経済・港湾委員会速記録第五号

平成二十年三月十九日(水曜日)
第八委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
副委員長大西由紀子君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
田島 和明君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
総務部長塚田 祐次君
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長大野 精次君
港湾局局長斉藤 一美君
総務部長多羅尾光睦君
労働委員会事務局局長有留 武司君

本日の会議に付した事件
 意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 経済・港湾委員会所管分
・第七号議案 平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十一号議案 平成二十年度東京都と場会計予算
・第二十号議案 平成二十年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十二号議案 平成二十年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十年度東京都港湾事業会計予算
・第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 経済・港湾委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第九十八号議案 東京都農業振興事務所設置条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例
・第百十七号議案 東京都立芝浦南ふ頭公園の指定管理者の指定について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書中、農林水産業における原油価格高騰対策に関する意見書については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

農林水産業における原油価格高騰対策に関する意見書(案)
 東京都の農林水産業は、都市部、山村部、島しょ部、それぞれの地域特性をいかしながら、都民に新鮮で安心できる農林水産物を供給しており、都民が健康で充実した生活を送る上で極めて重要な役割を果たしている。
 しかしながら、近年の急激な原油価格の高騰は、農業においては資材価格や栽培施設の暖房経費等の上昇を招き、また、漁業や林業においては漁船や伐採機械等の燃料代を押し上げている。とりわけ、畜産業では家畜・家きんの飼料価格も高騰し、経営を圧迫している。
 このように、原油価格の高騰は、都内の農林水産業の経営に甚大な影響を与えている。これまで、生産者は、燃料消費の節減や自給飼料の増産等、生産コストの低減策を実施してきたが、経営努力はもはや限界に達している。
 このまま放置すれば、農林水産業の経営が立ち行かなくなることは明白であり、今後、更に原油価格が高騰すれば、農林水産業自体の存続すら危ぶまれる事態となりかねない。国は、こうした状況や農林水産業者の切実な要望を踏まえて、十分な施策を講じていく必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、原油価格の高騰による農林水産業への影響を緩和するために必要な措置を講ずるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十年三月 日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
経済財政政策担当大臣 あて

○増子委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 また、労働者派遣法の抜本改正に関する意見書については、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。
 次に、神林副委員長から、お手元配布のとおり、意見書を追加で提出したい旨、申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○増子委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、経済・港湾委員会所管分、第七号議案から第十一号議案まで、第二十号議案、第二十二号議案、第二十三号議案及び第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算中、歳出、経済・港湾委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○米沢委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託されました平成二十年度東京都予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げたいと思います。
 我が国経済は、平成十四年から続く息の長い景気回復基調を維持いたしております。こうした中で編成されました平成二十年度東京都予算案は、過去最高となる五兆五千九十七億円の都税収入を見込み、「十年後の東京」の実現に向けた施策展開や、都民生活が直面する課題に積極的に取り組む内容となっておるわけであります。
 予算案の内容を見ますと、都市機能の拡充や治安対策、あるいはまた、福祉、保健、医療の充実、産業力の強化など、我が党がこれまで主張してまいりました事項に対しまして、ハード、ソフトの両面から意欲的な施策が盛り込まれております。
