経済・港湾委員会速記録第六号

平成二十年六月六日(金曜日)
第八委員会室
   午後二時三十四分開議
 出席委員 十三名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
田島 和明君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
総務部長塚田 祐次君
参事櫻井 和博君
商工部長三枝 健二君
金融部長保坂 政彦君
金融監理室長目黒 克昭君
金融支援担当部長櫻井  務君
観光部長小島  昭君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長松本 泰之君
事業推進担当部長小田 昭治君
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長大野 精次君
事業部長荒井  浩君
市場政策担当部長大橋 健治君
調整担当部長後藤  明君
新市場担当部長越智 利春君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事河村  茂君
参事野口 一紀君
港湾局局長斉藤 一美君
技監尾田 俊雄君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長山本  隆君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長小林 敏雄君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
営業担当部長藤原 正久君
港湾整備部長飯尾  豊君
計画調整担当部長山本  浩君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長室星  健君

本日の会議に付した事件
 港湾局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・平成十九年度東京都一般会計予算(港湾局所管分)の繰越しについて
・平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算の繰越しについて
 産業労働局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約
報告事項(説明)
・平成十九年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて
・新銀行東京について
 中央卸売市場関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて
・「市場環境白書二〇〇八」について
・豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等について
請願の審査
(1)二〇第一号 築地中央卸売市場の豊洲移転に関する請願

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介をいたします。
 議事課の北村雅克君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○増子委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承を願います。
 次に、先般の人事異動に伴い、労働委員会事務局の幹部職員に交代がありましたので、有留事務局長より紹介があります。

○有留労働委員会事務局長 四月一日付で人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 当委員会との連絡に当たります総務課長の山根誠治でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 紹介は終わりました。

○増子委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局、産業労働局、中央卸売市場関係の第二回定例会に提出を予定されている案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びに中央卸売市場関係の請願の審査を行います。
 なお、提出予定案件並びに報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○斉藤港湾局長 平成二十年第二回東京都議会定例会に提出を予定してございます当局所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案一件でございます。
 条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十年第二回東京都議会定例会提出条例案をごらん願います。
 表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、今回提出させていただきました案件は、東京都港湾管理条例の一部を改正する条例一件でございます。
 これは、指定管理者に管理を行わせることができる施設を追加するとともに、ふ頭内を清掃する港湾施設を追加するものでございます。
 一ページ、二ページに条例案を記載してございます。後ほどごらん願いたいと存じます。
 以上で、第二回定例会提出予定議案の概要説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○多羅尾総務部長 ただいまの局長の概要説明に続きまして、本定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 まず、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、条例案の概要をごらん願います。
 表紙の次のページの目次をお開きください。東京都港湾管理条例の一部を改正する条例一件でございます。
 一ページをお開き願います。改正案の概要でございますが、まず、指定管理者に管理を行わせることのできる施設の追加でございます。
 これは、指定管理者に管理を行わせることのできる施設として、新たに岸壁及び桟橋を追加するものでございます。
 二ページをお開き願います。これは、東京港内の外貿コンテナふ頭を示す位置図でございます。
 なお、ここに表記しております新会社とは、本年四月一日、財団法人東京港埠頭公社から新たに株式会社としてスタートを切った東京港埠頭株式会社のことでございます。
 新会社で運営しておりますコンテナふ頭は、青色でお示ししてございますが、青海と大井に計九バースございます。今回新たに指定管理者制度の対象とするふ頭は、位置図のうち赤い色でお示ししている品川と青海の公共コンテナふ頭、計六バースでございます。
 さて、今回の改正案の趣旨でございますが、右下の円グラフをごらん願います。平成十八年の東京港全体のコンテナ貨物取扱量をお示ししてございます。ごらんいただきますように、新会社コンテナふ頭が全体のうち七割の貨物を取り扱っております。これに公共コンテナふ頭を合わせると、ほぼすべての貨物を取り扱うことになることから、新会社を指定管理者とし、新たに公共コンテナふ頭も管理させることによって、コンテナふ頭の管理の一元化を進めてまいりたいと考えております。これによりまして今まで以上にふ頭運営の効率化を図り、東京港の国際競争力を一層強化してまいります。
 具体的な指定管理者の決定につきましては、本条例改正案の議決をいただいた後、指定管理者の選定作業を進めたいと存じますので、改めてご審議いただきたいと考えております。
 恐れ入りますが、資料の一ページにお戻りください。次に、港湾施設の追加でございます。
 これは、ふ頭内を清掃するための車両を導入するために規定を整備するものでございます。
 本条例の施行日でございますが、指定管理者に管理を行わせることのできる施設の追加につきましては、公布の日を予定しております。また、港湾施設の追加につきましては、公布の日から起算して三十日を経過した日を予定しております。
 以上で、平成二十年第二回都議会定例会に提出を予定しております港湾局関係の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 それでは、発言がありませんので、資料要求はなしといたします。

○増子委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取します。

○多羅尾総務部長 平成十九年度予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、平成十九年度繰越説明書をごらん願いたいと存じます。
 まず、一般会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。繰越明許費繰越の総括表でございます。
 繰越明許費繰越の基礎となる港湾局所管一般会計の平成十九年度の歳出予算現額は、上の段の左から二列目にありますように五百十九億六百四十一万八千円でございます。このうち繰越明許の議決をいただいております金額は、左から三列目にありますように七十六億九千四百万円でございます。
 当局といたしましては、平成十九年度内に円滑に事業が終了するよう努めてまいりましたが、工事施行の調整等に日時を要した事業について、平成二十年度に繰り越して継続実施することといたしました。繰り越しいたしました金額は、最終列にありますように二十八億六百九十六万七千円でございます。
 なお、繰越財源の内訳につきましては、国庫支出金と繰越金でございます。
 次に、繰越明許費繰越の内訳につきましてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。表のつくりでございますが、表頭にございますように、事業名、区分、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額、説明の順でお示ししてございます。
 1の東京港整備事業でございます。
 繰越明許の議決をいただいております金額は五十億五千八百万円でございます。繰越額は十九億七千六百二十九万三千円でございます。
 下段をごらん願います。東京港整備事業のうち、1の港湾整備事業でございます。
 繰越額は五億一千二百五十三万円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 八ページをお開き願います。2の東京港廃棄物処理場建設事業でございます。
 繰越額は五億三千百三十六万八千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 下段をごらん願います。3の海岸保全施設建設事業でございます。
 繰越額は九億三千二百三十九万五千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 九ページをごらん願います。2の島しょ等港湾整備事業でございます。
 繰越明許の議決をいただいております金額は二十六億三千六百万円でございます。繰越額は八億三千六十七万四千円でございます。
 下段をごらん願います。島しょ等港湾整備事業のうち、1の港湾整備事業でございます。
 繰越額は一億七千百二万七千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 一〇ページをお開き願います。2の漁港整備事業でございます。
 繰越額は六億六百四十四万六千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 下段をごらん願います。3の海岸保全施設整備事業でございます。
 繰越額は五千三百二十万一千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 以上で一般会計予算の繰り越しについての説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、臨海地域開発事業会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 一三ページをお開き願います。総括表でございます。
 建設改良費繰越の基礎となる臨海地域開発事業会計の平成十九年度の予算計上額は、上の段の左から二列目にありますように百七十億九百五十一万九千円でございます。このうち繰り越しいたしました金額は、左から四列目にありますように五億五千五百七十万九千円でございます。
 当局といたしましては、平成十九年度内に円滑に事業が終了するよう努めてまいりましたが、工事施行の調整等に日時を要した事業については、平成二十年度へ繰り越して継続実施することといたしました。
 次に、建設改良費繰越の内訳についてご説明申し上げます。
 一五ページをお開き願います。1の埋立地造成事業でございます。
 左から二列目にあります予算計上額八十七億三千万円のうち、繰り越しいたしましたのは、左から四列目にありますように三億六千九百三十三万九千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 一六ページをお開き願います。2の埋立造成関連事業でございます。
 左から二列目にあります予算計上額五億七千五十一万九千円のうち、繰り越しいたしましたのは、左から四列目にありますように四千五百七十八万円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 一七ページをごらん願います。3の臨海副都心建設事業でございます。
 左から二列目にあります予算計上額七十七億九百万円のうち、繰り越しいたしましたのは、左から四列目にありますように一億四千五十九万円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございます。
 まことに簡単ではございますが、以上で平成十九年度予算の繰り越しにつきましてご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○増子委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。
 以上で港湾局関係を終わります。

