経済・港湾委員会速記録第九号

平成二十二年五月二十六日(水曜日)
第八委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長小沢 昌也君
副委員長高木 けい君
副委員長増子 博樹君
理事伊藤 ゆう君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
田中  健君
伊藤 興一君
笹本ひさし君
山崎 一輝君
三宅 茂樹君
佐藤 広典君
清水ひで子君
鈴木貫太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
総務部長三枝 健二君
産業企画担当部長櫻井 和博君
参事村松 明典君
商工部長山手  斉君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長中村  靖君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長小田 昭治君
事業推進担当部長日請 哲男君
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長後藤  明君
事業部長大橋 健治君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事大朏 秀次君
参事横山  宏君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君
参事志村 昌孝君
港湾局局長比留間英人君
技監飯尾  豊君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長石原 清志君
港湾経営部長小宮 三夫君
港湾経営改革担当部長河内  豊君
臨海開発部長松岡 玉記君
参事平田 耕二君
参事延與  桂君
港湾整備部長前田  宏君
計画調整担当部長成瀬 英治君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長北村 俊文君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 港湾局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十一年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて
・平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計予算の繰越しについて
・平成二十一年度東京都港湾事業会計予算の繰越しについて
 中央卸売市場関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十一年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて
 産業労働局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事請負契約
・東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事請負契約
報告事項
・新銀行東京の「平成二十二年三月期決算」について(説明)
・平成二十一年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて(説明・質疑)

○小沢委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の小笠原勝彦君です。江村宇広君です。
 議案法制課の岡田良子さんです。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○小沢委員長 次に、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二二第二五号、改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書の提出に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○小沢委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件及び報告事項の説明聴取、並びに港湾局、中央卸売市場及び産業労働局関係の予算の繰り越しに関する報告の聴取を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項、新銀行東京の平成二十二年三月期決算についてにつきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、また、予算の繰り越しに関する報告につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思います。ご了承願います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により、幹部職員の交代がありましたので、港湾局長から紹介があります。

○比留間港湾局長 去る四月一日付で当局の幹部職員に異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 港湾経営改革担当部長の河内豊でございます。当委員会との連絡に当たります、企画計理課長の飯田紀子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○小沢委員長 紹介は終わりました。

○小沢委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○多羅尾総務部長 平成二十一年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十一年度繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 まず、一般会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。繰越明許費繰越の総括表でございます。
 繰越明許費繰越の基礎となる港湾局所管一般会計の平成二十一年度歳出予算現額は、上の段の左から二列目にありますように六百七十四億二百万円でございます。このうち、繰越明許費の議決をいただいております金額は、左から三列目にありますように百二十七億五千三百万円でございます。
 当局といたしましては、平成二十一年度内に円滑に事業が終了するよう努めてまいりましたが、工事の調整等に日時を要したことにより、平成二十二年度に繰り越して継続実施することといたしました。
 繰り越しいたしました金額は、最終列にありますように九十二億二千六百万余円でございます。
 なお、繰越財源の内訳につきましては、国庫支出金以下、記載のとおりでございます。
 七ページをお開き願います。繰越明許費繰越の内訳につきましてご説明申し上げます。
 表のつくりでございますが、表頭にございますように、左から事業名、区分、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額、説明の順でお示ししてございます。
 1、東京港整備事業でございます。繰越明許費の議決をいただいております金額は九十七億三千万円、繰越額は八十五億二千五百万余円でございます。
 下段1、港湾整備事業から、九ページ4、海岸保全施設建設事業まで、東京港整備事業にかかわります繰り越しの詳細を記載してございます。
 繰り越しの理由につきましては、施工に伴う関係機関との協議など、工事の調整等に日時を要したことによるものでございます。
 一〇ページをお開き願います。2、島しょ等港湾整備事業でございます。
 繰越明許費の議決をいただいております金額は三十億二千三百万円、繰越額は七億百万余円でございます。
 下段の1、港湾整備事業から、一二ページ4、災害復旧事業まで、島しょ等港湾整備事業にかかわります繰り越しの詳細を記載してございます。
 繰り越しの理由につきましては、気象、海象の状況により、適正な工期の確保が困難になったことなど、工事の調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上で一般会計予算の繰り越しについての説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、臨海地域開発事業会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 一五ページをお開き願います。総括表でございます。
 建設改良費繰越の基礎となる臨海地域開発事業会計の平成二十一年度予算計上額は、上の段の左から二列目にありますように二百三億六千二百万円でございます。このうち、繰り越しいたしました金額は、左から四列目にありますように五億四千二百万余円でございます。
 一七ページをお開き願います。建設改良費繰越の内訳につきましてご説明申し上げます。
 1、埋立地造成事業から、一九ページの3、臨海副都心改良事業まで、繰り越しの詳細を記載してございます。
 繰り越しの理由につきましては、工事の支障となる地中障害物への対応など、工事の調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上で臨海地域開発事業会計予算の繰り越しについて説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、港湾事業会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 二三ページをお開き願います。総括表でございます。
 建設改良費繰越の基礎となる港湾事業会計の平成二十一年度予算計上額は、上の段の左から二列目にありますように四十七億二百万余円でございます。このうち、繰り越しいたしました金額は、左から四列目にありますように五千二百万余円でございます。
 二五ページをお開き願います。建設改良費繰越の内訳につきましてご説明申し上げます。
 港湾施設整備事業について、繰り越しの詳細を記載してございます。
 繰り越しの理由につきましては、施工に伴う関係機関との協議など、工事の調整に日時を要したことによるものでございます。
 大変簡単ではございますが、以上で平成二十一年度予算の繰り越しにつきまして説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○小沢委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により、幹部職員に交代がありましたので、中央卸売市場長から紹介があります。

