委員長 | 増子 博樹君 |
副委員長 | 神林 茂君 |
副委員長 | 大西由紀子君 |
理事 | 山口 拓君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 三宅 茂樹君 |
米沢 正和君 | |
小竹ひろ子君 | |
岡崎 幸夫君 | |
清水ひで子君 | |
田島 和明君 | |
木内 良明君 | |
川島 忠一君 | |
馬場 裕子君 |
欠席委員 なし
出席説明員産業労働局 | 局長 | 佐藤 広君 |
総務部長 | 塚田 祐次君 | |
産業企画担当部長 | 猪熊 純子君 | |
商工部長 | 三枝 健二君 | |
金融部長 | 目黒 克昭君 | |
観光部長 | 中尾根明子君 | |
農林水産部長 | 産形 稔君 | |
雇用就業部長 | 松本 泰之君 | |
就業調整・能力開発改革担当部長 | 小田 昭治君 | |
労働委員会事務局 | 局長 | 有留 武司君 |
本日の会議に付した事件
労働委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
産業労働局関係
事務事業について(質疑)
○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより労働委員会事務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○木内委員 労働委員会は、労働組合法、労働関係調整法に基づきまして、中立公正な立場から労使紛争を簡易、迅速に処理することによって、労働者の労働基本権の保障と労使関係の安定、正常化を図ることにより、経済の発展に寄与することを目的としている、こう認識をいたしております。この労働委員会の主な仕事は、労働争議の調整、不当労働行為の審査、労働組合の資格審査ということがあるわけであります。
平成十七年一月一日に改正労働組合法が施行されました。不当労働行為審査の手続などが整備をされた、こういうふうに聞いているわけであります。
そこで、まず初めにお尋ねしたいのは、労働組合法を改正した背景と、その内容はどうなっていますか。
○有留労働委員会事務局長 労働組合法は、昭和二十四年に全面改正されて以来、約五十五年もの間、基本的な見直しが行われずにきました。その間、不当労働行為事件の審査の長期化が著しいこと、労働委員会の命令に対する行政訴訟における取り消し率の高さなどが指摘されてきました。
このため、平成十七年一月一日に、審査の迅速化、的確化を図ることを目的として、審査計画書の作成や審査の目標期間の設定など、審査手続及び審査体制の整備などを盛り込んだ改正労働組合法が施行されたものでございます。
○木内委員 いただいた資料をしっかり私も読ませてもらいました。この労働委員会の活動というのは大変に複雑、また困難な作業が求められているわけでありますけれども、この不当労働行為の審査の進め方一つとってみても、まず申し立てがあって、それから担当委員の選任があり、調査、審問、さらに労使の委員からの意見聴取、公益委員会議、その後、救済命令、棄却命令、和解などという径路をたどっていくわけでありまして、実はいずれもが大変な作業だと思うわけであります。
そこで、不当労働行為事件審査の迅速、的確化のために、これまで都労委は大変な努力をし、また取り組みを行ってきたわけでありますけれども、その内容についてご報告を願います。
○有留労働委員会事務局長 都労委では、審査期間の目標を当面二年と定め、公益、労働者、使用者委員、事務局職員が一体となりまして、審査日程や救済命令などの交付予定年月などを記載した審査計画書を、紛争の当事者双方にも協力を求めて作成し、計画的な審査を行ってまいりました。
審査計画の作成に際しては、審査の計画的な開催、審査等の夜間開催、命令書作成期間の短縮を図るなどの取り組みを行い、審査の迅速、的確化に努めてまいりました。
○木内委員 先ほど触れましたけれども、審査期間の目標を当面二年とした理由はどう認識したらいいでしょうか。
○有留労働委員会事務局長 審査期間の目標設定に当たりましては、司法制度改革による裁判の迅速化に関する法律で、第一審の手続を二年以内に終結するという目標を参考にしました。
都労委には毎年、新規申し立て事件で百件前後、総件数で五百件前後の事件が係属しており、総件数で見ると全国の五割近くを占めるなど、他道府県平均をはるかに超える事件を取り扱っております。
また、派遣労働者やパートなど非正規雇用者の増加、裁量労働制や年俸制などの雇用環境の変化に伴いまして、都労委で取り扱う事件も、質的にも複雑、困難化しております。
また、都労委では、方針として、和解による解決に力を入れております。和解は、当事者双方が解決内容を十分に理解し、納得した上で協定するため、その後の労使関係の安定化に好影響を与えるという長所がございます。このため、時間をかけて和解の機運を醸成すべき事件も多くございます。
このようなことを総合的に勘案し、審査期間の目標を当面二年としたものでございます。
○木内委員 労働組合法改正後に申し立てのあった不当労働行為事件の具体的な審査の期間はどのくらいでありましたか、お尋ねします。
○有留労働委員会事務局長 労働組合法改正後、すなわち平成十七年一月以降に申し立てのあった不当労働行為事件は、平成十九年十月末現在で二百八十七件あり、うち百五十三件が終結しました。終結した事件の平均処理日数は三百六十日で、審査期間二年という目標を達成しております。
なお、まだ終結していない事件は百三十四件ございますが、審査期間二年を超過しているものは十五件でございます。
○木内委員 労働組合法改正後に申し立てのあった事件のほとんどが、今ご報告いただいたように審査期間の目標を達成しているわけでありまして、都労委の大変な日ごろのご努力とご苦労がわかる気がいたします。
今、答弁にあったように、都労委は労働組合法改正後、既に二百八十七件と数多くの不当労働行為事件の申し立てがあるわけでありますが、一方、申し立てが極めて少ない労働委員会もあるというふうに聞いているんですが、これは事実ですか。
○有留労働委員会事務局長 平成十八年の不当労働行為の新規申し立て件数で見ますと、全国の都道府県労働委員会で総件数は三百二十九件でございまして、そのうち都労委には百二件の申し立てがありました。新規申し立て件数の東京都を除く道府県平均は四・九件でございまして、都労委は他道府県平均の約二十倍の事件を取り扱っております。
なお、新規申し立て件数がゼロのところも十四県ございます。
東京都には企業の本社や主要な労働組合の本部が集中しており、他県で生じた労使紛争であっても都労委に申し立てられる場合が多くございます。このため、都労委では、量的に非常に多いということのほかに、質的にも解決困難な事件を多く抱えております。
○木内委員 今の数字にありましたが、新規申し立て総件数が三百二十九件、そのうち都労委では百二件、ほぼ三分の一、全国的に見ることができるわけであります。新規申し立て件数の全都道府県平均が四・九件という話であり、都労委は他道府県平均のおよそ二十倍になっているわけであります。また、東京の持つ特性というものも今るる答弁があったわけでありまして、まさに都労委は質、量ともに困難な事件を数多く処理していることがよくわかるわけであります。
ところで、新聞報道によりますと、近畿地方のある県では、労働委員会で取り扱う事件数が過去十年間で二十件と極端に少なく、しかも全く申し立てのない年が三回もあったとして、委員が報酬に見合った活動をしていないとの住民監査請求があったとも聞いているわけであります。
一方、先ほど来の答弁の中にもあったように、都労委の取り扱う事件は膨大であり、また質的にも困難性が高いということがいえるわけであります。
さらに、委員は非常勤でありまして、ほかに職業をお持ちであるけれども、委員活動の多忙さから本業に支障が生じている委員もいるというふうに聞いております。
三者構成になっておりまして、委員は、学識経験者から選ばれた公益委員、労働組合から推薦された労働者委員、使用者団体から推薦された使用者委員各十三人、計三十九人の委員が任命されているわけでありまして、東京が持った特性を反映して、物理的にも、また内容的にも非常に困難な中で懸命なご努力をされているということがよくわかるのであります。
こうした都労委の委員の皆さん、事件処理に当たってご苦労が多いと思われるわけでありますけれども、申し上げた都労委の委員の活動状況は実態としてどういう特徴がありますか、伺います。
○有留労働委員会事務局長 今、先生からご指摘のありましたとおり、都労委には、公益委員、労働者委員、使用者委員各十三人の計三十九人の委員がおります。公益委員を例にとりますと、元高等裁判所長官など裁判官出身を含む弁護士が六人、大学や大学院教授が五人等となっており、本職の方で極めて多忙な方が多いというふうに考えております。
委員は、月二回の総会等への出席のほか、不当労働行為事件の審査、調整事件のあっせんなど、委員みずから担当事件の実務処理に積極的に活動しております。
委員の具体的な活動状況でございますが、平成十八年度は一カ月平均で、全委員で七・三回、公益委員は八・八回となっております。最も活動回数の多い委員は、この方は弁護士の公益委員ですが、月平均十三・四回登庁されまして、年間百六十一回も活動しております。
委員の活動時間は、ケースによっては一回の審問で三時間を超えるものもございます。
また、申立人等の利便を図るため、午後五時以降の夜間の調査等も全体の三分の一を超えております。
このように、都労委の委員の方々は、事件処理の中心となって非常に精力的に活動しております。
○木内委員 私も、実は今回、都労委の実態というものを初めて知るような側面も多かったわけでありますけれども、特に弁護士の公益委員の方、月平均十三・四回、年間百六十一回も活動されている。大変なご苦労だなということを今さらながら知る思いがいたします。
こうした今の答弁から、委員の充実した積極的な活動状況がうかがえますし、まさに頭の下がる思いがいたします。
さて、一方、事件処理に当たる委員を支えるための事務局職員の皆さんの専門性も実は大切だと思いますし、先ほども、この委員会の始まる前に申し上げましたが、事務局の皆さん、少数精鋭で頑張っておられるということを私は高く評価したいわけであります。
そこで、事務局職員の専門性を高めるために具体的に行ってきた取り組みについてもご報告を願いたいと思います。
○有留労働委員会事務局長 労働委員会事務局は四十二名の職員定数でございますが、具体的な職務の内容でございます。
不当労働行為事件の審査に当たりましては、公労使三者委員のほか、担当職員が二名つきまして事件処理に当たっております。
事務局職員は、委員の指揮のもと、審査計画書案の作成や事件の調査、救済命令などを行う際には数十ページにも及ぶ命令書原案--これは裁判における判決文に当たります--これを作成するなど、極めて専門性の高い職務を行っております。
また、事務局職員の専門性の一層の向上を図るため、昨年十二月にはいち早く労働委員会事務局人材育成方針を策定しまして、研修体系の充実などの取り組みを行っております。さらに、庁内公募制人事を有効活用しまして、意欲と能力の高い人材配置を計画的に行っております。
このように事務局職員は量的、質的にも困難な事件処理に当たることにより、高度な専門性を身につけておりまして、その結果、国の機関である中央労働委員会や他県の労働委員会の研修講師なども務めております。
○木内委員 極めて高い専門性が要求される審査計画書案の作成、事件の調査などなど、こうした作業に対する職務の責任感というのは極めて大きいわけであります。同時に、高い能力を駆使して頑張っておられるということがよくわかります。また、量的、質的に困難な事件処理を行うことで、高度な専門性をも身につけておられて、そのために、国の機関や、あるいは他県の労働委員会の研修講師なども務めておられる。まさにこういった事例からもわかるように、東京都におけるこの事務局職員のレベルの高さというのは、他に比較して傑出したものがある、こういうふうに私は理解をいたしたいと思います。
都労委が、公労使三者委員、そして事務局職員一体となって、いわば車の四輪となって迅速かつ的確な事件処理に当たっていることがわかります。
さて、現行の当面二年という審査期間の目標でありますけれども、近年における社会構造あるいは社会環境の変化の中で、審査期間の目標というものは努力をされて当面二年と掲げておられるけれども、私は、それでもやや長いのではないかと考えるものであります。
当事者双方のメリット、労使関係の早期の安定化を図るため、審査のより一層の迅速、的確化を目指すことが重要であります。そのため、審査期間の目標の短縮の取り組みが必要と考えるわけでありますが、見解を伺います。
○有留労働委員会事務局長 先生ご指摘のように、審査のより一層の迅速化は当事者双方にメリットがあり、労使紛争解決のセーフティーネットとして、労使関係の早期安定化のために極めて効果が高いと考えております。
このため、都労委では不当労働行為の審査に当たり、これまで以上に公労使三者委員の精力的な活動や事務局職員の専門性の一層の向上を図り、また、当事者やその代理人の協力を仰ぐなど、さらなる審査の迅速化、的確化に努めていきたいと考えております。
質、量とも膨大で困難な事件処理のさらなる迅速化には、相当な努力を要すると思いますが、ご指摘の趣旨を踏まえ、平成二十年一月より、現行二年という審査期間の目標を短縮し、原則として一年六カ月といたします。この目標の実現に向けまして、労働委員会の総力を挙げて取り組んでまいります。
○木内委員 審査期間の目標について話がありました。いよいよ来年の一月から一年六カ月とするという英断答弁がありました。都労委の活動の長い歴史の中で極めてエポックメーキングな一歩が今、踏み出されたわけであります。その方針への努力を多としたいと思います。
都労委は数多くの事件を精力的に処理する一方、審査期間の目標短縮の準備も進めていくとしておりまして、まことに頼もしいとも思います。都労委には、労使紛争解決のまさにセーフティーネットとして、その役割を広く都民に情報発信していただきたいし、そうしたご苦労の内容というものを幅広く都民に周知徹底するご努力も強く要請をしたいと思います。
また、今後とも審査のより一層の迅速化、的確化に積極的に取り組み、中立、公正な立場から、労働者の労働基本権の保障と労使関係の安定、正常化を図り、さらなる経済発展に寄与することに全力を尽くしていただきたい。このことを強く要望して、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で労働委員会事務局関係を終わります。
○増子委員長 これより産業労働局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○塚田総務部長 去る十月十六日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の経済・港湾委員会要求資料の一ページをお開き願います。
目次にございますように、資料は全部で十五項目でございます。
二ページから四ページまでが、それぞれ中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去十年間の予算、決算の推移をお示ししてございます。
五ページでは、平成七年から十七年までの都内製造業の推移をお示ししてございます。
平成十七年における全都の工場数は約四万五千所、製造品出荷額等は十一兆九百億余円でございます。
六ページでは、都内小規模小売店の推移を、商店数、従業者数、年間販売額でお示ししてございます。
平成十六年における商店数は約十一万三千店、年間販売額は十兆三千五百億余円でございます。
次に、七ページと八ページは、平成九年度から十八年度までの十年間の中小企業制度融資の実績と預託額の推移でございます。
八ページでございますが、平成十六年度から融資制度の区分が変わっております。十八年度の実績は、下から三段目の合計欄にありますとおり、約十五万七千件、一兆九千九百億余円の融資を実行いたしました。
九ページは、雇用形態別の有業者数と推移でございます。
平成十四年は、平成九年と比べ正規の職員・従業員が減少し、アルバイト、派遣社員等のいわゆる非正規労働者が増加しています。
一〇ページと一一ページは、商店街振興施策の利用状況でございます。
一〇ページでは「新・元気を出せ!商店街事業」、一一ページでは「進め!若手商人育成事業」について、それぞれ事業開始以降の実績をお示ししております。
一二ページから一三ページでは、平成九年度の産業労働局所管施設のその後の推移をお示ししてございます。
一四から一五ページにかけては、過去五年間の都立職業能力開発センターの応募状況と職業紹介実績、就職率をお示ししてございます。
一四ページ、(1)、応募状況の合計欄では、平成十八年度の応募率は一五〇%となっております。一五ページ、(2)、職業紹介の実績、就職率の合計欄では、平成十八年度の職業能力開発センターの就職率は八三%となっております。
