経済・港湾委員会速記録第五号

平成二十五年三月二十一日(木曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長島田 幸成君
副委員長三宅 正彦君
理事伊藤こういち君
理事宇田川聡史君
理事大西さとる君
佐藤 広典君
斉藤やすひろ君
田の上いくこ君
しのづか元君
鈴木あきまさ君
田島 和明君
清水ひで子君
木内 良明君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長中西  充君
次長保坂 政彦君
総務部長斎藤 真人君
中央卸売市場市場長塚本 直之君
管理部長塩見 清仁君
港湾局局長多羅尾光睦君
総務部長黒田 祥之君
労働委員会事務局局長岳野 尚代君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
経済・港湾委員会所管分
・第七号議案 平成二十五年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十五年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十五年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十五年度東京都と場会計予算
・第十八号議案 平成二十五年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十号議案 平成二十五年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十五年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第九十八号議案 東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第百一号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第百二号議案 東京都営空港条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○伊藤(ゆ)委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書三件については、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○伊藤(ゆ)委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第七号議案から第十号議案まで、第十八号議案、第二十号議案及び第二十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○しのづか委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十五年度予算案に係る議案について、意見の開陳を行います。
 猪瀬知事のもとで最初に編成された平成二十五年度予算案は、都税収入が増加に転じたものの依然低い水準にある中で、将来の財政負担にも考慮した、総じて堅実な予算案となっています。
 猪瀬知事は、国を動かし、民間活力を引き出しながら、新たな東京モデルを発信していく予算案だと述べていますが、予算案に盛り込まれた調査や検討などを踏まえ、真に必要な事業については、今後の積極的な展開を期待するものです。
 また、予算案では、経済波及効果の高い公共投資に財源を重点的に配分するとして、投資的経費を前年度に比べて一・八%増の八千六百六十三億円とし、九年連続の増としています。今回、個別事業の経済波及効果や雇用創出数を示すという新たな試みも見られますが、こうした都民にわかりやすい説明については、今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、二十五年度予算案から、新たに監査報告を活用した類似事業への横断的な検証が取り入れられましたが、各局におかれましては、今後、監査報告を積極的に活用されることを求めておきます。
 予算案の目的別内訳では、福祉と保健は初めて一兆円の大台を超え、構成比も分野別のトップとなりました。予算編成に当たっては、事業評価などを通じてすべての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
 また、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、産業労働局について申し上げます。
 一、未就職者や非正規雇用を余儀なくされている若年者の正規雇用化を支援するため、紹介予定派遣制度を活用して都内中小企業での就労体験を行う若年者緊急就職サポート事業を拡大強化すること。
 一、精神障害者を含む障害者の職業訓練を拡充するなど、障害者の雇用対策を推進すること。経済団体とのさらなる連携や中小企業への制度周知の推進を図るなど、中小企業における障害者の一般就労を促進すること。さらに、継続雇用支援のため、中小企業障害者雇用支援助成金を実態に即した利用しやすい制度としていくこと。
