経済・港湾委員会速記録第五号

平成二十九年三月二十三日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長柴崎 幹男君
副委員長伊藤こういち君
副委員長菅野 弘一君
理事中山ひろゆき君
理事尾崎あや子君
理事山崎 一輝君
栗林のり子君
島田 幸成君
上野 和彦君
島崎 義司君
鈴木あきまさ君
かち佳代子君
宇田川聡史君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長片山  謙君
総務部長寺崎 久明君
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
管理部長松永 哲郎君
港湾局局長斎藤 真人君
総務部長古谷ひろみ君
労働委員会事務局局長土渕  裕君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案   平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第七号議案   平成二十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案   平成二十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案   平成二十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十号議案   平成二十九年度東京都と場会計予算
・第十八号議案  平成二十九年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十号議案  平成二十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十九年度東京都港湾事業会計予算
・第八十六号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
付託議案の審査(決定)
・第四十九号議案 東京都工場立地法地域準則条例を廃止する条例
・第五十号議案  東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 区分建物の買入れについて
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○柴崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○柴崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第七号議案から第十号議案まで、第十八号議案、第二十号議案、第二十一号議案及び第八十六号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○島崎委員 東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託されました平成二十九年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十九年度予算案作成に当たり、我が党は、二〇二〇年とその先を見据え、必要な施策は充実し、強固な財政基盤を堅持していくべきであると知事に要望いたしました。
 都は、今後も、施策の実効性、効率性を高める取り組みを進めるとともに、財源として活用可能な基金残高を確保し、都債発行額は抑制するなど、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて、平成二十九年度予算では、築地市場が豊洲に移転するのか、現在地に残るのか、大きな課題となっております。
 都議会自民党は、判断の公正を期すため、予算特別委員会において、豊洲と築地それぞれの適正性について知事にただしてまいりましたが、事の本質を避けた答弁に終始され、都民の理解は得られておりません。
 このため、この件に関して、本委員会において議論を重ねてまいりましたが、これまでの委員会質疑においてもいまだ議論は尽くされておらず、豊洲市場への移転、築地市場での継続、それぞれに関して、都民に対する説明責任は果たされていないといわざるを得ません。
 こうした状況を踏まえ、我が党は、三月二十七日に予定されている予算特別委員会の締めくくり質疑で、市場に関係する全ての政策と予算に対して、詳細かつ重点的な質疑をさらに重ねていく必要があると考えております。
 意見開陳の冒頭に、まずそのことを申し上げ、各局事業について申し述べさせていただきます。
