委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 栗林のり子君 |
副委員長 | 田中たけし君 |
理事 | 高橋 信博君 |
理事 | 中村ひろし君 |
理事 | かち佳代子君 |
小松 大祐君 | |
柴崎 幹男君 | |
中山ひろゆき君 | |
尾崎あや子君 | |
谷村 孝彦君 | |
菅野 弘一君 | |
木内 良明君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 山本 隆君 |
次長 | 藤田 裕司君 | |
総務部長 | 村松 明典君 | |
産業企画担当部長 | 久原 京子君 | |
商工部長 | 十河 慎一君 | |
金融部長 | 松永 竜太君 | |
金融監理部長 | 片山 謙君 | |
金融支援担当部長 | 西川 泰永君 | |
観光部長 | 杉崎智恵子君 | |
農林水産部長 | 寺崎 久明君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長 | 武田 直克君 | |
雇用就業部長 | 矢田部裕文君 | |
事業推進担当部長 | 久我 英男君 | |
就業施策担当部長 | 貫井 彩霧君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 岸本 良一君 |
管理部長 | 坂巻政一郎君 | |
事業部長 | 野口 一紀君 | |
新市場整備部長 | 加藤 仁君 | |
市場政策担当部長 | 日浦 憲造君 | |
財政調整担当部長 | 金子 光博君 | |
移転支援担当部長 | 長田 稔君 | |
新市場事業推進担当部長 | 飯田 一哉君 | |
基盤整備担当部長 | 若林 茂樹君 | |
施設整備担当部長 | 中山 衛君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲新市場(仮称)(二十六)水産卸売場棟ほか建設消火設備工事
・豊洲新市場(仮称)青果棟付帯施設基礎工事
・豊洲新市場(仮称)水産仲卸売場棟付帯施設基礎工事
・豊洲新市場(仮称)六・七街区連絡通路建設工事(上部工)
産業労働局関係
契約議案の調査
・第百七十七号議案 東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
・第百七十八号議案 東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
・第百七十九号議案 東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
・第百八十号議案 東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
・第百八十一号議案 東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、債務負担行為 産業労働局所管分
・第百七十号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・平成二十五年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価について
・新銀行東京の「平成二十七年三月期第一・四半期決算」について
○三宅委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十六年九月二十五日
東京都議会議長 吉野 利明
経済・港湾委員長 三宅 正彦殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百七十七号議案 東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
第百七十八号議案 東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
第百七十九号議案 東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
第百八十号議案 東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
第百八十一号議案 東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
2 提出期限 平成二十六年九月二十九日(月)
○三宅委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の付託議案の審査及び契約議案の調査並びに中央卸売市場及び産業労働局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
報告事項、豊洲新市場(仮称)(二十六)水産卸売場棟ほか建設消火設備工事外三件に対する質疑を一括して行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○尾崎委員 報告された工事請負契約に関連して、幾つか質問いたします。
今回の契約案件のうち、附帯施設の基礎工事は、私が第一回定例会で質疑し、建設工事の再入札に当たって予算の範囲内で再発注できるようにするために、青果棟では、小口買参積み込み場など後の工事に回すことが明らかになりました。先送りするものについては、随意契約か設計変更によるものか、どの程度の増加を見込んでいるのかなど、都からはっきりした答弁がありませんでした。
今回、先送りされたものが報告されましたので、その後どうなっているのか確認しておきたいと思います。
今回の報告の中で、青果棟五街区、水産仲卸棟六街区の附帯施設基礎工事の契約が入っていますが、水産卸棟七街区の附帯施設の基礎工事契約についてはどうなっているのでしょうか。
○中山施設整備担当部長 五街区、六街区同様に、それ以外の七街区の水産卸売り場棟の附帯施設基礎工事についても契約しておりまして、その内容は、既に都のホームページで公表しております。
なお、契約金額は約六億五千万円でございます。
○尾崎委員 当初、本体工事の契約の中で行う予定だった各売り場棟周囲に設置される附帯施設の基礎工事については、全ての街区で契約が済んだということになります。その総額は三十三億円です。
附帯施設の基礎工事契約では、どれも土壌汚染対策工事を請け負った各街区の企業を中心とする企業グループとの特命随意契約となっています。ということは、先送りされたほかの附帯施設工事も同様に、同じ企業グループに特命随意契約となる可能性が極めて大きいことになります。
この土地の土壌汚染状況に精通している業者でなければ、管理コストがかかり、本体の建設工事を請け負った各街区の企業を中心とする企業グループでなければ契約が困難となることからも、施工業者は限定されます。豊洲新市場予定地の深刻な土壌汚染は、建設工事費についても高目にならざるを得ない構造をつくっているということになります。
都民からは、工事がどこまで進み、幾らかかっているのかわからないとの声があります。
そこで、今回の工事契約も含め、五街区、六街区、七街区、それぞれの土壌汚染対策を除く発注状況と建設費用はどうなっているか伺います。
○中山施設整備担当部長 豊洲新市場建設工事については、これまで管理施設棟、青果棟、水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟の建築工事や設備工事のほか、水産仲卸売り場棟と水産卸売り場棟をつなぐ連絡通路工事、五、六、七、各街区の附帯施設基礎工事などを契約しております。
これらの契約情報については、既に都のホームページで逐一、公表してございまして、そのうち予定価格九億円以上の案件については当委員会に報告済みでございます。
なお、各街区の建設工事の契約額でございますが、五街区では、青果棟ほか建設工事の外七件で、合計約三百七十二億円。六街区では、水産仲卸売り場棟ほか建設工事の外八件で、合計約六百十五億円。七街区では、管理施設棟建設ほか市場衛生検査所整備工事や、水産卸売り場棟ほか建設工事の外十四件で、合計約六百四十九億円でございます。
○尾崎委員 ただいまのご答弁で、建設費用の合計額は千六百三十六億円になりますが、そのほかに九億円以下の排水工事、工事の管理費などを加えると、既に千六百五十億円を超えています。当初建設費約一千億円としていましたので、現段階で既に七百億円近くも増加していることになります。
九月十六日、舛添知事は築地市場と豊洲新市場の視察を行いました。知事自身も業者の方々の声を直接聞いたのだと思います。
都民や業界団体の皆さんも一番心配しているのは、建設費に一体幾らかかるのか、資機材の高騰や人手不足などから建設費がもっと上がるのではないかということです。そして、業者からは市場の使用料はどの程度かかるのかということです。
都民や業者の不安を解消するためにも、都は都民に全容を明らかにすべきです。
そこで、今年度及び今後必要になる工事内容と、契約見通しなどについてそれぞれ伺います。
○中山施設整備担当部長 今後の工事発注としては、加工パッケージ棟、小口買参棟、リサイクル施設棟、容器業者倉庫棟、通勤駐車場棟の建設工事を予定しております。そのほか、小口買参積み込み場などの附帯施設工事を予定しております。
これらについては、現在、市場業者等と調整を進めておりまして、今後、適切に発注してまいります。
○尾崎委員 整理をすると、これから必要になる建設工事は、一つは、先送りした各街区本体工事である予定だった小口買参積み込み場などの附帯施設の建設工事、二つ目に、これまで民間整備予定から都整備に変更になった加工パッケージ棟、小口買参棟、通勤駐車場棟、リサイクル施設棟などがあるということでした。
私は、今のご答弁を聞いて、このまま本体建設工事に入ってよいのかどうかの岐路に立っているのではないかと思いました。
なぜなら、今年度段階で当初計画の約二倍、二千億円、予算の建設工事費を見積もっているわけですが、既に千七百億円に達し、残りの三百億円で先送りした各街区本体工事でやる予定だった小口買参積み込み場などの附帯施設の建設工事と、民間整備予定から都整備に変更になった加工パッケージ棟、小口買参棟、通勤駐車場棟、リサイクル施設棟の工事が可能なのか。さらなる増額になることが明らかではありませんか。整備費がさらに増加する危険もある中で、業界も不安を抱えていますし、仲卸業者の半数は赤字経営というのに、一体、施設整備費を業者負担で回収できるのか不透明だからです。
その一方で、何を担保に市場関係者が求めるような安全宣言を行うのかということに対する都民への説明もないまま、二〇一六年三月に新市場建設完成を目標に建設工事が進められ、多額の費用が使われます。
契約済みの建設工事関連の二十七件の契約状況はどうなっているのでしょうか。私は改めてそれらをチェックしてみましたが、その約半数の落札額は予定価格の九九%台です。複数以上の企業が価格を提示した案件は半数以下、十二件にすぎませんでした。
附帯施設基礎工事、水産仲卸と水産卸の連絡通路建設工事など、汚染土壌に接触する建設関連工事の全てが、本体の建設工事を請け負った企業JVに随意契約ないし入札参加一グループのみという形で契約されているということがわかりました。
豊洲新市場はもともと深刻な土壌汚染があり、市場不適格な土地です。青果、水産卸、水産仲卸の各売り場が通路で分断され、かつ売り場が重層化する致命的欠陥があります。さらに、工事費が増大せざるを得ないなど構造的問題点があることを指摘して、質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○三宅委員長 これより産業労働局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百七十七号議案から第百八十一号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○三宅委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百五十一号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、債務負担行為、産業労働局所管分及び第百七十号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○田中委員 東京ビッグサイトの拡張に関連してお伺いをいたします。
東京ビッグサイトは、我が国最大のコンベンション施設として、これまでさまざまな展示会やイベントの開催を通じて、中小企業の販路開拓や東京の産業振興に貢献してまいりました。
二○二○年オリンピック・パラリンピックでは、メディアセンター等として利用されるため、施設の拡張が予定されておりますが、我が党は、大会終了後の施設の活用を見据えた整備が重要だと主張してまいりました。
そこで本日は、こうした観点から質疑を行いたいと存じます。