 都市機能の拡充としては、骨格幹線道路の整備や東京港の物流機能の強化、鉄道の連続立体交差化の推進など、東京の国際競争力を高め、都民の利便性を向上させる施策が盛り込まれておるわけであります。投資的経費全体といたしまして、対前年度比五・九%の大幅な増となっております。
 また、福祉と保健などの目的別で見ても、ほぼすべての分野で予算の増額が図られております。こうした各分野における積極果敢な取り組みを、我が党としては高く評価をするものであります。
 一方、「十年後の東京」の実現に向けました将来を見据えた施策は、中長期にわたり継続的に展開していくことが重要であります。そのためには、施策展開の土台となるべき都財政の基盤をより一層強固なものとしておかなければなりません。
 折しも、米国の景気減速や資源価格の高騰を背景に、我が国でも景気減速への懸念が急速に高まっておるわけであります。今後の都税収入の先行きにつきましても楽観は許されません。加えて、都財政は、平成二十一年度以降、法人事業税の暫定措置の影響によりまして減収に直面するという、厳しい現実も控えておるわけであります。
 こうした中にあって、二十年度予算案では、十九年度最終補正予算とあわせて、都財政の基盤をより強固なものとするため、できる限りの対策を講じております。基金の活用もその一つであります。我が党がかねてから主張しております大規模施設の改築、改修のために、社会資本等整備基金に二千五百億円を積み立て、世代間バランスと財政負担の平準化に配慮した、安定的な財源の確保を目指すことといたしています。
 東京の将来を見据えた息の長い施策を展開していく上で、それを支える財政運営にも中長期的な視点が求められるのは当然のことであります。基金はそのための有効な手段であり、創意工夫に基づいて、その活用を図っていこうとする取り組みを、これまた評価するものであります。
 都財政は、都民の皆様のご理解とご協力を得て、健全性を回復することができました。これからは、財政再建の成果を、効果的な施策展開によって都民に還元していくことが重要になってまいります。そのためにも、さらなる財政基盤の強化は不可欠であり、今後とも、たゆまぬ努力が必要であると特に申し上げておきたいと思います。
 なお、予算執行に当たりましては、各局とも効率的な事業運営に取り組み、最大限の効果を発揮されるよう強く要望いたす次第であります。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、産業労働局関係について申し上げます。
 一、新銀行東京については、現在も厳しい中小企業の資金繰りにかんがみ、追加出資によって都民への影響を最小限に抑え、都の諸施策の活用や信用金庫等との連携を深めるなど、あらゆる手段を講じて再建をし、本来の役割を果たすこと。
 二、都の制度融資におきまして、責任共有制度によりまして経営基盤が脆弱な中小企業の資金調達に支障が生じないよう適切な対応に努めること。
 三、中小企業の高度化、多様化するニーズにこたえるために、区部と多摩の産業支援拠点を再整備いたしまして、地域の特性や強みに合った技術支援、あるいは経営支援体制の強化を図ること。
 四、新・元気を出せ商店街事業を中心に、より工夫を凝らしたきめ細かな支援策を拡充するなど、個性的で、しかも魅力ある商店街づくりを推進すること。
 五、中小企業グループの受注体制や技術力を強化する取り組みを支援し、ものづくり産業基盤の底上げを図ること。
 また、中小企業等が実施する地域資源を活用して地域産業の活性化を図る新事業や、波及効果の高い産業の創出につながる取り組みに対する支援の充実に努められたい。
 六、産業界のニーズを踏まえた高度なものづくり人材の育成、確保を総合的かつ戦略的に行う施策を推進されたい。
 七、海外シティープロモーションを積極的に展開することによって、外国人旅行者の増加を図るとともに、地域が主体的に取り組む観光まちづくりへの支援を通じて、さらなる東京の魅力向上に努めること。
 八、地域の特性を生かした生産あるいは流通や、収益性の高い農業経営の実現に向け、魅力ある都市農業育成対策などの取り組みを一層充実し、都市農業の確立を図ること。
 また、農業、農地の多面的機能を広くPRする取り組みを通じて、都市農業に対する都民の理解を深め、農地保全のための施策を着実に実施すること。
 九、林業及び木材産業の経営の安定と、森林の有する多面的機能の持続的な発揮のため、造林や間伐の促進、保安林の整備など、長期的、継続的な森林保全対策を充実すること。
 また、東京の木の利用促進を図るために、多摩産材の流通体制の強化に努めること。
 十、雇用のミスマッチを解消し、都民の雇用就業の安定を図るため、東京しごとセンター及び東京しごとセンター多摩において、さまざまな求職者の多様なニーズにきめ細かく対応するなど、事業内容の一層の充実を図ること。
 十一、低所得者の方々に対して、安定した就業機会の確保と経済的自立に向けた支援に積極的に取り組むこと。
 また、仕事と子育ての両立に向けた職場環境を整備する企業に対して、助成制度の拡充に努められたい。
 十二、三宅島の早期の復興を図るために、基幹的な産業となる観光産業の振興策を積極的に展開するとともに、農業、漁業の復活に向けた支援、基盤整備を実施すること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲新市場については、建設予定地の土壌汚染調査を十分に行い、専門家会議の提言を受けて万全の対策を講じられたい。
 その上で、関係者の十分な理解と協力を得ながら、建設を着実に推進されたい。
 二、第八次東京都卸売市場整備計画に基づいて、物流の効率化や品質管理の高度化、市場関係業者の経営基盤の強化など、卸売市場の活性化を図るための施策を積極的に推進されたい。
 三、小型特殊自動車の電動化の推進、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、屋上の緑化の整備及び廃棄物の減量化など、積極的な市場の環境対策に努められたい。
