経済・港湾委員会速記録第十七号

平成二十六年十二月二十二日(月曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長近藤  充君
副委員長加藤 雅之君
副委員長鈴木あきまさ君
理事中山ひろゆき君
理事田中たけし君
理事かち佳代子君
鈴木 章浩君
田中  健君
堀  宏道君
尾崎あや子君
三宅 正彦君
まつば多美子君
木内 良明君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長山本  隆君
次長藤田 裕司君
総務部長村松 明典君
中央卸売市場市場長岸本 良一君
管理部長坂巻政一郎君
事業部長野口 一紀君
新市場整備部長加藤  仁君
市場政策担当部長日浦 憲造君
財政調整担当部長移転調整担当部長兼務金子 光博君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場事業推進担当部長飯田 一哉君
基盤整備担当部長若林 茂樹君
施設整備担当部長中山  衛君
港湾局局長多羅尾光睦君
総務部長浜 佳葉子君
労働委員会事務局局長遠藤 雅彦君

本日の会議に付した事件
意見書について
中央卸売市場関係
報告事項
・豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事の完了について(質疑)
・豊洲新市場開場時期の決定について(質疑)
・豊洲新市場(仮称)六街区加工パッケージ棟ほか建設工事(説明・質疑)
付託議案の審査(決定)
・第百八十四号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
特定事件の継続調査について

○近藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   雇用環境の整備に関する意見書(案)
 我が国の雇用情勢は着実に改善が進んでいるが、その一方で、一部の分野で人材不足感が顕在化しているほか、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少とあいまって、労働力の確保が課題となっている。
 デフレからの脱却、ひいては日本経済・社会の持続的な成長に向けて必要な労働力人口を確保するためには、全員参加型社会を実現するとともに、意欲ある全ての人が、希望する働き方で能力を発揮し、安心して生活できる雇用環境を整備していくことが重要である。
 現在、国においては、成長戦略の中で、予見可能性の高い紛争解決システムの構築、新たな労働時間法制の創設、職務等を限定した多様な正社員の普及などの議論がなされているが、こうした雇用・労働政策については、国民的な議論が必要であり、労働者委員、使用者委員、公益委員で構成される労働政策審議会などを通じて十分な議論を行い、法制化につなげていかなければならない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、雇用環境の整備に関し、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 予見可能性の高い紛争解決システムの構築、新たな労働時間法制の創設、職務等を限定した多様な正社員の普及については、関係者からの意見を踏まえて慎重に対応すること。
二 派遣労働者など、非正規労働者の安定した雇用・キャリア形成など処遇の改善に取り組むこと。
三 女性の活躍促進や、高齢者、障害者などの就業推進に積極的に取り組むこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十六年十二月 日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済再生担当大臣 宛て

○近藤委員長 本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○近藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項の聴取の後、付託議案の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 報告事項の聴取を行います。
 豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事の完了について及び豊洲新市場開場時期の決定についての報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料についての理事者の説明を求めます。

○坂巻管理部長 去る十二月十九日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。1、新市場建設協議会の開催日程及びその内容でございます。
 1の設置時期でございますが、新市場建設協議会は平成十四年四月に設置されました。
 2の開催状況でございますが、これまでに開催された全十六回の開催状況につきまして、年度ごとに開催日、それぞれの開催回における議題を一覧表にしてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○近藤委員長 説明は終わりました。
 次に、理事者から豊洲新市場(仮称)六街区加工パッケージ棟ほか建設工事の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○坂巻管理部長 工事請負契約についてご報告申し上げます。
 お手元の資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。豊洲新市場(仮称)六街区加工パッケージ棟ほか建設工事でございます。
 本件は、第九次東京都卸売市場整備計画に基づき、豊洲新市場の六街区加工パッケージ棟外一棟の建設工事を行うものでございます。
 契約の相手方は清水・大林・戸田・東急・東洋建設共同企業体、契約金額は百二十一億三千九百二十万円、契約日は平成二十六年十二月二十二日、工期は契約確定の日から平成二十八年三月三十日まででございます。
 契約の方法、入札者数、工事概要等は記載のとおりでございます。
 二ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、工事請負契約についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○近藤委員長 報告は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○三宅(正)委員 豊洲新市場の整備について何点か伺いたいと思います。
 これまで我が党は、現在の築地市場の現状に鑑み、早急に新たな市場を整備することが必要であるという認識のもと、豊洲新市場の整備を推進してきました。
 新たに整備する新市場には、首都圏の基幹市場としての期待も大きく、築地市場のよき伝統を継承しつつ、効率的な物流や高度な品質、衛生管理、自然エネルギーの活用など、最先端の機能などを取り入れながら、先駆的な市場としての整備が求められていると思います。
 こうした最先端の新市場整備は、都民のみならず首都圏で生活する人々の大事な食を支えるためには不可欠であり、一日も早い完成を待ち望んでいるところです。
 しかし、この土地にはかつてガス工場があり、土壌が汚染されていたという事実があります。そのため、生鮮食料品を取り扱う市場として、食の安全・安心を確保するため、まずは土壌汚染対策を実施し、都民を初めとする消費者の皆さんや市場関係者の皆さんの、この土地に対する懸念を確実に取り除くことが重要であると強く訴えてまいりました。
 こうした我が党の要請に応え、都では土壌汚染対策を確実に進めていくため、学識経験者による専門家会議及び技術会議を設置し、そこで提言された対策を着実に進め、技術会議において段階的に対策の完了の確認を受けてきたと認識しているところです。
 十九日の委員会では、先月末に開催された技術会議において、平成二十三年度から実施してきた土壌汚染対策工事が全て完了したことを確認したとの報告を受けました。
 そこで、先月末に開催された技術会議で確認された内容はどのようなものか、まずは具体的にお伺いします。

