事について、施工前と施工後で、著しく改善されたといえるのはどこでしょうか。まずお伺いをいたします。
○吉野建設技術担当部長 追加対策工事をやる前は、地下ピットに盛り土がなかったということで、それと同等の機能を果たすべきものとして追加対策工事が提言されております。
追加対策工事の前といいますのは盛り土がなかったということ、それから、追加対策工事の後というのは、その盛り土と同等の機能を有する床面のコンクリート、それと、換気工事、設備の設置がされたということでございます。
また、その他、地下水の管理システムについては、水位が下がらなかったものですから、その機能強化をするための工事を実施したということでございます。
○山崎委員 それでは、お聞きをします。
豊洲市場の用地、土壌汚染対策法上の形質変更時要届け出区域となっていたと思いますけれど、これが意味するところ、また、このことがいつ発表されたか、お伺いをいたします。
○佐々木環境改善担当部長 ただいまの山崎副委員長のお尋ねでございますが、まず一点目につきましては、汚染の経路につきまして遮断するということが一つの大きな特徴でございます。
大変申しわけございませんが、二点目の時期については、ちょっとただいま持ち合わせておりません。失礼いたしました。
○山崎委員 おかしいでしょう、それは。何でわからないんですか。もう一回聞きますよ。土壌汚染対策法上の形質変更時要届け出区域、これ、いつなったんですか、いつ定められたんですか。--答えられないなら時間とめてください、委員長。
○伊藤委員長 その分は後で加算します。
○山崎委員 もういいです。済みません。これね、小池知事が移転を延期する発表の前にもう出ているんですよ、以前に。どうですか。--もういいです。答弁できないということで、結構です。
これは何をいうかというと、指定エリアは必要な安全対策がとられ、安全性が確保されているという法的なお墨つきがあったということです、小池知事が移転を延期する前にね。そこをぜひ皆さん、しっかりと認識をしていただきたいと思います。
そもそもの前提でお伺いをしますが、追加対策工事はどのような目的で、何を狙って実施をされたんですか。
○佐々木環境改善担当部長 ただいまの副委員長のお尋ねでございますが、平成二十九年七月二十一日の関係局長会議におきまして、無害化にかわる新たな方針というのが定められました。
ここでの大きな柱といたしましては、地上部の安全、地下水位の適正管理、地下水の適正管理による中長期的な水質の改善、それから、正確な情報発信というのが四つの大きな柱に据えられました。
これを踏まえまして、具体的な追加対策工事といたしましては、揚水井戸の洗浄、取りかえ、地下ピット下における揚水機能の強化、観測井戸の揚水井戸化、それから、情報公開等の徹底ということについて具体的に定められて、それに基づいて追加対策工事を実施してきたものでございます。
○山崎委員 それでは聞きます。地下水の適切な管理を行うとして、目標値も定め、揚水を行っておりますが、目標は達成されたんでしょうか。教えてください。
○佐々木環境改善担当部長 先ほども答弁させていただきましたけれども、追加対策工事に伴いまして、揚水機能というものが大幅に強化されたというのが事実でございます。
それから、地下水位につきましても、具体的に五街区、それから七街区では一・八メートルを下回っております。六街区については一・八メートルから二メートルの間と。これはA.P.でございますが、その間にございます。
一方、先ほども6-1の地点について、これは一カ所でございますが、二・六五という水位でございまして、原因については先ほどご説明させていただきましたけれども、こちらについては引き続き揚水を強化して、早急にまず、二・四を下回るようにすると。将来的には、目標でございますA.P.プラス一・八を目指していくということに取り組んでまいる考えでございます。
○山崎委員 一カ所だけというお話でございましたが、将来的にと今、部長、答弁されていましたけれど、将来って大体どのくらいを考えているんですか。教えてください。
○佐々木環境改善担当部長 具体的に、当該の場所につきましては液状化対策が施されているということ、それから、地下埋設物が密に敷設されているということで、非常に水の流れがスムーズにいかないというような現状がございます。
このような中で、いつというのは、大変申しわけございませんが、明示することはできませんけれども、引き続き揚水を継続して、できるだけ速やかに下げていきたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 今ちょっとね、答弁聞くと、将来的にという私の問いかけに、答弁がいまいちかみ合っていなかったのかなと思うんですけれど、それも踏まえて、もう一度ちょっと教えてください。
○佐々木環境改善担当部長 当該の地域の水位につきましては、先ほど答弁させていただいたとおりでございますけれども、現地につきましては、地上部の空気調査を行いまして、科学的な安全が確保されている状態であるということは確認をしております。
一方で、水位について、将来的にというお話でございますけれども、引き続き、地下水管理システムを適正に運用し、一方で、揚水の継続をするということも踏まえまして、なるべく早急に下げていきたいという考えでございます。
○山崎委員 この追加対策工事、三十八億円もの費用をかけてこれらの対策を講じた成果があったといえるんでしょうかね。もともと地下水は食品には使用せず、地上の空気は工事前から十分に環境基準値以下におさまっておりました。それも踏まえて、この対策、一体何のために行ったんでしょうか。
それでは、次、行きます。
専門家会議は、将来にわたってのリスク管理が可能であると評価をしました。今後、継続的な施設維持管理やモニタリングを行うべきともしております。
しかし、これは安全宣言の根拠となり得るものだったでしょうか。もともと安全だったものを、無理にこじつけた理由で、無駄なお金を使ったにすぎないでしょうか。私は率直に、そのように、今感じております。
それでは、お聞きします。知事が七月三十一日に安全宣言を行ったことは、事業者の不安を和らげるという一点では意味があったという人もいらっしゃいます。しかし、これ以降、知事が安全・安心に係る発信をしてきたのか。都民、市場関係者や全国の生産者、全ての関係者に対して、もちろん地元の江東区や地元の人たちにもそうです。
関係局長会議の安全宣言と、その後の記者会見以外に、知事は積極的な安全発信をしたのか、お伺いをいたします。
○吉村企画担当部長 豊洲市場の安全・安心につきましては、知事もしっかりと発信していく必要があると考えておりまして、七月三十一日の関係局長会議において、知事から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨発言を行っております。この会議はマスコミに公開しておりまして、インターネット中継も行っており、都民に向けての発信にもなっていると考えてございます。
その後、八月三日の定例記者会見で、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただけることを改めて述べるとともに、マスコミ各社によるインタビューに際しても、豊洲市場の安全・安心に関して発言しております。
また、本日、開場の認可を受けたところで、改めて十月十一日に安全・安心な市場として開設する旨、知事コメントとして発出してございます。
また、都では、産地などを直接訪問いたしまして、豊洲の施設や機能、安全対策などについてPRを実施しておりますけれども、その中で、先日の関係局長会議における知事の発言を紹介し、産地などの皆様に、知事から、豊洲市場の安全・安心を発信する形でお伝えしているところでございます。
また、今月十三日には多くの市場関係者、産地出荷者の方々にご出席いただきます開場記念式典が予定されておりますけれども、こうした機会を通じて、知事から、豊洲市場の安全・安心について、今後も発信するものと考えておりまして、また、「広報東京都」など、さまざまな媒体を通じまして、要所要所で豊洲市場の安全・安心について発信していくものと考えてございます。
○山崎委員 今七月三十一日、八月三日の記者会見、そして、きょうという話を吉村部長からお聞きをいたしましたが、例えばマスコミの皆さんから聞かれてお話をする、聞かれたことに対して、例えば安全ですよといわれているときと、そうでないとき、自分で発信をしたとき、一回ずつあるのかなと思います。
しかし、私は思うんですけれど、この安全宣言、非常に大事だったわけですよね。我々自民党としても、再三再四ずっと求めてきました。一回、二回いったからいいという話ではないと私は思います。
全国の生産者に対して豊洲市場をお使いください。そして、仲卸の皆さんや買い出し人の皆さんや、そして、豊洲の市場を通過したものを、まさに首都圏の台所として扱う都民の皆さんや国民の皆さんに、やはりもっと丁寧に、知事がみずから発信していくべきじゃないんでしょうか。それが、安全ではなく、安心につながっていくことですよ。なぜそれをしないのか、なぜそれをしてくれないのか、ここが本当にポイントだと思いますよ。
