経済・港湾委員会速記録第六号

平成二十八年五月三十日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島崎 義司君
副委員長小林 健二君
副委員長清水 孝治君
理事あさの克彦君
理事田中たけし君
理事かち佳代子君
松田やすまさ君
尾崎あや子君
大松あきら君
木内 良明君
三宅 正彦君
田島 和明君
石毛しげる君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長山本  隆君
次長土渕  裕君
総務部長村松 明典君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務青山 忠幸君
商工部長松永 竜太君
金融部長山巻  毅君
金融監理部長野間 達也君
金融支援担当部長西川 泰永君
観光部長坂本 雅彦君
観光振興担当部長浦崎 秀行君
農林水産部長寺崎 久明君
安全安心・地産地消推進担当部長武田 直克君
雇用就業部長矢田部裕文君
事業推進担当部長小金井 毅君
就業施策担当部長貫井 彩霧君
中央卸売市場市場長岸本 良一君
管理部長野口 一紀君
事業部長白川  敦君
新市場整備部長飯田 一哉君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長若林 茂樹君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
港湾局局長武市  敬君
技監石山 明久君
総務部長古谷ひろみ君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中村 昌明君
調整担当部長矢部 信栄君
港湾経営部長松川 桂子君
港湾経営改革担当部長蔵居  淳君
臨海開発部長山口 祐一君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務原   浩君
営業担当部長有金 浩一君
港湾整備部長小野 恭一君
計画調整担当部長角  浩美君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長神山 智行君

本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項
・平成二十七年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
産業労働局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
報告事項
・平成二十七年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて(説明・質疑)
・東京都観光産業振興アクションプログラム二〇一七(素案)について(説明)
請願の審査
(1)二八第七号 所得税法第五十六条の廃止を求めることに関する請願
港湾局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
・平成二十八年度岡田港船客待合所及び津波避難施設新築その他工事請負契約
・平成二十八年度南北線中防内側陸上トンネル整備工事請負契約
・平成二十八年度新砂水門(再整備)門扉製作据付工事請負契約
・平成二十八年度辰巳排水機場(再整備)建設工事(その一)請負契約
報告事項
・平成二十七年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて(説明・質疑)
・平成二十七年度東京都臨海地域開発事業会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・平成二十七年度東京都港湾事業会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・臨海副都心の土地利用計画等の一部見直しについて(案)(説明)
陳情の審査
(1)二八第三七号 臨港道路南北線計画の凍結に関する陳情

○島崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、このたびの熊本地震により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
 ここに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思いますので、皆さんご起立願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○島崎委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○島崎委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課担当書記の藤野雄剛君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○島崎委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局及び港湾局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに中央卸売市場、産業労働局及び港湾局関係の報告事項の聴取並びに産業労働局及び港湾局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、予算の繰り越しに関する報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑をそれぞれ終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、中央卸売市場長から紹介があります。

○岸本中央卸売市場長 去る四月一日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
 財政調整担当部長の長嶺浩子でございます。本委員会との連絡に当たります総務課長の高角和道でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○島崎委員長 紹介は終わりました。

○島崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 平成二十七年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについての報告を聴取いたします。

○野口管理部長 平成二十七年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十七年度予算繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。中央卸売市場会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 1の建設改良費繰越についてでございます。
 施設の新設等を行います市場施設拡張事業につきまして、予算計上額は二千二百二十三億六千三百七十九万九千円で、このうち、平成二十七年度の支払義務発生額は八百八十億八千九百二十九万余円、翌年度繰越額は一千三百二十四億九千八百十三万円といたしました。
 施設の更新、改修等を行います市場施設改良事業につきまして、予算計上額は十六億四千五百七十一万九千円で、このうち、平成二十七年度の支払義務発生額は七億四百八十二万九千余円、翌年度繰越額は一億五千三百六十七万五千円といたしました。財源及び不用額は記載のとおりでございます。
 繰越理由、繰越内容等につきましては、説明欄に記載のあるとおり、工事の調整に日時を要したため、必要な予算を繰り越したものでございます。
 以上、簡単ではございますが、平成二十七年度予算の繰り越しにつきまして説明を終わらせていただきます。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○尾崎委員 築地市場関係者や都民の皆さんから、豊洲市場建設は三月末に完成予定だったのではないか、いつ完成するのかという質問もあります。
 豊洲市場建設工事、地下水管理施設整備工事関連、歩行者デッキ整備工事の繰り越しについてはただいま説明を受けましたけれども、それぞれの繰り越し、工事が延びている理由について伺います。

○若林基盤整備担当部長 各街区の豊洲市場建設工事につきましては、本体施設工事と業界造作工事の一部同時施工等に対応するため、繰り越しを行ったものでございます。
 地下水管理施設整備工事につきましては、外構工事との工程調整などにより、また、歩行者デッキ整備工事につきましては、各街区の連絡ブリッジとの接続部の形状などの検討に時間を要したことなどから繰り越ししたものでございます。
 なお、六月からは、予定どおり造作工事等に着手してまいります。

○尾崎委員 地下水管理施設整備工事について、外構工事との工程調整などによって繰り越されるとの説明でしたが、豊洲市場の外構工事のおくれは、どのような理由によるものですか。

○佐藤施設整備担当部長 外構工事を含みます各街区の付帯施設建設その他工事につきましては、本年十月十七日までを契約工期としておりまして、工事のおくれはございません。

○尾崎委員 市場内の水産仲卸店舗については、業界が造作設備を行うということですが、一店舗だけを使う業者は、マグロは二人で包丁を引くのに、豊洲市場の店舗では狭くて、そもそも二人が入れないとの声があります。
 店舗の間口が狭い問題、店舗が長方形で使いにくいなどについて、どのように対応するのでしょうか。

○赤木移転調整担当部長 豊洲市場におきます水産仲卸店舗の面積や仕様につきましては、これまで都と水産仲卸業界で協議を重ねて決めてきたものでございます。
 店舗の平均面積は、築地市場の七・二平方メートルから豊洲市場では八・二五平方メートルに広くなるとともに、あらかじめ全ての店舗に堅牢な棚を設置するなど、利便性を図っております。

○尾崎委員 業界と合意しながら進めてきたということですが、店舗の間取りが明らかになって、水産仲卸業者の方からは、マグロはどこでさばくのか、何とか改善できないのかと切実な声が上がっています。
 店舗面積は広くなるとのことですが、奥行きについて、道路側にせり出して使える部分を設定したにすぎないものです。シャッターを閉めたときのもともとの店舗面積は変わりません。しかも、そのように変更せざるを得なかったのは、もともと業者の意見が反映されなかった設計になっていたからではありませんか。
 こんな使い勝手の悪い店舗で、五十年先を見据えた基幹市場などといえるのでしょうか。
 先ほどのご答弁で、六月からは予定どおり造作工事等に着手ということでしたが、業界が行う造作設備のおくれへの影響は出ていますか。

○赤木移転調整担当部長 業界造作工事につきましては、造作工事に係る相談窓口を設置いたしまして、設計に関する事前相談やアドバイスを実施してきており、スケジュールへの影響はございません。