一六ページでは、都内の障害者雇用率の推移をお示ししてございます。
表の一番右をごらんいただくと、民間企業の障害者雇用率は、徐々にではございますが、上昇しております。平成十九年に民間企業で雇用される障害者数は初めて十万人を超えました。
一七ページの新銀行マスタープランと実績との対比は、平成十六年二月に発表した新銀行マスタープランにおける平成十八年度の計画値と実績を対比したものです。
一八ページの新銀行東京の新中期経営計画の実施状況では、新銀行東京が本年六月に策定した新中期経営計画における実施状況を示したものです。
十一月一日現在、店舗外のATMをすべて稼働停止いたしました。また、店舗については、統廃合の結果、七店舗になっております。
一九ページは、今年度、飯田橋に移転した労働資料センターの蔵書数の推移及び移転に当たって処分した冊数、寄贈先でございます。
蔵書は、(1)のとおり、移転後は利用者のニーズの高い図書類に特化したことなどから、約七千八百点となっております。処分の内訳は、(2)のとおりであり、(3)に記載の機関に寄贈したほか、法令改正により利用価値が失われたものなど不要となったものを売却処分したものでございます。
二〇ページでは、過去十年間の労働相談情報センターの労働相談件数、あっせん件数、解決件数、センター数、職員数、出張労働相談件数の推移をお示ししてございます。
平成十八年度における労働相談情報センターの相談件数は、過去最高の約五万六千件であり、前年度に比べ約七千件増加しました。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○増子委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○米沢委員 きょうも委員会が長時間にわたる予定であると聞いております。したがって、なるべく簡潔に質問いたします。
江東区の青海の臨海副都心地域に建設が予定されております区部産業支援拠点につきまして、三点についてお伺いいたしたいと思います。
区部産業支援拠点は、東京都は平成十八年四月に東京都の産業支援体制の再整備に係る基本構想を策定されまして、ことし十月の江東区都市計画審議会を経まして、まさしく本日、きょうですね、東京都都市計画審議会で、地域の性格にふさわしいまちづくりのための地区計画が審議されております。
臨海副都心は、新たな企業の進出などによる開発の進展によりまして、まちが成熟をしてまいりました。これは、江東区の新たな顔として発展を遂げつつあるわけでありますが、これも地元の江東区の協力なくしてはなし得なかったことだというふうに私は思っております。そのまちに新たに区部産業支援拠点を建設することにつきまして、私も多くの期待を持っている一人であります。
そこで、私は、区部産業支援拠点の建設計画は順調に進捗していると思うわけでありますけれども、施設整備の現在の状況、そしてまた今後の予定についてどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。
○三枝商工部長 区部産業支援拠点は、産業技術研究センター西が丘本部と駒沢支所を統合いたしまして、これまで以上に都内中小企業のニーズを踏まえ、技術支援をきめ細かく効果的に実施するために整備を進めているところでございます。
現在、建物の内外装や設備などの詳細な図面を作成するための実施設計を行っているところでございまして、来年度には地盤改良等の基礎工事、翌平成二十一年度には建物の建設工事に着手し、平成二十三年度に開設を予定しているところでございます。
○米沢委員 都内の中小企業のニーズを踏まえた技術支援サービスをきめ細かく効果的に提供するということでございますが、実施設計の段階ともなりますと、具体的な機能を既に計画していると思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○三枝商工部長 区部産業支援拠点には、レーザーによる千分の一ミリ以下の精密加工や超精密部品の研究、評価などを行い、中小企業の先端技術分野への進出及び高付加価値製品の開発を支援する高度先端技術センターや、製品開発を企画から試作、設計まで支援するトータルシステムデザインセンター、また、新技術開発に挑戦する中小企業等に二十四時間利用可能な研究開発スペースを低廉な賃料で提供する製品開発支援ラボを設置するなど、先端分野の新製品、新技術開発に取り組む中小企業を技術的に支援する拠点としてまいります。
特に製品開発支援ラボは、機械、エレクトロニクス、IT、化学の分野ごとに研究スペースを整備し、現在の西が丘本部の三室から十八室へと大幅にふやしていく予定でございます。
○米沢委員 高度先端技術センターや、あるいはトータルシステムデザインセンターなど、まさに高度先端化を模索するような中小企業への支援の充実が図られるということは、今の説明でわかりました。
しかし、都内の多くの中小企業は、そのような高度な技術支援だけではなくて、依頼試験だとか、あるいはまた技術相談などの基盤的な技術支援も多分求めていると思います。したがって、新たな拠点だからといって、そのような企業ニーズがあることを忘れてはならないというふうに私は思います。
先端分野の技術開発を目指す企業のみならず、基盤的な技術支援を求める企業に対してもバランスのとれた技術支援を行っていただきたいと考えますが、これは局長の見解を伺いたいと思います。
○佐藤産業労働局長 東京のものづくり産業におきましては、高度先端技術を有する企業のみならず、それを支えます基盤的技術力にすぐれた企業が重要な役割を果たしていると、そういうふうに私も認識しております。
しかしながら、現状を見ますと、都内のものづくり企業につきましては、後継者不足などによりまして技術の継承が危ぶまれるという点、また、アジアを初めといたします海外企業の技術力向上によりまして、困難な状況に直面しているというふうに考えております。
こうした中で、行政による技術支援が一層重要になることから、新たに整備をいたします区部産業支援拠点におきましては、高度先端技術への支援とともに、ただいまお話のありました依頼試験、また技術相談などの基本的な技術支援も充実してまいります。
今後、都と産業技術研究センターが一丸となりまして、都内中小企業に対する技術支援を一層強化してまいります。
○米沢委員 青海に移転する産業技術研究センターが、中小企業の求める基盤的技術から先端技術まで広く支援をする、都の産業支援の中核となるということがわかったわけであります。これは説明によって理解いたしました。
江東区青海には、国の産業技術総合研究所や、あるいはみらい館、国際大学などがありまして、また、その周辺には、東京海洋大学や芝浦工業大学といった教育研究機関も集積をいたしております。ここに産業技術研究センターが加わることによりまして、この地域が研究開発・産業創成のまちとなり、江東区、ひいては東京都の価値、イメージを大いに高めることになるものと期待をいたしております。
平成二十三年度開設に向けて着実な整備を行うとともに、多様化、高度化する中小企業ニーズに対応した技術支援を充実させていただくことを心から切望して、質問を終わります。
○山口委員 それでは、私は、NPO法人向けの保証つきの融資制度について幾つかお伺いしてまいりたいと思います。
平成十年のNPO法の施行後、ちょうど丸九年がたとうとしているわけですが、この九月三十日現在で都内には五千六百五団体のNPO法人が存在しており、年々、一年間で大体七百団体ぐらいずつふえ続けてきているわけであります。
このNPOが行う社会貢献活動というものは、環境や医療、福祉など幅広い分野に及んでいるわけであります。その地域に密着した活発な活動は、市民参加による新たな公益活動の担い手として大きな期待が寄せられているわけであります。しかしながら、NPO法人の多くは、規模もまだまだ小さく、営利を目的としたものではないだけに、事務処理能力や財政基盤が脆弱であり、資金繰りに窮している法人も少なくありません。
平成十七年の都の調査によると、七割以上の法人が活動上の問題点として法人運営上の財政的な問題を挙げている。それだけに、本年七月から東京都において開始されたNPO法人に対する保証つき融資制度に多くの期待を寄せたNPO法人も多数あると思いますが、これまでの実績はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
○目黒金融部長 平成十九年十月末時点では、取扱提携金融機関が制度開始時の五機関から七機関にふえておりますが、保証つき融資の実績はございません。
○山口委員 なぜ実績が上がってこないのか。NPO法人に問題があるのか、それとも融資をする側の金融機関側に問題があるのか。
規模の大きなNPO法人を除いて、多くのNPO法人は金融機関に提出をする資料や書類の作成もままならず、金融機関から融資を受けることが困難な状況にあります。
また、聞くところによると、理事全員の連帯保証が必要であるとか、納税要件であるとか、本来、営利や事業拡大を目的としないNPO法人には、この審査のハードルが高過ぎるのではないかと思うんですが、その辺の見解はいかがでしょうか。
○目黒金融部長 今般のNPO法人に対する融資制度は、独自事業や受託事業、助成事業を実施するなど、安定的な事業基盤を有し、十分な返済能力が認められる法人を対象としております。また、融資や保証を実行するからには、その返済能力を審査しなければならず、NPO法人に対しましても中小企業に対するものと同程度の審査を行っているため、保証つき融資の実行までには至っていないと聞いております。
これは、恐らくNPO法人の側にも融資を受けるに当たってふなれな点があるとともに、融資を実行する金融機関側にとりましても、経験の浅い分野であるNPO法人向け融資に慎重になっているためと推量されます。
○山口委員 これでは、この保証つき融資制度を利用できるようなNPO法人などないのではないでしょうか。
確かに、融資を受けられるよう、NPO法人自身も会計処理などの事務処理能力を高めていくことは十分必要だと思います。しかし、新たな経済主体として、福祉や環境などの分野で事業活動を行っているNPO法人も存在していることですから、これらのNPO法人を金融面からしっかりと支援するべく、金融機関や保証機関もNPO法人の経営実態を把握して、積極的な融資をぜひ行っていただきたいと思うところであります。
また、今後この制度をNPO法人が有効に活用できるように、東京都としてもNPO法人に関する情報提供を行うなど、積極的に金融機関に働きかける必要があるのではないでしょうか。今後の都の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○目黒金融部長 NPO法人に対する融資につきましては、現在、金融機関や保証機関において融資条件等について見直しを進めているところであり、都としましても、営利企業とは異なるNPO法人の経営実態について金融機関等に情報提供し、理解を求めていきたいと考えております。
また、NPO法人の会計処理や資金管理能力の向上につきましても、関係団体等と連絡を図りながら、啓発に努めてまいりたいと思います。
○山口委員 行政によるNPO法人に対する支援策として、保証つき融資制度の創設というのは非常に有効であるわけであります。今、力強い答弁もいただいたわけでありますが、しかし、これを受けるNPO法人にも、もちろんまだまだ解決すべき課題があるのは事実であります。さらに、金融機関や保証機関においても、融資条件等の基準を整備していく必要性もあるわけであります。
NPO法人というのは、行政では難しい機動力や柔軟性を持った存在としての役割が非常に期待されているわけでありますし、政府も含めて、自治体や企業というのが扱いにくいニーズに対応する社会的な役割というのを大きく担っているところがあるわけであります。社会的な重要性がますます増大していく中で、自治体もNPOとの協働といったことを、しっかりと提言を、さまざましているにもかかわらず、協働を行う目的が、NPOを使いやすいだとか、非常にコストが安上がりで済むだとか、そういった便利なところばかりではなくて、NPO側の財政事情というものにはなかなか踏み込んでいかなかったり、こういったところの支援というのがおくれてしまっているのは、僕は行政にとっても非常にマイナスだと思うんです。
特に、真の協働という点で考えると、やっぱりこういった部分も重要だと思いますし、NPOの事業だとか活動の拡大、発展はもとより、さらなる期待と新たなる雇用の機会、促進だとか、停滞が続く産業振興にも、必ずこういった分野の手助けというのは今後大きな力を持ってくると私は思います。
いろいろと解決すべき課題もあると思いますが、この制度がNPO法人にとって真に有効なものとなるように、まずはその第一歩として、この融資の実現に努力をしていただくように要望いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○上野委員 私からは、両立支援、障害者雇用、低所得者対策の三項目について質問してまいりたいと思います。
まず初めに、仕事と家庭の両立支援についてお尋ねいたします。
我が国はご承知のとおり、いよいよ人口減少と超少子高齢化社会に直面しております。国立社会保障・人口問題研究所の島崎謙治副所長は、人口減少は労働力減少をもたらし、高齢化は貯蓄率の減少により投資の縮小につながるなど、経済成長にマイナスの影響を及ぼすと予想しております。つまり、このままでは将来、人口の大幅な減少に伴い、経済を支える働き手が失われるばかりか、消費市場も縮小し、経済の衰退を招くことになるということであります。
そこで、何としてもこの少子化というものを食いとめなければなりません。そのためには、社会全体で子育てを支える仕組みをつくることが大事であります。親や子を地域で支える仕組みをつくることや、保育園への待機児童をなくすことも大事でありますが、少子化の最大の障害は仕事と家庭の両立であるといわれているように、企業が、働く人々のために、仕事と家庭生活を両立できる雇用環境を整備することが最も重要である、このように思っております。
二〇〇三年に施行されました次世代育成支援対策推進法で、従業員三百一人以上の企業に対しまして、次世代育成支援のための行動計画を策定することが義務づけられました。こうした取り組みもありまして、近年は大企業中心に両立支援に取り組むところが少しずつふえてきております。
しかし、企業の大半を占めているのが中小企業でございます。次世代育成に向けた行動計画の策定が努力義務ということもありまして、育児休業の取得もまだまだ十分でない状況に、この中小企業はございます。したがって、今後はこの中小企業に重点を置いた施策を推進する必要があります。
そこで、都がこの九月、中小企業の両立支援の取り組みを促進するために創設いたしました助成制度の内容と実績についてお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 東京都では、両立支援に向けた行動計画を策定した企業を、とうきょう次世代育成サポート企業として登録し、その計画内容をホームページで公表する制度を昨年度から開始しております。
今回の助成制度は、このサポート企業のうち中小企業を対象として創設したものでございまして、今年度は試行として五十社に対し、責任者設置と意識啓発の取り組みに助成を行います。来年度からは、それに加えまして、社内のルールづくり、育児休業取得者の代替要員の経費までを一貫して支援する予定でございます。一社当たりの助成額は最大五百五十万円であり、平成二十四年度までに二千社を目標に支援を行うこととしております。
次に、実績についてでございますが、本年九月十日から募集を開始し、現在、約二カ月が経過したところでございますが、助成金を申請した企業は既に二十九社に達しております。
○上野委員 助成制度は順調に滑り出したようでございますが、来年度から規模を大幅に拡大していくということであり、多くの中小企業に両立支援に取り組んでもらうためには、これからがこの事業の正念場ということになります。
そこで、都は今後、取り組みがおくれぎみな中小企業の両立支援を推進するため、登録制度や助成制度をもっと普及していくべきと、このように考えますが、所見をお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 ご指摘のとおり、登録制度や助成制度の普及は重要な課題と考えております。現在、都内の従業員百人以上三百人以下の中小企業約六千社を対象に、戸別訪問をして、登録制度や助成制度について周知するとともに、行動計画の策定の有無や両立支援策に取り組む意向などを調査しております。
また、都内六カ所の労働相談情報センターにおきまして、企業向けの説明会や相談会を実施しているほか、個々の企業からの相談に対して、今年度新たに設置した両立支援アドバイザーが、行動計画の策定や具体的な取り組みに向けた助言を行っております。
