経済・港湾委員会速記録第十四号

平成二十九年九月二十八日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長上野 和彦君
副委員長山崎 一輝君
理事おときた駿君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
細田いさむ君
柴崎 幹男君
森村 隆行君
ひぐちたかあき君
のがみ純子君
栗下 善行君
鈴木 章浩君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務清水 英彦君
商工部長坂本 雅彦君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長川崎  卓君
観光部長小沼 博靖君
観光振興担当部長浦崎 秀行君
農林水産部長藤田  聡君
安全安心・地産地消推進担当部長武田 直克君
全国育樹祭担当部長村西 紀章君
雇用就業部長小金井 毅君
事業推進担当部長蓮沼 正史君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
港湾局局長斎藤 真人君
技監小野 恭一君
総務部長古谷ひろみ君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中村 昌明君
調整担当部長及川 勝利君
港湾経営部長蔵居  淳君
港湾振興担当部長相田 佳子君
臨海開発部長篠原 敏幸君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務山岡 達也君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
港湾整備部長原   浩君
計画調整担当部長竹村 淳一君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
意見書について
港湾局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十八号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第百三十九号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
・第百六十一号議案 中央防波堤外側ふ頭桟橋(Y1)の指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 通訳案内士法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百三十七号議案 旅行業法関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・平成二十八年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲市場の取組状況について

○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の付託議案の審査並びに港湾局、産業労働局及び中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、港湾局長から紹介があります。

○斎藤港湾局長 去る九月十五日の当委員会を欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 調整担当部長の及川勝利でございます。離島港湾部長の小林英樹でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百三十八号議案、第百三十九号議案及び第百六十一号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○伊藤委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○伊藤委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案及び第百三十七号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○伊藤委員長 次に、報告事項、私債権の放棄について外一件に対する質疑を行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○寺崎総務部長 去る九月十五日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で四項目ございます。
 一ページをごらんください。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの収入及び支出の推移につきまして、それぞれの区分ごとに、上段に平成二十五年度から二十九年度までの年度計画における予算額、下段に平成二十五年度から二十八年度までの決算額をお示ししてございます。
 二ページをお開きください。同センターの役職員数の推移につきまして、平成二十五年度から二十八年度までの各年度末現在の人数と、平成二十九年八月一日現在の人数をお示ししてございます。
 三ページをごらんください。同センターにおける研究員の採用、応募状況の推移につきまして、平成二十五年度から二十九年度までの一般型研究員及び任期つき研究員の応募者数を上段に、採用数を下段にお示ししてございます。
 四ページをお開きください。同センターの依頼試験、機器利用の区市町村別利用状況につきまして、平成二十八年度の利用企業の所在地別に集計した件数をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○柴崎委員 私の方からは産業技術研究センターについて質問させていただきたいと思いますが、平成二十八年度の産業技術研究センター業務実績評価におきましては、業務全体がすぐれた進捗状況、こうした評価があるわけでございます。そして、ものづくり、中小企業の製品化につながる成果を生み出すために、引き続き着実な業務を遂行することが重要であると、こういったことが記載をされているわけでございますが、こうした観点から幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、ロボット産業の活性化事業の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 まず、中小企業におきましては、やはり人手不足の解消、これは喫緊の課題でございます。中長期的にも、少子高齢化による労働力減少が社会問題化しております。こうした中におきまして、ロボットの導入につきましては、やはり省力化ということで大いに、大きく期待をされているわけであります。
 また、大きな成長が見込まれるロボット産業へ参入するということは、中小企業にとりましても大変大きなビジネスチャンスであろうかと思っております。
 ロボットはさまざまな技術を結集しており、中小企業単独での開発が大変困難であります。この開発の成果を製品化、そしてまた実用化に結びつけていく、こうした実効的な支援、これがまさに重要なんですね。
 こうした中で、昨年度、産技研におきましては、東京ロボット産業支援プラザを開設するなど、ロボット産業の活性化に向けた支援が本格化されてきた、こういうふうにお伺いしております。
 そこで、ロボット産業の活性化事業の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○坂本商工部長 東京のものづくりの力を活用することで将来に向けた発展が期待できるロボット産業の振興を図るため、産業技術研究センターでは、平成二十七年度より、ロボット産業活性化事業を実施しております。
 この事業におきましては、ロボットにかかわる技術開発や事業化の支援のほか、安全性の検証や人材の育成などのサポートを行っておりまして、二十八年の四月には、本部の近くのテレコムセンタービルに東京ロボット産業支援プラザ、こちらを開設いたしまして、各種の取り組みを集約して総合的に展開する拠点としているところでございます。
 二十八年度には、ロボット開発の基礎となる研究などを五テーマで行いまして、民間企業との二つの共同研究を実施するほか、公募による共同研究として、ロボットを案内業務や介護などでの支援に活用する十二のテーマを採択いたしました。特に、施設案内のため、美術館の来訪者に展示室の作品や鑑賞用の機器の使い方を説明するロボットを研究開発いたしまして、すみだ北斎美術館での活用を目指しているところでございます。
 同支援プラザでの成果が中小企業の事業に活用されるよう、産業交流展などの展示会で試作ロボットを紹介することなどによりまして、その実用化や産業としての展開を後押しすることとしているところでございます。

○柴崎委員 今ご答弁いただいたわけでありますが、現在開発中のロボットが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、このときに活躍することを大いに期待をしているところでございます。
 今後は、事業化を推進するために、開発したロボットのPRあるいはロボットユーザーの発掘などにも目を向けて取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に移ります。次に、基盤研究の充実についてお伺いしたいと思います。
 東京の産業の発展のためには、すぐれた技術力を持つ中小企業の研究開発を促進すること、これは極めて重要な大事なポイントであると思っております。
 そしてまた、産業技術研究センターでは、ものづくり基盤技術の高度化や今後成長が見込まれる技術の育成に向けまして、中小企業の新たな製品開発の基盤となる研究を実施しているとのことであります。
 そしてまた、産業技術研究センターの研究成果を、中小企業の付加価値の高い製品開発や、あるいは新しい事業につなげていくためには、中小企業が利活用できる研究を着実に実施するとともに、中小企業との共同開発などに展開していくことが重要だと思います。
 そこで、この基盤研究の展開について今どのように取り組んでいるのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターにおきましては、現在の中期計画の中で、環境・エネルギー、生活技術・ヘルスケア、機能性材料、さらに安全・安心、こちらの四つを重点的に取り組む技術分野と位置づけまして、基盤研究を実施しているところでございます。
 多くの研究の基礎となる基盤研究のレベルが高まることによりまして、民間企業などとの共同研究や外部からの資金を導入することが可能となったものがございまして、これは平成二十八年度は二十四件に上っております。この数は前年度に比べて三件の増加となっているという状況でございます。
 具体的な共同研究の例といたしましては、水中の泡を機械で自動的に調べる装置の性能を高めまして、製品の空気漏れを水の中で検知のできるシステムを安い価格でつくると、このような成果を上げているところでございます。
 また、外部資金導入研究におきましては、国の科学技術振興機構の資金を確保いたしまして、室温で固まって、あと体温程度の熱で溶ける、こうした医療研究の中で活用のできるゼラチン、こちらの開発を行ったところでございます。
 こうした基盤研究が平成二十八年度からの五年間で百件を目標としてすぐれた水準に達して、共同研究などへの展開や中小企業の製品や事業の開発に結びつくよう、産業技術研究センターとして取り組むこととしているところでございます。

○柴崎委員 基盤研究の成果につきましては、中小企業の製品開発に還元していけるように着実に推進をしていただきたい、このように思います。
 続きまして、3D、このものづくりセクターの取り組みについてお伺いしたいと思います。
 産業技術研究センターにおきましては、平成二十八年度に3Dものづくりセクターを新設いたしまして、高付加価値な製品開発を支援しているとのことであります。
 そして、3Dプリンター、これは日進月歩で高性能化しておりまして、3D技術というものは従来のものづくり方法を大きく変える技術となっているわけであります。
 中小企業が直接、高価な高機能3Dプリンターの導入や、精密な3D計測による品質評価を実施するというのは非常に困難なんですね。したがって、このセクターでは、依頼試験や試作支援など、多くの利用実績があるとのことであります。
 今後は、さらなる利用拡大が見込まれております3Dプリンター、この活用がもっと広がるように、蓄積をしておりますこの技術あるいはノウハウ、これをぜひ中小企業に提供していっていただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、この3Dものづくりセクター、この取り組みにつきましてお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、樹脂や金属の粉末を材料といたしました3Dプリンターを用いて製品開発を支援する部門と、そうした製品の品質を評価する部門を統合いたしまして、新たに3Dものづくりセクター、こちらを平成二十八年四月に開設をいたしました。
 本セクターでは、CADによる製品の三次元の設計図を製作する支援のほか、3Dプリンターを使用した試作品の開発や、製品の形や長さの三次元での正確な計測などのサポートを行っているところでございます。
 これらによりまして、都内の中小企業は、3Dプリンターを低廉な料金で、みずから操作をいたしまして製品開発に用いるようなことがございます。さらにそれ以外に、三次元の計測の試験の依頼を行いまして、年間で二万四千件を上回る利用実績を上げているところでございます。
 これらの技術開発のサポートによりまして、新しい陸上競技用具や形が複雑なノズルを持った溶接機械、このようなものなどを生み出してございまして、研究面では、3Dプリンターでセラミックの粉末を材料とする場合の試作品、こちらの品質の向上にも取り組んでいるところでございます。
 こうした対応によりまして、中小企業の高付加価値の製品開発を進めることとしているところでございます。

○柴崎委員 続きまして、人材の確保、育成についてお伺いいたしたいと思います。
 産業技術研究センターでは、第三期中期計画の初年度に、3Dものづくりセクターのほかには先端材料開発セクターあるいは複合素材開発セクター、こういったものを新設されておりまして、中小企業の支援を強化するとのことであります。
 今後も、時代のニーズを踏まえて最先端の技術へ対応していくことが当然求められているわけでありまして、本センターで働く研究人材の確保、そして育成、これは非常に重要だと思うんです。地方独立行政法人のメリットを生かしまして円滑な事業運営をしていただくわけですが、この人材確保、そして育成について、どのように取り組まれているかお伺いします。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、中小企業の技術開発を適切にサポートのできる人材を、中長期的に計画性を持って採用することとしているところでございます。平成二十八年度は、七名の研究員のほか、中小企業の必要とするテーマに速やかに対応のできる任期つき研究員、こちらを二名、さらにロボット開発に詳しい技術者も四名、採用を決定したところでございます。
 研究員の採用に当たりましては、本部で就職説明会を四回開催するほか、大学の就職セミナーへの参加や研究室への働きかけなど、きめの細かい対応を行っているところでございます。
 次の人材の育成に関しましては、平成二十八年度より、ベテランの研究員十名を指導員に任命いたしまして、若手研究員の研究論文執筆、こちらのアドバイスを行う制度を導入いたしました。国の科学研究費等、外部資金を導入できる研究への応募を職場全体でも進めているところでございます。さらに、理化学研究所から講師を招いてものづくりの方向性を学ぶ研修のほか、eラーニングの仕組みを導入いたしまして、研究上のコンプライアンスを習得する機会なども設けております。
 このような取り組みによりまして、中小企業支援に必要な人材を確保し、柔軟で的確な事業運営を進めることとしております。

