委員長 | 島崎 義司君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
副委員長 | 清水 孝治君 |
理事 | あさの克彦君 |
理事 | 田中たけし君 |
理事 | かち佳代子君 |
松田やすまさ君 | |
尾崎あや子君 | |
大松あきら君 | |
木内 良明君 | |
三宅 正彦君 | |
石毛しげる君 | |
三宅 茂樹君 |
欠席委員 一名
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 岸本 良一君 |
次長 | 澤 章君 | |
管理部長 | 野口 一紀君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
新市場整備部長 | 飯田 一哉君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 金子 光博君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 長田 稔君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 赤木 宏行君 | |
新市場整備技術担当部長 | 福田 至君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲市場への移転の延期及び豊洲市場建物下の盛土について
・「東京都卸売市場整備基本方針(答申)」について
・築地市場(二十八)青果部卸売場仲卸売場棟解体工事
・築地市場(二十八)水産物部本館及び卸売場棟解体工事
・築地市場(二十八)水産物部仲卸売場棟解体工事
・豊洲市場地下ピット内の水質調査及び空気測定の結果について
・「豊洲市場の地下空間設置と盛土がなされなかったことに関する自己検証報告書」について
・豊洲市場用地における地下水のモニタリング(第八回)の結果について
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の設置について
・豊洲市場及び築地市場における施設内空気等の測定結果について
・豊洲市場用地における地下水位について
・地下水管理システムの概要について
陳情の審査
(1)二八第六六号 豊洲市場の開場計画に関する陳情
(2)二八第六九号 豊洲市場予定地の地下水及び土壌汚染に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○島崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑及び陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
昨日の委員会に引き続き、報告事項、豊洲市場への移転の延期及び豊洲市場建物下の盛土について外十一件の報告事項に対する質疑及び陳情の審査を行います。
本件につきまして、昨日の委員会で要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○野口管理部長 昨日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
表紙を一枚おめくり願います。経済・港湾委員会要求資料の一覧表でございます。
1、豊洲市場の地下空間設置と盛り土がなされなかったことに関する自己検証報告書作成に当たり、小池知事に中間報告を行った際の資料でございます。
なお、本中間報告につきましては、豊洲市場地下空間における調査特別チームが九月二十三日に小池知事へ報告しております。
一枚おめくりください。調査の概要でございます。
九月十六日から二十一日にかけてヒアリングを実施しております。
対象者は、平成二十年五月以降、中央卸売市場に在職した市場長、管理部長、総務課長、新市場建設に係る土木担当の部長、建築担当の部長でございます。
目的は、豊洲市場における地下空間の設置及び議会説明、対外広報の経緯を明らかにすることでございます。
調査のポイントは、〔1〕、石原知事の指示と指摘されている地下空間との関連性について、〔2〕、いつ、どの時点で盛り土をしないこととしたのか、〔3〕、環境アセスメントについて、〔4〕、議会答弁や対外的な説明が事実と異なっていたことについて、〔5〕、専門家会議等の意見を聞かなかったことについてでございます。
次に、今後の調査及び九月二十三日の定例会見についてでございますが、地下空間を設けた経緯の概要は把握できたが、より詳細な解明が必要なため、調査については続行したい、今回の調査により組織運営上の問題点も明らかになってきており、調査を最終的にまとめるに当たっては、組織運営上の改善についても整理をする、二十三日の定例記者会見及びその後の中央卸売市場の対応について報告しております。
一枚おめくりください。以降、調査のポイントの論点、これについては一ページから八ページまで掲載してございます。そして、豊洲市場の土壌汚染対策(盛り土)をめぐる経緯となります。ご参照お願いいたします。
報告事項は以上でございます。
なお、次に、昨日の委員会における当局の答弁で訂正がございます。
まず、尾崎委員の答弁の中で四点訂正がございます。
一点目、七街区揚水井戸本数についてのご質問でしたが、二十一本ではなく、二十五本でございます。
二点目、地下水管理システムの停止日についてのご質問でしたが、停止日は、土日との答弁でしたが、停止日は、日曜、祝日、点検調整中のときであります。
三点目、揚水井戸の水位表示についてのご質問でしたが、各揚水井戸の水位はわからないと答弁いたしましたが、各揚水井戸にも水位計があり、水位を感知してポンプが稼働するようになっております。
四点目、地下水管理システムの運転保守業務委託は直営かのご質問でしたが、直営ですと答弁いたしましたが、自動分析装置の精密点検業務など一部再委託しているものもありますとしております。
次に、あさの理事への答弁の中で一点訂正がございます。
日建設計の技術提案書などを審査した中央卸売市場設計業務プロポーザル技術審査委員会の委員のうち、現在も都の管理職にいるのは何人で、何人からヒアリングをしたのかとのご質問でした。ヒアリングの質問には、ヒアリングをしていないと答弁いたしましたが、今現在、処分に該当する違法行為があるかどうかを調査している段階であり、誰にヒアリングしたかについてはお答えできません。
申しわけありません。もう一点、訂正がございます。
先ほど、九月二十三日に知事に報告といたしましたが、九月二十一日に知事に報告いたしております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○島崎委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより報告事項及び陳情に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○清水委員 都議会自民党の清水孝治でございます。昨日に引き続きまして、市場問題についてお伺いしたいと存じます。
昨日は、皆様方から、網羅的な質疑あるいは答弁がなされたわけでございますが、本日は若干角度を変えて今回の市場問題に迫ってみたいと思うわけでございます。
去る九月十六日に、私も都議会自民党のメンバーの一人として問題の豊洲市場を視察してまいりました。そこでは、十一月七日の移転を信じるかのように、さまざまな方々が作業に精を出している、そんな姿を目の当たりにしたわけでございます。また、市場内では、もう既に冷蔵庫も設置され、立派なお店の看板も掲げられているような、そんなオープンを待つばかりの仲卸業者も数あったわけでございます。
なぜこんなことになってしまったのか、そしてまた、誰がこんなことにしてしまったのか、私の今の率直な感想でございます。
築地市場の移転につきましては、この私が生をうける昭和四十年の前から既に議論が始まったと聞いております。都議会議員一期生の私が論を張るようなものではないのかもしれませんが、先輩の皆様方が集中審議をされました六、七年前のこの膨大な委員会資料、約四十時間も議論をしたわけでございますが、そういった資料に目を通してまいりまして、本日の質問に至っているわけでございます。
その審議の中身は、現在地での再整備ですとか、あるいはツインマーケット構想といったような、さまざまな議論が皆様で活発かつ熱い議論が交わされてきたわけでございます。
しかし、我々の共通認識でございます移転問題の出発点は、当時の石原慎太郎都知事がいうところの、古い、狭い、危ないといった築地市場を、その機能を更新あるいは強化することに今回のこのテーマが始まっているなと思うわけでございます。
そこでお伺いしたいと思いますが、機能更新、そして強化が急務であるといわれております築地市場の現況をお聞かせ願いたいと存じます。
○飯田新市場整備部長 築地市場は、開場から八十年以上が経過しており、老朽化、狭隘化から施設や物流に多くの課題を抱えております。
施設面では、建築部材の落下、雨漏り、冷蔵庫や低温設備の劣化が進むなど、至るところでふぐあいが散見され、商品管理にも支障が生じております。
また、物流面では、敷地の狭隘化から駐車場や荷さばき場が不足しており、路上や狭い通路にまで荷があふれ、トラックやターレ、フォークが錯綜するなど、効率的な荷の搬送や円滑な買い回りにも支障を来しております。場内での事故も、二十六年は人身事故百五十二件、物損事故二百六十二件と多くなっております。
このような状況の中では、市場運営に支障を来さないよう、品質、衛生管理の徹底など、抜本的な施設改善を図っていくことは困難なものとなっております。
○清水委員 全くそのとおりだと思うわけでございます。私は、ここに二〇一六年九月八日付の日本経済新聞の電子版の記事を所持しているわけでございますが、タイトルは、実は豊洲より高濃度、築地移転延期の波紋というふうな形になっております。
抜粋して読み上げさせていただきたいと思いますが、築地の方が豊洲よりベンゼン濃度が高かったらしい、東京都知事小池百合子が、築地市場の移転延期を表明した八月三十一日の一週間ほど前、関係者の間をこんな情報が駆けめぐったというふうな内容です。
続いて、こういうふうにも書かれております。
築地の問題はそれだけではない、都内が集中豪雨に見舞われた八月二十日、構内の排水口からは下水が噴き出し、雨漏りもひどかった、築地の青果卸、築地くしやを経営する杉本雅弘さんは、各店が対策をとるが、老朽化で、食の安全を考えると築地は限界であると訴えています、ネズミが走り回るのも日常茶飯事だというふうな記事でございます。
確かに、今回の盛り土偽装に端を発する市場問題は、行政職員と我々都議会議員の信頼関係があくまでも前提で行っております議会運営の根底を揺るがす一大事だと思うわけでございます。
その一方で、市場の役目であります市民へ円滑かつ安定的に生鮮食料品を供給する使命を果たすとともに、生産者と実需者との共存共栄を図る、つまり取引の現場を提供するという、そういう役目を担うこの築地市場、これが老朽化してしまっている、その機能更新あるいは強化こそ、今我々が達成すべき上位の目標ではないかと思うわけでございます。
一刻も早くこの目標を達成する環境づくり、努力こそが、今さまざまな原因究明と同時並行に求められている、そういった観点から私は何点かご質問をしたいと思います。
さきの代表質問で、我が党の高木けい幹事長の質問に対しまして、豊洲市場用地の土壌汚染対策については、環境局長から、汚染土壌の掘削除去や、処理、工事中の拡散防止などが実施され、土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されているとの答弁がございました。
また、地下空間があることによる豊洲市場施設の構造上の安全性については、都市整備局長から、建築基準法に基づき審査し、また、ダブルチェックの観点から、第三者機関においても、耐震性を含め構造上の安全性を確認しているとの、法に照らした安全性についての明確な答弁が得られたわけでございます。
さらに、懸念されております地下ピット内の、いわゆるたまり水につきましては、専門家会議の平田健正座長にご視察いただき、結論からいうと、地下水であると。地下水、環境基準に適合している、飲んでも大丈夫とのご判断もいただいたわけでございます。
以上の安全性が確認された中で、移転のハードルとして乗り越えなければならないのが基準を超えた地下水モニタリングの結果であり、地下水空間の問題、変更手続が必要な環境アセスが挙げられるわけでありますが、そのほかに、移転のため解決しなければならない課題はあるのかどうか、お聞かせいただきたいと存じます。
○福田新市場整備技術担当部長 移転に当たりましては、ただいま副委員長ご指摘の市場用地の安全性や手続に加えまして、市場関係者や都民の皆様が安心していただけるよう、わかりやすく丁寧に説明し、理解していただくことが不可欠であると考えております。
○清水委員 さっぱりとした簡潔なご答弁でございましたが、これから、わかりやすく丁寧に説明していただいて、都民の皆さんにご理解いただくということは重要なことかと思うわけでございますが、それとあわせて、今後、まさに小池知事のご判断が問われてくる場面が出てきたのかなと私は、思っているわけでございます。
同じく我が党の代表質問に答える形で、知事は、豊洲市場への移転については、食の安全についても生活者の目線、都民ファーストの感覚は大切にしなければならないとし、地下水モニタリング、地下空間の問題、建物の耐震性などについて、現在、専門家会議、市場問題プロジェクトチームにおいて調査検証を行っていると答えております。
また、移転に当たっては、安全性を科学的に、かつ安心していただけるように、わかりやすく市場関係者や都民に説明して理解をしていただくのが一番大事とし、これらの科学的、そしてその安全性ということを経た上で総合的に判断をしていきたいとのお考えを示されたわけでございます。
この答弁からは、知事は、総合的な判断をする上で、専門家会議や市場問題プロジェクトチームの調査検証は参考にされるようでございますが、残念ながら、そこに本日ご出席いただいております中央卸売市場の名前はございません。
確かに、小池知事は、東京大改革をテーマに選挙に挑み、これまでの都政運営を見直すため知事になられたわけであります。しかし、現在は紛れもない都行政のトップであり、最高責任者であることも事実です。
また、中央卸売市場の皆様は、知事の補助機関となるわけでありまして、知事の執行事務のかわりに行う役目、まさに知事と一体となってこれからの行政を進めるお立場にあるわけでございます。
しかし、現在のこのぎくしゃくとした関係を、マスコミ等では、おもしろおかしく、今の東京都政は、二元代表制ならぬ、知事、職員、議会の三元代表制だとやゆすることがございます。ぜひとも、知事と職員の関係が深まって、一刻も早く都政のあるべき姿、二元代表制になることを希望するわけでございます。
そこでお伺いしたいと思います。
知事は、移転には総合的に判断をされるそうでございますが、中央卸売市場としては、どのように知事の総合的な判断にかかわっていくおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○岸本中央卸売市場長 知事の総合的判断に係る中央卸売市場の関与についてでございます。
今、清水副委員長からお話ございましたように、小池知事は、総合的判断の前提として、食の安全がきちんと確認されることと、それから都民や市場関係者の皆様に丁寧な説明をして理解を得ること、この二つが前提であると、その趣旨のご答弁をしておられます。
私どもといたしましても、まず、食の安全に関する点でございますが、知事は、これから専門家会議等で議論、検証を行うとしておりますので、当市場といたしましては、その結論を踏まえて、必要な対策を早急かつ確実に責任を持って実施していくというのが我々の役割だろうと思っております。
それから、安全性を科学的に、かつわかりやすく市場関係者や都民に説明していく点、これにつきましては、専門家会議の先生方のご協力をいただきながら、当市場として効果的な発信を行ってまいります。
さらに、移転延期に伴う市場関係者の皆様の影響を最小限とするために、相談窓口等で丁寧に対応してまいります。こうしたことによりまして、知事の補助機関としての役割を確実に果たしてまいります。
○清水委員 市場長からの力強いご決意を聞かせていただきました。ぜひともしっかりとした対応を早急にとっていただきたいと思うわけでございます。そして、ぜひとも小池知事の信頼をかち得ていただきたいとエールを送るものでございます。
一方、これまで、十一月七日の移転日に照準を合わせてさまざまな準備を進めてきた関係者に、行政の不手際で多大な迷惑や損害を与えてきたことも、これまでの質問で明らかになりました。この際、明らかにしていただきたいと思うわけでございますが、今回の移転延期に伴い、関係者にどのような影響を及ぼしてしまったのか、また、その影響額をぜひともお示しいただければと思うわけでございます。
また、新聞報道にあるようでございますが、開場間近の豊洲市場では、既に発生している一日当たりの運営コスト約七百万円と伝えられているそうでございますが、その詳細な説明をここでお聞かせいただきたいと存じます。
○赤木移転調整担当部長 現在把握をしております市場関係者への主な影響といたしましては、豊洲市場において既に整備した設備、システムなどの維持管理費、什器設備のリース代の発生、借入金返済の発生や新規事業展開を見据えて確保した従業員の扱いなどでございます。
また、現在、築地周辺に確保している事務所や駐車場の契約についても解約申し出を行った事業者がございます。
なお、その影響額につきましては現時点では不明でございます。
次に、豊洲市場の維持管理経費についてでございますが、開場時期の変更等に伴う影響を内部的に検討するために大づかみで試算をしたものでございます。
主な経費は、場内警備、設備の保守点検などの保守、樹木管理や清掃などの業務委託費が約三百六十万円、電気料金や水道料金などの光熱水費が約三百四十万円でございます。経費の見込み額につきましては、開場延期の決定を踏まえ、現在精査しているところでございますが、最小限のコストになるよう工夫を行ってまいります。
○清水委員 市場の関係の方で、今想定される影響のほどを説明いただいたわけでございますが、皆様方の見積もりでもそれだけの影響があるというふうなことが明らかになったわけでございます。
私ども都議会自民党は、このたびの移転延期に伴い、都内二十一にも及びます関係団体に対しまして、その影響調査を実施いたしました。現在取りまとめている最中でございますが、これだけの調査をしたんですが、その中のいただいた声といたしまして、例えば、中小企業関係団体からは、冷凍冷蔵設備の設備投資に八億七千万円余りかけたが、来年一月末に半年間の据置期間が終了して返済が始まってしまうんだと。設備が稼働していない中での返済は資金繰りを悪化させるというふうな組合員の方からの声が寄せられております。
また、ビルメンテナンス関係団体からは、市場設備運転管理業務のため六十名の人員を確保していたが、働き場がなくなってしまったなど、切実な声が寄せられております。
また、廃棄物関係団体からは、築地市場解体工事の延期に伴う排出産業廃棄物の処理の依頼交渉、これは事前にしておくのでしょうけれども、それが全く進まなくなってしまったというふうな嘆きの声。さらに、建設関係団体からは、築地解体工事やオリ・パラ関連工事の施工時期の変更によって、他の工事との重複や、あるいは労働力の確保への懸念が示されているわけでございます。
なお、加えまして、この築地の解体に関係いたします建物解体関係団体からは、築地市場解体時に発生する大量のアスベスト、この除去に係る負担も非常に懸念されているわけでございます。
こういった私たちの独自の調査からも、今回の移転延期は、市場関係者のみならず、数多くの方々に多大な迷惑をかけてしまっているということが判明するわけでございますが、特に移転延期の影響を直接受けられる市場関係者は、中小零細の方が多いと聞いております。この方たちにとっては、これはまさに死活問題、生きるか死ぬかの問題に今回の延期はなってしまっているということを、ぜひもう一度かみしめていただければと思うわけでございます。
そこでお伺いしたいと思いますが、昨日の我が党の田中理事の質疑で、当初十月十日だった相談窓口、これが十月七日から正式に、築地市場関係事業者向け特別相談窓口として設置されるということが明らかになったわけでございます。
まずは、今申し上げました市場関係者に対し、どのような支援や補償をしていくのか、こういった基本的なところを、皆様方のお考えをお聞かせいただければと思います。
○長田移転支援担当部長 市場関係者の皆様には、今回の移転延期により事業計画の見直しを余儀なくされるなど、経営にさまざまな影響が生じているというふうに私どもも考えております。本日から金融面の相談機能も強化した豊洲移転サポート相談室などに寄せられる声にもしっかりと耳を傾けまして、市場関係者の皆様を取り巻く現状やニーズを踏まえながら、効果的な支援のあり方などについても検討を進めていきたいと考えております。
また、補償につきましても、移転延期に伴う市場関係者に生じるさまざまな経済的損失の実態の把握に努めまして、真摯に対応をしていきたいというふうに思っております。
○清水委員 ぜひとも適切な補償制度の構築を、しっかりとした補償制度の構築を進めていただければと思うわけでございます。
ただいま、まず初めに、市場関係者という話をさせていただきました。しかしながら、我々の調査からも、それ以外にもさまざまな各種業界の方にご迷惑をかけてしまっていることも、またその対策が求められていることも忘れてはいけません。
そして、何といっても一番重要なのが、実は余り指摘はされておりませんが、本来ならば、全国から十一月七日開場に向けて、出荷の準備をしていらっしゃった生産者の皆様方への対応でございます。
築地にかわります新しいブランドとして、豊洲への期待は、私は大きかったと思うわけでございます。実は、私も農家のせがれでございまして、小さなころに父親に連れられて、私は立川なんですが、神田市場まで、立川の特産のウドを届けに行った記憶がございます。それは、多摩の市場の取引よりも神田市場での取引の方が高い値がつくからでございます。まさに今回の豊洲市場に求められている期待というのは、そういったところにもあるんじゃないかと私は思うわけでございます。
このように、豊洲市場への取引に期待をしていました全国の生産者の方に対しても、今回の移転時期に伴う対応が求められると思うわけでございますが、ご見解を頂戴したいと思います。
○飯田新市場整備部長 生産者の皆様につきましては、取引関係のございます卸、仲卸業界を通じまして、必要となる対応を把握し、真摯に対応してまいります。
○清水委員 短い答弁でございましたけれども、しっかりやっていただけるというふうなことだと思うわけでございますが、そこのところを絶対間違えないようにお願いしたいと思います。
また、昨日の質疑でも木内委員から、豊洲市場の地元でございます江東区に対するご指摘があったかと思うわけでございます。大切な指摘だと思うわけでございます。
今回の我々の要求資料の中にも、江東区議会の、これは清掃港湾・臨海部対策特別委員会での議事録といった資料がたくさん提出されておりました。その議事録を読むにつれ、昨日の木内委員のご指摘は、全くもってごもっともな話だと思うわけでございます。
昨日の答弁で明らかになりました、改めて十月の十四日には、その江東区議会の当該特別委員会に皆様方が出席して、一連の報告をしていただけるというふうなお話でございます。ぜひとも、江東区民の代表でございます江東区議会の皆様方のご意見には真摯に耳を傾けていただきまして、そしてまたしっかりとした対応をしていただきたい、私ども都議会自民党からもお願いをしたいと思います。
さて、ただいまの質疑で、大変な影響あるいはそれに伴う影響額が出てくるということが明らかになったわけでございます。その補償金の原資、いわゆる財源についてここでお伺いしたいと思うわけであります。
これまでの質疑の中で何度も答弁がございましたが、この中央卸売市場会計は、市場業者の皆様方が納めている使用料を主な収入とする独立採算の会計でございます。今回の移転延期は、まさに、その使用料を納めていただいている市場業者の皆様方に損害を与えていることだと考えますと、市場卸売会計からの補償金の支払いというものは、これはなじまないんじゃないかなと思っている次第でございますが、ただいまの東京都の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○長嶺財政調整担当部長 ただいま副委員長お話しのとおり、都の市場会計は独立採算を原則として運営しており、都内十一の中央卸売市場の卸売業者や仲卸業者等が負担する市場使用料が主な収入でございます。
移転延期に伴い、市場業者へ支払う補償金が発生する場合には、市場会計で負担することの妥当性を含め、その財源について検討していかなければならないと認識してございます。
○清水委員 ぜひとも、その妥当性のところを慎重に、しっかりとご検討いただければと思います。自分たちで支払った使用料で自分たちの償いをするなんていうふうな理不尽なことは決して認められるわけではないと思っておりますので、よくよくご検討をいただければと思うわけでございます。
これまでのやりとりでありまして、今後、注目されております小池知事のこの移転に対します総合的な判断の中には、これは当然のことながら、食の安全性の確保ということもあるのは間違いないことでございますが、それに加えまして重要な項目として、延期に対するコスト、かかる費用というものも、ぜひともしっかりと意識の中に入れてご検討をいただければなと私は願っているわけでございます。
小池知事は、まずは立ちどまって考えるべきとのお考えのもと、安全性への懸念、費用の増加、そして情報公開の不足、この三つの疑念から、八月三十一日に豊洲市場への移転延期を表明されました。
その結果といたしまして、関係者各位に多大な影響を与え、築地市場の機能移転、機能更新、そして、その強化も結果的に先送りをした状態になってしまったわけでございます。
私は、このことに対する是非を論じたいと、この場で思っているわけではございませんで、この一連の延期判断による影響というもの、これは一般的に、知事の政策決定コストと解されるわけでございます。
時代をさかのぼれば、平成十二年八月、自民党、公明党、保守党の当時の与党三党によります公共事業の抜本的見直しに関する三党合意によりまして、干拓事業に代表されます実に二百三十三の公共事業の中止勧告がなされたわけであります。このことは、まさに公共事業は、一旦始めた公共事業は決してとまらないといわれた時代の終えんを物語るものだと思うわけであります。
その後、長野県では、当時の田中康夫県知事によりまして、突然のダム事業の一時中止が行われ、脱ダム宣言に至ったわけでございますが、つまり今回のような公共事業の延期、休止や撤退、見直しは、これは決して珍しいものではないと思っているわけであります。
また、一般的に、公共事業の存続にかかわる法的解釈といたしましては、簡単に、平たく申し上げますと、中止は適法、休止は違法の考え方があるそうです。社会情勢の変動に伴い政策判断で公共事業を中止すること自体は、この損害を補償することで適法とみなされるそうでございます。
しかし一方で、長期間事業推進の是非に結論を出さない場合は、これは不作為の観点から違法性を帯びてくるというものでございます。つまり、宙ぶらりんはだめ、決断をしなさいよというふうな法の考え方でございます。
そこで、最後にお伺いしたいと思うわけでございますが、この独立採算でございます中央卸売市場を預かる市場長として、今回の移転延期に伴う政策決定に係る、都民の皆さんが納得する、コストに対するご見解をお聞かせいただければと思います。
○岸本中央卸売市場長 今回の豊洲市場への移転延期によりまして、市場関係者の皆様を初め、産地や、今お話ございました地元江東区の皆様、多くの方々にさまざまな影響を与えているということは認識しておりまして、そうした方々に対しては、今後丁寧に対応していかなければならないと考えております。
あわせて、今、副委員長からお話ございましたこの移転延期というのは、それによって追加的なコストがかかってくるということで、そういった点から見ても、この延期という状況を早期に解消することがやはり重要になってくるかなというふうに考えております。そのためには、安全性への懸念などの疑問が解消されまして、小池知事が早期に総合的判断が下せるように市場として全力を挙げてまいります。
あわせて、先ほどお話ございました開場までの維持管理費などのコストにつきましても、最少となるように取り組んでまいります。こうしたことによりまして、移転延期という政策決定に対しまして、コストの面からも都民の皆様の納得が得られるよう、また、将来にわたり中央卸売市場会計の健全性を保てるよう全力で進めてまいります。
○清水委員 ありがとうございます。まさに一刻も早く小池知事の信頼も回復し、そして、知事と手を携えてこの問題解決のためにご尽力いただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○大松委員 豊洲新市場の建物下にあるべきはずの盛り土がなく、地下空間が広がっていたという問題で、食の安全・安心に対する信頼が大きく損なわれまして、都政に対する信頼も今大きく揺らいでいるところでございます。
都民に事実と違う内容が説明されまして、この経済・港湾委員会におきましても、我が党の委員に対して事実と違う答弁が繰り返されておりまして、これは言語道断でございます。
最も重要なことは、食の安全・安心をどう確保するかでございます。そのために専門家会議、技術会議の各分野の先生方が英知を結集いたしまして、法律が求める措置を上回る二重三重の対策が提言されていたわけでございます。その提言どおりの工事が行われていれば食の安心・安全が確保されていたわけでございますけれども、それとは違う工事が行われていたために、この安心・安全への信頼が崩れてしまったわけでございます。
