経済・港湾委員会速記録第七号

平成二十年六月十九日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
副委員長大西由紀子君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
田島 和明君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
総務部長塚田 祐次君
参事櫻井 和博君
商工部長三枝 健二君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長目黒 克昭君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長松本 泰之君
事業推進担当部長小田 昭治君
港湾局局長斉藤 一美君
技監尾田 俊雄君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長山本  隆君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長小林 敏雄君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
営業担当部長藤原 正久君
港湾整備部長飯尾  豊君
計画調整担当部長山本  浩君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長室星  健君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について

 産業労働局関係
報告事項(質疑)
・新銀行東京について
・平成十九年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて
契約議案の調査
・第百五十号議案 東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約

 港湾局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十五号議案 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成十九年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて
・平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算の繰越しについて

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○増子委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の契約議案の調査及び港湾局関係の付託議案の審査並びに産業労働局、港湾局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十年六月十八日
東京都議会議長 比留間敏夫
経済・港湾委員長 増子 博樹殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百五十号議案 東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約
2 提出期限 平成二十年六月二十日(金)

○増子委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、報告事項、新銀行東京についてに対する質疑を行います。

○山口委員 この際、参考人招致を求める動議を提出いたします。

○増子委員長 ただいま、山口理事から参考人招致を求める動議が提出されました。
 ただいまの動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○増子委員長 起立少数と認めます。よって、参考人招致を求める動議は否決されました。
 それでは、議事を進めます。
 本件報告事項については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○塚田総務部長 去る六月六日の当委員会でご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりいただきますと、目次がございます。資料は全部で二十二項目でございます。
 一ページをお開きください。新銀行東京の平成二十年三月期決算と決算見込みとの対比をお示ししてございます。
 財務の状況については、純資産が決算見込みと比べて十五億円増の百六十五億円、損益の状況については、純利益は決算見込みと変わらずマイナス百六十七億円となっております。
 二ページでございます。二ページは、平成二十年三月期決算における外国証券の内訳でございます。
 続きまして、三ページでは、開業以降の月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額について、平成十七年度から平成十九年度までの実績をお示ししてございます。
 四ページでは、開業以降の融資、保証実績で、月別、メニュー別の件数、金額をお示ししてございます。
 平成十七年度から平成十九年度までの中小企業向け融資と保証を合わせた実行件数の累計は、右下の表にございますように、一万七千三百七十一件、実行金額は二千七百七十三億八千万円でございます。
 五ページでは、開業以降の融資、保証実績で、事業規模別の件数、金額を売上高区分に応じてお示ししてございます。
 六ページをお開きください。開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資、保証実績をお示ししてございます。
 平成十九年度末の融資件数は四千七百八十七件、残高は三百七十五億円となっております。
 七ページは、不良債権の状況でございます。
 平成十九年度末の不良債権の合計は、三百五億七千九百万円となっております。
 続きまして、八ページでは、平成二十年三月期決算で業種別貸出金におけるその他の内訳をお示ししてございます。
 九ページでは、平成二十年一月から三月までの預金種別金額、割合及び口座数をお示ししてございます。
 平成二十年三月末時点での預金額は三千七百五十七億五千四百万円、口座数は九万七千二百八十一口座となっております。
 一〇ページは、平成二十年一月以降のコンプライアンス委員会の開催状況でございます。
 一一ページと一二ページは、平成二十年一月以降の統合リスク管理委員会の開催状況でございます。
 一三ページでは、平成二十年一月から五月までのお客様の声、利用者の声の件数をお示ししてございます。
 一四ページは、平成十九年三月期決算と平成二十年三月期決算における業種別貸出金残高の推移でございます。
 一五ページでは、平成二十年三月末現在の預金及び債権をお示ししてございます。
 平成二十年三月末現在の預金は三千七百五十七億五千四百万円、融資と保証を合わせた債権は二千四百五億九千万円でございます。
 一六ページでは、不良債権及び健全資産の内訳をお示ししてございます。
 一七ページでは、開業以降の融資実績で、地区別の件数、金額をお示ししてございます。
 一八ページは、公共工事代金債権信託の件数、実行額でございます。
 件数、実行額ともに毎年増加しており、平成十九年度の実行件数は百四十三件、実行額は六十四億七千百万円となっております。
 一九ページでは、再建計画の具体化状況をお示ししてございます。
 二〇ページは、経営監視委員会の概要をお示ししてございます。
 二一ページでは、平成二十年三月末現在におけるファンド運営会社並びにベンチャーファンドヘの出資の概要及び実績をお示ししてございます。
 二二ページは、過去五年間の国内銀行の中小企業への貸出金残高でございます。
 最後の二三ページでは、産業労働局が所管する都施設の目的外使用の主な例をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 新銀行についてでございますけれども、先日の経済・港湾委員会の事前説明でも報告がありましたが、さきの第一回定例会以降今日まで、新銀行東京をめぐり、経営監視及び支援を強化するための専管組織の設置、四百億円の増資の実施、金融庁の検査、店舗の統合、二十年三月期決算の発表など、大きな動きがございました。
 これらは、金融庁の検査を除き、再建計画や付帯決議に盛り込まれた内容が順調に実行されてきたものであると認識していますが、再建計画を確実に実行することは、新銀行東京の早期再建につながるものであり、今後もぜひ着実に推進していってもらいたいと思います。
 そのためには何よりも、まずは再建計画初年度である今年度の取り組みが重要であります。我が党の服部総務会長が代表質問でもただしましたが、新銀行東京の最近の取り組み状況について確認したいと思います。
 先日、経済・港湾委員会で報告のあった決算発表の資料では、主な取り組み内容として三点記載されていますが、最初に、経営監視体制の確立として六月に立ち上げられた経営監視委員会の概要について、まず伺います。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会でございますけれども、取締役会や執行役から独立をいたしまして、新銀行東京の業務運営の適切性や有効性などにつきまして、客観的かつ厳正に検証、評価し、適時適切に問題点の改善に向けた提言を行うために設置されたものでございます。
 弁護士、公認会計士及び金融専門家の専門性を有する外部委員三名で構成されているところでございます。

○神林委員 そこで質問するわけですけれども、これまで、取締役会や監査委員会、コンプライアンス委員会など内部統制組織は、業務執行を監督する機能など、その機能を十分果たしてきませんでしたけれども、今回の経営監視委員会は十分機能を果たしていくのか、都の見解を伺います。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会は、取締役や執行役などの経営陣以外の、専門性を有する外部委員によりまして構成されております。取締役会などから独立をいたしまして、新銀行東京を厳正に監督し、経営陣に対する助言、提言、勧告を行う権限を有しており、適切かつ有効な業務運営に資すると考えます。

○神林委員 当然のことになると思うのですけれども、経営監視委員会は専門性のある外部委員により構成されるということですので、ぜひ、客観的かつ公正な立場から、シビアな視点で新銀行東京の経営を監視してもらいたいと思います。特に、計画に基づく進捗管理や、金融専門家の委員による専門性を発揮した指導監督が行われることを強く期待いたします。
 次に、効率的な執行体制の確立として、本店、本部機能の集約化と、スリム化した効率的な組織の実現を挙げていますが、その内容について伺います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京は、再建計画に基づきまして経営の効率化を図るため、五月にすべての店舗及び本部を新宿に統合いたしました。また、人員削減を進めるとともに、店舗の集約等に伴う業務フローの見直しを行ったところでございます。これらによりまして、七月に、効率的に業務を推進できる組織の実現を図ることとしております。

○神林委員 そこでですけれども、これも当然な心配として出てくることでございますが、店舗を一店舗に集約し、人員を大幅に減らすことは、確かに経費の削減にはつながりますが、肝心の業務に支障は出ないのか、また、顧客に不便をかけることがないのか、伺います。

○櫻井金融支援担当部長 人員削減に伴いまして、間接部門からフロント部門への人材シフトによりまして営業力の強化を図りますとともに、正社員比率を高め、幅広い事務に対応できる人材を配置、育成することによりまして業務に対応してまいりたいとしております。
 また、店舗の集約に伴いまして、融資相談コーナーを、六月二十三日から秋葉原の中小企業振興公社を初め城南、多摩の中小企業振興センターに、八月には城東のセンターにそれぞれ開設いたします。融資相談コーナーでは、相談員が常駐いたしまして、融資一般に関する問い合わせへの対応や、資金繰りを初めとした相談を行うこととしているところでございます。

○神林委員 今お話を聞いた中で、これも要望ということになろうと思いますが、人員を減らした分については、研修などにより一人一人の能力向上を図ることなど、対応策を確立することが必要でございます。また、融資先の経営実態の見きわめなどの目ききの能力などの質的向上を図ることも重要でございます。さらに、融資相談コーナーについては、顧客サービスの観点から、その効果について十分検証を行い、今後の事業運営に反映させていただきたいと存じます。
 次に、融資相談コーナーと並んで、都との連携による事業の立ち上げとして挙げられている公共工事代金債権信託について伺います。
 公共工事代金債権信託は、新銀行東京が都と連携して開発した商品であると聞いていますが、改めてこの制度の趣旨と中小業者へのメリットについて伺います。

○櫻井金融支援担当部長 平成十七年度から実施しております公共工事代金債権信託でございますが、これは、都が発注いたしました工事について、受注業者が、本来であれば工事完成後に受け取ることができます工事代金を、工事の進捗状況に合わせまして、完成前に得られるようにするものでございます。
 具体的には、工事の出来高に応じた部分の工事代金を信託受益権とすることによりまして、工事が八割程度までできた時点で、既に支払われた前払い金四割を差し引いた残りの四割程度に相当する工事代金を工事完成前に受け取ることができる制度でございます。
 都は、この制度が中小企業の新たな資金調達の道を開き、中小企業支援という都の施策に合致することから、受注業者の申請に基づき、工事請負代金債権の譲渡の承諾をすることとしたところでございます。

○神林委員 今お聞きしていまして、この制度は、中小企業の資金調達という意味では本当にありがたいものだと思います。これは大いに有効な制度でございます。都庁の部局はもちろん、関係団体の工事においても活用すべきと考えますけれども、所見を伺います。

○櫻井金融支援担当部長 公共工事代金債権信託につきましては、これまで、都庁各局の発注する公共工事におきまして利用拡大が図られてきたところでございます。新銀行東京では、今後、都の関係団体が発注する工事においても利用できるよう、事業展開を図っていくこととしております。

○神林委員 今、利用拡大を図っていくというご答弁がございましたので、ぜひ拡大を図っていただきたいと存じます。
 それと、もう一つあわせまして、五月三十一日の日本経済新聞によれば、四月の新規住宅着工戸数は前年同月比で八・七%減少しております。十カ月連続で減少となるなど、建設投資の低迷が今続いているところでございます。このように厳しい経営環境が継続する中で、新銀行東京では、公共工事受注業者の利便性に配慮した、新しい公共工事代金債権信託の取り扱いを七月から開始するとのことですが、その内容について伺います。

○櫻井金融支援担当部長 今お話がございました、新銀行東京が開発中の新商品でございますが、これは、工事の前払い金に相当する四割が完了した時点で工事未完了部分の資金を調達可能とするスキームでございます。現在の商品よりも早い時点で工事受注業者への資金供給が行われるため、下請業者への資金循環も図られるものと期待しているところでございます。
 なお、このスキームによる商品につきましては、この七月中には実施する予定であると聞いております。

○神林委員 こういった中小企業の利便性向上につながる取り組みは、これからもぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 次に、増減資について伺います。
 新銀行東京に対する追加出資については、第一回定例会において議論を行い、これを承認したところですが、四月三十日に実際に追加出資が行われたとの説明がありました。また、新聞報道によれば、新銀行東京では累積損失一掃のため減資を行う考えであり、今度の定時株主総会で減資を決議する予定であるとのことです。我が党の服部総務会長が代表質問でこれに対する都の考えをただしたところ、都はこれを受け入れる方針を表明しました。
 そこで、増減資について改めて確認しておきたいと思います。
 通常、経営再建のための増資と減資は一体で行われると聞きますが、今回、増減資一体ではなく増資を先行して単独で行ったのはなぜなのか、理由を伺います。

○櫻井金融支援担当部長 新銀行東京の信頼回復のためには、一刻も早く経営再建を行うことが必要でございますが、そのためには、新年度の事業への早期の取り組みが不可欠でございます。こうした取り組みによりまして、資本増強による財務基盤の強化を図る必要があると新銀行東京が判断をいたしまして、四月に増資を実施したものでございます。
 一方、減資につきましては、四月の時点では決算が確定しておらず、減資によりまして解消すべき損失の額が明らかでなかったため、銀行としては、決算が確定いたしましたこのタイミングで株主総会に提案することとしたということでございます。

○神林委員 その次に、追加出資により優先株を引き受けたと聞いておりますが、優先株の内容について伺います。

○櫻井金融支援担当部長 今回の追加出資により引き受けました優先株は、剰余金の配当及び残余財産の分配の二つの点におきまして普通株に優先するものでございます。
 剰余金の配当の優先というものは、新銀行東京が再建を果たし、剰余金の分配可能額が生じた場合には、普通株に先立ちまして優先配当を行うというものでございます。
 残余財産の分配の優先とは、仮に事業清算を行い、残余財産を分配する場合には、普通株主に先立ちまして、四百億円まで優先して分配を受けるというものでございます。これによりまして、都が追加出資いたしました四百億円につきましては、優先して確保することが可能でございまして、四百億円を毀損しないという付帯決議の趣旨を踏まえた内容となっているところでございます。

○神林委員 今の答弁を聞きますと、少しほっとした部分もあるのですが、次に減資についてですが、今回減資を行うメリットは何なのか、お伺いしたいと思います。

○櫻井金融支援担当部長 減資につきましては、過去の負の遺産であります累積損失を一掃し財務体質が改善されるという効果があるとともに、株主にとりましては、配当開始時期が前倒しになる可能性があるなど、メリットが考えられます。さらに、銀行にとりましては、法人事業税が軽減されることによりまして、経費が削減されるという具体的なメリットもございます。

○神林委員 それでは逆に、一般的には、減資により、設立時に都が出資した一千億円の大半が毀損することになるのではないかという心配がありますが、実際のところはどうなのか、所見を伺います。

○櫻井金融支援担当部長 今回の減資でございますが、累積損失の解消の範囲内で行われるものでございまして、資本額の変動でございます。これによりまして、実質的な企業価値、会社財産が増減することはございません。また、株式の価値にも影響しないものでございます。現在、都が普通株式として保有しております八四%の議決権比率につきましても、変動はないものでございます。

○神林委員 今ご答弁を聞いていまして、今回の増減資は、新銀行東京を再建するために必要なものであり、付帯決議の趣旨も踏まえて行われていることが理解できました。新銀行東京には、増減資の効果を十分生かして、再建に取り組んでもらいたいと思います。
 さて、冒頭申し上げましたが、金融庁の検査が実施され、五月十六日からは立入検査が行われているところでございます。金融庁の検査については、四百億円の増資を終えた途端、突然実施されたような感がありますが、都としては今回の金融庁の検査についてどのように認識しているのか、伺います。

○目黒金融監理室長 金融検査でございますが、金融庁が、信用秩序の維持や預金者保護を目的といたしまして、銀行法に基づいて実施する検査でございます。検査の予告後、事前の資料提出を要求した上で、金融庁や地方財務局の検査官が銀行の店舗に立ち入りまして、資産内容など銀行業務全般について調査を行うものでございます。
 検査に入ります時期は、金融庁がみずから判断をして行うものでございます。新設された銀行におきましては、平均で設立から三年程度で検査に入るとのことでありまして、今回のケースは定例的な検査だというふうに認識しているところでございます。

○神林委員 金融庁の検査の結果によっては、貸倒引当金の積み増しなど、三月期決算に影響が及ぶことも懸念されます。都としては金融庁の検査の結果についてどのような見通しを持っているのか、伺います。

○目黒金融監理室長 現在、検査が継続中でございまして、都としてもその動向を見守っているところでございます。検査の指摘によりまして、ご指摘のありましたような貸倒引当金の積み増しなど、より適正な事業運営が必要とされる場合もあるかと思いますが、金融検査は金融機関の業務の改善に資するものであるというふうに認識をしておりまして、その結果を待ちたいと考えております。

○神林委員 金融庁の検査結果については真摯に受けとめ、新銀行東京の経営改善にぜひ生かしていただきたいと思います。
 サブプライムローン問題に端を発する金融市場の混乱や、原油高を初めとする原材料費の高騰はとどまるところを知らず、中小企業を取り巻く環境は、新銀行東京が再建計画を策定した本年二月から大きく変化をしております。このような環境変化に対応するため、都では、発注済みの公共工事代金に資材高騰分を上乗せして受注業者の方々に支払う物価スライドを、昭和五十五年の第二次オイルショック以来二十八年ぶりに導入することとしたところです。新銀行東京は、再建計画に記された事業を忠実に実施するだけではなく、こうした状況の変化に柔軟に対応しながら再建を果たしていかなければなりません。
 非常にスムーズに質疑が終了いたしましたので、最後に、新銀行東京の再建に向けた産業労働局長の決意を伺って、私の質問を終わります。

○佐藤産業労働局長 ただいま副委員長からも、昨今の日本の経済状況に対する、厳しい環境があるというお話がございましたけれども、四月に発表されました厚生労働省の調査によりましても、原油等の資源価格の高騰ですとか円高等の影響が、価格転嫁をできない中小企業の収益を圧迫している、そのようなことが明らかにもなっております。
 また、昨日の新聞報道にもありましたけれども、二〇〇七年度末の国内銀行の中小企業向け融資残高、これが三年ぶりに前年を下回ったというようなことが報道されておりまして、国内銀行が景気の減速を受けて中小企業向け融資の抑制に動いているというようなことが懸念されているところでございます。
 このような中小企業を取り巻く厳しい状況においては、ご指摘のとおり、新銀行東京におきましても再建に向けた取り組みを着実に実施するとともに、経済、金融環境の変化に対応して、柔軟な視点でこの事業に取り組んでいくべきであろう、そういうふうに考えております。
 都としましては、今後とも、新銀行東京が中小企業の継続支援に軸足を置きつつも、経営再建が着実に達成されるよう、全力で支援をしてまいる覚悟でございます。