そういったところを、我々自民党は今まで、安全宣言いつやるんですかというところを問うてきたところなんですよ。知事の情報発信能力、すばらしいものありますよ。なぜこういったところにお使いにならないんですか。一回記者会見でいったからいい、きょうコメント出したからいい、それ以外でもいろんなところで知事は、いろんなイベントに参加されていますよね。なぜ、そういうところで豊洲市場の話をしてくれないんですか。
市場長、どう思いますか、今の私の話を聞いて。教えてください。
○村松中央卸売市場長 知事も、豊洲市場が安全であり安心であり、そういった市場であるということについては、さまざまな場面で発信していくと常々申し上げているところでございます。
いろいろ、どういう場面でそれを発信すれば効果的かというのは、今後とも、私どもも知恵を絞りながら、さまざまな機会を通じて知事からも発信しますし、市場当局もいろいろな広報媒体を使って発信してまいりたいと考えております。
○山崎委員 今さまざまな場面で発信していると、市場長、初めにいいましたけれど、私はそう感じていないですよ。そうですよね。だって、記者会見とコメントを出したり、三回ですよ、今まで、私が知る限りでも。それ以外で、どこで知事がいろんな発言をされたんですか。
じゃあ、逆に、市場長、知事に対して、安全宣言こうですと、もっとしてくださいと、そういう進言したときがあるんですか。教えてください。
○村松中央卸売市場長 今後とも、さまざまな場面を通じて発信していきたいと考えておりまして、それにつきましては、どういう場面で発信すると効果的なものになるのかということも含めながら対応していきたいと思いますし、知事からの発信だけではなく、市場当局としても、いろいろな広報媒体がございますので、いろいろな場面を使って、豊洲市場が安全であり安心であるということを広くPRしていきたいと考えております。
○山崎委員 市場長の今の答弁、信じていきたいと思いますよ。必ず知事にもっといわせてください。知事の情報発信能力はすごいんですから。
それが、市場の皆さん、働く皆さんの風評被害払拭にもつながるんですよ。地元の江東区の風評被害にもつながっていくんです。そういうことをぜひ、一回いったから、二回いったからいいとかそういう問題ではなくて、いや、知事の顔を見たら、安全のことを随分いっているなというぐらい、イメージがつくぐらい、ぜひ、市場当局ももちろんですけれど、知事にもそのように進言をしていただきたい。必ずお伝えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
じゃあ、少し観点を変えます。知事が安全宣言をされました。市場長は、この追加対策工事の現場を見に行かれましたか。
○村松中央卸売市場長 各街区の地下ピットの追加対策工事、この現場とか、ウエルポイント工法の現場とか、直接行って確認しております。
○山崎委員 済みません。一緒に聞けばよかったんですけど、いつ見に行かれましたか。
○村松中央卸売市場長 先週、確認しに参りました。(山崎委員「先週の」と呼ぶ)先週の金曜日だと思いますが、直接確認しております。
○山崎委員 追加対策工事、検証が終わったの、いつでしたっけ。それで先週の金曜日に見に行かれたんですか。市場長、もうちょっとね、市場長が見に行くというのであれば、いち早く見に行かれてもいいんじゃないですか。僕はそう思いますよ。
じゃあ、逆に聞きます。知事は、追加対策工事、終わった後、この現場を知事自身は見られましたか。教えてください。
○村松中央卸売市場長 知事は、追加対策工事につきましては、専門家会議の平田座長から詳細な説明を受けました。その後、直接現場は見に行ってございませんが、座長から十分説明を受けているところでございます。
○山崎委員 知事は、この追加対策工事の検証が終わった後、それを受けて、関係局長会議で皆さんに聞いて、そして、安全宣言をしたわけですよね。なぜ現場を見ないんですか。
じゃあ、もう一ついいます。知事が移転を延期したとき、発表されたとき、緊急の記者会見でしたよね。安全宣言は、先ほども聞きました、三十一日、三日の定例記者会見、そして、きょうのコメント、それだけですよね。
本来であれば、安全宣言をするに当たって緊急の記者会見、その事項だけの緊急の記者会見を開いて、豊洲市場は安全でしたと、そういうべきだと思いませんか。市場長、どうですか。
○村松中央卸売市場長 追加対策工事が完了いたしまして、専門家会議の評価を受け、それを踏まえまして、専門家会議の評価につきまして、知事は座長から直接説明を受けて、その後、速やかに関係局長会議も開きまして、その中で、関係局との情報共有もしたと。それはマスコミにオープンな形でしております。
そうした中で安全宣言をしているということでございますので、広くマスコミ等についてもオープンな形で情報の発信をしております。
○山崎委員 皆さん方が、市場長が広くと思われているのと、私が広くと思っているのは全然違いますよ。ここにいらっしゃる委員会のメンバーの人たちもどう思っていますかね。
知事は見ていないんですよ。本来だったら現場を見て、それで安全ですよというのが、それが筋じゃないんですか。東京都知事として、東京のトップリーダーとして。知事、フットワーク、非常にいろんなところを回っていますよ。何でそういうことをしないんですか。
じゃあ、逆に、市場長、知事に現場見てくださいって、もちろんいわれましたよね。教えてください。
○村松中央卸売市場長 追加対策工事の確認につきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、専門家会議の座長からきちんと説明を受けております。
現場の確認について、私から申し上げたことはございません。
○山崎委員 やはり市場長、大事なところだと思いますよ。知事、現場見てください、何でその一言いえなかったんですか。市場当局のトップですよ、市場長が。必ずそういったところは後からこうやっていわれますよ。ですから、ちゃんとやるべきことはやる、そして、いうべきことは、知事に対しても、きついかもしれないけれど、しっかり進言してくださいよ。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後に、安全宣言のことでお伺いをします。
私が先ほど、この質疑の中でいってきた話で、移転の延期の前でも、土壌汚染対策法上の形質変更時要届け出区域となっていたわけであります。要するに、豊洲市場は法的には安全だったということです。
そうしたことを前提にした上で、前の知事の舛添知事、安全宣言をされました。今回の小池知事も安全宣言をされました。どこがどう違うのか、それとも同じ意味なのか。舛添さんと小池さんがいわれた安全宣言、どこがどう違うのか、お答えください。
○吉村企画担当部長 舛添知事は、土壌汚染対策工事が完了したことを踏まえまして、平成二十六年十二月に、その土壌汚染対策が法的に求められる以上の安全対策であることを説明した上で、豊洲市場は十分安全であると発言しております。
小池知事は、当時、さまざまな形で指摘されておりました安全性への懸念などから、一旦、移転を延期いたしましたが、その直後、土壌汚染対策の柱としてきた盛り土が主要建物下になかったことが明らかになり、また、翌年一月には環境基準を超える地下水が検出されるといった状況が生じております。
こうした状況につきまして、専門家会議におきまして、大気や地下水の客観的データなどを踏まえ、改めて詳細に調査、検証をし、豊洲市場の法的、科学的な安全性が確認されました。
また、さらに地下につきましては、将来のリスクへの対策が必要ということで追加対策を提言いただいたところでございます。この提言に基づく追加対策工事を本年七月に完了させ、七月三十日に同専門家会議から、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認した旨の評価をいただいたものでございます。
こうした新たに生じた事態を踏まえて、改めて現状の検証、必要な対策、そして確認という一連のステップを行った、それを経た上で安全・安心な市場としての条件を整えた、その上で安全宣言を行ったものでございます。
○山崎委員 この安全・安心の結論に到達するのに二年の歳月がかかっていますね。この間に一体どのくらいの費用がかかったのでしょうか。一部の報道では百億円、それ以上ともいわれる膨大なお金を使ってきた、税金を使ってきたということとあわせて、移転延期にかかわっている現時点での負債額は一体幾らになるか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
○岡安管理部長 豊洲市場の移転延期後に執行している経費でございます。
まず、豊洲市場の安全性をさらに高めるため専門家会議の提言に基づいて実施をいたしました追加対策工事の費用が約三十八億円、移転延期に伴う市場業者への補償金にかかわる費用といたしまして、二十九年度分の執行分として約五十億円、三十年度予算といたしまして約四十二億円、合計百三十億円を計上してございます。
