経済・港湾委員会速記録第十二号

平成二十一年九月十九日(土曜日)
第八委員会室
   午前零時五分開議
 出席委員 十三名
委員長小沢 昌也君
副委員長高木 けい君
副委員長増子 博樹君
理事伊藤 ゆう君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
田中  健君
伊藤 興一君
笹本ひさし君
山崎 一輝君
佐藤 広典君
清水ひで子君
鈴木貫太郎君

 欠席委員 一名

 出席説明員
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長後藤  明君
事業部長大橋 健治君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事大朏 秀次君
参事横山  宏君
参事砂川 俊雄君
参事黒川  亨君
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
総務部長三枝 健二君
港湾局局長比留間英人君
総務部長多羅尾光睦君
労働委員会事務局局長関  敏樹君

本日の会議に付した事件
 中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲新市場予定地における環境確保条例第百十七条に基づく調査等の結果について
・市場使用料あり方検討委員会の設置について
特定事件の継続調査について

○小沢委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 お手元に配布してあります会議日程の九月十八日とあるのは、九月十九日に読みかえることをご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑及び特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 昨日に引き続き、報告事項、豊洲新市場予定地における環境確保条例第百十七条に基づく調査等の結果についてに対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 仮にデータが正確であるとするならば、この地域は、先ほどお示ししましたように、五メートル離れて三メートルの段差もあることになる。それだけ複雑な地層が形成されていることになるということです。
 先ほど、十メートルメッシュでの調査で、なかったんだといわれましたけれども、ここは五メートルでやってるわけです。三メートルの段差があるわけです。十メートルメッシュの調査では地層の形状はわからないということになるんではないですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 先ほどご答弁させていただきまして、不透水層につきましてでございますが、土壌につきまして深さ方向の調査をいたしました一千四百七十五地点、先ほど、すべての地点で不透水層を確認できましたと申し上げました。訂正させていただきたいのは、Q36-6、N40-9、この二地点を除いてすべての地点で不透水層を確認してございます。訂正させていただきたいと思います。
 ただいまのご質問でございますが、豊洲新市場予定地の地質、地層状況につきましては、平成十八年度に先行的に八カ所のボーリングをやりまして、まず全体の地層、地質の状況を確認してございます。
 それから、それに加えまして、豊洲新市場予定地には、「ゆりかもめ」、あるいは水道局の工事が過去にございまして、その際のデータもいただいています。
 そういった土壌、土質状況のデータに加えまして、今回、深さ方向に一千四百七十五地点につきまして、不透水層までの地層、地質を確認しながら、汚染状況の調査をしてございます。これによりまして、豊洲新市場予定地の地層の状況、これは確認をできていると、そういうふうに考えています。
 また、こういったデータにつきましては、専門家会議、技術会議の委員の皆さんに見ていただいて、それぞれ委員の方の中には、関東地方の土質、地層に専門の方もございます。そういった方々に、そういった地層、地質状況を確認していただいた上、土壌汚染対策を策定していただいてございます。

○清水委員 先行ボーリングの箇所数も、それから、今お話にあった十メートルメッシュでの調査も、今回、じゃ、どういう説明ができるのかということです。五メートルで三メートルの段差というのが、どういう説明ができるのかということでは、先ほどから、その説明はいただいてないわけですよ。だから、十メートルのメッシュの調査ではわからないでしょうと私はいっているんです。
 もしも、先ほど来いわれた不透水層が連続してなくて、穴があいていたらどうするのかということをいっているわけです。その部分から汚染が広がる可能性は否定できないでしょう。五メートル密度で調査をする必要もあると思います。同じぐらいの確率で穴があいて、可能性はないとはいえないんです。先ほどの答弁では、連続していると考えているといいますが、しかし、事実を確かめないで、なぜその結論を出せるのか。専門家委員、技術会議委員は、土壌汚染問題の専門家ではないです。都の調査によって、詳細調査、絞り込み調査、百十七条調査では、この部分の汚染の程度は軽微だというふうに出ています。注意してやれば、ここに不透水層があるのかどうなのかということだって、やはり確認をする必要があると思うわけです。汚染が広がる危険よりも、見落とす危険の方が大きいというふうに考えるわけです。
 「ゆりかもめ」の工事も、先ほどいわれましたけれども、ミルクセメントで汚染の広がらない技術があるというふうにあなた方はいってきたわけですから、やはり不透水層の調査というのも必要なわけです。
 次に、今回の調査でベンゼン千二百倍が出たということをどのように評価をしておりますか、伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議で土壌汚染対策を検討する際に前提としました汚染状況は、今回の調査より高濃度の汚染物質が検出されました詳細調査や絞り込み調査など、これまでの調査結果に基づいてございます。したがいまして、技術会議の提言に基づく都の土壌汚染対策は、今回の調査で検出されました環境基準の一千二百倍のベンゼンにつきましても確実に処理できる技術、工法となってございます。

