経済・港湾委員会速記録第十二号

平成二十九年九月四日(月曜日)
第十五委員会室
午前十時九分開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長上野 和彦君
副委員長山崎 一輝君
理事おときた駿君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
細田いさむ君
柴崎 幹男君
森村 隆行君
ひぐちたかあき君
のがみ純子君
栗下 善行君
鈴木 章浩君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
港湾局局長斎藤 真人君
技監小野 恭一君
総務部長古谷ひろみ君
労働委員会事務局局長土渕  裕君
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小室 一人君
主計部長松川 桂子君
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務邊見 隆士君
技監上野 雄一君
総務部長桜井 政人君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務佐々木 健君
まちづくり推進担当部長山崎 弘人君
建設局局長西倉 鉄也君
総務部長今村 篤夫君
道路建設部長奥山 宏二君

本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十一号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)
付託議案の審査(決定)
・第百三十一号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)

○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の付託議案の審査を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、所管外の理事者の出席について申し上げます。
 付託議案の審査に関係する所管外の理事者として、財務局の武市局長、小室経理部長及び松川主計部長、都市整備局の邊見東京都技監都市整備局長兼務、上野技監、桜井総務部長、佐々木企画担当部長及び山崎まちづくり推進担当部長並びに建設局の西倉局長、今村総務部長及び奥山道路建設部長にご出席いただいております。ご了承願います。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十一号議案を議題といたします。
 過日に引き続き、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○あぜ上委員 おはようございます。それでは質疑をさせていただきたいと思います。
 第一に、食の安全・安心と無害化の撤回についてです。
 本会議質疑で、知事は、生鮮食料品を扱う場である卸売市場において食の安全・安心の確保が最優先されるべきであることは就任以来一貫して述べてきたとおりで、私の考えはこれまでと変わっていないと答弁されました。
 しかし、一方で、豊洲新市場は土壌も地下水も環境基準以下にして開業するという、市場関係者、市場業者や都民の皆さんとの約束をほごにしたことは相矛盾したことであり、絶対に認められません。
 これまで、土壌汚染対策に八百六十億という巨額が投じられたわけですが、汚染物質を取り除くことができませんでした。
 二つの安全対策だといってきた、その一つは盛り土でしたが、これは建物の下にはなかった。そしてもう一つの対策だとしたのが地下水管理システムですが、これも機能していない状態になっているわけです。
 この間はっきりしたのは、豊洲市場は土壌も地下水も環境基準以下に抑えることができなかったし、また、これからも、何年かかるかも、本当に抑えられるのかもわからないということです。
 しかし、知事は本会議で、専門家会議などからは法的、科学的に安全と評価されたと発言し、追加工事を行い、その環境測定結果を公表するからリスク管理は行えるとの提言をもらった、反省を踏まえ、これらの対策を着実に実施することにより、豊洲市場での安全・安心を確保するのだといいました。
 豊洲市場の場所は、東京ガスが三十年以上の長きにわたって石炭ガスを製造し、そこで発生したタールを直接流し込むというところまでしていたところです。操業由来の汚染も残っていることは、専門家会議でも認めているところです。
 そして知事自身も、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民との約束は守れなかったと謝りました。
 環境基準以下にできなかったことをどう受けとめていらっしゃるんでしょうか。そして、謝れば基準をクリアしないでよいということなんでしょうか。まず、お答えください。

○吉村企画担当部長 豊洲市場用地につきましては、土壌汚染対策を行いまして汚染の大幅な改善は図られたものの、結果として環境基準以下という目標は達成されてございません。都民や事業者との約束が果たされていないことを真摯に反省し、知事が、都民や事業者に対して陳謝したところでございます。
 その上で、現実的な取り組みを進めるため、無害化にかわる新たな方針を定めました。方針では、専門的、科学的で妥当な対策を適切に講じ、その取り組みや客観的なデータについて正確な情報発信を徹底していくこととしてございます。
 新たな方針のもと、こうした取り組みを着実に積み重ねていくことで、豊洲市場の安全・安心について、都民や事業者の理解を得られるよう努めてまいります。

○あぜ上委員 今、現実的な取り組みを進めるためにとおっしゃったわけですけれども、現実的な取り組みを進めるためにということは、土壌も地下水も環境基準以下にするという約束は非現実的な方針だったということなんでしょうか。
 また、知事は、反省する、謝罪した、そうおっしゃったけれども、都議会ができもしない非現実的な付帯決議をつけて、それを受けて、当時の知事や市場長ができもしない約束をしたのが間違いだったということなんでしょうか。もう一度ご答弁ください。

○吉村企画担当部長 これまで、目標に向けた対策を行い、汚染の大幅な改善は図られたものの、結果として都民との約束は果たされていない状況にございます。
 こうした現状を真摯に反省し、都民におわびをした上で、無害化にかわる新たな方針を定めたものでございまして、この方針に基づき、現実に立脚した取り組みを着実に積み重ねていくことで、都民や事業者の理解を得られるよう努めてまいります。

○あぜ上委員 今おっしゃったように、結果として、都民、また市場業者の皆さんとの約束は守れなかったということです。
 石原元知事が百条委員会で我が党の尋問に対し、土壌も地下水も環境基準以下にするという目標について、ハードルが高過ぎたのかもしれない、こう発言されたときに、小池知事はびっくりしたと、こうおっしゃったのに、今度は自分でそのハードルまで取り払ってしまう、そういう姿勢だといわざるを得ません。
 そのことについても、曽根議員が本会議で知事に質問いたしました。しかし、知事は、現実的な新しい方針といって、まともに答えられなかったわけです。
 今のご答弁では、できもしない非現実的な目標を掲げて、八百六十億円もの土壌対策工事をしたということになるんじゃないですか。
 法を超える土壌対策をなぜ行ってきたのか。深刻な土壌汚染の東京ガスの工場の跡地に生鮮食料品を扱う卸売市場を移転することに、市場関係者の皆さんや、また都民が強い反対、本当にこれじゃ安心できない、食の安全を守れない、こういう声があったから、こういう反対があったから、法を超える高い目標を掲げたのではありませんか。
 二〇一二年の三月の都議会で、当時の市場長がこのように答弁されています。食の安全確保は、卸売市場の基本的使命であり、豊洲新市場の開業に当たっては、あくまで汚染された土壌が無害化された安全な状態が前提。その市場開業の前提が守られていないのに、新たな方針、そんな名のもとに、環境基準以下の約束を撤回して安全のハードルをなくしてしまう。こんなことは許されません。違いますか。

○吉村企画担当部長 豊洲市場をめぐりますこれまでの議論の中で、土壌や地下水を環境基準以下にする、無害化を達成することが大きな課題となり、さまざまな議論がなされ、都議会においても付帯決議がなされたところでございます。こうした都議会や都民との約束は重いものと考えてございます。
 こうした約束が果たされていない現状を真摯に受けとめ、改めて原点に立ち返って、専門家会議等での検証を踏まえ、市場のあり方戦略本部で総点検を進めました。
 豊洲市場では地下水の飲用や利用は予定しておらず、また、敷地がコンクリートなどで覆われており、土壌汚染対策法上、適切な措置が講じられております。
 また、専門家会議の中で空気測定を行いまして、屋外や建物一階部分の地上部につきましては都内の一般環境と変わらないレベルであることから、地上部は科学的に安全であると評価されてございます。
 こうした現実を踏まえ、都民との約束が果たされていない現状を真摯に反省した上で、市場の管理運営に責任を持つ行政として現実的な取り組みを進めるため、従来の数値による目標にかえて新たな方針を定めたところでございます。
 今後、この方針に基づく取り組みを着実に積み重ねていくことで、豊洲市場の安全・安心を確保していくことにつきまして、都民や事業者の方々の理解を得られるよう努めてまいります。

○あぜ上委員 今ご答弁あったように、約束は重いんですよ。今、ご答弁の中で、法的にクリアしているんだと、土対法の法律にはですね。そういうふうにおっしゃったけれども、法的に安全でいいという目標だったら、何で八百六十億円もかけて土壌対策をする必要があったのか。そうなるんじゃないですか。
 八百六十億円もかけて土壌対策をする必要がなかったということになるんじゃないですか、今のご答弁だと。違いますか。

○吉村企画担当部長 これまでの豊洲市場をめぐります議論の中でさまざまな議論がなされまして、しっかりとした対策をとろうということで土壌汚染対策を行いまして、汚染の大幅な改善は図られてきたところでございます。
 しかしながら、結果としまして環境基準以下にするという目標までは達成することはできなかった。こうした都民との約束が果たされていないことにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、都知事が陳謝したところでございます。
 現実を見据えまして、環境基準以下という目標は達成されてはおりませんが、汚染の状況を踏まえまして専門家会議に提言をいただき、今後のリスク管理の観点からの対策をした上で、きちんとした情報発信をするということで安全・安心について都民や事業者の理解を得ていきたい、このように考えてございます。

○あぜ上委員 そうなると、本当にあくまで汚染された土壌が無害化され、安全な状態が前提だという約束は一体何だったのかといわざるを得ないですよね。
 現実的な道だというふうにおっしゃったけれども、それは、もう建物が建ってしまったからとでもおっしゃりたいんでしょうけれども、そういう意味なのかわかりませんけれども、そのために、現実的な対応だといって食の安心・安全を放棄したことは、やはりごまかしといわざるを得ないんです。
 港区では、二〇〇六年から七年当時、マンションが大変急増いたしまして、その中で小学校も不足して、やはり田町にある東京ガスの工場の跡地、これを購入しようとしましたけれども、土壌汚染の調査を行ったら、環境基準の千九百倍のシアン化合物、そして六百二十倍のベンゼンが出て、購入を断念したわけですね。ところが、東京都はその一年後に、豊洲新市場予定地から桁違いの四万三千倍のベンゼンが出たのに、市場建設に固執したわけです。
 私たち日本共産党も移転中止を求めましたが、市場関係者の皆さん、そして業者の皆さん、都民の皆さんから、これじゃ食の安全・安心が守れないじゃないか、こういう厳しい批判が、そして不安の声が広がる中で、二〇一〇年のあの三月の都議会で、無害化された安全な状態での開業、これを付帯決議せざるを得なくなって、そして東京都としても、都民、そして市場業者の皆さんに、環境基準以下にすると約束したんじゃありませんか。
 環境省は、改正土壌汚染対策法の概要と留意点におきまして、土壌汚染による健康リスクの発生経路を示しております。この健康リスク発生の経路を遮断できるかどうか、これが安全性の指標として大変重要だと思います。
 健康リスク発生の経路を遮断できるかどうか、安全性の重要な指標だと私は考えますが、いかがですか。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、アスファルト舗装や盛り土材の設置による土壌の直接摂取防止や、地下水の飲用、使用計画がないなど、土壌汚染対策法上の健康リスク発生の経路は遮断されております。

○あぜ上委員 土壌汚染対策法上の健康リスクの発生の経路は断たれている、そんなこと断言することはできませんよ。だって専門家会議も、地上と地下は別だなどといって、だから地上は安全だと、こういうふうにいっていますけれども、地上と地下を分断する、そういう捉え方自身に無理があるんですよ。
 既に地下水の管理システム、これがうまく機能していなくて、A.P.一・八メートル、これを超えて、いまだに地下水位が二メートルを超えている。三メートルを超えているところもいまだにある。
 盛り土が再汚染されていたら地上に揮発する可能性もあって、地下は安全ではないが地上は安全だなどとはとてもいえません。
 盛り土がなかった建物の下の地下ピットには、コンクリートを敷いて換気をするんだと、そういうふうにおっしゃっていますけれども、これは先日の委員会でも尾崎委員が指摘したように、大きな傷口にばんそうこうを張るようなものです。
 だから、専門家会議の資料をよく読みますと、地上について、将来のリスクの可能性があると、専門家会議の資料にもそうちゃんと書いてあるんですよ。つまり、環境基準を超える汚染物質が残っている以上、今のように、まともな調査もしないで追加対策をやる方法では、本当に経路が遮断できるかどうかもわからないではありませんか。リスクは消えたなどとはいえないと思います。
 その上、盛り土が地下水につかっている。そういう状態で、地下水では多くの箇所で汚染が検出されたわけですから、盛り土が再汚染されている可能性は高いといわざるを得ないわけです。
 盛り土が再汚染されていないなどという根拠はあるんでしょうか。ご答弁ください。

○鈴木技術調整担当部長 豊洲市場用地につきましては、地下水管理システムにより地下水を適切に管理していくことが肝要でございまして、速やかに地下水位を下げる必要があることから、専門家会議におきまして、地下水の汚染状況や地下水位の現状を踏まえた上で、地下水管理システムの追加対策について提言をいただいたものでございます。
 今後、追加対策を着実に実施いたしまして、大気や地下水の測定結果などを正確に発信していくことにより、豊洲市場の安全と安心を確保してまいります。

○あぜ上委員 いや、盛り土が再汚染されていない根拠があるのかと、そう聞いているんですよ。もう一度お答えください。

○鈴木技術調整担当部長 盛り土の再汚染についてでございますが、専門家会議におきましては、局所的に土壌汚染が残存していた可能性があるとしており、こうした地下水の汚染状況や、地下水位がまだ高い現状を踏まえた上で、必要な機能強化策を提言していただいているものと認識してございます。
 まずは、こうした専門家会議の提言に基づく追加対策を着実かつ確実に実施いたしまして、速やかに地下水位を下げてまいります。

○あぜ上委員 専門家会議も、地下水に汚染があると認めている。そして地下水位は、地下水管理システムがうまく機能していないから、もう水位が上がっているわけじゃないですか。
 だから、盛り土が汚染されているかどうか、その調査もしていないじゃないですか。調査もしないで、再汚染されていないなどということはいえないわけですよね。いえないから、今そうやって答弁をごまかしたわけですよ。こういういいかげんなことをいわないでいただきたいと思います。
 そもそも、二〇〇七年の十一月からの汚染調査では、十メートルメッシュ、全域で四千百二十二本。四千百二十二本というと大変多いように思いますけれども、実は一区画十メートルメッシュで、その代表地となっている、そのボーリング調査の口径を改めて調べてみたら、七十ミリなんですよね。こんなものなんですよ。これが代表地。だから、まだ本当に汚染のスポットが見逃されている、そういう可能性は十分あるわけです。
 ましてや、東京都がこれで安全だとしていた地下水管理システムの底面管理と盛り土の方法による安全対策は破綻が明確になったのに、方針を転換して、みずから掲げた環境基準以下にするという目標も、そして都民や業者、市場業者の皆さんに約束したことも投げ捨てる。こんなことは、私は絶対やってはならないと思います。
 では、伺いますが、科学的に安全なんだと先ほどもおっしゃっていましたが、そう断言するんだったら、この委員会でも他の委員の方からもお話がありましたけれども、業者の皆さんが切実に求めている安全宣言をなぜしないんですか。ご答弁ください。

○吉村企画担当部長 豊洲市場用地につきましては、土壌汚染対策法に基づく対策が的確に講じられておりまして、法的、科学的な安全が確保されていることは、既に専門家会議でも確認されております。
 その上で、将来のリスクに備えて、地下ピットの追加対策工事や地下水管理システムの機能強化といった、専門家会議が提言した対策を着実に実施してまいります。
 これらの対策工事に加えまして、先日完了した環境アセスメント手続や農林水産大臣の認可手続といった一連のステップを着実に進めているところでございます。
 そして、こうした取り組みの状況や豊洲市場の客観的なデータなどについて正確な情報発信を続けていくことで、豊洲市場の安全・安心について、都民や市場業者の方々の理解が得られるよう努めてまいります。

○あぜ上委員 今、科学的にも、そして法的にも安全だからというふうにおっしゃったけれども、じゃあなぜ安全宣言ができないんですかと、私はそういうふうに伺ったんです。
 なぜ安全宣言をしないのか。もう一度ご答弁ください。

○吉村企画担当部長 先ほどご答弁いたしましたように、法的、科学的に安全性が、地上について確保されていることについては、専門家会議でも確認されてございます。
 その上で、追加対策工事、それから環境アセスメント手続、それから農林水産大臣の認可手続といった一連のステップをしっかりやっていく。それから、そうした取り組みであるとか客観的なデータをしっかり情報発信していく。こういうことで、安全・安心についての都民の理解を得られるように努めていきたい、このように考えているところでございます。

○あぜ上委員 さすがに安全だとは宣言できないからでしょう。つまり、安全宣言はしないんじゃなくて、できないんじゃないんですか。追加対策をして安全宣言できないことをみずから認めたものだと思います。
 安全宣言よりも、今、管理して情報提供だというふうにおっしゃいましたけれども、業者の皆さんは食の安全・安心が命綱だからこそ安全宣言を求めているわけでしょう。市場業者の皆さんも、そして消費者、都民、皆さんも、食の安全は何よりも命と健康にかかわる問題だと。そういう大切な問題だからこそ、環境基準以下にすることが、移転、開業の最低条件だったわけです。それが、やっぱりできないからハードルをなくしますね、こんなやり方は、私はおかしいと思う。
 後々の子供たち、そして孫の時代、こうした食の安全・安心の責任を放棄することは許されない。これまでだって、何度も立ちどまる機会があったわけです。
 また、私たち日本共産党はそのたびに移転中止を求めてきたのに、それを拒否して進めてきた。その責任こそ、今、私は問われているんだというふうに思います。
 地下水の再調査では、現に環境基準の百倍のベンゼンが検出されました。知事は、この時点で移転中止の決断ができたはずです。それなのに、今度は安全のハードルをなくしてしまうことでクリアさせようという、私はこんなことは断じて容認できないと思います。
 命と健康にかかわる問題であり、市場運営に重大な影響があるからこそ、土壌も地下水も環境基準以下にする約束をしたんじゃないですか。市場業者の皆さんも、都民の皆さんも、これでは納得できないといわざるを得ません。
 専門家会議についてですが、三十日の本会議の答弁では、専門家会議は専門的、科学的知見に基づきなど、専門家会議を錦の御旗にしています。先ほどもそういうご答弁がありました。
 しかし、専門家会議は、二〇〇八年に四万三千倍のベンゼンが検出されたとき、敷地全体に高濃度の汚染が広がっているわけじゃない、そして絞り込み調査の結果も、深さ方向全体に汚染が広がっているわけじゃない、対策は十分可能だと、こうしたんです、こういったんです。そして、土壌は環境基準以下に処理して、地下水は環境基準以下の浄化を目指すことを提言して、その最大の対策が、盛り土をするということと、それから地下水の管理システム、これを行うことで豊洲新市場の移転にお墨つきを出したわけです。
 しかし、土壌も地下水も環境基準以下にはなっていません。地下水の水位も管理できていません。専門家会議の責任は重大だと思います。
 対策は十分可能だ、こういっていた専門家会議の提言は間違いだったんじゃないですか。違いますか。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、操業に由来する汚染が確認された箇所を対象に、土壌汚染対策工事により汚染土壌を掘削除去し、汚染地下水は一旦基準以下とした後、平成二十六年十一月より二年間モニタリング調査を実施してきております。
 第九回地下水モニタリング調査において七十二カ所で基準超過を確認しましたが、専門家会議では、地下水管理システムの稼働によって残存していた汚染地下水が移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存していた可能性などがあると考えられるとしております。
 こうした現状を踏まえた上で、専門家会議で妥当であると判断された追加対策工事を着実に実施していく。専門的、科学的な対策により、市場の安全に万全を期すとともに、地下水管理システムの揚水機能により、中長期的に水質の改善が図られると考える。あわせて、地上部の大気や地下水の水質などに関する正確な情報発信を通じて、都民や事業者の理解を安心につなげていくということとしております。