○山口委員 新銀行東京についてさまざま伺っていきたいわけなんでありますが、この四百億円の追加出資から始まって、新銀行は恐らく皆さんが想像しない方向に動き出して、さらに、大変残念なことですが、監視をしなければいけない、事あるごとに支援をしていかなければ自走ができない、そんな状況にまで陥っているわけでありますが、経営の監視だとか支援の機能を強化するという観点から、産業労働局内に新たに金融監理室、金融支援担当部長、また金融支援担当副参事が新設されたわけであります。
 また、経営監視という観点からいえば、新銀行東京においても経営監視委員会が新たに設置されて、こちらは、経営状況の監視と再建計画の進みぐあいをも監視することが設置の目的だということであります。
 これを前提としてまず伺いたいのですが、そもそもこれらができた背景には、新銀行東京の業務や組織に見えないところが多かったということ、これが原因であることは明らかなんでありますが、その新たな機関がいかなる手段をもって、どこにこの監視の結果を報告していくのか、また、議会や都民はこれを知ることができるのかどうか、まず伺いたいと思います。

○目黒金融監理室長 金融監理室でございますが、再建計画が円滑かつ効果的に実施されるよう、新銀行東京の経営の支援及び監視を行うために設置された組織でございます。
 新銀行東京から報告を受けた事項につきましては、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で、可能な限り情報を開示してまいりたいと思います。
 また、経営監視委員会でございますが、再建計画の進捗状況、経営陣の職務執行につきまして監視を行う目的で、取締役会のもとに設置されてございます。この委員会は、取締役会から独立して、経営陣に対する助言、提言、勧告を行うことができるものでございます。

○山口委員 まず、この産業労働局内の新部課に関して伺いますが、前身の課から人数、体制ともに強化されたわけでありますが、これまでは銀行が業務報告を、開示すべき事項というものを選んで都に報告をしてきたわけなんでありますが、これからは、この部局によってさまざまなことが明らかにされるという認識でよろしいのかどうか、確認をしたいと思います。

○目黒金融監理室長 四月に産業労働局内に金融監理室を設置し、新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況を適時適切に把握する観点から、経営監視のあり方を見直したところでございます。
 具体的には、これまでの中小企業支援の取り組み状況に加えまして、損益や不良債権の管理状況など、経営状況や再建計画の進捗状況について報告を受けることといたしました。
 新銀行東京から報告を受けた内容につきましては、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で、可能な限り明らかにしてまいります。

○山口委員 これまでとどこが変わったのかというところが明らかにわからないあたりが、まだまだこの組織自体がどのように機能していくのか、また、どういった情報が開示されていくのか、これから先を通じてしっかり伺っていかなければいけないところなんでありますが、いずれにしても、新しい組織ができるに当たって、体制を変えるからには、反省があって当然しかるべきものなんであります。これまでも組織は存在したわけですから、どのような反省のもと、どのような理由のもと、新たな体制になったのかを伺いたいと思います。

○目黒金融監理室長 都はこれまでも、必要な情報の入手に努め、意見表明を行うなど、経営の大枠を監視してまいりましたが、銀行法による制約もあり、結果として監視が十分であったとはいえません。
 付帯決議の趣旨を踏まえまして、新銀行東京の再建に向け、適切な監視と積極的な支援に取り組んでいくため、金融監理室を設置したものでございます。

○山口委員 反省のもと、前の組織の行っていたことを踏襲されないのか、内容等について踏襲をされないのか、伺いたいと思います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況を適時適切に把握する観点から、経営監視のあり方を見直したところでございます。
 具体的には、損益や不良債権の管理状況など、報告事項についても内容の見直しを行ったところでございます。

○山口委員 部局が新たに新設され、新しい方々も入ってくるわけなんですが、この内容を見てみると、非常に専門性の高い事案の検証も今後ふえてくることが容易に想像できるわけなんであります。どのような人員や体制で臨んでいくのか、また、外注等の可能性はないのか、確認をしておきたいと思います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京の経営監視につきましては、金融監理室が主体となって実施をしてまいります。中間、期末の決算の分析など専門性の高い分野につきましては、外部の専門家も活用してまいりたいと考えております。

○山口委員 監視するものは、そもそもが金融や経営に関することばかりではないのではないでしょうか。ここの原点ともなってくる、そもそものこの銀行の体質、体制、また組織に関することなどを監視していかなければ、この銀行の再生ということ、皆さんがおっしゃる再建ということにつながっていかないと思うのですが、このあたりは対象にならないのかどうか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 金融監理室は、新銀行東京の再建計画が円滑かつ効果的に実施されるよう、監視に努めてまいります。

○山口委員 伺ってみると、金融の部分であったり経営に関する部分、特に再建計画に伴うものに関しては、この中でしっかりと議論をされていくのだなと。また、お話があったように、中間、期末の決算分析などの専門性の高い分野に関しては、外注をしてでもきちっと検査をしていくということでありますが、この銀行の体質そのもの、東京都とのかかわり方がどうであったかということに関しては、我々が再三質問をしてきたことに関して、ご答弁をいただけなかったわけであります。
 だからこそ、この新しい部局ができたことによって、どのように都とのかかわりができていくのか、またチェック体制が整っていくのか、東京都はどこまで情報を仕入れて、また私たち議会や都民に対して示してくださるのかということに私たちは非常に注目をしているところなんでありますが、今の答弁を聞いている限りでは、踏み込んだ検査や踏み込んだ経営監視だとか、そういったところにはまだまだ行き届かないのかなという不安が残るわけでありますが、検査をして中を見ていく中で、この期日をどのように区切っていくのか、今後の情報の公開等について伺っておきたいと思います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京から報告を受けました経営状況や再建計画の進捗状況につきましては、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で、可能な限り情報を開示してまいりたいと思います。

○山口委員 銀行の経営に影響を及ぼさない範囲。もちろん公表されるべきではない情報というものもあることは当然承知しております。しかしながら、情報が開示されなかったことによって、ここまでの状況になるまで私たちは知り得なかった。また皆さんも、銀行の経営状況がわからないがゆえに報告もできなかったとおっしゃっている。この状態が二度と繰り返されないように、この機関がしっかりと機能することを私たちは強く要望しておきたいと思います。
 また、経営監視委員会が新設もされたわけであります。本来この役割を果たすべきは社外取締役であったわけでありますが、取締役会でのこれまでの反省は、ここにおいて生かされるのかどうか。こういった点を都から強く要望しない限り、形を変えただけで、また同じことの繰り返しになるのではないかと思われますが、経営危機まで招いた反省が生かされる設置の実効性について伺いたいと思います。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会でございますが、取締役会のもとに置かれる組織でありますが、取締役以外の専門性を有する外部委員により構成されるものでございます。
 この経営監視委員会は、取締役会から独立をいたしまして、経営陣に対する助言、提言、勧告を行う権限を有しておりまして、新銀行東京の適切かつ有効な業務運営に資するものと考えます。

○山口委員 いずれにしても、新たに産業労働局内に新設されたそれぞれの課や部が、また、この経営監視委員会でこれから明らかにされていくであろう監視の結果が、しっかりと議会に、また都民にも示されるよう、皆様方がしっかりとその情報についても目を光らせていただきたいと思っておりますし、都民は非常にこの銀行の問題について注目しているのだという認識を持っていただくように努めていただきたいと思います。
 また、減資についても幾つか伺っていきたいと思います。
 前期の累積損失は一千十六億円に上っております。累積の半分近くは当然不良債権処理でありまして、三月末は一二・七%と、前期と比較をしても、六・二八%から見ても、実に倍になっているわけであります。この赤字解消のために減資を行い、累積赤字を解消するわけでありますが、一般質問でも述べたように、その時期というか、段階には大きな問題があることは、これは指摘せざるを得ません。
 金融庁の検査の結果を待たず、状況によっては、さらなる引当金の積み増しなどを迫られる可能性も当然あるわけでありまして、他の株主は、想定のもと、引当金の積み立てを始めているところもあるやに聞いております。金融庁の結果を待たないまま、六月下旬の株主総会において東京都が株主として新銀行の減資に賛意を示すのは、常識的に、どう考えても余りにも時期尚早であり、疑問を投げかけざるを得ない。
 都の見解は、決算により解消すべき損失額が確定した時期だから、減資を実施し、財務体質の改善を図る目的に賛同し、一日も早く体制を整えるために、金融庁の検査を待たず、新銀行東京の意向を尊重したいというお答えでありましたが、そもそも、これまでのこの銀行の経営判断が引き起こした事態がここまで尾を引いているにもかかわらず、この大切な判断を、株主たる東京都が--金融庁の判断を待ち、その後、株主総会を主導すべきではなかったのか。伺いたいと思います。

○櫻井金融支援担当部長 本会議でもお答えしたとおりではございますが、現在、新銀行東京におきましては金融庁検査が行われているところでございます。その終了時期につきましては、わからないという状況でございます。
 都といたしましては、再建に取り組む環境を一日も早く整えるために減資を実施しようとしております新銀行東京の意向を尊重してまいりたいというふうに考えております。

○山口委員 そもそも、何かそんなに慌てなければいけないような理由があったのでしょうか。お伺いしたいと思います。

○櫻井金融支援担当部長 決算が確定いたしましたこの時期に実施するというものでございまして、その新銀行東京の意向を尊重したということでございます。

○山口委員 また、我が党の代表質問においても、責任の所在と減資は切り分けて考えるべきという答弁が我々の質問に対してあったわけなんでありますが、私たちはとてもそうは考えられないと思っています。
 一連の経営不振のあらわれである累積赤字の原因というのは、これは不良債権にあることはさきにも述べたとおりなんでありますが、この原因究明なくして、同じ事態を招かないとも限らないわけであります。経営陣を刷新したから、再建計画を新たに立てたからでは、その理由には当然該当もしないわけであります。
 つまり、反省と究明なくして、本来は大切な税金、設立当初に出資した一千億円の八割以上を毀損、いわば追認する減資は認められるべきではないのではないかと私たちは考えているわけなんでありますが、都の見解を伺いたいと思います。

○櫻井金融支援担当部長 これにつきましては、本会議でお答えしたとおりでございますが、今回の減資につきましては、過去の負の遺産でございます繰越損失を一掃するために行われるものでございまして、資本の額は変動いたしますが、実質的な企業価値や会社財産は変動いたしません。東京都といたしましては、減資と旧経営陣の責任追及の問題とは切り離すべきものというふうに考えております。
 この責任問題につきましては、旧経営陣に対する責任追及につきまして、現在、新銀行東京が外部の弁護士に委託して調査を進めているところでございます。新銀行東京が厳正に対処すべきものであるというふうに考えているところでございます。

○山口委員 経営に関してしっかりと監視していくという立場をとってみたり、とあるところは新銀行東京の判断に任せるところがあったり、我々は非常に判断しづらいところが多いわけなんであります。その都度その都度の質問に対して、また、状況に応じて立場が変わってしまう新銀行であったり東京都であったりというものに対して、疑問を抱かざるを得ないわけなんでありますが、この件に関して追いかけていっても、恐らく本会議と同じ答弁ばかりが返ってくるのでしょうから、質問を変えていきたいと思います。
 知事は先日の記者会見において、毀損といいますかね、やっぱり身軽になってね、そのかわり、かかる税金が軽減されるわけですから云々と発言をされているわけです。この軽減と毀損のバランスや考え方については、これから馬場委員から後ほど質問させていただきますが、およそ自身のお金を出資する株主としてはいいのでしょうが、都民の税金を投入している知事の発言としてはいかがなものかと思います。
 さて、こういった背景に見え隠れしてくるのが新銀行東京の今後の見通しなんでありますが、知事は、追加出資後、直ちにセカンドステージだと述べられていたわけであります。私たちの代表質問に対して、都も、再建計画だけでは経営の安定化に必ずしも十分とはいえないことから、他の金融機関との連携について引き続き検討していくと答弁をされています。
 そこで伺いたいのですが、都として他の金融機関との連携についてどのような検討をされているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 都といたしましては、新銀行東京の経営基盤の強化に資するような他の金融機関との連携につきましては、引き続き検討していくということでございます。

○山口委員 この辺が非常にわかりづらいところなんですね。
 この五月二十二日には近畿産業信用組合が新銀行の支援を表明して、六月二日には津島代表が、外資も含めて資本提携や買収などの話が二、三件あると発言されているわけです。みずから支援表明をした近畿産業信用組合は別に、水面下でも、交渉を含め、今後もさまざまな合併や提携の話が出てくるのだろうと思います。
 知事のいう中小企業支援にはこれらも視野に入っているのかもしれませんが、少なくとも、これらの情報をマスコミが先行して耳に目にすることは、取引先中小企業は明らかに不安であろうと思います。もっと、どのような方法で進んでいくのか、今どのようなところと交渉なり折衝をし、また、将来的には独自再生をしていくのか、それとも合併吸収もあり得るのか。それでも説明や報告が預金者や取引先に示されないことは、もはやこの状況においては許されないわけでありますが、現状と方向性についてお伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 そうした連携等につきましては、中小企業を取り巻く経済、金融環境の変化などを十分に踏まえた上で、柔軟な視点で取り組んでいく必要があるというふうに考えます。これに際しましては、預金者や取引先などに不安を与えないよう、十分配慮していくことが必要であると認識をしております。

○山口委員 私が質問した際に、知事は、小零細企業の例を挙げてご説明されておりましたが、そういった方にとって、取引先金融機関の動向というもの、また今後の融資のあり方等々については、それこそ過敏に、それこそ現実味を帯びて感じられているわけでありますから、この辺の情報提供というものは非常に重要なかぎを握ってくる。しかし、まだまだ明かされる状況ではないということは、答弁において繰り返されているわけですが、いい機会ですので、具体的に連携、資本の提携であるとか買収等々も含めた協議が行われている先はどこがあるのか、お伺いしておきたいと思います。

○目黒金融監理室長 事の性格上、そうしたお話につきましては、つまびらかにできないということでございます。

○山口委員 新銀行東京の問題については、代表質問、一般質問を通じても取り上げてまいりましたので、この先は細かい点について幾つかお伺いしていきたいと思います。
 平成二十年三月期決算をいただいたわけなんでありますが、この説明資料五ページで、有価証券の評価損として二十八億四千三百万円を計上しています。このうち、債権、国債での七億二千万円の評価損のほかに、その他として二十一億二千三百万円が計上されています。まず、これは一体何なのかをお伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 有価証券の評価損益といたしまして、その他として計上されているものでございますが、要求資料の2でお示ししているとおり、外国証券によって構成されているものでございます。
 この評価損につきましては、三つの証券の合計取得原価百十五億円に対しまして、平成二十年三月期決算時の現在価格九十三億七千六百万円で時価評価いたしました結果、二十一億二千三百万円の評価損を計上したものでございます。

○山口委員 その資料2によると、新銀行東京は三つの外国証券を購入しているわけなんでありますが、特に外国証券Cは、三十五億円で取得したものが十四億八千七百万円と半分以下、二十億円以上を失ってしまっている計算になるわけなんでありますが、これらの外国証券は、いつ、何の目的で取得をしたのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 外国証券A及びBにつきましては、平成十七年九月に取得をしております。また、外国証券Cにつきましては、平成十九年一月に取得をしております。いずれも、効率的な資金運用を目的として取得をしたものでございます。
 外国証券A並びにBにつきましては、新興国の国債や通貨を中心に投資をいたします債券、仕組み債でございまして、外国証券Cにつきましては、社債や貸出債権から構成される資産を担保として発行される資産担保証券、いわゆる証券化商品の一種でございます。

○山口委員 これまでの質問の中では、取引先中小企業との関係においての銀行の立場というもののお話をしてきたわけですが、銀行のもう一つの大切なお客様は預金者の方であります。こういった状況を見てくると、その両方から非常に心配が見てとれる、この状況があるわけなんでありますが、さらなる心配として、新銀行東京にはサブプライムローンの影響はないと聞いていたわけなんでありますが、なぜこれほど下落をしているのか、今後の処理方針について伺いたいと思います。

○目黒金融監理室長 有価証券の評価損の計上とサブプライムローン問題の影響についてでございますけれども、新銀行東京では、サブプライムローン商品への投資は行ってございません。サブプライムローン問題から派生する証券化市場の混乱がありまして、今回の評価損計上につきましては、そうした影響を受けた面があると考えております。
 今後は、資金の効率的運用とリスク低減を踏まえ、市況等を勘案の上、適切に対処してまいります。

○山口委員 こういった結果を見てしまうと、新銀行は中小企業のための銀行だというふうにおっしゃっていて、私たちも思っていたところなんですが、外国証券に手を出して多額の損失額を、評価損を出していることについて、東京都としてはどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京は中小企業支援を理念といたしますが、預金と貸し出しのバランスから、他行同様、銀行として効率的な資金運用を実施しております。
 今回の評価損は、サブプライムローン問題に端を発する証券化商品の市況低迷など、外部環境の変化によりまして結果として損失が生じたものでございます。サブプライムローン問題に関しましては、欧米の大手金融機関が通期で一兆円を超える損失を計上する可能性があるなど、IMFの試算では、金融機関やファンドなどの関連損失は全世界で九十六兆円に拡大するおそれがあるとしております。
 日本におきましても、みずほフィナンシャルグループが平成二十年三月期決算におきましてグループ全体で約六千五百億円の関連損失を計上いたしましたほか、地域金融機関でございます瀧野川信用金庫は四百億円超の損失を計上し、信金中金から資本支援を受けるに至るなど、多くの金融機関や投資家がこの問題の影響を受けておりまして、新銀行東京だけが突出した損失を発生させているわけではないものと認識をしております。