○若林基盤整備担当部長 専門家会議及び技術会議の提言を受けて実施してまいりました土壌汚染対策工事は、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌を敷地全域にわたり、汚染の有無にかかわらず全てきれいな土と入れかえ、その上にきれいな土で二・五メートル盛り土をする。A.P.プラス二・〇より下については、操業由来の汚染土壌を全て掘削除去し、地下水は環境基準以下に浄化するなど、法の求める措置を上回る二重、三重の対策であり、さらに、遮水壁の設置や液状化対策など、個々の対策を組み合わせた総合的な対策でございます。
 こうした対策工事が完了したことについて、技術会議では、汚染土壌の掘削状況がわかる工事写真や、汚染地下水の対策完了時に水質が基準以下になったことを示す分析結果、さらには、一定の時間を置いて行った大気、地下水、土壌の調査が全て基準以下であったことを示す測定結果など、客観的なデータに基づき確認しております。
 先月二十七日に開催しました第十八回の技術会議では、土壌汚染対策工事の完了とあわせて液状化対策や盛り土の完了、地下水管理システムの概要など、提言に基づく全ての土壌汚染対策について確認をしていただきました。

○三宅(正)委員 今ご説明があったように、法の措置を何重にも上回った総合的な土壌汚染対策の完了を客観的なデータに基づき確認してきており、先月開催した技術会議で、全ての対策工事の完了や地下水管理システムの概要などの確認を受けたということはわかりました。
 先日の我が党の代表質問において、市場長から、技術会議の確認を受け豊洲新市場用地の安全性が確認できた旨の答弁がありましたが、改めて都の認識について伺います。

○若林基盤整備担当部長 我が国最先端の知見や技術をもって進めてまいりました土壌汚染対策工事が全街区において全て完了し、先月二十七日の技術会議において確認を受けたものでございます。
 この技術会議の確認を受けまして、都としては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識しております。

○三宅(正)委員 その三年余という長きにわたり我が国最先端の知見や技術をもって進めてきた土壌汚染対策工事が完了し、一つの節目を迎えたことから、これをもって都から豊洲新市場用地の安全が宣言されたものと私は受けとめたいと思います。
 ところで、市場用地が今安全だとしても、これが将来にわたって担保されるかどうかは不透明です。不透明では安心できません。
 都は、都民や市場関係者の皆さんが安心できるよう、引き続きしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○若林基盤整備担当部長 技術会議の確認を受けまして市場用地の安全性を確認したことから、今後は地下水管理システム等により、継続した地下水位の管理や地下水質の監視など、生鮮食料品を扱う市場の用地として永続的に徹底したリスク管理を行い、都民や市場関係者の安心に資するよう取り組んでまいります。

○三宅(正)委員 ただいま答弁された内容を着実に実行し、生鮮食料品を取り扱う市場として、引き続きリスク管理については万全を図っていただきたいと思います。そのことが、豊洲新市場に対する都民や市場関係者の安心のさらなる向上につながることとなります。重ねて徹底したリスク管理への取り組みをお願いいたします。
 先月十八日の委員会で、我が党の堀委員の質問に対し、豊洲新市場用地における地下水のモニタリングを十一月から実施するとの答弁をいただきました。
 一方で、二年間モニタリングが完了しなければ、豊洲新市場の開場ができないのではないかと誤解された方もいると思います。
 そこで、都が実施している地下水のモニタリングと開場との関係についてお伺いします。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地につきましては、我が国最先端の知見や技術をもって進めてまいりました土壌汚染対策工事が全街区において完了し、技術会議において確認を受けたことから、都としては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識してございます。
 豊洲新市場用地において先月から開始した地下水のモニタリングは、永続的なリスク管理の一環として、地下水管理システムが本格的に稼働する開場までの間、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインに定められた手法により実施するものでございます。
 実施した地下水のモニタリング結果を広く情報提供することにより、都民や市場関係者の安心に資するよう取り組んでいくものであり、市場用地の安全性については、技術会議において確認できたものと考えておりますことから、開場との関連はないものと認識しております。
 なお、地下水のモニタリングを実施した結果については、土壌汚染対策法上の台帳記載事項の変更等の手続にも活用してまいります。

○三宅(正)委員 今後、都民や市場関係者の安心に向け、どのように取り組んでいくのかよく理解できましたし、また、都が実施しているモニタリングは開場と関連がないこともよくわかりました。
 次に、豊洲新市場の開場時期について何点か伺います。
 十七日の我が党の代表質問において、知事から、市場業界との合意を受け、平成二十八年十一月上旬を開場時期とするとの答弁がありました。
 先ほども申し上げましたが、我が党は従前より、高度な品質、衛生管理機能を備え、流通環境の変化等に対応し得る首都圏の先進的な基幹市場として、一日も早く豊洲新市場を整備すべきと主張してまいりました。
 また、都においても、平成二十七年度の開場を掲げてきたところであります。
 先般我が党は、市場業界から豊洲新市場の開場時期の変更に関する要望を受け、開場時期を平成二十七年度から平成二十八年十一月初頭へ変更することが求められております。
 我が党としても、豊洲新市場への移転については市場業界の意向が最も重要であり、都と市場業界との間で十分なコミュニケーションを図りながら準備を進めるよう、これまでも求めてきたところでございます。
 このたび平成二十八年十一月上旬の開場が決定されましたが、都として開場時期をそのようにした理由をお伺いします。

○加藤新市場整備部長 豊洲新市場の開場時期につきましては、これまで都と市場業界との間で幾度となく意見交換を重ね、今月十七日の新市場建設協議会において、市場業界の最終合意を得て、都として平成二十八年十一月上旬と決定したものでございます。
 開場時期を平成二十八年十一月上旬とした理由といたしましては、本体施設の竣工後に引き続いて行う、ふくそうが見込まれる市場業界による造作工事の工期や施設の習熟期間など一定の準備期間が必要であること、年末年始の繁忙期を避ける必要があること、加えまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に間に合うよう環状二号線を整備するためには、平成二十九年四月までに築地市場内の該当箇所の解体を終え工事に着手する必要があること、こういったことを総合的に勘案したためでございます。

