委員長 | 増子 博樹君 |
副委員長 | 神林 茂君 |
副委員長 | 大西由紀子君 |
理事 | 山口 拓君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 茂樹君 |
米沢 正和君 | |
小竹ひろ子君 | |
岡崎 幸夫君 | |
清水ひで子君 | |
田島 和明君 | |
馬場 裕子君 | |
木内 良明君 | |
川島 忠一君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 比留間英人君 |
管理部長 | 後藤 明君 | |
事業部長 | 大橋 健治君 | |
新市場建設調整担当部長 | 宮良 眞君 | |
参事 | 大朏 秀次君 | |
参事 | 横山 宏君 | |
参事 | 野口 一紀君 | |
参事 | 株木 孝男君 | |
参事 | 黒川 亨君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書等について
・豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議の設置について
・平成二十年度大田市場南側屋根付積込場建設工事請負契約について
陳情の審査
(1)二〇第二六号 中央卸売市場築地市場の豊洲移転計画の白紙撤回に関する陳情
○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の報告事項に対する質疑及び陳情の審査を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
初めに、報告事項、平成二十年度大田市場南側屋根付積込場建設工事請負契約についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○小竹委員 大田市場南側屋根つき積み込み場の建設工事に伴って、何点かお伺いいたします。
大田市場の青果部は、神田市場、そして荏原市場などを移転統合させた基幹市場としてつくられて、一九八九年から現在地で業務を行ってきました。二十年間が経過して、買い出しに来られる八百屋さんや買参の関係の方々も、当時と比べたら相当変わってきているのではないかなというふうに思うんですが、最初に、青果部の売買参加者の数、移転前と現在ではどういうふうになっているのか、お伺いします。
○横山参事 大田市場の青果部は、平成元年に、神田市場、それから荏原市場、蒲田分場の三市場が移転により開場いたしましたが、これらに属していた売買参加者の合計は、移転前の昭和六十三年八月一日において二千四百九十九業者でございました。これに対して、移転後の平成元年七月一日においては二千二百十三業者であり、平成二十年四月一日では千四百八十八業者となっております。
○小竹委員 開業時と比べても、七百二十五業者、三三%が減っています。その多くは多分小売の八百屋さんだろうと思われるわけですが、大手の方はふえているだろうというふうに思います。法改正もあって、市場ごとの相対取引を伺いたいと思ったんですが、それについては市場ごとには出ないということなのであれなんですが、全体としても競り売りが一〇%を切る状況になっているという点でも、本当に大変な状況になっているというふうに思います。
荷さばき場の整備という点で見れば、工事そのものも大変だったというふうに思うんですけれども、今、地球温暖化が大きな問題になっていますので、品質管理という点では、屋根をつけるというのはやっぱり必要です。
また、工事に当たって、環境への配慮という点で、この屋根をつけるときに太陽光パネルの設置などについては検討しなかったんでしょうか。その点いかがですか。
○横山参事 今回の工事は、狭隘化しております市場内において、業務を継続しながら大規模な積み込み場を建設するため、工事期間中における市場流通への影響を最小限にとどめるよう、工期の短縮が強く求められております。太陽光発電設備ですが、積み込み場の屋根に設置することは、屋根にかかる荷重に対応するため特別の施工を要することから、工期が長期化することが予測されるため、行わないものといたしました。
○小竹委員 今回は工期の関係があるということですけれども、今後の問題としても、ぜひ太陽光パネルについては、あれだけ広い屋根ですから、検討して設置できるようにしていただくように要望しておきます。
もう一つ、工事との関係で伺いたいんですが、中小業者への発注をふやすという点で、分離分割発注について検討されたのかどうか、お伺いします。
○横山参事 大規模積み込み場は、卸売り場を挟んだ南北の区域に建設するものであり、それぞれ分割発注しております。それ以上の分割につきましては、施工上の効率性を妨げ、工期が長期化して市場業務に支障が出るため、一括して発注いたしました。
また、工事が、施設利用者を順次移動させながら工事区域を設定していくローテーションの方式によるため、分割せず連続的に行うことで施設利用者の移動を計画的に進め、混乱の回避と事故防止を図りました。
なお、建設以外の消火設備、電気設備、それから弱電設備など設備工事につきましては、業種ごとに分離発注しております。
○小竹委員 電気だとか、そういう工事については分割発注しているということですけれども、中小企業への発注という点でいうと、工事全体を可能な限り分割してやるということは、今後の問題として検討していただくように、この点も強く求めておきます。
屋根が新しくなった、つけかえられたという点で、使用料等についてはどういうふうになりますか。
○横山参事 利用者の負担する市場使用料につきましては、条例及び規則によって施設の種別ごとに定められております。従来の積み込み場と、このたび新たに建設する大規模積み込み場とにおいては、車両置き場という点では施設の種別に変更はないため、使用料は変わりません。
○小竹委員 変わらないということですので了としますが、厳しい経営状況にある小売業者への配慮を求めて、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○増子委員長 次に、報告事項、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書等について及び豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議の設置についてに対する質疑並びに陳情の審査を行います。
なお、報告事項、陳情につきましては、いずれも関連がありますので、質疑をあわせて行いたいと思います。ご了承願います。
報告事項については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○後藤管理部長 去る九月十六日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます資料1の経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。(1)、築地市場現在地再整備から移転決定までの経緯でございます。
昭和六十一年一月に築地市場の現在地再整備を決定してから、平成十三年十二月に築地市場の豊洲地区への移転を決定するまでの経緯は、記載のとおりでございます。
次に、(2)の築地市場再整備推進協議会における現在地再整備検討経緯でございます。
平成三年四月に第一回の協議会が開催され、平成十一年十一月に開催された第二十八回において、現在地再整備は困難であり、移転整備へ方向転換すべきと意見集約されるまでの経緯は、記載のとおりとなってございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○増子委員長 説明は終わりました。
次に、陳情二〇第二六号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野口参事 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんいただきたいと思います。
二〇第二六号、中央卸売市場築地市場の豊洲移転計画の白紙撤回に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、新宿区の日本労働党東京都委員会委員長秋山秀男さんでございます。
陳情の趣旨は、中央卸売市場築地市場の豊洲移転計画を白紙撤回し、今後の再整備計画は、地元業者及び関連事業者等と十分に協議し進めていただきたいというものでございます。
次に、現在の状況でございますが、築地市場での再整備は、かつて着手したものの、工事の困難性等によりとんざしたことから、業界団体との協議を経た後、平成十三年十二月に豊洲地区への移転を決定いたしました。本年五月には、業界団体から、豊洲新市場建設計画推進の要望書も提出されております。
現在の築地市場では、敷地のほぼすべてが利用され、再整備工事に不可欠な種地の確保や、敷地が狭隘なため各種施設を整備する余地がないこと、長期の困難な工事が市場業者の営業に深刻な影響を与えることなどから、再整備は不可能でございます。
また、新たな施設整備に必要な四十ヘクタールの用地や消費地からの交通アクセス、買い出し人などの利便性確保、築地との継続性の観点から、移転先の適地は豊洲新市場予定地以外に見出し得ない状況でございます。
豊洲新市場は、築地のよき伝統を継承するとともに、将来を見据え、生産者、出荷者及び買い出し人の要望にこたえ、消費者の安全・安心な食料品を供給する首都圏の基幹市場として整備を行っていくものでございます。
豊洲新市場予定地の土壌汚染対策につきましては、専門家会議から、食の安全・安心を十分に確保できる内容の報告を受けており、今後、この報告を踏まえ、技術会議において都としての土壌汚染対策計画を取りまとめ、万全な対策を講じることとしております。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○増子委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより報告事項及び陳情に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○神林委員 皆様もご存じのとおり、現在の築地市場につきましては、老朽、狭隘化が進み、安全衛生面で多くの課題を抱え、高度な品質管理を求める産地や買い出し人のニーズに十分対応できないでおります。売り場の一部にトラックが駐停車し、排気ガスを出しながら荷おろしをしている様子や、場内通路にはみ出すように荷が積まれている状況を見ますと、大きくさま変わりした流通環境の中で、この市場だけが取り残されている感を強く感じざるを得ません。このままではますます市場離れが進み、衰退していくことは必至でございます。築地市場の将来を真剣に考えれば、長期的な視点に立ち、首都圏の新たな基幹市場として再生させ、後世に引き継いでいくことが我々世代の責務なのだと強く感じる次第でございます。
そのために、移転先である豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期していくことは不可欠であり、先般終了した専門家会議から出された報告書の意味は大変重要であると考えております。
そこでまず、この専門家会議の報告書の内容について確認をさせていただきます。
専門家会議は、昨年五月より本年七月までの一年三カ月にわたり、延べ九回開催され、科学的、客観的見地から検討が行われてまいりました。また、会議運営においては、すべての資料などを公表するとともに、一般の人たちへの傍聴席を設け、委員との質疑を行うなど、大変透明性の高い会議であったと評価しております。
先日の我が党の代表質問で、専門家会議の報告書の内容について大局的な見地から質疑を行いましたが、さらにこのことについて今回は掘り下げていきたいと思っております。
専門家会議では、敷地全域にわたる十メートルメッシュの詳細調査の結果、高濃度の汚染は限定的であるとしております。一方で、深さ方向についてはどうだったのかということも、新市場予定地の詳細な土地汚染状況を把握し、今後の対応を考える上で重要と考えております。
そこでまず、深さ方向の絞り込み調査の結果がどうであったのか、見解を伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 絞り込み調査として、土壌、地下水の詳細調査の結果、土壌で環境基準を超過した地点または地下水で環境基準の十倍を超過した地点の計四百四十一地点で、深さ方向に一メーター間隔で土壌ボーリング調査を行いました。
この結果、土壌溶出量について、カドミウムは調査した検体数のすべてが環境基準以下であり、鉛、水銀、六価クロムは、それぞれ調査した検体数の九五%以上が環境基準以下であり、ベンゼンについては、調査した検体数の約七九%、シアン化合物については約七六%、砒素については約四六%が環境基準以下でありました。
土壌含有量につきまして、砒素、水銀、六価クロム、カドミウムは、それぞれ調査した検体数のすべてが処理基準以下であり、シアン化合物、鉛は、それぞれ調査した検体数の九五%以上が処理基準以下でありました。
調査した三千百三十四検体のうち、環境基準または処理基準を超過したのは六百八十三検体で、その割合は約二二%でした。また、基準を超過した六百八十三検体のうち三百八十検体が、東京ガス株式会社操業時の地盤面からの深さ三メーターから五メーターの位置にあり、その割合は約五六%でありました。
このように、深さ方向について見ると、詳細調査で汚染物質が検出された箇所においても、操業時の地盤面から不透水層上端まで全体が汚染されているわけではなく、部分的に点在している状況にございます。
○神林委員 今ご答弁いただいた内容を要約させていただきますと、要は、深さ方向に汚染の広がりは少ない、こういうことで判断をさせていただきます。
次に、今後の対策でございますが、我が党としては、豊洲新市場を、将来にわたり活用される首都圏の基幹市場として、都民や市場関係者が安心して利用できるようにすることが最も重要だと考えております。そのためには、何よりも科学的にも万全な対策を講じることができることを明確に示すことが重要であることはいうまでもございません。
そこで、報告書ではどのような対策が示されたのか、また、対策が実施された場合、食の安全・安心が確実に担保できるのか、見解をお伺いいたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議では、築地全域にわたる土壌と地下水の詳細調査及び絞り込み調査の結果から、対策は十分可能であるとし、人の健康被害の防止や食の安全・安心の観点から、土壌については環境基準を超える汚染物質をすべて除去するとともに、深さ四・五メーターまでの土壌の入れかえと盛り土を行い、その上をアスファルト舗装などで覆う。地下水については、建物建設地において施設開場後に改めて対策を行うことが困難となることから、建物着工時までに環境基準以下に浄化を完了させ、建物建設地以外においては、当面、河川や公共水域に放流が可能な環境基準の十倍以下で管理し、最終的に環境基準以下に浄化する。さらに、施設開場後も水位を一定に維持し、水位、水質を監視していくとしております。
これら対策を実施することにより、土壌については環境基準を上回る汚染はなくなり、地下水についても最終的に環境基準を上回る汚染はなくなるため、仮に人が生涯にわたりこの土地に住み続けたとしても、健康への影響はなく、生鮮食料品を扱う市場用地としての食の安全・安心も十分確保されるとしております。
○神林委員 ただいまの提言の対策が行われれば、最終的には土壌も地下水も環境基準以下となり、事実上のゼロリスクとなるわけですが、地下水については、建物建設地以外では、環境基準以下に浄化されるまである程度の時間がかかるということのようでございます。
しかし、本当に市場関係者のごく一部の中には、土壌汚染が残り、市場開場後も管理を必要とするような場所には行きたくないということも--ごく一部というふうに聞いております。
そこで、建物建設地以外において、当面地下水を環境基準の十倍以下で管理するとしていますが、全く安全性に問題がないのか、専門家会議の見解をさらに聞かせてください。
○宮良新市場建設調整担当部長 地下水を当面環境基準の十倍以下で管理した場合に検討しておかなければならないのは、地下水に触れたり摂取する可能性があるかということと、地下水中のベンゼン等の揮発性物質が気化した場合の影響の二点でございます。
まず、地下水に触れたり摂取する可能性でありますが、専門家会議では、地下水管理について、各街区周辺への遮水壁の設置により地下水の流出入を防止し、砕石層の敷設により、毛細管現象による地下水上昇を抑制するとともに、井戸の設置により、水位上昇時に揚水することとしております。これら地下水管理により、地下水面が地表面から四・五メーター下で維持され、直接触れたり摂取することがなく、安全であるとしております。
次に、気化した物質の影響でありますが、地下水中のベンゼンやシアン化合物が揮発して大気中に出てきた場合でも、大気の環境基準以下であり、生鮮食料品の表面の水分に溶け込んだ場合であっても、水分中の濃度は飲料水の水質基準以下となり、人の健康や生鮮食料品への影響が生じる可能性は低いことから、十分に安全で安心であるとしております。
○神林委員 今まで質疑をいただいたわけでございますけれども、ここまでの質疑の中で、今回の報告書にある対策がいかに手厚く、生鮮食料品を取り扱う市場用地として、食の安全はもとより、安心を確保する上でも十分な内容であることが理解できます。
ただ、安全なのは十分ここでわかったわけでございますが、逆に、ここまで安全を期して行うというのであれば、建物建設地と建物建設地以外に分けずに、予定地内全体を環境基準以下にすることが、懸念を一切払拭させて、さらなる完璧な安心を確保することにつながるのではないか。ぜひこの点につきまして技術会議の中で検討していってもらいたいことをここで要望しておきます。
次に、視点が少し戻りますが、いまだ現在地再整備を主張する声が一部にあることから、再確認のため、築地での現在地再整備の可能性について若干質問をいたします。
前回の質疑でも答弁がございましたが、築地市場は、過去に再整備に着手したものの、営業活動への深刻な影響が問題となり中断し、さまざまな再整備案を含め検討した結果、移転へと方向転換がされております。
我が党としては、こうした経緯も含め、再整備が不可能なことは明らかであると考えておりますが、いまだある再整備の可能性に期待する声に対し、不可能であるという現実を受け入れられるよう、さらに丁寧に整理し、答えていく必要があると考えております。その意味でも、再整備の可能性に関する条件についてさらに深く掘り下げたい。
再整備に当たり、ローリング工事をする上で必要となる種地について伺います。
種地の不足は、築地で再整備できない大きな理由となっております。しかし、かつて築地では再整備工事に着手したはずでございます。そこで、当時、工事に必要な種地はどのように確保したのか、お伺いいたします。
○株木参事 築地市場場内では、当時も過密、狭隘であり、ローリング工事の種地となるまとまった空地はありませんで、種地にかわる仮移転先を確保する必要がございました。そのため、再整備計画では、まず場内の駐車場と小規模施設の集約を図り、立体駐車場や仮設施設などを整備しました。次に、その一部や場内の空地に買い荷保管所を仮移転した後、卸、仲卸売り場などの工事に着手することとしていました。
