経済・港湾委員会速記録第二号

平成二十一年三月二日(月曜日)
第八委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長岡崎 幸夫君
副委員長川井しげお君
副委員長大西由紀子君
理事高倉 良生君
理事鈴木あきまさ君
理事増子 博樹君
小竹ひろ子君
佐藤 広典君
山口  拓君
清水ひで子君
藤井  一君
三宅 茂樹君
川島 忠一君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
次長前田 信弘君
総務部長塚田 祐次君
産業企画担当部長櫻井 和博君
商工部長三枝 健二君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長中村  靖君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長小田 昭治君
事業推進担当部長日請 哲男君
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長後藤  明君
港湾局局長斉藤 一美君
技監飯尾  豊君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長吉田 長生君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長藤原 正久君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
参事長谷川 研君
港湾整備部長前田  宏君
計画調整担当部長成瀬 英治君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長北村 俊文君
労働委員会事務局局長関  敏樹君

本日の会議に付した事件
 労働委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 労働委員会事務局所管分
 港湾局関係
契約議案の調査
・第八十七号議案 平成二十年度ドラグサクション式しゅんせつ船製造請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 港湾局所管分
 産業労働局関係
報告事項(説明)
・外部調査報告書に基づく新銀行東京の対応について
・警視庁への告訴状の提出について
契約議案の調査
・第八十四号議案 都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築電気設備工事(その二)請負契約
・第八十五号議案 都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築空調設備工事(その二)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 産業労働局所管分
・第百号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 産業労働局所管分
・第百五号議案 東京都ふるさと雇用再生特別基金条例
・第百六号議案 東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例
付託議案の審査(決定)
・第九十八号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 経済・港湾委員会所管分
・第百号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 経済・港湾委員会所管分
・第百五号議案 東京都ふるさと雇用再生特別基金条例
・第百六号議案 東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金条例

○岡崎委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局、港湾局、産業労働局関係の付託議案の審査及び港湾局、産業労働局関係の契約議案の調査並びに産業労働局関係の報告事項の聴取を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十一年二月二十六日
東京都議会議長 比留間敏夫
経済・港湾委員長 岡崎 幸夫殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第八十四号議案 都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築電気設備工事(その二)請負契約
第八十五号議案 都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築空調設備工事(その二)請負契約
第八十七号議案 平成二十年度ドラグサクション式しゅんせつ船製造請負契約
2 提出期限 平成二十一年三月二日(月)

○岡崎委員長 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○岡崎委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第八十七号議案を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○岡崎委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、港湾局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小竹委員 今回の補正予算は、臨海道路Ⅱ期工事事業を前倒しして推進するものとなっています。臨海道路Ⅱ期工事は、石原都政になって、東京港の国際物流機能強化のための道路として息を吹き返し、国の直轄事業になったものです。
 臨海道路事業は、臨海副都心開発を促進するとともに、臨海部の自動車走行の増加により、大気汚染や温暖化など環境負荷を招くおそれがあります。
 そこで、臨海道路Ⅱ期工事に伴う環境負荷についてどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。

○前田港湾整備部長 東京港臨海道路につきましては、国道三五七号とともに、東京湾岸域を東西に結ぶ路線でございまして、東京臨海地域の発展や港湾物流の効率化に大きく寄与する極めて重要な路線であるというふうに考えてございます。
 ご質問の環境負荷についてでございますが、東京港臨海道路の整備により道路ネットワークが強化され、交通の分散化や渋滞の緩和が図られることから、大気等の環境負荷の低減に大きな効果を発揮するものであるというふうに考えてございます。
 仮に、臨海道路の整備を行わなければ、交通渋滞がさらに深刻となり、かえって大気等の環境悪化を招きかねないと懸念されているものでございます。
 なお、東京港臨海道路の環境影響評価によれば、臨海道路の終点となります若洲地区における二酸化窒素濃度は〇・〇二七ppmと、環境基準値〇・〇六ppmを下回っておりまして、環境への影響は少ないと予測しております。
 したがいまして、ご指摘の点は当たらないというふうに考えてございます。

○小竹委員 渋滞が解消して負荷は与えないということですけれども、この道路工事整備そのものに伴ってCO2を発生するわけですよね。これが今、大きな問題になっています。道路工事については、セメントや鉄鋼を使い、作業にもエネルギーを使っています。
 国立環境研究所のデータから、道路関係公共投資の分野では、生産者価格百万円当たり三・五一一トンのCO2を発生するという係数が出されています。道路投資の額にこの係数を乗じれば、道路整備そのものに起因するCO2の発生量を推計することができると発表されています。臨海Ⅱ期道路の事業の総事業費は九百八十億円ですから、これに乗じると、三十四万トンのCO2を発生することが推計できるということになります。この点でも、環境負荷を大きく与えるということは明らかです。
 この写真を見てください。これは、東京新聞の二月二十三日に載った写真で、臨海道路の建設がここまで進んでいるという写真です。
 私が七月に若洲へ行ったときに、こういう、それこそコンクリートの橋脚が海の中に異様に立っているというので、自然を壊すという点でも非常に疑問を感じたわけですけれども、若洲の橋がここまでもうつくられているという点では、自然を破壊し、巨大なコンクリートの柱を林立させることによって、やはりCO2を発生させているということになるわけですし、こういうものをつくれば、皆さんの方は道路の通行量が緩和されて大気汚染にはつながらないんだというご答弁ですけれども、新たな交通需要を引き起こしているというのは、この間の道路建設の結果、明らかではないですか。
 そういう点で見ても、CO2を発生させ、環境に大きな負荷を与えるという点では大きな問題だというふうに指摘をしておきます。
 次に、この事業について、事業費は国の直轄事業ですが、都の負担金は幾らになりますか。

○前田港湾整備部長 ただいまご答弁さしあげましたように、東京港臨海道路Ⅱ期事業は、環境負荷の低減に資するとともに、自動車走行時間の短縮が図られ、港湾物流の効率化に寄与するものでございます。
 具体的には、中央防波堤地区から新木場までの所要時間が、約二十一分から十二分と約四割短縮されるとともに、年間約三百億円程度の経済効果が発生するものと試算しております。
 こうした重要な路線であることから、直轄事業負担金として事業費の三分の一を負担してございます。
 今回の補正に伴う事業費総額は五十一億六千三百万円でございます。このうち都の負担額は、その三分の一に相当します十七億二千百万円でございます。

○小竹委員 今回の事業費は十七億ということですが、計上されている予算から見れば、三分の二が国に払う負担金になっているわけですよね。そういう点でいえば、前倒しをしなければならない緊急性はないというふうに私は思います。
 先ほどお答えいただいた環境負荷の問題ですけれども、やっぱりこの間の道路建設がCO2の削減につながっていないという点では明らかですから、この点でも問題だというふうに思います。
 今、国の直轄事業の負担金について、全国の自治体から見直しを求める声が上がっています。そして、大きな問題になっているわけですから、こういう点でも、国直轄事業の道路建設などの大型公共工事に伴う事業については、見直すべきときに来ているというふうに思います。
 この点からも、私たちはこの問題について一貫して反対の立場をとってきたことを表明して、質問を終わります。

