委員長 | 伊藤 ゆう君 |
副委員長 | 上野 和彦君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
理事 | おときた駿君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
細田いさむ君 | |
柴崎 幹男君 | |
森村 隆行君 | |
ひぐちたかあき君 | |
のがみ純子君 | |
栗下 善行君 | |
鈴木 章浩君 | |
あぜ上三和子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 澤 章君 | |
理事 | 福田 至君 | |
管理部長 | 松永 哲郎君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 松田 健次君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 赤木 宏行君 | |
新市場整備部長 | 岡安 雅人君 | |
新市場整備調整担当部長 | 影山 忠男君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 前田 豊君 | |
事業支援担当部長 | 西坂 啓之君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
技術調整担当部長 | 鈴木 理君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 | |
建設技術担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
財務局 | 局長 | 武市 敬君 |
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小室 一人君 | |
主計部長 | 松川 桂子君 | |
都市整備局 | 東京都技監都市整備局長技監兼務 | 邊見 隆士君 |
技監 | 上野 雄一君 | |
総務部長 | 桜井 政人君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木 健君 | |
まちづくり推進担当部長 | 山崎 弘人君 | |
建設局 | 局長 | 西倉 鉄也君 |
総務部長 | 今村 篤夫君 | |
道路建設部長 | 奥山 宏二君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十一号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第二号)
○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、昨日、日本共産党東京都議会議員団よりプレスリリースされました当委員会理事会への抗議文に対し、明らかに事実と異なる点がございますので、委員長より一言申し上げます。
この中で、三十一日の委員会は開かないことを決めてしまいましたとありますが、三十日の理事会で私から、本会議質問を受けて、一日あけて質疑の充実を図るため、委員会日程を九月一日、四日にすることにご異議ありませんかと確認をいたしましたところ、異議なしとの発言のみをいただき、異議ありとの発言は一切ございませんでした。
にもかかわらず、審議日程を縮小したことに対する抗議文を発する行為は、理事会での信義則を裏切る行為であるといわざるを得ません。断じて許せない行為であります。
この抗議文に対する取り扱いにつきましては、理事会で改めて協議をさせていただきたいと思います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の付託議案の審査を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
初めに、所管外の理事者の出席について申し上げます。
付託議案の審査に関係する所管外の理事者として、財務局の武市局長、小室経理部長及び松川主計部長、都市整備局の邊見東京都技監都市整備局長兼務、上野技監、桜井総務部長、佐々木企画担当部長及び山崎まちづくり推進担当部長並びに建設局の西倉局長、今村総務部長及び奥山道路建設部長にご出席いただいております。ご了承願います。
付託議案の審査を行います。
第百三十一号議案を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○おときた委員 一昨日行われました代表質問では、知事が掲げる基本方針、そこに至る政策決定の過程、そして、豊洲移転を進めるための補正予算案について、活発な議論が交わされました。
我々都民ファーストの会は、代表質問あるいは過日の経済・港湾委員会で行われた議論をさらに深め、基本方針と補正予算に対する都民の懸念をしっかりと払拭し、都民のため、市場業者のため、まずは円滑な豊洲市場移転を実現してまいりたいと考えています。
初めに、補正予算編成の骨格となっている知事基本方針の意思決定体制についてお伺いをいたします。
専門家会議や市場問題プロジェクトチームなどの有識者機関、そして市場のあり方戦略本部という、都庁内組織での議論を経て決定した基本方針について、代表質問でも多くの質問が行われ、小池知事も自身の言葉でその経緯の説明を尽くし、また、庁内の見解が示されたところです。
基本方針の策定に際しては、直前まで関係局長が最終的な内容を知らされていなかったことをもって、この一連のプロセスが不適切であったかのような指摘が一部からございました。
しかしながら、我が会派の木村基成都議からの質問に対して、政策企画局長より、知事の基本方針決定は、さまざまな意見も参考に知事が政策判断として示した考え方である、一般的な事案の決定とは性質を異にするものであり、手続面で問題はないと考えているとの明確な答弁がありました。この認識は極めて重要です。
そこで、基本方針を推進していく関係局長も同様の認識を持たれているのかどうか、本日ご出席されている局長の見解を順次伺っていきたいと思います。
まずは市場長、お願いいたします。
○村松中央卸売市場長 基本方針の決定過程につきましては、一昨日、政策企画局長が本会議で答弁したとおりでございまして、当局といたしましては、基本方針を踏まえ、豊洲市場への早期移転の円滑な実施に向けて、全力で取り組んでいるところでございます。
○おときた委員 続いて財務局長、伺います。いかがでしょうか。
○武市財務局長 政策企画局長と同様の認識でございます。
○おときた委員 続いて都市整備局長に伺います。いかがでしょうか。
○邊見東京都技監 政策企画局長と同様の認識でございます。
○おときた委員 最後に建設局長、いかがでしょうか。
○西倉建設局長 政策企画局長と同様の認識でございます。
○おときた委員 知事の政策判断に問題はないとする庁内の認識が確認できました。
基本方針を具体的な実行策に落とし込むのは、関係局長を筆頭とする都庁職員の皆様にほかなりません。引き続き、確かな認識を共有のもと、全庁一丸となった取り組みに期待をするものです。
次に、豊洲市場の運営計画についてお伺いをいたします。
基本方針を達成するための財政計画について尋ねた我が会派の代表質問に対し、財務局長より、豊洲市場の企業債の返済を着実に行うとともに、流通環境など市場を取り巻く状況の変化の視点も踏まえながら、コスト削減や収入確保などの経営改善策を具体化していくとの答弁がありました。これは重要なポイントです。
つまり、従前の豊洲市場の運営計画においては、時代の変化を必ずしも捉えていない、ある面ではオーバースペックな部分があったと理解をしています。さらにいえば、市場問題プロジェクトチームによる指摘、分析があるまで、数値に基づいた経営計画が策定されていなかったことに大きな問題がありました。
そこで、こうした財務局の確たる認識のもとに、豊洲市場の経営、運営計画をどのように改善していくのか、都の所見をお伺いいたします。
○岡安新市場整備部長 豊洲市場は、高度な品質、衛生管理や効率的な物流の実現等を目指しまして、閉鎖型の施設とするとともに、バース等の物流施設、新たな業務需要に対応した加工パッケージ施設などの整備を進めてまいりました。
また、より高度な品質、衛生管理を目指し、輸出などへの対応を考えている事業者の方に対しましては、第三者認証の取得に対する支援制度も設けてございます。
今後とも、市場業者の方々との緊密な連携のもと、こうしたハード、ソフト両面にわたる取り組みを生かしながら、豊洲市場の有する優位性を発揮し、市場を取り巻く環境の変化に対応できる市場運営を目指してまいります。
○おときた委員 豊洲市場のポテンシャルを生かして、収益を向上させていくことは極めて重要です。反面、運営のコスト面についても、今後、さらなる検討を重ねていただくよう強く要望いたします。
次に、築地再開発におけるスケジュールについてお伺いをいたします。
同じく代表質問の中で、築地市場の跡地については、提案募集や設計、各種手続や調査などにおおむね三年程度かけていくことが初めて明らかにされました。五年以内、できるだけ早い時期に築地再開発に着手するという方針が示されている中、具体的な時期が示されたことは極めて重要です。
そこでまず、この三年程度という見通しについての詳細、所見をお伺いいたします。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 東京ミッドタウンなどの民間の大規模開発や、都有地を活用した民間プロジェクトでは、まちづくり方針の策定から工事着手までにおおむね三年程度を要しております。その間に、民間事業者の募集、選定、建物の設計、都市計画などの手続、土壌や埋蔵文化財の調査などが行われております。
こうした先行事例を考慮いたしまして、まちづくり方針の策定から着工までに要する期間をおおむね三年程度と想定したものでございます。
○おときた委員 東京ミッドタウンなどの前例に基づいた根拠をお示しいただきました。民間開発の中でこうした前例があることは大きな事実であり、可能性を感じるところです。
このスケジュールに関連して、さきの経済・港湾委員会の質疑では、他の委員の方より、埋蔵文化財調査の主体が決まっていないなど、再開発を進めていく上での幾つかの懸念が示されたところです。二〇二〇年東京大会が迫り、企業債の償還も始まる中で、時間は限られており、懸念があるとすれば解消し、都民に対しても説明を尽くすべきと考えます。
そこで、こうした委員からの建設的な指摘や課題をどのように整理されたのか、どのように取り組んでいかれるのか、都の所見をお伺いいたします。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 土壌調査は、土壌汚染対策法及び環境確保条例によりまして、土地所有者または土地の改変者に調査義務がございます。
築地市場につきましては、土地所有者は東京都でございまして、現在の所管局は中央卸売市場ということになります。また、土地の改変者については、一般的には開発事業者に相当いたします。
埋蔵文化財調査につきましては、保存すべき埋蔵文化財を破壊することとなる開発事業者が行うこととされております。
土壌調査や埋蔵文化財調査は、不確定要素ではございますが、土壌調査につきましては、都有地を活用した民間プロジェクトにおきまして、都が先行して調査を実施している事例がございます。
また、埋蔵文化財調査についていえば、例えば東京ミッドタウンにおきましては、複数班体制を組んで調査を行うなど工夫を行いながら、一年三カ月程度で調査を終了しております。
汐留地区の開発におきましては、地区内を複数の街区に分割して、街区ごとに埋蔵文化財調査を実施しております。最初に調査を開始した街区から通算すると、地区全体の調査期間は九年程度となっておりますが、発掘調査が終了した街区から順次、土地を事業者に引き渡すことによりまして、先行街区では早期の着工を可能としております。
築地再開発では、こうした事例も参考にしながら、今後、事業の進め方や事業者との役割分担等について検討し、民間の知恵やノウハウも活用しながら、さまざまな工夫を行い、できる限りの早期の着工を目指してまいります。
○おときた委員 詳細なご答弁をいただきまして、土壌調査の前例として、九年という数字が比較に出される汐留にしても、一概に長い時間がかかっていたとは限らないということがわかりました。
東京ミッドタウンにおいては、十ヘクタールという築地市場跡地よりも小さい面積ながら、一年半で調査を終わらせたノウハウは、非常に参考になるのではないかと感じるところです。五年以内、なるべく早い着工を目指す築地においても、さまざまな工夫が考えられると思います。引き続き精力的な調査検討を求めるものです。
それでは、ここからは補正予算の内容について、順次確認をさせていただきます。
まず、専門家会議の提言に基づく追加対策工事について、細かな点、技術面も含めて何点かお伺いをいたします。
地下ピットの対策工事については、専門家会議により提案された二案の中から、費用、工期に鑑みて、コンクリートによる対応策が採用されました。
しかしながら、仄聞するところによると、あの広大な地下ピットにコンクリートを改めて敷き詰めるというのは余り例がなく、閉鎖空間の中でコンクリートがきちんと乾くかなど、技術的な懸念が一部から示されているところです。
そこで、この専門家会議が提言したコンクリートによる追加対策案は、技術的にしっかりと実現できるのかどうか、都の所見をお伺いいたします。
○吉野建設技術担当部長 ご指摘のとおり、地下ピットは閉鎖された地下部分の大空間であり、既設の配管等がふくそうし、作業性が悪い環境であること、工事の資機材の搬入口はマシンハッチ一カ所のみであること、換気や揚水井戸設置などほかの工事との工程調整が必要であることなど、コンクリートを施工する上で制約の多い環境となっております。ただし、その環境がコンクリートの品質に悪い影響を与えるとは考えておりません。
コンクリートの施工に当たっては、調合や打設、養生等の条件を定めるとともに、綿密な施工計画を立て、徹底した品質管理のもと、ひび割れに配慮したコンクリートを打設いたします。
なお、工事完了後には、専門家会議に対策の効果を確認していただく予定でございます。
○おときた委員 制約の多い環境であるとの率直な答弁がありました。技術的な難易度が高いことは予見されますが、入念な準備をしていただき、結果だけでなく、進捗も適宜報告しながら進めていただきたいと思います。
もう一点、技術的な部分を確認いたします。
コンクリートを敷き詰めるに当たり、建築の構造的な設計上、コンクリートと壁面を完全には接合しないと聞いております。つまり、地下ピットを囲む壁や基礎と敷設するコンクリートの間に、わずかながらスペースができるということであり、この取り合いといわれるすき間部分から汚染物質が上がってくる可能性はないのかなどについて、不安視する声もあるように聞いております。
そこで、この対応でも、構造、土壌の両面において安全対策に問題は生じないのか、都の所見をお伺いいたします。
○吉野建設技術担当部長 地下ピット内の追加対策につきましては、専門家会議の提言に基づき、換気により揮発性ガス濃度の上昇を防止し、床面のコンクリートにより、ガスのピット内への侵入を低減させることとしております。
床面のコンクリートの施工に当たっては、既存の基礎等の構造体に直接接する状態で打設し、その取り合い部分の上部に気体を通しにくいゴム系の材料を充填させることで、揮発性ガスの地下ピットへの侵入の低減を図ることとしております。これにより、追加対策における床面のコンクリートの機能として問題ないと認識しております。
なお、床面のコンクリートは、既存の構造体に緊結させない計画としており、構造計算上、くいに与える影響を考えなくてもよい荷重であることから、構造上も問題ないと認識しております。
○おときた委員 取り合いの部分への材料の充填でガスの低減を図り、また、構造上も問題ないことが確認できました。多額の金額をかける追加工事ですから、確実な施工をお願いしたいと思います。
次に、開場に向けた移転準備に必要な経費の中から、引っ越し作業の再構築についてお伺いをいたします。
数百以上に上る市場業者の皆様の職場を円滑に移設させるためには、膨大なスケールとなる引っ越し作業を完遂させなければなりません。市場の管理者たる都として万全な対応を行っていくこととは思いますが、今回の予算案で計上された金額で、具体的にどのようなことを行っていくのか、お示しください。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場への移転へ向け、築地市場からの引っ越しを準備期間を含めまして円滑に進めていくことは、極めて重要でございます。このため、今回の予算案には、移転延期以降の変化を踏まえた引っ越し作業の再構築に必要な経費を計上しております。
具体的には、引越計画策定の基礎資料となる引っ越し時における周辺交通の影響調査に係る経費、移転全般を統括し、引越基本計画及び実施計画の策定を行う移転プロジェクトマネジメントに係る経費、さらには、両市場における引っ越しの作業円滑化に要する経費を計上してございます。
○おときた委員 今、さまざまな経費の詳細を挙げていただきましたが、中心となるのは、引っ越し作業の計画策定等における専門業者への委託料であると聞いております。こちらの事業者はどのように選定されるのでしょうか。同様の選定は、昨年に移転が決まっていた際も行われていたかと思いますが、以前に同様の契約、発注を行ったときの対応と今回の見通しについて教えてください。
○影山新市場整備調整担当部長 引っ越し作業を短期間で安全かつ円滑に実施するためには、全体計画のもとで各事業者が引っ越し作業を進めることが極めて重要であります。
このため、都は、平成二十七年度から平成二十八年度にかけて、引越基本計画や実施計画の策定から移転実施管理までを含む移転全体を統括する移転プロジェクトマネジメント業務を専門業者に委託したところでございます。
その際の発注形態は、前例のない大規模な移転作業が見込まれることから、高度なマネジメント能力と経験を有する事業者を選定するため、総合評価方式により契約を行ったところでございます。
今後、改めて実施する移転プロジェクトマネジメント業務の発注形態につきましては、本業務の内容や特性を考慮しつつ、適切に判断してまいります。
○おときた委員 築地市場の移転作業の規模から、競争入札ではなく、総合評価方式を採用して事業者を選定したとのことでした。
総合評価方式は、事業者の実績やスキルをより選定者が加味できる反面、公平性や競争性は競争入札に劣る部分があります。引っ越し作業の円滑な実施は最優先のことながら、都民目線で、しかるべき事業者が適正価格で選定されるよう引き続き努力されることを望みます。
次に、造作工事、習熟訓練の本格化への対応についてお伺いをいたします。
新たな近代市場の開設に向けて、習熟訓練を初めとした事前準備は欠かせません。特に、豊洲市場は、これまでの開放型の築地市場と異なり、コールドチェーンを完備した密閉型の市場となり、交通動線もトラック、ターレ、歩行者が厳密に分離されるなど、これまでの市場とは大幅に使い勝手が異なることになります。
そこでまず、十六億円計上されている予算で具体的にどのような対応がなされるのか、その詳細と金額の内訳をお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 市場業者が行う造作工事や現場確認などにつきましては、豊洲市場への移転方針が示されたことから、今後本格化していくことが見込まれます。
まず、市場業者の造作工事に先立ち、事前相談や造作承認の申請を受け付ける造作相談窓口を開設いたしまして、豊洲市場の開場に間に合うよう、市場業者をサポートする体制を整えてまいります。
予算の内訳でございますが、造作相談室の開設及び運営、造作承認申請の受け付け及び審査、工程調整及び進捗管理、各種検査支援などで、予算規模は約六億円でございます。
次に、豊洲市場での造作工事や習熟訓練の本格化に伴いまして、市場業者や工事関係者などへの入場者に対応するため、入場ゲートの開門箇所や時間を拡大し、豊洲市場への入場しやすい環境を整備してまいります。
予算の内訳でございますが、工事車両や入場者等の管理業務、工事管理業務、施設管理業務などで、予算規模は約十億円でございます。
○おときた委員 造作相談室の運営や各種管理業務など、詳細な項目を挙げていただきました。
こちらの造作相談室の運営や入退場及び現場管理業務についても、外部委託で行うと聞いております。引っ越し業者と同様、この事業者はどのように選定されるのでしょうか。以前に同様の契約、発注を行った際の対応と今回の見通しについて教えてください。
○影山新市場整備調整担当部長 造作工事や習熟訓練を安全で効率的に行うためには、サポート体制や管理体制を十分に整えることが重要でございます。
このため、都では、造作工事に関する相談やアドバイスを行う造作相談室や、豊洲市場における入退場管理や工事管理などを行う現場管理業務を専門業者に委託することといたしました。
委託契約の発注形態ですが、造作相談室の運営は、平成二十八年、特命随意契約を採用しております。この理由といたしましては、市場業者の特徴やニーズ等を適切に把握している必要があるとともに、卸売市場の各施設整備にかかわる基本設計、実施設計、工事に係る管理業務等の知識が不可欠であったためでございます。
また、移転延期以降の入退場及び現場管理業務につきましては、指名競争入札を採用いたしました。
なお、今後の発注形態につきましては、業務の内容や特性を考慮しつつ、適切に判断してまいります。
○おときた委員 造作相談室の方は特命随意契約を採用していたとのことでございました。
ご答弁いただいたような制約があることは十分に理解するところですが、特命随意契約は、総合評価方式よりさらに競争性、公平性、透明性に疑念を持たれることもあります。情報公開を徹底しながら、都民目線で納得のいく事業者選定を引き続きお願いしたいと思います。
次に、一億円が計上されている豊洲市場の広報PR事業と情報公開について伺います。
建物下の盛り土がなかったことや、当初の想定を超えるベンゼンの検出などの経緯によって、図らずも豊洲市場及びその地域に、いわゆる風評被害が発生していることは、残念ながら事実です。
風評とは、事実と異なるイメージが広がることであり、これを防ぎ、また、払拭するためには、正確な情報発信、情報公開が何よりの処方箋といえます。
その中では、これまで何度もご答弁いただいているとおり、豊洲市場の見学会実施が、広報PR事業の一つの核なのだと理解しております。この見学会については、なかなか参加できない、参加枠をふやしてほしいなどの要望もありまして、九月の見学会からは一日四回の実施となるなど、改善点が見られる点は評価をするところです。
一方で、せっかく参加者からも評価が高い見学会ですから、より効果的にPRにつなげていかなければなりません。
見学会の様子は、各種メディアでポジティブに取り上げられることが多いと認識をしておりますが、せっかく参加者による好意的な意見が多く寄せられているのですから、そうした見学者の声を公式ホームページに掲載したり、実際に見学会が行われている様子を動画で配信するなど、さらなる工夫が考えられるのではないでしょうか。
そこで、広報PR事業における見学会のさらなる活用に向けて、情報発信の改善について、都の所見をお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 都はこれまで、六月と八月に公募による都民見学会を試行として実施をしてまいりました。
今後は、この試行の結果を受けまして、見学会の毎月の実施や、地元や産地の方々など対象者の拡大を図るとともに、参加者のご意見やご感想、また、主要な見学場所や施設についての紹介をホームページやツイッター等で発信するなど、豊洲市場のさらなる魅力向上に努めてまいります。
○おときた委員 今後はホームページやツイッター等での情報発信を行う旨の前向きなお答えをいただきましたので、ぜひ目に見える情報発信をふやしていただきたいと思います。
また、見学会について、もう一点お伺いいたします。
前回までの見学会の募集要項を見ますと、見学コースは通常一般の方が立ち入らない場所も含みます、そのため一部バリアフリー対応をしていない箇所もありますので、車椅子、ベビーカーなどでの参加はご遠慮くださいとの記載があります。
時間や人員的な制約から、受け入れのキャパシティーに限界があったことは十分に理解するところではありますが、車椅子の方でも対応できる範囲で見学コースを限定して受け入れる、あるいは車椅子や特別な支援を必要とする方のみが参加できる時間帯を特設するなど、ぜひ見学受け入れの対応を検討していただきたいと思います。
そこで、特別な支援を必要とする方々への見学受け入れ対応について、都の見解をお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 都民見学会につきましては、水産卸売り場の競り場や地下水管理システムなど、開場後一般の方が立ち入らない場所も含め、都が取り組む安全対策や施設などを紹介してきております。そのため、見学コースには一部バリアフリー化していない場所もあることから、これまでは、特別な支援を必要とする方の参加はご遠慮いただいてきました。
ただ、さまざまな要望も受け、次回の九月三十日に実施をいたします見学会からは、こうした方々にも参加いただけるよう、一部映像等による説明や迂回ルートを設定し、参加を可能といたしました。
○おときた委員 当事者の皆様や我が会派などからの要望を受け入れて、早速、九月の見学会から受け入れ対応を可能にされたとのこと、これは都の対応を高く評価いたします。
行政が積極的にこうした配慮を行うことは、二〇二〇年パラリンピックも控えた東京都において、非常に大きな影響があるのではないかと感じるところです。障害のある方もない方も、老若男女問わず、多くの方に豊洲市場を見ていただき、都民理解を促進されることを期待いたします。
続いて、築地の再開発に係る検討費用に関連する項目についてお伺いいたします。
今回の補正予算によって設立される築地再開発検討会議によって、今後の再開発における諸課題が検討されていくものと思いますが、都民が懸念する事項の一つが環状二号線です。
さきの代表質問においては、平成三十一年度末をめどに整備を完了、オリンピック・パラリンピック東京大会が円滑に運営できるよう、本路線の整備を着実に進めるとの力強い答弁をいただいたところではありますが、片側一車線となる地上部道路で輸送力は十分か、慢性化する渋滞の解消につながるのか、不安視する声もございます。
そこで、環状二号線地上部道路での対応力について、都の所見をお伺いいたします。
○奥山建設局道路建設部長 環状第二号線につきましては、二〇二〇年大会に向け、平成三十一年度末を目途に地上部道路の整備を完了させます。
この地上部道路は、往復二車線で、その設計基準交通量は一日当たり約二万台であり、並行する晴海通りなどから一定の交通の転換が期待できます。
二〇二〇年大会時には、この地上部道路のほか、二〇二〇年時点での道路ネットワークの活用に加えて、交通量の抑制を図る施策を実施し、円滑な大会輸送の実現に努めると聞いております。
○おときた委員 大会前の地上部道路の開通により、一定の交通転換が見込まれることがわかりました。
二〇二〇年東京大会時の運用については、オリンピック・パラリンピック準備局や五輪組織委員会とともに、連携の上、引き続き適切な対応を図られることを要望いたします。
また、環状二号線の建設とあわせて、東京二〇二〇大会以降も、地域の発展を支える交通機関として、民間事業者と協力したBRT、バス高速輸送システムの運行開始が計画されていたことと思います。
市場移転に一定のスケジュールが見えた今、BRT計画についてはどのような見通しになっているのか、現状をお伺いいたします。
○佐々木都市整備局企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいまの答弁にもございましたが、環状二号線の地上部道路につきましては、平成三十一年度末を目途に整備させることとしております。
お話の都心と臨海副都心を結ぶBRTにつきましては、環状第二号線の整備状況に合わせて、運行を順次開始することとしておりまして、現在、運行事業者と協議を行っているところでございます。
引き続き、BRTの事業推進に向けて着実に取り組んでまいります。
○おときた委員 BRT計画についても、実施に向けて前向きなご答弁をいただきました。
BRTなどの交通インフラの拡充は、中央区民、湾岸都民を初めとする多くの都民が待ち望んでいるものです。環状二号線開通にめどが立った今、着実な計画の前進を望むものです。
ここまで、細かな点を含めて、るる補正予算案について確認を行ってまいりました。改めまして、基本方針を着実に進めるためには、まず何よりも早期の豊洲市場移転が必要であり、そのために編成されたのがこの補正予算案です。
そもそも、施設の老朽化、狭隘化から移転協議がスタートした築地市場の状況は逼迫しています。コールドチェーン、HACCP等の国際基準への対応は急務であり、厳しい経営状況が続く事業者には、未来の展望を描くためにも、一刻も早い新たな機会の創出が必要です。
そこで、最後に、本補正予算をもって円滑な豊洲市場への移転を進めていく市場長の決意をお示しください。
○村松中央卸売市場長 先般の関係局長会議におきまして、豊洲市場への早期移転を円滑に行うことは最優先事項とされており、補正予算成立後は、必要な取り組みを着実に進めてまいります。
まず、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実かつ確実に実施し、豊洲市場のさらなる安全性の向上を図ってまいります。その上で、追加対策工事の実施状況など、さまざまな情報を発信し、豊洲市場の安全・安心について、都民や市場業者の方々の理解が得られるよう努めていくこととしております。
また、多岐にわたる移転に向けた準備を進めるために、新市場建設協議会などを通じて、業界団体と精力的に調整してまいります。
こうした取り組みを一つ一つ着実に前に進め、早期移転を実現できるよう、全力で取り組んでまいります。
○おときた委員 市場長から力強い決意をいただきました。
追加対策工事の具体化など、山積みされていた諸課題の解決に一定の道筋がついた今、臨時議会での議論を踏まえて、補正予算案が適正に執行され、迅速な豊洲市場への移転実現に向けて、市場長を筆頭に全庁挙げて尽力していただくことを再度強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○細田委員 公明党の細田いさむでございます。
私の方からは、今回上程された補正予算、約五十五億円、債務負担も含めますと七十三億円に上る予算でございますけれども、開場に向けた移転の準備、それから豊洲市場の使い勝手の向上、そして築地再開発に向けた検討、この三点を中心にお伺いをしたいと思っております。
まず、開場に向けた移転準備に必要な経費としては二十五億円が計上されていますが、このうちの一億円の計上、車両入退場管理設備の稼働準備について、何点かお伺いいたします。
豊洲市場の入退場管理はどのようになっているんでしょうか。
○前田移転調整担当部長 豊洲市場では、車両入退場管理設備を導入し、八カ所全ての出入り口及び五街区ガソリンスタンド側の退場口におきまして、カメラ及びICタグによる車両番号の自動認証を行い、無登録車両の入場を制限するとともに、豊洲市場を利用した車両の入退場履歴管理を行ってまいります。
また、七街区におきまして、車両誘導設備を導入し、産地車両等の登録車両を入場ゲートからバースまで誘導することで、円滑な荷の搬入を図ってまいります。
○細田委員 ということは、ICタグがある、登録している車両番号で自動認証を行ったり、そして七街区においては、さらに卸とも連動して、産地の情報で、登録車両が入場ゲートから決められたブースにさらに分けられていくということを考えたときに、より車両の特定ができて安全性が増していく、このように理解しますが、またスピードも増していく、荷さばきも早くなる。こうしたシステムは、市場の秩序を維持していくこと、また、今後懸念されるようなテロの対策の問題、こういうことにも貢献することになると思うんですけれども、市場としてはどのように考えているんでしょうか。
○前田移転調整担当部長 車両入退場管理設備により、市場に許可なく立ち入る無登録車両の入場を制限するとともに、入退場履歴などの車両管理を適切に行うことで、卸売市場における場内秩序の保持やセキュリティーの強化を図ることが可能となると考えております。
○細田委員 セキュリティーの強化を図ることが可能ということは、入退場時の記録、これをチェックすることもできるんでしょうし、まさに場内の秩序の維持もできるんだと、こんなふうに理解いたします。
これらの設備工事、もう既に終了していると思うんですが、それでは何で今回改めて一億円を計上しているのか、この経費はどのように使われていくのか、この点についてお尋ねいたします。
○前田移転調整担当部長 今回の補正予算におきましては、法改正に伴いますナンバープレートのデザイン変更に対応するためのシステム改修費や、本設備を稼働させるための保守点検委託費、車両登録にかかわる経費を計上いたしました。
