経済・港湾委員会速記録第十二号

平成十九年十一月二十日(火曜日)
第八委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
副委員長大西由紀子君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長大野 精次君
事業部長荒井  浩君
市場政策担当部長大橋 健治君
参事後藤  明君
新市場担当部長越智 利春君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事河村  茂君
港湾局局長津島 隆一君
技監尾田 俊雄君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長山本  隆君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長小林 敏雄君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
営業担当部長藤原 正久君
港湾整備部長飯尾  豊君
計画調整担当部長山本  浩君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長室星  健君

本日の会議に付した事件
 港湾局関係
事務事業について(質疑)
 中央卸売市場関係
事務事業について(質疑)
報告事項
・豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等について(質疑)
・豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について(説明・質疑)

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の事務事業に対する質疑を行った後、中央卸売市場関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○多羅尾総務部長 十月十六日開催の当委員会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり、八項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、外航定期船の主要航路別寄港船舶数の推移でございます。平成九年から十八年までの十年間に東京港に寄港した外航定期船を航路別に隻数でお示ししたものでございます。詳細はごらん願います。
 二ページをお開き願います。2、内貿ふ頭別の主な補修実績と今後の計画でございます。平成十六年度から十九年度までの各年度における内貿ふ頭の主な補修内容と平成二十年度以降の補修予定をお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 三ページをお開き願います。3、港湾局所管施設でのアスベスト対策の状況でございます。一番左の欄に、平成十八年度末時点におけるアスベスト対策必要施設数を示してございます。その内訳といたしまして、左側から二番目の欄から、平成十八年度までの対策完了施設数、平成十九年度対策実施予定施設数、平成二十年度以降対策実施予定施設数を順にお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 四ページをお開き願います。4、公社が管理しているふ頭施設の利用状況(平成十九年度)でございます。財団法人東京港埠頭公社が管理するふ頭施設である、(1)、外貿コンテナふ頭、(2)、お台場ライナーふ頭、(3)、フェリーターミナル、それぞれにつきまして施設の概要及び利用状況をお示ししたものでございます。詳細はごらん願います。
 五ページをお開き願います。5、東京臨海ホールディングスの損益計画でございます。(1)に、株式会社東京臨海ホールディングス、東京臨海熱供給株式会社、株式会社ゆりかもめ及び株式会社東京テレポートセンターの四社の連結予定損益計算書を百万円単位でお示ししてございます。(2)に、株式会社東京臨海ホールディングスの単体予定損益計算書を百万円単位でお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 六ページをお開き願います。6、東京臨海ホールディングスグループ(参加予定の財団法人東京港埠頭公社を含む)へ委託している事業及び指定管理者制度による事業一覧(平成十八年度実績)でございます。(1)に、東京臨海ホールディングスグループへの委託事業として、委託事業名及び委託先をお示ししてございます。(2)に、東京臨海ホールディングスグループが構成員として含まれる指定管理者の事業として、その管理の対象となる公の施設の名称及び指定管理者の名称をお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 七ページをお開き願います。7、臨海関係第三セクターの入居率の推移でございます。平成十年度から十八年度までの各年度末における臨海関係第三セクターのビルごとの入居率をお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 八ページをお開き願います。8、臨海副都心における土地の長期貸付、売却等の推移でございます。1は、長期貸付につきまして、表頭にございますとおり、地区、区画、契約年月日、面積及び処分先を時系列に記載したものでございます。ページをおめくりいただきまして、九ページから一〇ページまでに、2、底地売却、3、売却、4、交換、5、現物出資、6、暫定利用につきまして同様にお示ししてございます。詳細はごらん願います。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○米沢委員 それでは、私から、臨海副都心の開発につきましてお尋ねいたします。
 臨海副都心の開発は、ことしで着手してから十九年、土地処分、着実に進んでおるわけでありますが、その中から、「ゆりかもめ」の豊洲への延伸、あるいは晴海通りの全線開通など、交通の利便性も大変飛躍的に向上するなど、開発が着々と進んでおるわけであります。
 今後は、平成二十七年のまちの概成に向けまして、開発を総仕上げする時期であるというふうに思っております。この実現のためには、これを支える財政基盤がしっかりとしていることが極めて重要であると思うわけであります。
 そこで、私は、臨海副都心開発にかかわる財政基盤についてお伺いしたいと思うんです。
 東京都は平成十八年三月に「財政基盤強化プランの更なる取組み」を発表いたしました。財政基盤の一層の強化による都債の確実な償還に向けて、さまざまな取り組みを明らかにしたわけであります。その中では、平成十六年度末で千四百五十億円の内部留保金を活用し、都市基盤施設整備にかかわる都債約五千二百億円につきまして、十七年度から新たなる借りかえをせずに償還を開始し、これにより、まちの概成前である平成二十六年度までに都債の償還を達成するとともに、新たな金利負担を回避するということをいっております。
 そこでお伺いいたしますが、都債を幾ら償還し、その影響として、今後の都債の償還に向けて重要な役割を果たす内部留保金は一体幾らになっているのか、また、その状況、どのように償還をなさっているのか、お聞かせ願いたいと思います。

○小林臨海開発部長 平成十七、十八年度は、新たな起債の発行を抑制し、約八百億円の都債を償還しております。一方、内部留保金は、平成十八年度末現在、約千七百億円を確保してございます。
 このように、都債を償還した上で、平成十六年度末と比べ内部留保金が増加しているのは、土地処分が確実に進んだことなどにより、会計上、一定の収入を確保できた結果であると考えております。

○米沢委員 「財政基盤強化プランの更なる取組み」を踏まえまして、新たな起債の発行を抑制し、なおかつ都債の償還を進めながら、平成十六年度と比べて内部留保金も増加しており、財政基盤が強化されつつあるという状況は一応わかりました。
 しかしながら、今後、平成二十一年度、二十二年度には、二年間で二千四百億円に及ぶ大量の都債を償還するピークを迎えるわけであります。そこで、都債の大量償還の時期を迎えるに当たりまして都としてはどのような見通しを持っているのか、詳細にお伺いいたしたいと思います。ご説明願います。

○小林臨海開発部長 臨海副都心の土地処分については、都心部における活発な不動産取引を背景に、着実に進出事業者が決定するとともに、現在公募中の区画についても、さまざまな事業者からの問い合わせや相談があり、処分に向けて強い手ごたえを感じており、既に処分が確定しているもの、近々中に処分の確定の見込まれるものだけでも、二千億円を超える収入がございます。
 こうした土地処分による収入確保や新たな起債の抑制などの取り組みを着実に進め、開発を支える財政基盤を万全なものとするとともに、今後の都債償還を確実に実施してまいります。

○米沢委員 土地処分の促進を図るとともに、十八年三月の取り組み策に従って都債の償還を進めるとともに、財政基盤の強化を図り、引き続き臨海副都心開発を、総仕上げに向けて着実に行っていただきたいということを心からお願いいたします。
 次に、東京港についてお伺いします。
 東京港の国際競争力の強化が叫ばれてから長いこと時間がたっておりますが、例えば二〇〇六年のコンテナ貨物の取り扱いについては、東京港はたしか世界で二十三位にすぎなかったんですが、一九九五年には十二位であったことと比べますと、その地位が低下しているといった議論が大変出ております。
 まことに重要であるのは、海上輸送の動脈である基幹航路が東京港を経由するということであります。例えば、香港を経由して貨物が輸入される場合には、輸送日数が約二日程度ふえるといわれております。輸送コストが一・三から一・六倍になるとの試算もあるわけでありますが、物価上昇が懸念され、都民生活に多大な影響が出るわけであります。
 国土交通省の調べによりますと、積みかえをされて東京港に輸入される貨物、すなわちフィーダー貨物の全貨物に対する割合は、一九九五年には二・一%だったのが、二〇〇五年には八・八%にまで上昇しているといわれております。私は、この点で東京港の国際競争力の低下が認められると考えております。
 そこで、こういった東京港の国際競争力の低下を踏まえて、今後の国際競争力強化に向けての取り組み方について、お伺いいたしたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 東京港の国際競争力強化についてでありますが、首都圏四千万人の生活と産業を支え、メーンポートとしての役割を果たしていくためには、基幹航路を維持拡大していくことが重要であることは、米沢委員がご指摘のとおりでございます。
 最近のコンテナ船大型化への対応などハード面での課題、それから一層の効率化が求められている中で、アジア諸港に比べますと、釜山港や台湾の高雄港よりも港湾コストが割高であり、輸入貨物が入港してから引き出されるまでの時間、いわゆるリードタイムがシンガポールなどと比べまして長いなど、ソフト面での対応、対策が十分ではないことが国際競争力低下の要因として挙げられているところでございます。
 都としても、外貿コンテナの大井、青海、中央防波堤外側地区といった三極体制の構築やスーパー中枢港湾の取り組みなどによりまして、コスト削減と効率化を進め、平成十四年以降コンテナ貨物量が一貫して増加するなど、一定の成果を上げてきたものと考えてございます。
 今後は、これまでの取り組みを一層強化していくとともに、背後用地をも含む港湾施設の充実、公共ふ頭の管理を民営化された公社に一元化することなどによるターミナル運営の高度化を図ってまいります。加えまして、東京湾全体を視野に入れまして、京浜三港広域連携協議会を活性化いたしまして、民営化された公社をも活用しつつ、国際競争力の強化に努めてまいります。

○米沢委員 東京港の貿易の動向を見てみますと、十八年度の実績では輸入が二千八百万トン、輸出が千七百万トンであると聞いております。聞くところでは、輸入と輸出の比率はおおむね三対二で推移してきているということでありますが、外貿貨物の九割以上がコンテナ貨物であることを考えますと、輸入超過であることは、それらのコンテナが東京港に残されるということであって、その結果、ヤードが逼迫しますよね。そうしますと港湾施設の対応能力を減じる、そういう結果が出てくると思います。
 輸出入のバランスがとれた東京港をつくっていくことは、国際競争力の強化にもつながっていくと思います。都を挙げて圏央道や外環道の整備など、道路ネットワークの拡充が図られており、東京港の背後圏が将来的にも拡大することが見込まれておると思いますが、そこで、このような内陸の物流圏の拡大をとらえまして、輸出貨物の誘致を積極的に展開しなきゃならないと思うんですが、その点はいかがでしょうか。お伺いいたします。

○小宮港湾経営改革担当部長 輸出貨物の誘致についてでございますが、道路網の整備が着々と進む中で東京港の背後圏が拡大していることは、ご指摘のとおりでございます。
 例えば、東京港から輸出されるコンテナ貨物がどこから出荷されたかを、一九九五年と二〇〇五年について都県別の構成比を見てみますと、東京は四〇・八%から三〇・二%に、千葉は一九・一%から七・〇%になるなど、近県はその割合を減少させる一方で、茨城は七・二%から二七・一%、それから栃木県は四・一%から一〇・一%に、福島はほぼゼロ%だったところが三・七%にと、北関東、それから南東北からの割合は着実にふえております。
 このようなことから考えますと、都としては、内陸部における生産や物の流れに視野を広げまして今後の港湾経営を考えていく必要があろうと考えております。
 また、物流の根幹を担うのは陸運や鉄道事業者、それから倉庫事業者といった民間事業者であることから、これら事業者との連携も強化する必要があろうかと存じます。
 これまでも、船の定時性、それから航路の多頻度性といった東京港の強みを生かしながら、輸出貨物の誘致活動を行ってまいりましたが、ご指摘の点も踏まえまして、また、民間事業者とも一体となって、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

○米沢委員 また、港湾管理者である都と並びまして東京港における重要な役割を果たしているのが東京港埠頭公社であります。埠頭公社は、大井、青海という外貿の主力を担うコンテナふ頭を管理し、その取り扱いは東京港における外貿貨物の七割以上であると聞いております。また、今後の公共コンテナふ頭の管理運営も担っていくということでありますが、その場合には、その割合は九割以上に上がっていくように仄聞しております。民営化された公社を今後とも積極的に、かつ有効に活用していくことが大変重要ではないかと思います。一方、都の事業の重複を排除し、都と公社の総体として最適な体制をつくっていくべきだと思うわけであります。
 そこでお尋ねいたしますが、都と民営化された公社との役割分担について、検討状況といいますか、どのようになっているのか、お伺いいたしたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 都と民営化された公社との役割分担についてでございますが、埠頭公社は民営化し、これまで実施してまいりました外貿コンテナふ頭の運営、整備などの事業に加えまして、会社としての公共性は維持しながら、出資等により段階的に事業拡大していくこととしております。将来的には、東京港における国際物流の中枢企業としての役割を果たしていくものと期待しております。
 そのような中で、都と民営化された公社が適切に役割分担を行いまして、国際競争力強化に向けて強力な体制を築いていくことが重要と認識しております。現在、都は全体のインフラ整備や広域連携、それから防災など、港全体の管理運営を行いまして、一方、埠頭公社は船社誘致や荷役機器の整備など、実際のふ頭運営を担っているところでございます。
 公社民営化後も基本的な役割は変わるものではございませんが、民営化による経営の効率化、運営の専門性の向上などが期待されまして、また、公社・公共ふ頭の管理一元化により、都が全体の管理運営により力を注ぐことができるようになるという効果も見込まれます。
 都と公社のそれぞれの役割を強化するという観点から、港湾管理者としての港湾局の担うべき役割、事務所も含めました組織のあり方について検討しているところでございます。

○米沢委員 組織改正に当たっては、港の防災機能の向上や、あるいは今後の整備のあり方など、さまざまな観点から検討がなされるものと考えておりますが、事業の遅滞を招くことなくスムーズに移行するよう要望いたします。
 次に、東京港における海岸保全事業についてお尋ねいたします。
 東京港の臨海部は、背後にいわゆる江東区を中心とするゼロメートル地帯を抱えております。したがって、高潮の脅威にいつもさらされているわけでありますが、私の地元、江東区では、過去にたびたび高潮による被害をこうむってきた歴史があります。特に昭和二十四年のキティ台風は、東部の低地帯には重大な、甚大な被害をもたらしました。私自身も、当時の記憶が今も鮮明に残っているわけであります。
 東京都では、キティ台風以降、整備区域を広げまして、本格的な高潮対策に取り組んできたところでありますが、臨海部には液状化の危険のある箇所が今もって存在するほか、老朽化した護岸も少なからず見られます。これに対する対策が急務になっているわけでありますが、そこでまず、いわゆるゼロメートル地帯における高潮対策の状況についてお伺いいたしたいと思います。

○飯尾港湾整備部長 いわゆるゼロメートル地帯の高潮対策施設でございますけれども、第一線で高潮を防御するための外郭施設といたしまして、防潮堤七キロメートル、水門五カ所が整備されてございます。また、この外郭施設の内側の内部護岸が十八キロメートル。また、この外郭施設、内部護岸に囲まれました水面に流れ込みました雨水を排除いたします排水機場が二カ所整備されているところでございます。外郭施設につきましてはすべて完成しておりますので、伊勢湾台風級の高潮に対する安全性は確保されているところでございます。
 しかしながら、委員ご指摘のとおり、液状化のおそれのある箇所、あるいは整備後四十年以上経過してございまして、そういう老朽化している施設も少なくないということでございまして、今後、耐震対策や老朽化対策が必要な外郭施設は、防潮堤約一キロ、内部護岸約十一キロメートル、水門二カ所、排水機場一カ所でございまして、鋭意対策を進めているところでございます。特にゼロメートル地帯につきましては、浸水危険度が高い地域でございますため、重点的に整備を実施しております。

○米沢委員 海岸の保全施設の耐震対策、老朽化対策のスピードアップを図るために、港湾局では本年の三月に東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定したと聞いております。したがって、本計画のねらいとポイントについてお伺いいたします。

○飯尾港湾整備部長 東京港海岸保全施設緊急整備計画でございますけれども、緊急性を要します既存施設の耐震、老朽化対策を集中的に行いまして、高潮からの安全性を高めることを目的として策定したものでございます。
 この計画では、従来のペースで整備をいたしますと二十五年要するところを、おおむね十年に短縮いたしまして、平成二十七年度を目標に対策を完成させることといたしてございます。特に、被災すると大きな被害を及ぼします外郭施設でございます防潮堤と水門につきましては、耐震対策を優先的に実施いたしまして、今後五年間ですべて完了させる予定としてございます。
 この計画の実現によりまして、首都直下地震等に対します被災リスクを大幅に軽減させることができると考えてございます。

○米沢委員 高潮対策は、ただいま答弁にもありましたように、耐震対策や老朽化対策などハードの整備ももちろん必要でありますが、それらの施設を確実に運用するためには、やはり水門の操作を行う遠隔監視といいますか、あるいは制御システムの適切な運用、あるいは休日だとか夜間も含めて、いざというときに必要な人員を速やかに現場に確保する体制などのソフトの対策も欠かせないわけであります。
 また、港湾局では、二十年度に向けて、高潮対策を担当する東京港防災事務所を含め、事業所組織の再編を検討しているとのことでありますが、これによって高潮対策がいささかなりとも弱体化することのないように。弱体化するようなことがあってはならないわけであります。
 そこで、最後にお伺いしますが、今後の高潮対策の取り組み姿勢について、これは改めて局長さんから決意をお聞かせ願いたいと思います。

○津島港湾局長 区部の東部低地帯でございますけれども、先生お話しのキティ台風当時と比べまして、はるかに多くの人口と産業が集中しまして、特に満潮水位以下のいわゆるゼロメートル地帯には約百五十万人もの都民が生活をしているなど、都市化が進んでおりまして、一たび高潮が襲いますと、当時とは比べものにならないほど甚大な被害をこうむることが懸念されるわけでございます。
 このため、昨年度、東京港海岸保全施設緊急整備計画を策定いたしまして、これに基づき財源確保を図り、海岸保全施設の整備を着実に進めていくこととしております。
 今回の事業所再編は、防災事務所、それから管理事務所、建設事務所の三つの事業所でございますけれども、この再編は、東京港の臨海地域を一体的なエリアとして開発、運営するために、事業所を機能別に、管理、保守を中心にする部門と整備を中心にする部門の二つの部門に再編し、執行体制を強化するものでございまして、いざというときの迅速な対応にも十分確保できることを目指しております。
 また、安全性、確実性をより一層高めるために、水門の遠隔監視、遠隔制御システム、こういったシステムの再構築にも向けて検討を行っているところでございます。
 首都東京の社会経済活動を支えていくためには、東京港の物流機能の充実強化だけでなく、都民の生命、財産を守り、安心・安全な東京を実現していくことが不可欠でございます。高潮・防災対策が、私ども港湾局の重要な使命の一つであると考えております。引き続き万全の体制をもって取り組んでまいります。

○岡崎委員 時は金なりということで、質問で、若干観点は違うんですが、ダブるところもございますので、簡潔明瞭にお伺いしたいと思いますし、一部割愛いたしますから、よろしく。
 まず、東京港の、先ほどの高潮対策なんですけれども、世界史的な大事件といわれた関東大震災を上回る規模での直下型地震が起きるのではないか、切迫しているのではないかというふうなことがいわれておりまして、海岸保全施設の耐震対策あるいは老朽化対策は喫緊の課題であります。先ほどご答弁がありましたが、伊勢湾台風並みの高潮からの安全性は何とか確保されているということでもありますし、老朽化している施設についても頑張って直すし、特に重要な防潮堤と水門については今後五年間で完了させるというふうなことで、私も同じようなこと、同じような答弁を期待しておりましたので、ぜひとも頑張っていただきたいと思いますが、同時に、耐震基準というのは、大きな地震があるたびに変わってまいりますので、それらに合わせた対応、順次更新をしていくたびに、順次見直しをしていっていただきたいと思うし、技術も開発されていきますから、それに合わせてより水準の高いものをつくっていっていただきたい。これは要望しておきます。
 次に、公社民営化と他港との連携について、これも一部ダブるわけでありますけれども、観点は若干違いますが、いずれにしても、アジア諸港の躍進は大変に著しいわけですね。圧倒的な貨物量を背景に、大規模港湾の建設、供用も相次いでおりまして、外国貿易コンテナ貨物の取扱個数においても、成長著しい上海港や深セン港などはおよそ二千万TEUを取り扱い、釜山港においても徐々に貨物量を伸ばし、一千二百万TEUを扱うまでになっております。一方、東京港は三百七十万TEUであります。これはコンテナの単位ですね。港の性格が異なるために、一概にこの数値で比較することはできませんけれども、アジア主要港が取扱量を大きく伸ばしていることは事実であります。
 こうした状況の中で日本港湾が競争に打ち勝つためには、港湾間の連携を強化して対抗していくことが必要であると思いますし、さらに、現在、東京港が取り組んでいる近隣港との連携、特にスーパー中枢港湾にも指定された京浜港という地域において物流ネットワークの構築も、先ほどもご答弁がありましたけれども、大いに工夫をして、順次大規模な形で展開をしていっていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、先ほどの部分はご答弁もございましたので、次に移りまして、民営化後の公社を活用するということは、港湾の広域連携を進めていくためにどのようなメリットがあるのか、お伺いしたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 公社民営化の、広域連携に向けてのそういう側面でのメリットについてでございますが、公社はこれまでも、東京都と一体となりまして京浜港での物流ネットワークの構築に取り組んでまいりました。
 公社民営化のメリットでありますが、第一に、国の認可など規制の多い現行制度から、より柔軟な対応が可能な体制に移行することで、経営の自由度が増しまして、一層の企業性の発揮が可能となります。また、第二に、出資等が可能になることで、段階的に港湾関連分野の事業拡大、それから多角化ができることになります。
 こうした民営化後の公社のメリットを生かしまして、京浜港内での連携など、広域的な物流効率化を視野に行動してまいりたいと存じます。

○岡崎委員 民営化することによって、例えば、ここから向こうの区域は神奈川県だとか、あるいは川崎市だとか横浜だとか、あるいはここからこっちは東京都だとか、こっちは千葉県だとかいうようないわゆる自治体間の枠を超えた連携を図っていただいて、アジア諸港との競争にも打ち勝っていくような工夫も大いに頑張っていただきたいというふうに要望しておきます。
 最後に、海の森。
 実は私どもは、あした視察に行くんですけれども、アクセスが大変脆弱でありますね。大田区の地先にも埋立地がありまして、いろいろと都民の生活に必要な施設が幾つもあるんです。公園も、野鳥公園を初めいろんな公園がいっぱいあるんですけれども、ほとんど車でしか行けないですね。自転車で行けないことはないんですけれども、なかなか困難。さらに、海の森が利用できるようになるのは大分先ですけれども、そこに行くのにも、ただでさえ大田区の地先に行くのに大変困難で、そのさらに地先に行くのに、内陸部からは極めて困難ですね。反対側からも物すごく行きづらい。
 こういうものは社会の変化に伴って、つまり高齢化社会がどんどん進んでいって、おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんが一緒に遊びに行くだとか、そういう機会がなかなか少ない中で、そういうことにも使われなくてはいけないような施設だろうと思うわけですけれども、路線バスを誘致しても採算が難しいんじゃないかと思ったりするわけでありますが、この海の森への足の確保についてはどのように考えているのかお伺いして、質問を終わります。

○小林臨海開発部長 現在、中央防波堤内側埋立地への公共交通機関といたしましては、東京テレポート駅から最寄りの環境局中防合同庁舎前まで都営バスが運行されております。
 今後、公園の供用開始に合わせまして、休日や日曜日などの増便、海の森公園へのバスルートの延長を要請してまいります。また、平成二十二年度完成予定の東京港臨海道路第二工区の開通により、新たな交通ルートが生まれるということでございますので、これらを含め多様なアクセス方法を検討し、交通事業者へも働きかけてまいります。

○木内委員 港湾局の主要事業のうち、東京港の経営と臨海副都心開発について総括的な質疑を行ってまいりたいと思います。
 まず、港湾機能の今日的課題と東京港の今後のあるべき姿ということを視野に入れてお尋ねをするわけでありますけれども、現在、国際物流を担う航空輸送と海上輸送の役割分担がどうなっているのか、過去から現在に至る状況について認識を伺います。

○江津港湾経営部長 二〇〇四年、平成十六年でございますが、我が国の輸出入の合計である貿易量は、財務省の貿易統計によりますと、トン数ベースで約十億トン、金額ベースでは約百十兆円でございます。このうち、海上輸送はトン数ベースで九九・七%、金額ベースで六九・三%となっております。一方、一九八〇年、昭和五十五年でございますけれども、この当時は、海上輸送がトン数ベースで九九・九%、金額ベースで九一・五%でございました。
 こうしたことと比べますと、航空輸送が大きく伸びてはいるものの、海上輸送が依然として中心的役割を占めておるというふうにいえます。急ぎの貨物や、高い運賃でも見合うようないわゆる高付加価値商品につきましては航空輸送が利用されるケースが多うございますけれども、衣食住や産業経済を支えるさまざまな物資のほとんどは海上輸送に依存しております。

○木内委員 印象として、航空輸送というものが非常に充実しているというものがあるんですが、こうして具体的な数字を挙げてお聞きいたしますと、海上輸送の役割というのは極めて大きいということが確認できるわけであります。とりわけ、海上輸送の特徴でございます安価で大量に安定的に輸送ができるというメリットは、今後とも、航空機輸送に大きくまさるものと私は考えておりまして、国際海上輸送の重要性は、高まることはあっても低下することは決してない、こう考えるわけであります。したがって、東京港の機能等の充実が今、喫緊の課題である、こう申し上げたいのであります。
 そこで伺うわけでありますが、国際海上輸送も、船会社の間で、コスト、サービスの両面で熾烈な競争が展開されておりますし、東南アジアの諸港との比較は、先ほど米沢委員との質疑の中で明らかになったところでありますけれども、さて、最近の異常な原油高というものがコンテナ船の運航などに与える影響は少なくないと思うわけでありまして、近年の国際海上輸送の特徴とあわせて、今後の動向予測についてお尋ねします。

○江津港湾経営部長 国際海上輸送の特徴等でございますが、従来、荷主は、運搬や流通加工といった各種のサービスを個別の事業者に委託しておりましたが、近年の国際物流におきましては、各種サービスを一事業者が一括して荷主に提供するという、ドア・ツー・ドアの一貫した総合サービスが増加してまいりました。このため、外貿定期船におきましては、効率性や貨物の安全性などの点で優位にあるコンテナ輸送が圧倒的になってきております。
 最近では、スケールメリットを生かし一層のコスト削減を図るために、コンテナ船の大型化が急速に進められております。具体的には、二十フィートコンテナを八千個以上積載できる大型船が、アジア、欧州間の基幹航路に多く投入されてきておりまして、今後もこの傾向は続くものと思われます。

○木内委員 今、るる説明いただいて、今後の傾向というものが明らかになったわけでありまして、これを踏まえての港湾機能の充実が必要であるということでありますが、一方、国際海上物流を考える上で、世界的な視点で、生産と消費の関係を国際的なステージの中でも考えておく必要があるだろうと思うわけであります。
 国際分業が進展してきている今日、特に中国、インドを初めとしたアジア地域が、世界のものづくりといいますか、世界の工場といわれるようになってきている。常に東京港の港湾の置かれる立場というものを考えますと、東南アジアの諸港との比較ということになるわけですが、物流全体の実態の中でどうとらえるべきかということも重要な課題であります。
 そこで、国際分業の現状を踏まえまして、日本とアジアの間の貨物の流れについてはどう認識されていますか。