○上野委員 この約六千社の中小企業への支援が何よりも大事でございます。人材の確保、定着には雇用環境の改善が不可欠であります。経営基盤の弱い中小企業に対しては、行政がさまざまな面から支援することによって、働く人々の仕事と家庭生活の両立を可能としていくことになるわけでございますので、今後とも中小企業に向けた登録制度や助成制度の広報をしっかりと行っていただきますよう要望いたします。
また、厚労省では両立支援の推進に当たりまして、積極的に子育て支援を行っている企業を毎年、ファミリー・フレンドリー企業として表彰しているそうでございます。東京都もぜひこの両立支援に貢献している中小企業を表彰するなど、中小企業の励みになるよう、宣揚、評価していくことも考えていただければと重ねて要望いたします。
次に、障害者の就業支援についてお尋ねいたします。
障害をお持ちの方の経済的な自立を図るためには、障害者の働きたいという意欲にこたえ、その能力を十分に発揮できるよう、就業の機会を確保することが重要であります。
本年六月一日現在の東京の障害者雇用率は一・四六%となっております。いまだ法定雇用率一・八%を大きく下回っている状況でございます。前年度に比べますと、〇・〇二ポイント着実に改善しているようでございますが、特に大企業における障害者雇用は年々増加しており、千人以上の企業に限れば、一・七一%と高い雇用率を達成しております。
その一方で、従来より地域から障害者を受け入れ、その職業的自立に大きな役割を果たしてきました中小企業では苦戦を強いられているようでございます。
そこでまず、東京都内の中小企業における障害者の雇用状況についてお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 一昨日、東京労働局が公表した本年六月一日現在の障害者雇用状況によりますと、都内に本社を有する民間企業のうち、雇用率達成が義務づけられている従業員数五十六人以上二百九十九人以下の企業における障害者雇用率は〇・八二%となっておりまして、都内における企業全体の平均一・四六%を大幅に下回っております。
また、この従業員二百九十九人以下の民間企業の障害者雇用率は、大企業の障害者雇用率が一貫して上昇しているのに対しまして、平成七年ごろから低下傾向をたどっております。
○上野委員 このような状況を踏まえまして、国においては現在、障害者雇用促進法の見直しを検討しているようであります。
雇用している障害者の割合が法律に定められた一・八%に満たない企業は、雇用が足りていない障害者数に応じて、一人当たり月五万円の納付金を国に納めなければなりません。従業員三百人以下の中小企業は現在、納付金の支払いを免除されておりますが、これを撤廃し、中小企業にも納付金を納めさせる方向で検討が進められていると聞いております。
しかしながら、中小企業に障害者を雇用させるためには、きめ細かな支援を通じまして、事業主が自発的に障害者雇用に取り組むよう、意欲を喚起するという視点が重要だと思います。
中小企業の事業主を対象としたアンケート調査によりますと、障害者雇用への取り組みが進まない要因として、障害者に適した職務がない、障害者雇用のノウハウが少ないといった項目が挙げられております。このような回答の背景には、障害者を働かせることに関してどのような配慮が必要なのか、どのような支援制度があるのかなど、情報が十分に行き渡っておらず、ちゅうちょしてしまう事業主が少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、都においても、企業に対する意識啓発や情報提供などを十分に行う必要があると考えますが、所見をお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 障害者の就業機会を拡大するためには、受け皿となる企業への意識啓発、情報提供等が必要であると私どもも考えております。
このため、東京都では、障害者雇用促進ハンドブックの作成、配布や、関係機関と連携した企業向けのシンポジウムの開催等を通じて、企業における障害者雇用の理解促進に努めてまいりました。
また、昨年度からは障害者職域開拓支援事業を開始し、他の企業のモデルとなるような障害者雇用への取り組み事例を募集、認定し、その認定事業の運営を支援するとともに、事例報告会等を通じて、こうした好事例の普及を図ってきております。
さらに、これに加えて、本年度から心身障害者職能開発センターにおいて総合コーディネート事業を開始し、国や地域の就労支援機関との連携により、障害者雇用率未達成企業を対象とした啓発セミナー等を総合的に実施し、障害者の就労を促進しております。
今後とも企業への働きかけを強め、就業促進に努めてまいります。
○上野委員 このような意識啓発や情報提供に加えまして、企業における障害者雇用の取り組みのハードルを下げるためには、企業と障害者との間に立って、障害者本人への支援や、事業主や他の従業員に対する必要な助言を行い障害者の職場定着を支援する、いわゆるジョブコーチによる支援が効果的でございます。
国においては、関係機関を通じて養成研修を実施するとともに、研修を修了し認定を受けたジョブコーチの活動費に対する助成金を設けていますが、障害者の就業意欲が高まる中、ジョブコーチの数が足りなくて、支援を受けたくても受けられないケースもあると聞いております。
そこで、必要なときに必要な就業支援を行えるよう、都独自でジョブコーチの養成に取り組むべきであると、このように考えますが、見解をお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 現在、国の認定を受け、都内において障害者の職場定着支援を実施しているジョブコーチは、東京障害者職業センターや社会福祉法人等で計三十四名にとどまっております。
このジョブコーチによって、昨年度一年間で二百十一名の障害者の職場定着支援を行っておりますが、他方で、都内のハローワークを通じて就職した障害者は四千四百二名であることから、これらの障害者全員に支援が必要であるとはいえないものの、必ずしも十分に支援が行き渡っていないと私どもも考えております。
このため、都としても、障害者の就業支援を充実させるため、ジョブコーチの拡充について検討してまいります。
○上野委員 ぜひともジョブコーチの養成に取り組んでいただきたいと思います。
都は、昨年十二月に公表しました「十年後の東京」におきまして、今後十年間で東京の障害者雇用を三万人以上増加を目指す、この目標を掲げております。この目標を達成するためには、現在実施している障害者を対象とした職業訓練事業等の一層の充実に加えまして、心身障害者職能開発センターの総合コーディネート事業のように、障害者就労支援機関との連携のもとに就労を促進する取り組みを進めていくなど、障害者雇用促進施策を拡充していくことが必要と考えますが、所見をお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 十年間で三万人以上の障害者雇用増を達成するためには、企業に対する啓発や障害者の職場定着支援に加え、障害者就労支援機関等との連携を深めるなど、障害者就業支援施策を充実していくことが重要と考えております。
このため、心身障害者職能開発センターにおける総合コーディネート事業の拡充や、本年十月に設置した経済団体や企業、障害者就労支援機関等をメンバーとする東京都障害者就労支援協議会の活用などにより、今後とも障害者雇用の促進に努めてまいります。
○上野委員 それでは、最後に、低所得者対策についてお尋ねいたします。
今回のいわゆる低所得者対策ですが、第三回定例会におきまして知事は、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず、低所得の状況から抜け出せないまま、不安定な生活を余儀なくされている方々への支援策は極めて重要であり、多様な施策を積極的に講じると、このように発言されておりますが、この不安定な生活を余儀なくされている方々という表現を、もっと都民がわかりやすいように、より具体的に、どのような方々が対象として想定されるのか、まずお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 今回の施策の対象者といたしましては、意欲がありながらも、いわゆる就職氷河期に学校を卒業し、安定した職につくことができずにいる方、倒産やリストラなどで職を失い、アルバイトなどで生計を立てている中高年の方、あるいは子育てに追われながら生活を維持しなければならない母子家庭の母などを想定しており、経歴、年齢も多様な方々が対象になると考えております。
○上野委員 このような方々のうち、訓練受講を希望する方々に対しまして、産業労働局において訓練と就業支援を行うことになるわけですが、その際は、従来からしごとセンターで実施しているように、訓練前のみならず訓練後も、個々の対象者の状況を踏まえましたきめ細やかな支援をする必要があると考えますけれども、所見をお尋ねいたします。
○松本雇用就業部長 しごとセンターでは従来よりきめ細かなキャリアカウンセリング等を実施し、就労支援において成果を上げております。
今回の低所得者対策においても、こうしたノウハウを生かし、訓練受講希望者に対して、各人の希望や適性を踏まえたきめ細かいキャリアカウンセリング等を実施することが効果的であると考えております。このため、受講科目の選択に向けての支援はもとより、訓練開始後も必要に応じて継続的なカウンセリングを行うなど、安定した雇用に結びつく方策を検討しております。
○上野委員 知事発言にもありますように、こうした方々がみずからの人生を切り開き、将来の展望を見出すことができるようにすることが、今回の低所得者対策の趣旨であると思います。換言すれば、こうした方々をより安定した雇用に結びつけることこそ重要でございます。
したがいまして、本事業の実施に当たっては、就業に必要な実践的技能を付与する職業訓練が重要なポイントとなります。求人動向に即しました訓練科目を設定するなど、効果的な職業訓練を展開することが肝要であり、この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○清水委員 ことし奥多摩町を襲った台風九号により、奥多摩町の特産ワサビ田は大きな被害を受けました。先日、大きな被害に遭った沢の一つである塩地谷のワサビ田を訪ね、生産者の方から切実な要望を受けてまいりましたので、それを踏まえてご質問したいというふうに思います。
まず、奥多摩町におけるワサビの生産状況と位置づけについてお答えいただきたいと思います。
○産形農林水産部長 奥多摩町におきますワサビの生産でございますけれども、平成十七年の統計では、栽培面積七ヘクタール、収穫量十八トン、生産額は約八千八百万円で、奥多摩町の農業生産額の約七割を占めており、また、奥多摩山葵栽培組合の組合員は六十八名となっております。
東京都は全国有数のワサビ産地で、主たる産地である奥多摩町では重要な特産品として位置づけられており、生食用として市場や料亭などへ出荷されるほか、ワサビ漬けなどに加工されております。
○清水委員 奥多摩町におけるワサビ栽培に対する都の考え方をお伺いいたします。
○産形農林水産部長 東京産のワサビのほとんどは奥多摩町で生産されており、ワサビは山村地域の貴重な特産農産物で、東京の大切な特産品の一つであると考えております。
○清水委員 台風九号によるワサビ田の被害はどれくらいか、お伺いいたします。
○産形農林水産部長 奥多摩町の報告では、ワサビ田については、被害面積約一・二ヘクタール、被害額約二億二千七百万円、収穫予定のワサビの被害額は約三千七百万円となっております。
なお、ワサビ栽培のためのモノレールの被害については、六カ所、被害額約一千四百万円であり、これらの被害総額は約二億七千八百万円となっております。
○清水委員 農林水産部長さんは、この台風九号の奥多摩町の被害を現地を訪ねられて見たと、視察をされたと聞いておりますけれども、その状況など、また感想などがあればお聞かせください。
○産形農林水産部長 台風九号が東京を通過した後、農業振興事務所と森林事務所がまずもって現地の被害状況の把握に努めております。その後、私は、ワサビ田の被害はもちろん、森林や水産関係の被害状況も視察いたしました。
ワサビ田についての感想でございますけれども、台風九号は奥多摩地域に今までにない豪雨をもたらし、渓流沿いにつくられているワサビ田を押し流し、またモノレールの軌道をひどく曲げるなど、今回の台風のすごさを感じました。
しかし、同じ地域でも、大きな被害を受けたワサビ田もあれば、比較的被害の少ないワサビ田、また被害のないワサビ田もあり、台風の進路や風向き、また地形などによってこれほど違うものかと思ったところでございます。
○清水委員 私も後から、被害の状況を調査に行ったときの様子をお知らせしたいと思うんですけれども、この被害対策について早急に行う必要があると思うんですが、この被害対策をどのように講じるのか、お伺いしたいと思います。
○産形農林水産部長 今回の台風九号によるワサビ田の被害状況は、先ほど申し上げましたように、さまざまでございます。
まず、復旧が可能なワサビ田につきましては、国の農地農業用施設災害復旧事業により、現在、復旧に向けて準備を進めております。
また、国の災害復旧事業の対象とならない被害が小規模なワサビ田やモノレールの復旧については、既に奥多摩町との協議を進めております。
なお、被害が激しく復旧が困難なワサビ田につきましては、奥多摩町のワサビ振興策に対する考え方を十分に聞きながら、対応について町と協議してまいります。
○清水委員 今、ワサビ田の被害について、三つの段階の対策についてご報告がありましたけれども、国の復旧事業にそのまま乗るものについては早急に行っていただきたいと思いますし、被害が小規模なワサビ田やモノレールについて町と協議中だということで、早速それについても協議を調えて取り組んでいただきたいと思うんですけれども、生産者の要望にこたえられる復旧をぜひ行っていただきたいと思います。
今のお話の中で、被害が激しいものについては、今後、町と対応について協議するというふうにご報告がありました。
私が伺った塩地谷という場所のワサビ田についても、場所としては、ちょっと時間的に違いがあるかもしれないのですけれども、奥多摩駅から車で十五分ほど行ったところから林道に入り、その林道を車で二十分以上入りました。そこからワサビ田が土砂に埋もれた沢を初めて--先ほど説明のあったモノレールに私も生産者の方に乗せていただき、とにかく使えるところまで、本当に歩く速さでしたけれども、乗せていただき、そこから沢を長靴で歩いていったわけです。そのさまは、青々としたワサビ田があったとは到底想像がつかないくらいな大きな岩と土砂で埋まっていました。
この方の被害は、被害状況の割合が出ているんですけれども、一〇〇%、全壊ということになっています。丹精込めてつくったワサビ田をむざむざと土砂で埋められてしまっている。本当に悔しい思いをしたと思います。
奥多摩のワサビ田は、もともとこういうところですから、機械を運べない場所です。すべて手作業で生け垣をつくり、ある方は完成するまで八年もかかったというような話も聞いております。こうした困難な地域、そして恵まれた水があり、そのために奥多摩らしいワサビの味が評判を呼んでいるということです。
こうした被害の大きいものについて、そこを復旧するというのはできるかどうか、ちょっとわかりませんけれども、ほかの代替地などで復活するという町の姿勢が示されるならば、都としても積極的に支援を行うことが必要ではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○産形農林水産部長 被害が激しく復旧が困難なワサビ田についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、奥多摩町のワサビ振興策に対する考え方を十分に聞きながら、対応について町と協議してまいります。
○清水委員 奥多摩の生産者は、今回の台風だけでなくて、何回も災害に遭い、繰り返し、そのごとに復旧して頑張っているわけです。そのために、本人負担が重くのしかかっているといわれます。
私が先日お会いした生産者は、今度の台風でほとんどだめにしてしまった方ですけれども、その方は、本人負担せよといわれたら、もう耕作する意欲がないといわれておりました。生産者の自己負担なしの災害復旧をしてほしいという地元の農家の要望にもこたえるべきではないかと思いますけれども、どうですか。
○産形農林水産部長 災害復旧につきましては、基本的には農地や農業用水路などの農業用施設の設置、維持管理は、それぞれの管理者が責任とその負担を負うべきでございますが、農業者がその災害復旧を適切かつ迅速に処理することが困難なため、国、都が、復旧を行う事業主体に対して補助を行うこととなっております。
都は、災害復旧制度における補助率に基づき、その範囲で適切な補助を行ってまいります。