○清水委員 都は、この間、二〇〇七年の八月に追加調査、二〇〇八年の三月に詳細調査、二〇〇八年の四月に絞り込み調査をやってきました。詳細調査は、旧地盤面から五十センチで処理基準を上回る地点、あるいは旧地盤面と不透水層との中間点で地下水の環境基準の十倍以上の濃度の地点について、四百四十一地点で検出された物質について絞り込み調査を行いました。したがって、絞り込み調査では、相対的に汚染のひどいところについての全容を把握したということになっています。
 (パネルを示す)K29のベンゼンの汚染状況ですけれども、詳細調査では、旧地盤面で環境基準を上回った地点はゼロカ所です。一カ所もありません。地下水調査では、一番汚染がひどかった地点が、K29-6で百十倍。百十倍ですね。そして、次がK29で四十二倍。絞り込み調査では、土壌溶出量で一番ひどかったのは、K29-3で六百三十倍、K29-1で三百六十倍でした。
 今回の百十七条では、旧地盤面と不透水層との中間点で、地下水の環境基準の一倍から十倍の濃度の地点を調査したんですけれども、対象地点はK29-2、K29-5、K29-9で、いずれも詳細調査のときには二・五倍、二・六倍だったわけです。その二・五倍の地下水から千二百倍の汚染結果が出たということについて、どういうふうに考えますかということです。

○宮良新市場建設調整担当部長 ただいま委員からお話がありました、土壌の調査で汚染物質が出てないけど、地下水の調査は出ていると、そういったところで千二百倍のベンゼンが出たということだと思います。
 これにつきましては、まず東京ガスの土地利用上から考えられると思っております。といいますのは、今お話がありました調査地点、K29-2、それからK29-5、またK29-3、29-1ございました。いずれも十メートルメッシュの隣接する地点でございます。この地点については、東京ガス、油ガス発生装置がございました。そういった土地利用の観点から、一千二百倍のベンゼンが検出される、それは土地利用からは考えられると思います。
 それから、もう一つございますのは、今お話がありましたように、地下水では確かに環境基準の倍数--程度はございますが、いずれも両端、東西の隣接する地点でございますけれど、ベンゼンを検出してございます。
 こういったことは、技術会議が地区全体の汚染状況を把握する上で、まず表層の土壌を取った上、さらに、それに加えまして地下水を取って分析すれば汚染状況が把握できると、そういった手法を実施をしたものだとも考えております。