○江津港湾経営部長 アジア諸国の技術力の成長によりまして、日本に生産を依存していた一般製品について、アジア諸国が自国で生産できるようになりました。この結果、まず製品の付加価値によって、例えば高級品については日本で、一般品についてはアジアの諸国でといった、それぞれ一国内で一貫生産を行うという分業が見られるようになってきました。
 この結果、アジア、日本間で、双方向での製品の動きがふえてきております。また、生産に当たり高度な技術を要する部品や加工品を日本国内で生産し、アジア諸国ではローテクによる部品、加工品製造と組み立てを行うという分業も進展してきておりまして、この結果、部品や加工品などの荷動きが増加するとともに、貨物自体も小口化してきております。このような国際分業体制の進展を背景として、アジア諸港からの貨物は大きく伸びてきております。

○木内委員 答弁で、国際海上物流や、その前提となる物の生産や貨物の流れが常に変化をしているということがよく理解できるわけでありまして、このことを前提に、具体的に東京港整備ということについて目を向けてまいりたいわけでありますけれども、アジア諸港からの輸入貨物が大きく伸びてきておりまして、東京港のコンテナ取扱量は、さっき、関連の質疑もありましたけれども、スーパー中枢港湾に指定された平成十六年には、二十一年に三百四十万から三百六十万TEUを見込んでいた、こういうふうに仄聞しているわけでありますが、平成十八年には三百七十万TEUと、既にこの数字を上回っているわけであります。アジア貨物の急増の裏返しとして、道路渋滞など、背後地域への負荷が大きくなっている状況があるわけでありまして、私は実はいろいろな場でもって、この課題の解決ということを強く訴えてきたところでございます。
 そこで、具体的に、外貿コンテナふ頭の中核である大井地区について、例えば渋滞解消対策を具体的に進めるべきであるということも申し上げてきたわけでありますけれども、この具体的進捗についてお尋ねしたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 大井地区におきます渋滞解消対策についてでございますが、これまでコンテナターミナル内に車両待機場を設けまして、また、既存道路を活用したコンテナ車の専用レーンを平成十七年度に新設するとともに、さらに、背後道路の主要な地点三箇所にウエブカメラを設置いたしまして、渋滞情報の提供などを実施しているところでございます。このような取り組みによりまして、一般車両の通行への影響は大幅に低下したものと存じます。
 しかし、専用レーンからターミナルへの進入の円滑化、あるいは新たなターミナルからの退出動線の確保など、さらに取り組むべき課題もございます。今後とも、ターミナル事業者や物流関係者と連携いたしまして、渋滞の解消に適切に対応してまいりたいと存じます。

○木内委員 しっかり私は訴えてまいりました。それを施策に反映して、具体的にまた実施されているということは、まことに多とするものでありますけれども、まだまだ課題は多いわけでございます。特に東京港は市街地と極めて近接をしておりますことから、道路渋滞は都民生活に大きな影響を与えるわけでありまして、さらに積極的な取り組みをこの場で強く要請しておきたいと思います。
 ところで、現在、東京港は、スーパー中枢港湾政策の取り組みとして、リードタイム、すなわち輸入貨物の入港から取引、引き取りまでの時間の短縮に取り組んでいるのであります。今申し上げた道路渋滞の解消もそれに寄与するわけでありますけれども、さらに、ふ頭運営の一層の効率化も図っていく必要があります。
 私の聞いているところでは、東京港のガントリークレーンは、一時間に一機当たりおおよそ三十個から四十個のコンテナを荷役できるとのことでありまして、これを例えばシンガポールなんかと比較してみますと、二十個程度といわれておりまして、荷役効率では世界最高水準でありまして、関係の港運業者の方との懇談の中でも、このことは実は胸を張って私に伝えてくれたようなことが印象的でございました。
 いわゆるヒューマンパワーが秀でているのが東京港の特徴ではないかと思うわけでありますけども、荷役そのものは効率が高いとはいうものの、国際競争力強化のためには、さらにこうしたことも含めて、ふ頭運営の効率化というものが求められるわけでありまして、これも精力的な取り組みを要請したいところでありますが、お答え願います。

○小宮港湾経営改革担当部長 ふ頭運営の効率化についてでございますが、木内委員ご指摘のとおり、日本のオペレーターの技術水準はとても高くて、ガントリークレーンの荷役効率は極めて高いものがございます。こうしたことに加えまして、ゲート作業の共同化や岸壁の相互利用など、ふ頭運営の効率化に取り組んでまいりました。
 しかしながら、輸入貨物が急増している現状におきましては、ヤードにコンテナが積み上げられまして、下の方のコンテナを搬出するための積み直し作業が必要となることから、引き取りのトラックへの荷積みに時間を要する事態となってございます。また、空になったコンテナ、いわゆる空バンがふえておりまして、ヤード逼迫の大きな原因ともなってございます。
 今後も、ふ頭の背後用地の確保に努めるなど、ふ頭運営の一層の効率化を図ってまいりたいと存じます。

○木内委員 港湾関係業者の方々の大変なご努力と、東京都港湾局との協議によって、この分野へのさまざまな解決策が講じられているわけでありますが、特にさっきから議論をいたしております港湾業務の拡大と充実、世界の流れの中で今なお極めて不十分だということが指摘できるわけであります。今後さらに取り組みをお願いしたいわけでありまして、例えば、協力をいただいている港運業者の方々がどんなに努力をしても、やはりまた行政の角度からその解決に向けての支援策がなければ、なかなか民の部分だけでは解決が難しい課題でもございます。
 そこで、空バン対策としては、バンプールの整備がいよいよ今後さらに必要になってくるわけであります。また、コンテナの搬出入に伴うシャシーの往来も頻繁でありまして、これは地元の住民や関係の方からのご意見等も多く寄せられているところでありまして、こうした渋滞対策の上からも、シャシープールの整備など、緊急の課題というものが横たわっております。
 こうした整備状況についてのご報告をいただくとともに、今後への対策を答弁願いたいと思います。

○小宮港湾経営改革担当部長 バンプール、シャシープールの整備状況についてでございます。
 現在、東京港では、二十フィートのコンテナが約四万七千個収容可能なバンプールや、約三千台収容可能な、コンテナ積載用の台車置き場であります、いわゆるシャシープールを設けてございます。さらに、本年七月に品川コンテナふ頭背後に、一千五百個分置けます新たなバンプールを整備したところでございます。
 また、今後は、中央防波堤外側埋立地や大井ふ頭その一、その二間の約二十二ヘクタールの土地造成によりまして、コンテナ関連用地を確保し、バン・シャシープールの集約を行うこととしております。
 なお、大井ふ頭その一、その二間の土地造成につきましては、本年度より計画調査を実施し、環境アセスに着手したところでございます。

○木内委員 この問題につきましては、引き続いて着実な整備をお願いしたいと思うわけでありまして、さらに私が指摘したいのは、こうした環境といいますか、ハード整備にあわせて、ソフト面についても的確な対策を講じていくことが必要である、こう考えるわけであります。
 一層のふ頭運営の効率化等の実現には、先ほど来重ねて申し上げております、まさにふ頭の現場で事業に取り組んでいる民間事業者の方々の協力が不可欠であると思うわけでありまして、現場感覚を持って東京都と事業者が、まさに文字どおり官民一体となって取り組んでいくことが求められるのではないか。このことを強く申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、官民一体のソフト対策の一環でございます、新アクションプランの改定作業に着手したと聞いておりますけれども、まず現行の新アクションプランの実施状況、成果についてお伺いいたします。

○小宮港湾経営改革担当部長 新アクションプランについてでございますが、現行の新アクションプランは、港湾コストの三割削減、港湾物流の効率化、ふ頭等の整備・再編、東京港の安全の確保の四つを柱に、平成十六年三月に官民共同で策定いたしました。全部で七十一項目ございまして、六十二項目については既に実施しておりまして、実施率は八七%となっております。
 主な成果といたしまして、インセンティブ制度による貨物量の増加や、日曜荷役の実施、大井背後道路への専用レーンの設置、水先人制度の規制緩和などがございます。
 このような取り組みは貨物取扱量の増加につながりまして、これがスケールメリットとなりまして、コンテナ一個当たりの港湾コストは二割程度低下したと都では推計しておるところでございます。

○木内委員 改定に当たりまして、東京港を取り巻く多様な状況に対応するための新しい視点というものも重要になってくると思います。したがって、今後のスケジュール、内容について答弁願います。

○小宮港湾経営改革担当部長 新アクションプランの改定についてでございますが、東京港の国際競争力強化のためには、貨物急増、コンテナ船の大型化といった環境変化に対応しつつ、一層の港湾コストの低減と物流効率化を推進することが必要でございます。
 そのため、今回の改定では、航運事業者と陸運事業者、鉄道事業者との連携、民営化された公社の経営効率化によるコストダウン、サービスアップといった新たな視点から検討を進めてまいります。
 さらに、環境問題に積極的に取り組むことも重要でありますことから、環境対策検討部会を新たに設置し、検討していくこととしております。
 今後、平成二十一年の二月上旬の策定をめどに、検討部会により具体的な検討を進めてまいります。

○木内委員 淡々とご答弁いただいておりますけれども、今、非常に重要な視点からの言及があったわけでありまして、新しい課題としての環境問題に積極的に取り組んでいくと。こうしたことを踏まえて、環境対策検討部会を新たに設置して、平成二十一年二月上旬の策定を目途に検討部会で具体的な検討を進めていく、こういうことでありますので、ぜひとも私どもは期待をさせていただきたいし、いいものをつくっていただけるように、強く望んでおきたいと思います。
 ところで、港湾管理者としての東京都港湾局の仕事というのは、絶えず変化する国内外の経済情勢等に対応しておりますことから、実は大変専門性の高い、困難な分野のものもあるというふうに私は考えているわけでありまして、いろんな港湾の行事に局長あるいは担当部長等と出まして懇談をする中で、やはりそういう人材の面、ソフトの面、専門性の高さというのが年を追うごとに求められている局だなと思うわけであります。
 一方で、東京都では今後数年のうちにベテラン職員の大量退職が見込まれているということで、これは申し上げたように、港湾局においても例外ではないと思うわけであります。このため、港湾局として今後、優秀な人材を継続的に確保していくことが必要だと思います。これは単に内局的な仕事だけではなくて、実は非常に重要な港湾という分野を持ち、そこに働く大勢の方々がいて、関連する事業者の方々もおられる、そういう非常に多重的といいますか、大きなさまざまな能力を求められる港湾局だと思っておりまして、継続的に優秀な人材を確保していくための局としての取り組みをすべきだと思いますが、いかがでありましょうか。

○多羅尾総務部長 人材育成についてでございますけれども、東京港の業務に携わる職員に求められる能力、資質として、次の三つのことが非常に大切だと考えております。
 第一は、先生のお話にもございましたけれども、港湾経営や港湾物流、港湾土木技術等に関する専門的な知識と経験でございます。
 第二には、物流事業者や船会社など、民間事業者の方々と対等に議論できる経営感覚や折衝能力でございます。
 三番目といたしまして、東京港の経営を通じて、安全で安価で安定した物流を実現して都民生活に貢献しようとする公務員としての姿勢でございます。
 このような能力、資質の向上のために、これまでも、港湾技術に関する局独自の研修であるとか、新たに他の局から転入してきた職員に対する導入研修のほかに、税関でありますとか港湾関係団体との人材交流を実施するなどして、人材育成に努めてまいりました。
 今後、港湾局としてさらに積極的に人材育成を行っていくために、港湾関係事業者等から講師を招いて行う物流の実態に関する研修など、現場を知る実務的な研修を充実させるとともに、船会社などとの人材交流も今後進めてまいりたいと考えております。
 さらに、各職場におきましては、仕事のノウハウでありますとか仕事に対する姿勢を先輩から後輩に伝えていくOJTの支援でありますとか、人材育成を重視した職員の配置管理を行うなどして、局の職務遂行能力の維持と向上確保に努めてまいりたいと考えております。

○木内委員 私も三期にわたって経済・港湾委員を務めさせていただきましたけれども、港湾局の職員に求められる能力、資質の三要件というのは初めて聞いた思いがいたしました。特にあれですね、局に転入した職員に対する研修など、あるいは人材交流などなど、また新しい角度も試みも答弁がありましたので、ぜひとも東京港を支える優秀な人材の確保、育成にも力を注いでいただきたいと思います。
 港湾について最後のといいますか、この後、まだほかのテーマございますけれども、お聞きしたいことがあります。
 それは、さきに十月末から十一月上旬にかけて、港湾局長を団長としてヨーロッパへのポートセールス、いわゆる外貿ミッションが行われたということでありまして、私は、このオーソライズされた立場といいますか、議会の場で、ぜひとも局長が外貿ミッションで見聞した主要港の直近の状況、あるいは国際競争力強化のため東京港の港湾経営に対する、この外貿ミッションを踏まえてのお考えなどをお聞かせいただければと思うんです。この前、ある懇談の場で承ったとき、私は非常に愁眉を開く思いで、刮目すべき内容だと思いましたので、ぜひ会議録にも残したいと思います。これは局長でよろしかったですか。ご答弁ください。

○津島港湾局長 今、お話にありました、私、十月三十日から十一月の七日にかけまして、東京港でお仕事をする七つの関係団体の代表者とともに、十五名でヨーロッパに外貿ミッションに行ってまいりました。その際に、コンテナの貨物取扱量におきましてヨーロッパ第一位でございますオランダのロッテルダム港、第三位のベルギーのアントワープ港などを訪問しまして、視察し、管理者と意見交換などを行ってまいりました。
 ロッテルダム港もアントワープ港も、現在、貨物獲得のために新たな大規模ふ頭の整備に着手しております。特にロッテルダム港では、ここ五年ぐらいが勝負だということで、取扱貨物量が現行の二倍を超える二千万TEUを目指した開発に着手しておりまして、ヨーロッパの主要港では貨物獲得のためのインフラの整備競争が行われているという実態を目の当たりにしてまいりました。ヨーロッパは今現在、西ではスペイン、東ではロシアを含めて、いわばアジアの中国のような立場で生産拠点が次々と誕生しておりますけれども、そこの物流動線も、ロッテルダムなりアントワープが一手に引き受けるという意気込みでインフラ整備が行われてきております。
 こうした状況を目の当たりにしまして、改めて、この国際競争力の強化も、日本も急がなければいけない、特に東京港は急がなければならないという思いを強くしてまいりました。改めて報告書は出すつもりでございますけれども、これがまず第一の実感でございます。
 それから、今後の国際競争力の強化についての取り組みとしての港湾経営の方向性についての考え方でございますけども、現在、第七次の改訂港湾計画に基づきまして、港湾施設の充実に私ども取り組んでおりまして、大井ふ頭、青海ふ頭にあわせまして、新たに中央防波堤外側地区に外貿コンテナふ頭をつくりまして、三極体制の構築に努めるということで頑張っているわけでございます。また、道路ネットワークも充実を図っているわけでございますけれども、やはりこの計画策定後も、中国を初めとするアジア貨物の急増、コンテナ船の大型化という進展が、私どもの予想を超えるスピードで伸びておりますので、東京港を取り巻くこういった環境の変化というものを踏まえて、今後、行動を起こさなければいけないと考えております。したがいまして、陸送、鉄道、倉庫、こういった内部の物流ネットワークを含め、そして東京湾全体を視野に入れた、より戦略的な港湾経営がぜひとも必要だと認識しております。

○木内委員 こういう場にしては、大変簡にして要を得たご報告をいただいた思いがいたしますが、やはりインフラ整備を初めとして、世界の各諸港というのは、懸命に今、その活性化に向けての努力が新しいステージで行われているということでありまして、東京港もおくれをとることなく、局一丸となって取り組んでいただければ、こう思うわけであります。
 さて、次に話は変わりますけれども、臨海副都心開発について伺います。
 臨海副都心は開発着手から十八年が経過して、昨年度から、まちの構成に向けた総仕上げの時期に入っております。
 私はかねてから、この臨海副都心開発を支援し、これを推進するという立場で、都民本位のまちづくりということを眼目に、さまざまな視点から訴えてきたところでありまして、臨海都心は、単に業務機能やエンターテインメント機能など、都市開発の要素として有するだけでなく、都民生活をサポートするさまざまな機能を包含する必要がある、こういうことを訴えてまいりました。
 新しいまちが機能していく上で、やはりそこに暮らす人々にとって安全・安心を担保できる環境が重要でありまして、臨海副都心は、広域的な防災支援のまちとして、有明の丘防災拠点の整備や災害時の後方医療施設としても機能する総合病院の開業、災害に強い共同溝の整備などを実現させてきているところであります。
 特に、総合病院であります癌研有明病院の誘致に当たっては、本委員会で、数年前でありますが、私は、呱呱の声を上げたといいますか、だれもが耳をかさないときにこの誘致を訴え、当時の港湾局とのやりとりの中で、この構想の規模を拡大し、癌研の大塚病院を誘致することに成功して、非常に印象深かったのは、去年、あるメディアの雑誌でありましたけれども、全国のがん治療のリストの中で、日本で第一位の評価を受けるまでになった病院というのが港湾にあると。これも臨海副都心の大きなランドマークになっているところであります。
 企業等の誘致は、単に土地が売却できたとか空き室が埋まったと、こういうことでとらえるのではなくて、そうした企業等が都民生活や東京の産業にどのように影響を与えるかという視点が重要であると私は思っているわけであります。そこで、これまでの誘致施設における考え方とその成果について、端的にまずお尋ねします。

○藤原営業担当部長 臨海副都心におきましては、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、職、住、学、遊の都市機能をバランスよく適切に配置できるよう、施設誘致を行ってまいりました。
 台場地区では、眺望豊かな居住施設を配置するとともに、ウォーターフロントの魅力を生かしたホテルやショッピングモール、テレビ局などを誘致したことによりまして、人々に潤いや安らぎを与える、にぎわい豊かな国内有数の観光スポットに成長してまいりました。
 また、青海地区南側は、研究開発、情報通信や国際交流の拠点として開発を進め、バイオ・IT融合研究棟を初めとする最先端技術の研究施設やテレビスタジオなどの情報通信施設を誘致することによりまして、これらの施設が集積し、都内の産業活性化に大きな役割を果たす研究開発、産業創生のまちが形成されてきております。
 また、有明南地区では、先生からのお話もございましたように、有明の丘防災拠点や、癌研究会有明病院などを誘致いたしまして、防災支援活動の拠点機能として整備するとともに、ホテルなどのコンベンション支援機能を有する施設を誘致することによって、国際展示場を中心としたコンベンション機能を核とした多様な情報と文化の交流が活発に行われているところでございます。

○木内委員 今答弁があったように、これまで誘致してきたさまざまな機能というものは、臨海副都心のこのにぎわいや活性化につながっているだけでなくて、東京全体の活力の向上に極めて大きく貢献をしているということがいえるわけでありまして、未来の世代に私どもが資産として引き継ぐに十分な、今、熟成を見つつあるということであります。
 続けてお聞きしたいわけでありますが、臨海副都心は昨年、過去最高の四千二百八十万人の来訪者があった、こういうことでありまして、オリンピック招致を踏まえ、世界都市東京の実現を目指す観点からも、東京都における観光戦略は重要であり、これに対して臨海副都心が担う役割は非常に重いわけであります。
 さらに、観光だけではとんでもないことでありまして、私が述べた防災施設、医療施設に加えまして、答弁いただいたような居住機能、業務機能、コンベンション機能、加えて研究施設や教育施設などのアカデミックな機能の集積は、東京の研究、経済及び産業について大きな影響力を持つに至っている、こういっても過言ではないと思うのであります。
 私は、きょうぜひ伺いたいんですが、今後これらの機能を一層さらに拡大、発展させていくことが必要だと思うんですが、所見を伺います。

○藤原営業担当部長 臨海副都心は、東京の都市活動を支え、日本を牽引していくかけがえのない地域として重要な役割を担っております。そうした観点から、これまで積極的に、さまざまな機能を有する施設の誘致に努めてきたところでございます。
 その結果、既に開業している施設に加えまして、平成二十三年度末までに十の施設が次々とオープンすることとなってございます。主な施設といたしましては、業務機能として青海地区に二十四時間働くことのできるスモールオフィス、コンベンション機能として有明南地区に国際展示場の機能を補完するコンファレンス施設、研究機能として青海地区に都立産業技術センター、教育機能として有明北地区に、仮称でございますけれども、東京都有明医療大学や有明教育芸術短期大学がそれぞれ開業する予定でございます。
 またさらに、現在、学校用地として有明南のN区画におきまして公募を実施して審査しているところでございます。本年度内に事業者を決定できると考えております。
 臨海副都心が我が国の経済、技術、文化の拠点として役割を果たしていくためには、魅力的な事業内容を提案する事業者を誘致することが必要でございまして、今後とも積極的な誘致活動に取り組んでまいります。

○木内委員 いわゆる単純な、経済だとか商業だとかというとらえ方だけではなくて、技術や文化の拠点としての、そうした揺籃としての機能が今後期待できるわけでありまして、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 それから、民事再生終結後の臨海三セクについてであります。
 臨海副都心がこのように都民の財産ともいうべき刮目すべきまちとなるに当たりましては、いわゆる臨海三セクが果たしてきた役割も極めて大きかったということがいえると思います。私どもは、今後の臨海地域の発展のためには、この臨海三セクを十分活用していく必要があること、そして民事再生計画の実施によって安定した経営を確保できることなど、この委員会の中でも質疑を通して十分に訴え、また確認をしてきたところであります。
 そして、本年四月に臨海三セクの民事再生手続が終結し、経営基盤が十分強化され、予定どおり本年八月に新たに臨海ホールディングスグループに参加したと、こう経過を理解しているわけであります。しかし、いまだに、持ち株会社の設立や埠頭公社の民営化など臨海地域の機能を高めようとする取り組みを、無理やり臨海三セクの支援に結びつけようとする無理解な向きもあるのは極めて残念なことでありまして、私は、この認識をしっかりと今指摘をしておきたいのであります。
 そこで、現在の臨海三セクの経営基盤がどうなっているのか、また主要事業であるビル事業の動向を知る上で、直近の入居状況を確認しておきたいと思うのでありますが、先ほどの、要求いたしました関連資料中にも関係の数字が出ていたようでありますが、直近の入居状況はどうなっていますか。

○山本監理団体改革担当部長 まず、経営基盤につきまして、経営状況でございますが、東京テレポートセンター、臨海副都心建設、竹芝地域開発のいわゆる臨海三セク三社でございますが、一連の民事再生手続を行いまして、本年四月一日の三社合併を経まして、同月十六日に民事再生手続を終結しているところでございます。合併後の東京テレポートセンターは、一連の手続によりまして債務超過状態が解消されるなど、経営基盤の強化が図られているところでございます。
 現在の東京テレポートセンターのビル事業の直近の入居率でございますが、十九年、本年九月末時点の数字でございますが、テレコムセンタービルが九三%、フロンティアビルが三棟合計で八九%、ニューピア竹芝ビル、これも三棟ですが、一〇〇%となっております。

○木内委員 東京テレポートセンターの経営で最も大事なのは主要事業であるビル事業という位置づけもあるわけでありまして、本委員会資料として十八年度末時点での入居率が示されましたけれども、テレコムセンタービルが七四%、フロンティアビルは八五%でありました。四月に民事再生が終結してから六カ月で、テレコムセンタービルは約一九ポイント、フロンティアビルで約四ポイント入居率が向上しています。経営基盤が安定し、入居率も順調に伸びている中で、さまざまな批判的な意見があることは、私は甚だおかしい話だというふうに思っているわけであります。
 こうした高い入居率は、東京都及び東京テレポートセンターみずからが着実に努力を積み重ねた結果である、こう考えますけれども、東京都として、局としてどういう認識をしておられますか。

○山本監理団体改革担当部長 ビルの入居率の増加というものは、単なるビル事業収入の増加にとどまらず、多様な企業集積拠点を提供するなど、臨海地域のまちづくりに先導的な役割を果たしてきた東京テレポートセンターにとりましても極めて重要なことであると考えております。また、臨海ホールディングスグループにとりましても、就業人口の増加に伴う「ゆりかもめ」の乗車人員の増でございますとか、臨海熱供給の熱販売量の増加に直結するなど、グループ経営にもたらす効果は大きいものであると考えております。
 東京都といたしましても、臨海副都心の魅力や活力を高めていく上で、オフィス需要の高まりは重要な要素の一つでございまして、平成二十七年のまちの概成に向けて、開発への弾みをつけるとともに、今後の未処分地の売却等にも好影響を及ぼすものと考えております。
 現在の入居率の向上は、都議会を初めさまざまな関係者の方々のご理解とご協力のもと、経営安定化策や民事再生に着実に取り組んできたことによる経営基盤の充実に加えまして、民間の不動産会社との連携など、東京テレポートセンターの経営努力の成果があらわれたものであると認識しております。

○木内委員 臨海三セクが、バブル崩壊の影響で経営状況が逼迫している時期も事実あったわけでありますけれども、長期間の景気低迷の中にあって、経営安定化策で経営改善の成果を上げ、それによって事業継続を図る再生型の民事再生が活用できた、こういうことがいえるわけであります。私ども議会、執行機関、経営陣のその時々の適切な判断と企業努力が、現在の評価すべき経営状況に結びついているんだというふうに私は思っております。
 いつまでも過去の議論にとらわれるのではなくて、今後は未来志向の、臨海地域のあすを見据えた議論が交わされるよう、強く私はここで訴えたいと思うのであります。いまだに一部では、臨海副都心開発に対して的外れな批判を繰り返す人々もおりますけれども、先ほども述べたように、臨海副都心はかけがえのない都民の財産として成長してきており、これから十年の総仕上げによるさらなる発展が大いに期待されるものであると思います。
 そこで最後に、開発の総仕上げに向けた今後の取り組みについて、局長の決意を伺います。

○津島港湾局長 臨海副都心は開発に着手して十九年目となりまして、これまで、台場地区、青海地区の南側、そして有明南地区と順次開発を進めてまいりました。その結果、日本を代表する企業、病院、研究機関が進出するなど、多様で、そしてかつ東京を支える機能が集積しておりまして、九百を超える企業等が現在活動し、三万九千人が働き、年間四千万人を超える人々が集まる魅力あふれるまちに成長してまいりました。これによりまして、例えば、ちなみに、平成十七年度までの累計の税収効果は一兆円を超えております。
 平成十八年度から、まちの第三期という、残る青海地区北側と有明北地区の重点的な開発に取り組んでいくわけでございますが、このまちの概成に向けた正念場を迎えまして、青海地区北側につきましては、観光・交流を中心としたまちという開発の方針を示しまして公募を開始するなど、既に開発に着手しているところでございます。
 先ほど、外貿ミッションの話をいたしましたけれども、一昨年、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、ことし、ロッテルダムなどの各地の港を見てまいりましたが、レインボーブリッジから見る臨海副都心を背景にした東京港の姿というものは、世界で見ても第一級の景観を有する地域だということを実感しております。
 今後とも、臨海副都心の持つポテンシャルを生かしつつ、あらゆる工夫と弾力的な対応に努め、臨海副都心を、次世代の都民に誇りを持って引き継いでいけるまちとして育成するよう、開発に全力を尽くしてまいります。

