委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 栗林のり子君 |
副委員長 | 田中たけし君 |
理事 | 高橋 信博君 |
理事 | 中村ひろし君 |
理事 | かち佳代子君 |
かんの弘一君 | |
小松 大祐君 | |
柴崎 幹男君 | |
中山ひろゆき君 | |
尾崎あや子君 | |
谷村 孝彦君 | |
木内 良明君 | |
高島なおき君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 塚田 祐次君 |
次長 | 山本 隆君 | |
総務部長 | 澤 章君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 塚本 直之君 |
管理部長 | 坂巻政一郎君 | |
港湾局 | 局長 | 多羅尾光睦君 |
総務部長 | 岡崎 義隆君 | |
労働委員会事務局 | 局長 | 岳野 尚代君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第七号議案 平成二十六年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十六年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十六年度東京都と場会計予算
・第十八号議案 平成二十六年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十号議案 平成二十六年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十六年度東京都港湾事業会計予算
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出経済・港湾委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第八十四号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
・第九十号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第九十一号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
特定事件の継続調査について
○三宅委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。
○三宅委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
これより予算の調査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第七号議案から第十号議案まで、第十八号議案、第二十号議案、第二十一号議案及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○小松委員 東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託されました平成二十六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
平成二十六年度予算案は、都民の安全・安心の確保に向けた取り組みや、都市の活力を向上させる取り組みに重点的に財源を投入しており、その結果、政策的経費である一般歳出が二・五%の増となるなど、オリンピック・パラリンピックに向けて東京の魅力を一層高めていくために必要な取り組みを推進するものとなっています。
また、緊急輸送道路の機能確保などの都市基盤の高度防災化や国際競争力の向上に資するインフラ整備など、投資効果の高い事業に積極的に財源を振り向けた投資的経費は、十年連続の増加となっております。
一方で、事業評価などを通じ、施策の効率性や実効性を向上させる自己改革の取り組みをさらに推進した上で、都債を計画的に活用し、基金の残高確保に努めるなど、財政基盤のより一層の強化を図っています。これは、必要な施策の充実とそれを支える財政基盤の堅持という二つの課題にしっかりと対応したものであり、評価するものです。
景気の回復を受け、都税収入は三年連続で増加となりましたが、景気変動の影響をまともに受ける構造にある都財政の歴史を踏まえれば、決して楽観視できる状況にはありません。
東京を世界で一番の都市にの実現に向けて、引き続き堅実な財政運営に徹することを望みます。
最後に、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、都民が施策効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも、迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
次に、各局関係に移ります。
まず、産業労働局関係について申し上げます。
一、成長分野での事業展開や付加価値の高いものづくりに取り組む中小企業に対し、必要な設備投資にかかわる思い切った経費助成をされたい。また、製造用設備の更新や工場の建てかえなど、中小企業の生産性を高める取り組みに対して金融面から手厚い支援策を講じられたい。