○柴崎委員 それでは、最後になりますが、多様な機関との連携ということで、この件についてお伺いしたいと思います。
 近年では、開発のスピードが速く、また製品やサービスに用いられる技術の高度化が複雑化しているわけであります。
 こうした中におきまして、中小企業による製品化あるいは事業化を適切に後押ししていくために、多様な支援機関との連携が求められている状況だと思います。
 技術支援を進めるためには、産業技術研究センター、この知見やノウハウのみならず、先端技術を持つ大学あるいは研究機関や、地域の実情に非常に詳しいといえばやはり市区町村だと思うんです。こうしたところとの連携を図るべきではないかと思っております。
 また、販路開拓あるいは資金調達などの経営面での後押しを行う場面では、やはりセンターが持つ目ききの力が必要だと思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、中小企業振興に向けた事業連携を図るため、大学や研究機関のほか、金融機関や自治体などとの間で五十七の協定や覚書を締結してございます。
 具体的には、首都大学東京などの大学や国の産業技術総合研究所と協定を結びまして、共同研究や発表会を通じた研究員の交流などを行っております。
 また、信用金庫などの金融機関と連携いたしまして、中小企業のサポートに向けて協力をする体制を確保しているところでございます。平成二十八年度に、産業技術研究センターが初めて主催をいたしましたビジネスマッチング交流会がございまして、こちらでは、金融機関の推薦で出展した企業の製品をセンターが性能評価いたしまして、そのすぐれた面のPRの方法をアドバイスして商談の支援を行ったと、こういうような実績もございます。
 さらに、区や市などの自治体と協力いたしまして、自治体の主催する産業関連のイベントや技術セミナーに参加して、産業技術研究センターの利用を希望する企業を掘り起こすほか、自治体からの依頼によりまして、技術開発にかかわる助成金や表彰の審査を行って、その件数は一年間で七百八十四件となってございます。
 こうした取り組みによりまして、産業技術研究センターでは、多様な機関と連携を図り、中小企業への技術面からの支援の充実を図っているところでございます。

○柴崎委員 今、質疑をさせていただく中で、産技研が中小企業のさまざまな角度からの後押し、事業拡充に向けた後押しのために取り組まれていることがよくわかりました。
 こうした中で、東京におきましては、個人事業主から中小企業、あるいは大企業に至るまで、さまざまな企業が集まっているわけであります。
 こうした中で、中小企業ということになりますと、例えば製造業におきましては、資本金が三億円以下あるいは従業員が三百人以下、こういうような基本的な定義がもちろんあるわけですね。そうすると、ここが若干でも従業員が三百人を超える、あるいは資本金が少し超える、こういうふうになってくると、この中小企業の枠には入ってこないんですね。
 したがって、当時は小さかったけれども、徐々にこうした産技研の力をおかりしながらいろんな形で大きくなっていく、少しでも大きくなっていくということは、これはまた東京の活力につながるわけですから、産業界におきましては非常に大きな力になってくる、そういうふうに思うわけです。
 したがって、やはり中小企業という枠だけに囲われたというか、それから少し出たような企業もたくさん、いろいろな地域で、やはり活躍しているんです。こうしたことにもぜひこれから目を向けていただく中で、産業労働局も、中小企業にももちろん当然これまでどおり支援をしていただきたいんですが、それを少し外れるというか、やや大き目、大きい企業もあるわけです。こうしたことも大きな東京の産業界の原動力になりますので、こうしたところにもやはり何かしらの支援策、こうしたものも新しい発想を持っていただければありがたいな、こんなふうに思うわけでございます。
 この件については答弁要らないんですが、いずれにいたしましても、こうした中小企業を含めた事業、産業界の発展に向けて、さらにご尽力いただきますことをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○尾崎委員 私の方からも、都立産業技術研究センターの業務実績評価について幾つか質問させていただきたいと思います。
 二〇一六年四月に開設した東京ロボット産業支援プラザを、先日見学させていただきました。疑似実証実験スペースや、ロボットの耐久性や衝撃、振動などの試験、走行性や動作観察などの試験装置なども実際に見学をさせていただきました。
 また、この間の中小企業のロボット産業参入の状況についても説明をしていただきました。
 ロボットによる展示場などの案内や多言語による案内についてはイメージがありましたけれども、今回の見学で、無線タグを読み込むことで在庫の棚卸し業務を支援することが、既にパルコで実証実験が行われていることに、率直にいって驚きもしました。大型店の在庫の棚卸しは大変な作業であるからです。
 私は、雇用が削減されてしまうようなことはあってはならないと心配しましたが、産技研の方は、ロボットが参入することで人間の雇用を奪わないことが前提、重い荷物の持ち上げなども重要な活用方法になると説明されました。
 また、介護施設では、食堂などでロボットに声をかけることで、誰が食堂に来て、誰が来ていないかをつかむことにもつながるとのことでした。介護施設などでは、入所者とのコミュニケーションはもちろんですが、そのほかにもさまざまな活用が今後考えられると思われました。
 そこで、ロボット産業活性化事業の事業期間は五年となっていますが、その根拠は何か伺います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターのロボット産業活性化事業では、ロボットの技術開発や事業化の支援のほか、安全性の検証や人材の育成などのサポートを行っております。
 これは、東京のものづくりの力を活用することで将来に向けた発展が期待できるロボット産業の振興を図るため、産業や技術を取り巻く環境の変化のスピードなどを踏まえながら、技術の開発から事業化までに必要となる期間として、平成二十七年度から二〇二〇年大会が開催される直前の三十一年度までの五年間の事業スケジュールのもと、取り組みを図ることとしたものでございます。

○尾崎委員 技術開発から事業化までに必要となる期間として、当面は五年間を事業の区切りとしているということですが、ロボットの技術開発や事業化には一定の期間がかかると思います。長期的な事業として位置づけていくことを要望するものです。
 ロボット産業支援プラザにある大型ロボット部品が作製可能な3Dプリンターも見学してきました。もっと多くの中小企業に取り組みを知らせることで、新たな新製品づくりや中小企業の活性化にもつながると思いました。
 ロボット事業でリーフレットを二千部作成したとなっていますが、具体的な活用について、伺います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、平成二十八年度に、ロボット産業活性化事業をPRして、ロボット産業に関する支援メニューや事業のスケジュールなどを紹介するためのリーフレットを作成いたしまして、東京ロボット産業支援プラザ、こちらの施設への来訪者に配るとともに、さまざまな自治体のセミナーなどで配布をしているところでございます。

○尾崎委員 東京ロボット産業支援プラザに来た人や自治体のセミナーなどで配布しているということですが、金融機関や連携している商工会、商工会議所などに配布することなども、今後もっと活用すべきだというふうに思っています。都立産業技術研究センターが中小企業に役に立つ取り組みをしているということをもっと知らせる必要があると思うからです。
 業務実績評価書によると、金融機関との連携も広がっているようです。信用金庫などとの連携も進んでいるようですけれども、現在、協定を締結している金融機関は幾つありますか。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、金融機関と連携して中小企業のサポートに向けて協力する取り組みを進めており、現在、十の信用金庫等の金融機関と協定などを結んでおります。また、産業技術研究センターの事業所である多摩テクノプラザや支所におきましても、個別に金融機関の四つの支店と覚書を交わし、連携を図っているところでございます。

○尾崎委員 地域の中心企業のことをよく知っているのは、信金、信組などの金融機関です。また、信金、信組は、まちの中の中小企業を訪問して要望をよく聞いています。中小企業が都立産業技術研究センターのことを知る上でも信金、信組が大きな役割を持っていると思いますが、いかがですか。

○坂本商工部長 地域の金融機関である信用金庫等は、中小企業を資金面から支えるとともに、長年にわたる密接な取引関係から、ものづくりの会社の技術力などを把握している場合が実際に多くございます。
 このような信用金庫等の情報収集の力などを生かして、東京の中小製造業の技術開発をサポートする力を持つ産業技術研究センターを地域のものづくり企業に紹介することは期待できるものと考えてございます。
 具体的に、平成二十八年度に産業技術研究センターが初めて主催したビジネスマッチング交流会では、金融機関の推薦で出展をした会社の製品について、センターが評価をしPR方法のアドバイスを行いました。こうした取り組みなどによりまして、東京のものづくりの会社が、金融機関を通じて産業技術研究センターを理解するきっかけづくりにつながっているところでございます。

○尾崎委員 私は先日、さわやか信用金庫に話を聞きに行ってきました。大田区の中小企業が力を合わせてつくり出した下町ボブスレーにもさわやか信金がかかわっていたことを、そのとき伺いました。
 地域の中小企業が自分たちの技術を磨き合い、力を合わせてものづくりをすることが、地域の人たちに勇気を与えています。信用金庫は、世界に誇る技術を持っている中小企業を応援することで信用金庫の役割を発揮していることがわかりました。
 信用金庫は最近、営業方針を変えて、地域のお客さんの課題解決、中小企業を訪問し、地域が繁盛することに力を入れているということでした。都立産業技術研究センターとの協定を締結するだけでなく、中小企業に知らせ、活用してもらいたいと取り組んでいるということです。
 しかし、中小企業の方々で、都立産業技術研究センターを知っている人は少なかったといいます。さわやか信金の職員も産技研センターのことを知らなかったので、最初に取り組んだのは、産技研センターの見学と、職員に対して産技研センターは何をやっているのかを理解してもらうための講義をやったそうです。
 中小企業は、ものづくりのすぐれた技術はあっても、自分たちの商品をどうやって売るのかが弱い。試作品をつくっても、自分の工場に検査する機材、機械がない。こういう企業に産技研センターを知らせ、産技研センターの機械を借りて検査をする。割安の料金でお墨つきがとれるということで、中小企業の自信にもつながったと喜ばれたそうです。
 地域の中小企業は倒産よりも廃業が多い。問題があっても誰に相談したらいいのかわからないという人が多いともいっていました。さわやか信金の方は、産技研センターの知名度を上げることが必要ではないかともいっていました。
 産技研センターを一回利用した人は、次につながるといっています。産技研センターは、名前もかたく、地域の中小企業には敷居が高いということもこの間実感し、いかに身近に感じてもらえるのか、中小企業にもっと知ってもらいたいということでした。利用者は月に二、三件だけれども、確実に中小企業の力になっているということです。
 さわやか信金は、ビジネスフェアを開催しマッチングに取り組んだり、小学校の課外授業で産技研センターのチリンちゃんも参加する企画を準備しているそうです。学校との連携も今後の課題だと思います。
 このような連携を広げていくことが重要です。特に、中小企業に産技研センターでできることを詳しく知らせることが、事業の継続や新商品開発、マッチングなどで新たな魅力を広げることができ、廃業も減らすことができるのではないでしょうか。中小企業にとって、大変重要だと思います。
 都立産業技術研究センターがどんなところか、中小企業にどう役に立つのかなど、PR活動が大事だと思います。どのように取り組んでいるのか伺います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、利用者に提供できるサービスの内容などを幅広くホームページにより紹介するほか、メールニュースなどによりまして、技術支援の内容を迅速に発信をしているところでございます。また、技術情報誌や各種の展示会への参加によりまして、技術開発の専門的な内容をわかりやすく発信をしているほか、研究発表会などを通じまして専門家や研究者への情報提供を図っているところでございます。

○尾崎委員 今回出されました業務実績評価書の中でも、ホームページがリニューアルして見やすくなったということが書かれていました。産技研センターの取り組みをわかりやすくするための工夫と、多くの人に知らせる工夫がもっと必要だと思います。
 信金、信組、金融機関や大学との連携も重要ですが、自治体との連携も重要です。
 資料要求で出していただいた区市町村ごとの利用状況について、地域の産業集積によって状況は違ってくるのは当然ですが、利用状況をふやすための独自の働きかけが必要だと思いますが、区市町村への働きかけはどのように行っているのか伺います。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、自治体の主催する産業関連のイベントや技術セミナーに参加をいたしまして、同センターの利用を希望する企業の掘り起こしをしているところでございます。
 また、産業技術研究センターと自治体が連携して技術相談を行うほか、同センターを利用する場合に自治体から受けられる助成のメニューを紹介する冊子、こちらの方を中小企業に配布をしているところでございます。