○清水委員 補助をするなんていうような姿勢ではなくて、都が積極的にこの復旧をする必要があると思うんです。
私は、その日、その災害場所を調査した後、たまたま時間のあいていた町長さんともお会いすることができました。私が行ったところの話を町長さんにお話しして、耕作意欲が本当にわくようになるのでしょうかというお話をしたところ、町長は、耕作放棄者を一人も出さないように励ます対策を出したい、そのために議会からも都の支援をお願いしたいというふうにいわれました。
町がこういっているんですよね。六十八軒の組合員のうち半分ぐらいの方が災害を受けたわけですけれども、全員復旧されるのは無理かなと、こういうふうに町長がいわれるのかなと思いましたけど、そのとき、とにかく一人も出さないようにしたい、一人も耕作放棄者を出さない、これは奥多摩町の大事な特産なので,これがなくなったら本当に奥多摩町の存在にもかかわっているということをいわれて、私も、町長となるとすごい、そういうことを自信を持っていえるんだなという感想だったわけですけれども、そういうことを町の方は考えているわけです。私は、都はこれにこたえる必要があると考えるわけです。
さらに、要望として出されているのが、一つはワサビ苗の購入に対する支援、そして災害復旧事業補助金の制度が複雑なので、簡略化してほしいという要求があります。また、ワサビ生産農家が高齢化する現状で、若い人材の育成と、今行っている農業近代化資金の貸付要件に六十歳までという年齢制限があることについて改善してほしいという要望が出されていますが、それぞれこのことについてどう思うか。また、実態に沿った内容にしていく必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○産形農林水産部長 ワサビ苗の購入につきましては、農業近代化資金による融資が可能となっております。
また、ワサビ田の災害復旧事業に対する補助金につきましては、国の法律などでその制度が定められております。
次に、ワサビ栽培のための人材育成につきましては、奥多摩町が新たな後継者を育成する目的で平成十四年に開設した奥多摩わさび塾において、農業改良普及センターが技術指導等の支援を行ってまいりました。
最後に、農業近代化資金の年齢制限についてでございますが、六十歳以上であっても、後継者が農業に従事しているなど一定の条件を満たしていれば融資可能でございます。
○清水委員 早速、農林水産部長も現地に行っていただいて、同じ思いを共有していただいたことですので、奥多摩町が、本当に全員放棄者が出ないような、そういう意欲が持てる対策をしたいといっているのですから、ぜひそれにこたえられるような支援をされることを強く願っています。さらなる努力を求めます。この質問は終わりにいたします。
次に、製造業支援です。
事業所統計によると、東京の製造業は全体の事業所が最も減少した産業となっています。中でも、八割を占める十人未満の小規模企業がこの五年間で二割減少、三人以下の企業は約七割が赤字経営、約半数が廃業予定だといいます。首都のものづくりをどうするかは、切実緊急な重要課題になっています。
さらに、昨今の原油高、原材料高騰などによる影響が深刻になっています。ものづくり企業は本当に生き残りをかけてさまざまな努力をしているわけです。
そこで、多くの都内のものづくり企業が、イタリアなどのものづくり企業の技術やブランド戦略を参考にしていきたいと考えている様子がうかがえます。
多摩地域を中心に活動するTAMA産業活性化協会は、イタリアのヴェネト州ヴィチェンツァ商工会議所の会員企業などとの交流を実施したとホームページに記載されていました。日本企業が有するすぐれた加工技術とイタリア企業との連携、イタリアデザイン企業との連携による製品の高付加価値化などの新たなビジネス関係の構築のためという目的だそうです。
また、ほかの都市ではありますけれども、大阪商工会議所生野支部の異業種交流会フォーラム・アイの取り組みとして、まず上海視察を実施したといわれています。そこで、中国のものづくりのトレンドが激変し、日本のビジネスの特徴である品質のよい物を安く速く大量につくれる、これまでのビジネスが通用しないことを実感したというふうに書かれています。このままの経営では会社がつぶれてしまうという結論を出して、この方たちは、イタリアのミラノに、中国に負けないものづくりをしている小さな会社がいっぱいあると聞いた、高付加価値なものづくりをしている十人以下の会社でも独自のブランドがあるようだとして、ミラノの視察を行い、生野を日本のミラノにということで五カ年計画を進めているというふうに伺いました。
こうしたイタリアなど世界の状況を調査し、都内の中小企業に情報提供することで、中小業者の経営の参考とすべきではないか、お伺いいたします。
○三枝商工部長 都は、都内中小企業のさまざまな事業目的に合わせて、海外情報を収集、提供しているところでございます。
一例を挙げますと、皮革関連産業の振興に向け、イタリアの専門機関に皮革産業技術者を研修派遣するほか、この分野で先進的な欧州諸国における素材、商品等のファッション、トレンド情報の収集を行い、セミナー形式で中小企業に情報提供を行ってまいりました。
また、ベトナムへの進出を希望する中小企業を支援するため、現地の情報収集や市場調査を実施し、情報提供しているところでございます。
○清水委員 いろいろやっているということはいわれましたけれども、私も、いろいろな情報収集の中から、ぜひ自費でイタリアに行ってみたいなというような、このものづくりを調査してみたいなという気持ちもあるわけです。都としても、どなたか、この調査をする方を出して、ぜひイタリアのものづくりを私たちに情報提供していただきたいと思います。
多摩地域には、エレクトロニクスや計測機器などの分野において高い技術力を有するものづくり企業の集積があります。また、関係自治体やブロックごとの協議会、TAMA産業活性化協会、さらにJR青梅線、五日市線、八高線沿線に位置する自治体などが中心となり、産業クラスター協議会を設立して、コーディネート機能の強化を進めています。
このような協議会への財政を含めた支援を、これらの集積の方たちは求めています。都内産業の一層の発展のためにも、多摩地域のものづくり企業への積極的な支援を行う必要があると考えますが、いかがですか。
○三枝商工部長 多摩地域には先端技術を有する中小企業が数多く集積いたしますとともに、理工系の大学ですとか民間の研究機関も多数立地してございます。
東京都では、多摩地域の中小企業の技術力向上を図るため、昭島市の旧都立短大跡地に多摩産業支援拠点の整備を進めているところでございます。同拠点では、二十四時間利用可能な製品開発支援ラボの整備や、産学公連携の推進によりまして、多摩地域の企業ニーズや産業特性に応じた支援を行ってまいります。
○清水委員 多摩地域の集積のそれぞれが、自治体が協力し合ったり、関係団体が協力し合って一つの取り組みを行っています。私も、TAMA産業活性化協会のお話を聞いてきましたけれども、都も参加はしていらっしゃるようですけれども、財政支援を含めた支援をもっと強めてほしいということをいっておられましたので、ぜひそういう支援もしていただきたいと思います。
都は、昭島に多摩産業支援拠点を整備し、産業技術研究センター八王子支所を同拠点に移転する構想を公表しております。
八王子は、技術力の高い企業が集積し、多摩地域のものづくり産業の中心地です。八王子で再整備してほしいと、当初、市や地元企業の強い要望があったわけですけれども、それが受け入れられず、昭島で整備されることになったのは残念ですけれども、その跡地における要求として、産業振興に資する施設を整備するなど、同地において産業振興の機能を引き続き維持すべきと考えますが、いかがですか。
○三枝商工部長 八王子支所の移転後の跡地の活用方法につきましては、現在、未定でございます。
○清水委員 これから検討していくということなので、駅前の非常にいいところで、立川に支援センターが移るということで、八王子が一番とはいいませんけれども、大きなものづくりの集積地域なわけで、八王子のあの地をやはり産業振興にかかわる施設にしてほしいというのは、市長会の要望でも、あの場所を地域の産業支援施設の整備ということで要望しております。ぜひ強く要望しておきたいと思います。
多摩地域には、高い技術力を持つ、国内でも最先端のものづくり企業が立地しています。現在、これらの企業が必要な試験研究設備は十分整備されておらず、必要に迫られて他の県の施設を利用している状況もあります。このほどの多摩産業支援拠点の整備に当たり、電機メーカーなどが使う機器の電波暗室、また、工作機械用部品など最高度の金属切削加工を行っている企業などに対し、最高精度の三次元計測器、また、超微細加工やナノ粒子を使った表面処理を行っている企業では、製品の精度確認や、でき上がりの検査のための電子顕微鏡を要望しています。さらに、金属製造のために、城南中小企業振興センターに設置されている光造形複合加工機設置が求められています。それぞれ答弁を求めます。
これは市長会でも強く要望している内容であり、市長会からの要望の実現に努力すべきと考えますが、いかがですか。
○三枝商工部長 多摩産業支援拠点につきましては、平成二十一年度開設を目途に、現在、実施設計を行っているところでございます。
同拠点の整備に当たりましては、多摩地域におけるエレクトロニクス産業の集積に対応し、電子機器や医療機器などから発生する電磁波の影響を測定する大型の電波暗室を新たに設置することを計画してございます。
その他の機器設置につきましては、多摩地域の企業ニーズや産業特性を踏まえまして、開設までに決定していく予定でございます。
○清水委員 せめてこれらの機器ぐらい整備していただきたいですね。城南振興センターにあるものがなぜ多摩にはないのかって、皆さん思うわけです。それは皆さん、多摩の方だったら同じ思いですよ。
私たちは、試験研究機関は拠点に一カ所などという考え方が間違っているということを、これまでも繰り返し指摘をしてきたわけです。とりわけ多摩地域には、立川というんだったら、八王子や西多摩、少なくとも三カ所くらいは必要だというふうに私は考えます。その一カ所に求められている機器も整備されないということになれば、多摩地域の製造業は大切だなどというのが本当に口先だけになってしまいます。
その一方で、航空機産業支援を都が重点に進めようとしていますけれども、昨日、中型機の開発を進めている、七十から九十席の開発を進めている三菱重工の本社を訪ねて話を聞いてまいりました。目的はいろいろあったわけですけれども、いろいろ聞いてまいりましたが、その中の一つとして、中小企業の航空機産業への参入についての部分の話では、自動車は年間何十万台と製造する、しかし航空機はせいぜい千機ぐらいではないか、だから、製造業者が、ものづくり業者がそれだけで成り立つとは考えられない、主となる仕事があって、さらについでにやるというならできるかなというような話の一端がありました。
航空機産業支援というのをすべて否定するものではありませんけれども、今やるべき支援というのが本当に山積されております。先ほども農業の支援もありました。そしてまた、この多摩地域のせめて一カ所の機器も整備してほしいということに対しても、今のところ明確なご答弁がいただけないというようなことでなくて、やはりきちんと中小企業対策予算を取って、必要な製造業支援を多摩地域に対して強力に行ってほしいことを求めて、この質問を終わります。
次に、新銀行について何点か伺います。
新銀行の現在の経営状況についてどうなっているのか、お伺いいたします。
○目黒金融部長 新銀行東京は、十八年度決算において約五百四十七億円の当期損失を計上するなど、厳しい経営環境に置かれております。
こうした中、新銀行東京では、本年六月に策定した新中期経営計画に沿って店舗外ATMの廃止や店舗の統廃合を行うなど、経営改善の取り組みを進めております。
なお、現時点での経営状況についてでございますが、近々に中間決算が発表されると聞いております。
○清水委員 聞いておりますじゃ、無責任じゃないですか。都は出資者なんですよ。都民の税金一千億を投入して、今まで本当に、累積赤字は七年三月期までは八百四十九億円という、もう既に資本金の七割強を食いつぶした状況の中で、そんな悠長な姿勢でいられるのかどうかということです。それで、一般企業だったらどうなっているのかという問題もあるわけですよ。
先ほど資料の中でも説明がありましたけれども、計画になかったわけですね、池袋支店の新宿支店への統合という問題が。計画になかったこの支店の統合がなぜ行われたのか、その理由と経過についてお伺いいたします。
○目黒金融部長 新銀行東京では、現在、営業経費の削減など経営改善の取り組みを進めているところでありまして、池袋店の統合もその一環でございます。
この統合につきましては、利用者の利便性確保を第一として、全体の配置バランス等を十分に考慮しながら決定したと聞いております。
○清水委員 全然わかりませんよ。それだったら、何で新中期計画のときに入っていなかったんですか。出さなかったんですか。なぜ今になってそういう計画を出すんですか。
それだったら、私たちは今まで、この新銀行の高コスト構造の理由の一つである大手町本社の機能こそ手をつけるべきだといってきたわけですけれども、そこは何も手をつけないで、こういうところだけやる。その大手町の本社についてはどういう議論をしてきたんですか。
○目黒金融部長 新銀行東京の本部機能をどうするかにつきましては、顧客サービス向上の観点を第一といたしまして、コスト面などを含め総合的に勘案し、銀行が判断するものと考えます。
○清水委員 東京都が、だって出資者の責任をどういうふうに果たすんですか、責任を。
じゃ、今の状況の中で、赤字体質の改善が図られているというふうに考えられるわけですか、もう間もなく決算が出されますけれども。いかがですか。
○目黒金融部長 新銀行東京におきましては、二年後の平成二十一年度に黒字に転換するという目標のもとに現在の新計画を進めておりまして、それを着実に進めていくということだと認識をしております。
○清水委員 だれも黒字に転換するというふうには予想がつけられていないということで、都がさらに追加出資をするのではないか、そういう動きがあるのではないかといわれておりますが、いかがですか。
○目黒金融部長 新銀行東京の策定しました新中期経営計画では、追加出資は想定してございません。
今は、先ほども申し上げましたように、経営改善の取り組みを着実に進めることが重要であると考えております。
○清水委員 今でも、すぐに預金者保護をして、もう引き揚げなさいというのが私たちの主張なんですけれども、さらに追加出資するということは絶対に許されないことです。
そして、先ほどの報道によりますと、新銀行東京の経営トップとなる代表執行役に、東京都が都の港湾局長を充てる意向を固めたことが、二十二日、きょうわかった。現代表執行役の体調不良に伴う交代と見られるということが情報として流されたようですが、ご説明ください。
○佐藤産業労働局長 新銀行東京のトップにかかわる人事でございますので、今お話しの点については、都としては、発表するとすれば、知事から公表すべきものというふうに考えております。
○清水委員 それはわかりましたけれども、今、新聞記事のこの共同通信の配信に私がご答弁を求めたものです。
今まで質問してまいりましたけれども、やはりさらなる追加出資の動きがあるから、いろいろなマスコミや都民なども、これ以上都民の税金をつぎ込まれたらたまらないという思いだと思いますので、追加出資はするべきではない、さらなる預金者保護をして、新銀行はもうやめるべきだということを主張して、質問を終わります。
○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時三十五分休憩
午後二時四十六分開議
○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○大西委員 初めての経済・港湾委員会なもので、この事務事業の内容を見ていましたら、私もやっぱり六二ページの新銀行東京の経営監視等というところがどうしても目についてしまいました。
ちょっと準備をしていたわけですが、今、本当に緊急にこのトップの人事が出てきたわけなんですけれども、これはこれとして、やっぱり最初に仁司さんが務め、そして後任、かわって森田徹さんという方がつかれた。これは石原知事が、森田さんの経営手法を買って就任させたと思うんですけれども、このようにかわる中、監視する産労としての見方というのが、それは政治的なものもあるかもしれませんけれども、考えられるんじゃないかと思うんですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○目黒金融部長 新銀行東京は、平成十八年度決算において、計画を上回る不良債権の発生や減損会計の適用等により約五百四十七億円の当期損失を計上するなど、厳しい経営環境に置かれております。