まず初めに、改めて東京ビッグサイトの拡張に関する都の基本的な考え方、認識についてお伺いをいたします。
○十河商工部長 東京ビッグサイトは、平成八年の開業以来、着実に運営実績を伸ばし、現在では年間約三百件の展示会やイベントが開催され、千五百万人を超える来場者が訪れるコンベンション施設となっております。また、これらの展示会主催者の約八割が中小企業及び中小企業の団体であり、都内中小企業の販路開拓に大きな役割を果たしております。
一方で、昨年度の施設稼働率が七〇%を超える状況にあるなど、今後、新たな展示会需要に対応することが困難となっております。
このため都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会におけるメーンプレスセンターとして新たに拡張整備する建物を、大会終了後は展示施設として有効に活用することにより、展示場としての機能強化を図ることといたしました。
また、施設の拡張に当たりましては、メーンプレスセンターに求められる条件を満たしつつ、今後の展示会需要等を踏まえ、適正な規模と機能を備えた施設として整備を進めることといたしました。
○田中委員 東京ビッグサイトでは、東京モーターショーや日本国際工作機械見本市、JIMTOFなど国内の主要展示会を初め、ただいまの答弁のとおり数多くの展示会やイベントが開催されており、東京の産業振興のみならず、我が国経済の活性化にも寄与しております。まさに重要な産業インフラとしての役割を担っているので、施設の拡張に当たっても、オリンピック・パラリンピックの開催をさらなる発展の好機として整備を進めていただきたいと思います。
さて、我が党は、拡張施設の規模について、本年の一定及び二定において、本来の展示会場としての活用を見据え、費用面や収益の確保など、さまざまな面からの総合的な検討を求めてまいりました。都がこうした我が党の主張を十分に踏まえ、しっかりと調査検討を行ったことを評価いたします。
拡張規模を決定する根拠ともなった昨年度の調査は大変重要であることから、改めて調査内容や結果についてお伺いをいたします。
○十河商工部長 都は、東京ビッグサイトの利用状況や展示会主催事業者へのヒアリング調査などから、東京ビッグサイトにおける今後の展示会需要などを分析し、拡張展示面積の適正規模について検証を行いました。
その結果、拡張展示面積を二万平方メートル程度とした場合には、整備後も六割程度の施設稼働率を見込むことができ、展示会主催事業者の利用ニーズに最も見合うことがわかりました。
また、六割程度の施設稼働率を見込めることで、拡張施設の安定的な経営が可能となり、東京ビッグサイトが都に納付する施設使用料によって、拡張施設に将来発生する修繕費用を確保することが可能になると試算しております。
こうしたことから、新たに整備する拡張施設の展示面積は二万平方メートル程度が妥当であるという調査結果となっております。
○田中委員 拡張施設の規模については、単に国際的に小さいからという理由でただ大きくすればよいと単純に考えるのではなく、オリンピック・パラリンピックが終了した後、末永く展示施設として有効に活用され得る適切な規模でなければなりません。ただいまのご答弁のとおり、東京ビッグサイトにおける将来の展示会利用の見通し等を十分に踏まえた拡張規模とすることが重要であります。
また、ここで明らかとなった展示面積をベースとした上で、展示会場として十分に使いやすい施設となるようにしなければなりません。
そこで、東京ビッグサイトの拡張に向けた現在の検討状況や拡張整備にかかわる総事業費についてお伺いをいたします。
○十河商工部長 現在、関係各局と調整を図りながら基本計画の策定作業を進めており、拡張施設の規模や機能、設計条件、建築基準法等の各種法令との関連性、概算経費などについて具体的に検討しているところでございます。
拡張施設の展示面積につきましては、先ほど申し上げたとおり、本来の展示施設として有効に活用する観点から二万平方メートル程度とし、二層の展示フロアを設ける予定でございます。また、施設全体の延べ床面積につきましては、通路や会議室、併設する立体駐車場などを含めて六万五千平方メートル程度になる見通しでございます。
拡張整備に係る総事業費につきましては、今後、設計の中で精査してまいりますが、現時点では四百億円から五百億円程度になる見通しでございます。
○田中委員 オリンピック立候補ファイルでは、メーンプレスセンターとなる拡張施設の延べ床面積が約四万四千平米となっていましたから、産業振興の観点から大会終了後の有効活用を考えて計画の見直しを行い、展示施設として十分な規模と機能を備えるよう検討を進めているとのことであります。
さて、この施設の設計費用を来年度予算ではなく、今回の補正予算に計上してありますが、その目的と内容についてお伺いをいたします。
○十河商工部長 東京ビッグサイトの拡張は、施設全体の延べ床面積が六万五千平方メートル程度の大規模な施設整備となることから、今後、工期を十分に確保する必要があり、万全を期すために、スケジュールを前倒しして今年度中に基本設計等に着手することといたしました。
補正予算の内容につきましては、拡張施設の基本設計業務に必要な経費のほか、建設予定地の液状化対策に必要な地盤改良工事の設計費等を計上してございます。
また、これらの設計業務等につきましては、翌年度にかけて実施する必要があることから、債務負担行為の限度額を設定しております。
○田中委員 オリンピック・パラリンピックの成功と今後の産業振興にとって大変重要で意義のある今回の拡張整備も、大会の開催に間に合わなければ意味がありません。大規模な拡張施設の整備には相当の時間がかかりますので、万全を期すためにも速やかに進めていただきたいと思います。
そこで、補正予算が成立した場合、拡張整備事業をどのように進めていくのか、今後のスケジュール、工程についてお伺いをいたします。
○十河商工部長 拡張に向けた今後の工程につきましては、補正予算が成立した場合には、十月中に基本計画を策定した上で、今年度中に基本設計業務に着手し、拡張施設の構造や仕様、設備等の詳細について検討を行うほか、改めて概算の工事費を算出いたします。
基本設計の完了後は速やかに実施設計に着手し、平成二十八年度中に完了させた上で、三十カ月程度の工期を見込み、大会組織委員会への引き渡し期限である平成三十一年十二月末までに整備を完了いたします。
○田中委員 先ほど申し上げましたとおり、東京ビッグサイトの拡張はオリンピックの成功と今後の産業振興にとって大変重要な取り組みであります。今回の補正予算は、そのために必要な措置であると認識しておりますので、着実に整備を進めていただきたいと存じます。
最後に、東京ビッグサイトがオリンピック・パラリンピックの開催を好機として、中小企業のさらなる販路開拓を支援していけるよう取り組んでいくことが重要だと考えますが、局長のご見解をお伺いいたします。
○山本産業労働局長 世界が注目をするオリンピック・パラリンピックの開催は、都内中小企業にとりまして、みずからのすぐれた技術力や製品を国内外に発信し取引拡大を図る絶好の機会でございます。その意味からも、我が国最大の展示会場でございます東京ビッグサイトには、展示会の開催を通じた中小企業に対する一層の支援が求められていると考えております。
このため都は、東京ビッグサイトを拡張し、オリンピック・パラリンピックを機に展示会施設としての機能を強化することにより、大会終了後は、これまで以上に展示会の開催や商取引の機会を設け、中小企業のビジネスチャンスの拡大につなげてまいります。
また、これまでビッグサイトが培ってまいりました展示会運営に関するノウハウを今後の展示会やイベントの開催に最大限生かしまして、中小企業の販路開拓に向けた取り組みが具体的な成果につながるよう力を注いでまいります。
○田中委員 ただいま、都が東京ビッグサイトと連携しながら、中小企業の販路開拓に向けた取り組みを後押しする旨のご答弁があり、大変心強く感じました。
また、今回の補正予算とは別になりますが、先日の代表質問では、大会の準備、開催等による東京ビッグサイトの利用制限に対応するため、仮設展示場の整備など代替施設の確保に向けた検討を進めていく旨の答弁もありました。
こうしたことを含めて、今後、東京ビッグサイトが中小企業振興の拠点としての役割を十分に果たし、中小企業のさらなる販路開拓を支援していけるよう取り組むことを強く要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○かち委員 私からも第百五十一号、一般会計補正予算の産労局補正について伺います。
ただいまの田中副委員長の質問の内容とダブる点もあるんですけれども、少し観点が違いますのでご容赦いただきたいと思います。
今回、補正予算案で、国際展示場の増築費用の土壌改良費も含む基本設計費として六千六百億円、その債務負担行為として一億五千五百万円余が計上されました。これは国際展示場を増築して、オリンピック・パラリンピックの際はメーンプレスセンターとして活用することが示されています。
中小企業の製品、技術の展示や販路のマッチングなど、商機に資する機会をふやすという要望、需要に基づき施設を増築することには基本的に賛成するものですが、そのニーズ、採算性などについて何点かお聞きします。
ことしの一定で、産労局長が、国際展示場の拡張に当たって、将来の展示会開催需要の見通しを調査し、増築が及ぼす影響調査などの調査結果を踏まえて、基本計画を策定すると説明されていました。この調査の契約期間、内容及びその結果についてお示しいただきたいと思います。
○十河商工部長 展示会需要等の調査につきましては、東京ビッグサイトにおける拡張施設の適正規模を検証することを目的に、昨年十月から本年三月までの間に実施いたしました。
この調査では、東京ビッグサイトの利用状況や展示会主催者へのヒアリング調査等から、今後の展示会開催需要や主催者の利用ニーズ等を把握し、拡張後の施設稼働率等を検証いたしました。
その結果、展示面積につきましては、二万平方メートル程度の拡張が妥当であるとのことになっております。
○かち委員 調査の結果、二万平米程度が必要だということなんですけれども、どういう調査をどのようにやって、利用ニーズなどの調査が、どういう結論が出て、こういう結果になったのかという点がなかなか見えてきません。
本年三月末までの需要等の調査によって、必要な展示面積が二万平米との結果を得たとのことです。そして、今後は基本計画づくりに入るわけですが、この基本計画についての業務委託契約の工期、契約内容等はどのようになっているでしょうか。
○十河商工部長 基本計画の策定につきましては、本年五月から十月までの間に実施し、拡張施設の規模や機能、設計条件、各種法令との関連性、概算経費などを検討することとなっております。
○かち委員 基本計画は十月末までにできるということですので、まだその規模や、どんな機能を有するのか、何階建てになるかなどの青写真もできていないという状況です。基本計画も完成していない中で、今議会に補正予算を提案する理由は何でしょうか。
○十河商工部長 先ほど申し上げた調査を踏まえて拡張施設の展示面積を決定した結果、施設全体の延べ床面積が六万五千平方メートル程度の大規模な施設整備とするという予定でございますから、今後、工期を十分に確保する必要があり、万全を期して今年度中に基本設計等に着手することとしたためでございます。
○かち委員 オリンピックのときにメーンプレスセンターとして使って、その後は展示場として使うということは、一六年のオリンピック招致の前から、そういうふうに示されていたことなんですよね。
ところが今回の動きを見ていますと、結局、昨年の九月に招致が決まった後から動き出したということによって、ちょっと時間が短くなってしまったという状況ではないかと思います。今回の案件は、国際展示場の増築というふうに書いてありますが、もしそうであれば、二〇〇〇年の建築基準法改正によって既存不適格状態であるということになります。この国際展示場は、増改築に当たって本体までも大規模改修が必要になるのではないでしょうか。
○十河商工部長 拡張施設の整備につきましては、基本計画において建築基準法上の新築とする方向で調査検討しているところでございます。
○かち委員 建築基準法上は新築だということになるわけですけれども、そうなりますと一つの物体になりますので、いろいろと附帯設備の関係も出てくるんじゃないかというふうに思いますが、建築基準法そのものが改正されたということでの問題もあるわけですね。
三十八条、防火対策などについては、個々の状況に合わせて、国交大臣の認定によって今までは許可されていたものなんですけれども、二〇〇〇年の改正によって、この三十八条が削除されてしまったということになって、この認定を受けてできたビッグサイトは、現状では不適格建築物となってしまうわけです。現状維持なら問題ないのですが、大規模な改修や増築の際には、本体の建築物についても大改修をしなければならないという状況になるわけです。