 一、女性が継続して働くことができる職場環境づくり、ワークライフバランスの確保や女性の積極登用を図る能力開発などの取り組みを推進していくこと。
 一、改正労働契約法や改正労働者派遣法、改正高年齢者雇用安定法における新たな権利を生かすためにも、都において有期雇用契約あるいは派遣労働で働く労働者や高年齢者、事業者への積極的な周知に努めること。メンタルヘルス対策を推進すること。
 一、外国企業を誘致する総合特区を推進するとともに、成長産業の育成や中小企業のイノベーションなど、東京の産業振興を図ること。国際ビジネス交流の推進のために、東京ビッグサイトの拡張に取り組むこと。中小企業の海外展開を支援するとともに、知的財産活用支援に取り組むこと。
 一、ものづくり産業の振興に向けて、新製品、新技術開発や販路拡大などの経営成果をもたらす異業種企業や産学公金の連携による取り組みをより促すこと。創造的都市型産業の創出、育成を図る区市町村に支援するとともに、ものづくり産業の空洞化対策に積極的に取り組むこと。
 一、商店街の活性化のために、新・元気を出せ商店街事業の施策の充実を図るとともに、後継者や人材育成に向け、積極的に取り組むこと。買い物弱者支援を行うこと。
 一、中小企業金融円滑化法終了を見据え、中小企業の経営改善に向けた金融支援から事業再生、承継まで、幅広い中小企業支援策に積極的に取り組むこと。ベンチャーファンドなどのファンド事業については、支援対象企業の拡大など新たな取り組みを行い、支援効果を高めること。制度融資のPRに努めること。
 一、新銀行東京については、再建計画期間が終了したことにかんがみ、事業譲渡や株式の売却などによる早期撤退を含め、さまざまな観点から今後のあり方を早急に検討すること。
 一、東京の魅力を世界に発信するため、観光戦略を構築し、国際イベントを展開するなど東京の観光振興を図ること。MICEの誘致活動を積極的に展開するとともに、開催支援を手厚く行い、産業興隆を図ること。
 一、都内農業の経営安定を図るために、やる気のある経営者に専門家派遣を行い、経営支援策の充実を図ること。新規就農者への支援や遊休農地の利活用促進を図ること。都民の食の安全・安心の確保を推進すること。さらに、相続税の軽減などを国に対して働きかけるなど、都市農地の保全に向けて取り組むこと。
 一、東京の林業の集約化に向けて森林経営計画の策定を支援するなど、森林経営強化事業を行うこと。さらに、多摩産材の利用拡大に向けて、公共利用を促進するとともに流通加工施設の整備やJAS認定を取得する製材業者などへの支援など、供給体制の整備を進めること。
 次に、中央卸売市場について申し上げます。
 一、築地市場の移転は、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事の工期延伸のため一年延期となりましたが、汚染処理土量などの増大に真摯に向き合うとともに、食の安全確保が最優先との立場から、汚染土壌の無害化など土壌汚染対策に万全を期すこと。また、築地地区に鮮魚マーケットといえるような食文化の拠点が継承されるよう、その実現に向けて積極的に取り組むこと。
 一、卸売市場全体の機能強化や施設整備、運営のあり方などの検討を行うこと。淀橋市場におけるリニューアル事業や足立市場の排水処理設備設置工事、大田市場の荷さばき場の建てかえ工事、食肉市場の変電設備の更新工事などの施設改良を初めとして、必要な整備を推進すること。
 最後に、港湾局について申し上げます。
 一、京浜港による広域連携事業をさらに推進するとともに、港湾施設の機能高度化や物流システムの整備等を進め、高い国際競争力を持つ港湾とすること。また、京浜港への貨物集荷に向けた取り組みを強化するとともに、中央防波堤外側外貿ふ頭整備やガントリークレーンの整備費補助など、外貿ふ頭の整備を推進すること。
 一、内貿貨物のユニット化、船舶の大型化に対応するため、中央防波堤内側ふ頭や、品川ふ頭十号地その二の整備を進めること。
 一、災害に強い東京港臨海部を実現するために、海岸保全施設の整備を推進するとともに、水門、排水機場の耐震強化、防潮堤、内部護岸などを整備すること。
 一、東京港における環境整備を進めるために、海の森公園の整備を進めて、風の道をつくるとともに、お台場海浜公園での水質改善実験などに取り組むこと。また、運河の環境改善を図るための汚泥除去を進めるとともに、新海面処分場の整備と延命化に取り組むこと。
 一、島しょ地域において、防災、減災力の高い港湾や漁港、海岸保全施設、空港の整備を進めること。また、航路、航空路事業等に対する補助を充実するとともに、特に貨物運賃補助の対象品目にガソリン、軽油を含めるなどの見直しを行うこと。
 一、総合特区に指定された臨海副都心のまちづくりは、就業、居住人口の増加による活力ある都市への成長やMICE機能、国際観光拠点化に向けた取り組みを強化すること。MICE会場と羽田空港との海上交通は、利便性の向上や東京の魅力を高める上で大変重要なことから、早期に実施すること。
 以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○三宅委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会へ付託されました平成二十五年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十五年度予算案は、都税の増収を活用し、都民の安全・安心を守る取り組みを最優先に、首都東京の活力、魅力を高めていくための確かな手だてを講じるものとなっています。