○増子委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、佐藤局長より紹介があります。

○佐藤産業労働局長 後ほど所管部長からご報告申し上げますが、四月一日付で、新銀行東京に対する経営監視及び支援の強化を目的といたしました金融監理室を設置したことなどから、当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 産業企画担当参事の櫻井和博でございます。金融部長の保坂政彦でございます。金融監理室長の目黒克昭でございます。金融支援担当部長の櫻井務でございます。観光部長の小島昭でございます。事業推進担当部長の小田昭治でございます。最後に、本委員会との連絡に当たります総務課長の村松明典でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○佐藤産業労働局長 平成二十年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会資料(産業労働局関係)をごらんいただきたいと思います。
 ご審議をいただきますのは、東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事請負契約でございます。
 この詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○塚田総務部長 今回提出を予定しております工事請負契約議案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1をごらんいただきたいと存じます。
 東京都多摩産業支援拠点(仮称)(二十)新築及び改修工事でございます。
 本件は、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター八王子支所と、暫定施設である多摩中小企業振興センターを統合し、多摩地域における本格的産業支援拠点を昭島市の都立短大跡地に整備することを目的として、今年度から平成二十一年度まで新築及び改修工事を行うものでございます。
 契約の相手方は淺沼・カトービルド建設共同企業体、契約金額は十七億三千四十万円、工期は平成二十一年十二月十六日でございます。契約の方法、入札回数、入札者数はごらんのとおりでございます。
 次のページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成二十年第二回都議会定例会に提出を予定しております産業労働局関係の案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。

○増子委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○塚田総務部長 平成十九年度一般会計予算の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料2、平成十九年度東京都一般会計予算繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをごらんください。1、繰越明許費繰越についてですが、対象となりました事業は、事業名欄に記載しておりますように、林道整備及び治山事業並びに農林災害復旧でございます。
 予算額は三十二億六千八十七万二千円でございますが、自然災害等により工事などに不測の日数を要し、事業が年度内に終わらないものを見込みまして、平成十九年度予算で十三億五千三百万円の繰越明許費の議決をいただいております。今回、平成十九年度の執行額が確定いたしましたので、執行が終わっていない二億八千四百九十一万八千円を平成二十年度に繰り越すこととなったものでございます。
 これら繰り越しの事業に要する財源につきましては、繰越財源内訳欄に記載しておりますように、国庫支出金一億三千九百七十万円などが充当されるものでございます。
 次に、事業内訳及び繰越理由でございますが、まず、1の林道整備及び治山事業では、檜原村において台風により施工予定地の手前が崩落し、当該復旧工事を実施する間、本工事の中断を余儀なくされ、工期におくれが生じるなど、三件の事業について合わせて八千百六十万円を繰り越すものでございます。
 次に、2の農林災害復旧では、三宅村において豪雨により施工予定地までの資材搬入路が崩壊し、当該復旧工事を実施する間、本工事の中断を余儀なくされ、工期におくれが生じるなど、三件の事業について合わせて二億三百三十一万八千円を繰り越すものでございます。
 以上で、平成十九年度一般会計予算の繰り越しについての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○目黒金融監理室長 新銀行東京の最近の動向につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料3、新銀行東京の最近の動向をごらんください。
 1の経営監視及び支援でございますが、平成二十年第一回都議会定例会における付帯決議を受けまして、都は、新銀行東京に対する経営監視及び支援を強化するための専管組織として、四月一日付で産業労働局内に金融監理室を設置いたしました。
 2の四百億円の増資完了でございますが、都は、新銀行東京からの第三者割り当て増資による新株引き受けの依頼を受け、四月三十日に四百億円の払い込みを行い、増資を完了しております。
 3の金融庁の検査でございますが、新銀行東京では、四月二十五日から金融庁による開業後初の検査が実施されているところでございます。
 4の店舗の統合ですが、コスト削減を図るため、五月七日に本店を新宿に移転し、一店舗に統合するなど、執行体制の見直しを行ったところでございます。
 5の二十年三月期決算発表につきましては、去る六月二日に、新銀行東京によりまして平成二十年三月期決算が発表されておりますが、その概要を、次のページの平成二十年三月期決算概要によりましてご説明申し上げたいと存じます。
 恐れ入りますが、平成二十年三月期決算概要の左側上段の(1)、損益の状況をごらんいただきたいと思います。
 まず、この表の上から三段目の業務粗利益でございますが、貸出金の圧縮に伴う業務収益の減と保有有価証券等の売却に伴う業務費用の増により、前期と比較して五十三億円減の十二億円となっております。
 表のほぼ中段の業務純益(一般貸倒引当金繰入後)でございますが、人件費の削減や店舗の統合、ATMの廃止などによる営業経費の減と、優良資産への入れかえに努めたことによる一般貸倒引当金の戻し入れにより、前期と比較して百八十六億円改善し、二十億円の赤字となっております。
 その下の臨時費用につきましては、前期と比べ六十六億円改善しているものの、百二十九億円となっております。
 これらの結果、当期純利益につきましては百六十七億円の赤字となりまして、本年三月に公表した決算見込みと同様の数値になりました。
 なお、今期の自己資本比率は一七・三%となっております。
 次に、資料の左側下段の(2)、貸出金残高・預金残高の推移をごらんください。
 貸出金の残高は、融資拡大路線の転換による資産の入れかえに努めた結果、前期と比較して五百七十億円の減の千八百九十四億円となっております。
 また、保証の残高は、前期比二百三十二億円の減の五百十一億円となっております。
 預金残高は、前期比千四百七十四億円減の三千七百五十七億円となっております。
 以上、雑駁ではございますが、新銀行東京関係の報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○増子委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○馬場委員 それでは、資料をお願い申し上げます。
 まず、新銀行東京調査委員会の調査報告書、全文でお願いいたします。
 次に、平成二十年三月期決算と今年二月の再建計画発表時における決算の見込みとの対比表。
 次に、平成二十年三月期決算で売却損を出している国債等の売却機関及び売却の判断をするに至った理由。
 次に、平成二十年三月期決算で百十五億で取得し、二十一億円の評価差額が出ている外国証券の内訳。
 次に、開業以降の月別の融資件数、残高、返済額、不良債権額。先般の予特資料168以降直近までお願いいたします。
 次に、開業以降の融資、保証実績で、月別、メニュー別の件数、金額。これも予特資料171、198、また委員会資料28以降直近までお願いいたします。
 今と同様、開業以降の融資、保証実績で、事業規模別の件数、金額、これは年次別でお願いいたします。これも予特資料173、198、委員会資料30以降年度末までのもの、年次別でお願いいたします。
 次に、開業以降の債務超過企業、赤字企業への融資実績。予特資料169、委員会資料26以降年度末までの実績、また、年次別の数字もお願いします。
 次に、不良債権の状況。予特資料199以降、半期ごとで不良債権の状況がわかるものをお願いいたします。
 次に、平成二十年三月期決算で業種別貸出金にあります、その他の内訳、前年分もお願いいたします。
 次に、二十年一月時以降年度末までの預金規模別の預金者の件数、割合、金額、お願いします。
 次に、再建計画における今年度からの、四月、五月になりますでしょうか、メニュー別融資の推移と実績です。
 次に、ことしに入ってからのコンプライアンス委員会の開催状況、開催日時、場所、メンバー及び主な議題など、お願いします。
 次に、統合リスク管理委員会の開催状況も同様、ことしに入ってからの開催日時、場所、メンバー及び主な議題など、お願いします。
 最後に、新銀行東京に寄せられたお客様の声など、利用者などの声をお願いいたします。この半年程度で結構です。
 以上です。