○岡田中央卸売市場長 去る四月一日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 新市場建設技術担当部長の砂川俊雄でございます。特命担当参事の志村昌孝でございます。当委員会との連絡に当たります、総務課長の飯田一哉でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○小沢委員長 紹介は終わりました。

○小沢委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○後藤管理部長 平成二十一年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十一年度予算繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。中央卸売市場会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。1の建設改良費繰越についてでございます。
 市場施設拡張事業につきまして、予算計上額は六十四億四千二百九十七万三千円で、このうち、二十一年度の支払い義務発生額は三十五億九千三百九十二万六千余円、翌年度繰越額は十七億五千八百九十五万四千円といたしました。財源、不用額並びに繰越理由等は記載のとおりでございます。
 以上、大変簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。

○小沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 ただいまご報告がありました新市場会計予算の繰り越し、豊洲新市場分、豊洲新市場予定地の汚染物質処理に関する実験について伺います。
 我が党は、三月十一日の予算特別委員会で、今行っている適用実験の中間報告について、実験前の初期値を公表してないことを問題にいたしました。さらに、四月十五日にも改めて公表を求める申し入れを行いましたが、都は、初期値と実験後の結果の関係については、どう理解をすればよいのか、技術会議の専門家等に確認していると回答を繰り返してきました。既に三カ月近くになろうとしている今でも、明確な回答ができないでおりますが、その理由についてお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 実験の結果につきましては、データの取りまとめを行い、技術会議で、科学的知見に基づき、客観的に検証していただくことにしております。
 このため、技術会議で、初期値を含め、実験で得られた中間データ、処理後の値などについては一括して取り扱い、実験の内容や条件とあわせて、実験全体を確認、検証し、新市場予定地の土壌汚染対策の有効性を実証していただくこととしております。その際には、これらすべてのデータを公表してまいります。
 また、技術会議の委員からも、実験で得られたデータは一連のものとして取り扱うべきものと、そのような助言もいただいております。

○清水委員 今の答弁は、ますます一部分のデータを出したということの間違いが明らかになるものだと思いますが、一体、技術会議の専門家には、これまでに何回、何時間、だれが、どのような形で問い合わせ、記録はどのようにまとめられているのかお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 これまでの調査値と実験初期値との相違や、初期値そのものが実験を行う上でどのような意味合いを持っているかなどについて、技術会議の委員やアドバイザーに直接訪問をさせていただいたり、電話により数回にわたりお話を伺っております。
 こうした専門家の意見につきましては、今後整理した上で、技術会議で、技術、工法の有効性を検証していただく際の資料といたします。

