委員長 | 増子 博樹君 |
副委員長 | 神林 茂君 |
副委員長 | 大西由紀子君 |
理事 | 山口 拓君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 茂樹君 |
米沢 正和君 | |
小竹ひろ子君 | |
岡崎 幸夫君 | |
清水ひで子君 | |
田島 和明君 | |
木内 良明君 | |
川島 忠一君 | |
馬場 裕子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 比留間英人君 |
管理部長 | 大野 精次君 | |
事業部長 | 荒井 浩君 | |
市場政策担当部長 | 大橋 健治君 | |
調整担当部長 | 後藤 明君 | |
新市場担当部長 | 越智 利春君 | |
新市場建設調整担当部長 | 宮良 眞君 | |
参事 | 河村 茂君 | |
参事 | 野口 一紀君 |
本日の会議に付した事件
中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等について
・平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて
・「市場環境白書二〇〇八」について
付託議案の審査(質疑)
・第百四十三号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・第百四十四号議案 東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
初めに、報告事項、豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等についてに対する質疑を行います。
○山口委員 この際、参考人招致を求める動議を提出いたします。
○増子委員長 ただいま山口理事から参考人招致を求める動議が提出されました。
ただいまの動議は、起立により採決いたします。
本動議に賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○増子委員長 起立少数と認めます。よって、参考人招致を求める動議は否決されました。
それでは、議事を進めます。
本件報告事項については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○大野管理部長 去る六月六日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます経済・港湾委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。豊洲新市場予定地における調査の柱状図についてでございます。
一ページから九ページにかけまして、平成十八年に実施した地質調査、一〇ページから一三ページにかけまして、平成十九年に実施した追加調査、一四ページから一七ページにかけまして、平成二十年に実施した詳細調査の柱状図及びその位置図を記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
一八ページをお開き願います。東京ガス株式会社及び専門家会議の調査等における環境基準を超える箇所数等の比較についてでございます。
一八ページから二〇ページにかけまして、東京ガス株式会社が実施した調査及び専門家会議における追加調査、詳細調査の土壌溶出量、土壌含有量、地下水調査につきまして、物質ごとに、調査区画数、基準超過区画数及び最高濃度倍率を記載してございます。
二一ページをお開き願います。科学的根拠に基づく不透水層の定義についてでございます。土壌汚染対策法施行規則で定められている不透水層の定義を記載してございます。
二二ページをお開きください。土壌汚染対策費の内訳と具体的内容についてでございます。表の左側から、土壌汚染対策費の内訳、金額、具体的内容について記載しております。
二三ページをお開き願います。専門家会議委員への委嘱状及び委員名簿についてでございます。二三ページに委嘱状、二四ページに委員名簿を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○増子委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○米沢委員 まず、冒頭に、委員会の運営について申し上げたいと思います。
去る六月の請願審議につきましてでありますが、一部の委員が、審議の趣旨をわきまえずに、委員長議事進行のための厚意ある注意にもかかわらず、延々と質問原稿を読み上げ関連性の薄い質問を繰り返し、理事者が答弁をしても、同様な質疑により論議を堂々めぐりさせる状態は、議員としての品位を疑わざるを得ないといって過言ではありません。きのうも同じように、理事者の答弁を聞いていないで同じような質問をしている。まことに残念でなりません。
もちろん、委員会での質問は自由濶達に行うことは当然のことであり、私はそれを制約するものではありません。しかしながら、理事会での経緯を踏まえたとはいえ、委員長の秩序ある委員会運営のための努力に対して協力することを忘れてはならないわけであります。
また、多くの理事者をくぎづけにするような、冗長な長時間にわたる蒸し返し質問は、公務の執行にも多大な影響を与えるものであり、こんなことも理解できない自己中心の質疑については、反省もせず、私はその品位を疑うものであります。残念のきわみであります。
したがって、私は、限られた時間の中で議会審議を尽くすためにも、あえて簡潔な質問をいたしますので、十分意のある答弁を求めたいと思います。
私の質問に入ります。
築地市場は、七十有余年の間、市場業者や買い出し人を初めとする市場関係者のたゆまぬ努力によって、世界に冠たる生鮮食料品流通のかなめとして発展をしてまいったことは事実でありますが、二十年以上も前から、ふえ続ける膨大な取扱量や時間、あるいはコストを重視する流通環境の激変に到底ついていけない築地の状況が問題になったわけであります。この市場を何とかしなければならないという市場関係者や市場当局の強い危機感が、豊洲への移転整備推進の原動力となっているわけであります。
ところが、最近の豊洲をめぐるマスコミや一部反対派の過熱ぶりは、私を含めて多くの人々にとって驚きという表現しか適しません。過去営々と築き上げてきました築地を維持、発展させ、かつてこの市場が七十年以上にわたって活用され、愛されてきたのと同様に、次の七十年後の将来の世代に受け継いでいくための社会的ストックが、築地にかわる市場ではないのでしょうか。
このまま何もしなければ、生鮮食料品流通の拠点としての地位も、築地ブランドの維持もまた無理であるわけであります。いわゆるじり貧でしかないわけであります。これが我が党の一貫した問題意識であることを申し上げます。
未来へ積極的に投資し、前向きでスパンの長い視点で大いに議論をし、断固として築地市場の再生に取り組む、この姿勢こそが、この厳しい市場流通をめぐる環境を乗り切る上で不可欠なものであります。
我が党は、冷静かつ客観的な立場で移転整備の諸課題を整理した上で、都民、市場関係者に正しい情報を伝え、安心できるような説明を行っていくことが最も重要であると考えております。
そこで、まず、憶測が飛び交い、市場の移転先である江東区民にとっても、新たな先進都市として開発進行中の豊洲地区全体に悪い風評を与えかねない状況であります。
私どもの服部議員が本会議で質問いたしました。これについて豊洲の住民から、激励の電話といいますか、我々は、豊洲の一部の問題で、あたかも全体が悪くなるような表現をされては困るという意味での大変激励の言葉をいただきました。また、山崎区長からも、地元からそういう声がたくさんあるということの伝言もいただきました。
そんなわけで、いろいろな憶測があるために、江東区民に与えた影響は非常に大きなものがあるわけであります。
かつて六価問題がありました。これは、江東区あるいは江戸川、すべて含めて大問題になったんですね。あれは、封じ込めといいますのは、実際には、あの六価というのはあのまま封じ込めてあるので、どこを掘っても、江東区あるいは江戸川、その周辺の区の一部にも入っているわけです。今それはもう黙ってしまって、あれを先達したのは、今申し上げたように、ある一種の団体でありました。もちろん、田尻さんという環境部長もいたわけでありますが、それはそれとして、そういうことを考えますと、一過程の中で大きな声を張り上げていくことについては、私どもとしては、もう少し冷静になってほしいというのが本音であります。(「食の安全です」と呼ぶ者あり)黙れ。
新市場予定地の土壌汚染の状況と対策について、冷静な議論の素地となるように、何点かお伺いいたしたいと思います。
まず、専門家会議で公表されました詳細調査結果についてお伺いいたしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 敷地全域にわたる四千百二十二カ所で土壌と地下水の調査を行った結果、土壌については、すべての物質について、調査地点の九割以上が環境基準以下でありました。
また、地下水については、六価クロムは検出されず、砒素、鉛、水銀、カドミウムは、調査地点の九割以上が環境基準以下であります。ベンゼンについては、調査地点の約八六%、シアン化合物については、調査地点の七七%が環境基準以下でありました。
特にベンゼンについては、土壌から環境基準の四万三千倍、地下水から一万倍が検出されましたが、それぞれ一カ所であります。また、地下水から環境基準の千倍以上が検出された箇所は、四千百二十二カ所のうち十三カ所であり、そのうち十二カ所は、東京ガス株式会社操業時の空き地に集中しております。
このように、敷地全域が高濃度の物質で汚染されているわけではなく、その範囲は極めて限定された場所であります。
○米沢委員 ただいまの答弁で、高濃度で汚染された範囲は限定的であるということがわかりました。全域の汚染状況は、環境基準を超過した箇所より、基準以下の問題ない箇所の方がはるかに多いということが今わかったわけでありますが、四万三千倍のベンゼン検出の事実だけが、専門家会議の知見もなくマスコミで報道され、今後の土壌汚染問題を考える上で最も大切な情報がよく伝えられていないことは、本質を確かにあらわしているんじゃないかというふうに考えます。専門家会議の議論を冷静に見守り、正確な知識を身につけることが風評を防ぐ手だてだというふうに私は思います。
さて、専門家会議においては、調査結果を含めて、科学的視点に加えて、生鮮食料品を扱う卸売市場の安全・安心の視点をも含めて、土壌における環境基準を超える汚染物質の除去、地下水における環境基準以下への浄化を柱とした対策の方向性が、今、示されたわけであります。また、会議当日には、調査結果を受けて、科学的視点を加えて、生鮮食料品を扱う卸売市場の安全・安心の視点も含めて議論がなされ、土壌における環境基準を超える汚染物質の除去、地下水における環境基準以下への浄化を柱とした対策の方向が示されました。
したがって、私はここで、専門家会議で示されました土壌汚染対策の方向性についてお伺いいたしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議では、詳細調査の結果から、対策は十分可能であるとし、人の健康被害の防止や食の安全・安心の観点から、土壌については、環境基準を超える汚染物質をすべて除去するとともに、深さ四・五メートルまでの土壌の入れかえと盛り土を行い、その上をアスファルト舗装などで覆う。
地下水についても、最終的に環境基準以下に浄化することとし、特に、建物建設地においては施設開場後に改めて対策を行うことが困難なため、建設着工時までに浄化を完了していく。さらに、施設開場後も、水位を一定に維持し、水位、水質を監視していくとしております。
○米沢委員 環境の基準というのは一体どういうものなのか、お聞かせ願いたい。
○宮良新市場建設調整担当部長 対策の中で指標としております環境基準は、土壌であれば一〇〇ミリグラムの土、地下水であれば二リッターの水、大気であれば、四畳の部屋程度の空間である十五立方メートルの空気を、七十年間、一年三百六十五日続けて摂取した場合に初めて、十万人に一人、健康被害が生じる可能性があるといった、長期的な汚染物質の摂取を前提にしました非常に厳しい基準であります。
なお、市場に入荷された生鮮食料品は長くても三日程度で出荷され、環境基準値を設定する際に考えられている七十年間という期間に比べると極めて短期間であります。また、市場で働く人たちも、七十年間、一年三百六十五日連続して新市場予定地に滞在するわけではありません。
専門家会議では、土壌と地下水の双方について、この厳しい環境基準を達成することにより、食の安全・安心を揺るぎないものにしようという方針で検討を進めております。
○米沢委員 わかりました。
では、現在、専門家会議で議論がなされているこの対策が実施された場合、本当に都民の安心が得られるレベルになるのかどうかということをお聞かせ願いたい。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議で検討されている対策によりまして、土壌については、操業当時の土は四・五メーター下にしか存在せず、加えまして、アスファルト舗装等で覆われるため、直接触れることもなく、安全であります。
地下水についても、飲用しない上、地表面から四・五メーター下で水位を維持していくため、触れることもなく、安全であります。
また、揮発性があり、大気にガスとして出てくる可能性のある地下水中のベンゼンやシアン化合物は、環境基準以上のものはすべて浄化するので問題ありません。
こうしたことから、専門家会議では、仮に人が生涯にわたりこの土地に住み続けたとしても、人の健康への影響はなく、液状化対策として、地盤の締め固めなどを敷地全面にわたり行うので、生鮮食料品を扱う市場の安全・安心が十分確保されるとしております。
○米沢委員 済みません、後先になりますが、前段の質問の中で、環境基準が、非常に長期間の健康への影響を考えるが、確かに市場の現場では、生鮮食料品が場内に滞留するのは長くても三日だということが確認とれました。それから、もう一つは、環境基準という数値は大変厳しいものであることを考えますと、今回の土壌汚染対策の方向性は、安全・安心を最大限担保したものであるということがよくわかりました。これを今いおうと思って……。
それから、今の質問でありますが、専門家会議発足時の昨年春から、平田座長を初めとする学識者委員の方々は、一部報道や反対運動に揺らぐことなく、生鮮食料品を扱う卸売市場としての安全・安心の観点を踏まえて、客観的な検証あるいは調査を進めてきたことに心から敬意を表するものであります。
しかしながら、土壌汚染問題が豊洲移転の最も大きな障害となっていることは明らかでありまして、引き続き、絞り込み調査の結果を踏まえて、専門家会議で十分な論議をしていただき、最終提言につなげていただくことを心から期待するものであります。
東京都は、会議の状況を正確に伝えるとともに、提言を踏まえた効果的かつコスト的に有利な工法を選択しながら、都民が安心できる土壌汚染対策を具体的に策定し、示していただきたいと思います。
次に、東京ガスの調査、対策についてお伺いします。
さて、今回の調査結果では、高濃度のベンゼン、シアン等、東京ガスの操業に由来する汚染物質が検出されました。豊洲問題は土壌汚染問題でありますけれども、汚染状況と都民が安心できる対策内容という面とともに、都民にとって最も関心のあることはその対策の費用であります。東京ガスの費用負担の問題に結びつくわけであります。
東京ガスは、今回調査で検出された操業由来の汚染物質の原因者という事実がありますけれども、一方では、将来、卸売市場が立地することを前提に、都と協力して豊洲地区のまちづくりを推進してきたという事実もあります。これは、私ども、江東区に住んでいる以上、よくわかっております。
なお、過去の本委員会でも東京ガスの費用負担について議題になっておりますが、本日は、東京ガスの調査、対策、法令上の取り扱い等を確認しながら課題を明らかにいたしたいと思います。
まず、東京ガスが平成十年から十一年にかけて実施しました土壌汚染状況調査と、平成十三年から開始されました土壌汚染処理の内容についてお伺いいたしたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社は、平成十年から十一年にかけて、国の土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針に基づき、土壌については、三十メートルメッシュで五百六十五カ所の土壌ボーリングを行い、地下水についても六十五カ所で調査を実施しております。
平成十三年に、これらの調査結果と、地表面の覆土と汚染土壌の掘削、除去、並びに汚染物質の加熱処理などを内容とした汚染対策を公表しております。
平成十四年に、前年に施行されました環境確保条例に対応するとともに、市場用地という特性を踏まえ、二十メートルメッシュで九百四十カ所のベンゼンの表層土壌ガス調査を追加実施し、環境基準の十倍を超える汚染物質を、深さにかかわらず除去するよう対策内容を再整理しております。
平成十七年に、地表面近くの土壌をより安全なものとするため、工場操業時の地盤面から深さ二メートルの範囲の環境基準を超える汚染物質を除去する対策を加えております。
東京ガス株式会社は、平成十九年にこれらの対策を完了しております。
○米沢委員 環境確保条例が施行されていない時点で、指針、基準に沿って調査を実施し、当時の法令に照らして手厚い対策を行ってきたということですね。
平成十三年十月の環境確保条例の土壌汚染関係条項の施行後、東京ガスの調査はどのような手続で行ってきたのか、おわかりになれば説明していただきたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社は、平成十年、十一年に土壌汚染状況調査を実施し、平成十三年一月、調査結果や汚染対策を公表したが、これは東京ガスが自主的に行ったものであります。
平成十三年十月、東京都環境確保条例が施行されたことを受け、東京ガス株式会社は、同条例に基づき、平成十四年六月、土地利用の履歴等調査届け出書、同年十月、土壌汚染状況調査報告書、同年十一月、汚染拡散防止計画書を提出し、平成十七年九月には、再度、汚染拡散防止計画書を提出しております。
平成十九年三月、汚染土壌対策工事を完了したことにより、同年四月、汚染拡散防止措置完了届け出書を提出し、条例に基づく手続を完了しております。
なお、平成十五年に土壌汚染対策法が施行されましたが、本用地は、法施行前に操業が終了していることから、同法の適用はございません。
○米沢委員 東京ガスは、これまでの対策を踏まえて処理計画を都に提出し、環境確保条例の手続に沿った対策が行われたことがよくわかりました。
一方では、都と東京ガスは、新たな豊洲地区のまちづくりを進める観点から、新市場予定地の土壌汚染処理について協議を重ねて、合意を行っているということもわかったわけでありますが、改めて、平成十七年五月、東京ガスと都で結ばれました豊洲地区用地の土壌汚染処理に関する確認書に定める内容をお聞かせ願いたいと思います。
○越智新市場担当部長 平成十四年十一月、東京ガス株式会社は東京都に対しまして、汚染土壌処理基準の十倍を超える汚染土壌につきまして、すべて処理基準以下となるよう処理するという内容の汚染拡散防止計画書を提出いたしました。
平成十七年五月、新市場が生鮮食料品を扱うことを踏まえまして、東京ガス株式会社及び東京ガス豊洲開発株式会社と東京都の間で、汚染土壌の処理方法などについて確認しました。
その内容は、平成十四年に提出されました汚染拡散防止計画書に記載されている事項に加えまして、処理基準を超える操業由来の土壌汚染につきましては、道路の区域の下となる箇所及び地盤面から二メートルより下に存在するものを除きまして、処理基準以下となる対策を行うことなどを記載しております。
東京ガス株式会社は、この協定に基づきまして、さきに述べました汚染拡散防止計画書を平成十七年九月に再度提出いたしました。
○米沢委員 東京ガスは、卸売市場の将来立地を踏まえた手厚い対策を都と合意し、積極的なまちづくりに踏み出したといえるわけであります。その後、同社は、処理を着実に実施し、全街区で処理を完了した。これは、私どもの江東区議会にも、あるいは江東区にも、この旨の説明があったわけであります。
しかしながら、今回都が行った詳細調査で操業由来の汚染物質が発見され、新たに処理対策、処理費用の負担区分の問題が生まれてきたわけであります。
都は、本委員会で、都の調査で検出されました汚染物質の処理について、除去等の処理を要するものは、費用負担は汚染原因者が原則として負担すること、法令の扱いについて専門家に相談をし、整理するとともに、今後の両者の協議で具体的事項を詰めていくこととすると説明をいたしております。
ところで、一九七二年にOECDが採択いたしました環境政策に対する原則の中で、原因者負担の原則があります。内容は、汚染の原因となる行為を行った者が対策の負担をすべきであるという考え方であります。この原則のもとに、加盟各国は自国の環境関係法令を整備いたしまして、日本でも、環境基本法に原因者負担の考え方が包括的に規定をされまして、また、土壌汚染対策法あるいは都の環境確保条例の中で、汚染処理費用を土地所有者が原因者に負担を求められる規定があるわけであります。
そこでお尋ねいたしますが、土壌汚染対策法、環境確保条例に費用負担を請求できる旨の規定がありますけれども、新市場予定地の土壌汚染対策費用の負担にこれは適用できるんですか。その点をお伺いいたしたいと思います。
○越智新市場担当部長 東京ガス株式会社は、土壌汚染対策法の施行前に有害物質使用特定施設を廃止しておりまして、豊洲新市場予定地には同法は適用されません。また、同法に費用負担の請求ができる旨の規定がございますが、この規定の適用要件は、人が自由に出入りできる場所にあること、また、地下水の飲用があることでありまして、仮に法が遡及適用されたといたしましても、地下水の飲用がなく、また措置済みであることから、この規定は適用されません。
環境確保条例には、土地の改変を行う者が汚染拡散防止措置を行った場合には、汚染原因者に対しまして費用負担を求めることを妨げないという規定がございますが、この規定は汚染原因者に義務を課すものではございません。
○米沢委員 この負担規定は、新市場予定地の費用負担に適用されないということがよくわかりました。