議会も、チェック機能を果たしていなかったと、この都民の皆様方の声に謙虚に耳を傾けて原因を究明し、再発防止に努めていく決意を申し上げまして、何点か質問いたします。
まず、質問するに当たりまして、地下モニタリング、モニタリング空間、この言葉を使うに当たり、私は三つの意味があると思います。
一つは、専門家会議が提言いたしました長期モニタリング、これが一つ目でございます。もう一つが、東京都が改正土壌汚染対策法に基づきまして地下水の水質をモニタリングする意味のモニタリング、これが二つ目でございます。もう一つが、さらに、東京都が、万一環境基準を超える物質が出た場合に、地下水を浄化するための空間のモニタリング、この三つがあると思いますけれども、この認識で東京都はいかがでしょうか、所見をまず求めます。
○福田新市場整備技術担当部長 委員から、今ございました三つの意味ということでございます。
長期モニタリング、専門家会議でいう長期モニタリング、それから土壌汚染対策法に基づくモニタリング、それからモニタリング空間、これはモニタリングそのものではありませんけれども、モニタリング、それから万一のときの作業空間も含めてモニタリング空間というふうに報告書でも称しております。用語の出てくる意味として、この三つがあるというのは、ご指摘のとおりと思います。
○大松委員 公明党は、十月四日の代表質問で、地下空間ができた経緯をただしました。これに対して東京都は、段階的に進行したと、このように答弁をいたしましたけれども、私は違うというふうに思います。
本来、つくるべきものをつくっていくと、こういうことであれば、段階的という表現もあるでしょう。しかし、本来の目的地とは違うところに、違う方向に行ってしまったわけですから、段階的ということではなく、どこかで誤った認識、誤った判断、誤った行動があり、また、なすべきことをなさなかったと、こういう特定の事実があるはずでございます。こうした経緯を明らかにしなければ、都民の皆様方は到底納得されませんし、今回のようなことが二度と起こらないように、今後の再発防止につなげていくことができないわけでございます。
そこで、このポイントになる時期がございまして、その一つが二〇〇八年十二月十五日の第八回の技術会議でございます。当時、中央環境審議会が土壌汚染対策法の改正に向けての審議を行っておりまして、豊洲新市場がこの法律の対象になるということが見通されておりました。
そこで、東京都は、法律の対象になれば地域の指定もあるだろう、さまざまな対応が求められるであろうということから、万一、先ほども申し上げましたが、汚染地下水を浄化する、こういうことをしなければならなくなる場合も想定して、その作業の空間が必要であると、このような考え方から、いわゆるモニタリング空間の設置を提案するわけでございます。
行政の職員としては、至極当然の問題意識というふうに思います。そして後ほど触れますが、この東京都が提案した内容が第九回技術会議の資料に掲載されてくるわけでございます。
また同時に、二〇〇九年一月十三日の日付で、地下空間で小型重機が作業をする、このイメージ、いわゆるモニタリング空間を描いた内部資料も作成されておりまして、これはまさに、今新市場にある空間そのものでございますけれども、東京都がモニタリング空間を地下につくるというこの意思は、この早い時期から明確にあったものと考えますけれども、東京都の所見を求めます。
○有金渉外調整担当部長 自己検証報告書、こちらにおきましても、この時期に地下設置を前提に検討が進められたという認識は、こちらの方でも記載しております。
ただ、さまざまなヒアリングの中で証言をいただいていますけれども、その中では、地下を活用した場合の簡単なポンチ絵として描いたという証言もございます。
したがいまして、そういう問題がこの時点で深くあったのかどうかというところにつきましては、十分把握はできていないという形になると思います。
○大松委員 それで、定かではないというようなことなんですが、この地下空間をつくれば、当然、その部分は盛り土ができなくなります。この盛り土というのは、専門家会議が提言をした対策の柱でございます。この専門家会議の提言は、歴代市場長も憲法のようなものだと、このようにおっしゃっておりまして、この盛り土とモニタリング空間、この二つの問題は非常に難しい問題であることは間違いないわけでございます。
当時、この点について当然議論が行われたんだろうと思います。東京都、もしくは、また技術会議の中で、この盛り土とモニタリング空間ということについて、どのような議論が行われていたんでしょうか、所見を求めます。
○福田新市場整備技術担当部長 委員ご指摘のように、第八回技術会議で、都の方からモニタリング空間の必要性について説明をしております。技術会議の事務局として、東京都の中の技術部門が説明をしているということでございますので、この中でいろいろな必要性の議論があったかと思います。
また、技術会議と並行して技術部門の中でも、やはりこのころ、この時期に前後して、その空間、モニタリング空間についての議論がされていたというのがヒアリングの中の証言でもあったということでございます。その際に、その盛り土との関係という意味で、じゃあ安全性についてどこまで議論したかというのは、非常に残念ながら、ヒアリングを踏まえた調査報告の中では確認ができていないところでございます。
○大松委員 要するに、大変大事な問題であったにもかかわらず、このヒアリングで確認ができなかったということは、本当に大事な問題として議論がされていなかったということじゃないですか。
これは、盛り土かモニタリング空間か、これはもう本当に、今一番問題になっている肝の問題についてヒアリングをしたけれども、議論になっていたかどうか確認できなかったということでございまして、まさに巨額のコストと時間をかけて、そして日本の科学者の英知を結集して考え出された対策であるにもかかわらず、そうした何となくというか、特に経過がよくわからないまま別のことになってしまったというのは、余りにも無責任じゃありませんか。
それで、本来ならこの時期に責任のある立場の人が、こうした問題があるということを技術会議の中できちっと問題提起をするとか、また、専門家会議、当時はもう解散されておりましたので、このメンバーの方に連携をとって、この時を逃さず、盛り土とモニタリング空間、この問題についてきちっと議論をして、決着をつけて対応すべきだったと思いますが、東京都の所見を求めます。
○福田新市場整備技術担当部長 盛り土の関係でございますけれども、地下空間あるいは建物の下の空間をつくることと盛り土との関係をきちんと意識して、盛り土が一部欠けるのであれば、その安全性をきちんと専門家に確認すべきということは、委員おっしゃるとおりだと思います。その部分につきまして、盛り土の議論があったということが、その調査の中では出てきていないということは非常に反省すべきことだと思います。
なぜそこに思いが至らなかったというところで幾つか証言がございましたのは、二重三重の法的な基準を超えた手厚い対策をするということで、それで十分と安心したのではないかと、安心してしまったという証言であるとか、あるいは--そのような証言がございまして、専門家会議にかけるという思いが至らなかったという証言がございました。
○大松委員 今、議論がされなかった理由ということで、自己検証報告書に書いてあるとおりの答弁をいただいたんですが、要するに、法律を上回る二重三重の対策が行われていたから大丈夫だろうと思ったから、この盛り土がなくなっても大丈夫だろうというような判断になったといいますが、これは大変矛盾した答弁ですよ。
というのは、冒頭申し上げましたけれども、この築地の移転の問題について何が一番大切だったのか、それは食の安全と安心なんです。あえて、この法律が求める対策と、またそれを超える対策とということで分けますと、法律に基づいて、法律が求める範囲の対策を行えば、これは安全です。ただ、それだけでは、やはりこの市場を利用される方や都民が、なかなかそれでも大丈夫なのかというようなお気持ちもあるので、法律を上回る二重三重の対策こそが大事だということで、この安心部分をやったんですよ。だから安心が大切なんです。だから安心までやっている、法律を上回ることまでやっている。
法律のところだけやっていれば、それを上回る部分が多少なくても大丈夫なんだという認識を持つことそのものが今回の市場の問題の本質の原因なんですよ。それを今この場で答弁をされるということ自体、今回の問題を理解されていないというふうに思いますが、もう一度答弁を求めます。
○福田新市場整備技術担当部長 委員のご指摘のように、非常に反省しなければいけない部分があると思います。
このヒアリングを踏まえた自己検証の調査の中では、やはりなぜそこに思いが至らなかったのかということに対して、証言として、十分な安全をしていると思ったという証言、それから技術会議で、第八回に説明しているんですが、そこで、もう了解が得られたものだと誤解、思い込みをしていたと、そういったものもございまして、このような、思いが至らなかったというヒアリング結果になっております。
○大松委員 いずれにしても、歴代市場長が、憲法だといわれたこの専門家会議の報告書、この内容が全く徹底されていないんですよ。それが、また理由に上がってきて、そして、そういった答弁が繰り返されてしまう。まさに、この責任のある立場の人が余りにも意識がなさ過ぎる、責任感がなさ過ぎるということが、今回の大きな原因であると指摘せざるを得ないわけでございます。
それでは、ちょっと次に質問を移らせていただきます。
この第九回技術会議の資料の中で、先ほど来お話が出ておりますけれども、技術会議が独自に提案した事項と、この書類が九月の十六日付で突然ホームページにアップをされました。これ、なぜですか。
○村井基盤整備担当部長 技術会議の第一回から第十二回は、公募した提案について公正中立の立場で評価、検証を行い、最適な対策を検討していくため、提案事業者の知的財産に対する配慮が必要なことから、会議及び資料を非公開としておりました。
第十二回技術会議において検討などが終了したことから、それまでの会議資料及びその後の会議資料を原則公開とすることといたしました。企業の独自情報など公表に適さない資料は非公開としております。今後、非公開の資料についても関係者との調整を図った上で、順次ホームページで公開してまいります。
○大松委員 今、一般論の答弁がありましたが、質問は、第九回技術会議の、これ議事録なんかもう既に当然アップされて公表されているんですよ。それが、ほぼ二、三週間前ですか、九月の十六日付で突然これがアップされました。なぜですか。
○村井基盤整備担当部長 今ご指摘の資料の公開については、関係者の確認がとれたことでホームページに公開いたしております。十六日までの間に関係者に了解がとれたということでございます。
○大松委員 なぜ、アップするために関係者の確認をこの時期にとったんですか、難しい話じゃないと思いますよ。
○村井基盤整備担当部長 技術会議の中では、十二回目までは非公開、そして、その後は公開ということでしたが、この内容については、十二回目までの内容にかかわるものでございますので、関係者の方に、座長でございますが、確認をとれたのでホームページに公開したと、そういうことでございます。
○大松委員 ちょっと、このことで時間はとりたくないんですが、この十二回までの技術会議と、それ以降ということなんですが、もう既に、十二回の技術会議までの議事録、その他の資料集、データ集、全てアップされておりまして、そして、この資料について、十六日に突然アップされたと、このように認識をしております。
最後にもう一回だけ聞きます。なぜ、この時期に関係者に了解をとったんですか。
○澤次長 先ほど担当部長が申し上げたとおり、原則公開ということで十二回目以降は行っておりましたけれども、その時点でも企業情報等については、一部非公開の部分が残っておりました。九回目に関しましては、前後に企業情報が載っておりましたので、あわせて非公開という、今から思えば非常に大ざっぱな取り扱いをしておりましたけれども、いま一度精査いたしまして、その部分につきましては公開する必要があるという判断のもとに、九月十六日に公開したものでございます。
○大松委員 じゃあ、もう一回だけ。なぜ、この時期に公開する必要があると、このように認識されたんですか。
○澤次長 全体としましては、小池知事のもとで、情報公開を進めるという中で、再度見直しを行って、これまで非公開としていた部分についても、公開できるかどうかの判断をいま一度して、九月十六日に公開したものでございます。
○大松委員 答弁に答えておりません。さきの答弁で、この時期に公開の必要を認識したと、このように次長は答弁されております。なぜ、この時期に公開の必要を認識したんですか。
○澤次長 八月末以降、九月にかけまして、盛り土がないことが問題化した中で、これまでの資料を洗い直した結果、この部分については非公開であるべきではないという判断をいたしました。
○大松委員 それで、この資料が自己検証報告書の中に出てまいります。どのように出てくるかというと、これは技術会議が提言をしたものと、このように出てきますけれども、この資料の内容、技術会議が提言したんですか。
○福田新市場整備技術担当部長 第九回技術会議で配布されましたものは、この段階で最終報告書の構成案の中に、技術会議からの独自の提案事項として、モニタリングを記載した資料として配布したものでございます。
○大松委員 これは、タイトルを見ますと、報告書の構成についてということになっておりまして、まだこれは提言の内容ではないというふうに、報告書の構成についてとありますけれども、これが提言の内容なんですか、提案なんですか、もう一度答弁お願いします。
○福田新市場整備技術担当部長 第九回技術会議におきまして、最終報告書の構成案というのをこの中で提案しております。この最終報告書、都から事務局として提案して、その会議に諮っております。
その中で、技術会議の独自の提案事項の一つとして、モニタリング空間の必要性ということを記載した資料をその構成案の中に入れて、こういう形でどうでしょうかということを事務局が技術会議の委員の方々に提案したものございます。
○大松委員 要するに、この内容は技術会議の提言じゃないんですよ。技術会議報告書には、提案というふうにタイトルがついていますが、これは事務局である東京都が、最終報告書に、これを盛り込んでいいですかという案の中の案なんです、まだ。原案にすぎないんですね。
今、非常に大事なことが明らかになりました。それで、技術会議の中で、この内容を説明しましたか、事務局が。
○澤次長 第九回の技術会議の議事録を見ますと、その部分についての説明はございません。
○大松委員 これは一番大事な部分なんですよ。先ほど、次長から答弁いただいたように、これを公開してこなかった理由は、重要じゃないから公開しなかったんじゃないんですよ。これは関係者もいて、非常に肝の部分になる、いろんな影響力がある大事な問題なんですね。まして、最終報告案に盛り込むかどうかという重要議題なわけですから、それを何で説明しなかったんですか、もう一度答弁求めます。
○澤次長 第九回の技術会議において、なぜ、明確な説明がなされなかったかにつきましては、現在は把握しておりませんが、本会議でも市場長がお約束したとおり、今後、早急に技術会議のメンバーに対しましてヒアリングを行いますので、そういった場面を通じて確認していきたいと思っております。
○大松委員 そんな、悠長なことをいっている場合じゃないんですよ。これが今一番大きな焦点になっているわけですから。 それで、この技術会議に出た方、いらっしゃいますか。
○野口管理部長 技術会議に出ておりましたけれども、八回目の技術会議で、そういう説明が東京都からあったということは覚えております。九回目の取りまとめのときに、これをどうするかということについては、ちょっとはっきりした記憶が残っておりません。
以上でございます。
○大松委員 もう今の答弁が、本当に東京都の今の無責任な体質をあらわしております。
今、一番最大の問題になっている盛り土かモニタリング空間かという、この最大の問題について肝となる問題の提案が議題に出てきて、それを最終報告案に盛り込むかどうかということについて、そこで審議がされたかどうかということについて記憶がない、これでは本当にそういう体質が今回の問題の最大の原因になっているというふうに考えるわけでございます。
もう一度聞きます。この議題について、なぜ説明が行われなかったのか、もう一度伺います。
○野口管理部長 技術会議の構成につきましては、先ほどは次長が申しましたけれども、技術会議の基本構成についてと題する資料の中に提言が含まれてございます。その中に、技術と細目の経費が出ておりまして、この技術を使うと幾ら削減をするとというようなことが、かなり細かく記載されております。そういったことで、その基本構成についての中身については非公開というような話でありました。
それとあわせて、九回目の技術会議の中身につきましては、それはそれで議論されていましたけれども、その内容のチェックというところでございまして、そこで、そういった議論がされていたというのは、先ほど申しましたとおり、その詳細な記憶はございませんというのは、そういう意味でございます。
○大松委員 それでは、東京都は説明を行わなかったと、それで技術会議の研究者の先生方、これについて何かご意見は述べていらっしゃいましたか。覚えている方--答弁、管理部長。
○野口管理部長 済みません。先ほど申し上げましたとおり、内容のチェックということで、さまざまな項目について意見交換されていたということだけは覚えております。先ほど来申し上げました基本構成の中身につきましては、かなり技術的な要素が多く含まれておりまして、その中に、私どもの万が一、その土対法の改正に伴いまして空間を設けるということは記載がありますけれども、そこのところが基本構成の中に含まれておりまして、あわせて、そういった細かな技術の組み合わせで幾ら提言ができるかというお話はあったと思いますけれども、かなり専門技術的なお話をされておりましたので、私どもの提言のところとの関連性というのをはっきり覚えていないというところでございます。
○大松委員 はっきり覚えていないではなくて、はっきり覚えておかないといけないんです、これが一番大切な問題なんですよ。コストであるとか何とかといっても、要は、この盛り土をするのかモニタリング空間をどうするのか、これが決まらなければ何も進まないわけですよ。それに対して記憶がないということでございますけれども、それがまさに、今、問われている東京都の体質であるわけでございます。
これでは、議論も行われていない、説明もされていない、事務局が案を書いて、出して、口頭でも説明が何もない、研究者からも何の意見もない、審議が行われていないんですよ。それが自己検証報告書を見れば、第九回の技術会議で提言されたものというふうに出ているというのは、おかしいんじゃありませんか、答弁を求めます。
○澤次長 自己検証報告書を取りまとめる際のいろいろな議論の中で、技術会議において、モニタリングの必要性ですとか、万一のための作業空間が必要だという議論が、第九回ばかりではなくて、第四回、第八回と連続して行われていると、そういう記述でまとめておりまして、例えば、我々としては、自己報告書の二ページから三ページにかけては、九回のことだけをクローズアップして捉えてはおりません。
ただ、第九回を長々と書いたのは、モニタリング空間の必要性が、ある意味、明確に平易に書かれている部分を引用したということでございまして、技術会議の全体において、そういった議論がなされたということで、一つの段階ということで捉えております。
○大松委員 要するに、全く答弁に答えていないんですよ。第四回の技術会議で、あれはむしろ、東京都のモニタリング空間というよりは長期モニタリングの話なんですよね。第八回で出てくるのが東京都のモニタリング、それとあえていえば、そのときに採用されませんでしたけれども、地下の駐車場、民間の提案、このような中で議論が行われてきて第九回で出てきた、そんな経緯はわかっているんですよ。
私が聞いているのは、なぜ、この第九回で出てきた、第八回から出てきているんですけれども、これを最終報告案にするかどうかということを形式の上で提案しておきながら、でも議場では説明もしていない、委員の意見も出ていない、それで何で報告書で、第九回で提言された内容になるんですかっていっているの、もう一度答弁してください。
○福田新市場整備技術担当部長 自己検証報告書では、第四回から第九回の技術会議の一連の流れの中で、モニタリング空間の必要性が提起をされて、また、これと並行して都の技術部門でモニタリング空間に関する内部検討が進められたこと、これをもって、モニタリング空間設置の端緒となる第一段階として記載したものと考えております。
○大松委員 全く答弁に答えられないわけでありますけれども、もう一度聞きます。これは説明もしていない、経緯はいいんです、先ほどから同じ答弁が繰り返されていますから。第九回の技術会議の議事の内容についてもう一度伺います。
東京都が提案をした、事務局が出したこの案、これについて説明がなされていない。また、参加者の研究者からも意見が述べられていない。そうした中で、なぜ自己検証報告書の中で、第九回技術会議の提言というふうに書いて出てくるんですか。
○澤次長 報告書の中では、技術会議のことを、三回の部分を明記しておりますけれども、第九回につきましては、ご指摘のとおり、引用の部分が現行の表記ですと、技術会議が提案をしたというふうに断定をする形になっております。ただ、それは全体を読み通せば、提案書の目次の一項目として上がっていたということでございますので、表現については不正確であったというふうに認識しております。
○大松委員 これは不正確ではなくて、事実と違うんですよ。どうですか、もう一度答弁をお願いします。
○澤次長 第九回の技術会議において、資料の中に載っていたと、掲載されていたということは事実でございますけれども、その扱いについて技術会議から提案されたということではなくて、あくまでも最終報告書の目次の一項目としての案であったというふうに認識をしております。
○大松委員 では、事実と違うということでよろしいですね、もう一度答弁お願いします。
○岸本中央卸売市場長 私、この検証チームのメンバーでございますので、私からお答えしますが、今の委員のご指摘のとおりだと思っております。
○大松委員 これは、要するに自己検証報告書の中で、技術会議が提言したという報告だったんですが、これは実は技術会議の提言ではなくて、東京都が提案をした内容だったんです。事実と違うということについて、市場長もそのとおりと、このように明確な答弁をいただきました。
今、この豊洲の問題、何が問題なんですか。この経済・港湾委員会で、我が党の委員の質問に対して事実と違う答弁をしてきたんでしょう。そして、事実と違う資料をもって都民に説明してきたんでしょう。また同じことを今繰り返しているんですよ。この体質が、あの市場の建物の下の空間を生んでいるんですよ。どうですか市場長、もう一度答弁求めます。
○岸本中央卸売市場長 ただいま委員ご指摘のとおり、報告書のこの部分の表記については、私どもといたしましては、これはいいわけになりますけれども、技術会議の中でやりとりされた経過がございますので、それについて書いたつもりでございまして、全くその何か議論を変な風に持っていこうというつもりではなかったんですが、今のやりとりを伺いまして、正確ではないし、結果としてこれは間違いであるということでございますので、その点についてはおわびを申し上げたいと思っております。
○大松委員 これは本当に、今、市場長からも改めて事実ではないということを認め、謝罪の言葉がありましたけれども、体質は今なお変わっていないということを指摘させていただきたいというふうに思います。
それでは、この第九回技術会議以降、二〇〇九年二月に、実は本当の技術会議の提言がまとめられているわけでございます。この技術会議がまとめた提言の中に、地下水の水質をモニタリングする観測井戸の設置ということについては、きちっと明確に限定してこれを盛り込んでおりますけれども、第九回の中で東京都が提言をしておりました地下水を浄化するための空間、いわゆるモニタリング空間、これはもう落ちているんですよ。技術会議は最終的に、これを報告書に盛り込まなかったんですよね、この点について東京都の所見を求めます。
○村井基盤整備担当部長 自己検証報告書は、盛り土をしなかったことの経緯を取りまとめておりますが、技術会議報告書には、モニタリング空間が直接明記されていないことは事実でございます。
ただし、技術会議の報告書には、観測井戸を設置するなどという表現もあり、現時点では、技術会議の報告書と盛り土をしなかったとの関係は明確ではないというふうに認識しております。
○大松委員 これが本当の技術会議の報告書です。この報告書の中に、技術会議が提言をしたのは、一九ページ、具体的な対策ということでありまして、地下水の浄化の確認ということで、地下水質モニタリング用の観測井戸を設置するということが書いてありまして、ここに、などなんかありませんよ。部長、観測井戸を設置するということで、などはついておりません。モニタリング空間は外されているんです。
今、この答弁の中で引用された、など、これは二三ページ中ごろにありますけれども、設置するなどというふうに確かに書いていますが、これは提言の本文じゃないんです。この提言の特色を説明するということで、などと書いていますが、本文じゃないんですよ。本文になどはないんです。これは文章上のつくりの中で、などが出ているんですが、じゃあ、このなどは何を指しているんですか、もう一度答弁求めます。
○福田新市場整備技術担当部長 この技術会議報告書におきましては、委員ご指摘の二三ページには、モニタリングができるよう観測井戸を設置するなど、土壌汚染対策法の改正も視野に入れて対策を策定と表現しておりまして、土対法に対応したモニタリングのための観測井戸の設置についての記述が明記をされております。
ただし、万一の作業用の空間、いわゆるモニタリング空間については、直接記載されておりません、明確ではありませんので、技術会議としてオーソライズするのであれば、当然報告書に明記すべきであったということは、もうご指摘のとおりだと思います。
○大松委員 では、もう一度答弁を求め直します。この技術会議の提言の中で、観測井戸は明記されました。でも、万一の場合の作業用のいわゆるモニタリング空間は認められているんですか、それとも外されたんですか、もう一度答弁を求めます、明確に。
○澤次長 委員ご指摘のとおり、観測井戸を設置するという結論になっておりますけれども、作業空間については表記がございません。
○大松委員 もう一度、明確に答弁を求めます。この作業空間のことについて表記がないということは、技術会議の報告書の中では、採用されていない、認められていないということでよろしいですね、もう一度答弁求めます。
○澤次長 ご指摘のとおりでございます。
○大松委員 こんなことで議論をしなければならない。あたかも最初の答弁では、このなどの中に地下空間が入っているという意味にもとれるんですよ、おかしいでしょう。最初の答弁が絶対おかしいんだ、だから私は何回も聞いたんです。
このなどの中には、そんなモニタリング空間は入っていない。この提言の中には、モニタリング空間が入っていない、落ちたということで明快な答弁をいただきました。この技術会議の報告書はモニタリング空間は認めない、そして、水質を観測する井戸は認めると、このように結論がされているということも、東京都としての所見が確定したわけでございます。
したがいまして、この第九回、いろんな議論がありました。第九回は、観測井戸は認める、そして万一の場合の作業空間も認めると。このようなことをどうでしょうかということを東京都が案を提示したわけでありますけれども、最終的な技術会議の結論としては、観測井戸は認めましょう、モニタリング空間は認めないと、これ大変大事な決定なんですね。実は、ここで議論は決着しているんです。盛り土かモニタリング空間か、この議論について、技術会議の結論として、平成二十一年二月、全敷地に盛り土、モニタリング空間はつけない、このように議論の決着がついているというわけでございます。市場長、それでよろしいですか。
○岸本中央卸売市場長 技術会議の報告書を見ると、委員ご指摘のとおりだと思います。
○大松委員 したがいまして、改めてもう一度繰り返しになりますけれども、この自己検証報告書、段階的に進行していた、暫定的に、なだらかに物事が進行していったということで、どこにどう問題があったのか、責任があったのかということについて、非常に不明確なストーリーになっておりますけれども、実際はそうではない。
この第九回で、あたかも技術会議が認めたというような印象の報告書になっておりますけれども、そうではなくて、東京都は非常に強い意思でもってこのモニタリング空間をつくろうとしていた。しかし、技術会議は、それを採用しなかったというのが今明らかになったわけでございますから、こうした事実をきちっと都民に対して説明していかなければ、また同じことを繰り返してしまうということを私は厳しく指摘させていただきたいと思います。
その上で、この技術会議で結論が出たわけでありますけれども、その約二年後、一年九カ月後のことなんですが、基本設計の発注が行われますときに、特記仕様書の中で、モニタリング空間設計等は本設計に盛り込むということで、実は、消えたはずのモニタリング空間がここで一年九カ月たって出てまいります。この時点で、地下であるとか、建物下であるとか、そうした場所の特定はございません。
しかし、その後、二〇一一年六月に、都に基本設計が納品されるわけでありますけれども、その時点の図面を見ますと、市場の建物下全体に空間が広がっているというようなことがございました。なぜ、その場所も指定していないモニタリング空間が、最後は地下で出てきたのか。
その間に東京都が地下にしろと、こういう指示をしたということでありますけれども、実はこの議事録が、やりとりの記録がございます。これが基本設計の納品の中に含まれているんですね。東京都にそれが渡されています。受け取っているはずなんですが、その中でやりとりがあります。この点について東京都の見解を求めます。