○あぜ上委員 対策は十分可能だといっていた専門家会議だったわけですけれども、結局できなかったわけですよ。
 その専門家会議の平田座長が、今回の追加対策については、今、安心・安全とおっしゃったけれども、地上も地下も環境基準以下にするものではないと、こういうふうにいってるわけです。知事も市場長も、答弁の中で、専門家会議ということを本会議の中でも乱発されていましたけれども、また同じことを繰り返すんですか。
 専門家会議といっても、メンバーはわずか三名です。その三名の方とも、石原元知事が設置した専門家会議以来のメンバーの方です。
 専門家会議とは立場の違う、そういう科学者や専門家の意見をよく聞くことを求めたいと思いますが、いかがですか。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議は、都から独立した会議体として豊洲市場用地における安全対策を検討していただき、地下水汚染が確認された状況を踏まえて、専門的、科学的知見に基づき必要な対策を提言しており、今後も引き続き、工事の完了などを確認していただく予定でございます。

○あぜ上委員 ほかの科学者の皆さんからは、この専門家会議は本当に、出したやり方がどうだったのかと、きちんと検証すべきじゃないかと、またおかしいじゃないかといった批判の声がいっぱいあるわけですよ。
 だから、そういう専門家会議のメンバーとは違う科学者や専門家の意見にも耳を傾ける必要があるんじゃないか、そういうふうに私は伺っているわけですが、もう一度ご答弁ください。

○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、追加対策を着実に実施するとともに、対策の状況や、地下水など、大気や地下水質などの正確な情報発信を通じて、都民の安全・安心を確保していただけるというふうに考えております。

○あぜ上委員 都は、ほかの科学者や専門家の方々の意見に耳を傾ける、そういう姿勢がないといわざるを得ません。
 四万三千倍のベンゼンが検出されたときに本当に立ちどまって、徹底的な調査や、立場の違う科学者の、また専門家の方の意見をよく聞いていたらどうなっていたかと、本当にそのことを強く思います。
 そして、今改めて現時点での汚染の実態について徹底的な調査や検証を行って、都議会で付帯決議をした、また東京都が都民や市場関係者の皆さんに約束した無害化が守れないのであれば、やっぱりきっぱりと豊洲の新市場への移転は中止すべきです。
 五十二名の科学者の皆さんが、豊洲新市場へ移転をしたら百年の悔いが残る、昨年の十二月にそういう声明を出しています。百年の悔いが残らないための決断を求めたいと思います。
 第二に、環境影響評価についてです。
 八月十日、市場担当局は豊洲市場の移転に向けて、豊洲新市場の土壌汚染対策の追加の工事を行うとする事業の変更届を環境局に提出しました。
 そして、追加の工事について、環境局は審査の結果、環境への著しい影響はないとして、環境アセスメントを新たにやり直す必要はないとし、二十八日に開かれた都の審議会に報告をしました。
 そもそも豊洲の新市場予定地で安全対策のかなめとされていた盛り土を行っていなかったこと、そして地下水管理システムがうまく機能していなかったことなどに対して、埋め戻し、盛り土の変更、地下水管理の変更と、重大な変更であるにもかかわらず、計画地及び周辺土壌への影響の程度は小さいとして、環境影響評価のやり直しは行わないとしていることは信じがたいことです。
 私は八月二十八日の審議会では、議事録を取り寄せようと思ったんですけれども、議事録は、知事の、本来は情報公開は一丁目一番地であったはずなんですが、数カ月はかかるだろうというふうにいわれました。そこで、担当課長に伺ったことと、それから傍聴者に伺うしか手段はありませんでした。
 そして、担当局に伺ったところ、八月二十八日の環境影響評価審議会は、かつてない意見もかなり出て、座長のまとめでも遺憾の意が表明されたと。かなり異例な審議会だったということでした。
 本来ならば環境局長に伺いたかったんですけれども、きょうは出席されていませんので、市場に聞くことになると思いますが、まず、この審議会ではどのような意見が出されたと聞いているでしょうか。

○鈴木技術調整担当部長 当審議会におきましては、地下水管理システム等施設の適切な維持管理についての意見や、事後調査について万全な対応を図られたいとの要望をいただいたと環境局から聞いてございます。

○あぜ上委員 もっと具体的な内容は聞いていらっしゃらないんでしょうか。

○鈴木技術調整担当部長 当審議会の方には中央卸売市場は出席は求められてございませんので、今、環境局の方から当日あったご意見、ご要望等についてお聞きしている内容についてご答弁差し上げたところでございます。

○あぜ上委員 この審議会ではいろんな意見が出たということですが、地下水の管理について、水位を抑えることができるという根拠が、この資料からは見えてこない、どうして地下水位が高いのか、この工事をすることによって本当に下がるのかと。また別の委員からは、今回示されている対策で初期の水位レベル、A.P.一・八メートルに抑えることができるんだという根拠が、この資料からはやはり見えてこない。専門家会議ではお墨つきを得ているという説明ではあるが、では専門家会議で、どのようにシミュレーションなりに基づいて定量的に評価をしたのか。その結果、これで十分なのか。もう少し根拠を示さないと、事業者の方も含め、都民の皆さんに追加対策をやっていくので大丈夫だと説明しても、本当に大丈夫なのか、なかなか不安の払拭にならないと感じているなどの意見が出ていたわけです。
 座長は異例なことに遺憾の意を表明した後--これも報道されていますが、どのような表明をされたんでしょうか。

○鈴木技術調整担当部長 東京都環境影響評価審議会の柳会長からは、主要な建物下の盛り土を地下ピットに変更したことにつきまして、本来であれば、計画を変更した時点で変更届を提出すべきであり、手続上の問題があったことに対しまして遺憾の意を表明されたとお聞きしております。

○あぜ上委員 座長は、今回変更届が提出されているが、評価書の内容と異なる工事が実施されたことによって、環境影響評価という制度の信頼性を損なわれる事態が発生したことに強く遺憾の意を表したい、こういうふうにいわれたそうです。
 そうした座長の遺憾の意の表明、それから各委員からの意見、どのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○鈴木技術調整担当部長 会長のコメントは、環境アセスメントの手続に問題があったことへのご指摘でございまして、事業者として真摯に受けとめております。
 今回の反省を踏まえまして、今後、アセスの手続やいただいたご意見につきましては適切に対応するよう十分に配慮してまいります。

○あぜ上委員 会長のコメントは環境アセス制度における手続の問題があったことへの指摘だというふうに今ご答弁がありましたけれども、その手続の問題もそうだけれども、そもそも評価書と異なる工事が施工され、環境アセスそのものの制度の信頼性を損なうものだという指摘なんですよ。
 座長がここまで言及しているのに、そんな答弁でいいんでしょうかね。もう一度ご答弁できますか。

○鈴木技術調整担当部長 繰り返しになりますが、会長のコメントは環境アセスメントにおけます手続に問題があったことへの厳しいご指摘でございまして、事業者としては真摯に受けとめているところでございます。
 今回の反省を踏まえまして、今後環境アセスの手続やいただいたご意見等につきましては、遺漏のないよう適切に対応するよう十分に配慮してまいりたいと、そのように考えてございます。

○あぜ上委員 この場には環境局長もいらっしゃらないし、それから議事録も残念ながら公開されていない、そういう中で東京都にとって本当に都合のいい、そういうとり方をすることだけはやめていただきたいと思います。
 そして、軽微な変更どころか肝心かなめの安全対策の変更ですから、本来環境影響評価はやり直すべきなのに、結局専門家会議の追認といわざるを得ないわけです。
 計画地と周辺土壌への影響は大変大きく、環境アセスは本当にやり直さなければならないと、そして、皆さんが先ほど来、錦の御旗にされている専門家会議の判断に対して、環境影響評価の審議会の専門家からも、座長も含めてこれほど厳しい、そして根本的な批判や疑問が出されているわけです。
 今後気をつけますと、そういうことでは私は到底済まされないことを厳しく指摘をしておきたいと思います。
 第三に、業者との合意についてです。
 二十五日の委員会でも、運営主体である市場関係者の皆さんの基本方針に対する合意もない中で事を進めるべきでないと指摘をいたしました。
 その二十五日の私への答弁で、七月二十八日の新市場建設協議会の中では、都に対する批判、また課題についても多くの指摘があったけれども、反対は多くなかったと認識しているというふうに、速記録を読んだら、そうご答弁されていました。
 基本方針や今回提案されている基本計画に対して、疑問の声を上げた業界団体というのは一つもなかったんでしょうか。どうですか。

○岡安新市場整備部長 先日ご答弁申し上げましたとおり、そういう批判が全くなかったということではございません。
 ただ、そこの会議の中では、さまざまな課題もあり、今後、そういう課題についてどういうふうにやっていくか、そういうところも大きなポイントになっておりまして、そういうところが大きな話題になっていたかというふうに認識してございます。

○あぜ上委員 ということは、この基本方針に対しても疑問の声を上げた業界団体はあったということでよろしいんですね。

○岡安新市場整備部長 まだ当時の議事録ができておりませんので、私も当時のやりとりを記憶での答弁になりますが、そういうご指摘もあったというふうに記憶しております。

○あぜ上委員 開設者は東京都ですけれども、あくまでも事業は事業者の皆さんが主役なわけです。だからちゃんと合意して取り組むということは大前提じゃないでしょうか。
 そういう点では業界との合意、六団体全ての業界との合意が不可欠なのではないでしょうか。違いますか。

○岡安新市場整備部長 都議会や都民の皆様と約束をしてきたということは、これは非常に重いものだということは我々も認識しております。
 先ほど来ご答弁申し上げておりますが、これまで目標に向けて対策を行って、汚染の大幅な改善は図られました。とはいっても、結果として都民との約束は果たされていないという状況にあります。
 こうした現状を真摯に反省をいたしまして、無害化にかわる新たな方針を定めたものでありまして、この方針に基づいて着実に進めていきたいと。つまりは、専門家会議で提言をされました対策について、これからちゃんと進めていき、そういうことについて都民の皆様にちゃんと情報公開をしていく、そういうことでご理解を賜っていきたいと、そういうふうに考えてございます。

○あぜ上委員 今のご答弁だと、業界団体の合意がなくても進めますということですか。

○岡安新市場整備部長 市場の移転問題を解決していくためには、築地市場で働く市場業者の皆様方のご理解、ご協力をいただくことが重要であるということは、これは重々認識をしてございます。
 こうしたことから、六月の基本方針におきましても、知事が築地市場を訪れまして、業界団体の代表の方々に直接お話をさせていただいたところでございます。
 また、中央卸売市場におきましては、新市場建設協議会での業界への報告に加えまして、水産仲卸事業者に向けても説明を行ってきたところであります。
 今後、補正予算とか追加対策工事の詳細等についても、また丁寧に説明をするなど、引き続き市場業者の方々に寄り添った丁寧な対応に努めてまいりたいと思っております。

○あぜ上委員 丁寧な説明はするということは何度もおっしゃっているんだけど、私が聞いているのは、業界団体の合意が得られなくても進めるのかと、そう聞いているんです。
 その点について、はっきりお答えいただきたい。

○岡安新市場整備部長 先ほど申し上げましたとおり、新たな追加対策、こちらをまたしっかり進めていき、また情報開示を丁寧に進める、そういう形で説明を進めながら事業者の方々にご理解を賜っていきたい、そういうふうに考えております。

○あぜ上委員 つまり六団体全ての合意が不可欠なんじゃないのかと、私はいっているわけです。
 六団体全ての合意がない中で進めるんですか。そのことを確認したいんです。

○岡安新市場整備部長 繰り返しになりますが、さまざまな課題等につきまして、我々の方から丁寧にご説明を申し上げ、また事業者の方々からいろいろなご提言もあるかと思います。そういうものをいただきながら丁寧に説明をし、ご理解を賜っていきたい、そういうふうに考えております。

○あぜ上委員 つまり、今、合意は得られていないということですよ。八月二十三日の築地女将さん会の公開質問にもありましたけれども、仲卸の七割以上が移転中止を求めているということも書かれていました。
 業界の合意のない中で補正予算を提出し、既成事実をつくっていく、こんな乱暴なやり方が、小池知事が掲げる都民ファーストなどといえるんでしょうか。
 本会議答弁で、知事は、丁寧な調整が必要だ、先ほども部長もそうおっしゃいました。しかし、合意が必要だという我が党の曽根議員の指摘に対して、まともに答弁しなかった、知事も。
 市場関係者の皆さんの合意も得ず、あえて第三回定例会ではなく前倒しして臨時議会まで開いて、こういう補正予算を提出するやり方は認められません。
 第四に、築地再開発についてです。
 先日の本会議での知事答弁を伺っていて、どのようにして築地ブランドを守るのかということを、もっと議会で質疑をし、深める必要があるというふうに私は思いました。
 築地ブランドを守ることは、日本の食文化にとっても、日本の卸売市場の本来の役割、これを果たす上でも、とても重要だというふうに思っています。卸売市場法の規制緩和の流れが強まる中で、全国で卸売市場の機能が弱体化され、そういう中で目ききといわれる方々も減っている、減少しているわけで、その大事な目ききが健全に機能している市場関係者のご努力でこれまで守られてきた、これこそが世界の築地たるゆえんです。
 そうした立場で、二十五日の委員会で築地ブランドは守るということについて私は質疑をさせていただきましたが、六月二十日の知事の基本方針にあった、築地ブランドは守るとして市場の機能を確保、発展した姿は、本会議の知事の発言では影も形もなくなって、築地は生かす、築地の再開発となってしまったのです。
 一方、答弁では、将来築地に戻ることを希望する仲卸業者に応えるため、さまざまな方策について移転後に検討するとしました。
 結局、知事がいっている市場の機能とは何を示しているのか明らかにはなりませんでしたし、これからの検討だということで、築地の後は築地ですと知事は記者会見でおっしゃったけれども、極めて中身は曖昧だということだけがはっきりしたと思います。
 そこでまず、民間主導の再開発事業について伺いたいと思います。
 知事は、市場機能もある築地といっていますが、そうであるならば、都が市場の設置者として当然検討する問題なのに、なぜ民間主導の再開発なんでしょうか。ご答弁ください。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 民間による再開発事業におきましては、これまでも地域特性に応じましてさまざまな機能の導入が図られてきております。
 築地の再開発に当たりましても、そのロケーションを最大限に生かすため、民間の知恵とノウハウを生かしていくことが重要でございます。
 今後、民間からのヒアリングなどを行いながら、都としてまちづくりの方針を取りまとめる予定でございます。その中で、開発コンセプトや導入機能のあり方などの方向性を示してまいりたいと考えております。その後、まちづくりの方針を踏まえ、民間からの提案募集、事業者の選定など、民間主導による再開発の検討を進めてまいります。
 こうした動きの中で、将来築地に戻ることを希望する仲卸業者の方々に応えるためのさまざまな方策について、豊洲市場への移転後の状況を踏まえながら検討を進めることとしております。

○あぜ上委員 築地の地域特性という点でいえば、やっぱり築地市場なわけですね。
 そして市場を運営しているのは、いうまでもなく卸、仲卸さんたちが中心になるわけです。仲卸さん自身、マグロだったり貝だったり、一軒一軒が専門的で、そして個性的な営業をされているわけです。
 そうしたプロフェッショナルが築地ブランドをつくってきたんだというふうに思います。そうした市場のノウハウを持たない開発業者が主導する開発で、本当に市場の機能がどう生かされるんでしょうか。伺います。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地の再開発におきまして、どのような機能を導入していくかということは、今後、検討していくこととしておりますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、民間による再開発におきましては、これまでもその地域特性等に応じてさまざまな機能の導入が図られてきております。
 そうした再開発の中では、一般的な業務とか商業とか住居といった機能以外にも開発事業者が運営事業者と協議、連携をして、例えば美術館ですとか、大学などの教育機関ですとか、インキュベーション施設機能とか、さまざまな機能が計画整備され、適切な運用が図られているというふうに認識をしております。

○あぜ上委員 先ほどのご答弁の中でも、都としてまちづくり方針を取りまとめる、そして、市場の関係では今後の検討という、今ご答弁があったんですけれども、もともと都は築地市場の後のまちづくりについて、民間に、株式会社日本設計に調査検討業務を委託しておりました。
 日本設計に築地地区まちづくり調査検討業務を委託していましたよね。二〇一三年三月にはその報告書が出ています。そうですよね、ちょっと、その確認。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 お尋ねの委託につきましては、平成二十四年一月に策定されました東京都卸売市場整備計画の第九次の計画におきまして、豊洲市場への移転の時期が明示されたことなどを受けまして、移転後の跡地やその周辺におけるまちづくりの構成などを検討することを目的として実施したものでございます。

○あぜ上委員 今、日本設計に築地地区のまちづくりの調査を依頼した目的ということをお話しされたわけですけれども、内容はどういう内容だったんでしょうか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 委託業務の内容でございますが、築地市場の跡地及びその周辺のまちづくりを進めるに当たっての課題の整理や地域特性を踏まえたまちづくりの方向性の検討などを行っております。

○あぜ上委員 その日本設計の報告書、これも実は非公開なんですね。私たちは情報公開請求でこれを取り寄せました。
 本来なら、本当にこれ、公開されてしかるべきだと思うんですが、これを読んでみましたら、今ご答弁のありました、築地地区のまちづくりの課題や目標、基本方向性が記されていました。
 報告書では、都市整備だけじゃなくて、知事本局も既に民間事業者にヒアリングを行っていること、都市整備としても、専門家へのヒアリングも行っていること、このこともわかりました。
 市場が移転した後の将来像として、場外市場としての連携を視野に入れながら、築地の活力を創出する新たなにぎわいの核として国際観光、集客拠点化を図るとして、水辺のにぎわい施設や浜離宮の緑との連続性を確保し、潤いある景観などが方向性として打ち出されておりました。
 今回提案されている築地の再開発に向けた検討というのはどうかと、民間主導の再開発として知事が記者会見でおっしゃっていたのは、築地のロケーションを最大限に生かし、豊洲新市場の千客万来施設事業との整合を図りつつ、開発コンセプト等を具体化していくとしています。
 開発コンセプトなどはこれから具体化というふうにいっているんですけれども、この知事の発言と日本設計の報告書の内容は、実は符合するところが少なくありません。
 築地再開発についての知事の方針は、日本設計の報告書が下敷きにされている、あるいは参考にされているんではないでしょうか。どうですか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 お話の委託調査の成果につきましては、庁内関係各局による実務的な検討の場での素材としていたものでございます。この検討の場におきましては、築地市場跡地の利活用の方向性や財産処理のあり方について検討し、さまざまな課題の整理などを行っていたところでございました。
 一方で、知事の今回の基本方針につきましては、専門家会議や市場問題プロジェクトチームでの検証、市場のあり方戦略本部における議論の成果などを踏まえて、さまざまな意見も参考に知事が政策判断を行い、基本的な考えを示したものであると認識しております。
 この基本方針を東京都として具体的な取り組みにつなげていくため、市場移転に関する関係局長会議において検討を進め、現在、全庁一丸となって取り組みを進めているところでございます。

○あぜ上委員 この日本設計の検討報告書、かなりしっかりしたイメージ図、先ほど課題というふうなお話がありましたが、そうした課題も書いてありましたが、しっかりしたイメージ図も描かれているんですね。
 知事は本会議で、今後、民間からのヒアリング等を行いながら、まちづくりの方針の具体化をすると答弁されたんですが、日本設計は既に当時、業界団体へのヒアリングを行っているんですね。
 一つは、MICEの施設の関連です。東京の都心にある会議場などは国際会議の開催場所としてグローバルな施設とはいいがたい。空港からのアクセスは絶対重要などと書かれていました。
 またもう一つは、観光の団体からもヒアリングをされているんですね。富裕層の観光客への対応が弱い、富裕層に対するⅥP待遇やホテル、体験コースなどのサービス提供、四百人が着席してパーティーができる規模の、質の高い施設の開放が必要だなどと書かれています。かなり具体的です。
 知事がいっていた築地の将来像も似たような内容です。アフターコンベンション機能の導入もこの中で強調されています。アフターコンベンションというのは、国際会議などの後の娯楽機能のことですが、カジノや総合リゾートが議論されるときの、今キーワードの一つです。
 これから検討ということでありますが、民間主導の再開発となれば、結局、日本設計で描いているような富裕層の外国人観光客や国際会議施設などの再開発になってしまうんじゃないでしょうか。
 また、日本設計の検討報告書でも、更地になっていましたけれども、そうした再開発の中で本当に市場の機能を守るのですか。ご答弁いただきたいと思います。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地の再開発につきましては、今後、築地再開発検討会議を設置し、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど幅広い観点から検討をスタートさせてまいります。
 来年度にかけまして、民間からのヒアリングなども行いながら、まちづくりの方針として取りまとめていく予定でございまして、その際、お話の過去に行いました委託調査の結果も参考にしてまいりたいと考えております。