ここで、米国における原因者負担の考え方、いわゆるスーパーファンド法という環境法をご紹介したいと思うんです。
これは、私は一夜漬けなんですが、理事者の方々は既に十分熟知していると思いますが、改めて紹介いたしますが、汚染原因者が特定されるまで、国が設けるファンドから調査、処理費用を負担し、将来、その費用を原因者に負担させる内容であるわけであります。この法の特徴は、費用負担を、汚染物質に関与したすべての潜在的な当事者が広範に負うとするところで、日本よりもはるかに厳しいものですね。
しかしながら、私がお話をしたいのは、この法の基本的考え方が、汚染原因を追及し、汚染者の責任を問うということじゃないんです。処理費用の負担をどう実現するかという、ある意味で割り切った観点であることをご承知願いたいと思います。
日本では、責任という言葉がありますよね。これは感情的にさまざまな意味を持っているように思えますが、新市場予定地の土壌汚染問題は、過去の土地利用が原因であることは明らかでありますが、事業活動に伴う汚染物質の処理についても、もっと前向きな視点が要るのではないかということであります。
今後、東京ガスとの協議を進めるに当たっての方向性を改めてお伺いしたいと思います。
○比留間中央卸売市場長 ただいまご説明してまいりましたように、東京ガス株式会社は、平成十年から十四年にかけて土壌汚染調査を行い、平成十四年及び平成十七年に、環境確保条例に基づき処理計画を提出し、土壌汚染対策を行った後、平成十九年にすべての完了届の提出を終え、条例に基づく手続を完了してございます。
一方で、その後の都の土壌汚染調査によって、新市場予定地には、ベンゼンやシアン化合物などの都市ガス製造に伴う汚染物質が存在することが確認されてございます。都は、今回の調査結果を踏まえ、新市場予定地が生鮮食料品を扱う市場用地という観点から、安全をより一層確保するため、法令が求める以上に手厚い土壌汚染対策を検討してございます。
今後、こうしたこれまでの経緯や、現に操業に伴う汚染物質が存在することなどを総合的に勘案し、都としての対策が固まった段階で、費用負担について東京ガスと協議してまいります。
○米沢委員 東京都は、現に操業由来の汚染物質が検出され、どのように費用分担を図り、あの広大な用地の将来的な土地利用を確保していくかという視点をもっと持っていただきたいというふうに考えております。
今後、詳細な汚染状況や専門家会議の提言を踏まえた都の土壌汚染対策及びその費用が明確になった時点で、東京ガスと積極的な協議を進め、都民、市場関係者の理解を得ながら、安心できる新市場整備につなげていくことを要望いたします。
また、冒頭に申し上げましたように、この委員会での論議が堂々めぐりしないように、きちんと精査をした上でこれからの進展を図っていくことを希望いたします。
以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
○馬場委員 私からも、豊洲の土壌汚染対策について何点か質問させていただきます。
先日の我が会派の代表質問でもさせていただきました。今、米沢委員からもありましたが、まず豊洲の新市場予定地、この土壌の汚染状況というのをどういうふうにとらえて、共通認識を持てばいいのかなということを、今回、委員会に出席するに当たり考えました。
お話がありましたように、地元の皆様が迷惑をしているとか、豊洲の汚染状況、このことについて大変多くの皆様が関心を持っていらっしゃる、そのことで代表質問させていただきました。
その知事のご答弁が、先ほどもありましたように、新市場予定地の詳細調査で四万三千倍のベンゼンが一カ所から検出された、そして、そうした高濃度の汚染の範囲は極めて限られている、風評被害が懸念されるが、事実を正確に把握し、冷静に対処していくことが重要であると述べられました。
もちろん、後半の、事実を正確に把握し、冷静に対処していくことが重要、だからこそ、この問題についてきょうも質疑をしているわけですが、この知事のご答弁にある四万三千倍のベンゼンが一カ所というような表現、そして、高濃度の汚染の範囲は極めて限られている、こういう表現は、受けとめる側にとってどういうふうに受けとめられるか。
私が伺った感想では、アナウンスの仕方がとても意図的ではないかというふうに受け取らざるを得ないような感じを受けました。なぜ一カ所というふうに限定されなければならないのか、まだ絞り込みもやっているのに。それから、高濃度の汚染の範囲は極めて限られているという表現の仕方も、どう限られているのかなと思って、きょう、もう少し詳しくお聞きしようと思っていたんですが、先に米沢委員からご質問があり、ご答弁で、このことを答えていらっしゃいました。今の範囲でいえば、調査地点の九割以上が環境基準以下。じゃ、一割はどうなの、こういうところですね。一割が、極めて限られたという表現なのかよくわかりませんが。
それから、先ほどもありましたように、一カ所という限定の仕方、これは、土壌の調査をするときに、全部調査するわけにいきませんから、要は、何カ所か、今回は四千百二十二カ所をサンプリング調査したわけですね。そのうちの一カ所という意味で、だからこそ、この周りを今絞り込み調査を追加でしているということで、逆にお話しさせていただければ、この広い四十ヘクタールのところを、四千百二十二カ所しか調査をしていないのであって、その一カ所から出たことをもって、たったの一カ所というような表現の仕方が適切かどうかというのは、先ほど申し上げましたように、ちょっと意図的ではないのかな、安全性を強調する余り、こういう表現になっているのではないかとちょっと疑念を持っております。
先ほどのご答弁にも、東京ガスの操業時の空き地に、その四万三千倍の一カ所が該当するんですが、その空き地という表現、これも、専門家会議に出席して知り得た情報では、ここの場所は、東京ガスの協力会がそのところを使って作業をしていたというふうに私は承っております。単なる空き地で、木が植わって、花が植わって、そこで休んでいた、何もなかった場所という空き地ではないはずです。
まず、質疑に入る前に、こういうご答弁をいただくということは、私にとっては、広報する市場の皆さんのアナウンスの仕方に、何度も申し上げますが、意図的な感じを受けるのですが、この表現について、また、この空き地というところについて、もう一度確認させていただきますが、こういう表現で市場としてはよろしいのでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 敷地全体にわたりまして、土壌汚染対策法に決められました一番精緻な十メーターメッシュで、四千百二十二カ所で土壌と地下水の調査を行っております。
その結果は、土壌については、すべての物質について、調査地点の九割以上が環境基準以下でありました。また地下水については、六価クロムは検出されず、砒素、鉛、水銀、カドミウムは、調査地点の九割以上が環境基準以下、ベンゼンにつきましては、調査地点の約八六%、シアン化合物については調査地点の七七%が環境基準以下でありました。
特にベンゼンにつきましては、土壌から環境基準の四万三千倍、地下水から一万倍が検出されましたが、それぞれ一カ所でありました。地下水から環境基準の千倍以上が検出された箇所は、四千百二十二カ所のうち十三カ所であり、そのうち十二カ所は、東京ガス株式会社操業時の空き地に集中しております。
このように、敷地全域が高濃度の物質で汚染されているわけではなく、その範囲は極めて限定された場所であります。
空地に対してでありますが、豊洲新市場予定地の土地利用の沿革を東京ガス株式会社に照会しております。工場操業期間であります昭和三十一年から五十一年、その間、工場のプラント類や事務所など、施設や建物に利用されていない更地であった区域が六、七街区の西側にあったと聞いております。このような区域を空き地と認識しております。
○馬場委員 今のご答弁は、米沢委員さんからの質問のご答弁と同じ認識ということでご答弁いただいたんですが、私がお尋ねしたのは、これでいいですかと。
最初にお話しいただいたように、十メーターメッシュでしているわけですね。十メーターメッシュでしていて、再度申し上げますが、その中の一カ所、十三カ所、そういう箇所は、ボーリング調査をした箇所を指すのであって、その地域全体がそれでどうなのかということを、いかに箇所数で地域をあらわすかというところが、今回のというか、この土壌汚染の調査の難しいところだということは重々わかっています。わかっているから、箇所数で発表するということと、その地域がどうだという発表の仕方というのは、受け取る方にとっても大切なことなので、そのことを重ねてお尋ねしたのです。
ですので、今後、まだこれから、調査結果、絞り込み調査等出てくるわけですが、その対策等のところでの表現、ぜひともご検討いただきたい。アナウンスの仕方が意図的だというふうに、とりたくないですよ、私も。とりたくないけど、とられるような発表の仕方というのは、十分に気をつけていただきたいというふうに思います。
空き地のところは、また後で触れさせていただきます。
もう一つ、疑義が出ているのが有楽町層。ここについて、きょうの資料の中にありましたが、不透水層なのかという疑念があります。都側は、有楽町層は不透水層ということで、ここに触れない、調査をしないという形で今回も来ているわけですが、それでは、もう一方で疑義のある有楽町層、ここが不透水層であるという都側の、市場のお考えというか、根拠をお尋ねします。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地での有楽町層の遮水性は、土壌汚染対策法が定める不透水層の基準に対して約三十倍となっており、極めて水を通しにくいです。さらに、この遮水性の場合、法で定める基準で算出すると、不透水層としては約十八センチの厚さで十分でありますが、実際には約二メーターから二十メーターの厚さがあります。このようなことから有楽町層を不透水層としております。
○馬場委員 こういう根拠で、都は、市場は、有楽町層が不透水層というふうに確定していらっしゃるわけですが、それでは、この三十倍となっている、また、二から二十メートルの厚さであるということも含めて、この調査がいつ行われて、不透水層であるというふうに判断をした日にち、それから、土壌汚染対策法ですか、これに基づいて有楽町層が不透水層なのだと証明できる、説明できる資料をぜひご提出いただきたいのですが、いかがでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 平成十八年、豊洲新市場予定地の地質状況を把握するために、豊洲新市場予定地地質調査及び地盤等解析業務を委託で出しております。この調査で地区の八カ所をボーリングしまして、地層、地質を把握しております。それぞれ各種の地質に関する試験をしまして、有楽町層は非常に水を通しにくい、そう認識しております。
加えまして、昨年五月から、専門家会議、四人の委員で、これから都がとるべき土壌汚染対策に対して検討していただいておりますが、委員の中には、関東地方の地質、地層に大変お詳しい方もおります。そのような方からも、豊洲新市場予定地にある有楽町層は水を通しにくい、なおかつ不透水層である、そういう意見をいただいております。
○馬場委員 ということは、専門家会議でも、有楽町層が不透水層なのだというふうに前提条件で提言があるということでなく、有楽町層が不透水層であるという確認というか、提言の中に、不透水層なのであるということを含めての報告がされると考えていいのでしょうか。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議で今後の土壌汚染対策を検討していただいておりますが、その前段、昨年八月になりますが、追加調査、ことしの二月からは、土壌、地下水における詳細調査をしております。その調査の前提として、調査に際しては、不透水層をボーリング等で打ち抜きますと汚染が広がる可能性があるので、その層を打ち抜かないように、そういう指示をいただいております。
これからいただく提言は、そうした調査に基づいて検討され、検証され、提言をいただいていく、そういうふうに考えております。
○馬場委員 そこのところで疑念を持たれているんですよね、実は。もう不透水層だということで、そこには触れないようにという調査がされたとさっき私も申し上げました。だから、不透水層なのかということをどこかできちんと証明できないといけない。だから、それは専門家会議でするのか。市場として不透水層であると説明できる資料をきちんと公表できるのか。どちらでやっていただけますか、そうしたら。
○宮良新市場建設調整担当部長 不透水層であるという土質の調査分析、数値的な結果は、平成十八年度にやりました調査の成果品として当然ございます。そうした調査結果に加えまして、専門家会議の中の議論の結果も議事録としてございます。その二つがお出しできる資料でございます。
○馬場委員 わかりました。それでは、ぜひ、必要な方から要望があったら、提出してください。私が見ても多分わからないというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきますが、これも先ほど米沢委員からありました、東京ガスさんとの関係でございます。
条例また土対法の調査、これは十九年、昨年の三月にすべて完了していると、私どもの代表質問でもご答弁いただきました。
これは、やはり確認しないといけないのは、最初、東京ガスさんが対策をしていたのは、あくまでも条例の範囲内であって、市場をつくるということではなかったはずなんですね。その意味で、もう一度--同じことを繰り返してご質問するのは、先ほど注意をいただきましたので、それでは、十九年三月に東京ガスさんが調査を完了している、しかし、東京ガスさんの意向ではなく、市場が豊洲に市場を持ってきたいという話になって、今、さらなる専門家会議による調査というふうに発展してきているわけですが、東京ガスさんとその辺の状況、十九年の三月に完了したということと、今後東京ガスさんと協議をしていく事柄を少し整理していかないと、状況がとても入り組んできている。つまり、法的にどこまで義務があるかということと、それから、合意、協定に基づいて何をどこまでやるのかという話と、それから、豊洲の区画整理事業を初め豊洲の再開発について、開発者としてどう協力してやっていくのか。さまざまなことでの東京ガスさんとの交渉というのが今後出てきます。もちろん、その中で、どういう負担をそこでガスさんなり市場なりがしていくのかという話は、今後その辺が出てくるというふうに思います。申しわけありませんが、もう一度そこのところをご答弁いただけますでしょうか。
○越智新市場担当部長 東京都と東京ガス株式会社とは、平成十三年七月の基本合意以来、築地市場の移転を織り込んだ豊洲地区のまちづくりを相互に協力して進めておりまして、まちづくりのイメージや地域環境への配慮などにつきまして協議を行い、合意してまいりました。
また、新市場予定地でかつて東京ガス株式会社が都市ガス製造を行っていたことによる汚染土壌につきましては、平成十七年に、東京都と東京ガス株式会社との間で、豊洲地区用地の土壌汚染処理に関する確認書を結びまして、同社は、環境確保条例に基づき、汚染拡散防止計画書を提出して、処理を実施し、平成十九年三月に完了いたしました。
今後、東京都が行う土壌汚染対策の費用負担につきましては、東京ガス株式会社が条例に基づく手続を完了していること、その後の調査によりまして、都市ガス製造に伴う汚染物質の存在、生鮮食料品を扱うということから、法令が求める以上に手厚い対策をとることなどを総合的に勘案いたしまして、対策が固まった段階で同社と協議をしていく考えでございます。
○馬場委員 ご答弁は、米沢委員さんと結果的には同じ状況のご答弁にならざるを得なかったのですが、やはり今後の状況、私どもが見ても、さっき述べましたように、かなり複雑な状況にあるというふうに思います。
その中で、それぞれの条件というか立場で今後しっかりと協議を進めていっていただきたいと思っておりますし、その間の協議が、対策を進める上で、進め方と協議とがどうしても密接に出てくるというふうに思いますが、その協議の状況等について、逐次というか、できるだけ公表いただきたいというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○越智新市場担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、今後、東京ガス株式会社と、土壌汚染の対策費用につきまして、東京ガスが条例に基づく手続を完了していることや、実際に操業に由来する汚染物質の存在、そういったもの、それと、法令が求める以上に東京都が手厚い対策をしているということで、具体的に、そういう対策が固まった段階で、今後、東京ガスと協議をしていくということで、その内容につきましては、東京ガスとの協議でございますので、公開というわけにはいかないというふうに考えてございます。
○馬場委員 逐一公開というふうに要求しているわけではもちろんありませんが、私どもも、どういうふうになっていくのか、それがわからないと、結果的には、都の負担、それから、何を市場としてやっていくのかというのが多分出てこないので、公表しないとおっしゃっても、出てこざるを得ないのかなというふうに思っています。ただ、それが納得いくものでなければならないというふうに思っていますので、今からお願いをしておきますが、その辺の関係をきちんと整理した上で、つまり、こういう理由でここは負担ということがわかるような形でぜひともお願いしたいというふうに思います。
それから、確認書、今、何度も出ましたが、十九年の三月に終わっているということは、専門家会議はその後設置されて、そして調査に入っているわけですから、その辺の時間の問題、今起きている詳細な土壌対策ということについては、この確認書とか協定とかというところとどうなっているのかということもちょっと知りたいのですが、そういう状況も含めて、また次回にぜひともわかりやすい形でお知らせいただきたいというふうに思います。
東京ガスは、地下水は調査をしていませんね。今回の専門家会議では、地下水も含めて大変重要な調査が行われました。これも、専門家会議の検討状況と今後の予定というふうに私も質問させていただく予定でしたが、先ほど、専門家会議の今までの検討状況については米沢委員さんの方から質問がありましたので、重複しますので、私は、今後、専門家会議、本日以降といったらいいでしょうか、五月の以降ですね、今後の専門家会議の予定というのを伺わせていただきます。
○宮良新市場建設調整担当部長 一つ目のご質問、東京ガス株式会社は、平成十年、十一年にかけまして、土壌と地下水についても六十五カ所で調査をしております。
次に、専門家会議の今後のことでございます。
現在、詳細調査により土壌から環境基準を超える汚染物質が検出した箇所などで、深さ方向に土壌ボーリング調査を実施しており、専門家会議では、この調査結果を確認し、七月には土壌汚染対策の提言をまとめる予定であります。
こうした専門家からの提言を踏まえまして、都としましては、さまざまな新技術などの可能性も探りながら、食の安全と都民や市場関係者の安心を最優先にした対策を検討し、早期に、具体的な土壌汚染対策や必要となる経費、工期を明らかにしてまいります。
○馬場委員 専門家会議のご予定を伺ったんですが、地下水はわかりました。
専門家会議で今、詳細調査の後の絞り込み調査、四万三千倍と出たところの近辺をもう一度絞り込み調査をしていると伺っております。この調査というのはかなり重要だというふうに私どもは認識をしています。だって、たった一カ所という表現、私もしてはいけないんですが、この四万三千倍の周りはどうなのかというのはだれでも心配なわけです。一カ所ではないですよね、報告ありましたけれども、かなり多くのところの絞り込み調査があって、それを踏まえて、今度の専門家会議最終提言という形になるわけですよね。
ここも大変心配なんですが、それと同時に、五月の十九日と三十一日に行われた専門家会議、ここでは、調査の報告と同時に、アメリカで広く用いられているRBCA、レベッカと読んでいいんでしょうか、それから、地下水の方ではヘンリー定数とか、私にはちょっと難しいのですが、そうしたことで安全だというふうな、要するに、先ほどの知事の答弁的に申し上げると、安全宣言的な、七十年そこで生きられるとか、安全宣言に近いような、そうした資料の報告もありました。
こうしたことも含めて、今度、最終提言がされるわけですが、この専門家会議の提言というのはどの程度まで行われる予定なのでしょうか。また、その提言は、市場とすると、専門家会議の提言をそのまま市場は受け取ると。そこにまたさらに調査の必要があるとか、疑義があるとか、そういうことがまた出てくるのかどうかというのを大変心配しておりますが、その辺の経過、認識について伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 先ほどもご答弁しました。現在実施中でありますが、詳細調査の結果、土壌で環境基準を超えたところ、地下水で環境基準の十倍を超えたところで、深さ方向に土壌のボーリング調査をしております。そうした絞り込み調査の結果を確認していただき、七月には専門家会議から提言をいただく予定であります。
東京都としましては、そういった専門家の提言を踏まえ、新しい技術の可能性などを踏まえながら、都としての具体的な土壌汚染対策、必要な経費、工期をまとめていく予定でございます。
○馬場委員 専門家会議から絞り込み調査の結果も含めて出るであろうもの、その提言を基準にして、市場は今度は、工法も入るかもしれませんが、汚染土壌と地下水の対策に入る。処理方法を考えていかなきゃいけないわけですよね。
そこのところで問題は、知事の答弁にもありましたように、記者会見とか、いろんなところでお話しになっていらっしゃるんですが、安い方法とか新しい方法があるじゃないかとか、話がたくさん出てきています。一方で、専門家会議を傍聴させていただいたときに、専門家会議の先生は、新しいものでは心配だ、確実性を重視して汚染土壌の処理方法を選択すべきだというようなお話が出ていました。
市場がこれから、専門家会議から手が離れて、一番大事な汚染土壌の処理方法に入るわけですが、ここで市場としてどういうふうに処理について考えていらっしゃるのか伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 土壌中の汚染物質処理につきましては、熱を加えて除去する加熱処理や、土の粒子に付着している汚染物質を水で洗い流す洗浄処理などが一般的であります。さらに、土を掘削せず、現地で、土の中の微生物に酸素や栄養分を供給し、活性化させてベンゼンなどを分解していく、そういった手法も実績を重ねてきております。