○伊藤委員長 先ほど副委員長の方から二十五分の通告をいただいており、先ほどの質疑のやりとりで五分間加算させていただきましたが、もう既に三十分になっておりますので、ご配慮いただいた上で質疑をお願いします。
○山崎委員 済みません。そろそろまとめに入ります。
今負債額のお話を聞かせていただきました。それだけお金がかかっているということはもう事実であります。豊洲市場の法的安全性については、環境基準の七十九倍のベンゼンが検出され、調査をやり直したところがございました。そのことをテーマにした昨年三月十九日の専門家会議でも、豊洲市場の地上部は大丈夫だ、安全だと言及したはずだったと思います。
当時、私は特別委員会の委員長だったわけで、鮮明にそのことは覚えております。
追加対策工事が完了して、今初めて安全・安心な市場になったということでは--どうでしょうか、皆さん。この追加対策工事が完了して、今初めて安全・安心な市場になったということなのか。法的安全性が確保されているにもかかわらず、小池知事は、豊洲市場の安全性に疑問があるとして、二年間さまざまな議論や対策がとられ、その知事がようやく安全宣言を出したわけであります。
結局、マッチポンプ、つまり、みずから不安をあおったが、二〇二〇年大会の開催準備で窮地に陥った結果、どこへやら、開場せざるを得なくなったということではないでしょうか。安全性や安心など、自分でいってきたほど深い信念があったわけではないということなのではないか。このようなご都合主義が、まさに今の都政に蔓延しているんではないかと、私は考えております。
私たちは、これからもしっかり明らかにしてまいりたいと思いますし、また、安全・安心という部分の、特に安心という部分、小池知事にしっかりと、また、意見を、正論を皆様にお伝えしていきたいと思いますので、お願いを申し上げて、質問を終わります。
○尾崎委員 先ほど市場長から、農水大臣からの認可書が交付されたことが報告されました。しかし、土壌汚染が残っている豊洲市場では、都民が一番求めている食の安全・安心を守る市場ではありません。
我が党は、認可書の交付に断固抗議するものです。認可書が交付されても、さまざまな問題が解決したわけではありません。解決していない問題について、順を追って質問をしていきたいと思います。
最初に、専門家会議について質問します。
私は六月二十二日の経済・港湾委員会で、予算の繰り越しにかかわる問題、特に追加対策工事の問題について質問をしてきました。その際、追加対策を終了し、有効性を確認するのは専門家会議であり、そのために、専門家会議を開催するものだと思っていました。
ところが、七月三十日にマスコミに追加対策の現場を公開し、平田座長と中島フェローが、記者に対して、追加対策により将来リスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したと述べました。
そこで伺います。
専門家会議は、設置要綱に基づいて運営しているのかどうか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 ただいまの委員のご質問でございますけれども、専門家会議につきましては設置要綱がございまして、これに基づいて運営をいたしております。
○尾崎委員 専門家会議は、設置要綱をきちんと守って運営されてきたのか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 設置要綱をきちんと守って運用してまいりました。
○尾崎委員 設置要綱の第五の三で専門家会議は公開で行う、設置要綱の第五の四で専門家会議の会議録は公開するものとするとなっています。
直近で専門家会議が公開され、会議録が公開された専門家会議はいつですか。
○佐々木環境改善担当部長 ただいまお尋ねの会議につきましては、昨年の六月十一日でございます。
○尾崎委員 設置要綱に基づいて開催された専門家会議は昨年の六月十一日、この後は開かれていない。専門家会議は終了しているということですが、追加対策工事の有効性を調査する仕方について、誰と誰が、いつ確認したのか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 専門家会議は、地下ピットがある状態での必要な対策等について検討を行うために設置したものであり、昨年六月十一日に必要な追加対策について提言を取りまとめたことで、検討自体は終了しております。
その後は、都が実施した追加対策工事の施工状況や有効性等について確認していただきました。こうした確認に当たり、必要な調査の方法等については、昨年十一月以降、専門家会議の委員が適宜打ち合わせを行い確認しており、主な実施状況等につきましては、委員会要求資料でお示ししたとおりでございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁の中で、委員会要求資料でお示ししたとおりという答弁でした。出していただいた資料に、専門家会議による追加対策工事の有効性確認に係る打合会開催などの主な経過についてという資料があります。
昨年十一月十二日、ことしになって二月四日、三月十一日、四月二十四日、七月七日、七月二十日に打合会を開催し、七月三十日に追加対策工事の有効性の確認を公表したとなっています。しかし、専門家会議ではなく、打合会というわけのわからないところで、どのような議論になったのかよくわかりません。
そこで、フラックスチャンバーでの測定場所は誰が決めたのか、測定したのは誰なのか伺います。
○吉野建設技術担当部長 フラックスチャンバーによる測定については、主要三棟は各棟三カ所、加工パッケージ棟は一カ所で実施いたしました。測定位置については、専門家会議の指示に基づき、主要三棟の地下ピット内では、これまでの地下水質調査結果において濃度が高い位置を一カ所ずつ設定するとともに、残る箇所については、工事の進捗等に応じて設定しております。
測定は、専門家会議の指示に基づき、株式会社環境管理センターが実施しております。
○尾崎委員 今のご答弁ですと、専門家会議の指示に基づいてということですが、開いてもいない専門家会議がなぜ指示できるのですか。専門家会議の指示などというのは、市場の皆さんが要綱違反のことを平然と行ってきたということになります。
そこで、フラックスチャンバーはリースで借りたものなのか、費用は幾らかかったのか伺います。
○吉野建設技術担当部長 フラックスチャンバーは、株式会社環境管理センターが都からの委託調査において用意したものでございます。
フラックスチャンバー調査に要する費用は約二千万円であり、これには機材や測定、分析に要する費用が含まれております。
○尾崎委員 私は、六月二十二日に開催された経済・港湾委員会で、フラックスチャンバー工法は土壌汚染対策の効果を検証するために使った実績はあるのかとただすと、今回の検証方法は国内では初めてとなりますと、そのとき答弁されました。
今回の豊洲市場での調査を行うに当たって、どのように準備してきたのか、専門の学者からの助言などを聞いたのか、フラックスチャンバー工法による調査についてどこかで試したりしたのかどうか伺います。
○吉野建設技術担当部長 六月二十二日の委員会においても答弁させていただいておりますが、フラックスチャンバー試験について、海外では土壌から発生するガスを測定する手法として用いられております。
また、国内では類似の方法で土壌から発生する水銀量を測定する研究論文が出されており、今回の検証方法については国内では初めてとなるが、こうした海外での手法と国内の論文を参考にして、具体的には三月十一日の打合会において、専門家会議として決定したものでございます。
○尾崎委員 実際に地下ピットでコンクリートの打設が終わり、二カ月後に効果を調査するということが調査の仕方になっていたわけですが、国内で土壌汚染対策でフラックスチャンバーを使った実績がないのに、そこで、何も試しをしないで地下ピットで検証を行って、安全だという評価を専門家は下したんですか。それとも、どこかで試しで行った経過はあるんですか。伺います。
○吉野建設技術担当部長 今回、提出させていただいた要求資料の中の打ち合わせ開催等の主な経緯についての三月十一日に記載しておりますが、フラックスチャンバー調査において、測定器具や設置方法、調査手順等について、ここで実際にその装置を動かして、ここで確認をしているということでございます。
○尾崎委員 私が聞いている、どこかで試したのか、施工試験は行っていたのかという質問に対してはご答弁がないようですけれども、やっていないということでよろしいでしょうか。
○吉野建設技術担当部長 先ほどご説明しました三月十一日の手順等を実施したものが施工試験に当たるというふうに認識しております。
○尾崎委員 じゃあ、三月十一日に施工試験を行ったということでいいわけですね。それなら、そのときの状況やデータを公表すべきじゃないでしょうか。そうでなければ、国内で初めての検証方法で安全だといわれても信用できません。
そもそも、専門家会議は地下ピットにコンクリートを打設しても、コンクリートにひびが入れば有害物質は完全に封じ込めることはできないと認めたわけです。将来の安全を、今の状況で安全だと断言できるわけがないんです。