 まず、産業労働局関係について申し上げます。
 一、中小企業の成長や事業継続を後押しするとともに、起業、創業を活発にし、雇用の拡大へとつなげるなど、経済の好循環に向けた取り組みを先導されたい。また、全国各地と連携した産業振興策を積極的に推進されたい。
 一、中小企業の稼ぐ力を強化するため、成長産業分野への参入や生産性向上のための設備導入について、全業種を対象に幅広く支援されたい。また、中小企業のIoTの導入、活用を強力に後押しする仕組みを構築されたい。
 一、開業率一〇%実現に向け、TOKYO創業ステーションでの取り組みに加え、若者を対象とした起業コンテストや女性起業家向けの育成プログラム、成長期にあるベンチャー企業の国際展開の後押しなど、多様な支援を展開されたい。また、ファンドの創設により、ベンチャー投資の活性化を図られたい。
 一、中小企業の資金繰りについて、経営改善を図る取り組みへの支援を充実するとともに、地域の金融機関と連携した新保証つき融資制度やABL制度の融資規模拡大により、事業者の資金需要に確実に対応されたい。
 一、中小企業が事業継続の力を高められるよう、サイバー攻撃など新たなリスク対応に関する普及啓発や訓練の充実を図るとともに、危機管理対策に必要な設備導入を支援されたい。下請企業の競争力強化に向けては、受注型中小企業が取り組む技術、サービスの付加価値を高める設備導入等への支援の充実を図られたい。
 一、地域の特徴ある資源を活用した中小企業の新ビジネスの創出を後押しするとともに、販売拡大への支援にも取り組まれたい。また、ものづくり産業や業界の活性化につながるモデルケース創出のための支援を強化されたい。
 一、商店街が顧客や地域の期待に応える新たな取り組みに挑戦できるよう、専門家を活用した支援を展開されたい。また、空き店舗の活用や国際化への対応、新規開業や事業継承、女性、若手リーダーの育成など、商店街の持続的な発展に向けた支援の充実を図られたい。
 一、外国人旅行者誘致を一層効果的に進めていくため、日本各地と連携した観光ルートの開発や富裕層に的を絞ったプロモーションを展開されたい。また、MICE誘致に向け、都立施設を初めユニークベニューの積極的な活用を図るとともに、MICE受け入れ施設の機能強化への支援や、多摩地域におけるMICE拠点の育成に取り組まれたい。
 一、外国人旅行者の受け入れ環境のさらなる向上に向け、無料Wi-Fiやデジタルサイネージの整備を引き続き進めるとともに、多摩地域の観光情報センターの整備により送客促進を図られたい。また、病気など緊急時の問い合わせへの対応、宿泊施設における防犯カメラの設置支援など、安全・安心を守る体制づくりを進められたい。
 一、中小の観光関連事業者が行うインバウンド対応への支援を充実させるとともに、生産性向上や集客拡大を図る取り組みへの新たな支援策やマネジメント人材の育成などを通して、観光関連事業者のサービスや経営の力を高められたい。
 一、観光による地域活性化を図るため、都内各地域の多様な観光資源の開発に積極的に取り組まれたい。水辺空間、公共インフラ、アニメなどを活用した観光振興、建造物や自然のライトアップ、ナイトライフを楽しむ観光を推進するとともに、地域の自由な発想を引き出し、特産品や旅行商品に結びつける取り組みを継続して行えるよう支援の充実を図られたい。また、福島県の観光復興に向け、引き続き被災地応援ツアーを実施されたい。
 一、多摩・島しょ地域の観光振興については、きめ細かい情報発信や交通アクセスの充実とともに、多摩地域の観光協会や商工関連団体等の広域的なネットワークによる取り組みや、島しょ地域全体で誘客と消費を促す取り組みなど、地域間の連携による新たな仕組みづくりを後押しされたい。また、自然公園に着目した旅行者誘致など、地域のポテンシャルを生かした特色ある取り組みを展開されたい。
 一、教育や福祉といった多面的な都市農地の活用に着目し、さらなる保全策を展開されたい。学童農園や福祉農園の整備や運営に係る農業者への支援に加え、都による公有化のモデルケースをつくり、区市へ波及されたい。
 一、女性農業者の確保、育成に向け、女性が就農しやすい環境づくりや、女性の感性を生かした商品開発や販売促進への支援に取り組まれたい。また、江戸東京野菜を初め、農産物のブランド化、高付加価値化の取り組みや新技術の導入を促進されたい。
 一、多摩産材の一層の利用拡大に向け、都関連施設での率先利用はもとより、商業施設の木質化への支援、家具や什器の製品開発、木造住宅を対象とした普及などを積極的に進められたい。
