経済・港湾委員会速記録第一号

平成十八年二月十六日(木曜日)
第八委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長大塚たかあき君
副委員長原田 恭子君
副委員長矢島 千秋君
理事松下 玲子君
理事松原 忠義君
理事鈴木貫太郎君
田中たけし君
小竹ひろ子君
中山 信行君
いのつめまさみ君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
山崎 孝明君
川島 忠一君

欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長成田  浩君
総務部長菊地 輝雄君
産業企画担当部長三枝 秀雄君
改革担当部長佐藤 仁貞君
商工部長中井 敬三君
参事奥秋 彰一君
金融部長塚田 祐次君
金融監理担当部長森 祐二郎君
観光部長高橋 都彦君
参事米原 亮三君
農林水産部長大村 雅一君
参事秋元 篤司君
雇用就業部長松本 泰之君
就業調整担当部長関口 栄一君
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長高津 満好君
事業部長荒井  浩君
新市場担当部長大野 精次君
参事坂  崇司君
参事大橋 健治君
参事後藤  正君
参事戸田 敬里君
港湾局局長津島 隆一君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長新田 洋平君
参事江津 定年君
臨海開発部長鈴木 雅久君
開発調整担当部長尾田 俊雄君
参事藤原 正久君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事宮崎 孝治君
労働委員会事務局局長押元  洋君

本日の会議に付した事件
 労働委員会事務局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出労働委員会事務局所管分
・東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 中央卸売市場関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都と場会計予算
・平成十八年度東京都中央卸売市場会計予算
報告事項(説明)
・株式会社築地市場決済センター(仮称)の設立について
 港湾局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・平成十八年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・平成十八年度東京都港湾事業会計予算
・平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 港湾局所管分
・平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計補正予算(第一号)
請願陳情の審査
(1)一七第一八一号 野伏漁港の整備促進事業に関する請願
(2)一七第七四号  式根島野伏漁港内への桟橋伝え波進入防止対策に関する陳情
 産業労働局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・平成十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・平成十八年度東京都農業改良資金助成会計予算
・平成十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・平成十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・通訳案内業法関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都離島漁業再生支援基金条例
・東京都植物防疫施設に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例
・東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター中期目標について
報告事項(説明)
・地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにおける料金の上限について
陳情の審査
(1)一七第六七号 全国四百十七万人のフリーターが手に仕事を持つための職業訓練学校設立に関する陳情
(2)一七第六八号 人財銀行設立に関する陳情

○大塚委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局、中央卸売市場、港湾局及び産業労働局関係の第一回定例会に提出を予定されている案件の説明聴取、中央卸売市場及び産業労働局関係の報告事項の聴取、並びに港湾局及び産業労働局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○押元労働委員会事務局長 平成十八年第一回都議会定例会におきましてご審議をお願い申し上げます労働委員会事務局所管の議案についてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、平成十八年度一般会計予算案一件、東京都労働委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案一件でございます。
 まず、平成十八年度一般会計予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成十八年度一般会計予算説明書の一ページをごらんいただきたいと存じます。当局所管分の総括でございます。
 歳出額は七億四百万円でございまして、労働委員会の運営に要する経費及び事務局の運営に要する経費を計上したものでございます。その下、歳入額は二千円でございまして、使用料及び手数料として見込んでおります。
 次に、二ページをごらんいただきたいと存じます。歳出予算の事項別説明でございます。
 まず、労働委員会の運営に要する経費は二億四千二万余円でございまして、前年度当初予算額に比べ百三十六万余円の減となっております。
 経費の内訳は、会長を含む委員三十九名の報酬が二億二千六百三十二万余円、不当労働行為事件の審問に出席した証人への費用弁償など委員会運営費が一千三百七十万余円でございます。
 次に、事務局の運営に要する経費は四億六千三百九十七万余円でございまして、前年度の当初予算額に比べ三百六十三万余円の減となっております。
 経費の内訳は、事務局職員の人件費が三億三千二百八十五万余円、その他職員関係費が七千八百十二万余円でございます。また、審問に際しての速記料、命令書等事件関係書類の印刷費など事務局運営費が五千二百九十九万余円となっております。
 これらを合計いたしますと、一番下の計の欄にございますとおり、歳出総額は七億四百万円で、前年度当初予算額と比べますとマイナス五百万円、〇・七%の減となっております。
 以上で、平成十八年度一般会計予算案についてのご説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、条例案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料2、条例案の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 これは、労働委員会委員の報酬につきまして、東京都特別職報酬等審議会の答申の趣旨に基づき、所要の改正を行うものでございます。
 恐れ入りますが、二ぺージの新旧対照表をごらんいただきたいと存じます。
 改正部分は、第二条にございます従事日数による額、いわゆる日額を三千九百円から三千八百円に改定いたしますとともに、別表に掲げてございます月額報酬を、会長につきましては五十四万四千円を五十三万二千円に、会長代理及び公益委員につきましては四十八万五千円を四十七万四千円に、その他の委員、これは労働者委員及び使用者委員でございますが、四十四万五千円を四十三万五千円にそれぞれ改定するものでございます。
 なお、この条例は、附則にございますように、平成十八年四月一日から施行することといたしております。
 条例案についてのご説明は以上でございます。
 以上で、当事務局所管の議案についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○小竹委員 労働委員会への申請件数の推移とその内訳について、十年程度お願いします。