○岡崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○岡崎委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中村金融監理室長 質疑に先立ちまして、新銀行東京関係の報告事項のご説明をさせていただきます。
 まず初めに、一言おわびを申し上げます。
 新銀行東京は、去る二月二十五日、元行員らを詐欺の容疑で警視庁に告訴いたしました。今回の事件も旧経営陣の時代の融資案件で、新銀行東京が警視庁に告訴を前提として捜査を依頼していたものであります。こうした事態を招いた旧経営陣の責任は重大であると考えております。
 都民並びに都議会の皆様方にご心配をおかけしたことに対しまして、改めて深くおわび申し上げます。
 続きまして、去る二月十七日に新銀行東京が公表いたしました外部調査報告書についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、外部調査報告書に基づく新銀行東京の対応について、をごらんください。
 新銀行東京は、旧経営陣が経営に当たった開業後二年間の不良債権の増加を主たる原因とする経営悪化に対する法的責任の有無及びその責任追及の方法等について、外部の弁護士に依頼し、調査を実施してまいりました。
 一枚おめくりください。調査報告書の概要についてですが、ここでは調査の経緯及び概要を示してございます。
 二ページをお開きください。取締役及び執行役の法的責任について、1の緒論で、経営悪化を招いた要因として、想定を大幅に上回るデフォルトを発生させるような融資、保証が行われたこと及び危機的なデフォルトの発生状況に対して抜本的な対策が講じられなかったことの二つを挙げております。
 恐れ入りますが、少し飛びまして、六ページをお開きください。経営悪化を招いたこの二つの要因のうち、法的責任を追及できるのは、平成十八年八月時点で既に明らかになっていた危機的なデフォルトの発生状況に対して抜本的対策が講じられなかったことに対してであることが記載されております。
 具体的には、仁司元代表執行役兼取締役及び丹治元執行役につきましては、経営判断として許容される裁量の範囲を逸脱しており、重大な善管注意義務違反を認めるのが相当としております。
 七ページをごらんください。その他の元執行役らにつきましては、仁司元代表執行役兼取締役の指揮監督に服して業務執行を行っていたにすぎず、善管注意義務までが法的に要求されると考えるのは困難としております。
 仁司氏を除く取締役につきましては、危機的なデフォルトの発生状況に対する抜本的対策を講じることを決定すべきであった、明らかな善管注意義務違反を認めるのが相当としております。
 恐れ入りますが、資料1の最初にお戻りください。
 外部調査報告書を踏まえた新銀行東京の今後の対応についてですが、仁司元代表執行役兼取締役及び丹治元執行役に対して、民事上の損害賠償請求訴訟を提起することとしております。
 また、その他の取締役七名については、報告書でも述べられているとおり、業務執行を担当しない社外取締役であったことなどをしんしゃくし、報酬の自主返納を求めることとしております。
 今後、訴訟の提起に当たっては、訴訟代理人の選任など準備を進めることが必要であり、新銀行東京は、これが整い次第、速やかに対応することとしております。
 なお、このほかに、報告書には、詐欺的な要素の可能性があり、個別的に法的措置等を検討すべきとされた融資案件が記載されております。冒頭で申し上げました刑事告訴を行った融資案件は、その中の一つでございます。
 以上、新銀行東京関係の報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○岡崎委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○清水委員 五点、お願いいたします。
 調査報告書策定までの全経過について。
 二番目、仁司元代表執行役及び丹治元執行役の事情聴取できなかった理由について。
 三番目、調査報告書の作成過程における都への報告の状況。
 四番目、弁護士調査団が都の事情聴取を行った状況と、都が提出した資料について。
 五番目、金融庁に対し、調査にかかわって問い合わせた内容や資料について。
 五点、お願いいたします。

○佐藤委員 新銀行東京がスコアリングシステムを導入した際に、当初、金融エンジニアリング・グループから導入をしております。そして、その次に株式会社情報企画から導入をしているわけです。それぞれの導入のコストを教えてください。
 また、当初、新銀行東京開業前に金融エンジニアリング・グループが、このスコアリングモデルのスコアリングシステムを受注しているわけですが、東京税務協会など特別調査研究室において導入の議論をしております。この議論の議事録をいただきたいと思います。
 また、この新銀行東京のスコアリングシステムを新銀行東京がどう検証したのか、この資料をいただきたいと思います。
 また、先ほどお話がございました平成十八年八月、危機的な状況であったわけですが、それ以降に新銀行東京の経営陣と東京都の産業労働局の局長、また、知事、そして副知事周辺の方々が情報交換をされた、その日時、場所、回数を教えていただきたいと思います。

○岡崎委員長 ただいま、佐藤委員、清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○岡崎委員長 次に、契約議案の調査を行います。
 第八十四号議案及び第八十五号議案を一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対し意見のある方は発言を願います。

○小竹委員 第八十四号及び八十五号議案、都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築電気設備工事(その二)及び同新築空調設備工事(その二)請負契約について、反対意見を申し上げます。
 当議案は、臨海部に建設される区部中小企業の技術拠点である産業技術研究センターの電気設備及び空調設備の工事請負契約です。
 臨海部には中小企業の集積もなく、埋立地という地盤条件の悪いところであり、同センターは、一つの建物に相反する研究実験施設を押し込める計画となっており、これは臨海開発救済以外の何物でもありません。
 アメリカ発の深刻な経済状況のもとで、都内各地に集積した中小企業にとって、ものづくりを初めとした中小企業支援の拠点施設が、今ほど、独立行政法人ではなく都立の施設として東京都が充実させ、身近なところにあることが求められているときはありません。
 臨海部への移転を中止し、計画の見直しを求め、意見表明といたします。

