経済・港湾委員会速記録第十七号

平成十八年十二月十三日(水曜日)
第八委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十三名
委員長石毛しげる君
副委員長原田 恭子君
副委員長三宅 茂樹君
理事門脇ふみよし君
理事鈴木貫太郎君
理事松原 忠義君
遠藤  守君
田中たけし君
小竹ひろ子君
清水ひで子君
花輪ともふみ君
大沢  昇君
川島 忠一君

欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長島田 健一君
総務部長野澤 直明君
中央卸売市場市場長比留間英人君
管理部長高津 満好君
港湾局局長津島 隆一君
総務部長斉藤 一美君
労働委員会事務局局長押元  洋君

本日の会議に付した事件
 意見書について
付託議案の審査(決定)
・第二百七号議案   平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
・第二百四十六号議案 再生手続開始申立事件において東京都が有する債権の取扱いについて
・第二百四十七号議案 再生手続開始申立事件において東京都が有する債権の取扱いについて
・第二百四十八号議案 再生手続開始申立事件において東京都が有する債権の取扱いについて
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○石毛委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書につきましては、調整がつかなかった旨議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承を願います。

○石毛委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 付託議案の審査を行います。
 第二百七号議案及び第二百四十六号議案から第二百四十八号議案までを一括議題といたします。
 本案につきましては既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○小竹委員 第二百七号議案、平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)及び第二百四十六号、二百四十七号、二百四十八号議案、再生手続開始申立事件において東京都が有する債権の取扱いについて、反対意見を申し述べます。
 第二百七号議案は、破綻した臨海三セク三社を、民事再生手続をすることによって生ずる経営安定化策として税金投入された出資金三十億円及び無利子貸し付け百七億円のうち九十九億円の債権放棄による特別損失を計上し、弁済される貸付金返還金八億円を計上するものです。
 第二百四十六号から第二百四十八号議案は、いずれも、破綻した臨海三セク三社を救済するために平成十年に経営安定化策として無利子貸し付けをした百七億円のうち九十九億円をそれぞれの会社ごとに債権放棄するためのものです。
 都民の税金を使って、本来、東京都がやるべきでないビル事業を行ってきたことに根本的な原因があり、建設に当たっては、銀行やゼネコンが入って、過大な計画として進められて、莫大な借金を抱えることになったものです。そのため、開業翌年には債務超過状態に陥り、東京都は、破綻処理をするのではなく、あらゆる支援策で救済を図り、破綻処理を先送りしてきました。
 その結果、昨年度減損会計で特別損失が一千億円もふえて、資本金の三・六倍の一千九百五十七億円もの累積債務を抱えることになりました。その上、ゼロ金利解除による金利の上昇も加わって返済不能状態に陥ったものです。このことは、臨海三セクの破綻処理をすべき時期に、その手続をとらず、都民の税金を投入して救済し、処理をして、先送りにしてきた結果にほかなりません。その責任は石原都知事にあります。
 今回の民事再生で、担保つき債権千三百十一億円を有する銀行は、既に一千億円もの金利の返済を受けた上に、貸付金の四二%を補償されることになります。その上、今後経営が継続することにより、千三百十一億円とその利息五百億円も返済を受けることになり、大銀行を救済するものになっています。
 一方、東京都は、無利子貸付金百七億円のうち八億円、七・八%しか補償されず、出資金二百八十一億円の減資や貸付金の九二%、九十九億円の債権放棄が強いられることになり、そのほか、これまで臨海三セク三社の救済のために投じられてきた地代の七五%減額分百三十三億円を初め、ビルの借り上げ賃料など、多大な都民負担を負わせる結果になっています。
 今回の民事再生は、負債を軽くし、三社を統合した新会社は、さらに地代の負担を軽減する底地の現物出資三百億円相当の新たな救済を受けるなどとともに、設立された持ち株会社が五十億円の無利子貸付金を受けて統合した三社を子会社化するという新たな財政投入の仕組みづくりであります。この新しい仕組みづくりを使って、オリンピックに合わせて臨海副都心地域のさらなる開発を進めようとするものにほかなりません。
 よって、今回提出された議案には反対します。

○原田委員 二百七号、平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計の補正と二百四十六号から二百四十八号の再生手続開始に関する三セクの債権の扱いについて、意見討論をさせていただきます。
 臨海三セクの再生計画が東京地方裁判所の審査を経て債権者に提示されましたが、この再生計画に基づいた臨海会計処理及び取り扱いについての提案です。
 臨海会計はさまざまな変遷を経て今日に至っています。一九九五年、臨海事業や都市博覧会への批判が青島知事を誕生させました。都市博覧会の中止が臨海での事業の負債を増加させたという意見もありますが、これはまさにそのときの民意だったわけです。そして、だれもが予想しなかったバブルの崩壊、その中でも臨海開発は、東京の発展のために必要だという位置づけで、多額の税金を投入して生き延びてきたのです。
 今日、臨海を訪れる人は年間四千万人を超えるに至って、押しも押されぬ東京のプレースポットになっています。ここまで来た開発は、もう後戻りできない、仕上げの段階に来ています。金融機関の不良債権処理が進み、体力がついてきたこと、都の税収も好調になったことを背景に、昨年、ことしと臨海三セクの民事再生法による再建計画が提案され、進行中です。確かに今期を外すと、再建は難しいかもしれません。そして、かなりの負担は伴いますが、小規模の債権者は救済されますし、破産による清算よりいいという判断をいたしました。
 しかし、課題は残ります。まず、今回債権放棄、一〇〇%減資合わせて三百六十億、昨年は八十四億円でしたが、この負担を都民に強いたことに対しての説明責任をしっかり果たしていくこと、新たな合併会社の経営陣は報酬二分の一カットということですが、天下り人事に対してもきっぱり決別する姿勢を示すことです。
 さらに、臨海事業を民にゆだねていく道筋を都民に示すことです。持ち株会社で臨海の監理団体をまとめていくことは、東京都の関与を強めていくのではと危惧します。再生計画完了後の新たな税の投入は慎むべきです。東京湾の戦略は、民間の力で展開してこそ、真の東京の底力が示せると考えます。
 以上、意見を添えて、提案に対する賛成討論とします。

○石毛委員長 ほかに発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第二百七号議案及び第二百四十六号議案から第二百四十八号議案までを一括して採決いたします。
 本案は起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石毛委員長 起立多数と認めます。よって、第二百七号議案及び第二百四十六号議案から第二百四十八号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○石毛委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石毛委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石毛委員長 この際、所管局を代表して、津島港湾局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○津島港湾局長 本委員会の所管四局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
 ただいま本定例会にご提案申し上げました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指導につきましては十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に生かしてまいります。
 今後ともより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○石毛委員長 発言は終わりました。
 本日、議案の決定を見たわけでありますが、この間、ここにおられる皆様のご協力に改めて委員長から御礼を申し上げます。
 さて、十二月十九日、視察がございますが、本日が委員会の最終日となります。本年一年、大変お世話になりました。また、十九年、皆様にとってご多幸の年でありますよう、第一回定例会には元気な姿でご拝顔できますようお過ごし願いたいと思います。
 本日はこれをもちまして閉会いたします。
   午後一時十六分散会