経済・港湾委員会速記録第八号

平成十八年六月十六日(金曜日)
第八委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長大塚たかあき君
副委員長原田 恭子君
副委員長矢島 千秋君
理事松下 玲子君
理事松原 忠義君
理事鈴木貫太郎君
田中たけし君
小竹ひろ子君
中山 信行君
いのつめまさみ君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
山崎 孝明君
川島 忠一君

欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長成田  浩君
総務部長菊地 輝雄君
産業企画担当部長三枝 秀雄君
商工部長中井 敬三君
参事奥秋 彰一君
金融部長塚田 祐次君
金融監理担当部長森 祐二郎君
観光部長高橋 都彦君
参事米原 亮三君
農林水産部長大村 雅一君
参事秋元 篤司君
雇用就業部長松本 泰之君
参事三森 生野君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長高津 満好君
事業部長荒井  浩君
新市場担当部長大野 精次君
参事坂  崇司君
参事大橋 健治君
参事後藤  正君
参事戸田 敬里君
港湾局局長津島 隆一君
総務部長斉藤 一美君
労働委員会事務局局長押元  洋君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 中央卸売市場関係
報告事項(質疑)
・平成十七年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて
・「市場環境白書二〇〇六」について
 産業労働局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターが定めた料金の上限の認可の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・平成十七年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて
・東京都の産業支援体制の再整備に係る基本構想について
・遺伝子組換え作物の栽培に係る対応指針の策定について
・東京都食育推進計画の策定状況について
・東京農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組(案)について
付託議案の審査(決定)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターが定めた料金の上限の認可の報告及び承認について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○大塚委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書、決議中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

ガソリン等の取引に関する意見書(案)
 近年、ガソリン販売業界では、石油製品の輸入自由化など規制緩和が進み、異業種の参入や石油元売会社直営のガソリンスタンド展開の拡大などによって、ガソリンスタンド間の競争が激化している。また、仕入れ価格の上昇等の影響も受けて、都内の中小ガソリン販売業者の経営環境は厳しさを増しており、最近十年間で都内のガソリンスタンド数は三割以上も減少し、平成十六年度末には、ついに二千箇所を下回る状況になっている。
 こうした厳しい状況に至った要因として、中小ガソリン販売業界からは、石油元売会社が子会社を不当に優遇し、地元の中小ガソリン販売業者が競争できないほどの低価格で販売する実態があり、不当廉売や差別対価、優越的地位の濫用などに当たる構造的な問題であるとの声も数多く寄せられている。
 また、先に実施した東京都の調査において、卸売価格の決定方法や、近年取扱いが増加している「発券店値付カード」に係る給油代行手数料の決定方法について、中小ガソリン販売業者が不利な状況に置かれているなど、ガソリン取引の実態が明らかとなっている。さらに、公正取引委員会が行った調査によっても、石油元売会社の卸売価格に差があることや卸売価格決定方法に不透明なケースがあることなどが指摘されている。
 中小ガソリン販売業者は、都内経済の活性化や車を利用する一般消費者の利便性確保に大きく貢献している。また、経済的活動だけでなく、防災対策や防犯対策など、地域コミュニティーの維持にも重要な役割を果たしている。
 中小ガソリン販売業者の減少は、こうした一般消費者や地域コミュニティーに取り返しのつかない損失を与えることになりかねず、一刻も早い対応が求められるところである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、公正な競争が可能な市場が確保されるよう、ガソリン販売業界に対する監視を強化するとともに、業界の実情を速やかに把握し、必要な是正措置等を講じるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十八年六月 日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
経済財政政策担当大臣 あて

○大塚委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書、決議につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○大塚委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び産業労働局関係の報告事項に対する質疑、産業労働局関係の付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中における継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 報告事項、平成十七年度東京都中央卸売市場会計予算の繰越しについて外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高津管理部長 去る六月一日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております経済・港湾委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 要求のございました資料は、表紙の目次に記載しております三件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京都中央卸売市場における大気環境測定データでございます。
 これは、「市場環境白書二〇〇六」に記載した、市場における大気環境の現状に関する基礎となったデータでございます。各市場で設定した測定箇所ごとに、平成十七年と平成十五年の二酸化窒素及び二酸化硫黄の測定値を記載しております。
 次に、二ページをお開き願います。同様に、一酸化炭素及び浮遊粒子状物質の測定値を記載しております。
 次に、三ページをお開き願います。小型特殊自動車に係る市場別の電動化率及び低公害化率でございます。
 1のターレット式構内運搬自動車については、市場別に、平成十八年二月時点における総台数及び電動車数について記載するとともに、電動化率については、平成十七年二月時点との比較をしております。
 2のフォークリフトについては、電動車に加え、平成十七年八月から導入した低排出ガス車の台数を記載するとともに、右側の欄に総台数に占める電動車と低排出ガス車の割合を低公害化率として記載しております。
 次に、四ページをお開き願います。小型特殊自動車の電動化等に対する支援策でございます。
 1の小型特殊自動車の電動化等の推進に係る補助制度について、目的、内容、開始時期及び平成十七年度補助実績を記載しております。
 また、2の電動車用充電設備の整備について、平成十七年度末における電動車用充電口数の市場別整備状況を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 では、よろしくお願いいたします。
 私は、先日ご報告いただきました「市場環境白書二〇〇六」につきまして、総論的な視点及び各論的な視点からそれぞれお伺いしたいと存じます。
 地球温暖化、資源の枯渇など、全世界的に環境問題への対応の必要性が叫ばれている中で、我が国においても環境への関心が非常に高まっているかと思います。国及び地方自治体におきまして、それぞれ環境問題についての取り組みがなされておりますが、そのような中、東京都としても環境問題を大変重要な問題として取り上げており、その中でも、また一部門である市場という中央卸売市場の皆様の立場からも、またこの問題に取り組んでいこうということから「市場環境白書二〇〇六」を発表されたということで、大変意義深いものだと私は理解しておりますが、まず初めに、今回の市場環境白書を作成された目的についてお伺いしたいと存じます。

○森澤中央卸売市場長 卸売市場は、産地から大量の生鮮食料品を集荷し、それを分荷するなど、大規模な物流拠点として機能しているために、集分荷用の自動車による排出ガスや大量の廃棄物の発生、電力消費等により環境に大きな負荷を与えており、環境対策は卸売市場にとって重要な課題となっております。また、それと関連して、生鮮食品の品質を維持するための安全衛生対策も重要な課題となっているところであります。
 そのため、白書において、中央卸売市場の環境及び安全衛生の現状を明らかにするとともに、それに対する取り組みを紹介することで、東京都と市場関係者が情報を共有して課題の解決に取り組み、市場活動により生ずる環境負荷の低減と市場の安全衛生の向上を実現することを目的としたものでございます。

○田中委員 そのような目的を達成するため、いわゆる実効性をいかにして高めていくかという視点からでありますが、例えば目標を明確に数値化するなどして、達成に向けた取り組みの方法が重要であると思います。
 白書に掲げられた環境対策を具体的にどのように進めていこうとされているのか、お伺いいたします。

○森澤中央卸売市場長 環境対策を推進していくためには、それぞれの対策に数値目標などを設定し、計画的に進めていく方策を考えていくことが必要であり、また有効であると考えております。
 都では、環境衛生対策を推進するため、昨年、中央卸売市場条例を改正し、市場関係者等に清潔の保持と環境改善に係る必要な規定を定めますとともに、小型特殊自動車については登録を義務づけ、新規に登録する特殊自動車は、電動または低排出ガス以外のものは使用を禁止するなどの措置を導入したところであります。
 また、省エネ、省資源対策として、中央卸売市場地球温暖化対策推進計画を策定し、温室効果ガスの五カ年の削減目標を立てたところでございます。
 いずれにおきましても、環境対策、安全衛生対策の推進には、流通活動の担い手であります市場関係業者の理解と努力に負うところが多うございます。今後、それぞれの対策事項について、市場関係業者の協力を得て計画的に推進していけるよう、具体的な方策を検討してまいります。

○田中委員 具体的な数字を示して、その目標に向かってご尽力いただくということの一つの手法の中で、大変効果的な手法として、この白書の参考資料の中にも記載されておりますが、環境マネジメントシステムの活用というのは大変有用ではないかと私は思っております。
 中でも、ISO一四〇〇一の手法を取り入れるということが大変効果的なものではないかと思っておりますが、一方で、こちらにも記載されておりますように、卸売業者、仲卸業者等々の関係業者さんが、それぞれ多くの利害関係を持った方々がそこに参画されているということから、なかなかこのシステムを導入することが難しいんだということが記載されておりますが、まず、今ご答弁いただいたように、市場関係者のご理解をいただくということで、ぜひこの目標達成に向けて努力いただきたいし、また、最初の時点から、利害関係があるからなかなか難しいんだということではなく、将来的な方向性も含めて理解いただきながら、ISO一四〇〇一等々も含めたさまざまな手法を活用して、実効性のあるものにぜひしていただきたい。これは要望としてとどめさせていただきます。
 次に、各論についてお伺いいたします。
 この白書は大きく四つの章に分かれておりますが、そのうちの安全衛生対策の中で、ことしの五月二十九日に食品衛生法の改正がなされました。その改正に基づきまして、残留農薬に関する新しい制度、ポジティブリスト制度というものが導入されたわけですが、このことについてちょっとお伺いしたいと存じます。
 今までは、ポジティブの反対ですが、ネガティブリストということで、規制する項目を例示して、列記して、その項目についての規制をかける。ですから、そこの項目に列記されていないものは規制の対象外であるといった制度から、今度は一律〇・〇一ppm以上のものはすべて規制の対象になる。また、規制から外すものを幾つか列記するというようなポジティブリスト制度に変わったわけですが、ポジティブリスト制度は、これまでの今申し上げたネガティブリスト制度と比べましてどのように変わったのか、お伺いしたいと存じます。

○荒井事業部長 今回施行されたポジティブリスト制度ですが、従来の制度に比べ、残留基準の設定された農薬等が二百八十三物質から七百九十九物質になるとともに、規制される食品も、生鮮食料品のみから加工食品を含むすべての食品になるなど、規制の範囲が拡大されました。
 また、従来の制度では、残留基準が設定されていない農薬等が食品から検出されても販売禁止などができませんでしたが、ポジティブリスト制度では、すべての農薬等に一律基準を含む残留基準が設定され、それらを超えて食品から検出された場合、その食品の販売などを原則禁止することになりました。

○田中委員 今ご説明いただいたように、規制の範囲が大変拡大されたということで、強化されたということでございますが、このことによりまして、中央卸売市場の業務についてどのような影響があったのかお伺いいたします。

○荒井事業部長 この制度の導入により、市場では、これまで以上に食品の安全に関する情報を確認する必要性が高まったものと考えております。
 生産者と農薬等の使用状況についての連絡を密に行うことや、仮に違反があったときには、風評被害の発生などを防止するためにも、正確な情報の把握と伝達を行っていく必要があります。また、仮に違反による流通禁止措置件数が増加すると、措置の対象となる食品の生産地や出荷時期の範囲を正確に確認する作業や、回収などに係る業務の負担が増加することが考えられます。

○田中委員 そのような中、これまでのネガティブリストであれば、ここにはひっかからなかったかと思いますが、ポジティブリストになって、いわゆる違反事例として挙げられました、六月九日に新聞報道でも発表されましたけれども、中国からのスナップエンドウから一部残留農薬が検出されたということでございます。
 このことについて、中央卸売市場としてはどのような対応をとられたのか、お聞かせいただきたいと存じます。

○荒井事業部長 ただいまお話の違反事例は、中国から輸入された一部のスナップエンドウから、ポジティブリスト制度で新たに定められた基準を超える残留農薬が検出された事例でございます。
 中央卸売市場は、六月八日に大田市場などの六つの卸会社に当該品が出荷されたと市場衛生検査所から連絡を受けましたので、直ちに当該卸会社に対しまして回収への協力を指示いたしました。また、全市場の青果業者には違反情報を周知し、他の中国産スナップエンドウについては、仕入れ先に回収の対象品ではないことを確認した上で販売するように指示いたしました。

○田中委員 今お話しいただいたように、この製品の回収の協力を指示したということでございますが、今現在の回収の状況についてお聞かせいただきたいと存じます。

○荒井事業部長 回収状況については、現在調査中でございます。

○田中委員 都民の食の安全を確保する上で、法改正に伴って、ネガティブリスト制度から、今度ポジティブリスト制度に変わった。そのことから、早速中国産のものがひっかかったというか、そういう事例があったということで、これまでですと、ネガティブリストの状態であれば、いつの間にか都民の口に入っていたかもしれない、このようなものが事前に察知されて対応がとられたということでは、今回の法改正の意義というのは大変大きなものがあるかと思っております。
 しかし、さらにいえば、残留農薬の数値が発見された時点で、即、市場から出回ったものを回収するという作業なしに、市場から先に出回る前にそういったものを食いとめることができれば、それはより食の安全性につながるのではないか、そんな思いをしております。検査をする部署は福祉保健局のご対応だということでございますが、ぜひしっかりと連携をとっていただいて、都民の食の安全を守っていただきたいと思っております。
 そのようなことも踏まえまして、中央卸売市場で今後このことについてどのように取り組んでいこうとされているのか、お聞かせいただきたいと存じます。

○荒井事業部長 中央卸売市場では、市場関係者に対しまして説明会や意見交換等を行いながら、この制度の理解の促進や疑問の解消を図るとともに、全市場に設置した安全・品質管理者のネットワークを通じて情報伝達を確実にするため、実践的な情報伝達訓練などをこれから実施してまいります。
 そのほか、制度導入に伴う課題につきましては、さらに関係者、関係機関と今後検討してまいります。

○田中委員 最後、意見として、ぜひ今後とも中央卸売市場の皆様におかれましては、生鮮食料品等の安全確保に万全を期していただきたいと思います。
 終わります。

○岡崎委員 我が国は、昭和四〇年代以降の公害の時代を経験し、その反省から、さまざまな公害規制や公害対策を実施してまいりましたが、その結果、昔に比べて都内の公害問題は大分改善されているかに思えるわけであります。
 しかし、私たちのまち東京は世界有数の大都市で、消費するエネルギーや排出されるごみも膨大であります。都市活動に伴う環境負荷は非常に大きく、板橋の大和町や大田区の松原橋--松原先生がつくった橋ではありませんよ--など、主要交差点の大気汚染や都市化の進展に伴うヒートアイランド現象など、ひずみが顕著にあらわれております。
 そこで、大田区東海三丁目に位置する東京都中央卸売市場大田市場周辺の環境問題について触れたいと思います。
 臨海部の工場や事業所は、大田区との間で環境保全協定を締結して、燃料を都市ガスとするなどの対策を実施してきた。比較的古くから稼働している昭和島の鉄鋼団地では燃料に重油を使用しているが、近年、鉄鋼関係の工場数は減少しております。また、大量のごみを焼却する大田清掃工場も、ダイオキシン対策により大気汚染物質の排出が改善されてきております。
 このように、工場、事業所の大気汚染への寄与は比較的少なくなってきております。また、大田市場の周囲は、東京港野鳥公園もあって緑に恵まれており、環境のよい場所のように思えます。
 一方、大井コンテナふ頭の拡張等により、市場周辺の交通量は大幅にふえております。市場内は、荷さばき等を行う車両により混雑している状況が多々見受けられ、市場の周辺道路の交通にも影響が及んでいるように思います。このため、大気汚染、騒音及び振動など、市場周辺の環境に悪影響を与えることが懸念されるわけであります。
 個人の住宅でも、近所づき合いというのは大変に重要でありますけれども、大田市場も、そういうことも含めて、卸売市場の物流効率化を図ることは、市場周辺の交通量緩和や環境負荷低減にもつながる重要なことと考え、大田市場における物流効率化に力を入れるべきと思いますけれども、東京都の考え方をお伺いしたいと思います。

○坂参事 卸売市場では、車両の出入りが一日を通して多いことから、周辺の道路や環境への負荷に配慮する必要がございます。
 大田市場は、立地や施設規模の優位性から、青果部と花き部が全国一の取扱高を有する大規模拠点市場に発展しております。現在、ピーク時の駐車台数を上回る駐車可能スペースを確保しておりますが、産地からの車両が減少する一方で、買い出し人等の車両がふえている現状がございます。
 このような状況の中で、青果部では共同配送を取り入れておりますが、場内の動線の円滑化や車両待機の減少に向け、新たな荷さばき施設の整備や駐車場の再配置を行ってまいります。
 また、花き部では、需要がふえるお彼岸等の特定日に交通混雑が生じるため、駐車場の時間帯別使用など、施設の効率的な使用に取り組んでまいります。
 今後とも、効率的で環境負荷の小さい物流の実現に向け、市場関係業者に対する指導や啓発にも努めてまいります。

○岡崎委員 ぜひ今後とも一層のご努力をお願い申し上げます。
 次に、食品リサイクル法への対応についてお伺いいたしますが、平成十三年五月に施行された食品リサイクル法では、平成十八年度までに食品廃棄物の再生利用等の実施率を年間排出量の二〇%以上に引き上げるよう目標が定められており、各事業者は懸命に再生利用等に取り組んでおります。
 中央市場における食品廃棄物の再生利用の取り組み状況はどうなっているのかお伺いいたします。

○大橋参事 中央卸売市場において多く発生する食品廃棄物は、魚腸骨、野菜や果物のくずなどでありまして、市場関係事業者が構成する市場協会などの団体が専門業者を活用するなどして、市場の実態に合った食品廃棄物の再生利用を実施、検討しているところでございます。
 水産物につきましては、マグロなどの大型魚の魚腸骨がすべて家畜やペットの飼料、魚油の原料などに使われ、再利用されております。
 青果では、野菜や果物のくずにつきましては、築地市場の卸売業者、仲卸業者、買い出し人から成る青果連合事業協会が、平成十五年から野菜くずなどの生ごみを発酵させてメタンガスを発生させ、ガスタービンにより発電するバイオマス発電の民間事業者による試験事業に参画しております。
 また、大田市場でも、市場協会が本年三月から本格稼働しておりますスーパーエコタウン事業の事業者と契約いたしまして、場内で発生する野菜くずなどの生ごみをバイオマス発電の燃料として供給する事業を開始しております。