しかし、買い荷保管所の仮移転先が場内の各所に分散することから、物流動線のふくそうなどによる営業活動への深刻な影響が問題となって、業界調整が難航し、卸、仲卸売り場の工事に着手する前に工事が中断したものでございます。
○神林委員 また、前回の委員会で、仮に再整備工事に着手した場合、必要な種地は四・五ヘクタールとの答弁がございましたけれども、これは相当な広さでございます。その根拠と、縮小は可能なのか、見解を伺います。
○株木参事 仮に、かつての再整備の計画と同様にローリング工事を行う場合の種地の広さを考えますと、一つの工事区域の規模が約二ヘクタールとなります。この建設スペースの周囲に資材置き場や大型クレーンの設置スペースなどの作業スペースとして約二ヘクタール、さらに、市場関係者の安全と工事車両の動線の確保を図るため、工事用搬入路として約〇・五ヘクタールが必要でして、合わせて約四・五ヘクタールのまとまった種地が必要となります。
種地の規模を縮小するためには工事区域を細分化することになりますが、一つの区域で行う工事の手順に大きな差はないため、区域の数の増加がそのまま期間の増加につながります。このため、二十年以上と見込まれる期間がさらに長期化し、市場業者の営業に一層深刻な影響を与えることになります。
○神林委員 前回も委員会の中でいろいろと聞かせていただきましたけれども、なるほど、工事用の種地も、実際に作業を行うために必要な空間、使う機械の大きさ、さらには工事期間にもかかわり、技術的根拠に基づく面積であるということを理解させていただきました。
代表質問でも現在の状況について答弁がございましたけれども、築地市場の敷地二十三ヘクタールの九四%が使われており、残り六%、約一・四ヘクタールも散在しているということでありましたので、これでは、必要とする四・五ヘクタールの種地は到底確保できないということになると思います。
さらに、前回の委員会で確認しましたが、中央卸売市場の保有する資金では現在地再整備に要する事業費を賄えず、実現性のある計画を策定できないことが明らかにされております。
この現状を理解しようとせず、築地での現在地再整備を主張する声もございますが、真に都民のために市場の将来を考えるならば、これまでの事実も含め、現状をしっかりと認識し、責任ある行動をとるべきだと考えます。
それでは、技術会議について次にお伺いいたします。
現在地での再整備ができない現実を踏まえれば、我が党としては、築地市場を将来にわたる基幹市場として再生させるためには、豊洲への移転整備以外に道はなく、このためには、専門家会議で出された報告書の内容を豊洲新市場予定地において確実に実現していくことが何よりも重要でございます。
東京都では、報告書を踏まえ、土壌汚染対策を具体化するため、土木技術や汚染物質処理などに関する専門家による技術会議を設置して、新しい発想や新技術の可能性も含め、広く検討を進めていると聞いております。専門家により、技術、工法などの評価、検証を行い、民間企業などから広く新技術や工法の提案を公募する、この試みは、最も効果的で効率性の高い対策、技術の選択が可能となり、コスト縮減も大いに期待できるものと評価しております。
そこで、この技術会議について、これから何点かお聞きいたしたいと思います。
専門家会議は、一年以上にわたり極めて開かれた会議運営を行ってきたことは、先ほど述べたとおりでございますが、この技術会議は非公開での運営となっております。運営方法を分けていることについては、もちろんれっきとした理由があるわけですが、非公開であることが会議への不信につながることがないように、改めて詳しくお聞きしておきたいと思います。
技術会議を非公開とする理由について伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について都民や市場関係者の理解と協力を得るためには、情報を公開し、共有することが重要であります。そのため、専門家会議は公開で行うとともに、会議録などをすべて公表してまいりました。
技術会議につきましては、その検討過程において、外部からの干渉により委員の自由かつ率直な論議が妨げられないよう、公正中立の立場で評価、検証を行い、最適な対策を選定していくこととしております。また、提案事業者が開発した独自の技術や工法が流出しないよう、技術資産保護への配慮も必要であります。
こうしたことから、会議及び資料は非公開としておりますが、会議の開催状況を明らかにするため、各回の会議終了後に、支障のない範囲で会議の概要を公表しております。技術会議としての審議が終了した段階では、委員名、会議録等についてすべて公表することとしております。
なお、公表の場合の技術資産への配慮については十分検討してまいります。
○神林委員 ただいま答弁いただきまして、非公開にする理由、そうしなければ会議の目的自体が達せられないということが理解できました。しかし、大変注目されている会議でございますので、その役割も重要であることから、今後も可能な限り情報提供を行っていただきたいこともここで要望させていただきます。
次に、専門家会議の提言内容の実効性の確保については、先ほども述べたとおり、対策を評価する上で何よりも重要と考えます。そこで、現在公募中の提案の中には新技術も含まれると思いますが、どのように実効性を確認していくのか伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議においては、新技術、新工法の実効性について、専門家会議による土壌汚染対策を踏まえ、汚染物質が確実に処理できるよう、まず実証データや科学的根拠について確認していきます。さらに、施工の確実性及び豊洲新市場予定地の汚染状況や、地層、土質など土壌の特性も踏まえた技術、工法であることを確認していきます。技術会議として、こうした技術の確認を慎重かつ確実に行うため、公募提案の評価、検証に際しては、土木、環境、情報処理、プロジェクトマネジメントの各分野の専門家委員がそれぞれおのおので評価した後、合議により最終的な評価を行ってまいります。
○神林委員 今ご答弁いただきまして、技術会議で選定された技術、工法は、新しいものであっても提言内容が確実に担保されるものであるということを確認させていただきました。非公開なので、ここではお聞きしませんが、提案もかなり出てきているようでございますので、新技術も含め、この中からすばらしい技術が選定されることに期待したいと考えております。
繰り返しになりますが、提言の実現が食の安全・安心の前提であることからも、東京都はこのことをしっかり認識して、技術会議を通じ、しっかりと評価、検証を行い、確実な対策を取りまとめていっていただきたいと存じます。
最後に、恒例じゃございませんが、市場長にお聞きしたいと思います。
過日、築地市場業界団体の代表の方々から、豊洲新市場建設計画の推進について我が党にも要望をいただいたように、築地市場は老朽、狭隘化が限界に来ており、衛生面の課題やアスベストの問題もあることから、一刻も早い対応が必要なことは明らかでございます。私は、専門家会議で提言された対策は、この要望にもあったように、風評被害を防止できる最善最強の対策だと受けとめております。これだけの対策が行われれば、これは事実上の安全宣言だとも考えております。
私は、都議会議員の肩書を抜きにして、本当に将来にわたって市場に入荷する食品を食べ続ける一都民の立場としてあえていわせてもらえば、安心してイの一番に豊洲新市場に行って、お魚を早く食べたいと思っております。一日も早く新しい市場でおいしい魚や野菜を食べたい、こういうふうに強く願っております。皆さんも、恐らくそういうふうに考えている方がここにはたくさんいらっしゃるんじゃないかな、こういうふうにも思っております。
ここまでやって、これ以上何ができるんだという形にも考えられます。一日一日遅くなれば、それには莫大な維持管理経費がかかってくるわけですね。これはみんな都民の貴重な税金を投入して行われることだとも思います。
最後に、そこで、今後整備される豊洲新市場の安全性について、市場長にお伺いいたします。
○比留間中央卸売市場長 食の安全・安心の確保は、生鮮食料品を取り扱う卸売市場の最も基本的な使命であると考えております。豊洲新市場予定地の土壌汚染対策につきましては、去る七月の専門家会議において、対策を講じることにより、生鮮食料品を取り扱う市場用地として食の安全・安心を十分確保できるとの提言をいただいたところでございます。
この提言を踏まえまして、土壌汚染対策を具体化するため、土木、環境、情報処理、プロジェクトマネジメント、各分野の専門家委員から成る技術会議を八月に設置いたしました。現在、新技術や新工法の提案について広く民間事業者等を対象に行っていた公募が終了したところでありまして、今後、提案された内容を多角的に評価、検証した上で、実効性、工期、経費などの面ですぐれた対策を選定することとしてございます。
都といたしましては、この検討結果に基づき、早期に土壌汚染対策計画を取りまとめ、万全な対策を講じてまいります。さらに、豊洲新市場では、閉鎖型施設による外気の遮断と温度管理、特に衛生管理を重視した清潔ゾーンの設置など、高度な品質管理を徹底し、食の安全・安心を確保してまいります。こうした万全な土壌汚染対策や品質管理の高度化を図ることで、豊洲新市場を、都民や市場関係者が安心できる市場として整備してまいります。
○神林委員 今、市場長から大変力強いご答弁をいただいたわけでございますが、私としては、本当は一都民としてのお気持ちを聞きたかったんですが、これはまた別の機会にさせていただきたいと思います。
築地市場の豊洲への移転整備は、都民生活の根幹をなす、世紀に一度の非常に大きな、そして大切な事業でございます。一部の偏った議論や行動に惑わされることなく、毅然とした姿勢で豊洲新市場の整備を着実に進めていただきたいと存じます。
我が党としても、都民や市場関係者からますます理解が得られるよう、全面的に協力していくことを申し上げまして、私の質問を終わります。
○馬場委員 それでは、専門家会議の報告書についてお伺いいたします。
去る七月、専門家会議から豊洲新市場予定地の土壌汚染対策についての最終報告書が提出されました。最後は暑い中、本当に多くの皆さんに関心を持っていただき、この報告書が出されたということです。都は、この報告書をもって万全な土壌汚染対策が可能であるとし、築地市場の豊洲への移転を進めていこうとしておられます。
一方、この報告書については、調査が不十分、また、専門家が少な過ぎるのでは、立場が違う専門家がいない、結論ありきというような、公平性、客観性を疑問視する声も聞こえてまいります。このような声のある中で、都は、この報告書の内容を確実に実施するとし、豊洲への移転を強行しようとしております。しかし、この対策を確実に実施する以前に、豊洲新市場の食の安全・安心の確保には、すべてこの報告書が確かなものであるかどうかが今の段階では問題だというふうに思っております。
先日の代表質問の質疑でも市場長のお答えがありました。本日も、神林副委員長から、安全であるというふうに受けとめられたということなんですが、私はまだ、この点で本当に確かなのかどうか、都民に説明できるというふうに、自分の中では確信が持てません。
そこで、この報告書の内容は本当に科学的で公平、客観的なものなのか、市場としてのご認識をまず伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議は、有害物質、水質、土質、環境保健の各分野で国内有数の知識と経験を有する学識経験者により構成されており、各委員は、公平、中立な立場から精力的に検討を進めてまいりました。
この専門家会議では、最新の科学的知見に基づき、敷地全域にわたる十メートルメッシュの土壌、地下水の調査により、平面方向の汚染状況を把握するとともに、詳細調査で一定の汚染物質が検出された箇所において、絞り込み調査により深さ方向の汚染状況も把握しております。これらの調査結果に基づき、食の安全・安心に十分配慮し、土壌汚染対策を提言するとともに、対策実施後の状況についても、汚染土壌や汚染地下水の摂取及び汚染空気の吸入等による人の健康や生鮮食料品への影響について科学的に評価した上で報告書を取りまとめております。
○馬場委員 今ご見解をお聞きしたわけですが、今回の調査について全力で取り組まれたということは私も認めたいと思いますが、しかし、この調査の前にどういう調査があったか。そういう意味では、まずこのお話が出たときに、東京ガスさんとしては、市場の話の前に、平成十年に国の指針に基づいての調査があった。三十メーターメッシュで五百六十五カ所の土壌調査、六十五カ所の地下水の調査。その後、今度は都の条例に基づいて平成十四年に、市場用地特性からという再調査があり、さらに細かく二十メーターメッシュで九百四十カ所、表層土壌の調査が行われました。そして、十七年にこれに基づいて対策が行われ、十九年の三月完了し、四月には完了届が提出をされて、条例に基づく手続はここで一応終わっているという状況です。
この調査は、だったら何だったんだろうか。この時点で都はもう大丈夫だというふうにおっしゃったわけです。この後の専門家会議の設置、それからさらなる調査、一千倍、それから四万三千倍、さらに詳細調査と三回次々に調査が行われ、その結果が今回の報告書に盛り込まれているわけです。よって、調査が科学的に行われたということについては認めざるを得ないというふうに私は思っておりますが、今るる述べさせていただきましたように、調査がどういう方法で行われたのかということがまず基本的にあって、その上で、その調査の評価というのでしょうか、今回専門家会議から出ておりますが、これが万全のというふうには決していえないのではないか。私がもし報告するとすれば、現在できる限りの調査であり、それに基づく対策が提案されたというふうにいわざるを得ない。現在でできる限りのというふうに思いますが、安全性を保証する水準との見合いというふうにも思いますが、この点について、今回の調査が本当に、今伺いましたが、科学的に行われ、公平で客観的に評価はされているというふうに思いますが、じゃ、結果として安全を保証するものであるかどうかということが問題なんだというふうに思っています。
前回の報告、六回、七回の専門家会議の報告書、それから今回の八回、最終回の報告書と見比べさせていただきました。六回、七回の報告書に追加されているものが、四ページの、東京都環境確保条例による調査及びその結果に基づく対策という部分と、最後の管理のあり方というところなんですが、その間の(4)の対策実施後の状況の評価というところのアの汚染土壌の摂取等による影響、それからイの汚染地下水の飲用、これについては、両方とも、健康被害や生鮮食料品への影響が生じる可能性はないというふうにいい切られているんですが、最後の汚染空気の吸入等のところでは、六回、七回のところでは、人の健康被害への影響はないというふうに書かれているんですが、最終報告では、人の健康や生鮮食料品への影響が生じる可能性は低いというふうに。読み比べれば、ないというのと、可能性は低いというのとはちょっと違うというふうに思いますが、今ご答弁いただいた中で、この可能性は低いの後に、安全は確保されるというふうにつけ加えてご答弁いただきました、神林さんに。この辺で、今回のこの報告書が、安全・安心なものであるというふうに、その根拠というか、そこをもう一度お答えいただきたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいまご答弁申し上げましたように、専門家会議は、それぞれ土質、水質、有害物質、環境保健、それぞれの分野で国内有数の知識、経験を有する専門家の方が、公正中立な立場で科学的知見に基づいて調査を実施して、その調査の結果を踏まえております。
調査については、敷地全体にわたって十メーターメッシュ、四千百二十二カ所、土壌と地下水をとっております。また、そうした調査の結果、土壌で環境基準、地下水で十倍以上検出した地点につきましては、深さ方向に一メーターずつ調査をしています。これらの調査につきましては、土壌汚染対策法、豊洲地はかかりませんけれども、その技術的な基準と全く同等であると考えております。
また、対策に当たりましては、人の健康への被害はなく、食の安全・安心も確保する、そういった基本的な視点から対策を検討していただきまして、対策後の評価、今、委員、お話がありましたが、土壌は全部取るから全く心配ありませんし、地下水についても最終的には環境基準以下にしますし、施設完成後には一定の水位、将来の市場ができる施設の足の下四・五メーターで一定にします。そういったことから、地下水についても直接触れることはありません。加えまして、そういった状況から、地下水からガスが出てきた場合でも、大気中に出てくるガスの濃度は、人への被害を与えず、そういったガスが生鮮食料品の表面の水に溶けた場合でも、飲用水の基準より下になる、こういったことをやっております。そういった対策、それから対策に加えてこういった評価、そういったことで十分安全な対策を提言していただいている、そういうふうに認識しております。
○馬場委員 ありがとうございました。安心したいという思いですので、今ご答弁いただきましたように、この専門家会議の報告書に基づいて、最大限、今こういう方法しかとれないんだと仮定したとして、専門家会議で提言いただいているものに対して一〇〇%の対策をとらなければならないというふうに思っております。この対策について、費用や工期等を大変重視されておりますし、新工法の公募等も今されております。今後、この報告書にある土壌汚染対策を一〇〇%実施していくということを前提に、その工法を検討していらっしゃるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議は、土木、環境、情報処理、プロジェクトマネジメントの各分野において高度な知識や豊富な経験を有する専門家七名により構成されております。技術会議では、専門家会議による土壌汚染対策を踏まえ、汚染物質が確実に処理できるよう、実証データなどの科学的根拠や施工の確実性などを重要な評価基準の一つとして、新技術、新工法の評価、検証を行い、実効性にすぐれた対策を選定することとしております。
○馬場委員 専門家会議、私も傍聴させていただいたりしておりましたが、その中で、新技術、新工法については、座長もたしか導入は慎重にすべきだというふうなご意見があったように記憶をしております。そうしたことから、工法等については、一〇〇%というところをきちんと踏まえた上で最大限の努力をしていただきたいというふうに思います。
仮に、一〇〇%の対策ができたとしてもということで、先ほど述べました、報告書の最後に、管理のあり方というところがつけ加えられました。そして、その報告書の管理のあり方の最後のところに、管理に関する協議会を設置し、今後長期的なリスク管理を図るというようなことも述べられております。