○清水委員 ことし、七月十九日に青海のガントリークレーン二号機の破損事故が発生しましたが、この事故についての状況、原因及び対応についてお伺いいたします。

○江津港湾経営部長 本年七月十九日午前九時三十分に、青海のA-0ターミナルに設置しております青海ガントリークレーン二号機の巻き上げドラム軸が棄損し、巻き上げ動作が不能となりました。原因は、金属疲労による破壊現象と推定をされております。
 事故後は、早急に巻き上げドラム軸の交換及び軸を固定している側面部分の修繕を行い、本年九月八日に再稼働したところでございます。

○清水委員 今のご説明では金属疲労だということですけれども、クレーンの安全規則というのはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。その規則どおり行われていたのかどうか、お伺いしたいと思います。

○江津港湾経営部長 ガントリークレーンの設備に関しましては、労働省令に定める安全規則に基づきまして、月例点検項目、年次点検項目を設定の上、項目ごとに点検を実施するとともに、年一回ないし二回の定期修繕を行ってございます。
 また、ガントリークレーンの運転につきましては、使用者に対し遵守事項を記載したマニュアルを交付するとともに、利用者による日常点検ということで、作業開始前後の点検を実施させるなど、安全な利用を指導しております。

○清水委員 定期点検をきちんと行っていたというご報告なんですけれども、にもかかわらず今回の破損事故というのはなぜ事前に発見されなかったのか、お伺いいたします。

○江津港湾経営部長 今回の故障箇所であります巻き上げ装置につきましては、月例点検時にドラムの目視及び検査用ハンマーによる打診並びに軸受けの目視による点検を行いましたが、異常を発見できなかったものでございます。
 なお、今回の事故を踏まえまして、今までの月例点検に新たに薬品による非破壊検査を追加し、事故の再発防止に努めております。

○清水委員 その事故を起こした二号機というのは、耐用年数というのはどれくらいだったのか。それで、現在、使用年数というのはどうなっていたのか、お伺いいたします。

○江津港湾経営部長 二号機の耐用年数と現在の使用年数でございます。
 耐用年数でございますけれども、税法上におけるガントリークレーンの減価償却資産としての耐用年数は十五年でございます。二号機は平成六十年十月に製造されており、使用年数は二十二年でございます。

○清水委員 それでは、その耐用年数を大幅に経過しているわけなんですけれども、それをなぜ使用し続けてきたのか、使用するということは、どこで判断できるのかということをお伺いいたします。

○江津港湾経営部長 税法上の耐用年数というのは、各会計年度における税を確定させることに重きを置いており、耐用年数を過ぎたからといって直ちに使用できないものではないというふうに考えております。
 ガントリークレーンの更新におきましては、使用状況等をもとに判断を行っており、日常的に使用頻度や使用時間に応じて部品を交換するなどの定期修繕を施すことで安全性を確保し、そして可能な限り延命化を図って、財産の効率的な運用を行ってきているということでございます。
 このほかに、二年に一回、車の車検と同様の性能検査というものがございまして、そこの検査で合格をして検査証を受けていないものについては使用しない、そういった措置もとってきているところです。

○清水委員 性能検査も合格だった、定期検査も規定どおりやっているということで、こういう金属疲労というのがなぜ見抜けなかったかということはあるんですけども、幸いにも人身事故にはならなかったということだと思います。
 それでは、クレーン全体の安全性というのは、安全確保対策についてはどういうふうに考えておられますか。

○江津港湾経営部長 今お話がありましたように、ガントリークレーンなどの荷役機械の事故、これは内容によっては人命にかかわることだということでございまして、事故防止が大変に重要であるというふうに認識をしております。
 公共ふ頭のすべてのガントリークレーンにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、月例、年次の定期点検を実施するとともに、自動車に例えますれば車検に当たる性能検査を二年に一回受検しているほか、年次修繕などにより適切な安全確保に努めておるところでございます。その上で、さらに今回、月例点検に新たに薬品による非破壊検査を追加するとともに、一号機、二号機の更新につきましては、来年度の予算要求をしたところでございます。

○清水委員 予算要求をされたということなので、これが確実に確保できるように努力してほしいと思うんですけれども、いろいろな報道によって、私は、この事故が新潟県で起こったということは承知していたわけなんですけれども、余り自分たちの問題として、身近な問題としては受けとめていなかったんですが、改めて東京でもこういう事故が起こったということで、新潟の問題を改めて考えてみたんです。
 新潟では、突風によってストッパーを押して、二アームが回転するように倒れて重大事故になったということが報道されておりますし、また横浜港では、光ケーブルのトラブルでクレーンが誤作動したということを伺っています。
 それで、この破損事故については、東京の二号機の破損事故については人身事故には至らなかったわけですけれども、これを運転していた五十歳代のオペレーターの方は、事故以来、運転するのが怖くなったというふうにも聞いています。幸いなこと、人身事故がなかったからということもありますし--規定どおりやっているということだけでなくて、更新するということなんですけれども、こういう事故は繰り返してはならない、繰り返されてはならないというふうに思いますので、今後とも安全確保策については慎重に進めていただきたいことを要望いたします。
 次の質問に移ります。臨海副都心開発事業会計について、先ほどから他の委員からも出されておりますけれども、伺いたいと思います。
 そもそも、開発当初において、臨海副都心という、その位置づけはどういうものだったのか、お伺いいたします。

○小林臨海開発部長 第二次東京都長期計画におきまして、東京の一点集中型の都市構造を転換するため、臨海副都心を第七番目の副都心として育成していく方針が定められました。これに基づき、具体策を定める臨海副都心開発事業化計画等の計画を策定し、開発を進めてきたものでございます。

○清水委員 それ以来十九年たったということで、いろいろな途中での見直しとか対策がとられてきたことは、もうご承知のとおりですけれども、しかし、現在の実態というのは、先ほど来お話しされておりましたけれども、この開発当初、目的としていた、また位置づけられていた機能とは違うのではないかと。多心型都市をつくる、先ほどもいわれましたけれども、一極集中を解消するということで、当時の議事録なんかも見てみますと、当局や知事の発言などを見てみますと、情報化、国際化に対応して、主に業務床を中心として一極集中を拡散するんだ、多心型都市をつくるんだというふうにもいわれておりました。
 私は、当初の土地利用の計画から今の実態というのは離れていると。先ほど来、ホテルだとか、病院だとか、学校だとか、そういう施設などから現在は使われているといっておりますけれども、私たちは副都心には反対してまいりましたが、東京都自身がいってきたことからしても、かけ離れている実態だと私はいわざるを得ません。
 そして、その結果、土地の利用というのは無政府状態で、業務系がホテルに変わって、そして都民提案街区というのは、繰り返し議論がされておりますけれども、緑の確保を中心として、公園などであったものが、結局、都民提案の趣旨を生かすなどとごまかして四街区に分けて売却をするというものです。
 私は、今の実態というのは、負の遺産対策で都民の大切な土地を切り売りしているのが現状ではないかというふうに考えるわけです。どうですか。

○小林臨海開発部長 臨海副都心の開発の目的というのは、業務・商業、居住、文化など多様な機能を備えた都市形成でありまして、この開発の目的は当初から変わりございません。単に土地処分を進めているというわけではございません。

○清水委員 議事録を、その十九年前の議事録を読んでくださいよ。知事のご答弁、港湾局長のご答弁などを見ますと、確かにこういうことは二十年、三十年後にどうなるかわからないからいろいろ並べてたかもしれませんけれど、しかし、副都心開発の目的はといって都民に説明するときは、この一極集中を是正しようと。これ、業務核都市多摩の心しんも同じなんですよ。業務核都市ビルをつくるといって、今、全部商業ビルですよ。そういう、まず土地の利用目的も大幅に変えられてきたのが実態だということを指摘しておきたいと思います。
 都債の償還問題について、先ほども質問され、ご答弁がありました。都債の大量償還というのは二〇〇九年、一〇年に予定されていまして、この二年間の返済予定額というのは、元金が二千四百億円、利子も含めると二千五百億円ほどだというふうに伺いました。それで、先ほどのご説明では、この大量の都債の償還をどうするのか、返済をどうするのかという問題で、およそ二千億円余りの都債額を上回る処分予想があるというご答弁をされましたよね。それで、その二千億円という根拠をいってください。

○小林臨海開発部長 先ほど申し上げたとおり、臨海副都心においても、今後の処分予定地も含め、強い引き合いや問い合わせが来ており、着実に土地処分を進めていけるものと確信しております。
 そういったことから、私どもは、都債の大量償還に必要な都有地運用収入等の収入を確保できるというふうに考えております。

○清水委員 全然具体的じゃないですよ。引き合いがあるといっているだけじゃないですか。それで何で二千億円が土地処分できる可能性があるっていうんですか。具体的にいってください。

○小林臨海開発部長 これまでも申し上げておるとおり、二千億円という数字はございますが、個別具体的な区画についての数字をここで申し上げるわけにはいきません。これは当然不動産業界の常識でもございますし、なおかつ、今後価格競争というものも導入していますので、処分の決まっていないものについて公表するというわけにはいきませんので、お答えできません。

○清水委員 それじゃ、今いわれたのは希望だけですよ、希望。必ず都債の償還ができるというような確実な数字ではないわけですよ。希望ですよ。そうなったらいいなという希望ですよ。
 それで、実際は、都心の業務床の推移などを見ても、都心五区では、これも繰り返しいってますけれども、十四年から十八年に四百五十ヘクタールも増加してます、都心五区で。それで、都心にね、都心三区、五区に企業が進出を期待し、遠い臨海部を敬遠する傾向がさらに加速するといわれている。マスコミなどでもいわれています。それで、遠いというだけではなくて、丸の内などに高い情報化対策を備えた企業などの進出。そこに企業が進出する、集中するというような状況もあるというふうに聞いております。
 私は、今ご答弁がありましたように、売れるんだといっても、そのような具体的なご説明もなかったし、具体的な提示もなかったので、本当にそのような結果になるか疑問があります。
 また、これまで売れたんだと、売れるんだといっても、なりふり構わず売っている状態です。まず、都民提案街区を変更してしまい、売り出しました。二〇〇九年からの大量償還に間に合わせるために収益を得ようとしているようですけれども、これまで何度も指摘しましたが、計画を書いてくれた、都民提案に採用された生徒を裏切ることになる。仮に売却するんだったら、仮にですよ、売却するんだったら、暫定利用のところを先に売却すればよいじゃないですか。

○小林臨海開発部長 臨海副都心開発の総仕上げの十年に入り、平成二十七年のまちの概成に向けて、これまで開発を進めてきた台場地区、青海地区南側、有明南地区の三地域を結びつける臨海副都心の核として、青海地区北側の開発に着手することとしたものでございます。
 なお、暫定利用されている土地は事業用借地権により貸し付けており、貸付期間終了を踏まえて順次公募していく予定でございます。

○清水委員 そんなことわかっていますよ。だから、貸付期間終了後まで待てばよいことではないですか。都民提案街区を何でそんなに急ぐ必要がある、全くないということを私は感じます。
 じゃ、実際に売却の実態は、価格というものがどうなっているのか、お伺いいたします。
 平成十六年に売却した青海I区画のフジテレビジョンと、平成十九年に所管替えした青海A区画の都立産業技術研究センターの平米単価は幾らですか。お伺いいたします。
 また、平成十三年に売却した癌研究会と、十五年度から売却している有明の丘の十八年度の国及び建設局のそれぞれの平米当たりの単価は幾らか、お伺いいたします。

○藤原営業担当部長 既に処分いたしました土地の平米当たりの単価でございますが、まず株式会社フジテレビジョンは約八十三万円、東京都立産業技術研究センターは約九十九万円、平成十三年に処分しました癌研究会が約四十九万円、それから有明の丘の国の部分が約八十万、建設局が約七十六万でございます。

○清水委員 私は、ほぼ同じ区域にある地域の民間の売却単価と公共の売却単価を今比べたわけです。それで、青海の、確かに駅に近いとか、そっちはいろいろ理由をいうかもしれませんけれども、テレコムセンターの、どちらも近いところにあります。そのフジテレビジョンが八十三万で、産技研が九十九万。で、有明の丘に近いそれぞれの、癌研究会ですか、後方支援病院などということで大幅に減額しているということでしたけれども、四十九万円、そして国が八十万、建設局が七十六万ということでは、どちらも、公共、国や都が高くなっている。
 私は、何でこうなってるのかということを、繰り返し何日もかけて伺ってきたわけですけれども、結局、証明が出されなかったということで、どうしても疑問なんですよ、そこがね。価格を決めるところがあるんだということだと思いますけれども、なぜですか。

○藤原営業担当部長 土地の価格につきましては、外部の専門家等から成る財産価格審議会の評定等によりまして、その位置、最寄り駅からの近接性、接道等の画地条件、それから容積率などに基づき適正に評価されたものでございまして、売却先によって云々というものではございません。
 ちなみに、フジテレビジョンと、先生のお話のございました都立産業技術研究センターにつきましては、隣地でございますけれども、駅からの近接性、それから容積率が大きく異なっております。

○清水委員 そんなこと、耳にたこができるほど聞きましたよ。じゃ、それだったら明らかにしてくださいよ。はっきりさせてくださいよ。都民にわかるように、そういうことなんだと。そういわれたってね、中身がわからなければわかりませんよ。どうですか。

○藤原営業担当部長 ただいま申し上げましたように、それぞれの土地については、駅からの近接性とか容積率とか、それから画地条件、接道の条件、さまざまな条件によって評価をしております。
 今、先生が例示を挙げられましたフジテレビと産業技術研究センターについては、産業技術研究センターの方が駅に近い、それから容積率についても、三〇〇%と四五〇%というような差がございます。

○清水委員 同じご答弁をいただいたわけですけれども、確認できませんね、それでは。幾ら駅に近いからといって、これだけ差があるのかということもまた疑問です。私たちが公共の方が高いんだといっても、それは否定できないものだと思います。
 公共がなぜ高く買わなきゃいけないんですか。都が都から買っているのに、本来なら無償で提供してもいいものではないですか。都が臨海救済するために都の施設を、これまでもそうですけれども、無理やり持ってきているといわれる場合もあると、そういわれても仕方がないものだと思います。
 しかも、都立産業技術研究センターでいえば、ご承知だと思いますけれども、北区西が丘にありました。北区や板橋区の業者や企業の年間四万五千件に上る依頼試験に対応するなど、頼もしい中小企業支援施設としての存在になっていたものです。それを、西が丘庁舎と駒沢庁舎を廃止して臨海部につくる構想は、当初は、北区や板橋区、区を挙げて反対していたものです。中小企業にとって身近に存在するからこそ、工業集積地域に存在するからこそ、今存続さえ危ぶまれる東京のものづくりを何とか支え、支援をしている施設です。無理やり城北地区から産業支援施設を移転してしまう、とってしまう、そういうやり方をして臨海救済をしているということに対しても、私は非常に疑問があります。
 また、既に進出している三セクビル、先ほどご発言ありましたけれども、聞くところによると、経費節約のためにビルの床を縮小したという話も聞いています。今後、さらなる業務床の拡大が見込めるのかも疑問です。破綻を繕いながら、抜本見直しを行うことをせずに突き進めてきました。さらに、今後、凍結していた共同溝の建設、基盤整備に莫大な都民の税金がつぎ込まれようとしています。
 これまでにも、石原都政のもとでさまざまな救済措置がとられてきました。有明の丘の買い取りでは、都が現物出資した土地を、また、防災拠点の名で四百八十億も出して買い取り、国際展示場への支援、臨海三セクへの支援なども行ってきました。
 さらに、これまでの破綻寸前の臨海会計を救ったのが三会計統合です。危機的な状態にあった臨海会計を救うために、埋立会計、羽田沖事業会計を統合させました。そして、その結果として千四百五十億円の内部留保金が確保できた、そのもとではないですか。当時、二会計分約三千六百億円、両会計からの旧臨海会計への貸付金は合計三千六百三十億円、埋立会計の資産と収益を見込んで、この統合を行い、赤字の穴埋めを行ってきたのです。
 これ以上の税金投入はやめるべきであり、決算委員会でも我が党議員が指摘してまいりましたように、都民財産である都有地は、地球環境保全がいわれているときに、土地利用を見直し、緑地保全地などに見直すのだったら活用すべきであることを主張し、この問題について終わります。
 次に、三宅島の復興支援について伺います。
 ことし、私自身、三宅島の調査に行った際に、各団体から寄せられた要望の一つとして、三池港、阿古港が通常、東海汽船の着岸港になっていますけれども、現在避難港として使用されている伊ヶ谷港を、大型船の着岸可能な港にしてほしいという要望が出されました。決算委員会でも我が党の議員が尋ねていますけれども、私もお聞きしたいと思います。
 伊ヶ谷港についてどのような整備を行い、今後どのような整備を予定しているか、お伺いいたします。

○石山離島港湾部長 伊ヶ谷港、伊ヶ谷漁港につきましては、災害時の避難用施設として、五千トン級の大型貨客船が着岸できる避難岸壁や取りつけ道路等の整備をこれまで進めてまいりました。今後も、災害時における安全性向上等を図るために、岸壁の拡幅を行うほか、避難時に必要な駐車場の整備を進めてまいります。

○清水委員 今のお話はあくまで避難港として整備をするというお話でした。私は、常時使える、つまり、三池港や阿古港が波が大変荒いときに、この伊ヶ谷港は波が穏やかで、そうすれば、今でも九十何%といわれていましたけれども、しかし、そこに着くことができると。それで、やはり就航率を上げてほしいというのが地元の方の強い要望だったんです。つまり、常用港というんですか、避難港ではなくて常用港にする必要があると思いますけれども、その点ではいかがですか。

○石山離島港湾部長 三宅島の整備につきましては、一島二港の整備方針のもとで、三池港と阿古港の整備を進めているところでございます。
 現在、この両港での船舶の就航率は約九三%でございまして、伊ヶ谷漁港につきましては、残りの七%の悪天候の際に接岸できる場合にのみ利用されているという状況でございます。
 また、伊ヶ谷漁港につきましては、本来、地元漁船の拠点港として整備されている港でございまして、こうした性格上、今後とも三池港、阿古港の整備を進めまして、伊ヶ谷漁港の岸壁につきましては、災害時の避難岸壁として必要な機能の充実を図り、平常時には三池、阿古両港の緊急的な補完港として利用を図るものとしております。

○清水委員 私はね、漁業関係者から要望を聞いてきたんですよ、そういう要望を。漁業専用港みたいなお話だったんですけれども、漁業関係者の方が強い要望を出されたもので、非常に印象があるんです。
 今、三宅島の観光客の不足ということでは、来年から空港が再開されるということになっていますけれども、一便だという状況を見ながらやるということでは、やはり港の整備というものが--幾ら九三%といわれても、私たち、この数字の上で見るものではないと思うんですよ。地元の方が、波が荒いときにここに着けたらいいなということをいわれているわけですよ。そういう対応をすることが何でできないんですか。

○石山離島港湾部長 平常時におきまして、三池、阿古両港に着けないような場合、そして伊ヶ谷港に着けるような場合については、着けるような状況になってございます。

○清水委員 しかし、切符を売るところもないんですよ。阿古港で切符を買って、それでこちらに村のバスに乗せてきてもらって乗る。本当に今は臨時の港の機能しかないじゃないですか。私は、この常用港としての整備が、観光客をふやすというならば、非常に重要な港湾局としての仕事だと思うんです。
 先日、知事が三宅に行ってオートバイレースをやったようですけれども、本当に三宅の復興というのだったらば、こういう観光客を常時ふやすような対策がここにもあるんだから、あるところを整備することが必要ではないですか。強く要望して、質問を終わります。

○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時十分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大西委員 質問させていただきます。
 まず、東京臨海ホールディングスについて、この一月に設立されたわけですけれども、設立のねらいは何だったのか、また、設立後の実績から見て、ねらいは妥当だったといえるかどうか、お聞きします。

○山本監理団体改革担当部長 臨海地域は、港湾機能と都市機能が相互の調和を図りながら開発や事業を進めていく必要がございます。そのため、臨海地域を活動基盤といたします監理団体を経営統合いたしまして、東京港の国際競争力の強化と臨海副都心開発の総仕上げの推進体制を一層充実させることを目的といたしまして、臨海ホールディングスを設立したものでございます。
 臨海ホールディングスは、本年九月に、その設立趣旨を踏まえまして、交通、観光、企業活動支援、環境、防災といった視点からのエリアマネジメントを推進していくこととしたグループ経営基本方針を策定したところでございます。臨海ホールディングスグループは、この経営基本方針で示しました取り組みの方向性に基づき、地域が抱えるさまざまな問題の解決に貢献していくものと考えております。

○大西委員 臨海ホールディングスに加わっている第三セクターの経営状況を改めて伺いたいと思います。

○山本監理団体改革担当部長 現在、臨海ホールディングスグループに参加しております各子会社の経営状況は安定している状況でございます。民事再生いたしました東京テレポートセンターにつきましても、一連の民事再生手続によりまして債務超過状態が解消されるなど、経営基盤は強化されております。

○大西委員 まだ日が浅いこともありますし、何よりも、いろいろな民事再生法とかそういうことをやって、手厚くやって、ホールディングスに加わったわけですから、今の時点ではそのような答弁であるのかなと思っております。
 臨海ホールディングスへの期待の一つは、管理の合理化による役員数の削減だと思います。発足後、ホールディングスグループの各社の報酬役員数、それから報酬額は減少したのか、また職員数についてはどうなのか、伺います。

○山本監理団体改革担当部長 二十年度にグループ化を予定しております埠頭公社及びビッグサイトを加えました臨海ホールディングスグループ全体の本年八月における常勤役員数は十五人でございまして、統合前よりも二人減となっております。また、この役員数の減少に伴いまして、報酬総額も減少しているところでございます。
 それから、職員数でございますが、統合前に比べ、全体で十八人減となっております。

○大西委員 臨海ホールディングスグループの常勤役員のうち、東京都からの天下りはどれくらいいるんでしょうか。

○山本監理団体改革担当部長 二十年度にグループ化を予定しております埠頭公社及びビッグサイトを加えたホールディングスグループ全体の常勤役員数は、先ほど申しました十五人でございますが、このうち東京都のOBは九人でございまして、統合前に比べ二人減となっておる状況でございます。

○大西委員 この説明を聞くときに、役員の削減というものがない限りは都民も納得しないですよ、だからやっていますというようなことを聞いたんですが、改めて数を聞くと、それほど多くはないなというのが正直な感想です。
 監理団体の経営統合が目的だったとすれば、経営を担う役員がホールディングスに集約され、結果として大幅に削減されるのがあるべき姿だと考えます。しかし、現状は、ただ会計を不透明にしたり、財務的救済措置の隠れみのとなっただけではないかなというふうに、今の、淡々として聞いたんですが、改めてちょっと私の感想です。
 今回、委員会をかわりまして初めての質問で、きょうはこの辺に、この問題はとどめておきたいと思います。
 次に、晴海客船ターミナルについて伺います。
 晴海の客船ターミナルについて、余り利用者が多くないと聞いておりますが、晴海客船ターミナルはもともと内外の豪華客船に寄港してもらうためにつくったとされておりますが、いかがでしょうか。

○江津港湾経営部長 晴海客船ターミナルは、平成三年五月に、本格的な外航クルーズ客船が相次いで就航し、東京港への寄港が増加するという動きにこたえるとともに、都民に親しまれる港づくりを進めるために開設いたしました。施設は、当時の世界最大級の規模を持つ客船が寄港できる構造としてつくられてはおりますけれども、こうした豪華客船だけではなく、客船全般を広く対象とした施設でございます。

○大西委員 発足当時から臨海客船ターミナルの利用隻数はどのように推移しているのか、教えてください。

○江津港湾経営部長 客船ターミナルの開設当初は年間三百隻程度の客船の利用がございました。しかし、平成八年以降、日本全体における客船乗客数が減少に転じた影響も受けまして、利用隻数は減少いたしまして、平成十七年には年間二十二隻となっております。平成十八年は年間二十七隻とやや持ち直しいたしましたところでございますが、私どもといたしまして、これまで、多くの客船に東京港を利用してもらえるよう、海外でのポートセールス等の機会をとらえ、クルーズ会社への誘致活動等を行ってきているところでございます。今後さらに効果的な誘致策を検討し、客船の寄港数の増加に努めてまいります。

○大西委員 東京港と横浜とを比べたときには、隻数はパイとしてはそのままだけど、それを横浜に食われてしまっているというのを聞きました。大きな豪華客船「クイーンエリザベス」とかそういうものが入港できないということ、これはレインボーブリッジの建設で通らないというようないろいろな問題があると思うんですけれども、何でそういうものをしっかり考えてつくらなかったのかなという素朴な質問がありますし、同時に、横浜港の大桟橋がリニューアルされて、かなりの客船が東京港からシフトしておりますし、私は、小さな港の中での役割分担というものもあっていいんじゃないか、何も横浜に頑張ってこちらに持ってくることもないんじゃないかなというような、選択肢があってもよかったんじゃないかなと思います。
 しかし、今、ただ花火大会に使っているだけではもったいないわけです。晴海の客船ターミナルは、今聞きますと一割以下の利用にとどまっておりますので、施設が遊休化しているといわれても、指摘されても仕方がない状況だと思います。多角的な観点でどのような活用があり得るのか、さらに検討をしていきましょうということで、質問を終わりたいと思います。
 次に、もう一つあるんですが、モーダルシフトについてお聞きしたいと思います。
 貨物を船で運ぶ場合、トラックによる陸送に比べて、重量当たりでどれほどの二酸化炭素の発生量を抑えられるのか、教えてください。

○江津港湾経営部長 国の調査によりますと、船舶による輸送量当たりのCO2排出量は、営業用トラックに比べ約五分の一に抑えられるとのことでございます。

○大西委員 五分の一に抑えられているということで、船というものが今後の環境対策に非常に有効な手段であるんだということがあるんですけれども、なかなかモーダルシフトが進まないんですが、その原因は何だとお考えでしょうか。

○江津港湾経営部長 内航海運によるモーダルシフトが進んでいない理由といたしましては、荷主にとって、トラック輸送に比べ輸送時間が長いこと、運航頻度が低く、貨物輸送スケジュールが立てにくいことなどが挙げられております。

○大西委員 今、本当に簡単便利ということ、便利な世の中というものを追求する余り、そこに環境的にもまたいろいろな問題が出てくるわけです。そういうことを追求していると、確かに荷主にとって、トラック輸送に比べ輸送時間が長いことや時間的に余裕がないとか、いろいろな問題があると思うんですけれども、多少のデメリットがあるにしても、大気汚染の改善を促すことは喫緊の課題です。そして何よりもCO2を削減するということを考えたときに、ある意味私たちの暮らしそのものが大きな転換を迫られているということもあって、そういう意味でも港湾事業もそういうものに大きく方向転換というか、そのことも視野に入れた中での対応が求められているんじゃないかと思うんですけれども、都としてどういう取り組みをしているんでしょうか。

