経済・港湾委員会速記録第十一号

平成十九年十月十六日(火曜日)
第八委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長増子 博樹君
副委員長神林  茂君
副委員長大西由紀子君
理事山口  拓君
理事上野 和彦君
理事三宅 茂樹君
米沢 正和君
小竹ひろ子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
田島 和明君
木内 良明君
川島 忠一君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長佐藤  広君
総務部長塚田 祐次君
産業企画担当部長猪熊 純子君
商工部長三枝 健二君
金融部長目黒 克昭君
観光部長中尾根明子君
農林水産部長産形  稔君
雇用就業部長松本 泰之君
就業調整・能力開発改革担当部長小田 昭治君
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長大野 精次君
事業部長荒井  浩君
市場政策担当部長大橋 健治君
参事後藤  明君
新市場担当部長越智 利春君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事河村  茂君
港湾局局長津島 隆一君
技監尾田 俊雄君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長山本  隆君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長小林 敏雄君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
営業担当部長藤原 正久君
港湾整備部長飯尾  豊君
計画調整担当部長山本  浩君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長室星  健君
労働委員会事務局局長有留 武司君

本日の会議に付した事件
 労働委員会事務局関係
事務事業について(説明)
 産業労働局関係
事務事業について(説明)
 中央卸売市場関係
事務事業について(説明)
報告事項(説明)
・豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等について
 港湾局関係
事務事業について(説明)

○増子委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願・陳情継続審査件名表のとおりでございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局、産業労働局、中央卸売市場及び港湾局関係の事務事業の説明聴取、並びに中央卸売市場関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うことにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 初めに、労働委員会事務局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○有留労働委員会事務局長 労働委員会事務局長の有留武司でございます。
 このたび、増子委員長を初め委員の皆様方には、当局所管事業につきましてご指導を賜ることになりました。私ども労働委員会事務局職員一同、労使関係の安定と正常化のために精いっぱい努力してまいりたいと存じます。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 本委員会との連絡に当たります総務課長の市毛良之でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○有留労働委員会事務局長 労働委員会事務事業につきましてご説明申し上げます。
 お手元に、資料1の事業概要及び資料2の「労働委員会のてびき」をお配りしてございます。
 それでは、資料1によりご説明申し上げます。
 目次をおめくりいただき、一ページをごらんください。制度の概要でございます。
 労働委員会は、労働組合法及び地方自治法に基づいて設置された合議制の行政委員会でございます。
 労働委員会の権限及び事務は、労働組合法及び地方自治法に規定されており、設置目的は、労働組合法、労働関係調整法などに基づき、公平な立場から労使間の紛争処理に当たることにより、労働基本権の保護並びに労使関係の安定と正常化を図ることにあります。
 委員会の機能は、判定的機能と調整的機能に大別できます。
 まず、判定的機能は、労働者側の申し立てに基づき、不当労働行為の審査を行うものです。これは、使用者の行った行為が労働組合法第七条によって禁止された行為に該当するか否かを判定し、救済命令を発するなど適切な措置を講ずることが主なものでございます。
 このほか、労働組合の資格審査などがあります。
 次に、調整的機能は、労使紛争が自主的に解決されない場合に、当事者の申請等により、労働争議のあっせん、調停または仲裁を行うことが主なものでございます。
 このほか、労働争議の実情調査などがあります。
 次に、委員会の構成及び委員の選任でございます。
 構成は、使用者委員、労働者委員、公益委員各十三名、計三十九名でございます。
 なお、使用者委員のみ、現員が十二名となっております。
 委員の選任は、使用者委員は都内の使用者団体の推薦に基づき、労働者委員は都内の労働組合の推薦に基づき、また、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、それぞれ知事が任命しております。
 任期は二年で、現在の委員の任期は本年十一月末までとなっており、非常勤でございます。
 現在の委員は、一八、一九ページに記載してありますので、後ほどごらん願います。
 二ページをお開き願います。委員会の活動でございます。
 委員会に会長及び会長代理を置き、いずれも公益委員の中から委員の選挙によって選出されます。現在の会長は、元広島高等裁判所長官であり、弁護士の藤田耕三氏でございます。
 次に、委員会の会議でございます。
 主な会議といたしまして、委員全員で行う総会と、公益委員のみで行う公益委員会議とがあり、それぞれ毎月二回、定例的に開催しております。
 総会においては、会長及び会長代理の選挙、あっせん員候補者の委嘱・解任、調停・仲裁の開始など、委員会運営上の基本的事項の審議を行っております。
 また、公益委員会議においては、不当労働行為に関する命令及び決定、労働組合の資格審査などについての審議を行っております。
 次に、委員の活動状況等でございます。
 委員は、総会等の会議に出席するほか、あっせん、調査、審問など、事件処理のため積極的に活動を行っております。
 委員の活動状況は、公益委員の例で申しますと、月平均で八・八回となっております。
 委員の報酬は、条例によって定められております。
 三ページをごらん願います。事務局の組織でございます。
 一課一室から構成されており、課及び室の分掌事務は、三ページ下段から四ページに記載のとおりでございます。
 五ページをお開き願います。事務局職員の人事でございます。
 事務局長以下の職員は、知事が会長の同意を得て任命することとなっております。
 職員の配置状況は表のとおりでございまして、現員は四十三名となっております。
 次に、当委員会の予算でございます。
 平成十九年度当初予算は、委員の報酬及び職員の給与関係費として六億三千二百十五万余円、事業費として六千百八十四万余円、計六億九千四百万円を計上しております。平成十八年度と比べ一千万円の減となっております。
 六ページをお開き願います。主要事業の概要でございます。
 表1は、最近五年間の事件別取扱件数を年度別に示したものでございます。平成十八年度における取扱総件数は一千三百三件で、前年度と比べ二百十九件の減少となっております。
 なお、十八年一月から十二月までの一年間で見ると、不当労働行為の審査は全国総件数の約五割、労働争議の調整は約三割を占めております。
 次に、事件の種別ごとに概要をご説明いたします。
 まず、不当労働行為の審査でございます。
 七ページの表2-1をごらん願います。平成十八年度における取扱件数は四百七十九件であり、その多くが、表2-2のとおり、不利益取り扱いや支配介入を理由とする申し立てでございます。
 なお、次の八ページには、取扱件数の類型別、事業所規模別、産業別の内訳を表などにお示ししてございます。
 次に、九ページをごらん願います。平成十七年一月に施行された改正労働組合法により、審査期間の目標の設定及び目標達成状況の公表が定められました。当委員会の審査期間の目標は、当面、二年としております。
 九ページの下の表をごらん願います。平成十八年は、改正労働組合法施行後の新規申し立て事件二百四件中六十三件が終結しており、その平均所要日数は二百三十一日と、目標を達成してございます。
 続きまして、一〇ページをお開きいただき、下段の表をごらん願います。全終結事件の平均所要日数は、一千五百七十五日、約四年四カ月となっております。これは、一一ページのグラフで終結事件の所要日数別件数を示しておりますが、十年を超える解決困難な事件を多数終結させたことにより、結果として平均所要日数が長くなっております。
 これらの事件は、労使関係の安定化に配慮し、中央労働委員会や裁判所が進めている和解などの推移を見守る必要があり、終結までに長時間を要したものでございます。
 次に、一二ページをお開き願います。労働組合の資格審査でございます。