現在、これらの手法について検討を進めており、あわせて、こうした一般的に利用されている手法にとどまらず、最新の科学的知見に基づくとともに、経済面でもすぐれた技術について研究を進めていきます。
○馬場委員 汚染土壌処理については、費用一千億とか一千三百億とか、費用も含めていろいろ新聞等で拝見するわけですが、これはどうなのかというところで、私も自分なりに、対策、どんなことがあるのかとか、聞き合わせをしたんですが、やはり私の知り合いの範囲では、とても難しい状況だと。こんなに広範囲で、そして多様で、いろいろなことを包含する豊洲の状況では、残念ながら、専門というか、そういう人もなかなか答えられないというふうな状況でした。私に、こういう方法があるとかといえたらいいのにと思ったんですが、なかなか難しいというのを実感しました。
ということは、やはり市場としても、これからこの対策を考えていくのは大変難しいのではないかというふうに思っていますし、また、そこが決まらないと費用も決まらないというふうなことになってくるのかなと思っています。
私ども民主党も、環境から土壌汚染について検討している中でも、ブラウンフィールド、つまり、汚れた土地がそのまま、日本風にいうと塩漬けというんでしょうか、なっているということが、世界の中でも、アメリカでもヨーロッパの方でも問題になっている。日本はそこをもう通り越して、汚れたところを対策をして、何と食料品を扱う市場をそこにつくるんだということは、逆にいうと、これはもう世界じゅうから関心を持たれて、どんな対策をすればその塩漬けのところが生き返るのか、というふうな状況なのかなと、かえってすごい状況になっているんだなと改めて今思っているところです。
その意味で、関心を持たれて、いいかげんに済ませてはならない、だからこそ問題だというふうに思っておりますし、将来この土地をどういう形で利用するのがいいかということの試金石、日本にとっても世界にとってもモデルケースになるというところで、ぜひとも検討というのは十分されるよう要望しておきます。
最後になりますが、また知事の発言で申しわけありませんが、豊洲移転の反対派は二百人ぐらいで、反対者は少数だというのをいつもおっしゃいます。でも、市場を考える会の皆さん、アンケート調査をなさって、市場関係者の七割以上が反対をしている、そういう調査結果も、私もいただいております。
これは、市場移転ということだけでなく、特に豊洲移転ということで、この七割という数字が出ていると思いますし、今、皆さん、特に関心があるというか、判断をとても迷っていらっしゃるというか、検討をしているところだというふうに思いますが、反対は少数ということも踏まえて、関係者の皆さんが今どういう状況かというようなことを含めて、市場のご認識を伺います。
○越智新市場担当部長 昨年四月、水産仲卸組合員を対象に市場を考える会がアンケートを実施したことは承知しております。
調査結果は、設問の内容、表現、実施主体、実施方法で大きく異なりますことから、この結果が全体の意見をあらわしたものかどうか、確たることはいえないというふうに考えております。
東京都はこれまで、移転に反対している業者も含めまして、あらゆる市場関係者の方々に対しまして、新市場建設に理解を得るために積極的に説明会を開催してございまして、昨年も、青果、水産仲卸組合に対しまして七回ほど業態別に説明会を開きまして、ことしも、十人から二十人規模で、水産仲卸組合の方々を建物ごとに分けまして、二十二日間、きめ細かな説明もしてきております。
今後とも、あらゆる機会、また、より理解を深めるための工夫をしながら、説明に努めてまいりたいというふうに考えております。
なお、築地市場の水産仲卸業者で組織されております移転に反対する団体でございます市場を考える会の構成員は、市場を考える会のホームページでは二百十社と公表されております。
○馬場委員 最後に一言申し上げさせていただきます。
先ほども、冒頭、米沢委員から、一部反対の人々というご発言がありました。正式に会費を払っている市場を考える会の構成員、ホームページで見ると二百十社ですが、これをもって少数の反対というふうには決していえないと私は思っています。
なぜなら、皆さんが昨年の知事選でこのことを強く訴え、知事選の争点になさった。そして、知事は当選してから専門家会議を設置なさり、専門家会議の調査の結果、千倍のベンゼンが発見され、さらに、四千百二十二カ所の追加の詳細調査をし、四万三千倍、また、今現在のいろいろな土地の状況がわかってきた。この間、大変な土壌汚染、自分たちが今行くと予定されているところがどういうことかということを、責任を持ってきちんと調査をしなければならない。でなければ、自分たちの仕事が責任を持ってできないという大変な努力とご活動があって、今日の状況に来ていると私は思っております。
ですので、一番初めに申し上げました、知事また市場の皆さん、それから賛成の皆さんも含めてですが、一部の反対とか一カ所とか、その表現については、特に市場については、重々その発言の仕方を考えていただきたい。
それから、さらに、今の状況の中で、市場として、移転について時期を見て調査をお願いしたい。できれば、専門家会議の報告が出たところできちんと説明をし、調査をする。また、汚染土壌の処理の方法が決まったところで調査をする。さまざまなそうした形で関係者の理解をいただく活動をお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員 豊洲新市場予定地をめぐる問題につきましては、さきの我が党の代表質問で基本的な考え方を述べたところでございますが、このたびの土壌汚染問題につきましては、私は、この問題解決に当たっては、都は焦らず、もっと慎重に進めていくべきであると考えております。
第八次東京都卸売市場整備計画におきまして、豊洲新市場は、平成十九年度より約五年の工事を予定し、平成二十四年度開場を目途にすることを明記しております。既に工事着手目途から一年を過ぎております。今後、土壌汚染対策、七月の専門家会議の提言に基づきまして、土壌汚染対策の工法の選定に入っていくわけですけれども、決してそこで焦ってはならない。その工法選定についてはしっかりと時間をかけてやっていくべきであると思いますし、また、それを受けて、環境アセス、都市計画決定、用地取得、汚染対策工事等々、さらに数年の期間を要するということが考えられるわけでございます。二〇一六年招致予定のオリンピックにはとても間に合わない。
したがいまして、豊洲新市場の土壌汚染問題につきましては、オリンピックとは切り離して、都民の不信と不安の払拭のためにも、都民が納得のいく慎重な取り組みをすべきであると重ねて主張するものでございます。
そうした観点から幾つか質問してまいります。
まず、今回の詳細調査の結果につきましては、既にご承知と思うので、ポイントをかいつまんで質問を行ってまいりますが、調査は土壌と地下水の両方について実施しておりますが、土壌については表層のみ、地下水は不透水層上端までとなっております。
そこで、このような調査で地中の汚染状況がきちんと把握できるのか、また、不透水層下の調査については、よく議論になりますけれども、調査しなくてもよいのか、お尋ねいたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 今回の詳細調査については、地下水の上端から不透水層までに、土壌に汚染物質があれば地下水中に溶け出すことから、この地下水を分析します。また、地下水面と東京ガス株式会社操業時の地盤面との間はほぼ一メーターとなっており、この部分の汚染を把握するため、中間点となる工場操業時の地盤面下五十センチの土壌を分析いたします。専門家会議では、これら調査を敷地全域にわたり十メートルメッシュで実施することにより、汚染状況の全容が把握できるとしております。
次に、不透水層下の調査について、豊洲新市場予定地の不透水層である有楽町層の遮水性は、土壌汚染対策法が定める不透水層の基準に対して約三十倍となっており、極めて水を通しにくいわけであります。
さらに、この遮水性の場合、法で定める基準で算出すると、不透水層としては十八センチの厚さで十分でありますが、実際は約二メーターから二十メーターの厚さがあります。
また、関東地方の地層や土質に詳しい委員からも、豊洲新市場予定地で不透水層を形成している粘土層は水を通しにくく、汚染の可能性は低いことから、ボーリングにより粘土層を打ち抜き、下部に汚染を拡大させるべきではないとの意見をいただいております。
○上野委員 続いて、詳細調査、これは、土壌汚染対策法で求められる調査内容に比べまして本当に遜色がないのか、お聞きいたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策法で求められる調査は、まず、重金属類については、表層の土壌調査により環境基準を超えた場合に、深さ方向に土壌ボーリング調査を行うこととされております。
次に、ベンゼンなどの揮発性物質については、表層土壌ガス調査によりガスが検出された場合に、深さ方向に土壌ボーリング調査を実施いたします。地下水位が高いなどの理由によりこの表層土壌ガス調査が実施できない場合には、地下水調査を行うこととされ、環境基準を超えた場合に、深さ方向に土壌ボーリング調査を行うことになっております。
これに対しまして、今回の調査では、表層の土壌調査及び地下水調査を実施し、土壌調査で環境基準を超えた場合及び地下水調査で環境基準の十倍を超えた場合に、深さ方向に土壌ボーリングを実施しました。
今後、土壌汚染対策の実施に際し、環境確保条例に基づき、地下水調査で十倍以下の環境基準を超えた箇所についても土壌ボーリング調査を行います。
これらのことにより、土壌汚染対策法が求める調査と同等であります。
○上野委員 続きまして、今回の調査結果を踏まえた対策の方向性について確認していきたいと思います。
専門家会議の最終提言は七月に予定されております。都としての具体的な対策はそれを待つ必要がありますけれども、専門家会議の対策の方向性の内容は、これまで都が検討していた対策に比べてどのような違いがあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 これまで検討していた対策と専門家会議が検討している対策の違いは、一つには、これまでは、東京ガス株式会社操業時の地盤面から二メートル下より深い箇所については、土壌及び地下水中の環境基準十倍以下の汚染物質は除去せず、管理していくとしていましたが、現在の検討は、すべて環境基準以下に除去、浄化した上で地下水の水位を管理することにしております。
二つに、工場操業時の地盤面下から二メートルまでの土壌は、建物建設地で汚染が検出されなかった区域を除いて土壌を入れかえることとしていたのに対し、敷地全面にわたってすべての土壌を入れかえることにした。
三つには、地下水対策について、新たに建物下とそれ以外を分けることとし、建物下は建物着工時までに環境基準以下に浄化し、建物建設地以外については、当面、環境基準の十倍以下に浄化し、最終的に環境基準以下に浄化することにしております。
違いについてはこういった三点がございます。
○上野委員 続いて、土壌はすべて環境基準以下にする、これに対しまして、地下水は将来的に環境基準以下を目指す、このようにされておりますけれども、その理由と、ベンゼン、シアンの処理方法についてわかりやすく説明していただきたいと思います。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議では、地下水対策について、建物建設地については、施設完成後に改めて対策を行うことが困難となるため、建物着工時までに浄化を完了し、建物建設地以外の部分については、当面、河川や公共水域に放流が可能な環境基準の十倍以下に浄化して、多少時間をかけて環境基準以下にすることとしております。
このように、将来的に環境基準以下を目指すとは、最終的に地下水を環境基準以下とするが、浄化するまでに時間的な差異があるということであります。
地下水中のベンゼン、シアンの処理方法としては、井戸を設置し、地下水を強制的にくみ上げて浄化する揚水処理や、土壌中の微生物に酸素や栄養分を供給し、活性化させて汚染物質を分解する生物的処理などがあります。
現在、これらの処理方法について、必要となる酸素量や揚水井戸のポンプ数、設置箇所などを具体的に検討するとともに、こうした一般的な方法以外の新しい技術の可能性についても調査を進めております。
○上野委員 次に、液状化対策についてでございますけれども、先日の岩手・宮城内陸地震、これが起こりまして、地震被災の防止を徹底する必要性というのを改めて感じているところでございますけれども、東京湾、羽田もそうですけれども、非常に液状化対策というのを大事にしていかなきゃならない。羽田沖合展開での環状八号線の工事においても、建設局あるいは港湾の関係の仕事におきましても、液状化対策につきましては非常に最新の技術を使ってやっておりますし、また、セメントをまぜてしっかりと地盤を固めるというCDMとかJSGといったような地盤改良、こういったものを使ってやっているわけでございますが、新市場予定地はもともと埋立地であります。そのような意味では、地震に備えて本当にしっかりとした液状化対策を講じていく必要があるわけでございます。
この新市場予定地は、先ほどの資料にもありますように、地層の柱状図を見てみますと、街区ごとに地質や地層が異なっております。きめ細かな対策が必要になると思われますが、どのような対策を講じていこうとしているのか、さらに、大地震にも耐えられる検討がされているのか、お尋ねいたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の地震時の液状化対策については、地質や地層を考慮して、地盤中に砂のくいを打つことにより地盤を締め固める工法や、セメントなどの地盤改良材により地盤を固める工法を検討しております。
通常、深さが十メートル程度ある場合は、砂ぐいによる締め固め工法とするが、五街区は、工場操業時の地盤面から不透水層までの深さが五メートル程度と浅いため、締め固めにより液状化防止の効果が期待できません。このような箇所では、セメントなどの地盤改良材を用い地盤を固化していく工法を検討しております。
このような対策は、国が定めた港湾施設などにかかわる液状化対策の技術基準に基づいており、昨年の新潟県中越沖地震や能登半島地震と同規模の地震が房総沖で発生したとしても、液状化が起こらない安全なものであります。
○上野委員 専門家会議によりまして、詳細調査の全体像と手厚い土壌汚染対策の方向性が明らかにされておりましたが、土壌汚染対策の内容は、専門性が非常に高く、また難解でございます。一般の都民の方には、ホームページを読んでもなかなかわかりにくい、こういった声も聞いているわけでございます。
東京都は今後、専門家会議の最終提言が予定されておりますけれども、この提言の内容というものを、都民、一般の方が見ても、読んでもわかるような、そういった形でしっかりと説明責任を果たすということでの説明、周知というものをしていくべきであると思いますが、見解を述べてください。
○越智新市場担当部長 専門家会議では、傍聴席を設置して、会議を公開するとともに、会議の内容につきまして傍聴者の理解を深めることを目的として、委員との質疑応答の時間を設けております。あわせまして、会議資料及び議事録などを速やかにホームページで公開するなど、透明性のある会議運営を行い、都民との情報共有に努めております。
七月に予定しております提言内容につきましては、提言のポイントや委員の主な意見などを概要版という形でまとめるとともに、わかりやすいパンフレットや、これまでのさまざまな疑問に答える問答集などを作成し、広報紙やホームページなどを活用しながら、都民に対しまして積極的に情報を提供してまいります。
また、新聞、テレビなどによります報道は、影響力が極めて大きく、都民へ幅広く、かつ迅速に情報が伝わることから、東京都としては、専門家会議の協力を得まして、わかりやすく平易な表現で報道関係者に提言内容を伝え、多くの都民が正確な知識と理解が得られるように努めてまいります。
○上野委員 ところで、現在、詳細調査で新たに操業由来の汚染物質が検出されまして、マスコミ等により、巨額な土壌汚染対策の費用負担が取り上げられております。
この土壌汚染というものがなぜもっと早く発見できなかったのか、なぜ今になってしまったのか、このことを非常に感じるわけでございます。その原因に、東京都が本当に都民の食の安全・安心を守るという立場からの市場立地、これに取り組んでいるのか、このことに対して私自身が非常に不信を抱いているわけでございまして、土壌汚染に対する慎重な配慮というのがこれまで足りなかったのではないか、このようにいわせていただきたいと思います。
これまでの都の取り組み、あるいは東京ガスの取り組みについては、先ほど米沢委員の方から、まことに意を得た、極めて大事な質疑が行われまして、私も、非常に大事なことだなということで、しっかり聞かせていただきました。
そういった内容について、私もダブらないような形で話をしていきたいと思いますけれども、東京ガスと東京都は、平成十三年七月、新市場を豊洲地区に配置することに合意いたしまして、その年の十二月、第七次東京都卸売整備計画で豊洲移転を正式に決定したわけでございます。
ちょうど時を同じくして、土壌汚染関係法令も、平成十三年十月に環境確保条例が整備された。東京ガスは、本条例に基づいて、しっかりと土壌汚染対策の手続をやっているわけでございまして、東京ガスは、自主的な調査等々、一生懸命やっているわけでございます。
大事なことは、東京都が、先ほどいったようなことでの、本当に都民の安心・安全、食の安全・安心、こういったところの視点で豊洲における土壌汚染というものを真摯に考えていたのか、また慎重に取り組んでいたのかということを疑わざるを得ないというふうに感じているわけでございます。
東京ガスは、平成十四年から十八年にかけて、環境確保条例に基づいた手続等をやっているわけでございますけれども、この手続できちんとやっているよと、また土壌汚染対策工事も、東京ガスは平成十三年から十九年までやりましたよと、このことを受けて、都市計画案及び環境影響評価書案あらまし、ここの土壌汚染というところでは、東京都は、計画地では、環境確保条例第百十七条に基づく拡散防止措置が実施されており、詳細調査により基準を超過した有害物質については、掘削、除去等の措置が行われています、こういうふうに記載しているわけでございます。東京ガスは法令上の手続に何ら問題はないわけです。
大事なことは、この内容を東京都が本当にしっかりと調査しているのか。この届け出書、報告書、そして完了届け出書等々、先ほど話がありましたように、ちょっとダブりますけれども、平成十年から十一年のボーリング土壌調査をやりましたけれども、これは、平成六年の重金属を主にした環境庁ガイドラインを準用して調査されている内容であります。平成十四年、ボーリング調査、ベンゼンの調査をやりましたけれども、これは、平成十三年、環境確保条例、東京都が、対象物質を二十四物質にし、また、揮発性の、こういったベンゼンも含んだ二十メートルメッシュということで条例を施行しました、これに基づいて東京ガスはやっているわけでございますけれども、大事なことは、平成十五年に土対法が改正されました。これを受けて、東京都の環境確保条例も、平成十五年二月十四日に、対象物質をふやして、そしてまた調査密度も十メートルメッシュという形にした。これは、なぜあえてこの時点でやったのかということです。
やっぱり汚染が強い場所というのは、ここまでやらないと、調査しないと見つけられないぞというような趣旨で判断されて改正されているわけでございます。こういった趣旨を踏まえたときに、東京都は、生鮮食料品を扱う市場をつくるんですから、もっと慎重さがあれば、環境確保条例に基づいて十メートルメッシュの調査というものをその時点で実施していくべきであったと思いますけれども、いかがですか。
○越智新市場担当部長 東京都が豊洲地区への移転を正式に決定いたしましたのは平成十三年でございますが、この時点で、東京ガス株式会社は、土壌汚染調査を実施するとともに、対策を公表しておりました。同社は、その後さらに、環境確保条例に基づく調査を実施するとともに、追加の対策を計画、実施し、平成十九年に終了いたしました。
また、東京都は、この東京ガス株式会社の対策に加えまして、生鮮食料品を扱う市場用地という特性を踏まえ、建物下の汚染が未検出の区域を除きまして、地盤面から二メーター下までの土をすべて入れかえるなどの独自の対策を計画しておりました。
○上野委員 私の質問に対するお答えにはなっていないというふうに判断いたしますけれども、先ほどの話の中で、東京ガスの操業廃止、平成十七年というふうに聞いたんですけれども、間違いでしょうか。ちょっともう一回確認いたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社は、ガスの製造を昭和三十一年に始めまして五十一年まで続けております。ただ、工場自体は六十三年に廃止しております。
○上野委員 済みません。聞き違いだったと思います。
先ほど申しましたように、何で今になってこういった問題が出てきたのか、その原因がどこにあったのかというのは、やっぱり今後のことも考えますと非常に大事なことである、このように思っているわけでございます。
先ほども、今後の内容については、米沢委員から、東京ガスさんとしても、道義的、社会的責任から、この問題についてはしっかりと相談に乗っていくようなこともあるやに聞いておりますけれども、こういった状況の中で、私は、移転スケジュールに何とか間に合わせようと焦っているように思えてならないわけでございます。何度も申しますけれども、この土壌汚染問題につきましても、本当に都民の方が理解できる、これはもっともだなと。こういった慎重な検討、協議というものもぜひ進めていただきたいのでございます。
話はまた変わりますけれども、次に、市場業者の経営面の負担についてお聞きしたいと思います。
市場会計は独立採算をとっておりますけれども、これまで、財政運営上、市場では、大田市場を整備したときにそうであったように、市場用地を売却し、新たな市場を整備する経費として充てていたわけでございます。