○尾崎委員 利用状況については、区市町村で大きな差が依然としてあります。
 この間、継続して資料を要求して出していただきましたけれども、いただいた資料の中で、産技研センターの依頼試験、機器利用の区市町村別利用状況を、前年度分と単純に比較してみました。
 見えてきたことは、産技研センターと協定を結んでいる自治体、港区、新宿区、墨田区、江東区など十四自治体のほとんどで、前年度よりも活用状況がふえていることです。やはり、自治体への連携を広げることや、意識的に中小企業に働きかけることが必要だと思います。
 私の活動地域である東村山市、東大和市、武蔵村山市では、まだ協定は結んでいませんが、市で産業祭りなどを開催しています。そのときに、産技研と連携してロボットのチリンちゃんなどを貸し出すことなどを工夫することで、産技研センターをPRできるのではないかと考えます。
 産技研センターでは、効率化係数のもとに毎年一%、標準運営費交付金が削減されているわけですが、それには人件費も含まれています。しかし、新しい分野、事業の分野では、人が介することでサービスの質が左右されるものが多く、効率化係数という名で人件費が削減されることは、産技研センターの力を十分に発揮する上で障害になりかねません。
 産技研センターは、独立行政法人化を見直して、都として運営費、研究費を増額するとともに、基礎的研究ができる人員をふやすとともに、中小企業への支援体制を拡充するよう求めて質問を終わります。

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○伊藤委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 報告事項、豊洲市場の取り組み状況についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○森村委員 豊洲市場における空気調査及び地下水質調査結果についてお伺いいたします。
 地下水モニタリング調査は、豊洲市場の安全性を担保し、また都民や市場関係者の安心を支えていくために必要かつ重要なものであります。今回報告された調査結果でも、地下水から環境基準を超える汚染物質が検出されており、都民の不安を払拭し、迅速かつ円滑な豊洲市場の開設を目指していく観点から、しっかりと確認していきたいと思います。
 さて、今回、前回の調査と同じ箇所から環境基準を大きく超える汚染物質が検出されており、また、その数値は前回調査時の数値を上回るものになっております。環境基準の百二十倍という今回の数値に対して、また、調査を重ねるごとに下がるどころか上昇する結果が出ていることに対して、不安を感じる都民もいるかと思います。
 そこでお伺いいたします。環境基準の百二十倍という高い数値が出たことについて、他の箇所の調査結果も含め、ご説明をお願いいたします。

○村井基盤整備担当部長 毎月実施しております二十九カ所の地下水調査のうち、ベンゼンは二十四カ所で行っております。
 その最高濃度は、五街区の屋外駐車場にあるK37-4という箇所で、一リットル当たり一・二ミリグラムであり、環境基準値と比較すると百二十倍であります。
 これまでの調査で次に高い箇所は〇・三ミリグラムであり、ベンゼンにおいて環境基準の三十倍を超える箇所は、K37-4の一カ所のみであります。
 なお、シアンとヒ素については、ベンゼンのように突出して高い濃度の箇所があるわけではございません。
 今回の結果に対し、専門家会議は、濃度が上昇傾向を示した地点や低下傾向を示した地点も存在しているが、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないと評価しております。

○森村委員 今後もモニタリング調査は継続して行われますが、検出される汚染物質の種類や調査ポイントごとの結果などを総合して、全体的に結果を判断することが大切だと理解しますので、引き続き丁寧な分析を行っていただけるようお願いしたいと思います。
 一方で、環境基準の百二十倍という数値が検出されたこと自体は決して楽観視できるものではなく、とりわけ調査箇所付近の安全性については、やはり懸念されるものであります。
 今回検出された環境基準の百二十倍という数値でありますが、これをもってなお、調査箇所付近の食の安全に問題がないものなのか、見解をお伺いします。

○村井基盤整備担当部長 今回、地下水質調査にあわせて建物一階及び屋外の十一カ所で空気調査を行っており、このうちの一カ所は、ベンゼンで環境基準の百二十倍を確認した箇所の直上の地上部で行いました。
 調査結果は、いずれの地点においてもベンゼン、シアン、水銀は基準以下であることを確認しております。
 こうした結果に対し、専門家会議からは、現状においては、建物一階部分の空気及び屋外の空気について、科学的な安全は確保された状態にあると考えられると評価をいただいております。

○森村委員 地下水の汚染が確認された箇所の地上部における空気調査においては測定値が環境基準を満たしており、安全面に問題がないことは理解いたしました。今後も、高い数値が検出された箇所については、地下水と空気調査、双方の結果をもって管理していっていただきたいと思います。
 それでは次に、くみ上げられた地下水が集められ、排水される地点での汚染物質の状況についてお伺いしたいと思います。
 地下水管理システムにおいて、ポンプでくみ上げられた地下水は、街区ごとに集められ、浄化された後、排水される仕組みになっておりますが、実際に地下水が排水される地点で測定される汚染物質は、環境基準、そして下水道への排水基準に鑑みてどのような状況であるのでしょうか。お伺いいたします。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場では、地下水管理システムにより地下水をくみ上げ、下水に放流する際に、週に一度、公定分析を行っております。
 公定分析の結果では、ベンゼンやシアン、ヒ素はいずれも環境基準値以下でございました。
 なお、豊洲市場の地下水はpHが高いため、下水排除基準を満たすよう、pHの調整のみを行った上で下水に放流しております。

○森村委員 地下水モニタリング調査において確認されている汚染物質は、あくまで局所的に検出されているものであり、地下水全体としては、排水基準はもとより、環境基準値を超える状態ではないものであることはわかりました。
 一方で、依然として都民は不安を抱えております。中長期的な観点で、汚染物質を回収していく地下水管理システムの構築のための追加対策工事を早期に完了させ、豊洲市場の安全対策を確固たるものとしつつ、都民の安心を醸成していくことが必要です。
 そこで、今回の調査結果を受けた今後の対応方針と、追加対策工事への影響についての所見をお伺いします。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、今回の結果に対し、地下水質は、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないと評価しております。
 専門家会議は、専門的、科学的知見に基づき、地下水の状況を踏まえて必要な追加対策を提言しており、都といたしましては、追加対策を着実に実施するとともに、空気や水質の測定結果など正確な情報発信を通じて、都民や事業者の理解と安心につなげてまいります。

○森村委員 調査結果が環境基準の百二十倍と発表されたことで都民に不安を与えているということを踏まえて、今後、着実に追加対策工事を進めていただき、都民の食の安全・安心の確保にしっかりと努めてほしいと思います。
 また、今後も継続する調査結果を適切に開示していくことで、豊洲市場の管理体制に対する都民の信頼を醸成していくことも重要です。
 そのためには、情報公開の手法やその適切性などが求められるものと思われますが、都民への情報公開を今回どのように行ったのか、また、今後どうしていく予定なのか、お伺いいたします。

○村井基盤整備担当部長 今回の調査結果については、専門家会議の評価とあわせて公表しております。本委員会にご報告するとともに、報道機関に対しても丁寧に説明を行っており、また、ホームページでも公表しております。
 豊洲市場で毎月実施している空気調査と地下水調査の結果については、おおむね三カ月ごとに専門家会議の評価とあわせて公表してまいります。

○森村委員 調査結果は三カ月に一度公表していくということでありますが、調査自体は毎月行われているというわけですよね。
 繰り返しになりますが、都民の食の安全・安心のために、調査結果の公開は大変重要なものです。わざわざデータをためてから公開することに意味があるのであれば別ですが、調査結果を迅速に公開し都民の安全・安心につなげていくという観点から、調査が行われていく毎月、データを公表していくという考え方もあると思いますが、いかがお考えでしょうか。見解をお伺いします。

○村井基盤整備担当部長 四十六カ所の地下水質測定は、専門家会議の助言に基づき、市場用地全体の地下水質の傾向を把握する目的で実施しております。公表に当たっては、専門家会議からも、一回ごとではなく複数回のデータをもとに、その推移を確認し、その上で評価していくことが必要と指摘されております。
 都といたしましては、おおむね三カ月ごとに調査結果と専門家会議の評価をあわせて公表することで、正確な情報発信を通じて都民や事業者の理解と安心につなげてまいります。

○森村委員 検出された数値だけの公表ではかえって誤解を招いてしまうリスクがあり、検査結果に対する専門家会議の見解とあわせて公表していくべきだという方針であることはわかりました。
 しかし、都民は常にタイムリーな情報を求めていることも忘れてはなりません。公開される情報の質とスピードとを両立させながら、適切かつ丁寧な説明を、都民と、そして市場関係者に対して行っていき、豊洲市場への風評の払拭、そして食の安全・安心の構築につなげていっていただくことを要望いたします。
 さて、従来とられてきた無害化方針のもとでは、土壌の入れかえと盛り土によって汚染物質の除去と遮断を行う安全の確保策がとられ、土壌汚染対策法上、二年間の水質調査の結果を待ち、形質変更時要届け出区域の指定を外す方針でした。
 しかし、第九回地下水モニタリング調査で汚染物質が環境基準を大きく超えて検出され、この方針は変更を余儀なくされたわけであります。
 無害化にかわる新しい方針において、専門家会議の提言による追加対策工事によって、遮断強化と、そして中長期的な地下水の浄化方針のもと、地下水、汚染物質の状況をしっかりと把握し、管理下に置くことが重要です。
 そこで、今後の取り組みへの都の見解を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場では、土壌汚染対策法に基づく対策が的確に講じられており、また、これまで実施したさまざまな測定結果から、法的、科学的な安全については専門家会議でも確認されております。
 専門家会議では、汚染の現状などを踏まえ、将来のリスクに備えた必要な追加対策を提言していただいております。
 都としては、専門家会議の提言に基づく追加対策を確実に実施し、その過程や空気、地下水の測定結果などの正確な情報発信といった具体的な取り組みを着実に積み重ねていくことで、都民や事業者の理解と納得につなげてまいります。

○細田委員 私からも何点かご質問させていただきます。ただいまの森村委員の質問と重なる点もあるかとは思いますが、重要な問題なので一つ一つ確認していきたい、このように思っています。
 さて、豊洲市場の土壌汚染対策に関する専門家会議のもとに、東京都が実施しました豊洲市場における空気調査及び地下水の水質の調査の結果が公表されました。
 報告された調査結果では、これまでの地下水質調査と同じく、地下水から部分的に環境基準値を超える汚染物質がいまだ検出されています。
 継続的に実施しているこの調査は、法的、科学的に安全とされました豊洲市場の安心のために、そして、都民や地域に正確な情報を提供することで理解と安心につなげるために、大変に重要なものであります。
 ただ、この報道を見て不安に思う方もいますので、不安を払拭して円滑に安心を確保した上で市場移転につなげていく、こういう立場から質問させていただきます。
 まず、市場当局はこれまで、二年間モニタリングを行ってきましたけど、これはなぜなのか、この基本的な見解から伺います。

○村井基盤整備担当部長 平成二十六年十一月より実施してきた二年間モニタリングは、汚染土壌を掘削除去した区画を対象に、土壌汚染対策の効果の確認やリスク管理の一環として地下水質の状況を確認することなどを目的として、国のガイドラインに定められた手法にのっとり、二百一地点で実施してまいりました。
 なお、二年間モニタリングは、環境局へ届け出を行い、終了となっております。

○細田委員 二年間モニタリングが終わって、そして今回、地下水質調査、四十六カ所で行っていますが、これはどういう箇所で実施しているのか、そして濃度確認モニタリングと全体確認モニタリングの違い、これは何なのか、この点について伺います。