 これは、労働組合法の規定に適合するか否かを審査するものでございます。平成十八年度における取扱件数は四百五十九件であり、そのうち、不当労働行為の申し立てに伴うものが四百十八件と、九一・一%を占めております。
 一三ページをごらん願います。あっせんや調停など労働争議の調整についてでございます。
 表4-1のとおり、平成十八年度における取扱件数は百七十二件となっております。
 次に、一四ページをお開き願います。取扱件数の推移、調整事項別、事業所規模別、産業別の内訳を表などにお示ししてございます。
 一五ページをごらん願います。労働争議の実情調査でございます。
 これは、運輸や医療などの公益事業に係る争議予告通知の内容を調査するもので、平成十八年度における取扱件数は百九十三件でございます。
 次に、一六ページをお開き願います。労働相談でございます。
 平成十八年度における相談件数は八百八十七件で、その内容は、労働争議の調整や不当労働行為の審査に係る手続などでございます。
 終わりに、再審査申し立て等でございます。
 当委員会が取り扱った命令事件のうち、本年三月三十一日現在、中央労働委員会に再審査申し立て事件として係属しているものが二十八件でございます。また、行政訴訟事件として裁判所に係属しているものが八件となっております。
 以上が事業の概要でございます。
 労使関係の安定と正常化を図ることを基本的な責務とする労働委員会といたしましては、今後とも、会長を初め各委員及び事務局職員一同、事件の適切かつ迅速な解決を図るべく全力で取り組んでまいります。
 なお、参考までに、二〇ページから二四ページには、不当労働行為の類型や審査手続、調整の方法とあっせん手続、十七年一月から施行された労働委員会制度の改正の概要について、それぞれ記載してございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○増子委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、産業労働局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○佐藤産業労働局長 産業労働局長の佐藤広でございます。
 増子委員長を初め各委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、産業労働行政の一層の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、総務部長の塚田祐次でございます。産業企画担当部長の猪熊純子でございます。商工部長の三枝健二でございます。金融部長の目黒克昭でございます。観光部長の中尾根明子でございます。農林水産部長の産形稔でございます。雇用就業部長の松本泰之でございます。就業調整・能力開発改革担当部長の小田昭治でございます。最後に、本委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の横山英樹でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○佐藤産業労働局長 お手元の局長事業概要説明要旨をお開き願います。産業労働局が所管しております事務事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 東京は、すぐれた技術を持った企業、多様な人材と情報、広大な海や山に恵まれた豊かな自然など、幅広い産業資源に恵まれており、東京の産業は、日本経済を牽引する大きな役割を果たすとともに、都民に雇用の場を提供しております。
 現在、日本経済は、戦後最長のイザナギ景気に並び、先行きについても、回復基調が続くとされております。しかし、都内中小企業の景況は依然として弱含みの状態で、先行きについて慎重な見方となっております。
 雇用情勢に目を転じると、都内の完全失業率は、平成十四年の五・六%から三・八%へと大きく改善しているものの、若年者につきましては依然五%を超えております。
 こうした中、当局所管の事務事業は、製造業、サービス業、観光産業、さらには農林水産業に至る幅広い産業活力の維持発展と雇用・就業の推進を目指す、都民にとって極めて重要な分野であり、事業への積極的な取り組みを進めているところでございます。
 なお、現在、本年三月に策定した産業振興基本戦略に基づき、施策を着実に実施するため、産業振興指針(仮称)を検討しております。
 次に、局の主な取り組みについてご説明申し上げます。
 まず第一に、中小企業の振興でございます。
 東京の産業を活性化していくためには、新たな都市型産業の創出や、意欲的に創業に取り組む人々の起業が重要です。そのため、これまでの創業支援施設の運営に加え、経営などに関する専門家を配置した先駆的ベンチャー支援施設を整備運営し、創業間もない企業を支援いたします。
 また、七月には、航空機関連産業への参入支援として、シンポジウムを開催し、多くの中小企業の方々の参加を得ました。
 東京には、高い技術力を持つ数多くの中小企業が存在します。今月二十五日、二十六日に開催いたします、第十回を迎える産業交流展においても、航空機関連の特設ゾーンを設けるなど、今後成長が有望な同産業への参入を支援してまいります。
 産業支援拠点の再整備では、本年度、区部、多摩の両施設において実施設計を行っており、来年度からは建築工事を開始いたします。昭島市に平成二十一年度開設予定の多摩産業支援拠点は、多摩シリコンバレーの形成を目指し、研究開発、新事業創出の中核拠点として整備を進めてまいります。
 商店街振興につきましては、新・元気を出せ商店街事業に昨年度と同額の二十五億円の予算を確保し、イベント・活性化事業に加え、環境や福祉など都の施策に協力する事業を支援する特定施策推進型商店街事業や、商店街の活性化に取り組むNPOなどを支援する商店街パワーアップ基金事業を実施いたします。
 次に、金融対策といたしまして、制度融資は、昨年度に引き続き一兆七千五百億円の融資目標を設定するとともに、中小企業のニーズや責任共有制度導入への対応として、融資メニューの見直しなどを行いました。
 中小企業向け債券市場では、他都市との共同によるCLO(ローン担保証券)を継続発行するとともに、中小企業のCO2削減への取り組みを引き出すために、環境CBO(社債担保証券)を創設いたしました。これまで八回の累計で、資金供給額は六千六百億円超、企業数は約一万四千六百社、上場企業数は六十六社に上っております。
 次に、観光産業の振興でございます。
 オリンピック招致を契機に、活力と風格ある世界都市東京の実現を目指し、本年三月に策定した観光産業振興プランに基づき施策を推進してまいります。
 海外と東京の若者の交流を拡大し、国際理解を深めるとともに、将来の旅行者増加につなげていく、海外青少年の教育旅行受け入れ促進に取り組みます。また、外国人旅行者に東京の食をPRする外国語メニュー等普及事業を開始し、受け入れ体制の整備を進めます。
 近県各地域との観光地間競争が進む中、青梅・奥多摩地域において、そのポテンシャルを生かし魅力を向上させ、両地域が主体的に連携して取り組む観光まちづくりを支援してまいります。
 東京国際アニメフェアにつきましては、前回初めて入場者が十万人を突破し、出展企業・団体数も二百七十社となり、国際的な商談の場としても大きく成長しております。
 第三に、農林水産業の振興でございます。
 東京の都市農地は、多様な機能を持っていますが、毎年、減少が続いております。貴重な農地を保全するため、農業者が安心して農業を継続できるように、農作業受委託推進事業に取り組んでおります。
 食の安全・安心への関心が高まる一方で、食生活の乱れなどの問題が顕在化しております。そこで、昨年度策定した食育推進計画に基づき、来月開催を予定しております食育フェアなど、総合的な施策の推進に努めてまいります。
 林業分野では、十年間で千二百ヘクタールの杉林伐採などにより花粉を二割削減するスギ花粉発生源対策を実施しています。また、広く都民や企業の協力を得て、花粉の少ない森づくり運動を引き続き進めてまいります。
 水産分野では、沖ノ鳥島漁業操業支援対策において、海洋深層水を利用した新たな漁場造成に取り組んでまいります。また、来月には、沖ノ鳥島に対する都民、国民の理解の醸成を図るため、沖ノ鳥島フォーラムを開催する予定でございます。
 第四に、雇用・就業対策の推進でございます。
 平成十六年七月にスタートしたしごとセンターは、本年八月末で登録者が五万九千人を超え、二万四千人以上の方々の就職を実現してまいりました。今年度は、年長フリーターの常用雇用、団塊の世代や女性の再就職への支援を重点的に実施してまいります。また、多摩地域において、しごとセンター事業を展開し、都民への就業支援を一層強化するために、本年八月、しごとセンター多摩を国分寺市に開設いたしました。
 東京の活力を支える中小企業の人材力を高めるため、本年四月に、技術専門校を再編して、都内四地域にそれぞれ職業能力開発センターを設置し、産業界と連携しながら、企業ニーズや地域特性に応じた人材確保と人材育成への支援を実施しております。
 また、中小企業における、仕事と子育てなど家庭生活との両立を促進するため、とうきょう次世代育成サポート企業に登録していただいた企業の社内体制整備などを支援する、中小企業両立支援助成金を九月から開始いたしました。