○清水委員 十項目お願いいたします。
 十九年三月期決算と二十年三月期決算の貸出先の変化と、内容及び現在の残高と件数。
 二、現在の預金及び債権。
 三、二十年三月決算時以降の不良資産、健全資産の内訳。
 四、現時点で融資実績を地区別件数及び金額でお願いします。
 五、これまで行っていた公共工事代金債権信託の残高、件数を局ごと、出先事務所も含めてお願いします。
 六、再建計画の現在までの具体化についてお願いします。
 七、経営監視委員会の内容とメンバーをお願いします。
 八、現在のファンド運営会社とベンチャーファンドへの出資の概要及び実績をお願いします。
 九、市中金融機関の中小企業への貸出状況をお願いします。
 最後に、都庁舎における目的外使用の一覧をお願いします。
 以上です。

○増子委員長 ただいま、馬場委員、清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○増子委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、比留間市場長より紹介があります。

○比留間中央卸売市場長 去る四月一日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
 調整担当部長の後藤明でございます。特命担当参事の野口一紀でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の萱場明子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○比留間中央卸売市場長 平成二十年第二回都議会定例会に提出を予定しております中央卸売市場関係の案件につきまして、ご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案二件でございます。
 条例案の概要でございますが、初めに、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例についてでございます。
 卸売業者の販売委託手数料につきましては、従来、国が全国一律で定めておりましたが、卸売市場法の改正により、開設者である地方自治体が定めることとされたことを受けまして、卸売業者からの届け出制といたしますとともに、暴力団等の反社会的勢力による経済活動の被害を防止するため、中央卸売市場から暴力団等を排除する規定を新たに加えるよう、条例の一部を改正するものでございます。
 次に、東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例についてでございます。
 地方卸売市場につきましても同様に、暴力団員等が市場運営や市場取引等に介入することを防止するため、条例の一部を改正するものでございます。
 詳細につきましては、管理部長より説明をさせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大野管理部長 本定例会に提出を予定しております条例案二件につきまして、資料1、条例案の概要によりご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きください。東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例についてでございます。
 初めに、中央卸売市場における卸売業者の販売委託手数料の弾力化についてご説明いたします
 改正理由でございますが、平成十六年に卸売市場法の一部を改正する法律が公布され、卸売業者の販売委託手数料については開設者が定めることとなり、東京都は平成二十年四月二十二日に、東京都中央卸売市場取引業務運営協議会に条例改正について諮問し、原案が適当であるとの答申を受け、関係条文を改正するものでございます。
 次に、改正の概要でございますが、卸売業者がみずからの判断で委託手数料率を設定し、知事に届け出る制度とするとともに、都は、卸売業者の健全な経営を確保するため、届け出内容について事前調査を行い、届け出後に卸売業者の経営などについて支障が生じた場合につきましては、改善命令を行えることといたします。
 また、出荷者が安心して卸売市場へ販売委託できるよう、委託手数料率の頻繁な変更を制限するとともに、委託手数料率を出荷者等へ十分周知することにより、制度の安定的な運用を図ることといたします。
 二ページをごらんください。中央卸売市場からの暴力団排除についてでございます。
 改正理由でございますが、今後、中央卸売市場における暴力団等による被害の発生を防止し、その影響を排除することにより、適正な市場秩序の維持と運営を確保していく必要があるため、関係条文を改正するものでございます。
 次に、改正の概要でございますが、中央卸売市場から暴力団等を排除するため、仲卸業者、売買参加者、関連事業者及び卸売業者等施設使用者の許可・承認条項に、二ページ中段に記載しておりますアからウの新たな欠格事由を追加するとともに、これらに該当する場合は許可・承認の取り消しを行えるようにいたします。
 また、欠格事由該当者の照会及び警察からの意見提出など、警察との連携を図れるものといたします。
 施行日につきましては、販売委託手数料の弾力化は平成二十一年四月一日、暴力団排除は公布の日としております。
 三ページをお開きください。東京都地方卸売市場条例の一部を改正する条例でございます。
 改正の内容は、地方卸売市場においても暴力団を排除することにより、適正な市場秩序の維持と運営を図るため、関係条文を改正するものでございます。
 施行日は公布の日としております。
 以上で、平成二十年第二回都議会定例会に提出を予定しております条例案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。

○増子委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○大野管理部長 中央卸売市場会計予算の繰り越しにつきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、平成十九年度東京都中央卸売市場会計予算建設改良費繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。1の市場施設拡張事業におきまして繰り越しいたしますのは、左から二列目にあります予算計上額五百二十五億三千四百六十八万九千円のうち、左から四列目に掲載しました二十九億五百七十六万三千円でございます。繰越理由等は説明欄に記載のとおりでございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上、大変簡単ではございますが、平成十九年度予算の繰り越しにつきまして説明を終わらせていただきます。