○澤次長 ただいまお話のございました議事録といいますか、やりとりの記録が存在していることは承知をしておりますけれども、現在、監察手続の一環として行われたヒアリングの引き続き重要書類ということで、行政監察室の方に提出をしているところでございます。
○大松委員 実は、この問題の時期が一番大事なんです。ここの真相がわかれば、この問題の原因が、全貌がわかるんです。モニタリング空間、これを公募のときは、発注のときは場所も書かない、よく意味がわからない。ところが、それを納品されるまでの間に、東京都が、日建設計に地下にしろと指示を出しているんです。どういう地下にするんだ、建物全体なのか、部分なのか、深さはどれぐらいなのか、いろんな形で指示が出ているんだというふうに思います。このやりとりは恐らく、誰がどうだということではなくて、東京都という組織の意思として、日建設計とのやりとりが行われているんですね。
このとき、東京都はどのように考えていたのか。技術会議で否定をされていたもの、それをもう一度ぶり返して出してくる。盛り土の問題、これがなくなると安心・安全の部分が大きく損なわれる大変重要な問題について、東京都は何を考え、どういうふうに分析して、どうすれば安心・安全を、きちっと安心を守らないといけないところをどのようにして地下をつくれ、こういった東京都の考え方が全部わかるんですよ。
今、ヒアリングというお話がありましたけれども、知事が今、都民ファースト、情報公開、このようにいわれているわけでございます。このやりとりのメモについて議会に示すべきです。答弁を求めます。
○有金渉外調整担当部長 ただいま次長の方から申し上げましたメモといいますか、その成果物の一部につきましては、現在、行政監察室の方でヒアリングの証言とともに、証拠書類という形で提出がされているものでございます。したがいまして、それらの中身について、現在こちらの方で提出するということは差し控えさせていただきます。
○大松委員 その成果物は、何部提出されているんですか。
○佐藤施設整備担当部長 基本設計の完了時の成果品として、一部、提出を求めたところでございます。
○大松委員 今回の問題は、我々議会の調査機能も大きく問われています。この議会できちっと、やはり説明をしていただかなければ、都民に対して説明ができないのと同じでございます。
もう一度求めます。市場長、この日建設計と東京都のやりとりのメモについて議会に提出をしてください。答弁を求めます。
○岸本中央卸売市場長 私も実は、そのメモというのの中身を承知しておりませんが、今、次長、担当部長から申し上げたとおり、小池知事の命を受けて、再度その時点でのやりとりについて、これから監察手続を前提としたヒアリングを行うということになっておりまして、私ども、その重要書類として提出を求められている立場でございますので、ここで私の口から、今の委員のご指摘に、わかりましたとはちょっと申し上げられないのでございますが、議会から公式の場でそういうお話があったということにつきまして持ち帰らせていただきたいと思っております。
○大松委員 これはヒアリングという、監察ということもいわれておりますけれども、やはり議会は議会としてきちっと調査をする責務がございます。そして、議会がきちっとそれを調べて、都民に対して説明していかなければならないわけでございますので、これはもう断固提出していただくように、市場長からしっかりやっていただきたいというふうに思います。
本会議の私どもの一般質問に対しまして、知事から、中央卸売市場の刷新を図りたいと、このような決意を述べる答弁がございました。ぜひ、この知事の思いにかなって、中央卸売市場は生まれ変わっていただきたい。
もう今回、既に、提出された資料に事実と違うものが出されていました。これでは一体何のために審議をしているのかわかりません。そして、一番今回の問題の核心部分であるこの基本設計の発注から納品までのやりとりについてまで公表ができない、議会に提出ができない、調査権を持っている議会に対する議会軽視のきわみですよ。
ぜひ、今回の議事を受けまして、市場長、しっかり決意を持って真相解明のために協力をお願いいたしまして、もう一度、市場長の決意、答弁を求めます。
○岸本中央卸売市場長 今の委員のご指摘を早速知事にも伝えまして、改めて、またご報告させていただきたいと思っております。
○大松委員 終わります。
○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十二分休憩
午後二時五十七分開議
○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。発言を願います。
○かち委員 初めに、盛り土問題と地下空間については、我が党都議団が九月七日、初めて豊洲新市場予定地の視察を行い、水産卸売り場棟の地下にまで行き、建物の下には巨大な地下空間があり、地下水がたまっているという光景を見て、私自身大きな衝撃を受けました。
その後も何度も現場に足を運び、結局、三つの売り場棟と加工パッケージ棟の下には盛り土がなく、地下空間に地下水がたまっていることを確認しました。
我が党は、最も安全・安心を確保しなければならない市場を、深刻な土壌汚染にまみれた東京ガス工場の跡地に移転することに反対をし続けてきました。しかし、石原元知事のもとで強引に移転計画が進められました。専門家会議、そして技術会議の提言に基づいて行ったとされる土壌汚染調査も、その対策も不十分であり、問題があると訴え続けてきました。
この間、東京都は専門家会議の提言に沿って、予定地全面を土壌汚染対策後、四・五メートルの盛り土をするから安全だ、国の基準を二重、三重に上回る汚染対策だということを本会議の場でも、当委員会でも繰り返し答弁してきたわけです。
私は、今期三年間当委員会に所属し、機会あるたびに豊洲の土壌汚染問題を質疑してきました。豊洲市場の地下空間設置と盛り土がなされていなかったことに関する自己検証報告書にあるように、盛り土問題について、この五年間に都は二十二回も盛り土をしていると、まるで判を押したように繰り返し答弁をしています。私も質問は六回していますが、やはり同じように答弁しています。
二〇一四年十二月二十二日の当委員会では、私の質問に対し、四回も同じ答弁を繰り返されてきたわけです。市場長を含め、少なくない理事者の皆さんは、それを聞いていたわけです。この間、誰も実態と違うということを表明されなかったことは驚くべきことです。まさに安全・安心をないがしろにし、都民を欺いてきたことであり、都への信頼を大きく失墜させてしまったのです。そのことを本当に重く受けとめてほしいと思います。
同時に、歴代の市場長や、かかわった幹部職員の方々は口を合わせたように、知らなかった、思い至らなかったなどと表明していますが、これは市場の安全・安心の根幹にかかわる問題なんです。その程度の安全感覚しか持っていないとしたら、本当にゆゆしき事態です。
私は、この問題は暗黙のうちに触れてはならないという抑止力がどこかで働いていたのではないかと思います。今後、その大もとにたどり着かなければ、この問題の根本解決にならないと思っています。引き続き真相解明のために力を尽くしていくことを申し上げ、質問に入ります。
まず、今回、この委員会に提出されました国と都の卸売市場整備計画について伺います。
東京都卸売市場整備計画方針答申の報告がありました。都の卸売市場整備計画は約五年ごとに作成しているもので、今回は二〇一六年から二〇年までの計画です。国の整備計画では、日本の基幹市場ともいえる築地市場の豊洲新市場への移転が前提となっていますが、当然国へもこれまでの豊洲新市場整備状況が報告されていると思いますけれども、今回の土壌汚染対策の内容に関するてんまつについてどのように報告されているのでしょうか。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国に対しましては、今回の自己検証報告書について、状況についてご報告を申し上げているところでございます。
○かち委員 都はこれまで、国に対しても、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策の内容について虚偽の報告をしてきたわけです。今回発覚した地下空間の問題は、食の安心・安全にかかわる市場機能の基本となる大前提を崩すわけですから、早急に国に対してこれまでの報告を訂正すべきですけれども、どうですか。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで市場用地の安全・安心の確保が前提であることから、農林水産省に対しまして土壌汚染対策については適宜報告を行ってきたところでございますけれども、今回の状況を踏まえまして、今後、専門家会議及び技術会議の提言に基づいて、新たに取りまとめられる土壌汚染対策の内容等々につきまして、まとまり次第、改めて国に報告したいと思っております。
○かち委員 国の卸売整備計画も、都の卸売整備計画答申も、豊洲新市場については四・五メートルの盛り土などの土壌汚染対策を前提にして作成されています。現時点では、これらの計画と実際の豊洲新市場、そして都の報告との間に食の安全・安心にかかわる大きなそごが生じているんです。直ちに見直しをすべきだと申し上げておきます。国にも直ちに報告すべきだということを申し上げておきます。
地下水管理システムについて引き続き伺います。
地下水管理システムの問題は、昨日、我が党の尾崎あや子議員が質疑で取り上げた日水コンの地下水管理システムに関する施設等詳細設計の契約にかかわる問題について伺います。
豊洲新市場予定地の地下水管理システムに関する施設等詳細設計で、都は地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することを見積もり参加条件としました。都は、豊洲新市場予定地での地下水管理システムをつくるに当たって、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することをなぜ見積もり参加条件にしたのですか。
○長嶺財政調整担当部長 豊洲市場の地下水管理システムは、約四十ヘクタールの敷地の地下水を管理し、浄化処理を行うという他に例を見ない施設でございます。こうした大規模な施設を設計するということで、確実にそういった業務内容が履行できるような業者を選ぶためにそういったもの、見積もりの参加条件に施設を有することを加えました。
○かち委員 ただいまご答弁がありましたように、豊洲新市場での地下水管理システムは、他に例を見ないような四十ヘクタールという広大な、そして汚染地下水も否定できない、あるということが前提になっている、こういうところで地下水管理をするという点では大変高度な技術を要する、そういうものなんですね。だから、それを入札条件に入れたわけです。
地下水流動解析を行うための実験研究施設を有するという参加条件が日水コンにあるのかをどのように確認したのかという質問に対し、都の答弁は、四日の本会議では会社のパンフレットで確認したということでした。それがきのうの尾崎あや子議員の質問に対する答弁では、会社のパンフレットで確認したとはいえなくなり、一回目の答弁では本社にあるといい、直後の二回目の答弁では契約当時は本社にあったが、会社分割して子会社にあるといい、最後は子会社の環境分析センターにあるというなど、答弁は二転三転しました。くるくる変わる答弁だけでも答弁の信憑性が問われる事態です。
伺いますが、あなた方は本社、子会社に出向いて、直接地下水流動解析装置を確認をしたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 私は確認には行っておりませんが、日水コンの研究施設は現在日野にございます。当時の担当者は、ここにあることは確認しております。そして、当時は日水コンが持っておりましたが、今は子会社化しております。しかしながら、建物、そして用地も日水コンの所有でございます。中の施設についても、子会社と日水コンが共同使用するような契約を締結しております。
○かち委員 私は、実際に行って確認をしたのかどうかということを伺いました。その点について、もう一度お願いします。
○長嶺財政調整担当部長 まず、私も実際の会社は確認してございません。それから、昨日の私の答弁について二転三転というご指摘をただいまいただきましたので、補足して説明させていただきます。
本社、日水コンの本社は西新宿に所在しております。そして、環境分析センターという実験施設、こちらは日野にございます。私があると申し上げたのは、本社が所有をしているという意味で本社にあるというようないい方をしてしまったんだと思います。こちら誤解を招きましたことはおわびして--申しわけございませんでした。改めまして、本社が西新宿にある日水コンが日野にある実験施設、環境分析センターを所有してございます。そして、契約後に分社化をいたしました子会社、こちらはこの環境分析センターの中に本社という形で住所を置いていると、そういうことでございます。
○かち委員 実際には現場には行っていないということは明らかになりましたね。繰り返しますけれども、私たちは直接日水コン本社の事務所に入り、総務課長から話を聞いてきたんです。また、都があるという子会社の分析センターからも直接話を聞きました。日水コンの本社にも、環境分析センターにも、地下水流動解析を行うための実験研究施設がないことを確認しているんです。どちらが正しいかは明確ではありませんか。
私は、きのうの市場の二転三転する答弁を聞いていて強い怒りを持ちました。盛り土問題での虚偽の答弁で議会と都民を欺き続けたことを謝罪したばかりではありませんか。今度は私たちが根拠を示して具体的に指摘しているのに、その場だけを取り繕ういいかげんな答弁を繰り返しています。都合の悪いことは隠蔽することにきゅうきゅうとする。四日の我が党の代表質問での再質問に対し、知事は、必要ならば調査をすると答弁した重要な問題です。きちんと調査もしない、いいかげんな答弁を繰り返すことはやめるべきことを厳しく指摘しておくものです。
次に、ちょっとパネルを見ていただきます。皆さんのお手元にも資料がありまして、昨日提示したものと同じものですけれども、都が公表した入札経過調書から日本共産党都議団が作成した日水コンの豊洲新市場にかかわる契約実績です。
この契約について幾つか伺いたいと思うんですが、日水コンとの最初の契約は、我が党が指摘してきた豊洲新市場予定地における地下水管理システムにかかわる施設等--一番上のここですね。一番上です。我が党が指摘した詳細設計、これが最初の契約です。入札は、競争によらない公募型見積もり合わせの随意契約で行われ、三者の入札金額は、日水コンが三千七百五十万円、他の二者はそれぞれ四千九百九十万円、七千五十二万円となっています。結果は、見積もり参加条件に不適格の疑いが濃厚の日水コンが随意契約をしています。契約者は石原慎太郎知事、ここにありますけれども、石原慎太郎知事と日水コンの社長になっています。
一年後の二〇一三年十二月十九日には、猪瀬知事と日水コンが契約をしているんですけど、これはこの二番目です。二番目ではありませんね、補足設計。二〇一三年十二月十九日の補足設計で四千三百八十万円で契約しているんです。これ猪瀬知事のときです。契約書はここにありますけれども、これは特命随意契約で行われています。本契約よりもさらに値は高騰しています。
私が不思議に思うのは、詳細設計が三千七百五十万円だったのに、補足設計がそれよりも高額の四千三百八十万円となっていることです。
伺いますが、なぜ詳細設計より補足設計が高額なのか、なぜ補足設計が必要になったのか、説明を求めます。
○村井基盤整備担当部長 最初の詳細設計時点では、建物の配置計画などが確定しておりませんでしたので、そういった構造物の配置を詳細に確定し、ポンプの井戸の設置位置などを確定する変更を行っております。
○かち委員 そういうことがあったとしても、本体契約よりも補足設計の方が上回るというのは、本当に異常な事態だと思いますが、さらに補足設計からわずか七カ月後の二〇一四年七月十七日には、舛添要一前知事と日水コンの間で豊洲の地下水管理システムにかかわる施設等修正設計というのをやられているんです。これです。五千百三十万円です。これは、どういうことでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 今、委員ご指摘の修正設計でございますが、こちらの委託概要は、詳細設計における設計検討成果を見直し、必要に応じて図面や数量等の修正を行うというものでございます。こちらは、ご指摘のとおり特命の理由でやってございます。
それからもう一つ、さきにご指摘のありました補足設計、こちらにつきましては計画条件、先ほど村井の方からご答弁させていただきましたとおり、計画条件の見直しに伴い、浄化施設の設備の仕様や設備を収容する地下構造物の設置等の追加検討を行い、全体の構成を再検討するというものでございます。
先ほど来、実験施設につきましてご指摘を頂戴してございますけれども、そちらについてちょっと一言ご説明をさせていただきたいと存じます。
地下水管理システムに関する詳細設計を発注する際に、先ほど来ご指摘のとおり、実験研究施設を有することという見積もり参加条件をつけました。こちらの見積もり参加条件ということで、先ほど入札とは違うということで、確かに入札とは違うんですけれども、入札と同様の競争性のある複数社から見積もりをとる見積もり合わせという形の随意契約で、日水コンと一番初めの契約については結んでいるということでございます。
そして、この契約、参加をする際に、地下水流動解析を行うための実験研究施設につきまして、こちらは一番初め、市場長の方から答弁させていただきましたとおり、パンフレットにより環境分析センターという実験施設を保有していることを確認してございます。
最新の同社のパンフレットでは、この分析センターの記載がございません。地下水流動解析を行うための同センターの実験棟という棟があるんですけれども、こちらを現在も保有していることは、日水コンに改めて直接確認をとってございます。
○かち委員 今、いろいろお答えをいただいたんですけれども、契約する当時はパンフレットを見ただけで契約しているんです。だから、私たちは実際に行って、あったのか、ないかというのを聞いて、ないことを確認しているので、やっぱりその当時は不適格な事業者ではなかったかということをいっているわけです。
それから今のご答弁で、本契約は随意契約、その後はずっと特命随意契約が十回続いているんですね。やるたびにお金がふえていく。補足設計とか修正設計で、こんなふうに本体よりも大きくふえてしまうなんていうことは、ちょっと普通の状況じゃないと思うんです。
結局、三億五百七十万円の日水コンの契約の状況になっているわけですけれども、到底納得できるものではありません。
要は、地下水流動解析を行うための実験施設を有しない日水コンの当初の詳細設計が不十分なために、補足設計や修正設計が必要になったというのが真相ではないかと疑わざるを得ません。日水コンが随意契約した最初の詳細設計が三千七百五十万円、その後の特命随意契約の補足設計が四千三百八十万円、修正設計が五千百三十万円で、この三件で一億三千万円を超えます。詳細設計の最も高い金額の会社の入札の七千五十二万円は大きく上回ります。結局、事の経過を知る多くの人から、日水コンとの随意契約ありきとの疑念が持たれても仕方のないことと厳しく指摘をして、次に進みます。
きのう尾崎あや子議員が地下水位の高さ、地下の地形、土壌の性質などをどのように考慮して、揚水井戸の能力、配置場所を決めたかを聞いたにもかかわらず、過去の最大雨量から算定して決めたという趣旨の答弁しかなく、質問への回答が明確ではありませんでした。
その答弁を裏づけるかのように、地下水管理システムの揚水井戸は、図面を見る限り、ほぼ均等に配置されています。これでは、地下水の高さ、地下の地形、土壌の性質など考慮して設計されているとは思えません。地下水位は既に海抜三から五メートルを超えています。実態は地下水管理ができていないということを示しているのではありませんか。
この地下水管理システムの各井戸の配置は、地下の地形、土壌の透水係数など十分考慮された設計だったのかどうかということを具体的に明快に説明していただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの設計に当たりましては、有限差分三次元地下水流動モデルというものを使用してございます。これは具体的に申しますと、土地を十メーターメッシュで切りまして、一メーターの深さごとに土質のデータを設定した上で三次元モデルを作成しております。それによりまして地下水がどのように変動するのかを解析したものでございます。
○かち委員 地下水流動モデルを使ったと。モデルは一般的ですよね。これが豊洲の地質、土壌にどういうふうに合っているのかということをちゃんと比較検討されたんですか。
○村井基盤整備担当部長 先ほどもご説明させていただきましたけど、一メーターの深度ごとに土がどのぐらい水を浸透させるか、透水させるか、そういったもののデータはそれぞれごとに全部違っております。実際の豊洲から取った土などでそういう計測をしておりますので、現場の方がどういうふうに流れるかという、そういうモデルをつくって、そこに雨を降らして、どういう地下水の動きがあるかということを計測しております。
○かち委員 一応実態に即してやったというご説明ですけれども、豊洲の土壌の体質とか、そういうものとの条件の中で、これが適当かどうかということを本当にやられたのかという点では、まだ私は不解明です。お答えはあるでしょうか--ないですか。じゃあ次に進みます。
日水コンは、実際に豊洲新市場予定地における地下水管理システムに関する施設等詳細設計を契約して、予定地内における地下水流動の解析を行ったということでよろしいんですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの設計に当たりましては、先ほど申しましたように三次元モデルを作成し、その結果を技術会議にも報告しております。
○かち委員 今のお答えでは、予定地内における地下水流動の解析を行ったというふうには読み取れないんですけど、聞き取れないんですけれども、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲地域内での地下水モデルを行ったということで結構でございます。(発言する者あり)解析を行ったということでございます。流動解析を行ったということでございます。
○かち委員 一つ、私が不思議に思っているものがあるんですけれども、建物の下には井戸がないんです、揚水井戸が。あれはどのように揚水をすることになるんですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲の市場用地内には、建物の周辺に揚水のポンプを設置しております。建物下には砕石を格子状に敷いてございまして、その水道(みずみち)をつくってポンプまで水を導くような構造になっております。
○かち委員 要するに、建物の下には直接揚水する井戸はないということですけれども、あそこの建物の下、盛り土がないという話もありまして、大体どのぐらいの面積を盛り土していないのかということを確認しましたら、全体の面積の四割だというんです。約四割。四割の部分から揚水しないで、砕石層で流すように水道(みずみち)でやるんだといっていますけれども、もう一つは、建物に遮水壁をつくるといっていた。建物の中に水が入らないようにするといっていた。それもやっていない。そうすると、地下水はどんどん建物の中にも入ってきますよね。そういう水をきちんと揚水する状況になっていないんじゃないかと。だから、地下にああいう水がたまっているんじゃないかということも考えられるわけですけれど、その点はどうですか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘の建物周りの遮水壁というのは、専門家会議当時は、地下水の基準を建物の外側は環境基準の十倍に設定しておりました。そして、建物下は、建物が建ってしまうと、なかなか作業ができない関係で、環境基準に抑えると。当時の設定は、建物下と外の環境基準が違っていました。その後、技術会議などで検討していただく中で、建物下も建物以外も全て環境基準以下にしようということになりました。その関係で濃度を分ける必要がなくなりましたので、遮水壁は設置しないことといたしました。
○かち委員 今の経過はそういうことだと思うんですけれども、結局、今のような海抜三メートルから五メートルも地下水が上がっている。それ全域的ですよね。そうすると、もう再汚染された水が盛り土の中にまで入ってきているという状況があるんです。だから、建物の中も外も地下基準以下にするというよりも、むしろ中も外も同じように汚染されているという可能性が高いということが実態だというふうに思うんです。
技術会議の会議録を見ると、座長がコストを抑えるという発言をしています。とにかく技術会議というのは、いかに食の安全・安心を守るのかというのではなく、いかに経済的にやるか、つまり、いかに安上がりでやるかということに重きを置いているんです。ですから、技術会議の提言は、地下水管理は新市場開場後も継続して実施することから維持管理費を考慮したシステムとするとしています。
都は、地下水管理システムを具体的に進める中で、維持管理費を考慮したシステムとするために具体的にどういうことをしてきたのですか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘のように、経済的というか、コスト面でのチェックということについては、専門家会議とは違って技術会議は実際にどういう工法ができるかとか、工事をする方法などを検討するものでございます。ですから、そういった考え方はあったと思いますが、逆に環境基準を建物以外も十分の一、今の基準以内におさめるということをやっているということは、安全とコストの面では両方から検討していたと思われます。
○かち委員 建物の周りに遮水壁をつくらないということもコスト削減の一つであって、それが環境基準に両方合わせるんだという話ですけれども、それは理屈で、実際には、逆に下も横も外も汚染をされてしまっているじゃないですか。
維持管理費を考慮したシステムにするために何をどうした、具体的には何かしたのですか。
○岸本中央卸売市場長 すみません、ちょっとご答弁の前に、今、理事の方から、建物の中も外も盛り土が全て汚染されているかのようなお話ございましたが、今のところ地下ピットにたまってる水の検査結果は環境基準を下回っておりますので、まだそこまでおっしゃるのは、ちょっとご判断としては早計かなと思っています。我々としては、今後専門家会議などでそのあたりも含めて検証していただくということにしておりますので、その結果を待ちたいというふうに思っております。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘のコスト削減についての検討をしたのかということについて、建物周りにおいては、できるだけアスファルトコンクリート舗装をしたりして透水する量を抑えております。今の設定では、舗装した場合、大体八五%は下水に流れて、一五%程度が地下に潜ると、そういう設定で設計しております。
○かち委員 先ほど市場長のご答弁で、ピット内はまだ基準値を超えていないとおっしゃいましたけれども、都が独自にはかったものの中からは出ていましたよね。そして、モニタリングでは、五街区からベンゼンなどが出ていたということを見れば、もう既に中も外も汚染されている可能性は高いということをいわざるを得ないわけです。
それで、結局、本会議の代表質問、きのうの尾崎あや子議員の質疑、本日は私の答弁の中でこういうことを二転三転しているんですけれども、結論として、都は入札参加の条件である地下水流動解析を行うための実験研究施設があるかどうかのチェックを曖昧にして契約したといわざるを得ません。そんなことで食の安全・安心が守られるはずがありません。地下水の流動解析をする実験研究施設がない企業が豊洲新市場予定地、四十ヘクタールという広大な土地で、地下の地形、地層が複雑で高濃度に汚染された可能性がある地下水を管理するということ自体、極めて無謀です。
過去に類を見ない大きな事業であり、しかも食の安全・安心の確保が求められる卸売市場をつくるんです。事実を全面的に明らかにし、実効性を担保すべきことを厳しく指摘しておきます。
試験運転について伺いますが、実際にでき上がった地下水管理システムには、雨量計すらないことに専門家から疑問が投げかけられています。地下水管理システムを試運転させて自動制御できているかどうか、正常に機能しているのか、予定していた能力が確保されているのかなどについて、どのようにつかんでいるんですか。試運転によって本格稼働に向けてどのようなことがわかったのか明確にお答えください。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの試運転とは、正常に本格稼働できるようさまざまなリスクを想定し、要求性能を満たしているか確認する運転のことでございます。
例えば故障信号を送り、水処理設備が連動して動作するかなどの確認作業などを行っております。現在、地下水管理システムは試運転中でありますが、ホームページで公開している地下水測定結果の水位も若干ではございますが、低下傾向にございます。また、日常管理水位であるA.P.一・八メートルで地下水を管理できるよう、一刻も早く本格稼働するように努めてまいります。
○かち委員 日本共産党都議団は、九月二十七日に管理棟の中央制御室を視察しました。そのとき、既に三つの地下水管理システムは試運転済みであったにもかかわらず、中央制御管理室で地下水管理システムの稼働状況は確認できませんでした。私たちがその場で現場の方に確認しようとしましたが、都はそれを遮ったわけです。
都のいう地下水管理システムの試運転では、一体どのような運転状況が確認できているのですか。公開できないのですか。正常に稼働しているという指標をお示しください。