 四、食肉市場については、牛海綿状脳症などの対策に必要な施設整備を行うなど、衛生管理体制を一層充実し、食の安全確保に万全な措置を講じられたい。
 五、淀橋市場松原分場と世田谷市場の統合に当たっては、卸売市場の活性化が図られ、その効果が発揮されるように全力で努められたい。
 また、統合が円滑に進められるよう、移転に向けての支援策を講じられたい。
 六、多摩地域の地方卸売市場については、生鮮食料品流通の安定供給を図るための施設整備補助制度等の拡充、充実を図り、その支援に努められたい。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、東京港の国際競争力強化を図るために、中央防波堤外側に新規の外貿コンテナふ頭を整備するとともに、財団法人東京港埠頭公社の民営化を機に、港湾コストの一層の低減と、ふ頭運営の効率化を図られたい。
 二、運河ルネッサンスの取り組みを一層推進し、多様で魅力ある舟運ネットワークの形成や運河の環境対策を実施されたい。
 三、高潮や津波等から都民の生命、財産を守るために、老朽化した水門、排水機場の耐震強化や、防潮堤、内部護岸の早期整備を推進されたい。
 四、臨海副都心を世界に誇れる魅力あるまちにするためには、観光・交流のまちづくりを行うための基盤整備を着実に推進されたい。
 五、再開が予定されている三宅島空港への安全かつ安定的な運航を確保するため、引き続き施設整備等の必要な対策に取り組まれたい。
 六、島しょの港湾、漁港、空港の整備を着実に進めるとともに、ジェットフォイルの就航率を改善するために、防波堤など港湾施設を整備されたい。また、離島航路補助及び航空路補助の充実に努められたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○山口委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 二十年度予算案は、堅調な都税収入を受け、一般会計は前年度比三・八%増、六兆八千五百六十億円の規模となりましたが、一般歳出は一・八%増の四兆四千百三十七億円にとどまっています。財政規模がほぼ同額の平成八年度当初予算と比較しても、抑制のきいた予算案となっています。
 歳入においては、都税全体で、十九年度最終補正と比較し百六十九億円、〇・三%の横ばい、とりわけ法人二税は一・六%の減収見込みとなり、企業業績の減速など、今後の経済状況に対する警戒感を示しています。
 歳出では、基金積み立てや大規模施設の改修、負の遺産の処理といった、備えと補てんの部分が目立ち、その他の経常経費の増は五百三十九億円、二・八%でしかありません。
 原油・資源価格の高騰や米国経済の先行きの不透明感、地方法人特別税制度という大きな減収要因、オリンピック招致や社会資本更新経費といった東京の将来需要などに配慮しつつ、都民生活が直面する課題に適切に対応する予算編成とされていますが、長期にわたった緊縮予算へのなれ、内部努力に伴う定数削減、職員のモラールの低下による企画力や執行力の低下が懸念されます。
 また、私たちが以前から求めてきた耐震診断や改修などの震災対策の促進や、低所得者生活安定化プログラムの充実、小児科医を初めとする医師不足対策などの取り組みは十分とはいえず、現代の貧困についての調査やメディアリテラシーへの取り組みなども見過ごされています。
 最後に、民主党は、石原知事が妥協した法人事業税の一部国税化を取りやめ、道路特定財源の暫定税率を撤廃し、一般財源化を目指す道路特定財源制度改革関連三法案を成立させ、都財政の危機を救うべく取り組むことをつけ加えておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に係る事項について申し上げます。
 まず初めに、産業労働局関係について申し上げます。
 一、新銀行東京については、石原知事を初めとする責任の所在が極めて不明確な中で、この間発表された調査報告書や再建計画の中身についても、なお説明が不十分であります。石原知事のメンツのためだけに、四百億円の追加出資で新銀行東京を維持存続しようとするのではなく、都民に一番負担の少ない形で、新銀行東京から撤退をすること。
 一、中小企業制度融資について、新たに、環境格付を取得した企業への支援を創設するとともに、NPO法人向け保証つき融資をより利用しやすくなるよう工夫すること。
 また、赤字企業や債務超過企業への融資の充実に向けて取り組むこと。
 さらに、金融機関による中小企業への資金供給を進めるため、地域貢献度などを公表し、評価する制度の構築に取り組むこと。
 一、中小企業の経営安定化支援として、取引改善指導など下請企業対策を充実するとともに、事業承継や再生支援事業に取り組むこと。
 一、地域工業の活性化に向けて、工場用地や貸し工場などの情報提供システムを構築するとともに、都内に進出意欲のあるものづくり企業の誘致を進めること。
 一、商店街の活性化に向けて、若手商人の育成事業の推進など、区市町村と連携しながら、商店街施策の充実を図ること。
 一、福祉や環境など社会的な事業を行おうとするNPOなどの事業者に対して、起業に向けた育成支援事業を実施すること。
 一、障害者の雇用就業支援に向けて、ジョブコーチの大幅な増員を図ること。
 また、一般企業における障害者雇用を進めるために、国の助成金に加えた東京都独自の支援策を講じるとともに、特例子会社の設立支援を進めること。
 一、若年者の雇用就業支援に向けて、年長フリーター等就職活動応援事業などを進めるとともに、若者支援サポーター企業のさらなる組織化や若者による若者就業支援プロジェクトの充実などを進めること。
 一、パート、アルバイト、派遣労働などのいわゆる非正規労働者(非典型労働者)の雇用環境を改善するために、企業における法令遵守を徹底するとともに、処遇改善に取り組む企業へのインセンティブの充実などに取り組むこと。
 一、次世代育成企業支援事業として、行動計画を策定する中小企業の登録制度を実施するとともに、両立支援に向けて具体的に取り組む中小企業に対して助成をすること。
