委員長 | 西岡真一郎君 |
副委員長 | しのづか元君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 伊藤 興一君 |
理事 | 川井しげお君 |
山崎 一輝君 | |
大松あきら君 | |
田の上いくこ君 | |
佐藤 広典君 | |
山口 拓君 | |
清水ひで子君 | |
藤井 一君 | |
三宅 茂樹君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 岡田 至君 |
管理部長 | 塩見 清仁君 | |
事業部長 | 横山 宏君 | |
新市場整備部長 | 宮良 眞君 | |
市場政策担当部長 | 大朏 秀次君 | |
調整担当部長 | 森本 博行君 | |
新市場事業計画担当部長 | 野口 一紀君 | |
新市場事業推進担当部長 | 志村 昌孝君 | |
基盤整備担当部長 | 臼田 仁君 | |
施設整備担当部長 | 砂川 俊雄君 | |
港湾局 | 局長 | 中井 敬三君 |
技監 | 飯尾 豊君 | |
総務部長 | 山本 隆君 | |
監理団体改革担当部長 | 石原 清志君 | |
港湾経営部長 | 小宮 三夫君 | |
港湾経営改革担当部長 | 河内 豊君 | |
臨海開発部長 | 平林 宣広君 | |
開発調整担当部長 | 大和田 元君 | |
営業担当部長 | 延與 桂君 | |
港湾整備部長 | 前田 宏君 | |
計画調整担当部長 | 大釜 達夫君 | |
離島港湾部長 | 平田 耕二君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 北村 俊文君 |
本日の会議に付した事件
港湾局関係
事務事業について(質疑)
中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)
○西岡委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより港湾局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○山本総務部長 十月十四日開催の当委員会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。
ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり五項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、臨海ホールディングスグループ各社の利益剰余金の状況でございます。
平成十八年度から二十一年度までの臨海ホールディングスグループ各社の利益剰余金について、グループ化以降の各年度決算額を百万円単位での金額でお示ししてございます。
二ページをお開き願います。2、臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
平成十七年度から二十一年度までの土地処分の実績を、面積と百万円単位の金額でお示ししてございます。実績の内訳欄には処分方法と件数を記載してございます。
なお、注記のとおり、暫定利用は除いております。
三ページをお開き願います。3、臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
有償処分予定地のうち、開発確定分といたしまして、処分済み及び処分手続中に分け、また、今後開発予定面積といたしまして、公募中と今後処分予定に分け、昨年度末現在の面積をヘクタールでお示ししてございます。
四ページをお開き願います。4、臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
臨海副都心地域において暫定利用されております表頭記載の四区画の昨年度末における状況につきまして、それぞれ表側の項目、敷地面積、事業者名、事業者決定日、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。東京港における外貿コンテナ貨物取扱量の推移でございます。
平成十二年から二十一年の十カ年における外貿コンテナ貨物の取扱量を、貨物数量とコンテナ個数で記載したものでございます。
貨物数量については千トン単位で、コンテナ個数については万TEU単位でお示ししてございます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○西岡委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○伊藤(ゆ)委員 それでは、私の方から、都の監理団体についてお伺いしていきたいと思います。
監理団体としては、港湾局所管の株式会社臨海ホールディングスと、報告団体になりますけれども、そのもとにグループ会社として株式会社東京テレポートセンターがあります。特に、最初は臨海ホールディングスについてお伺いしていきたいと思います。
この臨海ホールディングスの成り立ちと、東京都から同団体に対する財政支援があるとすれば、このことについてまずお伺いしたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 東京臨海ホールディングスは、臨海地域のエリアマネジメントを推進し、臨海地域の発展の中核を担うことを使命として、平成十九年一月に設立されました。
設立に当たりましては、都の新たな出資によるものではなく、グループ化する団体みずからが持ち株会社を設立することといたしまして、具体的には、既存の会社の単独株式移転により設立されたものでございます。
○伊藤(ゆ)委員 東京都の出資による設立でないことと、独立した企業体であるということは今の答弁でわかりました。
さて、その臨海ホールディングス各社の利益剰余金については、委員会の資料請求をさせていただいたところでございまして、きょう、手元に配布いただきました。
大変大きな金額が並んでいて、それぞれ百二十億円であったり、数十億円単位の利益剰余金が出ています。これらの利益剰余金は、今後どのように活用される予定なのでしょうか。
○石原監理団体改革担当部長 利益剰余金につきましては、今後、耐用年数を迎えることとなる施設、設備の更新や借入金の返済等に充てる予定であると聞いております。
○伊藤(ゆ)委員 特に、都の報告団体である東京テレポートセンターについて伺ってまいりたいと思いますけれども、東京テレポートセンターは平成十九年度に七億一千三百万円の剰余金が発生し、翌平成二十年度には五十六億五百万円、平成二十一年度には百二十億円にも達しています。
これだけ不動産不況が続く中で、他社をしのぐ目覚ましい利益を生んでいるわけですけれども、これだけ膨大な利益が生まれた背景はどのようなものだったのでしょうか、伺いたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 東京テレポートセンターは、平成十九年度以降、毎期約五十億から六十億円程度の当期純利益を計上しております。
その主な理由は、東京テレポートセンターの営業努力の結果、ビル入居率が堅調に推移したことや、コスト削減に努めたことなどによるものと聞いております。
○伊藤(ゆ)委員 コスト削減はどこの企業もひとしく努められていることと思いますけれども、本当にこのご時世に百二十億円の利益剰余金が出るというのは驚くべきことだというふうに思います。
それで、この東京テレポートセンターは、もともと平成十八年までに多額の負債を抱えて民事再生に陥っている団体でありました。銀行には約二千億円の債権放棄をしてもらい、都は、百七億円の貸し付けのうち返済は八億円で、平成十八年に九十九億円の債権放棄をしているわけであります。
その後、東京テレポートセンターが、今や毎年五、六十億円の純利益を出しているというのは本当に驚くところです。本当に九十九億円の都の債権放棄が適切だったのか、疑念さえわいてまいります。
さて、その東京テレポートセンターが抱えているのは、六つのビルであります。テレコムセンター、青海フロンティアビル、台場フロンティアビル、有明フロンティアビル、ニューピア竹芝ノースタワー、ニューピア竹芝サウスタワーの六つのビルを所有し、そのテナント収入を稼いでいるわけですけれども、それらのビルの管理業務というのはどのような形態になっているんでしょうか。
○石原監理団体改革担当部長 ビル管理の基本的な業務につきましては、以下の三つに大きく区分されます。
第一に、電気設備や空調設備などを制御し、ビル管理の心臓部となる中央監視装置の管理等を担う設備総合業務でございまして、ビル管理における最重要の基幹的業務でございます。
第二に、入居テナントや商業施設へのお客様などの安全を守る警備業務でございまして、テナントが安全で安心して入居できることを担保する重要な業務でございます。
第三に、ビルメンテナンスの基礎的な要素である床清掃を中心とした一般清掃業務でございます。
これらの業務につきましては、基本的にはビルごとに契約を締結しております。
○伊藤(ゆ)委員 大きく分ければ、今、おっしゃっていただいたような三業務に分かれていて、ビルごとに契約を結んでいるということがわかりました。
問題は、契約形態と契約継続年数であります。
都の基準では、おおむね五年程度で、契約継続されていたとしても見直しを行って競争にかけるということになっているかと思いますけれども、再度、そういう形で東京都は入札にかけていますが、都の通常の契約のあり方としてはそのような理解でよろしいんでしょうか。
○石原監理団体改革担当部長 都におきましては、長期継続契約が認められる契約においても、契約期間は原則五年以内ということで決まっております。
○伊藤(ゆ)委員 つまり、五年たったら改めて入札にかけるというのが原理原則だと思います。
そこで、最もビルの竣工が早く、平成三年にオープンしたニューピア竹芝ノースタワーの場合、設備総合業務、警備業務、一般清掃業務の発注先企業の選定方法と契約継続年数はどれほどのものだったんでしょうか、お伺いします。
○石原監理団体改革担当部長 ニューピア竹芝ノースタワーの設備総合業務及び警備業務につきましては、契約の初年度に競争契約を行いまして、以降、毎年度、特定契約を締結しております。
それから、一般清掃業務につきましても、従来は同様の選定方法によっておりましたが、平成二十一年度に見直しを行いまして、現在は競争契約による複数年契約を締結しております。
契約開始時期でございますが、設備総合業務及び警備業務につきましてはビル開業当初の平成三年十月から、一般清掃業務につきましては平成二十一年四月からとなっております。
○伊藤(ゆ)委員 都の基準では、五年に一度は見直しを行って競争にかけなければいけないことになっているにもかかわらず、都の監理団体の傘下企業である東京テレポートセンターでは、何と平成三年から今に至るまで、少なくとも設備総合業務と警備業務については、十九年間、一度も競争にかけられずにこれまで契約が継続されてきたという答弁でありました。私は、このことは非常に問題ある契約継続だというふうに思います。
さて、この十九年間、再度入札にかけられてこなかったのはなぜなのか、伺いたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 設備総合業務につきましては、安全、安定的なサービスの提供が強く求められることから、安全確実な運営を担保するため、ビル開業当初の企業を継続して活用しております。
また、警備業務につきましては、ビル事業運営上のセキュリティー対策の重要性にかんがみ、警備の質を担保するため、ビル開業当初の企業を継続して活用しております。
東京テレポートセンターにおきましては、業務の履行実績を検証の上、仕様の見直しや減価交渉等を通じて経費削減を行いつつ、契約を継続しているものと聞いております。
なお、一般的に民間のビル事業者におきましては、単年度契約を締結し、毎年の契約改定時にサービスや価格について交渉を行った上で契約延長するケースが多いというふうに聞いてございます。
○伊藤(ゆ)委員 民間でも最初に金額交渉をして、一年ごとに金額を見直していくというのは当然あろうと思います。ですから、ある意味ではビルメンもこれだけ過当競争になっているので、毎年、管理費が落とされてしまうと、そういう風潮がいいかどうかはともかくとして、ビルメン業界の全体的な地盤沈下が、そういう意味ではある。
この東京テレポートセンターが毎年、委託業務の減価交渉というものを本当にしてきたのかどうかという意味では、私は説明を聞く限り、そういう経緯ではなかったというふうに伺って、そういう理解をしていますので、ちゃんとそこは東京都の基準に基づいて五年に一度は競争にかけるというのが、監理団体傘下企業のあるべき姿ではないかというふうに思っています。そのことはまた後ほど伺いたいと思います。
そういう意味では、ビルの完成時に受注企業が決まって以降、一度も入札にかけられずに業務が発注され続けてきた案件、ほかにもビルが五つありますから、どれぐらいあるのか、また、それらの契約金額は幾らになるのかを伺いたいと思います。
ただし、この契約金額についてはビルの賃料に影響するというご説明も受けていますので、少なくとも年間一億円以上の案件がどれほどあったのかということをお伺いしたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 東京テレポートセンター所有の六つのビルの設備総合業務、警備業務及び一般清掃業務は、合計十八件でございます。このうち十件につきましては、開業時の受注企業選定後、競争契約を行っておりません。
また、この十件のうち、平成二十一年度の契約金額が一億円以上のものは、テレコムセンタービルの設備総合業務、ニューピア竹芝ノースタワーの設備総合業務、ニューピア竹芝サウスタワーの設備総合業務、テレコムセンタービル及び青海フロンティアビルの警備業務、ニューピア竹芝ノースタワー及びサウスタワーの警備業務の五件でございます。
○伊藤(ゆ)委員 十件も、開業以来、一番最初に受注企業を決めたときだけ競争契約を行って、その後はずっと競争にかけてこなかったというのは一つの驚きでありますし、そのうち五件は一億円以上の案件があったということを考えますと、改めて、こうした契約のあり方というものを見直していかなければならないのではないかというふうに強く思います。
さて、今、答弁にあった一方で、青海フロンティアビルと有明フロンティアビルは、契約改善が図られています。平成十八年四月に競争契約を行っているわけですけれども、これはどういう経緯だったんでしょうか。
○石原監理団体改革担当部長 お話のように、青海フロンティアビル及び有明フロンティアビルの警備業務につきましては、平成十八年四月に競争契約を行っております。
警備業務につきましては、ビル事業運営上のセキュリティー対策の重要性にかんがみまして、警備の質を担保する観点から、これまで基本的に業務の履行実績が良好な企業を継続して活用してきたところでございます。
一方で、監理団体に準じた報告団体である東京テレポートセンターの契約締結に当たりましては、透明性、公平性を一層発揮していくことも重要であることから、青海フロンティアビルと有明フロンティアビルの警備業務につきましては、平成十八年度に試行的に再度の競争契約を行ったものと聞いております。
また、この試行結果等を勘案いたしまして、来年度から、警備業務に競争契約を全面的に導入することとしております。
○伊藤(ゆ)委員 ところが、平成十八年四月に改善されたといわれる競争契約ですけれども、私がこの二つのビルの競争参加企業を取り寄せたところ、青海フロンティアビルと有明フロンティアビルは全く別々の契約にもかかわらず、二つの競争に参加していたのは全く同じ四者でした。
さらに、たすきがけと思われても仕方ないほど、見事にトップ二者がそれぞれ受注していたわけです。つまり、別々のビルにもかかわらず、呼ばれた企業が全く一緒で見積もり競争が行われていたというのは、どのような経緯というか、競争方法だったんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 青海フロンティアビル及び有明フロンティアビルの警備業務については、指名競争見積もりによって契約が行われたものでございます。
これは、一定水準以上の警備の質が実証済みであること、入居テナントの安心感を得る必要があること、警備業務において初めて再度の競争契約を導入する案件であることなどをかんがみ、東京テレポートセンターの所有ビルにおける警備業務の履行実績のある企業を指名したものであると聞いております。
なお、競争の結果、二つのビルの受注企業がいずれもかわっておりまして、また、従前受注しておりました企業二社のうち、一社は受注できなかったところでございます。
○伊藤(ゆ)委員 私がお伺いしたいなと思っていたのは、警備業務というすそ野の広い業務であって、そういう意味では民間市場が非常に成熟している業務です。ですから、何で別々の二つのビルの業務が、全く同じ四社に限定されて見積もり合わせを行っていたのかということをお伺いしているので、そういうことについて、今後、しっかり明らかにしていただきたいというふうに思っています。
続いて、数千万円以上の契約であるにもかかわらず、正式な入札でもなく、見積もり競争という形で契約を行ったということは、都の常識では考えられないことであります。
競争もなく十年以上の契約更新が続いたことや、公平性に欠ける競争方法が採用されるなど、東京テレポートセンターの契約事務については大いに問題を感じるところですが、都の所見をお伺いします。
○石原監理団体改革担当部長 契約手続におきまして、経済性や公平性を発揮していくことが求められるのは、都の第三セクターにおいても同様でございます。
一方、当該警備業務は、都のような自社ビルの警備ではなく、テナントビルにおける顧客サービスの一環として行われるものでございまして、その履行状況は顧客満足度、ひいては東京テレポートセンターの収益に影響する非常に重要なものでございます。
こうしたことから、警備業務の契約につきましては、減価交渉等により経費を削減しつつ、質を担保するものとして特定契約や競争見積もりが行われたものでございまして、会社の契約規定上も問題はなく、まさに株式会社として一般に広く行われている民間的手法を活用したものと考えております。
しかし、東京テレポートセンターは監理団体に準じた報告団体であることから、都民の誤解を招くことのないよう、理事お話しのように、より透明性を高めるため、先ほどお話ししたとおり、ビルの警備業務につきましては競争契約の試行結果等を勘案しまして、来年度から競争契約を全面的に導入することとしております。
東京テレポートセンターでは、このように適宜必要な見直しを進めてきておりまして、都としても引き続き必要な指導監督を行ってまいります。
○伊藤(ゆ)委員 本当にこれが純粋な民間企業であれば、それは企業の判断ということになりますが、答弁にあったとおり報告団体であり、また、親会社、臨海ホールディングスは監理団体であります。そういう意味合いから、今、答弁のように、今後、コンペ方式などを全面的に導入するということは私も評価したいと思いますし、そのようにお取り計らいをいただきたいというふうに思います。
ただ、今のはあくまで警備業務ということであって、今、質疑させていただいているとおり、その他にも設備総合業務や、あるいは一般清掃業務、そういったようなビルメンテナンス全般の業務があります。
請負可能な民間企業のすそ野の広い業界でありますので、見積もり競争方式を改めて、幅広い企業が公平に参加できるよう都と同等のオープンな入札方式に改めるとともに、一定期間ごとに競争性が働くように改善すべきだというふうに考えますけれども、都の所見をお伺いしたいと思います。
○石原監理団体改革担当部長 ビルの管理業務は、テナントビルにおける顧客サービスの一環として行われるものでありますことから、その質の担保には十分留意する必要があります。
一方、東京テレポートセンターは、監理団体に準じた報告団体であることから、都民の誤解を招くことのないよう、契約手続については業務の質を担保しつつ、理事お話しのような透明性も発揮していく必要があるものと認識しております。
このため、一般清掃業務につきましては、既に平成二十一年度に競争契約を導入しております。
また、警備業務につきましては、先ほどお話ししたとおり、競争契約の試行結果等を勘案し、来年度から競争契約を全面的に導入することとしております。
しかし、設備総合業務につきましては、例えば、通信関連の社会インフラなどを安定的に供給する役割を担う企業も入居するなど、電気設備などを含め、運営について安全性をしっかり担保していく必要があることや、建物の設備の経年化なども十分に把握した精度の高い業務が求められますことから、こうした観点を踏まえた慎重な検討を行っているところでございます。
都としては、こうした取り組みがしっかりと行われますよう指導監督してまいります。
○伊藤(ゆ)委員 報告団体並びに監理団体は、いうまでもなく東京都の影響の強い、また、支援の度合いの高い団体を指しています。千差万別、それぞれの団体はそれぞれの特性があるとは思いますけれども、しかし、一つの監理団体の契約のあり方というものがほかの監理団体に対する不信感というものを招いたりするケースも多々ありますので、都全体として監理団体をこれから有効活用していこうということであるならば、一つ一つの監理団体の一個一個の契約にも細心の注意を図っていただいて、だれからも信頼される監理団体、あるいは報告団体のありようというものをぜひ追求していただきたいと思いますので、そのことを申し上げて私の質疑を終わらせていただきます。
○山崎委員 私からは、離島航空路線への支援について、何点かお伺いいたします。
東京から百キロ以上も離れている伊豆諸島の島々は、本土と船便によって結ばれておりますが、一刻も早く本土に着きたい、逆に島へ行きたいという際には、航空路線がなければ短時間での移動は困難であります。航空路線は、島民の生活や観光などの産業を支える、不可欠な交通インフラとなっております。
しかしながら、路線収支の赤字により、一昨年には羽田-大島便が一日二往復から一往復へ、昨年は羽田-八丈島便が一日四往復から三往復へ、それぞれ減便されたわけであります。
私は、先週、八丈に行ってまいりました。島の皆さんともいろんな意見交換をさせていただいた中で、やはりこの問題がそこで一番心配されている。運賃の値上げがあるのではないか、また、さらに減便されるのではないかと、島の皆さんはそういう心配をとにかくされておりました。
そこで、路線の維持、存続を図る観点から質問いたします。
まず、各航空路線の収支はどうなっているのかお聞きいたします。
○北村島しょ・小笠原空港整備担当部長 現在、東京の島しょには六つの定期航空便が就航しております。平成二十一年度の路線別経常収支は、全日本空輸株式会社が運行しております羽田-大島路線が約三億七千万円の損失、羽田-三宅島路線が約三億七千三百万円の損失、羽田-八丈島路線が約四億四千九百万円の損失であります。
また、新中央航空株式会社が運行しております調布-大島路線が約三千二百万円の損失、調布-新島路線が約一千百万円の利益、調布-神津島路線が約七百万円の損失であります。
○山崎委員 今の答弁の中でも、六路線の中、五路線が赤字であるということで、航空路線が果たしている役割の大きさを考えれば、公的主体が航空事業者を支援することが必要であると思います。
そこで、都は、航空事業者に対してどのような支援を行っているのか、お伺いします。
○北村島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、平成十一年度から、前年度に経常損失が生じた路線につきまして、国と協調して運航費を補助しております。
今年度、補助要件を満たす四路線につきまして、国と都の合計で約三億二千万円の運航費補助を行う予定であり、都はその二分の一を補助する予定であります。
また、都はハイジャック等を防止するための保安検査費や検査機器購入につきまして、毎年度約三千万円程度補助してまいりました。
さらに、着陸料につきまして、ジェット機は五分の三に、重量六トンを超えるプロペラ機は八分の一に、重量六トン以下のプロペラ機は十六分の一に、それぞれ軽減しております。
○山崎委員 東京都として運航事業者に対してさまざまな支援を行い、路線の維持、存続に努めているということがよくわかりました。
しかし、競争の激化や景気の低迷により、航空業界の経営は厳しい状況にあると聞きます。東京の島しょ路線も、先ほどの答弁の中で、路線によっては数億円の損失が出ているということでありますが、こうした大幅な赤字路線については、運航事業者は運賃値上げや減便を考える状況であると思います。
運賃値上げ等が行われた場合は、島民の生活などに大きな影響が及ぶことは明らかであり、都としては、これをとにかく防いでいかなければならないと思います。
運賃値上げや減便を防ぐために、事業者への支援を一層強化すべきと思いますが、どのような強化策があるか、お伺いします。
○北村島しょ・小笠原空港整備担当部長 離島航空路線は、島しょの住民生活の安定や産業発展のために不可欠なものでありますが、多くの路線が不採算となっていることから、その維持存続を図るため、国に補助制度の改善を提案要求しております。
具体的には、国と都が協調して実施しております運航費補助制度を実効性あるものとするように、補助上限額の算出方法の見直しや、補助対象の機材、路線、経費の拡大などを求めております。
また、都が単独で補助しております保安検査費等につきまして、国補助の実施を求めております。
そうした国への補助制度の改善要求に加えまして、都営空港におけるジェット機の着陸料について、ご指摘の趣旨を踏まえ、軽減措置を国や他の自治体並みに拡大していくことを考えております。
○山崎委員 我が党はこれまで、島しょと本土を結ぶ航空路線の確保は、島の生活の安定や産業の振興に不可欠であると、常々主張してきました。ただいまの答弁では、ジェット機着陸料の軽減措置を拡大していくとのことでありますが、これは、こうした我が党の主張にかなうもので、高く評価をしています。
一度に大量の人や物資を運べる船便と、迅速な移動が可能な航空便のどちらかが欠けても、島しょと本土との人の交流、物の移動は円滑に進まなくなるわけです。
今回の質問では取り上げなかったが、港湾整備や海上航路の維持等も同様に重要な問題であり、都には、島しょ-本土間のアクセス維持、改善についても、今後も多面的、そして総合的に取り組んでほしいことを要望して、質問を終わります。
○藤井委員 私は、臨海地域における観光資源の活用についてお伺いしたいと思います。
先月の二十一日、羽田空港の新滑走路と新国際線のターミナルビルが供用開始されました。また、三十一日には羽田から欧米、アジア各国に国際定期便が就航したわけであります。
今後、この羽田空港の年間発着枠は四十四万七千回まで拡大されるということであり、これを契機に、羽田空港は首都東京の玄関口としての役割、機能が飛躍的に増大し、これまで以上に数多くの観光客が国内、国外から東京を訪れることが期待されるわけであります。
当初、羽田空港国際化によって、海外から年間約七百万人のお客が来るといわれておりますが、さらに増便することによって、これが一千万、一千百万と、このように増大するわけでございます。
海外からの多くの観光客を東京に引きつけ、また来たくなるような、そういう魅力的な都市にしていくためには、東京に残されました貴重な水辺空間、特に東京湾を中心にいたしました水辺空間を観光資源として活用し、観光振興を図っていくことが重要であるというふうに考えております。
羽田空港に隣接した臨海地域には、そのような資源としての運河がありますけれども、その運河を再生し、魅力を高めるために、都では、以前から運河ルネサンスという取り組みを行ってまいりました。
そこで、まず、この運河ルネサンスにおいて、これまで都が取り組んできた内容を具体的にお伺いしたいと思います。
○前田港湾整備部長 東京港には、総延長で約六十キロメートルに及ぶ運河が存在し、近年、その背後地は工場や倉庫などの物流機能から、商業や業務、住宅などの都市機能へと転換が進んでおります。人々と運河の接点が近づくことによりまして、大都市における貴重な水辺空間として、その魅力が再認識されてきております。
このため、都では、運河ルネサンスガイドラインを平成十七年に策定し、運河の水域利用と周辺のまちづくりを一体的に進めることで、地域のにぎわいや魅力づくりに取り組んでいるところでございます。
具体的には、本ガイドラインに基づき、運河ルネサンス推進地区を指定し、水域占用の規制緩和や地域の活動を支援するとともに、親水護岸を整備し遊歩道として開放するなど、積極的な取り組みを実施しております。
運河ルネサンス推進地区は、芝浦地区、品川浦・天王洲地区、勝島・浜川・鮫洲地区、朝潮地区に加えまして、昨年の七月に、豊洲地区の指定により、現在五地区となっております。
○藤井委員 ただいまのご答弁で、現在、都は五つの地区を運河ルネサンス推進地区に指定をされ、これまでさまざまな取り組みを実施してきているということであります。
私自身もこの臨海部、さまざまな機会に行きますけれども、運河沿いの護岸がきれいに整備されているのを見て、大変変化を感じている一人であります。
そこで、これまでの取り組みの成果として、運河ルネサンス推進地区においてどういうにぎわいが創出されたのか、その点をお伺いしたいと思います。
○前田港湾整備部長 品川浦・天王洲地区では、地域の人々や来訪者が気軽に運河を訪れ、水上レストランでの食事を楽しみ、運河周辺を散策できるような環境が生み出されております。
芝浦地区では、水上バス乗り場が整備され、お台場と豊洲とを結ぶコミューター航路が一日に八便運行されております。ペットや自転車の乗船もできることから、観光客や地域の方々が日常的に使う交通手段としても活用されております。
また、各地区では、運河まつりやカヌー教室、さらに親子が一緒に参加する環境学習など、幅広い活動が行われており、運河を中心として人々のにぎわいや交流の場が広く形成されつつあります。
○藤井委員 この運河ルネサンスの取り組みによりまして、地域の住民、あるいは来訪者が水辺の景観を楽しめる環境が生み出され、さらには人々の交流の場ともなっていることがうかがえますけれども、今後もますます臨海部の運河の魅力向上に取り組んでもらいたいというふうに思います。
そこで、この運河ルネサンスの今後の展開について都はどのように考えているのか、伺います。
○前田港湾整備部長 運河ルネサンスの各推進地区では、さまざまな取り組みが行われ、にぎわいが東京港内に広がりを見せております。
今後は、それぞれの推進地区が独自の取り組みを展開するだけでなく、各地区が連携して広域的な取り組みを行うことが重要な課題であると考えております。
このため、昨年八月に各地区の協議会、地元区、東京都で構成いたします運河ルネサンス地区連絡会を設置し、地区間の情報交換や共同イベントの開催などに向けた検討を開始いたしました。
また、運河の水面利用の拡大に伴い、船舶などの安全対策を充実するため、年内には東京港の運河利用のルール、マナーの周知を図るとともに、運河まつりや美化活動の共同開催などについて検討を進める予定でございます。
今後とも、地域の方々とともにこうした取り組みを進め、広く東京港全体におきまして運河の魅力を最大限に高め、にぎわいあふれる水辺空間の形成に努めてまいります。
○藤井委員 運河は、都市に残された貴重な水辺空間であります。その魅力を活用したにぎわいづくりは、これからの観光振興にとって極めて有効であるというふうに考えます。
この運河の魅力を一層高める手段として、例えば、私は大阪で実際に体験いたしました、水陸両用バスというのがあるんですね。陸上でも、また、水上でも走るバスというのにこの前乗ってきましたけれども、最初はバスとして大阪市内、大阪城や大阪府庁を車窓から眺めまして、さらに大阪のビジネス街を走り抜けた後、公園のスロープから川に入るわけです。今度は船として川をゆったりと下って、大阪市内の観光をするものでありまして、大阪の風景、特に大坂城を陸からも、また、川からも眺められるという、大変人気のあるツアーだというふうに感心したところであります。
そこで、東京都としても、こういう大阪の取り組みを参考に、さまざまな手法を検討いたしまして、多くの人が集い、にぎわいのある空間を創出し、観光振興を図っていくことが重要だというふうに考えます。
東京の臨海地域における観光資源といえば、羽田空港からのアクセスに大変恵まれておりまして、アジアからの旅行者、たくさん来ておりますけれども、お台場を初めとする臨海副都心に世界は注目しているというふうに思います。
毎年、夏にはお台場合衆国やビーチ関係のスポーツ、こういった集客力のあるイベントが展開されております。また、秋から冬にかけましては、魅力的な夜景というのを楽しむことができるわけでございます。