○後藤調整担当部長 市場環境白書二〇〇八につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布させていただきました資料4は市場環境白書二〇〇八についての概要、資料5は市場環境白書二〇〇八本文でございます。
 それでは、資料4の市場環境白書二〇〇八についての概要でご説明をさせていただきます。
 市場環境白書は、中央卸売市場の活動により生ずる環境負荷の低減と市場の安全・衛生の向上を図るため発行するもので、今回で五回目の公表となります。
 この白書は、自動車排出ガス対策、省エネルギー・省資源対策、廃棄物対策、安全・衛生対策の四章で構成されております。
 第1章の自動車排出ガス対策では、平成十九年に実施いたしました調査に基づき、大気環境の現状を記載しております。
 今回の調査では、環境基準を超えた市場は四市場に減少しているほか、全測定箇所の六割で汚染物質濃度の低下が見られました。
 大気環境改善のための取り組みとしては、小型特殊自動車の電動化等に対する補助事業などを行っており、この結果、平成二十年二月の低公害化率は六〇・八%となっております。
 次の省エネルギー・省資源対策では、平成十八年度の中央卸売市場の温室効果ガス排出量が約七万三千トンであり、改善に向けた取り組みとして、省エネルギー設備への更新や太陽光発電設備の設置、市場施設、敷地の緑化などを進めていくこととしております。
 次の廃棄物対策では、平成十九年度の廃棄物発生量が約四万二千トンであることや、リサイクル率が約三七%であることを明らかにしております。
 改善に向けた取り組みとしては、廃棄物の発生抑制や木製パレットなど、さまざまな種類の廃棄物のリサイクルを進めていくこととしております。
 最後の安全・衛生対策では、食品への異物の混入などに起因する食の安全・安心が搖らいでいる現状を踏まえ、安全・品質管理者の機能の充実、市場関係業者による品質管理マニュアルの作成支援などの取り組みを進めていくこととしております。
 今後、この白書を活用して、市場関係者の方々と連携しながら、環境負荷の低減と安全・衛生の確保に取り組んでまいります。
 以上、簡単ではございますが、市場環境白書二〇〇八のご説明とさせていただきます。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等についてご報告申し上げます。
 お手元に資料6、豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等について(概要)及び資料7、豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等についてを配布してございます。
 資料6の概要に沿ってご説明させていただきます。
 一ページをお開きください。平成二十年五月十九日に開催しました第六回専門家会議及び五月三十一日に開催しました第七回専門家会議において検討されました、豊洲新市場予定地の土壌・地下水の詳細調査の結果及び土壌汚染対策の方向性についてご報告いたします。
 1の土壌汚染調査でございます。
 まず、(1)、土壌・地下水の詳細調査の結果でございます。
 本調査は、平成二十年二月十三日から、敷地全体にわたり土壌と地下水の詳細調査を実施いたしました。調査単位は十メートルメッシュで、ベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの七物質につきまして、四千百二十二カ所で実施いたしました。調査対象は土壌と地下水。土壌につきましては、土壌溶出量と土壌含有量を調査しております。
 調査結果につきまして、まず、〔1〕の土壌溶出量でございます。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の千倍以上を検出したものが二カ所、最高濃度倍率は四万三千倍となっております。また、百倍以上千倍未満は一カ所、十倍以上百倍未満は五カ所、一倍を超え十倍未満は二十七カ所、環境基準以下は四千八十七カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、百倍以上千倍未満は一カ所、最高濃度倍率は八百六十倍となっております。また、十倍以上百倍未満は七カ所、一倍を超え十倍未満は八十二カ所、環境基準以下は四千三十二カ所となっております。
 砒素につきましては、環境基準の一倍を超え十倍未満は三百七カ所、最高濃度倍率は七・一倍となっております。また、環境基準以下は三千八百十五カ所となっております。
 鉛につきましては、環境基準の一倍を超え十倍未満は十三カ所、また、最高濃度倍率は九・六倍となっております。環境基準以下は四千百九カ所となっております。
 二ページをお開きください。水銀につきましては、環境基準の十倍以上百倍未満は三カ所、最高濃度倍率は二十四倍となっております。また、一倍を超え十倍未満は七カ所、環境基準以下は四千百十二カ所となっております。
 六価クロムにつきましては、環境基準の一倍を超え十倍未満は十カ所、最高濃度倍率は三・六倍となっております。また、環境基準以下は四千百十二カ所となっております。
 カドミウムにつきましては、環境基準の一倍を超え十倍未満は七カ所、最高濃度倍率は三・九倍となっております。また、環境基準以下は四千百十五カ所となっております。
 続きまして、〔2〕、土壌含有量でございます。
 シアン化合物につきましては、処理基準の一倍を超え十倍未満は一カ所、最高濃度倍率は一・四倍となっております。また、処理基準以下は四千百二十一カ所となっております。
 鉛につきましては、処理基準の一倍を超え十倍未満は四十二カ所、最高濃度倍率は六・七倍となっております。また、処理基準以下は四千八十カ所となっております。
 砒素、水銀、六価クロム、カドミウムにつきましては、すべて処理基準以下でございます。
 続きまして、〔3〕、地下水調査でございます。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の千倍以上を検出したものが十三カ所、最高濃度倍率は一万倍となっております。また、百倍以上千倍未満は四十一カ所、十倍を超え百倍未満は百三十四カ所、一倍を超え十倍以下は三百七十三カ所、環境基準以下は三千五百六十一カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、環境基準の百倍以上千倍未満は二カ所、最高濃度倍率は百三十倍となっております。また、十倍を超え百倍未満は百二十七カ所、一倍を超え十倍以下は八百三十七カ所、環境基準以下は三千百五十六カ所となっております。
 三ページをお開きください。砒素につきましては、環境基準の十倍を超え百倍未満は六カ所、最高濃度倍率は四十三倍となっております。また、一倍を超え十倍以下は百七十一カ所、環境基準以下は三千九百四十五カ所となっております。
 鉛につきましては、環境基準の十倍を超え百倍未満は二カ所、最高濃度倍率は二十二倍となっております。また、一倍を超え十倍以下は三十五カ所、環境基準以下は四千八十五カ所となっております。
 水銀につきましては、環境基準の一倍を超え十倍以下は一カ所、最高濃度倍率は一・二倍となっております。環境基準以下は四千百二十一カ所となっております。
 カドミウムにつきましては、環境基準の一倍を超え十倍以下は二カ所、最高濃度倍率は六・七倍となっております。また、環境基準以下は四千百二十カ所となっております。
 六価クロムにつきましては、すべて環境基準以下でございます。
 続きまして、(2)の絞り込み調査の実施についてでございます。
 詳細調査の結果、以下の判定基準に該当する箇所で深度方向の土壌ボーリング調査を実施しており、六月末に結果がまとまる予定でございます。
 判定基準としては、土壌で環境基準を超過した場合及び地下水で環境基準の十倍を超過した場合でございます。
 絞り込み調査の調査地点数でございますが、五街区につきましては百六十四地点、六街区につきましては百四十六地点、七街区につきましては八十六地点、道路用地内につきましては四十五地点、合計しますと四百四十一地点となっております。
 四ページをお開きください。2の専門家会議における土壌汚染対策の方向性についてでございます。
 まず、(1)、基本的な考え方でございます。
 土壌につきましては、食の安全・安心及び人への健康被害の防止の観点から、環境基準を超える汚染物質を除去するとともに、人体への直接摂取や接触を防止いたします。
 地下水についても、同様の観点から、環境基準以下に浄化するとともに、地下水から揮発するベンゼン等のガスの吸入や吸着による人への健康被害や生鮮食料品への影響を防止いたします。
 特に建物建設地については、施設完成後に改めて土壌汚染対策を行うことが困難であることから、建設着工時までに対策を完了させます。
 (2)、対策の内容でございます。
 土壌につきましては、旧地盤面A.P.プラス四メートルから下部二メートル、A.P.プラス二メートルのところまでを掘削し、土壌を入れかえ、さらに上部に二・五メートルの盛り土をいたします。A.P.プラス二・〇メートルより下部は、環境基準を超える汚染物質を除去いたします。さらに、盛り土、A.P.プラス六・五メートルのところになりますが、盛り土の上部を、厚さ二十五センチから四十センチのコンクリート盤やアスファルト舗装で被覆いたします。
 地下水につきましては、各街区の周辺部及び建物建設地の周囲を止水矢板で囲み、汚染物質の移動を防止いたします。
 また、地下水位をA.P.プラス二メートルに維持し、水位、水質を監視するとともに、水位上昇時には揚水、浄化を行います。
 建物建設地については、建物着工までに環境基準以下に浄化いたします。
 建物建設地以外については、排水基準以下での管理を行い、将来的に環境基準以下に浄化いたします。
 五ページをお開きください。(3)、対策実施後の状況の評価についてでございます。
 〔1〕、汚染土壌の摂取等による影響についての評価でございますが、土壌中の環境基準を超える汚染物質をすべて除去するとともに、深さ四・五メートルまでの土壌の入れかえと盛り土、さらにコンクリート盤やアスファルト舗装で被覆いたします。この結果、汚染された土壌は残存しないことに加え、人体への直接摂取や接触がないため、人への健康被害や生鮮食料品への影響は生じません。
 〔2〕の汚染地下水の飲用等による影響についての評価でございます。
 地下水の飲用利用がないことから、飲用による人への健康被害はございません。
 将来的に環境基準以下に浄化することを目指すとともに、地下水を一定の水位、A.P.プラス二メートルに維持いたします。この結果、地下水は遮断された状態にあり、直接触れることもないため、人への健康被害や生鮮食料品への影響が生じる可能性はございません。
 〔3〕の汚染空気の吸入等による影響についての評価でございます。
 地下水を一定の水位に維持いたしますが、地下水中のベンゼン、シアン化合物がガス化し、大気中に出てくる可能性があります。このため、次のような非常に厳しい条件を設定し、大気中に出てくるガスによる人の健康への影響を評価しております。
 まず、七十年間、三百六十五日、一日二十四時間、その場所で住み続けること、建物の床はなく、直接土の上で生活している状態であります。建物の幅は四十五メートル、高さが二メートルで市場建物を想定しております。また、ほとんど無風の状態を想定しております。その内容は、建物内の換気は二時間に一回行うこととしております。
 このような厳しい条件下であっても、地下水中の濃度がベンゼンで環境基準の百十倍以下、シアン化合物で環境基準の六十二倍以下であれば、大気中に出てくるガスによる人への健康被害は問題ありません。
 実際の対策においては、地下水中の汚染物質について、建物建設地で環境基準以下とし、建物建設地以外でも環境基準の十倍以下で管理し、将来的に環境基準以下に浄化するため、人への健康被害の影響はございません。
 3の今後の予定でございますが、平成二十年七月開催の専門家会議において提言が出される予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、豊洲新市場予定地における土壌汚染調査結果等につきまして、説明を終わらせていただきます。