○あぜ上委員 済みません、質問の仕方が悪かったのかな。
 市場の機能を守るのかという質問に答えていただけませんか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地の再開発につきましては、先ほどご答弁申し上げたようなステップを踏みながら、検討を進めていく考えでございます。
 こうした動きの中で、将来築地に戻ることを希望する仲卸業者の方々に応えるためのさまざまな方策につきまして、豊洲市場への移転後の状況を踏まえながら検討を進めることとしております。

○あぜ上委員 ちなみに、食について、この日本設計のまちづくりのコンセプトと導入すべき都市機能として、どう書いてあるのかなと調べてみましたら、食のイベント、こう書いてありました。マグロの解体ショーや食のテーマパーク、大規模、小規模施設などにもつきもののフードコートみたいなものになるんじゃないでしょうか。
 金曜日の質疑の中で、築地再開発の検討会議はいつからスタートするのかははっきりしていないと。検討会議のメンバーは、幅広い観点から今後選定していくというご答弁で、これもはっきりしていないと。
 二カ年の検討で、二〇一九年度以降具体化したいというふうにおっしゃっていたとご答弁されていましたが、本会議答弁では、築地ブランドの具体化は築地再開発検討会議で検討するということになっているんですが、そうしますと、この検討会議に、築地関係者の方は参加するんでしょうか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 検討会議では、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど、幅広い観点から検討をスタートさせることとしておりまして、メンバーにつきましてはそうした観点から今後選定していくこととしております。

○あぜ上委員 ということはまだわからないと、これからだということです。
 結局、築地の再開発は築地のロケーションを生かして集客施設や観光施設などの方向性は見えるけど、市場としての機能がどう生かされるのか全く不透明だということですよ。
 しかも、民間主導の再開発では、都民の貴重な都有地、築地市場の敷地を売却しなくても、民間のゼネコンやディベロッパーなどのために提供することに変わりはありません。
 築地再開発の家賃収入で豊洲新市場の赤字の穴埋めにするようなこともいわれていますけれども、東京都が不動産業に乗り出すことは許されない。土地信託などの民間手法は、もう既に大失敗しているじゃありませんか。
 そんな中で、築地ブランドの具体化は豊洲市場に移転後に状況を踏まえて検討しましょう、こういわれても、仲卸業者の皆さんは、本当に築地に戻りたいけど、戻れるのか、戻れる見通しがあるのかと不安になるのは当然じゃないでしょうか。そう思いませんか。

○吉村企画担当部長 今お話にございました、仲卸業者さんの築地に戻ることを希望されるとの声もあるというふうに伺っております。
 こうしたことを踏まえて、築地再開発の検討の中で、将来築地に戻ることを希望する仲卸業者に応えるためのさまざまな方策について、豊洲市場への移転後の状況を踏まえながら検討するということにさせていただいてございます。

○あぜ上委員 仲卸の業者、今は、水産でいいますと五百四十五事業者、そして青果は九十七事業者がいらっしゃいますが、豊洲市場に移転してからどのぐらいの事業者が築地に戻る、また戻れると思っていらっしゃるんでしょうか。

○吉村企画担当部長 都としては、豊洲市場に移転しまして中央卸売市場として継続的に運営していく中で、築地における機能につきましては、希望者、将来築地に戻ることを希望される仲卸業者の意向や、法改正の動向も踏まえながら検討していくということになってございます。

○あぜ上委員 豊洲市場に移転後に、仲卸業者の皆さんがやっぱりみんな築地に戻りたい、こういうふうにいったら、豊洲市場はどうなっちゃうんですか。中央卸売市場として成り立つんでしょうか。

○白川事業部長 中央卸売市場では、卸売業者が生鮮食料品等を集荷し、仲卸業者はそれを買い受け、市場内の店舗で仕分けをし、買い出し人等に販売しているところでございます。
 その際、仲卸業者は、生産、消費の動向を踏まえ、商品の品質や鮮度を適切に評価するほか、小売店や飲食店、量販店など、多様な顧客の要望に応えて、小分け、加工などを行っているところでございます。
 このように仲卸業者は、卸売業者とともに市場において重要な機能の一部を担っているところでございます。

○あぜ上委員 質問に答えていただいていないんですが、中央卸売市場として、仲卸の人がいなくなったら成り立つんですか。もう一度ご答弁いただけませんか。

○白川事業部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、仲卸業者は、卸売業者とともに市場において重要な機能の一部を担っているというところでございます。

○あぜ上委員 市場問題プロジェクトチームの報告書では、豊洲新市場は中央卸売市場にはなり得ないし、物流センターにしかならないとされていました。
 前回の委員会でも私が指摘したように、卸と仲卸がいなければ、競りや相対などの市場内の取引は成り立たない。先ほどのご答弁でもおっしゃっていましたけど、当然なんですね。法的にもあり得ないことなわけです。
 こうした今の都のやり方は、結局、豊洲市場を物流センター化して、目ききを育む卸売市場そのものも、そして築地ブランドそのものも壊す、そういうものではありませんか。やはり知事が、築地ブランドを本気で守るんだ、目ききのわざを生かすんだ、そういうふうにおっしゃるんだったら、再開発じゃなくて、卸売市場の機能をきちんと残す、築地での現在地再整備に踏み出すことです。
 市場関係者の皆さんにすれば、開設者の東京都に振り回されて本当に大変なご苦労を抱え、大変な事態になっているのは確かです。しかし、豊洲市場は、土壌も地下水も環境基準以下に抑えることはできなかったと知事は謝りに行きましたが、知事が食の安全・安心最優先だというんだったらば、やっぱり事業者の皆さんに対する約束を守り続ける方向で、現在地再整備の話し合いをするのが筋じゃないでしょうか。
 先日もちょっと紹介いたしましたが、人類学者の中沢新一さんは、月刊誌現代思想の総特集、築地市場の号で、築地市場は日本の食文化を根底で支える存在となっている、築地市場は我々の宝である、そして何よりも築地市場に未来があると指摘されていました。そしてあわせて、物流センター化した市場では、総じて味覚文化の水準が低下したと嘆かれています、物流センターの対極にあるのが築地市場です、そういう現在だからこそ、世界中から築地市場が高い評価を受けているのだと思いますと、こう語られていました。
 事業者の皆さんのご苦労を考えると、そんな簡単なことでない。それは承知しています。しかし、築地の歴史が語るように、市場の建設と運営は百年の大計です。市場の機能も、築地ブランドも、そして具体性のないまま、この土地を更地にしてしまう。こんな進め方で本当によいと思っていらっしゃるんでしょうか。ご答弁いただきたいと思います。

○吉村企画担当部長 築地の現在地再整備のお話ですけれども、築地市場について、老朽化、過密化、そうした多くの課題、衛生面の課題など、多くの課題から、これまで何度も議論はされてきましたが、現在地再整備については、営業しながらの工事が困難ということもあり、実現には至ってございません。
 築地市場の建物等について、さまざまな見解はございますけれども、こうした、営業しながらの工事が困難であることも含めまして、再検証を踏まえた上で、築地の現在地再整備は困難ということで結論が出たところでございます。
 また、豊洲市場におきまして、仲卸業者さんを含めてきちんとした形で営業ができるような体制を整えているところでございます。

○あぜ上委員 これまでと今の局面は違うんですよ。
 六月十三日の市場プロジェクトチームの報告書の中にも、現時点で局面は変わっている、今までの、いわゆる話し合いをしてきた当時と違うんだということもプロジェクトチームでは指摘しているんですよね。
 本当にそういう点では、私は拙速に結論を出すんじゃなくて、やっぱり冷静に、本当に築地ブランドをどうやったら確保、そして発展させられるのか、話し合い、これをしっかり力を注ぐべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 築地市場の使い勝手についてです。
 築地市場に行きますと、本当に特に感心するのが、ターレで人垣を縫ってすいすいと行き交う姿です。私もそうですけれども、一般のお客さんたちは本当にまごまごしてしまって、市場の関係者の皆さんは、本当によく築地の市場の空間を使いこなしているんだなと感動すら覚えるわけです。
 事故が多いという報告が先日の委員会の中でありましたが、地面の凹凸に、その溝にひっかかる事故が多いんだというふうに現場の方からは伺っています。
 どこの市場であっても安全は確保されなければいけない。これは当然です。必要な改修や改善は、直ちに行わなければいけないと思います。
 豊洲市場はどうか。開場する前なのに、既に改修が必要になっているということです。まだ使う前から改修が必要ということ自体、異常なことだと思いませんか。どうですか。

○前田移転調整担当部長 豊洲市場の整備に当たりましては、業界と調整を行いながら進めてまいりました。
 昨年の移転延期以降も、業界から意見が出たり、市場問題プロジェクトチームでの検証などが行われたことから、今回必要な改修を行うものでございます。

○あぜ上委員 昨年の移転延期以降も業界から意見が出たという今ご答弁なんですが、ということは、実施設計の段階からよく意見や要望を聞いていないから後づけになったということなんじゃないでしょうか。
 例えば、今回のターレのスロープの安全対策です。六街区の水産仲卸のターレは一日何台の予測なんでしょうか。

○吉野建設技術担当部長 水産仲卸事業者が築地市場で登録しているターレの台数ですが、平成二十九年七月末現在、約九百台であり、豊洲市場においても同程度の台数を想定してございます。

○あぜ上委員 九百台も走るのにエレベーターが七基と、このエレベーターというのは一回二台の利用だというふうに伺っていますが、当然足りないということでスロープがつくられたと伺っています。
 豊洲の市場の場合、移動距離もふえて、上下の移動も多くなって、それに伴って、ターレスロープの事故が大変、現場で働いている皆さんからは心配されています。特にヘアピンカーブのところでの衝突や荷崩れ、これが起こるんじゃないか、そういう心配の声が寄せられています。
 三カ所のターレスロープがあって、それぞれ上り二車線、そして下りが一車線と伺っています。働く人たちは、このままじゃ死人が出てもおかしくないんじゃないかという危険なカーブだというふうにお話をされていました。
 今回どういう対策を講ずるんでしょうか。

○吉野建設技術担当部長 ターレスロープについてですが、その搬送能力については、仮にターレの車両間隔を九メートル、時速八キロとすると、六街区の三つのスロープで一時間当たり約二千六百台ということになります。
 一階から上階への移動が想定される物流量が一日三百八十トンでございますので、ターレ一台当たりの積載量を六百キログラムとした場合は、十五分程度で搬送することができるというふうに考えておりまして、搬送能力は十分あると考えております。
 なお、ターレスロープの使い勝手でございますが、さらなる安全性の向上のために、ターレスロープへのカーブミラーの設置、また注意喚起標識の設置など施設面の改善に加えて、安全走行のルールづくりなど運用面についても、業界と調整を行い、より安全で使いやすい市場の実現を目指してまいります。

○あぜ上委員 カーブミラーなどの設置ということなんですが、本当に働く人たちの安全が確保できるんでしょうか。
 築地ではターレがすいすいと走っているわけですけれども、現場の方たちに伺ってみました。決定的な違いは何ですかと伺ったら、築地の市場の水産仲卸の場合は、大通路が七本、小通路が七本あって、二十八カ所からの方向移動が可能なんだと。ここでも築地市場と豊洲市場の使い勝手の違いが鮮明だというふうに思いました。
 床の耐荷重の問題も心配されています。フォークリフトに荷物を満載して、六街区の荷さばき場の床の耐荷重は大丈夫なんでしょうか。一平米当たり何キロまで大丈夫なのか教えてください。

○吉野建設技術担当部長 六街区水産仲卸売り場棟の荷さばきスペースにつきましては、一・五トンのフォークリフトに荷物を満載した状態でも、構造上問題はございません。荷さばきスペースの積載荷重は、一平方メートル当たり七百キログラムでございます。

○あぜ上委員 今のフォークリフトは二・五トンというふうに伺っているんですね。一・五トンのフォークリフトに買いかえる前提で考えていらっしゃるんでしょうか。今のフォークリフトは使えないではありませんか。だから、フォークリフトを使用することが本当に大丈夫なのかなと現場の皆さんは大変心配をされているわけです。
 今、ターレスロープと床の積載荷重の問題を取り上げさせていただきましたが、こうした問題などが起こっているのは、まさに現場の声を、それこそ丁寧にしっかり聞かないで事を進めてきたからじゃないでしょうか。
 月刊誌の現代思想、先ほどちょっと紹介しました総特集築地市場号、この中に、こういうふうに書かれていたんですね。豊洲新市場の建築計画は、当初、市場の仲卸たちには秘密にして進行していたようです、それででき上がった建物を初めて案内された市場の人たちは思わず絶句して、帰りのバスの中はさながらお通夜のようだったというふうに記載されていました。築地市場関係者の皆さんにそんな思いを抱かせた都の責任は重いと思います。
 これまでも合意形成の問題を取り上げてまいりましたが、開設者は都であっても、運営主体は市場の関連業者の皆さんです。そのことを抜きにして物事を進めることは絶対にあってはならない。そのことを強く求めたいと思います。
 現場で働く方々からはいろんな意見が出ているようですけれども、そうすると、使い勝手の追加工事、これをまた出すということはあるんでしょうか。追加はもうありませんと、ここで断言できるんでしょうか。どっちなんでしょうか、ちょっと教えてください。

○吉野建設技術担当部長 追加対策工事につきましては、現時点では、今回計上している対策を考えてございます。
 今後、業界の方々と、例えば先ほどいいましたフォークリフトとかターレについては、安全走行のためのルールづくりなど、実際の運用について調整していくことで、さらなる安全性を高めていくという考えでございます。

○あぜ上委員 話し合いということだったんですが、追加工事がまたあり得るということはあるんでしょうか。

○吉野建設技術担当部長 使い勝手上の課題については、実際に施設を使う中で判明してくるというふうに考えております。そうした場合でも、業界団体と調整しながら、可能な限り使い勝手の向上に取り組んでまいります。
 開場後も、都は市場運営者として、事業者の意見や要望に丁寧に対応してまいります。

○あぜ上委員 今後もあり得るということであるんだったら、今のような状況の中で補正予算を出すなどは、私は出すべきではないというふうに思います。
 この補正予算の提出ですが、曽根議員が本会議の質疑で、補正予算を、第三回定例会でなく、あえて臨時議会を招集して一カ月前倒しで提出した理由を知事にただしました。
 また、先日の質疑の中でもこうした質疑がございましたが、豊洲市場移転を急ぐという一般論をいうだけで、明確な答弁はございませんでした。三十九年ぶりですよね、この臨時議会って。これを招集して補正予算を提出した理由が説明できないような、今、事態なわけです。
 この補正予算案がなぜ一カ月前倒しなのかということがどうもよくわからない。今回の臨時議会でもし通らなかった場合、何がどう間に合わないのか、明確なご答弁を求めたいと思います。

○吉村企画担当部長 豊洲市場への移転につきましては、基本方針、その後の関係局長会議におきまして、早期移転を円滑に行うことが最優先であるということを確認されたところでございます。
 そしてまた、市場業者の皆様は豊洲市場の安全対策に対して高い関心を持っておられまして、移転への理解を得るためにも、専門家会議の提言に基づく地下ピットや地下水管理システムに係る追加対策工事を可能な限り速やかに完了させるとともに、さまざまな移転準備を早急に進めていく必要がございます。
 こうした工事、その契約手続などを迅速に行いまして、移転に向けた環境を可能な限り早期に整えるため、本臨時議会に補正予算案を提出しているところでございます。

○あぜ上委員 先ほども申し上げましたが、業界団体との合意もない中で、何でそんなに急いでやらなきゃいけないのかということが余り明確ではなかったと思います。私は、この臨時会で補正予算を成立させる必要性が説明できていないというふうにいわざるを得ないと思います。
 以上、今回の補正予算について質疑をさせていただきましたが、豊洲市場はもう建物ができてしまったからというふうに思っていらっしゃる方も都民の中にはいるかもしれない。だけど、やっぱり卸売市場の命ともいえる食の安全を確保するために、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民や事業者との約束、これをほごにする。そして、築地は既に再開発の方向性もある程度あるから現在地再整備は無理だと。こんな都民の不在、そして卸売市場の担い手の皆さん不在のやり方を、私は、はい、わかりましたというわけにはいきません。食の安全・安心も築地ブランドも守れない、こうした補正予算を認めるわけにはいきません。
 また、議会で徹底審議のために知事や関係局長全員の出席も求めたにもかかわらず、この委員会で合意を得ることができなかったことは、二元代表制の議会のチェック機能をみずから弱める、そういう行為であって、納得できるものではありません。
 そのことを申し上げまして、私の質疑を終わります。

○森村委員 都民ファーストの会東京都議団の森村隆行と申します。
 まず、予算要求されている地下水管理システム機能強化についてお伺いします。
 今回の追加工事は無害化にかわる現実的な対応策の一環ですが、この機能強化、現在依然として高い地下水位を早期に低下させ、その後も、専門家会議が提言した目標管理水位A.P.プラス二・〇メートル以内に安定的に保つためのものと理解しています。
 そもそも、地下水管理システムが稼働し始めてから現在まで、専門家会議で目標とされたこのA.P.二・〇メートルという目標水位の達成ができておらず、早期に地下水位を下げ、都民の安心につなげていく必要がありますが、今回の追加工事で、具体的にどのような機能強化が行われるのか、またその目的について、改めてお伺いいたします。

○鈴木技術調整担当部長 今回、地下水管理システムの機能強化といたしましては、揚水井戸の洗浄、ポンプ交換、地下ピットへの揚水ポンプの設置、観測井戸での揚水、真空ポンプによる揚水を行うものとしております。
 地下水管理システムの機能強化につきましては、地下ピット内のガスの濃度上昇を防止するためにも適切な地下水管理が重要であることから、早期に地下水位を低下させるために、専門家会議の提言に基づき実施するものでございます。
 今後、この提言を踏まえまして、地下水管理システムの機能強化を進め、同システムを適切に運用することにより、周囲を遮水壁で囲まれました豊洲市場用地におきまして地下水位を管理するとともに、降雨による水の供給を踏まえまして、システムの揚水機能を発揮しつつ、中長期的に水質の改善を図ってまいります。

○森村委員 ご説明いただきました機能強化によって、可能な限り早期に地下水位が下がることを期待しますが、これまでの経験からも、土壌や地下水の管理は非常に難易度が高く、特に土壌の中に含まれる地下水については、必ずしもプールの中にたまっている水のような予想しやすい動き方をするわけではないことから、単純に設備のスペックの足し算でその能力をはかることができないものと思います。
 しかし、そうはいっても、一定の目安はあってしかるべきで、先日の委員会質疑でも地下水管理システムの揚水量の目安が示されたわけであります。
 特に、地下ピットの揚水ポンプ設置による機能の向上、これが一日当たり二百八十立米から三百三十立米と、大きくその揚水効果に期待を持てそうです。
 一方で、繰り返しになりますが、地下水管理システムが稼働を開始してこれまで、地下水位は低下してきてはいるものの、いまだ目標とする管理水位まで下がっていない状況が続いています。局地的集中豪雨や台風などによって地下水位が短期的に上昇するような可能性も、今後あると思います。今回の機能強化によって、早期に目標水位を達成し、着実に都民の安心へとつなげていくことを強く望みます。
 また、地下水管理システムにおいては、ポンプに土の目詰まりが起こるなど、機能低下につながる事象が起きていると聞き及んでいます。今後も同様のことが起きることで、目標水位の早期達成や、またその達成後にもその安定的な管理に疑義を生じせしめ、都民の安心に悪い影響を与えかねない。
 そこで、具体的に、今回の機能強化では、ポンプに目詰まりが起き、機能が低下していることなど、これまでの経験、これはどのように反映され、そして改善されているのか、また、もし同様に機能低下が起きた場合に、それを早期に発見し対策を行うために、どのような取り組みを行うつもりなのか、あわせてお伺いいたします。

