委員長 | 大塚たかあき君 |
副委員長 | 原田 恭子君 |
副委員長 | 矢島 千秋君 |
理事 | 松下 玲子君 |
理事 | 松原 忠義君 |
理事 | 鈴木貫太郎君 |
田中たけし君 | |
小竹ひろ子君 | |
中山 信行君 | |
いのつめまさみ君 | |
岡崎 幸夫君 | |
清水ひで子君 | |
山崎 孝明君 |
欠席委員 一名
出席説明員産業労働局 | 局長 | 島田 健一君 |
総務部長 | 野澤 直明君 | |
産業企画担当部長 | 猪熊 純子君 | |
商工部長 | 新田 洋平君 | |
参事 | 安藤 弘志君 | |
金融部長 | 塚田 祐次君 | |
観光部長 | 中尾根明子君 | |
参事 | 米原 亮三君 | |
農林水産部長 | 大村 雅一君 | |
参事 | 秋元 篤司君 | |
雇用就業部長 | 松本 泰之君 | |
参事 | 三森 生野君 | |
港湾局 | 局長 | 津島 隆一君 |
技監 | 樋口 和行君 | |
総務部長 | 斉藤 一美君 | |
監理団体改革担当部長 | 岡田 至君 | |
港湾経営部長 | 江津 定年君 | |
港湾経営改革担当部長 | 小林 敏雄君 | |
臨海開発部長 | 鈴木 雅久君 | |
開発調整担当部長 | 余湖由紀夫君 | |
参事 | 藤原 正久君 | |
港湾整備部長 | 尾田 俊雄君 | |
計画調整担当部長 | 山本 浩君 | |
離島港湾部長 | 飯尾 豊君 | |
参事 | 室星 健君 |
本日の会議に付した事件
産業労働局関係
報告事項(説明)
・東京都食育推進計画の策定について
請願陳情の審査
(1)一八第一五号 森林整備への支援に関する請願
(2)一八第一六号 地域材の利用拡大に関する請願
(3)一八第四号 公益的機能を有する森林整備に向けた具体的施策の実施を求める意見書提出に関する陳情
(4)一八第五号 木材の供給及び地域材の利用拡大を求める意見書提出に関する陳情
(5)一八第一九号 大成高校教員十一名の原職復帰に関する請願
港湾局関係
報告事項(説明)
・臨海副都心における土地利用等の一部見直しについて
・お台場ライナーふ頭用地の公共化について
・臨海地域における監理団体改革-持株会社構想-について
請願陳情の審査
(1)一八第一七号 協働会館(旧芝浦見番)の現地保存と利活用に関する請願
(2)一八第三五号の二 都市公園及び海上公園の占用料値下げに関する陳情
(3)一八第四七号 臨海関連第三セクターの破綻処理に関する陳情
○大塚委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
次に、先般の人事異動に伴い、中央卸売市場長に比留間英人君が就任されました。
また、幹部職員の交代がありましたので、比留間市場長よりあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○比留間中央卸売市場長 七月十六日付で中央卸売市場長に就任いたしました比留間英人でございます。
大塚委員長初め、委員の皆様方のご指導をいただきまして、豊洲新市場の建設を着実に進めていきますとともに、首都圏の生鮮食料品流通を安定して支えていくために、食の安全・安心の確保や流通の効率化などに向けた卸売市場の整備運営の充実に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、七月十六日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に交代がございましたので、紹介をさせていただきます。
市場政策担当部長の大橋健治でございます。調整担当部長の越智利春でございます。新市場建設調整担当部長の後藤正でございます。新市場建設技術担当参事の河村茂でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○大塚委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○大塚委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局及び港湾局関係の報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行います。
なお、報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより産業労働局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、産業労働局長に島田健一君が就任されました。
また、幹部職員の交代がありましたので、島田局長よりあいさつ並びに紹介があります。
○島田産業労働局長 産業労働局長の島田健一でございます。
大塚委員長を初め、各委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、微力ではございますが、産業労働行政の一層の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
引き続きまして、今回の人事異動により、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
総務部長野澤直明でございます。産業企画担当部長猪熊純子でございます。商工部長新田洋平でございます。商工施策担当参事の安藤弘志でございます。観光部長の中尾根明子でございます。
なお、産業労働局理事の佐藤広につきましては、介護のための休暇を取得中でございますので、欠席させていただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○大塚委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○大塚委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○大村農林水産部長 それでは、東京都食育推進計画についてご説明いたします。
資料は、資料1、東京都食育推進計画のポイント、資料2、推進計画の概要、そして資料3、推進計画の本文となってございます。
食育推進計画につきましては、七月に中間まとめを発表し、広く都民からご意見を募集いたしました。その結果、三十四件のご意見をお寄せいただき、今回そのご意見を参照させていただき、最終的に東京都食育推進計画として策定したものでございます。
それでは、資料1、東京都食育推進計画のポイントによりまして、内容をご説明させていただきます。
まず、右肩に掲げてございます東京都食育推進計画の特徴でございますが、第一に、家庭での食育を支援すること、交流や体験の場を整備すること並びに適切な情報を総合的に発信することを取り組みの柱としてございます。
第二に、資料の一番下段にございますとおりのライフステージごとに食育に関する重点テーマを明確化いたしまして、施策を重点的に実施してまいります。
第三に、大都市東京という都市に集積する食のサービスや人材、情報を活用して、東京の食育を推進してまいります。
第四に、本計画を着実に推進していく体制として、協議会を設置し、関係機関との連携のもとに取り組んでまいります。
次に、資料の左側、東京の食をめぐる問題といたしましては、家庭での食育機能が低下している問題、食を大切にする心が希薄となっていること、また、食に対する理解の不足と食生活の乱れなどがございます。
これらの問題に対処するために、取り組みの方向と具体的施策として三つの方向で進めてまいります。
まず、一つ目でございますが、家庭、学校、地域が連携して子どもの食育を進めてまいります。具体的には、公立学校に食育推進チームを編成したり、子どもの生活習慣確立プロジェクトの実施や、乳幼児と保護者を指導する人材の育成などに取り組んでまいります。
次に、食の生産現場との交流と体験の場をつくってまいります。食育に関するイベントの開催や、地場産食材を利用した学校給食の推進、また食育拠点の充実などを行ってまいります。
三つ目に、東京に集積した食に関する情報やサービス、人材、伝統を活用してまいります。外食の店など、身近な生活の場から情報を発信するとともに、伝統的な食文化の継承などにも取り組んでまいります。