一、中小零細企業が日々の事業運営に必要な運転資金を確保し、経営改善に取り組めるよう、経営安定化に資する支援を充実されたい。また、資金調達の多様化を図るため、企業が保有する動産等を担保として活用した融資制度の仕組みづくりに取り組まれたい。
一、起業家の成長の段階や個別ニーズに応じたきめの細かいサポートを行うとともに、すぐれた人材等を対象とした新たなインキュベーション施設を開設するなど、創業の活性化に向けた支援を充実されたい。また、女性や若者に加え、会社を退職したシニア層が地域社会で起業する取り組みに、資金面からの後押しを行うような施策を構築されたい。
一、経済のグローバル化が進展し、海外での販路開拓や事業展開の重要性が高まる中、海外展開を志向する中小企業の人材育成を支援するとともに、すぐれた技術力を持つ海外企業との技術連携や成長著しいアジア新興国の需要取り込みを促進するなど、都内中小企業の海外展開に対する支援を強化されたい。
一、都内における製造業等の産業集積を維持し、産業の空洞化に歯どめをかけるため、工場の改修や都内移転等に対する企業の負担を軽減する新たな支援策を講じられたい。
一、新・元気を出せ商店街事業の充実を図り、魅力的で活力ある商店街づくりを推進されたい。
一、観光資源の発掘や特色ある観光資源の活用に取り組む地域への支援策の充実を図られたい。また、オリンピック・パラリンピックの開催決定のチャンスを生かして、東京の魅力を海外に強力に発信するとともに、観光プロモーションやMICE誘致施策をより積極的に展開されたい。さらに、福島県の観光復興に向け、引き続き被災地応援ツアーを実施されたい。
一、都市農業の振興を図るため、農地保全の施策の拡充を行うとともに、東京農業の産業力強化に向け、意欲ある農業者の取り組みに対し一層支援されたい。また、都内産農作物の地産地消を拡大するため、普及PRを推進するとともに、食の安全・安心の確保に向けた取り組みを実施されたい。
一、林業、木材産業の振興を図るため、林道等の基盤整備や森林施業の集約化を支援するとともに、杉の伐採により多摩産材の供給を確保し、利用拡大に向けた情報提供窓口を設置されたい。また、森林施業の低コスト化や森林整備を担う技術者の育成に取り組まれたい。
一、意欲ある若年者の正規雇用化を推進するため、民間事業者を効果的に活用した取り組みの充実を図るなど、就業支援策を拡充されたい。また、成長が期待できる産業分野に必要な人材を確保するため、引き続き若年者のマッチングに取り組まれたい。
一、女性の再就職を支援するため、専用相談窓口を設置するとともに、身近な地域で職業訓練を実施するなど、支援策の充実を図られたい。あわせて、ワークライフバランスの推進にも引き続き取り組まれたい。
一、高齢者が地域において活躍できるようにするため、就業機会の確保に向けた取り組みを実施するとともに、シルバー人材センターへの支援策の充実を図られたい。
一、障害者の就労意欲が高まる中、これまでの就業促進施策を着実に進めるとともに、職場定着への支援や精神障害者に対する取り組みを強化されたい。
一、公共職業訓練により人材の育成を推進すること。特に喫緊の課題となっている建設技能人材を育成する職業訓練を実施されたい。また、引き続き雇用創出事業に取り組まれたい。
一、島しょ地域の農業振興を図るとともに、漁業生産に不可欠な基盤整備を推進されたい。また、島しょの観光振興に向けた支援策を拡充されたい。さらに、台風により大きな被害を受けた大島の早期復興に向けた施策を迅速に展開するとともに、帰島から九年となる三宅島の復興に向け、十分な対応を図られたい。
次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
一、豊洲新市場については、食の安全・安心に万全を期すとともに、高度な品質管理の実現など、国際的にも最先端の市場として着実に整備されたい。また、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な移転時支援を実施し、安心して移転できる環境づくりに努められたい。
一、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、卸売市場の機能強化や活性化を積極的に推進し、生鮮食料品等の都民への安定供給に努められたい。
一、災害時にも市場機能が維持できるよう、分散型電源の導入によるエネルギー確保の多様化を図るなど、卸売市場の災害対応力の強化に努められたい。
一、多摩地域の地方卸売市場については、生鮮食料品流通の安定供給を図るための施設整備補助制度等の拡充を図り、その支援に努められたい。
次に、港湾局関係について申し上げます。
一、国際コンテナ戦略港湾として、川崎、横浜両港との緊密な連携を進めるとともに、中央防波堤外側の新規外貿コンテナふ頭や臨港道路南北線の整備、渋滞対策の取り組みを推進するなど、ハード、ソフト両面から東京港の国際競争力を図られたい。
一、地震、津波、高潮等の災害から都民の生命、財産を守るため、東京港海岸保全施設整備計画に基づき、水門、排水機場の耐震強化や、防潮堤、内部護岸の早期整備、高潮対策センターの二拠点化を推進されたい。