○尾崎委員 手洗いや店舗の仕切りなどについて、使い勝手が悪いとの意見が業界からも出ているわけですが、問題を解決しないで見切り発車するようなことのないよう要望しておきます。
 市場を利用する料理屋さん、魚屋さん、おすし屋さんなど、買い出しをする人たちからも不安の声が聞こえています。
 私も地元の飲食店の店主から、築地市場が豊洲市場に移転したら、交通が不便になる、車で行こうかと考えているが、駐車場の数は大丈夫なのか、情報がないので困るといわれました。
 各売り場の買い出し人の方々の車の駐車場、荷さばき場、仲卸業の駐車場は決まっているのでしょうか。

○飯田新市場整備部長 仲卸業者や買い出し人の車両置き場等につきましては、現在、業界内におきまして利用等の調整を行っているところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で調整を行っているところということでしたが、駐車場や荷さばき場も決まっていないわけですが、豊洲市場を利用する方々への周知についてはどのような予定になっているのかも含めて、関係者との話し合いを要望しておきます。
 築地市場環状二号線仮設道路工事関連の繰越理由について伺います。

○若林基盤整備担当部長 建設局施工の仮設道路整備工事が繰り越しされたことに伴い、市場が負担している分担金について、繰り越しの措置をしたものでございます。

○尾崎委員 地盤が緩いために、くい打ちを変えなければならない。強度を強めるための地盤改良が必要だということも聞いております。
 環状二号線仮設道路は、築地大橋を渡ると急傾斜になり、道幅も狭くなるため、危険だとの声が業者の方々からありますが、いかがですか。

○若林基盤整備担当部長 仮設道路の線形等につきましては、建設局が交通管理者と調整の上決定したものであり、安全上問題ないと聞いております。

○尾崎委員 安全上問題ないというご答弁でしたが、建設局の所管であるということも十分承知していますが、利用する人たちから危険だという声が上がっているわけですから、改善するよう要望しておきます。
 環状二号線仮設道路工事の工程は、どのような影響を受けていますか。

○若林基盤整備担当部長 築地大橋からのアプローチ部分の工事は繰り越しになっておりますが、このことが仮設道路整備の全体工程に影響を及ぼすことはないと聞いております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で影響を及ぼすことはないということでしたけれども、築地市場関係者からは、いつ工事が終わるのか、引っ越しには使えるのかとの声もあります。仮設道路整備の全体工程に影響を及ぼすことはないとのことでしたけれども、市場関係者への速やかな情報提供を要望しておきます。
 築地市場の仲卸業者の皆さんは、築地市場有志の会をつくり、豊洲市場は十一月七日が開場日となっていますが、スケジュールの変更を求める署名に取り組み、五月一日までに三百二十の事業者から賛同の署名を集めたと報道されています。仲卸業者は五百九十一事業者ですから五四・一%で、過半数を超えていることは大変重みのあるものだといわなければなりません。
 また、五月二十日には、仲卸業者らでつくる躍進する市場の会も、十一月七日の開場予定の延期、売り場棟の床の設計強度、新市場でのコストが高くなる問題、交通アクセスなどの問題について、仲卸業者の声を聞くよう都に求めたということも報道されています。
 仲卸業者の皆さんと都との間で、豊洲市場への移転について合意ができないでいることのあらわれだといわなければなりません。
 十一月七日の開場日先にありきではなく、豊洲市場の開場は市場関係者との合意が不可欠だと指摘をして質問を終わります。

○島崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○島崎委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山本産業労働局長 平成二十八年第二回都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件の概要につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案二件でございます。
 まず、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例につきましては、職業能力開発促進法施行令の改正に伴い、また、東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例につきましては、学校教育法の改正に伴い、それぞれ所要の規定整備を行うものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松総務部長 今回提出を予定しております産業労働局所管の案件につきまして、お手元の配布資料に基づきご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、条例案の概要をごらんください。
 表紙をおめくりください。今定例会には、二件の条例案をご提案させていただく予定でございます。
 一ページをごらんください。東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 改正の内容でございますが、職業能力開発促進法施行令の一部改正により、技能検定の実施等を定めております第三条が第二条に改められたことに伴い、本条例の別表一の項の技能検定試験の実施、免除の申請及び合格証書の再交付に係る政令の引用部分を改めるものでございます。
 二ページをごらんください。東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例案でございます。
 本条例は、東京都立職業能力開発センターの設置及び運営に関する事項について定めているものでございます。
 改正の内容でございますが、学校教育法に定める学校の種類として、新たに小中一貫教育を行う義務教育学校が規定されたことに伴い、本条例の第十三条中に定めます職業訓練の基準に義務教育学校を卒業した者を加えるものでございます。
 施行日につきましては、両条例とも公布の日としてございます。
 以上で、今回提出を予定しております産業労働局関係の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○島崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、平成二十七年度東京都一般会計予算、産業労働局所管分の繰越しについての報告を聴取いたします。

○村松総務部長 平成二十七年度一般会計予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料3、平成二十七年度東京都一般会計予算繰越説明書をごらんください。
 表紙をお開きください。1、繰越明許費繰越でございます。
 対象となりました事業は、事業内訳欄に記載しておりますとおり、ロボット産業活性化事業外三事業でございます。
 繰越明許費の予算議決額は十二億二千二百九十六万円で、翌年度繰越額は三億六千四百三十万一千円でございます。
 このうち、表中段にございます商工業振興費の二事業につきましては、国補正予算の成立を受け、事業実施に要する国からの交付金の交付決定が平成二十七年度末となったことにより、平成二十八年度に繰り越すものでございます。
 下段の農林水産費の二事業につきましては、自然条件の影響などにより工期におくれが生じ、事業完了までに相当期間を要することなどから、執行の終わっていない経費について、平成二十八年度に繰り越すものでございます。
 これら繰り越しの事業に要する財源内訳及び事業規模等につきましては、記載のとおりでございます。
 二ページをお開きください。2、事故繰越でございます。
 対象となりました事業は、事業名欄に記載しておりますとおり、林業・木材産業構造改革事業の一事業でございます。
 支出負担行為額は二億六千三百七十万四千円でございます。
 木造公共施設の整備に当たり、周辺環境や安全に配慮し、施工時間帯の見直し等を行ったことにより、工期に相当期間を要することから、執行が終わっていない二億六千三百七十万四千円を平成二十八年度に繰り越すものでございます。
 繰り越しの事業に要する財源内訳及び事業規模等につきましては、記載のとおりでございます。
 以上で平成二十七年度一般会計予算の繰り越しに関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○島崎委員長 次に、東京都観光産業振興アクションプログラム二〇一七(素案)について、報告を聴取いたします。