○村井基盤整備担当部長 今回の調査は、二年間モニタリングに引き続き、専門家会議の助言に基づき、二百一カ所から選定した四十六カ所で実施しております。
 濃度確認モニタリングは、これまでの調査で濃度が高い箇所を中心に選定した二十九カ所において毎月調査を実施し、また、全体確認モニタリングは、各街区などのバランスを考慮して選定した十七カ所において三カ月ごとに調査を実施しております。

○細田委員 今回、今ご説明ありました二年間モニタリングが終わって、そして公表しました地下水質調査四十六カ所、これは、この二年間モニタリング調査との違いはどういうふうな違いになるんでしょうか、そのことについて伺います。

○村井基盤整備担当部長 今回の調査は、四十六カ所の地下水質調査とあわせて十一カ所の空気調査も実施しております。
 空気調査は市場業務を行う地上部の安全を確認するために実施し、地下水質調査は市場用地全体の地下水質の傾向を把握するために実施しております。

○細田委員 豊洲市場の安全性について、科学的な調査によって確認していくということでありますけれども、それでは、その二つのうちの地下水質調査についてですが、今回の結果、測定物質の測定値、これはどのように変化をしたというように総括しているのか。また、二〇一六年十一月の第九回の地下水モニタリング結果と比べて、環境基準値、これが変化していますが、この箇所数はどのように変化したのか、どのように捉えているのか、この点について伺います。

○村井基盤整備担当部長 地下水質調査の結果、濃度が上昇傾向を示した地点もあれば、低下傾向を示した地点もございます。
 また、環境基準値を超過した箇所は、四十六カ所のうち、第九回地下水モニタリングでは四十カ所であったものが、今回の調査では三十八カ所となっており、減少しております。

○細田委員 この報告書にも、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できない、こういうふうに書いてありますけれども、若干、四十が三十八になったという、こういう微減な状況だったということでありますが、その中で、先ほどの質疑でもありましたけれども、ベンゼンが百二十倍--百二十倍と聞けば当然、驚きますけれども、これがクローズアップされています。
 このベンゼンについて、最高濃度を検出した箇所以外の結果はどのようになっているのか。数値を見ると、五街区のみならず、六街区のD11、D12なんかでも二十七倍とか二十一倍とか出ておりますけど、どうなっているのか、その点について伺います。

○村井基盤整備担当部長 本年八月の調査においてベンゼンの最高濃度を検出した箇所は、五街区の屋外の駐車場にあるK37-4という箇所でございます。
 K37-4の次に高い値を示したのは、一リットル当たり〇・二七ミリグラムで、環境基準値の二十七倍であります。その次の値は二十一倍、それ以外は全て二十倍未満となっております。

○細田委員 ベンゼンが百二十倍ということは、この四十ヘクタールの敷地全体の地下水を汚染しているのではないかというような懸念、また誤解を招きますけれども、今の答弁では、一カ所の調査ポイントだという、そういう事実は確認できました。
 そして、このような結果について、専門家会議の報告書では、先ほどいいましたけれども、全体的に見れば、大きく汚染が変化した傾向は確認できない。また、地下水管理システムによる目標管理水位まで地下水位の低下を図っている途中であり、揚水井戸から地下水揚水や地下ピット部の釜場から地下水排水により地下水の流れが生じていることの影響が続いている可能性が高いと考えられるというふうに専門家会議の報告でありますけど、東京都の理解はそのような理解でよろしいのか。確認いたします。

○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおり、専門家会議では、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないとされております。また、地下水管理システムの目標管理水位まで地下水位の低下を図っている途中であり、揚水井戸から地下水揚水や地下ピット部の釜場から地下水排水により地下水の流れが生じていることの影響が続いている可能性が高いと考えられるとも指摘をされております。
 都といたしましても、こういう状況を認識し、着実に今後、追加対策工事や地下水管理システムの強化策を講じていきたいというふうに考えております。

○細田委員 専門家会議の委員の方々についてなんですが、私はそれぞれの分野で第一線の見識をお持ちであると認識しているんですけれども、ちょっとここで改めて専門家会議の方々の分野やご活躍、この実績を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議は、中央卸売市場長が学識経験者に委嘱する専門家委員をもって組織したものであり、食の安全・安心を確保する観点から、改めて土壌汚染対策について検討を行うことを目的として設置しております。
 各委員は、土壌、環境、衛生などの分野において国の審議会の委員を歴任し、基準や制度の制定などに携わっている方々であります。

○細田委員 わかりました。
 地下水質調査の結果なんですけれども、敷地全体が汚染されたわけでない、こういうことを承知しますが、今後実施する追加対策工事、これなどで、将来的にもこの地下水質、これは改善されていく、このように理解していてよろしいんでしょうか、東京都の見解を求めます。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地は街区周辺を遮水壁で囲んでいることから、新たな汚染の可能性がなく、今後、機能強化される地下水管理システムにより、地下に浸透した雨水を継続的に揚水していくことで、徐々に汚染地下水は回収されるものと考えております。中長期的に地下水質は改善されるものと認識しております。

○細田委員 専門家会議の委員の方々はそれぞれの分野に精通した方々であるということと、また、調査結果について、専門家会議の評価は地下水質の状況に大きな変化は見られない、こういうことではあるんですが、引き続いてしっかりと調査を行い続けていただきたい、このように思います。
 またあわせて、この専門家会議より提言された追加対策工事、これも着実に進めていただきたい、このように要望いたします。
 さて、市場の安全性を論じる上で重要となるのは地上部の空気であります。この空気調査の結果について、十一カ所で調査を実施しているとのことですが、測定箇所及び物質について伺います。

○村井基盤整備担当部長 空気調査を実施したのは、主要建物内一階で五カ所、各街区の屋外が三カ所、補助三一五号線部分の連絡通路内一カ所と屋外一カ所であります。
 これら十カ所については、昨年九月から専門家会議の中で調査を実施してきた箇所と同じ箇所であり、測定物質は、ベンゼン、シアン、水銀であります。
 今回の調査では、新たに、地下水調査においてベンゼンの最高濃度を検出したK37-4の直上の地上部でベンゼンの空気測定を実施しております。

○細田委員 報告書でも、建物の一階部分の空気及び屋外の大気について、安全は確保された状態にある、このように専門家会議の報告がありますが、K37-4で、今ご答弁いただきました調査、この空気調査の結果はどうであったのか、また、どのようにそれを捉えているのか、この点について伺います。

○村井基盤整備担当部長 K37-4の地上部の空気調査の測定結果でありますが、ベンゼンは、大気環境基準の一立方メートル当たり〇・〇〇三ミリグラムに対し、〇・〇〇〇九ミリグラムであり、基準値以下でございました。

○細田委員 地下水の調査でベンゼンが百二十倍という値を検出したことで、地上部分もベンゼンが上昇しているんじゃないかというふうに不安に思う方もいるかもしれませんけれども、最も大事な地上の部分は大気環境の基準値以下であるということが確認できました。
 そして、今ちょっと申し上げましたけど、評価、この空気調査の測定結果、これをどのように評価しているのか、この点についてお尋ねします。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水でベンゼン濃度が最高値で検出されている観測井戸K37-4について、地上部の屋外大気のベンゼン濃度は市場用地内の屋外の大気と同レベルであり、地下からのベンゼンの揮発による影響は認められないと評価しております。

○細田委員 専門家会議、先ほど申し上げたとおり、現状において、地上の大気について科学的な安全は確保された状態にあるとしておりますが、生鮮食料品を扱う豊洲市場について、建物の一階部分の空気測定、これは重要で、屋外についても把握することは必要である、このように考えています。
 現在、屋外のK37-4の地上は、地下からベンゼンの揮発による影響は認められない、こういうことでありますけれども、仮に今のコンクリートの舗装などが経年劣化した場合において、こういう場合でも大丈夫なのか、この点について確認させていただきます。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地の駐車場など、建物以外の場所は盛り土がなされております。盛り土の効果により、揮発性ガスの地上部への上昇は抑制され、ご指摘の地上部では問題ないと考えております。

○細田委員 専門家会議では、今後、一階部分の空気調査を毎月行う必要があるとしていますけれども、屋外の測定はしないのでしょうか、伺います。

○村井基盤整備担当部長 屋外についても、これまでと同様に測定が必要であると認識しており、十月以降、毎月十一カ所で測定を行っていく予定でございます。

○細田委員 調査結果が公表されますと、さまざまな報道もありますし、また地域の方々、住民も不安になりますし、これを地元の自治体などに相談や問い合わせ、こういうことは、必ず来ることになります。
 今回の空気調査及び水質調査結果について、江東区へは報告を行ったのか、この点について伺います。

○前田移転調整担当部長 調査結果の公表に当たりましては、江東区に対してプレス発表とあわせて資料を提供するなど、情報共有を図っております。
 今後、江東区議会に対しても、来月開催される予定の清掃港湾・臨海部対策特別委員会において報告をさせていただきます。

○細田委員 引き続いて、江東区や江東区議会に対して誠意ある説明を行ってください。
 風評被害、この調査結果公表後のベンゼン百二十倍、こういう数値のみがクローズアップされると、さらに懸念されることになります。市場当局は風評被害の払拭に向けて今、積極的な取り組みを進めていると認識しています。
 その取り組みの一つ、豊洲市場の都民の見学会、これもこれまで数回行われておりますし、公明党、見える化をこれまで徹底して求めているところであります。見学会でも空気調査の結果について、積極的に発信をしていると聞いておりますが、また、九日には知事が視察にも行かれています。
 風評被害の払拭に向けては、地元の方々がしっかりとそれを理解した上で発信していく、報道していくということも大切になってまいります。市場の当局にも十分な配慮を求めたいと思います。
 さて、この客観的なデータを正しく理解していくということが重要なんですが、豊洲の市場における科学的な調査について、都民や地域がより理解しやすくなる工夫、これがさらに求められていると考えますが、東京都の見解を伺い、私の質問を終わります。

○村井基盤整備担当部長 追加対策の着実な実施と正確な情報発信を通じて、都民と市場関係者の理解と納得を得ていくことが大変重要と認識しております。
 今後、豊洲市場の空気調査や地下水調査などの環境データをわかりやすく取りまとめるほか、測定データの意味が伝わるよう専門家会議の評価とあわせて公表するといった工夫をして、適切な情報発信に努めてまいります。