○山口委員 だから許されるわけではないんですね、これ。あたかも他の銀行も同じように損をしているんだというような答弁に聞こえなくもなかったわけなんでありますが、他の銀行と決定的に違うのは、都民の税金が投入されている銀行であるということ。他の銀行もさまざまな影響を受けて、市況が低迷をしているから損失が発生をしている、こういうところだけはほかの銀行と同じなんだと。性質上違うといわれているのは皆さんであって、銀行の存在やこれからのあり方についてどうあるべきかというときに、都合のいいときだけはほかの銀行と同じなんだというのは、これはやはり都民に対しての説明としては通用しないと思います。
 さて、三月の経済・港湾委員会の資料として、十二月までの融資実績等に関する資料が提出されていたわけでありますが、今回、残りの四半期を加えた実績をお示しいただいたわけでありますが、本年一月から三月まで新銀行東京が行った小口定型ローンなどの融資実績はどうであったのでしょうか。お伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 本年一月から三月までの融資等の実績についてでございますが、融資につきましては、三カ月の合計で七十九件、約十一億八千六百万円でございまして、そのうち小口定型ローンにつきましては二件、五百万円となってございます。
 一方、保証実績につきましては、七十八件、約十億六千九百万円でございます。

○山口委員 また、この間、東京都は金融監理室を設置するなど、新銀行東京の経営監視に努めているわけなんでありますが、四月、五月の融資状況や不良債権額はどのように推移しているのか、お伺いいたします。

○目黒金融監理室長 月次のデータにつきましては、新銀行東京から報告を受けておりますけれども、あくまで速報値でございまして、銀行側では公表を予定していないものでございます。これら新銀行東京から報告を受けました事項につきましては、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で可能な限り情報を開示してまいりたいと思います。

○山口委員 月次データが入手できるようになったんだなと。この件に関しては、ここを細かく伺っても仕方がありませんので、こういうふうに情報が少しずつ入ってくるようになったということは、非常に東京都にとってもいいことでしょうし、この細かな決算についてはしかるべき時期に伺っていきたいとは思っておりますけれども、ここが大事なんであります。この間の融資実績や不良債権額の推移を踏まえて、再建計画は都として着実に進んでいると認識をされているのかどうか、最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

○目黒金融監理室長 都は、この四月に金融監理室を設置し、この間、臨時株主総会での増資の承認、経営状況に関する報告内容の見直し、融資相談コーナーの開設準備など、監視及び支援の両面にわたって経営再建の取り組みを実施してきたと考えてございます。

○木内委員 まず、新銀行東京の審議に当たって、執行機関の姿勢というものをまず指摘せざるを得ません。
 にわかに苦言を呈するようでありますけれども、行政の継続性ということからいって--これまでもこの新銀行担当の幹部職員はかわってきている。これからもかわっていくでしょう。しかし、新銀行は再建計画に基づいて、その営業が軌道に乗らなければいけない。この都議会における議論というものの重さを、佐藤局長以下、担当者も含めて全幹部職員がしっかりと責任を持って実施し、そしてまた答弁をし、議論のやりとりの中で紡ぎ出された結論というものが実際の事業執行に反映されるように、まず要望したいと思うのです。
 なぜこんなことをいうかといいますと、十六年の三月に予算特別委員会がございまして、私は都議会公明党の政調会長という立場にありまして、代表総括質疑に立ちました。東京都が株主となって一千億円の出資を新銀行東京に行って、これを設立するという議論がある中で、さまざまな、新銀行東京の政策金融機関としての中小企業救済のための議論が行われたわけであります。
 きょうご出席の産労の幹部職員の方の中で、これを見聞した方がいるかどうかわかりませんけれども、当時、我が国の中小企業はまさに悲嘆にあえいでいた。この議論にさかのぼる数年前に、谷保という国立の手前の駅前のあるビジネスホテルで、三人の中小企業の経営者が首をつって自殺をしたという事件が起きました。カー用品のメーカー、卸業、小売店、それぞれの経営者でありますけれども、いずれも首つり自殺でありました。我が国の経済の発展を本当に土台となって支え、そして、あの戦後の復興をなし遂げた底力となった中小企業の方々が、実は資金繰りを主な原因として大変悩んでいた実態がある。
 ちなみに、私はかねて、それまで、敗者復活の論理、再チャレンジの可能な社会システムづくりということを、知事と何度もさまざまな機会に議論をしてまいりました。
 例えば、当時アメリカでは、事業破綻者のうち四七%が、やる気があれば社会がこの再起を応援しようという、実は社会環境が整っていた。日本では、事業破綻者のうち一三%しか当時再起できなかった。二人に一人が米国では再起でき、日本では十人に一人しか再起できない。水に落ちた犬はたたけとばかりに、実は中小企業事業者には厳しい事態が続いていたわけであります。
 そして、ある経済団体の役員との議論の中で仄聞したことでありますけれども、当時、年間三万人以上の自殺者がいる中で、その商工団体の方のおっしゃるには、うち六千人から七千人程度の人が中小企業の経営者であり、破綻によってみずからの命を縮めている実態があるという話を聞きました。
 ラストラブレターという言葉があります。大企業の社長が事業破綻して自殺したという例はほとんどないけれども、中小企業の経営者、零細事業者は個人保証をするために、事業破綻をすると、いわゆる債務に対する無限責任が生じて、最後までこの責を問われなければならない実態が日本にはあるわけであります。そういう中で、この中小企業事業者における、債務を受ける際の無限責任を免除するシステムというのを何とか導入しようじゃないかということで、知事と議論のやりとりをし、予特でやりました。ラストラブレターというのは、中小企業事業者が亡くなるときに保険に入って、みずから命を縮めて、そうして債務はきれいにまず解消して、残された妻や子どもの人生を、どうか残った保険金で安穏に暮らしてくれよという最後の手紙だといわれていたわけでありますけれども、この実態はなくさなければならない、こう訴えました。知事もこれには大きな賛同をして、この新銀行東京でこのシステムを導入しましょうということになったわけであります。
 そのことは、当時の会議録に明確になっているわけであります。ここで知事が答弁しているのは、新銀行は第三者保証を原則として不要とする。また、経営者の個人保証を求める場合でも、その責任を合理的な範囲に限定しまして、さらに技術力、将来性重視型の融資を初めとして、個人保証を解除する仕組みを独自に進めていきたい。趣意としてこういうことをいっている。
 それで、私はこの知事の発言に対して、これは革命的なことだと。それで、この仕組みの具体的内容と、それから知事が今いわれた、個人保証の解除を希望する場合の具体的手続については、新銀行ではどういうふうに進めていくのだと確認をしたところ、当時の出納長、あえて個人名は申し上げませんけれども、こう答えている。
 基本スキームでありますけれども、提携企業などが運営管理する保証会社を新たに設立をいたします。融資先企業の経営者が融資を受けるに際し、保証料に相当する額を出資をいたします。その保証会社が経営者にかわり保証を行うことによって、経営者の個人保証を解除するスキームであります。具体的には、融資申し込みがあった場合、新銀行は、個人保証解除の対象となる案件につきまして、経営者に保証会社を紹介をいたします。経営者が個人保証解除の仕組みの利用を希望する場合は、保証会社の面接など、適格性の審査を受け、保証債務に応じた一定率の出資を行います。
 それで、私は確認するんです。この手続によって、本人の無限責任は解除されるわけですよね。そのとおりであります。それで、保証債務はどのくらいを考えているのだと。そうしましたら、この全体の合計金額の二%程度の出資を考えていますと。実は、その前の晩まで、出納長と私は議論をしていた。一%にすべきだ。出納長は、三%から五%だといっていた。夜っぴて、この保証会社たる関係者と朝まで議論をして、この二%というのを出した。
 私は確認をしている。五百万借りて、二%の出資で個人保証免除を求める場合、幾ら払えばいいのですか、単純な計算だけれどもって、こういった。出納長は、十万円になると思います。二%は十万なんです。面接があったり、資格審査等は厳しいと思うけれども、まじめに頑張れば、やる気があれば、新銀行は、この個人保証の免責条項というものをメニューに入れてやります。こういって明らかに予特で答弁しているんです。
 この新銀行は、こうした一つの発信によっても、東京都内の本当に経営難にあえぐ事業者にとって大きな朗報を実は送ったんです。
 さて、にもかかわらずだ、このことは実行されなかった。新銀行の特性ともいうべき、中小企業経営者を根底から守るというこの発想に基づくシステムを導入しなかった。私は、これは議会軽視であり、議会の議論を無視するのも甚だしい、言語道断の行き方だといわざるを得ません。
 ただこの経済・港湾委員会の審議の時間が過ぎて、当面の答弁を行えば、それで時間が経過していくなんていうことを思っている人は今はいないでしょうけれども、この議会の議論というものを軽視したらとんでもないことになる。また、執行機関もそうだけれども、我々都議会にとっても、これは大きな責任問題であって、きょうは、ただならない審議をしているわけでありまして、どうか、局長を先頭に、緊張感を持って臨んでいただきたいと思うんです。
 もとに戻りますけれども、この申し上げた個人における無限責任、個人保証の免除というのは、その後どうなりましたか。いきなりでありますけれども、答弁を求めます。

○目黒金融監理室長 ただいまお話のございました個人保証の解除の仕組みにつきましては、新銀行東京におきましても検討されたようでございます。導入に向けて民間の信用保証会社と協議を行いましたけれども、条件面が整わず断念したというふうに聞いてございます。
 新銀行東京におきましては、現在、再建途上でございますので、経済、金融環境が厳しい中で、こうしたリスクを伴う商品の導入につきましては大変厳しいというふうに認識をしてございます。

○木内委員 私は、今の執行機関の方にこれについてどうこうというつもりはありません。しかし、冒頭申し上げたように、議会答弁は、できることをできるといったらやるべきだし、できなければ、その懸念材料なり、そうした深刻な見通しについて明快に答えればいいわけであって、これは私は、間違いなく、紛れもなく、執行機関の答弁としてはいいかげんな無責任なものであったということを申し上げたいし、同時に、今答弁があったように、今、再建途上で、経済、金融環境が厳しくて、一定のリスクを伴うような商品の導入については難しくて慎重にならざるを得ないという趣旨の答弁ですから、一刻も早くこうした議論が健全な経営状態の中でできるような、そういう質の向上、環境の向上を目指していただきたい、こう思います。
 さて、さきに四百億円の追加出資ということを行いました。マスコミ等でさまざまな報道があったわけでありますけれども、残念ながら、必ずしも幅広い都民の方々に、この四百億円の出資に賛意を示した私どもの意図というものは十分伝わっていない傾向もあるわけであります。
 時間が長くなりますけれども、確認の意味で。あの時点で選択肢は三つあったと思います。一つは預金保険法に基づく破綻処理、もう一つは金融庁の認可による事業清算、そして、この追加出資による事業継続の三つの選択肢であった。第一、第二については既に議論が尽くされております。四百億円について私どもは、この再建計画の信頼性の確認ということ、今後一切この毀損をさせないということ、再度の出資は行わない、こうしたことなどを付帯決議としておいて、そうして賛成をいたしたわけであります。
 こうした審議を経て、中小企業の方々が今後も安心して事業に邁進できるように、また、そこで働く従業員や家族の生活を守り、また都民の負担を最小限に抑えることを大原則に、苦渋の選択を行ったわけであります。これは大局的な見地から判断をしたものであって、いまだ私は間違っていなかった、こう確信を持って申し上げられるわけでありますが、新銀行東京は本年四月に東京都を引受先とする第三者割り当てによる増資を行いました。今改めて、都が追加出資という道を選択した経緯を、私が申し上げたことも含めてお答え願いたいと思います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京は、他の金融機関と異なりまして、赤字、債務超過先への融資が多いという実態がございます。このため、事業清算、預金保険法に基づく破綻処理という追加出資以外の方法は、資金繰りに窮する中小企業を救うという本来の目的に反することになり、また、既存融資、保証先一万三千社を初め、その取引先、従業員、家族などの関係者に重大な影響を及ぼしかねず、都民に膨大なコスト負担をお願いすることとなります。
 一方、追加出資は、銀行として第一に考えなければならない預金者の保護が可能であるとともに、新銀行東京の資本を手厚くすることによりまして、既存融資先を初めとする中小企業に対する継続支援を行うことを可能とするスキームでございまして、高い事業意欲を持ちながら資金繰りに窮している中小企業の支援を行うことができるものでございます。
 このようなことから、とり得る唯一の方法として追加出資を選択したものと認識をしております。

○木内委員 今ありましたように、中小企業に対する継続支援を行うことを可能とするスキーム、高い事業意欲を持ちながら資金繰りに窮している中小企業の支援を行うことが可能な方針、実はこういうふうになっているわけであります。
 私は、今、本会議以来の議論を見てみますと、守りに回ってしまっていて、積極的な中小企業支援への施策の展開というものが、部分で見られるけれども、全体の姿勢としてまだまだ弱い、こう申し上げたいわけであります。今後、守りだけでなく攻めのメニューというものをさらに検討して、知恵を絞り、工夫をしてぜひとも出していただき、都内中小企業の期待にこたえてもらいたいということを強く申し上げたいと思うのです。
 そこで、金融庁の検査が入っているということで、今、同僚委員の質疑に対して答弁がありました。これは定期的な、慣行的な検査だということでありますけれども、金融庁の検査が入っていることが何か後ろめたいような印象の質疑がずっと続いていまして、私は非常に違和感を持って聞いていたわけであります。
 新銀行東京が臨時株主総会を開催して、第三者割り当て増資を決定した直後でありましたけれども、金融庁の検査が入っている。銀行に対する指導監督権限を有する監督官庁の手によって新銀行東京の経営状況が詳細に分析をされることは、経営の透明性を確保して経営再建の道筋を着実なものとする上でも、極めて有意義なものである、私はこういうふうに考えたい。何か出てくるんじゃないか、ほころびが発見されるんじゃないか、指摘されてあげつらわれるのじゃないか。そうじゃない。むしろ、洗いざらい調べてください、都民の前にこれを明らかにして、そこから、苦しいけれども真の再建策を実は導き出す、こういったことが必要だと思うのです。
 ですから、室長の今の立場は本当に大事だと思うんですけれども、そういう姿勢に立って、金融庁の検査がどのような観点から行われて、そして、今後どう生かしていくか、ここまで言及できれば、意欲を持って答えてもらいたい。

○目黒金融監理室長 金融検査でございますけれども、金融庁が信用秩序の維持や預金者保護を目的といたしまして、銀行法に基づいて実施をする定例の検査でございまして、金融庁や地方財務局の検査官が銀行の店舗に立ち入り、資産内容など銀行業務全般について調査をするものでございます。
 検査に当たりましては、主に経営管理体制、法令遵守体制、資産査定管理体制を含む各種のリスク管理体制が守られているかどうか等の観点から行われるものと聞いております。

○木内委員 これは答弁は要りませんけれども、申し上げたそういう姿勢で金融庁の検査を受けとめていくべきだ、こう思うのです。
 そこで、金融庁の検査結果がいずれ出るわけでありますけれども、今の答弁でもわかるように、銀行業務の全般にわたって幅広く行われる。この検査結果によって、まだ即断はできませんけれども、新銀行東京の経営にいろいろな影響が出てくることが考えられる。その点についてはどうですか。

○目黒金融監理室長 現在、検査が進行中でございまして、都としてもその動向を見守っているところでございます。
 検査結果は、金融検査に関する基本指針によりますれば、立ち入り終了後おおむね三カ月以内を目途に結果が通知されることになってございます。検査の指摘によって、より適正な事業運営や業務改善が可能になる一方で、過去の例などを見ますと、もし法令違反や不正行為が見つかった場合には、業務改善命令や業務停止命令、役員の解任命令などの行政処分が検討されることとなります。
 いずれにしましても、金融検査は金融機関の業務の改善に資するものであると認識をしております。

○木内委員 いずれにしても、今末尾でいわれた、金融検査というのは業務の改善に資するものであるということでありますから、これを存分に生かす必要があると思うのですけれども、今いわれた法令違反、不正行為は、具体的にどういうものが考えられますか。そして、その事例の金融機関名、これまで我が国の金融機関の中でどういう事実が指摘をされたか、答弁できれば、お答え願いたい。

○目黒金融監理室長 過去の例によれば、金融庁検査におきまして、一部の代表取締役の関与により情実融資が行われたこと、検査忌避を行ったこと、融資と債券の違法な抱き合わせ販売や株価操作のための資金提供を行ったこと等が明らかになり、法令等遵守体制や経営管理体制などに問題が認められるとして行政処分が行われた例がございます。

○木内委員 今の説明のように、金融検査というのは業務改善に資するということでありますので、新銀行東京においてもその結果については真摯に受けとめて、何度も繰り返して申し上げるように、今後の業務展開に生かしてほしいと思うのです。
 ただ、私、きょうの議論というのは隔靴掻痒の感がしてならない。例えば、具体的な業務実態の報告は四半期ごとだというし、その割に、聞いてみると株主連絡会はしょっちゅう、月に何度も開かれているというし、審議するためのデータというのが、再建計画がスタートして以来、余りにも少ないといいますか、ないわけでありましてね、過去の古いデータだけで。したがって、きょうは、所管委員会としては残念ながら第一ラウンドかな、始まったばかりだと思うわけであります。
 さて、先般、新銀行東京の決算が発表されました。その際、銀行側から減資を行う旨の意向が示され、きょうの議論にもあった。改めて、議論の流れからして、この減資を行うことの必然性と意義、それから、減資を行った場合、都民の財産が毀損する、そういう片側から見た報道がありますけれども、株式の価値が本当に減少することになるのかどうか、都民の前に明らかにしていただきたいのであります。こうした減資によって、実質的な企業価値でありますとか会社財産が増減することはないものであると私は思っているわけですが、どうでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 減資をすることによりまして、過去の負の遺産でございます繰越損失を一掃いたしまして、財務体質の改善を図ることができるというふうに考えております。また、税負担の軽減による経費の削減効果や株主への配当の時期の前倒しになる可能性が高まるなどのメリットもございます。
 株式の価値が本当に減少するのかというような、あるいは都民の財産が毀損するのかというような観点でございますが、今回想定をしております減資でございますが、累積損失の解消の範囲内で行われる資本額の変動でございます。これによって実質的な企業価値、会社財産が増減することはなく、株式の価値も変動しないものでございます。