○大塚委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○大塚委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。
 第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○森澤中央卸売市場長 平成十八年第一回都議会定例会に提出を予定しております中央卸売市場関係の案件の概要につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、平成十八年度と場会計当初予算案、平成十八年度中央卸売市場当初予算案の二件でございます。
 それでは、平成十八年度当初予算案につきまして、その編成の考え方についてご説明申し上げます。
 中央卸売市場が今後とも都民の生活にとって不可欠な生鮮食料品を効率的かつ安定的に供給する役割を果たしていくため、また、日本経済の景気回復が鮮明になっている中、生鮮食料品流通業界においても上昇軌道に乗れる体制に取り組めるようにするためには、第八次東京都卸売市場整備計画の着実な推進や、安全・品質管理体制の整備など、多方面にわたる課題に適切に対応していくことが求められております。
 このため、平成十八年度予算案では、新しい流通環境に対応するための豊洲新市場の建設や、市場業者の財政基盤強化及び安全・安心な市場づくりを目指した衛生・環境対策などに財源を重点的に配分した予算といたしました。
 一方、既定経費の圧縮に努めるとともに、市場使用料については、平成十五年度以降据え置いておりますが、市場関係業者の厳しい経営状況にかんがみ、平成十八年度においても改定を見送ることといたしました。
 また、と場会計については、都民に安全で安心な食肉を供給するため、必要なと場の衛生維持、向上を図るための予算といたしました。
 それでは、平成十八年度と場会計当初予算案についてご説明申し上げます。
 と場会計は、芝浦屠場のと畜解体業務及び施設の維持管理に係る歳入及び歳出として、平成十八年度はともに六十四億五千八百万円といたしました。
 次に、平成十八年度中央卸売市場会計当初予算案についてご説明申し上げます。
 予算総額は、支出規模で八百十二億八千五百万円、収入は二千四十一億七千二百万円といたしました。収入が大幅に増加いたしましたのは、一般会計への貸付金が平成十八年度に一括返還されるためでございます。
 収益的収支でございますが、市場を取り巻く諸状況にこたえるための予算として、市場の環境対策のほか、仲卸業者の再生支援対策に要する経費などを計上いたしました。
 資本的収支でございますが、豊洲新市場については、土地区画整理事業の保留地などの用地の取得及びPFIに係るアドバイザリー業務委託など、計画を着実に推進するための予算を計上するとともに、他の市場につきましても、必要な建設改良に要する経費を計上いたしました。
 以上で、平成十八年第一回都議会定例会に提出を予定しております案件の概要につきまして説明を終わらせていただきます。
 なお、詳細につきましては管理部長より説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高津管理部長 それでは、私から、今回提出を予定しております案件につきまして、お手元に配布いたしました資料1、平成十八年度と場会計当初予算の概要、資料2、平成十八年度中央卸売市場会計当初予算の概要によりご説明申し上げます。
 初めに、資料1の平成十八年度と場会計当初予算の概要につきましてご説明いたします。
 一ページをお開き願います。上段の1は予算総括表でございます。
 予算額は、歳入歳出とも六十四億五千八百万円で、前年度に比べ〇・九%の増でございます。
 続きまして、2の事項別一覧表でございます。(1)の歳入の主なものについてご説明いたします。
 使用料及び手数料は、と畜解体に伴う使用料及び手数料でございます。前年度に比べ一億三千六百七十四万円の増となっております。これは、収支の改善を図るために、平成十七年六月に改定いたしましたと畜使用料及び大動物新ラインの稼働に伴うと畜頭数の増加による収入が平年度化したためでございます。
 繰入金は、と場事業の収支不足額に対する一般会計からの繰入金で、前年と同額となっております。
 都債は、と場の施設整備の財源として発行するものでございまして、前年度に比べ五千三百万円の減となっております。
 二ページをごらん願います。(2)の歳出でございます。
 管理費は二十三億一千百三十四万余円で、職員の人件費等でございます。
 運営費は二十六億八千二百九十九万余円で、大動物新ラインの稼働が平年度化することに伴い、一億五千六百六十三万余円の増となっております。
 次の施設整備費では、衛生等改善工事を予定しております。
 公債費会計繰出金は、と場の施設整備のための企業債の元利償還金及び利子等を計上しております。
 以上が、平成十八年度と場会計当初予算の概要でございます。
 続きまして、資料2の平成十八年度中央卸売市場会計当初予算の概要につきましてご説明いたします。
 一ページをお開き願います。予算の総括表でございます。
 中央卸売市場会計は、地方公営企業法の財務規定等を適用しておりますので、予算は収益的収支と資本的収支に分けて計上しております。
 上段の(1)は、市場の経常的な事業活動を経理する収益的収支でございます。
 市場事業収益は、一般会計への貸付金の利息収入の減少などにより、百九十七億二千万円と、前年度に比べ七億五千六百万円、三・七%の減を見込んでおります。
 市場事業費は、企業債の償還の進捗に伴う支払い利息の減及び既定経費の圧縮などに努めまして、二百九億七百万円と、前年度に比べ一億四千三百万円、〇・七%の減といたしました。
 中段の(2)は、市場の建設改良事業等を経理する資本的収支でございます。
 市場資本的収入は一千八百四十四億五千二百万円で、前年度に比べ九百六十六億八千三百万円の増、市場資本的支出は六百三億七千八百万円で、前年度に比べ六十二億一千八百万円の増となっております。
 下の段は、中央卸売市場会計の収入支出の合計欄でございます。後ほどご参照いただければと存じます。
 続きまして、二ページをごらん願います。事項別一覧表でございます。
 上段の(1)は、収益的収入でございます。
 市場事業収益は百九十七億二千万円で、内訳を予算科目別にお示ししております。主なものは、市場使用料が百十八億五千二百二十六万余円で、芝浦屠場のと畜頭数の増の影響などによる食肉部等の売上高割使用料の増や、遊休施設の積極的活用による施設使用料の増を見込み、前年度に比べ一億一千六百三十八万余円の増といたしました。
 次の受取利息及び配当金は、利益剰余金などの運用による利息等で、十九億三千六百七十四万余円、前年度に比べ八億八百二十万円の減となっております。これは、平成十七年度に一般会計に対する貸付金の一部が返還されたことによるものでございます。
 一般会計補助金は、業務指導や生鮮食料品流通対策などの行政的な事業に対する補助金で、二十一億九千九百万円でございます。
 次に、下の表(2)は、収益的支出でございます。
 市場事業費は二百九億七百万円で、その内訳を予算科目別に掲げております。
 その主なものですが、管理費は、職員の人件費や市場施設の維持管理のための経費で、百二十六億七百十八万余円、前年度に比べ一億四千百五十七万余円の増となっております。
 業務費は、市場取引の指導監督等に要する経費で一億四千百十六万余円、前年度に比べ二千二万余円の減となっております。これは、東京都中央卸売市場条例の改正に伴う、卸売予定数量及び卸売価格を公表するためのシステムの改修が終了したことによるものでございます。
 生鮮食料品流通対策費は、地方卸売市場の指導監督や助成事業及び情報サービス事業など生鮮食料品の流通対策事業などに要する経費で、一億七千六百十六万余円でございます。
 支払い利息等は、市場施設を整備するための原資として発行いたしました企業債に係る経費等で、二十七億七千七百十六万余円、企業債の元金償還の進捗により支払い利息が減少しまして、三億一千四百四十九万余円の減となっております。
 三ページをお開き願います。資本的収支の内容でございます。
 上の表の(3)は資本的収入で、総額は一千八百四十四億五千二百万円で、内訳は企業債及びその他資本収入でございます。その他資本収入には、一般会計に対する貸付金の返還金一千六百億円などを計上しております。
 下の表(4)は、資本的支出でございます。
 総額は六百三億七千八百万円で、主な内訳は、建設改良費、企業債償還金等でございます。
 建設改良費は、流通環境の変化や既存施設の老朽化等に対応するための施設整備に要する経費でございます。予定額は四百九十四億二千八百二十五万余円で、前年度に比べ六十億六千八百十一万余円の増となっております。このうち、施設拡張費四百五十三億六千六百六万余円について、主なものを一覧にしてございます。
 豊洲新市場につきましては、予定額四百四十三億二千百二十三万余円で、十八年度は、十七年度に引き続き土地区画整理事業の保留地などの用地の取得、PFIに係るアドバイザリー業務委託等を行います。
 その他の各市場におきましても、衛生・環境対策や市場機能の改善などに対応して整備を進めていく予定でございます。
 以上が、平成十八年度中央卸売市場会計当初予算の概要でございます。
 以上をもちまして、平成十八年第一回都議会定例会に提出を予定しております案件につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○清水委員 二つお願いいたします。
 売上高別業者比率と卸、仲卸業者の経営状況、二つ目が、取引方法別割合の推移についてお願いいたします。

○大塚委員長 ただいま清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○大塚委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○荒井事業部長 株式会社築地市場決済センター(仮称)の設立につきましてご報告申し上げます。
 市場においては、卸売業者、仲卸業者間の取引代金の決済が円滑に行われないと、仲卸業者の日々の営業活動が阻害される上、市場取引が安定性を失い、市場の信用力や競争力にも影響を与えることになりますので、この事務を行う決済機関が必要です。築地市場水産物部では、四月から新たに決済センターを設立し、決済事業を行うこととなりましたので、ご報告いたします。
 資料3、株式会社築地市場決済センター(仮称)の設立についての一ページをごらんください。
 1、目的ですが、築地市場水産物部の仲卸業者が卸売業者へ支払う買い受け代金の決済機能を維持向上させることにより、仲卸業者の経営基盤の健全化に資するとともに、築地市場の信用力と競争力の強化を図ることを目的としております。
 2には、新会社を設立するに至る経緯を記載してございます。
 築地市場水産物部の約八百三十の仲卸業者については、約四三%が経常赤字、あるいは債務超過といった厳しい状況にあります。
 築地の仲卸業者の代金決済は、仲卸業者の組合である東卸組合が立てかえ払いなどの方法で行ってきましたが、東卸組合の財務状況も悪化しており、事業の継続が困難な状況となりましたので、新たに決済機関を設立することになったものでございます。
 3に、会社設立の効果として、新しく設立された株式会社が取り次ぎ払いによる事業を実施するため、決済機能が安定化すること、支払いルートが一元化することなどにより決済事務が効率化すること、保証金制度の導入により担保措置が講じられるとともに、仲卸業者の健全経営への意欲が促されることから、代金決済が確実化することを記載しております。
 会社の概要につきましては、二ぺージの4に記載のとおりでございますが、新会社は、(6)記載のとおり、卸売業者と仲卸業者との間の売買代金の決済事務、並びに保証金の収受及び管理業務を行います。
 なお、参考として、築地市場水産物部の売上高別仲卸業者比率、及びこれまでの仲卸業者の経営基盤強化に向けた主な取り組みをお示ししました。
 新会社の設立を機会に決済事業がより一層的確に行われ、決済機能が向上することにより、仲卸業者の経営基盤の健全化と築地市場水産物部の信用力と競争力が強化されるものと考えておりますが、都としましても、財務検査や経営指導などを行い、引き続き仲卸業者の経営基盤の健全化に取り組んでまいります。
 以上、簡単ではございますが、株式会社築地市場決済センター(仮称)の設立についての説明を終わらせていただきます。