 一、働き方改革の実現に向け、中小企業にとって利用しやすい制度づくりや情報発信に取り組まれたい。特に、都の支援策をワンストップで提供する窓口の設置などにより、きめ細かい支援を展開されたい。
 一、障害者の就業を一層促進するため、職場定着をサポートできる社内人材の育成や、正規雇用化や処遇改善を図る企業への支援を継続されたい。また、難病患者やがん患者が職場で活躍できるよう、疾病の特性に配慮した職場環境整備への支援に取り組まれたい。
 一、地域の産業や求人ニーズに的確に対応した公共職業訓練により、人材の育成を推進されたい。また、認定職業訓練への支援の充実により、将来を担う人材育成に取り組む中小企業を後押しされたい。
 一、島しょ地域の農業振興を図るとともに、漁業生産に不可欠な基盤整備を充実されたい。また、大島や三宅島の復興に向け、産業の活性化に継続して取り組まれたい。
 次に、中央卸売市場について申し上げます。
 一、第十次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、老朽化施設の維持更新を着実に進めるとともに、各市場の特性を踏まえた機能強化に積極的に取り組まれたい。
 一、多摩地域の地方卸売市場については、生鮮食料品流通の安定供給を図るための施設整備補助制度等の充実を図り、その支援に努められたい。
 一、豊洲市場の安全については、科学的に確認をされており、知事も安全であると明言をされた。一刻も早い移転の決断とともに、知事の責任のもとで、安心を得られるための取り組みを強力に推進されたい。
 一、豊洲市場への移転延期により生じた市場業者の損失は、都の責任であり、早期かつ十分な補償を実施するとともに、移転延期によって影響を受けたあらゆる関係者の損失についても、丁寧に対応されたい。
 一、築地市場の安心を確保するためにも、疑いのある土壌汚染を早急に調査し、その結果を速やかに公表するとともに、必要な措置を講ずること。
 一、築地市場は老朽化が進み、衛生面においてもさまざまな課題が生じている。速やかに状況把握を行い、その全てについて、ほったらかしにすることなく、規模を問わず修繕を実施すること。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、首都圏の産業と生活を支える東京港の港湾機能の強化を図るため、新規コンテナふ頭の整備、再編などを進めるとともに、臨港道路南北線等の整備による道路ネットワークの強化やふ頭周辺の交通混雑対策など、物流効率化に向けた取り組みを推進されたい。
 一、二〇二〇年までに、世界最大のクルーズ客船に対応可能な新客船ふ頭を整備するとともに、さらに、海外主要港と同様、二隻の客船を接岸できる体制整備を推進されたい。また、積極的な客船誘致、広報に取り組まれたい。
 一、地震、津波、高潮から都民を守るため、水門や防潮堤等の耐震強化など、海岸保全施設の整備を着実に推進するとともに、道路の無電柱化や防災船着き場整備に取り組まれたい。
 一、臨海副都心の開発に当たっては、東京二〇二〇大会の先も見据え、民間事業者の創意工夫も引き出しながら、MICE、国際観光機能の強化に取り組み、IRも視野に、切れ目なく、まちの魅力向上に努められたい。
 一、水辺のにぎわいを創出するため、水辺に親しむことができる地域の観光拠点を舟運で結ぶなど、広域的な展開を視野に入れた取り組みを進めるとともに、船着き場周辺地域との連携を図るなど、舟運を活性化されたい。
 一、島しょの港湾、漁港、空港などの整備や防災対策を着実に進めるとともに、離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。また、船客待合所の更新など、海と空の港まちづくりを推進されたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○栗林委員 都議会公明党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十九年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 平成二十九年度一般会計予算案は、必要な施策には思い切った予算措置を行うと同時に、財政構造改革の一層の推進を図った結果、一般会計の規模は五年ぶりに減とするなど、めり張りのついた予算案となっています。
 具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた、待機児童対策の充実や高等学校の授業料における公私格差の解消、無電柱化など、都民の生活の質を高める取り組みに財源を重点的に投入するなど、都民福祉の向上を図る施策が随所に盛り込まれています。