 産業労働行政に寄せる都民の期待は大きく、これにこたえるべく、職員一同、全力を傾注してまいる所存でございます。委員の皆様におかれましても、より一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、事業の詳細につきましては、総務部長から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

○塚田総務部長 お手元の資料1の事業概要の冊子に基づき、事業の詳細についてご説明させていただきます。
 一二ページをお開きください。組織をお示ししてございます。
 当局は、総務、商工、金融、観光、農林水産、雇用就業の六部二十二課から成っております。さらに、労働相談情報センター、職業能力開発センターなど十二の事業所と、そのもとに二十六の支所がございます。
 二〇ページをお開きください。職員定数でございます。
 上段の総計欄にありますように、事務、技術、技能労務で千二百六十一名となっております。
 二一ページは、当局の十九年度予算でございます。
 一般会計と四つの特別会計から成り、全会計を合わせた歳出予算額は、1の(1)、局予算総括表の合計にありますように、約二千六百七十三億円でございます。
 二二ページは対策別予算でございます。
 大きく分けて、中小企業対策、観光産業振興対策、農林水産対策、雇用就業対策の四つの分野に分かれております。
 三三ページをお開きください。三三ページから三四ページにかけまして、中小企業対策の体系を示しております。
 経営支援から金融支援までの八つの体系で事業を展開しております。
 三五ページの第1、経営支援は、中小企業の経営改善強化に対する支援であります。
 主な事業として、三七ページの2、(4)、社会的事業承継システムの構築、三九ページの3、(4)、中小企業海外展開支援事業などを行っております。
 四二ページをお開きください。第2、技術支援は、知的財産活用やデザイン活用、ものづくり人材育成に対する支援であります。
 四三ページの2、新製品・新技術開発支援として、(1)、東京都ベンチャー技術大賞では、革新的な技術や製品の開発を行っている企業を表彰し、ベンチャー企業の技術開発意欲の高揚に努めております。
 四五ページをお開きください。6、産業人材育成では、次代を担うものづくり人材の総合的な育成に向け、多面的なニーズ把握を行うとともに、技術と経営両面に通じた人材の育成にも取り組んでおります。
 7、社会的課題解決型研究開発助成事業は、行政上の課題や社会的課題に資する都内中小企業の開発に対して経費の一部を助成するものであります。
 第3、創業支援は、東京における活発な創業の促進を目指し、起業やその後の経営の安定、発展を目指す活動を支援するものであります。
 四七ページをお開きください。具体的な取り組みとして、5、先駆的ベンチャー支援施設の整備運営では、ハンズオン支援を行う先駆的ベンチャー施設を整備して、新事業展開を目指す創業間もない中小企業を支援しております。
 四八ページをお開きください。第4、地域工業の活性化は、地域において特色ある集積を形成してきた、ものづくり産業の活性化を図るものであります。
 四九ページの第5、地域商業の活性化は、地域コミュニティの核として重要な役割を果たしている商店街に対する支援などでございます。
 五〇ページをお開きください。2、魅力ある商店街づくりでは、(1)、新・元気を出せ商店街事業のほか、五一ページの(2)、進め若手商人育成事業などを行っております。
 3、大型店環境調整では、大型店の立地に伴う周辺への影響に対し適正な配慮を行い、地域の生活環境を保持するため、大規模小売店舗立地審議会を運営しております。
 第6、総合的支援では、財団法人東京都中小企業振興公社や地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター等が連携して、技術、経営等の総合的な支援を行っております。
 五四ページをお開きください。6、産業支援拠点の再整備では、東京のものづくり産業の支援体制を充実させるため、区部及び多摩地域において新たな産業支援拠点の整備を行うこととし、実施設計等に取り組んでおります。
 9の(1)、航空機産業への参入支援では、戦略的産業分野の一つである航空機関連産業への中小企業の参入の支援や、ネットワーク等を活用した機会の提供などを行っております。
 五五ページの(2)、重点戦略プロジェクト支援事業は、都における重点戦略産業の育成を図るため、新産業の創出あるいは産業規模の大幅な拡大につながる事業化プロジェクトに対し、研究開発から製品化、販売に至るまで継続的に支援するものであります。
 第7、試験研究機関では、試験研究機関を設置し、中小企業の技術的な課題解決を支援しております。
 五六ページをお開きください。第8、金融支援では、中小企業の資金調達の円滑化を図るための施策を行っております。
 1、中小企業制度融資では、都及び東京信用保証協会、金融機関の三者が連携し、中小企業に融資を行っております。
 五八ページをお開きください。6、中小企業向け債券市場では、すぐれた発想力や高い技術力を持つ中小企業に対して直接金融の道を開くことを目的に、CLO、CBOの債券発行に取り組んでおります。
 五九ページの7、NPOに対する融資制度では、新たな経済主体として注目されるNPO法人が融資を受けやすくなるよう、保証の仕組みを活用したスキームを構築し、資金調達の円滑化とNPO向け融資の普及を図っております。
 六〇ページをお開きください。8、中小企業向けファンドの管理では、(1)の中小・ベンチャー企業向け投資法人を設立し、中小・ベンチャー企業に対し、資金面、経営面の支援を通じ、その成長、発展を促進しております。
 また、六一ページの(2)の中小企業再生ファンドを設立し、中小企業の再生を図るため、資金と経営の両面から再生支援に取り組み、地域経済の活性化や雇用の確保に貢献していくことを目指しております。
 六二ページをお開きください。9、アニメ・映像産業への金融支援では、制作資金調達や販路開拓における支援のスキームを構築し、次世代を担う新たな才能の発掘と育成を促進しております。
 10、新銀行東京の経営監視等では、株式会社新銀行東京の経営に関し、株主としての立場から、大枠の監視、連絡調整、都議会への報告業務等を行っております。
 六三ページの11、貸金業の指導監督では、貸金業者に係る苦情相談を受けるとともに、悪質な業者に対して登録取り消しや業務停止の行政処分を行っております。
 六七ページをお開きください。観光振興対策の施策の体系でございます。
 東京の魅力を世界に発信、観光資源の開発など、四つの体系で事業を展開しております。
 六八ページをお開きください。第1、東京の魅力を世界に発信は、広く世界から旅行者を誘致するため、1の(2)、ウエブサイトによる情報発信、2のシティーセールスの積極的な展開、六九ページ、4の(1)、東京国際アニメフェアの開催などを行っております。
 また、七〇ページ、4の(3)、産業人材育成(アニメ高度化支援事業)では、アニメ業界と教育機関で産学連携による研究会を組織し、アニメ業界で働くクリエーターのスキルスタンダードの構築、教育プログラムの策定、普及を行っております。
 第2、観光資源の開発は、東京にある観光資源の活用や新たな資源の開発でございます。
 具体的な取り組みとして、1の(2)、島しょ地域の観光振興事業では、島しょのさらなる魅力向上を図るため、島外から活性化戦略プロデューサーを派遣するなど、地域が主体的に取り組む観光振興事業の実施の支援をしております。
 七一ページの2の(2)、水辺の観光資源化の推進では、水辺を生かした観光ルートの開発促進、水辺の魅力発信などを行っております。
 七二ページをお開きください。2の(4)、地域力を活用した観光まちづくりの支援では、景観に配慮した誘導標識やレトロのまちを演出する個店の看板設置などの支援を行っております。
 また、(5)、江戸東京・まちなみ情緒の回生では、江戸・東京の情緒を伝える町並みを保全、創出する地域の取り組みを支援しております。
 七三ページの第3、受け入れ体制の整備は、東京を訪れる旅行者に対して歓迎のメッセージを伝え、温かく迎える仕組みづくりであります。
 七四ページをお開きください。具体的には、2、東京ひとり歩きサイン計画では、外国人旅行者等の来訪者が東京のまちを迷うことなく安心してひとり歩きできるよう、観光案内標識を設置するとともに、わかりやすい案内サインの整備促進に向け、標準化指針の策定、普及に取り組んでおります。
 3、外国語メニュー等普及事業では、築地の飲食店の協力を得て、外国語のモデルメニューの作成を進めるほか、研修会を通じて、都内飲食施設や商業施設等における外国語による応対や表記の普及を促進しております。
 七六ページをお開きください。7の海外青少年の教育旅行受け入れ促進では、観光、教育、私学等の関連部署の連携により、学校交流のマッチングや交流活動の支援を行い、海外青少年の東京への教育旅行の受け入れを促進しております。
 八三ページをお開きください。八三ページから八四ページにかけまして、農林水産対策の施策の体系を示しております。
 農業、林業、水産業の振興の三つの体系で事業を展開しております。
 八五ページ、第1、農業の振興は、農業振興計画の策定、農業基盤の整備、食の安全・安心の確保及び農業経営の安定などに向けた施策でございます。
 1の(3)、都民の暮らしが潤う東京農業の推進では、都市農業・農地における環境、防災などの多面的機能を評価する基準を策定するとともに、農業者と都民の相互理解の醸成に努めております。
 八七ページをお開きください。3の(5)、食育の推進では、都民が食の理解を深めることにより健全な食生活を実践できるよう、体験を中心とした食育を進めるとともに、効果的な情報発信等の事業を行っております。
