委員長 | 伊藤まさき君 |
副委員長 | 山崎 一輝君 |
副委員長 | 興津 秀憲君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 鈴木あきまさ君 |
三宅 正彦君 | |
きたしろ勝彦君 | |
神野 吉弘君 | |
岡田眞理子君 | |
佐藤 広典君 | |
小磯 善彦君 | |
清水ひで子君 | |
木内 良明君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 前田 信弘君 |
次長 | 三枝 健二君 | |
総務部長 | 保坂 政彦君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 中西 充君 |
管理部長 | 塩見 清仁君 | |
港湾局 | 局長 | 中井 敬三君 |
総務部長 | 黒田 祥之君 | |
労働委員会事務局 | 局長 | 加藤 英夫君 |
本日の会議に付した事件
意見書、決議について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第七号議案 平成二十四年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十四年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十四年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十四年度東京都と場会計予算
・第十八号議案 平成二十四年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十号議案 平成二十四年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十四年度東京都港湾事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第九十七号議案 東京都工場立地法地域準則条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 東京都森林整備地域活動支援基金条例の一部を改正する条例
・第百一号議案 東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第百二号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○伊藤(ま)委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、意見書、決議について申し上げます。
過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件、決議一件については、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
これより予算の調査を行います。
第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第七号議案から第十号議案まで、第十八号議案、第二十号議案及び第二十一号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○佐藤委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十四年度予算案に係る議案について、意見の開陳を行います。
厳しい財政環境の中、一般会計の予算規模は、前年度比一・四%減の六兆一千四百九十億円と四年連続の減となり、政策的経費である一般歳出も、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円に抑制しました。投資的経費については、前年度比一・二%増の八千五百七億円として、新たな雇用や需要の創出などにも配慮したものとなっております。
予算編成の一環である事業評価は、報告団体への支出など範囲を拡大し、百九十八件を見直し、約二百二十億円の財源を確保するとともに、歳出を精査して、約千百六十億円の事業費を削減しております。
こうした取り組みを通じ、基金の取り崩しを最小限に抑えたことは、不安定な都税収入に支えられている都財政を運営する上で当然のリスク管理であり、評価するものです。
昨年三月に発生した東日本大震災は、都政のあらゆる分野に新たな課題を投げかけました。そこで都は、こうした都政環境の変化を反映した都市戦略「二〇二〇年の東京」計画を発表し、大震災を乗り越え、日本の再生を牽引するとしています。本予算案では、首都直下地震や三連動地震へのさらなる防災対策の強化、災害に強く、環境負荷の少ない省エネルギー型の都市づくりや放射能対策などに戦略的な対策を行うとのことです。
また、急激な円高に苦しむ中小企業を支え、雇用を守る取り組みを行うことや、子どもや子育て家庭への支援などについても確実に取り組むとしております。
一方で、住宅の耐震化の対象拡大、救急搬送時間の短縮に向けた取り組みやがん対策など、医療に対する都民ニーズの多様化や高齢化、高い失業率などに迅速に対応し、真に都民の安心を得るためには、さらなる施策の充実が必要と考えております。