財政面からは、豊洲移転については、築地市場の売却を前提としておりますけれども、土壌汚染対策にかかわる経費が相当膨れ上がることが予想されます。その一方、現在地再整備の場合は、市場が現在有する留保資金しかありません。大ざっぱにいえば、そのような対比の構造となるわけでございますが、市場業者にとっては、市場整備に多額の経費が必要となりまして、不足額が発生することになれば、その分、使用料は市場業者に転嫁されてしまう。その分経営に与える影響というのは非常に大きなものになっているわけでございまして、業者の方々はそれに対する不安を抱いているわけでございます。
そこで、市場業者の経営面の観点から、現在地整備の場合と豊洲移転の場合とを比較した負担はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○大野管理部長 築地市場の現在地再整備を実施した場合、二十年以上の長期にわたるローリング工事の中で市場業者が営業を継続しなければならないため、営業車両と工事車両の錯綜による搬出入機能の低下や、これからの市場に不可欠な品質管理の高度化に対応した新たな施設を整備できないなど、市場業者の経営に深刻な影響を与えるおそれがございます。
また、市場使用料は、受益者負担の観点から、市場施設を専属的に使用し営業活動を行っている市場業者に負担を求めることとしており、東京都中央卸売市場のルールでは、使用料の対象となる経費は、用地費や基盤整備費等を除いた施設の建設費及び維持管理費としております。
このうち、使用料に大きく反映されます施設の建設費で比較いたしますと、現在地再整備は三千億円、移転整備は九百九十億円と大きな差が生じます。
したがいまして、現在地再整備を行った場合の市場業者の負担は、豊洲移転と比べると極めて重いものになると見込まれております。
○上野委員 以上、これまで、土壌汚染問題を中心に聞いてまいりましたけれども、代表質問でも述べましたように、我が党は、築地問題特別調査チームというのを立ち上げまして、再検討に着手しているわけでございます。
現時点での現在地再整備及び豊洲移転の必要性につきまして、その是非が議論されている今、私は、都におきましても再度、土壌汚染対策費等の財政面の問題とか市場業者の負担の問題、そして何よりも都民の不信と不安の払拭など、原点に立ち返って慎重に検証、検討を重ねて、都議会に説明することを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十四分休憩
午後二時五十八分開議
○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小竹委員 食の安全をめぐって大変大きな問題だというふうに思いますが、私は、豊洲移転について、初めに、豊洲移転にかかわる東京都の姿勢についてお伺いします。
そもそも現在地再整備で合意されていた築地市場の再整備計画を豊洲に変更したのは石原知事であったことは、知事が知事選挙当選直前の一月に、市場長が業界六団体に対して、引き続き現在地再整備を中心に検討していくという回答をしていたこと、それから、豊洲移転は、その後の九月に知事が築地を突然視察したことから動き出して、その二カ月後に築地市場再整備推進協議会が、移転整備へと方向転換をすべきという取りまとめを発表した、こういうことになったことでも明白です。
方向転換は二つの重大な問題を含んでいます。一つは、築地市場の現在地再整備の旗を投げ捨てたこと。二つ目には、移転予定地に選ばれた豊洲が、かつて東洋一といわれたガス精製工場の跡地であり、東京ガスが、都の譲渡を求める要請に対して、基本的には受け入れがたいと回答し、土壌改良についても、大変な改善費用を要するといって、当時でも深刻な土壌汚染があったことが、この東京ガスの回答でも明らかになっています。
そして、その後の土壌汚染に対する都の態度は、汚染の実態と影響をできる限り低く見せて、移転の障害にならないようにするというものでした。しかし、経過は、都のこのもくろみが、関係者の取り組みと都民世論によってことごとく失敗に追い込まれたことを示しています。
ここに、経過がわかるようにパネルを用意しました。
まず、一九九八年から九年にかけて行われた東京ガスによる調査です。三十メートルメッシュで不十分なものであるわけですが、先ほども議論がありましたけれども、その調査によって、発がん性物質であるベンゼンは環境基準の千五百倍、青酸カリの成分になるシアン化合物は四百九十倍が検出されています。このパネルには書いていませんけれども、高濃度の砒素や水銀も検出されています。
これに対して、中央区は、市場とは相入れない、土壌汚染の問題などに対して合理性のある見解が示されていないとコメントするなど、関係者から批判が高まっています。にもかかわらず知事は豊洲移転を決定したんです。その後、東京ガスは環境確保条例に基づく土壌改良を実施しましたけれども、中央区は、懸念や不安は全面的に払拭されていないと疑問と批判を投げかけています。
東京都はこれに対して、東京ガスは環境確保条例に定める土壌汚染対策処理の基準の十倍を超える土壌汚染について、すべて処理基準となるように処理をするし、それ以下の土壌についても覆土するからといって、事実上の安全宣言を当時行ってきたわけです。そして、豊洲移転を本格化させました。
そこで伺いますけれども、都は、現時点に立って、この事実上の安全宣言をどのように考えておられますか。お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社は、平成十年、十一年に土壌汚染状況調査を実施し、平成十三年一月には調査結果や汚染対策を公表しました。これは、東京ガス株式会社が自主的に行ったものであります。
平成十三年十月には、東京都環境確保条例が施行されたことを受け、東京ガス株式会社は、同条例に基づき、平成十四年六月、土地利用の履歴等調査届け出書、同年十月、土壌汚染状況調査報告書、同年十一月、汚染拡散防止計画書を提出し、平成十七年九月には、再度、汚染拡散防止計画書を提出しております。平成十九年三月、汚染土壌対策工事を完了したことにより、同年四月、汚染拡散防止措置完了届け出書を提出し、条例に基づく手続を完了しております。
このように、東京ガスが行った調査、対策は、当時の指針や条例に基づくもので、適切なものだと認識しております。
○小竹委員 私は、東京ガスの調査が現時点に立ってどうだったのかということを伺ったわけですが、そのことについてのお答えはなかったわけです。
昨年まで、私もこの委員会で問題にしましたけれども、昨年の予算特別委員会では、環境局長が、この計画が確実に実施された暁には、法律や条例が求める安全を十分確保できる、こう宣言できる状況になったということで、調査しないというふうに答えているんですよ。だから、詳細調査というのが今やられて、四万三千倍のベンゼンと八百六十倍のシアン化合物が検出されている現段階でどう考えるのかという点なんですよ、問題は。
市場を考える会の皆さんや都民が問題にしなければ、今のような調査はやらないで着工していた可能性もあるわけですから、もう一度お答えいただきたいんですが、きちんと市場の関係者や都民に対して、現段階で間違っていたということをきちんと謝罪すべきだというふうに私は思うんですが、いかがですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガスが行いました調査及び対策についてでございます。
今ご答弁させていただきましたように、当時の国の指針及び東京都環境確保条例に基づき、適正なものであります。対策の内容を考えますれば、地下水の飲用がない。東京ガスは、高濃度の物質を取り、さらに、工場旧地盤面から下二メーターは操業由来の物質を取る、それから覆土しております。こういった対策は、現時点の土壌汚染対策法と比較しても手厚いものと考えております。
○小竹委員 間違っていなかったといういい方をされるわけですけれども、私は、さっきいったように、去年の段階のような状況で着工していたら大変な問題になっていたということを感じるんです。
現実に都民はだまされなかったわけですよ。昨年の知事選挙で、都民世論が高まっていく中で豊洲移転の問題が大争点になって、石原知事を除く主要な候補者はすべて移転反対を掲げて、マスコミでも連日報道されるようになりました。この世論に押されて、石原知事は都による再調査を公約せざるを得なかったわけです。まさに都民の世論が都政を動かした中身なんですよ。
ところが、その後、石原知事が行った専門家会議の調査は、土壌汚染対策法を無視して、東京ガスと同じ三十メートルメッシュで、東京ガスの足りない部分だけやるということでやった結果、その不十分な調査でも、結果は都民に驚きを与えたわけです。地下水から一千倍のベンゼンが検出される、東京ガスが土壌対策で実施した無害化されたところからも高濃度の汚染が検出される、こういう状況になり、これは、地下水の汚染が深刻であることや、地下水が地中を移動していることから再汚染するということを示している。
このいい分は、またもや、土壌汚染対策法に基づく対策をとるから大丈夫だという東京都の見解だったわけですが、現時点に立って、やっぱり都のいい分は間違っていた、私はそういうふうに思えるわけですが、この点はどうなんですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 今ご答弁させていただきましたように、東京ガスが平成十年、十一年にかけて調査をしました。そういった調査の内容及び、今ご説明させていただきました対策については、当時の基準、条例に基づくものであり、内容についても手厚いものだと認識しております。
また、現在、昨年の五月から、専門家会議、四名の方で、今後東京都がとるべき対策を検討していただいています。各委員の四名の方はそれぞれ、有害物質、水質、土質、環境保健で日本最高の知識と経験を有している皆さんであります。さらに、人への健康被害の防止、食の安全・安心、そういった観点から検討をしていただきまして、去る五月三十一日に、今後とるべき対策の方向性を示していただいております。
○小竹委員 本当に同じことの繰り返しで、現時点に立っても、なおかつ都のいい分はそのままだということなんですが、そういう態度だから、都民の批判が大きくなっているわけですよ。
それで、ようやくことしに入って、あれだけの汚染があったから、十メートルメッシュの調査が行われるようになったわけですよ。で、今回の調査でまた、都民に対して衝撃を与えるような結果が出てしまったわけですね。四万三千倍のベンゼンと八百六十倍のシアン化合物で汚染されていたという状況が明らかになったわけです。
知事は、四万三千倍が出たといっても一カ所だと。先ほどから議論がありましたけれども、一カ所にすぎないということを強調しています。これは、汚染を少なく見せるいいわけにしか私は受け取れません。
汚染物質は合計千四百七十五カ所から見つかっていて、その中には、地下水の中から一万倍のベンゼンも見つかっているんですよ。市場長は、四万三千倍の場所は一カ所だから、大して問題ないと考えているんですか。問題があるというふうに考えているんだったら、知事の発言を撤回させるべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○比留間中央卸売市場長 今回の詳細調査、四千百二十二カ所の結果については、先ほど来ご説明申し上げておりますけれども、四万三千倍という高濃度が出たのは土壌で一カ所、それから一万倍の地下水も一カ所、さらには、千倍を超える箇所が十三カ所ありますけれども、そのうち十二カ所が、ある特定の、昔、東京ガスの操業時に空き地だった部分、そこに集中しているわけでございます。
したがいまして、この汚染の状況は極めて限定的、しかも高濃度の部分は範囲が限られているというふうに認識しております。
○小竹委員 ということは、問題がないというふうにおっしゃるわけですか。極めて局所的な汚染ということで考えているわけですか。
○比留間中央卸売市場長 問題があるかどうかという観点ではなくて、対策ができるかどうかということが極めて重要だと思います。
専門家会議、この四千百二十二カ所の調査の結果をつぶさに分析いたしまして、対策は十分に可能である、これについては、食の安全・安心を相当高次のレベルで確保するだけの対策は十分可能であるというふうに見解を表明しておりますし、私もそのように考えております。
○小竹委員 東京ガスのタールによる汚染というのは、どこで固まっているかわからないんですよ。細かい汚染物質が無数に広がっている、こういう現状もあるわけですよ。あの詳細調査の中にだって何カ所かそれが見受けられるわけで、今回の調査でも、調査区域は、百平方メートルの中に一カ所ですよね。一カ所の太さは十センチですから、実際の調査は、確率は一万分の一の粗いものなんですよ。そういう意味でいったら、今、詳細調査のさらに下のところもやっているわけですけれども、同じような高濃度汚染が広がっている可能性だってないということはいえないんじゃないですか。
今、この間の経過をいってきましたけれども、これからいえることは、東京都が一貫して豊洲の土壌汚染について、都民の食の安全にかかわる大事な問題というふうな受けとめをせずに、小手先の対策で済まそうとしてきた。市場を考える会の皆さんを初めとする市場関係者や都民が警鐘を鳴らし、マスコミの報道とも相まって、嫌がる知事を追い詰めてきた、こういう結果なんですよ。
最近に至って、石原知事は記者会見で、他の場所の検討の必要性もにおわせたりしていますし、先日の私の代表質問に対しても、代案を含め、当面の移転を進めると、豊洲以外の場所も視野に入れざるを得ない、こういう状況もにおわせる状況になってきています。都民の批判をかわそうというところまで追い詰められてきている状況です。
市場長は、今では議会でも、自民党以外は再検討を口にせざるを得ない状況になっているわけですが、このことをどう受けとめているんでしょうか。
○比留間中央卸売市場長 前段で触れた点についてちょっと説明をさせていただきますと、四千百二十二カ所で、旧地盤面から五十センチ下の土と、さらにその下で地下水を採取して調査をしております。
この基本的な考え方ですが、確かにボーリングの太さというのは、大体直径はこのぐらいで、百平米にそれを一カ所で、じゃあ見つけられるのかという小竹委員のお話でしたけれども、専門家会議の考え方は、汚染物質は水に溶ける。特に揮発性の物質は水に溶ける。ボーリングの場合は、確かに直径十センチぐらいの径ですから、それをポイントで当てるのは、土を探し出すのは、これはなかなか難しいかもしれないけれども、揮発性の物質については水に溶けやすい。したがって、その下の水を調査すれば、物質がそこで拡散しているはずですから、汚染物質は、地下水を調査することによって、その百平米の範囲の汚染状況についてはかなりの確度で把握することができる。
ですから、必ずしも、ポイントで探す、百平米に一カ所のポイントという考え方ではなくて、その下の地下水の広がりをもって汚染の状況を把握するというのが専門家会議の考え方でございまして、これが、現在の日本の汚染物質の調査に対する恐らく最高の知見だろうというふうに考えております。
再検討をという声が強いというご指摘でございましたけれども、現在まだ検討中でございます。専門家会議も、絞り込み調査が恐らく六月の末には全部出そろうだろうということで、七月に専門家会議を開きまして最終の提言を取りまとめていく。東京都としては、その提言を踏まえて、具体的な対策の内容あるいは経費、工期、そういう都としての具体的な内容を取りまとめていくというふうに考えておりますので、現在はまだ、ある意味で検討の過程ということでご理解いただければと思います。
○小竹委員 地下水の汚染はもっと深刻なんですよ。流れている地下水の中で相当汚染されているじゃないですか。一万倍は一カ所かもしれないけれども、高いですよ。だから、そういう点でいったら決して安全じゃないんですよ。地下水は流れて、きょうはここで出たかもしれないけれども、次は反対のところで出るということだってあるわけです。その地下水の流れだって調査していないじゃないですか。
そういう点でいっても、安全性という点でいえば、これだけ汚染されたところで本当に安全なのかというのをやっぱりきちんと検討していく必要があるということは申し添えておきます。
今、豊洲の移転を考える上で大問題になっているのが、地下水の問題であり、有楽町層の問題です。
先ほども議論がありましたから、若干はしょりますけれども、都の主張は、有楽町層は水を通さない不透水層だから、その下は安全であり、有楽町層の上を対策すれば安全は確保できると従来いってきました。この理屈は、有楽町層が本当に水を通さない層であるのか、また、そこが工事などで毀損されていないことが前提にならなければなりません。
しかし、現実は違います。不透水層についていえば、専門家の方々は口をそろえて、有楽町層は確かに水を通しにくい地層だけれども、全く水を通さないものではない。土壌汚染対策法でいう不透水層に当たるところもあるかもしれないけれども、大部分は水や砂を含んでいたり、厚さも不均等で、薄いところもある。これを、全体的に水を通さないかのようにいうのは間違いだと指摘しています。
今回、私がやった我が党の代表質問の答弁では、都もさすがにこれまでのいい方を続けることができなくて、水を通しにくい、汚染の可能性は低いと、事実上、有楽町層が水を通し、汚染の可能性もあることを認めるに至ったというふうに考えられます。ならば、私は、有楽町層の下を調査すべきだというふうに思うんですが、この点はいかがですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の不透水層である有楽町層の遮水性は、土壌汚染対策法が定める不透水層の基準に対して約三十倍となっており、極めて水を通しにくいと認識しております。
さらに、この遮水性の場合、法で定める基準で算出すると、不透水層としては約十八センチの厚さで十分でありますが、実際は約二メーターから二十メーターの厚さがあり、遮水の効果は高いと考えております。
また、関東地方の地層や地質に詳しい委員からも、豊洲新市場予定地で不透水層を形成している粘土層は水を通しにくく、汚染の可能性は低いことから、ボーリングにより粘土層を打ち抜き、下部に汚染を拡大させるべきではないとの意見をいただいております。
○小竹委員 私が聞いているのは、調査すべきじゃないかということを提起しているわけですから、それにまともにお答えいただきたいというふうに思います。
その三十倍の値だって、本当に全部のところがそういう状況なのかというのも問題があるわけですよ。今回の詳細調査に基づく柱状図も出していただいて、私も見たんですけれども、水を含んでいて、砂の層もあるわけで、そういうところが通らないはずないですし、専門家の人たちもそのことをおっしゃっているわけですから、そういう点でいえば、きちんと調査すべきなんです。
ボーリングにより粘土層が破壊されることで汚染が拡大すると先ほどおっしゃいましたけれども、豊洲の地下の有楽町層は無傷だというんですか。大体、市場は、こういう都合の悪いことは隠しておこうとしていますけれども、豊洲では既に、有楽町層を打ち抜くボーリングやくいの工事が行われているんですよ。
この図面を見てください。これは、水道局が水道管を通すために地質調査を行ったボーリングの図面です。
これを見るとわかるように、市場の敷地のところに十本近い本数のボーリングが行われて、有楽町層を抜いているんです。このほかに、「ゆりかもめ」の工事でのボーリング調査が二十二本、そして、橋脚として二百五十本のくいが打たれている。こういう点では、有楽町層を打ち抜いていて、地中深く押し込まれているわけですから、もう既に汚染されているということじゃないですか。これでも有楽町層は安全だといえるんですか。お答えください。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地で不透水層を形成しております有楽町層は、粘土層でありまして、砂の層ではございません。また、そのような有楽町層の下を調査する考えもございません。
続きまして、「ゆりかもめ」、それから水道局の調査ですが、土壌ボーリング調査をしております。各事業者に確認したところ、「ゆりかもめ」の建設に伴うボーリング調査については、既にもう十年以上経過しており、調査時の記録は残っていない、そういうことでございます。
また、水道本管設置に伴うボーリング調査は、調査により生じたボーリング孔の中に、セメントミルク、セメントの流動化の高いものですが、それを流し込んで固めていると回答を得ております。したがって、汚染が広がっている可能性は少ないと考えております。
さらに、「ゆりかもめ」の橋脚が粘土層の中を通っております。粘土層自体、遮水性が高いとともに、非常に粘性の高い土でございます。粘性が高いことから、かつ、厚さも二メーターから二十メーターもあることから、くい周辺から水が漏れてくることはない、そういうふうに考えております。
○小竹委員 あくまでもやらないということですけれども、ボーリングするときに一緒に入っていくわけですから、それにくっついて汚染物質だって入っていくわけですよ。その管を固めたからといって、それで済むわけではないというふうに私は考えます。
水の問題、全部粘土層だとおっしゃいますけれども、皆さんが今回の詳細調査でやった柱状図を私も丹念に見させていただいたんだけれども、有楽町層といわれる層の中にも、水を含んでいたり、砂がある層があるんですよ。だから、そういう点でいったら、汚染物質が下へ、浸透する時間は上とは違うかもしれないけれども、浸透していくということはいえるわけで、しかも、ほかの土壌汚染のところの実態調査を見ても、有楽町層といわれる粘土層の下にまで汚染が広がっているのは、ほかのところの実態でも明らかになっているわけですから、きちんと再調査をしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。
日本環境学会の専門家の先生方もこれを批判しておられるわけで、なぜこういう声を真摯に聞こうとしないのか、私は本当に納得いきません。余りにも不遜だというふうに思います。何が何でも豊洲移転を強行するために批判意見に耳を傾けようとしない、こういう点でいうと、食の安全を守るべき市場の管理者として、私は恥ずかしいというふうに思います。この点について見解を求めます。