 その結果、政策的経費である一般歳出は一・六%の増となっていますが、中でも特に目を引くのは、東京の都市機能を向上させるとともに、経済波及効果の高い投資的経費に財源を振り向け、九年連続で増加させていることです。
 首都東京の大命題ともいえる防災力の強化や国際競争力の向上に資するインフラ整備などを積極的に推進しており、景気対策の観点からも評価できるものです。
 その一方で、税収増の一部を都債発行の抑制に充てるなど、財政基盤の強化を図っており、施策の充実と財政基盤の強化の両面にしっかりと目配りがなされています。
 足元の景気には明るい兆しが見え始めていますが、都財政を取り巻く環境はまだ楽観視できる状況にはありません。都民の暮らしを守るとともに、東京から日本の将来を切り開いていく施策を積極的に展開していくためにも、引き続き堅実な財政運営に徹することを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、都民が施策の効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、産業労働局関係について申し上げます。
 一、中小企業金融円滑化法終了が間近に迫る中、経営改善や事業再生などに取り組む中小企業に対し、制度融資での借りかえによる資金繰り支援を図るとともに、相談窓口の体制強化や専門家派遣規模の拡充など、支援策の充実を図ること。
 一、新・元気を出せ商店街事業を初めとする商店街振興施策の充実を図り、魅力的で活力ある商店街づくりを推進すること。
 一、成長分野において大きな潜在力を持った中小企業がその力を十分発揮できるよう、新たな産業の担い手となる創業者の支援や都市課題解決に寄与する製品開発に対する支援などの充実を図ること。
 一、海外における知的財産の保護と活用を図るため、実用新案権の取得経費の助成を行うこと。また、海外の製品規格への適合化支援を図ること。さらに、中小企業が積極的に海外展開を図れるよう、販路開拓に向けた取り組みを引き続き支援すること。
 一、中小企業の経営課題を解決するため、経営診断や販路開拓の支援などにより、経営力を強化する取り組みのさらなる充実を図ること。あわせて、中小企業のBCP策定への支援を強化すること。
 一、厳しい経営環境に立たされている中小企業に対する緊急的な資金繰り支援を継続するとともに、中小企業の成長を後押しする金融支援策を講じること。
 一、地域の活性化を促進するため、観光資源の発掘や特色ある観光資源の活用に取り組む地域への支援策の充実を図ること。また、海外からのさらなる旅行者誘致に向け、より積極的な観光プロモーションの展開やMICE誘致施策の拡充を図ること。さらに、福島県の観光復興に向け、引き続き被災地応援ツアーを実施すること。
 一、都市農業の振興を図るため、農地保全や東京農業の産業力強化に向けた取り組みを着実に推進すること。また、都内産農産物の地産地消を拡大するため、普及PRを推進するとともに、環境保全型農業の推進など、食の安全・安心の確保に向けた取り組みを実施すること。
 一、林業、木材産業の振興を図るため、林道などの基盤整備や森林施業の集約化を支援し、造林、間伐などの森林整備を着実に実施するとともに、スギ花粉の削減や多摩産材の利用拡大に向けた取り組みを推進すること。
 一、新規学卒者を初めとした若年者の厳しい就職状況に対応し、未就職卒業者などに対する就業支援を拡充すること。また、成長が期待できる産業分野に必要な人材を確保するため、引き続き若年者とのマッチングに取り組むこと。
 一、少子高齢化の進展で、中長期的に労働力不足が見込まれる中、中小企業の実情に即した人材確保の支援策を強化するとともに、若年者の早期離職対策にも取り組むこと。あわせて、ワークライフバランスの推進にも引き続き取り組むこと。
 一、厳しい雇用情勢が続く中、引き続き雇用創出事業に取り組むとともに、離職者向けの職業訓練を推進すること。
 一、島しょ地域の農業振興を図るとともに、漁業生産に不可欠な基盤整備を推進すること。また、島しょの観光振興に向けた支援策を拡充すること。さらに、三宅島の早期の復興に向けた施策の展開に引き続き十分な対応を図ること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲新市場については、確実な土壌汚染対策工事により、食の安全・安心に万全を期すとともに、高度な品質管理の実現など、国際的にも最先端の市場として着実に整備されたい。また、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な支援策を講じ、安心して移転できる環境づくりに努められたい。
 一、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、卸売市場の機能強化や活性化を積極的に推進し、生鮮食料品などの都民への安定供給に努められたい。
 一、東日本大震災を踏まえ、災害時にも市場機能が維持できるよう、自立分散型発電の導入によるエネルギー確保の多様化を図るなど、卸売市場の災害対応力の強化に努められたい。