○三宅(正)委員 ただいまのご答弁によりまして、理由はよくわかりました。
 開場に向け、今後、市場業界が行わなければならない取り組みは、ハード面からソフト面にわたり大変多岐になると思われますが、これらの円滑な実施には都による協力が必要不可欠であります。
 先般、市場業界から我が党に提出された要望書には、これまでに例を見ない大規模な移転に際し、都や業界が行う工事が種類も量も多く、かつ同時期にふくそうし、この時期の開場までに完成できるのか、さらにはハード、ソフトの両面にわたった都の支援はあるのかという危惧の念があらわれておりました。
 そこで、都は開場に向け、今後、市場業界の危惧にどのように対応していくのか伺います。

○加藤新市場整備部長 豊洲新市場の開場に向けまして、今後は都や市場業界が進める工事といったハード面の整備のみならず、場内物流を初めとしたソフト面の取り組みも一層促進させ、世界に誇れる新市場を着実に整備していくことが重要でございます。
 このためハード面では、一千件以上に上る市場業界が行う全ての造作工事案件につきまして、事前相談や設計アドバイスを含め都が主体的にかかわり、きめ細かに調整を行うことにより、遅滞なく工事を進めてまいります。
 また、物流等のソフト面につきましては、都が行った物流調査をもとに、現在、業界団体と協力して、出荷時の車両数やその割り当てなど、施設の効率的な運用の検討をしており、施設の管理方法も含め、できるだけ早期に物流全体の具体的な方向性を市場業界とともに取りまとめてまいります。
 このように、ハード、ソフト両面にわたる市場業界の取り組みに都が積極的に関与し全体調整を図ることにより、市場業界がより円滑に移転できるように、具体的な道筋を早期につけていくことで、その不安を解消させてまいります。

○三宅(正)委員 豊洲新市場の円滑な開場に向け、都として十分な取り組みを進めていただきたいと思います。
 豊洲新市場整備については、土壌汚染対策工事の完了と開場時期の決定という大きな節目のときを迎えました。
 そこで、豊洲新市場開場に向けた市場長の決意をお伺いしたいと思います。

○岸本中央卸売市場長 築地市場は、長年にわたり首都圏の代表的な基幹市場として、都民の食生活を支えてまいりました。
 しかしながら、昭和十年の開場以来、既に八十年近くが経過し、施設の老朽化や狭隘化が著しく、時代のニーズに応えることが難しくなっております。このため、これまで抜本的な施設改善に向けてさまざまな検討が行われてまいりました。
 過去には、現在地での再整備を目指したこともございましたが、再整備に必要な種地の確保ができず、営業を継続しながらの整備は市場業者の経営に深刻な影響を与えることが明らかになりましたことから、豊洲移転へと大きくかじを切ったわけでございます。
 豊洲への移転が先に延びれば延びるほど、市場業者の経営が一段と厳しくなるのは明らかであり、移転は待ったなしの状況にございます。
 本年十月末をもちまして、土壌汚染対策工事が完了し新市場用地の安全性が確認できましたこと、また、開場時期を平成二十八年十一月上旬と市場業界との間で合意できましたことは、委員お話しのとおり、一つの節目を迎えたものでございまして、これを契機に豊洲新市場の整備を一層加速させていきたいと考えております。
 現在では、築地市場の業界六団体も円滑な豊洲移転を望んでおります。今後、都と市場業界の協力体制を一層強固なものとし、開場に向けたさまざまな課題の解決を図ってまいります。
 豊洲新市場を、高度な品質、衛生管理機能や効率的な物流機能を備えた我が国を代表する先進的な市場として整備し、世界一の都市東京の食を支える卸売市場としていくことができますよう、豊洲新市場の整備、開場に向け総力を挙げて取り組んでまいります。

○三宅(正)委員 市場長の決意を我々も重く受けとめましたので、積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 土壌汚染対策工事の完了と開場時期の決定を契機に、豊洲新市場を世界一の市場とするため、取り組みをより一層加速させていくことを求め、質問を終わります。

○加藤委員 私からも、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策工事の完了について、若干質問をさせていただきます。
 築地市場は開場から八十年近くが経過しており、老朽化も著しく、品質管理や衛生面などからも時代のニーズにマッチしがたい状況となっています。
 このため都では、産地や顧客、消費者のニーズに的確に応えられる新たな基幹市場として、豊洲新市場の整備を行うこととしましたが、整備に当たって、ガス工場操業に由来する汚染の除去、浄化が最も重要な課題でありました。
 そのため、都としては平成二十三年八月から三年を超える長期間にわたり、これまでに類を見ない万全な対策を進めてきたところであると認識していますが、改めて土壌汚染対策の理念とその内容について伺います。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地における土壌汚染対策は、我が国を代表する学識経験者により、科学的知見から、人が生涯この土地に住み続けても健康への影響がなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保するものとして提言を受けた万全な対策でございます。
 具体的には、ガス工場操業地盤面から下二メートルについては、汚染の有無にかかわらず敷地全体を全てきれいな土に入れかえ、さらに、その上に二・五メートルのきれいな土による盛り土を行うことで、合わせて四・五メートルのきれいな土で覆う。また、ガス工場操業由来の汚染土壌につきましては全て掘削除去するとともに、汚染地下水については全て環境基準以下に浄化する。さらに、地震時に備え液状化対策も行うなど、総合的な対策工事を実施してまいりました。
 先月二十七日に開催した第十八回技術会議において、こうした対策工事が全街区において完了したことを確認していただいたことにより、都としては、豊洲新市場用地としての安全性が確認できたものと認識しております。

○加藤委員 このような万全な対策を施した土壌汚染対策工事の完了について、技術会議にて確認を受け、今、答弁がありましたとおり、人が生涯この土地に住み続けても健康への影響がなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保するものとして提言を受けた万全な対策であると、この表現はすごいことだなと思っているんですけれども、都として、こうしたことを受けまして、豊洲新市場用地の安全性を確認したことは大変重要なことだと思います。
 そこで、技術会議において確認された安全性を都民の安心につなげていくことが重要であり、それが開設者である都の大きな使命であると考えます。
 今後、この都民の安心につなげていく具体的な取り組みにつきまして伺います。