○岡崎委員 市場ではいろいろな再生利用に取り組んでいるということでありますけれども、食品卸売業を初めとする食品関連事業者の再生利用については、お伺いしたら、大体平成十六年度は食品産業全体の再生利用率が三七%ですか、消費者に近づくほど割合が低くなって、食品卸売業では三三%、こういう数字をいただいているわけですが、食品関連事業者のリサイクル率は、既に先ほど申し上げた法律の二〇%を超えておりますが、一部の企業ではもう一〇〇%に迫っているようなところもある。さらに、山形県の長井市では、一部地域の五千以上の世帯が排出する生ごみのほぼすべてを堆肥化してリサイクルを実現している。民間の工場の中には、製造業でありますけれども、ごみゼロという、一〇〇%を達成したところも幾つもあるし、八〇%、九〇%なんてざらであります。
 しかし、この市場環境白書によれば、中央市場では焼却処分されている食品廃棄物も結構あって、まだまだ再生利用率を向上させる余地があります。中央卸売市場でも、法律の最低目標をクリアするということに満足せず、五〇%とか、あるいは八〇%を目指して再生利用率向上の取り組みを行うべきでありますけれども、今後各市場において食品廃棄物の再生利用を高めていく上で、どのような課題があって、どういうふうに取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

○大橋参事 築地市場及び大田市場で実施しておりますバイオマス発電では、発電が円滑に行われるために、メタンガスの原料となる生ごみの中に他のごみが混入しないようにすることが必要でございます。このため、市場での集積段階におきまして分別の徹底を図るよう、市場と関連事業者が連携して取り組んでいるところでございます。
 また、これまでに板橋市場や築地市場でコンポスト化事業の実験に取り組んだ結果によりますと、食品廃棄物のリサイクルを継続していく上では、一般廃棄物として焼却した場合と比較して処理コストが高いことや、安定的なコンポストの受け入れ先がないことが課題として挙げられております。
 このため、中央卸売市場といたしましても、食品廃棄物の分別の徹底を指導するとともに、スーパーエコタウン事業との連携も含めまして、新しい技術やリサイクル市場の動向を注視しつつ、食品リサイクルの拡大につながる方策を検討してまいります。

○岡崎委員 関連事業者といっても、要するに相手のあることでありますから、昔であれば、自分の店で扱う商品の傷んだものだとかぬれた段ボールなんかをトラックに積んで、夜中、ほかの県に行って、どこに捨てようかみたいなことをやっていた人もいるぐらい古い体質を持ったところもないわけではないので、今はもうそういうことはなかろうと思うんですけれども、市場の中で雨にぬれた段ボールも、あるいは縛ったひもも、あるいはキャベツの葉っぱも一緒に捨てていくというようなことだって時々見受けられるわけであって、こういうことは丁寧に分別も徹底するということ、さらに、ある程度技術のレベルを向上して、コンポストの受け入れ先なども一生懸命努力していただきたい、こういうふうに思います。
 次に、既に当委員会でもある程度の申し合わせでクールビズということがあるわけでありますけれども、毎年のように、かつてない暑さとか、かつてない集中豪雨とか、あるいは太平洋のある国では、国土が大潮のときには全部水浸しになっちゃったとか、こういうことが毎年のように繰り広げられておりますね。ことしも多分あるんでしょう。毎年のように史上最高というのが、あちこちでぽこぽこ出てくる。
 こういうふうな地球温暖化対策についてお伺いするのでありますが、京都議定書の発効から一年以上たつわけですけれども、東京における二酸化炭素排出量はむしろ増加しているなど、我が国の地球温暖化対策には進展の跡が見えない。
 中央卸売市場では、昨年度、東京都中央卸売市場地球温暖化対策推進計画を策定し、市場から排出される温室効果ガスを五カ年で七・八%の削減目標を立てておりますけれども、公的機関の責務として、この削減目標は何としても達成していただきたいと思います。
 この白書に記載されている排出削減目標の内訳を見ると、七・八%のうち、都の取り組みにより削減する温室効果ガスは二・五%に過ぎず、大半を市場関連業者の取り組みにより削減することとされております。
 このように、市場関連業者の取り組みが中央卸売市場の温暖化対策の成否を握る状況にあって、中央卸売市場としては、これは最後の質問にしますけれども、どのように業者を指導し、温暖化対策に取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

○大橋参事 市場関係事業者の取り組みによります削減は、五・三%のうち四・六%は市場内で使用される小型特殊自動車の電動化によるものであり、電動化に対する補助や電動車用の充電設備の整備を進めることで電動化を促進し、目標の達成を目指してまいります。
 残る部分につきましては、消費電力の大きい冷凍冷蔵庫の取扱方法の見直しや卸売場の換気扇稼働時間の適正化など、専ら業界の取り組みにより削減すべきものであるので、その実効の確保のためには、事業者への指導が重要となってまいります。
 このため、中央卸売市場では、中央卸売市場地球温暖化対策推進規程を定め、各市場が関連事業者に協力要請、指導を行う仕組みを整えるとともに、毎年度、各市場の取り組み実績を集約し、その結果に基づきまして取り組みの点検、見直しを行うことで実効性が上がる温暖化対策を推進してまいります。

○小竹委員 私、「市場環境白書二〇〇六」を読んで非常に気になった点として、自動車排出ガス対策のところでの大気汚染の問題が、そこに働く人たちにも与える影響ということで、非常に問題だというふうに思いました。
 その点から幾つかお伺いしたいんですけれども、市場の大気環境測定調査というのはどういう形で行われているのか、調査が行われた時期、それから調査日数だとか調査のやり方についてまずお伺いいたします。

○大橋参事 すべての市場につきまして、一月から三月の間に調査を行っております。調査日数は、各市場とも三日間でございます。
 平成十七年の測定箇所は、平成十五年の測定箇所に加えまして、クリーンゾーンでも実施しております。
 測定方法は、環境省告示に示された方法で行いました。

○小竹委員 各市場、同時に行ったわけじゃないわけですね。それぞれ違う時期に行われているというふうに伺ったので、こういうふうに測定日時が違ったりすると、天候だとか風だとか、そういうものによってデータが違っていくという点で、全市場が一律には判断できないというふうな状況になるかと思うんですが、きょう出された要求資料の中でも明らかなように、平成十五年と十七年を比べると、十七年の方が、特に二酸化窒素について見ると、環境基準をオーバーしているところが多くなっているというのを感じるんですが、その中でも、特に築地市場が大幅に測定点で超えているところが多いという点で大変気になります。
 こういう点で見たときに、築地市場はそれこそ車の台数も多いし、中を動いている小型の車も多いということで、そういうものが響いているのかというふうに思うんですけれども、築地市場がこれだけ悪化している原因をどういうところに見ておられるのか、その点についてお伺いします。

○大橋参事 大気環境の測定結果は、測定点近辺の自動車の走行状況、その日の大気の汚染状況、季節、天候などにより変動いたします。
 環境基準を超えたところが多かった原因として考えられることは、築地市場の場合、狭い市場の中を、他の市場に比較して格段に多くの小型特殊自動車や貨物自動車が走行していることや、測定箇所が卸売場、仲卸売場及び低温卸売場など閉鎖状態に近く、排出ガスが拡散しにくい場所の割合が高いことが挙げられると思います。

○小竹委員 二酸化窒素の基準というのは、かつて昭和六十三年に環境基準が緩和された部分で、大幅に緩和されているんですね。その環境基準、一日平均ですけれども、〇・〇四から〇・〇六、これが倍近くになっているところもあるという点では、私は中で働いている人たちに与える影響も非常に大きいという点で大変気になるんですけれども、そういう意味では、築地市場の大気汚染の状況が悪化しているのかなというふうな危惧も抱いています。
 しかし、気象条件によって、風が吹かなかったりすると滞留するというふうなこともありますから、一時的なものなのかもしれないというふうにも思うんですけれども、これが常時の状況なのかどうかという点を、あそこに働いている人たちの状況を考えたときに、きちんと掌握する必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。
 そういう点では、測定器を常時設置できれば一番いいんですけれども、一定の期間設置するとか、一定期間置いて定期的に測定してみてチェックをするということが必要ではないかというふうに思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

○大橋参事 大気環境は、食品の品質保持や市場に働く人の健康に影響があるため、市場内の環境を改善するためには現状を把握する必要があることから、大気環境の測定を実施しております。
 現行のとおり、一定の期間ごとに測定を行うことでも、市場内の大気の現状と改善策の効果を把握することは可能であると考えております。

○小竹委員 現状でも可能ということなんですけれども、この出された資料は十五年と十七年ということなので、そうすると二年ごとにやっているということではないかというふうに思うんですけれども、これだけ悪化している状況の中では、やはり私は、二年間このままの状況で放置するわけにはいかないというふうに思うんですよ。これだけ高い濃度であるという点でいえば、少なくとも環境基準を超えないような状況にどうやって持っていくかというふうなことにもなるわけで、これが一時的なものであれば、そんなに定期的に測定することはないんですけれども、これだけ高いということでいえば、きちんと測定するという点が必要だというふうに思うんですね。
 そういう点で、やはり今のお答えでは二年ごとの測定ということになりますから、私は足りないと。そういう点でいうと、今後の改善対策等を含めて、どういう方向で市場として検討されているのか、その点についてもあわせてお答えください。

○大橋参事 市場内の大気汚染の主な原因は、市場内の特殊小型自動車と市場に出入りする貨物自動車からの排気ガスであります。
 公道を走行する貨物自動車につきましては、排気ガス規制が年々強化されていることから、市場の大気環境改善のためには、小型特殊自動車の排気ガス対策が重要であります。
 中央卸売市場では、平成十七年五月に東京都中央卸売市場条例を改正し、市場内で使用する自動車につきまして自動車の登録を義務づけ、場内で使用される小型特殊自動車の登録につきましては、ターレット式構内運搬車は電動車のみ、フォークリフトは電動車または低排出ガス車に限定する規制措置を導入いたしました。
 この措置を受け、市場で使用される小型特殊自動車の低公害化率は、平成十八年二月には、ターレット式構内運搬車は前年の三九・九%から四七%に、フォークリフトは前年の一四・四%から二七・六%にそれぞれ大幅に向上しておりまして、今後大気環境は改善していくものと考えております。

○小竹委員 今、お答えの中には、改善策として小型自動車の電動化ということで出されたんですが、低公害化率や電動化率を見ると、築地は台数が多いというのもあるんですけれども、築地の電動化率については、低公害化率についてはそんなに大きな差はないんだけれども、電動化率で見ると築地はちょっと低いかなというふうに思うんですが、その要因というのは何かあるんですか。

○大橋参事 築地市場における小型特殊自動車の電動化率は、平成十八年二月一日現在で二七・二%となっておりまして、全市場平均の三九・七%より低くなっております。
 その理由の一つとして、築地市場の構造が挙げられます。具体的には、仲卸店舗が狭く、店舗内で充電することができないこと、充電設備が店舗から遠く、使い勝手が悪いこと、青果部門では一階と二階を行き来する必要があり、電動車では馬力が足りない、または不安を感じるという事業者が多いことなどであります。
 第二には、水産部門ではこれまでも高出力の二百ボルト対応車を使用してきております。二百ボルト対応車は、一般的な百ボルト対応車よりも高価であることから、切りかえが進んでいないものと思われます。
 第三に、水産部門では車体に水がかかる場合が多く、電動車を危険と考える事業者が多いことが挙げられます。
 築地市場における小型特殊自動車台数は、全市場の四割を占めており、一気に電動化率を向上させることは困難と考えますが、電動車の能力も向上してきておりますことから、今後電動化率は着実に伸びていくものと考えております。

○小竹委員 今お答えがあったんですけれども、公害をなくしていく、大気汚染を改善していくという点でも、私も、この小型特殊自動車の電動化率を引き上げていくということが一つのかぎになるかというふうに思っているんですけれども、今、市場の関係者は、これまでのご報告でも明らかなように、経営的にも大変厳しい状況に置かれていると報告されていますので、電動化する上でも負担が、これは商品に転嫁できない設備投資になりますから、負担が重くのしかかるという業者の方々も多いと思うんですね。
 先ほど資料にも出していただいたわけですけれども、一定補助があるんだけれども、この特殊自動車を電動化したり低公害化するという点でいうと、市場として政策的にやるということで補助が設けられているんですが、今の厳しい市場関係者の状況から見て、今後ぜひ補助についてももっと充実させて、より早く促進できるような状況にすべきではないかというふうに思うんですが、この点ではいかがですか。

○大橋参事 市場内で用いられる小型特殊自動車は、市場関係業者がみずからの業務に使用するものでありますから、業者自身の負担により購入、リースをすることが原則でございます。
 現在の補助制度は、市場内の環境改善を図るために導入しており、これまで、平成十一年に補助対象を小型特殊自動車の購入からリースに拡大し、平成十五年には充電場所の施設使用料を減免するとともに、昨年度からは、フォークリフトについては、電動車だけでなく、都の認定基準を満たす低排出ガス車に拡大してまいりました。
 こうした取り組みの結果、小型特殊自動車の低公害化率は順調に向上していることから、現行制度を適切に運用してまいりたいと考えております。

○小竹委員 改善のお答えはなかったんですけれども、やはり先ほど築地の電動化率が低いというふうな状況の中で、馬力の問題だとか、そういうのも出されているわけですから、相当高いものを購入したり、リースも、当然原価が高ければリース料だって高くなるわけですから、そういう意味で、もっと柔軟に今後の中で検討して、より早く促進して、中で働く人も、市場を利用する方々にとっても、市場は環境がいいところというふうな状況をつくるという点でも、これはかぎになるというふうに思いますので、ぜひ今後の中で検討していただきたい。そして、より早く電動化等について促進できるようにしていただきたいということをお願いします。
 それと、先ほど二酸化窒素の測定について、私はすべてのところというふうにいっているわけじゃなくて、これだけ大気汚染の環境基準を満たさない、このデータでいうと、ほとんどの測定場所、築地についていいますと、すべてが環境基準を突破している状況なわけですね。突破していないのは勝どき門のところだけということですから。あそこはそれこそ神社もあったりして、木もたくさんあるところなので、市場の中で見るとほとんどのところがこれだけ高いというのは深刻な状況だというふうに思うので、二年に一回じゃなくて、今、例えば正確なデータにはならないけれども、簡易測定器もあるので、そういうものも含めて、本当に常時の状況なのかどうかという点をぜひ定期的にチェックしていただくように、これは強く要望して、終わります。

○原田委員 市場白書について私も質問させていただきます。
 きょういただいた資料を見ますと、築地市場の電動化率が他の市場に比べると低いというようなデータが出ておりますけれども、前に比べると、少しずつですが、電動化率が進んでいる、低排出ガス化も進んでいるというふうに理解しております。
 特に、今回、小竹さんの続きではございませんが、築地市場の汚染の深刻さが目立つということもございまして、築地市場における排出ガス対策について少しお伺いしたいんですけれども、電動化がここでいうと二六・四%ということで、進んでいるとはいえ、まだまだ低いということもありますが、この電動化率が進めば大気汚染状況が環境基準以下になるというような見込みはあるんでしょうか。

○大橋参事 先ほどの答弁の繰り返しになるところがあるかと思いますが、市場内の大気汚染の主な原因は二つございまして、一つは、市場内で用いられている小型特殊自動車であります。もう一つは、市場内に出入りする貨物自動車からの排気ガスであります。
 この貨物自動車につきましては、排気ガス規制が年々強化されてきておりますので、基本的に私どもが対策を打たなければいけないのは小型特殊自動車ということになります。小型特殊自動車の低公害化率は、ターレットにつきましても、フォークリフトにつきましても、この一年間で急激に電動化率、低公害化率が上昇してきております。したがいまして、私どもが実施しております小型特殊自動車の電動化の補助事業や電動車用の充電設備の整備などを進めることなどにより、低公害化率を一層向上させて、環境基準への適合に向けて引き続き取り組んでまいります。

○原田委員 関係者の方のお話によると、やはり大型車が多いということと、保冷車とか冷蔵車があって、アイドリングストップなんていっても、中に積んである品質の低下にもつながるということで、なかなかアイドリングストップも進まないようなお話を伺いました。市場関係者の苦労は本当に推測するところなんですけれども、少しでも排気ガス対策が進んでいくように望むものです。
 そして、築地市場に関していうと、平成二十四年に移転するということでございますけれども、この築地市場が移転した暁には基準以下になるというような見通しというのはあるのでしょうか。その見通しを聞かせてください。

○大橋参事 豊洲新市場の建設に当たりましては、環境に配慮した施設づくりが重要な課題であると認識しており、さまざまな環境保全のための措置を行うこととしております。例えば、すべての場内搬送車両は排気ガスを出さない無公害車両とする。それから、アイドリングをストップするために、市場内へ効率的に車両を誘導する方式を導入するとともに、十分な駐車場を確保し、市場内外での交通渋滞を回避する。それから、保冷を行う必要のある冷蔵車などがアイドリングを行わないよう、外部電源装置を整備するなどであります。
 これらさまざまな対策を実施することによりまして、豊洲新市場では環境の負荷は確実に低減していくものと考えております。

○原田委員 環境白書の中で、小型特殊自動車低公害化を促進する対策の一つとして、クリーンゾーンの設定を挙げているようなんですけれども、このクリーンゾーンとはどのような考え方で設定されて、現在どのような課題があり、その解決に取り組んでいるかをお伺いします。