○細田委員 いわゆる法の改正に対応した経費、こういうことだと思うんですけれども、車両のナンバーを読み取るのに、この設備のかなめなので、これをしっかりとしていかなくてはならないと思います。ナンバーの読み取りといいますと、さまざまな産地からの入場で、例えば悪天候だとか、泥がナンバープレートにくっついたり、雪がかぶったりとか、こんな場合も多々あるんじゃないでしょうか。
この豊洲市場では、ICタグやナンバーの読み取り、この入場管理、先進的な取り組みを行うということだと思うんですけれども、機器の操作、また、この管理の設備になれていない。当然始まるわけですから、その使い勝手というものは、なれなくちゃいけないわけですけれども、そのために十分な習熟を、混乱がないように行っていかなくてはいけない、このように私は思うんですけれども、見解をお伺いいたします。
○前田移転調整担当部長 委員ご指摘のとおり、車両入退場管理設備を円滑に運用していくためには、開場前に習熟訓練を行うことが有効でございます。
今後、業界との調整を進めるとともに、補正予算の成立後、システムの改修や車両登録等を着実に進めてまいります。
○細田委員 ぜひ周知していただいて、新しい仕組みになるわけで、習熟、また普及ということが大事だと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、豊洲市場の広報PRについて伺います。
先日の、私どもの代表の、のがみ議員への答弁でもありました。また、二十五日の委員会でも私もお尋ねいたしましたけれども、豊洲地区の風評被害の払拭のためには、見学会を継続的に実施する、この見える化を進めていくべき、安全対策を実施して都民の理解を得ていくべきだと、このように強く思っております。
定例化していくというご答弁でもありましたし、知事は、安心は都民、国民の理解と納得に基づくものなんだ、このように明言していただいております。
この安心を深める、納得を深めていくべきでありますが、定例化へ向けて一層取り組んでいくということ、それは大変にうれしく思います。また、先日の答弁でも、地元の教育委員会と連携して、効果的な市場見学会、これも検討していくんだと。また、地元の地域の住民のほか、さまざま多くの関係者の方々、都民の皆様、地域の皆様にも見ていただきたいと思うんですけれども、今後の取り組みの状況と、またそれに対する決意を伺っておきたいと思います。
○有金渉外調整担当部長 豊州市場の現状を多くの方に見ていただくことは重要と認識をしております。
今後は、地元の方々を対象とした見学会を随時開催していくとともに、市場関係者の方々とも連携いたしまして、産地の出荷者や生産者、また、小売の事業者なども対象とした見学会を実施するなど、対象者の拡大を図ってまいります。
○細田委員 よろしくお願いします。
今スタートしていって、着実にさらにさらにと広げていっていただいて、そして、豊洲市場というのはこうなんだねと、先日の見学会のご意見にもありましたけれども、ああいうところが全国からしっかりと届いてくる、そういうような代表的な、安心・安全なんだと、こういうふうになっていくように、着実な、広げていく広報PR事業の実施をぜひお願いいたします。
そして、先ほどもいいました、いろんな多くの方々がぜひ見たいという、こういうニーズも高いわけで、優先順位もあるでしょうけれども、広く都民の皆様の理解を得るために、しっかりとお願いしたいと、このように期待しております。
続きまして、補正予算として〇・二億円、二千万円計上されていますが、豊洲市場認可申請の準備について伺いたいと思います。
知事は、この豊洲市場、中央卸売市場として継続的に運営をしていくとともに日本の中核市場として育てていく、このように発言をされています。
ここでいう中央卸売市場とは、卸売市場法の法律による中央卸売市場、こういうことで理解してよいのか、この確認をさせていただきたいと思います。法に基づいたという、こういう意味であります。
そして、この中央卸売市場ということについての機能、役割について、わかりやすくご説明願います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 築地市場が豊洲に移転いたしまして、農林水産大臣の認可を受けて開設する中央卸売市場豊洲市場として、引き続き運営していくものでございます。
中央卸売市場とは、都道府県や一定規模の市が開設者となりまして、生鮮食料品等の円滑な流通を確保するための卸売の中核的拠点になるとともに、広域にわたる生鮮食料品等の流通の改善にも資するものといたしまして、卸売市場法第八条の規定、これは開設の認可に係るものでございますけれども、この規定によりまして、農林水産大臣の認可を受けて開設される卸売市場をいうものでございます。
都におきましては、中央卸売市場整備計画に基づきまして、現在、都内に、築地市場を含みます十一市場を設置しているところでございます。
○細田委員 法律上の中央卸売市場であるということの確認ができました。大変に、法的な意味でも重要なスタートであるということで、そうしますと、市場の機能が豊洲の市場に移る、その場合に築地市場が卸売市場としての機能を果たさないということになるわけですが、この場合は閉場ということになるんでしょうか。この点についてお伺いいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場は、築地市場の移転に伴いまして開場するものでございまして、卸売市場法上、業務規程に規定する市場の位置、面積等の変更の手続により開設するものでございます。
したがいまして、現在中央卸売市場であります築地市場は、豊洲市場の開場とともに閉場となるということでございます。
○細田委員 豊洲市場認可申請の準備として二千万円、これが計上されていますけれども、これについてはどんな経費になるんでしょうか、お尋ねいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場の移転に際しましては、開設者である東京都が、卸売市場法第九条の規定に基づきまして農林水産大臣に対し認可申請を行う必要がございます。申請に当たっては、業務規程及び事業計画等、こちらを添えて提出するということになってございます。
豊洲市場の事業計画の策定に当たりましては、市場業者と一体となった検討が必要でございまして、取扱品目ごとの供給対象人口並びに取り扱いの数量の見込みの算定、将来の推計など、データ収集や詳細な分析を行うこととなるということでございます。
今回の補正予算案につきましては、申請に当たって提出する事業計画の作成補助や、各種法令に適合しているかの確認作業などに要する経費等を計上しているところでございます。
○細田委員 そうしますと、この市場の開設に当たって、農林水産省の認可、これが必要ということになりますが、この認可を受けるための条件、これはどのような条件が必要なのか、この点についてお伺いいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 認可の申請に当たりましては、開設者である東京都が卸売市場法第九条の規定に基づきまして業務規程及び事業計画を定め、これを申請書に添えまして、農林水産大臣に提出することとなってございます。
申請に基づき、農林水産大臣は、当該市場、豊洲市場でございますけれども、その開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的拠点として適切な場所に開設され、かつ相当な規模の施設を有するものであること、また、業務規程が関係法令に違反しないかなど、卸売市場法第十条の規定、これは認可の基準でございますけれども、そちらに掲げられました認可基準に基づく審査を行い、適切に判断をすることとなっているということでございます。
○細田委員 複雑な経緯をたどっておりますから、滞りなくこの認可がおりるような、そういう万全な準備とともに、間に合うような申請を着実にしていただくことを要望しておきます。
さて、今回、補正予算を臨時会に上程していますけれども、なぜ第三回定例会を待たないで、今の時期にこの補正予算を上程したのか、この点についてお伺いいたします。
○吉村企画担当部長 市場移転問題に関しましては、基本方針を踏まえまして、行政組織としての取り組みを迅速に進めるため、関係局長会議において課題を整理し、豊洲市場への早期移転を円滑に行うことが最優先事項であることを確認したところでございます。
市場業者は、豊洲市場の安全対策に関しまして高い関心を持っております。移転への理解を得るためにも、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を可能な限り速やかに完了させるとともに、さまざまな移転準備を早急に進めていく必要がございます。
追加対策工事やその契約手続などを迅速に行い、豊洲市場への移転に向けた環境を可能な限り早期に整えるため、本臨時会に補正予算案を提出したものでございます。
○細田委員 一日も早くこの追加対策工事を終えることで、また、完成した市場では、先ほど来の質問もありますが、習熟訓練、さまざまな、事業者もそうですし、輸送をされる方もそうなんですけれども、そういう時間も費やせる、そういうこともありますから、これは大変にいいことで、当たり前のことで、そして一刻も早く、経費を使わないようにしていかなくちゃいけないと、そのように思います。
豊洲市場の維持管理に一日五百万円かかるといわれていますが、そうした観点からは、早期移転に向けて環境整備を整えること、やはり今申し上げたように重要であります。
この五百万円といわれる維持経費、これはどういう内訳なんでしょうか。この認識で正しいんでしょうか。この点についてお尋ねいたします。
○松永管理部長 今、委員からお話のありました一日五百万円という維持管理経費でございますが、これは開場前の豊洲市場の維持管理費を契約実績や執行見込みを踏まえまして試算、算定したものでございまして、一日当たりの豊洲市場維持管理経費約五百三万円としておりますが、この五百三万円の内訳は、警備、設備保守、樹木管理等の委託料が百四十二万円、光熱水費等が三百六十一万円でございます。
なお、平成二十九年度予算編成後は、警備、設備保守、樹木管理等の委託が百八十九万円、光熱水費が二百五十七万円の合計四百四十六万円となってございます。
○細田委員 報道でたびたび、移転延期で都民の税金、これを無駄にしているのではないかというようなことがいわれていますが、今ご答弁いただいた四百四十六万円、五百万については、これは一般財源、いわゆる都民の税金の繰り入れ、ここから発しているものなのかどうか、この点ちょっと確認しておきたいと思います。
○松永管理部長 ただいまご答弁申し上げました五百三万円及び四百四十六万円の経費につきましては、一般財源ではなく、市場使用料等を充ててございます。
○細田委員 一日五百万円とすれば、一カ月で一億五千万円ですから、臨時会の経費がどのぐらいかということは、私は明確にはわかりませんけれども、仮に一千万円ということであるとするならば、一カ月早く開場できれば一・五億節約していくことになりますし、早期に工事を終えるということは、まさに開場までの習熟訓練、十分に時間をとって、その決まった時期までに訓練を積み重ねていける、安全をつくっていくことができる、そして安心をさらに広げていくことができる、お金を無駄に使わないようにしていく、一円たりとも無駄にしないと、こういう決意につながっていく、そういう点では、今回、補正予算を第三回の定例会に先駆けて行ったこと、これは十分に意義がある、このように私は思っております。そのことを表明します。
続いて、千客万来施設事業と築地の再開発の関係について伺います。
千客万来施設との整合性に課題があります、この築地の再開発。私、江東区選出なので、地元の江東区からすれば、平成二十三年の七月に受け入れを承認した際に、にぎわいの施設と一体となった豊洲市場として受け入れを決めました。こういう経緯があります。これは対等の自治体間の約束でありまして、都民の皆様の願いでもあります。
先日の質疑では、都は大変に重要であるとの認識でありましたが、築地の再開発はこれを十分に考慮したものでなければなりません。この点についての市場長の見解をお尋ねいたします。
○村松中央卸売市場長 千客万来施設事業は、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すために大変重要でございまして、地元区からの要望も踏まえまして、事業者と基本協定を締結し、整備に向けて準備を進めてきております。
一方、築地の再開発につきましては、築地のロケーションを最大限に生かし、地域特性やポテンシャルなどを含め幅広く検討いたします。その際には、千客万来施設事業との整合を図りつつ、開発コンセプト等を具体化してまいります。
日本の新たな中核市場としての可能性を持つ豊洲と、都心に近く、さまざまなポテンシャルを有する築地の両方を生かす、こうしたことで東京の成長につなげていくこととしております。
○細田委員 千客万来施設はそもそも、現在契約している事業者の前に別な事業者の方がおりまして、本来、市場と同時に開場を目指す、こういうふうなスタートをいたしました。けれども突然、その前の事業者の方が撤退されて、暗礁に乗り上げて、そしてこの後に、時を経て、現在の事業者が新たな募集に応えて、そして現在に至っております。
本来、市場と千客万来施設は一体であって、同時にオープンされるべきものでありました。築地と豊洲の両方が生かされて、都民、区民、事業者、利用者、大いに喜ばれること、大変にいいことでございます。
ただ、既にスタートしている事業は、後発の計画と競合するのではなくて、整合性をしっかり担保して、約束のもとに着実に前進させていくことは、都民の願いであり、当たり前のことであります。この点を今後とも十分に留意して、真摯に誠実に取り組んでいっていただきますことを改めて要望しておきます。
続きまして、開場に向けた移転準備に関連しまして、地下鉄八号線の延伸についてお尋ねいたします。
これは、開場に向けての必要な交通対策ということで、地下鉄八号線、有楽町線の延伸の話です。
豊洲-住吉、豊洲から北の方の住吉、都営新宿線や半蔵門線が乗り入れている駅ですけれども、この延伸の実現も都民の願いでありまして、江東区の受け入れの条件であります。
これは、平成二十三年に、当時、佐藤副知事が江東区を訪ねられて、地下鉄八号線の整備は、豊洲地区及び江東区のみならず、市場関係者、見学者、そして千客万来施設の利用者の足として、新市場にとってもぜひとも必要なものであり、その実現に向けて、江東区と連携して最大限の努力を傾注していく決意であるとして--これは佐藤副知事の決意ですよ、豊洲市場の整備に当たり江東区と約束をした、こういう経緯があります。
江東区では、この八号線の実現のために毎年基金を積み立てていまして、今年度末には五十億円に達する、このような見込みであります。
豊洲の市場、これに位置する東京臨海地域は、東京区部東部と結ぶ南北方向のアクセスが十分整備されておりません。
いうまでもなく「ゆりかもめ」は、大量に、高速で多くの人たちを輸送していく、こういう仕組みでは、システムではないですし、また、南北に通じていくバス路線、これも充実していない場所に豊洲市場があります。中小零細の買い出し人の方々や市場を訪れる人々、また観光で訪れる人々、この交通が不便という解決すべき課題が厳然と残っています。
都の広域交通ネットワーク計画や国の交通政策審議会の答申において、大変高い評価を得ているにもかかわらず、いまだに事業化に向けた筋道は立っておりません。一刻も早く東京都が主体となって、関係機関と具体的な調整を進めていくべきではないかと思いますが、現状の認識と今後の取り組みについて、都市整備局、お伺いいたします。
○佐々木都市整備局企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地下鉄八号線の豊洲-住吉間の延伸につきましては、ただいま委員からもお話ございましたが、豊洲市場のみならず、臨海部へのアクセス性の向上、区部東部地域における南北交通の利便性向上、地下鉄東西線の混雑緩和など、広域的な鉄道ネットワークの充実を図る上でも重要と認識しております。
都は、本路線を交通政策審議会答申に反映させるよう国に働きかけを行った結果、昨年四月、答申におきまして、国際競争力の強化に資するプロジェクトの一つとして、事業化に向けて合意形成を図るべきと位置づけられたところでございます。
このため、現在、地元江東区などと連携いたしまして、事業採算性や費用負担のあり方、事業主体の選定などの課題につきまして検討を行っているところでございます。
引き続き、しっかりと関係者間で連携いたしまして、これらの課題の解決に努めてまいります。
○細田委員 ぜひ主体となって、佐藤副知事の決意を実現していただきたい。東京都、よろしくお願いいたします。今後も引き続きこの点については要望し、質問させていただきます。
さて、築地の再開発についてお尋ねいたします。
豊洲市場が早期に開場されること、そしてその後に築地が生かされること、築地ブランドや築地エリアが有するポテンシャル、これがさらに活用されて、東京の魅力を、すばらしいロケーションの中で進んでいく、これは大いに期待をしております。その視点から、その観点からお尋ねいたします。
一昨日、代表質問の答弁で、都市整備局よりは、補正予算の成立後、築地再開発検討会議を早期に設置して、来年度にかけてまちづくり方針を取りまとめるということでございました。築地再開発検討会議のメンバー、これは誰になるんですか。関係局長が会議に入るんでしょうか。
また、その後に都市計画手続、土壌や埋蔵文化財調査をおおむね三年程度で進めるということでしたけれども、どのようにして三年で行うんでしょうか。ご答弁をお願いいたします。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発検討会議におきましては、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど、幅広い観点から検討をスタートさせてまいります。委員につきましては、そういった観点から、今後選定していきたいと考えております。
それから、土壌汚染等を含め三年程度でというご指摘でございますが、築地再開発につきましては、今後、事業の進め方等も含めて検討していくということとしております。そうした検討の中で、先ほどもご答弁申し上げましたが、事業者の役割分担等についても検討いたしまして、民間の知恵やノウハウも活用しながら、できる限りの早期の着工を目指して取り組んでいきたいと考えております。
○細田委員 改めてお尋ねしますが、関係部局長で築地の再開発会議、これをやるんですか。
それと、三年程度といっているんですけれども、市場のあり方戦略本部、四月二十七日、この第二回会議において、開発事業と発掘調査を並行して行った埋文調査が、汐留で九年、現防衛省敷地で十二年かかったこと、これが公表されているんですけれども、まさに市場のあり方戦略本部ですよね。これを認知されていますか。これと比較して三年といえる根拠を、邊見技監、示してください。
○邊見東京都技監 先ほども担当部長からご答弁しましたように、おおむね三年程度というふうに見込んでございます。これにつきましては、他の大規模な開発あるいは都有地を活用した開発、こんな事例を参考に想定をしているところでございます。
お話のありました埋蔵文化財調査等につきましても、先ほどミッドタウン、これにおきましては一年三カ月程度で終えております。あるいは汐留の区画整理事業につきましては、各街区で分割しながら、順次、埋蔵文化財調査などを進めてございます。工程の中で考えられます事業者による設計ですとか、都市計画の手続ですとか、そんなことを同時並行的に進めながら、他の事例を参考にしながら、今の段階では、本会議でもご答弁申し上げましたように、早まることもあれば、期間を要することもございますが、おおむね三年程度というふうに想定をしてございます。
○細田委員 この市場のあり方戦略本部は、築地市場の再開発についての議論をしているわけですね。そこで、この四月二十七日の会議で、政策企画局の次長が、埋文調査の話、これを教育庁に尋ねているんですけれども、期間どのぐらいかかるんですかという、こういうお尋ねです。それに対して教育庁の方は、築地の再整備の中でどのくらい期間がかかるということは、今の段階では、詳しい建築計画がないので、明確なところはいえない状況にありますと、このように答えています。何で技監はいえるんですか。早まるということは、どういう場合、早まるんですか。
先日、上野議員が質問したところ、ここが明確じゃなかったんですけれども、この点についてもう一度、教育庁が期間が明確なことはいえないといっているのに、何でいえるんですか。そのことについてお尋ねいたします。
○邊見東京都技監 先ほどもご答弁申し上げましたように、他の事例を見ながら、他の事例ではどうだったのかということを見ながら、想定をしているというところでございます。
実際、包蔵地というのも、包蔵を予定しているというような土地柄のようでありますので、その実態ということにもよりますけれども、おおむね、いろんな、先ほど申し上げましたように、設計ですとか都市計画の手続ですとか、そういったものもございます。そういったものと同時並行に進めていくということに、実際はなろうかと思います。
他の事例を見ながら、参考としてと、想定をしているということでございまして、これもご答弁申し上げましたように、早まることも、期間を要することもございます。そういった前提のもとで想定をさせていただいておりまして、できるだけ早期にやるということを努めていきたいと考えてございます。
○細田委員 参考としてということなので、目安という、そういう意味なのかなと思いますので、再度この点をちょっと確認しておくことと、それから、今の段階じゃなくて、築地再開発検討会議がこれを精査していくわけですよね。一年間かけてのまちづくり方針を定めた上で、そしてそれを精査していくわけですね。
そこでしっかりと議論していただいて、本来の趣旨を着実に--何というんですかね、安心感を示しながら、そして具体論をみんな都民に示しながら、着実に具体化しなくちゃいけない、このように思うんですけれども、このように求めるんですが、それが一つの目安であり、そして、再開発検討会議でしっかりと実のある、そういう議論を積み重ねていくんだと、こういうことでよろしいのか質問をします。お尋ねします。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 お話しいただきましたように、三年程度あるいは五年以内という目標につきましては、これまでの大規模な開発の事例などを参考に、一つの目標として設定したものでございます。これもご答弁しておりますが、いろんな事情によって、それが早まることもあれば、さらに期間がかかるというようなことも想定されるということもございます。
いずれにしましても、今後、築地再開発検討会議を設置いたしまして、幅広い検討からスタートさせていきますが、来年度かけて、民間からのヒアリングなども行い、都として、まちづくりの方針というものを取りまとめていきたいと考えております。その中では、事業の進め方を含めて、より具体的な内容について検討していきたいと考えております。
○細田委員 ぜひ具体的な検討を積み重ねていただいて、豊洲の市場に移転できてよかった、築地の再開発も、希望がちゃんとでき、いいロケーションもしっかりとできて、そして財政も安定化されてよかったと、こういう形になっていただけるよう、これから十分な議論をしていただいて、早期にやっていただいて、そして、議会の方からもしっかりとチェック、発言をさせていただきたいと、このように申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○柴崎委員 私の方からは、ちょうどきょうで、九月一日ということでございますから、昨年、小池知事が豊洲市場への移転延期を表明して一年と一日、そういった経過をしたわけでございます。
このタイミングで、豊洲市場への移転に向けた補正予算が審議をされているわけでございますが、この時期まで大分時間がかかってしまったな、そんな思いでいるところでございますし、先般、八月二十五日にも私は、経済・港湾委員会、この委員会の中で質疑をさせていただきました。まさに、知事もいない、そして、我々としても要望させていただきましたが、こうして参考人も招致できない中で、なかなか、我々の質問に対しての答弁、的を射た答弁をいただくことができませんでした。こうしたことを非常に残念に思うわけでございます。
こうした中におきまして、これからこの補正予算について私も質問、質疑をさせていただくわけでございますが、昨年の八月三十一日に知事は移転を延期された、これが、ことしの六月二十日になりまして、急遽、豊洲にも移転する、そしてこの基本方針を公表したわけでございますが、この過程について問題はないんじゃないかということが、非常に私は問題だと思います。
先般の委員会の中でご答弁いただきましたが、当日ですよね、理事者の皆さん、局長の皆さんがこの基本方針のお話をいただいた、当日の午後だった、そんなご答弁を頂戴いたしました。こういうことがあっていいんでしょうか。
そしてまた、我々議会に対しては、八月二十三日にこの基本方針の説明があったわけでございますから、大変、二元代表制ということを全く無視された、こうしたことをいわざるを得ないかと思います。
こうした中におきまして、まず一昨日、我々から代表質問をさせていただきました。こうした知事の答弁、これも非常に我々としては、全てにおいて再度お聞きをしていきたい、そんなわけでありますが、時間もございます。こうした中におきまして、幾つかこの委員会の中でも質疑をさせていただきたいと思います。
まず、小池知事が移転に向けてかじを切った、この経緯を中心に、知事の考え方を確認すべく、多くの時間を知事へ質問をしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように明確なご答弁をいただけなかったわけであります。
その一つが知事による安全宣言なんですね。この安全宣言につきまして、安全性への懸念や巨額かつ不透明な経費の増大、こうしたことを理由に、昨年の八月三十一日に移転の延期をしたわけでございまして、この方針が覆されたのであれば、当然これらの疑念が解消されたと考えるべきであります。
にもかかわらず、小池知事は言葉を濁して、明確な安全宣言をすることを避けたんですね。これは非常に残念です。ここで、なぜ避けたか、ご本人、知事がいらっしゃらないのでお聞きできませんけれども、豊洲市場につきましては、建物の耐震性、そして土壌汚染対策について、さまざまな指摘がなされており、この点につきまして、我が会派、都議会自民党におきましても、何度も質疑におきまして、問題ないことを確認してきたところであります。したがって、この点について改めて確認をしておきたいと思います。
まず、この豊洲市場、建物の耐震性についてでありますが、建築基準法上の問題があるのかどうか、都の見解を伺います。
○佐々木都市整備局企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 豊洲市場の建築物につきましては、建築基準法に基づく確認審査により、構造上の安全性を確認しております。また、着工後に工事現場で生じた変更につきましても、建築主より報告を受けるなどにより、その内容が妥当であることを確認しております。
その後、昨年十二月に建築主より完了検査の申請がなされ、それを受け、検査を実施し、耐震性も含め、建築基準関係規定に適合していることを確認いたしましたので、同月二十八日に検査済み証を交付いたしました。
○柴崎委員 ありがとうございました。
続きまして、土壌汚染対策の取り組み状況についてお伺いしたいと思いますが、法令に照らして、土壌汚染対策、この取り組みは適切に行われているのかどうか、これについて説明をいただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場における土壌汚染対策は、法に基づき環境局に届け出を行い、汚染土壌の掘削除去や処理、工事中の拡散防止などを実施しております。また、用地全体で関係者以外が汚染土壌に触れることがないよう措置を講じており、地下水の利用も予定しておりません。
こうしたことを踏まえ、豊洲市場の土壌について、特定有害物質による汚染の把握や、健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されていることを、環境局には既に確認していただいているところでございます。
○柴崎委員 建物の耐震性、土壌汚染対策、いずれも何ら問題がないということでありました。
本来であれば、やはり知事からの明確な安全宣言があってしかるべきところなんです。したがって、一昨日にも、風評被害の払拭等について、こうした要望が築地市場協会さんの方からも出されているんです。
これは何かといいますと、八月二十八日に知事発言がありました。ここでは、まさに講じてきた土壌汚染対策の丁寧な説明、大気や地下水の水質の測定に基づく正確な情報発信を徹底していく、こうした知事の発言がございました。そして、私自身先頭に立ち、市場業者の皆様の不安や思いにも寄り添いながら、この道を進んでまいりたいと思います、このように述べているんです。
したがって、やはり市場業者としては、こうした風評被害の払拭というのは、知事がみずから先頭に立って行動していただけるんだと、そういうふうに、当然、今までも考えてきたわけであります。
しかしながら、風評被害の払拭に向けた行動、今まで全く、こうしたことで市場側から見えてこない。知事ご自身の責任であることを十分承知のことと存じますと、こんなことをこの協会の皆様方がいっているわけでございます。
こうしたことから、やはり協会の皆様にとりましては、一刻も早く知事が豊洲市場について安全宣言をする、これを強く望んでいるわけでございます。したがって、ぜひ知事からの安全宣言を早期にしていただくことを、我々としては強く要請をする次第でございます。
こうした中におきまして、先ほど申し上げました基本方針を定める際に参考にしたさまざまな意見についてであります。
知事の答弁からは、さまざまな意見をどなたからいただいたのか、最後まで明らかにはなりませんでした。これは、まさに都政の透明化を掲げる知事が、みずからの政策決定過程をつまびらかにしないというのは、我々理解できないのであります。恐らく執行機関の皆さんが聞いても、わかる方はいないのではないでしょうか。この場に知事がいらっしゃらないというのは非常に残念でなりません。
また、業界合意の責任につきましても、開設者である東京都の責任と知事は答弁をされました。したがって、みずからの責任には言及をされなかったわけであります。
したがって、確認のためにお伺いしたいと思いますが、卸売市場法の規定上、農林水産大臣は誰に対して中央卸売市場の開設の許可を下すのでしょうか、答弁願います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場法第八条の規定、これは開設の認可の規定でございますけれども、この規定におきまして、国の整備計画により中央卸売市場の開設が必要と認められる都市等であって、生鮮食料品等の流通の円滑化を図る必要があると認められる区域における地方公共団体に対しまして、農林水産大臣が認可をし、その地方公共団体が中央卸売市場を開設することができる、その旨規定されてございます。
○柴崎委員 地方公共団体ということでありますから、すなわち東京都ということになるわけであります。したがって、当然ながら、それを束ねるトップは知事であります。このような姿勢で、本当に業界の方々と真摯に向き合う気持ちをお持ちなんでしょうか。いささか不安になってまいるわけであります。
昨日の新聞報道では、移転方針は知事が外部の顧問と練り、職員は蚊帳の外だったが、その後丸投げ、こんな記事がございました。これはまさに都職員の声なんですね。こんな状況で、職員の英知を結集することが果たしてできるんでしょうか。改めて、首都東京を預かる者の将としての器について考えさせられるわけであります。
知事の表明されました豊洲市場への移転そのものは、我々都議会自民党といたしましては非常に歓迎すべきことであります。移転に向けまして、これから正念場を迎えるわけであります。やはりここは知事は、逃げの姿勢ではなくて、力強くリーダーシップを発揮するべきだ、このことを強く申し上げておきたいと思います。
次に、豊洲市場への移転時期、これをどのように決めていくのか確認をしてまいりたいと思います。
移転日の決定に当たりましては、市場業者との丁寧な調整が必要であることは、先日、我が会派の山崎副委員長が指摘したとおりであります。
そこで、移転延期する前の開場日であった、つまり昨年十一月七日が移転をする予定でございました。そのときの手続について確認をしてまいりたいと思います。
まずは、前回、この移転日を決定したときの手続、これについて説明を求めます。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場の開場日を平成二十八年十一月七日としたときの手続でございますが、平成二十七年七月十七日の午前中に開催いたしました新市場建設協議会で開場日が了承されまして、同日午後に行われました都知事の記者会見で公表されたところでございます。
○柴崎委員 今ご答弁いただきまして、開場日の一年以上前に決めているということがわかりました。開場時期につきましては、さらに一年前の平成二十六年十二月に業界と合意したと記憶をいたしております。