○柴崎委員 九月十四日の木曜日ですが、豊洲市場の空気測定と地下水質の調査結果が公表されたわけでございまして、翌日の新聞にはベンゼンが百二十倍との記事が載っておりましたが、この事実が淡々と報道されている感がありまして、冷静さを大分取り戻しつつあるのかなと、こんなふうに思いました。
 ようやく土壌汚染対策の理解が進んできたとも思うのですが、一部には殊さらに百二十倍、このことを大変強調している報道も見受けられたんです。
 第二十期になりましてから豊洲市場の空気や地下水をめぐる議論、これにつきましては、定例会会期中の本委員会で取り上げるというのは本日が初めてとなるわけであります。したがって、今回の調査結果を踏まえまして、私も豊洲市場の安全性について、いま一度議論をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 昨年の秋に採水が行われました第九回地下水モニタリング調査におきまして、ベンゼンが環境基準値の七十九倍となる値が観測されたわけであります。同じ地点で今回は百二十倍、この値が出ているわけであります。
 濃度はアップダウンしながら横ばいで推移をしているようであります。これがために大騒ぎする必要は全くないんですね。冷静に理詰めで考えれば、法的にも科学的にも豊洲市場、これは安全だというのは明らかなんですよ。先ほど議論が幾つかございましたけどね、明らかなんです。
 これまで、豊洲市場の空気調査や地下水調査、何度も行われてきております。この調査結果が明らかになるたびに、豊洲市場は安全・安心な施設なのか、こういった議論が蒸し返されるんですね。こんな事態が続いているんですよ。
 こうした議論が何度も何度も繰り返されているというのは、これ、もとはといえば、知事が安全宣言を出さないからなんですよ。安全宣言を出すことにちゅうちょしている、このことにほかならないんですよ。
 先月末の第二回臨時会の本会議におきまして、我が党の早坂総務会長が質疑を通じまして、知事に安全宣言を出すように迫りました。しかしながら、知事は全く答えていただけませんでした。まことに残念なんですよ。安全宣言を出せない何か不都合な事由でもあるのかな、そんなふうに思った次第なんですね。
 小池知事は九月九日の土曜日に、豊洲市場近隣の地元住民の皆様を対象にした、この豊洲市場見学会に参加したそうであります。その際、地元住民の皆様方から、ぜひ安全宣言を出してほしい、このように要望されたと、こういった報道に接したわけであります。
 知事は安全宣言を出すお気持ちってのになったんですかね。ここでまたご答弁はいただけないんですけれども、いずれにしても本日は、当委員会には知事が出席をしていないんです。したがいまして直接お伺いすることはできない、極めて残念なんです。
 これから今回の調査に関する事項を中心にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 初めに、今回、豊洲市場におきまして、空気調査及び地下水調査について報告がありました。
 どのような経緯で調査を実施しているのか、まずそのことについて教えていただきたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 二年間の地下水モニタリング調査は、環境局へ届け出を行い終了となりましたが、この調査で地下水汚染が確認されたことから、専門家会議の助言に基づき、市場用地全体の地下水質の傾向を把握するための地下水質調査と市場業務を行う地上部の安全を確認するための空気測定を実施しております。

○柴崎委員 そして次に、専門家会議の関与のもとで調査を実施しているわけであります。
 こうした中で空気測定の測定箇所、十一カ所、 これにつきましては、どのような考え方で選ばれているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 空気調査は建物一階で六カ所、屋外で五カ所の計十一カ所で実施しております。そのうち屋外の一カ所を除く十カ所については、昨年九月から専門家会議の中で調査を行ってきた箇所と同じ箇所で測定を行っております。
 これに加えて、屋外でベンゼンが環境基準の百二十倍を確認した五街区のK37-4という箇所の直上の地上部で空気測定を行っております。

○柴崎委員 今ご答弁いただいたわけですが、建物一階六カ所、それから屋外で五カ所ということで、合計十一カ所が測定地点であるとのことであります。
 この空気測定の測定箇所、十一カ所につきましての結果の概要についてお伺いしたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 ベンゼンで、環境基準の百二十倍であったK37-4の直上ではベンゼンのみを測定し、それ以外の十カ所ではベンゼン、シアン、水銀について測定を行いました。
 測定結果については、ベンゼンは大気環境基準値一立方メートル当たり、〇・〇〇三ミリグラムに対し、〇・〇〇〇七から〇・〇〇一一ミリグラムと環境基準値以下でございました。またシアン、水銀については全て不検出でございました。

○柴崎委員 繰り返しますけれども、測定地点は建物一階六カ所、それから屋外五カ所、合計で十一カ所ということでありまして、いずれも大気汚染環境基準値などに照らして、問題のない結果であったということであります。よろしいですね。
 すなわち、専ら魚ですとか野菜、あるいは果物、こういった生鮮食料品の売買、あるいは搬送が行われる豊洲市場の地上部は、データを見ても安全であるということであります。現実には、法的にも科学的にも安全が確保されているということは明らかなわけであります。
 卸売市場として運営していく上で、安全性の面で豊洲市場の施設に何ら問題はないわけであります。専門家会議の平田座長は、豊洲市場の地上部は安全である旨を表明しておられますが、これはデータからも改めて裏づけられた、そういうことですね。そういう理解をいたします。
 したがって、安全宣言を出す好機なんですよ、絶好の。しかしながら、なぜ知事は安全宣言を渋るのでしょうかね。全く理解できないです。
 また都は、地下水についても調査を行っているわけですね。地下水の調査地点、四十六カ所についてでありますが、どのような考え方で四十六カ所を選んだのか、その点について伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 四十六カ所のうち二十九カ所は、これまでの調査で高い濃度が確認された箇所を中心に選定しており、毎月調査しております。
 これに加えて、街区などのバランスを考慮して選定した十七カ所について、三カ月ごとに調査を行い、これら四十六カ所により、市場用地全体の地下水質の傾向を把握することとしております。

○柴崎委員 地下水の調査地点が四十六カ所、これにつきましては濃度の高かった地点が二十九カ所入っているとのことであります。これらの箇所が急に環境基準値を下回る、こうした結果になったとすれば、それはそれで喜ばしいことであります。
 しかしながら、豊洲市場移転問題特別委員会における過去の議論を振り返りますと、簡単にはそうならないのかなと、そういうふうに思うのが自然であります。
 そこでお聞きしたいんですが、四十六カ所の地下水調査、この結果の概要について伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 直近の四十六カ所の測定結果と二年間モニタリングの九回目を比較すると、濃度が上昇しているものがある一方で、基準超過していたものが不検出となっているものもございました。
 例えば、ベンゼンでは環境基準の七十九倍が百二十倍に上昇した箇所もある一方で、環境基準の十二倍が不検出となっている箇所もございました。
 なお、環境基準を超過していた箇所数は、第九回で四十カ所でありましたのに対し、直近の測定結果では三十八カ所と減少しております。

○柴崎委員 これ、資料を確認いたしますと、第九回モニタリング調査の結果では、ベンゼンの最高濃度が基準値の七十九倍ということでありました。そして、同じ地点におきまして、今回は百二十倍となっているようであります。
 そこでお伺いしたいんです。
 環境基準値とは、一体これはどのようなものなんでしょうか。それを超える地下水を飲むと、どのような健康被害が生じるものなのでしょうか、都の所見を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 環境基準とは、環境基本法に基づき制定される、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準でございます。
 一生涯を通じた健康への影響を考慮するなどして基準が設定されております。ベンゼンの基準を例にとると、人が七十年間、地下水を毎日二リットル飲んだ場合、健康に影響が出る人の割合が十万人に一人増加するレベルで設定されております。

○柴崎委員 今ご答弁を頂戴したわけでございますが、この環境基準値を超える濃度の地下水を毎日ですよ、毎日。毎日二リットルを七十年間飲み続けて、そして健康被害のおそれがあるわけなんですね。
 したがって、健康被害と聞くと何やら恐ろしい感じがするわけでありますけれども、そもそもですよ、そもそもこの地下水を何に利用するのか、あるいはしないのか、その点が極めて重要になってくるんじゃないでしょうかね。
 今後につきましては、豊洲市場の地下水を近隣住民、そしてまた市場関係者の飲用水に、これ、するんですかね。あるいは、魚だとか野菜、こうした生鮮食料品の洗浄水、これに利用するんですかね。いずれにいたしましても、たまった地下水をどうするんですかね、これにつきまして都の見解を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場では、地下水の飲用や利用は予定されておらず、街区周辺は遮水壁で囲まれているため、豊洲市場の地下水を近隣で飲用することはございません。
 また、地下水は地下水管理システムにより揚水され、下水排除基準に適合していることを確認した上で、下水道に放流しております。

○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、地下水を飲用するわけでもない、もちろん生鮮食料品を洗浄するわけでもない、そういうご答弁ですよね。そして、この地下水を利用しないにしても、やっぱり市場施設の地下に汚染水があるなどといわれ続けるというのも、これもまた気分が余りよくない、よろしくないと、そのように思うんですね。
 したがって、今回の調査結果を見ますと、最高濃度の地点を含めて濃度の値が以前に比べて高くなっている地点があるようであります。これはどう受けとめればよいのですか。また、この専門家会議はこれについて、どう評価をしているのでしょうか、これにつきまして、都の見解を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 今回の空気及び地下水質の調査結果を受けて、専門家会議は、空気調査の結果から、現状においては、建物一階部分の空気及び地上の大気について、科学的な安全は確保された状態にあると考えられると評価しております。
 また、地下水質については濃度が上昇傾向を示した地点や低下傾向を示した地点も存在しているが、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないと評価しております。

○柴崎委員 先ほど空気調査の結果から、豊洲市場の地上部の安全性について議論をさせていただきました。
 地下水の水質調査結果をも勘案すると、どういうふうになるのでしょうか。そもそも地下水質の状況が地上部に影響しないように、さまざまな対策がとられていると思います。
 都はどのような取り組みをこれまで進めてきたのか、そして、今後、どのように取り組みを進めていくのか、これにつきまして見解を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場では、土壌汚染対策工事において、調査で把握したガス工場操業に由来する汚染土壌は掘削除去し、汚染地下水は、その時点で環境基準以下まで浄化いたしました。
 市場用地全体は、アスファルトやコンクリートで覆われているなど、土壌汚染対策法に基づく対策が的確に講じられております。また、街区周縁部を遮水壁で囲んだ上で地下水を管理するための地下水管理システムを整備いたしました。
 今後は、さらなる安全性の向上に向けて、地下ピット底面のコンクリート打設と換気による追加対策工事や早期の地下水位低下のための地下水管理システム強化を着実に実施してまいります。

○柴崎委員 第九回のモニタリング調査結果におきまして、環境基準を超える有害物質が多数検出をされ、その一因として地下水の管理システムの稼働により水の流れが変化した可能性があると、こうした議論が専門家会議であったと思います。
 第二回臨時会で成立いたしました補正予算によりまして、地下水管理システムの機能強化の工事を行うと、工事完了後、同じように濃度がさらに高い結果が出たり、あるいは環境基準値を超える箇所がさらにふえる可能性は、これ、あるのでしょうか。
 追加対策工事で本当に、この追加対策工事をやれば、豊洲市場の安全性は高まるといえるんですか、都の見解を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水で汚染が確認されている状況について、透水性の低い土壌の間の汚染地下水が、地下水管理システムの稼働によって移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存していた可能性などがあると評価しております。
 こうした状況を踏まえた上で、将来のリスクに備えた必要な追加対策を提言していただいております。
 豊洲市場用地は街区周縁を遮水壁で囲んでいることから、新たな汚染の可能性がなく、地下水管理システムにより地下に浸透した雨水を継続的に揚水していくことで、徐々に汚染地下水は回収されるものと考えております。今後、中長期的に地下水質は改善されるものと認識しております。
 都としては、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実に実施し、豊洲市場のさらなる安全性の向上を目指してまいります。

○柴崎委員 いずれにしても、地下水を飲み水にするわけでも洗浄水にするわけでもないわけですよね。したがって心配はない、こういうふうに私は思っている次第でございます。
 それと、今答弁されましたけれども、追加対策、これをしっかりやっていただきたいなと、そんなふうに思いました。
 しかしながら、これ、入札中止という報道もあって、おくれも心配されているんですよ。これ、工事ちゃんとできるんですよね。これは、工事は。ちょっとこれ、ご答弁いただけますか。

○吉野建設技術担当部長 今回の追加対策工事の発注におきまして五街区、六街区、七街区の地下ピットの床面等追加対策工事、それから、六街区の換気設備等追加対策工事について、入札参加希望者が一者以下となりまして、入札が中止となっております。現在、改めて契約手続を進めているところでございます。
 都としましては、追加対策工事が早期に完了できるよう、速やかに再発注を行ってまいります。