都の財政運営にとって重要な課題である法人事業税の暫定措置廃止については、国の社会保障・税一体改革大綱において撤廃に向けた方針が明記されました。しかしながら、今なお、その実現には乗り越えるべきハードルや異論があり、私たちも撤廃が完全に実現するまで、引き続き国に対し取り組みを行ってまいります。
以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
まず、産業労働局関係について申し上げます。
一、未就職卒業者緊急就職サポート事業については、多くのニーズにこたえるために経費の抑制を図るとともに、応募枠の拡大に努めること。また、環境エネルギーや介護、保育、健康など、成長分野での総合的な東京独自の雇用を創出すること。
一、障害者の就業対策として、都独自の助成事業を引き続き実施するとともに、オーダーメード型障害者雇用サポート事業を進めること。また、都庁におけるチャレンジ雇用を拡大するとともに、重度障害者の雇用対策を推進すること。
一、しごとセンター多摩の移転、整備に当たっては、多摩地域の労働相談機能の充実に向けて取り組むとともに、ジョブカフェなど就業支援機能の強化を図ること。また、跡地利用については、地元自治体と緊密な情報交換等を行い、都の施設整備に向けて努力すること。
一、すべての職場における公正な労働基準の確立や改正労働基準法の趣旨の徹底など、労働知識の普及啓発を図ること。また、非正規労働者の正規雇用化など、処遇改善に取り組む企業への支援を拡充すること。
一、東京の国際競争力の強化に向けて、総合特区を活用した海外企業の誘致に取り組むとともに、販路開拓支援のため、東京ビッグサイトを拡張すること。また、商社OB等を活用しながら、中小企業の海外展開を支援するとともに、知的財産の保護、育成に積極的に取り組むこと。
一、ものづくり産業の振興に向けて、区市町村と連携しながら空洞化対策に積極的に取り組むこと。また、多摩シリコンバレー創設に向けて、共同開発や販路開拓などを支援し、中小企業の新事業創出を促進すること。
一、商店街の活性化に向けて、新・元気を出せ商店街事業の精査、充実を図るとともに、後継者や人材育成に向けた積極的な施策を展開すること。また、買い物弱者支援に向けた新たな事業に取り組むこと。
一、中小企業制度融資は、保証料補助の拡充など中小企業の負担軽減を図るとともに、成長産業への支援など戦略的な展開について検討すること。また、新たな保証つき融資制度は、利用者が利用しやすいような制度改善を図ること。さらに、ベンチャーファンドの事業スキームの検討なども含め、投資実績などの情報公開に努めること。
一、新銀行東京について、再建計画期間が終了することにかんがみ、事業譲渡や株式の売却などによる早期撤退を含め、さまざまな観点から今後のあり方を早急に検討すること。
一、観光産業の振興を図るために、国際会議などMICEの誘致活動を積極的に展開するとともに、IMF、世界銀行総会などを通じて、日本の復興や東京の安全をPRする事業を展開すること。また、観光資源を開発するために、舟運ネットワークの整備や江戸城再建など観光まちづくりを推進すること。
一、都内農業の振興を図るために、学校給食での利用拡大などを進め、あわせて都内流通の活発化を図るための流通ネットワーク事業を新たに創設すること。
一、多摩産材の利用拡大に向けて、学校など公共施設での木材、木質化を支援するとともに、流通加工施設の整備やJAS認定を取得しようとする製材業者等への支援など、供給体制の整備を進めること。
次に、労働委員会関係について申し上げます。
一、東京都労働委員会における高い和解率を一つのモデルとして、そのノウハウを全国的に発信するなど、労働者と使用者とがそれぞれ納得のできる解決が図られるよう努めること。
次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
一、築地市場の移転問題について、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていなければ、豊洲新市場は開場しないこと。特に土壌汚染対策では、汚染物質の除去に加えて、液状化対策や地下水の管理に万全を期すること。また、築地地区における食文化の拠点が継承されるよう、中央区との合意について誠意を持って対応すること。
一、大田、足立の水産市場や多摩ニュータウン市場を初め、各市場の今後の方向性や機能強化に向けての方法、施設整備、運営のあり方について検討すること。また、淀橋市場におけるリニューアル事業や大田市場の荷さばき場の建てかえ工事を進めること。
最後に、港湾局関係について申し上げます。
一、京浜三港における広域連携事業をさらに推進するとともに、国際コンテナ戦略港湾として、高い国際競争力を持つ港を整備すること。また、京浜港への国内貨物集荷に向けた取り組みをさらに強化するとともに、ガントリークレーンの整備費補助など、外貿ふ頭の整備を進めること。内貿貨物のユニット化、船舶の大型化に対応するため、中央防波堤内側ふ頭や品川ふ頭の整備を進めること。
一、物流の効率化を図るため、新木場交差点立体化整備を進めるとともに、臨港道路南北線の早期事業化など道路ネットワークの整備を推進すること。
一、災害に強い港を実現するために、海岸保全施設の緊急整備を推進するとともに、水門、排水機場の耐震強化や防潮堤などを整備すること。