○村井基盤整備担当部長 稼働状況というのは、ポンプがそれぞれ動いている状況がその都度違っております。ですから、水位がその場所によって違っていることもございます。そのため、稼働率ということでいいますと、概算の数値しかお示しできない状況でございます。ただ、日々の、今ホームページなどで公表しております数値データを見ますと、若干ではございますが、日々下がっている地点がかなり出てきているということで、しっかりと今システムは稼働しているというふうに解釈しております。
○かち委員 そうであれば、もう中央管理システムの制御室、当然見せていただくことは可能ですよね。いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 現在、管理システム自体が工事中でございます。今月中旬の竣工に向けて作業を進めている部分がございますので、日にちを調整していただければ、可能な限り早く見ていただくことはできると思っております。
○かち委員 十七日に納品というふうに聞いてるんですけど、まだ工事中で、制御もまだきちんとできていないというのは本当に大丈夫かなと、本当に心配します。本当にあそこに汚染の地下水を揚げないというのが最大の目的でなければならないと思うんです。だから、工事をした後にこういうことをやっているからおくれおくれになっているわけですけれども、本来だったら地下水なんか揚がってきてはいけない状況を確保しなければいけなかったのに、もう揚がっちゃっている。これで本当に下にも揚水井戸もない中で、あそこにたまっている水をどうやって処理するのかということも本当に疑問、心配、不安ですよ。だから、そこを一刻も早く解決しなきゃいけないし、やっぱり制御棟が見られるんだったら、早急に私たちも見せていただきたいというふうに思います。
昨日、管理システムの稼働について、答弁は試運転がいつから行われたのかというのが曖昧でしたけれども、しかも、先ほど四点にわたる答弁の訂正がありました。地下水管理システムの停止日については、停止日が土日というきのうの答弁を、停止日は日曜日、祝日及び点検調整中のときだと訂正されました。
点検調整中で停止した日は、これまでの試験運転期間中、何日ですか。また、試験運転期間の何割に当たりますか、お答えください。
○村井基盤整備担当部長 現在、手元にそのような資料は持っておりませんので、後日報告させていただきたいと思います。
○かち委員 点検調整中というのが本当に長いんじゃないかと私たちは疑わざるを得ないんです。後日明らかにしてください。
地下水管理システムが本格稼働した場合の揚水能力はどうか、大雨のときの稼働状況はどうか、目詰まりはどうか、一つ一つ本格稼働に向けてチェックするのが試運転ではありませんか。都は、現地に行って状況をつかんでいないのですか。都として、試運転で地下水管理システムの機能についてどのようなことが把握できたのか、明確に説明していただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事中は、都の担当者が豊洲の市場の方に毎日監督に行っております。そういったことで、現場の把握には都の担当者も一緒に調整に立ち会ったりとか、そういうことはちゃんとやっております。
○かち委員 私たちも現場を見に行って、地下水管理システムはこうなっていますよというお話は伺いましたけれども、全てオールオートになっているので目視はできない、それから記録も出てこない。こんなことでどうやって実態を把握できるのかということが甚だ疑問なわけですけれども、今は、もう目視でちゃんと今の状況がわかる状況になっているんでしょうか。それから、ホームページに提示しているということでは、水位の状況とか水質についてはわかる状況になっているんでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 まず管理棟のところにある全ての井戸を管理する施設については、今後稼働したときには人間が張りつきます。委託で、業務委託で監視をするということにはなっております。
さらに、今の状況については工事中でございますので、業者の方がしっかりと今の状況を確認しているということでございます。
○かち委員 今の時点では、もう現場は動いていることはわかっている、手動でやっているとかっておっしゃっていますけれども、動いていることはわかっても、今水質がどうなっているかとか、どういう状況になっているかというのを目で見ることはできるんですか。中央管理棟は、もうデータでわかるのかもしれませんけれども、じゃあそっちが使えない場合、今の状況をどう把握できるのかということをお答えください。
○村井基盤整備担当部長 水質の状況等については、最後に処理をします施設の方で処理しております。こういった稼働状況については、本格的に稼働すればどのぐらい使ったかということは明確になってくると思います。あくまで今は竣工前でございますので、そのデータを確実にはとっておりません。
なお、水質については、あの街区一帯について建物下において専門家会議の指導のもとに、一週間に一回の水質及び大気を確認しているところでございます。
○かち委員 なかなか、まだまだ本格稼働ではないということで、全体がよくつかまれていないというのが実態ですけれども、もう本当に十七日ですからね。それまでにきちんと稼働して、きちんと人間の目視もできるような状況でないと、あの地域の地下水汚染の状況を、安心・安全は確保することができないということですので、私たちはこれをこれからも本当に厳しく注視してまいります。
地下水管理システムは、既に二〇一二年八月に発注され、設計に入りました。土壌汚染対策工事は二〇一一年に始まり、二〇一三年から部分的に盛り土工事が開始されてきて二〇一四年には完了しています。土壌汚染対策工事が終わって地下水管理システムの契約は、その二年前に行われており、都民、市場関係者の多くは、地下水管理システムによって地下水は海抜一・八メートルより上に上昇することもなく、土壌汚染完了後の盛り土の下にとどまっているとばかり思っていたんです。
ところが、いまだに試験運転の段階であり、しかも、地下水位は海抜三から五メートルを超えるという状況で、海抜一・八メートルより下に押しとどめていることができないんです。にもかかわらず、きのうの尾崎あや子議員の質問に対して、市場長は、本格稼働すればいずれ下がるから問題ないと、本格稼働する前から地下水によって盛り土が汚染されても仕方がないかのような答弁をしました。
市場長は、土壌汚染完了後の盛り土が地下水位の上昇で再汚染する危険性についてはどのようにお考えでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 これまで土壌汚染対策工事は、A.P.二メーターから下については、汚染された土壌を撤去したり、地下水についても浄化作業をしております。そして、現在モニタリング調査を実施中でございますが、一部で環境基準を超過したことについては、今後も専門家会議などに検証していただき、適切な処置をとっていきたいというふうに考えております。
○かち委員 地下水位が海抜一・八メートルで管理されなければ、盛り土が汚染されると誰しも認識しているんです。だから、盛り土がない各売り場棟の地下空間のたまり水を見た瞬間に、盛り土がないこととともに、地下水管理システムが機能しているのかどうかが私たちの重大関心事になっているんです。
市場長は、各売り場棟の地下空間が我が党の調査によって公表されなければ、地下水が海抜一・八メートルに抑えられていないということをいつまでも公表せず、隠し通すつもりだったのですか。各売り場棟の地下空間に地下水がたまっていることについて、都民、市場関係者に公表する責任について、どのように認識していたのですか、明確にお答えください。
○岸本中央卸売市場長 いわゆる地下空間に水がたまっていることについて、特に隠すとか、そういったことはございません。
○かち委員 今になっているから、こうやって公表されていますけれども、食の安全を守っていくためにあってはならないことが起きているんだから、それはやっぱり明らかにしなきゃいけないと思いますよ。
日水コンとの契約といい、でき上がった地下水管理システムの機能といい、実に無責任に地下水管理システムが扱われているではありませんか。そんな対応で食の安全・安心が確保されるはずがありません。
深刻な土壌汚染地に六千百億円も超える公金をつぎ込んだ上に、その後の対応も無責任きわまりないといっても過言ではありません。現在、全ての観測井戸の水位は三から五メートルを超える状況になっているわけですから、敷地全体で盛り土が汚染されていることが強く疑われます。その責任を厳しく指摘しておきます。
市場長は、みずからの管理責任が厳しく問われる重大問題だとの認識はございますか。
○岸本中央卸売市場長 地下水管理システムが現在のような状況で、結果として地下水位が非常に上がっているということについては私も認識しておりまして、これはやはり一日も早く正常な水準に下げていかなければならないというふうに思っております。
現在、専門家会議を早急に開催いたしまして、地下ピットの問題だけでなく、地下水位の水準についても、また今ご指摘の、それによって盛り土がどういう影響を受けているかということについても検証いただくことにしております。地下水位についても、その検証をまず経てから、例えば地下ピット内の水についても強制排除とか、そういったほかの手段も含めて早急にどういう対応がとれるかということを専門家会議で議論していただくと、そんなふうな考え方でおります。
○かち委員 みんな専門家会議に委ねるということではあるんですけれども、私はこういう状況を招いた市場の管理者としての市場長の責任、そういうものをどう捉えているのか、認識しているのかということをお聞きしているので、そこを答えてください。
○岸本中央卸売市場長 今、地下水位がこういうふうに上がっているということにつきましては、私といたしましても、できるだけ早く下げていかなければならないなというふうな認識でございます。
その後のことにつきましては、まず専門家会議の議論を経て、できるだけ早く正常な状態に戻していく、これが私の責任であるというふうに思っております。
○かち委員 私は、このモニタリングシステムが本当に機能しているのかが疑わしいと思っているんです。きのうのご答弁で、一・八に達したらセンサーが発動して揚水をするんだと。一・三になったらとまるんだということをおっしゃいましたけど、もう一つのいい方は、あそこは粘土質で揚水するのに時間がかかると、水がなかなか集まってこないということもおっしゃっていました。一・八に達して、センサーが働いて揚水を始めたって間に合わないです。だから、一・八ぐらいの雨が降ったら、もうそれ以上、水がたまっちゃうという状況が想定されるわけです。そんなことになったら、このシステムは一体何なのだということになりますので、このシステムそのものも本当に計算し直して、根本から見直しをするということを求めておきます。
土壌汚染調査は全域で地下を詳細に調査したわけではありません。既に五街区の地下水モニタリング結果では、三カ所から環境基準を上回るヒ素とベンゼンが出ているではありませんか。青果棟の室内でもWHOのガイドラインを上回るベンゼンが検出されているのです。それは、地下の土壌汚染物質は取り除かれていないということを示すものです。そして、地下水が管理されていないことを示すものです。汚染された地下水によって、新しく盛り土がされた部分も再汚染されている可能性があります。市場長は、管理責任者として新たに盛った土を汚してはならない、新たな土に地下水位が上昇したら、せっかくの盛り土が台なしになってしまう。そういう認識はお持ちにならないのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘の点については、現在、三棟の建物のところで大気の状況、そして地下ピットにたまった水についても水質を管理している、水質を調査しているところでございます。こういった状況が委員ご指摘のように、何が原因でそうなっているかということについては、やはり専門家の方に見ていただいて議論していくのが一番適切であるというふうに考えております。
○かち委員 ちょっとこの際、確認をしておきたいと思うんですけれども、室内のベンゼンの基準値、〇・〇一九とか、〇・〇二五とか出ていましたよね。いつもこの議論の中で、基準値以下ですというふうにおっしゃるんですけれども、今、室内のベンゼンの環境基準を国も見直しているところですよね。十二月ぐらいには基準値を示したいというふうにいっておりますけれども、その中の検討でも、発がん性物質としての基準値は〇・〇一七程度にするという傾向が出ています。それはWHOのガイドラインとも一致するんです。専門家会議は〇・〇一三以下にしたいといっている。そういうことからしても、基準は上回っているじゃないですか。そういうことの認識がとても甘い。そういうことを認識されているんですか、お答えください。
○村井基盤整備担当部長 基準については現在の基準を採用するものであって、将来新たに基準が変われば、できるだけその基準に対応するように考え方を変える必要はあるかと思います。
しかしながら、さかのぼって対応するかどうかについては、今後いろいろな方々の意見を聞きながら、検討していきたいと思っております。
○かち委員 WHOのガイドラインは、もう既に〇・〇一七で示しているんです。現在の基準ですよ。そういうことは広く知見を広げて、いかに健康、安全を守るかという立場で市場の業務をやっていただきたいというふうに思います。
築地市場の豊洲移転は石原元知事が決めて、市場関係者や多くの都民、そして中央区の反対を押し切って強引に進められました。そして、これまでの三代にわたる移転推進の立場の知事のもとで、重要な情報は都民はもとより都議会にも明らかにせず進められてきたといっても過言ではありません。
しかし、このたびの都知事選で都民ファースト、都政の透明化を掲げ、豊洲への移転は一旦立ちどまって考えると言明した小池新知事が誕生しました。したがって、これまでの築地市場の豊洲移転をめぐる諸問題について、都民ファースト、都政の透明化の立場に立って包み隠さず情報を明らかにして答えていただきたいと思います。
日本共産党都議団の本会議代表質問で、豊洲市場予定地の土地取得が進められた経過と、責任の所在について知事にただしました。知事は、移転候補地となり得る用地を調べた結果、全ての条件を満たすのは豊洲地区以外になかったと聞いていると答えています。市場当局などから聞いたのだと思いますが、市場長に聞きます。全ての条件の中に食の安全・安心が守られるということは入っているのでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 すみません、ちょっと突然のご質問で、今その資料を持っておりませんので、その点についてはお答えしかねます。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 申しわけございません。いろいろ、もろもろの条件として検討をいたしました卸売市場審議会の計画部会で、豊洲地区のほか、有明北地区ほかなど計五つの候補地について比較検討を行いました。
当然、築地市場の移転先の条件といたしましては、広いスペースでありますとか交通条件、それから商圏が築地市場と継続していること、こういったことに基づきまして卸売市場審議会から豊洲地区を候補地として検討するよう答申がなされたものでございます。
ただ、委員ご指摘の食の安全といったことにつきましては、これはもう当然の前提として、何らかの問題があればきちんと対応するといったようなこととして取り扱われたものというふうに推測をしております。
○かち委員 もう一度市場長にお聞きしますが、環境基準の四万三千倍のベンゼンがあったという最悪の土壌汚染地に移転したということをどのように考えていますか。最善の選択だといえるんでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 今、担当部長からお答えしましたとおり、さまざまな要因を勘案した上で候補地を選定されたものと考えています。その上で食の安全・安心につきましては、現在の豊洲の地におきまして、どうやったらそういったものが確保できるかということで、これまで議会とも議論を重ね、専門家会議、技術会議等の意見を踏まえて対策工事をやってきていると、そういうふうに考えております。
○かち委員 先ほどご答弁がありましたように、豊洲の地は四十ヘクタールという広い用地がある、交通の利便性がある、商圏がある。いろいろ条件はあったでしょうけれども、東京ガス操業三十年間の跡地なんだという、そこにどれだけの汚染があるかという、もう既に買おうというときに千五百倍のベンゼンが出ているということは、もう明らかになっていたわけですよね。こんな汚染地、普通は、普通の常識ではこういう汚染地に手をつけちゃいけないんです。土対法でも、こういうところはかき回しちゃいけない、かき回すからいろんなことが出てくるわけですよ。本当に原発の事故の後のように、やってもやっても次から次へと新しい問題が出てくるわけです。そこにあえて持っていったから、こんなにお金もかかる市場になってしまったということではないでしょうか。
都市整備局は、開発に当たって東京都が所有していた汚染されていない土地と、東京ガスが所有した最悪の土壌汚染地とわざわざ交換したのです。市場長、このように都が市場用地として土壌汚染地を充てたことについてどう認識していますか。食の安全を守るべき市場長も最善の選択だったと思っているのでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 先ほどご答弁申し上げたとおりでございます。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 豊洲地区の選定にかけましては、皆様ご承知のとおり、築地市場の移転、現在地再整備といった問題が前提にございまして、平成三年から現在地再整備の建設工事に着手いたしましたが、さまざまな問題に直面いたしましたために、業界の方から臨海部への移転を検討してほしい、こういったご要望が出されまして、それを受けまして、東京都の審議会の方で候補地を選定いたしまして比較検討をして、最終的に豊洲というふうになったものでございます。
当然、委員ご指摘のとおり、東ガスの方で土壌汚染調査を実施いたしまして、当時の環境庁の調査対策の指針等に基づいて土壌汚染があるということを明らかにしたところでございますが、そのときに東ガスの方では、みずから法や条例にのっとった対策を講ずるというふうなことを既に公表をしていたものでございます。
築地におきましても、聞くところによりますと、もろもろの汚染なども含まれているかもしれないやに聞いておりますが、日本の東京周辺におきましては、いろいろな汚染等があることが考えられると思われるわけでございます。それらをきちんと把握して、そしてそれに対する対策を立てて浄化するといったようなことと築地市場の移転、こういったところの中で選択してきたものであるというふうに認識しております。
委員ご指摘の四万数千倍の汚染も、これは後々の専門家会議のより詳細な調査によって出されたものでございますが、これに対しましても、科学の進歩によりまして最善の対策を講ずるという手だてをしてきております。
やむを得ざるこういった選択の中で東京都が東ガスとも協力をいたしまして対策を講じてきたものでございます。このような選定、あるいは対策の過程だったというふうに認識をしております。(「土地の交換」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。
土地の交換につきましてでございますが、この地につきましては、もともと豊洲・晴海開発整備計画というものがございまして、東京ガスを初めとする地権者がもともと使っていたところを、その工場の操業が終了いたしましたことに伴いまして、新たな夢のあるまちづくりをということで地権者の方々が集まって、東京都もそこに関与いたしまして地区計画、開発整備計画をつくっておったものでございます。
したがって、そこのところでは土地区画整理事業といったようなものが当初から想定をされておりました。すなわち、東京ガスは現在の五街区、六街区、七街区、豊洲の市場のあたりを所有しておりましたけれども、当初からいろんなところに中学校をつくったり小学校をつくったり、あるいはガスの科学館などをつくったりということで換地が予定されていたものでございます。
東京ガスの方では、そうしたことと豊洲が、後からではございますけれども、この地に移転をするというふうになった経緯を踏まえて、地区計画整備を組みかえて行ったものでございます。
○かち委員 臨海地域の開発とかまちづくりということで、東京ガスと都市整備局が区画整理の中で換地をしたということがあったのは事実ですけれども、その換地をしたところがガス工場の三十年操業の跡地で最も汚染の強いところ、そこに何と市場を持ってくるということが本当に安全を第一にしたやり方だったのかということが問われると思うんです。
そもそも土壌汚染地に移ったこと自体がまずかった。行くべきではなかったんです。ほかの選択肢を追求すべきでした。このような誤りを犯したために食の安全が侵される危険が増し、財源を過大に投資してしまった。そういう誰もがわかる理屈を認められない。悪いことは悪いときっぱりいえるようでなければ、市場長としても、食の安全は守るという責務を果たせません。そのことを厳しく申し述べておきます。
これまでの都の土壌汚染対策は、さまざまな手抜きなど極めて不備なものでした。このことをこれまで我が党は繰り返し都に厳しく問いただしてきました。技術会議が指示した土壌汚染対策の有効性を確かめるためのいわゆる--まあ、当初は実証実験といっていたんですけれども、それも適用実験に変えられてしまったんです。いかにあの地でうまく工事ができるかということになってしまったんですが、都は都合の悪い数字はもとより、基本的な情報を全て隠したまま実験を進めました。土壌を無害化するための実験も、実験前の値、すなわち初期値を公表しないで大幅に下がったかのようなごまかしに満ちたことを行いました。
石原都政のもとで、こうしたごまかしが平然と行われているという都民不在、都民の安全軽視の政策が進められたんです。どうですか。その事実をお認めになりますか。
○村井基盤整備担当部長 当初は値を公表しておりませんでしたが、その後に公表したという事実があるようです。
○かち委員 ここに二〇一〇年の第二回定例議会で我が党が代表質問で聞いているんですけれども、ここでは技術会議が行った実験の結果、三月の中間報告で実験前の初期値を公表しませんでしたね。無害化できることが実証されたと宣言しました。我が党の追及で、初期値については専門家と相談しなければ都民に説明できないから、説明を受けたらホームページに掲載するといっていたんです。
ところが、六月になっても、まだ公表されなかったんです。中間報告を出す前には五回、二十三時間に及び専門家と相談していたんです。その内容は全部黒塗り。これは私たちの情報開示で明らかになったんですけれども、本当に隠蔽体質ですよね。実験をする。この実験をやって効果があったということを示すときに、その前の値がどうだったのかというのを示さないで、結果だけ示して誰が信用するんですか。おかしいと思いませんか。
○村井基盤整備担当部長 平成二十二年七月の時点で第十三回技術会議において実験データを全て公表したというふうになっております。
○かち委員 それは中間報告ではなく最後の報告だったと思うんですけれども、何で初期値を出せないとか、専門家に相談しないといえないとかというのは本当におかしなことだと思うんです。この実験をやって、こういう効果ができるから、この制度を導入してやりましょうといっているときに、初期値を出さないなんて、もう初歩の初歩の問題ですよ。
それだけではなくて、実験の中でもいろいろデータが出されませんでした。私たちは四万三千倍のベンゼンに値する土壌をちゃんと、それを実験して、それで基準以下にすることができたのか。そこは大事なことですよね。それをやったのかといいましたら、結局やっていなかった。二・七倍ぐらいの初期値のものをやって、きれいになったといっている。また追及すると、今度は二十万倍ぐらいのベンゼンを室内で普通の土壌に振りかけて、それで実験してきれいになりましたと。これは子供の実験と同じですよ。こんなことを繰り返してきたのが、この技術会議のもとで行われた実証実験なんです。
だから、本当に今の土壌対策が本当に有効なものかどうかということだって疑わしい問題なんです。
それで、専門家会議の報告である盛り土が行われず、いつの間にか地下空間になったという都政史上に残る前代未聞の大問題も、きのう日建設計が都から指示されたとするコメントを発表しました。設計会社が独断でやることはおよそ考えられないことであり、設計を依頼した中央卸売市場側が意図的に方針をねじ曲げて地下空間にするようにしたことが明瞭になったんではないでしょうか。市場長、いかがですか。
○有金渉外調整担当部長 ただいまの経緯につきましては、自己検証報告書の中でも多少触れておるところでございますけれども、契約など当然東京都の方から地下空間にこういった重機が置かれたイメージ、そのイメージ図が東京都の方から日建設計の方に提出されているということで、東京都側からしては、地下を活用した場合の簡単なポンチ絵という形では出しているんですけれども、これは挿図でございますが、受け取った側としては、そういう絵が東京都から出てきたということであれば、当然地下を前提にして、その基本設計をしてくれというふうに思い込んだところもあるのかなと思っております。
ただ最終的に基本設計の成果物が上がってきたときには、地下空間が描かれた基本設計図が上がってきておりますので、そのやりとりの中で最終的には地下の空間が描かれた基本設計が出されるようなやりとりがあったのかなというふうに推測されます。
○かち委員 発注者の意図なくして、受注者の方が勝手に絵を描くことは、設計することはないわけですよね。発注者の意図に沿ったものを描いてくる。そういうものをつくらせる方向で動いていたのは事実ですよね。そのことは、専門家会議の意思とは、提言とは全く違う中身なんだと。そのことがどれだけ重大な問題かということを全く省みない。そういうことだったのかということをもう一回お聞きしたいと思います。
○有金渉外調整担当部長 当初の自己検証報告書におきましては、第一段階から第五段階までという形で、それぞれポイントを置いて、これは検証しております。今、先生おっしゃったような基本設計のときのやりとりというのは、第二段階で起こった、これは重要なやりとりだということは、この自己検証報告書の中でも捉えております。ただ、どの段階で最終的に決定したのかということについては、この報告書をつくった段階では判明はしなかったということで、こういう書き方になっておりますが、ただ成果物として地下空間の絵が入ったものが出てきたということについては、これはもう認めるということになると思います。
○かち委員 設計図の基本設計をしたときに、当時の市場長が印鑑も押しているわけです、認めているわけですよね。それは、もう明らかに地下に空間があると。普通地下に空間がある。盛り土をするのに地下に空間がある。そうしたら、その土はどこ行ったんだろうって、そういう疑問を持たないんでしょうか。素人の私だって持ちますよ。そういうことが何も問題意識を持たないで、ただ淡々とその方向に進んでいってしまったという、その市場の体質は一体どういうことなんでしょうか。わかるように説明してください。
○有金渉外調整担当部長 自己検証報告書の中では、都と日建設計の打ち合わせにおきまして、都は同社に対し、地下モニタリング空間を入れるよう検討を指示したというふうに書いてありますので、明確に東京都の方から指示したということになると思います。
○かち委員 だから、東京都が地下空間をつくるようにという指示のもとで書いたわけですよね。だから、東京都の市場側がこういうことをしていいのかどうかと。技術会議の流れの中では、一時は盛り土の上に高床式につくったらどうかというのを、当然盛り土をしたら、そうならざるを得ない問題もあると思います。そういうことをできない、いや、やるんだということを、市場の、市場長も含めた段階でなぜ議論しなかったのか。担当の部署だけでそういうことを勝手に判断できる状況なのかということなんです。本当に担当部署だけで判断したことなんですか。
○澤次長 報告書の中にも記載をしておりますけれども、平成二十二年の基本設計をつくる段階で、これはもう明確に、まあ、いろんな資料があるんでしょうけど、今回明確に特定できたのは、四月の段階で日建設計に対して東京都側が打ち合わせの資料として、断面図として地下空間があるもの、さらにはそこにユンボが描かれているものが提示されておりますので、こういう方向で東京都としてはつくってほしいという意思表示は明確にされております。
ただ、基本設計、実施設計という建築物の設計に係る段階でいいますと、基本設計の段階では、まだ明確にどんな形でどんな規模のものをつくるかということはまだ決定していなかったという意味で、段階的に地下空間が決定されていったということで、報告書の中では記載させていただいております。
○かち委員 自然の流れの中でこうなったという、そういう説明ですけれども、これは市場側が地下空間が必要なんだと。それはいろんな議論がありました、コスト削減、早くつくる、そういうことが非常に大きく支配していたんだと思います。そうしたら、地下には空間をつくった方が早くいくと。場合によっては駐車場をつくってもうけるかという話もあったかもしれませんけれども、そういうことが議論されている。でも、一方では安全確保しなきゃいけない、盛り土しろということがあるにもかかわらず、そういうことが全然議論にのらないというのはわかりかねますよ、本当に。
だから、人ごとではなく、市場としてどう考えていたのかと、そういうことに思いをはせて答弁してください。