○木内委員 したがって、減資は、我が党が予特でも申し上げ、確認をしたところでありますけれども、新銀行東京の再建にとって必要なものであり、再建への道筋の一里塚ともいえると思うのです。また、将来的には株主にとってもメリットがあるものでなければならない。
 我が党が追加出資を議決する際の付帯決議の中で求めたように、新銀行東京が再建の道筋を過たず着実に歩んでいくためには、大株主である東京都が新銀行東京に対して適切な経営監視を行っていくことが必要不可欠であると思います。ただし、きょうのこれまでの議論を聞いておりますと、経営監視のあり方というものの実態が実感として伝わってこない、残念ながら。
 そこで伺うわけでありますけれども、一定の銀行法という制約がある中で、四月以降、都の経営監視の内容は、これまでのチェック機能、監視機能と具体的にどのように変わったのか。できるだけ具体的に答えてください。

○目黒金融監理室長 四月に産業労働局内に金融監理室を設置するとともに、新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況を適時適切に把握する観点から、経営監視のあり方の見直しを行ったところでございます。
 具体的には、株主連絡会の開催回数をふやすなど、新銀行東京との連絡を密にすることや、これまでの中小企業支援の取り組み状況に加えまして、損益や不良債権の管理状況など、経営状況や再建計画の進捗状況に関し報告を受けることといたしました。
 あわせて、中間、期末決算におきましては、外部専門家を活用した効果的な経営分析を実施いたしまして、新銀行東京の経営改善に反映をさせてまいります。

○木内委員 私は、きょうの議論の中でやはり大事なのは、株主連絡会の存在かなというふうに思っています。過去における東京都と現場との関係というものは一たん終止符を打って、新たな監視機能なり議会の議論を伝える場としても有効性を発揮しなければならない、こういうふうに思うわけでありますね。
 これまで、株主連絡会では新銀行東京から具体的に何の報告を受けてきていますか。

○目黒金融監理室長 株主連絡会では、主に貸借対照表や損益計算書などの財務状況や不良債権の管理状況、融資、保証等の実績など、新銀行東京の経営状況や再建計画の進捗状況に関する報告及びその関連データの提供を受けることとしております。

○木内委員 そこでお尋ねするのですけれども、直近の株主連絡会までに報告なり実態の説明があったかどうかであります。
 この四月から再建計画がスタートした。例えば再建計画では、大企業への融資を縮小して、中小企業には徹底した目ききを行って、正常な融資先に四%から六%で貸し出しを行うと、さきの予算委員会で明らかにされているわけでありますけれども、この計画は着実に進捗を見ていますか。あるいは、数字でなく、傾向なり実態の概念的な報告はありましたか。

○目黒金融監理室長 新銀行東京の四月以降の融資実績等につきましては、現時点では速報値のレベルで入手をしております。それにつきましてはお示しすることはできませんけれども、今後は、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で可能な限りお示ししてまいります。

○木内委員 速報値ということで、まだ固めた数字ということではないでしょうけれども、ただ、スタートの時点でこのことは守られていると実感したかどうかということを聞いたわけでありますけれども、なかなか答えが難しいようでありますので、次の機会に譲りたいと思いますが、また、預金についても、一・五%から一・七%のキャンペーン金利をやめて、一%以下の調達利回りにするとしておりますけれども、この点についてはどうですか、再建計画の中での大きな位置づけになっているわけですが。

○目黒金融監理室長 新銀行東京の預金につきましては、通常よりも高い金利で集めた定期預金が預金全体の九七%を占めているため、調達金利につきましては、急激には改善されるものではございませんが、今後、これらの定期預金が満期を迎えることにより、調達金利は低下していくものと考えております。
 なお、四月以降の資金調達利回りにつきましては、原則として半期決算の中でお示ししてまいりたいと思います。

○木内委員 私は、今の時点ではそうした答弁に終始せざるを得ないと思いますし、どうか再建計画に基づいた実態に一日も早く到達するような努力を申し入れをしてもらいたいということを申し上げておきます。
 それから、株主連絡会で報告を受けた事項について、議会に対してどういう手法で情報開示していくのか、お尋ねします。これは、もう今までの答弁以上出ませんか、四半期ごとという時間の区切りしか。それならそれで結構です。何か答弁できますか。

○目黒金融監理室長 新銀行東京から報告を受けました経営状況や再建計画の進捗状況につきましては、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で可能な限り情報を開示してまいります。

○木内委員 今までの質疑と重複していますので、その場合はいってください。
 この株主連絡会において報告を受けた事項というものは相当数になるわけですけれども、月ごとで開示を行うということも検討すべきだと思うのです。ただ、余りこれは頻繁過ぎて厳しいのですかな、作業が。あるいは、特別な流れなり特別な事態の場合は、四半期ごとに限定せずに、臨機応変、機動的に報告をするようなことも考えていいのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○目黒金融監理室長 新銀行東京から報告を受けております月次データにつきましては、あくまでも速報値という性格でございますので、銀行側でも公表を予定していないものでございます。こういったものにつきましては、原則として四半期ごとに、銀行の経営に影響を及ぼさない範囲で開示をしていきたいと考えております。

○木内委員 これは答弁は結構ですけれども、申し上げたように、特別な事態あるいは刮目すべき数字が出た、あるいは経営上の重大な課題がそこで顕在化したというような場合には、四半期に限定せずに、必要に応じて報告をされるよう検討すべきだと、このことを申し上げておきたいと思います。
 さて、東京都は、新銀行東京から得た情報を活用して、新銀行東京の経営改善に資するものとしていかなければならないと思うのですけれども、具体的にはどうしますか。

○目黒金融監理室長 株主連絡会において例月の報告を受け、毎月の経営状況や計画の達成状況などを適時適切に把握してまいります。中間、期末決算につきましては、外部専門家を活用して経営状況の分析を行い、新銀行東京の経営改善に向けた提案や都の支援策の検討に活用してまいります。その検討結果につきましては、株主連絡会や取締役会での申し入れなどを通じて、適時適切に都の意向を伝えてまいります。

○木内委員 どうもきょうは、三定の審議のためにいろいろな前提を整理しているような感じがしていて、私も内心恐縮しているわけでありますけれども、新銀行東京に対する都の経営監視の体制についてはとりあえず伺ったわけであります。新銀行東京そのものにおいて、経営の透明性を確保するための厳格な監視体制の整備が必要でありまして、これはもう今まで議論されてきたとおり。
 新銀行東京はこの六月に経営監視委員会を設置したわけでありますけれども、改めてその設置目的と、それから、先ほど名前が出ておりましたけれども、この経営監視委員会のメンバー、肩書きといいますか、社会的立場まで含めて明らかにしてください。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会でございますが、専門性を有する外部委員により構成される新銀行東京内部の監視機関でございまして、再建計画の進捗状況や経営陣の職務執行につきまして監視を行うことを目的に設置されたものでございます。
 この経営監視委員会は、弁護士、公認会計士及び金融専門家の三名で構成されておりますが、弁護士は、日本生命保険相互会社の業務監視委員会委員長などを務めている牛島総合法律事務所代表の牛島信氏、公認会計士は、プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社代表取締役などを歴任した藏廣一氏、金融専門家は、旧大和銀行出身の渡邊清則氏を任命しているところでございます。

○木内委員 現場においては、経営の監督を行う取締役会と実際の業務執行を行う執行役、これを明確に分離したわけですね。そして、委員会設置会社という会社形態をとっておりますけれども、監視委員会は新銀行東京の組織においてどう位置づけられて、取締役会との関係はどうなっていますか。有機的な意思の疎通なり、さまざまな情報のやりとりは行われ得るのですか。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会は、取締役会の決議によりまして、取締役会のもとに置かれた組織でございます。この経営監視委員会は、取締役以外の外部委員により構成されておりまして、取締役会から独立して、経営陣に対する助言、提言、勧告を行う権限を有するものでございます。

○木内委員 この経営監視委員会と東京都の関係について明らかにしてください。

○目黒金融監理室長 この経営監視委員会と東京都とは直接の関係はございません。都からの必要な申し入れや提案につきましては、これまでどおり取締役会や株主連絡会に対して行うことになります。

○木内委員 東京都の執行機関である産労の金融監理室が一方であり、一方で経営監視委員会があって、こことの連携はお互いにない。したがって、金融監理室というのは常に、今あったように取締役会や株主連絡会を通じて連絡を行うということ。これがいいか悪いかはよくわかりませんけれども、いずれにしても、適切な情報、必要なデータ一切、金融監理室という立場で受け皿として受けて、これを専門家によって分析させる、あるいは金融監理室がさまざま吟味、検討を行うというようなことになるのでしょうかね。
 この経営監視委員会に期待する役割、これはどうでしょうかね。

○目黒金融監理室長 経営監視委員会は、取締役会や執行役から独立いたしまして、新銀行東京の業務運営の適切性や有効性などにつきまして客観的かつ厳正に検証、評価し、適時適切に問題点の改善に向けた提言を行うものでございます。これにより、新銀行東京の経営の健全性と透明性が確保されるということを期待しているものでございます。

○木内委員 きょうはどうも、再建計画が四月にスタートして、十分な資料等がない中での議論、輪郭の審議のスタートかなというような気がしているわけでありますが、佐藤局長を先頭に、本当に産労の担当職員の皆さん、ご苦労も多いと思いますけれども、私どもは懸命に応援もさせていただくし、また、四百億の追加出資が本当に毀損されないよう、再建計画が着実に実施されるよう支援を惜しみませんので、ぜひ頑張っていただきたいと思うんです。
 不良債権を処理し、体力を回復した既存金融機関が中小企業への融資を拡大してきていて、新銀行の役割が終わったと声高に主張する人もいますが、私は決してそうは思わない。都が出資をした政策銀行として、中小企業を本当に救済していく、健全な経営環境に導く、そういう大きな役割を持った新銀行東京だということを心から主張したいと思います。
 例えば、例を引かせていただきますが、既に喧伝されている、シネカノンという映画製作会社が、映画の製作資金を求めてあちこちの金融機関を幾つも訪ねたけれども、どこも門前払いだった。結局、唯一融資したのが新銀行東京であって、この資金によって製作した「フラガール」という映画が、二〇〇七年の日本アカデミー賞最優秀作品賞を初めとして数多くの賞を受賞している。裏を返せば、新銀行東京という存在がなければ、この映画史上に残る、私も見ましたけれども、名作は決して世に出ることはなかったのでありまして、これは本当に一例でありますけれども、こうした事例は多く新銀行東京の融資のもとにあったと思うわけであります。
 今、新銀行東京を取り巻く環境は非常に厳しいものがありますし、再建も決して容易ではないと思いますけれども、同時に、失敗は絶対に許されない。まずは一刻も早く再建を軌道に乗せることが第一でありまして、そのために都も新銀行東京も歯を食いしばって、これまで以上に懸命な努力をして再建に臨んでいただきたいと思います。
 大変なときに産労局長としてその力を発揮することになった佐藤局長の抱負また決意を承りたいと思います。

○佐藤産業労働局長 ただいまお話がありましたけれども、都内だけでなく、全国の中小企業をめぐる経済環境といいますか経営環境は非常に厳しいものがありますし、それは今の新銀行東京の経営環境につきましても同時に厳しい実態があるというふうに私は認識をしております。
 ただ、この新銀行東京、お話にもありましたとおり、高い事業意欲を持ちながら資金繰りに窮する中小企業を支援するというために設立した銀行であります。ただいまお話、事例としてありましたけれども、「フラガール」の製作会社への融資、これはまさに新銀行東京の役割、存在を発揮した一つのいい例であろうというふうに思います。これまでも、そしてこれからも、こういう新銀行の志に一片の変わりもないものというふうに思っております。
 そのためにも、今はまずこの新銀行東京の再建を早期に果たすこと、これが何よりも重要であるというふうに考えております。再建への道のりは長く厳しいものとなるだろうというふうには思いますけれども、四百億円の追加出資の重み、これを十分に踏まえまして、都議会のご支援もいただきながら、東京都、私どもは不退転の決意で再建に取り組んでまいります。

○木内委員 以上で終わります。

○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時八分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○清水委員 二〇〇八年三月決算が発表されました。私はこれを見て、二つの点でおかしいと思いました。一つは、業種別貸出金の中に地方公共団体への貸出残高が八億三百万円あったこと、一体どこなのかということ、二つは、その他有価証券評価差額金の前事業年度末残高が六千五百五十四億七百万もあることは異常であり、けたを間違っているのではないかということでした。
 産労局にただしたところ、間違いだったと訂正する。六月六日と十六日に二回も新銀行東京から訂正が出されました。地方公共団体への貸し出しはなかった、その他有価証券評価差額金は六億五千五百万円が正しい数字で、実に三けた多い数字が書き込まれていたというのです。
 銀行というものは、小さな支店であっても、毎日の締めのときに一円の違いでもあったら、その日のうちに食い違いが是正されるまで帰ることも許されないものです。それが、大事な決算短信に二つも間違いがあったとは驚きです。
 伺いますが、新銀行の発表する数字は信用できるのかどうか、疑問が出ています。ほかに間違いはないのですか。伺います。

○目黒金融監理室長 今般の新銀行東京の決算につきましては、監査法人の承認を受けて発表したものでございますが、今回の決算短信などに表記ミスがあったことにつきましては、都としても遺憾に思っているところでございます。今後こうしたことがないよう、新銀行東京に対して、再発防止に向け徹底した対応について厳しく申し入れを行ったところでございます。

○清水委員 素人の私が見ても疑問に思ったわけなんですよね。これが発表される前に、もっと都としてチェックすることだって必要だったんじゃないでしょうか。決算という大事な数字にこんな間違いがあるんです。こんな経営者に経営を任せていいと思いますか。

○目黒金融監理室長 今後このようなことがないよう、チェック体制について万全を期すよう、銀行にも強く申し入れたいと思います。

○清水委員 津島代表執行役以下、都の出身者が大勢いるわけで、決算数字くらいは間違わないようにしてもらいたいということをまず申し上げておきます。
 さて、今回の決算の発表によって、マスタープランとの乖離、つまり、マスタープランの目標と計画が過大であったことが浮き彫りとなりました。我が党は一貫して、新銀行の経営破綻の原因は過大なマスタープランに基づいて進めてきた結果であることを明らかにし、そのマスタープランの押しつけをやってきたのが知事と都自身であることを追及してきました。
 そして、第一回定例会で、その証拠の一つとして、我が党が入手した、新銀行東京側と津島氏ら都の幹部とのブリーフィングメモがあることを示し、知事、都の責任で事実を明らかにするよう求めてきました。
 ところが、知事は記者会見で、あるなら出してみろなどというだけで、事実を調べようともしませんでした。その後、我が党は、旅行命令簿を情報開示で入手し、一昨日の代表質問で、この資料に基づいて、ブリーフィングメモと同じ日付で津島氏などがブリーフィングに出張している事実を明らかにしました。メモの信憑性がますます明白になったのです。
 さらに、知事への再質問で、二〇〇五年一月二十日のブリーフィングをCDに落としたものを渡し、知事に、聞いて報告することを求めました。このとき知事は、答弁に立てませんでした。しかし、昨日、我が党の控室に知事が訪れたときに、録音したものを聞き、調べるよう再度求めましたら、知事は、わかりましたと答えておられました。それがこのCDです。(実物を示す)このCDを、昨日、知事は産労局長さんに渡されておられたのですけれども、元新銀行東京の行員だった横山さんから提供を受けたものです。
 そこで、お伺いいたしますが、産労局長は、この一昨日の録音記録を聞いて、この委員会に臨んでおられるのでしょうか、お伺いいたします。局長に聞きたいと思います。

○塚田総務部長 録音されたものにつきましては、私が聞きまして、局長に報告をいたしました。

○清水委員 部長がお聞きになって局長に伝えたというのでしたら、じゃあ、局長にお伺いいたしますが、その一部を部長から聞き取ったものだと思いますけれども、その感想、コメントというものはどうですか。お伺いいたします。

○塚田総務部長 局長に報告した際の概要を、趣旨をお話しいたしますと、まず、今お話のあったCDと称されるものが、会議の一部始終を録音したものかは我々にはわかりかねるという状況でございます。また、聞き取れない発言箇所も多いものですから、会議の流れとして認識するのが難しいという部分もございます。そういったことも含めて報告したところでございます。

○清水委員 一千億円の出資金の大半を失った原因がどこにあるのかにかかわる重大な問題じゃありませんか。
 知事も、わかりましたといっています。事実を明らかにするのは、あなた方の都民と都議会に対する責任です。聞き取りにくいことがあることは事実です。しかし、内容を把握できるところ、重要なところを把握できるところがあるわけですよ。そこはきちんと報告されたのでしょうか。

○塚田総務部長 今申し上げました前提でお答えいたしますと、都側が新銀行東京に対して何か押しつけているといった内容が含まれているとは私は思いませんでした。

○清水委員 この日、ブリーフィングがあって、津島氏や関氏らが参加していることは、旅行命令簿の日付と一致しているものですから、これは明らかなんです。
 それで、当事者に聞いているんですか。調べればわかることです。私たちがこれだけメモを出して、録音テープを示し、具体的に聞いているのに、きちんと調べようともしない。これは事実を隠ぺいすることにほかならない。どうですか、お伺いいたします。
   〔発言する者あり〕

○塚田総務部長 まず、録音を聞きましたけれども、日付の確認はできませんでしたので、旅行命令簿とのすり合わせは行っておりません。
 また、このCDと称されるものにつきましては、先ほどお答えしましたとおり、会議の一部始終を録音したものかどうかわかりませんし、聞き取れない箇所もございますので、責任を持って他の人間に申し上げられる立場にありません。
 なお、録音内容は、顧客に対する融資判断の基準や結果の説明方法など、経営上極めて重要な内容を含んでおり、このような内部機密に関することが漏えいしたことの方が問題であると思っています。したがって、一切のコメントは控えさせていただきます。