今回の臨時会、知事は、移転時期につきましては、追加対策工事が終わる来年の六月上旬以降と発言をされております。仮に来年の六月から秋の時期としても、今から約一年後なんです。既に時間的な余裕はないんです。この状況は明らかでございます。
したがって、今後、開場日につきましてはどのように話し合いをされていくのか、この点についてご答弁を願います。
○岡安新市場整備部長 豊洲市場の開場日につきましては、市場業者の方々のご理解をいただいた上で決定する必要がございます。
今後、補正予算措置や追加対策工事の工期等も含めまして、市場業者の方々に丁寧に説明し、調整を進め、開場日について決定してまいりたいと思っております。
○柴崎委員 当然、対策工事の工期等は開場日に大きく影響するわけですから、丁寧に説明をして、業界の納得をする形で決めていただくようにお願いをしたいと思います。
それでは続いて、移転に向けましては、団体と調整をしていく課題、これは何なのか、どういったものがあるのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○影山新市場整備調整担当部長 築地市場の業界団体からは、豊洲市場における施設の使い勝手などにつきまして、さまざまなご意見やご要望をいただいているところでございます。こうした経緯を踏まえまして、事業者が利用しやすい市場の実現に向け、施設設備の改善に必要な経費を補正予算に計上しております。
このほか、市場を運用するためのさまざまなルールの策定等につきまして、業界との調整を進め、より安全で使いやすい豊洲市場の実現を目指してまいります。
○柴崎委員 使い勝手の改善やルールづくりなど、さまざまな課題があるということが、今のご答弁でよくわかりました。
それでは、多岐にわたる調整事項、これをこれからどのように整理をして、そして開場につなげていくのか、これについても答弁を願います。
○岡安新市場整備部長 都は、豊洲市場における業界団体との協議の場として、新市場建設協議会や新市場建設懇談会を設置し、協議、調整を進めてまいりました。
七月に開催いたしました新市場建設協議会では、市場運営に係るさまざまな課題につきまして、現場の実情に即しながら具体的に検討するため、同協議会のもとに新たに街区別の検討会を設置し、先日、各街区の第一回検討会を開催したところでございます。
今後、こうした検討体制を生かしまして、開場に向けた多岐にわたる課題について、実務者レベルによる具体的な調整を精力的に進めてまいります。
○柴崎委員 新たに街区別の検討会を設置して、既に第一回を開催したということが、今説明をされました。今後、スピード感を持って行ってほしいと思いますし、中には、街区をまたぐ、そういった課題もあるだろうから、そうした課題につきましても、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
そして、追加対策工事について、今回の補正予算では、専門家会議の提言に基づく追加対策工事として三十億円が計上されているわけであります。その内訳といたしましては、地下ピット追加対策工事、地下水管理システムの機能強化対策、そして補助三一五号線連絡通路下の補修というふうになっております。
こうした中で、そもそもこの追加対策工事を実施するのはなぜなのか。つまり、安全でないということなのかということなんですが、その点について答弁をいただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、主要建物下に盛り土がなかったことから、盛り土が果たしていた機能にかわる対策を検討していただいております。
都としては、専門家会議の提言を踏まえ、専門的、科学的知見に基づいた追加対策を実施することとし、安全で安心な市場の実現に向けて、都民の理解を得られるよう努めてまいります。
○柴崎委員 専門家会議の提言を踏まえた対策工事であるということでありますけれども、専門家会議では、対策を提言する前提となるさまざまな調査、そして測定を行ったと記憶をいたしております。
まずは、追加対策の一つ目の柱であります地下ピットの対策工事について確認をしたいと思います。
追加対策を提言をするために専門家会議が行った測定、これはどのようなものがあるのか、答弁を願います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、地下ピット内にたまっていた水の水質、主要建物下の地下ピットと建物一階部分及び建物の外の空気を測定しております。
○柴崎委員 そうした測定の結果の概要、また、専門家会議の豊洲市場に対する評価、これはどのようなものであるか、これについても答弁を願います。
○村井基盤整備担当部長 地下ピット内にたまっていた水の水質は、全て基準値以下でありましたが、たまり水のある地下ピット内で空気調査を行った結果、水銀濃度が指針値を超過しておりました。地下ピット内のたまり水を強制排水し、一定程度の換気を行うことにより、揮発性ガス濃度が指針値以下となったことから、専門家会議において換気の有効性が確認されました。
専門家会議では、今回都が実施する地下ピットにおける換気とコンクリート打設について、盛り土と同等の効果を有している旨の見解が示されております。
○柴崎委員 専門家会議の提言が科学的な測定結果に裏づけられていることが、今の答弁で明らかになったと思います。こうした専門家の助言などは、今後も必要に応じて関与していただくことが望ましいと考えております。
そして、工事の実施から完了後まで、専門家会議はどのように関与していくのか、これについてもお答えをいただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議に適時相談しながら、追加対策工事を着実に進めるとともに、工事完了後、対策の効果を確認していただく予定でございます。
○柴崎委員 専門家会議に関与していただくということで、客観性、そして信頼性が高まってまいります。これはぜひともしっかりとやっていただきたいと思います。
そして、追加対策工事全般につきまして、知事は、本臨時会、この知事発言におきまして、豊洲市場における追加対策工事の完了時期については、来年の六月上旬を見込んでいるとしておりました。この点を改めて確認したいと思います。
この追加対策工事は、六月上旬には完了するのでしょうか、答弁を願います。
○岡安新市場整備部長 追加対策工事につきましては、補正予算成立後、速やかに契約手続を進めて着工することとなります。
具体的には、六月の専門家会議の場でもお示しいたしましたが、契約手続と工事で約八カ月、さらに、その後の調整や確認で約一カ月を要すると想定していますことから、現時点では来年六月上旬の完了を見込んでございます。
○柴崎委員 仮に本臨時会で補正予算が可決をされたといたしましても、一般競争入札の場合は、入札不調となるケースも想定をされるわけであります。この豊洲市場におきましては、建設工事の際も契約不調となっております。まさに 同じ轍を踏むわけにはいかないわけであります。
こうした中で、事業を所管する中央卸売市場と契約を所管する財務局が連携して、契約不調を起こさないように努めるべきと考えます。見解を伺います。
○松永管理部長 今回ご審議いただいております補正予算案は、豊洲市場への移転に向けた環境を可能な限り早期に整えるため、ご提出したものでございます。このため、契約不調などのリスクを極力回避して、速やかに契約を締結し、追加対策工事に着手し、完了させることが必要でございます。
契約不調などのリスクの回避策といたしましては、契約案件公表時において、作業環境や工事内容等を詳細に仕様書に記載するなど、事業者が発注内容を正確に理解でき、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境を整えていくことが必要だというふうに考えております。
新しい契約制度のもと、運用面などにおいて財務局と連携して、速やかに手続を進めてまいります。
○柴崎委員 きょうの新聞報道によりますと、都は、昨日、入札契約手続の公正性、透明性を確保するために設置をしている都入札監視委員会を開催した、こんな記事があるわけでございます。
ここで昨日議論をされた内容については、財務局の方々は、この委員会にはもちろん参加をされているわけでございます。この中身について、まずお聞きをしたいと思います。
○小室財務局経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨日開催いたしました入札監視委員会でございますが、そちらは、今回の入札契約制度、それの改革に基づきまして、新たに体制整備などを行った形での開催となりました。
具体的には、委員の増員あるいは監視体制の強化、そういったことを目的といたしまして、新たな体制のもとで開催させていただいたものでございます。
○柴崎委員 先ほど申し上げましたように、豊洲市場の建設に当たりまして契約不調があったわけでございます。こうした中におきまして、今回、この入札監視委員会において、一者入札、これについてはどのようにお考えになっているのか。そしてまた、今、改革をということでお話がございました。
まさにこの入札につきましては、豊洲の建設においてはこうした事案があったわけでございます。こうした点も踏まえながら、今回、この入札契約改革について、特にこの一者入札の場合を含めて、どのような対応をされるお考えなのか、そしてまた、どういった方針が新しく決定をされて、また実行されていくのか、その点についてもお聞かせください。
○小室財務局経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一者入札により手続の中止になる、そういった案件につきましては、発注条件等を見直した上で速やかに再発注することで事業を着実に推進する、そういったような方針でございます。
まだこの制度につきましては試行を開始したばかりでございまして、その影響については、今後、入札監視委員会や都政改革本部において検証していくということになりますが、重要なのは、入札の透明性や公正性、競争性を向上させていくというふうに考えてございます。
今回の契約に関してでございますが、契約不調のリスク等を下げるためには、工事の品質を担保しつつ、どのような発注方法が適当なのか、そういった観点での検討も大変重要だと考えております。財務局からも積極的に助言を行うなど、事業所管局である中央卸売市場と協力しながら準備を進めてまいりたいと考えております。
○柴崎委員 今、ご答弁を頂戴いたしました。ぜひ財務局におかれましても、この中央卸売市場の取り組み、このサポートをしっかりとしていただきたい、そのように思うわけでございます。
こうした中におきまして、やはり前回、豊洲市場の建設におきましてのこの金額の問題等々いわれる方がおりますが、私が先般、委員会の中で申し上げましたように、全く問題がなかったということで財務局の方からも答弁をいただいているんですね。したがって、ただただ金額が、率が高い、それだけをもって云々というのは非常に厳しい話になってしまうのではないかと思います。
いずれにいたしましても、市場当局としっかりと連携をとってお取り組みをいただきたい。その点について再度確認をさせていただきたいと思います。
○小室財務局経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 契約不調のリスク等を下げるためには、工事の品質を担保しつつ、どのような発注方法が適当なのか、そういった観点が大変重要です。財務局からも積極的に助言を行うなど、事業所管局である中央卸売市場と協力しながら準備を進めてまいります。
また、財務局は事業所管局からの契約締結請求を受けて契約の事務処理を進めていくこととなりますが、案件の公表や資格審査等に係る事務処理を可能な限り迅速に行うことなどを通じ、速やかな契約締結、円滑な事業執行に向けて協力してまいります。
○柴崎委員 最後にいたしますけれども、とにかく、先ほど申し上げましたように、もう時間が限られているわけでございます。したがって、もちろん入札ですから、公平性、透明性を担保しなくちゃいけない、これも当然であります。
しかしながら、やはりこの時間の中で対応できる、そういったことをしっかりと連携を図りながら、所管局、いわゆる財務局、中央卸売市場、それぞれの局での連携をしっかりととっていただくことを、何度も申し上げるようでございますが、ぜひお願いをしたい、そんなふうに思うわけでございます。しっかりと連携をしていただくことを強く要請してまいりたいと思います。
次に、この本臨時会、ここで上程をされました補正予算の具体的な内容について質問をしてまいりたいと思います。
地下ピット内の対策、つまり換気とコンクリートについてでありますが、環境基準を達成できていない、そういった現状から安全で安心な市場を実現するために、専門的、そして科学的で妥当な対策を講じていく必要があるわけであります。
したがって、まず、この地下ピット内の対策について伺いたいと思います。この対策の主眼はどこにあるのか、お聞かせください。
○吉野建設技術担当部長 専門家会議では、地下ピットがある状態において、リスク管理上必要な対応策について検討がなされました。地下ピットの追加対策は、この専門家会議での提言を踏まえ、ピット内の空気を換気することで揮発性ガスの濃度上昇を防止し、床面にコンクリートを打設することでガスの侵入を低減することとしております。あわせて、建物一階やピット内の空気測定を実施してまいります。
このことによって建物一階の空気中に揮発性ガスが侵入してくるリスクを低減し、盛り土があれば果たされるはずだった機能を確保することで市場施設の安全に万全を期してまいります。
○柴崎委員 地下ピットでの対策の狙いについてはわかりました。専門家会議での提言をしっかりと受けとめていただいて、確実に工事を実施していく必要があると思います。
この提言で求めた効果を得るためには、工事上、留意点があれば何かということで、ご答弁をいただきたいと思います。
○吉野建設技術担当部長 追加対策では、床面にコンクリートを打設し、揮発性ガスの侵入低減を図ることとしており、専門家会議からはコンクリートのひび割れ抑制に配慮するよう指示を受けております。このため、床面のコンクリートにつきましては、日本建築学会の鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針を参考に、調合や施工面でひび割れ抑制に配慮することとしております。
具体的には、コンクリートの調合において、単位水量を抑え膨張材を用いるとともに、通常の床コンクリートよりも強度を高くし、密実なコンクリートといたします。また、鉄筋を配置するとともに、一回のコンクリート打設区画を千平米以下とすること等により、ひび割れ抑制に、より配慮した計画としております。さらに、目地を六メートル間隔で設置することで、微細なひび割れを目地部分に集中させ、目地以外の面でひび割れを抑制することとしております。
○柴崎委員 コンクリートのひび割れへの配慮ということでありますが、対策の効果が得られるようにしっかりと対応していただきたい。このことを申し上げておきます。
そして、追加対策工事のもう一つの柱であります地下水管理システムの機能強化の件であります。
この機能強化をするということは当然なんですが、現状の分析が前提となると思いますが、地下水管理システムの現状、これをどのように分析をしているのでしょうか。この機能を十全に発揮をしていると考えているのでしょうか。この点について答弁を願います。
○鈴木技術調整担当部長 地下水管理システムは、昨年十月に本格稼働いたしまして、当初、三つの街区の合計で、一日当たり最大でおおむね三百立方メートル揚水しておりました。しかし、現在はおおむね四十立方メートルから七十立方メートルで推移してございます。これらの揚水量が十分に確保されていない状況につきましては、井戸やポンプの目詰まり等によるものと考えております。
都といたしましては、専門家会議の提言も踏まえた地下水管理システムの機能強化の取り組みを着実に進めることにより、早期の地下水位の低下を目指すとともに、地下水管理を適切に行ってまいります。
○柴崎委員 ポンプの目詰まり等により十分に揚水できないということでありますけれども、目詰まり以外で機能発揮を阻害する要因というのがあるんでしょうか。また、あるのでしたら、それに対してはどのように対応していくのか、こちらについても答弁を願います。
○鈴木技術調整担当部長 目詰まり以外の要因といたしましては、地下水管理システムの揚水井戸は、井戸内にしみ出てくる地下水をポンプでくみ上げるシステムであることから、地下水位の低下に伴いまして、井戸内にしみ出してくる地下水量が少なくなっていることが影響していると考えております。
また、砕石層におきまして、水の流れやすさを示す透水係数を確認するための試験を現地で実施した結果、当初想定していた透水係数より低かったことも要因の一つと考えております。
これらのことから、現地で得られた透水係数を踏まえまして、地下水管理システムの機能強化策を行ってまいります。
○柴崎委員 透水係数を踏まえた機能強化策を行うということは今わかりました。こうした中におきまして、追加対策工事によりまして、どの程度効果が見込まれるんでしょうか。その効果の検証方法をあわせてお伺いいたします。
○鈴木技術調整担当部長 追加対策工事は、地下ピット内への揚水ポンプの新設、観測井戸からの揚水、吸引管を打ち込み真空ポンプによる揚水を行うこととしております。追加対策工事による揚水量については現在設計中でございますが、一日当たりの揚水量が地下水管理システムの処理能力である三つの街区を合わせて最大六百立方メートルを超えないことを前提としております。
なお、追加対策別の揚水量は、試算値ではございますが、三つの街区合計で一日当たり、揚水井戸の洗浄とポンプ交換で百から百六十立方メートル、地下ピット内の揚水ポンプ設置で二百八十から三百三十立方メートル、観測井戸からの揚水で二十から五十立方メートル弱と想定しているところでございます。
都といたしましては、専門家会議に基づく地下水管理システムの機能強化の取り組みを着実に進めまして、地下水位を継続的に確認し、早期の水位の低下を目指してまいります。
○柴崎委員 地下水位をしっかりと管理することが重要でありますので、しっかりと機能強化を行っていただきたい。このことを申し上げておきます。
そして、補助三一五号線連絡通路下の対策についてお伺いしたいと思いますが、この補助三一五号線連絡通路下は、そもそも市場用地外だと思います。これはそもそもこの対策が必要な場所なんでしょうか。そして、なぜこの対策を実施するのか。この点についてお伺いしたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 補助三一五号線連絡通路下は、道路占用により市場施設として使用し、六街区と七街区を結ぶ連絡通路を整備していることから、この下においても土壌汚染対策を実施しております。
具体的には、ガス中圧管や橋脚に影響を与えない範囲で、汚染土壌を可能な限り掘削除去した上で、アスファルト舗装とベントナイト混合土層による汚染土壌の封じ込め対策を行っております。
専門家会議において空気測定を行った結果、地上部では水銀などは指針値などを下回っていたものの、アスファルト舗装下の砕石層で水銀などの指針値などの超過が確認されたことから対策を行うことといたしました。
○柴崎委員 地上部は指針値を下回っていたけれども、舗装下、つまり地下の砕石層では指針値の超過があったため、対策を行うということの説明を今いただいたわけであります。
こうした中で、対策が必要とされた理由等、その対策の妥当性に関する科学的な根拠、これについて答弁を願います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議において継続的に空気測定を行った結果から、水銀などが指針値等を超過していた原因として、観測用マンホールとベントナイト混合土層の境界部分にすき間がある可能性が指摘されました。
これを踏まえ、すき間を充填剤などで埋める対策が提言されており、今後、この対策工事を実施し、対策の効果を確認するための空気測定を実施します。
○柴崎委員 この原因であるすき間を埋めていくことで、しっかりと遮断をして安全性の向上に取り組んでいただきたいと思います。
次に、工事の規模について伺います。
どの程度の規模の工事になるんでしょうか。工期、そしてまた工事の実施時期について伺います。
○村井基盤整備担当部長 観測用マンホールのうち、アスファルト舗装下の砕石層での空気測定で、換気後に水銀などが指針値などを超過した三カ所について対策を実施する予定であります。
具体的には、観測用マンホールとベントナイト混合土層の境界部分に遮蔽性の高い充填剤などを施工いたします。今後、詳細設計を実施し、今年度中に工事の完了を予定しております。
○柴崎委員 それでは、対策をされた効果、これはどのように測定をしていくのか、これについても答弁を願います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議と相談しながら、空気測定により確認をしていく予定でございます。
○柴崎委員 次に、施設の使い勝手の向上について何点か確認をさせていただきたいと思います。
その前に、施設を使用しないことによってカビがこのたび発生をした、こうしたことが伝えられました。これについて質問したいと思います。
このカビの被害の発生後、都は市場業者に対しましてどう対応してきたのか、まずこの点についてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 店舗等におきましてカビの被害が確認された事業者の皆様に対しまして、都の職員が築地市場内の売り場等を個別に訪問いたしまして、おわび申し上げますとともに、ご承諾をいただいた上で、造作物の清掃を行っていくことを説明させていただいたところでございます。
また、既に被害があった方を含めまして、新たな被害が確認された場合においても、清掃を行い、清掃で対応できない場合につきましては、交換などについて別途個別に対応するなど、事業者の方々に真摯に対応してまいります。
なお、現在、承諾をいただいた店舗につきましては、順次、清掃作業を開始しておるところでございます。新たなカビの発生を防ぐため、連続した空調運転を行っているところでもございます。
○柴崎委員 すぐにご対応されたという答弁を今いただきました。
当然これは、十一月七日に移転がされていれば、つまりこの市場が動いていれば、こうしたカビの発生はもちろんなかったものと思われます。こうした中におきまして、今、清掃作業をされている、あるいは個別に、どうしても清掃で取り切れない場合には取りかえますよというようなことを今ご答弁いただきました。
しかしながら、先ほどお話ししたように、やはり風評被害を払拭してもらいたいんだ、こうした協会の皆様方の強い思いに対して、しっかりと、本来であれば知事による安全宣言による風評被害を払拭していくことを早急に取り組んでいかなくちゃいけないわけであります。こうしたことも風評被害になりかねない。こんなことも当然あるんですね。
清掃して取れるものもあるのかもしれません。もちろん全てが食品を置く台とか、造作とは限らないのかもしれません。しかしながら、やはり新鮮な食料品を扱う場所なんですね。これはやはり都の責任においてしっかりと対応していただきたい。特に取りかえについても、やはり積極的に取り組んでもらいたい。こんなふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 カビの発生につきましては、清掃等につきまして、実際、現在やっているところでございますが、清掃で対応できない場合につきましては、交換等について特別に対応させていただくということで、事業者の皆様に真摯に対応してまいりたいと思います。
○柴崎委員 今、特別に対応というような答弁だったんですけれども、私も現場は見ていないんで申しわけないんですが、写真で見る限り、木にできているカビというのは、なかなか清掃で取り切るというのもどうなのかな、そんなふうに思ったんですが、そういうことも含めて、特別対応ということじゃなくて、やっぱりなかなか清掃で落ちにくい、特に木ですね、そういったところについては、やはり取りかえていく。そのぐらいのことを予算をかけてやっていく必要があるんじゃないでしょうか。もう一度ご答弁お願いしたいと思います。
○影山新市場整備調整担当部長 原状回復が困難と想定される木製品などにつきましては、清掃での対応ができない場合につきましては、交換等について別途個別の対応をしてまいります。
○柴崎委員 先ほどの答弁でもございましたように、これから空調運転を行っていくんだ、そういう答弁を頂戴いたしました。当然、空調を動かしていかなくちゃいけないと思いますし、そして、あわせて、いわゆる共用部分と、それと、それぞれの店舗部分というのがあろうかと思うんですね。これについての費用負担はどのようにお考えになっているんでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 今回カビが発生しました状況を確認した八月中旬以降につきましては、新たなカビの発生を防止するために、連続して空調運転を行っているところでございます。こうしたカビの発生防止に係る維持管理経費につきましては、都が負担してまいります。
○柴崎委員 当然、都の責任において、空調を運転される費用については都で持つということで今ご答弁いただきました。
こうした中で、いわゆる共用部分での空調と、個々に空調を回さなくちゃいけないような店舗というのもあるやに聞いているんですね。つまり、仲卸さんだとかは、比較的共用部分の空調で賄い切れるのかもしれませんが、どこという限定をするわけではないんですが、そういった個々の空調を回さざるを得ない、こういう場合も出てくるのではないかと思うんですが、その点はどのようにお考えになっていますか。
○影山新市場整備調整担当部長 今後、連続した空調運転の実施によりまして、被害の拡大防止に努めるとともに、被害が確認された市場業者の方々に対しましては、清掃を初め、清掃での対応ができない場合につきましても対応してまいりますが、空調等につきましては、共用部分または専用部分ということで、カビ発生防止にかかわる維持管理経費につきましては、都が負担してまいります。
○柴崎委員 わかりました。まさに除去するなり、取りかえるなりをして、対策を早急に講じていただき、その後の対応ということで空調を動かしていくということでございます。
当然、共用部分についても、あるいは専用部分についても、都の負担で対応すべきと思います。今そのようなご答弁をいただきましたので、しっかりとご対応いただきたい、そのように思うわけでございます。
今後、被害の再発を防いでいくためにも、空調の運転など維持管理を適切に行っていく必要がございます。当然、この維持管理費、今ご答弁いただきましたように、こうした負担はやはり事業者に負担させてはいけないわけでございます。しっかりと東京都の責任の中で対応していきたい。再度申し上げる次第でございます。
そして、確認を一つしていきたいんですが、維持管理経費の増加を事業者に負担させることはないということでよいのかどうか。もう一度申し上げますと、今申し上げましたように、空調も含めて、こういった維持管理経費が増加した場合、事業者に負担させることはないということでよいのかどうか、これについても答弁をいただきたいと思います。
○影山新市場整備調整担当部長 今回カビが発生いたしました状況を確認しましたのは八月中旬以降でございます。新たな発生を防止するために、連続した空調運転を行っておりまして、カビの発生防止に係る維持管理経費につきましては、都が負担してまいります。
○柴崎委員 いずれにいたしましても、このカビの発生というのは、やはり市場が運営をされていれば、動いていれば当然発生をしなかった。そのように我々は思っております。こうした中におきまして、しっかりとした対策をこれからも講じていただくことを強く要望する次第でございます。
そこでお聞きしたいのは、施設の使い勝手についてでございます。
この豊洲市場の補正予算の中に、使い勝手の向上のための対策として一千万円、そして債務負担行為として七億円が計上されているわけであります。こうした中で、豊洲市場の使い勝手の向上に向けまして、どのような対策を行っていくのか、答弁を願います。
○前田移転調整担当部長 事業者にとって安全で利用しやすい市場を実現するためには、現場で活動する事業者からのさまざまな意見や要望を踏まえて、施設整備や運用面の改善に生かしていく必要がございます。
今後は、開場に向けて、ターレスロープのカーブ地点のミラーを、現状では幅六十センチ、高さ五十センチの大きさであるものを、幅二メートル、高さ一メートル程度に大型化させ、注意喚起標識を設置するとともに、六街区ランプウエー付近のカーブにおける車両動線の見直しを進めてまいります。
また、現在、二千五百台を超える駐車が可能な通勤駐車場棟にトイレが設置されていないことから、必要なトイレの整備を行ってまいります。
○柴崎委員 さらに、業界の要望を踏まえまして、各街区の駐車場棟のトイレ整備工事に関する債務負担が計上されております。これ、実際には、利用するのは市場業者ですね。そうすると、工事内容につきましては、やはりよく相談をしていく必要があるのではないかと思います。
通勤駐車場の工事に際しまして、業界とはどういった調整をされるのか、お聞かせください。
○佐藤施設整備担当部長 通勤駐車場棟へのトイレの設置工事につきましては、昨年八月末の開場延期以降、検討を中断しておりましたが、移転方針の決定後、設計の準備を再開したところでございます。
今後、トイレの設置予定場所や埋設管の状況などを詳細に調査いたしますとともに、業界の皆様と、設置に係る諸元や工程計画につきまして、街区別の検討会などにおいて調整を鋭意進めてまいります。
○柴崎委員 今答弁いただきましたけれども、現場で活動する事業者の意見、あるいは要望、こうしたものを踏まえた形で施設の改善に取り組んでいくということは、極めて重要だと思います。
やはり市場施設というのは、当然今、事前に使い勝手についても、工事をやられるわけでありますが、まさに使ってわかるというのが当然出てくると思うんですね。というか、こういうことが非常に多いと思います。
したがいまして、使っているからこそ利用しづらい部分というのが当然明らかになってくると思います。この点についての対応がまた極めて重要であろうかと思っております。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
そしてまた、豊洲市場開場後に、この使い勝手に関する課題が見えてきた場合には、そうした課題につきまして、丁寧に対応していただきたい、こういうふうに考えるわけであります。所管の見解を伺います。
○前田移転調整担当部長 委員ご指摘のとおり、使い勝手上の課題につきましては、実際に施設を使う中で判明することがあると考えております。そうした場合も、業界団体と調整しながら、可能な限り使い勝手の向上に取り組んでまいります。
開場後も、都は市場運営者として、事業者の意見や要望に丁寧に対応してまいります。
○柴崎委員 開場後も丁寧に対応していくということで、今答弁をいただきました。ぜひ十分に調整をして、事業者の利用しやすい市場としてもらいたい。このように思うわけであります。
ここで、事業者の負担についてお伺いしたいと思います。
市場会計では、市場業者からの使用料収入でもちろん賄われているわけです。これはもう至極当然のことでございます。いわずもがななんですが、市場施設の改修につきましては、業者の利便性の向上にもつながる。このことから、改修費用を使用料の値上げで賄うということも従来なら想定し得るわけであります。
しかしながら、今回につきまして、つまり今回の追加対策工事については、都の責任によって行われたものであり、そのための費用を事業者に負担させるということは筋違いでなかろうか、このように考えます。
代表質問でも質問をいたしました。改めて確認をさせていただきたいと思います。こうした追加工事によって使用料が値上げをされることはないということでよいのですね。市場長に答弁を願います。
○村松中央卸売市場長 さきの臨時会本会議においてご答弁申し上げましたが、中央卸売市場会計は、公営企業会計として独立採算を原則として運営しておりまして、市場業者が負担する市場使用料を主な収入としております。
今後の市場の財政運営につきましては、まずは徹底したコスト削減や収入確保などの経営改善に取り組み、安定した事業運営を目指すことが肝要でございまして、今回の追加対策工事費などにより、直ちに使用料を見直すことは考えておりません。
○柴崎委員 今、使用料の値上がりにつながらないということでご答弁いただいたわけでございます。この点についてはしっかりと対応していただきたい。そのことを再度を申し上げるところでございます。
いずれにいたしましても、この経済・港湾委員会で今質疑をさせていただいておりますが、まだまだ聞きたい点があるわけでございますが、今こちらに知事がいらっしゃっていない。あるいは、関係する顧問の方々も参考人として招致ができない。あるいは、事業者の方々についても参考人としてお話をお聞きできない。