そういう意味で、建築基準法上の増築ではないという方向で調査検討といわれましたけれども、立候補ファイルを見る限り、国際放送センターとメーンプレスセンターとは共用部分も含めて一体的な運用形態になっているわけです。新築で独立した施設だというなら、立候補ファイルで増築するとしている考え方にそごが生じるのではないでしょうか。
○十河商工部長 拡張施設は、メーンプレスセンターとして必要な条件を満たしつつ、本来の展示施設として有効に活用されるよう整備する予定でございます。
○かち委員 建築基準法そのものも動いていて、来年にはまたもとに戻るとか、しかし要綱はまだ決まっていないとか、いろいろなそういう今、はざまにあるわけですけれども、今のご答弁だけでは都民にはなかなか理解できない内容です。
今後、検討、調整されていくことになると思いますけれども、特に防炎対策については十分な対策をとられるよう要望しておきたいと思います。
現在の国際展示場の利用状況での中小企業の占める割合は、どのようになっているでしょうか。
○十河商工部長 東京ビッグサイトにおいては、さまざまな分野の展示会やイベントが開催されておりますが、展示会主催事業者の約八割は中小企業及び中小企業の団体でございます。
○かち委員 展示会主催事業者の八割は中小企業及び中小企業団体だということですが、ここへの中小企業の利用状況とか参加状況というものがなかなか出てこないわけですけれども、こういうこともデータとして集約していくことが、今後、重要だというふうに思います。
増築の施設規模、総事業費、その財源、工程はどのようになっているでしょうか。
○十河商工部長 拡張施設の延べ床面積は、先ほどから申しておりますが、六万五千平方メートル程度、総事業費は四百億円から五百億円の見通しでございます。いずれも今後、設計の中で精査してまいります。
また、財源につきましては、他局との調整事項であるため未定でございます。
今後の工程につきましては、十月中に基本計画を策定した上で、今年度から来年度にかけて基本設計を行い、その後、実施設計を経て、大会組織委員会への引き渡し期限である平成三十一年十二月末までに整備を完了いたします。
○かち委員 オリンピックの立候補ファイルを見ますと、メーンプレスセンターについては百四十四億円、四万四千平米ということで計画されています。今回の増築工事の総事業費、オリンピック基金との関係はどのようになっているんでしょうか。
○十河商工部長 先ほど申し上げたとおり、拡張整備に要する総事業費につきましては、現在のところ四百億円から五百億円の見通しでありますが、今後、設計の中で精査してまいります。
オリンピック・パラリンピック開催準備基金の運用は、他局の所管に属する事項でございます。
○かち委員 財源については、産労局だけでは答えられないということではありますけれども、この計画はオリンピックのメーンプレスセンターに合わせて、産労局の予算で増築に向けて進んでいるわけですから、そういうところは明確にしていただきたいと思います。
施設整備後の施設稼働率、収支見込み、投資回収計画などについてお示しください。
○十河商工部長 昨年度実施した調査によると、拡張施設の展示面積を二万平方メートル程度とした場合、整備後の施設稼働率は約六割になると試算してございます。
この場合、安定的な経営が可能となり、東京ビッグサイトが都に納付する施設使用料により、将来的に発生する施設の修繕費用の確保が可能になると試算しております。
○かち委員 最後ですが、増築工事に伴う利用者への影響や収支影響はどのように見積もっているのですか。また、ビッグサイトとの契約にはどのような影響が出るのでしょうか。
○十河商工部長 東京ビッグサイトにおける拡張工事の予定地は、現在、屋外展示場や駐車場として使用されております。拡張工事の実施期間中はどちらとしても使用できなくなりますが、駐車場につきましては、近隣の臨時駐車場等を活用して代替の駐車スペースを確保いたします。
拡張工事が収支やビッグサイトとの契約に及ぼす影響につきましては、現時点では諸条件が不確定のため、未定でございます。
○かち委員 いろいろ不確定、未解明のところがあるわけですけれども、増築する展示場については、今後、明らかにしていく課題がいろいろあります。何よりも、建造物の安全性確保と中小企業に役立つ国際展示場にするために、今後とも、都として都民への説明責任を十分果たすよう強く求めて、質問を終わります。
○中村委員 それでは、東京ビッグサイトの拡張に関する補正予算について質問をします。
今回の質疑に先立って、競技会場等として利用される予定の東展示棟と、西展示棟南側の拡張予定地を実際に中山議員とともに見学をしてきました。関係者の方々には、お忙しい中ご対応いただき感謝をしております。
さて、都議会民主党としては、この国際都市である東京の産業基盤を強化することでビジネスを活発化させ、その効果を都内中小企業のみならず、日本全体に相乗的に波及させていくことが必要だと主張してきました。
国内外のコンベンションの積極的な誘致に向けた重要な基盤として、日本を代表する展示場である東京ビッグサイトの拡張は重要な課題ですが、施設整備は大きな財政負担を伴うものです。
オリンピック・パラリンピックの開催に向け、東京に集まる注目と期待に応えていくために、競技会場やメディアセンターとなる東京ビッグサイトの機能を充実させることは大切ではありますが、後世に大きな負担を残すことがあってはなりません。
こうした観点から、今回のビッグサイトの拡張について、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、今回提案した補正予算はどのような内容か、施設の概要や整備の工程をどのように計画しているのか、改めて伺います。
○十河商工部長 補正予算の内容につきましては、拡張施設の基本設計業務に必要な経費のほか、地盤改良工事の設計費等を計上してございます。
拡張施設の展示面積は二万平方メートル程度を予定しており、施設全体の延べ床面積は、通路や会議室等を含めて六万五千平方メートル程度となる見通しでございます。
今後の工程ですが、十月中に基本計画を策定した上で、今年度から来年度にかけて基本設計を行い、その後、実施設計を経て、大会組織委員会への引き渡し期限である平成三十一年十二月末までに整備を完了いたします。
○中村委員 今回の補正予算の内容については、わかりました。
一方、オリンピック関係施設の整備に当たっては、建設費の高騰などを踏まえて再検証が行われていますが、ビッグサイトの拡張整備についても、内容をしっかりと確認する必要があります。
そこで、立候補時にはどのように施設規模と事業費を見込んでいたのか、現在はどのようになっているのか伺います。
○十河商工部長 平成二十五年一月のオリンピック立候補ファイルでは、メーンプレスセンターとなる拡張施設の延べ床面積を約四万四千平方メートル、整備費を百四十四億円と想定しております。
現在策定中の基本計画では、今後の展示会需要等の調査を踏まえ、大会終了後に本来の展示施設として有効に活用する観点から、先ほど申し上げたとおり展示面積の拡張規模を二万平方メートル程度とし、施設全体の延べ床面積を六万五千平方メートル程度として検討を進めているところでございます。
総事業費につきましては四百から五百億円程度となる見通しでございますが、今後、設計の中で精査してまいります。
○中村委員 ご答弁では、整備費は当初の三倍程度となっていますが、オリンピック・パラリンピック開催のための施設の必要性だけではなく、今後の展示会需要を踏まえて、大会終了後に有効活用が望める規模を選択したとのお答えがありました。
つまり、これは大会終了後も採算がとれるということで考えてよろしいのでしょうか。
○十河商工部長 施設の拡張に当たりましては、今後の展示会需要等を踏まえ、展示施設として有効に活用できる適正規模による整備を行うこととしており、都が昨年度実施した調査によりますと、拡張施設の展示面積を二万平方メートル程度とした場合には、約六割の施設稼働率を見込むことができ、安定的な経営が可能になるという試算が出ております。
○中村委員 国際的なMICE誘致競争は既に激しく、競合する都市の誘致合戦の中で、求められるレベルは絶えず上がり続けています。国内においても、パシフィコ横浜や幕張メッセなど首都圏の既存の有力展示場だけではなくて、国の戦略によって、他の地域で整備される施設も競争に参入するでしょう。そうした中で、日本における展示会市場全体が拡大しなければ、結局パイの奪い合いという状況になりかねません。
都では、展示会ビジネスの現状と今後の予測についてどのように考えているのか、見解を伺います。
○十河商工部長 昨年度都が実施した調査によりますと、国内における展示会の開催需要は、リーマンショックや東日本大震災の影響により一時的に落ち込んだものの、その後は回復基調にあるとされており、東京ビッグサイトにおいても昨年度は施設稼働率が五年ぶりに七〇%を上回るなど、展示会の開催需要は高まっております。
また、今後の展示会需要の見通しにつきましては、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催に伴う波及効果への期待もあり、経済成長と歩調を合わせて緩やかな増加傾向が続くものと予想されております。
○中村委員 中小企業の販路開拓に向けては、展示会への出展が非常に効果的なツールとなっており、景気回復の効果を取り込もうと努力をする中小企業ほど、そうした場を積極的に活用する機運が高まっていることは確かです。
東京都としても、積極的に中小企業の販路開拓を後押ししていただきたいと思います。
さて、大規模展示会の開催に当たっては、出展する企業だけではなくて、主催者側としても交通、飲食、装飾、電気、警備など多くの企業がかかわり、たくさんの車両が行き来します。そのため、車両による円滑な搬出入や駐車台数の確保が展示会場選びの重要な条件となっています。今回現地を見させていただきましたが、現在駐車場としても活用している場所を拡張予定地とする計画であると説明を受けました。
これでは、拡張工事中から施設利用に支障が生じることが懸念されます。さらに、拡張工事が完成すれば、面積に対応したより多くの駐車台数が必要となることから、工事期間中及び整備完了後の駐車場の整備についてどのように対応するつもりなのか、お伺いいたします。
○十河商工部長 東京ビッグサイトにおける拡張工事の予定地は、屋外展示場として利用されているほか、駐車場として使用されております。
このため、拡張工事の実施期間中は駐車場として使用できなくなりますが、その間は近隣の臨時駐車場等を活用して代替の駐車スペースを確保いたします。
また、拡張施設の整備により増加する駐車需要等に対応するために、立体駐車場を併設する予定でございます。
○中村委員 先日の本会議場の方でも、展示場そのものの代替についても議論がありましたが、駐車場も大切な要素ですので、影響が最小限になるようしっかりと対応していただくようお願いをします。
今回、補正予算に関して、さまざま質問いたしましたが、オリンピック・パラリンピックへの準備、また中小企業への支援と、両面で着実に取り組んでいただくよう要望して質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○三宅委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○三宅委員長 次に、報告事項、平成二十五年度地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター業務実績評価についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○村松総務部長 去る九月十一日の当委員会で要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次でございます。資料は全部で四項目ございます。
一ページをお開きください。1、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの収入及び支出の推移でございます。
収入及び支出につきまして、それぞれの区分ごとに、上段に平成二十二年度から二十六年度までの年度計画における予算額、下段に平成二十二年度から二十五年度までの決算額をお示ししてございます。
二ページをごらんください。2、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの役職員数の推移につきまして、役員、職員、非常勤職員及び臨時職員の平成二十二年度から二十五年度までの各年度末現在の人数と、平成二十六年八月一日現在の人数をお示ししてございます。
三ページをお開きください。3、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにおける研究員の採用・応募状況の推移につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの一般型研究員及び任期付研究員の応募者数を上段に、採用者数を下段にお示ししてございます。