○大橋参事 クリーンゾーンは、市場で働く人々への健康面に配慮した環境をつくること、市場の食品の衛生管理、品質管理の高度化を図ることなどを目的として、低温卸売場や低温倉庫などを電動車以外の小型特殊自動車の使用を禁止する区域として、市場関係業者との申し合わせに基づきまして設定したもので、平成十七年末で十市場、約三万六千平方メートルに及びます。
 設定の目的を達成するためには、市場を使用する事業者がクリーンゾーンの趣旨を理解し、電動車以外の車両によるクリーンゾーンへの侵入禁止を遵守することが必要でありますが、現在のところ、一部の市場で違反して侵入する例が見られます。このため、中央卸売市場といたしましては、各クリーンゾーンに品質管理責任者を指定いたしまして管理の徹底を図るとともに、場内放送やポスターの掲示等によりまして制度の周知を図り、職員による巡回指導を行っているところであります。
 今後、こうした取り組みを一層強化することで、電動車以外の車両による侵入を解消し、品質管理の高度化や大気環境の改善を図ってまいります。

○原田委員 確かに、市場全体での指導ということではちょっと難しいということがございますが、クリーンゾーンを設定することで都が指導を強め、そこの中に入った車両に関しての指導ということで、指導しやすくなるという状況はできてくると考えております。そこの中でアイドリングストップの率を高めたり、また電動化導入のきっかけになったりというようなことがあると思いますので、これも頑張っていただきたいとは思います。
 そこで、市場白書では、温暖化対策の一環として、再生可能エネルギーによって発電した電気の購入を検討していくというような記載もございました。これに関して、現在の検討、購入の実現に向けた課題と今後の取り組みについて聞かせてください。

○大橋参事 再生可能エネルギーによって発電した電気の購入、いわゆる電気のグリーン購入は、バイオマス、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを利用して発電した電気を電気供給事業者が買い上げ、電気の需要者は電気供給事業者からその供給を受けるものです。
 東京都におきましては、昨年七月に東京文化会館が日本で初めて五%の再生可能エネルギーにより発電した電気を購入した事例が唯一の購入実績でございます。
 現在は、財務局及び環境局が都における電気のグリーン購入の進め方を検討しているところでございます。中央市場におきましても、環境局と協議しながら情報を収集している段階でございます。
 グリーン購入の実現に向けましては、再生可能エネルギーにより発電した電気は通常よりも割高になるなど、コストが高いことが課題となっております。今後、環境局と協議を続け、コスト低減の状況などを注視しながら、電気のグリーン購入の可能性について検討を続けてまいります。

○原田委員 確かにいろいろな課題があるわけですけれども、自然エネルギーを一生懸命つくっても、その先、買う方がいない、コスト高だというようなことがございまして、自然エネルギーの装置に関してもなかなか普及しないような状況があるわけです。
 ですから、これに関していうと、本当に国の政策、自然エネルギーの電力をしっかりと電力会社が買い取れるような買い取り義務を拡大したり、あと、自然エネルギーを使う方々がふえるような、事業者がふえるような政策がないとなかなか普及しないということもございますけれども、先駆的な取り組みをしようとしている、そのようなことは大変評価したいと思います。そして、そこで見つけた問題解決の課題を、所管、東京都全体、また国の問題としてぜひ声を上げていただきたいと考えております。
 最後に、市場の環境白書があるというのは、私は都議会議員になって知ったわけです。やはり食べ物を扱う場所ということで、環境に非常に気をつけて施策を展開しているということでは大変評価したいと思いますし、環境対策が進んでいるということで中央市場の信頼も出てくるかと思います。まだまだ不十分というか、いろいろ頑張ってほしい面もありますけれども、民間への波及効果もございますので、ぜひ頑張ってほしいと思います。
 終わります。

○大塚委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○大塚委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターが定めた料金の上限の認可の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○大塚委員長 次に、報告事項、平成十七年度東京都一般会計予算(産業労働局所管分)の繰越しについて外四件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○菊地総務部長 去る六月一日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと思います。目次でございます。全部で八項目でございます。
 次の一ページでございます。東京都の産業支援体制の再整備に係る基本構想の策定に至るまでの検討経過及び移転候補地の検討経過でございます。
 本構想は、平成十六年五月の東京都中小企業振興対策審議会の答申を受け、平成十六年十一月から十七年十一月の間は内部検討と調査を実施するとともに、産業支援体制の整備が平成十七年度の重点事業化されたことを受けまして、平成十七年十一月には産業支援体制の再整備に係る基本構想検討委員会を設置いたしました。
 同委員会では、四回にわたりまして支援拠点の機能や設置場所について検討し、この委員会報告をもとに、本年四月二十五日に都としての基本構想を取りまとめております。
 次の二ページをお開きください。産業支援拠点の再編整備に係る区市及び団体等からの要望の状況でございます。
 表左側の要望団体の欄にございますとおり、延べ二十の団体より要望がございました。要望の主な内容は、産業技術研究所西が丘庁舎及び八王子分室の存続強化、あるいは移転後の同地における企業支援の存続に関するものでございます。
 次に、三ページでございます。旧産業技術研究所及び地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの職員数でございます。
 下の合計欄にございますとおり、旧産業技術研究所では、地域振興センター等の技術部門職員を加えました職員定数は二百七十五人、独法化後の産業技術研究センターでは計画人員二百八十七人となっています。
 次に、四ページでございます。再編整備後の産業支援拠点と都内の産業集積の状況でございます。
 区部支援拠点は江東区青海、多摩支援拠点は昭島市東町に整備してまいります。地図上には、産業集積の状況として、平成十五年の地域別工場数を示しております。それぞれの再編整備後の支援拠点の設置場所は、地域内の工業集積からできる限り均等なアクセスを考慮した位置となってございます。
 次に、五ページから七ページは、東京農業振興プランの四十三施策の中間評価のランク分け表でございます。
 初めに、五ページは、計画どおり推移している順調事業の二十二施策でございます。
 次の六ページは、目標達成までさらなる推進を要する要推進事業十八施策でございます。
 次の七ページは、目標達成のために対策の再構築を要する再検討事業の三施策となっております。
 次に、八ページと九ページでございます。平成十二年度から十六年度の五年間の農家等の創意工夫による取り組みに対する支援でございます。
 地場流通の促進のための共同直売所の設置や生産性向上のためのパイプハウスの設置などにつきまして支援を行っております。
 次に、一〇ページでございます。平成十二年度から十六年度の間に開設した農業体験農園二十一園の場所と面積でございます。このうち、都の補助事業で整備したものが七地区、九園でございます。
 なお、体験農園は、平成十七年四月末現在、十五区市、三十五園となっています。
 次に、一一ページは、平成十四年度から十六年度までの都が設置を支援した小学校三十校の学童農園設置場所でございます。毎年十校ずつ、計三十校での設置を支援しております。
 なお、平成十七年三月末現在では、四十九区市町村、七百四校で設置されています。
 以上、大変雑駁ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松原委員 私の方から、産業支援拠点の整備についてお尋ねしていきたいと思います。
 産業支援拠点については、過日の我が党の代表質問でもお伺いしたところでありますが、新拠点の支援機能を原動力といたしまして、日本経済を牽引するような成長力ある新産業が育っていくことを大いに期待しているところであります。
 そこで、まず改めてお伺いしたいんですが、この産業支援拠点の再整備によって設けられる新たな支援機能とはどういうものなのか、それが中小企業の支援強化にはどうつながっていくのか、お尋ねいたします。

○中井商工部長 産業支援拠点に設ける新たな支援機能でありますが、まず区部拠点における主な機能としては、高度先端技術センターを新設し、超精密加工技術のための各種機器を導入することにより、先端技術開発に挑む中小企業の支援を強化いたします。
 また、デザイン活用を製品企画から試作、販売に至るまで総合的に支援するトータルシステムデザインセンターを整備し、三次元CADで設計した製品を立体画像で確認できる装置を設置するなど、製品の高付加価値化、差別化への支援をより強力に推進してまいります。
 一方、多摩拠点においては、エレクトロニクス産業の高度な集積に対応し、電磁波関連の試験を充実させるため、精密な医療機器等の電磁波影響試験も実施できる大型の電波暗室を新たに整備することなどを考えております。
 さらに、二十四時間利用可能な開発支援ラボや産学公交流センターを両拠点に整備し、中小企業の技術開発を多面的に支援する体制をより一層強化してまいります。

○松原委員 区部においては、特に最先端技術に力を入れていくということ、それからデザイン活用、この辺が大きなポイントだというふうに思います。また多摩拠点については、二十三区は小さなものがすごく多いんですけれども、多摩も、工業というのは、私はそっちに住んでいないからわからなかったんですが、調べてみたらかなりハイレベルないい産業をやっているんですね。私知らなかったんですよ。それで認識を新たにしたんですが、そういうところによってエレクトロニクスのこういうものをつくっていったりすることは大変すばらしいということで、そういうふうな次代を見た機能が新たに整備されるということで、私は大変いいことだというふうに思います。
 しかし、その一方、既存の機能、今までの古い機器、こういう問題も大きな課題になると思うんですが、その充実を図るようなことをどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。

○中井商工部長 拠点整備に当たっては、現在実施しております試験研究に関しても、最新の技術動向に対応し、その充実を図っていく考えでございます。
 現在、百万円以上の機器の約七割は導入から十年以上経過している実情にありますが、拠点整備を機に、最新の性能や機能を備えた機器に更新することにより、中小企業へのサービスを大きく向上させてまいります。
 また、空調や電気系統などの設備の老朽化により、質の高い試験研究が困難になっている例もございます。新拠点の新たな整備により、機器の更新と相まって、より質の高い技術支援を実現させてまいります。

○松原委員 ただいまの答弁なんですけれども、導入から十年、やはりもう耐用年数が大分たっていまして、機械の質も十年たったら変わっちゃいますよね。だから、これを機会に新しくする場合には、こういうものもきれいに変えて充実を図っていっていただきたいと思います。
 また、空調や電気系統の設備の老朽化によって、質の高い試験研究が困難になっているという答弁がありましたけれども、こうした設備をもし更新した場合に、具体的にどのような分野でサービスが向上していくのか、その辺をお尋ねしたいと思います。

○中井商工部長 一例を申し上げますと、近年、電子機器等への鉛、水銀等といった有害物質の使用制限が強化されており、規制に適合するためには、ごく微量な有害物質含有量の有無を確認することが義務づけられております。しかし、現在の産業技術研究センターの老朽化した空調設備のもとでは、高感度の検査機器を設置するための温湿度条件を確保することが困難なため、年間約百件の試験依頼に対して、他の機関を紹介しているというのが実情でございます。
 新拠点の整備により、空調設備が一新され、高感度の機器も導入可能となるため、こうした需要にも的確に今後は対応できるかと存じます。

○松原委員 ただいまの答弁ですけれども、やはり有害物質は、本当に今の時代的な要請で、きちっとしていかなきゃいけないと思うんですが、こういうことができなくなっていたということですね。また、そういう検査ができないために、百件以上試験依頼があってもこたえられなかったという事実がありますので、そういうことも考えますと、しっかりやってほしいというふうに思います。そういうことによって、中小企業の支援強化が一層図られるという形になりますので、その辺はよく理解できるところであります。
 ところで、区部拠点については、現在の西が丘本部と駒沢支所が江東区の青海に、そして多摩拠点については、八王子支所と立川の多摩中小企業振興センターが昭島に移転するということになっておりますが、移転に伴いまして支援機関の距離が遠くなる企業があると思います。そして、それはサービスの低下になるというふうな声も聞いておりますし、事実私自身も聞いておりますが、この点についてはどういうふうなお考えでいるのか、お尋ねいたします。

○中井商工部長 産業技術研究センターが本年二月に実施した利用企業へのアンケート調査において、会社から支援施設への所要時間がどれくらいならば利用するかと質問しましたところ、一時間以内が二三%、二時間以内が四一%、時間にかかわらず利用するが二〇%という結果でございました。
 一方、産業技術研究センターを利用する一企業当たりの年間の頻度でございますが、西が丘について申し上げますと、年間三回以下の企業が、依頼試験においては八割、機器開放においては七割を占めてございます。
 区部拠点、多摩拠点が整備されますと、都内いずれの場所からでも自動車利用でおおむね一時間前後あれば到達できます。また、今申し上げました調査結果も考え合わせますと、これまでより距離が多少遠くなる企業も含め、利便性の点で大きな問題はないというふうに考えております。
 一方で、先ほど申し上げましたとおり、新拠点の整備により、提供できる技術支援機能は大幅に向上いたしますことから、支援サービスはいずれの企業においても全体として確実に上がっていくというふうに考えております。

○松原委員 今の答弁でわかったんですけれども、やはり利用する人にとってみれば時間が大変かかるということは非常に気になるところですが、今の調査の段階では、一時間で二三%、二時間以内が四一%、それでも利用するよということでもありますし、頻度で見ると、圧倒的に三回以下の方が依頼試験で八割、機器開放については七割ということで、大分多いですよね。年三回ですから、月一回だって十二回になるわけで、そうすると大体クリアできてくるかというふうに思います。
 そういうことで、この二つが距離的に見た場合に非常にうまいところへ配置したなという感じがするんですが、結果的には今までの大体平均値、一時間前後あれば行ける、利用できるということであります。
 また、大事なことは、そこを整備しますから、大変技能が上がっていくということで、そういう利用もあると思いますから、その辺のことは心配がなくなるんじゃないかという感じはいたします。利便性については大きな問題がないという答弁をいただきました。
 中小企業に対する支援サービスは、全体として確実に上がるということですから、ぜひこのことを都内の中小企業、特に西が丘や八王子など既存施設がなくなる地域の中小企業の方々には、非常に心配していますので、理解とPRをしてほしいと思いますので、特にお願いしておきたいと思います。
 ところで、産業支援拠点で中心的役割を果たしております産業技術センターは、本年四月に独立法人化になりました。そして二カ月が済んできているんですが、法人化によってどのようにサービスが向上したのか、具体的な例を教えていただきたいと思います。

○中井商工部長 まず、料金の支払い方法が改善されまして、産技研の窓口支払いだけでなく、コンビニやATMでの振り込みも可能となりました。また、クレーム試験、未知の物質の分析など、実施しなければ内容の確定が難しい試験項目については、結果が出てから料金を支払うことができる、いわゆる確定払いを新たに実施してございます。
 利用企業のうち希望者については、その情報を集約したご利用カードを発行し、受け付けの手続や試験申込書などの出力がワンタッチでできるようなサービスも開始してございます。
 また、製品開発ラボを三室、共同研究開発室を二室設けてございますが、希望により午後八時まで利用できるようにしてございます。
 さらに、新製品の特殊な試験分析など、定型的な試験項目では対応できない試験については、これまでは受託試験として契約書の締結など複雑な手続を要してございましたが、本年度からは、オーダーメード試験として、簡単な手続で実施できるようにしたところでございます。

○松原委員 具体的に聞いたわけですが、随分工夫なされているなという感じがいたします。料金の支払いの方法改善、ご利用カード、それから夜八時まで、新製品の特殊な分析ではオーダーメード試験、こういうのおもしろいですね。非常に工夫なさっているというふうに思います。そういった意味では、独立行政法人化、産技研のやる気を非常に感じているところですので、この調子でぜひ進めていってほしいと思います。
 サービス向上以外でも、例えば独立行政法人化になって、外部資金の獲得をより弾力的にできるようになったと聞いていますけれども、この辺の実績というのはどうなっているのかお尋ねしたいと思います。

○中井商工部長 外部資金については、これまでは予算であらかじめ決められた枠の範囲内でしか獲得することができませんでしたが、法人化後は予算枠とは関係なく資金を獲得できるようになりました。それに伴い、提案型公募資金への応募をより積極的に行っており、昨年度の実績が約五千九百万円でございましたが、今年度は既に八千万円を超える資金の獲得が実現いたしております。
 産技研においては、今後もさらに必要な外部資金の獲得に鋭意努めていくこととしているところでございます。

○松原委員 これは、やはりよく理解されてきているんだなという感じもしますね。これ、昨年一年間で五千九百万円ですか、今で既に八千万円ということですか、大変いいと思いますね。ぜひともこれからも続けていってほしいと思います。
 それから、こういうふうに産業支援拠点の整備というのは、今後の東京、ひいては日本の産業の発展を左右する大きなプロジェクトであるというふうに私は認識しています。特に、東京というのは産業支援のまさに拠点だと思うんですね。あらゆる産業の拠点になっていると思います。そういった意味で頑張ってほしいと思いますが、こういうふうにして新しく生まれ変わった産業技術センターと中小企業振興公社、さらに各地域の実情をよく知っている区市町村とよく連携をとりながら、世界に誇れる産業支援体制を東京都としてはぜひつくっていっていただきたいと思います。
 特に既存の支援機関がなくなってしまう北区、板橋区、八王子市等とは、これらの地域の産業振興に向けて、特によく連携して話し合いを行ってほしいと考えていますが、このことに対する局長の決意をお伺いいたしたいと思います。

○成田産業労働局長 産業拠点の整備は、ご指摘のとおり、都内中小企業の技術力の向上を図るとともに、日本経済を牽引していく成長力ある新産業を育てることによりまして、東京の経済の活性化を図る一方、失われた十年といわれておりますが、それと決別しました今後の日本経済の新たな発展に寄与するプロジェクトであると認識しております。
 世界に誇るべきITあるいはエレクトロニクスなどの先端技術分野や、これらの分野を技術面でさまざまな形で支えております、東京の強みでもあります基盤技術産業の支援に引き続き力を入れていくとともに、産業支援拠点の整備に当たりましては、ただいまご指摘のありましたように、業界、企業の実情をよく把握するとともに、区市町村や大学研究機関との連携を密に行ってまいります。
 とりわけ既存の支援施設が転出する地域につきましては、地元の自治体と十分に話し合いを行いながら、その意見に耳を傾け、今後の産業振興を考えていきたいと思っております。
 拠点の整備には、少なくともこれから三ないし五年という年月がかかりますが、冒頭にも申し上げましたように、産業拠点の整備は、今後の東京、ひいては日本の産業の発展を左右する戦略的なプロジェクトであるといった認識のもとに、その実現に向けましては、議会の皆様方のご理解、ご支援のもと、局の総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