 一、多摩地域の地方卸売市場については、生鮮食料品流通の安定供給を図るための施設整備補助制度などの拡充を図り、その支援に努められたい。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、国際コンテナ戦略港湾として、東京、川崎、横浜の三港連携を進めるとともに、中央防波堤外側の新規外貿コンテナふ頭の整備を推進するなど、東京港の機能強化を図られたい。
 一、津波や高潮などから都民の生命、財産を守るため、新たな整備計画に基づき、水門、排水機場の耐震強化や、防潮堤、内部護岸の早期整備、高潮対策センターの二拠点化を推進されたい。
 一、臨海副都心のポテンシャルを生かし、MICE、国際観光機能の集積など、観光、交流のまちづくりを進めるとともに、基盤整備を推進されたい。
 一、島しょの港湾、漁港、空港などの整備や防災対策を着実に進めるとともに、引き続き離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○斉藤委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十五年度予算関係議案につきまして意見開陳を行います。
 平成二十五年度の一般会計当初予算案は、企業収益の持ち直しなどによって増加した都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を、前年度比一・六%増の四兆五千九百四十三億円と、三年ぶりに増加させています。
 その中身は、現場を踏まえた都民の安全・安心を守る取り組みや、国や民間を動かす先駆的な取り組みに財源を重点的に投入する、めり張りのきいたものとなっています。
 具体的には、我が党が掲げる防災・減災ニューディールとも合致する社会資本の老朽化対策を初めとした投資的経費は、九年連続で増加させております。また、一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、予算額が初めて一兆円を超え、構成比も過去最高としています。
 加えて、被災地の復興に向けて、都内避難者への支援や災害廃棄物の受け入れ、被災地応援ツアーの継続など、被災者、被災地支援に物心両面にわたり取り組む姿勢は高く評価するものであります。
 一方、都財政は景気変動の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあり、税収増に転じたとはいえ、その先行きは楽観視できる状況にはありません。その点、今後の経済環境の変動に備えた財政基盤の強化は、将来にわたり安定的、持続的に行政サービスを提供していくために必要な取り組みであります。事業評価などを通じ、施策のむだをなくし、効率性や実効性の向上に努めるとともに、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、きめ細かく分析、検証を行うよう求めます。
 今後とも、いかなる状況下にあっても都民生活を守り抜く覚悟で、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、迅速に、また、より一層効率的、効果的に行うとともに、景気回復の兆しを確かなものとするためにも、日本全体に大きな影響を与え得る東京が率先して、新たな成長につながる施策を強力に推し進めていくことを要望します。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、産業労働局について申し上げます。
 一、新製品、新技術の販路を海外に開拓しようとする都内中小企業に対して、さらなる支援策の充実を図ること。また、海外における知的財産保護を確実に行うことができるよう、東京都知的財産総合センターにおいて実用新案に係る助成を新たに開始すること。
 一、厳しい経済環境により経営が圧迫されている中小零細の下請企業が、発注企業から取引条件で不利に立たされることのないよう、取引適正化に向けた取り組みを一層充実させること。
 一、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業や、進め若手商人育成事業を引き続き実施するなど、商店街の活性化に資する事業を一層推進すること。
 一、中小企業がものづくり人材を量的、質的に確保できるよう、学生が中小企業の魅力を感じる機会を積極的に設けること。
 一、金融円滑化法の終了に伴い、中小企業が経営基盤の強化を着実に進めていくことができるよう、専門家派遣事業の大幅な拡充を図ること。
 一、厳しい資金繰り状況にある中小企業に対する緊急的な措置を継続するとともに、都独自の保証つき融資制度を推進するなど、資金調達の一層の円滑化に努めること。
 一、外国人旅行者の誘致に積極的に取り組むとともに、障害者や高齢者など、だれもが安心して快適に東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリーなどに配慮した取り組みを強化すること。また、いまだに風評被害の影響を受ける福島県に対し、引き続き被災地応援ツアーを実施すること。