そこで伺いますが、追加対策工事の有効性の調査をした結果について、誰がまとめたのか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 追加対策工事の有効性を確認する調査につきましては、専門家会議の指示に基づき都が実施し、測定結果を専門家会議に報告しました。
こうした調査の結果等につきましては、専門家会議の委員にご確認いただき、追加対策工事の有効性について、専門家会議として評価していただいております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁でも専門家会議の指示ということですが、要綱に基づいた専門家会議ではないんです。要綱違反の運営を常態化させて、専門家会議をひとり歩きさせた責任は重大だといわなければなりません。
昨年六月以降に、専門家会議が正式に開かれていない理由は何ですか。
○佐々木環境改善担当部長 専門家会議は、地下ピットがある状態での必要な対応策等について検討を行うために設置したものであり、昨年六月十一日に必要な追加対策について提言を取りまとめたことで、検討自体は終了しております。
一方、追加対策工事の施工状況や有効性等について確認する必要があることから、組織としての専門家会議は存続させることとし、これらについては、昨年六月十一日の第六回専門家会議の最後に平田座長がコメントしているものでございます。
本年七月に追加対策工事の有効性に係る評価を取りまとめていただきましたが、こうした確認に当たっては、事前に調査手法等を公表するほか、評価に至るまでの具体的な測定結果や、それに対する見解などをつまびらかにしており、七月三十日の専門家会議による有効性の確認結果の公表に至るプロセスについては、何ら問題はないものと認識してございます。
○尾崎委員 何ら問題はないといいますけれども、七月三十日の確認調査等の結果についての記者会見説明は、平田座長と中島フェローが行っています。
専門家会議のメンバー全員でなく代表にしたのはなぜか、伺います。
○佐々木環境改善担当部長 ただいまの委員のご質問でございますが、スケジュールがとれなかったということで、七月三十日の形になりました。
以上でございます。
○尾崎委員 専門家会議名の、豊洲市場における追加対策工事に関する確認調査等の結果についてという七月三十日の日付の報告書が、都に提出されて公開されました。
この報告書を決定する専門家会議は招集されたのかどうか、伺います。
○佐々木環境改善担当部長 会議については開催してございませんけれども、七月七日、それから、七月二十日の打合会において確認をしているところでございます。
○尾崎委員 専門家会議は、今ご答弁あったように開かれていないわけです。昨年の六月以降は開いていないわけですよね。にもかかわらず、専門家会議の報告書が発表されました。
これは、要綱違反ではないのですか、伺います。
○佐々木環境改善担当部長 繰り返しになって恐縮でございますけれども、専門家会議につきましては、地下ピットがある状態での必要な対応策等について検討を行うために設置したものであり、昨年、六月十一日に必要な追加対策について提言をまとめたことで、検討自体は終了しています。
また、追加対策工事の施工状況、有効性等について確認する必要があることから、組織としての専門家会議は存続させることとして、これらについては、昨年六月十一日の第六回専門家会議の最後に平田座長がコメントをしているところでございます。
本年七月に、追加対策工事の有効性に係る評価を取りまとめいただきましたが、こうした確認に当たりましては、事前に調査手法等を公表するほか、評価に至るまでの具体的な測定結果や、それに対する見解をつまびらかにしており、七月三十日の専門家会議による有効性の確認結果の公表に至るプロセスとしては、これは何ら問題ないものというふうに認識してございます。
○伊藤委員長 ちょっと答弁者に申し上げますが、聞き取れるように発言してください。
○尾崎委員 何ら問題はないとおっしゃいますが、私は、この専門家会議がどう開催されてきたのか、非常に重要な問題だと思っています。専門家会議の委員三人連名の報告書であれば、その説明でも通用するかもしれません。打合会議をやってきたからということで。
しかし、専門家会議を開かないで、専門家会議として報告書をまとめるのは、設置要綱に基づく運営とはいえないんじゃないでしょうか。要求資料の打合会議等の主な経過についてとあり、昨年十一月十二日から、ことしの七月三十日まで打合会が開かれたとなっています。
打合会というのは、専門家会議設置要綱に基づくものなのですか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 専門家会議につきましては、先ほどもお話しいたしましたけれども、地下ピットがある状態での必要な対策等について検討を行うために設置したものであり、これにつきましては、六月十一日に提言を取りまとめたことで終了しております。
その後は、その提言に基づく工事が適切になされているかどうか、それから、その結果等について確認をするということでございますので、打合会で実施をしてございます。
○尾崎委員 打合会がどうして開けるのか、その根拠を知りたいんですよ。設置要綱のどこにもないんです。設置要綱第八には、打ち合わせという言葉が出てきます。でも、これは専門家会議及びそれにかかわる打ち合わせ等に出席するための費用弁償を支給できるというものです。打合会というものは要綱に規定されていないんです。
例えば、都議会の議会改革検討委員会設置要綱には、打合会についての規定があります。ちなみに、要綱の第八は、専門家会議を開く準備のために打ち合わせをしたときに費用弁償を支給するというものです。
実態は、専門家会議は開かないで、要綱から離れて、水面下の打ち合わせだけで、この一年以上にわたり事を進めてきたことになります。
専門家会議名の豊洲市場における追加対策工事に関する確認調査等の結果についてという七月三十日付の報告書は、専門家会議設置要綱違反の報告書であり、正当な手続によるものではないと厳しく指摘をするものです。
次に、地下水モニタリング調査は、今後、協議会に引き継ぐと聞いていますが、協議会とはどういったものなのか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 お話の協議会は、正式名称は、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会であり、学識経験者、市場業者、地元区、都民などから構成されております。
豊洲市場の土壌汚染対策工事の進捗状況や、地下水管理について、関係者間で情報を共有し、意見交換を行う場として、平成二十四年六月に設置されたものでございます。
○尾崎委員 今後は、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会で行っていくということです。地下水調査や地下ピットの空気調査など、今後さらに重要になってきます。
地下水調査は、二年間モニタリングの最後に、ベンゼンは環境基準の七十九倍が検出され、その後は百倍を超え、ことし七月末に発表された調査結果は、土壌汚染対策工事後、最大の数値、ベンゼンは環境基準の百七十倍が検出されました。環境基準では出てはならないとなっている猛毒のシアンも、各街区で検出され続けています。
協議会の要綱を見ると、委員の任期は二年とし、再任を妨げないとあります。先ほど説明がありましたけれども、現在、学者の専門家は三人となっていますが、専門家をふやすことも検討するよう要望するものです。
次に、追加対策工事について伺います。
追加対策工事については、この間も委員会で質疑をしてきましたので、きょうは幾つかに絞って伺いたいと思います。
追加対策工事に関する確認調査等の結果について、専門家会議のまとめが出ていますが、地下水管理システムの機能強化対策の中のポンプ交換について、清水用ポンプから、濁水用ポンプに交換したとありますが、このポンプの特徴は何ですか。
○佐々木環境改善担当部長 ポンプの特徴でございますけれども、濁水ポンプという名のとおり濁った水にも非常に強いということと、そのために、効率的に地下水を揚水することができるという特徴を備えております。
○尾崎委員 我が党はこの間、地下水管理システムは、本稼働しても機能が破綻していると繰り返して意見を述べてきました。そして、ポンプの目詰まりについても指摘をしてきたところです。
今回、ポンプの清掃なども追加工事の一つでした。ポンプの交換を行い、清水用ポンプから濁水用ポンプに三十一カ所で交換した、そういう内容が報告されていますが、最初の地下水管理システムの設計の時点で目詰まりを考慮していなかった、ウエルポイント工法を当初は八十日間稼働して終わりにする、こういう仕様書でしたが、今は一カ所を除き、ほかの全てのウエルポイント工法は今でも進められている、そういう状況です。
これは、事前の調査が不十分であったということになります。我が党の指摘は正しかったということになるんじゃないでしょうか。
次に、追加対策工事が終了し、七月三十日に都はマスコミに公開しました。その際、記者から七街区の地下ピット床の水しみについて質問がありました。水しみについては日刊ゲンダイで報道され、都民からも地下水がしみ出したのではないかと疑問が寄せられました。