○江津港湾経営部長 東京港ではこれまで、内航海運による海上輸送が二酸化炭素の排出量の抑制につながるとともに、長距離大量輸送に適した輸送手段であることから、長距離フェリーの専門ふ頭の運営や、北海道、九州、沖縄航路といった航路別の優先ふ頭の指定を行ってまいりました。今後、内航貨物の流通形態の変化として、一層のユニット化やローロー船の大型化などが進んでおりますので、これらに対応するために、船舶からの積みおろしスペースの拡大や、背後ヤードを広げたユニットロードターミナルの整備を計画的に行うこととしております。
 このほか、京浜三港間の連携ということで、東京-横浜間の空コンテナのトラックによる横持ち輸送を、京浜三港と国や民間事業者とともに、はしけによる海上輸送にシフトするということで、そういった実験を行いまして、その結果を踏まえまして、現在、民間ベースで、はしけによる定期輸送が行われるというような成果を得ております。

○大西委員 先ほどの質問の答弁の中に、これからの港湾局の優秀な人材像というんですか、三項目おっしゃったんですけど、その中に一言も環境ということが触れられていなかったんですね。すべて経営的な観点、それから物流、民間との連携。それは本当に実務的なところで大切な問題だとは思いますけれども、今や特に建設事業もすべて、法の改正の中に環境保全というものが一番に出てくるような時代になっています。ぜひ港湾局でも、優秀な人材像の中に環境との共生ということも含めて、どういうふうに取り組んでいくのかということもぜひ入れていただきたいなと思っております。
 アメリカなんですけれども、すごく自動車社会ですけれども、今、対策の中で、これまで鉄道をはがして道路にしていたところを、もう一度鉄道をつくって、そういう輸送につなげようとか、欧州ではもともと川を初めとする、海上輸送というものも盛んですが、それぞれの物理的特性等を踏まえたモーダルシフトを積極的に展開しております。我が国ではモーダルシフトが余り進んでいないような答弁が今ありましたけれども、都としても、温室効果ガス削減のための数値目標を設定して、国や民間事業者との連携を進め、モーダルシフトの一層の推進に向けて努力していただきたいなと、今、質問を投げて、答弁を聞いている中で、改めてそれを感じております。
 特に、先ほどの答弁の中に、新アクションプランの改定に向けて環境対策検討委員会が立ち上がり、環境に特化したものをこれから検討するというようなこともいわれておりましたので、ぜひこの中に、港湾局の事業としてCO2対策をどうするのか、モーダルシフトも含めて、これはある意味私たち国民とか、都民にとっても、不便さを覚悟するものもあるかもしれないんですけれども、今まさに便利、便利で追求していく時代ではないんだということを踏まえて、こういう観点からも取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 以上です。

○神林委員 これから、海の森について何点か伺います。
 ことしの二月、海上公園計画を告示した海の森公園は、中央防波堤内側のごみと残土の埋め立てを、約八十八ヘクタールの緑あふれる森に生まれ変わらせ、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を実施すると説明されています。苗木四十八万本を植栽する計画で、概成は平成二十八年度ですが、今年度より三十年をかけて整備完了する予定と聞いております。
 そこでまず初めの質問としまして、この海の森が現在、現場の状況がどのようになっているのか。また、今後の主な整備の進め方についても伺います。

○小林臨海開発部長 現在は、都内の公共工事から発生する建設発生土の仮置き場となっている、まだ未整備の予定地でございます。
 海の森は、ごみと建設発生土の埋立地を緑あふれる大きな森とする事業でございます。この事業は、苗木づくりから植樹、管理までを都民、企業、NPO等の参加と協力のもとに行うという都民との協働と、公園や街路樹の枝葉を利用した堆肥づくり、浄水場発生土や下水汚泥のリサイクル製品を活用した土づくりなどの資源循環型の森づくりの二つを、整備方針の大きな柱としているところでございます。
 今後、オリンピック計画と整合を図りながら、主として斜面地の森の整備を先行していき、今後十年程度で海の森を概成させていくつもりです。

○神林委員 やっと始まったということで、これからということだとは思いますがね。
 平成十六年十一月二十九日に当委員会で趣旨採択されております、日本ボーイスカウト東京連盟提出の、海の森構想の中で青少年のキャンプができるよう求める請願の議事録を私も読み返してみましたところ、この答弁の中で、当時の鈴木臨海開発部長は、当時は仮称でございますが、仮称海の森の構想では、ふれあいの林などにおいて、自然に親しみながら、青少年がキャンプを初めとして多様な野外活動を体験できる場を想定しており、キャンプは海の森構想に沿った利用形態と考えているとしております。
 そこで、私の方の質問で、ずばり、この海の森の中に今後キャンプ場の置き込みをどのように検討しているのか伺います。

○小林臨海開発部長 この海の森は、都民共有の財産であり、つどいのくさ原、ふれあいの林、観察と保全の森などから成り、より多くの都民がいつでも気軽に訪れることができる、活気あふれる個性的な公園を目指しております。
 キャンプにつきましては、自然観察やレクリエーションなどの多様な野外活動を体験できる、ふれあいの森などが適切と考えております。具体的な施設計画につきましては、今後策定いたします整備計画の中で検討してまいります。

○神林委員 私どもの区にもございます城南島海浜公園のキャンプ場など、既存の海上公園のキャンプ場を見てみますと、草木がきれいに刈り込んであったり、炊事場、トイレはもちろんのこと、野外炉、テント、キャンプファイア、バーベキュー会場まできちっと整備された会場となっております。現場のボーイスカウト関係者によりますと、子どもたちが真の自然体験や集団での生活体験を通して、自然に感動し、感性を高め、豊かな人間関係を築く力を養うためには、むしろ余り整備されたキャンプ場よりも、現在の海の森の状態のように自然のままの状況が好ましいということであります。現代の子どもたちに最も欠けているのが、自然の森、林、水辺など、ありのままの自然の中で多様な野外活動を体験できる場だと考えます。
 そこで、海の森公園におけるキャンプ場のあり方について伺います。

○小林臨海開発部長 海の森を初めとする海上公園は、多くの都民が自然の中で多様なレクリエーションを展開するとともに、安らぎ、自然を学ぶ場でございます。ご指摘のとおり、自然の森、林、水辺など、ありのままの状態で自然を体感できるキャンプや自然観察など、さまざまな野外活動ができることが大切と考えております。

○神林委員 ただ、この海の森にも弱点がございまして、その委員会でも指摘があったようでございますが、海の森で最大の弱点は、ごみと残土の埋立地であるためのガスの発生でございます。当然、十分な安全性の確保が必要となりますが、人体や野外活動への影響、火の使用などに関する見解と見通しを伺います。

○小林臨海開発部長 海の森予定地では、現在、地中のガス収集管で集められたガスを利用して発電を行っている状況でございます。平成十八年度に地表で測定されたガスの量は一分間に一ミリリットル以下で、ほぼ発生は見られておりません。でございますので、一般的な公園利用を行う上では、健康上も、火の使用も問題ないと考えております。
 今後、海の森を利用するに当たっては、ガスの測定ポイントをふやし、きめ細かな調査を行い、安全を確保してまいります。

○神林委員 ぜひここで一点要望しておきたいと思いますが、ガス抜き、換気、ガス探知器などの処置を十分施して、一日も早く正常な活動ができるようにお願いいたします。
 続きまして、現在、東京都の城南地域のボーイスカウト連盟が使用している訓練所は、都有地にある品川区の大井ふ頭野外活動広場であって、現在、この城南地域内で唯一の施設であります。平成十六年の請願の中にも、貸し出しができなくなることが危惧されております。現場の皆さんは、現在の訓練所からいずれは海の森公園に移行できることを強く希望しておりますが、肝心なことは、子どもたちの健全育成の場が一日たりとも消滅してはならないということでございます。
 大井ふ頭野外活動広場がいつまでの期間、使用でき、かつ海の森が十分に活用できるまでの間、訓練所をどのように確保していくのか、考え方を伺います。

○小林臨海開発部長 品川区の大井ふ頭野外活動広場は、海上公園の予定地であるとともに、国道三五七号の工事予定地でもございます。現在までのところ、国道三五七号の工事予定等は明確になっておりません。可能な限り現在の使用形態を存続させていきたいと考えております。
 今後、青少年の健全育成に努力してこられたボーイスカウト団体の活動が継続できるよう、港湾局としても努力していく所存でございます。

○神林委員 ここでも一つ要望させていただきますけれども、子どもたちの健全育成に長年努力を重ねておられる現場の皆さんとよく話し合って、訓練所が継続して確保できるよう対応することを強く要望しておきますので、よろしくお願いいたします。
 順調な答弁をいただきましたので、ちょっと早目でございますが、最後の質問とさせていただきます。
 今回の海の森づくりには、都内小学校やボランティアによる苗木の植樹、海の森募金など、都民、企業、NPOなどと都の協働による森づくりがうたわれています。私も、ボーイスカウト連盟から、植樹や草刈りなど協働や参画を惜しまないと承っておりますが、当然、こうした活動に参画を希望する多くのボランティア団体からは、協力や参画の申し出があると思います。
 そこで、最後の質問となりますが、これらの団体との情報や意見の交換を重ねることが大切と考えますが、今後どのように進めていくお考えがあるのか伺って、私の質問を終わります。

○小林臨海開発部長 海の森事業は、先ほども申し上げたとおり、苗木づくりから植樹、管理までを都民、企業、NPO等の参加と協力のもとに行うという、都民との協働で実施するものでございます。これまでも小学生による苗木づくりを進めており、本年度からは、苗木づくりの参加範囲を、企業、NPO等の各種団体に広げてまいりました。来年度実施予定の植樹祭の企画、運営にもボランティア団体の参加を検討してまいります。また、植樹や草刈りにも個人や団体の参加を公募していく予定であり、その活動を進める中で、都民や団体との情報や意見の交換の場をつくってまいりたいと思います。

○馬場委員 それでは、港湾事業の振興について三点お伺いいたします。
 東京港は、今皆さんからお話がありましたが、かつてはレインボーブリッジの内側に当たる芝浦ふ頭、日の出ふ頭、竹芝ふ頭というふ頭があり、そうしたところで大きな事業を行っていたわけですが、現在ではそれが外側に広がって、大井ふ頭、青海ふ頭等が港湾の主力になってきている状況です。
 それでは、以前のふ頭、今の芝浦、日の出、竹芝、また、埋め立てで大きくつくられた月島ふ頭、晴海ふ頭、豊洲ふ頭、それから臨海副都心も含めて、たくさんあるわけですが、まず、内港地区の現況についてお伺いしたいというふうに思います。
 都心部に近い、今申し述べました地域、ここでは随分市街地化が進んでいるというふうに受けとめています。確認も、先般も大江戸線のお話で、築地、月島あたりでは大変乗降客がふえてというようなお話もあって、視察にも行ってきたところですが、本日も、質問するに当たり、築地市場、それから月島ふ頭へ、ちょっと車で午前中に回ってまいりました。大変高層の集合住宅、そして商業施設がどんどんできているという状況です。
 今回、ふ頭港湾事業、それから、ふ頭という役割についてご質問しようと思って考えていたんですが、そもそも、ふ頭というふうに使っているのが、私たち一般的にというか、地域をあらわして、ふ頭というふうに使っていたような気がするんですね。ふ頭というのはどこを正確にあらわすのだろうかと、質問するので、改めてお伺いしましたところ、埋め立てをするときに、ふ頭をつくるという意味ででしょうか。その埋め立てをする地域を、ここでいえば月島ふ頭、晴海ふ頭、豊洲ふ頭、そういう名称で呼んでいて、その中のふ頭、港湾物流の、そういう使い分けというか、そういうふうになっているということなので、なかなか整理がしにくいのですが、全般的に私たちが豊洲ふ頭というときには、ふ頭そのもののことよりは地域をあらわして使ったりしてしまっていますので、その辺なんですが、きょうは港湾局さんということですので、その辺、質問の中でもごちゃごちゃになるかもしれませんが、ご理解ください。
 竹芝、日の出、芝浦、ここはまだそれでも、ふ頭の用地として使われているというふうに思いますが、今、例に挙げた月島のふ頭、晴海のふ頭、豊洲のふ頭等、こうした地域のいわゆるふ頭機能というのは今どうなっているのか、まずそこからお伺いしたいと思います。

○江津港湾経営部長 都心に近い各ふ頭の状況でございます。
 まず、晴海ふ頭でございます。こちらの方は貨物の取扱量は四十五万トンでございまして、同時に内外の客船が寄港するという基地になっております。
 それから、月島ふ頭でございます。こちらの方は貨物の取扱量三万トンでございまして、内貿の水産の漁業基地、こういう形になっております。
 それから、豊洲ふ頭につきましては、もう既にほとんど港湾機能がなくなっておりまして、貨物の取扱量はゼロということでございます。

○馬場委員 かつて、ふ頭として目的でつくられて、それぞれ特色があって、そのまま今の月島のように、水産等加工業者がまだふ頭のところにいらして、あと、都心に近い部分はもうどんどん市街地化してきているわけですが、晴海のお話はさっき大西副委員長からありました、客船化と、まだ少しふ頭用地が残っている。豊洲は、ふ頭という役割は今持たれていないという状況だと思います。また、芝浦、日の出、竹芝はそれぞれ貨客船との併用という形で残っているというふうに思います。
 こうした一番都心に近いふ頭、水辺の問題等出て、環境をよくしてという話もあります。先ほど局長からも、東京港の姿で、景観がすばらしいというようなお話がありましたが、私も賛同できるのは夜かなと。夜景はすばらしいなと本当に思いますが、昼、そういう意味ではまだまだ、かつての港湾事業をしていた役割が残っているということも含めて、まだ景観というところには至っていないというふうに思いますが、レインボーブリッジから都心に向かっての内港地区、ここについては、豊洲も含めて、それぞれの今までと違う役割を果たそうとされているわけです。こうした動きについて実はどこにも触れられていないのではないかと。今後ここをどんなふうにしていくのかというようなことについて、一生懸命探したのですが、余りありません。例えば、先ほどからお話が出ている第七次の港湾計画のところも、この七次が出た後、オリンピックのお話が出てきた、そういう状況ですし、その前につくられた、今も見ていたのですが、平成十三年のベイエリア21、ここでももちろん、そういうオリンピックも含めてのお話が全然なかったときの話です。こうした、今までの物流の話と別に、この内港地区というのは、もう少し港湾局さんがこれからの対応というのを考えなければならないのではないかというふうに思っております。
 「十年後の東京」もいただいているのですが、「十年後の東京-東京が変わる-」という冊子の中で港湾に触れられているのは、一番最後のページのこの絵ですね。今私が申し上げた、ふ頭が並んでいる絵です。オリンピックのメーン会場となる臨海部というふうになっております。こういうことも含めて、港湾局さんの中でお話が出てこないというのがちょっと不思議でならないのですが、こうしたことについても、これからまた機会を得てご質問したいというふうに思いますし、その辺の状況についてもぜひとも報告をいただきたいと思っております。
 続きまして、先ほどからのお話で、物流というのが、外貿、内貿の貿易ということが大きく港湾局さんの事業だというふうに思っています。この貨物量につきましては皆様方からお話がありました。外貿の貨物が大変ふえている。特に中国、東南アジア関連のコンテナがふえているということで、先般も視察に行きましたが、けさも、月島に伺う前に、地元ですので、少し通ってから行きました。きょうは大変な車の量で、私ども地域から考えると、大変な交通渋滞も含めての問題点をたくさん抱えております。そうした観点から、中央防波堤整備ということで、大井ふ頭と同じ轍を踏まないよう、交通アクセスだけではないのですが、あらゆる面で新しいふ頭については最大配慮をすべきというふうに考えておりますが、この点いかがでしょうか。

○江津港湾経営部長 コンテナふ頭を整備する中央防波堤地区への交通アクセスを改善するために、現在、臨海道路Ⅱ期事業を平成二十二年度完了を目指して推進中でございます。今後は、中央防波堤外側コンテナターミナルとその背後の道路を含め交通の円滑化が図れるよう、コンテナ車両の動線等についても検討してまいります。
 なお、大井ふ頭の背後の渋滞対策につきましては、先ほど担当部長の方からもご答弁申し上げましたけれども、これまで、コンテナ車両の専用レーンを設置して、ウエブカメラの設置による渋滞情報の提供など、その提供に努めてきているところでございます。

○馬場委員 対策をとっていただくというのが施設管理者として大事なことなのですが、そもそも東京港というのがどういう役割を担い、今どういう状況になっているかということですね。先ほど米沢委員さんからも最初にありましたように、大きな原因が輸入と輸出の差があるという、ここでさまざまな課題が大きく一つあります。その取り扱いの、早く荷をさばくというようなさまざまな課題もありますが、地域の交通がそもそも渋滞するということも含めて、この辺の物流、流通については、十分条件を了解した上で対策をとっていただきたいというふうに思っているのですが、そのためには輸出量をふやせば、輸出と輸入のバランスをとれば、空きコンテナをそれほど置いておかなくてもいいとか、シャシーの問題とかも解決できるのではないか。私も、それが早くできればそれに越したことはありませんし、経済から考えても、経済コスト、つまり、輸入超過で空きコンテナを置いておくにもお金がかかりますし、コンテナをまたもとに戻すのにも費用がかかるわけですし、そもそも空で戻さなきゃならないということを考えれば、経済的、物の値段に付加されるということも含めて、輸出のものをふやすということもぜひともご協力いただきたいのです。
 先般出ました物流についての冊子、都市整備局都市基盤部交通企画課で出された、総合物流ビジョンというところにも、そういう意味ではかなり指摘がされております。具体的に、首都圏を見据えた物流効率化への課題という中で、阻害の要因、問題点というところで、例えば輸出の製品名を挙げて、電化製品を運ぶ問題点、輸送機械、機械・金属、印刷、衣類等、生鮮食料品、加工食料品というふうに、それぞれの特性、物流の流れに応じて問題点を指摘されております。こうした中で港湾局として、局と局との連携というのでしょうか、そこも含めて、ぜひとも対応していただきたいというふうに思っておりますが、港湾局さんとしてはその点、今どんなふうに取り組まれているのでしょうか。

○江津港湾経営部長 総合物流ビジョンの中における都庁内での連携ということでのお尋ねでございますけれども、私ども港湾局におきましては、総合物流ビジョンをつくる際に、このビジョンというのは東京都としても初めてつくられたビジョンでございますけれども、参加いたしておりまして、そこに記載されております事項につきましては、私ども港湾局の取り組み、そういったものが半分以上反映されているのではないかというふうに思っております。そういったことで、このビジョンをつくった後も、各局が連携する中で、取り組みの進捗状況等について確認し合いながら施策を進めているところでございますので、今後とも各局と連携をとりながら、スムーズな首都圏の物流を目指しまして頑張っていきたいというふうに考えております。

○馬場委員 いろいろ聞かせていただきますが、今、ご認識があるということで、今後、十分対応をお願いしたいと思っておりますが、私も、考えてみると、東京という特に大都市圏というふうにいったらいいでしょうか、消費地を抱えている東京が輸入超過になるというのは、輸出をふやしていってバランスをとりたいと思っても、輸入超過になるという特質を持っているんだというふうに思わざるを得ません。ですので、輸出とのバランスということを十分これからも対策をとっていただくと同時に、これがいいか悪いかなんですが、大都市の特性ということをご認識いただいて、どうしても輸入超過になる部分のさまざまなデメリットということ、それが交通の問題や物流の価格に反映しないような対策をぜひともお願いしたいというふうに思います。
 先ほどの局長からのオランダの話もありました。私もちょっと伺ったところでは、空港の荷物受け取りみたいに、コンテナをIP化して、コンテナが運んでくると同時に、それがどこに行くものかというのがわかって、それがスムーズな物流になっている、そんなお話も私も伺ったことがあります。東京というところでの物流が日本一、世界にも通用する、そして何よりも、物流で、それが消費の価格に上乗せされないように。都民の生活を担うという意味では大事な役割だというふうに思いますので、局長、また皆さんも、ぜひとも今後とも全力を挙げて取り組んでいただきたいということをお願いして、質問を終わります。

○小竹委員 私も質問させていただきます。
 これまで私たちは、港湾の重要な公的責任を負っている埠頭公社については民営化すべきではないと主張してきましたが、港湾局の方針で十月からは受け皿会社の東京埠頭株式会社ということになって、民営化への道が進められています。埠頭公社が行っている事業には、外貿ふ頭の建設や管理業務などのふ頭の事業、先ほども議論がありましたけれども、そういうものとともに、東京港の安全確保や水域の環境を守るために欠かすことのできない重要な事業が委託事業として行われています。こういう点で公社が行っている事業にどういうものがあるのか、まずお伺いします。

○小宮港湾経営改革担当部長 先ほどご質問があったのは、東京港のいわゆる港内サービスということだと思いますが、船舶を使った港内清掃、船舶からの廃油回収、船舶への給水といった事業を実施しております。

○小竹委員 今お答えいただいたんですけれども、港内清掃にしろ、廃油の回収や船舶給水にしろ、東京港で船が安全に運航できるようにするという点でのサービスでは非常に重要な仕事だというふうに思います。これらの事業は、相当昔は港湾局が担ってきた事業でした。事業そのものが採算のとれるものではないという点もあったと思うんですけれども、民営化されて、もうけの対象にされるということになれば、重大だなというふうに考えています。
 例えば船舶の廃油回収業務については、現在、公社の自主事業として行われていますけれども、港湾局の事業概要を見ますと、年々船舶廃油の回収量が減って、事業収入が悪化しているということが記載されています。そういう、どんどん回収量が減ってくる中で、公社への委託が行われたというふうに書かれているんですけれども、事業概要では、昨年、おととしを見ますと、廃油の回収量は半分に減っているんですね。その前年の半分に減っているという状況がグラフになって出ているんですけれども、赤字が広がっているということになるのではないかと思われます。廃油回収業は港を維持していく上での重要な事業ですから、採算がとれなければ、継続することが困難にもなりかねないということにもなります。今まで赤字のもとで公社がやってきたのは、維持するために港湾局として具体的にどういう対策がとられてきたのか。そしてまた、これが民営化後も継続していくのかどうか、その点、お伺いします。

○小宮港湾経営改革担当部長 廃油回収につきましては、東京港の環境維持のために必要な事業と考えてございます。公社においては、これまで自主事業として、利用ニーズを踏まえまして適切に遂行してまいりました。東京都としても必要な対応をしております。
 なお、事業の継続につきましては、法律に基づきまして、民営化後も公社の事業については引き継ぐことになってございますので、継続して実施することになろうかと存じます。

○小竹委員 必要な対応を港湾局がやっているというのは、具体的にどういうあれですか。

○小宮港湾経営改革担当部長 実績に応じまして補助をさせていただいております。

○小竹委員 回収量が減ったというのは、民間の船舶が回収設備をつくったというふうなこともいわれていますけど、そういうのができるのはやっぱり大手の船会社だというふうに思うんですね。そういう点でいうと、中小の船舶にとっては欠かせない事業ですから、そういう点でもきちんと継続していただくということは強く求めておきたいと思います。
 本来であれば港湾局がやるという事業にも当たるわけですし、公的な責任を果たすという点でも、今後事業が引き続き継続できるようにお願いしておきたいと思います。
 同様の事業として、船への清水を供給するための船舶給水施設管理事業というのがありますけれども、この事業は埠頭公社に委託した事業で、一昨年までは行われてきました。これも給水量の減少で委託費が年々減ってきた状況です。ところが、平成十八年度から指定管理者制度が導入されて、委託費が十七年度の半分になってしまっています。指定管理になって、船舶給水事業の委託管理費が半分になった理由は何なんでしょうか。お答えください。

○小宮港湾経営改革担当部長 公社におきましては、十八年度から公の施設の管理委託について指定管理者制度が導入されることを踏まえまして、それ以前から、経営努力の一環としまして、業務運営方法の見直しなど業務の改善に取り組んでまいりました。その結果として効率的な運営が可能となったため、委託費の削減につながったものと聞いております。

○小竹委員 指定管理者である埠頭公社が決めたことではあるわけですけれども、埠頭公社の経営努力の一環ということで、効率的な運営というふうなお答えなんですけれども、給水事業の給水量が減っているという点、それから、清水を供給するのに必要なものというのは、船から供給する場合と陸にある施設から供給するのと二通りあるわけですけれども、供給する上においては人がやらなきゃならないという点では、私は、そういう人のところに影響が出てしまうような状況になったら問題だなというふうに思うんですね。経営の効率化という名のもとに人件費が削られていくというのに危惧を抱いています。この点では、人件費のカットにつながらないようにすることがやはり重要だというふうに思います。この点は指摘をしておきます。
 今後民営化していくわけですけれども、清掃、廃油の回収、それから給水、これらの事業は東京港のサービス事業として絶対欠かすことができない事業だというふうに思うんですけれども、取扱量の減少とか、採算や何かの問題で、民営化の前後でどういうふうになっていくのか、将来にわたってどう担保されるのか、この点、お伺いします。

○小宮港湾経営改革担当部長 先ほどもお答えしましたが、公社民営化に当たっては、いわゆる改正承継法の規定に基づきまして、公社に関する権利、義務がすべて新会社に引き継がれ、現行の公社事業も新会社に承継されることとなります。港内清掃、廃油回収、船舶給水といったこれらの事業につきましても、東京港の環境維持や利用者サービスのために重要な事業であり、こうしたサービスは引き続き実施していく必要があると考えてございます。

○小竹委員 引き続き重要だということでお答えいただいたんですけど、事業をやる上でのノウハウも公社が持っているわけですから、そういう意味では、きちんと将来にわたって事業として維持されるように強く求めておきます。
 この間、コストの削減、業務の効率化ということで、埠頭公社は指定管理者制度などに対応することが迫られてきました。そういう中で、公社では固有職員に対して、指定管理者に応募するためにコストの削減、給与の削減は避けられないということで、給与の一〇%カットが提案された。それから、指定管理で南部地区の公園がとれなかった結果で、職員にいわれたのは、今手を挙げたら退職金を割り増しをつけるからということで、事業の縮小に手を挙げるよう求められたということですが、この辺の事情は港湾局は承知、掌握しておられるのでしょうか。その点いかがですか。

○小宮港湾経営改革担当部長 公社の勧奨退職制度につきましては、組織の活性化という視点から公社において従前より導入しているものでございます。また、指定管理者導入直前においても、あくまで退職の意向については職員個々の自主判断で、強制的に促したという事実はないと聞いております。