 一、観光振興に取り組むため、舟運ネットワークの構築など、水辺の観光資源の活用に取り組むとともに、観光まちづくりをさらに拡充し、江東、大田、品川などにおける取り組みを支援すること。
 一、東京の森林を再生させるために、主伐や混交林化推進など、スギ花粉発生源対策に取り組むとともに、多摩産材を活用した住宅建設への補助制度や木質系バイオマスと下水汚泥の混合焼却事業を創設すること。
 次に、労働委員会関係について申し上げます。
 一、労働組合法の改正を踏まえ、職員の専門的能力の一層の向上を図るため、体系的な研修を行うなど、審査のより一層の迅速化、的確化を進めること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲新市場の用地取得については、少なくとも土壌汚染対策法と同等以上の調査を実施した上で、土壌の入れかえなど抜本的な対策を講じること。
 一、築地市場の移転については、移転の具体的な条件などを早急に明らかにするとともに、引き続き関係者に対して十分な説明、協議を行い、理解を得るよう努めること。
 また、土壌汚染問題の解決や関係者の理解がないまま、築地市場の強引な移転は行わないこと。
 一、市場内で荷物搬送を行っている小型特殊自動車の電動化をさらに推進するため、購入等に対する補助制度を引き続き実施すること。
 また、自動車排ガス対策を推進するために、市場の環境実態の把握や事業実施効果の検証を行うこと。
 一、足立や葛飾、板橋市場での屋上緑化を進めるとともに、世田谷や北足立で太陽光発電設備の導入を進めるなど、中央卸売市場の環境対策を推進すること。
 一、食肉市場におけるピッシング中止対応工事などの施設整備については、関係業界への影響を最小限に抑えながら、消費者の信頼にこたえられるよう積極的に進めること。
 最後に、港湾局関係について申し上げます。
 一、東京港の国際競争力を強化するため、中央防波堤外側に新たな港湾施設を整備するなど、物流インフラの機能向上を図ること。
 一、物流ボトルネックの解消に向けて、東京港臨海道路Ⅱ期を整備するとともに、新木場若洲線若洲橋の整備や東京臨海部における物流機能の高度化を図ること。
 一、東京港を一層にぎわいのある港とするために、客船誘致など、利用促進に向けた誘致活動を推進すること。
 一、東京港ルネッサンスの推進として、多様で魅力ある舟運ネットワークの形成や良好な港湾環境など、にぎわいと潤いある水辺空間の創出に取り組むこと。
 また、運河における汚泥のしゅんせつを進めること。
 一、都市防災への貢献として、水門、排水機場の耐震強化を図るとともに、防潮堤や内部護岸の整備を行うこと。
 一、中央防波堤内側地区における海の森については、都民等との協働を図りながら整備を推進すること。
 一、東京都内湾の水質改善に向けて、海洋生物などを活用した東京湾の水質浄化に取り組むとともに、東京港野鳥公園等の利用拡大に向けて取り組むこと。
 一、都内から排出される廃棄物の最終処分場の整備のために、護岸建設を行うとともに、処分場の延命化対策として、深掘りなどを進めること。
 一、島しょとの定期船の就航率を向上させるため、大型定期船対応として、岸壁、防波堤等の整備を行うこと。
 また、ジェットフォイルの対応として、岸壁、泊地等の整備を行うこと。
 さらに、平成二十年度春の再開を目途としている三宅島空港の安定的な運営を確保するための事業を実施すること。
 以上、申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○上野委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十年度の一般会計当初予算案は、歳出総額が六兆八千五百六十億円、このうち一般歳出は四兆四千百三十七億円と三年連続して増加しています。この中では、我が党が一貫して充実を要求している福祉と保健の分野の予算額が八千百九十九億円、一般歳出に占める割合も一八・六%と、いずれも過去最高となったほか、都民生活の安全確保、快適な都市環境の実現、産業力の強化など、都民生活が直面する課題への対応が着実に図られており、都民の負託に的確にこたえる予算となっております。
 また、経済環境の変化などから、これまで順調に伸びてきた都税収入の伸びが鈍化し、また今後、法人事業税の一部国税化も見込まれるなど、都財政を取り巻く環境は厳しくなることが懸念される中、将来の社会資本ストックの更新に備え、社会資本等整備基金に二千五百億円を積み立てるなどしていますが、このように各種基金の充実を図り、攻めを支える備えを講じることは、今後の安定した財政運営に必要な取り組みであります。
 その上で、「十年後の東京」実行プログラム二〇〇八における二十年度事業の全額予算化や、二〇一六年東京オリンピック招致の推進など、将来の東京を見据えた先進的な取り組みを加速させるほか、低所得者対策や子育て環境の整備、公立・小中学校の校庭芝生化の推進など、我が党が主張する都民生活を守る施策にも積極的に取り組む攻めを実現していることは評価できるものです。
 また、二十年度からは、これまで公明党が提案し、都が全国自治体で初めて導入した、複式簿記・発生主義会計による新たな公会計制度を活用した事務事業評価を予算に反映したものとなっています。
 今後も、こうしたPDCAサイクルの活用によって、施策の充実や見直しを行い、都政が直面する諸課題に適切に対応し、将来にわたり施策の積極的な展開を図っていくための仕組みづくりが重要であります。
 新銀行東京への追加出資に関し、本委員会に調査依頼されている第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算については、これまで、本会議、予算特別委員会の代表及び一般、総括質疑並びに本委員会での審議に臨んでまいりました。