この報告書にも、土壌汚染対策が確実に実施されているかを確かめるため、管理に関する協議会等の機関の設置が記載されていますが、この設置について都はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 市場開場後には、地下水の定期的な監視や舗装状況の点検などの管理を行っていくことが必要であります。これら管理を行うに当たっては、地下水の水質や水位の監視結果などを、都、市場関係者で共有した上で意見交換するとともに、その結果をその後の管理に反映させることが重要であると考えております。このため、報告書に提案されている、都、市場関係者に加え、第三者である学識経験者の参画した協議会を設置し、安全性を確認してまいります。
○馬場委員 さきにも述べましたように、科学の進歩、また状況の変化等があるというふうに思います。ぜひともこの協議会をきちんと設置され、都民の安心--工事が行われたと仮定してですが、その後の協議会の設置等も含めて、視野に入れての計画をお願いいたします。
それでは、戻るようになりますが、豊洲新市場建設については、今までより手厚い土壌汚染対策を行うということで、PFIで行うというふうな事業計画がありました。しかし、これも延期をされていると聞いております。その後の調査で環境基準の一千倍の汚染が確認されたことから、そのスケジュールはどうなっているのかなというふうに思っております。新市場予定地の土壌汚染対策の見直しにより、開場スケジュール、平成二十四年度というふうに聞いておりましたが、これがどうなっているのか。また、事業が進められないというのは、こういう状況の中で当然ですが、市場関係者にとっては、このあたりの状況がどういうふうになっているのか、どういう予定なのかということがわからなければ、いろいろな陳情等も含めてあるという現状です。将来の自分の営業、仕事の不安、それから設備投資、経営計画など、関係者にはさまざまおありと思います。そうした皆様に、新市場の建設計画の柱となっているPFI事業の進捗状況など、今後の事業の進捗はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○黒川参事 PFI事業につきましては、平成十八年十月に基本設計相当の取りまとめを行い、同年十二月、PFI導入の基本的な方針を定めた実施方針及び都が求めるサービス水準を定めた業務要求水準書(案)を公表いたしました。その後、PFI事業者の募集の手続などを進めていく予定でございましたが、専門家会議において新市場予定地の土壌汚染対策について改めて検証することとなったことなどの理由から、スケジュール等を見直すこととしたところでございます。
今後、技術会議の検討結果に基づき、都が土壌汚染対策計画を取りまとめた段階で、改めて民間事業者の募集の時期や施設の設計、建設期間など、PFI事業のスケジュールを公表してまいります。
なお、基本設計相当の取りまとめ以降も、物流の効率化等の観点から、都と市場関係者との間で、施設内容について継続的に協議、検討を進めております。
○馬場委員 関係者は大変影響が大きいし、ある意味注目をしているわけですから、できるだけの情報提供をお願いいたします。
それから、陳情が出ております。陳情について意見だけ申し上げさせていただきます。
きょう、実は東京新聞さんの見開きのところに、「網ごと売ります 漁協がスーパーと直接取引」というふうな記事が出ておりました。燃料が高くなって、魚の値段が低迷をし、流通コストがしわ寄せというふうな大きな見出しがついているんですが、とってきた船ごと直接スーパーに売るという契約で進めているそうです。説明はたくさんあるんですが、私は、一番最後のところのコメントが、今後の市場に大きく影響するコメントだなというふうに実は読ませていただきました。
大変失礼なんですが、この場でちょっと読み上げさせていただいてよろしいでしょうか。JFしまねの小谷部長さんですね。直接取引が広がれば--この取引ですね。広がれば市場での流通量が減り、値段も上がるのでは、という思いもある、そうすれば、イオンとの取引に参加しない漁師を含めて均等に利益が得られる、漁業の再生産のためにずっと続けていかないといけない、というコメントなんです。
今余りにも産地の市場、そして消費地の市場、小売業者というふうに流通の段階が多いために、例えば小売価格が百円とすると、漁業者は二十四円とか五円しか収入にならない。そういう状況の中での今の燃料高等の問題です。この部長がおっしゃるには、直接取引で市場からこの分の量が減れば、残った魚は市場で高く売れるのではないか、そうすれば、漁師にとっては、直接売る方も新方式の方も手取りは三割アップするというふうに書いておられますが、また、市場に出した方も取引高がふえるというふうにおっしゃっています。
これからの市場のあり方について、特に築地は、大消費地東京の中で、ここでおっしゃっているように、大変大きな役割をしてまいりましたし、これからも築地の市場の役割というのは大変大きいというふうに思いますが、ここ何年かで市場の役割も大きく変わるのではないかという、そういう気配もあります。
そうした中で今回の豊洲の移転のお話ですので、築地の再整備でこうした新しい市場のあり方が受けとめられるのであれば、今の築地のブランドを守りながら、築地再整備ということも、ぜひともこの間検討していただきたい。そして、いずれにしても豊洲は、土壌汚染はどちらにしても対策はしなければならないというふうに思っておりますので、これからの市場の皆様にぜひともそのご尽力をいただくよう要望して、質問を終わります。
○上野委員 このたび、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策の専門家会議、また技術会議の設置についての報告があったわけでございますけれども、我が党は、第二回定例会でも述べましたように、新市場については、あくまでも食の安心・安全と、そして土壌の汚染対策に対する都民の不信、不安を払拭するものでなくてはならない、このように思います。まず、そのことを強く主張させていただきまして、質問に入ってまいりたいと思います。
さきの我が党の代表質問におきまして、新市場予定地の整備規模についてお尋ねしたところ、東京都からは、新市場の機能及び規模を、取扱数量と車両台数をもとに、青果の基幹市場としての役割を果たしている大田市場と比較し算定すれば、新市場の面積は約四十ヘクタールとなる、約三十九ヘクタールの面積を有する大田市場が既に過密となっている状況を勘案すれば、新市場の敷地面積は決して過大ではない、このようにご答弁されたわけでございます。
そこでまず、大田市場と築地市場の水産、青果における取扱数量と車両台数、もととなりましたこの内容についての現状を明らかにしていただきたいと思います。
○株木参事 大田市場と、それから豊洲新市場におきます取扱数量と車両台数についてでございますけれども、まず大田市場における取扱数量でございますけれども、青果が一日当たり三千百七十五トン、水産が八十八トンでございます。豊洲の方は、青果が千三百トン、それから水産が二千三百トン、一日当たりの取扱数量でございます。それから、車両台数でございますけれども、大田市場の方は青果が約一万台、水産が約千台、一日当たりでございます。それから、豊洲新市場につきましては、青果の方が約四千台、水産については約一万台という数量でございます。
○上野委員 私は築地市場と大田市場ということでいったんですけれども、何か今、豊洲といわれなかったですか。間違いでしょう。
○株木参事 一応豊洲で今お答えしました。豊洲の予定ということでございます。
それから、築地につきましては、取扱数量が、水産の方が一日二千九十トン、それから青果については千百八十三トンでございます。
○上野委員 車両台数は。
○増子委員長 参事、車両台数についても答弁だそうですが。
○野口参事 築地市場と大田市場の取扱数量と入場車両台数についてでございます。
平成十八年の大田市場の取扱量は日量三千二百六十三トン、そして築地市場につきましては、同じく日量三千二百七十三トンとなっております。車両台数につきましては、大田市場が青果で一万八十八台、そして築地市場につきましては、水産が九千三百六十三台。青果、水産合わせますと、若干差がありますけれども、両方の入場車両台数というのはおおむね一万台というふうに考えております。
○上野委員 今いわれたような数字を見ても、そしてまた、例えば事業概要にも、大田市場、築地市場と出ているわけですけれども、取扱数量と車両台数のところはほぼ同じぐらいの数だ。こういったことで、大田市場も約三十九ヘクタールということで、新市場も約四十ヘクタール、これは過大じゃないかという、こういうお話なのかなと思いますけれども、大田市場は面積的には、これは、水産、青果と花きがありますよね。水産、青果だけで三十九ヘクタールあるんですかね。ちょっと教えてください。
○野口参事 大田市場につきましては、青果の敷地面積が二十八・二ヘクタール、そして水産が六・四ヘクタール、合わせまして三十四・六ヘクタールでございます。花きにつきましては、これは数ヘクタールございますので、全体で約三十八・五ヘクタール、そういった内訳になってございます。
○上野委員 そうすると、都の方でいわれました、約三十九ヘクタールの面積を有する大田市場が既に過密であるので、新市場の約四十ヘクタールは決して過大ではないという、こういうご答弁、水産、青果だけを見ると、大田市場は約三十三から四ぐらいのヘクタールというお話ですよね。そういう形でいけば、本来は水産、青果レベルで比較してやらなきゃならないんじゃないかと思うんです。同じような論調での話でいくと、新市場の敷地面積は約三十三、四ヘクタール、同等ならば、それで決して過大ではないという、こういう答弁になっていくんじゃないか、このように思うわけでありますけれども、あえてこれに対する答弁は求めません。このことは今後また検討課題として持っていきたいと思っております。
国で、代表質問でもやりましたけれども、施設の整備に当たりまして、卸売市場整備基本方針の中で、「大都市圏の市場においては、土地の高度利用を図る観点から、立体的かつ効率的な施設の配置とすること」と、このようなことが書いてあるわけですね。指導というとらえ方をしていいのかどうかわかりませんけれども、こうやっていきなさいよというようなことで方針で出ている。しかしながら、豊洲新市場の計画は、こういった高度利用を図っているような計画にはなっていないわけであります。東京都はそのことについて、築地市場の移転先は、少なくとも卸売り場、仲卸売り場の平面配置を可能とする観点からも、約四十ヘクタールの面積を確保する必要がある、このようにご答弁されております。そこで、この新市場予定地の主な施設の規模を投影面積の数字でもってお示しください。
○株木参事 各施設の面積でございますけれども、卸売り場、仲卸売り場、管理施設等が十二・一ヘクタール、冷蔵庫、加工・パッケージ施設等が二・一ヘクタール、構内通路が四ヘクタール、待機駐車場及びバースが十三・四ヘクタール、通勤駐車場が二・五ヘクタール、千客万来施設が三ヘクタール、緑地等三・六ヘクタール、これらを合計して約四十・七ヘクタールとなります。
○上野委員 私は、おっしゃるとおり、少なくとも卸売り場、仲卸売り場は平面配置にすべきだ、このことには賛成でございます。やっぱりこうあるべきだ。また青果についても、今回、豊洲の計画では道路で分断されているわけですね。このことについても、私は、今の築地と同じように水産と一体的な配置というものをした方がよいと。これは皆さん、ヒアリングでもそういったお声も聞いております。こういったふうなことも検討しなきゃならないんじゃないか、先ほどの高度利用との関係でちょっといわせてもらいますけれども。
そこで、先ほどの国の基本方針に従っていきますと、少なくとも千客万来施設の三ヘクタール、そしてまた通勤用の駐車場二・五ヘクタール、合わせて五・五ヘクタールですけれども、これは決して物流が阻害されたり、効率性が著しく低下することはない、このように思うんですけれども、都の見解を伺います。
○株木参事 通勤駐車場につきましては、当然、一階にすべて置くということじゃなくて、重層配置をしてございます。
それから、千客万来施設でございますけれども、これにつきましては、現在の築地の場外市場地域等の面積とほぼ同程度のものを配置しているわけでございます。これらにつきましては、新しいまちづくりが行われる豊洲地区に建設する新市場におきましては、地域に貢献し、市場ならではのにぎわいを創出する必要がありまして、そのために千客万来施設を整備していきたいと考えているものでございます。
○上野委員 物流が阻害されたり効率性が著しく低下するということの中での平面配置、四十ヘクタール必要だという、こういったお話を受けているわけですね。これがいわゆる千客万来施設とか通勤用駐車場、そういうふうな形での表現からいくと当たらないんじゃないか。先ほど重層化といいましたけれども、それは駐車場としての重層化であって、建物の中にまた高層に、上の方に重層化しても何ら問題ない話じゃないかということについての私の一つの指摘として、お話をさせてもらったわけでございまして、これはまた今後とも、私たちもPTを設けていますので検討してまいりたい、このように思っております。
次に、技術会議についての質問に入りたいと思います。
都では、七月の専門家会議の提言を踏まえまして、現在、土壌対策の具体的な技術、工法の選定に入っておりますけれども、技術会議においては、新技術を公募するとか、技術、工法の実効性や効率性をどのように実現していくのか、こういうことに世間の注目が集まっているわけでございます。
そこで、本委員会の報告で、土木、環境、情報処理の各分野に加え、新たにプロジェクトマネジメント分野の委員が追加されると聞いております。当然に、コスト面の評価、検証を含めたものとすることで追加された、このように理解しているわけでございますけれども、改めて、今回追加されたプロジェクトマネジメント分野の委員の役割についてご説明願います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議の委員は、土木、環境、情報処理、プロジェクトマネジメントの各分野において高度な知識と豊富な経験を有する専門家で構成しております。プロジェクトマネジメント分野の委員は、公募提案等の評価、検証に当たり、土木技術や汚染物質処理といった技術的な面からの検討とは別に、効率性、合理性、経済性といった側面からの評価、検証を加えることを役割としております。
○上野委員 我が党の代表質問に答えまして、東京都はまたこういったこともいわれています。現在までに新技術等の比較対象となる一般的な工法を確定するとともに、個別技術の評価並びに個別技術を組み合わせた総合的な対策の評価の手順など必要な事項を定めた、このようにいわれております。そこで、技術会議での評価方法及び手順について明らかにしていただきたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 新技術、新工法の評価、検証に当たっては、提案された内容について、実効性、工期、経費などを評価基準として多角的に検討することとしております。これまでの技術会議において、具体的な評価方法として、個別技術の評価並びに個別技術を組み合わせた総合的な対策の評価を行うことや、各委員が、評価に際し、評定結果に加えて専門的見地からの意見を付すことなどを確認しております。また、評価の手順としましては、委員合議による評価の前に、おのおのがあらかじめ評価を行うことなどを確認しております。
○上野委員 ぜひとも今申し上げた趣旨を十分に取り入れてもらいたいと思います。
先日の九月二十六日に、新技術、新工法の公募提案が締め切られました。この新技術、新工法の募集につきましては、知事の期待も大きいものであります。また、だれもがその状況を早く知りたがっております。先般、技術会議の議事概要が公表されましたが、この会議の重要性を考えれば、次の公表まで都民を待たせる必要はないのではないでしょうか。ぜひとも一刻も早く応募状況を知らせるべきであります。
そこで、新技術、新工法の応募状況について明らかにしてください。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議の提言を踏まえ、土壌汚染対策を具体化するため、八月十八日から九月二十六日までの四十日間、民間事業者などから新技術、新工法の公募を行いました。応募のあった数は百二十業者であります。技術提案は、一事業者から複数の提案がなされているケースもあり、提案内容も、汚染土壌・汚染地下水対策、液状化対策、地下水管理システムなど多種にわたっております。各提案は、複合的に技術が組み合わさっていたり、実証データなどの科学的な根拠などが添付されているため、現在、内容の精査をしているところでございます。
〔発言する者あり〕
○上野委員 本当に、もう一度、そのあたりについてもう少し明らかに数字で示してもらいたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策を具体化するため、八月十八日から九月二十六日までの四十日間、民間事業者などから新技術、新工法の公募を行いました。その結果、応募のあった数は百二十業者でございます。
○上野委員 今回の提案の中には、恐らく既存の技術、工法から工夫されたものや全く新たな技術、工法など、さまざまな提案がされたものと推測しております。技術に詳しいわけではございませんけれども、既にある技術、工法というのは、これまでにも多くの実験データあるいは施工データ、現場でのそういったものが積み重なっておりまして、実効性や経済性等々の評価、検証というのは、短期間で検証するのが可能だ、これは私も考えます。しかし、新技術、新工法、こういうことになりますと、これは明らかにデータに乏しいわけであります。いわゆる大事な実効性、施工性、経済性などの評価、検証というものを行っていくためには、これはしっかりとした、実験データだけじゃなくて現場での施工。これを実際に実証実験等々、施工して、そして出てきたデータによって、これは間違いないなという正確なものを確認して初めて使えるものでありまして、これは非常に大事であります。これは技術屋さんであれば、常識的に考えても、これは本来相当な期間を要するわけであります。
どうも今回の技術会議というのは、限られた検討期間というものにぐっと縛られて、そうした正確な確認を行っていかない可能性がある、そのことに非常に私は不安を感じているわけでございます。そういうこともせずに新技術、新工法を採用するということは、大きなリスクを伴うことであり、それはまた都民の不信と不安を、あるいは市場関係者もそうです、払拭するということはできない。このことを私は非常に懸念しております。公募提案の検討期間が半月余りしかないという今回のスケジュールは余りにも短過ぎるものであり、先ほどの提案も百二十ぐらい来ているわけですね。これを物理的に百二十、半月余りでやるなんというのは、まことに検討期間としては不適切、このように考えざるを得ないと思いますけれども、都の見解を伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議は、専門家会議の提言を踏まえ、土木、環境などの分野の専門家により、実効性、工期、経費などの面ですぐれた対策を選定することとしております。対策の選定に当たり、新技術、新工法を広く民間事業者などから求めたところ、想定を超える多数の提案をいただき、現在、その内容について精査中でございます。