○小竹委員 自主的な判断、確かにそういう部分はあろうかというふうに思いますけれども、賃金のダウンと、仕事がなくなるという不安を職員の皆さんが抱いたのは間違いない事実だというふうに思うんですね。やめられた方が相当数いらっしゃるんですよ。数の点では、局がつかまれているのと違った数字だから明らかにはしませんけれども、本当にそういう意味で働いている人たちの仕事が守れないというような状況が、今後、指定管理者制度が広がっていく中ではどんどん広がっていくということになりかねないと思うんですね。しかも、先ほどいったように、単価が半減するような格好になっていけば、今社会問題になっているワーキングプアの問題にも、そういう形にもなりかねない問題だということは指摘しておきます。
 このときの労使交渉で、埠頭公社の側からは、民間との競争により外郭団体の経営を改善しコスト削減を実現するという指定管理者制度の趣旨を考えれば、公社の現状の給与のままでは、公社が指定管理者に選定されることは困難だということをいっているんですね。
 それから、公社の基本財産を東京都が一〇〇%出捐しているということから都の事業を受託していることなども踏まえて、都が見直しを行った場合に給料の見直しを行う必要があるんだということまで経営者の側がいっているという点でも、私は非常に問題だというふうに思うんです。
 そういう点で見ますと、働く人たちの労働条件を守るということなど、やはり港湾局がきちんとやっていくということで、ゆめゆめワーキングプアをつくり出すようなことは絶対にやめていただきたい。都民サービスを守る上でも、働く人たちの労働環境を守るために、民営化はやめるべきだということを申し上げて、終わります。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。

○増子委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
 事務事業及び豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等についての報告事項については、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○大野管理部長 去る十月十六日の当委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます資料1、経済・港湾委員会要求資料に基づきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。中央卸売市場における取引方法別割合の推移(十年間)についてでございます。
 過去十年間の推移を記載したものでございますが、ごらんのとおり、水産物部、青果部、花き部につきましては、競り売り及び入札の割合が減少し、相対取引の割合が高くなってきております。
 次に、二ページをお開き願います。各市場におけるアスベスト対策の実施状況についてでございます。
 平成十七年度の調査によりアスベスト含有建材の使用が判明した各市場の施設と、実施状況について記載してございます。
 三ページをお開きいただきたいと存じます。新市場建設協議会の開催状況についてでございます。
 豊洲新市場の建設事業の円滑な推進を図るため、東京都と築地市場業界との協議機関として設置した新市場建設協議会は、平成十四年五月二十一日に第一回を開催し、その後、豊洲新市場基本構想、豊洲新市場基本計画などについて協議を進め、平成十八年十月十三日の第十二回協議会において、豊洲新市場基本設計相当について取りまとめを行ったところでございます。
 四ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場の整備に係る事業費についてでございます。
 整備に要する事業費は、用地取得や土壌汚染対策及び市場施設の建設に要する経費など、開場後の運営に係る経費を除いた整備費の合計で、約四千四百億円と見込んでおります。このうち、平成十三年度から十八年度までに執行した事業費は、用地取得や基盤整備などで九百八十億円となっております。
 五ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場予定地の土地利用履歴についてでございます。
 豊洲新市場予定地は、昭和二十三年から埋め立てが始まり、昭和三十七年まで行われております。また、昭和三十一年から昭和六十三年まで、都市ガスの製造・供給が行われておりました。平成九年から東京都の土地区画整理事業が施行され、現在まで継続しております。
 六ページをお開きいただきたいと存じます。豊洲新市場予定地における各街区の地質断面図でございます。
 六ページから八ページにかけまして、それぞれ五街区、六街区、七街区の地層断面を地層ごとに塗り分け、A.P.マイナス二十メートルの深さまで記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 次に、理事者から、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等についてご報告申し上げます。
 お手元に、資料2、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等について(概要)及び資料3、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等についてを配布してございます。
 資料2の概要に沿ってご説明させていただきます。
 一ページをお開きください。平成十九年十一月五日の第五回の専門家会議において検討されました、油汚染状況等の調査結果及び東京ガス株式会社豊洲工場の土地利用履歴、土壌・地下水の詳細調査計画についてご報告いたします。
 1の調査結果でございます。
 まず、(1)、油汚染状況調査でございます。
 本調査は、油汚染に関連する項目を把握するため、十二カ所で実施してございます。油臭・油膜につきましては、地下水で八カ所、土壌で八カ所検出されております。また、全石油系炭化水素濃度につきましては、地下水で一リットル当たり最大一二ミリグラム、土壌で一キログラム当たり最大二八〇〇ミリグラムが検出されました。ベンゾ(a)ピレンの濃度につきましては、地下水で一リットル当たり最大で〇・〇〇〇二ミリグラム、土壌で一キログラム当たり最大五・一ミリグラムが検出されました。
 (2)の土壌水分の鉛直分布調査でございます。
 本調査は、毛管現象の程度を確認するため、七カ所で実施してございます。
 アの土壌水分量変動の分析では、七カ所で実施し、毛管現象を明確に確認できませんでした。
 また、イの理論上の毛管現象の算出につきましては、三カ所で実施し、最大上昇高さが十五センチメートル程度と算出されました。
 二ページをお開きください。(3)、D-12地点周辺のモニタリング調査でございます。
 本調査は、高濃度の有害物質が検出されましたD-12地点について、周囲の土壌や地下水の状況を把握するため、九カ所で実施してございます。
 初めに、アの地下水調査についてですが、D-12地点の周囲八地点で実施し、結果につきましては上段の表のとおりとなってございます。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の八百三十倍を検出したものが一カ所、百倍以上四百二十倍以下は三カ所、一倍を超え二十倍以下は二カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、環境基準の五十四倍を検出したものが一カ所、一倍を超え三十四倍以下は六カ所となっております。
 なお、当初行いました追加調査では、ベンゼンで環境基準の千倍、シアン化合物で環境基準の八十倍の濃度が確認されております。
 次に、イの土壌調査についてですが、D-12地点の周囲五地点で実施し、結果につきましては下段の表のとおりとなってございます。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の四十三倍を検出したものが一カ所、一倍を超え三十三倍以下は四カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、すべての地点で環境基準の一倍を超え六倍以下となっております。
 続きまして、2の東京ガス株式会社豊洲工場の土地利用履歴についてでございます。
 高濃度汚染が確認されたD-12地点を含めまして、再度、東京ガス株式会社から土地利用履歴を確認いたしました。土地利用履歴につきましては、D-12地点周辺の区域は、昭和四十一年ごろ、石炭ガス製造過程で発生したタールの残渣であるタールスラッジの仮置き場として利用されていたことが確認されました。
 三ページをお開きください。3の土壌・地下水の詳細調査計画についてでございます。
 豊洲新市場予定地の敷地全面にわたり、土壌・地下水の調査を実施いたします。
 まず、(1)、土壌・地下水の詳細調査でございます。
 調査内容といたしまして、調査単位は十メートルメッシュでございます。調査物質は、ベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、水銀、六価クロム及びカドミウムの七物質でございます。調査地点は約四千百カ所で、調査対象は土壌と地下水でございます。土壌につきましては、東京ガス株式会社が操業していた当時の地盤面下で試料を採取し、地下水については、地下水位の上端から不透水層までの中間地点で採取いたします。
 次に、(2)、対策に必要な調査でございます。
 アの実施の判断基準は、地下水で環境基準の十倍を超過した場合、土壌で処理基準を超過した場合としております。
 イの調査内容といたしましては、不透水層までの土壌調査及び高濃度が確認された地点で汚染範囲を特定するための周辺の土壌調査を実施することとしております。
 以上、簡単ではございますが、豊洲新市場予定地における土壌・地下水の調査計画等につきまして、説明を終わらせていただきます。

○増子委員長 報告は終わりました。
 ただいまの資料及び報告事項を含めまして、これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○神林委員 私はこれより、豊洲新市場について、それから委託手数料の弾力化について、それから大田市場花き部について、この三点について順次質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 まず第一点目でございますが、築地市場の移転については、その移転先の土壌汚染が大きな問題になっており、議会や報道でも継続して議論されているところでございます。都民の食の安全・安心に密接にかかわる問題であるだけに、当然、議会でも議論すべき内容だと思います。
 我が党でも、移転を進めるに当たっての大前提となる移転先の土壌汚染について、今後どのような対策を講じていくのかを問うてきているところでございます。
 本年の都議会本会議や経済・港湾委員会、そして、さきの公営企業会計決算特別委員会において、築地市場の現在地再整備が事実上断念され移転に方向転換された詳細な経緯から、移転先の土壌汚染問題まで質問を行ってきているところでございます。今回も、従来の我が党の質問と重複するところがございますが、現時点において都民が十分納得できる答弁をいただき、検証していきたいと存じます。
 これら一連の質問の中で、土壌汚染対策費を含めた豊洲新市場整備事業費の見込み総額が四千四百億円ということが明らかになり、今後、決着を見るであろう汚染原因者の負担も考えられ、すべてが都負担ということではないと思いますが、土壌汚染対策費がそのうち六百七十億円であるということもわかりました。
 都の説明で、こうした経費が首都圏の基幹市場の再生のために、そして、食の安全・安心の確保のためにどうしても必要であるという思いは理解できますが、どうしてこれほどの額になるのか、本日は、こういった視点も含め、何点か具体的に伺ってまいります。
 まず土壌汚染対策についてですが、都はその試算に当たって、土壌汚染対策をどのように考えているのか。今、専門家会議で議論されている土壌汚染対策の内容を含め、この委員会においても具体的に伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましては、これまで都が予定している対策、科学的知見から専門家会議において議論している対策及び今後の土壌・地下水の詳細な調査の結果、必要となる対策がございます。
 これまで都が予定している対策としましては、自然的要因により処理基準を超える土壌、建物下区域以外の処理基準以下の土壌を旧地盤面から二メートルまで入れかえを行い、盛り土、アスファルト舗装やコンクリート盤による封じ込めを行うこととしております。
 これに加えまして、現在専門家会議において議論している対策では、地下水の管理が重要であるとの観点から、地下水の水平移動を遮断する敷地周囲への遮水壁設置、高濃度の汚染地下水のくみ上げ浄化、ベンゼンを対象としました微生物や分解剤による浄化、毛管現象による地下水上昇防止のための砕石層の設置を検討しております。
 さらに、今後行う土壌・地下水の詳細な調査の結果、高濃度の汚染箇所や地下水の上昇による健全土への影響が明らかになった箇所については土壌処理を行うことを想定しております。
 また、震災対策としましては、地盤の締め固めや地盤改良材を利用した地盤の固化を検討してございます。
 市場施設完成後においても、地下水位の上昇による土壌の再汚染を防止するため、水位及び水質を継続的に監視し、地下水位を一定に保つなどの対策を議論しているところでございます。

○神林委員 今のご説明の中に、土壌と地下水に対してさまざまな対応を考えており、土壌汚染への対応には、処理だけじゃなくて、管理という言葉がございますけれども、管理という視点も含めて対処していくことが重要であるということも十分理解できたところでございます。この双方を効果的に組み合わせて、やはり基本は、都民の視点から見ても安心できる土壌汚染対策を確実に実施してもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、土壌汚染対策について、それに要する費用の内訳について具体的に伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策費の内訳でございますが、専門家会議設置前から都が予定していた対策に必要な費用として三百十八億、専門家会議において議論している地下水の浄化などの対策に必要な費用として百六十六億円でございます。
 さらに、今後の土壌・地下水の詳細な調査の結果、高濃度の有害物質の処理等に必要になる費用として百八十六億円と推計しております。
 なお、これらの費用の中には、震災対策として必要な費用である九十七億円が含まれてございます。

○神林委員 ただいまのご説明で、一つ一つの経費は確かに食の安全・安心を確保していく上で必要な対策費であるということは伝わってまいります。生鮮食品を扱う市場用地であることから、土壌汚染対策に万全を期することは当然としても、その費用が六百七十億円にも達するということについては重く受けとめていかなければなりません。
 これは例示するまでもないと思いますけれども、東京都の一般会計のうちの百分の一に当たりますし、一般の二十三区の自治体の年間の予算から考えれば、このぐらいの予算規模のところも十分あるわけでございまして、一口に六百七十億円といっても、本当に我々が想定できないような巨額でございます。どう見ても、都民感覚からすれば巨額な金額でございます。こうした経費をなるべく抑えるような効率的な工夫や、最新の汚染処理技術を駆使して、コスト縮減につながるような技術を積極的に取り入れ、食の安全・安心を確保しつつ、できる限り経費を抑えるべきと考えます。
 そこで、土壌汚染処理経費の縮減についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場を都民が安心できる市場として開場するためには、必要な土壌汚染対策を確実に実施することが不可欠であります。これら土壌汚染対策に必要な経費は六百七十億円と見積もっておりますが、地下水の水平移動を遮断するため敷地周辺へ打設する鋼材、震災対策のために地盤の締め固めに使用する砂など、建設資材の運搬に船舶を利用すること、加えまして、地下水位上昇防止のため設置する砕石にコンクリート再生材を使用することなど、効果的なコスト縮減策について幅広い検討を行ってまいります。
 さらに、高濃度の有害物質について、高温度で有害物質そのものを融解し、無害化していく新技術などを検討してまいります。

○神林委員 経費を縮減するような検討をあわせて行っているということでございますが、残念ながら都民の税金を投入せざるを得ない現状を重くとらえて、食の安全・安心をしっかりと確保する中で、経費縮減には不断の努力で取り組んでいかれることをここで強く要望しておきます。
 また、土壌汚染対策費の中には、今回、予定地の全面にわたり四千百カ所で実施する土壌・地下水の調査費用も含まれているようですが、十五億円と、これもかなりの額でございます。さきの公営企業会計決算特別委員会においても我が党より質問しておりますが、いま一度、土壌汚染対策法と比べてどのような調査内容になっているのか、具体的にお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地につきましては、土壌汚染対策法の対象となる用地ではありませんが、本年八月から行った調査の結果、汚染濃度が低いと想定されていた箇所の地下水から環境基準の千倍のベンゼンが検出されたため、専門家会議の意見を受け、土壌・地下水について、敷地全面にわたり、法が求める最小調査区分である十メートルメッシュで調査することにしました。
 また、調査において高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上端まで一メートル単位で土壌の採取を行うことなど、調査方法につきましては結果として土壌汚染対策法と同等でございます。

○神林委員 今ご説明いただいた部分で、この調査は現行法上、平面的にはこれ以上のものはないと思いますけれども、深さ方向には、最大で不透水層までということでございます。しかし、一部では、不透水層より深いところに汚染物質がある可能性も問われておりますので、今回、詳細な調査を実施するに当たって調査深度を不透水層までとした、その考え方を伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 不透水層より深いところの調査につきましては、関東地方の地質や土質に詳しい委員から、新市場予定地で粘土層を形成している有楽町層は、水を通しにくく、汚染されている可能性は低いとの意見をいただいております。

○神林委員 こうした理由から調査範囲を設定したということはわかりましたが、どのような調査方法をとるにせよ、万全な対策を実施する上で必要な調査は必ず実施していってもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これまでの一連の答弁からも、都が土壌汚染問題に真剣に取り組んでいることは十分理解できます。しかし、今なお移転に反対し、再整備を主張し続けている一部の市場業者の方がいらっしゃいますが、再整備がとんざしたときの状況を振り返れば、その困難性は容易にわかるはずであります。
 そこでもう一度、築地市場の現在地再整備が不可能であるということについて改めて伺います。
 まず、現在地再整備の経緯について伺います。

○越智新市場担当部長 築地市場の現在地の再整備につきましては、昭和六十三年十一月に基本計画を策定いたしまして、平成三年一月から仮設施設の工事を行ってまいりましたが、営業活動への影響が予想以上に大きくなりまして、工事調整に時間を要したため、工事スケジュールが大幅に遅延いたしまして、卸売り場や仲卸売り場などの工事に着手できませんでした。
 その後、平成八年四月に東京都卸売市場審議会から、工期の短縮及び建設コストの縮減などの視点から現行基本計画の見直しを行う必要があるとの答申を受けまして、同年十一月の第六次卸売市場整備計画におきまして、現行基本計画の見直しが決定いたしました。
 これに基づきまして、平成九年十月から、業界団体との協議機関で基本計画の見直しに向けての協議を行いましたが、施設規模や動線の確保、ローリング工事期間中の営業活動への影響など多くの問題が提起されまして、協議が進まなくなりました。
 このような状況の中で、平成十年四月に市場業界六団体から、臨海部への移転の可能性につきましての検討の要望書が出されました。
 これを受けまして、平成十一年二月から、業界団体との協議におきまして、卸、仲卸売り場の平面配置を基本とした基本計画の見直し素案を含めまして、都が提案いたしました六案、そして、現行の市場施設の形状を生かしました水産仲卸組合案の計七案をさまざまな視点で検討いたしましたが、いずれの案につきましても合意を得ることができず、移転整備へと方向転換されたものでございます。

○神林委員 という経過を経てきたわけでございますが、引き続きまして、都が現在地再整備を不可能としている理由についても伺います。

○越智新市場担当部長 先ほどの答弁でご説明いたしました経緯を踏まえましても、築地市場は敷地が狭隘で、かつローリング工事用の種地が乏しいことなど、現在地での建てかえは困難でございます。
 加えまして、近年多様化いたします消費者ニーズや食の安全・安心の高まりに対応するために、温度管理の徹底など品質管理の高度化や、物流の効率化に必要な規模の低温施設や荷さばき施設、駐車場などを十分に確保することが求められておりますが、現行の敷地面積ではこれらの施設を整備することができません。
 さらに、アスベスト対策の基準が当時よりも厳しくなっておりまして、現行の施設の解体に当たりましては、一定期間、広範囲にわたりまして市場機能の一部を停止せざるを得ませんので、当時以上に市場業者の営業活動に深刻な影響を与えるということが想定されまして、現在地での再整備は不可能でございます。

○神林委員 今の説明からも、築地市場の現在地再整備が不可能であるということは理解できるところでございます。繰り返しになりますが、今なお移転に反対する市場業者が中心となって、デモ行進などを繰り返して行っているという現実がありますが、都としても、現在地再整備の難しさや土壌汚染対策などを彼らに十分伝え切れていない面があるのではないかとも考えられます。
 問題は、都が実施しようとしている内容を都民や市場業者にいかに誠意を持って伝え、理解してもらうかでございます。都は引き続き誠意ある対応で、粘り強く理解を求める努力をしていかなければ、デモ行進など移転に反対する動きはいつまでもやむことはないように思えます。
 そこで質問でございますが、今後、都はどのように都民や市場業者に再整備の困難性や土壌汚染対策について理解を求めていくのか伺います。

○越智新市場担当部長 築地市場の移転に当たりましては、これまでにも都民向けのホームページやチラシ、市場業界に対しましては懇談会や個別の説明会などを開催いたしまして、丁寧に説明を行ってきております。しかしながら、現在地再整備の困難性や東京都の土壌汚染対策が十分に理解されていない面がございまして、今なお移転反対運動が続けられております。
 こういったことから、来月、全仲卸組合員を対象に説明会を実施することといたしました。今回は、十分な意見交換ができるよう、水産仲卸組合を業種ごとに分けた説明会を計八回程度開催いたします。来年には、約八百業者の水産仲卸業者を店舗ブロックごとに分けまして、二十業者程度の少人数のきめ細かい説明会を開催していく予定でございます。
 都民向けには、説明の方法や内容にもさまざまな工夫を行いまして、事業内容をわかりやすいパンフレットの体裁にして、広報誌やホームページなどに掲載してまいります。
 今後とも、あらゆる機会を通じまして都民や市場業者に丁寧に説明し、築地市場の移転の必要性や土壌汚染対策などにつきましてご理解を得ていきたいと考えております。

○神林委員 内容ももちろんでございますけれども、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、ぜひ誠意を持って行っていただきたいと思いますので、お願いいたします。
 築地市場の移転を進めるに当たっては、万全な土壌汚染対策を講じ、移転に当たって負担となる費用の支援なども必要であると思います。こうした点も踏まえまして、この点についての最後の質問としまして、豊洲新市場を開場させるに当たっての市場長の決意を伺います。

○比留間中央卸売市場長 東京都は、専門家会議の設置前から、豊洲新市場予定地の敷地全面にわたって、現行の法と比べましても二重、三重の対策を行うこととしており、法や条例が求める土壌汚染対策の基準と照らし合わせても、安全性を確保する上で極めて手厚い対策を実施していくこととしておりました。これに加えまして、本年五月から専門家会議を設置いたしまして、市場用地としての特性を踏まえて求められる土壌汚染対策について議論を進めており、今回、土壌汚染対策法と比べて同等な詳細調査を実施することといたしました。来年七月ごろには、調査結果を踏まえ、専門家会議からの具体的な提言を受ける予定でございます。都では、この提言を確実に実施し、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期してまいります。
 また、新市場への移転に当たりましては、市場業者が不安に感じていることについて、市場業者の意見を十分に聞き、市場業者の負担をできるだけ抑えるようなさまざまな工夫や努力を行い、あわせて、十分な荷さばきスペースの確保など、市場業者のビジネスチャンスの拡大が図られるような施設の整備を行ってまいります。
 このような取り組みを積極的に進め、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、そして市場業者が活力を持って事業の展開を行える市場として豊洲新市場を開場させてまいります。

○神林委員 今いろいろご説明いただいたとおり、さまざまな困難を乗り越えた経過もございます。やはり未来に向かってしっかりとやっていかなきゃいけないという意味では、都民に十分な理解を得て、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、そして市場業者のビジネスチャンスの拡大にもつながるような市場が開場されることを期待しております。
 市場長におかれましては、ぜひ日本、世界に誇れる市場を整備していただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、委託手数料の弾力化について伺います。
 中央卸売市場では、卸売業者が生鮮食料品を出荷者から集荷し、仲卸業者などに販売することで都民への供給を図っております。近年、市場外流通の比率が増加しているものの、生鮮食品などを出荷者から集荷し、仲卸業者や売買参加者に販売することを通じて都民へ安定的に供給している中央卸売市場の果たす役割は重要でございます。
 十月十六日の事業概要説明において、卸売販売委託手数料が弾力化され、従来、国により全国一律で料率が定められていたものが、平成十六年の卸売市場法の改正で、五年の経過措置つきで市場開設者が独自に定めることになったため、来年度早期に条例改正を提案できるよう準備するとの説明がございました。
 また、委託手数料の弾力化とともに、出荷奨励金と完納奨励金についても、開設者の承認制とする国の指導が平成二十一年四月から廃止されると聞いております。
 委託手数料の問題は、市場流通の中心的な役割を担っている卸売業者の経営に関する事項であり、今後の市場行政にも大きな影響があるため、幾つかここで質問させていただきます。
 まず冒頭に、委託手数料や出荷奨励金、完納奨励金とはどういうものなのか伺います。

○荒井事業部長 卸売業者は、全国の出荷者から委託されたり、みずから買い付けた生鮮食料品を市場内で仲卸業者や売買参加者に対して卸売しております。出荷者からの委託に基づき販売を行う場合に、卸売業者が出荷者から受け取る報償が卸売販売委託手数料でありまして、販売金額に料率を掛けて計算いたしますが、この料率は現在、水産は五・五%、野菜は八・五%、花では九・五%というように全国一律で定められております。この収入が卸売業者の営業収入に占める割合は大きくて、例えば青果部では七五%であり、収入の根幹となっております。
 出荷奨励金は、産地からの集荷を安定的に確保するために、卸売業者が一定の要件を満たした出荷者に対して交付するものです。また、完納奨励金は、卸売業者が、一定の期限内に販売代金を完納した仲卸業者や売買参加者に交付するものでございます。

○神林委員 そこで、今説明をいただいたわけでございますけれども、委託手数料や奨励金の果たしてきた機能、役割を市場としてどのように考えておりますか、お願いいたします。

○荒井事業部長 委託手数料は、国が全国一律に料率を定めることにより、出荷者と卸売業者の双方にとって、透明性が高く、公平で公正な取引を確保する役割を担っています。卸売業者は原則として出荷者からの販売委託の申し込みを拒否できませんが、受託すれば、売り上げに応じて一定の手数料率で収入が確保できます。反面、この手数料以外の報償を受け取ることが禁止されているため、創意工夫の余地がない点では硬直的であります。
 出荷奨励金は、出荷者からの卸売市場に対する安定的な集荷のみならず、産地の大型化や共同出荷等を促進し、市場流通の近代化、効率化のための役割を果たしています。
 また、完納奨励金は、販売代金の確実かつ早期の決済を促進することにより、産地からの卸売市場への信頼を支えておりまして、いずれも市場制度にとって重要な役割を果たしています。

○神林委員 今ご説明いただいても、営々といろいろ築いてこられた部分で、委託手数料や出荷奨励金、あわせまして完納奨励金が卸売市場の制度の中で重要な役割を果たしてきたということが十分理解できるところでございます。
 それでは、平成十六年の卸売市場法改正では、委託手数料についてどのような趣旨で法改正がされたのか、お聞きいたします。

○荒井事業部長 平成十六年の卸売市場法の改正は、安全・安心で効率的な流通システムへの転換を目指して、品質管理の高度化や事業活動に関する規制の緩和等を内容として行われました。
 卸売業者については、みずからの判断で行う買い付け集荷に関する取引規制などが緩和されたほか、卸売手数料についても、証券取引手数料等と同様に、経営者が自己の責任で機能、サービスに応じて手数料を設定して、経営の効率化や競争力の強化を図ることができるようにいたしました。
 ただし、卸売業者はその収入の多くを委託手数料に依存しているため、制度改正までの間、準備期間を設けるものとし、その間に、規制が緩和された買い付け集荷等を活用して経営体質の強化を図り、平成二十一年の四月から施行することとされました。

○神林委員 市場をめぐる厳しい環境の中、平成十六年の委託手数料をめぐる法改正の趣旨は理解できました。法改正の趣旨からすると、委託手数料の決め方については、現在の定率制から規制を緩和し、卸売業者による弾力的な手数料の設定を認めるということになると思いますが、長年国が決めてきた手数料がいきなり全くの自由になるということは、混乱が起きるのではないかと危惧されます。市場の開設者としても、手数料の弾力化に対して何らかの対応が求められるのではないかと考えます。
 そこで、質問でございますが、委託手数料の決め方について、国は四通りの例を示していると聞いておりますが、どのようなものでしょうか。

○荒井事業部長 国は、法改正に当たって、委託手数料率が適正に定められるよう、開設者が一定の関与をすべきであるとして、条例改正を行う場合の四つの例を示しております。
 一つは、手数料率を開設者が定める場合です。二番目は、卸売業者が、開設者が定めた上限の範囲内で開設者の承認を受けて手数料を定める場合です。三番目は、卸売業者が、開設者が定めた上限の範囲内で手数料を届け出て定める場合です。そして四番目は、卸売業者が手数料を開設者に届け出て定める場合。この四つでございます。

○神林委員 当然のことだと思いますが、市場側としては、国から示された関与例をもとに検討を進めることになると思いますが、手数料の弾力化はこれからの市場の運営に大きな影響を与えるため、実情を十分に理解、把握し、検討していくことが大切だと考えます。
 都は、委託手数料等の弾力化に向けて、これまでどのように検討を進めてきたのか、お伺いいたします。

○荒井事業部長 手数料の弾力化は市場の運営に大きな影響があるため、昨年度から、国、全国の開設者、市場関係者等とヒアリングや意見交換等を行って、あり方を検討しております。
 特に卸売業者については、財務検査や事業報告書などから委託手数料率が変動した場合の損益分岐点を調査するなど、経営状況の把握に努めているほか、すべての卸売業者から法改正後の経営状況や弾力化への対応等についてヒアリングを行いました。
 また、出荷奨励金や完納奨励金については、卸売業者のみならず、出荷者団体や仲卸業者団体などから制度に対する考え方を聴取し、検討を行っています。
 さらに、全国の開設者とは、全国中央卸売市場協会を通じまして卸売市場の活性化に向けた手数料弾力化のあり方を議論し、意見交換を行っております。