経済・港湾委員会の豊洲市場視察、九月四日の際、七街区の地下ピットの床に水しみがありました。水しみの原因について伺います。
○吉野建設技術担当部長 地下ピットの側壁はL型擁壁となっていることから、降雨があった際に壁伝いに水が差し込むことがあり、こうした水を排出するための溝を設置しております。九月四日の本委員会の視察時にごらんいただいた水しみは、この溝の一部にたまったものでございます。
○尾崎委員 この地下ピットの中に入ってくる雨水はどのように処理しているのか伺います。
○吉野建設技術担当部長 降雨があった際に壁伝いに差し込み、地下ピットの外周部に設けた排水溝内にたまった水は、ポンプでくみ上げ地下水管理システムに送水して、適切に処理した上で排水しております。
○尾崎委員 地下ピットの中に入ってきたこの雨水を、なぜ地下水管理システムで処理するのか伺います。
○吉野建設技術担当部長 先ほど説明しました地下ピットの壁伝いに差し込む水については、一度地下に浸透してからピット内に入るため、豊洲市場で扱っているほかの地下水と一律に、同様に地下水管理システムに送水して排水することとしているものでございます。
○尾崎委員 今回、七街区で降雨が地下ピット内に入ったということですが、二年前の十月には、地下水位はA.P.プラス五メートルを超えたことが何日もあります。七街区でもありました。盛り土が汚染された可能性は十分にあり、我が党は繰り返し、盛り土の調査を求めてきました。
先ほどのご答弁を聞くと、やはり地中を通ることで地下ピット内に入り込んだ降雨は汚染されている可能性があります。地下水管理システム処理場で処理をしてから下水に流すということですが、不安は解消されません。
日本科学者会議東京支部の皆さんは、地下ピット内の水しみそのものの水質調査を行うよう、小池知事に要望しています。科学者の方たちの要望に応えるべきだと思います。
地下ピットに入り込んだ降雨、雨水そのものの水質調査を行うこと、そして、我が党が繰り返し要望してきていることですが、盛り土の調査を改めて要望するものです。
次に、ウエルポイントは効果範囲を明確にしていますが、地下ピット内の揚水施設は効果範囲を考慮しているのでしょうか。地下ピット内に新設した揚水施設はどのように設置されたのか伺います。
○佐々木環境改善担当部長 建物下には、当初、建物外側に設置されている揚水井戸へ地下水を流れやすくするために、A.P.プラス二メートルよりも下に、おおむね五十センチメートルの深さで、幅五から十メートルの砕石層を格子状に設けております。
地下ピット内の揚水施設は下端がA.P.プラス一・五メートルであり、格子状の砕石層の位置に釜場を設けた上で水中ポンプを設置し、地下水位に応じて地下水を揚水するものでございます。
全体的な配置バランス等を踏まえ、三街区合計で八十四カ所設置しております。
○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、単純にウエルポイントのように効果範囲は明確ではないけれども、全体として適切に処理をしている、できるようになっている仕組みがあるんだということでした。
七街区、水産卸売り場棟の地下ピット内にある換気のダクトの下にたまり水がありました。このたまり水の原因についても、何が原因なのかという質問なども寄せられています。たまり水の原因について伺います。
○吉野建設技術担当部長 お話の水でございますが、外気との気温差によって生じた結露が、ピット内の配管等から床面に落下してたまったものでございます。なお、地下ピット内でこうした結露が生じることは、専門家会議の資料として既に公表してございます。
○尾崎委員 都民の皆さんなどは、地下ピットに水がたまることについて、かなり敏感になっており、どうしてなのかという疑問を持っています。
そこで、今結露だという説明がありました。それでは、結露などによるたまり水はどう処理しているのですか。
○吉野建設技術担当部長 結露や床に落下した水につきましては、換気運転を適切に行うことにより、発生の抑制に努めるとともに、床面を乾燥させてございます。
○尾崎委員 結露によるたまり水であったとしても、きちんと水質調査をして公表することが都民の安心につながるものだと思います。これも、日本科学者会議や専門家の方たちによるクロスチェックを行うよう重ねて要望するものです。
次に、認可申請について伺います。
豊洲市場事業計画書の中に、取扱品目ごとの供給対象人口並びに取扱数量及び金額の見込みというページがあります。水産物部の取扱数量は、二〇二三年度、六十一万六千四百トンとなっていますが、これは何を根拠にしているのか伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場の水産物部の取扱量、六十一万六千四百トンにつきましては、豊洲新市場基本計画、これをもとに算出したものでございます。同計画につきましては、平成十六年に、過去の築地市場の取扱量の推移をもとに、これは実績を含みますけれども、都の将来人口や一人当たりの需要量、都内における豊洲市場の占有率等を考慮し、日量の取扱量を推計しているものでございます。
○尾崎委員 同じく事業計画書の中の取扱量の見込みでは、青果については、二〇二三年度三十三万四千五百三トン、漬物は、同じ二〇二三年度で九千八百二十八トン、鶏卵は、二〇二三年度で六千三百十八トン、このように取扱数量の見込みを算出していますが、この根拠は何ですか。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 青果、漬物、鳥卵の合計であります青果部の取扱量、合計いたしまして三十五万六百四十九トンでございますけれども、これにつきましても、水産物部と同様に豊洲新市場基本計画をもとに算出したものでございます。
○尾崎委員 事業計画書の豊洲市場の取扱量及び金額については、二〇〇四年、平成十六年に過去の築地市場の取扱量推移に基づいたということでしたが、この間の取り扱いはどうなってきているのか、正確につかむ必要があると私は思っています。
私は、昨年の公営企業会計決算特別委員会でも質疑しましたけれども、水産物の取扱量については、一九八七年度、昭和六十二年ですが、このときに八十八万九千八百三十一トンあったのが、二〇一六年度には四十五万五千五百四十一トンも減少して、四十三万四千二百九十トンになっているんです。一九八七年度の取扱量の何と四八・三%です。しかも、二〇〇〇年以降は毎年減少しているんです。
第十次東京都卸売市場整備計画にもグラフが掲載されていますけれども、一九八九年から一九九七年にかけて大幅に減少し、二〇一一年以降も減少傾向が見られ、二〇一六年以降には大幅な減少をたどってきているんです。
このように、取扱量が減少していることは十分ご承知のことだと思います。過去の取扱量をもとに今後の取扱推移を算出したということですけれども、過去の取扱量はずっと減少しているのに、豊洲市場では、なぜ、取扱量がふえるのでしょうか、伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一部繰り返しのご答弁になりますけれども、先ほどご答弁いたしました豊洲新市場基本計画、これにつきましては、理事ご指摘のとおり、平成十六年に、過去の築地市場の取扱量の推移をもとに、都の将来人口や一人当たりの需要量、こういった外部要因、これに加えまして、都内における豊洲市場の占有率等を考慮し、日量の取扱量を推計したものでございます。
築地市場は、先生方ご案内かと思いますけれども、長年の市場業界の方々の取り組みの結果、築地ブランドといわれているものが構成されていることはご案内かと思います。業界の皆様方のご努力によります信頼、伝統、こういったものが世の中に評価をされまして、築地ブランドということで評価をされる一方、築地市場が施設の老朽化、狭隘化といった状況を迎えておりまして、こういったことにより、卸売市場全般に求められております品質、衛生管理、効率的な物流及び新たなニーズへの対応など、現在の卸売市場に求められております今日的なニーズ、こういったものに十分対応できていないということが、残念ながら事実であろうというふうに考えてございます。
理事ご指摘の取扱数量の減少といったものにつきましては、さまざまな要素とか、そういったものがいわれておりますけれども、私どもといたしましては、築地市場が築地ブランドとして評価される一方、先ほど申し上げましたけれども、施設の老朽化、狭隘化といったこうした要素がございまして、十分対応できていないというようなふうに考えてございまして、こうした状況を改善するために、都は、業界の皆様方と時間をかけて議論をしてまいりまして、その結果、閉鎖型施設による衛生管理、温度管理、場内物流の効率化、そして加工パッケージ施設など、現在求められております多様なニーズに対応した施設整備、こういったものを豊洲市場で実現し、これによりまして市場取引の活性を図りまして、計画で提出させていただきました平成三十五年度の目標取扱量、こういったものをしっかりと達成、目指していきたいというふうに考えているところでございます。
