経済・港湾委員会速記録第二十号

平成二十九年十二月十二日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長上野 和彦君
副委員長山崎 一輝君
理事尾崎あや子君
理事栗下 善行君
理事小山くにひこ君
鈴木 邦和君
細田いさむ君
柴崎 幹男君
森村 隆行君
ひぐちたかあき君
のがみ純子君
鈴木 章浩君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務清水 英彦君
商工部長坂本 雅彦君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長川崎  卓君
観光部長小沼 博靖君
観光振興担当部長浦崎 秀行君
農林水産部長藤田  聡君
安全安心・地産地消推進担当部長武田 直克君
全国育樹祭担当部長村西 紀章君
雇用就業部長小金井 毅君
事業推進担当部長蓮沼 正史君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
港湾局局長斎藤 真人君
技監小野 恭一君
総務部長古谷ひろみ君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中村 昌明君
調整担当部長及川 勝利君
港湾経営部長蔵居  淳君
港湾振興担当部長相田 佳子君
臨海開発部長篠原 敏幸君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務山岡 達也君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
港湾整備部長原   浩君
計画調整担当部長竹村 淳一君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
意見書について
港湾局関係
契約議案の調査
・第百九十一号議案 平成二十九年度十三号地新客船ふ頭ボーディングブリッジ製作据付工事請負契約
・第百九十四号議案 平成二十九年度十三号地新客船ふ頭岸壁建設工事(その一)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百十一号議案 東京都立葛西海浜公園の指定管理者の指定について
産業労働局関係
契約議案の調査
・第百九十三号議案 東京都島しょ農林水産総合センター漁業調査指導船「やしお」製造請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十号議案 東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例
・第二百十号議案 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター定款の変更について
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・築地市場における土壌詳細調査結果について

○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することとなっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十九年十二月八日
東京都議会議長 尾崎 大介
経済・港湾委員長 伊藤 ゆう殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百九十一号議案 平成二十九年度十三号地新客船ふ頭ボーディングブリッジ製作据付工事請負契約
 第百九十三号議案 東京都島しょ農林水産総合センター漁業調査指導船「やしお」製造請負契約
 第百九十四号議案 平成二十九年度十三号地新客船ふ頭岸壁建設工事(その一)請負契約
2 提出期限 平成二十九年十二月十二日(火)

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査及び契約議案の調査並びに中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百九十一号議案及び第百九十四号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○古谷総務部長 十一月三十日開催の当委員会で要求のございました資料をご説明申し上げます。
 要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、一項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京港へのクルーズ客船入港実績でございます。
 平成二十四年から二十八年までの五年間における東京港へのクルーズ客船入港実績につきまして、日本籍船と外国籍船に区分して記載しております。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○あぜ上委員 資料の作成、ありがとうございます。
 それでは、私から、契約案件百九十一号及び百九十四号議案について質疑をさせていただきます。
 これまでも、我が党は、総経費も示されずに、レインボーブリッジがくぐれない大型客船が何隻入港するかわからない中で、拙速に青海の大型客船ふ頭はつくるべきでないと発言をしてきました。今回は、その新客船ふ頭の岸壁建設工事とボーディングブリッジの据えつけ工事の契約が提案されているわけですが、何点か確認をさせていただきたいと思います。
 まず、工事の総額の問題です。
 この議案の工事契約を含め、これまでの青海新客船ふ頭の工事などの総額は約二百三十億となりますけれども、この新客船ふ頭の工事総額、これは一体幾らになる見通しなんでしょうか。また、その工事契約の大まかな内訳を教えていただきたいと思います。

○原港湾整備部長 新客船ふ頭の整備費につきましては、約三百八十億円と見込んでございます。
 その内訳でございますが、客船が着岸する岸壁の整備費といたしまして約八十億円、駐車場等用地の整備費といたしまして約百億円、乗客をお迎えいたしますターミナルビルやボーディングブリッジの整備費といたしまして約百十億円、これらの海上の施設と陸上の都道とを結びます連絡通路の整備費として約三十億円、その他、南極観測船「宗谷」の移設や防波堤の建設、泊地のしゅんせつなどに要する整備費といたしまして約六十億円を見込んでおります。

○あぜ上委員 総額が三百八十億ということですね。これまで何度も総額を早く示していただきたいと求めてまいりましたが、ようやく総額が示されたわけです。
 確認なんですけど、これは一バースの場合の総経費というふうに理解してよろしいんでしょうか。

○原港湾整備部長 三百八十億円という事業費につきましては、第一バースの事業費でございます。

○あぜ上委員 ことし五月の都の港湾審議会で、私は反対したんですけれども、二バースをつくるという計画を確認してしまいました。
 客船の利用状況を資料として出していただきましたけれども、昨年の東京港の入港の実績は年間二十九回ということであります。これまでの推移を見ましても、クルーズ客船の人気が出ている中でも、ほとんど東京港では客船入港が変わらないということがわかります。
 これで二バースをつくるということになったら、さらにお金がかかるんじゃないかと心配になるわけですが、あともう一バースつくるとなったら、一体総額はどのぐらいふえるのか、参考までに、試算していたらご答弁いただけますか。

○原港湾整備部長 第二バースの事業費でございますが、第二バースにつきましては、本年の港湾審議会で港湾計画に計画を位置づけたところでございます。
 具体的な事業費等につきましては、今後、事業化後に調査設計に着手しまして、詳細設計の結果を踏まえて算出する予定としてございます。

○あぜ上委員 調査の結果を踏まえて算出されるということなんですが、二バースというふうになりますと、単純計算で、例えば今回の契約案件になっています岸壁工事、これがもう一回必要になるんじゃないかというふうに考えると、少なくとも八十億はかかるわけですね。そうしますと、総額が四百六十億を超えるということになって、莫大なお金がかかるということになるわけです。
 では、伺いますが、今後、新客船ふ頭ができると年間何隻ぐらいの客船の入港を見込んでいらっしゃるんでしょうか。また、そのうち大型客船の入港というのはどのぐらい見込んでいらっしゃるんでしょうか。

○相田港湾振興担当部長 平成二十六年一月に策定した東京クルーズビジョンでは、新客船ふ頭の開業を予定している平成三十二年に、百十三回の客船の寄港を目標として掲げております。
 そのうち、大型客船を含む外国籍客船の寄港数は七十五回となっております。
 この目標を達成するため、海外の主要なクルーズ船社等を個別に訪問し、多様な魅力を持つ観光拠点としての東京港の優位性を、直接アピールするなどの営業活動を重点的に行っておりまして、複数のクルーズ船社から、具体的な寄港の要望が寄せられているところでございます。

○あぜ上委員 今のご答弁で、大型客船を含む外国船を七十五回見込んでいらっしゃるということなんですが、いわゆるレインボーブリッジをくぐれない大型客船というのは、そのうち何回なのかわかりますか。

○相田港湾振興担当部長 現在、クルーズ客船につきましては、大型化する傾向が主流になってございまして、具体的な数字として七十五回のうち何回ということは今の時点では申し上げられませんが、大半がレインボーブリッジをくぐれない大型客船になるだろうというふうに見込んでございます。

○あぜ上委員 そうすると、市場調査をしてそういうふうに判断されたということじゃなくて、ほとんど大型だろうということなんですね。
 東京都は、アメリカのロイヤルカリビアンインターナショナル社と覚書を締結いたしました。にもかかわらず、昨年の大型客船の実績はどうだったかというと、結局年二回だったわけですね。確かに大型化しているのは事実ですけれども、そもそもなぜ新しいふ頭をつくったかというと、晴海だとレインボーブリッジがくぐれないから、そういう大型客船がふえているから、だから新ふ頭をつくるんだという計画だったわけですよね。ところが、まだまだ少ないというのが実態なわけです。
 国の動きを見てみますと、ことし一月、国土交通省は、横浜港や清水港など六港の港湾を、国際クルーズ拠点として選定をいたしました。特定の大手クルーズ社と協定を結び、独占的な港湾使用を認めるようにするというものでありまして、ことしの六月には港湾法も改定しています。
 今でも、先ほどいったように、昨年の東京港の実績というのは二十九回なわけですね。国際クルーズ拠点の一つに選定された横浜港、ここの実績はどうかというと、昨年の実績を見ますと百十七回、東京港の約四倍の入港実績になっている。今後の外国クルーズ大型客船の東京湾の入港予定、これは旅行会社のいろんなのをちょっと見たんですけれども、ダイヤモンドプリンセスとかクイーンエリザベスとか、そういう大型の客船はほとんど横浜港となっております。大型客船が何隻来るかはっきり示されないのは、やはりこうした背景があるからではないでしょうか。
 東京港が、このたびイタリアのコスタネオロマンチカ、これを認定船舶にしたということでありますけれども、そうしたからといって、本当にクルーズ客船が青海の新客船ふ頭に着実にふえるかという見通しは、私は非常に甘いと指摘せざるを得ないわけです。
 また、工事の総経費の見込みの中には、環境対策は含まれているんでしょうか。含まれているとしたら、どのようなものを考えているのか、ご答弁いただきたいと思います。

○原港湾整備部長 新客船ふ頭のターミナルビルにつきましては、海の玄関口としてふさわしい東京港のランドマークとなる施設とするとともに、省エネルギー仕様の材料を採用するなど環境にも配慮した設計としてございます。
 具体的には、外壁に多く使用するガラス面に、遮熱や断熱にすぐれている複層ガラスを採用するとともに、外壁や屋根の一部におきまして緑化を図ることとしてございます。
 また、屋上に太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーの活用に努めるとともに、照明器具を全てLED照明としてございます。
 このように、新客船ふ頭のターミナルビルにおきましては、環境対策に積極的に取り組んでいるところでございます。

○あぜ上委員 ターミナルビルの環境対策、これは非常に大事なことだと思います。ただ、今、国際的には、大型クルーズ客船が環境汚染をもたらすということで、実は問題視する、そういった指摘も多く聞かれるようになっています。
 昨年の暮れには、北米の大手クルーズ企業が、海洋汚染と環境破壊に対する対策や改善が見られないということで多額の罰金刑となったという報道もありました。
 また、ドイツの環境グループによりますと、たった一隻の大型クルーズ船が排出する大気汚染の量、これは、五百万台分の車が走行するときに排出する量と同じだというふうに報道しておりました。
 大型船を誘致するということであるならば、停泊中の陸電施設の使用を義務づけたり、また、低硫黄燃料の使用の義務づけなどの環境対策も行う必要があるというふうに思うわけですが、そういう点では、陸電施設の整備など、また新たな環境対策の整備費も膨らむ可能性があるということも指摘しておきたいと思います。
 そのことを指摘して、質疑を終わりたいと思います。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○あぜ上委員 契約議案第百九十一号並びに第百九十四号は、いずれも青海新客船ふ頭整備にかかわる工事契約です。
 都が推進している大型クルーズ客船の需要予測もできない中で、晴海客船ふ頭を廃止し、約三百八十億円もの巨額を投じて新たに青海に客船ふ頭をつくることは、問題であるといわざるを得ません。
 さらに、一度に二隻の客船を寄港することを想定して、今後その整備まで進めることは、都民の理解は得られません。
 よって、本契約議案は反対です。
 以上です。

○伊藤委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○伊藤委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○あぜ上委員 都立葛西海浜公園の指定管理者の指定についてですが、都立葛西海浜公園に改めて私も行ってまいりました。
 葛西海浜公園は、海に向かって弓形に広がるなぎさ、そして大きく潮が引くと二キロメートル先まで干潟があらわれる。その干潟の中には底生生物が多くいて、その底生生物を食べに野鳥たちが来て、野鳥たちを支えている。本当に生き物の豊かな公園であること、これは東京の誇りでもあるというふうに思っております。
 今回、この公園を東京都公園協会に指定管理する議案でありますが、本議案についても何点か確認させていただきたいと思います。
 まず、指定管理期間についてです。
 これまでを振り返りますと、指定管理は二〇〇六年度からスタートしておりますが、第一期も、そして第二期も五年間の指定期間となっておりました。しかし、指定期間が今は二年間、そして今回の提案は三年間となっているんですが、その理由をまずお示しください。