○坂本観光部長 東京都観光産業振興アクションプログラム二〇一七(素案)につきましてご説明を申し上げます。
 資料でございますが、資料4が概要、資料5が本文となってございます。資料4によりましてご説明を申し上げます。
 まず、資料左上の1、策定の意義等をごらんください。ここでは、アクションプログラムの策定に関する基本的な考え方やスケジュール、目標設定のあり方を整理してございます。
 観光をめぐる環境変化に適切に対応するため、中長期的な視点に立ち、総合的かつ体系的な施策の展開を目指し、年度内にアクションプログラムを策定するとともに、今回の素案では、今後の取り組みの方向性を示すこととしております。
 また、このプログラムの目標のあり方につきまして、旅行者数だけではなく、多様な目標を設定することを検討すべきとの問題提起もしているところでございます。
 続きまして、2、観光を巡る具体的な現状についてでございますが、外国人旅行者の急増や情報収集方法の変化など、六つの切り口から分析を行っているところでございます。
 その下の3、これまでの取組では、観光に関するさまざまな現状に対応するため、外国人旅行者の誘致や観光資源の開発など、都が行ってきた施策の内容を取りまとめてございます。
 右側上段の4、新たな取組の視点をごらんください。ここでは、これからの観光分野の取り組みに向けた重要な視点について、観光の一大産業化や将来を見据えた新たな観光資源の開発など四つに取りまとめ、個々の施策をつくる上での軸となるようにお示しをしてございます。
 その下の5、観光産業振興に向けた取組の方向性では、六つの具体的な方向性を課題とともに整理しているところでございます。
 (1)では、消費拡大に向けた観光経営の効果的な実現に向けて、マーケティングの導入支援や人材育成などに取り組むこととしてございます。
 (2)では、良質な観光資源を開発するために、水辺や光の活用、ナイトライフの充実などの新たな対応が必要であることや、多摩・島しょ地域の観光振興の進め方も明らかにしてございます。
 (3)では、観光地としての東京ブランドの発信に関し、欧米豪の旅行者への働きかけの工夫や、都内各地域での取り組みの推進に触れてございます。
 (4)では、MICE誘致のため、会場となる施設の更新や多摩地域での開催を後押しする方向性を示してございます。
 (5)では、外国人旅行者の受け入れ環境の向上のため、多摩地域の観光情報センター機能の整備や災害時の対応などを進めることとしてございます。
 最後、(6)では、東京と日本各地の連携に向け、区市町村レベルの協力の充実を方向づけているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、東京都観光産業振興アクションプログラム二〇一七(素案)につきまして説明を終わります。よろしくお願い申し上げます。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○島崎委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二八第七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小金井事業推進担当部長 お手元の資料6、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願いたいと思います。請願二八第七号、所得税法第五十六条の廃止を求めることに関する請願についてでございます。
 請願者は、荒川区東京商工団体連合会婦人部協議会会長、井賀久恵さん外四千六百八十二名の方々でございます。
 本請願の趣旨は、所得税法第五十六条を廃止するよう、都議会から国に意見書を提出することを求めるものでございます。
 現在の状況でございますが、個人事業主の事業所得に係る所得税の申告につきましては、家族従業者への対価などを、複式簿記による正確な記帳に基づき家族の生活に係る家計と事業を明確に区分している青色申告と、家計と事業の収支を経理上明確に区分しない白色申告の二つの方法がございます。
 所得税の計算に当たり、個人事業主と生計を一にする親族の中に、事業に従事して対価を受ける者がいる場合は、所得税法第五十六条により、その対価は必要経費に算入しないものとされますが、事業に専従する者の場合は、第五十六条の例外として、青色申告では、第五十七条一項により、労働の対価と認められる給与は必要経費に算入でき、白色申告では、同条三項により、配偶者は八十六万円、その他親族は五十万円が必要経費とみなされます。
 また、白色申告と青色申告のどちらにするかは、事業主が、個々の状況に応じ、自由に選択できることとなっております。
 最高裁判所平成十七年七月五日第三小法廷判決において、所得税法第五十六条及び五十七条の規定は、憲法第十四条、法の下の平等に違反するものではないと判示されております。
 なお、従来、義務づけのなかった事業所得等の金額が三百万円以下の白色申告者に対しても、平成二十六年一月から、簡易な方法による記帳と帳簿等の保存が義務づけられております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 請願に賛成の立場で幾つか質問いたします。
 地域経済を支えている中小業者、小規模企業は、家族の支えで成り立っているといっても過言ではありません。
 中小業者の団体である全商連婦人部協議会が行った全国業者婦人の実態調査によると、納税の申告形態別構成は、法人は二六%、個人青色は二四・八%、個人白色は四六・一%となっており、四件に三件が個人事業者であり、圧倒的に白色申告であることが明らかです。申告形態によって、同じように働いてもその働き分が正当に評価されない状況はおかしいのではないでしょうか。
 青色申告で家族従業者の働き分、給料が必要経費に認められているのは、青色申告の特典にすぎません。税務調査などがあって青色申告が取り消されれば、家族従業者の給料も経費には認められなくなります。現在は、白色申告にも記帳と資料保存が法制化されています。
 こうした中、国税庁のホームページでも、白色申告者と青色申告者との取り扱いの差異は不合理との税務大学校の教官の論文を掲載していますが、都として、国に早急に改善するよう声を上げるべきではありませんか。いかがですか。

○小金井事業推進担当部長 青色申告と白色申告の二つの制度は、家族従業者の働き分を認めるかどうかではなく、記帳水準の差などを踏まえまして、税制度全体の公平性の観点から分けられているものと認識しております。
 国におきましては、白色申告者の記帳水準が向上した場合には、定額控除について見直しが可能か検討するとしており、都としてはその動向を注視しているところでございます。

○尾崎委員 都は税制度全体の公平性の観点から分けられたとする認識だとのご答弁ですが、国税庁のホームページに掲載されている論文だけでの話ではありません。国税庁は、青色申告制度の説明で、所得金額の計算などについて有利な取り扱いが受けられるとしています。
 このように、公平性の観点からではなく、記帳慣行の定義化を目的に差をつけている制度です。
 また、代表的な判例とされる最高裁でも同じことをいっています。
 しかし、そのような差をつけても、青色申告は多数にはなっていないのが現実です。
 また、白色申告における記帳義務に要求される記帳事項の内容は、青色申告においても承認されている現金簡易帳簿よりも精密なものでありながら、青色申告における特典が認められていないといわれているものです。
 所得税法第五十六条とは、事業を営んでいる家族従業者の働き分を必要経費として認めておらず、申告の仕方で不当に差別するものです。
 個人の白色申告で、配偶者は年間八十六万円、その他の家族は五十万円の控除しか認められておらず、社会的にも経済的にも自立できない状況を生んでいます。交通事故に遭って入院した場合、保険会社からの休業補償は主婦への補償の半分以下しか出ないことなど、社会生活の面でも不利益があります。控除ということそのものが、働く者の人権が認められていないということです。
 営業状況を把握し、営業改善する上で、家計と事業の収支を経理上明確に区分していない業者はほとんどいません。ましてや、白色申告も記帳と資料保存が法制化されている現在、このようなことはあり得ません。
 世界の主要国でも、自家労賃を必要経費として認め、家族従業員の人権、人格、労働を正当に評価されています。日本は世界の流れにも逆行していることは明らかです。
 ことしの三月、国連女性差別撤廃委員会で日本政府に対して所得税法の見直しを勧告していますが、その内容について伺います。