こうした中、新銀行東京では、本年六月に策定した新中期経営計画に沿って、店舗外等に設置されているATM百二十九台の縮小や、営業店舗の十店舗から七店舗への統廃合などを行っておりまして、経営改善に向けた取り組みは着実に進んでいると考えております。
○大西委員 その答弁は先ほども聞きましたので、今私が聞いたのは、このようにトップがころころかわる状況を、経営を監視する産労としてどのように見るかということをお聞きしたんです。
○佐藤産業労働局長 トップがかわるかどうかというのは、まだ東京都としては明らかにしておりません。
先ほど申し上げましたとおり、トップの件については、都としての考え方は知事から発表されるというのが適当であろうというふうに考えております。
○大西委員 本当に今入ってきたので、これ以上ここで追及しても仕方がないと思うんですけれども、そういう意味では、銀行設立時の目標と現状にどんどん開きがつき、それがとめられないという状況があるんだと思います。
そもそも銀行の貸し渋り、貸しはがしの横行がこの新銀行の設立のきっかけになったと思うんですけれども、現状はどのように解消されたんでしょうか。改善されたのかどうか。
○目黒金融部長 金融庁が平成十四年十月に開設いたしました貸し渋り・貸しはがしホットラインにおける四半期ごとの受け付け状況を見ますと、平成十四年第四・四半期の三百五十七件をピークに徐々に減少し、平成十八年の第一・四半期から直近の本年第三・四半期までは、おおむね三十から四十件程度で推移しております。
このデータを見る限りでは、一時の貸し渋り、貸しはがしは解消されてきているものと思われます。
○大西委員 そういう意味では、一応この役割というのがもう終わったんじゃないかというふうに私は考えます。
もう今やこういうふうな状況になっているということ、この新銀行が危機的状況にあるということを否定する人はだれもいないと思うんです。社会的役割を果たしていない、だからこそ需要がなくなったということで、本当にそういう意味では、新銀行を即やめるということは常に選択肢としてあっていいと思うんですけれども、新銀行がなくなると、だれが困るんでしょうか。
○目黒金融部長 新銀行東京では中小企業融資などを行っておりまして、そういった意味では中小企業に貢献しているというふうに認識しております。
○大西委員 生活者ネットワークは、この新銀行設立当時も、銀行という極めて民営的事業を公共団体が行うことはやはりおかしいんじゃないか、それよりも、ちゃんとした産労の中小企業融資制度、こういうものの方をしっかりと活用するべきだという立場でありました。
まさに今苦しい答弁があったわけですけれども、どんどんこの新銀行設立当時いわれていた貸し渋り、貸しはがしが改善していく中で、また同時に、東京都がしっかりと中小企業の制度融資もやっているわけで、まさに社会的な役割が本当に終わったわけです。
私は、この銀行に関してそもそも不思議に思ったのは、やっぱり知事のトップダウンで新銀行が出て--首長ですから、いろんなアイデアがたくさん出てくると思います。それを都庁全体でどのように、この案をみんなで審議して、これが本当に都民にとって有効であるのかどうなのかということ、そういう場が、どこでどういうふうにあったのかというのを常に不思議に思っています。オリンピックもしかりです。残念ながらそういう意味では、議会といえども、そのチェック体制、本当に果たしているのかどうかというのを、同時に私たちも突きつけられているんだと思います。
この新銀行東京については、やはり知事のトップダウンで始めた銀行ですので、知事のトップダウンで幕引きをきっぱりと行うようにということを六月の定例会の中でもいっているわけなんですけれども、本当に今回このような形で、また東京都の港湾局長を充てるというようなこと、まさに迷走態勢に入っていると思いますが、しっかりこの辺を、行政として知事と対峙して、幕引きをお願いしたいということを要望したいと思います。
次に、若年者への就業支援について伺いたいと思います。
最近の若年者の雇用を取り巻く環境は、全体として改善傾向にあるものの、就職できないまま高校、大学等を卒業し、または自己の職業に対する認識の不足等から、就職後早期に離職して無業状態にある者が依然として多く見られます。
また、パート、アルバイトの不安定な就労状況を長期にわたって繰り返すいわゆるフリーター、職業的に不安定な立場に置かれている若者の存在が社会問題となってかなり久しいわけなんですが、そういう状況があったわけですけれども、景気の回復と団塊世代の大量退職が相まって、今年度の新卒市場は久々の売り手市場となりました。そのような環境変化が若者の雇用問題を一気に改善したかに見えるんですが、平成十九年八月の労働力調査の結果を見ても、十五歳から二十四歳の完全失業率は、男子七・三%、女子八・四%と依然高い数値を示しています。
こうした中で、都では東京しごとセンターを設置し、さまざまな若者への就業支援策を展開していますが、まず、その実績を伺います。
○松本雇用就業部長 東京しごとセンターのヤングコーナーでは、きめ細かなキャリアカウンセリングや就職活動のノウハウを習得するための各種セミナーに加え、職業紹介や合同就職面接会等を実施し、若年者の就職活動を支援しております。
平成十六年七月の開設以来、平成十九年十月末で登録者は二万三千人を超え、六千六百人の就職を実現しております。
○大西委員 登録者は二万三千人を超えますが、実際に六千六百人ということで、まだまだ数字的にも、そこにつながるというのは、もっともっと努力しなければいけない状況なのかなと考えます。
今年度に入り、若者の就業支援策として池袋と立川で月二回実施していた出前相談窓口、街角カウンセリングですけれども、これを廃止しましたね。廃止したんですけれども、これまでの短い期間でしたけれども、その実績と、それから廃止の理由を伺います。
○松本雇用就業部長 街角カウンセリングは、ターミナル駅周辺にキャリアカウンセラーが出向きまして、簡易なカウンセリングを行うという事業でございます。利用者は、平成十八年度の実績で百八十八人ということでございまして、実施一回当たりの利用者は三人から四人という程度にとどまってございます。
同事業につきましては、こうした利用状況を勘案しまして、平成十九年八月のしごとセンター多摩の開設ともあわせて、事業の見直しを行ったものでございます。
○大西委員 利用者の実績があったんですけど、非常に限られた期間と、それから月二回ということ、それも池袋と立川で交互にやるというようなことで、まだまだ若者にそういう場所があるということを知らされる前に廃止してしまったということで、非常に残念だなという気がしております。
そういう意味では、今、駅ナカとかエキュートとか、いろんなところでいろんな人たちが集まるんですけれど、そういうもっともっとみんなが集まるところにこそ、こういうものをおしゃれに設置するということが大事なんじゃないのかなと私は思っています。
街角カウンセリングはそういうことで廃止したんですが、しごとセンターにみずから足を運ばない若者や、しごとセンター自体を知らない若者がまだたくさんいるわけです。そういう意味で、駅ナカとかに相談窓口を新たに、期間限定でもいいですから、設置してみるというようなこと、再度いかがでしょう。
○松本雇用就業部長 しごとセンターにみずから足を運ばない若者でありますとか、しごとセンターを知らない若者に就業に関する相談を受ける機会を提供することは、それは重要であると考えております。
このため、昨年の七月に、しごとセンターへの来所が困難な若者等へ向けて、新たな電話相談窓口といたしまして、若者しごとホットラインを開設し、若者の仕事に関するあらゆる相談に就職支援アドバイザーがきめ細かく対応するとともに、しごとセンターで実施しておりますさまざまな就業支援施策への誘導を行っております。
今後とも、このホットラインの活用によりまして対応していきたいと考えております。
○大西委員 多摩にも国分寺にしごとセンターが開設されて、開所式に行ったんですけれども、入れば、なかなか快適な場所で、丁寧にいろいろと相談できる場所だということは思っているんですけれども、ある意味もっともっと、先輩だけじゃなくって、同年代でいろんなことを話し合えるような、相談し合えるような、つまり、特に就業が困難な若者への支援は、ピアカウンセリングのような発想を生かした就業支援策が求められているんじゃないかと思います。
こうした活動に取り組んでいるNPO法人のノウハウを生かすことも必要だと思うんですけれど、いかがでしょう。
○松本雇用就業部長 都では現在、若者の自立支援活動に取り組むNPO法人等から、若者の感覚に合った支援事業の企画提案を募集し、選定された事業に経費の一部を助成する若者就業支援プロジェクト事業を実施することによりまして、就業が困難な若者を支援しております。
また、今年度は、この事業につきまして、NPOや区市町村の支援関係者等を集めた成果報告会を実施いたしまして、支援事業のノウハウの普及を図っているところでございます。
○大西委員 お聞きしますと、若者への支援策というものを、項目的にはたくさん取り組んでいらっしゃるということがうかがえるんですが、若者の就業を進めるためには、同時に雇用する側の企業の理解と協力が重要だと考えています。
今、非常に社会的な問題として、若者の使い捨てとか、ある意味でもっともっとこれから、せっかく委員になりましたので、その先もやりたいと思うんですけれども、そういう状況があるわけですけれども、そういう受け皿の、雇用者側の対策というものをどのように立てていらっしゃるのか、お聞きします。
○松本雇用就業部長 若年者の就業を促進するためには、企業と行政の関係者が一体となって若年者雇用の問題に取り組むことが重要であると考えております。
このため、都は、若者ジョブサポーター企業を募集し、インターンシップの受け入れ等、若者の職業的自立を積極的に支援するとともに、若者と企業との相互理解を深める場としてのジョブパーティーを開催しております。
今後とも、これらの企業と協力、連携をいたしまして、若者の就業を支援してまいります。
○大西委員 いろんな格差の問題が今大きな社会問題であるんですけれども、やはり雇用の格差というものが非常に大問題だと私は考えています。
一見、企業が回復して、新卒の若者の就業はスムーズにいっているようですが、今また新たな問題として石油の高騰、いろんな社会不安、経済的な、金融的な不安もいっぱい出ている中で、ちょっとほっと一息つく暇もなく新たな不安が出ています。そういう中で、つまり一九九三年から二〇〇三年の卒業の人たち、いわゆる就職氷河期になった人たちは、二つの格差と闘っています。一つは、正社員と非正規社員の格差、それからもう一つは、たまたまその時代に生まれて就職できなかったということで世代間格差。これはずっとつきまとっていくわけで、それについては本当に二重、三重にも、この人たちをしっかりと職につけるようにしなきゃいけないという作業と同時に、やはりもう一つ私は感じているのは、この正規と非正規、若者がある意味、就職しようというときのポストがないという意味では、その問題も手をつけなければいけないような状況になっているんじゃないかと思います。
つまり、今いわれているように、パート同一賃金、同一労働というところの問題をもっともっと切り開いていかない限り、この若者の就労も非常に難しいと考えています。
そういうことで、ぜひ今後ともこの問題に取り組んでいただきたいし、また、来年の予算編成を見ていると、女性とか子育て中の人、それから障害者等のいろんな就業支援がたくさん出されていて、どれがどのようになっているのかなというふうに考えるほど出ておりますが、しっかりと実績を見ながら着実に進めていっていただきたいということを要望して、質問を終わります。
○馬場委員 まず、本日のこの所管の産業労働局の事務事業の折に飛び込んできた、新銀行東京のトップがかわるというニュースについて、一つ聞かせていただきたいというふうに思います。
この入ってきたニュースでは、知事の発表までということですが、この内容を見させていただきますと、現港湾局長の津島さんですが、最後にありますように、津島局長は新銀行東京設立段階のビジネスモデル構築などにかかわってこられた方ということで、いよいよかなという、私はそんな思いでこのニュースを拝見しました。今回、半年余りで体調を壊されたという報道の森田代表執行役については、本当にご苦労だったというふうに改めて思っております。
そこで、金融部の立場と監督をする立場から、知事に対してきちんと、どういう状況なのかということをしっかり聞き合わせ、対峙してほしいというふうに思っておりますが、今回のこの新銀行東京のことについて、私ども委員会にどういう形でか報告等があるのかどうか、一点伺います。
○佐藤産業労働局長 お尋ねが、トップの交代についてのお話だとすれば、東京都として公にされることが原則だというふうに考えております。
○馬場委員 交代ということがどういうことなのか。津島局長に交代するということがどういうことなのかは知事から報告がある、そのこと自体、普通の銀行からしたら大変イレギュラーなお話だというふうに思います。その知事のこれからの報告をまず承らざるを得ないのですが、それを受けて金融部として、今回、これからそう遠くなく出される中間決算の報告もあわせてということになるのかもしれませんが、そのことも、今までの金融部のお仕事からすると特段かかわることではないというふうに、今のご答弁を伺ってよろしいでしょうか。
○佐藤産業労働局長 トップの問題につきましては、かねがね議会でも議論がありますけれども、所有と経営の分離といういわゆる原則については、法的な意味を含めましても、株主が経営にタッチする限度というのはもう決められておりますし、そういう意味では、そういう所有と経営の分離という原則は、だれがトップになっても変わらないということになります。
私どもといたしましては、六月に銀行側で策定されました新中期経営計画、この計画が着実に実施されていく、そういうことを見ていくという立場にありますし、それは、監督という意味で見ていくことになるというふうに理解しております。
○馬場委員 わかりました。都民にとっても大変関心の大きい新銀行東京の行く末といっていいのかわかりませんが、状況ですので、ぜひとも所管の監督として、その辺、株主が暴走しないように、また責任をきちんととるようにということで、きちんと指導をしていただきたいということをお願いして、事務事業に移ります。
事務事業質疑の前に、一点だけ。
けさもニュースで、原油高騰で学校の給食が二回でしたでしょうか、減るという、そんなニュースが随分報道されておりました。ここに来て急にということではありません。もうここ何年も原油が上がり続けているというお話があり、そのことは皆さんの方でも対応してきていただいていることは十分承知をしております。
ことしも八月に調査をなさって、さらにこの状況がひどくなっている、もう九割の企業が何らかの悪影響を受けている、それを全く販売価格へ転嫁できないような状況も、これが六割ぐらいになっているし、もう対応とすると、皆さんそれぞれ考えていらっしゃるわけですが、諸経費を削減するか、もしくは人件費の、ここでは調整となっていますが、ふえるわけはないわけですから、削減ということしかないわけですね。そのことが、ある意味、雇用労働の状況も悪くする。特に規模の小さい中小企業には、この影響が本当に大きい。また、それがあちらこちらからじわじわと今来ている状況で、いろんな物の値上げにつながってきています。
そういう状況の中で、これから年末を迎えるわけで、都でいえば融資制度、相談制度というのをつくってくださっているというのはわかりますが、融資をしても返せるだろうかというのがありますし、どう相談に行ったらいいのかというふうな、そんな状況で、今、中小企業は大変苦労しているというふうに思います。その意味では、本日は質疑はいたしませんが、ぜひとも総力を挙げて、この原油高の影響ということについて調査、そしてその調査したことを施策、事業に、ぜひとも緊急事業ということで生かしていただきたいというふうに思います。
これもきのうの新聞記事で、トラック野郎を救えということで、国交省がこれから適切なコスト計算をするプログラムをつくって提示するというようなことも記事にありました。国と連携して、あらゆる皆さん、結果的には消費者の皆さんも影響を受けるということですので、このことについてはぜひとも対応方、緊急にできる限りの対応をお願いしたいと申し述べておきます。
本日、質疑させていただくのは、東京の観光についてということでございます。
都では、ことしの三月に東京都観光産業振興プランをつくられました。さまざまな観光施策、ここでいろいろ検討なさっているわけです。五年後の平成二十三年度までに外国人旅行者、ここでは外国人ですね、年間七百万人にまでふやすという目標を掲げていらっしゃいます。
そこで、この外国人旅行者の誘致に向けての取り組みからまずお伺いいたします。