一、臨海副都心の開発に当たっては、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の整備を着実に進めつつ、大型クルーズ客船ふ頭の新設や新たな観光資源の誘致などに段階的に取り組み、IRも視野に入れて、MICE、国際観光拠点化を推進されたい。
一、島しょの港湾、漁港、空港などの整備や防災対策を着実に進めるとともに、引き続き離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。
以上をもちまして意見開陳を終わります。
○栗林委員 都議会公明党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
平成二十六年度の一般会計当初予算案は、引き続き堅調な企業収益や地方消費税率の引き上げなどによって増加した都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を、前年度比二・五%増の四兆七千八十七億円と二年連続で増加させています。
その中身は、都民の安全・安心を守る取り組みや都市の活力を向上させる施策に財源を重点的に投入することとしており、東京の存在感を高める施策が盛り込まれた積極的な予算編成であることがうかがえます。
具体的には、公明党がこれまで提唱してきた社会資本の老朽化対策はもとより、日本の成長を牽引するインフラ整備などに重点的に取り組むこととし、投資的経費は十年連続で増加させております。とりわけ、単独事業は前年度に比べて一〇・七%の増となっています。
また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、予算額、構成比ともに過去最高としています。
一方、都財政は景気変動の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあることに加え、平成二十六年度税制改正では法人住民税の一部が国税化されるなど、その先行きは予断を許す状況にはありません。
今後の税収動向に備え、財政基盤の強化を図ることは、将来にわたり安定的、持続的に行政サービスを提供していく上で必要な取り組みであります。
中長期的な視点に立って都債や基金の計画的な活用を図るとともに、事業評価などを通じ、施策の無駄をなくし、効率性や実効性の向上に努めていかなければなりません。
今後とも、都民生活を守るという都政の役割をしっかりと果たすため、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待に応えられるよう、より一層効率的に行うとともに、実効性の高い施策展開により、首都東京が日本経済の成長を牽引し、経済の好循環の波を全国に波及させていくことを要望いたします。
次に、各局別に申し上げます。
初めに、産業労働局について申し上げます。
一、中小企業のさらなる成長を後押しするため、成長分野への参入や製品の付加価値を飛躍的に高めるために必要な設備機器の導入に伴う経費助成策を講じること。また、機械の更新や工場の建てかえなどの取り組みに対して、金融面から支援すること。
一、新製品、新技術の販路を海外に開拓しようとする都内中小企業に対し、さらなる支援策を講じること。また、海外における知的財産保護を確実に行うことができるよう、東京都知的財産総合センターによる支援の充実を図ること。
一、四月から消費税率の引き上げが予定されている中、厳しい経済環境により経営が圧迫されている中小零細の下請企業が、発注企業から取引条件で不利に立たされることのないよう、取引適正化に向けた取り組みを一層強化すること。
一、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業や、進め若手商人育成事業を引き続き実施するなど、商店街の活性化に資する事業を一層推進すること。
一、中小企業がものづくり人材を量的、質的に確保できるよう、学生が中小企業の魅力を感じる機会を積極的に設けること。
一、中小企業が経営基盤の強化を着実に進めていくことができるよう、専門家派遣事業を引き続き実施すること。
一、依然として経営環境が厳しい状況にある中小企業の資金繰りが円滑に行われるよう、引き続き金融支援の充実を図るとともに、企業の保有する動産などを担保として活用する新たな融資制度を構築し、中小企業の資金調達の多様化を推進すること。
一、外国人旅行者の誘致に積極的に取り組むとともに、ムスリムを初めとした多様な文化や習慣を有する外国人旅行者が東京で快適に滞在できるよう、食や文化等に配慮した受け入れ環境の整備を推進すること。
また、障害者や高齢者等の誰もが安心して快適に東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリー等に配慮した取り組みを強化すること。
さらに、いまだ風評被害の影響を受ける福島県に対し、引き続き被災地応援ツアーを実施すること。
一、都市農地の保全に向けた取り組みや農業基盤の整備を着実に進めるとともに、意欲ある担い手に対して、収益性の向上に寄与する施設整備や経営面の支援に取り組むこと。