○大塚委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○大塚委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○津島港湾局長 平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、平成十八年度予算案三件、平成十七年度補正予算案二件でございます。
 まず、平成十八年度予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、平成十八年度予算案及び平成十七年度補正予算案の概要の一ページをごらんいただきたいと思います。
 平成十八年度の会計別の予算計上額は、一般会計六百五十四億六千六百万円、臨海地域開発事業会計八百十二億二百万円、港湾事業会計七十六億円でございまして、これらを合計いたしますと、千五百四十二億六千八百万円となります。平成十七年度予算案と比較いたしますと、四九・九%の減となります。
 なお、この減の主な理由は、臨海地域開発事業会計における企業債償還金の減等でございます。
 続きまして、予算案の主要事項についてご説明申し上げます。
 第一に、東京港における港湾施設の整備事業でございまして、予算計上額は七十八億九千六百万円でございます。東京港の国際競争力の強化を図るため、中央防波堤外側において港湾施設の新規整備の検討を行うほか、内航海運における貨物のユニット化や船舶の大型化に対応するため、中央防波堤内側における新規ふ頭整備の基本調査を行います。
 また、東京港のしゅんせつ作業を効率化するため、新たなしゅんせつ船の建造に着手するほか、運河ルネッサンスを着実に推進し、天王洲や芝浦などの推進地区相互間での連携を図る取り組みを行ってまいります。
 第二に、東京港の海岸保全事業でございまして、予算計上額は五十九億八千八百万円でございます。高潮などに対し的確に対処し、都民の生命や財産を守るため、防潮堤の整備や水門の耐震強化などを実施いたします。
 第三に、島しょ等港湾、漁港及び空港整備事業でございまして、予算計上額は二百十億五千三百万円でございます。三宅島空港の再開に必要な施設の復旧等を行うほか、ジェットフォイルの就航率改善に向けた取り組みを推進いたします。
 第四に、臨海副都心の整備事業でございまして、予算計上額は百七十五億七千万円でございます。広域交通基盤整備に対する開発者負担等を実施いたします。
 第五に、埋立造成事業でございまして、予算計上額は七十三億四千万円でございます。豊洲・晴海地区において防潮護岸の整備等を実施いたします。
 第六に、廃棄物処理場の整備事業でございまして、予算計上額は百十億七千五百万円でございます。新海面処分場の護岸整備を進めるとともに、延命化のための深堀り等を実施いたします。
 二ページをお開き願います。第七に、東京港臨海道路の整備事業でございまして、予算計上額は八十五億四百万円でございます。中央防波堤外側埋立地と江東区若洲を結ぶ臨海道路Ⅱ期事業について、橋梁下部工事への費用負担等を行ってまいります。
 第八に、港湾振興事業でございまして、予算計上額は一億二千七百万円でございます。スーパー中枢港湾形成に向けた取り組みとして、国際競争力のある港湾物流を実現し、ターミナル運営の効率化を図るため、港湾物流のIT化の推進等を進めてまいります。
 第九に、環境整備事業でございまして、予算計上額は三億三千六百万円でございます。中央防波堤内側海の森の整備等を実施してまいります。
 次に3、繰越明許費といたしまして、七十六億七千八百万円を計上しております。
 また4、債務負担行為といたしまして、一般会計で限度額の合計七十四億三千万円を、臨海地域開発事業会計で限度額の合計六十八億八百万円を計上しております。内容は、新海面処分場護岸建設工事などでございます。
 以上、平成十八年度予算案についてのご説明を終わらせていただきます。
 次に、平成十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 補正予算は、一般会計と臨海地域開発事業会計で計上しております。
 一般会計につきましては、二億二千三百万円を計上しております。これは、島しょ等港湾整備事業といたしまして、離島航路事業者へ補助を行うものでございます。
 臨海地域開発事業会計につきましては、営業収益として、底地の売却収入を九十二億一千三百万円、営業費用として底地の処分原価を二百四十六億五千四百万円、それぞれ計上しております。
 これは、民間事業者に対しまして長期に貸し付けを行っていた土地につきまして、その底地を売却するものでございます。
 また、昨年の第三回定例会で債権放棄の議決をいただいた、産業労働局所管の第三セクターの民事再生手続に伴う損失が確定したことから、特別損失として三十四億五千五百万円、第三セクターへの長期貸付地と株式会社東京ビッグサイトの所有地の交換差益収入として、八億二千万円を計上してございます。
 以上で、第一回定例会提出予定議案の概要説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。