 九一ページをお開きください。4の(3)、農地と担い手マッチング事業では、実践農業セミナーの開講や情報バンクの設置、運営を行い、農地と、農業への参加を志向する都民とのマッチングを進めております。
 九五ページをお開きください。第2、林業の振興は、森林計画の策定や森林づくりの推進、森林産業の育成等に向けた施策でございます。
 九六ページをお開きください。2の(4)、スギ花粉発生源対策では、杉の伐採と新たな木材流通の枠組みを構築し、スギ花粉の削減と林業の再生に取り組んでおります。
 (8)、緊急裸山対策では、シカによる過度の食害により荒廃した林地を復旧するため、関係各局との連携のもと、シカ保護管理計画に基づくシカの駆除や治山対策など、総合的な森林管理のための緊急対策を実施しております。
 九九ページをお開きください。第3、水産業の振興は、水産資源の管理、漁業生産流通基盤の整備や漁業経営の安定に向けた施策等でございます。
 一〇〇ページをお開きください。1の(8)、江戸前アユ復活事業では、多摩川における天然アユの増殖を図るため、産卵場造成や魚道の維持管理体制の構築に取り組んでおります。
 一〇三ページをお開きください。6の(2)、沖ノ鳥島漁業操業支援対策では、漁業操業支援や新漁場の開拓に向けた調査などを進めているほか、沖ノ鳥島に関するPR活動を行っております。
 一〇七ページをお開きください。一〇七ページから一〇八ページにかけまして、雇用・就業対策の体系を示しております。
 東京都雇用・就業対策審議会、地域における雇用・就業の促進など、四つの体系に沿って事業を展開しております。
 一一〇ページをお開きください。第2、地域における雇用・就業の促進は、厳しい雇用情勢に置かれている若年者、高齢者、障害者などのための雇用・就業対策の推進でございます。
 一一〇ページから一一七ページにかけまして、しごとセンター事業の内容を記載しております。
 一一一ページの1、(2)、若年者の雇用就業支援では、一一三ページのケ、さまざまな職業体験機会の提供として、(オ)、ものづくり体験塾などを実施するほか、コ、年長フリーター等就職活動応援事業などを行っております。
 一一五ページをお開きください。(6)、女性再就職支援では、再就職を目指している女性を対象として、就職活動のノウハウやスキルアップなどのセミナー、職場実習を含んだ支援プログラム、アドバイザーによるカウンセリングなど、就職に至るまでの継続的な支援を行っております。
 一一六ページをお開きください。(7)、団塊の世代向け就業支援では、団塊の世代の高い就業意欲にこたえるとともに、その能力や経験を生かすため、中小企業の人材不足を補う中小企業向けエキスパート人材開発プログラムなどを実施しております。
 (8)、しごとセンターの多摩地域展開では、東京しごとセンターの多摩拠点を新たに設置し、キャリアカウンセリングから職業紹介までトータルサポートを行っております。
 一二〇ページをお開きください。4、障害者の就業対策では、東京の障害者雇用率を改善するため、一二一ページの(4)、障害者職域開拓支援事業等を実施しております。
 一二三ページをお開きください。第3、多様なニーズに対応した職業能力の開発・向上では、都内各地域の職業能力開発センターにおいて公共職業訓練を実施しております。
 1、公共職業訓練の推進では、(1)、オ、育児離職者向け能力開発訓練などを初めとして、時代や環境の変化に機敏に対応した公共職業訓練を展開しております。
 一三〇ページをお開きください。4、職業能力開発センター事業の展開では、都内を四地域に分け、各地域に職業能力開発センターを設置し、中小企業の人材確保と人材育成に関する細やかな支援を実施しております。
 一三二ページをお開きください。第4、適正な労働環境の確保では、1の労働情勢実態調査のほか、一三三ページの2、労働知識の普及啓発や、一三六ページにあります、3、男女雇用平等の環境づくりなどを行っております。
 一三七ページの4、労働相談・指導では、都内六カ所の労働相談情報センターの窓口において、労働問題全般に関する相談を実施しております。
 一四一ページをお開きください。(8)の東京次世代育成企業支援事業では、次世代育成に積極的に取り組む企業を、とうきょう次世代育成サポート企業として登録し、その取り組み内容を広くPRすることにより、雇用環境の整備を促進しております。
 (9)の中小企業の両立支援への助成等では、中小企業における仕事と家庭生活との両立支援を促進するため、社内体制づくりなどに係る費用を助成しております。
 事業概要につきましては以上でございます。
 引き続いて、お手元の資料2、東京都監理団体等運営状況をごらんください。
 この資料は、東京都が二五%以上出資等を行っている当局所管の団体につきまして、各団体の概要、十九年度事業計画及び予算、並びに十八年度事業実績等について記載しているものでございます。
 一枚めくりまして、目次をお開きください。対象となっておりますのは、1、株式会社新銀行東京、2、株式会社東京ビッグサイトなどの合計十団体でございます。
 これらの団体は、都の事務事業を代行もしくは補完し、都民サービスの向上に寄与することを目的として事業展開を行っております。
 内容につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で産業労働局の事業に関する説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○小竹委員 十六点ほどお願いいたします。
 第一は、中小企業対策予算及び決算の推移、十年ほどで。
 それから二番目として、雇用・就業対策予算と決算の推移。
 三番目、農林水産予算、決算の推移。
 四番目として、都内製造業の推移。
 五番目、都内小規模小売店の推移。
 六番目、中小企業制度融資の実績と預託額の推移。
 七番目、雇用形態別の人数と推移。
 八番目、都内の商店街振興施策の利用状況。これは推移をお願いします。
 九番目、産業労働局所管の施設の推移。これについては、中小企業だけでなくて、雇用・就業や農業等に関しても、所管施設がどのように変わっていったかについてわかるような資料をお願いします。
 十番目、都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率。障害者校についてもあわせてお願いいたします。
 十一番目、都内の障害者雇用率の推移。
 十二番目、新銀行東京のマスタープランの経営計画と実績の対比。
 十三番目、新銀行東京の新中期経営計画の実施状況と融資先。
 十四番目、労働資料センターの蔵書数の推移及び移転に当たって処分した冊数、寄贈先。
 十五番目、労働相談情報センターの相談件数、あっせん件数、解決件数、それから、センター数や職員数、出張労働相談件数の推移。
 十六番目、生産緑地の遺産相続に伴う、その後の利用状況について。
 以上です。お願いします。

○増子委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○増子委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、中央卸売市場長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○比留間中央卸売市場長 中央卸売市場長の比留間英人でございます。
 増子委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 今後とも、職員一同、全力を挙げて都民の期待にこたえるべく局事業の推進に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の大野精次でございます。事業部長の荒井浩でございます。市場政策担当部長の大橋健治でございます。調整担当参事の後藤明でございます。新市場担当部長の越智利春でございます。新市場建設調整担当部長の宮良眞でございます。新市場建設技術担当参事の河村茂でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の野口一紀でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○比留間中央卸売市場長 中央卸売市場の事務事業の概要につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます事業概要要旨をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、中央卸売市場が所管する事業についてでございます。
 中央卸売市場の所管事業は、水産物、青果物、食肉の生鮮食料品及び花きについて、公正かつ迅速な取引や、安全で安心な流通を確保し、生鮮食料品等の円滑な供給と消費生活の安定を図ることを目的として中央卸売市場の管理運営を行うこと、芝浦屠場において、と畜解体を行うこと、及び民営の地方卸売市場の開設許可と指導監督を行うことなどであります。
 次に、当局の主な事業についてご説明申し上げます。
 初めに、豊洲新市場の建設についてでございます。
 豊洲新市場の建設は、開設以来七十年余りが経過し、老朽化、狭隘化した築地市場を、流通の変化にも対応し得る首都圏の基幹市場として再構築するため事業を進めております。
 整備に当たりましては、民間の資金やノウハウを活用し、柔軟かつ効率的な運営が可能となるPFI方式を導入することを基本とし、昨年十二月、実施方針及び業務要求水準書案を公表いたしました。