一、若年者に対する就職支援策として、合同就職面接会など、未就職卒業者と中小企業とのマッチングを促進すること。また、引き続き、東京しごとセンターにおいて新卒未内定者へのきめ細かい支援を行うこと。
一、東京しごとセンター及びしごとセンター多摩における各種就業支援策を推進すること。特に、就職氷河期世代の三十歳代の求職者が正社員として就職できる取り組みや、長期にわたり離職を余儀なくされている求職者への支援を引き続き進めること。
一、非正規労働者の割合が高まる中、特に若年非正規労働者の正規雇用化に向けた取り組みを引き続き実施すること。
一、仕事と育児や介護など家庭の両立について、先進的な取り組みを行う企業の支援を推進すること。特に、介護との両立については、中小企業における実態の把握に努めること。
一、障害者雇用に意欲的な企業に対する支援の充実を図るとともに、ジョブコーチの派遣による支援を進め、障害者の雇用拡大と職場への定着を一層推進すること。
一、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施するとともに、引き続きものづくりへの関心を醸成する施策を推進すること。
一、職業訓練を充実するとともに、周知を効果的に行い、就職に向けた支援をさらに推進すること。障害者や高齢者など、就職が困難な求職者に対しても積極的な支援を行うこと。
一、豊かな自然に恵まれた島しょ地域の観光産業、農業及び漁業のさらなる振興を図ること。また、台風により大きな被害を受けた大島の早期復興に向け、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を迅速に行うこと。引き続き、三宅島の復興に向け十分な支援を行うこと。
次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
一、豊洲新市場については、施設建設工事などを着実に推進すること。また、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な移転時支援を実施し、円滑な移転の推進に努めること。さらには、TOKYO ICHIBA PROJECTを初め、都民へのPRを積極的に行うこと。
一、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、集荷、販売力を強化するなど、都民の期待に応えられる卸売市場として活性化を図れるよう努めること。また、東日本大震災を踏まえた災害対応力の強化を図るとともに、被災地を支援するため、被災地農畜水産物のPRなど、風評被害の解消に向け、市場としての取り組みを進めること。
一、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、常に消費者の視点に立ち、今後とも安全・安心な生鮮食料品を流通する市場として機能するよう施設整備等に努めること。
一、卸売市場を活性化し、今後とも生鮮食料品等流通の中核を担っていくため、市場関係業者に対する経営指導、活性化の支援などに努めること。
一、市場環境の改善のため、省エネルギー、地球温暖化対策に取り組むとともに、市場内で使用する運搬車両の電動化推進に向けた充電設備の設置拡充に努めること。
一、中央卸売市場の運営に当たっては、市場財産の有効活用等による収入の確保や内部努力の徹底による経費削減を行うなど、健全な市場財政の確保に努めること。
次に、港湾局関係について申し上げます。
一、東京港の国際競争力を強化するために、京浜三港の連携を一層推進するとともに、中央防波堤外側の新たな外貿コンテナふ頭や内貿ユニット貨物に対応したユニットロードターミナルの整備を進めること。
一、大型クルーズ客船の寄港に常時対応可能なふ頭を新たに整備するとともに、東京港をクルーズの一大拠点とするため、さらなる誘致に向けた取り組みを積極的に推進すること。
一、津波や高潮等の災害から都市の中枢機能を守り、都民の安全を確保するため、水門、排水機場の耐震強化や、防潮堤、内部護岸の整備、高潮対策センターの二拠点化等、海岸保全施設の整備を積極的に推進するとともに、震災時における港湾物流機能の確保のため、耐震強化岸壁や耐震護岸の整備を図ること。
一、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の整備に取り組みつつ、臨海副都心のポテンシャルを生かしたMICE、国際観光拠点化を推進するとともに、引き続き、着実に広域幹線道路等の基盤整備を行うこと。また、舟運の活性化に向けた取り組みを進めること。
一、中央防波堤内側地区における海の森の整備を推進するとともに、東京都海の森倶楽部の交流拠点の活用強化、東京港や臨海副都心を初めとする臨海地域全体において、環境に配慮したさまざまな取り組みの推進に努めること。
一、離島住民の生活の安定や産業の振興、交通利便性の向上を図るため、島しょの港湾、漁港、空港、海岸保全施設等の整備や防災対策を引き続き推進するとともに、離島航路、航空路補助の充実に努めること。
以上をもちまして意見の開陳を終わります。
○かち委員 日本共産党都議団を代表して、本委員会に提出された予算案関係について意見を述べます。
デフレ不況が依然として続いている中、円安による原材料費の値上げ、四月からの消費税増税は、都民生活の先行きに暗い影を落としています。