四ページをごらんください。4、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの依頼試験、機器利用の区市町村別利用状況につきまして、平成二十五年度の依頼試験、機器利用について利用企業の所在地別に集計した件数をお示ししてございます。
以上で、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○三宅委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅野委員 それでは、産業技術研究センターの業務実績評価報告に関連してお伺いしたいと思います。
産業技術研究センターは、平成十八年度に地方独立行政法人化された後、江東区への本部移転や多摩テクノプラザの開設、昨年度の墨田支所への生活技術開発セクターの設置など、本部、支所の体制を着実に整備して、多くのものづくり中小企業の底力を高める取り組みを進めております。
中小企業が技術革新を実現し、新たな製品の開発を進めていくに当たっては、高度な試験装置や分析機器等を用いた技術支援や、市場ニーズに裏打ちされた最新技術の情報提供が極めて重要であり、東京の技術支援の柱である産業技術研究センターの果たす役割は大変大きいと思います。
政府・自民党がデフレからの脱却を確実なものとさせ、持続的な経済成長の実現に向けて全力で取り組んでいるこのタイミングで、中小企業に対する技術支援を通じた成長産業分野への参入や、新しい生産技術の開発等の取り組みを一層強化して、東京が日本の成長戦略の実現を牽引していくべきと考えています。
そこでまず、東京のものづくり産業の発展に向けて、その最前線で取り組んでいる産業技術研究センターが、評価委員会から平成二十五年度の業務に対してどのような評価を受けたのか、改めてそのポイントをお伺いしたいと思います。
○十河商工部長 平成二十五年度の産業技術研究センターの業務実績評価につきましては、中期計画の達成に向け、業務全体がすぐれた進捗状況にあるとの評価を受けております。
主に評価された点といたしましては、技術支援の柱である技術相談、依頼試験及び機器利用で、過去最高の利用実績を更新したこと。
特に、品質評価試験等を行う実証試験セクターでは、機器類の整備や国際規格対応試験の充実などを通じ、中小企業の安全で信頼性の高い製品開発の支援を行ったこと。
また、製品の海外規格への適合支援を行う広域首都圏輸出製品技術支援センターにおいて、関東及びその近県の公設試験研究機関との連携を促進させ、専門相談員の拡充などを通じ、中小企業の海外展開への支援を充実させたことなどがございます。
さらに、研究活動を通じて技術シーズの蓄積や中小企業の製品開発を推進した点も高く評価されております。
○菅野委員 産業技術研究センターは、評価委員会から高い評価を受けておりますが、私は、その根底には地方独立行政法人としての柔軟性や機動性を存分に発揮した運営を行っていることがあると思っています。
産業技術研究センターには、ものづくり産業の動向を的確に捉え、柔軟かつ迅速に中小企業の技術ニーズに応えていくことが求められています。
そうした最近のものづくり産業の動向の中で大きく注目を集めているのがロボット産業の振興です。すぐれたセンサー技術やIT技術が登場する中、従来のロボット技術を超え、幅広い分野の技術を統合する形でロボット産業を振興していくことが、世界の先進工業国の潮流になりつつあります。
ロボット産業は、工場での生産支援だけではなく、医療や福祉など、さまざまな産業分野にも波及効果を及ぼすことが期待されています。こうしたロボット産業が有する特性は、都内中小企業にとって新たなビジネスチャンスを生み出します。安倍政権においても、ロボット革命実現会議を設置し、人手不足やサービス部門の生産性の向上という視点でロボット開発を進め、世界に通じる成長産業に育てていくとしています。
こうした状況を踏まえ、産業技術研究センターでは、平成二十五年度からロボット開発に関する新たな取り組みを始めており、大いに期待をしているところです。
そこで、産業技術研究センターのロボット開発に対するこれまでの取り組みと、今後の展開についてお伺いしたいと思います。
○十河商工部長 我が国のロボット産業は、産業用ロボットが世界一の生産額であるなど高い基盤技術を有しております。また、本年、生活支援ロボットの安全性に関する国際標準規格が発行されたこともあり、さらなる技術革新が期待されております。一方、人口減少社会での労働力不足への対応など、さまざまな産業分野でのロボットの活用ニーズも広がりを見せております。
こうした動向を踏まえ、産業技術研究センターでは平成二十五年度、新たにロボット開発プロジェクトチームを設置して、おもてなしロボットやバルーン型ロボットなどの開発を開始し、中小企業のロボット産業への参入の基礎となる技術開発に着手いたしました。
こうした取り組みを強化するため、本年九月には本部にロボット開発セクターを設置し、今後、保有する設備や技術の蓄積を活用して、ロボット開発に取り組む中小企業への技術支援に一層力を入れていくこととしております。
○菅野委員 ロボット産業の発展を見据え、引き続き産業技術研究センターでの積極的な取り組みをお願いいたします。
さて、舛添知事は七月末、昭島市にある多摩テクノプラザを視察し、所信表明でも、電磁波の測定施設など最新の分析機器や加工機器が海外展開に大いに活用できるものであると述べておられました。
多摩テクノプラザは、多摩地域のものづくり中小企業支援の中核を担っています。多摩地域は、自動車、航空機、電気、電子機器分野などの先端ものづくりの企業が集積しております。これらの企業は、先ほどのロボット開発の分野でも今後大きな活躍が期待できます。
さらに、圏央道の整備とともに、隣接県また隣接市及び沿道に立地する研究機関等とのネットワークが形成され、地域を越えた中小企業間の交流を通じ、イノベーションの活性化が期待されます。こうした動きを加速させていくことも、多摩テクノプラザの重要な使命であると考えています。
そこで、多摩テクノプラザでは、ものづくり中小企業に対しどのような支援を行っているのか、お伺いしたいと思います。
○十河商工部長 多摩テクノプラザは、精密機器の開発に不可欠なさまざまな電磁環境試験を行うEMCサイトのほか、繊維関連の試験機器や設計機器を設置するなど、多摩地域の産業特性を踏まえた中小企業への技術支援を行っております。
特にEMCサイトは、国内の公設試験研究機関として唯一国際規格の適合を確認できる試験所として認定されており、発行した認定シンボルマークつきの試験成績書は、海外でも通用するものとなっております。
加えて、研究活動による基礎的な技術力の向上や、セミナー、講習会の開催による産業人材の育成などにも取り組み、平成二十五年度の利用企業数は、前年度比二二%増の約四千百社に達しております。
○菅野委員 海外への製品や部品類の輸出においては、相手国や地域が製品に課している規制や規格の技術的要件を満たすことが必要となっています。
そこで、多摩テクノプラザが行う国際規格への適合試験は、海外展開を行う中小企業の製品開発において非常に心強い支援となっています。
さて、産業技術研究センターでは、平成二十四年十月に広域首都圏輸出製品技術支援センター、いわゆるMTEPを本部に設置し、他県の公設試験研究機関と連携して海外規格の対応試験を行っています。私もMTEPの活動に大いに期待し、昨年の本委員会において、MTEPの取り組みについてお伺いをしたところです。
その後、着実に実績を伸ばしているようですが、平成二十五年度の事業の実績と取り組み内容についてお伺いしたいと思います。
○十河商工部長 平成二十四年十月に開設したMTEPは、当初一都四県の公設試験研究機関で結成いたしましたが、現在では一都十県に参画機関を拡大し、海外規格に詳しい企業OBなどの専門相談員による技術相談や、海外規格を電子データで閲覧できるサービスの提供等により、海外展開を図る中小企業への幅広い支援を行っております。
平成二十五年度の相談実績は、MTEP全体で約千四百件となっており、そのうち都の産業技術研究センターで受け付けたものが約八百件でありました。
具体的な成果といたしましては、EUへの輸出を目指す製造業者に対しまして、EUの製品規格であるCEマーキングへの適合方法や、提出する技術文書の書き方などをアドバイスし、実際にCEマーキングを取得して輸出に結びついた事例などがございます。
さらに、平成二十五年度は、産業技術研究センターが取りまとめ役となって国の助成金を獲得し、国際規格取得支援に必要な試験機器類を二十八種類購入して、参画する公設試験研究機関に配備するなど、MTEPの中心機関として着実に支援の体制を整えております。
○菅野委員 海外での製品販売を考えますと、各国ごとに気温や湿度、気圧といった自然条件が異なるため、製品の機能や強度などもそれぞれの実情に合わせて開発しなければなりません。こうした現地での使用条件に合わせて、安全で安心して使える製品を開発することは、先ほどの国際規格を取得することと同様に大変重要と聞いています。
そこで、産業技術研究センターの実証試験セクターでは、地球上のさまざまな気象条件下における動作や耐久性などを試験することができる機器を取りそろえ、多くの中小企業の方々に利用されていると聞いています。
そこで、実証試験セクターの利用状況についてお伺いしたいと思います。
○十河商工部長 実証試験セクターでは、中小企業が国内外の市場ニーズに対応する安全で信頼性の高い製品開発に取り組めるよう、温湿度や振動、材料強度や電気特性などの評価試験に関する機器を集中的に配置し、ワンストップで対応しております。
平成二十五年度は、材料の破壊強度を測定できる万能試験機など、試験機器を三機種ふやすとともに、オンライン予約の対象機器を拡充し、利用者の利便性向上に努めてまいりました。
具体的な支援の事例といたしましては、例えば東京のベンチャー企業による小型人工衛星の開発におきまして、衛星軌道での太陽光照射による温度変化の影響を再現できる試験機器などが利用されました。完成した人工衛星は、平成二十五年十一月にロシアで打ち上げられ、無事軌道に乗っているそうでございます。
実証試験セクターでは、こうしたさまざまな環境を想定した開発ニーズに的確に対応し、平成二十五年度の利用実績は、前年度より約三○%増の約六万八千件となりました。
○菅野委員 国内市場の成熟と国際分業による生産体制の分散が進んでいる今日、大手企業に限らず、海外に取引先を求めていく中小企業がさらに増加しています。特に、アジアではASEAN諸国が急速に経済力を伸ばしています。こうした海外市場の成長を国内に取り込み、東京の産業競争力を高めていくことが重要と考えます。
都内中小企業の海外展開を一層進めていくためには、海外の規格に適合していくことはもとより、現地のニーズに合った性能を持つ製品を開発していく必要があります。そのためには、現地ではどのような技術的課題があるのか、進出した企業がどのようなことで困っているのかなどをしっかりと把握し、都内中小企業に情報をフィードバックしながら、技術や製品の開発を支援していくことが大切です。
海外への販路開拓を目指す中小企業への支援として、東京都中小企業振興公社では、タイのカシコン銀行と九月九日に業務提携に関する覚書を結び、現地での効果的な営業展開への支援を始めたと聞いています。
今後、海外展開を図る中小企業の技術支援に対して、産業技術研究センターはどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、これまでMTEP等を通じて国際規格への適合に向けた支援を行うとともに、中小企業からの個別の相談に基づき、現地の顧客ニーズに対応するための性能評価などを行い、海外展開を図る中小企業の技術支援に取り組んでまいりました。
しかし、海外の市場ニーズに合った製品開発をさらに進め、都内中小企業の海外展開をより一層促進していくためには、現地特有のニーズや技術的課題を積極的に収集し、的確できめの細かい情報提供と技術支援を行っていく必要がございます。
そこで、今後、産業技術研究センターでは、MTEPや実証試験セクターの機能強化を図ることに加え、都内中小企業の進出ニーズが高いアジアにおいて、現地での情報収集や技術支援を行う拠点を設置し、本部と連携して中小企業を支援する体制の構築を検討しているところでございます。
○菅野委員 海外市場でのニーズを技術の専門家の目でしっかりと把握し、それを国際市場で競争している都内中小企業の技術振興に役立てることは、東京のものづくりの底力を高める上で大変有意義だと思いますので、ぜひしっかりと検討を進めていただきたいと思います。