 土壌汚染対策につきましては、生鮮食料品を扱う市場用地であることから、万全を期すため、本年五月より、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議において、専門家の科学的知見をもとに、東京ガス株式会社及び東京都の調査や対策の妥当性について検証を進めていただいております。
 今月六日開催の第四回専門家会議において、地下水、土壌、表層土壌ガスの追加調査の結果について報告をいたしましたが、汚染濃度が低いと想定されていた区域の地下水から環境基準の一千倍という高濃度のベンゼンが検出されたことから、新たに敷地全面にわたる詳細な調査を実施することといたしました。
 この内容につきましては、後ほど報告事項としてご説明させていただきます。
 PFI工事等を含め、豊洲新市場建設事業に関するスケジュールにつきましては、土壌汚染調査や対策の工期を踏まえて、今後見直しを行い、公表してまいります。
 次に、第八次東京都卸売市場整備計画の着実な推進についてでございます。
 都は、平成十七年十一月に、平成十七年度から平成二十二年度までの六カ年を計画期間とする第八次東京都卸売市場整備計画を策定いたしました。
 この計画を踏まえ、卸売市場を活力あるものとするため、市場関係者の協力のもとに、淀橋市場松原分場の世田谷市場への統合や、大田市場における大屋根つき積み込み場の整備を進めるとともに、各市場では定温卸売り場等の施設整備を進めております。
 また、卸売市場としての機能が十分に発揮できるよう、それぞれの市場が果たしている役割や機能などを総合的に勘案し、民間活力の導入も視野に入れながら、品質管理の高度化や情報化、物流効率化の推進、環境衛生対策の強化などの着実な実施に努めてまいります。
 次に、卸売販売委託手数料の弾力化についてでございます。
 卸売業者が出荷者より徴収する委託手数料につきましては、従来、国により、全国一律で料率が定められていましたが、市場の活性化と地域の実態に応じた取引が可能となるよう、平成十六年の卸売市場法の改正により規制緩和が図られ、市場開設者が独自に定めることとされました。
 この制度改正は、五年の経過措置を経て平成二十一年四月から実施されますが、都といたしましては、関係業界と十分に協議し、来年度早期に条例改正が提案できるよう準備を進めてまいります。
 最後に、食の安全・安心の確保についてでございます。
 都は、各市場に安全・品質管理者を設置し、市場で取り扱われる生鮮食料品等の安全・安心の確保を図っております。
 BSE対策につきましては、特定部位の確実な除去や、BSE感染牛が確認された飼育地等からの出荷牛について、安全を確認するまでと畜を行わないことに加え、と畜の際に行っていたピッシングを平成二十年中に中止するよう準備を進めるなど、必要な対策を講じております。
 今後とも、消費者の信頼にこたえられるよう、市場関係業者と協力し、安全・安心な食肉の供給に万全を期してまいります。
 以上、中央卸売市場の事務事業の概要につきまして説明を終わらせていただきます。
 なお、詳細につきましては管理部長からご説明をさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大野管理部長 中央卸売市場の事務事業につきまして、お手元の資料1、事業概要に基づきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。1の中央卸売市場の目的及び役割につきましては、先ほど市場長からご説明申し上げたとおりでございます。
 2の中央卸売市場の経由量でございますが、水産物、青果物、食肉及び花きの、全国の総流通量に占める、全国の市場及び中央卸売市場並びに東京都中央卸売市場それぞれの経由量と割合を表に記載しております。
 二ページをお開きください。水産物、青果物、花き及び食肉における市場流通の仕組みをそれぞれ図示しておりますので、ご参照いただきたいと存じます。
 三ページから六ページにかけましては、農林水産大臣、開設者、出荷者、市場内業者など、市場流通に関係いたします機関、業者等についてそれぞれ記載しております。
 七ページをごらんいただきたいと存じます。中央卸売市場の沿革でございます。
 このページから一三ページにかけましては、東京都における市場の始まりから、中央卸売市場法の制定、東京都中央卸売市場の開設、戦時、戦後、復興などを経まして、最近までの中央卸売市場の沿革を記載しております。
 一四ページをお開き願います。各市場の概要でございます。
 1の市場分布図に各市場の配置状況を記載しております。現在、中央卸売市場として、築地市場を初め十一市場一分場を図のように設置しております。これら市場のそれぞれの取扱品目は、下の一覧表のとおりでございます。
 続きまして、一五ページをごらんいただきたいと存じます。市場別の所在地、施設規模、取扱規模を一覧にしてお示ししております。
 また、一六ページには各市場の関係業者数を記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 次の一七ページから三一ページにかけまして、築地市場以下十一市場の概要と沿革を記載しております。後ほどご参照いただきたいと存じます。
 三二ページをお開きください。中央卸売市場の組織でございます。
 管理部、事業部の二部六課から成っております。事業所は、築地、食肉、大田を初め十一市場となっております。また、淀橋市場には松原分場が設置されております。
 三三ページから三六ページにかけて、各課、事業所の分掌事務を記載しておりますので、ご参照願います。
 三七ページをお開きください。職員定数でございますが、平成十九年四月一日現在で六百二十二名となっております。
 三八ページをお開きください。中央卸売市場の財政状況についてでございます。
 当局所管の会計は、中央卸売市場会計と、と場会計の二会計でございまして、中央卸売市場会計は、地方公営企業法の財務規定等を適用する公営企業会計となっております。
 予算規模は、(2)の平成十九年度予算概要に記載のとおり、支出予算の総額は一千二百二十六億八千三百万円でございます。
 と場会計につきましては、四二ページから四三ページに記載しております。
 と場会計は、と畜事業を対象とした特別会計で、平成十九年度の予算額は七十一億四千五百万円でございます。
 次に、四四ページをごらんいただきたいと存じます。市場における業務状況でございます。
 四四ページから四八ページにかけまして、水産物、青果物等の市場取扱物品の概況、平成十八年における中央卸売市場の取扱状況、地方卸売市場の取扱状況を取扱品目ごとにお示ししております。
 なお、それぞれの取扱実績につきましては、四八ページ下段の表にお示ししたとおりでございます。
 四九ページをごらん願います。事務事業の概要でございます。
 まず、施設整備事業でございますが、卸売市場の整備は、卸売市場法に基づき卸売市場整備計画を定め、計画的に実施することになっております。
 現在、平成十七年度を初年度とし、平成二十二年度を目標年度とする第八次東京都卸売市場整備計画に基づき整備を実施しておりますが、計画の概要につきましては四九ページから五三ページにかけて記載してありますので、ご参照願いたいと思います。
 次に、五四ページをごらんいただきたいと存じます。平成十九年度施設整備事業の概要でございます。豊洲新市場の建設のほか、五八ページにかけまして各市場の整備概要について記載しております。
 五九ページをお開き願います。市場における財産管理事務でございます。
 市場施設につきましては、卸売業者、仲卸業者を初めとする市場業者に対しまして、売り場、事務室等の各種施設の使用許可をしております。使用許可状況につきましては、五九ページ下段に、市場別の使用者数、許可件数等を表にしてまとめておりますので、ご参照いただきたいと存じます。
 六〇ページから六五ページにかけましては、市場施設及び設備の維持管理事務について記載しております。
 六六ページをごらんいただきたいと存じます。このページから六九ページにかけましては、環境整備事務について記載しております。
 環境整備事務では、小型特殊自動車の電動化推進などの自動車排気ガス対策、廃棄物処理対策、衛生管理などに取り組んでおります。
 次に、七〇ページ中ほどから、業務の指導監督事務について記載しております。
 中央卸売市場における取引業務の適正化を図り、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するため、卸売業者、仲卸業者等の市場関係業者に対して、取引業務の巡回調査、経理及び業務検査、経営改善指導などの事務を行っております。
 七三ページをお開き願います。食の安全・安心確保への取り組みについて記載しております。
 都は、独自の取り組みとして、各市場に安全・品質管理者を設置し、また、食品危害対策マニュアルにより危機管理対応を規定することなどにより、市場で取り扱われている生鮮食料品等の安全・安心の確保を図ってございます。
 七四ページから七六ページにかけましては、広報、広聴への取り組みについて記載しております。
 消費者との意見、情報交換の場である消費者事業委員会、食育の推進等を目的とした講習会や市場まつり等の消費者事業、また、市場見学やインターネットホームページなどによる情報サービス事業を行っております。
 次に、七七ページ中ほどから七八ページにかけては、地方卸売市場の概要と、地方卸売市場に対する指導監督等の事務について記載しております。
 七九ページ中ほどをごらん願います。と畜事業についてでございます。