○尾崎委員 今ご答弁ありましたけれども、直近の二〇一五年度の築地市場の水産物取扱量は四十三万六千二百七十四トンです。
二〇一七年度、これ、私、独自に計算してみましたけれども、三十八万一千二十四トンです。
ところが、二〇二四年、これは見込みですけれども、六十一万六千四百トンと、二〇一五年の取扱量と比較すると一四一・二%にもなるわけです。二〇一七年度と比較すると一六二%にもなるんです。余りにもかけ離れていると思います。
水産物以外の青果も同じように、二〇一七年度と比較すると一四一%、漬物は一二八%、鳥卵は一三三%となり、これも実績から余りにもかけ離れています。
築地市場になくて、豊洲市場に新たなさまざまな機能がつくといいます。冷凍品や加工品などの物流センター、転配送センターとしての役割が位置づけられるということですけれども、今までの築地市場で培ってきた、先ほどもお話がありました築地ブランドではなく、冷凍品や加工品を全国に広げるのが豊洲市場ということになり、地域で求められている市場の役割がなくなってしまうんじゃないかと心配をします。
豊洲新市場基本計画をもとに今後も進めるのではなく、現実をリアルに見て計画の変更を行うべきではないでしょうか。冷凍品や加工品の取扱量の見込みなどもきちんと公開し、事業計画書に記載すべきものだったのではないでしょうか。今のままで基本計画を進めるというのであれば、絵に描いた餅になってしまいます。
供給対象人口について、三十年度が千四百十九万人、三十五年度が千四百十四万人となっていますが、これは何を根拠にしているのか伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 供給対象人口でございますけれども、都内の昼間人口、これは昼間でございます、昼間人口をもとに推計したものでございます。
○尾崎委員 事業計画には、水産物の内訳、競りと相対取引がどうなるのかなど具体的な内容も記載されていません。取扱量がふえれば、交通量やトラックの台数もふえるのではないでしょうか。事業計画には、取扱量見込みを実現させる具体的な内容が示されていません。
仲卸業者は、地域の小規模企業と同じように、経営者の高齢化や後継者問題は深刻です。これまでも年々減少しているのが現状でした。この状況で、豊洲市場になってどうなるのか、今後の展望が見えません。
取扱量見込みは、余りにも現実からかけ離れた見込みであり、それを実現させるための具体性が見えない状況であり、結局はスーパーや大型店との取引を拡大し、もともとの築地市場で行ってきた水産仲卸の皆さんの目ききはなくなっていくという内容ではないでしょうか。取扱数量見込みは、現実から大きくかけ離れたもので、過大な事業計画だと厳しく指摘をしておきます。
次に、事業計画書の事業費の建設費合計は二千五百七十四億円となっていますが、市場問題PT会議で示された豊洲市場の事業費見込み額、これは見込み額でありますけれども、平成二十八年十月現在という資料が出ています。ここでは、建設費合計は二千七百四十四億円となっています。
そこで伺いますが、市場問題PT会議の資料の中で、二〇一六年、平成二十八年十月現在の豊洲市場事業費については五千八百八十四億円と示されていますが、事業計画書では二〇一六年度末で五千六百九十一億円となっています。隔たりが二百億円と大きくなっている要因について伺います。
○岡安管理部長 市場問題PTの資料では、平成二十八年度予算を含めた事業費の見込み額として五千八百八十四億円を示してございました。
一方、国に提出いたしました事業計画書では、平成二十八年度までの決算額といたしまして五千六百九十一億円をお示ししたものでございます。
この差につきましては、豊洲市場の外構工事費などの建設費が低くなったことが主な要因であると考えております。
○尾崎委員 それでは、豊洲市場の事業費、土壌汚染、用地取得費、建設費、基盤整備費が、二〇一六年度、平成二十八年度までに五千六百九十一億円となっていますが、この財源について伺います。
○岡安管理部長 平成二十八年度までの豊洲市場の事業費五千六百九十一億円の財源につきましては、国庫補助金約百八十九億円、地方債約三千六百五十七億円及び都費ほか約一千八百四十五億円を充当してございます。
○尾崎委員 二〇一一年、平成二十三年二月の市場の東京都のホームページで記載されているものを見ると、この時点では、財源の一部に築地市場跡地売却収入を充てていますが、認可申請の事業計画書には記載されていません。そこのところはどうするのか伺います。
○猪口財政調整担当部長 豊洲市場整備の地方債の償還財源につきましては、中央卸売市場会計の保有資金等のほか、築地市場跡地の一般会計への有償所管がえや、長期貸付による収入を含めまして、財政収支の観点から多角的に検討していくこととしております。
○尾崎委員 まだ決まっていない。多角的に検討していくということですけれども、私も、豊洲市場の建設費の財源については、この間、委員会でも質問してきました。
当初は、築地市場跡地売却を企業債償還などの財源に充てるということでしたが、売却しない方法をとると企業債の借りかえが必要になり、利息がふえることがこれまでも明らかになっています。私は、二〇一七年十月の経済・港湾委員会でも質問しました。
改めて認可申請で出された事業計画書を見ると、二〇二〇年度に六百億円の元金償還が必要になり、二〇二二年には六十八億円、二〇二三年には三百九十八億円、二〇二四年には三百四十三億円、二〇二五年には千三百二十二億円、二〇二六年には八百十億円の企業債償還が必要になります。企業債の償還だけでも、市場会計の継続性を脅かすものになります。
市場問題PT会議では、豊洲市場を開場すれば、減価償却をしないで計算すると、年間二十一億円の赤字になることを公表しています。
今回の認可申請の事業計画書では、減価償却に関する資料もありました。三十年度は、開場してから半年分ということなので、四十一億四千七百二十五万七千円が計上されています。単純に一年分と見ると、今の数字の倍、約八十三億円が減価償却費になります。
そのほかにも、追加対策工事や追加対策工事に係る維持費、メンテナンス、業界からの要望で改善したところの費用などもかかります。まさに、開場すれば年間の赤字は百億円を超えることになります。
そこで伺いますが、二〇一八年度予算では、豊洲市場の事業費は、十月開場で半年分を計上しています。豊洲市場を開場した場合、一年の事業費は単純に二倍したものと考えていいのか、事業費はどう見込んでいるのか伺います。
○岡安管理部長 三十年度予算では、開場後の事業費といたしまして、場内警備や設備保守などの委託料のほか、場の運営に必要な電気、水道などの光熱水費などを計上してございます。
三十一年度予算は、三十年度予算を単純に二倍するものではなく、例えば、光熱水費であれば季節ごとの使用料を精緻に積算し、委託料であれば設備の法定点検の時期などを正確に反映するなど、今後、詳細に精査の上、必要経費を予算化してまいります。
○尾崎委員 豊洲市場を開場すれば、財政的には莫大な赤字になること、さらに、企業債の償還などによって資金繰りが困難になる時期が、二〇二〇年、二〇二五年にやってくるということは明らかです。
認可申請の事業計画書には、今後の減価償却の状況や企業債の償還計算などがありますが、豊洲市場を長期に使用していけば、新たな設備購入や建物の修繕なども必要になります。企業債の償還も、資金繰りが厳しくなれば借りかえが必要になり、その分、利息がふえていきます。事業計画書には、損益計算書などの収支の試算がありません。これでは、事業計画書としては不十分だと思います。
豊洲市場の認可申請について、私たちは、農水省にこの間聞き取りもしてきました。農水省は、一つは市場の安全の問題、二つは市場関係者との合意の問題、三つ目は市場会計の継続性が確保されるのかが問題になりますといってきました。農水省の認可書が、きょう、交付されても、問題が解決したわけではありません。
この三つの問題では、土壌汚染対策工事を行っても安全・安心とはいえない状況であり、土壌汚染が残っているのが豊洲市場であること、市場関係者との合意や都民の納得は不十分であること、市場会計の継続性についても、開場すれば年間百億円を超える赤字になり、資金繰りが困難になることもはっきりしている状況です。このような状況では、農水省の認可書が交付されても、豊洲市場の開場は絶対に行ってはならないと思います。
移転反対を強く主張して、質問を終わります。
○あぜ上委員 それではまず、認可申請の事業計画についてです。
施設の種類、そして規模及び構造について、この事業計画書に載っておりますけれども、これは一体いつの時点のものなのか伺います。
○渡辺施設整備担当部長 豊洲市場の主要施設は平成二十八年五月、その他の施設や外構工事などにつきましては平成二十九年一月までに竣工しており、施設の種類等につきましては竣工時点の状態を示しております。
なお、これらは現時点においても変わってございません。
○あぜ上委員 この資料を見せていただいたんですけれども、ここには、施設の規模については全て面積しか載っておりません。