○清水委員 皆さんが、自分たちも聞いていないとか、聞きづらいとかいわれたので、私は、このCDに録音されている部分、七十三分なんですけれども、それを起こしましたので、これを局長と部長と室長と、それから、今、議員の皆さんが欲しいということなので、委員長、今ここでお渡ししたいのですけれどもね、議員の皆さんと局に。要求いたします。

○増子委員長 清水委員、初めからそのつもりでしたら、きょうの理事会でいっていただいた方が判断しやすかったですね。

○清水委員 今、そういう答弁によって--私は、お渡ししたので、ずっと聞いていられるのかな、メモされているのかなと思って、されてないといわれた。

○増子委員長 速記をちょっととめていただけますか。
   〔速記中止〕

○増子委員長 では、速記を再開していただいて、清水委員、どうぞ。

○清水委員 できるだけ七十三分間正確に起こす努力をしましたけれども、今いわれておりますように、確かに聞きにくい部分がありましたので、そこのところは多少ありますけれども、後でお渡しいたします。それから、議員の皆さんの中でもご希望があれば、後でお渡しいたします。お読みください。
 それによると、都側が、都議会与党の議員がこういっているとして、新銀行にお願いすればみんな貸してくれるんだといいまくっているんですと発言しています。そして、そのまま対応に入ってしまうと、貸してくれるといったのに貸してくれないとなってしまうとして、銀行側とやりとりを延々と行っています。
 そして、当時の関企画担当部長と推定される人物が、次のように銀行側に迫っているのです。十五年ごろの都議会で--倒産した、一回つぶれちゃうと、金融機関にブラックリストが回って、過去倒産した企業のおやじには七年間ぐらいは融資しないという部分があるようです。アメリカだと、つぶれた履歴があっても、次に起こした会社のビジネスモデルがよいなら融資する。要は新銀行の役目だ。そういう銀行じゃないと意義がないという。そこを融資するか、などといっています。これに対し銀行側は、それをやって再度事故を起こした場合、多分、株主代表訴訟の対象となる可能性がありますなどと答えています。
 その後やりとりがあって、都側、これも関氏と見られる人物が、今、議会がいっているのは、七年間に内容がよくてリトライしたときに相談に乗ってあげる銀行であるべきだと。当時は、そうですねと答えちゃっているんですよね、といいます。新銀行側は、それは相談に乗りますが、融資するかしないかは別問題と答えるのですが、今度は津島氏と推定される人物が、一般論だが、他の条件がしっかりしているなら、そういう縮めた、一律七年とか五年とか三年とかじゃなくて、チャンスを与えるべきだろうと新銀行に迫っています。それに対しても新銀行は、ただ、現実にそれで貸してつぶれると、株主代表訴訟とありましたが、少なくとも背任に問われる可能性があります、金融庁は絶対に許さないですよなどというのに対し、都側は、いや、東京都は代表訴訟しないですよとまでいっています。その後も、七年はだめで五年とかはどうなのなど、執拗に迫るやりとりが続いているのです。
 局長にお伺いいたしますが、都による乱暴な介入を示すものです。こういうやり方、こんなやり方というのは許されるのでしょうか。お聞きします。

○佐藤産業労働局長 ただいまお話がありましたけれども、まず基本的なところでありますけれども、東京都は、新銀行設立に当たりましてマスタープランを策定し、議会にお示しして、その議会で、マスタープラン、今後の新しい銀行の内容をいろいろな角度からご議論いただいて、最終的に一千億円の出資を議決いただいたわけです。
 先ほど別の件で木内委員からもお話がありましたけれども、議会で審議をして決めて、我々が説明したこと、このことを守っていくのは、当然の義務として我々にはあるというふうに考えております。そういう意味では、開業前の銀行との打ち合わせの段階において、議会でご審議いただいて一千億円を出資いただいた前提となるマスタープランになるべく沿うような形で、例えば中小企業の振興のためにつくったマスタープランですから、資金調達を容易にするためにつくったマスタープランですから、この内容が新しい銀行の中で具体的に生かされるように、開業前に銀行との打ち合わせの中で、銀行側に我々が主張するというのは、これはまさに当然のことであるというふうに私は思っております。
 そういう銀行との具体的なやりとりを経て、銀行が銀行の責任で、みずからの責任で、そういうやりとりを踏まえながら、銀行としての具体的な業務計画をつくって、それを銀行として明らかにしたわけです。その具体的な業務計画には、当然、マスタープランで示された数値と違う業務目標、これも明らかにされているわけです。
 そういう意味では、途中経過の、前回お示しいただいて、今ちょっと内容についても触れられた、そういう中身は、会話として行われるのは、これは何も押しつけとかそういうものではなくて、当然のこととして主張した中身にすぎないというふうに思っております。
 そこでは、今お話も具体的にありましたけれども、銀行側では銀行側としてのスタンス、この問題をはっきりといっているわけですね。ですから、そういうやりとりが行われたことが、なぜマスタープランを強引に押しつけるものだというふうな形だけで資料を理解されるのか、私としてはちょっとわかりかねるところでございます。

○清水委員 私たちは、ですから、私たちが要求したブリーフィングメモなどについてすべての資料を明らかにする、それから関係者に聞くということを今までずっと要求しているじゃないですか。だって局長さん、今、私は一部分を読み上げましたけれども、その部分だって、どういうニュアンスで発言されているか聞いてないわけでしょう。だから、全部明らかにしてくださいよ。今の局長さんの話がそうだとするんだったら、すべてのブリーフィングメモを調べて明らかにする必要があるんじゃないですか、それがそういう意味合いだったのかどうかということについて。いかがですか。

○目黒金融監理室長 新銀行の開業前に行われましたそうした会議における議事録あるいはメモのようなものについて、あるかどうかということで調べたわけでございますけれども、それが存在しないというのが事実でございます。

○清水委員 だから、私たちずっといっているじゃないですか。まだないといっているんですか。じゃ、このCDというのは、ブリーフィングが記録された録音であるということは、どうですか。認めるんですか、認めないんですか。

○目黒金融監理室長 その真偽はわからないというのが正直なところでございます。

○清水委員 そうしたら、今のこのCDの、話している人が津島氏なのか関氏なのか、これがわかる方法があるわけでしょう。部長、これを本人というふうに認めますか、認めませんか。

○塚田総務部長 先ほども申し上げましたように、このCDと称されるものが会議の一部始終を録音したものかどうかもわかりませんし、聞き取れない箇所も多いという状況でございます。したがって、私にはわからないというのが正直なところでございます。

○清水委員 それだったら、それを声紋鑑定に出してくださいよ。そうすればはっきりするじゃないですか。どうですか。

○塚田総務部長 ご指摘のものは私どものオリジナルの作品でもございませんので、私どもが責任を持ってどうこうするものではないというふうに考えております。

○清水委員 なぜ私たちがこのことにこだわっているかというのは、都の経営破綻の責任を明らかにする必要がある。声紋鑑定も含め速やかに調査し、報告すべきですよ。それが都民と都議会に対する責務じゃないですか。どうですか。もう一度答えてください。

○佐藤産業労働局長 そのつもりはありません。先ほど総務部長もお答えしましたけれども、この録音内容、後ほど何か資料として渡されるというお話がありましたけれども、銀行内部の融資判断、それから顧客に対する対応の基準といいますか考え方、説明方法など、経営上極めて重要な内容を含んでいるものであります。そういうもの自体、内部機密に類するものですけれども、このこと自体が出ていくことの方がよほど大きな問題であるというふうに思っております。

○清水委員 今そういうことをいわれましたけれども、衆参両院の附帯決議で、通報を受けた事業者や行政機関は、公益通報者の個人情報を漏らすことがあってはならないということで、通報を受けることができるということではないですか、これは。だから、私はきちんとこれを声紋鑑定に出すということを要求しておきます。
 第一回定例会で示したブリーフィングの録音は基本的に一致しています。だからこそ、ブリーフィングの全体像、真実を都の責任で明らかにすべきものです。というのも、他のブリーフィングメモは、都側が、マスタープランから外れようとする新銀行側に執拗に迫っていることが示されているからです。先ほど局長がいわれたような、そういうレベルのものではないんです。全部明らかにしていってくださいよ、そういうことは。
 例えば、三月の予算特別委員会の際には、ブリーフィングメモのうち十一月十二日分を紹介しましたが、やはり津島本部長が、マスタープランで融資の中心に位置づけたポートフォリオ融資について、金融庁へ説明した数字が中心となって走ってしまい、マスタープランの数字と社内的な目標数値が余りにも乖離することになると出資者としては耐えられないといい、他の形態の融資を行うことによって、人員、コストなどがかかり、本来のポートフォリオ型融資の数値ができなくなるようなことがないようにであるとか、金融庁への説明数字が中心となってマスタープランの数字と大きなそごが生じては困るであるとか、会社としての目標をつくるとき、本来のマスタープランで定めた数字が材料になることをはっきりと再認識していただきたいなどと迫っていることが明らかにされています。
 もう一度要求いたしますが、声紋鑑定も含め、真実を明らかにしていただきたいと思います。
 先ほどから、都は事実を調べようとすらしない。だから私は、今期に、本委員会に津島氏や旧経営陣などブリーフィング出席者を呼んで事実を調べる必要があると理事会などでも再三申し上げてきたところです。残念ながら今回は否定されましたが、委員長に改めて要求しておきたいと思いますが、この録音について事実を明らかにさせていただきたいと思います。これが正しいかどうかなどといわれておりますので、鑑定にかけるとか、はっきりさせることを取り計らっていただきたいというふうに思います。

○増子委員長 資料の真偽もはっきりわかりませんし、今ここで、しますというお約束はできないとは思います。

○清水委員 次に移りますが、四百億円の追加出資の最大の理由としたのが、新銀行東京が融資している中小企業を存続させるということでした。我が党は、これに対し、再建計画では、中小企業に対する融資を大幅に縮小し、貸しはがしを進めていくものだということを明らかにするなど、批判してきました。その後の実態はどうでしょうか。我が党が指摘してきたことが現実化しています。
 私が先日、直接話を伺った業者は、二〇〇五年に、三年返済で利率七・五%、六百万円を借り入れようとしましたが、利率が高かったので、三年返済で借入額を少し減らして借りました。途中、わらしべカードローン、年利率一四%を勧められ、数百万を借りました。利息六%で手数料十数万円、実質利率一〇%と同じだったために大変苦労しましたが、これは直ちに返したそうです。その後、順調に返済し、売り上げも上がっていた業者でした。ところが、三回目、ことし五月、再び申し込んだら渋られて、結局、本人もその態度に嫌気が差して借りなかったというわけです。先ほど室長からご紹介があったような、そういう実態ではないということを私は述べたいと思うんですが、順調に返済していた業者に貸し渋りをする、これは明らかに貸しはがしではないんですか。伺います。

○目黒金融監理室長 新銀行東京は、五月には一店舗への集約や組織の大幅な改正を行うなど、新体制の確立に向け取り組んでいるところでございます。加えて、四月下旬からは金融庁の検査が続行しているところでございます。
 都といたしましては、新体制が整った後には、設立の趣旨や追加出資の重みを十分認識し、新銀行東京が、たとえ赤字、債務超過先であっても正常に返済している健全返済先を中心に、みずからの経営体力に配慮しつつ、できる限り中小零細企業へ継続的な支援を行っていくものと考えています。

○清水委員 だから、今ご説明があったことと実態は違うんですよ。この方は、順調に返済し、売り上げもきちんと上がっていた、そういう方なんです。そういう方が、結局、三回目渋られてしまった。実態とは違うということを私はいいたいと思うんです。
 ほかにもあります。都内の従業員十数名のある会社の方からも話を聞きました。この会社は、新銀行が開業直後、近所の方の紹介で支店の職員が来て決算書を持っていき、その後、融資の話を進めたいと電話があり、数千万円を借りたそうです。最初の融資の返済がかなり進んだところで、もう一度借りないかとの営業があり、二〇〇六年に借りました。ところが、去年春に取引先が倒産し、千数百万円が回収不能となってしまいました。この会社は、新銀行東京から借りる前に不渡り手形を受けたけれども、しかし、みずほ銀行、三井住友など数行と取引していた方です。銀行数行と信用金庫から融資を得て、きちんと返済し、経営していました。しかし、倒産取引先が発生した途端、返済計画には大きな狂いが生じてしまったんです。
 そこで、処分可能な資産の売却をするなどして努力はしましたが、限界があり、毎月の返済額、返済期間の延長を頼まざるを得なくなったわけです。まず新銀行に相談したそうです。担当者に条件変更を申し出ました。その際、わかったから各行を回りなさいといわれ、自分で嘆願書をつくり、多額の不良債権の発生、売り上げ減少などによる資金繰りの逼迫を理由に、毎月の返済額の減額の数字をつくってお願いしたそうです。その結果、各銀行は、会社の置かれている現状や今後の見込みに理解を示し、元本の返済は、他の銀行と同一の返済比率での減額ならという条件で承諾してくれたそうです。ある銀行は、長い間のつき合いなので、毎月の返済を一万円で承諾してくれました。ことしになってもう一度条件変更を相談したところ、応じてくれたそうです。
 しかし、新銀行だけは、内諾の決定が先送りされているうち、支店長が突然異動、そして、次の支店長は前の支店長と同じ意見ではなかった。そして支店は閉店。この社長の実情を理解してくれる担当者とは話し合いもできなくなったそうです。従来の月々の返済額になるまで積み立てては返済するということをしてきましたが、その後、場合によっては法律に訴えるとの文書が届きました。新銀行東京だけが従来のままの返済条件に固執したんです。このままでは新銀行東京のために倒産してしまうといっています。返済するといっているのだから、他の銀行も同一条件での返済を承知してくれているのだからお願いしたい、もし新銀行が他の銀行と異なる返済額だとすると、これまで条件変更に応じてもらえたほかの銀行に承諾してもらえなくなると、本当に私に深刻な表情でこの話をしていたんです。
 結局、新銀行は、ほかの銀行が応じた条件変更に応じず、結果としてこの企業を倒産に追い込むことになるかもしれないではないですか。こんなひどい仕打ちをとっていることを知っていますか。知らないとしたら、津島さんらに聞いて調べるべきですよ。こんなことでは許されません。どうですか。お伺いいたします。

○目黒金融監理室長 融資の実態につきましては、個別の顧客によりましてかなり状況がございますので、一概にはいえないというのが基本的な認識でございますけれども、新銀行におきましても、昨年六月から既に多額のデフォルトの発生等が経営を圧迫しているというようなことにかんがみまして、新中期経営計画を立てて、資産規模を圧縮しながら、不良債権の排除とデフォルトを圧縮していこうという経営を行っておりますので、貸し出しに当たりましては、そういったことも踏まえて慎重にやってきたという面はあるかとは思います。ただ、新銀行の設立趣旨を踏まえまして、みずからの経営の体力等を勘案しながらということにはなりますけれども、できる限りの中小・零細への継続的な支援を行っていくということで新銀行の方は考えているわけでございます。

○清水委員 その社長さんは、仁司さんが載っている写真と新銀行の理念を出して、これとは全く違うというふうに、本当に深刻にいっておられました。
 しかも、私がひどいと思ったのは、条件変更に応じないばかりか、都と一番近いところにあった新銀行が、制度融資の紹介もしない。まさに、中小企業に役立つどころか、中小企業つぶしをやっているに等しいではないですか。そう思いませんか。

○目黒金融監理室長 委員ご指摘のような、そういった個別の案件についてどういう判断をしたのかということは、非常にお答えしにくいわけでございます。基本的には、設立の趣旨とか追加出資をいただいた重みなどを十分認識いたしまして、新銀行東京がみずからの経営体力に配慮しながら、できる限りの中小企業への支援をやっていくということでございます。

○清水委員 次の質問に移ります。
 代表質問で、公共工事代金債権信託、中小企業振興公社などとの連携について、我が党が、行政財産などに特権的に窓口をつくり、特定の銀行、それも都が大株主である銀行にのみ融資や信託を誘導することなどは利益供与にほかならないとただしました。これに対し佐藤局長は、公共工事代金債権信託については、中小企業に対して新たな資金調達の道を開くことで円滑な資金繰りを実現していくという中小企業支援策の一環として試行実施されている仕組みである、仮に新銀行東京以外の金融機関から提案があった場合には、中小企業支援の趣旨から内容を検討し判断されることとなるので、指摘は当たらないと答えました。
 しかし、東京都が最大株主となっている銀行が手を挙げたら、都の公共事業を請け負う企業というのは、他の金融機関の参加が仮に認められたとしても、新銀行東京を選ばざるを得ませんよ。まさに競争を実質的に制限することにほかならないではありませんか。違いますか。

○櫻井金融支援担当部長 公共工事代金債権信託についてのお尋ねでございますけれども、こちらの方につきましては、さきの本会議で局長がご答弁したとおり、他の金融機関からもご提案があった場合には、中小企業支援の趣旨から内容を検討して判断されるものというふうに理解をしております。そうしたことで、優越的な地位で不公正な取引をしている、そういうような認識はございません。

○清水委員 法律は自治体がこんなことをすることは想定していなかっただけです。行政財産などに新銀行東京の窓口を設置する問題も独禁法に抵触する疑いがあります。
 局長は、融資相談コーナーの設置についても、中小企業の支援に資するものであり、公有財産規則に基づき、適切な条件、適切な手続で行政財産の使用許可を行っていると答弁しました。
 しかし、新銀行東京の再建計画では、東京都の関連団体、中小企業振興公社、東京ビッグサイト等と連携して、その本支社の一角に拠点を五カ所設置する、その役割は、融資先企業の相談窓口、都との連絡、情報収集、発信の拠点として都内全域をカバーするとしているのです。新銀行東京には、大塚元副知事や津島氏ら都の元幹部が最高幹部として乗り込んでおり、都の情報を知り得る立場にあります。また、都側も情報を提供していくということを打ち出しています。新銀行東京に対し都側が情報提供した可能性が疑われます。だとしたら、やはり独禁法に反するものといわざるを得ないのです。どうですか。