以上、簡単ではございますが、東京都食育推進計画についてのご説明を終わらせていただきます。
○大塚委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○清水委員 三点お願いします。
学童農園に取り組んでいる学校数と農家数。
二番、学校給食に都産食材を採用している学校数と農家数。
三番、区部の農地総面積と生産緑地指定の状況を、区別にお願いします。
以上です。
○大塚委員長 ただいま清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○大塚委員長 これより請願陳情の審査を行います。
請願一八第一五号、請願一八第一六号、陳情一八第四号及び陳情一八第五号は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○大村農林水産部長 それでは、請願陳情のご説明に入らせていただきます。
お手元の資料4、請願陳情審査説明表の二ページをお開きください。一八第一五号の森林整備への支援に関する請願についてご説明申し上げます。
請願者は、西多摩郡日の出町の東京都森林組合代表理事組合長小峰幸憲さんでございます。
本請願の趣旨でございますが、森林整備に関する補助制度の充実、林業労働者の確保に対する支援の充実及び林道事業等の予算の拡充について、国に強く要望していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、国では、森林・林業基本計画などに基づいて、森林所有者等が実施する造林、保育等の森林整備に対しての支援を行っています。また、緑の雇用担い手対策事業などにより、森林の整備に意欲を有する者への安全、効率的な技術及び技能等を付与するための研修等に対して支援をしております。
林道事業に対しては国の予算措置が講じられておりますが、今後都では作業道等の整備を新たに進める予定であり、予算の増額が必要となっています。
また、治山事業に対しては、三宅島の復旧を初め、多摩・島しょの森林保全として予算措置を講じています。
なお、国の財政状況の悪化から、国の補助事業である森林整備事業の採択条件が厳しくなっており、都としては単独費も含めて対応しているところですが、間伐等の森林の整備におくれが生じる状況となっております。
引き続きまして、三ページをお開き願います。一八第一六号の地域材の利用拡大に関する請願についてご説明申し上げます。
請願者は、同じく西多摩郡日の出町の東京都森林組合代表理事組合長小峰幸憲さんでございます。
本請願の趣旨でございますが、地域材の利用拡大に関し、地域材の利用促進のための施策の充実、搬出コスト低減のための作業道整備などの予算の拡充及び違法伐採された輸入木材及び木材製品の排除の強化を国に強く要望していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、国では、地球温暖化対策や森林整備の促進を図るため、地域材の利用拡大を推進しています。
地域材の利用は、林業の振興のみならず良好な森林整備につながるものであり、都では多摩産材の利用を積極的に推進しています。
しかし、地域材の一層の利用拡大のためには、コスト低減のための作業道などの基盤整備や公共施設の利用拡大が必要であり、そのためには国からの支援が欠かせません。
また、国では、外国産材の違法伐採に対して、政府調達の対象を、合法性、持続可能性の証明された木材とする措置を講じています。地球環境保全の観点からも、熱帯地域等での違法伐採は深刻な問題であり、今後も違法伐採された木材の排除が必要です。
引き続きまして、四ページをお開き願います。一八第四号、公益的機能を有する森林整備に向けた具体的施策の実施を求める意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
本件は、本年六月の経済・港湾委員会におきまして継続審査となっております。
陳情者は、江東区の全林野労働組合関東地方本部東京事務所分会執行委員長宮本實さん外二十九名の方々でございます。
本陳情の趣旨でございますが、公益的機能を有する森林整備に向けた具体的施策の着実な実施及び森林整備予算の拡充について政府に意見書を提出していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、国では、森林・林業基本計画などにより、森林の多面的機能の持続的発揮を図るための森林整備の推進に取り組むこととしています。また、緑の雇用担い手対策事業などにより、林業就業者の確保、育成を図っております。
なお、国の治山事業予算における特別重点枠は現在存在しておりませんが、都の治山事業に対しましては、三宅島の復旧を初め必要な予算措置が講じられております。
三宅島の復旧につきましては、治山等激甚災害対策特別緊急事業の適用が延長され、国の支援を受けておりますが、今後も引き続き支援の拡充を要望してまいります。
引き続きまして、五ページをお開き願います。一八第五号の木材の供給及び地域材の利用拡大を求める意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
本件も同じく継続審査となっております。
陳情者は、同じく江東区の全林野労働組合関東地方本部東京事務所分会執行委員長宮本實さん外二十九名の方々でございます。
本陳情の趣旨でございますが、木材価格の安定と地域材の利用対策の着実な推進及び違法伐採された輸入木材等の市場からの排除について政府に意見書を提出していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、国では、平成十八年度の施策として、地域材利用の着実な推進を図るため、施業の集約化など、採算性を確保した木材価格の安定を図るための施策を予算化しております。
また、違法伐採に対しましては、政府調達の対象を、合法性、持続可能性の証明された木材とするという措置を講じております。
なお、都におきましても、多摩産材の利用拡大を推進しており、国産材の利用促進のための施策の充実を国に要望しております。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大塚委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一五号、請願一八第一六号、陳情一八第四号及び陳情一八第五号は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
○大塚委員長 次に、請願一八第一九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○松本雇用就業部長 引き続きまして、お手元の請願陳情審査説明表の六ページをお開きいただきたいと思います。一八第一九号の大成高校教員十一名の原職復帰に関する請願についてご説明申し上げます。
請願者は、東京都豊島区の大成高校教職員労組支援会議代表浦豊さん外四名でございます。
本請願の趣旨でございますが、都におきまして、学校法人大成学園に対して次のことを指導していただきたいというものでございまして、その内容は、第一に、十一名の教員を早期に職場復帰させ、通常の学園運営を行うこと。第二に、大成高校教職員労働組合に対して誠意を持って対応することの二点でございます。
現在の状況でございますが、大成高校教職員労働組合の全組合員十一名の平成十八年三月十三日付懲戒解雇については、平成十八年四月十二日に教職員労働組合が東京都労働委員会に対して労働組合法に基づき不当労働行為救済申し立てをしており、現在審査中でございます。
また、十一名の組合員は、平成十八年四月五日、東京地方裁判所八王子支部に対して地位保全等仮処分申し立てを行うなど、解雇をめぐり係争中でございます。
産業労働局では、指導に関する法的な権限はございません。ただし、労使双方から求めがあった場合は、労使間の紛争の自主的な解決を手助けするあっせんを行うことができます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○大塚委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一九号は継続審査といたします。