特にこの東京湾は、私は、夜景が大変すばらしいところだというふうに思っております。この夜景を観光資源として、もっともっと活用すべきであるということから何点か質問したいと思いますが、まず、この臨海副都心、夜景スポットについてお伺いしたいと思います。
○延與営業担当部長 臨海副都心におきましては、まず、お台場海浜公園側からは、ライトアップされたレインボーブリッジ、東京タワー、高層ビル街など、大変壮大な都市の夜景を楽しんでいただくことができます。
また、青海地区の南側からは、ガントリークレーンが連なる港の夜景を間近に見ていただくことができます。
また、現在整備しております東京ゲートブリッジ、これは、これまで東京港臨海大橋と仮称で呼ばれておりましたが、昨日、名称が決定したと報道発表されたばかりでございます。この東京ゲートブリッジも、今後、橋梁のライトアップが予定されておりますので、臨海副都心ならではの特色となる夜景となることが期待されております。
なお、その橋には歩道が設置されますので、歩いて海を渡ることが可能となりまして、海面より最高で六十メートルの高さから、東京港はもとより、都心や臨海部を一望することができるということでございます。
○藤井委員 この東京港臨海大橋、東京ゲートブリッジという名称がつけられたということですけれども、ここからぜひ、また夜景を見てきたいなと思っております。
こうした夜景を、もっと効果的に、都民、あるいは海外の旅行客の方にもっともっとPRする必要があるというふうに考えますけれども、現在、この夜景をPRする都の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○延與営業担当部長 臨海副都心におきましては、例年十一月から翌年二月にかけまして、各施設で大変個性的なイルミネーションが実施されておりまして、まちづくり協議会とも連携して、各イルミネーションを共同して周知するキャンペーンなどを行っております。
また、夜景スポットを観賞するために、東京テレポートセンターが運営しておりますテレコムセンタービルの展望台内レストランにおきましては、二十二時まで営業しております。
また、より効果的に夜景を楽しんでいただくため、海上バスを活用した夜景観賞ツアーや、「ゆりかもめ」の夜景列車の運行などの取り組みも行っております。
○藤井委員 ただいまご答弁にありましたように、さまざまな取り組みをしているということですけど、やはり一つは、もっと多くの方が臨海及び観光拠点に来られるように、交通アクセスをもっとよくしていかなきゃいけないと思うんです。
お台場なんかには、よく海外から中国の方等が来ていらっしゃるということですけれども、やっぱり来るのには、バスで都心を走ってお台場に来るということで、なかなか--もっともっとアクセスをよくすれば、もっと多くの人が来られるんではないかと。
それには、さっきいいましたように、やっぱり、羽田空港から直接水上バスや、あるいは水陸両用バスを使って東京湾に入って、そして臨海を海から眺めることができるような、そういう、もっとアクセスをよくする必要があるというふうに考えるわけでございます。
また、昨年になりますが、私は上海に参りました。上海も、万博で大変にぎわったわけですが、大変感動したのは、この上海の夜景ですね。川沿いに欧風の建築が並んでおりまして、そこを建物ごとライトアップする。まさに違う、本当に夢のような風景とか、それから、対岸の方には超近代的なビルが建ち並び、まさに壮大な夜景というのは海外から多くの観光客を引きつけているんじゃないかなというふうに思います。
日本では、函館、神戸、長崎の三大夜景というふうにいわれておりますけれども、私はこの三つとも行きましたけれども、まあ大したことない。だって、電灯が暗いんですよね。ぽつぽつしかない。それに比べれば、この臨海副都心は本当にあちこちに高層ビルやいろいろな建物があり、また、ライトアップが大変きれいであります。
もっともっと工夫をすれば、日本で夜景が一番きれいな東京ということで、多くの内外からのお客が引きつけられるというふうに思うわけですけれども、今後、さらに多くの観光客に楽しんでもらえるような、そういう積極的な周知徹底を図るべきだと考えますが、この点、どうでしょうか。
○延與営業担当部長 昨年度に東京臨海ホールディングスが立ち上げたポータルサイト、りんかいnaviでは、夜景やイルミネーションを紹介しているところでございますが、今後、さらに新たなスポットの情報を盛り込むなど、充実、拡大してまいります。
また、現在、臨海副都心まちづくり協議会では、増加する外国人観光客に対応するため、多言語対応のパンフレットやマップを作成する準備をしておりますが、これに新たに夜景のPRを盛り込み、羽田空港の観光案内所に設置するなど、海外からの旅行客への周知を図ってまいりたいと思います。
また、このほか、臨海地域の情報誌を活用するなど、さまざまな手段で、臨海副都心の夜景を他には例のない貴重な観光資源といたしまして、日本のみならず、諸外国の観光客にも積極的に発信してまいります。
○藤井委員 羽田空港国際化を機会に、アジア、欧米からの来訪者等を視野に入れまして、貴重な水辺の環境や夜景を観光資源として、今後、さらに積極的に活用していただきたい。
また、創意工夫、努力を重ねまして、臨海エリアの潜在能力を最大限に引き出して、国際都市東京の実現のために頑張っていただきたいと要望して、質問を終わります。
○清水委員 臨海開発については、事業規模、都政運営に与える影響は甚大なものがあります。今日の時点で、改めて経緯と問題を総括することが重要であると考え、幾つか質問を行います。
まず、臨海開発は、一九八五年の東京テレポート構想から四半世紀、一九八九年の開発着手から二十年余りが経過しましたが、今日の時点での評価をお伺いいたします。
○平林臨海開発部長 臨海副都心につきましては、職、住、学、遊のバランスのとれた複合的なまち、環境に優しく、安全で安心なまちを目指して開発を進めております。
現在、臨海副都心開発は、共同溝などのインフラ整備がおおむね完成し、土地処分についても有償処分面積の約七割について事業者が確定するなど、平成二十七年のまちの概成に向け、総仕上げの段階に入っております。
今や年間四千五百万人を超える人々が訪れ、テナント入居を含めて九百二十社を超える企業が進出するなど、着実に成果を上げていると考えております。
○清水委員 今、成果を上げているというふうにご説明がありましたが、これまでの臨海開発の経過を見れば、到底成功しているとはいえないものです。開発のコンセプト、財政・会計、そして第三セクターの三つの角度から見て、どれも破綻の事実を占めています。
開発のコンセプトでは、国際テレポート構想などが破綻し、財政・会計では土地の売却は進まず、埋立会計所有の一兆六千億円、当初、有償売却の土地の現物出資、有明の丘の有償買い取り、また、国による支援、日本科学未来館、東京国際交流館、産業技術総合研究所、国立がんセンター、さらには都による支援、アクセス道路への税金投入、産業技術センター移転、三会計統合、現金四千億円の土地代、第三セクターへの都の支援、地代減額、そして経営破綻による二〇〇五年、二〇〇六年の民事再生適用、そして臨海ホールディングスに吸収統合される。石原知事自身が、行くも地獄、引くも地獄というふうに認めたものです。
それでは伺いますが、臨海地域開発事業会計が、今後返さなければならない借金、起債残高は幾らになるんですか、お伺いいたします。
○平林臨海開発部長 起債残高につきましては、今年度、平成二十二年度の借りかえ分を含みまして、二千五百九十六億八千万円でございます。
○清水委員 それでは、二十一年度末の内部留保金、手持ち現金と、その中の減債積立金は幾らですか。
また、同じく二十一年度末での臨海副都心の今後の処分面積は幾らとなりますか、お伺いいたします。
○平林臨海開発部長 平成二十一年度末の内部留保金は千二百二十二億円であり、そのうちの減債積立金は百十三億円でございます。
今後の開発予定面積は、五十二ヘクタールとなっております。
○清水委員 今、お答えいただきましたけど、そうすると、今後、少なくともこの借金を上回る地代収入を得て、平成三十二年、起債償還ができるというわけですけれども、それは可能だというふうに考えているんですか。
○平林臨海開発部長 臨海副都心は、現在の経済動向の激変により土地取引が減少しておりますけれども、今年度募集しました有明北三-一の街区については応募者がございましたし、現在、四区画募集しているところについても引き合いが大変ございます。
毎年度の長期貸付による賃貸料収入も含めまして、これらの起債については返済できるというふうに考えております。
○清水委員 そんな甘い見通しでよいのかということです。私は、この世界的不況の中で、丸の内や汐留といった付加価値のある土地は、それでも売れる可能性はあると思いますけれども、臨海副都心では、この間の状況を踏まえれば、先ほどご説明がありましたけれども、計画どおりの売却は困難だと見るのが妥当だと思います。
だからこそ、都は財源確保のためにいろいろ手だてをとっているのではないんですか。
それでは、青海地区北側で約二十ヘクタールあった都民提案街区とは、現在どういう取り扱いになっているんですか、お伺いいたします。
○平林臨海開発部長 お話のまちづくりの都民提案でございますけれども、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、まちづくりのアイデアを都民から募集し、その優秀提案の趣旨を生かしたガイドラインを作成してまちづくりに反映していくために、青海地区北側を対象地域といたしまして、平成九年度に実施いたしました。
優秀提案の内容、趣旨を見ますと、自然エネルギーの活用や緑の確保など、都民提案対象区域に限定すべきものではなく、臨海副都心全体に反映できるものでございました。
このため、都民提案の優秀提案の趣旨を全域に反映していくこととし、平成十九年二月に臨海副都心まちづくりガイドラインを改定いたしました。
○清水委員 趣旨を全域に生かすということは、それは評価できることですけれども、しかし、その都民提案街区の提案というのは、あくまで青海地区北側の開発に反映されているものではなかったんですか、お伺いいたします。
○平林臨海開発部長 都民提案街区を含む青海地区北側につきましては、平成十八年度に臨海副都心における土地利用の一部を見直しまして、副都心広場を中心に、にぎわいと集客力のある交流エリアとして、業務・商業機能の重点化を図り、観光、交流を中心としたまちとして開発を進めております。
青海地区北側の開発におきましても、都民提案の趣旨を生かすよう、まちづくり推進計画やガイドライン等に沿った事業提案を土地処分の際の応募条件としております。
これまでに、都民提案街区の七区画中、五区画について事業者が決定し、残り二区画についても現在公募中でございます。
○清水委員 それはおかしいと思います。一九九七年に臨海副都心開発の見直しの中で行われた、都民提案の募集を受けてまとめられた臨海副都心まちづくり推進計画では、都民利用を前提とした都民提案街区が盛り込まれていました。
本来、売却ではなく、都民利用することを都民に約束していたものです。その都民提案街区まで売るということは、資金不足の穴埋めにほかなりません。このこと自体が、石原都政が進めた臨海開発の破綻を示すものだと思います。
次に、じゃあ、ことし、九百億円の借りかえを行うことを決めましたが、改めてお伺いいたしますが、その目的をお聞きいたします。
○平林臨海開発部長 今お話があった中で、都民利用の部分を売却するというお話がございましたけれども、これは、都民提案の区域の中にシンボルプロムナードという部分を含んでおります。これは、現在も含めて広く都民に利用していただくところでございますので、その趣旨はいささかも変わっておりません。
また、有償処分面積につきましては、当初から全く変更しておりませんので、この点についてはご理解いただきたいと思います。
さて、起債の償還でございますけれども、平成十七年度に公表いたしました財政基盤強化プランのさらなる取り組みにおきまして、新たな起債の抑制を掲げて着実に償還を進めてまいりました。平成十六年度末で五千二百億円あった起債のうち、平成二十一年度末までに二千四百億円を償還いたしました。しかしながら、近年の経済動向の激変により土地取引が急激に冷え込み、臨海副都心の土地処分が進まなくなりました。
そうした中で、平成二十二年度、今年度でございますが、内部留保金を活用して、償還期を迎える千三百億円を全額償還することも可能ではございましたが、この厳しい市況が三、四年続いた場合のことを考えまして、臨海地域開発事業会計が一時的に資金繰りが悪化してしまうおそれもあったことから、約九百億円の都債の借りかえを実施することとしたものでございます。
○清水委員 現在の起債残高は、先ほどご答弁ありましたように二千五百九十六億円。一方、幾つか引き合いがあるとか売れているとかいうけれども、今、ご説明がありましたように、厳しい市況が続いて土地が売れていない状況はあると。借金を返す資金が、要するに、ことし、借りかえという形で資金調達を行わなければ資金ショートするということではないですか。このことを認められますか。
○平林臨海開発部長 先ほどお答えいたしましたとおり、今年度、償還も可能ではございましたが、現在の厳しい市況が三、四年の長期にわたって続いた場合という最悪の場合を想定いたしまして、約九百億円の都債の借りかえを実施することとしたものでございます。これによりまして、今後の事業執行を支える資金面の体制が、より強固なものとなったというふうに考えております。
○清水委員 あなた方がいうように、土地のポテンシャルがあって、買い手が十分あるというならば、借りかえる必要はないではないか。大体、臨海地域開発事業会計の企業債は、一回目の転貸債、これを引きとめるための建設元債の二回とされていた。当時の港湾局の幹部だった人は、これをルール違反だといっています。いろいろいいますが、ルール違反までしなければ生き延びることができない、要するに、危機の先送りです。そして、先送りしても見通しは甘くありません。先ほど、臨海副都心のポテンシャルを考えれば、土地処分は十分可能といわれましたが、ポテンシャルがあるというのであれば、とっくに土地は売れていたはずではありませんか。
それでは、改めて伺いますが、このまま土地処分が進まなければ、多摩ニュータウンと同じように税金投入が避けられなくなりますが、絶対に税金投入はないと約束できるんですか。
○平林臨海開発部長 臨海副都心地域は、先ほど申し上げましたように、年間四千五百万人を超える来訪者を迎えて、まちのにぎわいが一層増しております。また、都心に近接する広大な土地として貴重な価値を有し、道路、公共交通機関等のアクセス手段も整備されているなど、ポテンシャルが極めて高いというふうに考えております。
また、先ほど申し上げましたが、現在公募中の四区画について、この厳しい不動産市況の中でも引き合いがございますし、有明北三-一の区画に対しては応募者がございました。これを含めまして、長期貸付による事業収入等を考えますと、土地処分等は十分可能でありますし、また、起債は償還できるというふうに考えております。
○清水委員 これまでも、破綻の穴埋めをするために、先ほども申し上げました羽田沖会計、埋立会計を統合してつくってきたのが実際です。景気がよくなれば売れるということのようですけれども、評価するわけではありませんが、不況でも売れる土地は売れている。これまでも指摘してまいりましたが、石原知事の都市再生によって、臨海副都心以外の開発が進められています。
実際に、この十年間に開発された二十三区内の開発では、私が計算したところ、丸の内地域の百メートル超ビルの延べ床面積は二百三十七万平米、そして、二十三区内の百メートル超ビルの建設延べ床面積は千八百五十三万平米にもなります。六本木ヒルズ、ミッドタウン、新丸ビルなどは、募集すると即完売しているようです。
加えて、臨海副都心には地震のリスクが重くのしかかっています。国の中央防災会議は、二〇〇七年に、今後三十年間に七〇%の確率でマグニチュード七規模の直下地震が東京を襲うと被害予想を出していますが、その場合、臨海副都心は甚大被害が出ることが予測され、陸の孤島になると見られていることから、企業は二の足を踏んでいるのが実際です。企業は、臨海副都心に行かなくても十分オフィスを確保できるし、より地震に安全な土地を選んでいるというふうにも聞きます。こういう中で、順調でなくなったときに、再び都民への負担を行うべきでないということを申し上げておきます。
次に、臨海第三セクターについてです。
臨海ホールディングスの現在の決算状況について、どう認識しているのかお伺いいたします。
○石原監理団体改革担当部長 平成二十一年度決算の当期純利益を見ますと、グループ各社とも黒字を計上しておりまして、景気の後退する中においても堅実な経営実績をおさめております。
○清水委員 不動産取引の低迷、地価の実勢金額変更などを受けて、第三セクタービルの賃料への影響についてどのように認識されていますか。聞くところによると、各ビルのテナントから賃料の値下げを求められているということですけど、どうですか。
○石原監理団体改革担当部長 一般的に、景気の状況によりオフィス需要が低下した場合には、需給バランスの関係からビル賃料も低下するものと認識しております。
また、テナントからの賃料値下げ要求につきましては、景気の低迷を受けまして、東京テレポートセンターに対しても話があるとは聞いておりますが、ほかのビル賃貸事業者の場合と同様であると認識しております。
東京テレポートセンターでは、平成二十一年度末現在、所有するビルの平均で申し上げますと九三%と比較的高い入居率を維持しておりまして、また、平成二十一年度決算では約六十五億円の当期純利益を計上するなど、堅実な経営実績をおさめているところでございます。
○清水委員 いただいた資料によりますと、テレコムセンターの入居率は八八%となっています。一昨年は九六%でしたが、転出した企業はどういう事情なんでしょうか。
○石原監理団体改革担当部長 テレコムセンタービルの入居率低下の主な理由といたしましては、入居していたテナントが、業務部門の縮小に伴いまして一部退去を行ったことが挙げられます。
東京テレポートセンターでは、ウエブサイトによる情報発信や大手不動産仲介業者によるあっせんにおきまして新規テナントの募集を行うとともに、既存のテナントに対しましては、今後の入退去状況を見越した賃貸スペースの拡大を促すなど、営業活動に努めているところでございます。
○清水委員 今後、大規模改修を行う必要があり、経費がかかってくると思います。これまでどのような大規模改修を行ってきたのか、また、今後の大規模修繕の計画や資金はどうなっているのか、お伺いいたします。
○石原監理団体改革担当部長 東京テレポートセンター所有のビルの大規模修繕といたしましては、これまでに中央監視設備や入退室監視システムなどの更新工事を行っております。ビルの老朽化の状況や機能更新の必要性、将来的な経済の見通し、キャッシュ・フローの状況などを総合的に勘案しまして、大規模修繕を計画的に実施していると聞いております。
○清水委員 それぞれのビルが建設から十数年たつと思います。これ以降、大規模修繕にかかる費用はもっと多額になるはずです。そうした大規模修繕を行っていけば、収支状況は、今は比較的よいといわれておりましたけれども、悪化していくことが予想されます。臨海ホールディングスグループの東京テレポートセンターの経営状況が悪化すれば、また都民への負担を求めることになりかねないわけですけれども、そのような事態に対して、どのように認識しているのかお伺いいたします。
○石原監理団体改革担当部長 大規模修繕は、オフィスビルの機能更新などニーズがあって実施するものでございます。新規テナントの獲得に向けても必要であると認識しております。
東京テレポートセンターにおきましては、これまでも必要な修繕を計画的に実施してきておりまして、将来的な資金需要に備え、二十一年度末で約百六億円の現預金残高を確保するなど、長期的な視点に立った堅実な経営を行っております。
○清水委員 平成十七年に民事再生が行われた直前の、東京都が現物出資した地代は、年間で四億円というふうに聞いています。そうすると、少なくとも、この五年間で二十億余りの地代が免除されたことになります。東京都の土地の現物出資や債権放棄などの支援がなければ、今、お話ありました百六億円あるというけれども、それもなく、現在、会社の経営が黒字基調の経営というようなものではありません。都は八〇年代末に、臨海の中核企業である、ビル経営を担うためとして、第三セクタービルを次々設立してきました。しかし、保有ビルのテナントは埋まらず、赤字を重ね破綻状態になり、過大なオフィス需要予測に基づく開発の無謀ぶりが直撃したものとなりました。
石原知事が当選した九九年の選挙では、既に破綻を深めていた臨海をどうするかが争点となりました。当選後の石原知事は、三セク三社に対し、九八年から財政支援を行う計画を追認しました。二〇〇五年、二〇〇六年、民事再生法の適用を受け、九十九億の債権放棄、臨海会計三十億、一般会計二百五十億の一〇〇%減資、約三百億の底地の現物出資を行い、都民の負担が生まれました。
この間、抜本見直しの機会があったにもかかわらず、それをしなかったために傷を大きくしていきました。そして、新たにホールディングスをつくり、新たな枠組みで臨海を継続していますが、現在の不動産状況が好転する状況は見えません。その実態も、マスコミなどからは危うさと同居などといわれています。
そのような状況のもとで、企業債償還、あるいはビル事業の負担を再び都民の負担で進めることは許されません。すべての情報を公開し、計画に深くかかわった国の責任を明らかにすることを初め、経営責任を持ち、事業から巨額の利息収入を上げてきた大銀行の責任としてもそれなりの負担を求め、未利用地は都民合意で都民のために進めること、臨海副都心の現状をつぶさに都民に情報公開することを求め、質問を終わります。
○伊藤(興)委員 都議会公明党は、さきの第三回定例会で、臨海副都心を、今後、国際ビジネス拠点として発展させていくべきと提案を行ったところでございます。そこで本日、改めて、東京の国際化に対する臨海副都心の位置づけについて何点か伺いたいと思います。
まず初めに、臨海副都心については、平成九年に策定された臨海副都心まちづくり推進計画によって着実にまちづくりを進めてきたと思いますけれども、計画当初、どのようなコンセプトで国際化に対応したまちづくりを進めるつもりであったのか、確認の意味で改めて伺いたいと思います。
○平林臨海開発部長 臨海副都心まちづくり推進計画の基本方針におきまして、生活の質の向上、自然との共生、まちづくりへの貢献とともに、世界との交流、未来への貢献を掲げております。
世界との交流、未来への貢献を実現するに当たっては、国際コンベンション機能の強化と国際交流の支援を行うこととしておりまして、これまでに東京ビッグサイトや国際研究交流大学村を誘致し、国際化に対応したまちづくりに取り組んでまいりました。
○伊藤(興)委員 臨海副都心が、開発当初から世界との交流、また、未来への貢献をコンセプトに開発されてきたということはよくわかりました。いうまでもなく、東京は、江戸時代から四百年続く歴史や多岐にわたる伝統文化を持って、世界でも類を見ない公共交通網の利便性、また、世界有数の安全な都市空間であるなど、海外の諸都市の中でも歴史、文化、機能性など、すぐれた特性をたくさん備えている地域であります。
加えて、十月の二十一日には、羽田空港の新国際線のターミナルがオープンし、こうした東京の特徴と、また、国際線のオープンも含めて、このビッグチャンスを生かして、今後、東京を国際都市として発展させるためには、臨海副都心が大きな役割を果たすと考えます。
臨海副都心の魅力を海外の方々に一層アピールして、この地域の国際化をさらに活性化させていくべきと考えますけれども、所見を伺いたいと思います。
○平林臨海開発部長 これまで国際研究交流大学村では、さまざまな国、地域の大学、研究機関から留学生や研究者を受け入れるとともに、都民にも開かれた国際交流フェスティバルやシンポジウムなどのイベントが開催されてきました。
また、東京ビッグサイトでは、日本国際工作機械見本市や産業交流展など、さまざまな展示会が開催され、海外からのビジネスマンも数多く訪れるなど、東京の商業機能の重要な一翼を担うとともに、国際交流に貢献してまいりました。
さらに来年度は、東京ビッグサイトにおいて、海外からも約五万人規模の来場者が見込まれる東京モーターショーの開催が予定され、臨海副都心に対する海外からの注目度が一層増しております。
今後、国道三五七号線の東京港トンネル部分が開通いたしますと、羽田空港から最短で十五分に位置する臨海副都心は交通アクセスがさらに充実し、ポテンシャルが高まることから、都としても一層の国際化を視野に入れたまちづくりに取り組んでまいります。
○伊藤(興)委員 臨海副都心のまちづくりに当たっては、本日配布された資料の中にもあったとおり、あと五十二ヘクタールの未処分地があるということでしたけれども、今後、この未処分地について、国際交流のまちとしてのポテンシャルを生かして、国際化に対応した民間企業の誘致に結びつけていくべきというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○平林臨海開発部長 臨海副都心に進出した企業は、テナント入居も含めまして既に九百二十社を超え、就業人口は四万八千人を数えております。このように、さまざまな事業分野に及ぶ企業集積が現在進んでいるところでございます。
羽田空港の国際化によりまして、アジアを初めとする海外からのアクセスがさらによくなり、人々の交流が活発化することで、海外企業を含め、国際的なビジネスをする企業にとっても魅力ある地域となっていくことから、これを生かして一層の企業誘致に努力してまいります。
○伊藤(興)委員 まだまだ本当に可能性のある臨海副都心であるというふうに思います。第三回の定例会でも申し上げましたけれども、海外、また、国内、あらゆる企業、こうしたところにもしっかりと積極的に声をかけていただいて、どうか魅力あるこの臨海副都心をしっかりと築いていっていただきたい、このように思います。
そしてまた臨海副都心は、職、住、学、遊のバランスのとれた複合的なまちづくりや環境先進都市などの特性があり、さらに共同溝などの都市インフラの完備など、海外の本社機能を集積できる魅力あふれる未来都市であります。こうしたすぐれた特徴を生かして、東京を代表するエリアとして国際社会に積極的にアピールして、新たな国際ビジネスチャンスの拠点となるよう、さまざまな取り組みを幅広く積極的に展開していただくことを要望したいと思います。
次に、離島における漁港の整備について伺いたいと思います。
東京都の伊豆・小笠原諸島は、我が国の排他的経済水域の確保、そしてまた海洋資源の利用、自然環境の保全等において重要な役割を果たしております。しかし、これらの離島は、本土との安定した交通や産業の基盤などにさまざまな課題を抱えております。
我が公明党といたしましても、この島しょ振興に全力で取り組むために、先月、伊豆・小笠原諸島振興活性化対策委員会を設置して、今、一生懸命取り組んでいるところでございますけれども、そのメンバーの一人としても、私は先日、八丈島を訪れまして、地元の方々から生の声を聞いてまいりましたけれども、その中で、漁港の整備に関する要望を多く聞いてきたところでございます。
漁業は、伊豆・小笠原諸島の重要な基幹産業であります。そして、その基地となる漁港は、漁業の安全性の向上はもとより、迅速で安定的な漁獲物の物流などに重要な役割を果たすものであり、着実な整備が望まれるものであります。
そこでまず、これまでの漁港整備はどのような方針に基づいて行われてきたのか、伺いたいと思います。
○平田離島港湾部長 お話のとおり、離島の漁港は、島の漁業を支える重要な基盤でございます。漁港の着実な整備を進めるため、現在は、平成十九年に策定した漁港漁場整備計画に基づき整備を実施しております。
具体的には、漁船を安全に係留できる静穏度の高い水面を確保するため、防波堤の整備を行うとともに、安全に航行できるよう航路、泊地のしゅんせつを行ってまいりました。また、本土との交通アクセスや災害時の住民避難のための拠点としても利用できるよう、大型船が接岸できる機能を持った岸壁等の整備を進めております。
このような方針に基づきまして、これまでに八島において二十一港の漁港の整備を行ってきたところです。
○伊藤(興)委員 ご答弁いただいたとおり、この離島の方々にとって産業の基盤でもある漁業、そしてまた、災害時等のときに本当に大事な港として役割を果たすわけであります。整備計画によって着実に整備が図られているということについては、よくわかりました。
しかし、先ほど申し上げたとおり、八丈の地元の方々からは、こんな意見がありました。近年、気候変動のためか、台風の破壊力が大変に大きくなっている、台風時においても、これまで以上に安全性の高い漁港をしっかりと整備してほしい、こういう切実な声をいただいてまいりました。
これが八丈島の神湊漁港の写真であります。これは、晴天の上空から撮った紺碧の静かな海という感じでありますけど、この神湊漁港も今、東京都の方で整備を進めていただいているということでございますけれども、もう一枚、今と同じ神湊漁港であります。ちょっとはっきりしないかもしれませんが、これは、ことしの台風十二号のときの写真でございます。先ほどの写真と見比べていただいて、ここの先端の方に灯台がありますけれども、台風十二号、こうした台風のときに、近年、確かに数は少なくなってはきているんだけれども、一たび来る台風の破壊力、このパワーというのは大変なものになっているということをまさに物語っている写真だと思います。現地の方が、ぜひこれを見てくださいということでいただいてまいりましたけど、この先っぽにある灯台がここにあるわけでありまして、この整備をしている岸壁が完全に波にのみ込まれている、こういう状況でありました。
そこで、今後も巨大化するであろう台風にも耐え得る漁港の安全性の向上策を、さらに進めるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○平田離島港湾部長 台風時において漁船の安全を確保することは、漁業者の方々の切実な要請と受けとめております。都では、各島において少なくとも一つの漁港に漁船が避難できる機能を持たせることといたしまして、台風時にも安全を確保できるよう、防波堤の延伸やかさ上げ、波消しブロックの設置等により対策を進めてまいりました。
離島の漁港においては、厳しい気象海象条件により、整備に長期間を要するなどの課題を伴いますが、引き続き漁港の安全性の向上に向け、積極的に取り組んでまいります。
○伊藤(興)委員 さまざま課題はあると思いますけれども、漁港の安全性をより高めていくよう、努力をお願いしたいと思います。
また、今、八丈島のこの神湊漁港でありますけれども、先ほど出した写真のとおりでありますけれども、台風時、今、整備をしているこの護岸についても、あっという間にのまれてしまう、こういう状況でございます。
テトラポットについても、今、ここの途中までつけていただいているということですけれども、この先までテトラポットを延ばすということですが、平成二十七年までですか、あと四年も五年もかかるわけであります。
先ほど申し上げたように、地球温暖化の影響であると思いますけれども、破壊力も本当に大きくなっている、また、この港については、島の方々の産業の基盤で本当に大事なところでありますので、整備についてはしっかりと予算を確保していただいて、早急に整備を進めていただきたい、このように思います。
もう一つ、三宅島の伊ヶ谷漁港の整備について伺いたいと思います。
三宅島は、本年の九月に帰島五周年を迎えて、着実に復興が進んでおります。しかし、現在も火山ガスが噴出しており、これまで約二十年の周期で噴火が繰り返されてきた経緯を考えると、その防災対策は十分に行っていく必要があると思います。
特に、噴火の際の避難にあっては、溶岩流が道路を分断するおそれがある中、各集落から直接避難でき、大型船の着岸できる港を確保しておくことが重要であります。このため都では、以前からある三池港、阿古漁港に加えて、平成十三年の噴火後に、伊ヶ谷漁港に大型船が着岸できる避難岸壁を整備してきたところであります。
しかし、現在、伊ヶ谷漁港の岸壁は長さが十分ではなく、港内の泊地の静穏度も必ずしも十分でないことから、地元からは、岸壁をあと五十メーター延伸してほしいという声が強くあります。
先日も、三宅村の村長を初め、各超党派の議員が我が会派を訪ねてくださいまして、切実なこの五十メートルの延伸を訴えておりました。いざというときに、この伊ヶ谷漁港に大きな船が着いて、島民の方々を避難させるために船に乗せて、そして島を離れる、こんな緊急時も考えられるわけであります。都の施策としても、ぜひAランクに格上げして整備を急いでほしい、こんな切実な声でございました。
そこで、伊ヶ谷漁港の重要性にかんがみ、早急にこの延伸整備をすべきだと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