○松原委員 最後に要望させていただきたいと思いますが、今、局長から大変心強いご答弁をいただきました。なくなるというのはおかしいんですが、そういう施設がなくなる当該区にとっては大変心配事だというふうに思うんですね。何となく産業がなくなっていっちゃうのではないかという気がしますので、その辺のことがないように、十分東京都とそういう区との連携を強めてほしいと思います。
 そして、私ども大田区もそうなんですが、工業の町とはいわれながら、やはりまだまだ都と区のつながりというんですか、連携というのが非常に弱いような感じがするんですよ。そんなことをいってはあれですけれども、区の方から東京都に対してもっと積極的にアプローチすればいいんだけれども、なかなかそういうものは、遠慮しているのかどうかわかりませんし、また東京都の方も区の方に遠慮しているのかわかりませんが、もう少し双方が積極的にやっていく連携が必要ではないのかというふうに思います。
 それから、二番目の基盤技術です。えてして最先端ばかり目が行っちゃうと、基盤技術の方々が置いてきぼりになる可能性がありますから、やはりその方々は現状維持ということを中心としながら、維持、充実ということをしっかりと頭に入れてサポートしていっていただきたいというふうに思います。
 それから、私どものところでは、大田区でいうと東工大があるんです。つい四、五日前に私副学長さんに会って、四、五人の研究者の方々ともお会いしてきました。それで、東工大がどういうふうな連携事業をやっているのかも、よくお話を聞いてきました。
 でも、そういう中で、やはり東京都のアプローチというんですか、その辺はまだまだ薄いような感じがしますので、首都大学東京とか産技研とか、そういうことだけじゃなくて、もう少し最先端で、東工大というとやはりいろいろなことをやっているんですね。そういうところとも連携していくようなことも大事かというふうに思います。そういった意味では、研究機関なんかももっと東京都がやっていっていただいていいという感じがいたしております。
 最後に、私、これは個人的な考え方なんですが、ずっと経済産業の委員会に入っておりまして、産業労働局の方は本当に一生懸命やっていると思っているんです。その中で、東京都は、工業から商業、農業、漁業、すべて皆さん各局が非常に積極的にやっていますよね。それを、東京都の産業政策大綱というんですか、そういう指針、例えば十年計画ぐらいの、オリンピックじゃありませんけれども、やはりある程度長期的なものを出していく、東京がこういう産業を全体でやっていくんだということを打ち出していく時期にそろそろ来たんじゃないかという気がするんですよ。
 ですから、そういうところは本当に都庁の皆さん方、頭のいいところで、積極的な政策をぜひつくり出してほしいということを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○松下委員 私は、初めに食育についてお伺いしたいと思います。
 近年の核家族化やライフスタイルの変化を背景として、栄養の偏りや朝食欠食など食生活の乱れが見られ、特に子どもたちの食生活への影響が深刻になっています。そのため、心身の健康の基本となる食生活に関するさまざまな教育、いわゆる食育の必要性が唱えられています。
 東京都でも、産業労働局が事務局となり、関係六局で東京都食育推進計画を策定中とのこと、先日の委員会資料でも策定状況についてご説明がありましたが、今後の具体的なスケジュールについてお伺いしたいと思います。

○大村農林水産部長 東京都食育推進計画は、中間のまとめをおおむね七月上旬に公表いたしまして、それのパブリックコメントを実施する予定でございます。
 最終的には、八月をめどに策定したいというふうに考えてございます。

○松下委員 先日、資料9として提出されました東京都食育推進計画の策定状況では、食をめぐる問題と取り組みの方向性がまだ大まかにしか書かれていないという感想を持ちました。
 今ご答弁のように、これから中間のまとめを調製されて、パブリックコメントもとられるということでありますが、ぜひ広く都民の皆様からもご意見を寄せていただき、よりよい食育推進計画を策定していただきたいと思います。
 策定に当たって、幾つかお伺いしたいと思います。
 昨年七月に施行された食育基本法の規定に基づき、政府により食育推進会議が設置され、本年三月三十一日に決定されました食育推進基本計画の中には、先ほども述べましたが、朝食欠食など子どもたちの食生活の乱れや肥満傾向などが見られ、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、食育を推進することが重要な課題と取り上げられております。
 この資料9の策定状況の中にも、取り組みの方向性といたしまして、地域、学校、家庭が連携して子どもの食育を進めると書かれております。この三つ、地域、学校、家庭の書き方の順番に、家庭が先じゃないかという議論もあるのではないかといった感想も持ちますが、ここであえて言及はしませんが、特に学校教育の中で組織的、体系的に食育を行っていくことが効果的であると思います。
 政府の食育推進基本計画の中にも、学校における食育を推進していく上で重要な役割を担っている学校給食について、活用を取り上げています。学校給食を生きた教材として活用し、子どもたちの関心と理解を高めていくためにも、地産地消を進めて、学校給食に地場産物の活用を図るべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○大村農林水産部長 現在、各学校で地場産の給食をしたいという意向が結構出てございます。これにつきまして、かなり取り組んでいる学校もございますが、実際には生産者に関する情報が不足していること、それから生産者との間の食材発注方法とか、あるいは学校への配送方法などの仕組みが未整備であることなどから、利用がなかなか思うように進んでいないという実態もございます。
 都内産の食材の学校給食利用を進めるためには、学校と生産者との交流を促進いたしまして、地元農産物の安定的な供給に努めていきますほか、都内産食材を原料とした加工品などの利用も図って、地場産食材の給食の利用を拡大したいというふうに考えてございます。

○松下委員 生産者の情報不足や食材の発注と配送の仕組みが未整備とのことですが、地場産物の活用にはさまざまな課題があるようですが、都が市区町村やJAなどとともに課題を解決するために一層努力していただきたいと思います。食育の推進と東京農業の振興が、学校給食を活用することでともに進められるのではないかと私は思います。
 また、食育推進基本計画には、学校における食育を推進するためには、全都道府県における栄養教諭の早期の配置や、栄養教諭を中心に各学校において食に関する指導にかかわる全体計画を作成することなどを挙げています。
 この策定状況には栄養教諭については触れられておりませんが、昨年四月から栄養教諭制度が開始され、本年四月現在、私、調べたところによりますと、二十六道府県で配置されています。
 東京都に関しては、平成十七年第一回定例会で我が会派の馬場議員の質問に、これの所管であります教育長が、栄養教諭の任用は配置基準や給与負担などさまざまな課題があり、現在慎重に検討とのご答弁がされております。所管は教育庁でありますので、この委員会での栄養教諭に関する質問は控えさせていただきますが、ぜひ東京都食育推進計画に栄養教諭を明記し、食に関する指導を充実させていただきたい。そして、取りまとめ局である産業労働局からもそういった働きかけをしていただきたいというご要望をさせていただき、次の質問に移りたいと思います。
 先ごろ発表されました東京農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組においても、今後重点的に取り組むべき施策の方向で食育の推進が挙げられていますが、今後の具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。

○大村農林水産部長 生産現場との交流や体験を通して食を大切にする心を育成していくことは、食育を進めていく上でも重要でございます。このため、これまでも、農家が農作業を指導する体験農園あるいは観光農園の整備、学童農園の設置などを行ってまいりました。
 今後さらに、都民の身近にある東京農業の特性を生かしまして、農業者が食育推進の一翼を担っていけるように、子どもたちの農業体験の受け入れや農作業の指導、東京農業WEBサイトによる情報発信など、農業振興の立場からも食育への取り組みを支援してまいりたいというふうに考えてございます。

○松下委員 農業振興の立場からも食育に取り組んでいっていただけるとのこと、大変頼もしく思いますが、学童農園の設置に関しては、本日ご提出いただいた資料にも、都が三十校、これまで支援しているというふうに書かれております。
 私、やはり感じるのは、ジャガイモやサツマイモは土に埋まっていてそれを掘るものであり、キュウリやナスやトマトは畑になっているのをもぎ取るんだということすら知らない子どもたちというのがいるということを耳にします。便利な冷凍野菜やパック入り野菜だけではなく、生産者が汗と愛情を注いではぐくまれた畑の野菜をじかに見て触れることで、食を大切にする心もはぐくまれると思います。
 こうした生産者との交流や生産体験から学んでいくことは、子どもたちが食の大切さを知り、健康的な心身をつくっていく上で大変有効なことであると思います。学校や地域と連携し、今後もこうした取り組みを充実させていっていただきたいと思います。
 続きまして、東京農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組について具体的にお伺いしたいと思います。
 私、先日、地元の農家の方といろいろお話をしました。東京農業の確立に関するご提言もさまざまいただきましたが、お話の最後に、これからトウモロコシがとれる季節なんですよということを教えていただきました。その後、市内をいつものように自転車で移動していると、畑がございまして、そこは本当に緑でトウモロコシがあふれていて、その中にひげというんですか、ひげがふさふさとあるのを見て、何とものどかな、何とも豊かな気持ちになり、収穫を待ち遠しく、畑を眺めながら思った次第でございます。
 農地保全や東京農業の振興を進めていきたいという思いで、幾つか質問させていただきます。
 先ほどご答弁でもありましたが、東京農業WEBサイトの中に厳選東京特産品商店街という項目がございます。これは、地区ごとに特産品が紹介されていて、生産者の顔が見えるようになっているんですが、私、先日、その特産品商店街を見ていましたところ、残念ながらリンクがまだまだ少ない上に、生産者紹介をクリックしても表示が出てこないものが多いという現状がございました。東京農業WEBサイトの管理やメンテナンスはどこが行っているのか、この中間評価でも、IT活用による新たな流通システムづくりは要推進となっておりますが、今後どのようにIT活用を図っていくのか、お伺いしたいと思います。

○大村農林水産部長 東京農業WEBサイトは、平成十七年六月に開設いたしまして、東京都と各農業協同組合、生産者団体などで構成いたします東京農業WEBサイト運営委員会で運営しておりまして、東京都農林水産振興財団が事務局として管理しているものでございます。
 現在、このウエブサイト上では、厳選東京特産品商店街として見られるものは三十件のリンクが可能となってございますが、これをさらに充実してまいりたいというふうに考えてございます。
 こうしたことも含めまして、今後、関係団体などに協力を求めて情報を充実するなどして、一層のITの活用に努めてまいります。

○松下委員 消費者に対して都内農産物の積極的なPRを行うためにも、こうしたウエブサイト、ITをぜひ積極的に活用していただきたいと思います。
 例えば、クリックしてもまだ表示できない部分があれば、野菜の写真やイラストを載せて、ただいま工事中でしばらくお待ちくださいですとか、一度のぞきに来た人がまた来てくれるような、そういったきめ細やかな取り組みも行っていただければと思います。
 続きまして、この振興プランの中には、地域ごとの振興方向といたしまして、十地域に区分されております。これまでの四地域から十地域に区分したことは、きめ細かい対応が期待でき、評価ができると思います。
 この十地域は、どのような考え方に基づいてお分けになられたのか、また各地域の今後の指導はどのように行っていくのかお伺いしたいと思います。

○大村農林水産部長 野菜や果樹の作付の類似性など、地域ごとの特性を踏まえた施策を展開するために、農業協同組合の管轄エリアなどを参考にいたしまして十地域に区分したものでございます。
 具体的には、各地域の特性を生かした販売戦略や栽培方法などを設定いたしまして、農業改良普及センターがきめ細やかな経営技術指導を行ってまいります。

○松下委員 ぜひ、よりきめ細やかな経営技術指導を引き続き行っていただきたいと思います。
 同じ都内といっても、地域によって特産品もさまざまでございます。私の地元の武蔵野市では、実は名産品としてウドが大変取り上げられます。ことしの春にウドの品評会にも行ってまいりましたが、本当に真っ白でとても美しい立派なウドがたくさん育っておりました。
 そのときに、私、ウドの調理方法を余り知りませんでしたので、農家の方にどういった食べ方がありますかと聞きましたところ、きんぴら、みそ汁の具、サラダ、肉いため、ウドは本当に何にでも使えるんだということをいろいろ教えていただいて、その後、ウドを積極的に家庭でも取り入れております。
 このことからも、若い世代の中には食材を生かす調理方法というのを知らない人たちが多いのではないかと思います。例えば、今お話ししましたウドですとか、先日、三宅島に皆さんと視察に行ってまいりましたが、アシタバですとか、食べ方がわからないといって敬遠する人がいるのではないかと思います。
 この東京の特産品の消費拡大を目指すためには、野菜や果物の調理方法、レシピなどの紹介、例えば先ほどのウエブサイトに調理方法を紹介するなど、レシピなどの紹介が必要ではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

○大村農林水産部長 東京の特産品の消費拡大を図りますためには、地産地消が重要でありますことから、農業協同組合や生産者団体が各地域の量販店などにおいて、調理の実演販売あるいはレシピの配布、それから出荷する袋へ調理方法を印刷したりという工夫も凝らしてまいっているところでございます。
 今後、東京の特産品とその調理方法をより多くの人に理解してもらうために、東京農業WEBサイトや都内で開催される農業関係のイベントなども活用いたしまして、積極的に調理方法などのPRもしてまいりたいと考えます。

○松下委員 さまざまな方法を活用して東京農業を発信していく取り組みをぜひ続けていただきたいと思います。
 私、常日ごろ思いますのは、わざわざ遠くの山村へ農業体験に行かなくても、東京というのは、都内で、また地元で農業と触れ合うことができ、地元でとれたものをおいしく食べることができるといった農業と都市の共存が可能であり、重要であると考えております。農業のあるまちづくりという視点を持って、引き続き東京農業の振興に取り組んでいただきたいとご要望を申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

○中山委員 今、アシタバの食べ方のお話がありましたけれども、私、アシタバを生で食べていたので苦笑した次第でございますが、私の方からは、農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組に関する質問と、産業支援体制の再整備に係る基本構想に関する質問を行わせていただきます。
 初めに、都市農業に関する質問です。
 最初に、ちょっと手前みそになって恐縮ですけれども、私の地元の足立におきまして、先月十九日、農業ボランティア養成講座の開校式が行われました。十八名の区民による一年間にわたる研修がスタートいたしました。これは平成十五年から四年連続で行われているものでございまして、多様な担い手の育成に向け、東京都中央農業改良普及センターにコーディネーター役を担っていただいて、農家での一年間十二回の実習を主体に、過去三年間で三十九名の農業ボランティアを認定しております。
 ことしの受講生は十八名、昨年十七年度のボランティアの派遣実績は百二十一件、二百八十二名でございました。十六年度に比較して二・五倍に伸びております。都市農業に関する社会的な関心の高まり、特に団塊の世代に代表されるセカンドライフの取り組みの対象として、また最近はやりのロハス志向に適合する業種としても、農業の注目度の高さをうかがわせるものであると思います。
 食育の重要性が叫ばれている今、都民の都市農業に対する理解も徐々に進み、農家を支援しようという農業ボランティアの希望者は、足立区だけでなく、他の区市でもふえていると聞いております。しかし、都市農業の現実は非常に厳しいといわざるを得ません。農地の減少に歯どめがかからず、都市農業の基盤である生産緑地でさえ、相続税納税のために処分されているというのが現状でございます。
 そこで、さきの代表質問でも、こうした事態への都の対応について我が党として質問させていただいたところでございますけれども、現行の農地制度や税制度の具体的問題点についてどのように認識されているのかお伺いいたします。

○大村農林水産部長 東京は、ほかの大都市、例えば大阪や名古屋などと比較いたしましても地価が非常に高いため、相続税などの税負担が重い状況がございます。
 現在、生産緑地制度と相続税納税猶予制度が表裏一体となって都市農地が保全されるということになってございますけれども、地価が高い東京では、制度が同じであっても、その意味合いが異なり、非常に厳しいものでございます。
 具体的問題点といたしましては、例えば農作業場や資材倉庫の用地、それから屋敷林などにつきましては、農業を行っていくためには必要であっても、農地ではないということで相続税納税猶予の対象となってございません。
 また、高齢などのために生産緑地を他の農業者に貸し出したり、あるいは市民農園として活用した場合にも、相続税納税猶予は適用されないということになってございます。
 さらに、農地が分散しまして五百平米のまとまりがない場合は、生産緑地地区の指定が受けられずに、税は宅地並みの扱いになってしまうなどのいろいろな課題が挙げられてございます。
 これらの土地には、特に地価の高い東京にございましては、過大な相続税がかかることによりまして、相続が起きるたびにその税負担のために農地を手放さざるを得ないという状況で、農地の減少を加速しているものでございます。

○中山委員 今ご答弁で詳しくお話しいただきましたように、生産緑地制度や相続税の納税猶予制度があっても、都市農業、また都市の農地の保全をしていくためにはさまざまな問題点があるというのが現状でございます。
 農業の担い手が高齢化してきており、抜本的な対策を急ぐ必要があることから、我が党は今週の十二日に国に対して抜本的な都市農業政策の確立に関する申し入れを行い、私も、都議会の石井幹事長や六人の国会議員とともに官邸に赴かせていただきました。
 我が党では、さきに実施した若手農業者との意見交換も踏まえ、さまざまな必要から生産緑地制度や相続税納税猶予制度を保つことになったとしても、現行制度のほかに都市農業を継続するための選択肢を農業者に与える必要があると考え、新たな制度を提案させていただきたいと思います。
 具体的には、市街化区域の中に緑地ではなく農地を位置づけ、国の農業施策に組み入れるというものであります。これらの農地は、将来にわたり農地として利用することを条件に、相続税評価を農地並みの水準とする。五百平方メートル以下の狭い面積でも認定の対象とする。現在既に受けている納税猶予を引き継ぐなどの提案でございます。
 都は、都市農地の保全策について、農業者や学識経験者を交え、検討を行っていらっしゃると聞いております。我が党の国への申し入れ内容は、既に都にも報告させていただいておりますけれども、そうした提案も含めて検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○大村農林水産部長 ご指摘のように、東京の農業の実情に合わない農地制度や税制度のもとでは、農地の減少に歯どめがかかりませんで、制度の見直しが必要でございます。
 そこで、まず都といたしまして、農業者あるいは学識経験者と十分に意見交換を行いまして、現行制度の問題点を分析してまいりたいと思います。こうした分析を踏まえまして、東京の農地の保全に向けて、農地制度や税制度の改正の方向性について、ただいまお話のあった貴重なご提案も含めまして、幅広い観点から検討してまいりたいというふうに思います。