○増子委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○小竹委員 六点お願いします。
 詳細調査に当たってのボーリング調査柱状図。
 二番目として、東京ガス及び追加調査時の柱状図。
 三番目、東京ガスの調査と専門家会議が実施した追加及び詳細調査の比較。物質ごとに、ボーリング調査区画の数と深さ、土壌、地下水ごとに、分析された結果中、基準を超えたもの、最高値などをそれぞれ一覧にしていただきたいということです。
 それから、四番目として、不透水層の定義について、科学的根拠に基づいてお願いします。
 五番目、対策費六百七十億円の内訳と算定根拠。
 六番目、専門家会議の方々への委嘱にかかわる書類についてお願いします。
 以上です。

○増子委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○増子委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二〇第一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○越智新市場担当部長 お手元の資料8、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 二〇第一号、築地中央卸売市場の豊洲移転に関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、豊島区の中村直人さんでございます。
 請願の趣旨は、今や観光名所となった築地の中核をなす築地市場の平成二十四年度に予定されている豊洲移転を中止していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、築地市場は開場後七十年余りが経過し、施設の老朽化、場内の狭隘化が進み、物流、情報化の進展に伴う流通環境の変化など、都民の期待や時代の要請に十分こたえられない状況になっております。
 そこで、平成十三年十二月の第七次東京都卸売市場整備計画で移転を正式決定し、平成十七年十一月の第八次東京都卸売市場整備計画で、豊洲地区に移転することといたしました。
 築地市場の再整備は、かつて着手したものの、工事の困難性等からついえており、また、豊洲地区は、消費地に近い、将来の発展の余地を残せる敷地を確保できる大規模用地である等の条件を満たした土地でございます。
 一方、豊洲新市場は、現築地市場が持つこれまでの機能の再構築を図り、将来を見据えた新たな機能を整備し、生産者、出荷者及び買い出し人の要望にこたえ、専門家会議の提言を踏まえ、土壌汚染にも万全を期して、生鮮食料品の円滑かつ効率的な流通の確保と、消費者が強く求めている安全・安心な食料品を供給する首都圏の基幹市場として整備を行うものでございます。
 さらに、地域環境や景観に配慮し、よりよいまちづくりにも貢献するとともに、都民と消費者に開かれたにぎわい機能をあわせ持たせ、食を中心とした東京の新しい観光拠点として千客万来施設を設置することといたしております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○小竹委員 請願は、私は非常に大事なことを指摘しているなというふうに思いますし、採択の立場から何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 築地市場は、江戸時代につくられた日本橋魚市場が関東大震災などによって被害を受けて移転した土地です。築地で、暫定市場からやがて常設市場になって、市場用地も、国有地の買収や埋め立てなどによって敷地の整備をしたというふうに歴史が書かれています。市場施設の建設は一九三四年、昭和九年に完成し、翌年の三五年二月に中央卸売市場の本場として築地市場が開設されています。業務開始以来、戦争の影響はあったものの、七十年間の歴史をつくってきました。
 築地市場の水産の取扱量が現在どういうふうな状況で推移しているのか、また、それについては、国内及び世界的な位置づけはどういうふうになっているか、まずお伺いします。

○荒井事業部長 築地市場における水産物取扱高は、この十年間で見ますと、平成十年に約六十二万トンであったものが、平成十九年には約五十七万トンと、約五万トン減少しております。
 築地市場は、国内的にも、また国際的にも最大級の水産市場であると認識しております。

○小竹委員 築地市場だけではなくて、市場全体、取扱量はどこも減少しているという状況ですけれども、築地というのはやっぱり日本で最大の卸売市場であり、世界的にも最大級のものだということが、今、述べられたわけですが、そういう状況であり、都民はもちろんのこと、国内、そして海外の方々も築地に、たくさんの人たちが訪れています。
 築地がなぜこれだけ大勢の方々が訪れるようになったのか、そういう築地を訪れる要因というのはどういうふうに考えておられるのか、お伺いします。

○荒井事業部長 築地市場は本来は生鮮食料品の卸売を行うことを目的とした施設であります。
 築地市場は水産物の取扱規模が世界最大級であり、青果物も含めて多くの商品が国内外から集まっています。
 また、壮観なマグロの競り、多種多様な生鮮食料品を取りそろえる仲卸売り場、鮮度のよい食材を使った飲食店など、観光的な魅力も兼ね備えています。
 このようなことから、築地市場は、食を通じて東京の魅力をアピールできる場所として、国内はもとより海外からもたくさんの観光客を引きつけているものと認識しております。