 我が党は、都民の負担を最小限に抑え、間違っても一時しのぎや先延ばし、あるいは責任転嫁などに終始していては断じてならないという原理原則のもと、継続して、党内の調査特別チームを中心に徹底的に調査研究を実施し、今後、予算特別委員会の締めくくり総括質疑での審議の推移の中で、慎重に賛否の態度を表明してまいります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、産業労働局関係について申し上げます。
 一、中小企業に対する資金繰りなどの金融支援策を拡充すること。特に、経営基盤の脆弱な小規模企業に対しては、きめ細かな支援を充実すること。
 また、不動産を持たない中小企業やベンチャー企業が事業に必要な資金を円滑に調達できる環境を整備するため、企業の持つ技術やアイデアなどの知的財産を評価し融資を行う制度や動産担保融資の構築を図ること。
 二、産業構造の変化や急速に進展する技術の高度化を図るため、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターを、中小企業の技術面での支援拠点とするよう機能強化を図り、新時代に対応した施設として整備するとともに、大学、研究機関や高度な技術を持つ企業が集積した多摩地域の産業を振興していくため、多摩産業支援拠点の整備を早急に行うこと。
 三、都内中小企業の活力減退を防ぐため、後継者不足や重い相続税負担による事業承継及び事業再生に課題を抱える企業に対して、早期に適切な手を打つことができるよう、有効な支援策を講ずること。
 四、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業による支援を充実するとともに、未来を支える意欲ある若手人材を育てるため、進め若手商人育成事業を実施するなど、商店街の活性化に資する事業を推進すること。
 五、中小企業のものづくり人材を量的、質的に確保するため、総合的な仕組みを構築するとともに、技術と経営の双方に精通した技術経営人材の育成に取り組むこと。
 六、外国人旅行者を初めとして、障害者や高齢者等が安心して東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリーに配慮した観光案内標識の整備を着実に推進するとともに、多様な食の魅力を堪能できるよう、飲食店における外国語メニューの普及を図ること。
 また、豊かな自然に恵まれた多摩・島しょ地域の観光産業の振興を図ること。
 七、農業、農地の持つ多面的な機能を評価、活用し、都市住民に積極的にPRするとともに、都市農業の振興と農地保全を図ること。
 また、都民の健康な心身をはぐくむため、一人一人が健全な食生活を実践できるよう、都民全体に食育の重要性をアピールし、食育を積極的に推進する都民を支援するなど、食育推進のための施策を充実すること。
 八、すべての年齢層を対象に、きめ細かなサービスをワンストップで提供する東京しごとセンター事業の充実を図ること。特に、若年者や育児離職者で再就職を目指す女性など、就職が困難な求職者に的確に対応した就業支援策を充実するとともに、多摩地域における本格的な事業展開を推進すること。
 九、団塊世代に対する就業機会を確保するため、その受け皿となるシルバー人材センターにおける職域や就業の場の拡大などの取り組みに対して支援を強化すること。
 十、男女労働者が子どもを産み育てながら、家庭と仕事を両立して働き続けることができるよう、中小企業が取り組む次世代育成のための環境整備を積極的に支援すること。
 十一、重度障害者の就業を促進するため、企業に対する普及啓発や重度障害者多数雇用事業所の育成指導を行うこと。
 また、知的障害者や精神障害者の就業機会を拡大する取り組みを強化するとともに、職場での定着を支援する新たな事業を構築すること。
 十二、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して、効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施するとともに、ものづくりへの関心を醸成する施策を推進すること。
 十三、三宅島の早期復興に向け、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を行うとともに、生活基盤の安定や観光、農業、水産業の振興のための支援策を講じること。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、第八次東京都卸売市場整備計画の実施に当たっては、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、集荷、販売力を強化するなど、都民の期待にこたえられる卸売市場として活性化を図るよう努めること。
 二、豊洲新市場の建設に当たっては、建設予定地の土壌汚染を詳細に調査した上で、専門家会議の提言を受けて、その対策に万全を期すこと。
 また、建設に当たっては関係業界との調整を十分に行い、将来の流通環境の変化を見据えて、施設と機能を有する首都圏の機関市場として着実に整備するとともに、事業費については、市場利用者の過度の負担とならないよう、その圧縮に努めること。
 三、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、常に消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品を流通するよう努めること。
 四、卸売市場を活性化し、今後とも生鮮食料品等流通の中核を担っていくため、市場関係業者に対する経営指導などに努めること。
 五、食肉市場については、都民へ安全・安心な食肉を供給するため、市場棟の老朽化、衛生対策工事を着実に推進するとともに、牛海綿状脳症対策等の衛生対策を積極的に推進すること。
 六、市場環境の改善のため、市場内で使用する運搬車両の電動化への助成措置を継続するとともに、電動車のための充電設備を各市場に設置するなど、環境負荷の低減に努めること。