○岡崎委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案については、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○岡崎委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、産業労働局所管分、第百号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、産業労働局所管分、第百五号議案及び第百六号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○塚田総務部長 去る二月十三日の当委員会でご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料3、経済・港湾委員会要求資料をごらんください。
 まず、表紙をおめくりください。目次でございます。資料は全部で七項目ございます。
 一ページをお開きください。雇用形態別の有業者数の推移でございます。
 平成十九年は、平成十四年と比べ、特に派遣社員、契約社員・嘱託が高い伸びを示しております。
 続きまして、二ページをお開きください。過去五年間の都立職業能力開発センターの応募状況と修了者数、就職率で、市場化テスト科目及び委託科目を含めたものでございます。
 三ページは、過去十年間の職業訓練廃止科目及び委託科目についてでございます。
 技術革新やニーズの変化等に合わせて科目の見直しを行い、平成十二年度から平成二十年度までに七十二科目を廃止、十二科目を委託化いたしました。また、平成二十一年度は三科目を廃止いたします。
 四ページをお開きください。過去十年間の労働相談情報センターの労働相談件数、出張労働相談件数、あっせん件数、職員数の推移をお示ししてございます。
 五ページをお開きください。雇用形態別、所得別就業者数の全国と東京の推移をお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。就職チャレンジ支援事業の問い合わせ件数及び登録者数の実績でございます。
 平成二十年七月の開設から平成二十一年一月末までに三千三百九十四件の問い合わせがあり、千三百三十一人の方が就職チャレンジ支援相談室に登録をされました。
 七ページでございます。年長フリーター等就職活動応援事業の実施状況でございます。
 下の表をごらんください。平成二十年度の実施状況をお示ししております。
 平成二十年度は、合計欄にありますとおり、平成二十一年一月末までに百九十名の応募があり、百五名が委託訓練を修了しております。
 なお、平成二十年度七月入校生のうち、十八名の方が就職されております。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○岡崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 今回、補正予算に提案されております、東京都ふるさと雇用再生特別基金事業、また東京都緊急雇用創出事業臨時特例基金事業ですね、この二つの基金事業についてお伺いさせていただきます。
 東京都は、既に国に先駆けて緊急雇用対策をまとめ、公的雇用を創出するため、東京都が直接実施する事業のほか、二十一年度には区市町村への補助金による事業を予定しています。
 こうした中で、日本の国内総生産は、第一次石油危機以来の三十五年ぶりの大幅なマイナスを記録し、さらなる雇用情勢の悪化が懸念をされております。ここまで経済状況が厳しくなると、企業みずからの努力に頼るだけでは雇用を守ることはできません。企業が雇用を維持、創出できるようにする必要があり、そのため行政が牽引して行う雇用創出事業の実施は一刻の猶予もないわけであります。
 今般、国では、ふるさと雇用再生特別基金事業と緊急雇用創出事業の三年間分の事業として、四千億円の予算を二十年度第二次補正予算として提案し、成立したところであります。これを受けて、東京都においても、国からの交付金百三十五億円を受け入れて基金を造成する二十年度補正予算を策定いたしました。
 そこで、まず、この二つの基金で実施する事業の目的と内容についてお伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 この二つの事業は、悪化いたします雇用情勢に対応するため、緊急に雇用を創出するとともに、さらに雇用安定につなげていくために、国の交付金を活用いたしまして、都が基金を造成し、この基金から経費を繰り出して、今後おおむね三年間にわたりまして、都及び区市町村において実施をしていくものでございます。
 まず、緊急雇用創出事業でございますが、これは、離職を余儀なくされました方々に対する臨時的、一時的な雇用機会の創出を目的としております。事業に占めます人件費割合を七割以上、雇用者に占めます失業者の割合がおおむね七五%以上、雇用就業期間は六カ月未満であることなどが実施要件として定められております。
 また、ふるさと雇用再生特別基金事業につきましては、失業者の安定的雇用機会を創出することを目的としておりまして、その実施要件は、新規に雇用いたします失業者の人件費割合が五割以上、雇用期間は原則一年以上となっております。

○鈴木委員 この両事業の予算は全国で四千億円、このうち都に交付されるのは、ただいま百三十五億円ということでありますが、この算出の考え方と内訳はどうなっているのか、伺います。

○日請事業推進担当部長 緊急雇用創出事業におきます予算は、全国で一千五百億円でございます。まず、各都道府県に一律十億円を配分いたしました上で、製造業の非正規労働者や有効求職者が多い都道府県に配分を加算するというような計算をしております。この結果、東京都の配分額は七十七億三千万円となっております。
 また、ふるさと雇用再生特別基金事業につきましては、全国で二千五百億円の予算でございまして、各都道府県に一律三十億円を配分いたします。その上で、雇用状況の厳しい地方に厚く配分をするため、有効求人倍率が低い都道府県に配分を加算いたしまして、その結果、都の配分額は五十七億六千万円となっております。

○鈴木委員 雇用状況の厳しさに応じて配分されているとのことですが、先ごろ発表された東京労働局の一般職業紹介状況によれば、東京都の雇用状況も非常に厳しいものがあります。この基金を有効に活用して、雇用創出効果の高い事業を実施していただきたい、そのように思っております。
 また、この事業は東京都と各区市町村が実施するものであり、各区市町村の実情に応じた多様な事業が実施できるように、柔軟に対応すべきだというふうに考えております。
 東京都は、我が党の代表質問に答えて、福祉や環境、産業振興といった多様な分野での活用を考えるという答弁がなされました。具体的にはどのような事業を想定されているのか、お伺いいたします。

○日請事業推進担当部長 事業実施に当たりまして、国は、介護・福祉分野、産業振興分野、農林漁業分野などの十の分野と具体的な事例を示しておるところでございます。その事例といたしまして、例えば、地域ぐるみでの間伐及び間伐材等の利用促進をするとともに、その資源をエネルギー等に有効活用する事業、あるいは低炭素都市グリーン・ジョブ創出事業として、エコハウス普及やエコツアーを実施する事業、地域における多様な子育て支援の促進として、児童の預かりを結びつける事業等々が挙げられております。
 現在、このような事例を参考にいたしまして、都及び区市町村におきまして事業計画を策定しているところでございます。

○鈴木委員 この事業は百三十五億円という予算で行うわけですが、最大限の雇用効果を生み出すとともに、地域の振興、さらには産業振興にもつながるような大きな波及効果を持つ事業としていかなければならないというふうに考えております。
 また、事業の実施に当たっては、国、東京都、区市町村がそれぞれの垣根を越えて一致協力して取り組むことが不可欠であると考えております。
 そこで、最後に、基金事業の活用を含めて、雇用対策に取り組む局長の決意をしっかりとお伺いしておきたいと思います。

○佐藤産業労働局長 冒頭、理事からもご指摘がございましたけれども、世界的な金融、経済危機の影響を受けまして、我が国の雇用情勢は極めて厳しい状況となっております。
 労働相談情報センターに寄せられております相談も、解雇または採用内定取り消し、それから派遣労働者の雇いどめなど、深刻な内容の相談が増大しておりまして、こうした状況に対応するため、この三月にも改めて特別相談会を実施する予定でおります。
 また、雇用の場を確保するために、既に都独自の雇用創出事業を実施しておりますが、さらに今後、今般の国の交付金を活用して基金を造成いたしまして、雇用創出事業を実施することといたしました。
 今後、これらの基金事業に加えまして、既存の事業や来年度新たに実施を予定しております事業をフルに活用いたしまして、都庁各局はもとよりのこと、国、区市町村とも十分に連携いたしまして、最大限の効果を上げていく。このことによりまして、現下の雇用情勢におけるさまざまな課題に全力で取り組んでまいる覚悟でございます。

○山口委員 私からも、同じ問題について幾つか、また、違う角度から質問させていただきたいと思います。
 さて、東京都が五十万人の公的雇用を打ち出した緊急対策Ⅱを発表したのが、昨年の十月三十一日でございました。その段階では、都は、八月の全国失業率が四・二%で、前月に比べ〇・二%上昇したことや、二十年第二・四半期の南関東の失業者が七十四万人で、前年第三・四半期に比べて十万人増加しているとの認識を示していたわけであります。
 しかし、緊急対策Ⅱの発表以降、雇用情勢は急速に悪化しており、例えば先週末の二月二十七日には、非正規十五万人失職といった厚生労働省の発表が新聞各紙のトップをにぎわせているわけであります。
 昨年の十月以降、現在の雇用情勢はますます厳しくなっているように思いますが、その認識についてお伺いしたいと思います。

○小田雇用就業部長 金融危機に端を発する世界同時不況は、我が国経済にも大きな影響を及ぼし、中でも、近年増加してきた派遣など非正規労働者において失業が急増しております。
 厚生労働省が、先週ですが、二月二十七日に発表した一月の有効求人倍率は、全国で〇・六七倍となっておりまして、八カ月連続で悪化しております。東京におきましても一・〇〇倍となりまして、前月比〇・〇五ポイント低下しております。雇用情勢は急速に悪化しているものと認識しております。