○篠原臨海開発部長 港湾局の所管します葛西海浜公園と建設局所管の葛西臨海公園は、隣接地に東京二〇二〇大会のカヌースラローム会場が整備されることになっておりまして、大会時には、公園施設の一部が使用される予定でございます。
 今回の指定期間は、東京二〇二〇大会の開催準備や開催時の円滑な運営に継続的な取り組みが必要との観点から、大会の開催年度までの三年間としたものでございます。
 また、現在の指定期間である二年間につきましては、カヌースラローム会場が整備されることに伴いまして、その運営等について検討、整理する期間として設定したものでございます。

○あぜ上委員 今回の三年間としたのは、今ご答弁のように、五輪大会のカヌースラローム会場整備に伴い設定されたものということですね。
 当初は、カヌースラローム競技会場は葛西臨海公園の中に予定されていましたが、日本野鳥の会を初め多くの方々が会場変更してほしいという声を上げ、私も議会で取り上げさせていただきましたが、会場が変更されたという経過がありました。結果的には、現在の二年間と今回三年間、通算してこれまでと同じ五年間としたということでありますね。わかりました。
 管理の協定額なんですけれども、その推移を教えてください。また、水域管理は、協定額にどのように反映されるのか伺います。

○篠原臨海開発部長 指定管理者と、毎年度締結しております管理協定で定めた委託金額についてでございます。平成十八年度から二十五年度まで約六千五百万円、平成二十六年度と二十七年度が約六千七百万円、平成二十八年度と二十九年度が約七千二百万円となっております。
 また、葛西海浜公園の管理業務には、陸上からの水域監視や海浜への漂着物の回収なども含まれておりまして、協定の委託金額に反映させているところでございます。

○あぜ上委員 二年前に比べますと、管理協定額は五百万円ふえたということです。そして、水面管理業務の経費は含まれているということなんですが、海の自然を保全し、そして海を知り、海を楽しむ場として、海上公園の社会的価値を高めることを意識した的確な管理を行うと、今回の指定管理者であります東京都公園協会が事業計画書でそのことを明記しておりますが、日常的にそのことが貫かれているのかということが、非常に検証が必要じゃないかというふうに思っております。
 葛西海浜公園の現在の職員体制は、どのようになっているでしょうか。それから、職員体制の推移についても伺います。

○篠原臨海開発部長 葛西海浜公園では、平成十八年度から指定管理者制度を導入しておりますが、導入当時は、職員四名と夏休み期間中のライフセーバー一名の体制となっておりました。
 その後、昨年度から、海水浴体験のエリア拡大などに対応していくために、職員五名とライフセーバー二名の体制としております。
 このほかに、閉園後の夜間警備として一名を常駐させております。

○あぜ上委員 職員体制を充実したということは重要だというふうに思うんですが、五人ということですが、そのうち常勤は二人です。
 ちなみに、葛西臨海公園、こちらの方は、水族館や観覧車の管理を除いた、いわゆる公園の管理は職員数が十七人、常勤がそのうち十人ということです。葛西海浜公園は、面積でいえば十七人体制の葛西臨海公園の五倍近くになるわけですね。非常に広い。その中で、常勤はわずか二人だということなんですね。
 管理範囲が広い上に、職員のいる管理事務所と、それから、なぎさにある案内所と、二カ所に職員の配置が分かれています。私が葛西海浜公園の西なぎさに行ったときもそうだったんですけれども、大変広い砂浜のところに案内所があるわけですが、そのなぎさの方には、シルバー人材センターの方が一人いらっしゃっただけだったんですね。私は何かあったら大丈夫なのかなと非常に心配になったんですが、よく利用される方々がいらしていたので聞いてみますと、なぎさの案内所には一人のときが多いというふうに伺いました。
 葛西の海浜公園の利用者、この人数と、海水浴の体験が最近できるようになりましたが、その利用者数というのは、どのようになっているんでしょうか。

○篠原臨海開発部長 葛西海浜公園におきます昨年度一年間の利用者数は、約五十七万人でございます。
 今年度の海水浴体験につきましては、七月十七日から八月二十日までの実施期間に、約三万五千人にご利用いただいております。

○あぜ上委員 大変人気があって、そしてかなり利用も多い公園だということですよね。もちろん、海水浴の体験のときには、ライフセーバーも配置されている。しかし、潮干狩りとか、それからあと、干潟を歩く人もいらっしゃるようです。海浜や海という特徴から、安全を確保する上では、やっぱり常時、複数の職員は欠かせないんじゃないかというふうに思います。
 そして、このなぎさのところですけれども、海浜公園は数万羽のスズガモが飛来すると。砂浜に産卵する、そういう鳥もいるということで、国内でも最大級の水鳥の生息地という特徴から、生物多様性の保全や自然環境を守る上でも、専門性を含めた正規のスタッフの拡充が必要だということを指摘しておきたいと思います。
 また、利用者の方々から、都立公園なのに、トイレが全て和式で古いと、早く改善してほしいという声が寄せられました。このトイレの設備改善を早急に取り組む必要があると思いますが、伺います。

○篠原臨海開発部長 洋式化や誰でもトイレの設置などの改善に向けまして、今年度、基本設計を実施中でございます。

○あぜ上委員 なぎさの女性トイレに私も入ったんですけれども、十個あるんですけど、今は全て和式なんですね。基本設計に入っているということなのでよかったなと思ったんですが、ぜひ誰でもトイレの設置を含め、洋式化を含めて、早急にこれは進めていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 この間、東京都の公園協会もご努力されて、生態教育センターや日本野鳥の会などの多くの専門性を持った方々とも連携をされて一定の力を積み重ねてこられたことも、視察する中で、いろいろな方とお話ししてわかりました。
 しかし、やはり長い目で見ますと、今後は、都内で唯一のラムサール条約登録候補の地となっているわけですね。自然豊かな公園なわけです。特に、東京最後の自然の海として保全、回復を図る葛西沖三枚洲、ここでは、その自然とそこで育まれた海の文化を大切に守るために、葛西海浜公園の維持管理の専門性、これはやはり一層充実と継続性が大切になってくるんではないでしょうか。そうした点から、海のスペシャリストとして、港湾局が責任を持って維持管理されることが、私は求められていると考えます。
 そのことを指摘して、質疑を終わりたいと思います。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○伊藤委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百九十三号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○ひぐち委員 漁業調査指導船「やしお」製造請負契約について伺います。
 平成二十六年に東京都が取りまとめ、改定した水産業振興プラン、東京における持続可能な水産業の実現によると、振興プランには四つのポイントがあります。
 そのポイントは、一つ、伊豆諸島の主要魚種であるキンメダイなどの効果的な資源管理、二つ、水産加工の振興などによる低未利用水産資源の有効活用、三、防災力強化を初めとした施設整備や、漁場造成などの生産基盤の整備、四、被災した大島などにおける漁業生産力の早期回復です。
 今回一つ目に挙げられたキンメダイなどの水産資源の管理に大きな役割を果たしているのが、漁業調査指導船であります。漁業調査指導船の水産資源調査、海洋観測、違法操業の監視活動といった三つの業務が、島しょの基幹産業である水産業、漁業を持続可能に発展、振興すべく力を発揮しているわけであります。
 現在、東京都には、伊豆諸島の北部海域を担当する「やしお」、伊豆諸島南部海域の「たくなん」、小笠原海域の「興洋」、伊豆諸島から南鳥島、そして沖ノ鳥島までの全海域、広大な海域の「みやこ」の四隻の漁業調査指導船があり、この四隻のうち、平成七年に建造された「やしお」が今や一番古く、二十二年もの間、運航されてきたわけですが、今回、代船の建造を予定している現行の「やしお」はどのような業務を行ってきたのか伺います。

○藤田農林水産部長 都は、先生お話しのように、「やしお」のほか、「みやこ」、「たくなん」、「興洋」、計四隻の漁業調査指導船を所有しており、それぞれの担当海域において水産資源調査、海洋観測、違法操業の監視活動などを行っております。
 今回、代船を建造する「やしお」は、平成七年一月に建造され、母港の大島から御蔵島の周辺海域を担当しており、伊豆諸島で重要な魚種であるキンメダイやイサキの回遊経路などの生態調査等を実施し、その結果は水産資源の管理に活用されております。
 また、多数の観測地点で海水温や海流の方向、速度などの基本情報を収集しており、その情報に衛星からの情報などを加え作成された海の天気図は、多くの漁業者に提供され、操業の際に活用されております。
 さらに、国内漁船につきましては、許可漁業違反などの違法操業を確認し、操業停止処分も含めた取り締まりを行うとともに、外国漁船の違法操業につきましては、海上保安庁や水産庁に通報するなど、国内外の漁船による違法操業の監視活動を行っております。

○ひぐち委員 別の調査指導船「みやこ」ではありますが、伊豆諸島の主力魚種のキンメダイの主要な産卵、育成の場が伊豆諸島海域であることを解明した実績があります。
 もともと北部はタカベ、イサキ、南部はカツオ、ハマトビウオが主力だったようですが、近年、伊豆諸島の漁獲量のおよそ四五%をキンメダイが占めるなど、魚種が著しく偏ってきています。
 また、国の推計によると、沖縄から房総半島に至る太平洋のキンメダイの資源量は、二〇〇〇年代前半の四・二万トンから、二〇一六年には二・七万トンまで減少している中で、漁業者が将来にわたり水産資源を持続的に利用するためには、生態にかかわる科学的な知見は大変重要であります。
 さらに、海洋観測についても、実際に地元の漁業者の方にお話を聞いてみますと、調査船からの漁業無線やファクスで届けられる黒潮、海水温などの情報はとても大切で、対象魚種の選定から使う漁具の選定、出漁海域もこれで目星をつけられると、大変感謝されているということを改めて申し上げさせていただきます。
 さて、違法操業の監視というのも、水産資源を守るには大変重要な任務であります。
 そこで、「やしお」の担当海域を含む伊豆諸島海域における違法操業を防止する監視活動の実績について伺います。

○藤田農林水産部長 広大な伊豆諸島海域においては、「やしお」を初めとする漁業調査指導船による監視活動に加え、冬季の荒れた海でも航行可能な大型船や、上空から広範囲かつ効率的に漁船の操業状況を把握できる航空機をチャーターし、監視活動を行っております。
 平成二十八年度における監視活動の実績は、「やしお」が百三十四日、大型船が七日、航空機が四日となっております。
 こうした監視活動は、海上保安庁や水産庁と連携して実施しており、伊豆諸島海域における処分や指導の対象となる違法操業は近年減少し、過去五年間では一件の指導のみとなっております。

○ひぐち委員 やはり、こうして伺っていますと、まさに監視活動は、まちの治安と同じようにも受け取りました。常日ごろから、しっかりとプレゼンスを示すことが肝要かと思います。
 実際に事案が発生してしまってから生じる被害や事故の大量の処理にかかるコストに比べれば、事前抑止にかかるコストの方がはるかに安く済むはずです。十数年前までは散見された違法操業も、この五年間は、違法操業漁船の行政処分に至るまでのケースはなかったとのことで、大型船や航空機も使った監視活動が抑止、防止にしっかり効果が出ていると認識いたしました。
 東京都には、ぜひ小さな違反も安易に見過ごしにはしない、見とがめるべきは、きちんと見とがめるという姿勢を守り続け、漁業者の不安を解消し、信頼を保ち続けていただきたいと思います。
 では、最後に、今回新たな「やしお」を建造する理由と、そのためにどのような機能強化がなされたのか伺います。