今必要なことは、都民の暮らしや中小企業を直接応援し、地域経済の振興を図り、経済の好循環をつくることです。ところが、二〇一四年度予算案は、雇用対策事業において、職業訓練校の普通課程の授業料値上げや職業訓練の民間委託を拡大するなど、働く人の願いに背を向けています。厳しい環境にある商店街振興費もふえていません。
一方、東京港の巨大コンテナ港湾機能強化に百三十二億円、中央卸売市場会計では、土壌汚染対策法に基づく安全確認もされないまま、土壌汚染地での豊洲新市場整備に当初計画予算の四千億円の整備費が既に六百十七億円もふえるなど、多額の経費が湯水のごとく計上されています。
都としてやるべきは、中小企業を支援し、働く人の賃金を引き上げて、大量の非正規雇用を正規雇用に切りかえ、雇用環境を整えることで経済対策を内需拡大に切りかえることです。
以下、各局別に申し上げます。
産業労働局。
若者の使い捨てが疑われるブラック企業の根絶に努めること。
最低賃金千円以上という目標を持ち、実現のために力を尽くすこと。また、そのために中小企業を支援すること。
都立職業能力開発センターの普通課程の授業料値上げはやめ、無料にすること。また、施設内訓練の規模を倍加すること。
ハローワーク、区市町村と共同で就職支援を実施すること。
若者に対する雇用対策事業を大幅に拡充すること。
中小企業振興条例の策定に向けた調査検討を行うこと。
介護離職防止のための仕組みづくりを行うこと。
高齢者の雇用と社会参加を促進するため、活動団体の連携を強化すること。
観光、地域特産品、文化、町工場などを生かし、農商工が連携した地域産業振興を進めること。
成長産業のみならず、全ての中小企業の底上げと技能の継承を図ること。
小規模企業の受注、製品開発、販路の拡大につなげる専門家の派遣を拡充するとともに、中小企業ネットワークの核となる中堅企業の実態調査を行うこと。
新・元気を出せ商店街事業を拡大し、補助率を上げること。
補助金などの申請書類の簡素化を図ること。
買い物弱者支援事業の本格実施を広げること。
集客できる商店にするために、専門家を長期にわたり派遣する制度を創設すること。
区市町村が実施する多様な商店街活性化事業に対する財政支援を行うこと。
中小企業資金繰り支援の拡充、相談窓口の強化、仕事の確保と販路拡大支援を強化すること。
東京の農業を基幹産業と位置づける都市農業振興条例を制定すること。
多摩産材の公共、民間での利用を促進するとともに、木質バイオマス利用を進めること。
新銀行は専門家を入れ、清算も含め今後のあり方を検討すること。
離島や多摩地域における大規模災害の復興対策として、生業支援に取り組むこと。
次に、港湾局です。
中央防波堤外側外貿コンテナふ頭整備、南北道路建設など過大な港湾整備計画を見直すとともに、施設の維持改修など都民生活の充実や中小企業の振興につながる東京港の物流機能の拡充を図ること。
港湾局所管の海岸保全施設、基盤整備などの耐震化、老朽化などの維持更新を早急に完了し、レベルを引き上げて強化すること。
臨海副都心地域のアジアヘッドクオーター特区構想に基づくMICE、国際観光拠点づくりはやめ、都民参加で新たな活用方法を進めること。
港湾周辺道路の海上コンテナ輸送に伴う渋滞問題を抜本的に解決すること。
離島航路補助、貨物運賃補助を拡充すること。
ジェットホイルの安定就航のために港湾内外の整備を進めること。
中央卸売市場です。
土壌汚染対策法に基づく安全確保もできず、膨大な事業費の高騰をもたらす豊洲新市場整備事業は中止をし、現在地再整備を含め再検討すること。
拠点市場化構想は中止し、地域商店に使いやすい市場にすること。
仲卸など中小零細業者の経営支援を行うこと。
各卸売市場整備費、地方卸売市場整備費の補助費をふやし、耐震化、老朽化、市場機能の維持拡大に努めること。
消費税増税に伴う市場及びと場の施設使用料の値上げは行わないこと。
労働委員会です。
労働委員会命令については、その履行状況について、都民、各局、各市区町村へ公表するとともに、その履行を企業に求めること。
以上です。
○中山委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十六年度予算案に係る議案について、意見の開陳を行います。
二十六年度予算案は、知事不在という事態の中で、暫定案が編成されました。都議会民主党も要望したように、都民生活への支障を招かないという視点から編成に取り組まれました。関係者のご努力を多としたいと思います。
また、暫定案の発表後、舛添新知事のもと、約七十七億円の事業が追加されています。予算案は、大島の災害復旧、復興対策、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの準備、福祉の人材確保、創業サポートなどの予算が計上されており、総じて時宜にかなったものといえます。
今後、二十七年度予算を見据え、舛添知事の標榜する世界一の都市東京の実現に向けた事業展開が本格化するものと思いますが、私たち都議会民主党は、都市ランキングの指標にはあらわれないような、いじめや自殺、虐待などにもしっかりと光を当て、さらには、さまざまな価値観、考え方、言語の住民が暮らす大都市東京にふさわしい多様化のある施策を展開していただきたいと要望するものです。