こうしたことですとなかなか--やはり我々としても、しっかりとした質疑を、もっと明らかにしていきたい。そして、我々としても、まだまだ説明をいただいていない部分が多々あるわけでございます。都民の皆様方にも、しっかりとこの委員会の中での質疑をやはり見ていただきながら、そして、やはりご理解をいただく。こうしたことを我々としては、やはり二元代表制といたしましても、議会としてしっかりと対応させていただきたいわけでございます。
今後につきましても、ぜひとも委員長にも申し上げておきますが、やはり当事者である知事を初め、我々がこうした質疑を行いたい方々を参考人として招致をしていただくこともぜひ要望させていただきたい。このことについてもぜひご検討いただきたい。このように思う次第でございます。
いずれにいたしましても、きょう、このような形で質疑をさせていただきました。この数字についてもまだまだ掘り下げてまいりたい部分がございます。こうした中におきまして、きょうのところ、私の質疑はこれにて終了とさせていただきます。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時四十分休憩
午後三時五十六分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○尾崎委員 質問に先立って一言申し上げます。
先ほど委員会の冒頭に、委員長から、昨日我が党が出した抗議文について発言がありました。
議会改革、議会の透明性は、今重要な課題となっており、都民の皆さんからも期待をされているのだと思っています。しかし、三十日に開かれた理事会の結果についていえば、なぜ三十一日の委員会がなくなったのか、前回の委員会で我が党が求めた知事と関係局長出席の問題がどうなったのか、都民への情報提供はありませんでした。本委員会の運営について、我が党は、審議日程を十分に確保すること、知事と関係局長の出席を一貫して求めてきました。
我が党の抗議文は、理事会の協議結果について都民の皆さんにお知らせするとともに、我が党としての立場を明らかにしたものであることを表明しておきます。
それでは、質問に入ります。
八月二十八日の小池知事発言、三十日の本会議質疑を開き、ますます徹底審議が求められていると思いました。知事発言では、知事が、昨年八月に築地市場移転を延期したのは、一番には、安全性への懸念、二番目は巨額かつ不透明な費用の増大、三つ目が情報公開の不足、この三つの疑問点が解消されていないと判断したからだといいました。
しかし、この三つの疑問点は、現時点でも全て解消されていません。そういう状況で、豊洲新市場への移転を推進する補正予算案の提案は、都民も、市場関係者も納得できる内容ではありません。三十日の本会議での質疑を踏まえ、とりわけ食の安全・安心の立場から、今回の追加対策などへの疑念が解消されておらず、疑問点はますますふえています。
最初に、カビ問題についてです。三十日の本会議質疑で、知事や都の答弁を通じて、改めて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
最初に、このパネルをごらんいただきたいと思います。もう一枚もあります。
このカビ問題については、仲卸の方に話を伺いました。木の表面に青くカビが生えているのを見て愕然とした、こんなカビが生えるような豊洲市場には行きたくない、築地市場ではこんなことはないんだとおっしゃっていました。
生鮮食料品を扱う市場でのカビ発生は、食品衛生上、大問題ではありませんか。このことについての認識を伺います。
○伊藤委員長 答弁の前に委員長から申し上げます。
先ほど、委員長として冒頭に一言申し上げましたのは、理事会にて承認を得て発言を申し上げました。委員の冒頭の発言におきましては理事会の承認なくご発言されていると思いますので、この点については後ほど理事会で協議させていただきます。(発言する者あり)
質疑を続行いたします。(発言する者あり)質疑を続行いたします。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場内のカビの発生についてでございますけれども、豊洲市場内では、施設内における結露を防止するため、換気や空調設備の運転を外気や湿度の状況に応じて実施してきたところでございます。
しかしながら、今月に入りまして例年にない長雨が続いたことに加えまして、台風の通過に伴いまして、売り場内の湿度が非常に高くなったことから、豊洲市場の一部店舗において、木製造作物等にカビが発生したということが確認されたところでございます。
○尾崎委員 今のご答弁は、私が質問したのに答えていないと思います。カビが発生したのは、食品衛生上、大問題ではないかと、このことについての認識を伺ったんですが、いかがですか。
○影山新市場整備調整担当部長 市場業者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしたことについては、真摯に受けとめております。
今後、豊洲市場内におきましては、連続した空調運転の実施によりまして被害の拡大防止に努めるとともに、被害が確認されました市場業者の方々に対しましては、清掃を初め、清掃での対応ができない場合につきましても個別に、誠実に対応してまいりたいと思います。
○尾崎委員 真摯に受けとめていますということは、私が求めた質問に対する答弁にはなっていないと思うんですよ。食品衛生上、大問題ではないかということに対して、もう一度伺います。
○影山新市場整備調整担当部長 カビにつきましては、衛生上問題かと思いますが、それの対処のために、ただいま豊洲市場内におきましては、清掃を初め対応しておりますし、カビ拡大の防止のために空調を実施しているところでございます。
○尾崎委員 問題があるということですね。それで、カビを発見したときに、部屋中が白いもやがかかっている状況だったということを私たちは聞きました。発見した警備員から、都の皆さんは、どういう状況だという報告を受けていらっしゃるんでしょうか。
仲卸の方たちが、自分の店舗になるところを見てほしいといわれて行ったときには、マスクをしないといられなかったということも聞きました。現場がどういう状況だったのか、伺います。
○岡安新市場整備部長 今回、こういう形でカビが生えてしまったということにつきましては、事業者の皆様に対して、これはおわびをしなければいけないというふうに思っております。
今ご質問がございました、警備業者からどういうふうに連絡があったかということですけれども、時系列でいいますと、八月十五日の夜に、六街区水産仲卸を巡回中の警備業者が、木造造作物、それから業務用冷蔵庫等の表面にカビが生えていることを発見したという連絡があったということになってございます。それを受けまして我々職員も、各テナント、店舗、それから共通部分もそうですけれども、確認に回ったところでございます。
今、委員の方から、白くもやがとか、それから壁全体にというお話がございましたが、少なくとも我々が見た限りにおきましては、全体にカビが生えているという状況では全くございませんで、ある一部の店舗の中の、また一部の、そういうステンレスシンクの横ですとか、それからあとは、これは今ご指摘ありましたけれども、木製品のところにカビが生えていたという状況でございます。
今、答弁もありましたが、我々といたしましては、速やかに清掃に入っている状況でございまして、滅菌剤というんでしょうか、そういうものも使いましてカビ処理を行っているところでございます。
○尾崎委員 私がいったときには、部屋全体がカビになっていたという表現ではなく、部屋全体が白いもやがかかっていたといったところだと思います。
それで、換気にはフィルターはついているのか、伺います。
○佐藤施設整備担当部長 水産仲卸売り場棟を初め、売り場、それから事務所、全館の空調している部分の換気設備につきましては、全て換気フィルターを伴うものでございます。
○尾崎委員 今回、カビが発生した店舗の配置といいますか、どの辺が--一階だけなのか、二階もそうなのかも含めてですけれども、どんなふうな感じで生えているところを発見したのかというのを伺いたいんですが。
○影山新市場整備調整担当部長 今回、カビが発見されました配置でございますけれども、六街区につきましては一階でございます。五街区につきましても一階でございます。
配置のご質問が委員からあったかと思うんですが、分布につきましては分散をしております。
○尾崎委員 ただいまのご説明ですと、六街区、五街区ともに一階のみということですよね--でいいわけですね。そうしますと、なぜ、このようにカビが発生したのが一階に集中したのかを伺います。
○影山新市場整備調整担当部長 先ほど、五街区、六街区、一階だけと申しましたけれども、管理棟の方も、三階に一カ所、一事務所ですね、一カ所ございます。
それで、もう一つのご質問ですけれども、なぜ一階に集中しているかということですけれども、湿度が一番高い、で、上の階につきましては、外気との気温差が低く、湿度が低いということで、そういう形で推察しております。
○尾崎委員 カビが発見されたのは、今回が初めてなんでしょうか。今まで発見されたことは全くなかったのかどうかを伺います。
そして、カビの発生は想定していたのか、いなかったのかも伺います。
○影山新市場整備調整担当部長 カビの発見につきましては、今回が初めてでございます。
カビの発生を想定していたのかということでございますが、都としましては、豊洲市場の施設で、本年二月から週三回の換気運転を開始しまして、本年五月からは、外気の状況等を勘案しつつ換気運転を毎日行ってまいりました。また、七月からは、売り場内の湿度が高い状況が見受けられたことから、換気に加えて空調運転も必要に応じて数時間実施してきたところでございます。
しかしながら、八月に入りまして例年にない長雨が続いたことや、八月の台風などの通過によりまして、売り場内の湿度が非常に高くなったことから、市場内の一部店舗において、造作物の一部にカビが発生している状況が確認されたということでございます。
○尾崎委員 私の二番目の質問は、カビの発生は想定していたのか、いなかったのかという質問なんですが、これにはお答えになっていないようですけれども、どうでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場内のカビの発生を想定していたわけではなくて、カビの発生を防止するために、先ほどお話しさせていただきましたように、二月から換気運転をし、七月からは、湿度が高いということで空調運転をしまして、カビの発生がないような形で空調管理をしてきたというところでございます。
○尾崎委員 この間の説明ですと、カビ発生の原因については、長雨と台風という説明がありました。湿気が九五%だったということも、この間明らかになっていますけれども、なぜ九五%もの湿気を呼んだのか、建物の特性について伺います。
○佐藤施設整備担当部長 建物内は、閉鎖型施設とは申しましても、例えば、シャッターのすき間、また、人の出入り口などがございますので、完全に密閉された空間ではございません。このため、長雨や台風により屋外の湿度が上昇したことで、連動して室内の湿度も上昇したものと考えております。
また、この季節は、建物内の温度が外気よりも低い。このため、内部に外気が入りますと、同じ空気中の水分量でありましても、総体的に湿度が高くなるものだと考えております。
○尾崎委員 ただいまのご説明ですと、閉鎖型だといってもシャッターのすき間があって、完全な閉鎖型ではないんだというようなお話もあったわけですけれども、九五%の湿度というのは、なかなかないんじゃないかと思うんですよ。豊洲新市場が、湿気が九五%になるということは、周りのマンションなども同じようになるんじゃないかと思ってしまうわけです。こんなことがあり得るのかというふうに思うわけです。
湿気を取る能力というのは、豊洲新市場の中であるんでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 空調機で空気を冷やす際に、空調機内で結露しました水を排水するということで、空気中の水分量を低減することが可能と考えております。
例えば、ご家庭用のエアコンでも、ドレーン管から水が排水されるのをごらんになると思うんですが、こういった空調の湿度低減の活用の仕方があるというところでご理解を願いたいと思います。
○尾崎委員 一階で換気すると、地下のものを吸い込むのではないかと思いますけれども、その点についてはいかがですか。
○佐藤施設整備担当部長 市場の主要施設につきましては、一階と地下は、鋼製、鉄製のデッキプレートと、その上に打設されておりますコンクリートなどにより仕切られております。それとともに、一階部分の換気につきましては、二階以上の高いところに給気口を設けて、屋外から空気を取り入れ、排気ファンで排出し、この給気量と排気量でバランスをとっております。
○尾崎委員 私は、二十五日の経済・港湾委員会でも、このカビの問題を取り上げました。そして、科学者である専門家の方たちが、ベンゼンや水銀の揮発性の高い汚染物質が、カビの中に付着している可能性もあるということを指摘しているということを紹介しました。
カビに汚染物質があるかどうかの調査をすべきだと、改めて求めますが、いかがですか。
○岡安新市場整備部長 繰り返しになりますが、カビ発生の原因につきましては、長雨や台風に伴って、建物内の湿度が上昇したことによるものと認識しております。また、今説明がございましたとおり、建物が冷えているということで、外気を入れるとさらに湿度が上がるという、そういう状況もあろうかと思っています。
市場業者の方々からは、早期の清掃を求められておりまして、都としては、こうした要望を踏まえまして、被害のあった店舗の清掃を迅速に実施しております。
○尾崎委員 三十日の本会議質疑でも、カビの調査を我が党の質問で取り上げました。調査すべきだと求めたわけですけれども、調査はしないと答弁がありました。これ、とんでもない答弁だと思うんですよ。カビの原因、九五%の湿気というのが、なかなか理解できない状況、そして、科学者が汚染されている可能性もあるんじゃないかという指摘もしている中で、どうして調査しないのか、きちんと答えていただきたいと思います。
○岡安新市場整備部長 地下水の高低にかかわらず、晴天時や湿度の低いときにつきましては、これまでカビの発生というものは確認されておりません。
今回のカビの発生は、八月の記録的な長雨、台風の通過、それから、先ほど申し上げましたように、建物が冷えていたことによる外気導入によっての湿度の上昇ということが原因だと思っております。
先ほどもご説明申し上げましたとおり、結露を、これはもう防ごうということで換気をし、また空調も行っておったわけです。その場合にも、給気と排気をバランスさせて空気を回しておりました。そういうこともあり、それから、先ほど委員からもご質問ありましたが、フィルター等もその送風機にはつけているということもございます。
我々といたしましては、早急に、事業者の皆様の店舗の清掃に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えております。
○尾崎委員 だからこそ不思議なんですよ。フィルターがついている、結露を防ぐための換気と排気もしている、そういう中で何でカビがこんなに出てしまうのか。改めて、カビに汚染物質があるかどうかの調査をすることを求めておきたいと思います。
掃除をして終わりでは、市場関係者の人たち、都民も納得できないんです。新築で家を購入した人が、引っ越ししたら家にカビが生えていたということと同じことじゃないんでしょうか。
こんなカビがあるわけですよ。(パネルを示す)中央卸売市場は、今まで、最先端の施設だとおっしゃっていたわけですよ、豊洲新市場はね。そういう中で、なぜこんなにカビが出てしまうのかと、仲卸業者の皆さんは、このカビを見て不安を抱えているんです。
カビの原因を究明するのが、まず一番にやらなきゃいけない東京都の仕事なんじゃないですか。大事なことなので、もう一度伺います。
○岡安新市場整備部長 今、委員の方から、パネルのご提示がございましたが、繰り返しになりますけれども、先ほど委員の方から、白く見えるような、何か、もやがかかったというようなご発言、ご指摘がありましたが、我々職員が皆で確認のために見に行っています。実際は、そういうお話のような状況ではなかったと。
先ほども申し上げましたが、ある一部の店舗の、またその店舗の中の一部分ですね、特に、木も全部というわけではございません。ステンレスの横ですとか、そういうところにカビがあったところを発見したわけでございまして、何かあたかも、空気全体の中にカビが飛んでいるというようなお話でございましたが、我々が目視ですぐ確認した限りにおいては、そういう状況ではなかったということは、これは間違いのないことでございます。
ということで、我々は、その発生いたしましたカビにつきまして、事業者の皆様から早急な清掃等を求められておりますので、滅菌剤等も使いまして清掃に早急に取り組んでまいりたい、そう考えてございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、原因の究明はしないということをおっしゃっているわけですね。改めて伺いますけれども、中央卸売市場の開設者は東京都です。今回のカビ問題で、開設者としての責務は何でしょうか。
○岡安新市場整備部長 今回、市場業者の皆様に、ご迷惑とご心配をおかけいたしましたことは、これは事実でございまして、これにつきましては真摯に受けとめてございます。
市場の開設者、東京都といたしましては、清掃を初め、清掃で対応できない場合につきましては、これは個別に、交換等につきましても、各事業者様に対応させていただきたい、そういうふうに考えてございます。
〔傍聴席にて発言する者あり〕
○伊藤委員長 傍聴人はお静かに願います。
○尾崎委員 事業者の方々には大変なご迷惑をおかけしましたと、真摯に受けとめると、掃除はしますということですけれども、そんなことでは済まされない重大な問題なんですよ、このカビの問題。大量のカビ発生という問題は、どうしてこうなったのか、こうなった責任はどこにあるのか、長雨や台風に責任があるのかどうか、もう一度、責任はどこにあるのか、お答えください。
○岡安新市場整備部長 開設者といたしまして、誠実に事業者の皆様に対応していくことが、東京都の責任だというふうに思っております。それから、今後、こういうカビの発生がないように、空調の管理について、こちらもこれは開設者の管理責任としてちゃんと行っていきたいと、そういうふうに考えております。
○尾崎委員 これがですよ、個別のお店で契約をしてカビが生えていたと、お店が始まる前に。そうなったら即契約解除じゃないんですか。豊洲新市場は、衛生的な最先端の施設と、今まで豪語してきたんじゃないんでしょうか。
それなのに、こんなに大量のカビが発生したんですよ。建物に何ら問題がないというのであれば、建物の管理に問題があったということになるんじゃないでしょうか。その場合、管理委託会社の責任はないのですか。管理委託会社の責任なら、損害賠償請求も検討すべきですが、この点についてはいかがですか。
○佐藤施設整備担当部長 移転延期に伴いまして、場内を、人が活動していない段階でシャッターがおりて財産保護しているところ、またシャッターがあきっ放しで、造作もまだ未着手なところ、さまざまな条件がある中で、先ほどご答弁申し上げましたように、二月から、外気の温度、湿度を見ながら換気を実施してまいったところでございます。
本来、開場後は、お仕事上シャッターをあけ、お仕事なさった後、適正なお掃除をして、そしてお帰りになるときにシャッターをお閉めになる。カビの発生条件は、いうまでもなく温度、湿度と栄養分と酸素でございますので、この栄養分を除去するような動きを皆様方の日ごろの清掃でお願いして、また、シャッターのあけ閉めをして、風通しを確保して、空調とともに衛生を確保していただく。こういうことを予定しておったわけですので、まさに、今の長期的な閉鎖的な活用の仕方、それから空調を温度、湿度を見ながら個別対応を東京都指示に基づいてやっておった、そういう状況下の発生でございます。
業界の皆様に、財産を毀損した部分等については、私ども、市場当局で真摯に受けとめ、きちんと対話をし、また現場も確認していただくことで、今後、現場管理もきちんと適正にし、開場を迎えたいと、このように考えております。
○尾崎委員 なかなか私の質問にちゃんと答えていただけないようですけれども、責任の所在を明確にする、そのためにも、カビが発生した原因を究明する必要があるんだと思うんですよ。このカビ問題については、市場長はどのように責任を感じているのか。市場長は、市場関係者に謝罪すべきだと思います。
先ほど、都の方の答弁の中では、市場業者の方たちを都の職員の人たちが個別に訪問して謝罪したんだという話もありました。市場長は、どう思われていますか。
○村松中央卸売市場長 市場業者の皆様方にご迷惑並びにご心配をおかけしましたことにつきまして、真摯に受けとめております。
先ほど来、ご質疑、こちらもご答弁させていただきましたけれども、今後、連続いたします空調運転の実施によって被害の拡大防止に努めるとともに、被害が確認された事業者の皆様方に対しては、清掃を初め、また、清掃で対応ができない場合にも個別に対応するなど、誠実に対応してまいります。
○尾崎委員 市場長も謝罪するということは考えられていないようです、非常に残念です。この間、都の職員の方々が市場業者に、何人訪問して謝罪をしたのか、伺います。
○影山新市場整備調整担当部長 カビの発生がわかった時点で、該当者の方に、九十六事業者の方に、都の職員が謝りに参りまして、あとは清掃の許可をいただくために、ご承諾をいただくということで、二十四日で、九十六事業者の方に回ったところでございます。
○尾崎委員 きょうもそうですけれども、このカビの問題は、二十五日の経済・港湾委員会、そして三十日の本会議質疑でも取り上げられたわけですが、ここでも謝罪の一言もありませんでした。業者の皆さんに心配をおかけしたというだけです。
豊洲新市場は抜群の衛生環境だと説明してきた東京都として、都議会、都民、そして築地市場の全ての市場関係者の皆さんに、この場できちんと市場長が謝罪すべきだと思います。改めて、謝罪すべきだと思いますが、いかがですか。(岡安新市場整備部長発言を求む)市場長に伺っています。
○岡安新市場整備部長 今ご説明をさせていただきましたが、各事業者の皆様を回らせていただきましたときに、これは東京都としておわびを申し上げております。ご迷惑をおかけしましたということで、おわびを申し上げております。
先ほど来ご指摘いただきましたが、管理という点で、我々東京都が、まだ使っていない状況で、各テナント、事業者の皆様の財産を預かって、それに対してカビが生えてしまったということに対しては、我々管理している東京都として、これはおわび申し上げなければいけないことだと思っております。
○尾崎委員 すっきりしない答弁ですね。そういう点では、この間も、清掃だけじゃないと。先ほども質疑の中で、木製などの使えなくなった物は別途相談する、取りかえも考えていくということもありましたけれども、空調の維持管理は、東京都が費用を負担するということも、前の質疑の中で明らかになりました。
使えなくなった物を取りかえた場合、それは、また補正予算などで組むようになるんでしょうか。維持管理以外の使えなくなった物、それへの支援策、補正予算などはどのように考えているんですか。
○影山新市場整備調整担当部長 先ほどからもお答えしておりますけれども、原状回復が困難と想定される木製品など、清掃での対応ができない場合につきましては、交換などについて別途個別の対応と考えておりますが、その対応策につきましては、詳細については、今後、検討をさせていただきたいということでございます。
○尾崎委員 今後、詳細な検討をということでしたけれども、詳細な検討を行った場合、検討して詳細に決めて、支援しますよと、買いかえる場合には東京都が支援しますよとなった場合には、その費用はどこから出すのでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 ご質問の件につきましても、今後の検討ということにいたしたいと思います。
○尾崎委員 もう一度パネルを見ていただきたいと思います。東京都食品安全条例第五条には、健康への悪影響が発生、また、そのおそれがある場合には、当該悪影響の発生または拡大の防止に必要な措置を的確かつ迅速に講ずる責務を有すると、事業者の責務を定めているわけです。市場の開設者は東京都です。同じような責務があると思います。東京都食品安全条例を見ても、知事は必要な調査を行うことができると二十一条に明確に書いているんです。きちんと調査すべきだと思います。
市場関係者として、市場開設者として、市場で働く人たちの健康を一番に考えることだとも思います。大事なことなので、カビの調査について再度求めますが、いかがですか。
○岡安新市場整備部長 カビの拡大被害防止につきましては、先ほど申し上げましたとおり、まずは清掃をし、それから空調ですね、こちらを使っていきまして、これ以上被害が拡大しないように、今、我々としては全力で取り組んでございます。
それからあと、市場業者の皆様には、これも繰り返しになりますが、非常にご迷惑とご心配をおかけしました。今回こういうことが、我々東京都も、管理している中で起こったことについては、おわびを申し上げたいと思ってございます。
引き続き、これについては真摯に、清掃、それからあとは再発防止に取り組んでまいりたいと思っております。
○尾崎委員 調査をするのは当たり前だと思います。都は、カビ問題を軽く見ているんじゃないでしょうか、市場長も。掃除で済む問題ではありません。
日本食品微生物学会の雑誌に、イカリ消毒株式会社の吉浪誠さんがこういう論文を書いているんです。食品製造現場におけるカビ汚染の原因究明と対策。汚染カビの制御方法の検討、再発防止については、まず、問題を取り除くための殺カビ処理など是正措置を実施するが、カビが発生した原因も深く掘り下げて確認し、再発させない防止策をあわせて検討していく、重要なことは問題の真の原因追求だと、こう書いているんですよ。
真の原因の追求、これは何かというと、なぜカビが発生したのか、なぜカビが汚染しているのかを追求しないとだめだということなんです。ここの原因がわからなかったら、再発防止のためにならないんだということも明確に書いているんですよ。
このように、カビの発生したところを掃除するだけではなく、カビの原因追求が必要だとしているんです。原因をきちんと調べないと、再発防止にならないということが明確に書かれているんです。
築地市場は、老朽化し、衛生的にも問題がある、豊洲市場は、近代的設備、閉鎖型で衛生的にもすぐれているといわれてきましたが、問題があるのは豊洲新市場ではありませんか。豊洲新市場への移転は、きっぱりと中止することを強く求めておきます。
次に、小池知事は、情報公開は大事だといっています。三十日の本会議質疑でも、我が党の質問に、客観的なデータについて正確な情報発信を徹底していくと繰り返しました。先ほども、見学会などで情報発信を強調していましたけれども、情報発信は見学会だけではないんです。
ところが、中央卸売市場のホームページは、正確な情報を発信していないということがはっきりしています。これをごらんください。(パネルを示す)疑問解消BOOKです。専門家会議の提言した対策はのページで、土壌、地下水対策の概略図があります。ここに、調査中、内容が確定次第、正確な情報を掲載しますの紙が張りつけられたままになっているんです。
なぜいまだに正確な情報が掲載されていないのか、伺います。
○有金渉外調整担当部長 昨年来、地下に盛り土がされていなかっただとか、さまざまな問題がありました。そういった状況を正しくホームページで伝えていなかった部分、そこにつきましては、今、お示しされたようにマスキングをして、その後正しい情報に置きかえるという作業を今後進めていくという状況になっています。
一部そういった形で残っているところにつきましては、早急に、今回の対策の中身も含めて置きかえていきたいと思っております。
○尾崎委員 これだけじゃないんですよ。同じように、疑問解消BOOKですけれども、専門家会議の提言した対策はのページで、土壌、地下水対策の概略図があります。これも、調査中、内容が確定次第、正確な情報を掲載しますと、これまた紙が張りつけられた状況なんです。
なぜいまだに正確な情報が掲載されていないのか、この点についても伺います。
○有金渉外調整担当部長 一部、そういう調査中というところも残っておりますけれども、中央卸売市場のトップページのところには、最近の取り組みという項目を用意いたしまして、そこで、これまで行ってきました専門家会議の対応、また局長会議の話でありますとか、さまざまな最近の取り組みをすぐわかるような形では載せているところでございます。
今後は、そちらの方をちゃんとわかりやすくするとともに、過去、間違った情報を載せた部分につきましては、早急に削除していくだとか訂正をしていく、そのように取り組んでまいりたいと思っております。
○尾崎委員 このパネルを、今、紹介をしましたが、私がちょっといい間違いをしました。土壌汚染対策の具体的な技術、工法のページが、同じように二カ所に張り紙がされているんです。ここでは、集中豪雨時にも管理水位A.P.二・〇メートルを維持と書かれているんです。
この目標は達成されているのかどうか、伺います。
○鈴木技術調整担当部長 現在、地下水管理システムについては、井戸の目詰まり等で揚水量が十分に確保されていない状況でございます。
こうしたことから、専門家会議でも、地下水管理システムの機能強化について提言をいただいたところでございまして、今後、東京都といたしましては、地下水管理システムの提言に基づきまして、地下水管理システムの機能強化に着実に取り組んでまいりたいと、そのように考えているところでございます。
○尾崎委員 疑問解消BOOKがこのようにずっと張り紙されているというのは、あってはならないことだと思うんですね。
それで、もう一つあるんです。ちょっと順番を間違えちゃったみたいですけれども、どのように土壌汚染対策を実施していくのかというページでは、対策の特徴の最初に、安心・安全を高いレベルで確保と表題があります。土壌、地下水を環境基準以下に処理し、市場施設完成後にも地下水位、水質を監視していくなど、専門家会議の提言を確実に実現していきますと書かれているんです。
土壌、地下水を環境基準以下に処理という目標は達成されているのかどうか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、操業に由来する汚染が確認された箇所を対象に、土壌汚染対策工事により汚染土壌を掘削除去し、汚染地下水は、一旦は基準値以下といたした上で、平成二十六年十一月より二年間モニタリング調査を実施してきております。
その結果、全調査箇所の三分の二の箇所について、基準以下の状態が二年間継続したことを確認しており、これらの土壌汚染対策法上の区域変更などを環境局に届け出た上で終了としたいと考えております。委員ご指摘のとおり、モニタリングの結果では、三分の一で基準超過をしております。
こういったことに対しましては、今後、地下水の調査については、専門家会議から提言をいただいておりまして、当面、濃度が濃い、高いところを中心に四十六カ所を実施して、都民に的確な情報提供を行ってまいりたいというふうに考えております。
○尾崎委員 ホームページには、疑問解消BOOKのほかにもQアンドAがあります。
ちょっとこれはパネルではないんですけれども、(資料を示す)このQアンドAでは、その対策を行えば、土壌や地下水はきれいになるのでしょうかという質問に対して、実験では、全ての処理方法で汚染物質を環境基準以下に処理できることをデータで確認しました、したがって、この技術を用いれば、豊洲新市場予定地を無害化することが可能ですとなっているんです。この判断は、今も変わっていないのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 平成二十年度当時は、専門家会議や技術会議の提言に加えて、二十二年一月から七月にかけて、現地において行われた汚染物質の処理に関する実証実験を行っております。こういった中で、土壌処理や地下水浄化を実施した十八地点では、全ての地点で、土壌、地下水とも、環境基準以下に浄化が確認されております。
こういったことで、当時は、汚染物質は除去可能というふうに考えていたということでございます。(発言する者あり)現在につきましては、実際、まだ高濃度の汚染が確認されておりますので、関係局長会議などでも議論していただいた中で、新たな方針に基づいて豊洲市場用地の安全確保に努めていきたいというふうに考えております。
○尾崎委員 無害化することはできないことは、もうはっきりしているんじゃないでしょうかね。無害化すること、間違った情報提供になっているといわなくちゃならないわけですよ。この点についてはどうですか。
○吉村企画担当部長 先ほど来ご答弁させていただいておりますけれども、これまでの議論の中で、かつて無害化を達成することが大きな課題となりまして、さまざまな対策を行ってきたと、それについて、ホームページ等で情報発信を行ってきたというふうに認識してございます。
また、その後、昨年の移転延期後、さまざまな土壌汚染対策の状況の検証であるとか、それから地下水のモニタリングの状況、専門家会議の状況などについては、随時ホームページ、これも先ほどご答弁申し上げたとおり、トップページからわかりやすく到達するような形で情報発信をさせていただいているところでございます。