 一方で、都財政は景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にあることを踏まえつつ、安定的かつ継続的な行政サービスを提供していくための強固な財政基盤の構築を図ることが不可欠であります。
 今回、全ての事業に終期を設定し、終期を迎えた事業について事業評価を行うシステムを導入するなど、施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底し、事業評価の取り組みを通じて昨年度比約二・四倍となる七百二十億円の財源を生み出していることは、財政構造改革の取り組みが力強く前進したものと高く評価します。
 また、都債や基金を計画的かつ戦略的に活用していることは、社会保障関係経費や社会資本ストックの維持更新経費、さらには二〇二〇年東京大会に向けた需要増など、中長期的な視点に立った財政対応力の強化にしっかり取り組む姿勢をあらわすものであり、評価いたします。
 今後とも、いかなる状況にあっても都民生活を守ることを第一に考え、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、産業労働局について申し上げます。
 一、都内産業の持続的発展や雇用の拡大を図るため、起業、創業に対する積極的な支援策を講じるとともに、医療関連機器やロボット技術などを活用した新製品の創出を後押しするなど、中小企業の新たな事業分野への参入を支援すること。
 一、東京の魅力ある製品の販路拡大に向け、都内中小企業の取引拡大を図るため、経済団体と連携し海外でPRを行うなど、伝統工芸品やアニメなどのクールジャパン関連産業の着実な成長に向けて支援の充実を図ること。
 一、仕入れ価格の高騰など、厳しい経済環境により経営が圧迫されている中小零細の下請企業が不利に立たされることのないよう、取引適正化に向けた取り組みを強化すること。
 一、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業や、進め若手商人育成事業を引き続き実施するなど、商店街の活性化に資する事業を一層推進すること。
 一、中小企業が経営基盤の強化を着実に進めていくことができるよう、専門家派遣事業を引き続き実施し、事業承継に臨む中小企業のサポートを充実すること。
 一、中小企業の資金繰りが円滑に行われるよう、企業の保有する動産のほか、売掛金や在庫などを担保として活用する資金調達手法であるABL制度のさらなる利用促進を図り、中小企業の資金調達の多様化を推進すること。
 一、二〇二〇年大会開催を見据え、外国人旅行者の誘致に向け、観光案内標識や無料Wi-Fi、トイレの洋式化、多言語表記など、受け入れ環境の整備を推進すること。
 一、障害者や高齢者等、誰もが安心して快適に東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリー等に配慮した取り組みを強化すること。また、いまだ風評被害の影響が根強く残る福島県に対し、引き続き、被災地応援ツアーを実施すること。
 一、東京の各地域に存在する文化、芸術、自然、水辺など多様な魅力を観光資源とする主体的な取り組みに対し、支援を充実すること。また、出会いの機会を提供する観光ツアーなど、島しょ地域の観光客誘致を進めること。
 一、都市農地の保全に向け、都によるモデル農園の運営や、小規模な農地でも高い収益が得られる農業経営への支援に取り組むこと。また、東京二〇二〇年大会を見据え、選手村などで食材として提供できる認証取得への支援に取り組むこと。
 一、非正規労働者の割合が高まる中、正規雇用化の着実な推進に向け、助成制度の拡充により、企業の正社員化の取り組みを強力に支援すること。
 一、若年者に対する就職支援策として、求職者と中小企業とのマッチングを促進すること。また、関係部署と連携を図りながら、高校を中退した若者に対する就業支援にも取り組むこと。さらに、中小企業がものづくり人材を量的、質的に確保できるよう、若者が中小企業の魅力を感じる仕事体験ツアーなどを積極的に設けるとともに、インターンシップを受け入れる企業への支援に取り組むこと。
 一、東京しごとセンター及びしごとセンター多摩における各種就業支援策を推進し、特に、結婚、出産等で離職した女性に対する再就職支援を、女性しごと応援テラスを中心に、再就職に向けたマッチングや普及啓発、情報提供を充実すること。