○斉藤総務部長 ただいまの局長の概要説明に続きまして、本定例会に提出を予定してございます案件につきましてご説明申し上げます。
 まず、お手元の資料2によりまして、平成十八年度当初予算案をご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。当局所管の三会計の予算総括表でございますが、先ほど局長がご説明申し上げましたので、省略させていただきます。
 それでは、一般会計からご説明申し上げます。
 恐れ入ります、五ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 二列目の事業名の欄に記載のとおり、東京港整備事業、島しょ等港湾整備事業、港湾総務事業の三事業でございます。
 提案額の合計は、最下段に記載のとおり、六百五十四億六千六百万円でございます。これは、右下段に記載のとおり、前年度予算額に比べ三十七億六千四百万円の増となってございます。
 次に、歳入についてご説明申し上げます。
 九ページをお開き願います。当局所管の歳入は、1の分担金及び負担金から一七ぺージの7の都債までを計上しております。歳入提案額の合計は、一七ぺージの最下段に記載のとおり、四百八十五億一千四百六十一万余円でございます。
 次に、歳出についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、二一ページをお開き願います。表のつくりでございますけれども、表頭左から番号、事業名、提案額、前年度予算額、増減、説明の順でお示ししてございます。
 まず、東京港整備事業でございます。
 1の港湾整備事業では、十五号地木材ふ頭などのふ頭整備や、第二航路などの航路、泊地整備を実施してまいります。
 二二ページをお開き願います。2の環境整備事業では、城南島海浜公園の整備等を行います。
 3の汚泥しゅんせつ事業では、運河に堆積した汚泥のしゅんせつ等を行います。
 二三ページをごらん願います。4の廃棄物処理場建設事業でございますが、新海面処分場Gブロック護岸の建設等を実施してまいります。
 5の海岸保全施設建設事業では、防潮堤及び内部護岸等の整備を行います。
 二四ページをお開き願います。6の東京港整備貸付金は、財団法人東京港埠頭公社に対し資金の貸し付けを行うものでございます。
 二五ページをごらん願います。7の港湾施設運営事業から二六ぺージ12の職員費までは、東京港における港湾施設等の維持管理経費や職員の人件費でございます。
 二七ページをごらん願います。島しょ等港湾整備事業でございます。
 1の港湾整備事業では、大島元町港外十三港の護岸等の建設整備を行います。
 二八ページをお開き願います。2の漁港整備事業では、大島元町漁港外十五漁港の防波堤等の建設整備を行います。
 三〇ページをお開き願います。3の海岸保全施設整備事業では、大島元町港外九港の海岸保全施設の建設整備を行います。
 三一ページをごらん願います。4の空港整備事業では、大島空港外五空港の建設整備等を行います。
 三二ページをお開き願います。5の災害復旧事業は、三宅島火山活動及び新島・神津島近海地震等に係る災害復旧に要する経費でございます。
 6の離島航路・航空路補助事業は、航路事業者等に対して補助を行うものでございます。
 7の施設運営事業から三三ぺージの9の職員費までは、島しょ等における港湾施設等の維持管理経費や職員の人件費等でございます。
 続きまして、港湾総務事業でございます。
 三三ページの中段をごらん願います。1の管理費と2の職員費は、港湾広報などの管理経費、職員の人件費等でございます。
 三四ページをお開き願います。以上、歳出提案額の合計は、最上段に記載のとおり、六百五十四億六千六百万円でございます。
 次に、繰越明許費についてご説明申し上げます。
 三七ページをお開き願います。提案額の合計は、最下段に記載のとおり、七十六億七千八百万円でございます。
 最後に、債務負担行為についてご説明申し上げます。
 四一ページをお開き願います。債務負担行為のⅠ、工事請負契約等でございます。限度額の合計は、四三ぺージの最下段に記載のとおり、六十二億七千八百九十万円でございます。
 四四ページをお開き願います。債務負担行為のⅡ、損失補償契約でございます。限度額は十一億五千百九十八万余円でございます。
 引き続きまして、臨海地域開発事業会計予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、四七ページをお開き願います。総括表でございます。
 当会計の提案額の合計は、最下段に記載のとおり、八百十二億二百万円でございます。これは、右下段に記載のとおり、前年度予定額に比べまして千五百七十九億七千四百万円の減となってございます。この減の主な理由は、企業債償還金及び臨海副都心地域の都市基盤施設引き取りに係る延べ払い代金の減等でございます。
 次に、収益的収入及び支出についてご説明申し上げます。
 五一ページをお開き願います。収益的収入でございます。
 表のつくりでございますが、先ほどご説明いたしました一般会計と同様なものとなってございます。
 1の営業収益から3の特別利益までは、埋立地の処分代金等でございます。
 収益的収入の提案額合計は、最下段に記載のとおり、四百五十億八千九百万円でございます。
 五二ページをお開き願います。収益的支出でございます。
 1の営業費用から五三ぺージの3の特別損失までは、埋立地等の処分原価、管理処分経費及び企業債利子等でございます。
 収益的支出の提案額合計は、五三ぺージの最下段に記載のとおり、三百六十五億二千六百万円でございます。
 続きまして、資本的収入及び支出についてご説明申し上げます。
 五七ページをお開き願います。資本的収入でございます。
 1の長期貸付金返還金及び2の雑収入は、東京臨海副都心建設株式会社からの貸付金返還金等でございます。
 資本的収入の提案額合計は、最下段に記載のとおり、百五十三億七千九百万円でございます。
 五八ページをお開き願います。資本的支出でございます。
 1の埋立地造成事業では、豊洲・晴海地区の防潮護岸整備等を実施してまいります。
 2の環境整備事業では、海上公園の整備を行います。
 3の道路橋梁整備事業は、埋立地の道路整備を行うものでございます。
 五九ページをごらん願います。4の埋立改良事業では、埋立地の道路、橋梁及び公園の施設改良を行います。
 5の埋立造成関連事業及び6の職員費は、埋立造成に必要な測量、調査及び管理経費等でございます。
 六〇ページをお開き願います。7の臨海副都心建設事業は、都市基盤施設の引き取りに係ります延べ払い代金の支払いや開発者負担等を行うものでございます。
 8の臨海副都心改良事業及び9の臨海副都心建設改良関連事業は、埋設物の移設等を行うものでございます。
 10の羽田沖整備事業は、羽田沖埋立地の造成に要する経費でございます。
 六一ページをごらん願います。2の投資は、東京臨海高速鉄道株式会社に対する出資金でございます。
 3の企業債費は、企業債の元金償還金等でございます。
 以上、資本的支出の提案額合計は、六一ぺージの最下段に記載のとおり、四百四十六億七千六百万円でございます。
 次に、債務負担行為についてご説明申し上げます。
 六五ページをお開き願います。債務負担行為の工事請負契約でございます。
 限度額の合計は、六八ぺージの最下段に記載のとおり、六十八億八百十五万余円でございます。
 六九ぺージの一時借入金限度額及び七〇ぺージの棚卸資産購入限度額につきましては、記載のとおりでございます。
 恐れ入りますが、七一ページをお開き願います。重要な資産の処分でございます。
 江東区若洲の土地外二件につきましては、昨年の第三回定例会におきまして東京都海上公園条例を改正していただき、若洲海浜公園のキャンプ場を江東区に移管するため、譲与するものでございます。
 引き続き、港湾事業会計予算についてご説明申し上げます。
 七五ページをお開き願います。総括表でございます。
 当会計の提案額の合計は、最下段に記載のとおり、七十六億円でございます。これは、右下段に記載のとおり、前年度予定額に比べ四億四千九百万円の増となってございます。
 次に、収益的収入及び支出についてご説明申し上げます。
 七九ページをお開き願います。収益的収入でございます。
 1の営業収益から八〇ぺージの3の特別利益までは、上屋等の港湾施設の使用料等でございます。
 収益的収入の提案額合計は、八〇ぺージの最下段に記載のとおり、七十七億八千五百万円でございます。
 八一ページをごらん願います。収益的支出でございます。
 1の営業費用から八二ぺージの3の特別損失までは、上屋等の港湾施設の管理運営経費や企業債の利子等でございます。
 収益的支出の提案額合計は、八二ぺージの最下段に記載のとおり、五十四億五千百万円でございます。
 次に、資本的収入及び支出についてご説明申し上げます。
 八五ページをお開き願います。資本的収入でございます。
 1の雑収入は、工事負担金収入等でございます。
 資本的収入の提案額は、最下段に記載のとおり、一億二千三百万円でございます。
 八六ページをお開き願います。資本的支出でございます。
 1の建設改良事業は、品川ふ頭バンプール整備等を行うものでございます。
 八七ページをごらん願います。2の企業債費は、企業債の元金償還金でございます。
 以上、資本的支出の提案額合計は、最下段に記載のとおり、二十一億四千九百万円でございます。
 次に、一時借入金限度額等についてご説明申し上げます。
 九一ぺージの一時借入金限度額及び九二ぺージの棚卸資産購入限度額については、記載のとおりでございます。
 以上で、平成十八年度当初予算案についてのご説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、平成十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料3、平成十七年度補正予算説明書をごらん願いたいと存じます。
 一ページをお開き願います。当局所管会計の予算総括表でございますが、先ほど局長がご説明申し上げましたので、省略させていただきます。
 まず、一般会計から順にご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 今回の補正予算案に計上しておりますのは、2の島しょ等港湾整備事業でございまして、補正提案額の合計は、最下段に記載のとおり、二億二千三百七万余円でございます。
 歳出についてご説明申し上げます。
 九ページをお開き願います。島しょ等港湾整備事業でございます。
 1の離島航路・航空路補助事業は、説明欄に記載のとおり、航路事業者等に対して補助を行うものでございます。
 引き続きまして、臨海地域開発事業会計についてご説明申し上げます。
 一三ページをお開き願います。総括表でございます。
 今回の補正予算案に計上しております補正提案額の合計は、最下段に記載のとおり、二百八十一億九百五万余円でございます。
 次に、収益的収入及び支出についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一七ページをお開き願います。収益的収入でございます。
 1の営業収益は、臨海副都心地域の土地処分代金でございます。
 収益的収入の提案額合計は、最下段に記載のとおり、九十二億一千二百九十六万余円でございます。
 一八ページをお開き願います。収益的支出でございます。
 1の営業費用及び2の特別損失は、説明欄に記載のとおり、臨海副都心地域の土地処分代金に対する原価費用等でございます。
 収益的支出の提案額合計は、最下段に記載のとおり、二百八十一億九百五万余円でございます。
 次に、資本的収入についてご説明申し上げます。
 二一ページをお開き願います。1の雑収入は、土地交換に伴う差益でございます。
 以上、資本的収入の提案額合計は、最下段に記載のとおり、八億一千九百七十九万余円でございます。
 次に、重要な資産の取得及び処分についてご説明申し上げます。
 二五ページをお開き願います。重要な資産の取得及び処分でございます。
 1の取得する資産でございますが、中央区晴海四丁目ほかの土地につきましては、株式会社東京ビッグサイトの所有地を交換により取得するものでございます。
 2の処分する資産でございますが、港区台場一丁目の土地につきましては、長期に貸し付けを行っている土地の底地を売り払うものでございます。
 江東区有明三丁目ほかの土地は、先ほど申し上げました中央区晴海四丁目ほかの土地と交換により処分するものでございます。
 以上で、平成十八年第一回都議会定例会に提出を予定してございます港湾局関係の案件のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○清水委員 五項目お願いいたします。
 一、臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移について。
 二、臨海副都心開発関連第三セクタービルなどの入居率。
 三、臨海副都心関連予算、決算の推移。
 四、臨海副都心における土地の長期貸し付け及び売却等の推移。
 五、臨海副都心における進出事業者からの地代収入一覧。
 以上です。よろしくお願いします。