○清水委員 きちんと記録をしておいてください。私たちが求めたら、それを提出することを求めておきます。
 私は、今明らかになっている中で、なぜそれを明確に行わないのかということはこれまでもいってきたわけですけれども、そのことに対して疑問が広がっているわけです。我が党が情報開示請求をしなかったら、初期値だけが公表されないという問題については、やみに葬られたままであり、これは許されざることだというふうに思います。そしてこの問題は、一都議会だけでなく、もうご承知のように、「Nature」というイギリスの科学雑誌の電子版でも取り上げられて、世界の科学者に発信をされているわけです。
 そこで、改めて伺いますけれども、私たちは最低限、すべての地点で、環境確保条例で定めるすべての有害物質が、将来にわたって環境基準以下になることを立証すべきだと指摘をしていますが、少なくとも、今のこの適用実験についての対象物質については、仕様書では七種類にしているにもかかわらず、実際にはベンゼン、シアン、砒素の三種類に限定しているわけです。その根拠について伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議では、都市ガスの製造過程で生じる有害物質の発生状況、ガス製造工場の施設配置などを詳細に検討した結果、対象物質を、環境確保条例で定める二十六物質のうち、操業に由来するベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、水銀としております。
 このため、土壌汚染対策につきましては、これら七物質を対象としており、今回の実験についても同様に、これら七物質を対象としております。
 これら七物質の処理につきましては、物質特性から、ベンゼン、シアン化合物及び砒素、鉛など重金属などの三つのカテゴリーに分類することができます。こうしたカテゴリーごとに、ベンゼンにつきましては微生物処理、シアン化合物につきましては洗浄処理としまして、残る砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、水銀の重金属等につきましては、洗浄処理が可能でありまして、これらの物質の中で高濃度を検出している砒素を代表として選定しております。
 この結果、対象とする物質が、ベンゼン、シアン化合物、砒素の三種類となってございます。

○清水委員 その根拠となる科学的知見について、改めてお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策に際しまして広く活用されております、環境省監修、社団法人土壌環境センターが編集しております「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説」、こういったものがありますが、これでは、洗浄処理は、汚染土壌の恒久対策技術としては比較的歴史が長く、また、実績も多い技術であり、適用対象としては、第二種特定有害物質が挙げられるとしております。
 新市場予定地で検出されている七物質のうち、砒素、鉛、六価クロム、カドミウム、水銀といった重金属などにつきましては、いずれも、今申し上げました第二種特定有害物質でありますことから洗浄処理が可能であり、濃度の高い物質の処理を確認することで、他の物質でも除去が可能であります。
 なお、こうした洗浄処理につきましては、技術会議が汚染物質の処理技術等を選定する際に行った技術、工法等の公募でも、豊富なデータでその有効性を確認してございます。

○清水委員 まともに答えていないというふうに思います。各種の実験について、例えば掘削微生物処理では、三月末までは週一回、四月以降は二週一回の頻度で分析結果を報告することになっています。原位置微生物洗浄処理では週一回、地下水浄化処理では三週一回など、それぞれ契約上の規定になっています。その実験の進捗状況というのは、委託業者から、分析は仕様書どおりに進められているのでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 実験の仕様書では、処理に応じまして分析の頻度を定めております。例えば、微生物を利用した掘削微生物処理では、実験当初の段階では一週間に一回、実験状況が安定した状態となれば二週間に一回としております。また、地下水浄化処理では、地下水を揚水、復水するサイクルに三週間程度を要することから、三週間に一回分析を行うこととしております。
 実験に際しましては、こうした基本的な考え方を前提に、濃度低下の状況など実際の実験状況を踏まえまして、専門家に相談した上で頻度を修正し、分析を行っております。

○清水委員 今も少しお話ありましたけれども、この分析頻度というのは、どのような根拠に基づいて決められたものなのかお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 分析頻度につきましては、実験の進捗状況が把握できますよう、各処理ごとに定めております。実験開始時にはきめ細かく実験状況が確認できるようにしております。
 具体的な頻度につきましては、専門家と相談の上、今ご答弁させていただきましたように、例えば掘削微生物処理では、実験当初の段階では週に一回、その後、二週間に一回と、そのようなことにしております。

○清水委員 次に、東京ガスの工場跡地では、一万八千本余りのくいによる不透水層以下への汚染物質の拡散について、議論がこれまでもありました。都は、参考人質疑の中で安田先生が見解を述べた、くいにべったり土がついているのが普通である。したがって、そこにすき間があくということは、本来考えられないとの部分を引用して、くいを通じて不透水層以下に汚染が広がる可能性は小さいとの認識を妥当としています。
 安田先生のこの見解について、科学的に正しいといえる、安田先生自身が示している科学的根拠、都が妥当とする科学的根拠について、それぞれ具体的にお示しをいただきたいと思います。