以上で請願陳情の審査を終わります。
以上で産業労働局関係を終わります。
○大塚委員長 これより港湾局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、津島局長より紹介があります。
○津島港湾局長 去る七月十六日付で当局の幹部職員に異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
監理団体改革担当部長の岡田至でございます。港湾経営部長の江津定年でございます。港湾経営改革担当部長の小林敏雄でございます。開発調整担当部長の余湖由紀夫でございます。港湾整備部長の尾田俊雄でございます。計画調整担当部長の山本浩でございます。離島港湾部長の飯尾豊でございます。参事で島しょ・小笠原空港整備担当の室星健でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○大塚委員長 紹介は終わりました。
○大塚委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、順次これを聴取いたします。
○余湖開発調整担当部長 報告事項、臨海副都心における土地利用等の一部見直しにつきましてご説明申し上げます。
本年三月の本委員会におきまして、九月を目途にまちづくりの考え方をまとめてまいりますとお示ししておりましたので、本日、臨海副都心における土地利用等の一部見直しとしてご報告申し上げるものでございます。
資料は、本編とその概要版としてまとめておりまして、資料1-1を概要版、1-2を本編としております。
本日は、本編をまとめました資料1-1の概要版にてご説明いたします。
それでは、資料1-1の概要版をごらんください。
まず、1、趣旨でございますが、臨海副都心のまちづくりは、平成十八年度より開発Ⅲ期を迎えました。Ⅲ期は、平成二十七年度の臨海副都心のまちの概成に向けた総仕上げの十年となります。
この十年間のまちづくりへの取り組みとして、これまでの開発をさらに進めていくとともに、青海地区北側及び有明北地区の二つの地区の開発に着手してまいります。
今回の土地利用等の一部見直しは、平成九年三月に策定いたしました現行計画、臨海副都心まちづくり推進計画に示されました考え方を基本に、Ⅱ期までの開発の進捗状況や環境の変化を踏まえて、土地利用等について必要な見直しを行うものでございます。
このため、土地利用等の一部見直しでは、Ⅲ期に向けたまちづくりの方向性を示しますとともに、今後開発に着手する二つの地区の開発の考え方を整理しております。
次に、2、Ⅲ期の開発の方向性でございます。
推進計画を策定いたしました平成九年から現在までに、東京の新しい都市づくりビジョンやベイエリア21、臨海地区観光まちづくり基本構想の中で、臨海副都心のまちづくりの今後の方向性が示されております。
Ⅲ期に向けた臨海副都心のまちづくりは、推進計画の基本方針の考え方に加え、東京の新しい都市づくりビジョン等に示された考え方を踏まえ、進めていく必要がございます。
具体的には、〔1〕、職・住・学・遊のバランスのとれた複合的なまちづくり、〔2〕、観光・交流のまちづくりの二つの考え方で開発を進めてまいります。
都民提案を生かしたガイドラインでございますが、まちづくり都民提案制度は、都民参加によるまちづくりを推進するため、平成九年度に実施し、自然を生かしたまちづくり提案などの優秀提案を選考しております。
この優秀提案の趣旨を都民提案街区を含めた臨海副都心全体に反映させていくこととし、まちづくりの詳細な指針を示しましたまちづくりガイドラインを改定してまいります。
4、今回の見直し内容についてでございますが、先ほども申しましたとおり、Ⅲ期では、職・住・学・遊の多様な機能を臨海副都心全域に配置し、多様な機能が複合した魅力あるまちづくりを進めてまいります。
恐れ入ります、二ページをお開き願います。
今後重点的に開発を進めてまいります青海地区北側と有明北地区についてでございますが、第一に、青海地区北側は、観光・交流を中心としたまちとして、臨海副都心のシンボルとなる副都心広場を中心に、にぎわいと集客力のある交流エリアとしてまちづくりを進め、業務・商業に重点化しております。
また、有明北地区についてでございますが、住宅中心の複合市街地として、地区全体で居住機能を強化しながら、業務・商業機能と居住機能の複合する活力あふれる市街地を形成していき、住宅・業務・商業の複合機能を強化しております。
具体的な土地利用計画図につきましては、概要版の最後に下段の資料が添付してございます。これをごらんください。上段が一部見直し前、下段が一部見直し後の土地利用計画図を示しております。右下に凡例がございますように、赤囲みが見直し対象箇所でございます。
主な変更箇所を申し上げますと、青海地区北側では、N、R街区を住・商・業複合用地から業・商複合用地へ、また、S、T街区は、住宅系用地から業・商複合用地へ変更しております。
有明北地区では、地区の中央にあり、有明テニスの森公園の東側の区域を、住宅系用地や業務系用地などから住・商・業複合用地へ変更しております。
恐れ入ります、二ページにお戻りいただきたいと思いますが、これにあわせまして、住宅整備方針も一部見直しております。
都全体では、世帯規模の縮小が進む一方、さまざまな住宅需要への対応が必要となっております。また、今後の臨海副都心における住宅整備は、民間が主体となって進めていくこととなります。
このような状況の変化に柔軟に対応できるよう、住宅整備方針を一部見直してまいります。
例えば、都有地における住宅計画戸数については、住宅需要の変化等に応じ、土地処分の公募段階で適切に設定するなど、柔軟な対応ができるよう見直してまいります。
5、開発フレームについてでございます。開発面積は現行のとおり四百四十二ヘクタールでございます。
計画人口につきましては、これまで都民提案制度の対象街区における人数を除いてお示ししておりましたが、今後、青海地区北側の開発に着手するに当たり、まちづくり都民提案制度の対象街区の人口を含み、お示しいたしました。
計画人口としましては、就業人口が九万人程度、居住人口が四万七千人程度を見込んでおります。
地区別については表のとおりでございます。
今後の取り組みでございますが、土地利用等の一部見直しに伴い、具体的なまちづくりのための詳細な指針でありますまちづくりガイドラインを改定し、開発を進めてまいります。
臨海副都心の総仕上げの十年間を迎えております。平成二十七年度のまちの概成を目指し、今後も引き続き、現行のまちづくり計画や今回の一部見直しなどを踏まえ、臨海副都心開発を確実に進めてまいります。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。
○小林港湾経営改革担当部長 続きまして、お台場ライナーふ頭用地の公共化についてご報告申し上げます。
お手元の資料2に沿ってご説明申し上げます。
資料には、お台場ライナーふ頭用地の公共化についての本文のほか、別添資料1といたしまして、財団法人東京港埠頭公社のコンテナふ頭、ライナーふ頭の現況図を、別添資料2といたしまして、お台場ライナーふ頭用地公共化の範囲をおつけしております。
それでは、恐れ入りますが、一ページをごらん願います。
既に第二回都議会定例会での本委員会におきまして、財団法人東京港埠頭公社の民営化につきましてご報告申し上げておりますが、この取り組みの一環として、今般お台場ライナーふ頭用地の公共化につきまして東京都と公社の協議が調いましたので、ご報告するものでございます。
まず、1、ふ頭用地の公共化の概要でございます。
現在、世界の主要港は公共部門がふ頭用地を所有しております。こうした世界的な流れに沿って、公社所有のふ頭用地を公共化することで、都と公社が一体となって、背後地を含めたふ頭地域の再整備やヤード拡張など港湾機能の再編強化を図ってまいります。あわせて、非常時における公共的な利用を確保してまいります。
次に、2、お台場ライナーふ頭用地の公共化でございます。
まず、(1)、お台場ライナーふ頭の現況でございます。
お台場ライナーふ頭は、青果物、製材、鋼材、紙等を取り扱います外貿在来船の主力ふ頭で、全長千八百メートル、全九バースが供用されております。また、背後には多くの民間倉庫等が整備され、ふ頭と一体として荷さばきを行っております。