○山口委員 五十万人の公的雇用を盛り込んだ緊急対策Ⅱの発表以降、雇用情勢は急速に悪化しているという認識であるということでありましたが、今回の補正予算にある緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生特別基金事業だけで十分な対応といえるのかというところが疑問であります。
 まず、国の施策と都の施策を比較してみたいのですが、都の施策は、五十万人分のうち、道路や公園の樹木剪定などの直接実施で二十万人、雇用創出効果の高い事業を区市町村が実施する場合に支援することで三十万人ということになっています。
 産業労働局の所管としては、後段の三十万人分として、二十一年度予算案に三十億円余りを計上しているわけでありますが、この算定の根拠は何なんでしょうか、また、一人当たりの人件費は一体幾らになるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

○日請事業推進担当部長 都におきます雇用創出事業では、直接雇用は二カ月以上といたしまして、委託事業の場合は雇用期間は特に制限をせず、すべて補助対象といたしました。また、シルバー人材センターへも委託できるものとしております。
 一人一日当たりの経費を一万円と見込みまして、延べ三十万人の雇用創出としたものでございます。
 また、事業の実施要件といたしまして、人件費比率を五〇%以上というふうにしておりますことから、人件費は仕事の内容あるいは勤務時間、委託先等により異なりますが、一人一日当たりでは平均して五千円から一万円になるというふうに考えております。

○山口委員 一方で、今回の補正予算にある緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生特別基金事業について、舛添大臣などは、一千五百億円を第二次補正予算で組んでいる緊急雇用創出事業で、二十三年度までで十五万人分の雇用の創出を見込んでいると答弁されているわけですが、全国規模で、しかも二十一年度からの三年間で十五万人というのでは、東京都が打ち出している三十万人と比べると少ないように、これは当然思うわけでありますが、国の算定基準はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○日請事業推進担当部長 国は、雇用の算出に当たりまして、正規雇用を図るふるさと雇用再生特別基金事業につきましては一人当たり二百五十万円、年間でございます。つなぎ雇用の緊急雇用創出基金事業では一人当たり九十七万円で事業費を算出するとされております。それ以上のものは、国から示されておりません。

○山口委員 額しかわからないということでありますが、それでは、失業者数に対して適正な規模かどうかも、これは判断できないのではないでしょうか。補正の規模が、ふるさと雇用再生特別基金事業が五十七億六千万円、緊急雇用創出事業が七十七億三千万円でありますから、逆算すれば、それぞれ二千三百四人と七千九百六十九人となるわけでありますが、これらは三年間の数字になるわけであります。また執行面からも、これは課題が残るといわざるを得ません。
 都の事業が、新規雇用を一人以上、人件費割合を五割などという条件を付しているのに対して、国の事業は、例えばふるさとでいえば、経費のうち失業者に向けられる人件費は二分の一以上と、やや厳し目でありますが、緊急に至っては、事業費に占める人件費割合がおおむね七割以上であり、かつ事業に従事する全労働者に占める、新規雇用する失業者の数の割合がおおむね四分の三以上と厳しい条件を付しているわけであります。
 費用対効果を考えれば、事業費に占める人件費割合を厳しくすることも理解できますが、厳しくすることで事業そのものが実施できないというのであれば、これは問題であります。現に平成十三年に行われた緊急地域雇用創出特別交付金事業も、これは執行率が低かったと聞いております。
 東京都は、さきの代表質問に対して、基金事業の実施要件は、全国知事会や東京都の提案要求により緩和されたと答弁をされているわけでありますが、事業費に占める人件費割合について、東京都はどの程度が雇用創出に有効であるとお考えになられているんでしょうか、お伺いしたいと思います。

○日請事業推進担当部長 ただいまご指摘がございましたように、事業費の中の人件費比率を高くすれば、雇用創出効果が高くなるというふうに考えられます。一方で、事業実施に当たりましてのハードルが高くなるというデメリットも考えられます。
 現在の基金事業におきます人件費比率等の要件は、全国知事会と東京都の要請によりまして緩和されたものでございます。東京都といたしましても、妥当なものと考えております。
 今後、この要件のもとに効果的に雇用創出ができるよう努めてまいります。

○山口委員 また、このふるさと雇用再生特別基金事業では、事業実施のために新たに雇い入れた労働者を正社員として受け入れ、かつ六カ月定着をしている場合に、その事業主に対して労働者一人当たり三十万円を支給する制度となっています。
 一方で、緊急雇用創出事業は、雇用期間を六カ月未満としていることに加えて、更新不可を原則とし、定着化を図っていこうという姿勢は見られないわけであります。
 そこで、東京都では現在、就職チャレンジ支援事業などを実施しているわけでありますが、今後、定着化、正社員化の促進に向けた施策について、引き続き検討していくべきではないかと考えるわけでありますが、その認識をお伺いしたいと思います。

○日請事業推進担当部長 都では、非正規労働者の支援のため、しごとセンターでの就業支援、そのほか就職チャレンジ支援事業、あるいはネクストジョブ事業、非正規労働者向けの職業訓練等を実施しているところでございます。
 緊急雇用創出事業で雇用されました方で正社員を希望されます方に対しては、こうした事業により支援をしてまいります。

○山口委員 今、雇用対策の規模や使い勝手、また、定着化、正社員化の促進について質問をしてまいりました。
 都においては、東京の失業者数の実態もしっかりと把握をした上で、予算の積み増しも含めて、適切かつ迅速な雇用対策を進めるとともに、都独自の施策として定着化、正社員化を促す仕組みについても検討していくことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○高倉委員 補正予算として提案をされております就職困難者緊急就職支援事業と新たにつくられる基金について、質問をいたしたいと思います。
 昨年九月の米国の金融危機に端を発した世界同時不況によりまして、我が国の経済は一気に落ち込み、雇用情勢も急速に悪化をしているわけであります。こうした状況に対応するため、都は国に先駆け、二度にわたり補正予算を組みました。
 そこでまず、確認の意味で、雇用情勢の悪化に対し、都のこれまでの具体的取り組みについてご説明いただきたいと思います。

○小田雇用就業部長 都は、雇用情勢の悪化を受けまして、緊急雇用対策として、三定の補正予算で、十一月から三十代の非正規労働者の正規化を目指すネクストジョブ事業、四定の補正予算では、都の直接実施によります延べ二十万人分の公的雇用の創出を開始いたしますとともに、現在、延べ三十万人の雇用創出事業の早期実施に向け、区市町村と調整を進めております。
 十二月には、東京労働局と共同で東京緊急雇用対策本部を設置しまして、直ちに都内主要経済団体に対しまして雇用維持の要望を行うとともに、労働相談情報センター等で緊急労働相談会等を実施いたしました。
 また、本年一月には、副知事を座長とする緊急生活・雇用対策連絡会議を設置しまして、全庁的に緊急対策に取り組む体制を整えております。

○高倉委員 ただいまのご答弁で、都が実施してきた緊急雇用対策の取り組み状況はわかりました。
 しかしながら、その後も、この雇用情勢というのは一段と厳しさを増しているわけであります。一月の都内の有効求人倍率は一・〇倍まで下がっているというふうにお聞きしております。この数値でありますけれども、すべての求人、求職者の統計でありますから、例えば障害者や子育て中の女性といった、いわゆる好況時でも就職が困難な方々については、より厳しい状況に陥っているのではないかと危惧されるところであります。
 都議会公明党は、昨年の第四回定例会で、障害者や女性などの方々に対する一層の雇用対策を実施するよう要望したところであります。
 都はこれを受けて、就職困難者緊急就職支援事業として、二十年度補正予算に二億円を計上するとともに、二十一年度予算にも三億円を計上しているわけであります。その内容の詳細について、わかりやすくご説明していただきたいと思います。