 一、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向け、個々の企業の実情に合わせ、働き方、休み方の見直しを支援するとともに、社会全体で働き方改革を進めていけるよう、機運醸成を図ること。また、テレワーク導入を図る企業へのきめ細かな支援により、柔軟な働き方を推進し、ライフワークバランスの実現に取り組むこと。
 一、ジョブコーチの派遣による障害者雇用の支援を進め、障害者の雇用拡大と職場への定着を一層推進すること。また、障害者の安定的な雇用を促進するため、賃金などの処遇改善に取り組む企業を支援するとともに、難病患者の就業に向けた支援充実を図ること。
 一、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して、効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施すること。
 一、職業訓練を充実するとともに、障害者や高齢者など就職が困難な求職者に対しても積極的な支援を行うこと。
 一、豊かな自然に恵まれた島しょ地域の観光産業、農業及び漁業のさらなる振興を図ること。また、大島の復旧、復興対策として、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を引き続き行うとともに、三宅島復興に向け、十分な支援を継続すること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲市場については、食の安全の再確認と再構築が最優先であり、必要な追加の安全対策を確実に実行するとともに、都民の目線に立って積極的に情報を公開し、食の安全を守ること。また、市場関係者やその周辺が抱えている不安解消に向けて、築地市場の安全の確保と、補償内容や相談対応の充実を図ること。
 一、第十次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、各市場がその特性に応じた機能を十分に発揮し、卸売市場の活性化が図れるよう努めること。また、東日本大震災を踏まえ、災害対応力の強化を図るとともに、被災地を支援するため、被災地農畜水産物のPRなど、風評被害の払拭につながる取り組みを進めること。
 一、市場環境の改善のため、再生可能エネルギーの活用と省エネ機器への転換など、省エネルギー、地球温暖化対策に取り組むこと。
 一、中央卸売市場は公共性の高い事業であり、都民の食生活を支えるために事業を継続することが重要である。このためには、日々の事業運営の基盤となるキャッシュフローを重視した経営が必要であり、健全な市場財政の確保に努め、基本的な役割を十分に果たすこと。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、大型クルーズ客船の入港に常時対応可能なふ頭を整備するとともに、クルーズ客船の東京港や島しょへの積極的な誘致、広報を図ること。
 一、地震、津波、高潮による災害から都民の生命、財産を守るとともに、首都の中枢機能を確保するため、水門や防潮堤等の耐震強化など、海岸保全施設の整備等を積極的に推進すること。また、震災時における港湾物流機能の確保のため、岸壁や橋梁などの耐震対策を推進するとともに、道路の無電柱化や防災船着き場整備に取り組むこと。
 一、環境先進都市東京の一つの顔として、東京の海を復活させ、多くの生き物が生息し、都民が水に親しめる魅力ある海上公園づくりを推進すること。
 一、水辺にある観光資源と連携した舟運ルートの開発を行うとともに、利用しやすい船着き場の整備を進めるなど、舟運の活性化を積極的に図ること。
 一、離島住民の生活の安定や産業の振興、交通利便性の向上を図るため、島しょの港湾、漁港、空港、海岸保全施設等の整備や防災対策の推進、離島航路、航空路補助の充実に努めること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○中山委員 私は、東京改革議員団を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十九年度予算案に係る議案について、意見の開陳を行います。
 平成二十九年度予算案は、小池知事就任後、初の本格予算となります。
 予算規模は、前年度比〇・八%減の六兆九千五百四十億円となりました。トランプリスクによる世界経済への影響等による税収の下振れなど懸念材料を踏まえると、東京改革議員団が繰り返し提案してきた、徹底した無駄の排除と行財政改革の推進など、より一層の財政基盤の強化が求められているものと考えます。