現時点での駐車場の設置数について伺いたいと思います。あわせて、そのうちバースの台数をどのぐらい見込んでいるのか、それもお答えください。
○前田移転調整担当部長 豊洲市場では、バース、積み込み場、待機駐車場、通勤駐車場など、場内に約五千百台の駐車場を設置しております。
このうちバースにつきましては、現在は約六百五十台となっております。
○あぜ上委員 先ほど事業計画の質疑の中で、取扱量など、二〇〇四年、豊洲新市場計画を基礎にしているんだというご答弁がありましたけれども、この計画に基づいて当初は設計されていたということがわかりました。
バースのイメージ図もそこには出ていたんですけれども、そのバースのイメージ図をよく見ますと、そこには、トラックがウイングを広げて、つまり横づけで荷を出し入れする高床式のバース、これが計画されておりました。
基本計画では、バースの台数を一体どのぐらいに見込んでいたんでしょうか。
○前田移転調整担当部長 平成十六年の基本計画におきまして、バースにつきましては約三百三十台としておりました。
なお、その後、平成十七年の実施計画のまとめでは約六百台とされております。
○あぜ上委員 尾崎委員が指摘したように、基本計画では取扱量はかなり過大に見ているにもかかわらず、バース台数を物すごく少なく見積もっていたことがわかったわけですが、それはなぜなんだろうと思いました。
改めてこの計画を読み直したんですね。そうしたら、閉鎖型の施設、高床式の施設で、築地市場の物流とは異なる。先ほど部長もおっしゃっていましたけれども、新しい効率的な物流の機能にするのだから、そういう前提で施設の基本設計、それから基本計画がつくられている。
それで、今ご答弁の中で、実施計画の中で六百台にふやしたと。倍近くにふやしたということがわかったわけなんですけれども、結局、実施計画になった段階で、こんなに少なくてはやっぱり荷さばきができないじゃないかと、現場の方からもきっと声が出たんじゃないかと思うんですけれども、そうはいっても、実施計画でふやしたんだけど、基本設計での施設の規模、それから大枠、これはもうがっちり固められているから、やっぱりウイングのトラックのバースはもうつくれなくなってしまったわけですね。
先ほど駐車場の台数が五千百台というご答弁があったんですけれども、この駐車場の問題でも、交通利便性、また事情を考量、比較しても、築地の方が利便性からいえば十分高いわけですよね。そういう点を考えても、今の築地の四千七百十台に対して、豊洲は五千百台というのは少な過ぎると。
基本設計の段階から、本当に現場の声を最初から聞いていれば、こうして今のような直前で駐車場不足といわれる問題も出なかったんじゃないかというふうに(「違う、違う、聞いて決めているんだよ、それは」と呼ぶ者あり)基本設計は決めていない。
だから、駐車場については、江東区議会の清掃港湾・臨海部対策特別委員会でも質疑がありました。そして、そのときに東京都はこう答えています。都は、あと有明一丁目のURの空き地に約二百台分確保する努力をしていますと。そして築地からマイクロバスを出すとしていますが、結局、買い出し人のある方からは、駐車場の利用を、三時間の利用を一時間半にしてほしいといわれてしまって困っているという声も寄せられています。
この駐車場の管理運営については、都じゃなくて組合がやっているわけですが、もともと基本設計の段階からの駐車場見込みが過少だったことが、今のような事態にもつながっているんだというふうに思います。
この問題も、業者の皆さんとの丁寧な、基本計画からの協議、合意、これをもとにつくっていないから、こうした矛盾が生まれるんじゃないか、生まれざるを得ないと私は思います。
次に、合意についてです。
農林水産大臣への認可申請書類では、消費者や業者との合意について、どのような書類を提出したのか伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場の認可申請に当たりましては、卸売市場法の規定に基づきまして、卸売業者、仲卸業者、売買参加者、その他の利害関係者の方々の意見を聞かなければならないとされているところでございます。
これら市場関係者等の意見聴取に関しましては、消費者団体や業界団体の代表者に構成員となっていただいております東京都卸売市場審議会、あるいは都と業界団体で構成される新市場建設協議会、こういったものの議事録等を提出しているところでございます。
○あぜ上委員 そうですね。卸売市場法でも規定していますように、卸売の業者、そして仲卸業者、売買参加者、その他の利害関係者の意見をよく聞かなきゃならないということなんですよね、本当は。
しかし、今ご答弁があったように、東京都が提出された資料、これを読みましたけれども、平成二十九年、二〇一七年の十一月六日の第二十二回と、それから十二月二十日の第二十三回の新市場建設協議会、それから二〇一五年の十二月十八日の卸売市場審議会と、ことしの六月一日の卸売市場審議会の議事録だということで、卸売市場審議会は、消費者の代表の方はたった一人なわけですね。
先ほど、認可がおりたという報告があったわけですけれども、市場関係者の中にも、また消費者の中にも、納得していない方はたくさんいらっしゃるわけです。
知事の安全宣言以降、市場関係者及び消費者、都民に対して、東京都としてどのような説明会を行いましたか。
○影山新市場整備調整担当部長 本年七月三十日の専門家会議による、都が実施した追加対策により、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したという追加対策工事に対する評価を受けて、翌七月三十一日に、市場移転に関する関係局長会議を開催し、評価の内容を説明するとともに、検証、対策、確認という一連のステップを経て、安全な市場としての条件を整えることができたことを確認いたしました。
この会議の中で、知事から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨の発言がありまして、その内容は、業界団体に伝えるとともに、プレスへの公表やインターネット中継などにより、都民に広く発信しております。
また、その後に行われました記者会見でも、改めて豊洲市場の安全性につきまして発信したところでございます。
今後も、都民見学会の実施や都内各地でのイベントへの出展、産地等に出向いてのPRなど、さまざまな機会を通じまして、豊洲市場が安全・安心な市場であることについて発信してまいります。
○あぜ上委員 安全宣言に関する、つまり豊洲市場が安全ですよという科学的根拠をきちんと説明し、都民や市場関係者の疑問に答える、そういった説明会をやったのかということを聞きたかったんですが、どうなんですか。
○伊藤委員長 挙手してください。
○影山新市場整備調整担当部長 失礼いたしました。繰り返しになりますが、七月三十日の専門家会議による、都が実施した追加対策工事によりまして、将来のリスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したという追加対策工事に対する評価を受けまして、翌七月三十一日に、市場移転に関する関係局長会議を開催いたしまして、評価の内容の検証、対策、確認という一連のステップを経まして、安全な市場としての条件を整えることができたということを確認いたしまして、この会議の中で、知事から、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨の発言があり、その内容は、業界団体に伝えるとともに、プレスへの公表やインターネット中継などによりまして、都民に広く発信してございます。
また、その後に行われた記者会見でも、改めて豊洲市場の安全性につきまして発信したところでございまして、今後も、都民見学会の実施や都内各地でのイベントへの出展、産地等に出向いてのPRなど、さまざまな機会を通じて、豊洲市場が安全・安心な市場であることについての発信をしてまいります。
○あぜ上委員 全然質問に答えていないんですよ。業界団体に伝えたかどうかなんて聞いていないんです。
都民や市場関係者の疑問に答えるような説明会をちゃんとやったのかと。説明会をやったかどうかというのをもう一度答えてください。やったかやらないかだけで結構ですから。
○影山新市場整備調整担当部長 繰り返しになりますけれども、今後も、都民見学会の実施や都内各地でのイベントへの出展、産地等に出向いてのPRなど、さまざまな機会を通じまして、豊洲市場が安全・安心な市場であることについて発信してまいります。
○あぜ上委員 質問に答えていないんですよね。説明会は、つまりやっていないということじゃないんですか。イエスかノーかで答えてください。
○影山新市場整備調整担当部長 ご質問でございますけれども、これまでも、安全宣言の報告なども、さまざまな媒体を活用いたしまして、さまざまな情報の伝達の方法があるかと思います。説明会だけではございませんので、それらをもって情報提供してきたところでございます。
〔傍聴席にて発言する者あり〕
○伊藤委員長 傍聴人は静粛に願います。
○あぜ上委員 つまり、説明会はやっていないと。都民に対しても、市場関係者に対してもです。築地市場の関係者の皆さんですね。築地での関係者の皆さんに対する説明会もやっていないということなんですか。もう一度確認します。