なお、背後の民間倉庫等の用地は東京都の所有となっております。
次に、(2)、公共化の対象地域及び面積等でございます。
恐れ入ります。別添資料2をごらんください。
お台場ライナーふ頭の全体面積は約十六万四千平方メートルほどでございますが、今回の公共化予定面積は、このうち約十四万七千平方メートルで、図面では太線で囲まれた部分でございます。残りの水際から幅約十メートルの岸壁部分は、公社が引き続き所有いたします。
それでは、資料本文二ページに戻っていただきまして、(3)、公共化の手法でございます。
公共化する当該ふ頭につきましては、公社が東京都に寄附をいたします。
都の寄附受領に際しましては、背後と一体としてふ頭地域の再整備や港湾機能の再編強化を図っていく観点から、背後の倉庫用地を所管する臨海地域開発事業会計で受領いたします。
なお、公共化の対象は土地のみでございまして、上屋や管理棟などの上部施設につきましては、引き続き公社が所有し、都から公社に当該ふ頭用地を貸し付けることによりまして、お台場ライナーふ頭のふ頭機能は従前どおり維持してまいります。
次に、(4)、公共化の効果でございます。
今般の公共化によりまして、今後施設の更新需要が高まるふ頭背後の倉庫用地と一体としてふ頭地域を再編していくことで、お台場ライナーふ頭地域のみならず、隣接する青海コンテナふ頭地域も含めた港湾機能の強化が可能となってまいります。
あわせて、震災等非常時における緊急物資輸送等の公共的利用を確保していくことができます。
最後に、公共化に係るスケジュールでございます。
お台場ライナーふ頭用地につきましては、現在、国土交通省に対し、財産処分に係る認可申請を行っておりまして、九月下旬には国土交通大臣の認可が出る予定でございます。その後十一月には、公社と東京都との間における寄附契約の締結を行い、十二月には所有権移転登記を完了する予定となっております。
また、大井コンテナふ頭用地については、十九年度中に公共化を実施する予定でございます。
以上、簡単ではございますが、お台場ライナーふ頭用地の公共化についての説明を終わらせていただきます。
○斉藤総務部長 続きまして、臨海地域における監理団体改革-持株会社構想-についてをご報告申し上げます。
お手元の資料3をごらん願います。資料は、持ち株会社構想の本文と、別添資料、グループ経営実施までのステップをお配りしてございます。
それでは、一ページをごらん願います。本構想は、東京港の国際競争力の強化と臨海副都心開発の総仕上げの推進体制を一層充実していくことを目的といたしまして、本年五月に公表し、第二回都議会定例会の本委員会にご報告させていただいたものでございます。
七月には、行財政改革実行プログラムにおきまして、監理団体改革として位置づけられております。現在その具体化に向けまして検討を進めているところでございますが、その状況についてご報告を申し上げるものでございます。
それでは、1の現在の検討状況でございます。
(1)、持ち株会社、親会社でございますが、の設立でございます。
まず、ア、設立の手法でございますが、持ち株会社の設立には、金銭や不動産などを出資して準備会社を設立する方法のほか、既存の会社の株式の移転や株式の現物出資によりまして親会社を設立する方法等がございます。
法務、税務など制度面の調査を踏まえ、手続に係る時間や設立に要するコストの点で最適な手法を検討し、選択してまいります。
詳細は、下段に、株式移転及び株式の現物出資の手法についての説明を記載してございますので、ごらん願いたいと存じます。
恐れ入ります、二ページをお開き願います。イ、持ち株会社の資本金でございます。
現行の会社法では、資本金の額は、原則として任意に設定可能でございまして、必ずしも子会社の資本金の額の合計を持ち株会社の資本金とする必要はございません。
このため、持ち株会社グループの親会社として効果的、効率的なグループ運営を行う上で妥当な規模の資本金の額となるよう、民間の持ち株会社の事例を参考といたしまして設定する方向で検討してございます。
(2)、持ち株会社グループ全体の組織等でございます。本年五月の会社法施行に伴いまして、株式の譲渡制限のある会社につきましては、監査役会を設置せず監査役を一名とすることが可能となるなど、会社機関の簡素化が可能となってございます。
この法改正を踏まえながら、持ち株会社グループ全体の一体性、公共性、機動性が発揮される会社機関とするとともに、全体としてスリムなものとする方向で検討してございます。
(3)、持ち株会社グループの事業展開でございます。
持ち株会社グループは、臨海地域全体を視野に入れまして、エリアマネジメント機能の充実を図るため、持ち株会社を中心に各子会社間の有機的な連携を発展することによりまして、相乗効果を発揮してまいります。
そのため、現在、企業経営の専門的視点による各団体の事業分析をもとに、グループ戦略の基本方針策定に向けまして、各団体や庁内の関係部署と事業展開の方向性や効果等に関する検討を行っているところでございます。
(4)、議会への報告でございます。民間では、社債発行などによりまして有価証券報告書の提出義務が子会社にある場合を除きまして、一般的には持ち株会社の財務諸表及びグループ全体の連結財務諸表のみを公表してございます。
しかし、本持ち株会社グループにつきましては、議会や都民に対する説明責任を果たしていくため、地方自治法の規定による報告義務の有無にかかわらず、グループ全体の連結財務諸表、持ち株会社の財務諸表及び各子会社の財務諸表を議会に報告してまいります。
恐れ入ります、三ページをお開き願います。2のグループ経営実施までのステップでございます。
本文とあわせまして、別添資料もごらん願いたいと存じます。
平成十九年早期に持ち株会社を設立いたしまして、段階的に子会社化を進めた上で、平成二十一年度当初からグループ経営を本格的に稼働させてまいります。
まず、第一ステップでございますが、持ち株会社の設立及びグループ経営の準備の期間と位置づけてございます。
ここでは、持ち株会社を設立するとともに、資産調査や株主総会決議等の手続を行うことによりまして、東京臨海熱供給株式会社及び株式会社ゆりかもめのグループ化を行ってまいります。
また、持ち株会社及び子会社間の業務役割分担及びグループ全体の経営戦略など基本方針を策定してまいります。
次に、第二ステップでございますが、グループ経営の始動の期間と位置づけてございます。
ここでは、資産調査や株主総会決議等の手続を経まして、株式会社東京ビッグサイト及び民営化後の財団法人東京港埠頭公社のグループ化を行ってまいります。
また、経営効率化に向けた段階的な管理部門の集約化、連携施策、事業の構築を行ってまいります。
グループファイナンスにつきましては、管理運用体制の構築を行うとともに、運営資金を確保し、段階的に実施してまいります。
次に、第三ステップでございますが、グループ経営の本格化という位置づけでございます。
グループ経営本格稼働に向けまして、集約部門の運営体制整備を行うとともに、具体的な連携施策や事業を反映したグループ全体の経営計画を策定してまいります。
グループ全体の組織、人員体制が整う平成二十一年度当初から、グループ経営を本格稼働させてまいります。
なお、株式会社東京テレポートセンターなど民事再生手続中の団体は、法的手続を経て、経営基盤が強化された段階で参加する予定となってございます。
最後になりますが、3の第四回定例会におけるご報告でございます。持ち株会社の具体的な設立手法、組織、事業内容等につきまして、さらに検討を進め、第四回定例会においてご報告してまいります。
以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大塚委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○小竹委員 四点お願いします。
第一点目は、青海地区の開発当初からの土地利用計画の変遷経過について、フレームも含めて提出をお願いします。
第二点目は、都民提案街区の変遷経過について。
第三点は、臨海副都心地区における耐震対策及び液状化対策について。
四番目として、持ち株会社構想の決定に至る経緯及びそれぞれの組織での検討状況がわかる資料の提出をお願いいたします。