○塚田総務部長 行政財産の使用許可についてお答えいたしますが、今回の使用許可につきましては、新銀行東京からの申請内容を十分検討いたしまして、新銀行東京の事業が都が行う中小企業支援施策の考え方とも合致するものであることなどから使用許可が適当と認められたとともに、手続につきましても、東京都公有財産規則に定める手続にのっとり適正に行ったものでございます。したがって、新銀行東京だけ特別扱いしたり、今おっしゃるところの利益供与には当たらないというふうに考えております。

○清水委員 新銀行の融資窓口が中小企業支援などにならないことは、先ほどの二つの中小企業さんの例からも明らかではないんですか、中小企業支援といっていますけれども。先ほどの業者と取引している三井住友銀行の担当者はこういったんですよ。新銀行東京から借りたのが間違いだった、こういうふうにその方にいっているそうです。どこから見ても、産労局のいい分には道理がないではありませんか。
 次に、産労局長は、我が党が都が監督責任を果たしてこなかったと指摘したのに対し、大枠を監視してきたが、銀行法により会計帳簿の閲覧が制限されるなどの制約もあり、結果として監視が十分であったとはいえなかったが、付帯決議の趣旨を踏まえ、再建が着実に達せられるよう、経営監視のあり方を見直したと答弁しました。
 しかし、銀行法に基づく閲覧などの、その条件が変わっているわけではないでしょう。それでまるでうまくいかなかった監視が、どのようにしてうまくいくようになるんですか。

○目黒金融監理室長 都の銀行に対する経営監視でございますけれども、経営の大枠を監視してきたわけでございますが、ただいまお話がありましたように、銀行法により会計帳簿の閲覧が制限されるなどの制約もありまして、結果として監視が十分であったとはいえないということは、さきの代表質問でも申し上げたとおりでございまして、都におきましては、これまでも新銀行東京から定期的に報告を受けたわけでございますけれども、各商品の融資残高でありますとか中小企業支援の取り組み状況を確認するための項目が中心でありまして、経営の根幹にかかわる情報は入手できなかったわけでございます。
 見直し後につきましては、これまでの中小企業支援の取り組み状況に加えまして、損益や、あるいは不良債権の管理状況など、経営状況や再建計画の進捗状況に関しましても報告を受けるということにしたものでございます。

○清水委員 到底納得できません。
 付帯決議といえば、さきの代表で、都議会の付帯決議は四百億円を毀損させないこととしているが、ファンドなどの投資の損失が出たら自動的に取り崩されることから、もともと再建計画はこれを守れないものではないかとの質問に、自動的に資本から取り崩すという性格のものではないと答弁しました。
 これも再三指摘しておりますが、ベンチャーやファンドは非常にリスクの高いものであり、成功することは容易でなく、損失が大きく見込まれます。その一方、預金を二百億まで圧縮してしまうなど、資金が大きく薄くなります。金融庁の調査で不良債権がさらにふえることも予想されます。結局、資本金を使わざるを得なくなる可能性は非常に強いのです。都はそんなこと百も承知です。そのことについて改めてお伺いしたいと思います。

○目黒金融監理室長 再建計画におきましては、成長が期待されるニュービジネスへの支援におけるファンドを通した支援といたしまして、年間百億円の残高を予定しておるわけでございます。ファンドへの投資にリスクは存在いたしますけれども、すべての投資がハイリスクというわけではないと思います。リスクとリターンの関係、ベンチャー企業育成という社会的使命のバランスに配慮しながら投資していくということが適当であると考えております。

○清水委員 これも納得できませんね、何か同じことを答えられていますけれども。
 再建計画のもう一つの問題は、事実上、銀行業からの撤退だということです。それは、三年目の再建後の銀行が、七百億円の運用に対して、その原資となる預金が二百億円にすぎないことが明確に示しています。つまり、足りない五百億円は、東京都が今回出資した四百億と、減資した後の残りの資本金で基本的に賄うということにほかなりません。違いますか。

○目黒金融監理室長 ファンド等の損失が発生した場合に、資本等から補てんをされることになるということかと思いますけれども、ベンチャーへの融資あるいはファンドへの投資によりまして損失が生じた場合におきましても、収支全体の中で処理をされるものでありまして、自動的に資本から取り崩されるという性格のものではないことは、本会議においても説明させていただいたところでございます。

○清水委員 運用でやるといっても、七百億円の運用で五百億円も利益が出るわけがない。再建計画では、再建後の利益はやっと八億円にすぎません。大体三%の利回りだとしても、コストを引いたら赤字になるかもしれない水準なんです。
 私は専門家の方に聞きましたが、預金を集めず資本金を使って融資するのであれば、これは商工ローンであるといっています。また、あるファンドの経営者は、資本金を使ってファンド投資を行うのだから、これは投資組合にほかならないと指摘されています。知事の公約も、新銀行への最初の一千億円の出資のときの説明も、今回の四百億の追加出資に当たっても、商工ローンや投資組合などに手を出すということは、その業態は、銀行法に基づく銀行ではなく、ノンバンクということになるのではありませんか。どうですか。

○佐藤産業労働局長 最終的な損益の再建計画の計画上は八億円の利益だと、経常黒字だということでありまして、この再建計画だけで新銀行東京が十分に経営をしていくというようなことについては、再三申し上げていますけれども、そうは考えていないところであります。
 そのためには、経営基盤をもう少し充実させる方策を早急に考えていかなければならない。そのためには、他の金融機関等との連携等について模索をしていくというようなことも申し上げているところでございます。そういう意味では、引き続き新銀行東京の全体としての経営基盤が確実なものになるような努力を、都としても積極的に努めていきたい、そんなふうに考えております。

○清水委員 いろいろいいわけをされましたけれども、二百億円の預金と、その運用以外の業務は銀行法から外れています。これを金融庁は了解しているんですか。お聞きします。

○目黒金融監理室長 今の新銀行東京の業務運営につきましては、再建計画に基づいて行われているわけでございまして、そういった中身につきましては、銀行の方から金融庁にも説明をしているということでございます。

○清水委員 都民の税金と銀行の根幹にかかわる大問題です。銀行業で経営が成り立たないからノンバンクに転換するというのは、税金の目的外利用に当たります。しかも、先ほど指摘したように、損失が出れば資本金の毀損を避けられないのですから、追加出資は認められません。どういい繕おうが、もう多くの都民は新銀行東京を見放しているし、信用していない人が圧倒的多数です。中小企業にも役に立ちません。存在の意義を失っています。一日も早く撤退すべきことを申し述べて、質問を終わります。

○馬場委員 早いもので、もう六月の定例会になりました。三月、四百億円の追加出資の件を含めて、いろいろ質疑をさせていただきました。
 私も、自分の都政報告でいろいろ銀行のことを報告し、最後に、引き続き監視をしてまいりますというふうに書きましたところ、私の支持者の方から、引き続き監視をするといっても、今まで監視をしていたのに、引き続き監視しても監視になるのかと、そういうコメントをいただきまして、実はそのことが今問われている。ですので、議会は監視をするところなんですが、その監視をする人を監視して、またその監視をする人を監視する、何かそういう状況に今陥っているような、何かそんな状況なんですが、本日は改めて、四月から組織改編、そして増資の決定と行われて再建に入った新銀行東京では、まず都の担当のところで何が変わったのか、都の役割、それから責任等、どんなふうに変わってきたのかというところを私からもお伺いしたいというふうに思います。
 まず、六月三十日に株主総会が行われると聞いております。株主総会は会社の最高の意思決定機関であると私は思っているのですが、この株主総会の意思を決定するについて、どういう状況、都が株主としてどういう形で株主総会に出席することになっているのかというところから入らせていただきます。
 まず、どなたが六月三十日の株主総会に出席をなさるのか。それから、議案の把握、銀行側との事前の協議、そうしたことはもう行われているのでしょうか。

○目黒金融監理室長 株主総会では、都は株主として議案に対し議決権を行使していくという立場でございます。株主は招集通知を見て議案の内容を知るということになるわけでございますが、六月三十日に予定されております新銀行東京の株主総会への出席者でございますが、現時点では未定ということでございます。
 なお、前回の四月に行われました臨時株主総会では、産業労働局長が出席をしております。

○馬場委員 今、議案のことをお尋ねしたのですが、株主総会の議案というのはもう来ているのでしょうか。来ていれば、株主総会通知の中の議案についてお知らせください。

○目黒金融監理室長 新銀行東京から、株主、東京都に対しましても招集通知は既に届いているところではありますけれども、どのような議案が提案されるかという、そうした中身につきましては申し上げることができません。

○馬場委員 先ほど一番最初に申し上げましたように、株主はだれなのというところが実は今回の新銀行の問題ではいつもあいまいになってきている。つまり、株主というところの意思決定はどこでされるのかということを前回もお尋ねいたしました。
 株主総会の議案というのは、別に株主であればだれでも知られることですし、特段その中身について教えてくださいといっているわけではなくて、何が議案なんですかということをお尋ねしているので、そこのところを秘密にする必要はないというふうに思います。
 後でまた触れようと思っておりましたが、株主総会で減資について決定があるというような報道ももう実はされているわけですね。その点について、きょうのこの場で、どういう議案がかかるかということについて、もう来ているものを教えていただけないというのは納得がいかないんですが、いかがでしょうか。

○目黒金融監理室長 議案の中身につきましては、現段階におきましては、あくまでも銀行と株主との間の連絡事項でございますので、現時点ではつまびらかにできないということでありますが、今お話のありました減資の関連につきましては、そういったことを今度諮るというようなことは銀行の方から聞いているところでございます。

○馬場委員 今のは大事なところなので、じゃ、株主総会、最高意思決定機関に出て、何が議題で、だれが決定をするのか、その決定、その中身、どういうふうに対応、意思決定されるのかというところが、きちんと手順というかマニュアルというか、それがはっきりしなければ、株主総会に出ていくときに困るというふうに思うんです。株主総会に出ていって、その議案についてどうですかといわれて、賛成、反対というのは、だれがどういうふうにそのことを意思決定するのかということを前回もお尋ねしました。今回も、このことについてはもう少しきちんとお答えいただきたいと思います。

○目黒金融監理室長 一般的なことで申し上げますと、事前に都としての態度あるいは出席する職員への権限委任など起案を立てまして意思決定するというような手続をとっております。また、重要な事項につきましては知事にもご相談申し上げ、その判断を仰ぐというようなこともやっているところでございます。

○馬場委員 それでは、想定で、かかるであろう議案というものについて何点かご質問させていただきます。
 まず、定例の株主総会であるということで、決算承認事項というのは必ずありますね。この決算承認、今回出されている決算書について、それでは、本日までで、銀行の決算、提出されたものに対してどういうふうに、都の金融監理室含めてご意見なのでしょうか。どういう形で決算承認を総会でするのでしょうか。

○目黒金融監理室長 ただいま委員よりお話がございましたように、今度の株主総会におきましては、確定をいたしました決算の報告を受けるということになるわけでございますが、その報告内容を踏まえ、株主としての意見を述べる予定で考えております。
 なお、これまでも都は株主総会におきまして、中小企業支援の一層の充実、収益面に配慮した業務運営など、大株主の立場から申し入れを行ってきているところでございます。

○馬場委員 決算については、本日もそれぞれの委員さんからありました。外国債のことやら、いろいろ出てきたというふうに思いますが、そうした決算を見て、都側が本当に監督をする、助言をするという決算の対応になっているのかということを私たちは知りたいわけです。
 つまり、これで株主総会で認めてしまう、何を指摘されたかわからないまま、私どもはここで認めなければならないというのは、本来おかしい。私どもも議会として、ある意味株主の一員だというふうに思っているのですが、ここのところはぜひとも株主総会に出席なさる前に、決算の都としての意見書というもの、見解をご報告いただきたいというふうに思います。
 次に、減資が今いわれております。これも今回の株主総会で出されるというふうに知事がおっしゃってるわけですが、まず、この減資についてどういうふうに銀行の方から都の方に説明が、つまり、今回の議案に入っているということを前提で、どういうご説明があったのでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 減資につきましては、先ほど来ご説明申し上げておりますように、過去の繰越損失を一掃するという趣旨、そして、この決算の時期をとらえて減資をしたい、そうした趣旨につきましては、事前に新銀行東京の側からその意向を伺っているところでございます。

○馬場委員 六月六日でしたでしょうか、日付は失念しましたが、石原知事が同じことを述べられております。知事は、経営再建のために増資に伴い減資を行うということは一般的なことであるというご意見。それと同時に、減資と旧経営陣の責任追及は切り離すべきと考えているとおっしゃっておられます。
 一千億円の税金が今まで出資という形で使われてきて、そして今回、それが三年たったきりで減資になってくる。知事がおっしゃっている、一般的なことであるとか、減資と旧経営陣の責任追及は切り離すべきだというのは、あくまでも知事個人のお考えというふうに受けとめてよろしいでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 減資についての見解でございますけれども、今回の減資につきましては、過去の負の遺産である繰越損失を一掃するために行われるものでございまして、資本の額は変わるわけではございますけれども、実質的な企業価値や会社財産は変動しない、そうしたものというふうに認識をしております。
 また、旧経営陣に対する責任の追及につきましては、現在、新銀行東京が外部の弁護士さんの方に委託して調査を進めている、そういう状況にございます。そういう中で、東京都といたしましては、減資と旧経営陣の責任追及につきまして切り離して考えるべきものというふうに考えているところでございます。

○馬場委員 それでは、知事と局とは一緒、同じ考えであり、この考えのもとで株主総会に出席する、で、提案をされれば、それを受けていくというふうに受けとめざるを得ないんですが、もう答弁いただいているので、そういうふうに受けとめさせていただきます。
 では、株主としてというより局として、ほかの株主の方々というか、会社等がこのことについてどんなご意見かというふうなことはご存じでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 他の株主の意向についてのお尋ねでございますけれども、そちらにつきましては東京都としては承知していないというところでございます。

○馬場委員 この銀行は東京都がほとんどの株を持っているという形の会社ですが、やはり銀行の運営にとって減資というのは大変なことだというふうに思います。そういう意味で、銀行がきちんと減資について説明等をしなければならないというふうに思っていますので、その辺は監視というところでぜひとも今後お願いをいたします。
 それから、こういう特別な大きな議案については、株主として株主総会特別決議をするというふうに決められていると思いますが、先ほどからお話がありますように、都はほとんど、二分の一としても三分の二の議決権としても、都は単独でそれはなし得るわけですから、今回、そういう意味では、知事も含めて、都が減資について認めているということで、この話は進んでいかざるを得ないのかなというふうに認識をしています。
 中身に入りますが、この減資によって、かかってくる税金が軽減されるから身軽になるでしたか、知事の発言がありました。また、津島代表は、減資によって資本金にかかる外形標準課税の年数億円の節税を期待するという発言もあったと伺っております。
 三月十七日の経済・港湾委員会で、山口委員の質問に対して東京都は、平成十七年度から十九年度までの三年間で損失した営業経費五百億円の内訳は、人件費が百二十億、物件費三百五十億、税金三十億円と答弁されています。税金が営業経費というのは、というふうにちょっと思ったのですが、この三十億円の内訳を伺います。

○櫻井金融支援担当部長 税金についてのお尋ねでございますが、収益にかかわらず課税されるような税につきましては営業経費の中に含まれているということでございます。その内訳といたしましては、約七割が、銀行としても経済活動を行っておりますので、消費税、そして、残りは主に法人事業税ということでございます。

○馬場委員 わかりました。
 その法人事業税なんですが、これは外形標準課税、都民税の均等割もあると思いますが、外形標準課税がこの経費の中に入っている、都民税の均等割は経費にならないのでということだと思いますが、じゃ、おっしゃっている節税効果というのはどのぐらい見込まれているんでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 節税効果についてのお尋ねでございますけれども、今回減資をした場合としなかった場合ということになりますが、法人事業税の部分で、減資をしなかった場合は約二億五千万、それが約一億円ということに、減資をいたしまして、効果といたしましては、約一億五千万円の節税効果が見込まれているということでございます。

○馬場委員 銀行側から見れば節税になるのかもしれませんが、外形標準課税という言葉をお聞きすると、そもそもこの銀行の話が出る、その前、つまり、都の税金を納めない銀行があるということで、知事は大変お怒りになって、外形標準課税。要するに、無税で銀行があるというのはおかしいというような発言があったというふうに実は思い出しました。
 ここで、知事がおっしゃるように、都が税金から一千億円を出資して、その企業がきちんと社会的な活動として税金を納める、外形標準課税という形でみずから決めたところで納めていく、そのことを、減資をすることによって節税になるというふうな発想でいいのかというのがまず私の第一印象です。
 そういう意味では、税金対策というような減資の理由というのは、都民にとって大変不可解というか、おかしいというか、ではないでしょうか。結果として税金の負担が、規模が小さくなったんだから安くなるということはわかりますが、節税のためにということであれば、何のために一千億円も銀行に出資をして、都民は何の、税収としても入ってこないという、こんな状況を都民が納得するわけはないというふうに私は思っております。
 減資につきまして、今のような私の思いがあるんですが、先ほどの株主総会で、今度六月三十日に決めてしまうということの前に、この減資を、今までの都が挙げている理由で都民が納得するかどうか。このことは、決定をする前に都民の意思というのを聞く必要があるというふうに思いますが、この辺のご見解はいかがでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 減資の目的のお話でございますけれども、減資はあくまで、過去の負の遺産でございます繰越損失を一掃するために行われるものであるというふうに認識をしてございます。税金の問題とか、そちらについては、その結果としてのメリット、デメリットのお話だ、そういう理解を私どもさせていただいているところでございます。
 今回の減資につきましては、資本の額は変動いたしますが、実質的な企業価値やあるいは会社の財産、株式の価値等の変動はございません。そういう中での減資ということなので、東京都としては、この間ご答弁をさせていただいておりますように、前向きに考えていきたいというふうに思っております。