○鈴木技術調整担当部長 これまで、揚水井戸等の目詰まりを解消するために、井戸の洗浄やポンプの交換を行っております。
 今回の機能強化におきましても、これまでの経験を踏まえまして、井戸等の適切な維持管理を行うとともに、地下ピット内の揚水ポンプの設置では、汎用性が高く、土がまじった水も吸引可能な濁水用ポンプを使用する予定でございます。
 地下水管理システムの機能強化後は、追加された設備につきましても定期的な点検を実施いたしまして、目詰まりなどの異常が生じた箇所の速やかなメンテナンスを実施してまいります。

○森村委員 さて、次に、有事への備えについてお聞きしていくことで、中長期的な観点でも都民の安心につなげたいと思います。
 今後三十年以内にマグニチュード七以上の首都直下地震が起きる可能性が七〇%と、そういう試算がありますが、豊洲市場は、今後六十年以上利用していくことを想定していると聞いております。つきましては、相応の震災対策が必要と考えますが、その対策について具体的に伺いたいと思います。
 今後想定される首都直下地震などの大地震における液状化に対しての対策はどのようなものでしょうか。また、それは、現状まだ下がっていない状態にある地下水位においても機能する想定なのか、お伺いします。また、想定している地震の規模はどの程度なのか、これもあわせてお伺いいたしたいと思います。

○村井基盤整備担当部長 豊洲市場の液状化対策は、敷地全域で実施しております。
 具体的な工法としては、砂やコンクリートのくいを地中に造成し、地盤を締め固める方法や、地盤を格子状に固めて変形を抑える格子状固化工法などを実施しております。
 なお、豊洲市場における液状化対策については、平成二十九年二月の時点の地下水位に基づいたレベル二相当の大地震に対して液状化判定の試算を改めて行った結果、大きな問題はないことを確認しております。
 この結果については、第七回市場問題プロジェクトチームにて報告しております。

○森村委員 液状化対策については、しっかりとした手だてが既に講じられていることを確認しました。
 一方で、液状化、これを妨げられたとしても、首都直下地震などの発生時に地下水位が改めて上昇してくることは十分想定されると思われ、その際にも、地下水管理システム全般が正常に稼働することが都民の安心のために必要です。
 そこで、具体的にお伺いいたしますが、地盤の液状化対策だけでなく、地下水管理システムを構成する排水施設棟や送水管、電力の供給についても、首都直下地震が発生しても問題ないのでしょうか。お伺いいたします。

○鈴木技術調整担当部長 地下水管理システムを構成いたします排水施設棟や送水管につきましては、レベル二相当の大地震に対応できる構造となっております。
 豊洲市場では、停電や災害等により電力が喪失した非常事態を想定し、非常用発電設備を整備するとともに、近接する地域冷暖房施設からの電力供給が可能な施設として整備されており、地下水管理システムは継続稼働が可能となっております。

○森村委員 最後に、都民の安心を中長期的な観点で支えていくために必要な地下水管理モニタリングについてお伺いしたいと思います。
 第九回モニタリング調査の結果、二百一カ所で調査を実施し、うち七十四カ所から基準を超えた結果が出ました。
 一方で、今後のモニタリング調査については、対象箇所を四十六カ所と大幅に絞り込んでおり、うち二十九カ所が既存の調査場所から、そして残りの十七カ所は新規に設定をされています。
 モニタリングを行う箇所の選定について、どのような基準や根拠で行ったのか、また、それで十分だと考える理由、これをお伺いいたします。

○村井基盤整備担当部長 今回、専門家会議の提言を踏まえて開始した四十六カ所のモニタリング調査は、これまでの調査で高い濃度が確認された箇所を中心に、街区等のバランスを考慮して調査箇所を選定しております。市場用地全体の地下水質の傾向を把握することができると考えております。

○森村委員 選定根拠について理解いたしました。
 これまで都は、無害化の条件を環境基準以下としてきましたが、これは七十年間飲用しても健康に問題ないレベル。飲用や資機材の洗浄などに利用しない今回の地下水の基準としては、極めて厳格なものだと考えております。
 今後も、数字だけがひとり歩きしていかないように、こうした基準の考え方や評価についてもあわせて正しく理解してもらえるように公表していくことが、都民の安心につながるものと考えます。
 また、市場関係者に対しても、丁寧かつ誠意を持った説明を行うことで、より一層の信頼関係を構築できるよう努力していく必要があります。
 そこで、調査結果について、具体的にどのように公表し、情報提供をしていくつもりなのか、お伺いいたします。

○村井基盤整備担当部長 調査結果については、専門家会議の評価とあわせて公表し、都民や事業者に正確な情報を提供することで、安全で安心な市場への理解を得られるよう努めてまいります。

○森村委員 繰り返しになりますが、調査結果については、今後の都民の安心を支える重要なデータになります。フルオープンでの情報公開を行う体制をしっかりと整えることを改めてお願いするとともに、とりわけ、実際にそこで働き、都民に安全で安心な食を提供することになる市場関係者の皆さんに対しては、誠意を持った丁寧な説明と、また、その調査結果に対するご意見の調査などを行っていくなど、より一層の信頼関係の構築に向かい積極的に努めていただきたいということをご提案し、私の質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね四十分間休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩

   午後零時四十分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上野委員 小池知事が六月二十日に基本方針を発表されました。今回、この方針を具体化するための補正予算案が上程されたわけであります。
 第三回定例会の開催を待てば、この補正予算の成立は約一カ月おくれると、このようにいわれていたわけでございますけれども、今回は、この方針を具体化するための補正予算案が上程されまして、このように委員会等でも質疑を行ってきているわけでございます。
 豊洲市場への移転に向けた環境を可能な限り早期に整えたいと。このことについては、豊洲移転に向けてのスピード感を持って取り組むという小池知事の姿勢、私は高く評価したいと思っているところでございます。
 そうした中で、非常に心配している点があるのが、やはり築地再開発のスケジュール。これを私は八月二十五日の経済・港湾委員会においてもお話をいたしましたけれども、この件については、都市整備局が中心となって検討会議を立ち上げて、今後、議論を進めるということになっているわけでありますけれども、知事は臨時会の発言の中で、このようにいわれています。再開発の具体的なスケジュールでありますが、まちづくりの方針の策定後に進めていく基本設計、実施設計、都市計画手続、土壌や埋蔵文化財の調査、環境影響評価手続などのステップを踏みながら、五年以内でのできるだけ早い着工を目指してまいりますと。五年以内という数字がマスコミでも報道されています。
 さらに、八月三十日の代表質疑で、東京都技監からは、この内容についておおむね三年程度をかけて進めることを想定して、工事着手まで早まることも、あるいは期間を要することもあり得ますが、このようなステップを踏みながら、五年以内のできるだけ早い時期に再開発に着工すると。ここで新たにまた三年、ほぼ三年程度という、これもまた、ちまたにこの三年というのが広がってきて、私はこのような数字というのは、極めてわかりやすくていいことなんですけれども、その根拠というのをしっかりしていないと、これはひとり歩きしてしまう可能性がある。
 この点について、問題の所在、前提条件、しっかり押さえた上で議論を進めていかなければ、五年というのはどういうふうな内容でこうですよと、三年というのは、こういうこういうこういう状況の中で三年、このことがきちんと説明されていけばいいですけれども、きょうまで議論の中でそういった詳しい話が全く聞けない、そういう状況でございました。
 しっかりとこの点について、私は考慮に入れるべき事項として特に危惧しているのが、先ほどいった土壌汚染対策や埋蔵文化財調査の内容なんです。これらを、仮にもですよ、過小評価したまま検討がスタートしてしまえば、後々取り返しのつかない事態になりかねないということであります。
 これを全体で申しまして、八月三十日の代表質問の中で公明党は、築地の再開発につきまして、土壌汚染対策や埋蔵文化財調査は、ケースによっては手続や工事期間が長期化する懸念があり、そうしたことも十分留意していかなければならないと指摘しました。再開発に当たり、今後浮上する課題を丁寧に整理しなければ、民間主導で行われる再開発の完了は先延ばしになり、当該賃料分などの収入が見込めず、市場会計に深刻な影響を及ぼす可能性が懸念されるところだと、このように主張いたしました。
 さらに、市場会計が長期にわたり事業継続性を確保できるようにするためにも、今後の検討に当たっては、築地の土地を一般会計に有償所管がえをしてはどうですかと、そうすれば、財政安定化に寄与するだけでなく、民間主導の開発もしやすくなりますよと、このように小池知事に、有償所管がえを選択肢の一つに残しておくべきですよと提案をさせていただきました。
 これを受けて、知事は、今後の検討に当たっては、長期の貸し付けだけではなく、ご提案の内容も含めて多角的に検討し、経済合理性の確保に努めてまいりたいと答弁されたのでありまして、ここで私は、一つの懸念に対して一つのリスクを解消できているなと、このことを高く評価したいと思います。
 さて、こうした中で、東京都技監に何点かお尋ねしたいと思います。
 築地再開発の今後のスケジュールについての代表質問に対し、都技監は、補正予算の成立後、早期に築地再開発検討会議を設置し、検討をスタートさせ、来年にかけて、民間からのヒアリングなども行いながら、まちづくりの方針として取りまとめる予定と、このように答えられていますよね。まちづくり方針は、一体何年にまとめる予定でしょうか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発の検討につきましては、補正予算成立後、早期に検討会議を設置いたしまして、まずは築地の持つ地域特性やポテンシャルなど、幅広い観点からの検討をスタートさせてまいりたいと考えております。
 来年度にかけましては、事業者の、民間からのヒアリングなども行いながらまちづくりの方針を取りまとめていきたいと考えておりまして、来年度にはまちづくりの方針を取りまとめていきたいというふうに考えております。

○上野委員 来年度といっても、来年の四月から再来年の三月もあるわけですけれども、来年度中ですか。来年中ですか。具体的に教えてください。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 まちづくり方針の取りまとめにつきましては、来年度中ということを一つの念頭に置いて進めていきたいと考えております。

○上野委員 来年度中という表現でいきますと、一番長いと平成三十一年の三月ということになるわけですけれども、その後の答弁です。都技監のその後の答弁。その後、その後ですよ。提案募集や設計、都市計画等の手続、土壌や埋蔵文化財の調査など、おおむね三年程度かけて進めると、このようにいわれているわけです。
 まず、その後というのは、今のご答弁からいくと、三十一年度からということですか。そのあたりのスケジュール、非常に影響する話です。お答えください。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 まちづくりの方針の策定の時期につきましては、来年度中ということを申し上げました。その後ということでございますので、早ければといいますか、来年度の年度末から三十一年度にかけてということになろうかと思います。

○上野委員 よくわからない答弁ですね。先ほど平成三十年度中といわれましたよ。三十年度中に方針が出れば、当然にその後となると、三十一年度からということに普通はなるんじゃないですか。そのあたりは都技監、どうですか。明確に。これ大事な話ですよ。都技監がいったんですよ、三年、おおむね三年程度というのは。それはきちんとしたスケジュールがあっての話でしょう。

○邊見東京都技監 まちづくり方針につきましては、今年度から来年度にかけて検討の上、来年度を一つの、先ほど担当部長からご答弁申し上げましたように、来年度中を一つの考え方として目指して、策定をしたいと考えてございます。来年度末にまちづくり方針が策定されれば、当然、新年度早期からということになろうかと思います。

○上野委員 早ければ、遅ければというよくわからない、もやもやとした答弁が多いものですから、そのあたりは本当ははっきりしなきゃ、おおむね三年という言葉だけが出ているから、これはスケジュールというのは明確に、きょうはすべきだと思いますよ、年数的に。
 三十年度中というのが、お二人ともいわれているから正式回答とするならば、これは平成三十一年度からのほぼ三年程度というふうなことで理解できるのかなと思います。そうすると、平成三十一年からほぼ三年というと、三十三年ですね。平成三十三年というのは、もう東京オリンピック・パラリンピックが終わった後ですよね。
 提案募集や設計、都市計画等の手続は、恐らくこの三年間でできると思いますけれども、課題なのは、私がいっている土壌調査や埋蔵文化財調査です。この二つの調査というのが、いわれている、おっしゃっている平成三十一年から平成三十三年にかけて、この調査というのは現場に入らなくていいんですか。入るんですか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 土壌汚染の状況の調査にしましても、埋蔵文化財の調査にいたしましても、いずれも現場での作業といいますか、調査が必要になるということでございます。

○上野委員 今おっしゃるとおりです。要は、築地の現場がどのような状況かというのが極めて大事になってくるということですよ。でないと、現場に入れなかったら大変なことになってしまう。おおむね三年程度かけて進めると、こう想定されていらっしゃいますから、当然に現場の状況を把握されていることと思いますけれども、この間の三年間の築地市場の現場の状況はどのような状況になっているか、お伺いします。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地市場の跡地につきましては、豊洲への移転後、建物の解体を行い、環状二号線の整備を進めることになっておりますが、あわせまして、オリンピックの輸送拠点として活用していくという方針がございますので、その整備を行っていくということになろうかと思います。

○上野委員 現場の状況は大変な状況になっていますね、今のお話聞いただけでも。そうした状況の中で、土壌汚染対策とか埋蔵文化財調査というのが可能なんですか。このことについてはどうお考えですか。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 現場での調査につきましては、まさに築地の再開発の今後の事業の進め方にもかかわってくると思うんですが、基本的には、事業者が決定した後、その事業者において調査に入っていくものと考えておりますけれども、その調査の期間がオリンピックの時期と重なってくるというようなことも想定されようかと思います。
 したがいまして、今後、その事業の進め方の検討におきましては、その辺のオリンピック時の用地の利用との調整等も含めて検討していきたいというふうに考えております。

○上野委員 三年という数字をいわれているんですよ。このあたりのことについてしっかりと、先ほどの私が前段にいいました、検討されているかどうか、これが非常に大事。ただ数字だけ簡単にいわれている。理事者の、しかも都技監の答弁です。あやふやな、いいかげんな答弁しちゃいけない。当然に、数字が出れば、その数字の根拠というのが、これはあっての上でお話しされていると、私はそういうふうに思っているところですけれども、今のお話聞くと、これからみたいな話になっている。どうやって三年というのを出したんですか。
 では、中央卸売市場長に聞きますけれども、今回のこういった三年というスケジュールをつくる際に、今の築地市場の状況はどのようになっているかというふうな、都市整備局からの調整とか、内容を聞くような話はあったんですか。

○白川事業部長 本年七月に行われました市場移転に関する関係局長会議におきましては、東京二〇二〇年大会に向けた準備の推進といたしまして、環状第二号線地上部道路整備工事、東京二〇二〇年大会輸送拠点工事について、平成三十一年度末までに整備することを目指しております。
 築地市場におきましては解体工事が行われるわけでございますけれども、これら二つの整備工事と並行して実施するということで、解体範囲、スケジュールなどについて、それぞれの工事と整合を図る必要がございます。
 今後、移転時期や輸送拠点としての整備内容なども踏まえまして、関係部局と連携して着実に進めてまいります。

○上野委員 関係局長会議の中での話ぐらいの内容のやりとりの中で決められたのかもわからないですね。そんなことでいいんでしょうか。具体的な築地市場の現場がどういう状況になっていくかということがわからないと、三年なんて軽々にいえないんじゃないでしょうかね。
 この豊洲市場への移転時期、関係局長会議において業界団体と調整の上決定されると、このようにいわれています。移転に向けた環境が整うのは平成三十年の春から秋と、このようにされていますね。豊洲市場の追加対策工事の入札がスムーズに進むことを前提とすると、工事完了が平成三十年の六月の上旬と、このように聞いております。多少の余裕期間を見て平成三十年秋以降に移転となること、可能性が予想されるわけであります。
 そこでまず、この移転後に築地市場の解体が始まるということになりますけれども、解体工事期間はどのくらいかかるのか、この点について中央卸売市場にお伺いします。

○白川事業部長 解体工事につきましては、おおむね二十カ月を予定しております。

○上野委員 このおおむね二十カ月の内訳なんですけれども、先ほどもお話ありました。当然に環状二号線、これを先行してやらなきゃならないということになるわけでございますけれども、この築地の解体、これについてはどこからまず先行して、どのくらいの広さを先にやるでしょうか。その先行が終わった後、残りはどのくらいの広さで、どのくらいの期間かかるかというところをもう少し具体的に教えてください。

○白川事業部長 まず、解体工事でございますけれども、環状二号線、先ほどもご説明申し上げましたけれども、地上部道路、ここにかかる部分につきましては、築地市場の豊洲市場への移転完了後、速やかに着手いたしまして、優先して実施することとしております。
 それから、面積でございますけれども、第一期解体工事の延べ面積十八万平方メートルのうち約六万平方メートル、期間でございますけれども、現場着手からこの部分につきましてはおおむね六カ月程度を見込んでいるところでございます。

○上野委員 今の数字でいくと間違いないかどうか、第一期として、この環状二号線区間だと思いますけれども、ここは約六ヘクタールということですね。六万と今いわれましたか。六ヘクタールでいいんですか。

○白川事業部長 約六万平方メートル、ヘクタールでいきますと六ヘクタールでございます。

○上野委員 約六ヘクタールを六カ月かかるという話でしたよね、六カ月。残り、これ全体今、十八万といいましたから、十八ヘクタールということは、残りは十二ヘクタールぐらいですか。要は、その六カ月間は環二のための撤去です。
 そうすると、平成三十年の六月上旬に終わって、平成三十年の秋以降に、仮に早く移転した場合ですよ、秋以降というと平成三十年十月ぐらいが考えられる。第一期の撤去工事が終わるのが平成三十一年の三月じゃないですか。六カ月と。平成三十一年の三月ですよ、第一期が。残りが十八引く六の十二ヘクタールになる。この十二ヘクタールの工事に、残り十四カ月ですよ。一年二カ月かかるんです。
 そうすると、単純計算して、どのぐらいですか。平成三十二年、このままでいくと六月ごろになっちゃうかな、三、四、五、五月末。これはもう東京オリンピック・パラリンピックの直前じゃないですか。
 実際に、この輸送拠点工事、整備というのは、関係局長会議の中の資料を見ると、平成三十二年の三月に完了という数字が出ていましたよ。このあたりが全く整合がされていない。
 まず現場に入っていけるのが平成三十一年度、早くてですよ、四月以降。それも撤去をやっているんです。解体撤去をやっているんです。その中に土壌汚染調査とか埋蔵文化財調査なんか入っていけますか。しかもアスベストがあるんです。大変な状況で、囲いやりながらやっていって、時間がかかる。
 そうした状況の中で、土壌汚染調査と埋蔵文化財調査、これもまた大変。土壌汚染調査をやって汚染が出た場合には、埋蔵文化財の調査も、これも大変な状況になります。これはまたしっかりと汚染にかからないように作業員の方はやらなきゃならない。そうした細かいもろもろのことが幾つもあるんです。
 本来ならば、そういったことは私みたいな素人でもわかってくるわけですよ。皆さん方が一生懸命この点についてはやはりこれから検討をしていく--これからしていくじゃなくて、検討した上でないと、軽々に三年とかいう言葉を、私はいってはならないと思うんです。後から大変な状況になる。
 ここについては、都技監、この私がいっていること、このことに対して何か反論とかありますでしょうか。