○平田離島港湾部長 伊ヶ谷漁港は、通常の漁港施設としての目的に加えまして、三宅島の被災時の住民避難や、通常時の本土との定期船の就航率向上にも寄与する重要な漁港でございます。
お話の岸壁につきましては、地元の要望も考慮し検討を重ねた結果、延伸整備を漁港漁場整備計画に位置づけたところでございます。今後、国など関係機関と協議し、可能な限り早期の整備を目指してまいります。
○伊藤(興)委員 何度も申し上げますけど、港は島民の方々の生命線であります。港の整備につきましては、地元関係者の声をなるべく反映していくことが重要であると思います。
今後も、地元の声に耳をしっかりと傾けて、一刻も早く、安全で利用しやすい港の整備を行うよう努めていただくことをお願いしまして、質問を終わります。
○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西岡委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十五分休憩
午後三時一分開議
○西岡委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより中央卸売市場関係に入ります。
初めに、本日の組織改正及び人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、中央卸売市場長より紹介があります。
○岡田中央卸売市場長 本日十一月十六日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
新市場整備部長の宮良眞でございます。新市場事業計画担当部長の野口一紀でございます。基盤整備担当部長の臼田仁でございます。施設整備担当部長の砂川俊雄でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○西岡委員長 紹介は終わりました。
○西岡委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○塩見管理部長 去る十月十四日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。1、東京食肉市場株式会社の当期純利益と利益剰余金でございます。
東京食肉市場株式会社の当期純利益の過去十カ年の推移を表にまとめてございます。また、平成二十一年度の利益剰余金をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。2、中央卸売市場における修繕工事の実施状況でございます。
平成十七年度から二十一年度までの中央卸売市場における修繕工事の実施状況につきまして、建築・構築物工事及び設備工事別の金額と、市場ごとの主な工事件名を表にまとめてございます。
三ページをお開き願います。3、築地市場で耐震改修工事により十分な耐震性を確保した施設(構造耐震指標(Is値)〇・六以上)でございます。
平成二十二年四月一日現在の築地市場で十分な耐震性を確保した施設につきまして、施設名、建築年、建物規模、延べ床面積を表にまとめてございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○西岡委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○伊藤(ゆ)委員 それでは、私の方から質疑をさせていただきたいというふうに思います。
〔資料配布〕
順を追って、この後、財価審の話などをさせていただく予定ですけれども、最初に、豊洲の新市場の予定地に移転して整備するにしろ、あるいは現地で再整備するにしろ、あるいは第三の道をとるにしろ、いずれの再整備なり移転においても、共通して一つはいえることではないかと思うんですけれども、新しい流通のあり方というものを見越して議論していく必要があるんではないかなというふうに思っております。
そういう意味で少しお伺いしたいんですけれども、特に昭和の時代の流通と、それから二十一世紀の今後、アジアの各地域においてもマグロなどを中心に鮮魚が食べられる、そういう新しい時代とでは、流通のあり方も大きくさま変わりしてくるんだろうというふうに理解しています。現に、マグロの初競りも今、国内ではなくて中国などに買われているということも、たびたび報道されているところです。
そういう意味では、特にマグロなどは、現物を見ないとその品質というものがわからない。特に、築地市場の関係者の方々の目ききというのは、世界的に見ても非常にレベルの高いものだというふうには伺っていますが、一方で、必ずしも築地を通さずに、もう相対で取引をしたいとか、あるいは海外においては、日本の近海でとれた魚を築地に運び込まずに直接売買したい、場合によっては、上海の市場に直接持ってきてもらいたい、こういう声とか要望というものも、これから大いに出てくる可能性があろうかと思います。
そういう新しい時代における市場のあり方というものを、今までの時代の延長線上ではなくとらえていく必要もこれから出てくるし、また、この再整備においては絶好のチャンスではないかなというふうに思っています。
そういう意味で、次世代型の市場のあり方というものを、近未来図という形で構想していくような会議というものがあってもいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、東京都としての所見をお伺いしたいと思います。
○大朏市場政策担当部長 都は、東京都卸売市場審議会条例に基づきまして、卸売市場の整備計画ですとか経営に関することなど、卸売市場に関する重要な事項の調査、審議を行うための卸売市場審議会を設置しているほか、必要に応じまして、外部委員による委員会や研究会を設置しております。
これらの審議会や委員会等においては、その構成員である学識経験者、市場関係者、消費者団体代表、東京都議会議員などから、それぞれ大局的見地、あるいは専門的見地からのご意見をいただいております。
また、東京における卸売市場の将来のあり方を構想し、計画化を図るものとして、都は、おおむね五年ごとに東京都卸売市場整備計画を策定してございます。策定に当たりましては、都みずからの調査や国内外のデータ収集に加えまして、国の整備方針、あるいは国の審議会、研究会等の資料収集、市場関係業界へのヒアリング、全国の中央卸売市場開設者からの資料収集など、卸売市場を取り巻く流通環境ですとか、市場流通の川上である生産者サイド、市場流通の川下である消費者サイドの動向などについて、さまざまな角度から資料収集、分析をしております。
これらをもとに、東京都卸売市場審議会の審議、答申、それから、東京都議会の審議を経て整備計画を策定してございまして、例えば、卸売市場の低温化や物流の改善など、卸売市場が備えるべき機能について、具体的に整備計画に盛り込み、実務に反映させてございます。
都はこのように、さまざまな取り組みを行いながら、全国の中央卸売市場開設者のリーダーとして、将来を展望した卸売市場のあり方を検討しております。
今後も、新しい時代を見据えた卸売市場行政を展開していきたいと考えております。
○伊藤(ゆ)委員 今までの時代背景と、それから今後の流通のあり方は、本当に大きく変わるというふうに思います。ですから、そういう構想力のある方々、また、近未来の流通のあり方を見通せる方々に集まっていただいて構想する会議というものをぜひ設置していただいて、そこでも新たな議論というものを巻き起こしていただければいいなというふうに思います。
さて、きょうの本題ですけれども、この後は、財価審と不動産価格のつけ方についてお伺いしていきたいと思います。
まずもって、もう既に豊洲の新市場予定地は購入済みのものがあろうかと思います。その市場予定地、購入した分の四件の面積と購入価格をお伺いしたいと思います。
○志村新市場事業推進担当部長 東京都がこれまで新市場予定地として購入した用地でございますが、取得年次の古い順に申し上げますと、平成十六年度に東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を四・六ヘクタール、百十九億円、平成十七年度に保留地三・八ヘクタール、二百三十四億円、平成十八年度に同じく保留地三・四ヘクタール、二百十六億円、それから同じ平成十八年度ですが、東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を二・九ヘクタール、百五十一億円でございます。
○伊藤(ゆ)委員 つまり、既に取得した用地が十四・七ヘクタールあって、その購入価格は七百二十億円であることがわかりました。
さて、その公有財産の取得においては、財産価格審議会を開催する必要があるというふうに伺っています。その役割は、都の公有財産の取得などに関して適正な価格を評定することと定められているところでございます。
ここで少し、ちょっと図説させていただきたいと思います。お手元に配らせていただいた配布資料をもとに、きょう、質疑をしてまいりたいと思いますので、簡単にその確認を申し上げたいと思いますが、きょう、特に質疑をさせていただく財価審、財産価格審議会は、平成十八年一月の議案第四十一号を扱ったものと、平成十八年の十一月、議案第二十五号を扱ったものに絞って議論してまいりたいというふうに思います。こちらとこちらということになります。赤字で塗られています。
その財価審で通った価格をもとに、翌月の平成十八年二月に保留地〔1〕を購入し、また、同様に平成十八年の十一月に鉄鋼埠頭〔2〕というところを、それぞれ買っているわけでございます。
まず、第四十一号の議案を扱った財価審、平成十八年一月二十日に開催された財価審について、このときに財価審のメンバーであった委員の皆さんからどのような意見が出されたのかを、お伺いしたいと思います。
○志村新市場事業推進担当部長 平成十七年度に取得いたしました保留地につきましては、先ほどお話がありましたとおり、平成十八年一月二十日、その買収価格につきまして東京都財産価格審議会に付議してございます。
財産価格審議会を所管してございます財務局が保管してございます議事録や資料等を確認させていただきましたところ、当日の審議におきましては、各委員から、購入予定地に残存する地下埋設物の取り扱いについてご質問がございました。具体的には、購入対象地に残存している地下埋設物の種類、それから残存の経緯、あるいは撤去費相当額の算出根拠などにつきまして委員からご質問があり、これに対してお答えしております。
○伊藤(ゆ)委員 ありがとうございました。その中で、土壌汚染問題についての委員からのご意見は何かありましたでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 財産価格審議会を所管してございます財務局保管の議事録や資料を確認いたしましたが、委員からは、購入予定地における土壌汚染に関する意見や質問は、特段出されてございません。
○伊藤(ゆ)委員 私も、実はこの財価審にかけられた議案並びに残っている議事録を請求させていただいて、手元にいただきました。こういう議事録が、当時の財価審のやりとりとして、説明者と委員の間に交わされたものとして残っているわけでございます。見ると、確かに地下埋設物のことは書いていますけれども、土壌汚染問題については全く触れられていませんでした。
なぜなかったのでしょうか。その答えは、実は評価条件というところにありました。財価審には、購入予定地の地図のほかに、評価上の留意点をまとめた評価条件などが記載された議案書が配布されます。財価審の委員に提示された、土地購入に当たっての土壌汚染の評価について、何と書かれていたのか伺いたいと思いますが、実際にどういうものが財価審のメンバーの方に配られるかといえば、こういう議案書があって、その議案書をめくっていきますと、土壌汚染についての評価条件、あるいは土壌汚染の有無というところがあって、非常に小さく書かれていますけれども、こういう三行書きがなされている。これについてどう書かれていたのか、まずご答弁をお願いします。
○志村新市場事業推進担当部長 財産価格審議会に議案として提出された資料には、審議会への提案理由、評価条件、本件取得用地の状況などを記すとともに、買収価格を決定するに当たっての評価内訳、あるいは参考資料などを添付してございまして、これらを一体として付議してございます。
本件保留地〔1〕でございますが、これを審議いたしました財産価格審議会議案書の評価条件欄、こちらには土壌汚染に関する記述はございませんが、先ほど、理事、ご提示ございました、本件取得用地の評価を積算した評価表の欄外に、土壌汚染の有無との項目を置きまして、ここには、土壌汚染調査の結果、土壌汚染対策法に定める汚染物質--括弧いたしまして、シアン化合物と書いてございます--の存在が判明した、しかし、土壌汚染対策については、豊洲地区開発整備に係る合意に当たっての確認事項により、従前の所有者が処理対策を実施することとなっている、本件地については、従前の所有者である東京ガス株式会社が、平成十八年三月までに汚染物質を掘削除去することとなっているため、評価に当たって土壌汚染対策に係る要因は考慮外としたと記されてございます。
○伊藤(ゆ)委員 ありがとうございました。お手元に配布させていただいた、私がその部分を抜いて、改めて見やすいように打たせていただいたものがあろうかと思います。先に訂正しますが、今、第四十一号の話をしてもらいました。第二十五号の方の総額が四十一号と同じ金額になってしまっていますが、これは訂正で、第二十五号の方は百五十一億円です。
いずれにしても、今、答弁をいただいたとおりのことなんですけれども、極めて重要な土壌汚染の有無について、こんな極めて見づらい三行書きが果たして適切だったのかどうかという問題もさることながら、今の、答弁をいただいたような書きぶりでは、本来伝えるべきことが十分に伝わっていないんではないかと思います。
本来伝えるべきことというのは、この後、聞いてまいりますけれども、一体、今、いわれた掘削除去、平成十八年三月までに汚染物質を掘削除去することとなっているというふうに書かれていることを答弁していただきましたが、どの条例、または、どんな法律に基づいて掘削除去をしたのかということが、この土壌汚染の有無の記載の中にはありません。どの条例、または法律に基づいて処理されたんでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 豊洲地区におけます土壌汚染対策につきましては、平成十四年七月に都と東京ガス株式会社を含めた豊洲地区の民間地権者との間で締結いたしました、豊洲地区開発整備に係る合意及び合意に当たっての確認において、その取り扱いを定めてございます。
また、平成十七年五月には、東京ガス株式会社を含めた民間地権者と豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書を締結し、これまでの対策に加えまして、追加の対策を加えるということを取り決めまして、東京ガス株式会社は土壌汚染対策を実施し、平成十九年までに環境確保条例に基づく手続を完了してございます。
これらの合意文書には、土壌汚染対策につきまして、各地権者が、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例--環境確保条例でございますが--に基づき、従前の所有地に対して責任を持って土壌汚染にかかわる調査を行い、汚染が判明した場合には必要な処理対策を実施することと定められてございます。
すなわち、本件取得用地に対する土壌汚染対策につきましては、従前の所有者である東京ガス株式会社が、東京都の環境確保条例に基づいて調査、対策を行うと、このようになってございました。
○伊藤(ゆ)委員 まさに今の答弁が正確なんですね。ですから、これ、お手元に配布させていただいていますけれども、この三行書き、つまりは、本件地については、東京ガスが平成十八年三月までに汚染物質を掘削除去することになっているため、評価に当たって土壌汚染対策に係る要因を考慮外とした、正確にいえば、これは、あくまで環境確保条例に基づく措置並びに追加対策を行ったと。その範囲の中で、土壌汚染対策を、いってみれば考慮外としていただいて結構ですと、こういうことなわけであります。
そのことが、この後非常に重要なので、あえて今、説明させていただきましたが、環境確保条例というのは、そもそも都が国の土壌汚染対策法に先駆けて制定した、いわゆる十三年指針と呼ばれるものです。ですから、時代背景としては、まさに平成十三年に東京都が環境確保条例を制定し、これがいわゆる十三年指針になりました。その後に、平成十五年に国が土壌汚染対策法を定め、いわゆる十五年指針ということになったわけであります。環境確保条例と土対法とでは調査方法が違うというのは、もうこれは、だれもが認めるところであり、同じ調査がなされたとは到底いえないものであります。
ちなみに、どちらの方が調査としてすぐれているかどうかについては、きょうは議論いたしません。再三、都は、十三年指針は十五年指針に劣るものではないということをいわれています。いずれにしても、調査の仕方が違うことは歴然であり、どちらが優劣としてどうかというのはさておき、調査方法が違うことをまず指摘しておきます。
しかし、先ほどお見せした評価条件には、十三年指針で処理したのか、十五年指針で処理したのか、全く記述がありませんでした。これはなぜなんでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 環境確保条例に基づきまして、平成十三年十月に施行されました東京都の土壌汚染対策指針は、土壌汚染対策法の施行に合わせまして、平成十五年二月に改正されましたが、改正指針の適用につきましては、同年二月十四日の告示におきまして、この告示の施行の際、現に環境確保条例に規定する調査に着手している者に係るこの告示の適用については、なお従前の例による旨、規定されてございます。
すなわち、平成十五年二月十四日時点で、既に条例の調査に着手している者については、従前の指針に従って調査、対策を行うと、このようになってございます。
東京ガス株式会社は、平成十五年指針の施行の際、既に改正前の平成十三年指針に従って調査、対策に着手してございました。したがいまして、指針の適用につきましても、改正前の平成十三年指針が適用されることになります。
こうしたことから、本件取得用地に係る財産価格審議会においても、東京ガス株式会社による土壌汚染対策については、当然に平成十三年指針に基づくものであるとの認識に立って説明したものでございます。
○伊藤(ゆ)委員 すごく難しい、複雑な指針の変遷の話なので、もうちょっとゆっくり読んでもらった方がわかりやすいと思うので、少しゆっくり読んでもらうといいと思います。
というのは、つまり、今、お話しになられたのは、土対法ができる前、十五年指針ができる前から、東京ガスはこの土壌汚染処理を十三年指針に基づいてスタートしていた、ですから、十三年指針に基づいてきれいにしましょう、こういうことになっていますと。そのことのまさに理解、認識に立って、都は、こういう記述をしましたよと、こういう答弁だったと思うんですけれども、その認識を果たして財価審の先生方が持ってたかどうかが極めて重要なところです。都は、そういう認識だったと思いますけれども、財価審の先生が同じ理解を持ってたと東京都はいえますか。
○志村新市場事業推進担当部長 お話のとおり、本件に係る財産価格審議会、これは平成十八年一月二十日に開催されまして、この当時、既に土壌汚染対策法も施行され、また、法の施行に合わせまして東京都の土壌汚染対策指針も改正されたということでございます。
しかし、ただいま申しましたとおり、平成十五年指針施行の際、既に東京ガス株式会社は平成十三年指針に従って調査、対策に着手していたことから、指針の適用については従前の例によること、すなわち、平成十三年指針に従うことになってございまして、財産価格審議会の付議も、このような認識のもとに行ったものでございます。
○伊藤(ゆ)委員 それは全然答えになってないんです。それは、都の理解はそうですよ。私が聞いているのは、財価審の先生方がそういう理解を持ってたんですか、そういうふうに都はいい切れるんですか、そういうふうに伺っているんです。どうなんですか。
○志村新市場事業推進担当部長 財産価格審議会でございますが、これは財務局が所管している附属機関でございます。財産価格審議会の委員の中に、当然のことながら、不動産鑑定士の先生方、あるいは不動産業務にかかわる専門家の委員の方、こうした方もいらっしゃってございます。そうした業務に携わっている方でございますので、環境行政といいますか、土壌汚染対策の取り扱いについてはどうなのか、東京都の環境行政、すなわち、環境確保条例の改正動向とか、そういったことについては、当然、十分認識されていたものと考えてございます。
○伊藤(ゆ)委員 まさにそうなんですよ。改正動向について認識していたからこそ誤解するんですよ。いいですか。平成十八年に財価審が開かれているんです。新しく土対法ができたのは、もう既に平成十五年のことです。ですから、不動産鑑定の方々からすれば、まさか十三年指針で処理されたものを処理されたというふうに記述するとは思わなくて、十五年指針に基づいて処理されたものというふうに誤解しやすいんじゃないですか。ですから、本当に不動産鑑定士の方が、今、おっしゃるように、十三年指針で処理されたものだったというふうにちゃんと理解していたんですか、それは相当無理があるんじゃないですかということを申し上げたんです。
実は、そのことを裏づけるように、私、この間、日本不動産鑑定協会にお邪魔して、不動産鑑定士さんにこの議案書を見てもらいました。まさに先ほどお手元に配ったこの三行の部分を中心に見ていただきました。その結果、この書き方では、当時の不動産鑑定士が十五年指針、土対法に基づく指針で処理されたと勘違いしても仕方がないと思います、こういう見解を出されました。なぜかということは、今、私が申し上げたとおりです。
なぜなら、この財価審は平成十八年に開催されているので、まさか十三年指針で対策処理しているとは思わなかっただろうということでありました。私たちも、現に、車を買うときに、今、環境基準をクリアしていますとディーラーさんにいわれれば、まさか昔の環境基準だというふうには思わなくて、最新の基準でクリアしているものと思うのが普通ではないでしょうか。
ですから、あくまで十三年指針での処理しかなされていなかったことを、この土壌汚染の有無の記述の中に明記するべきだったんではないかというふうに思うんですけれども、ご見解はいかがでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 本件用地につきましての財産価格審議会、これは先ほどご答弁申し上げたんですが、平成十八年一月二十日に開催されました。この時点で、確かに、既に土壌汚染対策法は施行されております。それから、これに合わせて東京都の土壌汚染対策指針も改正されたということでございまして、確かに時系列的なもので申し上げましたら、本件用地のその審議会が十八年にかかっているということは、この時点で、法の施行はされた、それから指針も改正されたということでございます。
ただ、先ほど申しましたとおり、東京ガスの対策は十三年指針で行ったというのは、なぜこのように行われたかと申しますと、十五年の指針の改正のときに、告示の施行の際、調査、対策に着手する者については従前の例によるということになっていたと。不動産鑑定士の方々、あるいは不動産の専門家の方々が委員にいらっしゃるということで、新しい十五年対策指針というのはもちろんあるということは当然でしょうし、それから、どのような適用関係があるかということも当然ご認識されているのではないかなと、このように思ってございました。
○伊藤(ゆ)委員 ところが、そういうちゃんとした説明が果たして行われたのか、甚だ疑問です。実際にそういう説明を当時されたんですか。
○志村新市場事業推進担当部長 財価審の資料につきましては、財務局が所管ということでございますけれども、当時の付議した資料をもとに、どのような案件でございますか、あるいは評価条件がどのようなことであるか、こういったことについてはご説明申し上げております。
○伊藤(ゆ)委員 そこはちゃんと答えていただきたいんです。私が聞いているのは、どういう案件かを説明しているかどうかではなくて、さきに答弁されたとおり、これは十五年指針ではなくて十三年指針に基づいて処理されたものですと、そういう前提で、この土壌汚染の有無というものが書かれていますということを、ちゃんと説明したんですかということを聞いているんです。どうなんですか。
○志村新市場事業推進担当部長 繰り返しになりますけれども、本件用地に関しては、東京ガスが平成十三年指針に基づいて調査、対策を行ったということでございまして、条例の適用関係については、改正後でございましても十三年指針が適用されると。このようでございますので、こういった経緯についてはきちんとご説明申し上げてございます。
○伊藤(ゆ)委員 その説明が果たしてどういう形でなされたのか、私は、少なくとも関係者に聞く限り、現状を証明できないんじゃないかと思いますよ。
そして、この後、そのことがどんどん明らかになっていきますけれども、このことが、実は、議案書が財価審にかかった平成十七年、十八年当時のことと見合わせていきますと、非常に大きな問題になります。というのも、平成十七年、十八年当時というのは、土対法が成立してしばらくたっていて、不動産鑑定の世界では、土地価格と土壌汚染の懸念をどのように扱うのか定義がなされています。平成十六年の十月には、土壌汚染に関わる不動産鑑定評価上の運用指針Ⅱというものが、さきにお配りした年表にもあるとおり、右側の欄の中に書いてありますけれども、発行されて、しかも、その運用指針Ⅱの意義として、日本不動産鑑定協会の土壌汚染対策ワーキンググループ座長を務めた足立先生は、鑑定評価というのは、不動産の現況の姿のままを評価の対象とするのが原則であり、安易に想定上の条件をつけるのは厳禁とされています、評価する土地が土壌汚染地であったとしても、浄化工事がなされるか否かが決まっていないのに、または、決定しているが資金力に問題があるなどの状態なのに、浄化がなされたとしてや汚染がないものとしてというような条件をつけて鑑定評価することができない、こういうふうにいわれています。
こういう運用指針というものが、日本不動産鑑定協会で、当時、もう既に発表され、議論され、そして、各会員さんたちに配られていたということについて、市場の方々はご存じだったでしょうか、伺います。
○志村新市場事業推進担当部長 何分、ちょっと過去のことで恐縮でございますけれども、当時、このような形でお配りされていたということでは認識してございません。
○伊藤(ゆ)委員 では、担当部長として、こういう指針があったことを、少なくとも私どもとの質疑のやりとりの中でもお知りになられたと思いますが、部長の記憶の範囲で、こういう指針があったことをいつご存じになりましたか。
○志村新市場事業推進担当部長 土壌汚染対策についての、都民といいますか、国民の関心が高まったのは、ここ数年かと思われています。そのころから、こういったものについて着目しなきゃいけないということで、そういった中で、このような評価とか、こういったものについての考え方というか、そういうものをお示しになっているなというところは記憶はありますけれども、お手元の、ここにお示しした、この不動産協会についてのこういったものについて、正確にこれをというのは、実はつい最近のことでございます。以上でございます。
○伊藤(ゆ)委員 実は、この日本不動産鑑定協会で出されている運用指針に基づけば、土対法、すなわち十五年指針で調査、処理された土地であるならば、これは、どの程度の汚染があるのかということがはっきりするし、また、浄化がされているんであれば浄化されたというふうにみなしてよろしいと。しかしながら、十三年指針で処理、あるいは調査された土地を、浄化がなされた、あるいは汚染がないものとして扱っていいかどうかについては、大いに議論の余地のあるところで、慎重に付議されなければならなかったはずです。
そういう意味では、この評価条件の書き方に大きな問題を感じ、正確に評価条件に反映させてさえおけば--まさに先ほど、説明したのかしなかったのか、もはや、ある意味で人づての記憶でしかない話であり、私自身は、少なくともその当時参加されていた不動産鑑定の先生に聞いたところ、そういう説明を受けた記憶はないといっていました。まさに、いった、いわないの話も起きなくて済んだんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 本件に係る財産価格審議会に付議いたしました資料のうちの、先ほど配布がございました土壌汚染の有無というところで書かれているこの内容でございますけど、ここに書かれている意味といいますのは、繰り返しになる部分もございますが、豊洲地区の開発整備は土地区画整理事業により行われるということで、土壌汚染の取り扱いにつきましても、十四年七月に都と東京ガス株式会社を含めました民間地権者との間で豊洲地区開発整備に係る合意、それから、この合意に当たっての確認というものを締結し、別途その取り扱いを定めているということになってございます。
この合意及び確認に基づきまして、東京ガス株式会社は汚染拡散防止計画書を提出し、対策を実施してございまして、さらに、十七年五月には確認書というのを締結し、従前計画の内容を上回る追加の対策を加えまして、東京ガス株式会社は土壌汚染対策を実施し、平成十九年までに環境確保条例に基づく手続を完了していると、こういう状況でございます。
このことをお示ししたものでございまして、こうしたことから、評価条件を設定する上で土壌汚染について考慮外とし、これらを前提として財産価格審議会に付議させていただいたというものでございます。
したがって、議案の記述内容につきましては妥当なものと考えてございまして、財産価格審議会において適正な審議が行われたものと認識してございます。
○伊藤(ゆ)委員 それは、あくまで東京都の立場に立っての手続の進め方のご説明であって、私がいっているのは、先ほど来財価審の先生たちがひとしくそういう理解をされていたのかどうかについてお伺いしているので、正確な答弁といえないと思います。
さらに、平成十八年十一月十日に行われた財産価格審議会についても伺います。同審議会は--豊洲の土地区画整理事業施行地区第七街区の一画、私が準備させていただいた年表で書かれているところの、鉄鋼埠頭〔2〕の方でございます。これ、評価額と書いてありますが、実際には購入額ということにそれぞれなりますけれども、いずれにせよ、この土地を買うために開かれたものですけれども、この財価審に付された議案書というのは、先ほどごらんいただきました、今度はこの下の方に出てきます。議案書そのものは、これですけれども、この中に、また新たに評価条件のところが出てきます。
この議案書の評価条件は、先ほどと少し書きぶりが違いまして、お手元に配布しているとおりですが、土壌汚染については、土壌汚染物質が発見された場合には、従前の所有者(仮換地前の所有者東京ガス株式会社)が処理対策を実施することになっているため、土壌汚染は存しない更地として評価する、なお、土壌汚染調査の結果、土壌汚染対策法に定める汚染物質の存在が判明したが、既に条例に基づく適切な処理対策が実施され、その作業が完了しており、現在、汚染物質は存在しないと、こう書かれています。
こちらの議案書の評価条件は、そういう意味では、条例に基づく対策をしてますよということなので、先ほどのよりも少し丁寧に書いていただいています。
ところが、この評価条件を普通に読みますと、なお以下のところで、まず、もう既に条例に基づいて、まさに十三年指針と十七年の追加対策を行っているので、今のところ汚染物質はありませんと。さらに、土壌汚染については、土壌汚染物質が発見された場合にはですから、新たに発見された場合には東京ガスが処理対策を実施することとなってますよと、普通の人はこう読むんじゃないんですか。そうだとすれば、財価審の先生たちが、そういう認識に基づいて議論したというふうに思えるんですけれども、この文章というのは、今、私が解説したような理解でよろしいんでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 お話の議案書は、七街区に所在いたします東京鉄鋼埠頭株式会社の所有地を取得するに当たり、平成十八年十一月十日に開催された財産価格審議会に付議されたものでございます。このうち、この議案の中の、先ほど先生の方から資料としてお配りいただきましたところでございますが、3、評価条件というのがございます。この中の(4)に土壌汚染についてという形で記述がございます。
こちらの記述でございまして、この読み方なんですけれども、ここで、土壌汚染物質が発見された場合には、従前の所有者(仮換地前の所有者東京ガス株式会社)が処理対策を実施することとなっているため、土壌汚染は存在しない更地と評価する、ここなんですけれども、これは、先ほど来申し上げましたとおり、十四年に都と東京ガス株式会社を含めた民間地権者との間で締結した豊洲地区開発整備に係る合意及びその合意に当たっての確認、これに基づいて、従前の所有者である東京ガス株式会社が、環境確保条例に基づき処理対策を実施するということから、本件土地は土壌汚染が存在しない更地として評価し、これを評価条件とお示ししたものと、このように読むものでございます。