 歳出面では、基金積み立てや公債費等を除く一般歳出が、前年度比〇・六%減となりました。将来の成長に向けた戦略をしっかりと描き、その戦略に基づく新産業の育成や環境エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じ、めり張りをつけることが重要です。
 このような観点から予算案を見ると、財政構造改革を推し進めるとともに、事業の必要性や経費の内容などを検証しつつ、未来への投資を積極的に行っております。また、予算編成過程の透明化が図られた点についても評価します。
 さらに、保育士の処遇改善、高校生を対象とした給付型奨学金の創設、働き方改革の推進など、都政改革、子育て支援、労働分野での積極的な取り組みは、私たちが提案してきた内容が盛り込まれていると考えます。
 今後も、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策を展開するよう要望するものであります。
 さらに、公文書の管理徹底、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革についても引き続き強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にわたる事項について申し上げます。
 まず、産業労働局について申し上げます。
 一、非正規社員の待遇を改善する同一労働同一賃金や教育訓練の制度の導入などの取り組みを行う企業を支援すること。
 一、中小企業の生産性を高めていくため、従業員に対して多様な職業訓練を実施すること。
 一、女性の再就職を支援するため、マザーズハローワーク等との連携を推進し、育児や家事等による時間を確保できない女性に対して、きめ細かな職業訓練や就職支援を実施すること。
 一、短時間勤務や在宅勤務など多様なワークスタイルを定着させることは、誰もが活躍できる社会づくりに向けて取り組むべきことであることから、多様な働き方への取り組みを推進すること。
 一、建築、機械、電気等の分野において、女性を含む誰もが活躍できるように能力開発を支援すること。
 一、東京しごとセンターやシルバー人材センター連合などで、高齢者のニーズに応じた多様できめ細かな就業支援を実施すること。
 一、ドローン特区を活用したドローンの実証実験が多摩地域で行われるため、産業振興など、さまざまな分野で活用を図ること。
 一、外国人旅行者が求めていることを把握するため、マーケティングを実施することや、観光関連事業者の業務計画への支援など、観光振興につながる取り組みを行うこと。観光事業者への事業の周知をすること。
 一、各地域の観光振興を活発にするため、地域の発想を生かした振興策を進めること。
 一、地域の旅行者誘致を後押しするため、観光協会設立に向けて支援を行うこと。
 一、多摩観光情報センターと多摩の各地域の観光協会とが連携を密にしながら、観光情報を戦略的に発信すること。
 一、多摩地域の自然公園を活用した観光振興に取り組むこと。
 一、小河内ダムを初めとした都や国、区市町村が持つ公共インフラと民間事業者による提案を結びつけるなど、インフラツーリズムをさらに推進すること。
 一、MICE誘致の重要性を宣伝することや、シンポジウムによる普及啓発を実施するなど、実効性の高いMICE連携推進協議会を設立すること。
 一、販路開拓や、消費者ニーズを捉えたデザインなど魅力的な製品づくりや展示会を開催するなど、多摩産材の高付加価値化に向けた取り組みを行うこと。
 一、保育園などで多摩産材を活用した内装木質化や木製遊具、什器などを導入する事業をさらに推進すること。
 一、子供たちの心身の成長によい影響を与えるとともに、森林の役割や木を使うことの大切さを知る木育の取り組みをさらに推進すること。
 次に、港湾局について申し上げます。
 一、世界的なコンテナ船の大型化に伴い、ガントリークレーンの大型化や岸壁補強、バースの整備など、必要な対策を実施すること。
 一、東京港における交通混雑、渋滞の解消を図り、物流の効率化を推進すること。
 一、高度なロジスティック機能を備えた物流拠点の形成が求められるため、大量のコンテナ貨物を荷さばきし、保管する大規模倉庫のさらなる形成など、強化策を推進すること。
 一、姉妹港、友好港とさまざまな形で交流を促進することで、両港の友好を深めるとともに、相互の発展につなげること。
 一、水の都東京を国際観光都市として発展させるため、屋形船やクルーズ船、水上タクシーが利用できる桟橋の開放を進めるなど、舟運の活性化に取り組むこと。
 一、観光客向けの屋形船や小型クルーズ船、都民、旅行業者を対象とした体験乗船など、不定期航路のさらなる活性化を図ること。