一、東京港における環境整備を進めるために、海の森公園の整備を都民等との協働で進めるとともに、お台場海浜公園での水質改善実験などに取り組むこと。また、運河の環境改善を図るための汚泥除去を進めるとともに、最終処分場の整備と延命化に取り組むこと。
一、芝浦客船ターミナルでの利用料金制の導入など指定管理者の経営努力を促すとともに、晴海客船ターミナルの活性化の促進に取り組むこと。
一、島しょ等にかかわる港湾や漁港、海岸保全施設、空港の整備、防災力の向上を図ること。また、航路、航空路事業等に対する補助を充実するとともに、特に貨物運賃補助の対象品目にガソリン、軽油を含めるなどの見直しを行うこと。
一、クルーズ客船の誘致など、東京港、伊豆・小笠原諸島において、国際観光振興に寄与する客船誘致の取り組みを推進すること。
一、臨海副都心のまちづくりについては、総合特区の指定なども見据え、MICE機能や観光資源の充実に向けた取り組みを推進すること。また、土地の一時貸し付けや暫定利用に関しては、まちのにぎわいや会計上のメリットなども踏まえ、柔軟な運用を図ること。
以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。
○三宅委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会へ付託されました平成二十四年度予算関係議案について意見開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
平成二十四年度予算案は、厳しい財政環境が続く中で、都民の安全・安心を取り戻す確かな手だてを講じるとともに、東京の成長と発展に向けた取り組みを戦略的に推進するものとなっています。
とりわけ注目すべきは、歳出総額を抑制しながらも、経済波及効果の高い投資的経費を八年連続で増加させている点です。同時に、事業評価を初め、むだをなくす取り組みを徹底して行い、基金残高を八千三百億円確保するなど、今後の備えも講じています。真に必要な施策の推進とそれを支える財政基盤の堅持という二つの課題を両立させたものとなっており、評価するものです。
今後も都税収入の好転が見込めない中、将来にわたり責任ある財政運営を行っていくためにも、自己改革努力を不断に進め、堅実な財政運営に徹することを望みます。
最後に、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
次に、各局関係に移ります。
まず、産業労働局関係について申し上げます。
一、産業の空洞化の危機に対して、東京の中小製造業の集積を確保するため、設備の改良、更新や周辺に配慮したハード整備に加え、新たな工場の増加につながる固定資産税等相当額の助成など市区町村を通じた支援に取り組まれたい。また、新たな産業の担い手を育成するためのベンチャーファンドの創設に取り組まれたい。
二、新・元気を出せ商店街事業の充実を図り、魅力的で活力ある商店街づくりを推進するとともに、買い物弱者の問題に対応した商店街の事業へのモデル的な支援や、商店街での開業に意欲的な人材などの育成に新たに取り組まれたい。
三、中小企業に対する専門家派遣の体制充実を図るとともに、国内外での販路開拓に向けた取り組みへの支援を充実されたい。また、海外における中小企業の知的財産の保護と活用を支援するため、意匠や商標の外国出願経費の助成や知的財産総合センターの相談体制を充実されたい。
四、中小製造業の基盤技術のレベルアップや品質向上につながる研究開発に対して、中小企業団体と協力して行う支援策の充実を図られたい。
五、中小企業が東京電力による電力料金の値上げの影響を抑えながら生産活動を継続できるよう、節電への取り組みや自家発電設備導入の促進に向け、積極的な支援を行われたい。
六、震災や円高などの影響により、厳しい経営環境に立たされている中小企業の資金繰りに支障が生じないよう、的確な支援を図られたい。
七、震災などの影響から回復がおくれる海外からの旅行者誘致に向けた戦略的な観光プロモーションの展開やMICE機会の活用を図るなど、積極的な旅行者誘致政策に取り組まれたい。また、震災等の影響で観光を取り巻く環境が厳しい福島県に対し、地域の実情に応じた被災地応援ツアーを実施されたい。
八、都市農業の振興を図るため、農業経営力の強化や農地保全に向けた取り組みを着実に推進されたい。また、都内産農産物の地産地消を拡大するため、普及PRを推進するとともに、新たな販路開拓に向けた取り組みを実施されたい。
九、林業、木材産業の振興を図るため、林道等の基盤整備や造林、間伐等の森林整備を着実に実施するとともに、スギ花粉の削減や多摩産材の利用拡大に向けた取り組みを推進されたい。
十、厳しい雇用情勢が続く中、引き続き雇用創出事業に取り組むとともに、離職者向けの職業訓練の拡充を図られたい。
十一、新規学卒者の厳しい就職状況に対応し、未就職卒業者に対する支援を拡充すること。また、成長が期待できる産業分野に必要な人材を確保するため、新たに若年者とのマッチングに取り組まれたい。
十二、多摩地域における雇用の推進と企業の雇用環境整備をより一層進めるため、サービスのワンストップ化を図り、そのための拠点整備に取り組まれたい。