○藤田農林水産部長 現「やしお」は建造から二十二年が経過し老朽化が進み、多様化、高度化する業務に対応することが困難となってきたため、最新の調査、監視機器を備え、緊急時も対応できる高い航行能力を持つ船舶として、今回新たに代船を建造するものでございます。
 具体的には、著しく漁獲が偏っておりますキンメダイ以外の新たな魚種や漁場を開拓するため、底魚類が生息しやすい海底の地形を立体的に把握できるマルチビームソナーや、マグロなど回遊する魚群を三百六十度広範囲に把握できる全周ソナーなどを整備することといたしました。
 また、平成二十六年に、小笠原海域で発生した中国漁船によるサンゴ密漁事件の際に課題となりました、緊急時におけるより機動的な監視体制を構築するため、船体の大型化、鋼製化により波浪に対する安定性を向上させ、小笠原まで航行可能な船舶とすることといたしました。
 加えて、濃霧の中での衝突の回避や、不審船の判別等が可能な高性能レーダーなどを装備し、航行の安全確保と監視機能の強化を図ることといたしました。
 都は、「やしお」の代船の建造により、島しょ漁業者のさらなる経営力の向上、漁業秩序の維持を図ってまいります。

○ひぐち委員 こうした新たなソナーの整備で把握できる底魚類の、例えばアコウダイ、アブラボウズなどは、漁業者から、魚価が高く、新たな魚種として期待されていると伺っています。以前から行われている伊豆諸島海域を代表するタカベ、イサキの生態調査もあわせて、新「やしお」にて、ぜひ新たな水産資源の開拓、漁場の開拓に励んでいただくよう要望いたします。
 また、昨今、日本海では、大和堆でのスルメイカの密漁、違法操業が問題となっていますが、答弁にもありましたとおり、三年前、小笠原海域でも、中国漁船による赤サンゴ密漁事件がありました。外国船による違法操業は、乱獲、資源枯渇という経営的な打撃にとどまらず、日本の主権を侵害する行為でもあります。現行に比べ航続距離が四倍近くなることで、監視の目をくぐり抜けさせない体制構築も強く求めます。
 本日は、新「やしお」の建造について伺いました。今この時間も、日本の排他的経済水域の約四割を占める東京都の広大な海域にて任務に当たっている現場の職員の皆様は四十名ほどおられると伺っていますが、敬意を持って、またその任務が漁業者の経営、都民の豊かな食生活にこれからも資することを期待いたしまして、質疑を終えさせていただきます。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○伊藤委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百八十号議案及び第二百十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○森村委員 東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例に関連して質問させていただきます。
 都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランで掲げる、東京の成長戦略で描かれた都内GDP百二十兆円の実現に向けては、多くの中小企業の成長発展が重要な鍵になります。
 中小企業の技術力を生かし、すぐれた製品やサービスを生み出していくための支援のみならず、販路を拡大し、売り上げを伸ばしていくための環境を整備することも大変重要です。
 こうした中で、東京都立産業貿易センター条例の改正条例が提出されました。
 そこでまず、新たに整備する産業貿易センター浜松町館について施設の概要を伺います。

○坂本商工部長 中小企業の販路開拓につながる展示会の場を提供するため、今回の条例改正によりまして、産業貿易センターの浜松町館を再び開設いたします。
 この施設は、かつて昭和五十八年に設置をされまして、建物の所在地である港区竹芝地区の再開発に伴い平成二十七年十月に一度閉鎖されたものでございます。新しく同地において、平成三十二年に整備される四十階建て高層ビル、こちらの一階から六階部分で業務を再開いたします。
 新しい浜松町館の運営につきましては、以前と同じく指定管理者を選定して効率的に実施することとしてございまして、施設の二階から五階のそれぞれに約一千六百平方メートルの展示室を設けるほか、四階に商談やセミナーを行うための三つの会議スペースを整備いたします。
 各展示室に隣接して控室を二つずつ設けるほか、会議スペースは、利用者のニーズに応じて分割して使用のできる仕組みとしてございます。
 また、一階には展示会で必要となる機材の搬入や搬出を行う荷さばき場を設けるほか、四基のエレベーターによりまして各階にございます展示室との間で展示品を円滑に運ぶことのできる仕組みといたしします。

○森村委員 次に、改正案では、施設の開場時間を従来の九時から十七時だったものを九時から二十一時へと改正しており、この改正により浜松町館では、以前あった施設の開場時間より四時間ほど延長されることになります。
 そこで、施設開場時間を延長する理由と背景についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 新しく整備をいたします浜松町館の利用にかかわるニーズを的確に把握するため、産業貿易センターの台東館や以前の浜松町館で展示会を行った実績等のある一千七百八十の中小企業の団体などを対象といたしまして本年十月にアンケートを行い、回答のございました四百三十八団体などの要望を分析いたしました。
 その結果といたしまして、展示室や会議室の利用について、夜間も可能にするべきとの意見が極めて多いことが明らかとなったところでございます。
 このため、以前の浜松町館の午前九時から午後五時までの利用時間に加えまして新しい施設では、午前九時から午後九時まで利用を可能といたします。
 また、展示室を利用した後の片づけに必要となる時間を、以前は午後の五時から八時までとしておりましたが、新たな施設では、近隣の住民への影響等にも配慮をしながら午後九時以降に搬出などの作業のできる仕組みといたします。

○森村委員 浜松町という好立地を生かし、夕方からでもお客様に来場してもらいたい、また、せっかく開催する展示会の一日当たりの集客を可能な限り伸ばしたいという利用者の声が、反映されているということですね。
 そもそもが、中小企業の販路拡大を目的とした施設になりますので、現場ニーズに基づくマーケティングを踏まえた施設運用ルールの策定については重要で、こうした利用者の使い勝手向上にかかわる改正につきまして高く評価させていただきます。
 引き続き、マーケットの動向やニーズ、経済環境の変化を的確に捉えた戦略的な運営を行い、施設を利用する中小企業の成果にしっかりとつながる支援を行っていただくことを要望いたします。
 最後に、条例案の中で、新たに示された利用料金についてお伺いします。
 そもそも産業貿易センター浜松町館は、中小企業の販路開拓を支援する施設です。利用料金を見ると、一日の利用で約六十万円の費用が発生することになり、二日続けての連続利用や、二部屋を利用した展示会を開催すると、その料金は百万円を超えることになります。
 こうした料金は一見、中小企業にとって重い負担になるように感じますが、今回設定される利用料金は、民間が運営する都内の類似施設と比較すると、どのような水準のものであるのかお伺いいたします。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の展示室につきましては、中小企業の団体などが低廉な費用で展示会を主催できるよう、条例で定めた金額を上限といたしまして、施設を運営する指定管理者が、良質な会場サービスを安価な料金で提供する仕組みとしているところでございます。
 今回の条例案では、約一千六百平方メートルの展示室を十二時間利用する場合の料額の上限を五十八万八千円としてございます。
 都内の民間施設におきましては、利益を含めて価格を設定するということなどから、類似の約一千七百平方メートルの規模で八時間の展示会を開催する場合の利用料、こちらの方は、約百七十万円となる事例もございます。
 また、新しい浜松町館では、展示室の料金は一平方メートルで一時間当たりに引き直しますと約三十一円となりまして、東京の特別区にある五つの民間の展示施設を同様の方式で算定をいたしますと、料金は最高では約百三十円、最も安価なレベルでは約四十七円となっております。
 こうした水準などを踏まえますと、新しい浜松町館は、中小企業の団体等の展示会を民間施設より低い料金負担で開催できる場となることが期待できるものと考えているところでございます。

○森村委員 一概には、くくれないかもしれませんが、民間の施設に比べて三分の一程度ということで安心しました。かなり低廉な料金設定になっているようですね。
 販路を新たに開拓していくことは、中小企業にとっては最も重要な経営課題の一つです。今後、同施設を多くの中小企業が利用できるよう、周知の方法や利用受け付けの仕組みを工夫していただきたいと思います。
 同時に、民間施設に比べてこれだけ低廉な料金設定ですから、時期などによってはかなり利用希望者が集中する可能性もあります。ぜひとも中小企業の商談機会の充実につながる展示会などがしっかりと開催できるよう、利用スケジュールの調整などできめ細かく対応していただくことを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○のがみ委員 私も同じく、東京都立産業貿易センター浜松町館について質疑をさせていただきます。
 この東京都立産業貿易センター浜松町館は、JR浜松町駅、そして「ゆりかもめ」の竹芝駅の本当にアクセスのよい場所にありました。今ちょっと工事で使っておりませんけれども、アクセスに恵まれた場所に立地をしておりまして、手ごろな展示スペースを備えた施設として活用されてきたということがいえると思います。
 例えば、大型の建設資材や設備に関する展示場、あるいは洋菓子屋さんの作品展等も利用されたり、あるいは中小企業がさまざまな製品を開発をして新製品を発表したり、新たな取引先を獲得するための場所として利用されてきたということでございました。
 しかし、こうした展示会の主催者は、特に協同組合などの団体が大変に多いということで、利用料金を捻出するのが非常に大変であるということもお聞きしております。決して簡単なことではないと思います。特に、これまで、旧浜松町館を利用していた展示会の主催者の皆様にとりましては、新しい浜松町館の展示室の利用料金がどう変わるのか、今後の展示会の運営にも大きくかかわってくると思います。
 今回の条例改正案では、産業貿易センターにおける利用料金の規定が設けられて、実際の利用料金はこの範囲内で定められているというふうに伺っておりますけれども、私からは、この利用料金について、詳しく確認をしていきたいと思います。
 初めに、今回の改正案で出されている浜松町館の展示室における利用料金は、先ほどの質疑にもありましたけれども、民間の類似施設と比べれば、安価な料金であるとのことでございます。
 それでは、休館前の浜松町館における展示室の利用料金と比較すると、どうなるのかお伺いいたします。

○坂本商工部長 平成二十七年まで運営をしてございました浜松町館では、最も広い展示室は一千六百七十九平方メートルでございまして、こちらを八時間利用した場合の料金は、条例で定める上限の三十五万一千三百円となっておりました。
 新しい施設では、約一千六百平方メートルの展示室を十二時間利用すると条例で定める料金は、最高で五十八万八千円としているところでございます。
 これらの金額を一平方メートル当たりで一時間利用した金額に引き直しますと、以前の浜松町館は二十六・二円となりまして、新しい施設は三十・六円となってございます。

○のがみ委員 つまり、一平方メートル当たりでは四・四円高くなるということでございます。
 前の浜松町館とは、整備の時期や施設の内容も異なるし、この間に物価変動などもあったこと、また、民間の類似施設と比べても十分に低廉であることなどを考えれば、ただいまご答弁いただいた一平方メートル当たりの利用料金が上がることが、直ちに問題であるという指摘は、短絡的で避けなければならないと考えます。
 しかし、利用料金を上げる以上は、使う方々が納得できることが重要であります。そのためには、料金の算定方法が適切であること、そして、利用料金が上がることに納得できるだけの機能向上などを利用者が感じられることが不可欠であります。
 そこでまず、今回の浜松町館における利用料金の算定方法について伺います。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の展示室の上限の料金につきましては、以前と同様に受益者負担の考え方に立ちまして、施設の維持と管理に必要な費用のほか、建物や設備の減価償却費を含めまして原価計算を行い、これに見合う水準となるように定めているところでございます。
 施設の維持等の費用につきましては、人件費や光熱水費のほか、建物の警備委託などの経費を原価に含めてございます。
 また、減価償却費、こちらの中には、建物の工事経費などに相当する分やエスカレーターなどの設備の導入費等を含めているところでございます。