提案内容の評価、検証に当たっては、実効性や経済性などにすぐれた対策を選定するため、委員合議による評価の前に、おのおのがあらかじめ評価を行うなど、効率的な会議運営に努めてまいります。今後の審議の進め方については、技術会議に諮った上で、必要な検討期間を適切に確保してまいります。
○上野委員 私もそのことを前向きにとりたいと思いますけれども、重ねて、今回は慎重かつ詳細な検討というものをぜひともやってもらいたい。これは絶対必要であります。短期間で焦って結論を出すべきではない、こういう重要な案件だということを認識されて、重ねて、十分な検討期間を確保するよう要望させていただきます。
次に、技術会議の検討結果についてでございますけれども、公表された議事概要は極めて簡単で、内容は少ないものでございました。会議が非公開であるということを考えれば仕方のない面もありますけれども、技術会議の内容が技術的で専門性も高いことを考えれば、選定結果のみをただ示されただけでは、選ばれた技術、工法の妥当性について都民が理解できないことは容易に想像できるわけでございます。選定された技術、工法が、都の取りまとめる土壌汚染対策計画の基本となることを考えれば、その評価、検証の視点や選定された理由について、すべての都民にわかりやすく周知していかなければならないということでありまして、都は、説明責任を果たすためにも、技術会議での選定結果につきまして、都民が納得できるわかりやすい内容で公表していくべきと考えますけれども、都の見解を伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議では、その審議が終了した段階で、新技術、新工法の選定結果を公表することとしております。公表に当たっては、評価の基準や方法を示した上で、提案された個々の技術、工法について、実効性や経済性などの項目ごとの評価や技術会議としての意見、審査結果を公表していく予定でございます。
なお、公表の場合、提案事業者の技術資産への配慮については十分検討してまいります。
○上野委員 ぜひとも、検討結果の公表に当たりましては、評価、検証の視点や選定された理由につきまして、だれでもわかるような方法を工夫していただくよう要望いたします。
技術会議で選定された技術、工法に基づく土壌汚染対策計画策定に当たりまして、さきの一般質問の中で、副知事をトップとした調整会議で検討していく、このようなご答弁がございました。この調整会議の役割と技術会議との関係、このことについて、ちょっと私もはっきりわかりませんので、ご説明願います。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場整備事業の推進に関する調整会議は、築地市場の豊洲地区への移転を円滑に進めることを目的に、副知事を座長として庁内の関係各局で構成するものであります。その役割は、土壌汚染対策を検討することや、豊洲新市場予定地周辺で行われている工事との工程調整などでございます。
調整会議においては、土壌汚染対策を検討するため、技術会議を設置し、外部の有識者の意見を聞くことができるとしており、現在の豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議は、これに基づき設置したものでございます。
今後、技術会議での検討結果に基づき、都の土壌汚染対策計画を策定するに当たっては、調整会議において検討を行ってまいります。
○上野委員 心配している点がもう一点ありまして、これを最後の質問にしたいと思いますけれども、都が土壌汚染対策計画を決めたことをもって、豊洲新市場建設を、決まったものと都民に押しつけることはあってはならないということでございます。去る八月一日の記者会見で知事もいっておりましたけれども、出た結論については一般の人の意見も聞く、このように発言されております。
そこで、最後の質問になりますが、どのようにして都民また市場関係者、この方々の声を聞いて、そしてまた、その内容を考慮した上での最終決定をするのかしないのか、そのあたりの都の見解を伺いまして、私の質問を終わります。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議は、先ほどご答弁させていただきましたように、会議、資料とも非公開としております。審議が終了した段階ではできる限りすべてを公表することとしており、技術会議の検討結果とあわせて、都民、市場業界に周知を図ってまいります。その際寄せられる意見につきましては、今後の新市場整備に生かしてまいります。
○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時三十二分休憩
午後二時四十五分開議
○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小竹委員 豊洲移転の問題でお伺いいたします。
我が党は、村松議員の代表質問で、環境基準を超える汚染は三六%の地点で延べ二千二百件余り検出された、高濃度汚染は三つの街区すべてにわたり満遍なく検出されているとして、知事の姿勢をただしました。その回答として出されたのが、敷地の全域にわたる四千百二十二カ所の詳細調査の結果、環境基準を超過した割合は三六%であるが、このうち一千倍以上の物質が検出されたのは、土壌で二カ所、地下水で十三カ所である。二として、詳細調査で一定の汚染物質が検出されたが、四百四十一カ所において深さ方向に土壌ボーリング調査を行った。その絞り込み調査の結果、三千百三十四検体のうち二二%が環境基準を超過したが、一千倍以上の物質が検出されたのは七カ所七検体である。三、街区別では、環境基準の一千倍以上の物質が検出されたのは、五街区で三カ所、六街区で十六カ所であり、七街区では検出されていないというふうに市場長が答弁されました。
この答弁については二つの問題点があるというふうに思います。一つは、汚染の広がりの問題について、もう一つは、一千倍の問題です。最初に、広がりの問題、汚染されているところは限られているという問題について伺いたいというふうに思います。
詳細調査で地下水から検出されたベンゼンで、環境基準の十倍以下、十倍から百倍、百倍から一千倍について各街区ごとにどれだけあるのか、お示しください。
○宮良新市場建設調整担当部長 敷地全域にわたる四千百二十二カ所の詳細調査の結果、土壌溶出量及び地下水でそれぞれ一倍から十倍、十倍-百倍、百倍から千倍、地区全体で合計で申し上げますと、土壌溶出量で環境基準の一倍から十倍が検出された箇所は二十七カ所であります。それから、十倍から百倍が検出された箇所は五カ所、また、百倍から千倍が検出された箇所は一カ所、地下水で環境基準の一倍から十倍、これが検出された箇所は三百七十三カ所、十倍-百倍が検出された箇所は百三十四カ所、百倍から千倍が検出された箇所は四十一カ所でございます。--加えてご答弁させていただきます。土壌溶出量で環境基準の千倍以上のベンゼンが検出された箇所は二カ所であります。また、地下水で環境基準の千倍以上のベンゼンが検出された箇所は十三カ所でございます。
○小竹委員 私は、地下水から検出されたベンゼンで示してください、街区ごとに示してくださいというふうに申し上げたわけです。今のお答えは、土壌と地下水を全体で示されたわけですが、答えを聞いていると時間の問題がありますから、皆さんが専門家会議に報告された調査のこれを拡大したものですよね。これです。これがベンゼンです。(資料を示す)これはベンゼンですが、ベンゼンだってこれだけ、この区域の全体汚染されているんですよ。これにこっちの、これは拡大しませんでしたけれども、シアンを加えたら、全体的な汚染がこんなに小さいものとはいえないじゃないですか。この点についてはどういうふうにお考えなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 敷地全体にわたる四千百二十二カ所の土壌及び地下水の詳細調査の結果、環境基準を超過した箇所の割合は三六%でございます。
○小竹委員 汚染物質で超えたのが敷地の三六%ということは、三分の一以上が汚染されているということですよね。これが本当に限られたところ--この図を見たって、私、ぞっとしたんですよ。これにシアンを重ね合わせたら、ほとんど全域が汚染されているというふうに見なければならない。これが何でごく限られたところというんですか。もう一度お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいまご答弁申し上げましたように、敷地全体にわたる汚染状況を調査しましたところ、四千百二十二カ所、土壌、地下水の調査でございますが、今ご答弁申し上げましたとおり、環境基準を超えるところは三六%、また、絞り込み調査を引き続きやりましたが、千倍以上超えたものは、七ブロックはゼロ、五街区は三カ所、六街区が十六カ所でございます。このように限られた箇所になっております。
○小竹委員 それが限られた場所といっても、それは私--一千倍の場所ですよ、一千倍以上という。これは後でまた問題にします。
皆さんが限られた場所なんだというのをしきりと強調しているという点で、これは市場の関係者に配られたチラシ、私は典型だというふうに思っているんですけれども、ここにどういうふうに書かれているかというと、詳細調査について、土壌、地下水の詳細調査の調査結果ということで、四千百二十二カ所のうちというふうにして、土壌についてはすべての物質について調査地点で九割以上が環境基準以下、地下水については、六価クロムは検出されず、砒素、鉛、水銀、カドミウムは調査地点の九割以上が環境基準以下であり、ベンゼンについては調査地点の八六%、シアン化合物については調査地点の七七%が環境基準以下、土壌で環境基準の千倍以上が検出された地点は二地点、全体の〇・〇五%、地下水で環境基準の一千倍が検出されたところは十三地点で全体の〇・三%だというふうに書かれています。
この地域の汚染が殊さらに深刻でないように、こういうものが書かれているというのは、私はこの文章を読んで、汚染が限られているんだというのを意図的に描き出しているんじゃないかというふうな思いがしたんです。さっき示した図面から見たって、こんなことはいえないんじゃないですか。その点について改めて見解を伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、敷地全体にわたる土壌と地下水の詳細調査、その結果、環境基準を超えるものは三六%。それで、土壌で環境基準の千倍が検出された箇所は、詳細調査の結果では二地点、地下水で環境基準の千倍を超えた検出箇所は十三地点でございます。また、土壌で環境基準を超える地点あるいは地下水で環境基準の十倍を超える地点四百四十一地点につきまして、深さ方向に一メーター間隔で調査した結果、全検体数三千百三十四検体のうち、環境基準を超えるものは六百八十三検体、割合にしますと二二%でございます。
このようなことから、敷地全体が汚れているわけではなく、高濃度のものは限られている、そういった四百四十一地点で、環境基準以上あるいは地下水で十倍以上検出されたところでも、地表面から深さ方向に全部が汚れているわけではない、そういうふうに認識しております。
○小竹委員 まともに答えてください。先ほどから同じ答弁を何度も何度もいって、時間稼ぎしているというふうにしか思えないんですよ。見解をちゃんと求めているんだから、そのことについての見解を答えてください。
もう同じことの答えしか出ないから先へ行きますが、シアン化合物の環境基準というのは幾つなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 シアン化合物の環境基準に関しましては、検出されないこととありますが、環境省の通達で〇・一ミリグラム・パー・リットル、そういう値になってございます。
○小竹委員 環境基準は、検出されないこととなっているんですよ。だから、検出されたら、それはもう基準を超えているということなんですよね。〇・一ミリグラム・パー・リットルは、当時の測定技術の上限値ということですから、検出されたところはすべてが汚染されているということなんですよ。この皆さんが市場の中で配られたチラシ、私は見て本当に腹が立ったんですけれども、土壌の詳細調査は、東京ガスの操業地盤面から五十センチのところで一カ所だけやっているわけですよね。東京ガスが対策をしていますから、だから九割しか出てないんですよ。対策したのに一割も出ているというところに問題があるんじゃないんですか。この地域の深刻さが、そこにも、物語っている中身があるということなんですよね。
シアンでいえば、七七%安全だとおっしゃるんだけれども、環境基準からいったら、出たところは全部汚染されているところなんだから、取り除かなきゃならないんですよ、基準を超えているんですもの。そういうことなんですよ。やっぱり認識が甘いというか、それこそ皆さんは、いかに汚染がないところに見せようとしているというふうにしか見れないんですよね。これはまさに都民や市場の関係者を欺くことであって、食の安全を預かる市場の責任者としての資質が問われる問題だというふうに思います。
続いて、有楽町層について伺います。
改めて伺いますが、有楽町層は全く水を通さない層なのですか。その点についてお答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地で不透水層を形成しております有楽町層の遮水性は、土壌汚染対策法が定める不透水層の基準に対して約三十倍、厚さ約二メーターから二十メーターあり、極めて水を通しにくいです。
○小竹委員 相変わらず不透水層だということで透水係数をおっしゃいましたけれども、私はこの間、皆さんからいただいた資料を含めていろいろ検証してみました。透水係数の中に、含水比というのと液性限界という言葉が出ているんですけれども、それについてまず説明してください。
○宮良新市場建設調整担当部長 含水比は、土に含まれる水分の割合を示したもので、水の重量を土の重量で割ったものでございます。液性限界は、土が流動し始めるときの含水比でございます。
○小竹委員 含水比は土の重さに対する水の重さで、液性限界は、液体状になるその限界値だということですけれども、含水比が液性限界を超えていれば、どろどろ状態が強いというふうに理解していいわけですよね。
○宮良新市場建設調整担当部長 含水比が液性限界を超えたとしましても、直ちにどろどろの液体のような状態になるとは限りません。現に豊洲市場でも、これまでの土質試験の結果、試験体を現地から採取しますが、試験体は立方体で自立しております。そういった状況にございます。委員、今お話がありました、すべてどろどろの状態にあるというわけではございません。
○小竹委員 含水比が多いということは水が多いということなんですよ。土の中に含まれる水の量なんですから、それが限界を超えているというところは、自然の中ではどろどろ状態にあるということを示しているわけです。ですから、そういう点でいうと、私も現場を調査のとき見せていただきましたけれども、ボーリングやったときに、土はどろどろでしたよ。液体状になっていたというのは何度も目撃させていただいていますから、そういう点ではごまかさないでいただきたいというふうに思います。
私は、市場が平成十八年に行ったボーリング調査の柱状図の一部をここに拡大してきました。(資料を示す)このことから何点か伺いたいというふうに思うんですが、六街区の第一地点のボーリング調査の結果の上の方、有楽町層ぐらいのところまでですが、このS1-1というところの含水比と液状限界についてお示しください。
○宮良新市場建設調整担当部長 S1-1は六街区の地表面から深さ約十メーターの地点で、その含水比は五九・五%、液性限界は五七・八%でございます。
○小竹委員 この層はシルト層ですけれども、五九%ということは、半分以上が水を含んでいるということなんですよね。非常にやわらかいというふうに表示もあるわけです。だから、そういう意味でいえば、水の中にシルトがつかっているというふうに見るのが当然だと思うんですけれども、どろどろ状態で、こういうところでも水は絶対に通さないということがいい切れるんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 当該柱状図にありますS1-1でございますが、どのような土の状況かと申し上げますと、その地点の土質試験をするために試料をとりましたところ、試験体は自立しており、決して液体状のどろどろのような状態ではございません。
○小竹委員 皆さんは有楽町層を不透水層だということで、根拠として、先ほども透水係数を示されたんですけれども、私は、このことについて、地下水や、それから地質学の専門家の方々に、お話を何人もから伺いました。いずれも共通しているのは、有楽町層は、沖積層の地質の時代で見たら一番若い軟弱な地層で、水分を多く含んでいる、シルト層もあるけれども、下には砂の多い層もまじっているし、岩盤のように水を通さない層の不透水層ではなくて、半透水層ないしは軟透水層と呼ぶ地層だというのが共通の見解でした。透水係数は、実験室で圧密試験というのでおもりを乗せて行うものですから、自然の状態とは違うということも指摘されました。ですから、そういう意味でいえば、皆さんが透水係数を掲げて、このどろどろ状態のところを認めないというのはおかしいんじゃないですか。
私は、この柱状図を、十八年度の柱状図だけじゃなくて、その後の詳細調査の柱状図なども有楽町層を見たんですけれども、水を含んでいるというのが非常に多いんですよ。だから、そういう点でいうと、ヘドロ状態だというのは専門家の方々がおっしゃっているわけですけれども、そういうのがここに示されている、皆さんの調査で示されているということじゃないですか。
液性限界より含水比が高いところは、三十一地点で十三地点、三分の一以上あるんですよね。しかも、これがかなり深いところまで、この下の層までそういうところがあるんです。だから、水分を多く含んでいてどろどろ状態、決してかたい岩盤のような状態ではないというのが、ここでも明らかなんじゃないでしょうか。
ここを見ていただいてもわかるように、このシルト層の下は砂なんですよ。シルト質細砂と書いてある砂層ですよね。ここは水が通るわけで、ここは含水量については中位であるというふうに、この層にも書かれているんですね。このシルト層は、深さをマイナスすると二メーターないんですよね。先ほどいわれた、厚いんだというふうにおっしゃるけれども、これ、全部を通していわれているんじゃないんですか。この層についていったら二メートルないんですよ。それで、この下に砂があるわけですから、こういうところでどういうことが起きるかというのを専門家の方からいわれました。有楽町層の層の厚さが薄ければ薄いほど、どんなに透水係数が低くても、水圧がいろいろなことで変わることによって、有楽町層の亀裂から水が漏水して下に流れていくということを専門家の方々は指摘しているんです。したがって、透水係数だけで水が通らないなどというのは科学者としては認められない、ここまで指摘されています。専門家会議では、こういうことは問題にならなかったんでしょうか、伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地で不透水層を形成する有楽町層の遮水性は、土壌汚染対策法が定める不透水層の基準に対しまして約三十倍、厚さが二メーターから二十メーターあり、極めて通しにくい。専門家会議でも、委員の中に、土壌、地質にお詳しい委員がいらっしゃいますが、専門家会議では、今お話申し上げましたように、有楽町層は極めて水を通しにくいと、そういう認識でございます。