十三、島しょ地域の農業振興を図るとともに、漁業生産に不可欠な基盤整備や漁村地域の防災力強化に向けた取り組みを推進されたい。また、観光産業の充実に向けた支援や基盤整備を実施されたい。さらに、三宅島の早期の復興に向けた施策の展開に引き続き十分な対応を図られたい。
次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
一、豊洲新市場については、平成二十六年度中の開場に向けて着実に整備を推進するとともに、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な支援策を講じ、安心して移転できる環境づくりに努められたい。
二、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、卸売市場の機能強化や活性化を積極的に推進するとともに、原子力発電所事故に起因する風評被害等に適切に対応し、生鮮食料品などの都民への安定供給に努められたい。
三、東日本大震災を踏まえ、災害時にも市場機能が維持できるよう、自立分散型発電の導入によるエネルギー確保の多様化を図るなど、卸売市場の災害対応力の強化に努められたい。
四、多摩地域の地方卸売市場については、生鮮食料品流通の安定供給を図るための施設整備補助制度等の拡充を図り、その支援に努められたい。
次に、港湾局関係について申し上げます。
一、国際コンテナ戦略港湾として、東京、川崎、横浜の三港連携を進めるとともに、中央防波堤外側の新規外貿コンテナふ頭の整備を推進するなど、東京港の機能強化を図られたい。
二、高潮や津波などから都民の生命、財産を守るため、水門、排水機場の耐震強化や防潮堤、内部護岸の早期整備、高潮対策センターの二拠点化を推進されたい。
三、臨海副都心のポテンシャルを生かし、MICE、国際観光機能の集積など、観光、交流のまちづくりを進めるとともに、基盤整備を推進されたい。
四、島しょの港湾、漁港、空港などの整備や防災対策を進めるとともに、引き続き離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。
以上をもちまして意見開陳を終わります。
○高倉委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十四年度予算関係議案について意見開陳を行います。
平成二十四年度の一般会計当初予算案は、都政史上初の五年連続都税収入減収という厳しい財政環境の中、歳出総額が抑制されたものとなっており、政策的経費である一般歳出は、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円と二年連続の減となっています。
しかし、その中身を見れば、施策を厳選し、限られた財源を重点配分することで、都民の負託に的確にこたえるものへと練り上げられた予算となっていることがうかがえます。
具体的には、依然として日本経済の低迷が続く中、雇用創出効果や中小企業の受注機会の拡大など、景気対策にも密接に連動する投資的経費を八年連続で増加させております。また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、金額、構成比ともに過去最高としています。
加えて、防災力強化やエネルギー対策など、東日本大震災により浮き彫りとなった東京の新たな課題にも積極果敢に対応するものとなっています。とりわけ、全国自治体の先頭に立って災害廃棄物の受け入れを推進するなど、引き続き、被災者、被災地支援にしっかりと取り組む姿勢は高く評価するものであります。
都財政を取り巻く環境が厳しさを増す中において、このような予算を編成できたのは、都が公明党と手を携え、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、事業評価を初めとした都庁の自己改革努力を重ね、堅実な財政運営に徹底して取り組み、財政の対応力を培ってきたからにほかなりません。
平成二十四年度予算案においても、むだをなくし、個々の施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底するとともに、都債や基金を適切に活用するなど、まさに施策展開とそれを支える財政基盤の堅持とのバランスのとれた予算案といえます。
厳しい財政環境が当面続くことが見込まれますが、いかなる状況にあっても都民生活を守っていけるよう、今後とも将来に向けて責任ある財政運営に努めることを強く望むものであります。
あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層、効率的、効果的に行うことを要望いたします。
次に、各局別に申し上げます。
初めに、産業労働局について申し上げます。
一、新製品、新技術の販路を海外に開拓しようとする都内中小企業に対して、さらなる支援策の充実を図ること。また、海外取引における知的財産保護を確実に行うことができるよう、東京都知的財産総合センターによる支援の充実を図ること。
一、円高の影響により経営が圧迫されている中小零細の下請企業が、発注企業から取引条件で不利に立たされることのないよう、取引適正化に向けた取り組みを一層充実させること。
一、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業による支援を充実するとともに、未来を支える意欲ある若手人材を育てる、進め若手商人育成事業を引き続き実施するなど、商店街の活性化に資する事業を一層推進すること。