○澤次長 今回のヒアリング等でわかった段階ということでまとめさせていただいておりますけれども、当時は、まだ技術部門においてそういう方向で地下空間をつくるという検討が進められていたというのが平成二十三年の三月以降、基本設計を具体的に検討していく段階だというふうに認識しております。
技術部門の中で安全性についてどういう認識があったかということでございますけれども、技術部隊としては、地下のモニタリング空間をつくることによってモニタリングもできる、あるいは万一のために備えるという意識が強く働いていたというふうに推察されます。
○かち委員 建物を建てる、あれだけ大きなものを建てる場合には、どうしても地下の空間、一定のものは必要だということもわかります。わかりまして、実際にそれを、じゃあ盛り土の上でやれるかと。盛り土はつくって間もないということであると、地盤沈下とか液状化とかいろんな問題が起きて、すぐに建てるのも難しい。そして、本来だったらモニタリングを二年間やった後に建築すれば、まだ問題なかったと思いますけど、こんなほやほやなところに高床式の建物を建てられないという実情もあったと思うんです。それが豊洲の致命的な問題だったと思うんですよ。だけど、無理無理つくらなきゃいけない、地下に空間がないと作業もできない等々ということで、安全は横に、そっちのけにして建てるということに、コストを削減して早く建てるということに邁進していってしまった。これが市場の今までの考え方だったということだと思うんです。
先ほどもちょっと同じ質問がありましたけれども、盛り土の工法を検討した技術会議の会議録を都が改ざんし、建物下に作業空間を確保する必要があると提言を受けたとの資料を追加したことが報道されていますけれども、市場長、この問題について事実とお認めになりますか。
○岸本中央卸売市場長 先ほど大松委員のご質問にもお答えしたとおり、検証報告書の三ページに記載しております第九回技術会議では、技術会議が独自に提案した事項としてのくだりについては事実とは異なっていたというふうに考えております。
○かち委員 事実と異なっているということはお認めになったわけですけれども、早急に事実関係を確認して発表していただきたいと思います。
都の調査でも、一体誰の指示だったのかということが未解明なのです。この中でも明らかになったことの一つは、食の安全を守るべき中央卸売市場の土壌汚染対策がいかに汚染をゼロに近づけるかということではなく、いかに経費を節約するかということに重きが置かれてきたことです。このことは都議会における論戦、そしてこれまでの経過の中で明白です。改めて、市場長にその思いをお聞きしたいと思います。
○岸本中央卸売市場長 すみません、今回盛り土が行われていなかったという点について専門家会議にも報告がなされていなかった、また、議会を初め、都民、また市場関係者にもそういったきちんとした情報をお伝えしていなかったことにつきましては、私として大変大きな責任であったなというふうに考えております。
今後につきましては、早急に専門家会議の中で検証いただいて、一日も早く食の安全に対する都民の皆様初め、市場関係者の皆様のご信頼が回復するように全力で進めたいと考えております。
○かち委員 きょうまでの本会議、委員会での中央卸売市場の答弁を聞いても、食の安全を最大限守るべき中央卸売市場は、食の安全を第一にする立場に著しく欠けるといわざるを得ません。しかし、何よりも重大な問題は、我が党が本会議代表質問でも指摘したように、最悪の土壌汚染地への移転を強行したことにあるんです。その点で、石原元都知事の責任は重大です。そして、これまでの不十分な土壌汚染対策だけで既に八百五十八億円という莫大なお金を投入してきたんです。それでも都民の不安は解消されません。さらに、これからも地下水管理システムを進めていく費用がかさみ、今なお残る汚染土や汚染地下水の除去を行うために、そして耐震性など、さまざまな問題を解決するために莫大な税金を、財源をつぎ込まなければならないことになるんです。
市場長は、土壌汚染対策の不備について何を聞かれても大丈夫だといっているわけではありませんけれども、しかし汚染状況調査は全体像をつかむものではありません。水を通しにくいとされる有楽町層も欠落し、有楽町層自体も汚染されています。汚染箇所を調べる調査も全体を網羅するものではありませんでした。そして今、これまで都が大丈夫だとした論点の多くが崩れていることは、紛れもない事実です。これからも大雨が降ったり大地震が発生すれば、地下にある有害物質、閉じ込めたはずの有害物質が地上に出てくる可能性が強いことを環境対策の専門家の皆さんが警鐘しているんです。
食の安全を守るためには、中央卸売市場が疑わしきは黒、そして最大限安全側に立つ科学の立場に立つことが今こそ求められていると思います。市場長いかがですか。
○岸本中央卸売市場長 小池知事もおっしゃっていますとおり、市場における食の安全というのはやはり最優先されなければならないということは紛れもない事実であると思います。
私どもといたしましては、専門家会議、それから技術会議の提言をきちんと実行することによって、これまでそういったものを確保してくるんだということで進めてきたわけでございます。このたび、その提言にあった建物下の盛り土が行われていなかったということにつきましては、これは再三申し上げているとおり、我々としてまことに申しわけない事態でございまして、きちんとやっていかなければならない。それにかわる対策をこれから専門家会議できちんと検証していただいた上で、それを都民の皆様、市場関係者の皆様にご理解いただけるように努めていかなければならないなというふうに思っております。これからもそういった考え方で取り組んでまいりたいと思っております。
○かち委員 次に、豊洲新市場整備をめぐる談合疑惑について質問します。
私は五日の一般質問で、豊洲土壌汚染対策と施設建設における工事費の高騰と談合疑惑についてただしました。知事は、建設工事費が余りにも高額で、官製談合の疑いが濃厚との指摘に対し、豊洲市場の建設費については都民に疑惑を抱かせないよう納得していただける説明が必要、市場問題プロジェクトチームに建設費の検証をお願いした、都民に開かれた場で、なぜこのような額になったのか、その理由を明らかにしていきたい旨の答弁をされました。
また知事は、談合は入札における公正な競争環境を阻害し、税の有効活用に逆行するものであり、断じてあってはならない、より透明性のある入札契約制度の構築に向け、都政改革本部で外部有識者を交えた議論を行うと述べました。
市場長に伺いますが、今紹介した知事の答弁についてどのように受けとめ、認識されますか。
○岸本中央卸売市場長 建物建設費が高騰しているということにつきましては、私どもも小池知事のご指示のもとで、今、市場問題PTにおきまして、もしくは都政改革本部におきまして検証が進められておりまして、当局といたしましても、そういった検証作業に全面的に協力していると、そういう状況でございます。
○かち委員 パネルをお願いします。資料の二枚目です。
ここに、改めて豊洲新市場施設建設工事費について、青果棟、水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟の全ての不調に終わった当初の予定価格、再入札の予定価格、落札額、予定価格に対する落札率をパネルにしました。
施設工事は、三つの街区ごとにそれぞれの街区で土壌汚染対策工事を行ったゼネコンをトップとする共同企業体が組まれました。ところが、二〇一三年十一月の入札に三つの共同企業体がそろって応じなかったために不調となったことは一般質問で紹介したとおりです。
二〇一四年二月に行われた再入札の予定価格は、当初の予定価格の六百二十八億円から一千三十五億円に、何と一・六倍以上、四百七億円も引き上げられました。予定価格に対する平均落札率は九九・八七%で、土壌汚染対策工事を行った鹿島、清水、大成をトップとする共同企業体が落札しました。
市場長に伺いますが、当初の予定額がわずか一カ月後に一・六倍以上、四百七億円も予定価格が引き上げられ、しかも平均落札率は九九・八七%という結果をどのように認識しますか。
○佐藤施設整備担当部長 本件につきましては、最初の入札から二度目の再入札で落札したときのことを委員お話しでいらっしゃいますが、本件建設工事におきましては、入札手続につきましても適切に進め、落札率につきましては、一般競争入札の結果と受けとめており、何ら問題ないと思っております。
○かち委員 これが適正な契約という認識は、都民の感覚から到底理解できません。九九%を超える落札率は、どこでも談合の疑いが濃厚と見るのは当たり前です。市場長として、少しでも安くよい施設をつくるという立場はないのでしょうか。
我が党が委員会要求資料として求めた五つの不調JV、共同企業体ヒアリング結果が提出されています。二八八から三ページだと思いますが、そのヒアリング結果について伺います。
鹿島建設、清水建設、大成建設の三社に対して行った三項目のヒアリングの内容について、各社ごとに具体的に説明してください。
○佐藤施設整備担当部長 資料の中にございます不調後JVヒアリング結果、こちらが三ページございます。出席者の欄をごらんいただきますと、最初のページが鹿島建設、次の二枚目をごらんいただくと清水建設、三枚目が大成建設に対する不調後のヒアリングのメモでございます。総じてヒアリングは辞退した理由、発注者への意見要望、再発注した場合の入札参加の有無の三点について行った結果でございます。
その中で共通項として申し上げられるのは、予定価格と見積価格に乖離があることや労務の確保が困難であること。また、これはそれぞれの事情においてお話しいただいていますが、鉄骨加工費上昇のため、製作会社の製作能力を超えている発注であること。それから、液状化対策工事の施工機械の取り合い競争がある旨の回答などを受けておるところでございます。
○かち委員 今ご説明なかったかと思うんですけど、各社からは共通して予定価格の引き上げの要求が出されているんです。市場長は私の一般質問で、工事予定価格の積算根拠の質問に、入札不調以降、再入札に係る工事予定価格の積算に当たっては、人件費、資材価格の高騰に伴う単価の見直しを行ったと答弁しました。
そこで伺いますが、人件費や資材価格の高騰をどの程度と見込んで見直したのか、具体的にお答えください。
○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場の建設工事を発注しました当時は、東日本大震災からの復興や経済復調により、全国的に建設工事が急に増大し、職人の不足に伴う人件費や専門の職人を要する工事費などの急騰、また建築資材価格の上昇といった状況が見られました。また、施設規模が非常に大きく、躯体の割合が多い特徴から、これらの工事に多くの職人の確保が必要となり、地方からも職人を誘導する必要があると考えられるところでございます。
ちなみに、振り返りということで、この時期の傾向といたしましては、私どもが発注しました平成二十五年から単価は大幅上昇を示しております。東京都の財務局の予算単価や労務単価ベースで見ましても、建築の平均価格は豊洲市場の工事期間であります平成二十五年から二十八年の中で、一・三倍から多いものは一・四倍にアップしている実情がございます。建築工事は、設備工事よりも上昇率が高いこと。また、鉄筋型枠、鉄骨等躯体関係の労務単価上昇も大きい傾向としてございました。これは振り返りとして傾向を申し上げるところでございます。
○かち委員 しかし、当時の人件費や資材価格の高騰が一・六倍、六〇%という高騰はありませんよね。今だって一・三から一・四ということですから。例えば、一般財団法人経済調査会の資材価格調査では、上昇分は八%と紹介されています。人件費や資材価格が一・六倍以上になっていることを証明する具体的な根拠はお示しできないようですから、まあ、いいです。
いろいろいわれますが、一・六倍以上という具体的根拠は示していません。結局ゼネコン三社の引き上げの求めに応じて、わずか一カ月の間に予定価格を一・六倍、四百七億円も引き上げたといわれても仕方がないと思いますけれども、どうですか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほど申しました財務局の予算単価などに関しましては、実態調査に基づいて、重立った十七用途の建物の平均値をとっているところでございます。私どもが発注いたしました卸売市場については、非常に大規模な施設、また普通の建物ではしつらえないような建築計画での設備などもございます。ですから、平均値よりもさらにトレンドとしては物騰が反映されていたということが想定できます。
先ほどのヒアリングでもございましたが、先ほど委員の方で一カ月というお話ございました起工の時間差は、起工時期で、私どもが積算をした時期で比べますと、約三カ月の開きがございます。その間に、私どもとしては、本件についてどういう傾向であったか。先ほど申しましたように、非常に予定価格と見積もり単価に乖離がある。それから、労務の確保が困難であるという状況をこのヒアリングその他で改めて認識をしたわけでございます。
この時点では、具体的には財務局の標準単価も項目によって異なりますが、平成二十五年七月から同年十一月までの約四カ月の間におおむね二から三%の急上昇が見られております。それから、定期刊行物、これも標準単価と同様に上昇傾向に転じております。
それまでは、平成二十三年あたりから低入札の傾向がありまして、私どもも見積もり条件の見直しということが余儀なくされるという認識を持ったところでございます。
さらに、一部の項目について、単価がない項目につきまして見積書を再徴収したところ、前回よりも約三〇%以上も価格が上昇するという事例も見られたところでございます。
○かち委員 いろいろご説明ありましたけれども、これは非常ににおい立つものがあるということなんです。
しんぶん赤旗の取材に対して、ゼネコン関係者は次のように語っています。
都の幹部は、二回も入札不調になったら二〇一六年三月の完成時期に間に合わないと焦っていた、ゼネコン側は手分けをして設計会社と都の幹部に面会し、予定価格の大幅な上乗せがなければ、また辞退することになると伝えたというものです。結局、予定価格の大幅な上乗せがなければ辞退するという圧力に屈して、予定価格の大幅な引き上げを行ったというのがこの真相ではないかと思います。
次に、土壌汚染対策工事にかかわる談合情報についてです。パネルをごらんください。三枚目にもあります。
その内容は、豊洲土壌汚染対策工事受注者に既に決定、六街区、一番大きい清水建設JV、五街区、二番目、鹿島建設JV、七街区、一番小さい大成建設JV、一般競争入札で入札日は一カ月後だけれどねと書いたものが送られてきたんです。西新宿のセブンイレブンでファクスで送られてきた。そういうことがあったんです。
都として談合情報が寄せられたことから、直ちに談合情報検討委員会を開催し、入札参加業者に対して事情聴取したとのことですが、談合の事実は確認できず、法令等に反する行為を行っていないなどの誓約書の提出を受けただけで、入札、契約が執行されました。談合情報検討委員会には、市場の部課長さんも参加されていたと思いますが、市場長、こんなことが許されると思っているんですか。
○長嶺財政調整担当部長 土壌汚染対策工事につきましては、契約が財務局所管でございます。委員おっしゃいました談合情報検討委員会、こちらに市場の関係者は参加してございません。
○かち委員 談合情報検討委員会というのは部課長さんでやっているというふうに聞きましたけど、市場は参加していないということですか。へえ、じゃあ誰が参加するんでしょうね。私は財務局の担当の方から聞いたら、全ての各課にあるんだというふうに聞きましたけれども、まあ、いいです。
市場としては入札参加資格の審査を行ったわけですから--行ったわけですよね。その談合情報と合っていたかどうかわかるんじゃないですか。どのような確認を行ったか具体的に説明を求めたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 土壌汚染対策工事の契約手続につきましては財務局の方で行っておりますので、そちらで適正に処理されたものと聞いております。
○かち委員 担当部局が直接かかわっているのに、そこには何にも情報も入ってこない。そういう談合情報なんかにも加わらないというのは、私は問題だと思います。談合情報委員会があるのであれば、ぜひ担当の部署も入ってやるというのは最低必要だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
市場としては、そんな確認の仕方で都民は納得できないと思います。形だけの確認ではなく、第三者の専門家も加わったもっと具体的な調査、確認を行うことが必要だと思いますが、これも要望にとどめておきます。
一般競争入札でありながら、各街区ごとに一つのJVしか応札しない。そして、各街区とも九九・九%近くの落札率、談合情報など、これだけの情報がそろっていれば、談合といっても過言ではありません。それを通り一遍の事情聴取で談合はなかったというのは、都民から余りにもなれ合いといわれても仕方がありません。築地市場の豊洲移転は、談合の五年といわれないように再調査を強く求めておきます。
次に、東京都が築地市場の跡地利用の検討を大手不動産会社の森ビルにひそかに委託していた問題について伺います。
しんぶん赤旗が情報開示請求によって森ビルの築地市場移転後の用地開発に係る調査委託報告書を入手し、森ビルの報告書が築地市場跡地をオフィス中心型、複合型、住宅中心型を柱に九つの案を提案していることを報じています。
報告書は二〇一二年三月に提出されていますが、東京都は調査委託報告書をいまだに公表していません。
市場長に伺います。これは東京都が委託したものですが、豊洲新市場をめぐる一連の不祥事が明らかになったもので、知事が再検証を進めているものです。都民に隠して築地市場跡地の再開発計画をひそかに委託、調査するというやり方について、どのように思われるでしょうか、率直な感想を伺います。
○岸本中央卸売市場長 申しわけございません。今、かち理事がおっしゃった築地市場跡地を森ビルに云々という、その委託の内容を私、多分当市場の方ではそういった委託はしていないですので中身をちょっと存じ上げません。そういった事実も含めて承知していないわけですので、ちょっとお答えは差し控えたいと思います。
○かち委員 当該の市場が知らないというのも不思議な話ですよね。こういう問題があるということは、ぜひ市場の中で調べていただきたいというふうに思っております。
最後に、本日上程されている二つの陳情、二八第六六号、豊洲市場の開場計画に関する陳情と二八第六九号、豊洲市場予定地の地下水及び土壌汚染に関する陳情について申し上げます。
両陳情は、まさに今問題になっている盛り土問題、地下水問題など、いろいろ豊洲新市場に問題が起きている、そのことに対して豊洲新市場の開場を延期して調査をしてほしい、いろいろ調べたことは全て都民に明らかにしてほしい、そういう思いで安心・安全の確保を求めているものです。
私たち日本共産党都議団としては、この趣旨を採択することを求めて私の質問を終わります。(拍手)
○島崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後四時五十一分休憩
午後五時五分開議
○島崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○石毛委員 昨日の、あさの理事の質疑を受けて、質問に立たせていただきます。
豊洲市場の盛り土問題で、九月三十日に公表された都の自己検証報告は、段階的に盛り土をしない方針に変更された、そして、空気のように決まってしまったと述べております。こんなおかしな話はあるんでしょうか。誰に聞いても納得できる話ではありません。
いまだ原因究明がなされない現状に、毎日テレビの報道を見ている都民や国民、さらには市場関係者が強い失望や、あるいは憤りを抱いております。もちろん、この問題にかかわった私たち都議会も同じであります。
さて、中央卸売市場の信頼は失墜し、負の連鎖として他の局、例えば都税の徴収業務を初め、都政のさまざまな業務執行に影響が出ていると聞いております。極めてゆゆしい事態と受けとめております。来る四年後のオリンピック・パラリンピックはもとより、世界一を目指す東京の台所の安心・安全が脅かされています。
昨日の委員会審議を聞いていて、答弁が他人事のようであったり、ノリ弁に象徴されるような、情報が開示されないことに腹立たしさを感じたのは私だけでしょうか。
都議会民進党は、九月十二日、九月十六日、そして九月二十三日と三回、豊洲市場を視察しました。主要三施設とともに、十六日には加工パッケージ棟及び管理施設棟の視察を求めたところ、五月に引き渡しが済んでいるにもかかわらず、引き渡しが済んでいないとの理由で視察は断られました。隠蔽といわれても仕方がありません。
今度の豊洲新市場では、長靴を履いて地下へ視察をしました。ライトを照らす先に、いつまでたっても解明できない豊洲問題の闇を見たようであります。
築地は七十年かけて世界に誇るブランドを築き上げてまいりました。同じように、日本の自治体のトップとして、東京都は先人の礎の上に信頼を得てきております。しかし、この間、二代続けて金銭問題で知事が辞職し、そして、今回の豊洲の盛り土問題です。今まさに都庁の信頼の根幹を揺るがす事態となっております。
上り一日下りいっときという言葉がございます。信頼を得るには時間がかかるが、失うのは一瞬です。信頼を取り戻すためにも、豊洲盛り土問題を早急に解明していかなければなりません。
昨日の、あさの議員の続きでありますが、追加資料要求が出てまいりました。小池知事に渡した報告書の中間報告はこれと全く同じでしょうか、ほかにはないのでしょうか、質問をいたします。
○澤次長 本日、ご提出を申し上げた資料以外にはございません。
○石毛委員 九月二十七日に経済・港湾委員会であさの議員が要求した資料は、なぜ提出されなかったのですか。
○澤次長 資料の中身をごらんいただいてもわかりますように、中間の段階では論点整理という形でございましたので、最終報告に盛り込まれているという判断で、全てそこに集約されているということで、中間については提出をいたしませんでした。
○石毛委員 そんな理由は全く通じないんじゃないでしょうか。なぜきょうなんですか。本来こういったものは全て出して見ていただく、あるいは見せるというのが私は趣旨だと思いますよ。至って隠蔽の体質を感じます。大変不愉快でございます。これからもこういったことが行われるのかどうか、質問させていただきます。
○有金渉外調整担当部長 意思決定の過程では、いろいろな資料があると思いますけれども、今後は最終形だけではなくて、途中の経過も出していくように努めてまいります。
○石毛委員 そういう姿勢で本来臨むべきではないでしょうか。
さて、最終報告では、事務局が総務局行政監察室となっていましたが、この中間報告を取りまとめたのはどこでしょうか。
○澤次長 最終報告を取りまとめた四局が、合同で作成したものでございます。
○石毛委員 ということは、市場もかかわっているということですよね。じゃあ、なぜ……(発言する者あり)どこですか、その四つというのは。
○有金渉外調整担当部長 自己検証報告書の最終ページに名簿がございますけれども、政策企画局、総務局、都市整備局及び中央卸売市場でございます。
○石毛委員 やはり市場が入っているということで、これは資料を隠そうと、そのように思われても仕方がないんじゃないでしょうか。
この中間調査には、調査の概要や対象者が書かれておりません。ヒアリングを実施した人が書かれておりません。どこの誰がヒアリングしたのでしょうか、お答えください。
○有金渉外調整担当部長 ヒアリングにつきましては、この特別調査チームのメンバープラス行政監察室の監察員でございます。ただし、そのヒアリングのメンバーからは、中央卸売市場長及び次長は除かれております。
○石毛委員 幾つかの局が入っているということを確認いたしました。
この中間報告の最終ページに経緯に関する資料があります。今、パネルを見ていただきますが、昨日、澤次長は自己検証報告書の最終ページにあると答弁がありましたが、同じものでしょうか、確認いたします。
○澤次長 中間の報告の一番最後のページに載っております矢印が多用されている年表系の経緯書と、最終報告書の一番後ろに載っていたものは、当然、検討の過程で修正が加えられておりますので、最終形が最終報告に載っております。
○石毛委員 よくわかりませんね。違うわけですよね。なぜ違うんですか。どこが違うんですか。
○有金渉外調整担当部長 この資料は、中間の段階で知事に上げたものでございます。そこで、当然いろいろ議論を経た上で最終形になってくるということですので、中間で上げたものが、すなわち最終にそのまま行くということにはならないのかなというふうに感じております。
○石毛委員 もう一度お伺いします。私が質問したのは、どこが違うのかという質問をさせていただきました。
○有金渉外調整担当部長 最終報告書と中間の時点で知事に上げたものの差をこれから申し上げます。
まず、上から申し上げます。中間報告では三つの記載しかございません、吹き出しでございますけれども、提言内容、A.P.プラス六・五メートルまで盛り土すること、建物下のみ環境基準以下、その他は排水基準以下というのが中間報告でございますが、最終報告の中には、そのほかの文言が入っております。読み上げます。(石毛委員「どこのページですか。図ですね。」と呼ぶ)二〇〇七年の専門家会議という矢印があると思うんですけれども、それの右側の提言内容というところでございます。
そこにつきまして、中間報告で入っていた内容については、基本的には全て入っております。最終報告でつけ加えられた内容は、地下水管理を行い地下水の上昇を防止という文言が入っております。
ただし、最終報告に入っていないのは、中間報告のその吹き出しから点線で右に伸びている矢印、専門家会議の提案は大前提と受けとめ、これは抜けております。
続きまして、中間報告では、次の二〇〇八年、平成二十の欄でございますけれども、七月、十一月、十二月、十二月と四つの記載がございますけれども、最終報告では、七月の後に、十月、第四回技術会議を付加しております。これに関する吹き出しということで、(地下水に関し)長期モニタリングかつ処理についても考えておく必要があると委員からの発言、これが追加をされております。
続きまして、十二月、第八回技術会議の吹き出しでございます。当初の吹き出しは、十二月の第八回と第九回をまとめて、市場と一体となった地下空間の利用(案五)を検討し、不採用という内容になっておりますが、最終報告では、第八回の技術会議、これが万が一の場合に備え、汚染水の浄化が可能となるよう、建物下に作業空間(モニタリング空間)を確保、第九回技術会議、モニタリング用観測井戸の設置、これがつけ加わっております。
十二月、第九回技術会議、これも中間報告と最終報告では表現が変わっております。中間報告には、万が一の場合に備え、汚染水の浄化が可能となるよう、建物下に作業空間(モニタリング空間)を確保と記載をされておりますが、最終報告では、地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化という記載がございます。
それと、中間報告ではありました、右に点線の矢印で伸びております担当部署における建築に関する議論の方向ということで、四角囲みで書いてあります敷地全体への環境基準適用によりA.P.プラス二・五以下は、より安全、技術会議で地下利用案も検討、万が一の対応空間としてモニタリング空間を設置、高床式は市場の使い勝手から非現実というような内容が最終報告版からは消されております。
また、最終報告には、その後の二月のところに、疑問解消BOOK発行、また、四月、土壌汚染対策法改正、五月、調査計画書(環境影響評価)提出という文言が新たに加わっております。
続きまして、二〇一〇年の欄でございますけれども、最終版では、(四月、土壌汚染対策法施行)、(十月、石原知事が豊洲への移転を表明)、十一月につきましては、環境影響評価書案提出、その下の十一月、基本設計の起工書決定、二月、設計プロポーザルの採用通知、三月、基本設計契約、これは同じような表現になっております。
また、十一月の環境影響評価書案提出の吹き出し、これは新たに加わっておりまして、汚染土壌は全て掘削除去し、計画地全体にわたりA.P.プラス四・〇メートルまで購入土などきれいな土で埋め戻す、それと、十一月の基本設計の起工書決定の吹き出し、特記仕様書で、モニタリング空間設計等を含む、これがつけ加わっております。それと、三月の基本設計の契約の吹き出し、検討素材として、都から設計者に地下空間が記載された断面図を提示、これが加わっております。
あと、六月の基本設計完了の吹き出しが、中間報告と最終報告は異なっております。中間報告では、断面図に地下空間と思われる記載(寸法はなし)、土木から建築への引き渡し地盤面、A.P.プラス二・五メートルと明示(建物基礎工事を考慮し、手戻りを抑制するため)、これの内容が、最終報告では、断面図に地下空間の記載(寸法はなし)、土木から建築への引き渡し地盤面、A.P.プラス二・五メートルと明示という二行になっております。
それと、最終報告では、新たにつけ加えられましたものとして、九月、実施設計、起工決定、これの吹き出しとして、特記仕様書に、地下空間が記載された断面図(基本設計図)を添付、一階床の高さをA.P.プラス七・五メートルと明示、これが新たに加わっております。
それと、中間報告では記載のありました、八月、土壌汚染対策工事契約、これが最終報告書の方には入っておりません。
また、中間報告では、一番右側になりますが、上から下の矢印があって、そこに書かれている地下空間をつくることを前提に地盤高などを調整、整合を図る、大きな括弧で、主にコストダウンの観点からという矢印に対する説明、これが落とされております。
二〇一二年のところにつきましては、最終報告書で新たに書き加えられたものといたしまして、八月、新市場建設懇談会・新市場建設協議会という表現が新たにつけ加えられております。二月のところは同様です。