○大塚委員長 ただいま清水委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○大塚委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 一七第一八一号、野伏漁港の整備促進事業に関する請願及び一七第七四号、式根島野伏漁港内への桟橋伝え波進入防止対策に関する陳情は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○萩原離島港湾部長 本日ご審査いただきます請願及び陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料4、請願陳情審査説明表をごらんください。
 一ページをお開きいただきたいと思います。本日ご審査いただきますのは、請願一件及び陳情一件でございます。いずれも式根島に関するものでございますことから、二件を一括してご説明させていただきます。
 まず、請願陳情の内容のご説明に入ります前に、その対象となっております式根島野伏漁港の概要につきましてご説明申し上げます。
 別添の資料、式根島野伏漁港案内図をごらんいただきたいと思います。
 式根島は、伊豆諸島の新島村に所在し、東京の南方海上約百六十キロに位置する、人口約六百人の漁業、観光の島でございます。野伏漁港は、式根島の北東側に位置し、漁業活動の拠点港でありますとともに、東京からの定期貨客船や高速船が就航する港として重要な交通基盤施設になっております。
 それでは、初めに、一七第一八一号、野伏漁港の整備促進事業に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開きいただきたいと思います。請願者は、東京都新島村村長職務代理者助役、宮川與五兵衛さん外二十人でございます。
 請願の要旨は、式根島野伏漁港において、高速船の就航率向上、安定化と漁港の機能拡充、保全を図るため、東側防波堤の整備工事を早急に実施していただきたいというものでございます。
 お手元に配布してございます請願一七第一八一号及び陳情一七第七四号説明図もあわせごらんいただきたいと思います。
 現在の状況でございますが、野伏漁港につきましては、大型化した魚類運搬船及び高速船の港内への就航を確保するために、平成十五年度及び十六年度に、説明図で灰色に着色してございます部分、港の入り口を広げる工事をいたしました。
 この工事は、本来、説明図の緑色に着色している部分の東側防波堤の延伸を行ってから実施する予定でございましたが、地元漁業協同組合からの強い要望があり、防波堤の延伸に先だって実施したものでございます。
 その結果、請願にございますように、大幅に利便性が高まり、島民生活の安定と産業や観光の振興に大きく貢献いたしております。
 また、施工に際しましては、同漁港の全利用船主六十一名で構成される船主会から同意書が提出されておりますが、その中で、港内の静穏度を向上させるための東側防波堤の整備が未完成の状態では、波浪の進入が憂慮されるが、港口が狭隘なために魚類運搬船の入港が困難になれば、漁家経営に直接打撃を与えることになり、漁民にとって苦渋の選択ではあるが、港口拡幅工事を早急に実施してほしい旨の要望がされたものでございます。
 野伏漁港の港内静穏度の向上につきましては、静穏度解析の調査により、請願にございますとおり、説明図では右側からの赤い太い矢印でお示ししてございますが、最も影響の大きい東南東の方向からの波浪対策を講じることが重要であるとの結果を得ております。このため、東側に整備中の防波堤を早急に完成させる必要があり、引き続き東側防波堤の延伸工事を進めていきたいと考えております。
 なお、港内の静穏度の状況につきましては、引き続き慎重に把握してまいります。
 次に、請願一七第七四号、式根島野伏漁港内への桟橋伝え波進入防止対策に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 三ページをお開きいただきたいと思います。陳情者は、東京都新島村式根島野伏港利用漁業者代表、杉崎喜好さん外六人でございます。
 陳情の要旨は、一点目が、式根島野伏漁港内への桟橋からの伝え波進入防止対策工事を早急に行っていただきたい、二点目が、都が計画している消波ブロック設置の位置を再検討していただきたいというものでございます。
 お手元に配布してございます請願一七第一八一号及び陳情一七第七四号説明図をあわせごらんいただきたいと思います。
 現在の状況についてでございますが、港口拡幅の経緯につきまして、ただいま請願でご説明したとおりでございますので、省略をさせていただきます。
 港内の静穏度につきまして、陳情では、説明図の真ん中に赤い細い矢印で示しております伝え波が港内に進入すると指摘しております。この伝え波は、一般的には沿い波と呼ばれておりますが、漁港計画におきまして、確立された手法に基づく静穏度解析の調査から、沿い波が生ずる北からの波浪方向では、東側防波堤の延伸後におきましても、静穏度に与える影響はほとんどないという結果を得ております。
 また、陳情では、東側防波堤の延伸は、港内への油輸送船及び小型客船の入港困難や、漁船の航行の妨げとなると指摘しておりますが、防波堤の延伸後も、船舶の入出港に影響のない十分な港口の幅が確保されております。
 さらに、工事完了後から現在までの間、地元漁業協同組合からは、指摘にあるような沿い波による漁船の被害実績報告はなく、沿い波対策についての要望もございません。したがいまして、沿い波対策の実施や東側防波堤の設置位置を再検討する必要はないというふうに考えております。
 次に、陳情では、工事設計及び計画決定前に必ず地元利用者への協議及び事前説明会を開催し、理解を求めた上で工事を行うべきとの指摘がございますが、事業計画につきましては、公告後、縦覧の上、決定しております。また、毎年、年度当初に新島村、漁業協同組合、観光協会等の地元利用者に対しまして、主要事業の説明会を開催しております。さらに、工事の着手段階でも説明会を行い、理解と協力を得て工事を実施しているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、請願一七第一八一号、陳情一七第七四号の説明を終わらせていただきます。ご審査のほどよろしくお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小竹委員 私の方から意見を申し上げておきたいと思います。
 一八一号の請願及び七四号の陳情については、いずれも式根島の野伏漁港の整備にかかわるものです。野伏漁港内での静穏度を求めて関係者から出されたという点では、共通しているというふうに思います。
 港内に入る波を抑えてほしいというのがいずれの要望でもあるというふうに私は考えているわけですけれども、その原因と対策が双方違っているというふうに思われます。漁港の入り口の拡幅工事が行われて、関係者の連名の要請もあったわけですけれども、漁港の入り口の拡幅工事が行われた後、港内に入る波の度合いがひどくなっているということから、こういう要望が出されているというふうに考えられます。
 こういう点からも、先ほどご説明いただいた中には、被害などの申請はないというふうにお答えいただいたんですけれども、実際には関係者の中から、請願の中にもありますように、漁船の被害も出ているというふうなことも聞いています。関係者から十分事情を聞くとともに、協議することが必要であるというふうに考えます。
 今のご説明でいきますと、一八一号の請願が採択されて局の工事計画が進められるというふうに思われますけれども、やはり関係者の方々への納得いく説明と十分な協議を行って、理解を得た上でこの工事が行われるよう、私は強く求めるものです。港湾局の誠意あるご努力をお願いする次第です。
 また、工事完了後も、港内の波がこの工事によって解決しない場合もあり得るというふうに思われますので、そういう点では、港内の静穏度が保たれるよう、引き続き速やかなる対策もその場合には講じていただくよう強く求めて、趣旨採択とさせていただきたいと思います。

○大塚委員長 ほかに発言がなければ、初めに請願一七第一八一号についてお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八一号は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情一七第七四号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第七四号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。

○大塚委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○成田産業労働局長 平成十八年第一回定例会に提出を予定しております産業労働局関係の案件につきましてご説明申し上げます。
 提出いたします案件は、平成十八年度当初予算案五件、条例案六件、事件案一件、合計十二件でございます。
 さて、昨年の都内の経済状況を見ますと、景気の踊り場を脱却し、緩やかに回復しているとの判断が示されており、平成十七年の企業倒産件数も三年連続で前年を下回りました。しかしながら、都内中小企業は国際的な競争にさらされるとともに、原油や鋼材価格の高騰、デフレの長期化などの影響により、いまだ厳しい状況にあり、引き続き積極的な支援が必要であると認識しております。
 また、雇用状況におきましては、昨年九月には都内の完全失業率が五%台から四・五%へと低下し、改善傾向が見られました。しかし、若者の失業率は依然として六%を超える高水準にあります。さらに、団塊の世代が大量退職するいわゆる二〇〇七年問題も間もなく迎えようとしており、対策が急がれております。
 このような状況の中で、平成十八年度当初予算案におきましては、これまで東京に集積された技術力や人材などの経営資源を最大限に生かしながら、社会経済状況の変化や都民ニーズに的確に対応し、東京の産業力の強化を図るための予算を計上いたしました。
 また、人口減少社会における労働力の確保や総合的な花粉症対策のような将来を展望した長期的な課題に取り組むなど、東京の活力を高めていくためのいわばしゅんの施策を強力に推し進めるため、積極的に予算を計上したところでございます。
 お手元の資料1、平成十八年度当初予算案の概要の二ページの予算総括表にございますように、当初予算の総額でございますが、一般会計二千四百八十八億二千九百万円、中小企業設備導入等資金会計など四つの特別会計合計で六十四億八千九百万円、合計二千五百五十三億一千八百万円でございます。
 このほか、繰越明許費十七億九千九百万円、債務負担行為十一億二千八百万余円を計上しております。
 一般会計の主な対策別内訳は、中小企業対策二千六十三億九千三百万余円、観光産業振興対策十七億三千九百万円、農林水産対策百五十四億五千四百万余円、雇用就業対策百十四億四千四百万余円でございます。
 続きまして、一般会計の主な内容につきましてご説明申し上げます。
 まず、中小企業対策でございますが、東京に集積されたさまざまな資源を活用するとともに、区部、多摩、それぞれの地域が持つ強みを生かした中小企業の支援体制の強化を図るため、産業支援体制の再整備を行います。
 区部におきましては、産業技術研究所の技術支援の高度化と運営の弾力化を目指し、同研究所を地方独立行政法人に移行させるとともに、支援拠点の整備を含むハード、ソフトの両面の充実を図ってまいります。また、多摩地域における経営、技術の支援体制の充実に向け、新たな産業支援拠点の整備を進めてまいります。
 地域のまちづくりや活性化に重要な役割を果たしている商店街の振興につきましては、新・元気を出せ商店街事業の充実を図り、商店街の意欲的な取り組みを支援してまいります。
 また、中小企業制度融資につきましては、十八年度の融資目標を十七年度と同額の一兆七千五百億円とし、引き続き中小企業への金融支援を実施してまいります。
 次に、観光産業振興対策でございますが、昨年十一月の中間のまとめを踏まえ、この十四日に公表いたしました東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想の実現に向けまして、人々が集い、にぎわいあふれる交流空間の創出、多様で魅力ある舟運ネットワークの実現、美しく潤いある水辺空間の形成、だれもが親しめる水との触れ合いの場の創造の四つの視点から、港湾局、建設局等と連携をとり、東京の魅力を高める取り組みを実施してまいります。
 産業労働局におきましては、観光振興の観点から、水辺を中心に江戸以来の歴史的観光資源が集積する浅草・両国における海外からの観光客の誘致を促進する取り組みを支援してまいります。
 また、帰島が実現した三宅島の早期復興に向けた観光産業の支援を初めとして、多摩・島しょの自然や特性を生かした観光の振興を図ってまいります。
 次に、農林水産対策でございます。
 都民に新鮮で安全な農作物を供給する都市農業を魅力的な産業として育成するとともに、都民共通の財産である農地を保全するため、東京の農業を支える意欲的な担い手による創意工夫ある取り組みを支援してまいります。加えて、新たな担い手と農地のマッチングなど、都市における農地の活用と後継者の育成を推進してまいります。
 また、都民はもとより、全国的に被害をもたらしている花粉症に対応するため、昨年十一月に設立した東京都花粉症対策本部において総合的な対策を全庁的に進めてまいります。産業労働局におきましては、花粉症の抜本的な対策として、適切な管理が行われず放置された杉林などを本格的に伐採し、花粉の少ない杉等に植えかえるなど、花粉の発生量を削減してまいります。
 さらに、この取り組みは東京都だけでは効果を上げることが困難であります。国を初め、八都県市、区市町村と連携いたしまして、都民、国民運動として事業を推進してまいります。
 次に、雇用就業対策でございますが、仕事に関するさまざまな相談や職業紹介などをワンストップで行う東京しごとセンターにおける事業の一層の充実とサービス向上を図り、雇用のミスマッチの解消に向けて努力してまいります。
 また、フリーターやいわゆるニートと呼ばれる若者の増加など、近年社会問題化しております若年者の就業を支援するために、就業における基礎的な能力に重点を置いた職業訓練の実施や職人塾等による職業体験機会を提供するほか、東京都若年者就業推進会議において全庁的な取り組みを実施するとともに、企業やNPO等とも連携協力いたしまして、仕事を通じた若者の自立を促す取り組みを総合的に実施してまいります。
 続きまして、一般会計に係る繰越明許費及び債務負担行為につきましてご説明申し上げます。
 繰越明許費は農林災害復旧事業等二件、債務負担行為は災害復旧資金融資等利子補給など十二件を計上しております。
 次に、特別会計につきましてご説明申し上げます。
 中小企業設備導入等資金会計など当局所管の四つの特別会計におきまして、中小企業などに対して資金の貸し付けを行うもので、四つの会計で合計六十四億八千九百万余円の経費を計上いたしました。
 引き続きまして、条例案につきましてご説明申し上げます。
 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例など六件の条例案をご提案申し上げております。内訳は、新設一件、一部改正五件となっております。
 次に、事件案につきましてご説明申し上げます。
 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター中期目標についてご提案申し上げております。
 以上で、第一回定例会に提出を予定しております案件のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 なお、詳細につきましては、引き続きまして総務部長からご説明申し上げます。よろしくお願いいたします。