○のがみ委員 貸し出すために必要な原価をもとに利用料金を算定していることはわかりました。この原価は展示室の運営にかかるコストでありますから、実際に使われる方に負担していただくというのは、やむを得ないのかなと思います。
 もちろん、今回の利用料金の設定が公正に算出されたものでも、利用者負担がふえることには変わりありません。やはり、これまで浜松町館を利用してきた中小企業の皆様が利用料金の増額に見合う価値を感ずることができて初めて、納得できるものだと考えます。
 こうした観点から、新たな浜松町館では、借りる方々が納得できる機能が向上するのか、その詳細についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の整備に当たりましては、以前の施設において展示会の主催者を対象にしたアンケートの内容や、展示会を主催する中小企業の団体等との意見交換会での要望を、できる限り反映しているところでございます。
 具体的には、展示会の出展レイアウトを取り決めやすくするため、会場はシンプルな長方形のスペースを各階に設けることといたしました。
 そのため、新たな浜松町館では約一千六百平方メートルの展示室を二階から五階に同じ形状で設け、会場内の柱も減らし見通しのきく広い面積の確保を図ったところでございます。
 また、出展者のブースを大型で目立つものとするため、天井を以前の三メートルから五メートルとするほか、重量のある機械類などの展示を可能とするため床の強度は約二倍に高めてございます。
 会議室でございますが、広さが二百五十七平方メートルや百八十二平方メートルのほか八十三平方メートルの三種類を設けまして、こちらを間仕切りを利用してそれぞれを半分のスペースで利用のできる仕組みとするほか、各階の展示室に隣接して二つずつ控室をつくりまして、以前よりも打ち合わせや商談を行いやすい環境を整えてございます。
 また、展示会の出展者の作業を効率化するため、中型のトラックで機材の搬入や搬出ができる駐車スペースをふやす工夫も行っております。

○のがみ委員 利用者にとっては、これまでの浜松町館と比べて、例えば天井が二メートルも高くなって、より大きな製品や作品を展示できたり、また、控室も近くにあって非常に便利だということとか、あと、駐車スペースができているので、搬出とか搬入に非常に便利で、開催準備や片づけの作業が行いやすいことなど、とても魅力的で充実した施設となるとのことでございました。
 浜松町館は、中小企業の販路開拓に役立つ重要な施設であります。今後とも、常に利用者である中小企業に寄り添って、その視点から施設の整備を進めていただくよう要望して、私の質問を終わります。
 以上でございます。

○柴崎委員 私からも、今回の条例改正により設置をされる新浜松町館についてであります。この施設が、その期待される役割と機能を十分に発揮できるかという視点に立ちまして、何点かお伺いしたいと思います。
 産業貿易センターの使命、これは営業活動に多くの人員や資金を割く余裕のない中小企業に対しまして、販路開拓の場を提供することにあるということは、もういうまでもないわけであります。
 そして、新しい得意先との接点や受注の獲得など、貴重な商談機会を提供してくれる展示会や見本市が開催しやすく、所期の成果を上げやすい環境、こうしたものがこのセンターに備わっていることが、大変重要なわけであります。
 そのためには、質の高い商品の提案や工夫を凝らしたPRなど、参加企業側の努力はもちろんでありますが、会場となる施設のつくりに負うところも少なくないわけであります。
 特に、展示会、見本市では、連携先を見つけたい中小企業のみならず、バイヤーや発注企業などがいなければ何も始まらないわけであります。したがいまして、この来場される事業者の目線に立って満足度の高い施設を目指すことを、忘れてはならないと思います。
 そこでお伺いしたいと思いますが、今回整備されます産業貿易センターでは、中小企業を初め来場される方々の利便性を高めるために、どのような機能強化を図るのか、この点について、まずお聞きいたします。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の整備に当たりましては、展示会を訪れる中小企業の利便性を高めるためのさまざまな工夫を行っているところでございます。
 この施設が所在する竹芝地区の再開発によりまして、JR浜松町駅から歩行者用のデッキが浜松町館がある高層ビルの三階まで整備されるため、利用者が来訪しやすいよう、メーンとなる玄関を同階、いわゆる三階に設ける工夫を行います。
 また、「ゆりかもめ」の竹芝駅からの来訪者を施設に受け入れるための連絡通路も整備いたします。さらに、館内になりますが、展示室の間を来訪者が円滑に移動できるようエレベーターのほか、各階をつなぐエスカレーターを導入いたします。
 これらに加えまして、展示室や会議室の場所、そこで行われている内容をわかりやすく伝えるためのデジタルサイネージを施設内に十一台設置いたします。
 一階から三階に入居予定の飲食店等と展示室を自由に行き来のできるレイアウトを生かしまして、来訪者が快適に過ごすことのできる環境づくりに取り組んでまいります。

○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、ハード面の工夫に加えまして、今後は、センターの運営、すなわちソフト面におきましても、円滑な商談、そして販売活動につながるように、努力、工夫をしていただきたいと思います。
 次に、開場時間についてお伺いいたします。
 今回条例で定められたセンターの開場時間は、午前九時から午後九時までということで、旧センターと比べまして大幅に延長されているわけであります。これは利用者の声などを踏まえたものであるということで、我々としても評価をしたいと思っているところであります。
 もっとも、使う側の立場からすれば、貸し出しの運用が実際にどのようになるのか、大変気になるところであります。
 例えば、展示会などを開催する時間や撤去に要する時間は、催事の種類あるいは展示物の内容などによりまちまちであります。また、会議室で行われるセミナーあるいは講演会などは、開催時間が短いものもあれば、丸一日かかってしまうものもあるわけであります。
 こうしたさまざまな利用実態にきめ細かく対応していくことが、利便性を左右する重要なポイントとなると考えますが、都の具体的な対応をお伺いいたします。

○坂本商工部長 新しい浜松町館では、夜間の利用を可能とするため、午前九時から午後五時までの時間帯のほか、お話にございましたように、午前九時から午後九時まで展示会を行うことのできる仕組みとしてまいります。
 また、展示会の後に、レセプションなどを行うニーズが高いことを踏まえまして、午前九時から午後五時まで展示会を開いた後に、一時間ごと最大で三時間まで、追加で会場を使うことのできるきめの細かい対応を行うこととしてございます。
 さらに、会議室に関しましても、午前九時から午後五時までのほかに、午後九時までの利用を可能とするとともに、午前九時からの三時間と午後一時からの四時間の半日の利用に加えまして、新しく午後六時から九時まで夜に三時間だけの会議ができる方式を導入いたします。
 また、午後からの利用のニーズの高さを踏まえまして、午後一時から九時まで会議室を八時間利用する方式も取り入れるなどによりまして、このようなきめの細かい柔軟な会議室の提供を確実に進めてまいります。

○柴崎委員 中小企業からは、予約時の申請作業に手間がかかる、こういった声が聞かれるわけであります。申請手続の簡素化など、ぜひ、中小企業の実態に合った対応が図れるように要望をしておきます。
 最後にお伺いいたしますが、今後の開設準備についてであります。
 産業貿易センターの近年の利用状況は、非常に好調だということであります。一年中フル稼働状態で予約がなかなかとりにくいということも仄聞しているところでありますが、当然、新浜松町館、ここにおきましても、中小企業の利用ニーズは大変多いのではないかと予想されるわけであります。
 それだけ期待の高い施設でありますから、円滑、かつ着実に開設の準備を進めていく必要があると思います。
 また、指定管理者制度、この制度によりまして、ノウハウを持つ事業者を適切に選定していただいて、管理を担ってもらうことはもちろんであります。そして、開業に向けた準備にもしっかりとかかわってもらうことは、効率的かつ効果的な施設運営を図る上で大変重要だと考えます。
 そこでお伺いいたしますが、今後、開業に向けた準備、これをどういうふうに進めていくのか、お示しいただきたいと思います。

○坂本商工部長 新たな浜松町館の事業運営を担う指定管理者につきましては、三十年度中の早い時期に議会の審議を賜りまして、そうした審議を経て決定いたしまして、さまざまな準備を進めていく予定としているところでございます。
 特に、展示室や会議室の利用につきまして三十一年中から受付のできるよう、事前の広報活動や運営に必要となるシステムの整備などに取り組んでまいります。
 二十八年度に開発事業者と締結をいたしました譲渡契約によりまして、平成三十二年八月末までには、施設としての引き渡しを受けて、同年秋には開業することを予定しているところでございます。
 施設の開業に向け、さまざまな手続や準備が円滑に進むように取り組んでまいります。

○柴崎委員 産業貿易センターのような、多くの方々が訪れる公共施設においては、質の高いサービスを提供することはもちろんでありますが、コストの節減などによる運営の効率化、そして、安全や安心の確保といった点にも目を向ける必要があると思います。安定的な施設運営の確保に向けて、引き続きご尽力いただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からも、東京都立産業貿易センター条例の一部改正をする条例について、幾つか質問させていただきたいと思います。
 ちょうど二年前ですけれども、二〇一五年六月に、浜松町館の解体、改築に伴い、条例の中から浜松町館にかかわる規定を削除しました。そして、今回は、浜松町館の新設に伴い、規定を追加するという中身です。
 東京都立産業貿易センター浜松町館は、駅から近くにあり、中小企業や都民にとって活用しやすい施設です。特に、展示場会場は都内で不足をしているという状況であり、中小企業にとっては開場が待たれているものです。
 最初に、東京都立産業貿易センター台東館の改築前の利用率と改築後の利用率はどうなっているのか伺います。また、浜松町館の取り壊し前の利用率はどうなっているのか伺います。

○坂本商工部長 台東館につきましては、設備点検などで使用のできない場合を除いた利用可能な日数のうち、大規模修繕前の平成二十五年度で六九・五%、修繕後の平成二十七年度で七八・三%の利用実績がございます。
 浜松町館が閉館いたしました二十八年度は八四・〇%の利用実績がございます。
 また、一方の浜松町館につきましては、休館前の平成二十六年度では八一・七%の利用実績となっているところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、浜松町館が閉館した後に、台東館の利用率が八四・〇%に上がっているということがわかりました。しかも、浜松町館が閉館した後、台東館の利用もふえているということですから、それだけ中小企業にとっては展示場が必要だということを裏づけているんだと思います。
 我が党は、浜松町館が四年間使えなくなるということについて、仮の展示場を設置すべきだという要望などもしてきましたけれども、やはり中小企業にとって大変大きな役割を持っているんだということを痛感します。
 次に、活用しやすい施設にするために、幾つか伺います。
 利用者の意見はこの間、聞いてきたのかお尋ねいたします。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の整備に当たりましては、以前の施設において展示会の主催者を対象としたアンケートの内容や展示会を主催する中小企業の団体等との意見交換会での要望をできる限り反映してございます。
 その反映ですが、具体的には、展示会の出展レイアウトを取り決めやすくするため、会場はシンプルな長方形のスペースを各階に設けることといたしました。
 会場内の柱も減らし、見通しのきく広い面積の確保を図っております。
 また、出展者のブースを大型で目立つものとするため天井を以前より二メートル高くするほか、重量のある展示物を置けるよう床の強度を約二倍に高めております。
 会議室は三種類の大きさのものを設けまして、間仕切りによりそれぞれを半分のスペースで利用できるほか、展示室に隣接した控室をつくり商談のしやすい環境も整えているところでございます。

○尾崎委員 利用者の要望がかなり反映されて、新しくなる浜松町館は、展示場の柱も減らし、展示しやすくなっているということです。話を聞きますと、エレベーターも大きくなるということも聞いております。今後も、利用者の感想や要望などをよく聞いて、よりよい施設にしていただきたいと思います。
 浜松町駅から産業貿易センター浜松町館に直接行ける通路もできるということですが、展示場を利用する人にとって、駐車場も大事になりますが、駐車場は何台を見込んでいるのか伺います。

○坂本商工部長 現在整備をしている浜松町館では、展示会や見本市などの機材の搬入や搬出を行う荷さばき場にトラックを含めまして二十五台の駐車スペースを確保することとしてございます。
 また、来場者用の駐車スペースといたしまして普通車三十四台分を確保することとしてございます。

○尾崎委員 展示場などを利用する方にとっては、駐車場は必要なものですので、駐車場がふえるということは重要だと思います。
 利用する方々にとっては、利用料金も重要な問題になってきます。今回新設される浜松町館の料金の根拠について伺います。

○坂本商工部長 新しい浜松町館の展示室の上限料金は、以前と同様に受益者負担の考え方に立ちまして、施設の維持と管理に必要な費用のほか、建物や設備の減価償却費を含めて原価計算を行い、これに見合う水準となるように定めております。
 施設の維持等の費用につきましては、人件費や光熱水費のほか、建物の警備委託などの経費を原価に含めております。
 また、減価償却費の中には、建物の工事経費等に相当する分やエスカレーターなどの設備の導入費等を含めてございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、整備費用やランニングコストなどをもとに料金が設定されるということですが、そうなると、新築や大がかりな改築をすると、その分が料金にはね返ってくるということになります。
 そこで、都立産業貿易センター浜松町館について、旧館と新館の展示場の面積はそれぞれどのようになっているか伺います。