○神林委員 今ご答弁にもございましたけれども、仕組みを変える上で、影響を受ける市場関係者との意見交換を行うことは重要なことでございます。私が話を聞いているところでは、卸売業者は、手数料が弾力化することにより経営状況がどのように変化するか、不安を持っております。卸売業者の経営状況は、経常利益率が一%に届かないという厳しい状況であり、制度改正の影響により経営が悪化することを懸念しております。
 委託手数料の弾力化を検討するに当たっては、法改正の趣旨を踏まえて、卸売業者の経営判断で質の高いサービスが工夫され、健全な競争のもとで業績向上が期待できますが、一方、卸売業者の経営状況が変化し、安定的な市場流通が損なわれることがないよう適切な配慮をしていく必要があると思います。
 また、奨励金の制度についても、現在は交付限度額や交付率を定めて、過度な交付により卸売業者の財務の健全性が損なわれることのないよう、都の承認制をとっているということですが、これらの制度について、青果や花きの業界より要望が出ております。
 内容は、制度の維持や廃止、名称変更などさまざまでありますが、業界はこれからどうなるのか不安を持っております。出荷奨励金は、開設者が関与しないと、出荷に対して交付が拡大しないかと卸売業者は懸念しております。また完納奨励金については、卸売代金の期限内完納が卸売市場制度の根幹であり、特に青果部では、仲卸業者や売買参加者の団体が、それぞれ卸売業者に対して早期の支払いを担保する代払い制度と結びつきながら、代金決済の確実性を確保してきた経緯があり、慎重な対応をすべきであり、要望しておきます。
 この項の最後の質問に、今後どのようなスケジュールで条例改正を進めていくのか、お聞きいたします。

○荒井事業部長 今後のスケジュールでございますが、市場関係者との十分な協議を実施した上で、来年一月に中央卸売市場取引業務運営協議会でご審議いただき、四月に同協議会に条例案を諮問し、答申いただいた上で、二十年第二回定例会に条例改正案を提出する予定でございます。

○神林委員 最後に、要望を一点だけ申し上げておきます。
 繰り返しになりますが、委託手数料の弾力化を検討するに当たっては、法改正の趣旨を踏まえて、市場業者の活性化につながるように制度を構築するべきでありますが、市場の中心的な機能、役割を持つ卸売業者の経営が不安定なものとなって、都民への生鮮食料品流通に支障が生じないようにする必要もございます。各奨励金のあり方も含め、来年度の条例改正に向けてぜひ関係業界と十分協議しながら、中央卸売市場として最もよい制度を策定してもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後の質問は大田市場の花き部についてでございます。
 大田市場は、青果物の取り扱いでその名をとどろかせているところではございますが、花きの取り扱いにおいても基幹的な役割を果たしております。本日は、その花き部について何点か質問をいたします。
 青果部や水産部よりも約一年おくれて開場した大田市場花き部でございますが、その後順調に発展を続け、現在では、東京都における花き流通の大半を占めているともお聞きしております。その盛況ぶりは、実際に現場の様子を見ても、私どもは地元でございますので、実感できるところでございます。
 市場の開設者としても、荷が集まり、人が集まるということはまことに喜ばしいことでありますが、市場のキャパシティーを超えて人や物が集中すれば、課題も生じるわけでございます。大田市場花き部では、駐車し切れない車両が道路まではみ出しているときもあると聞きます。取扱量の拡大に合わせて来場する車もふえることは当然のことでございます。
 そこで、都はこうした事態に対しどのように対処しているのか、まずお聞きいたします。

○後藤参事 大田市場花き部におきまして、取扱数量の増加に合わせて来場する車両も増加し、混雑や渋滞などが生じておりますことは認識してございます。
 このため、大田市場では、花き部南側の用地を港湾局から一時賃借し、また、市場北側用地を取得して、卸売業者の商品保管庫、駐車施設用に利用させるなど、駐車場の確保に努めてまいりました。
 昨年度には、都と市場関係業者が地元警察署に要望し、花き部西側道路の一部につきまして、混雑時に駐車禁止を解除していただいたところでございます。また、交通整理をする警備員の配置や、売買参加者や買い出し人が優先的に駐車場を使用できる時間帯の設定など、運用面での混雑緩和措置も行っており、通常期におきましてはおおむね順調に入退場が可能となっております。しかし、お彼岸や母の日、年末年始などの繁忙期には依然駐車場に入り切れない車両も見られることから、昨年度には、花き部西側用地の一部を繁忙期に港湾局から一時賃借し、臨時駐車場として卸売業者に利用させております。

○神林委員 今ご説明をお聞きしたとおり、増加量を踏まえまして、近接の東西南北の各用地につきまして、いろいろご苦労されていることは私どもも十分承知しているところでございます。取扱量の増加に合わせて、都としても業界と一体となって、これからもぜひよろしくお願いしたいと思っております。
 しかし、でございますが、今の答弁にあった花き部北側の施設は市場関係業者が整備し、南側、西側の用地については、その賃借料を市場関係業者が負担していると私は聞いております。
 そこで、これらの施設用地は市場関係業者がどのように使用し、毎年どの程度の費用を負担しているのか、お伺いいたします。

○後藤参事 市場の南側の土地につきましては、平成五年度から、業界の要望に基づきまして、中央卸売市場が港湾局の用地を一時賃借し、卸売会社等に利用していただいております。駐車場や商品、台車等の置き場に使用されており、平成十八年度決算の賃借料は約一千三百五十一万円でございます。
 北側の土地は、業界要望に基づきまして中央卸売市場が取得し、卸売会社二社に貸し付けております。この土地に卸売会社が商品保管庫と駐車施設を整備し、平成十五年度から使用を開始しております。平成十八年度決算の賃借料は八千七十二万円となっております。
 西側の土地につきましては、業界からの要望に基づき、昨年度から港湾局の用地の一時賃借を開始したもので、繁忙期に場内の駐車場をあけるため、通勤車両の駐車場所として卸売会社が利用しております。平成十九年四月末から一カ月間賃借した際の賃借料は約十九万円でございます。

○神林委員 これらの用地や施設については、業界の要望に基づき、卸売会社などが自社の業務のために使用すると同時に、混雑時には駐車場として活用しているということなので、現在のような負担区分になっていることを理解できる部分もございます。しかし、本来、来場する売買参加者や買い出し人向けの駐車場は開設者が整備するべきものであると思います。豊洲新市場の整備などで大変厳しい財政状況にあることは十分理解できますけれども、中長期的視点に立って、状況を少しでも改善するよう努力してもらいたいと思います。
 ところで、先ほどの答弁の中で、繁忙期には依然として混雑しているということがございましたけれども、質問としましては、開設者として、大田市場花き部における今後の駐車場の需要についてどのように考え、対処していくのか、お考えを伺います。

○後藤参事 大田市場花き部の取扱数量は、最近五年間で見ますとおおむね横ばいでありますことから、駐車場の状況につきましても通常時には対応が可能であり、繁忙期の混雑は当面継続することが見込まれております。
 このため、混雑が予想される場合には、花き部西側の海上公園予定地について、必要な時期に必要な面積を借用するよう努めますとともに、混雑の度合いに応じ、交通整理体制の強化を図ってまいります。
 また、卸売会社である株式会社大田花きにつきましては、本年十月から、インターネット経由で競りに参加できる在宅競りシステムを稼働させており、このシステムが本格的に普及していくことにより、来場者のピーク時への集中は分散するものと考えております。
 来場者等の駐車需要に適切に対応することは開設者の役割の一つであると認識しており、今後も、市場取引や来場者の動向を見きわめながら、来場される方が円滑に入場できるよう対処してまいります。

○神林委員 いずれにいたしましても、自動車による物流が主流である現代では、駐車場がなければ人も物も十分に集まらず、市場の機能も発揮できないわけでございます。大田市場の花き部においても、さまざまな制約があるとは思いますが、いろいろ知恵を出していただいて、市場関係業者や買い出し人に不便がないように、ぜひこれからも努力していただきたいと思います。
 実は、この後お話ししようとしているのは、これからのことでございます。
 今、大田市場を取り巻く環境は大きく変わろうとしております。平成十六年の卸売市場法の改正により、取引規制が緩和され、卸売業者などがより多様な事業活動を行うことが可能となりまして、刻々と変化する顧客の需要に対応するため、製品の加工施設や荷さばき施設などの整備が求められております。また、平成二十二年秋には私どもの近接します羽田空港の四本目の滑走路が完成いたします。羽田空港が随時国際化され、二十四時間離発着が可能となれば、日本はもとより世界各地の産地から、深夜早朝枠を利用して、魚介類、青果、花きが大田市場に搬入されてくることが予想されます。
 今、二点ばかりお話しさせていただきましたけれども、こうした新たな需要にこたえられる施設や駐車場などの整備は、困ってから検討するというような場当たり的な対応ではなく、しっかりと先々の需要動向を把握し、現場で働く方々の意向も十分組み入れて、計画的に対応していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。答弁を伺いまして、私の質問を終わります。

○比留間中央卸売市場長 市場流通を取り巻く環境が変化している中で、卸売市場が競争力を向上させていくためには、需要や物流の変化に的確に対応することが必要であると考えております。
 大田市場花き部では、取扱数量が計画数量を大幅に上回っているため、現在の市場施設や用地を最大限活用して運営しておりまして、市場内及び周辺に新たなスペースを確保するためには、多くの努力や工夫が必要な状況にあります。
 しかしながら、花の加工施設や量販店向けの荷さばきを行う施設など、新たな需要にこたえるための施設整備のあり方は、開設者として検討すべき課題であると認識しております。
 今後の施設整備に当たりましては、市場取引の動向や市場施設の活用状況を見きわめつつ、市場関係業者の意向にも十分配慮し、適切かつ計画的に対応してまいります。

○岡崎委員 さきの決算特別委員会で、我が党は豊洲の土壌汚染問題についてただし、東京都からは前向きとも思えるような答弁をいただいております。そこでまず、土壌・地下水の詳細調査について二点ほど確認したいと思います。
 十一月五日の第五回専門家会議で報告された土壌・地下水の詳細調査計画によれば、地下水質が環境基準の十倍を超過した場合には深層までの土壌汚染状況を把握するということになっておりますが、これに対して私たちは、環境基準の十倍ではなく、環境基準を超えた場合でも土壌の調査をすべきだと主張してきました。東京都は環境基準を超えた場合でも調査すると考えていいのでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌・地下水の詳細な調査の結果、土壌については、環境基準を超過した物質について地表面から不透水層までのボーリング調査を実施することとしており、都としましては、地下水中のベンゼン等についても同様に取り扱うようにしております。

○岡崎委員 また、私たちは、粘土層内部についても汚染が浸透していないか調査するためにも、粘土層を一部採取して調査を行うべきだと質問しておりますけれども、これについても、粘土層を一部採取して調査するという理解でよろしいでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 粘土層内部の調査につきましては、専門家会議委員から、粘土層は水を通しにくく、汚染の可能性が低いため、必要ないとの意見をいただいており、粘土層の調査はいたしません。
 今回行う地下水調査では、地下水中から高濃度の有害物質が検出された場合、東京ガスの操業時の地盤面から不透水層を形成する粘土層の上端部まで一メートル単位で土壌の採取を行い、分析することとしております。

○岡崎委員 粘土層そのものの調査はしないということのようですけれども、一メートル単位で土壌を採取し、分析すれば、結果として粘土層の調査を行うものだと確認させていただきます。
 こうした調査によって汚染土壌の実態が明らかになるわけだが、その処理費用はどのくらいになるのか。報道にも載っておりますけれども、東京都の説明によれば、豊洲の土壌汚染対策費は合計で六百七十億円になると見積もられております。この数字は予算のことなので、詳しくは予算議会に譲りますけれども、ここではその基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
 東京都は二十年度予算見積もりの中で、高濃度物質検出箇所の調査及び処理などの費用として百七十一億円を見込んでおります。しかし、どの程度の対策費が必要になるのかは、詳細調査を待たなければ、どこにどの程度、汚染された土壌があるのかもわからないのではないでしょうか。二十年度予算に向けては、どの程度の規模の土壌を処理することを想定していくのか。また、七月に公表予定の調査結果によっては、予算上見積もった費用を大きく超えることも懸念されますけれども、いかがでありましょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 調査、対策に要する経費六百七十億円のうち、都がこれまて予定していた自然由来物質の処理、これまでの専門家会議の中で議論されている高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水対策、震災対策としての地盤改良等に要する四百九十九億円につきましては、既に状況を把握しており、大幅に変わることはないと考えております。高濃度物質の土壌処理などの費用百七十一億円につきましては調査結果を待たなければなりませんが、金額の算定に当たりましては、これまで東京ガス株式会社や都が実施した土壌や地下水の調査における有害物質の検出率や地下水が上昇している面積を考慮の上、処理土量を算定し、経費を見積もっております。

○岡崎委員 また、詳細調査によって豊洲の汚染状況を明らかにした上で、私は、処理基準を超える土壌についても処理していくべきだと考えております。
 民主党は現在、国の参議院において土壌汚染対策法の改正案を提案する準備を進めており、この法案が可決されれば、豊洲地域は土壌汚染対策法に基づく指定区域に指定されることになります。豊洲地区は、今の土壌汚染対策法の施行がもう少し早ければ、指定区域に指定されるような区域であります。少なくとも処理基準を超える汚染土壌についても処理していかなければ、生鮮食料品を扱う市場の用地として都民の理解が得られないと思いますけれども、東京都の見解をお伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場の土壌汚染対策につきましては、これまで、環境基準の十倍を超える高濃度有害物質の除去、東京ガス株式会社操業時の地盤面から深さ二メートルの土壌入れかえと二・五メートルの盛り土、さらには、その上を二十五センチメートルから四十センチメートルのアスファルト舗装やコンクリート盤で覆うことを予定しております。これらの対策は、法令の求める土壌汚染対策の基準と照らし合わせれば、安全性を確保する上で二重、三重にも手厚いものと考えております。
 さらに、これらの対策に加え、現在、専門家会議で、高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水管理を含め、今後必要となる対策について検討しており、この検討に必要な土壌・地下水の詳細調査を実施することとしました。都としましては、土壌・地下水の詳細な調査結果に基づく専門家会議からの提言を受け、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期し、都民の理解を得てまいります。

○岡崎委員 都議会民主党は、多くの都民が納得のできる土壌汚染対策を引き続き求めてまいります。
 また、土壌汚染対策にかかわる費用として六百七十億円、あるいはそれ以上想定されますけれども、これらの費用は、東京都あるいは東京ガスのどちらが負担すべきものなのか。これまでの都の方針に基づく対策費は、土壌対策で二百四十六億円、震災対策で七十二億円と試算されております。また、今後、調査費や土壌対策、地下水対策、震災対策などに費用がかかると思いますけれども、これらのうち東京都が負担すべきものがあるのか、お伺いしたいと思います。

○越智新市場担当部長 豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に係ります費用負担の問題につきましては、詳細な調査の結果を踏まえまして整理を行ってまいりますが、対策の中には、例を挙げますと、自然的要因の有害物質の除去に要する費用、専門家会議の議論を踏まえた詳細な調査の実施、震災対策などにつきましては、東京都の責任で実施すべきものが含まれているというふうに考えております。

○岡崎委員 そうすると、東京都の責任で実施すべきものが多く含まれているという答弁でありますけれども、今回の土壌汚染対策費が豊洲新市場の使用料にはね返るのではないかと心配する声もあるわけでありますけれども、使用料の考え方についてお伺いいたします。

○大野管理部長 市場使用料は、都が市場の開設者として、市場施設の設置及び管理運営等の経費に充てるものでありまして、受益者負担の観点から、市場施設を専属的に使用し営業活動を行っている卸売業者、仲卸業者等に対し一定の経費負担を求めるものでございます。
 使用料の算定におきましては、施設整備など市場の開設に要する経費は、管理運営に要する経費とともに、原則として使用料の対象経費となるものでございますが、市場用地の取得、造成に関する経費につきましては、都はこれまでも、開設者が負担すべきものとして、使用料の対象外経費として整理してございます。
 このため、今回の土壌汚染対策に要する経費につきましても使用料の対象外経費として取り扱うことになるものと考えております。

○岡崎委員 土壌汚染対策に係る経費は使用料の対象外経費になるということを確認させていただきました。
 ところで、汚染地に引っ越すという話もひどい話ですけれども、家賃も決まっていないのに引っ越すという話もひどい話であります。使用料や光熱水費の額について、東京都はこれまで、PFI事業者の決定にあわせて試算値を業界に提示すると答弁しておりました。東京都の説明では、PFI事業者の決定を二十一年五月としておりますけれども、それでは余りにも遅過ぎると思うわけであります。いつごろまでに試算値を提示する予定なのでしょうか。また、使用料や光熱水費を試算する上で、減価償却費や運営費などが大きなウエートを占めると思いますけれども、その基本的な考え方についてもあわせてお伺いいたします。

○大野管理部長 豊洲新市場は築地市場の移転であることから、できる限り多くの市場業者が移転できる環境を整備することが必要であると考えております。移転に際して市場業者が最も懸念されているのが事業継続の問題でございまして、使用料や光熱水費の負担がその重要な判断要素となることは十分に認識しております。このため、使用料や光熱水費につきましては早期に試算値を業界にお示ししたいと考えております。
 これまで申し上げてまいりました考え方によれば、試算値の提示は、PFI事業者が決定し、建設費等が確定する平成二十一年五月ごろということになりますが、これよりも早い段階で使用料の概算をお示しできるかどうか、検討してまいります。
 なお、使用料や光熱水費の算定に当たりましては、市場業者の負担を極力抑制する工夫や努力を行い、円滑な移転が可能となるよう全力で取り組んでまいります。

○岡崎委員 先ほども、どなたかのご答弁の中に、今もなおという言葉がございましたけれども、私は六月十九日の代表質問でも申し上げましたけれども、汚染土壌の問題が解決されず、多くの方たちが移転に疑念を抱いている中で、築地市場を強引に豊洲に移転することは断固として反対するものであります。問題の解決に向けて、土壌汚染対策を徹底して行うとともに、関係団体の納得できる話し合いを要望するものであります。
 特に近年、食に対する安全の問題が日本のみならず世界じゅうでも話題になって、我が国は、世界でも最も食の安全については信頼される国の一つでありますけれども、近隣の国が、ちょっとした過ちがちょこちょこと出て、汚染物質が輸入される物質の中に含まれていることが起きていたがゆえに、全く関係のないその国の製品を扱うような業者、あるいは名前が似たようなお店がばたばたと倒産したり、業種の転換をせざるを得ないということが起きているのが事実であります。ぜひとも関係団体の納得できる話し合いを要望して、質問を終わります。

○増子委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時二十六分休憩

   午後五時三十七分開議

○増子委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○木内委員 豊洲新市場の整備についてお尋ねするわけでありますけれども、先週の特別委員会、そして、きょうの本委員会におきまして、大分間口の広い、新市場の課題について質疑が行われておりますので、重複をできるだけ避けて、ポイントに絞ってお尋ねいたします。
 新市場の整備につきましては、昨年の秋、長年の市場業者、東京都関係者の努力が実を結んで、施設配置、規模の大枠というものが基本設計相当という形でまとまった経過があります。そして、昨年十二月には、PFI実施方針、業務要求水準書案が公表されるなど、事業が順調に進捗するかに見えましたけれども、その後、新市場予定地の土壌汚染の問題が大きくマスコミ等で取り上げられ、こうした経過の中で築地市場の移転反対運動が拡大してきたことは既にご案内のとおりであります。
 しかしながら、我が国を代表するリーディングマーケットとして確固たる地位にある築地市場の機能を継承して、新たな時代の生鮮食料品の流通拠点として運営されるよう、今後、新市場については、関係者との十分な協議を行い、土壌汚染対策に万全を期し、そして、総力を結集し、都民の安心を得、安全への信頼を確保しながら、着実に整備を進めていただきたいと、率直に私は切望するものであります。
 そこで、まず、整備事業の大前提であり、土壌汚染の問題が最も深く関与しております新市場予定地の取得について伺うわけでありますが、これまでに購入した用地の面積及び費用の内容について明らかにしていただきたいと思います。

○越智新市場担当部長 東京都がこれまで新市場予定地として購入した用地は、平成十六年度に東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を四・六ヘクタール、百十九億円、平成十七年度に保留地を三・八ヘクタール、二百三十四億円、平成十八年度に保留地を三・四ヘクタール、二百十六億円、東京鉄鋼埠頭株式会社の用地を二・九ヘクタール、百五十一億円でございます。これは取得予定面積の四割弱に当たります。

○木内委員 今の答弁で明らかなように、既に取得予定面積の四割弱については対応が終わっている。残については今後の課題になっているわけであります。
 そこで、購入の時点で新市場予定地の大部分に東京ガスの操業由来の汚染土壌が存在することは既に明らかになっていたわけでありまして、東京都は、当然、用地取得に当たって、同社の土壌汚染処理を確認した上で購入してきたという経過があるのでありますけれども、改めて今、用地の購入に当たって土壌汚染処理をどのように確認してこられたのか伺います。

○越智新市場担当部長 東京ガス株式会社は、平成十四年及び平成十七年に環境局に環境確保条例に基づく汚染拡散防止計画書を提出し、土壌汚染処理を行った後、平成十八年に五街区及び七街区、平成十九年に六街区における汚染拡散防止措置完了届を提出し、処理完了を報告しております。中央卸売市場は、この完了届の提出を確認した上で用地の購入を行っているところでございます。

○木内委員 今の答弁で、そうしますと、従来から条例に基づく届け出により確認しているということが理解できるわけでありますけれども、しかし、今回、土壌汚染対策に係る専門家会議の議論によって都が実施した追加調査によって、東京ガスの操業由来としか考えられない一千倍の濃度のベンゼン等、先ほども要求資料の説明等で数字が明らかになっているところでありますけれども、高濃度の汚染物質が検出され、従前の同社の調査に重ねて、詳細な地下水・土壌調査を行うこととなった、こういうことでありました。土壌汚染処理を確認した上で用地を購入するとしている都にとって、今後、こうした経過をたどってまいりますと、円滑な用地取得に支障が生じかねないのではないかという、そういう思いがあります。
 そこで、今後の用地購入計画についてはどう方針を持っておられますか。

○越智新市場担当部長 中央卸売市場といたしましては、平成二十年度予算として未取得の港湾局用地の購入予算を要求するなど、平成二十二年度までの三カ年で、残りの東京ガス株式会社所有地を含めた未取得の用地二十三・五ヘクタールを購入する予定でございます。

○木内委員 平成二十二年度までに、東京ガス所有地を含めた未購入土地の取得を行う予定である。確かに用地取得というのは新市場整備事業の根本であり、おろそかにできない問題であります。一方で、土壌汚染に係る広範な詳細調査や対策がまたこれ関連しておりまして、複雑な様相に今なってきていることも事実であります。
 そこで、本年度予算で用地の取得費が計上されておりますけれども、執行についてはどういう基本的な方針でいくのか、考え方を伺いたいし、今後のこれに伴う条件等を示していただくことはできますか。

○越智新市場担当部長 本年度予算で購入を予定しておりました五街区及び七街区の港湾局用地八・七ヘクタールにつきましては、現時点で土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容が明確でないことから、購入を延期することといたしました。これを含めました未取得の用地二十三・五ヘクタールにつきましては、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容など、基本的事項が整理された上で購入する考えでございます。

○木内委員 今の点が私のきょうの質疑のポイントでありまして、二点あったわけです。一つは、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容が明確でないため、まず購入は延期することにした。もう一点は、今後の用地購入については、土壌汚染に係る詳細調査の結果や対策内容等、基本的事項が整理された上で購入する。これは全く新しい公式の場で明らかにされた基本的な考え方であろう、こういうふうに思います。
 中央卸売市場が、従前の完了届による確認に加えて、土壌汚染に係る詳細調査及び対策を、今申し上げたように、購入の基本に据えているということは、私は、都民の期待にこたえるものの一環であろう、また理解を得られるのであろうという気持ちもするのでありますけれども、いずれにしても冒頭申し上げたように、万全な安全対策というものが大前提になるわけであります。申し上げるように、今後の新市場への対応というものは、とにかく都民の信頼と理解が得られる安心・安全の確保ということが大前提でありますので、ぜひとも留意されたいわけでありますが、ところで気になるのが、対策費と、これまで出ておりました東京ガスの負担という議論の問題であろう、こういうふうに思うんです。今後の詳細調査で操業に由来する汚染物質が検出された場合、対策費用の負担についてさまざまなマスコミ報道があるわけでありますけれども、東京ガスとの協議の基本的な姿勢を確認していきたいと思います。

○越智新市場担当部長 土壌汚染対策費のうち、東京都の調査で検出された有害物質が操業に由来し、かつ除去等が必要となる経費につきましては、基本的に汚染原因者である東京ガス株式会社が負担すべきものと考えております。費用負担の問題につきましては、詳細な調査の結果を踏まえまして整理を行ってまいりますが、対策の中には、例を挙げますと、自然的要因の有害物質の除去、専門家会議の議論を踏まえた詳細な調査の実施、震災対策など都の責任で実施すべきものが多く含まれております。今後、費用負担の問題につきましては東京ガス株式会社と協議してまいります。

○木内委員 るる答弁いただきましたけれども、東京ガスと協議するに当たりまして、具体的にどういう課題があって、それぞれにどう対応していこうとしているのか、再び答弁を求めます。

○越智新市場担当部長 東京ガス株式会社との協議に当たりましては、同社の調査、対策が当時の環境確保条例に基づき手続を終了していること、一方で、今回の調査で現に操業に由来する高濃度の有害物質が検出されていること、今後、有害物質が検出された場合の自然由来と操業由来の区分、確認書の位置づけなど、数多くの整理すべき課題がございます。現在、法的な問題につきましては、これまでの確認事項を踏まえまして、法律の専門家に相談しながら検討しているところでございます。
 都は、今後四千百カ所で実施いたします詳細な土壌・地下水調査の結果を踏まえまして、東京ガス株式会社と具体的に協議してまいります。

○木内委員 繰り返し申し上げるように、大切なのは、土壌汚染を克服して、都民が安心できる卸売市場をつくるという、この一点であります。
 ところで、都の副知事も出演いたしました先日のテレビの対談番組で、出演者が豊洲の土壌汚染問題を取り上げて、土壌汚染対策法は深さ十メートルまでの調査が基準なのに、都が実施する十メートルメッシュの詳細調査は深さ五メートルまでしか調査しないので不十分である、そういう趣旨の発言をしていました。きょうも関連した質疑がありましたけれども、今申し上げたテレビの出演者の発言は正しいですか、どうですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策法の基準では、ベンゼン等の揮発性物質の土壌表層調査の結果、高濃度のガスが検出された場合、地表から深さ十メートルまたは不透水層の上端まで土壌のボーリング調査を行うこととされており、一律に深さ十メートルまでの調査を求めているわけではございません。
 今回、都が行う調査は、豊洲新市場予定地全域を対象に十メートルメッシュで土壌・地下水の調査を行い、当該箇所で高濃度の有害物質が検出された場合には詳細な土壌ボーリング調査を行うこととしております。
 土壌のボーリング調査につきましては、専門家会議委員から、不透水層を形成している粘土層が水を通しにくく、粘土層内部、下部の汚染の可能性は低いとの意見をいただいていることから、地表面から不透水層上端までを対象に行うこととしております。
 都が実施する調査内容は、土壌汚染対策法が求める内容と合致しております。