それと、二〇一三年のところでございますが、中間報告では、断面図に明示というところから左側に矢印が伸びて、四角の括弧の中で、専門家会議へのフィードバックに思い至らず、それと、一月、土壌汚染対策工事完了(七街区)、二月、建設工事契約(五、六、七街区)、三月、土壌汚染対策工事完了(五街区)となっていたものが、最終報告書では、二月、施設建築工事着手(五、六、七街区)というふうに変更されております。
また、二〇一四年、平成二十六の欄につきましては、中間報告では、十二月、土壌汚染対策工事完了(六街区)、それが最終報告書からは抜けております。
以上だと思います。もし抜け落ちていたら、ご容赦ください。
○石毛委員 この中間報告の技術提案書に建築部分の盛り土不要の記載というのがございますが、これは触れておりますか。
○有金渉外調整担当部長 失礼いたしました。こちらのところが抜けておりました。申し上げます。
二〇一〇年、平成二十二の欄でございますけれども、中間報告では、十一月、基本設計の起工書決定の吹き出しの中に、技術提案書に、建築部分の盛り土不要の記載というものがございましたが、最終報告書には、その記載はこちらの方はございません。
以上でございます。失礼いたしました。
○石毛委員 ここが一番大切なところなんじゃないでしょうか。なぜここが抜けるんでしょうか。不思議でしようがないですよ。どうしてですか。もう一度聞きます。
○澤次長 先日もお答えしたかと思うんですけれども、まず、起工書の段階で設計事務所から提案をされたイメージ図の中に盛り土不要の記載があったということでございますけれども、実は、最終報告の方には、それを削除した上で新しい記述がしてございます。
基本設計が終わった平成二十三年の三月以降、東京都側から検討素材として地下空間を記載した断面図を提示というのが新しく入っております。これを、盛り土不要の方を削除して、新たな要素として、東京都側からこういう提案をしたという新しい事実の方を記載しております。
これはなぜかといいますと、盛り土不要というあのイメージ図は、基礎の部分が地上面から下がっているわけですが、これはあくまでも、これは議論の中でありましたけれども、建築部門のサイドからいえば、通常の建物の場合には基礎の部分があると、根切りともいうそうですけれども、そこの部分の話を設計会社の方がしているんだということでございまして、今問題にしている地下空間とは直接関係ないということで、中間のときにはそういう議論がありましたけれども、最終の方では、むしろ東京都がいつ設計事務所に対して地下空間をイメージして基本設計をつくってくださいよというのを提示したかと、そこの方がより重要であるということで、そちらの方を重視して新しい経緯の表といたしております。
○石毛委員 そうすると、この資料は有効じゃないということでしょうか。違ったところを示さないと、資料が違うんじゃないですか。
○澤次長 本日ご提出をした資料は、さまざまな検討の中間段階でこういうことが考えられるということでまとめたものでございます。その前後にいろいろな議論があって、あるいはいろいろな情報が入ってきて、そこの中でどういう経緯をたどったかということで、どの要素が重要であるかということを鑑みて、最終的には平成二十三年の三月、具体的には四月の資料をもとに、日建設計側に東京都が地下空間をイメージした簡単な図面を提示したと、そこを重視して最終的にまとめたものでございます。
○石毛委員 この資料が、なぜきょう出てきたのかということも不可解でありますけれども、やっぱりそういった、まさにごまかしや隠蔽と思われる、そんな状況ではないでしょうか。
順次、聞いていきます。この中間報告には、技術提案書に、建築部分の盛り土不要の記載があります。報告書の二ページの下から二つ目でしょうか、丸が書かれてあります、何と書かれておりますか、お伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 平成二十三年二月に採用通知をしたプロポーザル方式の技術提案書(日建設計)において、建築部分の盛り土を不要とする盛り土工事計画のイメージ図が示された。
○石毛委員 なぜこの記述は自己検証報告書からなくなっているのか、お伺いいたします。
○澤次長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、プロポーザル方式のときに出てきた提案書というのは、あくまでも建物の下に基礎部分が記載されていると。それは、この検討チームの中にも建築の専門家が入っております。その議論の中で、これは通常の建物であれば当然あるべき部分であって、今問題となっている地下空間と直接的な関係はないという議論がございまして、それよりも、むしろ東京都側からいつの段階で設計事務所に地下空間をつくってくれという指示あるいは提案、そういったものがなされたかと、その部分の方が重要であるということで、そちらを重視して最終報告書にまとめたものでございます。
○石毛委員 それは勝手にそちらが判断するというものなのか、やっぱりこの報告書の信憑性というものを疑問視せざるを得ません。
さて、盛り土不要という文字が確認されている最も古い資料、この提案を審査したプロポーザル技術審査委員会の経過がなぜ検証されていないのか、お伺いいたします。
○澤次長 繰り返しになりますけれども、当然、プロポーザルの盛り土不要というイメージ図に関しましては、検証チームで検討対象として行っております。そのときの判断として、先ほど申し上げたような判断を下し、最終的には、むしろ重要なポイントとして、東京都側からの提案、具体的に資料も出てまいりましたので、その部分を重視したということでございます。
○石毛委員 誰が判断をし、この経過がなぜ残っていないんですか。
○澤次長 誰が判断しというところにつきましては、調査特別チーム、その議論の中で判断をしたということでございます。
それから、何でしたっけ。(石毛委員「経緯」と呼ぶ)はい。経緯については、済みません、全ての検討経緯をまとめるのが最終報告の目的ではなくて、いつ、誰が、どういうふうにしたかということを東京都として自己検証した結果、どういうまとめ方をするかということをまとめたものが最終報告でございますので、全ての要素を網羅しているものではございません。
○石毛委員 ここは、大変重要なターニングポイントというふうに私は思っております。市場長の見解をお伺いしたいんですが。
○岸本中央卸売市場長 今、次長からお話し申し上げましたとおり、この検証報告書は、豊洲市場地下空間に関する調査特別チームという、いわゆる庁内の人間がチームを組みましてヒアリングをしてまとめたものでございます。その責任において、どういう要素をここに載せる、どういう要素は取捨選択の中で載せないかというのは、私どもの議論を経て、私どもの責任においてまとめたものでございます。
○石毛委員 なかなか私も理解できない部分がいっぱいあるわけでありますが、次に進みます。
昨日も、あさの議員が質問いたしましたが、プロポーザル技術審査委員会の議事録には黒塗りされているところも多くあります。
昨日の質問を受けて、黒塗りされていないものを読める立場にある野口管理部長は、改めて確認されたと思いますが、読まれましたか、どうですか。
○野口管理部長 読みました。
○石毛委員 では、読んでいたということで、議事録を読んで、この審査会で土壌汚染について言及があったかどうか、お伺いいたします。
○野口管理部長 この中で、工期の短縮という点で、建物の基礎部分と、そして盛り土の工事のラッピング、それを効率化するために工期の短縮という話が出ております。それについては、工期については一カ月ぐらい短縮ができるというふうなことは載っております。(「土壌汚染について」と呼ぶ者あり)土壌汚染については、それは書かれておりません。
○石毛委員 野口部長の話もわかりましたし、信じたいと思っております。ただ、やはり議事録の黒塗りの部分については、日建設計にお願いするなど、早急に公開してほしいと、そのように改めてお願いを申し上げます。
さて、もう一つ、中間報告の後ろから二枚目の、いわゆる歴史年表みたいな資料も明らかになりました。
これは、何か資料要求を出されて困るような記述があるのでしょうか、お伺いします。
○澤次長 特段そのような事項はございません。
○石毛委員 じゃあ、なぜ最初に出さないんですか。私どもお願いをして、出てくるものだと思っておりましたけど、何で出さない、その理由は、もう一度お伺いいたします。
○澤次長 先ほどご答弁申し上げたとおり、この経緯が書かれた縦長の表も含めまして、中間時点で知事に報告をした資料全体というのは、あくまでも検討経過の途中段階を説明するためのものでございまして、そういった意味から提出をしていないものでございます。
○石毛委員 本来、検討段階を省いていいものかどうかと、そのように私は思うわけであります。
さて、この資料をよく見てみますと、例えば左から四列目に歴代総務課長の名前があります。今の野口管理部長の時代から、飯田部長の名前もあり、現在は高角課長です。その下をよく見ますと、未聴取となっていたり、未聴取の記載がなかったりするわけでありますが、これはどういうことでしょうか。
○澤次長 この記載は、ヒアリングを行っている途中でございましたので、これからヒアリングを行うということで、整理のために記載をしたものでございます。
○石毛委員 同じ人が記載してあったり、同じ人が記載なかったりとあるわけですよ。私がいいたいのは、資料の信憑性とか正確性とかというものを考えたときにどうなんだろうと、やはり基準として、しっかりしたものを見なければ、その中で論議をされるという、これが当たり前じゃないでしょうか。なぜこういうことが起きているのでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 今議論になっています中間報告につきましては、経緯をいいますと、非常に短時間で、知事がリオからお帰りになるまでに、とりあえず中間報告をしようじゃないかということで、その時点でできる限りの事実認定をまとめまして、つくったものでございます。
したがいまして、ここに書いてありますように、まだヒアリングを行っていないものも多々ございまして、そういった意味では十分な検証がまだ済んでいなかったということもございます。知事からも不十分さを指摘されまして、最終報告までに引き続き詳細な検討を進めなさいというご指示をいただいて、三十日に最終報告を出したわけでございます。
したがって、中間報告には、そういった意味でちょっと、さまざまなミス、エラーもあるわけでございまして、それを捉えて、正確でないのでそういうものを出すべきでないといわれますと、私どもといたしましても、ちょっとご趣旨には沿いかねるのかなと思いますので、その点はご理解いただきたいと思います。
○石毛委員 私はそういうものを、出せないというふうにいっているわけじゃなくて、なぜなのかということを知りたいという意味で申し上げたつもりでございます。
さて、このヒアリングは今進んでいるというお話であります。そういうことで理解してよろしいでしょうか、お伺いします。
○有金渉外調整担当部長 ヒアリング期間につきましては、九月十六日から二十六日まで実施をいたしました。この資料は二十一日の時点でつくっておりますので、その後ヒアリングをした方は、この時点では未聴取という形になっております。
○石毛委員 ところで、昨日の質疑の中で、プロポーザル技術審査委員会のメンバーになるような重責を担う都庁の管理職のうちで、現在も都の管理職にいる四名についてヒアリングをしていないとの答弁がありました。この委員会の冒頭で訂正の申し出がありましたが、改めて、ここをわかるようにご説明いただきたいと思います。
○白川事業部長 冒頭に訂正をさせていただきましたが、このプロポーザル技術審査委員会としてヒアリングをしたのかという趣旨で、私はヒアリングをしていないと申し上げたところでございまして、実際のところは、検討の中でヒアリングをしたかしないかにつきましては、先ほど訂正の答弁をさせていただいたとおりでございます。
○石毛委員 皆さんにわかるように、昨日の答弁はどういう答弁であったか、もう一度お願いいたします。
○白川事業部長 昨日の答弁は、現在管理職でいらっしゃる方は何人で、そのうち何人からヒアリングをしたのかというご質問でございまして、このうち現在四人の方が管理職でいらっしゃると、ヒアリングにつきましては、ヒアリングを行っていないというふうに答弁をしたところでございます。
○石毛委員 誰がどういったヒアリングをしていたのかと、こういったところも本来はしっかり聞いていかなければならないところだと思います。
さて、私はこの審査委員会での議論が非常に重要なポイントだと考えております。先ほど申し上げましたけれども、多くの都民が心配し、多大な都政の信頼を失っている今、早急に真相解明のためにヒアリングをしているのか、あるいはいないのか、明らかにしていかなければならない。していないのであればなぜなのか。また、その方々にも協力していただく必要があると考えます。
改めて、ヒアリングの事実とその内容についてお伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 このプロポーザルの提案の時期の業務の内容につきましても、基本的には調査検討チームにおけるヒアリングの対象になってくるということになりますので、ただ、誰にいつヒアリングを行ったかだとか、そのヒアリングの内容、事情聴取の内容、そういったものにつきましては、情報公開条例等に基づきまして非公開という形にさせていただいております。
○石毛委員 ちょっと私どもは、都合が悪くなると非公開と、あるいは、きのうも真っ黒の資料が出てまいりましたけど、全く何が書いてあるかわからない、そんなような状況であります。
私、ちょっと聞きたいんですが、ヒアリングしたか答えられない、ならば、この九人のうちの都の職員七名、そして、現職四名を除いた残りの三名についてはヒアリングをしたのか、お伺いいたします。
○有金渉外調整担当部長 同じ答弁になって申しわけないんですけれども、当然、ここで行われた行為が、最終的に非違行為等に当たる場合は懲戒処分の対象にもなってきます。その上で、ヒアリングした内容がそれの証拠書類という形にもなってきますので、まずヒアリングをしたかしないか、それとヒアリングの内容も含めて、現時点では、申しわけございませんけれども、非公開という形になっております。
○石毛委員 大変残念であります。きょうこうやって私も質疑に立って、しっかり、きょうの私の、あるいは昨日のあさの議員の質問によって、豊洲盛り土問題が少しでも解決、あるいはその光が見えるようにできればなというふうに思っておりましたけれども、今の状況を伺いますと、まだまだ難しいといわざるを得ませんし、どうも全体的には、先ほど申し上げたように、ごまかしや隠蔽といったような感じを受け取らざるを得ないというふうに思います。
さて、本日の質疑を通して、市場の姿勢には、先ほど申し上げましたけど、疑義を抱かざるを得ないし、自己検証報告書には誤りがあり、不十分といわざるを得ません。
日建設計の案を決定したのは、第三回プロポーザル技術審査委員会が開催された平成二十三年二月四日、調査報告では、実施計画時以降の歴代の建築担当部長は、盛り土がなく地下空間になっていることを認識していたとのことですから、期間は限られております。
後ろのページを見ていただいて、(パネルを示す)ここのところです、オレンジで挟まっているところでございます。ここのところに根源があるのであろうと、私はそのように思うわけであります。
パネルの部分です、石原知事時代、現在、副知事や、また、オリンピック・パラリンピック準備局長などもいらっしゃいます。私は、これらの人に加えて、既に都庁の外にいる当時の担当者、また、日建設計など多くの方々に参考人として協力をしていただくなど、真相が明らかになるよう取り組むべきだと考えます。
そして、本日の議論を通して、市場みずから真相を解明する意思はないといわざるを得ません。そのことを強く申し上げます。
また、市場問題プロジェクトチームを所管している総務局、あるいは環境アセスメントや土壌汚染対策を所管している環境局を含め、総合的に検証作業を進めていく上で、特別委員会の設置をすることを必要と感じます。
このことを求め、本日の質疑を終わります。
○松田委員 今までの質疑を聞いていて、恐らく納得をしている委員はいないと思いますし、きょう傍聴もいらっしゃっておりますが、きのうもきょうも始まるときは大勢いらっしゃいました。今、非常に少なくなっております。答弁が出ない、こういったことを非常に残念に思っていることなんではないかなというふうに思います。
また、昨日の我が党の田中理事の質問に対して、答弁は差し控えるという表現、これは先ほど大松委員もおっしゃっておりましたが、議会軽視そのものであります。ぜひとも真摯な気持ちで答えていただきたい。
今、ほとんどの答弁が、専門家会議が行われているから、それから市場問題プロジェクトチーム、そしてヒアリング中であるからお答えはできないということでありますが、これは本来であれば市場の皆様方がみずから説明をしようという気になれば、必要のないプロジェクトチームであります。ぜひとも意識改革をしていって、みずからこの問題を、特に大きな問題、盛り土問題がありますが、みずからの手で解決しようということをお願いしたい。
私はこの中央卸売市場を諦めていない。市場長、非常に岸本さん、真っすぐな誠実な答弁を繰り返しされておりました。ぜひともそういった姿勢、全職員一緒になって解決に向かって取り組んでいただきたいというふうに思います。
いろいろな質疑が今ありました。今あった質疑の中で、やはりしっかり答弁しておけばよかった、経済・港湾委員会で答弁しておけばよかった、そういった後悔をすることがないように、私の質疑の途中でも構いませんから、他党の質問でも構いませんから、手を挙げて、遮ってでもご答弁いただければと思います。公明党さんの質疑に関しては、小林副委員長のときにお願いできればというふうに思います。
その上で質問に入りたいと思います。
まず、豊洲のブランドについてお伺いをしたいと思います。先日、小池知事は記者会見の中で、豊洲のブランドについて触れていただいたところがあります。これは、築地という世界ブランドで、そして築地の安全の、築地はいろいろ課題が今もございますけれども、しかし、ブランド力というのは大変強いものがあって、それを新しいブランド、新しい豊洲市場に持っていくためには、やはり最初から見切り発車というような形にしない方がいい、急がば回れだというふうに答えていらっしゃいます。
ブランドというのは非常に大切なものであります。しかし、今、豊洲のブランドというのは明らかに失墜をして最悪という状況にあるといわざるを得ません。築地直送というと皆さんいいイメージですが、豊洲直送で食べたいと思う消費者は、残念ながら今いないのではないかと思います。これは市場挙げて信頼回復をしていかなければならない。
今現在で、現時点で中央卸売市場としてお考えになっている豊洲ブランドとは何か、お答えください。
○長田移転支援担当部長 豊洲のブランドということでございますが、市場でのブランドというものは、市場の関係者の皆様方や開設者である都と一体となりつくっていくものというふうに考えております。
築地市場では、食材の品質ですとか価値を適正に評価する目きき、または食材に関するすぐれた知識など代々受け継がれてきた伝統の力を生かして、まちの小売店ですとか飲食店、さらには量販店など多様な顧客の要望に応えてまいりました。このような状況を重ねることによりまして、消費者の方々から信頼を得て、長い年月をかけて築地ブランドというものは形成されてきたものだというふうに考えております。
一方、豊洲市場でございますが、築地から引き継ぐこれらの伝統的な力に加えまして、高度な品質、また衛生管理を実現する施設など、付加価値機能の向上による新たなニーズに対応していくという強みもございますので、こういったところがまざり合わさって豊洲のブランドというものが形成されるのではないかというふうに考えております。
○松田委員 今ご答弁いただいたのは、恐らく盛り土問題が発覚する前の豊洲ブランドのイメージなのではないかなと思います。それではもう信頼回復ということは非常に難しいというふうに思います。
幸い小池知事が就任をしました。知事は、クールビズや、今は、もったいないとか、いろんな新しい発想でさまざまなブランドといえるものを、今つくろうとしております。ぜひ知事とも一体となって、豊洲ブランドの確立に向けて、中央卸売市場一体となって取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、ガソリンスタンドについて伺います。
築地には、隣接しているガソリンスタンドがございますが、豊洲市場においては、今どういう状況でありますでしょうか、お願いいたします。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 築地市場におきましては、一日約一万台を超えるトラックや乗用車が来場しております。
豊洲市場におきましては、このトラックや乗用車が周辺のガソリンスタンドを利用しようとすることによりまして交通渋滞などを起こすことがあっては、地元にも大変ご迷惑をかけることになろうかと存じます。
そうした地元への配慮や、豊洲市場をご利用になる市場関係者の利便性の向上、こういった観点から、市場の敷地内にガソリンスタンドを整備することとしております。場所は五街区、青果棟の北側、補助三一五号線沿いの通勤駐車場と小口買参棟との間に位置しているものでございます。
公募によりまして民間事業者に整備していただくこととしております。事業者は既に整備に着手しておりまして、豊洲市場の開場予定日でございました十一月七日に間に合わせて開業するため、現在も工事スケジュールに沿って整備工事を進めております。
豊洲市場が移転延期するということになりましたことから、直ちに事業者に東京都の方から第一報を入れてございます。事業者は、期待していた、計画していた見込みの台数は、当然、豊洲市場の開場が前提でございましたことから、大きく経営計画が狂うことになりますので、大変心配や不安を抱えておりまして、現在、十一月のオープンをどうしようかというふうに今検討している状況でございます。
東京都といたしましては、事業への影響を生ずることでございますので、何とか事業者の心配、不安等に応えるべく、随時事業者の相談に乗っているところでございます。
○松田委員 開場する予定で、都の公募に応じて事業者が決まったということでありますが、わかればでいいんですが、この間、我々も九月十六日に視察に行ったとき、ほとんど車は通っていません。恐らく、市場が開くことによって、物流、トラック等で大きな需要を見込んでいたんだと思います。わかればでいいんですが、大体どのぐらい減収になるとお考えか、また、それに対する補償ですとか、そういったことをお考えになっているかどうか伺います。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 事業者の事業計画でございますので、詳細については差し控えたいと思いますけれども、事業者から聞き取ったところによりますと、一日に大型トラック百台から百五十台、乗用車については数百台、三、四百台等を見込んでいたということでございます。
これがどの程度減収になるかといったところについては、事業者の方でもまだつかみかねているという状況ではございますが、多くの減収になるのは明らかであろうというふうに、最近お話を伺ったところでございます。
いろいろ、今、委員ご指摘の補償やそういったものにつきましては、今後、事業者と相談をしながら検討して、誠意を持ってそれに応じていきたいというふうに考えておるところでございます。
○松田委員 前向きなご答弁ありがとうございます。豊洲に関しては、今、一旦立ちどまって考えている最中でありますから、移転が正式に決まった時点で、ここは交通渋滞も考え、また、今、豊洲の市場の付近というのは四つガソリンスタンドがあると聞いております。また、一般乗用車とトラックが交錯することのないよう、この事業者、やっぱりやれないよということにならないように、ぜひともご支援の方をお願い申し上げます。
次に、情報発信という点から、ホームページに関することで何点か質問をさせていただきます。
るるお話がある中で、また、マスコミ等報道がなされる中で、盛り土がないということは、もう世の中の方、皆さん知っているわけであります。
市場のホームページにおいては、土壌汚染対策で記述がありますが、事実と食い違っている箇所はどのぐらい今までありましたか。
○有金渉外調整担当部長 市場建物の地下に盛り土を行っている概略図が三点、土壌汚染対策について説明する文章が三点掲載をされておりました。また、PDF化された資料二種類におきまして、四カ所に市場建物の地下に盛り土を行っている概略図、これが掲載をされております。
○松田委員 盛り土が三点、土壌汚染対策が三点ということでありますが、盛り土がされているという概略図、これを示したのはいつですか。
○有金渉外調整担当部長 中央卸売市場ホームページにおきまして、土壌汚染対策工事に関して、盛り土の概略図を掲載いたしましたのは、平成二十三年三月、年度で申し上げますと、平成二十二年度でございます。
○松田委員 平成二十三年三月と申しますと、きょう、またきのうと、ずっと議論をしてきた、ちょうど日建設計さんと基本設計契約を結んだ月となっております。どのような事実や知見に基づいてこの盛り土がされているホームページを掲載したのか伺います。
○有金渉外調整担当部長 当時は、専門家会議の提言を受けまして、地盤下は基本的には盛り土という形で認識をしていたということですので、地下空間がない、全部盛り土をしたという形で図面を搭載しておりました。
○松田委員 ほかのご答弁と同じということですね。わかりました。
このホームページにおいて、事実と説明が異なることに気づきました。そのときに、どのような対策を講じましたでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 市場建物の地下に盛り土を行っている概念図、それとその説明部分につきましては、掲載内容が事実と異なっていたということが判明した平成二十八年九月十日の知事会見の翌日、九月十一日に削除をいたしました。
また、PDF化された資料二種類に掲載されております合計四カ所にわたる市場建物の地下に盛り土を行っている概略図、これにつきましては、同じく九月十三日に該当部分を、これは消すというよりは伏せるという形の措置を行っております。
○松田委員 先ほどの質疑でもあったように、問題がわかったのは九月七日だと思います。十一日に対応、削除と、十三日がPDFの訂正ということですが、やはりこういったところの対応が遅いのではないかというふうに思います。以後、気をつけてください。お願いします。
それで、今お話ありましたが、文章を削除する、概略図、ホームページで画像を削除する一方で、PDFの画像には、今、四角囲みで、調査中内容が確定し次第、正確な情報を記載しますとあって、何となくイメージ的には臭い物にふたをしているようなイメージに見えるんですが、これはどうしてでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 市場建物の下に盛り土がなされていない概略図や説明文章、これは事実と異なるということで削除をいたしました。
ただし、その概略図が盛り込まれている資料につきましては、全て消してしまいますと、概略図以外の部分の情報、これは正しい情報もございますので、そちらを損なうことがないよう、概略図のみコメントつきで伏せるという対応をしております。
○松田委員 PDFなので、削除しちゃうと全部消えちゃうという、そういう趣旨だというふうに理解はしました。
では、このホームページ以外、事実と異なる説明、盛り土がされていますでしたり、土壌汚染関連、こういったことが事実と異なる説明をされているパンフレット、一体幾つぐらいありますか。それで、それはいつ出されたもので、現在はどうしていますか、まだ配布をしているんでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 事実と異なる説明が掲載されているパンフレット、これは三種類ございます。
一つは、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書のあらまし、平成二十年十月発行でございます。それと、築地市場の移転整備疑問解消BOOK、これは平成二十一年二月発行でございます。また、豊洲新市場予定地の汚染物質処理に関する実験について、平成二十二年十月発行、この三つのパンフレットに盛り土がされている概略図が掲載をされております。ただし、これらの資料は、いずれも現在はもう配布を停止しております。
なお、同じようなものをホームページ上で公開しておりますけれども、当該資料につきましては、土壌汚染対策の概略図、この部分を伏せるという形で措置をしております。
○松田委員 もう配っていないということですね。わかりました。
では、市場として、このホームページを初めとしてパンフレットなんかにおいても事実と異なる説明を続けてきたわけでございますが、この件について、担当部長、どのようにお考えでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 これまでも申し上げましたとおり、正確な情報発信、これはやはり情報公開を進めて、都政運営への理解をいただく大きなかなめであるとは認識しております。
また、今回の事態につきましては、こうした観点からも、やはり我々としては反省をしなければいけないと痛感をしております。
多くの方々が中央卸売市場の事業に関心を寄せていること、こういったことを踏まえまして、都庁ホームページから直接中央卸売市場のホームページに訪問できるリンク、これを早速設けるとともに、トップページにおきまして、情報が一目でわかるよう配置を工夫するなど、利用しやすいホームページの作成に向けてできるところから取り組んできておるところでございます。
今後につきましても、専門的な見解を踏まえて技術面を含めた正確な情報、これを組織内で一元化した上で随時積極的に発信していく、その上で、その内容をまたホームページにフィードバックして、わかりやすく公表するという形にしてまいりたいと思っております。