○坂本商工部長 平成二十七年まで運営をしてございました浜松町館は、施設の二階に六百八十八平方メートル、三階から五階のそれぞれに一千六百七十九平方メートルの展示場を設けておりました。
 新たな浜松町館では、約一千六百平方メートルの展示室を二階から五階にそれぞれ設けることとしてございます。

○尾崎委員 展示場の面積については、新館の方が全体として大きくなるということです。しかも、柱などが少なくなるということで、展示しやすくなるということです。
 浜松町館の展示場の料金は、一室一日につき五十八万八千円ということですが、浜松町館の利用料金について、取り壊した浜松町館の旧館の展示場の利用料金は、幾らだったのか伺います。

○坂本商工部長 平成二十七年まで運営をしていた浜松町館におきましては、一千六百七十九平方メートルの展示室を八時間利用した場合の料金は、三十五万一千三百円となってございました。

○尾崎委員 展示場は、旧館と新館では、先ほども質疑がありましたけれども、一日の利用時間も八時間から十二時間に広がります。面積も違いますので、一平方メーター一時間当たりの料金について計算してみると旧館と新館の比較の計算が出るので、私も計算してみました。旧館は、一平方メートル一時間当たりで二十六・二円ぐらいです。新館は、一平方メートル一時間当たりが三十・六円になります。この二つを比較すると、新館の料金は旧館よりも約一・一七倍になることがわかります。
 会議室についてですが、新館の上限料金は九万四千四百円ということですが、一日十二時間利用できるわけですけれども、旧館のときには、一日八時間利用できて二万八千円でした。単純に料金だけ見ると非常に値上がったように感じてしまいますので、会議室については、旧館と新館の面積はどうなっているのか伺います。

○坂本商工部長 以前の浜松町館では、会議室のうち最も広い百三十四・五平方メートルのスペースを八時間利用する、そのような仕組みがございました。その場合の料金は、二万八千円となってございました。
 新しい施設では、最も広い会議室は以前の倍近い二百五十七平米となってございます。これを十二時間にわたり利用すると、九万四千四百円が上限の料金となってございます。
 なお、これらの金額を一平方メートル当たりで一時間利用した金額に引き直しますと、以前の浜松町館は二十六・一円となりまして、新しい施設は三十・六円となってございます。

○尾崎委員 会議室について、ただいまご答弁ありましたが、旧館は一平方メートル一時間当たり二十六・一円、新館は一平方メートル一時間当たり三十・六円ということです。比較をすると、新館の料金は旧館の一・一七倍ということがわかります。
 利用する方々は、中小企業や都民になります。今、中小企業の経営は大変厳しく、事業を継続するためにも展示場は大きな役割があります。自社の商品または新商品を多くの人に知らせることや、販路拡大のためのマッチングなどを成功させるためにも展示場は重要になってきます。都立の施設なので、使いやすい料金にすることも大事なことだと思います。
 今後も、利用者の声、要望などをよく聞いて、改善が必要なものは積極的に取り入れていただくことを要望して、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたしたいと思います。
   午後二時二十三分休憩

   午後二時四十分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 報告事項、築地市場における土壌詳細調査結果についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○栗下委員 今回、報告事項として上がってきました築地市場における土壌詳細調査の結果でありますが、そもそもこの調査がどういった経緯で行われて、そして今回、出てきた結果をどのように受けとめていけばよいのかということを確認する意味で、幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、経緯についてでありますが、このたびの調査がなぜ行われたかといいますと、まず五月に、対象エリアの中で百十一地点を設定して表層土調査を行ったということであります。
 そして、その百十一カ所のうちの三十カ所の地点で、ヒ素、フッ素、水銀、六価クロムなど有害物質が安全基準値を超える量を検出されたということで、豊洲などで問題になっているベンゼンについては、今回、この調査では出てこなかったということでありますが、先ほど申し上げたような物質がともかく見つかったということで、それらの物質が地下にどれだけの範囲に及んでいるのか、どれだけの濃度でこのぐらいの有害物質が含まれるのかということを調査したということでありました。
 まず一つ確認すべき点というのは、今回の調査結果によって築地市場用地の安全がどの程度担保されるかという点でありますけれども、この五月に表層土調査を行った百十一カ所の地点、これは築地市場全体からするとごく一部、二十三ヘクタールあるうちの約五%に当たるとお伺いをしておりますが、ごく一部に当たると思います。
 なぜ、これらの地点がそもそも調査をされるようになったのか、最初に設定をされた百十一カ所の地点が何を基準に設定をされたのかお伺いをいたしたいと思います。

○白川事業部長 築地市場における土壌調査は、東京都環境確保条例第百十七条に基づく届け出を行っていなかった合計八件の工事箇所について行ったものでございます。
 ことし三月に環境局へ土地利用の履歴等調査届け出書を提出したところ、汚染のおそれありと判断されたため、ことし五月に概況調査を実施いたしました。
 調査地点は、土壌汚染対策指針に基づきまして、十メートル格子、いわゆるメッシュでございますが、これで調査をすることとされておりまして、この八件の工事箇所を対象として百十一地点の調査を行ったところでございます。
 なお、概況調査では、表層五十センチメートルまでの表層土壌と、深さ八十センチメートル程度から土壌ガスを採取して行いました。

○栗下委員 ありがとうございます。今のご答弁によれば、五月の表層土調査が行われたのは、環境確保条例に基づく届け出を行っていなかった工事箇所が対象であったということでありました。
 そのエリアを、百十一カ所の地点、メッシュを引いて調査を行ったというお話でありましたけれども、築地の土地全体ではないけれども、現状の築地の使い方の上では、この百十一カ所の地点で安全性が確認できれば、少なくとも当座は、築地市場が豊洲に移転をして閉場に至るまで、環境確保条例上の安全は確保できるのだという、このたびはそういった性質の調査であったのかというふうに思います。
 答弁にありましたとおり、百十一地点の表層土調査は、地上から五十センチまでの土壌が対象であったということでありました。
 そして、そのうちの三十地点において基準値超えの有害物質が検出をされたということで、地下にさらに高濃度の有害物質が存在しているかどうか、これを確認していかなくてはならないということで、このたびボーリング調査をするに至ったわけでありますが、具体的にどのように調査を行ったのか、その調査手法の詳細についてお伺いをいたします。

○白川事業部長 この調査で対象とした物質は、概況調査において基準値を超過いたしましたヒ素、フッ素、水銀、六価クロム、鉛の五種類でございます。
 今回のボーリング調査は、深度方向の汚染状況を確認するために行うものでございまして、具体的には、一メートルごとの土壌を原則十メートルの深さまで試料として採取するとともに、地下水の採取を行う調査でございます。
 なお、調査深度につきましては、ヒ素や六価クロムを初めとした第二種有害物質においては、一メートルを一深度として、二深度以上連続で調査物質が基準値内であった深度までが対象となるものでございます。
 今回対象となる土壌調査では、ヒ素が最大七メートルまでの深度で基準超過した地点が一カ所あったほか、五メートルまでの基準超過が二カ所、二メートルまでの基準超過が三カ所でございました。

○栗下委員 ありがとうございます。表層土調査で基準を超えた地点について、地下最大十メートルまで土壌採取をして、有害物質の広がりを確認されたということでありました。そして結果としては、ヒ素が最大で七メートルの深度まで存在をしている地点もあったということであります。
 十メートルまで基準値超えをしている地点が出てこなかったということでありましたので、この結果の中で重要なこととしては、有害物質の分布が最大地下七メートルで調査をしたエリアの中では途切れているということでありまして、地下深くに高濃度のヒ素の原因が非常に大きな形であって、これが地上に上がってきているという形ではないということが、この結果から、うかがい知れるのではないかというふうに思います。
 この検出されたヒ素でありますが、一般にも広く毒物であると認知をされているかと思います。
 もう二十年ほど前になると思いますが、和歌山の毒物カレー事件で、ヒ素が毒物として使われたことなどが多くの方々の記憶に残っているということですので、この結果を報道で目にしたときに心配されるのは、やはりそのイメージ先行で、詳しくは何だかよくわからないけれども、地下の土地に、築地の土地にとんでもない毒物があるんだというイメージを持たれる風評被害が心配されるわけであります。いうまでもなく、これらの物質については、微量であれば自然界にも存在をいたしますし、科学的見地に基づいて、この環境基準の四・八倍の量のヒ素というものが、どれだけのリスクのあるものなのかということを受けとめて、冷静に受けとめていくことが必要なのだろうというふうに思っております。
 そこで、豊洲の新市場においては、既に数え切れないほど確認をされてきていることでありますが、安全基準値、考え方について、いま一度お伺いをしたいと思います。

○白川事業部長 物質ごとの基準は、東京都環境確保条例に基づくものでございます。
 また、この基準は、環境基本法に定められた、いわゆる環境基準と同じ値でございまして、ヒ素の基準値は一リットル当たり〇・〇一ミリグラムでございまして、これは、七十年間、一日二リットルを飲み続けても健康に対する有害な影響がないと定められた濃度でございます。

○栗下委員 ありがとうございます。七十年間もの間、一日二リットルずつ飲み続けて影響はないというのが、この安全基準値の考え方であるということを改めてご答弁いただきましたが、それに基づいていえば、この最大で安全基準の四・八倍という数値は、もちろんその存在について把握はしなくてはいけないと思いますけれども、直ちにこの築地の土地のあり方に、扱われ方に大きな影響を与えるといったレベルのものではないのかというふうに思います。
 築地市場の土地は、かつて米軍のクリーニング工場があったという経緯もあって、あるいは、本当に深刻な汚染があるのではないかという見方も一部ありますけれども、この結果からすると、そういった未知であるがゆえに、これまで増幅されてきた不安を一部払拭する結果ではなかったかというふうに思っております。
 ただし、最初に確認をしたとおり、このたびの調査の対象は、築地のエリア全域ではなくて、その一部の百十一地点の中で行われたことであるということでありますので、今後、再開発を進めていく中では、全エリアの土壌の安全性について改めて確認を行っていく必要があるのかと思っております。
 築地市場におきましては、再開発を進めていく中で、あらゆる可能性を模索していく上でも安全性という面においては、現実のところに加えて、世の人たちがどういったイメージを築地に対して抱くのか。それによって、築地の土地の価値、再開発の価値が大いに変わってくるというところでありますので、ぜひとも市場当局におかれましては、先ほどご答弁いただきました安全基準の考え方を含め、これらが世に浸透しているわけでは必ずしもないというふうに思っておりますので、正確な情報発信について引き続き、努力を行っていただきたいと、このように思っております。
 さて、このたびの表層土調査の三十地点のうち、実際には、この報告書によれば、二十六地点について調査が終了したということでありました。
 残りの四地点についてはどのようにしていくのか、また、このたびの一部有害物質が環境基準以上に、超過で検出をされた、その結果を受けての今後の対応についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○白川事業部長 築地市場における今回の土壌調査は、東京都環境確保条例第百十七条に基づく届け出を行っていなかった合計八件の工事箇所について行ったものでございます。
 詳細調査、ボーリング調査を実施した二十六地点につきましては、環境確保条例に基づき、調査結果の報告書、汚染拡散防止措置完了の届け出書を条例所管局である環境局に提出し、条例上の手続を完了するものでございます。
 詳細調査未実施の四地点につきましては、いずれも営業中の建物内であることを考慮し、後日実施する予定でございます。具体的には、築地市場の豊洲市場への移転後、速やかに詳細調査を実施し、条例上の手続を完了するものでございます。

○上野委員 先ほどのご答弁にありましたように、一連の環境確保条例の手続について、都からは、近々完了する予定というふうな答弁がございました。
 この土壌調査の手続は、土壌汚染対策法に基づく自主申請もあります。
 そこで、まず初めに、土壌汚染対策法に基づく自主申請手続の内容と予定についてお尋ねします。