○小金井事業推進担当部長 国連女子差別撤廃委員会の最終見解において、所得税法第五十六条の見直しについて記述されているものと承知しております。
 この見解に対し政府は、所得税法第五十六条は、性別を問わず適用されており、女性の経済的自立を損なうものではないとしております。

○尾崎委員 国連の勧告は、日本政府のそうした対応を改めるよう求めているものです。国連の勧告は、所得税法が自営業者や農業従事者の配偶者や家族の所得を必要経費と認めておらず、女性の経済的独立を事実上妨げていることを懸念する、家族経営における女性の経済的エンパワーメントを促進するために、家族経営における女性の労働を認めるよう所得税法の見直しを検討することを求めるという内容です。
 働き分が正当に評価されることは、より働きがいを感じることになります。そして、女性の経済的自立につながります。
 衆議院財務金融委員会で麻生大臣は、所得税法第五十六条について、女性の経済的自立を損なうものではないと考えているとしながらも、以前から所得税法第五十六条を見直すべきだとのご指摘を受けているところでもありますので、引き続き財務省において丁寧に検討していきたいと考えておりますと答弁しているものです。
 国も東京都も女性が輝くと強調しているわけですから、都として、所得税法第五十六条の撤廃を国に求めるべきです。
 国の第四次男女共同参画基本計画の自営業者の項目について、どうなっているのか伺います。
 東京都の現在の男女平等参画基本計画は期間が二〇一六年度、平成二十八年度までとなっていますが、産労局として、東京都の男女平等参画基本計画の見直しに対して、国連の勧告、白色申告に対する法規定など受けて、どのような対応をしていくのか伺います。

○小金井事業推進担当部長 国の第四次男女共同参画基本計画では、商工業等の自営業における家族従業者の実態を踏まえ、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度のあり方を検討するとされております。
 また、平成二十三年度の税制改正大綱でも見直しが可能か検討するとされ、現在に至っております。
 こうした国の動向を注視しているところでございます。

○尾崎委員 国の第四次男女共同参画基本計画は、二〇一五年十二月に閣議決定されたものです。その四年前に既に見直しの検討をするとしているというのなら、現在に至っても、なお改善の具体化がされていないことにこそ、東京都として国に改善を求めていくべきではないでしょうか。
 都の男女平等参画基本計画をつくる審議会には産労局も参加することにもかかわらず、それに対する答弁もありませんでした。
 国の第四次男女共同参画基本計画に所得税法第五十六条の問題も含まれているわけですから、都の男女平等参画基本計画の見直しに当たり、産労局として積極的に働きかけ、女性が輝くため、自営業者の家族の働き分は正当に認める立場で対応するよう求めるものです。
 所得税法第五十六条の撤廃を国に求める意見書は各会派も賛成して、東京でも採択している自治体は、小金井市、清瀬市、多摩市、八王子市、町田市の五市です。全国では、この採択が広がり、四百四十五の自治体が採択をしています。東京都が意見書を採択することで国の動きを大きく加速することは間違いありません。
 世界の流れも国の流れも動いていることが、きょうの質疑でも明らかになりました。東京都議会として、各会派の共同で、小規模企業は経済の好循環に不可欠な存在です。働く人の人権を守る立場で、働き分が認められていない所得税法第五十六条は撤廃するよう国に意見書を上げるよう各会派の皆さんにも呼びかけて、質問を終わります。

○島崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○島崎委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第七号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○島崎委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、港湾局長から紹介があります。

○武市港湾局長 去る四月一日付で当局の幹部職員に異動がありましたので、紹介させていただきます。
 総務部長の古谷ひろみでございます。港湾経営部長の松川桂子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○島崎委員長 紹介は終わりました。

○島崎委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○武市港湾局長 平成二十八年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案一件、工事請負契約議案四件でございます。
 まず、条例案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十八年第二回東京都議会定例会提出条例案をごらん願います。
 表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、今回提出させていただきました案件は、東京都港湾管理条例の一部を改正する条例一件でございます。
 これは、港湾施設の一部に利用料金制度を導入することに伴い改正するものでございます。
 続きまして、工事請負契約議案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、工事請負契約議案の概要をごらん願います。
 表紙をおめくりいただきまして、目次に記載しておりますとおり、平成二十八年度岡田港客船待合所及び津波避難施設新築その他工事など四件でございます。
 以上で第二回定例会提出予定議案の概要説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○古谷総務部長 ただいまの局長の概要説明に続きまして、提出案件の詳細についてご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、条例案の概要をごらんください。
 表紙の次のページの目次をお開きください。東京都港湾管理条例の一部を改正する条例一件でございます。
 一ページをお開き願います。改正案の概要でございますが、港湾施設の一部に利用料金制度を導入するものでございます。
 本条例の施行期日は、平成二十九年四月一日を予定しております。
 続きまして、工事請負契約議案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、工事請負契約議案の概要をごらん願います。
 表紙の次のページの目次をお開きください。ごらんの四件でございます。
 一ページをお開きください。一件目は、平成二十八年度岡田港船客待合所及び津波避難施設新築その他工事でございます。
 本件は、老朽化した岡田港船客待合所の建てかえに合わせて、同港で想定される津波から利用者の安全を確保するために、津波避難施設の整備を行うものでございます。
 工事場所は東京都大島町岡田字横町八十三の一、八十三の三地先、契約の相手方は五洋・山田建設共同企業体、契約金額は十七億一千三百二十五万八千円、工期は平成三十年一月十日でございます。
 契約の方法、入札回数、入札者数等はごらんのとおりでございます。
 二ページに案内図を、三ページから五ページに図面を掲載してございますので、ごらん願いたいと存じます。
 それでは、六ページをお開きください。二件目は、平成二十八年度南北線中防内側陸上トンネル整備工事でございます。
 本件は、国の直轄事業として、国際コンテナ戦略港湾である京浜港の一翼を担う東京港において、中央防波堤地区の開発に伴う将来交通量需要の増大に対応し、円滑な物流を確保するため、中央防波堤地区と有明側を結ぶ主動線として、臨港道路南北線を整備するものでございます。
 工事場所は東京都江東区青海三丁目地先中央防波堤内側埋立地、契約の相手方は清水・鴻池・岩田地崎建設共同企業体、契約金額は八十一億三千八百八十八万円、工期は平成三十一年六月二十八日でございます。
 契約の方法、入札回数、入札者数等はごらんのとおりでございます。
 七ページに案内図を、八ページに図面を掲載してございますので、ごらん願いたいと存じます。
 それでは、九ページをお開きください。三件目は、平成二十八年度新砂水門(再整備)門扉製作据付工事でございます。
 本件は、東京湾沿岸海岸保全基本計画に基づき、地震、津波、高潮対策を目的として新砂水門の建設を行うものでございます。
 工事場所は東京都江東区新砂三丁目地先から同区夢の島三丁目地先まで、契約の相手方は佐藤鉄工株式会社、契約金額は三十億一千九百六十八万円、工期は平成三十二年三月十日でございます。
 契約の方法、入札回数、入札者数等はごらんのとおりでございます。
 一〇ページに案内図を、一一ページに図面を掲載してございますので、ごらん願いたいと存じます。
 それでは、一二ページをお開きください。四件目は、平成二十八年度辰巳排水機場(再整備)建設工事(その一)でございます。
 本件は、東京湾沿岸海岸保全基本計画に基づき、地震、津波、高潮対策を目的として辰巳排水機場の建設を行うものでございます。
 工事場所は東京都江東区辰巳一丁目地先、契約の相手方は前田・イケハタ建設共同企業体、契約金額は二十三億九千二百二十万円、工期は平成二十九年八月三十一日でございます。
 契約の方法、入札回数、入札者数等はごらんのとおりでございます。
 一三ページに案内図を、一四ページに図面を掲載してございますので、ごらん願いたいと存じます。
 以上で、簡単ではございますが、平成二十八年第二回都議会定例会に提出を予定しております港湾局関係の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○島崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、平成二十七年度東京都一般会計予算、港湾局所管分の繰り越しについて外二件の予算の繰り越しに関する報告を聴取いたします。