○宮良新市場建設調整担当部長 さきの参考人招致で、くいによる汚染の広がりについての質問に対しまして、技術会議の安田委員は--委員、今お話ありましたように、通常、くいにべったり土がついているというのが普通である、したがって、そこにすき間があくということは本来考えられない、また、鋼管ぐいの場合、長年の腐食を見込んで厚さを決めている、したがって、ずっと密着していると考えてよいとの見解を示されております。
 この点につきましては、新市場予定地で不透水層を形成している土質は、これまでに行いました八カ所の土壌ボーリング調査の結果、粘性土であり、くいの周面は密着した状態であると考えられます。
 また、鋼管ぐいの腐食につきましては、ガス工場建設時である昭和三十年代の設計基準で、これは建築でございますが、腐食代--腐食の厚さなんですが、二ミリメートルを確保することになっておりまして、実際の工場跡地の鋼管ぐいの肉厚が六ミリから十二ミリありまして、十分な腐食代がとられていると、そういうふうに考えております。
 したがいまして、安田委員のご見解は、こうした新市場予定地の土質状況などを十二分に踏まえたものであると認識しております。

○清水委員 考えられないとか考えられるとか、それはまだ、証明してそういっているわけではない。実際にそうなっているかどうかというのは不明な問題であります。実際にそうであるかどうかは非常に重要な問題です。なぜならば、不透水層以下に汚染が広がっているかどうかという問題だからです。
 同じ参考人質疑でも、皆さんお聞きになってわかりますように、坂巻先生が、ボーリングのわずか数センチの中でとったサンプルでもって、自然地層であるか埋め土であるかの判定というのは非常に難しい、現場の公開が二度にわたってなされましたので、その場合、現場の技術者の方々に質問をしたけれど、やはり明確な返事は返ってこない、つまり、あくまでも現実に即した調査ではなく、あるところにそういう不透水層というものがあるんだという先入観に基づいて、事実をしっかり見ないで調査をやったことを一つの結論にして出しているのではないか、不透水層はぜひ解明する必要があると。
 また、畑先生は、不透水層ではなく、難透水層である、時間的には劣化していくのであるから、必ず割れ目とかすき間とかができると、そこから汚染地下水は下の方に落ち込むということも考えられるなどと述べています。
 それでは、都としては、この二人の先生の見解については、どのような認識を持っておられるのかお伺いいたします。その根拠は何でしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 さきの参考人招致で、くいによる汚染の広がりに関しまして、坂巻氏は、昔の工場の基礎くいが、汚染物質の通路になり得ることが十分考えられる、そう述べられております。
 また、畑氏は、くいが劣化して割れ目やすき間ができると、そこから汚染地下水が下に落ち込んでいくことが考えられるとの見解を示されております。
 こういった見解に対しまして、ご答弁申し上げましたとおり、調査の結果、不透水層を形成する土質は粘性土であり、くいの周面は密着した状態であるとともに、鋼管ぐいの腐食につきましても、十分な腐食代が確保されていることから、東京都としましては、技術会議の安田委員の見解は、こうした新市場予定地の実態を十分踏まえたものであると認識しております。
 なお、土質調査に際しまして、盛り土あるいは旧地盤、あるいは各地層につきましては--調査の段階でそういった専門知識を有する技術者、主任技術者、あるいはそのほかの技術者ですが、土質、地層の状況、色、不純物、それから、くいや障害物がありますから、そのようなものを総合的に判断しまして、盛り土と旧地盤の境、あるいは不透水層、そういうものを確認してございます。