また、予算編成に当たっては、事業評価などを通じて、全ての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
さらに、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても引き続き強く求めておきます。
以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にわたる事項について申し上げます。
まず、産業労働局について申し上げます。
一、若者の使い捨てが疑われる企業が都内に多くあることや、大変な数の解雇、その他の雇用終了事案が発生していること、国内の非正規雇用率が約四割に高まっていることから、雇用、労働政策を一層推進すること。
一、東京の成長産業における雇用創出や、若年者、高齢者、女性、非正規労働者などの総合的な雇用就労対策を検討していくため、都と労働者、企業による定期的な協議体制をつくり、話し合うこと。
一、女性・若者・シニア創業サポート事業については、地域での創業をふやすことが仕事と子育て、介護の両立にも有効であることから、多くのコミュニティビジネスを生み出すこと。
一、高齢者の中には、六十五歳を超えても経済的な理由から雇用されることを希望する人もいることから、高齢者の雇用の場をふやすこと。
一、東京でワークライフバランスを一層進め、職場環境を向上させ、育児や介護ができる環境づくりを推進すること。
一、下請企業や小売企業が消費税を円滑に転嫁し、経営を継続していくことができるように監視すること。
一、東京のものづくり産業が空洞化することなく、将来に向けて確実に発展していくためには、中小製造業が都内に操業を続けていけるような支援を行い、地域における産業集積を守ること。
一、都内各地には皮革やファッションなどの地場産業が存在し、都内経済を支えていることから、各産業の振興に向けた取り組みや、国や市区町村との連携を行っていくこと。
一、動産・債権担保融資制度については、融資を受ける手段が多いことは望ましいため、さまざまな選択肢をつくること。
一、新銀行東京の中期経営計画が平成二十六年度に終了することなどを見据え、東京都と新銀行東京とのあり方について検討すること。
一、日本各地の都市、地域においてインバウンド対策を進めていることから、地方との観光連携を推進すること。
一、無料公衆無線LAN環境を改善し、外国人旅行者が公共交通の経路や利用方法、飲食店情報などの情報を収集できるようにすることや、コミュニケーションを初めとして旅行者を受け入れる環境整備を推進すること。
一、東京の魅力を効果的に発信し、外国人旅行者の誘致に着実につなげること。
一、MICE誘致促進のため、ユニークベニューとして、会議やレセプション会議としての美術館、博物館などを積極的に利用すること。
一、MICE参加者の利便性を向上させ、MICE開催地としての付加価値を高める取り組みとして、バスや地下鉄、公共交通機関への乗車も可能なMICEパスの発行に向けて積極的に取り組むこと。
一、国際会議、企業系などのMICEは経済波及効果を見込まれることから、調査を実施し、これからの結果を活用して誘致戦略を構築すること。
一、緑や海などの自然に触れ合うグリーンツーリズムの取り組みが日本各地で広まっていることから、農山漁家と都市を結ぶ取り組みを深めること。
一、切って、使って、また植えて、育てるという東京の森林における循環サイクルを確かなものにするため、支援すること。
一、森林所有者にかわって森林管理と林業経営を行い、社会的にも尊敬を受け、知識と技術に裏打ちされた森林技術者を育てること。
一、公共建築物に多摩産材を一層利用するため、木材価格が安価だと意見もある一方で、外国産材と比較して価格が高いとの意見もある、多摩産材の流通の課題解消に向けて取り組むこと。
次に、中央卸売市場について申し上げます。
一、築地市場の移転については、豊洲新市場の予定地の土壌汚染対策工事がほとんどの区域で完了したことが確認されましたが、自然由来の汚染物質が残ることから、今後とも、地下水のモニタリングなどを含め、都民とのリスクコミュニケーションを積み重ねていくこと。
一、中央区との合意を踏まえ、築地地区における食文化の拠点継承に向けた取り組みに積極的に協力すること。
一、市場会計の財政状況は厳しく、市場を取り巻く環境は大きく変化している中、中央卸売市場が生鮮食品流通の重要なインフラとして役割を果たすため、機能強化を図ること。
最後に、港湾局について申し上げます。
一、クルーズ客船寄港時には、都内観光地や箱根、鎌倉などの日帰りツアーが行われていることから、さらなる誘致のため、オプションを充実させるなど、関係者との連携を進めていくこと。
一、東京港の運営に関して、都や東京港埠頭株式会社が必ず現場の意見を踏まえて施策を実施してきたことから、国際コンテナ戦略港湾についても、都が経営に責任を持ってかかわること。
一、調布飛行場などの離島航空路は観光支援のために大変重要であることから、ターミナルビルの一層の活用を図り、島しょ地域の交流を深めること。
一、臨海副都心のまちづくりは、企業と同様に会計面のバランスも考えながら開発を進めること。