○小竹委員 お答えにはなかったんですけれども、交通の利便性も重要な要素としてあるというふうに私は思います。築地のもうすぐ直近のところに大江戸線、それから日比谷線の駅があって、銀座線や都営浅草線の地下鉄、それから、JRの駅からも歩いて行ける範囲という点でいえば、大勢の人たちが公共交通を利用してあそこを訪れているというふうに思います。
 今、市場の役割についてご答弁があったわけですけれども、築地市場というのは周辺と一体のものになっているというふうに思うんですね。市場の場内と、それから、その周辺に発展している、特に庶民の台所といわれて、まあ、場内もそうなんだけれども、場外の市場や、それから料理店、すし屋さん、レストラン、飲食店、本当にありとあらゆる食料品にかかわる店がある上に、料理の道具や何かもあそこで調達できるような専門店が並んでいるという点でいうと、本当にそういうものが町として一体になって発展してきたんだというふうに思うんです。ワンストップショッピングが可能になる、そういう点での観光地になってきたというふうに考えられます。
 だから、そういう意味でいうと、地域の場所であると同時に、世界的な観光の拠点に発展していったというふうに考えられるわけです。これはやっぱり七十年間の築地市場の歴史と、それから市場に隣接する場外、こういうのが共同してつくり上げた食文化の中心地である、そういうにぎわいとして、世界の築地といわれる築地ブランドをつくり上げてきたというふうに思うんですね。今、ちょうどNHKの朝ドラの「瞳」の舞台でもありますから、そういう意味でも人気を博しているんじゃないかなと私は思っています。
 同時に、あの築地の一帯には、銀座や新橋、浜離宮、築地本願寺そのほか文化を形成してきた、そういうものが築地ブランドを支えて、文化面からも貴重な都民の財産になっているというふうに思うんですね。そういう点では、一朝一夕にはこういうものはできない、大切な場所であって、発展させていく必要があるというふうに思います。
 現在の状況という中に、今度の新しい市場の観光拠点として、千客万来の施設を豊洲にもつくるんだというふうになっていますけれども、それはどういう人を対象にし、どのようなものを考えているのか、お伺いいたします。

○越智新市場担当部長 千客万来施設は、生鮮食料品などに関する情報提供や日本の食文化の伝統を継承する拠点としての機能を持たせ、市場ならではのにぎわいのあふれる東京の新しい観光名所としていく考えでございます。
 整備に当たりましては、移転を希望いたします場外業者の方々の要望も視野に入れまして、施設の内容や機能、規模などの検討を行ってまいります。

○小竹委員 新しくつくられるということですから、それはそれなりのものになるかなというふうには思いますけれども、築地と豊洲を比べた場合に、交通の利便性というのでいえば、豊洲は「ゆりかもめ」一つしかないんですよね。しかも、先ほどご報告があったように、土壌汚染が深刻な状況にあって、食の安全という点でも、築地のようにはいかないんじゃないかと私は思います。
 今、希望する場外の方々の要望も視野に入れてということですけれども、場外の人たちは今、築地で頑張るんだということで、築地食のまちづくり協議会というNPO組織を結成して、築地で頑張るということを表明しています。百五十店舗以上の名前を書いた(資料を示す)これが四つぐらい、だあっと場外市場には並んでかけられているんです。千社額というのをつくって、場外で頑張っていくんだということで表明されているわけですね。これはテレビでも新聞でも報道されているわけで、築地ブランドという点でいえば、食文化の拠点としての築地の場内と場外、これが一体になって形成しているという点では、私は、一朝一夕にはできない都民の財産だから、やっぱり発展させていくべきだと考えています。これがやっぱり観光の一つの役割を担っているという点で強調しておきたいというふうに思います。
 場内の役割も重要ですから、市場の役割として、市場の機能についてお伺いしたいんですが、市場というのは、荷を集める集荷の役割、それから、荷を分けていく分荷の役割、それに品物を評価する役割がありますけれども、この辺はどういうふうに考えておられるのか、お伺いいたします。

○荒井事業部長 市場の役割につきましては、今、先生ご指摘のとおり、国内外から多種類で多くの生鮮食料品を集める集荷、競り売りや相対取引による公正な価格形成、多数の小売業者等へ迅速に販売する分荷などが挙げられます。
 また、早期、確実な代金決済機能、衛生の保持なども卸売市場の役割と認識しております。

○小竹委員 今お答えいただいたわけですが、これは市場条例にもきちんと明記されていて、それぞれ卸売業者、それから仲卸業者などに、条例では義務づけになっているわけですね。
 私は、集荷とか分荷の役割は本当に重要だというふうに思うんですけれども、その中でも特に、評価機能という点でいうと、先ほど、相対及び競りの取引で価格を公正に決めるんだというふうに、価格の問題がいわれましたけれども、私は、評価機能というのは、価格を決めると同時に、品物が本当にいいものかどうかということを見て、それで価格を決定するという点での役割というのが非常に重要だと思うんですね。そういう意味でいうと、相対取引というよりは競りの問題、品物のいいものは競りによって高い値段がつくということになるわけで、そういう点では、この機能が非常に重要だというふうに思うんです。最近は、その競り機能が、相対取引によってどんどん減少しているという状況があるんですが、現状は十年前と比べてどういうふうになっているのか、そして、その減っている原因というのはどういうところにあるのか、お伺いします。

○荒井事業部長 競り売りの取引割合でございますが、この十年間で見ますと、中央市場全体で、水産物は平成九年度二八・三%が平成十八年度ですと一七・六%に、青果物では三四・二%が五・六%に減少しております。
 中央卸売市場では、平成十一年の卸売市場法改正を受けまして、従来の競り原則から、競り売りと相対取引を同列で取り扱うように変更されました。大型化した出荷者側は安定した取引を求め、また購入者側でも、量販店等の大口ユーザーなどは、価格や数量の安定した取引や、競り取引時間にとらわれない取引が可能な相対取引を求めており、競りの減少はこのような業界の動向によるものと考えております。

○増子委員長 小竹委員、願意に沿った質疑をお願いしますよ。

○小竹委員 今、お答えいただいたんですけれども、公正な価格という点でいうと、やっぱり競り取引ということになるわけですよね。競り取引が減少してきたのは、やっぱりこの法改正で規制緩和が行われたことが要因であるというふうに思います。同時に、取引高の減少というのは、やっぱり景気による影響も、大きく影響しているという点では問題だというふうに思うんですが、相対取引というのは、資金力によって取引が決められて、価格も決められていくという点でいえば、本当に都民がいいものを買えるような場を公共市場として提供していくというのは重要だと思うんですよね。
 業界の動向によるものというふうにおっしゃいましたけれども、この相対取引、大量にやってくるのは、やっぱり大型店や量販店など。そういうところの強い要望で、この規制緩和が行われたわけですから、そういう点でも大きな問題があるというふうに思います。
 今、評価機能という点でいうと、食の安全・安心。本当に食料品が安全・安心という点で社会問題に、ことしは大きくなったわけですけれども、そういう意味で、市場の評価機能というのが非常に重要になってきているというふうに思います。
 そういう点で、平成九年に起きたCOマグロ事件、社会問題になったわけですけれども、この経緯と、それから、市場の仲卸業者の方々が果たした役割が非常に大きかったというふうに伺っているんですが、この点についてお伺いします。