○中山委員 提案させていただいた内容を含めて、農業者などとの意見交換も十分に行っていくというご答弁をいただきました。
 意見になりますけれども、そもそもの問題点は、平成十一年に食料・農業・農村基本法が制定され、その三十六条二項で都市農業振興規定が位置づけられ、さらに、農業法人化や農地の利用権の集積が農業構造を変革するために必要な政策として推進することとされていたにもかかわらず、農地に係る相続税の猶予制度の方は、昭和五十年に創設された自作農主義をかたくなに崩さず、しかも、平成四年からは、生産緑地については終身営農の義務づけを強化するという全く逆方向の歩みを続けているところに、急激な都市農地の減少をもたらした根本原因があると思います。
 先ほど、生産緑地内の農地の相続税の農地並み評価への移行を訴えさせていただきました。相続税の納税猶予の総額はかなりの金額。私の方で国の都市農業交流室に問い合わさせていただいたところ、正確な数字はわからないけれども、昭和五十年からの納税猶予の累積で六兆四千五百億というふうにいっておりました。これは現時点でということではないと思いますけれども、かなりの金額ということもあり、財務省が首を縦に振らないのが現実です。
 しかし、猶予税というのは、本来、農業が続けられれば入ってこなくてもいいというふうに思って猶予してくださっている制度ですから、そのことを考えますと、固定資産税については既に農地並みの課税を実現している点からしましても、相続税の農地並み課税というものは実現不可能な話ではないというふうに思います。そのためにも、我が党も国に申し入れさせていただきましたけれども、内閣府を中心に、農林水産、国土交通、財務省を横断した検討組織の設置が重要であると考えております。この点もあわせて都は国に対して要望していただくことを検討していただきたいということを申し添えさせていただきます。
 もちろん、市街化区域内の農地でも、生産緑地に移行したケースが面積ベースで七割で、三割が宅地並み課税を承知しながら納税猶予を受けていないと聞いております。そうした意味では、現に生産緑地の指定を受けているケースでも、土地の資産価値を考えて、相続税の農地並み評価は希望したくないという農家もあるかもしれませんので、あくまでも選択肢を広げるという形で実現していただければと思います。
 いずれにしても、市街化区域にある農地が相続税の納税猶予を受けなくても済む制度、すなわち、納税猶予違反を恐れて農地を別の耕作者に貸与できないという現状を打破していくことが、農業法人化や学童農園の促進、団塊の世代などの多様な担い手の育成のかぎとなると考えます。
 現に市街化調整区域の農地は、五千万円の基礎控除だけで事足りて、納税猶予を受けていないケースがほとんどであります。できれば生産緑地に係る納税猶予に要する自作耕作期間の要件を、市街化区域以外の農地と同様に二十年に変更していく可能性も含め、都の今後の積極的な課題の整理を望むとともに、私どもも、各委員、各会派の諸先生方と力を合わせてその推進の先頭に立つことをお約束して、次の質問に移らせていただきます。
 次に、産業支援拠点の再整備に関する基本構想についてお伺いいたします。
 基本構想の五ページを見ますと、東京におきましては、皮革、印刷業、精密機械器具の三業種が、全国比で二割以上のシェアを有することが述べられています。そのほか、機械金属系などの高度加工の業種の構成比が比較的高いとのことですが、精密機械とか機械金属系の業種については、まさに産業支援拠点、中でもその中心的役割を果たす産業技術研究センターの主要な守備範囲にあり、今後ますます支援を充実させていくべきと考えます。
 基本構想においては、今後、産業技術研究センターが資源を集中的に投資していくべき重点技術分野として、ナノテクノロジー、IT、エレクトロニクス、デザイン、環境、バイオテクノロジー、少子高齢福祉の七つを挙げ、さらにまた、これら重点技術分野を支える精密加工、材料、機械等の基盤技術への支援も充実させていくとしております。
 そこでお伺いいたします。これらの重点分野等はどのような考え方で選んだのでしょうか。都内中小企業のニーズを踏まえてのことなのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

○中井商工部長 重点七分野は、最新の技術動向や、国や都の産業政策等を踏まえ、今後の成長力、社会的効果、経済的効果等が大きいと考えられる分野を選定し、さらに、それを支えるために不可欠な基盤技術分野についても強化し、両者相まって支援機能の向上につながるよう方針を立てたものでございます。
 こうした意味合いから、これらの分野に対する都内中小企業のニーズは、その内容に十分反映されているというふうに考えております。

○中山委員 重点分野については、都内中小企業のニーズにも十分にこたえているとのご答弁でございました。その意味で、産業技術研究センターを実際に利用してきた企業のニーズも大事であると思いますので、拠点は二カ所に大きく整備していくということでお話がございましたけれども、実際の整備の内容について、利用されている企業のニーズの把握にさらに努めて、詳細を詰めていただきたいと考えます。
 ところで、産業技術研究センターを利用してきた企業の規模や業種はどのようになっているのでしょうか、お願いいたします。

○中井商工部長 平成十七年度に技術相談に訪れた企業について見ますと、約八割が中小企業の利用でございます。従業員では百人以下の企業が全体の約五割、二十人以下に絞ると約三割となっております。特に四人から十人の企業が一二・八%と最も多く、次いで十一人から二十人が一〇%となっております。
 業種では、電気関連企業が最も多く一五%、次いで機械関連企業が一一%、繊維工業及び卸、小売がともに八%となっております。
 なお、卸、小売は、取り扱う商品の品質検査に関する需要が大きなものとなっているところでございます。

○中山委員 利用企業の特性につきまして、従業員百人以下の中小企業が中心であること、それから、産業集積の大きい電気・機械関係の企業が多いということがご答弁でわかりました。産業技術研究センターの役割の大きさというものをひしひしと感ずる次第でございます。
 これらの利用企業にとって、産業技術研究センターは、先ほどのご答弁もありましたけれども、どのような観点で役に立ってきたのか、そのことを具体的にお示しいただければと思います。

○中井商工部長 具体例を申し上げますと、まず依頼試験においては、中小企業が製作した製品について、計測、強度などさまざまな試験を行い、その性能等を証明する成績証明書を発行しております。また、ふぐあいが生じて返品された中小企業の製品を依頼に応じて検査し、原因を究明するケースもございますが、その結果、中小企業の無過失が証明されたり、製品の改良につながるといった例も多数ございます。
 技術開発を目指す中小企業に対しては、共同研究、機器開放、技術指導、実地指導、産学公連携のコーディネートなどさまざまな方法で支援を行っており、こうした中から新たな製品、技術が多数生まれております。
 ちなみに、平成十七年度の東京都ベンチャー技術大賞においては、産技研の技術指導を受けて開発した製品が特別賞を、また、産技研がコーディネートした産学公連携により開発した製品が奨励賞をそれぞれ受賞しているところでございます。

○中山委員 言葉の上では、私も、依頼試験に共同研究、技術指導などというのは理解していたんですけれども、具体的に今お話しいただきましたように、トラブルがあったケースで、それは中小企業側の責任じゃないということが産技研の調査でわかったりとか、あるいはベンチャー技術大賞を受賞した企業が、産技研との連携により製品を開発しているというようなことで、中小企業にとってもさまざまな意味で支援していただいてきたということがよくわかりました。
 今後は、都は産業支援拠点を整備していくわけですが、拠点が整備されると、産技研の業務の三本柱である依頼試験、製品開発支援、技術相談に関し、中小企業への支援が具体的にどのように強化されていくのでしょうか、お願いいたします。

○中井商工部長 依頼試験については、老朽化した各種試験機器を最新機種に更新し、機能を一段と高めます。特に計測の分野では、最新の評価機器を導入し、世界に通用する評価手法を拡大することにより、海外に販路を求める中小企業に大いに役立つものと考えております。
 製品開発支援に関しては、二十四時間使用できる製品開発支援ラボを多数設け、開放クリーンルームや化学実験ラボも利用可能とすることにより、新技術、新製品の開発に挑む企業を強力にバックアップすることが可能となります。
 技術相談については、テレビ電話によるサービスを開始し、別の施設に配置されている研究員等への相談をワンストップで受けられるようにしてまいります。
 このほか、試験研究機器を広範囲に更新することにより、サービスの質が全般的に大きく向上することとなります。

○中山委員 支援の充実がさまざまな面で図られるということがよくわかりました。特に二十四時間ラボとか、時間が、急いでやらなければいけないということではなくて、仮に多少遅くなっても利用できるというようなことでありますとか、あるいはテレビ電話、これは二十三区の方が多摩の方の相談もできるとか、そういうようなことでございますね。そういうようなことができるということで、大変すばらしいと思います。
 産業支援拠点の整備に伴い、先ほどお伺いした重点分野、すなわち大きな成長力や社会的効果を有する分野への支援がますます強化されることになると思います。限られた財源の中で効果的な支援を行おうとすれば、支援分野の重点化はやむを得ない選択であると私は思います。
 日本の企業は、ある面で中国やインドの、アジア諸国の著しい台頭を受けまして、人件費の面ですとかいろいろな面で製造業の空洞化というようなことが指摘されています。そういう中で、東京の技術力というものが日本の産業力の源泉としてさらに発展していく必要がございますし、そのためにも、産業支援拠点の整備が、さらに今後の東京の産業振興のかじ取りを明確化して、その歩みの速度を速めるものでなければならないと考えます。そういう意味で、重点化というのはある程度やむを得ない選択であるというふうに思います。
 しかし同時に、厳しい状況にある産業分野、例えば繊維業ですとか皮革関係ですとか、いろいろな分野がございますけれども、技術開発や製品開発を頑張って行っている企業は多数存在しています。こうした企業に対しても適切な支援を行うことを忘れないでいただきたいと考えます。
 さらに、産業支援拠点の整備に当たり、ぜひとも実現してほしいのは、拠点を適切に整備、運営することにより、今後の産業の発展に寄与し、都民生活の質を高めていくことであります。
 以上のことにつきまして、最後に局長の見解をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

○成田産業労働局長 東京には、ITやエレクトロニクス産業のような世界に誇るべき先端技術産業がある一方で、中国を初めとしますアジア諸国の攻勢にさらされ、厳しい状況に置かれている産業分野もございます。こうした産業分野の中にも、今お話のございましたように、さまざまな、また営々とした経営努力を重ね、日夜頑張っている企業がたくさんあることはよく承知しております。都といたしましても、こうした企業に対しまして、これまでも業種を問わず各種の支援施策を講じてきたところでございます。
 また、今年度におきましても、経営革新に取り組む企業を複数年にわたって支援する中小企業事業革新支援事業や、株式公開を希望しない企業の技術開発と事業化を支援する中小企業事業化支援ファンドを創設したところでございまして、これらを有効に活用しながら、強力かつ継続的な支援をきめ細かく行っていきたいと考えております。
 今後とも、区市町村や関係機関と十分連携をとりつつ、産業支援拠点を着実に整備することによりまして、二十一世紀における大切な分野でございます環境、福祉など、都民生活の豊かさを支える産業の活性化とこれからの東京のさらなる発展を目指して、局挙げて取り組んでまいりたいと思っております。どうぞよろしくご支援を賜りたいと存じます。

○大塚委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時十五分開議

○大塚委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小竹委員 私は、ものづくりと産業支援体制についてお伺いいたします。
 東京の製造業は、工場数で全国の一割、そして全国第一位を占めています。製造出荷額においても全国三位ということで、そういう意味でいうと、有数の規模を誇っているのが東京の製造業だというふうに思います。特に製造業においては、都心、副都心の印刷、城東地域の金属や消費財、それから城南地域の機械金属、城北の精密機器、多摩の繊維や電気機械というふうな形でものづくりの集積がつくられてきたのが東京の歴史でもあるというふうに思います。
 この集積を支える上で産業技術研究所が大きな役割をこの間果たしてきましたし、これからもまた大きな役割を果たすというふうに考えています。
 東京は、大阪や愛知などと比べても中小企業の減少割合が大きいということ、それから、特に十人未満の小規模な企業の減少が最も大きいという点で、このまま放置すれば、貴重なすぐれた技術が失われていくことになりかねないという点で、この面からも産業技術研究所の機能を強化する必要があるというふうに考えています。
 国も、大企業の国内回帰の動きの中で、中小企業の持っているすぐれた技術力に注目をして見直しが始まってきました。そこで制定されたのが、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律です。メッキ、プレス加工、鋳造、鍛造など、これまで日本のものづくりを支えてきた技術を高度化して、高品質、高機能の製品を開発していこうというものであり、その中でも、技術の高度化を図る支援機関の果たす役割はより重要になってきていると考えています。
 そこでお伺いいたしますけれども、国は、この法律を五年間かけて、新産業創造戦略の具体化ということで検討してきたというふうに聞いております。この法律がつくられる状況の中で今回の基本構想がつくられたわけですけれども、この検討に当たって、ものづくり基盤技術の高度化の法律について具体的に検討し、反映をさせてきたのか、まずお伺いいたします。

○中井商工部長 基本構想を策定するに当たっては、国の産業施策の動向を確認しておりまして、同法の趣旨、内容についても当然把握して検討してきたところでございます。その検討結果として、産技研における基盤技術に対する支援の充実を基本構想の中で打ち出しているところでございます。

○小竹委員 この基本構想を見ますと、新産業戦略二〇〇五については、ここにはっきりと書かれているわけですけれども、基盤技術という点で見ると、確かに強化する分野等も出されていますけれども、縮小するというふうな方向も出されているという点では、私ちょっと疑問を感じるんですね。
 そういうことを申し上げた上で、私は、この間、大阪と愛知に中小企業施策について調査に行ってきたんですけれども、大阪では、中小企業庁の動きについて、担当者は何回も中小企業庁に通って、国の動きを先取りする形で府独自のものづくり基盤技術高度化支援事業というのを立ち上げているんです。
 この事業というのは、府内九カ所ある中小企業支援センター、それから府立の産業技術研究所、クリエイション・コア東大阪などと市町村や商工会議所、こういうところが一体になって、集積している中小企業の基盤技術の掘り起こしをやって、掘り起こすと同時にその底上げをやっているんですね。
 先端技術の新産業を創出するということと同時に、地域が持っている産業の競争力の向上を図っていくという取り組みになっているんです。そういう点でいうと、創業支援だけじゃなくて、既存する企業の持っている技術力を他の技術と結びつけて、今ある中小企業をつぶさない、それから自立した中小企業をつくるということでの支援をやっている、こういう状況にあるんですね。やはりこれは本当に学ぶ必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。
 そういう点から見ても、今ある産業技術研究所を、それぞれの機能を強化して、町の基盤となっている集積を大事にしながら掘り起こしていく、こういう方向を目指すべきじゃないかというふうに思うんですが、ものづくり企業を元気にさせるという点でも、こういう方向での検討がされたのかどうかという点をお伺いします。

○中井商工部長 基本構想の策定に当たりましては、昨年度実施いたしました産業支援施設の現状と産業支援ニーズに関する調査により、都内各地域の産業特性や工場等の集積状況を把握するとともに、各種統計資料を活用して、都内の産業集積に関する調査分析を十分に行ってきたところでございます。
 これらの分析結果を検討委員会に提出し、十分に検討、議論を経た上で基本構想を策定したということでございまして、その中では、産技研につきまして、先ほど申し上げましたとおり、基盤技術についても一層の強化を図るということで書かせていただいているところでございます。具体的にも、専門性の高い研究員の配置あるいは基盤技術に関する機器の充実、それからJCSSの認証取得、これは基盤技術産業にとって非常に重要な効果を生ずるものかと思いますが、こういったものについても積極的に取得に努めるということで方針を立てているところでございます。

○小竹委員 私はこの構想を読んで、確かに基盤技術を重点化する中にも入っているんですけれども、今東京が持っていて困難を抱えている中小企業の技術を支援するという点では、やっぱり集積をどうするのかというこの視点が必要だというふうに思うんですね。それがちょっと、これを読んで不足しているんじゃないかという感じがしたんです。
 ここに私、こういう鏡を持っているんですけれども、これはただ鏡だけじゃないんですね。ここに、小さくなんですけれども名前が印刷されているんです。これは東大阪のクリエイション・コアのインキュベーションマネジャーが、鏡を製造する零細企業と印刷の企業を結びつけて、これの開発を支援したんですね。で、今これがすごく人気を呼んでということで、結婚式の引き出物だとか多方面の需要が生まれて、この企業がすごく業績を伸ばしているんだそうです。こういう技術加工、これだけじゃないんですね。ほかにもいろいろあるんですけれども、これは小さいから、私いただいてきたんですけれども、こういう持っている力を引き出して結びつけてあげる、こういうことが本当に今大事になってきているというふうに思うんですね。
 そういう点でいうと、やっぱり東京はいろんな技術がある。それを本当に生かし切るかどうかということが、これからのものづくりを本当に生かす、東京の産業として中小企業を元気にしていくかにつながっているんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう点で見ると、先ほどもいいましたけれども、それぞれの集積のところにある今の産業技術研究所の力を、もっと機能を充実させて、一点にまとめてしまうのじゃなくて、そういう点で、掘り起こしも含めて、大阪では技術者が出かけていって掘り起こしもやったりしていますから、そういうことも含めて考えたときに、集積を本当に生かし切るということが必要なんだというふうに思うので、もう一度お答えいただきたいと思います。