○小田雇用就業部長 まず、二十年度の補正予算の二億円でございますが、就職困難者を採用しました企業に対する奨励金に係る、しごとセンターの基金への出損金でございます。
 この奨励金では、具体的には、しごとセンターに登録後六カ月を過ぎても就職できない方を正社員として雇い入れた企業に対して三十万円、そのうち、障害者、女性など特に就職が困難な方を採用した企業には五十万円を支給するものでございます。
 また、二十一年度予算の三億円では、職業能力開発センターの修了生のうち、障害者、ハローワークの受講指示で訓練を受けた女性、高齢者等を訓練修了後三カ月以内に採用した企業に対する奨励金に係る経費を計上したものでございまして、一人当たり五十万円を支給するものでございます。

○高倉委員 雇用情勢は日々悪化しているというような実感があるわけであります。今、説明をいただいた事業につきましては、時間を置くことなく、直ちに実施していただきたい、このように思っております。
 また、この奨励金については、支給手続をできる限り簡略化して、企業が利用しやすいものにすべきと、そのように考えますけれども、このことについてご見解を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 この奨励金は、企業が利用しやすく、また、障害者等の採用に向けたインセンティブとなるように、お話のとおり、支給手続についてできる限り簡素化して、採用後すぐ支給できるようにしてまいります。
 また、しごとセンター及び職業能力開発センターにおける各奨励金については、予算成立後、早期に実施できるように取り組んでまいります。

○高倉委員 ぜひとも、早期の事業実施というのをお願いしたいと思います。
 次に、基金事業について質問をさせていただきます。
 既に先ほどの質疑で、その事業内容等につきましては説明がありましたので、私からは、基金事業の活用方法について提案をいたしたいと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、障害者などの雇用、大変厳しい状況にありますけれども、これは、障害者等を雇用して実施している事業そのものが、不況の荒波を受けまして、大変厳しい状況にあるということを反映していると思います。
 そこで、この基金事業においては、障害者や女性などを積極的に雇用する事業というものも数多く取り上げていくべきではないかというふうに考えますけれども、ご見解を伺いたいと思います。

○日請事業推進担当部長 この二つの基金事業は、どちらも雇用創出を目的としておりまして、障害者、女性の方々の雇用についても活用できるものでございます。
 国が示しました具体例の中にも、特例子会社の設置等、障害者雇用の促進に向けて、地域の企業を訪問し周知を行う事業、あるいは、育児に従事する女性医師や女性看護師の保育ニーズを把握し、預かり先等を探す上での相談を行う事業等、女性、障害者の雇用を進める事例がございます。
 都といたしまして、区市町村や事業の受託者等に、こうした事例を広く紹介いたしまして、対応してまいりたいと思っております。

○高倉委員 これまでの答弁で、雇用対策として、都がさまざまな事業に取り組んでいるということを理解いたしました。
 また、都がこれまで実施してきた事業に今後実施する事業というのを組み合わせていくとすれば、都民に対して一層きめ細かな支援ができるものと期待をいたしております。
 しかし、一方で、生活支援に関するものも含めまして、矢継ぎ早に新たな事業が実施されているために、都民が失業して本当に困ってしまったときに、自分がどのような支援を受けることができるのか、また、それについては一体どこに連絡したらよいのかというようなことが、なかなかわからないというようなこともあるのではないかと思っております。
 そこで、困ったときの総合相談窓口といったようなものも必要ではないかというふうに思いますけれども、この点についての取り組みについて、ご見解を伺いたいと思います。

○小田雇用就業部長 都では、解雇、賃金不払いなど労働問題に関する相談につきましては、既に東京都労働相談情報センターで対応しておりますが、このたび、新たに専用ダイヤル、ホットラインでございますが、「東京都ろうどう一一〇番」を開設しまして、相談体制を充実してまいります。
 また、生活、雇用に対する支援でございますが、既にホームページで、都の生活、雇用に関する支援策を一覧にして案内しておるほか、全国紙に就業支援制度の広告等を掲載して普及を図っているところでございます。
 さらに、こうした支援策についてのわかりやすい案内パンフレットも作成する予定でございます。
 引き続き、こうした取り組みによりまして、都民の方がお困りにならないように対応してまいります。

○高倉委員 私は、都民が、自分が必要とする支援策というものを有効に活用して、生活の向上が図られるようになることを切に願うものであります。都民に対しまして、都の施策を大いに周知していただきたいというふうに思います。せっかくのよい施策が、都民が知らないまま、利用されないままというようなことがあってはならないというふうに思います。
 雇用情勢については、いまだ先の見通しは立たない状況がありまして、これからもさまざまな追加的な対策を打たなければならない事態が発生してくるのではないかというふうに考えております。
 そこで、最後に、産業労働局局長に雇用対策に取り組む決意を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

○佐藤産業労働局長 先週発表されました有効求人倍率、また非正規労働者の雇いどめなど、雇用の状況は一段と悪化しておりまして、予断を許さないというような状況になっているかと認識しております。
 都は、国に先立ちまして、昨年、二度の補正予算を編成して、都民の生活を守るため、特に三十代の年長フリーターの正規雇用化を目指すネクストジョブ事業ですとか、都が行う公共事業による雇用創出など、さまざまな対策を実施してきたところでございます。
 また、最終補正予算では、雇用創出を図るための基金の造成、また、お話のありました障害者、女性など就職困難者への対策を実施いたしますとともに、二十一年度予算でも、新規学卒者も対象とする若者への就職支援、また非正規労働者向けの職業訓練の拡大、さらには労働相談体制の充実など、雇用就業対策全般にわたり積極的に対策を講じていくところでございます。
 これらの施策を効果的に実施していくとともに、国や区市町村とも連携を図りながら、雇用対策に万全を期して全力で取り組んでまいります。

○小竹委員 私の方からは、補正予算及びふるさと雇用、緊急雇用対策基金に関連して、雇用対策についてお伺いいたします。
 二月二十七日、厚生労働省は、雇いどめによる非正規労働者で失業する人が十五万八千人に上ると発表しました。昨年十一月の予測では八万人としていたところですけれども、実際には倍になっているという状況です。業界からは、四十万人にも上るというふうにも推定されています。
 現在の雇用の状況は、輸出関連の大企業を先頭にして、非正規労働者の解雇、雇いどめが続いていることを示しています。一月から見ても三万三千人ふえているという状況です。その上、三月末までには正社員の解雇も大きな問題になっている状況もあります。百人以上の大量リストラだけで、正社員で一万人に上るという報道もされています。
 この春の新卒者に対する内定取り消しも、私たち、大学生の調査を昨年暮れに行いましたけれども、大学生から専門学校、高校まで広がりを見せ、雇用状況はますます深刻な状況になっています。
 現状の東京における雇用状況について、東京都はどのように認識しているのか、まずお伺いします。

○小田雇用就業部長 金融危機に端を発する世界同時不況は、我が国経済にも大きな影響を及ぼし、中でも、近年、増加してきた派遣など、非正規労働者において失業が急増しております。
 厚生労働省が二月二十七日に発表した一月の有効求人倍率は、全国で〇・六七倍となっておりまして、八カ月連続で悪化しております。また、東京においても一・〇〇倍と、前月比〇・〇五ポイント低下しておりまして、雇用情勢は急速に悪化していると認識しております。
 なお、都では、こうした実態を踏まえまして、既に二度にわたる緊急対策を講じており、さらには、国の交付金を活用しました雇用創出事業を行うとともに、来年度予算でも積極的な雇用対策を盛り込んだところです。