○荒井事業部長 平成九年に、冷凍輸入マグロを新鮮に見せるため、輸入業者が食品衛生法で禁止されている一酸化炭素を吹きつけて赤く発色させるという事件がありました。
 その際、仲卸組合では、注意喚起の文書を全店舗に配布するなどにより、市場から違反品を出さないように努め、市場の安全・安心を確保するため重要な役割を担ったと認識しております。

○小竹委員 平成九年のこの事件が起きたときには、まだ、一酸化炭素を吹きつける、そういう基準や何か全くなかったときなんですね。今お答えいただいたように、マグロに一酸化炭素を吹きつけると、マグロのミオグロビンという色素が酸化しないということで、いつまでも赤い色を保持して長期間変色しないから、鮮度がわからなくなる。だから、そういうふうな状況になったときに、知らないで食べたら食中毒が起きる、こういう危険性も持っているという中身なんですね。
 だから、そういう点でいうと、このときの問題が非常に重要なことを、教訓を示していると思うんで、若干補足をさせていただきたいというふうに思うんです。
 実際に最初に出回ったときというのは、やはり輸入のもので台湾から入ってきた。で、マグロを扱っている大物業界の方々は、マグロの色が変色するというふうな問題が、赤い色でずっとあるという点で、消費者の人たちにこれが持ち込まれたら大変な問題になるということで、衛生検査所とタイアップして、検査を依頼してきたということで、生食として好ましくないという検査結果を得て、それで市場の中、築地市場はもちろんのこと、それこそ六大都市の市場にも全部呼びかけて、こういう一酸化炭素を吹きつけたマグロを全廃していこうという運動にまで取り組んできているということなんですよね。
 で、一たん、ちょっとそれで鎮火したかのように見えたけれども、やっぱり海外では、インドネシアで、一酸化炭素で加工したマグロがまた輸入されて、関西を中心に市場に出回ってきたということなんですけど、東京都内でもそういう問題が起きて、渋谷保健所から、異様なマグロがあるということで衛生検査所に問い合わせがあって、品物が送られてきた。だけど、実際にそれを見て、衛生検査所の方々も首をかしげられたということなんですよ。で、大物業界にもそれが持ち込まれて、立ち会いでそれを見て、本当にどういう状況なのかというので、あけてみたら、もう異臭が漂うような状況で、マグロは鮮やかな赤い色をしていたけれども、腐っていたということなんですね。だから、真空パック状況になっていたわけで、そういうものが町中で売られてきたという点でいうと、本当に大きな問題だったわけですけれども、そういう点で、事前にチェックができるような状況を市場の業者の方々はとっていたという点で、私は本当に大事な役割を担っていただいているんだなと改めて感じたんですよ。
 だから、そういう点でいうと、マグロの業者の方々は、やっぱりそういうものは市場の中では売らないということで、市場外の流通では売られていたけれども、市場内ではそういうものは売られない、売ってないんだということをマスコミ関係者にもアピールして、それで、消費者にこういう危険なものを提供するような状況はやめさせるという点での大きな役割を果たしたということなんですね。
 消費者に安全なマグロを提供するというのは市場業者としての使命であり、利益を捨ててでも使命を果たすという、そういう業者としてのプライドなんだということを胸を張って語られたのについては、私は本当に、ああ、こういう方々によって私たちの食の安全が守られているんだなというふうに感動しました。
 先ほど、評価の役割ということでは、仲卸組合が重要な役割を、この問題では担ったというふうに認識されたということなんですが、そういう意味でも、私は、市場の果たす評価機能の役割の重要性というのが改めて問われているんじゃないかというふうに思うんです。その点について再度お答えいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○増子委員長 委員長からまた申し上げますが、願意に沿った形で質疑をやろうということで先ほどの理事会でも確認されていますので、理事者の方におかれましても簡潔なご答弁をお願いしたいと思いますが、ご答弁、特にありますか。

○荒井事業部長 市場に働く仲卸を中心としたプロの皆様方は、製品に見合った価格をつけるプロでございますので、的確な値段をつけるということで、市場の中核的な機能を担われているというふうに考えております。

○小竹委員 やっぱり食の文化という点でいうと、本当にそういう安全なものを、みずからの仕事として担ってやってこられている市場の役割というのは、非常に重要だし、そういう点でいうと、経験の蓄積や使命感、そういうものを培われている方々の役割というのが、市場の中でも外でも重要な役割を担っているなというふうに思うんです。
 そういう点では、今いろいろいわれていますけれども、価格の決定や何かについて、工業製品と同じように均一的な製品の価格をつけるような状況は、やっぱり公設市場の役割からいって大きな問題があるというふうに思いますので、この点については意見を表明しておきます。
 次にお伺いしたいんですけれども、移転先の豊洲の敷地は築地市場の倍になるわけですが、豊洲新市場実施計画のまとめの中に、量販店、それから外食産業などが求める商品提供の機能を低コストで提供できる市場内物流体制を構築することが重要であるということが書かれていますけれども、この方針は変わらないのかどうか、お伺いいたします。

○越智新市場担当部長 豊洲新市場におきましては、仲卸売り場、駐車場などの基幹的な施設に加えまして、温度管理機能を有する施設、荷さばき施設、加工施設など、量販店などの大口ユーザーの需要にも対応できるような施設を、市場関係業者と検討した上で、基本設計を取りまとめてございます。

○小竹委員 大型化されると使用料などにも大きな影響が出ますし、先ほどいったように都民の食の安全・安心を提供している、そういう点での評価機能を担っている仲卸業者の方々の淘汰や選別にもつながりかねないという危惧を私は持っています。
 同時に、仲卸売り場についていえば、大幅に店舗数を減らしているなどというところにもあらわれているんじゃないかなと思っています。
 量販店の加工場やそういう体制をつくるという点でいうと、そこまで公共市場が都民の税金を使ってやらなければならない課題ではないというふうに考えています。町の魚屋さんやおすし屋さんのためというふうにおっしゃられましたけれども、そういうところも配慮しているんだというふうにいわれましたけれども、現実の問題として、足の便も含めて、排除されるようになりかねないなというふうに思っています。
 文京区内の魚屋さんから、私、いろいろ訴えられたんですけれども、ちょっとその訴えを読み上げさせていただきます。
 築地は近いから、毎朝五時に行って、仲卸を二十軒近く回って、二時間かけて品選びをする。一匹でも一枚でも嫌な顔をせずに売ってくれるんだ。築地のよいところは、配達人がいて、市場内にある茶屋に持ってきてくれて、自分の店へ行く注文品を集めて、十時か十一時には店に届けてもらえるんだ。築地は歩いて回れるけれども、豊洲じゃ遠くなるし、三十分以上かかるし、中は広いから足じゃ回れなくなる。自転車で回らなければならなくなるんじゃないか。配達人もいなくなるから困るし、一つずつ全部自分で運ばなければならなくなってしまう。高濃度の汚染が出ている、それを聞いて、そういうところに、それでも行くのかよと思った。お客さんも豊洲のことを知っているから売れなくなるし、このままいくと小売の魚屋はなくなってしまう。豊洲へ行くのはやめてほしいと訴えています。私もそのとおりだというふうに思います。
 猪瀬副知事は、築地がじり貧になるから、それを脱却するためには車社会に対応する市場づくりが不可欠だというふうにいわれました。豊洲への移転は、車による物流にたえられる効率よいシステムと広さを確保するための生き残りをかけた戦略だとまでいっておられます。まさに副知事がいう、イトーヨーカ堂やイオンなど大型店や量販店が車で大量に扱う物流のための市場、物流センターをつくろうとしているのではないか、こういうことを感じます。
 同時に、今、地球温暖化の防止という点では、温室効果ガス、CO2削減が世界の流れとなっています。こういう世界の流れにも反するという点では、私は、税金を使ってつくる公共市場という点から、量販店の物流センターまでつくる必要はない、都民の台所として大きな役割を果たしている築地こそ充実させて、みんなの力でブランドを発展させるべきだというふうに考えています。
 最後に、この説明の中にもありますけれども、専門家会議の提言を踏まえて、土壌汚染にも万全を期していくというふうに書かれていますが、その対策、それから、どれだけの費用を考えているのか、お伺いします。
   〔発言する者あり〕