その上で、今回、七月にありました関係局長会議の中で、無害化にかわる新たな方針というものを定めたところでございます。これに基づいて、今後、対策を講じていくという段階でございます。
こういう形で、取り組み目標を変更した段階でございますので、その点については、現在のホームページからわかりやすく発信しているところでございますけれども、過去のものも含めて整合がとれるように対応していくということが必要かというふうに考えてございます。
○尾崎委員 まだあるんですよ。これもQアンドAですけれども、土壌汚染対策のところには、こう書いてあるんです。現在回答について調整中ですと書いてあるんですよ。
最も肝心な土壌汚染対策について、なぜ回答を記載しないのか、伺います。
○有金渉外調整担当部長 先ほど来ご答弁させていただいていますけれども、過去、そういうことを決めたときの内容が、一部そのまま残ってしまっているという状況は確かにあるかと思います。
新しい情報は、随時トップページの方でわかりやすく発信をしているところでございますが、過去の部分について、まだ見直しが徹底されていないというところはあるのかなと思いますので、そこにつきましては、今後、早急に見直しをして正しい情報を発信できるように努めてまいります。
○尾崎委員 正確な情報を掲載する、情報発信が大事だというのであれば、すぐに訂正すべきですし、盛り土がないことが明らかになったのは一年前、もう一年以上になるんですよ、明らかになってから。
都民に正確な情報が提供されていないこんな状況で、補正予算案を通してよいと思っているのか、伺います。
○有金渉外調整担当部長 これまでも、新たな取り組みにつきましては、随時ホームページの方には更新をしてまいりました。
また、新たな方針が出ましたので、今後、都民見学会の充実でありますとか、対策工事の内容や新たにこれから測定いたします各種データ、そういったものも、どんどん新たにホームページの方に掲載をしていくということです。
そういう新たな取り組みを進めていくために必要な補正予算という形で今回計上させていただいておりますので、それをいただきましたら、速やかにその予算を活用して対応をしていきたいと考えております。
○尾崎委員 こういう状況を放置していたことが、いかに都民の信頼を失ってきているのかという自覚が足りないんじゃないかなと思ってしまいます。
ホームページを使って正確な情報を発信するということは、補正予算案の前提です。都民、市場関係者は、これでは納得できない、こう思います。ここの点は、厳しく指摘をしておきます。
次に、追加対策について伺います。
地下水管理システムの強化について、二十五日の経済・港湾委員会では、地下水管理システムが、A.P.プラス一・八メートルに管理できないことが明らかになりました。まだまだ疑問点がたくさんありますので、一つ一つ明らかにしていきたいと思っています。
地下水管理システムが本稼働してから十カ月もたっています。目標が達成されていない責任の所在はどこにあるのか、伺います。
○鈴木技術調整担当部長 先ほどご答弁しましたように、地下水管理システムについては、現在、井戸やポンプの目詰まり等で揚水量が十分に確保されていない状況にはございます。
これにつきましては、その揚水量の強化等について専門家会議の提言をいただいたところでございますので、まずは、その内容に基づきまして、機能強化に着実に取り組んでいくことが私どもの義務かと考えてございます。
○尾崎委員 私の聞いているところの質問にお答えになっていない、非常に残念なご答弁だと思います。
次に、液状化対策との関係で伺います。
地下水管理システムの設計は、液状化対策の前にやったのか、それとも後にやったのか、どちらなのか、伺います。
○鈴木技術調整担当部長 地下水管理システムの施工につきましては、建物の敷地周りにつきましては、液状化対策の後に施工してございます。それから、建物と重なる部分につきましては、液状化対策と並行して施工しているところでございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、建物の周りは液状化対策の前、建物の下は液状化対策やった後ということだと思いますが、昨年の十二月二日の市場問題特別委員会で我が党の曽根議員が、地下水管理システムについて、二〇一一年八月から二〇一三年三月までの間に、この部分について、土壌改良として圧密沈下対策、液状化対策を都は行っている、設計した日水コンは、こうした土壌改良による透水係数の影響についてちゃんと検証して導き出したのかとただしたときに、都は、液状化対策として実施した砂ぐいなどの施工をした後の透水係数を採用して、液状化対策を考慮して設計しておりますと答弁しているんですよ。
一方、市場プロジェクトチーム第二次報告書の九ページを見ますと、地下水管理システムの設計後に液状化対策が実施されているというふうにしか書かれていないんですね。これを読むと、一体じゃあどっちが正しいのかと思ってしまうわけです。
そういう点では、どういうふうにやったのかというのを、丁寧に、さまざまなところで明確にするということが必要だと思います。
追加対策である揚水井戸の洗浄、ポンプ交換、揚水ポンプの設置、観測井戸での揚水、真空ポンプによる揚水で、それぞれどのぐらいの機能強化が図れるのか、それぞれの揚水量について伺います。
○鈴木技術調整担当部長 各追加対策による揚水量につきましては、現在、設計中でございますが、全体については、一日当たりの揚水量が、最大で地下水管理システムの処理能力でございます三つの街区合わせて、一日当たり六百立方メートルを超えないことを前提として考えてございます。
なお、追加対策別の揚水能力でございますが、試算値ではございますが、三つの街区合計で、一日当たり最大、井戸の洗浄とポンプ交換で百から百六十立方メートル、地下ピット内の揚水ポンプ設置で二百八十から三百三十立方メートル、観測井戸からの揚水で二十から五十立方メートル弱と想定しているところでございます。
○尾崎委員 追加対策で、今、ご答弁があったように、地下水管理システム強化で、一日六百立方を超えない、いろいろ足していくと、私が試算すると一日五百六十トン引き上げるということになるわけですけれども、これは本当に実現できるのか疑問に思う点です。
そこで、幾つか質問をします。
地下水管理システムの排水量の目標は一日六百トンです。今回、資料要求で出していただいた資料の中で、目標の一日六百トンに達していない原因は何だと思いますか。
○鈴木技術調整担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、井戸やポンプの目詰まり等で揚水量が十分に確保されていない状況にございます。
○尾崎委員 揚水量が確保されていないというのは、数字を見ればわかるんですよ。その原因は何かと、どうしてそうなっているのかということを聞いたんですよね。
排水量の目標計画は一日六百トンですよね。実際には、最新の排水量は、全街区稼働している日で、八月十八日を見ますと一日六十トンです。目標の一〇%です。単純に考えると、現在の十倍以上、井戸をふやさないと目標の揚水量六百トンにはならないと思いますが、いかがですか。
○鈴木技術調整担当部長 現状を踏まえまして、専門家会議にも相談しながら、追加対策といたしまして、揚水井戸の洗浄やポンプ交換、揚水ポンプの設置、観測井戸からの揚水、真空ポンプによる揚水等、そういったさまざまな施策を組み合わせながら地下水管理システムの揚水機能の強化が図れると、そのように考えてございます。
○尾崎委員 今回提案されている地下水管理システムの機能強化で、先ほどご説明があったように一日五百六十トン、そのうち揚水ポンプの設置だけで一日二百八十トンから三百三十トンの揚水量というふうになっています。
機能強化して五百六十トン引き上げるということですが、その半数以上が、地下ピットの中につくる揚水ポンプの設置によるものだというふうに見られるわけですけれども、この地下ピット内に揚水ポンプを設置する、具体的にはどういうふうに設置をするのか、形状などについても詳しく説明をしていただきたいと思います。
○鈴木技術調整担当部長 今回、機能強化の一環として実施する地下ピット内の揚水ポンプの新設では、A.P.プラス一・五メートルの位置に揚水ポンプを新たに設置することとしてございます。
なお、詳細な形状や配置等については、現在設計中になってございます。
○尾崎委員 どのようにということでは、設計中だということですけれども、地下ピット内につくる揚水ポンプの断面図なども出ているわけですけれども、見てもよくわからないんですよね。
地下ピット内に釜場をつくるのかどうかだけ伺いたいんですが、どうでしょうか。
○鈴木技術調整担当部長 今現在、地下ピット下の強制排水でございますけれども、こちらが、今、仮設の釜場を設けまして、そこからポンプアップをいたしまして、排水を行っているという状況でございます。
新たに機能強化の一環として実施するピット内の揚水ポンプの新設では、釜場という表現はしてございませんけれども、本格的な釜場と同様の設備を設置いたしまして、その中に揚水ポンプを新設することで機能強化を図ってまいりたいと、そのような考え方になってございます。
○尾崎委員 ちょっと私、専門家じゃないのでよくわからないんですが、今の説明だと、釜場ではないけれども釜場のようなものって、ちょっと理解できないので、後ほど詳しく教えていただきたいと思います。
釜場のようなものをつくるとなると、地下ピット内の床にコンクリートを敷くっていう意味が全くなくなるんじゃないかという疑問も新たに出てくるわけです。
ちょっとお聞きしたいんですけれども、排水量を見ると、強制排水をするようになって、地下水管理システムによる排水量が減ってきているんです。
これ、グラフにしてみました。青いのが強制排水です。赤いのが地下水管理システムで排水された量です。
十二月から強制排水を行ったわけですよね。十二月前は、そうはいっても地下水管理システムでの揚水量は七千六百十一トンあったんですよ、一カ月ですよ。それが二〇一六年十二月は強制排水が一カ月二万二百十一トン。一月にはさすがに少なくなっていくわけですけれども、この辺からは、二月からは、地下水管理システムからの揚水量よりも、強制排水からの揚水量の方が上回っているんですよ。それでも揚水量そのものは少ないわけですよね。
これについて、地下水管理システムの排水能力が低下している、こういうふうに思うわけですけれども、この原因は何でしょうか。
○鈴木技術調整担当部長 地下水管理システムの揚水井戸でございますが、井戸内にしみ出てくる地下水をポンプでくみ上げるというシステムになってございます。
昨年十二月の地下ピット内の強制排水以降、豊洲市場全体の地下水位が低下してきたことから、井戸内にしみ出してくる地下水量が少なくなってきていることが影響していると、そういうふうに考えてございます。
○尾崎委員 日本共産党都議団が建物下に盛り土がないことを明らかにしたのは昨年の八月二十五日ですけれども、私たちが、九月七日に豊洲新市場の現地調査を行って、地下ピットに水たまりを発見したわけですね。水たまりがあるということが発見されました。そして、これが大問題になって、強制排水をやるようになったわけですね。
今のご説明ですと、全体の地下水量が減っているということですけれども、地下の水位は一向に減っていないんじゃないんですか。
このように、月別の排水量で強制排水量と地下水管理システムの排水量を比較すると、排水量は強制排水量が上回っているのはどうしてでしょうか。
○鈴木技術調整担当部長 強制排水は、地下ピットの下の透水性のよい砕石層に設けられた釜場にポンプを設置いたしまして、そこから排水するものでございます。
地下水管理システムは、建物外周部に設置した揚水井戸からしみ出してくる地下水をポンプでくみ上げるものでございます。
このように強制排水と地下水管理システムでは、地下水を揚水する場所やポンプの設置状況などが異なることから、一概に比較できるものではないと認識しております。
なお、五街区につきましては、ことし一月以降、強制排水よりも地下水管理システムの排水量が上回っているという状況になってございます。
○尾崎委員 一本の井戸で水を引っ張る能力の範囲というのは、半径五メートルだといわれています。追加対策で井戸をふやすわけですよね。ただ、井戸の間隔が大きいので、水は集まらないんじゃないかというふうに心配もしているわけです。
排水量の目標が達成できないとなると、地下水位は高いままじゃないかなと思います。地下ピットからの強制排水をやめて床にコンクリートを張ると、地下水位が上がって、床のコンクリートを押し上げる危険性があると思います。土壌汚染対策の専門家からも疑念が出されています。
汚染物質の実態調査もせず、実証実験もせず、追加対策をやっても、地下水位をA.P.プラス一・八メートルで管理することが実現できないのは明らかじゃないでしょうか。
地下水位をA.P.プラス一・八メートルで管理することが、地下水管理システムの前提です。この前提が実現できないのであれば、追加対策は意味がなくなってしまうんじゃないかと思っています。
東京都はこれまで、地下水管理システムの設計は、百四十年間の降雨情報に基づいて設計している、集中豪雨や台風でも大丈夫だと、本稼働が始まれば水は下がる、いずれ下がるといい続けました。専門家会議は、水位が下がらないのは目詰まりの可能性といい出しましたが、二十五日の私の質問で、目詰まりを確認したことは明確に答弁できませんでした。
八月二十八日には、都の環境影響評価審議会第六回総会が行われ、環境アセスのやり直しは不要という結果になりました。盛り土がないことが明らかになったわけですから、アセスのやり直しが必要だと思います。
この審議会の結果には異議がありますが、審議会の中で、委員の方から、どうして地下水の水位が高いのか、この工事をすることで本当に下がるのかという疑問が出されました。
また、別の委員からは、今回示されている対策で、初期の水位レベル、A.P.プラス一・八メートルに抑えることができるんだという根拠が、この資料からやはり見えてこない、専門家会議ではお墨つきを得ているという説明ではあるが、では専門家会議で、どのようにシミュレーションなりに基づいて定量的に評価したのか、その結果、これで十分なのか、もう少し根拠を示さないと、事業者の方も含めて都民の皆さんに追加対策をやっていくので大丈夫だと説明したとしても、本当に大丈夫なのか、なかなか不安の払拭にはならないと感じていると指摘もされているんです。私もそのとおりだと思います。
しかも、市場プロジェクトチームの第二次報告書では、豊洲市場では、広い敷地を有する街区の周囲を矢板で遮断する工事を行い、敷地内では液状化対策が行われて地下水の流動性が制約される、このような敷地で地下水管理が行われた例はなく、地下水管理システムの設計も、機能強化対策を実施する業者も、契約において、地下水位をA.P.プラス一・八メートルに維持という性能を保証していない場合には、地下水位がA.P.プラス一・八メートルを超える場合の対策もあらかじめ考えて対処するPDCAサイクル、企画立案、実施、評価、改善への反映を組み込んでおくことが有用であるとしました。
これは、地下水管理システムで地下水位をA.P.プラス一・八メートルにすることを放棄する内容になっているんじゃないでしょうか。地下水管理システムについて、今までの説明、答弁が次々崩れています。
ところが、この問題でも謝罪の言葉を聞いたことがありません。追加対策で機能強化が必要だということは、約束した目標が達成できていないこと、説明、答弁に多くの誤りがあったことをきちんと認め、謝罪すべきですが、いかがでしょうか。
○鈴木技術調整担当部長 地下水位がまだ高い現状を踏まえまして、専門家会議でもご相談をいただきまして、必要な機能強化策を提言していただいているところでございます。
まずは、こうした専門家会議の提言に基づきまして、必要な追加対策を着実かつ確実に実施いたしまして、速やかに地下水位を下げられるよう、努力してまいりたいと考えてございます。
○尾崎委員 専門家会議の提言だからというご答弁ですけれども、私もこの間、何度も何度も繰り返し要望もしてきました。実証実験はやるべきじゃないでしょうか。実証実験もやらない、専門家の提言をそのまま受け入れる、それで都民や市場関係者は納得できるんでしょうか。
目標が達成できない理由を、目詰まりだとか、液状化対策したからだとか挙げていますけれども、そもそも設計ミスだったのではないでしょうか。いかがですか。
○鈴木技術調整担当部長 揚水量が十分に確保されていない状況といたしまして、目詰まりを挙げさせていただきましたが、そのほかの要因といたしまして、先ほどこれもご答弁させていただきましたが、井戸内にしみ出してくる地下水をポンプでくみ上げる揚水井戸のシステムであることから、地下水位の低下に伴い、井戸内にしみ出してくる地下水量が少なくなること、そういったことが影響していると考えてございます。
また、加えまして、砕石層におきまして水の流れやすさを示す透水係数を確認するため、現場で試験を行った結果、当初想定していた透水係数よりも低かったことも要因の一つと考えてございます。
こういった現場での幾つかの確認事項、そういったことを踏まえたデータをもとにいたしまして、地下水管理システムの機能強化策を着実に実現できるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
○尾崎委員 設計ミスではないということで、今るる説明がありました。今回、機能強化するといいますけれども、一日六百トンという排水能力は、もともとの計画と変わらないものです。
最新のデータで、地下水の水位は二十一カ所の観測井戸で二・八メートルです。A.P.プラス一・八メートルの目標達成には、一メートル下げる必要があります。豊洲新市場の敷地は四十ヘクタール、すなわち四十万平方メートルだから、一メートル下げるには四十万トンの排水が必要になってきます。
全く雨が降らない、そして六百六十六日、それだけでおよそ二年間かかってしまいます。実際は、その間に雨は降ります。台風も来る。集中豪雨や長雨も来ます。
仮に皆さんや専門家会議がいうとおり動いたとしても、一・八メートルの目標水位達成まで二年以上かかるということになりますけれども、この点についてはいかがですか。
○鈴木技術調整担当部長 先ほどのご指摘の中にございました、四十ヘクタールの土地の地下水位を一メートル下げるためには四十万立米だという数字をお話しされていたかと思いますけれども、地下水につきましては、土の間隙の中に存在する地下水量を引き上げる場合ということでございますので、有効間隙率という考え方がその中に入っていないのではないのかなというふうに、私としては認識いたしました。
そういったことも踏まえまして、現状の状況を踏まえた上で地下水管理システムの機能強化に取り組み、地下水位の着実な低下に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
○尾崎委員 今ご指摘がありましたけど、有効間隙率を踏まえると、どのぐらいの時間があれば達成できるのか、伺います。
○鈴木技術調整担当部長 現在の豊洲の市場用地におけます有効間隙率、それから先ほど申し上げました砕石層の透水係数、そういった科学的なデータを、私どもとしては設計段階で分析しているところでございまして、そういったことに基づきまして、専門家会議ともご相談しながら、地下水位の着実な低下に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〔傍聴席にて発言する者あり〕
○伊藤委員長 傍聴人、お静かに願います。
○尾崎委員 今のご答弁では、納得できる人はいないんじゃないかなと思いますよね。明確に答えられるようにならなければ、追加対策してもどうなるかわからないんじゃないかなと思ってしまうわけですよ。
私たちは、当初から、昨年の経済・港湾委員会の集中審議のときから、地下水管理システムは既に破綻していると指摘してきました。機能が破綻しているものを幾らふやしても、機能強化にはならないんです。だからこそ、きちんとした実証実験やって、都民や市場関係者、みんながわかるような説明がなければ納得できないんですよ。
次に、コンクリート打設について伺います。
八月二十五日の質疑で、地下ピットの床にどのようにコンクリート打設を行うのかということがわかりました。六メーター四方で目地をつくり、目地にひびを集中するということでしたが、水圧のことは考慮しているのか、伺います。
○吉野建設技術担当部長 床面のコンクリートの水圧への耐性につきましては、仮に地下ピット内に地下水が最もたまった昨年十二月の水位になったとしましても、コンクリートが浮き上がらない厚さとなっておりまして、基本的に水圧によるひび割れは生じないというふうに考えております。
目地上部のシール材については、状況をチェックし、必要があれば補修をするということになります。
また、地下ピット内に地下水が上がらないよう、地下水管理システムの機能強化を図ることとしておりまして、床面のコンクリートに水圧がかかる状況にはならないというふうに考えております。
○尾崎委員 水圧をどのぐらいと試算したのか、伺います。
○吉野建設技術担当部長 床面コンクリートにかかる水圧の検討に当たりましては、先ほど申しました地下ピット内に最もたまった水位が砕石層の上端から約三十センチであったことから、床面コンクリートにかかる水圧につきましては、その水量をもとに試算し、平方メートル当たり三百キログラムといたしました。
○尾崎委員 追加対策でコンクリートを打設しても、土どめをしただけの擁壁では、コンクリートの床と構造物の一体化はできないと思っています。水圧による浮きや破損が生じ、常に補修工事が必要になると思います。また、ピットの外周も壁ではなく土どめ壁を置いているだけなので、コンクリートを打設しても気密性がなく、地下水や地下の有害物質の浸入は妨げられません。
二十五日の経済・港湾委員会でも厳しく指摘しましたけれども、今回の質疑を通じても、ますます、追加対策は大きな傷口にばんそうこうを張るようなものにすぎないといわなければなりません。
換気についてですが、今後の換気について、給気、排気とも機械設備で行い、給気量と排気量が同じになるようバランスをとりながら風量調整を行うということでしたが、具体的にはどのようにするのか、伺います。
○吉野建設技術担当部長 追加対策で行う換気は、給気、排気とも機械換気設備で行い、給気量と排気量が同じとなるように、ダクトの中にございます風量調整ダンパーにより空気量を調節し、バランスをとりながら風量調整を行います。
○尾崎委員 広い地下ピット内で換気と給気、換気と排気のバランスをとるというのは容易ではないと思っています。また、都はこれまで、換気をすれば空気中の水銀濃度は下がると説明しましたが、換気は効果があるとこの間も答弁してきました。
しかし、これは七街区管理施設棟です。(パネルを示す)一階の空気中濃度の変化を見ると、地下で換気を行った後に、一階でベンゼンの濃度、屋外のベンゼン濃度が上昇しています。
なぜ一階、屋外でのベンゼン濃度が上昇するのか、伺います。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議では、空気測定を実施した管理施設棟を含む主要四棟の一階部分の換気は、外気を建物内に取り込む仕組みとなっていることから、一階部分と外気の濃度が同程度の濃度となっていると評価されております。
ご指摘の管理施設棟一階及び屋外のベンゼン濃度が上昇したことについては、同じ時期に測定された都内の一般環境大気中のベンゼン濃度も上昇しており、市場内と同じ傾向にあることから、専門家会議では、都内の一般環境大気中の濃度上昇による可能性が高いものであろうと見解が示されております。
○尾崎委員 一般大気中のベンゼンも上昇しているということですけれども、豊洲新市場の、測定していたときは、車はほとんど走っていない状況です。可能性が高いということなら、長期的な調査、そして上昇する原因についても検証する必要があるというふうに思っています。
七街区の管理棟は、ほかの地下ピットとは違い、地下室になっているんですね。床と壁にも三十センチ以上の厚みのコンクリート仕様になっているんです。それでも、一階のベンゼン濃度が上がると屋外のベンゼン濃度が上昇するという状況が、先ほど示しましたパネルでも明らかになっているわけです。
土壌汚染対策の専門家に私たちは話を聞きましたけれども、換気によって地下ピット内が減圧になり、かえってピット内や一階建物外周部のガス濃度を高めるということも話していました。
地下ピット付近に高濃度の地下水が移動した場合は、地下ピット内の空気はさらに危険になるんです。土壌汚染対策の専門家は、地下ピットの換気はしてはならないとまでいっているんです。換気と排気の両方を行うということですが、広い地下ピットの中です。バランスが本当に保てるのか疑問です。
地下に汚染物質が残っている状況ですから、そのところはきちんと実証実験をやるべきだし、一〇〇%安心・安全といえない状況であることがはっきりしているんじゃないでしょうか。
次に、緑地のベントナイト層について質問します。
地下水位は高い状況が続いています。八月は例年より雨が多くなりました。東京都は、雨水については、道路の舗装部は一五%、緑地部は八五%の雨水が浸透すると試算しています。
雨水が浸透した場合は、舗装部の地下では盛り土の中位部分に、中ぐらいの部分ですね、設置された雨水管に集中され、緑地部に浸透した雨水の場合には、砕石層、ベントナイト層が盛り土の中ぐらいに設置されているわけです。雨水がそれよりも深く浸透することを抑制できるような設計になっているわけです。しっかり機能していれば、盛り土内に地下水がたまり、観測井戸の水位が二メートル以上に上がることはありません。
しかし実際は、これも実現できていないのです。私はこのことについて昨年の十二月の市場問題特別委員会でも質問しましたが、不明な点もあったので改めて質問したいと思います。
第四回土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会が示した概略図によると、緑地部では、浸透した雨水は雨水浸透抑制施設により集中させ、下水道、汚水管へ排水されるとなっています。
実際には緑地部分の地下水は下水道へ排水となっているのか、伺います。
○佐藤施設整備担当部長 本件のご答弁の前に、先ほど尾崎理事よりご質問あった件の総括で、七街区の管理施設棟について触れておられましたが、お話のとおり、管理施設棟の地下部分は、砕石層が露出しているようなものとは異なり、コンクリートの壁及び床で囲まれており、かつ給排気を機械換気してございます。
したがいまして、一階、それから外気同様、給排気を引いてきておる外部要因に大きく左右されているので、一階の数値同様、地下の部分の空気が外気に左右されるということを申し添えたいと存じます。
それで、ただいまのご質問の答弁でございますが、雨水浸透抑制施設につきましては、おっしゃるとおり雨水浸透量を低減する目的で、敷地外周部の主な緑地に設けられてございます。ただ、離れ小島のような緑地につきましては、必ずしも設けていない箇所もございます。
この施設については、水を通しにくいベントナイト層の上に穴のあいた集水管を敷設して、その上に砕石層をかぶせまして、さらにその上に土を盛っておるところです。
土にしみ込んだ雨水につきましては、この雨水浸透抑制施設が敷設されているところはその集水管により集水をして、これを横引いて、汚水として公共下水道に排水することとしております。
○尾崎委員 今、七街区のお話ありましたが、やはりこのグラフといいますか、見ると、ここで換気をしているんですね。換気をしても、地下も一階も屋外も上がっていくんですよ。答弁はいいです。後ほどできれば詳しく説明していただければと思います、時間もなくなってきていますので。
そこで、下水道に排水する前に、水質については検査をしているのか、伺います。
○佐藤施設整備担当部長 先ほどのご質問、雨水浸透抑制施設に関しましては、特段の水質の分析等は行ってはございません。
○尾崎委員 先ほどベントナイト層の役割などもお話ありましたけれども、地下水位が高いので、そうはいっても地下から上がってくる可能性も考えられるわけですね。ですから、ぜひ水質の調査をきちんと行っていただきたいというふうに思います。
そこで、緑地の下の盛り土、ベントナイト層の高さは幾らでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 ご質問のベントナイト層につきましては、街区により異なりますが、A.P.プラス四・一から五・六メートルを底面といたしまして、三十センチメートルの厚みで施工されてございます。その上に、先ほど申しました砕石層五十センチメートルが設けられており、さらにその上に盛り土が重なっております。
なお、この盛り土の上面は、これも各街区により異なりまして、五街区でA.P.プラス八・〇メートル、そして六、七街区におきましては、A.P.プラス六・五メートルとなっております。
○尾崎委員 私も土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会などで、概略図が示されているのは見ているんですが、いろいろ調べても詳細がわかるものが見つからないんです。
地下水管理システムが機能していない原因を分析する上で、緑地部下、舗装部下に雨水が浸透した場合の仕組みをどう考えて設計したのか、施工したのかは、具体的な資料に基づいて、分析、検討を進めるべきだと思っているんです。
ただいまご説明ありましたけれども、ベントナイト層については、底面が街区ごとによって違うというご説明でしたので、後で街区ごとの資料などもいただきたいというふうに思います。そして詳細な図面、施工写真をぜひ提出していただけますようお願いしたいと思います。
次に、補助三一五号線の追加対策について伺います。
先ほどもご質問があったので、質問は避けます。それで、すき間を埋めるような対策をするというご答弁が先ほどありました。
しかし、補助三一五号線の下というのは、汚染物質が掘削できずに残っている場所、液状化対策も一部できないで残っているということが、この間の経済・港湾委員会の私の質問でも、残っているということを東京都は認めているわけです。
今回の対策で、念には念を入れた対策だというふうにしていますけれども、地震が起これば確実に危険になるということは、はっきりしているんじゃないかと思うんですね。追加対策で、安心・安全を担保できない、地震があったらどうなるかわからないということがはっきりしているわけですから、この点は厳しく指摘をしておきたいと思います。
次に、地下水モニタリングについてです。
八月三十日の本会議質疑で、我が党の曽根議員は地下水調査の結果について、地下水から環境基準を超える有害物質が検出されたということは、豊洲新市場用地の土壌や地下水に汚染物質が残っているということをはっきり示していると思うがと知事の認識をただすと、知事は、専門家会議では、地下水管理システムの稼働によって残存していた汚染地下水が移動した可能性や、局所的に土壌汚染が残存した可能性等があるとしていると答弁しました。
二十五日の経済・港湾委員会でも本会議でも、専門家のもとで、四十六カ所で地下水の調査を行い、これにより市場用地全体の地下水質の傾向を把握していくと答弁されました。
しかし、地下水管理システムによって汚染物質が移動した可能性がこれまでもあるのであれば、今後も二百一本全てで二年間のモニタリングを行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○伊藤委員長 答弁の前に申し上げます。
尾崎理事におかれましては通告時間を大幅にオーバーしておりますので、ご協力をお願い申し上げます。(尾崎委員「そんなことないでしょう、じゃ、何時までですか」と呼ぶ)三十六分までです。(尾崎委員「だって三時五十五分から始めたんですよ」と呼び、その他発言する者あり)百分の通告をいただいておりますので、五時三十六分までです。ご自身でご通告された時間ですのでお守りください。
○尾崎委員 まだまだ疑問の点がたくさんありますが、特に市場関係者との合意がされていないという中で、強引に進めることは許されないということを一言申し上げて、補正予算については撤回することを求めて、質問を終わります。
〔ひぐち委員「都民ファーストの会……」と呼ぶ〕
○伊藤委員長 挙手をしてからお願いします。
○ひぐち委員 都民ファーストの会、ひぐちたかあきです。
まず初めに、本補正予算に計上されている築地の再開発に向けた検討に関連して、豊洲市場の千客万来施設と築地再開発との関係について質問いたします。
六月二十日、知事の基本方針、築地は守る、豊洲を生かすに従って、本臨時会では、豊洲市場の条件整備のための補正予算とともに築地再開発の検討予算二千万円が計上されています。
豊洲市場では、千客万来施設を建設してにぎわいを創出するとともに、中央卸売市場が移転する中央区では、場外市場の方々とともに、築地市場移転後の構想をつくってきました。
平成二十三年十一月一日、矢田中央区長が石原都知事に提出した要望書には、移転整備の結論を区としても厳粛に受け入れ、あわせて、市場と場外市場が一体となって築いてきた活気とにぎわいを引き継ぎ発展させた新しい築地をつくることができるよう、区の総力を挙げていく、築地のまちの魅力を市場移転後も継承していくために、市場の跡地の一部に食文化継承の核となる施設を整備し、場外市場地区とともに築地の食文化の拠点として活気とにぎわいを確実に将来に引き継いでいくことなどが書かれています。