○越智新市場担当部長 築地市場の整備につきましては、昭和四十年代後半から、東京都と市場業者の間で、大井地区への一部機能分散、現在地での再整備、移転整備とさまざまな議論を積み重ねてまいりました。
現在地再整備につきましては、平成三年から工事に着手しましたが、営業を続けながらの工事であるということから、種地がない中で工事が中断した経緯がございます。
また、移転整備につきましても、市場業者との協議を踏まえまして、学識経験者等を加えた審議会におきまして、複数の候補地を挙げて慎重に比較検討を行ってまいりました。
このような経緯を経まして、豊洲新市場予定地への移転以外に選択肢はないと結論が出されたものでございます。
今後、専門家会議は七月に提言をまとめる予定でございます。都としては、この提言を踏まえまして、食の安全と都民や市場業者の安全を最優先にした対策を検討し、早期に具体的な土壌汚染対策や必要となる経費、工期を明らかにしてまいります。
○小竹委員 本当にここまで汚染が広がっている状況の中で、市場の管理者として無責任であり、市場の管理者としての資格に欠けると私はいわざるを得ません。重ねて、東京ガスへの問い合わせ、そして、有楽町層以下の調査を求めておきます。
次に、私は、なぜ東京ガスの工場跡地からこれだけ高濃度の有害物質が検出されるのかという問題について質問をしたいというふうに思います。
この問題では、私どもは、工場操業当時、現場で働いていた複数の労働者の方々から詳しく話を伺いました。四万三千倍のベンゼンが検出された六街区のあたりでタールやスラッジの処理を行っていたという証言を得て、議会でただしてきました。
今議会の代表質問で、改めて、四万三千倍のベンゼンが検出された場所は、地面の上で、直接おがくずを敷いて、タールを流し込んで、まぜる作業を行っていたという事実を示してただしたわけですけれども、市場長は、東京ガスに照会したところ、タールスラッジを地面の上で直接木くずとまぜる作業をしたという話は聞いていないと回答があったと答弁されました。
改めて伺いますけれども、東京ガスの回答は、私が明らかにした労働者の証言を受けて、東京ガスが関係する労働者に改めて問い合わせたものなのかどうか伺います。
○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社に照会したところ、同社が当時の従業員に実施した調査では、ガス製造過程で発生したタールスラッジを地面の上で直接木くずとまぜる作業をしたという話は聞いていないとの回答を得ております。
東京ガスに係る照会について、再三再四照会しておりまして、専門家会議、五月十九日に開催されましたが、その前にも照会しております。
○小竹委員 じゃ、私が問題を提起した、こういう証言があったと提起した後、東京ガスに確認したわけじゃないわけですね。その点、どうですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 専門家会議の委員の皆さんから、汚染状況を調査検討する上で、土地利用の沿革を知る人がやっぱり重要だということを受けまして、専門家会議が始まった早々から、東京ガスには土地利用の沿革を照会しております。
○小竹委員 ということは、要するに、私が提起した段階で改めて確認したということではないということですよね。
東京ガスの回答は、以前、専門家会議に提出されたものにすぎないわけですよ。それは、タール及びタールスラッジを入れたドラム缶が一時仮置きされたということ、それから、ドラム缶の腐食によってタール及びタールスラッジが地中に浸透したものと考えられるという答えだったわけですね。
私は、それ自体がおかしいと思ったんですよ。それで、再度、現場で働いた労働者の方々に集まっていただいて、東京ガスの回答を見てもらって、検討してもらったわけです。その結果が、第一に、ドラム缶はあったけれども、機械の部品などを入れてあったものだし、もしタールを入れて運ぶというのだったら、密封されていなければならないけれども、実際にはあけられるようになっていた。第二に、タールスラッジは、おがくずを地面に直接敷いてタールスラッジを流し込んで、まぜ合わせて運んでいたということをいわれたわけですね。
だから、代表質問で改めて質問したんです。四万三千倍ものベンゼンが検出された場所こそが、東京ガスが地面の上でタールスラッジを処理していたところなんですよ。おがくずが十メートル四方のプールみたいになって、そこにタールスラッジを流し込んで処理をした、こういう状況なわけですから、そんなに局部的なものじゃないんですよね。東京ガスに本当に確かめもせずに答弁するというのは、私は許されないというふうに思います。
一事が万事、安全そっちのけという感じを持ちます。何としても豊洲移転を進めようという立場しかないといっても過言ではないと思います。違うというんだったら、都の責任において、直接労働者に事実をただすべきではありませんか。どうですか。
○宮良新市場建設調整担当部長 ただいまご答弁させていただきましたように、東京ガスに対しましては、数回にわたり土地の利用状況を照会しております。今、委員からお話がありました、地面で直接木くずにタールをかけてというお話は、そういった作業をしたという話は聞いてない、そういうふうに回答をいただいております。
○小竹委員 そういう意味でいえば、あの当時、まだ土壌汚染って、そんなに深刻な問題の認識というのが企業側だってなかったから、そういうことが起きていたというのを労働者の方々がいっているわけだから、私たちが参考人招致を提案したのは、そういうことも含んでいるわけですよ。現にやっていた人たちの証言というのは、私は重大だというふうに思うんですね。だから、それを聞こうともしない、こういう態度は私は絶対に許せないというふうに思います。このことは強く指摘をしておきます。
今、豊洲への移転の危険と無謀さが明らかになるにつれ、移転への疑問と批判の声が大きく膨らんできています。にもかかわらず市場は豊洲移転にこだわり続け、最後のよりどころとして業者団体の要請を挙げ、代表質問の答弁で、築地市場の大多数の団体の連名で、築地での再整備は不可能といわざるを得ず、土壌汚染対策に万全を期し、豊洲移転を早期に進めてほしいという要請が出されていることを引き合いに出して、現在地再整備は不可能であると市場長は答弁されました。その前の、代案も含め、当面の移転を進めるという石原知事の答弁とは明らかに食い違っています。
市場長に伺いますが、知事は間違った答弁をしたんですか。この点、どうでしょう。
○比留間中央卸売市場長 今のご質問について、今議会の知事の答弁で、代案も含めという答弁は申し上げてないというふうに思いますが。
○小竹委員 答弁書に知事は独自につけ加えられたんですよ。それはビデオでも映っていますから、きちんと確認してください。
築地市場の大多数の団体が豊洲移転推進といいますけれども、本当に業者の皆さんの声を代表しているのか、私は本当に疑問に感じています。この団体の皆さん、議会各派に要請にも回ってこられました。実は私もそのときに要請をお受けしましたけれども、驚いたことに、団体の代表としていらした方の中に、東京都のOB、かつての市場長さんなども二人ほどおられました。
調べてみると、見えていた東京都水産物卸売業者協会の専務理事の方は、元市場の部長さんの小山利夫さん、同じく築地市場青果連合事業協会の専務理事の方は、元市場長の田中英雄さんです。いずれも築地の業者団体を束ねる主要な団体です。これ以外にも築地市場関連事業者等協議会には、ことし三月、前任の都のOBの方が退職されるまで、ずっとOBが会長を務めていたのを初め、中央市場青果卸売会社協会、中央卸売市場環境整備協会、中央卸売市場倉庫利用協議会、築地市場関連事業者等協議会など、知事が豊洲移転を決める以前から大量のOBが天下っていたんです。
業者が豊洲移転を望んでいるといいますけれども、実際のところは、都が市場管理者としての立場を利用し、都のOBを動かし、力ずくで押さえ込んでいるのではないかという声も高まっているんですよ。どうなんですか、この点。お答えください。
○越智新市場担当部長 築地市場の業界団体には六団体ございまして、一つが水産物卸売業者協会でございます。これは水産物の卸会社七社の社長さんが組織しておりまして、今、築地市場の卸売会社の社長が会長をしております。それと、もう一つ、買参の協同組合がございますが、これはやはり会長は買参の業者の代表の方が組合の会長をしております。それから買出人連合会、これは小売の魚屋さんとか、そういう方たちが入って、一万人近く加盟者がいるわけでございますが、この会長さんも魚の小売の業者でございます。青果連合事業協会につきましても、これは青果の仲卸と卸の会社、それと仲卸の業者と買参が入っておりますが、会長はやはり仲卸の会長でございまして、当日、要請書をお持ちしたのは、水産物卸売業者協会の会長さんが見えているはずでございます。いろいろ都合がつかずに、それぞれその代表の方がお見えになってないので、代理として出席した事務方もおります。
今回の要請書につきましては、業界の中で十分話し合いがされまして、業界の意思として、これまでの経緯を踏まえて豊洲移転を早期に進めてほしいという業界の切実な要求だというふうに認識しておりまして、小竹委員のおっしゃるように、東京都が誘導したとかいったことは一切ございません。
○小竹委員 私は到底そう思えないんですよね。確かに団体の会長さんは業者の方ですけれども、現実にこれだけ多くの都のOBの方が業界の中にいるという点でも、私は関係ないとはいえないというふうに思います。自主的にやっていたというのであれば、なぜ市場のOBがわざわざ同行しなければならないのか、本当に疑問です。私は、その要請が業者の皆さんの現場の声だというふうには思えない状況です。
業者の実際のところの声は移転をやめてほしいというものですし、昨年、青果と水産の仲卸業者のアンケート調査、考える会と労働組合が実施したアンケート調査では、いずれも七割から八割の業者が築地での再整備を要望しています。なぜこの声に耳を傾けようとしないんですか。アンケート調査が納得できないというんだったら、きちんと都の方が直接業者に対してアンケート調査をやるべきじゃないんですか。その点、いかがですか。
○越智新市場担当部長 築地市場の移転につきましては、これまで関係業者の団体と協議を積み重ねてきておりまして、業界の団体の代表者の方といろいろ調整をしてきて、協議を重ねて、豊洲新市場への移転ということで基本設計をつくるまでに至っている状況でございます。
先ほどお話しいたしましたように、アンケート調査の結果については承知しておりますが、アンケートの実施方法とか実施主体等によって調査結果はいろいろ変わってまいりますので、仲卸業者全体の意見を反映しているかどうか、確たることは申せません。
今、水産仲卸業者の役員会は、築地市場の移転について具体的に要求も出してございます。豊洲新市場の建設に当たって、仲卸業者の利益になるような形での要望もいろいろと出ている状況もございますので、私どもとしては、仲卸業者の全体が移転に反対しているということは決して認識してございません。
○小竹委員 現時点での調査、やってないですよね、この間ずっと。これだけ汚染が問題になって、食の安全が心配される状況になっているわけだから、きちんと都の方が関係者に意見を聞くというか、アンケート調査をきちんとやるべきなんですよ。利害関係者の意見をきちんと聞くというのは民主主義のイロハじゃないですか。
豊洲移転の道理のなさが公になる中で、業界も地元も中央区も挙げて反対、そして、都民からも疑問と批判の声が急速に広がっています。知事もニュアンスを変えてきています。
マスコミも、毎日新聞ですが、五月二十三日の社説では、都は、築地市場の跡地を一六年に立候補している東京オリンピックのメディアセンターに利用する方針だが、土壌汚染対策が大幅におくれることが確実で、それも危うい。それならば、豊洲移転を一たん白紙にすること。決断は早い方がいい。おくれればおくれるほど状況は悪化すると指摘しています。
また、東京新聞は、五月二十六日の社説で、白紙に戻すというのも選択肢の一つだろうとした上で、役所の仕事は、当初の計画を変更することがほとんどなく、結果として税金を余分に使われる。新銀行と同じ轍を踏むべきではないと明確に述べています。
最後に、市場が潔く豊洲移転を断念し、築地再整備に立ち返ることを求めて、質問を終わります。
○大西委員 築地の豊洲新市場予定地への移転について、私の方も何点か確認させていただきます。
この問題は、昭和三十七年、一九六二年に検討が開始されて、四十六年ほどたっているわけなんですけれども、私どもとしましても、市場での徹底的な衛生管理を求める状況、そして、今やそれだけではなく、CO2削減の対策等、環境対策、地球温暖化対策等も求めるに当たって、常に、現状の築地では狭隘ですのでということで、その対策が求められなかったという状況もあって、限界なんだろうということで、移転はやむなしという立場で来ましたが、移転先の豊洲の深刻な汚染状況が次々明らかになっていく中で、やはり再考せざるを得ないという立場でいます。
そういう中で伺いたいんですが、平成十一年、築地の現状での再整備は難しいということで、移転の方向に意見が集約されて、幾つかの候補地が出てきましたよね。その候補地がすべてどういう結果でだめになり、豊洲というところに落ちついたのか、改めて伺います。
○越智新市場担当部長 移転を決定した当時の検討におきまして、築地市場は二十一世紀の中核を担う市場であるとともに、都心に集積する飲食店、小売店の仕入れの場でもあるということから、築地市場の移転先の条件といたしまして、一つは、広い駐車場や荷さばきスペースを配置できる約四十ヘクタールのまとまった用地が確保できること、二つは、大消費地である都心部の周辺で交通条件の良好な位置にあること、三つ目は、築地がこれまで築き上げた商圏に近く、機能、経営面で継続性が保てる位置にあることなどが必要とされました。
この条件で、晴海地区、有明北地区など五地区の比較検討を行った結果、豊洲地区以外で条件を満たす場所はございませんでした。
○大西委員 この中で、四十ヘクタールという非常に広い敷地にこだわらなければならない状況とか、商圏という一つの固まりというもの、それは理解できるんですけれども、この時点で二十一世紀の中核を担う市場という検討をされておりますけれども、この間、非常に市場をめぐる状況というのもいろいろ変化があるんじゃないかと思っております。そういう意味では、Eマートといいますか、市場外流通が次々と、直接に取引をするということもどんどん行われているわけですし、それから、二〇一五年には東京都の人口も減少するというような予測が立てられる中で、改めて市場として、市場のあり方をどのように位置づけていらっしゃるのか伺います。
○越智新市場担当部長 これからの新市場につきましては、先ほど委員の方からお話がございましたように、取扱量の減少とか市場経由率の低下といったような状況の中で、卸売市場をいかに活性化していくかということが非常に重要でございます。そのためには、さまざまな買い出し人、量販店、それから小売、零細な小売の買い出し人とか、加工業者とか、さまざまな買い出し人の業態がございますので、そういう業態の方が買い出しやすいような施設をつくっていくことが重要というように考えてございます。
そういう点では、これから、閉鎖型施設などの品質管理の徹底を図る施設だとか、荷さばきスペースの広い面積が確保できるとか、それから、駐車場も面積を大きくして、物流の効率化につながるような必要があるといったようなことで、少なくともこれからの市場は四十ヘクタール程度のものがなければ、こういった機能を果たしていくことができないというふうに考えてございます。
この四十ヘクタールでございますけれども、大田市場と取扱量や車両台数をもとに比較いたしましても、妥当な面積となっております。大田市場も既に過密になってございますので、そういう点ではこの広さは決して過大ではないというふうに考えてございます。
○大西委員 今の立場からすると、市場をいかに活性化していくかということをメーンにお答えになるのは無理ないかなと思うんですけれども、取扱量からいうと、いただいた資料からいうと、最初に検討された昭和三十七年の取扱量と現時点では、ピークは終わり、ちょっと横ばいになっています。それから、今後人口が減少していく中で、どのようになるのかということを考えなければならないわけですし、もう一つ、公的な市場のあり方というものも、いろいろなところで検討されたりして、その方向を変えている自治体もあるわけなんですけれども、そういう意味で、市場としてのこれからの都民への役割というところで分析をしたことがおありですか、ということをちょっと伺いたい。
○比留間中央卸売市場長 これからの市場のあり方についてでございますけれども、大西副委員長おっしゃるように、確かにピークのときから市場全体の経由率が三割程度減少してございます。今、水産、青果とも市場を経由する率は六割強、花きで八割強というところでございます。この市場経由率が低下傾向にあるというのは、これは事実でありますけれども、ただ、流通環境がどのように変化をしたとしても、産地と消費者を総合的に結ぶ卸売市場の存在意義というのは失われることがないというふうに考えております。産地と直販で結ばれる直接仕入れといったような形態は、今の市場が果たしている役割を一〇〇%カバーできるものではないというふうに考えております。
したがいまして、中央卸売市場、全国でいろいろな試みがなされているというようなお話もありましたけれども、市場、市場の置かれたその状況の中で、私どもの中央卸売市場は、大都市の、消費地の市場でございますので、この立地条件を踏まえながら、産地側、消費側、両方のニーズにこたえられるような、そういう市場を目指していかなければならない。それが最終的には市場の活性化につながり、市場の経由率もある程度のところ回復が可能であろうというふうに考えております。
○大西委員 そういう中で、四十ヘクタールというものにこだわる余り、豊洲新市場予定地しかないというところになってしまっている、もう少し違った視点から考えるべきじゃないかというふうにも思っております。
そういう中で、私どもの一般質問の中でも、現状の中で、現段階で、本当に多額の--確かに専門家会議の中では、会場で傍聴していらした方の、本当に安全になれるのかという質問に対して、科学的にはそれは可能だと、ただ、とにかく費用にこだわらなければ、それは大丈夫だという回答がありました。
そういう意味では、それほどやって強行するのか。また、どこで安全宣言をして、豊洲に行くということを強行するのか。それから、近くの晴海を含めまして、そういうところの移転先を提示するのか。もう一つは、築地での再整備を行うのかという三つの選択肢かなと思っていましたけれども、それぞれが、八年後のオリンピックを見たときに、すべてオリンピックという大きなあれが立ちはだかっていますよね。豊洲への移転を強行するということであれば、対策、これから七月に出ますけれども、それに向けての期間が問題だということがマスコミでいわれておりますし、それから、晴海という近くであっても、これはメーンスタジアムが予定されている。築地だともうメディアセンターということで、オリンピックが大事なのか、市場が大事なのかというようなところに置かれている中で、市場としての危機管理を考えたときに、これはどうやって乗り越えていくんですか。単純に豊洲の汚染対策ということも含めて、乗り越えていくんですか。または、第四の道を何か今検討していらっしゃるんですかということを、単純な考えとして聞きたくなるんです。
○比留間中央卸売市場長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、専門家会議の提言がまだ七月でございます。それから、それに基づいて東京都として具体的な対策を取りまとめて、その中に、経費がどのぐらいかかるか、工期がどの程度かかるか、こういったものが含まれてくるわけですけれども、これについてはまだ現在進行形の状況でございます。
したがって、オリンピックの関係でのご質問というふうに理解いたしましたけれども、オリンピック招致本部と、この辺の我々の検討状況については逐次情報提供しながら、連絡を密にして、オリンピック招致に影響が生じないように、そういう対応をきちんととってまいります。
○大西委員 先ほど、それも含めて検討の過程という段階になるという答弁をいただきましたけれども、これは、今の豊洲の汚染状況を検討の段階という答弁なのか、それとも、先ほどいいましたように、他の選択肢も含めて、市場としての、どこに活路を見出すかということの検討段階なのか、どちらでしょうか。
○比留間中央卸売市場長 築地の再整備につきましては、これは現実的に不可能だというふうに考えております。市場業者からの要望書もございましたけれども、現実的にさまざまなシミュレーションをしてみても、現在地再整備ということは、これはもう無理だというふうに考えております。
それから、他の代替案、都内全域で今回再確認をしてみましたけれども、四十ヘクタールというまとまった土地というのは見出し得ない状況にございます。
したがいまして、現在、豊洲の土壌汚染の対策について、先ほどご答弁申し上げましたけれども、七月の提言を待って具体的な対策を取りまとめる、この検討の途上だということでございます。
○大西委員 今お聞きすると、そういう意味では、三つほど挙げたけれども、最終的にはやはり豊洲の新市場予定地への移転、どうもそこに視野があるということを答えとしていただいたわけです。ならば、本当に安全であるのかどうなのかということを、やはり都民はしっかり納得する必要があります。七月の提案は、あくまでも科学的知見であって、その知見を受けて、どういうふうに判断をするのかということ、ある意味、都民のコンセンサスをどう得ていくのかということが今後重要な課題になってくるわけですけれども、それはどのようになさるおつもりでしょうか。
○越智新市場担当部長 専門家会議の提言、七月に予定されておりますが、この内容につきまして、これから都民に理解を求めていくということは大変重要なことだと認識してございまして、提言のポイントとか、委員の主な意見などを概要版としてまとめるとともに、わかりやすいパンフレットとか、これからの疑問にお答えする問答集などを作成して、広報紙やホームページなどを活用しながら、積極的に情報提供してまいりたいというふうに考えています。
また、新聞、テレビなどによる報道は非常に影響力が大きいということがございます。都民に幅広く、かつ迅速に情報が伝わるということがございますので、わかりやすく平易な言葉で、報道関係者に提言内容や豊洲移転の必要性などを伝えて、なるべく多くの都民の方に正確な知識と理解を深めていきたい。