 一、テロ対策合同訓練や関係機関の連携強化、国際ふ頭施設における保安対策など、東京港における保安対策の強化に取り組むこと。
 一、港湾事業の工事などで適正な価格を算出するために、職員の設計や積算能力を高めていくこと。
 一、調布飛行場周辺飛行機墜落事故対策などについては、事故原因が解明されるまでは自家用機の飛行中止を求めるとともに、被害住民を救済する新たな制度を整備すること。
 最後に、中央卸売市場について申し上げます。
 一、中央卸売市場に対して多様なニーズが求められていることから、各市場がそれぞれの市場の特性を踏まえた市場づくりを行うなど、戦略的な機能強化に取り組むこと。
 一、豊洲市場が安全・安心な市場として本当に機能するのか、プロジェクトチームと専門家会議においてあらゆる観点から検証するとともに、都民に適時適切に情報提供を行うこと。
 一、豊洲市場の開場延期を踏まえ、現在の築地市場の運営に必要な補修など、必要な対策を講じること。
 一、築地市場で営業を続けている事業者に対して、老朽設備などの補修、更新経費や、豊洲移転を前提とした設備購入費、人件費などの損失補償に誠心誠意取り組むこと。
 一、各市場の施設や設備などの改修工事など、施設の改良を進めること。
 以上申し上げまして、東京改革議員団の代表としての意見開陳を終わらせていただきます。

○尾崎委員 日本共産党を代表して、本委員会に提出された予算案関係について意見を述べます。
 安倍政権のもと、社会保障が削られ、アベノミクスによって貧困と格差が広がり、都民の暮らしも中小企業の営業も深刻な事態です。雇用はふえているといわれますが、ふえているのは非正規雇用です。電通の過労自殺を受けて、長時間労働の見直しが大きな世論になっています。
 今必要なことは、都民の暮らしや中小企業を直接応援し、地域経済の振興を図り、経済の好循環をつくることです。
 二〇一七年度予算案は、中小企業対策では、商店街支援対策は専門家派遣、巡回相談などの新規事業を立ち上げるなど約十億円増額されます。医工連携事業、福祉用具や環境分野機器など、都民の要求とかみ合った分野への中小企業の参入を支援する予算も増額され、地域の産業集積の活性化を図る区市町村への支援事業も拡充されます。
 農業対策では、都市農業の保全、担い手育成支援などが拡充されます。
 雇用就労対策では、三年間で一万五千人の非正規雇用を正規雇用に転換する最後の仕上げの年度になります。しかし、正規雇用につきたいと努力してもなかなか難しい就職氷河期世代への支援拡充、小規模企業が継続できるよう独自の支援策が求められます。
 一方、東京港の新客船ふ頭整備や臨港道路南北線整備など問題があります。
 都として、今やるべきは、不要不急の開発は見直し、中小企業を支援して、働く人の賃金を引き上げ、人間らしく働ける雇用環境を整えることで、経済対策を内需拡大に切りかえることです。
 築地市場移転問題では、豊洲の建物下の盛り土がなく、都の虚偽答弁が明らかになり、都政を揺るがす大問題となっています。百条委員会が設置され、全容解明のために、東京ガスの関係者や濱渦元副知事、石原元都知事などの証人喚問が行われています。
 以下、各局別に申し上げます。
 最初に、産業労働局です。
 最低賃金は直ちに時給千円以上に引き上げ、時給千五百円の目標を持ち、その実現のために力を尽くすこと。また、そのために中小企業を支援すること。
 都として、人間らしく働きがいのあるディーセントワークを広げるため、仮称ですが、地域雇用改善プランをつくること。
 若者を使い捨てるブラック企業根絶、これも仮称ですが、宣言をし、ブラック企業、ブラックバイトの根絶に努めること。
 都立職業能力開発センターの授業料は無料に戻すこと。また、施設内訓練の規模を倍加すること。
 ハローワーク、区市町村と共同で就職支援を抜本的に強化すること。
 若者、中高年に対する雇用対策事業を大幅に拡充すること。
 長時間過密労働をなくし、労働環境の改善を図ること。
 高齢者の雇用と社会参加を促進するため、活動団体との連携を強化すること。
 中小企業振興対策審議会を開催し、中小企業の意見を聞き、振興策を抜本的に強化すること。
 中小企業の悉皆調査を行う区市町村を支援し、中小企業、小規模企業振興条例を策定すること。
 小規模企業振興プランを策定し、事業承継、継続を強化すること。
 補助金などの申請書類の簡素化を図ること。
 観光、地域特産品、地域文化、町工場などを生かし、農商工が連携した地域産業振興を進めること。
 中小企業の受注、製品開発、販路の拡大につなげる専門家の派遣を拡充すること。
 中小企業が公正な取引ができるよう、取引監視体制を強化、拡充すること。