また、同じくこの要望書では、本区は、場外地区の区有地を活用し、食文化の拠点となる施設の先行整備を目指している、これに加え、市場内の勝どき門駐車場などの施設を活用させていただき暫定営業用の仮設店舗を速やかに整備するなどの対策が必要と考えており、これについて特段の配慮をいただきたいとし、これが現在の築地魚河岸の建設につながっています。
さて、ここで都の見解をお伺いします。
中央区が、築地市場が豊洲に移転した後に、市場の跡地の一部に食文化継承の核となる施設を整備し、場外市場地区とともに築地の食文化の拠点として活気とにぎわいを確実に将来に引き継いでいくことを要望し、実際に築地魚河岸を建設した経緯についての認識を伺います。
○長嶺財政調整担当部長 平成二十三年十一月、中央区から、跡地全体の土地利用計画に関する協議や、築地の活気とにぎわいを市場移転後いっときも途絶えさせないために、中央区が行う対策への特段の配慮などについてご要望をいただいております。
また、中央区が築地魚河岸を整備いたしまして、平成二十八年十一月にプレオープンしたこと、経緯とともに承知しているところでございます。
○ひぐち委員 つまり、新しいことではなく、都は既に認識していた、募集要項の時点でも前提にしていたということがわかりました。
現在、築地に参りますと、中央区の築地魚河岸だけでなく場外市場の経営者の方々が、市場移転後も築地の伝統を守り抜くという気持ちで商売をされている光景に出会います。
このことを考えますと、知事の基本方針である築地は守る、豊洲を生かすは、新しいことではなく、既に中央区や場外市場の方々がかねてから要望し、実際に行っておられる方向と基本的には同じであると考えられます。
築地再開発がどのような姿になっていくかは、本補正予算に計上されている築地再開発の検討にて進められていくものと考えます。その検討の中で、築地再開発の内容が中央区築地魚河岸と連動したものになるにせよ、それは築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるという、現在行われている場外市場の方々の営業努力が中心となります。
これまで中央区や場外市場の方々は、築地市場が豊洲に移転した後、築地市場の用地を含めて築地をどのように開発するか、知恵を絞ってこられました。そして、現在の千客万来施設事業の募集要項が公表された平成二十七年九月の時点で、これらの動きは、東京都も千客万来施設の事業者も、誰もが知っている事実でした。
これらの築地の皆さんの状況を踏まえれば、築地再開発は、新たな要素が加わったというより、これまでの中央区や場外市場の方々の努力を拡大したものであるというべきであると考えます。
そこでお伺いします。
知事の基本方針にある築地再開発は、築地市場の豊洲移転後も、中央区が築地魚河岸をつくり、場外市場の方々が築地を発展させようということの延長にあるものであって、全く新しい要素が追加されたものではないと考えますが、都の見解を伺います。
○吉村企画担当部長 中央区が整備しました築地魚河岸は、築地市場が豊洲に移転した後も、築地の活気とにぎわいを将来に向けて継承することを目的とした施設であると承知してございます。
築地の再開発は、食文化、浜離宮、水辺といった築地エリアが有するポテンシャルを引き続き活用して、多様な観点からまちづくりを検討し、経済合理性を確保しつつ、民間主導で進めていくこととされております。これは築地のロケーションを最大限に生かし、東京のさらなる成長につなげていくためのものと認識してございます。
今後、築地再開発検討会議を設置し、築地の地域特性やポテンシャルなどから検討をスタートさせることとされておりますが、その中で、築地魚河岸や場外市場との関係も含めて検討し、開発コンセプト等を具体化していくこととなると考えてございます。
○ひぐち委員 都としては、築地の再開発は、募集要項になかったものが付加されたということではなく、これまでの中央区や場外市場の努力を踏まえて検討を進めていくということだとお伺いしました。
では、次に、千客万来施設事業の経緯についてお伺いします。
仄聞するところによりますと、千客万来施設の事業者である万葉倶楽部が、市場移転に関する東京都の基本方針が年内に具体化しなかった場合、事業から撤退して、東京都に損害賠償を求めることを検討しているとのことです。
まず、経緯を確認させていただきます。
平成二十七年九月、千客万来施設事業契約条件書によりますと、東京都と事業者は、一、事業用定期借地権設定契約のための覚書を締結する。二、事業計画を策定する。三、事業用定期借地権設定契約を締結する。四、保証金を都に納付する。そして、五、事業用定期借地権設定契約の締結日から契約期間満了日まで貸付料を都に納付することになっています。
ここでお伺いします。
六街区の千客万来施設は、東京都と万葉倶楽部株式会社との間には既に基本協定が締結されていると思いますが、それはいつでしたでしょうか。また、東京都と事業者との間の手続は現在どこまで進んでいますでしょうか。覚書は締結されていますか。事業用定期借地権設定契約は締結されていますか。それぞれ伺います。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都と事業者であります万葉倶楽部の間におきまして、平成二十八年六月二日に基本協定書を締結したところでございます。
また、事業用定期借地権設定契約のための覚書等の契約につきましては、豊洲市場への移転延期を踏まえまして、事業者である万葉倶楽部が建設工事の着工を延期して現在に至っておりますため、締結をしていない状況でございます。
○ひぐち委員 では、ここで法律的に考えを整理したいと思います。
そもそも協定書は、東京都の義務と事業者の義務双方を規定する性格のものです。
平成二十五年八月、千客万来施設事業募集要項では、1、千客万来施設事業の背景に続いて、整備目的として、築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるとともに、市場本体施設と連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで、豊洲市場の魅力を高めつつ、地域の活性化に貢献しますと書かれています。
東京都は現在、豊洲市場の開場に向けて本臨時会に補正予算を計上するなど、全力を挙げています。東京都は協定書の責務を着実に果たしつつあり、千客万来施設の事業側も協定書のとおり、豊洲市場の開場とともに、ぜひ千客万来施設を開設していただきたいと考えます。
事業者の方も協定書に従って事業を進めようと考えておいでであるとは思いますが、もし仮にですが、築地再開発によって事業が競合することをもって経営が成り立たなくなるおそれがあることを理由に、事業からの撤退と東京都への損害賠償を検討していると仮定して考えてみたいと思います。
法律的には、契約条件書の7、損害賠償では、基本協定などの当事者が、基本協定などに定める債務の履行に関して、基本協定などのほかの当事者の責めに帰すべき事由により損害をこうむった場合には、その損害につき、当該当事者に対して、賠償を請求することができると書いてあります。
なお、基本協定などとは、募集要領、提案書など、基本協定、事業用定期借地権設定契約及び事業契約をいいます。
契約は双務的なものであり、これは東京都の責めに帰すべき事由により事業者が損害をこうむった場合には東京都が事業者に対して、また、事業者の責めに帰すべき事由により東京都が損害をこうむった場合には事業者が東京都に対して、その損害を賠償するよう請求することができるという趣旨であります。
損害賠償については、一、損害が発生していること、二、その損害が基本協定などに定める債務の不履行との因果関係があること、三、債務の不履行について、責めに帰すべき事由があること、すなわち損害、因果関係、責任の三つが要件となっております。
ではまず、損害についてですが、何が考えられるでしょうか。
千客万来施設への応募に要する経費は、応募者の負担ですから、これは問題にはなりません。
まだ定期借地権設定契約も締結されていない事実から、工事も始まっていない。となると、今考えられる経費は、基本協定締結後これまでの準備経費ということになります。これは経費であって、いまだ損害と評価されるものではありません。
次に、築地再開発とこれらの経費が損害であるとして、その因果関係についてです。
募集要項には確かに、飲食店舗、物販店舗への当初の入居者は、築地場外市場事業者等を含め、広く周知した上で選定することとしますとありますが、これを行うのは事業者です。
また、既に述べたとおり、千客万来施設事業の募集の段階において、中央区や場外市場の方々は、築地市場が豊洲に移転した後も、築地魚河岸を中心に、築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるべく努力されていました。現在もそうです。しかし、豊洲に店を出そうとする方々もいらっしゃるでしょう。
いずれにしましても、呼びかけを受けた上でどうするかを決定するのは、場外市場などの経営者の方々です。東京都が決められることではありません。
募集要項の築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるとともに、市場本体施設と連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで、豊洲市場の魅力を高めつつ、地域の活性化に貢献しますという文言は、築地再開発をしないとか、中央区や場外市場の方々の努力を応援しないなどという債務を東京都が負っているわけではありません。
私は、築地市場が豊洲に移転した後に、東京都として築地を再開発することが、東京都が損害賠償責任を負う、責めに帰すべき事由に該当するとは考えておりません。
一方で、募集要項や協定書にあるように、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで、豊洲市場の魅力を高めつつ、地域の活性化に貢献していただける環境づくりをともに進めていくことは、まさに共通認識であると考えています。
すなわち、豊洲は豊洲ならではのにぎわいがあり、築地は築地ならではのにぎわいがある。いずれも東京の発展に寄与していくものであると私は考えております。
そこで質問いたします。
千客万来施設事業基本協定書に照らし、東京都が築地再開発をしないことや、築地再開発が中央区や場外市場の方々の努力を応援してはならないということが、基本協定書などによって東京都の債務になっているのか、法律的な観点から、東京都の考えを明確にしていただきたい。お答えください。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都は、千客万来施設事業の事業者である万葉倶楽部との間で基本協定書を締結いたしまして、豊洲のにぎわいを早期に創出するための準備を事業者とともに進めてきたところでございます。
この協定は、豊洲市場の千客万来施設に係る基本協定でございまして、その目的でございますけれども、築地特有の貴重な財産であるにぎわいを継承、発展させるとともに、豊洲市場本体施設、これは豊洲市場施設の本体でございますけれども、本体施設と連携し、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出すことで、豊洲市場の魅力を高めつつ、地域のまちづくりや活性化に貢献することとされてございます。
その一方で、六月二十日の基本方針の発表の後に、築地の再開発に関しまして、事業者である万葉倶楽部の方から、食のテーマパークといった記述があるといったことから、築地再開発の動向について、その内容あるいは方向性に特に関心を示されまして、より詳細な説明を求められている状況でございます。
東京都といたしましては、引き続き事業者に対しまして、築地再開発の今後の進展状況を適宜説明するなど、誠意を持って対応いたしまして、委員ご指摘のところの基本協定、こちらは東京都と事業者である万葉倶楽部の間で今唯一取り交わされております法律的な関係でございますけれども、あくまでこれに沿って、千客万来施設が進むように努めていく所存でございます。
○ひぐち委員 基本協定書では、築地再開発について触れてはいません。豊洲市場の千客万来施設にかかわるものだということがわかりました。
市場当局と事業者の間の説明や交渉に日々ご苦労されているであろうことは推察いたします。
しかし、東京都と事業者の間では基本協定は既に存在しており、双方の債務を定めたものでもあります。そもそも、行政情報は公開されなければなりません。東京都と事業者それぞれが負っている債務がどのようなものであるか、都民に明らかにしていくべきだと私は思っております。
私は、豊洲市場の開場に向けて、東京都も、千客万来施設の事業者の方も、同じ思いで事業の成功を願っておられると思っています。
最後に、東京都は、豊洲市場の開場とにぎわいの確保のためにも、基本協定に基づき、千客万来の開場に向けて引き続き努力していただくことを要望して、私の質問を終わります。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後五時五十九分休憩
午後六時三十分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○のがみ委員 補正予算関連について質疑をさせていただきます。
市場移転問題に関する基本方針に基づき、市場移転に関する関係局長会議で示された取り組みを実現するための今回補正五十四億七千八百万円の内容について質疑をさせていただきます。
私からは、この開場に向けた移転準備に必要な経費二十五億円と、豊洲市場の使い勝手の向上に係る経費一千万円ですかね、あと債務負担行為も含めてですけれども、この二点について、それぞれに質疑をさせていただきます。
まず最初に、開場に向けた移転準備に必要な経費として二十五億円計上しております。これは先ほどの質疑にも出ましたけれども、少し角度を変えて質問させていただきたいと思っております。
引っ越し作業の再構築として三億円計上しておりますけれども、この中身について、どういう経費なのか、質問いたします。
○影山新市場整備調整担当部長 今回の予算案には、移転延期以降の変化を踏まえました引っ越し作業の再構築に必要な経費を計上いたしました。
具体的には、引越計画策定の基礎資料となる引っ越し時における周辺交通の影響調査に係る経費、移転全般を統括し、引越基本計画及び実施計画の策定を行う移転プロジェクトマネジメントに係る経費、さらには両市場における引っ越し作業の円滑化に要する経費などを計上しております。
○のがみ委員 今のご答弁で、引っ越しのプロジェクトマネジメント業務の委託などが主なものということでございました。
こうした業務委託は、前回、つまり昨年、二十八年の十一月七日に開場する予定だったと思うんですけれども、同様に行っていたものだと思いますけれども、前回の支出額についてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 補正予算に計上いたしました移転プロジェクトマネジメントと引っ越し時における周辺交通の影響調査につきましては、移転延期前と同様の業務委託でございます。
移転プロジェクトマネジメントの前回の支出額は、平成二十七年から平成二十八年で約二億円でありまして、引っ越し時における周辺交通の影響調査につきましては、平成二十七年で約八百万円でございます。
○のがみ委員 前回も同様に委託を行っていたということでございますけれども、結局、移転の延期によって引っ越し業務がなくなりましたよね。しかし、二億円のお金は相手方に支払われたということでございます。
そこの業者としては、さまざまなノウハウを蓄積していると思うんです。今回は、今までとは違った業者が、入札により委託になるかもしれません。そうすると、今までずっと蓄積してきたこのノウハウをなかなか生かすことは難しいのではないかと思います。
もし同じ業者ならば、それなりに蓄積したものがあるかもしれませんけれども、前回の委託したときの内容を少しでも今回の引っ越しで生かすべきだと私は考えるんですけれども、そうした前委託業者からの資料をもらったりとか、あるいはいろいろ相談に乗ってもらったりとか、そういうことはできるのかどうかちょっとわからないんですけれども、前回も二億円というすごいお金を計上していたわけでございますけれども、今回委託した内容は、今回の引っ越しで生かせるんでしょうか。このことについてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 前回行いました事業者の移設物量等の調査結果を活用して調査を行うなど、前回の調査の業務委託につきまして、今回の委託に反映してまいりたいと考えております。
○のがみ委員 この引っ越し業務というのは、全ての市場業者がたった四日程度の限られた時間内に荷物をまとめて移動しなければならないことですから、綿密な計画、時間帯をしっかり区切って、何月何日の何時から何時までどこどこというふうに、すごい綿密な計画、ひょっとしたらこれは夜中も徹して行われるのかもしれないんですけれども、そういうことが大事だと思っております。
また、周辺の道路混雑などにも配慮して進めていく必要があります。
去年であれば、築地から豊洲まで、まだ環二が公道になっていなかったので、そのままずっとフォークリフトとかターレなど、よくいっていましたがターレーダビッドソンみたいな感じで、ずっとみんなで進んでいこうみたいな、できたかもしれないんですけれども、今回、環二が公道になりましたよね。公道になることによって、ターレの中には、今築地の中でもそうなんですけれども、ナンバープレートがついているのと、ついていないターレがありますよね。
このナンバープレートがついていないターレは公道を走ることはできないんじゃないかなと勝手に思っているんですけれども、そういうフォークリフトとかターレの引っ越しの内容について、どういうふうにしていくのかについてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 短期間での引っ越しにつきましては、綿密な計画が必要となってございます。
前回の引越計画におきましては、築地市場における物量調査結果におきまして、引っ越しするフォークリフトやターレット等の台数を約二千六百台と見込むとともに、円滑な運搬や交通安全等の観点から、供用開始前の環状第二号線を活用することとしていたところでございます。
こうした検討結果を踏まえまして、フォークリフトなどの小型特殊車両が円滑に移設できるような引越計画を策定してまいります。
○のがみ委員 ナンバープレートがついていないターレはどうするのでしょうか。
○影山新市場整備調整担当部長 現時点で考えているのは、ナンバーがついていないのは公道を走れませんが、環状第二号線につきましては、まだ公道という扱いではないというふうに理解しております。
交差点を若干渡るんですが、そこのところにつきましては、今後検討の中ですが、前回の計画では、そこのところを閉鎖いたしまして、公道という扱いではなく、移動するということで考えてございますが、基本的には、ナンバーを取って、きちんとした車両ということで移動できればということで考えてございますが、さまざまな車両がございますので、引越計画のところできちんと詰めていきたいというふうに考えてございます。
○のがみ委員 築地から豊洲市場への引っ越し期間中も、生鮮食料品の流通のニーズがあると思います。
例えば、有名なおすし屋さんとか料亭とか、豊洲の引っ越しで、うちはおすしをつくれませんとか握れませんとか、料亭がお魚出せませんというふうになるとちょっと大変なことになると思うんですけれども、そうした生鮮食料品流通のニーズにどのように対応していくのか、お伺いいたします。
○白川事業部長 引っ越し期間中のニーズへの対応でございますけれども、仲卸業者によってさまざまであるというふうに考えられます。
具体的には、量販店や買い出し人の要望に応じて、引っ越し前に仕入れた商品をみずからの施設で保管し、引き渡しあるいは配送する、あるいは計画的に在庫を減らし引っ越しに専念するといったことが挙げられるところでございます。
また、売買参加者、買い出し人におきましては、補完的に他市場、ほかの市場で仕入れることも考えられるところでございます。
このようにさまざまな形でニーズに対応していくというふうに認識をしております。
○のがみ委員 ということで、この四日間の引っ越しの間も、高級なおすし屋さんで食べられると、また料亭でもお魚が食べられるということで認識したいと思っております。
また、四日間という限られた期間内でこの引っ越しを行うには、業界の協力がとても大事だと思います。強力な連携体制で進めていくべきと思いますけれども、このことについて見解をお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 先ほど先生から四日間という前提なんですが、前回の引っ越しの予定が四日間ということでございまして、まだ基本計画、実施計画はこれから策定の段階でございますので、期間につきましてはまだ決まってございません。
それでは、答弁でございますけれども、引っ越しにつきまして、業界と都で検討する組織といたしまして、新市場建設協議会のもとに平成二十七年四月に引越準備委員会を設置しております。
当委員会において、引越基本計画及び引越実施計画を策定する中で、業界調整を進めてまいります。
○のがみ委員 ぜひ緊密に連携をして、丁寧に対応していただきたいと思っております。
次に、豊洲市場の広報PR事業について何点かお伺いいたします。
補正予算として、これは一億円計上しておりますけれども、この経費の内容についてお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 一億円の経費の中身でございますけれども、風評被害を払拭していくためには、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実に実施するとともに、正確な情報をわかりやすく発信し、豊洲市場の安全・安心について都民や事業者の理解を得る努力を重ねていくことが重要だと認識しております。
こうした取り組みを進めていくための事業費として、今回計上しているものでございます。
○のがみ委員 豊洲市場の実態を正しく伝えていくということは、風評被害を払拭する上でも非常に重要でございます。
三十日の代表質問の中でも、この見える化というんですか、ホームページやSNSを通して大気や地下水の状況の数値の推移を示すとか、PRコーナーでの掲示や見学会のときに説明するなどの答弁をいただきました。
この広報PR事業の具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 具体的な取り組み内容でございますが、中身といたしましては、実際に豊洲市場を見ていただく見学会の充実、また対策工事の内容や各種観測データをインターネットやパンフレットなどで迅速正確に発信していく、また、市場まつりなどの各種イベント、こういった場所を活用いたしまして広報活動をしていく、こういったものが含まれております。
○のがみ委員 都が築地市場で設置していたいちばステーション、これは今、多分休眠状態だと思うんですけれども、このいちばステーションでこれまで何を行ってきたのかということと、また、現在どういう状況か--まあ休眠状態と--今後、どのような場所で事業を行っていくのかについて質問いたします。
○有金渉外調整担当部長 都では、市場関係者や都民の方々に、豊洲市場への移転の必要性や豊洲市場の概要につきまして理解を深めていただくことを目的として、平成二十五年九月に築地市場内に東京いちばステーションを設置して、積極的な情報発信を行ってまいりました。
東京いちばステーションでは、生鮮食料品の流通の仕組みや築地市場の歴史のほか、豊洲市場のジオラマ模型を展示するなどとともに、常駐スタッフが来館者への説明や質問に対応してまいりました。
移転の延期に伴いまして、平成二十八年十一月に休館するまでの約三年間におよそ十二万人の方々にご来場いただいております。
今回の補正予算案では、これまでの展示に加えまして、追加対策工事の概要などをわかりやすく解説した展示にリニューアルすることとしており、東京いちばステーションの運営を通じまして、情報発信の充実強化を図ってまいります。
○のがみ委員 今まで使っていた豊洲市場のジオラマ模型とかあるんですか。まだ残っているんですか。それとも新しくするのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 ジオラマは残っております。
○のがみ委員 この東京いちばステーションというのはいつごろから開始するのでしょうか。ちょっとこれは質問にはなかったんですけど、ごめんなさい。
○有金渉外調整担当部長 これまで、東京いちばステーションを開設してきたときにも、一応企画提案というような形で契約をして、開設してまいりました。
予算が成立した後には、これから仕様書を固めまして企画提案をさせていただいて、事業者を選んでいただくというような手続を考えておりますので、おおむね一カ月とか二カ月とか、なるべく早い時期に再開できるように取り組んでまいりたいと思っております。
○のがみ委員 このいちばステーションの運営により、ぜひ情報発信の充実強化を行っていただきたいと思います。
このほか、風評被害対策のためのDVD作成、あるいは地元のケーブルテレビなども活用して工夫していくべきだと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 風評被害の払拭に向けましては、さまざまなツールを活用いたしまして、正確な情報を積極的に発信していくことが重要だと認識しております。
まずは補正予算案に計上した事業につきまして、しっかりと取り組んでいくとともに、ご提案の内容についても検討してまいりたいと思っております。
○のがみ委員 広報PRというのは大変重要なので、ぜひ来年度予算を拡充していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
例えば、プロジェクションマッピングが今すごくはやっておりまして、結構いろいろな大学でこのプロジェクションマッピングを行っておりまして、私は葛飾なんですけれども、東京理科大の校舎を借りてこのプロジェクションマッピングを行っておりまして、多くの方々からとても好評なんですね。
そういった大きな建物の壁面を利用して、そういうところにプロジェクションマッピングをやりながら、広報PR活動をしてもよろしいんじゃないかなというふうに思っております。
これは要望でございます。それについて、いかがでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 今、ご提案をいただいたものも含めまして、風評被害の払拭に向けた広報PR、これはいろんな媒体、ツールを使ってやっていく必要があるのかなと。そういったことが豊洲市場の移転に向けた重要な取り組みと認識をしております。
同じような答えになってしまいますが、まず補正予算に計上した事業につきまして、今年度、しっかりと取り組みます。来年度につきましても、今年度の取り組みを踏まえて、予算の中身につきましては検討してまいりたいと考えております。
○のがみ委員 私ごとなんですけれども、マンションを買って住んで二十二年と少したつんですけれども、ことし初めて、うちのマンションでも北側にカビが生えたんですね。びっくりしてしまいました。これだけ長い間、雨が続いていくと、そういうカビとかも生えるものだなって思ったわけです。
三十日のときに、私も代表質問の中でカビについてお話をさせていただきました。そして、答弁として、今後、施設内の温度をより詳細に把握した上で、きめ細かく空調運転を実施していくということと、巡回点検時のチェックを徹底していくという答弁が出ました。
この巡回点検のときのチェックなんですけれども、普通の警備の方も大事なんですけれども、衛生管理上、そういったことにすぐれている人とかも一緒になって、たまには点検をしていっていただいてもいいんじゃないかなと思います。
それから、被害のあった店舗の清掃や、菌を滅する作業とか、清掃等で対応できない場合には交換について別途個別に対応する、事業者の方々に真摯に対応していくという大変いい答弁が出たわけでございます。
私がいいたいのは、今後大事なのは、二度とカビを発生させない、結露防止をしっかりとしていく、そして、そういうふうに豊洲が一致団結してカビをもう生やさないんだということが、もっとみんなにはっきりわかれば、そうしたカビの風評被害もなくしていくことができると思います。
これは、豊洲市場を管轄している皆様方は本当にご苦労されてここまで来ました。これは絶対できると思いますので、応援しますので、しっかりとカビ対策もしていただければと思っております。
今度は、豊洲市場の使い勝手の向上に係る経費についてお伺いいたします。
これは、豊洲市場の使い勝手の向上に係る経費として、〇・一億円、一千万円計上されておりますけれども、この具体的な中身についてお伺いいたします。
○吉野建設技術担当部長 一千万円の工事の中身でございますが、六街区のターレスロープのカーブ地点において見通しをよくし、さらなる安全性の向上を図るため、大型のカーブミラーや注意喚起の標識を設置するものでございます。
ミラーの大きさについては、現状では、幅六十センチ、高さ五十センチでございますが、今回、幅二メートル、高さ一メートル程度のものを考えております。
設置位置につきましては、現場の状況を踏まえ、適切な位置に設置していく予定でございます。
○のがみ委員 私も、新人議員と一緒に見学をさせていただきましたけれども、ミラー、ちっちゃいって感じでございました。今回これが、六十掛け五十で三千から、二百掛け百で二万ということで、約七倍の大きな鏡に変わるということだと思っております。これぐらいの大きさだと安全だと思います。よく見えると思います。工事の経費として計上していることがよくわかりました。
ただ、安全対策という点では、単にミラーをつけただけでは不十分だと考えます。ハードの整備、要するにミラーをつけたり、いろいろ表示物をつけたりというよりも、そのこともすごく大事なんですけれども、ソフト面の取り組みがとても大事だと思います。
これについてはいかがでしょうか。
○前田移転調整担当部長 委員のおっしゃるとおり、こうした課題につきましては、ハード面の整備に加えて、ソフト面の取り組みも必要でございます。
習熟訓練の機会を十分に設けることや、利用者の声を聞きながら、安全で使い勝手のよい利用方法の検討、ルールづくりなどに取り組んでまいります。
○のがみ委員 ハード、ソフトの取り組みを進めていくということなので、しっかりと行っていただきたいと思います。
築地市場では事故が多く、安全対策が不十分だと思っております。
確認させていただきたいのですが、築地市場での事故件数についてお伺いいたします。その内訳についても、わかればお願いいたします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 築地市場は開場から八十年以上が経過してございまして、老朽化、狭隘化から、施設や物流に多くの課題を抱えているという現状がございます。
物流面におきましては、敷地の狭隘化から、駐車場や荷さばき場が不足しており、路上や狭い通路にまで荷があふれ、トラックやターレット、フォークが錯綜するなど、効率的な荷の搬送や円滑な買い回りにも支障を来しているという状況がございます。
場内の事故の件数でございますが、平成二十八年、三百五十七件でございまして、その内訳といたしましては、人身事故が百十六件、物損事故が二百四十一件となってございます。
このような状況でございますけれども、市場業者の方々の日々の営業活動にできるだけ支障を来しませんよう、警備や施設の維持管理といったことに日々努めている状況でございます。
○のがみ委員 これ、割り返してみますと、平均で一日一件の事故が起きていると。また、残念なことに、昨年は死亡事故も起きているということでございました。
警備や施設の維持管理に努めていることは評価したいと思いますけれども、どうしても、築地の老朽化、狭隘化がもたらす限界もあると思います。
私たちもいろいろ何回か視察をさせていただいたんですけれども、ぼうっとしているとひかれそうになります。いつも緊張感を持ってきびきびと動かないと厳しいなというふうに感じております。豊洲市場への移転に当たっては、こうした事故を減らすための安全な市場とすべきだと思っております。
ハード面はしっかり整えて、そしてソフト面も教育によって整えて、豊洲に行ったら交通事故が減ったなと、安全・安心だなといえるような豊洲市場であっていただきたいと思っておりますけれども、この点について見解をお伺いいたします。
○前田移転調整担当部長 豊洲市場では、ターレやフォークリフトが頻繁に走行することから、可能な限り歩行者と車両の動線を分離するなど、安全性に配慮してございます。
これに加えまして、ソフト面で安全性の観点を踏まえたルールづくりや十分な習熟訓練を行うことで、安全な市場を目指してまいります。
○のがみ委員 もう一つの経費でございます各街区の駐車場棟ほか便所整備工事についてお伺いいたします。
現在、駐車場棟にはトイレが設置されていないということでございますが、二千五百台でしたっけ、二千六百でしたっけ、二千五百台を超える駐車が可能ということでございますので、多くの方々が利用されると思いますけれども、今回、債務負担行為として七億円を計上しておりますけれども、この工事の内容と、大まかな工期についてお伺いいたします。