 一、都市農地の保全に向けた取り組みや農業基盤の整備を着実に進めるとともに、意欲ある担い手に対して、収益性の向上に寄与する施設整備や経営面の支援に取り組むこと。
 一、新規学卒者を取り巻く就職環境が依然厳しい中、合同就職面接会など、未就職卒業者と中小企業とのマッチングを促進すること。また、引き続き東京しごとセンターにおいて、新卒未内定者へのきめ細かい支援を行うこと。
 一、東京しごとセンター及びしごとセンター多摩における各種就業支援策を拡充すること。特に、就職氷河期世代の三十代の求職者が正社員として就職できる取り組みや、長期にわたり離職を余儀なくされている求職者への支援を引き続き進めること。
 一、非正規労働者の割合が高まる中、特に若年非正規労働者の正規雇用化に向けた取り組みを引き続き実施すること。
 一、子どもを産み育てながら、家庭と仕事を両立して働き続けることができるよう、中小企業が取り組む次世代育成のための環境整備を積極的に支援すること。
 一、障害者雇用に意欲的な企業に対する支援の充実を図るとともに、ジョブコーチの派遣による支援を進め、障害者の雇用拡大と職場への定着を一層推進すること。
 一、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して、効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施するとともに、ものづくりへの関心を醸成する施策を推進すること。
 一、区市町村とも連携し、積極的な雇用創出を図ること。また、職業訓練を充実するとともに、周知を効果的に行い、就職に向けた支援をさらに推進すること。
 一、豊かな自然に恵まれた島しょ地域の観光産業、農業及び漁業のさらなる振興を図ること。また、三宅島の早期復興に向け、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を行うこと。
 次に、中央卸売市場について申し上げます。
 一、豊洲新市場については、土壌汚染対策工事や市場施設建設工事など、着実に整備を推進すること。また、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な支援策を実施し、円滑な移転の推進に努めること。さらには、TOKYO ICHIBA PROJECTを初め、都民へのPRを積極的に行うこと。
 一、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、集荷、販売力を強化するなど、都民の期待にこたえられる卸売市場として活性化を図るよう努めること。また、東日本大震災を踏まえた災害対応力の強化を図るとともに、被災地を支援するため、風評被害対策への支援や被災地農畜水産物のPRなど、市場としての取り組みを進めること。
 一、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、さらに消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品を流通するよう努めること。
 一、卸売市場を活性化し、今後とも生鮮食料品等流通の中核を担っていくため、市場関係業者に対する経営指導、活性化の支援などに努めること。
 一、市場環境の改善のため、省エネルギー、地球温暖化対策に取り組み、市場内で使用する運搬車両の電動化を推進するため、充電設備の設置拡充に努めること。
 一、中央卸売市場の運営に当たっては、市場財産の有効活用などによる収入の確保や内部努力の徹底による経費削減を行うなど、健全な市場財政の確保に努めること。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、東京港の国際競争力を強化するために、中央防波堤外側の外貿コンテナふ頭の整備を推進し、内貿ユニット貨物に対応するため、内貿ユニットロードターミナルの整備を進めること。
 一、国際コンテナ戦略港湾として、東京、川崎、横浜による京浜三港の連携を一層推進し、京浜港の国際競争力の強化に資する施策を推進すること。
 一、臨海地域を津波や高潮などの災害から守るため、新たな海岸保全施設整備計画に基づき、水門、排水機場の耐震強化や、内部護岸、防潮堤などの整備、高潮対策センターの二拠点化を積極的に推進するとともに、震災時における港湾物流機能の確保のために、耐震強化岸壁や耐震護岸の整備を図ること。さらに、東京港BCPに基づき、京浜三港の広域BCPの策定をリードすること。
 一、臨海副都心の魅力をさらに高めるために、地域のポテンシャルを生かしたMICE振興や新たな観光資源の創出に取り組むこと。また、有明北地区においては、引き続き着実に基盤整備を進めること。また、水上タクシーの導入についても検討を進めること。
 一、中央防波堤内側地区における海の森の整備を推進し、東京港や臨海副都心を初めとする臨海地域全体において、環境に配慮したさまざまな取り組みの推進に努めること。また、自立分散型のエネルギー安定供給の体制構築を図ること。
 一、離島住民の生活の安定や産業の振興、交通利便性の向上を図るため、島しょの港湾、漁港、空港、海岸保全施設などの整備や防災対策を引き続き推進し、離島航路、航空路補助の充実に努めること。
 以上をもちまして、意見の開陳を終わります。