○菊地総務部長 それでは、今回提案を予定しております産業労働局所管の案件につきまして、お手元の配布資料に基づきご説明申し上げます。
 まず初めに、資料1の当局所管の平成十八年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。事項が多岐にわたりますので、主な内容につきまして、また金額につきましては百万円未満を切り捨てさせていただきます。
 では、二ページをお開き願います。予算の総括表でございます。
 先ほど局長よりご説明申し上げましたとおり、当局所管の一般会計と四つの特別会計の歳出合計は、左下の歳出合計の欄にありますとおり二千五百五十三億一千八百万円となっております。
 そのうち、一般会計は二千四百八十八億二千九百万円で、前年度予算に比べまして二十二億九千三百万円の減となっております。
 それでは、五ページをお開きください。一般会計の歳出予算でございます。
 第Ⅰは、中小企業対策で、二千六十三億九千三百万円を計上し、前年度予算に比べまして三十一億九千万円の減となっております。
 1の経営革新支援は、二億六千五百万円を計上し、右側に掲げました概要欄1の中小企業事業革新支援等事業により、中小企業の新規事業への取り組みを支援するほか、2の中小企業物流効率化推進事業で地区物流の効率化に向けた新たな取り組みを支援いたします。
 2の経営安定支援は、二十九億六千三百万円を計上し、(1)の小規模企業対策により、商工会等が行う経営相談指導等に対し補助を行います。
 次に、六ページをお願いいたします。3の販路開拓支援は、六十八億二千八百万円を計上し、海外展開を目指す中小企業の支援や海外企業の積極的な誘致と定着促進を図るなど、中小企業のビジネスチャンスの拡大による活性化を図ってまいります。
 次に、七ページでございます。4のネットワークづくり支援は、三億二千万円を計上し、産学公連携を推進し、中小企業のネットワークづくりを支援してまいります。
 5の技術支援では、十五億五千百万円を計上し、八ページの(4)でございますが、知的財産活用への支援を行うほか、(5)のデザインを戦略的に活用するための人材の育成や(6)の中小企業事業化支援ファンドの創設により、中小企業の研究開発から事業化までの継続的な支援などを実施してまいります。
 次に、九ページでございます。6の創業支援は、八億二千二百万円を計上し、創業期の企業にオフィスを提供するとともに、区市町村が行うベンチャー施設等の整備に要する経費に対し補助を行います。
 次に、一〇ページをお開き願います。7の地域工業の活性化は、一億一千五百万円を計上し、概要1にございますとおり、ものづくり新集積形成事業では、共同事業に取り組もうとする中小企業グループを支援し、ものづくりの新しい産業集積をつくり出します。
 8の地域商業の活性化は、二十六億百万円を計上し、新・元気を出せ商店街事業などにより、魅力ある商店街づくりを支援してまいります。
 次に、飛びまして一二ページでございます。11の金融支援は、千八百三十二億八千三百万円を計上し、(1)の中小企業制度融資では、融資目標額を十七年度と同額の一兆七千五百億円に設定し、これに必要な預託原資として一千七百億円を計上いたしました。
 次に、一五ページをお開き願います。第Ⅱは観光産業の振興で、十七億三千九百万円を計上し、前年度予算に比べまして六千四百万円の減となっております。
 (2)観光資源の開発の概要の2、観光まちづくりでは、隅田川や運河など水辺の観光資源が集積する浅草・両国地域における広域的な観光まちづくり推進組織を支援し、観光交流拠点の整備などを推進してまいります。
 次に、飛びまして一七ページをお開き願います。第Ⅲは農林水産対策で、百五十四億五千四百万円を計上し、前年度予算に比べまして三十一億五千九百万円の増となっております。
 次の一八ページでございます。(3)の食の安全・安心の確保でございますが、概要の5にございます食育の推進では、健全な食生活を実践することができる人を育てる食育の必要性の高まりを受け、地域の食育の核となる人材の育成や生産体験学習の推進など、各局と連携した食育事業を進めてまいります。
 次に、二〇ページの(4)の農業経営の安定でございますが、概要の2、魅力ある都市農業育成対策では、意欲的な担い手農業者を育成し、魅力ある都市農業の実現を目指します。
 飛びまして、二二ページをお開き願います。2の林業経営の安定では、四十九億三千九百万円を計上してございます。
 (2)の森林づくりの推進でございますが、造林事業、林道事業及び治山事業を進めてまいります。また、飛びまして二三ページの概要の7でございますが、スギ花粉発生源対策では、この事業を強力に推進するための仕組みとして、東京都農林水産振興財団に基金を設置し、事業を推進してまいります。
 次に、二五ページをお開き願いたいと思います。3の水産業経営の安定では、十七億三百万円を計上してございます。
 (1)の漁業資源の管理でございますが、概要の7、漁場の荒廃、海の異変対策では、サメ被害対策や三宅島の荒廃した漁場を復興させるための調査や対策を行うものでございます。
 次の二六ページでございますが、(2)の漁業生産流通基盤の整備につきましては、漁業施設の整備や水産資源の確保などを行うものでございます。また、三宅島の漁業復興のため、アカハタの放流を実施いたします。
 次に、二七ページをお開きください。5の農林災害復旧は、三十億五千四百万円を計上し、三宅島などで被災した農地、森林、漁場等の復旧を行ってまいります。
 次に、二八ページをお願いいたします。6の小笠原諸島の振興では、十七億九千万円を計上し、農道、漁業施設などの整備を進めてまいります。また、概要の3、沖ノ鳥島漁業操業支援対策では、今年度より実施している漁業操業支援、調査等に加えまして、沖ノ鳥島海域までを稼働範囲とする調査指導船の建造に要する経費を計上しております。
 次に、二九ページをお開き願います。第【4】は雇用就業対策で、百十四億四千四百万円を計上し、前年度予算に比べまして一億五千百万円の減となっております。
 1の雇用・就業の促進は、四十一億六千七百万円を計上してございます。
 次に、三二ページをお開き願います。2の適正な労働環境の確保では、十七億七千二百万円を計上してございます。
 (1)の労働条件の改善・向上でございますが、労働教育や男女雇用平等の環境づくり、非正規労働者の雇用環境整備などを推進するとともに、概要の6、労働相談・指導では、都内六カ所の労働相談情報センターにおいて幅広い対応策を実施してまいります。
 次に、三五ページをお開き願います。3の職業能力の開発・向上では、五十五億四百万円を計上してございます。
 (1)の公共職業訓練の推進でございますが、平成十八年度は、技術専門校十六校におきまして、年間定員二万五千四百二十八人の規模で職業訓練を実施するほか、民間教育機関を活用した再就職促進等委託訓練を二千三百三十人の規模で実施してまいります。
 次に、三六ページをお開きください。(2)の民間における職業能力開発の促進でございますが、東京都職業能力開発協会において、延べ二万三千四十人に技能検定を実施いたします。
 次に、飛びまして三八ページをお開き願います。【6】は人件費等で、職員千三百十八人、百三十七億六千六百万円を計上してございます。
 以上が歳出予算の概要でございます。
 続きまして、三九ページをお開き願います。2、繰越明許費につきましては、林道整備及び治山事業として一億三千八百万円、農林災害復旧として十六億六千百万円の合わせて十七億九千九百万円を計上してございます。
 次に、四〇ページをお開き願います。3の債務負担行為につきましては、債務負担行為のI及びⅡを合わせまして、災害復旧資金融資等利子補給など合計十二件、十一億二千八百万円を計上してございます。
 恐れ入ります、四二ページをお開き願います。当局が所管いたします四つの特別会計につきましてご説明申し上げます。
 まず、1の中小企業設備導入等資金会計では、高度化資金の貸し付けなど六十二億四千九百万円を計上し、2の農業改良資金助成会計では、農業改良資金の貸し付けなど一億四千万円を計上してございます。
 次に、四三ページをお開き願います。3の林業・木材産業改善資金助成会計では、機械、施設の改良及び購入資金の貸し付けなど五千二百万円を計上し、4の沿岸漁業改善資金助成会計では、経営等改善資金の貸し付けなど四千八百万円を計上してございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の資料3、条例案の概要をごらんください。
 一ページをお開き願います。第一は、東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例案は、採石法及び砂利採取法に基づく事務に係る手数料の額を改定するものでございます。表にございますとおり、二の採石法に基づく事務では、イ、採石業者登録申請手数料のほかに三件の額を、また三の砂利採取法に基づく事務では、イ、砂利採取業者登録申請手数料のほかに四件の額を改めるものでございます。
 二ページをお開き願います。第二は、通訳案内業法関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例案は、通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律の施行による通訳案内業法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 改正内容といたしましては、条例の題名及び第一条中の法律の名称並びに第二条関係の別表を改めるものでございます。
 次に、三ページをお開き願います。第三は、東京都離島漁業再生支援基金条例案でございます。
 この条例案は、国が都に交付する離島漁業再生支援交付金により、漁場の生産力の向上に関する取り組み等への支援を通じて、離島における水産業及び漁村の再生を図るため、基金を設けるものでございます。
 条例の内容といたしましては、第一条に設置、第二条に積立額、第三条に管理などについて規定しております。
 なお、附則にございますとおり、この条例の効力は平成二十二年三月三十一日限りとなっております。
 次に、四ページをお開き願います。第四は、東京都植物防疫施設に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例案は、病害虫防除員に関する規定を削除するものでございます。
 これまで病害虫防除員は、主に農作物の有害動植物の発生予察事業を行ってまいりましたが、今後は、都、区市町村、農協等の関係機関と連携した防除情報ネットワークによりまして、病害虫にかかわる情報の同時配信等を実施してまいります。
 次に、五ページをお開き願います。第五は、東京都立技術専門校条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例案は、東京都立技術専門校における能力開発訓練のうち、一、二年の普通課程の訓練の入校選考料及び授業料に係る規定を定めるものでございます。
 主な改正内容といたしましては、2の表にございますとおり、今まで無料でございました能力開発訓練の普通課程について、新たに入校選考料千七百円と授業料年額十一万五千二百円を徴収するものでございます。
 なお、普通課程を除く短期課程及び障害者訓練につきましては、従来どおり無料となっております。
 また、3の表にございますとおり、授業料につきましては、減額、免除に加えまして、新たに徴収の猶予を定めるものでございます。
 さらに、附則には、条例の施行日や改正後の条例第五条第一項に規定する入校選考料及び授業料の適用などについて定めております。
 次に、六ページをお開き願います。第6は、東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例案は、特別職の報酬等の改定に伴いまして、東京海区漁業調整委員会委員及び東京都内水面漁場管理委員会委員の報酬の額を改定するほか、規定を整備するものでございます。
 改正内容の主なものといたしましては、1の表にございますように、委員報酬の額について、会長が日額二万九千三百円を二万八千六百円に改めるなどでございます。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。お手元の資料5、事件案の概要をごらんください。
 1ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの中期目標についてご説明申し上げます。
 地方独立行政法人法第二十五条の規定により、設立団体の長である知事が法人に対しまして中期目標を示し、法人はこの中期目標に基づき中期計画を作成し、計画的に業務を遂行していく仕組みになっております。
 本日ご説明申し上げますのは、本年四月に設立予定の地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターに対して知事が指示することになります中期目標の案でございます。
 中期目標の構成といたしましては、地方独立行政法人法第二十五第二項の規定に基づき、1、中期目標の期間、2、住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項等を記載しなければならないことになっております。
 内容でございますが、まず初めに、中期目標の基本的考え方として、研究センターが行うべき方向性を示しております。
 1の中期目標の期間でございますが、平成十八年四月一日から平成二十三年三月三十一日までの五年間としてございます。
 次に、2の住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項には、(1)、新製品・新技術開発や新規事業分野への展開のための事業化支援の推進、(2)、試験研究設備と専門的知識等を活用した技術協力の推進、(3)、東京の産業の発展と成長を支える研究開発の計画的な実施、(4)、研究成果の普及と技術移転の推進及び(5)、情報セキュリティー管理と情報公開について掲げてございます。
 3の業務運営の改善及び効率化に関する事項につきましては、組織体制及び運営に関する事項、及び業務運営の効率化と経費節減について掲げてございます。
 4の財務内容の改善に関する事項では、資産の適正な管理運用及び剰余金の適切な活用について掲げてございます。
 最後のその他業務運営に関する重要事項では、施設設備の整備と活用、職場の安全管理、法人の社会的責任について掲げてございます。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○小竹委員 産業労働局関係で十九件の資料をお願いします。
 第一番目は、信用保証協会の債権回収株式会社への救償権委託と回収状況について。
 第二番目に、貸金業者にかかわる苦情相談件数等の推移。
 第三番目に、中小企業制度融資の実績の推移。
 第四番目に、新銀行東京の中間決算、融資、保証の実績。
 五番目に、都内製造業の規模別、地区別推移について。
 六番目、中小企業の倒産件数を業種別、規模別にお願いします。
 七番目として、都内小規模小売店の推移。
 八番目、大規模小売店舗立地法に基づく各種届け出状況の推移。
 九番目、都内小売業の売り場面積と、それに占める大規模小売店舗の売り場面積。
 十番目として、区市町村の商店街振興施策の状況について。
 十一番目、まちづくり三法見直しの状況について。
 十二番目、都の商店街振興施策の利用状況。
 十三、過去五年間の雇用情勢。
 十四、都における雇用形態別の人数と推移。
 十五、都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率。
 十六、労働相談情報センターの相談件数と職員数、あっせん件数、解決数、出張労働相談について。
 十七、相談件数の推移。
 十八、労働対策予算の推移。
 十九、都内の障害者雇用率の推移について。
 以上十九件、お願いします。