○柴崎委員 これ、本当にしっかりやっていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 さて、さまざまな事情のもとで一者入札というのは、これ、あり得るわけでありますけれども、これを一律に手続中止とするやり方に、我々都議会自民党といたしましては警鐘を鳴らしてきたところなんですね。
 しかしながら、九月二十四日の日本経済新聞、この朝刊によりますと、先ほどの追加対策工事、これに関連する契約案件の、今ご答弁ありました九件中の四件が一者入札、これで中止となったというわけですよね。まさに豊洲市場の移転という都政の重要施策の中で、我々都議会自民党が最もおそれたことが現実のものになってしまったわけでありますよ。
 したがって、補正予算成立に伴う追加対策工事の九件中四件が入札手続中止となったということでありますけれども、この四件には少なくとも何らかの影響が出るんじゃないかなと、こんなふうに思うわけであります。
 事務事業質疑、これからあるわけでありますけれども、これからの事務事業質疑など別の機会で、改めてこの点については詳しくお尋ねをしてまいりたいと思います。
 ともかく市場当局はおくれを取り戻していただいて、来年の秋以降に、開場に間に合うように追加対策工事に万全を期すべきであります。この点については改めて要望をしておきます。
 また、知事には、入札契約制度に関しまして、現実路線に回帰をしていただいて、豊洲市場への移転に、そして都政全体に大きな支障が生じないよう全力を尽くしていただくとともに、何よりも都民サービスの低下につながらないように、最大限の配慮をしていただきたい、このことを強く要望させていただいておきます。
 都知事が取り組むべきは国政ではないんですよ。目の前の現実の都政なんですよ。これだけ都政が混乱してしまっているというのは、これ、知事自身の大きな責任ですよ。改めて肝に銘じていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。
 ここで築地の再開発検討会議が来月スタートするわけですね。都議会自民党は、築地市場の跡地に設置される施設には、市場機能を残すことには納得がいかないんです。納得いきません。広大な面積の豊洲市場があるにもかかわらず、何で狭隘な築地に市場機能を残さねばならないのでしょうか。全く理解できないです。
 市場当局は当初、メンバーでないとお伺いいたしました。検討会議と一定の距離を保つことを要望しておきます。
 また、先週の九月十六日土曜日でありますが、新市場建設協議会が開催されたと仄聞いたしております。この調査結果、これは協議会で報告したんでしょうか。結果に対する市場関係者の受けとめはいかなるものだったのでしょうか。
 これ、当然、市場関係者からは安全宣言を出してほしい、この要望があったんではないかなと、このように思われるんですけれども、都の所見を伺いたいと思います。

○影山新市場整備調整担当部長 今回の空気や地下水の調査結果につきましては、新市場建設協議会では報告しておりませんが、九月十四日のプレス発表当日に市場関係者の方々に説明をしてございます。
 九月十六日開催の新市場建設協議会におきまして、市場関係者からは、今回の調査結果を含めて、豊洲市場の環境問題について不安を感じている方もおられるので丁寧に対応してほしいといったご意見をいただいたところでございます。
 なお、豊洲市場の開場に向けまして、知事から安全宣言をしてほしいとのご要望は、以前から複数の業界団体代表の方から頂戴しているところでございます。

○柴崎委員 先ほど地元住民から安全宣言の要望があったとのお話をさせていただきました。
 今ご答弁をいただきました複数の市場関係者からも安全宣言の要望が出ているとのことであります。このことは強く受けとめていただくべきだと思います。
 私も本委員会におきまして議論をさせていただいてまいりました。
 知事は、昨年の八月三十一日に豊洲市場への移転延期を表明して、その理由として三点を挙げておられました。
 一つ目は安全性への懸念です。二つ目が巨額で不透明な費用だと。三番目が情報公開の不足だという、この三点を挙げられて豊洲市場への移転を延期したわけであります。
 一方、小池知事の前任の舛添知事は、平成二十六年、これも以前の委員会でも申し上げました。平成二十六年の十二月九日、定例記者会見におきまして明確な安全宣言をしたわけであります。この舛添前知事の安全宣言を、小池知事は豊洲市場の安全性に懸念がある、こういうふうにおっしゃって否定をしたわけであります。それが昨年の八月三十一日なんですね。
 しかしながら、ご承知のとおり、ことしの六月二十日、小池知事は豊洲市場への移転を含む基本方針、これを発表したわけですね。この時点で、昨年八月の移転延期の理由は全て解消したというふうに小池知事は判断をして、移転に向けて歩み始めたということになるわけであります。
 つまり、先ほど申し上げました安全性への懸念、これも解消した。巨額かつ不透明な費用の増大、この疑念も解消したんです。そして最後に三番目、情報公開の不足、これも解消したんですよ。
 したがって、三点の疑いは全て晴れたということなんですね。全く問題がないというふうに小池知事は判断をしたということになりますよね。だからこそ、みずから豊洲市場への移転を決断したわけであります。
 もとより豊洲市場の用地、これは土壌汚染対策法上に定めます形質変更時要届け出区域に指定をされているわけであります。厚いコンクリートが設置をされているなど必要な措置がとられておりまして、法的にも安全である、このことを意味するわけであります。
 つまり、昨年の八月末に明らかになったわけであります、この安全性への懸念というのは、もともとなかったということになるわけであります。そうでありながら、知事は豊洲市場の安全性に疑念があるとして専門家会議、そしてまた市場問題プロジェクトチーム、これをそれぞれ立ち上げて、安全性を再検証させたわけなんですね。
 ですから、知事は安全性に疑念があると、このように記者会見で述べまして--食の安全・安心に、やはり敏感なんですよ、この都民の不安をあおったわけなんです。こうした再検証の結果、豊洲市場は安全であることが再度確認をできたわけであります。
 であれば、都民の前で当然、知事みずから豊洲市場の安全宣言をすべきであると思います。そうすべきではないかと思うんですね。
 みずから不安の種をまいたわけですよ。したがって、専門家の再検証結果を踏まえまして、みずからが安全宣言をして不安を静めるというのは当たり前のことですよ。これをやらないわけですね、依然として。これは政治家としての本当に務めなんでしょうかね。
 やはり都政の最高責任者の務めではないでしょうか、そういうふうに思うわけであります。
 ことしの春には、築地には安心はあるが豊洲には安心はない。全く根拠がない、こんな発言を知事みずから行いまして、地元住民、あるいは市場関係者を不安に陥れたわけであります。
 この結果、地元住民や市場関係者にはさいの河原で石を積み続けるような徒労感、そして不信感、こうしたことが募る状況が続いているわけであります。この責任は極めて重大ですよ、極めて重大ですよ。だからこそ、安全宣言の要望であると何で思わないのかなと、こういうふうに思うわけであります。
 今月十三日、市場長以下多くの市場当局幹部が江東区議会の清掃港湾・臨海部対策特別委員会、これに出席をしたというふうに仄聞いたしております。区長や区議会議員が異口同音に知事の安全宣言を求めたはずであります。
 やはり地元の風評被害、本当にこれは深刻なんですよ。風評被害対策に先頭に立って取り組むというのであれば、やはり知事みずからが安全宣言をすることから始めるべきであります。
 市場長はどのように知事にお話をしているのか、その辺もきょうは質問をいたしませんが、やはりそれは市場長もしっかり知事にお伝えしてもらいたい。そして、市場長はやはり知事に安全宣言を出すように進言すべきだと思いますよ。地元住民も市場関係者も、本当に切実な思いで知事の安全宣言を待っているんですよ。何でこの気持ちに応えていただけないのか、非常に我々もわからない、残念です。
 豊洲市場の安全性に疑念があるというふうに知事は一旦否定したのであります。その後は専門家会議による再検証の結果、豊洲市場には問題ないんだと。豊洲市場は安全だという評価を改めていただいたんですね。であれば、再検証の結果を受けて、知事みずからが安全宣言を出すと。これ道理でしょう、当然のことだと思いますよ。
 これ、何でちゅうちょするのでしょうか。安全宣言が出せない特別な事情があるのでしょうか。全く理解できないです、我々。
 豊洲市場が安全だったならば、そもそも今回の調査を実施する必要はないんじゃないですか。いわゆるワイズスペンディングとはいえないのではないかなという声も聞こえても当然かと思います。
 したがってお伺いします。
 土壌汚染対策法上、空気測定ですとか地下水の調査、これを行わなければならない義務が都にあるのでしょうか。今回の調査はどのような位置づけ、目的で行っているのでしょうか。都の見解を伺いたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 今回、公表いたしました空気及び地下水質調査は、法的に義務づけられたものではなく、市場業務を行う地上部の安全確認や市場用地全体の地下水質の傾向を把握するために実施しております。
 今後も、専門家会議の助言に基づき、空気及び地下水質調査を実施し、その調査結果と専門家会議の評価をあわせて、正確な情報を発信してまいります。

○柴崎委員 今ご答弁いただきました。こうした中で小島顧問の意向が強く反映されている市場問題プロジェクトチーム、これの第一次報告書、これの七三ページなんですけれども、開場時無害化の約束が達成できなかったのだから、土壌汚染対策費約八百六十億円、これは無駄で、その支出責任は問われるべきだと、こういうふうに述べているんですね。
 もしくは、八百六十億円の支出を正当化する理由を説明すべきであると、こんな趣旨の記載があるんですね。そうであるならば、ことしの第二回臨時会で可決をした補正予算約七十三億円、これについては豊洲市場の安全性は明らかなのに、なぜ支出をするんでしょうか。
 まさにこれ、無駄な支出になるということにならないでしょうか。豊洲市場はもはや安全である以上、これらの対策は屋上屋を重ねるようなもので、無駄な支出になるとの主張に対してどういうふうに評価すればいいんでしょうか。
 これは答弁求めませんけれども、都は開場時無害化の約束を達成できないことを認めつつ、現実路線にかじを切ったんですね。新たな方針を提示したところではあります。
 実際、今回の調査結果でも地下水調査の結果は環境基準を超える地点が出ているのが現実であります。
 こうした中におきまして、市場関係者も地元住民の方々も知事の安全宣言を望んでいるわけであります。
 知事の安全宣言がない中で、安心の確保というのは前途多難なのではないかなと、こういうふうに思うんですね。開場時無害化の付帯決議にかわる新方針、これも浸透には時間がかかるものと思われます。
 そこでお聞きしたいと思いますが、豊洲市場の安全・安心を、今後どのように都民に訴え、そして理解と納得を得ていくのか、市場長に決意のほどをお伺いしたいと思います。

○村松中央卸売市場長 開設者といたしまして、豊洲市場の安全・安心に対する都民や事業者の理解と納得を得る、こうした努力を重ねていくことは重要でございます。
 現時点におきましても、豊洲市場用地の法的、科学的な安全性は専門家会議によって確認されておりまして、その上で将来のリスクに備えた追加対策を着実に実施することとしております。
 工事完了後は専門家会議による有効性の確認や、あわせて農林水産大臣の認可手続といった必要なステップを積み重ねてまいります。これらの取り組み状況や大気や水質の測定結果といった客観的なデータなどにつきまして、パンフレットやSNSなどさまざまな媒体を通じて、都民目線に立って、正確でわかりやすく発信してまいります。
 例えば「広報東京都」十月号では、こうした情報発信の取り組みにつきまして、知事からのメッセージとして掲載することとしております。
 また、豊洲市場の現状をより多くの方にごらんいただくため、現在行っております都民向け見学会を毎月実施するとともに、産地の出荷者や生産者、小売事業者などの方々へ対象を拡大するなど、より一層の充実を図ってまいります。
 こうした多面的な取り組みを進め、豊洲市場の安全・安心に対する都民や事業者の方々の理解と納得につなげてまいります。