○中井商工部長 今委員からご指摘のあったような点につきましては、産技研でこれまでも幅広く実施しているところでございまして、中小企業の技術開発についての共同研究あるいは企業同士を交流させる異業種交流会、または中小企業の技術者を集めた技術研究会、そういったもろもろの会議、場面をつくる形で、企業同士の連携、交流というものを産技研が中心となって進めてございますし、都における施策におきましても、昨年度新たな事業としてものづくり新集積という事業を立ち上げまして、企業同士の連携を促進する事業も既に始めているところでございます。
 産業集積につきましては、先ほども申しましたとおり、基本構想の中で十分に調査結果、分析結果を提示いたしまして、外部の委員の先生方のご意見もいただいているところでございます。
 今回、青海に設置するわけでございますが、区部における産業集積は、都心地区、城東地区、城南地区、この三つ合計で、区部全体の工場数の七七%がこの地区に集積しているわけでございます。こういった点からいたしますと、新たな拠点としては、青海というのは、区部全体の産業集積の中から見ますと非常にバランスのとれたところというふうに判断しておりますし、技術の高度化を図っていく上では集約化は必要なことと考えているところでございます。

○小竹委員 私は、まとめるということ自身が、今の流れからいくと、もっと集積に近いところで、今の産技研がやっているのは、私も、それを使って多くの中小企業の皆さんが頑張っているのは承知していますから、だからこそ、そこの機能を充実させる必要があるというふうに提起をしているわけです。このことを議論していても時間があれですから。
 私はもっとそこのところを重視してほしいんですよ。そういう意味で、この審議に当たって、先ほどからアンケートや何かのお話が出ていますけれども、審議をする過程で、関係者、特に利用者や中小企業、それから職員の皆さんからの意見聴取を行ったのかというのが一つあるんですね。
 それと、資料でお出しいただきましたけれども、関係自治体や産業関係者からの要望がたくさん出されているわけですけれども、それを検討委員会に報告して検討されたのかどうか、この点についてはいかがですか。

○中井商工部長 基本構想の策定に先立ち、産業支援施設の現状と産業支援ニーズに関する実態調査を昨年度実施いたしまして、その中で、産技研及び公社利用企業を中心に、約七千件の企業を対象としたアンケート調査を行っております。さらに、産技研において、産業技術研究所の利用に関する調査を実施いたしまして、この結果についても検討委員会に提出しているところでございます。
 また、検討委員会は、中小企業関係団体の代表や中小企業の代表をメンバーとしておりまして、委員会の場では、これらの委員を通じて産業界や企業の意見をいただいているところでございます。
 こうしたことから、本基本構想は、都内中小企業その他関係者の意見、ニーズを十分に反映したものとなってございます。
 なお、関係自治体や団体から提出された要望については、要望書そのものは検討委員会には提出してございませんが、地元の状況や意見については、検討委員会の中で事務局から説明し、委員からご意見もいただいているところでございます。

○小竹委員 私も、産技研の利用者アンケート、それから局が行った産業支援ニーズ調査を読ませていただきました。確かに、一定の皆さんの意向、要望や何かが反映されていますし、支援機関が自分の近くになかった場合にどうかというアンケートもとられています。しかし、この支援機関について、統廃合して移転するということを明らかにしない中でのアンケート調査だったわけですね。だから、そういう意味でいうと、移転をするということについて、それから、そういう支援機関がどうあってほしいかというアンケートは行われていないという点で、やはりこういう問題が議論されるときに、利用される方々の意向や要望はきちんと議論の過程の中で掌握すべきだというふうに私は思うんですね。
 この構想の冒頭のところに、成田産業労働局長が、都内のものづくり産業の活性化に当たっては、地域の実情を熟知した区市町村や多様な活動を行っている民間の産業支援機関などとの連携が不可欠です、こうした連携を通じて、各地域の産業振興に積極的に取り組んでいきますというふうに書かれておられるわけですから、そういう意味で、関係する自治体だとか、そこを利用されている産業団体の意向を反映させるということが非常に重要だというふうに思うんですよ。
 出された要望書についてはまとめてということなんですけれども、これだけ出されているわけだから、その団体の出されている方々の要望をきちんと検討委員会に反映させ、出して検討していただくということが必要だったんじゃないかというふうに思うんですが、その点についていかがですか。

○中井商工部長 産技研のあり方に対してもっと企業側の意見を聞くべきではないか、意向を聞くべきではないかということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、産業技術研究所の利用に関する要望は、毎年アンケート調査で十分に把握して、それにつきましては基本構想を策定する上で十分参考にさせていただいておりますし、検討委員会の場でも資料として提示しているところでございまして、そういう意味では、都内産業、中小企業の意向は十分に反映されているものと思っております。
 また、関係団体、自治体からの要望書につきましては、先ほど申し上げましたとおり、その内容については、そう難しいものではありませんから、その趣旨は十分に検討委員会の場で提示して説明させていただきまして、委員の方からもそれに関する意見もいただいております。その上で今回の基本構想の内容となっているわけでございますので、その点についても構想に反映されているというふうにご理解いただきたいと思います。

○小竹委員 趣旨を伝えたということと、本当に切実な声として関係の自治体から--それは北区や板橋、八王子、それからそこを利用される方々の中心となる団体が出しているわけですから、そういう生の要望を委員会に反映するのは当然のことだというふうに思うんですよ。
 そういう意味でいうと、区内でいえば、西が丘庁舎がこれまで果たしてきた役割が大きいから、あれだけ切実な要望が出されるわけで、これからのものづくり支援の役割や、城北地域での精密機械の集積や高度技術を支える、そういう産業支援施設として欠かせないんだということが切々と書かれているわけですから、そういうものをきちんと出して議論の俎上にのせるというのは、私は当然やらなきゃならないことだというふうに思うんです。この点については指摘をしておきます。
 ものづくりについていえば、集積された中小企業があってこそ、その支援の役割が果たされるというふうに考えます。構想では、区部の拠点として、江東区の青海が立地場所としてすぐれた条件を満たすというふうに書かれていますけれども、国の産業技術総合研究所、産総研が臨海にあるわけですけれども、産総研と都の産業技術研究所は性格が違うというふうに思うんですよ。都の産業技術研究所は、直接中小企業に対して支援をするという役割を大きく担っているわけですから、そういう点でいっても、さっきからいっているように中小企業の集積は臨海にはないわけですから、やっぱり集積を生かした形で本当にやる必要があるわけですよ。そういう意味で、関係者の意見を聞くという点で先ほどいったような問題があるというふうに思います。
 二十一世紀を展望した先端産業の充実を図るということそのものを私は否定するものではないんですけれども、その先端産業を支える上でも、基盤技術の充実、発展というのは重要なわけですよね。そういう点で、その基盤技術を支える上でこれまで産技研が果たしてきた役割は絶大なものがあるわけですし、城北地域においては、精密機械の基盤技術の集積を西が丘庁舎が支えてきたという点でも、本当に大きな役割を担ってきているというふうに思うんです。
 こういう点で見たときに、城北地域の産業基盤に欠かせない試験研究機関としての西が丘庁舎が移転するということになれば、城北地域、それから都心や副都心の部分の人たちの利用もあるわけですけれども、そういう部分の支援体制が空白になるというふうに思うんですね。そういう点でどう都の方は考えているのか、お伺いします。

○中井商工部長 臨海部に区部の拠点を整備することによりまして、都内中小企業に対し、これまでより格段に高度で多様な技術支援が提供可能となるわけでございます。こうした中で、西が丘の施設が出ていきます城北地区の中小企業についても、これまで以上に技術支援サービスの向上が図られることになります。したがいまして、城北地区が産業支援空白地域となるというご指摘は当たらないというふうに考えております。

○小竹委員 空白地域に当たらないというけれども、やっぱり東京の産業、皆さんの中小企業白書を見たって、東京の場合には三人以下の零細な企業が多いということも書かれているわけですね。そういう方々が本当に身近で利用できるかどうかというのはかぎになってくるというふうに私は思うんですね。大阪だって、そういう零細企業を支えるという点での掘り起こしは、出かけていってまでやっているんですよ。そういう点なんかを考えたときに、やっぱり身近なところにあって、気軽に出かけられるような機関として産業技術研究施設、支援施設があるということはかぎだというふうに私は考えるので、空白でないといういい方は、間違っている、認められないというふうに思います。
 大阪について今もいいましたけれども、そういう点での掘り起こしをどうやってやるかということで、零細なところを本当にすくい上げているんですよね。これだって本当に小さな企業で、これから先どうしようかと考えている企業を手助けしたという例ですから、そういう意味で考えたときに、東京こそそういう小規模な、零細な企業のすぐれた技術を掘り起こして、東京らしい支援策をつくっていく必要があるというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがですか。

○中井商工部長 先ほどから大阪の例が再三出されておりますが、東京におきましても、産技研におきましても、中小企業さんの現場に行って直接ご指導するという派遣指導、そういったものも以前からやってございます。
 また、零細をもっと対象にというお話でございますが、先ほどもお話ししましたが、産技研における利用者で一番多いのは四人から十人、これが一二・八%でございます。ということで、産技研におきましても中小零細を中心に支援サービスをやっている、そして今後も一層の強化をしていくということでございます。

○小竹委員 大阪は、さっきいった産業技術研究所とコア東大阪だけじゃないんですよ。それ以前に九つの中小企業支援センターが拠点としてあって、それと自治体、それから商工会議所だとかいろいろ結びついて、それで技術研究所からは職員の人たちが行ったり、企業のOBも活用したりして支援の体制をとっているんですね。やっぱり身近なところにあるからそういうものが進んでいくという実態なんですよ。
 だから、そういう意味でいったら、東京こそもっとその面での強化を図る必要があるというふうに思いますので、この点については強く指摘しておきます。基盤技術に着目して、東京の独自の支援策というのをもっと強化する必要があるというふうに思いますので、この点についても要望しておきます。
 国のものづくり基盤技術高度化法、これは日本の中小企業が持つ基盤技術を高度化して国際競争力をつけようということでこの法律が出されているわけですけれども、メッキだとか鍛造だとか鋳造だとか、十七項目にわたる基盤技術の研究、開発、支援ということが挙げられているんですけれども、この基本構想を見ると、国が強化しようという中身に入っている項目も縮小の対象になっているんですね。私、ものづくり支援に携わっておられる専門家の方から、これを見せていわれたんですけれども、その専門家の方は、繊維や鍛造、アルマイトなど、縮小の分野としてこの分野が例示されていることに驚いたということをおっしゃられました。
 鍛造については、航空宇宙産業の軽量非鉄金属の鍛造研究というのが欠かせない分野で、これからの新しい技術としてどうしても必要なんだ。それから、アルマイト技術についても、アルミニウムやアルミニウム合金の表面の耐食性にすぐれた酸化アルミニウム被膜形成処理に必要な技術なんだということ、私、中身がよくわからないから、いわれたとおりに申し上げているんです。それから、繊維についていうと、宇宙服だとかスポーツ用のハイテク衣料については、今の繊維の染色やレザー加工のこの基盤技術がなくなっちゃったら成り立たないことなんだということで、こういう先端企業を支える上でも、この分野の技術開発をなくしてしまうというのは重大な問題だという指摘をされたんです。
 こういう点で見たときに、産技研でも重要な財産としてこういう技術があるわけだから、やっぱりその点での再検討をすべきだというふうに私は考えるんですが、いかがでしょうか。

○中井商工部長 限られた財源とマンパワーの中で東京の産業振興に有効な支援策を展開していくためには、都内の産業実態や将来の技術動向等を十分に踏まえた支援のあり方を考える必要がございます。都内で操業している企業が少ない、あるいは産技研への相談実績が余りないといった分野については、これをすべて産技研の自前の体制で対応するということではなく、国や民間の専門機関に的確につないでいくといった方法で適切な機能分担をすることが必要かと考えてございます。
 先ほど例に出されました鍛造でございますが、産技研における技術相談の実績は年に一、二件という状況でございます。また、依頼試験は全くないという状況でございました。こういった相談があったものにつきましては、近隣の国の研究機関、大学等に紹介をしてつないでいるところでございます。

○小竹委員 相談が少ないからといって、東京にないわけじゃないわけですよ。そういう意味でいうと、本当に出かけていってというのは、そういう点でも重要かなというふうに思うんですけれども、京浜島だとか城南島だとか、大田の方の島のところにはいらっしゃるということも聞いていますから、そういう点では本当に重要な産業として支えていく。なくなっちゃったらおしまいなわけで、あそこはたしか、かつて、公害を生む産業を集積するというふうなことで都がイニシアをとってやった部分もあるわけですから、そういう点でのきちんとした支援体制が必要なんじゃないかというふうに思いますので、この点は指摘をしておきます。
 もう一つ、縮小分野に入っている放射線の技術について、私は駒沢の庁舎を訪問して、放射線が非常に多くの分野で活用されているんだというのを改めて知りました。文京区の地場産業である医療機器、注射針だとか手術用品、こういうものの製造メーカーがつくった製品を完全な滅菌消毒をやるのは放射線以外にないということで、この技術を開発したのが駒沢の庁舎というか、昔のアイソトープ研究所の時代だったのかもしれませんけれども、そういうお話を伺って、この技術を今でも関係者の方々に講習をしたりしているというふうなお話も伺いました。
 また、輸入食品の水際作戦で、輸入食品に使われているものについてのチェックだとか、航空宇宙のロケットや何かの機械の検査だとか、そういうものにも放射線を使ってやるということで、小型のものだけでない、大型のものも含めていろいろやっているというのを見せていただきました。
 また、駒沢庁舎には、放射線を学ぶ教育施設としての役割、高校生や大学生がそこへ来て学んだり実験をしたりというふうなことでの役割、重要な教育的な役割を担っているということも伺いました。そういう意味でいうと、機能を縮小していいのかということを感じるんです。放射線をそういうふうに教育施設として開放しているところは駒沢ぐらいしかないというふうなお話も伺ったので、こういう面からいうと再検討すべきだというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。

○中井商工部長 放射線照射試験につきましては、高崎や東海村などの民間施設により性能のいい機器がございまして、利用者の大半はこれらの施設を利用しているというのが現状でございます。
 また、放射線技術を担う産業技術センター駒沢支所には、ピーク時は百名程度おりましたが、現在はその三割程度しか職員はおりませんで、設備の面で過剰という状態になってございます。また、コバルト60を用いた大型放射線照射装置は、産技研の放射線分野の事業規模からすると過大でございまして、また、最新の照射装置はより小型で自己遮へい型でありますことなどから、装置の見直しを行う必要もございます。
 こうしたことから、産業支援体制の整備に伴い、放射性分野の機能を整理縮小することとしてございます。

○小竹委員 職員が減っているとか機械が古いとかというのは、東京都がこれまでの間整備してこなかった、その責任もあるんじゃないんですか。今、中小企業や何かが求めていること、それから、これからそういう分野に進もうとする若い人たちの教育施設としての役割だってあるわけですから、そういう面でいうと本当に切り捨てていいというふうにはいえないと思いますので、この点については指摘をし、再検討を要望しておきます。
 次に、ナノテク、先端技術で果たすメッキの役割も専門家の方から強調されたんです。東京には全国で三分の一のメッキ業者が集中しているわけで、このメッキ業への支援を抜本的に強めることは本当に大事なんだということを専門家から教えていただきました。
 メッキは、環境対策でも、公害との関係があって、文京区にメッキ組合もありますから、そこの関係者の方からお話を伺っても、この問題の解決がかぎだというふうにおっしゃられているわけですが、産技研と共同開発でクエン酸のメッキ技術の開発がされて、間もなく実用化されるというふうなお話も伺っているんですけれども、これを広く普及させる上では、メーカーやユーザーの人たちの理解を求めていくことなど、販路の拡大が必要だというふうに思うんですが、この点について業界の組合の皆さんも、ぜひ販路の拡大についてやってほしいというふうなご要望が出ていますので、この点どういうふうに検討されているのか、お伺いしておきます。

○中井商工部長 クエン酸メッキ技術につきましては、業界の協力も得て実証実験を重ね、実用化のめどが立ってきたところでございます。この技術につきましては、都や開発者である産技研におきまして、これまでもいろいろな場面あるいは媒体を活用してPRに努め、その普及に取り組んでいるところでございます。

○小竹委員 この面については、メッキの業者の方、文京にもかつてはたくさんおられたんですけれども、そういう意味でいっても、メッキの産業が生き残っていく上で大事な分野ですので、ぜひ生かされるように、その技術が使われるように支援を強めていただきたいと思います。
 試験研究機関を充実させるという点では、施設の拡充とともに研究者の確保が大切です。人的な配置について資料も出されていますけれども、放射線の縮小だとか基盤分野の縮小というふうなことが出されているわけですが、やはり基盤技術を充実させるという点でいえば、研究者の確保が大切になっているというふうに思います。この面では、独法化で可能なんだというふうにおっしゃってこられたわけですから、ぜひ充実をしていただきたい。
 それから、今まで産業技術研究所で働いてこられた研究員の方々については、独法化に急激になった中で、短期間に派遣や固有という苦渋の選択を迫られたりして、迷った末にいろんな不本意な選択をされた方もおられるというふうに聞いています。こういう点では、派遣の場合に五年後の選択ということもあるので、差別することなく、本人の希望が生かされるよう、ぜひ柔軟な対応で取り組んでいただくよう求めて、質問を終わります。

○原田委員 まず、都内での遺伝子組換え作物の栽培に係る対応指針についてお伺いします。
 指針案発表後、パブリックコメントにかけ、その結果、説明会の開催、交雑、混入防止などについての外部有識者の意見を聞く、指導状況等を公表するなどが明記され、少し前進した形でまとまったと評価したいと思います。
 特徴的なものとして今回設置が提案されている評価委員会と連絡協議会について質問します。
 まず、評価委員会ですが、この委員会の役割と委員の構成、第一回目の開催予定とスケジュール、そして委員会の公開についてお伺いします。