○古谷総務部長 平成二十七年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料4、平成二十七年度繰越説明書をごらん願います。
 三ページをお開き願います。初めに、一般会計予算の繰り越しについてご説明させていただきます。
 繰越明許費繰越の総括表でございます。
 一番上の段に記載のとおり、平成二十七年度の歳出の予算現額六百八億二千百万円に対しまして、繰越明許費の予算議決額は百二十八億円、繰り越しいたしました額は六十七億四千八百万余円でございます。
 次に、繰り越しの内訳についてご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。まず、1、東京港整備事業でございます。
 繰越明許費の予算議決額は百十五億八千七百万円、繰越額は五十九億六千四百万余円でございます。
 五ページから七ページの右側説明欄に記載の工事等につきまして調整等に日時を要したため、事業の一部を翌年度に継続実施するものでございます。
 八ページをお開き願います。次に、2、島しょ等港湾整備事業でございます。
 繰越明許費の予算議決額は十二億一千三百万円、繰越額は七億八千三百万余円でございます。
 八ページから九ページの右側説明欄に記載の工事につきまして調整に日時を要したため、事業の一部を翌年度に継続実施するものでございます。
 以上で一般会計予算の繰り越しについて説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、臨海地域開発事業会計予算の繰り越しについてご説明申し上げます。
 一三ページをお開き願います。建設改良費繰越の総括表でございます。
 平成二十七年度予算で建設または改良に要する経費として計上した額は百九十三億九百万円、このうち、繰越額は右から三列目、翌年度繰越額の欄に記載のとおり二十億八千六百万余円でございます。
 繰り越しの内訳につきましては、一五ページから一七ページにかけて記載してございます。右側説明欄に記載の工事等につきまして調整等に日時を要したため、事業の一部を翌年度に継続実施するものでございます。
 以上で臨海地域開発事業会計予算の繰り越しについて説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、港湾事業会計予算の繰り越しについてご説明申し上げます。
 二一ページをお開き願います。建設改良費繰越の総括表でございます。
 平成二十七年度予算で建設または改良に要する経費として計上した額は四十二億四千万余円、このうち、繰越額は右から三列目、翌年度繰越額の欄に記載のとおり三十億五千百万余円でございます。
 繰り越しの内訳につきましては、二三ページに記載してございます。右側説明欄に記載の工事につきまして調整に日時を要したため、事業の一部を翌年度に継続実施するものでございます。
 以上で平成二十七年度予算の繰り越しにつきまして説明を終わらせていただきます。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○島崎委員長 次に、臨海副都心の土地利用計画等の一部見直しについて(案)について、報告を聴取いたします。