○柴崎委員 ぜひ豊洲市場の安全・安心をしっかりと訴えていただきたいと思います。
 豊洲市場の見学会、今ご答弁いただきましたが、都民向けにことしの五月から月一回ペースで開催をされているということであります。
 この見学会の回数ですとか一回当たりの参加者数をさらにふやすなど、やはりより多くの都民に豊洲市場が安全であると、このことを知ってもらうように努力を重ねていただきたいと思います。あわせて強く要望させていただきたいと思います。
 昨年の八月三十一日、小池知事が移転延期を表明して以来、市場業者への補償は既に約十一億円を超えているんですね。延期表明がなければ避けられた支出なんです。移転開場日が決まれば、もちろんその支出も落ちついてまいります。
 何よりも老朽化が著しい築地市場から一刻も早く豊洲市場に移転をすべきであります。大地震など自然災害、これはいつ起こるかわからないんです。
 したがいまして、都は改めて市場業者と信頼関係を紡ぎ直し、移転開場日の交渉、調整に全力を挙げるべきであります。
 先般、我が党の秋田幹事長が代表質問で指摘をいたしましたが、移転の準備に最低でも十二カ月、一年はかかるんですね。そういう指摘をさせていただきました。まさに、したがいまして移転時期、これは今から逆算しても、早くても来年の秋以降になってしまうんですね。
 例えば、昨年、本来なら十一月七日、これが移転日ということであったわけですが、この十一月七日を決定したのも、その前年の七月に新市場建設協議会で公表しているんです。
 したがいまして、やはりできるだけ早く移転日を決定していく、これが非常に重要だと思います。そのためには、やはり市場長みずから築地市場に出向いていただきまして、膝を突き合わせて多くの市場業者の声をお聞きしていただきたい、このことを強く要望したいと思います、要請したいと思います。
 したがって、この移転に向けましては、こうした協議を行っていくには、やはり市場長が先頭に立って動いていただきたい、このように考えますが、市場長の見解を伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場への円滑な移転を実現するためには、都と市場業者が連携して移転に向けたさまざまな準備を進めていく必要がございます。
 都はこれまで、新市場建設協議会等において、移転に向けた業界との調整を進めてきておりまして、今後は七月の協議会で設置いたしました街区別検討会等も活用いたしまして、業界調整を一層推進してまいります。
 具体的には、開場時期についての協議を進めるとともに、引越計画の策定や市場運営に関するさまざまなルールづくりなどについて、業界と一体となって着実に検討を進めてまいります。
 また、造作工事や習熟訓練の本格化に向け、市場業者の取り組みも支援してまいります。
 業界との調整に当たりましては、私自身もしっかりとリーダーシップを発揮し、豊洲市場への円滑な移転を早期に実現してまいります。

○柴崎委員 今ご答弁頂戴いたしました。本当に市場長に先頭に立っていただいて、リーダーシップを発揮していただきたい、このように思うわけでありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 業界調整では信頼関係の醸成、これはやはりトップ会談が大変重要なんですね。このことを胸に刻んでいただきまして、移転開場日など、これから山積する課題を速やかに決着をさせていただければと思っております。
 一方的な物いいで何も解決をいたしませんが、やはり地元住民、そして市場関係者から要望を受けても、知事は本当に安全宣言を出さないのでしょうか。これ、全く理解できないんですけど、もう何度も申し上げていますが、やはり豊洲市場には安心がないと、こういうふうにいい切ったんです、知事は。
 したがって、安全宣言を出さずして、どのように都民の安心を確保するおつもりなんでしょうかということで、きょうはここでお聞きしたいんですが、知事はいらっしゃらないわけですから、質疑にはならないわけであります。
 そして、知事は無害化が達成できないことで安全宣言をちゅうちょしているのでしょうか。そうだとすれば、追加対策工事をどういうふうに評価しているのか、この点についてはぜひ知事にお伺いしたいわけでありますけど、ここもやはり知事がいらっしゃらないわけですから、ぜひこうしたことを、しっかりと我々議会としてはお聞きをしていきたい、そういうふうに思うわけであります。
 知事の安全宣言なき移転、本当に大丈夫なんでしょうか。移転作業は円滑に進んでいくんでしょうか。豊洲市場の門出を気持ちよく受け入れ、そして、多くの方々に祝福をしていただきたいものだと思っているんです。
 市場関係者は安全宣言なき移転、これに不安を感じているわけであります。この不安感に乗じて、東京都顧問でありながらプライベートと称して、小島敏郎氏は築地にあらわれまして、混乱と分断を助長するかのような発言を繰り返してきたわけであります。
 豊洲移転派、豊洲一時移転築地リターン派、築地現在地再整備派、こんなふうにグループの色分けをしたんですね。したがって、市場関係者にはさらなる混乱と分断をもたらしたわけであります。
 知事を信じていれば救われるというふうに、声高らかに主張する小島敏郎氏の発言、このことは急速に進む物流改革ですとか衛生管理の高度化など、時代の荒波を乗り越えようとする市場関係者の気概と意欲をそがれてしまっているんです。
 市場関係者に残された望みと時間と経営体力すら奪ってしまっているわけなんですね。自己都合で変節を繰り返す小島敏郎氏の話に真剣に耳を傾ける関係者も減ってきているとはいえ、このことが豊洲市場への円滑な移転を阻んでしまっているわけであります。
 都議選の直前なんですね、六月の二十日に知事が豊洲移転と築地再開発を決めた。しかしながら、判断プロセス、これも全くない、記録にない、最後の決めは人工知能、回想録に残せるかもしれない、こうした趣旨の発言で煙に巻かれてしまったんです。本当にこれは人をばかにしているんではないかな、そんな不信感を募らせる都民は少なくなかったはずであります。
 情報公開とはほど遠い発言に対しまして、東京大改革の一丁目一番地は情報公開であるとのスローガンに共鳴した都民の落胆、非常に大きかったのに違いありません。ぜひ民主主義の基本に立ち戻りまして、誰もが行政の意思決定プロセスをたどれるように情報公開を徹底すべきであります。
 知事は今の姿勢を改めて、都政の健全化に全力を尽くしていただきたい、このように思うわけであります。
 都議会自民党といたしましては、第一回臨時会におきまして、特別委員会の設置がかなわなかった以上、今後は豊洲市場移転問題につきましては経済・港湾委員会で、そして築地再開発問題につきましては都市整備委員会で、徹底的に議論をしてまいりたいと思っております。
 もちろん必要に応じまして、その他の常任委員会でも真剣な議論を挑み、そしてまたリードをしてまいりたいと思っております。その上でおのおのの常任委員会におきまして、議論が尽くされないと判断をすれば、参考人招致を含めまして必要な提案を適宜行ってまいりたいと思います。
 それが知事を筆頭とする執行機関に対して、チェック機能を果たしていく我々都議会の責務だと思います。
 以上、申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○あぜ上委員 先ほど来のご答弁の中で、地下水で百二十倍のベンゼンが検出されたと、また多くの地点で環境基準を超える有害物質が検出されたと、こういう重大な問題があるにもかかわらず、重大な認識、これが大変欠如しているご答弁だなというふうに思ったわけです。
 先ほど来、知事の安全宣言というお話がありましたが、知事は安全宣言をしないんじゃない、安全宣言ができないんだと、私はそう思います。
 そもそも土壌も地下水も環境基準以下にするという約束、これは豊洲の新市場はベンゼンやシアン化合物、こういう有害物質が含まれたタールが大量に含まれていた、そのタールが直接捨てられていた、そういう場所だからこそ、そこまでしなければ、環境基準以下までにしなければ、やっぱり食べ物を扱う市場として使えないんだ、使わないんだということを都民や市場関係者と約束したわけですよね。
 知事は約束を守れなかったことは重く受けとめると、そういっていたのにその約束がますます守れていない状態になったんですから、私は事が重大であるといわざるを得ないと思います。
 それにもかかわらず、知事は所信表明でも全くこの問題に触れなかった、このことは私は非常に問題があるというふうに思っております。
 六月十一日の専門家会議のときも、平田座長が土壌も地下水も環境基準以下にすることは難しいと、少しずつ近づけていくと発言されたときに、傍聴されていた専門家、そして市場関係者の皆さん、都民の皆さんからは環境基準以下にするというのは移転を合意する前提だったじゃないか、おかしいじゃないかという厳しい批判と指摘があったわけです。
 食の安全・安心が最優先というんだったら、なぜ汚染濃度が上がっているのか、それから、それを調査しますとか、やっぱり移転は立ちどまっていきますと、こういうふうに都民の皆さんの不安、これに正面から応える姿勢をとるべきだというふうに私は思います。
 そこで、今回の調査結果について何点か伺いたいと思います。
 そもそも、なぜ今回の地下水の調査、これは四十六カ所というふうにしたのでしょうか。まず、そこから伺います。

○村井基盤整備担当部長 現在豊洲市場で行っている地下水質の調査は、これまでの調査で高い濃度が確認された箇所を中心に選定した二十九カ所と、街区などのバランスを考慮して選定した十七カ所の計四十六カ所で実施しているもので、市場用地全体の地下水質の傾向を把握し、都民に的確な情報提供を行うことを目的として行っているものであります。

○あぜ上委員 調査箇所を絞ったというご答弁なんですが、二年間モニタリングでは二百一カ所と。そのモニタリング調査よりも減らしてしまったのはやっぱり問題だというふうに思うんです。
 今、市場用地全体の地下水水質がどうかを確認するためにモニタリングをやっているというふうにご答弁されたわけですが、そうであるならば、もっと多くの地点での調査が必要なんじゃないでしょうか。今後の調査も四十六カ所しかやらないということでしょうか。

○村井基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたけれども、選定理由が、これまでの調査で高い箇所を中心として二十九カ所、そして全体のバランス、これは調査地点が豊洲市場用地内にバランスよく配置されていること、また、物質がバランスよく採取できる、そういった箇所を選定しております。
 そういう中で、引き続き四十六カ所で調査を継続してまいりたいというふうに考えております。

○あぜ上委員 なぜ地下水の汚染物質が広がっているのかということについては、専門家会議が、先ほどもちょっとご答弁がありましたけれども、揚水して、水をくみ上げて、水が移動しているから汚染物質も移動している可能性があるんだということだったわけですから、本来もっと多くの地点でこの調査をする必要があるんだというふうに私は思います。
 専門家会議自身が汚染が移動しているといっているのに、いわゆる全体に広がる可能性があるということですから、やはり調査地点を絞るということは問題だといわざるを得ないと思います。
 先ほどもちょっと質問の中にありましたが、一月のときにはベンゼンが環境基準の七十九倍、そして再調査をした三月が百倍、さらに今回の報告で五月が百二十倍とベンゼンの汚染濃度が濃くなっているわけですけれども、これは一カ所のみだというご答弁が先ほどありましたが、なぜこの地点で高くなったと考えていらっしゃるんでしょうか。
 そして、この濃度が高くなったことをどう考えていらっしゃるんでしょうか。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水で汚染が確認されている状況について、透水性の低い土壌の間の汚染地下水が地下水管理システムの稼働によって移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存していた可能性などがあるとしております。
 また、今回の測定結果については、濃度が上昇傾向を示した地点や低下傾向を示した地点も存在しておりますが、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できない、また、揚水井戸からの地下水揚水や地下ピット部からの強制排水による地下水の流れが生じていることの影響が続いている可能性が高い、地下水中のベンゼン、シアン、ヒ素の状況については、地下水管理システムによる揚水開始後の昨年末の状況と大きくは変わらないと考えられると評価しております。

○あぜ上委員 今、昨年末と変わらないというお話だったんですが、ベンゼンでいえば、七十九倍が五月には百二十倍ですから、五カ月で一・五倍になっているわけですよね。しかも、この間の土壌汚染対策をやった後、最大の値なわけですよ、この百二十倍というのは。
 そんな認識でいいんでしょうか。もう一度お答えいただけませんか。

○村井基盤整備担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、局所的に百二十倍というところはございますが、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないということでございます。