外国の旅行者に対して東京の観光情報、これは私も外に行くときには事前にやっぱり情報が欲しい。行ってからどこに行こうかと決める人は少ないのではないかと思います。旅行前にこうした情報を知りたいというふうに思うのではないかと思います。こうした外国人の旅行者の皆さんに、どんな取り組みを行っていらっしゃいますか。
○中尾根観光部長 平成十七年の国際観光振興機構の調査によりますと、訪日前にインターネットで観光情報を入手した外国人旅行者は全体の六割を超えております。こうした実態を踏まえ、都では、ウエブサイト「東京の観光」を運営し、八言語九種類の多言語により、リアルタイムな観光情報の提供を行っているところでございます。
平成十八年度のアクセス件数は二千六百万件で、対前年比四〇%増となっております。多くの外国人の方々にも利用していただいていると認識しております。
○馬場委員 その情報を得、せっかく出かけるわけですから、目的に沿ってできるだけ有効な情報を欲しいというのが、やはり旅をする人の心理だと思います。インターネットでできるだけ多くの情報を提供することによって、東京の旅を充実し、満喫していただきたいというふうに思っておりますので、この辺はさらに取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
それから、私もいただいたのですが、東京にいらしてから情報提供をするということも必要なんですが、東京にいらした方については、案内マップ、今お話がありましたように、多言語で案内マップもつくられていると伺いました。その辺は、このマップの利用等どうでしょうか。
○中尾根観光部長 都では、旅行者が携帯するのに便利なハンディーガイド、ハンディーマップ、エリアマップを七言語八種類の多言語で、年間合わせて三百万部作成しております。旅行者がハンディーガイドなどを都内各所で手軽に手に入れることができるよう、都庁など都内三カ所の観光情報センターに加え、駅や区市町村、宿泊施設などの既存の窓口を活用した観光案内窓口百五十一カ所で配布しております。
○馬場委員 私も、皆さんがどんなふうに手にしているかなと知りたくて、都庁の来庁者の観光情報センターへ行ってまいりました。そのとき、大江戸線から上がっていったんですが、大江戸線の出口を出ましたら、第一庁舎の通路は通れなくなっていまして、一度外へ出てからまた守衛さんのいらっしゃるところ、北口から入り直して情報センターを見つけたわけですが、観光で、特に外国の方がいらっしゃる場合に、ちょっとそういう意味では新宿からどうなのかなとも思ってみたんですが、都庁の観光情報、羽田は羽田でわかりやすいところにある、上野は上野の駅の構内にあるということで割とわかりやすいというんですが、肝心のこの都庁の場所、観光情報センターが、交通の乗降するところからのアクセスがもう少しわかりやすい方がいいのではないかと思いました。
まずここを訪ねていただいて、こうしたものを利用していただくということになりますので、ぜひとも新宿とか、特に大江戸線都庁前におりてから、観光情報センターがありますよという表示をどこかにぜひしていただきたいというふうに思っております。
それから、このブルーは日本語なんですが、ほかの多言語での外国語でのハンディーガイドの中に、大変コンパクトにいろいろ情報がばあっと入っているのですが、その中に、一つのサービスとして施設の割引というのがここにこうあるんです。これが数えましたら十一枚、切り取って施設に出せば割り引きをしていただけるというような、きめ細かなサービスがついているんですが、アイデアはいいのですが、こうしたものが具体的に利用されているのかどうか。
それから、これは割引した分は多分施設の方で負担をする、都が持つわけはないので、施設の方が負担なさるのかと思いますが、その辺の利用状況等も検証しながらこうした取り組みをすべきというふうに思いますが、この辺の状況はいかがでしょうか。
○中尾根観光部長 平成十八年度のハンディーガイド等の割引券の利用者数は、割引対象となっている三十七施設全体で約二万四千人、対前年比三割増となっております。
なお、割引につきましては、各施設のご協力によってなされているものでございます。さまざまな目的で東京を訪れる外国人旅行者の中でも、特に日本の歴史文化に関心の高い方々が滞在中に東京の美術館や博物館、庭園などを訪れ、割引券を活用されております。
今後も、ハンディーガイド等について積極的にPRを行ってまいります。
○馬場委員 ありがとうございます。
もう一つ、ここにはサービスで、日本の中にも入っているんですが、外国の方のみにガイドつきのコースをつくって、ガイドさんの費用は利用者が払わなければなりませんが、これが十コースでしょうか、利用できるような、そんなサービスもついています。ただ、このサービスは三日前に申し込まないと、ガイドさんの都合がつかないということの理由でしょうか、あります。こうしたことも事前にできるだけ、これをいただいてから、もうあした帰るのにみたいな話になっても大変残念ですので、こうしたいろんなサービスがあるということも、さっきのインターネットも含めてあらゆるところで、せっかくつくったサービスですので、利用していただけるような配慮をぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
また、最後のところで、いろんな団体、交通機関やメトロとか都営交通とかタクシーとかのいろいろな割引サービス等も書かれています。こうしたことも観光に関するいろいろな団体の皆さんと連携して、情報をお互いに共有しながら、都としてどういうサービスをしていけばいいかということを、これからももっともっと追求していっていただきたいというふうに思っているのですが、この三月に出された観光産業振興プランは、そこに基づいて、それから、東京観光財団が具体的には先ほどのパンフレット、それからインターネット等も多分おつくりになっているんだというふうに思いますが、そうした財団さん、さらには旅行業者、旅行業者の皆さんは、皆さんから見ると営業をする人というふうに映るかもしれませんが、やはり生活をかけてというか、必死で旅行業としての観光を頑張っていらっしゃるわけですから、そうした皆さんのニーズをしっかり受けとめて、都として何をすればいいのかということを的確に把握していってほしいですし、さらに、都としてその業界の皆さん、それから財団さん等、あらゆるそういう施設を持っていらっしゃる、経営していらっしゃる皆さん、そうした方とその情報を共有し、さらに都が持っている情報をもっとすべての人に出していく、使っていただくということで、お客さんに喜んでいただける観光都市東京ができるのではないかというふうに思っております。
つまり、アクセス件数二千六百万件というこのインターネットでも、ここの情報を自分で好きなように使えるという条件が欲しいですし、このハンディーマップもある意味、手渡しで、個人の旅行客でなければ本来渡せないものだと。外国人用のものもそうですが、そういう縛りも含めて、もっともっと多くの皆さんに使っていただけるものにしないといけないのではないかと思っております。
ちなみに、このハンディーガイド、ハンディーマップで、どのぐらい費用をかけているんですか、制作費はってお聞きしましたら、約一億円というふうに伺いました。こうしたものが一億円かけて本当に観光客の皆さんに利用していただける、それなりの価値はあると思いますが、さらに、もっとここ、これを利用して、多くの皆さんに喜んでいただける観光事業に、それこそ産業振興、観光の振興だけでなくて産業振興になるというふうに思っています。
その点で、観光部長、ご意見を伺えたらと思います。
○中尾根観光部長 都では、観光事業者や学識経験者等で構成された観光事業審議会や、観光事業者、地域の観光協会などとの定期的な連絡会を通じまして、民間からさまざまなご意見をいただいております。事業を進める上で参考とさせていただいております。
また、旅行業者が旅行商品販売のためにパンフレットを作成し旅行者への情報提供を行うことは、旅行業法上の営業行為に該当するものでございます。したがいまして、旅行者に対して責任あるツアー等を作成するためのパンフレット作成のための情報収集も、旅行業者みずからが旅行者のニーズに合った魅力ある商品開発を行う中で、営業の一環として行うべきであると考えます。
都は今後とも、行政と民間との役割分担を十分に踏まえながら、外国人旅行者のニーズに対応した施策に取り組んでまいります。
○馬場委員 最後に一点お伺いしてよろしいでしょうか。
やはりこうした事業を進めるには、的確な状況を把握するのが大事だというふうに思います。私も改めて調べさせていただきました。東京の旅行客、団体と個人客がどのくらいの割合かと思って、私はもうてっきり団体の方が多いというふうに思ったのですが、国の聞き取り調査からすると、東京の団体客は全体の一七・五%、二割にいかない。八〇%を超して個人旅行者だという調査結果が出ています。東京で実際にそういうイメージが入ってこないのですが、本当に団体から個人旅行へというふうに移っているのでしょうか。
そして、十八年度で四百八十万の外国の方ですか、いらしているという、その中で八割以上が個人客だとすると、四百万人以上が個人客というようなことになるわけですが、そうした皆さんがどんなふうに東京に来られているのかというようなことを、それこそきちんとつかむ。ツアーでなくても何らかの業界の皆さんとかかわりがあるだろうというふうに思っていますので、その辺まず、ふやして、サービスをきちんとするためには、内外の旅行社がどういうことなのか、団体と個人的な旅行がどうなのかということも含めて、ぜひとも細かく調査できれば、お願いをし、そして民間と観光部の皆さんとの連携を、財団も含めてできる限りとって、この観光事業を進めていただきたいと、このことは要望して、終わります。
ありがとうございました。
○小竹委員 私はまず最初に、商店街対策についてお伺いいたします。
「十年後の東京」には商店街対策は全く触れられていません。これまで、ものづくりとともに、商店街は東京の経済を支え、まちの核になってきました。今、東京の商店街は、商店街グランプリに参加する元気な商店街がある一方で、まちづくり三法の改正などによっても、大型店や駅ナカビジネスの影響を受けて、大打撃を受けて商店が減り続けています。商店街が構成できないような状況のところも出てきています。
特に最近では、鉄道の駅を利用した駅ナカビジネスが広がっている状況があり、二十三区ばかりか三多摩でも広がってきています。商店街の営業を一層困難にしている状況です。
主税局は、二百五十平方メートル以上のところに対して、八十五駅、十六施設について、二十二億円の固定資産税の課税を通告しました。こういう点でいっても、商店街対策が非常に重要になっているというふうに思います。このまま放置すれば、商店街がなくなって、地域経済を支えてきたまちの核が、崩壊を招きかねない事態も出てくるというふうに危惧します。
かつては商店街は、商店街の集積の力が土台にあって、商店にお客が集まる状況というのがあったわけですけれども、今はさま変わりしています。その集積そのものが崩れて土台が揺らいでいること、そして集積という点で見たら、やはり資本力のある大型店にはかなわないという事態があります。こういう点で、やはり今、商店街を構成している一軒一軒の商店がどれだけ魅力ある店になるか、元気な店にするかが求められているのではないでしょうか。消費者も、魅力ある店を求めて人が集まるということが調査でも明らかになっています。
私たちは、夏に大阪と愛知県の商店街対策について詳しく聞いて、実際に商店街の取り組みについて学んできました。大阪府では、二〇〇五年二月に、地域で頑張る商店街等いきいきプラン策定会議というのを立ち上げて、商業者だけでなくて消費者も入って検討をして、いろいろな意見が出てきた状況です。
そういう中で、従来の対策よりもっと踏み込んだ形でということで、報告がまとめられました。この報告に基づいて、大阪府では、個々の商店を元気にすることが商店街の活性化につながり、大阪の経済も元気にするという立場に立って、どうしたら個々の商店が元気になるかということを、直接商店街に府の職員が出向く、そして専門家も一緒に出かけていって、区市町村も入って、個々の商店の悩みを聞いて、相談し、知恵も出して、魅力ある店をつくるためにどうしたら、どういう取り組みが求められているかということを、個々に応じて対応が行われています。そういう中で、一店一品運動なども取り組まれているというふうに伺ってまいりました。
東京都内でも、私の住んでいる文京区でも、個々の店がオリジナル商品を開発して購買力を上げている、こういうところも出ています。また、今回、グランプリの活性化部門の優秀賞を受けた谷中の商店街でも、かつて、自分のところにしかない、自分の店にしかないものを開発しようということで、商工会議所とタイアップして勉強会を開いたり、一軒一軒個別に相談して、商店街として、それぞれの店がオリジナル商品を売り出すことができるような状況をつくり出す努力が行われました、というふうに話を伺いました。
そのときに相談に乗った診断士の方は、商売を体験したこともある人で、商売の大変さを知っている経験豊かな人だったから、本当に親身になって相談してもらえたというふうなことをいっておられ、しかし、それを一軒一軒の店が継続してやっていくというのは非常に大変なことだということも、悩みを訴えられました。そういう点から見たときに、商店街や商業者からも、やっぱり熟達した専門家、中小企業診断士の派遣が望まれているというのを私は実感した次第です。
中小企業振興公社に、都の派遣職員や固有職員を含めて、支社の方も含めて、中小企業診断士は三十一人いるというふうに伺っています。そして、これまでの産労局の答弁では、経営相談や診断など、商工指導所の事業を受け継いでいるんだというふうに答えられていますが、七年前まで事業を行っていた商工指導所は、やっぱり都立であって、中小企業のものづくりに対しても、それから商店街に対しても、それを支えていく専門機関として五十人以上の中小企業診断士がいて、訪問や相談や経営支援など、蓄積された経験とノウハウを専門家集団として果たしてきたというふうに思うんです。個々の相談や悩みについても継続して対応していたという、こういう状況がありました。商店街や商店の支援においても、訪問し、ともに相談に乗っていく、こういう体制が必要なのではないでしょうか。そういう点でも、熟達した専門家が今ほど求められているときはないというふうに考えます。
この商工指導所の再建を、商店街も、そして中小企業家団体も、また自治体も求めているという状況です。そういう意味で、熟達した診断士を養成できる、そして有能な人材をきちんと都が確保できる都立の機関として商工指導所を再建する必要があるというふうに考えますが、見解を改めてまたお伺いいたします。
○三枝商工部長 商工指導所の担っておりました機能は、財団法人東京都中小企業振興公社に経営相談等の支援機能を、また産業労働局に調査分析機能をそれぞれ移管いたしまして、これまでどおり都内中小企業を支援してまいります。
○小竹委員 お答えは、経営相談などについては中小企業振興公社で、中小企業の調査分析機能は産労局でって、確かにそういうふうな仕組みになっていますけれども、商工指導所のときに分析された中小企業白書といわれているのは、全国にも誇るべき中身があったわけですよね。今のやっぱり商店街で見たときに、商店街が何を望んでいるのかっていうのを、きちんとそれに対応できる施策を提言していく上でも、私は、都立の機関としてきちんと体制をとっていくことが求められているというふうに思います。商業者の声をつかんで、ぜひ検討、充実されるように、この点は要望しておきます。
引き続いて、都の商店街事業についてお伺いいたしますが、従来、東京都の施策は、商店街に対する事業ということで、商店街の集積力などを支援の対象にしている状況でした。今、消費者が商店街に求めているのは、一つ一つの店が本当に自分の欲しいものがあるかどうかっていうのを求めています。そういう点で見ると、やっぱり魅力ある商店、そして元気な商店、こういうところに人が集まるんじゃないでしょうか。そういう点での発想。
大阪なんかは、さっきいったように踏み込んだ対策ということで、そういう発想になっているんですね。愛知県もそういう話を伺っています。そういう点でいったら、やはり本当に元気、商店街、力を合わせて頑張っているんだけれども、やっぱり本当にお客さんが来るような状況にするという点では、発想の転換が必要なんじゃないかというふうに思うんですね。
そういう意味でいうと、商店街そのものの集積に対する支援の事業と同時に、やっぱり一軒一軒が元気になって人が集まってくるような対策にも東京都が踏み出す必要があるんじゃないかというふうに思うんで、この点について、やっぱり東京都の事業を両立させていく、こういう発想が必要なのではないかというふうに思うんですが、都の方の認識をお伺いいたします。
○三枝商工部長 都では、商店街全体の振興を図る観点から、新・元気を出せ商店街事業を実施してございます。