○清水委員 依然として、この問題は議論が残されていると思います。同じ専門家で異なる科学的知見をいっているのですから、実験によって確かめる機会が今あるのですから、実際どうなのかを検証するというのが科学的な判断ではないかというふうに思うわけです。
 卸売市場は食品流通の重要な基盤であり、市場整備に当たって食の安全というのは、繰り返し指摘していますけれども、最重要課題です。卸売市場整備計画を認可する国も、東京都に対し、二〇〇七年の一月、総理大臣が、食の安全性や信頼が確保されるよう、科学的見地に基づき万全の対策を講じるとともに、消費者などに対して、対策の内容などについて十分な説明を行い、その理解を得るよう求めているのです。ましてや、卸売市場を高濃度の有害な化学物質で汚染された豊洲の東京ガスの工場跡地に移転する計画については、二〇〇九年十一月の新聞の世論調査では、七二%が豊洲の土壌汚染は不安と回答するなど、多くの都民が大変危惧をしています。したがって、移転予定地の土壌汚染対策がうまくいくかどうかを科学的に実証することなしに、移転計画を前に進めることはあってはならないと思います。
 ところが、適用実験の結果は、中間報告のデータについて開示請求を行ったところ、大事な部分が墨塗りをされており、確実に汚染物質を無害化できるとは到底いえるものではなく、科学とはかけ離れた深刻な実態であることがわかりました。また、土壌汚染対策を進める上で必要不可欠である不透水層以下の汚染の拡散の検証、地下水管理の可能性などの実験が行われていないことも、都民、専門家から厳しい批判を受けています。汚染物質処理実験に関するすべての情報を明らかにし、都民、専門家の検証を得るよう強く申し述べておくものです。
 以上です。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○小沢委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により、幹部職員の交代がありましたので、産業労働局長から紹介があります。

○前田産業労働局長 先般の人事異動によりまして、当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介申し上げます。
 特命担当参事の村松明典でございます。次に、本委員会との連絡に当たります、総務課長の根本浩志でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○小沢委員長 紹介は終わりました。

○小沢委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○前田産業労働局長 平成二十二年第二回都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件の概要につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、工事請負契約議案二件、東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事と、東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事でございます。
 本件は、東京国際展示場の竣工後、約十四年を経過いたしまして、建物の各部位等にふぐあい、劣化が生じていること、また、環境への配慮等の対応が必要となっていることから、改修工事を行うものでございます。
 これらの詳細につきましては、続いて総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○三枝総務部長 引き続きまして、本定例会に提出を予定してございます工事請負契約議案の詳細についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料1、工事請負契約議案の概要の一ページ、件名表をごらんいただきたいと存じます。
 今回提出を予定しておりますのは、1、東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事、2、東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事の二件でございます。
 東京国際展示場は、平成七年十月の竣工後、約十四年が経過し、建物の各部位等にふぐあい、劣化が生じてございます。また、時代の経過に伴い、環境への配慮等の対応が必要となってございます。こうした状況に対応することを目的として、今年度から平成二十四年度まで改修工事を行うものでございます。
 恐れ入りますが、二ページをごらんください。
 東京国際展示場(二十二)会議棟改修工事の契約の相手方は戸田・植木建設共同企業体、契約金額は十五億八千百一万六千五百円、工期は平成二十五年三月十五日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数はごらんのとおりでございます。
 次のページに案内図及び立面図をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 次に、四ページをごらんください。東京国際展示場(二十二)ビル管理設備改修工事の契約の相手方は新菱冷熱工業株式会社、契約金額は十六億六千五万円、工期は平成二十五年三月十五日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数はごらんのとおりでございます。
 次のページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成二十二年第二回都議会定例会に提出を予定してございます産業労働局関係の案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきました。

○小沢委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、新銀行東京の平成二十二年三月期決算について、報告を聴取いたします。