○邊見東京都技監 まちづくり方針を策定後、着手まで、着工まで、ほかの大規模な開発の事例等も参考にしながら、おおむね三年程度ということを想定させていただいているところであります。
 この間、そのステップの中では、事業者の選定、募集、その上で基本設計、実施設計とか、あるいは都市計画、アセスの手続、もろもろいろんなステップがございます。その中で、その過程の中で、土壌、埋文調査なども行うという想定にしてございます。
 なお、土壌汚染対策工事、これが必要となれば、その工事については通常、事業着手後、工事の中で実施するということが通例でございます。

○上野委員 埋蔵文化財の調査で、この埋蔵文化財、大事なものがあったといった場合には、工事着手後に埋蔵文化財の調査というのは、これはおかしいわけで、建設工事が始まる前にやっておかなきゃいけない。
 また、土壌汚染調査、これもやって、土壌汚染調査でなくて、今度は土壌汚染対策工事、これをやらないとまた建設工事に入れないですね。入れませんよ。土壌汚染対策工事、これを先にやらないと現場で掘ることができなくなる。
 建設工事をやるわけですから、当然に掘削工事、掘削を伴ってくる。掘削が伴う場合は、当然に土対法からいっても、きちんとした土壌汚染対策工事が終わらないと掘削はできないんじゃないですか。そのことについて、間違っていれば教えてください。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 土壌汚染の対策工事につきましては、本体の工事を進める中で、掘削除去や封じ込めなどの対策を実施することが通例でございます。

○上野委員 では、ちょっと角度を変えていいますけれども、この間のご説明の中で、この土壌汚染対策工事というのは土地の所有者が行うというお話で、中央卸売市場というお話がありましたね。これは、もしも私たちが提案したような一般会計への所管がえがされたときには、この土地の所有者というのはどなたになるんでしょうか。
 財務局長、教えてください。

○武市財務局長 仮に有償所管がえが行われました場合には、一般会計が所有するということになってまいります。

○上野委員 一般会計で実際に東京都が土地所有者になるんですけれども、そうすると、再開発をやっている所管局、都市整備局の方で、土壌汚染対策をその場合やることになるんでしょうか。
 財務局長、重ねてお聞きします。

○武市財務局長 その場合に、どのような役割分担に基づいて対応するかということで、それ次第になるかなというふうに考えます。

○上野委員 そうなると、中央卸売市場ではなくなるというふうな話になるかなと思います。
 それで、土壌汚染対策と建設工事という話の中で、この土壌汚染対策工事というのを築地の場合、どのように考えているんでしょうかね。
 全般的に汚染がされているというふうな可能性がある、広範にわたってという状況と、私が話しましたあの護岸に近いということで、掘削工事をやったときに土壌汚染されたものが流出する可能性もあるということで、止水板を打つとか、そういった土壌汚染対策工事というのを先行してやらないとできないんです。建設工事はできない。こういった細かいいろんなもろもろのことがある。
 それから、先ほどいったような都市再開発の方でも、都市整備局の方で土壌汚染対策をやる可能性もある。
 そして、先ほどの話の中で、三年以内という話でしたけれども、実質的に現場、現状からいくと、東京オリンピック・パラリンピック後でないと、土壌汚染対策とか、あるいは埋蔵文化財の調査というのはできない。通常、普通に考えても、オリンピック後でないと入れないなと、このように私は思っているところで、これも話をしてもなかなか平行線になるかもわかりませんけれども、そういった今のやりとりの中でもおわかりになるように、非常にこの三年という言葉というのは、今のお話からすると余り内容の根拠がないみたいで、どこからおおむね三年と来たのか。単純な机上論から来ているのであれば、これは大変な問題だと思います。しっかりとした、やはり都技監として、都技監がきちんと数字をいうからには、その数字の根拠というのを明確にしないと、後々大変なことになるということを忠告しておきます。
 こうしたもろもろの築地の再開発については、課題があるということをきょうはお話しさせていただきました。かなりの時間を費やしてしまいました。中央卸売市場におきましては、食の安全・安心の立場から、この追加対策工事についてはしっかりとやっていただきたい。もうどこから専門家がついても、これで大丈夫と、こういわれるように、ぜひとも努力していただきたいということをご要望いたしまして、私の質問を終わります。

○山崎委員 初めに、先日、九月一日のこの場で開催されました経済・港湾委員会、この経済・港湾委員会における都民ファーストのひぐち委員の発言と質疑について、何点かお聞きをしていきたいと思います。
 都民ファースト、ひぐち委員は、先日の質疑において、知事の基本方針に関して万葉倶楽部株式会社が損害賠償を検討していることについて、東京都が築地再開発を行うことが東京都が損害賠償をする責めを負うことに該当するとは思わないと、知事の独断により大きな混乱をもたらした、いわゆる六月二十日の基本方針に対し、事業者の思いを踏みにじる言葉を口にされたわけでございます。
 そこで、まず確認をさせていただきますが、七月二十一日の関係局長会議の資料の中にはこう書かれております。千客万来施設事業との整合性を図りつつ、開発コンセプト等を具体化していくとあるのに対し、六月二十日の知事の基本方針の中で千客万来施設事業についてはどのように書かれているのか、市場当局にお伺いします。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 六月二十日の知事の市場移転問題に関する発表の場には、千客万来施設につきましては特段の記述、発言等はなかったということでございます。

○山崎委員 今、松田部長が、六月二十日の基本方針の中には何も触れていなかったと、そういうことでよろしいんですね。こういったことも知事ご本人しかわからない、そういうことなんですよね。今の答弁を聞いても、明確な答弁はもらえていないのは、私は当たり前だと思います。
 しかしながら、基本方針が出された以降、万葉倶楽部から中央卸売市場には、事業者から、いわゆる万葉倶楽部さんからどういった反応があったのか、具体的に教えてください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 六月二十日の知事の基本方針の中におきまして、築地の再開発に関連して食のテーマパークといった記述があったこと、この点につきまして、また築地再開発全般の動向につきまして、事業者である万葉倶楽部から、その内容ですとか方向性につきまして、どういうことなのかということに関する問い合わせといったものを受けてございます。

○山崎委員 この間、市場当局は万葉倶楽部に対して、豊洲市場及び豊洲地区を一緒に盛り上げていくためのパートナーとして、信頼回復に向けて多くの話し合いなどを行ってきたと私は思います。
 我々議会としても、本来であれば、万葉倶楽部や江東区、または多くの都民のために、万葉倶楽部には豊洲地区の発展のために事業者としてとどまってもらい、一緒に盛り上げていこうと考えるのが一番重要な視点であり、これがまさに正論であると私は考えます。
 そうした中にあって、法律面を考え、損害賠償の請求には、損害、因果関係、責任が必要であり、損害については定期借地権の契約が締結されていないことから損害は発生しておらず、呼びかけを受けた上で営業場所を選ぶのは事業者であることから、築地再開発との因果関係はなく--その後続いておりましたが、最後に、東京都が築地再開発をすることが、東京都が損害賠償をする責めを負うことに該当するとは思わないといったこの発言は、都民ファーストではなく、損害賠償の請求先になると思われる知事をかばった、まさに小池ファーストといわれても仕方のない内容に感じるのは私だけではないとは思います。
 ここで、改めてお伺いいたします。
 東京都が築地再開発をすることが損害賠償をする責めを負うことに該当しないと本当にいい切れるのでしょうか。お答えください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都と事業者である万葉倶楽部の間におきましては、基本協定を締結してございます。これは、両者間の唯一の法律関係を規定しているものでございますけれども、この基本協定に従いまして事業を展開していただくということを、現在私どもも誠意を持って対応しているところでございまして、例えば法律上の損害賠償ですとか、そういった観点の検討につきまして、私どもとして申し上げる段階ではないというふうに考えてございます。

○山崎委員 ひぐち委員の質問を受けて、市場当局は、事業者がどのように感じるか、また感じたのか、また今後の交渉において問題が生じてしまうと、やはり皆さん思ったんでしょうね。そうですよね、市場長。松田部長もそうですよね。
 我々が社会で生活をし、仕事をしていく中で最も大切なことは、私は信頼関係だということを子供のころから学んできたと思います。そうした信頼関係を踏みにじるような発言を今、このタイミングで行うことは、本当に、誰のための発言なのか、重ねて残念であります。
 万葉倶楽部が損害賠償請求を検討するのは、経営の視点はもとより、知事の朝令暮改の態度に不信感を高める事業者の判断として当然であります。そうした状況に理解を示すどころか、逆に逆なでするような態度では、とても事業者の理解、協力を得ながら事業を進めていけなくなるのではないかと思ってしまいます。
 また、前に進めるよう、成功に結びつけようという意欲がみじんにも感じられません。市場当局は先日の質疑を踏まえ、事業者に対しおわびと信頼回復、一緒に豊洲市場を盛り上げていきましょうと交渉を続けるべきと考えますが、見解を伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年六月の基本協定の締結後、豊洲市場をめぐるさまざまな問題が明らかになりまして、その検証に時間を要する等々ございまして、万葉倶楽部側には多々ご心配をおかけしている状況でございます。
 こうした状況をよく踏まえまして、私どもといたしましては築地再開発の動向、開場時期の見通しなど、これから丁寧にご説明をしてご理解をいただくように努めまして、基本協定、こちらございますけれども、こちらに沿いまして万葉倶楽部の方に事業を実施していただけるよう、誠意を持って引き続き対応してまいります。

○山崎委員 丁寧にしっかりと対応していただきたいと思います。どれだけの期間をかけて今日に至っているか。江東区とのいろんな関係、そして豊洲市場は、先日も私お話しさせていただきましたが、市場の場内と、そして千客万来施設、これが一体となって、改めての豊洲新市場という位置づけになっていることは市場当局の皆さんはおわかりだと思います。
 法的観点の前には、やはり考えていかなくてはならないことは、そもそも知事の基本方針を示した後、事業者としっかり向き合うことが一番重要なことであり、都民ファーストの無責任な議論を展開することは、私は到底納得、また理解がいかない、そのようなことを発言させていただいて、次の質問に移ります。
 次に、築地の再開発について何点かお伺いいたします。
 まず初めに、そもそもまちづくりは本来どのように進められるものなのか、お伺いいたします。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 まちづくりの一般的な進め方でございますが、例えば、IHI、石川島播磨重工業の造船所跡地の開発でございます豊洲二、三丁目地区などにおきましては、開発規模が大きく、その適切な誘導を図るため、都においてまちづくりの方針を示しております。その後、その方針に沿って、各事業者による街区ごとの建物の設計、都市計画手続などを経て事業を実施しております。

○山崎委員 今、山崎部長からご説明があったとおり、IHIの造船所跡地、約五十ヘクタールだったと思いますが、そのときのさまざまな進め方、都市計画手続などを経て、事業を実施してあると。しかし、今回、築地のことをいわせていただければ、非常に複雑化をしている。このような複雑化をしているまちづくりというものは、恐らく東京都としても初めて進めるような形だと私は思います。
 次に、今回計上されている二千万円の予算はどのような内容のものなのか、お伺いいたします。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発の検討につきましては、来年度に、都としてまちづくりの方針を取りまとめることを予定しておりまして、それに向けて、今年度は、課題の整理、開発コンセプトにかかわる検討、事業の進め方の概略検討などについて、プロポーザル方式を活用した業務委託により行うこととしております。今回計上されております二千万円につきましては、この業務委託に係る経費でございます。

○山崎委員 それでは、お聞きします。
 なぜ、一般会計でなく市場会計で計上したのか、また、市場使用料収入を財源としているのか、お伺いいたします。市場当局。

○松永管理部長 築地の再開発に向けた検討に要する経費は、市場移転問題に関する基本方針に基づき、市場移転に関する関係局長会議で示された取り組みを実現するために、平成二十九年度に必要な予算項目の一つでございまして、今回の補正予算案では、市場会計で計上したものでございます。
 また、当面の現金支出につきましては、市場会計の中で賄うこととしておりますが、一般会計からの繰入金については、今後、財務局と協議してまいります。

○山崎委員 財務局さん、今の答弁を聞いて、同じ形でよろしいですか。しっかりサポートをしていくということですか。お答えください。

○武市財務局長 築地の再開発につきましては、都市整備局、市場当局など、関係する局を私ども財政当局としても十分サポートをしてまいります。
 なお、財源につきましては、市場当局からお話があれば、私ども協議を承りますけれども、今回、再開発が市場会計としても相当収益を上げる開発でもありますので、そうした面も含めて検討していくことが肝心かと思っております。

○山崎委員 今、財務局長から答弁をいただきましたが、その中で、市場会計が非常に潤っていく、そういう発言がございましたが、本当にそういうふうになるかどうか、これからだと思いますけれど、私たちもしっかり推移を、またどういうふうにやっていくかということを改めてチェックしていきたいと思います。
 そして、ほかの市場の皆さん、築地だけではもちろんございません、ほかの十の市場の皆さんたちは、私のところにもいろんなご意見が来ます。自分たちの使用料が築地だけに使われていて、一体どうなってしまうのか、自分たちの市場、いろんな市場があります、自分たちのいろいろな環境整備、そういったものが一体いつになったら進んでいくのか、そういう声も私のところに来るわけであります。ぜひそういったところは、市場当局の皆様にはしっかりと認識をしていただきたいと思います。
 続いて、再開発のスケジュールはどのようになると見込んでいるのか、都市整備局、お願いいたします。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 再開発のスケジュールにつきましては、補正予算成立後、早期に築地再開発検討会議を設置いたしまして、築地の持つポテンシャルなど幅広い観点から検討をスタートさせ、来年度には、都としてまちづくりの方針として取りまとめていく予定でございます。その後、事業者からの提案募集やそれに基づく必要な設計、都市計画等の手続、土壌や埋蔵文化財の調査などを進めることを想定しております。
 東京ミッドタウンなどの民間の大規模開発や都有地を活用した民間プロジェクトでは、まちづくりの方針の策定から工事着手まで、おおむね三年程度を要しております。状況によっては、工事着手まで早まることも、さらに期間を要することもあり得ますが、ただいま申し上げたようなステップを踏みながら、五年以内のできる限り早い時期に再開発に着工することを目指してまいります。

○山崎委員 土壌汚染対策、埋蔵文化財調査によるスケジュールの影響が出た場合、再開発の完了はいつごろになるのか、また、あわせて、これらの調査の実施主体は東京都なのか、それとも民間事業者なのか、はっきりとお答えを願いたいと思います。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 土壌汚染や埋蔵文化財調査は不確定要素ではございますが、土壌汚染状況の調査につきましては、都有地を活用した民間プロジェクトにおいて、都が先行的に調査を実施している事例がございます。また、埋蔵文化財調査については、例えば東京ミッドタウンでは、民間事業者において、複数の班体制を組んで調査を行うなど、工夫を行いながら、一年三カ月程度で終了しております。
 汐留地区の開発では、地区内を複数の街区に分割いたしまして、街区ごとに土地所有者が埋蔵文化財調査を実施しております。最初に調査を開始した街区から通算すると、地区全体の調査期間は九年程度となっておりますが、発掘調査が終了した街区から順次土地を事業者に引き渡すことにより、先行街区では早期の着工を可能としております。
 築地再開発では、こうした事例も参考にしながら、今後、事業の進め方や事業者との役割分担等について検討し、民間の知恵やノウハウも活用しながら、さまざまな工夫を行いまして、できる限り早期の着工を目指してまいります。
 なお、土壌汚染対策の工事につきましては、本体工事を進める中で掘削除去や封じ込めなどの対策を実施することが通例でございます。また、築地再開発の完了時期につきましては、建物の規模や進め方を含め、今後の民間提案の内容などによることになると考えております。
 それから、調査の実施主体についてのお尋ねがございました。築地の再開発につきましては、事業の進め方を含め、今後の検討としておりますので、まだ事業者、実施主体が定まっているわけではございませんので、一般的な場合としてお答え申し上げますが、土壌調査につきましては、土壌汚染対策法及び環境確保条例により、土地所有者または土地の改変者、一般的には開発事業者に相当いたしますが、これらに調査義務がございます。
 埋蔵文化財調査につきましては、保存すべき埋蔵文化財を破壊することとなる開発事業者が行うこととされています。調査時期につきましては、土地売買契約を締結した後に、開発事業者が土壌調査及び埋蔵文化財調査を実施することが一般的な取り扱いとなっております。

○山崎委員 先ほど、上野副委員長の質疑でもこのことは聞いておられました。そういう意味で考えますと、私たちも非常に不安でならないんですね、はっきりいって。スケジュールの影響は、再開発の完了時期だけにとどまる問題でないと私は思います。さきのあり方戦略本部では、五十年、百六十億円の貸付料の収入が見込まれると試算が出されておりますが、この収入が入る時期にも影響することとなり、市場会計の持続可能性の見通しについても見直しが必要になるのではないかと思います。
 また、卸売市場法との関係性も明確にはっきりとされていないんですね。再開発の中で、築地に市場機能を設けることは、卸売市場法や整備計画と整合性が果たしてとれるのでしょうか。市場当局、お答えください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場を中央卸売市場として整備し、継続的に運営していく一方、築地の市場機能、こちらにつきましては、この市場機能がどのようなものになるのかということによるかと思われます。
 一つの考え方として申し上げますと、例えば中央卸売市場として整備をするということになりますと、卸売市場法に基づく認可が必要になってきてございます。その場合につきましては、その市場が、開設区域、この場合東京都になりますけれども、開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的な拠点として適切な場所に開設され、かつ相当の規模の面積、こちらを有するものである、こういった認可基準がございまして、そういったものを満たしているかどうかということが求められるということが法律上の要請となってございます。
 こうした基準に従いまして、具体的な案件として判断されるものと、このように考えているところでございます。

○山崎委員 少なくとも、今のままでは、築地の再開発、中央卸売市場とするには、ハードルがかなりあるということ。そして、築地の再開発について、市場業者に対し戻りたければ戻れるといっておられますが、市場業者にしてみれば、再開発の内容がわからなければ、なかなか判断ができない。
 例えば、市場機能の場所は、荷おろしが、そしてそのような部分が一階部分にしっかりと確保されるのか、賃料は今の卸売市場の使用料と同じような金額になるのか、またターレやフォークが自由に通行できるのか、駐車場はしっかりと確保されているのか、さまざまなことが、わからないことがたくさんあります。
 築地は今後どうなるのか、中央卸売市場か、地方卸売市場か、あるいは食のテーマパーク、あるいはフィッシャーマンズワーフをまねるのか、再開発後の築地の姿を具体的に示していただきたいと思います。
 都市整備局、お願いいたします。

○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地の再開発に当たりましては、そのロケーションを最大限に生かし、まちづくりを通じて、まちの魅力と付加価値をそれぞれ高められるよう検討を進めてまいります。
 今後、築地再開発検討会議を設置し、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど幅広い観点から検討をスタートさせ、来年度にかけましては、民間からのヒアリング等も行いながら、まちづくりの方針を取りまとめ、開発コンセプトや導入機能のあり方などの方向性を示していく予定でございます。
 その後、この方針を踏まえまして、民間からの提案募集、事業者の選定など、民間主導による再開発を進めてまいります。
 こうしたステップの中で、将来の築地のまちづくりの内容が具体化していくものと考えております。

○山崎委員 今の答弁を聞いても、明確でないことは事実であります。私も築地がどうなるか、本当に心配しております。知事がよく夢だとか、ポテンシャル、そしてブランド、いろいろなお言葉をお使いになっておられますけれど、とにかく築地の土地のその後の利用、再開発、どうなっていくか、要するに今の築地市場をどうするかということも、もちろん皆さんそういった捉え方をしていると思いますけれど、私は、築地の土地の、その次の再開発という部分を非常に気にしているわけでございます。
 八方美人の中途半端な基本方針が示されたおかげで、事態は複雑化をし、ますます混迷を深めている気がしてなりません。市場関係者のほか、地元区や千客万来施設事業の事業者、再開発を担う民間ディベロッパーなど、多くの関係者と調整をしながら、再開発をまとめ上げていくことは非常に困難だと指摘せざるを得ません。
 そもそも冒頭質問したように、まちづくりというものは、東京のまち全体を考え、都市としてどのような姿であるべきかという点を、それこそ知事自身がいう鳥の目で考えて、方向性が示されるべきだと思います。
 市場の移転問題という観点だけで、つじつま合わせのように示された今回の築地再開発、東京という都市の発展に寄与できるかどうかは、私は大いに疑問を感じております。
 小池知事も四十年後の東京という意味では、グランドデザインというものを打ち出しております。そういった大きな観点、東京の築地という、その土地の周辺も含めての再開発という、そういうまちづくりをしっかりと展開していただきたいと思います。
 続きまして、環状二号線についてお伺いいたします。
 選手村と各競技会場を結ぶ環状二号線は、オリンピック・パラリンピック大会の円滑な運営に欠かせない道路であります。また、並行する晴海通りなどの渋滞緩和も期待されております。
 そこでまず、築地市場付近の晴海通りや新大橋通りの渋滞の今の状況をお伺いいたします。