○若林基盤整備担当部長 副委員長ご指摘のように、今後は、都民や市場関係者の安心に資するよう永続的に徹底したリスク管理を行っていくことが重要であると認識しております。
 そのため、地下水のモニタリングや、地下水管理システムによる地下水質の監視や地下水位の管理に取り組んでまいります。
 具体的には、本年十一月に開始したモニタリングにつきましては、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインに定められた手法により、三つの街区合わせて二百一カ所の観測井を設置して、この十一月から年四回、地下水管理システムが稼働するまでの期間、地下水質を監視してまいります。
 また、専門家会議や技術会議の提言を受けた地下水管理システムにつきましては、各街区に浄化施設を設けるとともに、三つの街区合わせて五十八カ所の揚水井戸と二十一カ所の地下水位観測井戸等を設置しまして、継続的に地下水の水位や水質を監視してまいります。

○加藤委員 地下水のモニタリングや地下水管理システムにより継続した地下水の水位や水質の監視を行い、都民や市場関係者の安心を確保していくことはよくわかりました。
 こうした安心を確保する取り組みにとって最も重要な点は、市場関係者に対してはもちろんのこと、豊洲新市場で流通する生鮮食料品の消費者である多くの都民の皆様に対し、新市場用地の安全性を安心につなげる取り組みを知ってもらい、理解してもらうことであると思います。
 そのため、今後、都が行っていく取り組み等につきましては、積極的に情報を発信していくべきと考えますが、都の認識を伺います。

○若林基盤整備担当部長 これまで都が実施してきました万全の対策について、広く都民に情報提供をしていくことが重要であると認識しております。
 そのため、地下水のモニタリング等の結果につきましては、関係者間での情報共有や意見交換の場として設置した、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会やホームページ等を通じて情報提供をしてまいります。
 また、現在実施している新市場用地等をバスでめぐるセミナーや豊洲新市場に関するイベントなど、さまざまな機会を捉えまして、これまで取り組んできた豊洲新市場用地における土壌汚染対策の概要についてわかりやすく説明するなど、広く都民の理解を得られるよう取り組んでまいります。

○加藤委員 ただいまの答弁のとおり、さまざまな機会を捉え、多くの都民や市場関係者の皆さんへ情報を発信していただきたいと思います。
 三年にわたり都が取り組んできた土壌汚染対策工事の完了により、新市場用地の安全性が確認されたことを、都民に対してしっかり伝えることにより安心につなげ、開場に際しては、新市場用地の土壌汚染の問題は完全に過去のことと、そのように都民にいわれるよう、引き続き取り組んでいただくことを強く願って質問を終わります。

○かち委員 私からも、豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事の完了についてと新市場開場時期の決定についての報告に関して、何点か質問いたします。
 十一月二十七日に、技術会議において豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事の完了についての報告がありました。
 ここで、都として安全性が確認できたものとの認識とありますが、この技術会議で安全性を確認したという結論が出されたのかどうかをお聞きします。

○若林基盤整備担当部長 都では、豊洲新市場用地の安全・安心を確保するための対策の策定、対策実現のための具体的な技術、工法について検討する目的から、学識経験者による専門家会議及び技術会議を設置し、その提言に基づく対策を実施してまいりました。
 当該用地における土壌汚染対策は、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去し、汚染地下水は環境基準以下に浄化するなど、法の求める措置を上回る二重、三重の対策を実施してきたものでございます。
 こうした対策工事が完了したことについて、客観的なデータに基づき、先月二十七日の技術会議において確認を受けたものでございます。
 具体的には、汚染土壌が所定の深さまで確実に除去されたことを示す測量記録及び工事写真、除去された土壌が適切に搬出されたことを示す運搬記録などに加え、汚染地下水の対策完了時に実施した水質分析結果が環境基準以下にあったこと、さらには対策完了後、一定の期間を置いて対策効果を確認するため、専門家会議で実施した詳細調査で汚染濃度が高かった地点などで実施した大気、地下水、土壌の調査結果が全て法令等で定められた基準以下であったことなどについて確認を受けたものでございます。
 専門家会議及び技術会議の提言に基づく対策工事が完了したことを受けまして、都としては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識してございます。

○かち委員 今るるご答弁をいただきましたけれども、結論として、技術会議では土壌汚染対策工事の完了を確認したということであって、この技術会議において安全性を確認したということではないということがわかりました。
 しかしながら、矢木座長が当日、正規の会議の中で安全性が確認できたと発言されたことは、個人的見解というものではないわけです。今のご答弁との関係でもそごが生じていると思いますので、早急に議事録の提出を求めておきます。
 専門家、技術会議の提言を受けて行った対策工事が終了した時点で、基準値を超えるようなデータが出たら、それこそ欠陥工事であったのかという大問題になることです。土壌汚染対策工事を完了して、この間異常データが出なかったということは最低限必要なことであり、当然のことでなければなりません。
 しかし、この技術会議において工事の完了を確認しても、安全性を確認したとはいえないのです。土壌汚染対策法では、法を上回る対策を実施したとしても、浄化されたかどうかの担保は地下水の二年間モニタリングの結果によるものなんです。
 本来なら、このような土壌汚染地域においては余り拡散せず現状保全すべきものなんです。それを新市場予定地では、地層から二メートルの土壌を全部入れかえ、汚染土壌を洗浄などで処理をして埋め戻すなど、地層を大きく攪拌してしまったことなどによる新たな溶出のリスクが高いわけです。
 だからこそ、最低でも二年間の地下水モニタリングが必要なんだということを、私は環境省からも確認をしました。そうでなければ浄化の完了とはいえない。浄化の完了イコール安全性の確保ということなんです。浄化の完了とはいえないということです。
 これ、違いますか。もし違っているならご答弁ください。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地につきましては、我が国最先端の知見や技術をもって進めてきた土壌汚染対策工事が全街区において完了し、技術会議において確認を受けたことから、都としては、市場用地の安全性が確認できたものと認識しております。繰り返しになりますけれども、認識しております。
 豊洲新市場用地において先月から開始した地下水のモニタリングは、永続的なリスク管理の一環として、地下水管理システムが本格的に稼働する開場までの間、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインに定められた手法により実施するものでございます。
 市場用地の安全性については技術会議において確認できたものと考えており、今後は実施した地下水のモニタリング結果を広く情報提供することにより、都民や市場関係者の安心に資するよう取り組んでいくものでございます。