そこで最後に、都内ものづくり産業の振興に向けた局長の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○山本産業労働局長 東京には、高い技術力を持つ中小企業や、意欲や能力のある人材が集積しているのが強みであると考えております。都内ものづくり産業をさらに発展させていくためには、こうした東京の強みを生かして、急速に進むグローバル化に打ち勝っていく競争力をつけていくことが重要でございます。
世界の耳目が集まる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、中小企業の新たなイノベーションを促進し、東京のものづくり産業を世界にアピールする絶好の機会であると思っております。
そのため東京都は、国内外で市場の拡大が見込まれる成長分野におきまして、付加価値の高いものづくりを目指す中小企業の取り組みを強力に後押しするとともに、すぐれた技術や製品を有する中小企業の海外展開を積極的に支援してまいります。
また、産業技術研究センターにおける技術支援のさらなる充実を図りまして、都の施策との一層効果的な結びつきを図ってまいります。
こうした取り組みによりまして、都内ものづくり産業の持続的な発展に力を尽くしてまいります。
○木内委員 沈思黙考しながら聞いていましたが、例えばさっきの付託議案でも質問が、えらい重複しちゃって、同じことを誰が何回聞くんだという思いで、内心、慨嘆をしておりました。
理事会で五十分という通告を申し上げましたけれども、二番目でありまして、重複を避けて、できるだけ時間を短縮しながら聞いてまいりたい、こういうふうに思います。しんがりが一番大変なんです、これ、どんどんどんどん重複してくるから。豊臣秀吉が信長軍のしんがりを受け持ったというのも、そういう難しさがあるわけでありまして、まだ私は二番目だからいいわけであります。
それで、きょうは主に産技研センターの評価をなぞりながら、この実績と充実ぶりに触れていきたいと思うんですが、果たしてこれが議会の質疑になじむのかということを考えていました。
なぜならば、議会の権能、機能というのは幾つかあると思うんですが、その第一は予算の決定です。
二番目は、その予算に基づいて行われる事業執行が適切に行われているかどうかということです。
それから三番目は、この議会に対するみずからの政策提案を行って、これを具体化していくということが三番。
四つ目として思ったのは、この執行機関のそれぞれの分野、機能別に担当している職員の皆さん、関係スタッフの方が大変なご苦労をして、立派な成果を出しているというところが非常に多いわけでありまして、これを実は、宣揚をしていくというのは非常に重要なことであると私は今回思いまして、取り上げさせていただく問題が多いわけなんです。
今回は恐らくやらないことになると思うんですが、事務事業質疑で私は毎年、労働委員会事務局に対して質疑を行ってまいりました。これは部門が大変ご苦労をされて、目覚ましい実は成果を上げておられるからであります。その伝にのっとって、きょうは業務実績報告について伺いたいと思います。
きょう質疑をするに当たって、数日前、この本部をお訪ねしてまいりまして、片岡正俊理事長といろいろとお話をさせていただきました。学者であると同時に経営の分野においても大変卓越した能力を持っておられて、言葉をかえれば、学際、業際にわたって、表裏にわたって大変に精通をしている方で、この方のコンセプトが、実は都立産業技術研究センターの業務の中に、十二分に反映されているということを改めて知ったわけでございます。
平成二十三年に本部が江東区に移転したときにも伺わせていただきましたけれども、今回、研究員と最先端機器による技術支援と研究支援が、都内中小企業の技術振興に果たす役割の大きさを改めて実感いたしました。
私たちが、ふだん何げなく使ってなれ親しんでいる製品が世の中に出てくるまでには、中小企業の方々が試作を行い、試験機器で性能を測定し製品を改良するなど、さまざまな試行錯誤を重ねておられます。
例えば、私がたまたま当日伺ったときには、木製の椅子を強度実験している現場を見ました。何万回も機械、ピストンで打ちつけて、これがどのぐらいの強度を持っているのかという、これがいわゆる都民生活、あるいは生活者の各部面で安全・安心、快適さをもたらす大きな根源になっているということを知ったわけであります。
そこで、こうした困難を中小企業が単独で解決するのはなかなか大変でありまして、専門家の方の適切な支援が重要であります。
まず、この相談体制についてお伺いをするんです。
この都立産業技術研究センターで測定をしていただいて実験データを得た、ある岡山県の老舗でありますが、れんが製造会社の方からご相談をいただいております。
放射線を遮断するれんがを開発した。開発に当たって、この産技研の力をかりた。ところが開発したのはいいけれども、どこへ売っていいかわからない。どこに需要があるんだろうかというんで、大変に今、開発の次の段階での悩みのテーマにぶつかっている。
それで、このことを理事長にも申し上げましたし、きょうは、私は申し上げるかどうか迷ったんですけれども、十河商工部長のもとで大変にご活躍をされている齋藤技術調整担当課長さんにも――苦笑いしていますけれども、いろいろご相談をして、この相談窓口や理事長への相談の形をとって、開発した、放射線を遮断するれんがの販路、このご相談をする。販路そのものについて知恵をいただくことは難しいけれども、中小企業振興公社というのが別建てであるわけですから、しかし、いろんなヒントはあるんじゃないか。
申し上げたように、片岡正俊理事長という方は学際、業際にわたって大変な実はエキスパートというふうにお見受けしましたので、期待をしているところでございまして、技術支援だけではなくて経営支援に至るまで、ここは実はタッチをしていただいているという非常に心強い存在であります。
このセンターの正面玄関へ入りますと、一階ロビーには総合支援窓口というものがありまして、ここは産業技術研究センターを利用される中小企業の方々に対して、悩みを解決してくれる最適な部門と、そして研究員を紹介してくれる窓口ということになっている。
平成二十五年度にセンターに寄せられた技術相談の件数は、約十三万件と過去最高を記録しております。これら相談に的確に対応し、同時に、ああ、来てよかったというふうに、相談者にストレスを感じさせないようにするためには、実はさまざまな努力や工夫が必要とされるわけですけれども、大変よくやっておられるという印象を強くしました。
そこで、まず産業技術研究センターの相談対応への取り組みについて、そのご苦労の内容をご報告願いたいと思います。
○十河商工部長 産業技術研究センターには、中小企業から来所や電話、電子メールなどさまざまな方法で技術相談が寄せられますが、相談内容に応じて、短時間で適切な担当者へ案内することが重要でございます。
技術相談の分野は多岐にわたるため、専門的な知識を持った相談員を総合支援窓口に配置いたしまして、相談内容を迅速、正確に把握できるようにしております。
さらに、総合支援窓口では、センターが独自に構築した技術相談支援検索システムを活用することで、本部や支所の区別なく、さまざまな担当部署を速やかに検索し案内できる体制を整えております。
センター内で対応できない案件の場合でも、可能な限り外部の機関を紹介するなど、利用する中小企業の利便性が図られるよう努めているところでございます。
○木内委員 今の最後の答弁の部分にありましたけれども、センター内で対応できない案件であっても、可能な限り外部の機関を紹介するような、そういう利便性が確立されているということ、これは非常に重要なことであります。いわゆるセクショナリズムは排斥しなくてはいけない。その最先端で頑張っておられるという印象を強くいたしております。
それで、この中小企業からの技術相談に対しましては、必要に応じて、その分野の研究員が専門的な支援を行うことになります。研究員が中小企業に行う技術支援の基礎となるのが、日ごろから行っているものづくりの基盤となる技術の研究でありまして、これは基盤研究ということであります。いわゆる基礎科学とかという、あの基礎ですね。
基盤研究ですけれども、今回の報告にあります業務実績評価書によると、平成二十五年度の基盤研究は、環境、省エネルギー技術に関するものや、半導体やナノテク技術に関するものなど非常に多岐にわたっていて、何と六十八ものテーマに取り組んでおります。これが時に応じ、機に乗じて、それぞれの基盤分野が実際の具体的な応用の段階に移行していく、こういうことであります。日々地道に研究し、成果に結びつけていくということは大変ご苦労が多いんだと思うんです。
それで、伺ったときにお聞きした基盤研究のテーマの一つに、シロアリなどの小さな生物が出す化学物質の検出方法というのがありました。これは、東日本大震災の際に、倒壊した木造住宅の材木に数多くの腐敗箇所が見つかったことをきっかけとして、始めた研究ということであります。
木造住宅は、家屋で使われている柱などの木が腐っているかどうか、実際に、現実には家を壊してみなければわかりにくいものです。しかし、将来この技術が確立されれば、木造住宅を壊すことなく、いわゆる非破壊の形で検査することができるようになる。実用化にはまだ時間がかかるそうですけれども、研究員の方には、こうした将来につながる研究をぜひ成功させていただきたいという要望をさせていただきたい。
そこで、産業技術研究センターでは、基盤研究につき、さらにテーマを選定して、そうして、どのように研究に取り組んできているのかということについてお尋ねをいたします。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、機械、金属や電気、電子、化学、繊維、デザインなど、技術の基盤となる分野に対する基盤研究に取り組み、技術的課題の解決に必要な研究シーズの蓄積を図っているところでございます。
基盤研究のテーマは、環境、省エネルギーなど十二の分野から、学会での情報交換や中小企業から持ち込まれた技術相談などを基礎に各研究員が企画し、提案するものでございます。
研究員が提案したテーマは、センターの幹部職員で構成される審査委員会において、年に二回審査を行い選定され、研究員は依頼試験や技術相談などの日常の業務に対応しながら、センターの施設を活用して一年間にわたり、研究業務に取り組むこととなります。
終了した研究につきましては、翌年度に外部の評価委員によって検証するなど、今後の研究の質の向上と技術支援の強化に生かす取り組みがなされております。
○木内委員 これもシーズの選択、非常に厳しい審査があって、その上で一年間、一定のタームとしてこれに取り組んでいくという、非常にきちんとした運営がなされていて、恐らく私が思うのは、報告される成功事例の陰には、懸命に努力して研究して頑張ったけれども、実を結ばなかったものもあると思う。
しかし、私は科学とか、あるいは技術というものは、失敗があって成功があって、両方があって実は前進があるんだというふうに思いますので、ぜひ、きょうの会議録を現場のスタッフの方にも、もう増刷して見せていただいて、つらいことがあっても、挫折があっても頑張るようにお伝えいただきたいと思うんですが、後で山本局長の答弁の中にもそれを入れてくれませんか、全体に現場に行き渡るようにしていただければいいと、こういうふうに思うんです。
それで、基盤研究を通して、多くの分野の技術シーズを蓄積しているということがよくわかりました。産業技術研究センターでは、こうした技術シーズなどを活用し、これを一歩進めて実際の製品開発に結びつけて世の中に売り出すため、中小企業との共同研究という分野、これも非常に頑張って進めておられるということであります。
この前伺ったときに見せてもらったんですが、そうした共同研究の成果として、有害物質を含まない赤い色のガラスを製品化し、販売した事例というのがあるんです。ガラスで赤い色を出すのはなかなか難しくて、これまでは人体に有害なカドミウムを用いていた。これはもう製造段階でも危険性があるものでありますし、ご存じのとおり、カドミウムはかつての公害病のイタイイタイ病の原因でもありました。ヨーロッパでは、RoHSという国際規格を定めて、カドミウムを含む製品の製造、輸入に関して厳しい制限を課しているということも聞きました。
カドミウムを用いない製品は、生産現場での安全性も高めます。今回開発された製品の技術は特許も取得しており、使用料を払えば、ほかの中小企業の方も製品開発に用いることができるんです。
昔、陶工柿右衛門が磁器に赤い絵を出すのに大変な苦労をした。焼き物は、実は日本古来、古流のこうした製法、技術があるんですが、ガラスの赤色というのはなかなかカドミウム以外できなかったんです。ちっちゃな実績かもしれないけど大きな一歩だと、アームストロング船長じゃないけれども、私はそういうふうに思っているんです。
きょうはあえて赤色のガラス製品を持ってきましたので見ていただきたい、皆さんに。これがそうなんですね。これは今まで全部カドミウムでしか赤色が出せなかった。回してみると大げさになるけど、回してみる――じゃあ、共産党さんから。そういうことであります。