○佐藤施設整備担当部長 五・六・七街区駐車場棟ほか便所整備工事につきましては、現在、トイレが設置されていない通勤駐車場棟に、業界団体からのご要望を受けて、駐車場利用者の利便性を向上させる目的でトイレを設置するというものでございます。
現在、実施設計の準備を進めており、トイレの設置場所や箇所数などの諸元につきまして、今後、工期も含めて内容を固めてまいります。
なお、トイレの新設に当たりましては、通路部を掘削し給排水管を新たに敷設するための工事に時間がかかることが予想されることから、本工事は年度をまたぐ想定としてございます。
○のがみ委員 使い勝手については、業界から指摘や要望などが出たために、今回の工事につながったと思います。
我が党の伊藤こういち議員は、かつて、平成二十四年の経済・港湾委員会で、でき上がったのはいいけれども、もっとこうしてほしかった、ああしてほしかったと、後からそういう意見がさまざま噴出するということがないように、新市場建設協議会だと思うんですけれども、要望や意見を、この計画の中に、設計の中にどこまで生かすことができたのかということが重要だと思いますと発言をしております。中央卸売市場に対して、設計に当たっては業界と十分調整して進めるようにといった、こういった質問でございます。
豊洲市場の整備に当たって、これまで業界とどのように協議、調整を行ってきたのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場の整備につきましては、都と業界の協議体である新市場建設協議会を設置し、長年にわたり協議を重ねてきたところでございます。
さらに、基本設計や実施設計策定時には、実際に施設を使用する市場業者との間で、街区や業種に応じた実務的な検討の場を設け、市場業界のさまざまな要望を設計に反映するなど、時宜に応じた協議、調整を行ってきたところでございます。
○のがみ委員 今後、使い勝手が悪いといわれないように、業界と十分調整して進めていただきたいと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○前田移転調整担当部長 築地市場の業界団体からは、豊洲市場における施設の使い勝手等につきまして、ご意見やご要望をいただいております。
こうした経緯を踏まえまして、事業者が利用しやすい市場の実現に向け、施設設備の改善に必要な経費を補正予算案に計上いたしました。
このほか、市場を運用するためのさまざまなルールの策定等について業界との調整を進め、より安全で使いやすい豊洲市場の実現を目指してまいります。
○のがみ委員 昨年ですけれども、九月の十二日に、私たち公明党は、会派内にプロジェクトチームを設定いたしました。九月十四日、九月二十一日、九月二十三日、十月二十六日と現地調査を重ねてまいりました。私たちも多くの方々から大変な批判を浴びてまいりました。その分、今回、失敗は許されないというふうに思っております。
ぜひ、本当に安全・安心の再構築になるように、全力を挙げて、局を挙げて、大成功に終わるように、しっかりと、いろいろな市場業者との絡みもあると思います、いろいろな問題があると思いますけれども、連携をして大成功に終わるように取り組んでいただきたいことを要望して終わります。
以上でございます。ありがとうございました。
○鈴木委員 もう七時も回りまして、本当に理事者の皆さんにおかれましては、大変お疲れの表情が感じられるんですけれども、今回のこの臨時議会の中で、またきょうのこの委員会審査--私は、六月七日に前回の市場特別委員会が終わって、そして六月二十日の基本方針の策定、この基本方針の発表においては、築地の再開発事業という大変これからの東京に重大な問題を投げかける方針も含まれている中で、臨時議会という、本当に短期間の審査の中でこれを審議するというのは、大変厳しいというふうに感じております。
先日の代表質問を聞かせていただく中でも、今回の基本方針、そして補正予算については、都民、市場関係者、そしてこれからの未来を支える子供たちにとっても、この築地再整備という大きな事業を考えれば、本当に大丈夫なのかと、しっかりとこれは確認をしていかなければならないと改めて思ったところでございます。
この基本方針の中では、築地再整備という大きな案件があるわけですけれども、この決定のプロセスにおいても、さんざん、さきの事務事業の常任委員会の中で、また臨時会の中でも、そして本日も触れさせていただいているわけですけれども、全く不透明としかいいようがないわけであります。
先ほどある会派の方々が、これは条例上、手続には瑕疵がないという話があったわけですけれども、基本的に、知事が先日の代表質問の中で、さまざまな意見を参考にしてという話がありましたけれども、政治家として、さまざま意見を参考にして取り組んでいくというのは本当に当たり前のことであって、それを一々口にするということは、具体的に誰かが、どういった方の意見を聞いて参考にしたと尋ねられたら話すことができるような、そうした状況においては口にしてもいいことなのかなというふうに思うわけです。
今回においては、まさにこの不透明の中で一人で決定したと思わざるを得ないというふうに私は感じております。
こうした状況の中で、さまざま再整備事業、再開発事業が行われてきたというふうに思いますけれども、実際にこれまで再開発事業の中で、こうしたプロセスの中で、再開発事業が本当に検討されて方針ができるということがあったのかということを、改めて技監にお伺いしたいと思います。
○邊見東京都技監 このような大規模な土地利用転換に似た事例としては、幾つか私どもも経験をしてきております。
例えば、豊洲の二丁目から三丁目というところにIHIの工場の跡地がありますが、五十ヘクタールぐらいだったと思いますけれども、これも非常に大きな土地利用転換でありました。今、ららぽーとを初め、まちとしてかなり成熟をしてきております。
こういったときも跡地をどうしていくのかという議論の上で、まちづくり方針をつくり取り組んできたところであります。
そのほか、先ほども議論の中にありましたが、六本木の檜町、防衛庁の跡地とか、さまざま幾つかございます。
そういったまちづくりの経験等に照らしながら、今回の開発は、それに加えて非常に都心に近接しているとか、食文化があるとか、そういった要素もありますし、さまざま大きな魅力、要素がありますので、そういったことも十分に加味しながら、しっかりとやっていくという必要があると考えてございます。
○鈴木委員 今、技監の答弁を伺って、またちょっと質問をしたくなってしまったわけですけれども、民間の再開発事業ということも、やはり再開発するには、行政の窓口といろいろやりとりをしながら、そうした中で十分な説明をして取り組んでいくのが常なんだろうというふうにも思います。
また、今回、行政がみずから再開発事業をするかしないかというのはこれから決めていくわけですけれども、そういった可能性がある中で、やはり都民の皆様に、しっかりとこういう目的で、こういった形で、こういった計画の中で再開発事業を行うという、そういった公表というのが今まであったんだろうというふうに思うんですけれども、そういったことをもう一度踏まえて、かつてこのような状況があったのかということをお伺いしたいと思います。
○邊見東京都技監 それぞれの大きなまちづくりがありましたけれども、それぞれ、また、いろいろな事情の中で、あるいは地域特性の中で、あるいはいろんな所有形態の中で取り組んできておりますので、一概に世の中に対してどういった公表をし、議論をしながらやってきたということを、なかなか一つにくくりながらお話しすることは難しいんですけれども、例えば、まちづくり方針を公表しながらやっていくとか、あるいはその後のステップにおいても地区計画としての方針を策定し、個々の地区計画という都市計画に移っていくとか、さまざま、いろんなご説明あるいは意見を伺いながらやっていくというステップは踏んできております。
それに加えて、今回もそういったステップを踏むと思いますけれども、いろんなところでご答弁をさせていただいているように、あるいはご説明させていただいていますように、今回は築地再開発検討会議というのを早期に立ち上げて、幅広い観点から議論を、まずはスタートをさせたいと思っています。いろんな公表、まちづくり方針ということに加えて、そういったことから始めていきたいと、このように考えてございます。
○鈴木委員 今いみじくもお話に出られた築地再開発の検討会、検討協議会が、これからそこで築地再開発の具体的なイメージとかが語られるという話があったわけですけれども、現実問題、築地を豊洲に移転をして、市場機能を豊洲に移転をして、新たな卸売市場をつくっていこうという状況の中で、基本的には築地の再開発というのは本当に考えられていなかった状況の中で、今回、知事が時折お話をされている市場会計の持続可能性の話の中で、先日もお話しになった年間九十億の赤字が出るという、そしてそれは減価償却を除くと二十億だと。その二十億も、すごくさまざまな、偏ったといったらいい方が、語弊があるかもしれませんけれども、本当にさまざまな考え方がある中で、その二十億という考え方を、本当にこれが正しいんだというような形で、今回のこの持続可能性の部分においても説明をされている。
しかし、その赤字の部分を、少しでも築地市場を生かすことによって補填して、ともに生かして守っていくんだというような、そういった考え方が私たちには説明をされているわけですけれども、現実問題、実際に築地再整備というものが今この委員会の中でも議論されておりますけれども、イメージというのは本当に幾つもあって、これからその協議会の中で語られるということ自体が、私は本当に後づけとしかいいようがないのかなというふうに思っております。
具体的に、先ほどの答弁でも、五年後にはもう着工するというようなイメージがもう既にある中で、どういったものを着工していくのかということすらきちっと説明されていないのが現実だというふうに思いますけれども、築地再開発検討協議会というのは、実際いつこの協議会が開かれるんですか、具体的には。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発検討会議につきましては、補正予算が成立した後、早期に設置をしてまいりたいと考えております。
○鈴木委員 先日もこの話が多分質問されていましたけれども、その早期というのは一体いつなのか。やっぱりこれを明らかにしないと、いつぐらいというようなイメージが湧かない。しかしながら、皆さん方は、もうその検討協議会の終わりは、もう五年以内には着工するという中では、一つの期間を決めちゃっているわけですよ。これというのは余りにも乱暴な話だというふうに思いますけれども、今、皆さん方が検討協議会で、これから後づけで、市場会計の持続可能性の部分を含めて築地再開発を検討されるというお話になっていますけれども、いつスタートするかというのは、私はある程度もう設定されているのではないかなというふうに思うんですけれども、もう一度ちょっとお伺いいたします。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 繰り返しになりますが、築地再開発検討会議につきましては、補正予算が成立した後、早期に設置をすることとしております。具体的な日程等については、まだ現時点では決まったものはございません。
○鈴木委員 補正予算のこの審議というのは、五日には終わるわけですよ。その後に、速やかに検討、この協議会を開くんだって話がありました。いつかはわからない、じゃあ、この検討協議会のメンバーは誰なんですか。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発検討会議では、築地の持つ地域特性やポテンシャルなど、幅広い観点から検討をスタートさせていくという予定でおります。会議のメンバーにつきましては、そうした観点から、今後選定をしていきたいと考えております。
○鈴木委員 今、補正予算が通った段階で速やかにこの協議会を開きたいというふうな話をされておりましたけれども、速やかにというふうに思っているのならば、その検討協議会に参加するメンバーぐらいは、もう私はあってしかるべきだというふうに思いますよ。そういったこともなくて、こういった委員会で、これから後づけで皆さん方がこの検討協議会で検討するという話になっているわけですけれども、そういったこと自体がきちっと説明されないで、何でこれで私たちがチェックしたり確認ができるのかということをもう少し真剣に答弁していただきたいし、考えていただきたいというふうに思います。
このことも含めて、来年、予算をつくる財務局の皆さんに対しても、私は、皆さんがどのように、この部分、来年、多分、予算編成の中で出てくるというふうに思いますけれども、どのようにお考えなのか、局長、ちょっとご答弁をお願いします。
○武市財務局長 築地の再開発に当たりましては、まず二カ年程度検討するということで考えておりまして、今年度及び来年度検討をする予定でございます。その中で、具体的には、またその検討を踏まえて、三十一年度以降どのような形で予算も含めて対応していくのか、検討の中からさらに具体化していくことになると考えております。
○鈴木委員 よく予算編成の、予算案を説明される中で、皆さん方が新たな事業をやるときに、こういった経緯の中で今回この予算がついたという説明があるわけですけれども、もしその予算をつけられるのであれば、しっかり説明ができるようにしていただきたいというふうに思います。
そしてまた、このことについては、私は市場長の方にも伺いたいというふうに思っておりますけれども、これは再三、私たちもお伺いをしていることですけれども、今回築地再整備という一つの事業をやるというだけでなく、これは豊洲市場の移転とセットになっている話じゃないですか。この話の中で、市場長は、これから、この豊洲市場がどういった形で運営されるかということが今大事なんですけれども、この築地の跡地、最終的には市場会計の中で、これをどういうふうに考えているのかというのを市場長が今どのように考えているのか、お伺いします。
○村松中央卸売市場長 市場当局といたしましては、先般の関係局長会議でも申し合わせましたように、まず豊洲市場への移転と、これを最優先課題としております。
築地再開発につきましては、現在、先ほど来お話がございましたが、都市整備局の方で、まちづくりの視点も踏まえながら今後検討するということになっておりますので、築地再開発について、その開発の内容が市場会計として全体の会計の持続性が担保できるような形の、そういった開発、そこを我々としては、何ていうんでしょうか、前提にしていただきたいと考えております。
○鈴木委員 おっしゃるとおりですよ。市場長は、やはり市場業界の方々と一緒に事業に取り組んでいるという立場の中で、市場会計の中で毀損することのないようにとか、そしてまた、今後どういうふうになっていくのかということもしっかりと踏まえて対応していかなきゃいけない責任があるというふうに思っております。これ、最終的にどういう形になるかは、これからの検討協議会の中で検討されるんだろうというふうに思いますけれども、最終的に会計がどうなっていくのかということに対しては、しっかりと責任を持って対応していただきたいというふうに思います。
今回、一連の答弁の中で、本当にさまざまな意見を参考にして基本方針を立てられたと。しかしながら、そのさまざまな方々のお名前というのは、一向に私たちは聞かせていただけませんでした。また、さきの答弁の中では、皆様方がこの方針を伺ったというのは発表の数時間前だという話も伺いました。そうすると、今回少なくとも、この基本方針の決定の中では、皆さん方の意見というのは余り参考にされていなかったということが、暗にさまざまな答弁を重ねていくと感じられるわけです。
私は、東京都というのは、やはり一番大事なのは--確かに政策決定するのは知事だというふうに思います。しかしながら、国と違って、この東京の強みというのは、現場を持つ皆様方がプロとしてしっかりと、この都政を引っ張るエンジンとして牽引していただいたからこそ、今、この首都東京がこれだけの発展に至っているんだというふうに私は思います。
そうした中で、今本当に皆様方が都の職員としての志を持って仕事をされている。そしてまた、先輩の皆様方が矜持を持って取り組んできたこの都政において、やはり私は皆様方に、今そういった思い、一人一人、今回の件も含めて、どのような考えを、お感じをしているのかということも改めて聞いてみたいと思うんですけれども、特に一番関係が深い中央卸売市場長にお伺いしたいというふうに思います。
○村松中央卸売市場長 六月二十日に基本方針が、築地、豊洲両方生かすという旨の方針が出されましたが、我々としては、その前から戦略本部も開催しておりました。
そういったことも踏まえて、知事が政策判断をしたものだと考えておりますし、また、その基本方針を実際に、行政的に具体的な取り組みにする一つの体制として関係局長会議を設定いたしました。
今後は、この関係局長会議で、具体化に向けて、関係局一丸となって取り組んでいこうと、そういうこととしております。
○鈴木委員 戦略本部の中では、この豊洲の移転の中で、そしてまた築地を、あのときはたしか築地再整備という検討がされていたんだというふうに思いますけれども、多分、戦略本部の中で、築地も守って豊洲を生かすというような方針、検討というのはなされなかったんだろうというふうに思うんです。
その中で、今おっしゃったことというのは、最終的にさまざまな、戦略本部のそういった検討状況を見ながら知事が判断して、それで、今後この築地再開発検討協議会の中で築地再整備については検討されるということで、本当に、今後しっかりとやっていかなきゃいけないという話で今の答弁だったというふうに思うんですけれども、私はそういうことを聞きたいのではなくて、皆様方がさまざまな志を持って、今まで現場の中で取り組んできた中で、全く、現場で積み上げてきたものというのが生かされていないんじゃないかなというふうに思うんですよ。これは別の場所のさまざまな方の意見を積み上げて知事は政策決定をしたんだというふうに思いますけれども、一番大事な現場の皆様がさまざま取り組んできて、そしていろんな方々の意見も聞いて積み上げてきたものというのが、どこに生かされているのかということが重大なのではないかなというふうに思うんですけれども、その件に関しては、市場長はどう思っているんですか。
○村松中央卸売市場長 例えば、四回にわたる戦略本部を開催いたしましたが、その中でもいろいろな議論がなされました。
築地市場と豊洲市場のそれぞれの課題の整理だとか、もう少し幅広に見て、卸売市場を取り巻く状況だとか、さまざまな議論をしてきたところでございます。特に豊洲市場と築地市場の課題整理につきましては、いろいろな角度からそれぞれの長所、短所、そういったものを議論してきましたし、また、市場会計の持続可能性に関しても議論をしてきました。
そういったことが、今回の基本方針の中に生かされているものと考えております。
○鈴木委員 この件に関して、本当に今ここで明快な答弁というのがしづらいというのはわかります。
ただ、一番大事な部分というのは、何が大事かというのは、先ほども触れさせていただいたように、やはり現場の皆さんが今まで現場で培ってきた、それは今始まったことではなくて、先輩の代から培ってきたものというのが、この東京の、都政の中にあるんだというふうに私は思います。そうした皆様がいるからこそ、プロの集団としてこの東京の発展があるという状況の中で、私はその積み上げをしっかりとこの政策に生かしていく、その生かしていく努力をするのが皆さん方だというふうに思うんです。
知事が確かに政策決定をするのは当然なんですけれども、しかし、それに唯々諾々と追随するといういい方はしないけれども、そういうふうに見えてしまうというのが、何か私自身も、これでいいのかという、そういった不安を募らせる要因になっているというふうに、私は自分自身思っていますので、ぜひそういった思いを払拭するようにこれからも頑張っていただきたいというふうに思います。
先ほどの検討協議会で検討、協議するという話がありましたけれども、これ、検討、協議した結果、再開発もやらないということもあり得るんですか、確認しておきたいんですけど。
要するに、検討ありきでこの検討協議会をやるのか、検討した結果、この築地再開発は断念しなきゃいけないのかもしれないということがあり得るのかということを聞きたいんです。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発の検討につきましては、六月二十日の基本方針を受けて、関係局長会議で行政としての取り組みの方向性を整理し、その中で、築地についてはロケーションを最大限生かした魅力ある再開発を進めていくということで方向性が位置づけられております。
したがいまして、今後、築地再開発検討会議を設置いたしまして、幅広い検討をしながら、来年度にかけましては民間からのヒアリングなども行いながら、都としてのまちづくりの方針として取りまとめていくという予定でございます。
○鈴木委員 この協議会を担当されているのは--今答弁されたんですよね。これで今、私がいいたいのは、検討した結果、再開発をやらないということもあるんですかということを聞いているんです。いかがですか。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発の検討につきましては、都市整備局が中心となって進めてまいりますけれども、これは知事の方針を受けて進めていくものでございますので、私どもとしては、再開発の実現に向けて検討してまいりたいと考えております。
○鈴木委員 このこともなかなかお答えにくいんだろうというふうに思いますけれども、結局、この委員会の中でこのように質疑しても、答弁ができる方が来ていらっしゃらないということが、一つやはり大きな問題なんだというふうに改めて感じました。
そして、先日の代表質問の答弁の確認もさせていただきたいというふうに思います。
築地再開発の着工について、先日、総務会長が代表質問させていただきましたけれども、この中で、私たちは知事に、五年後の着工を目指すという話の中では、いつからの五年後なのかという質問をさせていただいたにもかかわらず、答弁いただけませんでした。
その部分で、この件について答弁をできればお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○山崎都市整備局まちづくり推進担当部長 築地再開発の検討につきましては、今後、築地再開発検討会議を設置し、幅広い観点からの検討をスタートさせまして、来年度にはまちづくりの方針として取りまとめていく予定でございます。
その後、事業者の募集、選定、設計、都市計画等の手続、土壌や埋蔵文化財の調査などを経て着工ということを考えております。この一連のステップを五年以内に行うことを目指してまいりたいと考えております。
○鈴木委員 質問と答弁が余りかみ合っていないんですけれども、仕方ないというふうに思います。
この再開発には、この委員会の中でも、やはり五年から十年、この土対法の問題とか埋蔵文化財の調査とか、いろいろかかるという話も出ている中で、やはりそういった部分もしっかりと説明責任を果たせるようにしていくことが、まず、何よりも大事じゃないかなというふうに思います。
知事のいう正確な情報というようなことが、これから本当に信用、信頼につながっていけるようにしていただきたいなというふうに思いますけれども、やはりこの事業者への理解の中で一番大事な部分というのは、情報発信をして、その情報の発信者に対して信用がまずできて、そしてそれが信頼につながっていかなければ、その情報に対して安心感というのは持てないんだというふうに私は思います。
しかしながら、これまでこの築地市場の問題についても、土壌汚染調査をした結果が、環境基準を上回るベンゼンがかつて出たことがなかなか報告されなかったとか、それから四年前には、さらに環二の工事の中で、築地市場の土壌の中からヒ素も含まれているような話が出たにもかかわらず、その説明がされたのも後になっていたという状況がある中で、こういった一連の話を私たちも踏まえてみますと、本当に都合のいい情報のみでは、やはりそれは信用や信頼に結びつかないということを改めて感じるわけでございます。
ぜひそうしたことにも、一々答弁を求めませんけれども、答弁をしていただきたい方がいらっしゃらないので求めませんけれども、ぜひそういったことも踏まえていただきたいというふうに思います。
今回の補正予算による追加工事終了後、専門家による確認が行われて、その確認の後に開場という流れになっていくという説明を受けましたけれども、改めて、この専門家による確認というのはどんな確認が行われるのか、答弁願いたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 詳細の検討の方法については、専門家とも打ち合わせて決定してまいりますが、今考えられることとしては、地上の空気測定などを行って豊洲市場用地が安全であることを確認していただき、工事を完了させていきたいというふうに考えております。
○鈴木委員 地上の空気測定をして安全を確認するのであれば、今まで築地市場でそれがされていたのかということも素朴な疑問として浮かぶんですけれども、しっかりとやはり、ここまで追加工事もして安全性を高めるということで取り組んできたわけですから、誰に質問されても答えられるような、そして納得のいただけるようなお答えができるように、ぜひ専門家の皆さんと協議されて、この部分も慎重に、大切にやっていただきたいというふうに思います。
そしてまた、土壌汚染対策、また、今回の検討した結果、法令上も、多分、追加工事も含めて問題がないという状況になると開場という話になっていくというふうに思いますけれども、今回、豊洲市場という新天地で発展を目指す市場業者のためには、また、これは市場業者の先に消費者がいらっしゃるということも忘れないで、私は市場業者の方々も、そしてまた、都民の方々も、こうして開場に至るまでには安全宣言ということがやはり必要ではないかというふうなことが、マスコミでもそうですけれども、さまざまな部分で指摘をされているわけです。
この安全宣言の部分においては、代表質問でも知事に質問させていただきましたけれども、明快な答弁がなされなかったというふうに思います。実際にこの安全宣言がなされないまま、この築地市場業者といろいろ今、話し合いをされているというふうに思いますけれども、しっかりと豊洲移転に対して理解していただける状況になるのか。私は、この部分というのは避けて通れない取り組みだというふうに思いますけれども、市場長はどうお考えですか。
○村松中央卸売市場長 まず、今回の追加対策工事、これについて着実に、確実に実施をして、豊洲市場の安全性のさらなる向上を図るべきと考えておりますし、追加対策工事の経過、あるいはその整備効果等につきましても、都民の皆さん、事業者の皆さんにわかりやすく、いい形で情報発信して、安心の確保を図っていくべきだと思っております。
安全宣言というお話でございますが、まずはそうした一つ一つ着実に行うべき取り組みをきちんとやって、きちんとやっているということを正確にわかりやすく発信すると、そのことが大事だと思っております。
○鈴木委員 こういうふうに、今、こういった取り組みを鋭意努力しているからこそ理解していただきたいという話だというふうに私は思います。
今までの経緯の中で、科学的検証だとかそういったことというのはもちろん当然のことなんですけれども、それに行政の長としてのお墨つきというか、信頼をもらえるような安全宣言がやはり求められるんだというふうに私は思いますよ。でも、この部分、今、市場長にいってもなかなかお答えいただけないということも承知で話をしているわけですけれども、しかしながら、市場業者の方々と直接これから検討して話し合いをしていくのは、まさに市場の皆さんですから、その部分においては、私は避けて通れないことではないかなというふうに思っております。
私は、今回の豊洲市場への移転について、大きく三つの点が重要だというふうに思っております。
一点目は、市場会計の主な収入は、当然のことですけれども、市場業者の使用料だということです。これは先日の委員会の中でも、私は、公営企業というのは、利益を大きくつくって、それをどうにかするというような、そういった事業体ではないということを指摘させていただきましたけれども、全てこの会計においても、市場業者の使用料という収入があって運営されているということが、一番押さえなきゃいけないことだというふうに思います。
今回の移転、開場が延期になって、さまざまな支出が今生じているわけですけれども、この築地市場だけでなく、十一の中央卸売市場の市場業者が払っている使用料が財源として使われているということが、まず一点、一番大事なことだというふうに思います。
そして二点目においては、築地市場から豊洲市場への引っ越しは、これまで本当に例のないような大規模な引っ越しになるわけですよ。これは本当にまず、あらゆるマスコミにも取り上げられるような大引っ越しになるというふうに思いますけれども、この引っ越しを完全無事に完了させるということがやはり一番大事なことにもなってくるというふうに思っておりますので、この部分もしっかりと計画を立てて、まさに間違いのないような形で取り組んでいただきたいというふうに思います。
三点目は、先ほども触れましたけれども、開設者と市場業者がともに豊洲市場を都の中央卸売市場として発展をさせていく、発展させていかなければならないという、お互いが今度はパートナーとして、しっかりと協力体制の中で、この新天地の発展を目指していく、そういったスタンスにしていくことがまず大事だというふうに思います。
豊洲市場を含む中央卸売市場の事業は、民間事業ではない。都が開設者となって、市場業者とともに運営する公共事業として、やはりその部分で、お互いがタッグを組んで頑張っていただけるような取り組みにしていただきたいというふうに思います。
その上において、移転に向けた準備について幾つかの質問をさせていただきます。
まず、移転準備に係る経費についてですけれども、今回の補正予算案に計上されている習熟訓練や引っ越し準備など、移転に向けたさまざまな準備があるわけですけれども、昨年八月に豊洲市場への移転の延期を知事が決断したわけですけれども、十一月の移転に向けた準備というのは既に昨年から進められたというふうに聞いております。
今回の補正予算に計上された移転準備の経費というのが昨年度予算でも計上された経費だと考えますけれども、この昨年度の経費と今回の補正予算等の経費について、それぞれ予算額を示していただきたいというふうに思います。
○松永管理部長 平成二十九年度当初予算は、豊洲市場への移転延期を受けまして、専門家会議による安全性の検証等を行うとともに、築地市場での営業と豊洲市場開場前の維持管理を一年間並行して行う考えのもとで編成した予算でございます。このため、豊洲市場への移転を実現するために必要な経費は、二十九年度の当初予算には計上しておりませんので、今回改めて予算の補正を行うものでございます。
今回の補正予算案では、開場に向けた移転準備に必要な経費のうち、主なものとして、先ほどお話のありました引っ越し作業の再構築及び造作工事、習熟訓練の本格化への対応で十八億八千六百万円を計上しております。これらの経費の平成二十八年度、昨年度の予算額は十七億七千百万円でございます。
○鈴木委員 先ほども質疑に出ていましたけれども、昨年度、これ、執行したものの中には、移転延期によって再度執行することが必要になった経費というのも当然あるわけですけれども、実際に移転延期に伴って二重の支出になっていく経費は一体幾らなのかということを答弁願いたいと思います。
○岡安新市場整備部長 今回の補正予算におきましては、引っ越し作業に係る経費の一部につきまして、移転延期に伴う与条件の変更に対応するため、移転プロジェクトマネジメントと引っ越し時における周辺交通の影響調査の委託経費について、合わせて一億二千三百万円を改めて計上してございます。
これらの委託事業の支出額でありますが、移転プロジェクトマネジメントは、平成二十七年から平成二十八年の二カ年で契約額は約二億一千三百万円のところ、移転延期に伴い、支出額は約一億九千九百万円、また、平成二十七年の引っ越し時における周辺交通の影響調査は約八百万円となってございます。
この委託の成果物であります移設物量等の調査結果データなど、今回の委託業務において活用できるものは十分に活用し、委託に反映させてまいります。
なお、引越相談室の継続的な開設や、移転期間における移転実施管理業務の実施につきまして、平成三十年度予算要求を予定してございます。
○鈴木委員 対象となるのは引っ越し準備経費ということでありますけれども、この経費だけをとっても、今回の補正予算で三億円が計上されているわけですよ。市場会計が、先ほどもお話しさせていただいたように、市場業者の使用料で賄われていることを踏まえれば、ほかの市場の業者から不満の声が出るというのは、私は当然だというふうに思います。
今回、補正予算に計上されている移転準備の経費の財源というのはどのような扱いになるのか、答弁願います。
○松永管理部長 豊洲市場開場に向けた移転準備に必要な経費は、豊洲市場を開場し運営するという中央卸売市場の事業を実施するために必要な経費でございます。
このため、今回の補正予算案では、この事業の財源を市場会計の中で賄うこととしております。