本事業は、地域に密着した事業でございますことから、区市町村等の連携のもとに、商店街全体の振興を目的として、その意欲的な取り組みを支援するものでございまして、こうした観点から、個店への支援は行ってございません。
なお、私どもでは、進め若手商人育成事業を同時に実施してございまして、例えば、実践的なカリキュラムにより若手商人の経営能力の向上を図る商人大学校等々、支援の事業を実施しているところでございます。
○小竹委員 対策としては、確かに若手商人の事業は私も承知していますけれども、もっとその分野も充実する必要があるというふうに思うんです。従来頑張ってきた人たちがどんな苦労をして、何とか生き延びていこうとしているかということで考えたときに、商店街全体だけの支援策では、もう対応し切れないんですよ。だから、そういう意味で、知恵を出し、そして支える、それから支援する、こういう対策がもうどうしても今欠かせないというふうに私は思っています。
一軒がそれで元気になったら、ほかのところも、では自分も頑張ってみようかというふうな連鎖が出てくるわけですよ。そういうためにも、個店支援をやらないというんじゃなくて、モデル事業として--診断士の方だって、ほかの専門家の方々だって、現場を見て、ここだったらどういうものが合うかっていうふうな知恵が出てくるんだというふうに思うんですね。
大阪の場合も、診断士だけじゃなくて、建築士まで含めて幅広い支援体制をとっているんですよ。そこにどうしても必要な人をすべて配置するという立場でやっています。そういう個店対策をせめてモデル事業で開始していくという、そういう姿勢に立てないでしょうか。
○三枝商工部長 先ほどお話をさせていただきました進め若手商人育成事業の中に、実は商店街パワーアップ作戦というものがございます。この事業によりまして、中小企業診断士を初めとする専門家チームを商店街に派遣いたしまして、経営のアドバイスや商店街の活性化を支援しているところでございます。
○小竹委員 若手の方がその講座に行っている場合には、そういう対象にもなるかなというふうに思うんですけれども、すべての商店街で手を挙げたからといって、対象にはならないというふうに思うんですね。そこの講座へ行ってなければ対象にならないという点では、ぜひほかの自治体での取り組みについても学んで、今の東京の商店街が置かれている深刻な状況の中から、どう打開していくかという点での対策をとっていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
こういう深刻な影響があらゆる形で商店街のところに来ているわけですから、そういう商店街の現状を把握して、商店街の活性化を図るために、現場の声を反映した施策が必要だというふうに思うんです。今、区市町村の商店街振興プランがあるわけですが、実際にそれがどこまでやられているかというのもあるんですけれども、やっぱり現状をきちんと掌握し、そして現場で頑張っておられる方々の声を反映したプランにしていく必要があるというふうに思うんです。こういう点でも、専門家の方々を派遣して、区市町村を支援して振興プランを見直していけるようにしていく必要があるというふうに思いますが、この点についてはいかがですか。
○三枝商工部長 平成十三年四月に発表いたしました区市町村商店街振興プラン策定に関する指針におきまして、区市町村が策定する振興プランの方向性を示したところでございます。
本指針では、区市町村の主体性を最大限尊重するとしておりまして、プランの改定は、策定主体である区市町村みずからの責任において行うべきものでございます。都は、本指針に沿いまして、区市町村のプランに基づいた商店街の具体の取り組みに対して支援を行っているところでございます。
○小竹委員 その後の発展もあるし、十三年から見たら、今もう駅ナカや何かができて、商店街を歩いても本当に寂しくなるような深刻な状況ですよね。お店が空き店舗になって成り立たないような状況もあるわけですから、こういう厳しい状況の中でどう頑張っているのか、そして、そういう方々の声が本当に区市町村の振興プランに反映されているのかどうか。
東京都が支援していく場合にも、これが変わらない限り今の支援の策を変えないということになるわけだから、やっぱりそういう意味でも、どこかから道を開く努力をしていただきたいというふうに思います。
こういう厳しい状況の中で、商店街の皆さんはイベントにも取り組んでいるわけですけれども、イベントをやるときに、イベントには人が集まる、しかし、そのイベントが商売にはなかなかつながらないんだというのを、いろんなところでおっしゃるんですね。やっぱり取り組んでいる方々は、ある意味では家族ぐるみで、お店を閉めてでもそのイベントのお手伝いをするというふうな状況になっていますから、イベントの前後というか、イベントをやることが商売の売り上げにつながっていくような、そういう点で、ぜひ元気出せ事業の補助の枠を拡大してほしいという声が現場から出されています。
その一つに、イベントのチラシですけれども、商店街の売り出し広告をあわせて載せられるように認めてほしいという声が強く出されています。イベントの前後での売り上げにつながるような、そういうものを認めるべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○三枝商工部長 新・元気を出せ商店街事業では、商店街のイベントの全体の効果を高めるためのチラシにつきましては補助対象としているところでございます。
なお、特定の店舗をアピールするような場合につきましては補助の対象とはなってございません。
○小竹委員 そうすると、片面にはイベント事業を載せて、裏面には商店街の売り出し事業を載っける、例えば全体で何割引きとかスタンプラリーとか、そういうのを載っけるのは全く問題ないというふうに理解してよろしいわけですね。
○三枝商工部長 今お尋ねのありました両面の利用でございますけれども、片面にイベントそのものを宣伝するというようなものについて、その裏面に商店街全体のいわゆる大売り出しを載せるようなものについては認めているところでございます。
○小竹委員 わかりました。ぜひそれは大いに奨励していただきたいというふうに思います。
また、イベントのときに使われるはんてんだとかTシャツが、よく共通で、お手伝いする方々が着ているんですけれども、環境を守るというふうなことから考えても、それから、やっぱり今エコがいわれているわけですから、そういう点からいっても、使い捨てにしてしまうというのはもったいないと。洗濯をして翌年にも使えるようにすべきじゃないか。それで、イベントの中身をもっと充実させられるように、お金が使えるようにすべきじゃないかという声も出されています。
私は、そのとおりだなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○三枝商工部長 イベントに対する補助金という性格上、当該事業に係る期間ですとか場所、目的、用途及び経費が限定されるものでございまして、イベント終了後にも継続して利用されるものについては補助対象としてございません。
○小竹委員 補助対象としないということで、だから結局、例えばTシャツなんかは、何回、何年というイベントのあれを書いて、持っていってもらうというふうになっているんだけど、結局、そのときには使うけれども、後々使うということはないし、今の世の中、そんなむだにしていいはずがないじゃないかというのが、関係する方々からの共通した声なんですよ。
はんてんだって、商店街のイベントで共通して使えるようにしておけば、それはもう一回つくったら、それから何年かは使えるわけです。やっぱり補助対象にならないから、では自分たちでやりなさいというふうにいわれても、今の商店街の状況から、出せるところは限られちゃうと思うんですね。
商店街だって、このイベント事業をやるのに三分の一負担しているんですよ。しかも、商店街の皆さんは納税者で税金も納めているわけだし、商売を通じて税金をあれしているわけだから、やっぱりそういう意味でいったら、私は、そういうところに補助をしても決して問題ないというふうに思います。この点については何度いっても、補助対象という枠が押さえられているけれども、そういう点の補助対象の枠を再度検討するということで、ぜひご努力いただきたいというふうに思います。
さらに、この間、何回か出してきましたけれども、イベントは商店街の皆さんが、役員の皆さんなど家族ぐるみで手伝っているのが現状ですよね。それにアルバイトの人、それからお願いをしたボランティアの人など、いろいろお手伝い願っているわけですけれども、商店街の役員をやっている方々の家族は総ぐるみということもあるわけで、例えば息子さんや娘さんなんかの場合には、アルバイト代、友だちと同じように出すというふうなことは、私は認めるべきだというふうに思うんですけれど、この点についてはいかがでしょうか。
○三枝商工部長 新・元気を出せ商店街事業では、事業主体でございます商店街関係者の労務の提供に対する謝礼、アルバイト代は補助対象としてございません。
○小竹委員 一般にアルバイトを頼んでお手伝いをしてもらう人には出ているわけですよね。大体、商店街の友だち関係で手伝いの人を誘っているんですよ。誘った当人だけがもらえないというふうなのは、やっぱりそれは--役員や何かでやっておられる方、私は役員なんかも出したっていいんじゃないかというふうに思いますけれども、せめてそういうところには同じような扱いで、アルバイトだっていう扱いにして出すべきだということを申し上げておきたいと思います。
もう一つ、新・元気出せ事業で行われているオリンピック招致のフラッグ掲出について伺いたいんですが、これについては、どの分野の事業に位置づけられてやっているのか、お伺いします。
○三枝商工部長 オリンピックフラッグの掲出につきましては、新・元気を出せ商店街事業のうちの特定施策推進型商店街事業により支援をしているところでございます。
○小竹委員 新・元気出せの特定施策推進型商店街事業とは、どういう事業を対象にしているのか。
それと、その予算については、全体が二十五億円ですけれども、幾らぐらいになっているのか、お伺いします。
○三枝商工部長 特定施策推進型商店街事業は、防災、治安、環境、福祉、スポーツなど、都の緊急かつ重要な施策の推進に協力して商店街が実施する事業を特別に支援するものでございまして、事業の実施に要する経費の五分の四を、商店街や商店街の連合会に対しまして都が直接補助する事業でございます。
なお、今年度の予算額は四億円でございます。
○小竹委員 細かい事業については述べられませんでしたけれども、オリンピックなんかは知事のトップダウンの事業ですよね。確かに東京都が行う商店街の事業ということですけれども、本当にまちが求めている事業かどうかという点なんかも含めて、私は精査する必要があるというふうに思うんですよね。
いずれにしたって、都側が働きかけるというふうな形です。先ほどから、下から出ているものについてはなかなかこたえてもらえない状況がありながら、こういうものについては、ばっと高い率での補助金にするというのは、私は問題があるなというふうに思います。
オリンピック招致のフラッグ掲出の補助ですけれども、その補助対象と、補助率は先ほど五分の四というふうに伺いましたが、申請件数や全体の経費はどういうふうになっているか、お伺いします。
○三枝商工部長 オリンピックフラッグの掲出につきまして、実績といたしましては、都内百を超える商店街と九つの区の商店街連合会から申請を受けまして、都内全体で約二万三千枚のオリンピックフラッグが掲出されているところでございます。
なお、総体経費につきましては現在調査中でございます。
○小竹委員 今回、オリンピック招致のフラッグ掲出の額については、集計中ということで明らかではありませんけれども、フラッグ一枚が四千円から五千円というふうに伺いました。これだけでも、先ほど二万三千枚ということですから、一億円を超すんですよね。そのほかに、これを掲出するために、高いところなんかはその費用、それからイベント代、こういうものを合わせると一億数千万円にもなるんですね。なるというふうに私は計算したんですけれど、そうなりますよね。
○三枝商工部長 ただいまご質問のございましたフラッグの掲出経費等を含めて、現在、詳細経費は調査中でございます。
○小竹委員 調査中ということですから、はっきりしたあれは伺えませんでしたけれども、単純に計算してやっても一億数千万円にはなるというふうに思います。しかも、元気出せの一番高い補助率ですよね、五分の四というのはね。
その上、伺っているところでは、残りの五分の一はオリンピック招致本部が出すということで、商店街連合会や商店街振興組合や何かから働きかけられたというふうなお話を現場から聞きました。
本当にそういう意味でいうと、全額補助をしてまで商店街にやらせる、こういう知事の意向に沿う事業には手厚く補助をするというのは、私はいかがなものかというふうに考えざるを得ません。今、商店街が一番やってほしい事業、先ほどから現場から出ている声に対しては冷たく、補助基準がというふうなことを含めて冷たく切り離しているわけですよ。そういう点でいったら、まちの皆さんからすれば、イベント事業に取り組んでいるんだから、こういうところの三分の一の負担だって厳しいところも出ているんだから何とかしてほしいという、こういう声にこそこたえていく姿勢が求められているというふうに思います。やり方が逆さまだというふうに思わざるを得ません。
やっぱり商店街の皆さんが自主的に取り組んでいる、そういう事業にこそ手厚く支援をすべきだということを指摘し、改善を求めておきます。
さらに、先ほども最初にいいましたけれども、商店街事業については、東京都の今後の施策である「十年後の東京」には全く触れられていません。今後の事業は、実行プログラムをつくって、「十年後の東京」については優先的にやられるわけですけれども、なぜ商店街対策がここに位置づけられなかったのか、お伺いします。
○三枝商工部長 新・元気を出せ商店街事業を初めとした商店街の振興事業につきましては、「十年後の東京」に掲げられておりませんが、改めて申し上げるまでもなく、商店街の振興につきましては、商工行政の極めて重要な課題と認識しているところでございまして、今後とも支援内容の充実に努めてまいります。
○小竹委員 商工政策の重要な施策というふうに位置づけられましたけれども、今現実に予算編成という点で考えたときには、夏出された二つの依命通達があるわけですよ。この依命通達では、「十年後」の実現に向けた施策の着実な推進と。それで、そういう社会資本のストックの対応などの膨大な財政需要には正面から取り組むというふうなことで、やっぱり「十年後」の施策が一番中心になっているわけですね。
それで、具体的な方針として出されているところに、「十年後の東京」の実現に向けた実行プログラムについては、「十年後の東京」で掲げた目標の着実な推進を図るため、重点事業の検証や新たな施策展開に対する事業の実効性等を十分に踏まえた案を策定し、必要な経費を要求することというふうに書かれ、もう一つの実行プランの策定についての依命通達では、「十年後の東京」実現に向けた政策の、着実かつ迅速に実施するとともに、二〇一六年の東京オリンピックの開催につなげていくため実行プログラムを策定するということで、それを優先にするというか、そこにシフトする予算編成をやることを求めているわけですね。
だから、重要な施策だといっても、やっぱり後景に追いやられていく危険性を持っているという点では、私は重大な問題だというふうに思います。これだけ深刻になっている商店街、まちの核を立て直していくためにも、必死で取り組んでいる商業者の期待にこたえられる、本気でこたえられるような対策が求められているというふうに思います。商店街を立て直していくための新たな対策の取り組みすら、こういう実行プログラムで進んでいくということになれば、厳しい状況に迫られることだってあり得るというふうに思うんですね。
やっぱり都民は、オリンピックより暮らしや営業を守ってほしいということを願っていますから、まちの核である商店街が壊れてしまうことに心を痛めています。何とか打開しなければというふうに考えている、こういう努力にこたえるための支援策、商工政策を担当している産労局としては、やっぱりそこを最優先にする責任があるんじゃないでしょうか。
そういう意味でも、やはり今、一軒一軒の個店に対する支援策など、商店街を元気にする、こういう施策の充実を求めて、商店街対策に対する質問は終わります。
次に、障害者雇用についてお伺いいたします。
東京における民間企業の障害者雇用率は、先ほども発表がありましたけれども、一・四六というふうになりました。しかし、法定雇用率から見ればまだ遠いという状況ですが、この一・四六に押し上げているのは、千人以上の大企業の雇用率が伸びているということであり、特例子会社をつくってグループでの算定ができるという、こういう状況の中で伸びている状況です。