それで私、この後、日本橋の三越本店に行きまして、たまたま二十九日までの日程で、きょうまでなんですが、日本の伝統工芸展というのをやっている。これは久留米がすりであったり、新宿落合の染め物であったり、あるいは漆芸、漆であったり、人形であったり、木目込みであったり、もう日本中のありとあらゆる芸術工芸分野の最先端の作品が並べられていて、十五の受賞作品を中心に約六百点が展示されていました。
私は今、関係者とも執行機関の皆さんとも連携をしながら、東京都でこの日本の伝統工芸展東京バージョンができないかということで、今、いろいろ努力をしているんですけれども、その中にこういう新技術と古い製法が一緒になった、こうしたガラス工芸品なんかも入っていいと思う。江戸切子なんかというのはもうあるわけでありますし、べっこう細工なんて物すごいの、べっこうを使ったランプシェード、産技研で見せていただきました。台東区では――谷村議員がまた配慮してくれて、ずっと回してください。局長、見たことはある、これ――ある、それはそうだよね。
どこまで話が行ったかというと、例えば、台東区なんかは、べっこうの細工なんかは最先端で、古い技術のものがあるんだけれども、こういったものの工芸なんかも産技研が、実は手を入れてすばらしい完成品をつくっていた、ランプシェードというやつ。そういったものも念頭に置きながら、伝統工芸展をぜひというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、こうしたすばらしい成果を生んでいるのが、実は共同研究なんです。
産業技術研究センターでは、共同研究の相手方となる中小企業を選んで、共同作業を通じて製品化に結びつけているんですけれども、この基本形というもの、あるいは応用の形についてご報告をお願いいたします。
○十河商工部長 産業技術研究センターは、蓄積した技術シーズを実用化するため、製品開発力のある中小企業との共同研究を実施しており、実施期間は一年間で、最長三年まで延長することができるものとなっております。
センターでは共同研究を希望する中小企業を年に二回公募し、共同研究を希望する中小企業は担当研究員とテーマの打ち合わせを十分に行った後、幹部職員による審査委員会に申請することとなっております。
審査委員会では新規性、実現性、他の中小企業の製品開発への寄与度などを基準に審査を行い、選定テーマを決定いたしまして、平成二十五年度は前年度よりも四テーマ多い二十七テーマが選定されたところでございます。
製品開発力を持つ中小企業と、基盤研究の蓄積と先端設備を持つ産業技術研究センターが共同で取り組むことによりまして、短期間での製品化の実現を目指しております。
○木内委員 共同研究の成果等については公表されるということですけれども、私がいろいろ見聞をいたしますと、これだけすばらしい機能と存在でありながら、実は中小企業の現場で苦労している技術関係者がこういったことを知らないでいるケースが余りにも多いので、私は残念に思っているんです、現実に。
そこで、共同研究は公募をされているということなんですけれども、ぜひとも多くの中小企業の方々の参加をできるだけ多く募って新製品の開発に役立てる、そういう環境をつくるべきだと思うんです。
そのためには、共同研究の成果や、さっきいわれた技術シーズを広く普及宣伝することが重要でありまして、産業技術研究センターでは、研究成果発表会を開催して、研究員がみずからの成果を発表しているということなんですけれども、なかなかこういう発表会には日程の都合で参加できない中小企業の方も多くいらっしゃる。
さっき申し上げた岡山のれんが会社の方なんかも、産技研センターはここまでやってくれるんですか、相談に乗ってくれるんですか、あるいは、場合によってはよりよい、使い勝手のいい耐放射性れんがをつくるための共同研究だってできるかもしれませんというふうに理解をされるというような始末でありますので、研究成果の普及を一層進めるためのご努力をするように強く求めるのですけど、どうでしょうか。
○十河商工部長 産業技術研究センターは、毎年六月の研究成果発表会のほか、全国各地の学会等でも各研究員が研究成果の発表を行っているところでございます。また、インターネットや月刊の機関誌でも取り組み状況や開発した製品等を公開して、広く情報の提供を行っております。
また、先ほども申し上げました新技術については特許等を取得した上で、中小企業への使用許諾を通して研究成果の普及を促進し、ものづくり中小企業の製品開発も支援しているところでございます。
平成二十五年度には、新たにこれまでの研究成果をまとめた技術シーズ集と、実用化、製品化した成果をまとめた製品化事例集を作成いたしまして、これらをインターネットで紹介するとともに、センターの利用者や見学者などに広く配布をしております。
産業技術研究センターでは、今後とも研究成果のさらなる普及に努め、中小企業の技術、製品開発に役立てていくよう努めたいというふうにしております。
○木内委員 製品化事例集なんかも、どんどん関係機関や出先の機関に置いておいたらいいと思うんです。
私がこの前たまたま、これは申し上げていいと思うんだけど、伺ったときにいただいたタオル、これは物すごい評判がいいんです。水につけるでしょう。一秒で沈んじゃうんです。親水性がすごい早い。一秒で沈み始めるタオルという、これなんかは何でもないことのようだけど、家庭生活の中では主婦や、あるいは育児の人にはすごく朗報となるような技術でありまして、何でもないさりげないことが実は偉大なんだと思いますので、製品化事例集等はどんどん普及させてもらいたい、このことを強く要望いたします。
製品づくりの技術は持っていても、デザインの工夫ができないために、なかなか製品が売れないという中小企業も少なくない。そこで、中小企業の売れる製品づくりを支援するため、このセンターでは、システムデザインセクターという部署を設置しています。
さっき申し上げた、べっこうのランプシェードなんかは、ここで実は拝見をしたわけですけれども、見事なデザイン力のもとに製品化をされていました。市場で売れる製品を開発するためには、中小企業の技術者の機器操作能力やデザイン力を高めていかなければならないということも、貴重な意見としてお聞きすることができました。
このセンターでは、中小企業の技術者が最先端の機器を操作して売れる、そういう製品のデザインができるよう、講習会などを開催して人材育成も行っていると聞きましたが、その具体的な内容について明らかにされたいと思います。
○十河商工部長 システムデザインセクターでは、三次元CAD講習会等を開催することによりまして、中小企業技術者の機器操作能力の向上を支援してございます。
また、すぐに現場で活用できる売れる商品のデザインに関する知識や技術を習得していただくため、現役の工業デザイナーやグラフィックデザイナーを講師に迎えた実践型のセミナーも開催しております。
受講生からは、最先端機器の操作方法を身につけることができた、豊富な事例から、さまざまなデザインの方法を体験的に学習できたといった感想が寄せられており、新商品の開発につながった、受注がふえたなどの成果に結びついております。
○木内委員 大分時間がなくなったので、スピードアップしていきます。済みません。
こうした売れる製品をつくるための支援は、中小企業にとって非常に心強いことでありました。
私は、システムデザインセクターの支援を受けた企業の製品を見せてもらいました。本当にさまざまな製品が開発されていて、おもしろいところではお風呂場の椅子というのがあって、座面が緩くカーブしているために座っても体が安定するらしく、お年寄りでも安心して使うことができ、既にこれはもう製品化され、販売されて非常に好評を得ているということを聞きました。こういう製品を見ると、東京から新しい商品が生み出され、都民の皆様に利用されているということも実感をしました。
この平成二十五年度、システムデザインセクターで売れる製品づくりのための技術的な支援を行った内容をご報告ください。
○十河商工部長 システムデザインセクターでは、3Dプリンターなどの機器を効果的に使って企画、設計の段階から売れる製品づくりを支援しております。
例えば、お話の浴用椅子では、設計図面のデータの解析シミュレーションと3Dプリンターによる試作を繰り返し行うことで、座り心地のよいデザインを実現いたしました。さらに、家具強度試験機により、試作品の強度評価を実施し、安全性の詳細な確認を行っております。
そのほかにも、システムデザインセクターでは、販売促進用のカタログなどで製品の特徴や性能を効果的に表現する方法、こういったものに関するセミナーなども開催しており、製品企画からデザイン、試作、性能試験、販売促進に至るまで一貫した支援に取り組み、平成二十五年度の利用件数は、前年度から大きく伸びて約四万件となり、過去最高の実績となっております。
○木内委員 3Dプリンターを活用したものづくりというのは、私はこれからの大事な課題だと思っております。これは大きな四角い箱のような装置の中に設計用のデータを投入すると、立体的な造形物が作成されて、かなり複雑な形状も製作することができる。
新製品の開発は、試作を繰り返して完成させていくことが必要ですが、これまで試作で用いられてきた金型は製作に高額な費用と時間が必要となる。しかし、3Dプリンターを用いれば、これに比べて安く短時間で試作が行えるという利点があります。これまで多くの中小企業が産業技術研究センターで試作を繰り返し、さまざまな部品や製品をつくってきました。
3Dプリンターの材料ですけれども、世界では金属粉末を用いることが始まっているそうであります。これによる造形技術が多くの中小企業に利用されるようになると、例えば、エンジン部品といった工業製品だけでなく、体内に埋め込まれる人工的な骨といったような医療用製品など、多くの分野のものづくりに革命をもたらすともいわれています。
産業技術研究センターでも、早くから本部や各支所に3Dプリンターを備えて、都内中小企業のものづくり支援を行ってきているけれども、今後さらに新技術の支援というものの展開が必要だと思いますが、これを私は産技研センターの一つの売りだと、肝の一つだと思っておりますので、力を入れて答弁願いたいと思います。
○十河商工部長 近年のものづくりは、3Dデジタル技術の活用が進展し、積層造形技術も急速な技術革新が見られるところでございます。金属粉末を用いた3Dプリンターについても、産業界で注目が集まっており、技術の確立と応用が期待されております。
さらに、航空機産業や医療機器分野では製品の形状がより複雑になるため、三次元による計測や加工技術への対応が求められているところでございます。
産業技術研究センターでは、中期計画を踏まえ、こうした最新の技術動向や中小企業のニーズを的確に把握しながら、新たな機器の整備を計画的に行ってまいります。
また、新たな機器の導入に合わせまして、さまざまな利用技術を開発し、その普及促進に取り組むことで、都内中小企業の製品開発支援を積極的に進めていくこととしております。
○木内委員 ちょっと角度を変えまして、都の産業技術研究センターが、研究活動や技術支援で培った幅広い知見を頼って、区市町村や商工団体などから、助成金や技術表彰の審査に協力してほしいという依頼が数多く持ち込まれていると、こういうふうに聞きました。
どんなコンテストでも、あるいは技術表彰の場であっても、これを的確に評価して、そうした判断を下せる能力と実績を持った人がいなければ、これは行事としては成り立たないわけであります。さっき申し上げた日本の伝統工芸展でも、実はこれを的確に判断する、評価する力を持った人が、能力を持った人が求められるわけであります。
私がここで明らかにしたいのは、他の道府県でも同じような機能、センターはあると思うんですけれども、東京都の産業技術研究センターの内蔵する人的能力といいますか、機能力、これについて明らかにしてほしいんですけれども、例えば、業務実績評価書によれば、そうした依頼は平成二十五年度には三千五百件ほどあったとのこと。
東京都の公設試験研究機関が、ほかの自治体や商工団体が実施する事業のために一肌脱いで協力をする、その能力を反映して評価していく、こういうことが東京全体の産業力の底上げにもつながり、そういう依頼が数多くあるということは東京都としての誇りでもあるし、実は大変な矜持でもある、こういうふうに思うわけであります。
こうした三千五百件という技術審査は、他府県と比べてどの程度のものなのか、また、技術審査力の向上のための取り組みについても、お答えを願います。
○十河商工部長 産業技術研究センターにおける技術審査につきましては、平成二十五年度に、町田市が実施するトライアル発注認定制度を初め、新たに六事業の技術審査を受託し、審査件数は全体で、お話のように約三千五百件となっております。これは研究員一人当たりの件数で見ますと、平均約十三件となり、他府県の公設試験研究機関の一人当たり平均約二件と比べ、七倍程度の実績となっております。
技術審査力の向上に向けた取り組みといたしましては、専任のベテラン職員を中心として各部門の中堅、若手職員が連携する体制をとりまして、審査の平準化と審査水準の維持に努めております。