○松田委員 先日、ここのホームページを見させていただいたんですが、スマートフォンで見たので、非常にちょっと見づらい、まだまだ見づらいのかなというふうに思います。市場のページに行って、豊洲のところにスクロールしていくのに、大分下の方にありました。ずっとあって、知事の顔があって、その下の下ぐらいにありました。もうちょっと使い勝手がいいようにぜひしていっていただきたいなと思います。
あと、また今、部長から大いに反省しなければならないというご答弁をいただきましたが、都民への大切な情報開示を進めていくに当たって、まずは今回の事態に対する都民へのおわび、きのうも田中理事の質問で、本会議の冒頭でおわびすべきではなかったのかということで市場長に対してありましたが、ホームページについて、私が見た限り見当たらなかったんですが、おわびに関する類いのものはあるのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 これまで間違っていた情報を当然削除するということと、今後、我々の取り組みを積極的に発信するという部分につきましては対応してきているところですけれども、今、委員おっしゃるとおり、おわびというところについては、ちょっとまだそれは載っかっていないというところでございます。
ただ、今お話あったとおり、当然そういったことはしっかりとやっていく必要があるのかなと思いますので、そういった、どういう形になるかわかりませんが、おわびのコメントというようなものを、中央卸売市場ホームページのトップページの方に掲載していきたいと考えております。
○松田委員 こういったことも、いわれてからやるのではなくて、ぜひ積極的に、だから東京都は反省していないんじゃないかというふうにいわれてしまいますので、ぜひ積極的に、みずから動くという姿勢を今後見せていっていただきたいというふうに思っております。
また、このホームページ、今、シールのように張られている、盛り土されています、きれいな土で二メートル、二・五メートル、ここ、今、伏せられているところなんですが、マスコミ報道でも結構出ているんですけれども、建屋があって、その下に空間、わかりやすくするためなんでしょうけれども、空間が非常に広く見えます。東京都のホームページ、市場のホームページだと大体一対一ぐらい、建屋があって、その下に同じぐらいの空間があるような表現になっております。テレビで見ると、それが五倍ぐらいあるものもあります。
逆にこれは、これだけ広い空間があるんじゃないかという間違った認識を与えてしまう、これはわかりやすくするためだと思うんですけれども、あわせて、正確な、我々きのう配られました設計図もありますが、三十三間堂のような設計図があって、地下は、ぱっと見そんなに大きくないんですけれども、そういった正確な比率のものも、あわせて見られるようにすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 委員おっしゃるとおり、わかりやすさを追求して余りにもイメージ図に頼り過ぎてしまうと、そういったやっぱり誤解を与えてしまうこともあるのかなと思いますので、当然、わかりやすさ、これを第一に進めていくということはもとより、それにあわせまして、詳細な設計図というものもあわせて掲示するなどして、より正確な情報というものを提供していきたいと思っております。
こうした取り組みによりまして、今後は都民の知るニーズ、こういったものに迅速的確に対応していきたいと考えております。
○松田委員 早速対応をありがとうございます。
今のことで、巨大空間があるから、これは耐震が危ないんじゃないかということをよく、我々もいわれます、テレビでも何回か出ているのを見たことがありますが、改めて聞きますが、耐震性について、空間があることで問題ありますでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 地下の部分、これは地下一階というカウントではなくて、建物の床下ということで、構造計算上、その中にございますフーチングや、はりについては組み込んで耐震性能を得ております。
この柱や、はりの構造部材は、東京都震災対策条例に基づきまして、通常、建築基準法で定められております耐震性能の二五%割り増しという余裕を持った設計がなされておるところでございます。なお、建物の構造安全性については、今後の市場問題プロジェクトチームでも検証することといたしております。
○松田委員 そういった正確な情報が伝わるように、また表現の方、ホームページの方もしっかりとやっていっていただきたいなというふうに思います。
今、間違ったというか、伏せている部分と削除している部分があるという、先ほどお話がありましたが、これを訂正する、正しいものにして公表するのはいつでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 今後、これから専門家会議でありますとか市場問題プロジェクトチーム、こういった中でさまざまな検証が行われてまいります。その検証の結果、それを踏まえて、できるだけ早い時期に正しい情報を公開してまいります。
○松田委員 まあ、相変わらずといっては申しわけないですけど、専門家会議とプロジェクトチームを待たなければ公表できないということでありますが、できる限り速やかにお願いをいたします。
それから、今、正しい情報ということを申し上げたんですが、今いろんな、いろんなというか、毎日のようにこの問題は報道されています。ただ、私が見ていて感じるのが、ほとんど地下ピットに関すること、テレビを見ていて思うのは、我々も行きました、入りましたが、地下ピットでありますが、豊洲の市場、この水の問題、地下水の問題、こういったことはもう専門家会議、プロジェクトチーム、ここにお任せするというお答えですので、ここでは今聞きませんけれども、ほかの部分に関しまして、ほとんどマスコミで見ることがありません。
我々は九月十六日、視察に行きました。コールドチェーン、豊洲ブランドの中で先ほど少し触れられていましたけれども、一つの大きな冷蔵庫のような豊洲市場であります。また、それを保つために、トラックなんかが後ろづけをするときに、やわらかい緩衝材があって、後ろからそのままトラックの中の温度と豊洲市場の中の温度、これをずらさずに入れることができる制度がある。
ただ、これはマイナス面もいわなきゃいけないんですね。最近は羽のように開くトラックが多いそうでありまして、ぴったりくっつけるわけにいかない。ただ、そういったことに関しても対策しているということでありますので、実際そういうことをやってみてもらうことって、とても大切なんじゃないかなというふうに思います。
今、外構工事等含めて、中も、まだ我々が行ったときに照明とか工事をしていましたので、工事の関係があって見せられないところもあるんだとは思います。
せっかくの機会なので、いろんなこと、今、見てきたことをお伝えをしたいというふうに思います。マグロを切れないじゃないかという、水産仲卸のところ、あそこも実際行ってもらって、物を置いてやってもらったら、こうやったら切れるんじゃないかとか、隣にこうやって共同でさばくところがあるじゃないかとか、こういったところを見てもらうというのは、非常に大切な、機能面で見てもらうことは--幾ら言葉を尽くしたってわからない。
百聞は一見にしかずでありますので、ターレだって実証実験しましたよと、重いものを積んで上ったり下ったりしましたと報告は受けましたと。ただ、見ていないんです。見ないとやっぱりわからない。やってもらうということが大事なんじゃないかなと。
ヘアピンカーブ曲がれないんじゃないの、いっぱい荷物を積んだら。こういったことも実際やっていただきたい。トイレに関してだってそうです。ピッて手をかざすだけで扉があく、非常に衛生管理のされたトイレでありました。
さらには、先ほどいっぱいお話が出ている地下水管理システム、ここに関しても見ることはできるはずであります。
ぜひそういったところを段階的に、多分、工事の関係があるので、一遍には、みんなが来ちゃったら工事が進まなくなる、また混乱が起きる、そういったこともあるでしょうから、ピットに関しては、専門家会議の平田座長もいっているとおり、もうこれ以上は現場保存してくれということで、十分報道もされたというふうに私は認識しております。
きょうはターレのところを見せます、例えば、きょうは荷さばき場、きょうは地下水管理システムということで、段階的にマスコミに公表していってはどうかと思いますが、見解を伺います。
○有金渉外調整担当部長 今、委員のご提案のあった内容につきましては、豊洲市場の新たな機能や特徴を広く都民の方々にお伝えいたしまして、理解を深めていただくということにつながる非常に重要な取り組みだと認識いたしました。
今後、やはり専門家会議でありますとか、市場問題プロジェクトチーム、こういったところの検討もございます。そういった検討の中で、市場内での工事の状況、そういったものを踏まえながら、マスコミ、そういったところに対する施設の公開、こういったものもしっかりと進めるよう検討してまいります。
○松田委員 私は、豊洲、いいから見てくれといっているのではなくて、私自身はいいと思っているんですけれども、いいか悪いか見てみないとわからないので、いつからそういったことを始めて、検討するんですけど、いつから始めていただけますでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 まずは工事が終わってから、なおかつ専門家会議の先生方に、施設の安全性でありますとか、そういったものをしっかりと確認していただいた後、速やかに進めていきたいと思っております。
○松田委員 工事が終わるのはいつでしょうか。
○佐藤施設整備担当部長 一部、移転が延期したことに伴う工期延伸がある工事もございますが、基本的には十月十七日で主たる工事が終わる予定で、今、終盤、進めておるところでございます。
○松田委員 十月十七日、地下水管理システムが正式に稼働する日というふうにこの質疑の中で聞いておりましたが、十月十七日以降であれば、マスコミに段階的に公開ができるのでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 先ほど二点、私、申し上げまして、一つは工事完了後、それと、専門家会議がまだ開かれておりません。まず開いてもらった上で、その中で施設の安全性、そういったものも確認をした上で、あの中に入るということも決めていければなと思っておりますので、それが終わったら速やかに進めていきたいと思っております。
○松田委員 私は十月十七日でも遅いなと思ったんですね。きょうって何日。六日でしたっけ--七日であります。あと十日後ですよね。今すぐの方が私はいいと思いますが、これは専門家会議に諮る内容なんでしょうか。
段階的に、もう工事が終わっているところ、例えば地下ピットに関しては、地下水、もうこれ以上入ると成分が変わってしまうから入ってはいけませんよというのはよくわかります、座長のお話。ただ、ほかのところ、例えばトラックを着けるところ、これは何か問題ありますか。
○有金渉外調整担当部長 委員おっしゃるとおり、全てが全て専門家会議に諮る必要はないと思っておりますので、今おっしゃった支障のない部分につきましては、十月十七日以降ですが、なるべく早くそういう機会を設けていくように調整していきたいと思います。
○松田委員 なるべく早くというのは十月八日でしょうか。
○有金渉外調整担当部長 十月十七日以降になります。
○松田委員 わかりました。では、十月十七日から順次公開ということで、ぜひお願いをします。それでよろしいでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 私どもも、やっぱり見ていただきたいという気持ちは持っております。いろいろな報道なんかでネガティブなことだけが強調されまして、さっき委員がおっしゃったコールドチェーンですとか、効率的な物流ですとか、そういったことについては余り触れられていないというのもありますので、我々としても、やっぱり見ていただきたいところはございます。
ただ、皆さん、見たいとおっしゃいますと、例えば地下ピットとか--工事との兼ね合いというのはどうしてもやっぱり制約がございますので、そこはご理解いただくこととして、その後はできるだけ、例えば市場関係者に対してですとか、メディアに対してですとか、場所と対象者などをいろいろと工夫するなりして、できるだけ早く見ていただけるような形を考えていきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○松田委員 ぜひこれは市場長の決断で、専門家会議に対して、逆に申し入れしてほしいと思います。どんどんどんどん、おくれればおくれるほど間違った情報が流れていきます。
段階的にと私が申し上げたのは、今、どういう状況にあるのかを一つ一つ、見れるところはあると思うんですね。専門家会議の内容と全然関係ない場所があると思います。そこをぜひ相談していただいて、可及的速やかにお願いします。
ご答弁があればお願いします。なければ先にいきます。ないですね。お願いします。
○有金渉外調整担当部長 可及的速やかに対応いたします。
○松田委員 ぜひ最低でも十月十七日、もし早くできれば来週からでも、きょうは金曜日ですから来週からでもお願いして、次の質問に移ります。
今回の豊洲の移転延期、また、盛り土がなされなかったということに関しまして、市場の安全性や当局のガバナンスの欠如ということがよくいわれますが、こういったことに関して都民からの問い合わせはどのぐらいあったんでしょうか。
もう一点、どのような対応を行ったんでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 都民からの多くの問い合わせに適切に対応するため、九月十三日火曜日でございますけれども、市場職員によるコールセンターを設置いたしまして、一元的に対応する仕組みを構築いたしました。このコールセンターでは、豊洲市場の安全性に対する不安や、都の仕事の進め方に対する批判の声など、これまで約千三百件、都民の声の総合窓口で受け付けた約千七百件と合わせまして、約三千件に上る多くの声を伺っております。
これらの声をしっかりと受けとめるとともに、あわせて正確な事実を伝え、今後、しっかりした対応を進めていくということを丁寧に説明してきております。
今後とも、こうした都民の声をしっかりと踏まえまして、正確な情報提供を進めていきたいと考えております。
○松田委員 今ので何点かあるんですけれども、コールセンターは何本電話を引いてあったのかと。今、苦情とか問い合わせの状況が、これはふえているのか、変わらないのか、減っているのかということ、これは正直な感想、少ないなと思ったんですね、千三百足す千七百で三千。舛添さんのときはたしか何万というお話があったと思うんですが、このコールセンターを知らない人に関しては、恐らく都庁とかにかけていると思うんですが、そこら辺は把握していますでしょうか。
以上、三点お願いします。
○有金渉外調整担当部長 コールセンターにつきましては、開設当時はやはり非常に数が多くて、当初は職員十名体制、交代で対応しておりました。現在は、多少件数も減ってきておりますので、五名体制という形で進めております。
それと、電話の本数でございますが、済みません、今、ちょっとはっきりした数がわかりませんので、後ほど改めてご報告をしたいと思います。
それと、当然、電話だけではなくて、いろんな形で都民の方から苦情を受け付けるということで、例えばメールというものが来ます。あと、ファクシミリで来ます。あるいは郵便も来ます。そういったものが、これまでで約千二百件、それと今申し上げた電話、こういったものも含めまして、数多くの苦情、そういったものに対応しているところでございます。
○松田委員 何本ありますかと聞いたのは、かからなくて都庁にかけている人がいるんじゃないかなということで、ちょっと聞いてみました。
ただ、減っているということですが、現在はもう対応できているということでよろしいでしょうか。
○有金渉外調整担当部長 開設当時は一日最大四百件ぐらいあったというふうに聞いていますが、現在は、それからは大分落ちてきているということですので、今の五名体制で対応できております。あるいは、また電話がふえてくるようであれば、人数をふやして対応していきたいと思っております。
○松田委員 わかりました。対応できているということですので、ぜひ内容においても、やはり丁寧な対応をお願い申し上げたいと思います。
次に、今回の質疑の中で、表現でちょっとわかりづらいところがあったので、聞きたいなというふうに思っております。
昨日、そしてきょうと、尾崎委員とかち委員、共産党の方々から、地下水管理システムに関する表現で、どのぐらいの雨に耐えられるんですかという質問に対して、最近降った一番多い雨でも大丈夫ですとか、一街区二百トン掛ける三で六百トンで、排出は何とか立米、四百何十立米。この単位が、我々は聞いていてよくわからない。
地下水管理システムは安心なのか。これが稼働すれば水位が下がる、一・八メートル下がると聞いているんですけれども、例えばことしは非常に台風も多かった。特に八月二十日の台風が東京は一番被害が大きかったと思うんですけれども、こういった台風が来たとき、またはこのぐらいの雨が一週間降りました、一カ月降りました、こういったときに、現在の一日六百トンでしたか、処理能力で地下水管理システムがフル稼働したとして、果たして対応できるのかを具体的にわかりやすく例示してお答えいただけたらありがたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 気象庁の降雨データによりますと、東京地方で本年八月二十日に降った雨は、時間最大約五十ミリでございました。
地下水管理システムにおいて計画した時間最大降雨は、平成二十二年七月五日に石神井川があふれた板橋地区で降った時間最大百十三ミリの降雨としております。このことから、本年八月二十日の降雨と比べても、約二倍程度の降雨にも対応できる排水能力を有しているものでございます。
このことから、問題なく排出できるものと認識しております。
○松田委員 地元板橋のことに触れていただいたので、非常にわかりやすいご答弁、ありがとうございます。あのときは、たしか何カ所か板橋区内でも床上浸水をしてしまった。そういったときでも大丈夫だということのご答弁でありました。
次に、地下水についてもちょっとお伺いしたいんですが、市場問題プロジェクトチームの座長から、飲んでも大丈夫なぐらいですよという表現がありました。一般的に、豊洲の地下水は汚染水というようなイメージが、今ついてしまっております。
小池知事も、九月三十日の記者会見でおっしゃっていたのが、ヒ素に関して、ちょうど地下水に関することで、九月三十日の記者会見、読売新聞の方の質問に対して答えたのが、そういったことを含めて、安心・安全、これらが科学的に、そしてまたちゃんと皆様方が感覚的にもわかっていただけるような、そういった、これは努力をしなければ、説明の努力、ヒ素とか聞くと、それだけでも、えっとびっくりされるわけですけれども、水の中には、環境基準以下で入っているケースというのは非常に、要はゼロリスク、ゼロではないということなのですが、そこら辺がなかなか見て国民の皆様方からすれば非常に敏感に感じ取られる部分がございます、そこはしっかりご説明していただかなければなりませんと発言されているんですが、それを説明していくためにも、ほかの水と比較検討することが大切なのではないかというふうに思っております。
前提として、地下水というのは飲用でもないですし、昨日の田中理事の質問であったように、それを使って野菜を洗ったり、魚を洗ったり、そういった類いのものではないんですけれども、より安全性ということを、ゼロはないと知事もいっているわけであります。
例えば、使わない、手に触れるところにないお水であったとしても、ミネラルウオーターであったり、水道水であったり、築地では海水で魚を洗ったりしますが、その海水とかと比べて、この濃度、ヒ素ですとか、ベンゼンとかそういったことを具体的に消費者にわかりやすく、〇・〇〇三、わかりません。これと比べて、ミネラルウオーターと比べて、このぐらいは飲める範囲、飲むものではないですけれども、飲める範囲と座長がいっているぐらいですから、消費者が安心してわかりやすい、そういった形で取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 まず初めに、委員ご指摘の点、市場PTの委員で飲んでよいというのではなくて、これは専門家会議の座長でございます。
水質検査結果の公開手法については、委員ご指摘のとおり、都民感覚の視点で、わかりやすく伝えることが重要と考えております。日常生活に関連する水、例えばミネラルウオーターの水質基準と比較して公開するなど、専門家の先生と相談の上、公開手法については検討してまいります。
○松田委員 ぜひ比較検討をしていただきたいというふうに思います。
ゼロというのは、普通に自然界にあるものと比べてどうなのかということが、やはり大切になってくるんだろうと。いたずらに不安をあおることは、私はやってはいけないことだというふうに思っております。
同様に、土に関しても、これはちょっと難しいところがあると思うんですが、豊洲の土、汚染土壌だといっている方もいますけれども、本当にこれは汚染されているのか、これも比較したい。
ただ、比較する対象が非常に難しい。例えば、今やっている築地、先ほど清水副委員長からお話もありましたけれども、調べて、もし豊洲よりも高い値が出てしまったら、これこそパニックになってしまう。観光地で調べてしまったら、もし高い値が出てしまったら、そこに人が行かなくなってしまう。板橋はやめてくださいね。
例えば、提案なんですが、都庁ですとか、空気に関してもそうですね、空気中のベンゼンはどのぐらいですかというお話でありますけれども、こういったことに関しても、ほかに影響がない範囲で、土に関しても比較検討することはできるでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 委員からご指摘の点につきましては、こういった問題を所管します環境局、そして専門家の方々などともご相談の上、検討していきたいというふうに考えております。
○松田委員 やはりわかりやすいというのが一番だと思います。小池知事も、わかりやすい都政というふうにおっしゃっております。都民ファーストの視点で、ぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
数字で見てもわからないです。わからない単位でいわれても、先ほどの何とか立米は余り使わない単位でありますし、わからないです。
今、不安に思っているのは一般の消費者でありますから、一般の消費者がどうやったらわかるんだろうという、そういった表現もそうなんですけれども、こういった比較、ほかの風評被害も十分に勘案しながら、ぜひ比較検討に踏み切っていただかなければ、恐らくこのままいくと、ゼロにならなければこれは安全じゃありませんというような状態に今なっておりますので、他との検討をぜひとも進めていっていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
最後に、職員、市場の意識改革について質問させていただきたいんですけれども、やはり今回の問題を通じて、今、議論もありましたし、質疑応答する中で、いろんなことがわかってきました。わかってこないこともいっぱいあります。それはやっぱり意識なんだと思います。みずから発信をしていくことができる組織にならなければいけないんだと思います。
きのう、あさの理事もおっしゃっていましたが、聞かれたから答えるんじゃなくて、自分から発信する。黒塗りの文書があって、こっちの名簿があって、日付があって、これはあなたですね、じゃああなたはどうですかといわれてから答えるのではなくて、ぜひみずから発信をして、この問題に取り組んでいくという強い決意が欲しいなというふうに思います。
ただ、これはもう市場が悪いんですけれども、今、責められている状況でありますから、なかなかいいたくない。これは人間の心情としてはよくわかります。北風と太陽というのがありますけれども、風をピューとやってしまうと、閉じこもってしまう。無理やり引っ剥がしていく、これは本当に大変な作業であります。
やはり、市場に関しては、市場長が中心になっていただいて、皆様方、一人一人を大切にして、現場から変えていっていただきたいなというふうに思っております。
こういった集中審議でありますから、楽しいということはないと思いますが、ただ、仕事はやっぱり楽しくやっていただきたい。それがモチベーションにもつながりますし、結果的に、都民、国民の利益につながっていくんだろうというふうに思っております。
今、ここにいらっしゃる理事者、課長さんの中で、東京都に入って、今、よかったなと思っている方はいらっしゃいますか。いたら手を挙げて--ありがとうございます。安心しました。本当にいっぱいいて安心しました。
質問じゃないので、余りこういうことをしてはいけないんでしょうが、ただ、こういったことで意識というのは少しずつ変わっていくんだというふうに思っております。
私の妻が役人で、国の方なんですけれども、結婚したのが十年ぐらい前でして、十年ぐらい前に結婚したときに、役所の話をしたことがありました。国なので官僚ですね。
大体、官僚というのは、入ったときは、この国を俺が変えてやろう、私が引っ張っていくんだ、そういったつもりで国の役人になるんだけど、十年たつと、大体半分の人は、まあ、こんなものかな、給料をもらえればいいかなというふうに思ってしまう。中には、出世を目指して、ほかの人なんかどうでもいい、今まで仲よかった同期だって蹴散らしてだって、俺が上に行ってやろう、私が上に行くんだ、こういった人も出てきます。そして、家庭を大事にするから、仕事はそこそこでという方もいる。本当にこの国を変えたい、この国のことが好きだ、この国のために働きたいというのは、多分十年たったら一割ぐらいしかいないんじゃないかなといっていたのが、もう十年ぐらい前ですが、今回の問題を通じて思うに至りました。
恐らく、東京都も今同じ状況にあるのではないかなというふうに私は感じております。本当にこの東京都が好きで、恐らく全員が、入ったときは都庁の職員になりたい、なってこの東京都を自分が動かしていくんだ、そういった強い思いで入っていただいたんだと思います。その中で、知事のいわれる、ライフワークバランスといわれていますが、全てを仕事にささげるのではなくて、家庭を大切にした上で、仕事を必死でやって、都民のためにぜひ働いていただきたいというふうに思っております。
制度に関しては、先日の一般質問で我が党の小宮議員、連続性のところから、役所というのは、二年サイクルでどんどんかわっていっちゃうのはよくないんじゃないか、これを見直すべきだということに対して、知事は、オリンピックなど期限を切ったものに関しては、やはり継続性が大事だから、そういったことを考えていきたいという答弁がありましたが、これはオリンピックだけではないというふうに思っております。
東京都にはいろんな事業がありますから、若いときはいろんなことを経験することも大事ですが、民間の企業であれば、いろんな部署を経験して、最終的には適材適所でエキスパートをつくっていって、その会社の利益になることをやっていくものであります。
東京都においては、東京都の利益というのは都民の利益でありますので、都民の利益になるように、制度設計していくのは我々であります。都議会、そして知事、こういったところで連携をして、より働きやすい、より意欲のある、東京都で働けてよかった、こういった職場をつくっていくお手伝いはできますが、中から、ぜひこの機会をチャンスと逆に捉えて、市場から変えていっていただきたいというふうに思っております。
一人一人が個性がある人ばかりであります。今回、二日間、長い時間皆様方と過ごさせていただいたおかげで、ほとんど部長さん、理事者の方とお話ししたことはないんですけれども、市場長の誠実な人柄も、次長の真っすぐなところ、それから、名簿を見なくちゃわからない。済みません。野口さんの、最初は抑え目なんですけれども、だんだん、いわれてくるとがっといく、お酒を飲むと元気になる人なのかなとか、長嶺さんの、ちょっと--もういいですね。済みません。そういった一人一人の人柄が非常によく見えてまいりました。そういった一人一人を大切にする組織をぜひつくっていただきたい。
そういった意味で、最後に、市場長の職員の意識改革に向けた決意をお伺いしたいと思います。
○岸本中央卸売市場長 今回の盛り土問題につきまして、本当に都政全体に対しての信頼が大きく損なわれたということについて、私を初め、やはり市場当局全体として、大きく反省しなきゃいけないんだろうなというふうに考えております。
ただ、今、委員からお話ございましたように、市場当局の職員、それぞれこの盛り土問題で非常にたくさんの苦情をいただいて、不眠不休でこれまで取り組んでもきております。一人一人を見れば、都庁で懸命に豊洲移転に向けて努力してきた職員でございますので、彼らに対しても、私は市場長として、本当に苦労をかけている、申しわけないなという気持ちでいっぱいでございます。
これからは、まず私がこれまでの意識を反省して、風通しのいい職場づくりですとか、皆さんが、職員みんなが元気で働けるような職場、そういったものをつくっていかなければいけないなと。それが、やはりこの市場当局に対する信頼を回復する一つの大きな道なのかなというふうに思っております。
私自身、市場長として、微力ではございますが、これからも少しずつ市場の意識が変わっていくように全力で取り組んでまいりたいと思います。引き続き、議会の皆様のご支援のほど、よろしくお願いします。ありがとうございます。
○松田委員 ありがとうございます。
生意気なことをいって申しわけありませんでした。