 (1)の、と畜事業の沿革ですが、昭和四十一年に中央卸売市場法に基づいて食肉市場を開設し、芝浦屠場は食肉市場併設のと畜場として現在に至っております。
 平成十八年のと畜頭数は、八〇ページの表に記載してありますとおり、年間で牛が九万四千百一頭、豚が二十四万五千八百九十三頭となっております。
 また、同じく八〇ページには、牛海綿状脳症、いわゆるBSE対策について、中央卸売市場における取り組みを記載してございますので、ご参照いただきたいと思います。
 八一ページをごらんください。附属機関等の一覧表でございます。
 知事の附属機関といたしまして、東京都卸売市場審議会及び東京都中央卸売市場取引業務運営協議会が設置されております。また、新市場建設事業の円滑な推進を図るため、新市場建設協議会を設置しております。目的及び設置根拠等は一覧表でお示ししてあるとおりでございます。
 それぞれの附属機関の活動状況につきましては、次の八二ページ、八三ページに記載しておりますので、ご参照いただきたいと存じます。
 なお、八四ページ以降に業務状況関係の資料、市場年表などの関係資料を参考資料としてまとめてございます。ご参照願います。
 事業概要につきましては以上でございます。
 引き続きまして、お手元の資料2の経営状況説明書をごらんいただきたいと存じます。
 これは、東京食肉市場株式会社の経営状況を記載した資料でございまして、同社は、東京都監理団体指導監督要綱に基づき、その他報告を受ける団体に指定されております。
 この会社は、食肉の価格安定と流通の円滑化を図るために都が出資している会社で、市場の卸売業者として、家畜の荷受け、販売及び畜産加工品の販売の受託などの事業を行っております。
 内容につきましては後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で、中央卸売市場の事業に関する説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○小竹委員 三点ほどお願いいたします。
 第一番目に、業種別、規模別取扱高の推移。
 二番目として、各施設のアスベスト対策の実施状況。
 三番目に、築地市場再整備ニュース、創刊号から廃刊になるまで、お願いします。
 済みません、もう一つ。四番目として、新市場建設協議会の開催状況についてわかるような資料をお願いします。

○増子委員長 ただいま小竹委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○増子委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○宮良新市場建設調整担当部長 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましてご報告申し上げます。
 お手元に、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策について(概要)及び豊洲新市場予定地における土壌汚染対策についてを配布してございますが、概要に沿ってご説明させていただきます。
 概要の一ページをごらんください。
 豊洲新市場予定地では、去る八月二日よりボーリング工事に着手し、地下水、土壌、表層土壌ガスについて計二百四十三カ所で調査を実施しております。
 この調査結果及び十月六日に開催されました第四回専門家会議における見解につきましてご報告いたします。
 1の調査結果でございます。
 地下水調査でございますが、本調査は、地下水の対策及び管理の重要性などから、地下水質の現況等を把握するため、五十六カ所で実施してございます。
 このうち、環境基準を満たした箇所は三十一カ所ございます。また、環境基準を超過した箇所は二十五カ所で、うち、ベンゼン十四カ所、シアン化合物十八カ所、砒素三カ所、鉛四カ所となっております。
 なお、各物質で検出箇所の重複があるため、合計数は一致いたしません。以下の調査につきましても同様でございます。
 土壌調査につきまして、本調査は、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染状況調査について、深度方向データの補足等を行うため、二十九カ所で実施してございます。
 このうち、環境基準を満たした箇所は十九カ所でございます。また、環境基準を超過した箇所は十カ所で、うち、ベンゼン三カ所、シアン化合物四カ所、砒素八カ所、鉛一カ所となっております。
 二ページをお開きください。
 表層土壌ガス調査でございますが、本調査は、揮発性物質であるベンゼンのガス化による影響が懸念されることなどから、表層でのベンゼンの土壌ガス濃度を把握するため、二百四十三カ所を対象としてございます。
 このうち、基準値未満の箇所は百七十四カ所、基準値以上の箇所は十一カ所でございます。
 なお、表層土壌ガスについては、地下水調査を実施する数値として〇・〇五ppmを基準値としております。
 また、二百四十三カ所の調査対象箇所のうち、地下水位の状況を踏まえ試料採取が可能だった百八十五カ所について分析を実施してございます。
 続きまして、2の環境基準等の超過内訳でございます。
 地下水調査におきましては、中段にございます表のとおりとなっております。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の千倍を検出したものが一カ所、百倍以上百六十倍未満は三カ所、五十倍未満は十カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、環境基準の八十倍を検出したものが一カ所、三十倍未満は十七カ所となっております。
 砒素につきましては、三カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の五倍未満となっております。
 鉛につきましては、四カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の二倍未満となっております。
 備考欄にございますD-12地点は、東京ガス株式会社の調査をもとに作成した地下水の等濃度分布図で低濃度とされていた地点でございます。ここから環境基準の千倍のベンゼンが検出されました。
 土壌調査におきましては、下段にございます表のとおりとなっております。
 ベンゼンにつきましては、環境基準の千六百倍を検出したものが一カ所、八十倍未満は二カ所となっております。
 シアン化合物につきましては、四カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の四十倍未満となっております。
 砒素につきましては、八カ所の超過箇所のうち、すべてが環境基準の十倍未満となっております。
 また、鉛につきましては、一カ所超過箇所があり、環境基準の十倍未満となっております。
 備考欄にございますG-12地点は、東京ガス株式会社が調査を行った当時、障害物等の影響により調査が実施できなかった地点でございます。ここから環境基準の千六百倍のベンゼンが検出されました。
 なお、これらの高濃度の有害物質が検出された箇所の位置につきましては、別紙に図を添付いたしましたので、後ほどご参照いただきたいと存じます。
 三ページをお開きください。表層土壌ガス調査におきましては、表のとおりとなっております。基準値の百二十八倍を検出したものが一カ所、十倍未満は十カ所となっております。
 続きまして、3の第四回専門家会議での見解でございます。
 第四回専門家会議におきまして、調査結果を報告し、ご審議いただいたところ、予想外の地点から高濃度の有害物質が検出されたことから、敷地全面にわたって十メートルメッシュを基本とする地下水、土壌調査が必要との指摘がございました。
 調査内容といたしまして、調査対象は地下水及び土壌、調査単位は十メートルメッシュ、調査物質は、ベンゼン、シアン化合物、砒素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの七物質となっております。
 次回、十一月五日に開催を予定しております第五回専門家会議におきまして、具体的な調査計画が検討される予定でございます。
 以上、簡単ではございますが、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策につきましてご報告申し上げました。よろしくお願いいたします。

○増子委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○小竹委員 五点お願いいたします。
 一点目は、豊洲移転予定地の汚染状況、東京ガス調査と追加調査を対比した形で、わかりやすくお願いします。
 それから二番目として、豊洲移転によって、予定地にかかわった事業費、今までの分について。それから、今後予定される見込みも、わかればお願いします。
 三番目として、移転予定地における雨量と観測井の観測データ。
 四番目、移転予定地の各街区の地質断面図、二十メートルまで。
 それから五番目、東京ガス及びそれ以降も含めて、土地利用の地歴についてお願いします。
 以上です。

○増子委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○増子委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、港湾局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○津島港湾局長 港湾局長の津島隆一でございます。