○小竹委員 水を通しにくい前に、水を含んでいる層なんですよ。
下の圧力との関係は、工事などの影響など、自然界は複雑な様相を呈しますから、そういうことで漏れることだってあるということなんですよね。だから、下を調べないで、もう水が通らない層だなどと断定することは科学的じゃないんじゃないですか。
瀬戸物だって、何かの拍子にひび割れが入ったら、そこから漏れるわけですから、そういうことを考えたら、水を含んでいる層なんていうのは、漏れないという保証は何もないじゃないですか。こういう点でも、有楽町層の下をきちんと、汚染されているのかどうか調べる必要があるんじゃないでしょうか。その点はいかがですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいまご答弁しましたように、専門家会議では、豊洲新市場予定地で不透水層を形成している有楽町層は非常に水を通しにくい、したがって、汚染が下の方に広がっている可能性は非常に低いという認識でございます。
また、調査により、不透水層である有楽町層をせん孔、要は観測孔をあけますと、地下水が有楽町層の上下で連絡することになり、汚染が広がる可能性も出てきます。そういった観点からも、有楽町層の調査は必要ない、そういう専門家会議の見解でございます。
○小竹委員 汚染の実態を小さく見せるというか、有楽町層の中から深刻な状況が出てきたら大変だということもあって、やらないということなんじゃないですか。そういう点でいっても、本当に科学的な調査といえない中身ですよ。こういう問題がきちんと議論されないというところに私は疑問を感じます。
続いて、五街区の絞り込み調査についてお伺いいたします。
K-29-3地点とK-30-6地点の深度方向、深さの方向でのベンゼンの測定倍率を、それぞれ深さごとにお示しください。
○宮良新市場建設調整担当部長 K-29-3地点における調査の結果、地盤面から深さ二メーターまでは環境基準以下でありました。三メーターの地点で〇・〇五ミリグラム・パー・リットル、四メーターの地点で二・八ミリグラム・パー・リットル、五メーターで六・三ミリグラム・パー・リットル、六メーターの地点で〇・九ミリグラム・パー・リットルの値が検出されております。
また、K-30-6地点の調査の結果でございますが、地盤面から深さ二メーターまでは環境基準以下でありました。三メーターの地点で〇・一五ミリグラム・パー・リットル、四メーターで〇・一三ミリグラム・パー・リットル、五メーターで一一ミリグラム・パー・リットル、六メーターで〇・四二ミリグラム・パー・リットル、七メーターで〇・五三ミリグラム・パー・リットルが検出されております。
○小竹委員 今、単位でおっしゃられましたからあれだと思うんですが、私はこのK-29-3のマイナス三メートル以下のところということで、マイナス四メートルのところは環境基準の二百八十倍ですよね。三メートルも五倍だし、五メートルに至っては六百三十倍、六メートルで九十倍ということですよ。
それで、30-6についていえば、全部いうとあれだけれども、マイナス五メートルのところで千百倍ですよ。七メートルのところで五十三倍でしょう。こんなに深いところに出ているということなんですよ。
私はもう一つ、皆さんが七月十三日かな、ここの豊洲地区の有楽町層のいろいろ調べたデータからシミュレーションしたということで出ているのを拡大したわけですけれども、(資料を示す)この中で、今いったK-27というのはここなんですよね。皆さんの色分けでいったら一番浅いところがK-29、それからその隣のところがK-30なんです。
ここの有楽町層は、皆さん、何メートルというふうにあれしているんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 K-29-3においての不透水層を形成します層は、地表面から深さ約六メーターのところにございます。
○小竹委員 六メートル行かないじゃないですか。ここでいったらば、先ほどのマイナスのあれと、皆さんがいっている基準が違うからあれなんだけれども、基準値から見たら〇・五ですよ、ここ。地表面からいったら四メーター五〇、そういうところじゃないですか。そこで、基準値のA.P.でいったら、五メートルの地点はマイナス一メートルということになりますよね。A.P.というか、基準値でいってください。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいま申し上げました、各深さで濃度等ご説明しましたが、四千百二十二カ所など、ボーリングした際には、それぞれの地点で、地表面の高さ及び不透水層を形成する地点の位置、それから水位をそれぞれ測定しております。そういった観点から、今申し上げましたとおり、K-29-3の不透水層の位置につきましては、地盤面から六メーター以上の深さがございます。
○小竹委員 ということは、有楽町層より上で出ているというふうに理解していらっしゃるんですか。じゃあ、これと違うじゃないですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議の中で資料としてお出ししました、不透水層を形成します有楽町層のいわば標高図、それについては、今申し上げましたような調査結果、四千百二十二の地下水調査をやる前に地区内全域にわたりまして有楽町層の位置を把握した結果及び昨年秋から追加調査をしました、その際にも、有楽町層の位置を確認しております。そういったもののデータから、敷地全体にわたって、いわば等高線図、コンター図をかいたものでございます。
また、今ご答弁申し上げましたように、四千百二十二カ所など、個々具体的に調査する際には、地表面の高さ、水位、有楽町層の位置、それぞれを測定して確認して調査を実施してございます。
○小竹委員 ということは、皆さんが専門家会議に有楽町層の上端深度はこういうものですよといった、これそのものが違っているということなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 今ご説明しましたように、昨年秋に実施しました追加調査及び四千百二十二カ所調査する前の調査結果、それは不透水層の位置を把握する、そういったものから、いわば有楽町層の等高線をかいた図でございます。
○小竹委員 この等高線図というのが専門家会議に出されたのは七月十三日です。そのときにたしか絞り込み調査も報告されていたんじゃないですか。私は、だから絞り込み調査をホームページで引き出して、かなり深いところまでやっているなというふうに思って、絞り込み調査の皆さんが使った図面とこの標高図を突き合わせてみたら、何とそれより下を掘っているということで、私はここで問題にしたんですよ。
これが違っているというんだったら、そもそも論--専門家会議で議論するときにちゃんと訂正してやらなきゃならない問題じゃないんですか。どうなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議で資料としてお出ししました有楽町層のいわば等高線図でございますが、それは豊洲新市場予定地全域四十ヘクタールにわたる有楽町層の状況全部を俯瞰して認識していただく目的でつくった資料でございます。
何回かご答弁させていただきましたが、個々の四千百二十二カ所の調査に当たっては、各測定地点で地表面水位及び有楽町層の位置を測定して確認してございます。
○小竹委員 これは非常に重大な問題だと私は思っています。現実に有楽町層の下を掘っているんじゃないかというふうに思うんですよ。調査をされているんだ。だって、それこそ29-3にしても六メートルまでですよ。だから、有楽町層の頭の部分、今、六メートルとおっしゃられたから六メートルでいうんですけれども、マイナス六メートルのところであれば、ここは九十倍の汚染がされているんですよ。その下の中にないのかどうかというのを調べなきゃならないじゃないですか。
同じように、K-30-6にしたって、七メートルのところまでやっているわけで、そこが五十三倍ですからね。有楽町層、皆さんが不透水層だから汚染されていないといっていたところが汚染されているという中身がここにもあらわれているわけで、やっぱりちゃんと調査しなければならないということなんじゃないんですか。その点はどうなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 有楽町層の地表面からの位置でございますが、新市場予定地全域にわたって均等ではございません。地下の状況はいろいろ凹凸がございます。K-29-3に対して申し上げれば、先ほど申し上げました不透水層の位置は地表面から六メートルより下でございます。また、K-30-6につきましても、不透水層の位置は地表面から七メートルより深い位置にございます。
○小竹委員 私は納得いきませんね。これを示されたんだったら、これとの関係できちんと明らかにすべきじゃないですか。もし、そういうふうに細かく調査されたというんだったら、これを直すべきですよ。
こういうふうにかかれていて、浅いところでしか出ないんですよというふうなのを皆さんがやっているのに、実際にはこれだけ深いところから出てきているんですよ。旧地盤面から五メートルも深いところから、一千百倍ですよ。
私は今、この二カ所を取り上げました。だけれども、そのほかの場所だって、この絞り込み調査で突き合わせてみると、ここの不透水層といわれるところより下のところまで、皆さん調査されているんですよ。これ自身が間違っているというんだったら、ちゃんと訂正してください。
それは、五街区だけじゃないんです。七街区のこの辺もそうですよ。これだけ重大な問題ですよ。皆さんは、有楽町層の下は汚染されていない、だから調査はしない、こうずっといい続けてきたんですよ。さっき柱状図を示しましたけれども、この土壌汚染がまだそんなに問題になっていないときに、市場を建設するためにボーリングを八カ所やっている。これは、下の六十メートルまでやっているわけですよ。だから、もう皆さん自身が壊しているわけですよね。
それなのに、一番重大な、これだけ汚染が地下の部分で広がっているというところについて、やらないで通して対策をとるなんていうのはもってのほかだというふうに思うんですけれども、もう一度お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 先ほど来ご答弁させていただいています専門家会議で資料としてお出しした、その有楽町層の等高線図、それにつきましては、豊洲新市場の敷地四十ヘクタール全体にわたって有楽町層の状況を把握していただく、そういう趣旨で出しております。
具体的な四千百二十二カ所にわたる土壌、地下水の調査におきましては、個々万全、正確を期すために、それぞれの地点で地表面及び地下水面、不透水層の位置を測定しております。
また、平成十八年に地質の土壌ボーリングをいたしましたが、ボーリング孔の跡にはセメントミルクを埋めて水が通らないようにしてございます。
○小竹委員 認めようとされないわけですけれども、私は素人だからあれだけれども、この図面と絞り込み調査とをきちんと先生方は検討されたんですか。検討されたら、やっぱり問題になったことなんじゃないですか。私はちょっとその辺を疑問に思うんですけれども、どうなんでしょう。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議の委員の方にも、そういった調査方法につきましては、十分打ち合わせ、あるいは指示をいただいて、専門家会議も了解、理解している調査内容でございます。
○小竹委員 私は、科学者としても本当に疑問を感じざるを得ない、そんな感じがします。幾らこれを議論しても、そちらの方の回答は、有楽町層の下まで汚染されているというふうに認めないわけですけれども、こういうことをあいまいにしたまま対策をとったって、食の安全は守れないですよ。
食の安全を預かるというんだったら、こういうことをきちんとやらない限りは責任を負えないということじゃないですか。その資格が問われる問題だということを強く指摘をしておきます。
こういう中途半端な調査、さっきから、平面的な広がりと、それから深さの広がりについて私は問題にしてきましたけれども、ここまで深いところでも深刻な汚染が広がっている。先ほど皆さんがおっしゃった、ここが有楽町層の頭だとおっしゃる深さで見たって高い濃度が検出されているわけだから、この下がどうなっているのかというのを調査しないで安全だということはいえないわけですから、こういう面でもきちんとしなければならないというふうに思います。
こういうところ、こんな中途半端な調査でどんな対策をしたって、安全など確保できません。先ほど安全宣言だというふうにおっしゃいましたけれども、安全宣言をここでするということは、食の安全を放棄するということになります。おこがましくていえないというふうに思います。市場を預かるという点で、こんなに汚染されたところに食を預かる市場を持っていくなどというのはもってのほかですから、移転を断念すべきことを求めておきます。
もう一点は、一千倍以上の問題です。知事は、四万三千倍は一カ所に限られていると答弁しました。市場長は、一千倍を超えた場所をいろいろ強調しているわけですけれども、市場関係者に配布された先ほどの資料、これには、地下水で環境基準の一千倍が検出されたのは十三地点、全域に高濃度が広がっているわけではありませんとしています。
改めて伺いますけれども、一千倍以下の汚染は安全だといえるんですか。その根拠を示してください。
○宮良新市場建設調整担当部長 環境基準の千倍の濃度を一つの目安として、土壌と地下水の高濃度の汚染状況を示したものであります。
千倍の濃度を境にして安全であるか否かを述べたものではございません。
○小竹委員 千倍を境にして安全であるかどうかを述べたものじゃないというお答え、今聞いて、私、愕然としたんですけれども、一千倍を強調するというのは一体どういうことなんですか。
高濃度汚染といって、じゃ、九百倍はどうなんだというふうなことになるわけですよ。一千倍というふうにいう法的な根拠はどこにあるんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいまご答弁させていただきましたように、環境基準の一千倍、そういったものを一つの目安として、土壌と地下水の高濃度の汚染状況をお示ししたものです。
千倍の濃度を境にして安全であるか否か、そういったことを述べたものではございません。
○小竹委員 一千倍が安全であるかどうかということの議論というのは、食を預かっている場所ですから、一千倍なんていうのは異常なことなんですよ。法律のどこにもないということはお認めになったわけですね。
環境基準の一千倍以上の汚染が出ているところ、全国にどこにあるんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 全国すべての事例は承知しておりませんが、石炭から都市ガスをつくり供給していた、いわばガスの会社、そういった工場の跡地で、そういった濃度のものが出ていることは承知しております。
○小竹委員 一千倍じゃないですよね。数千倍ですよ、ここで土壌から出たりしているのは。そういう点でいったら、全国的に見たって、こんなに高い濃度が出ているところというのはないんですよ。本当に、だからそういう意味でいったって、比べ物にならない深刻な汚染というふうに見るのが、食の安全という以前に考えなければならない問題なんじゃないんですか。
法的にいえば、環境基準が定められているわけですから、この環境基準、発がん性物質の環境基準をどういうふうに受けとめているんですか。認識を伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 環境基準とは、国が定めている、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい目標であります。
その設定の考え方は、土壌であれば一〇〇ミリグラムの土、地下水であれば二リットルの水、大気であれば四畳半程度の空間である十五立方メートルの空気を、七十年間、一年三百六十五日続けて摂取した場合に初めて十万人に一人、健康被害が生じる可能性があるといった、長期的な汚染物質の摂取を前提にしました非常に厳しい基準であります。
○小竹委員 法律にあるのは、人の健康保護及び生活環境の保全の上で維持されることが望ましい基準ということですよ。そういう意味でいったら、環境基準で考えなければいけないことなんじゃないですか。
皆さんは、一千倍で線を引いて、限られているんだというふうにいわれるけれども、やっぱり環境基準を超えているところ全部が問題なんですよ。超えていること自身が問題なんだから、そこのところをきちんと見ていく必要があるんじゃないですか。
七十年という長期間にわたって--この基準だって、七十年というふうにおっしゃったけれども、七十年間、これをやった人というのは今いないわけですよ。何も証明されていないじゃないですか。それでも基準は、最低基準として環境基準があるわけですから、これを守っていくということが当然のことだというふうに思うんです。
そういう点でいったら、ここは本当に深刻な汚染ですよ。ベンゼンなどの発がん物質の環境基準は、十万人に一人ががんになる確率の濃度を設定して決められているということです。環境基準の一千倍ということになれば、百人に一人ががんになるという確率の濃度なんですよ。とんでもないレベルじゃないですか。百倍だって一千人に一人、十倍だって一万人に一人ですよ。
したがって、環境汚染の問題はあくまでも環境基準をベースにして評価すべき中身なんじゃないんですか。敷地の三分の一が汚染されている広域汚染のところで見たときに、ベンゼンが一千倍だとか一万倍を超える、こういう高濃度のところというのは全国的に見たってないわけですから、激烈な汚染地ということになるわけですよ。そういう意味でいって、こんなところに食べ物を扱う市場をつくるわけにいかないじゃないですか。食品を扱う市場という点から考えたら、こういうところには移転しないという決定をするのが当然のことだというふうに思います。このことを強く求めて、終わります。
○大西委員 私も市場について幾つか伺いたいと思います。
七月二十六日に専門家会議は、豊洲新市場予定地の土壌汚染問題の最終提言をまとめました。九回にわたる専門家会議では、本当に猛暑の中、多くの傍聴者が傍聴券を求めて列をなしました。そういう抽せんに漏れた人たちへも音声傍聴ができるように配慮するなど、公開への姿勢には進歩した面もあるなというふうに思いましたが、せっかくならば、情報があふれているこの時代ですので、音声傍聴だけじゃなくて、どんと大きなスクリーンでも設置するぐらいの情報公開の取り組みの姿勢を改めて求めたいと思っております。
そして、毎回の専門家会議では、傍聴者の質問や意見に対し専門家として答弁するなど、その姿勢には一定評価するものもあります。しかし、やはり肝心の疑問というものは払拭されることはなかったと思います。
といいますのも、やはり専門家としての見解、それと同時に、市場を設置しようとするのであれば、そこに幾らの--経費というものはかかってきます。そういう意味では、経費と対策が、私たちにとっても納得ができるかどうかということが、この一番求めていたところだったんだと思うんですけれども、それがないままに終わってしまった。