○鈴木委員 知事の政策判断によって移転が延期をされました。この移転延期について、今どうこう話すわけではないですけれども、このように、市場会計には少なからず影響が出ているということがまず指摘されるというふうに思います。
やはり、この会計の持続可能性ということを考えれば、この判断というのが、みずからしっかりとこれだけの影響が出ているということを私は知事にも理解をしていただく中で、これからもきちっと説明をしていただければというふうに思っております。
豊洲市場の適正な運営について幾つか質問させていただきますけれども、新たに開場する豊洲市場というのは、築地市場の歴史と伝統を受け継いで、最新の施設を生かしてさらに発展させていくことが本当に重要なわけです。
きょう、いみじくも九月一日というのは防災の日で、関東大震災が発生してことしで九十四年になるんですか、日本橋魚河岸を初めとする市場群が、この関東大震災の影響によって旧外国人居住地の海軍省の土地に借り受けをして始まったというのが、この築地市場の歴史なわけですけれども、取り組みの中で、都と業界が連携して市場運営の適正化というのも、今回、豊洲市場、新市場移転において、私は図っていく必要があるんだというふうに思います。
今、築地市場が担ってきたブランドというのはしっかりと受け継いで引き継いでいくことが、まず何よりも大事ですけれども、しかしながら、やはりこの市場管理ということを考えれば、行ってみるとわかるんですけれども、まだ路上での荷さばきや指定場所でないところに駐車をしたりとか、勝手に駐車したところに又貸しをして駐車料を取ったりとか、それが本当かうそかというのは聞いた話なのであれなんですけれども、多分本当だろうというふうに思っております。そしてまた、転売する経費の中で、やはりそれは運営費の中で借り入れをして、それでその権利を買っているという話も伺っておりますけれども、さまざまな因習というのもあるんだというふうに思いますけれども、そうしたこともしっかりと改善をしていくということが、市場業者の皆さんも望んでおりますし、これはいい契機だろうというふうに私は思います。
そういった状況の中で、豊洲市場において不適切な利用をさせないというためには、ルールというのが、やはりこの際、一番大事ではないかなというふうに思っておりますけれども、その策定にはどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場のメリットであります効率的な物流や高度な品質、衛生管理を実現するためには、施設がその用途に沿って適正に利用されることが重要であり、開設者である都と市場業務に精通した業界とが連携して、具体的な利用ルールを検討する必要があると認識しております。
都はこれまで、新市場建設協議会や新市場建設懇談会を利用し、施設整備等に関する課題について業界と調整を進めてきたところでございます。
今後は、開場に向けて、市場運営に係るさまざまな課題につきまして、現場の実情に即しながら具体的に検討するため、新たに街区別の検討会を設置し、業界との協議を開始したところでございます。
こうした検討体制を生かしまして、必要なルールの策定に向けて検討を進めてまいります。
○鈴木委員 やはりこれまでの築地市場の因習というか、そういった弊害については、しっかりと課題として踏まえて、その課題が豊洲市場でどうやって改善されているのかということをしっかりと照らし合わせながら、しっかりと業者の皆さんと話し合って進めていただきたいというふうに思います。
ところで、ほかの市場でも不適切な施設利用が行われている場合もあるというふうに伺っておりますけれども、東京都条例では、施設の不適切な利用についてどのような規制があるのか、また、こうした不適切利用が判明した場合どのように対処しているのか、あわせてお伺いいたします。
○白川事業部長 都の条例では、市場施設を適正に使用するとともに、市場内の衛生を確保することや、施設の使用指定等を受けた者は他人に施設を使用させてはならないという規定が設けられているところでございます。
それらに違反する場合、都は、当該行為の中止、変更その他違反を是正するため必要な措置を講じ、または十万円以下の過料や期間を定めた営業停止などの処分を行うこととなります。
○鈴木委員 築地市場の市場業者の皆様に対して、市場の施設の改善ということでいろいろと迷走して、本当に多くの期間、ご心配をおかけして現在に至るという状況の中では、いたずらに処分を振りかざすということではないわけですけれども、やはり新しい市場をつくるにおいては、その市場を都民の皆様に、ああ、いいものができたというふうに思っていただくということが大事なわけでございますので、ぜひ新天地においては、皆様方と市場業者の皆様が力を合わせて、この豊洲市場が世界の中央卸売市場として冠たるものになるように取り組んでいただくいい機会だというふうに思っておりますので、ぜひその部分においても、しっかりと取り組みをしていただきたいというふうに思います。
次に、習熟訓練についても幾つか出ておりましたけれども、改めて別の角度でお伺いいたします。
開設後に市場業者がスムーズに営業開始できるよう、あらかじめ施設の運用等になれておくというのは当然なことであって、そのために習熟訓練が行われるわけです。習熟訓練というのは、ターレやフォークを使って、いろいろ魚や野菜を持ち込むというようなことも想定されるんですけれども、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 市場業者の方は、移転したその日から、なれない環境の中でも営業活動を継続していかなければならないため、事前に機器の操作や営業動線の確認、荷の運搬など、習熟訓練を実施しておくことは非常に重要であります。習熟訓練につきましては、より通常の営業活動に近い環境で実施することが効果的であり、習熟訓練の目的によってターレやフォークを使用することも有効でございます。
このため、これまでも市場業界から具体的な訓練内容の提示をもとに受け入れを行ってきたところでございます。
なお、魚や野菜などの持ち込みにつきましては、衛生的な課題等も考慮する必要があるため、具体的な訓練内容の提示をもとに今後検討してまいります。
○鈴木委員 市場というのは、卸や仲卸さんだけでなく、買参人の方や、また関連事業者という方々がたくさん関係しているわけですけれども、そうした方々の習熟訓練というのも行うのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 買参人の方や関連事業者の方につきましても、車両動線や営業動線などの事前確認が必要と考えております。
市場業界からの具体的な訓練内容の提示をもとに受け入れを検討してまいります。
○鈴木委員 このほかにも、生産者、産地からのトラックの受け入れなど、さまざまな産地との連携というのも考えられるわけですけれども、こうした訓練というのも行うんでしょうか、お伺いします。
○影山新市場整備調整担当部長 産地のトラックからの荷につきましては、荷おろしや荷さばき、車両動線などの事前確認が必要と考えられます。
市場業界からの具体的な訓練内容の提示をもとに受け入れを検討してまいります。
○鈴木委員 さまざまな方々に対応した訓練を行うということですけれども、本当に多種多様な食品を取り扱う業者がいらっしゃいまして、その営業の様態も本当にさまざまだと思います。ということは、その事業者によって習熟訓練も異なるわけでありますけれども、一業者について、開場までにどのくらいの習熟期間を見込んでいるのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 習熟期間につきましては、習熟内容、規模、業種などにより、事業者ごとの必要な期間は異なるものと考えております。また、市場業者が習熟訓練を実施する場合、営業後や休市日を利用するケースも多いと思われます。
このため、各事業者が十分な習熟機会を確保できるよう受け入れ体制を強化し、年末年始を除き、いつでも訓練の実施を可能とするなど、きめ細かく対応してまいります。
○鈴木委員 個々の事業者に寄り添って訓練を進めてもらいたいというふうに思いますけれども、訓練を実施することによって運用上の課題に気がつくということもあるというふうに思います。
訓練で明らかになったさまざまな課題というのは、例えば動線の見直しなど、運用改善につながるんですか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 習熟訓練は、実際の店舗などで機器の操作や営業動線の確認を行ってなれていただくことを主な目的として実施するものでありますが、課題を洗い出し、効率的な動線や機器などの使用について、運用ルールなどについて反映させていくことも目的の一つでございます。
豊洲市場の運用に係るような課題が明らかになった場合には、市場業界などを通して調整してまいります。
○鈴木委員 次に、引っ越し作業についてもあわせてお伺いするわけですけれども、築地市場が豊洲市場へ移転するというのは、先ほどもお話しになりましたように、まちが丸ごと一つ引っ越すような、同じぐらいの一大イベントなわけです。しかも生鮮食料品を扱う卸売市場は長期に休むことができない。そしてたった数日で引っ越しを、そうした状況の中で余儀なくされるわけですよ。
昼夜ひっきりなしに、多数の市場業者が築地市場と豊洲市場を何度も往復するという状況に本当になってしまう可能性があるわけですけれども、豊洲市場に円滑に移転、開場するためには、この困難な引っ越しをしっかりと進めていくことがまず第一なわけですけれども、引っ越しの準備から計画策定、実施に至るまでの全体の流れについてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 豊洲市場への引っ越しに当たり、各事業者が引っ越しを担うとともに、都は、円滑な引っ越しに向けて、全体計画の策定、進行管理、市場業者との調整、意識の啓発を行うこととしております。
そのため、都はまず、日程等の引っ越しの概要を定めた引越基本計画を策定し、事業者に周知いたします。
次に、築地市場内の物量等の調査、ヒアリングを実施し、移設物量等の推計値を把握いたします。並行して、交通管理者等関係機関と移転経路等について調整をいたします。
続いて、具体的な搬送経路や手順等を定めた引越実施計画を策定し、事業者の皆様に周知いたします。なお、周知後に、各事業者の状況を踏まえた詳細な工程表などの調整を行うこととしております。
最後に、移転当日において全体の進行管理を行うこととしております。
○鈴木委員 平成元年に大田市場が、神田、大森、蒲田、荏原、そうした市場が統合して移転があったわけですけれども、あのときは四日かかったというふうにいわれております。そのときにもさまざま課題があったわけですけれども、今回、この豊洲移転においては、七つの卸売市場のほかに、水産においては八百二十ということですけれども、約千の仲卸業者があるということを考えますと、規模的には大田市場の三倍ぐらいの規模だというふうに思います。
そうした状況の中で、やはり円滑に引っ越しを完了するということは、本当に計画をつくって進めていくのは当然なんですけれども、さっきの大田市場の移転の中の課題というものも、もう一度検討して、今回に生かしていく必要があるのかなというふうに思っておりますので、これは答弁求めませんけれども、そのように感じておりますので、ぜひ配慮をよろしくお願いいたします。
一つ確認しておきたいんですけれども、引っ越し作業の再構築に三億円の予算がこのたび計上されておりますけれども、築地市場業者の引っ越し費用は入っていないということでいいのか、もう一度確認します。
○影山新市場整備調整担当部長 今回の予算案には、移転延期以降の与条件の変更に伴う都における引っ越し作業の再構築に必要な経費を計上しております。市場業者の引っ越し費用は含まれておりません。
○鈴木委員 これも、大田市場のときもそうだったというふうに伺っております。しかしながら、今回、市場業者の中では、資金繰りに大変お困りの方もいらっしゃるわけですので、その部分においても、しっかりと寄り添って相談に乗ってあげていただきたいというふうに思います。
都が業務委託するプロジェクトマネジメントの事業者と、あと、この築地の個々の市場業者が契約する引っ越し業者があるわけですけれども、どのような関係のもとで引っ越しを行っていくのかということについてもお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 効率的かつ円滑な移転を実現するために、都が委託するプロジェクトマネジメント業務は、移転に関する計画の策定や総合的な管理などの業務を行うものであります。
一方で、個々の事業者が契約する引っ越し業者は、引っ越しに当たり実際の運送業務を担うものでございます。
したがって、都が委託するプロジェクトマネジメントの事業者が策定した計画のもとで、個々の事業者が契約した引っ越し業者が荷物を搬送するという関係になります。
○鈴木委員 先ほども話をさせていただいたように、本当にまちが一つ引っ越しするような、そのような大きな引っ越しなわけです。
この中には、各組合、協同組合とかが契約した引っ越し業者もあるわけですけれども、そうしたところに加入していない業者も一社あるというふうにも伺っております。とにかく全体でしっかりと引越計画をつくるということが何よりも求められるというふうに思いますけれども、この策定に当たって、各業界と調整していく、その取り組みについてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 引っ越しにつきまして、業界と都で検討する組織として、新市場建設協議会のもとに、平成二十七年四月に引越準備委員会を設置しております。
当委員会において、引越基本計画及び引越実施計画策定に係る業務調整を進めてまいります。
○鈴木委員 計画策定後に市場業者の具体的な作業が進むことになるわけですけれども、本当にできるだけ余裕を持って業界に提示する必要があるんだというふうに思います。
この引っ越しの計画は、いつごろ業界に提示していくおつもりなのかお伺いします。
○影山新市場整備調整担当部長 引っ越しの計画につきましては、引っ越し業者の専門知識や知見などを利用し、また、業界と調整しながら作成していく予定でございます。
補正予算成立後、速やかに契約手続を進め、事業者の引っ越しに支障がないよう着実に進めてまいります。
○鈴木委員 一応、基本的に懸念することを今ご質問させていただきましたけれども、一番大事なのは、やはり移転期間を早目に提示するということにおいて考えると、開場日がいつになるのかということが何よりも大事なのかなというふうに思います。開場日があって、そこからさかのぼって何カ月前に提示をしなければいけないという、そういった目標があるわけですけれども、じゃあ、この開場日を決めるためには、やはり今いろいろな問題でこじれている今回の移転を、市場業者の皆様にまず理解していただかなければいけないんだというふうに思います。
知事は、こういった合意形成においては、この臨時議会の後、本当に先頭切って取り組むんだというお話、強い決意をいただいたわけですけれども、本当にそれは当然の話であって、風評被害の払拭も含めて、知事には、そうしたみずからがご発言したことを具体的に取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。この部分というのは、来年度予算策定の段階で決定していかなければ、多分、予算編成はできないんじゃないかなと私は思うんです。予算編成のときに説明ができないんじゃないかなというふうに思います。執行率とかをしっかりと考えて予算を組んでいくということが予算編成の基本で一番大事なことなわけですけれども、今回の引越計画の部分の予算についても、実際に執行する部分においては来年度の予算に計上されるわけですけれども、財務局長として、この部分においてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○武市財務局長 実際の引っ越しに当たりまして、支障はないように、市場当局と財政当局として連携していきたいと考えております。
○鈴木委員 開場日がいつになるかということがわからないので、そのわからない中で予算編成を組むときに、どのようにご説明するんですかという話だったんですけれども、今お話しになった部分で、これからしっかりと説明していただけるのだろうというふうに思いますけれども、やはりこういったこともしっかりと、事前にこういった計画があって、こういった形で進めていくということを説明していただかないと、私たちがこの予算に対してチェックすることができないということも本当にあるんだというふうに思います。
この市場の開場日の決定においては、やはり、これは本当に業界団体の方々との調整というのは何よりも大事であって、そしてまた知事を先頭にしてご理解をいただけるような、そしてそのご理解の中には風評被害の払拭も含まれるわけですけれども、こうしたことというのに対しての市場長の決意というものもお伺いしたいというふうに思います。
○村松中央卸売市場長 具体的な開場日につきましては、業界団体の皆さんとの調整を経て、ご理解をいただきながら設定していく必要があると考えております。
そのために、今、建設協議会を初め、さまざまな協議の場がございますので、そういった場を十分活用して、業界団体の皆様といろいろ調整しながら取り組んでいきたいと考えております。
○鈴木委員 これは、単に引っ越しの計画だけの話じゃなくて、開場日がいつになるかによって、この引っ越しの計画をしっかりと策定していく、提示していく日取りが決まるわけであって、そしてさらにその開場日がいつになるかによっては、ある意味、オリンピックの整備にも影響してしまうということもありますので、ぜひ大切な部分ですので、今、市場長がおっしゃったような形でご理解いただけるように頑張っていただきたいというふうに思います。
先ほど豊洲市場まで環状二号線を使うというお話がありましたけれども、移転経路に関する具体的な計画と今後の調整というのはどのようになっているのかお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 築地市場から豊洲市場までの引っ越しルートにつきましては、前回の引越基本計画及び引越実施計画では、円滑な運搬や交通安全等の観点から、環状第二号線を活用することとしていたところでございます。
その後、環状第二号線は、オリンピック・パラリンピック選手村建設のために一部工事車両の使用が開始されているため、改めて交通管理者及び道路管理者等と協議を進めてまいります。
○鈴木委員 きょうは建設局長もお越しですので、環二の話が出たのでちょっとお伺いしたいんですけれども、今、もう選手村の工事車両が、この環二、まだ道交法の適用となっていないところも通っているという話がありました。
これから来年の秋が一つの目安になるという話で今進んでいるんだというふうに思いますけれども、この工事車両のボリュームというのが大体どの程度になっていくのか。そしてまた、今回、引っ越しの車両も含めまして、いろいろな状況になっていくというふうに思うんですけれども、この部分で、本当に事故があってしまっては何もならないという話もあるわけですけれども、まず、工事車両がこの時期どれぐらいになるのかというのは、どのようなお考えがあるんですか。
○西倉建設局長 環状二号線につきましては、築地大橋もかかっておりまして、それから臨海部の方は既に完成をしてございます。今、都市整備局の選手村の再開発の事業につきまして、供用開始はしていない中で工事車両を通しているところでございます。
今、その工事車両の詳細なデータを持ち合わせておりませんけれども、その工事車両と、それからもし環二を引っ越しに使うのであれば、交通管理者とも連携をとりながら調整をして、安全の確保に努めてまいりたいと思います。
○鈴木委員 環二の工事がオリンピックまでに間に合わないということも含めて、そしてまた、今、選手村の工事が始まったということで、周辺には非常に配慮が必要だというふうに思います。
今回の引っ越しというのも、やはりそうした時期の中で、選手村の工事との整合性を図る必要があるというふうに思いますけれども、その点についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 引っ越し期間中は、トラックなどの引っ越し車両が築地市場と豊洲市場の間を頻繁に往復することから、周辺住民の方々の生活に配慮するとともに、選手村の工事への影響を考慮した計画を策定することとしております。
それも含めまして、環状第二号線は、オリンピック・パラリンピックの選手村建設のために一部工事車両に供用されておりますので、改めて交通管理者及び道路管理者の方々と協議を進めてまいります。
○鈴木委員 今、至るところで工事が行われている中で、やはり近隣の方々というのは工事車両がふえてくると生活に大きな影響を来すという状況がありますので、ぜひこの部分は本当に、慎重に協議していただきたいというふうに思います。
あわせて、築地市場の業者が豊洲市場に引っ越すときに、豊洲では使わない、今ある机とか椅子とか廃棄物を築地に置いていくというふうに思いますけれども、こうしたことに対して、都はどのように対応していくお考えなのか、改めてお伺いします。
○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 事業者の方々が排出する廃棄物の処理につきましては、関係法令に基づきまして、事業者の責任において適切に処理されることが原則でございます。
今回の築地市場の豊洲への移転に際しましては、通常の廃棄物に加えまして、委員、先ほどお話ありました机や椅子、こういったものを含めまして、膨大な量の廃棄物が発生することが見込まれる状況でございます。
同時に、築地市場の跡地につきまして、環状二号線、あるいはオリンピックの輸送拠点といった、そういった用途として使用されるということも踏まえまして、閉場後は速やかな解体作業に着手する必要があるという状況でもございます。
このように、限られた日数の中で大規模な移転を行い、跡地を速やかに解体するという特殊な状況の中、円滑な廃棄物の処理を行うために、引っ越し時における廃棄物の収集方法、あるいは計画的なスケジュール管理、役割分担、費用分担などの課題を整理し、解決する必要があると考えてございます。
都は、こうした課題につきまして、市場関係業界の皆様と連携をいたしまして、緊密な協議をしながら適切に対応してまいります。
○鈴木委員 大切なのは、市場業者の方々は、営業しながら移転を考えていかなきゃいけないという話の中で、この廃棄物の件に対して余り、意識が薄いというのがあるのかなというふうに思いますけれども、これは本当にこれだけの大規模な引っ越しになると大きな問題になりますので、しっかりと、そのようなルールの説明とか、かかわりを持っていただいて、皆さんとともに、この問題に対しても混乱が生じないように対応していただきたいというふうに思います。
次に、造作工事についてお伺いします。
いうまでもないことですけれども、造作工事が完了しなければ市場業者は移転できないわけですけれども、この事業者の数も多い水産仲卸について、工事件数も大変多くなるのではないかなというふうに思いますけれども、実際、この水産仲卸棟はどれぐらいの店舗が入る予定なんですか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 現時点におきまして、築地市場で営業してございます水産仲卸業の方々、約五百五十事業者を想定しております。
○鈴木委員 この五百五十という業者の方々が、実際にいろいろ造作をして、工事のボリュームだけでも、考えると大変なボリュームだなというふうに思うんですけれども、この造作工事というのが、今どの程度進んでいるのかということと、事業者に対して、造作工事が完了しないと開場できないという状況の中でどのようにかかわっているのか、あわせてお伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 まず、業者の方の造作工事がどの程度進んでいるかということでございますが、造作工事は、事業者との事前相談、申請書の提出、工事着手、工事完了という流れで進められます。
造作工事につきましては、現在、約八割の事業者の方が申請承認済みであり、工事の完了届が提出されている事業者は約一割程度という状況でございます。
次に、造作工事が完了しないと開場できないが事業者にどう働きかけるということかと思いますが、市場業者の方々が築地から移転したその日から、新しい豊洲市場の施設で円滑に業務を行うことができるようにするためには、造作工事が終了し、検査を完了することが必要不可欠でございます。
都としても、市場業界と協力し、速やかに造作工事が進むよう施工説明会を開催し、施工基準や日程等の周知を図っていくとともに、ふくそうする造作工事の調整などを行い、きめ細かくサポートをしていく予定でございます。
また、まだ造作工事の申請ができていない事業者に対しましても、造作相談を初め各種手続が速やかに進むよう、個別に働きかけを行ってまいります。
○鈴木委員 業者の中で、そもそもこうした工事になれていない業者というのが大変いらっしゃるというふうに思いますけれども、円滑に進めるための支援というのはどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 造作工事を円滑に進めるためには、何より市場業者の方々の現状を的確に捉え、適切な支援を行っていくことが重要でございます。
このため、造作工事の知識や経験がなくても円滑に造作工事を行えるように、設計に当たって必要になる建築、設備、消防等に係るハード面の基準を定めた設計基準書を作成し、施工説明会を活用して周知するとともに、築地市場内に相談窓口を開設し、事前相談や設計アドバイスを行ってまいります。
今後、豊洲市場への移転に向けまして造作工事が本格化していくことから、相談窓口の体制を整え、市場業者のサポートに努め、円滑な造作工事を進めてまいります。
○鈴木委員 この実際の工事の施工に当たっては、いろいろ留意点もあるというふうに伺いますけれども、造作物の素材というのには指定があるんでしょうか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 造作物の素材につきましては、六街区水産仲卸売り場棟一階で事例を挙げますと、プレハブ冷蔵庫につきましては、不燃断熱パネルを使用することとしております。
素材の指定などの造作基準につきましては、これまで市場業界や造作工事関係者に対しまして、施工説明会や造作相談室を通じて、広く周知を行ってきております。
今後の施工説明会におきましても、改めて周知を図ってまいります。
○鈴木委員 この工事後にはさまざまな検査があるわけです。消防法とか、また食品衛生法等の適合状況というものも確認する必要があるんだというふうに思っておりますけれども、こうした各種法令への適合についてはどのように確認するのか、お伺いいたします。
○影山新市場整備調整担当部長 造作工事の際の法令適合につきましては、一例としまして、消防検査を例にとりますと、まず、市場業者が消防署へ相談などに行き、防火対象物工事等計画届け出書を提出いたします。その後、工事を終了した後、原則、消防機関の立ち会いのもと、検査を行い、法令への適合確認をしてという手順となっております。
食品衛生法における営業許可におきましても、同様の手続により法令への適合を確認する手順となっております。
○鈴木委員 実際に確認した後も、そしてまた開場した後も、事業者によっては造作工事が必要だろうということで、工事する事業者もあるんだというふうに思います。一番大事な部分というのは、例えば、なかなか立ち入って検査しなければわからないような箇所の工事も含めて、豊洲新市場においては消防法だとか、食品衛生法上だとか、しっかりと適合するようなものにしていただくためにも、ぜひ積極的にそういった法令に対して適合できるような状況になっていくように取り組んでいただきたいというふうに思います。
あともう一点、次に、カビの発生についてお伺いいたしますけれども、一番大事な部分というのは、こうした状況において、風評被害というのが深刻な状況だというふうに思います。
先ほどもこの問題においては、建物の構造上の問題が指摘されたりとか、飲むことも使うことも、地下水の環境基準があたかも食品に影響を及ぼすような指摘も、この質疑の中でもありましたけれども、やはりそういった業者の風評被害ということも、改めて今回、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思います。
その中で今回、補正予算の中で、豊洲市場の広報PR事業として一億円を計上されているのですけれども、この風評被害払拭にどのようにつながっていくのか、具体的にお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 風評被害を払拭していくには、専門家会議の提言に基づきます追加対策工事を着実に実施するとともに、正確な情報をわかりやすく発信し、豊洲市場の安全・安心について、都民や事業者の理解を得る努力を重ねていくことが重要でございます。
そのため、実際に豊洲市場を見ていただく見学会の拡充、対策工事の内容や各種観測データをインターネットやパンフレットなどでの迅速、正確な発信、市場まつりなどの各種イベントでの広報活動など、さまざまなツールや手段を活用し、積極的なPRに取り組んでいく、こうした取り組みを積み重ね、風評被害を払拭し、信頼の回復につなげてまいります。
○鈴木委員 これまでも、この市場の広報PR事業というのは、市場業者の使用料で賄うものになじまないということで、都民の税金を使って事業を行ってきたというふうに思っておりますけれども、何で今回、このPR事業の一億円が、この補正予算の中に組み込まれているのかということについての説明をお願いいたします。
○松永管理部長 中央卸売市場の事業につきましては、その事業の内容や性質によりまして、使用料収入を充てる、市場会計の中で賄うか、一般会計からの繰入金を充当するかなどの整理を行っております。このことが、公営企業として独立採算の会計を担保する前提というふうに認識しております。
一般会計からの繰入金は、これまでも公正な取引の実現とか、消費者行政にかかわる広報PR事業とか、そういうものに対して、いわゆる行政経費に対しまして、一般会計からの財源を充ててまいりました。今回の豊洲市場の広報PR事業につきましても、これまでの考えと同様に、財源を整理するものと考えておりまして、当面の現金支出につきましては市場会計の中で賄うこととしておりますが、一般会計からの繰入金については、今後、財務局と協議してまいります。
○鈴木委員 今回、最後に、この市場会計の持続可能性というのが、これほど議論されて注目をされている中で、財源の区分というものはしっかりと行っていくべきではないかなというふうに思います。その点を明らかにしなければ、議会として、この予算案をチェックするという役割を十分に果たすことが私はできないというふうに思います。
なぜ今回、補正予算の中で、この市場会計に特化した補正予算になっているのかということを考えると、やはり私は財務局の、一般会計の補正予算として、今回、あわせて都議会に説明すべきであったのかなというふうに思うんですけれども、財務局長はこの点についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○武市財務局長 今回の補正予算につきましては、豊洲市場への早期移転を最優先に進めるということを大きな中心に捉えております。
そうしたことから、今回の予算につきましては、全て中央卸売市場会計で対応するということにしたものでございます。
○鈴木委員 今回の質疑の中で、豊洲市場の移転延期、そしてまた補正予算の質疑の中で、やはり関係する方々というのは、市場業者の方々も含めてたくさんいらっしゃるわけですよ。それのほかに、一般会計ということを考え、この予算ということも考えると、都民の大切な税金という視点の中では、しっかりと説明責任を果たせるようなものにしていくことが大事だというふうに思います。
今回、急を要することで、市場会計の中で提示したという話ですけれども、そういうふうな、何というんですか、提示の仕方、やり方をすると、やはり都民の皆様に対して、この予算が実際にどのような形になっていくのかというのが全くわからないわけですし、市場業者にしてみても、このPRの予算、今回は市場会計の中で見るのかというふうに思っている方、誤解されている方もいらっしゃるわけですよ。その部分のしっかりとした理解をいただけるような取り組みをしていくのがまさに皆さんであって、そうした理解のもとに、やはりこれからの信頼回復につながって進んでいくのではないかなというふうに思っておりますので、皆さんの都合だけで取り組んでいただきたくないということを改めて指摘いたしまして、私の質疑を終わります。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
午後八時三十分休憩
午後九時十六分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、九月四日の委員会において質疑を引き続き行うことにいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時十七分散会
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