○白川事業部長 今回の土壌調査は、東京都環境確保条例に基づく届け出を行っていなかった工事につきまして、条例上の手続の一環として行ったものでございますが、環境局と協議の上、土壌汚染対策法に基づき、汚染区域指定のため、自主的に申請を行うものでございます。
 この区域指定のための自主申請の手続は、表層土壌調査において基準値を超過した三十地点でございます。
 自主申請は平成二十九年度中に実施予定でございまして、環境局が審査の上、土壌汚染対策法に基づく区域指定を行うこととなるものでございます。

○上野委員 今のご答弁にありましたように、土壌汚染対策法上の手続も、今年度中、末までには申請を行って、環境局の審査を受けるということでございますが、その後は、自主申請を行うことにより、審査というのはどのように進んでいくのかお尋ねします。

○白川事業部長 自主申請を行う三十地点につきましては、環境局に申請をした後、環境局の審査によりまして、要措置区域または形質変更時要届け出区域に指定されることとなります。
 要措置区域とは、汚染の除去等の措置が必要な区域でございまして、形質変更時要届け出区域とは、汚染の除去等の措置は必要ないが、土地の形質変更時には届け出が必要な区域でございます。

○上野委員 法的な話もされました。区域指定がどのようなものか、そのことについては理解をさせていただきましたけれども、環境局の審査によりまして、要措置区域になるのか形質変更時要届け出区域になるのか、どちらかに指定されるということになるということだと思います。
 築地市場は、豊洲市場へ移転する来年十月までは、生鮮食料品流通を支える日本の基幹市場としての役割を果たしていくことが必要であるのはいうまでもありません。
 今回の土壌調査の結果では、表層土壌調査では、三十地点で基準超過があったものの、ボーリング調査では、ヒ素のみ八地点まで絞り込まれて、六価クロムや水銀など他の有害物質は浅い地層に限定されているということでございましたので、ある意味、軽微な結果といえると思います。
 このため、土壌汚染対策法も含め手続を行うことによりまして、形質変更時要届け出区域の指定になる可能性は恐らく大きいのではないかと、このように私も考えているところでございまして、そこで、この形質変更時要届け出区域となった場合に、築地市場用地では、対策を何か講ずる必要があるのかないのか、この点についてお尋ねします。

○白川事業部長 築地市場用地は、敷地全体がアスファルトやコンクリートで舗装されており、市場内に飲用井戸もございません。
 このため、土壌汚染の摂取経路がないことから、形質変更時要届け出区域に指定された場合には、特段の対策は必要ないと考えておるところでございます。

○上野委員 今のお話を聞いて、多くの方も安心されたなと、こういうふうに思います。
 さて、先週、十二月五日に開催されました関係局長会議、これですね。(資料を示す)市場長も参加されていらっしゃる。この豊洲市場への移転及び築地市場跡地のオリンピック・パラリンピックの活用に向けたスケジュールというのが、このように示されております。
 これを見ますと、来年十月中旬に市場移転がされた後、待ったなしで、跡地では解体工事、そしてオリンピック・パラリンピックの輸送拠点整備、また、環状二号線工事と、これが同時並行で進んでいくと。こういうふうなスケジュールになっているわけでございます。
 そこで、このスケジュールには、環状二号線地上部分の道路の整備に当たって、工事に入る前に土壌調査というのがあります。この土壌調査を実施するようになっておりますけれども、実際、解体工事も急ピッチでやらなきゃならない。そういった意味での相互の工程がどうなっているのかお尋ねします。

○白川事業部長 環状第二号線整備工事における土壌調査につきましては、環境確保条例に基づきまして、土地利用の履歴等調査届け出書を平成二十八年三月二十五日に建設局が環境局に提出しているところでございます。
 市場の移転後、この地歴調査の結果、汚染のおそれがあるとされた箇所につきましては、解体工事と並行して土壌調査を実施することとなるところでございます。

○上野委員 解体工事は、環状第二号線部分を先行して実施すると。環状二号線で必要になる土壌調査は、解体工事と並行して行うというご答弁だったと思います。
 工程の調整を初めとした、いわゆる関係者間の検討、これはぜひとも進めていただいて、さまざまな工夫を重ねながら、ぜひともオリンピック・パラリンピックに間違いなく間に合うよう、環状二号線の整備、この工程調整というのを市場当局においてもしっかりと取り組んでもらいたい。もう絶対におくれてはならない、大命題でございます。
 ただ、私はちょっと心配しているのは、この土壌調査の結果、仮に土壌汚染が確認されれば、これは当然に、掘削が伴うような工事が多いですから、土壌汚染対策工事というのを先に行わなきゃならない。
 その際、あの地域の特性として、すぐそばに築地川本線がある。また、隅田川がございます。そうした公共用水域、汚染を防止するために、初めに、環境局との調整になるでしょうけれども、遮水壁を打設しないと工事はしていけませんよというような可能性が出てくるわけであります。
 そうなりますと、環状第二号線本体工事そのものが遅延する可能性がないとはいえない。そのことを私は大変懸念しているところでございますので、どうか中央卸売市場、そしてまた建設局、環境局ともに関係局としっかり調整した上で、決して工事がおくれないように努めていただきたい。このことをまず要望しておきます。
 また、オリ・パラ輸送拠点の駐車場については、解体工事と早期着工の一部について調整しながら、平成三十年度末から整備される計画となっております、このスケジュール表を見ますと。これは、できるだけ土壌汚染調査が必要にならないよう施設整備を進めるとも聞いております。
 この土壌調査のところが点線で囲ってあるんですね。実線じゃないんです。それは、そういう意味があるんだろうと思いますけれども、スケジュールでは、先に土壌汚染調査を行うようになっているわけでございますので、オリ・パラ輸送拠点の土壌調査と解体工事、土壌調査が始まる場合はですね。その相互の関係、工程調整も含めてのことになりますけれども、どのようになるかお尋ねします。

○伊藤委員長 挙手をお願いします。

○白川事業部長 輸送拠点の土壌調査と解体工事の関係でございますけれども、中央卸売市場とオリンピック・パラリンピック準備局におきましては、市場移転後の解体工事と東京大会輸送拠点整備につきまして、工程調整を実施しているところでございます。
 この輸送拠点でございますけれども、大規模な駐車スペース、これを設けるほか、諸施設を配置する予定でございまして、土壌調査が必要となった場合には、綿密な工程調整のもと、解体工事と並行してオリンピック・パラリンピック準備局において実施することとなるものでございます。

○上野委員 大規模な駐車場、このスペース、この整備内容、また、その期間については精査中ということだと思いますけれども、解体工事と並行して駐車場を整備するということですが、オリ・パラ輸送拠点で必要となる土壌調査も、工程の調整を初めとした関係者間の検討を進めていただいて、さまざまな工夫を重ねながら、オリンピック・パラリンピックに間違いなく間に合うように、市場当局におきましても、解体工事について工夫するなど、平成三十一年度まで取り組んでいただきたいということを重ねて要望しておきます。
 また、オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、関係各局が横の連携を緊密にしながら協議を進めていただき、さまざまな工夫を重ねながら取り組んでいただきたい。
 さて、今回の築地市場における一連の土壌調査、環状二号線で必要となる土壌調査、さらには輸送拠点で実施する土壌調査、これらの調査は、築地市場の敷地二十三ヘクタールの用地全体の規模からすると、先ほども話題になりましたけれども、わずかであります。
 そこで、二〇二〇年大会開催までにこの土壌調査、行うと書いてありますけれども、どのぐらいの規模になっているのかお尋ねします。

○白川事業部長 築地市場の解体工事でございますが、土地改変を伴わない地上部のみの撤去、除却を行うものでございまして、土壌調査の実施予定はございません。
 環状二号線整備工事及び東京二〇二〇大会の輸送拠点の整備につきましては、地歴上、汚染のおそれがある敷地の一部について改変を行う場合には、市場の移転後に、解体工事と並行して土壌調査を実施することとなるものでございます。
 この土壌調査の規模につきましては、環境局と協議を経て明らかになっていくものと考えております。

○上野委員 なかなか今の答弁でも明らかにされていませんけれども、土壌調査の規模というのは定かでないということでしょうけれども、築地市場の敷地全体からいたしますと、いずれにしても小さい規模でありますので、その区域以外はどういう調査をオリンピック・パラリンピック前までにやるだろうという、この区域以外は恐らく二十ヘクタール近く残るのではないかなと思います。
 この大きな敷地が、今後の再開発に伴う土地改変の際に土壌調査が行われることになりますけれども、専門家の平田先生も、築地市場の土壌は、今後の土地改変等の際に行われる調査の結果を見て判断する必要があるとコメントされていらっしゃいます。
 そこで、跡地全体を本格的に土壌調査する見通しについてお尋ねします。

○白川事業部長 築地再開発につきましては、築地再開発検討会議におきまして、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど、まずは幅広い視点からの検討をスタートしているところでございます。
 来年度にかけまして、民間からのヒアリングを行いながら、都として、まちづくり方針として取りまとめる予定となっております。
 その後、民間の知恵やノウハウを生かすため、事業者からの提案募集や、それに基づく必要な設計、都市計画等の手続などを進めながら、必要な土壌調査が行われていくことを想定しております。

○上野委員 先ほどの十二月五日の市場移転に関する関係局長会議で出されました築地市場跡地のスケジュール表を見ますと、やはりどうしても、本格的に敷地内の土壌調査を行うことができるのは、オリンピック・パラリンピック競技大会閉会後の平成三十二年度後半あるいは平成三十三年度以降とならざるを得ないのかなと、このスケジュール表から、そう見えてきます。
 この点について、都の見解を求めます。

○白川事業部長 検討会議の進捗状況によりますけれども、築地市場跡地の再開発が例えば大規模な再開発となる場合には、工事の規模、工法にもよりますが、必要となる土壌調査の規模もそれに相応したものとなることと考えております。
 いずれにいたしましても、土壌調査につきましては、法令に照らしまして必要となる調査を実施することと考えております。

○上野委員 今聞いているのはそうではなくて、オリンピック・パラリンピック競技大会閉会後の平成三十二年度後半か、あるいは平成三十三年度以降に土壌調査というのはならざるを得ないと、調査がね。再開発はそれ以降です。その再開発の前にやろうというわけですから。その時期を私は、いってるのであって、そちらの方はどうですか。東京都として、その点について。
 このスケジュール表から見ると、どこにもないんです、その約二十ヘクタールの築地跡地が。これから再開発をしようというところについて、いつ土壌調査をやるのかが、表に出ていない。オリンピック・パラリンピック競技大会までしか出ていない。
 だから、これ以降になるんですねと、そういうふうに考えていいんですかということを聞いているわけです。

○白川事業部長 検討会議の内容にもよりますけれども、オリ・パラ輸送拠点の部分、それから環状二号線の部分、それぞれで、副委員長おっしゃったように、事前に土壌調査を行うこととなります。
 それ以外の部分につきましては、環境局と協議をしながら、まさに副委員長おっしゃったように、機能検証等が終わった後に土壌調査をすることになろうと考えております。