○馬場委員 この減資がいいことだというご認識ということはよくわかりました。
 それでは、もう一つ、今回出資をするに、一千億の出資は七百億の都債を発行しているというふうに伺っております。減資をすることによって、都債の償還というようなことについて財務局さんの方も関連してくる。つまり、十年間で都債を返済していく予定だけれども、減資が三年で行われてしまうわけですから、このことについて、繰り上げ償還はできないという話も伺っております。財務局さんとのその辺のお話、情報、連絡等、どういうふうになっているのでしょうか。

○櫻井金融支援担当部長 減資につきましては、委員ご指摘のとおり、財源対策等のこともございますので、今後、財務局さんなんかとも十分調整をしていく必要があると思っておりますが、減資について申し上げますと、株主総会の承認の後に、債権者保護手続、金融庁の認可、こうした手続を経まして効力が発生する、こういった段階を踏んでまいります。効力発生後には財政的な対応も必要になると考えておりますので、財務局とも情報連絡を行っておりまして、今後とも必要な調整をしていくつもりでございます。

○馬場委員 繰り上げ償還ができないということは、百億少し超えますか、利子の総額、百億三千百万円という、ここについては要するに負担せざるを得ない状況だというふうに思わざるを得ません。
 先ほどから、減資について、資本の額は変動するが、実質的な企業価値や会社財産は変動しないということを何度も述べていらっしゃいますが、実態は少し、この表現では間違いだというふうに私は受けとめております。資本の額は変動ではなくて減少ですね。減少する。実質的な企業の価値や会社の財産はもう既に減少している。つまり、今の赤字が一千十六億でしたでしょうか、あって、これは減資をするしないにかかわらず、もう以前に、以前の負の遺産とおっしゃっているように、実質的な企業価値や会社の財産はもうないわけですね。だから、減資をしても結局影響はない。つまり、資本勘定の中でプラ・マイをするだけの話だという、そういう安易な減資についてのお考えというのは、先ほどから述べさせていただいていますが、今まで一千億を出資してきて、そして都債の百億を超す利息、それから四百億の追資と、トータル一千五百億をこの銀行に、今、都はつぎ込んでいるわけですが、これが、今まででいえば、この三年間、一銭の配当もなく、そして税収もこれからは一億二千万ほどになる、そして、将来本当に都民のためになるのかという、このことが問われているというふうに思います。
 減資ということについては十分に、十分にというか、今までのご説明では私は納得できないというふうに思っておりますので、ぜひその点の表現等も含めて、何か都民に、何でもないんだというような、何も変わらないんだというような説明で減資を行うことについては納得できないということを表明させていただいておきます。
 今回こうなったことについて、それでは、今まで、委員会の設置会社という組織体系でやってこられました。本当にこの形、今までと同じような組織体制、会社の体制でいいのでしょうかという疑問、このことについてどこでも協議してないのでしょうか。
 実は、これも先日の新聞の報道で、新銀行東京のポストに非常勤会長職というのが新設されて、取締役会議長で新銀行の創設者ともいえる大塚俊郎元副知事が就任することが内定したと報じられました。このポストの新設について都は関知していらっしゃるのでしょうか。

○目黒金融監理室長 そういうポストを新たに設置したいという新銀行の意向については承知をしておったところでございます。

○馬場委員 済みません。意向について承知をしているということはどういうこと、了承している、ただ聞いて知っているということなんでしょうか。このことは銀行のことだから聞きおくというような意味なんでしょうか。もう一度お答えください。

○目黒金融監理室長 このポストの設置につきましては取締役会の決議事項でございますので、こういったところでお話をすることはできないということをご理解いただきたいと思います。

○馬場委員 それでは、いつごろどういう形でこのことは承知なさったのでしょうか。

○目黒金融監理室長 具体的に、いつ、何月何日ということではございませんけれども、銀行との日常的な連絡事項の中でそういった意向を聞いたということでございます。
 それで、先ほどの答弁の中で取締役会の決議事項と申し上げましたのは、株主総会の決議事項のいい誤りでございますので、おわびして訂正させていただきます。

○馬場委員 そうですよね。今度の六月三十日の株主総会にかかるというふうに報道されております。そこでは賛否を問われるわけですが、それでは、大塚元出納長、役割はどういうものをこの会長職というのに求められているのか、それから、取締役会議長の後任はどうなっているのか、ご存じですか。

○目黒金融監理室長 取締役会長は、取締役会の監督機能の強化及び再建計画の着実な達成を監督するために設置するものでございます。取締役会議長は取締役会の会議をまとめる役割であるのに対しまして、取締役会長は取締役を代表するものでございます。なお、取締役会議長と同様に、執行権限は有しないものでございます。
 取締役会議長につきましては、今回は取締役会長が兼務する予定ということを聞いております。

○馬場委員 では、ますます大塚新会長としてこの銀行での力を持たれる、そのことを逆に都も期待しているというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
 もともとこの新銀行東京を考えられ、提案され、マスタープランの作成責任者であり、また、今回のこの三年間、そして昨年からの就任も含めて、一番よくご存じの方ですが、だからこそ、実は大変微妙な立場にいらっしゃるのではないかなと私は思っております。その意味で、株主として、こういうポストをつくり、そこにご就任いただくということをどこで決定するのかということも、先ほどの減資と同じで確認をしたいのですが、これはお答えいただけますか。

○目黒金融監理室長 六月三十日に予定をされております株主総会で議決するということでございます。

○馬場委員 いかに金融監理室のところで監督指導という役割が与えられても、決定権がないかということが何か見えてくるような気がします、大変皮肉ないい方で申しわけありませんが。
 この新銀行東京、再建計画で職員を百二十人と、四分の一。今回も大分退職者を募っているというふうに聞いています。そこで、職員がどんどん減って、四百何十人、四百五十人でしたでしょうか、が百二十と、実際に働く職員はどんどん減らしていく中で新たな会長職の設置。それから、先ほどからお話がありました、さらに経営監視委員会の設置。組織として、新銀行そのものも、監理をする人をまた監理する、監理する人をまた監理するという形の、監理部門ばかりどんどん大きくなっているというふうに受けとめております。
 もちろん、都側も金融監理室を置かれているわけですが、ここで、先ほどから質問で出てきました仕事の中身。それぞれ銀行は銀行で監理をし、そういうポストをつくっていく。都の局の中での金融監理室も、決算分析など専門性の高いものは外部の専門家を活用すると、先ほどの山口理事への答弁でもありました。つまり、両方して組織をどんどん頭でっかちにしていっているというふうにしか受けとめられません。この辺の費用、監理をするというところへの費用負担も含めて、本当にこの銀行が、都民の、中小企業の、知事のおっしゃる小零細企業の役に立っていく銀行になっていっていないというふうに受けとめざるを得ないと思います。ここのところを今後も、私ももう少し様子を見させていただきたいというふうに思っております。
 それでは、先ほども出ました新しい委員会設置会社について、ぜひとももう一度組織の検討をいただきたいのですが、その委員会設置会社というシステムの中で、旧経営陣が情報を上げないがために大変な赤字をつくった。この旧経営陣に対する責任を追及してこられました。そして、一応、内部調査というのは報告書が出て終わったというふうに認識していいのでしょうか。今回、外部の弁護士の方に委託をして、さらに調査をするというふうに伺っております。その契約の内容、それから、できれば委託料も含めて、どんな調査依頼をしているのか、お尋ねいたします。

○目黒金融監理室長 外部調査の関係でございますが、客観的な立場から旧経営陣の経営責任を明らかにするという目的を持って行っているものでございます。現時点で、経費等につきましては、銀行の方では明らかにしてございません。

○馬場委員 つまり、内部で行った調査の調査報告書だけでは、旧経営陣に責任があったといい切れないということでしょうか。

○目黒金融監理室長 外部調査でございますけれども、法的責任の追及を視野に入れて、客観的な立場から調査をしていただくというふうな趣旨で行うものでございます。

○馬場委員 経営陣の責任追及というのは大変難しい問題だというふうに私も思っておりますが、減資と別といわれても、都民に、なぜ銀行がこういう状況になったのかということをきちんと説明ができなければ、税金からの出資ということは、今後大変大きな課題を残すというふうに思っております。このことについては、金融監理室としても、旧経営陣の責任なのか、そうではないのか、ほかに理由もあるのかも含めて、都としても監理責任というところで、ぜひとも引き続きお願いをしたいというふうに思います。
 再建計画が出されました。新規事業展開ということで、融資相談コーナーというのが何店舗か設けられると伺っております。それぞれの都の庁舎等を含めて使って相談コーナーをつくるということなんですが、料金、利用料の基本的な考え方、契約期間、そうした状況について伺います。

○塚田総務部長 行政財産の使用許可に伴う使用料につきましては、東京都行政財産使用料条例に基づきまして、財務局が一元的に算定をしております。
 また、使用許可期間でございますけれども、これは平成二十年六月一日から平成二十一年三月三十一日まででございますけれども、その中で、葛飾の城東地域中小企業振興センターに限りましては、平成二十年七月二十七日から平成二十一年三月三十一日となっております。

○馬場委員 一年で更新をしていくというような使い方ですね。利用状況等を見て、今後の再建計画の中で、この方法がいいかどうか検証するという意味もあるとは思いますが、都の庁舎を使って株式会社新銀行東京が営業するということについては、今までにこういう例はなかったのではないかというふうに思います。都庁の施設利用、かなり厳しく、私の認識では、何かお借りしたいといっても、かなり厳しい条件がついていた。今回の資料のところにもありましたが、そういう意味では、新銀行東京の再建計画のためといっても、やはり特別扱い、あえていえば便宜供与に近いのではないかというふうに考えますが、この辺のご認識はいかがでしょうか。

○塚田総務部長 仮にでございますけれども、他の銀行の求めがあったような場合には、今回と同様、申請内容を十分検討いたし、使用許可の可否を判断することになります。
 また、今回の使用許可につきましては、新銀行東京からの申請内容を十分検討いたしまして、新銀行東京の事業が都が行う中小企業支援施策の考え方とも合致するものであることなどから使用許可が適当と認められますとともに、手続につきましても、東京都公有財産規則に定める手続にのっとり適正に行ったものであります。したがいまして、新銀行東京だけを特別扱いする便宜供与には当たらないと考えております。

○馬場委員 最後ですが、きょうもいろいろ資料もいただき、質疑もさせていただきました。こういう経験は、知事のおっしゃる一般的なことだとかいうお話もありましたが、この規模でこういう形の株式会社というのは、それも行政が税金から出資をしてするということは、初めての、前例のない話だというふうに思います。今の状況で、今度は四百億の追加出資も含めて、先ほどもお話がありましたが、守ろうとする余りに、監視体制の方に力が行って、こういう状況に陥っている。つまり、船はどんどん小さくなって泥舟に近くなっているのに、乗っている監視体制の部分、役員の部分は減っていかない、こういう状況で、将来、心配がまだ、まだというか、心配でなりません。
 都民への説明、減資についての説明もきちんとやっていただきながら、一つ、私の方の希望をいわせていただければ、仮に一千億に余る減資をして、これは問題ないというご説明ですが、現実には、一千億、この減資に見合う何の財産も都は持ち得ていないわけですから、実際はこの減資の分はもう都民の税金として戻ってこない、そういう中で、高利で借りている定期預金の分の利息、こうしたものもぜひともご理解いただいて、都民の皆さんに還元できるような方法をご検討いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○増子委員長 次に、報告事項、平成十九年度東京都一般会計予算の繰越しについてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○増子委員長 次に、契約議案の調査を行います。
 第百五十号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 第百五十号議案、東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約について三点ほど伺います。
 本件については、中小企業支援の趣旨がすべての段階で生きるよう、分離分割発注など努力していただきたいと思います。
 この支援拠点には八王子支所が移転することになっています。八王子支所の十九年度利用実績は、依頼試験、機器利用、技術相談ともに十八年度と比較して伸びており、地元企業の利用ニーズが高いものです。多額の建設費をかけて新しい多摩産業支援拠点に移転するからには、サービスの低下ではなく向上に努めていただきたいと思いますが、新拠点の機能というのはどうなるのでしょうか。お伺いいたします。

○三枝商工部長 新しい多摩産業支援拠点では、八王子支所で利用頻度の高い機器を引き続き使用いたしまして、例えば摩耗試験など繊維分野の支援を行いますほか、製品開発やセミナーを実施して、多摩地域の中小企業のニーズに的確にこたえてまいります。
 また、新たに国際基準を満たす性能を備えた大型電波暗室を整備し、多摩地域に数多く集積しているエレクトロニクス分野の中小企業の求めにも応じてまいります。
 さらに、新製品、新技術開発に挑戦する中小企業向けに、二十四時間利用可能な製品開発支援ラボ、これを五室用意するなど機能の拡充を図ってまいります。

○清水委員 多摩産業支援拠点の整備に当たり、多摩地域の高い技術を持つものづくりの企業からは、最高精度の三次元計測器、電子顕微鏡、光造形複合加工機の設置が求められ、市長会からも要望が寄せられていると聞いています。これまでも私は、こうした声にこたえていただきたいと主張してまいりましたが、現在どのような検討になっているのか、お伺いいたします。

○三枝商工部長 大型電波暗室以外の機器設置につきましては、多摩地域の産業特性はもちろんのこと、地元の中小企業の声や市長会の要望などにも意を配りながら、具体の検討を行ってまいります。

○清水委員 八王子市の産業技術研究センター八王子支所の移転統合跡地に交流拠点を整備するとの構想だというふうに伺っております。八王子支所が昭島に移転してしまうということを残念がっていた市や市民や業者の声に、このニュースというのは大変朗報であったわけです。この交流拠点というのは、中小企業支援の観点からどのような意義があるのか、お伺いいたします。

○三枝商工部長 多摩地域には、エレクトロニクス等の分野で独自の製品や技術を持つ中小企業や大学、研究機関が数多く立地してございます。これらの企業や大学、研究機関が相互に交流を深めることで、新たな技術、研究開発が促進されますことは、多摩地域における中小企業振興の観点から極めて重要でございます。こうしたことから、産業技術研究センター八王子支所の移転跡地を活用いたしまして、産学、産産連携を促す交流拠点を整備することといたしたものでございます。

○清水委員 これまで八王子支所を利用していた関係市、また地元市、業者の意見などを聞いて具体化を進めていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 契約議案の調査を終わります。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○増子委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百四十五号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○木内委員 今定例会の経済・港湾委員会、豊洲市場の問題があり、また新銀行東京というテーマがあり、大変に議論の時間が長くなって関心も高いわけでありますが、私、今回の港湾管理条例の改正という問題も、東京港の国際競争力強化ということ、東京港の今後の発展ということを考えますと、実は大変に重要な意味を持った条例改正案である、こう受けとめておりますので、ぜひともまた誠意ある答弁もお願いしたいというふうに思います。
 東京港の国際競争力の強化につきまして、私は常々これまで訴えてきたところでありますけれども、この管理条例の改正に関連して、東京港の現状についてまず総括的にお尋ねをしてまいりたい。
 東京港における外貿コンテナの取扱量は、中国を初めとするアジア貨物の伸び等により急増しているわけでありますけれども、まず、最近の東京港における外貿コンテナ貨物の取扱量の現状について明らかにされたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 東京港における平成十九年の外貿コンテナ貨物の取扱量は三百七十二万TEUに達し、十年連続日本一となりました。外貿と内貿を合わせたコンテナ貨物の取扱量は四百十二万TEUとなり、初めて四百万TEUを超えました。
 また、内貿も含めたコンテナ取扱量の推移を見ますと、平成八年においては二百三十一万TEUで、世界ランキング十二位でありました。平成十八年においては三百九十七万TEUで、世界ランキング二十三位でありました。

○木内委員 今の答弁ですと、コンテナの取扱量はここ十年で約七割増加している。しかし、世界ランキングは大きく実は落ちてきている。一見矛盾するような答弁であったようですけれども、これは一体どういうふうに客観的に認識をすればよいのか、答弁願います。

○小宮港湾経営改革担当部長 この十年間で、首都圏の生活と産業を支えます東京港の重要性はますます高まっておりまして、貨物取扱量も大幅に増加してまいりました。しかしながら、世界における国際コンテナ物流は、中国を初めとするアジア発着の基幹航路を中心に大幅に貨物量を増加させておりまして、これは東京港のコンテナ貨物量の伸びをはるかに上回っております。この結果として、世界的に見た東京港が取り扱う貨物量のシェアは相対的に低下しつつあります。

○木内委員 これは大事な視点でありまして、絶対量は伸びているんだけれども、実は相対的な比較の中で落ち込んできているということでありますし、最近、アジア発着の基幹航路を中心に大幅な貨物量の増加の傾向にあるということがわかるわけでありまして、相対的な地位の低下について、残念な現状についてはよくわかるわけでありますけれども、じゃ、世界的に東京港の地位が低下をしてきている、これによる影響というのが各分野にわたって大きなものになってくるのではないかという懸念をするわけですが、どうですか。

○小宮港湾経営改革担当部長 東京港の地位でありますが、世界的に見た東京港の地位は相対的に低下しておりますが、取扱貨物量は着実に増加しており、施設容量としては限界に近づきつつあるものの、こうした増加した貨物の受け入れができており、東京港は首都圏の生活と産業を支える物流機能を果たしているといえるかと存じます。
 しかしながら、船舶の大型化などを背景に、船会社はこれまで以上に効率性を追求し、寄港地の選択を厳しく絞り込んでいる中で、船舶の大型化に見合う施設規模や貨物量の確保ができなければ、東京港が国際基幹航路から外れ、首都圏の生活と産業を支えるメーンポートとしての役割を十分に果たせなくなるおそれがございます。