○かち委員 私も土壌汚染対策法や施行規則等、ガイドラインも見ました。それを見れば必ず、工事完了後二年間のモニタリングで継続的に異常がないことを確認して浄化の完了といえると、どこにでも書いてあるんですよ。それを無視して、都は、安全を確認できたというのはおかしいんじゃないですか。
 対策工事完了後、形質変更時要届け出区域という区域指定は解除されませんよね。土壌汚染対策法による形質変更時要届け出区域の指定が解除されないのはなぜでしょうか。

○若林基盤整備担当部長 土壌汚染対策法では、自然由来の物質が存在する場合、形質変更時要届け出区域が残ることになり、この豊洲新市場用地においても同様でございます。
 土壌汚染対策法の形質変更時要届け出区域とは、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生じるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域とされており、土地の形質変更の際に、あらかじめその計画を届け出れば足りるというものでございます。
 一方都では、豊洲新市場用地の安全・安心を確保するための対策の策定、対策実現のための具体的な技術、工法について検討する目的から、学識経験者による専門家会議及び技術会議を設置し、その提言に基づく対策を実施してまいりました。
 当該用地における土壌汚染対策は、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去し、汚染地下水は環境基準以下に浄化するなど、繰り返しになりますけれども、法の求める措置を上回る二重、三重の対策を実施したものでございます。
 こうした万全な対策をとっていることから、形質変更時要届け出区域が残ることをもって、市場用地の安定性に問題があるとは考えておりません。

○かち委員 今のご答弁の中にあった自然由来の物質というのはヒ素のことですね。当該地の調査によって、一部の基準値を超えたものについては対処されておりますけれども、自然由来だということで全域的な調査も対策もとっていない。だからこの区域指定は将来にわたって残るんだということです。
 形質変更時要届け出区域は、摂取経路がなく健康被害の生ずるおそれがないから、汚染の除去等は必要ない区域だといわれましたが、摂取経路とは何か。井戸を掘るとか地下水を飲むとかいう例示しかないわけですが、土壌汚染された土地に生鮮食料を扱う市場が設置されることは、そもそも想定されていないんです。土壌汚染対策法の考え方では説明できません。だから、都民の皆さんは何よりも安全・安心の確保を求めているんです。
 形質変更時に、ただ届け出を出せば足りるものだという、いとも軽く認識されているいい方ですけれども、その区域から土壌を搬出する際は汚染土壌として扱い、汚染土壌処理施設への搬送が求められるものなんです。
 改めてお聞きしますが、汚染対策工事が終了したことによって、浄化の完了も確認していないにもかかわらず、東京都は安全性が確認できたといっています。
 都が安全性を確認できたとする科学的根拠、法的根拠をそれぞれお示しください。

○若林基盤整備担当部長 生鮮食料品を扱う市場用地としての安全・安心を十分確保する観点から、専門家会議において、敷地面積を十メーターメッシュに分割し、区画ごとに一地点の密度で土壌、地下水の詳細調査を実施し、平面方向の汚染状況を把握するとともに、詳細調査で一定の汚染物質が検出された箇所において、絞り込み調査などにより、深さ方向の汚染状況を確実に把握してまいりました。
 これら調査に基づきまして、豊洲新市場用地においては、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削し、汚染地下水は環境基準以下に浄化するなど、法の求める措置を上回る二重、三重の対策を実施したものでございます。
 こうした対策工事が完了したことについて、客観的データに基づき、先月二十七日の技術会議において確認をしており、これを受け、都としては、新市場用地の安全性が確認できたものと認識しております。
 一方、豊洲新市場用地は、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生じるおそれがないため、先ほどから答弁していますとおり、形質変更時要届け出区域になっており、土地の形質変更の際にあらかじめその計画を届け出れば足りるというものでございます。

○かち委員 いろいろ述べられましたけれども、肝心な、安全が確認できたかどうかの科学的根拠、法的根拠についての答弁はありませんでした。
 やったことをいろいろ述べられましたが、やっていないことの方が多いのではないでしょうか。四千カ所を調査したうち、地下を掘り、詳細調査したのは猛毒のシアンでは約二五%にすぎず、残りは調査していません。ベンゼンについては一五%しか調査していないんです。
 法を上回る対策だということを強調されますが、そもそも法律では、これだけの広大な土地で、基準値の何万倍ものベンゼンや何百倍ものシアンなどが検出されたガス工場跡地に生鮮食料を扱う市場を建設するということは想定されていません。法を上回る対策が必要なことは当然です。
 かつ、地下水浄化についても二年間のモニタリングが求められているんです。東京ガス田町工場では、十メートルメッシュで実施しています。豊洲新市場予定地では、少なくとも千二百九十八カ所の汚染対策を行っているにもかかわらず、地下水モニタリングは二百一カ所でしか行っていないではありませんか。法を上回るどころか、田町工場でやっている水準をも下回るものです。
 豊洲新市場予定地と同規模の広さや深さでベンゼン四万三千倍、シアン八百六十倍などの超高濃度の汚染地で、対策工事をやっただけで二年間のモニタリングもせず、土対法に基づいて安全確認がされた例がほかにあるのでしょうか。