○小竹委員 雇用情勢は急速に悪化しているという認識は示されて、東京都がやっている事業についてご報告があったわけですけれども、雇用を守るということは、東京の経済を守る上でも本当に最重要の課題だというふうに私たちは思っています。大企業が旗振りを続けていることによってふえ続けている派遣切りなどの雇用対策に対して、緊急支援策の抜本的な強化が今ほど求められているときはないというふうに思います。
 そこで、国が交付した二つの基金、ふるさと雇用と緊急雇用対策で創出される雇用の目指す方向と性格について、どのようなものか、お伺いしておきます。

○日請事業推進担当部長 まず、緊急雇用創出事業でございますが、現下の厳しい雇用情勢におきまして、離職を余儀なくされた非正規労働者あるいは中高年齢者等に対します当面の雇用確保策として実施するものでございます。都や区市町村の直接実施事業、民間企業等への委託事業によりまして、臨時的、一時的な雇用の場を提供してまいります。
 また、ふるさと雇用再生特別基金事業につきましては、失業者等の安定雇用化を図るものでございまして、民間企業等に将来性のある持続的な事業を委託し、失業者を一年以上の雇用期間で採用の上、正社員など安定雇用につなげていくものでございます。

○小竹委員 緊急雇用についてはあくまでもつなぎということで、その期間を過ぎれば、また次の仕事を探さなければならないというふうになるわけですね。そういう意味で、つなぎ事業は、今の当面の問題として、私自身も必要だというふうに思うんですけれども、やはり、安定的な雇用に結びつけていくということが何よりも重要だと思っています。そういう点でいうと、今の緊急雇用状況の中では、まだまだ都の対策も国の対策も十分でないというのが率直な実感です。
 年末年始の年越し派遣村に衣食住を求めて集まった五百人の人たちも、その後私たちが行った街頭労働相談に来られた方も、ほとんどが正規雇用を願っています。そういう点では、本当に今、こういう人たち--私たちのところへ来られた方や、年越し派遣村に来られた方は、今、解雇されている人たちの氷山の一角にすぎないわけですけれども、正規雇用を願っているという点でいえば、本当にそういう対策が求められているというふうに思います。
 今度の国の基金の緊急雇用対策基金でやれる事業には、企業への委託と、自治体による非常勤の直接雇用が位置づけられているんですけれども、ふるさと雇用については委託のみの限定になっています。直接雇用を認めないのはどういう理由があるんでしょうか。

○日請事業推進担当部長 都あるいは区市町村の直接事業では、失業者の雇用は臨時職員あるいは非常勤職員に限られます。そのため、六カ月未満の短期の雇用しか、地方公務員法上認められていないところでございます。
 また、ふるさと雇用再生特別基金につきましては、財源が、労使からの保険料をもとに運営されます雇用保険会計から拠出しております。国は、ふるさと基金事業につきまして、雇用保険料を支払う民間企業等への事業というふうに位置づけて実施するものでございます。

○小竹委員 雇用保険で賄われている事業だということではありますけれども、民間企業とて、簡単には、事業を継続してやるというのは、現下の経済状況の中では、非常に難しい状況に中小企業なども置かれているというふうに思うんですね。
 緊急雇用については、先ほどもいいましたけれども、あくまでもつなぎという点でいうと、やはり、このふるさと基金が、正規雇用に結びつけていくという立場での基金になっているわけですから、この面での充実が本当にされて、解雇された人たちの雇用が安定できるようにするという点では、欠かせないというふうに思っています。
 そういう意味で見た場合に、果たしてこれだけでいいのかという問題も出てくるわけですが、自治体だって、現業部門については、人が削られて不足の状態が起きているわけですから、こういう点でも検討していく必要があるというふうに思います。
 派遣村の人たちは、五日からそれぞれ中央区や練馬区に移ったわけですけれども、そのときに、東京労働局が寮つきの雇用三千件を用意されました。その多くが正規を中心にして雇用を用意したというふうにいわれたんですが、そういう点でいうと、仕事につなげられるから、これでよかったかなというふうに、そのとき、瞬間、私なんか思ったんです。しかし、実際に派遣村に来られた人たちが、そこで相談をした状況の中では、派遣労働者の人たちは、今まで寮つきのところに住んできたから、寮つきのところに入ってまた切られたら同じ思いをしなきゃならない、そういうことで、その提供された仕事を選ぶのは、ごくわずかの人しかいなかったというふうに伺っています。
 そういう点で見ると、きちんと自立してやれるような仕組みをつくっていく必要があるわけですけれども、自治体の事業なども、今、低賃金で官製ワーキングプアが大きな問題になっています。また、自治体でも偽装請負の状況もあるわけで、やっぱり、きちんとした直接雇用という点でいえば、人的配置をして、安定的な--自治体においてもつくる必要があるというふうに思うんですね。
 そういう点で見たときに、この基金の枠を国に対してもきちんと要求して、ふるさと基金についても直接雇用ができるような仕組みへ道を広げていく必要があるんじゃないかというふうに私は思うんですが、この点、どうでしょうか。

○日請事業推進担当部長 先ほど申し上げましたが、都や区市町村の直接雇用につきましては、地方公務員法上、能力の実証が必要とされております。また、臨時職員を雇用する場合には、六カ月未満という法規上の制限がございますので、国に対して要望する考えはございません。

○小竹委員 国に対して要望する気はないということですけれども、地方公務員法との関係は、それは十分あるわけですけれども、今、現業や何かで不足している部門について自治体が雇い入れていくということも含めて、今後の問題としては発展させていく必要があるという点では、この点を指摘しておきます。
 解雇された人たちが安定した仕事で定着できるようにするためにも、一定期間の職業訓練は欠かせないというふうに思います。派遣村でお世話をしたボランティアの方々がいっているんですけれども、東京都が行っているチャレンジ支援事業などが必要になってきていると。受講奨励金を出して訓練を受けるような状況を、やっぱり雇用の上ではつくる必要があるというふうに多くの人がいっています。その点からぜひ検討する必要があるというふうに思うんですが、現行の就職チャレンジ支援事業の現状と今後の見通しなどについてお伺いしておきます。

○日請事業推進担当部長 就職チャレンジ支援事業でございますが、二十一年一月末現在で三千三百九十四件の電話または来所の相談が寄せられております。このうち千三百三十一名の方が就職チャレンジ支援相談室に登録されまして、職業訓練等を希望されているところでございます。
 就職情報誌等に掲載あるいはコンビニ等にもパンフレットを置いてもらうなど、広報活動をしております。
 また、雇用情勢の影響等により、訓練受講希望者が増加しておりますけれども、現在では、すべての希望される方が施設内訓練または委託訓練のどちらかを受講できるというふうに考えております。
 また、就職状況でございますが、現在では、訓練修了生が少ないこともありまして、就職者も少数でございますが、今後、求人開拓を初めといたしまして、就職支援に努めてまいります。