 七、市場財政の健全化を図るため、収入の確保や内部努力の徹底による経費削減を行うなど、効率的な市場運営に努めること。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、急増するアジアからの貨物や船舶の大型化に対応し、国際競争力を強化するために、中央防波堤外側に新たな外貿コンテナふ頭を整備するとともに、モーダルシフトの促進等に対応するために、内貿ユニットロードターミナルの整備を図ること。
 二、財団法人東京港埠頭公社の民営化を機に、一層の港湾コスト低減やターミナル運営の効率化等に向けた施策を推進すること。
 また、株式会社東京臨海ホールディングスを東京港の国際競争力強化や臨海副都心のまちづくりに積極的に活用すること。
 三、海岸保全施設の耐震性を高め、東京港の臨海地帯を高潮や津波等の災害から守るため、水門の耐震強化や防潮堤の整備を積極的に推進すること。
 四、臨海副都心の開発は、経済波及効果や雇用創出効果をもたらし、東京の産業競争力強化に大きく寄与する重要な事業であるため、基盤整備を着実に推進するとともに、事業者ニーズに的確に対応した土地処分を図ること。
 また、広域防災拠点として位置づけられている有明の丘を中心として、災害時の支援物資の運搬のためのアクセス手段の整備を図るなど、防災機能の充実や体制整備を図ること。
 五、臨海副都心の魅力を一層高めるため、青海地区北側については、にぎわいと集客力のある観光・交流エリアとしてのまちづくりを推進するとともに、有明北地区については、オリンピックにおける利用を考慮しつつ、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを着実に進めること。
 六、自然を再生し、ヒートアイランド現象を緩和するため、中央防波堤内側において都民等との協働を踏まえて、海の森の整備を推進すること。
 七、再開が予定されている三宅島空港への安定的な運航を確保するために必要な事業を実施すること。
 八、離島住民の生活の安定、産業の振興を図るため、島しょの港湾、漁港、空港などの整備を引き続き推進するとともに、離島航路、航空路補助の充実に努めること。
 次に、労働委員会事務局関係について申し上げます。
 一、不当労働行為事件の審査期間の目標を本年より二年から一年六カ月に短縮したことを踏まえ、中立公正な立場から一層の審査の迅速化、的確化に努めることにより、労使関係の安定、正常化を図るとともに、さらなる経済発展に寄与すること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○小竹委員 日本共産党を代表して、まず、来年度補正予算案について意見を述べます。
 本案は、一千億円を超える累積損失を抱え破綻した新銀行東京に四百億円の追加出資を行うものであり、反対です。
 第一に、都民の税金をどぶに捨てることになりかねないことです。
 東京都が出資した一千億円の損失は、旧経営陣に乱脈があったにしても、当初のマスタープランが過大に設定され、新銀行東京がそのレールの上を走らされたことによって生み出されたことは、この間の本会議、予算特別委員会、本委員会での質疑で明らかにされたところです。
 再建計画も、業務を大幅に圧縮することや、現計画よりも危険の高い貸し付けなどを中心にすることで、さらに損失を拡大し、四百億円をどぶに捨てることになりかねません。このことは、我が党だけでなく、マスコミや専門家も共通して指摘しているところです。
 再建計画は、設立に当たってつくられたマスタープランと同様、実現不可能な絵にかいたもちにすぎないものです。だから都は、四百億円の根拠はおろか、再建計画の裏づけになる情報をほとんど出すことができないのではありませんか。
 だからこそ、東京都が走り回って頭を下げて民間に支援を頼んでも、どこにも見向きされなかったのです。民間からも見放された銀行に将来はありません。そもそも自治体が銀行業に手を出すことが間違いだったのであり、直ちに撤退すべきです。
 第二に、新銀行東京は中小企業に役立つ銀行ではないということです。
 新銀行東京は、石原知事が二〇〇三年の都知事選挙の公約として掲げたもので、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ中小企業への資金供給を目的とされ、設立されたものですが、この三年間の実態は、資金繰りに苦しんでいる業者には貸し渋りを行い、貸しても、返済が滞るといきなり融資を打ち切り、RCC送りにしたり、さらには一〇%を超える金利を取ったりするなど、中小企業に役立つどころか、中小企業に冷たい銀行だったのです。
 再建計画も、三千億円あった貸し出しを四分の一の七百億円に圧縮するとともに、ベンチャー支援や公共事業代金債権信託など、ハイリスクで、しかも中小企業支援とはほど遠いものに移行させるなど、一層中小企業に役立つ銀行からかけ離れたものになろうとしています。
 むしろ、東京都が行うべきは制度融資の拡充であり、新銀行東京の貸出先についても、かつて国が実施した特別安定化対策のような融資制度を行えば済むことです。
 第三に、真相解明にふたをし、都議会、都民に白紙委任を求めるやり方は断じて容認できないということです。
 都側の、四百億円の根拠や再建計画の裏づけさえ示さないで採決を求めるというやり方は異常なものです。まさに都議会と都民に白紙委任を求めるものであり、断じて認められません。
 この問題についての都民の声は、東京都の「都民の声」に寄せられた意見でも、我が党が街頭で行ったシール投票でも、マスコミの社説でも、一致して追加投資は認められない、東京都は銀行業から手を引くべきだというものです。
 そもそも新銀行東京は、石原知事のトップダウンで、しかも、石原知事の側近である大塚元出納長との密室でつくられたもので、挙げてその責任は石原知事が負うべきものです。責任を挙げて旧経営陣に押しつけていることは、みずからの責任逃れにきゅうきゅうとする醜い姿をあらわにするだけです。知事は私財をなげうってでも責任をとれという都民の声は当然です。