○上野委員 オリンピック・パラリンピック競技大会以降に再開発になると、先ほどの答弁でありましたように、再開発の際には、工事着工前に必要な土壌調査が行われることになるというふうな答弁もありましたから間違いなく、そういう意味では平成三十二年度後半あるいは三十三年度以降、早くても三十三年度、そういった状況に見えてくると。
 これから大切なことは、築地市場の敷地では、豊洲市場への移転後、跡地は臨海部と都心をつなぐ環状第二号線の整備、また、オリンピック・パラリンピックの大会関係者の移動を支える輸送拠点の駐車場整備を行っていくということでありまして、これは最優先であり、絶対おくれてはなりません。
 築地再開発については、現在、都市整備局が中心となりまして、再開発検討会議において検討が進められておりますけれども、再開発のスケジュールに関するこれまでの都議会における質疑では、来年五月を目途に築地まちづくりの大きな視点として整理し、来年度にかけて、民間からのヒアリングなども行いながら、まちづくり方針として取りまとめる予定であり、その後、必要な手続等をおおむね三年程度かけて行い、五年以内のできるだけ早い時期に着工することを目指していく旨、都市整備局は答弁しております。
 つまり、まちづくり方針は平成三十年度内に取りまとめて、その後に、平成三十一年度から三年間で、各種の設計、都市計画手続や環境影響評価、埋蔵文化財、土壌調査など所要の手続を行い、できる限り早い段階、すなわち、先ほどからいっています平成三十三年度末には再開発に着工するという、こういう考え方を都市整備局は持っているわけです。
 そこで、大事なことですので再度確認させていただきますけれども、築地再開発で必要となる土壌調査が具体的に開始されるのは、東京二〇二〇大会終了後の平成三十二年度後半あるいは平成三十三年度以降とならざるを得ないということであります。
 ところが、都市整備局は、先ほど話しましたが、五年以内のできるだけ早い時期に再開発に着工することを目指してまいりますといっております。まちづくり方針の取りまとめが三十年度末と答弁されておりますので、三十三年から三十四年度に再開発に着工するということになるわけであります、都市整備局の考え方は。
 しかし、先ほど話しました三十三年度は、局長会議のスケジュールからも、土壌調査を行い、これまでの地歴調査から考えますと、土壌汚染対策工事が行われる可能性は極めて高い。また、すぐ隣が隅田川です、先ほどと同じ。汚染流出防止のための遮水壁設置工事を行う、こういうことも想定されるわけであります。そしてその後、埋蔵文化財の調査もあるわけです。
 とても平成三十三年から三十四年度中に再開発の着工というのは、私はスケジュール的に極めて厳しいと、こういわざるを得ないと考えているわけであります。
 今後、都市整備局は、築地再開発検討会議においてしっかり議論を進め、これまでの説明の根拠を示していく必要があると思います。
 さて、今回の築地市場における土壌調査、概況調査の結果がことし五月の本委員会で質疑が行われ、ボーリング調査の結果を本日の質疑を行うことによりまして、一つの区切りになると聞いております。
 そこで、最後になりますけれども、これまで行ってきた一連の土壌調査を市場長はどのように考えているのか所見を伺い、私の質問を終わります。

○村松中央卸売市場長 今回の土壌調査は、過去のさまざまな工事におきまして環境確保条例上の手続を行っていなかったことを受けて、これに対応したものでございます。
 本年五月に実施いたしました概況調査、九月から十一月にかけて実施いたしました詳細調査の結果を届け出ることによりまして、一連の手続は完了することとなるものと考えております。
 今回の件を契機に、市場当局では、条例上の届け出漏れ等がないよう、法令手続全般にわたりまして局内の総点検を実施し、その徹底を図っているところでございまして、今後、行政手続に万全を期すよう取り組んでまいります。

○山崎委員 私からも、築地土壌詳細調査の結果からいろいろと判明したことについて、お尋ねをしていきたいと思います。
 先ほど来、各委員から質問がありました。若干重複をしてしまいます。ちょっと質疑の前と後ろの流れ等もあるので、その辺はご容赦をいただきたいと思います。
 十一月の二十二日に、築地市場の土壌詳細調査の結果が公表されました。
 築地市場には、ご承知のとおり、かつては米軍のクリーニング工場、また、日本軍の軍事研究所もありました。また、病院の施設もありました。ほかにもさまざまな地歴があります。
 地歴からは、有害物質による汚染が疑われていました。そして、ことし、築地市場の土壌から、科学的な事実として、基準を超える有害物質が検出されたわけであります。
 今回の詳細調査に先立つ五月、都は概況調査を公表いたしました。確認のために、この概況調査の内容と結果を詳しく、もう一度教えてください。

○白川事業部長 ことし五月に実施をいたしました概況調査では、過去に届け出漏れのあった八件の工事箇所を対象といたしまして、百十一地点で、表層五十センチメートルまでの土壌と、深さ八十センチメートル程度から土壌ガスを採取し、調査を行ったところでございます。
 概況調査結果は、土壌ガス調査、一地点で有害物質一種類、ベンゼンでございますが、これを検出いたしまして、表層土壌調査、三十地点で有害物質五種類、ヒ素、フッ素、水銀、六価クロム、鉛が基準値を超過したものでございます。
 なお、概況調査におきまして一地点で検出されたベンゼンにつきましては、六月に詳細調査を実施した結果、不検出でございました。

○山崎委員 ありがとうございます。
 六月の二十日、知事は豊洲を生かすとして豊洲市場への移転を決定いたしました。
 もう一つの方針、築地は守る。これは十月から築地再開発検討会議を開催しております。これは現在進行形であります。
 今、答弁にもありましたが、概況調査では、六価クロム、水銀、フッ素、鉛などが検出をされ、五月の土壌ガス調査では、ベンゼンが出ておりました。
 今回の詳細調査は、概況調査で明らかになった地点を、有害物質に絞って詳細調査を進めたと聞いております。
 そこで、今回の詳細調査の内容と結果をもう一度詳しく教えてください。

○白川事業部長 今回のボーリング調査では、概況調査で有害物質が基準値を超過した三十地点のうち二十六地点について、土壌及び地下水の調査を実施いたしました。
 残りの四地点につきましては、営業中の建物内であることを考慮し、今回の調査では詳細調査を実施せず、豊洲市場へ移転後に実施することといたしました。
 調査対象の有害物質は、基準値を超過したヒ素、フッ素、水銀、六価クロム及び鉛の五種類でございます。
 調査の結果、土壌調査では六地点でヒ素が基準値を超過し、地下水調査では四地点でヒ素が基準値を超過いたしました。
 土壌調査と地下水調査の基準値超過地点のうち二地点で重複があるため、合計では八地点の基準超過となっております。
 フッ素、水銀、六価クロム、鉛につきましては、いずれも基準値以下でございました。

○山崎委員 詳細調査の結果でも、ヒ素が地下の部分に存在していることがわかったわけであります。
 問題は、こうした有害物質が特定のエリアに集中しているかどうかであります。
 そこでまず、五月の概況調査で基準を超える有害物質が検出された地点、特定エリアに集中していたのか、それとも広く分布をしていたのか伺います。

○白川事業部長 基準値を超える有害物質が検出された三十一地点は、八件の工事区域の全てにわたっていたところでございます。
 豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議の座長である平田先生からは、八件の建設工事の全区域で環境基準超過が確認されており、地歴、土地利用の経歴からはそれらの原因が推定できないことから、敷地内の他の区域についても似たような状況にあることが懸念されるとのコメントをいただいているところでございます。

○山崎委員 有害物質が特定のエリアに集中して検出をされたわけではない。八エリア全てで検出されたとのことであります。広がりを見せていることは明らかであります。
 答弁にもありましたが、平田座長のコメントでは、概況調査の時点で、敷地内のほかの区域にも汚染が広がっていることを懸念されております。そういうコメントがございました。
 それでは、詳細調査ではどうだったでしょうか。
 そこで、詳細調査では深さ方向の汚染の状況を中心に確認しますが、基準を超える有害物質が検出された地点は特定のエリアに集中していたのか、それとも広く分布をしていたのか教えてください。

○白川事業部長 詳細調査におきましては、ヒ素のみが基準値を超過しておりまして、概況調査と比較すると、深部での基準値超過は二十六地点中八地点となり、絞り込まれたところでございます。
 基準値を超過したヒ素は、深さ方向について、区域的な偏りがあることが確認されたところでございます。
 六価クロム、水銀、フッ素、鉛は、詳細調査においては基準値以下であったことから、今回の調査対象地点では、土壌汚染が浅い地層に限定されていると考えられるところでございます。

○山崎委員 今の答弁の中でも、有害物質が、深さ方向では区域的な偏りがあったとのことです。
 しかし、報告資料の調査地点図を見ると、特定のエリアではなく、市場内で広く検出されたことがわかります。
 そして、また専門家会議の平田座長は、地下の深い部分にある汚染について、自然由来あるいは埋立材由来である可能性も考えられるとコメントをしたそうであります。
 自然由来や埋立材由来ということになれば、一カ所に集中して汚染が存在しているというよりは、汚染が広範にわたって存在すると考えるのが一般的ではないでしょうか。
 平田座長は、今回の調査対象とした区域以外、つまり築地市場全体について、どのように判断していく必要があるとコメントをしているのか伺います。

○白川事業部長 平田先生からは、今回調査対象とした区域以外については、今後の土地改変等の際に行われる調査の結果を見て判断する必要があると伺っております。

○山崎委員 今の答弁の意味をするところは、築地の再開発工事のときに行われる土壌調査の結果を見て判断する必要があると、平田座長はおっしゃっているのであります。
 そもそも築地市場の再開発、この案のやり方やスケジュールというものは、基準超えの土壌汚染を織り込んでおらず、その前提はもはや崩れたと私はいわざるを得ません。基準を超える汚染土壌が現に存在していることを出発点として、築地の再開発を考えていかなくてはならない、そういうことであります。
 つまり、築地の再開発とは、相当程度の土壌汚染のある築地市場用地の再開発ということになります。ここで考えなければならないのは、土壌が汚染されている現実を前にして、いつ再開発に着手できるかということであります。
 土壌汚染調査は、築地市場用地全域をメッシュに区分して調査を進めることになりますが、相当程度の調査期間がかかることになります。これに加え、松平定信邸があったことを考慮に入れれば、埋蔵文化調査にも相当程度の時間がかかります。
 結局のところ、先ほども上野副委員長が質問されておりましたが、築地再開発の五年以内に着工ということは、到底無理なことであります。
 築地に食のテーマパークを設置する構想は、長い歴史の中で市場関係者が築いてきた、いわゆる築地ブランドをよりどころにしております。それは、築地市場の汚染の実態がよくわからない、あるいは、あえて考えたくないという心理に支えられたからの安心感であります。ですから、科学的事実が判明しつつある今、その安心感には根拠がありません。
 皆さん、忘れていませんか。豊洲市場の安全性は、法的にも科学的にも安全であるにもかかわらず、小池知事みずから問題を大きくして、都民の不安をかき立ててきたこと。
 築地市場用地を再開発して食のテーマパークをつくるのであれば、当然、豊洲市場に求めてきた水準が不可欠であると私は考えます。これが論理的結論であります。
 十一月二十七日の第二回築地再開発検討会議では、築地市場の汚染について言及することなく、各委員が食の施設を設ける提案を次々としたということであります。
 私はまず、築地市場の現況というものを検討会議の委員、メンバーの方々はどこまで理解をしているのか、私には不安だらけでなりません。誰もが、何もないところで始める再開発というもので発言をされていることにも、本当にこのままでいいのだろうかというふうな考え方になってしまうのは、私だけではないと思っております。
 そして、豊洲には厳しく、築地には甘く、小池都政で一貫したこのダブルスタンダードがかいま見えてきました。程度問題として、築地市場の土壌汚染には目をつむるのだとしたら、こんなご都合主義はありません。
 一方で、法令上の安全が確保された豊洲について、地下水がいまだ環境基準以下でないから安心できないとの主張が、今なおなされております。
 しかし、築地では基準以上の値が出た今、どのようにいい繕うのでしょうか。矛盾はどんどん広がっていってしまいます。そしてさらに、いい繕うことにしゃかりきになる。そんな負の連鎖が生じていないでしょうか。
 豊洲は、もともと安全なのだから、今さら安全宣言は必要ないとの主張を、都民ファーストの政調会事務総長の小島敏郎氏は、当時、市場問題PTの報告書で述べておりました。
 だったら、なぜ追加対策工事は必要なのでしょうか。なぜ追加対策工事の前に、安全であることを表明しないのでしょうか。なぜ安全・安心の発信は、しかるべき時期なのでしょうか。そのとき、知事はどのような責任を負うのでしょうか。
 代表質問でも、我が党の鈴木政調会長が提言をいたしましたが、現在でも安全宣言はできますし、そうすべきであります。できるだけ早く安全宣言をするよう、改めて忠告をしておきます。
 知事は、第二回築地再開発検討会議の最後の二十分程度、出席をしたそうであります。各委員からなされた食の施設の提案を聞きながら、築地にどのような土壌汚染対策が必要なのかと思いをめぐらせたのであるか、どうでしょうか。機会を見て、改めて知事にもお尋ねしようと思います。
 さて、今回の土壌汚染調査の結果を受けて、今後どのような手続を進めていくのか見解を伺います。