その一方で、かつて障害者の雇用の道を本当に着実に切り開いてきた中小企業、中でも小規模企業などは、営業などが困難になって、障害者を雇うということ自身が困難になっている状況に追い込まれているというふうに思います。法定雇用率を引き上げる上でも、これらの障害者の雇用対策の充実が求められているというふうに思います。障害者の雇用対策を進めていく上では、やはりいろんな障害があるわけで、そういう障害の種類や障害の程度、こういうものに対応した施策が必要になってきているというふうに思うんですね。
そういう点では、今、雇用・就業支援ネットワークというのが区市町村レベルの自治体でつくられたり、都道府県レベルでのネットワークがつくられる、こういう状況が全国的に生まれています。私は、この十月に産労局が入ってつくられた障害者就労支援協議会、この発足が十月にあったわけですが、これが、できればそういうところに発展していってほしいなという期待も一方にはあるんですけれども、今この協議会の役割は何なのか、それからまた、その任期はどうなっているのか、それで、協議会がこういう障害者の雇用や就業支援ネットワークに当たるような組織として発展を考えているのか、この点についてまずはお伺いします。
○松本雇用就業部長 東京都障害者就労支援協議会は、障害者就労の推進に関する関係機関の連携を強化するために、経済団体や企業、障害者就労支援機関等をメンバーとして設置したものでございます。
委員の任期は二年となっております。
また、本協議会は発足したばかりでございまして、今後どのように展開するかについては未定でございます。
○小竹委員 この協議会は、一応二年という任期の中で政策提言をすることになっていますよね。一般的にいうと、こういうものは政策提言をしたら終わりなのかなというふうに考えられるんですけれども、やっぱり東京都段階で障害者とかかわっている労働関係、それから福祉関係、教育関係、そのほか企業も含めて障害者とかかわりがある団体、医療機関も当然入ると思うんですが、そういうところが一堂に会して連携する必要があるというふうに思うんですね。それで、障害者雇用の現状だとか問題点をお互いに共有して、どういう対策をとったらいいのかということを検討する機関としても、ネットワークがあるというふうに思います。
兵庫県のネットワークがすばらしいというふうに伺っているんですけれども、そこはリハビリセンターが核になって、関係機関をネットワークつくって、それで市町村のネットワークとタイアップするような状況になっているというふうに伺っています。そういう点では東京都としても、やはり区市町村レベルであるネットワークを支援していく上でも、都段階のそういうものが必要だというふうに思いますので、ぜひ発展的に検討していただきたいということを、これは要望しておきます。
引き続いてですが、都内の障害者雇用を推進するためには、障害者の雇用率を高めるという点でも、それから都庁内の障害者の就業率を高めるという点でも、障害者就労にかかわる都庁内の関係局の常設の横断的な組織をつくる必要があるというふうに考えるんですが、この点についてはどうですか。
○松本雇用就業部長 障害者の就業支援策の企画、実際の運営等につきましては、都庁内の関係部局間で連携を図っているところでございまして、今後ともこうした関係部局の連携で対応していきたいと考えております。
○小竹委員 連携でということは、要するに、そういう常設の検討機関ではないということですよね。
今回の就労支援協議会では、幾つかの局がかかわって事務局を構成していますけれども、やっぱり今、障害者雇用の状況、都庁内においてだって、私はいろんな問題があるというふうに思うんですね。そういう点では、現状を共有する上でも、それから対策をとる上でも、やっぱりこれは協議機関としてやる必要があるというふうに思うんです。連携といったら、多分、福祉保健局と産労局、それから産労局と教育庁、こういうあれでしかないというふうに思うんで、やっぱり情報を本当に共有できるような組織は、横断的につくらなかったら問題は解決しないというふうに思うんですね。
今回の協議会の構成団体に財務局は入っていないんですよね。財務局でいえば、都庁内のいろんな契約案件に対して障害者雇用率を義務づけるとか、そういうふうなことだってできるわけです。ほかの自治体はもうほとんど条件に入れているんですね。入札の条件に入れているというふうなことも考え合わせると、やっぱり財務局なんかも入った横断的な組織をつくる必要があるというふうに思いますので、これらについては、今後の検討の中でぜひつくっていくように努力をしていただきたいと思います。
今、知的障害者の一般企業への就労が増加していますけれども、まだまだ社会的偏見だとか無理解による差別だとかそういうものが存在して、障害者の方々が一たんは就職したけれども定着できずにやめてしまうというケースもいろいろ聞いています。そういう点でいうと、やっぱり障害者の就業と生活支援を一体にする支援策が必要だというふうに思うんですが、今ある制度として、一つは障害者就業・生活支援センターの事業があります。この役割は何なのか、都内では幾つ設置されているのか、お伺いします。
○松本雇用就業部長 障害者就業・生活支援センターでございますけれども、これは障害者の自立し安定した生活の実現を図るため、就職を希望する障害者等に対して、就業面及び生活面の一体的な支援を行う機関でございます。東京都では現在四カ所設置してございます。
○小竹委員 この広い東京で、しかも東京労働局の発表からいっても、障害者十万人を超えたというふうにいっているわけですよね。身体障害の方でやめるというケースはそんなに多くはないというふうに聞いているんですけれども、知的障害だとか精神障害だとか発達障害だとか、そういう障害の方々は、やっぱり職場の中での人間関係なんかの対応や何かが思うようにいかないということも含めて、先ほどいった偏見だとか差別だけじゃなくて、そういうことも含めて考えたときに、本当にこういう支援て重要なんですよね。それが今四カ所しかないという点では、本当に少な過ぎるというふうに思うんです。
もう一つ、福祉保健局が行っている、これは縦割りだから、あわせて聞くのは難しいというふうにいわれたんですけれども、区市町村の障害者就労支援事業というのがあります。これも同じような生活支援まで含めた一体の支援を行っているところですけれども、この二つを合わせて見ても、決して多くはないわけですよ。
特に三多摩地域で見たときには、やっている自治体そのものが少ないという状況もあるわけですね。こういう点での就労支援、就労を定着していく上でも、一人一人の障害者の方々が自立して生活していく上でも、私はこういう支援施設というのは欠かせないというふうに思うんですが、この就労支援施設について、区市町村の障害者就労支援事業もセンターの増設と同時にあわせてやるべきだというふうに思うんですが、この点についてはどうなっているでしょうか。
○松本雇用就業部長 まず、障害者就業・生活支援センターでございますけれども、これは、本年五月に策定いたしました東京都障害者計画におきまして、平成二十三年度までに設置箇所数を六カ所とすることが計画されております。
なお、区市町村の障害者就労支援事業は、お話のとおり、所管は福祉保健局でございますけれども、こちらにつきましては現在三十六カ所設置されておりまして、これにつきましては、同じ東京都障害者計画におきまして、平成二十三年度までにすべての区市町村で実施することを目指していくこととされております。
○小竹委員 平成二十三年度までにこの就業・生活支援センターは六カ所に、それから区市町村の方は全区市町村にということですけれども、やっぱり障害者の方々を支えていく組織が一日も早く要望にこたえられるようにしなければならないというふうに思うんですね。そういう点でいうと、二十三年というと、まだこれから四年も先ということになりますから、この生活支援センターは国の補助で、基づいてやっているんだけど、東京都として独自に、産業労働局でやっぱりそれなりに必要だというふうに考えて、独自に進めていく必要もあるんじゃないかというふうに思いますので、この点については要望をしておきます。
生活支援もあるかと思うんですが、もう一つ、障害者の就職後の職場定着を図るという上で、援助制度が国の制度で、職場適用援助者、いわゆるジョブコーチといわれる制度がありますけれども、この養成はどういうふうになっていますか。
○松本雇用就業部長 ジョブコーチの養成につきましては、国におきまして、地域障害者職業センターや社会福祉法人等に雇用されて職場定着支援を行う予定の者を対象といたしまして、計二週間程度の養成研修を実施しております。
また、昨年度からは、NPO法人等が厚生労働大臣の指定を受けまして、ジョブコーチの養成研修を実施しております。
○小竹委員 先ほどもありましたけれども、こちらの方も、都内で直接国の研修を受けた方々は三十四人。やっぱり少な過ぎますよね。
私も、先ほどもいいましたけれども、一たん就職したけど、どうしても行けなくて家に閉じこもってしまったということの相談を受けたこともしばしばあるんですね。それから、福祉的な就労をやっている共同作業所だとかそういうところから企業に就職された方が、やっぱり思うようにいかなくて、そういう方々の支援もあるんだけど思うようにいかなくて、閉じこもりになってしまって、作業所にも来ないという深刻なケースもたくさん聞いています。こういう点で考えたときに、やっぱりジョブコーチが一緒にくっついていって、障害者の声も聞き、それから企業主や会社に対してもいろいろアドバイスする、そういう両方を取り持つジョブコーチの役割って非常に重要だというふうに思うんですよね。
先ほど、都として独自に養成するというふうにお答えいただきましたけれども、何人ぐらい当面、養成を考えておられるのか、それも含めてお答えください。
○松本雇用就業部長 先ほどもご答弁いたしましたように、ジョブコーチの拡充についての必要性は感じておりますけれども、現在のところ、何人とかいうような具体的なことまでの検討は進んでおりません。
○小竹委員 必要性は感じているということで、東京都として独自に養成するという姿勢は変わらないわけですね。
私は、やっぱり障害者と一緒にいろいろ支援をしている方々、たくさんいらっしゃると思うんです。そういう方々が正式なジョブコーチになれるようにするという点では、この二週間の研修というのは非常に重要だというふうに思うんです。そういう点では、希望する方々がすべてそういう研修が受けられるように、国のやるのは無料で受けられるということですから、ぜひそういうために東京都として独自の施策を行っていただくように、これも強く要望しておきます。
精神障害者の方々が昨年の四月から雇用率に算定されるようになりました。ハローワークへの求職申し込みも増加しています。しかし、なかなか精神障害者の方々の就労は困難だというふうにいわれています。知的障害にしろ、発達障害にしろ、精神障害にしろ、やっぱり一般就労するまでに職業訓練をするというのは欠かせない中身なんだということを、関係者の方々から伺っています。
小平にある東京障害者校をせんだって見学させていただきましたけれども、本当に障害者の方々が真剣に訓練を受けているという姿に私は感動しました。知的障害者の方々を対象にした実務コースは、毎年、ここ五年ぐらい二倍を超えているんですよね。受験したけれども採用されなかった方々を救済する必要があると思いますので、やっぱりその訓練の場や科目をふやして対応する必要があるというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○小田就業調整・能力開発改革担当部長 本年一月に策定しました第八次職業能力開発計画に基づき、職業能力開発センターにおきましても障害者向けの訓練科目を設定することとしております。
本年度は、城東職業能力開発センター足立校に、知的障害者を対象としました実務作業科を新設したところでございます。
また、企業や社会福祉法人、NPO法人、民間の教育訓練機関等を活用しました委託訓練につきましても充実を図っているところでございます。
○小竹委員 今、元の足立の訓練校と、それから委託訓練というお話がありました。確かに地域ごとにそういう訓練をする場所をつくるというのは、私は重要なことだというふうに思いますし、委託訓練そのものも否定するわけではありませんけれども、やっぱり小平の障害者校は、実務コースでいえば半数の人が入れないわけですよね。ここは国立・都営ですから、国との協議も必要かというふうに思うんですけれども、広い敷地があって、ゆったりしたところで学べるというのは、私、本当に障害者の方々が生き生きとやっていく上でも大事だなというふうに思うんですよ。
そういう点では、やっぱり手厚い訓練が受けられる障害者校でぜひ科目をふやしてやっていただくように、これも強く要望しておきます。
もう一つ、障害者の訓練施設として、新宿戸山町の心身障害者職能開発センターがあります。これは、東京都が独自で行っている職業訓練の施設です。第八次東京都職業能力開発計画を見ますと、ここの機能を見直して、訓練から就業に結びつけるコーディネート機能を担う機関として、障害者の一般就労に向けた相談と支援と、地域の就労支援機関などの関係機関の総合調整などを行うというふうに位置づけていますが、この心身障害者職能開発センターは職業訓練をやめるということなんでしょうか。その点いかがですか。
○松本雇用就業部長 心身障害者職能開発センターにつきましては、ただいまの第八次東京都職業能力開発計画に従いまして機能の見直しを図ってまいります。
○小竹委員 結局、これに沿って見直しをやるということは、要するに職業訓練施設ではなくなるということですよね。
さっきもいったように、知的障害者の方々など、足りないわけです。確かにそれは、個々の訓練校でやることと、委託訓練をやるというふうな状況はありますけれども、やっぱり足りないという点でいえば同じなんですよ。そういう点でいえば、ここも、それこそ全国に誇っているような、東京都が独自にやる訓練機関としてずっと長い歴史をたどってきたわけです。福祉の関係と両方が相対応するような格好で、あそこの心障センターの機能を充実させてきたわけですから、今、訓練が必要な方々が求めているという点でも、やっぱり充実を図るように求めておきたいというふうに思います。
もう一つ、労働資料センターについて私は質問するつもりでしたけれども、時間のことがありますので、意見だけ述べさせていただきたいというふうに思います。
私は昨年、労働資料センターを視察し、全国で唯一しかないといわれている一般の図書館にはない労働問題に特化した貴重な資料やデータ、それから東京の労働運動の歴史資料、都内の労働の実態、こういうものが、いろんな文献を含めて貴重な資料があった労働資料センター、全国に誇っていたわけですけれども、これを利用しているのは労働者だけじゃなくて、企業の方々も利用していました。この蔵書の保存と、それからセンターの存続を私は求めて、昨年の第三回定例会に文書質問をしましたけれども、その後、ことしの予算で、労働資料センターが飯田橋の労働相談情報センターに併設されるということで、一たんは喜んだんです。しかし、あの労働情報センターの資料センターを見て、私はがっかりしました。
このことについては、利用されている方からも出ているんですよ。労働資料センターを残してほしいというふうに訴えていた利用者の方から、あそこの資料を使っていろいろ勉強してきたんだけれども、それを調べようと思って行ったら、資料が全くなくなっちゃった、一体どこへ行ったんだというふうな声が寄せられています。こういう点でも、私は、皆さんの声を本当に生かした施策にしていく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。
現状は、図書コーナーにすぎないような状況に置かれているという点で、全国に誇るべきものであったわけですが、それが全くなくなってしまったという点では、本当に惜しいものがなくなってしまったというふうに思っています。もう処分、先ほど資料で、大量に処分されたというのが報告されたんですけれども、本当にそれを取り戻すことはもうできなくなっているというふうに思うんですね。やっぱり労働運動の歴史の資料だとかそういう資料が散逸するというのは重大な問題なんですよ。
何でこういうふうになったのかといったら、経済効率を……。
○増子委員長 小竹委員、時間が大幅に超過していますから、簡潔にお願いします。
○小竹委員 もう終わりますから。
経済効率の問題がその背景にもあったということを伺って、私、こういうものを経済効率だけで判定する、ほかの施策もそうですけれども、判定するということ自身やっぱり問題があるというふうに思います。
都内の労働者や中小企業の要望にこたえられるように、この労働資料センターの充実をきちんとやっていただくよう求めて、質問を終わります。
○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増子委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十一分散会
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