○若林基盤整備担当部長 先ほど来、理事の方から安全性について何度もご質問されておりますけれども、ご指摘されるまでもなく、安全性については十分担保されているというふうに考えております。
 その上で、先ほどいわれました安全性についての法的根拠について、若干述べさせていただきます。
 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、豊洲新市場用地は、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害のおそれが生じることがないため、土壌汚染対策法における形質変更時要届け出区域になっており、土地の形質変更の際にあらかじめその計画を届け出れば足りるというものでございます。
 一方都では、豊洲新市場用地の安全・安心を確保するための対策の策定、策定実現のための具体的な技術、工法について検討する目的から、学識経験者による専門家会議及び技術会議を設置し、その提言に基づき、これも先ほどから申しておりますけれども、土壌汚染対策法の求める措置を上回る二重、三重の対策を実施してまいりました。
 こうした提言に基づく対策を実施していることから、市場用地の安全性に問題があるというふうには考えておりません。
 土対法による安全が確認された例があるかということでございますが、豊洲新市場における土壌汚染対策は、これも繰り返し述べておりますけれども、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去し、汚染地下水は環境基準以下に浄化するなど、法の求める措置を、これも同じことを繰り返しますが、措置を上回る二重、三重の対策を実施してきたものでございます。
 こうした汚染対策工事が完了したことにつきまして、汚染土壌が所定の深さまで確実に除去されていることを示す測量記録及び工事写真、除去された土壌が適切に搬出されたことを示す搬出記録などに加えまして、汚染地下水の対策完了時に実施した水質分析結果が環境基準以下であったこと、さらには対策完了後、一定の期間を置いて対策効果を確認するため、専門家会議で実施した詳細調査で汚染濃度が高かった地点などで実施した大気、地下水、土壌の調査結果が全て法令等で定められた基準以下であったことなど、客観的なデータに基づいて、技術会議において確認を受けたものであります。
 これを受けまして、都としては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識してございます。
 これだけの規模の土地で、万全な土壌汚染対策を実施した例は他にないものと考えております。
 なお、専門家会議で、豊洲新市場用地において四千百二十二カ所の詳細調査を行った結果、四万三千倍という濃度のベンゼン及び八百六十倍という濃度のシアン化合物が検出されたのは、同一区画内の一区画のみでございます。

○かち委員 ご答弁は先ほどから同じことを繰り返されているんですけれども、その安全性が確認できたということは技術会議ではいっていないわけですよね。技術会議の工事完了を受けて、都は安全性を確認したといっているけれども、なぜ確認できないかといえば、土壌をとにかく攪拌しているわけですよ。
 土壌というのは、やっぱり落ちつかないと新たな溶質、有害物質が溶けてくる可能性があるんだと、だから、二年間はしっかりモニタリングをして出ていないということを確認しなければ、浄化の完了にはならないんだと、浄化の完了イコール安全の確認ですよ。
 法的にもできないといっているのに、東京都がとにかくできるんだ、できるんだと、今まで以上の、法以上のことをやっているからいいんだというけれども、工事が終わった時点だけでは判断できないというのが法の解釈なんですから、そこのところを皆さんは無視しているというのは大問題だと思いますよ。
 対策工事をやっただけで、法律に基づいて安全確認された例があるかどうかとお聞きしたんですが、それについても答弁はありませんでした。実例はないんです。法律でそんなことは認められていないんです。
 豊洲新市場用地の現場で行われてきた地下水汚染対策での処理工事は、もともとどれだけの地下水があるかということをどのように調査し、どのような状態にあると確認しているのでしょうか。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地における汚染地下水の対策は、専門家会議の提言に基づきまして、ガス工場操業に由来する汚染物質を対象に、環境基準を上回る濃度の汚染が検出された箇所において実施したもので、敷地面積を十メーターメッシュに分割し、区画ごとに一地点の密度で地下水を調査し、その結果、千二百九十八カ所で汚染地下水対策を実施いたしました。
 対策に当たりましては、区画ごとに鋼矢板で囲い、隣接区画の地下水などに影響を及ぼすことがないよう浄化開始前の地下水位を維持しながら、対策範囲内における汚染地下水の揚水ときれいな水による復水を数回繰り返し、浄化を行うものでございます。
 対策完了後は、区画ごとに地下水質が環境基準以下であることを確認した段階で浄化完了としております。
 このように、十メーターメッシュごとに汚染地下水を全て浄化する対策を講じており、新市場用地全体における当初の地下水量の調査や確認は必要がないものでございます。

○かち委員 新市場予定地の全体における当初の地下水量の調査は確認していないということですが、その汚染地下水のくみ上げについて、どれだけの水がくみ上げられたのか、その量はどういうデータをとって把握しているんですか。

○若林基盤整備担当部長 先ほども答弁しましたとおり、対策に当たっては、区画ごとに鋼矢板で囲い、隣接区画の地下水などに影響を及ぼすことのないようにしておりますので、浄化開始前の地下水位を維持しながらということで、繰り返しになりますけれども、対策範囲内における汚染地下水の揚水、きれいな水による復水を数回繰り返し、浄化を行うものでございます。
 したがいまして、新市場用地全体における当初の地下水量の調査や確認は必要がないものでございます。
 先ほどから同じことを繰り返しますけれども、十メーターメッシュを一つの単位として対策を実施しておりますので、用地全体の地下水のくみ上げ総量の確認は必要がないものでございます。

○かち委員 汚染地下水のくみ上げ総量の確認はしていないということです。
 清浄な水を注入した量についてはどのように把握し、地下水にどのように浸透しているかを調査、確認はしているのでしょうか。

○若林基盤整備担当部長 これにつきましても、十メーターメッシュを一つの単位として対策を実施していることから、用地全体の、注入したきれいな水の量や浸透量の確認は必要ないものでございます。

○かち委員 確認していない。地下水対策工事での地下水の汚染濃度は、どのような状況にある地下水から採取したものを測定しているのですか。

○若林基盤整備担当部長 対策完了につきましては、先ほど来申し上げているとおり、区画ごとに一定期間、揚水と復水を繰り返しまして、まず、簡易で迅速な分析法である簡易法により二回から三回程度の水質分析を行い、連続して環境基準以下であることを確認いたします。
 その後、国際機関や国、公定試験機関などにおいて指定された方法である公定法により、対象とされた汚染物質が環境基準以下であることを確認することで、浄化が終了したと判断しております。