ということでは、専門家会議として必要な対策を都に示し、そしてさらにコストについて都に資料要求、試算の資料を要求するとか、そういうことをやるべきだったんだろうなというふうに思っております。
そういう中、今度はメンバーチェンジをして技術会議が行われたわけです。同じような技術という件なんですけれども、ここでも、だれが来ているかというと、環境とか土木の専門家、情報処理ということです。
そういう意味では、さらにこの中でもうちょっと公開するような形が必要なんだろうなと思っておりましたが、先ほどの答弁の中に、技術会議については、その検討過程において外部からの干渉を受けずに自由濶達な意見ができるような、率直な意見が妨げられないようなことを行わなければならないので、一応非公開にしていると。そして、その後は、会議録についてすべて公表するという答弁がありました。
この中で、プロジェクトマネジメントという役割の方、これは具体的にどのようなお役をなさるんでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議は、土木、環境、それに加えまして、今お話にありましたプロジェクトマネジメント等の委員から構成されております。
技術会議の検討に当たりましては、土木工事や汚染物質処理といった技術の面からだけでなく、効率性、合理性、それから経済性の観点といった側面から評価、検証をしていただくために、プロジェクトマネジメントの委員の役割がございます。
○大西委員 イメージ的には、このプロジェクトマネジメントって、わかるようなわからないようなネーミングですし、今の役割のことも、わかったようなわからないような役なんですけれども、具体的にどういう人材を私たちイメージすればいいんでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 例でございますが、例えば大規模プロジェクト、地域開発、それの計画に携わり、全体の事業の進行管理やコスト管理、そういったものに対して知識や経験を有している方、そういうことを考えてございます。
○大西委員 ということは、これまで専門家会議に不足していた人材というものを、ある意味具体的に提言、さらに進めていくための役割の方なのかなと思っております。
市場移転の問題は、やはり六月議会でも指摘しましたけれども、築地での再生、豊洲新市場予定地へ移転した場合の汚染対策、それから、ネットが提案しております晴海への移転案、これらはすべてオリンピック招致と関連しております。
本来、市場移転は、長期的視点、視野で食の安全を軸に検討すべきであるんですけれども、技術会議へ諮問する場合の条件として、期限と経費というものが一応限定されたものがそこに諮問されているのか伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議は、広く民間事業者等から公募した新技術や新工法について、実効性、工期、経費などの面からすぐれた対策を選定することとしており、検討の前提として工事期間や必要となる経費を限定しているわけではございません。
○大西委員 限定しているわけではないとおっしゃっていますが、やはり十一月にその結果を出そうとか、先ほど上野理事からも指摘がありましたけれども、新工法を、本当にこれが安全かどうかということを実証するには余りにも期間が短いではないかという、また新たな不安が出ております。
そういう意味では、技術会議と、それから最初の専門家会議、この方たちがもう一回合同でその検討をやるような、そういうことも必要じゃないかなというふうに考えたんですけれども、そういうことはどうお考えですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 昨年五月から、豊洲新市場においてどのような土壌汚染対策をとるべきか--提言をいただきました。各委員の方は、それぞれ土質、水質、それから環境保健、有害物質、そういった各専門分野の方で検討していただきました。
この七月に専門家会議から提言いただきました。報告書をいただきましたが、次は、そういったいただいた提言の土壌汚染対策の内容を具体的にしていく必要がございます。具体化に当たりましては、当然、どのような技術、それから工法ということになります。技術会議では、そういった具体的な技術、工法を各専門家、今度は土木とか汚染土壌の処理に関する環境面、それからプロジェクトマネジメントの面、それぞれの面での専門家の検討が必要だと思っております。
したがいまして、専門家会議あるいは技術会議、合同でやるのではなくて、それぞれの専門、ステージも違います。その対策の具体化のいわば工学的なことが中心になりますから、それぞれの工学の専門の方で組織しました技術会議で検討を進めていく、そういうふうに考えてございます。
○大西委員 目的は、豊洲新市場へ移転するに当たって、環境面から、そしてあるいはコストの面から、それから大きなプロジェクトをやるマネジメントということで、非常に視点というものは大きく、そして目的は一つという意味では、ステージじゃなくて、こういう人たちの合同の会議というのは検討なさる価値があるんじゃないかなと思います。
とはいえ、技術会議報告後、どのようなプロセスを経て決定していくのかということを伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議では、実効性、工期や経費などを評価の基準として、最適な技術、工法の選定を行うこととしております。
都は、技術会議の検討がまとまった後、その内容を最大限尊重し、工事の施工計画や経費、工期を算定した上で、土壌汚染対策計画を策定してまいります。
策定に当たっては、副知事を座長に関係各局で構成する豊洲新市場整備事業の推進に関する調整会議で検討してまいります。
○大西委員 専門家会議からの提言、そして今度は技術会議からの提言を受けて、庁内で今度は副知事を座長に豊洲新市場整備事業の推進に関する調整会議で検討していき、ここで最終的な決定をするということでいいんでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 調整会議で検討し、決定して、東京都の組織として決定してまいります。
○大西委員 この名前は調整会議ですから、ここで組織として決定して、この決定を受けて、だれが決断するんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 今申し上げましたように、調整会議で検討を進めて、私ども市場が東京都の組織として決定してまいります。
○大西委員 そういう中で、本当に私たちが求める安全性というものは、それまでに払拭されるのかどうなのかということがかぎになるんだと思います。
そういう意味では、私はいつもやはり専門家会議でも問題になっておりましたけれども、科学的な見地からは、とにかく金をたくさんつぎ込めばつぎ込むほど、その安全性を--ゼロに近くなるということでした。だから、どこで、どのように経費と安全対策が一致するのかということをしっかり都民が判断しない限り、この市場というのは、他の施策と違って、都民に非常に直接的に感じられる問題なので、都民の理解というものをもう一つ得るための努力が必要になると思っているんですけれども、今いろいろな問題があるものをしっかりと庁内で整理し、再整備についてももう一度見直せばどうかという動きもあります。
そういう意味では、これまでの結果でなくて、新しい視点に立って、それこそ取扱量も少なくなっているし、それから先ほども示されたように、市場という場所を余り広くとらなくても、船から直接に持っていって、そこで買いつけが始まるというような新しい時代的な動きもあるわけですから、もう一度、今の時点に立った市場のあり方というものを再検討し、そしてそれぞれのメリット、デメリット、そしてそのお金というものをしっかりと出した中で、都民に選択肢をどんとお見せになるようなことも必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
○野口参事 豊洲地区への移転につきましては、長い年月をかけて、移転先や現在地再整備について業界団体と議論を尽くして決定してきたものでございます。
移転につきましては、約四十ヘクタールの敷地の必要性に加えて、買い出し人の利便性、良好な交通アクセス、築地の商圏との継続性などが不可欠でございます。現時点におきましても、この条件をもとに、改めて移転候補地となり得る用地を都内全域にわたって調べてみましたが、これらの条件を満たす場所は豊洲新市場予定地以外に見出し得ない状況でございます。
豊洲新市場予定地の汚染状況につきましては、専門家会議で、敷地全域に高濃度の汚染が広がっているわけではなく、その範囲は限定的であり、対策を講じることにより、生鮮食料品を取り扱う市場用地として、食の安全・安心は十分確保できると提言されております。
現在、この提言を踏まえ、技術会議において、確実でコスト面でもすぐれた土壌汚染対策を検討しており、この結果に基づき、都として早期に土壌汚染対策計画を取りまとめ、万全な対策を講じてまいります。
さらに、昨今の流通関係の中では、特にこれは生鮮では多くありますけれども、安全・安心に加えて、それで早く消費者のもとに届けられる、そういった物流の仕組みが設けられております。このために、衛生面では、完全閉鎖型の温度管理ができる閉鎖施設、そしてまた物流面につきましても、情報化に伴いまして、車両の導入のための駐車場のシステム、またITだとか、そういったものを含めて総合的に機能として向上させていかなければ、これからの新しい市場としては発展がしにくい、そういうふうに考えております。
○大西委員 後半の主張は、もちろんそうです。だからこそ、今新しい視点の技術とか、そういうものも含めた中で新しい検討が必要なんじゃないかなということをずっと申し上げているつもりであります。
それから、さっき、地下水の話が出ていたんですけれども、地下水は直接に触れることはしない、気化した場合の安全性とかいうことに触れられていましたけれども、やはり市場というのは本当に水に関係があるわけですよね。そういう意味では、この地下水に触れることができないような場所に建てること自体、女性の立場からすると非常に違和感を感じます。
というのも、地震対策とかやるとおっしゃいますけれども、地震のときに水道が出なくなったときに、非常時の水として地下水とかそういうものは、ある意味いい地下水であれば役立つわけです。そういうのが今回は全くここの場合は当てにできない。なおかつ、不測の事態で水が噴き出してきたとき、それに触れるのはいけないというような水があるところに何でつくるのかなという素朴な疑問が再度、答弁を聞いていてわいてきました。
それから、やはり今問題となってくるのは、本当に安全対策と、経費の問題と、それから期間、そういうものが妥当であるかということに絞られてきているんだろうと思いますけれども、何よりもそこをしっかり出して、そして私たちがちゃんとまたしっかりと意見がいえるような、そういうことをしていただかなければなりませんが、この問題は、いろいろ質問していくと、ここまでして豊洲にこだわらなければいけないということに、どうしても普通の感覚じゃ納得ができません。
もっとお金をかけなくてもいい場所があるはずですし、それから、ここまで汚染された土地、これには、そこに合った土地利用を考えるべきだと思います。そういう意味では、移転に関しては食の安全を基本に、中長期的な市場のあり方を再度検討すべきだということを要求して、質問を終わります。
○米沢委員 まず、私からは、豊洲新市場の予定地の安全性について質問いたしますが、同僚議員からの質問と重複することがたくさんありますので、ご了解いただきたいと思います。
まず、老朽、狭隘化している築地市場の現況についてお伺いいたします。
去る七月二十六日に、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策について専門家会議から報告書が提出され、そこで示されました都のとるべき対策を具体化するために、現在、技術会議で技術、工法が検討されていることを十分承知しております。
この技術会議は、豊洲新市場予定地における今後の都の土壌汚染対策計画を左右する重要な会議であるわけでありますが、今回私は、都の取り組み状況に直接焦点を当てるのでなくて、築地市場を移転しなければならない、いわば本質的な問題について立ち返りながら、さまざまな角度から市場の安全性について検討してみたいと思います。
築地市場内の混雑ぶりは、先ほども報告がありましたように、過去最高の取扱数量となった昭和六十年代前半に比べて、大分おさまったことは事実でありますが、競り荷を積み出す午前五時から九時までの時間帯は、さすが世界に誇る基幹市場というべき様相を呈しております。このことを皆さんの目で直接見ている方がこの中で何人いらっしゃいますかね。
しかしながら、私は、人と車と荷物が錯綜する状況は、安全性という観点から見ると決して見過ごすことはできないというふうに思っておるわけであります。
近年は、車両の大型化が進み、転配送を含めて、全国の生産地からさまざまな大量の荷が入荷しておりますが、店舗別、エリア別に配送が求められるために、仲卸や買い出し人による仕分け、荷さばきあるいは荷の積みかえなどが、場内の狭いスペースを利用して所狭く行われております。
また、二階、三階の駐車場、一階の売り場との間で、トラックやワゴン車、ターレ、フォークリフトが頻繁に行き交う中を、市場業者や買い出し人、さらに一番問題なのは、一般の観光客も歩き回るわけで、極めて混沌とした状態が続いておるわけであります。
このような混沌とした状態で繰り広げられている競りや買い出し風景は、まさに築地の築地たるゆえんでありますが、狭い敷地の中で働く者、訪れる者、その他関係者の安全性が確保されているのかどうかということが気がかりでなりません。
そこで、築地市場の場内で車と人との事故などが発生することは--あるんですよ、あるけれども、一応質問として、あるのかないのか。他の市場と比べるとどうなのかということをお聞かせ願いたいと思います。
○野口参事 築地市場におきましては、全国各地から多種多様な大量の荷を入荷しますトラック、そして場内で商品を配送し、積みかえるために使用されておりますターレット、フォークリフト、さらに買い出し人の車両などが狭隘な敷地内に頻繁に行き交うことから、極めて混雑しており、事故が発生しやすい状況にございます。
このため、築地市場における車両と人との接触事故の件数でございますが、年々ふえてきており、平成十九年では二百十八件となり、五年前と比較して約一・四倍となっております。
また、この築地市場の接触の事故件数につきましては、他市場に比べても飛び抜けて多く、既に通路に車があふれて過密している青果の基幹市場である大田市場と比較しましても約三・八倍となっております。
○米沢委員 やはり通行人と運搬車両との間で事故が起きてしまう現実があることが、今おっしゃったようによくわかります。
このことは、取扱量に比べますと、もともと狭い敷地内で必要な施設の増設をしてきたということに問題があるんです。それが、他の市場に比べて圧倒的に多い事故件数につながるほど狭隘化の度合いが進んでいるという状況を如実に示しているわけであります。
さて、場外に目を転じますと、荷の搬入のピーク時である夜半から未明にかけては、場内に入れないトラックが場外にあふれ--知っていますか。縦列駐車で道路をふさぎ、あげくの果てには路上で荷おろしを始めざるを得ないという状況にあるんです。交通への悪影響を考えれば許されない行為ではありますけれども、取引に間に合わせるためにはやむにやまれない行動でもあるわけであります。
このような状況は、市場関係者にとっても、あるいはまた輸送業者にとっても大きなストレスとなっているのではないかと思われます。
築地市場周辺で路上駐車をしている市場取引に関係があると思われる車両の数はどの程度把握しているのか、経年で見ると増加しているのかどうか、これも含めてご説明願いたいと思います。
○野口参事 築地市場周辺で路上駐車をしております台数につきましては、平成十年、十四年、十七年、この三回にわたり調査を実施しております。
この調査のうち、築地市場正門及び青果門付近の路上に駐車しておりますトラックの一日当たりの台数を経年で見ますと、平成十年が四百十八台、平成十四年が三百七十二台、平成十七年が四百九台であり、大きな変化はございません。
さらに、現状におきましても、築地市場は敷地が狭隘なため、場内に必要な駐車スペースを確保することができないことから、荷の搬入、搬出が集中いたします深夜から未明にかけて、場内に入り切れないトラックが場外の路上にあふれ、路上などで荷おろしや荷の仕分けが日常的に行われている実態がございます。
このように、これまでの調査結果に加えまして、現状の実態を踏まえますと、依然として築地市場周辺の路上駐車台数は多く、状況は大きく変わっていないものと考えております。
○米沢委員 このような路上駐車の状況もまた、築地市場の狭隘さを物語る要素の一つであるわけであります。待機駐車を解消できない構造的な問題を抱えていることが、これでよくわかるわけでありますが、築地市場の敷地の狭隘化と、開場から七十年以上経過したことによる施設の老朽化、さらにはアスベスト問題なども加えて、通常の市場運営だけでなくて、地震など災害への対応を想定いたしますと、事態は日に日に厳しい状況に向かっていると思われます。一日も早く、課題解決に向けて次の第一歩を踏み出すことが必要ではないかと思います。
汚染土壌対策は、最も重要な課題でありますけれども、総合的に、大局的にこれを理解できない人に対する啓蒙の重要性も改めて認識させていただきたいと思います。
安全性の観点から少しそれますが、築地のように我が国を代表する市場と、他の主要な国を代表する市場を、広さの点だけでありますけれども、比較してみましょう。
例えばフランスのランジス市場は、かつて三十二ヘクタールだった市場が、食生活の多様化や衛生、交通問題などに対応するために新市場へ移転整備をしたものであります。その広さは実に二百三十二ヘクタールあります。築地市場の約十倍の敷地面積を誇っております。
また、スペインのメルカマドリード市場は百七十六ヘクタール、イタリアのミラノ市場は八十九ヘクタールなど、いずれも広大な敷地面積を有し、輸送センターなども所有しております。駐車スペースも広くとられております。
このように海外市場は、将来の市場の発展性を含め、大いに参考に値するわけであります。
また、生鮮食料品の世界は、今やマグロ一つをとっても世界じゅうで奪い合いになっているのが現実であります。生鮮食料品の流通は、国境を超え、グローバル化の時代に入っております。世界の他の市場と競り合う力を兼ね備えるためにも、一刻も早く新市場への移転を進めるべきであると思います。
さらに、そのことは、豊かな都民、国民の食生活を維持する上でも欠くことのできないものと考えております。
そこで、新市場予定地の現在の安全状況についてお伺いいたします。
ここで、移転先となる豊洲新市場予定地に目を転じますが、専門家会議で行った詳細調査などによって土壌汚染の状況が明らかにされ、敷地全体が高濃度の物質で汚染されているわけではないとの報告を耳にいたしました。私は、まずは安心いたしております。