○奥山建設局道路建設部長 築地市場周辺の晴海通り及び新大橋通りでは、両路線が交差する築地四丁目交差点及び晴海通りの勝どき駅前交差点が、平成二十五年一月に国土交通省が公表しました主要渋滞箇所に抽出されております。
 この両路線につきまして、自動車が実際に走行した位置や速度に関する情報、いわゆるプローブ情報を用いまして朝のピーク時の平均所要時間を算出したところ、晴海と豊洲を結ぶ晴海大橋の北詰から晴海通りを経て、新大橋通りの汐崎橋交差点、これは築地市場の西側にございます、ここまでの約二・六キロの所要時間は約十二分となっております。この区間の混雑時平均旅行速度は、時速約十三キロであり、都内の約十七・七キロを下回っております。

○山崎委員 今、答弁にもありましたこの区間の平均旅行速度は時速約十三キロ、しかし都内の平均を見ますと十七・七キロ、そうですよね。ですから、この部分が非常に、とにかく時間がかかって、渋滞がある。私もよくこの通りを通るんですけれど、とにかく渋滞、非常にかかっております。私は銀座方面から晴海通りをずっと真っすぐ行って、臨海部に抜けるとき、夕方四十分ぐらいかかったこともあります。そのように非常に混雑がされている、そういう状況であるということが今の答弁でよくわかりました。
 オリンピック・パラリンピック大会の開催時には、この付近は選手村付近でありまして、セキュリティーゾーンとなり、周辺地区の交通にも大きな影響が及ぶと思います。
 東京都は大会までに地上部道路、築地の市場内の地上部道路を整備するとしておりますが、大会運営に影響はないのか、見解を伺います。

○奥山建設局道路建設部長 環状第二号線につきましては、二〇二〇大会に向け、平成三十一年度末を目途に、地上部道路の整備を完了させます。
 二〇二〇年大会時には、この地上部道路のほか、二〇二〇年時点での道路ネットワークの活用に加えまして、交通量の抑制を図る施策を実施し、円滑な大会輸送の実現に努めると聞いております。

○山崎委員 今、答弁で最後、円滑な大会輸送の実現に努めると聞いていると。聞いている、そういう最後のお話がございました。これ、本来であれば、所管はオリンピック・パラリンピック準備局なんですよね、そうですよね。
 ですから、こういったこともオリ・パラの準備局がいれば、この場にいらっしゃれば、はっきりとこういう話も聞けるんですけれど、今回はオリ・パラ準備局は、この場にいらっしゃいませんので、こういったこともなかなか質問をしても答弁が来ない、そのような今の委員会状況だということはご認識、また皆様にもはっきりと物を申していきたいと思います。
 ですから、何がいいたいかといえば、こういったことの議論がしっかり深まっていかないというところに結びつくわけであります。非常に残念であります。
 環二は有明から新橋までの区間を延伸しておりますが、なぜ延伸したのかお答えください。

○奥山建設局道路建設部長 環状第二号線は、江東区有明から中央区、港区などを経て、千代田区神田佐久間町を結ぶ全長約十四キロの幹線道路でございます。
 このうち、現在事業中の区間を含む有明から新橋までの区間は、臨海部と都心部との連携強化や地域交通の円滑化などを図るため、平成五年に都市計画決定し、臨海部の方向に延伸されております。

○山崎委員 残るところの環二の重要な区間、築地大橋まではほぼ整備ができ上がって、終わっていますから、要は、もう皆さんもおわかりのとおり、築地の市場内、それと市場を出た次の交差点までのところの区間という、市場内だけ見れば、たしか四百五十メーターぐらいだったと思います。この区間が未着手という状態になっているわけであります。
 続いて、環二の本線トンネル。環二の本線のトンネルの工期はどのくらいかかるのでしょうか、教えてください。

○奥山建設局道路建設部長 環状第二号線の本線トンネルの着手及び完成時期につきましては、今後、市場の移転時期や解体工事の状況などを踏まえまして、地上部道路の線形、構造、工事手順などを検討する中で明らかにしてまいります。

○山崎委員 なかなか、皆さんもおわかりのとおり、市場内には暫定道路があり、そして地上部の道路があり、そして本線があると。この三つが絡んでくることになります。
 オリンピックの後に本線が恐らくまた新たに立ち上がるような形になっていくと思うんですけれど、これだけでも非常に築地の移転がどういうふうになっていくかに左右される大きな出来事だと私は思います。
 しかし、やはり今の状態を見れば、残りの四百五十メーター、これが未着手であって、なかなか前に進んでいないということ、これもやはり全庁挙げての、いろいろな複雑化をしている問題に、このこともなっているわけであります。
 続いて、環二本線の完成時期を今後検討していく状態では、環二を通行するBRTの計画は成り立つのかどうなのか、教えてください。

○佐々木都市整備局企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都心と臨海副都心とを結ぶBRTは、環状第二号線の整備状況に合わせて、運行を順次開始することとしておりまして、運行の開始時期等につきまして、現在運行事業者と協議を行っているところでございます。

○山崎委員 続いて、解体のことに触れさせていただきたいと思います。
 築地の解体工事は補正予算に計上されておりませんが、今後どう取り組んでいくのでしょうか。
 市場当局、お願いいたします。

○白川事業部長 築地市場の第一期解体工事は、水産及び青果の卸売り場、仲卸売り場を中心としたエリアを対象としておりまして、四つの工区に分けてございます。
 昨年七月に工区ごとに事業者と平成三十年三月までの工期で契約を締結いたしました。
 その後、豊洲市場への移転延期を受けまして、契約約款に基づき、九月九日付で工事の一時中止を各事業者へ通知したところでございます。
 今般、豊洲市場への移転方針を受けまして、移転後、速やかに解体工事を行えるよう、現在の契約を生かす方向で作業スケジュールなどの諸条件について、事業者との調整を開始したところでございます。
 なお、平成二十九年度は、お話のように予算が計上されていない状況でございまして、予算措置につきましては、移転時期等を踏まえまして、関係部局と調整を進めてまいります。

○山崎委員 先ほども解体はどのくらいでという話で、二十カ月で完了されるというお話がございました。
 今現在、中断している解体工事の契約、前回は十一月七日に移転するという中で、解体事業者との工事の契約というものがありましたが、費用はかさんでいるのか、どう受けとめているのか、お伺いいたします。

○白川事業部長 築地市場の解体工事につきましては、現在の契約を生かす方向で、各事業者と協議を行っているところでございます。
 協議の内容でございますが、工期の見直しや経済情勢の変化を踏まえた人件費、資材価格等の調整でございます。
 今後、さまざまな調整が必要となりますが、移転延期に伴うお話の経費等につきまして、各事業者と協議を進めながら、適切に対応してまいります。

○山崎委員 環二の工事範囲を見ると、先ほども答弁でありました四つの工区に分かれている、そのような話がありました。築地の解体工事は四つの工区に分かれている。
 それで、この環二の道路の中、四つの工区全てに環二の地上部道路が重なっているんです。環二の通りのところに、全ての四つの工区に築地の解体が重なっている。
 このような状態の中で、市場当局として環二の工事への影響を踏まえて、解体工事をどうやって進めていくのか、お答えください。

○白川事業部長 環状二号線工事範囲にかかわる第一期解体工事についてでございますが、四工区に分けて契約をしておりまして、各工区事業者の工事間調整を綿密に行いまして、それぞれの工区の工事が円滑に進むように実施をしてまいります。具体的には、工事の工程、工事ヤード、車両動線などの工事間調整を、事前の準備段階はもとより、工事着手後にも定期的に行い、さらに円滑に工事が進むように監督をしてまいります。
 なお、優先して解体し、建設局へ引き渡す道路エリアにつきましては、環状二号線地上部道路整備工事に必要となる工事範囲、道路区域を中心として、やや広めに設定をしておりまして、建物の構造、これが鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造などにより構成されておりますので、その切りかわりの接続ラインの境で、建設局に引き渡すように範囲を設定しております。

○山崎委員 今、環二の件、また環二の暫定道路や地上部道路、これだけでは足りないですね、先ほど聞きましたが、渋滞の解消や臨海部の物流や交通を円滑に進めていく、そういったものが今の暫定道路や地上部道路だけでは足りないということがよくわかっております。
 このことは、先ほど来お話、答弁いただいています建設局、そしてBRTやこの運行、そしてまちづくり、こういったことは都市整備局、そして解体の方は市場当局が中心となってやっていく、ほかの局にさまざままたがっている事項であって、市場当局ではないということが今の何点か質問させていただいた中でよくわかりました。
 ですから、オール都庁で進めていくことが非常に大切であり、先日も何回も何回もこのお話はさせていただいております。こういったことが必須条件になる。
 そこで、全庁を挙げての決意というものを各それぞれの局長さんにお答えをいただきたいと思います。
 初めに、中央卸売市場長、お願いします。

○村松中央卸売市場長 六月二十日に豊洲と築地、両方生かすという趣旨の基本方針が発表されましたが、行政として、これを具体化する、あるいは取り組んでいく、そのための組織として、四副知事及び関係局九局ございますが、それから構成されます関係局長会議を設置したところでございます。
 その中では、豊洲市場への移転を最優先とすると、そういったことを取り決めましたが、お話のとおり、築地の再開発、あるいは環状二号線の問題、オリンピック・パラリンピック大会への準備など、市場移転に関連する多岐にわたる項目もございます。
 中央卸売市場といたしましては、関係局長会議を開催することはもとより、各局としっかり連携して取り組んでまいります。

○山崎委員 次、都技監、お願いします。

○邊見東京都技監 お話のように、さまざまな課題、各局にまたがって関係してまいりますので、市場当局を初め関係各局でしっかりと連携をして、具体の取り組みをステップを踏みながら進めていく、そういったことを精力的に取り組んでいきたいと考えてございます。

○山崎委員 財務局長、お願いします。

○武市財務局長 ただいま議論されております二〇二〇年大会に向けての築地の準備につきましては、私ども解体の件では契約という面で関係してまいります。
 その前に議論されておりました再開発の面では、財政収支等々の面、さまざまな面で財政当局はかかわりを持ってまいりますので、豊洲への移転、築地の再開発等、全般にわたりまして、関係各局と連携させて、取り組ませていただきます。

○山崎委員 建設局長、お願いします。

○西倉建設局長 知事の基本方針を受けまして開催されました関係局長会議におきまして、環状二号線の地上部道路につきまして、平成三十一年度末を目途に整備を完了させるということとしております。
 建設局といたしましては、今後、市場当局を初めといたします関係各局と緊密な連携を図りまして、その実現に向けまして、着実に進めてまいります。

○山崎委員 今、各それぞれの局長さんから決意というものをお話をされました。
 しかし、先日の、例えば都政新報の記事を見ても、なぜあのような記事が出るのでしょうか。
 知事に対して皆さん方もそれぞれの部署の、それぞれの担当のプロであれば、しっかり知事にここだけは曲げられない、このことはぜひ理解をしてほしい、恐らく皆さん方もやられていると思います。しかし、しっかりと説得をしなきゃいけないんです。
 私は、関係九局長会議の中のいろいろな議論を、皆さん方の議論を見て、この部分が基本方針から多少変わったんだな、そういったことも何点か見受けられました。
 ですから、オール都庁でしっかりこの課題解決に向けて、前に進めていくのであれば、やはり皆さん方も仕事の自分たちのセクション、また、今まで積み上げてきたもの、そういったものをしっかりと知事にも--もちろん知事からの、上からトップダウンでおりてくることもあるかもしれません、しかし、今までやってきたことも踏まえての、皆さん方のプロ意識というものをぜひこれからも発揮をしていただきたい、そのことは強くお願いをさせていただきたいと思います。
 続きまして、知事と農林水産大臣との面会について、何点かお伺いいたします。
 先日、知事は農林水産大臣にお会いをしたということですが、知事が農林水産大臣と面会したことによって、認可申請に影響があるのかどうなのか、市場当局、お答えください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る七月七日でございますけれども、知事と当時の山本農林水産大臣との会談におきまして、知事から豊洲市場への移転を決定し基本方針を公表したこと、必要な対策工事を講じた上で、認可申請を含め、移転への手続を進めていく旨のご説明が大臣に対してなされたということでございます。
 認可申請への影響ということでございますけれども、知事みずからが国に足を運びまして、大臣に対して直接説明をされたということによりまして、豊洲市場への移転に向けた東京都の考え方を直接ご理解していただけたものというふうに考えてございます。
 大臣からは、早期移転という基本方針を示したことは前進であると受けとめているということ、認可申請につきましては、卸売市場法に基づき適切に対応すること、今後も東京都の考えをしっかりと聞き、打ち合わせ等を進めていきたいという発言があったということでございます。

○山崎委員 農林水産大臣への認可申請手続は着実に進めていかなくてはならない事項です。
 今後、認可申請に向けたスケジュールや農水省との調整の現状について伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都はこれまで、豊洲市場は土壌汚染対策法に定める要件を満たしているということや、移転に向けた追加対策工事の実施など、都における移転に向けた検討状況をその都度国にご説明してまいりました。
 一方、国会審議におきましては、豊洲市場用地の土壌や地下水汚染につきまして、汚染の除去や封じ込め等の措置が講じられている法律上の形質変更時要届け出区域として区域指定されていることを前提とすれば、認可の障害とはならない、こういった旨の見解が示されているところでございます。
 今後、移転時期決定の後、追加対策工事の実施状況などを踏まえまして、申請時期について国と調整を図るなど、認可申請に向けましたスケジュールを具体化させてまいります。

○山崎委員 次に、築地市場業者の皆様への対応についてお伺いします。
 代表質問でも、またこの経済・港湾委員会でも質疑をさせていただいておりますが、都議会自民党は豊洲市場の移転に向けては、市場関係者との合意形成が大変重要であると指摘をしてきました。都と市場業者が連携をし、一枚岩となって、さまざまな移転準備を進めていかなければ、円滑に豊洲市場へ移転することはできません。
 一方で、市場業者の中には、経営面での不安や新しい環境での商売に不安を抱えている方もいるとお聞きします。
 こうした市場業者への支援をきめ細かく行う必要がある、そのように思いますが、都として、どういった取り組みを考えているのか、改めてお伺いいたします。

○赤木移転支援担当部長 豊洲市場への移転に当たりまして、資金繰りなど経営面で不安を抱えている事業者の皆様の不安を解消するため、経営相談窓口を設置しておりますほか、さまざまな資金需要への対応を行うため、各種支援策を設けております。
 利子補給事業や仲卸・関連事業者融資事業などの融資事業のほか、環境・省エネ設備補助事業を実施するとともに、昨年十二月からは移転延期に伴う特別融資などを実施しております。
 市場事業者が豊洲市場に円滑に移転し、安定的に事業を行っていただけますよう、経営力の強化に向けて、引き続ききめ細かく支援を行ってまいります。

○山崎委員 経営面の不安、移転延期によって豊洲市場への設備投資等が事業者の経営上の負担になっていることも挙げられております。移転延期に伴って事業者に生じた損失に対しては、東京都は補償スキームを策定し、補償の対応を進めております。
 この補償、たしか積み上げで、初めは九十億とか九十七億とか、そんなような数字もあったと思うんですけれど、今、現状を調べてみますと、十一億円、十一億三千六百か三千四百、そのくらいだったと思うんですけれど、とにかく事業者に対しての補償というものはしっかり対応していかなくてはならないと思います。
 また、市場業者に寄り添った丁寧な対応が一番重要だと思います。補正予算を編成しないことで、市場業者が十分な補償をしてもらえないのではないかという不安になることのないよう、都としても業界にしっかりと周知を図っていただきたいと思います。
 次に、顧問行政についてお伺いいたしたいと思います。
 知事は、私人として、小島顧問の行動には関与しないと繰り返し答弁されましたが、小島顧問の行動が本当に私人としてのものなのかどうなのか、これから質疑を通して質していきたいと思います。
 まず初めにお伺いいたしますが、市場当局が市場関係の組合から知事の基本方針の作成経緯や内容を説明する場を求められた場合、これは公務でしょうか、休暇扱いでしょうか、お答えください。

○吉村企画担当部長 去る八月二日、三日、水産仲卸の組合からご説明を求められた場合に、私どもは公務として行って説明させていただいております。

○山崎委員 我が党は、七月十八日に十四時から東卸会館で開かれた小島顧問による説明会、勉強会ともいわれておりましたけれど、その議事録を入手いたしました。冒頭で主催者側からこのように発言がございました。
 小島先生には、なぜこういう経緯、経過になったのか、なぜ築地と豊洲を生かすという双方を市場として活用するような形で考えられたのかということをご説明いただきたい、また、きょうは中央区選出の都議会議員の西郷さんにも来ていただいた、西郷さんには、小池知事とも都民ファーストの会としてパイプ役になっていただけるということだ、きょうは皆さんの意見を聞きたいということで参集していただいたと、そういう発言が冒頭にありました。
 そして、それを受けて、西郷都議はこのように述べております。私は、二十三日から都議会議員に就任する、皆様の意見をたくさんいただき、小池都知事へパイプ役としてつなげ、頑張っていくので、今後ともよろしくお願いいたします。
 小池知事は、小島顧問はあくまで私人だと。私たち先日お聞きしたら、私人だといい張りましたが、同席した西郷都議は間違いなく、東京都議会議員選挙当選者として、二十三日からは都知事とのパイプ役としてつなぐと明言されております。これは、西郷都議が私人ではなく、既に公人として発言しているに等しいと考えるのが普通じゃないでしょうか。
 加えて、小島氏は、長い時間をかけて、築地、豊洲両立案に至った背景を語られているのです。これはさすがに私人の枠を超えており、PT座長、あるいは知事の顧問として経緯を説明しているわけであります。
 さらにいえば、副知事を初め都庁の幹部職員が小池知事が発表する当日の午後まで知らなかった両市場活用案を基本方針とすることについて知っていた数少ない人物である小島顧問のこの仲卸業者との勉強会をプライベートとすることには限界があると私は思います。
 小島顧問のこうした動きについて、プライベートの域を超えていると考えますが、それはどうでしょうか。プライベートを超えているのか、その域を超えていないのか、中央卸売市場当局に見解を伺います。

○長嶺財政調整担当部長 今、副委員長からお話がございましたが、小島顧問が一個人の立場として築地市場内の一部の仲卸業者の方々と意見交換を行っていると、そういったことは仄聞してございます。ただいまお尋ねの件につきましては、お答えできる立場にございません。

○山崎委員 まあ、お答えできないですよね、そうですよね。小島顧問は会議の場で、築地は守る、豊洲を生かす、この考え方は市場機能の分離である、四年後には、市場内取引は築地、物流機能は豊洲、そのときに中央卸売市場はどうなるかというのは、来年の卸売市場法の改正の姿を見て考えればよいと発言しております。
 では、確認のため伺いますが、現在、国では卸売市場法の改正について、市場機能の分離を含めた検討がなされているのでしょうか、どうでしょうか、お答えください。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場法改正の関係でございますけれども、国からは各自治体、各開設者へのヒアリングでありますとか、そういった意見を聴取するということに対しまして、地方自治体としまして、開設者といたしまして、いろいろな意見を申し上げているという段階でございます。
 具体的な方向性でありますとか、その内容、骨子、そういったものにつきましては、現在のところ、私どもとしては聞いていない状況でございます。