○大村農林水産部長 まず、評価委員会の役割でございますが、評価委員会は、一つとして、遺伝子組みかえ作物の栽培者に対する基本的な指導基準の設定、二つ目といたしまして、遺伝子組みかえ作物の栽培予定者から提出される栽培計画書の評価を行う際の、都が専門的見地からの意見を聞くために設置するものでございます。
 この委員会は、自然科学や社会科学などの専門家四、五名で構成する予定でございます。
 第一回の評価委員会は、指導基準の検討を予定しておりまして、目下、この夏の開催に向けて準備を進めてございます。
 この委員会につきましては、公開を原則といたしたいというふうに考えてございます。
 なお、個人情報が含まれる内容につきましては、個人情報保護条例の適用で、個人情報に配慮した取り扱いが必要になるというものでございます。

○原田委員 同委員会が科学的評価を行うこととしている、遺伝子組みかえ作物を栽培する方から提出されるいわゆる栽培計画書の審議についても公開すべきだと私は考えておりますが、その点はいかがでしょうか。また、栽培場所はぜひ公開していただきたいと思います。
 また、都の取り組みとして連絡協議会を設置するということですが、連絡協議会はどのような役割を果たし、構成員はどうなっているか、また、評価委員会との連携についてお伺いします。

○大村農林水産部長 遺伝子組換え作物の栽培に係る対応指針の策定に当たりましては、議論を公開しまして、その案についてはパブリックコメントを実施し、広く意見を伺ったところでございます。一方、指導基準につきましては、科学的見地から客観的基準を定めるものでございまして、これにつきましてパブリックコメントを特に予定はしてございません。
 評価委員会でのこの審議につきましては、原則公開をいたすものでございますけれども、栽培計画書などの審議の中で、栽培場所も含めて個人が特定される部分につきましては、個人情報保護条例の適用によりまして、個人の情報を保護するという趣旨から一定の配慮が必要になる部分がございます。
 また、連絡協議会でございますけれども、この連絡協議会は、遺伝子組みかえ作物に関します情報共有のあり方、相互理解の促進、リスクコミュニケーションの方法や対策などについて関係者間での検討をする機関でございまして、連絡協議会は、学識経験者、都内の農業者、消費者の代表及び東京都で構成をするものでございます。
 なお、学識経験者の委員の中に評価委員会のメンバーとダブる方も考えてございまして、構成員として学識経験者のメンバーがダブるという形を考えてございます。

○原田委員 評価委員会と連絡協議会は実質的に情報が交換できる、そういう仕組みだということで理解してよろしいんでしょうか。
 ちょっと前後しますが、評価委員会の役割に指導基準の設定があるわけなんですけれども、この指導基準というのは、実はこれから栽培しようとしている方への基準ということで、遺伝子組みかえ対策としては大変重要な部分でございます。その議論の過程をぜひ明らかにし、公開ということですから、これは公開されるものだと思いますけれども、決定前にこの部分をぜひパブリックコメントにかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大村農林水産部長 この指導基準につきましては、科学的見地から客観的基準を定めるものでございまして、パブリックコメント等によりましてその基準が左右されるものではないというふうに考えてございます。

○原田委員 遺伝子組みかえ作物に関しては、都民の中にも大変不安に感じている人が多いのが実態でございます。都は、共存という路線を打ち出しているということでございますけれども、本当に共存ということが可能なのか、私はちょっとその点に関しては危惧しています。協議会の議論の中で共存の道を示し、実践例でいろいろ検証していくことがこれから求められるのかと思います。慎重に進めていくことを希望します。
 そこで、今度示された農業振興プランで、遺伝子組みかえ作物に対するフリーゾーン宣言をしている農家に対する支援も必要なのかと思いますが、項目に入れることについてご見解を伺います。

○大村農林水産部長 いわゆるGMフリーゾーンの設定につきましては、あくまでも地域の合意に基づく自主的な取り組みが前提となるものと考えてございます。都は、遺伝子組換え作物の栽培に係る対応指針で、遺伝子組みかえ作物に関するさまざまな情報を提供するということにしておりまして、今後、都民や農業者が自主的にフリーゾーンに取り組む場合にも、その設定や手法について積極的に情報提供を行っていくというふうに考えてございます。

○原田委員 自主的といっても、遺伝子組みかえをする生産者が出てくると、取り組みをしない生産者にとっては大変リスクを生んでいく可能性があるわけですから、この作物の安全性が実証されるまでは非常に長い年月がかかるわけです。そういうような中で、少しでも不安がある作物をつくらない立場をとる生産者ということで、ぜひ応援していただきたい。そういう生産者を支援することがとても大切ではないかと考えておりますので、ご検討をよろしくお願いします。
 次ですけれども、担い手の高齢化や担い手不足が随分プランの中でもいわれておりますが、特に山村や島しょ地域を中心に遊休農地が増加している傾向にあるようです。
 一方、農業を行いたいという都心に住む人たちの声があります。農業ボランティアや農業ヘルパーなどの農業の担い手の育成と活用が求められているわけなんですけれども、今回発表された農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組においての評価ですが、農業ヘルパーがとても低かったわけです。どのような状況でこうなったのか、分析した結果のお話を聞かせてください。

○大村農林水産部長 農家の生産の援助を行います多様な担い手の中には、農業ヘルパーや農業ボランティア、あるいはNPOの活動などいろいろございます。その中で農業ヘルパーという制度につきましては、農業者の補助的な担い手として有償で農作業を行う者でございまして、この農業ヘルパー制度が定着しない要因といたしまして、野菜だけでなく、果樹や花なども含みまして多種多様な農作業にヘルパーが呼ばれるわけですが、それに技術が対応できないという実態であるとか、あるいは雇用する農家の側と雇用されるヘルパーの側が、それぞれ希望する就労時間が合致しないなど、双方のニーズに食い違いがあるということが挙げられてございます。
 今後、この農家の援助につきましては、農業ボランティアやNPOその他さまざまな形態で取り組むことといたしまして、農地と担い手のマッチング事業の中でさまざまな工夫をしていきたいというふうに考えてございます。

○原田委員 ジャンルの問題でもさまざまな課題があるようですけれども、受け入れる農家の方も、自分のやり方のこだわりを持っていらっしゃる方も随分いらっしゃるようです。ヘルパーとして派遣する前に、何日かそのお宅に伺って見習いのようなものをしていく、そのような期間も必要かもしれないと思いますので、きめ細かな対応をよろしくお願いします。
 東京都は、農地と担い手マッチング事業の中で、就農希望者の登録、研修についてどのようにこれからやろうとしているのか、この事業が、いわゆる遊休地と農家をやりたい人を結ぶ大変重要な事業になってくるかと思いますので、その取り組みの内容をお知らせください。

○大村農林水産部長 まず東京都では、農地と担い手マッチング事業の一環といたしまして、昨年九月に、多様な担い手や遊休農地の情報の収集、蓄積、登録を目的にいたしまして、農地と担い手情報バンクを設置いたしました。あわせまして、本年四月に、みずから耕作できる技術を持った人材の育成を目的といたしました研修農場を八王子市内に開設いたしました。現在ここでは七十名の研修生が参加し、年間五回の講義と八回の実習を二年間にわたり受講することになってございます。このような形で農地と担い手マッチング事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○原田委員 八王子での研修は大変応募者も多かったようで、また、中山議員から足立区の研修のこともお話がありました。こういう研修に関しては、都民の方も大変関心を持って、参加したい意欲が大変あるようです。ぜひ広げていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、東京農業振興プランの中の項目の一つである有機性資源循環利用システムの確立のことをちょっと質問したいと思います。
 東京農業振興を図るために、環境と調和し、持続可能な農業を推進することが重要ということですが、その手段の一つとして、家畜の排せつ物、生ごみ、剪定枝等の未利用有機資源の堆肥化等のリサイクルに対して、農業生産に還元していく取り組みということでこの項目があると思いますが、その事業の実績、今年度の予算、事業採択までの流れについてご説明いただきたいと思います。

○秋元参事 循環型システム支援事業は、平成八年度に創設したもので、地域で排出される剪定枝、畜ふん、食品残さなどの未利用資源をその地域内で循環させる区市町村や団体を支援するものでございます。
 これまで、計画づくりは十七区市町村、一団体で実施し、施設整備は三市町村、四団体で実施しております。
 事業採択までの流れは、毎年度六月ごろまでに各区市町村から事業要望を聴取した上で、年間三地区程度を目途に予算化を図り、次年度に事業を実施しております。
 今年度の事業予算額は、計画づくり一件分、国庫補助で五十万円でございます。

○原田委員 今年度は一件ということですが、これから地域で小まめに循環していくことがとても大切になってくるかと思います。
 平成十六年度に稲城市が実施した整備事業、移動式の剪定枝の破砕機を載せて、具体的には、ナシを栽培している農家に行って、その枝葉を破砕して、そこのおうちのさまざまな有機物とまぜ合わせて堆肥化するというような事業がありました。今まで、ある一定のところに集めて、それで堆肥をつくるということがございましたけれども、破砕機を派遣することでかなり自分の近くに、いろいろなところにきめ細かな対応ができる。農家の庭先でできるとかいろいろあって、こういうような仕組みというのは、ちょっとした空間があるとできる。周りの人の理解がないと難しいということもございますけれども、畑などを持っている方はとても気軽に来てもらえるというようなメリットがあると思います。
 とてもアイデアとしてはいいと思うんですけれども、こういうアイデアを、例えば今までの中でさまざまな実施事例をPRしてもらいたいと思うんです。PRすることで、これならうちの地域に合っているとか思いながら、地域の方と市と相談しながら手を挙げていく、そのような仕組みは非常にこれから歓迎されるのではないかと思います。
 リサイクルの、特に有機農法の部分で堆肥づくりというのは、生ごみの減量化でもとても大きな課題なんですけれども、集め方とか場所をめぐってなかなか成立しない部分があるわけです。ですけれども、おがくずやチップ化したものが自分のそばでつくれるということになると、大分広がっていくのかなという可能性も期待するところです。ぜひこれも、こんなアイデアがあるということを皆さんに知らせてもらって、予算が余りにも少ないので、もしかしたら市区町村の環境事業と一緒になって予算をつけてもらうということもあるかもしれません。ぜひ広げるように、地域のそういう仕組みを、アイデアを支援していただきたいと思います。
 次に、豊かな子どもをはぐくむ農業体験の推進の項目でございますけれども、これは食育教育に通じるものもあるわけですが、体験農業を広げていく、子どもたちに自然や命のとうとさや環境や食べ物の大切さを伝え、子どもたちの人間形成に大きな効果があると私も思いますし、子どもたちが今、本当に無機質なものと向かい合っている中で、土とか水とか、そういう生命の根源になるようなものに接してもらいたいという思いは、私も周りもいろんな意味で非常に期待しているところなんですけれども、なかなかそんな機会がない。その中で、学童農園、教育ファーム等の推進について、振興プランの中にも位置づけられていますが、これまでの実績と今後の事業、または予算額についてお伺いします。

○大村農林水産部長 学童農園の設置推進事業は、平成十四年度から開始いたしまして、毎年十校を学童農園設置モデル校として支援いたしまして、最新の十七年度末現在では四十校というふうになってございます。また、同じく酪農教育ファームは、六牧場が指定されております。
 なお、学童農園は、この事業で設置されたもの以外も含めまして、平成十六年度末現在では四十九の区市町村で七百四校で設置されてございます。
 今年度から、生産体験学習を積極的に推進していくために事業を見直しまして、学童農園の対象校を十校から十六校に拡大したところでございます。予算額は、運営費といたしまして六百三十六万八千円を措置してございます。

○原田委員 このような生産体験学習を進めていくということでいうと、学校側との連携というのが大変重要になってきます。協力してくださる農家の方も、学校側がどんな気持ちで取り組んでいるのか、熱意が伝わらない。
 私も体験農園に協力している農家の方とちょっとお話をする機会があったんですけれども、非常に息抜き的な取り組みとしてやられると、子どもも日ごろの授業の窮屈さから解放されて、わあいという感じで遊んでしまうというところがあって、もちろん遊び心は大切なんですけれども、やっぱり生産する過程をしっかりと理解してもらいたいという思いがあって農家の方も協力するわけなんですけれども、先生方の取り組みによって非常に温度差があるということで、農業者の方も大変忙しい中で協力してもらうということもあるので、本当に事前の連携が大切だということは、体験者からのお話でわかったわけなんですけれども、学校の指導要領とか、あと、体験農園に関する学校の指導マニュアルなんかあるんでしょうか、それがあったとしても、先生自身が農業体験がない先生もいっぱいいらっしゃるわけです。
 そんな中で、生産体験学習の目的をはっきりして、先生方も含めた事前の打ち合わせ、連携の打ち合わせが必要だと思いますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○大村農林水産部長 生産体験学習の事業の実施に当たりましては、これまでも、教育庁、また各区市町村の教育委員会を通じまして各学校の要望を聞いてまいりました。また、事業対象校の選定に当たっては、教育庁と連携をして、各学校の実施目的や事業計画を検討の上、決定してきておりまして、連携を進めてきてございます。
 生産体験学習につきましては、食の大切さを養うなど、食育としても重要でございますので、これをより充実していくために、農作業経験のない学校教員に対しまして、今年度から講義や実習などを含む講習会を開催していくことにいたしました。

○原田委員 先生方の講習会は大変いい手法だと思います。
 それで、私がその前にお話ししたのは、学校の中の連携というよりも、これから農地を開放して、いわゆる子どもたちに体験農園をさせていこうという農家の方と先生との連携ということで、そういうあたりはしっかりお話し合いをした方が、どういうプログラムでやるかも含めて、そのときそのときの先生の役割、農業者の役割というふうなこともしっかりとめておくことで、有効な体験学習の場になると思いますので、よろしくお願いします。
 また、都心で農地がない地域について、どのように体験学習を推進しようとしているのか、お伺いします。

○大村農林水産部長 都心の農地のない地域の学校でございましても、一部では、遠方の農家の農地で生産体験学習を実施しているほか、学校内の農園で生産体験学習に取り組んでございます。今後、こうした取り組み事例とか受け入れ農家を紹介するなど、情報提供に努めてまいります。
 また、今年度から、指導者がいないために生産体験学習に取り組めない学校に対しまして、都内農業者を講師として派遣しまして、学校内の農園で農作業指導を支援していく体制をとってございます。

○原田委員 今、市民の間でも、援農ボランティアとかNPOとか、多彩な活動をしていらっしゃる市民の方もいらっしゃいます。そういう方々との連携も視野に入れるとおもしろい展開になると思いますけれども、子どもたちの食に関する関心を非常に高めて、自立的に望ましい食生活を実践する意識改革につながっていくと考えます。
 食の現場と触れ合う機会の少ない東京の子どもたちがよりよい生産体験学習ができるよう、関係者が連携して、よい仕組みづくりを進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 終わります。

○清水委員 まず、私は、産業支援体制の再整備基本構想についてお伺いいたします。
 産業労働局は、産業支援体制の再整備基本構想で、現在八王子市内にある産業技術研究所八王子庁舎を中小企業多摩振興センターと統合して、昭島市内の都立短大跡地に移転、整備する計画を打ち出しました。中小企業多摩振興センターは、立川市内で現在暫定稼働であり、私自身、繰り返し、早期に本格稼働するよう求めてきたところであり、必要なことです。しかし、そこに産業技術研究所八王子庁舎の分室を統合するという今回の案は大きな問題を含んでいると考えます。
 この間、私は、産技研八王子分室の独法化に対して、とりわけ繊維産業支援を後退させることにつながり、異議を述べてきたところです。しかも、今回の統合案は、多摩地域最大の産業集積地域八王子からの技術支援の撤退であり、さらに、昭和初期から続いてきた施設そのものを移転するということであり、当然ながら、八王子市当局からも業界団体からも強い批判が出されている問題です。
 まず、私は、産業技術研究所八王子分室を現在地に残すべきであるという立場で、何点か質問いたします。
 まず、八王子地区の産業集積について、どのような認識を持ち、どう評価しているか、お伺いいたします。

○中井商工部長 八王子地区は都内有数の産業集積地域の一つであり、平成十五年には、電子部品・デバイス製造業が市内製造品出荷額等の約二割と最も多く、代表的な産業となっております。一方、かつて多数分布していた繊維工業については、長期にわたる減少傾向に歯どめがかからない状況になっております。こうした状況には、産業構造の変化、アジア諸国との競争の激化による工場の海外流出などが影響しているものと考えております。

○清水委員 今のご説明は、確かに事実としてはそうかもしれませんけれども、今の答弁の認識ですね。この基本構想には、八王子市のところが一八ページに四行にわたって書いてありますけれども、繊維工業について、伝統的な繊維系の産業の集積に特色があるということが書いてあるわけです。そういうふうな表現で書いてあるわけです。
 それで、今、確かに事実はそうかもしれないのですけれども、分布していた繊維工業は、長期にわたる減少傾向に歯どめがかからない状況というその表現の仕方ですよ。事実は確かにそうかもしれませんけれども。私、この後までこの支援をもっとしろということをいう予定にきょうはなっておりませんから、そういっていないんですけれども、都が現在をどのように認識して、どう表現するのか、それが地元の企業とかそういう人たちにどういう影響を与えるのかということが、これから繊維工業にもっと支援してくれとかいうことはこれまでいってきたから、私はきょうはいうつもりはありませんけれども、この事実をいうときに、事実はそうかもしれないけれども、こういういい方でいうというのは、やはり都の姿勢のあらわれではないかというふうに思うんです。
 例えば二〇〇四年、これは八王子市が自分のところで出したから、そういうふうにもいっているんですけれども、広報なんです。十月の広報に「古くから『織物のまち』として発展してきた八王子。往時の面影は薄れたものの、その歴史と伝統は今も受け継がれています。この少数精鋭となった繊維産業に代わって大きく伸びてきたのが、先端的なものづくり産業。」ということで、確かに減少したり後退しているけれども、その伝統や今までやってきたことは受け継いで、少数精鋭となって企業は頑張っているよと。この八王子市の広報にも、多少企業の方々がほっとする、これからも残っている人たち頑張ろうという意欲を持たせる表現だと思うんですよ。
 まあ事実をお話しいただいたからこういうふうになったかと思うんですけれども、これからのそうした、先ほど縮小とか、どんなに頑張っても減少してしまう企業に対して、都の認識、表現の仕方というのはやはり考えていただきたいというふうに思うわけです。
 八王子市では、今ご説明したように新たな産業振興策に積極的に取り組んでいますが、これに対し現在都はどのようにかかわっているのか、お伺いいたします。