○小竹委員 解雇された人にとって、スキルアップするということは、やはり就職への道が開かれていくことになり、また、それを確実にしていくという点でも、私は非常に重要だというふうに思うんです。
 今、今の枠内で十分こたえられているというふうなお答えでしたけれども、現下の雇用状況からすると、こういうことが行われているというのが徹底されればされるほど、さらに希望者がふえていくことは間違いないというふうに思うんですね。
 そういう状況の中では、都のチャレンジ支援事業の枠をふやすこととともに、ふるさと雇用再生事業についても、失業者の方々への、スキルアップするための訓練ができるような道を開くべきだと思うんですが、この点についてどのようにお考えか、お答えください。

○日請事業推進担当部長 就職チャレンジ支援事業におきまして職業訓練を実施いたしますほか、現在、勤務されている方に対しましては、能力向上訓練あるいは夜間の非正規労働者向けの職業訓練等を実施しております。こういった訓練を受講が可能かと思います。

○小竹委員 国に対して要請していくという点ではどうなんですか。今ある都の事業の範囲で足りているというふうなお答えだったんですが、やはり、国に対して道を開くように求めていくべきじゃないかと思うんですが、この点についてはどうなんでしょうか。

○日請事業推進担当部長 就職チャレンジ支援事業あるいは職業訓練につきましても、現在実施している規模で要望にこたえられるというふうに考えておりまして、特に国に対する要望は考えておりません。

○小竹委員 十分だという認識なんですけれども、私は、この間私たちが受けてきた、非正規の方々の相談を通じても、やっぱり、この先安定した仕事につきたいという希望は物すごく強いんですよ。そういう点でいっても、技術を持っている方については、それなりに道が開かれていくだろうというふうに思うんだけれども、持っていない方々が圧倒的な数を占めているという点でも、この点については国に要求していく必要があるというふうに思っています。
 非正規で雇いどめに遭った人たちがどういうことをいっているかといったら、二度とこんな思いをしたくない、何とか正社員になりたい、安定した仕事につきたいというふうなことを共通していっているんですよ。だから、そういう点でいっても、先ほどご回答がありましたけれども、ご回答というか、お答えの中にありましたけれども、厚生労働省が発表した一月の有効求人倍率は全国で〇・六七倍、五年四カ月ぶりの低水準になっているというふうにいわれている状況からいったって、再就職は非常に困難な道が予測されるわけですし、正社員の有効求人倍率は〇・四三倍ですよね。正社員につくというのはさらに困難を要するわけですから、そういう点でいっても、訓練して技術を習得するというのが、いかに正社員の道に入っていく上で必要かというのも、私はこういうところから示されていると思うんです。
 予算の中に、国からの委託での訓練事業も入ってきているわけです。ただ、雇用保険に入っている人たちは、雇用保険の方から訓練期間については奨励金が出るわけですけれども、圧倒的多数は雇用保険に入っていない人たちですから、東京都がやっている就職チャレンジ支援事業のように訓練奨励金をもらえなければ、訓練を受けることができないわけですよね。
 だから、そういう意味でいっても、臨時的な事業が時間的にどうかというふうなのもあるんだけれども、これまでの非正規雇用の労働者の人たちの労働時間を見たら、物すごい長時間ですから、夜訓練を受けるのも困難になるという点も考えられるわけですね。そういう点で見たときに、直接雇用につながるようにという、ふるさと雇用再生の事業についていえば、実効あるものにするためにも、訓練奨励金などを位置づけて、それと結びつけてふるさと雇用につながっていくような事業に発展させるという点では、ぜひこれは国の方に要求するよう、強く要望しておきます。
 さらに、私たち都議団は、一月、二月に街頭で二度にわたって労働相談を行いました。三十四人の方が来られたわけですけれども、過半数が、十一月以降の派遣切りに遭った人たちです。雇いどめに遭った人たちです。その多くが、一度は自殺を考えた、三日間も何も食べていない、所持金は百十円。私が話した人は、たった二十四円しか持っていないというふうにいっていました。極限状態にまで追い込まれているということが、この点でも明らかです。
 雇いどめと同時に寮を追い出され、住まいを失い、雇用保険もないために、次の仕事を探し出す前に路上生活になってしまう、これが共通しています。思い切って相談してよかったといわれたのも、三十四人の人たちが共通しているんです。こういう点でいうと、雇いどめが急増しているもとで、相談体制の強化というのは欠かせないというふうに思います。
 先ほどもお話がありましたけれども、三月九日からは特別相談が行われるという点では、これ自身、非常に大事なことだというふうに私たちは思っていますけれども、この特別相談は、仕事や雇用ということで絞った労働相談ですから、派遣切りに遭った人たちの暮らしの問題、住まいの問題、いろいろ含めたら、対応し切れないのが今の現状だというふうに思うんです。こういう点でいうと、代表質問でも取り上げましたけれども、雇用、生活、住宅、医療、こういうものを含めた総合的な相談の窓口、そして支援の体制が必要だというふうに思うんですね。土日も含めて、やっぱり必要だというふうに思いますので、そのことと、それから、特にこういう人たちが集まる可能性のあるターミナル駅での街頭労働相談なども、総合的な相談として行うように求めるものですけれども、どうか、伺います。

○小田雇用就業部長 東京都は、解雇、賃金不払いなど労働問題に関する相談につきましては、東京都労働相談情報センターにおいて通常の労働相談に対応するとともに、関係機関の協力を得まして、主要駅で年間十四回の街頭労働相談を実施しております。
 これに加えまして、新たに専用ダイヤル、ホットラインでございますが、「東京都ろうどう一一〇番」を開設しまして、労働相談体制を充実してまいります。
 また、既にホームページでは、都の生活、雇用に関する支援策を一覧にして案内しておりますほか、全国紙に就業支援制度の広告を掲載しております。
 さらに、こうした支援策についてのわかりやすい案内パンフレットも作成する予定でございます。

○小竹委員 十四回の労働相談を行っている。それは、私も、やっていらっしゃる現場に伺ったりして、お話を聞いたりしていますけれども、この緊急の事態の中で、きちんとした体制が必要だというふうに私は思っていますので、提起したわけですから、ぜひそれは前向きに検討していただきたいというふうに思うんです。
 十四回の街頭での労働相談は、それなりに意義を認めていますし、先ほどの緊急のためのパンフレット、それもぜひ発行していただきたいんだけれども、やっぱり、切られた人たちが行く場所というのが、まちでやっていれば、そこへ来る人たちは--都議団は二回ですけれども、そのほかにも、労働組合などがやっている相談にも多くの人たちが来ていますから、役所であればこそ総合的な相談が可能になるわけで、ぜひこれについては前向きに検討していただきたいというふうに思います。
 さらに進めますが、この間、私たちが相談を通じて感じたのは、法律上守られている労働条件を、働いている人たちが余りにも知らないという問題です。そういうために、不利益を受けたり、違法、不法な労働につかされているというふうに思っています。(資料を示す)労働相談情報センターがつくって、コンビニに置かれているこのチラシは、私は非常に役に立つというふうに思っています。労働局にも、こういうパンフを国としても出すように求めてきたところですが、私も以前に、こういう労働法の簡易なパンフレットを、若い人たちが利用するコンビニや駅などに置くように提案してきて、実ったという点では、非常によかったというふうに思うんです。
 この中に入れられるかどうかは、スペースとの関係があるんだけれども、今、特に派遣労働で首を切られている人たち、三年以上働いている期間がある人たちが結構多いんですよ。それで、国会でも、共産党の志位委員長が雇いどめの問題を取り上げたときに、偽装請負についても通算されるというふうなことも出ていますから、こういう問題についても、これがどのぐらい発行されているかというのもあわせてお伺いしたいんですけれども、三年たつと派遣先の企業が申し出る義務が発生するんだということもやはり明記しておく必要があるというふうに思うんですが、その点、いかがでしょうか。