専門家会議で報告されました対策は、極めて手厚いものと受けとめており、この対策が新市場予定地で講じられるならば、将来にわたって人の健康に影響がなく、食の安全・安心が確保される土地となるわけであります。このことは、地元の江東区民にとっても大いに歓迎すべきことであるわけであります。
しかしながら、前回の委員会でも話をさせていただきましたが、新聞やマスコミなどを通じて高濃度の数値のみが取り上げられ、江東区豊洲地区全体があたかも汚染地域にあるかのように喧伝され、風評被害を受けたことから、このことについて極めて強い関心を寄せております。
かつてある党が、昭和年代でありますが、江戸川、江東の六価問題、当時の田尻という環境の部長さんが発見いたしまして、これを多く話をしたために、各社が競ってこの問題を取り上げて、そしてある党が全面的に支援している。今もって--これは結局、日本化学が封じ込め作戦をして終わったのであります。終わったけれども、とにかく江東区小松川の全般については六価がほとんど入っているんです。公共施設をつくるにしても、掘れば出てまいります。
これすら、それが日本化学が一部処理しただけで、あっという間にその運動がとまってしまう。こういうせつな的な運動は極めて残念なきわみで、党勢拡大に使っている以外に何もないというふうに私は付言させていただきたいと思います。
そこで、技術会議を通じて、今後具体的な土壌汚染対策が講じられるまでの間、土壌汚染に起因する問題は起きているのかいないのか、何点か確認しておきたいと思います。
まず、現時点において、新市場予定地の安全性はどのように確保されているのか、もう一度ご説明いただきたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 新市場予定地の敷地全域にわたる四千百二十二カ所の土壌と地下水の調査により、最高濃度である環境基準の四万三千倍のベンゼンが検出された地点及びその地点から十メートル四方の地点において大気中のベンゼン濃度を測定いたしました。
測定の結果、このような最高濃度を検出した地点でも、ベンゼン濃度は〇・〇〇一九から〇・〇〇二九ミリグラム・パー・立方メーターで、環境基準であります〇・〇〇三ミリグラム・パー・立方メーター以下でございます。
さらに、当該地点は、東京ガス株式会社操業時の地盤面の上に盛り土されており、汚染土壌に直接触れることもなく、安全であります。
○米沢委員 高濃度汚染地点は覆土されておりまして、またモニタリングの結果、全く問題ないとの今の説明で、何よりであります。
さて、予定地内は安全であるとのことでありますけれども、先ほどから話が出ておりましたが、周辺の海域の水質に影響を与えているということはないのかどうかということ。豊洲周辺では、釣りをしたり水辺で楽しむ都民の方がたくさんおります。
そこで、現時点において、新市場予定地周辺海域の水質の安全性を示すデータはあるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 新市場予定地周辺海域の汚染状況につきましては、環境局が水質汚濁防止法に基づき、定期的に公共用水域の有害物質などの水質を測定しております。
新市場予定地に隣接する東雲運河の東雲橋付近では、昭和四十七年の測定開始以降、ベンゼンやシアン化合物といった有害物質につきまして、すべて環境基準に適合しており、昭和五十年から追加されました東雲運河の豊洲ふ頭南西部の測定地点でも、測定開始以降、環境基準に適合してございます。
○米沢委員 周辺海域の安全性も今説明で確認できまして、安心という言葉は使いませんけれども、ややほっとしました。
次に、周辺住民に対する環境面の配慮について伺います。
ところで、この新市場予定地の土壌汚染対策工事を施工するに際しては、周辺住民に環境面で何らかの影響、負担が必ず強いられることがあるんです。これを非常に心配しております。
この豊洲の件に限らず、都内各地でこの汚染土壌の問題がありますけれども、その対策に絡んで、搬出に際して汚染土壌の飛散などのおそれがあるため、周辺住民との折り合いがつかないで、その後の事業進行が大きく阻害されたというような話も多々聞いておるわけであります。事実、私も見聞いたしております。
現在、都では、土壌汚染対策を具体化するために、広く民間企業等から新技術、新工法について、先ほどの説明もありましたけれども、技術会議で公募しましたが、技術会議においても、当然、施工時の周辺環境への配慮を行っていくものと思われます。
そこで、新技術、新工法の公募について、環境面での基準は設けているのか。また、今後、技術会議において施工時の周辺対策についてどのように配慮していくことが予想されるのか、これをお伺いしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 新技術、新工法の公募におきましては、実効性や経済性などに加え、周辺環境への影響の防止対策が考慮されていることを重要な評価項目の一つとしてございます。
施工時における一般的な環境面への配慮としましては、トラック台数削減のための海上輸送、汚染物質の拡散、漏えい防止のためのシートによる防護、ベンゼンなど揮発性物質の拡散防止のためのテントによる作業箇所の密閉などがございます。
新技術、新工法の公募では、現在、提案内容の精査中でありますが、こうした一般的な方法に加え、より効果的な手法が提案されるものと期待しております。
○米沢委員 生鮮食料品を取り扱う市場用地として、食の安全はもとより、安心を確保する上で、先ほど来、各委員からもいろいろ発言がありましたが、今後の技術会議の中で環境面についても十分な検討が行われるよう心からお願いいたす次第です。
豊洲新市場は、首都圏の基幹市場として、将来にわたって市場関係者や都民が安心できるよう、整備運営を図っていかなければならないわけであります。ぜひ、地元江東区民としても、市場関係者や都民のためにも、安全・安心を確保し、だれからも愛される市場として開場できるように心からお願いいたします。
以上をもって私の質問を終わらせていただきます。
○山口委員 さまざま築地市場の移転の問題について質疑が重ねられているわけでありますが、都民や議会が、築地の市場から豊洲の予定地への移転が本当にこの方法しかないのかどうか、さまざまな賛否を判断していくために、材料となる事実の一つ一つを確認していきたいところでありますが、大きなところを三点お伺いさせていただきたいと思っております。
まず、東京ガスとの関係、状況について一点伺いたいと思います。
専門家会議において、汚染の実態を把握するため、敷地全体にわたる土壌、地下水の詳細調査などを実施し、それらの結果等に基づき、都がとるべき対策が提言されました。
東京ガスは、条例等に基づき処理手続を完了しているわけでありますが、都が行った調査により、現時点での汚染の状況がかなり明らかになったわけであります。これは、東京ガスの操業に由来することは事実であります。
新聞やテレビで豊洲新市場予定地の汚染状況がたびたび報道されることを受け、原因者である東京ガスに費用負担を求めていくべきだという意識が東京都内じゅうに広がっていることは明らかであります。
そこで、予定地の汚染状況がここまで明らかになってきた現時点で、改めて、東京ガスとの話し合いはどのような状況にあるのか、またこれからどのように推移していくのか、お伺いしたいと思います。
○黒川参事 東京ガス株式会社は、平成十年から十四年にかけて土壌汚染調査を行い、平成十四年及び平成十七年に環境確保条例に基づき処理計画を提出し、土壌汚染対策を行った後、平成十九年にすべての完了届の提出を終え、条例に基づく手続を完了しております。
その後、都の土壌汚染調査によって、新市場予定地にはベンゼンやシアン化合物などの都市ガス製造に伴う汚染物質が存在することが確認されております。
都では、新市場予定地が生鮮食料品を扱う市場用地という観点から、安全をより一層確保するため、法令が求める以上に手厚い対策を検討しております。そのため、現在、専門家会議の提言を踏まえ、土壌汚染対策を具体化するために設置されました技術会議において、新技術、新工法の評価、検証を進めているところでございます。
今後、その検討結果に基づき、都が土壌汚染対策計画を取りまとめた段階で、過去の経緯や、現に操業に伴う汚染物質が存在することなどを総合的に勘案し、費用負担について東京ガス株式会社と協議してまいります。
○山口委員 今後、新技術、新工法の評価、検討をされていき、さらに費用負担について、東京ガス株式会社ともしっかり協議を進めていくということでありますから、まだこれから先、さまざま決まっていくのであろうと思いますので、いま一度、これからも、この経過についてはしっかりと私たちも追いかけていきたいと思っております。
さて、話は変わりまして、築地市場には、日本橋魚河岸の時代から培われた伝統があるわけであります。市場内に受け継がれている伝統だけではなくて、市場を中心としたまち全体が一種の文化であるといえるわけでありまして、いわゆる築地ブランドといいましょうか、これが形成され、その名を世界に発信しているところであります。
そこでお伺いしたいんですが、築地市場を豊洲新市場予定地に移転した場合、これまで築かれてきた築地ブランドというものはどのようになると東京都はお考えになられているのか、お伺いしたいと思います。
○黒川参事 築地市場は、国内のみならず世界各地から新鮮で多種多様な生鮮食料品が大量に入荷し、特に水産物については世界最大級の取扱量を誇ることや、日本橋魚河岸時代から培われた新鮮な魚を見分ける目ききなどの伝統もあり、世界的に通用する知名度を有しております。
豊洲新市場では、このような築地市場が築き上げてきたよき伝統を継承するとともに、閉鎖型施設や転配送センター、加工・パッケージ施設など、将来を見据えた機能を整備充実してまいります。このことにより、生産者や消費者など、すべての関係者の要望にこたえ、首都圏の基幹市場としての魅力をさらに高めてまいります。
さらに、食文化の継承や観光拠点の創造という観点から、千客万来施設を整備し、移転を希望する場外市場の方々の要望も視野に入れ、にぎわいのある市場づくりを目指してまいります。
このような取り組みを通じ、豊洲においても、これまで築かれてきた築地ブランドを継承し、発展させることができると考えております。
○山口委員 移転を希望される方は、要望も視野に入れて移転も受け入れもしていきたいというお話でありましたが、なかなか全部というわけにもいかないでしょうし、築地とともに暮らしをして、そして築地とともにつくり上げられてきた方というのは大変たくさんいらっしゃるわけでありまして、そういった方々の声もしっかりと受けとめられる、そんな要望を受けとめられる移転の計画でなければいけないんだろうと思いますし、その辺についても、これから先しっかりと注目していきたいと思っております。
最後に、汚染土壌の処理、処理後の土壌の搬出についてもお伺いしたいと思います。
専門家会議の提言を踏まえ、都が対策を講じていくとすると、かつて経験したことがないほどの土壌が処理をされ、搬出する必要が生じることは、これまでの質疑でも明らかになっています。処理内容には納得をしても、このような処理、搬出が本当に実現可能なのかどうか、私は疑問が生じるところなんであります。
そこで、専門家会議の報告書によると、膨大な汚染土壌を処理しなければならないと考えるわけなんでありますが、汚染土壌をどこで、どのように処理しようと考えているのか、また現地での再利用をするのか、汚染土壌処理の考え方についてお伺いしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の汚染土壌の処理につきましては、環境への負荷を低減するため、地域外への搬出を抑え、原則として都域内で行うこととしております。
このため、都域内の既設プラントによる土壌汚染処理を行うことや、仮設の処理プラントを設置し、熱を加えて汚染物質を除去する方法、土の粒子に付着している汚染物質を水で洗い流す方法などが考えられます。
また、新市場予定地における東京ガス株式会社操業時の地盤面下二メートルまでの土壌については、すべて入れかえ、ほかの場所での埋立土とすることや、セメント材料の一部とすることなどが考えられます。
さらに、東京ガス株式会社操業時の地盤面から二メートル下よりさらに深い箇所の汚染土壌につきましては、汚染物質除去の後、現地での再利用も含めて検討してまいります。
○山口委員 三点お伺いしたわけなんでありますが、最後の汚染土壌の件に関しては、この市場が移転する土地の汚染土壌の問題が、そこで適正に処理されて運び出されるということがしっかり確認されないと、どんな状況かわからないまま、また違う場所に運ばれてしまうのではと。また、さらにどんな使い方がされるのかということも早い段階で明確にならない限りは、その土地の中だけの問題ではなくて、さらに汚染が--汚染されている土壌かどうかわかりません、しっかり処理されているかもしれませんが、広がっていく心配も当然あるわけでありますし、その移送中に何が起こるのか、どういうことが起こるのか、どんなふうに使われていくのかということも、もうそろそろ広げて少しずつ発表していかなければいけない時期に来ているんだろうと思います。
東京ガスとの関係について、また築地のブランドについて、汚染土壌の問題について、一問ずつお伺いさせていただいたわけなんでありますが、すべての問題において、まだ結論が出ていない段階でもありますし、これから先検討し、そして実行していくということが、今、三問の中でも確認がとれたわけであります。
つまり、この中の状況において、新豊洲市場しかないんだという、その結論を出していくことに、私たちはまだまだ疑問を感じているところでもありますし、ありとあらゆる方法をもって最良の策を講じることが、市場にとって、そして未来の東京都民のためにとって、この市場が生かされる、そして信頼される市場となっていくんだということをぜひ肝に銘じていただいて、計画をしっかりと推進していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○清水委員 まず、土壌汚染対策について伺います。
知事が代表質問でも新技術に改めて触れていましたが、都も先ほど来の質疑の中で、専門家会議の答申を受けて技術会議が設置され、公開もせずに新技術、新工法を決めようとしています。とんでもないことです。
先ほどの他の委員の質問に、現在百二十件ほどの応募が来ているというふうにご答弁がありましたが、この応募された中に新技術、新工法というのはあるんでしょうか、伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 応募していただきました新技術、新工法につきましては、現在内容を精査中でございます。
○清水委員 そうすると、現在のところ、確実にそこに新技術や新工法があるというふうにはいえないわけですね。改めて確認いたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 広く民間から新技術、新工法を求める際に、経済性、効率性、確実性、工期とともに、すぐれたものを応募していただく旨、公募要領に明記してございます。私どもとしては、これにかなったものが出てきていると、そういうふうに期待しております。
○清水委員 技術会議の委員は七人だというふうに先ほどご答弁されましたけれども、座長だけは公表するということで、公表されていないんですけれども、この七人の専門分野をお話しください。お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 委員のそれぞれの専門ですが、土木、環境、プロジェクトマネジメント、システム管理でございます。
○清水委員 一人一人、全員お答えください。七人全員お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議での中立公正な審議を確保するために、委員の名前は非公開としております。ただし、検討終了後は公開してまいります。
○清水委員 名前は求めておりません。専門分野をきちんといってください。七人いってください。
○宮良新市場建設調整担当部長 委員の内訳でございますが、土木の分野で二名、環境の分野で二名、情報処理の分野で一名、それからプロジェクトマネジメントの分野で一名でございます。
○清水委員 分野のお答えはありましたけれども、環境とか土木といってもわからないんです。きちんと、その先生は--名前をいってくれといっているんじゃないんですから、その委員のきちんとした分野を、専門分野をお伝えくださいといっています。それも公開できません、いえませんか。
○宮良新市場建設調整担当部長 土木の委員につきましては、土木の施工や地盤工学、環境につきましては、環境技術や環境の材料、土木の環境システム、そういった専門の方でございます。また、情報に関しましては、制御に関する専門家でございます。
○清水委員 今回の技術会議が検討する内容で、今の専門の方々も、それなりの専門性を発揮されて助言されると思いますけれども、土壌汚染問題や、それから地下水の問題について、やはりそれが確実に技術として、また工法として取り入れられるかということが最大の、ここで今、議論されていることから見れば、専門分野の方を採用するべきだと思うんですけれども、そういう方は入っているんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 土木に関する専門の委員の方の中には、こういった土壌汚染にお詳しい方がいらっしゃいます。また、環境面でもこういった、逆に土木の施工に明るい方も委員としていらっしゃいます。
○清水委員 専門分野というのは、私たち、この間、いろいろな大学の先生などにお会いして、いろいろなことを勉強してきましたけれども、本当に専門分野なんですよね、それに詳しいとか、それに通じているとかということではなくて。その専門分野の方、ここの中で仮に技術を選んだり、工法を選んだりするということの中に、今のお話だと地下水の関係の方は入っていませんよね。どうですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 委員の中には、特に水関係、それから地下水関係、それに対する汚染あるいは水利にお詳しい委員がおります。
○清水委員 それだけじゃわかりません。詳しいといったら、何だってそういうことをいえるでしょう、専門家で地下水に詳しいなんて。地下水のことを、例えば特別研究されている先生というなら、まだわかりますよ。地下水に詳しいとか、そういうことで、今回は土壌汚染問題と地下水汚染問題を、都民の中の関心にこたえて、仮にやるとしたら、私たちは認めてませんけれども、そうやらなきゃいけない、こういう中で検討されようとしている技術会議というのは、本当に信頼できないと。それだけをとってみても信頼できないというふうに思うわけです。
それに加えて、以前からいわれているように、新技術というのはどこでもまだ採用されていないし、実用化されていないということであるわけでしょう。だから、それが、専門家会議の会長も、これが本当にできるのかなというようなことを、私たち、別の方面からも聞いてまいりましたけれども、そういうことをいわれる。安全性が担保できるのかというようなことがいろいろな方からいわれるわけですよ。