また、この提言を踏まえた東京都の対策を取りまとめるわけでございますけれども、これにつきましても同様に、都民や市場関係者にきちんと理解できるような具体的な説明方法を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○大西委員 あらゆる手段を使って、わかりやすくということをおっしゃってくださったんですけれども、本当に科学的な分野なので、なかなか私たちも、いわれたことに対して理解するということが非常に難しいわけです。そういう意味では、都民にとりましては、それこそ違う視点の科学者、専門家の方たちの意見交換を行うということは、わかりやすいという意味では、これほどわかりやすいことはないと思っているんですけれども、本当にもうここまで来たわけですから、意見の違う人たちとか、そういうものを含めた専門家のシンポジウムとかいうものをドーンと打ち上げるような考えはないんでしょうか。
○越智新市場担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、都民に対しまして提言の内容をきちんと理解していただくということが大変重要でございますので、いろいろな媒体、メディアを使いまして、積極的にこの情報を正確に伝えていくということを考えてございます。
○大西委員 食の安全という視点からいいますと、急性に症状が出てくるものと、長期にわたって影響が出てくるという、これがなかなか厄介なんですけれども、その二つを両方にらみながらやらなければいけないので、本当に慎重にやってほしいという思いがあります。
そういう中では、先ほど申し上げましたように、やっぱり私どもは--もう一回戻りまして、オリンピックを視野にということをいいましたけれども、やっぱり市場として、危機管理という立場から、複数の案をどこかに持っておかなければいけない。オリンピックが今、どんどんどんどんこうやりたい、ああやりたいといってくる中で、いや、こここそは守らなきゃいけないというようなことでもちゃんと提言をしてほしいんですけれども、それは大丈夫でしょうか。
○比留間中央卸売市場長 築地市場の移転の問題を考えるに当たりまして一番重要なことは、食の安全・安心の確保だというふうに考えております。
○大西委員 だから、どうなんでしょうかということなんですが。
○比留間中央卸売市場長 これは先ほども答弁申し上げましたとおりで、中央卸売市場として移転を考える上で一番重要なのは食の安全・安心の確保でございまして、オリンピックとの関係につきましては、現在まだ市場の豊洲の土壌汚染の対策が検討中でございますので、この辺の必要な情報を随時オリンピック招致本部に提供しながら、オリンピック招致に影響が出ないように、連携してきちんと対応していきたいというふうに考えております。
○大西委員 オリンピックはいっときのイベントですけれども、市場はずっと影響します。それから、やはりそれにつれての文化圏、商圏というところは本当に重要にしなきゃいけないと私も思っておりますので、ぜひ食の安全というものを第一に、市場としての役目を忘れないように取り組んでいただきたいということを再度お願いしておきたいと思います。
そのためには、何度も申し上げましたけれども、今の方向を見ていると、やはりどうしてもオリンピックがちらちらするために、その対策をカットしたり、安易な方向にだけは持っていかないということをお約束していただきたいと思います。
○比留間中央卸売市場長 今回、専門家会議で五月三十一日に出された、これからの対策の方向でございますけれども、科学的な面の安全性というのはもちろんでございますけれども、多くの都民の方、それから市場業界の方に安心いただけるような内容にまで踏み込んで、今回方針をまとめていただいたというふうに考えておりますし、専門家会議のメンバーの方もそのようにおっしゃっています。
したがいまして、これから具体的な対策を取りまとめるに当たりましては、七月に出されます専門家会議の提言を十分踏まえまして検討をしてまいります。
○大西委員 まだ本当に途中なので、なかなかこれ以上の質問がちょっとつくり出せなかったんですけれども、何よりもやはりいろいろな選択肢を含めた中で、本当に大事なものは食の安全というところで考えていただきたいということを要望しておきます。
○神林委員 六人目となりますと、前の方々との質問でいろいろダブる部分があるので、特に土壌汚染問題につきましては、かなりの方から出ましたので、この辺は大幅にカットさせていただきたいと思っております。
まず初めに、少し長くなりますけれども、築地市場の移転問題についての背景や意見を申し上げさせていただきます。
今、卸売市場は大きな岐路に立たされております。消費段階では、ライフスタイルが大きく変化し、総菜や冷凍、加工品などの需要が大きく伸長する一方で、流通段階では、コールドチェーンと呼ばれ、鮮度維持が途切れることのない商品管理の徹底が要請され、小売側でも、スーパーなど量販店から、商品の特性に応じたきめ細かな品質管理が強く求められております。
このように卸売市場をめぐる環境は大きく変化しておりますが、築地市場は、狭隘化し、施設が老朽化しているため、そうした新たなニーズにこたえることができず、取扱量は昭和六十二年をピークに減少を続け、平成十八年ではピーク時の七割弱まで落ち込んでおります。豊洲新市場予定地への移転整備計画は、まさしくこのようなことが背景にございます。
本年五月二十七日に、築地市場の大多数を占める団体から、都知事及び議会に対して豊洲新市場予定地移転推進に係る要望書が提出されたのも、築地の将来を憂う多くの市場関係業者の危機意識のあらわれにほかなりません。
しかし、土壌汚染問題を機に事態は混沌としてきております。この問題がマスコミに大々的に取り上げられ、一千三百億円ともいわれる巨額の対策経費が必要となると報じられております。もちろん都としての対策、必要な経費は今後具体的に取りまとめられる予定でありますが、専門家会議で議論されている対策の方向がかなり手厚いものであることから、対策経費は当初の六百七十億円を大幅に上回ることが推察されます。
私は、食の安全・安心を確保していく上で必要な対策を講じることは当然であり、ただいま申し上げた移転整備への背景や長期的な視点から、豊洲新市場予定地移転を是とするものでありますが、都民感覚からすれば大変巨額の経費であり、簡単に都民理解が得られるものではないとも考えております。
このため、築地市場の移転問題については、現在地再整備や豊洲新市場予定地への移転整備、そして財政の問題も含めて、一つ一つ具体的に比較検討し、なぜ豊洲新市場予定地への移転が必要なのかをつまびらかにする必要があると考えております。
このような観点から、幾つか質問をいたします。
現在地再整備についてでございますが、今の老朽、狭隘化した築地市場にあっては抜本的な対応が焦眉の課題であることは、だれも疑う余地がございません。しかし、都は、築地における現在地再整備については、本会議、そして常任委員会の場において、過去に一部工事に着手したが、とんざした経緯があること、ローリング工事用の種地がない上、営業を続けながらの工事であるため、完成までに二十年以上を要し、市場の営業活動に深刻な影響を及ぼすことなどを理由として、再整備は困難であると、これまで一貫して説明をしてきております。
そこで、まず、現在地再整備については、かつて実施設計、工事着手まで進みながら、とんざせざるを得なかった経緯がありますが、それは具体的に、どの時点で、どのような理由からなのか、当時、市場業者または業界から中止要請のようなものがあったのかどうかも含めて、説明をお願いいたします。
○越智新市場担当部長 築地市場の現在地での再整備につきましては、平成三年一月から、仮設卸売り場や駐車場、搬入路の整備などの準備工事を行ってまいりましたが、平成八年、施設の移転を伴いますローリング工事に着手しようとした段階で、営業活動への深刻な影響が問題となって業界調整が難航し、工事が中断いたしました。
その後、卸売市場審議会から基本計画の見直しの答申を受けまして、立体配置から平面配置への見直しを行い、業界団体との協議を行ってまいりましたけれども、施設規模や動線の確保、ローリング工事期間中の営業活動への影響等、多くの問題が提起され、協議が進まなくなりました。
このような状況の中で、平成十年四月に市場業界六団体から、このままでは市場機能の低下を招き、基幹市場としての機能を維持することが困難で、消費者、生産者に大きな支障を来すことから、臨海部への移転の可能性について調査、検討してもらいたいといった旨の要望書が出されました。
これを受けまして、平成十一年二月から、業界団体との協議におきまして、卸、仲卸売り場の平面配置を基本とした基本計画の見直し素案を含めまして、都が提案した六案、そして現行の市場施設の形状を生かした水産仲卸組合案の計七案をさまざまな視点で検討いたしましたけれども、いずれの案も合意を得ることができず、現在地再整備は困難であり、移転整備へ方向転換すべきとの意見集約がなされたものでございます。
○神林委員 今、ずっと経緯をご説明いただきましたけれども、当時、工事期間中に市場業者の営業への支障が現実化し、工事中止に追い込まれた、こういう経緯が十分理解できました。長年にわたり、場内の車両動線や買い出し人など顧客の買い回りが工事動線とふくそうする状態が続くとすれば、感覚的にも商売は極めてしづらいことは容易に推測できます。
それでは、仮に現在地再整備工事に着手した場合、その可能性について少し検証していきたいと思います。
まず、場内にローリング工事用の種地が必要だということでありますが、広さなど種地の具体的条件はあるのか、工事期間はどのくらいになるのか、さらに、場外の近接地ではだめなのか伺います。
○河村参事 現在地で再整備を行う場合でございますが、この場合、施設の移転先として仮設の建築物が必要となります。この仮設建築物の建設場所として種地が必要となってまいります。
かつての再整備の計画をもとに種地の広さを考えますと、建設スペースとして約二ヘクタール、資材置き場や作業スペースとして約二ヘクタール、そして、工事用資機材の搬入路といたしまして約〇・五ヘクタール、合計いたしまして全体で約四・五ヘクタールのまとまった土地が必要となります。これは敷地全体の約二〇%に当たります。また、売り場や荷さばき場、また駐車場などが分断されないよう、この種地は場内またはこれに隣接した場所に確保しなくてはなりません。
しかし、築地市場は現在でも既に敷地の九四%が施設や場内通路などに利用されてございまして、残るのは六%の敷地でございまして、これも場内に分散しているため、こうした広さの種地を場内に確保することはできません。また、隣接地でも見つけることができません。
工事期間についてでございますが、過去に計画された再整備のローリング工事を前提に考えますと、二十年以上と見込まれるということでございます。
○神林委員 さらに、このことに関連しまして、アスベスト対策についても伺いたいと思います。
健康被害の防止の観点から、再整備工事を行った当時よりアスベスト対策基準は格段に厳しくなっており、暴露対策を構ずるべきアスベスト含有物は、国の基準により、昭和五十年の五%超から、平成十八年九月には〇・一%超に大きく引き上げられております。飛散防止対策を講じながらの解体は技術的に可能であると思いますが、特に目に見えて大きな影響が出てくるのは仲卸売り場であります。加えて、アスベスト対策を実施する場合、周辺への飛散防止対策を徹底する必要があることなどから、相当期間を要することの影響も憂慮されます。
そこで、仲卸売り場のアスベスト対策を実施した場合、営業面で具体的にどのような支障が出てくると考えられるのか、お伺いいたします。
○河村参事 現在、築地市場の仲卸売り場には屋根の部分にアスベスト含有建材が使用されておりまして、解体時にはこれを撤去することが必要となります。また、営業を継続しながら、その隣でアスベスト対策工事を行うことになりますと、万が一に備え、工事区域の両側にアスベスト飛散防止のための緩衝帯、こういったものを設けまして、完全に密閉、隔離した状態で慎重に工事を行う必要がございます。
このため、ローリング工事の施行に伴い、車両動線の錯綜により場内搬送や買い回り時間が増大することとなります。これにアスベスト対策工事が追加されることによりまして、工事期間がさらに二年以上長くなると見込まれてございますことから、営業への影響はより長期化することになります。
○神林委員 引き続いて、現在地再整備をする場合の必要な施設規模について伺います。
現在地再整備計画は昭和六十一年に決定されましたが、基本計画が策定された昭和六十三年から基本設計が完了した平成二年までの当時は、好調な景気拡大に支えられ、取扱量はやや減少しても右肩上がりにふえていくことについて、だれの目にも疑いの目はなかったと思います。
実際に平成二年の築地市場再整備基本設計書に記載された、水産と青果を合わせた取扱量は日量四千六百トンもある。直近のデータである平成十八年の水産と青果を合わせた取扱量の日量約三千三百トンと比較すると、平成二年当時の取扱量の方が一・四倍も多い計算となります。取扱量に大きな違いが見られるように、現在地再整備の計画は既に二十年前の計画で、市場を取り巻く流通環境も大きく変化しております。
そこで、現在地での再整備をする場合は、当時の施設規模を見直し、縮小できるのではないか、こう考える方もあるかと思いますが、この辺につきましての見解をお伺いいたします。
○越智新市場担当部長 現在地再整備の当時の計画面積は約五十六万平方メートルでございます。当時の計画から取扱数量が減少したため、豊洲新市場の施設規模で見直しを行いますと、卸売り場、冷蔵庫など、約八万平方メートルが減少いたします。一方、閉鎖型施設、大型荷さばき施設、転配送センターなど、これからの市場に必要となる施設の面積は合計で約七万平方メートルとなります。したがいまして、施設規模の見直しを行い、新たな機能を加えた場合、当時の再整備計画面積とおおむね同程度となると見込まれます。
市場業界と合意した豊洲新市場の施設面積は約三十九万平方メートルであり、当時の計画面積約五十六万平方メートルとの差、約十七万平方メートルの大部分は、敷地が狭隘なため、駐車場をすべて建物内に取り込まざるを得ないことによるものでございます。
○神林委員 今の説明の中に、施設規模については、当時にはない新たな市場機能が加わる、こういう部分がちょっと盛られていたと思うんですが、冒頭に申し上げたとおり、築地市場については、今日の流通環境の変化、多様な顧客ニーズに的確に対応していくことが求められるものでございます。今後、築地市場が取扱量をふやし、活性化していくためには、衛生的な閉鎖型施設、鮮度維持が行える温度管理施設、顧客のさまざまなニーズにこたえられる加工・パッケージ施設、大口荷さばきスペース、さらには待機駐車スペースなどといった、築地に絶対的に不足している市場機能を新たに整備することが不可欠といえます。
こうした施設は新市場でも計画されておりますが、築地の狭隘な敷地でこれらの施設機能を盛り込み、現在地再整備を行うことがそもそも可能なのか、また、施設を重層化すればよいという考え方もあると聞いておりますが、その辺も含めてどうなのか、お伺いいたします。
○河村参事 豊洲新市場が首都圏の基幹市場としての役割を果たしていくためには、市場の基幹施設である卸、仲卸売り場、待機駐車場などに加え、温度管理できる閉鎖型の施設や、新しいニーズに対応した加工や仕分けなどのできる付加価値施設を整備していく必要があります。かつての再整備計画の考え方に従って、例えば一階に水産、二階に青果を配置することとし、それにこうした新たな機能を加えますと、現状の築地では敷地が狭隘なため、待機駐車場や周回通路を平面配置することができません。このことから、一階、二階に水産、三階に青果を配置するなど、さらなる重層化が必要となってまいります。これによりますと、荷の搬出入や場内搬送に時間を要してしまいまして、一定の時間内に大量の荷をさばくという市場としての基本的な機能が阻害され、極めて使い勝手の悪い市場となってしまうと認識してございます。
○神林委員 スペース面の部分につきましては大体理解ができました。
続いて、財政面について伺います。
新聞報道等で、土壌汚染対策に巨額の費用を要するとの見出しが躍り、都民や市場関係者はこの問題に大きな関心を寄せると同時に、疑念を抱いております。それだけの経費が必要となるなら、そもそも移転整備を見直したらどうか、現在地再整備では用地取得や基盤工事費がかからず、さらに、豊洲新市場移転予定地の場合のような土壌汚染対策費がかからないため、結果的に安く済むのではないかといった議論まで出ているようでございます。
もとより中央卸売市場は都民の税金で運営されているわけではなく、独立した企業会計でございます。この財政面の問題は、さきの代表質問において我が党から、築地での現在地再整備の可能性についてただしたが、都は、中央卸売市場の保有する資金では現在地再整備に要する事業費を賄えず、跡地の売却収入という補てん財源がないことから、実現性のある計画を策定することができないと答弁をしております。このことについて少し掘り下げておきたいと思います。
先ほど上野理事の方からも若干触れられましたけれども、まず、現在地再整備と豊洲新市場予定地移転整備の事業費を比較して、内訳も含めまして、市場会計からどのような財源を充てて整備する考えか、財政的な見通しを伺いたいと思います。
○大野管理部長 築地市場の整備事業に充てられる資金は、中央卸売市場会計の留保資金千六百五十億円から、今後の他市場の整備などに予定される資金三百億円を差し引いた千三百五十億円でございます。
まず、移転整備の場合、総事業費四千四百億円であり、内訳は、用地取得費二千三百七十億円、基盤整備費等三百七十億円、施設建設費九百九十億円、土壌汚染対策費六百七十億円でございます。総事業費の四千四百億円から、既に整備に充てました一千億円を除いた三千四百億円に対して、財源は、移転整備に充てられる資金千三百五十億円と、国庫補助金百億円の計千四百五十億円でありまして、差し引き千九百五十億円が不足します。しかし、この不足額は築地市場の売却収入で補てんすることが十分可能であり、市場財政の健全性は維持されるものと考えております。
次に、現在地再整備の場合、今後必要となる事業費は三千億円でございます。これに対し、再整備に充てることのできる財源は、資金千三百五十億円に、既に取得した豊洲新市場用地を売却できた場合の七百二十億円と国庫補助金三百億円を加え、二千三百七十億円でございますが、差し引き六百三十億円が不足することとなります。加えて、既に取得した豊洲新市場用地の売却がおくれた場合には、不足額はさらに増大することになります。再整備の場合は、築地の売却収入という補てん財源がないことから、独立採算制の中央卸売市場会計として実現性のある財政計画を策定することができません。
○神林委員 今ご説明いただいた中で、土壌汚染対策費は若干まだ変化しそうでございますけれども、財政面から見ても、結果として築地の現在地再整備は実現性が乏しい、こういうふうに私は判断させていただきました。
しかし、さらに、そうはいってもという方もいらっしゃると思います。財源不足が生じても、築地市場は都民生活を広く支える拠点市場なのだから、一般会計など何らかの財源を見込むことができるのではないか、こういった考えの方もたまにはいらっしゃるのかなというふうに思うんですが、この点までについてもひとつお聞きしたいと思います。
○大野管理部長 現在地再整備の場合には、既に築地市場の敷地の九四%が建物や荷さばきスペースなどとして利用されているため、再整備工事に不可欠な種地が確保できず、事業計画の実現が極めて困難でございます。また、工事期間中、物流機能などに影響が出ることから、都民の台所である築地市場が生鮮食料品を安定的に供給し続けることは困難となり、長期にわたって低迷していくことが懸念されます。
さらに、流通環境が激しく変化していく中、開場が二十年以上も先となることから、完成した施設がその時代の要請にかない、中央卸売市場としての使命を果たし得るものとなるか、極めて不透明でございます。
こうした実現困難で将来的にも展望が不透明な事業計画に対して、一般会計など他に財源を求めることはできないと考えております。
○神林委員 この検証は、今後、土壌汚染対策費が明確になった段階で改めて比較シミュレーションした上、説明を求めたいと思います。
次に、豊洲新市場予定地移転について何点か伺います。
今回の代表質問を通じ、都としては、移転用地として、大規模用地で、営業、交通アクセスの良好な位置にあることを条件として候補地を比較検討し、豊洲新市場予定地が最適との結論を得た経緯があることを伺いました。
私自身、そもそも都心に近い四十ヘクタールという広大な未利用地の取得は困難であり、豊洲新市場予定地にかわる代替地は実際あるのか、疑問に思うところでございます。
この部分も前に若干質問もございましたので、答弁で重複するところは結構でございますが、では、この四十ヘクタールの広大な敷地がなぜ必要となるのか、また、必要とする敷地面積を圧縮する工夫はできるものなのか、あわせて伺います。
○越智新市場担当部長 新市場は将来にわたって首都圏の基幹市場としての役割を果たしていくことから、それにふさわしい広さが必要でございます。この新市場の規模を、取扱数量や車両台数をもとに、青果の基幹市場としての役割を果たしている大田市場と比較し、算定いたしますと、大田市場の青果部は二十八ヘクタールであり、取扱量が大田市場の四割である新市場の青果部は約十二ヘクタールとなります。水産物部につきましては、取扱品目が違うため、敷地面積をおおむね規定する物流の基本でございます車両台数で比較してみますと、大田市場の青果部の入場車両台数とほぼ同数でありますことから、面積も同じ二十八ヘクタールとなり、新市場の敷地面積は合わせて約四十ヘクタールとなります。
大田市場が既に過密となっており、通路に車があふれ、新たな施設を増設する余地が乏しい状況を勘案いたしますと、この面積は決して過大ではございません。敷地が狭くなりますと、これからの時代に求められます大口荷さばき場、加工・パッケージ施設、待機駐車場などの新たな機能を持つ施設を整備する余地がなくなるというふうに考えてございます。
○神林委員 次に、営業、交通アクセスが良好な位置にあることが条件として挙げられておりますが、今も妥当とされる判断について伺いたいと思います。