○大塚委員長 ただいま小竹委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○大塚委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中井商工部長 お手元の資料6をごらんいただきたいと存じます。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにおける料金の上限についてご説明申し上げます。
 地方独立行政法人法第二十三条の規定によりまして、法人が料金を徴収する場合には、あらかじめ法人がその上限額を定め、設立団体の長である知事の認可を受ける必要がございます。また、知事が認可をする際には、あらかじめ議会の議決をいただく必要がございます。
 上限額の設定方法については、資料左側の表中、上限額設定方法の欄をごらんいただきたいと思います。
 新法人移行後の料金の考え方でございますが、資料の右側にございますように、依頼試験料及び機器使用料について改めて原価計算をし直すとともに、中小企業料金とそれ以外の利用者に適用する一般料金の二つの料金体系を設定いたします。
 中小企業料金の内容ですが、新原価が現行料金の二倍を上回る場合には値上げをいたします。新料金は原則として新原価の二分の一としますが、激変緩和措置を設けるとともに、新料金は現行料金の一・五倍を限度といたします。新原価が現行料金の〇・九倍以上二倍以内の場合は、現行料金に据え置きといたします。新原価が現行料金の〇・九倍を下回る場合は、新原価まで値下げを実施いたします。
 なお、一般料金の場合など詳細につきましては、お手元の資料を後ほどごらんいただければと存じます。
 今後のスケジュールについてでございますが、法人設立時から料金を徴収する必要がございますことから、料金の上限につきましては、四月一日付で法人より提出される認可申請に対し、同日付で議会の議決にかわる知事の専決処分を行わせていただきたいと考えております。当該専決処分につきましては、第二回定例会におきましてご報告し、ご承認を賜りたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○大塚委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。