一、中小企業がものづくり人材を量的、質的に確保可能となるよう、学生が中小企業の魅力を感じる機会を積極的に設けること。
一、震災や円高等の影響により資金繰りに苦しむ中小企業に対し、中小企業制度融資の充実を図るとともに、都内小零細企業の資金繰りを支援するための都独自の保証つき融資制度を推進するなど、中小企業の資金調達の一層の円滑化に努めること。また、中小企業が不動産や個人保証に過度に依存することなく、みずからが所有する機械、設備を担保とした融資制度の推進を図ること。
一、外国人旅行者の誘致に積極的に取り組むとともに、障害者や高齢者等、だれもが安心して東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリー等に配慮した取り組みを強化すること。また、震災等の影響で、観光を取り巻く環境が依然厳しい福島県に対し、引き続き被災地応援ツアーを実施すること。
一、都市農地の保全に向けた取り組みや農業基盤の整備を着実に進めるとともに、意欲ある担い手に対して、収益性の向上に寄与する施設整備や経営面の支援を行うなど、農業経営力の強化に取り組むこと。また、食の安全・安心を求める都民の声にこたえるため、環境保全型農業や都内産農産物の地産地消に向けた取り組みを推進すること。
一、新規学卒者を取り巻く就職環境が依然厳しい中、合同就職面接会の規模拡大や未就職卒業者と中小企業とのマッチングを促進する取り組みをさらに進めること。また、東京しごとセンターを活用したきめ細かい新規学卒者支援を行うこと。
一、東京しごとセンター及びしごとセンター多摩における各種就業支援策を拡充すること。特に就職氷河期世代の三十歳代の求職者が正社員として就職できる取り組みや、長期にわたり離職を余儀なくされている求職者への支援を引き続き進めること。
一、雇用情勢の回復が見えない中、引き続き区市町村とも連携し、積極的な雇用創出を図ること。また、職業訓練の規模を拡充するとともに、周知を効果的に行い、就職に向けた支援をさらに推進すること。障害者や高齢者など就職が困難な求職者に対しても、積極的な支援を行うこと。
一、非正規労働者の割合が高まる中、特に若年非正規労働者の正規雇用化に向けた取り組みを新たに実施すること。
一、子どもを産み育てながら家庭と仕事を両立して働き続けることができるよう、中小企業が取り組む次世代育成のための環境整備を積極的に支援すること。
一、障害者を就職に結びつける施策を強化するため、障害者雇用に意欲的な企業に対する支援の充実を図るとともに、ジョブコーチの派遣による支援を進め、障害者の雇用拡大と職場への定着を一層促進すること。
一、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して、効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施するとともに、引き続きものづくりへの関心を醸成する施策を推進すること。
一、豊かな自然に恵まれた島しょ地域の観光産業、農業及び漁業のさらなる振興を図ること。また、三宅島の早期復興に向け、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を行うこと。
一、新銀行東京については、中期経営計画の着実な実施により、安定的な黒字体質を実現して企業価値を高め、事業譲渡または業務提携を行って追加出資の保全、回収を図ること。
次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
一、築地市場の移転については、平成二十六年度中の新市場の開場に向けて、整備事業を着実に推進すること。また、市場業者の意見、要望を踏まえた効果的な支援策を実施し、円滑な移転の推進に努めること。
一、第九次東京都卸売市場整備計画を踏まえ、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、集荷、販売力を強化するなど、都民の期待にこたえられる卸売市場として活性化を図るよう努めるとともに、東日本大震災を踏まえた災害対応力の強化や産地支援に取り組むこと。
一、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、常に消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品を流通するよう努めること。
一、卸売市場を活性化し、今後とも生鮮食料品等、流通の中核を担っていくため、市場関係業者に対する経営指導、活性化の支援などに努めること。
一、市場環境の改善のため、市場内で使用する運搬車両の電動化への助成措置の継続など、環境負荷の低減に努めること。
一、中央卸売市場の運営に当たっては、市場財産の有効活用等による収入の確保や内部努力の徹底による経費削減を行うなど、健全な市場財政の確保に努めること。
次に、港湾局関係について申し上げます。
一、東京港の国際競争力を強化するために、中央防波堤外側の新たな外貿コンテナふ頭の整備を推進するとともに、内貿ユニット貨物に対応するため、内貿ユニットロードターミナルの整備を進めること。国際コンテナ戦略港湾として、東京、川崎、横浜による京浜三港の連携を一層推進し、京浜港の国際競争力の強化に資する施策を推進すること。