○増子委員長 簡潔にお願いします。

○越智新市場担当部長 現在、専門家会議におきまして、食の安全・安心を確保する観点から対策を検討してございます。七月には最終提言を取りまとめる予定でございまして、それを受けて都として具体的な対策をまとめ、全体の計画を明らかにしてまいります。

○小竹委員 まだ提言が出てからということで、費用についても対策についても示されなかったわけですけれども、本当に今回、高濃度の汚染が出て、都民の皆さんは衝撃的なショックを受けているわけですよね。これだけ汚染が深刻な状況になっているし、土壌についても、それから地下水についても、広範囲に汚染状況が明らかになっています。
 しかし、今回行われた調査においても、まだ不十分といわなければならない調査です。有楽町層は、不透水層だとして汚染の実態について一切調べていない、ブラックボックスになっています。そして表層土壌についても、汚染物質がないところについてはやっていないし、地下水についても、十倍以下については深度方向について調べてないという点では、まさに不十分きわまりない状況です。
 そういう状況のもとで対策を行ったとしても、本当に万全の対策とはいえないというふうに思います。二メートルの土を入れかえるというのが、先ほど、ご報告ありましたけれども、二メートルの土を入れかえたとしても、汚染された地下水はそのままということになるわけですから、本当にそういう意味では安全なものにはならない、安全は担保できないというふうに思います。
 あそこは、地盤沈下や、そして液状化の問題、それから建物だって長い間たてば劣化するわけで、そういう点で見たときに、本当に食の安全を保障するという場にはなり得ない。
 費用は示されませんでしたけれども、マスコミの報道等では、一千三百億円という莫大な税金を使うことも載っています。そういう点では、豊洲では食品を扱う市場には適さないということがいえると思います。食を扱う市場はやっぱり安全でなければならないという点では、断念すること、そして白紙に戻して、関係者と協議をして、現在地での再整備も含めて検討すべきだというふうに思います。
 私は、請願の趣旨採択を要求して、質問を終わります。

○清水委員 一点だけ確認をさせていただきます。
 今、小竹議員は、築地市場は七十年余りの長い歴史の中でつくられた東京の観光地、観光スポットだということで発言をされました。また、当局も、都内有数の観光スポットだというふうにおっしゃっているんですけれども、今、二〇一六年東京オリンピックの開催概要計画書の中に、もうご存じだと思いますけれども、この築地市場の跡地を利用してということになっていますけれども、メディアセンターがつくられ、ツインタワーがつくられるという計画が載っています。この問題について一点お聞きしたいのは、市場はこの計画に合意しているんでしょうか。その点だけ伺いたいと思います。

○比留間中央卸売市場長 オリンピックの計画は、東京都として計画をつくったものですから、築地市場の跡地をメディアセンターで使うということについては、これは東京都の計画であるというふうにご理解をお願いしたいと思います。

○清水委員 市場としてどうだったのかということについてはお答えを明確にされなかったんですけれども、市場は承諾されたということになるんでしょうか。

○比留間中央卸売市場長 中央卸売市場も東京都の一つの組織でございます。

○清水委員 そうすると、市場はこういうふうになっていくよということを、今お話しされたと思うんですけれども、しかし、先ほど小竹委員がいわれましたように、場外の店舗の皆さんは、ここで引き続き営業をするんだといわれておりますし、地元の合意ができているとはまだ到底いえないものなので、そういうところにこういう計画をつくっていくということについて、本当に地元無視だというふうに私は指摘をせざるを得ません。オリンピックがもう最優先になって計画に載っているということで、こういうやり方というのは本当におかしいというふうに指摘をしておきたいと思います。
 最後に、先ほどの理事会で、私は、新銀行東京や豊洲土壌汚染問題について、今回の議会の中で参考人を招致してほしいということを要請いたしました。この提案については、理事会の協議の結果、委員長に適切に対応していただくということになりました。今定例会中に参考人招致が実現できるよう、早急に理事会を開いて協議してほしいということを要望し、質問を終わります。

○神林委員 もう大方の方が大体ご理解いただいていると思いますけれども、当請願に対する私どもの意見なりをここで少し表明させていただきます。
 築地市場移転にかかわる経緯については、先ほども若干の説明がございましたが、開場から七十年余りが過ぎ、施設の老朽化、過密化が進み、市場機能を十分果たせなくなってきたことから、昭和六十一年に現在地での再整備を東京都として決定をいたしました。平成三年一月から工事を行ってきましたが、再整備での多くの問題が提起され、協議が進まなくなりました。
 そのような状況の中で、平成十一年二月から、現在地再整備のさまざまな案を検討してきましたが、いずれの案も合意を得ることができず、同年十一月に、業界団体と東京都の協議機関である築地市場再整備推進協議会において、移転整備に方向転換すべきとの意見集約がなされたわけでございます。
 そして、平成十三年十二月、第七次東京都卸売市場整備計画において、築地市場を豊洲地区に移転することを決定した、こういうことでございます。
 長年にわたるこういった経緯の中で、当請願の趣旨も含めて、さまざまな意見集約が図られてきたわけでございまして、既に当請願についても結論が出されてまいったところでありますので、当請願につきましては願意に沿うことができません。
 また、もう一つつけ加えさせていただきますと、移転先を豊洲に選定した理由としては、築地市場は二十一世紀の中核を担う市場であるとともに、都心に集積する飲食店、小売店の仕入れの場でもあるため、築地市場の移転先は、広い駐車場や荷さばきスペースを配置できる大規模な用地の必要性、消費地である既成市街地の外周地域で交通条件の良好な位置、市場業者の商圏に近く、機能、営業面で築地市場との営業の継続性が保てる位置などの要件を満たす必要があったことも申し添えておきます。
 以上でございます。

○岡崎委員 築地中央卸売市場の豊洲移転に関する請願についてですが、私たちは、築地市場の移転問題については、あらゆる事態を想定して多様な検討をすべきだと考えております。請願にあるように、今や観光名所となっているという理由だけをもって築地市場の移転中止には賛同できませんが、平成二十四年度に予定されている豊洲移転の中止について、私たちは選択肢の一つになり得るのではないかと考えております。
 したがって、築地市場の移転問題は、専門家会議の結論や関係団体の意見などを踏まえてさらに議論を深めていくべきであり、私たちは、当該請願を継続審査に付すべきだと意見を申し上げておきます。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方は、ご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○増子委員長 起立少数と認めます。よって、請願二〇第一号は不採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十六分散会

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