○越智新市場担当部長 移転先の条件といたしましては、約四十ヘクタールの敷地の必要性に加えまして、市場が生鮮食料品流通の拠点であることから、輸送時間の短縮、輸送コストの低減や、買い出し人の行きやすさなどの利便性が求められており、公共交通機関や幹線道路に近く、交通アクセスの良好な位置にあることが不可欠でございます。
また、築地が七十年以上にわたり築いてきた顧客との関係を考えますと、都心部に集積する小売店、飲食店などがさまざまな食材を営業時間までに確実に品ぞろえできることや、品不足に迅速に対応できることが求められます。築地市場が果たしている機能と築き上げてきた歴史、さらには将来の市場のあり方を考えますと、これらは変わることのない条件でございます。
現時点において築地市場の移転候補地となり得る用地を、臨海部のみならず都内全域にわたって調べてみましたけれども、四十ヘクタールのまとまった土地で、ただいまご説明した条件を満たせるものは見出すことはできませんでした。
○神林委員 今までずっと質問させていただいてきたわけでございますけれども、築地での現在地再整備、豊洲新市場予定地の代替地、さらに財政面も含め、かなり詳細なやりとりをさせていただいたつもりでございます。やはり豊洲新市場予定地移転が現実的な選択肢であろうことは疑いがないということを確信させていただきました。
本年七月には専門家会議による最終提言があり、それを踏まえ、都としての土壌汚染対策が取りまとめられるが、食の安全・安心を確保するため、これだけ手厚い対策を講じる、しかし、経費が巨額になるということでは、なかなか都民の理解を得られない部分も逆にございます。今後取りまとめられる土壌汚染対策経費についても、少なくともいろいろ工夫し、負担軽減する努力を払っていくべきだと私は思います。
そこで、前にもお話しさせていただきましたけれども、土壌汚染対策経費を縮減するため、効果的な工夫、コストの縮減につながる新技術の開発、活用も含めてどのように考えているのか、再度お伺いいたします。
○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、既存の枠にとらわれず、さまざまな新技術や工法の可能性を探るため、広く関係分野の専門家の意見を聞いているところであります。これらの意見を参考とし、汚染物質の処理については、水による洗浄や熱による処理など一般的に利用されている手法にとどまらず、最近の科学的知見に基づくとともに経済面でもすぐれた技術について研究を進めてまいります。
土木工事につきましては、建設資材の運搬に船舶を利用すること、また、再生材を利用することなどを検討してまいります。
今後とも、汚染物質処理及び土木工事の両面にわたり、効果の高い経済的な技術の導入を検討し、経費削減や工期短縮に努めてまいります。
○神林委員 食の安全・安心をしっかりと確保する中で、経費縮減には都民感覚を十分持って、不断の努力で取り組んでいってもらいたい、この点を強く要望しておきます。
なお、対策経費の負担軽減という点では、東京ガスとの費用負担の問題があるようでございます。都は、専門家会議の提言を踏まえ、具体的対策がまとまった後、協議を行っていくと聞いておりますので、この件は同僚の米沢議員が質問を行いましたので、都として、ぜひきちんと対応を進めていただきたいと思います。
あわせまして、オリンピック招致の件につきましても、今はオリンピック、本当に大事な時期ではございますけれども、先ほどから質問がありましたので、この点につきましても割愛をさせていただきます。
最後に、築地における現在地再整備も豊洲新市場予定地以外に移転整備の選択肢もない状況を踏まえ、今後の進め方についてお伺いいたします。
○比留間中央卸売市場長 これまでご答弁申し上げてきましたように、現在地再整備につきましては、敷地の狭隘さと営業を継続しながらの工事という困難な条件のもとでは、実施することは現実的に不可能でございます。また、あえて再整備計画を策定いたしましたとしても、これからの市場に不可欠な新しい機能を盛り込むことが難しいことに加え、極めて使い勝手の悪い施設配置とならざるを得ないため、築地市場の長期的な地盤沈下を招くことになるおそれがございます。
また、豊洲以外の移転候補地につきましては、今回、再度、臨海部のみならず都内全域にわたって調べてみましたが、築地市場の継続性、交通アクセス、用地の取得実現性、業界の合意可能性などの面で、四十ヘクタールのまとまった用地をほかに見出すことはできませんでした。
豊洲新市場における土壌汚染は、四千百二十二カ所の詳細調査で、土壌から四万三千倍、地下水から一万倍のベンゼンがそれぞれ一カ所で検出されましたが、敷地全体がこうしした高濃度の物質で汚染されているわけではなく、その範囲は極めて限られております。
現在、こうしたごく一部の数字が取り上げられ、この数字のみをもってすべてを判断しようとする傾向が一部に見られますが、専門家会議が対応は十分に可能であると見解を表明しておりますように、事実を正確に把握して冷静に対処していくことが求められていると考えております。
築地市場は、老朽、狭隘化が既に限界に来ておりまして、衛生面の課題やアスベストの問題もあることから、一刻も早い対応が必要でございます。去る五月二十七日、築地市場の大多数の業界団体の連名で、風評被害の予防、排除も視野に入れた最善、最強の土壌汚染対策を、とした上で、豊洲新市場計画の推進を求める要望書が知事と議会あてに提出されましたが、築地市場の現状と将来に対する強い危機感のあらわれと受けとめております。
築地市場の移転は、この先五十年以上にわたって使い続ける首都圏の生鮮食料品の基幹市場をどう整備していくのかという長期的な視点に立って考えていかなければならない問題でございます。
豊洲地区の土壌汚染対策につきましては、専門家会議の提言が七月に予定されてございます。都としては、この提言を踏まえ、さまざまな新技術や工法の可能性を探り、できる限り経費や工期の圧縮を図る努力を行いながら、食の安全と都民、市場業界の安心を確保できる具体的な計画を早期に取りまとめてまいります。
○岡崎委員 私、もう七番目ということで、これまで、私と多少観点は違いますけれども、米沢委員や、馬場委員は大体観点同じなんですが、上野理事あるいは大西副委員長、神林副委員長と、それぞれ質問をされまして、なるべくダブるところは割愛させていただきたいと思いますが、いずれにしろ、砒素が三百七カ所ですか、で、シアン化合物、地下水では九百六十六カ所、ベンゼン五百六十一カ所と、かなりの汚染が明らかになって、大変に土壌汚染に対する対策費用もかかる。ある意味では一千億円を超える費用がかかるのではないかというような報道もされておりますけれども、東京ガスが行った土壌汚染対策以降、都が行った追加調査の経費、詳細調査の経費は幾らになるのか。
また、この辺はダブるので割愛して、次に、一緒にお答えください。
湯水のごとくお金を、市場移転用地を確保するために使ってもいいということにはならないであろうと思うわけでありまして、都民がどこまでならば許せる範囲であると認識していると思うのか、お伺いしたいと思います。
○越智新市場担当部長 東京ガスの調査以降、昨年八月に行った追加調査の経費は約五千万円でございます。また、本年二月から行った土壌、地下水の詳細調査の経費は約十億円でございます。
豊洲新市場は、この先数十年間にわたって使い続ける首都圏の基幹市場でございます。都民生活を支える重要な社会資本でもあります。新市場予定地における土壌汚染対策につきましては、都民や市場関係者が安心できるよう万全の対策を講じていくことが必要でございます。
今後、専門家会議の提言を踏まえまして、都として具体的な計画を取りまとめていきますが、さまざまな新技術や工法などの可能性も探りながら、経費の縮減に努めてまいります。
○岡崎委員 ほかにも幾つか通告をさせていただいたものも、今までに回答をいただいた数字もございますが、要は、湯水のごとくお金を使ってやれば、先ほどの専門家会議の話ではありませんが、できることはできるのではないかというような話もありました。
私は、食の安全・安心というふうないい方をなさいますけれども、それももちろんでありますが、そこに凝縮された気持ちというのは、我が国の伝統と文化を守り発展させていくことが肝要であると思っているわけであります。
築地市場も、例えば冷蔵庫がないときには、夜か早朝に江戸前の魚をとって、競りにかかる前に、漁師さんが船を一生懸命ぶっ飛ばして築地に持ってきて、それを都民に食べさせて、競りに間に合わなかったら、東京湾を囲むいろんな町で、料亭や何かに卸す。問屋さんに魚を卸して、そして都民においしい魚を提供してきた。だから、漁師町の人たちは、自分がこんなに長生きしているのは、長生きしている人はですけれども、江戸前のおいしい魚を食って育ったからだというふうに、今の年寄りはいうわけであります。
こういうような思い、あるいは、腰が曲がる思いをして田んぼの草を取って、朝から晩まで、今みたいに週休二日じゃないですよ、農家の方々は。休みなんてないですよ。大雨降ったら田んぼの見回りに行く。どんなに暑くても田んぼの草取りをやるわけですよ。十二時間労働じゃないですよ。もっと長いですよ、昔は。
そういうふうな人たちの思いがこの築地には凝縮をして、そして目ききの方々が育っていって、単に安心・安全じゃないんです。我が国の外交も含めたいろんな努力、そして農家の方々や漁師の方々の努力、そして外国まで、はるか遠くのところまで出かけていってとってきた魚が、日本がとってきた魚はおいしいということで外国では高く売れるようになってきているわけです。魚や生鮮食品、野菜も果物も、日本でつくったものはおいしいし安全だという安心が、今やアジアを含めて各地に広がっているわけであって、こういう精神をさらに発展させるような情念で、この築地の市場の問題には取り組んでいただきたいということを申し上げまして、終わります。
○清水委員 先ほど小竹委員が触れましたように、大多数の業者の皆さんの気持ちは、築地での現在地再整備です。地元区も、築地を利用している数多くの料理人の方々も、消費者団体の方々も、そして世論も、豊洲移転は認められないんです。なぜ現在地再整備ができないのかというのが、先ほどから議論がされていますけれども、率直な気持ちだと思います。そして、石原知事も、豊洲移転に必ずしもこだわらないという趣旨の考えを明らかにしております。
先ほどから、築地現在地再整備は無理だということで結論づけられているわけですけれども、私は今回、三つぐらいの点で改めてお伺いしたいと思うんですが、まず、なぜ築地では無理なのかということを端的にお答えください。
○越智新市場担当部長 築地市場は敷地が狭隘で、かつローリング工事用の種地が乏しいことなどから、現在地での建てかえは困難でございます。加えまして、近年多様化いたします消費者ニーズや食の安全・安心に対応するために、温度管理の徹底など品質管理の高度化や物流の効率化に必要な規模の低温施設や荷さばき施設、駐車場などを十分に確保することが求められておりますが、現行の敷地面積ではこれらを整備することができません。
さらに、アスベスト対策の基準が当時より厳しくなっておりまして、現行施設の解体に当たりましては工事期間が長くなるということも想定されますので、現在地での再整備は不可能であるということでございます。
○清水委員 私は、アスベストの問題と種地の問題で、まず改めてお聞きしたいんですけれども、これまで知事は、アスベストがあるから現在地再整備が不可能だというふうないい方をされているんですけれども、現在、アスベストというのは築地ではどういう状態になっているのか、改めてお伺いいたします。
○荒井事業部長 築地市場のアスベストの状況でございますが、平成十七年度に都有施設のアスベスト使用状況調査を行いました。この結果、築地市場では七カ所でアスベストを含有した建材が使われていることが明らかになりました。このうち既に飛散防止対策を実施したものが三カ所ございまして、一カ所につきましても今年度中に終了する予定です。残りの三カ所につきましては、安定した状況でございますので、解体時あるいは直近の改修時の機会をつかまえて対応することとしております。
これは明らかになったものでございまして、これ以外に、既に天井裏等に囲い込まれているもの等については調査対象ではございませんが、先ほど技術担当参事から申し上げましたように、仲卸売り場の屋根部分等にアスベスト含有の板状の建材等が使われておりますし、また、封じ込まれたものが相当あると思われます。
○清水委員 そうすると、今のご答弁ではっきりしましたけれども、飛散性のアスベストはないということになりますよね。その部分は完全除去されて、残されているのは、今の飛散しない板状の、スレート状とか、その部分は完全に密閉されているということで、法律にのっとって対策が施されており、現状では危険がないということはいえるわけですね。
○荒井事業部長 現状では、法令にのっとりまして対応をしております。
○清水委員 何か知事のいい方というのは、あそこには今アスベストがあるんだといういい方というのは、法にのっとって対策がされていないように受けとめられる節もあるんですよね。
今ご答弁いただきましたように、現在は法律にのっとって対策がされている。しかし、代表質問の答弁で、それから先ほどの答弁の中で、工事の区域を通常の工事より広く設定することになるとか、工事期間も、通常のローリング工事よりもさらに長期になるとしかいえなくなっているのかなというふうに思うわけです。
それで、中央区の十二年十二月に出された築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書というのがあります。これはご承知だと思うんですけれども、その中のアスベスト対策というところがあります。この中にも、現在地再整備を行うに際し、幾つかのブロックに分け、十分な隔離を行った再整備を行うこととなっており、大阪市中央卸売市場においても整備上の問題点とはなっていないこともあり、築地市場で現在地再整備を行う上での問題になるとは考えにくいといえる、というふうに中央区の調査ではいわれているわけです。
地震のこともいわれますよね。地震のことをいうのであれば、それこそ何をおいても除去しなければならないというわけです。また、そのほか衛生面とかいうこともあります。移転を前提にして、改修費に必要な予算をかけていないということが問題だと思うわけです。移転があろうがあるまいが、衛生上問題があるというのなら、ここはアスベストの問題とかかわっていないんですけれども、改修すべきだというふうに思うわけです。
大体、豊洲移転などといって横道にそれずやっていれば、もう十年近くもたつのですから、工期が長期になるといっても、とっくに解決していた問題ではないかというふうに私たちは考えます。
ですから、結論は、アスベストの問題というのは、いろいろいわれましたけれども、これは支障にならない、理由にならないというふうに私たちは考えます。
次に、種地の問題です。
種地は、私たち、これまでも繰り返しいってきましたが、私も前の委員会で指摘しましたけれども、これは思いつきでいったことではないんです。
そもそも市場自体、当初、幾つかの種地を検討していました。現在、汐留シオサイトとなっている旧国鉄新橋貨物ヤードを候補地にしたようなこともあった。ここを開発が進む前に利用することができたんです。ところが、都が豊洲移転でぐずぐずしている間に、見る見るビルが建ってしまったわけです。今さら種地を確保できないなどと、人ごとのようにいう資格はないかと思います。
それで、先ほど他の委員にお答えいたしましたが、種地に必要な面積を先ほどいわれていましたよね。その根拠をいってください。
○河村参事 先ほどご答弁申し上げましたように、種地は全体で四・五ヘクタール。その内訳といたしまして、建物自体をつくるスペースが約二ヘクタール、それから、その建物をつくるための作業スペースに約二ヘクタール。作業スペース内には、現場の作業を行うためにエリアの中でクレーンなどが走行しなくてはなりませんので、そういったようなエリア。ここでは、想定といたしましては回転半径十五メートルぐらいのクレーンが必要かなというふうに考えております。そのほかに、作業のための一時仮置きの資材置き場とか現場事務所が必要であろうということで、約二ヘクタール。それから、そのほかに、そこの現場に工事車両が到達しなくてはいけません。工事用の搬入路として約〇・五ヘクタール。合計四・五ヘクタールでございます。
○清水委員 確認しておきたいんですけれども、その四・五ヘクタールというのは、いつの時点で試算したものですか。
○河村参事 試算したのは最近でございます。
○清水委員 二ヘクタールの建物の根拠についてももう少し説明をしていただきたかったんですけれども、時間が限られていますので、後でお示しいただきたいと思います。
種地として使える場所がないんだということをいわれているわけです。先ほど紹介した中央区の基礎調査の中では、前にも紹介しましたけれども、中央区が、市場を現地で再整備を進めるとしたらこういうふうなということでプランがあるわけです。この中では、前にもご紹介しましたが、豊海とか、晴海とか、築地川東支川などのところを種地として提案しています。
それで、本会議の代表質問で、中央区の担当者が十分対応できるということを紹介して、種地が確保できることを示しました。しかし、その中央区の提案にも一言も触れずに、一方的に種地は確保できないというふうに答弁されて、切って捨てました。本当に不遜な態度です。市場長、そう思われませんか。私たちがそう伺ったのに、そのことについては一言も触れていません。中央区と、例えば築地川東支川について協議すべきではありませんか。お答えいただきたいと思います。
○河村参事 ただいまご提案ありました築地川東支川ということでございますが、私どもの調査ですと、面積が三千平米ほどしかない。現在、バイク置き場になっているということで、私どもが先ほどから答弁申し上げておりますように、工事用の種地としては規模が小さ過ぎるというふうに考えてございます。
○清水委員 そういわれるかと思いましたよ。二千八百五十一平米ですからね。あなた方が試算した四・五ヘクタール。しかし、中央区は、ここだけじゃなくて、資材置き場、管理事務所一万三千平米、豊海町水産基地との連携十六ヘクタール、また、都との関係もありますが、晴海の国際見本市の跡地とか、こういう場所を提案したり、考えてきているわけです。
それで、結論を先に出すんじゃなくて、まず話し合うことができないんですか。先日、中央区に行って、担当部署から改めて話を伺ってきたわけですけれども、担当者は私たちの質問に対して、種地問題は十分対応できるといっています。この現在地再整備の種地がないという議論は、中央区の案などを検討していないもので、その根拠が不明だと明確にいっていました。例えば、こういうところを提案しているんですけれども、市場は、もし面積が必要ならば、これらの提案をあわせて検討したんですか。改めてお伺いいたします。
○越智新市場担当部長 市場外に現在地再整備の種地を確保することにつきましては、築地市場は、卸、仲卸、物販業者、輸送業者などの関連事業者が一体となって機能しておりまして、現在地再整備の種地を市場外に求める場合には、ターレットやフォークリフトなどの場内搬送車が荷物を運べる範囲の距離であること、買い出し人が水産、青果関連店舗などを容易に移動できること、工事の施行に、先ほどご説明いたしましたように四・五ヘクタールの面積が確保されることなどが必要でございます。先ほどお話しいたしましたように、築地川東支川は、築地市場に隣接してございますが、約三千平米ということで、種地としての条件を満たしていないということでございまして、私どもといたしましては、過去もそうでございましたが、種地につきましては場外には確保できないというふうに考えてございます。
○清水委員 四・五ヘクタールを決めたのは最近だと先ほどいわれましたけれども、その四・五ヘクタールの案があるということと、中央区が提案している問題、中央区と協議したんですか。それについてお伺いします。
○越智新市場担当部長 現在、中央区は、現在地再整備につきまして、中央卸売市場の方に種地を提供するといったような話はございません。
○清水委員 中央区がこれを提案して、東京都に示したんですよ。それに対して東京都からは何もいってこないといっていますよ。反対なんですよ、それは。もう十二年の時点で、それをいっているわけですよ。あなたたちがそういうことはおかしいですよ。きちんとそういうことを実現しようとか、そういう気持ちが全然見られません。いろいろいわれましたけれども、都の姿勢はまさに豊洲移転、先にありきではないかと思います。
市場長は、代表質問の答弁でも現在地再整備は不可能といいましたが、私はとんでもない暴言だと思います。しかも、業者団体は、現在、築地市場の扱い量は、先ほどもご説明がありましたが、最盛期の六割程度に減少していて、豊洲のような大規模な市場は要らない、現在の市場の状況に合わせた再整備計画を立てれば、十分現在地再整備は可能だとして、独自の再整備のプランを提案しましたよね、過去に。そのプランは検討していないんですか。
○越智新市場担当部長 仲卸のあれでございますね。水産仲卸の組合が平成十五年に再整備計画をつくったということは聞いてございますが、仲卸組合の内部の検討でございまして、築地市場のほかの業界団体や私ども東京都には資料はいただいてございません。
○清水委員 じゃ、きちんと資料を入手して、今それを検討するということではありませんけれども、そういう案があったんだということを見ておいてくださいよ。
私は、このプランは現実性を持ったプランで、再整備のたたき台になるものと考えます。市場は東京都だけで成り立っているのではありません。私は、そこに都の思い違いがあると思います。卸、仲卸、買参人、場外市場などの市場関係者、周辺地域、地元区、そして消費者である都民などの支えがあって成り立っているのです。ひとりよがりはやめて、関係者、消費者、地元区、専門家を交えて協議すれば、現在地再整備はできるんです。
現在地再整備の検討を行うことを求めて、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○増子委員長 次に、報告事項、平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越し及び市場環境白書二〇〇八に対する質疑を一括して行います。
○岡崎委員 市場環境白書に関連してお伺いいたしますけれども、時間もかなりかかってきていますので、ちょっと突っ走りたいと思います。