一、臨海地域を高潮や津波等の災害から守るため、水門、排水機場の耐震強化や、内部護岸、防潮堤等の整備、高潮対策センターの二拠点化を積極的に推進するとともに、震災時における港湾物流機能の確保のために、耐震強化岸壁や耐震護岸の整備を図ること。
一、臨海副都心の魅力をさらに高めるために、臨海副都心のポテンシャルを生かしたMICE振興や新たな観光資源の創出に取り組むこと。また、有明北地区については、引き続き着実に基盤整備を進めること。また、水上タクシーの導入についても検討を進めること。
一、中央防波堤内側地区における海の森の整備を推進するとともに、東京港や臨海副都心を初めとする臨海地域全体において、環境に配慮したさまざまな取り組みの推進に努めること。また自立分散型のエネルギー安定供給の体制構築を図ること。
一、離島住民の生活の安定や産業の振興、交通利便性の向上を図るため、島しょの港湾、漁港、空港、海岸保全施設等の整備や防災対策を推進するとともに、離島航路、航空路補助の充実に努めること。
以上をもちまして、意見の開陳を終わります。
○清水委員 日本共産党都議団の予算関係議案に対する意見開陳を行います。
二〇一二年度予算は、オリンピック招致を口実にした外かく環状道路の推進、不要不急な高速道路や港湾施設の建設、さらには八ッ場ダム建設などの浪費的投資を拡大し、法人事業税の免除など、大幅減税で外国企業を呼び集めるアジアヘッドクオーター構想の推進などが最重視されています。四千億円を超えるオリンピック開催準備基金を温存し、財界、大企業の要求である過大な産業基盤整備のための投資を優先しています。
今、求められているのは、防災や放射能対策とともに、重大な困難に直面している都民生活を守るための福祉や暮らし、中小企業支援です。都税収入が減っているとはいえ、予算案においても、一般会計で六兆一千四百九十億円、全会計で十二兆円近い財政規模があります。浪費を削り、オリンピック開催準備基金などを適切に使えば、都民施策は大幅に拡充できます。
築地市場の豊洲新市場移転について、土壌汚染問題や談合情報問題など、都民や議会が納得できない問題がいまだ存在しています。よって、土壌汚染対策工事などの予算執行は中止すること。既に豊洲移転関連工事費の削除を求める修正案を提出することは明らかにしていますが、その成立のために全力を尽くすものです。
まず、産業労働局について申し上げます。
被災地の中小企業、農林水産業を支援し、都内でそれらの生産物の消費拡大を促進するため、被災三県の物産販売促進と生業の復旧状況紹介などを恒常的に行える施設を提供すること。
一、被災県への観光ツアー支援を継続、拡充し、観光客の増加と消費拡大につながるよう支援を強化すること。
一、就職を希望する避難者向けに、都自身はもちろんのこと、区市町村とも協力し、適切な雇用を創出すること。都立職業能力開発センターでの職業訓練の被災者支援枠を拡大すること。
一、三宅島の火山災害の際の避難者支援の経験にも学び、被災者が利用できる貸出農園を設置すること。
一、全庁横断的な雇用対策本部を設置し、雇用、就労対策を抜本的に強化すること。
一、都独自に、最低賃金を時給千円以上にする東京ルールや公契約条例をつくるなど、ワーキングプアを解消する実効性ある対策を実施すること。そのための中小企業への支援策をあわせて実施すること。
一、就職できなかった新卒者などに対し、仕事が見つかるまで無料で公共職業訓練を実施するなど、未就職者支援事業を抜本的に拡充すること。
一、認可保育所、特別養護老人ホームの整備などによって雇用を創出し、利用者に役立つとともに、雇用者、建設業者、商店街も同時に潤う、一石三鳥、四鳥の福祉充実、雇用拡大セット事業を立ち上げて推進すること。
一、職業能力開発センターの訓練項目をふやすとともに、校内の機器などを拡充、増設し、施設内訓練の定員を大幅にふやすこと。
一、国分寺、八王子労働情報相談センター、労政会館の移転、統廃合計画を中止し、現地での建てかえを進め、労働行政を充実させること。
一、アジアヘッドクオーター構想は見直し、中小企業予算を抜本的に拡充すること。
一、急激な円高など経済悪化に対応するための資金需要に対する実効性ある融資を拡充するとともに、区市の融資制度の利子補給、保証料補助をすること。
一、借り工場家賃、リース代など固定費の負担に対する直接支援を実施すること。
一、収益がなく、生活が困難な業者に対する無利子、長期貸付の生活つなぎ資金を創設すること。
一、東京都発注の官公需の中小企業への発注率を引き上げること。
一、再生可能エネルギーを新しい産業振興の柱として位置づけ、中小企業のさらなる技術開発や製品化、市場化への支援を強化すること。
一、東京の中小企業、医療、研究機関が連携して医療技術の発展を進める医工連携支援制度を立ち上げること。
一、既存の集積地域に加えて、集積が期待される地域や地域横断的な産業クラスターなども視野に入れた新たな工業集積地域支援事業を立ち上げること。
一、新・元気を出せ商店街事業の予算を大幅に増額し、対象事業、適用範囲を広げるとともに、希望するすべての商店街が利用できるようにすること。
一、国内及び海外への特許取得、特許維持費用、特許侵害の調査費用への助成を行い、知的財産権保護への支援を強化すること。