なお、後段のなお書き以下がございますが、この記述は、本審議会の時点において、既に平成十八年十月十八日、この日に七街区における汚染拡散防止措置完了届け出書、これが東京ガス株式会社から東京都の環境局に提出されまして、東京ガス株式会社が条例に基づく対策を完了しているということについてご説明申し上げたものでございます。
○伊藤(ゆ)委員 今の説明でわかったと、初めて聞いて思われる方はほとんどいらっしゃらないと思うぐらい複雑な、あるいは、わかりづらい解説だったと思います。
ですから、シンプルに申し上げますけれども、先ほどの私の読み方というのは、多くの方々が読むと思いますけれども、既に、処理は十三年指針に基づいてやられてますよ、今後新たに発見されたものについて、東京ガスが全部処理負担してくれますよというふうに書いてあるんじゃありませんかと聞いたんですけれども、そうではないという読み方だという答弁だったんでしょうか。それだけちょっとお答えいただけますか。
○志村新市場事業推進担当部長 東京ガス株式会社は、十三年の環境確保条例に基づきます土壌汚染処理対策指針に基づきまして調査、対策を行い、また、平成十七年に確認書を締結いたしまして、従前の計画を上回る追加の対策を含めまして土壌汚染処理を行い、条例上の手続を完了しているということでございまして、先生のお話のとおり、この範囲内ということでございます。以上でございます。
○伊藤(ゆ)委員 私の質問はシンプルなんです。私のさっきの解説で、そのとおりなんですか、そうじゃないということなんですか、どちらなんですか。もっとわかりやすくいってください。
○志村新市場事業推進担当部長 繰り返しになりますけれども、条例上の対策は終わっておりますので、その範囲内ということでございます。
○伊藤(ゆ)委員 もう一度聞きますけれども、私のいったとおりなんですか、それとも、いや、委員の指摘は違うんですと、違う解釈の仕方をしているんですと、どっちなんですかということなんですから、どちらかで答えてくださいよ、ちゃんと。
○塩見管理部長 先生のお示しいただきましたこの第二十五号の議案、その評価条件を読みますと、少なくとも先生が、都の負担はない、あるいは、すべてが東京ガスの負担だというふうに読めるか読めないかというのは、これからは一概にいえないんではないかというふうに考えております。
○伊藤(ゆ)委員 私は、読めるか読めないかを聞いたんではなくて、私の理解している解釈の仕方でいいんですか、どうなんですかと、違うなら違うといってもらいたいんです。私の解釈は先ほど申し上げましたから、ちゃんといってください。
○塩見管理部長 先生の解釈は、東京ガスがすべて、今後何か発生したときについては負担するという解釈でございますか。だから、私がいってますのは、この評価条件を読む限りにおいては、そういったことを一概にいえるということでも、いえないということでもない。つまり、これからそういうことが読めないんではないかというふうに思ってます。
先生、既にご案内だと思いますけれども、現在に至っては、その後、我々、いろんな調査をして、新たな状況に至って、ステージが変わっているわけでありますんで、そういった観点で、ぜひご議論いただければというふうに思っています。
〔発言する者あり〕
○伊藤(ゆ)委員 とんでもありません。いいですか。評価条件をもとに価格をつけるんです。ですから、どういう理解に基づいて評価条件を読んだかというのは非常に重要なんです。ですから、私は、普通の人、あるいは私の感覚に照らせば、そういうふうに読むんじゃないですか。そういうふうに読めないというんだったら読めないといっていただいていいんです。別に私の読み方が違うというんだったら。違うのか、そうなのかを答えてくださいといってるんですから、何で、それ答えられないんですか。ちゃんと答えてくださいよ。
○志村新市場事業推進担当部長 この評価条件の読み方がやっぱり問題になると思いますので、もう一度、この読み方、どういうふうに読むべきなのかというのを申し上げたいと思いますが、この評価条件(4)、土壌汚染については、実はこれ、いただいた資料というのは、原本の資料のこの書き方というか、行数が同じなもんですから、このとおりちょっと使わせていただきますけれども、最初の三行ございます。ここの三行というのが、やっぱり主たる目的としてお示ししたところでございます。つまり、この三行の示す内容は、ちょっと繰り返しになりますけれども、平成十四年の、先ほど申しました合意及び合意に当たっての確認により、土壌汚染については、従前の所有者が東京都の環境確保条例に基づいて責任を持って調査、対策を実施するという取り決めをしていると。本用地につきましては、仮換地前の従前所有者、これは東京ガス株式会社でございますので、東京ガス株式会社が責任を持って処理対策を行うと。したがって、こういったことであるから、本用地の評価に関しては、土壌汚染対策は考慮外にいたしますと、このようにお示ししたことを掲げて評価条件とさせていただいたものでございます。
したがいまして、ここの記述というのは、先ほどの、いつの基準なのかどうかというご議論というのは、確かにこれ自体では読み取れないと思いますが、少なくとも汚染処理費用の負担範囲がどこまでなのかということを記載したものではございません。後段のなお書き以下の三行、これは、これもちょっと繰り返しになるんですが、前段に申し上げましたとおり、従前の所有者、すなわち東京ガス株式会社が処理対策を実施するということになってはございますが、ただ、さすがに土壌汚染が未処理という段階で購入するというわけにはいきませんので、東京都といたしましては、東京ガス株式会社が処理対策を実施し、条例上の手続を完了したことを確認した上で購入すると、このようにしておりました。
したがいまして、ここの本件用地に係る七街区、これは、十八年の十月十八日に、東京ガス株式会社が汚染拡散防止措置完了届け出書を環境局に提出してございますので、これを確認の上、本用地について取得手続をしたというものでございます。
したがって、このなお以下にある、条例に基づく適切な処理対策が実施され、その作業が完了しており、現在、汚染物質は存在しないというのは、今申し上げたことをお示ししているものでございます。
〔「よくわかったよ」と発言する者あり〕
○伊藤(ゆ)委員 私はわかりません。
ただ、一つわかったのは、何度もいわれるように平成十四年合意に基づいていると、そういうことですね。その範囲の中で東京ガスが負担していくと、そう書いておけばいいんですよ。全く書かれてないので、未来永劫、東京ガスが、新たに発見された土壌汚染対策をやるように読めるので問題じゃありませんかと。
しかも、まさにそうだとするならば、書いていることと実態が真逆なんですね。私は、財価審で委員を務めた不動産鑑定士さんに、直接お話を伺いに行きました。なぜ、土壌汚染の懸念を不動産価格に反映させなかったのでしょうかと伺ったところ、評価条件にこういうふうに書いてあれば、都の負担が発生することはありませんから、これ自体、一つの特約と認めて不動産価格に反映させる必要はなかったはずです、こういう回答でありました。
その不動産鑑定士さんに、実はこのような合意は東京ガスとできておらずに、新たに発見された汚染土壌の処理費用については、まさに平成十四年の合意に基づけば、誠意を持って協議するとしか書かれてないんですと、こういうふうに解説申し上げますと、本当にそんなことなんですかと、そんな説明は受けていないと思いますよということでありました。これは非常に大きな問題なんです。
当時、この評価条件について、きちんと説明されたんでしょうか。
○志村新市場事業推進担当部長 本件土地に係る土壌汚染に関する評価条件につきましては、財産価格審議会の各委員に対しまして事前に書類を送達するとともに、審議会当日において、平成十四年に都と東京ガスを含めた民間地権者との間で締結した開発整備に係る合意及びその合意に当たっての確認により、従前の所有者である東京ガス株式会社が、環境確保条例に基づき処理対策を実施することとし、なおかつ、本審議会の時点において、既に平成十八年十月十八日に、七街区における汚染拡散防止措置完了届け出書が、東京ガス株式会社から東京都環境局に提出され、東京ガス株式会社が条例に基づく対策を完了していることから、本件土地は土壌汚染が存しない更地として評価する旨、説明を行ってきております。
○伊藤(ゆ)委員 ですから、私が再三聞いているのは、そういう経緯のことを聞いているんじゃなくて、評価条件にこういうふうに書いてありますけれども、実際にはそうじゃなくて、平成十四年合意の範囲の中でしか負担を法的に求めることはできませんよと、そういうふうにちゃんと財価審の先生方にご説明されたんですかということを聞いているんです。されたとすれば、何に基づいてされたということが立証できるんですかと。少なくとも、そのときに参加された先生が、そんな説明は受けてないと思いますというんですから、そこを確認しているんであって、経緯のことを聞いているのじゃありませんから、ちゃんと説明したかどうかを答えてくださいよ。
○志村新市場事業推進担当部長 理事からご質問の中で出てきました、その不動産鑑定士に会って、直接お話ししたときのやりとりについてなんですけれども、冒頭の、評価条件にこう書いてあれば、都の負担は発生することがないのだから、一つの特約と認めて不動産価格に反映させる必要がなかった、これは、ある意味当然のことでございまして、るる説明させていただいたとおり、十四年合意、あるいは確認に基づいて、本件用地については、従前所有者である東京ガス株式会社が、環境確保条例に基づきまして責任を持って土壌汚染の処理対策を実施することについて触れたものと考えられます。したがって、そのことについては、当時のその審議会に臨むに当たって、ただいま申しましたとおり、審議会委員の方々に説明してきてございます。
それから、その後にお話として出されました、先生が、実はこのような合意は東京ガスとできておらず、新たに発見された汚染土壌の処理費用については誠意を持って協議するしかないという問いかけをしたときに、そのような説明を受けていないという反応についてでございますが、これは確かに東京ガス株式会社が、条例上の処理対策について手続を完了したと。それは十八年度までに完了したと。今現在、今、私どもがいるこの時点で物事を考えたときに、その後に、東京都が専門家会議の提言に基づきまして詳細調査を実施したところ、操業由来に基づく高濃度の汚染物質が検出されたと、こういう時系列の事実関係というのは確かにございまして、そういったことで考えた場合については、確かにこの問題どうなのかということはございます。
理事ご指摘のように、新たな事態が生じたときには、十四年合意、あるいは十七年確認書の条項の中で、協議を申し入れることができると、いわゆる協議をするという形での了解がとれていると、こういうことでございまして、これに基づいて、ただいま東京ガスとの間で話し合いをしていると、こういう状況でございます。
繰り返しになりますけれども、この評価条件の記載、ここは新たに発見された土壌汚染処理対策費用の負担がどうなのかということを示したものではございません。したがいまして、東京ガス株式会社が条例上の対策を完了した後に、新たに土壌汚染が見つかった場合についての処理費用までを念頭に置いて評価条件を設定したものではなく、したがって、審議会委員の方の反応というのは、そういう意味では、ある意味当然の反応ではないのかと、このように考えてございます。
○伊藤(ゆ)委員 いいですか。財価審に与えられている一つの使命は、適正な時価で買うことです。適正な時価の算定をしてくださいということになっている限りにおいては、きのう買ったものが、あした同じ価格で売れなきゃいけないわけです。これが基本的には適正な時価です。そのことをちゃんと財価審の先生たちに、正確に評価条件が伝わって、議論していただいて、そして、出された価格であれば、私もこうして質疑はいたしません。
私が財価審の先生から聞いてきた話というのは、この土壌汚染の問題については、少なくとも平成十八年当時というのは、先ほど来申し上げているように、十六年からもう運用指針が出ていて、非常に繊細な、ナーバスなテーマだったというのは、この豊洲に限らずに、不動産鑑定士さんたちの共通した認識でした。ですから、何の対策が行われ、しかも、どんな特約がついているのかということが正確に入らない以上は、正確な不動産価格に反映できませんと、こういう話であるのは当然のことだと思います。そして、その重要な部分を占めるのは、まさに特約なんです。つまりは、新たに発見された土壌汚染に対して、それは汚染者が全部負担してくれるんだったら、何ら不動産価格に反映させる必要はありません。
しかしながら、先ほど来答弁していただいているとおり、平成十四年合意というのは、新たに出てきたものに関しては、あくまで両者の誠意をもって協議することと。だから、まさに今、五百八十六億円の負担をめぐって、東京ガスと東京都が協議されているわけですよね。必ずしも法的には東京ガスが負担できないから、なかなか苦しい協議が続いてらっしゃると私も理解しています。
ところが、その当時の不動産鑑定士の先生たちは、まさにこういう事態が発生したときは全部東京ガスが負担してくれるものだと、そういう理解で先ほどの文章を読んでたわけです。それがそうじゃないということになってきたので、不動産鑑定士の先生たちからも、え、そうだったんですかという驚きの声が上がっているということなんです。
ですから、そういう、少なくとも都は都の立場があるでしょうけど、誤解を与えたというような評価条件の書き方について、これは少し改めておいた方がよかったなというようなご所見があるかどうか、お伺いします。
○志村新市場事業推進担当部長 評価条件の項目も含めまして、表現としてどういうふうに書くか、記述としてどのように書くかというのは非常に難しい問題でございまして、例えば、あるこういう意図で書いたとしても、その受け取り方というのは、いろんな取り方というのは、可能性という点でいうならそれは全く否定することができないのかなと、このように思っております。
ただ、これまでもご説明したとおり、この評価条件に関する記述は、平成十四年の合意及び確認により、土壌汚染については、従前の所有者、つまり、ここでは東京ガス株式会社ということになりますが、東京都の環境確保条例に基づいて責任を持って調査、対策を実施するという取り決め、それから十七年の追加の対策も含めてでございますが、そういった対策を責任を持って行うと。したがって、本用地につきましては、土壌汚染の評価につきましては、土壌汚染対策は考慮外にしますということをお示ししたものでございます。
○伊藤(ゆ)委員 結局、どういう読み方をされるかわからない部分があるという答弁がありましたけれども、だからこそ丁寧で、しかも、できるだけ正確に--少なくとも私が読み間違えるんですから、ほかの人だって読み間違える可能性は十分にある。普通の人は、私がさっきいったように読む可能性が極めて高いと思います。ですから、正確に記述するということが求められているんだろうというふうに思います。
さて、まさに今後のことをちょっとお伺いしたいと思いますけれども、現在、都は、五百八十六億円の一部負担を求めて、東京ガスと協議されているというふうに伺っています。この協議の状況についてお伺いします。
○志村新市場事業推進担当部長 専門家会議の提言に基づきまして、東京都が実施いたしました詳細調査により、操業に由来する高濃度の汚染物質の存在が確認されたことから、東京都は、平成二十一年二月、東京都が実施いたします土壌汚染対策経費の一部負担について、東京ガス株式会社に協議の申し入れを行い、その後、専門家会議や技術会議での提言内容、あるいは対策、それから先般、ご報告させていただきました実証実験における報告などを説明し、話し合いを行っているところでございます。
今後につきましては、さらに話し合いを進め、早期に決着できるよう目指してまいりたいと思ってます。
○伊藤(ゆ)委員 知事は、既に、残った新市場予定地の購入をすることを表明されましたが、仮に一千二百六十億円かけて購入するとなれば、また新たに財産価格審議会を開催することになるわけであります。今回は、土対法に基づいた調査、処理プラスアルファの土壌汚染対策がなされる予定でありますが、五百八十六億円かけたからといって、これまた絶対に汚染物質が出ないとはいい切れません。現に、前回、十三年指針に基づいての調査、対策で、あるいは追加対策で汚染物質はないと、こういってきた、書いてきたわけでありますから、今回のことも同様だと思います。
そこで、こうした点を踏まえて、今後の用地購入に当たっては、先ほど来指摘してきたとおり、正確に評価条件に反映させて、正確な情報に基づく審議を財価審の皆様にお願いするという姿勢こそ必要ではないかというふうに思いますけれども、市場長にお伺いいたしたいと思います。
○岡田中央卸売市場長 ただいまの理事のご質問は、都が今後実施いたします土壌汚染対策を行った後であったとしても、汚染土壌が発見されることがあるだろうという前提の上でのお話ではないかというふうに思っておりますが、都は、専門家会議や技術会議を設置いたしまして、新市場予定地の敷地全域にわたる汚染の状況を把握した上で、日本の最先端技術を活用した、安全性や信頼性の高い対策を提言していただいたわけでございまして、また、本年一月、実験によりまして、豊洲新市場予定地の状況に応じて、すべての処理技術の有効性が確認されたわけでございます。
都は今後、来年度からになりますが、この対策を確実に実施して、新市場予定地が、人が生涯住み続けたとしても健康への影響はなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全性を確保していくと、こういうことになります。すなわち、ご指摘のような事態が起こらないようにするということが東京都の責務であると考えてございます。
こうしたことを踏まえまして、今後の用地の購入に当たります財産価格審議会への付議でございますけれども、これは、一つは、東京ガス株式会社が環境確保条例に基づき土壌汚染対策を実施し、その手続を完了してきたという過去の経緯、しかしながら、その一方におきまして、都が行った詳細調査において操業由来の高濃度の汚染物質が発見されたことを受けまして、現在、東京ガスとの間で、その経費の一部負担を求めていることなどにつきまして審議会委員に説明し、審議が適切に行われるように努めてまいります。
また、東京ガス株式会社と、用地を購入するまでには、負担協議につきまして話し合いを鋭意進め、年度内に用地が買えるよう、その負担協議を終えていきたいと、このような考え方で最善の努力をしてまいります。
○山崎委員 気分を変えて質問させていただきます。
私の地元の江東区は、江戸時代から続く伝統を今に伝えるまちであります。江戸文化のいきを伝える木場の木遣り、角のり、和船のような伝統芸能行事や、水量豊かな内部河川、運河を背景とした水彩都市でもあります。
また、以前よりもその数は減りつつありますが、新鮮な野菜や魚を対面で販売する八百屋さんや魚屋さんもあります。元気なかけ声とともに、調理方法などの情報も直接消費者に伝える小売店の存在は、脈々と受け継がれている江戸文化の薫りの一つとして、また、親から子へ伝えられる日本の味、食文化を守る上で欠かせない存在といえます。
さて、江東区内には、例えば、砂町銀座商店街の魚屋さんのように、日常的に築地市場へ買い出しに足を運んでいるお店が少なくありません。つまり、江東区内のこうした買い出し人にとっても築地市場は身近な存在であり、これから築地市場はどうなっていくんだという声が私の耳にも聞こえてくる、そんな状況にあります。
江東区は、豊洲新市場の建設予定地として注目されていますが、築地市場などに毎日足を運ぶ人々にとっては、東京都の中央卸売市場という存在と深い関係にあるのです。そのような地元に生まれ育った立場から、私は、幾つか質問をしたいと思います。
まず、中央卸売市場が取り組まれている具体的な事業について伺います。
生鮮食料品の流通事情など、卸売市場を取り巻く環境が大きく変化し、また、いわゆる市場経由率の低下が指摘されている中で、市場の機能を高めていくことは、もとより重要なことです。機能強化といっても、さまざまな課題があると思いますが、例えば、市場内における車両の混雑や荷さばきの環境を改善することは、とても重要であると考えます。
そこでまず、市場内における物流についてどのように考えているのか、混雑解消などの具体的な取り組みはどのようになっているのか伺います。
○大朏市場政策担当部長 卸売市場におきましては、限られた敷地内に車両が集中いたしまして混雑する実態がございます。そのため、出荷者の荷おろしから購買者の分荷、配送に至るまで、市場全体として物流の改善が必要でございます。
これまで都は、例えば、大田市場において、大型トラックへの積み込みや雨天時の荷さばき等を可能とする屋根つき積み込み場を整備し、場内の混雑解消や物流の効率化を図ってまいりました。
また、淀橋市場においては、待機車両の解消を図るため、仲卸売り場業者棟の建てかえにあわせまして、大型車両の駐車スペースを確保することなどを内容とするリニューアル事業を実施しております。
今後とも、卸売市場は、生鮮食料品等の流通拠点として、より効果的にその機能を発揮するため、荷さばき施設の拡充や駐車スペースの確保などが必要でございまして、市場全体として一層の物流改善に取り組んでいきたいと考えております。
○山崎委員 今の答弁でもわかるように、市場内の物流改善への取り組みは非常に重要であるわけです。ぜひ積極的に取り組むよう要望いたします。
ところで、私が今伺った、市場内における物流改善への取り組みの問題は、市場機能の強化を図る上でも、とても重要な項目であると既に述べたとおりです。ところが、この課題を築地市場に突きつけてみると、どうでしょうか。築地市場の現状にあえて目を向けてみるならば、狭い場内でトラックやフォークリフト、ターレ、そして、市場関係者が入り乱れております。時には交通事故が発生することさえ珍しくない早朝の光景は、私も現場を視察して強く印象に残っているだけでなく、皆さんもよくご存じでもあると思います。この光景は、一方では活気にあふれた市場の象徴であるものの、残念ながら、ここでは物流の効率化を論じることがはばかられるような現状にあるといわざるを得ないわけであります。
では、築地市場における場内物流の状況はどうなっているのか、改善の可能性はあるのか伺います。
○大朏市場政策担当部長 築地市場におきましては、現在、全国から多種多様な荷を搬入するトラック及び場内で商品を搬送し、積みかえるために使用されてございますターレやフォークリフト、さらに、搬出するためのトラック、買い出し人などが、狭隘な場所で頻繁に行き交う状況にありますことから、市場内は極めて混雑してございます。
これらに対応するため、都としては、場内の関係者で構成いたします交通委員会で対策を検討いたしまして、第一に、場内動線確保のため巡視等による交通整理、第二に、場内交通ルールの徹底、指導、啓発活動、第三に、交通標識、路面表示の整備など、さまざまな対策を講じてございます。
しかし、築地市場は狭隘化が著しく、駐車場や荷さばきのスペースが不足していることから、商品の一部が卸売り場などに収容し切れず、通路上で日常的に荷さばきせざるを得ない状況となってございます。
このような状況を根本的に改善するためには、荷さばき施設、駐車スペースの拡充とともに、場内動線の大幅な見直しが必要でございますが、営業に大きな影響を与えるような工事の実施は極めて困難でございまして、現在の築地市場においては、抜本的な物流改善はできない状況にございます。
○山崎委員 今の答弁を聞きますと、場内物流の観点からも、もはや限界に来ていることが改めて確認できました。我が会派が、一刻も早い豊洲新市場への移転を主張してきたのも、市場内で働く事業者の皆さんが、安全な施設で効率的に仕事をすることができる環境を確保することが市場開設者の役割であり、築地における現地再整備に展望を見出せない以上、老朽、そして狭隘化した築地市場にとどまることは許されないと考えるからであります。
先月、知事みずからが歯車を大きく回すと表明した豊洲への移転を、今後、円滑に進めていく上で何より重要なことは、市場業者の方々に届けられた知事からの手紙にもあるように、厳しい経営環境にある築地市場の市場業者の抱える課題等に丁寧に耳を傾け、しっかりとその実情を把握することだと思います。そして、実効性のある支援策を考えていただきたい。
これについては、大田市場の開設の際に、旧神田、荏原市場の市場業者に対してなされた措置などの先例があると思いますが、これを踏まえつつも、築地市場の市場業者が現在置かれている状況に本当にこたえていく支援策の策定につなげていただきたい、このように強く要望しておきます。
先日、私は、新市場の豊洲に足を運んできました。そのときにちょっと写真を撮りましたので、皆さんにお見せしたいと思います。
このパネル、写真を何枚か撮ってきたんですけれども、すばらしい植物がこのように成長している、こういう状態が、今の豊洲新市場のこの土地でございます。ぜひ、こういったところに、私も地元で近いわけですから、十分ぐらいで行けるところにこういう土地がありますので、これからもこの場所を見ていきたいなと、そういうふうに常に思っております。これは参考に、皆様にちょっとお見せさせていただきました。
それでは行きます。この地において、移転を着実に前に進めていく上で、今後さまざまな課題を解決していかなくてはなりません。その意味でも、まさにこれからが大事なわけであります。
そこで、直ちに執行していかなければならない環境影響評価、アセスについて伺います。
先月、知事は、議会での現在地再整備の検討結果を踏まえて、改めて豊洲新市場整備を推進していくことを表明いたしましたが、平成二十六年度中に新市場を整備するためには、アセスの手続を停滞なく進めていく必要があります。市場当局においては、現在、評価書案の作成など、準備を進めていることと思いますが、今回のアセス手続は、技術会議からの報告を踏まえ、事業計画の変更を行ったものであることから、特にアセスの対象地域の豊洲地区がある江東区の住民など関係者の中には、都によって土壌汚染対策がしっかりなされるのか注目している人々がいます。
もちろん、現在、都においては、専門家会議や技術会議という、日本を代表する学識経験者が、科学的見地から検討を行い、市場用地としての安全・安心を十分確保する万全な土壌汚染対策を既に取りまとめるとともに、今年度は豊洲の現地で実験を行い、対策技術の有効性も確認しております。
環境アセスは、大気汚染や悪臭、騒音、振動などの評価項目について、法や条例などの基準を指標とし、対象事業の環境に対する影響を予測するものであります。現在、評価書案の取りまとめを行っている最中かと思いますが、専門家会議や技術会議で検討してきた都の土壌汚染対策は、現行の土壌汚染対策法の安全面等の法令基準をクリアするものとなっているのか、確認のためお聞きします。
○臼田基盤整備担当部長 現行の法令といたしまして、本年四月一日から、土壌汚染対策法の一部を改正する法律が施行されてございます。この改正法におきましても、対策の基本的な考え方は、土壌汚染の摂取経路を遮断する封じ込め対策を行うことに変更はございません。
措置といたしましては、五十センチメートルの盛り土を行うか、厚さ十センチメートル以上のコンクリート、または厚さ三センチメートル以上のアスファルトで舗装することのいずれかとなってございます。
次に、改正法の具体的な内容は、大きく三点ございます。
一点目は、人為的な土壌汚染である操業由来の汚染とともに、自然的原因による土壌汚染、いわゆる自然由来についても新たな法の対象とされたこと。
二点目は、規制対象区域についてでございます。これまで、汚染状態にあります土地を一律に指定区域としておりましたが、人の健康に被害が生じるおそれのある場合には要措置区域、人の健康に被害が生ずるおそれがあるといえない場合には形質変更時要届け出区域に、それぞれ分類して指定されることとなったことでございます。
三点目は、こうした規制対象区域の土壌を区域外へ搬出する際の届け出や搬出土壌の処理業の許可制度が新設されたこと、この三点でございます。
次に、こうした改正法に対する都の土壌汚染対策の内容につきましてご説明させていただきます。
まず、自然由来の物質への対応につきましては、専門家会議におきまして、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策を検討する際に、自然由来の物質の存在についても考慮に入れた上で、法の措置をはるかに上回る対策を取りまとめてございます。都が行う土壌汚染対策は、法令基準をクリアすることはもとより、市場用地としての安全・安心を十分確保するものとなってございます。
具体的な対策は、深さ二メートルまでの土壌を、新たに購入した土などですべて入れかえまして、その上に、きれいな土で二・五メートルの盛り土を行い、さらにアスファルト等で舗装することで土壌汚染の摂取経路を完全に遮断し、二重、三重の封じ込めを行うものでございます。
操業由来の汚染土壌につきましては掘削除去する、地下水についても環境基準以下とするなど、万全の対策としてございます。
また、規制対象区域につきましては、都が土壌汚染対策を実施した後も、自然由来の物質が存在する区域は届け出区域に分類されることとはなりますが、当該区域は直ちに汚染の除去などが必要となる要措置区域とは異なり、土壌汚染の摂取経路がなく、人の健康被害が生ずるおそれのない区域でございまして、さきにご説明しましたとおり、二重、三重の封じ込め対策を行うことによりまして、安全性に全く問題は生じません。
さらに、指定区域の土壌を区域外へ搬出する場合には、許可を受けた処理施設へ搬出するなど、法令に従い適切に対応してまいります。
このように、今回の改正法につきましては、市場用地の安全・安心を確保する観点から、都が豊洲新市場予定地で行います土壌汚染対策には何ら影響がないものでございます。
○山崎委員 ただいまの答弁で、直近の改正土対法の安全基準に照らしても、都の土壌汚染対策は法をはるかに上回る万全の対策であり、アセスの実施にも影響しないことが改めて確認できました。確かに自然由来の物質は、その名のとおり、自然界に広く普通に存在している物質であり、特に砒素や鉛の重金属は、自然的影響により、これらを多く含んでいる土壌が、日本全国、どこの土地でも広く分布しているものであります。
こうした実情も踏まえて、専門家会議では、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策を検討する際に、こうした自然由来の物質の存在についても考慮に入れた上で現在の対策を打ち出しているのですから、これまで検討した対策を何ら変更する必要がないこともよくわかりました。
今回の土壌汚染対策法の改正は、市場用地としての安全・安心を確保する観点から、豊洲で都が行う土壌汚染対策には何ら影響がないことは確認できましたが、市場当局において、アセスの評価書案の作成後には、アセスの手続上、地元住民等の関係者への説明会なども予定されていることと思います。都が行う土壌汚染対策が、法令をはるかに上回る万全の対策であり、実験によってその効果も検証していることをしっかりと説明し、地元の理解が得られるよう、お願いしておきたいと思います。
さて、先月、国は第九次卸売市場整備基本方針を公表いたしました。この基本方針や国の整備計画に基づき、都は第九次卸売市場整備計画を定めることになります。どんな基本方針が出されるのか、私も大変興味を持っておりますが、その中に、新たに中央拠点市場という新しい考え方が盛り込まれていると聞きました。
そこで、中央拠点市場とはどんなものなのか、また、東京都の中央卸売市場ではどこが該当するのかお伺いいたします。
○大朏市場政策担当部長 国の卸売市場整備基本方針では、大規模な中央卸売市場と中小規模の中央卸売市場との間で効率的な流通ネットワークを構築するため、大型産地から荷を大量に受け、周辺の市場へ効率的に分荷する役割を担う市場を、中央拠点市場として位置づけることとしております。
国は、中央拠点市場につきまして、水産物、または青果物を扱う中央卸売市場を対象といたしまして、年間の取扱数量及び開設区域外への搬出割合--この開設区域といいますのは、東京都の場合ですと都内全域を指すことになります--に関する指標を設け、それぞれの部類ごとに確認し、判断することとしております。
この指標に、東京都の各市場の取扱数量及び昨年度に実施いたしました市場流通推計調査による都外への搬出割合を当てはめますと、水産物部では築地市場が、青果部では築地市場、大田市場及び淀橋市場が該当いたします。
○山崎委員 では、中央拠点市場について、都は、どのように認識しているのか伺います。