○大塚委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○大塚委員長 これより請願陳情の審査を行います。
初めに、請願一八第一七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○江津港湾経営部長 本日ご審査いただきます請願につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布してございます資料4、請願陳情審査説明表をごらんください。
一ページをお開き願います。本日ご審議をいただきます請願は一件でございます。
それでは、一八第一七号、協働会館(旧芝浦見番)の現地保存と利活用に関する請願につきましてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。請願者は、芝浦運河ルネッサンス協議会会長中島恭男さん外三千三百十五名の方々でございます。
請願の要旨は、東京都港区芝浦一丁目十一番に所在する協働会館(旧芝浦見番)、これは旧東京都港湾労働者第二宿泊所第五寮でございますけれども、これを現地に残し、木造建築の持つ本来のよさを生かした施設として、地元区に移譲の上、地域活動や交流の拠点及び貴重な文化的な遺産を承継する施設として、地域住民その他の市民の利活用に供していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、協働会館は、昭和十一年に芝浦花柳界の見番として建築され、戦時中に花柳界が疎開した後、都が建物を買い取り、戦後港湾労働者の宿泊施設として使用しておりました。
その後、都は、平成十二年七月一日付で宿泊施設の用途を廃止しまして、現在まで閉鎖管理を行っております。
協働会館につきましては、建築学的、民俗学的に貴重であるとして、以前より港区議会を初め、保存要望団体等からの活用、保存要望が強いことから、撤去を見合わせ、これまで移築活用等について検討を行ってきたところでございます。
しかし、用途廃止から六年を経過しまして、雨漏りにより建物内部の腐食が進行しているなど、施設の劣化が著しくなり、施設管理上の問題も抱えております。
平成十六年十月に、都は、建物を解体して、活用できる部材を保存要望団体等に提供する考え方に立って、解体に向けて地元区等と調整を行っていたところですが、地元町会等から現地での保存要望が高まり、現在に至っております。
本請願についてでございますが、港湾の事業としてこの施設の改修等を図ることは困難な状況ですが、地元区がこの現地要望を生かすという立場に立って、地元区主導のもとで対応していくということであれば、今後、都としても、現地保存に必要な土地の売却など必要な支援を行っていきたいと考えております。
なお、協働会館の施設の概要、これまでの経過等についての詳細を、別添の資料、協働会館(旧港湾労働者第二宿泊所第五寮)の現況等についてに記載してございますので、ごらんいただければと存じます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いいたします。
○大塚委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○山崎委員 地元のきたしろ議員からいろいろ相談を受けまして、この協働会館とやらを私も見に行きました。えらいものがあるんだなと。都心ですよね。いってみれば都心にあれだけの、神社仏閣ならいざ知らず、ああした建物が、昭和の初めごろできた建物が残っているということは本当に大変びっくりいたしまして、これはいいもんだなと。玄関なんかはすばらしい建築物だなということを強く感じたわけです。しかしながら、いかにも古くて、ちょっと台風でも来れば吹き飛ばされてしまう。私のうちも古くて飛ばされそうですけれども、それ以上に古くてですね。
しかしながら、こういった建物というのは残してあげたいなという気持ちをつくづく感じたわけですが、以前から保存の要望が都に出されていたようですけれども、都はこのような地元の保存要望に対してどのような考え方に基づいて対応したのか、今説明ありましたが、改めてお伺いいたします。
○江津港湾経営部長 協働会館につきましては、これまで港湾施設として利用してまいりましたが、老朽化が著しく、その用途を廃止したものでございます。
その後、局といたしましては、建物を解体し、一部、部材を提供するという方向で検討を進める過程の中で、関係する部局や地元区に意見を求めたところでございますが、結果として都が建物を積極的に保存していくということには至りませんでした。
この建物を、地域活動や交流の拠点として地域住民等の利活用に供していただきたいという保存要望の趣旨を踏まえれば、地元が主体となって保存のための具体的な措置を講ずることが最も現実的であり、都としてはその実現のために必要な支援を行っていくということになろうかと思われます。
都は、地元の強い要望に対しまして、社団法人日本建築家協会のご協力のもとに、建物の概要について調査を実施するなどの対応を行っております。
○山崎委員 都が主体となって現地保存を行うことは難しいという答弁でありますけれども、今回の請願については三千名以上の方々が署名をされていて、地元としても非常に強い要望というか、その気持ちは、私も見まして大変よく理解できますよ。そういう地元の要望について、つまり、その建物の所有者は東京都でありますから、これは、解体しちゃうとか、あるいは区に渡しちゃうとか、いろんな結論が出るまでは、なくなるまでというかな、解体してなくなる、あるいはまた区に移管してしまうまでは、東京都の所有物ですわ。
その建物についてのいろんな責任、例えば台風で壊れれば東京都の責任になるわけですよね。被害者が出れば東京都の責任になる。そうしたことを考えると、所有者としての責任をどう果たすかという、その一定期間、話し合いの結論が出るまでの間の責任というのは東京都にあるわけですから、所有者の責任として、都も、この建物についてそれまでの間何らかの取り組みをしなければいけないと私は思うんですね。
例えば、今聞いてみると、雨漏りがひどいとか、内部が、雨漏りすれば天井もおかしくなる、床もおかしくなる、柱もおかしくなっていくわけですから、結論が出るまで、この建物がこれ以上劣化しないような何か当面必要な補修はぜひやらなければいけない。これは都の責任だとまず私は思いますので、その辺はどのようにお考えですか。
○江津港湾経営部長 この建物の現所有者としての立場から、地域周辺に害を及ぼさないよう、建物全体を金網のネットで覆うなどの必要な対策を講じてきているところでございます。
今後、都がこの建物をみずから新たに活用するという具体的な計画がない中で、大規模な改修等は難しいと思いますけれども、先生お話しのとおり、保存の要望が高まりを見せていることにかんがみて、雨漏り補修など、これ以上劣化が進まないよう必要な手当てを行ってまいりたいと思います。
○山崎委員 ありがとうございます。やっぱり結論が出るまで、大事にきちんと保存する責任は東京都にあると思うし、地元の要望がもし消えてしまえば解体しちゃうこともあるかもしれないけれども、まあ、そんなことは考えられないんですよ。三千人の人がそれだけの強い要望があるならば、何とか結論が出るまで、東京都はせめて雨漏りしないような、屋根のかわら、ああいったところもやっぱりきちんとしておかなければ--こういった文化財というものはしっかりと守る責任というのが行政にあるわけですから、雨漏りの補修なんかはきちんとやってもらいたいと思います。今そういうふうにやるということでしたから、ひとつよろしくお願いしますね。
それから、地元区に移譲の上、地域住民の利活用に供していただきたいというふうに請願にはあるわけで、そうすると、都は使い道ないんだと。地元の地域のための集まる場所とか、あるいは文化財として残すとか、観光資源にするとか、あるいは運河ルネッサンスに供するとか、いろんな考えがおありのようですから、それは僕は大変いい考えだと思うので、何とかしてあげたいと思っています。
そこで、地元区に移譲するとしても、今度は区が--議会からは意見書が出ていましたよね、残せとか何とかしろと。議会はそういう意見。区の行政側としては、やっぱりいろいろお金もかかる、予算のことを考えなきゃいかぬ、いろいろな考えがあるんだろうから、そういった意味で、都と区が十分な協議をしていかなきゃいけないと思います。