○山口臨海開発部長 臨海副都心の土地利用計画などの一部見直しについて(案)をご報告申し上げます。
 お手元の資料5をごらんください。
 1の今回の見直しの趣旨についてご説明いたします。
 臨海副都心につきましては、これまで臨海副都心まちづくり推進計画及び臨海副都心まちづくりガイドラインに基づき開発を進め、台場、有明、青海など各地区がそれぞれ特色を持つまちとして発展してきております。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会では、ここ臨海副都心において複数の競技会場の整備などが予定されていることから、大会を成功に導くため、現在は公募を停止しております。
 停止している公募を遅滞なく再開いたしまして、大会後の切れ目のないまちづくりを着実に進め、MICE、国際観光拠点としてさらに発展させていくため、今回、推進計画などの土地利用計画の一部見直しなどを行うものでございます。
 続きまして、主な見直し内容についてでございます。
 今回見直しを行う地区は、青海地区南側及び有明南地区となります。
 この二つの地区につきましては、これまでの開発により構築された各地区の特色に応じ、必要な機能をさらに集積させることによって個性あふれるまちづくりを進めるため、土地利用方針及び土地利用計画の一部について見直しを行っております。
 〔1〕、土地利用方針についてでございます。
 青海地区南側は、これまでの開発により、国際研究交流大学村や都立産業技術研究センターなどが立地し、ロボットやバイオに関する複合研究施設などが集積する地域に発展してきております。
 今後も、これら研究機関などの集積を生かし、次世代ロボット技術などを使った新たなイノベーションが創出されるよう、国内外から集まる研究者などの中短期滞在に対応した宿泊機能と、国際会議や展示会の開催にも対応した多目的ホールなどの研究開発やビジネスを支援する機能の整備を誘導し、引き続き研究開発、産業創生のまちの形成を図ってまいります。
 次ページをごらんください。有明南地区でございます。
 当地区は、東京ビッグサイトを中心にコンベンション関連施設の集積が進み、国際コンベンションゾーンに発展してきております。また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて展示場面積の拡張が予定されるなど、さらなる発展が期待されている地区でもございます。
 こうしたことから、今後も、東京ビッグサイトを中心に、ホテルに加え、飲食、観光のほか、多目的ホールや会議室などのコンベンション支援機能を有する商業施設などの充実を図ってまいります。また、あわせまして、コンベンション産業等を支える人材の育成や地域の産学連携にも資する教育機能の配置を進めるとともに、交通利便性を生かして、コンベンション関連ビジネスなどの集積を誘導していくことで、世界の人、物、情報が交流する国際コンベンションゾーンの形成を図ってまいります。
 次に、〔2〕、土地利用計画についてでございますが、土地利用方針の見直しを踏まえ、別添資料図面のとおり一部を見直しております。
 (2)、開発フレームでございます。
 面積につきましては、変動がございません。人口につきましては、事務所や住宅等の機能を、域外からの観光客などが利用する宿泊機能やコンベンション機能に転換していくこととなるため、就業人口及び居住人口ともに減少させております。
 (3)、その他の事項でございますが、臨海副都心におきましても、水素社会の実現に向け、燃料電池バスなどの導入を促進していくため、暫定利用等を含め地域内に水素ステーションの整備を誘導してまいります。
 また、MICE、国際観光拠点としてふさわしい地域へと発展させていくため、東京ビッグサイトや新客船ふ頭の整備に伴う駐車場需要などを検証し、緑地や公共施設の立体利用などによる駐車場及び車両待機場の整備などについて検討を進めてまいります。
 今後、これらの見直しの内容について、地元区にも説明の上、七月ごろまでに正式決定をいたしまして、公表してまいりたいと考えております。
 以上で、臨海副都心の土地利用計画等の一部見直しについてのご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○島崎委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○島崎委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二八第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小野港湾整備部長 本日ご審査いただきます陳情につきまして、お手元に配布してございます資料6、請願・陳情審査説明表に基づきご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。本日ご審査いただきますのは、陳情一件でございます。
 それでは、陳情二八第三七号、臨港道路南北線計画の凍結に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。本陳情は、東京都江東区、臨海部開発問題を考える都民連絡会代表世話人、中野幸則さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、国に対し、東京港臨港道路南北線計画の凍結を求め、事業費分担金の支出を見合わせていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 東京港は、首都圏に住む人々の生活や産業経済を支える重要な役割を担っており、物流機能を強化するためには、ふ頭整備などに合わせた道路ネットワークの充実が必要でございます。現在、東京港における南北方向の骨格となる道路は、臨港道路青海縦貫線のみであり、中央防波堤地区の将来の需要等に対応するためには、臨港道路南北線の整備が不可欠です。
 このため都は、東京港第七次改訂港湾計画一部変更において、港湾における交通の円滑化を図るため、臨港道路南北線を臨港交通施設として計画しました。
 また、国の交通政策審議会港湾分科会第七回事業評価部会において、平成二十六年度予算に向けた港湾整備事業及び港湾局所管の海岸事業における新規事業採択時評価等についての調査審議を経て、臨港道路南北線の整備事業は着手されており、国はこれまで、調査、設計、環境影響評価等を実施しております。
 都は、東京港の機能強化に不可欠な本事業を推進するため、港湾法に基づき、費用の一部を負担しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○島崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○田中委員 臨港道路南北線に関する陳情について何点かお伺いをいたします。
 東京港は、東京のみならず、首都圏全体の生活と産業を支える重要なインフラであります。その東京港の主な課題は、国際競争に打ち勝つということであり、特に欧米との基幹航路を維持し、東京港がメーンポートとの位置づけを維持し続けるということであります。
 そして、また、円滑な物流システムを確保するということであります。大量に東京港に運ばれた荷物が、最終消費地までスムーズにその荷物が輸送されなくては意味がありませんので、円滑な物流システムの維持確保が必要であるということです。
 そして、二〇二〇年には、この臨海地域におきまして、特に中心的にオリンピック・パラリンピックが行われるということで、開催に向けた準備が既に始まっておりますし、また、当日におきましても、世界から多くの観光客等が来られる地域であり、オリンピック・パラリンピックとの、物流システムとの協調、調和といったものが必要であるというふうに私は認識をしております。
 このような課題解決には、東京港における道路交通の円滑化に向けた取り組みが不可欠であると私は思っております。この陳情では、臨港道路の将来の交通量について具体的に触れておりますけれども、まず、その点から確認をしたいと思います。
 都は、臨港道路南北線の計画交通量をどのように測定したのか、まずお伺いいたします。

○小野港湾整備部長 都は一昨年、第八次改訂港湾計画を策定し、その中で、計画の目標年次における取扱貨物量等を設定し、臨港道路の計画交通量を予測しております。
 貨物量については、衣類等の雑工業品、輸送機械など、代表的な品目に分類し、国内人口や内閣府試算による世界経済成長率を用いたGDPの将来推計及び東京港における取扱貨物量実績の推移などから推計しており、平成三十年代後半の外内貿コンテナ貨物量については六百十万TEUとしております。
 交通量については、港湾計画において設定した、ただいま申し上げたような取扱貨物量や土地利用により発生する交通量を地区ごとに想定し、将来の道路ネットワークをもとに計画交通量を予測しております。
 この道路ネットワークには、国道三五七号東京港トンネルや環状二号線の開通も見込んでおり、平成三十年代後半の臨港道路南北線の計画交通量については、一日当たり三万二千四百台と予測しております。

○田中委員 東京港の港湾計画における将来の貨物量等に基づき、臨港道路の計画交通量をしっかりと予測されているということで改めて確認をいたしました。
 そこで、貨物量の増加に合わせたコンテナふ頭の整備はもちろん、今後の貨物輸送全体を見据え道路整備を推進していくことが重要であると考えておりますが、改めて、臨港道路南北線を整備する必要性についてお伺いをいたします。

○小野港湾整備部長 東京港は、首都圏に住む人々の生活や産業活動を支える重要な役割を担っております。
 東京港の物流機能を強化していくためには、増加するコンテナ貨物に適切に対応できるよう、外貿コンテナふ頭整備などに合わせて、東西及び南北両方向の骨格となる道路ネットワークを充実していく必要がございます。
 東西方向については、平成二十四年に全線開通した東京港臨海道路と国道三五七号があり、国道三五七号東京港トンネルは、既に西行きが開通し、東行きのトンネル整備が進められております。
 しかしながら、南北方向については、臨港道路青海縦貫線のみであり、中央防波堤地区の将来の需要等に対応するためには、臨港道路南北線の着実な整備が不可欠であると認識しております。

○田中委員 ただいまのご答弁で、東京港に重要な道路ネットワークを形成する上で、臨港道路南北線は必要不可欠なものであるということでありました。私も、今後のコンテナ貨物輸送の増加などに対応していくためには、なくてはならないものと思っております。東京港の物流機能を強化していく上で、こうした道路整備が後手に回って、交通が混雑するようなことがあっては決してならないと思います。
 また、冒頭にも申し上げましたけれども、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックの競技大会も開催されるわけでありますので、大会に間に合うよう南北線を整備することが重要であると認識をしております。
 そこで、都は、国と連携して、大会開催時にも利用できるよう臨港道路南北線を整備すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小野港湾整備部長 東京港では、増加するコンテナ貨物に対応できるよう、現在、中央防波堤外側コンテナふ頭Y1、Y2、Y3の整備を進めており、このうち、Y1及びY2バースについては、二〇一七年内の供用開始を予定しております。
 理事ご指摘のとおり、ふ頭整備などの進展に合わせ、また、東京二〇二〇大会の開催を見据えて、道路ネットワークを充実強化していくことが不可欠であると考えております。
 このため都は、国と連携し、大会開催までに臨港道路南北線の整備を着実に進めてまいります。