以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わらせていただきます。
○三宅委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたしますので、ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○三宅委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第八十四号議案から第八十六号議案まで、第八十八号議案及び第九十号議案から第九十五号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。
○尾崎委員 第八十四号議案、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例、第九十一号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例、第九十二号議案、東京都立芝浦屠場条例の一部を改正する条例、いずれも消費税増税に伴うもので、反対する立場で意見を述べます。
消費税増税は、国民、都民の暮らしに深刻な打撃をもたらし、経済も財政も、再生するどころか共倒れの破綻に追い込まれることは明らかです。消費税転嫁による値上げはすべきではありません。
中央卸売市場の中で最も多数を占める仲卸業者の方々の経営は、半数以上が赤字になっています。とりわけ、水産部では約六二%が赤字です。このような状況の中で、消費税の値上げは大変重く、その上、使用料まで値上げされたらやっていかれないという声も上がっています。
消費税増税による使用料の値上げはやめて、都民の負担増、影響を最小限に食いとめることに努力すべきです。したがって、今回の使用料を値上げする条例改正には反対です。
第八十八号議案、東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例に反対する立場で意見を述べます。
今回の値上げ額は、都立高校の授業料の水準に合わせたとのことですが、都立高校の授業料は、一定所得未満は無料となっています。職業能力を身につけ、就職したり転職しようと、より自立への困難を抱え支援が求められている人たちに、授業料値上げは許されるものではありません。
そもそも法的根拠のない都立職業能力開発センターの普通課程の授業料徴収はやめるべきです。したがって、今回の授業料を値上げする条例改定には反対です。
○三宅委員長 発言は終わりました。
これより採決を行います。
初めに、第八十四号議案、第八十八号議案、第九十一号議案及び第九十二号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、第八十四号議案、第八十八号議案、第九十一号議案及び第九十二号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
次に、第八十五号議案、第八十六号議案、第九十号議案及び第九十三号議案から第九十五号議案までを一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認めます。よって、第八十五号議案、第八十六号議案、第九十号議案及び第九十三号議案から第九十五号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○三宅委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
お手元配布の特定事件調査事項については、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○三宅委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
○三宅委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、労働委員会事務局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○岳野労働委員会事務局長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言、御礼のご挨拶を申し上げます。
三宅委員長を初め委員の先生方には、本定例会に提案いたしました議案等につきまして、大変熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
ご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご指導を踏まえ、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
今後とも、所管四局に対しましては、より一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○三宅委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十一分散会
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