○あぜ上委員 先ほどのご答弁の中で、なぜ汚染濃度が高くなったのかは、地下水揚水と地下ピット強制排水により地下水が流れているからの可能性が高いというふうにおっしゃったんですけれども、じゃ、その原因が調査されたのかというと、原因も調査されていないわけですよね。
 それなのに、全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないという専門家会議の評価をうのみにするような事態は、私は問題があるというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 地下水の調査も濃度が上がっている状況、そして今回も四十六カ所中三十八カ所と、前回は四十カ所だったけど、減ったといっても、結局多くのところで、八割以上のところで環境基準を超える値が出ているということですから、今後の調査でも、やはり私はクロスチェックも必要だというふうに思うんですが、その点はいかがですか。

○村井基盤整備担当部長 現在豊洲市場において地下水質の調査を実施している調査会社は、地下水モニタリングの再調査の際、専門家会議のもと四社でクロスチェックを実施しており、精度が確保されていることを確認していることから、改めてクロスチェックは予定しておりません。

○あぜ上委員 じゃあ、伺いますが、その再調査のときには、調査会社というのは一体どうやって決めるんですか。

○村井基盤整備担当部長 現在調査している調査会社につきましては、過去に、これまでの二年間のモニタリング調査などで調査を実施している実績のある会社、そういった四社の中から選定しております。

○あぜ上委員 この間、過去一回から八回の調査でさまざまな、不検出ということでさまざまな疑惑が残っているわけですから、やっぱり今後については、きちんと私はクロスチェックする必要があるといわざるを得ないと思うんです。
 やっぱりしっかりクロスチェックをして、先ほど来、専門家会議ということを盛んに繰り返しおっしゃっていましたけれども、専門家会議はたった三人の方ですよね。この専門家会議だけじゃなくて、ほかの専門家なども交えてきちんと評価すること、汚染の広がりと濃度が濃くなっている原因、その調査や検証を行うよう求めておきたいと思います。
 先ほどお話もありましたが、知事が昨年、移転延期を決断された理由の一つが、モニタリング結果が示されない中で移転することは食の安全が確保できないからだというものでした。
 今後、濃度の確認モニタリング、それから全体確認モニタリングを実施するということなんですが、これは濃度が高くなり続けたらどうするんでしょうか。

○村井基盤整備担当部長 空気や地下水質の調査は専門家会議の助言に基づいて実施しており、今後も空気測定を継続し、地上の安全を確認するとともに、必要に応じ専門家会議に相談するなど適切に対応してまいります。
 なお、豊洲市場用地は街区周辺を遮水壁で囲んでいることから、新たな汚染の可能性がなく、地下水管理システムにより地下に浸透した雨水を継続的に揚水していくことで徐々に汚染地下水は回収されるものと考えており、今後、中長期的に地下水質は改善されるものと認識しております。

○あぜ上委員 今、中長期的に改善されるものとおっしゃったんですが、中長期的というのはどのぐらいの期間をいうんですか。一年なんですか、二年なんですか、それとも五年なんですか。何年と見ているんですか。

○村井基盤整備担当部長 中長期的といいますのは、専門家会議の場でもこういったお話は議論になりましたが、直ちに浄化することは難しいが中長期的には改善されていくということは専門家会議の場でもいろいろご質問いただきながら議論しておりますが、時期がいつということは一概にはいえません。

○あぜ上委員 いえないということは、十年先かもしれない、百年先かもしれないということじゃないですか。
 市場として、その点の認識、どの程度の中長期なのかという、市場としては検討されているんですか。もう一度お答えください。

○村井基盤整備担当部長 今回の調査におきましても、水質だけではなく、地上部における--市場業務を行う箇所における地上部ですね、ここにおいても空気調査を行うなどして安全の確認をしていくということで、都民や事業者の理解を得ていきたいということで、地下水だけの安全ではなく大気の安全も確認しながら、今後行われます地下水管理システムの強化工事、そして追加対策工事を着実に進めていきたいというふうに考えております。

○あぜ上委員 中長期的の期間もわからないということでは、やはり都民や市場業者の皆さんは本当に不安なわけですよ。
 大体、先ほどもいいましたけれども、この土地の奥深くまでタールがしみ込んでいる。そうすると、油というのは水に溶けないわけですから、先ほども汚染が残っているというお話がありましたが、汚染スポットがあるというふうに考えられる可能性が十分あるわけですよね、今でも。そうすると、どのぐらいの汚染スポットが残っているのか。それによっては、本当に何年かかるかわからないということになるんじゃないでしょうか。
 先ほど、汚染スポットといういい方はされませんでしたが、汚染が残っているというお話、可能性があるというふうにおっしゃったんですが、現在どのぐらい残っているのかというのは調査しているんでしょうか。

○村井基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたが、現在調査しているのは地下水質の調査四十六カ所と地上部における十一カ所の地点での空気の調査、これをすることで安全の確認を今しているところでございます。

○あぜ上委員 そうすると、現在、汚染の総量がどれだけ残っているのかというのはわからないということですね。その点、もう一度お答えください。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場では地下水の飲用や利用は予定されておりません。
 専門家会議では、地下水で汚染が確認されている状況について、透水性の低い土壌の間の汚染地下水が地下水管理システムの稼働によって移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存していた可能性があるとしており、こうした地下水質の状況や地下水位の現状を踏まえた上で、必要な追加対策工事について提言をいただいております。
 今後、追加対策工事を着実に実施し、空気や地下水の測定結果などを正確に発信していくことにより、豊洲市場の安全・安心を確保してまいります。

○あぜ上委員 つまり、どのぐらいの汚染物質が、タールが塊として残っているのかもわからない。地下水のベンゼンが七十九倍、それから百倍、そして百二十倍と濃度が濃くなっている。なぜそうなってるかもわからない。そして、どのぐらいの期間で地下水質が改善されるかもわからない。そういう中で、本当に食の安全なんて守れるんでしょうかね。
 今、お話では、地下水は飲用しないからだと、そういうふうにおっしゃったけれども、私は、専門家会議も地上と地下を分けて、必ずおっしゃっているけれども、その専門家会議自身も、地上の将来のリスクの可能性はあるというふうに専門家会議でもはっきりおっしゃっているわけですよ。地上と地下を分断すること、分けて考えること自体、私は無理があると思うんですね。
 しかも、前回の委員会でも、私、指摘しましたけれども、今も地下の管理システムは、地下水位は二メートルを超え続けている。もうすぐ一年になるわけですね。こうなってくると盛り土の再汚染も調査が必要な事態になっているわけですよ。
 前回の委員会のときに、私が、盛り土が再汚染されていないという根拠はありますかという質問をしました。そしたら、再汚染はされていませんとはいえませんでした。
 盛り土についての再汚染の調査をすべきだというふうに私は考えますが、いかがですか。調査しますか。

○鈴木技術調整担当部長 盛り土が再汚染されている可能性につきましてでございますけれども、豊洲市場におきましては、局所的に土壌汚染が残存していた可能性等がある、これは専門家会議においても指摘されているところでございまして、こうした地下水の汚染状況や地下水位がまだ高いという現状を踏まえまして、必要な機能強化策を提言していただいたところでございます。
 まずは、こうした専門家会議の提言に基づきまして追加対策を着実かつ確実に実施することで、速やかに地下水位の低下、その他の追加対策に取り組んでまいりたいと、そのように考えてございます。

○あぜ上委員 専門家会議ということが繰り返しいわれたわけですけれども、専門家会議は、二〇〇八年のベンゼンが四万三千倍検出されたとき、敷地全体に高濃度の汚染が広がっているんじゃないんだと、そして絞り込み調査の結果も、深さ方向全体に広がっているわけじゃないんだと、対策は十分可能なんですというふうにいってきたわけですよ。そして、これまでの対策についても、盛り土をして地下水の管理をすれば大丈夫なんだと、そうやって移転にお墨つきをつけてきたわけですよ。
 しかし、平田座長も認めたように、土壌も地下水も環境基準以下にすることはできなかった。そして地下水の水位も管理できていないという状態なわけですよ。
 その専門家会議のいうことだけを錦の御旗にして進めていくと。科学的に安全だ、法的に安全だ、大丈夫だといわれたって、やっぱり同じ失敗を繰り返すんじゃないかというふうに心配する都民、また、市場関係者の皆さんがたくさんいる。そして専門家の多くの皆さんも、そういう心配をされている。
 私は、やっぱりきれいになりませんでしたと、この後、また値がもし上がってそんなことになったら、本当に済まない問題だというふうに思うんです。市場関係者の皆さんにとっては死活問題ですよ。
 やはり都民や市場関係者の皆さんが求めている、ほかの専門家の方々も交えて評価をすること、それからクロスチェックを行うこと、これもやりませんと。そして、環境基準以下にしますと約束したけれども、できませんでした、これからも難しいですと。こういう専門家の人たちの助言を頼りにするやり方、それでは私は、やっぱり都民や市場関係者の合意と納得を得られることはない、得られないというふうにいわざるを得ないと思っています。
 先ほど、追加工事の九件中四件の入札が不調になったという問題が、柴崎委員からもお話がありました。
 この問題については、また別の委員会の中でやらせていただきたいと思いますけれども、一点だけ、私、ちょっと確認したいんですが、私たちは移転中止ですけれども、東京都として追加工事をこれからやるわけですけれども、入札がおくれているということで、よもや追加工事中に移転するなどということはあり得ないと思うんですが、その点だけちょっと確認させてください。

○岡安新市場整備部長 今の工事の契約の件につきましては、先ほども答弁させていただきましたが、豊洲への移転というのが最優先事項であるということでありまして、再発注に向けました契約手続は、財務局とも連携をしながら早期に進めてまいりたいと思っております。ですので、我々としては、これについては早期に再契約の手続を進めていくと。
 そういうことも踏まえまして、また改めてといいますか、業者の方々とも、移転につきましては、今もやっておりますが引き続き調整をしていきたいと、そういうふうに思っております。

○あぜ上委員 今私が聞いたのは、そうじゃなくて、追加工事がおくれる可能性がある、そうすると追加工事をやっている最中に移転するということはありませんよねと、そこのところだけ確認したいんです。もう一度お願いします。

○岡安新市場整備部長 確かに四件、今回、一者以下入札ということで、契約はもう一度、手続をし直すということになりますが、我々としては、早急にまたそこの手続を進めていくということで、大幅なおくれはなく進めていけるだろうというふうには考えております。
 ですので、今、六月の上旬から秋までということで、移転の準備ができるということではありますが、そこについて若干のおくれは出るかと思いますけれども、引き続き、その範囲の中で事業者の方々と移転については調整をしていくというふうに考えております。

○あぜ上委員 この点については、また後日の委員会でやりたいと思いますが、先日の二十日、都庁の前で、日本消費者連盟の方、そして仲卸業者の方、また市場内の業者の方など千人を超える方々が集まって、市民アクションが行われました。
 私はちょっとおくれて最後の方に行ったんですけれども、さまざまな立場の方が参加されていたんですが、そうした方々からは、豊洲市場への移転を中止、そして築地市場の再整備をという声が上がり、共通して出されていたのは、地下水調査で環境基準を超える汚染物質が出ても移転を強行するなど許されないという声だったんですね。
 前回の委員会で私が紹介しましたけれども、去年の暮れに、五十二人の科学者の方が、このまま移転を強行したら百年の悔いが残る、こういう声明を出されたわけです。本当に私は、百年の悔いを残しちゃいけない。食の安全は命と健康にかかわる重大問題なわけです。
 土壌も地下水も環境基準以下、これは議会もそうですけど、都も、都民や市場関係者の皆さんに開場の前提として約束したことなんです。ですから、これはやっぱりしっかりと守り続けなくちゃいけないし、その約束が守れないんだったら移転を強行すべきでない、そのことを強く申し上げまして質疑を終わりたいと思います。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十四分散会

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