 増子委員長を初め各委員の皆様方には、港湾局の事務事業につきまして日ごろから特段のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。
 今後とも、事務事業の執行に当たりましては一層努力してまいる所存でございます。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、港湾局の幹部職員を紹介させていただきます。
 港湾局技監尾田俊雄でございます。総務部長の多羅尾光睦でございます。監理団体改革担当部長の山本隆でございます。港湾経営部長の江津定年でございます。港湾経営改革担当部長の小宮三夫でございます。臨海開発部長の小林敏雄でございます。開発調整担当部長の余湖由紀夫でございます。営業担当部長の藤原正久でございます。港湾整備部長の飯尾豊でございます。計画調整担当部長の山本浩でございます。離島港湾部長の石山明久でございます。島しょ・小笠原空港整備担当部長の室星健でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の浜佳葉子でございます。同じく計理課長の矢岡俊樹でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○増子委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○増子委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○津島港湾局長 港湾局が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます局長事業概要説明要旨の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 港湾局は、東京港及び島しょの港湾、漁港等の整備、管理や、東京臨海地域の開発等の事業を通じて、物流の円滑化や都市の再生、防災機能の充実などを図り、都民生活の向上と産業の発展に努めております。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業に欠くことのできない重要な役割を担っております。現在、東京港は、コンテナ貨物取扱量において我が国第一位を堅持しておりますが、これに甘んじることなく、日本のトップ港湾として、アジア諸港に匹敵する港湾コストの低減やリードタイムの短縮を図り、今後とも国際基幹航路の寄港するメーンポートの地位を確保していく必要がございます。
 このため、首都圏物流のゲートウエーとして、安全で使いやすく、国際競争力のある港づくりを推進することが重要な課題でございます。
 さらに、東京臨海地域においては、その特性や潜在力を最大限に生かし、この地域が首都東京の都市再生の牽引役となるよう、総力を挙げて開発を進めていく必要がございます。
 島しょ地域においても、住民の生活基盤を確保し、産業の振興に資するべく、港湾、空港、漁港の整備も着実に進めることが要請されております。
 以上の基本的認識を踏まえつつ、局の事業全般にわたって常に見直しと再構築を行い、新しい時代にふさわしい事業を積極的に展開していく所存でございます。
 以下、個別の事業概要を簡単にご説明させていただきます。
 近年、中国貨物を中心とした輸入貨物の急増や、船舶の大型化、大規模地震災害への対応、港湾における環境対策など、東京港を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。このような状況を踏まえ、国際競争力の一層の強化を図るとともに、物流、交流、環境、安全の四つの機能が融合した魅力ある港を実現するため、昨年、東京港第七次改訂港湾計画を公示し、現在、その早期実現に向けて全力を挙げて取り組んでおります。
 今後は、羽田空港の再拡張や、二〇一六年の東京オリンピック招致を視野に入れながら、必要に応じてスピードアップ、レベルアップを図り、着実に事業を推進してまいります。
 また、東京港の管理運営に関しては、スーパー中枢港湾における国際競争力強化に向けたさまざまな取り組みを行うとともに、平成二十年四月には財団法人東京港埠頭公社を民営化し、二十年度中には東京臨海ホールディングスの子会社といたします。このことにより、利用者サービスの向上とコストの低減を図るとともに、港湾機能と都市機能の一層の調和を実現してまいります。
 埋立地の造成、整備、開発につきましては、港湾機能の拡充強化と都市機能などの受け皿として、環境へ配慮しながら実施しております。
 臨海副都心の開発については、臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、平成二十七年度のまちの概成に向け開発を推進してまいります。
 今後は、青海地区北側及び有明北地区を中心に開発を進めてまいりますが、そのための取り組みとして、今年三月には、青海地区北側約十二ヘクタールについて新たに公募を開始したところでございます。
 これからも、臨海副都心の魅力を生かした企業誘致活動を展開し、都民全体の貴重な財産として育成するよう、引き続き開発に取り組んでまいります。
 また、昨年十二月に策定された「十年後の東京」において、グリーンロードネットワークの拠点として位置づけられた海の森の整備に着手いたしました。今後、都民等との協働により、緑あふれる東京の再生を目指してまいります。
 同じく「十年後の東京」に掲げる首都東京の信用を高める取り組みの一環として、港湾局といたしましては、高潮等の災害から都民の生命や財産を守るための防災対策にも努めております。防潮堤や水門の耐震化対策など、本年三月に策定した東京港海岸保全施設緊急整備計画により、着実に事業を進めてまいります。
 運河ルネッサンスの取り組みにつきましては、運河等の水域利用とまちづくりが一体となって、地域のにぎわい創出と魅力向上に努めてまいりました。今後も、新たな取り組みや推進地区の指定など、さらなる展開を図ってまいります。
 島しょ地域におきましては、港湾局では、港湾、空港、漁港、海岸保全施設等の整備を今後とも着実に進めてまいりますとともに、それぞれの島が持つ個性ある資源と、港湾等の施設を最大限に活用し、観光、地場産業の振興を図る、島のみなとまちづくり事業を推進してまいります。
 三宅島でございますが、港湾局は、港湾、漁港等の整備を進め、島の復興、島民の方々の生活再建への取り組みを支援しております。また、三宅島空港の再開については、来年度の春に向け、引き続き努力してまいります。
 最後に、港湾局所管の監理団体でございますが、本年一月に設立した東京臨海ホールディングスのもと、順次、経営統合を進めております。臨海地域のエリアマネジメントを推進するこのグループを今後も一層活用し、臨海地域の発展に向けて取り組んでまいります。
 以上が港湾局事業の概要でございます。
 事業の推進に当たりましては、局の事業全般にわたって常に見直しと再構築を行い、職員一丸となって、新しい時代にふさわしい事業を積極的に展開していく所存でございます。よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長から説明させていただきます。

○多羅尾総務部長 局長の説明に引き続き、お手元の資料1、港湾局事業概要によりご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。1、港湾局の組織と予算でございます。
 港湾局は、五部三事業所の組織、六百三十名の職員によって運営されております。
 十九年度局予算の概要でございますが、一般会計、臨海地域開発事業会計、港湾事業会計の三会計で、予算総額二千五百二億二千五百万円でございます。各会計の概要は、一ページから二ページに記載のとおりでございます。
 三ページをごらん願います。2、東京港の管理運営でございますが、東京港は現在、公共ふ頭のほか、財団法人東京港埠頭公社が管理運営するふ頭、民間の専用ふ頭など、主要なふ頭だけでも二十四のふ頭を擁し、日々膨大な貨物を取り扱っております。
 港湾施設の運営に関しましては、東京都が港湾管理者として係留施設などを直接管理運営しておりますほかに、船舶給水施設及び客船ターミナル施設を、指定管理者である財団法人東京港埠頭公社が管理しております。また、船員や港湾労働者への福利厚生の充実にも努めております。
 次に、3、東京港の港湾計画等の策定でございます。
 平成十七年十二月の東京都港湾審議会の議を経て、東京港第七次改訂港湾計画を策定し、昨年三月に公示いたしました。平成二十年代後半を目標年次として、東京港の開発、利用、保全の基本的事項を定めたものでございます。計画の概要は、(2)に記載のとおりでございます。
 四ページをお開き願います。4、港湾施設の整備でございます。
 港湾計画に基づき、係留施設や臨港交通施設など港湾施設の整備を進めております。外貿コンテナターミナルや内貿ユニットロードターミナルの充実に努めるとともに、五ページ、(3)のア、東京港臨海道路第Ⅱ期事業を国とともに進めるほか、ウのボトルネックの解消のため、交差点の改良などを行ってまいります。
 次に、5、東京港の国際競争力の強化と危機管理の充実でございます。
 東京港の国際競争力を強化し、メーンポートとしてさらに発展していくためには、官民が一体となって低コスト高サービスの実現に取り組むことが必要となります。
 六ページをお開き願います。このため、アのスーパー中枢港湾への取り組みなどにより、インセンティブ制度などのコスト低減策やIT化、リードタイムの短縮などの施策を推進し、効率的で使いやすく、国際競争力のある港づくりを進めております。