○大塚委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、一七第六七号、全国四百十七万人のフリーターが手に仕事を持つための職業訓練学校設立に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松本雇用就業部長 お手元の資料7、請願陳情審査説明表の二ページをお開きください。一七第六七号の全国四百十七万人のフリーターが手に仕事を持つための職業訓練学校設立に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、東京都中野区の千葉幹雄さんでございます。
 本陳情の趣旨でございますが、都において統廃合した職業訓練学校を復活し、さらに新設していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、技術専門校につきましては、校の改築等による大規模化と中小規模校の集約という方針に基づきまして再編整備を実施してまいりました。現在は、分校を含めまして、都立技術専門校十五校と国立都営の東京障害者職業能力開発校におきまして、職業能力開発のための施策を展開してございます。
 公共職業訓練の実施に当たりましては、常時、企業や社会ニーズに適合した訓練科目の見直し、開発を行うとともに、民間教育機関を活用した委託訓練により、必要な訓練規模の確保や多様な受講機会の提供に努めているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 二、三質問させていただきます。
 技術専門校という、この陳情者は職業訓練校という名称を使っているようですが、多分これは技術専門校という名称の方が正しいというような話もございましたので、そういう言葉で質問させていただきます。
 まず最初に、現在の技術専門校の施設における求職者の訓練と定員、応募状況、就業率についてお答えください。

○松本雇用就業部長 都立技術専門校及び東京障害者職業能力開発校の施設内での求職者訓練の実績でございますけれども、平成十六年で申し上げますと、募集定員六千九百八十名に対しまして応募者一万四千十名、修了生の就職率は約七五%となってございます。

○原田委員 現在で定員数の倍以上、応募者があるというような現状だと思いますが、陳情者がおっしゃっている技術専門校の統廃合に関して、なぜ統廃合するに至ったかというような経緯等をご説明いただければと思います。

○松本雇用就業部長 都立技術専門校につきましては、時代のニーズを踏まえ、産業構造の変化や技術革新に対応した実践的な職業訓練を効果的に展開するため、大規模化を図るとともに中小規模校を集約するという方針に基づきまして、老朽化した校の改築等を契機として再編整備を進めてまいりました。
 平成十年度には十八校一分校であったものが、技術専門校の再編整備を経まして、平成十七年度は十四校二分校の体制となっておりますけれども、民間教育機関等を活用した委託訓練を合わせた求職者訓練の年間定員では、平成十年度七千八百八十三名であったものが、平成十七年度は九千四百八名と、平成十年度を大幅に上回る規模となってございます。

○原田委員 統廃合後の民間機構等を利用した委託訓練で随分ニーズを吸収していったというようなお話だと思いますけれども、絶対数が足りないというような現状は否めないとは思います。
 それで、技術専門校以外の職業訓練の場ということでいえば、東京都内ではどんな選択肢があるのでしょうか、現在の話を聞かせてください。

○松本雇用就業部長 まず、都内で行われております公共職業訓練といたしましては、私ども都の技術専門校のほか、独立行政法人雇用能力開発機構が施設内訓練約一千四百名、委託訓練約一万五百名の規模で実施してございます。
 さらに、民間教育機関で学ぶ都民も多く、都内の専修学校、各種学校では、コンピューター関連、簿記、理美容、調理、自動車整備など幅広い分野で科目を展開し、生徒数は約二十二万人となってございます。このほか、資格取得やスキルアップのための各種講座などもございまして、このように教育訓練のための機会が豊富に存在していることが東京の特色となってございます。

○原田委員 東京都内では、確かにさまざまな民間教育機関が存在するということなんですけれども、東京都の事業として民間教育機関を活用して委託訓練を行っている、その実施内容についてお伺いしたいと思います。

○松本雇用就業部長 都におきましては、さまざまな民間教育機関が存在する東京の特色を生かしまして、民間のノウハウを十二分に活用して委託訓練を実施してございます。
 委託訓練の内容といたしましては、離転職者を対象とした三カ月訓練を中心に、若年者を対象として職場実習を組み合わせたデュアル訓練や、障害者の個々の特性に応じた訓練、さらに母子家庭の母を対象とした訓練など多様な選択肢を用意し、都民ニーズや環境変化に的確かつ柔軟に対応しているところでございます。

○原田委員 職業訓練等に関しては、多様な選択肢があるということはございますが、東京都の課題としてはまだまだいろいろあると思いますので、ちょっと意見討論させていただきます。
 全国四百十七万人のフリーターが手に仕事を持つための職業訓練学校設立に関する陳情に対し、不採択の立場で意見討論させてください。
 四百万人以上といわれるフリーター、約百万人といわれる無職の若者たち、この対策は、単に若者個人の問題にとどまらず、これからの社会を安定したものにするためにも大変重要な課題です。その上、働いているとはいえ、派遣やパートなど不安定な身分では、結婚どころか子供も産めない状況を招いており、少子化対策は、就業とともに未来を描けるような収入確保も大事な要素であると考えております。
 この陳情者は、もっと高収入を得るために若者に技術を習得してもらうことが大事だとしておりまして、その役割を技術専門校に求め、過去において統廃合した学校の復活とさらなる新設を要望するものです。若者の現状を憂い、何とかしたいという思いは大変共鳴するものです。そして、確かに技術習得のために技術専門校の持つ役割も大きいものと評価いたします。
 しかし、東京都は、技術専門校の統廃合後の対応として、各種専門学校が主体となる民間教育訓練機関に委託してさまざまな委託訓練を実施し、母子家庭の母を対象とした訓練など内容も多様になり、使い勝手もさらに向上したものと思われます。研修期間の長さによって利用者の就業率に若干の差があるものの、今後の展開に期待するものです。
 また、陳情者の意として、アニメーション、ゲームソフト開発分野の人材育成については、大変専門的な分野ということもあって、民間の専門学校の分野と整理するのが妥当と考えます。授業料などへの対策として奨学金制度の拡充が課題ではありますが、さらなる職種の広がりや、その技術習得のための設備、講師の確保などを考えると、この分野こそ民間の機関と連携し、進めていくことが賢明な選択です。
 なお、今後は、民間訓練の就業率のさらなる向上や受け皿づくりの拡大、若者の就業対策全体の強化が求められていると考えております。
 以上、この陳情では不採択という立場で意見討論をさせていただきました。

○大塚委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本決は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第六七号は不採択と決定いたしました。

○大塚委員長 次に、一七第六八号、人財銀行設立に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松本雇用就業部長 お手元の資料7、請願陳情審査説明表の三ページをお開きいただきたいと思います。一七第六八号の人財銀行設立に関する陳情についてご説明を申し上げます。
 陳情者は、東京都中野区の千葉幹雄さんでございます。
 本陳情の趣旨でございますが、都において人財銀行を設立していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、団塊の世代の大量退職を控え、高齢者の就業を促進するとともに、これまで培ってきた知識と経験を生かすため、都においては、東京しごとセンターで実施する職業相談、職業紹介、都立技術専門校で実施する高齢者向け職業訓練等のほか、区市町村レベルで実施しているアクティブシニア就業支援センター及びシルバー人材センターを支援しております。
 なお、国においては、東京人材銀行を設立し、中高年の実務経験者を対象とした求人求職情報の提供、職業紹介を実施しております。
 また、本件陳情の趣旨でございます登録型人材派遣事業の実施につきましては、人材派遣会社が高齢者に特化した部門を設置するなど、民間部門において事業拡大が進みつつあるところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○大塚委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 人財銀行に関する陳情に対し、不採択の立場で意見討論させていただきます。
 陳情者の願意は、団塊の世代が地域に帰ってくる状況の中で、この人材を再び社会で活用してもらうために東京都で人材登録してもらい、人材派遣業を公で行うという提案です。
 現在、人材登録という点では、民間のさまざまな業界で行われています。業者と働き手のニーズがマッチし、雇用につながると成功報酬として手数料を取るという仕組みが多いようです。
 また、一方の国の流れとしては、平成十四年に経済財政運営と構造改革に関する基本方針の中で、経済雇用環境整備事業を策定し、中小ベンチャー企業の人材不足を解消するため、大企業を退職した意欲のある有能なOB人材を発掘、データベースに登録し、活用していくことがスタートしています。
 また、岡山県では、定年後の再就職を希望する団塊の世代の人材情報を集め、データベースを構築しているようです。Uターン希望者の再就職や団塊の世代の経験に期待する中小企業の求人活動を支援し、県内での再就職を多く実現させようというようなねらいのようです。
 このような社会資源としての人材を有効に活用していくという流れは、民間、公を問わず、確実に広がっていると考えています。しかし、この登録による人材派遣業は、公の仕事としては範囲を超えていると考えています。
 陳情者のご提案は、これからの労働の資質の向上、労働力の有効利用のための試みとしては示唆に富んでいると思います。はっきりした目的があれば、人材銀行の公での設立はおもしろい試みになると思います。これからの少子高齢化社会は、みんながそれぞれの能力に応じて働き、税金を納め、社会を支えていかなければなりません。能力とニーズをマッチさせる事業は、これからの大きな社会的課題だと考えております。
 以上、この陳情に対して、いろいろな課題があるということですが、不採択の立場としての意見討論をさせていただきました。

○大塚委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第六八号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十五分散会

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