 新・元気を出せ商店街事業を拡大し、補助率を上げること。
 買い物弱者対策を、福祉保健局や交通局などと連携して推進すること。
 商店街の個店や小規模企業へのリニューアルなど、直接支援を行うこと。
 区市町村が実施する多様な商店街活性化事業に対する財政支援を行うこと。
 中小企業資金繰り支援の拡充、相談窓口の強化、仕事の確保と販路拡大支援を強化すること。
 東京の農業を基幹産業と位置づけ、都市農地の保全と活用した都市農業の振興を進める都市農業振興条例を制定すること。
 多摩産材の公共、民間での利用促進施策を抜本的に拡充するとともに、CLT普及に向けた取り組み、木質バイオマス利用を進めること。
 伝統工芸品の常設展示場を開設し、財政支援を拡大すること。
 伝統工芸品産業の持続化を図るため、区市町村と協力して支援するとともに、文化、教育、観光など局横断的政策展開を進めること。
 次に、港湾局です。
 中央防波堤外側外貿コンテナふ頭整備、臨港道路南北線建設、大型クルーズ客船の寄港に対応可能な新客船ふ頭整備など過大な港湾整備計画を見直すとともに、港湾施設の老朽化対策、維持改修、耐震化など都民生活の充実や中小企業の振興につながる東京港の物流機能の拡充を図ること。
 臨海副都心地域におけるアジアヘッドクオーター特区構想に基づくMICE、国際観光拠点づくりはやめ、都民参加で新たな活用方法を進めること。
 離島航路補助、貨物運賃補助を拡充すること。
 ジェットホイルの安定就航のために港湾内外の整備を進めること。
 都営空港の指定管理者制度は見直すこと。
 海上公園の整備に当たっては、自然環境の保全及び回復を第一義的な目的として進め、PFIの導入はしないこと。
 次に、中央卸売市場です。
 豊洲新市場への移転については、抜本的に再検討を行うこと。
 築地市場の現在地での再整備について、都民、専門家の英知を集めて、市場関係者の合意を得ながら検討を開始すること。
 築地市場については、環二仮設工事を一旦中断するとともに、必要な補修、改修を早急に行うこと。移転延期に伴う市場関係者の費用負担については、都の責任で速やかに対応し、補償すること。
 競り取引原則の廃止など規制緩和を改めるとともに、大型量販店による先取り、転送をなくして、公平で公正な競り取引を促進すること。
 第十次東京都卸売市場整備計画実行に当たっては、関係する業者、住民と十分協議するとともに、市場、分場の一方的な統合、廃止、民営化を行わないこと。良質の生鮮食品が卸売市場から地域商店に回るような仕組みに改善すること。地域商店に使いやすい施設整備を行うこと。
 仲卸など中小零細業者の経営支援を行うこと。
 最後に、労働委員会についてです。
 労働委員会命令については、その履行状況について、都民、各局、区市町村へ公表するとともに、その履行を企業に求めること。
 以上です。

○柴崎委員長 以上で予算案に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○柴崎委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十九号議案、第五十号議案及び第七十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第四十九号議案、第五十号議案及び第七十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎委員長 異議なしと認めます。よって、第四十九号議案、第五十号議案及び第七十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○柴崎委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○柴崎委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、土渕労働委員会事務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○土渕労働委員会事務局長 本委員会の所管四局を代表いたしまして、一言、御礼のご挨拶を申し上げます。
 柴崎委員長を初め委員の皆様方には、本定例会に提案いたしました議案等につきまして、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○柴崎委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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