一、住宅リフォーム助成を都として実施すること。また、住宅リフォーム助成を実施する区市町村への財政支援を行うこと。
一、生産緑地の買い取り申請に対し、区市町村が買い取る場合に財政支援を行うこと。
一、CO2削減、地球温暖化防止、木質バイオマスなど、エネルギー供給などに森林の果たす役割の重要性にふさわしく、林業が産業として成り立つよう、林業の振興と森林保全対策を強化すること。
一、自然エネルギー活用型都市産業の推進支援事業を立ち上げること。
一、新銀行東京については、専門家を入れた第三者機関による経営分析と処理方針を検討する場を設け、預金者の保護、中小企業への支援を継続しながら清算手続をとること。
次に、中央卸売市場関係です。
一、豊洲新市場計画は、土壌汚染調査も対策も問題があり、食の安心・安全が保障されない。また、工事計画に関する談合情報疑惑もあり、中止すること。
一、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策費は削除し、現地再整備に踏み出すこと。
一、豊洲新市場移転計画にかかわるすべての情報を公開し、土壌汚染対策については、第三者の専門家の検証にゆだねること。
一、中央卸売市場再整備に当たっては、大型量販店対応を前提にした流通センター化構想、過大な施設整備計画をとらないこと。
一、仲卸業者など中小零細業者の経営支援を行い、市場機能の維持拡大に努めること。
一、各中央卸売市場について、直ちに耐震補強、老朽化対策を行うこと。
一、民間の卸売市場施設について、耐震補強の促進を図るための支援を強めること。
次に、港湾局です。
一、東京湾における新たな津波の想定見直しを急ぎ、防潮堤、護岸、水門、防潮扉、陸閘など海岸保全施設を総点検し、必要な整備、耐震強化を緊急に進めること。
一、海岸保全施設について、既にレベル一地震動対応の耐震化を完了しているところについては、レベル二対応に目標を引き上げて耐震強化を計画的に進めること。
一、東京湾岸に林立する石油タンク等危険物施設の安全対策を抜本的に強化すること。国任せにせず、都みずから、湾岸の県、関係自治体と協力し、企業にも協力を求めて、岸壁の地盤情報を入手し、地域ごとに対策を検討すること。
一、過大な港湾整備を見直すとともに、都民生活の充実や中小企業の振興につながる東京港の物流機能の拡充を図ること。
一、港湾振興策、中小港湾業の振興、港湾労働者の雇用の創出と厚生施設を充実すること。
一、二十四時間フル稼働に対応する、施設、設備、港湾労働者の福利厚生施設の整備を促進すること。
一、島しょ貨物運賃補助について、野菜、果物に加え、一般食品、特産品、石油、ガソリン等、補助対象品目を拡大すること。
一、ジェットフォイルの安定就航のために、港内外の整備を実施すること。
以上です。
○伊藤(ま)委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめた上、調査報告書として議長に提出いたしますので、ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○伊藤(ま)委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第九十七号議案から第九十九号議案まで及び第百一号議案から第百三号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第九十七号議案から第九十九号議案まで及び第百一号議案から第百三号議案までを一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(ま)委員長 異議なしと認めます。よって、第九十七号議案から第九十九号議案まで及び第百一号議案から第百三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○伊藤(ま)委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(ま)委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○伊藤(ま)委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
○伊藤(ま)委員長 この際、所管四局を代表いたしまして、加藤労働委員会事務局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○加藤労働委員会事務局長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
伊藤委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案いたしました議案等につきまして、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
今後とも、所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
○伊藤(ま)委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十二分散会
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