○大朏市場政策担当部長 現在の首都圏の生鮮食料品等流通の実態に目を向けますと、築地市場、大田市場、淀橋市場などの大規模市場は、まさに国内外の産地から大量に荷を受け、近隣の卸売市場を含めまして幅広い地域に荷を転送する、いわゆるハブ市場としての機能を有しております。
拠点市場は、こうした機能を発揮することによりまして、効率的かつ安定的な集荷を実現することができます。こういったメリットがございます。
また、拠点市場以外の卸売市場は、拠点市場と連携することによりまして、単独で集荷するよりも経済的かつ効率的な集荷ができる、多数の産地との取引が可能となりまして、品ぞろえが豊富になるとともに、数量確保が容易になるなどのメリットがございます。
生鮮食料品等流通における拠点市場と周辺の市場のネットワーク化は、既に全国の卸売市場において行われているものでございまして、今回の国の基本方針は、こうした実態を踏まえたものであると考えております。
こうしたことから、中央拠点市場が中心となり、周辺の市場との間で流通のネットワークを形成することは、効率的、安定的な生鮮食料品等流通に寄与するものであると認識しております。
○山崎委員 今の答弁にあったように、中央拠点市場は、つまり、周辺市場へのハブ機能を担うものであると私も考えます。築地市場や大田市場がそういった役割を担う市場であることは、その現状を見れば理解ができますし、そういった強みをさらに伸ばして発展する、特に築地市場については、そういう役割を一層強固にする意味でも、一刻も早く豊洲新市場に移転することが求められているのです。
しかし、その一方、中央拠点市場に指定されない市場も我々のところの市場関係ではあります。そうした市場についてはどうなるのかという心配もあります。
そこで、中央拠点市場に該当しない市場への対応を含め、今後、都は、各市場の整備をどのように行っていくのか伺います。
○大朏市場政策担当部長 国の整備基本方針では、中央拠点市場について、大型車両にも対応可能な保管、積み込み施設、情報の迅速な処理を行うために必要な情報処理施設等の整備を推進すること、それ以外の市場につきましては、それぞれの地域における生鮮食料品等の流通の中核として、実需者のニーズに適切に対応した機能の高度化を図り、効率的な流通の確保を推進することとしてございまして、着眼点の違いはございますが、いずれの中央卸売市場におきましても、それぞれ適切な施設の整備を進めていくこととしてございます。
東京都の卸売市場を見ましても、周辺の市場につきましては、拠点市場とは数量の違いはございますが、首都圏の生鮮食料品等流通のネットワークの一員として、また、地域における流通の拠点として、それぞれの市場がそれぞれの役割を担ってございます。こうした、それぞれの市場が果たしている役割を踏まえまして、都は、これまでも都内のすべての中央卸売市場につきまして、各市場の実情に応じた施設整備を行ってきてございます。
今後も、これまでと同様、品質管理、衛生管理の向上や物流の効率化など、各市場の機能強化、活性化に資するような適切な施設整備に努めてまいります。
○山崎委員 今の答弁にあったように、私も、中央拠点市場になる市場はもとより、都内のすべての中央卸売市場について、それぞれの特徴を生かしながら適切に整備し、また、活性化を図っていくことが大切だと思います。
本日の質疑でもわかったように、中央卸売市場には、長期的、計画的な整備や市場内の物流改善への取り組みという課題、そして、今さら申し上げるまでもありませんが、老朽、狭隘化した築地市場の豊洲移転という昭和からの宿題を、今後、着実に前に進めていくための課題があることがわかりました。
これからの課題について、引き続き精力的に取り組み、さらに、市場で日々業務を行う市場業界の方々の意見をしっかりと聞きながら、都民の食生活を支えるという大きな役割を、途切れることなく確実に果たしていっていただきたい、このように要望して、私の質問を終わります。
○伊藤(興)委員 都では現在、十一カ所の中央卸売市場を運営しておりますけれども、築地市場を初めとして、施設の老朽化が進んでいる現状を踏まえ、産地、顧客から求められる高度な品質、衛生管理等にこたえるため、コールドチェーンを確保できる低温卸売り場の整備や物流効率化の推進などの施設整備を、今後、着実に、計画的に進めていくことが大きな課題となっていると思います。
中央卸売市場において、現在は第八次の卸売市場整備計画、そして、来年度策定される第九次の整備計画において、豊洲新市場の整備を初め、他の市場についても着実に施設整備を進めていくことになります。
一方、中央卸売市場会計は、独立採算を原則とする公営企業会計であり、これらの施設整備に必要な財源は、みずから確保していくことが求められております。
そこで、中央卸売市場会計の現状と課題について、中長期の見通しも含めて何点か伺いたいと思います。
まず、中央卸売市場のいわば本業の収支を示す営業損益は、人件費や施設管理費、減価償却費などの市場運営費を、市場業者が負担する売上高割使用料や施設使用料で賄うというフレームとなっております。
そこで、中央卸売市場会計における過去三年間の営業損益の決算状況について、簡単に伺えればと思います。
○塩見管理部長 中央卸売市場におけます過去三年間の決算における営業損益につきましては、平成十九年度が約マイナス十四億四千万円、平成二十年度が約マイナス十九億一千万円、平成二十一年度が約マイナス十四億二千万円と、いずれの年度も営業損益は赤字となっておりまして、市場使用料等の営業収益で施設管理費や減価償却費等の営業費用を賄えない状況となってございます。
○伊藤(興)委員 ご答弁いただいたとおり、市場会計の本業ともいえる営業損益は、ここ数年、毎年、約十四億円から十九億円の赤字が出るなど、厳しい状況が続いているということでありました。通常は、このような状況が続けば、独立採算で市場事業を維持することはできないと思います。
しかし、平成二十一年度決算で見ると、経常損益は七億六千万円、全体の収支である純損益は三十一億円の利益、すなわち黒字決算となっております。なぜこうした収支決算となっているのか、その理由、内容について具体的に伺えればと思います。
○塩見管理部長 平成二十一年度決算では、営業損益は約十四億二千万円の赤字となっておりますが、これに、保有資金の運用益であります受取利息等約八億一千万円、一般会計補助金約十六億一千万円を含む約二十六億四千万円の営業外収益を加え、企業債利息等の営業外費用約四億七千万円を控除いたしますと、経常損益は約七億六千万円の黒字となってございます。
また、平成二十一年度は、食肉市場分場の跡地売却等による特別利益が約二十三億八千万円あったことから、経常損益にこの特別利益を加えた当年度純損益は、約三十一億三千万円の黒字となってございます。
○伊藤(興)委員 二十一年度決算では、経常損益については、営業外収益と用地売却などによる特別利益があって、結果的に本業の営業損益の赤字を埋め合わせることができたということでありました。つまり、市場会計は、毎年のフローの赤字を、ストックである積立金の利息収入や用地売却など、特別の収入で賄っているというのが基本的な構造となっているということだと思います。
しかし、こうしたやりくりが中長期的に可能かどうかは、十分に吟味することが必要だと思います。
そこでまず、中長期的な支出の見通しにおいて考えなければならないのは、豊洲新市場の整備に係る整備費約三千九百億円であります。
本年度からいよいよ豊洲新市場の整備が本格化し、用地取得費や土壌汚染対策費、建築工事費などが、平成二十六年度の開場に向けて、今後、支出されていくことになると思います。
そこで、本年度の予算では用地取得費千二百六十億円が計上されておりますけれども、この費用を賄うために、どのように資金の手当て、調達をしていくのか伺いたいと思います。
○塩見管理部長 まず、豊洲新市場の整備費に係る財源について説明いたしますと、約三千九百億円の事業費のうち、既に整備に充てた約一千億円を除いた差し引き約二千九百億円が、今後の整備に必要な額となります。この財源といたしましては、保有資金約千三百五十億円、国庫交付金約百億円のほか、残る約半分の千四百五十億円は、築地市場跡地の売却収入の一部を充てることとしております。
この売却収入につきましては、築地市場移転後の収入となるため、当面の資金を賄うため、企業債の発行を予定しているところでございます。
したがいまして、平成二十二年度予算におきましても、豊洲新市場の用地取得費千二百六十億円のうち、約半分の六百億円を企業債の発行により調達することとしております。
○伊藤(興)委員 用地取得費につきましては、主として企業債の発行と建設改良積立金等の保有資金によって、資金の手当てをしていくということでありました。
しかし、市場会計を将来にわたって維持する上で、考慮に入れておかなければならない問題が何点かあると思います。
まず、積立金の大幅な減少によって、これまで営業収支の赤字を補てんしてきた、積立金の運用益である利息が減少することであります。加えて、企業債の発行で多額の資金を調達することにより、当然、将来は、その償還のために多額の資金が必要となることであります。
さらに、中央卸売市場の施設整備は、平成二十六年度中の開場を目指す豊洲新市場整備だけではないわけであります。来年度には、平成二十三年度から二十七年度の五年間を計画期間とする第九次の整備計画が策定され、他の中央卸売市場の施設整備も同時に進行することになるわけであります。
そこで、現在実施している第八次の整備計画では、計画期間の平成十七年度から二十二年度の六年間で、どのような事業に、どのぐらいの額を支出してきたのか伺いたいと思います。
○塩見管理部長 第八次卸売市場整備計画の計画期間におきましては、大田市場におけます屋根つき積み込み場建設工事、食肉市場におけます市場棟衛生対策工事などの施設拡張事業と、各市場の設備更新等を行う施設改良事業の施設整備費は、平成十七年度から、平成二十二年度は予算額でございますが、これまで合計で約百四十三億円となってございます。
なお、今後につきましては、現在保有する千六百五十億円の資金のうち、豊洲新市場の整備に充てる千三百五十億円を除く三百億円について、今後の各市場の施設整備に充てていくものと現在考えてございます。
○伊藤(興)委員 ただいま答弁していただいたとおり、第八次の整備計画では、各市場の施設整備等に六年間で合計約百四十三億円、単純な年平均でいいますと、約二十四億円の支出を行ってきたということでありました。
つまり、市場会計において、過去五年間に豊洲新市場の整備で既に使った約一千億円を除いて約二千九百億円、さらに、第九次の整備計画に基づく施設整備が第八次の計画と同額と仮定すると約百四十三億円、合計約三千億円を超える支出に備える必要があるわけであります。
今現在、約千六百五十億円ある保有資金も、豊洲整備に千三百五十億円を使い、また、他の市場の整備にも充当した場合、そのほとんどが失われることになるわけでありますから、その財源については、築地市場の売却益を初め、しっかりと見通しを立てて確保しておくことが重要であると思います。そのためには、冒頭の質疑で明らかとなった、営業損益の赤字構造からの脱却はもとより、市場会計そのものの財政基盤の強化が求められると思います。
そこで、中央卸売市場として、これまで市場会計の財政基盤の強化のために、どのような取り組みを行ってきたのか伺いたいと思います。
○塩見管理部長 中央卸売市場会計は、これまでご答弁申し上げましたとおり、営業損益が継続して赤字となっていることに加えまして、先生ご指摘のように、今後、低金利の傾向や各市場の施設整備に伴う保有資金の減少が見込まれるなど、大変厳しい財政状況にございます。
こうした状況を踏まえ、私どもは、これまで人員削減や企業債の繰り上げ償還などのコスト縮減に取り組むとともに、事業用借地権を活用した市場用地の貸付制度の導入により、大田市場や葛西市場において資産の有効活用などを行ってきたところでございます。
また、市場業者の指導監督に要する経費など、本来、一般会計が負担すべき経費については適正に繰り入れを行うことなどもあわせ、これらの取り組みにおきまして、今後とも、私ども市場の財政の健全化に努めてまいりたい、そのように考えてございます。
○伊藤(興)委員 一層のコスト削減や、借地権を活用した用地貸付制度の導入による資産の有効活用など、企業努力によって財政基盤の強化を図ってきたということはよくわかりました。
まるで今の質問、決算委員会の質問のような感じがしますけれども、この委員会、ずっと築地市場、また、豊洲新市場の件で論議を進めてきたわけでありますけれども、私がいいたかったのは、この市場の会計、また、財政、これをしっかりと健全化の方向に向けていくということが非常に大事でありまして、決して築地のためだけでもなく、豊洲のためだけでもなく、しっかりと、十一の市場、これを私たち経済・港湾委員会として守っていく、また、支えていくということは重要な使命であるということを申し上げたかった質問でございました。
次に、築地市場の豊洲移転に向けた、市場事業者への支援について伺いたいと思います。
さきの公営企業決算委員会分科会の質疑の中で、公明党の小林議員が明らかにしたこともありますけれども、築地市場の水産仲卸事業者の、実に半数近くが赤字経営で、債務超過に陥っている事業者も相当数上っていることが明らかとなりました。
また、私たちは、参考人からさまざまな意見を聞いたわけでありますけれども、その意見の聴取の際にも、この十年間で、事業者の約二割以上の方が--事業者の数が減少している、こんなお話もございました。このままでは、知事の発言にあったとおり、極端にいえば、肝心な市場の担い手がいなくなってしまうということも現実に起こってしまうのではないかという心配も出てくるわけであります。
都は、市場業者の置かれた厳しい実態を把握して、これを支援策の検討に生かすため、今回、初めての取り組みとして、約千二十の市場業者に任意で参加を呼びかけて、個別面談を実施してきているところだと思います。本年一月末から九月上旬にかけて、約八カ月間にわたり、四百を超える事業者の方と個別面談を行った結果、厳しい経営の実態や個々の事情による事業継続の不安、そしてまた、移転資金、融資によるきめ細かな対応要望など、多数の声が寄せられていると聞いております。
今後、新市場への移転を円滑に進めるためには、今回、面談に参加してもらえなかった事業者の方々など、より多くの市場業者の声を聞く必要があると思います。都は、これから移転相談窓口を新たに設置すると聞いておりますけれども、この相談窓口で、どのように市場業者の意見や要望などを聞いていくのか伺いたいと思います。
○森本調整担当部長 東京都は、市場業者の方々が円滑に新市場での事業継続が図られるよう、新市場の施設整備や市場業者への支援策の検討に当たりましては、その実態を十分把握した上で、それぞれのご意見やご要望に丁寧に耳を傾け、計画にできるだけ反映させることが重要であると考えております。
そのため、今後も、市場業者との個別面談を移転の進捗に合わせて適宜実施いたしまして、それぞれのご事情やご意見、ご要望を聴取した上で、市場業者の方々への支援策や新市場の施設整備に生かしてまいります。
また、先生からお話がありましたけれども、現在、市場業者の方々の移転に関する相談を随時受け入れられるよう、移転相談窓口を築地市場の場内に新たに設置する準備を行っておりまして、遅くとも今月末までに開設する予定でございます。
今回設けます相談窓口では、今回個別面談に参加いただけなかった市場業者の方々を初め、より多くの方々のご意見、ご要望、ご相談を受けられるよう、業界団体などの会合などで窓口のPRを行ったり、個別の事業者に対してチラシを配布して窓口の利用を呼びかけるなど、十分な周知を図った上で、市場関係業者の方の移転に係る不安や課題の解消に的確に対応してまいります。
○伊藤(興)委員 今月中に、築地市場内に、移転について常時相談できる移転相談窓口を設置する予定であるということでございました。答弁にもありましたけれども、より多くの事業者の方々に、特に、個別相談に来ていただけなかった、こうした事業者の方々にも多く利用していただけるよう、業界団体と連携してPRを行うなど、工夫をしていただきたいと思います。
また、相談内容については、顧客の新規開拓から後継者の問題、さらに公的融資制度の紹介など、多岐にわたるものと想定されるわけであります。相談内容によっては、弁護士や公認会計士などの専門家による既存の相談事業とも、しっかり連携をとって対応できるようにしていただきたいと思います。
今後、豊洲移転を具体的に進めるに当たっては、何よりも市場の担い手である事業者の意見、要望に丁寧に耳を傾け、効果的な支援策を実施していくことが、合意形成や円滑な移転を促進するものと考えます。都においては、こうした観点からさらに努力していただくことを強く要望しておきたいと思います。
最後に一つ、食肉市場の施設改修について伺いたいと思います。
BSE対策の一環として、ピッシング中止のために行った大動物と畜ラインの改修工事によって、職員の作業の安全性に十分配慮するとともに、業界が要望する枝肉の肉質の向上が図られたと聞いております。
一方で、過日の食肉市場業界からの平成二十三年度東京都予算に関する要望書では、ピッシング中止工事のために大動物棟のA、Bラインの係留所が縮小してしまって、翌日等にと畜を予定している、いわゆる預かり生体の受け入れが困難な状況となっていることなどから、係留所を拡張してほしいという要望が出されております。そこで、大動物A、Bラインの係留所の拡張についての取り組み状況と、今後の対応について伺いたいと思います。
○大朏市場政策担当部長 食肉市場の大動物棟A、Bラインの係留所の拡張につきましては、大型車両の動線確保の問題、あるいは地中埋設管の問題がございますことから、大幅な拡張を行うのは大変難しい状況にございます。
取り組み状況でございますが、平成二十一年度に基本設計を実施いたしまして、十数通りの案を検討いたしました。その上で、検討の経過と最終的に実現可能な拡張工事案、これは南西角のスロープの係留所化でございますけれども、この工事案につきまして関係者に説明いたしまして、現在、大筋でご了解をいただいているところでございます。
今年度は、引き続き実施設計を行い、具体的な工事内容を詰めまして、来年度の工事実施につなげていきたいと考えております。
○伊藤(興)委員 今年度は実施設計を行って、来年度から工事に着手できるように準備を進めていただいているということでございました。業界からの要望については、今後も可能な限りしっかりと対応していただけるよう要望したいと思います。
いずれにいたしましても、今後、第九次の卸売市場整備計画に基づく各市場の個別課題への対応など、中央卸売市場においては課題が山積しております。卸売市場は、生鮮食料品を都民に対して安定的に供給することを使命とし、都民の食生活を支える極めて重要な施設でありますから、市場におかれましては、こうした課題に引き続きしっかりと対応していただけるようお願いいたしまして、質問を終わります。
○清水委員 最初に、築地市場の老朽化、耐震化の問題をお伺いいたします。
築地市場の建物は、民間部分を含めて全体で延べ約三十二ヘクタールです。このうち、築地再整備計画により建築した部分九ヘクタール、築年数三十年未満の建物一・五ヘクタール、耐震改修で耐震性を確保した建物三・五ヘクタールなどを合わせて、約十五ヘクタールあり、全体の約半分以上が耐震性を確保できているかどうか不明ということになります。
そこでお伺いいたします。都は、耐震改修促進法に基づき耐震化に取り組んでいるといいますが、築地市場内にある、法に該当する施設で、いまだに耐震性が確保されていない施設、耐震性が確保されているかどうか不明という施設はどのようなものですか。伺います。
○横山事業部長 耐震改修促進法では、卸売り場におきまして床面積が千平米以上かつ三階建て以上の建物の所有者に対しまして、耐震診断の実施と十分な耐震性の確保を求めております。
都はこれまで、築地市場内で該当する都有施設について耐震診断を行いまして、耐震性が十分でない施設を対象にいたしまして、順次、耐震化を進めてまいりました。
今、先生がおっしゃったように、それでもなお都有施設について耐震性が確保されていない施設といたしましては、実は、耐震工事によっても耐震基準が満たせなかった青果部の別館など三つの施設、それから、耐震工事の着工について関係者と協議中で、いまだ着手できていない水産物部の仲卸売り場九店舗など三施設、合わせて六施設の都有施設がございます。また、都有施設以外で、市場業者が所有する六つの冷蔵庫施設、これも実は耐震基準を満たしておりません。
○清水委員 市場として、耐震改修促進法で適用除外だからという理由で耐震性が確保されているかどうかも不明というものには、例えば買い荷保管所、市場関連棟もあります。その他民間施設もありますが、今、いわれていましたように、その多くは冷蔵庫で、冷蔵能力で見ると、築地市場では八割以上が民間施設となっています。したがって、市場機能は、基本的に耐震改修促進法で適用除外となるものと、民間施設も含めて成り立っていることになります。それらが地震で崩れたら、市場としての機能はしなくなります。
一方、「十年後の東京」では、防災上重要な公共建築物としており、東京都震災対策条例第十七条、同施行規則第八条で規定する防災上重要な公共建築物にも該当しています。市場内には、市場機能として重要な役割を果たしている民間施設があるが、市場機能として重要な都の市場施設もあります。ところが、今、お話がありましたように、耐震改修対象施設の対象外としています。
こうした方針は、オール都庁として、中央卸売市場を、防災上重要な公共建築物として耐震化し、二〇一五年までに耐震化率一〇〇%を目指すとしている方針と整合性がとれるのかどうか、お伺いいたします。
○横山事業部長 耐震改修促進法は、一定規模以上の施設について、その所有者が耐震診断を行って、耐震基準を満たさない場合には、その所有者が耐震化を実施する、そのように求めております。これを受けて策定されました東京都耐震改修促進計画におきましては、都有施設について、今、先生がおっしゃったように、平成二十七年度までに都が耐震化率一〇〇%を目指すということとともに、それ以外の民間施設につきましては、民間事業者がみずからの取り組みによって耐震化を進めるというふうにしております。
そこで、都は計画に従いまして、該当いたします都有施設の耐震化を今後とも進めてまいります。それに対して、場内の民間施設につきましては、これを所有する市場業者の責任で耐震化を進めるよう指導してまいります。
○清水委員 耐震化が進まないことを業者の責任にしているということは問題です。耐震を満たしていない施設を先ほど資料で出してもらいました。市場のそれぞれの施設は、既にこの資料からも、平成八年から十三年に耐震診断を終了していると聞いています。民間の部分は、業者の営業問題があり大変だというようなことでしたけれども、買い荷保管所、市場関連棟などは都の施設であり、耐震改修促進法の除外施設だからといって放置するのではなく、民間がやればいいというのではなく、耐震診断をして改修の計画をつくるべきではないですか。伺います。
○横山事業部長 今、お答えいたしましたように、繰り返しになりますけれども、耐震改修促進法というのは、所有者がみずからの施設の耐震診断を行って、それが耐震基準を満たさない場合に、みずから耐震化を実施するというふうに求めております。また、これを受けて策定されました東京都耐震改修促進計画におきましても、都有施設は東京都が耐震化を進め、民間施設は民間事業者みずからの取り組みによって耐震化を進める枠組みとなっております。法も、都の全局方針も、民間施設の部分はこれを所有する民間業者の責任で耐震診断を行って耐震化を進めていくとしていることからも、卸売市場におきましても同様に、市場業者の施設は市場業者が本来行うべきであって、特別に都がこれにかわって行う考えはございません。
○清水委員 先ほどお話ししましたけれども、市場内の民間施設というのは、多くは冷蔵庫です。冷蔵能力では全体の八割を占める。これが直下型地震などで使用不能になったら、市場機能が麻痺することになる。こうした部分の耐震化のために、先ほどの「十年後の東京」では防災上重要な公共建築物としているわけですけれども、じゃあ、冷蔵庫などが、防災上の公共建築物というふうに位置づけられないんですか。
○横山事業部長 防災上重要な施設であっても、東京都の公共施設は東京都が耐震化を進めます。同じように、民間の防災上重要な施設は民間が進めるという、そういう枠組みでもって耐震の法律が定まっていると。それ以外について権限がない中で、東京都が、民間の方について、市場内にあるからといって特別にそういうふうに耐震化をするということは、法律上は根拠はございません。
○清水委員 都民の台所としての市場機能を守るために全力を尽くすという責任を果たそうとしないことは、これは許されないことだというふうに思います。
七十年以上もたっているから老朽化が激しく、耐震化が不十分だからということを豊洲移転の理由にしています。そして、耐震化が満たされていない場所について、先ほどお示ししましたように、十年前からわかっていたのに、真剣な対策もとらないで移転の理由に挙げています。
私はこの間、二人の一級建築士の方、一人の方は構造計算適合判定員の資格を持っておられる方と、築地市場内を都の案内で視察しました。
その専門家の方々は、関東大震災後建築された中央郵便局、中央区の復興小学校など、現在残っているものは少ないようですが、計画も施設も震災を踏まえたしっかりしたもので、丁寧につくられているものです--同じく築地市場も、青果、水産の本館、卸売市場、水産仲卸場、旧棟についてずっと案内していただき、耐震の工事の場所なども示していただきましたが、その建築士の方々は、職人芸が各所に見られ、カーブに沿って整然とつくられた景観は見事だといわれました。耐震診断、耐震化への提言が、今どのようなものかを示していただいていないので、確定的にはいえないものですが、ほとんどのところは補強することでしっかりした建物になるのではないか、これまでの対応は応急手当てで済まそうという姿勢がうかがえる、メンテナンスについても中途半端なものが多いという感想でした。
そもそも中央卸売市場という、多くの業者が実際に営業している建物であるので、そういうことを前提にしてどのような耐震化を進めていくか、日常的な、計画的な保守、保全、メンテナンスを進めていくかは危機管理としての重要な柱であり、そういうものができていないこと自体、都の責任が問われるのではないですか。市場の事業概要でも、二〇〇八年からは築地市場の整備の部分が記載されていますけれども、その部分で耐震補強という言葉はなくなっています。都の姿勢が問われます。
そこでお伺いいたします。有害物質で汚染された豊洲への移転は、絶対に行うべきではありませんが、仮にそうだとしても、築地市場は、開場まで最短でも約五年は使うことになります。その間を考えても、施設の老朽化は限界とか、わずかな震度の地震でも屋根の一部が落下するまで老朽化しているなどと、みずからの施設整備の責任を棚上げした無責任な対応は許されません。移転を前提に多くの業者が営業し、多数の車、人が動いていることを理由に、改修そのものを応急的に済まそうという姿勢は許されません。その姿勢を改めるべきと考えますが、どうですか。
○横山事業部長 今、先生からるる、いろいろお話しいただきましたので、ちょっと長くなりますけれども、最初に、冷蔵庫について若干誤解があると思いますので、申し上げたいと思います。
築地市場内にございます民間の冷蔵庫、確かに六つ、大型のものがございます。通常、場内につくるものというのは、施設管理については東京都に任せるということで、東京都が寄付受納するのが一般でございます。ところが、築地の場合は、なぜか民有の冷蔵庫施設がある。それは、卸さん、その他の団体さんが、みずからの都合でいろいろそれを活用したいという思いでもって、あえて民有施設にしているんです。
これを、例えば東京都に移管していただければ、東京都は責任を持って耐震診断、耐震化を行います。皆様方が、そういうことで民間施設のまま残すのは、やはりそれなりの営業上の理由があるからです。そういうことで、我々は手を出さないというだけの話であって、彼らはすべて、大手の卸会社の子会社が持っております。みずからやる能力のある方がいらっしゃるわけなので、そちらの方にゆだねるのが妥当であると思っております。
それから、概要等に記載あるなしにかかわらず、我々は、築地市場については、年間修繕経費、件数で二百件以上、それから経費で二億七千万近く、これは十一市場の中で実に三五%を占めています。それだけ、実は施設対応は頑張っております。そういう中で、今、行ってきているということをご理解願いたいと思います。
それで、今、姿勢の話を申しましたが、今、そういう形でもって我々は頑張っております。ただいま先生から、五年たてば豊洲市場へ移転できるという前提でお話をいただきましたけれども、その中で我々も、五年の間、市場業者が安心して働いて買い出しができるよう、老朽化した施設の劣化状況について監視を強化することで、危険な場所を早期に発見し、直ちに適切な補修を行うなど、これまでと同様、施設の維持管理に責任を持って全力を尽くしてまいります。
○清水委員 それでは、老朽化について聞きますけれども、前にも話題になりましたが、市場内のトイレの老朽化について、どう対応してきているんですか。
○横山事業部長 築地市場内のトイレでございますけれども、清潔な環境を保つように毎日二回清掃を行っているほか、巡回により故障等を発見した場合は速やかに補修するなど、市場関係者の使用に支障を来すことのないよう努めております。また、中には建設から年数が経過して、床ですとか壁の損傷、排水設備等の劣化が進んだために、場合によっては使用に支障を来すようなトイレもございますが、そういったトイレにつきましては、抜本的な改修工事を行うことによりまして、設備の老朽化にも対応してまいりました。
現在、築地市場には、市場で働いている有志の方々から成ります築地をきれいにする会がございまして、トイレを含めた場内の美化活動に積極的に取り組まれております。今後、こうした市場関係者の方々とも連携しながら、これまでと同様に、市場のトイレの維持管理に努めてまいります。
○清水委員 今、整備しているというふうなお答えがありましたけれども、九月二十六日の特別委員会の小委員会の参考人質疑で、ある自民党の議員の方が、その友人の方がイタリアのレストランの経営者で、トイレの話をして、もうトイレに入るのも汚くて、衛生上も本当にというような言葉を出して、いっているわけです。今いわれたのと、これ、違うじゃないですか。
○横山事業部長 築地には大変多くのトイレがございます。どの部分のトイレを見ていったのか、私はわかりません。ただ、トイレの問題は衛生上の基本でございます。そういうものについては、たとえ古くても清潔な状況は必ず保たないといけないというのは、これは原則でございますので、トイレについては、どういう状況であろうが、古くても、どんなに見ばえが悪くても、衛生状況を保つということでもって我々は対応しております。
○清水委員 直ちに清潔で使いよいものに整備する必要があると思いますので、そういうところがあれば、直ちに整備することを求めるものです。
次に、土壌汚染対策について伺います。
我が党は、これまで専門家の意見などを踏まえて、適用実験が欠陥実験であることを繰り返し指摘し、このまま土壌汚染対策を進めていけば、安心・安全な生鮮食料品の供給という面で重大な瑕疵が生まれるという警告を発してきました。都の土壌汚染対策についても、科学的な裏づけのない欠陥対策だという厳しい批判について、第三回定例会の代表質問に対する答弁を見ても、何の反論もできていないのは東京都です。
それにもかかわらず、十月二十二日の石原知事の記者会見では、何の論証もなしに、土壌汚染対策は日本の先端技術をもってすれば克服できるという結論が出ている、それへの科学的反論はないといいました。そればかりか、情報公開を拒み、日本環境学会など専門家との公開討論、汚染対策の検討もしようとしていません。
そこで何点か質問したいと思います。
まず、詳細調査で対象にした土壌は、東京ガスの旧地盤面から不透水層までの土です。我が党の推計によれば二百八十六万立米で、そのうち、汚染が見つかって処理対象としようとしているのは二十九万立米で、わずか約一〇%です。これでは多くの部分に中高濃度の汚染が残される危険が高くなっています。なぜなら、豊洲新市場予定地の土壌汚染の特徴は、中高濃度汚染が広範囲にわたって点在しており、既に行った調査の判定では汚染が残る危険が大きいからです。
そこで伺います。都の土壌汚染対策の基本は、これまでの調査で汚染の有無を判定し、該当部分を対策するということですけれども、これまでの調査だけで汚染の有無を判定したのでは、汚染の見落としがある危険が極めて高いということになるのではありませんか。伺います。