やはり、今回の問題、意識が変わらなければ解決することはないということで私は思っておりますので、ぜひとも皆様方のご協力をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○小林委員 建設は死闘、破壊は一瞬という言葉があります。豊洲新市場の開場は、最大の課題であった土壌汚染対策に対する専門家の方々の英知をおかりし、市場関係者の皆様の並々ならぬご理解とご協力をいただき、そして私たち議会も幾多の審議を重ね、さまざまな課題を克服しながら、不安を安心に、心配を希望にと、一つ一つ積み上げてきた一大事業であったと思います。
しかし、この建設への労苦は、このたびの問題で一瞬にして破壊されたといえます。新市場開場という困難な建設作業であったからこそ、破壊の後には不信、怒り、嘆きが渦巻いております。
そして、議会の審議における事実と異なる答弁が繰り返し行われていたことも露呈されました。
私が初当選をさせていただいた直後に、ある局の幹部職員の方とお話させていただく機会がありました。そのとき、その幹部職員の方が議会答弁には命をかけていますとおっしゃっていました。そして、検討すると答弁したらちゃんと検討する、実施するといったら実施する、それだけ議会での答弁は重いと思っていますと、このようにもいっておられました。初当選直後の私にとっては、正直いって随分大げさな言葉だなと感じつつ、しかし新鮮な響きも感じました。都議会での質疑を重ねるたびに、この幹部職員の言葉が少しずつわかるような気もしてきました。
しかし今回、全く真逆の答弁に遭遇しました。やるといったことをやっていなかった、答弁に命をかけるどころか、土壌汚染対策について質問されれば、まるでコピー・アンド・ペーストのような答弁が繰り返されておりました。今回のこの問題で、私も今後の質疑の中にあって、答弁というものを自分自身の中で捉え直さなければいけないかなというふうにも、今考えております。
そういう中で、どなたでも結構です。皆さん、今答弁に立たれる立場にあって、どんな思いで答弁に立たれておられるのか。どなたでも結構ですので、お答えいただければと思います。
○岸本中央卸売市場長 今、委員のお話を伺いまして、答弁について、全く委員おっしゃるとおりだと思いますが、私自身、反省いたしますと、本当にそういうつもりでこれまで一つ一つの答弁に向き合ってきたかなということになりますと、やはり反省がたくさんございます。改めて、これから一つ一つの答弁にまさに命をかけるつもりでやっていかなきゃいけないというふうに考えております。
○小林委員 都も、そして議会も今、信用を失墜しております。なぜこのような事態になったのか、きょうまでさまざまな質疑がありましたけれども、徹底した原因究明は当然のことながら、絶対に忘れてはならないのは、今まさに市場の将来展望が闇に包まれてしまった市場関係者の皆様と、食の安全に不信を抱いている都民の皆様に心を尽くしていくことであると思います。破壊された信用から、再び安全・安心の構築と市場の未来を描く建設作業を開始しなければなりません。この観点から幾つか質問させていただきます。
初めに、地下水管理システムについて伺います。
先般の我が党の伊藤こういち議員の一般質問においても触れましたが、専門家会議で提言されていた、地下水管理を行い地下水位の上昇を防止するということが現場で行われていなかったことを、都議会公明党が現場調査した際に指摘し、再三要請し、ようやく十月三日から水位の測定が始まりました。
提出された資料の測定結果を見ますと、水位はA.P.プラス二メートル程度を維持との専門家会議の提言を大きく超えて、特に七街区の水産卸売り場棟のナンバー七から六、ナンバー七から七においては、五メートルもしくは五メートル超となっております。
提出された地下水位測定結果の欄外に米印で測定限界A.P.プラス五メートルと記載されていますが、まずこれはどういう意味なのか。
また、五メートルを超えるとは、五メートル十センチなのか、六メートルなのか。都は、測定限界の五メートルを超えていることをどのように捉えているのか、まずお伺いします。
○村井基盤整備担当部長 地下水位測定の五メーター超との数値については、観測井戸の計測最大値が五メーターであることから、五メーターを超える水位を五メーター超と掲載しております。
昨日十月六日の地下水位測定結果によりますと、七街区の計測値が五メーター超から五メーター、そして七街区七の方は五メーターを切る値になっております。ほかの数カ所の井戸についても低下傾向が見られます。
今後も水位の状況を注視してまいります。
○小林委員 地下水の上昇をコントロールするのが地下水管理システムであると思いますが、現在、地下水管理システムは試運転中で、本格稼働は今月中旬と聞いております。これは伊藤議員も指摘しましたが、本来であれば、建物が完成したと同時に本格稼働させるべきだと思いますが、結果的に水位の上昇が測定されております。
地下水管理システムを本格稼働させれば本当に水位がコントロールされ、確実に減らすことができるのか、この点、お伺いします。
○村井基盤整備担当部長 現在は外構工事中でありまして、降雨などによる地下水の上昇が見られますが、外構工事がほぼ完了してまいりますと、今後は地下水への雨水の浸透が抑制され、また、十月中旬からは地下水管理システムを本格稼働することとなります。地下水位を徐々に低下させ、日常管理水位であるA.P.一・八メートルで地下水を管理してまいります。
なお、専門家会議等の検証を踏まえた後には、必要があれば適切な措置を講じてまいります。
○小林委員 済みません。今ご答弁のありました専門家会議の検証を踏まえて適切に対応していくというのは、どういう意味でしょうか。
○村井基盤整備担当部長 専門家会議の方からは、今現在、ピットにたまっている水について保全するようにということがいわれております。ですから、そこの水をくみ出すということが今できないということでございます。
○小林委員 今回、地下水管理システムが本格稼働していない、それで水位が上昇しているという状況の中において、やはりさまざまな心配が起きているのも現状であります。地下水の上昇で、もし汚染された土壌が残っていたら拡散してしまうのではないかとの懸念を助長していることも現状であります。どのような結果であったとしても、とにかく専門家会議の先生方に早急に検証をお願いして、きちんとした情報提供をお願いしたいと思います。
昨日の当委員会において、我が党の木内委員より、豊洲のある江東区議会への説明に関する質問がありました。来週十四日、江東区議会の委員会に説明に行くとの答弁がありましたが、資料要求しました過去の江東区議会清掃港湾・臨海部対策特別委員会の議事録を見ましたけれども、江東区の皆様もさまざまな思いを抱えながら豊洲市場への理解を示してくださっておりました。当然のことながら、説明の前に真っ先に誠心誠意の謝罪であると思います。その上で、江東区の皆様の抱えている思いをきちんと受けとめて応対していかなければなりません。
一方、移転に伴ったさまざまな取り組みをしてきたのは、江東区だけではなく、築地市場が移転する中央区も同じような状況であると思います。市場ができる側、市場が出ていく側、その差こそあれ、この築地という大きなブランドを抱えて、中央区はずっとそれを守ってきた。東京都にも当然協力されてきたと思います。そういった中で、この中央区に対してもどう心を尽くしていくのかが大事であり、忘れてはならない視点であるというふうに思います。中央区、どのように対応していかれますでしょうか。
○赤木移転調整担当部長 豊洲市場に関する中央区への説明についてでございますが、これまでは担当窓口を通じて説明を行っておりまして、また、必要に応じて区議会等にも出席して説明してまいりました。今回の答弁内容が事実と異なる説明となっていた件につきましても、移転延期後の一連の動きとともに中央区に連絡を行ってきてございます。
今後とも、地元中央区にも丁寧に説明を行ってまいります。
○小林委員 今、必要に応じて区議会にも出席して説明してきたというご答弁がありました。今まさに必要不可欠なときではないかなと思います。早急に中央区に都の方から出向いて、きちんと説明していくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○赤木移転調整担当部長 中央区議会にもぜひそうした機会をなるべく早く設けていただき、説明に参りたいと思っております。そうした調整を早速進めたいと考えております。
○小林委員 ぜひよろしくお願いします。私ども公明党は、ネットワーク政党というものが大事な視点でございます。江東区の区議会議員、そしてまた中央区の区議会議員からも、現場のさまざまな声をいただいております。そういう中にあっては、やはり築地のあった中央区、そして豊洲をこれから迎えていこうという形で今まで準備を進めてくださった江東区、しっかりと東京都として誠意を持った対応をお願いしたいと思います。
さらに、心を尽くしていかなければならない課題が風評被害であります。
さきの代表質問で、都議会公明党は風評被害対策への取り組みを求めたところであります。小池知事の答弁では、専門家会議などで科学的に安全性を確認してもらう必要性や情報発信に言及をされました。
また、先日、我が党の先輩議員が築地市場を訪れ、仮に今後、豊洲に移転した場合の風評被害について意見交換してまいりました。きっと原発災害後の状態と同じになる、海外の取引先から既に、もし豊洲に移転後は取引中止の申し出が出ている、このような懸念の声が相次いでいるとのことでありました。
市場関係者の方が最も心配しているのが、やはりこの風評被害であります。決して看過できない、そして早急に対応すべき風評の課題が既に存在しております。
風評とは、じわじわと、しかし着実に増長していくものであります。今、どのような風評の課題があるのかを的確に把握して、風評を払拭する迅速な対応をとっていくことが何より重要であると思います。
このたびの問題の発覚からまだ一月もたっていない中、既に風評は存在しています。都は今、どのような風評があると認識されているのか、既に風評被害に発展している認識はあるのか、お伺いします。
○赤木移転調整担当部長 豊洲市場に関するさまざまな問題が連日報道され、多くの都民や消費者の方々が食の安全に対する不安を感じていらっしゃいます。
また、それだけではなく、産地の生産者あるいは出荷者の方からも、出荷先はいい条件であってほしい、こうした声も上がっております。
また一方、豊洲に移転したらば取引先を変えると、日ごろは築地市場から購入している小売店の方にこういうことをいわれた市場業者もいると聞いております。
こうした声がございますことから、できるだけ速やかに風評は払拭していく必要があると実感をしております。
○小林委員 今、具体的なさまざまなお話がございましたけれども、一点ちょっと確認ですが、風評被害に発展しているという認識はございますでしょうか。
○赤木移転調整担当部長 現状におきましては、先ほどご答弁申し上げましたような豊洲市場に関しますさまざまな心配の声が上がっていると認識してございます。ただ、まだ現時点におきましては豊洲市場は開場しておりませんので、そうした実際の被害は発生していないと考えてございますが、移転するまでの間にできるだけ速やかにこうした風評を払拭していく必要があると考えております。
○小林委員 この風評については、ともかく我々が心を敏感にしてアンテナを張りめぐらしていかなければいけないというふうに思います。
風評を駆逐していくためには、正しくわかりやすい情報を発信し、流布していくことが何より重要な取り組みであると思います。しかし、今、信用を失っている都が発信する情報は、それこそ疑心暗鬼で信用されないという局面であることも否めないと思います。しかし、それでも風評を広げないために、再び都民からの信用を得るためには、あらゆる情報を発信し続ける情報公開の責務があると思います。
先ほど松田委員の方からも、さまざま情報発信の件、お話がございましたけれども、私も一点お伺いさせていただきたいと思います。
今後、都民に情報を発信する上で、私は三点課題があると思います。
一点目は、どこで情報が得られるかであります。
SNSの発展で情報を得る媒体が多様化している中で、都民に情報のある場所を明示して提供した情報がスルーされないよう、あらゆる機会、あらゆる媒体を捉えて、一人も漏らさず情報を届けるという気概で取り組んでいかなければならないと思います。
二点目は、スピードです。
このたびの問題は、連日、テレビ、新聞などマスコミで取り上げられており、都民の情報源となっております。しかしながら、専門的な聞きなれない言葉もある中、あらぬ誤解や不安も招きかねないおそれもあります。また、万が一誤った情報が提供されてしまった場合、それがひとり歩きしないよう、迅速に正しい情報を発信していく体制も整えるべきであると思います。
そして、三点目は情報の内容です。
当然のことながら、その内容は都民に安心を与えていくものもあれば、注意を呼びかけるものもあるかもしれませんが、いずれにしても、今、都民にどのような情報を発信すべきか的確に捉えていく必要性があると思います。
このような視点で、風評被害を未然に防ぐ情報発信体制をしっかりと整えていくべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○赤木移転調整担当部長 ただいま小林副委員長から三つの視点につきましてご教示をいただきました。
まず、先ほどもご答弁申し上げましたが、都民や消費者の方々にとどまらず、産地の出荷者、あるいは日ごろ築地市場から購入している事業者の方にも不安が広がってございます。こうした不安が誘発する風評を減らしていくためには、何よりも正確な情報を継続して発信していくことが重要でございます。
そのためには、まず、受け手の方々にきちんと理解をしていただけるよう、例えば日ごろは使わないような専門用語等についてもわかりやすく解説をしていくことが大事だと考えております。受け手の方々と申しましても、ある程度の専門知識をお持ちの方もいらっしゃれば、例えば汚染物質の名称であったり、検査方法であったり、あるいは環境基準、こうしたものは、日ごろは接しない方々もいらっしゃると思います。そうした方々にも皆さんにわかりやすい形でご理解いただけるよう解説をしていく必要があると考えております。
また、同じく情報発信に際しましては、受け手の方が安心していただけるよう、関連する事項についてもあわせてお伝えすることが肝要であると考えてございます。
例えば、現在、地下水につきまして関心が集中しておりますけれども、豊洲市場におきましては、地下水は、飲用であったり、あるいはそこで取り扱う商品の洗浄に使うということは決してございません。そうした点についてもあわせて発信する必要があると考えております。
今後も、科学的な正しさと、それからわかりやすさに配慮しながら、タイミングを逸することなくスピード感を持ちまして、そして媒介する手段につきましてもあらゆる手段を講じることを通じまして情報発信を行っていくことで、風評の払拭に努めてまいります。
○小林委員 さらに、市場関係者の皆様のはかり知れない心労に対し、どう心を尽くしていくのかであります。
都議会公明党は、さきの、やはり代表質問で、市場関係者への不安解消に向けた取り組みの充実を求めました。
本日より、中央卸売市場と産業労働局によって築地市場関係事業者向け特別相談窓口が設置され、相談体制の強化が図られました。
いかにこの相談体制を機能的に高め、少しでも関係者の心労を減らし、安心してもらえる窓口としていくためには、相談を受ける側の的確なニーズの把握が重要になってくると思います。相談を受けて初めて認識する課題もあると思いますが、今、市場関係者が何に悩み、何に不安を感じているのか、そのためにはどういうサポート体制が必要なのかをいち早く掌握し、相談を受けた際に的確、迅速な不安の解消を図っていくことに心砕いていかなければならないと思います。
都は、問題発覚後のこの一月でどのような相談ニーズがあると考えているのか、また今後、どのような相談内容を想定しているのかお伺いします。
○長田移転支援担当部長 これまでも豊洲市場への移転に関する相談窓口を築地市場内に設置しておりまして、そこでは移転に係るさまざまな疑問ですとか不安の解消に努め、支援事業の申請手続などの対応を行ってまいりました。このたび移転が延期になったことから、将来に不安を抱える方々が主に金融に関する相談を受けられる機能を持った窓口として、この相談室の機能を拡充したところでございます。
相談内容につきましては資金繰りの関係が多いと想定され、例えば、運転資金や設備資金のための融資を受けたが、豊洲市場で事業収入が見込めないことから、返済できないといった相談が多くなるのではないかと考えております。
こうした場合に、相談窓口では、連携している金融機関への案内や、都が公認会計士などの専門家を通じて実施している経営相談の利用をご案内するなど、当面は取り次ぎ機能が主な役割になると考えております。
また、延期による経済的な損失と補償についても丁寧に話を聞き、相談窓口に寄せられた内容を適切に補償に結びつけるよう、資料としていきたいと考えております。
○小林委員 このたびの相談体制の強化は、主に三つの柱がありました。一つが豊洲移転サポート相談室、二つ目が資金繰りに関する相談窓口、三つ目が金融機関などにおける相談窓口ですが、産業労働局も絡んでいる事業でございますので、今後は経営支援という視点も盛り込んでいただきたいと思います。
予期せぬ移転延期に伴って経営そのものが苦しい状況に置かれてしまう相談も想定されるかと思います。東京都中小企業振興公社の行っている経営総合相談も活用するなどして、多岐にわたる相談に的確に対処できる体制の充実強化をお願いしたいと思います。
また、相談内容は補償をする際の資料とするとの答弁がございましたけれども、やはり多くの関係者、ここは非常に関心があるところかと思います。今現在、一刻も早く補償内容を提示していくこと、当然大事かと思いますけれども、今答えられる範囲で、この補償の内容の件、何かございますでしょうか。
○長田移転支援担当部長 ただいま補償の内容につきまして内部で検討を始めておりまして、どのような内容になるか、今、いろいろ、さまざまな観点から、過去の事例なども考えて検討を始めているところでございます。
○小林委員 これは本当に待ったなしだと思いますので、一刻も早い補償内容の提示にぜひとも全力を尽くしていただきたいと思います。
今まで申し上げました風評対策や情報発信、そしてまた相談体制の充実に当たって、今後、既に設置されております土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会を定期的に開催していく必要があるのではないかなと思います。
改めて確認の意味で伺います。この土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会、これはどのような性格のもので、今、どのような状態にあるのかお伺いします。
○村井基盤整備担当部長 協議会は、専門家、市場関係者や都民などから構成されております。
設立の目的は、豊洲新市場の土壌汚染対策工事の進捗状況や地下水管理について関係者間で情報共有し、意見交換を行う場であります。
設立時は、土壌汚染対策工事の仮設土壌プラントの整備が完了し、処理後の結果をお示しすることが可能となった時期、平成二十四年七月二十七日に第一回目を開催しております。
前回の開催は六月二十八日でございます。
○小林委員 関係者間で情報を共有する、意見交換を行うということで、まさにこの市場業界、それから学識経験者、都民、そして地元区、都という形で、しっかりと情報を共有しなければいけない方々が集まっての協議会だと思いますが、この協議会、先ほどご答弁ありました平成二十四年七月二十七日に第一回が開催されたということでございますけれども、この協議会の中で、豊洲で行ってきた土壌汚染対策と地下水モニタリングについてどのように説明されてきたのか伺います。
○村井基盤整備担当部長 土壌汚染対策については、土壌汚染対策工事の進捗状況、汚染物質の処理結果を、対策結果一覧表などにより具体的な数値を提示の上、説明しております。
また、土壌汚染対策法に基づく地下水モニタリングについても、公的分析機関による分析結果を取りまとめ、数値を提示の上、その状況を説明しております。
なお、協議会の議事録、資料などについては、中央卸売市場のホームページで公開しております。
○小林委員 今、協議会でどのような説明をされてきたのかお伺いしましたが、この土壌汚染対策については、議会でも全ての敷地で盛り土を行ったという答弁がございましたけれども、同じように事実と違う説明をされてきたのか、確認をいたします。
○村井基盤整備担当部長 協議会においても、建物下に盛り土があるような誤った説明をしております。
○小林委員 同じように事実と異なった説明をしているということでありますけれども、それでは、この協議会は、問題発覚後、謝罪、そして説明をするために開催されたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 問題発覚後は、いまだ開催しておりません。早急に座長、各委員の日程調整をして、できる限り早期に開催したいと思っております。
○小林委員 本当に大事な協議会であるというふうに思っておりますし、これからもその役割というのは非常に重要になってくると思います。その意味でも、まさに議会と同じような形で事実と異なる説明をしてきたということであれば、これは真っ先に、一刻も早く協議会を開催して、きちんと説明されるということ、謝罪されるということ、そして、当然ここには市場関係者の方々、さまざまな関係者が構成員としていらっしゃるわけですから、今、何がまさに大事な課題なのか、現場で何が起きているのか、そういった声をきちんと捉えて、この協議会を機能的に活用していただきたいと思いますし、一刻も早く開催をお願いしたいと思います。
それでは、最後の質問をさせていただきます。
今、この協議会、直近で開催されたのが六月二十八日というふうにご答弁ございました。
この六月二十八日の協議会の議事録を私、読みました。その中で、市場業界のある委員の方が、十一月七日の豊洲市場開場を受けて次のように発言されていました。もう既にこの発言、この議事録をごらんになった方は、職員の方でもご存じの方がいらっしゃるかもしれませんけれども、このように発言されておりました。
食の安全に関して土壌汚染というのが相当最初のネックだったと思います、安全・安心ということをうたって、きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです、もっと東京都が熱い声で、完全な完璧な市場なんだ、土壌汚染に関しては、水質検査もちゃんと逐一やってクリアしてやっているよということを声を大にしていっていただきたいなと常々思います。
もう一回読みます。
食の安全に関して土壌汚染というのが相当最初のネックだったと思います、安全・安心ということをうたって、きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです、もっと東京都が熱い声で、完全な完璧な市場なんだ、土壌汚染に関しては、水質検査もちゃんと逐一やってクリアしてやっているよということを声を大にしていっていただきたいなと常々思いますと、このように発言をされておりました。
私はこの発言を読んで、正直、胸が詰まりました。きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです、東京都が熱い声で、完全な完璧な市場なんだと声を大にしていってもらいたい、こういう心を裏切ってしまった責任を痛感します。今この方がどんな思いでいるのか、本当に申しわけなく、心苦しい思いになります。
この発言があったのは六月二十八日です。しかし、このときには既に感謝していた東京都には裏切られていたわけであります。
市場長から、今まで繰り返し謝罪の言葉がございました。きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです。改めてこの言葉を聞いて市場長はどんな思いを持たれるのか。職員の方、どんな思いを持たれるのか。今期の経済・港湾委員会において、市場長の最後の答弁になるかと思います。長くなっても結構です。きれいな市場をつくってくれた東京都に本当に感謝しているんです。この言葉を聞いて、市場長、率直な思いをお聞かせください。
○岸本中央卸売市場長 築地から豊洲への移転のこの課題につきましては、もう何十年も前から議論されてきておるわけでございます。現在地再整備の時代もございました。さまざまな議論を経て、ようやくこの豊洲移転ということになり、その後のさまざまな問題もございましたが、ようやく本年十一月の開場に向けて、まさに業界の皆様、準備を進めてきたわけでございます。
前も申しましたが、築地の業界の皆様百人いれば、本当は百人とも築地でご商売を続けたいというお気持ちだと思います。そういう中で、築地ではもう老朽化、狭隘化が著しく、このままではもう築地では商売できないんだと、何とか豊洲で、自分たちは新しい商売を自分の子供、孫の時代に引き継いでいきたいと、そういう思いで豊洲移転にご協力いただいてきたのかなというふうに思っております。
そのときに一番のネックだったのが、先ほどご紹介いただきましたように、豊洲の土壌汚染ということで、食の安全・安心というのは市場にとって何よりも重要でございますので、それを一番敏感に感じておられるのは、ほかならぬ築地の市場関係者だというふうに思います。
今回の盛り土の問題でそうした方々の期待と信頼を裏切ってしまったことについて、私、市場長として、本当に申しわけなく、今のお話を聞いて胸が塞がる思いがいたします。
これから、やはり改めてこの専門家会議を初め、さまざまな検証を経た上で、一日も早く豊洲市場の安全性を再度確認し、そして皆さんに喜ばれる新しい豊洲市場をつくっていかなければならない、市場当局といたしましては、そういった責任があるんだなというふうに改めて思いました。私も、一日一日残された日々を懸命にそれに向けて努力していきたいと、そのように思っております。
以上でございます。
○小林委員 ありがとうございます。今のこの言葉をぜひとも皆さんも心にとどめていただきたいと思いますし、私もこの心にしっかりとどめていきたいというふうに思っております。
食の安全の確保をしっかりとなし遂げなければいけません。さらに、市場の将来展望もしっかりと描いていかなければなりません。都の職員の皆様も、そして議会の我々も、本当に心を新たにして、そしてこの言葉に報いるようにしっかりと責任を果たしていかなければならないというふうに思っております。
私も都議会に送り出していただいた一人として、その責任をしっかりと果たしていくことをお誓い申し上げまして、質問を終わります。
○島崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島崎委員長 異議なしと認め、報告事項及び陳情に対する質疑は、いずれも終了いたしました。
陳情二八第六六号及び陳情二八第六九号についてお諮りいたします。
本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第六六号及び陳情二八第六九号は継続審査といたします。
以上で陳情の審査を終わります。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○島崎委員長 次に、陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○島崎委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、藤田産業労働局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○藤田産業労働局長 お許しをいただきまして、本委員会所管四局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
島崎委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして調査、質疑をいただき、まことにありがとうございました。
また、陳情、報告事項を含め、ご審議の過程で賜りましたご意見やご指摘をしっかりと受けとめ、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいります。
今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○島崎委員長 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
委員長任期最後の委員会が閉会することになりました。これまで一年間、小林副委員長、清水副委員長並びに理事、委員の皆様には、本委員会の運営に多大なるご協力をいただきましたこと、まことにありがとうございました。おかげさまで私も委員長職を無事務めさせていただくことができました。改めて心から御礼を申し上げます。
行政各局の皆さんにおかれましても、この一年間、都民生活の向上に向けてそれぞれの職務に全力で取り組まれてきたことに対しまして、心から敬意を申し上げたいと思います。
今般、豊洲新市場移転に関する問題で、東京都のガバナンスや信頼性に対して、都民の皆様に大きな疑念を持たれる事態に至っていることは、極めて遺憾なことであると同時に、都政における二元代表制の一方である議会のこれまでと今後に向けた責任も痛感をいたしているところであります。
東京におけるオリンピック・パラリンピック開催まであと四年を切りました。世界が東京の行方を注目しております。委員の皆様には、今後ともそれぞれの立場でご活躍されることを心よりお祈りいたしております。
私も、これまでの皆様の委員会での真摯な姿勢や、またご議論を胸に刻みながら、今後の議会活動の糧にしていければと思っております。
一年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時三十八分散会
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