白書に記載された中央卸売市場の環境への取り組みについて、先ごろ、この白書二〇〇八を発表したところであります。白書では、中央卸売市場が取り組んでいるさまざまな環境施策が紹介されておりますが、まず、地球温暖化防止に向けた温室効果ガス削減策からお伺いします。
中央卸売市場では、温室効果ガスの排出量を、平成二十一年度までに十六年度対比で七・八%削減することを目標に掲げております。この目標に対する削減実績も明らかにされておりますが、平成十七年度には二・八%、平成十八年度では三・五%となっており、いまだ半分にも達しておりません。オール都庁で、二〇二〇年までに東京の温暖化ガス排出量を二〇〇〇年比で二五%削減することが目標として掲げられていることに照らしてみても、中央卸売市場の削減量は少ないように思います。
そこで、中央卸売市場においては、どの分野で、どの程度の温室効果ガスを削減しようと考えているのか、お伺いしたいと思います。
○後藤調整担当部長 平成十七年度に策定いたしました中央卸売市場地球温暖化対策推進計画では、目標量のうち約六割を小型特殊自動車の電動化、残る四割を東京都と市場関係業者が行う節電などの取り組みで削減する計画でございます。
平成十八年度までの削減実績はCO2換算で二千六百七十二トンでありますが、このうち小型特殊自動車の電動化により約七三%、電気使用量の削減により約二四%を削減しております。
今後とも、小型特殊自動車の電動化を補助制度の活用などにより積極的に促進するとともに、省エネ型設備への切りかえや、きめ細かな節電の呼びかけなどを通じて、市場関係事業者と連携して温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。
○岡崎委員 小型特殊自動車の電動化や電気使用量の削減により温室効果ガス排出量の削減を進めるということでありますが、多数の小型特殊自動車が走り、照明や冷蔵庫等に多くの電気が使われている市場の様子を思えば、こうした取り組みが有効であることはわかりますけれども、より一層の温室効果ガス削減を進めるためには、新しい取り組みも進めてほしいと思います。身近な都庁の各局にもさまざまな技術やノウハウが蓄積されており、これらを十分に活用するだけでも、中央卸売市場の温暖化対策は大きく進むと思います。
事前に聞いた話では、いろいろと庁内各局との連携を図ったり、低排出ガス車の認定制度を創設するなど、それなりに努力をしてきたというようなことでありますが、今後も一層努力をしていただきたいと思います。
次に、廃棄物リサイクルについてお伺いいたします。
白書によれば、中央卸売市場におけるリサイクル率は約三七%とのことでありますけれども、意外に低いという印象があります。市場で取り扱われている食品や産地からの輸送に使われる発泡スチロールなどはリサイクルが容易であると思いますけれども、その割にはリサイクルが進んでいないようであります。
中央卸売市場ではどのような廃棄物が排出され、そのうちどの程度の割合がリサイクルされているのか、お伺いいたします。
○後藤調整担当部長 中央卸売市場で排出される廃棄物は、野菜くずや魚のあらなどの食品廃棄物及び発泡スチロールやビニールラップなどの包装材が大半を占めております。このうち、食品廃棄物については四一・九%が家畜の飼料等に再生利用されており、包装材については、木製パレット、発泡スチロールの全量が合板やプラスチック製品の原料として再生利用されております。
リサイクルされず、清掃工場または産業廃棄物業者によって処分される廃棄物は、貝殻や場内の清掃ごみなど再生利用できないもののほか、技術的には可能であるが全量をリサイクルするに至っていない食品廃棄物や包装材等でございます。
○岡崎委員 最後、要望だけさせていただきますけれども、民間企業は、特に大企業のリサイクルの取り組みは大変に進んでおりまして、製造業の工場では廃棄物を一切出さないゼロエミッションを達成しているところも数多くあります。一社や二社や十社や二十社でなくて、数多くあります。それに比べれば、東京都が設置している公的機関である卸売市場で行われているリサイクルが四割弱というのは少々寂し過ぎると思うわけであって、実際に廃棄物の大半を排出し、処理を行うのは市場関係者であることは承知しておりますけれども、東京都としても、開設者として事業者のリサイクルの取り組みを支援して、リサイクル率の圧倒的な向上を目指して努力をしていただきたい、こういうことを要望させていただきます。
以上です。
○馬場委員 私も市場環境白書につきまして、自動車排出ガス削減、それから燃料費の削減等の観点から、アイドリングストップ用外部電源供給設備の整備についてお伺いいたします。
自動車のアイドリングというのは、排出ガスによる大気汚染の原因となるとともに、CO2の発生原因でもあります。このため環境確保条例では、一般的な自動車のアイドリングを禁止しているところですが、冷凍冷蔵庫等を積んでいる車についてはアイドリングを容認していると聞いております。このことは、産地から生鮮食料品を運ぶ冷凍冷蔵車が多く訪れる卸売市場にとっては、大変環境負荷が高い、大きな影響があるというふうに思われます。市場内で多くの冷凍冷蔵車がアイドリングを行えば、市場の大気の環境が悪化する。多くのCO2が排出され、地球環境にとっても有害であると思います。中央卸売市場は、市場内で行われるアイドリングをもっと深刻な問題としてとらえて対策を進めるべきだと考えております。
環境白書によれば、市場でも幾つかの対策が講じられているようですが、最も有効な対策は、アイドリングをとめても冷凍冷蔵設備を稼働させることができる外部電源供給設備の整備だと思います。資料では、九八%削減できるというふうになっております。
そこで、まず、中央卸売市場の各市場におけるアイドリングストップ用外部電源供給設備の設置状況、この白書によりますと、市場の合計で百二十五口と記載されておりますが、その市場ごとの内訳、どんな状況になっているのか、お答えください。
○後藤調整担当部長 平成十九年度の時点では、築地市場に八口、食肉市場に九十四口、大田市場に八口、足立市場に十口、淀橋市場に五口の、合計五市場で百二十五口が整備されております。
○馬場委員 全十一市場のうち五市場、百二十五口というのは大変少ないのではないかと受けとめます。特に、食肉市場九十四口のほかは、築地が八口、大田が八口。大変な車が流入、流出するであろう市場で、問題点が指摘されながら、それぞれ八口しか電源供給設備が整備されていないというのは、ちょっと納得できないなという思いで、この白書を見せていただきました。
それでは、この外部電源供給設備の整備が進まない理由はどこにあるというふうにお考えでしょうか。
○後藤調整担当部長 現在使用されております冷凍冷蔵車は、外部電源に接続した際に、冷凍冷蔵設備と運転席の冷暖房を同時に稼働させることができない構造になっております。このため、運転室内に待機しているドライバーが冷暖房を利用しようとすればアイドリングを行わざるを得ず、現状では、外部電源供給設備に対する需要は限定されていると考えております。また、狭隘な市場内で外部電源供給設備を備えた待機車両専用のスペースを確保することが困難であることも、整備が進まない理由の一つでございます。
○馬場委員 トラックの設備や市場の狭隘さに主な原因があるというご答弁でしたが、その状況でも、今でもとまっている車はあるはずですよね。そのとまっている車が何とか外部電源供給設備が使えるように、少なくともできるところを探せばいいというふうに私は単純に思うのですが、そう単純にはいかないというご答弁なのかなと思いながら伺っておりました。
今の車のあり方が、アイドリングストップをすると運転席に冷暖房がいかなくなるということなんですが、そのこともそうですが、そもそも冷凍冷蔵車をとめて荷おろしをするときでもアイドリングを行わざるを得ないという状況なので、ここのところは大変大きな課題だというふうに思います。
今、そもそも運転席で使えないからという理由でしたけれども、運転席に冷暖房が必要なのは一年のうちにどのくらいでしょうか。半分もないのではないかなというふうに思うのですが、冷暖房が必要でないときにアイドリングストップができるような、せめてもそういうことを整えれば、確実に環境改善に結びつくのではないかというふうに思います。
市場では、冷凍冷蔵車がどのくらい流入、流出しているかという調査はしていらっしゃらないようで、数字が入っておりません。ということは、今のご説明も含めて、対応をどうしていくのかということのそもそもの状況把握ができていないのではないかというふうに思います。市場内の環境を積極的に改善していくには、車を持っている人、運転してくる人が欲しいといわないからだという話も伺っておりますが、でも、安心してアイドリングストップができるような設備を市場の方で積極的につくらないから要求がないのか、要求がないからつくらないのかということも含めて、この白書の中でもはっきり書かれていないのですが、私は、市場としてこの設備をすることによって利用者がふえるというふうに思っております。
こうした外部電源供給設備の整備を進める、普及させる、そのことをもっと積極的に進めていく方法等、お考えがあるようでしたらお聞かせください。
○後藤調整担当部長 外部電源供給設備の整備を進めるには、接続した際に冷凍冷蔵設備部分と運転席の冷暖房装置の両方が稼働する車両設備が普及することが前提となります。このため、中央卸売市場として、車両設備の技術開発を支援するよう、国に提案要求を行ってまいります。
また、各市場におきましては、駐車場等の使用実態や市場関係業者の意向を踏まえながら、設置スペース確保の可能性など、整備に向けた具体的な検討を進めてまいります。
なお、豊洲新市場では、専用の待機駐車場と運転手控室を整備する計画であり、百九十口の外部電源設備を設けることとしております。
○馬場委員 自動車が改良されるということも大事ですし、豊洲では運転手の皆さんが待機できる場所ができるから、百九十口の外部電源設備も設けるというふうに今ご答弁いただきました。
しかし、豊洲の話もまだ先のお話ですし、今現在の築地、それから大田もそうですが、どのぐらいの車が入ってきて、その需要があるのかということも含めて調査をし、そして、二つ目にお答えいただきました、駐車場のどこが使えるかというようなことについても、ぜひとも積極的に整備のための調査をまずしていただきたいというふうに思います。
この白書でも、二二ページから二四ページにかけて、実は大変詳しく外部電源供給設備について触れられております。使用するメリット、それから、外部電源式アイドリングストップ給電システムというのがどういうものであるかというのも、ここまできちんと触れられているのに、どうこれを対策をしていくか、これを導入するかということについて触れられていないというのは大変残念です。
今、ニュースでも、燃料費が上がっていて、漁船、イカ釣りの船とかマグロとか、ガソリンの高騰で操業を停止しているというようなニュースも聞こえてきますし、市場として、毎日搬入されるトラックの燃料費というのがどんどん上がっている、経費が上がっている今の状況を考えると、一日も早く、一台でも多く、このアイドリングストップができるということは、今、ある意味、燃料費の削減にもつながる大変効果の大きい、わかりやすい状況だというふうに思います。事業者、関係者等と連携をして、ぜひともこの整備を一日も早く進めていただけますよう要望して、質問を終わります。ありがとうございます。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○増子委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百四十三号議案及び第百四十四号議案を一括して議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○岡崎委員 中央卸売市場条例の一部改正についてお伺いいたしますけれども、今回の条例改正における委託手数料の弾力化は、平成十六年の卸売市場法の改正に基づくものであり、法改正の趣旨は、市場機能の強化を図り、安全・安心で効率的な流通システムへの転換を図るというものと聞いております。
そこで、今回の委託手数料の弾力化によって、市場にはどのようなメリットが生じると考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
○荒井事業部長 平成十六年度の卸売市場法の改正は、市場機能の強化に向けた規制の緩和等を内容として行われました。今回の条例改正で、都は、従来全国一律で定められていた委託手数料について、卸売業者がみずから卸売手数料を設定して知事に届け出る事前届け出制をとることといたしました。これにより、卸売業者が自己の責任で機能、サービスに応じた手数料を設定することが可能となり、卸売業者の創意工夫を生かした経営により市場取引の活性化が図られ、生鮮食料品の安定的な供給が促進されるものと考えております。
○岡崎委員 卸売業者が創意工夫して競争力の強化が図られ、市場取引が活性化されるということでありますけれども、卸売業者の競争力強化が仲卸業者などの市場関係業者を圧迫することのないように、都として公正取引を確保していただきたいです。
ところで、卸売業者は条例の規定に基づいて、当日卸売する主要な品目ごとの数量と産地を卸売時刻までに卸売り場に掲示しなければならないことになっております。私が三月十八日にこの経済・港湾委員会で築地市場の例を出して、掲示板への入力がなされていないと質問したところ、事業部長は、今後正確な情報を把握し、販売開始時刻までに適切に掲示を行うよう卸売業者を指導すると答弁をしておられました。
その後、具体的にどのように指導をしたのか。また、指導の結果、卸売販売時刻までに数量や産地等が適切に掲示されるようになったのか、お伺いしたいと思います。
○荒井事業部長 卸売予定数量の場内掲示については、卸売業者を指導し、販売開始時までに上場予定数量、産地等を掲示しております。今後とも適切な掲示が行われるように指導してまいります。
○岡崎委員 都は、市場管理者として、市場に入ってくる品物の数量や産地等、適切な情報を把握していなくてはいけないわけでありますけれども、把握をしているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○荒井事業部長 東京都中央卸売市場の卸売数量、産地及び販売価格などについては、各卸売業者より取引終了後に報告を受けており、内容を把握しております。この報告は、日報や月報として中央卸売市場のホームページでも公開をしております。
○岡崎委員 そうすると、都は、市場に入荷する品物や数量について把握しているということでありますけれども、東京都中央卸売市場条例第九十四条及び別表第四では、通過物の使用料というものが定められております。
この通過物使用料とは一体何であるのか。具体的には、築地市場を例にお伺いしますが、届け出はどのようになっているのか、また、毎年の通過物は何トン程度で、その使用料の収入はどのように推移をしているのか、お伺いしたいと思います。
○荒井事業部長 通過物使用料とは、他市場などへ搬送される物品が輸送の都合上などで一時的に市場に搬入されるもので、市場の取扱物品として上場されることなく、単に市場を通過してほかに搬出される物品について、それを搬入する荷扱い人から市場施設の使用料として徴収する使用料です。
市場に通過物を搬入する荷扱い人等は、条例の施行規則第七十四条に基づきまして、当該物品が市場に到着したときは速やかに通過物届け出書を都に提出しなければならず、東京都は届け出書に基づき使用料を納入させることとしています。
この使用料の額は、生鮮水産物は一トンにつき千三百三十円、野菜は一トンにつき三百三十五円などとなっております。
築地市場においては、過去五年間、通過物の届け出がなく、収入実績はございません。
○岡崎委員 届け出がないと。通過物使用料の届け出がないとするならば、通過物数量を含めた市場全体の取引量を都として把握できないのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○荒井事業部長 通過物は、市場内に搬入されるものの上場されることなく市場から搬出される物品ですので、市場取引物品ではないために、市場の取引数量には含まれないというものでございます。
○岡崎委員 そうすると、加えてもいないということですね。
これは最後の質問にしますが、委託手数料の弾力化が実現すると、卸売業者間の競争が激しくなって、卸売業者は安定的に販売数量を確保できる量販店に対して多くの物品を安い価格で相対取引で販売をして、競りに確保される物品は減少することも考えられるわけであります。
この結果、水産物の仲卸業者というのは、一億円から三億円ぐらいの売り上げの方が七百五十社のうち二百九十二社、一億円未満も百六十五社と、大変に小・零細の方々が多いわけでありますが、こういった中で、仲卸業者が少ない競り物品を高く購入することになるのではないかという心配をするわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
○荒井事業部長 市場における取引は競りと相対で行われており、仲卸業者は、競り取引だけではなく、卸売業者との間で交渉により価格を決める柔軟性のある相対取引も積極的に行っております。
競り対象物品及び競り数量や割合については、卸売業者、仲卸業者、それに売買参加者等で構成される各市場の取引委員会で定めることになっており、一定数量の競り物品が確保されることになっています。この取引ルールの違反があった場合は、都は、公正公平な取引を確保するよう取引指導を行ってまいります。そのため、仲卸業者が少ない競り物品のみを高く購入するということはないものと考えております。
○上野委員 私からは、東京都中央卸売市場条例の一部改正におきます卸売業者の販売委託手数料の弾力化について三点ほど質問し、確認をしていきたいと思います。
まず、国は、卸売業者の販売委託手数料について、料率を開設者が定めるとか、開設者が上限を定めて、その上限の範囲内で承認制とするなど、四通りを例示していたはずであります。中央卸売市場はこのたび、なぜ事前届け出制をとることにしたのか、その理由をご説明願います。
○荒井事業部長 卸売業者の販売委託手数料については、料率を開設者が定めることとする、あるいは開設者が上限を定めた上で承認制とする、開設者が上限を定めた上で届け出制とする、卸売業者の届け出制とするという四つの例が示されていました。
現在、市場を取り巻く流通環境が大きく変化し、市場外流通もふえてきている中で、中央卸売市場が活性化を図り、今後ともその機能を果たしていくためには、開設者だけではなく、実際に活動している業界の努力、中でも中心的な役割を果たす卸売業者が自主的、自立的な経営努力と経営判断をしていくことが重要です。
このため、都は、全国一律に定められていた手数料率の規制を緩和して、卸売業者が機能、サービス等に応じて、みずからの判断で委託手数料率を設定することができる事前届け出制をとることとし、卸売業者の創意と工夫を生かした経営が可能となる制度にしたものでございます。
○上野委員 ところで、販売委託手数料は卸売業者の基本的な営業収入と聞いております。今回の届け出制とすることによりまして、卸売業者は自由に販売委託手数料率を設定できることになります。しかし、そのことは一方で卸売業者間の過度の競争を生んで、経営への悪影響が出ることが懸念されます。そうならないような仕組みづくりが必要であると考えますけれども、いかがでしょうか。
○荒井事業部長 産地や販売先がそれぞれ大型化するなど市場流通が変化する中で、卸売業者の経営は厳しい状況にあります。このような状況においては、過度な業者間競争により卸売業者の経営が悪化して、市場流通を阻害することのないよう、卸売業者の健全な経営を確保していく仕組みが必要です。
このため、都は、届け出に際しては事前調査制度を設け、卸売業者の経営状況を確認しながら、手数料率の根拠等を調査し、妥当性を確認することとしました。特に、手数料率の変更を行う場合は、卸売業者の経営に与える影響が大きいことから、専門的な見地からの検討を行うために、公認会計士などの専門家による調査委員会で調査を行います。また、手数料率設定によって届け出後に卸売業者の財務の健全性が損なわれた場合等には、開設者が手数料率の改善措置命令を行うことができることとしております。
○上野委員 最後になりますけれども、卸売業者の販売委託手数料につきましては、その重要性もあり、卸売業者の経営の健全性にかかわる対策もきちんと講じているようでありますけれども、卸売市場法の改正では、完納奨励金や出荷奨励金についても改正がされております。開設者が、承認制、届け出制、関与しないといった例から選択して決めることとされましたが、今回の条例改正では、この点についてどうなっているのか、関係業者の方々は心配されております。完納奨励金、出荷奨励金ともに市場取引では重要な役割を果たしていると聞いております。
特に、この完納奨励金につきましては、仲卸業者などの市場関係業者に与える影響は大きいものがあります。都は開設者としてどのような制度にしようとしているのか、明確な説明をしていただきたいと思います。
○荒井事業部長 完納奨励金は、卸売業者が一定の期間内に販売代金を完納した仲卸業者や売買参加者に交付するものです。完納奨励金制度については、出荷者への代金決済を早期かつ確実に行うことにより、安定的な出荷を確保する機能を有しています。特に青果部では、代払い制度の仕組みによって卸売業者へ早期かつ確実に販売代金が支払われることから、卸売市場の出荷者に対する代金決済の信頼が確保され、出荷者は安心して卸売市場へ出荷することができるという市場機能の根幹を担っています。
今後とも、仲卸業者及び売買参加者と卸売業者とが統一したルールにより代金決済を確実に行えるよう、都の承認制のもとで、本制度を維持継続して運用してまいります。
○上野委員 この完納奨励金は、代金決済という市場機能に重要な役割を果たしておるわけでございます。特に、仲卸業者等の市場関係業者に与える影響も大きいものがありますので、東京都は完納奨励金の市場機能に果たす役割を踏まえ、今後とも制度のあり方にきちんと関与していってもらうよう要望いたしまして、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時四十二分散会
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