○かち委員 地下水全体の現況も把握されていない。十メートルメッシュごとの汚染地下水の濃度も、量も、揚水した量も、復水した水の量も、調査も把握もしていないと、極めて機械的にメッシュの中の水を入れかえただけということです。
 専門家にお聞きしましたが、どういう地下水の状態かを判断するために、水の基本的水質を確認するための各種のイオン濃度、伝導率、pHなどを克明に記録し、地下水を分析するというのはイロハの問題だということです。それさえやられていない。
 これでは、土壌に付着している汚染物質が取れたかどうかわかりません。汚染された地下水が注入された清浄な水とどの程度入れかわっているかを判断するデータもありません。単に汚染水が清浄な水で薄まっただけかどうかもわかりません。こんなことで、浄化されたかどうかの判断ができるわけがないではありませんか。
 十一月二十七日の技術会議の結果を受け、都は安全確認できたとして、新市場建設協議会を師走という最も繁忙期の中、二日前に招集という強行なやり方で開催されました。議題は一つ。新市場開場時期を平成二十八年十一月上旬と決定したとの報告ですが、その時期に決定した理由、そしてまた、その協議会の中で出された主な意見、要望はどのようなものでしたか。

○加藤新市場整備部長 豊洲新市場の開場時期につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたが、これまで都と市場業界との間で幾度となく意見交換を重ね、今月十七日の新市場建設協議会におきまして、市場業界の最終合意を得て、都として平成二十八年十一月上旬と決定したものでございます。
 開場時期を平成二十八年十一月上旬としました理由でございますが、本体施設の竣工後に引き続いて行う、ふくそうが見込まれる市場業界による造作工事の工期や施設の習熟期間など一定の準備期間が必要であること、年末年始の繁忙期を避ける必要があること、加えまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に間に合うよう環状二号線を整備するためには、平成二十九年四月までに築地市場内の該当箇所の解体を終え、工事に着手する必要があることなどを総合的に勘案したためでございます。
 また、十七日の新市場建設協議会においては、市場業界からは、円滑な移転を実現するためには都によるハード、ソフト両面にわたる積極的な支援が必要であるなどとの意見をいただいております。

○かち委員 いろいろお聞きしましたけれども、平成二十八年十一月の開場ということは、その前に農水省からの許可が出されていなければなりません。平成二十八年三月末までの完成予定ですから、当然申請を出すわけですが、その時点では二年間のモニタリングの結果は出ていません。法に基づく浄化確認もしないまま、農水省が許可を出すとしたら問題です。
 協議会における開場時期の決定の主な理由は、オリンピック・パラリンピックまでに環状二号線の整備を終えていなければならないというのが最大の理由だということも察せられます。
 しかし、新市場の施設整備や動線問題などなど解決すべき課題は山積しているのに、見通しが持てない中、オリンピックという国家的な課題を引き合いに出されてタイムリミットだけを決定しなければならないという状況では、困難を抱える仲卸業者の方々を初め、業界の皆さんがさらに追い詰められかねません。
 専門家である技術会議においても安全確認はされていない中、科学的、法的根拠もなく、都がひとり安全確認ができたなどということは撤回すべきであるということを述べ、私の質問を終わります。

○加藤新市場整備部長 委員、ただいま新市場の開場時期が環状二号線の整備ありきではないかというようなご指摘がございました。
 先ほどから繰り返しますが、豊洲新市場の開場時期につきましては、市場業界との間で幾度となく意見交換を重ねまして、新市場建設協議会において最終合意を得て、都として決定したものでございます。
 環状二号線の整備スケジュールは開場時期を決めるための一つの重要な要素ではございますが、先ほどご説明しましたとおり、本体施設の竣工に引き続いて行う、ふくそうが見込まれる市場業者による造作工事の工期や施設の習熟期間など一定の準備期間が必要であること、また、年末年始の繁忙期を避ける必要があること、こういったことを総合的に勘案して決定したものであり、環状二号線の整備ありきで開場時期を決定したものではございません。

○田中(健)委員 豊洲新市場における土壌汚染対策工事の完了についてご報告がなされましたので、それについて伺います。
 今回の報告では、全街区において土壌汚染対策工事が終了したということであります。幾つかの質問は他の委員とも重なっている部分がありますが、確認のため伺いたいと思います。
 その後も豊洲新市場用地には、まず区域指定、先ほども幾つか話がありましたが、これが残るのかということから確認をしたいと思います。

○若林基盤整備担当部長 土壌汚染対策法では、自然由来の物質が存在する場合、形質変更時要届け出区域が残ることになり、豊洲新市場用地においても同様でございます。
 そもそも土壌汚染対策法の形質変更時要届け出区域とは、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生じるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域とされております。
 一方、豊洲新市場用地における土壌汚染対策は、ガス工場操業地盤面から下二メートルについて、汚染の有無にかかわらず敷地全体を全てきれいな土に入れかえ、さらにその上に二・五メートルのきれいな土による盛り土を行うことで、合わせて四・五メートルのきれいな土で覆っております。
 また、ガス工場操業由来の汚染物質については全て掘削除去するとともに、汚染地下水については全て環境基準以下に浄化するものであります。
 こうしたことから、形質変更時要届け出区域が残ることをもって、市場用地の安全性に問題があるとは考えておりません。

○田中(健)委員 区域指定が残るということで、いわゆる自然由来の物質が残るということでも、今お話がありましたが、汚染物質が検出される可能性がないというのはいい切れないということであります。
 豊洲新市場において都が実施する、これから行われます地下水モニタリングでは、環境基準を超える汚染が検出されるということがこの話の中であり得るのか、また、あった場合、そのときの都の対応についてを伺いたいと思います。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地における土壌汚染対策は、我が国を代表する学識経験者に、科学的知見から、人が生涯この土地に住み続けても健康への影響がなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保するものとして提言を受けた万全な対策でございます。
 万が一、モニタリングの結果から、状況の確認や対策の検討を行う必要が生じた場合には、専門家の知見もいただきながら、市場関係者や都民の安心や理解が得られるよう適切な対応に努めてまいります。