○臼田基盤整備担当部長 豊洲新市場予定地におけます汚染状況の把握に当たりましては、土壌汚染対策法が定めます最小調査区画でございます十メートルの区画で、敷地全域にわたる四千百二十二地点すべてを調査してございます。調査に当たりましては、土壌汚染対策法に定めます土壌調査に加えまして、専門家会議の提言も踏まえ、地下水中の汚染状況についての調査もあわせて行ってございます。地下水を調査することによりまして、地下水中に溶け出す物質を把握することで、区画全体の汚染状況を把握したところでございます。さらに、土壌や地下水に汚染が検出された箇所につきましては、深度方向の調査も実施いたしまして、こうした調査を重ねることによりまして、確実に豊洲新市場予定地における汚染状況を把握しているため、汚染を見逃すということはございません。
○清水委員 今、いろいろいわれましたけれども、四万三千倍の汚染が見つかった後の専門家会議では、専門家の方々は、非常に高濃度のところが点々と散在しているという特徴があると指摘をしました。また、専門家の参考人質疑でも、豊洲の土壌の特徴として、小規模、高濃度の汚染が点在するということを指摘しています。八月の技術会議でも、汚染分布が均一でない、高濃度汚染が局所的に存在するといっています。小規模、高濃度の汚染が点在というのは、都の選出した専門家の意見です。
次に、東京ガスの汚染対策後に四万三千倍の汚染が見つかったことについては、我が党の文書質問に対し、都が行った調査は、東京ガス株式会社が行った調査とは方法が異なるから汚染物質の存在が確認されたと答弁しています。要するに、東京ガスの調査は三十メートルメッシュだったが、その後、十メートルメッシュで詳細に調査したので検出されたということになります。詳細にすれば、まだ汚染が見つかる可能性があるということを示しています。今回の実験でも、それを実証するかのように、これまでの調査ではベンゼンが環境基準の八・四倍とされていた地点が、七百倍であったところがありました。都のいい分を覆す多くの事実、専門家の多くの指摘を突きつけても科学的な検証もしようとしない、都の対応は全く非科学的対応です。
都は、詳細調査で全面的に調査したかのようにいっていますが、これまでの四千百二十二地点の調査も不十分なものです。なぜなら、四千百二十二地点の、深さ方向で土壌汚染調査をした地点は、土壌汚染対策が成功したと都が繰り返しいっている、東京ガスが一度汚染対策をしている地表面から深さ五十センチの土壌が環境基準を超えた地点か、地下水調査で環境基準の十倍を超えた地点だけです。しかも調査した物質は限定したものです。
そこでお伺いいたします。不十分ながらも、汚染対策を実施した地点で調査物質も限定している、これでは汚染が見つかる確率は極めて小さい。つまり、これまでの調査を前提に土壌汚染の有無を判定するということは極めて危険だということですが、どう考えますか。お伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたように、東京ガスが対策した部分のみ五十センチの土壌調査を行ったというわけではございません。地域全域にわたりまして、四千百二十二地点すべての調査を行ってございます。
土壌汚染対策法に基づきます調査は、まず、調査区画について、土地の利用状況ですとか有害物質の使用状況などを踏まえまして、汚染のおそれのない区域を除き、汚染のおそれの大小により、十メートル、あるいは三十メートルという区域で設定していくものでございます。
一方、専門家会議によります詳細調査は、最初から、最小単位の最も厳しい十メートルメッシュで、表層における調査に加えまして上乗せとなる調査、地下水の調査を行い、地下水で汚染が確認された地点では、さらに深度方向にボーリング調査も実施し、平面、鉛直方向の汚染を確実に把握しているところでございます。
こうした、法を上回る手厚い調査によりまして、豊洲新市場予定地における汚染は確実に把握しており、その上で、専門家会議は科学的知見に基づく対策を取りまとめてございます。専門家会議は、詳細調査の結果によりまして、全域に高濃度の汚染が広がっているわけではなく、その範囲は極めて限定的であり、深さ方向についても全体が汚染されているわけではないと評価してございます。
○清水委員 詳細調査によって、相対的に汚染のひどいところについての全容を把握したということをいいましたが、しかし、詳細調査で環境基準を上回らず、地下水汚染も十倍以下だったところでも、その後行った二〇〇九年の地下水調査では、ベンゼン千二百倍が出たということを指摘しておきます。二〇〇九年の百十七条調査の結果です。都は、汚染を見逃している危険が強いということを厳しく認識すべきです。
次に伺いますけれども、土壌汚染対策工事を今後どのように進めていくのか。都は、その内容は汚染対策の詳細設計の中で決めていくといっています。少なくとも、これから土壌を掘削するすべての地点については、掘削するのですから、改めて土壌汚染調査をすべきです。そうすれば、その地点の汚染だけでも、これまでよりはっきりすることになります。これから土壌処理対策をとる地点について、土壌処理対策をする前の土壌汚染調査を再度行うべきだというふうに思いますが、どうですか。
○臼田基盤整備担当部長 さきにご答弁いたしましたように、これまでの調査におきまして、豊洲新市場予定地の汚染の状況については確実に把握しているところでございます。こうした調査結果に基づきまして、技術会議で有効性を確認していただいた技術を用いて処理を行い、環境基準以下へと浄化していくことから、対策前に土壌汚染の調査を再度行うということは必要ないということでございます。
○清水委員 せっかく調査ができる機会ができる。専門家も、中高濃度の汚染について指摘しています。都民からも、汚染が残る危険がないかと心配する声があります。それにもかかわらず、大丈夫かどうかにかかわる調査もしない。全く許せないことです。
ことし一月からの適用実験の教訓に立てば、各地点について改めて調査して、どのような調査をするか決めなければ、処理対策自体が誤った対策を選択することになると思います。
これまでの調査で、ベンゼンが四万三千倍のはずが二・七倍、八・四倍のはずが七百倍もあったではありませんか。初期値を隠して処理が成功したと発表し、さんざん都民から批判されてきたことをもう忘れてしまったのですか。
次に伺います。これから始まる土壌汚染対策の詳細設計の問題は、そのほかにもあります。今回は、埋め土、盛り土にかかわる問題についてはっきりさせていきたいと思います。
技術会議提言の埋め戻し、盛り土の考え方にかかわることです。都のパンフレット、DVDなどでは、東京ガス操業時の旧地盤面からA.P.二メートルまでは、すべてをきれいな土に入れかえますといっています。しかし、技術会議の報告書では、A.P.二メートルからA.P.六・五メートルまでの埋め戻し、盛り土として、埋め戻しには、汚染物質を処理し無害となった土壌、他の公共工事で発生する土砂、仮置きした既存の盛り土、購入土を利用するとしているだけで、きれいな土とはどのようなものかを明確に規定していません。
先ほども他の議員にお答えになっておりました、都が盛んに、きれいな土というものに、欠陥実験で無害化を確認したとする対策で行った処理後の土を使ったり、欠陥検査で搬入したような盛り土を使ったりすることは、食の安全・安心を求める都民としては絶対に認められません。
そこで、改めて確認しておきますけれども、盛り土、盛り土の下の旧地盤面からA.P.二メートルまでの土、A.P.二メートルより深いところの土それぞれについて、具体的にはどのような土を想定しているのか。汚染処理した土、公共工事の発生残土も含め、きれいな土として利用するのかどうかお伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 専門家会議、あるいは技術会議は、食の安全・安心を確保する観点から、盛り土や埋め戻しの土を含め、土壌汚染対策の提言を行ってございます。
盛り土につきましては、提言に基づき、すべての盛り土について百立米、百立方メートルごとに二十五物質の調査を行いまして、きれいな土のみを利用し、再盛り土をするということとしてございます。
また、A.P.四から二までの間につきましては、提言に基づきまして、汚染の有無にかかわらず、すべてきれいな土と入れかえることとしており、埋め戻しに使用いたします土は、技術会議報告書に示されているとおり、汚染物質を処理し無害となった土壌、他の公共工事で発生する化学性状試験を終えた土壌、仮置きしたきれいな盛り土、あるいは購入土、こういうものを利用して埋め戻すこととしてございます。
さらに、A.P.二以深、A.P.二より深いところの埋め戻し土につきましては、提言に基づきまして処理済み土壌を活用することとしております。この処理済みの土壌につきましては、安全性を確認した上で活用するということでございます。
都は、こうした技術会議の提言に基づきまして確実に土壌対策を行うことで、食の安全・安心を確保してまいります。
○清水委員 今、お答えがありましたけれども、結局きれいな土といっても汚染処理後の土であり、欠陥検査で搬入したような公共事業からの土砂も含まれるということです。都民の食の安心・安全よりも、土壌汚染対策費を安く済まそうということです。本当にあきれてしまいます。
では次に、汚染されていることがわかった盛り土の汚染調査と処理対策です。
五街区、七街区の汚染されている六十五万立米の盛り土について汚染調査を進め、汚染が見つかったところについては除外するから問題ないとしています。
そこでお伺いいたしますが、この盛り土の汚染調査について、八月の技術会議の提言では、百立米ごとに二十五物質について行い、汚染が見つかった場合には、汚染土壌は処理し、きれいな土を盛ること--技術会議報告書のその2で書かれています--となっているだけで、今後の具体的な進め方は詳細設計の中で検討としています。今後、盛り土の汚染調査方法と汚染土壌の処理方法について、だれが、どこで、どのように決定していくのですか、お伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 盛り土につきましては、技術会議報告書におきまして、化学性状試験、あるいは土地利用履歴等によりまして、汚染のおそれがないものと判断されてございます。
また、今月公表されました都市整備局の豊洲土地区画整理事業におけます建設発生土の受け入れに関する調査報告書によれば、搬入された土の安全性は確保されていると報告されてございます。
このことから都は、盛り土は安全であると判断しておりますが、その一部におきまして、搬入時における試験が内規どおり行われなかったことから、市場用地の特殊性を考慮いたしまして、技術会議の提言に基づき、念のため百立米、二十五物質の調査を行うものでございます。
調査方法につきましては、工事の全体工程との調整を図る必要がございますので、今年度発注いたします詳細設計の中で具体的な検討を行うこととしてございます。
○清水委員 ずっとその答弁じゃないですか、今後検討、検討という。
技術会議で提言している六街区の盛り土、旧地盤面からA.P.二メートルの埋め土、盛り土として使う、公共工事で発生する土砂について伺います。
盛り土汚染の問題は、第一に、詳細調査時の調査基準、十メートルメッシュに一回に従えば、本来なら二十回調べるべきところを一回で済ませてきたこと、もともと十メートルメッシュ、百立米を対象にした土壌汚染調査でも汚染を見逃しているのに、それを二千立米に一回の調査で、盛り土の安全性のチェックについてよしとして搬入を認めたことです。
その二は、先ほどご答弁にありましたが、二千立米に一回の調査のチェックさえもサボって、全体の三〇%も搬入させてしまったという受け入れ時の問題がありました。
そこでお伺いいたしますが、もともと市場は、これまで豊洲への盛り土の搬入について、この二千立米に一回の調査でよしとしてきたのですか。
○臼田基盤整備担当部長 盛り土を行いました都市整備局によりますと、平成十四年当初から、それまで臨海部で適用されておりました受け入れ基準に定めます試験頻度を強化いたしまして、二千立米、二千立方メートルごとに一回、三十四項目の試験を実施しておりました。
また、土壌汚染対策法の施行を受けまして、お話の平成十六年十月に受け入れ基準を改定し、試験項目をさらに強化し、四十四項目に追加したものでございます。このような調査を確実に実施することで、盛り土の安全性は確保されるというように考えてございます。
○清水委員 盛り土の汚染原因について、八月の技術会議の報告書その2で、完全に原因を特定することは困難であるというふうにいいましたよね。この盛り土の汚染原因について市場は徹底調査して、その考えられる原因を整理し、絞っていく必要があるのではないですか。特定する必要があるのではないですか、お伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 基本的に、盛り土は搬入時に実施されました化学性状試験や、今月、都市整備局が公表いたしました受け入れ調査によりまして、安全と判断してございます。
一方、専門家会議の詳細調査におきまして、ガス工場操業時の地盤面から上位五十センチの盛り土についても調査を行ったところ、盛り土全体の約三%に当たります三十地点で環境基準を超過する汚染が確認されたところでございます。
技術会議におきましては、この原因といたしまして、地下水の上昇や工事車両の巻き込みなどが原因として考えられるが、特定することは困難であったという見解を示してございます。
このため、盛り土につきましては、八月の技術会議の提言に基づきまして、市場用地の特殊性を考慮し、念のため百立方メートル、二十五物質の調査を行い、安全性を確認いたしまして、万が一汚染が見つかった場合には、汚染土壌は処理いたしまして、きれいな土を盛る。したがいまして、原因を整理して絞っていく調査を行う必要はないものでございます。
○清水委員 今のご答弁だと、汚染の原因を特定するような検証もしない。都市整備局の調査結果についても、その報告について黙認する。結局、市場の盛り土の汚染の原因が何によるものかについて、調査も検証もしないということになるのではないですか。
技術会議は、盛り土の汚染の原因として有力なものは、先ほどもお示ししましたが、当初、地下水位の上昇などが影響だといっていました。だとすれば、汚染された盛り土を除去したとしても、再汚染の可能性を否定できません。
一方、よそから土を持ってきても、市場用地としての厳密性をもって安全が確認される保証もありません。だからこそ、原因を特定することが必要だといっています。困難だからこそ、科学的に検証していく必要があるということです。それさえしないで、困難だといって調べようとしない姿勢は許せません。
もともと、汚染地下水による再汚染は、調査のたびに新たな汚染が見つかっていることについて、都議会の参考人として意見陳述した畑氏は、土壌は再汚染したとの意見を述べています。一方、都は、権威ある専門家の見解として、汚染地下水があっても土壌が汚染されるとは限らないとの見解をとっています。しかし、この都の見解に立ったとしても、汚染しているところの原因については何の見解も示していないことになります。
さらに、一般的には、地下水による再汚染は広くとられている見解です。しかも、その権威ある専門家は、盛り土の汚染について、七月二十二日には、地下水位の上昇などが影響という説をとっていました。そもそも、都が、汚染地下水があっても土壌が汚染されるとは限らないとの見解をとっている根拠は何ですか。
○臼田基盤整備担当部長 技術会議では、盛り土の汚染原因は、地下水の上昇や工事車両の巻き込みなどが考えられると先ほどご答弁させていただきましたが、完全に原因を特定することは困難であると見解を示してございます。
お話の汚染地下水と土壌汚染の関係につきましては、豊洲新市場予定地で行った深さ方向の土壌ボーリング調査で、地下水が汚染されているにもかかわらず、ガス工場操業時の地盤面から不透水層上端まで土壌が全く汚染されていない地点があるということから、汚染地下水があっても土壌が汚染されるとは限らないと専門家の委員から見解をいただいておりまして、都も同様に考えてございます。
○清水委員 私が紹介したのは、異なった見解もあるんですと。そういう異なった見解があるならば、どちらの説が有力なのか科学的に検証するというのが科学的立場じゃないんですか。
これから盛り土することになる六街区の盛り土、また旧地盤面からA.P.二メートルの埋め土、盛り土でも、他の公共事業で発生する土砂を使うことが技術会議の報告書に書かれています。
先ほど、この埋め土、盛り土に、豊洲区画整理事業における建設発生土が対象になることを確認しましたが、その土の受け入れ基準は、豊洲土地区画整理事業における建設発生土の受入れ基準等検討委員会が今後決めることになっています。しかし、その議論は非公開で進めるとしております。
また、委員には守秘義務が課せられていて、今回のような問題が起きても公表できないように縛りがかかっています。そのメンバーには、都市整備局が出した報告書によりますと、建設業協会、建設発生土を受け入れる企業、都市整備局技監、学識経験者は首都大の教授、技術会議で非科学的な発言を繰り返した長谷川氏などです。
このような委員会で、都民が安心・安全だなどと納得できるわけがありません。公共工事で発生する土砂を受け入れる当事者として、食の安心・安全を求める都民、市場関係者の立場に立って、厳しくこの委員会を再構成するように求めるべきです。どうですか。
○臼田基盤整備担当部長 先ほど、都市整備局が設置いたしました委員会についてはご答弁いたしましたけれども、委員会の委員の選定につきましては、都市整備局によりまして適切に選定されていると聞いてございます。
○清水委員 それもできないんですか。盛り土汚染の一つの要因として、建設発生土の中に汚染があったのではないかということがいわれているのに、今後の対策として、二度と同じ過ちを繰り返さないために、絶対に建設発生土、残土からの汚染の搬入はないようにするということをしようともしていません。
そこでお伺いいたします。今後進められる汚染処理対策などの詳細設計についても、公共発生残土の受け入れの検討委員会についても問題が多く、このままでは都民は到底納得できません。今後の土壌汚染対策の詳細設計について、環境学会の専門家、市場関係者、都民を含め、情報をオープンにして、客観的、科学的に進めるよう求めるものですが、見解を伺います。
○臼田基盤整備担当部長 情報の公開につきましては、これまでも土壌汚染調査の結果や実験データ、会議資料等につきまして情報をオープンに提供しておりまして、今後も都民への情報提供を行っていくことにしてございます。
ご指摘の詳細設計につきましては、工事発注に必要な図面の作成、あるいは数量計算、施工計画を策定するものでございまして、詳細設計は契約にかかわることでございますので、公表することはできないものでございます。
○清水委員 そういう、もともと公開できないもののことをいっているんじゃないんです、私は。
最後に、地下水管理についてです。
地下水浄化の適用実験では、報告データを見ると、遮水壁と有楽町層とでは遮水されていないことがわかります。水はポンプで抜けないなど、地下水管理できるかどうか基本的なデータが把握されていません。地下水浄化実験では、遮水壁で囲った外の水位が、遮水壁の中の井戸の吸引に伴って徐々に低下しているからです。都は、この遮水壁外の隣接した井戸の水位がともに低下していることについて、どのように分析していますか、お伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 お話の地下水浄化処理は、対象区画を綱矢板という鉄の板で仕切り、地下水の流れが生じない状態といたしまして、区画内の汚染地下水を揚水いたしまして、清浄水を復水するという作業を繰り返すものでございます。これによりまして、環境基準以下に浄化していくというものでございます。
今回の地下水浄化処理実験におきましては、綱矢板の遮水効果を確認するために、隣接区画の水位を測定してございます。その結果、揚水いたしました五日間で、隣接区画の水位が約三十センチ低下してございます。これは、地下水位の測定を開始した前日に雨がございまして、測定開始後、晴天が続いていたことから、降雨の影響で一たん上昇した地下水位が平常時の水位まで下がったというように考えてございます。
○清水委員 それはおかしいですよ。蒸発による水位の低下だといいましたけれども、そうであるならば、日中の水位の低下が激しくなるはずなのにデータはそうなっていません。さらに、明らかに遮水壁内の水位の上へと連動しています。
土壌汚染対策法でも区域指定を解除するために、地下水のモニタリングを二年間していくというのが都の方針です。問題は、都が、地下水位の高低差や地下水の流れの影響を受けないなど、豊洲の地下水の実態について非常に単純化して対策がとれるとしていることです。地下水管理については、専門家も都議会の参考人質疑で絵にかいたもちだと酷評しています。
今回の実験では、もともと東京都は実験の目的を地下水を浄化できるかどうかに限定し、地下水管理を行う上で重要なデータを把握すべきなのに、分析していないという問題があります。技術会議での地下水管理システムの話も管理システムの話が中心であり、現場の土壌、地下水、地下水の流れなどを分析することについての議論は皆無に等しい。
お伺いいたしますが、地下水管理について、そもそも水位の勾配、遮水の困難性、不透水層の遮水性などとともに調べていないではないですか。
○臼田基盤整備担当部長 お話の水位の勾配でございますが、動水勾配というものでございます。豊洲新市場予定地におきましては、各街区の周囲に遮水壁を設けまして地下水の流出入を防止いたします。こうして地下水の流れが生じないような状態とするために、水位の勾配は生じないというものでございます。
また、遮水につきましては、新市場予定地では道路側に鋼管矢板によります遮水壁を築造いたします。護岸側にはソイルセメントと遮水材を組み合わせた新構造の遮水壁を設置することといたしております。このうち、鋼管矢板の遮水壁につきましては、中央防波堤外側の処分場などにおきまして多数の施工実績がございます。また、新構造の遮水壁につきましても、鶴見の遊水池などで使用実績があるものでございます。これらにつきまして、技術会議におきましても実効性や施工性にすぐれた技術と評価してございます。
さらに、不透水層についてでございますが、専門家会議では、透水係数や地質の状況、不透水層の厚さなどを確認した上で、極めて水が通しにくいとしてございます。このような遮水壁によりまして水の流れがない状態をつくった上で、地下水管理に必要な地下水位、水の高さ、あるいは地下への浸透量については、平均降雨量のデータなどをもとに推計しているところでございます。
地下水管理システムの構築に当たりましては、お話のような新たな調査は必要ないと考えてございます。
○清水委員 富山のイタイイタイ病では、地下水は三十年余りたってもきれいになっていません。熊本、新潟の水俣病、富山のイタイイタイ病など四大公害病裁判では、厳しく企業責任を追及し、あわせて行政に対しても強い反省を求めるものになっています。
例えば四日市裁判の判決では、人間の命、体に危険のあることを知り得る汚染物質の排出については、企業の経済性を度外視して、世界の最高の技術、知識を動員して防止措置を講ずべき、いかなる手段をとっても被害者を出すことは許されないというものです。これは、四大公害裁判の教訓として環境省の環境白書でも紹介されているものです。
これに対して、都の対策は、二重、三重、四重に非科学的です。このままでは百年の悔いを残すことになります。豊洲新市場移転を進めるための予算執行は中止し、築地での再整備を進めることを求め、質問を終わります。
○西岡委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時五十一分休憩
午後六時十一分開議
○西岡委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○田の上委員 質問も最後の方になってまいりましたので、多少重複している部分がございますが、ご了承ください。
十月二十六日に第九次卸売市場整備基本方針が発表されました。そこには、食の安全や環境問題等の社会的要請への適切な対応という文言が入っています。卸売市場は、生鮮食品等の卸売を行う場であるということを前提とし、一層の努力が必要と考えます。
本日も、東京都の調査データなどをもとにした質問を中心に質疑させていただきます。
先ほども出ましたけれども、十月二十二日の定例記者会見などで、石原都知事が、土壌汚染は深刻な問題ですけれども、日本の先端技術をもってすれば克服できるという結論が出ているわけです、それに対して、科学的な論拠を構えての反論は一向に聞こえませんと発言しています。
技術会議は、第一回から第十二回までずっと非公開でございました。十三回目でようやく公開になったけれども、質疑応答さえなかったことを覚えております。反論は聞こえてきませんというか、聞こうとしなかったのではないでしょうか。
第九次卸売市場整備基本方針には、生鮮食料品等の安全、衛生上適切な環境にある地域であることとあり、今後、何が安全で適切な環境なのか、しっかりと見定めていく必要があります。土壌汚染対策法は、最低限ここまでの調査をしなさいというような法律であり、実際に安全とは何かということについては、都民とのリスクコミュニケーションが求められているのだと考えております。
以前、地下水のモニタリングのお話などもさせていただきました。モニタリングの二年間を待たずに建設工事に入るということでしたが、土壌汚染対策法の指定区域が解除され、農林水産省が認可しなければ、実際の開場は難しいと考えます。
昨年九月、赤松元農林水産大臣が、安全が確認されなければ、法違反の状態が解消されなければ認可することはあり得ないと発言しました。その後の山田前農林水産大臣も、鹿野大臣も同じスタンスであると聞いております。農林水産省の安全に対する認識について、市場はどのようにとらえているのでしょうか。
○野口新市場事業計画担当部長 生鮮食料品を取り扱います卸売市場におきましては、食の安全・安心の確保は最も基本的な使命であると考えております。
新市場の開場に当たりましても、卸売市場の安全性の確保は当然必要なことであり、この認識は、都も国も変わりはないものと考えております。
都といたしましては、専門家会議、技術会議が科学的知見に基づき、あらゆる角度から詳細に検証した信頼性の高い対策を確実に実施することで、生鮮食料品を扱う市場用地としての安全を確保してまいります。
○田の上委員 第八次卸売市場整備計画、二〇〇五年、平成十七年でございました。このときは東京ガスが汚染対策を行っていたわけですが、どのように農林水産省に報告していたのでしょうか。
○大朏市場政策担当部長 経過を申し上げます。
都は、平成十三年十二月、第七次東京都卸売市場整備計画を策定し、築地市場の豊洲地区への移転を決定しております。平成十六年十月、都は国に対し、豊洲新市場の開設時期、施設内容等を記述した第八次中央卸売市場整備計画の関係資料を提出いたしました。その後、国は、平成十七年三月、築地市場の豊洲地区移転を含む中央卸売市場整備計画案を作成いたしました。この計画案につきまして、同年三月に農林水産大臣から東京都知事あて、卸売市場法第五条第三項の規定に基づく協議がございまして、東京都知事から農林水産大臣あて、この計画案を了承するとの回答を行いました。これを受けまして、国は、三月末に中央卸売市場整備計画を公表いたしました。
都は、国の整備計画に即して、同年十一月に東京都卸売市場整備計画を策定し、この中で、築地市場を豊洲地区に移転する、豊洲新市場を平成二十四年度開場を目途に整備するといたしました。そのことは、卸売市場法第六条第四項に基づき、都の整備計画を公表するとともに、農林水産大臣あてに提出しております。
この間、豊洲新市場予定地の土壌汚染につきましては、対策の内容と着実に対策を講じることを報告してございます。
○田の上委員 第八次は、第九次のように安全という言葉はないものの、生鮮食品等の衛生上適切な環境にある地域であることと基本方針に書かれております。つまり、立地について書かれております。
先ほど、土壌汚染については、対策の内容と着実に対策を講じることを報告しているとおっしゃっていましたが、どのように農林水産省に報告されたのでしょうか。
先ほど、伊藤ゆう議員の質問で、財価審のところでも出てきましたけれども、このころ、平成十五年に土壌汚染対策法ができています。第八次のときは、もちろん東京都の環境確保条例の十三年指針で東京ガスが対策をしています。十五年指針もあったけれども、対策をしている時期というものがあったので、平成十年から十四年ということで、十三年指針ということでやったのかと思います。
このことも含めて、農林水産省に報告されているのかをお尋ねいたします。
○大朏市場政策担当部長 国に対しましては、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策は、従前の地権者である東京ガス株式会社が環境確保条例に基づき実施すること及び対策の内容と実施時期などを、担当者が直接出向きまして報告してございます。
○田の上委員 そうしますと、環境確保条例は十三年指針で行われたということが報告されているんでしょうか。
○大朏市場政策担当部長 繰り返しになりますが、豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策は、東京ガス株式会社が環境確保条例の手続に従い実施することを担当者が報告しております。
なお、当時、都の職員が農林水産省に出向きまして説明していることは確認してございますけれども、そのやりとりの内容につきましては、正確な記録が残っておりませんので、大変申しわけございませんが、正確なお答えはいたしかねます。
○田の上委員 この第八次卸売市場整備計画というのは、先ほど来出てきていますが、豊洲新市場をつくっていくということ、築地市場の廃止ということがうたわれているわけであります。
ここで、平成十五年に土壌汚染対策法、こういったものがあるのにもかかわらず、法未満のものだと困るわけです。こういったところで農水省がきちんと把握しているかどうかというのは非常に重要な点になります。今わからないということですが、また今後お調べいただきたいと思います。
続きまして、ことし四月施行の改正土壌汚染対策法について伺います。
改正土壌汚染対策法では、掘削除去に伴う搬出汚染土壌の適正な処理が記載され、事前届け出から処理基準違反時の措置命令や汚染土壌管理票の交付、保存の義務などがなされています。
汚染された土壌の処理に関して、残土処分場や埋立地における不適正事例が顕在化しており、掘削除去が増加していることを踏まえ、これらの不適正な処理を防止するため、適正な処理の基準や是正措置を規定すべきと指摘されています。つまり、搬出によって汚染が拡散されないように規制したものであります。
豊洲の新市場予定地では、操業地盤面から深さ二メートル分をそっくりきれいな土と入れかえることになっています。四十ヘクタールの土地でございますから、二メートル分ざっくり計算すると八十万立米ぐらいになります。その下になります深い部分、A.P.二メートル以下は汚染部分を除去いたしますが、いずれにしても、環境基準の十倍以下というところは新海面処分場に運ばれることになっています。
汚染の処理量は、以前の議事録などで二十九・四万立米ということをおっしゃっていましたので、単純にいくと七十万立米ぐらいなのかなというふうに思いますけれども、正確な数字はわかりません。これからまた盛り土の調査、対策というのもあるので、正確なところはわかりませんけれども、相当な量が新海面処分場に運ばれるということになります。
土地の形質変更に当たって、土壌汚染対策法で指定されると、これは当然、改正土壌汚染対策法の範囲に入ってくるわけでございます。この膨大な土の搬出、処理についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○臼田基盤整備担当部長 四月に改正されました土壌汚染対策法におきましては、汚染土壌の運搬や処理につきまして、特定有害物質の飛散等を防止するため、いわゆる指定区域内の土を区域外に搬出する場合には、汚染土壌の処理について、法に基づきます許可施設を有する汚染土壌処理業者が行うことと規定されております。
豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策工事の際に、土の搬出や処理につきましては、法の規定に沿いまして適切に行うこととしております。具体的なことにつきましては、詳細設計の中で検討していくことにしてございます。
○田の上委員 今までは新海面処分場で埋め立てということを考えていたと思います。これから詳細設計の中で考えていくということなので、しっかりとお願いしたいと思っております。
土壌汚染対策法の区域指定になるということになれば、当然搬出規制がかかり、環境基準値以下にするというのが原則であるというふうに聞いております。この七十万になるか、もっとになるかわかりませんけれども、基本的に拡散しないという理念をしっかりと考えて、対策をしていただきたいと思います。