○白川事業部長 今回、詳細調査を実施いたしました二十六地点につきましては、環境確保条例に基づき、調査結果の報告書、汚染拡散防止措置完了の届け出書を条例所管局である環境局に提出し、条例上の手続を完了するものでございます。
 残りの四地点につきましては、豊洲市場への移転後、速やかに調査を実施し、手続を完了する予定でございます。
 土壌汚染対策法に基づく、区域指定に係る自主申請につきましては、平成二十九年度中に実施予定でございまして、区域指定は環境局が審査の上、行うこととなるものでございます。

○山崎委員 念のため伺いますが、今回の土壌調査のきっかけとなった手続ミス、これはほかの市場であったかどうか確認をしておきたいと思います。
 そこで、ほかの市場の調査状況はどのようになっているのか伺います。

○白川事業部長 今回、築地市場におきまして届け出を行っていなかったことを受けまして、全市場において調査を行ったところ、届け出を行っていた大田市場、該当工事がなかった多摩ニュータウン市場、これらを除く八市場におきまして、二十件の工事で環境確保条例上の届け出を行っていないことが確認されたところでございます。
 これら八市場につきましては、現在、地形図、住宅地図、航空写真などをもとに土地利用の履歴調査を行っておりまして、必要があれば土壌調査等を行うこととなるものでございます。

○山崎委員 ぜひ、届け出を行っていないところがあったと確認されておりますけれど、そういったことは、今後は絶対ないように、そして、ほかの市場も含めて、しっかりと実務を進めていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 昨年、国では、農業競争力強化プログラムが発表されて以降、この一年、卸売市場法をめぐり、市場関係者の間で、市場の取引ルールをどのようにするかなどの議論が行われてきました。
 十一月二十四日には、規制改革の名のもと、これまで市場が果たしてきた役割を無視した市場不要論が浮上しました。しかし、政権与党である自民党は、各部会、農林部会や、また水産部会などを通じて卸売市場法廃止への流れをとめました。
 卸売市場の公共性は、生産者にとっても消費者にとっても重要な役割を果たしているというのが我々の考え方であります。この委員会や特別委員会でも、このことを基本に議論をしてきました。
 その結果、十二月八日には、国は、市場法を生鮮食料品流通の核として位置づけ直し、共通ルールのもとで、市場ごとの実態を踏まえた市場づくりを目指す内容として決定をいたしました。
 もちろん都では、目下、取り組まなければならないのは、豊洲市場の移転準備であります。千客万来施設の問題は、都と江東区との行政同士の問題であり、市場業界も、自分たちの豊洲市場への移転を遮る問題だとは思っていません。このように、市場当局には大きな課題を乗り越えていかなければなりません。
 今回の土壌汚染調査は、環境確保条例に基づく届け出漏れを受けて行われたものだそうでありますが、届け出漏れの原因となった工事は、耐震化など築地市場の課題を踏まえて実施された工事と聞いております。
 これまでも、築地市場と豊洲市場について、昨年度の予算特別委員会において多くの時間を割いて質疑をし、知事のダブルスタンダードを指摘してきました。こうした質疑を踏まえて築地市場の調査が実施され、今回の調査で、手続ミスは一つの区切りを迎えているともいえます。
 これまでの議論で、築地市場の土壌汚染は明白であります。しかし、安全には、問題は今のところありません。
 築地市場自体が抱えるさまざまな問題を踏まえれば、改めて豊洲市場への移転を進める必要があり、移転、そして準備を急ぐべきであります。
 それでは、改めて市場長の決意を伺います。

○村松中央卸売市場長 今回の調査によりまして、築地市場の一部の土壌について汚染のあることが明らかになりましたが、地上部分はコンクリートやアスファルトで覆われており、豊洲市場と同様に、法的、科学的に安全な状況であると認識しております。
 豊洲市場への移転は、築地市場の抱える老朽化や狭隘化といった課題を踏まえて実施するものでございます。
 現在、市場業界との調整を経て、来年十月中旬に開場することが決まっておりまして、今後、具体的な移転期日等について調整してまいります。
 また、開場に向けて追加対策工事を着実に進めるとともに、造作工事や習熟訓練を初めとする準備を業界と連携して進めてまいります。
 さらに、受け入れ区でございます江東区に対して、千客万来施設を最優先で整備することなど、都の取り組み方針を丁寧に説明し、理解を求めてまいります。
 こうした取り組みを一つ一つ積み重ね、豊洲市場へ早期に移転できますよう全力で取り組んでまいります。

○山崎委員 今、土壌汚染、そして調査のことについても市場長から答弁がありました。
 調査がやはりまだまだ不十分なところは、私はあると思います。しっかり築地全体の調査をやっていくことは、後々必須になることは明らかであります。しっかり最後まで、十分な調査をやるべきことはやる。改めて求めておきたいと思います。
 最後に、築地も豊洲も安全だというのであれば、知事は今でも豊洲市場の安全宣言を出せるのではないでしょうか。
 市場長、すなわち安全宣言を出すように、知事にぜひ進言をしてください。今の段階で市場長が進言をされているかどうか、それも含めて、知事に対してどういう態度を市場長として行っていくか、改めて決意を教えてください。

○村松中央卸売市場長 安全宣言につきましては、今回の本会議でも知事からご答弁しておりますけれども、いろいろな行政手続、農林水産省の認可だとか、そういった手続もございます。また、追加対策工事を着実に進めなければならない。そういった命題もございます。
 そうした一つ一つの手続なり課題を乗り越えて、その後、しかるべき段階で、安全、そして安心に向けた発信を知事みずから行うということとなっております。
 こうしたことをきちんと果たせるように、私からも、もちろん市場当局といたしましても、知事には進言なりしていきながら、しかるべき段階できちんとした発信ができるように努めてまいります。

○山崎委員 今、市場長がお答えになったのは、知事がいってきたこと、知事が発言をされていることに対してのお話だったと思います。もちろん、市場長の立場もあると思います。
 しかし、この中央卸売市場の、やはり市場長はトップであるわけですから、皆さん理事者の、また、役人の皆さんの代表なのですから、その思いというものをしっかりと受けとめて、いうべきところは知事にはっきりいう。必ず私は達成をしていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、知事は豊洲市場移転問題を、正直、ここまで来ると、もてあそび、八方美人的に振る舞ったあげく、国政選挙にも手を出し、都政に専念していないと多くの都民に厳しい批判を受けております。
 その間にも、税財源の問題を初め、都は不利な状況に陥っているように思います。知事の責任は重いといわざるを得ません。これを評して、自業自得だという人もいます。また、荒唐無稽だと発言をされている方もいます。
 そして、入札契約制度の改悪しかり、オリンピックの準備のおくれしかり、負のスパイラルに陥るばかりであります。それどころか、都の行財政運営に大打撃を与えかねません。
 我々都議会自民党は、都の行財政運営を横断的に検証、そしてチェックをする特別な体制の必要があると考えております。
 年明けには予算議会もあります。都民の負託を受けた都議会の使命を果たすべく、我々都議会自民党は、都政に必要な提案をこれからもしてまいります。
 そして、環状二号線、オリンピック、これからもその全ての都政のこの政策、支障のないよう、最後まで気を緩まず行ってもらいたいことを、そして我々も責任を持って前に進めていくことをここで表明しておきたいと思います。
 長々となりましたが、以上で質問を終わらせていただきます。

○尾崎委員 私の方からも、築地市場における土壌詳細調査結果について伺います。
 築地市場において、環境確保条例に基づき実施した五月の概況調査、表層土壌調査を実施した百十一地点のうち、有害物質五種類が基準値を超過した三十地点で土壌詳細調査、ボーリング調査を行い、その結果、土壌ボーリング調査で六地点、地下水調査では四地点でヒ素が環境基準を超えました。
 そこで、幾つか確認のために質問をいたします。
 ヒ素について、環境基準を超えているという結果になりましたけれども、専門家会議の平田座長らが見解を出しています。
 その中で、汚染原因は自然由来あるいは埋立材由来である可能性も考えられるということですが、その根拠について伺います。

○白川事業部長 ヒ素は、土中や水中に広く存在している重金属の一種でございまして、毒性があることから、環境確保条例においても第二種有害物質として指定されているものでございます。
 専門家からは、今回行った調査のヒ素の基準超過については、海水や、海底に堆積した地層に含まれるレベルであり、自然由来あるいは埋立材由来の可能性も考えられると聞いております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、今回行った調査のヒ素の基準超過については、海水や、海底に堆積した地層に含まれるレベルだということでした。
 そして、自然由来あるいは埋立材由来の可能性も考えるということですから、確固とした根拠ではありませんが、人為的な汚染ではないということがはっきりしたのだと思います。
 そこで、埋め立ての際はどこから土を持ってきたのか伺います。

○白川事業部長 築地市場の敷地は、江戸時代には松平定信の下屋敷があり、しゅんせつ土砂や、明暦三年、一六五七年の明暦の大火の瓦れきを用いて築かれた土地であるといわれております。
 昭和に入りましてからは、池や隅田川を初めとした河川の水面を埋め立てたという記録が残っております。
 江戸時代の埋立材はもとより、昭和における埋立材につきましても詳細な文献はなく、どこから持ち込まれたということについては明らかではございません。

○尾崎委員 江戸時代に埋め立てられたということです。
 ただいまのご答弁では、詳細な文献はなく、どこから持ち込まれたものなのかは不明だということでした。
 それでは、今後の安全対策はどのようにするのか伺います。

○白川事業部長 築地市場用地は、敷地全体がアスファルトやコンクリートで舗装されておりまして、市場内に飲用井戸もないなど、法令上、問題はございません。
 今後、豊洲市場へ移転するまでの間、市場運営に支障のないよう、必要な路面補修等につきまして適切に対応してまいります。

○尾崎委員 ただいまの答弁の中でも、今後の安全対策は特別必要ないということです。
 今回の詳細調査で環境基準を超えるヒ素は検出されましたが、特別な対策が必要であるものではないということ、敷地全体がアスファルトやコンクリートで舗装されているから安全だというようなことが答弁されたと思います。
 一方で、豊洲新市場用地は東京ガス工場跡地で、発がん性物質のベンゼンが環境基準の四万三千倍、シアンが環境基準の九百三十倍を初め、ヒ素や水銀などの有害物質で高濃度汚染されていました。
 都はこれまで、汚染を環境基準以下に浄化する無害化を都議会と市場業者、都民に約束し、専門家会議の提言をもとに土壌汚染対策を行いましたが、当初の試算よりも二百七十四億円も膨らんで、八百六十億円もかかっているのに、今回、追加の三十億円の対策も必要になってきています。
 しかも、地下水モニタリングは、第九回目のベンゼンは環境基準の七十九倍も検出され、その後の追加調査の中では、ベンゼンは環境基準の百倍になっています。
 そして、ことしの五月から八月の調査では、ベンゼンは環境基準の百二十倍も検出され、ヒ素や、環境基準では出てはならないとなっているシアンまで検出されています。
 私たちも、土壌汚染の専門家の方から話を聞きました。豊洲新市場用地の土壌汚染の汚染の内容と、築地市場のものとは比べようになるものではないと。
 豊洲新市場は、土壌も地下水も環境基準以下に抑えるという、無害化するのが都議会でも付帯決議としたものです。
 しかし、小池知事がこの無害化の方針を投げ出して、豊洲新市場への移転を推進しています。このようなことは絶対に許されるものではありません。
 土壌汚染対策に大金をつぎ込んでも安心・安全が担保できない豊洲新市場への移転は中止をし、築地市場での再整備を求めて、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十分散会

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