○清水委員 日本共産党都議団の意見を述べます。
 安心して働ける雇用環境、正規雇用のための就労支援対策の拡充がますます重要になっています。ところが、雇用就業対策費は、今年度最終補正予算による基金積み増しを行っても減額予算です。
 これは、都の雇用対策の大きな部分を国の基金に頼っており、都独自の対策が不十分だからです。若者正規雇用化支援でも、両立支援事業でも、今日、一層の拡充が求められているときに、後退するおそれもあると指摘してきました。十分な予算を確保するよう求めます。江東区亀戸にある都の職業訓練校の廃止計画は、中止することを強く求めます。
 デフレ不況が深刻さを増しているときに、融資などを除く中小企業対策予算は、石原前知事就任時の一九九九年度にも達しておらず、商店街支援予算も不十分です。その一方、都がアジアの司令塔になるとして、欧米などの多国籍企業を、法人事業税の免除や超高層ビル群をつくり誘致することを経済対策の中心にしていることは重大です。
 今必要なことは、中小企業を支援して、働く人の賃金の引き上げで消費をふやし、大量の非正規雇用者を正規雇用にするなど雇用環境を整えることであり、経済対策を内需拡大に切りかえることです。都が拒否した経済団体への申し入れも行うよう、改めて求めておくものです。
 なお、被災地支援、被災者支援については、引き続き進めていただきたいと思います。
 産業労働局関係についてです。
 一、最低賃金時給千円以上という明確な目標を持ち、実現のために力を尽くすこと。
 一、都立職業訓練校の施設内訓練の規模を倍化すること。
 一、ハローワーク、区市町村と共同で就職支援を実施すること。
 一、若年者雇用対策事業の対象人数を大幅に拡大すること。
 一、中小製造業への借り工場の家賃補助制度やリース代補助制度を創設すること。
 一、最低賃金千円にするために中小企業を支援すること。
 一、中小企業振興条例の策定に向けた調査や検討を行うこと。
 一、商工指導所を再開し、中小企業診断士による経営相談活動などを段階的に拡大すること。
 一、スーパーコンピューターを中小企業が活用できるよう、技術的支援、人材育成、普及啓発を進めること。
 一、観光、地域特産品、文化、まち工場などを生かした農商工が連携した地域産業振興を進めること。
 一、医療、福祉機器の研究開発、再生可能エネルギーの普及を東京のものづくりを支えている中小企業との連携を進めること。
 一、新・元気を出せ商店街事業を拡大し、補助率を上げること。
 一、配達、買い物支援、商店街への交流拠点など、買い物弱者支援に取り組む方々への助成、買い物弱者支援モデル事業を拡充すること。
 一、区市町村が実施する多様な商店街活性化事業に対する財政支援を行うこと。
 一、金融円滑化法の再々延長を国に求めるとともに、終了した際には、中小企業資金繰り支援の拡充、相談窓口の強化、仕事の確保と販路開拓支援を強化すること。
 一、円安が進行の中で、困難になっている中小企業経営を支援する緊急円安対策を進めること。
 一、東京の農業を基幹産業と位置づける都市農業振興条例を制定すること。
 一、多摩産材の公共、民間での利用を促進すること。
 一、多摩の急峻な山に合った林業生産機械の開発を都内の中小企業に委託する事業を行うこと。
 一、木質バイオマス利用を進めること。
 一、新銀行東京は、中小企業を保護しながら清算をすること。
 中央卸売市場関係です。
 一、豊洲新市場計画は、科学的裏づけのない欠陥土壌汚染対策工事で、食の安全・安心も保障されていない。建設計画も過大で、業者の合意が得られていない。豊洲新市場予定地の土壌汚染対策費、建設計画費は削除し、現在地再整備に踏み出すこと。
 一、中央卸売市場再整備に当たっては、大型量販店対応を前提にした物流センター化構想、過大な施設整備計画をとらないこと。
 一、拠点市場化構想は中止し、地域商店に使いやすい市場にすること。
 一、仲卸業者など中小零細業者の経営支援を行うこと。
 一、各中央卸売市場整備費、地方卸売市場施設整備補助費をふやし、耐震化、老朽化、市場機能の維持拡大に努めること。
 港湾局関係です。
 中央防波堤外側外貿コンテナふ頭整備、南北道路建設など、過大な港湾整備計画を見直すとともに、施設の維持改修など都民生活の充実や中小企業の振興につながる東京港の物流機能の拡充を図ること。
 一、港湾局所管の海岸保全施設、基盤施設などの耐震化、老朽化などの維持更新を早急に完了し、レベルを引き上げて強化すること。
 一、アジアヘッドクオーター構想に基づく、MICE、国際観光拠点づくりはやめること。
 一、カジノ構想を中止すること。
 一、島しょ地域のガソリン、軽油代の引き下げのための支援を行うこと。
 一、ジェットホイルの安定就航のために港湾内外の整備を進めること。
 労働委員会事務局についてです。
 一、労働委員会命令については、再審査請求でも、その履行を求めること。
 一、命令の履行については、都民、各局、区市町村へ公表すること。
 以上です。

○佐藤委員 それでは、無所属の会としての意見を申し上げます。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十五年度一般会計の予算案は、前年度に比べ一・九%増の六兆二千六百四十億円であり、災害に強い都市づくりを推進するために、前年度比一・八%増の八千六百六十三億円の投資的経費を計上しております。