改正土壌汚染対策法では、自然由来の重金属も対象になりました。自然的原因、人為的原因を問わず、人の健康への被害を防止するために、特定有害物質に対処することになっています。
東京都では、もともと工場操業由来の七物質のみを調査、対策対象としていますが、自然由来ということを考えたときに、この立地のことも考えますと、海水などの影響から硼素や弗素など、新たに調査、対策の対象になるのではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 先ほどご答弁させていただきましたとおり、改正法におきましては、対策の基本的な考え方といたしまして、土壌汚染の摂取経路を遮断するための封じ込め対策を講ずることとされてございます。
これに対しまして、豊洲新市場の予定地においては、操業に由来する汚染七物質すべてを除去するとともに、自然由来については封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性に全く問題はございません。
土壌汚染対策法の改正によりまして、人の活動に伴って生ずる汚染に加えて、自然由来の汚染についても法の対象となりましたが、自然由来の汚染は、汚染土壌の搬出、運搬、処理に関する規制等の観点から対象外としたものでございまして、掘削除去等の対策を求めたものではございません。
また、専門家会議は、過去の東京ガスによります調査、対策結果を踏まえまして、ガス工場操業に由来いたします七物質による汚染はすべて除去することとしており、そのうち、砒素、鉛については、土壌溶出量が環境基準値の十倍以下を目安に、自然由来として封じ込め対策を講じることとしております。
この専門家会議の提言に基づきまして、着実に土壌汚染対策を行うことで、一生涯この土地に住んだとしても人の健康への影響はなく、生鮮食料品を扱う市場でも、食の安全・安心が十分確保できるものとなってございます。
したがいまして、調査が必要と考えられます特定有害物質は、過去の東京ガスの調査や対策の結果と専門家会議の科学的な知見も踏まえまして、操業に由来いたしますベンゼン、シアン化合物などの七物質であり、お話の硼素や弗素についての調査は行う必要はございません。
○田の上委員 土壌汚染対策法というのは、汚染のおそれがあるかどうかというところで調査の対象が決まってまいります。平成二十年の二月に、六街区で地表水の水質調査をしていますが、リッター当たり硼素〇・四ミリグラム、弗素〇・三ミリグラムを記録しております。土壌溶出の環境基準は、硼素リッター当たり一ミリグラム、弗素はリッター当たり〇・八ミリグラムです。概況調査から深度方向の調査に進んだほかの物質、このとき、砒素やベンゼン、六価クロムも、地表水だととても小さい値になっています。つまり、硼素や弗素が、土壌溶出量調査でもっと高い値が出てくる可能性があるのではないでしょうか。私は、このおそれという観点からすれば、十分対象になるのではないかと考えますが、再度ご見解をお聞かせください。
○臼田基盤整備担当部長 汚染の濃度が薄い場合のおそれということでございますけれども、環境省作成の土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン暫定版によりますと、自然由来とは、砒素、鉛など重金属八種類のうち、土地の履歴などを検討し、土壌溶出量で環境基準値の十倍以下であり、かつ全量分析値がガイドラインの目安の範囲内にあるものでございます。
専門家会議の豊洲新市場予定地におけます対策は、環境基準値を超過するベンゼン、シアン化合物、カドミウム、水銀、六価クロム及び十倍以上の砒素、鉛を操業に由来する汚染といたしまして、深度方向の調査を行った上で、すべて除去することとしてございます。
一方、自然由来でございます十倍以下の砒素、鉛につきましては、深度方向の調査を行うことなく、二メートルの土の入れかえ、二・五メートルの盛り土やコンクリート、アスファルトで封じ込める対策を講じることで、土壌汚染対策法が求める安全性は十分満たしてございます。
専門家会議の提言を確実に実行することで、市場用地としての安全・安心を確保してまいります。したがいまして、お話の、濃度の薄い物質につきまして、深度方向の調査を行う必要はございません。
○宮良新市場整備部長 ただいまの、ガス製造に起因します、操業に由来する物質の措置については、担当部長がご説明したとおりです。
今、ご質問の中の硼素、弗素など、そういうお尋ねだと思います。これは操業由来の物質ではありません。仮にそういった自然由来の硼素、弗素があったとしても、専門家会議の提言、この対策は何かというと、工場操業地盤がA.P.四とお話ししています。四から二、そこは全部入れかえて盛り土をする。仮にそういった弗素、硼素、自然由来がありましても、その下にありますので、完全に封じ込めができてます。そういった面で、法律--法律というのは土壌汚染対策法、また、具体的には食の安全・安心の観点からも、十分安全性が確保できると考えております。
○田の上委員 おそれがあっても、薄い物質だと調査もしないということでございます。それでまとめてしまっていいのかなというふうに甚だ疑問でございます。
先ほど来、七物質についてずっとお話がございます。当然ご案内かとは思いますが、工場操業由来として対象となっていた七物質、この中にも自然由来として考えられる物質がございます。自然由来として考えられていた物質というのは、概況調査で環境基準の十倍以下だった場合、自然由来として深度方向の調査がなされませんでした。砒素と鉛が自然由来というふうに考えられていたと聞いております。
今回のこの改正法によりまして、操業由来だとか自然由来だとかの壁がなくなるわけでございます。四千百二十二カ所のうち、十倍以下で検出され、深度方向の調査がされなかったところがたくさんございます。こういったところを深度方向にボーリング調査する必要があると思いますが、ご見解をお示しください。
○臼田基盤整備担当部長 操業七物質のうち、砒素と鉛を自然由来の物質といたしました理由でございますけれども、砒素、鉛につきましては、土壌汚染対策法の施行についてという環境省の通知に基づきまして、土壌溶出量が十倍を超えた場合、あるいは土壌含有量が目安を超えた場合のいずれかに該当する場合に操業由来といたしまして、どちらにも該当しない場合には自然由来と判定してございます。
自然由来につきまして深度方向の調査が足りないというお話でございますけれども、繰り返しになりますけれども、操業に由来する汚染七物質はすべて除去するとともに、自然由来につきましては封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性に全く問題はございません。
専門家会議の豊洲新市場におけます対策は、環境基準を超過する七物質につきまして、深度方向の調査を行った上で、すべて除去することとしております。一方、自然由来につきましては、十倍以下の砒素、鉛について、深度方向の調査を行うことなく、四・五メートルの盛り土で封じ込めの対策を行うことで、土壌汚染対策法が求める安全性は十分満たしております。
専門家会議の提言を着実に実施し、市場用地としての安全・安心を確保してまいります。
○田の上委員 先ほど来、専門家会議でこの七物質というものが決められたというようなお話がございます。専門家会議では、基準を超える操業に由来する汚染を除去するというような表現になっておりますが、技術会議では、操業由来や自然由来に関しての議論はなかったように私は思っております。
環境基準値の十倍以下で深度方向の調査がされなかったところは、数えてみますと、土壌溶出量で三百三十七カ所、土壌含有量で四十二カ所、地下水で二百七カ所になります。
今、お配りした資料の一枚目、二枚目がございます。東京ガス対策後土壌汚染分布平面図(ヒ素・溶出量)というものでございます。
これは砒素の場合でございますが、鉛の図もございます。このときは、皆さんご存じのとおり環境確保条例ということですので、三十メートルメッシュの調査でやりました。十倍以上の環境基準超過というのが出たところが赤になっているんですが、これはもう対策後の図なので、今はこの図では消えております。区画でいうと四カ所ほどございました。この残っているピンクの部分が、環境基準を超えているんだけれども十倍以下だというところでございます。
下の方に表があります。その次の二枚目のページにも表があるんですけれども、これは断面図のようなものでございます。先ほど、東京都の対策は、操業地盤面以下二メートルは掘削してきれいな土と入れかえるということでございました。また、もちろん、そのさらに深い部分は汚染部分を除去して処理いたします。
今まで自然由来として深度方向の調査が行われず、対策の対象とされなかった砒素や鉛は、その深い部分に汚染が残っております。東京ガスの対策のときには、環境基準以下であっても調査がされていたわけでございます。
左の方に、HとかIとかありますけれども、その横に〇・五、一・〇、二・〇などと数字がございまして、深さを表していますが、深い部分にもピンク色が残っているのがわかるかと思います。つまり、二メートル部分を除去しても、その下に汚染が残るということでございます。
ただ、先ほど来部長が、封じ込めをするので大丈夫だということでございました。下に汚染は残るけれども、封じ込めをするから、アスファルトなどで覆うから、盛り土で覆うから大丈夫だということだと思います。
ちょっと一つ疑問がございます。最近いただいたこのパンフレットなんですけれども、この中には、最後のところに、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去しますとなっております。この実験のときのパンフレットでございます。確実に除去すると東京都がいっているわけでございます。残って封じ込めるとは書いていません。このパンフレットでうたっているとおりに、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去するべきではないでしょうか。調査はもちろん、対策までしっかりと行うべきではないでしょうか、ご意見をお伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 繰り返しとなりますが、操業に由来します汚染七物質はすべて除去すると。自然由来は封じ込めを行うなど、改正土壌汚染対策法を上回る対策を講ずることから、安全性には問題がございません。
お話の、自然由来となる環境基準の十倍以下の砒素、鉛についてでございますが、法が求める厚さ五十センチメートルの盛り土を上回る二メートルの厚さの土の入れかえと、その上に、きれいな土によります二・五メートルの盛り土やコンクリート、アスファルトにより確実に封じ込める対策を講じることで、法が求めます安全性は確保されるとともに、市場用地としての食の安全・安心も確保できることから、調査等は行う必要はございません。
○田の上委員 そうしますと、このパンフレットに書かれています砕石層の下のところで、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は確実に除去しますという言葉は違うということですね。修正して刷り直した方がいいんじゃないかというふうに思います。
先ほど、山崎委員のご質問にお答えになっていましたが、結局、この改正土壌汚染対策法で、東京都の調査というのは何か変わる部分というのはあるんでしょうか。
○臼田基盤整備担当部長 パンフレットをお示しされまして、汚染物質をすべて除去するというお話でございましたけれども、先ほど来ご説明しておりますように、操業に由来する汚染七物質はすべて除去する、それから、自然由来については法に基づく封じ込め対策を行うということで、法を上回る対策を行っていることから、安全性に全く問題はございません。
したがいまして、改正土壌汚染対策法によりまして、東京都が行います対策の変更はございません。
○岡田中央卸売市場長 これまで私は、たびたび議会においてご質問にお答えさせていただきました。
東京都といたしましては、東京ガスのガス製造、いわゆる操業に由来する汚染物質をすべて除去しますと、こういう考え方でおりますという形をご説明させていただきましたので、今回のパンフレットにおきましても、いわゆるガスをつくる工程で生成された汚染物質について除去しますということをご説明させていただいたわけです。
それから、先ほどのこれですが、これはもちろん、専門家会議のときからの考え方をそのままお示ししてあるわけでございまして、こうした中には、先ほど部長がご説明申し上げましたとおり、いわゆる操業由来を取って、自然由来については、そういった中について自然由来があるということを当然のことながらやってながら、こういった対策を講じるという形に専門家会議のときからなっていまして、それを踏襲した絵というふうに考えてございます。
それから、先ほど先生からご説明いただきましたけれども、改正土対法があることによって何か対策が変わるのかということでございますけれども、私どもは、先ほどご説明させていただきましたように、対策は、改正土対法があったとして、いわゆる自然由来の汚染物質の範疇に入ったとしても、それも含めて土壌汚染対策法の改正にも十分対応できるだけの対策になってるというふうに考えてございますので、私どもとしては、今後もその対策を着実に実施して、市場としての安全性を確保してまいりたいと、このように考えております。
○田の上委員 あんまり細かいことを申し上げてもあれですけれども、パンフレットが二十二年十月発行となっていまして、改正土壌汚染対策法がことしの四月施行ということでございます。自然由来についても、当然考慮してパンフレットをつくるべきではなかったかなというふうには思います。
今、お考えを伺わせていただきましたが、自然由来の物質に関して調査を行わない理由には、項目数がふえると汚染対策の費用がかさむということもあるんでしょうか、お尋ねいたします。
○臼田基盤整備担当部長 費用がかさむために自然由来の調査、対策を行わないのかというお尋ねでございますけれども、自然由来につきましては、先ほど来ご説明申し上げておりますとおり、封じ込めを行うということが基本的な対策法でございます。この封じ込めを行うことによりまして、法に基づく対策を満足するということで、安全性に全く問題はないことから、調査を行わないものでございます。
○田の上委員 先ほど来対策のことをお答えいただいております。土壌汚染対策法にのっとった形の自然由来の物質の調査ですね、調査が大切なんですけれども、ここの調査をしないで形質変更時要届け出区域の指定の解除ができるんでしょうか。東京都は解除をするつもりがないのか、お聞かせください。
○臼田基盤整備担当部長 先ほど対策というお話をさせていただきましたが、調査と対策は一対のものと考えてございましたので、調査も対策も行わない、自然由来については封じ込めが原則だということでございます。
区域の指定につきましては、先ほどご説明させていただきましたけれども、自然由来の残るところにつきまして、形質変更時要届け出区域という指定になります。この届け出区域につきましては、ご説明申し上げましたとおり、人への影響は直ちに及ぶものではないということで、措置を行う必要がないという区域でございます。
○塩見管理部長 最初といいますか、山崎先生のところで臼田部長が答弁いたしましたが、本年四月一日から土壌汚染対策法の一部を改正する法律が施行されました。その中で、改正した具体的な内容の二点目としまして挙げましたんですが、汚染状態にある土地について、人の健康に被害が生じるおそれがある場合については要措置区域、被害が生ずるおそれがあるとはいえない場合等については形質変更時要届け出区域に、それぞれ分類されて指定されることになったということでございます。
これを受けまして、規制対象区域については、都が土壌汚染対策を実施した後も自然由来の物質が存在する区域は届け出区域に分類されることとなりますが、当該区域は土壌汚染の摂取経路がなく、人の健康被害が生ずるおそれがないため、汚染除去等の措置が不要な区域でありまして、再三申し上げておりますとおり、二重三重の封じ込めを行うことにより、安全性については全く問題が生じない、そういうものでございます。
○田の上委員 対処法ではございませんで、調査をしないで指定解除ができるのかどうかという認識を伺いたかったんですが、お答えいただけなかったようでございます。
農林水産省の認識についても、先ほどお伺いいたしましたが、本当に認可を出すのかどうか懸念するところでございます。
改正土壌汚染対策法の施行についての通知によると、地下水汚染が生じているとすれば地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる区域とは、特定有害物質を含む地下水が到達し得る範囲を指し、特定有害物質の種類により、また、その場所における地下水の流向、流速等に関する諸条件により大きく異なるものである、地下水汚染が到達する具体的な距離については、地層等の条件により大きく異なるため、個々の事例ごとに地下水の流向、流速等や地下水質の測定結果に基づき設定されることが望ましい、それが困難な場合には、一般的な地下水の実流速のもとでは、以下の一般値の長さまで地下水汚染が到達することが考えられることから、これを参考にして判断することとされたいなどとして表が記されております。
地下水対策をするに当たっては、地下水の動きを把握することが求められていますが、いまだに東京都は、地下水は移動していないという認識なのでしょうか。
○臼田基盤整備担当部長 地下水の移動についてでございますが、専門家会議は、この地域は地下水の動きが非常に遅く、護岸で地下水を制御しているという関係で、実際のところほとんど動いていない状況であるという見解を示してございます。
また、敷地全域を十メートルのメッシュで地下水の汚染状況を調査した結果、専門家会議では、高濃度のベンゼンで地下水が汚染されている地点のすぐ横の区画、ここで地下水が汚染されていないことも多く、一般的な事例に比べまして、地下水汚染は広がっていないという見解を示してございます。
したがいまして、地下水の動きは非常に遅いものだと考えてございます。
○田の上委員 確認でございますが、盛り土の汚染については技術会議の報告書などで先ほど来出ていますが、降雨などの影響によるということもおっしゃっていますが、地下水が上昇して再汚染する可能性があるというふうにお考えですよね。
○臼田基盤整備担当部長 専門家会議が提言いたしました調査によりまして、盛り土から環境基準を超える汚染物質が、調査全体の三%に相当する三十地点で検出されたことにつきまして、盛り土内に地下水が上昇してきている区域で汚染を検出していることなどから、地下水の上昇などが影響したと考えられるが、完全に原因を特定することは困難であるとの見解が示されてございます。
こうしたことから、都は、技術会議の提言に基づきまして、百立米ごとに二十五物質の調査を行い、安全性を確認し、万が一、汚染が見つかった場合には対策を講じまして、きれいな土により盛り土を行って、市場の安全性を確保してまいります。
○田の上委員 少しは動いているということをお認めになっているんだと思いますが、環境省が監修し、社団法人土壌環境センターが編集した「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説」というものがございます。その中には、特定有害物質を含む地下水が到達し得る一定の範囲の考え方というものが記載されています。国が示す一定の範囲というのは、地下水の実流速が年二十三メートル程度の状態、つまり、帯水層の透水係数が三掛ける十のマイナス三乗センチメートル・パー・セカンドというものなんですけれども、毎秒三掛ける十のマイナス三乗センチメートルです。
ところで、八月の連合審査会のときにご答弁があったんですけれども、今回の実験で、地下水の浄化に関しまして地盤の透水係数を把握しております。その透水係数を見ると、土壌汚染対策法が決めています十のマイナス五乗の十倍程度、非常に水を通しにくい、流れにくいと、そういうことを確認しておりますということでございました。実験では、マイナス五乗の十倍程度ではなく、五十倍ほどの透水係数が出ております。この数字というのは、決して水を通しにくいわけではないと考えております。
この一月から七月までの土壌汚染対策の実験のときのデータでございますが、ここを見ると、透水係数は地下水実験地点のナンバー十四というところですが、ここで毎秒五掛ける十のマイナス六乗メートルとなっています。センチメートルが基準なので、直すと五掛ける十のマイナス四乗センチメートルということなんですが、これを環境省がいう一般的な一定の範囲に当てはめて計算してみました。地下水の実流速をVとして、透水係数掛ける動水勾配割る有効間隙率ということで計算しました。東京都の実験の場合は係数が出ていないので、一般的な動水勾配の二百分の一というものと、有効間隙率の〇・二というものを使い、計算しました。すると、毎年十五・七メートル動くという計算になりました。
以前、詳細調査で見つかった場所だけの対策ではなくて、全域で地下水対策をするべきではないかということや、遮断水壁の範囲を区画ではなくて、専門家会議で提案されたように、街区という広い範囲で行うべきではないかと主張させていただきました。このような形で数字が出てくるんですけれども、しっかりと地下水の動きを見て対策を行うべきではないでしょうか、ご見解をお伺いいたします。
○臼田基盤整備担当部長 二つお話があったかと思います。
一つは、環境省監修のガイドラインのお話で、透水係数から流速が求められるというものでございますが、このガイドラインの中の計算式は、一般的に地面がつながっているような土地ですね、一般的な地下水の動水勾配ですとか有効間隙率から求められる数値でございまして、豊洲新市場のように周りを護岸で囲まれて遮断されているような地理的な条件、あるいは土質条件などから、この計算式が適用できるものではないと考えてございます。
それから、地下水対策を行うべきではないかということでございますけれども、豊洲新市場予定地におけます土壌汚染対策では、まず、各街区の周囲に遮水壁をつくりまして地下水の流入を防止し、地下水の流れがないような状態といたします。その上で、処理対象の区画を綱矢板で囲みまして、地下水のみが汚染されている地点では、地下水のくみ上げ、復水を繰り返すことによりまして地下水の浄化を行い、土壌汚染がある地点については、土壌の掘削に合わせて地下水も処理、浄化してまいります。
今回の実験によりまして、地中に井戸を設置しまして、地下水の揚水を行った原位置微生物処理、あるいは地下水浄化処理におきまして、現地の透水係数を計測してございます。この透水係数によりまして、今後実施します対策工事を設計していくということでございます。
また、将来の地下水管理に当たりましては、遮水壁を街区の周辺に設置いたしまして地下水が流れない状況とした上で、地下水管理に必要な浸透量等について、降雨量等のデータから推計、計算していくというものでございます。
○田の上委員 いろいろご説明いただきました。動水勾配などは一般的なもので計算いたしましたが、豊洲の土地は勾配がないともいえないと思っております。専門家会議の資料にも地下水位観測結果というのがありましたが、降雨時の推移はA.P.六・五から二・五という形の勾配が出ております。そもそも地下水というのは、負圧方向に流れてまいります。もうご案内のことかと思いますが、海の方向、川の方向に向かって地下水が流れてまいります。護岸がありますけれども、現在の護岸は遮水仕様ではないので、海水面のA.P.ゼロメートルぐらいまで勾配が生じるんではないかというふうに考えます。
としますと、将来的な対策では遮水するような護岸を設けていくというお話ではございましたが、今までの調査の部分に関していいますと、A.P.マイナス四メートルより上、有楽町層より上の部分、全体の七割程度というのは、再度調査が必要なのではないかなというふうに考えております。ご見解があれば、お願いします。
○宮良新市場整備部長 今、委員から、水の流れ、水位差とかいろいろお話がありまして、例えば一年十五・七メーター移動の可能性があるというお話がありました。これについては、専門家会議の座長であります平田先生が、参考人招致のときに、同じようなご質問があったときにお答えしております。
というのは、どんな内容かといいますと、十メーターメッシュ、要するに十メーター隣で地下水の汚染状況を調べました。それで、汚染物質は地下水に溶けて流れるので、水の流れがあるとしましたら、ある一定の高いところから等高線上に十メーター隣り合う十メーターメッシュで地下水の濃度がだんだん下がってくるようなのが見えるはずだと。ですけど、実際に現地ではかってみますと、環境基準以上の地下水の濃度が出てる隣で、きれいなところもたくさん見受けられます。そういった具体的な現地の状況、調査結果を平田先生は見ていただいて、まさにそれが今お話しした、十メーターメッシュで地下水の濃度をはかると、それが地下水の流れをあらわしていると。その結果は、ほとんど流れていないということです。
ですから、今、お話ししたように、地下水の動水勾配とか方向とか細かくお話がありましたけど、現地で実際はかった結果がそういうふうになってます。その結果について、専門家の方にそういうコメントをいただいてます。東京都としても同じような見解を持ってます。地下水の流れは現状ほとんどないと。ゼロとはいいませんけど。
ただ、もう一つは、将来、対策をやるときには街区周辺に遮水壁を打ちますから、水の流れはなくなります。また、そういった中で、地下水はいろいろポンプでくみ上げたりします。そういったものの実験もやりました。そういったことで、もう具体的に対策は可能であると、そういったふうに私どもは認識してますから、一日でも早く対策を行っていきたいと、そういうふうに考えてます。
○田の上委員 先ほどの計算でいきますと、例えば十五・七メートルだと、年数がたちますと大分動くということになります。平成二十年の二月から四月に調査をしました、じゃ、そこから三年たって、平成二十三年に対策をしましょうというときに、単純に掛け算すると四十七・一メートル。もしかしたら四年後かもしれないので、そうすると六十二・八メートル動いてるということになります。区画で覆うとおっしゃっていますけれども、もう区画の外に動いてしまうのではないかなというふうに私は考えます。
また、専門家会議ということでおっしゃっていますけれども、この透水係数というのは、私は実験のときのデータを出させていただいたので、専門家会議のときには明らかになっていなかったのではないかなというふうに思います。このことも踏まえて、もう一度考え直すべきではないかと思います。
以前のご答弁では、次のようなこともおっしゃっていました。
汚染物質は平面方向で、まず、七物質全部について表層の土壌と地下水をチェックいたしました、その結果、検出された汚染物質について深度方向に調査しています、ということは、三次元的に全部の汚染状況を把握しているということでございます、そうしますと、今のお話の深度方向に違う物質が出るということはございませんとおっしゃっていました。
しかしながら、地下水の汚染状況を見れば、その周辺の土壌の汚染が完璧に把握できるものではないということがわかります。よく、パウンドケーキのレーズンのことだとか、スイカの種のことだとかを例に出す方がいらっしゃいます。表面に見えるレーズンが、必ずしもその真下にまたレーズンがあるわけでもなく、また、レーズンの真下には、ほかのドライフルーツが入っているということもございます。
ここでちょっと配布資料を見ていただきたいと思います。これは、六街区絞込調査分析結果というふうになっております。第一回技術会議の資料で配られたものでございます。本当はたくさんページ数がありまして、すべての街区についてあるんですけれども、一番わかりやすいので、この四万三千倍のベンゼンが検出された場所、六街区の部分、この一部をちょっと出して、皆さんにお配りいたしました。
問題の場所は、G10-4というところでございます。左端の上から六番目のところです。このピンクのところの四三〇・〇〇〇というのがベンゼンの四万三千倍のところであります。
一番最初の詳細調査、概況調査で表層土をチェックするんですが、これがマイナス〇・五メートルというところになっております。そこで四三〇・〇〇〇を記録しているのに、隣の地下水のところを見ますと水色になっています。NDと書かれている、ノーデータ、定量下限値以下であります。つまり、ベンゼン四万三千倍の地点は、地下水汚染では基準に満たない汚染であったので、もしこの表層土のマイナス五十センチのところで概況調査で見つからなければ、深度方向の調査には移行しなくて、したがって汚染は見逃されたというわけであります。これは、たまたま概況調査で四万三千倍の地点にぶつかっただけである。少しずれて、もし汚染が発見されなかったら、ボーリング調査なしの区画になっていたのではないかと思います。
これは、先日の実験のときにも四万三千倍という値が出てこなくて、二・七倍になったかと思います。やっぱり少しずれればもう値が変わってくる。もしこの土壌で見つからなければ地下水で見つかるかというと、そうではありません。土壌汚染があるのに地下水汚染が出てこない例は、もちろんこれだけではありません。シアンで八十倍の七街区のO23-7や鉛で十三倍の五街区のI36-3など、あちらこちらに見られるわけであります。つまり、すべては把握できません。このことを認識されるかどうかを伺います。
○宮良新市場整備部長 今、四万三千倍のベンゼンのお話がありました。ここは、専門家会議のときに、その周辺の状況を調べてみました。五メーター置きに東西南北四方向に土と地下水を調べまして、周辺はそんな濃度が高いベンゼンが出ておりません。
そういった状況も踏まえて、専門家会議がどういう判断をしたかといいますと、比較的浅いところの付近で、東京ガスの汚染の本質が、化学工場でベンゼンをつくって、ベンゼンの液体が汚染されてるわけじゃなくて、タールピッチ、要は油と一緒に--イメージしていただきたいのは道路の舗装のピッチですね。あれと一緒にベンゼンが取り込まれてると。比較的浅いところについては、そういう可能性があると。
なぜかといいますと、東京ガスが工場で使ってたわけなんですけど、土地利用の改変、例えば建物を建てたりするときに少し掘りますけど、それがせいぜい三メーターぐらいだという話もありました。そういったことを加味して、専門家会議では、対策の段階で、旧東ガスの地盤、A.P.四から二を全部入れかえると、そういうことで今、お話しした現象面、浅いところで四万三千倍が出てると、そういった対策を、その回答として土壌汚染対策の中に組み込んでいただいています。
そのほかは、やはり深いところは、そういった地下水で調べて汚染物質を把握していこうと。これについては、やはり先生方のコメントですけど、非常に有効な方法であると。私ども東京都もそういうふうに認識しております。
○田の上委員 ご説明いただきました。そういえば、先ほど清水委員の質問に臼田部長も答えていらっしゃいましたけれども、逆に、地下水に汚染があるのに、土壌に汚染が出ていないという例もあったかと思います。地下水の汚染調査と深度方向の土壌汚染調査というのは、必ずしも一致しないということであります。
今までにもデータをお示ししてお伝えしていますけれども、これも前にも出していますけれども、結局、土壌で調査した部分、出た部分を一〇〇%として数えて、じゃ、地下水でどれぐらい同じ物質が出てくるかということを計算してみますと、非検出というものが、ベンゼンの場合だと四割弱、そのほかの重金属だと三割弱出てくるということでございます。
先ほどのお話で、土地を二メートル分掘削して、新しいものにするということでございますが、この意図として、三次元的に汚染の状況を全部把握していることを認めているということなんですか。再度伺います。
○臼田基盤整備担当部長 今のご質問にお答えする前に、地下水の汚染の流れがありまして、その汚染が豊洲の地区外に出てしまうというようなお話がございましたけれども、地下水の移動につきましては、ダルシーの法則というんですが、vイコールkiという式であらわされておりまして、先ほど来、動水勾配がほとんどないということでございますので、幾ら透水係数があっても水は流れないということをあらわしておりますので、そのことだけはご理解いただきたいと思います。
それから、三次元ですべて把握されているかということでございますが、土壌汚染対策法につきましては、私ども、法律、あるいは科学的な知見に基づいて調査を行っているわけでございますけれども、土壌汚染の把握、それから、汚染によります人の健康被害の防止に関する措置を求めることによりまして、国民の健康を保護するということを目的に調査、対策を考えてきているわけでございます。
こういう法の定めに対しまして、専門家会議の提言に基づき行いました調査は、土壌汚染対策法で求められている表層土壌調査に加えまして、土壌中の地下水を採取、分析するなど、土壌汚染対策法の調査にさらに上乗せをした手厚い調査となってございます。
都は、こうした手厚い調査に基づきまして専門家会議で提言された対策を確実に実行し、人の健康被害に影響はなく、生鮮食料品を扱います市場におきましても、安全・安心を十分確保してまいります。