今までも多少やっているようですけれども、これを残す、あるいは区に移譲するにしても、やはり区側の考え方というのをしっかりと生み出すための協議をしなければならぬと思うんですね。
今後、請願の趣旨を生かして建物の保存を行っていくためには、地元区と適切な協議を進めていくことが条件になると思うんですが、この点どのようにお考えですか。
○江津港湾経営部長 先生ご指摘のとおり、地元区との協議が調わなければ、この話の具体化は難しいというふうに考えております。
これまでも、地元区とは適宜、都の状況を伝えつつ話し合いを行ってきたところでございますが、この請願の趣旨を生かすよう、今後、関係者を交えた地元区との協議を進めてまいりたいと思います。
○山崎委員 請願の趣旨を生かすため、地元区と協議を進めていくというお答えであります。ぜひそれは今の答弁のようにしっかり話し合いをして、お互いが納得できるような方策をとっていってほしいと思いますので、この点についてはよろしくお願いいたします。
ついでで申しわけないんですが、港湾労働者の宿泊施設というのは、私の地元の江東区にもあります。豊洲という今盛んに開発が進んですばらしい近代的な街並みができて、IHIの開発で東洋一のでかい、ららぽーとという、船橋のららぽーとの何倍もあるというような話ですが、それとか、芝浦工大が来ましたし、IHIの本社ビル、あるいはNTTドコモのビルだとか、市場だとか、地域の再開発とか進んでいるその玄関のすぐそばに港湾労働者の宿泊施設がある。
木造でこういう建物なら私は残せとやるけれども、これは戦後できた安普請の鉄筋の建物で、大分古くなってしまっていて、あるんですね。これもやはり港湾局としてあの地域の開発とあわせて何らかの対応をしてもらわないと、あれ笑われちゃうよね。いっぱい人が来て、周りはものすごくきれいになって市場ができた。ところが、何だあの建物と見たら港湾局の建物だとなったら、港湾局の恥ですから、そういうことのないように早急に検討に入ってもらいたいと、ついでにお願いして、質問を終わります。
○小竹委員 私も、この協働会館についてはぜひ残していただきたいというふうに思っています。
協働会館については、私も現地を見に行って、この運動を進めていらっしゃる関係者の方からもお話を伺って、非常に感銘を受けたんですけれども、建物は、先ほど山崎委員からもお話がありましたけれども、それこそネットで覆われて、外からはよさがよく見えない状況に置かれているという点では非常に残念な気がするんですけれども、あの中、そういうネットの外から見ても非常に立派な建造物であるというのを見て、文化財、文化遺産的な価値をも私は感じました。
昭和十一年に花柳界の見番として建てられたわけですけれども、文化財の方は教育庁の方ですけれども、この歴史的な価値を持っている建物について、港湾局はどのように認識しておられるか、最初にお伺いします。
○江津港湾経営部長 近代和風建築の一つといたしまして港区が区内の歴史的建造物に位置づけているところは承知しておるところでございます。
○小竹委員 港区が歴史的な建造物として位置づけているということは、私も本を見てわかりました。本当に近代的な和風建築物という点では、建築学会を初めとした専門家の方々からも非常に高く評価されている建物であるというのを、私自身いろんなものを見て感じました。
かつては花柳界の産業には見番というのがあって、都内でも五十近く、五十を超えるような見番があったというふうに聞いています。私の住んでいる文京区にも昭和五十年代まで見番があって、開発のために取り壊されて今はなくなってしまいました。
今、木造和風づくりで当時のまま残っている見番というのはここだけなのではありませんか。その点はどうですか。
○江津港湾経営部長 局で調査をしたわけではございませんが、建築家協会の皆様方のお話によりますと、都内に現存する唯一の建造物だと聞いております。
○小竹委員 そのとおりで、しかも、この建物は、建てられた棟梁についてもわかっていて、もともとはここの芝浦に雅叙園はあったそうですけれども、目黒の雅叙園と同じ棟梁が建てられた、構造的にも非常に重要な当時のことが残っている建物だというふうに伺っています。
専門家の方々が構造上どうなのかというふうなことで調査もされて、局の方も調査されたということですけれども、こういう「協働会館」という冊子がつくられていまして、私も読んで、すごい建物だし、芝浦の歴史までここに書かれているという点では非常に貴重な建物なんだなというのを改めて認識をした次第です。
先ほど山崎委員からも建物の保存の問題でお話がありましたけれども、本当に早く手を入れないと大変な状況になるというふうに私自身実感した次第です。雨漏りが進行しているので何らかの補修をしなければならないというふうにおっしゃられたわけですけれども、具体的にどのような補修で考えておられるのか、その点についてお伺いします。
○江津港湾経営部長 この前、建築家協会の皆さんのご協力で調査をいたしまして、建物がどういう状況かということの確認は一応できております。
当面、即やらなければいけないことは、屋根の上に覆いをするということで雨漏りを食いとめることが重要だというふうに考えております。詳細は今後検討してまいりたいと思っております。
○小竹委員 大きな建物ですから、覆うのも非常に大変だというふうには思うんですけど、せめてシートや何かで覆いをして応急処置をするというのが、建物の腐食を防ぐ上でのかなめだなというふうに思うんですね。この本にも、基礎の構造なんかはしっかりした建物だというふうに出ていますので、この秋、台風が来ることだってあるわけで、そういう意味でもぜひ早い対応をお願いしたいというふうに思います。
港区議会からは意見書が出ており、私も読ませていただきました。歴史的な建造物であり、文化財としての価値を持つ協働会館ですから、そういう意味では、現地で保存をする、これが歴史的な価値、それから文化財的な価値を残していくものだというふうに思います。後世の人たちに、こういうすばらしい建造物がつくられたんだという点でも、残す意義というのは私は十分あるというふうに思います。
現地に行って私一番感じたのは、港区ですから、ビルがずっと建ち並んでいて、しかも、高い建物がずっと並んでいる中で、あそこへ行くと木造のすばらしい建物があるという点では、ほっとする空間だというふうな感じがしたんですよね。隣の駐車場は港湾局が駐車場として管理しているわけで、そういう意味でいうと、この協働会館のところがきちんと整備されるということは、地元の皆さんの利用ということだけではなくて、都民的な財産にもなり得るのではないかというふうに私は思います。
昨年、第一回定例会のときに、港湾局長は、地元区や関係機関と十分調整して具体的に検討していきたいというふうにお答えいただいて、先ほど、話し合ってきたというふうにいわれましたけれども、一年が経過しているという点で見ると、地元区との調整や話し合いがどういうふうになってきたのか、もう一度お伺いいたします。
○江津港湾経営部長 私ども港湾局と地元区との調整の状態でございますけれども、私どもといたしましては、先ほどご答弁いたしましたけれども、この問題についてはやはり地元区が主導で実施をしていただくことが大事だということで、そういうお話を申し上げまして、区の方でも、今後、地元から要望のあった皆さん並びに専門家の建築家の皆さん、そういった人を交えていろいろな協議をしていこうというふうになっております。
○小竹委員 地元区や専門家の方々もということですけれども、この請願を出されているルネッサンス協議会だとか、この協働会館を活かす会などもあるわけで、そういう関係者の皆さんと十分協議をしていただいて、一日も早く私は整備をしていただきたいというふうに思います。
本来であれば、東京都が所有しているわけですから、所有者が保存を図るというのは、一般的にいえば原則です。そういう点では、港湾局としての利用がないということで、区との協議に入るわけですけれども、やはり、これを本当に保存するという立場に立てば、大規模な改修もしなければならないし、そういう点では補修費も相当莫大な経費を要することは間違いないというふうに思います。