○田中(健)委員 かつて、この土壌汚染対策においては、調査結果としてマスコミがいち早く報じたことなどから、土壌汚染対策において都の隠蔽体質があるんじゃないかといった指摘もされたことがありました。このような事態は今後二度と起きてはいけないと、生じさせてはいけないと思っております。
 地下水のモニタリングで、先ほど万が一というのがありましたが、仮に汚染物質が検出された場合でも、その状況をありのままに報告すべきことが第一かと考えていますが、その場合の都の認識についてを伺います。

○若林基盤整備担当部長 都はこれまでも、土壌汚染対策に関する全ての調査結果を情報提供するなど、積極的に都民や市場関係者の理解が得られるよう努めてきたところでございます。
 今後とも、地下水のモニタリングの結果等につきましては、関係者間での情報共有や意見交換の場として設置した、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会やホームページ等を通じて情報提供してまいります。

○田中(健)委員 都民としては、やはりありのままに報告をしてもらい、また、それに対してしっかり対策をすることを望んでいると思いますので、今、しっかりと全ての情報を、これまでもしてきた、そして今後もということでありますので、引き続き情報はありのままに報告をしてもらいたいと思います。
 その中で、これまで我が党は、土壌汚染対策についてより万全を期するように、これは平成二十四年の予算特別委員会の締めくくりの総括でも求めてきたところでありますが、地下水の上昇、すなわち毛細管現象を防止するための砕石層について、この機能を果たすよう設置することを求めてきましたが、今回、この砕石層の機能を果たすような設置がなされているのかどうか伺います。

○若林基盤整備担当部長 豊洲新市場用地の土壌汚染対策においては、専門家会議及び技術会議の提言に基づき、毛細管現象による地下水の上昇を防ぐため、A.P.プラス二・〇からA.P.プラス二・五メートルに砕石層を設置しております。
 工事に当たりましては、将来、盛り土をすることによる地盤沈下が予測されたため、盛り土による沈下を見込み、砕石層厚が維持されるよう、盛り土の厚さに応じて、五街区では六十センチから九十センチ、六街区では七十センチから百二十センチ、七街区では五十センチの砕石を設置しております。

○田中(健)委員 砕石層の対策はなされているということを確認させてもらいました。
 また、同じく平成二十四年の予算特別委員会で、今後、永続的に地下水のモニタリングを実施するという旨の答弁をいただいておりますが、その趣旨と、実際の今後の対応についてを伺います。

○若林基盤整備担当部長 先月二十七日に開催した技術会議におきまして、土壌汚染対策工事が全街区において完了したことを確認していただいたことにより、都としましては、豊洲新市場用地としての安全性が確認できたものと認識しております。
 今後は、地下水のモニタリングや地下水管理システムにより、継続した地下水質の監視など、生鮮食料品を扱う市場の用地として永続的に徹底したリスク管理を行い、都民や市場関係者の安心に資するよう取り組んでまいります。
 なお、地下水のモニタリングを実施した結果につきましては、土壌汚染対策法上の台帳記載事項の変更等の手続にも活用してまいります。

○田中(健)委員 今、答弁の中で永続的に徹底したリスク管理を行い、都民や市場関係者の安心に資するよう取り組んでいくといった答弁がありましたが、都民や市場関係者の安心のためには、まさに今いった、永続的にこれからも、地下水モニタリングを中心にして徹底したリスク管理を行って、都民や市場関係者の安心を担保していくことが必要だと思っております。また、それを適切に運用していく必要もあると思っております。
 その中で、これまで行ってきました土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会があったかと思いますが、これまでの開催状況と今後の開催時期についてを伺います。

○若林基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会につきましては、リスクコミュニケーションのために平成二十四年七月に設置しましたもので、これまで土壌汚染対策工事の進捗状況や地下水管理システムの検討状況について、五回にわたり情報提供や意見交換を行ってまいりました。
 今後とも、地下水のモニタリングの実施や地下水管理システムの整備などの機会を捉えて適宜協議会を開催し、都民や市場関係者の理解が得られるよう努めてまいります。

○田中(健)委員 今度は技術会議についてを伺いたいと思っておりますが、先月末に開催された技術会議においては、全街区の土壌汚染対策工事の完了が確認されたという報告がありました。
 しかし、技術会議はこれで終了するのではなく、先ほどからの話で、地下水の管理システム等がまさにこれから運用されていくということでありますから、この状況を見きわめたり、今後も必要に応じて適宜適切に開催できるようにすべきと考えておりますが、今後、この技術会議というのはどのような位置づけになるのか伺います。

○若林基盤整備担当部長 技術会議は、豊洲新市場用地における土壌汚染対策について専門家会議の提言を踏まえ、都が実施する土木工事の技術、工法等の評価、検証及び施工内容の助言や確認することを目的として設置したものでございます。
 これまで都では、平成二十年八月に技術会議を設置して以降、六年以上にわたり計十八回開催してまいりました。
 その間技術会議では、汚染土壌対策、汚染地下水対策、液状化対策などに関するすぐれた技術、工法を組み合わせた土壌汚染対策について提案するとともに、その対策が完了したことについて確認してきました。
 今回開催した技術会議で、土壌汚染対策工事が全街区において完了したことの確認を受けたことにより、技術会議の設置目的はおおむね達成できたものと考えております。
 今後は、専門家会議及び技術会議の提言に基づく地下水管理システムの整備に関する進捗状況などを適宜報告し、必要に応じ助言を受けてまいります。

○田中(健)委員 適宜これからも開催をしていくということを聞きました。
 万が一、冒頭に質問したモニタリングの結果から、そのような自然由来の物質の影響があった場合ということも考えられますし、開場まではまだ気が抜けない工事も続いていくと思っております。
 市場関係者はもちろん、何といっても都民ともコミュニケーションをとって、先ほどのバスツアーや説明会を行うというのも他の委員からの質問でもありましたが、続けていっていただき、これまで以上に安全・安心できる豊洲新市場の開場に取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。
 以上です。

○近藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○近藤委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○近藤委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○近藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○近藤委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、中央卸売市場長から発言を求められておりますので、これを許します。

○岸本中央卸売市場長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言お礼のご挨拶を申し上げます。
 近藤委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご指導につきましては、十分に尊重をさせていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、私ども所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○近藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後二時六分散会

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