○田中委員 本陳情は、事業の凍結を求めて出されておりますけれども、本日の質疑を通じて、冒頭申し上げたさまざまな課題を持つ東京港において、臨港道路南北線の必要性について改めて確認をさせていただきました。
 臨港道路南北線は、将来見込まれるコンテナ貨物などの需要に適切に対応していくために必要な、抜本的な交通インフラの増強策の一つであり、東西方向に加え南北方向の骨格となる道路を拡充し、円滑な道路ネットワークを構築する上で必要不可欠であります。
 東京港においては、この臨港道路南北線を二〇二〇年までに完成させることがとりわけ重要であり、都は、国と緊密に連携し、より一層精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 また一方、今回の陳情を出された代表者の方はまさに地元の方でございまして、この南北線の道路を建設するに当たって、また多くの工事車両が出入りするんだろうと思いますが、ぜひ、地元の方々の交通安全といった視点は十分配慮していただいた上で、早期完成に向けて努力をしていただきたいと思っております。
 以上で私の質問を終わります。

○かち委員 私からも、二八第三七号、臨港道路南北線計画の凍結に関する陳情について質問します。
 この陳情は、中央防波堤地区と有明側を結ぶ延長五・七キロ、幅四車線の臨港道路、いわゆる南北線整備計画の凍結を求めるものです。その理由が六点にわたって書かれていますので、それらに沿って質問したいと思います。
 まず、この南北線道路計画は、第七次港湾整備計画改訂時にはなかったものですが、それがどの時点で、どのような経過のもとで計画化されたのかお聞きします。

○小野港湾整備部長 臨港道路南北線については、平成二十年に、東京都港湾審議会から答申をいただいた東京港の今後の港湾経営戦略の中で、南北道路軸の強化方策の検討が必要とされたことを踏まえ、港湾における交通の円滑化を図るため、平成二十一年に、東京港第七次改訂港湾計画の一部変更を行い、臨港交通施設として計画いたしました。

○かち委員 第七次港湾整備計画は、二〇〇四年に二十年後を目指してつくられたものです。それが、わずか数年後に南北線道路を整備するなど、大きな見直しをしたものです。見直しの緊急性があったのでしょうか。
 時を同じくして、国において、平成二十一年十月に設置された国土交通省成長戦略会議において、国際コンテナ戦略港湾の選定を行うことにされたわけです。こうした国の動きと連動した南北線整備計画だったといわざるを得ません。
 このときの京浜港の外貿コンテナ貨物量は、二〇一五年、八百九十万TEUでした。しかし、現状の実績は、その約七割にすぎません。根拠の乏しい過大な目標を掲げて、国民の税金を投入した港湾、道路の整備計画は見直しが必要だと思います。
 現在、南北線に係る都の予算措置はどのようになっていますか。

○小野港湾整備部長 臨港道路南北線の国直轄及び補助事業にかかわる都の予算措置につきましては、平成二十六年度は約六億円、平成二十七年度は約七十一億円、平成二十八年度は約百三十四億円でございます。

○かち委員 南北線の総事業費、約一千百億円、国負担が七百億円、都負担が四百億円ということです。今年度執行しても約半分ということですが、現時点でも投資を厳重にチェックすることが求められていると思います。
 陳情文中にもありますが、京浜港及び東京港の外貿コンテナ貨物の目標値が実態から余りにもかけ離れているのではないかと思うのですが、この予測値の根拠は何をもとにして出しているのかお聞きします。

○小野港湾整備部長 東京港における貨物量は、第八次改訂港湾計画において、代表的な品目に分類し、人口やGDPの将来推計及び取扱貨物量実績の推移等から推計しており、平成三十年代後半を目標年次とする外貿コンテナ貨物量につきましては、五百六十万TEUとしております。
 また、京浜港につきましては、平成二十三年九月に策定した京浜港の総合的な計画におきまして同様に推計しており、平成四十年代前半を目標年次とする三港全体の外貿コンテナ目標貨物量は、一千百四十万から一千三百万TEUの範囲になるとしております。

○かち委員 ただいまのいろいろな指標を推計してとったということですが、その中に、人口等の将来推計などからもしたということです。しかし、日本の人口推計でも、東京の人口推計でも、いずれも右肩下がりということは明らかです。
 東京の総人口は、二〇二〇年の千三百五十五万人をピークに加速度的に減少し、二一〇〇年には七百十万人にまで減少するとされています。年齢別では、年少人口と生産年齢人口が減少していくのに対し、老年人口は二〇五〇年までに増加傾向にあり、少子高齢化はまた加速度的に進むと推計されています。
 こういう人口推計からしても、また、東京港の輸出入貨物の中で三割から四割を占める中国の経済の陰りのある中で、このように外貿コンテナ量がふえ続けるという予測は過大だとは思いませんか。都の見解を伺います。

○小野港湾整備部長 先ほども田中理事のご質問にもお答えしましたけれども、貨物量等につきましては、あくまでも国内人口だけで出しているわけでは全くありませんで、内閣府試算によります世界経済成長率等を用いたGDPの推計を使ってだとか、実際の東京港における貨物量の実績の推移からも推定しておるということございまして、その結果として、平成三十年代後半の外内貿コンテナ貨物量につきましては六百十万TEUというふうにしておるわけでございます。

○かち委員 人口だけでという推計だけではないということですけれども、世界経済の動向を見ても、決して景気がどんどんよくなっていくという状況ではないというのは、この間のG7の中でも確認をされているところです。こういう状況を鑑みるならば、今の貨物量の推計というのは過大ではないかと思います。
 第八次港湾整備計画の二〇二五年の京浜港の目標は一千万TEUですが、これは現状の一・六倍という数字です。ひたすら人口も伸び続ける、経済もよくなっていくという基準のもとで出していると思われます。
 今、熊本地震など災害復興対策や社会保障の対策など、お金が必要とされる課題が山積しています。税金の使い方の見直しをすべきだと考えます。
 次に、南北線の具体的な問題についてです。
 南北線の想定交通量ですが、国交省のアセス、環境影響評価ですね。これは国交省の関東地方整備局が二十七年四月に出しております。これによりますと、一日当たり三万二千四百台が、今度は東京港の国交省が出している事業評価表によりますと、一日当たり六万五千台となっているんです。都の東京港第八次改訂港湾計画による将来の道路ネットワーク推計では、南北の計画交通量は三万二千四百台となっています。
 同じ道路の推計値が二倍もの違いがある。この違いをどのように説明していただけますか。

○小野港湾整備部長 都の東京港第八次改訂港湾計画においては、平成三十年代後半の平成三十七年を目標年次とする取扱貨物量や土地利用により発生する交通量を想定し、その時点の道路ネットワークをもとに、臨港道路南北線の計画交通量を一日当たり三万二千四百台と予測しております。
 国土交通省の環境影響評価資料における計画交通量につきましても、港湾計画と同様に三万二千四百台としているところでございます。
 一方、事業評価資料については、国の交通政策審議会の事業評価部会において調査審議されたものでありますが、平成四十二年の予測値であり、港湾計画と目標年次が異なるため、比較することに意味はございません。