○木内委員 申し上げたテレビの報道内容が誤りであったことがここで明らかになりました。
 豊洲の土壌汚染問題が大きくクローズアップされる今日、今最も求められるのは、正確な理解、正しい情報ではないか、そんなふうに思うわけであります。冒頭申し上げたように、大分質疑がありまして、重複を避けてポイントだけお尋ねしたわけでありますけれども、最後に、確実に土壌汚染処理を実施した上で着実な新市場の整備というものを進めていかなければならないと思うわけでございまして、さきに知事も、調査箇所をふやして、都民が一〇〇%安心できるようにしていきたいということを定例記者会見で述べておられます。新市場の開設というのは、食の安心・安全が確保されなければならないということも、従前より繰り返しているとおりでございまして、今後関係者と十分な議論を行いながら、都民の安心を得て、着実な整備を進めていただきたい。本当に市場長を初め、ご苦労が多いこれからの作業になると思いますけれども、そのことも強く要請しておきたいと思うんです。ご努力を重ねていただきたい。
 最後に、市場長にこの問題に関する抱負をお尋ねして、終わりにしたいと思います。

○比留間中央卸売市場長 東京都は、専門家会議の設置前から、豊洲新市場予定地の敷地全面にわたって、現行の法と比べても二重、三重の対策を行うこととしておりまして、安全性を確保する上で極めて手厚い対策を行うこととしておりました。これに加えまして、本年五月から専門家会議を設置して、市場用地としての特性を踏まえて求められる土壌汚染対策について議論を進めており、今回、土壌汚染対策法と比べて同等な詳細調査を実施することといたしました。来年七月ごろには、調査結果を踏まえ、専門家会議からの具体的な提言を受ける予定でございます。都では、この提言を確実に実施し、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期してまいります。
 豊洲新市場は、流通環境が大きく変化する中、今後、将来にわたって長く首都圏の基幹市場として機能できる先進的な市場として整備をしてまいります。具体的には、品質管理の徹底を図るため、閉鎖型構造としてコールドチェーンを確保するとともに、車両誘導、駐車場管理システムの導入などによる物流の効率化、太陽光発電システムの導入や屋上緑化、場内搬送車両の電動化などにより、環境への負荷の低減を十分考慮した市場としてまいります。このような取り組みを積極的に進め、平成二十五年三月には、都民が安心できる市場、新たな時代のモデルとなる市場として豊洲新市場を開場させてまいります。

○小竹委員 私も豊洲の土壌汚染についてお伺いします。
 私たちは、食の安全・安心を守るという立場に立って、これだけ地下水や土壌が有害物質に汚染された豊洲へ生鮮市場である築地を移転させることは中止すべきだという基本的立場に立っています。その点に立って、これまで土壌汚染対策法に基づく調査は、少なくとも土壌や地下水について行うべきだという点から、最低限の責任だということで追及してまいりました。
 しかし、市場当局は当初、市場長も、地下水は飲料にしないから調査しなくていいんだとお答えになり、また土壌についても、東京ガスの調査で万全で、それに加えて市場がやるんだからというふうにいってこられました。しかし、それが知事選で大きな争点になり、五月に専門家会議が設置されて、専門家会議が追加調査として八月に行った調査で、地下水のベンゼンが一千倍、土壌については一千六百倍という高濃度の汚染が検出された状況です。それに基づいて、先ほどご報告があった調査というふうになったわけですけれども、私は、これでもまだ不十分だといわなければならないというふうに思いますので、その点からお伺いしたいと思います。
 私たち都議団は、専門家会議が調査をされ、そして報告があった後、十月三十日に現地を視察させていただきました。そのとき見て、びっくりしたんですけれども、五街区も六街区も七街区も、いずれもあちこちに水が大量にたまっている、こんな状況を見かけました。池のようになっているところがあり、水鳥も来ている、こういう状況だったわけですけれども、この水は、二十七日、関東を襲った台風二十号の大雨でたまったものなんですが、雨が降った後、三日もたっているのに、あれだけたまっているんですね。水が引けないというのは本当に深刻な問題だというふうに、私も現場に行ってつくづく感じたんですが、そのときに降った雨の量、それから、たまっている水の水質等については調べたんでしょうか。水質までいかなくても、電気伝導度やpHの測定はお願いしたわけですが、結果をお聞かせください。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地の地表面にたまっている水は降雨によって生じたものと認識しております。したがって、調査する考えはございません。

○小竹委員 雨量もやってないということだと思いますけれども、雨だから調べていないというのは問題なんですね。現地に一週間後に行った方からも伺ったんですけれども、まだ引けてなかったというふうにいわれています。地面にたまった水が下にしみ込まないというのは、普通じゃ考えられないことですね。そういうことは、あそこは土ですから、その下に地下水がいっぱい飽和状態であるということではないんですか。だから吸い込めない、こういう状況なわけですよ。
 ということは、地下水が上まで上がって、汚染物質も上まで上がっているということになるわけで、本当にそういう点でいったら、地下水がどうなっているかという点を調べる上でも、たまった水の調査って重要なんですね。
 現地で、調べさせてほしいというふうに申し出たところ、それらについては市場の方で調べるからというふうにおっしゃられたんじゃないですか。やっぱり約束したんだったら、きちんと守って、本当に雨だけだったら、伝導度だって低いわけですし、pHだって低いということになるわけですから、都民に安心のデータを出す。最大限譲ったとしてもやるべき課題だというふうに思うんですね。本当にそういう意味でいうと、食の安全について、先ほど来、安全は守るんだというふうにおっしゃっているけれども、それ自身、私は疑問を感じるような状況です。
 ことしの第一回定例会のときにも、五街区のところに大きな池があって、地下水がたまっているんじゃないかといったら、これも市場の皆さんは雨水だといって、調査もせずに海水に流したんですよ。だけど、その水がどんなものであったかというのは、その後の調査で見ても明らかなわけでしょう。pHは高いし、電気伝導度も、普通の水じゃ考えられないような高い状況になっていたということですね。
 しかも、先ほど資料で出されましたけれども、五街区の地下の地層の状況を見れば、地下水がいかに高いところにあるかというのが明らかです。それこそ皆さんが水を流した後、私、ちょうど目撃したんですけれども、二メートル近くたまっていたんですね。深くなっていたんです。それを埋め戻してしまいました。だから、地下水が当然そこに入っていたということになるんじゃないんですか。私は、そういう点でいったら、都のやり方は臭い物にはふたをする、こういうふうに都民から受け取られても仕方がない行為だというふうに思います。表層水が今後たまって浸透しなかった場合には、表層水の調査と、表層土壌についても汚染されていないかどうかについてきちんと調査するよう、これは求めておきたいというふうに思います。
 これだけ深刻な豊洲の土壌汚染の実態が出ているわけですが、さらに調査するという方針にのっとりながら、その調査の実態が明らかにならないまま対策費を六百七十億と発表したのは、一体どういうことをやろうとしているのか。算定の基礎も含めて明らかにしてください。

○宮良新市場建設調整担当部長 調査、対策に要する経費の内訳は、都がこれまで予定していた自然由来物質の処理、これまでの専門家会議の中で議論されている高濃度地下水のくみ上げ浄化などの地下水対策、震災対策としての地盤改良及び今後行う調査の結果、必要となる土壌処理などでございます。
 今後行う調査の結果、必要となる土壌処理につきましては、これまでの東京ガス株式会社や都が実施した土壌や地下水の調査における有害物質の検出率や、地下水位が上昇している面積を考慮の上、処理土量を算定しております。

○小竹委員 対策費については、どこで、だれが、いつ決めたんですか。その点お答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染対策につきましては、来年度から実施予定でございまして、今回予算要望を行う必要があることから、必要な土量を算定し、必要な対策を考慮しまして、それにかかわる経費を算定してございます。

○小竹委員 だれが、という点をお答えにならなかったんですけど、市場が決めたということですね。専門家会議の方に諮ったわけではないわけですね。その点はどうですか。

○比留間中央卸売市場長 来年度、二十年度から、この土壌汚染の対策については予定しておりますので、専門家会議で議論してきた内容を踏まえて、中央卸売市場で経費を見積もって予算要求をしておりまして、最終的にはこれは東京都の予算という形で決定し、発表されますので、システムとしてはそういうことになっております。

○小竹委員 本来であれば、これから調査をされるわけですから、その調査で、どこまで汚染されているかという実態が明らかになった上で、じゃ、対策はどうするかというのを検討していく必要があるんじゃないですか。出口はもう決めて、移転するのが前提というあれですよね。本当に汚染状況がもっと、先ほどから意見が出ているんだけど、もっと大変な状況が出たらば、そこが市場の用地として適切なのかという問題を含めて検討しなきゃならないはずではないんですか。そういう意味でいったら、第三者や何かを含めたところでの検討がやっぱりなされなければならない。それによって客観性を担保できるような状況をつくらなければならない問題だということを私は指摘しておきたいと思います。
 引き続いて伺いますが、第五回専門家会議で承認された詳細調査、先ほどご報告があったんですが、十メートル格子で区分し、地下水及び東京ガスの操業地盤面での土壌調査というのが行われるわけですけれども、土壌汚染対策法に基づくのと同等だというふうにおっしゃられた。この間、先ほど来答弁されているんですが、どういう点で同等というふうな認識に立っているのか、お答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地は、土壌汚染対策法の対象となる用地ではないことから、今回の調査は法に基づくものではありません。しかし、本年八月から行った調査の結果、高濃度の有害物質が検出されたため、土壌・地下水について敷地全面にわたり、法が求める最小調査区分である十メートルメッシュで調査することにしました。また、調査におきまして高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上端まで一メートル単位で土壌の採取を行うなど、調査方法については結果として土壌汚染対策法と同等であると考えております。

○小竹委員 同等だというのは、汚染物質が検出された場合ですね。最初にやる、ここで詳細調査となっているんですが、詳細調査は、地下水、それは地盤面から不透水層までの中間地点一点ですね。土壌については、操業の地盤面という一点ですね。そこで発見されなかったものは調査の対象にならないわけですね。
 こういうことは、土壌汚染対策法に基づいていえば、幾ら十メートルメッシュでやっても、メッシュでやる場合には、下まで、十メートルまで一メートルずつ調査しなさいというのじゃないですか。それは汚染されている土地についてはそういうことになるわけですよ。ですから、前半でやられる、地下水と土壌の一点しかやらないというのは、対策法での詳細調査じゃなくて、予備調査といわれる部分にちょっとプラスした中身じゃないんですか。この点どうなんでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 ただいま申し上げましたように、調査メッシュあるいは調査方法、あるいは高濃度汚染物質が検出された場合に、一メートル間隔で土壌ボーリングをいたしまして、土壌を一メートル間隔で処理する。こういった点から土壌汚染対策法と同等と考えております。

○小竹委員 でも、出なかったら、やらないんでしょう。土壌について、地下水全部、東京ガス、調べていませんから、一概にいえないですけれども、土壌汚染についていえば、表層で出てなくて、高濃度のものが下から出ているんですよ。この間、専門家会議でやったのでも、地下水も出たから対象になりますけれども、G-12は、一千六百倍出たのは二メートル下ですよ。そういうところがほかのところにないということはあり得ないと私は思うんです。十メートルメッシュでやるんだったら、何ですべてのところで--地下最低不透水層まで一メートル単位にやるということ、これは土壌ガスの調査を予備調査でやって、出た場合にはやるというふうなのが義務づけになっているじゃないですか。既に三十メートルメッシュでやって、これだけ汚染されているというのが明らかになっているところで、十メートルメッシュでやるんだけど、何でそこの下まで土壌を調べないんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地は土壌汚染対策法の対象となる土地ではございません。土壌汚染対策法でも、土壌の表層調査の結果、高濃度が検出された場合のみ、土壌ボーリング調査を行うこととされております。また、今回行う調査につきましては、専門家会議委員の科学的見地から選定されたもので、合理的な手法だと考えております。

○小竹委員 すれ違いになりますから、これ以上はあれですけれども、もう既に東京ガスで調査されているんですよ。表層土壌も含めてやられて、これだけ汚染されているというのがはっきりしているわけじゃないですか。専門家会議も調査をやったわけですから、やっぱりそういう点でいったら、すべてのところについてやらないというのは、都民の納得がいく中身にはならない、不十分きわまりないものだというふうに私はいわざるを得ないというふうに思います。
 平田専門家会議座長は、第四回の専門家会議で、しゅんせつ土を埋め立てているところだから、地質層がかなり入り乱れているのではないかというふうにいわれています。これまでの地質学という面では理解できないようなとんだ現象が出るだろうというふうにもいわれているんですね。だから、普通の地盤とは違った状況がそこにはあるんだということをいわれているわけですけれども、先ほど資料で出していただいた豊洲の地層断面図、これは、東京ガスがそれぞれの街区で二カ所ないし三カ所やった調査に基づいてつくられたものですね。柱状図でつくられた中身だと思うんです。ただ、本当にそうかどうかというのは、距離がありますから、土壌を調べることによって、そこの土壌の地層がどういうふうになっているか調べれば、もっと詳しい地層図ができるんじゃないんですか。この点はどうなんでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回資料としてお出しした柱状図、地層図がございます。また、今回行う土壌・地下水詳細調査の前段に当たりましては、街区ごと何点か、そういった地層を確認するための事前の調査をして、それから調査に入る、そういう手順を考えております。

○小竹委員 これについては私は、地層という点で見ても、どういうふうになっているかというのを正確にやっていかなければ、そこの汚染状況がどう下まで行っているかというのはわからないという点でも、きちんとすべきだというふうに思います。ここに出されているのは、先ほど申し上げたように、東京ガスの調査に基づいてですから、もっと精密な地層図をつくる必要があるというふうに思います。
 続いて、お伺いしたいんですが、専門家会議の調査は不透水層までということで十メートルまで行っていないわけですね。先ほどから、不透水層の下は汚染されていないというふうに答弁されているんですけれども、不透水層は全く水を通さないわけじゃなくて、通る度合いが緩いわけですよ、上の方の層と比べたらね。だけど、汚染物質は下まで浸透している可能性が強いということと、ここの土壌からいったら、それこそ不透水層も一律にずっとあるわけじゃなくて、段差があったりするという点でいわれているところですから、その段差によって地下水が下に漏れるということはあり得るわけで、そういう点でもきちんと調査をする必要があるというふうに思うんです。
 同じ東京ガスの田町工場では、前にも問題にしましたけれども、第一不透水層の下の調査を行っているんですね。ベンゼンもシアンも砒素も、それこそ十五メートルまで調査が行われています。操業という点で見たら、田町工場は昭和二十四年で工場としての操業を終えています。そういう点で見ても、豊洲は六十年代まで操業していたという点でいっても、汚染の度合いは強いものと考えられます。汚染の実態を明らかにするためにも、不透水層の下、第二不透水層まで最低でも、大体十五メートルぐらいというのが先ほどの地層図にもありますから、そのぐらいまで調査をする必要があるというふうに思うんですが、先ほどから、汚染されていないという先生からのあれだということで、やらないお答えなんですけれども、改めて、豊洲も汚染されている危険性があるという点ではきちんと調査すべきだというふうに私は思うんですが、お答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 不透水層より深いところの調査につきましては、関東地方の地質や土質に詳しい委員からは、新市場予定地で粘土層を形成している有楽町層は、水を通しにくく、汚染されている可能性は低いとの意見をいただいておりまして、不透水層より深いところの調査をする考えはございません。

○小竹委員 そうしたら、五街区は非常に浅いところに不透水層がありますね。五街区はそこまでしかしないんですか。そういうことでは、本当に都民の納得を得られないんじゃないですか。これで安心ですよといわれたって、納得できないですよ。
 これまでの間、不透水層の下については、調査すると汚染を広げるというふうなことをご答弁いただいたりしたことがあったんですけれども、既にこの市場用地については、「ゆりかもめ」の基礎ぐい、それから道路や橋の橋脚、水道工事の立て坑など掘られているんですね。そうしたらもう、そのくいを打つことによって土壌が、汚染が広がっているということもあり得るんじゃないんですか。そういうことを考えたときに、きちんと調査しないというのは不安きわまりないというふうに思うんですけど、問題ないというふうに考えておられるんですか。もう一度伺います。

○宮良新市場建設調整担当部長 調査につきましては、不透水層を抜いて、例えばボーリングいたしますと、その試料を採取します。その際、不透水層に円筒状の穴があきます。それを介して汚染された地下水が拡散する可能性があります。そういったことから専門家会議の委員からも、そういった調査はしないようにといわれています。また、建物あるいは「ゆりかもめ」という例示がございましたけど、そういったくいについては、抜きませんので、汚染が広がることはない、そういうふうに考えております。

○小竹委員 くいは抜かないといったって、何が起きるかわからないんですよ。地層の下の状況がちゃんと掌握されてなかったら、安心して食べ物を扱う場所をつくっていいということにならないじゃないですか。もう既に汚染されている場所になるわけですから、きちんと掌握して対策を講じる。少なくとも調査した上で対策を講じるということが必要なんですよ。どこまで汚染が広がっているか確認しないというのは、安全確認の責任放棄だと私は考えます。これだけ重大な問題ですから、きちんと調査するよう強く求めておきます。
 第五回の専門家会議では、油汚染や発がん性の強いベンゾピレンの検出がされたということが報告されましたけれども、油臭や油膜、ベンゾピレンが検出されたのは何でなのか、そこについての理由をお伺いします。

○宮良新市場建設調整担当部長 油やベンゾ(a)ピレンは、東京ガス株式会社豊洲工場で、石炭ガス製造に伴い副産物として生成されたタールの中に含まれており、これが主な原因と専門家会議委員から意見をいただいております。

○小竹委員 石炭の精製から副産物ということですけれども、これを調査の対象に入れないのはなぜなんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 油汚染にかかわる油臭、油膜やベンゾ(a)ピレンにつきましては、土壌汚染対策法の対象ではございません。しかし、専門家会議からの意見を踏まえ、今回の調査で高濃度の有害物質が検出された箇所の土壌ボーリング調査において、油臭、油膜の確認を行うこととしております。特に油臭、油膜が著しい箇所につきましては全石油系炭化水素及びベンゾ(a)ピレンを分析することとしております。この調査結果につきましては、今後、専門家会議の中で議論していただくことになっております。

○小竹委員 汚染の高いところはやるということなんですか。もう一回。調査対象には入っていないですよね。今後の調査の中で、ベンゼンや何かの濃度が高いところについてはやるということなんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回行います土壌・地下水調査で高濃度の有害物質が検出された場合には土壌ボーリングをいたします。その際に、油臭、油膜等、確認してまいります。

○小竹委員 それは一歩前進だというふうに思うんですが、対象外だからといって、これだけ検出されているわけですから、きちんと食品を扱うという点でいえば、やるべきだというふうに私は思うんですね。
 豊洲のガス製造は、石炭からの精製だけじゃなくて、原油やナフサや天然ガス、天然ガスは余り汚染物質を出さないとはいわれていますけれども、いろいろな原材料を使ってやっています。そういう面でも、操業期間が長いと同時に、いろいろなものを使っているわけですよ。だから、そういう意味ではきちんとすべての場所でやるべきだということは主張しておきます。
 次に、問題は、専門家会議の詳細調査の後の対策ということで判定基準が示されているんですが、この中に、地下水については十倍を超過した場合というふうになっているんですけれども、その判定基準の法的な根拠、それから、そこで線引きする理由は何なのか、お伺いします。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌・地下水の詳細な調査の結果、土壌につきましては、環境基準を超過した物質について、地表面から不透水層までのボーリング調査を実施することとしております。都としましては、地下水中のベンゼン等についても同様に取り扱うこととしております。

○小竹委員 そうすると、専門家会議で検討されたときの調査と違って、地下水質については環境基準でやるということなんですか、調査。ここは十倍を超えた場合が判定基準の対象になっているんですが、その点どうなんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回実施する土壌・地下水の詳細調査の内容及び対策に必要な調査を実施していく判定基準などは、専門家会議が今後の対策を検討していく上で必要かつ十分なものだと考えております。これらの調査とは別に、豊洲新市場の建設に際し必要となる調査として、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が検出された箇所で土壌ボーリング調査を行います。

○小竹委員 ちょっとわかるようにいっていただきたいんですが、これが妥当だというんだったら、要するに判定基準が妥当だというんだったら、この判定基準で次の調査をやるということなんでしょう。地下水は十倍を超えたところが基準なんですよ、土壌については溶出量や含有量で基準を超えたところとなっているんだけど。で、十倍の根拠というのを伺ったんだけど、地下水についても環境基準でやるということなんですか。ちょっとそこのところ、はっきり。
 だから、これより前進した中身になるのかどうかというのを確認させてください。もう一回、正確にお答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 ただいま申し上げましたように、委員お示しの今後実施する土壌・地下水の詳細調査、そういったものは、これから専門家会議が今後の対策を検討していく上で必要かつ十分なものであります。それとは別に、これらの調査とは別に、豊洲新市場の建設に際し必要となる調査として、私どもが、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が検出された箇所で土壌ボーリング調査を行います。

○小竹委員 ちょっとわかりにくいんだけど、適切だというのと別に、というのはどうしてなんですか。別にやらなくたって、環境基準を超えたところ及び土壌について溶出量や含有量が基準を超えたところは一メートルごとの調査をやるんだというふうにしたらすっきりするし、納得いくというふうに思うんですが、そういうことなのかどうか。ちょっと回りくどくて、これが妥当だといっておきながら、別に、というのの理由がわからないんですよ。だから、環境基準を超えたところは全部やるということなんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 たびたび申し上げてしつこいんですが、今回実施する調査と別に、なお念のため、東京都が、地下水中のベンゼンなどが環境基準を上回る濃度が出た場合には土壌調査をいたします。

○小竹委員 ここには書いてないけど、地下水も基準を超えた場合にはやるということですね。それは前進したということで確認をさせていただきたいというふうに思います。
 私、さらに進んで、ここで専門家会議が調査したときに、D-12は地下水が一千倍と出た。この土地について都は東京ガスに問い合わせたわけですが、そのときに、どういうふうな用地だったというふうに聞いておられるのか、その点についてお答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 私どもが東京ガス株式会社に豊洲工場の跡地の土地利用履歴を照会しましたところ、各種ガスを製造している機器等、それのメンテナンスをいたします会社の建物があった、そういうことを聞いております。また、その一部で、タールスラッジといいますか、石炭を乾留しましてガスを精製する副産物として出るタールですね、それを木くずにまぜたり、そんなような作業もやっていた、そのように聞いております。

○小竹委員 私、ここに東京ガスの土壌汚染の拡散防止措置完了届というのを持っているんですけれども、ここに有害物質の排出状況についてというのが書かれているんですね。それを読み上げますと、石炭ガスの冷却過程でベンゼンやシアン化合物を含む粗タールが生成されるが、通常は排水として処理されていた。しかし、装置の損傷等によって土壌中に排出されたものと考えられるというふうに書かれているんですよ。要するに、機械が故障したから土壌が汚染されたということで調査されて、完了届が出されている。これは、土壌汚染の履歴のときにも、それから汚染状況の調査報告でも、処理計画書の段階も全部同じなんですね。で、これによって完了したということで、土壌汚染の処理がされたということで届け出を受けて、これを受け取ったのは環境局なんだけど、これで市場は安全だというふうにお答えになってきたわけですね。その点はどうなんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 東京ガス株式会社によります調査及び対策につきましては、当時の指針及び条例に合致したものと認識しております。

○小竹委員 当時の条例というのは環境の条例ですけれども、確かにそれに基づいて調査したんだけど、ここに有害物質の排出状況と書いてあって、機械が故障したからと書いてあるんですよ。さっきのご報告は、要するに、タールや何かをあそこのところに置いておいたということでしょう。おがくずをまぜて、おふろ屋さんや何かに燃料として売ったというふうなことでも、たしか専門家会議にはご報告があったというふうに思うんですけど、結局、東京ガスに問い合わせないで、これをそのまま認めて、大丈夫なんだというふうにいったこと、完了届もうのみにされてきたのがこれまでの経過なんじゃないんですか。土地の利用状況だとか、汚染物質の管理状況だとか、そういうものをやっぱりきちんと東京ガスに確認して、汚染物質がどういう状況にあったのかというのを確認しないということ自身、今後の問題としたって、私は、安全というふうにいえない問題だと思うんです。この点では責任は重大だというふうに指摘しておきます。
 もう一つ、私はここに、豊洲工場で働いている方々が毎日携帯することを義務づけられていた安全心得という手帳を持っています。私、これ全部一通り読ませていただいたんですけど、本当にガスというのは、こんなに危険なところで労働者の方たちが作業していたんだというのを改めて認識しました。命にかかわるような劇毒物や有機溶剤、ガス、それがここに明記されているんです。で、どういうところにありますよという、敷地も、こういう小さい図面で書かれている。これは字が小さいですからなんですが、例えばベンゼンについていえば、顔面紅潮、失神、死亡というふうに、そういう危険があるんだよということが書かれていて、注意事項まで書かれているんですね。それから、そういうのでぐあいが悪くなった人に対する手当ての仕方まで書かれているんです。そういうところは、赤く、こういうふうに線が引かれているんです。
 そういう意味でいっても、私は本当にこのまま、これだけ--それこそガスだって七種類も書かれているんですね。劇毒物も七種類ぐらい載っているんですよ。そういうものを扱ってきたところなんだということを考えたときに、本当に安心なのかどうかというのは、よっぽど徹底して調べない限り納得いかないというふうに思うんです。
 だから、ガス製造で生成される物質、それから、こういう製造過程で使われている劇毒物、そういうのによって土壌汚染されている状況ですから、やっぱり綿密な調査をする必要があるというふうに思うんですが、今回の対策で十分安全が確保できるという認識に市場当局は立っているのかどうか、お伺いします。

○宮良新市場建設調整担当部長 これまでの都の対策であります高濃度物質の除去、東京ガス操業当時地盤面から二メートルの深さ、そういった箇所の環境基準を超える物質の除去、さらには、その上に二・五メートルの盛り土、さらにはそこをアスファルト舗装やコンクリート盤で舗装する。そういったことに加えまして、今回専門家会議から意見をいただいて行う土壌・地下水の詳細調査、それを踏まえまして、これからいただく専門家会議の提言、そういったものを確実に実施することで二重、三重の対策、安全性は確保できる、そういうふうに考えております。