○小田雇用就業部長 都はこれまでも、派遣等の非正規労働者や事業主に対して、労働者派遣法やパートタイム労働法等の関係法令を周知する資料を作成し、配布するなど、普及に努めてまいりました。
 お話のパンフレットでございますが、派遣労働者だけでなく、パート労働者やアルバイト、契約社員等の非正規労働者に、労働条件のポイントを簡潔にまとめたものでございまして、相談窓口として労働相談情報センターを紹介したもので、広く配布する目的で作成しました。
 なお、部数でございますが、二万部発行しております。
 これでございますが、限られた誌面に多くの情報を盛り込むことから、すべての情報を記載することは困難であります。しかし、派遣労働者の直接雇用への転換制度は重要な事項でありまして、例えば非正規労働者を対象とした労働法を解説した冊子「どうなる?こんなトラブル!」、こういうものでございますが、これに二ページにわたって紹介するなど、都としても周知に努めているところでございます。
 今後とも、目的及び用途に応じて、必要な情報を盛り込んだ、わかりやすい資料を作成しまして、労働関係法令の知識を広く普及させるように努めてまいります。

○小竹委員 東京労働局も東京都も、企業に対して、派遣労働法などについての講習は行っているわけですけれども、違法、脱法的な働かせ方というのがなくなっていないわけですよね。こういう点からも、働く側の人たちがその知識を持っているか否かというのは、やっぱり欠かせないわけですから、そういう点でも、私は--これは確かに、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員ということで書かれていますから、そういう人たちが対象だというふうにはわかるんですけれども、今、一番、派遣労働者が雇いどめに遭っている状況ですから、このパンフの普及というのは、私は本当に欠かせないと思うんですね。
 そういう点でいうと、企業の側に対してはやっているから、逆にいうと、裏をかいてやっているんじゃないかというふうに思われるほど、違法、脱法行為が行われているという点では、こういうものを本当に派遣労働者の人たちの目に触れるところに置くというのが大事なんですよ。
 先ほどいわれたパンフレットは、そんなに部数が多くないわけだから、ぜひこれをもっとふやして、今、コンビニは、ミニストップだったかな、もっとほかのところも含めて、それから都営交通の駅には全部置くぐらいの、そのぐらいやって、東京都が姿勢を示すということが大事なんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう点でいえば、ぜひもっと部数を、今の緊急事態のもとでふやして、あらゆるところに置いていただくように、この点は要望しておきます。
 それとあわせて、先ほどもいいましたけれども、今、非正規雇用の人たちが解雇されているという点では、大企業が旗振りをやっているという状況にあるわけです。東京はその大企業の本社機能が集中しているところでもあります。代表質問でも取り上げましたけれども、深刻な雇用状況からいっても、私は、一定の権限を持った雇用対策本部を立ち上げること、そしてまた三月までの派遣切りをこれ以上させないという点でも、改めて大企業に対して派遣切りをやめるよう働きかけるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○小田雇用就業部長 緊急雇用対策の実効性を確保するためには、事業主の理解と協力が不可欠でございます。こうした点から、都では既に昨年十二月、経済団体を通じ、大企業への働きかけを行ったところでございます。
 経済団体や企業に対しましては、さまざまな機会を通じまして、中小企業に対する発注要請も含めまして、経済、雇用問題に関する理解と協力を求めているところでございます。
 また、経済、雇用対策に関して、昨年、二度の緊急対策を全庁を挙げて取り組みますとともに、二十一年度予算にもさまざまな対策、施策を盛り込みました。
 こうした取り組みに加えまして、都は本年一月に庁内連絡会議を立ち上げまして、各局で実施する生活、雇用対策を総合的にかつ効果的に実施するため、副知事を座長に、全庁的な取り組みを進めているところでございます。
 お話の、経済、雇用対策本部を改めて設置する考えはございません。

○小竹委員 十二月に経済団体に対して働きかけをしたということで、それは私も十分承知しています。しかし、十二月にやった後、これだけ急激に、倍以上の雇用破壊が起きているわけですから、本当に大企業が旗振りをやっているというのはもう公然たる事実になっているわけで、さらなるこれ以上の解雇を許さないという点でも、今、東京都がやるべきだ、働きかけるべきだというふうに思います。
 本部機能についても、やらないということですけれども、雇用や中小企業の対策を担っている産業労働局が核になって、今の連絡会議だけではなくて、やっぱり対策本部としてきちんと機能させていくということが重要なんではないでしょうか。
 深刻な雇用や中小企業、そして景気の今の事態を、全庁的な取り組み、横断的な取り組みにする上でも、一定の機能と権限を持った本部の設置は欠かせないというふうに私は思います。
 雇用の破壊は、景気を冷え込ませる大きな要因です。この点でも、これ以上リストラや解雇を許さないという点からも、働きかけは重要だというふうに思います。この点でも、このまま放置をすれば、景気をますます冷え込ませることになり、さらなる深刻な事態を招き、悪循環に陥っていきます。旗振りをしている大企業本社が集中する東京で、雇用を守り、責任を果たすよう働きかけることは重要です。本部の設置と大企業への申し入れを強く要望しておきます。
 派遣など非正規労働者の雇いどめによる雇用破壊が広がりを見せていることは現実です。解雇された人たちを路頭に迷わせない、この点では、自治体である東京都がやらなければならない最重要課題です。この立場に立って全庁的な取り組みをすること、今やっているからということだけではなくて、国の制度も活用するなど、事態に適応した十分な対策が図られるよう求めて、質問を終わります。

○岡崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○岡崎委員長 付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分、第百号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分、第百五号議案及び第百六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○小竹委員 第九十八号、平成二十年度一般会計補正予算について、反対意見を申し上げます。
 一般会計港湾局分は、廃棄物処分場や海岸保全施設の建設費の契約差金を更正し、国直轄事業である臨海道路Ⅱ期工事及び新木場若洲線整備を前倒しして行うものです。
 地球温暖化が危機的な状況にあり、CO2削減は緊急課題になっているもとで、道路の建設が新たな交通需要を引き起こし、道路整備による環境改善は絶望的となっております。環境負荷を増加させるものでしかないことが大きな問題となっています。
 臨海Ⅱ期事業は、東京湾内に巨大なコンクリートの橋脚を建設し、自然を破壊しただけでなく、道路建設によるさらなる交通需要を引き起こすことは明らかであり、CO2削減につながらないことは明らかです。これらの整備工事は、臨海副都心開発のためのアクセス道路建設であり、同事業を救済、促進させるもので、我が党は一貫して見直し、中止を求めてきました。
 臨海道路Ⅱ期工事は、東京港の国際物流機能強化のために建設されるものです。アメリカ発の経済危機のもと、今こそ外需頼みの経済のあり方を見直すべきときであり、国直轄事業の負担金の見直しの声も全国の自治体から上がっており、前倒ししなければならない理由は全くありません。
 以上の理由から、一般会計補正予算に反対するものです。

○岡崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第九十八号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○岡崎委員長 起立多数と認めます。よって、第九十八号議案、東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、経済・港湾委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分、第百五号議案及び第百六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡崎委員長 異議なしと認めます。よって、第百号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、経済・港湾委員会所管分、第百五号議案及び第百六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十八分散会

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