○山崎委員 東京都が卸売市場法の改正について、分離を含めた検討がなされているのかどうなのかというのは聞いていないというんですよね。それが小島顧問はどうでしょうか。改正の姿を見て考えればよい、こんなような発言をされております。これも、どういう意図をして小島顧問が発言されているか、なかなか理解することができません。
 さらに、小島顧問は、勉強会の中で仲卸の将来や知事の基本方針についても言及しております。その内容については、報道では、小島顧問が、今後、仲卸の仕事はなくなる、生き残りたければ知事に賛成しろといった、恫喝するかのような発言をしていると出ております。今後、仲卸の仕事がなくなるのは本当なのでしょうか、事実でしょうか。都の職権で知事の方針に反する事業者を廃業させることはあるのでしょうか。
 市場当局にお伺いいたします。

○白川事業部長 中央卸売市場において、仲卸業者は商品の品質や鮮度を評価するほか、多様な顧客の要望に応じて加工、仕分けを行うなど、市場取引の中で重要な役割を担っておりまして、今後、豊洲市場においても、同様にその役割を担うことと考えております。
 都が仲卸業務の許可の取り消しができるのは、業務に関し不正の行為があったとき、他人の業務を妨害したとき、東京都に対する納付金を納付しないときなど、条例で定める要件に該当する場合でございます。

○山崎委員 説明の場では、小島顧問は、民間が一千億でできるものが、東京都の入札を通すと二千億円になると説明されたようであります。この発言について、都技監と財務局長はどうお思いでしょうか。
 まずは都技監の方からお答えください。

○邊見東京都技監 小島顧問の発言、前後の関係も含めて、具体的には把握しておりませんが、都の発注は、市場価格の動向を考慮したり、あるいは単価改定などを行いながら、都の基準に基づいて積算を行ってございます。
 築地の再開発に当たりましては、いずれにしても、民間の持つ知恵やノウハウを活用することが重要でありますので、策定するまちづくり方針を踏まえながら、事業者からの提案募集、事業者選定などを行って、民間事業を活用しながら適切に事業を進めていきたいと考えてございます。

○山崎委員 財務局長。

○武市財務局長 私も発言の詳細を承知してございませんが、一般的に申し上げますと、さまざまな工事の状況ですとか、手法、タイミング等によりまして変わってくるものであるというふうに考えております。

○山崎委員 こうした内容を聞いたのは、市場で働く方々に対し正確な情報を流しながら、豊洲市場に移転していただきたいと考えているからであります。曖昧かつ不正確な、人をたきつけるような物いいで、多くの人を要するに不安にさせる、また心配させるような説明は決して許されるものではないと私は思います。
 最後に、改めてお伺いしますが、こうした発言が真実であった場合、この説明会の内容は適切なものと感じるのでしょうか、どうでしょうか。適切なものでしょうか、どうでしょうか。
 市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 先ほど来の勉強会の内容につきましては、私どもも承知しておりませんで、詳しいお話というか、その内容についてはよくわかりません。そうした中で、その内容について、正しいか、あるいは正しくないか、そういったことに対してコメントすることを差し控えさせていただきたいと思います。

○山崎委員 PTという立場なのか、顧問という立場なのか、よくわかりませんけれど、ここに総務局さんがいれば、そういったことも少しはお答えできたのかなと思います。しかし、今、市場長の答弁の中で、なかなかこの勉強会の内容を理解されていない、そういうご発言がございました。
 ですから、差し控えさせていただきたいと、その旨がございましたけれど、やはりこういう話ってすごい重要なんですよね。どれだけの影響力を持っている方がその勉強会に参加し、そして、東卸の青年部といわれる人たちといろんな議論を積み重ねていく中での、またさまざまな報道になってしまう。その中での発言、議事録というものを私は入手したから、こういったことを質問させていただいているんです。
 ほかの団体の皆さんも、小島さんがどういうふうに発言されているかというのは、本当に推移を見守っていますよ。それは何でかといったら、小池知事と一番近い関係であるから、小池知事の側近であるから、小池知事のブレーンであるから、ですから、小島顧問の一つ一つを皆さん方がすごく気にされている。ですから、大きな出来事になってしまう、そういうことにつながるんです。
 ですから、市場長もぜひ、今この現時点ではコメントは差し控えさせていただきたいというお話をされましたけれど、やはり小島顧問に対しても自分たちの仕事というもの、市場当局は、まずは豊洲に移転することを最優先で考えている、それをしっかりと結びつけていくことがまず第一。その後の築地の再開発をどういうふうにしていくんだということも大切です。しかし、現状というものをしっかりと捉えていただきながら、このことは前に進めていただきたいと思います。
 もう時間もありませんので、最後に何点か質問させていただいて、私の質問は終了させていただきたいと思います。
 もう一度、築地の再開発検討会議においての持続可能性の観点と、また市場会計長期貸付、有償所管がえ、そういったことをお聞きしたいと思いますが、その前にちょっと発言させていただきます。
 本会議での小池知事の答弁を聞いて私が思ったことは、さまざまという曖昧な言葉を何十回も何百回も繰り返し、肝心なことを説明しないという、本当の意味の都民ファーストといえるのでしょうか。我々が今回補正予算案に賛成したくても、さまざまという答弁は、さまざまな疑問を膨らませるばかりであり、知事の作成した基本方針や今回の補正予算案が、都民や市場で働く方々、これから未来を支えていく子供たちにとって本当に大丈夫なものなのかを、我々都議会が改めて確認をする責任があることを痛感いたしました。
 本来であれば、小池知事や小島顧問、行政組織のトップである安藤副知事に一問一答で、この補正予算の真の必要性、都民にとって安全・安心を感じてもらえるものなのかというところをお聞きしたいところでしたが、本当に都民のことを考えているんでしょうか、どうでしょうか。都民ファーストの会などの反対により議論ができないことがまことに残念でありました。
 そこで、中途半端な状態ではありますが、少しでも理解を深めるために、最後にお伺いいたします。
 去る六月二十日に知事が基本方針の中で表明された築地の再開発について、何点か伺います。
 築地の再開発の具体的イメージに関しては、これから民間のアイデアを募る、食のテーマパーク、フィッシャーマンズワーフといった知事のその場しのぎの言葉は、千客万来施設事業に社運をかけて取り組む万葉倶楽部だけでなく、市場関係者や関係区に大きな不安や不信感を与えております。
 築地も生かす、しかし、その生かし方はこれから民間に考えてもらうというものでは、余りに無責任過ぎるという先日の我が党の早坂議員の言葉が、こうした関係者の悲痛な叫びを表していると思います。
 こうしたことを踏まえ、先日の代表質問では、我が党のみならず、いわゆる知事与党以外の会派から、築地の再開発の不明瞭さを問う声が続出をし、また、築地の土地の再開発が本当に大丈夫なのかという不安が募ったわけであります。
 しかしながら、知事のご答弁、相も変わらず、民間からのアイデアも募りながら築地のロケーションを生かすとか、次には、夢のある姿を描いていくということに終始していたと思います。
 小池知事は、民間の知恵、夢のある姿、そしてブランドやポテンシャル、そういうような言葉をおっしゃることでいいでしょうか。しかしながら、市場が抱えているのは、知事自身がおっしゃる持続可能性、将来の市場全体の姿を、現実性、具体性の裏づけを持って関係者や都民の皆さんに語ることではないでしょうか。言葉を巧みに取り扱うのではなく、また理想論ではなく、今の状態を正確にしっかりと捉えていくことが大事であると私は考えます。
 先日、代表質問で私たちは、こうした懸念に対して、残念ながら知事からしっかりとしたお答えをいただけませんでした。
 しかしながら、いみじくも、与党公明党の、築地市場跡地の売却収入が見込める限り、豊洲市場への移転が実現しても、市場会計の持続性に問題はないという指摘に対して、知事は、長期貸付だけでなく、ご提案の内容も含めて多角的に検討し、経済合理性の確保に努めていくと答弁をなさいました。
 それであれば、これから設置される築地再開発検討会議において、市場の持続可能性という観点から、市場会計で保有し長期貸付をするのか、一般会計に有償所管がえをするのかということを検討項目として、しっかり議論すべきであると考えますが、東京都技監、お答えをいただきたい。

○邊見東京都技監 築地の再開発に当たりましては、いずれにしても、民間の知恵とノウハウを生かす、いいまちにしていく、あるいは築地の持つロケーションを生かしていく、こういったことが非常に大事であると思ってございます。
 そういったことを実現する、そういう観点では、まちの魅力、今申し上げたまちの魅力と、もう一つは付加価値、経済価値を高める、この二つをそれぞれ高めていくということが重要であるというふうに考えてございます。そういったことを通じながら、今、副委員長からお話のありました経済合理性あるいは持続可能性、こういったものにつながるように、しっかりと検討を進めていきたいと考えてございます。

○山崎委員 築地市場跡地は、これまで議論でも明らかになったように、土壌汚染調査が必要であります。土壌汚染があった場合はさらに対策工事を講じ、埋蔵文化財を調査する必要もあります。
 こうしたことを念頭に置いたとき、市場会計による長期貸付で市場がもつのか、やはり売却による長期事業継続性を担保するのか、改めて財務局長に見解を伺います。

○武市財務局長 都心にほど近いまとまった土地が築地にございます。これは非常に貴重な財産でございますので、これは東京都としてやはり保有をしていくべきであろうというふうに考えております。民間への売却ではなく、東京都として保有していくべきであろうというふうに考えます。
 その中で、市場の方で保有していくのか、あるいは先ほど来お話が出ているような、一般会計への有償所管がえに回していくのか、その辺は、今後、多角的に議論をしていく中での検討課題であるというふうに認識をしてございます。

○伊藤委員長 副委員長、その前に、時間が超過しておりますので、ご協力をお願いします。

○山崎委員 はい。
 政治というのは言葉の力ということは、改めていうまでもありません。しかしながら、その言葉の力を過信して空疎な絵そらごとを並べるのであれば、それは知事が批判する大日本帝国陸軍の大本営発表と何ら変わることはありません。関係者、都民に対し、しっかりとした議論と根拠を持った将来像を都庁として示していくべきであると強く求めておきます。
 最後に、知事による安全宣言。先日、質疑で我が党から、豊洲市場の安全に対する風評被害を払拭するためにも安全宣言をすべきとの指摘に対して、正確な情報を続けていくことにより、豊洲市場の安全・安心について理解が得られるよう努めていくという知事の発言がありました。こういったことも、こんにゃく問答に終始したといっても過言ではありません。
 なぜ、多くの関係者、都民の切実な求めをよそに、食の安全・安心に最終責任を持つ知事自身が安全宣言をしないのか。市場関係者ばかりでなく、都民、国民の不安、不信は、責任者がみずから払拭する必要があります。
 最後にお聞きをいたします。追加対策工事が終了し、専門家による安全確認を行った上で、開場に当たっては、知事本人による安全宣言を行うべきだと考えますが、最後に市場長にその所見をお伺いし、質問を終わります。

○伊藤委員長 副委員長、これが最後の質問ということでよろしいですね。

○山崎委員 はい。

○村松中央卸売市場長 業界団体から、豊洲市場の風評被害の払拭に向けて、知事の安全宣言を要望していることは十分承知しております。
 豊洲市場の現状は、土壌汚染対策法に基づく対策が的確に講じられておりまして、専門家会議でも、これまで実施したさまざまな測定結果から、地上部は法的、科学的に安全と、現状の評価をしているところでございます。また、専門家会議の提言を踏まえた追加対策工事を着実に行うことによりまして、豊洲市場の安全性をさらに向上させることとしております。
 こうしたことを踏まえまして、都民、事業者の皆さんに、さまざまな工夫によりまして、正確で、またわかりやすく発信して、理解と安心につなげていきたいと考えております。
 業界団体の皆さんには、風評被害払拭に向けたこうした取り組みを丁寧に説明して、理解を求めてまいります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○伊藤委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 ただいま、本案に対し、柴崎委員外二名から付帯決議案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   付帯決議案の提出について
第百三十一号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十九年九月四日
(提出者)
 柴崎 幹男  山崎 一輝  鈴木 章浩
経済・港湾委員長 殿

   第百三十一号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)に付する付帯決議案
 豊洲市場への早期移転を行い、築地の再開発を進めるという補正予算の執行に当たっては、なお解決すべき課題が多いことから、以下の点に留意すること。
一 築地の再開発に向けた検討に当たっては、現状及び課題の整理や開発コンセプト、事業の進め方などの具体的な内容についてしっかりと検討を行うとともに、検討内容については個別の段階ごとに、知事は議会に報告を行うこと。
二 築地市場用地の今後の取扱いについて、中央卸売市場会計の持続可能性を確保していく観点から、一般会計に有償所管換を行った場合と、中央卸売市場会計において用地を保有し、長期貸付を行った場合の両面からしっかりとした検討を行うこと。
三 豊洲市場の開場に向けた移転準備を進めるに当たっては、事業者の意見を踏まえた上で、円滑な移転に向けた支援を十分に行うこと。
四 豊洲市場の開場に当たっては、知事は都民や事業者に対して、法律的・科学的根拠に基づく豊洲市場の安全宣言を行うこと。

○伊藤委員長 本付帯決議案を本案とあわせて議題といたします。
 この際、付帯決議案について趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。

○柴崎委員 都議会自民党を代表して、第百三十一号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)に対する付帯決議の提案理由を説明します。
 豊洲市場へ早期移転を行い、築地の再開発を進めるという補正予算の執行に当たりましては、なお解決すべき課題が多いことから、以下の点に留意することを付帯決議として求めます。
 一、築地の再開発に向けた検討に当たっては、現状及び課題の整理や開発コンセプト、事業の進め方などの具体的な内容についてしっかりと検討を行うとともに、検討内容については個別の段階ごとに、知事は議会に報告を行うこと。
 二、築地市場用地の今後の取り扱いについて、市場会計の持続可能性を確保していく観点から、一般会計に有償所管がえを行った場合と、中央卸売市場会計において用地を保有し、長期貸付を行った場合の両面からしっかりとした検討を行うこと。
 三、豊洲市場の開場に向けた移転準備を進めるに当たっては、事業者の意見を踏まえた上で、円滑な移転に向けた支援を十分に行うこと。
 四、豊洲市場の開場に当たっては、知事は都民や事業者に対して、法律的、科学的根拠に基づく豊洲市場の安全宣言を行うこと。
 以上、皆さんのご賛同をお願いし、提案理由の説明といたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

○栗下委員 都民ファーストの会東京都議団を代表して、本委員会に付託されました知事提案の補正予算案に対し、賛成の立場から意見表明を行います。
 一九九九年に始まった豊洲市場予定地をめぐる東京ガスとの協議開始から十八年が経過しました。その間に、四万三千倍のベンゼンが検出されたほか、土壌汚染への追加対策工事後に、モニタリング調査で環境基準を超える有害物質が検出されるなど、豊洲新市場をめぐる問題は後を絶たず、市場関係者や都民の皆さんに多大な不安を抱かせてまいりました。
 もとをただせば、当初から深刻な土壌汚染が懸念されてきた東京ガスの跡地を新市場予定地にしたことが、今に至る混迷と多額の税金投入につながったことは、紛れもない事実であります。土壌汚染リスクを軽視して、豊洲ありきで事業を推し進めてきた責任を、行政も、そして都議会も忘れてはなりません。
 そうして豊洲新市場の安全性に不安が残る中、新たに小池知事が誕生しました。知事は、本来見届けてから開場するはずであったモニタリング調査が終了しないまま開場することに大きな疑問を持ち、昨年八月三十一日に、調査を最後まで見守るとして新市場開場の延期を決断しました。その結果、ことし一月には、環境基準の七十九倍を超えるベンゼンが検出されたほか、あるはずの盛り土がなかった事実も明らかとなりました。営業開始後にこれらの問題が発覚したならば、追加対策工事もままならず、豊洲市場が大混乱に陥っていたことは明らかであります。
 開場延期を決断後、知事はこれらの不測の事態に対応するため、専門家会議を招集し、追加的な安全対策案の取りまとめを指示するとともに、市場政策を客観的に見直すために市場問題プロジェクトチームを立ち上げ、豊洲新市場の経済合理性、持続可能な市場のあり方の検討を命じました。
 その後、これらの会議体の報告を受け、市場のあり方戦略本部を立ち上げ、庁内議論を行ってきたところであります。その中で示された十一市場会計全体を俯瞰し、持続可能な市場のあり方を模索するというのは、これまでの都政においては見られなかった視点であります。
 これらの検討を踏まえ、知事は、築地は守る、豊洲を生かすという大方針を打ち立てました。流通、市場機能にすぐれた豊洲、食のブランドを育む築地、その両方を生かす案を表明されたことは、魅力のある東京のまちづくりにとって大変価値のあるものと評価いたします。
 大方針が示された今、一刻も早く豊洲市場への移転が進むように、臨時会が招集され、盛り土にかわる追加対策などの工事費三十億円が補正予算として盛り込まれました。盛り土がなかったことに対する不安払拭を図るための予算措置であり、早期の予算執行に期待いたします。
 開場に向けた移転準備のための予算として二十五億円が計上されておりますが、この予算は、大規模な引っ越し事業を円滑に行うための予算であり、冷蔵庫などの大型設備を有する市場の移転にとっては不可欠なものです。移転準備時期などについての丁寧な協議など、市場業者と都との緊密な連携の上での予算執行が待たれます。
 水辺空間、隣接した浜離宮恩賜庭園といった好立地に加え、世界に誇る築地ブランドのポテンシャルを最大限に引き出す再開発の検討予算として二千万円が計上されています。銀座からほど近いこの築地の土地は、都心にある最大にして最高の土地といっても過言ではありません。民間の力をかりながら、都が主体性を持って開発していくことは、代々、築地のブランドを育んできた中央区の皆さん、都民の皆さん、何より市場関係の皆さんに万感の思いで歓迎されるものと信じております。
 都として、全庁的に築地再開発への取り組みに英知を結集されるよう要望しておきます。
 最後に、予算成立後の執行に当たっての留意事項を申し上げます。
 東京ガスとの協議開始から十八年、市場関係者は幾度となく翻弄され、期待と失望と不安を繰り返してきました。昨年八月三十一日、ちょうど一年前、小池知事が立ちどまったことは、これまでの市場行政を見直す貴重な第一歩であります。
 都は、本補正予算の執行に当たって、丁寧の上にも丁寧な対応で、市場関係者の不安払拭に努めるように要望いたします。
 また、モニタリングの調査結果など、得られた情報は迅速に公開されるよう、あわせて要望いたします。
 私たち都民ファーストの会は、小池知事が示した大方針のもと、課題解決のために、検証と提言を続けてまいりました。本補正予算案を市場問題のリスタートと捉えることを申し上げ、また、東京の食の安全と安心を守り抜いていくことをお約束し、都民ファーストの会東京都議団を代表して、第百三十一号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算には賛成、そして、付帯決議には反対を表明させていただきます。
 ありがとうございました。