○かち委員 同じ事業をやろうとしているために、環境影響評価も出し、それで事業評価も出すということをやっているわけですよね。時点が違うから評価の値にはしないというけれども、都民がそれを聞いて判断しなければいけないのに、同じ場面の同じ道路でこんなに差があって、どう判断すればいいかということなんです。
 都と国の想定時期が五年のラグがあるということですけれども、その間に交通量が二倍もの違いを生み出す客観的な条件の変化はあるんですか。国の事業評価資料では六万五千台と予測して、都のアセスによる計画交通量は三万二千台、同じ道路の計画交通量なのに、出したのが国と都だから違ってもいいというわけにはいかないと思うんです。もし計画交通量が六万五千台ではなく三万二千四百台であれば、国の事業評価での費用便益分析も違ってくるのではないでしょうか。
 環境影響評価書の交通量は、交通量を小さくするために使い分けているといわれても仕方がありません。都としてどのようにこれを解釈しているのかお聞きします。

○小野港湾整備部長 国の事業評価資料における数字の話もされておりますけれども、事業評価資料につきましては、国の交通政策審議会の事業評価部会において調査審議されたものでありまして、都が説明する立場ではございません。
 都においては、先ほど申し上げましたように、しっかりと調査を行って出した数字が三万二千四百台ということでございます。

○かち委員 この事業は、国直轄事業で、都と国で一緒に進めていこうという事業ですよね。これは、経過の中では、東京都がその必要性を重視して計画することを国に調整してやったんだろうというふうに思いますけれども、その事業が、国と東京都は立場が違うから国のいっていることを評価する立場にはないといわれても、これを示された都民は判断に困るんです。
 事業評価資料において、南北線の必要性、緊急性の理由として、お台場付近での港湾関係車両のふくそう、交通事故も多発しているとのことに対し、港湾関係車両の臨海副都心への混入を回避し、安全・安心を確保することが必要だという理由がここに書かれていますが、事業評価資料では、南北線の有無の比較で、第二海底トンネルの交通量が、整備なしでは九万八千台になるものが、整備をすれば南北線と第二航路海底トンネルの交通量で十一万四千台になると書いてあります。回避するどころか交通量がふえてしまうではありませんか。これでは、交通事故多発を理由に、安全・安心を確保するなど、できるわけがありません。
 この予測値に対する理由についてお聞きします。

○小野港湾整備部長 先ほどご答弁させていただきましたように、事業評価資料につきましては、国の交通政策審議会の事業評価部会において調査審議されたものでございますので、都が説明する立場ではございません。

○かち委員 東京都もアセスをやっていますけれども、これは国土交通省が出しているアセスで、これも三万二千四百台ということですよね。ところが、こちらになると数が二倍に上がってしまう。こういうことでは、国の事業評価だから見解を示せないということでは、都民は理解も納得もできません。都として、国の示す資料、道路の必要性として根拠があるのかないのかチェックすべきではありませんか。
 南北線が必要であるといいながら、中央防波堤外側コンテナふ頭が稼働することによって発生する交通量が何台になるのか、私は国交省の港湾局にも問い合わせてみましたが、わからないということでした。
 現在整備中の国道三五七号線の東京港トンネルは、二年後には一般道、上り下りの両路線が供用開始となります。有料道路と並行して、無料の一般道がつながるわけですから、そのことによって交通ネットワークもかなり影響すると思われますが、それはどのように反映されているのでしょうか。

○小野港湾整備部長 都は、平成三十年代後半を目標年次といたします第八次改訂港湾計画におきまして、国道三五七号東京港トンネルの開通を見込んで計画交通量を予測しております。ちなみに、その推計方法につきましては、環境影響評価書資料編にも記載しているところでございます。

○かち委員 私、前回の委員会でお聞きしましたところ、ご答弁で、東京港トンネル部の計画交通量自体は示されておりませんが、江戸川区から大田区までの東京都区間全体で、平成四十二年度の計画交通量は一日当たり一万四千台から九万三千台だというふうな答弁でした。
 しかし、それは、国道三五七号線の交通量の予測値ではないんです。それで、国道三五七号線東京トンネルの開通も見込んでいるといわれても、客観的なデータがない、こういう中でどう予測したのかわかりません。
 中央防波堤外側のコンテナふ頭整備によって、そこから新たに発生する交通量を示す必要があります。そこからどこに、どのように分散していくのか予測値を示していただきたいと思います。

○小野港湾整備部長 第八次改訂港湾計画におきまして、中央防波堤外側埋立地におけるコンテナふ頭の供用や、港湾関連用地などの土地利用により発生いたします交通量を想定し、平成三十年代後半における道路ネットワークをもとに、臨港道路の計画交通量を予測しております。
 お尋ねの中央防波堤外側コンテナふ頭を含め、各地区で発生する交通量は、それぞれの目的地に向かい、道路ネットワークの各方面に分散いたします。その結果、中央防波堤外側埋立地と他の埋立地を結ぶ臨港道路の計画交通量につきましては、南北線は一日当たり三万二千四百台、臨海トンネルは四万五千五百台、東京ゲートブリッジは三万三千九百台、第二航路海底トンネルは二万一千九百台と予測しております。

○かち委員 今の数値は第八次港湾整備計画で示された計画交通量です。しかし、中央防波堤外側のコンテナふ頭の稼働によって新たに生まれる交通量、それがそれぞれの道路にどのように分散し、その結果、交通量がどう変化するのか、国道三五七号線の全面開通によってどう影響するのかの分析はされていないのですから、予測されたとはいえないのではないでしょうか。
 今の台数を合計すれば、十三万三千七百台となります。ところが、国土交通省が二〇一四年の三月、交通政策審議会などで示した南北線と既存道路の計画交通量は、合わせて一日二十万台です。こんなに食い違っていて、何をどう判断したらいいのでしょうか。

○小野港湾整備部長 先ほどもご答弁したとおり、事業評価資料は、国の交通政策審議会の事業評価部会において調査審議されたものでありますが、平成四十二年の予測値であり、港湾計画と目標年次が異なるため、比較する意味はございません。
 臨港道路南北線は、中央防波堤地区における将来の貨物等の取り扱いや土地利用等に対応し、東京港の物流機能を強化していくために必要な道路であるため、国と連携をして、臨港道路南北線の整備を着実に進めてまいります。

○かち委員 タイムラグが五年間あるから比較できるものではないとおっしゃいますけれども、その五年間でどういう状況変化があるのかということも示されないで、タイムラグがあるからそれは比較にならないとおっしゃっても、それは説得力に欠けます。
 るるお聞きしましたが、この南北線整備は国の直轄事業であり、現状では四百億円もの都の負担もあるわけですが、その評価に対する交通量予測が国との間で異なる数値が使われ、国と都の間で大きな乖離があります。
 都としては、きちんと環境影響評価を出しているんだということであれば、国の方が費用便益分析の正当性を出すために過大に見積もったものだといわざるをえません。しかも、肝心の国道三五七号東京港トンネルの一般道開通時の予測値も出していない中では、説得力もありません。
 業務評価をやり直すべきです。少なくとも国道三五七号の開通後の実態を踏まえた上で、また、外貿コンテナ量予測についても見直した上で、南北線の必要性について再検討するよう国に求めるべきです。都としても、第八次港湾整備計画を見直すべきです。
 よって、本陳情については採択を求めて質問を終わります。

○島崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○島崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第三七号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十二分散会

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