○木内委員 これは今後の東京港のありようについて大変に警鐘を乱打する答弁でありまして、このまま放置をいたしますと、首都圏の生活と産業を支えるメーンポートとしての役割を果たせなくなってしまう、こういうことでありまして、国際的な地位の低下に今後歯どめをかける、現状を打破して反転攻勢に出なければいけない。そのためにさまざまな知恵と工夫を発揮していくことが必要である。その一環が今回の港湾管理条例の改正である、こういうふうに受けとめたいわけであります。
 そこで、本日の本題に入るわけでありますけれども、外貿コンテナふ頭の管理の一元化ということについては、さきの委員会で、民営化された公社が、管理の一元化を通じて東京港の中心的な役割を担い、物流を支えていくべきだと、私は提案をしたのであります。これはもうご記憶のとおりであります。そして今回、この主張を反映するようにして、管理の一元化の具体的な動きとして港湾管理条例改正案の提案がなされている、こういう経過だというふうに私は認識しているわけであります。
 内容としては、指定管理できる施設として岸壁、桟橋を加えて、そして外貿コンテナふ頭の管理の一元化に必要な条件を整備しよう、こういうことであろうかと思います。これはまさに港湾機能の強化充実という視点から重要な改正である、こう思うわけであります。
 そこで、提案された条例改正案に基づいて、外貿コンテナふ頭の管理一元化について改めて伺うわけでありますけれども、そもそも一元化の目的、改正の趣旨については既に説明を聞いておりますけれども、私の方から、時間の関係で概略申し上げます。
 現在、東京港の外貿コンテナふ頭には、都が管理運営する青海、品川の公共ふ頭と、民営化された旧埠頭公社が管理運営する大井、青海の新会社ふ頭が混在して二元管理を行ってきている。そこで、これを改めて、東京港で取り扱われる外貿コンテナ貨物の約七割を扱う新会社ふ頭を管理している東京港埠頭株式会社に新たに公共コンテナふ頭を管理させることによってコンテナふ頭の管理の一元化を進めていく、こうしているということであります。
 そこで聞きますけれども、この一元化によるスケールメリットを生かしていくことで、東京港の国際競争力の強化という元来の命題に対してのインセンティブをどのように考えているのか、改めて確認をしたいと思うんですね。

○小宮港湾経営改革担当部長 スケールメリットを具体的に活用する、どのように活用するかということかと存じますが、船社誘致や航路配置などの戦略を効果的に立てることが可能となります。これによりまして、東京港における貨物量増加を目指すとともに、ふ頭運営の一層の効率化を行うことで、港湾サービスの向上と港湾コストの低減を通じまして、東京港の国際競争力の一層の強化を図ってまいります。
 なお、管理の一元化につきましては、平成二十一年四月からの実施を目指しておりまして、このため、具体的な指定管理者の決定につきましては、本条例改正案の議決をいただいた後、平成二十年第四回定例会にお諮りする予定でございます。

○木内委員 極めて明快な、インセンティブの部分と今後のスケジュール、指定管理者の決定についての日程等、詳しい報告がありましたけれども、ぜひとも着実に推進を願いたいと思うわけであります。
 日本の港湾の地位の低下が指摘されている中で、国際競争力を強化していくことは当然のことでありまして、さっき申し上げたとおり、外貿コンテナふ頭の管理の一元化を適切に着実に進めてもらいたい。
 一方で、ただいまの答弁を聞いていますと、一元的に管理することで公共ふ頭をなくすような、そんな印象にも聞こえるわけであります。そもそも港湾というのは極めて高い公共性を持つものでありまして、とりわけ東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支える国際物流を円滑にとり行うための一大都市インフラである、こういえると思うんです。そういう点からいって、利用者の多様なニーズにこたえるという観点からも、私は、公共ふ頭の機能は残すべきだと考えるわけです。このことを主張するんですが、見解を聞かせてください。

○小宮港湾経営改革担当部長 公共ふ頭は、不特定多数の船会社が必要に応じまして機動的に利用できるふ頭でありまして、ご指摘のとおり、不定期な使用など多様なニーズにこたえていくという役割を担っておりますことから、一元化をした後もその機能を維持する必要がございます。そのため、公共ふ頭の岸壁、桟橋部分については、公共岸壁としての位置づけを残すため、指定管理者制度を採用することとしたものでございます。これによりまして、一元化した後にも公共ふ頭としてその機能を維持し、残してまいります。

○木内委員 今、明快な答弁がありましたので、了としたいと思います。指定管理者制度の導入のもとでの新たなシステムの中で、公共性がしっかりと担保されるようご努力を願いたい、こういうふうに思います。
 そして、もう一点、管理の一元化ということでありますけれども、管理する側の都合だけではなくて、東京港の利用者の目から見てメリットが生じてこなければならない、これは重要なことでありまして、この点にも大きく配意をしなければいけないと思うんですが、今後、管理の一元化によって利用者の側からのメリット、どういった点が考えられるのか、お答え願います。

○小宮港湾経営改革担当部長 管理の一元化について利用者から見たメリットでございますが、一元化により管理対象施設が広がることで、日常の施設メンテナンスや機器の更新、あるいは、ふ頭背後用地も含めたスペースの有効利用など、スケールメリットを生かした管理を行うことができ、ふ頭運営の一層の効率化が期待できます。
 また、指定管理者の機動性、柔軟性を生かし、これまで以上にきめ細かい迅速なサービスの提供など、質の高い施設の維持管理の実施が可能となります。
 さらには、指定管理者が持つ管理運営のノウハウを十分生かし、利用者ニーズに対応した効果的な設備投資の実施が可能となり、ふ頭運営のさらなる効率化が図られます。
 このようにしまして、利用者にとってより一層使いやすい港づくりに寄与できるかと存じます。

○木内委員 大変心強い答弁でありまして、指定管理者制度の特性を十二分に生かして、答弁のあったように、機動性、柔軟性というものが期待できるわけでありますので、都民、関係業界の求める港湾ということを目指していただきたいと思います。
 ふ頭運営のより一層の効率化を図って、これは、東京港の国際競争力の強化にも同時に大きく寄与するものであると私は判断をするものであります。また、実際に港を利用する方々にとっても大きなメリットがあることがよく理解できるわけでありまして、平成二十一年度からの実施に向けて、私としても、我が党としても応援を惜しまないつもりでありますので、ぜひともご努力を願いたいと思います。
 さて、国際競争力の強化といえば、東京港の平成十九年の外貿コンテナ取扱個数は、先ほどの報告にもあったように、十年連続日本一となる見込みだということが明らかになりました。しかし、目を世界に転ずると、東アジア諸国を発着するコンテナ貨物が急増するという先ほどの推測があった。日本港湾が取り扱う貨物量のシェアは相対的に全国的に低下しつつあり、依然厳しい状況にあるといわざるを得ないわけでありまして、日本の港湾のトップである東京港でも、コンテナ貨物の取扱量で見ると、一九九六年十二位だったものが、二〇〇六年には二十三位と大きく低下をしているのであります。
 ここで注意しなければならないのは、単なる取扱個数の多寡ではなく、首都圏の生活、産業を支えるべき役割を担っている東京港がその役割を十分に果たしているか、換言すれば、実需にきちんと対応しているかどうかということが重要なポイントになると思います。東京港での基幹航路の貨物のトランシップ化率も、緩やかではあるが高まっております。東京港への基幹航路の寄港数も実は減少傾向にあるといわれている。決して楽観すべき状況ではないわけであります。また、実際に港を利用する関係業界の方からも、こうしたことを憂える切実な声が私のもとにも寄せられています。
 こういう状況のもとで、東京港が、東京港埠頭公社の民営化、また、今回議論があった管理の一元化など、国際競争力強化に向けた取り組みを着々と講じていることに、私は高い評価を行うものであります。日本のトップ港湾という地位に甘んずることなく、攻めに転じて、今後一層の危機感を持ってさらなる国際競争力の強化を図る必要があると思います。
 さて、ここでぜひ技監から答弁を願いたいのでありますけれども、東京港の戦略的な経営を展開していく上で、港湾の整備であるとか、あるいは技術的な問題等含めて、さまざま入れ物や環境の整備が必要でございます。ソフトの施策も極めて重要であるけれども、その基盤となるのはすぐれた技術力に支えられた港湾施設である、これはいうまでもないことでありまして、地味ではありますけれども、これまで長い間ご努力をされてきた、技監のご努力、また大変な戦いというものを、私は心から敬意を持っていつも拝しているわけでありますが、東京港のこれまでの目覚ましい発展も、都の港湾技術に携わる方々のたゆまぬ努力の成果に負うところが大きいと考えているわけであります。
 長年技術面から都の港湾行政に携わり、港湾技術陣のトップである尾田技監にもぜひ、今後の東京港のさらなる発展に向けて最も力を入れて取り組むべき課題は何か、また、ご自身が心血を注いで取り組んでこられた事例なども挙げて、お答えを願いたいと思います。

○尾田技監 今、木内先生からお話がありました面でお話しさせていただきますと、最も力を入れて今後やっていかなきゃならないのは、やはり既存ストックの有効活用であろうというふうに思っております。そのために、先ほど議題にもなっておりますように、管理の一元化、これは、いろいろな施設を有効的に活用するということで管理の一元化が出ているわけでありますが、そういった面で、技術面では、やはり施設のリニューアルをして機能的に更新していくということではないかと思っております。
 したがいまして、今までも港湾施設の整備を着実に進めてきた結果としまして、外貿コンテナ取扱量が十年連続日本一ということになっております。その取扱量の約六割を占めている大井のコンテナふ頭を、船の大型化、貨物量の増大に対応すべく、平成十五年度までに再整備としてリニューアルをしてきました。これは、既存施設を非常に有効利用してきた成果であろうというふうに思っております。この事業は、現地で利用者であります船会社と十分協議をし、既存のターミナルを供用しながら大規模にリニューアルしたものであります。新規整備と比較しますと、八年間という短期間で、しかも事業費七百五十億と、コストも非常に少ない事業費で整備をしてきました。また、そのとき得られた知識や技術は、将来の港湾施設の維持管理を見据えて、既存ストックの有効活用を図るために、劣化対策技術や予防保全技術として確立をしております。
 今後、狭い限られた東京港の中で、国際競争力を高め、船の大型化や貨物量の増大に的確に対応していく施設整備をするときには、新規に施設整備をするのと同時に、この維持管理技術を活用し、既存の施設の有効活用を図っていくことが重要ではないかというふうに思っております。そのことが、環境にも優しい、省資源型の港湾施設の整備になるというふうに思っております。
 今後もまた引き続きよろしくご指導のほどお願いしたいと思います。

○木内委員 今、技監から大変貴重な答弁がありました。多としたいと思います。
 今後のご活躍を心からお祈りしたいと思います。
 最後に局長にお尋ねします。
 管理の一元化を踏まえた東京港の国際競争力強化についての認識、抱負、加えて、本年三月、東京、川崎、横浜の京浜三港における広域連携の強化が合意されているわけでありまして、この京浜三港の合意ということも、今後の東京港の発展について、実は極めて重要なターニングポイントである、私はこう思っているわけでありまして、この京浜三港合意を踏まえての東京港の今後のあるべき姿等についても答弁をいただければと思います。

○斉藤港湾局長 東京港の国際競争力強化についてでございますが、東京港はこれまで、国際物流のコンテナリゼーションの流れ、潮流を的確にとらえまして、着実に港湾施設の整備を進めてまいりました。例えば、大井ふ頭の再整備、臨海道路の整備、ふ頭背後の物流倉庫群の整備といった一つ一つの取り組みが、外貿コンテナ貨物取り扱いの十年連続全国一という結果につながったものと考えてございます。
 東京港の今後を見据えますと、現在、中央防波堤外側に新たな外貿コンテナふ頭の整備を進めてございますが、東京港域のキャパシティーから考えますと、当面これが最後のふ頭整備になろうかというふうに考えてございます。
 一方、世界における生産、製造の国際分業はさらに進展してございまして、国際物流の九九%を担います海運の重要性は今後ますます大きなものになってまいります。この物流需要にこたえることができなければ、東京港は国際基幹航路から外れまして、首都圏四千万人の生活と産業に深刻な影響が出るものと危機感を抱いてございます。
 東京港の限られた港域で、今後大きな増加が見込まれます貨物需要に的確に対応していくためには、現在進めている新たなふ頭整備に加えまして、既存ストックを最大限に活用いたしまして、これまでの二倍、三倍の施設運営効率を引き出す工夫が必要でございます。このために、施設の運営効率を引き上げるために、ふ頭管理の一元化は大きな力を発揮していくものと考えてございます。
 こういった状況は、ひとり東京港だけの問題でなく、隣接いたします川崎港、横浜港も同様な状況でございます。
 経済・港湾委員会の委員の先生方へのご説明とあわせましてプレスに発表させていただきましたが、本年三月に、東京、川崎、横浜の京浜三港は、こういった危機認識を共通のものといたしまして、広域連携を強化するということで合意をいたしました。
 この基本合意は、石原東京都知事、阿部川崎市長、そして中田横浜市長、三都市の首長によりまして結ばれた港湾の包括的政策協定でございます。京浜三港がポートオーソリティーを視野に入れながら実質的に一港化を進めることで、京浜港の既存ストックの運営効率を飛躍的にアップするための取り組みの一つでございます。京浜三港の合意は、これまでの日本の港湾経営の方向を大きく転換するものでございまして、我が国港湾の新しい時代の幕あけになるものと考えてございます。
 こういった東京港の状況変化を背景といたしまして、今回、財団法人東京港埠頭公社の運営体制を根幹から見直します民営化と軌を一にいたしまして、外貿コンテナふ頭の管理を一元化することで東京港の国際競争力強化を図ることといたしまして、条例改正を提案させていただいたところでございます。
 東京港が首都圏の生活と産業を支えるメーンポートとしての役割を果たすために、集荷力を強化しながら基幹航路を維持するとともに、東京港埠頭株式会社を全面的にバックアップして民営化のメリットを発揮させ、さらに、東京湾全体を視野に入れまして、横浜、川崎との連携を強め、国際競争力の強化に向けまして、先ほど尾田技監からお話がありましたけれども、事務職、技術職一体となりまして、局一丸として最大限の努力を払ってまいります。

○小竹委員 百四十五号議案に関連して、何点かお伺いしたいというふうに思います。
 港湾施設は、基幹的な役割を担うという点では、私たちは、公共が担うべき役割が重要だというふうに考えています。そういう意味で、現在の公共ふ頭の利用の実態についてまずお伺いいたします。

○小宮港湾経営改革担当部長 平成十八年における東京港の外貿コンテナ取扱個数は約三百七十万TEUでございまして、そのうち公共ふ頭における取扱個数は約九十三万TEUでございまして、全体の約二五%になります。また、公共ふ頭には主としてアジアの船社二十社強が寄港しております。

○小竹委員 もともとの大井の外貿ふ頭は、先ほどもお話がありましたけれども、専用バースになっていて、どっちかというと大きな船社がそこを専用的に使ってきている。公共バースの方は、今お話がありましたけれども、アジアの船社ということで二十社程度が利用しているという点でいうと、専用バースのように大きな船社が使うというよりは、一定規模の小さなところも含めて使えるという点では、私は、公共ふ頭の役割というのは非常に大きいんじゃないかなというふうに思っています。
 そういう意味で、先ほどからもご説明がありましたけれども、今なぜ公共ふ頭を指定管理者に委託できるようにしなければならないのかと、やはり問われているんじゃないかなというふうに私は思うんですが、この点についてどういうご見解なのか、お伺いします。

○小宮港湾経営改革担当部長 先ほどもお答えさせていただきましたが、まず、現在、東京港の外貿コンテナふ頭には、都が管理運営する公共ふ頭と、民営化された旧埠頭公社が管理運営する新会社ふ頭がございまして、二元管理を行っている現状でございます。そこで、これを改めまして、先ほどもお答えしましたが、東京港の外貿コンテナ貨物の約七割を扱う新会社ふ頭を管理している東京港埠頭株式会社に公共コンテナふ頭を新たに管理させることによりまして、コンテナふ頭の管理の一元化を進めていくことでございます。
 また、公共コンテナふ頭の管理に当たりましては、公共ふ頭としての位置づけを残すため、指定管理者制度を導入するものでございます。
 また、なぜこの時期かということですが、国際競争力強化は常に大きな課題になっておりまして、かねてからふ頭運営の効率化が求められているわけです。そうしたところ、本年四月から埠頭公社が民営化されたわけです。こういう機会をとらえて取り組んだということでございます。

○小竹委員 一元化して効率的な運営をするというふうなお話ですけれども、指定管理者ということになると、一般競争入札のような形で埠頭株式会社の方にやるということも将来的にはあり得るのかどうか、その点はどうなんですか。

○小宮港湾経営改革担当部長 先ほど来お答えをさせていただいていますとおり、管理の一元化ということでして、現在、東京港内のふ頭には、公社、今は新会社といっていますが、新会社が管理しているふ頭と公共ふ頭がございます。したがいまして、一元化ということからしますと、東京港埠頭株式会社をおいてほかには考えられないかと存じます。

○小竹委員 いずれにしても、効率的というふうにいわれて、指定管理者について、私たちは、指定管理者にすることそのものについては、公共性の問題からいって決していいというふうには考えていないんですよ。公共性を維持するという点でいうと、長い間の歴史、埠頭公社は、公社という監理団体で公共的な役割を担ってきたんだけれども、公共バースと公社バースというふうな形で二つあったわけですよね。それで、今度は民営化したからといって、じゃ一本化だと。規制緩和の法改正がありますけれども、それで、民営だから、公共のふ頭も一元化というふうな形で民間の会社の方に任せるというのは、私は、公共的な管理が本当にいざというときには必要な場合だってあり得るというふうに思うんですね。だからこそ、公共の役割ということで東京都が管理してきたわけですから、そういう意味でいうと、一元化で効率的にというふうなことばかりでやっていいのかという点は、私は疑問を持っています。そういう点では、きちんと公共バースとしての役割を確保するという点では、東京都がきちんと管理していく必要があるというふうに思いますので、この点については意見を述べて、終わります。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○増子委員長 次に、報告事項、平成十九年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 直ちに質疑を行います。
 発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二十六分散会

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