○清水委員 この地点は、詳細調査では、旧地盤面からは基準値以下の結果だったわけです。汚染度は少ないという判断で、絞り込み調査からも除外された地点です。そこから千二百倍の汚染結果が明らかになったということは、もともと都は詳細調査で、高濃度の一定の汚染物質が検出された四百四十一カ所において、深さ方向に土壌ボーリング調査を行った場合、三千百三十四検体のうち二二%が環境基準を超過したが、一千倍以上の物質が検出されたのは七カ所、七検体。汚染は大したことがないというかのように発表いたしました。
 そして、専門家会議でも、当初は、土壌と地下水の詳細調査及び絞り込み調査の結果から、対策は十分可能であるという判断をしました。しかし、しかし今回の百十七条の結果からいえる重要なことは、詳細調査で一定の汚染物質が検出された四百四十一カ所以外にも、高濃度の汚染物質、汚染地域がある可能性を否定できないということではないですか。詳細調査では高濃度でなかった場所が、今回の調査では千二百倍もの濃度で発見されたということは、汚染が移動していると。さっき隣接している地域だといわれましたので、汚染が移動している可能性も否定できないというふうに私は考えます。
 したがって、今回の調査は、地点は限定されたものの、豊洲の汚染状況を分析するには不十分だということです。特に水質調査については、移動性が問題になっているにもかかわらず、移動状況については把握するものとなっていません。今回の調査で問題がないかのように発表するのは、私は重大だというふうに思います。いかがですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議では、新市場予定地での地下水の状況を確認するため、地下水位や降水量などを調査いたしました。この結果、降雨があれば地下水位が上昇するといった、降水量と地下水位との相関関係がございまして、他へ地下水が流出している可能性が少ないことが明らかになっております。
 また、敷地全体にわたる詳細調査の結果、地下水につきまして、高濃度のベンゼンが検出された地点に隣接した地点で汚染物質が検出されていないことも多いことなどから、専門家会議からは、一般的な事例に比べて地下水の流動は小さいとの見解を示しております。

○清水委員 しかし、今指摘したように、今回の結果から、地下水が移動して、それに伴い汚染地も移動している可能性も否定できないと。地下水の移動は小さいとか、不透水層の下の調査は汚染が拡大するというようなことで、やらないというようなことをいってきましたが、しかし、三十年以上土壌汚染問題を扱っているNPO法人日本地質汚染審査機構のホームページを見ても、また、ことし一月の新聞紙上でも、このNPOの先生が、汚染物質が粘性土状態より下に深く進んでいるか調査をすることは技術的に可能だといっているわけです。移動状況の調査も、不透水層の下も、私は調査すべきだと。不可能だから実施しないということは、到底都民の納得できるものではありません。問題ないというのは極めて安易な結論で、生鮮食料品を扱う市場を設置することを前提に、問題ないと結論づけることは重要なことだと、非常に重要な問題だと思います。
 こうしたずさんな調査をもとに、東京都の土壌汚染処理方針は、A.P.二メートル以下については、土壌汚染基準以下を超過した地点は処理対象とし、土壌汚染基準以下は処理対象外とすると。地下水については、環境基準以上のところを対象地点とすることにしたわけです。
 したがって、土壌汚染処理をしても、多くのところで汚染物質を取り残すことになります。また、地下水については、地下水の移動、汚染の移動を把握していません。汚染が地下水で移動しないという非科学的な前提に立っています。さらに、不透水層以下も全く調査をしていません。今回の調査をもってして、安全宣言、安全だということは不可能で、極めて無責任だというふうに私は思います。
 そこで、最後にお伺いいたしますが、事業アセスの材料になるのかどうか、お伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回の環境確保条例に基づく調査の結果、汚染状況は、土壌汚染対策を検討した範囲内でありまして、現在進めておりますアセスの作業に変更はございません。

○清水委員 今指摘したような内容でアセスの評価書案にするなどは、とんでもないということを私は指摘したいと思います。
 昨日の新銀行東京の際にも申し上げましたが、都議選前の世論調査では、新銀行東京は清算すべきだが七割、市場移転に反対が五七%に達し、都議会では市場移転反対会派が多数になりました。知事が代表質問で、個別のことに都民は審判を下したのではないといいますが、明確に、市場移転反対、現在地再整備をしてほしいというのが世論です。
 私たちは代表質問で、現在地再整備の可能性も示しながら、都民の審判に従うよう求めました。
 新赤松農水大臣の就任記者会見では、築地市場の豊洲移転問題について、石破前大臣は、安全が確認できない限りサインしないという考えを示したが、私も同感だと。何万倍という汚染があると聞き、土壌改良しても、都民、国民の理解が得られたと自分自身納得しない限りサインしないというふうにいいました。このままでは国の了解がとれないでしょう。この世論に従って、私は豊洲移転作業を中止して、現在地再整備の都民の世論に従うよう強く求めて、質問を終わります。

○小沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○小沢委員長 次に、報告事項、市場使用料あり方検討委員会の設置についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○小沢委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前零時二十七分散会