また、平成二十五年度は、新たに審査の手引書を作成いたしまして、若手職員に審査水準を明確に示すとともに、研修会を開催して具体的な指導を行っているところでございます。
さらに、平成二十五年度から、技術審査で選ばれた企業のその後の売り上げや販売実績等の調査を行い、審査の貢献度を研究員にフィードバックすることで、職員の技術審査力と意欲の向上に努めているところでございます。
○木内委員 やっぱり産業技術研究センターが信頼されているからこそ、いろんな機関から技術審査を依頼され、これに対して今の答弁にありましたように積極的に協力していることがさらなる信頼をつくっていく、新たな依頼にまた結びついているんだと思います。
産業技術研究センターが築いてきた信頼を維持し、さらにサービスの向上を図るためには、利用者の声を十分に把握することが重要でありまして、産業技術研究センターにお伺いしたときに、研究員の皆さんは利用者の声をよく聞き、相手が希望する最良の支援を考えながら仕事をしておられるんだなということを感じました。
中小企業の要望をしっかり把握して、その声を取りまとめてセンターの運営に役立てていくことが大変重要なことだと思います。特に私、今回の報告の書類を見て感心したのは、世間でよくプラン・ドゥー・シーというのがあって、計画する、行う、そしてこれをもう一回振り返る、レビューするということですけれども、このアンケート調査を実施している、これは私は大変立派な、また大事な作業だと思うんです。
これも含めて、このセンターを利用した中小企業者の声の把握の仕方について、明らかにしてください。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、利用者の要望や意見を把握するためのアンケートを実施し、利用したきっかけ、職員の対応、支援サービスによる目的の達成度や今後期待する新たな支援などについて調査し、調査結果をアウトカム評価報告書として公開しております。
調査結果を踏まえまして、これまでに利用ニーズの高いエックス線透視CTシステムや精密万能試験機などの機器整備を行ったほか、総合支援窓口の開設時間の拡大等のサービス改善にも取り組んでまいりました。
産業技術研究センターでは、今後も利用者の要望を的確に踏まえ、事業運営や支援方法のさらなる改善に努めていくこととしております。
○木内委員 利用者の声を聞いてサービスに反映させていくということは、これは中小企業支援の基本でありまして、かつ非常に重要なことであります。今後も産業界の動向や中小企業のニーズをしっかりと見据え、支援に取り組んでもらいたいと思うんです。
これまで大急ぎで伺ってきましたけれども、産業技術研究センターはすぐれた研究成果や最新の機器を活用し、そうして中小企業の方々のさまざまなニーズに対応した支援を行ってきました。その結果、申し上げたように、評価委員会からも高い評価を得ていることを実感もいたしました。
グローバル化した市場において、技術革新を支援している産業技術研究センターが果たす役割はますます高まると思います。都内中小企業のため、そして製品を利用される都民の方々のために、さらなる勢力的な取り組みをお願いしたいと思います。
こうして山本産業労働局長と一つの委員会で質疑を行う、私にとっては大変胸の熱くなる、実は感激の場面であります。いろんな歴史を二人で乗り越えてきました。その誠実な人柄、また仕事への責任感、本当に尊敬をいたしております産業労働局長でありますけれども、最後に山本局長に、センターを活用した中小企業の技術振興に対する見解をお伺いしたいと思います。
○山本産業労働局長 東京の中小企業は非常に高い技術力を持っているわけでございます。これを産業としてさらに発展させていくためには、今、先生からお話がありましたとおり、中小企業の高い技術力を具体的な製品へ結実をさせていくということが重要であるというふうに考えております。
都はこれまで、産業技術研究センターを技術支援の中核的な機関と位置づけまして、中小企業の技術革新に向けた取り組みを促進してまいりました。
また、センターにおきましては、都内中小企業の技術的な課題、これは時代の流れに応じて次々と新しい課題が生まれてくるわけでございますが、これらを解決いたしまして、新たな製品開発を支援するため、最新の加工機器や分析機器を導入するとともに、技術動向に基づきました研究を行い、中小企業のニーズに的確に応えるための試験、研究環境の充実を図ってきたところでございます。
先ほどお話がございましたとおり、数多くある技術シーズを活用いたしまして、中小企業とも共同研究をし、幾多の失敗といいますか、試行錯誤を乗り越えて、製品開発に結びつけているというところでございます。
さらに、海外にも販路を拡大していくために、製品の輸出に不可欠な海外規格への適合支援の体制を整備いたしまして、中小企業の国際競争力の強化にも努めてまいりました。
こうした取り組みの積み重ねが、平成二十五年度の業務実績評価におきまして、評価委員会から高い評価をいただいた結果につながっているものと考えてございます。
都は今後とも、都内中小企業が日本のものづくり産業を牽引する原動力としての役割を一層果たしていけるよう、産業技術研究センターと連携をしまして、中小企業の技術力の向上、製品開発に向けた取り組みを強力に支援してまいります。
○尾崎委員 私の方からも産業技術研究センターの業務実績評価について質問いたします。
評定説明の中で、評価がAやSであっても、新たなニーズに対応したサービスの充実を、中小企業のニーズを的確に捉えつつ、中小企業のニーズを反映した研究、調査の促進を図られたいという指摘がされているところがたくさん出てきます。
中小企業のニーズについて、どのようにつかんでいるのかの現状と今後の改善策について伺います。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、毎年度行う利用者を対象としたアンケート調査や研究会、交流会、学会への参加、日々の技術支援等を通じて、ものづくりの技術動向や中小企業のニーズを把握しております。
今後とも、これらを通じて中小企業ニーズの的確な把握に努めていくこととしております。
○尾崎委員 中小企業のニーズについては、東京都が行っている調査結果も参考にしているというお話を現場の方から伺いました。
政府は高度なものづくり技術を持ち、地域経済の重要な役割を果たす小規模企業全体を底上げし、持続、継承できる政策を進めるために、小規模企業振興基本法をつくりました。東京のものづくりへの支援、中小企業への支援は大変重要であり、産業技術研究センターの役割もますます重要となることは明らかです。
そこで、中小企業の実態や要望をリアルにつかむため、東京都は中小企業の実態調査を全中小企業の規模、悉皆調査をやることを要望いたします。ぜひご検討ください。
製品開発、品質評価のための支援、製品開発支援ラボ、共同研究開発室についての評定説明の最後に、本事業の内容、成果について潜在的な利用者への広報を期待するとあります。現在はどのような広報活動を行っていますか。
都と産業技術研究センターの予算はどうなっていますか。また今後、必要な広報活動についてどのように考えていますか。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、ホームページやメールマガジン、月刊の機関誌による情報発信に加え、セミナーや相談会などを通じて広報活動を実施しているところでございます。これらの費用につきましては、都から交付される運営費交付金や自己収入の中から措置されているところでございます。
産業技術研究センターでは、今後も引き続き、広報活動の充実を図っていくこととしております。
○尾崎委員 新たに製品化事例集をつくるなど、努力していることは高く評価するものです。先ほど木内委員の方からも回覧がありましたが、赤いガラス、これはこの事例集にも書かれていて、事例集を見ることで私も、こんなことができるのかと新しい発見もあり、産業技術研究センターの取り組みが理解できました。
産業技術研究センターが運営交付金の中から広報費を出すとしても、もう一方で、都としても産業技術研究センターの活用、普及に向けて、広報活動に取り組んでもよいのではないでしょうか。中小企業に知らせることで、新たな取り組みに挑もうという経営者があらわれるのは、都としても喜ばしいことではないでしょうか。都として、広報活動に取り組むよう求めておきたいと思います。
産業人材の育成の、技術者の育成では評定はSですが、関係機関との連携による人材育成についての評価はBとなっています。その要因についてどう認識していますか。
○十河商工部長 技術者の育成におきましては、多岐にわたる取り組みの多くが前年度を大きく上回る実績を上げたことなどが高く評価され、評定Sとなり、関係機関との連携による人材育成では、取り組みを着実に実施していることが評価され、評定Bとなったものと認識しております。
○尾崎委員 依頼する側の取り組み状況もあると思います。しかし、産業技術研究センターのある室長さんからお話を伺いましたが、技術相談、依頼試験、機器利用などさまざまな分野で過去最高の利用数となり、限られた職員で講師派遣を行うことは大変厳しいと話しておられました。
技術者の育成と指導者としての人材育成は、今後ますます重要となることは明らかです。だからこそ、評価委員会の指摘でも職業能力開発センター、中小企業振興センターが行う人材育成への積極的協力を求めているということだと思います。室長さんが話された産業技術研究センターの実情を認めた上で、東京都として、産業技術研究センターが取り組む人材育成を支援するよう求めておきたいと思います。
技術相談、依頼試験、機器利用などで過去最高の実績となっており、中小企業にとって重要な役割を果たしています依頼試験、機器利用の区市町村別利用状況について資料をいただきましたが、やはり利用状況にアンバランスがあるようです。この現状についてどう認識していますか。
特に多摩地域では、もっと工夫が求められると思われますが、いかがでしょうか。
技術相談や依頼試験、機器利用で過去最高の中小企業支援の実績を上げたとの評価ですが、大企業と中小企業とを分類した利用実績、各事業所ごとの利用実績はどうなっているでしょうか。
○十河商工部長 産業技術研究センターの利用状況についてでございますが、東京は地域ごとに製造業の集積の度合いが異なることなどから、区市町村別利用状況についても違いが生じていると考えております。
また、センターでは、中小企業の利用促進を図るため、多摩地域に限らず、支援事業の内容や成果の周知に努めているところでございます。
なお、センターの利用件数の約八割は中小企業でございます。
平成二十五年度の各事業所ごとの利用実績とのことでございますが、依頼試験では、本部約十万一千件、多摩テクノプラザ約二万二千件、城東支所約四千五百件、墨田支所約六千九百件、城南支所約一万五千件となっており、機器利用につきましては、本部約七万八千件、多摩テクノプラザ約一万六千件、城東約一万二千件、墨田約三千二百件、城南約一万二百件となっております。
○尾崎委員 区市町村別のほかに、それぞれの事業所別の利用状況をお聞きしました。その地域の産業集積状況を分析して、各事業所で機器をそろえるなど特徴ある取り組みで努力していると思います。
産業技術研究センターの事業案内には、中小企業の事業ニーズに即した高品質な技術支援の実施により、都内中小企業の振興を図り、これを通じて都民生活の向上に貢献することが都産技研の役割ですと、役割を明確にしています。
利用者の八割が中小企業で、二割が大企業ということですが、産業技術研究センターの役割からいえば、中小企業の利用を九〇%、一○○%に近いように引き上げることが求められると思います。
墨田支所において、生活関連製品開発の支援拠点となる生活技術開発セクターが十月十六日から開設しました。人間の特性、生活空間、環境を生かしたものづくりを支援するというもので、利用実績は五千三百六十六件となっています。生活技術開発セクターの評価について伺います。
また、生活技術開発セクター開設の財源について伺います。
○十河商工部長 生活技術開発セクターでは、日射環境試験、におい識別試験など、独自性の高いサービスを中小企業に提供しており、生活関連製品の付加価値向上に貢献していることが高く評価されております。
なお、本セクター開設の財源は、積立金を充当しているところでございます。
○尾崎委員 先日、墨田支所を見学させていただきました。所長さんにお話を伺いながら説明をしていただいたんですが、生活技術開発セクターを設置する経緯は、二〇〇七年の経済産業省の人間生活技術戦略をもとに検討したといいました。
墨田支所は、繊維製造業の品質評価を中心に行ってきましたが、地域の集積産業の変化もあり、インテリア、雑貨、家具などの製造業や介護、福祉、健康、教育など生活関連サービス業の方にも利用していただこうとなったそうです。