○田の上委員 二つお答えいただいたんですけれども、先ほど動水勾配がないとおっしゃいましたけれども、動水勾配のデータがないんですね。東京都の方でぜひ動水勾配のデータ、それからまた、有効間隙率のデータを出していただき、今後の詳細設計の中で詰めていただければいいんじゃないかというふうに思います。
それから、今、結局、根本的なところはお答えいただけなかったんですね。三次元的に汚染の状況を全部把握しているのかどうかということで伺ったんですけれども、お答えいただけなかったという形だと思います。
たしか、ことしの一月の経済・港湾委員会の参考人招致のときに、専門家会議の平田座長さんがいらっしゃいました。そのときに、地下に汚染があっても、液状化対策をきちんとやれば、現実にはふたをされるという旨の発言をされております。つまり、すべてを完璧にできるわけではないということを認めていらっしゃるのではないかと思います。その上で、対策が完全でないなら、液状化対策をしっかりと行うべきであるというご主張だと思います。ご見解をお示しください。
○宮良新市場整備部長 平田先生、専門家会議の座長に提言していただいたのは、操業に由来する土壌中の有害物質、それから地下水の有害物質、それは表層、表面からいろいろ盛り土したり何かしますけれども、工場操業地盤から不透水層までの間の話です。あとは、たしか仮の話だと記憶しておりますが、そういった不透水層から地表面に向かって、そういった層のところ、五、六、七街区で違いますけど、深さ大体五メーターから九メーターくらいありますけど、そこの場所の区間の土、あるいは地下水の中の有害物質を全部きれいにすると。その上で、万全な液状化対策、要は地震対策をすれば、どんな地震が来ても--それは極端な話、ありますけど、阪神・淡路級の地震が来ても、不透水層の下がどうあっても、不透水層の下からいろんなものが--それは汚れてるとはいいませんけど、不透水層の下から地震の揺れによっていろんなものが上がってくる可能性はないと、そういった万全の地震対策をすると、そういうことで私たちは理解しております。
○田の上委員 もし、有楽町層より上をみんなきれいにしていただけるんだったらいいんですけど、東京都の対策はそうではないんだろうなというふうに思っております。このきれいな土と入れかえた二メートルの下の部分を除去するというところで終わりなので、その下のところまでは把握できない。先ほども申し上げましたけれども、環境基準十倍以下の、砒素の断面図見たってそうなんですけれども、残ってしまうということでございます。そういったことも考えるべきではないかと思います。
そもそも、土対法の調査というのは完璧ではないというふうに思います。十メートル掛ける十メートルのメッシュでの中で、コップたった一杯のサンプルです。一杯もないぐらいの、半分とかそのぐらいのサンプルなので、その調査というものは完璧ではない、把握できないということをきちんと前提にして対策を立てていくのが筋ではないかというふうに思っております。
一月から七月に行った土壌汚染対策の実験でございますが、当初の落札価格六億六千万円、消費税を入れると六億九千三百万円ということで伺っております。東京都は、実際にどれくらいかかると当初見込んでいたんでしょうか。
○臼田基盤整備担当部長 今、お話しの設計額でございますが、見積もり等をもとに、都の積算単価などを用いまして算定しておりますが、これは、契約にかかわる事項でございますので、具体的な数値の公表は控えさせていただきます。
○田の上委員 十月の特別委員会のときに、実験にかかった費用は九億三千万円ということでございました。六億六千万円という落札金額から考えると、九千万でもいいんですけれども、三億円ぐらい膨らんだというわけでございます。今までほかの委員会の中でも指摘させていただいてますが、盛り土の汚染の調査だとか、いろんな不確定要素が多い中、土壌汚染対策費がこれからまたふえていくんではないかというふうに考えられます。
マスコミや専門家は、既にブラウンフィールドについて懸念していますけれども、環境省によると、土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来その土地が有する潜在的な価値よりも著しく低い用途、あるいは未利用となった土地をブラウンフィールドというふうにいっているんですけれども、このブラウンフィールドについて、いかがお考えでしょうか。
○臼田基盤整備担当部長 お話のブラウンフィールドでございますけれども、これは、土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来その土地が有します潜在的な価値よりも著しく低い土地利用、または未利用となった土地のことをいう言葉でございます。
豊洲新市場予定地では、専門家会議、技術会議から、人が生涯この地に住み続けても健康への影響はなく、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を十分確保する万全な土壌汚染対策を取りまとめていただいてございます。こうした土壌汚染対策を確実に実行し、安全な市場用地として整備を推進していくことから、ブラウンフィールドにはなり得ないと考えてございます。
○田の上委員 つまり、東京都が買うから未利用地にはならないということなのかと思います。
社団法人土壌環境センター会員企業に聞いた環境省アンケート調査で、土壌汚染対策費がその土地の二〇%から四〇%を超えると、土地売買が不成立になる可能性が多いという形で記載されています。技術会議の資料でございます。
豊洲の土地代というのは、今のところ千二百六十億円に七百二十億円足して、一千九百八十億円というふうになります。先ほどの財価審の議論を聞いていると、今後どうなるのかなというふうに思いますが……。また、五百八十六億円も膨らむかもしれませんけれども、現在の段階で考えると二九・六%でございます。危険水域といわれる三割、三〇%にもうかなり近くなり、これから土壌汚染対策費が膨らんでいくと、どのぐらいになっていくのかなというところであります。
先ほどの、専門家会議の平田先生に聞いたこともあるんですけれども、土壌汚染対策というのは、今の技術をもってすればできるんだと、ただ、東京都さんがどこまでやるかというようなことをおっしゃっていたかと思います。私もそのように思っております。やられるんだったら、しっかりと汚染対策をする。ただ、コストは今以上にかかってしまう。想像以上にかかってしまう。でも、それはやればやるだけ土地の価値というか、メリットというのは下がってまいります。
また、逆に、現在の東京都の対策のように土壌汚染対策費を抑えようというふうにすると、やっぱり汚染は残ってしまうんではないかなというふうに思います。先ほど来、いろんな議論をさせていただきましたが、どうしても残ってしまう。これだけの広さの土地というのは、四十ヘクタールというのは、ほかに都内で見つからなかったといってきたけれども、やっぱり食を扱う市場ということを考えたときに、さまざまな視点からいろんな方の意見を聞きながら、責任を持って、これから検証していっていただきたいというふうに思っております。
時間がないので、ここで終わりにします。
○山口委員 それでは、いろいろ質問がなされてきたわけでありますが、私からは、まず、先日お話しされた大田市場並びに北足立市場の照明設備改良工事、また、食肉市場ボイラー貯湯槽取りかえ工事、これにかかわる契約工事案件の再発注等の案件について、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
そもそも、今回のこの契約事務手続の誤りとはどのようなことだったのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○塩見管理部長 都におきましては、入札価格が不当に低価格であると、工事品質の低下など、契約の内容に適合した履行が確保されない懸念があることから、あらかじめ都の設定した最低制限価格未満で入札した者を排除する、いわゆる最低制限価格制度を導入しておりますが、今回、この最低制限価格の算定を誤ったものでございます。
この最低制限価格は、予定価格の内訳から、直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費等の経費をもとに一定の基準で算定することとなっておりますが、工事の種類によりましては、直接工事費から現場管理費相当額を差し引いて算定するなど、算定の基礎となる額の扱いが一部異なっております。そのため、契約担当職員の算定基準に関する理解の不足から、直接工事費から現場管理費相当額を控除せずに算定を行ってしまったため、最低制限価格等が本来の額よりも高い額で算定されることになりまして、結果、三工事案件について、誤って設定された最低制限価格等によって入札を行ってしまったものでございます。
○山口委員 これにかかわる他の職員の方々が、疑おうにも、気づこうにも、この根本の算定が違っていたというわけでありました。
では、この契約事務手続に誤りがあったことがどうして発覚したのか、その経緯を伺いたいと思います。
○塩見管理部長 契約事務担当者が、新たに契約準備を始めた他の同種の工事案件におきまして最低制限価格の算定を行った際に、工事の種類によっては算定方法が異なることから、当該工事案件における取り扱いについて改めて確認しましたところ、担当者みずからのこれまでの認識に誤りがあったことが判明したものでございます。
そこで、契約部署全体で既に契約を終えておりましたすべての工事案件について再確認を行った結果、三工事案件で最低制限価格等の算定を誤っていたことが判明したものでございます。
○山口委員 この契約事務担当の方が、自分自身で違和感というんでしょうか、別の契約を機に、そもそもみずからの認識に誤りがあったことに気づいたということでありましたが、これはとても恐ろしいというか、考えられないことなんですよね。つまり、気づかなければどうなっていたのか。経験がある、これは浅いではなくて、絶対にこれはあってはならないことだというふうに私は認識しています。
そこで伺いたいんですが、この契約事務を行う際の確認体制というものは、どのようになっていたんでしょうか。
○塩見管理部長 契約事務を行う確認体制でございますが、契約担当部署などでは、事務処理手続の過程で、仕様書の内容の確認や積算金額等の検算など、組織的に複数の職員によるチェックを行っておりました。
今回のケースに即していいますと、最低制限価格の算定については、契約担当部署で算定式を記載した計算シートを用いて、積算内訳書から算出の基礎となるそれぞれの経費を代入して計算を行っておりますが、今回、先生もご指摘のように、そもそも適用する算定式を誤ったものでございます。
この確認につきましても、事務担当職員だけでなく、契約担当係長など複数の職員によって検算等のチェックが行われておりましたが、適用する算定式そのものの確認が十分ではございませんでした。
なお、このことにつきましては、工事の種類によって、どの計算シートが適用されているのか一目でわかるように既に改善したところでございます。
○山口委員 既に契約を締結した工事案件で、事務手続の誤りが判明したということでありましたが、なぜ再発注することとしたのか、お伺いしたいと思います。
○塩見管理部長 契約事務手続におきましては、誤りがあった契約をそのまま継続することは、契約制度への信頼を失墜させ、また、公平公正な競争を確保する上でも適正ではないため、契約の主管局でございます財務局のほか、法務関係部署等と相談の上、契約制度に対する公平公正の観点、工事の進捗状況、市場業務に与える影響、都民に与える損害の度合い等、個々の案件ごとに総合的に判断いたしまして、今回の三件の契約のうち、二件については再発注を行うこととしたものでございます。
○山口委員 これ、安易ではないんですよね。本当に再発注するにせよ、数限りなく、これからどんな障害が出てくるか、まだわからないわけであります。
今はまだ交渉の段階、過程でありましょうから、答えは出ないのかもしれないし、また、難しいのかもしれませんけれども、それでは、再発注を行う上で、事業に影響なく、スムーズかつ適正にこれは行われるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○塩見管理部長 再発注することといたしました二件につきましては、工事予定の照明設備は耐用年数を経過しておりまして、また、市場業者等の協議を踏まえて工事の実施等を約束していることから、市場業務への影響を及ぼさないためにも、早期に工事を行う必要があると考えてございます。
このため、請負業者に対しては、できるだけ都の契約に対する方針をご理解いただいた上で協議解除を進め、早期に再発注を行うことで事業の遅延を最小限にしてまいりたいというふうに考えております。その際、請負業者からは損害賠償の請求がございますでしょうから、それに対しましては、法令等にのっとりまして適切に対応してまいる所存でございます。
また、再発注に際しましては、今回の事態を教訓に契約事務を適正に執行し、公平公正な入札の確保に努めてまいります。
○山口委員 伺っておきたいんですが、この再発注を行うことによる損失の経費というのはどれぐらいになるんでしょうか、お伺いします。
○塩見管理部長 協議解除に伴い、請負業者から損害賠償の請求があった場合は、契約約款におきまして、契約を解除したことにより損害を及ぼしたときは、その損害を賠償するとしておるところでございます。この損害賠償の範囲は、工事着工前であったため、契約書に添付した収入印紙代、入札、履行保証保険への加入に伴う保険代、図面、資料等の印刷代などが考えられますが、現在、請負業者と協議解除を進めているところでございまして、法令等にのっとり適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○山口委員 現在、その損失の経費というものはまだ明らかになっていないわけでありますが、これは、しかるべき時期に明らかにしていただけますでしょうか、お伺いしておきます。
○塩見管理部長 いわゆる損失の経費につきましては、現在、請負業者と協議を進めておりまして、すべての損害の賠償額が確定し、その契約請負業者の了解が得られました段階で明らかにしていきたいと考えてございます。
○山口委員 入札参加者においては、今回の件で落札価格の予想がついてしまうんではないかと懸念するわけでありますが、この状況で公正な再入札は可能なんでしょうか、お伺いします。
○塩見管理部長 再発注した場合、工事内容が全く変わるわけではございませんが、工期や単価などを精査の上、新規の工事として起工し、改めて入札参加希望を受け付け、入札を行うことになります。
都では、最低制限価格の設定金額自体を、契約締結後においても一切公表していないことから、今回の工事案件における最低制限価格も特定できないものでありまして、改めて入札に参加する事業者は、工事ごとに設計図書をもとにしてみずから積算を行い、品質確保等ができる適正な入札価格を算定する必要がございます。
また、今回の再発注することにした契約案件では、施工能力審査型総合評価方式や低入札価格調査制度の対象案件ともしておりまして、単に入札価格だけで落札者が決定されるものでもございません。
こうしたことから、今回の件で入札価格の予想がつくということはなく、改めて再発注した場合であっても公平公正な競争は確保されるものと考えてございます。
○山口委員 そうはいっても、一から積算をし直すそれぞれの企業の気持ちになってみれば、この問題というのは、本当に本質的に大変大きな問題であろうかと思うんですが、この誤りが判明した三件のうち、一件は、やむを得ず契約を継続することとしたわけでありますが、その理由とはどのようなものでしょうか、お伺いします。
○塩見管理部長 現契約を継続することにした一件、これは食肉市場ボイラー貯湯槽の取りかえ工事でございますが、これにつきましては、老朽化したボイラー貯湯槽を取りかえるもので、協議解除の手続を開始した時点で、貯湯槽、配管など工場における製造が主なものであることから、既に工事が九割以上進捗しておりました。
また、と畜解体においては、食品衛生上の面から、ナイフ等の器具の消毒や室内の清掃などに多量のお湯を使用するため、再発注によって貯湯槽の取りかえ工事がおくれた場合、冬場に向けて気温が下がる中でお湯の供給量の増加に対応できなくなり、と畜業務そのものに支障を来すことになるということが予想されました。
そのため、現契約を解除し再発注するか、現契約を継続するかは、契約制度に対する公平公正の観点や、と畜業務への支障を回避する観点などを総合的に判断し、法務関係部局や弁護士等とも相談の上、本件工事については継続することとしたものでございます。
○山口委員 当然、今回の再発注する工事と継続する工事、これは全く別の性質のものでありますから、一概に比較できるものではありませんが、やむを得ない事情、今ご説明があったような事情があったにせよ、再発注と契約の継続に、対応に差があるわけです。果たして公正性というものが担保されているのかというと、確保されているのかというと、ちょっと疑問があるんですが、その辺、都の見解についてお伺いします。
○塩見管理部長 先ほども申し上げましたが、現契約を解除し再発注するか、現契約を継続するかは、まさに契約制度に対する公平公正の観点、そして工事の進捗状況、損害の賠償額、市場業務に与える影響、都民に与える損害の度合い等、個々の案件ごとに総合的に判断する必要があるため、私どもの今回の対応については、契約主管局であります財務局のほか、実際は総務局になりますが法務関係部署、そして弁護士等とも相談の上、二件については再発注とし、一件については継続するという判断をしたものでございます。
したがいまして、その公平性の確保につきましては、公平公正の観点と、そして市場業務等に与える影響等々を勘案した上で、今回の判断とさせていただいたということでございます。
○山口委員 この入札には、いやが応にもさまざまな面で注目が集まると思います。速やかに、適切に、入札が本当に行われるのか。公平公正ももちろんでありますが、同じ入札でどれだけの差が生まれるかなど、注目点は大変多いわけであります。
競争させて、間違ったからもう一回というのは、これは本当に罪深いこととでもいいましょうか、私はそのように感じるのでありますが、この件について、都はどのように責任を果たして、処分も含めどのように考えていくのか、お伺いしたいと思います。
○塩見管理部長 今回の件につきましては、都の契約事務手続に対する都民及び事業者の信頼を失うものであることから、深く反省し、二度とあってはならないものと考えてございます。
今回の誤りの原因は、経験不足の職員に対するサポート体制の欠如や、契約事務手続等を行う上での相互チェックの不徹底など、組織的な問題であると考えてございます。そのため、事務処理手続の改善を図るなど、再発防止に努めるとともに、ご指摘の、今回の事案関係者等の処分につきましては、一連の経過におけます事実関係や他に及ぼした影響等を考慮しながら、人事当局とも相談の上、今後、適切に対処してまいりたいと考えてございます。
○山口委員 積算という大変重い仕事の中で、今、組織的な問題というお言葉がありました。これを個人に、すべて本人の判断ということで処分がなされるのは、確かにどうかなと思うところもなくはありませんが、それは、私たちの発言というものが影響してもいけませんので、多くは申し上げません。
しかし、今回の件を機に、どのような改善がなされたのか伺っておきたいと思います。
○塩見管理部長 今回の件を機に、当局では即座に、今回の誤りに対する改善策として、工事の種類によって、どの計算シートが適用されているのか一目でわかるよう明確にし、区別可能なものとするなど、起工部署、契約担当部署双方のヒューマンエラー防止対策を真っ先に講じました。
また、契約主管局である財務局では、十月二十八日、今回の件の公表に際し、東京都契約事務協議会幹事会にて、契約に関する事務の適正な執行を図るため、事務処理の相互チェックや自己点検の徹底など、各職場の実情に応じたあらゆる取り組みを実践し、再発防止に万全を期すよう全庁に対して通知するとともに、あわせて各局等契約事務担当者会議を開催し、今回誤りのあった最低制限価格等にかかわる事務の適正な執行について周知を図っております。
こうした全庁的な取り組みを受け、私どもは、この誤りの当事者であることから、今回の事態を重く受けとめ、改めて本庁課長会及び契約担当課長会を開催し、本件の事実経過、再発防止策の説明等を行い、事務処理手続の再確認、再点検の実施など、局内へ周知徹底を図ったところでございます。
また、契約事務担当者に対する研修も開催し、改めて契約制度の説明や事務処理手続等の諸注意を行い、さらに契約事務に係る自己点検マニュアルを見直すなど、事故の再発防止に取り組んでいるところでございます。
今回の件を教訓に、今後一層、契約事務の適正な執行に努めてまいります。
○山口委員 これを機に改善がなされるということでありましたが、他の部署、入札においても一番慎重になされるべき積算の重みというものを、ぜひこの改善によって正していただきたいと思いますとともに、ぜひとも、今、この場でなされた決意が、正しく将来につながっていくことを願っております。
また、関係された各企業の皆様に誠意ある対応と理解と、当該施設のためにも速やかに再入札が行われることに努めていただくことを求めて、次の質問に参りたいと思います。
築地市場について、豊洲移転について、さまざま質問がなされてきたところであります。私もたくさんの質問を用意していたところでありますが、重複を避けて質問させていただきたいと思っておりますので、ぜひとも、その点に関して、ご答弁をご用意いただいているところとは思いますが、お許しいただきたいと思います。
まず、築地の豊洲移転について、都が、その理由として市場業者の強い意向と施設の危険性というものを挙げてこられました。ところが、この二点については土壌汚染問題のような明確な数値というものの説明がなくて、いまだ明確な根拠というものが示されているわけではないと私は認識しています。
私は、今回、都が移転を進めるためには、ここを明確にして都民に示すべきであると考えており、きょうは、それを前提として何点か質問させていただきたい、確認していきたいと思っております。
まず、市場業者の移転への強い意向というものを伺いたいんですが、この移転についての市場業者の意思というものは、いつ、だれに、どのように確認したのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○野口新市場事業計画担当部長 都では、平成十年に、市場業界六団体から臨海部への移転の可能性について調査検討を求める要望書を受け、各団体の意思を改めて確認いたしましたが、意思が一致しなかったため、その後も業界と協議を進めた結果、平成十一年十一月に、現在地再整備は困難であり、移転整備へ方向転換すべきと意見集約された経緯がございます。
その後、現在に至りましても、築地市場の豊洲地区への移転につきましては、業界六団体のうち、水産仲卸業者の組合は移転の可否について意見が分かれておりますものの、それ以外の五団体は改めて確認するまでもなく移転を強く望んでおります。
これら五団体は、それぞれ団体として意思決定した上で移転整備の意向を明らかにし、都知事及び都議会に対しまして、これまでに新市場建設計画の推進を求める要望書を提出しております。
さらに、五団体に水産仲卸の有志も加わりまして新市場建設推進協議会を結成し、本年二月に、移転推進を求める声明を提出するなど、一致団結して豊洲新市場の一日も早い実現を求め、活動を行っております。
先月、都議会としての現在地再整備の検討の結論が先送りされたことを受けまして、新市場建設推進協議会から都知事に提出されました豊洲新市場建設計画の推進についての要望書におきましても、現在地再整備には反対であり、豊洲への移転が、長い年月をかけ協議を重ね、民主的な手続によって合意形成を図り、業界の意思として取りまとめられたものであることが明確に述べられております。
○山口委員 それでは、都は、その団体の意向が市場業者の意向と主張するのであれば、各団体はどのように構成員の皆さんの意思を確認し、意思決定したのか、確認しておきたいと思います。
○野口新市場事業計画担当部長 市場業界の各団体におきましては、それぞれの団体により定められました規約等に基づき、自主的な方法で運営されており、かつて実施しました再整備、その後の豊洲移転にかかわる種々の事項のみならず、予算、決算、事業計画、運営にかかわる重要案件につきましても、理事会や総会、総代会等に諮った上で決定しております。
移転にかかわる意思決定につきましては、平成十年の都による各団体への意思確認の際に、水産仲卸の団体や青果の小売の団体では全組合員による意向投票が行われております。さらに、青果連合事業協会では臨時総会を開催し、卸四社、仲卸二団体、小売五団体で一致して移転を決議しております。また、水産の小売や売買参加者等の団体におきましては、豊洲移転にかかわる事項につきまして、随時、理事会や総会、総代会等で報告し、了解を得た上で、移転に向けて取り組んでおります。
各団体は、いずれもこうした民主的な手続によりまして、内部の意見を取りまとめて方針を決定しておりますことから、都といたしましては、各団体から提出された要望書等で示された豊洲移転の意思は、構成員の意向を十分に反映したものであり、尊重すべきと考えております。
○山口委員 それでは、まず、この五団体において、個々の組合員の総意というものとは少し違うニュアンスではないかなと感じます。少なくともこの十年間は、個々への確認がとられているのかどうかというのは、都は把握していないからであります。
さらにいえば、さらっといわれましたが、一団体、水産仲卸業者の組合の皆様の意思も含めて、都としてしっかりと正確に把握していくというのは当然の責務であり--この部分はどうにも数字として明確に出てこないわけであります。だからこそ、我が党は、再三にわたり調査するべきだというふうに主張してきたわけですが、ことごとく否定されている。これは到底理解ができないわけであります。
さらにいえば、この調査は、別に大きな意味を持つことになるわけであります。その前提としてお伺いしたいわけでありますが、築地の移転というからには、水産仲卸売り場は、築地と豊洲新市場では同規模で施設を整備するのか、それとも移転を希望する業者数に見合った規模とするのか、伺いたいと思います。
○砂川施設整備担当部長 豊洲新市場の施設規模は、市場を取り巻く流通環境の変化を踏まえまして、平成十六年に基本計画を策定し、その後も施設計画について業界団体と幾度となく協議を重ねており、その意見、要望をできる限り反映させた形でまとめてきております。
豊洲新市場での水産仲卸売り場につきましては、移転を希望する仲卸業者すべてが移転できる計画としており、さらに、買い出し人と場内搬送車両の動線を分離するための通路を確保するなど、物流の効率化を図っております。加えて、仲卸売り場の周囲には、小売店、飲食店などの店舗別の仕分けを行うための荷さばきスペースを確保しております。
その一方、これまでに、業界団体への説明会や意見交換の中で、一店舗当たりの面積や荷さばきスペースなどを十分にとってほしいといった声も聞いておりまして、今日の流通環境の変化に資するような方策を含め、今後、業界団体と店舗配置など施設計画を具体化していく中で、協議を重ねて確定してまいります。
○山口委員 移転というのは、先ほども申し上げましたが、今そのままを同規模で、だれしもが移り行くというのが移転であって、新市場を開設するというのとは全く違う印象に受け取られかねないわけであります。とにかく移転ありきでは、これは禍根を残すと私は思います。移転を希望する事業者の実態から考えることが大変重要だということを、今回、今述べているわけです。
移転に当たっては、個々の市場業者が自分の問題として認識し、みずからが移転するのだという自覚や認識を持っていただくことが重要です。都は、そのような市場業者の意識を促す立場にあって、自分の問題として認識できるよう、さまざまな課題の説明責任を有していると私は思います。
そこで、市場業者の皆さんは、移転に伴う負担について、おのおのが把握されているんでしょうか。まだ把握されていないんだとすれば、都は、今後どのように説明するんでしょうか、伺います。
○森本調整担当部長 市場業者の移転に伴う負担につきましては、引っ越し費用や造作費用、新たに購入する什器、備品などさまざまでありまして、事業者個々の営業形態や今後の経営方針等によっても、負担額は当然に変わってくると思われます。
本年実施いたしました市場業者との個別面談におきましては、まだ移転の準備をしてない方が多く、日々の営業に時間が費やされ、移転経費について考える余裕がないといった意見や、新市場の施設計画の詳細が明らかでないので算定のしようがないなどの意見のほか、過去の店舗の移動の際の経費を前提に、今回の移転に伴う負担の想定はできるが、施設の条件によっては、その想定でいいかどうかわからないといった意見も伺いました。
今後、業界との調整により、店舗などの広さや配置などの施設計画の詳細が確定し次第、詳しい説明会や個別面談の実施を通しまして、これらを提示して説明を行うことで、各市場業者が、移転に伴う負担を、先生のお言葉にありましたけど、自分の問題としてみずから把握し、移転を認識できるようにしてまいります。
○山口委員 先ほども述べた、移転か新市場をつくるのかという基本的な考え方にもつながるわけでありますが、その規模というものをしっかりと把握する上でも、この調査というのはとても重要になるはずであって、その意思の確認を、まさか、管理者であり直接の契約者となる都が、組合を初め各団体にこういった把握まで任せるわけがないとは思うわけでありますが、だからこそ、こう申し上げているわけであります。
少なくともこの十年間で、築地市場の仲卸業者の推移というものは、平成十三年には九百二十九軒あったものが、二十二年には七百三十六軒まで、実に百九十三軒減っているわけであります。この数字でありますから、これを機にと考えられる方もひょっとしたらいらっしゃるんではないかと私は思うわけでありますが、先ほど伊藤ゆう理事からもご提案のあった今後の市場のあり方ということにも、この考え方にもつながっていく話であります。
そこで、ちょっと視点を変えて伺っていきたいんですが、私は、都と市場業者への店舗の使用指定に問題はないと信じたいわけでありますが、中にはそうしたケースがあるやもしれません。
都は、使用指定の実態をすべて把握されているんでしょうか。また、今後、調査を行うつもりはあるんでしょうか、お伺いしておきます。
○塩見管理部長 市場施設の使用に際しましては、市場業務の許可を受けた者の申請に対し、東京都中央卸売市場条例に基づく使用指定を行うことにより、業務を行うために必要な市場施設の使用を認めているところでございます。
使用指定に当たりましては、施設の使用目的、位置、面積及び使用期間の妥当性につきまして、築地市場を管理する施設管理担当部署において確認、審査し、局内の関係部署の協議を経て、市場施設の使用の可否を決定しております。
また、許可期間は原則三年間としておりますが、引き続き使用する際の手続につきましても、新規の許可と同様に使用目的等の審査手続が行われ、使用状況等を実地にて調査、確認するなどした上で許可を行っているところでございます。
さらに、日常の施設管理業務の中でも、市場施設の使用状況の確認、把握を行っているほか、適正な使用を確保するため必要があると認めるときは、東京都中央卸売市場条例に基づき、報告及び検査を行い、必要な指導や改善措置を命ずるなど、市場施設の使用の適正化を図っているところでございます。
このように、当局では、許可手続時や日常の管理を行っていく中で実態の把握に努めておりまして、必要があれば条例等に基づく指導や改善を命ずるなど、今後とも市場施設の適正な使用の確保に努めてまいります。
○山口委員 私は、この店舗の使用指定について大変厳しい状況であるとも聞いております。本当に移転を目指すのであれば、適正化の取り組みをもっと以前から行ってしかるべきだったんではないでしょうか。都は、築地を豊洲に移転するという強い意思を持って進めてきたとは、これはいえないんじゃないでしょうか。市場業者の強い意思といいながら、都、市場業者、組合の関係を適正せずにして、どうして移転といえるんでしょうか。
これはとても重要なところであり、今後も調査を進めていきますが、都の管理がどこまで行き届いているのか、このことの意味の深さを、都は十分に理解していただきたいと一言つけ加えて、私の質問を終わります。
○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西岡委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時五十三分散会
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