そういう点でいっても、これから公共的に利用するという点、それから地元の皆さんや港区民が利用するだけではなくて、本当にあそこが、こういうものがあるというのが知れ渡れば、多くの皆さんが見学に行ったり、憩いの場所となり得る可能性もあるという点では、補修費を含めて十分な話し合いをしていただきたいというふうに思います。
公共的な建物として継続するわけですから、当然、土地の代金についても減額措置があるわけで、それから建物の補修経費などについても東京都が負担する--本来だったら、所有者として残すということになれば負担する可能性もあるわけで、そういう点も含めて十分に港区が受け入れることが可能になるような話し合いで解決を図っていただいて、請願者の皆さんの期待にこたえるようにご努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。
○大塚委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一七号は趣旨採択と決定いたしました。
○大塚委員長 次に、陳情一八第三五号の二を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○鈴木臨海開発部長 一八第三五号の二、都市公園及び海上公園の占用料値下げに関する陳情についてご説明申し上げます。
説明表の三ページをお開き願います。本陳情は、東京都杉並区、山田奈津子さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、映像を撮影する際の海上公園の占用料を半額程度に下げていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都は、海上公園で園地を排他的、独占的に使用して映像を撮影する場合には、東京都海上公園条例第二十一条及び第二十二条の規定に基づき、占用料を徴収しております。
映像撮影の占用料は、標準的な使用面積と固定資産税評価額をもとに算出しており、現在、写真撮影の場合は一時間九十円、映画、テレビ及びビデオ撮影の場合は一時間九千四百二十円と定めております。
近年、撮影機器の高性能化、小型化、撮影スタッフの少人数化等により、使用面積が従前に比べ狭い事例も見られております。都は、受益者負担の適正化を図る観点から、占用料について定期的に見直ししており、今後、小規模なビデオ等の撮影の占用料についても、実態を十分に把握した上で必要な見直しを行ってまいります。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○大塚委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○原田委員 この陳情に対して意見討論をさせていただきます。
二〇〇四年に産業労働局の発行した「東京の産業と雇用就業」によりますと、東京都の情報通信業の特徴として、情報の中身であるコンテンツの制作を担う映像、音声、文字情報制作業が東京に大変集中しているということが報告されています。事業者数、従業員数ともに全国比で五割を超え、その制作業に附帯するサービス業の従業員数は全国比で七九・四%と大変高い水準になっているということで、映像などの部門においても、アニメーション産業とともに、東京はコンテンツ産業における日本の拠点になっているということがいえると思います。
しかし、制作現場は大変厳しい予算の中でやりくりをしているのが現状で、華やかな表に出る部分と対照的に大変な苦労を強いられています。
主な市の占用料を見ても、東京都の占用料は高いようです。仙台市は一日で七千円、千葉市は二時間で三千円と安く、それでも高いところでは神戸市が一日六万円、京都は一時間六千五百五十円という設定です。私の住んでいる多摩ニュータウンは、公園も多く、大変撮影も行われているんですが、一時間六千七百五十円という状況です。
東京には、映像、写真の分野に大変大勢の若い人材が活躍しております。占用料の設定の基準はいろんな自治体でもまちまちですが、必要な見直しを行うという局の説明もございました。東京での映像文化の振興を加味し、思い切った占用料の引き下げを願うものです。
また、映画の画面に映し出される風景は、東京そのものを知ってもらういいPRにつながるという二次的効果も期待されると思います。
以上、この陳情に対し、採択の立場で意見討論をさせていただきました。
○大塚委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第三五号の二は趣旨採択と決定いたしました。
○大塚委員長 次に、陳情一八第四七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○岡田監理団体改革担当部長 続きまして、一八第四七号、臨海関連第三セクターの破綻処理に関する陳情についてご説明申し上げます。
説明表の四ページをお開き願います。本陳情は、東京都江東区、臨海部開発問題を考える都民連絡会代表世話人中野幸則さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、株式会社東京テレポートセンター、東京臨海副都心建設株式会社、竹芝地域開発株式会社の三社について、速やかに完全民営化をしてほしい、完全民営化しないのであれば、破産や特別清算など清算型の法的整理を行ってほしいというものでございます。
現在の状況でございますが、東京テレポートセンター、東京臨海副都心建設、竹芝地域開発のいわゆる臨海三セクは、経営安定化策に基づき、経営改善に一定の成果を上げてまいりましたが、早期の債務圧縮を図るため、平成十八年五月十二日に民事再生手続の開始を申し立てました。五月十五日には東京地方裁判所において開始決定がなされまして、現在、裁判所の管轄のもと、民事再生手続を進めております。
臨海三セクは、まちづくりに不可欠なインフラ施設の管理を行うほか、多様な機能の集積拠点となるなど、公共性の高い役割を担っております。また、臨海三セクビルは、インフラ施設と一体化した構造となっており、ビルそのものが公共的な建物であり、単なるオフィスビルではございません。臨海副都心開発が総仕上げの段階に入る中、民間の経済合理性だけでは果たし得ない臨海三セクのこのような役割は重要であり、今後も適切に活用していく必要がございます。
また、現段階での試算によりますと、臨海三セクは二千億程度の債権放棄を受けることから、安定した経営が確保される見込みでありまして、都といたしましても、民事再生手続による経営再建は、現下の状況では最善の方策であると考えております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○大塚委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○小竹委員 陳情に関連してお伺いしておきたいと思います。
五月十二日に臨海三セク三社が民事再生手続をしましたけれども、ことし三月の段階では、臨海三セクについては経営改善の成果を上げている、引き続き経営を続けていくというふうに述べられたわけですけれども、五月に入って突然民事再生に踏み切った主要な要因は何だったのか、また、手続の今後の流れについて、最初に改めてお伺いいたします。
○岡田監理団体改革担当部長 臨海三セクは、第二回定例会において既にご説明を申し上げましたとおり、現在の収支を前提といたしますと、借入金の完済に五十年以上要することや、今後の金利上昇により支払い利息の増加が懸念されることなどから、早期に債務を圧縮して経営基盤の強化を図ることが必要と考え、先ほどご説明申し上げましたとおり、五月十二日に民事再生手続開始を申し立てたものでございます。
現実の金利動向を見ますると、この八月以降、短期の金利が〇・二五%引き上げられておりまして、臨海三セクが民事再生手続により債務圧縮を選択したことは、都といたしましても適切な経営判断であったと考えてございます。
申し立て後の手続でございますが、五月十五日に東京地方裁判所により開始決定がなされ、現在、再生計画案が検討されているところでございます。今後、都を含む債権者に対しまして裁判所から計画案が提示され次第、速やかに議会にご報告させていただきたいと思います。
○小竹委員 妥当な手続だったということですけれども、返済という点でいえば、五十年以上かかるというのは、何も三月の段階、民事再生手続に移行していく、金利が上がるというふうな状況がない状況のもとでも、現在の三千億を返済する上では五十年以上かかることははっきりしていたというふうに思うんですね。