 東京都はこの声に真摯に耳を傾け、予算案を撤回すべきであります。
 我が党は、真相解明のために徹底審議を行うこと、特別委員会の設置や参考人招致、調査報告書の本文などの資料の提出を求め、本委員会では、財政委員会との合同審査と参考人招致などを求めてきましたが、これらの提案が実現に至らなかったことは遺憾です。
 来年度予算案について、反対の理由を述べます。
 来年度への都税収入は過去最高の五兆五千億円に上ることが見込まれており、雇用の破壊や増税と社会保障の負担増、原油高騰、物価高騰などで苦しむ都民の暮らしや福祉の充実に力を注ぐことが求められています。
 しかし、提案された予算案は、福祉や教育、中小企業対策など、切実な都民の要望の実現ではなく、三環状道路などの大型投資やオリンピック基金などの積み立てに振り向けられています。その上、破綻している新銀行東京に四百億円も追加出資を行うものになっているのです。その一方で、中小企業対策予算はわずかにふえたものの、ピーク時の六割程度にとどまっています。
 東京の産業は、中小企業の減少が続き、原油や原材料の高騰の影響で厳しさは一層増しており、責任共有制度の導入で、中小零細企業への資金供給、金融環境の悪化も予測されています。また、ワーキングプアやネットカフェ難民といわれる若者の雇用環境の悪化も続いています。
 このような時期だからこそ、商工業などの予算を大幅にふやし、体制を強化して、中小企業や若者を支える予算を抜本的に増額し、都としての役割を果たすことがますます重要になっているのです。
 我が党は、これらの要望を実現するために、組み替え予算を提案いたします。
 産業労働局について。
 中小企業予算を抜本的に増額すること。
 東京都における中小企業の抜本的、総合的な振興策のために、中小企業振興条例を制定すること。
 原油高騰対策として、緊急超低金利融資を創設すること。
 原油、原材料高騰に伴う影響の大きい商工業者支援事業を立ち上げること。
 下請取引の強化のため、緊急調査隊を創設すること。
 商工業支援、都の人材育成などのための商工指導所を復活させること。
 区市町村が進める貸し工場などへの支援を行うこと。
 八王子を初めとした多摩地区産業交流拠点整備を行うこと。
 新・元気を出せ商店街事業を増額すること。
 エコ商店街支援事業を創設すること。
 融資制度の預託原資を増額し、融資メニューの充実など、中小企業活性化のための金融対策を拡充すること。
 農業振興条例を制定すること。
 求職者への公共職業訓練を拡充すること。
 日雇い派遣労働者の実態調査を行うこと。
 生活つなぎ資金無利子融資制度を創設すること。
 中央卸売市場について。
 築地市場の豊洲移転は、都民の食の安全を優先する立場から、白紙に戻すこと。
 築地市場の整備に当たっては、改めて市場関係者、地元区の参加で再検討するなど、都民参加で進めること。
 スーパーなど量販店の横暴を規制し、先どり、転送などによる弊害をなくし、公平公正な競り取引を行うよう努めること。
 港湾局について。
 臨海Ⅱ期工事など、臨海副都心開発のためのアクセス道路、広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
 臨海開発はやめ、税金投入を中止するとともに、都民参加で見直すこと。
 以上を申し上げて、日本共産党を代表しての意見開陳を終わります。

○大西委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成二十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 好調な企業収益によって都税収入が大幅に伸び、長く続いた財政再建にようやく区切りをつけた平成二十年度予算は、「十年後の東京」実行プログラムを中心に、将来の東京を見据えた施策展開を積極的に行うとしています。
 しかし、ここに来て、原油高、円高、法人事業税の移譲などで、都の財政状況はにわかに不透明になってきました。
 新銀行東京については、知事の責任ある言葉として追加出資はしないと言明してきたにもかかわらず、突如として四百億円もの巨額の税の投入を提案するなど、論理的にも道徳的にも許されるものではありません。
 しかも、新銀行が出してきた再建計画や調査報告は、具体性、実現性のあるものとはいえず、これで議会に判断を求めるのは、余りに誠意のないやり方です。
 同時に、行政のチェック機関である議会も今、その存在意義を問われています。何を判断基準として結論を出すのか、都民の厳しい目にさらされていることを肝に銘じるべきです。
 今、国の社会保険庁による年金不安の拡大、介護保険制度や後期高齢者医療制度導入など、老後の生活不安は増大する一方であり、高齢者への迅速な対応が求められています。
 また、若者、母子家庭、ネットカフェ難民などの低所得者対策は、地域の実情に合わせた実効性のあるものにすべきです。貧困こそ政治的、社会的に解決されなくてはなりません。
 将来に向けて安心をつくり出すために、食品安全や環境対策などに集中的に予算を振り向けることも大切です。中小企業については、単にお金だけではなく、きめ細かな支援こそ求められています。
 都議会生活者ネットワークは、都民の多様な暮らしに安全と安心をつくり出す未来への責任ある予算執行を求めるものです。
 以下、各局別に申し上げます。
 産業労働局関係について申し上げます。
 一、新銀行東京については、現実的な銀行のあり方について早急に示すこと。
 また、現時点では四百億円の追加出資はしないこと。
 一、障害者の働く場を確保するために、ジョブコーチなど人材育成や派遣など人的支援を充実させ、企業への障害者雇用に知的障害、精神障害を広げる啓発活動を行うこと。
 一、障害者など社会的不利益をこうむっている人たちが主体になって働ける場所として、ワーカーズコレクティブや協同組合、社会的事業所の手法を使い、多様な就労の場を育成すること。