 また、七ページ上部、ウに記載のように、財団法人東京港埠頭公社を民営化することにより、一層の企業性の発揮を通じて経営の効率化と機能の充実に努め、東京港の国際競争力の強化と利用者サービスの向上を図ってまいります。今月中に受け皿となる株式会社を設立し、平成二十年度当初からの業務開始を目指します。
 港湾施設の危機管理につきましては、七ページ後半に記載のように、密輸、密入国事件など、東京港の水際を脅かす危機に的確に対処し、東京を安全で安心な都市にするとともに、東京港における円滑な物流を確保するため、隣接する港湾や国の関係機関などで構成する東京湾保安対策協議会等で、合同保安訓練やテロ対策訓練を継続的に実施しております。今後も、関係機関や民間事業者との連携を強化し、東京港を危機管理能力の高い港にいたします。
 八ページをお開き願います。6、防災機能の向上でございます。
 防潮堤や水門などの海岸保全施設は、台風による高潮や地震による水害から都民の生命と財産を守るものでございます。整備後四十年以上経過している施設や、地盤の液状化のおそれがある箇所も少なからず存在することから、老朽化対策や耐震化対策などへの重点的な対応も視野に入れながら事業を進めてまいります。
 本年度は、防潮堤や内部護岸の整備及び耐震対策を行うほか、東雲水門等の工事を実施いたします。
 九ページをごらん願います。7、運河ルネッサンスの取り組みでございます。
 運河ルネッサンスは、運河等の水域利用とまちづくりが一体となって、地域のにぎわい等の創出を目指すものでございます。
 本年度は、豊洲地区において新たな推進地区の指定に向けて調整を進めるとともに、各推進地区間の連携による取り組みなどを進めてまいります。
 次に、8、大都市の環境保全・回復でございます。
 引き続き、港内の清掃や放置艇対策など、水域環境の保全に努めてまいりますとともに、一〇ページに記載してございますとおり、(2)の船舶等による大気汚染対策の推進に取り組んでまいります。これは、近年、船舶等による大気汚染についての関心が高まる中、東京都においても、国等の関係機関に対し積極的に働きかけを行い、大気汚染物質削減のため、具体的な対策を推進していくものでございます。
 (3)の廃棄物処理場整備事業でございますが、ア、新海面処分場整備事業は、廃棄物の最終処分場として、面積約四百八十ヘクタールの処分場の整備を段階的に進めているところでございます。
 本年度は、Gブロックの護岸建設工事などを実施しております。
 また、一一ページの中ほどでございますが、ウ、羽田沖埋立造成事業では、魚介類等の生息環境となる浅場造成工事を実施しております。
 9、臨海地域開発のさらなる推進でございます。
 埋立地の開発に関しましては、現在、東京臨海地域において二千七百六十九ヘクタールの造成、整備を進めており、一二ページ冒頭に記載のとおり、四つの土地利用計画を定め、総合的かつ計画的に開発を進めております。
 (2)、臨海副都心の開発に関しましては、現在、平成九年に策定いたしました臨海副都心まちづくり推進計画を基本に開発を進めております。また、平成十四年に臨海地域開発財政基盤強化プランを、昨年三月には「臨海副都心開発の今後の取組み-総仕上げの十年間-」を策定し、財政基盤の強化や今後の具体的な取り組み等について必要な見直しを行ってきております。
 これらの内容につきましては、一二ページから一四ページにかけて記載しておりますので、後ほどごらん願いたいと存じます。
 一四ページをお開き願います。オ、開発の進捗状況でございますが、臨海副都心の都市基盤施設はおおむね完成しており、進出事業者につきましては、かえつ学園、TOC有明、タワーズ台場などが昨年開業し、今後も、テレビスタジオなどが開設されるなど、臨海副都心の開発は着実に進んでおります。
 (3)、豊洲地区、晴海地区の開発状況でございます。
 豊洲地区におきましては、業務・商業、居住、市場などの各機能がバランスよく配置された複合市街地の形成を目指して開発を進めてまいります。晴海地区では、晴海三丁目の一部の地区において、昨年一月に市街地再開発事業の事業認可を受け、事業を推進しているところでございます。
 今後とも、地元地権者等との協議を踏まえ、それぞれの地区の特性に応じた事業手法により開発を促進してまいります。
 一五ページをごらん願います。(4)、都市再生事業の推進でございます。
 ア、広域防災拠点の整備でございますが、臨海副都心有明の丘地区が首都圏広域防災拠点として位置づけられており、現在、その着実な整備に努めているところでございます。
 イ、スーパーエコタウン事業でございますが、中央防波堤内側埋立地と大田区城南島に、民間事業者などによりリサイクル施設などが整備されており、現在、八施設が稼働しております。
 (5)、臨海地域における監理団体改革についてでございます。
 臨海地域を活動基盤とする監理団体につきましては、平成十八年五月に発表した「臨海地域における監理団体改革-持株会社構想-」により、順次、持ち株会社方式で経営統合することにいたしました。
 これにより、本年一月三十一日に持ち株会社である株式会社東京臨海ホールディングスを設立し、八月までに、株式会社ゆりかもめ等三社の子会社化を順次進めてまいりました。来年度には、民営化後の財団法人東京港埠頭公社及び株式会社東京ビッグサイトを経営統合し、平成二十一年度からグループ経営を本格稼働させてまいります。
 一六ページをお開き願います。10、新たな海上公園への取り組みでございます。
 (1)、海上公園事業は、葛西沖から羽田沖までの臨海部全域にわたる一体的な海上公園構想を実現するため、一六ページ上部に記載の四つの基本的考え方に基づき整備を進めており、現在、四十四カ所、九百六十九・六ヘクタールについて計画が決定されております。
 (2)、海の森公園の整備についてでございますが、これは、中央防波堤内側埋立地に約八十八ヘクタールという区部最大級の規模となる公園を整備するもので、広範な都民、企業、NPO等との協働のもと、今後、当面十年間で、ある程度の森を育て上げてまいります。
 既に、小学生による「ドングリから苗木づくり」などの先行的事業を進めるとともに、本年七月には海の森募金を創設し、都民、企業等の協力を呼びかけております。
 一七ページをごらん願います。11、島しょ等の港湾、漁港、空港、海岸でございます。
 島しょ地域におきましては、島民の方々の交通基盤となる港湾、空港、漁業振興の基盤となる漁港、災害防止のための海岸保全施設の整備等を行っております。
 (1)、伊豆諸島の港湾、漁港、空港等でございますが、これは現況は、表-1に記載のとおりでございます。
 これらの施設につきましては、東京都離島振興計画に基づき、島しょの交通輸送路を確保し、産業基盤の整備を行うとともに、海岸の保全事業も実施しております。
 一八ページをお開き願います。(2)、小笠原諸島の港湾、漁港、空港の整備でございます。
 この事業は、小笠原諸島振興開発計画に基づき、小笠原諸島の振興を図るため、海上交通輸送路の確保と産業基盤の整備を目的として、港湾、漁港を整備し、航空路を検討するものでございます。
 次の一九ページから二一ページにかけましては、十九年度の港湾局予算概要の表でございます。後ほどごらん願いたいと存じます。
 次に、当局が所管している東京都監理団体等について、その概要をご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料2、東京都監理団体等一欄をごらん願いたいと存じます。東京都監理団体が二団体、その他報告を受ける団体が四団体ございます。
 お手元には、これらの団体の経営状況等説明書のほか、臨海ホールディングスグループの連結の経営状況等説明書を配布してございますので、後ほどごらん願いたいと存じます。
 また、参考資料といたしまして、事業概要等をお配りしてございます。後ほどごらん願いたいと存じます。
 以上をもちまして、当局の事務事業の説明を終わらせていただきます。
 各委員の皆様におかれましては、当局事業及び監理団体等につきましてご理解をお願いいたしますとともに、今後ともご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

○増子委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○清水委員 十三点お願いします。
 主要航路別の東京港への寄港船舶数の推移。
 東京港における港湾労働者就労形態別就労延べ数の推移。
 三つ目。内貿ふ頭の改修計画。
 四つ目。港湾公共施設のアスベスト対策の状況。
 埠頭公社民営化に伴う機構、職員数及び構成。
 指定会社の手続と許可条件。
 埠頭公社と関係する港湾関連会社の一覧。
 埠頭公社民営化に伴う附属機構の構成と運営。
 臨海ホールディングス資金計画及び収支計画。
 臨海ホールディングス各社がこれまで行ってきた都の委託事業及び指定管理者の事業の今後の予定。
 東京テレポートセンターのビル事業における各ビルの入居率の推移。
 十三番目。臨海副都心における土地の長期貸付及び売却等の状況。
 以上、十三点お願いいたします。

○増子委員長 ただいま清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○増子委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十分散会

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