○小竹委員 土壌汚染対策法は、食品を扱うことを想定してつくられた法律ではありません。しかも、市場の方は、これに該当する対象地ではないというふうにいわれているんですけれども、やっぱり今ある法律でいえば最低限のことですね。だから、そういう意味でいったら、汚染されているところを全部きちんと調べてやっていくということを抜きに、全面的な実態を明らかにするということ抜きに対策は立てられないというふうに思うんです。今、万全なんだというふうにおっしゃられましたけど、私は決して万全ではないというふうに思います。生鮮食品を扱う市場ということで考えるならば、食の安全・安心には、万全という言葉はないぐらいきちんとやっていかない限り、ここでの操業は困難だというふうに思います。精密な調査を行って、土壌にしろ地下水にしろ、汚染の状況、実態をきちんと都民の前に明らかにして、その上に立って市場用地として妥当なものなのかどうか、そういうのを都民や関係者にきちんと判断を求めていく。こういう立場に東京都が立たない限り、ここへの市場移転については認めるわけにはいかないというふうに考えています。
 今回行う調査だけで、何が何でも移転させるという結論を出すことは絶対にあってはならないし、汚染された土地に固執して莫大な都民の税金を投入するということはやめるべきだというふうに見解を表明して、質問を終わります。

○大西委員 豊洲の新市場予定地は東京ガスの製造工場跡地であり、工場の操業に由来する有害物質の汚染があることから、都民は、市場が豊洲に移転することに対し、食の安全・安心の観点から不安を感じているのは当然だと思います。
 ことしの第一回定例会の経済・港湾委員会でネットの原田委員が、豊洲新市場予定地は、対策を行うことで、だれもが安心できるレベルになるのかについて確認いたしましたところ、都は、現法令や条例に照らし十分な対策を講じていることから、安全性に問題はないと説明されましたが、やはり食を扱う現場であり、何よりも都民、そして、そこに働く人々の安心・安全に万全を尽くすべきです。
 専門家会議が設置されて、今、土壌汚染に関する検討を行い、四千百カ所の詳細調査を行っていくとされておりますが、初めてですので、改めて専門家会議を設置した経緯について伺います。

○越智新市場担当部長 豊洲新市場の土壌汚染対策につきましては、旧地盤面から深さ二メートルの土壌を入れかえました上で、二・五メートルの盛り土をし、さらに堅固なコンクリート盤やアスファルト舗装で覆うなど、二重、三重の対策を行いますことから、安全性を確保する上で極めて手厚い対策であるというふうに考えております。
 しかしながら、都民や市場関係者などの一部に懸念の声がありますことから、生鮮食料品を扱う豊洲新市場におきまして食の安全・安心を確保するために、土壌汚染対策につきまして専門家による検証、提言を行うことを目的に、本年五月から専門家会議を開催しているところでございます。

○大西委員 まずちょっと違和感を感じるのは、二重、三重にやっているからもう安全なんだ、しかし不安があるから、専門家会議を設置したということなんですけれども、普通の都民の感覚からいうと、やはり汚染があることは事実であるわけだから、まずは専門家に、そこに調査を入れて、専門家会議等が設置されて、そこで二重、三重にやって、安全ですといわれるのであれば、ちょっと考える余地もあるんですが、この問題が起きてからずっと感じているのは、余りにも大丈夫だ、大丈夫だといい過ぎるんですね。やはり不安があるわけですし、現実に汚染はあるわけなんですから、まずどうするかということの対策を立てた後に、そういう安全宣言なりいってもらわなきゃいけないのに、その辺が最初のかけ違いで、ますます都民に不安を与えているように私は感じます。
 そういう意味で、だからといって、じゃ、どこかということがまず今のところは提案できない。まして、あの辺を考えて、全くきれいな土地というのは、ある意味残念ながらないんですね。そういう意味では、これからの対策の中には、私たちがリスクをどのようにある意味受け入れたり、対策を立てていくかという、もう一歩進んだ対策を立てなきゃいけないし、今、議論を聞いていても、こっちの専門家はこういう、こっちはこういうという感じの中で、私たち議員であっても、どんなに調査しても、本当にそれを判断するということを求められていて、非常に難しいと感じております。
 そういう意味では、本当にこれからリスクコミュニケーションというものを市場の中でしっかりと取り入れて、それで都民に対して開かれた専門家会議であるとか、情報をしっかり公開するという、そういう姿勢に市場がまずは変わっていただかない限り、この問題は本当に解決というか、まずは何よりも合意ができる問題ではないなということを、改めてきょうの委員会に出て思っております。
 そういう中で、都民の了解を得ていくために、何よりも情報を公開し、透明性を高め、より多くの都民に正確な情報を伝えていくことが必要です。都はこれまでも、専門家会議を公開で行い、調査の状況についても一般に公開し、情報の公開性、透明性を確保するように取り組んでこられたといっております。しかしながら、専門家会議を始めたころは、一般の傍聴者の席が少ないなど、会議運営について幾つかの問題点がありました。私たちは、抽せんから漏れた傍聴希望者への音声中継、会議への疑問への対応などについて提案してきましたが、その後、東京都は、専門家会議の音声中継や傍聴者との質疑応答などを行ってきており、その情報の公開性、透明性を確保する姿勢は一定評価しております。
 そこでお尋ねしますが、今までに行った専門家会議一般傍聴枠の四十名に対して、傍聴希望者及び音声中継を聞いた人の人数はどれくらいいましたか。

○越智新市場担当部長 専門家会議の第一回から第五回までの傍聴希望者は延べで五百五人で、一回当たり約百人でございました。また、音声中継は第三回から実施しておりますが、傍聴者数は延べ五十六人であり、毎回二十人程度でございました。

○大西委員 毎回定員を超える都民の方が傍聴に来られ、抽せんに漏れた方も音声での中継を聞かれたということですね。それだけこの問題が、単なる土壌汚染ではなく、食を扱う市場ということで、危機感を皆さんが感じているということのあらわれだと考えます。できる限り都民の要望にこたえられるように会議を運営することで、情報の公開性、透明性を確保していくことが大切だと考えます。
 また、八月には土壌汚染調査の実施状況についても公開しましたが、一般の方々にも実際の現場を見ていただくことは、百聞は一見にしかずということもあり、意義のあることだと思いますが、今後行う詳細の調査についても、都民への公開は当然行っていくんだと思いますが、いかがでしょうか。

○越智新市場担当部長 豊洲新市場の土壌汚染につきまして、調査の透明性及び調査結果の信頼性を確保するために、本年八月に実施いたしました追加調査につきまして、実施状況を公開しております。今後行う詳細調査につきましても同様に公開していく予定でございます。

○大西委員 ぜひ引き続き公開の姿勢でやっていただきたいんですが、今回のような調査結果が報告されたことで、多くの都民が豊洲への移転に不安を持っています。豊洲への移転を進めるには、豊洲新市場予定地の土壌汚染状況や土壌汚染対策が求められます。専門家会議の提言をもとに、わかりやすく正確に伝え、移転について了解を得ていく必要があります。それには、単に専門家会議や調査現場を公開し、ホームページに情報を提示するだけでは不十分じゃないかと考えます。今後、東京都は専門家会議の提言をどのように都民に周知していくのか伺います。

○越智新市場担当部長 専門家会議の内容や資料につきましては、これまでも都民向けにホームページに掲載しておりますが、今後、説明の方法や内容にさまざまな工夫をし、わかりやすいパンフレットの体裁にして、広報誌やホームページなどを活用しながら情報を提供してまいります。
 また、市場業界に対しましては、これまでも懇談会や説明会を開催してきておりますが、来月から、全仲卸組合員を対象に、業種ごとや二十業者程度の少人数のきめ細かな説明会を開催していく予定でございます。
 今後も、あらゆる機会を通じまして、都民や市場業者に丁寧に説明し、提言を含め、専門家会議の内容について周知してまいります。

○大西委員 生活者ネットワークとしては、この豊洲への移転というのは、築地が非常に狭隘であるということとか、アスベストの問題もありますが、私ども、食の安全という立場から、築地も、ごみ問題も含めて、環境問題等のいろいろな提言をしてきたわけですが、その提言が、土地がなかなか狭くて、そういう余裕がないということで、ある意味、豊洲への移転というものも仕方ないかなという立場でいましたけれども、今回の汚染をちゃんと対策を立ててもらわない限り、それをのむわけにはいかないという立場でおります。
 それに何よりも、こういう問題を、どのようにまず対策を立てて、ここまでやったから、ぜひ都民も納得してもらうとか、そういう市場の姿勢が問われるんですけれども、一部の専門家だって、いろいろな立場がありますし、ある意味専門家同士の公開シンポジウムとか、専門家だけではなくて、何よりも食といった場合は食べる私たちが専門家ですから、そういうものも含めたもので、当事者みたいなところでの、そういう公開討論会みたいなものを打ち出していくという姿勢が必要なんじゃないかなと私は思っております。
 この問題は、狭いところで議論していっても、ある意味わかりませんよね。それよりも、ちゃんと前向きに対応していただくことを求めて、質問を終わります。

○清水委員 私も、先ほどの小竹委員の質問に続きまして、都が行うことになった四千百カ所の調査について伺います。
 まず基本的なことなんですけれども、先ほどから何人もの方が繰り返されているように、今、食の安全の問題がさまざまな出来事から都民の大きな関心になり、不安になっているわけです。そういう中で、今回の問題を、都として説明責任、情報公開をきちんと行う姿勢があるのかということを伺いたいと思います。それは、わかっていることだけを知らせるという説明責任だけでなくて、疑問があればそこに答えていくというような基本的な姿勢を持って行っているのかどうか、お伺いしたいと思います。

○越智新市場担当部長 今回実施いたします四千百カ所の詳細な調査結果を踏まえまして、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に万全を期していく考えでございます。今後、調査結果につきましては情報を公開し、または現場の調査状況についても公開して、情報の透明性を確保していく考えでございます。

○清水委員 私たちが疑問に思っていることなどについてもきちんと説明責任を果たしていただきたいし、きちんとした情報公開をまず求めておきたいと思います。
 それで、今回、四千百カ所の調査を、ボーリングをするわけなんですけれども、そのボーリングというのは一日何本行うのか。そして、そのサンプリングはそのボーリングから何回行うのか、お答えください。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌・地下水の詳細調査に関する試料採取のボーリングにつきましては、一日当たり各街区で三十カ所、計九十カ所を実施していく予定でございます。
 また、試料採取のことでございますが、土壌・地下水の調査では、各調査地点で土壌を一検体、地下水を一検体の合計二検体を採取し、分析いたします。
 また、当該箇所で高濃度の有害物質が検出された場合には、東京ガス株式会社の操業時の地盤面から不透水層の上部まで一メートル単位で土壌の採取を行います。

○清水委員 一日九十本のボーリングを行うということなんですけれども、そうすると、何社を予定しているのか。それから、機械を何台入れる予定にしているのか、お伺いいたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 四千百カ所の調査につきましては、三つの街区別に実施することを検討しております。また、現在想定しておりますのは、各街区ごと十台ずつ機械を入れることを考えております。

○清水委員 そうすると、三社ということになりますね。各街区ごとで三社、そして十台の機械で行うということなんですけれども、そうすると、まずボーリングを十メートル程度行って、そこからサンプリングして、それを記録する。そういう作業に、先ほどお伺いしたら、一体どのぐらいの時間がかかるかは把握していないといわれたんですけれども、かなりの時間がかかるというふうに私は聞いています。そうすると、一日九十本行うということになると、一体どれだけの技術者を予定しているんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 調査に関しまして、主任技術者、助手等々おります。ただ、それらの数字につきましては、まだ契約前でございます。それらを答えることは差し控えさせていただきたいと思います。私どもは、適正な標準的な歩掛かりを見まして、必要な技術者を手当てして積算しております。

○清水委員 そういうことをはっきりしなければ、一体この調査がきちんと行われるのかどうかということが判断できないんですよ。この十台で三十カ所、一日九十本のボーリングをするということは、本当にこんなにたくさんの技術者がそろえられるのかどうかということなんですよ。もしそろえられなければ、あいまいな形、不十分な調査になってしまうんじゃないかということもいえるわけなんです。だから、私は、技術者がいるんですかということを聞いたわけなんですね。じゃ、現在はそういう心配はされておられないのかどうか、お聞きしたいと思います。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回実施する調査に関しましては、調査数量、現場のボーリング作業効率、それに必要な技術者数、土壌や地下水を分析する専門機関において分析に要する日数等々を考慮して算定してございます。作業内容に基づき積み上げた調査期間、内容でありまして、適正なものだと考えております。

○清水委員 複数の業者を採用する、三社採用するということなんですけれども、業者によっていろいろな採用の、まあ、規格はあるかもしれないけど、調査する規格というのはJIS規格というのがあるようなんですけれども、業者によって誤差が生まれるということを指摘される専門家もいるわけです。それで、何で三社も一緒に入れるのかと、違う会社を入れて、誤差は一体どこで判断できるのかということをいわれるわけなんですけれども、そういうことをご認識の上で、三社入れるというふうに決めたんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回行います土壌・地下水調査、測定が非常に多うございます。約四千百カ所とご説明しまして、三街区、面積も広うございます。そういったことから一社ではなかなか難しいと考えております。合理的に、なおスピーディーに作業をやるために三分割してございます。
 また、分析精度の確保につきましては別途また考えているところでございます。

○清水委員 四千百カ所で一社でやったって、全然構わないじゃないですか。時間をかければいいんですよ。私はそういうことをいっているんですけれどもね。
 今の誤差の認識、対応については、今はお考えはないと。これから考えるというようなことだったと思うんです。それでは、短期間に多くのサンプルをとるんですけれども、その基準ですね。三社、各会社による基準、その統一基準があるかと思うんですが、契約の上であいまいな基準のままやったら、現場の監督の裁量が多くなってしまって、その時々の指示でやらせる可能性が強いといわれています。そういう意味で、業者との契約書、仕様書など、業者と取り交わす書類を議会に明らかにして、それはきちんと行われるのか、誤差が生まれるといわれているんだけれども、そういうこともどういう統一基準でやるのか、基準はどうなのかということを明らかにする必要があると私は思いますが、どうですか。

○大野管理部長 今後行います土壌・地下水の調査につきましては、早期の実施に向けて現在契約手続を進めておりますが、準備が整った段階で、調査の概要や競争入札への参加資格など、必要情報を東京都公報に掲載し、公示いたします。仕様書につきましては、この公示以降、東京都のホームページ上に掲載され、だれでも入手することが可能になります。また、契約書につきましては、公文書として東京都情報公開条例の定める開示請求の対象となりますことから、同条例に基づいて開示請求があれば、個人情報などの非開示該当事項を除きまして開示手続を進めることになります。

○清水委員 私は全部出してくださいといったんです。個人情報にかかわるところはいいですよ。そんなことは予定していません。希望していませんよ。情報公開で出せるというんだけど、情報公開で出せるんだったら、私たちに情報公開の手続をしろということですか。審議を行うのに必要な書類なんだから、私たちにも契約書をきちんと出してくださいよ。なぜ出せないんですか。

○大野管理部長 当委員会からご要求がございますれば、私ども、必要な情報については検討させていただきます。

○清水委員 後で理事会でお話をさせていただきます。
 前回と今回の分析値でベンゼンの千倍もの差異が出たということは、先ほども小竹委員が触れましたように、サンプリングだとか分析の誤差ではなくて、この場合むしろ汚染の実態を反映したものだと考えられます。つまり、埋立地の地下水は汚染濃度の濃い部分と薄い部分がまだらに分布し、流動しているので、観測坑とサンプリング深度を特定しただけでは、汚染物質の濃度やその動き、挙動というのは特定できないというふうに、この結果からも明らかだと思うんです。
 そういう点を踏まえるならば、この観測坑については、季節変動を含めた、春夏秋冬含めた繰り返しの観測が不可欠であり、全域全観測坑の同時観測を実施することが望ましいというふうに私は考えます。そういうやり方からすると、最低でも準備一年、そして観測一年、解析一年。五月までに、七月までに終わるというんじゃなくて、三年間ぐらいの作業時間が必要だというふうに考えますが、いかがですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 委員、先ほどお尋ねがございましたデータの精度のことでございますけど、分析はやはり複数の機関に委託せざるを得ない、そういうふうに考えております。データの信頼性確保の観点からは、物質の濃度を正確に測定した統一の試験体を各調査機関が分析し、その結果を照合することにより精度の確認をしていく、そういったことを考えております。
 季節変動のお尋ねでございますが、地下水中の有害物質の濃度につきましては、専門家会議から、気温などの変化によって影響を受ける、そういうふうにいわれております。このため、今回、土壌・地下水の調査に含め季節変動を調査いたしますが、専門家会議からは、今回の調査期間の計測で、今後行うリスク評価の指標としては十分であるとの意見をいただいております。
 また、調査期間が三年というお話でありますが、今回、豊洲新市場予定地で実施いたします四千百カ所の土壌・地下水の詳細調査は、平成二十年五月には終える見込みであります。詳細調査において高濃度の有害物質が検出された場合には、当該箇所でより詳しい土壌のボーリング調査を行います。このボーリング調査には約二カ月の期間が見込んであります。すべての調査が完了するのは、おおむね平成二十年七月と見込んでおります。

○清水委員 季節変動、五月までとかいうことを、何で季節変動というんですか。それから、これだけの問題になっているんだから、本当に汚染の実態がどうなっているのかということを把握する必要があるんですよ。一体汚染がどうなっているのかと。すべて、すべて調べて、どうぞと。こういう状態なんだから、どうしたらいいのかと。先ほどもいわれました。そういうことを明らかにする前提の調査なんですよ。だから、私は、最後を区切るんじゃなくて、少なくとも調査期間、観測期間、解析一年、三年の作業時間を要望しておきます。
 百歩譲って、それだったらば、これまで繰り返しいっているように、先ほど大西さんも触れていましたけれども、専門家会議の先生と環境学会の先生たちのクロスチェックというのを、これまでも繰り返し要望してきたんですけれども、そうやって透明性を確保するということはどうですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 土壌汚染調査及び分析に当たりましては、調査内容の透明性とデータの信頼性を確保していくことが重要であると考えております。都が行う調査分析につきましては、調査地点、調査方法、分析機関、調査結果等のすべての内容を公表していくことから、クロスチェックを行う必要はないと考えております。さらに、約四千百カ所の調査を別の実施者が同時に行うことは現実的とはいえないと考えております。これまで行ってきました調査結果につきましては、専門家会議で公表してまいりましたし、今後実施する調査結果についても専門家会議において公表してまいります。

○清水委員 そういう姿勢だから、そういうかたくなな姿勢になっちゃったらだめなんですよ。どうぞ豊洲地区の汚染の実態を皆さん調べてください、みんな入って調べてくださいとはいいませんけれども、そのぐらいの姿勢になってやらなければ、信頼しませんよ。こちらでやることだけだと、期間はこれだけだと、先生たちはこれだけだということでやっているから、いつまでも本当に安全を確保することができないんです。こういう方法は、例えば反対している人たち、それから企業、そういう人たちがチェックしているという例もあるんですよ。
 ご承知のように、日本最大で世界有数の亜鉛鉱山である三井金属の神岡鉱山から排出されたカドミウムにより、神岡鉱山下流の富山県神通川流域で農地土壌と産米が汚染され、長年にわたりカドミウム汚染米を食べた中高年の女性が多数、カドミウムによる腎臓障害を起こし、骨粗鬆症を伴う骨軟化症。つまりイタイイタイ病のことですよ。で、その事件で、その後三十年にわたり、民間団体と企業が合意して、同じ場所を同じ時間に同時にサンプルをとる、そして、それぞれの機関で調べるという方法を今もやっているんですよ。私は、もう三十年前のことだからと思ってはいたんですけれども、三十年間今も続けてやっている。そういう例があるから、私たちはいっているんですよ、クロスチェックというのを。
 それで、座長の平田先生がかかわった大阪アメニティパーク(OAP)土壌地下水汚染の対策に係る技術評価検討会では、第三者機関のクロスチェックを実施したというふうに雑誌に書いてあります。反対派の人たちの--だって、別に科学というのは、実態なんだから、そこで何かやるわけじゃないんだから、運動じゃないんだから、同時にとって、同時に調べるというようなことぐらいできるんじゃないですか。そういう例があるのに、私は、平田先生が少なくともそういう例をお示しいただきたいなというふうに思いました。引き続き私たちは、このクロスチェックというのを求めていきたいと思います。
 次に、第四回専門家会議の場で、専門家委員の先生の一人である駒井先生が、砒素の濃度が〇・〇一ミリグラム・パー・リットルを超えているところが深い方向に幾つかあります、恐らく環境基準を超えているところは自然由来のところがあるだろうと、場合によっては、人為的なものと混在している可能性があるので、少し詳しい調査をしていただきたいと発言していました。私も、すごく砒素の濃度が高くて、その発言が印象に残って聞いていたんです。専門家会議の先ほどの傍聴で聞いていたんですけれども、その対策はどういうふうに考えているんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地で検出されている砒素や鉛につきましては、専門家会議で、操業由来と自然由来のものがあるとの意見をいただいております。この意見を踏まえ、第五回専門家会議で、操業由来と自然由来との区分につきましては、土壌・地下水の詳細調査の結果、平成十五年二月の環境省通達、土壌汚染対策法の施行についてに基づき、土壌溶出量が環境基準の十倍を超えた場合、または土壌含有量が通達で示されている値を超えた場合といたしました。

○清水委員 何か新たな調査をして調べるというようなことは考えていないわけですね。
 私は、自然由来だといわれているものが高い値が出たと、埋立地でね。そうしたらば、大体学者の先生たちが考えられることは、じゃ、この周辺のほかの埋立地はどうなんだと。ほかの埋立地の平均の濃度というか、実態はどうなっているのかというふうに調べなければ、環境省の通達で済ますというのは、疑問に答えていることにならないと思うんですよ。つまり、一体埋立地のバックグラウンドというのは幾つなんだと。豊洲の高かったものというのは、このほかの埋立地と比べて高いのか低いのか、一体どの程度の汚染なのか、人為的なものなのかということが比べられなければ、自然由来だとか、操業由来だとかいうことを、環境省の通達だけで決めてしまうのは、私はおかしいというふうに思います。
 私は、他の埋立地の砒素の濃度の調査をする必要もあると考えますが、いかがですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回行う土壌の調査で、砒素、鉛に対する自然由来と操業由来の区分につきましては、専門家会議で環境省通達とされており、新たに市場予定地以外の他の土地の調査をしていく考えはございません。

○清水委員 疑問に答えてないじゃないですか。私、疑問なんですよ、それが。豊洲の砒素の濃度というのは一体どうなっているのかというのが疑問。その疑問に答える責任があるというふうに私は思います。
 次に、先ほど、小竹委員とかほかの方が対策費について伺いましたので、私は一点だけ伺いたいと思います。
 先ほど、対策費は、検出率といいましたよね、検出率に基づいて積算したんだということなんですけれども、つまり、既にやった調査の中から何割が汚染として出て、その比率に基づいて、今回、四千百カ所の中で何割出るかということをいっているわけですね。その検出率というのは、専門家会議の先生が科学的な裏づけのあることだというふうに認識されているんでしょうか。

○宮良新市場建設調整担当部長 検出率のお尋ねですが、二十年度から土壌汚染対策を実施する必要から、ある一定の処理土量を推計する必要がございます。詳しくは、今後行う詳細な土壌・地下水の調査の結果を待たないといけませんが、これまで、東京ガスあるいは私ども東京都が調査してございます。東京ガスで申し上げますと、土壌ボーリング調査や地下水の調査、私どもも、土壌・地下水の調査をしてございます。その中で、例えば土壌ボーリング調査の結果、環境基準を超えた箇所とか、そういったものがデータとしてありますので、そういったものを参考に検出率を算定し、必要な土量も見積もり、経費を積み上げた、そういうことでございます。

○清水委員 私が聞いているのは、それは学問の世界とか科学の世界で用いられている方法ですかということを伺ったんです。

○宮良新市場建設調整担当部長 これまでの調査の結果のデータは当然真実でございますから、予算見積もりをする上で、その根拠として利用いたしました。

○清水委員 そうすると、都が決めたということですね、当局が。専門家会議の先生の提案じゃないということでしょう。それでいいんですか、先ほど局長も、予算のことで決めたといいましたけれども。私、聞いていませんけどね。

○比留間中央卸売市場長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、土壌汚染の実際の対策については二十年度から予定しています。それに要する経費については当然予算措置が必要でございますので、中央卸売市場として、今までの専門家会議での議論の内容を踏まえて、一定の試算を行った上で経費を算定しております。予算要求の内容に盛り込んだわけですが、この内容については、先ほど申し上げましたように、最終的には東京都の予算として編成されるわけですけれども、都民の代表である議会の場で審議されて、実際は予算として効力を発する。さらには、執行の内容については、決算という形で審査をいただくということで、その妥当性が検証されていくものだというふうに考えております。

○清水委員 私たちがいっているのは、汚染の実態も明らかにならないうちに何で対策費が出るんだということ、私は疑問です。そのことは非常に疑問です。まず、汚染の実態を少なくとも慎重にきちんと把握して、そしてその後から。二十年というから、その期限が迫っているから、そういうことになるわけじゃないですか。二十年ということに、迫っているから。きちんともっと時間をかけて行えば、二十年に予算を全部示すことはないというふうに思います。
 私は、だから、今の対策費の算出の仕方も、調査する前に対策がつくってあると指摘されても仕方がないと。汚染状況に対応した適切な対策がわからない段階で、対策費用というのは算出できないというふうに感じています。
 それで、私は、今回質問したのは、何で二十年に予算を、対策費を出さなきゃいけないのか。それから、今後の予定として、二〇一三年に新豊洲市場の開場にこだわるのかという問題なんですけれども、これはもうご承知のように、築地を二〇一六年のオリンピック施設のメディアセンターの用地として確保するために、市場の移転が、二〇一三年に新しい市場を開設しなければいけないというふうに迫っているからではないかと考えるわけですが、そうではないといえるんですか。

○宮良新市場建設調整担当部長 今回実施いたします詳細な調査の期間の算定に当たりましては、調査数量、現場での土壌ボーリングの作業効率、土壌や地下水を分析する専門機関において分析に要する日数を考慮して設定してございます。
 具体的には、調査計画の策定に一カ月、契約準備約三カ月、土壌・地下水の詳細調査約四カ月、対策のための調査を約二カ月と算定しており、平成二十年五月ごろには、四千百カ所の詳細な調査を終える予定であります。
 なお、豊洲新市場への移転は、これまで市場業界とともに長年にわたって取り組んできた課題でありまして、生鮮食料品流通の変化への対応や、築地市場の老朽化の進展などを踏まえますと、できる限り早期に実現しなければならないと考えております。

○清水委員 小竹委員と私と、本日、四千百カ所の調査の問題を、不十分さを指摘してまいりましたが、私が先ほどから聞いた問題でも、疑問に何一つ答えていない。きちんと調査ができるのかということは、本当に都民の疑問に答えてないといわざるを得ません。
 こういう状況の中、このまま調査が進められ、そして結果が出され、対策が講じられるならば、本当に将来に禍根を残すものとなってしまう。ふたをして、禍根を残すものとなってしまう。そういう今の状態だというふうに思います。きちんと調査しないのであれば、豊洲の移転はやめるべきです。このことを申し上げて、質問を終わります。

○増子委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二十三分散会

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