ゼロ金利解除がいわれて金利が上がっていくというふうな状況で見たときに、金利が一%上がれば、それこそ三十億からの利払いがふえるわけで、そういう点でいったら、営業そのものが成り立たないような状況になっていく。こういう点で、借金、借入金が返済できないというふうな状況になったのでは、そういう危惧があったから民事再生の申請をしたんじゃないかというふうに私は考えています。
港湾局の方は破綻処理ではないというふうに、破綻については認められていませんけれども、実質上これだけの借入金を抱えている状況の中では、破綻状況にあったことは間違いないというふうに思います。
そういう意味で、借入金の借金について減らして新しい経営にするというふうなことになるわけですけれども、先ほど再生計画については今後出されるというふうにおっしゃられたわけですが、どのようなものになるというふうに考えておられるか、その点についてお伺いします。
○岡田監理団体改革担当部長 先ほどの借入金のお話でございますけれども、港湾局といたしましては、経営安定化策により経営改善が着実に進んだ結果、今回のような再生を図る再建型の民事再生を活用することができたのだろうというふうに考えてございます。
それで、ご質問の再生計画案でございますが、現在、再生計画案は東京地方裁判所の管轄のもとで検討が進められているところでございまして、したがって、現段階でその内容についてはお示しすることはできません。
○小竹委員 裁判所から出されないと正確にはわからないということですが、産労の三セク処理の状況から見て、ここに現段階での試算では二千億円程度の債権放棄というふうに書かれていますから、産労三セクの場合にも金融機関は抵当権を設定しているという点で、この臨海三セクも抵当権の設定があるわけですから、そういう抵当権の設定という点でいうと、別除権として債務の差し引きをすると、千二百億から三百億の債権が金融機関側は保全されるということになるというふうに思うんですね。
そうすると、新しく生まれた会社は、この千二、三百億円を返済し続けなければならないことになるんだというふうに思うんですけれども、そういう意味でいうと、本当にやっていけるんだろうか、続けていけるんだろうか、ここには経営が確保されるというふうなことで書かれていますけれども、果たしてそうなのかなという疑問は否めません。
また、第二回定例会のときにこの再建案として提示されたのは、新しい会社の経営安定化を図るということで、テレコムセンターやフロンティアビルが所有する底地を現物出資するというふうな提案もされていますから、そういう点でいうと、確かに現物出資については、その説明のときにも都の負担にはならないんだということがいわれていますが、このビルの底地については当然都民の財産ですし、埠頭公社が寄附される土地も都民の財産という点でいうと、都民の財産をこういう一つの企業に対して行うというのはやはり大きな問題があるというふうに思います。
そういう意味から見ると、現物出資というのは民事再生をした新会社に対する救済のための支援策になるというふうに考えています。臨海三セクが行っている事業を見ると、局はここに公共性をいろいろ強調しておられますけれども、どんなに譲ったとしても、私は、臨海三セクは、ビルを貸すという不動産業が中心、基本的な業務であるということは間違いない事実だというふうに思います。この分野、不動産をやるというのは、民間がやっている業ですから、そういう意味で、本当に港湾局が引き続きやっていく必要があるのかという点は、改めて問題を指摘しておきたいというふうに思います。
今、官から民へということがいわれて、すべて効率化が問われて、民間委託や指定管理者、港湾局も公園などを指定管理者に投げているわけですけれども、本来、自治体が行う責任を負うべき事業という点でいうと、この公共の役割、それから自治体の役割というのが、今、従来、本来業務として行ってきた分野でも官から民へということで委託などが進められているわけで、やはりこういう点から見ると、今までの自治体がやっている事業についても効率化が進められるという点でいうと、果たしてここに書かれているように、民間の合理性だけで果たし得ない臨海三セクの役割というのは、先ほどいわれたわけですけれども、民間であればこそ効率性だとか合理性が追求されなければならないんじゃないかと。私は、本来の業務と逆さまのことをここでいわれているんじゃないかというふうに感じました。
そういう意味で、民業であれば、やはり効率性が追求されて自立した経営が求められるという点でいうと、新たに都民の財産を提供してやることは許されないのではないかというふうに考えます。現物出資ということで支えていくという点では、今、東京都が都民に対してやっていることと逆さまです。銀行など金融機関に元金利息をこれまで払ってきたわけですし、共同経営者としての責任を問うこともして、東京都が民業から手を引く必要があるのではないかということを強調して、意見とさせていただきます。
以上です。
○原田委員 臨海関係三セクの破綻処理に関する陳情に対して、不採択の立場で意見討論をします。
今、港湾局のご説明を伺ったわけですが、その説明のとおり、臨海三セクはことしの五月十二日、裁判所に民事再生の手続を開始して、十五日に開始が決定され、裁判所に進行がゆだねられている。このような事実を考えますと、この陳情者の意図である完全民営化や破産型の法的整理は物理的に無理な状況と判断いたします。
今回の臨海三セクの場合は、ここ四、五年、営業利益を計上し、経常利益も上向きになったという報告があり、そして、債権者の協力が得られるということが前提ではありますが、その債務を軽減することで長期的な展望をつくれるという見通しが示されたということで、民事再生法の手続をしたと。この時点では、一番リスクを避けた方法だとは思います。
しかし、昨年、ファッションタウンとタイム二十四の民事再生手続を行い、ことしの三月に手続が完了した直後のテレポートセンターと臨海副都心建設、竹芝地域開発の三社がまたもや民事再生の手続を開始したという状況に、都民の方が驚きあきれるということは当然のことではないかと考えます。
この結果、東京都の負担は、前回八十四億円、今回はまだ決定されていませんが、三百八十億円と多額です。このような負担を強いてしまった東京都の責任のとり方、都民に対する釈明は不十分と私どもは指摘をしました。今後、この三社だけではなく、臨海にある東京都が出資する会社の経営はどうなっていくか、予測するのは大変難しいとはいえますが、公の仕事としていつまで関与していくか、その道筋を示すことが大変重要ではないかと考えます。
今後の臨海戦略として、持ち株子会社の設立など、東京都の提案が準備されています。公の関与を強めることにつながっていくことを大変懸念するものです。一連の第三セクターの破綻は、単なる会社の問題だけでなく、臨海副都心を強引に行政指導で進めた結果の一部といえます。突然のオリンピックの招致も臨海副都心の浮上をねらったものという見方もされています。
臨海副都心の仕上げのこれからの十年に当たって、リスクを隠し、場当たり的な対策で乗り切ることではなく、広く都民に情報を公開しながら、長い年月をかけてつくられた負の遺産への結末を共有していくことこそ求められているのではないでしょうか。
以上、意見を申し上げまして、不採択の討論といたします。
○大塚委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○大塚委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第四七号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
以上で港湾局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で執行機関に送付することを適当と認めるものについてはこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十二分散会
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