○のがみ委員 都議会公明党は、補正予算案に賛成する立場から意見を表明いたします。
 我が党は、昨年九月に、いわゆる盛り土問題が発覚して以来、都民の台所を支える市場として、豊洲市場は安全・安心が十分確保されているかという視点から、豊洲市場移転問題特別委員会を通じて、豊洲市場の移転に向けての諸課題、つまり、豊洲市場の安全性、地下水モニタリングの調査の結果など、都民の安全・安心を確保する観点を中心に議論をしてまいりました。
 そして、その過程で、ことし三月の専門家会議で、平田座長から、地上は大気の実測値を見ても安全、地下も対策をすればコントロールできるとの見解が示され、我が党の上野和彦議員が豊洲市場での地下水管理の重要性を指摘し、具体策を提案したところであります。これを受けて、六月の専門家会議では、同システムの機能増強の方向性が示されました。
 こうした経緯を踏まえ、小池知事は六月二十日、追加の安全対策工事を実施した上で、築地の中央卸売市場を豊洲へ移転するとともに、築地市場跡地の取り扱いとして、東京オリンピック・パラリンピックの前に環状二号線を暫定開通させ、当面は輸送拠点として活用するなどの方針を示しました。
 そして、今回、この方針を具体化するための補正予算案が上程されたわけであります。
 この補正予算案には、一つ、都民がより一層の安全・安心を感じられる豊洲市場にしていくこと、二つ、事業者が豊洲市場において営業できる環境を早期に整えることの二つの大きな目的があると理解しております。
 そして、この補正予算案、第三回定例会の開催を待てば、補正予算の成立は約一カ月おくれるわけであります。こうした中で、臨時会で補正予算案を審議する意義を確認したところ、豊洲市場への移転に向けた環境を可能な限り早期に整えたいとのことでありました。豊洲移転に向けて、スピード感を持って取り組む知事の姿勢を評価するものであります。
 次に、専門家会議の提言に基づく追加対策工事でありますが、盛り土がなく、地下ピットとなっていることに対して、どのような追加工事がなされ、盛り土と同様の安全性が確保されるのかを、質疑を通して確認してまいりました。
 これに対し、盛り土の効果として、地下水から揮発したガスが地上部に上昇することを抑えることが挙げられますが、地下ピットの場合は、ガスが地下ピット内に滞留する可能性があることから、地下水から揮発したガスが地下ピット内に侵入することを遮断する、もしくは低減する床面対策と、地下ピット内の空気自体をかえる換気対策が必要であることが明らかになりました。こうしたことを踏まえて、地下ピットの床面対策や換気対策が実施されるとのことでございます。
 また、床面のコンクリートへの水圧の耐性も、これまで地下水が最もたまった昨年十二月の水位になったとしても、コンクリートが浮き上がらない厚みになっていることが明らかとなりました。都民に対してわかりやすい内容で説明が尽くされました。
 また、地下水管理システムについても、同システムの本来的機能と追加対策について確認いたしました。
 地下水管理システムは、街区周辺を遮水壁で囲まれた豊洲市場の地下水を揚水することで、A.P.プラス一・八メートルを基本として、地下水位を安定的に管理するシステムであることが再確認されました。
 専門家会議では、現状の地下水位が高い状況にあることや、地下水管理システムの稼働状況を踏まえて、早期に目標管理水位まで地下水を低下させるとともに、地下水位上昇時の揚水機能を強化する必要があるとの提言があったことを踏まえ、システムの適切な運用により地下水位を管理するとともに、システムの揚水機能を発揮し、中長期的に水質の改善を図っていくことが明らかになりました。
 具体的には、揚水機能が低下した井戸の洗浄やポンプの交換とともに、新たな揚水ポンプの設置、吸引管と真空ポンプを用いた揚水の実施などを通じて、揚水能力を確保していくことが明らかとなりました。
 ゼロリスクは存在しないことも踏まえ、専門家会議の提言を忠実に実行し、より安全性を高めていくことが可能になると理解できます。
 また、昨年秋から豊洲市場に関する報道が相次いで取り上げられる中、まるで豊洲地域全体が課題を抱えているようなマイナスイメージが広がり、豊洲地区の住民までもが、いわれのない風評被害に悩まされているとの状況を踏まえ、このような風評被害に対し、知事みずから現地に赴くなど、先頭に立ってその払拭に取り組むべきだと主張しました。
 あわせて、見える化を推し進める観点から、都民見学会の継続実施とともに、対象を豊洲市場に出入りする事業者や児童生徒向けに幅を広げるべきだと主張しました。
 これに対し、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実に実施するに当たり、正確な情報をわかりやすく発信するなどして、都民や事業者の理解と安心を得る努力を重ねるとともに、豊洲市場の現状を見てもらうことが重要であることから、今後、広く都民、市場を利用する方々、さまざまな年齢層の方々へと対象を拡充し、見学会を実施していくこと、そして、知事みずからが、さまざまな場面においてメッセージを発信するとともに、先頭に立って、豊洲市場及び豊洲地区の風評被害を払拭するために、臨時会が終了した後に豊洲市場へ足を運びたい旨の表明が知事ご自身からありました。
 我が党が主張する風評被害払拭と見える化推進について、知事みずから先頭に立って取り組むと表明したことは、評価したいと思います。
 さて、築地ブランドとは、築地市場で取り扱う生鮮食料品に対する信頼によって培われた類例を見ない魅力であります。このブランドは、国内外から多種多様な品ぞろえ、仲卸業者等の目ききによる品質の信頼など、築地市場が持つ本来の機能や市場で働く人々の活力からつくり出されております。
 こうした築地ブランドは、築地の信頼を担ってきた卸、仲卸、売買参加者など、市場業者が移ることで、豊洲市場へと引き継がれていきます。このため、我が党は、引っ越し等の移転準備とともに、習熟訓練を速やかに再開できる環境づくりに努めるべきであると主張しました。
 また、先月公表された豊洲市場のカビ問題についても、原因究明と対策を求めました。
 これに対して都は、豊洲市場では、移転後のなれない環境の中でも円滑な営業活動を開始できるよう、現状の状況に即して、機器の操作や営業動線の確認、荷の運搬など、市場業者による習熟訓練を円滑に実施する観点から、年末年始を除き、いつでも訓練実施を可能とするほか、入退場ゲートをふやし、訓練の受け入れ体制を充実させていくことを明らかにしました。我が党の主張によって、訓練体制の充実を明らかにしたことは評価いたします。
 また、カビ問題については、八月に入り、例年にない長雨が続いたことに加え、台風の通過に伴って売り場内の湿度が非常に高くなったことから、豊洲市場の一部店舗において、木製造作物等にカビが確認されたこと、今後、きめ細かく空調運転を実施するとともに、巡回点検時のチェックを徹底していくとともに、被害のあった店舗の清掃、滅菌等の作業を進めること、そして、これらの対策ができない場合には交換等について別途個別対応することを明らかにいたしました。
 新たな風評にしようと、この問題を針小棒大に取り扱う向きもありますが、都は誠実に対応しようとすることは明らかであり、いたずらに都民の不安をあおるのは控えるべきです。
 我が党は、市場当局に対して、この問題に対してしっかり対応することを要望するものですが、各会派に対しても、正確な情報発信に努め、都議会が風評被害の発信源になってはならないことを、各会派の認識として共有したい旨、呼びかけたいと思います。
 最後に、築地の再開発についてでございますが、築地の土地の一般会計への有償所管がえを選択肢の一つに残すべきとの我が党の主張を受け入れたことを高く評価いたします。このことは、市場会計の持続可能性を担保していくためには極めて重要なことであります。
 その上で、再開発に向けて、問題の所在や前提条件をしっかりと押さえた上で、検討会議で議論を進めなければ、考慮に入れるべき事項を過小評価したまま検討がスタートしてしまい、後々取り返しのつかない事態になりかねません。
 こうしたことから、土壌汚染対策や埋蔵文化財調査の期間が長期化した場合の懸念を示し、再開発について、五年以内の着工を目指すとした真意について、明らかにするように求めました。
 事例を挙げ、埋蔵文化財調査の期間について、あり得る想定をしている旨の答弁をいただきましたが、都の技術職員が総力を挙げて、この土壌汚染対策や埋蔵文化財調査を含むまちづくりの全体計画の策定について、現実的で柔軟な対応をしていくべきです。
 あわせて、豊洲市場と一体となる千客万来施設との整合を図り、事業者にとっても納得性の高い計画づくりを進めていくべきです。
 検討会議の状況については、進捗に応じ、節目節目で議会に報告していただくことをお約束いただいたわけでありますから、都市整備委員会や本会議でさらに議論を進めていく必要があると思います。
 こうしたことを踏まえ、都議会公明党は、上程された補正予算案に賛成するものであります。
 以上で意見表明を終わります。

○柴崎委員 私は、都議会自由民主党を代表して、平成二十九年度中央卸売市場会計補正予算案について意見を表明します。
 初めに、千客万来施設に関して申し上げます。
 九月一日の委員会質疑で、都民ファーストの会のひぐち委員は、千客万来施設の事業者が損害賠償を検討していることについて取り上げました。
 ひぐち委員は、質疑を通じて、東京都と万葉倶楽部株式会社との間で既に締結されている基本協定書に照らし、築地再開発については、この協定に触れられているものではなく、協定による債務とは、あくまで豊洲市場の千客万来施設に関するものであること、都の築地再開発を理由に損害賠償を請求するのは筋違いとの指摘をしました。そして、基本協定の締結により、東京都と同様に事業者にも負うべき債務があるとし、早期開場に向けて、東京とともに努力すべきとの発言がありました。
 この信頼関係を踏みにじるような発言を聞き、私たちは大変残念な思いであります。六月二十日の知事の基本方針により、事業者が不信感を高めるのは当然であります。東京都は、事業者の思いを真摯に受けとめ、おわびし、信頼の回復に努めることを強く要望します。
 私たちは、都民や事業者の不安を解消し、停滞していた豊洲移転問題を大きく前に進めるため、三つの基本方針やそこに至る意思決定プロセスに関する問題について、知事に対して集中的に質問を行いました。また、その後、二日間の当委員会において、我が会派は、山崎副委員長、鈴木委員、そして私が、豊洲市場への移転問題に関して、都民、業界の皆さんが掲げる不安や疑念を解消すべく、四時間を費やし質疑を行ったところであります。
 その際、豊洲市場の安全性について、所管局に改めて確認を求めるとともに、基本方針の発表により混乱する市場関係者の意見聴取や、さまざまな課題整理の必要性についても質疑を重ねてまいりました。
 しかしながら、責任を持って示すべき、豊洲、築地の未来に不安や疑念を抱く都民、そして、その声を代表する私たちの問いに誠実に答えたものではなく、この臨時会での議論の深まりを通じ、都民に明るい未来への道筋を示したいと望んだ私たち東京都議会自由民主党としては、ざんきの念にたえません。
 私たちは、豊洲市場への早期移転を行い、築地の再開発を進めるという補正予算の執行に当たっては、以下のとおり解決すべき課題が多いと考えます。
 まず、知事による安全宣言について申し上げます。
 八月三十日の質疑では、我が党から、豊洲市場の安全に対する風評被害を払拭するためにも安全宣言をすべきとの指摘に対して、まさにこんにゃく問答に終始したといっても過言ではありません。豊洲市場の開場に当たっては、知事は都民や事業者に対して、法律的、科学的根拠に基づく豊洲市場の安全宣言を行うべきです。
 次に、基本方針の内容、特に築地の再開発についても、大きな問題があるといわざるを得ません。
 豊洲と築地、両者の整備にかかる膨大な財源を確保するということは至難のわざであり、もはや絵そらごとであります。両方を生かすというのであれば、築地用地をそのまま市場会計で持ち続けるのか、それとも一般会計に有償所管がえをするのかという点をまず明確に示さなければ、築地再開発を進めるに当たって将来に禍根を残すことになり、うやむやにしてよい問題では決してありません。
 築地の再開発に向けた検討に当たっては、現状及び課題の整理や開発コンセプト、事業の進め方など、具体的な内容についてしっかりと検討を行うとともに、検討内容については、個別の段階ごとに知事は議会に報告を行っていただきたい。
 また、築地市場用地の今後の取り扱いについては、中央卸売市場会計の持続可能性を確保していく観点から、一般会計に有償所管がえを行った場合と、市場会計において用地を保有し、長期貸付を行った場合の両面から、しっかりとした検討を行うべきと考えます。
 さらに、小島顧問による顧問行政についても看過できない問題であります。
 私たち都議会自民党は、前十九期の豊洲市場移転問題特別委員会に市場問題プロジェクトチームの小島座長の出席を強く求めました。その後、六月二十日、知事が唐突に公表した基本方針の内容、作成経緯、決定のプロセスについても、ご本人に確認するしかないと判断し、知事とともに小島顧問の経済・港湾委員会への出席を求めてきました。しかしながら、いまだ実現されません。
 小島顧問の活動については、本日の質疑でも、市場関係者に対する勉強会での問題発言が明らかになりました。特に、事業者を混乱に陥れ、長年築いてきた東京都の市場当局との関係にくさびを打ち込んだ小島顧問の道義的責任は重大であります。
 私たちは、責任の所在が不明確な顧問行政について、今後も粘り強く追及していくものであります。
 こうした中で、改めて移転準備を進めるに当たって、事業者の意見を踏まえた上で、円滑な移転に向けた支援を十分に行うべきと考えます。
 最後に、今回の臨時会で問われているのは、知事及び都庁の、都民、関係者に対する責任のあり方であります。
 私たち東京都議会自由民主党は、今回提案のあった中央卸売市場会計の補正予算案については、質疑を通じて、さまざまな問題があるということを明らかにしてきました。予算の執行に当たっては、こうした問題、課題の一つ一つの解決に向けて真摯に取り組み、都民、関係者への説明責任をしっかりと果たしていただくことを強く要望するものです。
 以上、意見表明といたします。

○あぜ上委員 私は、日本共産党を代表して、第百三十一号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算に反対の立場から発言します。
 この補正予算は、豊洲新市場への早期移転のための補正予算となっていますが、中でも重大なのは、豊洲新市場は土壌も地下水も環境基準以下にして開業するという方針を撤回しての補正予算であるということです。
 土壌も地下水も環境基準以下にするという約束は、東京都と市場業者、都民、消費者との約束です。汚染された土壌が無害化され、安全な状態が前提という市場開場の前提が守られていないのに、新たな方針の名のもとに、約束を放棄して、土壌も地下水も環境基準以下にするというハードルをなくしてしまうことは許されません。
 知事も市場長も、安全宣言をするとの答弁をしませんでした。市場の円滑な運営のためには、関係業者の求める安全宣言は当然のものですが、安全宣言はしないのではなく、できないのではありませんか。今回の追加対策を実施しても、食の安全・安心は確保できないことをみずから認めているといわなければなりません。
 何よりも命と健康にかかわる大事な問題だからこそ、土壌も地下水も環境基準以下にすることが、移転、開業の最低条件とされてきたのです。
 質疑でも厳しく指摘いたしましたが、もう、現実的な新しい方針でなどというごまかしで、後々の子供や孫たちの時代の食の安全・安心の責任の放棄をすることは許されません。
 今回提案された追加対策は、本委員会の我が党の質疑で、地下ピット内の盛り土にかわる対策、地下水管理システムの機能強化を行っても、安心・安全を担保できないことが明らかになりました。
 土壌汚染対策の二大柱の一つである地下水管理システムは、本稼働して十カ月以上経過しているにもかかわらず、A.P.プラス一・八メートル以下にするという目標の水位を達成できていません。しかも、排水量の目標計画は一日六百トンでありましたが、現状は六十トンで、目標の一〇%です。目標に達していない原因について、今議会でも依然として明確な説明ができませんでした。
 我が党は、地下水管理システムは破綻していると厳しく指摘しましたが、機能が破綻している地下水管理システムの井戸の本数をふやしても、機能強化は図れないことは明らかです。
 盛り土にかわる対策として、換気と地下ピット内にコンクリート打設をするということです。しかし、この対策は、揮発性ガスの地下ピット内への侵入を防ぐものではなく、低減する、少なくするだけの対策にすぎません。
 追加対策については、都は、専門家会議の提言を踏まえ、専門的、科学的で妥当な対策を講ずると繰り返し、専門家会議を錦の御旗にしています。しかし、専門家会議は、これまで豊洲新市場用地で、二〇〇八年に環境基準の四万三千倍ものベンゼンなどが検出されたとき、対策は十分可能との提言を出すなど、豊洲市場移転推進にお墨つきを与える役割を果たしてきたのです。専門家会議の責任は極めて重いものがあります。
 ところが、今回も同じことを繰り返す役割を果たしています。専門家会議といっても、メンバーはわずか三人です。そのほかの多くの専門家から、都の追加対策に対して厳しい批判が上がっています。都の環境影響評価審議会の専門家からも、座長を含め専門家会議の判断に対する批判や疑問の声が続出しています。
 追加対策は、実証実験も汚染物質の実態調査もせずに、第三者の批判も踏まえたものでもありません。専門的な見地に基づくものなどと到底いえません。
 追加対策は、無害化を目標にしない、土壌も地下水も環境基準以下にする目標の追加対策ではないと専門家会議の平田座長はいっています。このような追加対策は認めることができません。
 八月十五日に発見された豊洲新市場でのカビの発生は、都民に驚きと不安の声が広がり、市場関係者の不信感に拍車をかけています。
 この問題では、都は、掃除を行うを繰り返しましたが、生鮮食料品を扱う市場でのカビ発生は、食品衛生上大問題ではないかとただすと、ようやく、カビは衛生上問題があると認めました。衛生上問題があるのであれば、カビの原因について調査を行うことを求めるものです。
 六月二十日の小池知事基本方針の記者会見では、築地は守る、築地ブランドを守る、築地を売却せずに市場としての機能を確保するための方策を見出していきたいと明言しました。ところが、その後強調されているのは、民間主導による築地再開発です。
 知事が守るといった築地ブランドは、築地市場の仲卸の目ききなど、築地市場で働く事業者の方々の日々の努力の中で生み出されたものです。それが、築地再開発では、この築地ブランドが守られるための具体化が何一つ明らかになっていませんでした。
 しかも、オリンピックの輸送拠点、駐車場にするために、築地市場を更地にするとの提案ですが、オリンピック・パラリンピックは、都民生活との調和を前提にして進めるのが本来のあり方です。オリンピック・パラリンピックのために、築地市場を壊して更地にするなどあってはなりません。環状二号線の完成をオリンピックに間に合わせるために、移転を急がせるようなこともあってはならないことです。
 築地ブランドや築地市場の建物の価値も、多くの方々から守ってほしいと声が上がっています。仕事をしながらの再整備も可能だと建築家の方々から出されているのですから、そうした建築家の意見をよく聞くべきです。
 築地女将さん会など多くの市場業者から怒りの声が上がっており、到底合意がとれている状態でないことが質疑の中でもはっきりしました。市場業者との合意と納得もない補正予算など、絶対に出すべきではありません。一旦提案した補正予算であっても、撤回して、市場業者や食の安全・安心を願う都民の声を十分聞き、それらを踏まえた合意づくりの努力を強めることを求めます。
 最後に、日本共産党都議団は、本委員会において徹底した質疑を求めてきました。そのためにも、十分な審議時間と基本方針を決めた小池知事との一問一答が必要であり、知事の出席を求め、市場関係者、消費者の代表、土壌汚染対策の専門家、建築家の専門家などを参考人として招致するよう求めましたが、知事の出席も参考人質疑も実現できませんでした。
 まだまだ解明すべき多くの問題点が残されています。都民や市場関係者、専門家の皆さんから多くの疑問や批判の声が上がっています。
 以上、述べてきた理由から、補正予算に反対であることを表明します。
 また、付帯決議が提案されていますが、土壌も地下水も環境基準以下にすることを撤回し、豊洲市場移転を前提とした内容であることから、付帯決議についても反対です。
 そのことを表明し、意見表明といたします。

○伊藤委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百三十一号議案を採決いたします。
 初めに、柴崎委員外二名から提出されました付帯決議案について、起立により採決いたします。
 本案にお手元配布の付帯決議を付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、本案にお手元配布の付帯決議を付することは否決されました。
 次に、本案について、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十一号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○伊藤委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。

○伊藤委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、村松中央卸売市場長から発言を求められておりますので、これを許します。

○村松中央卸売市場長 本委員会所管四局を代表いたしまして、御礼のご挨拶を申し上げます。
 伊藤委員長を初め委員の皆様方には、本臨時会にご提案いたしました議案等につきまして、熱心なご審議の上、ご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期するとともに、豊洲市場への早期移転の円滑な実施等に向けて、関係局が連携して全力で取り組んでまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げて、御礼のご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○伊藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十二分散会

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