○中村金融監理室長 去る五月二十一日に株式会社新銀行東京から発表されました平成二十二年三月期決算についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十二年三月期決算の概要をごらんください。
 資料の左側下段の資産等の状況をごらんください。
 政府向け貸出金を除いた平成二十二年三月末の貸出金、保証、公共工事代金債権信託の残高は一千百二十四億円であり、そのうち、中小企業向けは七百二十五億円となっております。
 預金残高は二千八十九億円、純資産は四百九十億円となっております。
 次に、資料の右側の損益状況をごらんください。
 表の右端が平成二十一年度の実績となっております。一段目の業務粗利益の決算額は二十八億円と、前年同期と比較し、矢印が上向きとなってございますように、八億円増加しております。その下の営業経費は四十九億円と、前年同期と比べ、十九億円減少しております。
 両者を合算した実態ベースの実質業務純益は、マイナスの二十億円となっており、前年同期のマイナス四十八億円から二十八億円改善しております。
 貸倒引当金などの信用コストにつきましては、プラスの三十七億円、特別損益はマイナスの一億円となっております。
 これらの結果、当期利益につきましては、前年同期のマイナス百五億円から百二十億円改善し、プラスの十五億円と、通期で開業以来初の黒字を計上いたしました。
 新銀行東京は、本年度、取引先に対するきめ細かな対応により、延滞防止や適切な条件緩和を行うなど、信用コストの圧縮に努めてまいりました。また、営業経費のさらなる削減に努め、低コスト構造への転換を図っております。
 こうした取り組みにより、二十一年度決算において、当期利益が前年同期と比べ大きく改善するとともに、純資産も四百九十億円を確保しております。
 一方、実質業務純益は着実に改善しておりますが、依然として赤字であり、現在、新銀行東京の経営陣は、この黒字化に向け全力で取り組んでいるところでございます。
 都としても、新銀行東京の再建に向け、引き続き適切な監視と支援に全力を挙げてまいります。
 以上で株式会社新銀行東京関係の報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○佐藤委員 新銀行東京に関して幾つか資料をお願いします。
 まず、再建計画の進捗状況に関する資料をお願いします。
 次に、開業以降の月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額をお願いします。
 また、開業以降の融資、保証実績で、月別、メニュー別の件数、金額をお願いします。
 同じく、事業規模別の件数、金額を残高ベースでお願いします。
 また同じく、事業規模別の件数、金額を実行ベースでお願いします。
 また、開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資、保証実績を残高ベースでお願いします。
 同じく、融資、保証実績を実行ベースでお願いします。
 次に、預金規模別の預金者の件数、割合、金額をお願いします。
 あと、融資実行先における無担保・無保証融資の実績の推移を、二十年以降は四半期ごとにお願いします。
 以上です。

○清水委員 前委員と重なるところもありますが、一応同じところも再度お願いいたします。
 月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額。
 融資、保証実績の月別、メニュー別の件数、金額。
 同じく、事業規模別の件数、金額。
 再建計画以降の融資、保証実績。
 預金規模別の預金者の件数、割合、金額の推移。
 人件費、物件費の推移及びその主な変動要因。
 全国銀行と新銀行東京の不良債権比率の推移。
 債務超過企業、赤字企業への融資実績の推移。
 無担保・無保証融資の実績の推移。
 総資産額に占める中小企業向け融資などの推移。
 貸出金、預金、預貸率、借用金の推移。
 有価証券残高とその推移。
 資金運用収益、資金調達費用の各内訳別の推移。新銀行東京、全国銀行、地銀、第二地銀別。
 再建計画の指標と進捗状況。
 主要株主一覧。
 以上です。お願いいたします。

○小沢委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 それでは、ただいま佐藤委員及び清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○小沢委員長 次に、平成二十一年度予算の繰り越しについて、報告を聴取いたします。

○三枝総務部長 平成二十一年度一般会計予算の繰り越しにつきましてご報告を申し上げます。
 お手元の資料3、平成二十一年度東京都一般会計予算繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きください。1、繰越明許費繰越についてでございますが、対象となりました事業は、事業名欄に記載をいたしましたとおり、林道整備及び治山事業でございます。予算額は十六億六千五百六十六万七千円で、繰越明許費の予算議決額は一億六千三百万円でございます。
 今回、平成二十一年度の執行額が確定いたしましたので、執行が終わっていない一億三千二百六十五万七千円を平成二十二年度に繰り越すものでございます。
 これら繰り越しの事業に要する財源につきましては、繰越財源内訳欄に記載をいたしましたとおり、国庫支出金四千八十六万一千円などが充当されるものでございます。
 次に、事業内訳及び繰越理由でございますが、日の出町における林道整備事業で、自然災害により本工事の着工までに時間を要し、工期におくれを生じるなど、五件の事業について繰り越すものでございます。
 恐れ入りますが、二ページをごらんください。2、事故繰越についてでございます。
 対象となりました事業は、事業名欄に記載をいたしましたとおり、林道整備及び治山事業でございます。支出負担行為額は三億五千四万九千円で、執行が終わっていない一億七千五百二十四万七千円を平成二十二年度に繰り越すものでございます。
 これら繰り越しの事業に要する財源につきましては、繰越財源内訳欄に記載をいたしましたとおり、国庫支出金八千七百六十二万三千円などが充当されるものでございます。
 次に、事業内訳及び繰越理由でございますが、奥多摩町における林道整備事業で、工事着工後、自然災害により本工事の中断を余儀なくされ、工期におくれを生じるなど、三件の事業について繰り越すものでございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十八分散会

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