 都債の発行額を前年度比九・一%減の四千四百八十五億円に抑制すると同時に、八千七百四十一億円もの基金の確保に努めており、堅実な財政運営について評価できるものです。
 今後、福祉予算の増加が見込まれ、同時にインフラの更新費用の増大が予想される中、持続可能な財政運営を行うためにも、中長期的な財政運営の指針をいま一度策定いただき、今後も堅実な財政運営に努めていただきたいと思います。
 本予算では、電力エネルギーの改革や、高齢者向けケアつき施設の整備に取り組むなど、時代の変化に対応できる取り組みが見られると同時に、また、防災力の高度化や被災地、被災者支援に対しても継続的な取り組みを行っており、評価ができるものです。
 そして、中小企業への金融支援や経営安定化支援に積極的な支援を行うなど、中小企業の経営支援に対して積極的な取り組みを行っていることも評価できます。
 予算執行に当たっては、各局とも、迅速かつ効果的な予算執行に努めるよう要望いたします。
 以上、総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、産業労働局関係について申し上げます。
 一、金融円滑化法の終了後も景気を悪化させることなく、中小企業支援を行うために、新保証つき融資の保証料率暫定引き下げの延長に取り組むこと。
 一、制度融資については、保証料補助の拡充など中小企業の負担軽減を図ること。三月一日より実施している特別借りかえについては、金融機関の融資動向を見ながら、実施期間の延長を検討すること。
 一、都が出資している投資ファンドについては、投資結果及び管理報酬の情報開示に努めること。
 一、新銀行東京については、今後の都のかかわり方を検討し、都の出資分の回収を図ること。
 一、ワークライフバランスについて、都の取り組みをさらに進め、女性の就業支援策を拡充すること。
 一、厳しい雇用情勢の中、雇用創出事業に取り組むとともに、離職者向けの職業訓練の拡充を図ること。
 一、震災の影響により、観光が依然として厳しい状況にある福島県に対して、引き続き被災地応援ツアーを実施すること。
 一、都市農地の保全に向けた取り組みや農業経営の支援を強化すること。
 一、新・元気を出せ商店街事業の充実を図るとともに、買い物弱者支援に対して積極的な取り組みを行うこと。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲新市場については、新市場の開場について十分な土壌汚染対策を進めるとともに、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な移転支援策を実施すること。
 最後に、港湾局関係について申し上げます。
 一、国際コンテナ戦略港湾として、京浜三港の連携を進めるとともに、国際競争力を強化するため、東京港の機能強化を図ること。
 以上申し上げまして、意見開陳を終わります。

○伊藤(ゆ)委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○伊藤(ゆ)委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案から第百三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第九十八号議案から第百三号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤(ゆ)委員長 異議なしと認めます。よって、第九十八号議案から第百三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○伊藤(ゆ)委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤(ゆ)委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤(ゆ)委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、岳野労働委員会事務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○岳野労働委員会事務局長 経済・港湾委員会所管四局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
 伊藤委員長初め委員の皆様方におかれましては、本定例会にご提案させていただきました議案等につきまして、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては十分尊重させていただき、今後の事業運営に万全を期してまいります。
 今後とも、所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○伊藤(ゆ)委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十三分散会

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