 一、若者の雇用・労働実態を調査し、雇用相談を充実し、職業訓練の時代の要請に合ったメニューを用意し、働きがいのある職場づくりを進めること。
 一、正規雇用と非正規雇用との間接差別を廃止し、同一労働同一賃金、均等待遇の実現を進めること。
 一、相談体制、フォロー体制を拡充し、NPO、ワーカーズコレクティブなど非営利事業の起業支援を拡大し、地域コミュニティの活性化を図ること。
 一、東京の地域性を生かして、安全でおいしい東京産ブランドをつくり、地場流通を促すため、都市農業推進条例を制定すること。
 一、農地の宅地化をこれ以上進行させないよう、都市農地の保全に努めること。
 一、遺伝子組みかえ作物をつくらないGMOフリーゾーンなどの設置を支援すること。
 一、産業としての林業を再生し、都民参加の森林づくりを進めること。
 一、水源地の森林整備を行い、森林生産、流通、加工システムを復活、整備すること。
 一、公共建設、特に学校や児童館などの建設に東京産木材利用を進めること。
 一、バイオマス発電等で木くず処理するなど、林業におけるゼロエミッションを進め、地域のエネルギーの有効活用を目指すこと。
 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。
 一、豊洲の市場予定地の土壌汚染については、十分な調査を行い、結果はすべて公開するとともに、汚染が改善されない限り市場建設は行わないものとすること。
 一、中央市場の開放、にぎわいの創出を、地域自治体、商店街、学校などとの連携で広げること。
 一、食品安全条例に基づき、中央市場の取扱物品の安全性、鮮度などの質を高めること。
 一、牛肉の全頭調査は引き続き継続すること。
 一、農産物、畜産物のトレーサビリティーを確立すること。
 一、東京の生産物のブランド化を進め、都民にアピールすること。
 最後に、港湾局関係について申し上げます。
 一、臨海三セクについては、この事業の徹底的な検証を行い、その結果を都民へ公表し、説明責任をしっかり果たすこと。
 一、東京湾内の環境問題や港湾、空港など、流通の諸問題は、近隣自治体と広域的視点で取り組むこと。
 一、海の森構想実現に向けて、多様な都民の参加の機会をつくること。
 以上をもちまして、都議会生活者ネットワークの意見開陳とします。

○増子委員長 以上で、予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長まで提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で、予算の調査を終わります。

○増子委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案、第九十九号議案及び第百十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了しております。
 この際、本案に対する発言の申し出がありますので、これを許します。

○清水委員 第九十九号議案、東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例について、反対の意見を申し上げます。
 この条例改正は、淀橋市場松原分場を世田谷市場に統合するため廃止するものです。第八次卸売市場整備基本方針における中央卸売市場の適正配置の四つの指標に基づいて打ち出されたものですが、当初、関係者は、賛同できない、反対だったものの、十分な品ぞろえができない状況の中で、やむを得ず受け入れたものと聞いています。零細な売買参加者の中には、これを機に廃業を余儀なくさせられた方もおり、この条例改正には反対です。
 第百十七号議案、東京都立芝浦南ふ頭公園の指定管理者の指定について、反対の意見を申し上げます。
 海上公園が指定管理者による指定管理になっているため、南部地域の海上公園グループを管理している日比谷アメニス南部地区グループに特命で指定管理させるものです。公園は本来、指定管理にはなじまず、営利目的の民間企業に公園管理を任せることは公共の財産管理の点から問題であり、反対します。
 以上です。

○増子委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第九十九号議案及び第百十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○増子委員長 起立多数と認めます。よって、第九十九号議案及び第百十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十八号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。よって、第九十八号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○増子委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○増子委員長 この際、所管局を代表しまして、佐藤産業労働局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○佐藤産業労働局長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 増子委員長を初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして、熱心にご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。まことにありがとうございました。

○増子委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時七分散会

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