○中井商工部長 八王子市は、地元企業同士のネットワークづくりや、専門職ボランティアの各企業への派遣などの事業を行うサイバーシルクロード八王子を立ち上げるなど、さまざまな先駆的な取り組みを行っていることは、私どももよく承知しているところでございます。
 都といたしましても、例えば昨年度のベンチャー技術大賞に選定された八王子市の企業に対して各種支援を実施したほか、産技研が八王子市の企業とともに二件の地域新生コンソーシアム事業に参加するなど、さまざまな形で八王子市の産業振興を支援してきています。
 さらに今後、八王子市を初めとしたこの地域の関係機関との連携をさらに強化するため、昨年来、八王子市等との協議を行っているところでございます。

○清水委員 区内の産業集積についてはかなり議論する機会がありますけれども、多摩地域の工業集積については余り議会でも議論が少ないかと思うんですが、これは、八王子市が都のデータに基づいて、都内の工業出荷額に占める八王子の比率とその変化ということで四人全数比較をしておりまして、十六年の結果が出ているのをいただいたところです。
 これによりますと、工場数はほぼ墨田区の半分。もちろん大田区などとは三分の一以下ということですが、従業者数を見ると墨田区よりも多く、製造品出荷額などは墨田区よりも多く、八王子が六千二百九十六億に対して板橋区は六千九百四十一億と、かなり二十三区の集積地域に伍して頑張っている。また、付加価値額などは板橋区よりも多くなっているんですね。これを八王子市はすごく誇りに思っていまして、これを出して、私たちに、こんなに頑張っているんだよということで説明をされるわけです。
 多摩地域全体を見ましても、これはご承知のことかと思いますけれども、製造品出荷額は六兆一千十四億円、二十三区全体で、工場数は本当に多いんですけれども、五兆五千二百二億円と、製造品出荷額は上回る規模となっているわけです。さらに、先ほどご説明の中にもあったかと思うんですけれども、広域多摩ということで取り組まれる中で、製造品出荷額は三十一兆円に上り、愛知県に次ぐ大規模な産業集積地域として注目をされているところです。
 都は、八王子市のこうした産業支援、取り組みに対してどのようにかかわっているのか、お伺いいたします。

○中井商工部長 先ほども申し上げましたが、八王子市、また広域多摩の取り組みについては私どももよく承知してございます。それぞれの事業、私どもの持つ各事業で八王子市内の企業に対する支援をしてきているところでございますし、八王子市、また周辺の関係機関との協議も、必要に応じて積極的に行っているところでございます。

○清水委員 それでは、八王子支所の移転に関し、先ほど資料が出されましたけれども、市及び関係団体から要望が出されておりますが、これらについて都はどのように受けとめているか、お伺いいたします。

○中井商工部長 産技研は、技術支援機関として都内中小企業に広く活用され、多くの事業者からその有用性を評価され、高い信頼を得てございます。それは八王子地区においても同様でございまして、今回の要望書も、こうしたことを踏まえ、地元の業界団体、自治体としての立場からそれぞれの意向を示したものと理解しております。
 しかしながら、新たな産業支援拠点を整備することにより、八王子市を含めた多摩全域の中小企業に対し、現状より格段に高度で多様な支援サービスを提供することが可能となることから、都としては、さきに公表した基本構想に沿って今後の作業を進めていきたいと考えております。

○清水委員 市や関係団体の願いには沿っていないというふうに思うわけですが、それでは、古い話になるんですけれども、昭和二年に、八王子支所の前身、東京府立染織試験場を設置する際に、八王子市と織物工業組合の経費負担について、当時、地元の強い熱望によって、敷地や工作物、設備費として、八王子市負担額十万、織物組合が十四万七千七円、それに対して東京府負担が七万四千六百六十二円だと。総計三十二万千六百六十九円にて設立され、八十年にわたって多摩地域の繊維産業の研究、指導、育成に多大な貢献をしていることは、この市の広報なんかにも出ているものですから、業界や市民が広く周知しているところだということなんですね。
 この事実を踏まえて東京都に要望していると思いますが、東京都はこれに対してどのように回答しているのか、お伺いいたします。

○中井商工部長 昨年十二月二十七日付で八王子織物工業組合から出された要望書においては、過去の経緯として、市と組合がかつて経費負担したという事実が述べられていますが、当組合が、このことを理由に八王子支所の移転に反対しているわけではないと私どもは理解しております。
 都といたしましては、先ほども申し上げたとおり、新たな産業支援拠点を整備することにより、八王子市の中小企業についても、これまでより高度で多様な支援サービスが受けられると考えており、このことを関係者に伝え、理解を求めてきたところでございます。

○清水委員 ことしの六月九日、先日の八王子市議会の質問の中で、うちの議員ではないんですけれども、産業技術研究所の移転問題についてという質疑がありまして、市当局の答弁の中で、第一回都議会で地元議員二名がこの問題で質問したら、八王子市が織物産業について熱心であることは認めながら、存続については明確な答弁がなかったと認識している、染織試験場設置の際の財政負担については再三にわたり都へ説明しているというような、これは会議録ではありません、発言をメモしていただいたものですけれども、こういうような発言を市当局がしているわけです。
 それで、この要望書の中には、重要な役割を担っている研究所が地元からなくなる、産地にとって死命を制される大きな痛手だということが書いてあるわけですね。
 確かに新しい先端産業としての出発も八王子市はしております。しかし、それと同時に、これまでの伝統ある産業も必死で頑張っているということでは、やはりどちらも支援をするということが必要だし、先端産業という意味からいうと、ベンチャー技術大賞を受けた企業が八王子市内にあるわけで、その社長さんからも当然のことながらお話を伺っているわけですが、産技研のことは私はお話はいたしませんでしたけれども、八王子市内で大変技術があること、それから基盤の工場があることが、会社にとって大きな活用をさせていただいているというような評価をいただいて、ああした貴重な賞をいただくような先端産業の会社が八王子に存在するということで、大変誇らしく私も思ったわけですけれども、そういう古い産業、今までの伝統産業と新しい産業が集積をしている。
 しかも、多摩地域最大の集積地域に置かないで、なぜ昭島市内の地域に置くのかということは、昭島につくるのをおかしいということではなくて、八王子、集積地域に置かない理由はないでしょうという主張をしているわけです。市民も、それから市当局や関係団体などもしているわけです。そういう意味では、私は、八王子庁舎を統合、移転することはあくまで見直していただきたいというふうに思います。
 新たに整備する多摩産業支援拠点においては、既存の機能はどうなるのか、お伺いいたします。
 この間、八王子庁舎においても、八王子市などからは、競争力を高めるために、城南、城東の中小企業振興センターや区部の産業技術研究所が備えている高精度で先進的な製品や部材に対する試験、計測、試作、技術指導などの機能を多摩地域へ速やかに導入してほしいということを求めてきたわけですけれども、多摩拠点にはどのような技術支援がされるのか、城南、城東、西が丘などにあった、また臨海部にするとして、そうした地域にあるのと同じような機能が多摩地域拠点にも整備されるのかどうか、お伺いいたします。

○中井商工部長 新しい多摩産業支援拠点について、どのような機能がつくのかということでございますが、まず、先ほどお話がございました繊維でございますが、繊維の支援機能については、新たな支援拠点の方に整理をした上で移管をするという形になります。
 最近の繊維業界というのは、新素材の製品開発、また消費者の目も非常に肥えて厳しくなっているという中で、高い品質を求められておりますので、現在の八王子支所での機能より、多摩拠点に移して、他の技術支援機能も付加した形で多面的な支援をすることが、繊維産業にとっても重要かというふうに考えております。
 また、経営部門では、ワンストップ相談体制を強化し、その他、多摩の産業特性に合わせて大型の電波暗室等の整備をした上で、新たな拠点にそういった機能を備えつけていくという考えでございます。
 また、このほか、テレビ電話を活用した広域連携相談体制、二十四時間利用可能な開発支援ラボ、インキュベーション施設、産学公交流センターなど、多様な機能を整備していく予定でございまして、城南、城東の地域振興センターより多面的で高度な機能が備わるものと考えております。

○清水委員 先ほどから小竹議員も、また私も、都内の集積地域に技術支援の試験研究所を置くことが、これからの東京のものづくりにとって必要だということを強調してきたわけです。それは、国の内閣府の世界経済の潮流二〇〇四年というようなものの中にも書かれておりますし、幾つか私たちが国内で調査をしてきたところを見ても、やはり集積地域に研究所と企業と大学と支援センターというものが集まって、そこで集積をさらに発展させていくということが、これからの国際競争力に勝つ方向だというふうに私たちは考えているわけです。
 それで、多摩地域も、昭島に今いわれたような多摩の拠点をつくるということももちろん大事なんですけれども、少なくとも今まであった産業集積地、八王子の集積地には支援機能を残すことが必要だということを求めておきたいと思います。
 この質問は終わります。
 続いて、農業についてお伺いいたします。
 今回のプランの中間評価は、評価、分析を行い、今後の計画に反映するという手法で評価はできます。今後策定するものについては、さらに実態や意見を取り入れたプランとして策定してほしいと思います。
 そこで、農業振興プランの主要指標の目標値に対する現状ですが、かなり減少傾向にあるというふうにこの中には示されているわけですけれども、現状に基づいて対策を講じるというふうな流れになっておりますが、まず原因の分析というのが大事ではないかというふうに考えるわけです。
 原因の一つとして、国などの取り組みの姿勢もあったと思いますけれども、この原因分析についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○大村農林水産部長 主要指標の中でも、農業就業者数、農家数の減少が著しいところでございます。こうした背景には、農業者の高齢化と後継者不足、さらには農産物の価格低迷などの要因がございます。
 このため、都は、市街化区域内の農家に対しまして早くから独自の支援策を展開いたしまして、農業振興を推進してまいりました。また、今般、今後の地域別取組も策定したところでございます。
 国も、生産緑地制度によりまして市街化区域内農地の保全に取り組んできたところでございますが、これらの急速な状況変化に対応できていないのが現状でございます。

○清水委員 主要指標が目標を下回ったことについて、今お話があった、国とか東京都の対応とかいろいろ原因があると思いますが、これまでの国や都の取り組みの状況を踏まえてビジョンを策定していくべきではないかと思いますが、いかがですか。

○大村農林水産部長 都では、お示しいたしました東京農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組で、これまで実施してきた農業振興策について、達成状況の分析、評価を行ったところでございます。さらに、急激な農地面積の減少などの実態に対応できていない国の農地制度や税制については、今後検討することといたしました。
 これらの評価、分析と農地制度などの検討結果を踏まえて、新たな農業振興プランというものを策定していくというふうに考えております。

○清水委員 これまで都が取り組んできた四十三の施策を三段階に分け評価しておりますが、どのような基準に基づいて評価を行ったのでしょうか。また、二〇〇五年の主要指標の実績は既に二〇一〇年の目標値を下回っているため、今後その目標値を達成することは大変難しいと思いますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○大村農林水産部長 四十三の施策の評価につきましては、個々の施策の計画に対します達成の度合いを基準といたしまして評価をいたしました。
 具体的には、計画どおり推移しているものを順調、また、計画の目標を達成するまでさらなる推進を要するものを要推進、目標達成のために対策の再構築を要するものを再検討と評価いたしました。
 今回お示しいたしました東京農業振興プランの中間評価と今後の地域別取組で記載いたしましたとおり、主要指標が目標を下回っているなど深刻な状況を踏まえまして、農地制度や税制度に踏み込んだ検討も含めまして、新たな農業振興プランを策定して、今後の農業振興に対応していくというものを検討しているものでございます。

○清水委員 東京の都市の農業の重要性はこれまで繰り返し確認されているところでありますが、実態は、就業者、耕作面積、生産額など、基本の指標は大変な状況となっています。東京の基幹産業にふさわしく、後継者問題、後継者支援は施策として欠かせないと思いますが、東京でも新規就業者は、ここ数年五十人前後でしょうか、推移しているというふうに認識していますが、就業者をこれ以上減らさないために、現在の就業者確保、新規就業希望者を受け入れる事業を拡充するということが必要だと考えているわけです。
 それで、全国では、就農初期の営農費と生活費に年間百五十万円、二年間に限って貸し付けて、五年以上就農した人には、三百万を上限として償還を免除するというような内容の助成、また、農地を借りた新規就農者に対しての土地の借り上げ代の二分の一の助成をやるとか、機械や施設の導入についても助成を行うとか、いろいろな道府県で支援の仕組みがあります。国の制度のままで終わっている自治体は少なくありませんが、都としても、新規就農者の機械や施設の導入に当たって、融資の利息を補助する就農支援事業の財源を確保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○秋元参事 都では、平成八年度から、新規就農者につきましても、無利子の就農支援資金を用意いたしまして支援をしてきております。

○清水委員 それが十分でなく、要望が出ているから、私は要望しているわけです。
 次に、農業近代化資金利用の六十歳制限の枠を外し、就農者の高齢化に対し緩和した利子補給制度を創設することについてどうお考えでしょうか。

○秋元参事 本制度におきましては、借り受け者の後継者が農業に従事しているか、または借り受け者自身が、区市町村が経営改善計画を認定した認定農業者であれば、六十歳未満という年齢要件は適用されず、貸し付けが可能でございます。
 なお、要件の一律緩和は考えておりません。

○清水委員 今、二つの条件をいわれたんですけれども、それに当たらない方々もたくさんおられるわけですよ。そういう方々の要望、就農者の高齢化が進んでいるにもかかわらず、支援の仕組みというのが従来の延長線ではないかというふうに思うわけです。現在、農業者の高齢化を考えると、やはり六十歳枠というのは実態とかけ離れており、農業者団体からこの枠の弾力的運営を求められております。検討を求めておきます。
 最後に、都は、都市農業の多面的な社会的機能に着目し、独自に、市街地農地について固定資産税の軽減策を図ることが必要だと考えますが、いかがですか。

○秋元参事 宅地化農地でも、生産緑地に指定された場合は、固定資産税などが宅地並み課税でなく農地課税となることから、生産緑地の追加指定を促してきております。

○清水委員 そんなことはわかっているわけですよ。国に対して、先ほどどなたかのご答弁もありましたけれども、生産緑地の指定の面積を小さくするというんですか、そういうことも要望されていることは承知していますし、相続税問題でも要望していることは承知しているわけです。しかし、そういう小さな、市街地に農地を持っている方がたくさんいるんですよね。
 先ほどもどなたかも発言がありましたけれども、私も毎日、こちらの道を通っても、こちらの道を通っても、本当に大きくない敷地の中でジャガイモを植えたりトウモロコシを植えたりネギを植えたり、そういうものをやっておられます。土日を使ってやっているわけですよ。そして、そういう方に聞くと、自分が持っていた農地を、売らなきゃいけなくなって売ってしまった、しかし、ここだけは先祖代々に申しわけなくて売れないんだということで、土曜日を使ったり日曜日を使ってやられているわけですけれども、その農地には多面的な機能があるということだと思うんですよ、食育の観点からも、それから防災の観点からも。そういう多面的な機能に着目して、面積を狭めることを国に求めているのはわかるんですけれども、その前に、やはりこうした農地を確保するという点で固定資産税の軽減策についても考えていただきたいと思います。
 プランについては、農業予算、そしてそれを支援する体制、今の現状、実績にふさわしいそうした予算や体制を確保しながら、プランの策定を進めていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○大塚委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。

○大塚委員長 これより付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターが定めた料金の上限の認可の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○小竹委員 この専決処分について、私どもは基本的に、産業技術研究センターの地方独立法人化も含めてかかわる問題ですので、反対をいたします。
 ことし四月一日から地方独立行政法人になった東京都立産業技術研究センターが行っている依頼試験や機器使用等の業務に関して、料金を徴収するために料金の上限を定めるものですけれども、今回の料金設定については、中小企業料金と一般料金と区別がされています。しかし、上限まで引き上げることが議会の承認なしに可能になっていくということになります。中小企業の厳しい経営状況から見て、これらの使用料の引き上げについては、引き上げられた場合には利用者を困難にしかねません。したがって、反対です。
 これまで、国立の大学が独法化されて、運営費が削減され、授業料の値上げにつながるなど大きな問題になっています。東京都においてはこのようなことがないようにすること、都立産業技術センターは、中小企業の方々の利用を促進する上でも、できるだけ低廉な価格で利用を維持できるよう、東京都として支援を強めることを求めておきます。
 以上です。

○大塚委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、報告のとおり承認することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 起立多数と認めます。よって、本件は報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○大塚委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大塚委員長 この際、所管局を代表しまして、成田産業労働局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○成田産業労働局長 本委員会所管四局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 大塚委員長初め委員の皆様方には、本定例会にご提案申し上げました議案等につきまして熱心にご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご指摘につきましては、十分に尊重させていただき、今後の事務事業の執行に万全を期してまいります。
 今後とも、所管四局に対しまして、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○大塚委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る