○影山新市場整備調整担当部長 繰り返しになりますが、情報の提供につきましては、さまざまな方法がございまして、さまざまな内容につきまして、説明会だけではなくて、情報提供をしているところでございます。
○あぜ上委員 今のご答弁を聞いている限り、きちんと説明をして理解を得る努力をしたとはとてもいえないといわざるを得ません。
私は、六月の本会議の代表質問でも紹介をいたしましたけれども、五月の築地女将さん会の水産仲卸業者への築地市場の移転についてのアンケートでも、二百六十一人の市場業者が回答しているんですね。
その中で、今でも中止すべきという方が三一%、これは五月の時点ですけど、三一%。もう一度凍結して話し合うが三九%、合わせて七〇%だった。このまま進めていいという人がわずか五%だったんです。なぜ、こんなに市場業者の皆さんが納得できないのか、私は真剣に考えてほしいと思います。
特に、東京ガスの工場の跡地という特殊な場所に市場を移すことは、食の安全から、当初から不安や危惧の声が多く上がっていたわけです。そして、安全対策をするんだといっていた、その盛り土もなかった。そして、じゃあ追加対策だといって追加対策をやっても、結局、地下水位がいつ本当に下がるのか見通しも明らかにできない。そして、盛り土の土壌汚染も、調査もしていないと。今も環境基準の百七十倍のベンゼンが地下水モニタリング調査で検出されていると。本当に命にかかわる食の安全が、科学的に証明されたとはとてもいいがたい中での不安であり、待ってほしい、待ったという声なんですよ。
築地市場の移転については、さまざまな団体も反対をしております。東京都及び知事宛てに、どのような団体から、この一年間に、築地市場移転に関連した要請や公開質問状があったんでしょうか。また、その要請の趣旨はどのようなものだったんでしょうか、伺います。
○影山新市場整備調整担当部長 お話の団体といたしましては、築地女将さん会や築地市場営業権組合といった団体がございますが、これらの団体からの要請等につきましては、昨年八月からの一年間で四件となっております。
その趣旨でございますけれども、その内容は多岐にわたっておりまして、昨年六月の基本方針について、いま一度立ちどまること、豊洲市場の開場を再度延期すること、農林水産大臣への許可申請を取り下げることなどが要請の内容になってございます。
○あぜ上委員 築地女将さん会の皆さんは、目ききの力を育むことに大きな力を尽くされた方々です。まさに築地ブランドをつくってきたかなめの方々です。そうした皆さんが、この一年間に四回も要請と公開質問状を知事に提出されたわけですね。しかも、一回も回答がないと伺っています。
なぜ、こうした公開質問状の回答をしないのか。これは知事じゃないと答えられないんでしょうかね。なぜ答えないのか答えられますか。
○福崎新市場整備部長 お答えします。市場の移転問題に関する都の考え方につきましては、都議会や新市場建設協議会など、市場関係者の開かれた場における議論の中で明らかにしてございます。
また、水産仲卸事業者等につきましては、業界団体が主催する説明会などで、個別具体的に丁寧な説明や意見交換を行ってございます。
また、都としては引き続き、こうした対応を通じて、市場業者の理解を得られるよう努めてまいるものでございます。
なお、先ほどご質問等のありました各業界への説明等でございますが、個別に業界に説明もしてございますし、その説明状況を受けまして、業界の中の広報紙等にも掲載して、そういう形で各組合員の方に周知徹底をしていただいているところでございます。
○あぜ上委員 各業界に説明したのは、安全宣言の後に、この安全対策についての説明ではないですよね。
知事だって、反対の方がいることは知っています、丁寧な説明をしたいと、これまでも何度もいっておられました。とりわけ市場業者の皆さんの質問にはきちんと答えるべきだと思います。
仲卸だけではありません。築地市場取引業務運営協議会でも、昨年の十二月二十日、築地市場で働く労働者の代表、築地市場労組従組連絡協議会議長が、議論が尽くされたとは思えないとして、移転を前提にした臨時休業日に反対をいたしました。
こうした労働者に対しても、意見を伺う会をやるわけでもなく、とにかく新市場建設協議会からの要請もあったんだということで移転を押し進めるやり方、これは余りにも乱暴だといわざるを得ません。
先ほど、築地女将さん会の要請と公開質問状の答弁がありましたけれども、つい最近も、日本の伝統食を考える会東京連絡会有志の方々も、約五千人近い署名をつけて、知事に、築地は場内と場外も一体で日本の魚食文化を築いてきたんだと移転中止を求めました。
また、六日には、ノーベル物理学賞を受賞されました益川教授を初め多くの科学者、研究者の方々で構成されております日本科学者会議の東京支部が、都知事に対し、第三者による安全性の検証や情報開示を求め、科学者会議としても立入調査をさせていただきたいと要請をされました。
食の安全に対する不安、不信の声がある中で、私はクロスチェックが大変重要だと思います。これまでも求めてきたわけですけれども、例えば地下水のモニタリング調査でも、九回目に環境基準の七十九倍のベンゼンが出て、その後、クロスチェックを行った結果、環境基準の百倍を超える汚染物質もわかったわけです。
とにかく、知事が安全宣言をしても、不安や不信の声が多くある以上、きちんと科学的に検証するのが、私は都としての責任だと思います。改めて、私からもクロスチェックの実施を求めたいと思います。
私は、消費者だけでなく、市場業者の皆さんの声も、皆さんもそうだと思うんですけれども、たくさん伺ってきました。つい最近伺った仲卸の方の声を紹介したいと思います。
今、毎晩つらくて寝られない日々が続いています。大変苦しいです。築地と食の安全を守りたいと一心に頑張っています。息子たちが後を継ぎ、三代、四代と続いている。若者が安心して営業を続けられるようにしてほしいのです。築地は土地代が高いといわれますけれども、地価以上の価値を築地市場はつくり出してきました。築地市場では、生ものをロスなくスピーディーに売ることができています。豊洲に行ったら、効率は悪いし、魚の価格も高くならざるを得ません。知事は、反対している業者に対し、反対といいながら豊洲市場に移転する準備はやっているではないかといったそうですけれども、業者は移転することも廃業することもできず、悩み苦しんでいることを全く理解していないと思います。移転してよくなることがあるでしょうか。きれいになるという人がいますが、築地の改修も、移転前提に最小限にしかやってこなかったのは東京都なのではありませんか。移転を決める前は、四年に一回は売り場をくじ引きで交換し、民主的にみんなで一緒に切磋琢磨、商売をして、きれいにみんなで使ってきたんです。今でも、魚のにおいはしますけれども、ハエが飛んだりはしていません。移転先の安全は、将来にわたって安全だという担保はありません。食の安全は、命の問題、私たちの商売の基本なんです。不安のあるところに誰が喜んで行くというのでしょうかという声を伺いました。
私は、ほかにもたくさんいろんな声を聞きましたが、今市場の中でも、また外でも、もう諦めるしかないのか、何とか行かない方法はないのでしょうかなど、本当に、新しいところに行くなら普通は喜びに満ちているはずなのに、みんなが苦しいとか不安だという声を上げているんです。こんな移転を強行する知事の責任は、私は重大だと思います。
改めて、最後に伺いたいと思いますが、市場関係者の理解と合意、納得は本当に得られたといい切ることができるでしょうか。
○福崎新市場整備部長 市場業者の中に、移転についてさまざまな思いを抱いていらっしゃる方がいることは承知しております。
しかしながら、今回の豊洲市場の移転は、築地市場の老朽化や狭隘化、衛生面の課題などを踏まえて行うものであり、こうした都の考え方につきましては、これまでも新市場建設協議会等において説明をしてきましたし、業界の皆さんと合意をしてきたところでございます。
それを踏まえまして、引き続き、移転に向けましたさまざまな準備を業界の皆様と協力して今後とも進めてまいります。
○あぜ上委員 知事は、六月の定例会の私の代表質問に、築地再開発については仲卸業者の要望などを踏まえながら検討する、そういうふうに答弁しましたが、仲卸業者の要望をどこでどう聞くつもりかは全く明らかにしていません。
築地ブランドは、簡単に生まれたものではありません。仲卸の目きき、そして場内外の皆さんが営々と築き上げたものなんです。資料に豊洲ブランドとありましたが、ブランドはそんなに簡単にできるものではありません。
八十年の歴史、世界に築地といえば通用するような食文化をつくり上げてきた人たち、そういう人たちの中心的なかなめの人たちから反対の声が上がっているということをしっかりと受けとめて、百年の悔いを残さないためにも、移転強行はすべきではありません。
そのことを強く求めて、質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十時四十九分散会
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