地域の産業の変化に対応した取り組みで、とても興味深く見学させていただきました。特に人体計測器は、人の目の動きがどうなっているのかをはかるもので、店内の写真を映し出し、人の目がどう動くか、一番にどこを見るか、何色を見るかなどがわかるものでした。商品の品物、広告ポップの色や形などを変えることで、目の動きも変わることがわかります。さまざまなものに活用できると思いました。
そこで、生活技術開発セクターで行っている快適性評価の分野で人体計測器があり、お店のディスプレー、紙袋やパッケージのデザインなど商店街の活性化につながるものがあります。
疲弊している商店街の活性化に向けて、都も積極的に位置づけてPRすることも必要だと思いますが、いかがですか。また、都として商店街の活性化に向け、利用できるように求めますが、どうでしょうか。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、技術支援の内容や成果につき、さまざまな広報活動を行っておりますが、都も必要に応じて周知PRを図っているところでございます。
○尾崎委員 生活技術開発セクターを見学して、人体計測器などは多くの中小企業が活用できると痛感しました。ものづくりのポイントは安心、快適、使いやすさですが、これからの製品は、かわいい、使ってうれしいがポイントになる、中小企業もこうしたところに目を向けないとやっていけないが、感情工学、人間工学は未開拓分野だということも所長さんに伺いました。
お店のディスプレーを変えるだけでも売り上げに影響が出ると思われます。また、かわいいパッケージにするだけでも商品の印象は変わります。この事業について、ものづくりの皆さんはもちろんですが、商店の皆さんへの周知にも取り組むよう求めます。
都の新・元気を出せ商店街事業との連携や、空き店舗を活用して製品開発や共同研究などができるようにすることで、産技研の取り組みと中小企業の実利につながるということを身近に感じてもらうことができるはずです。
生活技術開発セクターなど、ものづくりの分野だけでない小売りなど商業分野、サービス業分野との連携した取り組みにも踏み出していくよう求めます。ものづくりの技術を継承する上でも、産業技術研究センターは大きな役割があります。都の事業との連携を積極的に行うことを求めて質問を終わります。
○中村委員 では、私からも、今回の定例会に報告された、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの業務実績評価書について質問します。
昨年も質問するに際して見学をさせていただきましたが、ことしも質問するに当たり、改めて中山議員とともに見学もさせていただきました。ご対応に感謝いたします。
知事の所信表明演説でも、ものづくりを支える中小企業を支援すると述べられ、産業技術研究センターの多摩テクノプラザを訪問され、電磁波の測定施設などを視察したとのことでした。
私も昨年の多摩テクノフェアの際に訪問し、知事が訪れたという電磁波の施設も拝見させていただきましたが、知事が東京のものづくりの底力を高めると述べられたことは評価いたしますので、せっかくのこうした設備がより多くの中小企業にも活用されることを期待いたします。
先日発表された東京都長期ビジョンの中間報告でも、中小企業の開業率一〇%台に上昇というこれまでにない指標も設け、ものづくりの中小企業を育成するとの記載もありました。
そこで最初に、都のものづくりの発展における都立産業技術研究センターの役割について伺います。
○十河商工部長 経済のグローバル化等、ものづくり産業を取り巻く環境が変化する中、都内中小企業がさらに成長していくためには、その技術に磨きをかけ、競争力の高い製品を生み出していくことが必要でございます。
このため産業技術研究センターでは、中小企業が単独では整備が困難な先端機器を活用して、依頼試験、機器利用などの技術支援サービスを提供するとともに、環境、省エネルギーなどの新たな技術的課題の研究に取り組み、その成果の還元を通して、中小企業の技術力や製品開発力の向上を図るなど、都内ものづくり産業の発展に重要な役割を果たしております。
○中村委員 中小企業のものづくりは、これまで日本の成長を支えてきました。アジア諸国等との厳しい競争の中で生き残っていくには、大企業にもまねのできない卓越した技術や高い品質が重要なのはいうまでもありません。そのために懸命に努力をしている中小企業への支援を引き続きぜひともよろしくお願いいたします。
さて、今回の評価書の方では二十四項目のうち、計画を上回ったSとA、計画を順調に実施のBのみで、計画が十分に実施できていないCとDはなかったことから、全体的には高い評価ではありました。とはいえ、計画どおりというBについては、評価としては普通なのですが、コメントなどを見ると、まだまだ改善の余地のある項目でもあります。
地方独立行政法人となって八年以上たつので、毎年こうした評価書が出されますので、評価書の指摘を今後の運営に生かしていただきたいと思います。
幾つかその中で項目がありますが、その中でも外部資金導入研究・調査の項目では、評価はBで、引き続き積極的な対応が期待をされています。新規採択についても努力はされていますが、中期計画期間があと一年という状況で達成率は六一%となっています。地方独立行政法人とはいえ、収入の大半は都からの運営費交付金ですが、独立した組織としてのメリットを生かし、外部の資金獲得にもより一層取り組んでいただきたいと思います。
今回も評価書では、中小企業の製品開発や産業界の動向などを把握し、提案公募型に応募するなど、外部資金獲得活動に取り組んでいただきたいとありますが、今後の取り組みについてはどう考えていくのか伺います。
○十河商工部長 産業技術研究センターは、地方独立行政法人化のメリットである自律的で柔軟な運営の実現に向け、外部からの研究資金の獲得にも努めております。
平成二十五年度は、外部資金の獲得総額はやや減少したものの、提案公募型研究の新規採択件数は十六件と昨年の十一件に比べて増加するなど、着実に実績を積み重ねております。
産業技術研究センターでは、今後とも、中小企業のニーズを踏まえ、基盤研究を発展させることにより外部資金の導入を図るとともに、提案公募型研究への積極的な応募に努め、外部資金を活用した研究を推進することとしております。
○中村委員 また評価書の方では、都産技研の支援の結果、東京にどのような産業が育成されたのか、より一層の成果把握を期待したいとありますが、実際にこのセンターが具体的に中小企業にどのような利益を生み出すかは重要です。
国全体では基礎研究も重要ですが、中小企業にしてみれば、すぐにでも利益に直結することも求められています。技術はもちろん大事ですが、よい技術さえあれば売れるわけでもありません。
昨年、視察をした際には、中小企業の開発事例として、3Dプリンターを活用した扇風機を紹介され、ことしは依頼試験によって高い吸水性を持つタオル製品、一秒タオルを紹介していただきました。これらはもちろんすばらしい技術があるのですが、何より市場のニーズを的確に捉えているからこそ、通常の製品よりも高い価格での販売も可能な付加価値がつき、企業の業績拡大につながっているのだと思います。
そこで、産技研が支援する中小企業の成果をどのように把握しているのか、指摘を受けどのように取り組んでいくのか伺います。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、中小企業に対する技術支援の成果を適切に把握するため、利用者へのアンケートや研究員による聞き取り調査を実施しております。
具体的には、利用者アンケートでは、センターの利用状況や満足度に加え、製品改良や事業化につながった事例の調査を行うなど、具体的な支援成果の把握に努めております。また、技術支援に当たった担当の研究員が、技術的課題の改善状況や製品の売り上げ状況など、その後の詳細な情報の把握を行っております。
産業技術研究センターでは、今後とも、こうした取り組みをさらに強化して事業の成果を把握し、研究テーマの選定や新たな機器の整備等、支援内容の改善につなげていくとしております。
○中村委員 また評価書の方には、都産技研の高度技術支援をまだ利用していないという中小企業があると推察されるとも指摘があります。せっかく最新の設備を導入しても、中小企業にそれが届かなければ役に立ちません。
今回、見学させていただいた際に、インターネット通信を利用した遠隔相談サービスも拝見させていただきました。平成二十四年からは板橋区と連携し、板橋産業技術支援センターからインターネット経由で相談できるようになりました。そして今月の九月一日からは府中市とも連携し、府中市工業技術情報センターからも遠隔相談が開始しました。
こうしたことはよい取り組みだと思いますので、今後も提携する市区町村をふやしていただきたいと思います。
こうした事例は、中小企業の積極的な活用につながるよい事例となります。まだまだ中小企業への認知度が高いとはいえない中、より積極的に活用してもらうような取り組みについてお伺いいたします。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、より多くの都内中小企業の利用を促進するため、本部及び各支所を挙げて積極的な広報活動に取り組んでおります。
具体的には、ホームページや施設公開、研究発表会等を通じて、事業内容や支援の成果等の情報発信に努めるとともに、平成二十五年度にはマスコットキャラクターを新たに開発するなど、センターの認知度向上に向けた取り組みを進めております。
今後とも、国内外の展示会におけるPRを強化するなど、利用者拡大に向けた取り組みを充実することとしております。
○中村委員 また組織体制に関して、昨年度はロボット開発セクターの組織化を目指して取り組まれました。技術開発支援部に、高度分析開発セクター、システムデザインセクター、実証試験セクターの三つに加えて、四つ目のセクターとしてロボット開発セクターが設置されました。
こうした迅速な対応については、都の組織から独立した法人であることの一つの効果でもあるかと思います。ロボット技術については、介護の際の支援であったりとか、また、原子力発電所の事故の対応のように人が近づけないところで活動するなど、さまざまな期待があり、強化すべきはよい方向だと思います。
長期ビジョンの中間報告でも、ロボット産業などの高度な技術を活用する分野への参入について記載がありました。今後さらに重点的に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、新たに立ち上がったロボット開発セクターがどのような社会的なニーズにより立ち上げ、今後はどのような取り組みを行うのか伺います。
○十河商工部長 ロボット技術は今後、高齢化や労働者不足への対応など、さまざまな分野での活用ニーズが見込まれております。また本年、生活支援ロボットの国際安全規格が発行され、さらなる技術革新が期待されております。
こうしたことから産業技術研究センターでは、昨年度より、おもてなしロボット等を初めとするロボット開発への取り組みを開始し、本年度にはロボット開発セクターを新設いたしました。
産業技術研究センターでは、今後これまで蓄積した技術や保有する最先端の機器を活用しながら、ロボット開発に取り組む中小企業の支援に一層力を注いでいくこととしております。
○中村委員 最後ですが、昨年度もう一つ、新たに立ち上がった墨田支所の生活技術開発セクターについて伺います。
社会的なニーズも変わる中で、生活製品に求められる快適、健康、安全・安心、使いやすさなど高付加価値なものづくりが求められています。こうした市場のニーズに応え、中小企業の支援を行う新たな取り組みは評価したいと思います。もちろん新たなセクターですので、積極的にPRして活用していただくことを望みます。
新たに生活技術開発セクターを設置した狙いと取り組みを伺います。
○十河商工部長 産業技術研究センターでは、性能と快適性を両立させた高付加価値な生活関連製品の開発を支援するため、昨年十月、墨田支所内に生活技術開発セクターを開設いたしました。
本セクターでは、衣服の圧力分布や熱の伝わり方などを測定する快適性評価や、有害物質の分析などを行う安全性評価を行うことができ、例えば快適性評価としては、室内外の環境を人工的に再現できる日射試験装置を活用したクールビズ、ウオームビズ製品の開発等を支援しております。
今後とも、従来の繊維製造業はもとより、インテリア、雑貨など生活関連サービス業の利用を促進し、生活に身近な製品の競争力を高める中小企業の支援を強化してまいります。
○中村委員 ご答弁ありがとうございました。さまざまな質問をいたしましたが、評価書の指摘を受けてより一層の改善を行い、今後、中小企業のものづくりを支えていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○三宅委員長 次に、報告事項、新銀行東京の平成二十七年三月期第一・四半期決算についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十分散会
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