それで、実用化されていない、検証されていない技術がここで採用されるということについてはどのようにお考えですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 技術会議では、専門家会議による土壌汚染対策を踏まえ、汚染物質が確実に処理できるよう、実証データなどの科学的根拠や施工の確実性などを重要な評価基準の一つとして、新技術、新工法の評価の検証を行い、実効性にすぐれた対策を選定することとしております。
○清水委員 お話しされていることは、本当に信用できない言葉になっていますね。これからあなた方が、仮にここから、百二十の中から決めようとしている、この新技術や新工法というのは、百二十もあるといっていますけれども、どれをとっても実験場ではないですか。この豊洲地区を巨大な実験場にしようとしているわけです。本当に許せません。
土壌の入れかえについては、どの程度の量と見込んでいるんですか、お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 土量につきましては、現在、濃度別、項目別、それぞれで精査している段階でございます。
失礼しました。先ほど応募の結果を申し上げました。百二十件ではなくて、百二十事業者でございます。訂正させていただきます。
○清水委員 土壌の入れかえについての、量ですけれども、これまで、四十ヘクタールで最低二メートルとして八十万立米、もっと深いところまでやるとすれば百万立米といわれています。
一立米、私たちは五万円から六万円かかるのではないかというふうにも聞いているわけです。そうすると、土壌の入れかえだけで五百億円から六百億円。これまで示されていた対策費六百七十億円、これをはるかに上回る額になるというふうに、私だけじゃなくて、多くの注目している方々が見るわけですけれども、その点はどのように見込んでいられるわけですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 現在、技術会議で、専門家会議の対策を確実に実施するため、専門家の委員の皆さんで検討を進めております。技術会議の検討結果を踏まえ、東京都としての土壌汚染対策計画を取りまとめてまいります。
取りまとめに際して、具体的な土壌汚染対策の内容、工期、経費とも明らかにしてまいります。
○清水委員 それにしても、六百七十億円をはるかに超える費用がかかるといわれるわけです。それで、やはりここにそれだけお金をかけていいのかという声が出てくるわけです。
それでは、先ほど小竹委員が指摘しておりました、仮に有楽町層の下まで対策をとるとなると幾らかかるのか、予想されていますか。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地におきまして不透水層を形成しております有楽町層につきましては、透水層が非常に低く、土壌汚染対策法の基準に比べまして三十倍、水を通しにくい地層をなしています。
専門家会議でも、有楽町層の下の汚染はないと、そういう認識でおりまして、対策はそれより上を考えております。調査をし、対策をまとめております。
○清水委員 その考えが間違いなんです。先ほども--繰り返しませんけれども、有楽町層の下に汚染がないとどうしていえるんですか。調査をしないで、どうしてそういうことがいえるんですか、お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 先ほど来、ご答弁させていただいています。有楽町層は非常に水を通しにくい。専門家会議の中の、関東地方の地層、地質にお詳しい委員からもそういう認識をいただいています。専門家会議でも、有楽町層の汚染は少ないとし、調査する必要はないと、そういった認識でございます。
○清水委員 有楽町層を不透水層だといい張って、調査もしない。だから、対策もしない。これ以上費用がかかるのを恐れているからではないんですか、違いますか。どうやっても安全にはならない、そんなところに市場を持ってくるべきではないんです。
代表質問で、現在地再整備は不可能だといっていることについてお伺いいたします。
築地市場再整備計画は、およそ二十三ヘクタールで計画されました。新市場計画は四十ヘクタールとなっていますが、この拡大した理由についてお伺いいたします。
○株木参事 現在地再整備と新市場の施設面積を比べてまいりますと、現在地再整備の当時の計画面積は約五十六万平方メートルでございまして、一方、市場業界と合意いたしました豊洲新市場の施設面積は約三十九万平方メートルでございます。この差、約十七万平方メートルの大部分は、敷地が狭隘なため、駐車場をすべて建物内に取り込まざるを得ないことによります。
当時の計画から取扱数量が減少したため、新市場の施設規模で見直しを行いますと、卸売り場、冷蔵庫など、約八万平方メートルが減少しますけれども、一方、新市場では、閉鎖型施設、大口荷さばき場、加工・パッケージ施設など、これからの市場に必要な施設の面積が合計で約七万平方メートルございます。
したがいまして、新たな機能を加えた場合、新市場の面積というものは、当時の再整備計画面積とおおむね同程度になるということでございます。
○清水委員 先ほど、豊洲新市場で予定されている取扱量と、現在、築地で行われている取扱量を青果と水産に分けてお答えしておりましたけれども、改めてお示しください。
○野口参事 新市場の規模を、取扱数量、そして車両台数をもとに、青果の基幹市場としての役割を果たしております大田市場と比較し、算定いたしますと、まず大田市場の青果部、こちらが二十八ヘクタールございます。そして、取扱量が大田の約四割でございます新市場の青果部は、この計算ですと約十二ヘクタールというふうになってまいります。まず、この取扱数量と同じ青果の中での比較となっております。
続いて、水産物についてでございますけれども、取扱品目が違いますので、敷地面積をおおむね規定する物流の基本でございます車両台数、これで比較いたしますと、大田市場の青果部の入場車両台数、これが先ほど申し上げました約一万台。そして、築地市場の方の水産物の入場車両台数というのは、約九千四百台程度でございます。ほぼ同数となりますから、面積もこの敷地面積、青果が二十八ヘクタールでございますので、同様に二十八ヘクタールとなり、新市場の敷地面積は合わせて四十ヘクタールになると、そういうわけでございます。
○清水委員 さっきお示しいただいた取扱量です。豊洲と築地の取扱量、豊洲新市場の予定ね。さっき、大田と豊洲新市場の予定で比べてお答えされていましたよね。
○野口参事 築地市場の取り扱いでございますが、これは平成十八年の取扱量となっております。日量で築地市場が三千二百七十三トン。内訳として、青果が日量約一千二百トン、水産の取扱量が約二千百トンとなってございます。
豊洲新市場につきましては、取扱量が日量三千六百トン。内訳として、青果の取扱量が一千三百、水産の方は二千三百と、そういった内訳になってございます。
○清水委員 水産が二千三百トンになるという、この根拠はどこにありますか。
○野口参事 新市場で計画をさせていただきましたのは、これからの新市場、そういったものを整備していく中で、今現在、例えば消費者の動向、そういったものに着目をしたりしております。
消費者の方が買い物をされるといった場合には、例えばキャベツを丸ごと一個買うわけではなくて、そういったものをカットした商品を買われる、そういう傾向が強くなっております。また、外食産業、そして中食と申しまして、お弁当や総菜、そういったものの需要が、生鮮だけでなくて非常にふえてきております。
現在の築地市場におきましては、そういったニーズに十分対応できません。そういった施設がほとんど足りないという状況でございます。そういった意味から、こういった新しい顧客ニーズにこたえるためのものを取り込んで計画をしております。
○清水委員 現在築地に入っている大手流通量販店は、どこで扱われ、その量はどのぐらいか。そして、その量販店は名称としてお示しできるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○野口参事 大手量販店の方も、現在、築地の水産物の買参の資格でおります。具体的にどこそこのどういった量販店かというのは、今ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、申しわけありませんけれども、そういった量販の方の売買参加者も入ってございます。
それ以外にも、小口の方、また築地というのはホテルとか都心周辺の小売店、そういった方々から需要が非常に多うございます。そういった方々を含めて対応をしております。
○清水委員 私、何を聞いてきて、何をいいたかったかというと、取扱量は現在減っているという中で、新しい計画が出されたというのではなくて、また新たに、先ほどご答弁にありましたニーズにこたえて拡大していくことによって、結局現在の築地市場よりも新市場は大きな取扱量になるということなんですね。そういうことを考えているわけですよね。それでいいですか。
○野口参事 取扱量がふえる要素の中には、先ほど申し上げました消費の対応、また産地からも荷を引くということがございます。それで、閉鎖型の温度管理の施設にして、また、市場というのは流通の結節点でございますから、そこから末端流通に。
近年、オンタイムと申しまして、時間単位での配送、そして新鮮なものが求められますので、配送についても小口配送、そういったものが多頻度化しております。そういった細かな対応を新市場の中で、消費の対応だけでなく、産地から荷を引いて、そして都民の方々に安定的に物を供給していく、そういった役割を持っている、そういった市場をこれからつくる、そういうわけでございます。
○清水委員 一般の方は、今の築地の市場が豊洲に移るということについて、いろいろ土壌汚染の問題で反対があったり、いろいろな議論があるのかなというふうに見ているわけですけれども、今お話を聞くと、今の築地市場よりも新しい市場の方にかなり過大な内容とか、それから流通の関係とか、そういうものを入れ込もうとしている様子がうかがえるわけです。
聞いた話では、大手流通量販店が新市場豊洲に参入したがっていて、だから築地が狭いということではないかというふうに私たちは聞いております。新市場計画は、第七次、第八次市場計画でいわれるような、はっきりと、これらの計画の中には時代のニーズ、変化に対応すると、先ほどいわれたように書かれているわけで、それはやはり大手流通量販店などに対応するために過大になっているんではないですか。
少なくとも築地にしろ、豊洲にしろ、どちらかは別として、現在の築地を再整備するのに、そんなに過大にする必要があるんですか。今の築地の市場で、世界のブランドとか、さっきから話されているように、世界の築地とか築地ブランドといわれているように、今の築地の機能だって本当に重要な東京の市場としての機能を持っているじゃないですか。それを何でそうやって過大にして、それを強引に、土壌汚染を別としても進めようとしているんですか。
過大だというふうに私は思いますけれども、どうですか。
○野口参事 まず、現在の築地市場におきましては、豊洲新市場のように閉鎖型の温度管理のできる施設となっておりません。また、衛生面でもこれは課題を抱えております。さらに、駐車場の不足、そして先ほど申し上げましたように、荷さばき施設、そういったスペースを確保することができません。したがいまして、込み合うときには、中が込み合いまして、路上にもあふれて周辺交通に影響を及ぼす、そういった問題もございます。
新市場におきましては、まず、そういった食の安全・安心を確保するための高機能な衛生的な施設、これはもちろん閉鎖型で温度管理ができる、そういったものも予定しておりまして、そして、先ほど申し上げました荷さばき施設につきましては、大口量販だけでなく、小売の方も含めて、そういったものに対応して、きちっとした時間に物が効率的に輸送できる、そういったものを考えております。
決して量販店のためだけということではございません。すべての買い受け人の方々が非常に効率性を持って、そして新鮮なもの、衛生的なもの、そういったものを購入できるような市場、そういったものを考えております。
○清水委員 閉鎖型を否定しているわけでもないし、衛生管理を否定しているわけでもないし、それから交通の流れをスムーズにすることも否定しているわけではないし、今いわれたことは、荷さばき場は必要でしょう、配送センターも必要でしょう。私は、それをすべて否定しているわけではないんです。
しかし、それを入れ込んで築地市場を現在地再整備しようという、そういう案が一回はできたじゃないですか。その中で生まれた課題ですよね。これまでいわれてきたようなローテーション問題、それから青果の場所の問題などについて、本当にその時点で解決しようとしてきたのかということを考えると、代表質問で種地の問題について私たち質問しましたけれども、市場内の種地が六%、仮に市場内として六%だというふうに答弁されてきているわけですけれども、これは結局、当時そういう案はつくったけれども、種地を市場内でしか確保しようとしない、市場外で、またもっといろいろな場所での可能性というものを追求しようとしなかったところに私は問題があるというふうに思っているわけですけれども、どうですか。
○株木参事 種地の問題でございますけれども、築地市場内にある空地は敷地全体の約六%ということで、しかもこれも場内に分散されているため、種地として利用することは困難でございます。
また、この種地は、売り場や荷さばき場、駐車場などが分断されないよう、場内または隣接地に確保しなければならないということで、そういう視点からしますと、再整備を行いました当時も、場内にそういった空地を見つけることはできませんでした。そうしたことから、場内にある駐車場等を集約化しまして、そういったスペースを生み出しながら再整備を進めてきた。
しかし、そうした分散配置ということで、移転する方の条件が同一ではなかったというようなことで、なかなか合意がとれずにとんざしたという経緯でございます。
○清水委員 当時のことを振り返って繰り返すわけじゃありませんけれども、聞くところによると、最初の設計というか、そういうところには業者の方もずっと入ってきて決めていたわけでしょう。それが実行段階になって合意がとれなくなったということで、今、部長さんがお話しになったように、市場内でしか場所を確保しようとしないから、結果的にそういうことになったといっても過言ではないんじゃないですか。
何で市場の外、または市場周辺、議会でもお示ししましたように、当時、中央区がその過程で種地はあるよというふうにいってきた、そのことも聞いていないとお答えされた。ちゃんと用意して、それを中央区当局なども繰り返しいっていたわけですよね。もう、これは前回いろいろ議論しましたから、指摘するだけにしますけれども、そういうことがあいまいにされながら今日に来ているということの中で、種地はありませんとか、そういうことをいわれることは本当に不誠実だというふうに思います。
改めて、私は豊洲の移転先というのは、安全性が確保されていないという問題、それから先ほど、いろいろな新しいニーズにこたえようとすれば、これだけ必要なんだ、だから豊洲じゃなきゃだめなんだといわれましたけれども、築地で可能性というのを探ることだってできるじゃないですか。前の案がだめだからって、前のことをやりなさいとみんないっているわけじゃないんですよ。前の案でなくて、新しい案を考えてやるということは可能じゃないんですか、伺います。
○野口参事 現在地再整備につきましては、昭和六十一年に総意で決定いたしまして、その後、一たん平成三年一月に工事に着手しております。その際には、一階が水産、二階が青果という立体配置でございました。それも、工事を始めますと、やはり物流上、そして営業上の支障が大きい。そういうことから、それを再度見直しをして東京都の審議会にかけて、それで平面配置に戻して、それでも営業上の影響が大きかったと。
そういうことで、これにつきましては、私どもとしては種地の問題、そして営業上の支障の問題、そして工事が完成するまでに二十年以上かかる。二十年以上かかった場合には、そのときにはもう流通も大きく変化をしております。そういった対応ができない、そういうふうに考えております。
この問題につきましては、過去、業界団体の方々と長年の年月をかけて決定してきたものでございます。そういったことで、私どもも、この豊洲の方に決定した際に、幾つかの候補地を探しましたけれども、やはり築地の商圏との関係、継続性の問題、そして交通ネットワーク、そういったものの便利のよさ、そういったものを総合的に含めて考えていきますと、やはりこの豊洲の方に移転するというのが私どもの方の考え方でございます。
○清水委員 当時の第一回からの築地再整備協議会の議事録も出していただきまして、ずっと読んでみました。そうしたら、やはり途中で東京都の臨海開発懇談会の方から--名称は違っているかもしれませんけれども、築地の臨海部移転というものが、あの協議会の議事録を見ていると、それが出てきたことで、中でいろいろな問題が始まったというふうにも感じざるを得ないわけですよ。
だから、業者の方々が合意できなかった、合意できなかったと、今そういってせいにしていますけれども、本当に東京都の方が築地を豊洲に持ってこようという意図が、私は深く最初から働いていたというふうに思います。
先ほど他の委員が、反対しているのは一部なんだといわれましたけれども、業者の中でも、自分たちは本当は行きたくないんだといってアンケートに示しているじゃないですか。多数なんですよ。あんな汚染のところに行くのは嫌だと思っている業者の方々の本心というのは、ああいうところに行きたくないというふうに思っている方が、一部ではなくて多数なんですよ。だから、私たち、こうやって毎回当局に問いただしているわけです。
築地再整備が不可能だ、不可能だといいますけれども、土壌汚染対策には新技術を公募するといっている。じゃ、仮に築地再整備計画を公募してみたらいいじゃないですか。公募してどんな案が出てくるか、見てみたらいいじゃないですか。
それとか、やはり今の築地市場を少し広げること。どこか広げることはできないかとか、地下だとか、いろいろなやり方があると思うんですよ。業者の関係の合意、業者間の合意、関係者の合意、業者の方々の知恵を生かしながら、そういうことって可能だと思うんですよ。
私は、築地市場の現地再整備は可能だということを申し上げまして、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
報告事項及び陳情に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、報告事項及び陳情に対する質疑は終了いたしました。
これより陳情の採決を行います。
陳情二〇第二六号についてお諮りいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○増子委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第二六号は不採択と決定いたしました。
陳情の審査を終わります。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時八分散会
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